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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

日本精線

Nippon Seisen Co., Ltd.5659 · Prime · 鉄鋼

ステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン)の専業メーカー。大同特殊鋼グループの一員。

概要

日本精線は1951年設立の特殊鋼線材専門メーカーである。大阪市に本社を置き、ステンレス鋼線、金属繊維(ナスロン®)、ダイヤモンド工具を製造・販売する。2026年3月期の連結売上高は466億円、従業員数815名。自動車、産業機械、建設機械向けを中心に、超微細線や耐熱合金線などの高付加価値品の開発に強みを持つ。株式は東京証券取引所プライム市場に上場(1962年)。大同特殊鋼を親会社とする。

伸線加工事業を中核とする3セグメント体制

日本精線グループは、日本・タイ・中国・韓国の生産拠点で構成される。セグメントは日本、タイ、中国・韓国の3つに区分される。日本セグメントはステンレス鋼線、金属繊維(ナスロン®)、ダイヤモンド工具の製造販売を担い、2025年度の売上高は415億円と全体の約9割を占める。タイのTHAI SEISEN CO.,LTD.はステンレス鋼線を生産し、中国の耐素龍精密濾機(常熟)はナスロンフィルター、韓国ナスロンは販売支援を担当する。原材料は親会社の大同特殊鋼が主要供給元である。

2025年度の業績と変動要因

2026年3月期の連結売上高は466億円(前期比0.3%減)、営業利益31億円(同32.8%減)、純利益21億円(同33.9%減)であった。減益の主因は、太陽光発電パネル向けステンレス極細線の需要低迷である。一方、金属繊維(ナスロン)部門は半導体向け超精密ガスフィルターが堅調に推移した。中国の連結子会社(大同不銹鋼大連)は2025年11月に解散し、清算手続き中である。総資産567億円、自己資本比率75.4%と財務基盤は安定している。

中期経営計画とサステナビリティ目標

2024年4月より中期経営計画「NSG26」(最終年度2027年3月期)を開始した。目標は売上高500億円、経常利益52億円、ROE8%以上、配当性向50%程度。同時に2030年までにCO2排出量を2013年度比30%削減し、2050年カーボンニュートラルを目指す。高機能・独自製品の開発深化、生産基盤強化、水素回収技術の深化、ESG経営を基本方針としている。

業界の中での役割は特殊鋼伸線加工メーカー、金属繊維メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
466億円
営業利益
31億円
営業利益率
6.7%
純利益
21億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
日本413億円88.8%28億円6.8%
タイ39億円8.4%1億円2.6%
中国・韓国13億円2.8%2億円15.4%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01伸線加工主力

ステンレス鋼線の製造販売。当社、タイ子会社、中国子会社が製造。大同特殊鋼が原材料の主要供給元。また、ダイヤモンド工具も製造販売。

主な製品・サービス3
ステンレス鋼線
さまざまな用途向けに製造されるステンレス製の線材。ばね、ワイヤーロープ、メッシュ等に加工される。
ダイヤモンド工具
ダイヤモンドを利用した切断・研磨工具。当社およびタイ子会社で製造。
金属繊維(ナスロン)
極細のステンレス繊維。フィルター、導電性布地、耐熱材等に使用。当社および中国子会社で製造。

製品と技術

ステンレス鋼線 – ばねから極細まで多様なラインアップ

ステンレス鋼線は日本精線の主力製品であり、ばね用、ねじ用、金網用などに加工される。ばね用材は高強度・高耐熱・超非磁性などの要求に応じたオーダーメイド品を提供。特に線径100μm未満の極細線は7μmまで細径化されており、太陽光発電パネルのスクリーン印刷や電子部品の製造プロセスで使用される。医療機器や水素社会向けの素材としても期待されている。

金属繊維(ナスロン®)と超精密ガスフィルター

ナスロン®は日本精線が独自開発したステンレス鋼繊維で、線径1~50μmと極細でありながら金属の特性を保持する。ニットやフェルト状に加工可能で、高強度・高耐熱・耐食性に優れる。これを応用した超精密ガスフィルター(NASclean®)は、半導体・フラットパネルディスプレイ・太陽電池パネルの製造工程で使用されるガスの濾過に用いられ、データ処理の高速化や省電力化に貢献する。

ダイヤモンド工具と周辺事業

ダイヤモンド工具は当社およびタイ子会社で製造販売される。切断・研磨用途に使用され、材料は当社がタイ子会社に供給し、製品は当社が仕入れて販売する。また、金属繊維フィルター関連では、韓国ナスロンが販売支援を行っている。なお、ダイヤモンド工具は伸線加工事業の一環として位置づけられているが、売上高に占める割合はステンレス鋼線やナスロンに比べ小さい。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

鉄鋼のなかでの位置

精密ステンレス鋼線で国内トップクラスの専業メーカー

当社はステンレス鋼線材・線製品の専業メーカーで、特に精密・細線分野で高いシェアを持つ。鉄鋼大手の日本製鉄やJFEホールディングスは鋼材全般を手掛けるのに対し、当社は線材に特化し、自動車・電子部品向けに強みを発揮。合同製鐵も線材を扱うが、製品構成が異なる。最近の業績は増収傾向だが、営業利益率は10%前後とやや低めで、原材料価格変動の影響を受けやすい。業界内ではニッチ領域での競争優位がある。

強み

  • 極細のステンレス鋼線の製造技術に優れ、電子部品や医療機器向けで競争力が高い。
  • 自動車・電子部品メーカーとの取引が長く、安定した需要基盤を有する。
  • 厳格な品質管理システムを導入し、高い歩留まりと信頼性を実現。
  • 顧客ニーズに細かく対応可能なフレキシブルな生産体制を持っている。

課題

  • ニッケルなどステンレス原料の価格変動が収益を圧迫するリスクがある。
  • 国内鉄鋼市場は縮傾向にあり、需要の拡大が見込みにくい。
  • 日本製鉄など大手が同分野に参入した場合、価格競争が激化する可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属・ガラスの時価総額近傍。太字が日本精線

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15410合同製鐵530億円5.6倍
25445東京鐵鋼523億円6.5倍
35541大平洋金属504億円17.6倍
45976高周波熱錬492億円37.8倍
55757CKサンエツ455億円11.9倍
65659日本精線436億円19.9倍
75408中山製鋼所402億円14.0倍
85632三菱製鋼370億円11.7倍
95902ホッカンホールディングス362億円10.1倍
105357ヨータイ347億円13.2倍
117952河合楽器製作所318億円26.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(金属・ガラス)に従っています。

会社の歴史

沿革 24件

三信特殊線工業から日本精線へ(1951-1962)

1951年6月、大阪市旭区に三信特殊線工業株式会社として創業。ステンレス鋼線の製造を目的とした。1953年に日本冶金工業の資本参加を得て系列化。1956年10月、商号を日本精線株式会社と改称し、本社を大阪市北区の新阪神ビルに移転。1962年3月には東京・大阪両証券取引所市場第二部に株式を上場し、同年5月に枚方工場を完成させて操業を開始した。

枚方工場を拠点に生産体制を強化(1962-1988)

1962年に枚方工場が稼働後、1969年には本社を同じ枚方市内に移転し生産と管理を一体化した。1980年には東京支店を開設し販売網を強化。1984年にナスロン・フィルター工場、1985年に硬質線工場を枚方工場内に完成させ、高付加価値製品の拡充を図った。1994年には本社を大阪市中央区高麗橋の現在地に移転している。

タイ・中国・韓国への生産拠点展開(1988-2008)

1988年5月、タイにTHAI SEISEN CO.,LTD.を設立し海外進出の第一歩を踏み出した。2003年11月、大同特殊鋼が筆頭株主となり同グループ入り。同年ISO14001を取得。2006年5月、中国江蘇省に耐素龍精密濾機(常熟)有限公司を設立。2007年10月には大同ステンレスを吸収合併。2008年9月に韓国ナスロン株式会社を設立し、東アジアでの販売・生産体制を整えた。

大同特殊鋼グループ化と品質認証の拡充(2003-2009)

2003年11月、大同特殊鋼が筆頭株主となり、同社グループの一員となった。同年にISO14001認証(枚方工場)、2009年には全社でISO9001認証を取得。2009年12月には東京支店を京橋に移転し、営業拠点を刷新した。また、同年に日精テクノ株式会社を設立し、直線切断加工や磨引伸線加工の一部を委託する体制を構築した。

市場移行と中国子会社解散(2009-2025)

2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行した。2025年度にはタイ・中国・韓国セグメントでナスロンフィルターの需要が低調となり、中国の大同不銹鋼(大連)有限公司を2025年11月に解散、清算手続き中である。これに伴い特別損失を計上し、当期純利益は前期比33.9%減の21億円となった。

年表24件を開く

1950年代

  • 1951年6月創業ステンレス鋼線製造を目的として、大阪市旭区森小路に三信特殊線工業株式会社を設立
  • 1953年5月日本冶金工業株式会社の資本参加を得て、同社の系列に入る
  • 1953年6月大阪市旭区大宮町四丁目31番地に新工場を完成し本社を同地に移転
  • 1956年10月本社を大阪市北区梅田町47番地新阪神ビルに移転し、商号を日本精線株式会社と改称

