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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,959.24+192ドル円158.93-1NASDAQ26,195.71+96S&P 5007,663.84+32SOX 指数11,328.43+409/2終値

CYBERDYNE

CYBERDYNE Inc.7779 · Growth · 精密機器

装着型サイボーグHALを軸に、医療・介護・作業支援向けのロボットを開発・販売する。世界初の医療用ロボットを日本から発信。

概要

CYBERDYNEは、2004年に茨城県つくば市で設立された精密機器企業である。装着型サイボーグ「HAL」を中核製品とし、医療・介護・生活支援分野向けに開発・製造・販売を行う。2014年に東証マザーズに上場。2026年3月期の売上収益は38億円、従業員数203名。脳神経系の生体電位信号を利用した独自制御技術を強みとする。

医療分野と非医療分野を融合した事業展開

当社グループは、「サイバニクス医療健康イノベーション」と「サイバニクスライフイノベーション」を両輪として事業を展開する。医療分野では、神経・筋難病や脳卒中後のリハビリテーションを目的とした「HAL医療用下肢タイプ」を提供し、公的医療保険の適用を受ける。非医療分野では、高齢者の自立支援や作業者の身体負荷低減を目的とした「HAL腰タイプ」や「HAL単関節タイプ」を製造販売する。両分野は相互に連携し、包括的なソリューションを提供する。

稼働台数を指標とするレンタル主体の収益構造

当社の主たる収益源は、HAL等のレンタル・保守に係る売上である。レンタル期間にわたり収益が計上されるため、翌会計年度以降も継続的な収益が見込まれる。経営上の重要な非財務指標として、HAL等の稼働台数を取締役会へ報告している。レンタルモデルにより、医療機関や介護施設は初期投資を抑えてHALを導入でき、当社は安定的な収益基盤を構築している。

国内外の拠点ネットワーク

国内では、三重県鈴鹿市に鈴鹿ロボケアセンター株式会社(2013年設立)、神奈川県藤沢市に湘南ロボケアセンター株式会社(2013年設立)を置く。海外では、ドイツにCyberdyne Care Robotics GmbH(2013年設立)、米国にCYBERDYNE USA Inc.(2016年設立)を設立し、欧州と北米での事業展開を進めている。これらの拠点を通じて、サイバニクス治療の普及と国際標準治療化を目指す。

業界の中での役割は医療・介護・作業現場向けの装着型ロボットを提供する企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
38億円
営業利益
-6億円
営業利益率
-15.8%
純利益
2億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医療(リハビリテーション)主力

世界初の医療用装着型サイボーグHALを医療機器として提供し、脊髄損傷や脳卒中、神経・筋難病患者の機能改善を支援。ドイツと米国ではサイバニクス治療サービスを展開。

主な製品・サービス1
HAL(Hybrid Assistive Limb)
装着者の生体電位信号を検出して動作を支援する装着型ロボット。随意制御と自律制御を備え、機能改善を促進。

02介護・自立支援準主力

高齢者の自立度改善や重度化防止、フレイル予防を目的としたHAL自立支援用(下肢・単関節・腰タイプ)を展開。施設型サービス「ロボケア事業」や在宅型プログラムも提供。

主な製品・サービス2
HAL下肢タイプ
歩行機能を支援する装着型ロボット。加齢や疾病で歩行が困難な方の自立を支援。
HAL腰タイプ
体幹の運動を支援する装着型ロボット。腰の負担を軽減し、起立・着座などの動作を補助。

03作業支援(産業・物流)副次

腰部負担を軽減し生産性向上を支援するHAL作業支援用(腰タイプ)や、AI搭載の搬送ロボット・除菌清掃ロボットを展開。作業者の安全と効率化を両立。

主な製品・サービス3
HAL作業支援用(腰タイプ)
重量物を持ち上げる際の腰への負担を軽減する装着型ロボット。作業者の筋力補助が可能。
搬送ロボット
AIを搭載し、工場や物流現場での物の運搬を自動化するロボット。
除菌・清掃ロボット「CL02」
高速自律走行で除菌・清掃を行うロボット。施設の衛生管理を支援。

製品と技術

HALの動作原理:生体電位信号による随意制御

HALは、装着者の皮膚表面に貼付したセンサーで脳から筋肉へ伝達される微弱な生体電位信号(BES)を検出し、運動意思に従って駆動する「サイバニック随意制御」を基本とする。さらに、姿勢や重心バランスをAI処理する「サイバニック自律制御」、機械インピーダンスを調整する「サイバニックインピーダンス制御」を組み合わせた「サイバニックハイブリッド制御」を構成可能。これにより、脳と身体とHALの間でインタラクティブなバイオフィードバックが実現される。

医療用HAL下肢タイプとサイバニクス治療

医療用HAL下肢タイプは、神経・筋難病(8疾患)に対して2015年に日本で医療機器承認を取得。その後、HTLV-1関連脊髄症等にも適応拡大。2016年から公的医療保険が適用され、脳卒中や脊髄損傷への適用も進んでいる。国際的な医学誌に掲載されたシステマティックレビューでは、HALは神経可塑性を誘導し、脊髄損傷患者の歩行機能だけでなく排尿・排便機能等にも改善効果を示す唯一のデバイスと評価された。

CyvisとAcoustic X:予防・診断分野への展開

Cyvisシリーズは、日常的なメディカル・ヘルスケアデータを収集・解析するデバイス群である。2024年11月に医療機器認証を取得した「小型ホルター心電計 Cyvis M100」は、心房細動などの不整脈を早期発見し、脳卒中や認知症予防に貢献する。また、光音響イメージング装置「Acoustic X」は、LED光源方式(当社保有特許)により造影剤不要で末梢血管の3Dイメージングを実現し、次世代医療画像診断装置として研究が進められている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

精密機器のなかでの位置

ロボットで先進技術、ただ収益化に課題を残す

精密機器セクターに属するが、主力のサイバニクス(生活支援ロボット)は独特な技術で知られ、医療・介護分野での実用化が期待される。同業のリガク・ホールディングスやTerraDroneなどは分析機器やドローンと異なり、当社は人の機能を拡張するロボティクスに特化する。売上高は44億円前後で横這い、直近の営業損益は赤字幅が縮小傾向にある。研究開発費や製造コストが重く、収益化の目途は立っていない。同業比で市場規模は小さいが、技術的独自性と将来の社会実装への期待はある。課題は量産化によるコスト低減と、医療保険適用など制度面の壁を越える営業力である。海外展開やパートナー企業の動向が成長の鍵を握る。

強み

  • 人の知能と身体を拡張するサイバニクス技術は世界でも評価されている。
  • 高齢化社会の中で、医療・介護・産業用途への応用可能性を秘める。
  • 直近で営業赤字が2000万円以上改善し、事業の改善努力が進む。
  • ロボットスーツ分野の先駆者であり、ブランド認知度が高い。

課題

  • 売上規模が小さく、研究開発費が重く、営業赤字が続いている。
  • 高機能ロボットは製造原価が高く、価格設定が困難である。
  • 医療機器認証など規制が厳しく、市場拡大には時間がかかる。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

精密機器の時価総額近傍。太字がCYBERDYNE

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17777スリー・ディー・マトリックス458億円11.0倍
27723愛知時計電機444億円
37774ジャパン・ティッシュエンジニアリング357億円
47760IMV336億円14.3倍
57769リズム330億円13.7倍
67779CYBERDYNE298億円297.3倍
77711助川電気工業291億円31.8倍
87743シード240億円21.1倍
9218ALiberaware221億円
107746岡本硝子220億円
117725インターアクション194億円32.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 22件

筑波大学発ベンチャーとしての創業と初期受賞

2004年6月、茨城県つくば市においてCYBERDYNE株式会社を設立。2005年11月には、The 2005 World Technology Summit & AwardsのIT Hardware部門で大賞を受賞。2007年6月、代表取締役社長山海嘉之及び筑波大学知的財産統括本部とともに、「身体機能を拡張するロボットスーツHAL」の開発で経済産業大臣賞を受賞するなど、創業期から高い技術評価を得た。

医療機器認証の取得と欧州展開の開始

2009年1月、HAL福祉用の初期モデルの製造販売を開始。2012年12月、世界初のロボット治療機器としてISO13485(医療機器品質マネジメント)を認証取得。2013年2月、HAL福祉用が生活支援ロボットの国際安全規格ISO/DIS13482の認証を取得。同年6月、医療用HAL下肢タイプがMDD(欧州医療機器指令)の認証を取得し、7月からEU域内への出荷を開始した。

国内上場と介護・作業支援分野への製品拡充

2014年3月、東京証券取引所マザーズに上場。同年9月、HAL腰タイプ作業支援用の製造販売を開始。2015年2月、HAL自立支援用単関節タイプを発売。同年3月にはHAL腰タイプ介護支援用とAI搭載自動搬送ロボットの製造販売を開始し、製品ラインアップを介護・作業支援分野へ拡大した。2015年11月、医療用HALが厚生労働省から医療機器製造販売承認を取得した。

世界初の公的医療保険適用を達成

2016年1月、医療用HALによる神経・筋難病疾患に対するサイバニクス治療が、中央社会保険医療協議会総会において世界初の公的医療保険適用を決定。同年9月、ロボット治療として世界初となる公的医療保険による診療が開始された。この成果は、医療用HALが単なる研究機器ではなく、標準的な治療手段として認められたことを示す。

国際展開と新たな製品投入

2016年8月、米国にCYBERDYNE USA Inc.を設立。2017年2月、第3回日本ベンチャー大賞で内閣総理大臣賞を受賞。同年10月、HAL腰タイプ自立支援用の製造販売を開始し、自立支援分野を強化した。ドイツでは公的労災保険の適用を獲得し、国際展開を加速。2015年にはHAL腰タイプが欧州機械指令に適合し、作業者向けロボットとして世界初のCEマーキングを表示した。

年表22件を開く

2000年代

  • 2004年6月創業茨城県つくば市において、CYBERDYNE株式会社を設立
  • 2005年11月The 2005 World Technology Summit & Awards(2005年世界技術大賞), IT Hardware部門において大賞を受賞(※4)
  • 2007年6月CYBERDYNE株式会社、代表取締役社長山海嘉之及び筑波大学知的財産統括本部の三者が、「身体機能を拡張するロボットスーツHAL」の開発で経済産業大臣賞を受賞
  • 2009年1月HAL福祉用の初期モデルの製造販売を開始
  • 2009年7月サイボーグ型ロボット技術の発明(特許4178186号)が、全国発明表彰(※5)21世紀発明賞を受賞

