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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

ジャフコ グループ

JAFCO Group Co., Ltd.8595 · Prime · 証券、商品先物取引業

ベンチャー投資・バイアウト投資に特化したファンド運用会社。国内外の機関投資家から募った資金でファンドを運用。

概要

ジャフコ グループは、独立系ベンチャーキャピタルとして未上場企業への投資・育成・出口戦略を手掛ける企業である。機関投資家や事業会社から資金を募り、ベンチャー投資ファンドとバイアウト投資ファンドを運用する。収益源は管理報酬・成功報酬および自己出資によるキャピタルゲインであり、単一セグメントで事業を展開する。2026年3月期の売上高は216億円、従業員数は133名。

ファンド運用に特化した単一セグメントの事業構造

当社はファンド運用事業の単一セグメントから構成される。機関投資家や事業会社から募集した資金で投資事業有限責任組合を組成し、ベンチャー投資とバイアウト投資を行う。ファンドの運用期間は10年で、2年の延長が可能。3年半程度を目途に新規投資を積み上げ、ポートフォリオを構築する。投資先の企業価値向上を支援し、IPOやM&AによるEXITを目指す。収益はファンドからの管理報酬と成功報酬、およびファンドへの直接出資に伴うキャピタルゲインである。このシンプルな構造により、営業利益率が高い特徴を持つ。

国内投資集中への戦略転換と海外子会社の譲渡

2025年4月、当社は投資パフォーマンスに優位性があり市場拡大が予想される国内投資に集中する方針を決定した。これに伴い、アジア法人JAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdを2025年10月に、米国法人JAFCO America Ventures Inc.を2026年1月に譲渡完了した。譲渡後もこれらの法人が運用する既存ファンドへの出資持分は継続保有する。この戦略転換により、当社の運用ファンドは国内ファンドのみとなり、2026年3月期第3四半期からは連結決算から非連結決算へ移行した。

パートナーシップモデルによる組織運営

当社は2018年からパートナーシップモデルを導入し、トップキャピタリストがファンドの運用責任を負うフラットな組織を構築している。パートナーと従業員は当社とともにファンドに出資することで、個人として運用リスクを負いながら、ファンドパフォーマンスと個人の貢献に連動した成果報酬を得る仕組みである。このモデルにより、投資先への経営関与を強化し、ファンドパフォーマンスの向上を目指す。設立以来培った組織力と個人の主体性を融合させた運営が特徴である。

収益変動が大きいベンチャーキャピタル特有の業績

当社の売上高と純利益は、投資先の上場や売却のタイミングにより大きく変動する。過去13年間の売上高は141億円から619億円の範囲で推移し、純利益は66億円から406億円と振幅が大きい。2026年3月期の売上高は216億円、営業利益56億円、純利益66億円と前期から減少した。これは新規IPOが2社にとどまり、キャピタルゲインが減少したためである。一方で、海外子会社譲渡に伴う配当や売却益が特別利益に計上された。

業界の中での役割はプライベートエクイティファンド運用会社にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
216億円
営業利益
56億円
営業利益率
25.9%
純利益
66億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01ファンド運用(全セグメント統一)主力

当社はファンド運用事業の単一セグメント。機関投資家・事業会社から募集した資金でファンドを組成し、ベンチャー投資およびバイアウト投資を行う。投資先の企業価値向上を支援し、IPOやM&AによるEXITを目指す。収益源は管理報酬・成功報酬及び自己出資によるキャピタルゲイン。2025年4月以降は国内ファンドのみに集中。

主な製品・サービス2
ベンチャー投資ファンド
成長初期段階の未上場企業への投資ファンド。起業家と協業し事業成長を支援。
バイアウト投資ファンド
成熟企業の経営権取得を目的とした投資ファンド。経営改革による企業価値向上を図る。

製品と技術

成長初期の未上場企業を対象としたベンチャー投資ファンド

ベンチャー投資ファンドは、成長初期段階の未上場企業に投資する商品である。当社は起業家と協力して事業成長を支援し、IPOやM&AによるEXITを目指す。ファンドの運用期間は10年で、3年半程度を目途に新規投資を積み上げる。投資先には生成AIなどのテクノロジー企業や社会課題解決型ビジネスが含まれる。当社は単なる投資家ではなく、「CO-FOUNDER」として経営に関与し、企業価値向上にコミットする。このファンドから得られるキャピタルゲインが収益の重要な源泉である。

成熟企業の経営権取得を目的とするバイアウト投資ファンド

バイアウト投資ファンドは、成熟企業の経営権取得を目的とし、経営改革による企業価値向上を図る商品である。M&Aの増加や中小企業の事業承継ニーズを背景に、市場拡大が見込まれている。当社はこのファンドを通じて、既存事業の再編や新規事業の展開を支援する。投資後の経営関与を高め、起業家とともに成長戦略を実行する。バイアウト投資はベンチャー投資と並ぶ当社のもう一つの柱であり、国内投資集中方針のもとで両ファンドの強みを融合する戦略を採っている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

証券、商品先物取引業のなかでの位置

プライベートエクイティ投資に特化、高収益

ジャフコ グループは、プライベートエクイティ(PE)投資事業を中核とする独立系投資会社。売上高は2025年3月期297億円、営業利益率40.74%と高収益だが、2026年3月期は売上高216億円、営業利益率25.93%と大きく減収減益見込み。これは投資案件のタイミングによる変動が大きいため。同業のインテグラルやUNIVA・OakホールディングスもPE投資が主力だが、ジャフコは歴史が長く、バイアウト投資で豊富な実績。

強み

  • 営業利益率40%超と非常に高く、厳選された投資先からのリターンが大きい。
  • 長年のPE投資で蓄積されたノウハウとネットワークが競争優位。
  • 特定の金融機関に属さない独立系として、柔軟な投資判断が可能。
  • 業種や規模を問わず幅広い投資対象を持ち、分散効果がある。

課題

  • 投資の出口時期により収益が大きく変動し、翌期の業績予想が困難。
  • PE業界への参入増で優良案件の獲得競争が激化し、投資収益率低下リスク。
  • 金利上昇などでファンドの資金調達コストが増加し、投資に影響する可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

証券・カード・リースの時価総額近傍。太字がジャフコ グループ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
18698マネックスグループ1,797億円16.5倍
28584ジャックス1,705億円10.0倍
38585オリエントコーポレーション1,468億円11.3倍
47148FPG1,414億円9.2倍
57172ジャパンインベストメントアドバイザー1,278億円10.4倍
68595ジャフコ グループ1,247億円18.6倍
78541愛媛銀行1,210億円16.6倍
88707岩井コスモホールディングス1,137億円10.2倍
98739スパークス・グループ1,076億円16.1倍
104819デジタルガレージ999億円76.0倍
118793NECキャピタルソリューション900億円9.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(証券・カード・リース)に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

2018年に導入されたパートナーシップモデル

2018年、当社は組織運営の大きな転換点としてパートナーシップモデルを導入した。それまでは組織全体で投資判断を行う体制であったが、トップキャピタリストがファンドの運用責任を負い、個人の貢献に応じた報酬体系へと移行した。パートナーと従業員は自己資金をファンドに出資することで、投資リスクを個人も負うことになり、ファンドパフォーマンスへの意識が高まった。この改革により、投資先への関与が深化し、企業価値向上に向けたインセンティブが強化された。

2025年4月の国内投資集中方針の決定

2025年4月、当社は将来の成長に向けた戦略の見直しを行い、国内投資に集中する方針を正式に決定した。投資パフォーマンスで優位性を持つ国内市場にリソースを集中し、ベンチャー投資とバイアウト投資の強みを融合することで、安定的な収益構造への進化を目指す。この決定に伴い、海外展開していたアジア法人と米国法人の譲渡が計画された。国内市場の拡大が見込まれる中、経営資源の効率的配分を意図した判断である。

2025年10月のアジア法人譲渡

2025年10月31日、当社の連結子会社であったJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltd(現JIF Capital Ltd.)の全株式の譲渡が完了した。これにより、同社およびその子会社は当社の連結範囲から除外された。譲渡後も同社が運用する既存ファンドへの出資持分は継続保有し、投資有価証券として会計処理を変更した。この譲渡は、国内集中方針の具体化の第一歩であり、海外事業から撤退する大きな節目となった。

