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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

京都機械工具

KYOTO TOOL CO.,LTD.5966 · Standard · 金属製品

自動車整備用手工具で国内シェア首位級。ロストワックス精密鋳造を核に、医療・電設など多用途へ展開する工具専業メーカー。

概要

京都機械工具株式会社(KTC)は、1950年8月の創業以来、自動車整備用工具を中心とする作業工具の製造販売を主業とする企業である。本社を京都市伏見区に置き、東京証券取引所スタンダード市場に上場。2026年3月期の連結売上高は83億円、従業員数は248名。工具事業に加え、不動産賃貸や太陽光発電を含むファシリティマネジメント事業も手掛ける。ブランド名「KTC」のほか、高級工具ブランド「nepros」を擁する。

工具事業を中核とする二事業体制

当社グループは、工具事業とファシリティマネジメント事業の二つで構成される。工具事業では、自動車整備用工具、医療用工具、電設関連工具、一般作業工具に加え、ロストワックス製法による精密鋳造部品を製造販売する。ファシリティマネジメント事業は、不動産の賃貸・運営および太陽光発電による売電を行う。連結子会社として北陸ケーティシーツールと株式会社HI-TOOLの2社を有し、グループ全体で工具の一貫生産とサービスを提供する。

売上高80億円台で推移する安定収益

2013年3月期から2026年3月期までの連結売上高は、72億円から90億円の範囲で推移している。2025年3月期には90億円に達したが、翌2026年3月期は子会社の不適切会計処理やデジタルトルクレンチの自主回収に伴い83億円に減少した。営業利益は8億円、純利益は5億円と、利益率は低めながら安定的な収益構造を持つ。自己資本利益率(ROE)8%以上を目標に掲げ、2030年度に売上高100億円を目指す。

国内生産拠点と過去の海外展開

生産拠点は京都府久御山町の久御山工場を主力とし、石川県羽咋市に北陸ケーティシーツールの工場を持つ。かつて中国福建省に子会社「福清京達師工具有限公司」を設立したが、2019年に持分譲渡した。上海の販売子会社も2008年に解散。国内では、2020年に株式会社HI-TOOLを子会社化し、工具事業の拡充を図る。物流面では、グループ内の生産拠点再編によるリスク管理を進めている。

業界の中での役割は工具業界のメーカー。ロストワックス精密鋳造技術を持ち、多品種の手工具を供給。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
83億円
営業利益
8億円
営業利益率
9.6%
純利益
5億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
工具事業81億円96.4%6億円7.4%
ファシリティマネジメント事業3億円3.6%2億円66.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01自動車整備主力

自動車整備用工具の中核サプライヤー。整備工場やサービス工場向けに、高品質で多様な手工具を供給している。専門性の高い整備作業を支える。

主な製品・サービス1
自動車整備用工具
自動車の整備・点検・修理に使用されるレンチ、ソケット、ドライバー等の手工具。耐久性と作業効率を重視した設計。

02医療準主力

医療用工具及び関連機器を製造販売。手術や診療に使用される精密な工具を供給し、医療現場のニーズに応えている。

主な製品・サービス2
医療用工具
外科手術などで使用される精密な鉗子やピンセット等。高い精度と衛生面の配慮が求められる。
医療用関連機器
医療用工具と組み合わせて使用する機器・器具。

03電設副次

電設関連工具を供給。電気工事士などプロフェッショナルの作業効率を高める工具を提供している。

主な製品・サービス1
電設関連工具
電気工事や配線作業に使用される工具。絶縁性や安全性に配慮した設計。

04一般産業副次

その他一般作業工具や精密鋳造部品(工作機械部品、産業用機械部品)を製造販売。ロストワックス製法による高精度部品を産業機械メーカーに供給。

ロストワックス精密鋳造技術を持つ

主な製品・サービス2
一般作業工具
DIYからプロ向けまで幅広い作業工具。
精密鋳造部品
ロストワックス製法で製造する精密部品。工作機械や産業機械の部品として高精度が要求される。

製品と技術

「軽く、強く、使いよい」を追求する工具

創業以来の製品哲学は「軽くて強くて使いよい工具」である。主力の自動車整備用工具をはじめ、医療用工具、電設関連工具、一般作業工具をラインアップする。高級ブランド「nepros」はプロメカニック向けで、2025年に誕生30周年を迎えロゴを刷新。「BEYOND THE BEST」をタグラインに掲げ、北米市場でのツールトラック販売を強化する。また、精密鋳造ではロストワックス製法により工具部品や産業機械部品を製造する。

IoT技術を組み込んだ「TRASAS」と「nepros ID」

工具にソフトウェアとサービスを融合した「TRASAS(TRAceable Sensing and Analysis System)」シリーズは、IoT技術により作業データを無線転送し、履歴の記録・管理・分析を可能にする。航空宇宙産業やMRO市場向けには、RFID搭載工具「nepros ID」シリーズを展開。工具の紛失抑制や探索に貢献し、2025年にはシンガポールの展示会「MRO Asia-Pacific 2025」で日本企業初の「MRO Technology Achievement of the Year」を受賞した。

ものづくり技術館と生産革新

久御山工場内に「KTCものづくり技術館」を設置し、自社技術の紹介や研修を実施。2015年には埼玉県に東日本施設を開設した。生産面では、人とロボットの協働ラインを導入し、単純作業をロボットに任せることで付加価値の高い作業へシフト。新設備を活用し「nepros」「nepros ID」製品の能力増強を図る。また、本社屋根に太陽光発電パネルを設置し、使用電力の一部を賄うなど環境対応も進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

金属製品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 一般産業ロストワックス精密鋳造技術を持つ

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

売上80-90億円、営業利益率9%前後

京都機械工具は金属製品業界で、売上高84億円(FY24)から90億円(FY25)へ増加後、FY26には83億円とやや減少するものの、営業利益率は8.89%から9.64%へ改善。同業の稲葉製作所やケー・エフ・シーと比べ規模は中堅だが、安定した収益力を示す。自動車関連需要に依存する面がある。

強み

  • 営業利益率9%前後を維持し、収益性が安定。
  • 売上80億円超で、業界内での中位ポジション。
  • FY26に営業利益率がさらに向上見込み。
  • 工具製造の高い技術力を持つ。

課題

  • FY26に売上83億円と減少見込みで、成長力に疑問。
  • 自動車関連需要に左右されやすく、景気影響を受けやすい。
  • 同業他社との技術差が小さく、価格競争に陥る可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属製品の時価総額近傍。太字が京都機械工具

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15940不二サッシ95億円4.7倍
23446ジェイテックコーポレーション89億円152.1倍
33423エスイー86億円
45923高田機工78億円
53422J-MAX72億円7.8倍
65966京都機械工具65億円12.7倍
75936東洋シヤッター59億円7.0倍
83440日創グループ59億円13.8倍
95956トーソー58億円7.6倍
105986モリテック スチール58億円5.5倍
115997協立エアテック55億円9.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 33件

自動車搭載工具の製造から始まった創業期(1950〜1960年)

