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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

兼松

KANEMATSU CORPORATION8020 · Prime · 卸売業

ICTから食料、車両・航空まで6分野を扱う総合商社。専門性とグローバルネットワークで多様な商品・サービスを提供。

概要

兼松は1918年に神戸で創業した総合商社である。電子・機械、食料、化学品、エネルギーなど幅広い分野で事業を展開し、特に電子部品や産業機械の取り扱いに強みを持つ。2026年3月期の収益は約1兆676億円、連結従業員数は8,604人。登記上の本店は神戸市中央区だが、実質的な本社機能は東京・千代田区丸の内に置く。グループは連結子会社105社、持分法適用会社25社の計130社で構成される。

六大事業セグメントが収益を支える構造

兼松の事業はICTソリューション、電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空、その他の6区分に分類される。ICTソリューションはインフラ設計・構築、セキュリティ、DX推進を提供し、連結子会社8社で運営する。電子・デバイスは電子部品や半導体製造装置、携帯通信端末などを扱い、27社が参加する。食料は冷凍フルーツやコーヒー、飼料原料など多岐にわたり、25社で構成。鉄鋼・素材・プラントは鋼板や石油製品、太陽光発電設備などを取り扱い、18社が担う。車両・航空は車載部品や航空機部品、防衛関連製品を扱い、24社で展開する。その他には保険代理や物流サービスが含まれる。各セグメントが独立して収益を計上する一方、グループ全体でリスク分散を図っている。

ICTと電子・デバイスが成長を牽引

近年の収益拡大の中心はICTソリューションと電子・デバイスの両セグメントである。ICTソリューションでは2025年度にサイバーセキュリティファンドへの投資やルートリフ社の子会社化を実行し、専門エンジニアの獲得を進めた。電子・デバイスではモバイル事業が好調で、半導体製造装置や通信機器の需要を取り込む。両セグメントの売上総利益は前年比で増加し、グループ全体の営業利益を486億円(2026年3月期)に押し上げた。デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)を重点領域とし、中期経営計画「integration 1.1」のもとで投資を継続する。

食料とエネルギー・素材が安定した収益基盤

食料セグメントは冷凍フルーツや野菜、コーヒー、飼料原料など生活必需物資を中心に安定した取引を維持する。2025年度は畜産事業が好調で、収益に貢献した。鉄鋼・素材・プラントセグメントは鋼板や石油製品、バイオマスエネルギーを扱うが、2025年度は国内鉄鋼子会社の売却やエネルギー事業の低調があったものの、鋼管事業が増益となった。兼松ペトロや兼松サステックなどの子会社を通じて、カーボンニュートラル目標の前倒し達成やカーボンネガティブ目標の引き上げ(100万t-CO₂から150万t-CO₂)など、GX関連の取り組みも推進する。

130社から成るグローバルネットワーク

兼松グループは国内64社、海外41社の連結子会社に加え、持分法適用会社25社を擁する。海外現地法人は18社あり、米国、中国、ドイツ、香港など主要市場に拠点を置く。Kanematsu USA Inc.、Kanematsu (China) Co., Ltd.、Kanematsu GmbHなどが地域の商取引とサービスを担う。グループ一体経営を推進するため、社長直轄の「グループ成長戦略推進室」を設置し、各部門の顧客基盤や知識を共有する仕組みを整えている。2026年3月期には総資産7,330億円、有利子負債1,548億円、自己資本2,083億円を計上し、財務基盤の強化を進めている。

業界の中での役割は多事業を展開する総合商社。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.1兆円
営業利益
487億円
営業利益率
4.6%
純利益
325億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01ICTソリューション主力

インフラ基盤設計・構築・運用サービス、システムコンサルティング、ハイブリッドクラウド、セキュリティソリューション、ネットワークソリューション、DX推進ソリューション等を提供。企業のデジタルトランスフォーメーションを支援。

主な製品・サービス3
インフラ基盤設計・構築・運用サービス
サーバー、ネットワーク等のITインフラの設計・構築・運用保守。
セキュリティソリューション
SOC(セキュリティオペレーションセンター)運用、リモート監視、システム保守等。
DX推進ソリューション
デジタル技術を活用した業務改革・新規事業創出の支援。

02電子・デバイス主力

電子部品・部材、半導体・液晶製造装置、通信関連機器、携帯通信端末、モバイルインターネットサービス、産業用プリンター等を取り扱う。幅広い電子・デバイス分野でサプライチェーンを支える。

主な製品・サービス2
電子部品・部材
コンデンサ、抵抗、コネクタ等の電子部品および基板材料。
半導体・液晶製造装置
半導体や液晶パネルの製造に使用される装置・設備。

03食料主力

冷凍・乾燥・缶詰フルーツ、冷凍野菜、コーヒー、ゴマ、ナッツ、砂糖、ウイスキー、ワイン、畜産原料、水産物、飼料原料、肥料、大豆、小麦、加工食品、ペットフード等、多岐にわたる食料品・原料を国内外で取り扱う。

主な製品・サービス3
冷凍フルーツ・野菜
冷凍状態で輸入・販売するフルーツや野菜。
コーヒー
生豆および焙煎豆の輸入・販売。
飼料原料
トウモロコシ等の畜産用飼料原料。

04鉄鋼・素材・プラント準主力

各種鋼板、条鋼、鋼管、ステンレス製品、製鉄原料、肥料原料、化学品、石油製品、液化石油ガス、バイオマスエネルギー、太陽光・風力発電設備、化学プラント、船舶および舶用機材等を扱う。資源・エネルギーからプラント建設まで幅広い分野をカバー。

主な製品・サービス3
各種鋼板
熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板等。
石油製品・LPG
ガソリン、灯油、液化石油ガス等のエネルギー製品。
太陽光発電設備
太陽光パネル、パワーコンディショナ等の関連機器。

05車両・航空準主力

車載部品・機構部品、航空機および航空機部品、ヘリコプター、宇宙・ロケット関連、防衛関連製品、自動車・二輪車および関連部品、産業車両、建設機械、工作機械等を扱う。自動車産業から航空宇宙産業まで、輸送機器分野に総合的に関与。

主な製品・サービス3
車載部品
エンジン部品、シャシ部品、電装部品等。
航空機部品
機体構造部品、エンジン部品等。
建設機械
油圧ショベル、ブルドーザー等の建設用機械。

06その他副次

中質繊維板、非鉄金属、保険代理・仲介業、航空・海上貨物代理店業、通関業、不動産管理・賃貸業等。グループ会社が多様なサービスを提供。

主な製品・サービス2
保険代理・仲介
損害保険、生命保険の代理店業務。
物流関連サービス
航空・海上貨物のフォワーディング、通関業務。

製品と技術

インフラからセキュリティまでをカバーするICTソリューション

兼松グループのICTソリューションは、企業のデジタル変革を支える幅広いサービスを提供する。インフラ基盤設計・構築・運用サービスではサーバーやネットワークの導入から保守までを一貫して手がける。セキュリティソリューションではSOC(セキュリティオペレーションセンター)の運用、リモート監視、システム保守を提供し、サイバー攻撃対策を支援する。DX推進ソリューションではデジタル技術を活用した業務改革や新規事業創出のコンサルティングを行う。中核子会社の兼松エレクトロニクスと兼松コミュニケーションズがこれらのサービスを担い、顧客のIT環境の最適化を図る。

電子部品と半導体製造装置でサプライチェーンを支える

電子・デバイスセグメントでは、コンデンサ、抵抗、コネクタなどの電子部品・部材から、半導体や液晶パネルの製造に使用される装置・設備までを取り扱う。携帯通信端末やモバイルインターネットサービス、産業用プリンターなども商材に含む。特に半導体製造装置は国内外の半導体メーカー向けに供給し、安定的な需要がある。兼松コミュニケーションズや兼松フューチャーテックソリューションズが販売・技術サポートを提供。中国や東南アジアの顧客への販路も広く、エレクトロニクス産業の国際分業に貢献している。

冷凍フルーツ・コーヒー・飼料原料を軸とした食料事業

食料セグメントは農水産物と加工食品のグローバルトレーディングが中心である。冷凍フルーツや冷凍野菜は主要な輸入品目で、世界各地の産地から調達し、業務用・家庭用に販売。コーヒーは生豆および焙煎豆の輸入・販売を行い、ゴマ、ナッツ、砂糖、ウイスキー、ワインなどの嗜好品も扱う。飼料原料としてはトウモロコシや大豆などを畜産向けに供給。また、植物肉や調理食品などの加工食品分野にも進出している。子会社の兼松食品や兼松アグリテックが実務を担い、安定した食料供給網を維持している。

車載部品から航空機部品まで輸送機器分野に総合的に関与

車両・航空セグメントは自動車産業と航空宇宙産業の両方をカバーする。車載部品はエンジン部品、シャシ部品、電装部品などを自動車メーカーや部品メーカーに供給。二輪車や産業車両、建設機械も取り扱う。航空機部品では機体構造部品やエンジン部品を国内外の航空機メーカーに納入するほか、ヘリコプターや宇宙・ロケット関連事業にも携わる。防衛関連製品も扱い、官需に対応。子会社の兼松ケージーケイは工作機械を、兼松エアロスペースは航空宇宙分野を専門とする。自動車の電動化や空飛ぶクルマの社会実装など、新しいモビリティ領域への展開も進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

卸売業のなかでの位置

総合商社で国内中堅、ニッチ領域に強み

総合商社として伸銅品や機械、電子機器などの分野で強みを持つ中堅商社で、多様な事業を展開している。ライバルにはリョーサン菱洋ホールディングスなどがあるが、当社は特定分野に特化した専門性で差別化を図る。直近の売上高は1兆円を超える規模で、営業利益率は4%台と安定。海外取引にも積極的で、グローバルなサプライチェーンを持つ。一方で、商品市況の変動や為替リスクに影響されやすく、非資源分野の強化やデジタル化推進による業務効率化が今後の課題である。