2026年1月の米国法人譲渡と非連結決算への移行

2026年1月6日、米国子会社JAFCO America Ventures Inc.(Icon Ventures)の全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡した。これにより、当社の連結子会社はジャフコ コンサルティング株式会社のみとなったが、重要性が乏しいため2026年3月期第3四半期末をもって連結範囲から除外。当社は同四半期より連結決算から非連結決算へ移行した。一連の海外法人譲渡により、当社は国内ファンド運用に専念する体制が整った。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で133人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,366万円で、9期前と比べて+17.5%平均年齢は43.0歳、平均勤続年数は13.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月152
2018年3月148
2019年3月1,16243.017.0134
2020年3月1,04044.017.0131
2021年3月1,22144.017.0132
2022年3月1,25244.016.0135
2023年3月1,36642.014.0147
2024年3月1,27842.014.0159
2025年3月1,26642.013.01637,423
2026年3月1,36643.013.01334,211

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率11.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率25.0%
縦線は目安の85%

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都港区76百万円
ほか2件の開示あり

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は216億円営業利益56億円前期と比べると減収減益で、売上が-27.3%、利益が-53.7%。

売上高
-27.3%
216億円
営業利益
-53.7%
56億円
純利益
-31.3%
66億円
営業利益率
25.9%
前期比 -14.8%pt

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、営業収益は31億円、営業利益は6億円。前年の2024年1Qと比べると、営業収益は−34.0%、営業利益は+0.0%。

対象期間営業収益億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q44−40
2024年1Q47612.89
2024年2Q391333.314
2024年3Q602643.321
2024年4Q9831
2025年2Q1606440.047
2025年4Q1375741.649
2026年2Q1193025.219
2026年4Q972626.847
2027年1Q31619.46

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、営業収益は221億円から216億円へほぼ横ばい。直近期の営業利益率は25.9%。

決算期営業収益億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月2219066
2014年3月449284173
2015年3月619401277
2016年3月412198170
2017年3月279137111
2018年3月295156242
2019年3月259134102
2020年3月299170118
2021年3月215117385
2022年3月277184151
2023年3月141−30406
2024年3月2448875
2025年3月29712113240.796
2026年3月216565925.966

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

営業収益216億円のうち、営業利益として残るのは56億円25.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は66億円、売上の30.6%にあたる。営業利益率は業種中央値19.6%を上回る水準。

営業収益を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金50.9%110億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金18.5%40億円
  • その他の費用持分法損益などの調整4.6%10億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益25.9%56億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
49.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+6.4pt
25.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+11.1pt
30.6%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比5.1pt
4.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが56億円、投資CFが38億円で、差し引きのフリーCFは94億円期末の手元現金は612億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円現金残高億円
2013年3月85−4668531
2014年3月30226−184683
2015年3月288−57−40899
2016年3月128118−141993
2017年3月151−16−581,072
2018年3月74247−690701
2019年3月−132−39639
2020年3月122−3−36720
2021年3月0492−1391,075
2022年3月−1307−435526
2023年3月−72696−462695
2024年3月−96−168676
2025年3月1041−54725
2026年3月5638−116612

金融業では預金・貸出・有価証券運用の増減が営業CFと投資CFに含まれます。一般事業会社向けのフリーCFの解釈は当てはまらないため掲載していません。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1,579億円。このうち返さなくてよい自己資本が1,341億円で、自己資本比率は85.0%(業種中央値34.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1,6411,12551668.6
2014年3月2,2021,59360972.4
2015年3月2,3901,88150978.7
2016年3月2,1421,89524788.5
2017年3月2,3792,07930087.4
2018年3月1,9161,60331383.7
2019年3月1,8421,63221088.6
2020年3月2,2211,88433784.8
2021年3月2,6242,15247282.0
2022年3月2,3301,97435684.7
2023年3月1,5981,30729181.8
2024年3月1,6551,37627983.1
2025年3月1,7001,41126383.0
2026年3月1,5791,34123785.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
612億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
533億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
237億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
90
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

証券、商品先物取引業 37社との比較

同じ証券、商品先物取引業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率37社中2位あたり、逆に低いのは営業収益成長率37社中35位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
4.8%/中央値 9.9%
P25 7.7%P75 15.8%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
25.9%/中央値 19.6%
P25 8.3%P75 34.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
85.0%/中央値 34.9%
P25 12.8%P75 58.5%
営業収益成長率下位前期からの売上の伸び
-27.3%/中央値 15.4%
P25 2.9%P75 25.2%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
5.8%/中央値 4.3%
P25 3.3%P75 5.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,299.5で、1年前と比べて-6.6%過去52週の値幅のなかでは32%の位置にある。

¥2,299.5-1.1%1ヶ月+2.6%1年-6.6%時価総額1,247億円
過去52週の値幅
安値¥2,124.5高値¥2,665

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)18.6倍
PBR0.90倍
配当利回り5.78%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は6月26日の2322.5円から7月2日に2379円まで小幅上昇しましたが、その後は緩やかな下降トレンドに転じました。8月7日時点で2246円と、25日移動平均線(2298.52円)を約2.3%下回っています。52週高値2665円からは約16%下落、52週安値2124.5円からは約5.7%上昇した水準です。出来高は7月24日に81万株と急増し、その後も30万株前後で推移しており、売買は比較的活発です。RSIは35.7と売られすぎ圏に近く、反発の可能性があります。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PERが18.12倍と業界平均12.35倍を上回っていますが、PBRは0.88倍と業界平均1.41倍を下回り、資産価値に対して割安です。ROEは4.8%と低いですが、配当利回り5.93%と業界平均4.36%を大幅に上回り、高い利回りが魅力です。配当性向107.6%と配当が利益を上回っており、持続性に懸念があります。市況変動で業績が大きく振れる業種であり、将来の収益変化に注意が必要です。総合的に割安と判断しました。

指標この会社業種平均
PER (実績)18.6倍14.3倍
PBR0.90倍1.43倍
ROE4.8%7.7%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、投資環境の変化に伴う収益変動性と、長期的な投資成果の持続性にある。強気派は、過去の高い運用実績や独立系としての機動性を評価し、新興企業の支援を通じて大きなリターンが期待できるとみる。また、2025年3月期の営業利益率40.7%は収益力の高さを示す。一方、弱気派は、直近の収益低迷(2026年3月期予想の減少)や、IPO市場の冷え込み、投資先の価値下落リスクを懸念する。また、ベンチャーキャピタル投資は成果が出るまで時間がかかり、外部環境に左右されやすいと指摘する。

プラスに働く材料7
  • 高い専門性

    長年の運営実績で蓄積された投資ノウハウとネットワークが強み。

  • 売却益の可能性

    有望な未上場企業への投資がIPOやM&Aで大きなリターンをもたらす余地。

  • 高収益体質

    2025年3月期の営業利益率は40%超と、事業モデルの収益性の高さを示す。

  • 配当利回り5.92%と高水準継続影響

    配当利回り5.92%と高く、株主還元が下値を支える

  • PBR0.88倍で純資産価値の見直し余地不定影響

    PBR0.88倍と1倍未満、純資産価値が見直し余地

  • 営業利益率25.93%と高収益を維持通年影響

    営業利益率25.93%は前期40.74%から低下も高水準

  • 外国人保有36%が経営改善圧力継続影響

    外国人保有比率36.08%と高く、資本効率改善の要求が強まる

マイナスに働く材料7
  • 収益の不安定性

    投資先の業績や市場動向に依存するため、利益水準が変動しやすい。

  • IPO市場の冷え込み

    新規上場が減少すると、投資回収が遅れ収益が悪化するリスク。

  • 運用競争の激化

    大手VCや事業会社系ファンドとの競争が激化し、優良案件獲得が困難に。

  • 営業利益が56億円と前期比53.7%減通年影響

    営業利益は121億円から56億円へ65億円減少、収益急減

  • 営業利益率が40.74%から25.93%へ低下通年影響

    営業利益率は14.81ポイント低下し、収益構造が悪化

  • 売上高が297億円から216億円へ27%減通年影響

    売上高は前期から81億円減の216億円、27.3%減少

  • 予想PER未公表で業績見通しに不透明感決算発表後影響

    フォワードPERが開示されず、今後の業績予想が不明瞭

次の決算で確かめる点
投資先の含み損益
ポートフォリオの価値変動は将来の売却益を左右する。
投資先のExit件数
IPOやM&Aの実績が収益化のペースを示す。
新規投資額
将来の収益源の確保状況を確認するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり133で、前期から+51.1%いまの株価に対する利回りは5.78%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥133
1株あたり
配当利回り
5.78%
いまの株価に対して
配当性向
107.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月3341.5
2018年3月367.014.2
2019年3月374.738.2
2020年3月395.431.3
2021年3月4617.011.3
2022年3月5110.926.9
2023年3月150194.124.4
2024年3月69−54.045.4
2025年3月8827.549.8
2026年3月13351.1107.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥133

