本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

スズケン

SUZUKEN CO.,LTD.9987 · Prime · 卸売業

医薬品卸売国内最大手。調剤薬局・介護、スペシャリティ医薬品流通受託など医療周辺サービスを総合展開。

概要

スズケンは、名古屋市に本社を置く医薬品卸売事業を主力とする企業である。医療用医薬品を全国の病院・診療所・調剤薬局へ供給するネットワークを持ち、連結売上高2.4兆円規模、従業員数約1.3万人。子会社を通じて医薬品製造、保険薬局運営、スペシャリティ医薬品流通受託、物流サービスなどヘルスケア領域全体に事業を広げている。

売上高の約9割を占める医薬品卸売事業

スズケンの売上高の大部分は医療用医薬品の卸売事業で構成される。連結売上高2兆4,866億円(2026年3月期見込み)のうち、卸売事業が単体で2兆円超を占める。取扱品目は医療用医薬品に加え、診断薬、医療機器・材料に及び、全国の医療機関や調剤薬局へ供給する。事業は子会社のサンキ、アスティス、翔薬、スズケン沖縄薬品、ナカノ薬品、スズケン岩手、エス・ディ・ロジとともに展開され、広域ネットワークで安定供給を実現している。収益構造は仕入と販売の差益(マージン)が中心だが、2026年3月期から始まる中期経営計画では、機能提供によるフィービジネスの拡大を掲げ、収益源の多様化を進めている。

全国8カ所の物流センターと首都圏・中部圏の新拠点

スズケンは物流基盤を重視し、全国に複数の大型物流センターを配置している。1997年に愛知県江南市に江南物流センターを開設後、2005年埼玉県戸田市に戸田物流センター、2007年兵庫県神戸市に阪神物流センター、2010年神奈川県寒川町に神奈川物流センター、同時期に千葉県印西市に千葉物流センター、2011年宮城県大和町に宮城物流センターを相次いで稼働させた。2024年4月には埼玉県草加市に最新ロボット技術を導入した「首都圏物流センター」を開設し、製造業務受託・メーカー物流エリアを併設した業界初の拠点とした。さらに2025年5月には愛知県春日井市に「中部圏物流センター(仮称)」の用地を取得し、2027年10月着工を予定している。これらの拠点により、自動化・省人化、輸送コスト低減、GDP基準準拠、CO2排出削減、BCP強化を図っている。

38社の子会社と5つのセグメントで構成されるグループ

スズケングループは、単体のほかに連結子会社38社、関連会社10社で構成される。事業は5つのセグメントに区分される。医薬品卸売事業が中核で、その他にヘルスケア製品開発事業(三和化学研究所による医薬品・診断薬の研究開発製造、ケンツメディコによる医療機器製造)、地域医療介護支援事業(ユニスマイルによる保険薬局チェーン、サンキ・ウエルビィ等による介護サービス、メディケアコラボによる医療介護連携支援)、スペシャリティ医薬品流通受託事業(エス・ディ・コラボがバイオ医薬品等のコールドチェーン管理や患者サポートを一括受託)、医療関連サービス等事業(中央運輸による医薬品メーカー物流受託、コラボスクエアによるデジタルヘルスサービス)である。従業員数は連結で12,717人(2026年3月期)に上る。

中期経営計画「第3の創業」で次世代卸へ進化

スズケンは2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画を「第3の創業」と位置づけ、既存の卸概念を超えた「次世代卸」への進化を目指している。数値目標として、2029年3月期に連結売上高2.7兆円以上、ROE7.0%以上(資本コスト6.0%以上)、経常利益率連結1.5%以上、卸売事業セグメント1.0%以上を掲げる。3カ年累計で600億円以上の投資を行い、株主還元としてDOE3.0%への引き上げ、総還元性向100%を基準とする。また、サステナビリティ目標としてCO2排出量(Scope1+2)2030年度までに2020年度比40%削減、女性管理職比率20%以上、男性育児休業取得率100%継続を設定している。政策保有株式の縮減も計画し、2029年3月期に連結純資産額の10%以下とする。

業界の中での役割は医薬品卸売大手(医療機関向け)兼、医療・ヘルスケア関連サービスの包括提供企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.5兆円
営業利益
364億円
営業利益率
1.5%
純利益
381億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
医療用医薬品2.1兆円85.7%
その他3,559億円14.3%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01医薬品卸売事業主力

医療用医薬品、診断薬、医療機器・材料を全国の病院・診療所・薬局に販売。子会社(サンキ、アスティス等)と共に広域ネットワークで供給。

主な製品・サービス2
医療用医薬品卸売
病院・診療所向けに医薬品を販売。在庫管理・配送まで一貫。
診断薬、医療機器・材料販売
体外診断薬や検査機器、医療材料等の販売も行う。

02ヘルスケア製品開発事業準主力

子会社(三和化学研究所)が医療用医薬品・診断薬の研究開発・製造・販売を、ケンツメディコが医療機器・材料の製造販売を担う。

主な製品・サービス2
医療用医薬品(三和化学研究所)
後発医薬品等の開発・製造・販売。
医療機器・材料(ケンツメディコ)
手術用器具等の医療機器の製造販売。

03地域医療介護支援事業準主力

保険薬局チェーン(ユニスマイル)、介護サービス(サンキ・ウエルビィ等)を運営。医療介護連携支援(メディケアコラボ)も行う。

主な製品・サービス2
保険薬局(ユニスマイル)
処方箋調剤を行う保険薬局を全国展開。
介護サービス
訪問介護、デイサービス等の介護保険サービスを提供。

04スペシャリティ医薬品流通受託事業副次

子会社(エス・ディ・コラボ)が、高価格・高管理が必要なスペシャリティ医薬品の流通全般をメーカーから受託。

主な製品・サービス1
スペシャリティ医薬品流通受託
バイオ医薬品等のコールドチェーン管理を含む在庫管理・配送・患者サポートを一括受託。

05医療関連サービス等事業副次

医薬品メーカー向け物流受託(中央運輸等)、デジタルヘルスケアサービス、その他メーカー支援サービスを提供。

主な製品・サービス2
医薬品メーカー物流受託
メーカーの倉庫管理・配送業務を代行。
デジタルヘルスケアサービス
健康管理アプリ等のデジタルサービスを提供。

製品と技術

医療用医薬品の全国配送ネットワーク

スズケンの中核事業は、医療用医薬品の卸売である。取扱品目は後発医薬品を含む幅広い医薬品で、病院・診療所・調剤薬局へ供給する。配送はグループ会社のエス・ディ・ロジや各物流センターが担い、温度管理が必要な医薬品にはコールドチェーン対応の物流網を整備している。特にスペシャリティ医薬品(バイオ医薬品等)の流通では、子会社エス・ディ・コラボが在庫管理・配送・患者サポートを一括受託するサービスを提供。高価格・高管理が求められる製品に対応するため、トレーサビリティシステム「キュービックス」を全国の中核病院に導入し、流通品質の向上を図っている。

三和化学研究所による医薬品・診断薬の開発・製造

ヘルスケア製品開発事業の中核である株式会社三和化学研究所は、1953年設立の医薬品メーカーで、スズケンが1990年に過半数株式を取得した。主に後発医薬品、診断薬の研究開発・製造・販売を行う。診断薬では体外診断用医薬品や検査機器を手掛け、病院・検査センター向けに供給する。また、ケンツメディコ株式会社が医療機器・材料(手術用器具等)の製造販売を担い、グループ内で製品開発から卸売まで一貫したバリューチェーンを形成している。

ユニスマイルの保険薬局チェーンと介護サービス

地域医療介護支援事業では、株式会社ユニスマイルが全国に保険薬局チェーンを展開する。調剤薬局として処方箋調剤を行うほか、在宅医療への対応も行う。介護分野では、サンキ・ウエルビィ株式会社と株式会社エスケアメイトが訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを提供する。さらに、株式会社メディケアコラボが医療機関と介護施設の連携を支援するサービスを展開し、地域包括ケアシステムの一端を担っている。

医薬品メーカー向け物流受託とデジタルヘルスサービス

医療関連サービス等事業では、中央運輸株式会社が医薬品メーカー向けの倉庫管理・配送業務を代行する。エス・ディ・コラボも同様にメーカー物流受託を行い、スペシャリティ医薬品のコールドチェーン管理も兼ねる。デジタルヘルス分野では、株式会社コラボスクエアが医療・介護従事者向けポータルサイト「コラボポータル」を運営し、健康管理アプリなどのデジタルサービスを提供。2026年4月には医療・介護連携プラットフォーム「メディカルケアステーション」を展開するエンブレース株式会社を統合し、44万人以上の医療・介護従事者とのネットワークを構築している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

卸売業のなかでの位置

医薬品卸で国内大手、医療需要に支えられる

同社は医薬品卸売業界において、全国規模の販売網を持つ大手企業である。医療機関や調剤薬局への医薬品供給を主軸とし、安定した需要に支えられている。競合のオルバヘルスケアホールディングスやリョーサン菱洋ホールディングスが同様に卸売事業を展開する中、同社は売上高2兆円超と規模で圧倒し、業界内での存在感が大きい。しかし営業利益率は1.5%前後と低く、薄利多売の構造が続く。医療費抑制や後発品の普及が価格圧力となり、収益性改善が課題である。また、物流効率化やデジタル化によるコスト削減が不可欠で、差別化戦略が求められる。