強み

  • 伸銅品や電子機器など特定分野に強く、ニッチ市場で優位性。
  • 海外拠点を持ち、国際取引の実績とネットワークを活用。
  • 売上高1兆円超で、利益率も安定して利益創出が可能。
  • 資源から生活関連まで幅広い事業ポートフォリオを構築。

課題

  • 商品価格や為替の変動が業績を左右し、リスクが大きい。
  • 営業利益率4%台と総合商社としては低く、高収益化が課題。
  • 他社に比べデジタル化が遅れており、業務効率化ツールが不足。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

商社・卸売の時価総額近傍。太字が兼松

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
18088岩谷産業5,149億円10.6倍
22784アルフレッサ ホールディングス4,458億円10.1倍
33941レンゴー4,327億円18.8倍
42531宝ホールディングス4,273億円35.8倍
58060キヤノンマーケティングジャパン4,104億円17.5倍
68020兼松3,821億円11.6倍
79987スズケン3,740億円9.5倍
89934因幡電機産業3,475億円14.8倍
98876リログループ3,438億円17.2倍
108129東邦ホールディングス2,921億円15.3倍
118098稲畑産業2,428億円11.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(商社・卸売)に従っています。

会社の歴史

沿革 28件

豪州貿易から始まった創業期(1918年~1943年)

兼松の創業者兼松房治郎は1889年8月15日、神戸市で「豪州貿易兼松房治郎商店」を開いた。この商店を前身として、1918年3月に「株式会社兼松商店」を設立。本店を神戸市、支店を東京とシドニーに置いた。1922年4月にはシドニー支店をF.Kanematsu (Australia) Ltd.(現 Kanematsu Australia Ltd.)に改組し、現地法人化を進めた。同年7月には大阪支店を開設。1943年2月には商号を「兼松株式会社」に改称した。この間、オーストラリアからの羊毛や小麦などの輸入を中心に事業を拡大し、戦前期の商社としての基盤を築いた。

戦後復興と海外拠点の拡充(1951年~1961年)

第二次世界大戦後、兼松は海外事業の再建に着手した。1951年4月にKanematsu New York Inc.(現 Kanematsu USA Inc.)を設立し、米国市場への本格参入を果たした。1952年4月には本部機構を神戸から大阪に移管し、国内体制を強化。1957年6月にはF.Kanematsu & Co., GmbH(現 Kanematsu GmbH)を西ドイツに設立し、欧州拠点を確保した。1961年10月には大阪証券取引所に上場(市場第二部)し、資本市場からの資金調達を可能にした。この時期、繊維や機械の輸出を伸ばし、総合商社としての事業領域を広げた。

江商との合併とグループ会社の設立(1967年~1970年)

1967年4月、兼松は江商株式会社(1891年創業の北川商店を前身とする)と合併し、商号を「兼松江商株式会社」に改称した。合併により事業規模が拡大し、鉄鋼や機械分野の取り扱いが強化された。同年6月には黒田精工から工作機械販売会社の経営権を取得し、兼松江商工作機械販売株式会社(現 兼松ケージーケイ)を設立。1968年7月には兼松電子サービス株式会社(現 兼松エレクトロニクス)を設立し、電子機器分野に進出した。1970年12月には東京支社を本社と位置づけ、経営の重心を東京へ移した。同時に兼松江商鉄鋼販売株式会社(後のHKGトレーディング)を設立し、鉄鋼販売子会社を設けた。

東証上場と事業多角化の進展(1973年~1990年)

1973年4月、兼松江商は東京証券取引所市場第一部に上場し、同時に名古屋証券取引所にも上場した。1974年4月にはコンピューターシステム子会社(後の兼松コミュニケーションズ)を設立し、情報通信分野へ参入。1975年10月には香港現地法人Kanematsu-Gosho (Hong Kong) Ltd.を設立し、アジア事業を拡大した。1987年12月には兼松エレクトロニクスが東証市場第二部に上場(1991年第一部指定)。1990年1月、商号を「兼松株式会社」に戻した。1991年2月には東京本社を港区芝浦に移転し、バブル期の拡大を経て、総合商社としての地位を固めた。

構造改革と第二の創業(1999年~2005年)

1990年代後半の不良債権問題や商社不況を受け、兼松は1999年5月に「構造改革計画」を発表し、「第二の創業」を掲げた。収益力の低い事業の整理や人員削減を断行し、財務体質の改善を進めた。2003年3月には兼松石油販売に産業用LPガス事業を統合し、兼松ペトロ株式会社に改称してエネルギー事業を再編。2005年12月には新東亜交易株式会社の株式過半数を取得し、非鉄金属や木材加工分野の強化を図った。この一連の改革により、2000年代半ばには収益が回復基調に転じた。

子会社統合と完全子会社化によるグループ再編(2014年~2023年)

2014年12月、兼松は兼松日産農林株式会社(現 兼松サステック)の株式過半数を取得し、森林・環境関連事業を強化した。2016年4月には兼松テレコム・インベストメントが三菱電機子会社のダイヤモンドテレコムを吸収合併し、通信事業を拡大。2017年4月には兼松コミュニケーションズがダイヤモンドテレコムを吸収合併し、ICTソリューション事業の一体運営を開始した。2022年11月には東京本社を千代田区丸の内に移転。2023年5月には兼松エレクトロニクス、同年6月には兼松サステックを完全子会社化し、グループの意思決定を迅速化した。2024年からは中期経営計画「integration 1.0」をスタートし、DX・GX・イノベーションを成長の柱に据えている。

年表28件を開く

1910年代

  • 1918年3月創業創業者兼松房治郎が1889年8月15日神戸市に開いた「豪州貿易兼松房治郎商店」を前身として、「株式会社兼松商店」の商号をもって設立(本店:神戸市、支店:東京・シドニー)

1920年代

  • 1922年4月シドニー支店をF.Kanematsu (Australia) Ltd.(現 Kanematsu Australia Ltd.)に改組
  • 1922年7月大阪支店(現 大阪支社)を開設

1940年代

  • 1943年2月商号を「兼松株式会社」に改称

1950年代

  • 1951年4月創業Kanematsu New York Inc.(現 Kanematsu USA Inc.)を設立
  • 1952年4月本部機構を神戸から大阪に移管
  • 1957年6月創業F.Kanematsu & Co.,GmbH(現 Kanematsu GmbH)を設立

1960年代

  • 1961年10月上場大阪証券取引所に上場(市場第二部、1963年に市場第一部銘柄に指定、2010年に上場を廃止)
  • 1967年4月創業江商株式会社(創業者北川与平が1891年に「北川商店」として創業)と合併、商号を「兼松江商株式会社」に改称
  • 1967年6月株式会社ファインクロダサービスの経営権を黒田精工株式会社より取得し、商号を兼松江商工作機械販売株式会社(現 株式会社兼松ケージーケイ)に改称
  • 1968年7月創業兼松電子サービス株式会社(現 兼松エレクトロニクス株式会社)を設立

1970年代

  • 1970年12月東京支社を本社とする
  • 1970年12月創業兼松江商鉄鋼販売株式会社(現 HKGトレーディング株式会社)を設立(2025年4月に全株式を譲渡)
  • 1973年4月上場東京証券取引所に上場(市場第一部、2022年にプライム市場に移行)名古屋証券取引所に上場(市場第一部、2003年に上場を廃止)
  • 1974年4月創業株式会社兼松コンピューターシステム(現 兼松コミュニケーションズ株式会社)を設立
  • 1975年10月創業Kanematsu-Gosho (Hong Kong) Ltd.(現 Kanematsu (Hong Kong) Ltd.)を設立

1980年代

  • 1987年12月上場兼松エレクトロニクス株式会社が東京証券取引所に上場(市場第二部、1991年に市場第一部銘柄に指定、2022年にプライム市場に移行、2023年に上場を廃止)

1990年代

  • 1990年1月商号を「兼松株式会社」に改称
  • 1991年2月東京本社を港区芝浦に移転
  • 1999年5月創業「構造改革計画」を発表し、“第二の創業”に取り組む

2000年代

  • 2003年3月M&A兼松石油販売株式会社に産業用LPガス事業を統合し、商号を兼松ペトロ株式会社に改称
  • 2005年12月新東亜交易株式会社の株式の過半数を取得

2010年代

  • 2014年12月兼松日産農林株式会社(現 兼松サステック株式会社)の株式の過半数を取得
  • 2016年4月M&A兼松テレコム・インベストメント株式会社が三菱電機株式会社の完全子会社である株式会社ダイヤモンドテレコムを吸収合併し、商号を株式会社ダイヤモンドテレコムに改称
  • 2017年4月M&A兼松コミュニケーションズ株式会社が株式会社ダイヤモンドテレコムを吸収合併

2020年代

  • 2022年11月東京本社を現在の千代田区丸の内に移転
  • 2023年5月M&A兼松エレクトロニクス株式会社の株式を追加取得し完全子会社化
  • 2023年6月M&A兼松サステック株式会社の株式を追加取得し完全子会社化

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結当期利益2027年3月期まで350億円
  • ROE2027年3月期まで16%~18%程度
  • ROIC2027年3月期まで8%以上
  • ネットDER2027年3月期まで1.0倍程度

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    提供価値の拡充: DX・GX・イノベーション

    DXではサイバーセキュリティファンド投資やIT子会社設立、GXではバイオ炭「宙炭」への出資や米の環境クレジット販売、イノベーションでは宇宙分野や空飛ぶクルマの社会実装を推進し、労働力不足や持続可能性への対応を図る。