1950年8月、資本金1,000千円で京都市南区に京都機械工具株式会社を設立。自動車搭載工具の製造を開始する。翌1951年には本社を移転し、国内市販用作業工具の製造にも乗り出した。1952年に再び移転し、1960年には京都市伏見区に伏見工場を新設。同年、京都府大山崎町に子会社・京都機工を設立し、生産能力を高めた。この時期に工具メーカーとしての基盤を固めた。

工場拡張と上場による成長(1964〜1980年)

1964年に本社と工場を伏見区に集約。1970年には石川県に北陸ケーティシーツール(当時は北陸ケーティシーツール)を設立し、生産拠点を西日本に拡大。1973年には久御山工場を新設し、生産能力をさらに強化した。1980年3月、大阪証券取引所市場第二部および京都証券取引所に上場。上場により資金調達力を高め、事業の拡大基盤を築いた。

ブランド刷新と中国進出(1995〜2005年)

1995年、中国福建省に福清京達師工具有限公司を設立し、海外生産に乗り出す。2000年8月、創立50周年を機に会社呼称を「KTC」に変更。同時に久御山工場に新表面処理工場を建設し、伏見工場を廃止した。2005年には北陸ケーティシーツールが京都機工を吸収合併し、グループ再編を実施。同年、上海に販売子会社を設立したが、これは2008年に解散している。

再編と新たな事業領域への挑戦(2014〜2020年)

2014年に子会社アサヒプラザを解散。2016年に北陸ケーティシーツールがケーティーシーサービスを吸収合併。同年、石川県で太陽光発電事業を開始し、ファシリティマネジメント事業に参入。2017年に監査等委員会設置会社へ移行。2019年に中国子会社の株式を譲渡し、海外生産から撤退。2020年には東京証券取引所の市場区分見直しに伴いスタンダード市場へ移行し、同日に株式会社HI-TOOLを子会社化した。

品質問題と経営基盤の再構築(2022〜2026年)

2022年度に長期ビジョン「KTC vision 2030」を策定するが、2025年度には子会社北陸ケーティシーツールにおける不適切会計処理およびデジタルトルクレンチの自主回収が発生。特別損失として調査費用など5.61億円、和解金1億円を計上。これを受け、新5か年計画「Restart KTC vision 2030」を策定し、コーポレートガバナンス強化と内部統制の整備に注力する。2026年3月にはけいはんなR&Dオフィスを閉鎖した。

年表33件を開く

1950年代

  • 1950年8月創業京都市南区西九条比永城町において、京都機械工具株式会社を設立(資本金1,000千円)自動車搭載工具の製造を開始
  • 1951年3月本社及び工場を京都市南区東九条烏丸町に移転、国内市販用作業工具の製造を開始
  • 1952年10月本社及び工場を京都市中京区西ノ京中合町に移転

1960年代

  • 1960年8月京都市伏見区下鳥羽長田町に伏見工場を新設
  • 1960年10月京都府乙訓郡大山崎町に子会社の京都機工㈱を設立
  • 1964年8月本社及び工場を京都市伏見区下鳥羽長田町に移転

1970年代

  • 1970年9月石川県羽咋市に北陸ケーティシーツール㈱を設立
  • 1973年4月京都府久世郡久御山町に久御山工場を新設

1980年代

  • 1980年3月上場大阪証券取引所市場第二部及び京都証券取引所に上場
  • 1983年11月京都市伏見区に子会社の㈱アサヒプラザ設立
  • 1988年3月久御山工場に精密金型工場を新設
  • 1988年5月本社事務所を久御山工場に移転

1990年代

  • 1994年4月京都府久世郡久御山町に子会社の㈱ケーティーシーサービスを設立
  • 1994年8月久御山工場に新機械工場を建設
  • 1995年10月中国福建省に子会社の「福清京達師工具有限公司」を設立
  • 1998年4月京都府久世郡久御山町に子会社の㈱ケーティシーキャリアサービスを設立

2000年代

  • 2000年3月久御山工場に新表面処理工場を建設、伏見工場を廃止
  • 2000年8月創業創立50周年を記念し会社呼称をKTCに変更
  • 2002年9月久御山工場にKTCものづくり技術館完成
  • 2004年10月中国上海市に子会社の「上海凱特希工具貿易有限公司」を設立
  • 2005年4月M&A子会社の北陸ケーティシーツール㈱が京都機工㈱を吸収合併
  • 2008年7月子会社の上海凱特希工具貿易有限公司を解散
  • 2009年9月子会社の㈱ケーティシーキャリアサービスを解散

2010年代

  • 2013年7月上場東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所市場第二部に上場
  • 2014年11月子会社の㈱アサヒプラザを解散
  • 2015年4月さいたま市桜区に東日本KTCものづくり技術館を開設 久御山工場にKTCものづくり技術館匠工房を開設
  • 2015年9月石川県羽咋市にて太陽光発電事業を開始
  • 2016年8月M&A子会社の北陸ケーティシーツール㈱が㈱ケーティーシーサービスを吸収合併
  • 2017年6月監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行
  • 2018年8月久御山工場のKTCものづくり技術館内にnepros museum360°を開設
  • 2019年5月子会社の福清京達師工具有限公司を持分譲渡

2020年代

  • 2020年4月M&A関西文化学術研究都市にKTCけいはんなR&Dオフィスを開設 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行 ㈱HI-TOOLの全株式を取得し、子会社化
  • 2026年3月KTCけいはんなR&Dオフィスを閉鎖

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2030年度まで100億円
  • 営業利益率2030年度まで10%
  • PBR2030年度まで1倍
  • ROE2030年度まで8%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    進化するツールの提供

    自動運転やEV技術の革新、技術者高齢化や人手不足に対応するため、新材料や構造・機構の技術を活用し、安全で人と環境にやさしい工具を進化させ続ける。多様性を認め合う持続可能な社会の実現を目指す。

  2. 02

    IoT技術による新価値の提供

    工具・ソフトウエア・サービスで構成する「TRASAS」シリーズを展開。航空宇宙産業やMRO市場向けにRFID搭載工具「nepros ID」を提供し、使用履歴管理による紛失抑制や探索支援で作業管理体制の強化・効率化を図る。

  3. 03

    サプライチェーンマネジメント強化

    人とロボットの協働環境を運用し、単純作業をロボット化して人は付加価値の高い作業へシフト。生産設備の能力増強、拠点最適化、地政学リスク対応を含むものづくり中心のサプライチェーンを強化する。

  4. 04

    ESG経営と人材投資

    温室効果ガス削減とコストダウンを両立させる省エネや再生可能エネルギー利用を推進。多様な人材の登用や成長支援への投資を行い、社員が働きがいを感じる会社を目指す。

  5. 05

    内部統制とガバナンス再構築

    不適切な会計処理の再発防止に向け、棚卸手続きの再構築、在庫管理システムの整備、内部監査体制の強化、3ラインモデル確立、取締役会のモニタリング機能強化などグループ統治を徹底する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で248人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は582万円で、9期前と比べて+2.1%平均年齢は40.6歳、平均勤続年数は17.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月306
2018年3月316
2019年3月57041.017.1276
2020年3月58740.817.0264
2021年3月53840.317.0271
2022年3月57240.917.1262
2023年3月57940.317.0253
2024年3月59440.617.1242
2025年3月58840.917.1244328
2026年3月58240.617.0248323