強み

  • 売上高2兆円超で業界の大手とし、仕入れ交渉力と物流網に強み。
  • 広域配送ネットワークで医薬品を迅速に供給し、顧客満足を確保。
  • 医療費は景気に左右されにくく、安定的な需要が収益の下支えに。
  • 長年の取引で医療機関や薬局との強固な関係を構築している。

課題

  • 利益率1%台という低収益構造で、価格競争に晒されやすい。
  • 政府の薬価改定で販売価格が下がり、収益確保が難しくなっている。
  • 配送効率化が進む一方で、人件費や燃料費の増加が利益を圧迫。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

商社・卸売の時価総額近傍。太字がスズケン

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12784アルフレッサ ホールディングス4,458億円10.1倍
23941レンゴー4,327億円18.8倍
32531宝ホールディングス4,273億円35.8倍
48060キヤノンマーケティングジャパン4,104億円17.5倍
58020兼松3,821億円11.6倍
69987スズケン3,740億円9.5倍
79934因幡電機産業3,475億円14.8倍
88876リログループ3,438億円17.2倍
98129東邦ホールディングス2,921億円15.3倍
108098稲畑産業2,428億円11.7倍
119869加藤産業2,370億円14.0倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(商社・卸売)に従っています。

会社の歴史

沿革 38件

静岡で創業、名古屋に本社を移した1940年代

スズケンの起源は1946年8月、静岡県浜名郡積志村有玉に資本金180千円で設立された「株式会社鈴謙洋行」である。医薬品の卸売を目的としていた。翌1947年1月に本社を静岡県浜松市紺屋町へ移転し、同年11月には社名を「株式会社鈴木謙三商店」に変更。1948年4月に個人商店「鈴木謙三商店」の営業権を譲り受け、同年10月には本社を現在の愛知県名古屋市東区東片端町に移転した。この移転により、中部圏の拠点が固まり、後の事業拡大の基盤が築かれた。

関東・北陸へ支店展開し社名をスズケンに変更

1959年5月、関東地区の拠点として東京都世田谷区に東京支店(現・世田谷支店)を開設。1960年4月には本社に名古屋営業所(現・名古屋支店)を設置した。1962年5月には金沢支店を開設し、石川県の小林薬品株式会社の営業権を譲り受けて北陸への足がかりを得た。1964年10月、社名を「株式会社スズケン」に変更。同時に、1969年8月には株式会社愛知ミドリ十字(現・株式会社エス・ディ・ロジ)の全株式を取得し、物流子会社をグループ化した。1972年7月には株式会社スズケン沖縄の株式を過半数取得し、沖縄市場に参入している。

仙台・堺・福岡と全国に支店網を整備した1980年代

1983年9月、東北地区の拠点として宮城県仙台市に仙台支店を開設。1984年1月には大阪府堺市に堺支店を開設し、関西地区の販売網を強化。1990年3月には九州地区の福岡市に福岡支店を開設し、全国主要都市への支店網が完成した。同年9月には株式会社三和化学研究所の株式過半数を取得し、医薬品製造事業に進出。三和化学研究所は1953年設立の医薬品メーカーで、スズケンはこれにより製造元を持つ卸売企業となった。1994年1月には加藤薬品株式会社及び神弘薬品株式会社との合併を実施し、規模を拡大した。

店頭登録から上場、市場第一部へ

1994年8月、日本証券業協会に株式を店頭登録。翌1995年9月、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第二部に上場を果たした。上場後も積極的な合併を継続し、1996年3月に熊谷薬品株式会社(現・株式会社スズケン岩手)の全株式を取得、同年10月には株式会社ドーエーメディックスと合併。1997年9月には東京・名古屋両市場の第一部に指定され、企業格が向上した。1998年4月には株式会社秋山愛生舘と合併し、札幌証券取引所にも上場した。この時期に全国的な営業基盤が確立された。

2000年代に相次ぐ大型M&Aでグループを拡大

1999年10月にナカノ薬品株式会社の株式過半数を取得。2002年10月にオオモリ薬品株式会社と合併。2003年10月には株式会社安藤薬業公司と合併するとともに、株式交換により株式会社サンキを完全子会社化。2004年10月には株式会社アスティスと沖縄薬品株式会社を完全子会社化し、沖縄薬品は2005年1月に株式会社スズケン沖縄と合併してスズケン沖縄薬品となった。2006年10月には株式会社翔薬を完全子会社化。2008年3月には中国上海市に合弁会社「上海鈴謙滬中医薬有限公司」を設立し、海外事業を開始している。

物流センター建設と保険薬局・介護・スペシャリティ領域への進出

2005年10月に埼玉県戸田市に戸田物流センターを開設。2007年10月に阪神物流センター、2010年5月に神奈川物流センター、同年11月に千葉物流センター、2011年12月に宮城物流センターを開設し、物流網を全国に拡大した。事業面では、2008年10月に株式会社ファーコス(現・株式会社ユニスマイル)の株式過半数を取得し保険薬局チェーンを傘下に収めた。2009年9月には中央運輸株式会社を完全子会社化し、医薬品メーカー物流受託事業を強化。2011年10月には株式会社エスケアメイトを設立し介護事業に参入。2012年3月には株式会社SDネクスト(現・株式会社エス・ディ・コラボ)を設立し、スペシャリティ医薬品流通受託事業の基盤を築いた。

第3の創業を掲げ既存事業の変革と新事業の準備

2020年代に入り、スズケンは「第3の創業期」と位置づけ、既存の卸売事業に加え、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステム「キュービックス」の導入を進めた。2024年3月期時点で全国597軒の得意先で710台が稼働し、がん拠点病院の半数以上、国立大学病院の8割程度に導入された。2024年4月には最新ロボット技術を導入した首都圏物流センターを稼働。2026年4月にはコラボポータルを運営するコラボスクエアと医療介護連携プラットフォームのエンブレースを統合するなど、デジタルヘルス事業を強化している。

年表38件を開く

1940年代

  • 1946年8月創業医薬品の卸売を目的として「株式会社鈴謙洋行」(資本金180千円)設立、本社を静岡県浜名郡積志村有玉に設置
  • 1947年1月本社を静岡県浜松市紺屋町に移転
  • 1947年11月商号変更社名を「株式会社鈴木謙三商店」に変更
  • 1948年4月個人商店「鈴木謙三商店」の営業権を譲受け
  • 1948年10月本社を愛知県名古屋市東区東片端町に移転

1950年代

  • 1959年5月関東地区の拠点として東京都世田谷区に東京支店(現在の世田谷支店)を開設

1960年代

  • 1960年4月本社に名古屋営業所(現在の名古屋支店)を設置
  • 1962年5月金沢支店を開設し、石川県の小林薬品㈱の営業権を譲受け
  • 1964年10月商号変更社名を「株式会社スズケン」に変更
  • 1969年8月㈱愛知ミドリ十字(現・㈱エス・ディ・ロジ、1958年4月設立)の全株式を取得(現・連結子会社)

1970年代

  • 1972年7月㈱スズケン沖縄(1969年2月設立)の株式過半数を取得(現・連結子会社)

1980年代

  • 1983年9月東北地区の拠点として宮城県仙台市に仙台支店を開設
  • 1984年1月大阪地区の拠点として大阪府堺市に堺支店を開設

1990年代

  • 1990年3月九州地区の拠点として福岡県福岡市に福岡支店を開設
  • 1990年9月㈱三和化学研究所(1953年12月設立)の株式過半数を取得(現・連結子会社)
  • 1994年1月M&A加藤薬品㈱及び神弘薬品㈱と合併
  • 1994年8月日本証券業協会に株式を店頭登録
  • 1995年9月上場東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第二部に上場
  • 1996年3月熊谷薬品㈱(現・㈱スズケン岩手、1979年7月設立)の全株式を取得(現・連結子会社)
  • 1996年10月M&A㈱ドーエーメディックスと合併
  • 1997年9月東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第一部に指定
  • 1997年11月愛知県江南市に江南物流センターを開設
  • 1998年4月上場㈱秋山愛生舘と合併 札幌証券取引所に上場
  • 1999年10月ナカノ薬品㈱(1947年7月設立)の株式過半数を取得(現・連結子会社)