  2. 02

    グループ一体経営の推進

    社長直轄の「グループ成長戦略推進室」が中心となり、各部門・グループ会社の顧客基盤や知識を共有し、クロスセルやシナジー創出を促進。シリコンバレー拠点との協業で新規事業創出も進める。

  3. 03

    組織能力の強化とMVV策定

    Mission・Vision・Valuesを策定し、社員の経験やノウハウを組織資産化。エンゲージメントサーベイやAIを活用した建設的フィードバック制度、DX研修、キャリアマッチング制度などを導入し、意思決定の迅速化とソリューション提供力向上を目指す。

  4. 04

    人的資本・経営機能の強化

    人材戦略と経営戦略を連携させ、人的資本の向上と経営の迅速化・ガバナンス強化を推進。健康経営優良法人の認定や株式分割による投資家層拡大も実施。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で8,604人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,202万円で、9期前と比べて+27.3%平均年齢は37.7歳、平均勤続年数は12.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月6,727
2018年3月6,666
2019年3月94439.015.06,915
2020年3月90438.814.07,182
2021年3月85838.513.87,296
2022年3月93138.715.07,446
2023年3月1,20438.513.77,866
2024年3月1,01038.413.28,353
2025年3月1,14338.212.78,644487
2026年3月1,20237.712.18,604566

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率10.6%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)61.7%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社57(国内 26 / 海外 31、うち連結子会社 12) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位8)
神田店(東京都 千代田区)他176店舗8,616百万円
電子・デバイス
東京本社 — 東京都千代田区8,226百万円
全社
東京本社(東京都 中央区)他1ヵ所3,808百万円
ICTソリューション
小倉油槽所 — 北九州市 小倉北区1,517百万円
鉄鋼・素材・プラント
久喜工場(埼玉県 久喜市)他1ヵ所1,232百万円
食料
東京本社 — 東京都 中央区725百万円
車両・航空
シカゴ本店 — Illinois, U.S.A.183百万円
全社
本陣通給油所(名古屋市 中村区)他5ヵ所147百万円
鉄鋼・素材・プラント
主な関係会社
  • 国内
    兼松エレクトロニクス㈱(注)1
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日本オフィス・システム㈱
    東京都江東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱KEL CRESTIA
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    兼松コミュニケーションズ㈱(注)3
    東京都渋谷区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    兼松グランクス㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    兼松アドバンスド・マテリアルズ㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ジー・プリンテック
    川崎市幸区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    兼松フューチャーテックソリューションズ㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱NSテクノロジーズ
    長野県岡谷市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ジェイエムテクノロジー㈱
    福岡市博多区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kanekoh Electronics (Shanghai)Co.,Ltd.
    Shanghai,China · 連結子会社
    議決権70.0%
  • 海外
    DALIAN KANEMATSU TRADING Co.,Ltd.
    Dalian,China · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社45社を開く
  • Kanematsu Advanced Materials USA, Inc.Texas,U.S.A.100%
  • 兼松食品㈱東京都中央区100%
  • 兼松アグリテック㈱埼玉県越谷市100%
  • 兼松ソイテック㈱大阪市中央区100%
  • KG Agri Products, Inc.Ohio,U.S.A.100%
  • Kai Enterprises, Inc.Washington, U.S.A.100%
  • PT. Kanemory Food ServiceSerang, Indonesia60%
  • 兼松ケミカル㈱東京都中央区100%
  • 兼松ウェルネス㈱東京都中央区100%
  • 兼松ペトロ㈱東京都千代田区100%
  • 兼松油槽㈱東京都千代田区100%
  • 兼松サステック㈱(注)1東京都中央区100%
  • Benoit Holding CompanyIllinois, U.S.A.85%
  • Benoit Premium Threading, LLC (注)1Louisiana, U.S.A.54%
  • Steel Service Oilfield Tubular, Inc.Oklahoma, U.S.A.51%
  • ㈱兼松ケージーケイ東京都中央区100%
  • 兼松エアロスペース㈱東京都港区100%
  • カネヨウ㈱大阪市中央区100%
  • ㈱データ・テック東京都大田区90%
  • Aries Motor Ltd.Warsaw,Poland94%
  • Aries Power Equipment Ltd.Warsaw,Poland60%
  • KGK International Corp.Illinois, U.S.A.100%
  • KG Aircraft Rotables Co.,Ltd.Dublin,Ireland100%
  • 新東亜交易㈱東京都千代田区100%
  • 兼松ロジスティクス アンド インシュアランス㈱東京都中央区100%
  • Kanematsu USA Inc. (注)1Illinois, U.S.A.100%
  • Kanematsu (China)Co.,Ltd.Shanghai,China100%
  • Kanematsu (Thailand) Ltd.Bangkok, Thailand100%
  • Watana Inter-Trade Co.,Ltd. (注)4Bangkok, Thailand49%
  • Kanematsu (Singapore)Pte.Ltd.Singapore, Singapore100%
  • PT. Kanematsu Trading IndonesiaJakarta, Indonesia90%
  • Kanematsu Taiwan CorporationTaipei,Taiwan100%
  • Kanematsu Europe PlcLondon,U.K.100%
  • Kanematsu GmbHDuesseldorf, Germany100%
  • Kanematsu Australia Ltd.Sydney, Australia100%
  • Kanematsu New Zealand Ltd.Auckland, New Zealand100%
  • Kanematsu Korea CorporationSeoul,Korea100%
  • Kanematsu Trading (Hong Kong) Ltd.Hong Kong, China100%
  • グローバルセキュリティエキスパート㈱(注)2東京都港区20%
  • Dalian Tiantianli Food Co.,Ltd.Dalian,China40%
  • Sage Hill Northwest, Inc.Washington, U.S.A.49%
  • Shandong Lufeng Foods Shanghai Corp.Shandong,China25%
  • ATAD Steel Structure Corp.Ho Chi Minh City,Vietnam25%
  • ホクシン㈱(注)2大阪府岸和田市27%
  • PT.Dunia Express TransindoJakarta, Indonesia40%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • AUKANEMATSU AUSTRALIA LIMITED
  • GBKANEMATSU EUROPE PLC
  • PL"ARIES POWER EQUIPMENT" SPÓŁKA Z OGRANICZONĄ ODPOWIEDZIALNOŚCIĄ

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    RESCUE HOIST ASSY 2個ほか3点買入
    海上保安庁 · 2026-01-26
    1.8億円
  • 調達
    HOIST ASSY(AW139用) 6個整備
    海上保安庁 · 2026-03-31
    1.4億円
  • 調達
    飛行検査装置用GNSS受信機6台他1式の購入
    国土交通省 · 2024-06-26
    6,562万円
  • 調達
    LOCK SPRING 10個ほか15点買入
    海上保安庁 · 2026-03-31
    5,665万円
  • 調達
    HOIST ASSY(アグスタ139用)10個整備
    海上保安庁 · 2025-06-16
    4,406万円
  • 調達
    HOIST ASSY(アグスタ139用)7個ほか4点整備
    海上保安庁 · 2024-03-22
    4,161万円
  • 調達
    C700型機飛行検査装置用GNSS受信機2台他1式の購入
    国土交通省 · 2025-06-20
    3,089万円
  • 調達
    HOIST ASSY(アグスタ139用)6個整備
    海上保安庁 · 2022-10-12
    2,870万円
  • 調達
    HOIST ASSY 3個ほか1点整備
    海上保安庁 · 2023-03-16
    2,175万円
  • 調達
    令和6年度空飛ぶクルマのConOps策定支援業務
    国土交通省 · 2024-08-21
    1,273万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.1兆円営業利益487億円前期と比べると増収増益で、売上が+1.6%、利益が+15.7%。

売上高
+1.6%
1.1兆円
営業利益
+15.7%
487億円
純利益
+18.2%
325億円
営業利益率
4.6%
前期比 +0.6%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.1兆円1.1兆円
営業利益540億円487億円
純利益350億円325億円
1株あたり配当¥70¥70

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は2,722億円、営業利益は174億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+21.2%、営業利益は+81.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2,33731
2024年1Q2,245964.354
2024年2Q2,4961285.169
2024年3Q2,5191074.243
2024年4Q2,60066
2025年2Q5,1862544.9151
2025年4Q5,3231673.1124
2026年2Q5,1352524.9161
2026年4Q5,5422354.2164
2027年1Q2,7221746.4117

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.0兆円から1.1兆円へほぼ横ばい。直近期の営業利益率は4.6%。売上は5期、純利益は5期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.0216796
2014年3月1.11202118
2015年3月0.70224105
兼松テレコム・インベストメント株式会社が三菱電機株式会社の完全子会社である株式会社ダイヤモンドテレコムを吸収合併し、商号を株式会社ダイヤモンドテレコムに改称
2016年3月0.6718190
兼松コミュニケーションズ株式会社が株式会社ダイヤモンドテレコムを吸収合併
2017年3月0.6817980
2018年3月0.71260163
2019年3月0.72292166
2020年3月0.72269144
2021年3月0.65236133
2022年3月0.77288160
兼松エレクトロニクス株式会社の株式を追加取得し完全子会社化
2023年3月0.91357186
2024年3月0.99372232
2025年3月1.054213824.0275
2026年3月1.074874724.6325

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.1兆円のうち、営業利益として残るのは487億円4.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は325億円、売上の3.0%にあたる。営業利益率は業種中央値3.2%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金84.2%8,988億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金11.5%1,231億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.6%487億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
15.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+1.3pt
4.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.6pt
3.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+8.9pt
17.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが577億円、投資CFが−119億円で、差し引きのフリーCFは458億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は584億円で、売上の0.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1415−15729600
2014年3月224−11−94213740
2015年3月68−66−1002665
2016年3月330−42−67288875
2017年3月119−147−69−28776
2018年3月411−815777
2019年3月247−66−72181889
2020年3月243−102−116141911
2021年3月370−99−375271810
2022年3月154−1054249914
2023年3月−3−16748−170795
2024年3月356−124−501232534
2025年3月58314−547597568
2026年3月577−119−469458584