2010年代

  • 2012年12月ISO13485(医療機器の品質マネジメントシステムの国際標準規格)を、世界初のロボット治療機器の設計開発・製造・販売業者として、認証取得(第三者認証機関:UL 認証番号:A18103)
  • 2013年2月HAL福祉用が、世界で初めて生活支援ロボットの国際安全規格ISO/DIS13482の認証を取得(第三者認証機関:一般財団法人日本品質保証機構 認証番号:JQA-KC12624)
  • 2013年4月鈴鹿ロボケアセンター株式会社(現連結子会社)を三重県鈴鹿市に設立
  • 2013年6月HAL医療用下肢タイプ(以下、「医療用HAL」)が、世界初のロボット治療機器として、MDD(欧州医療機器指令)の適合性評価を受け、EU域内において医療機器として認証取得(第三者認証機関:TÜV Rheinland。認証番号DD 60085735 0001)
  • 2013年7月CEマーキング(※6)が表示された医療用HALを医療機器としてEU域内へ出荷開始
  • 2013年8月湘南ロボケアセンター株式会社(現連結子会社)を神奈川県藤沢市に設立 ドイツにCyberdyne Care Robotics GmbH(現連結子会社)を設立し、医療用HALを利用した脳神経筋疾患の患者に対するサイバニクス治療(※7)の事業を開始 DGUV(Deutsche Gesetzliche Unfallversicherung:ドイツ法的損害保険)が、医療用HALによるサイバニクス治療に、公的労災保険の適用を認可
  • 2014年3月上場東京証券取引所マザーズに上場
  • 2014年9月HAL腰タイプ 作業支援用の製造販売を開始
  • 2014年11月HAL腰タイプ 作業支援用及びHAL腰タイプ 介護支援用が、作業者及び介護者向けの装着型ロボットとしては世界で初めて生活支援ロボットの国際安全規格ISO13482:2014の認証を取得(第三者認証機関:一般財団法人日本品質保証機構 認証番号:JQA-KC14001及びJQA-KC14002)
  • 2015年2月HAL自立支援用単関節タイプの製造販売を開始 HAL腰タイプ 作業支援用及びHAL腰タイプ 介護支援用が、欧州機械指令に適合し、作業者及び介護者向けの装着型ロボットとして世界初のCEマーキングを表示
  • 2015年3月HAL腰タイプ 介護支援用の製造販売を開始 AI搭載自動搬送ロボットの製造販売を開始
  • 2015年11月医療用HALについて、厚生労働省より医療機器として製造販売承認を取得(対象疾患:神経・筋難病8疾患)
  • 2016年1月医療用HALによる神経・筋難病疾患に対するサイバニクス治療について、中央社会保険医療協議会総会において世界で初めて公的医療保険適用が決定
  • 2016年8月米国にCYBERDYNE USA Inc.(現連結子会社)を設立
  • 2016年9月医療用HALによる神経・筋難病疾患に対するサイバニクス治療について、ロボット治療として世界で初めての公的医療保険による診療が開始
  • 2017年2月第3回日本ベンチャー大賞(※8)において内閣総理大臣賞を受賞
  • 2017年10月HAL腰タイプ 自立支援用の製造販売を開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    革新技術・ソリューションの開発と社会実装

    HCPS融合サイバニクス withフィジカルAIをコア技術とし、人の内的・外的情報等を統合解析する独自アプローチで、超少子高齢社会など複雑な課題解決に向けた技術開発と社会実装を推進する。

  2. 02

    サイバニクス技術の世界展開・国際連携強化

    各国の先進企業、医療機関、大学とのパートナーシップ構築や国際カンファレンス開催を通じ、グローバルでの技術普及を推進する。

  3. 03

    サイバニクス治療のグローバル標準治療化

    装着型サイボーグHALを利用した脳・神経・筋系の機能改善治療の国際標準化を目指し、各国での医療機器承認取得・保険適用拡大・治験を進める。

  4. 04

    包括的メディカル・ヘルスケアを実現する製品・サービス強化

    医療用HALの展開に加え、HAL自立支援用モデルを用いたNeuroHALFITプログラム、Cyvisシリーズ、光音響イメージング装置Acoustic Xなどを通じ、予防・診断・治療・自立支援を包括的に扱うサービスの充実を図る。

  5. 05

    事業推進体制の強化及び未来開拓型人材の育成

    組織体制の継続的強化と、単一分野にとどまらない専門知識と統合的視野を持つ未来開拓型人材の育成・登用を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で203人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は689万円で、9期前と比べて+4.6%平均年齢は44.6歳、平均勤続年数は9.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月71
2018年3月75
2019年3月65941.85.084
2020年3月62841.75.095
2021年3月60743.56.396
2022年3月61743.26.7201
2023年3月61243.77.6257
2024年3月64344.88.0227
2025年3月67545.38.4211−427
2026年3月68944.69.3203−296

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社12(国内 12 / 海外 0、うち連結子会社 10) を有報から抽出しています。

主な関係会社
  • 国内
    Cyberdyne Care Robotics GmbH
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    CYBERDYNE USA INC.
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    RISE Healthcare Group, Inc (注)2
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    CYBERDYNE MALAYSIA SDN.BHD.
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    鈴鹿ロボケアセンター 株式会社
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    湘南ロボケアセンター 株式会社
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大分ロボケアセンター 株式会社
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社C2
    連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    CEJキャピタル株式会社
    連結子会社
    議決権60.0%
  • 国内
    サイバニクス・エクセレンス・ジャパン1号投資事業有限責任組合(注)2
    連結子会社
    議決権60.0%
  • 国内
    CYBERDYNE Omni Networks 株式会社
    持分法適用会社
    議決権49.0%
  • 国内
    株式会社志成データム
    持分法適用会社
    議決権32.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備社会課題の解決に向けたHCPS融合人協調ロボティクスの社会実装技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-12-04
    10億円
  • 調達
    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築リ・デザインに資するサイバニック・スマートモビリティ
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-12-02
    9,971万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は38億円営業利益-6億円前期と比べると減収で、売上が-13.6%。

売上高
-13.6%
38億円
営業利益
-6億円
純利益
2億円
営業利益率
-15.8%
前期比 +4.7%pt

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は10億円、営業利益は0億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+0.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q9−4
2024年1Q10−3−30.03
2024年2Q11−10−90.9−9
2024年3Q11−3−27.3−4
2024年4Q12−5
2025年2Q21−5−23.8−3
2025年4Q23−4−17.4−3
2026年2Q20−2−10.01
2026年4Q18−4−22.21
2027年1Q1000.04

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は3億円から38億円へ12.7倍に増えた。直近期の営業利益率は-15.8%。純利益は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
鈴鹿ロボケアセンター株式会社(現連結子会社)を三重県鈴鹿市に設立
2013年3月3−6−6
東京証券取引所マザーズに上場 / この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2014年3月5−7−7
2015年3月6−9−9
米国にCYBERDYNE USA Inc.(現連結子会社)を設立
2016年3月13−7−7
2017年3月17−6−7
2018年3月17−7−7
2019年3月17−6−6
2020年3月181−2
2021年3月194−1
2022年3月22−4−5
2023年3月331−3
2024年3月44−11−15
2025年3月44−9−9−20.5−6
2026年3月38−66−15.82

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高38億円のうち、営業利益として残るのは-6億円-15.8%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2億円、売上の5.3%にあたる。営業利益率は業種中央値9.0%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金39.5%15億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金89.5%34億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-15.8%-6億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
60.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比24.8pt
-15.8%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比1.6pt
5.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比8.8pt
0.4%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-1.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが2億円、投資CFが21億円で、差し引きのフリーCFは23億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は90億円で、売上の28.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月−42−2−27
2014年3月−5141−443
2015年3月−8−268424−276192
2016年3月−3−50−8185
2017年3月6−55−1−49134
2018年3月−1−250−26108
2019年3月−8−197−2788
2020年3月−2−213−496
2021年3月−8−286−3667
2022年3月−6−1812−2457
2023年3月−12202178
2024年3月−8−212−2952
2025年3月−423−21968
2026年3月221−22390

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は491億円。このうち返さなくてよい自己資本が396億円で、自己資本比率は80.7%(業種中央値66.2%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月2925486.2
2014年3月6460493.2
2015年3月48327820556.4
2016年3月47727220556.9
2017年3月477468998.0
2018年3月466457998.1
2019年3月4574421596.7
2020年3月4784433592.6
2021年3月4814384391.0
2022年3月4954346187.8
2023年3月5024218183.9
2024年3月5004089281.5
2025年3月4853969081.5
2026年3月4913969580.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
90億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-6億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
95億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
50
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

精密機器 52社との比較

同じ精密機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率52社中11位あたり、逆に低いのは売上成長率52社中50位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
0.4%/中央値 9.2%
P25 5.8%P75 12.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-15.8%/中央値 9.0%
P25 4.5%P75 14.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
80.7%/中央値 66.2%
P25 50.8%P75 76.4%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-13.6%/中央値 5.3%
P25 1.7%P75 10.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.1%
P25 1.4%P75 3.4%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥217で、1年前と比べて+6.9%過去52週の値幅のなかでは21%の位置にある。

¥217-4.4%1ヶ月-2.3%1年+6.9%時価総額298億円
過去52週の値幅
安値¥164高値¥420

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)297.3倍
PBR1.14倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月17日に242円、前日比-5.47%と下落しました。8月14日に256円まで上昇しましたが、直近の下落で25日線(229円)を上回ってはいるものの、上値の重さが意識されます。週足では上昇基調にありますが、52週高値(420円)からは約42%低い水準です。RSIは60.56とやや強気圏にありますが、過熱感はありません。出来高は8月14日に291万5900株と急増しましたが、8月17日は192万7600株と減少しています。短期的にはもみ合いが続く可能性があります。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 10/100)

PERが306.85倍と非常に高く、業界平均の29.96倍をはるかに超え、収益力に対して株価が過大評価されている。PBRは1.19倍と平均3.69倍を下回るが、ROE0.4%と極めて低く、収益効率が悪い。直近では黒字化したが、過去2期は赤字で経営基盤は不安定。無配当であり、株主への直接的な還元もない。成長期待が価格に織り込まれているが、その実現性が不透明であるため、割高圏と判断した。

指標この会社業種平均
PER (実績)297.3倍30.1倍
PBR1.14倍2.49倍
ROE0.4%7.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

少子高齢化による介護・福祉分野の市場拡大が期待される一方、事業は依然として赤字基調で、収益化の時期が焦点。強気派は、新製品や海外展開による成長と、介護現場での需要拡大を評価し、赤字縮小と早期黒字化に期待する。弱気派は、市場開拓の遅れや製品の高価格、競争激化を懸念し、実質的な事業リスクを指摘する。さらに、研究開発費の負担や資金調達の継続性も論点となる。

プラスに働く材料7
  • 市場成長

    高齢化社会での介護ロボット需要は長期的に拡大が見込まれる。

  • 技術革新

    独自技術を持つHALは世界的な受賞歴や高く評価する研究結果がある。

  • 損失縮小

    直近では営業損益が大幅に改善し、黒字転換の可能性が見えてきた。

  • 営業赤字が9→6億円へ縮小通年影響

    2026年3月期の営業損益は▲6億円と前期の▲9億円から3億円改善

  • 最終損益が黒字転換し純利益2億円通年影響

    純利益は▲6億円から+2億円へ8億円改善し、マイナス解消

  • 売上減少に歯止め、38億円で横ばい圏継続影響

    売上高は44→44→38億円と底入れ傾向。低水準ながら安定

  • ROE0.4%とプラス圏復帰継続影響

    自己資本利益率が0.4%まで改善。収益力回復の初期兆候

マイナスに働く材料7
  • 収益性不安

    売上高は低調で、営業赤字の継続で事業の持続可能性に疑念。

  • 価格課題

    高価格帯の製品が一般市場への普及の妨げとなっている。

  • 競争激化

    海外の外骨格市場や他社製品との競争が強まっている。

  • 売上高が13.6%減少し収益基盤縮小通年影響

    38億円は前期比6億円減。主力製品の販売減が続く

  • 営業赤字が継続し本業黒字化が遠い継続影響

    営業損益▲6億円。売上高38億円では固定費吸収が不十分

  • PER306倍と極端な高バリュエーション継続影響

    時価総額308億円に対し純利益2億円。業績悪化でさらなる下方修正リスク

  • 無配当で株主への直接還元が皆無継続影響

    配当利回りは0%。機関投資家の選好から外れ売り圧力となる

次の決算で確かめる点
売上高
事業規模の拡大と市場受け入れ度を測る基本指標。
営業損益
赤字縮小・黒字化の道筋を確認するため。
レンタル契約数
ストック型収益の基盤となる顧客の広がりを見る。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ74,733人。区分でいちばん多いのは個人・その他69.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が23.0%を占め、残る77.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他55.263.068.569.368.669.5
事業法人23.523.421.020.820.920.4
証券会社2.91.02.22.61.93.8
外国法人14.48.64.65.16.33.4
金融機関3.83.93.42.01.82.6
自己株式0.00.01.91.91.91.9
外国人個人0.10.20.30.30.50.4