2000年代

  • 2002年10月M&Aオオモリ薬品㈱と合併
  • 2003年10月M&A㈱安藤薬業公司と合併 株式交換により㈱サンキ(1965年11月設立)を完全子会社化(現・連結子会社)
  • 2004年10月M&A株式交換により㈱アスティス(1948年4月設立)を完全子会社化(現・連結子会社)株式交換により沖縄薬品㈱を完全子会社化(沖縄薬品㈱は、2005年1月1日付で、㈱スズケン沖縄と合併し、㈱スズケン沖縄薬品に社名変更。)(現・連結子会社)
  • 2005年10月埼玉県戸田市に戸田物流センターを開設
  • 2006年10月M&A株式交換により㈱翔薬(1949年4月設立)を完全子会社化(現・連結子会社)
  • 2007年10月兵庫県神戸市に阪神物流センターを開設
  • 2008年3月中国上海市に合弁会社上海鈴謙滬中医薬有限公司(現・上薬鈴謙滬中(上海)医薬有限公司)を 設立(現・持分法適用関連会社)
  • 2008年10月㈱ファーコス(現・㈱ユニスマイル、1993年2月設立)の株式過半数を取得(現・連結子会社)
  • 2009年9月M&A株式交換により中央運輸㈱(1948年8月設立)を完全子会社化(現・連結子会社)

2010年代

  • 2010年5月神奈川県高座郡寒川町に神奈川物流センターを開設
  • 2010年11月千葉県印西市に千葉物流センターを開設
  • 2011年10月東京都台東区に㈱エスケアメイトを設立(現・連結子会社)
  • 2011年12月宮城県黒川郡大和町に宮城物流センターを開設
  • 2012年3月東京都千代田区に㈱SDネクスト(現・㈱エス・ディ・コラボ)を設立(現・連結子会社)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結売上高(長期目標)2031年3月期まで3兆円以上
  • ROE(長期目標)2031年3月期まで8.0%以上
  • 連結売上高(中期目標)2029年3月期まで2.7兆円以上
  • ROE(中期目標)2029年3月期まで7.0%以上
  • 経常利益率(連結)2029年3月期まで1.5%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    次世代卸への進化

    主力の医薬品卸売事業で、従来のマージンビジネスに加え、機能によるフィービジネスに挑戦する。安定供給を担保しながら受注納品プロセスの効率化を進め、顧客課題解決サービスには価値に見合った対価を得ることで収益構造を多様化する。

  2. 02

    事業ポートフォリオの再設計

    医薬品卸売事業を中核としつつ、既存事業の進化と外部企業とのアライアンスを通じて事業構造を進化させる。従来の事業枠組みにとらわれず、保有する機能やアセットを組み合わせ、付加価値の高い事業モデルへ転換する。

  3. 03

    経営基盤の強化

    中計を担う人材育成を重視し、次世代経営人材の計画的な育成に加え、DX分野の専門人材の育成・確保を強化する。グループ横断の人材活用や部門間連携を強化し、多様な人材が能力を発揮できる環境を整備して持続的成長を支える。

  4. 04

    資本コストを意識した経営の実践

    資本コストや株価を意識した経営を重要な課題と位置づけ、PBRをさらに向上させる。資本コストを上回る収益性を安定的に創出し、企業価値を持続的に向上させることを最上位課題として中計を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で12,717人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は745万円で、9期前と比べて+16.1%平均年齢は47.3歳、平均勤続年数は22.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月16,456
2018年3月15,816
2019年3月64244.918.215,585
2020年3月66244.918.215,477
2021年3月60945.720.215,041
2022年3月60146.121.014,032
2023年3月61247.021.813,429
2024年3月70547.121.813,086
2025年3月72847.222.012,923287
2026年3月74547.322.112,717286

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率4.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)62.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
首都圏物流センター — 埼玉県草加市141億円
医薬品卸売事業
本社他 — 福岡市 博多区他9,360百万円
本社他 — 広島市 西区他6,846百万円
名南物流センター — 愛知県大府市6,206百万円
医薬品卸売事業
本社他 — 愛媛県 松山市他5,885百万円
愛生舘営業部 札幌支店他14支店 — 札幌市中央区他4,646百万円
医薬品卸売事業
本社 — 名古屋市東区3,735百万円
医薬品卸売事業
千葉物流センター — 千葉県印西市3,071百万円
医薬品卸売事業
阪神物流センター — 神戸市北区2,765百万円
医薬品卸売事業
名古屋営業部 名古屋支店他11支店 — 愛知県大府市他2,729百万円
医薬品卸売事業
ほか41件の開示あり
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    医薬品及び医療用品類559品目
    外務省 · 2019-03-01
    3,960万円
  • 調達
    医薬品及び医療用品類545品目
    外務省 · 2018-02-22
    3,841万円
  • 調達
    令和2年度横浜刑務所医療機器更新整備等一式
    法務省 · 2020-11-25
    1,697万円
  • 調達
    分析機器の購入(区分2)
    国税庁 · 2025-05-13
    1,590万円
  • 調達
    令和2年度浪速少年院在院者用医薬品購入単価契約
    法務省 · 2020-08-31
    1,346万円
  • 調達
    全自動化学発光酵素測定装置等一式調達契約
    法務省 · 2021-10-01
    1,134万円
  • 調達
    令和5年度横浜刑務所自動調剤分包機更新整備一式
    法務省 · 2023-10-31
    880万円
  • 調達
    遺伝子解析装置調達
    法務省 · 2021-08-20
    830万円
  • 調達
    全自動輸血検査装置調達
    法務省 · 2021-12-21
    830万円
  • 調達
    尿検査機器一式供給等契約
    法務省 · 2021-11-22
    710万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2.5兆円営業利益364億円前期と比べると増収減益で、売上が+3.6%、利益が-1.9%。

売上高
+3.6%
2.5兆円
営業利益
-1.9%
364億円
純利益
+10.4%
381億円
営業利益率
1.5%
前期比 -0.1%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2.6兆円2.5兆円
営業利益312億円364億円
純利益250億円381億円
1株あたり配当¥100

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は6,290億円、営業利益は42億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+9.7%、営業利益は+2.4%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.5621
2024年1Q0.57410.733
2024年2Q0.621252.0126
2024年3Q0.62991.696
2024年4Q0.5735
2025年2Q1.201711.4203
2025年4Q1.202001.7142
2026年2Q1.221701.4162
2026年4Q1.271941.5219
2027年1Q0.63420.734

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.9兆円から2.5兆円へ1.3倍に増えた。直近期の営業利益率は1.5%。売上は5期、純利益は5期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.89275144
2014年3月1.99353214
2015年3月1.97301189
2016年3月2.23457290
2017年3月2.13278213
2018年3月2.12290188
2019年3月2.13362302
2020年3月2.21415282
2021年3月2.1318379
2022年3月2.24234144
2023年3月2.31364203
2024年3月2.39384290
2025年3月2.403713881.5345
2026年3月2.493643971.5381

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2.5兆円のうち、営業利益として残るのは364億円1.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は381億円、売上の1.5%にあたる。営業利益率は業種中央値3.2%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金92.3%2.3兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金6.3%1,561億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益1.5%364億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
7.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.8pt
1.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.9pt
1.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+1.2pt
9.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが336億円、投資CFが128億円で、差し引きのフリーCFは464億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は1,316億円で、売上の0.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月540−112−514281,524
2014年3月−411−124−52−535938
2015年3月472−326−561461,029
2016年3月205−73−761321,084
2017年3月270−55−1562151,143
2018年3月9819−1279902,006
2019年3月41819−2734372,170
2020年3月−25812−172−2461,752
2021年3月156−146−74101,688
2022年3月9514−1161091,682
2023年3月373−464−262−911,329
2024年3月872104−3179761,987
2025年3月−651204−355−4471,186
2026年3月336128−3334641,316

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が4,160億円で、自己資本比率は36.0%(業種中央値50.6%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1.013,0987,04430.5
2014年3月1.033,2607,01131.7
2015年3月1.093,6787,18933.8
2016年3月1.183,9397,84533.4
2017年3月1.113,9657,12535.7
2018年3月1.174,0647,66934.6
2019年3月1.194,0167,87633.7
2020年3月1.114,1276,99837.0
2021年3月1.114,1796,96537.4
2022年3月1.144,1817,23636.6
2023年3月1.154,1157,34635.9
2024年3月1.234,1648,12333.9
2025年3月1.114,0747,06436.6
2026年3月1.164,1607,39836.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,167億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
3,636億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1,451億円
在庫として抱えている分
負債合計
7,398億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
47
/ 100
安定性自己資本比率24 / 40
収益力営業利益率3 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

卸売業 284社との比較

同じ卸売業の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE284社中102位あたり、逆に低いのは配当利回り284社中267位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
9.3%/中央値 8.1%
P25 5.5%P75 11.4%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
1.5%/中央値 3.2%
P25 1.8%P75 5.4%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
36.0%/中央値 50.6%
P25 39.1%P75 62.9%
売上成長率前期からの売上の伸び
3.6%/中央値 4.4%
P25 0.0%P75 9.6%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.9%/中央値 3.1%
P25 2.2%P75 4.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥5,183で、1年前と比べて-11.5%過去52週の値幅のなかでは22%の位置にある。

¥5,183-0.9%1ヶ月+5.8%1年-11.5%時価総額3,740億円
過去52週の値幅
安値¥4,770高値¥6,668

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)9.5倍
PER (会社予想)28.0倍
PBR0.84倍
配当利回り1.93%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に5124円と、25日線を約0.9%上回り、横ばい圏で推移しています。75日線もほぼ同じ水準で、短中期のトレンドは方向感が定まっていません。52週高値6668円からは約23.2%下落していますが、52週安値4770円からの上昇は約7.4%と小幅です。出来高は低調で、需給は薄い状態です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 80/100)