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は7,330億円。このうち返さなくてよい自己資本が2,084億円で、自己資本比率は28.4%(業種中央値50.6%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月3,9927593,23313.7
2014年3月4,3027223,58016.8
2015年3月4,6639023,76119.4
2016年3月4,4369163,52020.7
2017年3月4,7971,0043,79320.9
2018年3月5,1991,1604,03922.3
2019年3月5,4951,2524,24322.8
2020年3月5,5171,3084,20923.7
2021年3月5,5751,4394,13625.8
2022年3月6,3451,5954,75025.1
2023年3月6,7761,2855,49119.0
2024年3月7,2531,5935,66022.0
2025年3月6,8931,7395,01225.2
2026年3月7,3302,0845,09528.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
584億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1,472億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
5,095億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
58
/ 100
安定性自己資本比率19 / 40
収益力営業利益率9 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

卸売業 284社との比較

同じ卸売業の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE284社中26位あたり、逆に低いのは自己資本比率284社中264位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
17.0%/中央値 8.1%
P25 5.5%P75 11.4%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
4.6%/中央値 3.2%
P25 1.8%P75 5.4%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
28.4%/中央値 50.6%
P25 39.1%P75 62.9%
売上成長率前期からの売上の伸び
1.6%/中央値 4.4%
P25 0.0%P75 9.6%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.1%/中央値 3.1%
P25 2.2%P75 4.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,261で、1年前と比べて+49.6%過去52週の値幅のなかでは79%の位置にある。

¥2,261-2.1%1ヶ月+6.3%1年+49.6%時価総額3,821億円
過去52週の値幅
安値¥1,486.5高値¥2,468

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)11.6倍
PER (会社予想)10.7倍
PBR1.77倍
配当利回り3.10%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に2184円と、25日線を約2.0%上回り、堅調な推移です。75日線も上回っており、短中期の上昇トレンドを維持しています。52週高値2468円からは約11.5%下落していますが、52週安値1486.5円からの上昇は約46.9%と大きく、底堅さがあります。出来高は安定的で、需給は良好です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PERは11.21倍と同業界平均の17.93倍を下回り、PBRは1.71倍で平均の1.23倍を上回りますが、ROEが17%と非常に高く、収益性が良好です。配当利回り3.21%は平均の2.93%を上回り、配当性向54.6%で安定しています。業績は増収増益基調で、特に2025年の純利益が275億円と増加しており、割安感が強いです。ただし、PBRが平均より高い点がやや懸念ですが、総合的に割安と判断します。

指標この会社業種平均
PER (実績)11.6倍17.9倍
PER (予想)10.7倍
PBR1.77倍1.24倍
ROE17.0%8.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

総合商社として市況に左右されやすいが、近年は電子部品需要の拡大で業績が好調。強気派は、電子部品の需要拡大と高ROE、増配を評価。弱気派は、市況依存のビジネスモデルと、競争激化でのマージン低下を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 好業績と高ROE

    ROE17%で高く、売上高・純利益とも2023年3月期から増加傾向。

  • 電子部品需要の拡大

    半導体や電子機器の需要増で、電子部品の取扱いが好調。

  • 増配と株主還元

    配当利回り3.17%と高く、自社株買いも実施。

  • 純利益325億円へ3期連続増益通年影響

    前期比50億円増の325億円、営業利益487億円も前期比16%増で最高益

  • ROE17%と高い収益性継続影響

    ROE17%は業界トップ級。PBR1.72倍と割安で資本効率改善が評価

  • 配当利回り3.17%の投資妙味次回株主総会影響

    配当利回り3.17%と高水準。増配が続けば株主還元で下支え

  • 予想PER10.5倍の割安修正決算発表後影響

    実績PER11.34倍に対し予想PER10.5倍。増益率18%を踏まえればPERはさらに低下余地

マイナスに働く材料7
  • 市況依存の収益構造

    電子部品やエネルギーの市況変動で業績がブレやすい。

  • マージン低下懸念

    商社間の競争激化で取扱マージンが縮小傾向。

  • カントリーリスク

    海外取引が多く、地政学リスクや為替変動の影響を受ける。

  • 売上高営業利益率4.56%と低収益率通年影響

    営業利益487億円、売上高1兆677億円で利益率4.56%。市況悪化で利益率が4%割れなら約60億円減益

  • 資源・商品市況の変動依存不定影響

    売上高の多くを市況商品が占め、市況急落で純利益が100億円減の225億円になるリスク

  • 小規模な時価総額による流動性リスク継続影響

    時価総額3,732億円と中小型株。売買代金が薄く、売りの際に株価が過度に下落

  • 1年で55.7%上昇した反動安継続影響

    上昇率55.7%の反動で利益確定売りが出やすく、短期的な調整リスク

次の決算で確かめる点
電子部品部門の売上高
成長のけん引役の動向を確認
営業利益率
収益性の持続性を測る
棚卸資産回転率
在庫の滞留・評価リスクを把握

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり70で、前期から+20.0%いまの株価に対する利回りは3.10%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥70
1株あたり
配当利回り
3.10%
いまの株価に対して
配当性向
54.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1544.1
2018年3月2460.040.0
2019年3月3025.069.9
2020年3月300.056.0
2021年3月300.089.7
2022年3月338.363.3
2023年3月3815.471.6
2024年3月4520.075.6
2025年3月5316.744.9
2026年3月6320.054.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥70

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ42,846人。区分でいちばん多いのは外国法人39.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が31.9%を占め、残る68.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人32.935.333.333.635.939.5
金融機関42.435.835.233.528.727.4
個人・その他18.119.821.523.724.824.2
事業法人5.35.65.65.35.04.5
証券会社1.33.44.43.95.64.3
自己株式0.30.30.30.30.30.3
外国人個人0.00.00.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)15.52
02㈱日本カストディ銀行(信託口)7.61
03ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)4.21
04ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505223(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)3.24
05ゴールドマン・サックス・インターナショナル(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券㈱)2.01
06エムエスアイピークライアントセキユリテイーズ(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券㈱)1.93
07ザ バンク オブ ニューヨーク メロン 140044(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.68
08ジェーピー モルガン チェース バンク 385781(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.40
09ザ バンク オブ ニューヨーク メロン 140042(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.28
10ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.09

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+758%、1株純資産は14期で+865%。直近期のROEは17.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月2313020.45.4
2014年3月14085918.75.717.5
2015年3月1251,07213.07.021.4
2016年3月1061,0889.97.727.3
2017年3月961,1928.410.444.1
2018年3月1941,37815.17.540.0
2019年3月1981,50013.86.469.9
2020年3月1721,56711.26.456.0
2021年3月1591,7239.79.389.7
2022年3月9695510.57.063.3
2023年3月11176912.97.471.6
2024年3月13995316.19.375.6
2025年3月1641,04616.57.744.9
2026年3月1961,25217.011.354.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2026/3期の役員報酬は総額425百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
谷川薫代表取締役 会長6783,000
宮部佳也代表取締役 社長 グループ成長戦略推進担当6773,000
海野太郎取締役 執行役員 財務、主計、営業経理担当565,000
近藤一夫取締役 執行役員 企画担当556,000
田原祐子取締役66
田中一弘取締役60
笹宏行取締役70
田島良雄監査役(常勤)643,000
村松陽一郎監査役(常勤)6039,000
倉橋雄作監査役(非常勤)45
稲葉喜子監査役(非常勤)59

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)61651495131452
監査役2616131
社外取締役5505010