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 2 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
本社事務所及び久御山工場 — 京都府久世郡久御山町2,394百万円
工具事業
東京支店 — 東京都大田区559百万円
工具事業
久御山町賃貸用物件 — 京都府久世郡久御山町502百万円
ファシリティマネジメント事業
旧本社 — 京都市伏見区225百万円
ファシリティマネジメント事業
本社工場 — 石川県羽咋市126百万円
工具事業
KTC SOLAR 891発電所 — 石川県羽咋市65百万円
ファシリティマネジメント事業
主な関係会社
  • 国内
    北陸ケーティシーツール㈱(注)2.
    石川県羽咋市
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱HI-TOOL
    京都府久世郡久御山町
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は83億円営業利益8億円前期と比べると減収増益で、売上が-7.8%、利益が+0.0%。

売上高
-7.8%
83億円
営業利益
+0.0%
8億円
純利益
+0.0%
5億円
営業利益率
9.6%
前期比 +0.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高85億円83億円
営業利益6億円8億円
純利益5億円5億円
1株あたり配当¥80¥80

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は20億円、営業利益は1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+0.0%、営業利益は−50.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q252
2024年1Q20210.01
2024年2Q1815.61
2024年3Q19210.52
2024年4Q272
2025年2Q4037.53
2025年4Q50510.02
2026年2Q3837.91
2026年4Q45511.14
2027年1Q2015.01

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は78億円から83億円へ1.1倍に増えた。直近期の営業利益率は9.6%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所市場第二部に上場
2013年3月7865
2014年3月7555
さいたま市桜区に東日本KTCものづくり技術館を開設 久御山工場にKTCものづくり技術館匠工房を開設
2015年3月7265
子会社の北陸ケーティシーツール㈱が㈱ケーティーシーサービスを吸収合併
2016年3月8585
2017年3月8275
久御山工場のKTCものづくり技術館内にnepros museum360°を開設
2018年3月7553
2019年3月7974
関西文化学術研究都市にKTCけいはんなR&Dオフィスを開設 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行 ㈱HI-TOOLの全株式を取得し、子会社化
2020年3月8376
2021年3月7353
2022年3月7985
2023年3月8486
2024年3月8496
2025年3月90898.95
2026年3月83889.65

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高83億円のうち、営業利益として残るのは8億円9.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は5億円、売上の6.0%にあたる。営業利益率は業種中央値5.3%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金61.4%51億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金30.1%25億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益9.6%8億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
38.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+4.4pt
9.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.8pt
6.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比1.9pt
4.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが2億円、投資CFが1億円で、差し引きのフリーCFは3億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は31億円で、売上の4.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1−1−7020
2014年3月43−4723
2015年3月4−4−9014
2016年3月13−3−31021
2017年3月9−5−3422
2018年3月4−3−3120
2019年3月7−3−2423
2020年3月10−3−2728
2021年3月8−3−2531
2022年3月10−3−2737
2023年3月2−4−2−233
2024年3月5−2−2334
2025年3月11−13−3−229
2026年3月21−2331

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は158億円。このうち返さなくてよい自己資本が126億円で、自己資本比率は79.9%(業種中央値59.8%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月127784960.9
2014年3月125824364.7
2015年3月127874067.6
2016年3月129894068.2
2017年3月131933870.1
2018年3月129953473.0
2019年3月130953573.0
2020年3月134993573.5
2021年3月1351033276.3
2022年3月1431073674.8
2023年3月1471123575.9
2024年3月1651244174.8
2025年3月1631234075.2
2026年3月1581263279.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
31億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
80億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
27億円
在庫として抱えている分
負債合計
32億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
89
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率19 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

金属製品 87社との比較

同じ金属製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率87社中11位あたり、逆に低いのは売上成長率87社中79位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
4.0%/中央値 5.9%
P25 2.5%P75 8.9%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
9.6%/中央値 5.3%
P25 2.5%P75 8.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
79.9%/中央値 59.8%
P25 47.8%P75 70.0%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-7.8%/中央値 1.9%
P25 -1.7%P75 3.9%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.0%/中央値 3.0%
P25 2.2%P75 4.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,635で、1年前と比べて+8.6%過去52週の値幅のなかでは83%の位置にある。

¥2,635-0.9%1ヶ月+4.8%1年+8.6%時価総額65億円
過去52週の値幅
安値¥2,375高値¥2,690

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)12.7倍
PER (会社予想)13.5倍
PBR0.49倍
配当利回り3.04%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月末に2510円まで調整したが、8月7日に2649円と急伸し、25日線(2554円)を3.7%上回った。52週高値2650円にほぼ到達し、年初来の上昇率は8.1%と堅調。ただし出来高は直近で300株と低調で、薄商いの中での上昇であり、持続性に注意が必要。RSIは56.8と中立圏で、上値余地があるとみられる。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 85/100)

PER 12.5倍は業界平均18.3倍を下回り割安。PBR 0.50倍は平均1.10倍を大きく下回り、解散価値の半値で取引。ROE 4%と低いものの、配当利回り3.27%は平均3.74%に近く、配当性向41%と安定。収益力は弱いが、資産価値や割安指標から過小評価されている。

指標この会社業種平均
PER (実績)12.7倍49.7倍
PER (予想)13.5倍
PBR0.49倍1.13倍
ROE4.0%6.3%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

安定した収益力を持つが、売上高は80億円台で成長が鈍い。自動車市場の電動化やDIY需要の変化が工具需要に与える影響が争点。PBR0.5倍と割安で、配当利回り3.3%が下支えする一方、ROE4%と低い資本効率が指摘される。

プラスに働く材料7
  • 割安バリュエーション

    PBR0.5倍、PER12.5倍と低水準

  • 強固なブランド

    プロ向け工具で高い認知度と信頼

  • 安定配当

    利回り3.3%、長期保有に適する

  • 東証要請によるPBR改善策の具体化次回株主総会影響

    PBR0.50倍と業種平均比低位、自己株式取得や配当増でROE向上余地

  • 収益性改善基調の継続通年影響

    FY26営業利益8億円確保、売上減でもマージン向上で利益維持

  • 増配継続によるインカム需要取り込み2026年Q1影響

    配当性向約40%、業績安定で増配余地あり

  • 国内設備投資回復に伴う工具需要拡大2026年下期影響

    日銀短観で設備投資計画増加、工具需要恩恵期待

マイナスに働く材料7
  • 低成長

    売上高は横ばい、市場拡大が見込みにくい

  • ROEの低さ

    ROE4%と低く、資本効率の改善が必要

  • 需要構造変化

    電動化でエンジン関連工具需要が減少リスク

  • 売上高減少による業績下振れリスク通年影響

    FY26売上高83億円、前期比▲7.8%減収の計画

  • 原材料高・資材コスト上昇による利益圧迫継続影響

    鋼材価格上昇で原価率悪化、営業利益▲1億円程度のリスク

  • 国内工具市場のシェア競争激化継続影響

    同業他社による値引き競争で販売単価下落リスク

  • 需給面の上値重さ継続影響

    時価総額64億円と流動性低く、大型買い手不在

次の決算で確かめる点
売上高成長率
市場の拡大・縮小を判断
営業利益率
収益性の維持を確認
ROE
資本効率の改善度合いを測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり80で、前期から+6.3%いまの株価に対する利回りは3.04%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥80
1株あたり
配当利回り
3.04%
いまの株価に対して
配当性向
41.0%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月6533.2
2018年3月41−36.947.5
2019年3月6558.535.1
2020年3月707.729.1
2021年3月757.148.9
2022年3月70−6.733.8
2023年3月700.028.1
2024年3月8014.329.4
2025年3月800.032.5
2026年3月856.341.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥80