1960年代

  • 1962年3月上場東京・大阪両証券取引所市場第二部に株式を上場
  • 1962年5月大阪府枚方市池之宮四丁目17番1号に枚方工場を完成し、操業を開始
  • 1964年10月本社を大阪市東区高麗橋五丁目45番地(興銀ビル別館)に移転
  • 1969年8月本社を大阪府枚方市池之宮四丁目17番1号に移転

1970年代

  • 1976年4月東京都中央区宝町一丁目9番地に東京支店を開設

1980年代

  • 1980年8月本社を大阪市東区高麗橋五丁目45番地(興銀ビル別館)に移転
  • 1984年6月枚方工場内にナスロン・フィルター工場完成
  • 1985年4月枚方工場内に硬質線工場完成
  • 1988年5月海外現地法人THAI SEISEN CO.,LTD.をタイ国に設立(現・連結子会社)

1990年代

  • 1994年12月本社を大阪市中央区高麗橋四丁目1番1号に移転
  • 1996年9月東京・大阪両証券取引所市場第一部銘柄に指定
  • 1998年6月ISO9001規格の認証を取得(枚方工場)

2000年代

  • 2001年12月枚方工場内に自動酸洗工場完成
  • 2003年1月ISO9001規格の認証を取得(本社)
  • 2003年11月大同特殊鋼株式会社が当社の筆頭株主となり、同社のグループに入る ISO14001規格の認証を取得(枚方工場)
  • 2006年5月中国江蘇省に耐素龍精密濾機(常熟)有限公司を設立(現・連結子会社)
  • 2007年10月M&A大同ステンレス株式会社を吸収合併
  • 2008年9月韓国ソウル市に韓国ナスロン株式会社を設立(当社出資比率100%、現・連結子会社)
  • 2009年2月ISO9001規格の認証を取得(全社)
  • 2009年12月東京支店を東京都中央区京橋一丁目1番5号(セントラルビル)に移転 大阪府枚方市に日精テクノ株式会社を設立(当社出資比率100%、現・連結子会社)東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で815人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は763万円で、9期前と比べて+10.3%平均年齢は43.0歳、平均勤続年数は19.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月752
2018年3月816
2019年3月69241.017.0833
2020年3月66641.018.0876
2021年3月62841.018.0869
2022年3月67342.018.0882
2023年3月70842.019.0893
2024年3月69542.019.0870
2025年3月71743.019.0846544
2026年3月76343.019.0815380

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率2.3%
縦線は目安の30%
男性育休取得率76.5%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)55.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社6(国内 5 / 海外 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
枚方工場 — 大阪府枚方市9,825百万円
日本
東大阪工場 — 大阪府東大阪市2,484百万円
日本
本社工場 — タイ国サムットプラカーン県1,775百万円
タイ
本社工場 — 中華人民共和国江蘇省128百万円
中国・韓国
本社工場 — 大阪府 枚方市39百万円
日本
本社工場 — 中華人民共和国遼寧省0百万円
中国・韓国
ほか1件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    大同特殊鋼㈱
    名古屋市東区
    議決権50.6%
  • 海外
    THAI SEISEN CO.,LTD.
    タイ国 サムットプラカーン県
    議決権95.0%
  • 国内
    耐素龍精密濾機(常熟)有限公司
    中華人民共和国江蘇省
    議決権80.0%
  • 国内
    大同不銹鋼(大連)有限公司
    中華人民共和国遼寧省
    議決権74.0%
  • 国内
    韓国ナスロン 株式会社
    大韓民国 ソウル市
    議決権100.0%
  • 国内
    日精テクノ 株式会社
    大阪府枚方市
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は466億円営業利益31億円前期と比べると減収減益で、売上が-0.2%、利益が-32.6%。

売上高
-0.2%
466億円
営業利益
-32.6%
31億円
純利益
-36.4%
21億円
営業利益率
6.7%
前期比 -3.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高497億円466億円
営業利益39億円31億円
純利益28億円21億円
1株あたり配当¥46¥46

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は121億円、営業利益は8億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+12.0%、営業利益は−11.1%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q1197
2024年1Q10898.37
2024年2Q11076.45
2024年3Q11376.25
2024年4Q1169
2025年2Q234239.816
2025年4Q233239.917
2026年2Q225125.39
2026年4Q241197.912
2027年1Q12186.66

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は295億円から466億円へ1.6倍に増えた。直近期の営業利益率は6.7%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月2952012
2014年3月3092314
2015年3月3352714
2016年3月3222516
2017年3月3182518
2018年3月3754028
2019年3月3883726
2020年3月3492014
2021年3月3412618
2022年3月4484632
2023年3月4914331
2024年3月4473726
2025年3月46746469.933
2026年3月46631326.721

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高466億円のうち、営業利益として残るのは31億円6.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は21億円、売上の4.5%にあたる。営業利益率は業種中央値5.0%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金85.4%398億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金7.9%37億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益6.7%31億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
14.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+1.6pt
6.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.8pt
4.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.2pt
5.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが36億円、投資CFが−34億円で、差し引きのフリーCFは2億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は159億円で、売上の4.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月28−16−51275
2014年3月33−13−32092
2015年3月28−18−71097
2016年3月31−15−151696
2017年3月38−12126122
2018年3月38−22−916130
2019年3月24−31−11−7112
2020年3月28−22−36118
2021年3月40−18−722133
2022年3月45−17−1328149
2023年3月19−18−101141
2024年3月47−28−1519146
2025年3月47−13−1734165
2026年3月36−34−102159

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は567億円。このうち返さなくてよい自己資本が435億円で、自己資本比率は75.4%(業種中央値60.7%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月3152249170.5
2014年3月34123710468.8
2015年3月35925010968.7
2016年3月34524510070.4
2017年3月37326011369.3
2018年3月42128613567.4
2019年3月42230511771.5
2020年3月43331411971.7
2021年3月46133013170.7
2022年3月51235515768.2
2023年3月54137616568.5
2024年3月53439513972.8
2025年3月55941914073.7
2026年3月56743513375.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
168億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
300億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
27億円
在庫として抱えている分
負債合計
133億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
83
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率13 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

鉄鋼 38社との比較

同じ鉄鋼の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率38社中11位あたり、逆に低いのは配当利回り38社中20位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.1%/中央値 5.0%
P25 2.6%P75 7.3%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
6.7%/中央値 5.0%
P25 2.6%P75 6.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
75.4%/中央値 60.7%
P25 52.5%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
-0.2%/中央値 -4.1%
P25 -8.9%P75 -0.1%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.3%/中央値 3.3%
P25 2.4%P75 3.9%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,393で、1年前と比べて+28.8%過去52週の値幅のなかでは61%の位置にある。

¥1,393-3.9%1ヶ月+3.7%1年+28.8%時価総額436億円
過去52週の値幅
安値¥1,062高値¥1,605

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)19.9倍
PER (会社予想)15.3倍
PBR1.01倍
配当利回り3.30%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

6月19日には1572円で高値をつけ、その後は調整が続く。7月24日には1452円まで下落し、週末には1340円へ急落した。25日線(1432円)や75日線(1431円)を下回り、週足のトレンドは下向きに転じつつある。52週高値1605円からは約16%の下落、52週安値1062円からは依然として高い水準。出来高は7月24日に48万株と急増し、売り圧力が強まった。月間では-8.6%と弱く、テクニカル面ではRSI39.7と中立圏だが、下値リスクに注意。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 50/100)

PERが19.2倍と同業界平均の112.9倍を大幅に下回るが、これは業界平均が異常値であるため参考程度。予想PERは14.7倍で、PBRは0.97倍と1倍近辺。配当利回りは3.43%と平均3.26%と同水準。ROEは5.11%と低く、収益性は低いが、PBRが1倍を下回っておらず、割安とは言い切れない。業績は減益傾向にあり、今後の業績回復が焦点。

指標この会社業種平均
PER (実績)19.9倍114.6倍
PER (予想)15.3倍
PBR1.01倍0.75倍
ROE5.1%5.2%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

需要は自動車・産業機器などで安定しているが、原材料価格の変動や国内需要の停滞が利益を圧迫する可能性がある。強気派は、高付加価値製品の拡販や海外需要の取り込みによる成長を期待する。弱気派は、鉄鋼業界全体の市況悪化や原燃料高によるコスト増で、利益率が低下すると見る。2025年3月期は営業利益率9.85%と高水準だったが、2026年3月期は6.65%と低下見込みで、市況変動の影響が懸念される。