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01山海 嘉之58.74
02大和ハウス工業株式会社18.92
03楽天証券株式会社(投信口)1.82
04野村信託銀行株式会社(投信口)1.23
05株式会社SBI証券0.61
06株式会社日本カストディ銀行(信託口)0.57
07BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.56
08古川 繁浩0.45
09野村證券株式会社0.40
10大同生命保険株式会社0.36

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+122%、1株純資産は14期で+1194%。直近期のROEは0.4%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2013年3月−315
2014年3月−432
2015年3月−5134
2016年3月−4131
2017年3月−3218
2018年3月−3213
2019年3月−3206
2020年3月−1206
2021年3月−0203
2022年3月−2202
2023年3月−1199
2024年3月−7193
2025年3月−3187
2026年3月1188

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2026/3期の役員報酬は総額76百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
山海嘉之代表取締役社長683,042,000
本田信司取締役COO6823,000
松村明取締役(独立役員)715,000
鈴木健嗣取締役(独立役員)51
髙原勇取締役(独立役員)62
田中一紹監査役(独立役員)69
ケース・フェレコープ監査役7010,000
岡村憲一郎監査役(独立役員)55

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2545427
社外取締役822223

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,226字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 日本は、世界に例を見ない速度と規模で進行する超少子高齢社会のただ中にあり、高齢化の進展に伴って生産年齢人口の減少が急速に進行し、社会・経済の持続性そのものが問われる時代に入っています。平均寿命の延伸は、一方で、生活習慣病や老化に伴う疾患の増加、寝たきり高齢者・要介護者の増加を招き、介護負担の増大や医療・介護財政への圧迫を深刻化させています。これらは高齢化の進展とともに多くの国々が直面する世界共通の問題でもあります。 人類は、生物としての進化ではなく、テクノロジーを手にすることで、自らの環境を変革し、未来を切り拓いてきました。産業革命から情報革命を経て、物理的・情報的な移動の距離と速度は飛躍的な進化を遂げており、人間の脳や身体はテクノロジーによって拡張されつつあります。人類の未来は常にテクノロジーと共にあり、その進化の方向性が社会のあり方そのものを左右すると言っても過言ではありません。 当社は、こうした認識のもと、社会が直面する複雑かつ構造的な課題を解決するため、バイオ・医療系とAIロボット・情報系を融合する「HCPS融合サイバニクス withフィジカルAI」をコア技術として、人とテクノロジーが共生し、相互に支援し合うことにより、すべての人が年齢や障がいの有無を超えて自立度・自由度を高め、生活や心身の諸課題を解決しながら、安心して暮らせるWell-beingな未来「テクノピアサポート社会」の実現と、ロボット産業・IT産業に続く「サイバニクス産業」の創出を牽引しています。 (1) 当社の主な事業内容 当社グループは、医療分野と非医療分野が相互に連携・融合し、包括的に医療と健康を取り扱う「サイバニクス医療健康イノベーション」と、人やモノの移動や作業を支援する「サイバニクス ライフイノベーション」を両輪として、「HCPS融合サイバニクス withフィジカルAI」をコア技術としたソリューションの提供を事業としています。 (2) 中核技術としてのHALの動作原理と制御方法 HALは、人が装着して利用します。HALの技術は様々な分野で利用でき、当社グループの事業の中核となるものです。HALは、装着者の脳神経系からの動作意思を反映した微弱な生体電位信号(Bio-Electrical Signal:BES)で機能する「サイバニック随意制御系」、姿勢や重心バランス等の装着者の動作情報を人工知能処理し機能する「サイバニック自律制御系」、装着者の人間特性に適応調整される「サイバニックインピーダンス制御系」、及びこれらを組み合わせた「サイバニックハイブリッド制御系」などで構成される革新的サイバニックシステムです。 人が体を動かそうとする際、その運動意思は微弱なイオン電流の神経系指令信号として、脳、脊髄、運動神経、筋肉へと伝達され、最終的に筋骨格系が動くことになります。その際、微弱な生体電位信号が皮膚表面にも到達してくるので、これを検出できれば運動意思を捉えたことになります。HALはこの微弱な生体電位信号を装着者の皮膚表面に貼付けられたセンサーで検出し、これを活用して機能します。これにより、装着者が身体を動かそうとすると、その運動意思に従ってHALが駆動します。HALは身体に密着しているため、装着者の意思によって駆動すると同時に、脚などの装着部位を動かすことになり、筋紡錘(※1)からの求心性ニューロン(※2)の信号が感覚神経、脊髄を経て脳に戻る(フィードバックされる)ことになります。更に、このような体内の感覚神経系情報に加え視聴覚情報も脳にフィードバックされることになります。このようにして、「脳→脊髄→運動神経→筋肉→HAL」、そして、「HAL→筋紡錘→感覚神経→脊髄→脳」という脳と身体とHALとの間でインタラクティブなバイオフィードバックが構成されることになります。 これが基本的な「サイバニック随意制御」であり、機能的に人間とロボットとを一体化させることに成功した新しい制御手法の動作原理の一つです。また、重度の運動機能障害を有する場合、特に、生体電位信号がまだ検出できないような状態では、「サイバニック随意制御」が機能しないため、人間の基本運動パターンや動作メカニズムの解析結果を元に予め準備されたプログラムによってロボットのように動作する「サイバニック自律制御」が機能します。また、HALの質量・慣性モーメント・粘性摩擦等の機械インピーダンスを補償し、装着感に関する物理パラメータを任意に調整することができるサイバニックインピーダンス制御も組み込まれています。目的に応じて、これらの制御を自在に組み合わせたサイバニックハイブリッド制御を構成できることがHALの大きな特徴です。 図1 HALの動作原理 図2 HAL®の制御方法 ※1.筋紡錘 筋肉の内部の紡錘型の筋繊維にらせん状に巻き付いている感覚受容器です。筋肉の長さや張力に応じて神経伝達物質が生じるため関節の角度や身体の姿勢や筋肉が発揮している力などの身体の内部の感覚を起こします。 ※2.求心性ニューロン 末梢の感覚受容器からの刺激を脊髄や脳など中枢に伝達する知覚神経のニューロンです。 HAL®に関する主な学術論文は、下記のとおりです。 (脊髄損傷) ・“Actively Controlled Exoskeletons Show Improved Function and Neuroplasticity Compared to Passive Control: A Systematic Review”Global Spine Journal (2025) ・“Feasibility, safety, and functional outcomes using the neurological controlled Hybrid Assistive Limb exoskeleton (HAL®) following acute incomplete and complete spinal cord injury – Results of 50 patients”The Journal of Spinal Cord Medicine (2023) ・“Gait ability required to achieve therapeutic effect in gait and balance function with the voluntary driven exoskeleton in patients with chronic spinal cord injury: a clinical study The International Spinal Cord Society (2019) ・“Functional Outcome of Neurologic―Controlled HAL―Exoskeletal Neurorehabilitation in Chronic Spinal Cord Injury: A Pilot With One Year Treatment and Variable Treatment Frequency” Global Spine Journal (2017) ・“Against the odds: what to expect in rehabilitation of chronic spinal cord injury with a neurologically controlled Hybrid Assistive Limb exoskeleton. A subgroup analysis of 55 patients according to age and lesion level”Neurosurgical Focus (2017) ・“The Effectiveness and Safety of Exoskeletons as Assistive and Rehabilitation Devices in the Treatment of Neurologic Gait Disorders in Patients with Spinal Cord Injury: A Systematic Review” Global Spine Journal (2016) ・“Voluntary driven exoskeleton as a new tool for rehabilitation in chronic spinal cord injury : A pilot study” The Spine Journal (2014) ・“Locomotion training using voluntary driven exoskeleton (HAL) in acute incomplete SCI” Neurology (2014) (脳卒中) ・“Combined therapy using botulinum toxin A and single-joint hybrid assistive limb for upper-limb disability due to spastic hemiplegia”, Journal of the Neurological Sciences (2017) ・“Gait training with Hybrid Assistive Limb enhances the gait functions in subacute stroke patients: A pilot study”, NeuroRehabilitation (2017) ・“Gait training of subacute stroke patients using a hybrid assistive limb: a pilot study” NeuroRehabilitation (2017) ・“Tailor-made rehabilitation approach using multiple types of hybrid assistive limb robots for acute stroke patients: A pilot study”, Assistive Technology (2016) ・“Feasibility and efficacy of high-speed gait training with a voluntary driven exoskeleton robot for gait and balance dysfunction in patients with chronic stroke: nonrandomized pilot study with concurrent control”, International Journal of Rehabilitation Research (2015) ・“Gait training early after stroke with a new exoskeleton ― the hybrid assistive limb: a study of safety and feasibility” Journal of Neuro Engineering and Rehabilitation (2014) ・“Pilot study of locomotion improvement using hybrid assistive limb in chronic stroke patients” BMC Neurology (2013) (神経・筋難病) ・“Enhancing the effects of nusinersen with cybernic treatment using Hybrid Assistive Limb (HAL) in spinal muscular atrophy: a real-world case series and exploratory cohort analysis", Orphanet Journal of Rare Diseases (2025) ・“A preliminary study on the effects of long-term robot suit exercise training on gait function and quality of life in patients with spinal and bulbar muscular atrophy”, Journal of Clinical Neuroscience (2024) ・“Effects of Long-term Hybrid Assistive Limb Use on Gait in Patients with Amyotrophic Lateral Sclerosis”Internal Medicine (2022) ・“Robot-assisted training using hybrid assistive limb ameliorates gait ability in patients with amyotrophic lateral sclerosis”, Journal of Clinical Neuroscience (2022) ・“Cybernic treatment