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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

楽天グループ

Rakuten Group,Inc.4755 · Prime · サービス業

楽天グループは、国内EC最大手の楽天市場を核に、金融・通信を一体化した独自のエコシステムを展開する。

概要

楽天グループは1997年に創業した国内最大級のインターネット総合サービス企業である。オンラインショッピングモール「楽天市場」を核に、クレジットカード・銀行・証券などのフィンテック、そして携帯キャリア「楽天モバイル」まで事業を広げる。2025年12月期の売上収益は2兆4966億円に達するが、モバイル事業への投資負担により連結純利益は1779億円の赤字が続く。会員基盤を活かした「楽天エコシステム」が競争力の源泉である。

インターネット・金融・通信の3セグメント体制

楽天グループは有価証券報告書において「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の3つを報告セグメントとしている。インターネットサービスは「楽天市場」を中心としたECサイト、旅行予約「楽天トラベル」、フリマアプリ「ラクマ」、電子書籍「Rakuten Kobo」、メッセージングアプリ「Viber」などを含む。フィンテックは「楽天カード」「楽天銀行」「楽天証券」、暗号資産取引「楽天ウォレット」、生損保保険など包括的な金融サービスを提供する。モバイルは携帯キャリア「楽天モバイル」のほか、光回線「楽天ひかり」、電力「楽天でんき」、そして通信インフラプラットフォーム「Rakuten Symphony」を展開する。各セグメントは独立した財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源配分の検討対象とする。

楽天エコシステムとクロスユース戦略

同社は「楽天エコシステム」と呼ぶビジネスモデルを掲げる。楽天グループ会員を中心に、EC・金融・通信の複数サービスを回遊・継続利用させることで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化を狙う。中核となるのが「楽天ポイント」であり、2002年に導入された。ポイントはグループ内のほぼ全てのサービスで共通利用可能で、顧客の囲い込みとサービス間のクロスユースを促進する。例えば「楽天市場」での買い物で貯めたポイントを「楽天トラベル」や「楽天カード」の支払いに使える。2022年12月期の流通総額は公表されていないが、EC市場における国内最大級の会員基盤を有する。

海外買収で拡大した事業領域

楽天グループは2000年代後半から積極的な海外買収により事業領域を広げてきた。2005年に米国のアフィリエイトネットワークLinkShare(現Rakuten Marketing)を、2010年にフランスのECサイトPriceministerを子会社化。2012年にはカナダの電子書籍端末・サービスKobo、スペインの動画配信Wuaki.tvを買収。2013年にはシンガポールの動画配信Viki、2014年にはメッセージングアプリViberと米国のキャッシュバックサイトEbatesを傘下に収めた。しかし近年は海外事業の再編も進み、2021年にはRakuten Symphonyとして通信プラットフォーム事業をグローバルに展開する一方、一部事業では減損を計上している。

増収基調ながら赤字が続く財務構造

売上収益は2012年12月期の4004億円から2025年12月期には2兆4966億円へと約6倍に拡大した。しかし同期間の純利益は194億円の黒字から1779億円の赤字に転落している。主因は2019年に開始した「楽天モバイル」への巨額投資である。基地局整備や料金競争による費用が収益を圧迫し、モバイルセグメントは2025年12月期も損失計上が続く。一方、フィンテックセグメントは堅調で、楽天カードや楽天銀行がグループの収益を支える。Non-GAAP営業利益は2025年12月期に1062億円と改善したが、IFRSベースでは無形資産償却費や株式報酬費用などの調整項目が利益を押し下げている。

業界の中での役割はプラットフォーマー(EC・金融・通信の統合プラットフォーム運営)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.5兆円
営業利益
144億円
営業利益率
0.6%
純利益
-1,779億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01インターネットサービス主力

『楽天市場』を中核とするECサイト群、旅行予約サイト、デジタルコンテンツ、コミュニケーションアプリ等を運営。広告販売やプロスポーツ運営も含む。会員基盤を活かしたクロスユースが強み。

主要顧客一般消費者、出店事業者、広告主

主な製品・サービス4
楽天市場
日本最大級のインターネット・ショッピングモール。多様なジャンルの商品を取り扱い、楽天ポイントを共通還元することで顧客ロイヤルティを高めている。
楽天トラベル
総合旅行予約サイト。宿泊、航空券、レンタカー等の予約が可能で、楽天ポイントの取得・利用に対応。
ラクマ
フリマアプリ。個人間取引を仲介し、楽天ポイントとの連携により独自性を持つ。
楽天ブックス
オンライン書店。書籍、電子書籍、DVD等を販売。