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ13,865人。区分でいちばん多いのは外国法人36.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が23.2%を占め、残る76.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人47.342.741.735.441.736.1
個人・その他18.221.922.730.624.431.8
金融機関28.325.528.225.824.221.4
証券会社1.44.36.04.56.79.0
自己株式9.611.93.02.82.73.0
事業法人4.85.61.43.83.01.8
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)11.61
02STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505018 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)5.12
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.74
04JPモルガン証券株式会社4.15
05穐田 誉輝4.01
06日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)2.13
07光通信KK投資事業有限責任組合1.79
08GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)1.62
09BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE1.59
10NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE IEDU UCITS CLIENTS NON TREATY ACCOUNT 15.315 PCT1.48

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近6
  • 2026-07-14
    スピカ・リミテッド(Spica Limited)
    新規の大量保有報告
    11.18%
    +1.30pt
  • 2026-07-07
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    0.96%
    -1.01pt
  • 2026-06-05
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    1.97%
    +0.65pt
  • 2026-04-20
    JPモルガン証券株式会社
    新規の大量保有報告
    2.65%
    -1.53pt
  • 2026-04-07
    ゴールドマン・サックス証券株式会社
    新規の大量保有報告
  • 2026-04-07
    ユービーエス・エイ・ジー(銀行)
    新規の大量保有報告
    3.29%
    -1.48pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−17%、1株純資産は14期で+0%。直近期のROEは4.8%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1482,5366.222.016.0
2014年3月3903,59112.711.97.0
2015年3月6254,24015.97.213.0
2016年3月3844,2719.09.028.4
2017年3月2504,6855.615.041.5
2018年3月2291,72813.27.314.2
2019年3月1101,7596.312.138.2
2020年3月1282,0306.77.431.3
2021年3月4162,43919.15.311.3
2022年3月1932,7697.39.726.9
2023年3月5872,40424.73.224.4
2024年3月1382,5265.613.745.4
2025年3月1762,5866.911.849.8
2026年3月1242,5494.818.3107.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

2026/3期の役員報酬は総額291百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2698054221111
社外取締役5707014

