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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ジャパン・ティッシュエンジニアリング

Japan Tissue Engineering Co., Ltd.7774 · Growth · 精密機器

自家培養表皮ジェイスなど国内初の再生医療等製品を複数持つ、再生医療のパイオニア。

概要

ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)は、1999年に愛知県蒲郡市で設立された再生医療企業である。ティッシュエンジニアリング技術を基盤に、患者自身の細胞を培養して作る自家培養製品の開発・製造・販売を手掛ける。2007年に日本初の再生医療等製品として自家培養表皮ジェイスの承認を取得し、以降、整形外科領域初の自家培養軟骨ジャック、眼科領域初の自家培養角膜上皮ネピックなど、計5製品の承認を獲得した。2026年3月期の売上高は22億円、従業員200名。帝人グループの一員として再生医療の産業化を推進する。

三つの事業が支える収益構造

当社の事業は三つのセグメントから成る。再生医療製品事業は、自社で開発・製造した再生医療等製品を医療機関に販売する主力事業であり、2026年3月期の売上高は13.5億円と全体の62%を占める。再生医療受託事業は、他社やアカデミアの再生医療製品開発を製造受託(CDMO)や開発受託(CRO)で支援するもので、同期の売上高は5.5億円(構成比25%)。ラボサイト事業は、研究用のヒト培養組織(LabCyteシリーズ)を製薬・化粧品企業に販売し、2.8億円(同13%)を計上した。三事業は互いに連携し、再生医療の産業化を支えるプラットフォームを形成している。

ティッシュエンジニアリングを核とする技術基盤

当社の技術の根幹は、生きた細胞と生体材料を用いて組織を再生するティッシュエンジニアリングである。特に患者本人の細胞を使う自家移植に特化し、免疫拒絶が少なく生着率が高いという特性を活かす。細胞の培養方法、品質管理、製造設備の運営ノウハウは、2000年代前半からの治験経験を通じて蓄積された。医薬品医療機器等法に基づく厳格な基準(GCTP)に対応した製造施設を愛知県蒲郡市に保有し、細胞の採取から製品出荷までの全工程を一貫管理する。このプラットフォームが、複数の製品承認と受託事業の受注につながっている。

国内で最多の再生医療等製品承認実績

厚生労働省が承認した再生医療等製品は2026年時点で約25製品あり、そのうち5製品を当社が保有する。2007年承認の自家培養表皮ジェイス(重症熱傷)は日本第1号であり、2012年承認の自家培養軟骨ジャックは整形外科領域初、2020年承認の自家培養角膜上皮ネピックは眼科領域初、2021年承認の自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは眼科領域第2号、2023年承認のメラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンは白斑治療向けとして皮膚領域第2号である。すべてが自家細胞由来の培養組織であり、いずれも保険収載されている。

親会社の変遷と帝人グループへの参入

設立時の出資者は眼科医療機器メーカーのニデック、住宅設備のLIXIL(旧INAX)、富山化学工業(現富士フイルム富山化学)、ベンチャーキャピタルの三菱UFJキャピタルであった。2010年に富士フイルムが第三者割当増資により筆頭株主となり、2014年には富士フイルムホールディングスが親会社となった。その後、2021年3月に帝人株式会社が公開買付けを実施し、同年6月に帝人が筆頭株主・親会社に異動。帝人とは再生医療CDMOで連携する子会社(帝人リジェネット)を2023年に設立し、技術シナジーを追求している。

赤字基調からの脱却を目指す財務状況

当社は創業以来、研究開発費や設備投資が先行し、多くの年度で営業損失を計上してきた。売上高は2013年3月期の6億円から漸増し、2021年3月期には23億円に達したが、その後は横ばいで2026年3月期は22億円と前期比11%減の減収となった。同期の営業損失は5.5億円、当期純損失は7.3億円であり、特別損失として投資有価証券評価損1.5億円を計上した。一方、変形性膝関節症への適応拡大や他家培養表皮の開発など、収益の柱を増やす投資が続いており、中期目標として売上高50億円、営業利益率10%超を掲げている。

業界の中での役割は再生医療等製品メーカー(自家培養細胞シート等)。医療機関向けに製品を提供し、企業・研究機関にはCDMO/ CROサービスを提供にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
22億円
営業利益
-5億円
営業利益率
-22.7%
純利益
-7億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
再生医療 製品事業14億円63.6%
再生医療 受託事業5億円22.7%
ラボサイト 事業3億円13.6%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01医療機関(再生医療)主力

患者自身の細胞を培養し、移植する自家培養製品を開発・製造・販売。重症熱傷、軟骨損傷、角膜上皮幹細胞疲弊症、白斑などを適応とし、いずれも国内初または先行の承認製品を持つ。

主な製品・サービス5
自家培養表皮ジェイス
患者自身の皮膚から作製した培養表皮シート。重症熱傷、先天性巨大色素性母斑、表皮水疱症に用いる。2007年承認の国内第1号再生医療等製品。
自家培養軟骨ジャック
患者自身の軟骨細胞をアテロコラーゲンゲルで培養した移植組織。膝関節の外傷性軟骨欠損症などに用いる。2012年承認の整形外科領域で国内初。
自家培養角膜上皮ネピック
患者自身の角膜輪部組織から培養した角膜上皮シート。角膜上皮幹細胞疲弊症の治療に用いる。2020年承認の眼科領域で国内初。
自家培養口腔粘膜上皮オキュラル
患者自身の口腔粘膜から培養した上皮細胞シート。角膜上皮幹細胞疲弊症に用いる。2021年承認。
メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン
患者自身の皮膚からメラノサイトを含む表皮細胞シートを培養。白斑の治療に用いる。2023年承認。

02再生医療開発企業・アカデミア準主力

再生医療等製品に特化したCDMO(開発製造受託)とCRO(開発業務受託)サービスを提供。薬事開発から製造までトータルに支援する。

主な製品・サービス3
CDMO(再生医療等製品の開発製造受託)
GCTP適合の製造設備を活かし、細胞種を問わず再生医療等製品の開発・製造を受託。
CRO(再生医療等製品の開発業務受託)
薬事開発や規制当局対応のノウハウを活かし、開発業務を受託。
特定細胞加工物製造受託
厚生労働省許可の施設で、再生医療提供機関向けに特定細胞加工物を製造受託。

03医薬品・化粧品企業(研究用)副次

研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを提供。動物試験代替となる皮膚刺激性試験等の国際規格にも採用されている。

主な製品・サービス3
エピ・モデル
ヒト表皮細胞を重層化した3次元表皮モデル。皮膚刺激性試験や腐食性試験に使用。
角膜モデル
ヒト正常角膜上皮細胞を重層培養した3次元角膜モデル。眼刺激性試験に使用。
エピ・キット
顧客自身で作製できるヒト表皮モデルの作製キット。

製品と技術

自家培養表皮ジェイス:日本初の再生医療等製品

自家培養表皮ジェイスは、患者自身の皮膚から採取した表皮細胞を約3週間培養して作るシート状の製品である。米国ハーバード大学のHoward Green教授の技術に基づき、2007年10月に重症熱傷治療用として承認された。その後、2016年9月には先天性巨大色素性母斑、2018年12月には表皮水疱症へ適応を拡大し、それぞれ保険収載された。免疫拒絶が少なく生着率が高い自家移植の特性を活かし、重症熱傷では標準治療の一つとして定着。2026年3月期においても、熱傷患者数減少の影響を受けたものの、第4四半期には受注が回復傾向となった。

自家培養軟骨ジャック:整形外科領域初の再生医療等製品

自家培養軟骨ジャックは、患者の膝関節から採取した軟骨細胞をアテロコラーゲンゲル内で3次元培養し、約4週間で作製する移植組織である。広島大学の越智光夫教授の技術を基に、2012年7月に外傷性軟骨欠損症と離断性骨軟骨炎に対して承認され、2013年4月保険収載。2019年1月にはコラーゲン膜使用による低侵襲化を実現。2025年5月には変形性膝関節症(OA)への適応拡大が承認され、2026年1月に保険収載された。OA適応により対象患者が大幅に拡大し、2026年3月期の契約施設数は125施設、月間受注最高30件を達成する成長を見せた。

自家培養角膜上皮ネピックと口腔粘膜上皮オキュラル:眼科領域の復元

眼科領域では二つの自家培養製品を展開する。ネピックは、患者の角膜輪部組織から角膜上皮幹細胞を培養したシートで、角膜上皮幹細胞疲弊症の治療に用いる。2020年3月に承認、同年6月保険収載。オキュラルは、患者の口腔粘膜組織から作製した上皮細胞シートで、同じく角膜上皮幹細胞疲弊症に適用。2021年6月承認、同年12月保険収載。両製品とも、従来治療困難だった角膜疾患に対する再生医療の選択肢を提供する。販売は株式会社ニデックが担い、新規施設開拓を進めているが、2026年3月期は既存施設での新規患者減少により受注が減少した。

メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン:白斑治療の新選択肢

ジャスミンは、患者の皮膚組織からメラノサイト(色素細胞)を保持したまま培養した表皮細胞シートである。白斑(尋常性白斑)の患部に移植し、色素再生を促す。2023年3月に製造販売承認を取得し、2024年10月に保険収載された。従来の外科的治療より少ない皮膚採取で広範囲の治療が可能であり、患者の整容面とQOL向上が期待される。2026年3月期には拠点施設が42施設まで拡大し、期末に新規施設からの受注を獲得。増収基盤が整いつつある。

ラボサイト事業:動物実験代替の研究用ヒト培養組織

ラボサイト事業は、再生医療技術を応用した研究用ヒト培養組織(LabCyteシリーズ)の販売である。主製品は、ヒト表皮を再現した「エピ・モデル」とヒト角膜を再現した「角膜モデル」で、化粧品や医薬品の安全性・有効性試験に用いられる。エピ・モデルを用いた皮膚刺激性試験法はOECD試験法ガイドラインに収載され、国際標準として認知されている。2026年3月期の売上高は2.8億円で前期比13.5%増。欧州では皮膚感作性試験EpiSensAの需要が高まり、ドイツ子会社設立準備を進める。国内でも帝人構造解析センターとの連携により受注が拡大している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

精密機器のなかでの位置

再生医療、赤字継続で事業リスク

ジャパン・ティッシュエンジニアリングは再生医療製品を手掛けるバイオベンチャー。売上高は25億円前後で横ばい、2026年3月期は22億円に減少。営業赤字が継続し、2026年3月期は赤字幅拡大。同業のリガク・ホールディングスや北里コーポレーションと比べ、収益化のめどが立っていない。再生医療市場は成長期待が大きいが、製品化への時間と資金が必要。

強み

  • 国内で早期に再生医療製品を上市し、ブランド力を持つ。
  • 細胞培養技術に関する特許を保有し、参入障壁を築く。
  • 再生医療市場は今後拡大が見込まれ、需要増が期待。
  • 再生医療は国家戦略分野で、補助金等の支援を受けやすい。

課題

  • 営業赤字が継続し、資金調達リスクが高い。
  • 大手医薬品企業や新興バイオベンチャーとの競争激化。
  • 製品の普及には時間がかかり、売上拡大が限定的。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

精密機器の時価総額近傍。太字がジャパン・ティッシュエンジニアリング

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
1368A北里579億円14.9倍
27717ブイ・テクノロジー539億円22.0倍
37749メディキット461億円14.0倍
47777スリー・ディー・マトリックス458億円11.0倍
57723愛知時計電機444億円
67774ジャパン・ティッシュエンジニアリング357億円
77760IMV336億円14.3倍
87769リズム330億円13.7倍
97779CYBERDYNE298億円297.3倍
107711助川電気工業291億円31.8倍
117743シード240億円21.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 60件

四社共同出資で再生医療企業として設立された1999年

1999年2月、ニデック、INAX(現LIXIL)、富山化学工業(現富士フイルム富山化学)、セントラル・キャピタル(現三菱UFJキャピタル)の四社が共同出資し、愛知県蒲郡市に当社を設立した。技術基盤としてティッシュエンジニアリングを選び、再生医療を事業領域とする企業としてスタート。同年9月には本社を蒲郡市三谷北通に移転し、研究・製造拠点を整備した。当初は自家培養表皮と自家培養軟骨の開発に集中し、2000年12月に表皮の治験前確認申請、2001年9月に軟骨の治験前確認申請を厚生労働省に提出した。

技術導入と治験開始で基礎を固めた2000年代前半

2003年8月、イタリアのベネトアイバンクから培養角膜上皮の技術を導入し、眼科領域に進出。同年9月には東京女子医科大学病院などで自家培養表皮の治験を開始。2004年5月には広島大学病院などで自家培養軟骨の治験を開始し、同年10月には表皮の製造承認申請を提出した。2004年11月には蒲郡市に新社屋を竣工し、製造能力を拡大。2005年3月、研究用ヒト培養組織LabCyte EPI-MODELの販売を開始し、事業の多角化の第一歩を踏み出した。

日本初の再生医療等製品ジェイス承認と上場を果たした2007年

2007年10月、重症熱傷治療用の自家培養表皮ジェイスが厚生労働省から製造販売承認を取得。これは日本で初めての再生医療等製品であり、大きな注目を集めた。同年12月、当社はジャスダック証券取引所NEO(現東京証券取引所グロース市場)に株式を上場。2008年5月には培養表皮の開発者であるハーバード大学Howard Green教授と顧問契約を締結し、技術指導を継続した。2009年1月にはジェイスが保険収載され、販売が本格化した。

富士フイルムが筆頭株主となり資本基盤を強化した2010年

2010年10月、当社は富士フイルム株式会社を割当先とする第三者割当増資を実施。これにより筆頭株主がニデックから富士フイルムに異動した。富士フイルムの資本参加により、研究開発資金の調達と事業拡大が加速。2012年7月には自家培養軟骨ジャックが整形外科領域で日本初の再生医療等製品として承認され、2013年4月に保険収載された。2014年10月には自家培養角膜上皮(EYE-01M)の治験を開始した。

受託事業への進出と適応拡大の推進(2014~2018年)

2014年11月、再生医療等安全性確保法の施行に伴い、コンサルティング事業と細胞培養受託事業を開始。同年12月、富士フイルムホールディングスが親会社となり、グループ一体での開発が進んだ。2016年9月、ジェイスの適応を先天性巨大色素性母斑に拡大し、保険収載を獲得。2018年12月には表皮水疱症にも適応拡大。2018年6月には名古屋大学・信州大学とCAR-T細胞技術のライセンス契約を結び、がん領域にも参入。

眼科領域で二つの製品承認と帝人参入(2020~2021年)

2020年3月、自家培養角膜上皮ネピックが眼科領域初の再生医療等製品として承認され、6月に保険収載。2021年3月、帝人株式会社による公開買付けが成立し、親会社が富士フイルムから帝人に異動。同年6月には自家培養口腔粘膜上皮オキュラルが眼科領域第2号として承認され、12月に保険収載された。帝人グループへの参入により、再生医療CDMOの事業連携が開始された。

社名変更と白斑治療製品ジャスミンの承認(2022~2023年)

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴いJASDAQグロースからグロース市場に移行。同年10月、商号を「株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング」に変更した。2023年3月、白斑治療用のメラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンが製造販売承認を取得。皮膚領域で2つ目の製品となり、2024年10月に保険収載された。2022年9月には千葉県柏の葉に産学連携の再生医療プラットフォームを構築した。

変形性膝関節症への適応拡大と他家製品開発(2024年以降)

2024年6月、自家培養軟骨ジャックの変形性膝関節症への適応拡大を目指す治験を終了し、2025年5月に一部変更承認を取得。2026年1月に保険収載された。この適応拡大により、ジャックの対象患者が大幅に拡大した。2026年3月には、初の他家(同種)培養表皮であるAllo-JaCE03の製造販売承認申請を提出。皮膚領域での製品ライン強化を進めている。

年表60件を開く

1990年代

  • 1999年2月創業株式会社ニデック(設立:1971年7月、本社:愛知県蒲郡市、事業内容:眼科医療機器ならびに眼鏡関連機器の開発・製造・販売、自家培養角膜の研究)、株式会社INAX(現 株式会社LIXIL)、富山化学工業株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)ならびに株式会社セントラル・キャピタル(現 三菱UFJキャピタル株式会社)との共同出資により、ティッシュエンジニアリングを技術ベースに再生医療を事業領域とする企業として愛知県蒲郡市に当社を設立。
  • 1999年9月愛知県蒲郡市三谷北通に本社を移転。

2000年代

  • 2000年12月自家培養表皮の治験前の確認申請を厚生省(現 厚生労働省)に提出。
  • 2001年9月自家培養軟骨の治験前の確認申請を厚生労働省に提出。
  • 2003年8月イタリアの角膜バンクであるベネトアイバンクから技術を導入し、培養角膜上皮の研究開発を開始。
  • 2003年9月東京女子医科大学病院等の施設において治験審査委員会の承認を受け、自家培養表皮の治験を開始。
  • 2004年5月広島大学病院等の施設において治験審査委員会の承認を受け、自家培養軟骨の治験を開始。
  • 2004年10月自家培養表皮の製造承認申請を厚生労働省に提出。
  • 2004年11月愛知県蒲郡市三谷北通に新社屋竣工、移転。
  • 2005年3月研究用ヒト培養組織LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)の販売を開始。
  • 2007年5月自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の治験前の確認申請を厚生労働省に提出。
  • 2007年10月日本初の再生医療等製品として、重症熱傷の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの製造承認を厚生労働省から取得。
  • 2007年12月上場ジャスダック証券取引所NEO(現 東京証券取引所 グロース市場)へ株式を上場。
  • 2008年5月培養表皮の開発者である米国ハーバード大学医学部のHoward Green教授と顧問契約を締結。
  • 2009年1月自家培養表皮ジェイスの保険収載。
  • 2009年8月自家培養軟骨の製造販売承認申請を厚生労働省に提出。