プラスに働く材料7
  • 高付加価値製品の拡販

    技術力で差別化、自動車・産業機器向け需要が堅調

  • 海外需要の取り込み

    グローバル展開で成長余地、海外シフト進める

  • PBR1倍未満の割安感

    PBR0.97倍、株価純資産倍率は1倍割れで割安

  • 翌期予想PER14.7倍と増益期待2027年3月期影響

    現在PER19.2倍に対し予想PER14.7倍。来期EPS約91円を示唆し回復見込み。

  • PBR0.97倍と1倍割れ不定影響

    PBR0.97倍、ROE5.11%。資本効率改善が進めば評価修正の余地。

  • 配当利回り3.43%と安定通年影響

    株価1340円に対し1株配当約46円(利回り3.43%)。

  • 売上高466億円と高水準維持2026年3月期影響

    売上高は前期の467億円からほぼ横ばい。需要は底堅い。

マイナスに働く材料7
  • 鉄鋼市況の不透明感

    国内需要停滞、原燃料高でコスト増懸念

  • 利益率の低下見込み

    2026年3月期営業利益率6.65%と前期から3.2pt低下予想

  • ROEの低さ

    ROE5.11%と低く、資本効率が課題

  • 営業利益31億円と前期比32.6%減2026年3月期影響

    営業利益が46億円から31億円へ15億円減少。業績悪化が鮮明。

  • 純利益21億円と前期比36%減2026年3月期影響

    純利益が33億円から21億円へ12億円減少。最終減益。

  • 営業利益率6.65%へ大幅低下2026年3月期影響

    営業利益率は9.85%から6.65%に3.20pt低下。収益力が悪化。

  • 株価1年で26.5%上昇と乖離短期影響

    業績減益にもかかわらず株価は+26.5%。過熱感から調整リスク。

次の決算で確かめる点
売上高
需要動向と販売価格の推移を確認
営業利益率
市況変動による収益性の変化を把握
原材料価格
コスト変動が利益に直接影響するため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり46で、前期から25.0%いまの株価に対する利回りは3.30%。

年間配当
¥46
1株あたり
配当利回り
3.30%
いまの株価に対して
配当性向
58.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1323.9
2018年3月1623.128.7
2019年3月2662.534.8
2020年3月16−38.542.9
2021年3月2025.041.4
2022年3月42110.045.8
2023年3月420.047.3
2024年3月420.049.6
2025年3月5633.358.0
2026年3月42−25.058.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥46

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ22,419人。区分でいちばん多いのは事業法人55.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が63.9%を占め、残る36.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人47.054.355.955.955.655.7
個人・その他30.328.125.825.228.329.7
金融機関13.710.810.210.79.88.2
外国法人7.44.34.54.53.93.0
証券会社1.62.43.53.62.32.8
自己株式5.55.51.01.01.01.0
外国人個人0.00.00.00.00.10.5

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01大同特殊鋼株式会社49.85
02日本マスタートラスト信託銀行株式会社6.00
03株式会社日本カストディ銀行1.92
04前尾吉信1.87
05特殊発條興業株式会社1.06
06野村證券株式会社0.98
07ASADA株式会社0.96
08日本精線共栄会0.89
09日本精線従業員持株会0.87
10株式会社信光ステンレス0.65

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+82%、1株純資産は14期で+103%。直近期のROEは5.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月386865.89.231.8
2014年3月2183,6206.29.426.4
2015年3月2153,8165.814.228.9
2016年3月2543,9646.68.726.1
2017年3月2894,2117.112.023.9
2018年3月4594,62210.410.828.7
2019年3月4304,9259.07.634.8
2020年3月461,0134.513.042.9
2021年3月601,0625.711.941.4
2022年3月1041,1409.48.645.8
2023年3月1011,2088.69.147.3
2024年3月851,2686.816.749.6
2025年3月1061,3438.112.058.0
2026年3月701,3935.118.058.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

21名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は21名。2026/3期の役員報酬は総額199百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢
利光一浩代表取締役 社長64
大塚雅彦取締役62
山田和仁取締役63
内山由紀取締役66
今泉泰彦取締役69
藤本節取締役71
加藤順子取締役69
近藤雅昭常勤監査役63
後藤伸一朗常勤監査役62
岩谷直樹監査役59
佐々木秀一監査役67
南昌作54
残りの役員9名を開く
氏名役職年齢
松田潤常務執行役員
木寅潤一執行役員
佐々木俊明執行役員
飽浦常夫執行役員
中谷修司執行役員
山本和良執行役員
谷口裕一執行役員
島田幸司執行役員
西出則和執行役員

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)571291711824
社外取締役749497
監査役2323216