02フィンテック主力

楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天ペイメントなど金融サービスを包括的に提供。クレジットカード、銀行、証券、保険、決済をECと連携させ、グループ内での資金循環を促進。

主要顧客個人顧客、加盟店

主な製品・サービス4
楽天カード国内シェア上位
国内発行枚数トップクラスのクレジットカード。楽天市場での決済を中心に、ポイント還元率の高さが特徴。
楽天銀行
インターネット専業銀行。預金、振込、ローン等のサービスを提供。楽天証券との連携等でグループシナジーを発揮。
楽天証券
オンライン証券サービス。株式・投資信託等の取引を提供。ポイント投資など独自機能を持つ。
楽天ペイメント
QRコード決済等のペイメントサービスを提供。店舗・オンライン双方で利用可能。

03モバイル準主力

楽天モバイルとして携帯通信サービス(MNO)を提供。光回線『楽天ひかり』や電力『楽天でんき』も展開。また、Rakuten Symphonyを通じてOpen RAN技術を活用した通信インフラプラットフォームの販売・サービス提供も行う。

主要顧客一般消費者、法人、通信事業者

主な製品・サービス4
楽天モバイル
第4の携帯キャリアとして、データ通信・音声通話サービスを提供。独自のOpen RAN技術を採用し、低コストなネットワーク構築が特徴。
楽天ひかり
光ブロードバンド回線サービス。
楽天でんき
一般家庭向け電力供給サービス。グループポイントと連携。
Rakuten Symphony
Open RANベースの通信インフラプラットフォーム及び関連サービスの販売。通信事業者向けにネットワーク仮想化ソリューションを提供。

製品と技術

「楽天市場」を中核とするECプラットフォーム

日本最大級のインターネット・ショッピングモール「楽天市場」は、多様なジャンルの商品を提供し、出店事業者と消費者を結ぶ。特徴は楽天ポイントの共通還元システムであり、2002年の導入以来、顧客ロイヤルティの向上に寄与している。フリマアプリ「ラクマ」、オンライン書店「楽天ブックス」、旅行予約「楽天トラベル」なども同一のポイント経済圏に組み込まれている。2025年12月期のインターネットサービスセグメントの売上収益は公表されていないが、グループ全体の約3割を占め、安定した収益基盤となっている。

国内トップクラスの「楽天カード」とフィンテック群

楽天カードは国内発行枚数トップクラスのクレジットカードで、楽天市場での決済を中心に高いポイント還元率が強みである。楽天銀行はインターネット専業銀行として預金・振込・ローンを提供し、楽天証券と連携したポイント投資などの独自機能を持つ。楽天ペイメントはQRコード決済を提供し、店舗・オンライン双方で利用できる。これらの金融サービスはグループ内での資金循環を促進し、フィンテックセグメントはグループの収益を大きく支える。2025年12月期のNon-GAAP営業利益1062億円の大部分はフィンテックが貢献したと推定される。

「楽天モバイル」とOpen RAN技術のRakuten Symphony

楽天モバイルは2019年に携帯キャリアサービスを開始し、2025年12月に契約回線数1000万を突破した。その特徴はOpen RAN(開放型無線アクセスネットワーク)技術の採用であり、従来の基地局と比較して低コストなネットワーク構築を可能とする。この技術を活かし、楽天グループはRakuten Symphonyを通じて通信事業者向けに通信インフラプラットフォームの販売も行う。2023年10月にはプラチナバンド(700MHz帯)の割当を受け、通信品質の改善を進めている。ただし、モバイルセグメントは依然として赤字であり、収益化がグループ全体の課題である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 国内シェア上位楽天カード国内発行枚数トップクラスフィンテック

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

インターネット複合企業、国内圧倒的だが黒字化途上

楽天経済圏を軸に、ネット通販、金融、通信を融合した独自のビジネスモデルを持つ。同業他社にはジンジブやイシンなどがあるが、サービス規模や顧客基盤の点で当社が大きく先行する。直近の売上高は2兆円を超え、成長が続く。しかし、楽天モバイルの設備投資などで利益は低迷し、営業利益率は1%前後。金融・通信のシナジーを最大化し、早期の黒字定着が求められる。