PER 9.39倍は業界平均17.93倍を約48%下回り、大幅な割安水準です。PBR0.83倍も平均1.23倍を下回り、株価は純資産を下回っています。ROE9.3%は平均より低いものの、安定した収益を上げています。配当利回り1.95%は平均2.93%を下回り、配当性向23.9%と低く、還元はやや控えめです。売上高は横ばいですが、営業利益率は低く、利益率改善が課題です。割安だが配当は伸び悩み、今後の業績改善に期待がかかります。

指標この会社業種平均
PER (実績)9.5倍17.9倍
PER (予想)28.0倍
PBR0.84倍1.24倍
ROE9.3%8.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

強気派は、超高齢化に伴う医薬品需要の増加と、後発品シェア拡大が数量・収益を押し上げるとみる。また、2026/3期の純利益381億円と過去最高を更新する予想や、安定した配当(利回り2%超)を評価する。一方、弱気派は、薬価改定による販売価格下落、政府の医療費抑制策、ドラッグストア等の競合他社との競争激化、さらには低い営業利益率(約1.5%)で、収益性を圧迫する懸念を指摘。さらに、足元の株価下落(1年で-17%)は業績懸念の表れとの見方もある。バリュエーションはPER約9倍と割安と言えるが、業界全体の構造課題が重荷となる。

プラスに働く材料7
  • 高齢化で医薬品需要増

    超高齢社会で医療需要が増加し、安定的な売上成長が期待できる。

  • 好調な業績と増益予想

    2026/3期は売上高2兆4866億円、純利益381億円と増収増益計画。

  • 割安なバリュエーション

    PER約9倍、PBR0.79倍と割安。配当利回り2%超の安定配当も魅力。

  • 2026年3月期の純利益381億円と3期連続増益通年影響

    純利益は290→345→381億円と増加。前期比10.4%の増益。

  • 売上高2兆4,866億円と前期比3.6%増収通年影響

    売上高は2兆4,000億円から2兆4,866億円へ拡大。増収額は約866億円。

  • PBR0.79倍と純資産割れ水準通年影響

    PBR0.79倍と1倍を下回る。既存事業の収益力に対して割安感。

  • 配当利回り2.06%と一定の株主還元継続影響

    利回り2.06%が下支えに。安定配当による投資家保護効果が期待される。

マイナスに働く材料7
  • 薬価改定による収益圧迫

    政府の薬価引き下げで、仕入れ・販売価格が下落し、売上高利益率が低下。

  • 競争激化と業務効率の限界

    卸売業界は競争が激しく、収益性改善には限界がある。

  • 医療費抑制策の影響

    政府の医療費削減施策により、卸売数量・価格に逆風が強い。

  • 2026年3月期は営業利益371→364億円に減益通年影響

    売上高は増えるが営業利益は約7億円減。営業利益率は1.55%→1.46%へ低下。

  • 予想PER26.3倍と実績8.91倍の乖離決算発表後影響

    実績PER8.91倍に対し予想PER26.3倍。市場が将来の減益を織り込んでおり、下方修正リスク。

  • 営業利益率1.46%と低い収益性継続影響

    営業利益率は1.46%と低水準。固定費増で利益が圧迫されやすい。

  • 株価は1年で17.1%下落し下げトレンド不定影響

    過去1年で-17.12%。戻り売り圧力が強く、下方向のモメンタムが続くリスク。

次の決算で確かめる点
売上高成長率
医療需要の伸びと薬価改定の影響を反映するため、業績の基調を確認。
営業利益率
低い収益性が課題。改善が見られるか、卸売ビジネスの効率性を測るため。
後発品取扱比率
後発品拡大の波にどう対応しているかが収益を左右するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり100で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは1.93%。

年間配当
¥100
1株あたり
配当利回り
1.93%
いまの株価に対して
配当性向
23.9%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月5428.8
2018年3月6418.541.5
2019年3月697.826.2
2020年3月724.330.2
2021年3月720.0107.2
2022年3月720.046.0
2023年3月720.041.6
2024年3月8011.130.8
2025年3月10025.029.5
2026年3月1000.023.9

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥100

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ8,439人。区分でいちばん多いのは外国法人39.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が23.7%を占め、残る76.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人27.429.136.636.141.639.5
個人・その他40.741.732.934.029.934.5
金融機関16.715.817.620.920.918.4
自己株式13.714.90.10.10.16.3
事業法人14.212.910.97.45.65.3
証券会社0.90.51.91.72.12.3
外国人個人0.10.10.10.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)13.72
02NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)3.50
03㈱日本カストディ銀行(信託口)3.17
04別所芳樹2.95
05別所知佳2.95
06別所昌樹2.95
07公益財団法人鈴木謙三記念医科学応用研究財団2.49
08スズケングループ従業員持株会2.32
09NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE U.S. TAX EXEMPTED PENSION FUNDS(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)2.13
10JP MORGAN CHASEBANK 380055(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)2.03

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+243%、1株純資産は14期で+79%。直近期のROEは9.3%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1593,4344.822.046.4
2014年3月2163,2836.816.832.5
2015年3月1913,7055.519.246.5
2016年3月2923,9697.613.135.0
2017年3月2174,0985.416.828.8
2018年3月1984,2854.722.241.5
2019年3月3234,3917.519.926.2
2020年3月3104,6186.912.730.2
2021年3月894,6751.948.9107.2
2022年3月1634,7503.422.246.0
2023年3月2364,9704.914.141.6
2024年3月3585,3627.013.030.8
2025年3月4555,6528.410.929.5
2026年3月5466,1499.310.923.9

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2026/3期の役員報酬は総額438百万円。

氏名役職年齢保有株数
浅野茂代表取締役 社長 執行役員6035,000
宮田浩美取締役 会長 執行役員6646,000
田中博文取締役 専務 執行役員 ヘルスケア流通事業本部長6320,000
髙橋智恵取締役 上席執行役員 医療・介護支援事業本部長5913,000
茶村俊一取締役80
中垣英明取締役68
富田麻子取締役 監査等委員(常勤)557,000
小笠原剛取締役 監査等委員73
近藤敏通取締役 監査等委員71
清水綾子取締役 監査等委員(注)554
大野智彦取締役71

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
その他役員61371383831452
その他役員5696914
社外取締役5555511