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,019字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社、親会社及び子会社5社で構成され、ステンレス鋼線・金属繊維(ナスロン)の製造販売を主な内容とし、当事業の構成、会社名及び事業に係る位置づけと事業部門別の関連は、次のとおりであります。 なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と異なるため、本文及び事業の系統図にセグメント名称を記載すると次のとおりとなります。 [伸線加工事業] ステンレス鋼線 :当社〔(セグメント)日本〕・大同特殊鋼㈱〔親会社〕・THAI SEISEN CO.,LTD.〔連結子会社(セグメント)タイ〕・大同不銹鋼(大連)有限公司〔連結子会社(セグメント)中国・韓国〕・日精テクノ㈱〔連結子会社(セグメント)日本〕 ステンレス鋼線は、当社、THAI SEISEN CO., LTD.及び大同不銹鋼(大連)有限公司が製造販売しております。大同特殊鋼㈱は当社、THAI SEISEN CO., LTD.及び大同不銹鋼(大連)有限公司の原材料の主要供給元であり、THAI SEISEN CO., LTD.及び大同不銹鋼(大連)有限公司の製品の一部は、当社が仕入・販売しております。日精テクノ㈱は当社のステンレス鋼線製造のうち、主に直線切断加工及び磨引伸線加工の一部を行っております。 ダイヤモンド工具は、当社及び THAI SEISEN CO., LTD. が製造販売しております。なお、THAI SEISEN CO., LTD. の製品は主に当社が仕入れ、その材料については当社が同社に販売しております。 金属繊維(ナスロン):当社〔(セグメント)日本〕・耐素龍精密濾機(常熟)有限公司〔連結子会社(セグメント)中国・韓国〕・韓国ナスロン㈱〔連結子会社(セグメント)中国・韓国〕 当社及び耐素龍精密濾機(常熟)有限公司が製造販売しております。耐素龍精密濾機(常熟)有限公司の材料の一部は当社が販売し、同社の製品の一部は当社が仕入れております。なお、韓国ナスロン㈱は、主に当社が韓国で販売活動をする際の販売支援を行なっております。 上記のほか、大同興業㈱は当社グループのステンレス鋼線の主要販売先であり、また原材料の購入先でもあります。 事業の系統図は、次のとおりであります。 大同不銹鋼(大連)有限公司は、2025年11月に解散を決議し、現在、清算手続き中です。
経営方針・対処すべき課題12,857字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 ステンレス鋼線並びに金属繊維(ナスロン®)を主力製品とする当社グループは、長年にわたり培ってきた技術力と新しい分野への挑戦により、お客様にとって価値のある商品とサービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを経営の基本理念としております。 産業構造が環境・エネルギーのクリーン化、デジタル化へと進むなか、ステンレス分野への期待はさらに高まり、「より細く、より強く、より精密な」方向が求められています。ステンレス鋼線のトップメーカーとして、これらの期待に適応すべく『Micro & Fine Technology』をスローガンに掲げ、次世代素材、技術開発をこれからもリードし続けてまいります。 また、株主並びにお客様など、内外の関係先からの信頼と期待に応えるため、常に市場の変化に迅速に対応できる柔軟な経営体制の構築を通じて、安定した収益基盤の維持・拡大を図るべく事業活動を展開してまいります。 (2)中長期的な経営戦略及び目標とする指標 当社グループは2024年4月より『中期経営計画(NSG26)』(最終年度2027年3月期、NSG : Nippon Seisen Sustainable Growth)をスタートさせ、「サステナビリティ成長分野へ高機能・独自製品の開発・拡販と企業価値向上により持続的成長を図る」を中期スローガンとして掲げ、資本コストや株価を意識した経営を推進してまいります。NSG26の検討にあたっては、高齢化社会や技術イノベーション、地球環境保護などの環境変化を想定し長期的な視点で2035年の「ありたい姿」を設定し、それを起点にNSG26として取り組むべき基本方針を策定しました。NSG26の経営目標として連結売上高500億円、連結経常利益52億円、連結ROE8%以上、連結配当性向50%程度などに加え、2030年CO2排出量削減目標▲30%(2013年度比)を引き続き掲げESG経営を推進しています。なお、NSG26の基本方針については、後述(5)中期経営計画(NSG26)の基本方針に記載しております。 ※2025年3月期よりCO2排出量の算定方法を変更しております。それに伴い、公表済の2024年3月期実績を変更後の算定方式による削減率に修正いたしております。 高機能・独自製品とは、当社グループで独自開発した技術を用いることなどにより実現可能となったシェアナンバーワンやオンリーワンの製品群となります。高機能・独自製品は、お客様の製品に高い付加価値をもたらす役割を担っています。 《高機能・独自製品の一例》 製品名   説明 ばね用材   「ステンレス鋼線」とは、ステンレス鋼線材に二次加工を施し、表面性状、線径、機械的特性などの精度の高い機能を付加し、それを保証したワイヤーの総称をいい、ばね・ねじ・金網などに加工されます。 当社のばね用材については、高強度や高耐熱、超非磁性などのお客様のニーズに応じ、線ぐせや光沢などを調整したオーダーメイド製品を提供しています。医療関連や精密電子機器、次世代の水素社会を支える素材となります。 極細線   線径100μm未満の製品を総称し、フィルター用途やスクリーン印刷用途に用いられています。細径化ニーズに対応してきた結果、現在7μmという単線としてはステンレス鋼線の極限の細さを実現しており、スクリーン印刷用途で用いられる極細線は、高精度・高細密が要求される太陽光発電パネルや電子部品の製造プロセスで使用されています。 金属繊維(ナスロン®)   当社が独自の技術で開発したステンレス鋼繊維であり、その線径は1~50μmと非常に細く柔軟性を有します。金属の性質を保持しながら有機繊維と同様にニット状やフェルト状などへの加工が可能となります。このナスロン®を用いた高機能メタルフィルターは、より高強度、より高耐熱で耐食性も優れており、フィルムや樹脂、炭素繊維などの製造の濾過プロセスで使用されています。 超精密ガスフィルター(NASclean®)   金属繊維(ナスロン®)をもとに製作した薄層のメタルメンブレンフィルターであり、半導体・フラットパネルディスプレイ、太陽電池パネル等の生産過程に用いられるガスの濾過に用いられ、半導体製造装置などに組み込まれています。社会のデジタル化に伴いデータ処理の高速化と機器の低発熱化・省電力化が必要となり、カーボンニュートラルに向けたより高性能な半導体が必要となるに伴い、超精密ガスフィルター(NASclean®)に対する需要も高まっています。 (3)サステナビリティ経営 当社グループは、中期経営計画スローガン「サステナビリティ成長分野へ高機能・独自製品の開発・拡販と企業価値向上により持続的成長を図る」を基に、環境問題、人権尊重、健康経営、公正な取引、事業継続マネジメント(BCM)などの重要な経営課題に対して計画的に取り組んでいます。 製造業である当社では、生産プロセスで排出されるCO2や廃棄物の削減といった社会的な責務を意識しており、その中でも、事業活動に伴うCO2排出量削減の目標(2030年目標30%削減(2013年度比)、2050年目標:カーボンニュートラル)を設定し持続可能な社会の実現を目指しています。また、当社グループの製造する高機能・独自製品は、最終製品の付加価値を高めるために不可欠な素材であり、サステナビリティ追求の潮流を大きなビジネスチャンスとして位置づけています。 また、当社グループは、ビジネス規範に対するコンプライアンス教育の徹底、健康・安全や生産性向上など働きやすい環境の整備、多能工化やスキルマトリクス評価による人的資本の質の向上など、人的資本への投資を通じて持続的成長の基盤を培っています。知的財産の活用・拡張に対しても、伸線加工や金属繊維ナスロン®などのコア技術を活かした新たな高機能・独自製品の創出のほか、水素関連などのサステナビリティ成長分野に対する中長期視点での研究開発の推進に取り組んでいます。 当社グループは、2022年3月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を決議・表明し、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、リスクと機会を特定するとともに、シナリオ分析による戦略のレジリエンスを検証しています。また、投資家等とのエンゲージメントにも資するよう、TCFDが推奨する開示項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」を含め、同提言に沿った情報開示を当社ウェブサイトにて行っています。「TCFD提言への賛同」に関する詳細な情報は、「統合報告書2025」(25頁から26頁)をご参照ください。「統合報告書2025」は、当社ウェブサイト(URL:https://www.n-seisen.co.jp/ir/library/integrated-report/)に掲載しております。 (4)コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの充実 当社グループは、東証市場区分再編に際しプライム市場を選択し、プライム市場上場企業に求められる改訂CGコードのフルコンプライに向け、2022年1月25日に大同特殊鋼株式会社の形式支配力基準による連結子会社となり、同社関係者の役員派遣の制約が外れました。これを受け、2022年度からは独立社外取締役3名体制(うち女性取締役は1名)、2025年度からは独立社外取締役4名体制(うち女性取締役は2名)とし、独立社外取締役が過半数となりました。さらに、大同特殊鋼株式会社を親会社とする当社では、独立社外取締役及び独立社外監査役全員を構成員とする特別委員会を設置し、支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引行為について審議・検討を行っております。 また、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」にて気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重などサステナビリティ課題への取組みを組織的に推進しており、2025年度は「CDP気候変動質問書」に4年連続で「B」評価を取得し、「水セキュリティ質問書」は2年連続で「B」評価を受けました。また、2024年から「統合報告書」を発刊し、株主・投資家をはじめとする様々なステークホルダーに対する非財務情報の開示充実に取り組んでいます。2023年9月には「日本精線グループ贈収賄防止方針」を制定、2025年10月に「贈収賄防止規程」、2026年1月に「交際費管理規程」をそれぞれ制定するなど、コンプライアンス強化を展開しました。 (注) CDPとは企業や自治体を対象とした世界的な環境情報開示システムを運営する国際環境非営利団体。CDPは2003年以来、世界の主要企業を対象に、温室効果ガスの排出や気候変動による事業リスク・機会などの情報開示を求める質問書を年1回送付し、その回答をもとに企業の気候変動問題への対応を「A」から「D-」の8段階で評価しています。 (5)中期経営計画(NSG26)の基本方針 中期経営計画(NSG26)では、従来の日本精線リニューアル計画(NSR)で培った経営リソースや事業計画を承継するとともに、企業価値のさらなる向上を目指すために以下の4つの基本方針を掲げています。 a.サステナビリティ成長分野に向けた高機能・独自製品の開発深化 b.生産基盤強化と生産性向上 c.水素回収技術の深化 d.ESG経営 : 資本コストや株価を意識した経営(PBR1倍以上を目指して) a.サステナビリティ成長分野に向けた高機能・独自製品の開発深化 従来より注力してきた高機能・独自製品に関する機能能力を高めるとともに技術力向上のための設備投資・開発投資に注力していきます。また、需要増大が見込まれるサステナビリティ成長分野向け製品の生産能力の上方弾力を確保するための増産投資も計画的かつ機動的に展開していきます。こうした取り組みを通じて圧倒的な競争力を備え、競合他社が追随できない領域を目指していきます。具体的なアイテムとしては、極細線、極細ばね用材、超精密ガスフィルターの開発深化を展開していきます。また、サステナビリティ成長分野として、①再生可能エネルギー ②医療 ③IoT/AI ④自動車CASE を取り上げ、これらの分野で求められる要求特性の高度化に対応するため、当社の「Micro & Fine Technology」を駆使した製品で社会に貢献していきます。 カーボンニュートラルによる気候変動対策と安定的なエネルギー需給構造を考えるうえで再生可能エネルギーは欠かせない重要テーマとなっています。太陽光発電や風力発電、水素エネルギーなどを支える部材・素材や製造プロセスに不可欠な製品を提供しており、エネルギー効率のさらなる向上を図っていきます。スクリーン印刷に用いられる極細線の細径化は太陽光発電パネルの発電効率の向上に寄与するため、線径9μmに続き、線径8μm・7μmも量産できる体制を整えていきます。 高齢化及び少子化の進行により経済成長や社会保障制度、医療人材不足などの医療分野の社会的な課題を認識しています。治療により生じる身体の損傷を極力抑えQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めるとともに健康寿命を延ばし医療体制の維持に貢献できる素材を開発深化させていきます。具体的にはカテーテルガイドワイヤーやインシュリン自己注射器用ばねの素材提供を通じて貢献していきます。 目覚ましいAIやIoTの技術革新は、業務効率化や省人化など第4次産業革命を惹き起こすと期待されています。膨大な計算量やセンシング技術などを支える半導体やデジタルデバイスの製造プロセスにおいて超精密ガスフィルターは不可欠な位置づけとなっており、機能向上と供給能力アップを続けていきます。また、半導体検査装置に組み込まれる超高強度の極細ばね用材の提供を通じてデジタル社会のイノベーションに貢献していきます。 カーボンニュートラル、高齢者ドライバーによる交通事故の増加、地方で増加する交通弱者などの課題解決アプローチとして自動車CASEが注目されています。自動車のIoT、自動運転、電動化の技術プラットフォームの革新に必要となる素材の開発・提供を通じて、社会的な課題解決に貢献していきます。 b.生産基盤強化と生産性向上 当社グループでは従来より①高機能・独自製品の機能能力増強 ②新商品・独自製品開発 ③生産基盤強化を中心に設備投資を展開してきましたが、NSG26においては、将来起こりうる少子化影響による人材不足に対応するための設備の省人化や自動化、さらなる極細線の細径化や高強度化に向けた技術開発、ワールドワイドの拡販を意識した海外拠点の機能拡大などに対応するための設備投資に注力していきます。 カーボンニュートラルの潮流もあり、NSG26では太陽光発電パネルの製造プロセスで使用されるスクリーン印刷向け極細線の需要拡大を見込んでおりましたが、中国での太陽光発電パネル生産の急減により在庫調整が継続、またスクリーン印刷用メッシュの素材がステンレス以外の金属に置き換わる動きがみられるなど、太陽光発電パネル向け極細線を取り巻く環境がNSG26策定時とは大きく変化しております。当社といたしましては更なる細径化・高強度化に取り組んでいくとともに、太陽光発電パネル向けに過度に依存しない新たな用途開発により拡販を目指します。また、省力化投資や自動化を通じて生産性アップを推進するとともに、女性やシニアが活躍できる労働環境整備による労働力確保、作業の安全性やエネルギー効率の向上、環境負荷低減につなげていきます。さらに、IoTの活用によって生産現場に限らず、販売や管理の効率性や品質管理の高度化を推進していきます。THAI SEISEN CO.,LTD.、耐素龍精密濾機(常熟)有限公司は、生産及び販売における海外展開の拠点として重要な位置づけを担っています。日系企業の海外展開のニーズに止まらず、グローバルニッチな素材を海外企業にも提供するため、さまざまな連携を図っていきます。 また、製造業である当社はエネルギー使用が不可欠であり、カーボンニュートラルに向けた取り組みは社会的な責務として認識しています。エネルギーの使用効率向上、漏れや放熱などのロス低減、排熱再利用などの省エネ投資やプロセス見直しを継続的に推進しSDGsに貢献していきます。 c.水素回収技術の深化 枚方工場内に整備した「MCH(メチルシクロヘキサン)からの水素回収、貯蔵、分離精製一体型の小型プラント」により実証実験を推進中で、商用化を展望した改良を重ねていきます。具体的には、安全を最優先とした設計、水素回収の高効率、長期耐久性、エネルギーロスの極小化など、連続運転により装置性能における信頼性の検証を進めていきます。実験により分離精製された水素は、熱処理炉の雰囲気ガスとして社内利用して実用化に向けたアプローチを確認していきます。 また、アンモニアからの水素回収に関する技術についても研究開発を加速させていきます。MCHとアンモニアという既存インフラの流用が可能な2つの水素キャリアに対するアプローチを展開することで、水素の事業化の選択肢を広げていきます。水素キャリアをタンクローリー輸送し、過疎地域や郊外の工場や発電設備などにおいてオンサイトの小型プラントで水素を消費するような利用シーンを想定しています。 今後の水素社会においては、燃料電池自動車や発電のために水素を燃焼させるほかに、半導体や液晶ディスプレイの製造プロセスの雰囲気ガスとして利用するなど、水素の多様な用途活用の可能性があります。当社が保有する金属フィルター加工技術、並びに特殊な独自の接合技術により開発した水素分離膜モジュールを用いることによって、超高純度の水素を精製することができます。当社が培ってきた技術を複合的に組み合わせるとともに外部リソースとの連携によって、将来の事業の柱となるよう努めていきます。 d.ESG経営 : 資本コストや株価を意識した経営(PBR1倍以上を目指して) 環境(E)については、2030年度に2013年度比でCO2排出量を30%削減、2050年度にはカーボンニュートラルを目指すため、排熱回収や断熱化などを行いエネルギーの使用効率向上を図るとともに、電気炉への更新投資によって都市ガス使用量を削減していきます。また、既に導入済のCO2フリー電力の使用拡大についても状況に応じて進めていきます。さらに、サプライチェーン排出量(Scope1+2+3)削減と情報開示の充実についても積極的に取り組んでいきます。そのほか、化学物質の管理強化や廃棄物量の低減やリサイクルの推進、水資源の保全などを行うことにより、サーキュラーエコノミーへの移行を推進していきます。 社会(S)については、人的資本経営に注力していきます。経営理念や2035年のありたい姿の実現には「成長し続ける組織の構築」が必要不可欠と考え、変革を実現する人材の育成と多様な人材・多様な働き方の確保をキーワードに人的資本の充実に向けた施策を推進していきます。体系的な教育研修の実施、女性活躍推進を中心としたダイバーシティ&インクルージョン、ワークライフバランスの推進、人権の尊重、ワークエンゲージメントの強化、健康経営の推進の各項目それぞれにKPIを設定し、一層充実した人的資本経営に取り組んでいきます。 ガバナンス(G)については、ステークホルダーとのコミュニケーション強化を図るために経営トップによる決算説明会や工場見学会を開催するなど、SR・IRの拡充を通じて市場から適正な評価を得られるよう努めていきます。また、サステナビリティ経営の推進や、コーポレート・ガバナンスのレベルアップとコンプライアンスの充実、CDPスコアなどの非財務情報も含めた情報開示の充実など、ステークホルダーに対して経営の透明性を確保することで、期待株主資本コストの抑制に努めていきます。研究開発部門の将来投資や非財務戦略投資を積極的に行い持続的成長の基盤の整備にも注力し、ROEや資本コストを意識し資本収益性の維持・向上を図りPBR1倍以上の維持・向上を目指していきます。NSG26においては連結配当性向50%程度とし、株主還元も強化していきます。 ※2024年度よりCO2排出量の算定方法を変更しております。それに伴い、公表済の2023年度以前の実績及び2030年度の目標値を変更後の算定方式による排出量に修正いたしております。また、2025年度の排出量は第三者検証前の数値となります。 (6)中期経営計画(NSG26)の進捗状況 中期経営計画(NSG26)の基本方針に則り、各施策を着実に実施・展開しました。 a.サステナビリティ成長分野に向けた高機能・独自製品の開発深化 ステンレス鋼線部門においては、太陽光発電パネルの高効率化に伴い、その製造プロセスで使用されるスクリーン印刷向け極細線の細径化が求められる中、9μmの量産対応に続き7μmも技術確立を行い、量産化に注力いたしております。また、今後成長が見込まれる医療用途では、内視鏡用やカテーテル用など、用途に応じた鋼種や線径などの要求に的確に対応してまいります。更には、インシュリン自己注射器に使用されるニッケル鍍金ばね用材増産のための設備投資をTHAI SEISEN CO.,LTD.にて継続的に実施するなど、グローバル拠点の機能拡充も進めております。 金属繊維部門においては、より低圧損かつ高い濾過精度を有する超精密ガスフィルター(NASclean®)の新製品開発と拡販に注力しています。具体的には、近年半導体デバイスの微細化が進み、そのデバイス製造時に使用されるガスが蒸気圧の低いガス種に代わってきており、装置ライン全体の圧力損失を抑えるべくガスフィルターにも低圧損が求められています。この要求に対応すべく、超低圧損かつ高濾過精度を有したフィルターを開発し顧客に提案・評価いただいており、今後の更なる半導体デバイス微細化に対応してまいります。また、樹脂用のナスロン®フィルターにおいては、濾過時の樹脂の滞留低減を目指しフィルター構造や濾材を改良した新製品を顧客で評価いただいており、今後の高機能フィルムの品質向上に対応してまいります。 b.生産基盤強化と生産性向上 ステンレス鋼線部門においては、生産基盤強化として極細線の細径化及び高強度化、また医療用途や半導体検査装置向け極細ばね用材の設備増設に対応する製造工場増築に着手しております。更に、海外向けで需要拡大が見込まれる細物ばね用材の増産に向けた伸線機の増設などを実施しております。 金属繊維部門においては、AIやデータセンター向け半導体需要の高まりを背景に、半導体関連業界向け超精密ガスフィルター(NASclean®)需要が旺盛であり、これに確実に応えていくとともに更なる需要増に備えるため、製造工場やその周辺の整備を行っております。 将来起こりうる少子化影響による人材不足に対応するための省人化・自動化投資につきましては、ナスロン®フィルターの再生洗浄工程での作業のロボット化や識別照合工程でのAIカメラ導入検討など継続的に進めております。