強み

  • ショッピング、金融、通信を連携させ、顧客の囲い込みを実現
  • 国内で約1億の会員を有し、マーケティングに強み
  • AIやデータ解析を活用したサービス強化に注力
  • ネット通販に加え、銀行、証券、携帯電話など事業を展開

課題

  • 営業利益率が1%前後で、収益性の改善が急務
  • 通信事業で大規模な設備投資が続き、グループ収益を圧迫
  • AmazonやPayPayなどと競合し、市場シェア維持が課題

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

小売・消費の時価総額近傍。太字が楽天グループ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17936アシックス3.1兆円23.6倍
27550ゼンショーホールディングス2.0兆円41.6倍
38113ユニ・チャーム1.8兆円26.4倍
49843ニトリホールディングス1.7兆円19.1倍
54452花王1.6兆円25.6倍
64755楽天グループ1.6兆円
74911資生堂1.4兆円
89021西日本旅客鉄道1.4兆円10.8倍
93099三越伊勢丹ホールディングス1.2兆円15.5倍
107453良品計画1.2兆円37.9倍
113088マツキヨココカラ&カンパニー1.1兆円18.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(小売・消費)に従っています。

会社の歴史

沿革 43件

オンラインコマースサーバー開発から「楽天市場」開設へ(1997〜1999年)

1997年2月、資本金1000万円で株式会社エム・ディー・エムを東京都港区に設立。オンラインコマースサーバーの開発とインターネット・ショッピングモール運営を目的とした。同年5月に「楽天市場」のサービスを開始。1998年8月に本社を目黒区へ移転し、1999年6月には楽天株式会社へ社名変更した。この3年間でECモールの基礎を築いた。

上場と金融事業への進出(2000〜2004年)

2000年4月に日本証券業協会に店頭登録(後のジャスダック)。同年5月に本社を中目黒へ移転。2001年3月に「楽天トラベル」を開始。2002年11月には「楽天スーパーポイント(現楽天ポイント)」を導入し、ポイント経済圏の基盤を整えた。2003年9月に旅行予約サイト運営会社を子会社化、11月にはディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券を買収し証券事業へ参入(現楽天証券)。2004年9月にあおぞらカード(現楽天カード)を子会社化し、クレジットカード事業を獲得。同年12月にはジャスダックに上場した。

M&Aで急拡大した2000年代後半(2005〜2012年)

2005年9月、米LinkShare(現Rakuten Marketing)を子会社化し、アフィリエイト広告事業へ進出。2007年8月にはIP電話事業のフュージョン・コミュニケーションズ(現楽天コミュニケーションズ)を買収。2009年2月、イーバンク銀行(現楽天銀行)を子会社化し、ネット銀行の中核とした。2010年1月にビットワレット(現楽天Edy)、7月にフランスのPriceministerを買収。2012年1月にはカナダの電子書籍Kobo、6月にスペインの動画配信Wuaki.tvを子会社化。同年10月にはアイリオ生命保険(現楽天生命保険)を完全子会社とし、保険事業を拡充した。

コンテンツ・通信領域への多角化(2013〜2018年)

2013年9月に動画配信Viki、2014年3月にメッセージングアプリViberを買収。10月には米国最大級のキャッシュバックサイトEbatesを子会社化した。この間、2013年11月には東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズ初優勝を達成。同年12月に東京証券取引所市場第一部へ上場市場を変更した。2015年8月に本社を現在の世田谷区玉川へ移転。2017年6月に民泊事業(楽天ステイ)に参入。2018年3月には朝日火災海上保険(現楽天損害保険)を買収し、損害保険事業を開始した。

モバイル通信事業へ参入(2019〜2021年)

2019年10月、楽天モバイルが携帯キャリアサービス(MNO)を開始。2020年9月には5Gサービスも開始した。この巨額投資がグループの収益を圧迫し始める。2021年4月、楽天株式会社から楽天グループ株式会社へ社名変更。同年8月には通信プラットフォーム事業組織「Rakuten Symphony」を始動し、Open RAN技術を活用したインフラ販売に乗り出した。2022年1月には楽天シンフォニー株式会社を設立。2022年4月に東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場へ移行した。

金融子会社の上場とモバイル事業の転機(2022〜2025年)