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,643字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、国内外のネットワークと各事業分野で培ってきた専門性と、商取引、情報収集、市場開拓、事業開発・組成、リスクマネジメント、物流などの商社機能を有機的に結合して、ICTソリューション、電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空を中心とした幅広い分野で、多種多様な商品・サービスを提供しております。 当社はこれらの事業を、取扱商品・サービスの内容に応じた事業区分に分類しており、当社グループ全体は、当社に加え、連結子会社105社および持分法適用会社25社の合計130社(2026年3月31日現在)で構成されております。 当社グループの事業区分ごとの取扱商品・サービスの内容および主な関係会社は、次のとおりであります。 事業区分   主な取扱商品・サービスの内容   主要な関係会社名 ICTソリューション (8社)   インフラ基盤設計・構築・運用サービス、システムコンサルティング、ハイブリッドクラウド、SOC・リモート運用・リモート監視・システム保守サービス、セキュリティソリューション、ネットワークソリューション、DX推進ソリューション他   (連結子会社 国内 5社、海外 2社) 兼松エレクトロニクス㈱   (持分法適用会社 国内 1社、海外 0社) グローバルセキュリティエキスパート㈱ 電子・デバイス (27社)   電子部品・部材、半導体・液晶製造装置、通信関連機器・部品、電子関連の素材・副資材、携帯通信端末、モバイルインターネットシステム・サービス、産業用プリンター、データ流通事業他   (連結子会社 国内15社、海外12社) 兼松コミュニケーションズ㈱ 兼松フューチャーテックソリューションズ㈱   (持分法適用会社 国内 0社、海外 0社) 食料 (25社)   冷凍・乾燥・缶詰フルーツ、冷凍野菜、コーヒー、ゴマ、チアシード、ナッツ、落花生、雑豆、砂糖、蜂産品、ウイスキー、ワイン、畜産原料、畜産加工品、水産物、飼料原料、肥料、大豆、小麦、大麦、米、加工食品、植物肉、調理食品、ペットフード他   (連結子会社 国内 7社、海外 3社) 兼松食品㈱ 兼松アグリテック㈱ (持分法適用会社 国内 4社、海外11社) 鉄鋼・素材・プラント (18社)   各種鋼板、条鋼・線材、鋼管、ステンレス製品、一般鋼材、製鉄・製鋼原料、肥料原料、接着剤材料、溶剤、機能性食品素材、栄養補助食品、医薬品・医農薬中間体、石油製品、液化石油ガス、温室効果ガスの排出権、バイオマスエネルギー、太陽光・風力発電設備、化学プラント、各種ODA案件、船舶および舶用機材、ジオテック、木材加工他   (連結子会社 国内10社、海外 5社) 兼松ケミカル㈱ 兼松ペトロ㈱ 兼松サステック㈱     (持分法適用会社 国内 1社、海外 2社) 車両・航空 (24社)   車載部品・機構部品、航空機および航空機部品、ヘリコプターおよびヘリコプター部品、宇宙・ロケット関連事業、衛星関連機器・部品、防衛関連製品、自動車・二輪車および関連部品、産業車両、建設機械、汎用機、鍛造品、鋳造品、工作機械、産業機械他   (連結子会社 国内 8社、海外15社) ㈱兼松ケージーケイ 兼松エアロスペース㈱ (持分法適用会社 国内 0社、海外 1社) その他 (10社)   中質繊維板、非鉄金属、保険代理・仲介業、航空・海上貨物代理店業、通関業、不動産管理・賃貸業他   (連結子会社 国内 5社、海外 0社) 新東亜交易㈱ 兼松ロジスティクス アンド インシュアランス㈱   (持分法適用会社 国内 4社、海外 1社) ホクシン㈱ 海外現地法人 (18社)   海外における多種多様な商品の売買、各種サービスの提供 (連結子会社 18社) Kanematsu USA Inc. Kanematsu (China) Co.,Ltd. Kanematsu GmbH
経営方針・対処すべき課題8,243字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 経営方針 常に時代を先取りし、果敢に新たな事業へと挑戦し続ける創業以来の開拓者精神と積極的な創意工夫を行う姿勢は、当社グループの行動指針となっております。お取引先との信頼関係を深め、事業を創造し、社会に価値ある企業となるため、当社グループの企業理念として掲げる、当社創業者である兼松房治郎による創業主意ならびに「われらの信条」(1967年制定)を経営の基本理念としております。 創業主意 「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す」 「われらの信条」 ・伝統的開拓者精神と積極的創意工夫をもって業務にあたり、適正利潤を確保し、企業の発展を図る。 ・会社の健全なる繁栄を通じて、企業の社会的責任を果し、従業員の福祉を増進する。 ・組織とルールに基づいて行動するとともに、会社を愛する精神と、社内相互の人間理解を基本として、業務を遂行する。 (2) 経営環境および対処すべき課題 当社グループは、2024年4月より3ヵ年の中期経営計画「integration 1.0」を開始しました。計画2年目の当連結会計年度は、事業活動を推進する指針としてMission、Vision、Values(MVV)を策定し、「integration 1.1」へとアップデートしました。本アップデートは、「integration 1.1」で掲げるVisionである「効率的かつ持続可能なサプライチェーンの変革をリードするソリューションプロバイダー」の実現に向けた取組みを、より力強く推進するものです。本アップデートにより、当社グループの成長の加速とともに、経営環境における課題解決を一層推進して参ります。 「integration 1.1」では、少子高齢化などに起因した「労働力不足」、ESG・SDGsなどの倫理・環境に対する社会的な要請による「持続可能性への対応」、目まぐるしく変化する時代において変化を機微に捉え迅速に対応するための「経営のスピード化」、以上の3つを対処すべき課題として認識しております。これらの課題へ取り組むことで、「integration 1.1」で掲げるVisionの「効率的かつ持続可能なサプライチェーンの変革をリードするソリューションプロバイダー」を目指します。 (基本方針および当連結会計年度末における進捗状況) 「integration 1.1」では、対処すべき課題への取組みを加速させるため、基本方針の連動性を再設計し、価値創造サイクルを確立することに注力しております。具体的には、「提供価値の拡充」を基本方針の中核に据え、その推進力として「グループ一体経営の推進」と、基盤となる「組織能力の強化」を連動させて進めて参ります。 ① 提供価値の拡充 「提供価値の拡充」では、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」「イノベーション」の提供価値を重点的に強化しております。3つの提供価値を通して、労働力不足の解消や持続可能性への対応に取り組んで参ります。当連結会計年度における主な実績は、次のとおりであります。 ・DX(デジタル・トランスフォーメーション) 日本国内におけるサイバーセキュリティ分野の技術革新と産業基盤の強化を目的として立ち上げた「日本サイバーセキュリティファンド1号(NCSF)」を通じ、セキュリティ関連企業2社への投資を実行しました。また、当社グループ会社である兼松エレクトロニクス㈱を通じて、ICT分野における高度な専門性を備えたエンジニアが多数在籍するルートリフ㈱の株式を取得し、子会社化しました。さらに、当社グループのDX推進および基幹システム刷新を担う戦略的なIT子会社として兼松シードポート㈱を立ち上げ、ビジネスとテクノロジーを融合した高付加価値なソリューション提供の体制強化を図っております。 ・GX(グリーン・トランスフォーメーション) 土壌改良とCO₂削減を同時に実現する次世代のバイオ炭「宙炭(そらたん)」を開発する企業へ出資しました。また、国産米に温室効果ガスの排出削減量を定量化・認証した環境価値(クレジット)を付与して提供するGXモデルを開始しました。このような取組みを通じて、これまで掲げていた2025年のカーボンニュートラルおよび2030年・2050年におけるカーボンネガティブ100万t-CO₂の目標を前倒しで達成し、削減貢献量の目標を100万t-CO₂から150万t-CO₂へと引き上げております。なお、当該GXに関する取組みのほか、当社のサステナビリティに関する施策については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 ・イノベーション 宇宙やモビリティなどに関する先進技術を軸とした新規事業を推進しております。宇宙分野においては、米国の宇宙開発企業や国内企業、地方自治体との連携を通じ、次世代宇宙インフラ領域での事業機会の創出に取り組んでおります。モビリティ分野では、空飛ぶクルマの社会実装を見据えた取組みを推進しており、都道府県と連携した離発着場の運用実証実験など、新たな移動手段の実現に向けた検討を進めております。 ② グループ一体経営の推進 「グループ一体経営の推進」では、各部門・グループの知識や顧客基盤などの経営資源を共有し、シナジーを創出することで、ステークホルダーの皆さまに新たな提供価値・ソリューションを創出するとともに、経営のスピード化を目指しております。 当連結会計年度においては、グループ一体経営を推進する社長直轄の組織「グループ成長戦略推進室」が中心となり、当社グループの取引先ネットワークに対して、グループ各社の強みのある事業を横断的に展開しました。同室へ各営業部門および主要グループ会社から人材を集約し、シナジー創出に向けた検討体制を強化するとともに、実際の営業現場との継続的な対話や定期的な会議体の運営を通じて、部門間・グループ会社間の連携は着実に進展しました。また、新規事業創出の面では、シリコンバレーのKanematsu Ventures Inc.との協業を通じて、将来の成長領域における投資案件を推進するとともに、議論を深化させました。 ③ 組織能力の強化 「組織能力の強化」では、人材を育成するとともに、共通の組織文化・価値観および行動指針の浸透を図ることで、組織能力を高めております。加えて、最大の資産でありながら個人の経験の中に埋もれがちであった従業員一人ひとりの経験やノウハウを、組織全体で共有できる資産として活用できる仕組みを構築しております。これにより、組織における判断基準や優先順位を明確化することで、意思決定や業務推進のスピード化とソリューション提供力の向上を図っております。 当連結会計年度においては、組織全体が同じ目標を目指し、将来にわたり大きな提供価値を創出するための羅針盤として、「MVV」を策定しました。「MVV」は、当社の企業理念(創業主意・われらの信条)のもと、未来志向で当社グループを一つの方向にまとめる象徴であり、ステークホルダーの皆さまや社会の期待に応える事業活動を推進する指針と価値観を明文化したものです。当社の存在意義(Mission/ミッション)、将来の目指す姿(Vision/ビジョン)、社員が共有する価値観・行動指針(Values/バリュー)、これらに基づく取組みを通じて、持続的な企業価値の向上を目指します。 ④ 人的資本の強化・経営機能の強化 「人的資本の強化」「経営機能の強化」では、人材戦略と経営戦略を連携させ、経営目標を人材の力で確実に達成するための体制整備を進めております。「人的資本の強化」では、当社グループの社員が保有する知識・スキル・経験など、付加価値を生み出す人的リソース(人的資本)の向上に取り組んでおります。「経営機能の強化」では経営の意思決定の迅速化・高度化、ガバナンスの強化に加え、グループの経営資源の最適配分などを推進しております。 当連結会計年度においては、社員の会社への共感・意欲(エンゲージメント)の可視化を目的にエンゲージメントサーベイを実施し、現状把握と改善策の検討を行いました。サーベイ結果を基に、個人の意見を会社の更なる成長や改善に繋げるべく、対話型のAIが社員の潜在的な課題を引き出して組織の強みや課題を可視化して打ち手を導き出す「コンストラクティブフィードバック」を導入し、社員とマネジメントの間での建設的な議論を促進させております。また、経営の重点施策であるDX推進を目的としたDX研修やITパスポート取得推奨制度、キャリアマッチング制度などを通じた人材の強化と最適配置に加え、健康経営優良法人2026(大規模法人部門「ホワイト500」)に2年連続で認定されるなど、社員の能力向上と働きやすい環境づくりを進めております。さらに、取締役会における建設的な議論の促進などを通じ、効率的な組織運営にも取り組んでおります。 これら一連の取組みとともに、中長期的な「株主価値の向上」に向けた取組みの一環として、株式分割を実施しました。本施策は、投資単位の引下げにより投資しやすい環境を整え、株式の流動性向上および投資家層の拡大を図ることを目的としております。このような資本政策を通じて、資本市場における評価の向上を図り、今後も中長期的な株主価値の向上を目指して参ります。 以上のような取組みや施策を進め、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は325億23百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は17.0%となり、投下資本利益率(ROIC)は9.1%となりました。 (定量目標) 中期経営計画「integration 1.1」における定量目標は次のとおりであり、中長期的な株主価値向上の実現へ取り組んでおります。 「integration 1.1」 最終年度 (2027年3月期)目標   2026年3月期実績 連結当期利益(注)   350億円   325億円 ROE   16%~18%程度   17.0% ROIC   8%以上   9.1% ネットDER   1.0倍程度   0.45倍 (注)連結当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を億円未満切り捨てで表示しております。 (資本配分方針) 安定的な基盤事業と成長事業からの営業キャッシュ・フローを基に、更なる株主還元と成長投資を実行して参ります。 