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ1,602人。区分でいちばん多いのは個人・その他54.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が42.2%を占め、残る57.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他53.453.553.651.953.354.7
金融機関26.025.925.925.825.825.8
事業法人18.518.618.618.918.016.4
外国法人1.81.61.62.82.72.8
自己株式2.11.91.61.42.52.5
証券会社0.40.30.40.60.10.2

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01宇城邦英6.96
02株式会社三菱UFJ銀行4.80
03明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)4.68
04株式会社京都銀行(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)4.36
05東京海上日動火災保険株式会社3.82
06山崎道子3.61
07京華産業株式会社3.48
08京都中央信用金庫3.23
09KTC従業員持株会2.99
10KTC共栄持株会2.49

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+392%、1株純資産は14期で+709%。直近期のROEは4.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月426456.86.828.5
2014年3月406746.18.330.7
2015年3月417145.98.831.9
2016年3月457326.28.033.4
2017年3月1893,8285.010.833.2
2018年3月1453,9383.714.047.5
2019年3月1563,9654.011.835.1
2020年3月2434,1166.07.029.1
2021年3月1414,2513.413.348.9
2022年3月2084,4064.89.433.8
2023年3月2444,5895.48.228.1
2024年3月2395,0644.911.829.4
2025年3月2255,0714.411.632.5
2026年3月2085,2224.011.741.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2026/3期の役員報酬は総額117百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
伊吹和彦代表取締役社長 社長執行役員6483
川田実取締役 常務執行役員5815
谷明典取締役51
大橋博取締役(監査等委員)553
岩永憲秀取締役(監査等委員)52
長谷川葵取締役(監査等委員)47
岡本しのぶ50

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)69439716
社外取締役412123
取締役(社内)3883