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容567字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社の事業は、ファンドの運用を通じたベンチャー投資とバイアウト投資です。ファンドの運用資金は、3年半程度ごとに一度、機関投資家や事業会社などから募集しています。ファンドの運用期間は10年、2年の延長期間を設定しています。 ファンド募集のタイミングにかかわらず、当社は常に有望企業を開拓し、3年半年程度を目途に新規投資を積み上げ、ファンドごとに良質のポートフォリオを構築していきます。 また、投資後の経営関与を高め、起業家とともに事業の成長と企業価値の向上を図ります。そして、新規上場(IPO)やM&A等によるEXIT(売却)を目指します。ファンドからの運用報酬である管理報酬及び成功報酬と、ファンドへの直接出資に対するキャピタルゲインが当社の主な収益源となります。 当社はファンド運用事業の単一セグメントからなっております。なお、2025年4月に決定した国内投資への集中の方針の下、当事業年度において海外子会社の譲渡を完了いたしました。これに伴い、当社が運用するファンドは国内ファンドのみとなっております。 当社の状況について事業系統図を示すと、次のとおりであります。 (注)用語説明 名 称   定 義 ファンド   当社が運用するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合等) JAFCO   当社
経営方針・対処すべき課題4,745字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 当事業年度は、世界的な地政学リスクの高まりや物価高騰、金融政策の動向などを背景に、当社を取り巻く事業環境は不透明感が続いています。 一方で、日本でも有望なスタートアップや次世代を担う若い起業家たちが台頭し、生成AIなどテクノロジーの進化や広がり、価値観の変化は、新しいビジネスへの投資機会を創出し、社会課題解決が期待される投資先に対しては強い追い風になっています。 スタートアップに対する資金供給の促進や税制改正他様々な支援策が実施され、国内のベンチャー投資市場は今後も成長が期待できる有望な分野となっています。また、当社事業のもう一つの柱であるバイアウト投資についても、M&Aの増加に伴う買収ルールの透明化や指針の策定、中小企業の事業承継に関わる税制改正など政府の継続的な取り組みなどもあり、今後、さらなる拡大が見込まれています。 事業を取り巻く環境や当社の状況が変化する中、当社は2025年4月、投資パフォーマンスに優位性があり、今後マーケットの拡大が予想される国内投資に集中することを決定しました。これに伴い、アジア法人JAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdを2025年10月に、米国法人JAFCO America Ventures Inc. (Icon)を2026年1月に譲渡完了しています。なお、譲渡後のアジア・米国法人が運用する既存ファンドへの当社出資持分は継続保有します。今後は、国内でのベンチャー投資とバイアウト投資の強みを融合し、成長への循環をつくりだし、利益成長・安定的な収益構造への進化及び資本効率の向上を実現することで、当社の企業価値向上を目指していきます。 当社は創業以来、時代をリードする起業家とともに歩んできました。当社には、経験を積み重ねてきた多くのキャピタリストに加え、企業成長を促進するための豊富なリソースとネットワークの蓄積があります。単なる投資家としてではなく、「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から経営に関与します。起業家とともに事業の成長にコミットし、企業価値を高めていきます。 2018年からパートナーシップモデルを導入し、トップキャピタリストとしてファンドの運用責任を負うパートナーを中心としたフラットな組織作りを行っています。 SV6ファンド以降は、パートナーと従業員が当社とともに出資することで、個人としても運用リスクを負いながら、ファンドパフォーマンスと個人の貢献に連動した成果報酬を享受していきます。従来からの当社の強みである組織力にも磨きをかけており、投資先への経営関与を通じて、ファンドパフォーマンスの一段の向上を目指します。 (1)会社の経営の基本方針 ①当社のパーパス(存在意義) 「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」 当社は長年にわたる投資経験の中で、「投資の継続が、持続可能な社会を実現する」ことを信じ、企業・起業家の新たな挑戦に対し投資を続けてきました。地球環境やグローバル経済を取り巻く問題がますます複雑化する中、当社は、まだ見ぬ価値を生み出す挑戦に果敢に投資し、その成長にコミットすることにより、新たな成長への循環をつくりだし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ②当社のミッション(使命) 「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」 当社は設立以来、様々な革新的製品やサービスを生み出す起業家を支援してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。当社はパーパスの実現を目指す中で、設立時から変わらぬ想いをミッションに掲げ、取り組んでまいります。 ③バリュー(行動指針) ・「当事者たる覚悟でやり抜く」 私たちにとっての未上場投資は、投資先企業・ファンド出資者・株主との共同事業です。その使命を担いつつ、人生を懸けた事業創造・成長に挑む起業家・経営者と向き合うには、誰よりも強い覚悟と意志を持った当事者であるべきと考えています。何事も主体的に、自らの想いを原動力としながら、いかなる挑戦・困難に対しても責任を持ち、諦めず最後までやり抜きます。 ・「より早く、より深く、より高みへ」 世の中が急速に変化する中、常に高い成果を出し続けるためには、自らに限界を作らず成長し続けることが重要です。 常に先を読んで動きつつも、物事の本質を捉えて徹底的に考え尽くすことで、より高みを目指して自らを追求し続けます。 ・「多様な強みで共創を」 今よりも大きな価値や、全く新しい価値を生み出すためには、社内・社外のさまざまな強みを掛け合わせることが必要不可欠です。 異なる経験・価値観・知恵を持つメンバーを尊重し、互いの力を引き出し、発揮し合うことで、次なる成功を共に実現する強い組織を創っていきます。 ・「開拓者たれ、真摯であれ」 日本でベンチャーキャピタルの知名度がまだ低かった時代から、私たちは世の中の荒波に何度も揉まれながらも、開拓者たる想いで独自のスタイルを築いてきました。私たちはこれからも強い開拓の意志を持ちながら、正々堂々と真摯に、これまでと変わらずに新たな市場を切り拓く思いで挑戦し続けます。 多様なバックグラウンドを持つ社員が増加する中、行動指針としてのバリューを全社員の共通認識とし、組織をより強くしてまいります。 ④パーパス/ミッション実現に向けた方針と戦略 当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりパーパス/ミッションの実現を図ります。 この際、起業家やファンド出資者に対するコミットメントをより明確にするべく、設立以来培ってきた組織力に加え、個人を主体としたパートナーシップモデルを導入することで、競争力を高めていきます。 また、当社の事業の本質はESG投資の考え方に強く合致するものであり、社会課題を解決する有望企業の発掘、投資後の対話を通じた成長支援、そしてEXITに至るまでの過程にESGの観点を取り入れていきます。投資先の事業成長を通じてサステナビリティの実現に貢献し、当社の競争力と企業価値を高めていきます。 さらに、パーパス/ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めています。 ・厳選集中投資と経営関与 新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。 ・ファンドパフォーマンスの持続的向上とリスクマネー供給の拡大 十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させ、安定的にファンドの外部出資者を確保することが不可欠です。投資先企業の成長を通じて得たリターンを、ファンド出資者・株主と分かちあい、新ファンドの募集に繋げることで、リスクマネーの循環・拡大をもたらします。 ・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ 事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が設立来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。 (2)会社の対処すべき課題 当社の現在の対処すべき課題は以下のとおりです。 ① 厳選集中投資の更なる進化と投資先の企業価値向上に向けた取り組み強化 ② 投資パフォーマンス(投資倍率)の向上 ③ ファンド募集力の向上 ④ 多様な人材の採用と育成 ⑤ 強固な財務基盤の一定維持 当社は下記の「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標の達成に向けた取り組みを通じて、これらの課題に対応していきます。 ●企業価値向上の基本方針 当社は、株主の皆様の利益拡大に繋がる企業価値向上を目指し、成長戦略の推進と、純資産の圧縮による資本効率の向上を進めることを基本方針とします。 1)成長戦略の推進 投資運用力とファンド募集力が当社の利益の拡大の両輪であり、これらの活動を組織基盤が下支えします。 (投資運用力の向上) 当社は2010年以降、厳選集中投資と経営関与を投資方針に掲げ、有望な投資先を早期に発掘し、投資後の成長に能動的に働きかけることで、キャピタルゲインの最大化とファンドパフォーマンスの向上を図ってきました。 今後、投資運用力の更なる向上を目指し、投資の各プロセスにおける厳選集中投資と経営関与への取り組みを次のようにいっそう進化させます。 ・投 資:成長ポテンシャルの高い企業を早期に開拓し、リード投資家として投資実行 ・成長支援:投資後の事業開発や体制整備での深い関与、様々な経営資源を投下して投資先の成長角度を向上 ・EXIT:深い経営関与を通じて企業価値を最大化するIPOや発展的なM&Aを実現 (ファンド募集力の強化(外部出資の拡大)) 安定したファンドパフォーマンスに加え、規律と透明性の高い運用と、投資家のニーズに応じた情報提供を行います。これにより、既存の投資家からの継続出資を受けるとともに、ファンドの社会的・経済的意義に共感する新規投資家層を獲得し、外部出資額を増やします。 (組織基盤の強化) 継続的な新卒採用・知見伝承と、専門領域におけるスペシャリスト採用を併用した当社独自の採用・育成モデルで、投資運用力の根幹であるキャピタリストを生み出し続けます。 同時に、投資プロセスを一気通貫で支える組織体制をさらに強化し、個人に過度に依存しない投資運用力の持続的な向上に取り組みます。 2)資本効率の向上 今後は、新設ファンドサイズを対象マーケットに合わせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、中長期的には、新規ファンドへの当社出資比率を20%とすることを目標とします。 これにより、必要資金を一定額に抑え、営業投資有価証券残高を維持しながら、高い水準のキャピタルゲインを得ることを目指します。投資運用会社として安定的に運用報酬を得るとともに、高い収益性を継続的に上げることができる、独自の投資運用業の姿を追求していきます。そして、当社の株主還元の方針に基づいた施策の実施とあわせて資本効率の向上を図ります(当社の株主還元の方針は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載した「株主還元についての方針」をご参照ください)。 3)中長期的目標 前述の「企業価値向上の基本方針」で当社の中長期的目標として掲げた主要な指標は以下の図のとおりです。このうち、投資パフォーマンス(ROI)については、2025年4月に事業ポートフォリオを見直し、国内投資に集中することを決定したことを機に、「2.5倍以上」から「3倍以上」に更新しました。また、株主還元を強化し、DOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%または配当性向50%のいずれか大きい方を配当することにしました。国内投資への集中により「成長戦略の推進」と「資本効率の向上」を推進し、目標ROE15~20%の達成を目指し、これらの指標達成に向けて引き続き取り組むことで、資本コストや株価を意識した経営を行っていきます。