2010年代

  • 2010年7月研究用ヒト培養組織LabCyte CORNEA-MODEL(ラボサイト 角膜モデル)の販売を開始。
  • 2010年10月富士フイルム株式会社を割当先とした第三者割当増資を実施。筆頭株主が株式会社ニデックから富士フイルム株式会社へ異動。
  • 2012年5月表皮水疱症の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの治験を開始。
  • 2012年7月整形外科領域における日本初の再生医療等製品として、自家培養軟骨ジャックの製造販売承認を厚生労働省から取得。
  • 2013年4月自家培養軟骨ジャックの保険収載。
  • 2014年1月先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの治験を開始。
  • 2014年10月角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の治験を開始。
  • 2014年11月新規事業として、再生医療等安全性確保法のコンサルティング事業ならびに細胞培養受託事業を開始。
  • 2014年12月富士フイルムホールディングス株式会社が親会社へ異動。
  • 2015年10月医療機関等から細胞培養加工を受託するための「特定細胞加工物製造許可」を取得。
  • 2016年4月新規事業として、再生医療等製品に特化したCRO(臨床開発業務受託)事業を開始。
  • 2016年9月先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの一部変更承認を取得(適応拡大)。
  • 2016年12月自家培養表皮ジェイス(先天性巨大色素性母斑)の保険収載。
  • 2017年6月自家培養表皮ジェイス(重症熱傷)の再審査終了。
  • 2018年6月名古屋大学・信州大学と、CD19陽性 急性リンパ性白血病の自家細胞由来治療薬開発に関するCAR-T細胞の製造技術の特許ライセンス契約を締結。
  • 2018年7月白斑の治療を目的としたメラノサイトを保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)の治験を開始。
  • 2018年9月富士フイルム株式会社が親会社へ異動。
  • 2018年12月表皮水疱症の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの一部変更承認を取得(適応拡大)。
  • 2019年1月低侵襲化・移植手技簡便化を目的とした自家培養軟骨ジャックの一部変更承認を取得(仕様変更)。
  • 2019年3月自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の製造販売承認申請を提出。
  • 2019年4月変形性膝関節症の治療を目的とした自家培養軟骨ジャックの治験を開始。
  • 2019年7月自家培養表皮ジェイス(表皮水疱症)の保険収載。
  • 2019年9月富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」について、製造及び販売を開始。

2020年代

  • 2020年3月眼科領域における日本初の再生医療等製品として、自家培養角膜上皮ネピックの製造販売承認を厚生労働省から取得。
  • 2020年6月自家培養角膜上皮ネピックの保険収載。
  • 2020年9月自家培養口腔粘膜上皮(開発名:COMET01)の製造販売承認申請を提出。
  • 2021年3月帝人株式会社による当社株式に対する公開買付けにより、当社の親会社及び筆頭株主が富士フイルム株式会社から帝人株式会社へ異動。
  • 2021年6月眼科領域における第2号の再生医療等製品として、自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの製造販売承認を厚生労働省から取得。
  • 2021年11月Ⅱ度熱傷の治療を目的とした他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)の治験を開始。
  • 2021年12月自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの保険収載。
  • 2021年12月富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」について、製造及び販売を終了。
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のJASDAQグロースからグロース市場に移行。
  • 2022年4月メラノサイト(色素細胞)含有自家培養表皮(開発名:ACE02)の製造販売承認申請を提出。
  • 2022年6月自家培養軟骨ジャックについて、厚生労働省による再審査が終了。
  • 2022年9月がんをはじめとする未解決の疾患への革新的治療法の創出を目指し、再生医療等製品の研究・開発から、事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する「再生医療プラットフォーム」を産学連携で千葉県柏の葉に構築。
  • 2022年10月社名を「株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング」へ変更
  • 2023年3月白斑治療を目的としたメラノサイト含有自家培養表皮(販売名:ジャスミン)の製造販売承認を厚生労働省から取得。
  • 2024年3月当社株式が貸借銘柄に選定。
  • 2024年6月自家培養軟骨ジャックの保険償還価格改定。
  • 2024年6月変形性膝関節症の治療を目的とした自家培養軟骨ジャック(適応拡大)の一部変更承認申請を提出。
  • 2024年10月メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンの保険収載。
  • 2025年5月変形性膝関節症の治療を目的とした自家培養軟骨ジャックの一部変更承認を取得(適応拡大)。
  • 2026年1月自家培養軟骨ジャック(変形性膝関節症)の保険収載。
  • 2026年3月他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)の製造販売承認申請を提出。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高50億円
  • 営業利益率10%超
  • ジャスミン受注件数2027年3月期まで50例/年
  • ジャスミン受注件数2028年3月期まで100例/年
  • ジャック販売件数2027年3月期まで年間350例

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    再生医療製品事業の売上拡大

    主力製品の適応拡大と新製品の上市により、各領域で販売を強化する。皮膚領域ではジェイスとジャスミンの普及を進め、他家培養表皮を上市する。膝領域ではジャックの販売拡大に注力し、眼領域ではネピックとオキュラルの普及を図る。がん領域ではCAR-T細胞製剤の開発を進める。

  2. 02

    再生医療受託事業の高付加価値化

    既存顧客との協業を深化させ、新規顧客の獲得と商用生産(CMO)体制の構築に取り組む。帝人との連携によりCDMO事業を展開し、海外の承認品目の国内製造受託を積極的に獲得する。

  3. 03

    ラボサイト事業のグローバル展開

    皮膚感作性試験法のOECDガイドライン収載を契機に、欧州市場を開拓し、米国やアジアへの展開を進める。研究用腸管上皮モデルを上市し、創薬市場への参入を図ることで、収益基盤を多角化する。

  4. 04

    人的資本経営と組織基盤の強化

    再生医療の産業化には高度な専門人材の育成が不可欠とし、処遇改善や研修制度の充実、働きやすい環境の整備を通じて人的資本への投資を継続する。多様な働き方を推進し、次世代リーダーを育成することで、変化に柔軟な組織を構築する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で200人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は611万円で、9期前と比べて+11.5%平均年齢は39.7歳、平均勤続年数は12.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月174
2018年3月174
2019年3月54837.78.2184
2020年3月57738.58.4186
2021年3月55938.08.6200
2022年3月57538.29.0207
2023年3月58338.09.4215
2024年3月57338.610.0211
2025年3月61339.411.3204−98
2026年3月61139.712.0200−250

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率36.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)76.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 愛知県蒲郡市1,337百万円
再生医療製品事業・再生医療受託事業・ラボサイト事業

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は22億円営業利益-5億円前期と比べると減収で、売上が-12.0%。

売上高
-12.0%
22億円
営業利益
-5億円
純利益
-7億円
営業利益率
-22.7%
前期比 -14.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高31億円22億円
営業利益1億円-5億円
純利益1億円-7億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は8億円、営業利益は1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+14.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q6−1
2024年1Q700.00
2024年2Q500.00
2024年3Q6−1−16.7−1
2024年4Q72
2025年2Q12−2−16.7−2
2025年4Q1300.0−1
2026年2Q10−4−40.0−4
2026年4Q12−1−8.3−3
2027年1Q8112.51

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は6億円から22億円へ3.7倍に増えた。直近期の営業利益率は-22.7%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月6−11−11
2014年3月10−8−8
2015年3月13−7−7
2016年3月14−7−7
2017年3月2133
2018年3月2322
2019年3月24−3−3
2020年3月23−2−3
2021年3月23−5−5
2022年3月21−5−5
2023年3月20−7−7
2024年3月2511
2025年3月25−2−2−8.0−3
2026年3月22−5−5−22.7−7

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高22億円のうち、営業利益として残るのは-5億円-22.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-7億円、売上の-31.8%にあたる。営業利益率は業種中央値9.0%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金40.9%9億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金81.8%18億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-22.7%-5億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
59.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比31.7pt
-22.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比38.7pt
-31.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-12.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-14.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが−5億円、投資CFが3億円で、差し引きのフリーCFは−2億円期末の手元現金は15億円で、売上の8.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月−105−2−513
2014年3月−1037−713
2015年3月−8−1463−2255
2016年3月−3−300−3322
2017年3月100122
2018年3月6−40224
2019年3月−400−420
2020年3月−120122
2021年3月−410−319
2022年3月−2−10−315
2023年3月−6110520
2024年3月3−20121
2025年3月−1−20−317
2026年3月−53−215