キャッシュ・インは、中期経営計画「integration 1.1」の3年間においては、(調整後)営業キャッシュ・フロー(会計上の営業キャッシュ・フロー ± 運転資本増減 - リース負債の返済)および資産入替えによる調達により得られる資金を、累進配当による株主還元、ICTソリューションを中心とするDX関連投資、強みを有する事業分野(GXを含む。)などへの投資、基盤事業の持続的運営と発展へ配分する方針としております。 (今後の見通し) 翌連結会計年度においては、米国の通商政策やそれを受けた各国・地域の対応に加え、地政学的リスクの継続、各国の金融政策運営を巡る不確実性などにより、先行き不透明な情勢が続くと見込まれます。日本経済は、賃上げの継続や雇用環境の改善を背景に個人消費を中心とした内需は底堅く推移することが期待される一方で、海外経済の減速や為替動向、利上げの動向、資源・エネルギー価格の変動などが下押し圧力となる可能性があり、景気の回復は緩やかなものにとどまる見込みです。 2027年3月期の業績見通しについては、収益1兆1,000億円、営業活動に係る利益540億円、税引前利益500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益350億円を見込んでおります。 2026年3月期実績   2027年3月期見通し 連結当期利益(注)   325億円   350億円 配当性向(総還元性向)   32.2%   33.3% (注)連結当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を億円未満切り捨てで表示しております。 セグメントの業績見通しおよび成長戦略は、次のとおりであります。 ICTソリューション 事業拡大や競争力強化を目的としたDXや重要性の高まるサイバーセキュリティ強化など、防衛・半導体関連を中心とした企業のデジタル投資需要は旺盛で、引き続き好調な推移が予想されることから、収益は1,150億円、営業活動に係る利益は163億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は110億円を見込んでおります。 技術革新とビジネスニーズの変化が速いビジネス環境の中で、兼松エレクトロニクス㈱を中心に、成長市場の動向を把握するとともに適切なソリューションを導入することで事業を拡大させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。 ・強固な顧客基盤と技術力に裏打ちされたマルチベンダーとしての強みを活かした、ITインフラ基盤の設計、構築から保守、運用まで一貫したサービスをワンストップで提供。 ・「セキュリティ」を中心とした当社グループ独自の「as a Service」を提供するサービスビジネスの更なる拡販。 ・当社グループの幅広い業種・業態の顧客基盤に対するクロスセルと顧客課題に応じたソリューションの提供。 電子・デバイス モバイル事業は、販売網の拡大などによる販売台数の増加といった成長要因は一巡したものの、直営店舗の拡大や法人向け事業の拡大などを背景に底堅い推移を見込んでおります。加えて、半導体部品・製造装置事業および電子機器・電子材料事業は、半導体関連分野における需要拡大も見込まれることから、セグメント全体では、収益は3,100億円、営業活動に係る利益は169億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は114億円を見込んでおります。 業界再編や法改正による販売体制の変化などの影響を受けるモバイル事業や、高い性能を備えた製品とグローバルな市場展開が求められる半導体部品・製造装置事業などは、複数の要因を受けやすいビジネス環境の中で、高度な技術革新の追求に加え、製品販売のみならずソリューション提供へ発展させることにより事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。 ・全国販売ネットワークを活用し、モバイル関連商品の販売から管理、運用、回収までのトータルサービスを提供するとともに、SaaSなどのリカリングサービス、インターネットを介した各種ソリューションサービスなど、幅広いサービスの展開とソリューション提供。 ・半導体装置や半導体製品、電子部品・材料、プリンター、バッテリーなどを含むエレクトロニクス・IT産業全般において、革新的なソリューションと高度な技術力を組み合わせたグローバルな事業展開。 食料 食品事業は、飲料原料などの取引が引き続き堅調なことに加え、畜産事業および食糧事業についても概ね当連結会計年度並みに推移する見通しであることから、セグメント全体では、収益は3,600億円、営業活動に係る利益は89億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は54億円を見込んでおります。 食品事業は、消費者の人口動態やライフスタイル、健康志向などの価値観の変化、オンライン販売の拡大など、市場ニーズが多様化し、また、海外市場の成長を見込むビジネス環境にあり、マーケットインによるグローバルなアプローチで成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。 ・「食の安全・安心」をテーマに、メーカーの視点で原料の調達から製品加工までの一貫供給体制を構築。 ・農産物、水産物、コーヒー、飲料・酒類、調理食品など幅広い商品ラインナップで市場の多様なニーズに対応。 ・顧客のニーズを先取りした市場性の高い原料や製品の開発推進や、市場が拡大するインドネシアなどアジア諸国におけるバリューチェーンの横展開を通じたビジネス拡大。 畜産事業は、安定供給を目的とした海外サプライヤーの確保および特にアジアを中心とした海外市場の成長を背景に、国内外のビジネスパートナーとの信頼関係の維持・深化により事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。 ・原料から畜産加工品まで幅広い商品群を取り扱い、加工・物流機能を組み合わせ、顧客ニーズに合った付加価値の高い商品とソリューションの提案。 ・商品の安定確保を目的とした、国内外のパートナー企業との提携・出資によるバリューチェーン(生産・加工・物流・販売)の横展開と強化。 食糧事業は、年々、世界的な穀物需要は増大する一方、天候リスクや地政学的リスクなどにより安定供給へのリスクが高まっております。これらの課題を機会と捉え、供給においては、産地の多様化、持続的な生産体制の構築、生産性向上のためのデジタル化などを進めて参ります。需要においては、日本市場に加えて中国・アセアン市場への参入を進めて参ります。 また、持続的生産体制の構築において、魚粉・魚油などの水産養殖原料については、近年、特に資源管理や環境負荷に配慮した原料の供給が求められており、各種認証プログラムへの参画を含め供給体制の強化に力を入れております。 鉄鋼・素材・プラント 鋼管事業は、原油価格の上昇を背景とした米国における石油・天然ガス採掘活動の活発化により、需要は徐々に回復に向かうものと見込んでおります。また、原油価格の変動の影響を受けたエネルギー事業についても、当連結会計年度からの回復を見込んでおり、セグメント全体では、収益は1,800億円、営業活動に係る利益は57億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は32億円を見込んでおります。 GXに代表される世界的な環境問題への意識の高まりの影響を受けるビジネス環境にあり、顧客の「脱炭素」への様々な支援により事業を成長させて参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。 ・社会インフラを支える部門として、幅広い分野において高い専門知識を備えた人材による、GXを中心としたバリューチェーンへのソリューションの提供。 ・サーキュラーエコノミーの実現に向けた持続可能な原料・素材や環境配慮商品の取扱い。 車両・航空 航空宇宙事業は、航空業界や宇宙・防衛産業の需要の増加を見込んでおります。車両・車載部品事業は、部品などを中心に底堅い需要が見込まれ、また、工作機械・産業機械事業についても当連結会計年度並みに推移する見通しです。セグメント全体では、収益は1,300億円、営業活動に係る利益は62億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は41億円を見込んでおります。 次世代モビリティや空飛ぶクルマ、ドローンの普及、モビリティ関連製品全般の軽量化や電動化などの技術革新による脱炭素化の動きも加速するビジネス環境にあり、新たなモビリティ事業の創造で事業を成長させて参ります。また、民間宇宙産業の勃興に伴い、地球低軌道を利用した商用宇宙ステーションの事業開発などにも取り組んで参ります。具体的な戦略は、次のとおりであります。 ・「環境」「安全」「快適」をテーマにし、次世代モビリティや素材、宇宙、データビジネスなどの領域で事業創造を推進。 ・幅広い製品ラインナップと様々な機械関連サービス、さらに環境ビジネスから海外進出支援までをカバーし、顧客の多様なニーズにお応えするエンジニアリング・ソリューションの提供。 (業績見通し算定にあたっての前提条件) ・為替レート : 1米ドル=150円 ・金利水準 : 円金利:上昇を見込む 外貨金利:下落を見込む (注意事項) 上記の見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
事業等のリスク6,487字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループは、グローバルで幅広く事業活動を行っているため、市場リスク・信用リスク・投資リスクなど様々なリスクにさらされております。当社グループでは、それぞれのリスクに対して管理手法を整備し、リスクのコントロールを行っておりますが、事業を推進するうえで予測困難な不確実性を内包していることから、当社グループの財政状態や経営成績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)を積み上げて財務基盤を拡充することを基本方針としており、個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から、リスクアセット倍率の上限を定めており、リスクアセットに対する自己資本の規模の妥当性を検証し、取締役会および経営会議に定期的に報告しております。 しかしながら、これらのリスクを完全に排除することは困難なため、事業の状況、経理の状況等に記載した事項のうち、有価証券報告書提出日現在において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると経営者が認識している主なリスクは、次のとおりであります。 (1) マクロ経済環境の変化によるリスク 当社グループは、国内外における各種商品の商取引、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業をグローバルに展開しております。このため、日本、米国、中国、欧州およびアジア新興国や世界経済全般の景気が減速した場合、需要の停滞による売上減少や市場価格の大幅な落ち込みなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループが認識しているマクロ経済環境は「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。 (2) 市場リスク 当社グループにおいて、営業取引に付随する為替変動リスク、金利変動リスクおよび取扱商品の価格変動リスクは多くの場合、取引先等との取引条件の中でヘッジしております。あわせて、為替・商品やそれらの派生商品について、社内組織単位および会社ごとにリスク量と収益を勘案のうえ、ポジション枠(限度枠)と損失限度額を定め、これらの限度を超えた場合には速やかにポジションを縮減する体制を整備しております。また、ヘッジ手段として派生商品を活用することで、これらのポジションの価格変動リスクを軽減させております。これらのポジションの状況については、定期的に経営会議宛に報告され、ポジション枠を超過している場合は、速やかにその内容を分析のうえ、縮減させております。 なお、それぞれのリスクが一定の前提の中で変動した際に当社グループの経営成績に与える影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記30 金融商品 (5) 市場リスク管理」に記載しております。 ① 為替変動リスク 当社グループは、輸出入取引などに付随して、様々な通貨・条件での外国通貨取引を行っており、これらの為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ取引を行っております。 また、当社グループは海外に現地法人や事業会社を有しており、連結財務諸表上それらの会社の残高は期末日の為替レートにて換算されるため、為替レートの変動により在外営業活動体の換算差額を通じて、親会社の所有者に帰属する持分を増減させる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 金利変動リスク 当社グループは、営業活動や財務活動に係る資金の大半を金融機関からの借入金により調達しており、これらの借入金の一部は変動金利となっております。これらの借入金や資金運用については金利変動リスクがあり、金利上昇によって支払利息が増加する可能性があります。 ③ 取扱商品の需給・価格変動リスク 当社グループの主たる事業である国内外での商品売買取引においては、市況の影響を受ける穀物・畜産物・石油製品等の取扱いがあります。一部の相場商品は商品先物取引を利用し価格変動リスクの軽減を図っておりますが、これらの商品ポジションが拡大した場合に、商品相場の乱高下や需要の減少等によって、予期しない損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 市場性のある有価証券等の価格変動リスク 当社グループは、取引先との関係強化などの目的で有価証券を保有することがあります。