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容340字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループの企業集団は、当社並びに連結子会社2社で構成され、工具の製造販売を主な事業とし、その他にファシリティマネジメント事業を行っております。 当社グループとしての事業に係る位置づけは次のとおりであります。 (1)工具事業 工具…………………………………… 自動車整備用工具、医療用工具及び関連機器、電設関連工具、その他一般作業工具及びこれらに関連する機器の製造販売 精密鋳造……………………………… ロストワックス製法による工具及び精密工作機械部品・産業用機械部品などの製造販売 (2)ファシリティマネジメント事業… 不動産の賃貸、業務用不動産の運営等 (太陽光発電による電気の販売を含む) 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題7,479字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、社是「お互いに誠実でたゆまず前進し、軽くて強くて使いよい工具を創り、社会に貢献しよう」、社訓「信用・誠実・協調・創造・実行」を経営理念とし、品質・価格・納期の面において、お客様の要求に最大限お応えできる製品とサービスを提供することにより、企業の継続的発展を目指すとともに、法令を遵守し、安全・環境面においても地域をはじめとする社会に貢献できる企業グループを目指してまいります。 (2) 経営戦略等 当社グループは、2022年度より2030年度を最終年度とする長期ビジョン「KTC vision 2030」を策定し、達成を目指してまいりましたが、2026年5月15日付「新5ヵ年計画 Restart KTC vision 2030の策定並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」にて公表のとおり、計画を見直すことといたしました。まずは強固な経営基盤を再構築し、その上に本質的な成長を重ねることで、着実に達成を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益率、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)であります。 新5ヵ年計画「Restart KTC vision 2030」の最終年度となる2030年度の目標値は、売上高100億円、営業利益率10%、PBR1倍、ROE8%以上であります。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、雇用・所得環境の側面から引き続き底堅く推移するとの期待がある一方、2026年11月に中間選挙を控える米国の通商政策や中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなど、先行きが見通し難い状況が続くと予想されます。 また、関連業界においては、少子高齢化を背景とした技術者の高齢化や人手不足に伴う生産性や企業競争力などへの影響が問題視されている一方で、安全・安心に対する社会的要求の高まりにより、ESGに関する取り組みを含むコンプライアンスの強化が求められております。 当社グループの主力である工具事業では、「もの」を主体とする製品事業から「こと」を提案するサービス事業への領域拡大を加速化し、お客様の多様化するニーズに対応してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、従前の長期ビジョンで掲げた3つの戦略方針(「今までの概念を覆す」「リーディングカンパニーの伝統を活かす」「あらたなチャンスに挑戦」)及びESG推進方針(「E 地球環境に徹底的に貢献する」「S あらゆるステークホルダーと共生する」「G 持続可能な信頼される企業であり続ける」)を踏襲し、以下の戦略課題に取り組んでまいります。 ① 人ができることを増やしていくために進化するツールの提供 当社グループは、お客様にとって最適な「軽くて、強くて、使いよい」ツールを環境の変化に適応した形で提供し続けます。たとえば、主力の自動車業界では、「自動運転技術」「EV技術」による技術革新が進む一方で技術者の高齢化や人手不足に伴う生産性や企業競争力などへの影響が問題視されており、作業現場のニーズはより多様化することが予測されます。これに対し、新しい材料や構造・機構に関する技術を用いるなど、安全で使う人と環境にやさしいツールを進化させ続け、多様性を認め合う持続可能な社会の実現を目指してまいります。 ② つながる工具とソフトウエア、サービスによる新たな価値の提供 当社グループは、安全・安心に対する社会的要求の高まりにより、人作業や作業情報などの一元管理が進展することを見据え、「工具(ハードウエア)」「ソフトウエア」「サービス」の三要素で構成する「TRASAS」シリーズをはじめとするIoT技術を用いたツールを展開しております。とくに昨今、より効果的かつ効率的なコンプライアンス強化が求められるなか、厳格な工具管理を要する航空宇宙産業やMRO(Maintenance Repair Overhaul)市場などに対し、使用履歴管理による紛失抑制や紛失した際の工具の探索に貢献するRFID搭載工具「nepros ID」シリーズを展開し、作業管理体制強化や効率化による新たな価値を提供してまいります。 ③ 「Restart KTC vision 2030」を支えるサプライチェーンマネジメントの強化 当社グループでは、「Restart KTC vision 2030」を支えるためのものづくり革新を進めており、人とロボットそれぞれの長所を活かした協働環境の運用を目指しております。脱着作業などの単純な繰り返し作業をロボットが行うことで、人はより付加価値の高い作業へシフトいたします。さらに、生産各工程の新規設備を活かし、とくに「nepros」「nepros ID」製品をベースとした各成長戦略の実現に向けて能力増強を図るとともに、生産拠点の最適化や地政学リスクへの対応を含めものづくりを中心としたサプライチェーンマネジメントの強化に取り組んでまいります。 ④ サステナビリティの深化(ESG経営の推進 及び 新人事制度の定着と運用) 当社グループの事業活動を通じた社会課題への貢献に向け、ESGを軸としたサステナビリティへの取り組みを深化させてまいります。たとえば、気候変動の課題に対し、温室効果ガス排出量の削減に向けたエネルギーに関する取り組み(省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用推進など)とコストダウンを両立させるなど、グループ全体の最適化を図り、環境に配慮したお客様に選ばれる企業を目指してまいります。 また、事業を維持・向上、変革させる源泉は、人材であります。多様な価値観への社会的な変化を背景に、多様な人材の登用、一人ひとりの成長と能力発揮などを目的とした人材への投資を行い、「人を中心に置きながら人に依存しない体制を築き上げる」など、社員がより「KTCで働いてよかった」と思える会社を実現させ当社グループの成長につなげてまいります。 ⑤ 不適切な会計処理に関する特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題 当社は、2025年7月31日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」及び9月16日付「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備及び内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、6月30日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にて公表いたしました特別調査委員会の調査報告書における提言を踏まえて再発防止策を策定し、9月9日付で社長を委員長とする「グループ経営改革委員会」を設置し、鋭意、以下の改善措置を講じてまいりました。 <グループ経営改革委員会の構成> ・委員長:社長 ・委 員:管理本部担当取締役、管理本部長、生産本部長、総務・人事担当執行役員兼人事部長、 総務部長、財務経理部長、内部監査部長、戦略準備室長 他6名 ・アドバイザー:外部の弁護士、外部の公認会計士、常勤監査等委員 <改善措置の進捗状況> 1)北陸ケーティシーツール株式会社(以下「北陸KTC」と言います。)における内部統制の整備・運用 a.実地棚卸の結果を正確に会計帳簿に反映させる手続きを構築 実地棚卸後に作成する棚卸明細を正確に作成するために、実地棚卸手順、棚卸監査手順、棚卸明細作成手順を再構築し、2025年9月の第2四半期(中間期)決算の実地棚卸から運用を開始しております。特に棚卸明細の作成手順につきましては、不正や誤謬を防止すべく、担当者以外によるダブルチェック体制を導入いたしました。 また、親会社の内部監査部が、実地棚卸の監査及び棚卸監査時の棚卸リスト・棚卸原票と棚卸明細の突合を実施することに改め、監査体制を強化しており、当該監査体制のJ-SOX文書への落し込みを2025年12月に完了し、第3四半期決算の実地棚卸より運用を開始しております。 b.在庫管理システムを整備(仕掛品管理をシステム化、人為的ミス・不正機会を排除) 現行の生産管理システム(以下「KNPS」と言います。 ※ 親会社と同じシステム)において、何時でも在庫データを抽出可能な仕様に改良し、第3四半期決算の実地棚卸より運用を開始しております。具体的には、仕掛品、原材料、貯蔵品をKNPSにおいてリスト化し(従前はExcelで人が作成)、人手を介さない管理体制を確立することで、不正の機会を排除いたしました。