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は57億円。このうち返さなくてよい自己資本が51億円で、自己資本比率は89.6%(業種中央値66.2%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月3223972.5
2014年3月32221050.2
2015年3月8984594.8
2016年3月8377693.0
2017年3月8580593.7
2018年3月9083791.4
2019年3月8879990.5
2020年3月8576990.3
2021年3月8172988.2
2022年3月7667987.7
2023年3月69591086.3
2024年3月7061987.0
2025年3月6558789.4
2026年3月5751689.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
33億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-7億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
0億円
在庫として抱えている分
負債合計
6億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
50
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

精密機器 52社との比較

同じ精密機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率52社中2位あたり、逆に低いのは売上成長率52社中49位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 9.2%
P25 5.8%P75 12.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-22.7%/中央値 9.0%
P25 4.5%P75 14.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
89.6%/中央値 66.2%
P25 50.8%P75 76.4%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-12.0%/中央値 5.3%
P25 1.7%P75 10.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.1%
P25 1.4%P75 3.4%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥879で、1年前と比べて+70.3%過去52週の値幅のなかでは96%の位置にある。

¥879+0.1%1ヶ月+16.6%1年+70.3%時価総額357億円
過去52週の値幅
安値¥448高値¥898

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)357.3倍
PBR6.94倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月13日に5.37%下落し828円。1か月では25.45%上昇しているが、直近の下落で高値圏から調整。52週高値893円からは約7%低下、52週安値448円からは大幅高。25日移動平均線690.84円を大きく上回るが、RSIは76.57と買われ過ぎ圏で過熱感が強い。出来高は8月13日に16.71万株と高水準で、下落に伴い売り圧力も強い。7月30日には36.92万株と大量の出来高を記録し、その後も高水準が続く。週足では上昇トレンドが続くが、短期調整のリスク。200日線からは大幅な乖離があり、テクニカルな修正が入りやすい状況。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 10/100)

PERは赤字で算出不能、PBR4.83倍は業界平均3.30倍を上回り割高。ROEは2.38%と低く、無配。今期も減収減益予想で、営業赤字が拡大。収益力の改善が見込めず、バリュエーションは割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (予想)357.3倍
PBR6.94倍2.49倍
ROE2.4%7.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

再生医療の実用化先行企業として、保険収載された製品を有する点は評価できるが、売上規模は極めて小さく、研究開発費負担で赤字が続く。強気派は、再生医療市場の拡大と新製品パイプラインの進展を評価し、将来の黒字化を期待する。弱気派は、採算性の低さ、競合の増加、および資金調達リスクを指摘し、現在のバリュエーション(PBR約4.8倍)は割高とみる。

プラスに働く材料7
  • 再生医療市場の成長

    高齢化や外傷治療需要で市場拡大、保険適用も追い風。

  • パイプラインの価値

    自家培養軟骨など複数の製品が臨床段階、承認されれば収益に貢献。

  • 先行者利益

    既承認製品(ジェイス、ジャック)でブランドと医療機関との関係構築。

  • 再生医療市場の拡大に伴う需要増2027年〜2028年影響

    売上高22億円は低水準だが、市場成長で中期的な収益改善余地

  • 研究開発費のピークアウト2027年以降影響

    営業損失がFY26の▲5億円から縮小に転じれば黒字化近づく

  • 既存製品の特許延長不定影響

    特許に基づく独占販売権が収益を支える可能性

  • 低い株式流動性による急騰リスク不定影響

    時価総額246億円・外国人保有1.4%と薄商い、買い材料で急騰余地

マイナスに働く材料7
  • 収益性の低さ

    売上25億円程度で営業赤字、研究開発費負担が重い。

  • 競争激化

    他社の再生医療製品やiPS細胞技術など代替リスク。

  • 資金調達リスク

    赤字継続で手元資金減少、増資や借入の必要性。

  • 営業損失の拡大トレンド2026年3月期影響

    営業損失がFY25の▲2億円からFY26の▲5億円へ拡大、赤字幅倍増

  • 売上高の減少継続2026年3月期影響

    売上高がFY25の25億円からFY26の22億円へ12%減、需要低迷

  • 無配当継続と株主還元不在継続影響

    無配当、株主還元策の見通しなくキャッシュフロー悪化

  • 高PBRの修正リスク通年影響

    PBR4.83倍は赤字企業としては割高、業績悪化で下方修正懸念

次の決算で確かめる点
製品売上高
自家培養表皮・軟骨の販売動向を示す最優先指標。
研究開発費
将来の製品化投資の規模と収益圧迫度合いを測る。
営業キャッシュフロー
赤字でも運転資金を賄えているか判断するため。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ11,353人。区分でいちばん多いのは事業法人69.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が69.6%を占め、残る30.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人69.369.369.869.769.669.6
個人・その他28.528.527.527.027.428.6
外国法人1.60.80.91.40.81.3
証券会社0.51.21.81.72.00.4
外国人個人0.00.00.00.00.10.1
金融機関0.10.10.10.20.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01帝人株式会社57.72
02株式会社ニデック10.41
03前田 陽子0.84
04五味 大輔0.81
05小澤 洋介0.72
06J-TEC従業員持株会0.60
07サーラエナジー株式会社0.45
08上田八木短資株式会社0.37
09楽天証券株式会社0.34
10BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)0.28

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+39%、1株純資産は14期で+97%。直近期のROEは2.4%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2013年3月−2964
2014年3月−2344
2015年3月−18207
2016年3月−17190
2017年3月71973.5197.7
2018年3月62032.8322.0
2019年3月−8195
2020年3月−7188
2021年3月−11176
2022年3月−12164
2023年3月−18146
2024年3月41502.4193.5
2025年3月−6143
2026年3月−18125

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2026/3期の役員報酬は総額111百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
山田一登代表取締役 社長執行役員535,841
大須賀俊裕取締役 専務執行役員6995,500
中野貴之取締役(非業務執行)55
若林晃伸取締役 執行役員411,000
正井俊之取締役(社外)(注)274
北島康雄取締役(社外)(注)283
半田悌彦常勤監査役6732,900
加藤孝浩監査役(社外)(注)2573,000
小川薫監査役(社外)(注)268

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円退職慰労百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)643209115
監査役272105
社外取締役492103