2022年10月、楽天証券ホールディングスがみずほ証券と資本業務提携。2023年4月、楽天銀行が東京証券取引所プライム市場へ上場した。2023年10月には「プラチナバンド」(700MHz帯)の割当が認定され、通信品質向上への道筋をつけた。2024年11月、楽天カードがみずほフィナンシャルグループと資本業務提携を締結。2025年12月には楽天モバイルの全契約回線数が1000万を突破した。しかし、モバイル事業の収益化は依然課題であり、連結純利益は2019年以降赤字が続いている。

年表43件を開く

1990年代

  • 1997年2月創業オンラインコマースサーバーの開発及びインターネット・ショッピングモール『楽天市場』の運営を行うことを目的として、資本金1,000万円にて東京都港区愛宕1丁目6番7号に株式会社エム・ディー・エムを設立
  • 1997年5月インターネット・ショッピングモール『楽天市場』のサービスを開始
  • 1998年8月本社を東京都目黒区祐天寺2丁目8番16号に移転
  • 1999年6月商号変更株式会社エム・ディー・エムより、楽天株式会社へ社名変更

2000年代

  • 2000年4月日本証券業協会に店頭登録
  • 2000年5月本社を東京都目黒区中目黒2丁目6番20号に移転
  • 2001年3月『楽天トラベル』のサービスを開始
  • 2002年11月『楽天スーパーポイント(現 楽天ポイント)』のサービスを開始
  • 2003年9月M&A宿泊予約サイトを運営するマイトリップ・ネット株式会社を子会社化
  • 2003年10月本社を東京都港区六本木6丁目10番1号に移転
  • 2003年11月M&Aディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券株式会社(現 楽天証券株式会社)を子会社化
  • 2004年9月M&A株式会社あおぞらカード(現 楽天カード株式会社)を子会社化
  • 2004年11月日本プロフェッショナル野球組織(NPB)(現 一般社団法人日本野球機構(NPB))による「東北楽天ゴールデンイーグルス」新規参入承認
  • 2004年12月上場株式会社ジャスダック証券取引所(現 東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))に上場
  • 2005年9月M&ALinkShare Corporation(現 RAKUTEN MARKETING LLC)を子会社化
  • 2007年8月M&AIP電話事業を運営するフュージョン・コミュニケーションズ株式会社(現 楽天コミュニケーションズ株式会社)を子会社化
  • 2008年4月本社を東京都品川区東品川4丁目12番3号に移転
  • 2009年2月M&Aイーバンク銀行株式会社(現 楽天銀行株式会社)を子会社化

2010年代

  • 2010年1月M&Aビットワレット株式会社(現 楽天Edy株式会社)を子会社化
  • 2010年7月M&AフランスにおいてECサイトを運営するPRICEMINISTER S.A.(現 RAKUTEN FRANCE S.A.S.)を子会社化
  • 2012年1月M&Aグローバルに電子書籍サービスを展開するKobo Inc.(現 Rakuten Kobo Inc.)を子会社化
  • 2012年6月M&Aスペインにおいてビデオストリーミングサービスを提供するWuaki. TV, S.L.(現 Rakuten TV Europe, S.L.U.)を子会社化
  • 2012年10月M&A持分法適用関連会社であったアイリオ生命保険株式会社(現 楽天生命保険株式会社)を子会社化
  • 2013年9月M&Aグローバルにビデオストリーミングサービスを展開するViki, Inc.を子会社化
  • 2013年11月「東北楽天ゴールデンイーグルス」がプロ野球日本シリーズ初優勝
  • 2013年12月上場東京証券取引所市場第一部へ上場市場を変更
  • 2014年3月M&AグローバルにモバイルメッセージングとVoIPサービスを展開するViber Media Ltd.(現 Viber Media S.a.r.l.)を子会社化
  • 2014年10月M&A北米最大級の会員制オンライン・キャッシュバック・サイトを展開するEbates Inc.を子会社化
  • 2015年8月本社を東京都世田谷区玉川一丁目14番1号に移転
  • 2017年6月創業楽天LIFULL STAY株式会社(現 楽天ステイ株式会社)を設立、民泊事業に参入
  • 2018年3月M&A朝日火災海上保険株式会社(現 楽天損害保険株式会社)を子会社化
  • 2019年8月『楽天ウォレット』が暗号資産(仮想通貨)の取引サービスを開始
  • 2019年10月『楽天モバイル』が携帯キャリアサービスを開始