事業等のリスク9,564字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び対策に努めてまいります。ただし、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経済状況 ・背景事情およびリスク 当社は主に当社が管理運営するファンドの資金を使って、日本で未上場株式等への投資を行っております。当社はファンドからの管理報酬及び成功報酬に加え、ファンドに自己資金を出資することにより、投資成果であるキャピタルゲインをファンドの他の出資者とともに享受します。 ファンドのパフォーマンスは、政治・経済・社会情勢や株式市場の動向に影響を受けます。不況に陥った場合には、投資先企業の業績不振につながる可能性があり、また起業環境が悪化することで、当社の投資対象となりうるスタートアップの数が減少する可能性があります。未上場株式等への投資は、投資からEXIT(売却)まで数年程度の期間を要するため、EXIT時点での株式市場やIPO市場が低調な場合には、ファンドが保有する株式等の流動化機会が限られる可能性があり、またファンドが得るキャピタルゲイン及び成功報酬も大きく変動する可能性があります。こうした場合は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、ベンチャー投資とバイアウト投資という異なる性質のアセットクラスを有することにより、市況の影響を抑え、経営の安定化を進めています。ベンチャー投資は、創業期から成長期のスタートアップを投資対象とすることで高い成長期待が持てる一方、保有期間も長く、変動性が高いという特性があります。バイアウト投資は、一定の収益力を持つ中小・中堅企業を中心に投資を行うことで、3倍程度の投資倍率を安定的に狙うという特性があります。また、当社が運用する未上場企業投資ファンドは、通常3年半前後の期間をかけて投資先企業の組入れを行うため、時間的にも一定期間に渡る分散が行われることになります。さらに、IPOに限らずM&A等によるEXITの機会も絶えず追求しており、株式市場やIPO市場の動向が当社の収益基盤へ与える影響を低減できるように努めています。 (2)未上場株式等への投資 ・背景事情およびリスク 当社及びファンドは、未上場株式等を投資対象としており、その中でも近年では創業期のシードや事業立ち上げ時期のアーリーステージの割合が高まっています。シード・アーリーステージ段階にある企業の潜在力を見極めることは容易ではなく、高い潜在成長力を有する企業への投資機会を逸した結果、当社及びファンドが大きな投資収益をあげることができない可能性があります。未上場企業は一般に収益基盤や財務基盤が不安定であるばかりでなく、売上がないまたは僅少である場合も多く、経営資源に制約があること等から、景気や市場動向、競争状況等の影響を受けやすく、事業の不確実性が高いといった特徴があります。経営体制や管理体制が未整備であることが多く、そのためコーポレート・ガバナンスが機能しなかったり、内部統制上の不備が生じてしまうことで、その事業の継続性に重大な影響をもたらすこともあります。 また、投資先企業の事業が当初の計画通りに進捗せず、財務状況が悪化した結果、他社への事業売却、倒産等に至り、投資資金が全く回収できない場合もあります。さらに、投資先企業の株式上場や第三者との組織再編、事業売却等M&A等による出口が保証されているものではなく、株式上場やM&A等があった場合であっても、その株式等を、投資コストを上回って売却できる保証はありません。加えて、未上場株式等は、上場株式等に比べ、発行体情報の正確性が保証されておらず、流動性が著しく劣る等の性質があるため、未上場段階で売却を行う場合には、その価格が想定を大きく下回ることがあります。未上場株式等への投資にはこうしたリスクが存在することから、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、有望企業を厳選し、1社あたりの投資金額と保有シェアを高め、投資先企業への経営関与を強化しています。 当社における投資判断は、投資委員会において行っています。投資委員会では、投資検討先が対象とする市場の成長性、製品/サービスの革新性や競争力といった事業性、マネジメントチームの評価、投資採算や投資条件、想定する投資後の企業価値向上策やEXIT戦略、さらにはリスクや事業のサステナビリティなどの観点から議論を行った上で投資の可否を決定します。 投資後は、成長ステージなど投資先企業ごとの状況に応じて、人材採用、営業・マーケティング、大手企業との資本・業務提携、管理体制整備・上場準備、追加の資金調達といった面でのサポートを提供しています。 未上場投資先の状況は、投資委員会・ポートフォリオ会議等の場で定期的に把握し、これらの内容を投資先企業の評価に反映するとともに、個別に価値向上のための各種支援を行い、課題に対する適切な対応を検討しリスクの最小化に努めています。その際、当社が培ってきた豊富なリソースとネットワークの蓄積を活用します。 このようにして投資先の事業の成長と企業価値の向上を図り、キャピタルゲインと投資倍率の向上に努めています。 (3)専業であること ・背景事情およびリスク 当社は、ファンドの管理運営、日本での未上場株式投資に経営資源を集中し事業活動を行っており、現状では未上場株式投資以外に事業を拡大することは考えておりません。当業界は政治・経済・社会の情勢変化や株式市場・IPO市場の影響を強く受ける業態であるため、このような変化等が当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、2018年3月に導入したパートナーシップモデルを進化させ、これまでに蓄積してきた組織基盤との協働を図りながら、投資運用力の向上によるファンドパフォーマンスの向上やファンド募集力の強化を目指しています。2025年4月以降においては、国内の未上場株式投資に経営資源を集中させることで、より一層、投資運用力とファンド募集力の向上を図ります。 (4)競合 ・背景事情およびリスク 当社の主たる業務である未上場株式投資では、当社に類する専業のベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンド、事業会社によるいわゆるコーポレートベンチャーキャピタルといった競合他社との間で、有望な未上場企業への投資案件獲得競争が激しさを増しております。こうした競合状況により有望企業への投資機会を逸した場合や、必ずしも当社が望む条件ではない場合は、十分なキャピタルゲインをあげることができず、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社は、2018年3月に導入したパートナーシップモデルを進化させ、同時にこれまでに蓄積してきた組織基盤やネットワークも活用して投資先企業の成長をサポートすることで競合他社との差別化を図り、ファンドパフォーマンスの向上を目指しています。2025年4月以降においては、国内の未上場株式投資に経営資源を集中させることで、より一層、投資運用力とファンド募集力を向上させ、競合との差別化を図ります。 当社は創業以来、様々な革新的製品やサービスを、起業家とともに生み出してきました。「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」という、創業時からの変わらぬ想いを当社のミッションに掲げ継続的に社内に浸透を図ると共に、当社の投資スタンスについてスタートアップを率いる起業家に訴求しています。また、当社HPやオウンドメディア等を通じて、当社の投資活動や投資先企業の成長をサポートするビジネスディベロップメントの取り組みを実例と共に紹介することで、経営に深くコミットメントする当社のスタンスの理解を促進し差別化を行っています。 (5)株価下落 ・背景事情およびリスク 当社が保有する上場株式の株価の下落は、ファンドのパフォーマンスならびに当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、厳選集中投資により当社及びファンドによるIPO時点の持株比率が比較的高い水準である場合は、株価下落による悪影響が一層大きくなり、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 投資先企業のIPO後は、株式市況、取得コストや保有残高、株価、出来高の動向、当該投資先企業の事業の状況、当該株式を保有するファンドの契約期間等を総合的に勘案しながら、当社及びファンドが保有する株式を売却しています。また、上場株式の複数の流動化手法を活用しており、買い手となる機関投資家との間で証券会社を介して諸条件が折り合った場合、「ブロックトレード」と呼ばれる相対取引等により一定程度まとまった株数を売却することもあります。 (6)ファンド募集 ・背景事情およびリスク 当社における投資は、基本的にファンドの資金を使って行っております。当社ファンドの出資者は主に、運用を目的とする金融機関等の機関投資家層や、スタートアップとの接点を求める事業会社です。また、当社は当社が運営管理するファンドに一定の自己資金を出資することで、継続安定的にファンドを組成してリスクマネーを供給するという社会的使命を果たすとともに、キャピタルゲインの獲得機会としてきました。 また当社は、2022年12月に公表した「企業価値向上の基本方針」において、成長戦略の推進と資本効率の向上のため、新設ファンドサイズを対象マーケットにあわせて段階的に拡大させる一方で、当社の出資比率は段階的に低減させ、中長期的には新設ファンドへの当社出資比率を20%にすることとしています。 政治・経済・社会情勢その他ファンド募集に係る環境の悪化、ファンドパフォーマンスの低迷、ファンド条件や管理運営手法に対するファンド出資者ニーズとの乖離といった要因により、今後のファンド募集において想定通りに外部の出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか管理報酬および成功報酬が減少し、また、想定通りに自己資金での出資ができない場合はキャピタルゲインが減少し、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 ファンド出資者に対しては、ファンドの運用状況、投資先企業の事業の状況等に関する定期的なレポートを送付するほか、出資者のニーズに応じて随時面談し、コミュニケーションを図っています。こうして、運用の透明性を確保するとともに、出資者が必要としている情報を提供することで、信頼関係の醸成に努めています。 また、当社はファンド募集と出資者対応を主な業務とするファンド運用専門の部門を有しています。投資先企業の製品・サービスの紹介や、セミナー等のイベント開催など多様な接点を通じて、ファンドの社会的意義、当社の投資活動やファンド運用に対する理解を深めてもらう機会をつくることで、潜在的なファンド出資者の開拓を継続して行っており、今後のファンドの募集に向けては、海外投資家や年金、投資信託など出資者層の拡大のための取り組みを推進しています。 主に日本国内でのベンチャー投資及びバイアウト投資を行う2022年設立の基幹ファンド(ジャフコSV7シリーズ)における外部出資比率は80%、当社出資比率は20%でした。当社は今後も、新規投資の組入期間に合わせて、3年半前後の周期でファンド募集を行うこととしており、「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標の達成を目指し、新設ファンドサイズを対象マーケットにあわせて段階的に拡大させる一方で、中長期的に新設ファンドへの当社出資比率20%を定着させていきます。 「企業価値向上の基本方針」における中長期的目標については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」をご参照ください。 (7)海外ファンド持分 ・背景事情およびリスク 当社は2025年4月、投資パフォーマンスに優位性があり、今後マーケットの拡大が予想される国内投資に集中することを決定し、アジア法人JAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdを2025年10月に、米国法人JAFCO America Ventures Inc. (Icon)を2026年1月に譲渡完了したものの、譲渡後のアジア・米国法人が運用する既存ファンドへの当社出資持分は海外ファンド持分として継続保有することとしています。海外ファンド持分には引き続き(1)経済状況、(2)未上場株式等への投資、等のリスクが存在することに加えて、法人の譲渡完了に伴い、当社は海外ファンド持分の管理運営には関与しないこととなり、リスクに対して適切な対応が行われずファンドパフォーマンスが低迷し、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、海外ファンド持分で保有する資産は、米ドルを中心とする外貨建であるため、為替レートの変動は、ファンドパフォーマンスに影響します。未上場株式等への投資は、多くが投資からEXITまで数年程度の期間を要し、その間の為替レートの変動の影響を完全に払拭することは困難であり、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 四半期毎に海外ファンド持分の管理運営者から入手するファンドの運用状況、投資先企業の事業の状況等に関するレポートに基づき適切に引当を行います。また、海外ファンド持分の管理運営者から直接報告を受ける機会を四半期毎に設けることで運用状況を適切に理解、把握できる体制を構築しています。 海外ファンド持分で保有する資産の売却及び当該売却代金の分配は、ファンド運用期間(通常10年間)満了までの期間にわたって行われます。その結果、現在海外ファンド持分として保有している外貨建資産を流動化する際の為替レートについては、一定期間に渡る時間分散が行われることになります。 (8)情報の管理 ・背景事情およびリスク 世界的にサイバー攻撃の脅威が高まり、生成AIの活用が進展する中、今後、外部からの不正アクセス、役職員その他の関係者の悪意または過失による流出等といった事態により当社が保有する重要な情報が漏洩した場合は、損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、外部のセキュリティ専門コンサルタントによるシステムリスク評価を実施すること等により課題の把握と対策の推進に努めています。 