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容6,397字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とする企業です。「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げ、再生医療等製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造等を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行うラボサイト事業を展開しております。 当社は、2021年3月9日付で帝人グループとなりました。親会社である帝人株式会社との協創により事業を拡大してまいります。2023年8月1日に設立された帝人リジェネット株式会社(帝人株式会社の100%子会社)とは、再生医療CDMO事業において連携しています。 [事業の系統図] なお、当事業年度より、ラボサイト・ブランドを訴求した事業展開をさらに強化・発展させ、事業内容をより明確に表現するため、従来「研究開発支援事業」としていた報告セグメントの名称を「ラボサイト事業」に変更しております。 (1)当社事業の根幹となる技術 近年、細胞培養や生体材料工学等の技術進歩により、生物から採取した細胞を用いて、性質の改変、体外での培養、組織・臓器の再形成、新たな機能の付加あるいは機能の修復等が試みられるようになりました。このような要素技術を利用して組織の再生を実現するための技術がティッシュエンジニアリングと呼ばれるものであり、当社事業の根幹となる技術です。 ティッシュエンジニアリングを実現するためには、生きた細胞、人工的に作られた材料・素材、細胞や生体に影響をもたらす種々の生理活性物質が必要であり、医学・工学・理学・薬学等の異分野間の国際的な研究交流が必要とされます。我が国では、ティッシュエンジニアリングにより作り出された組織や臓器を製品として医療目的で製造・販売するためには、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)のもとで、厚生労働省からの許認可が必要になります。この許認可には、製造管理及び品質管理に関する基準が含まれており、当社が保有している製造施設・設備、創業以来の研究開発活動で培ってきた製造方法、品質管理に関するノウハウ、そして販売に関する組織体制やノウハウも、当社事業の根幹となる技術であるといえます。 また、細胞培養に用いる細胞は、その由来に応じて、自家細胞(本人)、同種細胞(本人以外)、異種細胞(ヒト以外の動物)に分類されますが、自家移植は、一般的に免疫拒絶反応が少なく、生体への生着能が高いといわれております。 当社は、当該技術を活用することにより、ヒトの細胞を培養して組織や臓器を作り出し、これを医療用途及び研究用途に提供することを目的として事業を展開しております。 (2)再生医療製品事業 再生医療とは、従来の薬物治療とは異なり、われわれの身体に備わっている組織の再生能力を引き出すことにより、失われた組織や臓器の機能を、細胞を使って回復させることに主眼をおいた医療です。当社は、ティッシュエンジニアリングを利用した再生医療等製品を開発し、当該製品を医療機関向けに医療目的で製造販売しております。 ①当社の再生医療等製品 現在、日本において再生医療等製品は25製品が承認されており、うち5製品の承認を当社は取得しています。当社の自家培養表皮ジェイスは国内第1号として製造販売承認を取得しました。自家培養軟骨ジャックと自家培養角膜上皮ネピックは、それぞれ整形外科領域と眼科領域における国内初の再生医療等製品として製造販売承認を取得しました。自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、眼科領域における国内2つ目の再生医療等製品として製造販売承認を取得しました。また、当社では5つ目、皮膚領域では2つ目となる再生医療等製品としてメラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンの製造販売承認を取得しました。 (a)自家培養表皮ジェイス 1975年、米国マサチューセッツ工科大学のHoward Green教授(2015年没、米国ハーバード大学医学部 名誉教授)らは、ヒトの正常な表皮細胞の培養方法を確立し、皮膚(表皮)に類似した細胞シートを開発しました。1984年には、重症熱傷を負った米国の2人の小児に対して、わずかに焼け残った自身の皮膚から培養表皮シートを作製・移植した報告が、大きな注目を集めました。 自家培養表皮ジェイスは、この技術を使用しており、当社は、開発者であるHoward Green教授から技術指導を受け、培養表皮シートの開発を進めてきました。本品は、患者自身の皮膚組織を少量取り、約3週間の培養期間を経て、患者本人に移植する自家培養表皮シートです。 本品は、2007年10月に重症熱傷治療を目的とした製品として製造販売承認を取得、2009年1月より保険適用を受け、我が国で第1号となる再生医療等製品となりました。本品は、適応拡大として2016年9月には先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2016年12月より保険適用を受けました。さらに2018年12月には表皮水疱症の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2019年7月より保険適用を受けました。 (b)自家培養軟骨ジャック 膝や肘の関節軟骨は、血管がないために、ケガ等で一度損傷を受けると自然には治りません。また、これらを薬等で治療することは非常に困難です。広島大学大学院整形外科の越智光夫教授(現、広島大学長)は、アテロコラーゲンというゲル状の物質の中で軟骨細胞を3次元培養する軟骨損傷治療用の移植組織を開発しました。従来、軟骨細胞懸濁液の移植治療が知られていましたが、越智教授が開発された移植組織は軟骨細胞が本来有する性質を維持しており、細胞が漏出しない点において優位性を持っております。 自家培養軟骨ジャックは、この技術を使用しており、開発者である越智教授から技術指導を受け、培養軟骨組織の開発を進めてきました。本品は、軟骨損傷患者の関節(非荷重部)から少量採取した軟骨細胞をアテロコラーゲンゲルの中で約4週間培養し、患者本人の軟骨欠損部に移植する自家培養軟骨組織です。 本品は、2012年7月に膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の臨床症状の緩和を目的とした製品として製造販売承認を取得、2013年4月より保険適用を受け、整形外科領域で国内初の再生医療等製品となりました。2019年1月には自家培養軟骨ジャック移植時に患者自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更承認を受けました。これにより患者の身体的負担軽減と医師の手技の簡便化を図ることができます。 当社は、2019年4月から変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験を実施し、2024年2月に治験終了届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出しました。本試験においては、統計的に有意な臨床症状の改善が示されたことに加え、変形性膝関節症による軟骨欠損部において硝子軟骨様組織による修復が確認されました。これらのデータをまとめて、2024年6月に一部変更承認申請書をPMDAに提出し、2025年5月に製造販売承認を取得、2026年1月より保険適用を受けました。 (c)自家培養角膜上皮ネピック 1997年、Pellegrini教授(現、イタリアModena and Reggio Emilia大学教授)らは、角膜と結膜の境界である角膜輪部組織から分離した角膜上皮細胞をフィブリンゲル製剤を足場として培養・作製した自家培養角膜上皮を角膜上皮幹細胞疲弊症の患者本人に世界で初めて移植し、良好な結果を報告しました。角膜輪部組織には角膜上皮幹細胞が存在し、角膜上皮細胞を供給するとともに結膜上皮細胞の侵入を阻み、角膜上皮の透明性を維持する重要な役割を担っております。 自家培養角膜上皮ネピックは、この技術を使用しており、患者自身の角膜輪部組織から角膜上皮幹細胞を採取してシート状に培養したもので、本品を移植することにより角膜上皮を再建させることを目的としております。当社は株式会社ニデックから本品の製品開発を受託し、開発者であるG. Pellegriniの技術指導のもと、自家培養角膜上皮の開発を進めてきました。 本品は、2020年3月に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした製品として製造販売承認を取得、2020年6月より保険適用を受け、眼科領域で国内初の再生医療等製品となりました。 (d)自家培養口腔粘膜上皮オキュラル 本品の開発において、大阪大学大学院医学系研究科(脳神経感覚器外科学(眼科学))の西田幸二教授、大家義則講師らにより、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの支援を受けて、角膜上皮幹細胞疲弊症を対象とした医師主導治験が実施されました。当社は、西田幸二教授が世界に先駆けて開発した自家培養口腔粘膜上皮細胞シート移植の技術を導入するとともに、当該医師主導治験を引き継ぎ、開発を行ってきました。 自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、患者自身の口腔粘膜組織を採取し、分離した細胞を培養して作製するヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シートです。患者の眼表面に本品を移植することにより、患者自身の口腔粘膜上皮細胞が生着・上皮化し、欠損した角膜上皮を修復することを目的としております。 本品は、2021年6月に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした再生医療等製品として製造販売承認を取得、2021年12月より保険適用を受け、眼科領域で2つ目の再生医療等製品となりました。角膜上皮幹細胞疲弊症によって両眼の角膜が広範囲に障害を受け、視力が著しく低下した患者に対する新たな治療法として期待されております。 (e)メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンは、患者自身の皮膚組織を採取し、分離した細胞をメラノサイトが保持されるように培養した、患者自身に使用する表皮細胞シートです。非外科的治療が無効又は適応とならない白斑の患部に対して、表皮層を薄く削った後に移植します。本品の移植によりメラノサイトが供給され、色素を再生することを目的としています。ジャスミンは既存の外科的治療に比べ、少ない面積の皮膚組織を用いて製造するため患者への侵襲が少なく、かつ一度に広範囲の治療を行うことが可能となります。また、本治療法で色素再生することにより、患者の整容面での心理的重圧の軽減と生活の質(QOL)の向上も期待されます。 本品は、2023年3月に白斑の治療を目的とした再生医療等製品として製造販売承認を取得、2024年10月より保険適用を受け、皮膚領域で2つ目の再生医療等製品となりました。 [当社の再生医療等製品一覧] ②自家細胞を用いた再生医療等製品のビジネスモデル 当社は培養技術を利用した再生医療等製品を開発し、医療機関向けに医療目的で製造販売しております。当社の再生医療等製品は、現在、主に患者本人の細胞を培養し、患者本人に移植する「自家移植」を対象としております。 当社は、長年にわたって自家移植を対象とした再生医療等製品を製造販売してきたことにより、自家の再生医療等製品に関する製造管理や品質管理に関するノウハウに加え、製品開発や販売に関する組織体制やノウハウを蓄積してきました。このようなノウハウは、当社の今後の事業に大きく役立たせることができます。 (3)再生医療受託事業 当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しております。