また、原価管理につきましても、システム上で管理できる仕組みを構築いたしました。 KNPSの改良につきましては、短期フェーズ(2025年12月末完了)と長期フェーズ(2027年3月末完了予定)に分けて実施する計画です。親会社と北陸KTCにおいて実務レベルの改善要望調査を実施し、2025年10月に対応すべき項目の洗い出しを終えました。現在は、長期フェーズに移行しており、要件定義が完了し、システム開発のフェーズに移行しております。具体的には、監査で使用する棚卸リストをPDF形式で出力できる機能の追加(書換え不可とすることで不正の機会を排除)、親会社と子会社のKNPS機能の統合等を行います。 c.モニタリング手続きを親会社手続きと共通化 親会社の業務フローを参考に、北陸KTCの業務フローを見直し、親会社の内部監査部が、北陸KTCの業務プロセス(販売、購買、在庫管理プロセス)を定期的に監査することで、グループ全体を統一的な視点で効果的かつ効率的に監査する体制を構築いたしました。 2025年11月の内部統制委員会において、北陸KTCを改めて内部統制上の重要な事業拠点と位置づけ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲に含め、親会社の内部監査部がJ-SOX文書に基づき、リスク評価、整備・運用テストを実施しております。 d.親会社の内部監査部を3線とする3ラインモデルを確立 親会社であるKTCにおきましては、従来、内部監査部は管理本部担当役員が所管しておりましたが、2025年11月に社長直轄の組織へ変更するとともに、業務分掌の見直し(※)を行いました。なお、社長による不正が疑われる事案が発生することへの備えにつきましては、監査等委員会(2025年11月の臨時株主総会で人員を刷新)の独立性(管理・監督機能)を改めて確認し、毎取締役会にて課題を共有し協議する時間を確保することにより、取締役会との連携を強化しております。 また、北陸KTCの3ラインモデルの確立につきましては、統合を見据え、2026年4月1日付で親会社に戦略準備室を新設し、統合までの間は同室主導の下、2線、3線を親会社が担う体制としております。 ※内部監査部の3線としての機能を明確化すべく、内部統制委員会(月次開催)の事務局を2線部門(総務 部、財務経理部)に変更いたしました。 e.親会社の管理部門(財務経理部、内部監査部)の人員を増強(上記を実現) 内部監査人材につきましては、2026年1月にキャリア採用により管理職クラス1名が入社し、2名体制から3名体制へ増員いたしました。 経理人材(財務経理部)につきましては、2025年10月にキャリア採用者1名が入社し、3名体制から4名体制へ増員し、12月に中堅社員の異動を行い5名体制といたしました。更に、2026年6月に次期管理職候補となる中堅クラスの人材が、キャリア採用により1名入社いたしました。上記d.の3線のみならず、経理担当部門をはじめとする2線においても2026年10月1日付で予定しております親会社への統合(吸収合併)を見据え、親会社主導で全社統制を実現すべく、引き続き人員を増強してまいります。 2)グループ一体感の醸成を主眼とした北陸KTCの位置づけの見直し a.不採算事業を見直し(親子間取引価格の改定) 北陸KTCにおいて売上の約7割を占める親子間取引の価格改定を物価・人件費の上昇を反映し、2度(2025年7月、2026年2月)実施いたしました。 もっとも、上記価格改定を行ったものの、抜本的な採算の改善を見込むには至らず、上記のとおり親会社への統合(吸収合併)を予定しております。現在、全社的な戦略を俯瞰したうえで、不採算品にとどまらず、不採算事業そのものについて、抜本的な見直しの検討を進めております。 b.グループ戦略拠点としての位置づけを明確化(親会社への統合) サプライチェーンの観点から、北陸KTCのグループ生産拠点としての位置づけを明確にすると共に、管理の一体化など業務の有効性と効率性を高めることを目的として、2026年10月1日付での親会社への統合(吸収合併)を予定しております。現在、上記a.と合わせて、全社的な生産戦略の検討を進めております。 c.人的交流を活発化(製造部門、2線部門) 北陸KTCにおける内部統制の運用定着と統合のサポートを目的に、先ずは2026年4月に親会社に新設した戦略準備室を中心に北陸KTCへの常駐も含め、人的交流を進めております。今後、親会社の製造部門や管理部門において、北陸KTCから将来の幹部候補人材を受け入れる計画です。統合後も継続的に人的交流を図り、人材育成を軸に相互理解による一体感の醸成に取り組んでまいります。 d.中長期的な事業計画・投資計画・人員計画を策定 「サプライチェーン・マネジメント強化」の一環として、北陸KTCの親会社への統合を見据え、戦略的な生産品目の見直しとそれに見合った投資計画を再構築すると共に、工具事業、メタル事業、精密鋳造事業のそれぞれにおいて、親会社との生産バランスを見直し、各事業部門における人員最適化の検討を進めております。 3)ガバナンスの再構築 a.取締役会、監査等委員会におけるモニタリング機能を強化(執行と監督の分離を徹底) 2025年11月の臨時株主総会において、取締役監査等委員3名を刷新いたしました。その後、新たな役員体制において、執行と監督の分離徹底の観点から、取締役会のあるべき姿について議論を重ね、2026年1月に現行の「取締役会規則」とは別に「取締役会がなすべきガイドライン」を新たに制定いたしました。 同ガイドラインでは、取締役会の第一義的な役割を「会社の重要な意思決定と業務執行の監督・監視」と定義し、「業務執行に関する個別の判断・指示を行わず、執行と監督の分離を徹底する」ことを明文化しております。 b.指名委員会によるサクセッションプランニングを強化 2025年12月の指名委員会において、役員ポストの選任基準を定めた「役員サクセッションプラン運用規程」を新たに制定いたしました。その後、同規程に則り2026年2月の同委員会において一次案を承認しております。 また、既述の「取締役会がなすべきガイドライン」の中で、「直前まで業務執行を担っていた者を監督・監視の役割に任命する場合には、その合理的理由および独立性確保の考え方を明確にする」ことを明文化しております。今般の不祥事案の原因の一つである自己監査の状況をつくることのないよう、厳格に運用してまいります。 c.新たな経営体制を構築(上記の実現を見据え人選) 新たな経営体制では、2025年11月の臨時株主総会において、先ず社内取締役5名(うち常勤監査等委員1名)を3名(うち同1名)に減員し、社外取締役2名(うち監査等委員2名)を刷新いたしました。なお、取締役常勤監査等委員も社内から新たに選任しております。 また、2026年6月26日開催の第76回定時株主総会において、社外取締役1名を追加選任し、外部の知見を積極的に取り入れることでガバナンスを再構築し、経営の健全性を高めてまいります。 4)上場会社としての信頼性確保に向けた全社的な意識改革 a.グループ全役職員を対象に、定期的にコンプライアンス研修を実施 2025年11月の臨時株主総会終了後、グループ会社を含めた全社員に対し、本事案の動機や背景等、詳細を説明の上、コンプライアンスの重要性と再発防止を周知徹底いたしました。 同時にコンプライアンスレベルの実態と課題を把握するため、「コンプライアンスに対する意識調査」を実施し、その結果を踏まえてeラーニングや対面でのコンプライアンス、ハラスメントに関する研修プログラムを策定し、運用を開始しております。 また、今般の事案において機能しなかった内部通報制度につきましても、グループ全社員に対しイントラネットや社内掲示板等により、目的や仕組み、匿名性について、改めて周知いたしました。 更に、定期的且つ継続的に取り組むべく、研修ポータルサイトを立ち上げ、運用を開始しております。 b.役員に対し、定期的に外部の有識者によるガバナンスに関する勉強会を実施 先ずは、直ちに襟を正すために「ガバナンス・コンプライアンス」に関する研修を本事案の危機対応アドバイザーである弁護士事務所に依頼し、2025年9月に役員研修を実施いたしました。今後も当社の顧問弁護士と連携し、定期的且つ継続的な役員研修(年2回を予定)を実施してまいります。 c.新任役員に対し、上場企業の役員として必要な知識に関する外部研修の受講を義務化 上場会社としての信頼維持・向上のため、顧問弁護士のほか、社外取締役である弁護士、公認会計士、証券代行業務を依頼する信託銀行、日本取引所グループのコンテンツ等、専門家の意見と情報を参考に、新任役員に対し、定期的且つ継続的な外部研修プログラムを受講させるべく具体的に選定しております。今後、ガバナンスやコンプライアンス、財務会計等の知識を習得できるコンテンツを研修内容に組み込み、研修を適時継続することで、不正事案に対するリスク感応度を高めてまいります。