with wearable cyborg Hybrid Assistive Limb (HAL) improves ambulatory function in patients with slowly progressive rare neuromuscular diseases: a multicentre, randomised, controlled crossover trial for efficacy and safety (NCY-3001)”, Orphanet Journal of Rare Diseases (2021) (その他) ・“Effects of a 5-Month Follow-Up After a 5-Week Exercise Program Using a Robotic Suit on Physical Function in Low-Fitness Older Adults”, Journal of Aging and Physical Activity (2026) ・“Study on Intervention Effect of Wearable Cyborg HAL Through Narrative Analysis”, Frontiers in Psychology (2025) ・“Cerebral Correlates of Robot-Assisted Upper Limb Motion Driven by Motor Intention in Healthy Individuals: An fNIRS Study”, IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering (2025) ・“Introduction of Exercise Therapy Using Hybrid Assistive Limb (HAL®) Lumbar Type for Diabetes Patients: A Pilot Study”, Cureus (2025) ・“Home-based Hybrid Assistive Limb Lumbar Type Telerehabilitation in Spinocerebellar Ataxias: A Nonrandomized Open-label Trial”, The Cerebellum (2025) ・“Effects of Supplemental Robot-Assisted Knee Flexion Exercise After Total Knee Arthroplasty: A Randomized Controlled Clinical Study”, Journal of Musculoskeletal and Neuronal Interactions (2025) ・“Lumbar-Type Hybrid Assistive Limb Improves Short Physical Performance Battery for Aged Patients With Decompensated Heart Failure in Cardiac Rehabilitation”, Circulation Reports (2025) ・“Therapeutic effect of knee extension exercise with single-joint hybrid assistive limb following total knee arthroplasty: a prospective, randomized controlled trial”, Scientific Reports (2024) ・“Safety and Efficacy of Early Rehabilitation With Assistance From a Single-Joint Hybrid Assistive Limb in Patients With Total Knee Arthroplasty: A Randomized Controlled Clinical Pilot Study”, Cureus (2024) ・“Efficacy of Exercise With the Hybrid Assistive Limb Lumbar Type on Physical Function in Mobility-Limited Older Adults: A 5-Week Randomized Controlled Trial”, Experimental Gerontology (2024) ・“Benefits of a Wearable Cyborg HAL (Hybrid Assistive Limb) in Patients with Childhood-Onset Motor Disabilities: A 1-Year Follow-Up Study”, Pediatric Reports (2023) ・“Biofeedback Core Exercise Using Hybrid Assistive Limb for Physical Frailty Patients With or Without Parkinson's Disease”, Frontiers in Neurology (2020) ・“Feasibility of rehabilitation using the single-joint hybrid assistive limb to facilitate early recovery following total knee arthroplasty: A pilot study”, Assistive Technology (2017) ・“Feasibility of rehabilitation training with a newly developed wearable robot for patients with limited mobility” Archives of Physical Medicine and Rehabilitation (2013) (3) 当社グループ製品及びサービスの内容 《医療:サイバニクス治療》 世界初の装着型サイボーグHALを医療機器として展開しています。また、HALを利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療サービスをドイツ及び米国で展開しています。 《介護・自立支援》 主に高齢者の自立度の改善や重度化防止及び加齢により身体機能が低下するフレイルの予防や自立維持に向けて、歩行運動に対応した「下肢タイプ」、肘・膝・足首の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹運動に対応した「腰タイプ」など様々な種類のHAL自立支援用を展開しています。 また、HALを使用した脳・神経・筋系の機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT」を提供する施設型サービス(ロボケア事業)、個人のお客様にHALをレンタルし、自宅で「Neuro HALFIT」に取り組んでいただく在宅型プログラム「自宅でNeuro HALFIT」を展開しています。 《予防・早期発見》 一人ひとりに最適化された健康管理や疾病の予防・診断・治療プログラムを提供するため、日常的にメディカル・ヘルスケアデータを収集・解析・AI処理する「Cyvis®(サイビス) 」シリーズの展開を進めています。また、造影剤不要・非侵襲で末梢の血管や血液の高解像度3Dイメージングをリアルタイムに実現するLED光源方式の光音響イメージング装置「Acoustic X」を研究機器として展開しています(並行して医療機器化を推進中)。 《作業支援》 腰部にかかる負荷低減など作業者の身体負荷低減と安全性・生産性向上の両立を支援することを目的としたHAL作業支援用(腰タイプ)や、AIを搭載した搬送ロボット及び高速自律走行を実現した除菌・清掃ロボット「CL02」を展開しています。 (4) 当社グループの事業系統図 以上に述べた事項を、以下の事業系統図に示します。なお、当社グループのセグメントはロボット関連事業のみの単一セグメントです。
経営方針・対処すべき課題3,850字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、山海嘉之が創出したサイバニクス技術を駆使して、社会が直面する様々な課題を解決するため、革新技術(イノベーション技術)の創出と基礎的研究開発から社会実装までを一貫した事業スキームとして事業展開します。即ち、革新技術の創生と新産業(サイバニクス産業)創出による市場開拓、これらの挑戦を通じた人材育成の3本柱を上向きにスパイラルを描くように同時展開する未来開拓型企業を目指しています。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、研究開発型企業として革新的製品の研究開発や臨床・実証研究及び各種認証取得を推進し、その製品の上市やサービス展開によって収益を確保することにより、持続的な成長を図ってまいります。 当社グループでは、経営上の重要な非財務指標として、HAL等の稼働台数を活用しています。 当社グループの主たる収益源は、HAL等のレンタル・保守に係る売上であり、レンタル・保守契約に係る売上は、レンタル期間にわたり収益が計上され、翌会計年度以降にわたる継続的な収益計上が見込まれるため、当社グループは、現在の業績や将来の見通しを把握することを目的として、HAL等の稼働台数を取締役会へ報告しています。 最近5年間のHAL等の稼働台数の推移は、本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 経営上の重要な非財務指標」に記載のとおりです。 (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当社が掲げる「テクノピアサポート社会」の実現と「サイバニクス産業」の創出の推進において、対処すべき課題は、次のように考えています。 ① 革新技術・ソリューションの開発と社会実装 超少子高齢社会など、社会が直面する複雑かつ構造的な課題の解決には、革新技術・ソリューションの継続的な開発が不可欠です。当社は、バイオ・医療系とAIロボット・情報系を融合する「HCPS融合サイバニクス withフィジカルAI(AIロボットなどを含む物理空間におけるAI)」をコア技術としています。これらの技術は、人の内的情報(脳神経情報・生理情報など)、外的情報(行動情報・生活情報など)、環境情報等を一元的に統合・解析する独自性の高いアプローチに基づいています。 当社は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期においても、サイバニクス・フィジカルAIを核とした「サイバニクスHCPS融合人協調ロボティクス」の技術開発・社会実装を推進していますが、日本政府が第7期科学技術・イノベーション基本計画において、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、核融合、宇宙の6分野を「国家戦略技術」に指定するなど、「AI・先端ロボット」及び「バイオ・ヘルスケア」の重要性は高まっており、当社は更なる技術開発・社会実装・国際展開に貢献してまいります。 ② サイバニクス技術の世界展開・国際連携強化 サイバニクス技術の円滑な社会実装を実現するためには、各国・地域の産業・行政・政治・アカデミア組織やキーパーソン(KOL)との連携が不可欠です。当社は、コンピュータサイエンス・AI・ロボットで世界をリードする米国カーネギーメロン大学(CMU)及びピッツバーグ地域組織との連携、マレーシア政府系機関との連携による国立神経ロボット・サイバニクス・リハセンターの開設、タイ保健省との連携、台湾における国立台湾大学、輔仁大学、台湾電子電気工業会等との連携、トルコでのサイバニクス国際イベント開催など、国際連携・国際事業展開を活発化させていますが、引き続き、各国の先進企業、先進医療機関や大学・研究機関とのパートナーシップ構築や、サイバニクス分野における国際カンファレンスの開催等を通じて、サイバニクス技術のグローバルでの普及を推進してまいります。 ③ サイバニクス治療のグローバル標準治療化 当社は、世界初の装着型サイボーグHALを利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療のグローバルな標準治療化を推進しています。医療用HAL下肢タイプについては、日本において、2015年11月に8つの神経・筋難病に対して新医療機器承認を取得し、その後の5年間の市販後調査により、極めて高い有効性と安全性が確認されました。これを踏まえ、2022年4月の診療報酬改定では増点が実現し、医療現場における有用性が評価されています。また、HTLV-1関連脊髄症(HAM)等に関する医師主導治験を経て、2022年10月には適応拡大承認を取得し、その結果を踏まえ欧米及びAPAC諸国等においても医療機器承認を取得しており、今後も対象国の拡大を進めてまいります。脳卒中については、医療用HAL下肢タイプ(単脚モデル)の医師主導治験(HIT2016試験)の結果及び最新の臨床ニーズを踏まえ、新型の両脚モデルによる治験準備を進めています。脊髄損傷については、欧米及びAPAC諸国等で医療機器承認を取得しているほか、ドイツでは公的労災保険が適用されています。さらに、ドイツの公的医療保険当局であるG-BA(ドイツ連邦共同委員会)は、公的医療保険適用を前提とした臨床試験の実施を決定しており、現在、治験開始の準備が進行しています。 また、HAL腰タイプについては、パーキンソン病患者に対するパイロットスタディで良好な結果が得られたことを踏まえ、医療機器承認に向けた治験準備を進めています。 当社は、サイバニクス治療の更なる国際展開に向けて、引き続き対象疾患の拡大や、各国における保険適用、診療モデル等の事業モデルの構築を進めてまいります。 ④ 包括的メディカル・ヘルスケアを実現する製品・サービス強化 平均寿命が延伸する中、生活習慣病や老化に伴う疾患の予防、要介護化・重度化の防止を実現するには、家庭や職場など日常生活の場における予防・早期発見、医療機関での早期診断・治療、退院後の自立支援・再発予防を、医療分野と非医療分野が連携・融合し、包括的に扱う仕組みの構築が不可欠です。 当社はこの構想のもと、医療用HALの展開に加えて、障害や加齢に伴う身体機能の改善の促進、要介護状態の緩和、フレイルの予防等を目的として、HAL自立支援用モデル(下肢・単関節・腰タイプ)を活用した「NeuroHALFIT」プログラムを、全国各地のロボケアセンター(「Neuro HALFIT」)及び在宅型サービス(「自宅でNeuro HALFIT」)等で提供しています。引き続き、企業間連携によるサービス拠点へのアクセス向上など、多様なニーズに応じた個人向けサービスの利便性向上を図ってまいります。 また、一人ひとりに最適化された健康管理及び疾病の予防・診断・治療を支援するため、日常的にメディカル・ヘルスケアデータを収集・解析・AI処理する「Cyvis(サイビス)」シリーズについては、心房細動などの不整脈を早期に発見し、早期治療につなげることにより、要介護の二大原因である脳卒中と認知症(脳卒中の後遺症として起こる脳血管性認知症)を予防することを目的とした医療機関向け「小型ホルター心電計 医療用バイタルセンサCyvis M100」の展開に加えて、家庭・職場など日常生活向けに展開可能な製品ラインアップの拡充を進めてまいります。 さらに、造影剤不要・非侵襲で末梢の血管や血液の高解像度3Dイメージングをリアルタイムに実現するLED光源方式(当社保有特許)の光音響イメージング装置「Acoustic X」は、海外の著名な医療機関や研究施設においても、様々な適用に向けて研究が進められていますが、次世代の医療用画像診断装置としての医療機器化を進めています。 ⑤ 事業推進体制の強化及び未来開拓型人材の育成 当社グループは、医療・福祉・生活・職場・生産といった多領域にまたがる社会課題に対し、人・AIロボット・AI情報系が融合するサイバニクス技術を基盤とした革新的なソリューションを提供しています。その事業領域は、従来の制度や産業の枠を越えた未踏の領域に位置しており、社会構造や制度設計にも深く関与しながら、実効性ある社会実装を推進するという、極めて高度かつ複雑なミッションを担っています。 当社の製品・サービスは、統合サイバニックシステムとして多分野を横断的に結びつけて提供されており、部門間の連携や統合的な運営を可能とする強固な組織体制の構築が重要です。今後、事業領域のさらなる拡大、製品・サービスの多様化、グローバルな展開の加速に柔軟かつ強靭に対応するため、組織体制の継続的な強化を進めてまいります。 また、こうした未開拓領域において事業を推進するには、単一分野にとどまらない専門知識と統合的な視野を兼ね備えた人材が不可欠です。たとえ専門領域外であっても、必要に応じてその分野を自ら切り拓き、強い情熱と倫理観をもって社会変革に挑戦し続ける「未来開拓型人材」の育成・登用を引き続き推進してまいります。