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富な実績及びノウハウを生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しております。 さらに、2014年11月に施行された再生医療等安全性確保法に則った、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しております。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しております。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しております。 (4)ラボサイト事業 種々の医薬品や化粧品の開発に際して、開発製品の安全性や有効性を確認する等の目的により、動物を用いた試験が実施されております。 当社は再生医療等製品の開発を通じて蓄積したティッシュエンジニアリングに係る技術、ノウハウを水平展開し、研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを開発、製造、販売しております。ラボサイトは、「エピ・モデル」「角膜モデル」「エピ・キット」の3つの製品ラインアップを揃えております。 「エピ・モデル」はヒトの正常な表皮細胞を培養して重層化したヒト3次元表皮モデルであり、ヒト表皮に類似した構造をしております。ヒトの皮膚に適用される外用医薬品や化粧品の開発、皮膚科医の基礎研究、化成品原材料の安全性研究等に有用な材料であると同時に、動物を使った皮膚試験の代替としての使用が想定されます。なお、「エピ・モデル」を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法は、2013年7月に経済協力開発機構(OECD)の試験法ガイドラインTG439へ収載され、「エピ・モデル24」を含む皮膚腐食性試験法は、2019年6月にOECDの試験法ガイドラインTG431へ収載されました。2024年6月には新たな標準法として、花王株式会社が開発した皮膚感作性試験法(EpiSensA:エピセンサ)がOECDのテストガイドラインに収載されました。さらに、2025年7月には、エピ・モデル24を用いた医療機器の皮膚刺激性試験法が国際規格ISO10993-23に収載されました。 「角膜モデル」はヒト正常角膜上皮細胞を重層培養したヒト3次元角膜モデルです。角膜モデルでは、ムチン等のタンパク質の発現や細胞間接着構造等を確認しており、化合物の眼刺激性試験に加えて、角膜上皮の分子生物学的解析に利用できます。「角膜モデル」を用いた眼刺激性試験法については、2018年6月にOECDの試験法ガイドラインTG492へ収載されました。 「エピ・キット」は顧客自身でヒト表皮モデルを作製できるヒト3次元表皮モデルの作製キットです。ヒト表皮モデルへの評価物質の添加やモデルの解析等を自由に設定できます。また、予め細胞に処理を行ったヒト表皮モデルの作製・解析等応用研究に使用できます。 (5)新規パイプラインの開発 当社は、今後の成長を加速させるため、乾燥他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)及び自家CAR-T細胞(開発名:JPCAR019)の開発に積極的に取り組んでおります。乾燥他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)については、2026年3月に製造販売承認を申請しました。 各製品の特長及び進捗状況は、下図のとおりです。
経営方針・対処すべき課題4,088字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、次の経営理念・ビジョン・行動指針に基づいて、再生医療製品事業、再生医療受託事業及びラボサイト事業を展開しております。 経営理念:再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者様のQOL向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。 ビジョン:再生医療をあたりまえの医療に 行動指針:一、一貫性と柔軟性のバランス感覚を持つ。 一、勇気を持って変化に挑戦する。 一、異なる文化や考え方を尊重する。 一、徹底的に現場を重視する。 一、J-TECを代表する社員として深く考え行動する。 サステナビリティ方針: 私たちは、「再生医療をあたりまえの医療に」というビジョンのもと、再生医療のリーディングカンパニーとして持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値の向上に努めます。 (2)経営戦略 既存事業の売上利益を最大化するための黒字体質の基盤を確立することで売上を大幅に拡大させるとともに、新たな製品・領域への展開を実現し、中期目標:売上高50億円、営業利益率10%超を達成する。 ①再生医療製品事業 <皮膚領域> ・ジェイスは重症熱傷治療の標準治療として浸透。広範囲な重症熱傷に加え、受傷面積の小さい症例でも使用実績を増やし、当社の事業基盤を支える。母斑・表皮水疱症向けは拠点施設及び患者団体との関係強化で確実に発生症例を獲得し、重症熱傷と合わせて安定した売上げを確保する。 ・ジャスミンは、複数拠点での集患モデルの確立と治療啓発の推進を図り、早期の普及を狙う。2027年3月期で50例/年、2028年3月期で100例/年の受注を目指す。 ・皮膚領域では、乾燥他家(同種)培養表皮の開発を進め、2028年3月期の上市を目指す。当社初となる他家(同種)細胞を用いた製品であり、ジェイスで開拓した販路や医療機関とのネットワークを生かし、承認後早期に普及させる。他家(同種)製品・乾燥品である特長を生かし、国内だけでなく海外市場への展開も加速させる。 <膝領域> ・ジャックは、変形性膝関節症(OA)への適応拡大を受け、既存施設の販売拡大に注力することで2027年3月期に年間350例を達成し、新規施設への展開につなげることで2028年3月期には年間600例へと大幅に引き上げる。 ・膝領域では、ヘビーユーザーの医療機関と連携し、自由診療による同疾患の治療(メディカルツーリズム等)に着手し、承認後の迅速展開を図る。 <眼領域> ・ネピック、オキュラルは株式会社ニデックとの連携により、拠点施設を中心に販売体制を構築している。眼科の主要学会にて製品の認知度向上や治療成績の情報発信を行うなど、一層の普及に向けた施策を実施し、根治療法の存在しなかった角膜上皮疾患に対する治療を提供する。 <がん領域> ・新たな領域として、名古屋大学と開発中の自家CAR-T細胞製剤を上市する。低コストで供給できる強みを生かし、他社との差別化を図る。 <生産技術> ・細胞培養に関する実績・ノウハウと、帝人の有するエンジニアリングでシナジーを発揮し自家製品の製造自動化や同種製品の大量生産に向けた生産革新を実現し大幅なコスト低減を図る。 ②再生医療受託事業 ・安定した収益基盤を構築するため、顧客である企業やアカデミアとの連携を強化し、既存の顧客と戦略的な協業を深化させる。引続き、新規顧客に向けた営業活動に注力するとともに、商用生産(CMO)に向けた体制づくりに取り組む。 ・帝人と連携した新たなCDMO事業により、顧客(国内・海外)を拡大するとともに、海外での承認品目の国内製造受託(CMO)を積極的に獲得する。 ③ラボサイト事業 ・ラボサイトシリーズは、皮膚感作性試験のOECDガイドライン収載を受けて欧州市場の開拓を推進し、欧州市場での製品浸透を図る。合わせて、米国やアジア圏への海外展開も積極的に推進する。 ・ヒトiPS細胞とオルガノイドの技術を用いた研究用腸管上皮モデルの開発権の取得を契機に、現在の化粧品を主とする市場から創薬市場への新たな展開を進め、2027年3月期に上市する。 (3)経営環境 2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、わが国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。再生医療への期待が急速に高まる中で、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められ、2014年11月に薬事法は医薬品医療機器等法として改正され、新たに再生医療等製品が定義されると同時に、再生医療等製品に条件・期限付承認制度が導入されました。また、再生医療を安全かつ迅速に実施するための再生医療等安全性確保法が施行されました。 このような状況の下、同種細胞を用いた再生医療製品の開発や、国内外技術導入による製薬企業の参入、iPS細胞による再生医療が臨床応用ステージに入る等の動きが加速しており、承認を取得した再生医療等製品も増えてきております。その一方で、国民医療費は、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化、高額な製品の登場などによって年々増大しており、医療保険制度の持続可能性の確保が喫緊の課題となっております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、「再生医療をあたりまえの医療に」という長期ビジョンのもと、再生医療等製品の研究開発から製造・販売までを一貫して担うプラットフォーマーとして、日本の再生医療の産業化に貢献してきました。さらに多くの患者や顧客に価値を届けるため、事業基盤の安定化と中長期的な企業価値向上に向けて当社が優先的に取り組むべき課題は以下のとおりです。 ①再生医療製品事業:主力製品および新規パイプラインの売上拡大による収益基盤の確立 自家培養軟骨ジャックは、変形性膝関節症を対象疾患とする適応拡大が2025年5月に承認され、2026年1月に保険収載されました。本適応は患者数が多い国民病領域であり、当社の収益成長を牽引する最重要製品と位置づけています。本製品を着実に市場に届けることで売上を拡大し、安定した収益基盤を確立することを最優先事項として取り組んでいきます。 加えて、メラノサイト含有自家培養表皮「ジャスミン」の患者認知の向上を進めるとともに、乾燥保存・即応性を特長とする他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)の製造販売承認取得に向けて注力します。 これまで築き上げてきた再生医療等製品を提供するフルバリューチェーンを更に強化し、再生医療製品事業全体での売上拡大と早期の安定黒字化を目指すとともに、更なる新規パイプラインの獲得・開発についても、技術の目利き力を活かして加速していきます。 ②再生医療受託事業:高付加価値フェーズへの移行と能力増強 当社は、これまでに再生医療等製品5製品を上市してきた実績とノウハウ、GCTP省令に準拠した製造・品質管理体制を強みとして、幅広い顧客に対して、再生医療の多様性をふまえた製品の作りこみや生産・販売体制の提案などのトータルソリューションを提供してきました。 今後は、治験製品の製造支援にとどまらず、商用生産段階(CMO)を見据えた高付加価値サービスへとフェーズを進めることで、長期的かつ安定的な収益源として育成していきます。特定顧客への依存を回避しつつ、国内外の新規顧客の獲得を進めるため、生産能力の増強、グローバル顧客に対するアプローチ強化、人材育成、帝人との協創等の更なる能力増強に取り組みます。 ③ラボサイト事業:グローバル展開の加速と新領域の開拓 2024年6月にラボサイトを使用した皮膚感作性試験法「EpiSensA(エピセンサ)」がOECDテストガイドラインに収載されました。また、新たな製品ラインナップとして「研究用腸管上皮モデル」の開発に着手しています。 動物実験代替法への関心が世界的に高まる中、動物実験に代わる試験法導入の潮流が高まっており、この潮流を成長機会と捉え、海外市場における販路拡大、製品ラインナップの拡充、欧州を中心とした安定供給体制の構築に取り組んでまいります。加えて、化粧品分野に加え、創薬、医療機器、食品等の新たな分野への展開を進めることで収益基盤の多角化を図ります。 ④人的資本経営と基盤強化 当社は、再生医療の産業化という新しい領域への挑戦を日々続けており、高度な専門性を有する人材を維持・育成していくこと、長期にわたる技術・ノウハウの蓄積が極めて重要です。 当社は、専門人材の安定的な確保と育成を重要な経営課題と位置付け、処遇改善、研修制度の充実、働きやすい職場環境の整備を通じて、人的資本への投資を継続してまいります。あわせて、多様な働き方の推進や次世代リーダーの育成を進めることで、環境変化に柔軟に対応できる組織基盤を構築し、中長期的な企業価値の向上につなげていきます。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、対前期成長率、営業利益、営業利益率、経常利益、純利益となります。 当社は、2026年5月1日付の決算短信において、今期の業績予想は、再生医療製品事業、再生医療受託事業、ラボサイト事業の売上拡大により、売上高3,070百万円(前期比40.6%増)、営業利益100百万円、経常利益110百万円、当期純利益100百万円を見込みます。