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容750字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社及び当社の関係会社は、㈱スズケン(当社)、子会社38社及び関連会社10社により構成されており、医薬品等の販売、医薬品・医療機器等の製造販売、保険薬局・介護サービス、スペシャリティ医薬品流通受託、医薬品メーカー支援サービス及びこれらに付随する事業を営んでおります。 事業の内容と当社及び当社の関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 事業区分   主要な会社   主な事業内容 医薬品卸売事業   当社、㈱サンキ、㈱アスティス、㈱翔薬、㈱スズケン沖縄薬品、ナカノ薬品㈱、㈱スズケン岩手、㈱エス・ディ・ロジ   医療用医薬品・診断薬、医療機器・医療材料等の販売 ヘルスケア製品開発事業   医療用医薬品製造   ㈱三和化学研究所   医療用医薬品、診断薬、医療機器・材料の研究開発・製造・販売 医療機器・材料製造   ケンツメディコ㈱ 地域医療介護支援事業   保険薬局   ㈱ユニスマイル   保険薬局・介護サービスの提供 介護   サンキ・ウエルビィ㈱、㈱エスケアメイト 医療介護支援   ㈱メディケアコラボ スペシャリティ医薬品流通受託事業   ㈱エス・ディ・コラボ(注)   スペシャリティ医薬品のメーカー支援業務 医療関連サービス等事業   外部ロジスティクス   中央運輸㈱、㈱エス・ディ・コラボ(注)(医薬品メーカー物流受託)   医薬品メーカー物流受託などのメーカー支援サービス、デジタルヘルスケアサービス等の提供 その他   ㈱コラボスクエア (注) ㈱エス・ディ・コラボは、2026年4月1日付で会社分割し、㈱コラボクリエイトを設立しております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題2,546字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループでは、「世のため、人のため」「お得意さまに学ぶ」という創業のこころを受け継ぎ、事業領域を「健康創造」と定め、医療と健康に関わる分野で、事業を通して世の中のお役に立つことを会社経営の基本方針としております。 当社グループのお得意さまは、医療機関、保険薬局、医薬品メーカーさまだけでなく、医療・介護に従事される方々、患者さま、さらには、地域住民、地域社会にまで広がっており、これまで築き上げてきたお得意さまとの信頼関係を「伝統資産」と位置づけ、「社会課題の解決」と「社会コストの低減」に貢献する新しい価値を創造し続けることが当社グループの存在意義(パーパス)となります。 当社グループは、今を「第3の創業期」と位置づけ、各事業で培ってきた機能や協業企業のサービスを組み合わせ、新たな価値を提供する「機能総体」の発想により、様々な社会課題の解決と社会コストの低減に貢献する「健康創造事業体」を実現し、企業価値向上と持続的な成長を目指してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画(以下、「本中計」)において、下記の定量目標を掲げております。 <主要財務指標> ■長期目標〔5年後(2031年3月期)〕 項 目   期 間   目 標 連結売上高   2031年3月期   3兆円以上 ROE   8.0%以上 ■上記長期目標達成に向けた本中計における主要経営指標(2027年3月期~2029年3月期) 項 目   期 間   目 標 連結売上高   2029年3月期   2.7兆円以上 ROE   各年度   資本コスト(6.0%)以上の水準 2029年3月期   7.0%以上 経常利益率   2029年3月期   連結:1.5%以上卸売事業セグメント:1.0%以上 投資   3カ年累計   600億円以上(M&A・戦略投資等は機動的に実施) 株主還元   各年度   配当:安定的な配当の継続(2029年3月期までにDOE3.0%へ) 総還元性向:100%を基準として実施 政策保有株式の縮減   2029年3月期   連結純資産額の10.0%以下 ■サステナビリティへの取組み(前中期経営計画からの取組みを継続推進) 項 目   目 標 E   CO2排出量(Scope1+2)   2030年度(2031年3月期):2020年度比40%削減(2026年3月期実績:69,397t-CO2 約21%削減) S   女性管理職比率   2030年度(2031年3月期):20%以上(2026年3月期実績:15.2%) 男性育児休業取得率   毎年100%継続(2026年3月期実績:100.0%) G   コンプライアンス研修受講率   毎年100%必須(前中計期間実績:100.0%) (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、下記中期経営計画を策定し推進しております。 [本中計のテーマ] 第3の創業「健康創造事業体」を目指して ~ 既存の「卸」の概念を超えた“次世代卸”への進化 ~ [本中計のスローガン] Change makes Challenge環境の変化を成長のチャンスと捉え、積極的に挑戦し続けるChallenge makes Changeその挑戦が、スズケングループの未来を切り拓く ※本スローガンは、当社グループが変化へ挑戦する姿勢を表したものであり、以下に記載する重点施策および経営指標の達成に向け邁進してまいります。 [本中計の重点施策] (1)次世代卸への進化 (2)事業ポートフォリオの再設計 (3)経営基盤の強化 (1)次世代卸への進化 主力である医薬品卸売事業におきましては、従来のマージンビジネスに加え、機能によるフィービジネス(機能の事業化)に挑戦してまいります。 次世代卸へと進化すべく、安定供給を担保しつつ受注納品プロセスの更なる効率化を目指すとともに、顧客の課題解決に資するサービスについては、価値に見合った対価をいただくことで、収益構造の多様化と付加価値創出を図ります。 (2)事業ポートフォリオの再設計 当社グループは、医薬品卸売事業を中核としながら、既存事業の進化と外部企業とのアライアンスを通じた事業構造の進化に取り組みます。 環境の変化に適応できるよう従来の事業の枠組みにとらわれず、当社グループが有する機能やアセットを組み合わせ、より付加価値の高い事業モデルへの転換を図ります。 (3)経営基盤の強化 本中計を実現するためには、それを担う人材の育成が不可欠であると認識しています。 このため、次世代の経営を担う人材の計画的な育成に加え、デジタル、データ解析などDX分野における専門性を備えた人材の育成・確保を強化してまいります。 また、グループ横断での人材活用や部門間連携を強化するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境整備を通じて、持続的な成長を支える経営基盤の強化を図ります。 また、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」を重要な経営課題と認識し、その対応方針を2023年11月に開示のうえ、各種施策を推進しております。足元ではPBRは1倍の水準へ改善しているものの、資本コストや将来の成長性を十分に織り込んだ水準にあるとは認識しておらず、引き続き改善の余地があるものと考えております。 本中計は、資本コストを上回る収益性を安定的に創出し、企業価値を持続的に向上させることを最上位の経営課題として設計されています。本中計を着実に推進・達成していくことで、PBRをさらに向上させ、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」に継続的に応えてまいります。 ※中期経営計画の詳細につきましては、下記当社ホームページをご参照ください。 https://www.suzuken.co.jp/ir/strategy/
事業等のリスク6,097字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業リスクを記載しております。 当社グループは、リスク発生の可能性を認識し、発生の回避に努めるとともに発生した場合は迅速かつ適切な対応に努める方針であります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社グループの事業等に関する全てのリスクを網羅したものではありません。 (1)医薬品卸売業界のリスク ① 法的規制について <リスク解説> 医薬品卸売事業では、全国に営業拠点を設けて、事業を展開しております。 営業拠点の開設及び医薬品等の販売に際しては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)及び関連法令により規制を受けており、営業拠点の所在地の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受けた後、事業活動を行っております。これらの許可等の状況により、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 医薬品卸売事業では、各社の薬事担当部署が中心となり、各営業拠点の新規出店の際には、必要な許可等の要件確認や申請手続きを行っております。また、出店後は従業員に対し継続的な教育指導等を実施し、許可業者として法令を遵守した活動を行っております。 ② 医療保険制度改革について <リスク解説> 医薬品卸売事業における主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されております。 薬価基準は、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」として厚生労働大臣が告示するもので、保険診療で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。薬価基準は医薬品の実勢納入価格を薬価に反映させることを目的に毎年改定され、大半の品目の薬価が引き下げられております。このため、医薬品卸売事業の業績は、薬価改定後の販売価格低下等の影響を受けることがあります。 国民医療費は高齢化の進展等により増加傾向にあります。政府は全世代型の持続可能な社会保障制度の構築に向け、医療保険制度改革等に取り組んでおり、その内容によっては医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 薬価の頻回改定の影響を受け、メーカーの経営は厳しくなり、アローアンスが縮小されていることから、当社としては卸機能の適正評価を依頼し、固定的なリベートへの移行を交渉しております。また、高利益品目の販売に注力し、収益性の改善にも努めております。 アローアンスは、製品の拡売から市場調査・疾患啓発等MS行動に対するものに代わっていくと想定されます。当社グループとしては、デジタルで医療機関を結び、当社グループが持つ医療・介護従事者専用ポータルサイトである「コラボポータル」を活用した企画をメーカーに提案することで、アローアンスの減少抑制に取り組んでおります。 ③ 特有の商習慣について a 価格未決定取引について <リスク解説> 医薬品卸売事業では、医薬品を価格未決定のまま医療機関等に納入し、その後医薬品卸売業者と医療機関等の間で価格交渉を始めるという特異な取引形態があります。これは、医薬品が生命関連商品であるがゆえ、納入停滞が許されないという事情から生まれた習慣であります。 医薬品卸売事業においては、期中の決算では合理的な見積りによる決定予測価格で売上計上しております。 決定した価格が当初予測していた価格に比べ低下する場合、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。なお、本決算では該当年度分の価格未決定はありません。 <リスク対応> 取引価格の決まっていないお得意さまとの価格交渉については、毎月上長がお得意さまとの交渉状況をシステムを通して確認・指導を行う等の対応を実施しております。 また、取引価格の決定に際しては、決定価格をシミュレーションするシステムを利用することにより、適正な売上、利益確保の状況を上長が確認し、価格水準の適正化を図るとともに、価格決裁プロセスについても明確にしております。 b 割戻金及び販売報奨金について <リスク解説> 当業界では、医薬品メーカーから医薬品卸売業者に割戻金と販売報奨金が支払われます。 割戻金は仕入金額等に対して設定される割戻率によって支払われ、販売報奨金はメーカーと卸間で取り決められた販売数量、納入軒数等の達成によって支払われます。 