カーボンニュートラルに向けた省エネ投資についても、放熱ロスの低減や排熱再利用などを進め、効率的なエネルギー利用を推進しております。 また、金属繊維(ナスロン®)の素材製造に使用する酸洗装置の更新や東大阪工場の耐震・防火対応など、生産基盤の維持更新やBCM(事業継続マネジメント)対応にも取り組んでおります。 c.水素回収技術の深化 枚方工場内に整備した、MCH(メチルシクロヘキサン)からの水素貯蔵回収モジュールにより回収した水素を熱処理炉の雰囲気ガスとして利用し、連続運転下での実証実験により安全を最優先にしながら水素の回収効率や触媒の耐久性、プロセス内でのエネルギーロスなどを確認し、装置の信頼性とコスト検証を進めています。 アンモニアからの水素回収技術についても継続して開発を推進しており、小型アンモニアクラッキング装置(アンモニアに熱を加えて水素と窒素に分解し、触媒に反応させて水素を取り出す装置)の実用化に向け、エンジニアリング企業や電力会社などとの共同検討を推進しテスト装置を設計・製作しました。 また、当社が保有する金属フィルター加工技術並びに特殊な独自の接合技術により開発した水素分離膜モジュールは、超高純度水素精製の更なる流量拡大に向け、モジュールの製作・装置化と市場展開を進めております。 これまで当社が培ってきた技術を複合的に組み合わせるとともに外部リソースとの連携によって商用化を目指し、将来の事業の柱となるよう注力します。 d.ESG経営 : 資本コストや株価を意識した経営(PBR1倍以上を目指して) 環境(E)については、2030年度に2013年度比でCO2排出量を30%削減、2050年度にはカーボンニュートラルを目指しており、2025年度(第三者検証前)は29%の削減となりました。目標達成に向け、引き続きエネルギーの使用効率向上や電気炉への更新による都市ガス使用量の削減などに取り組みます。また、海外2工場においてもCO2削減に向けたロードマップを策定し、グループ全体としてカーボンニュートラルを推進しています。 サプライチェーン排出量(Scope1+2+3)削減と情報開示の充実については、CDP気候変動質問書の評価B(4年連続)、同水セキュリティ質問書の評価B(2年連続)となっており、更なるスコアアップに向け課題解決に取り組みます。 社会(S)については、健康経営推進の成果として「健康経営優良法人」に7年連続で選定、上位500法人である「ホワイト500」にも2年連続で認定されました。また、リニューアルした教育体系に沿った研修の実施、女性活躍推進、人権の尊重、ワークエンゲージメント強化などにより、人的資本経営の強化に引き続き取り組みます。 また、大阪市が発行するグリーンボンド(大阪市第4回公募公債)に投資を行いました。グリーンボンドは環境改善効果等を有する事業に限定して資金を調達するために発行される債券です。大阪市には当社の本社が所在し、多くの従業員が勤務または居住しております。当社は本投資を通じて、当社にとっての重要拠点である大阪市の地域・社会や環境対策などに深く関わることで当社の本業を通じたサステナビリティへの貢献と相乗効果が期待できると考えております。 ガバナンス(G)については、ステークホルダーとのコミュニケーション強化を図るために、一般株主向けの工場見学会、経営トップによる機関投資家向け決算説明会や工場見学会を開催しております。また、コーポレート・ガバナンスのレベルアップに向け取締役会の実効性評価、政策保有株式の縮減などに取り組むとともに、親会社との取引については独立社外取締役及び独立社外監査役が出席する特別委員会でのチェックを強化し、少数株主の利益保護を図っております。ROEや資本コストを意識し資本収益性の維持・向上を図りPBR1倍以上の維持・向上を今後も目指していきます。NSG26では連結配当性向50%程度としており、2025年度は60.0%となる予定です。 e.目標とする経営指標 当社グループは、NSG26において以下の指標を経営目標として設定しております。2年目となる2025年度の結果は下表のとおりとなります。引き続きこれらを重要指標とし、企業価値の向上に努めてまいります。 ※第三者検証前のCO2排出量を基とした数値。 (7)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①経営環境 2025年度の世界経済は、米国の通商政策の不確実性や中国経済の低迷、またロシア・ウクライナ戦争の長期化に加え中東情勢の一層の緊迫化とホルムズ海峡をめぐる争いなど地政学リスクは日増しに高まっており、景気の先行きの不透明感がこれまで以上に大きくなっています。日本経済は雇用や所得環境の改善などにより緩やかな回復基調が続いたものの、継続的な物価上昇や幅広い業界での人手不足問題などに加え、原油及びその由来製品の価格高騰と安定調達への懸念が広がっており景気の先行きに影響する可能性があります。 中長期的な視点では、ステンレス鋼線の汎用品に対する需要が頭打ちとなるニューノーマル経済のリスクシナリオを想定しつつも、サステナビリティ成長分野に対する高機能・独自製品の需要の増大を見込んでいます。地球環境保護や人口減少、デジタル社会の進展に向けたイノベーションなど、当社を巡る経営環境は「リスク」と「ビジネス機会」の両面を包含しています。 ②優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後につきましては、米国の通商政策や不動産不況が継続する中国経済の動向が世界経済に不確実性の高まりをもたらしています。また、緊迫化する中東情勢を背景とした原油及びその由来製品の価格高騰と安定調達への懸念は世界経済の大きな下振れリスクと認識しております。国内においても、継続する物価や人件費の上昇、人手不足問題などに加え、原油の調達不安・価格高騰がもたらす悪影響など、多くのリスクシナリオを認識しています。 当社グループの主力製品であるステンレス鋼線は、中国や韓国のステンレス鋼線メーカーとの競争激化による収益低下などの懸念があり、同様に、金属繊維(ナスロン®)も化合繊維向けなどの一般汎用製品については競争が激しくなっております。 このような経営環境を踏まえ、当社グループは2024年度より2027年3月期を最終年度とする『第16次中期経営計画(NSG26)』をスタートさせ、「サステナビリティ成長分野へ高機能・独自製品の開発・拡販と企業価値向上により持続的成長を図る」を中期スローガンとして掲げ、①サステナビリティ成長分野に向けた高機能・独自製品の開発深化、②生産基盤強化と生産性向上、③水素回収技術の深化、④ESG経営(資本コストや株価を意識した経営)を基本方針として企業価値向上に努めてまいります。NSG26の経営目標としては連結経常利益52億円、連結売上高経常利益率(ROS)10%以上、連結総資産経常利益率(ROA)10%以上などに加え、2030年度CO2排出量30%削減(2013年度対比)目標を掲げております。 具体的には、ステンレス鋼線部門の販売面においては、再生可能エネルギー、医療、IоTなどのサステナビリティ成長分野に極細線、極細ばね用材、高強度ばね用材など当社グループの高機能・独自製品の拡販に努めてまいります。生産面においては、更なる細径化と高強度化が求められる極細線の開発や医療用途や半導体検査装置向けなどに成長が見込まれる極細ばね用材の増産、将来起こりうる労働力不足に対応した省人化・自動化、クラウド化やAIなどのIоT活用を含めた生産基盤強化と生産性向上を図ります。また、海外生産拠点であるTHAI SEISEN CO.,LTD.と一丸となった最適生産・販売体制を再構築してまいります。 金属繊維部門においては、AIやデータセンター向けを中心に半導体需要が拡大しており、半導体製造装置向け超精密ガスフィルター(NASclean®)の安定供給を果たすとともに、更なる需要拡大に向けた生産体制の構築と新製品の開発・供給を行ってまいります。また、ナスロン®フィルターについては、海外への更なる拡販に向け耐素龍精密濾機(常熟)有限公司の活用を図ってまいります。 水素ビジネスについては、MCH(メチルシクロヘキサン)やアンモニアからの水素回収技術をさらに深化させ、水素回収技術、貯蔵技術、分離精製技術を組合せた小型プラントの商用化に向けた取り組みを加速させていきます。 ESG経営としては、省エネ投資などの排出抑制を含めたサプライチェーン排出量(Scope1+2+3)削減を推進し、2050年のカーボンニュートラルを目指します。また、資本コストや株価を意識した経営にも注力し、ステークホルダーとのコミュニケーション強化を図ります。働き方改革や人的資本経営への投資も積極的に行うとともにリスク管理やガバナンスの体制強化にも鋭意取り組んでまいります。 また、当社の自助努力では吸収困難な労務費、エネルギー・副資材費、物流費などの製造コストの増加を販売価格へ転嫁するとともに、サプライチェーンの柔軟性確保や適正在庫の運用を図るなど、状況に応じた取り組みを展開いたします。 以上の諸施策を確実に実行することにより、収益の一段の向上を図るとともに、事業のグローバル化推進や高度化・多様化する顧客ニーズへの対応、サステナブル社会への貢献を通じ、『さらなる企業価値の向上』にグループ一丸となって取り組んでまいります。
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会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク及びその対応状況について、以下に記載いたします。 当社グループでは、こうしたリスクの可能性を認識した上で、発生を回避し、または、発生した場合の影響を抑制する観点から、現状想定し得るリスクを洗い出し評価した上で、事業運営上のリスクについては経営会議にて、また、コンプライアンス上のリスクについてはコンプライアンス・リスクマネジメント委員会において、サステナビリティに関するリスクについてはサステナビリティ委員会においても、それぞれ優先順位に応じて具体的な対策を講じ、定期的にその妥当性について協議・検討を図っております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)自然災害などの不可抗力や外部からの攻撃によるリスク 激甚化する気象災害など気候変動リスクがクローズアップされ、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速しています。炭素税導入による調達・操業コストの増加や内燃機関車用部品材料の需要減少などのリスクへの対策の準備が必要となっています。また、当社グループの提供する素材は、お客様の製品を通じてグローバルに提供されることとなるため、世界各地における環境関連法令の適用に対応することが求められます。地球温暖化防止など、環境規制は厳格化の傾向にあり、ひいては当社グループの製造コストを増加させるリスクがあると認識しております。 新たな感染症の発生・拡大によって、再度、経済活動の自粛を求められることが想定されます。国内外の工場内での感染発生による製造ライン停止やサプライチェーンの寸断によって、お客様に製品が供給できないリスクを認識しています。また、従業員のほか、お客様や協力会社などの生命・健康を脅かす虞もあります。さらに、工場休業に伴う補償や操業度悪化が損益や資金繰りに与える影響も生じます。 当社グループは、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、健康経営、公正な取引、事業継続マネジメント(BCM)などサステナビリティ課題を重要な経営課題であると認識し、これら課題への取り組みを組織的に推進するため、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ担当役員を選任しております。