事業等のリスク1,500字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、本記載のリスクにつきましては、当連結会計年度末現在の判断によるものであり、当社グループの事業上のリスクの全てを網羅するものではありません。 (1)品質問題による業績悪化のリスク 当社は1998年にISO9001を取得するなど、品質最優先のものづくりを進めておりますが、製品の開発並びに製造過程での品質上のリスク全てを将来にわたって完全に排除することは極めて困難と認識いたしております。また、TRASAS製品の拡充やサービス事業への領域拡大により新たな品質上のリスクの顕在化も考えられます。これらにより経営成績に影響を受ける可能性があります。 (2)調達・生産のリスク 当社は国内外のサプライヤーから鋼材や部品を調達し主に作業工具を生産しておりますが、米国の通商政策の動向や中東地域をめぐる情勢などの地政学上の影響に起因したサプライチェーンマネジメントの混乱により、材料・エネルギー価格の高騰や調達難に見舞われ、当社の生産及び供給能力に影響を及ぼす可能性があります。 (3)販売ルート・形態に関するリスク 当社は創業以来自動車関連に強みを持ち、販売代理店ルートを中心に販売しておりますが、外部環境の変化に伴う流通ルートの急速な変革により売上高に影響を与える可能性があります。 (4)子会社のリスク 当社の連結対象子会社は国内に2社あり工具事業を営んでおりますが、この業績がグループ全体の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)情報安全上のリスク 当社では、グループ全体の情報セキュリティ確保を目指し、システム対応、教育、啓蒙活動など管理強化を進めておりますが、何らかの事由により個人情報など重要情報が漏洩した場合、当社グループの事業やイメージに影響を与えるおそれがあるとともに、損害賠償請求などを受ける可能性があります。 (6)市場における競合のリスク 当社が提供する製品及びサービスの市場は、海外メーカーを含め競合している状況にあります。顧客の求める製品を含めた総合的なサービスを競争力のある価格で提供できない場合は、市場におけるシェアや顧客との取引関係の喪失につながり、グループ全体の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 (7)人財育成及び人財確保におけるリスク 当社が強みをもつ自動車関連産業は、急速な技術革新により構造変化が生じています。この変化を予測し対応できる社内の人財育成及び社外からの人財確保が重要です。しかし人財の育成や確保ができない場合は新製品の開発や新サービスの提供に支障を来たし、グループ全体の経営成績に影響を与える可能性があります。 (8)自然災害や感染症に関するリスク 当社では、自然災害や感染症などによる緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動(含 予防措置)や緊急時における事業継続のためのマニュアルを策定しておりますが、やむを得ず企業活動の停滞・停止を要する事態が生じた場合には、グループ全体の経営成績や財政状態に影響を受ける可能性があります。 また、安否確認システムを用いた全社への緊急連絡訓練を適宜実施するなど、非常事態に備え迅速な対応をとれる体制を整えております。
経営成績の分析 (MD&A)7,727字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いたことで、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策の動向や中東情勢の影響などによる原材料を起点としたサプライチェーンの混乱が、景気を下押しするリスクとなっております。 このような経営環境のもと当社グループにおきましては、2022年度より2030年度を最終年度とするKTCグループ長期ビジョン「KTC vision 2030」を策定し、基本方針に「社会の期待を超えたツールで、人の能力を拡張し、世の中の安全を創り出す」を掲げております。当該ビジョンでは、2030年度までの9年間を3フェーズに分け、3年毎の中期経営計画を策定することとしており、2025年度は第2次中期経営計画の初年度となる予定でした。しかしながら、当社連結子会社である北陸ケーティシーツール株式会社における不適切な会計処理事案や、当社の戦略製品であるデジタルトルクレンチの自主回収事案の発生を受け、「コーポレート・ガバナンスの強化」、「内部統制の整備」、及び「品質体制の見直し」を喫緊の課題と認識し、経営基盤の立て直しに注力してまいりました。 なお、不適切会計事案の調査費用等5億61百万円を特別損失として計上しております。一方で、同事案に直接的に関与した元役員に対する損害賠償請求における受取和解金1億円を特別利益として計上しております。また、自主回収事案では、2026年3月31日付で当該製品の生産中止を含む対応方針を決定したことに伴い、新たに費用が発生することが判明したため、89百万円を特別損失として計上しております。 これらの結果、当連結会計年度の売上高は83億34百万円(前年同期比7.9%減)、営業利益は7億53百万円(前年同期比11.1%減)、経常利益は8億17百万円(前年同期比13.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては5億1百万円(前年同期比7.9%減)となりました。 事業セグメントごとの経営成績の概要につきましては、以下のとおりであります。 [工具事業] 主力の当事業部門では、「安全、快適、能率・効率、環境」をキーワードに、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓並びにブランド価値向上などの事業戦略を展開しております。 開発面では、「安全、快適、能率・効率、環境」を追求するR&Dコンセプト「新・工具大進化」の具現化に向けた製品・サービスを市場投入しております。その一翼を担う「TRASAS(TRAceable Sensing and Analysis System)」シリーズは、IoT技術を搭載した工具や測定具、作業支援デバイス、これらのシステムソフトウェアで構成されており、作業データを無線でデバイスへ転送することで作業履歴の自動的な記録・管理・分析を可能にいたしました。 また、航空宇宙産業やMRO市場をはじめ様々な業界で安全に対する社会的要求が高まるなか、RFIDを搭載した「nepros ID」シリーズの展開に注力しております。2025年9月には、シンガポールで開催された展示会「MRO Asia-Pacific 2025」において、「MRO Technology Achievement of the Year(MROテクノロジー年間最優秀賞)」を日本企業で初めて受賞いたしました。2026年2月には「SINGAPORE AIRSHOW 2026」へ出展したほか、専用WEBサイトの開設を通じた情報発信に注力しております。 「TRASAS」シリーズでは、一部製品の自主回収により多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。当社はこれからも、「ツールで人の能力を拡張する」をコンセプトに製品を開発してまいります。「人が工具を支えるだけではなく、従来の工具にソフトやサービスを含めたツールで、人のできることを増やしていく」、例えば「非力な人の作業を補う」ことや「知識・経験が必要な作業を誰もが正確に再現できる」ことなど、インクルーシブな社会に順応した誰でも使えるツールを提供することで社会に貢献してまいります。 販売面では、全国の得意先やエンドユーザーに向けて「KTCものづくり技術館」に加え、お客様の現場にて様々な研修会の開催に注力しております。 さらに、当社のフラッグシップブランドである「nepros」が、2025年1月に誕生30周年を迎え、ロゴマークを刷新すると共に、新たに「BEYOND THE BEST」をタグラインとして設定いたしました。タグラインは、プロメカニック用の工具として「最善の先にあるもの」を追い求めて進化し続ける姿勢を表しております。これを機に、「nepros」のグローバル展開を加速してまいります。特に北米市場におけるツールトラックチャネルでの販売を通じて現地のプロメカニックの要求に応えることで、更なる進化とグローバルブランドの確立を目指してまいります。また、この一環として、2025年11月にラスベガスで開催された世界最大規模の自動車関連見本市である「SEMA Show 2025」に出展いたしました。 生産面では、自社工場を製品開発の中核拠点として捉え、人とロボットそれぞれの長所を活かした協働環境の運用を目指しております。脱着作業などの単純な繰り返し作業をロボットが行うことで、人はより付加価値の高い作業へシフトすることが可能になり、独自の少人化ラインの展開を目指すなど、「ものづくりの最適化」を図り生産性の向上を推進してまいります。 これらに加え、サプライチェーンマネジメントの強化を図るため、新規設備の導入を行い主力工場の改善に継続して取り組むとともに、既に生産の各工程に導入した新規設備を本格稼働させ、とくに「nepros」「nepros ID」製品をベースとした各成長戦略の実現に向けて能力増強を図るなど、生産体制の更なる安定と強化に取り組んでおります。また、物流業務やグループ内の生産拠点再編により、リスク管理への対応と各成長戦略を見据えた工場再編を進めております。 なお、当社グループは、サステナビリティへの取り組みを、「地球に、社会に、私たちができること」として、「E 地球環境に徹底的に貢献する」、「S あらゆるステークホルダーと共生する」、「G 持続可能な信頼される企業であり続ける」を基本方針に、安全・安心で持続可能な社会の実現に向け取り組んでおります。また、2025年4月より従来のESG委員会をサステナビリティ委員会へ改め、下部組織として3つの分科会を設け「企業と社会の持続可能性の両立」を目指し、その取り組みを“強化・加速”してまいります。 その取り組みの一つとして、E:環境面では、本社敷地内の一部工場の屋根に太陽光発電パネルを設置し、2025年10月より稼働を開始いたしました。使用する電力量の一部を太陽光発電で賄うことで、温室効果ガス排出を抑制し、地球温暖化対策や環境保護に貢献してまいります。S:社会面では、多様化する社会において、未来で活躍できる技術者の育成のため、国立大学法人奈良女子大学工学部と連携し、当社グループの従業員が講師として参加するなど、産学連携を通じた「技育(技術の教育)」分野でのオープンイノベーションを推進しております。また、京都府山城教育局と連携し「やましろ未来っ子サイエンスラリー」へ参加、地域の小中学生にものづくりの魅力に触れる機会を創出しました。