割戻金及び販売報奨金は、仕入価格の引き下げ効果があり、売上総利益に影響を与えるため、これらの獲得に努めておりますが、メーカーの営業戦略等による割戻金及び販売報奨金の圧縮の進展により、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 厚生労働省により策定された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を踏まえ、医薬品メーカーと医薬品等の安全かつ安定供給を継続するための流通経費や卸機能の適切な評価に基づいた価格体系の構築に向けて取り組んでおります。 また、当社グループが展開している各事業の経営資源とこれまで提携してきた協業企業とともに、新たな流通チャネル構築等による新しいソリューション開発を加速させることにより、地域医療へ貢献し、医薬品メーカーの課題解決を図るとともに、収益モデルの確立に向けて取り組んでおります。 c 製薬メーカーの取引卸絞込みについて <リスク解説> 製薬メーカーは、薬価防衛の必要性から過度な価格競争の防止、市場実勢価格の下落を抑制、流通コスト(契約管理・物流調整・需給調整等)の削減、スペシャリティ製品への対応(厳格な温度管理・トレーサビリティ確保・適正使用管理)、リベート・アロアンスの整理を行うため、取引卸の絞込みを検討しております。 <リスク対応> 流通品質の向上(温度管理・トレーサビリティ・緊急配送体制等)、製品価値(価格)の統制力強化、流通受託事業の確立、サプライチェーンの高度化(在庫平準化・需要予測)を進め、選ばれる卸になるよう努めております。 (2)スズケングループのリスク ① 固定資産の減損について <リスク解説> 当社グループは、事業用の様々な固定資産を保有しており、これらの資産については、今後の収益性の低下、市場価額の著しい下落により、将来キャッシュ・フローが生み出せない場合は、減損損失の計上が必要になり、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 設備投資にあたっては、投資によって得られるリターン、発生するコストなど投資回収の採算性を評価し投資の意思決定を行っております。 また、設備投資後は、業績進捗について毎期モニタリングを実施するとともに、業績評価を行い、採算性の悪化が見込まれるため今後のキャッシュ・フローの獲得が期待できない場合には、速やかに業績向上に向けた戦略の立案を実施し、その実行に取り組んでおります。 なお、将来の投資効果が見出せないと判断した場合は、撤退も検討します。 ② 債権の貸倒について <リスク解説> お得意さまに対する債権については、お得意さまの信用状況等に応じて、一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権は個別に回収可能性を見積り、貸倒引当金を計上しております。しかし、外国為替相場の変動、電力・エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価上昇等の影響によりお得意さまの経営環境が変動した場合には、実際の貸倒額が当初の見積りを上回る可能性があり、その場合、当社グループの各事業の業績および財政状態に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 当社グループでは、各営業拠点に、与信管理および債権管理を担う管理部門を配置しており、当該管理部門は本社管理部門と連携しながら、営業部門から一定の独立性を保った運用を行うことで牽制機能を確保しております。具体的には、信用状況に変化があった際には、アラート機能を活用して営業現場に注意喚起を促すとともに、現場で収集した不安情報については、レポートライン基準に則り、本社管理部門に報告するよう徹底しております。 本社管理部門は、各営業拠点の管理部門への支援・指導を行うバックアップ機能を担っております。 これらの体制に加え、グループ会社の管理部門とも連携した継続的なモニタリングを行うことにより、債権リスクの早期把握および低減に努めております。 ③ 新薬の開発について <リスク解説> 医薬品製造事業では、新薬候補品の研究開発には多額の費用と長い年月が必要であり、その過程で当初期待した有効性が証明できなかったり、予期せぬ副作用が発現した等の理由により研究開発を断念・遅延する可能性があります。 また、臨床試験で良好な結果が得られても、新薬が実際に上市となるまでには様々な不確実性が存在します。 その様な理由により当初の期待を達成できなかった場合には、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 自社創薬のみでなく、開発パイプラインの導出入あるいは他社協業などのアライアンス活動を通じてポートフォリオ管理を図っております。 ④ 品質問題について <リスク解説> 医薬品製造事業において、医療用医薬品、体外診断用医薬品及び医療機器は、医薬品医療機器等法その他の国内外の法規制の下で製造しております。しかし、使用する原材料、製造プロセス等で製品の品質に懸念が発生した場合、製品の回収や販売の停止等により、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 製品の品質を確保するため、原材料、製造プロセスの社内監査等を行い品質保証体制の強化に努めております。 ⑤ 副作用問題について <リスク解説> 医薬品製造事業では、医療用医薬品、体外診断用医薬品及び医療機器について、予期せぬ副作用や健康被害等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 副作用情報等を収集した場合は、速やかに評価、検討し、必要に応じ行政当局へ報告するとともに、必要な安全対策を速やかに実施いたします。 ⑥ 保険薬局事業について <リスク解説> 保険薬局事業においては、医療機関が発行する処方箋に基づき、薬歴管理、服薬指導、服薬期間中のフォローアップを含む調剤サービスを提供しております。今後、薬価改定や調剤報酬改定、医療保険制度改革の動向によっては、収益性や事業環境に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、調剤過誤防止の徹底に努めておりますが、重大な調剤過誤が発生した場合には、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、業績および企業価値に影響を及ぼすリスクがあります。 <リスク対応> 当社グループでは、「患者のための薬局ビジョン」の実現に向け、在宅医療への対応強化、医療・介護多職種との連携推進、ジェネリック医薬品の使用促進等を通じ、店舗特性に応じた施策を展開し、調剤報酬改定や医療保険制度改革への対応を進めております。 また、調剤過誤防止に向けて、鑑査システムや自動調剤機器の導入を推進するとともに、インシデント・アクシデント事例の分析および再発防止策の全店舗共有を徹底しております。加えて、医薬品安全使用に関する業務手順書の遵守、医療安全研修の継続実施、高度な薬学的知識の習得に向けた教育体制の強化を通じ、薬剤師の資質向上と安全かつ継続的な薬物療法を支える体制を構築しております。 ⑦ システムトラブルについて <リスク解説> 当社グループは、営業活動、商品管理をはじめ、その事業運営は、コンピュータシステム及びそのネットワークに多くを依拠しております。大規模なシステムトラブルが発生した場合、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 受注から納品業務に関わる基幹系システムの各種障害対応手順に基づき、トラブル時に対応できる体制をとり、迅速な原因究明と影響度の把握により、早期の復旧に努めてまいります。 また、システム安定稼働のため、定期的にシステムの使用状況と業務量を監視し、必要に応じて予防対策を実施するとともに、障害時に備えた想定訓練を実施しております。 さらに、万が一基幹系システムが停止した場合でも、受注から納品に関わる業務が継続できるように、代替できるシステムを稼働させております。 ⑧ 個人情報保護について <リスク解説> 当社グループは、事業活動を通じて顧客情報をはじめとする多数の個人情報を取得・利用しております。これらの個人情報の管理にあたっては、細心の注意を払い情報セキュリティの強化および従業員の情報管理意識の向上に継続的に取り組んでおりますが、万一、個人情報の漏えい、滅失または不正利用等が発生した場合には、社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生、行政指導・罰則等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 <リスク対応> 当社グループでは、個人情報保護規程および情報セキュリティ管理規程等の社内規程に基づき、個人情報の適切な取扱いと管理体制の整備・運用を徹底しております。具体的には、定期的な従業員教育・研修の実施、社外へのメール送信時における上長確認とシステムによる二重チェック体制の運用、外部からの不正アクセスを防止するためのセキュリティ対策の強化、不審な挙動を検知・遮断する仕組みの導入等を講じております。 今後も、情報セキュリティを取り巻く環境変化やリスクの高度化を踏まえ、管理体制および技術的対策の継続的な見直しと強化を図り、個人情報の保護に万全を期してまいります。 (3)その他のリスク ① 自然災害等について <リスク解説> 当社グループは、大規模な自然災害や事故等により、営業拠点及び物流拠点が深刻な被害を被った場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応> 大規模自然災害が発生した際には、BCP手順書に基づき速やかに災害対策本部を設置し、社員の安否や営業拠点および物流拠点の被災状況を確認するとともに、事業継続のための適切な対応がとれる体制を構築しております。 また、災害時でも安定した医薬品供給体制を維持するために、免震構造を採用した物流センターの構築や本社および主要拠点への非常用発電機の設置、受注から納品に関わる業務が継続できるように、本社以外の拠点にて代替できるシステムを稼働させております。 加えて、グループ会社を含めた安否確認合同訓練やBCP対応訓練等、定期的な訓練を実施し、BCP対応力の向上に努めております。
経営成績の分析 (MD&A)12,197字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a 財政状態の状況 ( 資  産 ) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ419億34百万円増加し1兆1,557億66百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。 流動資産は前連結会計年度末に比べ320億73百万円増加いたしました。これは主に、有価証券が139億50百万円、商品及び製品が15億28百万円減少したものの、現金及び預金が140億40百万円、受取手形及び売掛金が300億55百万円増加したことによるものであります。 固定資産は前連結会計年度末に比べ98億60百万円増加いたしました。これは主に、投資その他の資産が2億44百万円増加したものの、有形固定資産が60億51百万円、無形固定資産が35億64百万円増加したことによるものであります。 ( 負  債 ) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ333億42百万円増加し7,397億53百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。 流動負債は前連結会計年度末に比べ339億37百万円増加いたしました。これは主に、独占禁止法関連損失引当金が30億90百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が300億4百万円増加したことによるものであります。 固定負債は前連結会計年度末に比べ5億94百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が5億1百万円増加したものの、固定負債のその他(主に預り敷金)が10億50百万円減少したことによるものであります。 ( 純資産 ) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ85億91百万円増加し4,160億12百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。 株主資本は前連結会計年度末に比べ53億62百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当の支払が70億98百万円、自己株式の取得による減少が260億3百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を381億36百万円計上したことによるものであります。 