同委員会の場でサステナビリティに関する諸課題への取り組み報告や議論を継続的に行うガバナンス体制を整備しました。特に、地球環境の保護に対する事業活動の取り組みとしては、『中期経営計画(NSG26)』において事業活動に伴うCO2排出削減の目標を設定し持続可能な社会の実現を目指してまいります。また、当社グループは、エネルギー効率の向上、各種のフィルター機能の提供や水素社会の基盤技術の開発など、高機能・独自製品を通じてサステナブル社会への貢献を図ってまいります。また、「日本精線グループ人権方針」や「日本精線グループ贈収賄防止方針」を制定し社内教育やモニタリングなどを継続的に実施し、当社グループのみならずサプライチェーンを通じてサステナビリティ課題に取り組んでいます。 南海トラフの巨大地震や当社事業拠点周辺の断層による直下型地震リスクがあり、海外拠点においても当該地毎に大規模災害等のリスクが存在しています。当社グループの生産拠点において大規模災害やテロなどが発生した場合には、生産設備の破損やサプライチェーンの機能停止に伴い操業停止や資産価値の減損を強いられる虞があります。当社グループでは、人命最優先を基本方針としています。安否確認システムやマニュアル整備などの事業継続計画(BCP)については、コロナ禍を教訓に見直しを図るとともに、万が一の際に事業継続計画書が実効的に機能するように日頃からの安全在庫の管理・運用を徹底するとともに、復旧のボトルネックと必要な事前対策をリストアップし、耐震補強・浸水対策や受配電設備等の整備、ITシステムの運用見直しを計画的に推進してまいります。また、地震発生などの際に、誤操作・誤動作による障害が発生した場合にも制御できるように設備のフェイルセーフ化も進めています。事業継続マネジメント(BCM)の取り組み方針・施策の決定や拠点の活動確認などについては、年2回経営会議に報告する体制を整備しました。 さらに、当社グループでは、製造ノウハウや顧客情報、各種設計図など生産・営業・開発に関して多くの営業的な秘密を保有しています。また、従業員やお客様に関する個人データを保有していますが、一般消費者との取引がないため、データ量は限定的となります。コンピュータウィルスや不正アクセスなど社外からのサーバー攻撃によって、情報が流出し、第三者がこれを不正に取得・使用するような事態が生じると、お客様からの信用力や製品競争力など、当社グループの事業基盤を脅かす虞が認められます。さらに損害賠償責任を負う可能性も含め財務上のリスクもあります。こうしたリスクを抑制するために、従業員へのセキュリティポリシーの徹底や、常に最新のセキュリティ技術を用いた未然防止策を図るとともに、日々のセキュリティログのチェックで被害拡大回避に努めております。 (2)外部環境変化に伴うリスク 当社グループの付加価値の源泉である高機能・独自製品については、その一部のアイテムの販売先が、自動車、エネルギー、IT・半導体、化学製品など先端技術分野の産業・業種に依存する構造となっています。そのため、その業界に属するお客様の需給環境や投資計画、流通在庫の多寡によって、当社グループの受注環境が変動するリスクがあります。 また、グローバル化しているお客様においては、その販売先のカントリーリスクが間接的に当社グループの受注環境に影響を与えています。一方、米国の相互関税をはじめとする通商政策が世界経済に与える不確実性、紛争などの地政学リスクや所謂チャイナリスク、原油及びその由来製品の価格高騰や調達懸念などが顕在化すると、当社グループの受注減少につながると認識しています。例えば、半導体関連の禁輸・制裁問題が超精密ガスフィルター(NASclean®)の販売減を引き起こす虞なども想定しています。同様に、為替水準の変動は、お客様の製品・サービスの価格競争力を押し下げる効果があるため、為替リスクも間接的に当社の受注環境に影響いたします。なお、当社グループにおける外貨建て取引は僅少であり直接的な為替リスクは大きくありません。 このような外部環境の変化による受注・販売の減少リスクに対しては、多能工化などフレキシブルな生産体制で固定費抑制を図るほか、多様な業種・業界のお客様に提供できる製品ポートフォリオの充実によって受注変動リスクの分散を図っています。 一方、当社グループの材料調達については、主力のステンレス鋼線部門の原材料は主成分であるニッケルやクロムなどのレアメタル相場の影響を受けます。原産国のカントリーリスクの発現などによりレアメタルの需給がひっ迫すると国際市況価格が高騰し当社の調達コストも増加しますが、為替変動リスクも含めた原材料の価格変動に連動してステンレス鋼線の販売価格を変更したり、契約に基づくサーチャージ制度により、原材料変動リスクの影響は限定的となります。ただし、ニッケル価格が極端に高騰すると、お客様が安価な代替品へ移行するリスクを認識しています。同様に、異業種企業や技術革新等により、当社グループのステンレス鋼線や金属繊維製品を代替するような素材や構造などが開発されるリスクもあります。当社グループでは、市場調査や技術交流会・展示会などを通じて、お客様やマーケットのニーズの変化を的確に捕捉し、タイムリーな新製品の市場投入や品質改善活動に努めています。また、材料調達の大部分を一部の国内大手メーカーに依存しています。主要材料については調達できないというリスクは限定的ですが、メーカー指定の独自鋼種の材料調達に関しては、当該メーカーの生産停止などにより影響を受ける虞があります。 (3)安全・健康、品質やヒューマンエラーなどによるリスク 当社グループにおいては、1トンに及ぶ重量物を取り扱うことや伸線機などの回転する危険な設備があることのほか、健康被害をもたらす特定化学物質の取扱い工程があるため、従業員の安全と健康を脅かす労働災害のリスクがあります。当社グループでは、安全と健康が幸せの原点と捉え、作業者による誤操作・誤動作による障害が発生した場合にも制御できるように設備のフェイルセーフ化へ継続的に投資するとともに、人間ドックの費用補助や健康維持向上活動に積極的な支援を行い、働きやすい職場環境づくりに努めています。当社は7年連続で「健康経営優良法人」に認定されるとともに、上位500法人である「ホワイト500」にも2年連続で認定されました。今後も継続して健康経営に取り組みます。 また、当社製品は、半導体製造装置・医療・自動車関連などの素材として利用されています。そのため、当社製品の欠陥に起因して重大事故が起きるなど、ユーザーの生命・健康に害を及ぼすリスクがあり、当社グループには損害賠償を求められる虞を認識しています。損害保険加入などの対策のほか、異材や疵などの不適合製品の流出防止に向け、品質関連の教育を徹底するとともに、誤入力や識別異常の防止など検査工程のシステム化投資を継続的に実施しています。また、検査データの不正や改ざんによって、お客様や社会からの信頼を失墜し、当社の事業基盤を失うリスクについても重く捉えています。当社グループでは、検査データ不正防止に向け、測定データの自動取込みシステムを導入するとともに、規格外や仕様登録のない材料や製品を取り扱うことのできない仕組みを運用しています。 そのほか、(1)自然災害などの不可抗力や外部からの攻撃によるリスクで記述したとおり、当社グループでは生産、営業、開発などに関して多くの営業的な秘密や個人データを保有しています。過失などによって情報漏洩するリスクがあり、その影響は不正アクセスによる漏洩と同様と認識しています。当社グループでは、機密情報へのアクセスを制限したり、ソフトウェアなどで外部へのデータ持ち出しを防止するほか、定期的にIT監査を通じて牽制を図っています。また、外部メールの運用ルールや重要情報の公開時の手続きの明確化にも努めています。
経営成績の分析 (MD&A)7,389字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 2025年度の世界経済は、米国の通商政策の不確実性や中国経済の低迷、またロシア・ウクライナ戦争の長期化に加え中東情勢の一層の緊迫化とホルムズ海峡をめぐる争いなど地政学リスクは日増しに高まっており、景気の先行きの不透明感がこれまで以上に大きくなっています。日本経済は雇用や所得環境の改善などにより緩やかな回復基調が続いたものの、継続的な物価上昇や幅広い業界での人手不足問題などに加え、原油及びその由来製品の価格高騰と安定調達への懸念が広がっており景気の先行きに影響する可能性があります。 このような事業環境の中で、当社及び連結子会社(以下「当社グループ」という。)は、2024年度より『第16次中期経営計画(NSG26)』(最終年度2027年3月期)をスタートし、①サステナビリティ成長分野に向けた高機能・独自製品の開発深化 ②生産基盤強化と生産性向上 ③水素回収技術の深化 ④ESG経営(資本コストや株価を意識した経営)を基本方針として企業価値向上に努めてまいりました。 結果として通期の売上高は、466億1百万円(前期比0.3%減)となりました。損益については、金属繊維部門は堅調に推移しましたが、太陽光発電パネルの製造プロセスで使用されるステンレス極細線の需要が引き続き低迷したことから減益となりました。この結果、営業利益30億77百万円(同32.8%減)、経常利益32億41百万円(同29.3%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、中国の連結子会社解散に伴う特別損失を計上したことなどにより21億47百万円(同33.9%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高の相殺消去前の金額を記載しています。 [日本] 金属繊維部門は超精密ガスフィルター及びナスロン®フィルターが堅調に推移しましたが、主力のステンレス鋼線部門は販売数量が微増に留まったことに加え、極細線の販売が好調であった前期と比べ大きく減少し、売上高は415億36百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は27億99百万円(同33.4%減)となりました。 [タイ] ステンレス鋼線の販売数量が減少し、現地通貨ベースでは減収減益となりましたが、前期比で円安・現地通貨高が進んだことから、売上高は56億99百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益は1億25百万円(前期比17.1%減)となりました。 [中国・韓国] ナスロン®フィルターの需要が低調に推移し、売上高は16億57百万円(前期比3.5%減)、セグメント利益は2億4百万円(同29.8%減)となりました。なお、中国の大同不銹鋼(大連)有限公司は2025年11月19日付をもって解散いたしております。 当連結会計年度末における総資産は567億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億62百万円増加しました。流動資産は現金及び預金や棚卸資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ7億76百万円減少しました。固定資産は建設仮勘定の増加などにより、16億39百万円増加しました。 負債は132億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億12百万円減少しました。流動負債は未払法人税等の減少などにより、前連結会計年度末に比べ5億27百万円減少しました。固定負債は1億85百万円減少しました。 