サイバーセキュリティ対策としては、ファイアウォールの整備、マルウェア対策やデータ暗号化を実施・強化しております。また、当社が保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理については、情報管理規程、プライバシーポリシー及び各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を行っております。加えてペーパーレス化を積極的に推進することで役職員が書類を社外に持ち出す機会を減らし、重要書類の紛失リスク低減を図っております。さらに、役職員に対し通達や研修等を通じて情報セキュリティに関する意識の涵養に努めております。 (9)法的規制 ・背景事情およびリスク 当社は、ファンドの運営管理、未上場株式投資を日本を中心に行っておりますが、その活動にあたっては日本及び関係国の種々の法的規制(会社法・独占禁止法・租税法・金融商品取引法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・マネロン対策関連・財務会計関連等)を受けることとなります。法的規制が及ぶことにより当社の活動が制限される場合及びこれら規制との関係で費用が増加する場合があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、管理部門を中心とする関係部署が業務に係る法的規制の導入・改廃に関する情報収集と対応を行っております。 (10)法令違反等 ・背景事情およびリスク 当社では、当社及びその役職員が、投資活動における関連法規や各種の契約等への違反、ファンドの無限責任組合員としての善管注意義務違反、又は業務上の過誤や不祥事等により、投資先企業、ファンド出資者その他の第三者に損害を与えた場合は、当該損害に対する賠償責任を当社が負う可能性があります。さらに、こうした法令違反等による社会的信用の低下や監督当局の行政処分等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社でのコンプライアンスに係る情報は、コンプライアンスへの取り組み全般を統括するコンプライアンス・オフィサーに集約されます。各部門の長が担当部門におけるコンプライアンス責任者として日常におけるコンプライアンスを推進し、統括部署としての管理部がその取り組みを支援・管理するとともに、内部監査部門がこうした状況を監査します。管理部門は法令等の制定・改廃に関する役職員への情報発信や、コンプライアンスに係る研修や勉強会を実施しています。万が一法令や社内規則等に抵触する事案や事務事故等が発生した場合は、コンプライアンス・オフィサーとコンプライアンス統括部署に情報集約した上で、当面の善後策の検討・実施と再発防止の徹底を図ります。 また当社は、法令違反、ハラスメントを含む人権侵害等のコンプライアンスに係る事項の通報制度を設けています。通報の受付窓口として、管理部門および独立社外取締役による内部窓口及び顧問関係などにない独立性の高い社外法律事務所の弁護士による外部窓口の2つを設け、当社の役職員だけでなく、採用内定者、投資先・投資検討先、お客様、取引先など、当社の業務に関係するすべての方が、本制度を利用可能としています。 (11)役員派遣 ・背景事情およびリスク 当社は、投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。しかし、その役職員個人に対し役員損害賠償請求等があった場合、当社によるその個人に生じた経済的損失の全部又は一部の負担、当社の使用者責任や社会的信用の低下等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 投資先企業において可能な範囲で会社役員賠償責任保険(D&O保険)の付保や責任限定契約を締結するとともに、当社加入のD&O保険では役員派遣されている役職員も補償対象に加えております。 (12)有能な人材の確保や育成 ・背景事情およびリスク 当社の将来の成長と成功は、その事業の特性上有能なベンチャーキャピタリスト等の人材に大きく依存します。採用における競争環境の激化等により有能な人材を確保できなかった場合には、当社の将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、有能な人材を確保・育成し定着させるためには費用が増加する場合があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、多様なバックグラウンドがある優秀な人材の確保やリテンション、社員に対する処遇の適正化・モチベーションの維持向上を実現していくこと等を目的として、2024年1月に人事制度の改定を行いました。評価グレード毎の期待役割をより明確にし、成果連動報酬の上限引上げ等により成果に報いる設計とし、また、当社の強みである組織力・カルチャーの維持・発展のため、当社のバリューを軸とした行動評価指標も新たに加えた制度となります。 加えて、継続的に行ってきた新卒採用と、積極的な中途採用活動により人材を獲得し、若手職員についてはインストラクターやメンターとして任命した役職員がサポートするなど、OJTを中心にその育成に取り組んでいます。2018年3月よりパートナーシップモデルを導入し、実績ある個人(パートナー)が投資運用の重要な意思決定を行い、ファンドパフォーマンスにコミットするとともに、ファンドの運用成果を個人が享受できる仕組みとしました。あわせて、投資の成果に対する直接・間接の貢献に応じ、職員が成果配分を受ける制度を設けています。また、フルフレックスタイム制、オフィスのフリーアドレス、リモートワークや副業など柔軟性が高いワークスタイルを導入するとともに、職員の健康面や人事制度面においても各種施策に取り組んでおります。さらに、当社の強みを継続させるためカルチャーの醸成・浸透を図り、職員一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮できるよう取り組んでおります。こうした制度・施策を実施することで、多様なかつ優秀な人材の確保・育成に努めております。 (13)感染症や自然災害の影響 ・背景事情およびリスク 新たな感染症の出現・拡大等により、売上減少や資金調達難という影響を受ける投資先企業が再び増える場合は、当社で投資損失引当金を繰入れるケースが増加するリスクや、投資先企業のIPO、 M&AなどのEXITが低迷するリスクがあります。 また、感染症の流行のほか、地震・台風等の自然災害やテロ活動等により人的・物的損害やシステム障害といった事象が発生し、当社や投資先企業等の事業活動に制約が生じる可能性があります。当社では事業の継続のため情報システムのクラウド化などの措置を図っていますが、こうした事態がファンドのパフォーマンスに影響し、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 当社では、新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、役職員や顧客等の健康と安全を最優先して感染拡大防止を図るとともに、投資先企業の資金調達、コスト削減、収益計画の抜本的見直し等に、投資先の経営陣らとともに取り組みました。当該知見を活かし、今後の新たな感染症の出現・拡大等が発生した場合も同様に対応を行うことでリスク低減を図ります。 (14)ESG関連 ・背景事情およびリスク 企業経営や投資活動においてESGやサステナビリティの観点が重要視され、当社においても継続的に取り組んでいくことが求められています。 当社におけるサステナビリティ実現への取り組み、ひいては当社のESG関連リスクへの対応が脆弱であると認識された場合、また、こうした取り組みへの開示が十分でないとみなされた場合は、当社のステークホルダーからの支持が得られずに、ファンド募集や投資活動、人的資本の確保に悪影響を及ぼし、当社の企業価値の毀損、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応策 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 2026年1月7日公表の「非連結決算への移行に関するお知らせ」に記載の通り、当社の連結子会社JAFCO Investment (Asia Pacific) Ltd(現JIF Capital Ltd.、以下、「JIAP」)の全株式の譲渡が2025年10月31日に完了したことに伴い、JIAP及びその連結子会社は当社の連結範囲から除外されることとなりました。また、2026年1月6日(米国現地時間)に当社の米国における非連結子会社JAFCO America Ventures Inc.(投資業務は「Icon Ventures」名で運営。以下、「Icon」)の全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡完了しました。 これにより、当社の連結子会社はジャフコ コンサルティング株式会社(以下、「JCC」)のみとなりましたが、JCCはその総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等がいずれも小規模であり、重要性が乏しいため、2026年3月期第3四半期末をもって当社の連結範囲から除外することといたしました。 JIAP及びJCCの連結除外により、当社の連結子会社はなくなったため、当社は2026年3月期第3四半期より、これまでの連結決算から非連結(個別)決算へ移行しております。なお、前期比につきましては、個別業績との比較数値を記載しております。 そして、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券とし、その出資持分に係る損失見積額は投資損失引当金として、総額法にて会計処理しておりましたが、上記の株式譲渡に伴い、JIAPのファンドについては2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンドについては2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれのファンドへの当社出資持分からその引当金を除いた純額を、投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更いたしました。 併せて、これまでは上記出資持分に係る損益は売上高、売上原価に計上し、その引当金に係る損益は投資損失引当金繰入額に計上しておりましたが、本変更以降に生じた出資持分及びその引当金に係る損益については、営業外損益として計上することといたしました。 また、上記の株式譲渡に伴い、当社財務諸表作成にあたり使用する、JIAP及びIconが運用するファンドの財務諸表は、これまで当社の決算日である3月31日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しておりましたが、当事業年度より当該ファンドの決算日である12月31日の財務諸表を使用することといたしました。 この結果、当事業年度の当社財務諸表においては、当該ファンドの2025年4月1日から2025年12月31日までの期間に係る財務諸表を取り込んでおります。 当事業年度の当社の業績は、売上高21,619百万円(前期28,192百万円、増減率△23.3%)、営業利益5,607百万円(前期12,066百万円、増減率△53.5%)、経常利益5,905百万円(前期13,151百万円、増減率△55.1%)、当期純利益6,576百万円(前期9,632百万円、増減率△31.7%)となりました。 当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社であり、キャピタルゲインは対前期比で減少しました。 また、上記のJIAP及びIcon株式譲渡に際し、JIAP及びIconからの配当により営業外収益にて有価証券利息配当金2,429百万円の計上があったことに加え、特別利益にて投資有価証券売却益が106百万円、子会社株式売却益350百万円、子会社株式売却損163百万円が発生しております。 なお、当社はファンド運用事業の単一セグメントであります。 ②キャッシュ・フローの状況 当社は、2026年3月期第3四半期より連結決算から非連結(個別)決算へ移行したことから、キャッシュ・フローの状況について、前事業年度との比較は行っておりません。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは5,587百万円のキャッシュインフローとなりました。これは主に営業投資有価証券の売却収入によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは3,846百万円のキャッシュインフローとなりました。これは主に投資有価証券の売却収入によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは11,613百万円のキャッシュアウトフローとなりました。これは主に配当金の支払や自己株式の取得に伴う支出によるものであります。 上記の他に、当事業年度において、「投資有価証券への振替に伴う現金及び現金同等物の増減」として現金及び現金同等物が2,732百万円減少しております。これは、「①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、これまでJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に含まれる現金及び預金は、総額法により貸借対照表上「現金及び預金」として計上しておりましたが、純額法に変更したことにより「投資有価証券」に含まれることになるために生じた振替額であります。 