その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ32億21百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る調整累計額が31億29百万円増加したことによるものであります。 b 経営成績の状況 当連結会計年度においては、米国政権の政策動向の不確実性など、複合的な要因による外国為替相場の変動、電力・エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価高が引き続き進展しております。また、政策的な賃金上昇に加えて、いわゆる「2024年問題」に代表される「働き手不足」が進展し、様々なコストが上昇する一方で、価格転嫁が十分に見通せないこと、期末に顕在化した中東情勢の緊迫化に伴う原油価格や製品調達への影響が見通せないことなど、国内景気や企業収益については先行き不透明な状況が続いております。 そのようななか、当社グループは、当期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、本中計の実践を通じて、グループが「One Team」となって健康創造事業体への変革を進め、変化するヘルスケアエコシステムに新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献することを目指し、2032年の当社創立100周年に向け、本中計期間は「既存事業の変革」と「新たな成長事業の準備」を主なテーマと位置づけて取り組んでまいりました。 当連結会計年度における「既存事業の変革」については、多様な企業との協業を通じ、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の流通モデルの強化やMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に取り組んでまいりました。 具体的には、医療流通プラットフォームの構築に向けて、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入し、医薬品の流通品質向上に取り組んでおり、スペシャリティ医薬品流通において、国内への新規参入や新製品の上市を目指す製薬企業のご要望にお応えするとともに、新薬を待ち望む患者さまに確実に医薬品をお届けできる流通基盤の強化に努めた結果、期末時点で全国597軒のお得意さまにおいて、合計710台が稼働しており、がん拠点病院の半数以上、国立大学病院の8割程度に導入が進んでおります。今後、「キュービックス」の更なる導入を進めることに加えて、周辺サービスとの連携など機能拡充により、より精度の高いデータの取得や、流通在庫の可視化、在庫、消費データを用いた需要予測などにも取り組んでまいります。 流通基盤の強化に向けた取り組みとしては、2024年4月より、埼玉県草加市に、最新のロボット技術を駆使した自動化・省人化を実現する卸物流拠点に、製造業務受託・メーカー物流エリアを併設した、業界初のコンセプトを持つ「首都圏物流センター」を構築し、本稼働しております。加えて、2025年5月に中部圏をカバーする新たな物流拠点「中部圏物流センター(仮称)」の構築に向け、愛知県春日井市との間で売買契約を締結し、物流センター用地(2027年10月着工予定)を取得いたしました。今後、「首都圏」「中部圏」両センターをはじめとする当社グループの物流網を最大活用し、自動化による効率化をはじめ、輸配送コストの低減、GDP基準(※2)に準拠した品質面、CO2排出量の削減などの環境面、災害時におけるBCP対応のより一層の強化など、さまざまな効果の実現を目指してまいります。 今後もスズケングループは、「既存事業の変革」を実現する新たな取り組みを順次導入・具体化してまいります。 「新たな成長事業の準備」については、既に提携している企業とともに、新たな流通チャネル構築や、協業によるデジタルヘルス事業の構築を加速させ、革新的なサービスや情報ビジネスを推進し、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値の提供に取り組んでおります。 具体的には、医療・介護従事者向けのポータルサイトである「コラボポータル」(※3)のサービス提供を開始し、当社グループが保有するさまざまなサービスや情報の発信に加え、お得意さまと当社グループ、製薬企業、さらには多職種・専門スタッフをつなぐ機能、協業企業のデジタルヘルスサービスを統合的にお届けする機能などを搭載し、医療・介護現場へデジタルヘルスサービスを安心・安全にご利用いただける環境づくりに取り組んでまいりました。 加えて、「コラボポータル」を展開する「㈱コラボスクエア」と医療・介護に特化したソーシャル医療・介護連携プラットフォーム「メディカルケアステーション(MCS)」(※4)を展開する「エンブレース㈱」の統合 (2026年4月1日付)を決定・実施いたしました。本中計期間の取り組みを通じて、当社と44万人(ID)以上の医療・介護従事者との「新たなつながり」が生まれており、今後、医薬品卸としてお取引いただいている全国の約16万軒のお得意さまとの「つながり」と、新たに構築した44万人以上の医療・介護従事者「個」との「つながり」とを組み合わせたマーケティング支援など、情報による新たな収益事業にスピードを上げて取り組んでまいります。 更に、2026年2月には、「最先端テクノロジーで医療現場を持続可能に」をミッションに、2022年4月に創業したヘルステックスタートアップである「㈱medimo」を完全子会社化いたしました。深刻化する医療従事者不足という構造的課題を背景に、生成AIをコア技術とした音声入力・自動要約による医療文書作成SaaS「medimo」(※5)を提供・展開し、2024年4月の提供開始以降、全国累計で1,000軒以上の医療機関において導入・活用がなされております。今後、日本の医療の持続可能性を支えるインフラとなることを目指し、更なる中長期的な成長を見据えております。 急速な少子高齢化の進行により、医療需要が増大する一方で医療従事者の確保がますます困難となり、医療提供体制そのものの持続可能性が深刻な危機に直面しております。こうした構造的課題の中、2024年4月から医師への時間外労働規制が適用され、医療現場では限られた人的資源で医療の質と量を維持するための抜本的な生産性向上が求められております。 今後も、スズケングループは協業するさまざまな企業と共に、社会課題の解決に向け、生成AIなどの新たな技術とリアルのインフラを高度に融合させた取り組みを加速させ、安心・安全なヘルスケアプラットフォームを構築し、「健康創造事業体」の実現を目指してまいります。 リスクマネジメントに関しては、ランサムウェア被害の多発など、高度化・重大化する情報セキュリティリスクへの対応に向け、2025年4月1日付で、取締役会の下部機構である「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」傘下の実務委員会として「情報セキュリティ実務委員会」を新設いたしました。今後、当社グループにおける一元的なセキュリティ水準の把握・統制と強化を一層推進してまいります。 株主還元方針については、2023年5月に開示した株主還元方針を2023年11月10日に改定・強化し、安定的な配当の継続を基本とし、中期経営計画の最終年度である2026年3月期までの3年間平均において、総還元性向100%以上の株主還元を実施することにより株主還元の充実を図るとともに、既存事業の強化や新規事業の創出に向けた投資を行うことで企業価値と資本効率の向上を目指してまいりました。 上記方針を踏まえ、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき自己株式の取得を決議し、取得総数:4,458,800株、取得総額:259億99百万円の自己株式を取得した結果、配当金(総額:68億77百万円)と合わせて、2026年3月期の単年度総還元性向は86.2%、また、2024年3月期からの3年間平均総還元性向は98.1%となりました。 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与し、増収となりました。利益面では、引き続き適正利益の獲得と、販管費の見直しと抑制に取り組んでまいりましたが、医薬品等の仕入価格の上昇に加え、外部委託費などインフレ傾向に起因する営業費が増加したことなどにより、営業利益においては減益となりました。 一方で、経常利益においては、持分法による投資利益(10億30百万円)が寄与(前期は6億36百万円の持分法による投資損失)したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益においては、政策保有株式(投資有価証券)の縮減(連結11銘柄)を実施し、特別利益として投資有価証券売却益(155億81百万円)を計上したことなどが寄与し、増益となりました。 その結果、売上高は2兆4,866億47百万円(前期比3.6%増)、営業利益は363億74百万円(前期比2.0%減)、経常利益は397億44百万円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は381億36百万円(前期比10.6%増)となりました。 ※1 MS(Marketing Specialist) :医薬品卸売業の営業担当者のこと。 医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や収集を行います。 ※2 GDP(Good Distribution Practice) :医薬品の適正流通基準のこと。 医薬品の市場流通における流通経路の管理保証、医薬品の完全性の保持、更に偽造医薬品が正規流通経路へ流入することの防止を図ることを目的としております。 ※3 コラボポータル :当社完全子会社である「㈱コラボスクエア」が運営する、当社グループが保有するさまざまなサービスを提供する「ソリューション機能」をはじめ、当社グループの営業担当者やMRさま、専門スタッフの皆さまなどがチャットや動画などを活用して、遠隔でお得意さまと接点を持つことが可能になる「コミュニケーション機能」、さらにはAmazonビジネスとの連動による「購買機能」などをワンストップで提供するデジタルヘルスサービスの総合ポータルサイトです。SSO(Single Sign On:一度のユーザー認証によって複数のシステムの利用が可能になる仕組み)やデータ連携を採用し、アクセス性を高めることで医療・介護現場の業務効率化にも寄与します。 ※4 メディカルケアステーション(MCS) :誰でも簡単に利用できるタイムライン形式による非公開型医療介護連携SNSで、タブレット、スマートフォン、パソコンなど多様な端末に対応しています。強固なセキュリティのもとで院内や施設内はもちろん、外出先からでも必要な情報へ簡単にアクセスし、共有が可能。医師やコメディカル、介護職、患者さまとそのご家族が職種や立場を超えてつながる地域包括ケア・多職種連携を実現します。 ※5 医療文書作成SaaS「medimo」 :診察時の会話から生成AIが高精度なカルテ案を自動作成。 医療用語に対応した音声認識技術により、医療現場の働き方改革と業務効率化に貢献します。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (医薬品卸売事業) 医療用医薬品市場は、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与したことにより、伸長したものと推測しております。 そのようななか、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬の寄与などにより2兆4,010億13百万円(前期比3.8%増)となりました。営業利益は、2024年4月に改訂された流通改善ガイドラインへの取り組み、および物流委託費をはじめ医薬品流通に係る様々なコストが高ぶれする状況下においても、引き続き販売費及び一般管理費の見直しと抑制に取り組んだものの、医薬品等の仕入価格の上昇を十分に補うに至らず、314億67百万円(前期比1.4%減)となりました。 (ヘルスケア製品開発事業) 売上高は、医薬品製造事業における二次性副甲状腺機能亢進症治療薬ウパシタ静注透析用シリンジや、持続型赤血球造血刺激因子製剤ダルベポエチンアルファBS注が伸長したものの、薬価改定の影響などにより減収となりました。営業利益は、減収に加え、経口投与可能な選択的ソマトスタチンアナログ受容体(SSTR)2作動薬であるPaltusotine(※6)の開発進展による研究開発費の増加などにより、減益となりました。 これらの結果、売上高は516億36百万円(前期比1.9%減)、営業利益は8億30百万円(前期比56.6%減)となりました。 ※6 Paltusotine(パルツソチン) :選択的SSTR2作動薬であり、外科的処置で効果が不十分な場合または外科的処置が選択肢とならない成人先端巨大症の治療において、米国で承認された世界初の1日1回経口投与可能な低分子の治療薬です。 本剤は、Crinetics社により、先端巨大症患者および神経内分泌腫瘍に伴うカルチノイド症候群患者に1日1回経口投与の治療選択肢を提供するため、探索および設計されました。先端巨大症および下垂体性巨人症を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されています。 (地域医療介護支援事業) 売上高は、保険薬局事業において、閉局により運営店舗数が減少した結果、処方箋受付枚数が減少したことによりわずかながら減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の適正化に努めた結果、増益となりました。 これらの結果、売上高は939億37百万円(前期比0.5%減)、営業利益は15億49百万円(前期比20.0%増)となりました。 (スペシャリティ医薬品流通受託事業) 売上高は、既受託医薬品の市場伸長に加えて、新規受託医薬品も増加したことにより大幅な増収となりました。営業利益は、増収効果に伴い、増益となりました。 これらの結果、売上高は4,361億円(前期比47.6%増)、営業利益は11億55百万円(前期比36.5%増)となりました。 ※7 スペシャリティ医薬品流通受託事業 :希少疾患治療薬など、一般的な流通経路とは異なる、より厳格な品質管理と流通管理が必要な医薬品の流通を医薬品メーカーから受託する事業です。医療機関への販売・納入など、実際の流通機能は当社グループの「医薬品卸売事業」が担うことから、売上高はほとんどが「医薬品卸売事業」との内部取引となります。 (医療関連サービス等事業) 売上高は、外部ロジスティクス事業におけるメーカー物流の受託増などにより増収となりました。営業利益は、デジタルヘルス事業の収益性改善などにより増益となりました。 これらの結果、売上高は429億64百万円(前期比1.8%増)、営業利益は12億76百万円(前期比21.6%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ130億37百万円増加し1,316億4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は335億66百万円(前期は650億79百万円の支出)となりました。 この主な要因は、売上債権の増加300億34百万円、投資有価証券売却益155億22百万円、法人税等の支払168億21百万円があったものの、税金等調整前当期純利益542億93百万円、仕入債務の増加300億4百万円、減価償却費123億41百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は128億17百万円(前期比75億61百万円減)となりました。 この主な要因は、有価証券の取得による支出164億95百万円、有形固定資産の取得による支出150億64百万円、無形固定資産の取得による支出27億84百万円があったものの、有価証券の売却及び償還による収入310億円、投資有価証券の売却及び償還による収入210億45百万円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は333億36百万円(前期比21億47百万円増)となりました。 この主な要因は、自己株式の取得による支出260億3百万円、配当金の支払70億95百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) ヘルスケア製品開発事業   22,889   102.5 医療関連サービス等事業   ―   ― 合計   22,889   100.6 (注) 金額は、製造原価によっております。 b 商品仕入実績 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 医薬品卸売事業   医療用医薬品   2,049,709   103.9 診断薬   86,873   89.3 医療機器・医療材料   73,701   105.2 その他   43,680   107.9 計   2,253,965   103.4 ヘルスケア製品開発事業   36,957   103.0 地域医療介護支援事業   61,246   100.1 スペシャリティ医薬品流通受託事業   434,785   147.6 医療関連サービス等事業   38,395   101.5 小計   2,825,349   108.3 セグメント間消去   △531,914   136.4 合計   2,293,435   103.3 (注) 金額は、仕入価額によっております。 c 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) ヘルスケア製品開発事業   8,889   112.6   1,622   116.0 セグメント間消去   △3,822   91.4   △2   ― 合計   5,067   121.2   1,620   115.9 d 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 医薬品卸売事業   医療用医薬品   2,168,041   104.2 診断薬   96,654   93.6 医療機器・医療材料   79,999   106.1 その他   56,317   101.8 計   2,401,013   103.8 ヘルスケア製品開発事業   51,636   98.1 地域医療介護支援事業   93,937   99.5 スペシャリティ医薬品流通受託事業   436,100   147.6 医療関連サービス等事業   42,964   101.8 小計   3,025,652   108.1 セグメント間消去   △ 539,004   135.2 合計   2,486,647   103.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度におきましては、医薬品卸売事業をコア事業とする事業体から健康創造事業体への転換に向け、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「For your next heartbeat ~未来に向けた鼓動を創ろう~」に基づき、引き続き「既存事業の構造改革」と「新規事業の創出(新領域へのチャレンジ)」の両面から取り組んでまいりました。 医薬品卸売事業におきましては、利益重視に向けた社員の意識改革や製品価値に基づく価格交渉の徹底に加え、「コラボポータル」「納品予定アプリ」「発注提案アプリ」の展開などデジタルツールの活用およびバックヤード機能の強化を推進いたしました。これにより、効率的かつ効果的な営業体制を構築するとともに、キュービックスシステムの展開により高額医薬品の廃棄ロス削減に寄与するなど、お得意先の課題解決に向けた提案活動を実践し、顧客満足度および生産性の向上に努めてまいりました。 ヘルスケア製品開発事業におきましては、医薬品製造事業において、「ウパシタ静注透析用シリンジ」や「ダルベポエチンアルファBS注」などの重点製品への取り組みを推進いたしました。また、アボット社が展開する持続グルコース測定器「FreeStyleリブレ」および関連商品の国内におけるコ・プロモーションによる共同販促に取り組むとともに、先端巨大症・下垂体性巨人症を対象としたSK-5307(paltusotine)の開発など、新規製剤の開発にも注力してまいりました。 地域医療介護支援事業におきましては、保険薬局事業において不採算店舗の閉局および譲渡を進めるとともに、デジタルツールの活用による業務効率化や機能強化メニューの開発に取り組み、生産性の向上に努めてまいりました。 スペシャリティ医薬品流通受託事業におきましては、国内における一社流通受託のさらなる獲得に向け、インフラ整備やGDPスペシャリストの育成・配置を進め、グローバル水準に対応した品質管理体制および提案力の強化に取り組んでまいりました。 医療関連サービス等事業におきましては、メーカー物流事業において製薬企業のニーズに対応するための設備投資を積極的に実施するとともに、デジタルヘルス事業の育成を推進いたしました。なかでも、デジタルヘルスケアの領域におきましては、コラボポータルの展開に注力し、完全子会社のエンブレース㈱が展開するメディカルケアステーションとのID連携を行ったことなどにより、44万人以上の医療・介護従事者との繋がりを構築することができました。 また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針に基づき、両利き経営による利益の最大化に加え、財務・資本戦略として政策保有株式の縮減や自己株式の取得などを通じた株主還元の強化により、資本の最適化に取り組んでまいりました。その結果、2026年3月期のROEは9.3%まで上昇し、3年間の平均総還元性向は98.1%となりました。一方で、政策保有株式の売却益を除いたベースではROEは6.5%にとどまっており、さらなる収益性の改善が必要であると認識しております。 今後は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、2027年3月期を初年度とする3カ年の新中期経営計画を着実に推進・達成していくことで、企業価値をさらに向上させ、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」においても継続的に応えてまいります。 以上を踏まえ、当社グループが「One Team」となって中期経営計画を推進し、「健康創造事業体」への転換を早期に実現することで、変化するヘルスケアエコシステムに新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し続け、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献してまいりたいと考えております。 ② 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、買掛金の支払や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。 運転資金は自己資金を基本としており、投資はフリーキャッシュフローの範囲内を基本としております。ただし、有事における緊急的な措置としてコミットメントラインも保持しております。 なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,316億4百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。 連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、それらについて継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。 a 収益の認識 当社グループの中心である医薬品卸売事業の売上高については、販売価格が未決定のものが一部含まれており、決定予測価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格決定時において売上高の修正を行う場合があります。 価格決定の早期化と合理的な予測価格による売上計上に努めておりますが、価格決定までの期間が長期化し、決定価格が予測価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 b 貸倒引当金 当社グループは、受取手形及び売掛金等の債権の貸倒れに備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。 c 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性がないと考えられる金額は、評価性引当額を計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的なタックスプランニングにより評価性引当額の必要性を検討しております。 過去に計上した繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩しております。一方、計上額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、繰延税金資産を計上しております。 d 退職給付 退職給付債務及び退職給付費用の見積りは、退職給付に関する会計基準等に準拠して行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。