2020年代

  • 2020年9月『楽天モバイル』が携帯キャリアサービスにおいて、5Gを用いた通信サービスを開始
  • 2021年4月商号変更楽天株式会社より、楽天グループ株式会社へ社名変更
  • 2021年8月通信プラットフォーム事業組織Rakuten Symphonyを始動
  • 2022年1月M&A楽天モバイル株式会社の完全子会社、楽天シンフォニー株式会社を設立
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行
  • 2022年10月楽天証券ホールディングス株式会社とみずほ証券株式会社による資本業務提携の締結
  • 2023年4月上場楽天銀行株式会社が東京証券取引所プライム市場へ上場
  • 2023年10月特定基地局開設計画(“プラチナバンド”700MHz帯割当)が認定
  • 2024年11月楽天カード株式会社と株式会社みずほフィナンシャルグループによる資本業務提携の締結
  • 2025年12月『楽天モバイル』の全契約回線数が1,000万を突破

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    楽天エコシステムの拡大

    会員、データ、ブランドを核にEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、モバイル等のサービスを回遊・継続利用できる環境を整備し、会員生涯価値の最大化と顧客獲得コスト最小化によるグループ収益最大化を目指す。

  2. 02

    AI・データ活用によるサービス革新

    メンバーシップや共通ポイント基盤のデータとAI等の先進技術を活用し、新たな市場創造や既存ユーザーの購買額向上、効率的なマーケティング手法の確立に取り組む。

  3. 03

    モバイル事業の品質向上と顧客基盤強化

    ネットワーク品質向上と認知拡大、楽天エコシステムを活用したマーケティング、法人・自治体への提案により契約者獲得を加速し、高品質ネットワーク提供と損益改善を目指す。

  4. 04

    フィンテック事業の拡大

    クレジットカード、銀行、証券、保険、決済等の各サービスで顧客基盤と取扱高を拡大。キャッシュレス決済推進に向け、導入箇所拡大やアクティブユーザー増加施策を進める。

  5. 05

    グローバル展開と事業ポートフォリオ最適化

    楽天エコシステムを国内外で拡大するため、経営資源配分の最適化やAIによる生産性向上に注力。楽天シンフォニーではグローバルでの通信プラットフォーム展開を強化する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で29,419人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は851万円で、9期前と比べて+12.6%平均年齢は36.0歳、平均勤続年数は6.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月14,134
2017年12月14,845
2018年12月17,214
2019年12月75634.44.620,053
2020年12月74534.24.523,841
2021年12月77434.34.728,261
2022年12月79734.44.732,079
2023年12月79534.45.130,830
2024年12月82135.35.829,334181
2025年12月85136.06.329,41949

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率33.5%
縦線は目安の30%
男性育休取得率73.3%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.0%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社13(国内 8 / 海外 5、うち連結子会社 12) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位4)
モバイル — 国内の基地局ネットワークセンターほか8,394億円
モバイル — 東京都 世田谷区1,584億円
本社 — 東京都世田谷区869億円
インターネットサービス — 米国233億円
主な関係会社
  • 海外
    Ebates Inc.
    米国 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Rakuten Kobo Inc.
    カナダ · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Viber Media S.a.r.l.
    ルクセンブルク · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    楽天カード(株)
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権85.0%
  • 国内
    楽天銀行(株)
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権49.3%
  • 国内
    楽天証券(株)
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権51.0%
  • 国内
    楽天ペイメント(株)
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    楽天損害保険(株)
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    楽天生命保険(株)
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    樂天國際商業銀行股份有限公司
    台湾 · 連結子会社
    議決権51.0%
  • 国内
    楽天モバイル(株)
    東京都世田谷区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Rakuten Symphony Singapore Pte. Ltd.
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社1社を開く
  • Rakuten Medical, Inc.米国18%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • JP楽天モバイル株式会社
  • JP楽天損害保険株式会社
  • LURAKUTEN REINSURANCE EUROPE S.A.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト 無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発 安心・安全で効率的な物流等のサービスを実現する運航管理システムの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-06-27
    4.2億円
  • 調達
    令和8年度リモートワークを活用した官民共創による人流創出事業
    内閣府 · 2026-03-18
    6,364万円
  • 調達
    物価高対策に資する食品ロス削減実証業務
    消費者庁 · 2023-03-28
    6,290万円
  • 調達
    薬物乱用防止デジタル広報啓発事業一式
    厚生労働省 · 2025-06-17
    3,628万円
  • 調達
    薬物乱用防止デジタル広報啓発事業費一式
    厚生労働省 · 2026-06-18
    3,200万円
  • 調達
    令和4年度「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトにおけるアンバサダー等と連携した効果的な情報発信等業務[総合評価落札方式]
    環境省 · 2022-05-17
    2,266万円
  • 調達
    令和3年度「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトにおける企業とアンバサダー等と連携した効果的な情報発信等業務[総合評価落札方式]
    環境省 · 2021-06-08
    2,200万円
  • 調達
    2025年農林業センサスの広報に関する総合企画の実施業務
    農林水産省 · 2024-07-08
    1,965万円
  • 調達
    令和2年度「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトにおける企業とアンバサダー等と連携した効果的な情報発信等業務[総合評価落札方式]
    環境省 · 2020-04-02
    1,785万円
  • 調達
    ECプラットフォームを活用した防災意識向上に向けた調査検討業務
    内閣府 · 2026-07-27
    1,636万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は2.5兆円営業利益144億円前期と比べると増収減益で、売上が+9.5%、利益が-72.8%。