事業等のリスク14,531字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、行われる必要があると考えています。 また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。なお、当該記載事項は本書提出日現在における当社グループの認識を基礎とした記載であり、将来の環境変化等によって当該認識は変化する可能性があります。 1.当社グループの事業遂行上のリスク (1) 当社グループの事業が新しい事業領域であることについて 当社グループの主力製品であるHAL®は、当社の代表取締役社長山海嘉之が開発した世界初の装着型サイボーグです。当社グループは、現状、日本、欧州、米国、APAC(アジア太平洋)、中近東において医療用HAL®を、国内においてHAL®福祉用(下肢タイプ)、HAL®自立支援用(下肢タイプ・単関節タイプ・腰タイプ)、HAL®腰タイプ介護支援用・作業支援用等を事業展開しています。当社グループの技術は、医療・介護福祉分野、生活・重作業分野、エンターテインメント分野等さまざまな領域に活用できると考えていますが、従来にない新しい事業領域であることによる不確実性が高く、市場が順調に成長する保証はなく、また当社グループ製品の市場への浸透が計画どおりに進まないあるいは収益性を確保することができない場合等には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競争について 当社グループは、HAL®を中心として、医療、福祉、生活、職場、生産分野での事業展開を行っています。現在、国内外の企業により自律制御を用いた装着型ロボットの開発が行われていますが、人間の脳から発する生体電位信号を活用するサイバニック随意制御技術は当社グループ独自のものであり、差別化による当社グループ製品の優位な競争力は保たれていると認識しています。また、HAL®の知的財産については、当社グループと国立大学法人筑波大学が特許を共同保有しています。現在、国内外の様々な企業が装着型ロボットの研究や実用化を進めており、また、巨大なテクノロジー企業を含む多数の企業が商業用ロボットの分野に新規参入するなど、当社グループを取り巻く競争環境は変化しており、競合他社が当社グループと比べて、資本、人材、コスト構造の効率性、ブランド、製品の多様性等の点において、より競争優位性を有する可能性があります。HAL®のような先進的技術を用いた製品の開発、実証試験、安全規格認証や医療機器認証の取得及び保険適用等を含む商用化には多大な時間と費用を要する一方で、これが成功する保証はありません。上記のような事業環境において、他社が当社グループの製品よりも新しい技術やより有用な製品の開発に成功した場合には、当社グループの製品の優位な競争力が持続できず、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 会社組織に関するリスク 当社は、2004年6月24日に設立されましたが、下記のようなベンチャー企業特有の課題があると認識しています。 ① 経営面及び新技術の開発において創業者である代表取締役社長山海嘉之に多くを依存しています。今後何らかの要因により同氏の業務執行が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ② 優秀な研究開発人材を多数有していますが、当社グループが必要とする優秀な人材が退職した場合には、当社グループ製品開発のスピードに影響を及ぼす可能性があります。 ③ 事業の拡大に伴い、営業・生産・管理部門の人員増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針ですが、優秀な人員の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 特定製品への依存リスク 当社グループの主力製品はHAL®であり、当連結会計年度において、それに関連する売上収益は当社グループの売上収益の大半を占めています。今後につきましても、当面の間HAL®が主な収益源になると予測していますが、各国の法規制、医療政策等の変更や、医療保険などの保険制度の整備の遅れ等が生じた場合には、当社グループの事業及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの要因に加え、HAL®の使用又はこれに関連した訴訟等の提起、HAL®に代替する新規技術や技術革新、より競争力のある同種製品の発表、関連する法規制等の変更、筑波大学との間のHAL®に関する特許権の独占的に使用する専用実施権の付与に関する関係の変化等、何らかの要因により、HAL®の持続的な市場拡大が見込めなくなった場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 医療機器承認について HAL®を中心とした当社グループの製品について、医療機器として販売するためには、各国又は地域における法規制に基づき、一定の治験・審査等を経た上で当局の承認を得ることが必要になります。当社グループは、EU、日本、米国等において医療用HAL®の医療機器としての承認・認証を得ていますが、それ以外の国又は地域において、HAL®又はその他の当社グループ製品について医療機器としての承認を受けられる予めの保証はなく、また承認を受けられるとしてもその時期は各国・地域毎に異なる可能性があります。また、承認後に当該国又は地域における法規制や制度に変更等が生じた場合には、既に得られた承認が更新できるとは限らず、また取り消される可能性もあります。このような場合において、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 保険収載について 当社グループは、HAL®を中心とした当社グループ製品を使用したサイバニクス治療が多くの国又は地域で公的及び民間の医療保険に収載され、HAL®を導入する医療機関が保険金の支払いを受けることができることが、HAL®が普及・浸透するための重要な要素であり、当社グループの事業展開における大きな課題であると認識しています。しかしながら、保険制度は各国又は地域により異なるほか、保険収載に際して適用疾患の範囲や保険金支払いの程度等は各国又は地域の公的保険機関や民間保険会社等によりそれぞれ決定されるため、その状況如何によって当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (7) スタートアップとの資本業務提携について 当社グループは、国内外のスタートアップと戦略的な資本出資及び業務提携を行っていくことが、当社グループのサイバニクス産業創出を加速するための大きな課題であると認識しており、積極的に推進しています。しかしながら、出資及び提携等を行うに際して、出資及び提携による効果を事前に完全に予測することは困難であり、かかる出資及び提携等が円滑に行われる保証はありません。戦略的な資本提携及び業務提携が、当初見込みどおりの期間で予想どおりの効果を得られるという保証はなく、出資及び提携等による効果を当社グループが適切に活用できない可能性があります。また出資先の経営状況により、株式評価を変更する必要が生じる可能性があります。これらの事情により、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 事業活動全般に関するリスク 当社グループは、国内外で事業活動を展開していますが、全ての国・地域において下記のようなリスクがあると認識しています。 ・政治状況、経済状況等の地政学リスク ・感染症等の拡大や災害等のリスク ・法制度、税制等が変更されるリスク また、海外での事業活動においては、下記のようなリスクがあると認識しています。 ・商習慣等が異なるリスク ・大規模なストライキ等、労働環境が混乱するリスク ・文化的な違い等による、現地採用人材、事業運営等の管理が困難となるリスク ・日本への送金等が困難となるリスク ・為替に関するリスク これらのリスクは当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 製品の不具合による顧客の損失について 当社グループは、ISO13485(医療機器の品質マネジメントの国際標準規格)に基づいて製品品質の更なる向上に継続的に取り組んでいますが、将来にわたって製品に欠陥がなく、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。万が一、製品の欠陥により損害が生じた場合は、製造物責任請求についてはその全部又は一部について製造物責任(PL)保険の対象となりますが、当社グループ及び製品の社会的信用が低下することにより、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 知的財産権について ① 当社グループのHAL®は人間の生体電位信号を活用する独自の技術を利用するものですが、HAL®に利用されるこのような技術について、当社単独保有の特許を除き、原則として全ての国内特許は当社と筑波大学の共同保有となっています。さらに、当社グループは筑波大学と特許権に関する独占的実施許諾契約を締結することで特許技術を当社グループのみで独占的に利用しています。この契約は当社グループが事業活動を行う上で重要な事項であり、許諾を受けた知的財産権の権利期間の満了日まで効力を有するものの、本契約に違反した場合、合併や重要資産の買収がなされた場合や当社事業の重要部分が譲渡された場合など何らかの理由によりこの契約の継続が困難となった場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ② 当社グループの事業に関連した特許権等の知的財産権について、現時点において、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はなく、当社グループの事業に関し他者が保有する特許権への侵害等の知的財産権侵害に関する問題の発生により、当社グループの事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しています。また、技術調査等を継続して行っていくことで知的財産権侵害問題の発生を回避するよう努めています。しかしながら、当社グループのような研究開発型の企業にとって、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難です。今後、当社グループが第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否にかかわらず、解決に時間及び多額の費用を要する可能性があり、また、当社グループの技術に関しては、細心の注意を払って管理していますが、第三者が当社グループの技術を侵害した場合であっても、解決に時間及び多額の費用を要する可能性があります。その場合には当社グループの事業戦略、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11) 法的なリスクについて 当社グループの事業は、以下の事項を含め、各国又は地域における各種法令、規則その他の規制の適用を受けており、これらの法規制等による制約に服しています。例えば、当社グループの様々な事業活動において、国内外を問わず、当社グループが関与する技術・製品・サービス等についての知的財産権や製造物責任、また薬事、商取引、輸出入規制、関税を含む税務、贈賄や腐敗防止に関する法規制、競争法、労働法、消費者関連法、個人情報保護法、環境法、外為法その他事業に関連して様々な法規制等の適用を受けており、またこれらの法規制等や慣行を巡って予期しない課題が提起される場合があります。特に、当社グループが現在取り扱っている製品の一部は、日本では薬機法により定められた医療機器として厚生労働省による製造販売承認を取得しており、日本以外の各国又は地域においても同様の規制当局による承認等が必要であるとともに監督当局による監督に服します。この承認審査は、製品の有効性、安全性等の確認を目的として行われるものであり、審査の結果、製造の承認が取得できなかったり、承認の時期が遅れたりする可能性があります。さらに、承認の取得後、製品を販売している間においても、当該製品の有効性、安全性に問題が生じた場合には、承認が取り消されることもあります。上記のほか、当社グループが、当社グループの事業に適用のある法規制等に違反した場合、民事、行政、刑事上の制裁を課される可能性があり、また当社グループの社会的信用に影響する可能性があります。これらの場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (12) 個人情報に関するリスク 当社グループではHAL®の利用者の個人情報を取得しています。当社グループでは、当該情報に接することができる者を制限するとともに、全役職員との間で守秘義務契約書を締結しています。また、当社グループは、個人情報保護規程を制定するとともに、個人情報保護管理者を任命する等、個人情報の管理には十分留意し、現在まで顧客情報の流出等による問題は発生していません。しかしながら、今後、顧客情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 平和倫理委員会について 当社グループは、当社グループの先進技術が人の殺傷や兵器利用を目的に利用されることを防止するため、平和倫理委員会を設置しています。