事業等のリスク1,790字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社は再生医療製品事業、再生医療受託事業及びラボサイト事業を展開しておりますが、以下において、当社の事業展開その他に関してリスクとなり得る主な事項を記載しております。当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、当社はこれらのリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めますが、それらをすべて回避できる保証はありません。 以下の記載は、当事業年度末において当社が判断したものであり、当社事業に関連するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意ください。 重大 リスク   影響する 事業セグメント   主なリスク内容   顕在化 可能性   顕在時 影響   リスク対応策 市場規模   再生医療製品事業   ・当社製品の市場規模は限定的で、一定以上のシェアを確保していたとしても、対象患者の発生状況や他社の参入により、売上高が大きく変動する可能性あり。   中   大   ・医療機関との緊密な連携や周知活動により、対象患者を適切に把握し、影響の最小化に取り組んでいる。 再生医療受託事業   ・開発状況や委託元の方針変更等により受託業務の解約や規模縮小等の可能性あり。   ・委託元と密に連携し、委託元の意向や計画を把握することで適時、適切な対応や提案により影響の最小化に取り組んでいる。 法規制   再生医療製品事業 再生医療受託事業   ・予測できない法改正や医療行政の方針変更等による急激な環境変化が生じると、当社の経営戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性あり。   中   中   ・薬事承認に関する経験やノウハウを磨き、規制当局に緊密な相談を行い、影響の最小化に取り組んでいる。 製品の 安定製造   再生医療製品事業 再生医療受託事業 ラボサイト事業   ・代替の利かない原材料、資材等を一定数使用しているため、これらが調達できない場合、自社製品及び受託製品の製造中止の可能性あり。   中   大   ・サプライヤーと安定供給契約等を締結する。 ・重要度の高い原材料、資材から優先的に代替品の調査、検討、選定を行う。 ・製造方法や検査方法等の新規開発により代替技術を確立する。 人材流出   ・競合企業が増えており、専門人材の離職の可能性あり。 ・テレワーク導入企業の増加により在宅希望者の離職の可能性あり。 ・専門性の高い従業員の離職は、補填、育成に時間がかかるため、一時的な影響が出る可能性あり。   高   中   ・様々な働き方に対応するため、社内外の状況に応じて制度の再整備、見直し等を行う。 ・ブランド向上や働きがいのある業務設計・報酬体系等により従業員満足度向上を図る。 情報流出   ・従業員が意図せずに第三者に機密情報を情報提供する可能性あり。 ・コンピューターウイルスの侵入等のサイバー攻撃による情報漏洩等の可能性あり。   中   中   ・就業規則や誓約書、教育等による従業員への秘密情報管理の意識づけを徹底する。 ・ネットワークセキュリティの強化や社員教育の徹底を行う。 重大 リスク   影響する 事業セグメント   主なリスク内容   顕在化 可能性   顕在時 影響   リスク対応策 大規模 災害 パンデミック   再生医療製品事業 再生医療受託事業 ラボサイト事業   ・本社と生産拠点が一ヶ所にまとまっており、災害で両方の機能が停止する可能性あり。 ・医療体制が逼迫すると不急の手術などは敬遠され、手術の延期や治験の停滞による売上減少、開発スケジュール遅延の可能性あり。 ・委託元や顧客(研究機関等)の研究開発状況の変化により当社業績にマイナス影響を及ぼす可能性あり。 ・サプライチェーン寸断により原材料等が調達できない可能性あり。   小   大   ・大規模災害等を想定したインフラ整備や運用整備を図っている。 ・医療機関との緊密な関係から実情や情勢を把握し、新たな営業活動等を推進することで、事業への影響を小さくすることに取組んでいる。 ・原材料、資材等の代替品の調査、検討、選定を行う。取引先との有事に備えた関係を構築する。
経営成績の分析 (MD&A)8,151字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日)におけるわが国経済は、インバウンド需要の継続的な増加や賃上げによる消費支援などを背景に、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、イラン情勢の緊迫化を含む地政学的リスクの長期化などから、景気の先行きには依然として不透明感が残る状況が続いています。 このような状況の下、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a. 財政状態 当事業年度末において、総資産は5,682,993千円(前期と比べ829,996千円減少)、負債は592,709千円(前期と比べ95,245千円減少)、純資産は5,090,284千円(前期と比べ734,751千円減少)となりました。 当事業年度における資産、負債及び純資産の状況に関する分析は以下のとおりであります。 (流動資産) 当事業年度末における流動資産の残高は4,182,077千円となり、前事業年度末から642,872千円減少いたしました。この主な要因は、現金及び預金ならびに売上債権の減少によるものであります。 (固定資産) 当事業年度末における固定資産の残高は1,500,916千円となり、前事業年度末から187,124千円減少いたしました。この主な要因は、投資有価証券の減少によるものであります。 (流動負債) 当事業年度末における流動負債の残高は560,509千円となり、前事業年度末から76,720千円減少いたしました。この主な要因は、流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等の減少によるものであります。 (固定負債) 当事業年度末における固定負債の残高は32,200千円となり、前事業年度末から18,525千円減少いたしました。この主な要因は、役員退職慰労引当金及び退職給付引当金の減少によるものであります。 (純資産) 当事業年度末における純資産の残高は5,090,284千円となり、前事業年度末から734,751千円減少いたしました。この主な要因は、当期純損失の計上によるものであります。 b. 経営成績 当事業年度における売上高は2,182,745千円(前期比11.1%減)となりました。営業損失は549,445千円(前期は238,315千円の営業損失)、経常損失は537,443千円(前期は234,487千円の経常損失)、当期純損失は734,751千円(前期は255,304千円の当期純損失)となりました。これは主に、特別損失として投資有価証券評価損149,999千円および設備の除却等に伴う固定資産除却損43,332千円を計上したことに加え、国庫補助金の受け入れに伴い固定資産圧縮損31,816千円を計上したことによるものであります。 セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、1,354,493千円(前期比9.3%減)、再生医療受託事業の売上高は、546,371千円(前期比23.5%減)、ラボサイト事業の売上高は、281,879千円(前期比13.5%増)となりました。 各セグメントにおける概況及び新規パイプライン開発に関する特記事項は、以下のとおりです。 [再生医療製品事業] 当事業年度における再生医療製品事業の売上は、1,354,493千円(前期比9.3%減)となりました。 <皮膚領域:自家培養表皮ジェイス> 熱傷では、通期を通して対象となる患者数が減少したものの、当該疾患の標準的な治療の一つとしては広く認知されており、第4四半期においての受注は回復傾向となりました。重症熱傷における高評価を受け、更なる救命への貢献を進めてまいります。 先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症では、対象患者が一巡し受注が減少しましたが、治療成績を評価し、普及に向けた施策を推進します。 <皮膚領域:メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン> 一部医療機関での導入準備に時間を要したものの、白斑治療に注力する施設との連携による患者アクセス向上の取り組みが進展しました。その結果、拠点施設が42施設まで拡大し、期末にかけて新規施設から受注を獲得するなど、増収に向けた基盤構築が進みました。 <軟骨領域:自家培養軟骨ジャック> 変形性膝関節症への適応拡大に関し、2026年1月に保険収載されたことを機に、中長期的な成長を支える主力製品へと位置づけが変化しました。有効性・安全性を訴求する説明会や、新しい手術手技の提案等により既存施設での継続使用が大きく進展しました。契約施設数は全国125施設まで拡大し、3月には過去最高となる月間30例の受注を達成するなど、期末にかけて受注件数が大幅に増加しました。 <角膜領域:自家培養角膜上皮ネピック・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル> 既存施設での新規患者の伸び悩みにより受注が減少しました。一方で、販売を担う株式会社ニデックとの連携により、新規施設の開拓や潜在患者への治療啓発を推進しており、角膜移植実績のある全国有数の新規施設で採用されるなど成果が現れています。引き続き、新規施設での治療の定着や潜在患者への治療啓発を進めます。 [再生医療受託事業] 当事業年度における再生医療受託事業の売上は、546,371千円(前期比23.5%減)となりました。 帝人(帝人株式会社)関連ではマイルストン達成の翌期への期ずれが生じたこと、また一般顧客からの受託においても、前年度に計上された特定顧客からのスポット収入が剥落した影響等により、減収となりました。 一方で、商用生産までを一気通貫で支援する独自の価値提供により、複数案件が高付加価値フェーズへと移行しました。具体的には、アクチュアライズ株式会社、株式会社VC Cell Therapy、株式会社メトセラ、AlliedCel株式会社との案件が着実に進展しており、特定顧客に依存しない強固な事業ポートフォリオへの転換が進んでいます。引き続き、顧客のシーズの製品化を伴走支援する「イノベーションパートナー」としての仕組みづくりに注力します。 [ラボサイト事業] 当事業年度におけるラボサイト事業の売上は、281,879千円(前期比13.5%増)となりました。 欧州では、EpiSensA(エピセンサ)への関心が高く、定期顧客数が8社に達するなど増収を牽引しました。本格展開に向けてドイツでの子会社設立準備を進めております。インドでは、表皮モデルに加え角膜モデルへの関心も高まりつつあり、現地ニーズに応じた営業活動を積極的に展開しています。国内では、EpiSensAの技術講習会による手技指導に加え、帝人構造解析センターとの連携による体制強化を行い受注が拡大しました。新規製品である研究用腸管上皮モデルについては、大阪大学からの技術移管を進め、製品ラインアップの充実を図るとともに、創薬や食品などの新規業界への展開を見据えた開発を推進しています。 [新規パイプラインの開発等] <皮膚領域> 他家(同種)培養表皮(開発名:Allo-JaCE03)は、熱傷を含む皮膚欠損を適応とし、2026年3月に製造販売承認申請を行いました。