これらの結果、現金及び現金同等物残高は当事業年度期首残高の66,095百万円から4,912百万円減少して、当事業年度末残高は61,183百万円となりました。そのうち2,573百万円はファンド出資持分であります。また、当社が組合契約を締結しているファンドに対して当社が出資金として今後支払を約束している金額は、当事業年度末で13,603百万円であります。なお、13,603百万円には、JIF Capital Ltd.運営ファンドに対する支払約束金額4,207百万円及びIcon Ventures運営ファンドに対する支払約束金額4,201百万円の合計8,409百万円が含まれております。また、JIF Capital Ltd.は2025年11月24日付でJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdより社名を変更しております。 (2)生産、受注及び販売の実績 営業投資活動の状況 当社は、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、有望未上場企業等への投資を行っております。 当社は、ファンドから契約に基づいて運用に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。また、ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社に直接帰属いたします。 貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。 次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社の営業投資活動(投資及びファンドの運用)を表すため、ファンド(下図①)と当社(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。 なお、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当社の連結子会社JIAPの全株式の譲渡が2025年10月31日に完了したことに伴い、JIAP及びその連結子会社は当社の連結範囲から除外されることとなりました。また、2026年1月6日(米国現地時間)に当社の米国における非連結子会社Iconの全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡完了しました。そのため、「(2)生産、受注及び販売の実績」につきましては、当社が運用する国内ファンドの状況を記載しております。 (注)用語説明 名 称   定 義 ファンド   当社が運用するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合等) ①投資実行額 ①-1 エクイティ投資実行額:業種別 (単位:百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額   金額 エレクトロニクス   689   997 ソフトウェア   2,010   1,944 ITサービス   16,510   10,392 医療・バイオ   525   1,418 サービス   6,800   1,792 製造業   1,479   1,065 流通・小売・外食   -   274 住宅・金融等   -   1,486 合計   28,014   19,371 ①-2 エクイティ投資実行額 (単位:百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額   社数   金額   社数 ベンチャー投資   17,023   44   13,373   40 バイアウト投資   10,991   8   5,998   5 合計   28,014   52   19,371   45 (注)「投資実行額」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。 ②投資残高 ②-1 投資残高 (単位:百万円) 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) 金額   社数   金額   社数 上場   6,508   30   2,924   23 未上場   143,633   183   151,861   192 合計   150,141   213   154,785   215 ②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別 (単位:百万円) 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) 金額   金額 エレクトロニクス   7,426   8,106 ソフトウェア   8,424   9,994 ITサービス   79,463   86,513 医療・バイオ   8,215   9,634 サービス   21,141   21,512 製造業   8,313   6,969 流通・小売・外食   9,017   6,014 住宅・金融等   1,630   3,116 合計   143,633   151,861 ②-3 未上場エクイティ投資残高 (単位:百万円) 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) 金額   金額 ベンチャー投資   104,632   114,564 バイアウト投資   39,000   37,297 合計   143,633   151,861 (注)1.「投資残高」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。 2.「投資残高」は取得原価で表示しております。 ③ファンドの運用状況 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) ファンド数   コミットメント 総額   ファンド数   コミットメント 総額 円建           (百万円)       (百万円) 運用中   11   252,800   11   252,800 延長中   5   60,000   5   60,000 合計   16   312,800   16   312,800 コミットメント総額に占める 当社の 出資持分割合   34.7%   34.7% (注)1.2025年12月にジャフコSV8シリーズを設立いたしました。2026年4月24日現在、ジャフコSV8シリーズ全体のファンド総額は約580億円であり、前回SV7シリーズの総額978億円を上回る金額を目標とし、募集を継続中であります。なお、上表の当事業年度のファンド数、コミットメント総額は、ジャフコSV8シリーズを含んでおりません。 2.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。 ④主なEXIT実績 当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社でした。詳細は「④-1 IPO(新規上場)の状況」をご参照ください。 また、当事業年度におけるM&AによるEXITとしては、バイアウト投資先の㈱PAPABUBBLE JAPAN HDや㈱ウォーターフロント等の株式譲渡を実行しております。 ④-1 IPO(新規上場)の状況 前事業年度(2024年4月1日~2025年3月31日) 投資先会社名   上場年月日   上場市場   事業内容   本 社 所在地 ベンチャー投資:6社   ㈱アストロスケールホールディングス   2024年6月5日   グロース   スペースデブリの除去を中心とした、宇宙空間での軌道上サービスの提供   東京都 Chordia Therapeutics㈱   2024年6月14日   グロース   新規抗がん剤の研究開発   神奈川県 ㈱タイミー   2024年7月26日   グロース   スキマバイトのマッチングサービスの運営   東京都 ㈱オルツ   2024年10月11日   グロース   パーソナル人工知能「P.A.I.」の開発、AI議事録等Saasツールの開発・提供   東京都 dely㈱   2024年12月19日   グロース   「クラシル」、「クラシルリワード」をはじめとする複数のスマートフォンアプリ及びWebメディアの運営   東京都 ㈱Synspective   2024年12月19日   グロース   小型SAR衛星開発製造及び衛星データソリューション提供   東京都 バイアウト投資:2社   インフォメティス㈱   2024年12月9日   グロース   機械学習(AI:人工知能)を活用したエネルギー・データ・マネジメント・サービス   東京都 プログレス・テクノロジーズ グループ㈱   2025年3月28日   グロース   設計開発に特化したコンサル・ソリューション・プロジェクトサービス・エンジニアリングサービスなどのワンストップサービスの展開   東京都 当事業年度(2025年4月1日~2026年3月31日) 投資先会社名   上場年月日   上場市場   事業内容   本 社 所在地 ベンチャー投資:1社   ㈱ミラティブ   2025年12月18日   グロース   スマホゲーム実況/ライブ配信を中心としたコミュニケーションサービス「Mirrativ」の運営   東京都 バイアウト投資:1社   伊澤タオル㈱   2025年6月20日   スタンダード   タオル製品等の企画・製造及び販売   東京都 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。 当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績 「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度の当社の売上高は21,619百万円(前期比23.3%減)、営業利益は5,607百万円(前期比53.5%減)となりました。営業外収益は、有価証券利息配当金の増加等により、2,663百万円(前期比94.7%増)となりました。また、営業外費用は、他社ファンド運用損の発生等により、2,365百万円(前期比735.3%増)となりました。この結果、経常利益は5,905百万円(前期比55.1%減)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益、子会社株式売却益により2,493百万円となり、特別損失は子会社株式売却損により163百万円となりました(前期の特別利益及び特別損失の計上はありません)。税効果会計適用後の法人税等は1,658百万円(前期比52.9%減)となりました。以上の結果、当期純利益は6,576百万円(前期比31.7%減)となりました。 b.財政状態 当事業年度末における当社の財政状態は、流動資産120,472百万円(前期比23.5%減)、固定資産37,384百万円(前期比485.7%増)、流動負債1,679百万円(前期比65.1%減)、固定負債22,064百万円(前期比2.7%増)、純資産は134,113百万円(前期比2.5%減)となり、総資産は157,856百万円(前期比3.6%減)となりました。 なお、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度中に、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分の会計処理を総額法から純額法に変更しております。その結果、これまで当該出資持分に含まれる現金及び預金や営業投資有価証券は、それぞれ貸借対照表上「現金及び預金」、「営業投資有価証券」として計上しておりましたが、当該変更により「投資有価証券」に振り替え、純額で計上しております。 そのため、流動資産については、現金及び預金が、上記の振替と、配当金の支払、自己株式の取得による支出等により前期末から4,912百万円減少しております。また、営業投資有価証券も、主に上記の振替により前期末から38,560百万円減少しています。一方で、固定資産については、投資有価証券が主に上記の振替により前期末から33,553百万円増加しています。 流動負債については、未払法人税等が前年度から3,339百万円減少し、固定負債については、繰延税金負債が前期末から720百万円増加しております。 c.キャッシュ・フローの状況 「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。 d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの運用業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりです。 (投資実行の状況) 「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行額」に記載のとおり、当事業年度の当社が運用するファンド全体の投資実行額は、19,371百万円(前期28,014百万円)、投資会社数は45社(前期52社)となりました。年間投資実行額は250~300億円前後の水準としていますが、バイアウト投資における投資実行のタイミングのずれによる影響等により、当事業年度は前期比で投資実行額が減少しました。 (キャピタルゲインの状況) 当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社であり、当社及び当社が運用する国内ファンドへの当社出資分(以下、「国内投資分」)に係るキャピタルゲインは前事業年度を下回りました。 