平和倫理委員会は、代表取締役社長及び全ての社外役員により構成され、審議事項の判定は、出席委員の3分の2以上の賛成をもって行うものとしており、当社グループの企業行動規範で定める「医療、介護福祉、災害復旧」の事業領域に含まれないおそれがある事業領域へ参入する際に、その参入により、当社グループの先進技術が人の殺傷や兵器利用を目的に利用される可能性の有無について審議・検証し、判定の結果を取締役会へ報告します。 この平和倫理委員会の審議・検証の結果が、短期的には当社グループの業績向上に必ずしも資さない可能性があります。 2.大学教授等兼任に関するリスク (1) 筑波大学教授等の兼任について 当社代表取締役社長である山海嘉之は筑波大学の教授職並びに内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム (以下「SIP」)のプログラムディレクター(以下「PD」)を兼業しています。当該兼業に伴う①代表取締役社長及び大学教授並びにSIPのPDを兼ねていることによる当社グループと筑波大学並びに内閣府のSIPの研究推進法人である国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)との間における利益相反防止体制、②代表取締役社長兼務への支障の有無については、それぞれ以下のとおりです。 ① 利益相反防止体制 大学並びにNEDOとの取引や共同研究契約の締結など利益相反に係る意思決定は全て取締役会決議を行っており、当該決議に際しては、有価証券報告書提出日現在、山海嘉之を含む筑波大学関係者を除いた取締役2名(うち社外取締役1名)並びに内閣府関係者である山海嘉之を除いた取締役4名(うち社外取締役3名)によって意思決定を行うことにより、利益相反を防止する体制を構築しています。 ② 代表取締役社長業務への支障の有無 サイバニクス研究にかかる当社グループと筑波大学並びに内閣府SIPでの業務は一体的且つ不可分であり、純粋な筑波大学職員としての職務(授業、大学教授としての学内会議への出席等)並びにSIPのPDとしての職務(企画・マネジメント等)が、当社代表取締役社長固有の業務(取締役会出席、稟議決裁、投資家対応等)に与える影響は限定的であり、代表取締役社長としての職務執行が十分に可能な状態にあります。 しかしながら、山海嘉之が当社代表取締役社長としての立場よりも大学教授並びにSIPのPDの立場を優先した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 3.先端機器事業全般に関する事項 (1) 開発事業全般に関するリスク 先端技術開発の分野では、世界各国の企業が技術革新の質とスピードを競い合っています。また、先端技術の基礎研究、開発から製造及び販売に至る過程では、各国における諸規制に従ってこれを推進していくことから、長期間にわたり多額の資金を投入することになります。このため、研究開発には多くの不確実性が伴い、当社グループの現在及び将来における開発品についてもこのようなリスクが内在しています。また、当社グループは、事業計画に基づき、事業領域を拡大してまいりますが、事業領域が計画通り拡大する保証はなく、また適用された保険等の制度が将来的に見直されたり、変更されたりするリスクが存在しています。このようなリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 新規開発品の創出に関するリスク 当社グループは、研究開発型企業として積極的に新規開発品の探索及び創出を図っており、既に事業化されているHAL®下肢タイプ(医療用・福祉用・自立支援用)や単関節タイプ及び腰タイプ(作業支援用・介護支援用・自立支援用)、人工知能AI搭載型の搬送ロボットや除菌・清掃ロボットに加えて、複数の新規開発製品をリリースすることを重要な事業戦略としています。 しかしながら、これらの新規開発品の探索及び創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により、新規開発品の探索及び創出活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 研究開発に内在する進捗遅延に関するリスク 当社グループは、研究開発型企業グループとして筑波大学との共同研究関係を中心として外部との協力関係を構築することで効率的な研究開発の推進を図っています。しかしながら、研究開発活動が計画通り進む保証はなく、当初計画したとおりの研究開発による結果が得られない場合、各種試験の開始又は完了に遅延が生じた場合あるいは医療機器としての製造販売承認の取得が遅れる又は制限される可能性などは否定できません。当社グループは、このような事態を極力回避すべく、各開発品の進捗管理及び評価を適時に行い、各開発品の優先順位付け、投下する経営資源の強弱の変更あるいは一時中断の決定などの対応を図っています。 このように、当社グループは研究開発費が大きく増加するリスクを低減していますが、研究開発が計画どおりに推移しない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 4.B種類株式の導入について (1) 本スキームの概要 当社グループは、「テクノロジーは人や社会に役立ってこそ意味がある」という基本理念のもとで、HAL®を中心とした先進技術を平和的な目的の場で活用しており、人の身体能力を改善・補助・拡張・再生するサイバニクス技術を平和目的に利用することは、到来した超高齢社会のニーズと合致し、当社グループの長期的な企業価値の向上に繋がるものです。一方で、当該技術は、人の殺傷や兵器利用を目的とした軍事産業への転用など、平和的な目的以外の目的で利用される可能性があります。そこで、当社は、資本市場から資金調達を行いつつ、先進技術の平和的な目的での利用を確保するため、上場する普通株式とは異なる種類のB種類株式を発行しています(当社のB種類株式を用いたスキームを、以下「本スキーム」といいます。)。 当社グループの将来ビジョンである、超少子高齢化という社会が直面する課題を解決しつつ、サイバニクス産業という新しい産業分野を開拓するためには、サイバニクス技術の研究開発と事業経営を一貫して推進する必要があります。当社代表取締役社長である山海嘉之は、このサイバニクス技術を創出し、現在もサイバニクス研究の中心的な存在であり、更にその革新的な技術を社会に還元するための事業推進者でもあります。このため、当社グループの企業価値向上(株主共同利益)には、当面の間、山海嘉之が経営に安定して関与し続けることが必要であると考えており、これを実現可能とする本スキームは、株主共同利益の観点で必要性の高いスキームであると認識しています。 具体的には、当社は、上場する普通株式と比較して、剰余金の配当及び残余財産の分配については同一の権利を有しますが、単元株式数について異なるB種類株式を設けています。普通株式の単元株式数を100株とし、B種類株式の単元株式数を10株とすることにより、B種類株式を有する株主(以下「B種類株主」といいます。)が有する議決権の数は、同数の普通株式を有する株主(以下「普通株主」といいます。)に比べて、10倍となります。B種類株主は、山海嘉之、山海嘉之が代表理事を務める一般財団法人山海健康財団及び一般財団法人山海科学技術振興財団(以下「本財団法人」と総称します。)のみであり、山海嘉之は、当連結会計年度末時点において普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式3,042,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、当社の総株主の議決権の数の約85%となります。 普通株式及びB種類株式並びに本スキームの概要は、以下のとおりです。 (i)株式の概要 普通株式   B種類株式 剰余金の配当・残余財産 の分配   同順位・同額 単元株式数   100株 (100株につき1個の議決権)   10株 (10株につき1個の議決権) 譲渡制限   制限なし   取締役会の承認が必要 (B種類株主間の譲渡には不要) 種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定め   あり   なし 取得請求権   なし   あり (B種類株式1株を 普通株式1株に転換) 取得条項   なし   あり (B種類株式1株につき 普通株式1株を交付) 株式の分割・株式の 併合等   同時・同一の割合 上場   上場   非上場 (ⅱ)単元株式数の相違 普通株式とB種類株式は、剰余金の配当及び残余財産の分配は同順位かつ同額で受領する権利を有しますが、単元株式数については、普通株式は100株、B種類株式は10株と異なります。これにより、例えば、B種類株式100株を有するB種類株主は株主総会において10個の議決権を有するのに対し、同数(100株)の普通株式を有する普通株主は株主総会において1個の議決権を有することとなり、B種類株主は、普通株主に比べて同数の株式につき10倍の議決権を有することとなります。なお、当連結会計年度末時点における当社の普通株式の発行済株式の数は137,445,809株、B種類株式の発行済株式の数は77,700,000株であり、山海嘉之は、普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式3,042,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、当社の総株主の議決権の数の約85%を有するため、取締役の選任及び組織再編を含む株主総会の決議事項を自らの議決権行使により可決させることができます。 (ⅲ)B種類株主の変更を抑制するための仕組み B種類株式は、当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために発行されたものです。そこで、B種類株式が本書提出日におけるB種類株主又は当社以外の者に譲渡されることを防止するため、定款上、①B種類株主以外の者がB種類株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を要する旨、及び、②B種類株主以外の者によるB種類株式の取得について譲渡承認請求(会社法第136条又は第137条に定める承認の請求をいいます。)がなされた場合及びB種類株主が死亡した日から90日が経過した場合(ただし、他のB種類株主に相続又は遺贈されたB種類株式及び当該90日以内に他のB種類株主に譲渡されたB種類株式を除く。)には、当該請求がなされたB種類株式又は当該死亡したB種類株主が有していたB種類株式の全部を普通株式に転換(当社がB種類株式を取得し、B種類株式1株と引換えに、B種類株主に対して、普通株式1株を交付することをいいます。以下同じです。)する旨が定められています。 本書提出日における当社のB種類株主は、山海嘉之及び本財団法人であり、それぞれが有するB種類株式は、山海嘉之が77,696,000株、本財団法人が4,000株です。山海嘉之は、本スキームの継続性を確保するため、その時点で有するB種類株式の一部を本財団法人へ無償で譲渡することを予定しています。また、本財団法人は、B種類株式を継続して保有する予定であるとのことです。 なお、B種類株主である本財団法人は、当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保し、当社グループの企業価値が毀損されることを防止するため、いずれも以下の内容の議決権行使ガイドラインを定めています。 財団法人は、その所有する当社が発行するB種類株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使するにあたり、次の各号に規定する決議事項について、それぞれ当該各号に規定する場合には、反対の議決権を行使するものとする。なお、財団法人は、議決権行使ガイドラインの内容を変更する場合には、理事会の決議による承認を得るものとし、財団法人が定める方法により変更内容を公表する。 a.取締役の選解任に係る決議については、当該取締役の選解任によって、当社グループにおける先進技術の平和的利用が妨げられ、又は当社グループの企業価値が毀損される形での経営が行われると判断される場合 b.その他の決議については、当該決議が可決されると、当社グループにおける先進技術の平和的利用が妨げられ、又は当社グループの企業価値が毀損されると判断される場合 (ⅳ)ブレークスルー条項 当社は、極めて小さい出資割合で会社を支配するような状況が生じた場合には本スキームの解消が可能となるようにするため、当社の発行する株式につき公開買付けが実施された結果、公開買付者の所有する当社の株式の数が当社の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対して占める割合が4分の3以上となった場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨のブレークスルー条項(注)を定款に定めています。 (注)「ブレークスルー条項」とは、発行済株式総数のうち一定割合の株式を取得した者が現れた場合にスキームを解消させる条項をいいます。 (ⅴ)サンセット条項 B種類株式は、上記(ⅲ)のとおり、山海嘉之は、本スキームの継続性を確保するため、その時点で有するB種類株式の一部を本財団法人へ無償で譲渡し、本財団法人はB種類株式を継続して保有する予定であり、本スキームは、当社グループの先端的なロボット技術の開発を行った山海嘉之が当社の取締役を退任し、又は死亡した後も継続することが予定されています。しかし、山海嘉之が取締役を退任した後も本財団法人がB種類株主として当社議決権を行使することが、普通株主を含む当社株主の意思と合致しない可能性があるため、山海嘉之が取締役を退任(但し、重任その他退任と同時若しくは直後に選任される場合を除く。)した場合は、当該退任の日(当該退任と同日を含む。)から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までに、また直前の株主意思確認手続の日の後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものの終了後3か月以内に普通株式及びB種類株主全体の意思を確認するための株主意思確認手続を実施することとしています。具体的には、B種類株式の単元株式数を100株とみなして計算される普通株主及びB種類株主の議決権の3分の1以上を有する株主の意思が確認でき、意思を確認した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数が賛成した場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨のサンセット条項(注)を定款に定めています。 (注)「サンセット条項」とは、議決権種類株式導入の目的が終了した場合又はこれらの事由が生じたとみなすことのできる場合に、スキームを解消させる条項をいいます。 (ⅵ)普通株主を構成員とする種類株主総会の排除 当社は、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合には、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨を定款に定めています。 