これらには株価変動リスクが存在し、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動により、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 信用リスク 当社グループは、国内外の取引先と多様な商取引を行う中で売掛金、前渡金、貸付金、保証その他の様々な形態での信用供与を行っており、取引先の財政状態の悪化などにより、回収遅延や債務不履行などが発生する可能性があります。また、商品供給契約、請負契約、業務委託契約等の締結・履行においては、理由の如何を問わず、取引先の債務不履行や契約不履行が発生した場合に、金銭的損失を伴う履行責任を負う可能性があります。これらの損失負担については、会計上、一定の見積りを用いて引当金の設定を行っておりますが、結果として損失が引当金の範囲を超え、追加的に損失が生じる可能性もあり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 国内外の取引先への信用供与を行うにあたっては、定期的に取引先の財務データやその他の情報に基づき取引先ごとに格付けを付与し、取引の内容に応じた与信種別と与信限度を設定のうえ、必要に応じて保険を付保しています。また、通常の営業取引から生じる取引与信のほか、融資、保証行為など、これらの信用供与の総額が与信限度内に収まるよう運営し、定期的に回収状況や滞留状況をモニタリングし、必要な保全策を講じることによってコントロールしておりますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。また、取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの信用リスク管理の管理手法およびその予想信用損失の測定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記30 金融商品 (3) 信用リスク管理」に記載しております。 (4) カントリーリスク 当社グループは、海外における取引や投融資を展開しており、その国の政治・経済情勢に起因する代金回収の遅延や不能が生じる可能性があります。こうしたカントリーリスクの顕在化による損失を極小化するため、定期的に各国・地域ごとのカントリーリスクの大きさに応じた格付けを付与したうえで限度額を設定し、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避けるべく運営しております。格付けや案件の内容に応じて貿易保険の付保などによる回収リスクの回避策も講じておりますが、実際に特定の国・地域においてこれらのリスクが顕在化した場合には、当該事業および取引の継続が困難となり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループにおける各国・地域に対する外部顧客からの収益および非流動資産の金額は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報 (4) 地域別情報」に記載しております。 (5) 事業投資等のリスク 当社グループは、中期経営計画「integration 1.1」の資本配分方針において、安定的な基盤事業と成長事業からの営業キャッシュ・フローをもとに、成長投資を実行することを目標に掲げております。 これら事業投資等の実行にあたっては、投資基準を定め強みのある事業分野への投資を主として、投資目的・内容およびキャッシュ・フローをベースにした事業の採算性と様々なリスク要因の評価・分析等を踏まえた審議を各職能部門が行い、一定規模以上の重要な案件については案件審議会での審議を行っております。また、事業撤退の基準も定めたうえで、投資実行後も定期的に案件審議会において、その事業性と投資価値の評価・見直しを行うことで、損失の極小化に努めております。しかしながら、投資先の財政状態や事業の成否によって、投資価値が変動する可能性があります。 また、現地の法令やパートナーなどとの関係において、当社グループの方針どおりに事業展開あるいは撤退ができない可能性もある中、投資の一部または全部が損失となる、あるいは追加資金拠出が必要となるリスクがあり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 固定資産に関する減損リスク 当社グループが保有する有形固定資産、のれんおよび無形資産は減損リスクにさらされております。対象資産の資産価値が減少した場合、必要な減損処理を行うため、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、中期経営計画「integration 1.1」において事業投資による成長を掲げており、企業結合に伴うのれんおよび識別可能な無形資産の金額が、今後増加する可能性があります。 対象となる固定資産および使用権資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記9 有形固定資産」および「同 注記10 のれんおよび無形資産」に記載しております。また、認識した減損損失については、「同 注記22 減損損失」に記載しております。 (7) 資金調達に関するリスク 当社グループは、事業資金を国内外に所在する金融機関からの借入金および社債等により調達しております。金融機関との良好な取引関係の維持およびアセット・ライアビリティ・マネジメントに努め、資産の内容に応じた調達を実施することで流動性リスクの最小化を図っておりますが、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。 なお、当社グループの資金調達の状況については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記15 社債及び借入金等」および「同 注記30 金融商品 (4) 流動性リスク管理」に記載しております。 (8) 法令変更等に関するリスク 当社グループの国内外における事業活動は、日本および諸外国における広範な法規制の対象となっております。これらの遵守には最大限の注意を払っておりますが、予期し得ない各種法令等の変更、国際政治・情勢等の変化によって一方的に実施される懲罰的関税措置を含む輸出入規制および商品販売・取扱いに係る許認可等の規制変更などにより、当該取引を継続できなくなる可能性ならびに訴訟や当局の命令などから予期せぬ費用が発生する可能性があります。この中には、国際課税における当局や国家間の取決めおよび税率の変更による税務リスクも含まれており、これら法規制の変更は当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 訴訟・係争等に関するリスク 当社グループが国内外で事業活動を行うにあたっては、その営業活動や事業運営上の資産・負債等が様々な形で、訴訟等の法的手続上の、あるいはその他の係争の対象となることがあります。これらの訴訟・係争等の発生は予測困難であり、またそのような訴訟・係争等が発生した場合において、その解決には相当の時間を要することが多く、結果を予想することには不確実性が伴います。このような訴訟・係争等が発生し、予期せぬ結果となった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループにおける訴訟・係争等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記33 偶発債務」に記載しております。 (10) 法令遵守・不正行為に関するリスク 当社グループは、多岐にわたる商品・サービスを国内外で売買・提供する事業を営んでおり、その商品・サービスに対して我が国を含む世界各国で制定、施行されている安全保障貿易管理関連法令など輸出入関連法規をはじめとする各種法令および規則に最大限の注意を払って事業を行っております。 各種の法規制や規則遵守に関して、コンプライアンス委員会が法令遵守体制の整備・運用状況についての定期的なレビューを行うとともに、突発的に発生する諸問題に対応しております。しかしながら、複数の当事者を介して行う各種取引オペレーションにあたって、常に完全な手続を実施することは難しく、複数の予防的措置を講じているにもかかわらず、結果として法令違反や不正行為を見逃し、それらの違反や不正行為が重大なものであった場合には当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、情報共有や業務の効率化、事業の拡大発展のために情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保のため、情報セキュリティ管理に関する規程を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかしながら、年々サイバー攻撃の手法が巧妙化し、件数も増加する中、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による企業機密情報・個人情報の漏洩、更には、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 自然災害等に関するリスク 当社グループは、国内外における地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症等の感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの社員ならびに事業所、倉庫、工場などの設備機器、システム等といった資産が影響を受け、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。また、国内外に保管中または輸送中の貨物を有しており、これらの保有する資産が自然災害や偶発的事故等によって毀損・劣化する可能性に加え、地震・火災・洪水・暴動等により事業が中断する可能性があります。当社では、社員の安否確認システムの導入、災害マニュアルおよびBCP(事業継続計画)の策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む。)、防災訓練、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じておりますが、被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 気候変動、社会・環境問題に関するリスク 当社グループは、国内外の幅広い分野で事業活動を行っており、気候変動や人権の尊重など、深刻化する社会・環境問題等の影響を受け、事業の継続に制限を受ける可能性があるほか、当社グループの事業に起因した環境汚染や労務問題等が発生した場合、事業の停止、汚染除去費用や損害賠償費用の発生、社会的評価の低下につながる可能性があります。 企業活動にあたっては、注力すべき重要課題(市場の変化への対応、地域社会との共生、地球環境への配慮、ガバナンスの充実、人権の尊重、人材育成・ダイバーシティの推進)を設定・周知するとともに、サステナビリティ推進委員会を設置し主体的に課題解決を行う体制を構築しておりますが、予期せぬ事案の発生により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,656字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、緩やかな回復基調を維持したものの、米国の通商政策を巡る不透明感や中東情勢の緊迫化を含む地政学的リスクの長期化、各国の金融政策運営を巡る不確実性などを背景に、総じて不透明な状況が続きました。 米国では、関税政策の拡大による物価上昇圧力が継続する中、個人消費は底堅く推移した一方、各種政策の不透明感や金利水準の高止まりなどを背景に、企業の設備投資や在庫投資に慎重な動きが見られ、景気は緩やかな減速基調で推移しました。 欧州では、雇用環境の改善を背景に個人消費は一定の底堅さを維持したものの、外需の伸び悩みや域内政治情勢の不安定化などが景気の下押し要因となり、力強さを欠く展開となりました。 中国では、不動産市場の調整が長期化する中、政策による下支えは見られたものの、外需の減速や企業・家計の慎重姿勢が継続し、景気は総じて低調に推移しました。 日本経済は、賃上げの定着や雇用環境の改善を背景に個人消費は持ち直したものの、利上げや円安、エネルギー価格の高騰によるコスト負担に加え、海外経済の減速や米国の通商政策の影響などを受け、景気回復のペースは緩やかなものにとどまりました。 このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、次のとおりとなりました。 国内鉄鋼子会社の売却に加え、エネルギー事業が低調に推移した一方、モバイル事業、ICTソリューション事業、畜産事業などの取引が好調に推移し、増収となりました。また、前期にのれんの減損損失を計上した電子機器・電子材料事業および鋼管事業などが増益となりました。 その結果、収益は、前連結会計年度比167億29百万円(1.6%)増加の1兆676億65百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度比139億7百万円(9.0%)増加の1,689億14百万円となりました。営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の伸長により、前連結会計年度比66億12百万円(15.7%)増加の486億63百万円となりました。税引前利益は、持分法による投資損益の良化などにより、前連結会計年度比89億24百万円(23.3%)増加の471億57百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比50億54百万円(18.4%)増加の325億23百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は、17.0%、投下資本利益率(ROIC)※は、9.1%となりました。 ※ROIC = 当期利益 ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本) ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが576億63百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが119億29百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが469億円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は584億18百万円となり、前連結会計年度末比16億39百万円の増加となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入の積上げなどにより、576億63百万円の収入(前連結会計年度は583億29百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や子会社の取得を含む事業投資の実行などにより、119億29百万円の支出(前連結会計年度は13億63百万円の収入)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金およびリース負債の返済や配当金の支払いなどにより、469億円の支出(前連結会計年度は546億58百万円の支出)となりました。 ③ 仕入、成約及び販売の実績 (ⅰ) 仕入実績 仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。 (ⅱ) 成約実績 成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。 (ⅲ) 販売実績 「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報」に記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債、偶発資産・偶発負債の開示および報告期間における収益・費用の金額を認識する際に、必要に応じて会計上の見積りおよび仮定を用いることが必要となります。この会計上の見積りや仮定は、決算日時点で入手可能な合理的な情報等に基づき設定しておりますが、不確実性を伴うため、その変動により将来の実績との間で差異が生じる可能性があります。 当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記2 作成の基礎」および「同 注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。 収益 収益は、電子・デバイスセグメント、ICTソリューションセグメントを中心に前連結会計年度比167億29百万円増加の1兆676億65百万円となりました。 売上総利益 売上総利益は、電子・デバイスセグメントを中心に前連結会計年度比139億7百万円増加の1,689億14百万円となりました。 営業活動に係る利益 営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の伸長により、前連結会計年度比66億12百万円増加の486億63百万円となりました。 税引前利益 税引前利益は、持分法による投資損益の良化などにより、前連結会計年度比89億24百万円増加の471億57百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益 税引前利益から法人所得税費用139億7百万円を控除した結果、当期利益は332億49百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比50億54百万円増加の325億23百万円となりました。 財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比436億72百万円増加の7,330億9百万円となりました。 有利子負債については、前連結会計年度末比240億54百万円減少の1,548億47百万円となりました。現預金を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末比257億23百万円減少の946億13百万円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めておりません。 資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分については、親会社の所有者に帰属する当期利益の積上げなどにより、前連結会計年度末比344億49百万円増加の2,083億91百万円となりました。 その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は28.4%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.45倍となりました。 親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE) 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)2,083億91百万円に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益325億23百万円となったため、ROEは前連結会計年度末比0.5ポイント上昇の17.0%となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 ICTソリューション 防衛産業や半導体分野などの製造業向けのストレージやサーバー、流通業向けのネットワークに加え、サービス、セキュリティの需要が好調に推移したことにより、収益は前連結会計年度比112億43百万円増加の1,107億71百万円、営業活動に係る利益は4億95百万円増加の151億74百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は3億23百万円増加の102億93百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。ICTソリューション事業は、人件費などの経費が増加した一方、セキュリティ関連の案件や、製造業向けを中心としたネットワークやストレージ関連の案件が堅調に推移しました。 電子・デバイス モバイル事業や電子機器・電子材料事業が好調に推移したことにより、収益は前連結会計年度比355億22百万円増加の3,068億95百万円、営業活動に係る利益は47億34百万円増加の161億29百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は38億85百万円増加の109億16百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。モバイル事業は、販路拡大の効果もあり販売台数が増加したことに加え、法人向け事業の伸長もあり、好調に推移しました。電子機器・電子材料事業は、M&Aの効果などにより、好調に推移しました。半導体部品・製造装置事業は、堅調に推移しました。 食料 畜産事業が好調に推移したことにより、収益は前連結会計年度比13億30百万円増加の3,588億66百万円、営業活動に係る利益は10億2百万円増加の88億44百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億11百万円増加の53億74百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。食品事業は、飲料原料を中心とした取引が好調に推移しました。畜産事業は、牛・豚肉からの需要シフトを背景に鶏肉取引が順調に推移したことに加え、持分法投資損益の改善により、好調に推移しました。食糧事業は、輸入米や食品大豆などの取引が好調に推移しました。 鉄鋼・素材・プラント エネルギー事業が低調に推移したことや、昨年好調だったプラント事業の反動減などにより、収益は前連結会計年度比290億22百万円減少の1,693億86百万円、営業活動に係る利益は3百万円減少の35億21百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は14億70百万円減少の25億45百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。鉄鋼・鋼管事業は、国内鉄鋼子会社の売却益などにより、のれんの減損損失を計上した前期比で好調に推移しました。エネルギー事業は、原油価格の高騰に伴い、先物取引に係る評価損などを計上し、低調に推移しました。プラント事業は、前期に比べODA案件数が減少したことにより、低調に推移しました。 車両・航空 前期に好調に推移した航空・艦船向けエンジン部品関連取引の反動減などにより、収益は前連結会計年度比20億67百万円減少の1,198億45百万円となりました。一方、航空機機体部品取引が好調に推移したことに加え、車両・車載部品事業、工作機械・産業機械事業が底堅く推移したことにより、営業活動に係る利益は5億33百万円増加の53億35百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は3億64百万円増加の35億48百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。工作機械・産業機械事業は、期末にかけて、防衛・半導体関連を中心とした需要増により、好調に推移しました。航空宇宙事業は、概ね前期並みに推移しました。また、車両・車載部品事業は、概ね前期並みに推移しました。 その他 収益は前連結会計年度比2億78百万円減少の18億99百万円、営業活動に係る損失は1億13百万円悪化の3億19百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は61百万円増加の34百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容および資本の財源および資金の流動性についての分析 キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 資金調達 当社グループは、中期経営計画「integration 1.1」の基本方針のひとつに掲げる「株主価値の向上」を実現するために必要な、低コストで安定的な資金調達を基本方針として資金調達活動に取り組んでおります。 当社グループの資金調達については、各取引銀行、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースとしております。また、長期資金の調達手段のひとつとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。 これらの円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社グループに対する格付け(長期)は、JCRがA(安定的)、R&IがA-(安定的)となっております。 加えて、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有するほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しており、当連結会計年度末における流動比率は141%となりました。 連結ベースでの効率的な資金調達を実施するために、国内主要関係会社の資金調達を親会社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は73%と、資金調達の大半を親会社に集中しております。 このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末におけるグロス有利子負債残高は1,548億47百万円で、前連結会計年度末と比べ240億54百万円減少いたしました。現金及び現金同等物の残高が前連結会計年度末に比べ増加したため、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は946億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ257億23百万円減少いたしました。その結果、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.45倍となりました。 また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は74%(当社では99%)であり、長期資金を中心とした資金調達により、安定した調達基盤を維持しております。 配当性向(総還元性向) 当社グループは、中期経営計画「integration 1.1」期間の中で、年間配当金の下限を定め、配当性向(総還元性向)30~35%を目途に、累進配当を実施しております。中期経営計画「integration 1.1」2年目となる2026年3月期は、1株当たり57.5円(株式分割前)の中間配当を実施し、期末配当は34.25円といたしました。なお、株式分割を考慮した場合の年間配当金は63円となります。累進配当の方針に基づき、2027年3月期以降の下限配当を63円に引き上げております。今後も、親会社の所有者に帰属する当期利益の成長に応じて増配を行う方針であり、これを達成するために、創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関や資本市場から調達する財務キャッシュ・フローを重点分野への成長投資に充てるとともに、安定的かつ継続的に株主還元を実施し、資本の効率性と財務バランスにも目を配って参ります。 なお、当連結会計年度における配当性向(総還元性向)は32.2%となりました。 (注)当社は、2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。 (注意事項) 上記の見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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開示資料

出典

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  • 決算説明資料2027年3月期 第1四半期 決算補足説明資料2026-08-04

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