加えて、KTCものづくり技術館への見学を積極的に受け入れ、当社の企業活動への理解を深め、地域社会をはじめとするステークホルダーからの信頼獲得に努めています。G:ガバナンス面では、すべてのステークホルダーにとって「価値ある企業」であり続けるため、ガバナンスの再構築に向け、①取締役会、監査等委員会におけるモニタリング機能の強化(執行と監督の分離の徹底)、②指名委員会によるサクセッションプランニングの強化、③新たな経営体制の構築(上記の実現を見据えた人選)に取り組み、運用を進めております。また、2026年6月26日開催の第76回定時株主総会において、社外取締役1名を新たに選任しております。外部の知見を積極的に取り入れることでより一層経営の健全性を高めてまいります。 これらの結果、展示会への積極的な参加等により潜在需要の掘り起こしに注力するも、市販部門及び直販部門における販売が前年同期の水準に及ばなかったことに加え、戦略製品であるデジタルトルクレンチの自主回収に伴う影響等もあり、当連結会計年度の売上高は80億79百万円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益は5億78百万円(前年同期比16.1%減)となりました。 [ファシリティマネジメント事業] 当事業部門では、所有不動産の有効活用を目指し、物件の整備、運営管理を推進しております。不動産の賃貸については、全ての物件で高い入居率を確保しております。引き続き入居者満足度の向上を図り、収益の安定化に取り組んでまいります。また、2025年2月には、久御山町に新たな収益物件を取得し、賃貸物件として運営を開始いたしました。 当連結会計年度におきましては、所有不動産の安定的な稼働や、新たな収益物件の貢献もあり、売上高は2億55百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益は1億74百万円(前年同期比10.6%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、固定資産の取得による支出、配当金の支払等で資金を支出したものの、主に投資有価証券の売却や営業活動で獲得した資金がそれらの支出を上回った結果、前連結会計年度末に比べて1億62百万円増加し、当連結会計年度末残高は、30億81百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金の増加は2億29百万円(前期は10億73百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益7億47百万円(前期は8億8百万円)に加え、売上債権の減少6億33百万円(前期は1億4百万円の増加)などによる資金の増加があった一方、投資有価証券売却益5億6百万円(前期は16百万円)、その他の負債の減少3億95百万円(前期は1億65百万円の増加)、棚卸資産の増加1億63百万円(前期は76百万円)などによる資金の減少があったことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動による資金の増加は1億41百万円(前期は12億52百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入5億36百万円(前期は48百万円)、定期預金の払戻による収入1億37百万円(前期は24百万円)による資金の増加があった一方、固定資産の取得による支出5億17百万円(前期は11億62百万円)、定期預金の預入による支出20百万円(前期は1億34百万円)による資金の減少があったことなどによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は2億8百万円(前期は3億18百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額1億93百万円(前期は2億18百万円)があったことなどによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前期比(%) 工具事業(千円)   8,671,470   89.6 ファシリティマネジメント事業(千円)   -   - 合計(千円)   8,671,470   89.6 (注)1.金額は、販売価格によっております。 2.上記の生産実績には、仕入商品を含んでおります。 b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前期比(%) 工具事業(千円)   8,079,117   91.7 ファシリティマネジメント事業(千円)   255,248   109.9 合計(千円)   8,334,366   92.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) トラスコ中山株式会社   1,405,453   15.5   1,526,961   18.3 ヤマト自動車株式会社   1,104,810   12.2   1,170,003   14.0 トヨタ自動車株式会社   1,473,651   16.3   972,418   11.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。 a.売上高 当連結会計年度における売上高は、83億34百万円(前期比7.9%減)となりました。展示会への積極的な参加等により潜在需要の掘り起こしに注力するも、市販部門及び直販部門における販売が前年同期の水準に及ばなかったことに加え、戦略製品であるデジタルトルクレンチの自主回収に伴う影響等もありました。 b.営業利益 営業利益は、生産性向上のため先行投資した新規設備の運用など、全社を挙げて経費削減に取り組みましたが、調達コスト及び人件費の増加などにより7億53百万円(前期比11.1%減)となり、売上高営業利益率は9.0%(前期比0.4ポイント減)となりました。 c.営業外損益及び経常利益 営業外損益は、営業外収益として受取配当金53百万円、営業外費用として支払利息11百万円を計上したことなどにより、64百万円の利益(純額)となり、経常利益は8億17百万円(前期比13.4%減)となりました。 d.特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益 特別損益は、特別利益として投資有価証券売却益5億6百万円、受取和解金1億円、特別損失として特別調査費用等5億61百万円、製品回収関連損失引当金繰入額89百万円、固定資産除売却損23百万円を計上したことなどにより、69百万円の損失(純額)となり、税金等調整前当期純利益は7億47百万円(前期比7.5%減)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税に1億98百万円、法人税等調整額に47百万円を計上したことにより、5億1百万円(前期比7.9%減)となりました。 当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。 a.資産 当連結会計年度末の総資産は、157億90百万円となり、前連結会計年度末に対し4億98百万円減少となりました。その主な内容は、商品及び製品が2億18百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が4億91百万円、電子記録債権が1億42百万円、建物及び構築物(純額)が65百万円減少したことなどによるものであります。 b.負債及び純資産 当連結会計年度末の負債合計は、31億72百万円となり、前連結会計年度末に対し8億63百万円減少となりました。その主な内容は、繰延税金負債が72百万円増加した一方、未払金が3億7百万円、その他流動負債が2億81百万円、支払手形及び買掛金が1億32百万円、未払法人税等が1億8百万円、未払費用が57百万円減少したことなどによるものであります。 当連結会計年度末の純資産合計は、126億17百万円となり、前連結会計年度末に対し3億64百万円増加となりました。その主な内容は、利益剰余金が3億8百万円、その他有価証券評価差額金が56百万円増加したことなどによるものであります。 当社グループの当連結会計年度の流動性及び資金の源泉は、次のとおりであります。 a.キャッシュ・フロー 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資金需要 当社グループの資金需要は、製造販売業として機能するための原材料等の仕入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、成長投資及び株主還元によるものがあります。成長投資は主に、設備投資、M&A、アライアンス、人的資本投資であり、競争力強化と事業の拡充・発展を目的としております。株主還元については、継続的かつ安定的な配当の維持を基本方針としております。 c.財務政策 運転資金につきましては、現在、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、成長投資につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務改善・資産活用によるキャッシュ創出を基本としながら、必要に応じて金融機関からの借入れを活用することにより、調達を行ってまいります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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開示資料

出典

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