但し、種類株主総会を排除しても普通株主が不当に害されないようにするため、会社法第322条第1項各号に掲げる行為のうち、①株式の併合、株式の分割、株式無償割当て、新株予約権無償割当て、株式及び新株予約権の株主割当、株式移転(他の株式会社と共同して株式移転をする場合を除きます。)並びに単元株式数の変更については、同時に同一の割合で(株式移転については同一の割合で)行う旨を定款に定めており、また、②当社が消滅会社となる合併、完全子会社となる株式交換又は株式移転(他の株式会社と共同して株式移転をする場合に限ります。)にかかる議案が全ての当事会社の株主総会(株主総会の決議を要しない場合は取締役会)で承認された場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨の取得条項を定款に定めています。 (2) 本スキームのリスク B種類株式は、当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために発行されたものですが、本スキーム導入により想定されるリスクには、以下のものが含まれます。これらのリスクが顕在化した場合、当社の普通株式を保有する株主の権利や利益に影響を及ぼす可能性があります。 ① B種類株主の議決権行使による強い影響力に関するリスク 当連結会計年度末において、山海嘉之は、普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式3,042,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、当社の総株主の議決権の数の約85%を有することとなり、当社の事業運営に強い影響力を有することとなります。これにより、普通株主による議決権行使による当社に対する影響力は限定的となります。また、B種類株主の議決権行使は、特に当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために行使される場合、普通株主の利益と相反する可能性があります。 ② 当社株式の買付けを妨げるリスク 本スキームの導入により、B種類株主は、普通株主に比べて同数の株式につき10倍の議決権を有することとなり、より少ない数のB種類株式でより多くの議決権を有することが可能です。当社定款にはブレークスルー条項及びサンセット条項が定められていますが、ブレークスルー条項及びサンセット条項によりB種類株式の全部が普通株式に転換するのは、それぞれ、公開買付者が普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の4分の3以上を所有することとなった場合及び株主意思確認手続(上記(1)(ⅴ)に記載)において3分の2以上の多数の株主が普通株式への転換に賛成した場合に限られます。よって、本スキームは、普通株主にとって利益となるような当社株式の買付けを妨げる可能性があります。 ③ 普通株式を構成員とする種類株主総会の排除に関するリスク 当社は、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合(法令又は定款に別段の定めがある場合を除きます。)であっても、普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要せず当該行為を行うことができるため、普通株主の意思が当社の意思決定に反映されない可能性があります。 ④ B種類株式の転換に関するリスク B種類株式には普通株式を対価とする取得請求権及び取得条項が付されているため、今後、B種類株式が普通株式に転換することにより、上場している普通株式の発行済株式の数が増加し、普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。 5.その他のリスク (1) 配当政策について 当社グループは、早期の営業黒字化を目指し、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先する方針です。一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が想定通りに進捗せず、今後も安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。 (2) 資金繰り及び資金調達等に関するリスク 当社グループでは、研究開発活動の進捗に伴い多額の研究開発費が先行して計上され、継続的な営業損失が生じています。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資、設備投資及びM&A等の資金需要の増加が予想されます。今後も継続的に財務基盤の強化を図ってまいりますが、収益確保又は資金調達の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) マイナスの利益剰余金を計上していることについて 当社グループは、これまで研究開発活動を重点的に推進してきたことから、多額の研究開発費用が先行して計上され、当社個別決算上マイナスの利益剰余金を計上しています。当社グループは、早期の黒字化を目指しており、その後も安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指していますが、当社グループの事業が計画通り進展せず、マイナスの利益剰余金が計画通りに解消できない可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 税務上の繰越欠損金について 当社グループは研究開発型企業として先行的に開発投資を行ってきたため、本書提出日現在において、税務上の繰越欠損金を有しています。今後の税制改正により欠損金の繰越控除制度が見直され、欠損金の繰越控除制限が強化された場合、研究開発に投下した資本の一部を回収する機会を喪失する等、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 為替相場の変動について 当社グループの連結決算においては、海外グループ会社決算を現地通貨から邦貨換算して当社の連結財務諸表に反映するため、為替変動による影響を受けるリスクがあります。従いまして、今後、大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。 (1)重要性がある会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。 (2)経営成績の分析 (%表示は対前期増減率) 売上収益   営業利益   税引前利益   親会社の所有者に 帰属する当期利益 百万円   %   百万円   %   百万円   %   百万円   % 2026年3月期   3,846   △12.3   △601   -   589   -   153   - 2025年3月期   4,384   0.7   △926   -   △879   -   △577   - 当社グループは、超高齢化など社会が直面する複雑かつ構造的な課題を解決するため、バイオ・医療系とAIロボット・情報系を融合する「HCPS融合サイバニクス withフィジカルAI(AIロボットなどを含む物理空間におけるAI)」をコア技術として、人とテクノロジーが共生し、相互に支援し合うことにより、すべての人が年齢や障がいの有無を超えて自立度・自由度を高め、生活や心身の諸課題を解決しながら、安心して暮らせるWell-beingな未来社会「テクノピアサポート社会」の実現と、ロボット産業・IT産業に続く「サイバニクス産業」の創出を牽引しています。 事業推進の状況 当社グループは、「テクノピアサポート社会」の実現と「サイバニクス産業」の創出に向けて、医療分野と非医療分野が相互に連携・融合し、包括的に医療と健康を取り扱う「サイバニクス医療健康イノベーション」と、人やモノの移動や作業を支援する「サイバニクス ライフイノベーション」を両輪として、「HCPS融合サイバニクス withフィジカルAI」をコア技術としたソリューションの提供を事業としています。 《サイバニクス治療》 世界初の装着型サイボーグHAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療を、グローバルな標準治療として普及させる取り組みを進めています。2025年6月に国際的な医学誌『Global Spine Journal』に掲載されたシステマティック・レビューにおいて、HALと、9種類の類似形状の他社外骨格型の製品(ロボット制御で動作が繰り返される装置)と比較した結果、HALは、神経可塑性を誘導し、脊髄損傷(SCI)に起因する複数の機能障害に対して全身的かつ包括的な治療効果を有する唯一のデバイスであることが明らかになりました。本論文では、機能的MRI研究の知見を引用し、自発的な運動(active movement)は、受動的運動(passive movement)に比べて中枢神経系に対する神経活動をより強く喚起することが報告されています。また、HALの基本原理によって実現される中枢系と末梢系の間で構成される反復的な神経伝達のプロセスが、脳や脊髄における信号の学習と強化を促し、最終的には脊髄損傷部位以下の神経回路の再構築・再活性化、部分的な神経支配の回復へと繋がると考察されています。このような神経可塑性の誘導機構により、HALは歩行機能のみならず、排尿・排便機能、疼痛、QOL(生活の質)といったあらゆる二次的健康指標にも一貫した改善効果を示しました。これは、神経系全体への治療的アプローチとして、HALが他に類を見ない治療装置であることを臨床的に裏付けるものです。 《介護・自立支援》 主に高齢者の自立度の改善や重度化防止及び加齢により身体機能が低下するフレイル予防や自立維持に向けて、歩行運動に対応した「下肢タイプ」、肘・膝・足首の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹運動に対応した「腰タイプ」など様々な種類のHAL自立支援用を展開しています。 神奈川県のみらい未病コホート研究において、HAL腰タイプを活用した介護予防プログラムが、高齢者の健康維持および機能改善に有効であることが実証されており(※)、この研究成果を基に、国内外における健康増進・フレイル予防プログラムの展開を進めています。 ※フレイル、プレフレイルと診断された高齢者79名を、HAL実施群と非実施対照群に分け、週2回×5週間、合計10回の運動プログラムを実施した結果、HAL実施群で、10m歩行速度は開始時点と比較して36%向上、身体の衰えを示すロコモスコアも93%改善するなど、HALを用いたプログラムが高齢者の移動機能の大幅な改善に寄与することが示唆された。 ≪予防・早期発見≫ 当社は、一人ひとりに最適化された健康管理や疾病の予防・診断・治療プログラムを提供するため、日常的にメディカル・ヘルスケアデータを収集・解析・AI処理する「Cyvis®(サイビス)」シリーズの開発および製品化を進めています。本シリーズを構成する「小型ホルター心電計 医療用バイタルセンサ Cyvis M100」は、2024年11月に医療機器認証を取得しました。Cyvis M100は、心房細動などの不整脈を早期に発見し、早期治療につなげることにより、要介護の二大原因である脳卒中と認知症(脳卒中の後遺症として起こる脳血管性認知症)を予防することを目的としています。Cyvisは心活動データに加えて体表面温度や加速度等も計測が可能であり、医療機関だけでなく、福祉施設入居者、労働者等に対する運用検証を進めています。今後、SpO2等、計測項目の段階的な拡充を予定しています。また、その他のメディカル・ヘルスケアデータを収集可能な新たなデバイスの開発と製品化を推進しています。造影剤不要・非侵襲で末梢の血管や血液の高解像度3Dイメージングをリアルタイムに実現するLED光源方式(当社保有特許)の光音響イメージング装置「Acoustic X」は、次世代の医療用画像診断装置としての医療機器化を進めており、海外の著名な医療機関や研究施設においても、様々な適用に向けて研究が進められています。 《生活・職場支援分野》 作業者の身体負荷低減と安全性・生産性向上の両立を支援する、HAL腰タイプ作業支援用の新型モデル(LB06)の販売を、2026年2月より開始しました。従来モデルと比較して簡単装着・軽量化・スリム化を実現し、救急救命活動や、空港、工場、建設、物流、農業などでの重筋作業を伴う幅広い現場での活用を想定しています。次世代型清掃ロボット「CL02」は、エレベーター自動昇降やクラウド連携等によるビルのスマート化と管理コスト削減を実現すべく、ゼネコン等と協力してオフィスビルを中心に導入を進めています。また、モビリティ用途を拡張して、工場内での搬送ロボットとしても稼働しています。 ≪地域別:日本≫ サイバニクス治療分野では、医療用HAL「下肢タイプ」(両脚モデル)について、有効な治療法が確立されていない緩徐進行性の神経筋難病疾患を対象として普及に取り組んでいます。使用成績調査で極めて高い有効性と安全性を示す結果が得られたことを踏まえ、「他に有効な治療方法が確立していない緩徐進行性の神経・筋難病疾患の患者に対して、既承認薬も含め前例のない顕著な機能改善効果が確認された」(日本神経治療学会提案の医療技術評価提案書より抜粋) として2022年度診療報酬改定以降、診療報酬点数が増点されています。 脊髄疾患に関しては、ウィルス性のHTLV-1関連脊髄症(HAM)および遺伝性の痙性対麻痺の2疾患について、2022年10月に適応拡大の承認を取得し、2023年10月から保険適用されています。また、外傷性の脊髄疾患である脊髄損傷については、当局と適応拡大の承認申請について協議しています。 脳卒中に関しては、医療用HAL「下肢タイプ」(単脚モデル)の医師主導治験(HIT2016試験)の結果および最新の患者像や臨床ニーズを踏まえ、医療用HAL「下肢タイプ」(両脚モデル)新型モデルにて治験の準備を進めています。 医療用HAL下肢タイプの小型モデルは、2025年1月に既承認の対象疾患に対する医療機器として承認を取得しました。小型モデルの承認取得により、従来モデル(目安身長150cm以上を対象)の使用が困難であった目安身長100cm~150cmの患者に対してもサイバニクス治療が可能となりました。 HAL「腰タイプ」については、パイロットスタディにおいて、パーキンソン病患者の運動機能改善に良好な結果が得られたことから、医療機器承認取得に向けた治験実施の準備を進めています。 介護・自立支援分野では、HALを使用した脳・神経・筋系の機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT」を提供するロボケア事業を展開しています。個人向けの医療ヘルスケアサービス事業のハブ拠点として、当社グループ並びに各地域の事業パートナーと協働で展開しています。また、個人向け在宅サービスとして、個人のお客様にHALをレンタルし、自宅で「Neuro HALFIT」に取り組んでいただく在宅型プログラム「自宅でNeuro HALFIT」を提供しています。 ≪地域別:米国≫ 現在、医療用HALは、脊髄損傷、脳卒中、進行性の8つの神経・筋難病疾患、脳性麻痺(対象年齢は12歳以上)、HTLV−1関連脊髄症(HAM)、遺伝性痙性対麻痺が対象疾患として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得しており、個人向けの医療サービス事業と医療用HALの製品レンタル事業の両輪で事業を展開しています。 個人向けの医療サービス事業としては、子会社のRISEヘルスケアグループ(RHG)社がカリフォルニア州南部を中心に事業を展開しており、HALによるサイバニクス治療は現在5拠点で展開しています。 2025年12月には、AI・ロボット研究の世界をリードする米国カーネギーメロン大学との間で、世界で活発化するAI・ロボットを含むサイバニクス分野(バイオ・医療系とAI・ロボット・情報系の融合)における研究・教育の連携、および、既存の当社製品や今後の当社製品の全米での社会実装の加速に向けて、戦略的MOUを締結し、ピッツバーグの医療・ヘルスケアエコシステムとも連携し、協働の準備を進めています。 ≪地域別:EMEA:欧州や中東≫ ドイツ、イタリアやトルコなど主要各国でのサイバニクス治療の普及を進めています。またウクライナにおいては、2024年11月に、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施するウクライナ緊急復旧・復興プロジェクト向けにHALシリーズ等のサイバニクス製品を受注し、ウクライナの首都キーウの医療施設への導入が完了していますが、これに加えて、当社は、2025年10月には経済産業省が推進する「ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化事業」の公募案件、2025年12月には国際連合工業開発機関(UNIDO)が推進する「ウクライナのためのグリーン産業復興プロジェクト」の公募案件にそれぞれ採択されており、戦傷者等の社会復帰や医療インフラの復興などを支援するための取り組みを進めています。 ドイツにおいては、公的医療保険の当局であるG-BA(ドイツ連邦共同委員会)が、脊髄損傷に対する公的医療保険適用を前提とした臨床試験の実施を決定しており、現在、治験実施施設の選定が完了し、治験開始の準備が進行しています。 ≪地域別:APAC:アジア太平洋≫ 当社グループのマレーシア法人CYBERDYNE MALAYSIA社を拠点として、東南アジア及びインド・オーストラリア・台湾においてサイバニクス治療の普及を進めています。 マレーシアにおいては、政府系の従業員社会保障機構(PERKESO)との事業連携により、PERKESOの被保険者に対してHALによるサイバニクス治療が普及しています。2024年12月に、当社はPERKESOと、東南アジア最大級の医療複合施設である「国立神経ロボット・サイバニクス・リハビリテーションセンター」に対しての大型導入契約を締結し、2025年8月にHAL50セット(65台)の設置を完了しました。またPERKESOからは、同センターの次のプロジェクトとして、新たなセンターの建設が正式に発表されており、新センターへのHALの導入についての協議を進めています。 タイにおいては、HAL腰タイプを活用した介護予防プログラムの日本での成果等を踏まえ、2026年1月に保健省傘下の老年医学研究所との間でASEANにおける「サイバニクス医療健康イノベーション」の共同推進で合意しており、今後協業を進めてまいります。 台湾においては、国立台湾大学、筑波大学との間で締結した国際連携のためのMOUを踏まえ、2025年11月に、サイバニクス医療健康イノベーションのためのシンポジウムを国立台湾大学と共同開催し、今後更なる事業展開を推進するための準備を進めています。 研究開発の状況 当社は、2023年度より内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」において、テーマ6「超高齢社会における世代を超えた人々が直面する社会課題の解決に向けたHCPS融合人協調ロボティクスの社会実装技術開発」に採択されており、1)住宅、施設、職場等様々な生活空間への適用、2)人情報(生理・身体・行動認知・ 心理等)と統合されたHCPS融合マスター・リモート制御技術(サイバニック化マスター・リモート技術)の活用、3)HCPS融合人協調ロボティクスを通じた人情報の非侵襲での取得・活用、4)高齢者や交通弱者の自立度・自由度を向上させる当課題の他の関連技術との連動等、社会実装へ向けた取り組みを継続して進めています。 川崎市の殿町国際戦略拠点(キングスカイフロント)においては、HALと再生医療や薬剤との複合によるサイバニクス治療の体系化や、医療・バイオ系技術とAI・ロボット・情報系の融合技術などの展開を推進するサイバニクス・メディカル・イノベーションベースA棟が稼働しており、今後の事業シナジーを想定したライフサイエンス企業の入居や、再生医療・創薬のC-Startupパートナー等との連携を進めています。 製品稼働状況について 医療用HAL®下肢タイプは、主にAPAC向けレンタルの増加により、2026年3月末時点で臨床試験用も含め国内外あわせて558台(内、国内レンタル契約120台)が稼働中です。HAL®単関節タイプは、医療用の増加により、 2026年3月末時点で710台が稼働中です。HAL®自立支援用等の下肢タイプは、2026年3月末時点の稼働台数は375台となっています。また、HAL®腰タイプ介護・自立支援用は、2026年3月末時点で1,063台が稼働中です。HAL®腰タイプ作業支援用は、2026年3月末時点の稼働台数は411台となっています。また、清掃ロボット及び搬送ロボットは、2026年3月末時点において180台が稼働中です。 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益は、前期のドイツ子会社LeyLine社を売却した影響等もあり3,846百万円(前年同期比12.3%減少)を計上しました。売上総利益は2,265百万円(同4.5%減少)となりました。 研究開発費は前年度に引き続き新製品の自社開発及び受託研究事業の実施により1,000百万円(同6.2%減少)を計上、その他の販売費及び一般管理費は、上記のLeyLine社売却影響等もあり減少し、2,367百万円(同15.6%減少)を計上しました。 その他の収益は、受託研究事業収入などにより546百万円(同28.7%減少)を計上、その他の費用は45百万円(同76.8%減少)を計上した結果、営業損失は601百万円(前年同期は営業損失926百万円)を計上しました。 また、金融収益は投資有価証券評価益などにより1,189百万円、金融費用は貸倒引当金繰入等により273百万円、CEJファンドに係る損益284百万円、法人所得税費用は繰延税金費用などにより443百万円等を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は153百万円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失577百万円)を計上しています。 なお、当社は独自技術を持ったスタートアップ企業との業務提携や資本提携を行なっており、当該非上場株式についてIFRS第9号「金融商品」に基づき公正価値を算定しています。当連結会計年度において、公正価値を算定した結果、投資有価証券評価益1,286百万円を「金融収益」及び「CEJファンドに係る損益」に、投資有価証券評価損24百万円を「金融費用」及び「CEJファンドに係る損益」に含めて計上しました。また、当該評価に関する繰延税金費用441百万円を「法人所得税費用」として計上、CEJファンドの外部投資家持分への振替額228百万円を計上した結果、「当期利益」に与える影響額は1,050百万円となります。 (3)財政状態の分析 ① 資産 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比534百万円増加し、49,081百万円となりました。これは主として、その他の金融資産(流動)が2,182百万円、営業債権及びその他の債権が305百万円減少したものの、現金及び現金同等物が2,166百万円、その他の金融資産(非流動)が803百万円、棚卸資産が169百万円、のれんが118百万円増加したことによるものです。 ② 負債 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比518百万円増加し、9,472百万円となりました。これは主として、繰延税金負債が334百万円、営業債務及びその他の債務が91百万円、CEJファンドにおける外部投資家持分が84百万円増加したことによるものです。 ③ 資本 当連結会計年度末における資本は、前連結会計年度末比16百万円増加し、39,609百万円となりました。これは主として、利益剰余金が153百万円増加したことによるものです。 (4)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,166百万円増加し8,991百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、195百万円の資金流入(前連結会計年度は430百万円の資金流出)となりました。この主要因は、税引前利益が589百万円を計上したことのほか、減価償却費及び償却費613百万円、営業債権及びその他の債権減少額320百万円、金融費用273百万円を計上したこと(以上、資金流入)、金融収益1,189百万円、CEJファンドに係る損益284百万円を計上したこと(以上、資金流出)によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,091百万円の資金流入(前連結会計年度は2,325百万円の資金流入)となりました。これは主に、投資の取得による支出15,000百万円、定期預金の預入による支出815百万円を計上したものの、投資の償還による収入17,984百万円を計上したことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、205百万円の資金流出(前連結会計年度は216百万円の資金流出)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出177百万円を計上したことによるものです。 (5)生産、受注及び販売の状況 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 生産高(百万円)   前年同期比(%) ロボット関連事業   189   59.0 合計   189   59.0 (注)1.単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績は記載していません。 2.金額は、製造原価及び自社製作資産により表示しています。 ② 受注実績 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 受注高 (百万円)   前年同期比 (%)   受注残高 (百万円)   前年同期比 (%) ロボット関連事業   3,331   60.81   127   17.53 合計   3,331   60.81   127   17.53 (注)1.単一セグメントであるため、セグメント別の受注実績は記載していません。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 販売高(百万円)   前年同期比(%) ロボット関連事業   3,846   87.7 合計   3,846   87.7 (注)1.単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績は記載していません。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自  2024年4月1日 至  2025年3月31日)   当連結会計年度 (自  2025年4月1日 至  2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) Pertubuhan Kaselamatan Social(PERKESO)   475   10.8   457   11.9 Cooperativa Sociale Coopselios SC   136   3.1   153   4.0 (6)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 経営成績に重要な影響を与える要因について 本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。 ② 資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、現在、運転資金及び開発投資等の資金需要に対しましては、自己資金を充当することを基本としています。当連結会計年度末時点において、事業活動の維持に必要な手元資金を保有しており、充分な流動性を確保していると考えています。 ③ 経営者の問題意識と今後の方針について 当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めています。具体的には本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。 ④ 経営上の重要な非財務指標 当社グループでは、経営上の重要な非財務指標として、HAL®等の稼働台数を活用しています。 当社グループの主たる収益源は、HAL®等のレンタル・保守に係る売上であり、レンタル・保守契約に係る売上は、レンタル期間にわたり収益が計上され、翌会計年度以降にわたる継続的な収益計上が見込まれるため、当社グループは、現在の業績や将来の見通しを把握することを目的として、HAL®等の稼働台数を取締役会へ報告しています。 (単位:台) 稼働台数   2022年3月末       2023年3月末       2024年3月末       2025年3月末       2026年3月末 HAL®医療用 (下肢タイプ)   368       442       474       527       558 HAL®福祉用等 (下肢タイプ)   341       351       364       367       375 HAL®単関節タイプ   492       584       620       697       710 HAL®腰タイプ 自立支援用及び 介護支援用   1,143       1,138       1,016       1,098       1,063 HAL®腰タイプ 作業支援用   417       419       394       422       411 清掃ロボット及び 搬送ロボット   147       164       172       178       180 合計   2,908       3,098       3,040       3,289       3,297

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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