純資産は434億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億75百万円増加しました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は159億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億70百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは36億17百万円の収入となり、前期に比べ11億1百万円減少しました。これは税金等調整前当期純利益及び仕入債務の減少などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは34億円の支出となり、前期に比べ20億59百万円支出が増加しました。これは有形固定資産の取得及び投資有価証券の取得による支出が増加したことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは10億45百万円の支出となり、前期に比べ6億60百万円支出が減少しました。これは長期借入れによる収入が増加したことなどによるものです。 (キャッシュ・フロー指標) なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。 2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 自己資本比率 (%)    68.5    72.8    73.7    75.4 時価ベースの自己資本比率(%)    52.0    81.1    70.0    68.0 キャッシュ・フロー対有利子負債比率     0.4     0.1     0.1     0.2 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)     534.6     1,099.5     1,133.6     1,015.4 ※ 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い (注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により計算しております。 3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。 4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 日 本(百万円)   38,211   △4.1 タ イ(百万円)   5,592   1.1 中国・韓国(百万円)   1,590   △2.0 合計(百万円)   45,394   △3.4 (注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 受注高 (百万円)   前年同期比(%)   受注残高 (百万円)   前年同期比(%) 日 本   41,994   0.2   6,155   12.2 タ イ   4,000   5.6   719   10.2 中国・韓国   1,226   △6.5   163   △41.2 合計   47,222   0.5   7,039   9.7 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 日 本(百万円)   41,536   △0.2 タ イ(百万円)   5,699   1.8 中国・韓国(百万円)   1,657   △3.5 消   去(百万円)   △2,292   4.2 合計(百万円)   46,601   △0.3 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 大同興業株式会社   10,926   23.4   10,904   23.4 株式会社メタルワン   5,731   12.3   3,710   8.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態の分析 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億62百万円増加し567億47百万円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べ7億12百万円減少し132億67百万円となりました。 当連結会計年度の売上高が減収(前連結会計年度比1億47百万円減)となり、売上債権(同比39百万円増)や買入債務(同比14百万円減)の増減はあったものの、棚卸資産(同比4億2百万円減)の減少により、運転資金は3億48百万円減少しました。また、減価償却費を上回る設備投資を実施したこともあり固定資産は16億39百万円増加しました。純資産は、主に利益剰余金が前連結会計年度末に比べ7億86百万円増加し434億80百万円となりました。結果として、運転資金の減少による資金増加要因はあったものの、設備投資資金の増加により、現金及び預金の残高は前連結会計年度末に比べ2億97百万円減少しました。 利益の積み上がりによって自己資本比率は75.4%(前期比1.6ポイント増)に高まり、経常利益が減益(前連結会計年度比13億43百万円減)となったためROA(経常利益/総資産)は5.8%(前期比2.6ポイント減)となりました。 b.経営成績の分析 (売上高) 当連結会計年度における売上高は466億1百万円(前期比0.3%減)となり、前連結会計年度に比べ1億47百万円減少しました。 高機能・独自製品が売上高全体に占めるシェアは66.1%(前期比0.3ポイント減)となりました。金属繊維部門は好調に推移しましたが、ステンレス極細線の販売が大きく減少したことが主な要因です。 事業部門別の売上状況は、次のとおりとなります。 [ステンレス鋼線] ステンレス鋼線においては、国内の住宅着工件数が低調に推移したことなどにより建築・土木関連向け鋲螺用材が前期比減少となりましたが、高機能・独自製品のうち日用品や電子部品向けが堅調に推移し、2025年度通期の販売数量は月当たり2,914トン(前期比2.5%増)となりました。米国関税影響については、一部アイテムにて数量の増減があったものの影響は限定的となりました。また、太陽光発電パネルの製造プロセスで使用されるスクリーン印刷向け極細線は、中国での太陽光パネルの在庫調整の影響が継続したことに加え、スクリーン印刷用メッシュの素材がステンレス以外の金属に置き換わる動きが見られたことなどにより大幅な販売減となりました。 LMEニッケル価格については、今年度に入り緩やかな下落基調が継続しましたが2025年末に急騰し一時8ドル台半ばまで値を上げました。2025年4~6月平均価格はポンドあたり6.88ドル、7~9月は同6.81ドル、10~12月は同6.75ドル、2026年1~3月は同7.87ドルとなりました。 結果として、通期でのステンレス鋼線部門全体の売上高は377億19百万円(同3.0%減)となりました。 また、海外現地法人であるTHAI SEISEN CO., LTD.は増収となりました。 なお、大同不銹鋼(大連)有限公司につきましては、中国経済が低迷する中、同社が製造・販売する自動車関連向けステンレス鋼線の需要が減少するとともに、為替環境の悪化や日系企業の中国からの撤退増加など同社を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、同社を解散しステンレス鋼線事業を再編することが、当社グループの企業価値向上につながるものと判断し、2025年11月19日付にて同社を解散いたしております。解散に伴い、従業員への経済補償金支払など特別損失2億75百万円を計上いたしております。 [金属繊維(ナスロン®)] 金属繊維においては、半導体関連業界向け超精密ガスフィルター(NASclean®)について、AIやデータセンター向け半導体需要の高まりを背景に、半導体製造装置メーカー向けを中心に堅調に推移し、通期での売上高は50億12百万円(前期比22.3%増)となりました。 ナスロン®フィルターについては、ポリエステル繊維やレーヨン繊維向けの中国での販売が減少したものの、ポリエステルフィルム用途で販売が低迷した前期に比べ増加となり、また炭素繊維関連が海外向け大型案件を中心に増加したことなどにより、通期における売上高は38億69百万円(同2.8%増)となりました。 結果として、通期での金属繊維部門全体の売上高は88億81百万円(同13.0%増)となりました。 なお、海外現地法人の耐素龍精密濾機(常熟)有限公司は減収となりました。 (経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における経常利益は32億41百万円(前期比29.3%減)となりました。ROSは7.0%となり前期比2.8ポイント減少しました。中国の連結子会社である大同不銹鋼(大連)有限公司の解散に伴い、従業員への経済補償金支払など特別損失2億75百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は21億47百万円(同33.9%減)となり、ROEは5.1%(同3.0ポイント減)となりました。 経常利益が前期比減益となった主な要因は、太陽光発電パネルなどの製造プロセスで使用される極細線の販売が、好調だった前期に比べ大きく減少したことなどです。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資金需要 成長投資への支出については、「サステナビリティ成長分野への高機能・独自製品の開発・拡販による持続的成長」を実現するために、主力の製造拠点である国内工場及びタイ、中国の在外子会社における生産効率向上や増産を目的とした設備投資を図ってまいります。また、お客様のニーズに対応した新製品開発と新市場創出に向け研究開発にも注力してまいります。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務健全性の維持と資本コストを意識しつつ、積極的に対応していくことを方針としています。 運転資金としては、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費用や営業費用が必要となります。事業運営上の必要資金に加え、大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧に備えるために、後述の退職給付債務の支払い原資の控除後、月商3ヵ月分の現金及び現金同等物の流動性確保を目途としています。 株主還元への支出については、連結業績や財政状態などを総合的に勘案し、連結配当性向50%程度を目途に配当を行うことを基本としています。 なお、当社グループでは退職一時金制度のみを採用しており、退職給付債務39億76百万円(2026年3月末現在)の支払い原資を、現金及び現金同等物にて実質的に保全しています。 c.資金調達 当社グループの運転資金及び投資資金は、原則として営業活動により獲得したキャッシュ・フローにより充当することを基本方針としています。ただし、有事の場合など、必要に応じ銀行借入による資金調達ができるように、取引金融機関との取引関係の維持強化に配慮した財務政策に努めています。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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