独自の乾燥技術により「常温での長期保管」と「即時使用(迅速な提供)」を両立させた特長を有しており、救急現場への迅速な提供を目指すとともに、海外市場への展開も視野に入れてまいります。 <軟骨領域> 自家培養軟骨ジャックは、適応症に変形性膝関節症を追加する一部変更承認を2025年5月に取得し、2026年1月に保険収載されました。他にも、膝領域の治療を目的とした新製品の開発を、帝人と共同で取り組んでいます。 <がん領域> 当社製造による自家CAR-T細胞製剤*は、名古屋大学で急性リンパ性白血病(ALL)に対する医師主導治験が開始され、第I/II相医師主導治験実施中です。低コストで製造できる自家CAR-T細胞由来治療技術を活かし、がん以外の他疾患への事業拡大を検討中です。 柏の葉「再生医療プラットフォーム」で、帝人、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院、三井不動産株式会社と協働し事業展開を加速しています。 * 名古屋大学・信州大学と特許ライセンス契約を締結した、CD19陽性の急性リンパ性白血病の治療を目的とした、低コストで製造できる自家CAR-T細胞由来治療薬開発 (参考)各事業の概要 [再生医療製品事業] 当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピック、自家培養口腔粘膜上皮オキュラル及びメラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンの製造販売を行っています。 ・自家培養表皮ジェイス(皮膚領域) 自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に重症熱傷を適応として保険収載された国内初の再生医療等製品であり、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)にも適応を拡大しています。ジェイスの保険適用に関しては、患者一連の製造につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度となっています。 ・自家培養軟骨ジャック(軟骨領域) 自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された国内第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応としています。2019年1月には、ジャックの移植時に用いていた患者自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更承認を取得して、手術侵襲の低減と簡便化を実現しました。2022年6月には、承認後の使用成績調査について再審査が終了し、承認時の有効性及び安全性が改めて確認されました。2025年5月に、適応症に変形性膝関節症を追加する一部変更承認申請を取得し、2026年1月に保険収載されました。 ・自家培養角膜上皮ネピック(角膜領域) 自家培養角膜上皮ネピックは、2020年6月に保険収載された眼科領域では国内初となる再生医療等製品であり、角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡・移植片対宿主病・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患・再発翼状片・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者を除く)を適応としています。 ・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル(角膜領域) 自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、角膜上皮幹細胞疲弊症を適応としており、2021年12月に保険収載されました。口腔粘膜上皮細胞を用いて両眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を治療することが可能な、世界初の再生医療等製品です。 ・メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミン(皮膚領域) メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンは、メラノサイト(色素細胞)が保持されるように培養された表皮細胞シートです。非外科的治療が無効又は適応とならない白斑を適応として、2024年10月に保険収載されました。 [再生医療受託事業] 当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発ならびにコンサルティング及び特定細胞加工物製造受託を行っています。 ・再生医療等製品の受託開発 再生医療等製品の承認を目指すアカデミアや企業に対し、研究開発段階の設計から商用生産までを一気通貫で支援する開発製造受託(CDMO)・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品開発・製造で培ったノウハウやGCTP適合設備を活かし、細胞種や製品形態を問わずシームレスに支援します。特に近年はiPS細胞由来製品など、自社開拓による高付加価値案件が拡大し、事業ポートフォリオの多角化が進んでいます。 ・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託 再生医療の提供機関に対し、提供計画の作成や細胞加工施設運営の支援を行うほか、厚生労働省許可施設にて特定細胞加工物の製造を受託しています。 [ラボサイト事業] 当社はラボサイト事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。 ・ラボサイトシリーズ 研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品及び化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに販売しています。製品ラインアップとして、ヒト3次元培養表皮エピ・モデル/EPI-KITとヒト3次元培養角膜上皮角膜モデルを保有しています。エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法、皮膚腐食性試験法ならびに花王株式会社が開発した皮膚感作性試験法(EpiSensA:エピセンサ)、そして角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法は、標準法の一つとして経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインに収載されており、日本国内においてはトップシェアを占めるモデルとなっています。さらに、エピ・モデル24を用いた医療機器の皮膚刺激性試験法は国際規格ISO10993-23に収載されています。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて234,983千円減少し、1,450,465千円となりました。 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は488,020千円(前期は148,365千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失(730,775千円)及び減価償却費(157,382千円)によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は253,035千円(前期は232,526千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(1,800,000千円)及び定期預金の払戻による収入(2,200,000千円)によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の増減はありません。(前期は3千円の使用) ③生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)     前期比(%) 再生医療製品事業(千円)   1,350,558   90.2 再生医療受託事業(千円)   546,371   76.5 ラボサイト事業(千円)   281,879   113.5 合計(千円)   2,178,810   88.6 (注)1.金額は販売価格によっております。 2.当事業年度における生産実績の著しい変動の要因については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 b. 受注実績 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高 (千円)   前期比 (%)   受注残高 (千円)   前期比 (%) 再生医療製品事業   1,501,542   97.1   232,481   152.4 再生医療受託事業   601,271   105.2   126,567   161.2 ラボサイト事業   282,715   113.4   15,305   105.8 合計   2,385,529   100.8   374,355   152.5 (注)1.金額は販売価格によっております。 2.当事業年度における受注実績の著しい変動の要因については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 c. 販売実績 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)     前期比(%) 再生医療製品事業(千円)   1,354,493   90.7 再生医療受託事業(千円)   546,371   76.5 ラボサイト事業(千円)   281,879   113.5 合計(千円)   2,182,745   88.9 (注)1.当事業年度における販売実績の著しい変動の要因については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態の分析 当事業年度の財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③資本の財源及び資金の流動性 当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、研究開発費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 短期運転資金は自己資金を基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を検討した上での調達を基本としております。 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,450,465千円となっております。 ④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度のセグメントごとの経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態につきましては、次のとおりであります。 再生医療製品事業のセグメント資産は1,236,276千円となり、前事業年度末から51,780千円減少となりました。再生医療受託事業のセグメント資産は201,559千円となり、前事業年度末から87,348千円減少となりました。ラボサイト事業のセグメント資産は105,409千円となり、前事業年度末から9,662千円増加となりました。 ⑤経営成績に重要な影響を与える要因 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。 ⑦重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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開示資料

出典

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