なお、これまでJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券として総額法にて会計処理しており、出資持分にかかる損益は売上高、売上原価に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンドについては2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンドについては2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれ投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更し、それ以降の出資持分にかかる損益については営業外損益として計上しております。 前事業年度及び当事業年度の売上高、売上原価には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内数として記載しております。 (単位:百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   対前期比(%) (B)/(A) 決算数値   うち、 国内投資分 (A)   決算数値   うち、 国内投資分 (B) 営業投資有価証券 売上高①   23,382   19,377   17,973   14,850   76.6 売却高   23,036   19,050   17,664   14,557   76.4 配当金・債券利子   345   327   308   292   89.4 営業投資有価証券 売上原価②   10,840   8,995   9,934   5,383   59.8 売却原価   10,840   8,995   8,263   5,383   59.8 強制評価損   -   -   1,671   -   - キャピタルゲイン ①-②   12,541   10,381   8,038   9,467   91.2 投資倍率 ①÷②   2.16   2.15   1.81   2.76   - 上場キャピタルゲイン   9,395   8,768   8,401   8,037   91.7 上場以外キャピタルゲイン   3,145   1,613   △363   1,429   88.6 売却益   4,493   2,539   2,568   2,183   86.0 売却損   1,347   925   2,931   753   81.4 (投資損失引当金の状況) 当事業年度の国内投資分に係る投資損失引当金は、投資損失引当金の繰入が取崩を上回り、対前期末比で投資損失引当金残高は増加しております。未上場営業投資有価証券残高に対する引当率も増加しました。 なお、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る損失見積額は投資損失引当金として総額法にて会計処理しており、引当金に係る損益は投資損失引当金繰入額に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれのファンドへの当社出資持分からその引当金を除いた純額を、投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更し、それ以降の出資持分に係る損益については営業外損益として計上しております。 前事業年度の投資損失引当金残高及び、前事業年度及び当事業年度の投資損失引当金繰入額、取崩額には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内数として記載しております。 (単位:百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   対前期比(%) (B)/(A) 決算数値   うち、 国内投資分 (A)   決算数値   うち、 国内投資分 (B) 投資損失引当金繰入額①   2,572   1,477   3,466   2,349   159.0 投資損失引当金取崩額②   2,884   2,594   2,715   1,108   42.7 投資損失引当金繰入額 (純額・△は戻入額) ①-②   △311   △1,117   751   1,241   - (単位:百万円) 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) 決算数値   うち、 国内投資分   決算数値   うち、 国内投資分 投資損失引当金残高   13,090   7,697   8,940   8,940 未上場営業投資有価証券残高に対する引当率   15.8%   16.8%   19.3%   19.3% (営業投資有価証券残高の状況) 既存上場営業投資有価証券の売却等の影響により、当事業年度末の国内投資分に係る営業投資有価証券の残高は対前期末比で減少しております。 なお、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券として総額法にて会計処理しており、出資持分に係る損益は売上高、売上原価に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれ投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更しており、それ以降の出資持分に係る損益については営業外損益として計上しております。 また、前事業年度の営業投資有価証券残高には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内訳として記載しております。 営業投資有価証券残高   (単位:百万円) 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) 決算数値   うち、国内投資分   決算数値   うち、国内投資分 取得原価   貸借対照表計上額   取得原価   貸借対照表計上額   取得原価   貸借対照表計上額   取得原価   貸借対照表計上額 上場   3,608   20,359   3,113   19,380   1,294   18,290   1,294   18,290 未上場   75,948   82,763   45,131   45,812   45,491   46,271   45,491   46,271 合計   79,556   103,123   48,245   65,193   46,785   64,562   46,785   64,562 (単位:百万円) 前事業年度 (2025年3月31日)   当事業年度 (2026年3月31日) 国内投資分に係る上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額   16,266   16,996 時価が取得原価を超えるもの   16,269   17,176 時価が取得原価を超えないもの   △2   △179 (単位:百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益)   △2   177 (ファンドの運用業務の状況) SV4シリーズのEXIT進捗等により、当事業年度の国内投資に係る成功報酬は前事業年度の水準を下回りました。 なお、前事業年度及び当事業年度の投資事業組合管理収入には、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドに係る損益が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る損益を内訳として記載しております。 (単位:百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   対前期比(%) (B)/(A) 決算数値   うち、 国内投資分 (A)   決算数値   うち、 国内投資分 (B) 投資事業組合管理収入   4,791   4,650   3,639   3,544   76.2 管理報酬   3,459   3,320   3,208   3,114   93.8 成功報酬   1,332   1,330   430   430   32.4 (注)管理報酬及び成功報酬は、当社の出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。 e.当社の資本の財源及び資金の流動性 当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために強固な財務基盤が求められます。 当事業年度の純資産額は134,113百万円(前期末137,540百万円)、自己資本比率については85.0%(前期末84.0%)となりました。貸借対照表に計上されている61,183百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。 なお、当社は、後述の「株主還元についての方針」に基づき、投資継続のための必要資金を将来にわたり段階的に縮小させ、必要資金を超える現預金については自己株式の取得を検討することとしております。 株主還元についての方針 当社は、2026年3月期の配当から、年間配当金額をDOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とすることとしております。 なお、当社は、2026年3月期第3四半期より連結決算から非連結(個別)決算へ移行しております。2026年1月7日公表の「非連結決算への移行に関するお知らせ」に記載の通り、当事業年度の配当予想は、前期末連結株主資本に対する年間配当金額の割合(DOE)を6%として計算された132.88円を元に1株当たり133円を最低額として開示しておりました。非連結(個別)決算の移行に伴い、これを前期末単体株主資本を使用して計算すると132.18円となることから、配当予想は変更せず、前期末連結株主資本を基準としたDOE6%と個別決算における当期純利益の50%のいずれか大きい額を年間配当金額としております。 当事業年度の年間配当金額は、DOE6%(1株当たり133円)が配当性向50%(1株当たり62円)を上回るため、1株当たり133円といたしました。そのため、当事業年度の期末配当額は、本年間配当金額から中間配当額(1株当たり66.5円)を控除して、1株当たり66.5円といたしました。 翌事業年度以降の配当については、年間配当金額をDOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針に変更はなく、個別決算数値を基に決定してまいります。 また、必要資金を超える現預金は、自己株式の取得を検討することとしており、この方針に変更はありません。今後も、資本効率の向上と成長戦略の推進による企業価値向上を目指してまいります。 f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社における最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社は、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。 なお、当社の中長期的目標として掲げた指標は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」に記載のとおりです。 (ご参考)運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次のとおりです。 ファンド   設立年月   出資金 総額 (億円)   払込済 出資金額 (億円)   分配金 累計額 (億円)   純資 産額 (億円)   グロス倍率 (倍)   ネット倍率 (倍) 2026年3月末   2025年3月末   2026年3月末   2025年3月末   2026年3月末 SV-4(B)   2013年3月   291   291   557   16   2.38   2.38   1.98   1.97 SV-5(B)   2016年8月   498   473   257   211   1.18   1.17   1.03   0.99 SV-6   2019年6月   640   627   384   423   1.45   1.48   1.28   1.29 V7   2022年6月   560   452   -   400   1.00   1.00   0.89   0.89 BO7   2022年6月   288   252   5   205   1.02   0.92   0.93   0.84 (注)1.グロス倍率とネット倍率の算出方法は次のとおりです。 グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額) ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額) 2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。 g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容 当社は、ファンド運用事業の単一セグメントであります。

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開示資料

出典

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