売上高
+9.5%
2.5兆円
営業利益
-72.8%
144億円
純利益
-1,779億円
営業利益率
0.6%
前期比 -1.7%pt

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は1.3兆円、営業利益は504億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+12.9%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q0.48−762−16.0
2023年2Q0.50−489−9.8
2023年3Q0.52−545−10.5
2023年4Q0.58−3,395
2024年1Q0.51−333−6.5
2024年2Q0.54−183−3.4
2024年4Q1.231,0468.5−1,624
2025年2Q1.16−66−0.6−1,244
2025年4Q1.342101.6−535
2026年2Q1.315043.8−109

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は4,004億円から2.5兆円へ6.2倍に増えた。直近期の営業利益率は0.6%。売上は13期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
グローバルに電子書籍サービスを展開するKobo Inc.(現 Rakuten Kobo Inc.)を子会社化
2012年12月0.40491194
東京証券取引所市場第一部へ上場市場を変更
2013年12月0.52894
グローバルにモバイルメッセージングとVoIPサービスを展開するViber Media Ltd.(現 Viber Media S.a.r.l.)を子会社化
2014年12月0.601,047
2015年12月0.71941
2016年12月0.78745
楽天LIFULL STAY株式会社(現 楽天ステイ株式会社)を設立、民泊事業に参入
2017年12月0.941,381
朝日火災海上保険株式会社(現 楽天損害保険株式会社)を子会社化
2018年12月1.101,654
2019年12月1.26−446−319
2020年12月1.46−1,510−1,142
楽天株式会社より、楽天グループ株式会社へ社名変更
2021年12月1.68−2,126−1,338
楽天モバイル株式会社の完全子会社、楽天シンフォニー株式会社を設立
2022年12月1.92−4,156−3,772
楽天銀行株式会社が東京証券取引所プライム市場へ上場
2023年12月2.07−2,177−3,395
2024年12月2.285301632.3−1,624
2025年12月2.50144−2950.6−1,779

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高2.5兆円のうち、営業利益として残るのは144億円0.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-1,779億円、売上の-7.1%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金99.4%2.5兆円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益0.6%144億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比7.0pt
0.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比12.2pt
-7.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比30.3pt
-18.5%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-0.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが4,241億円、投資CFが−7,798億円で、差し引きのフリーCFは−3,557億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は5.8兆円で、売上の28.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF兆円投資CF億円財務CF兆円フリーCF兆円現金残高兆円
2012年12月0.10674−0.060.170.27
2013年12月0.003060.080.030.38
2014年12月0.11−2,6110.19−0.150.43
2015年12月0.08−2,2410.22−0.150.50
2016年12月0.03−2680.050.000.55
2017年12月0.16−2,0370.19−0.040.70
2018年12月0.15−6760.210.080.99
2019年12月0.32−2,8630.460.031.48
2020年12月1.04−3,0330.810.743.02
2021年12月0.58−6,1181.40−0.034.41
2022年12月−0.26−9,4831.49−1.214.69
2023年12月0.72−5,9740.290.135.13
2024年12月1.19−9,2170.760.276.17
2025年12月0.42−7,7980.01−0.365.84

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は28.8兆円。このうち返さなくてよい自己資本が9,924億円で、自己資本比率は3.4%(業種中央値53.4%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2012年12月2.290.242.0510.3
2013年12月3.210.302.919.5
2014年12月3.680.423.2611.5
2015年12月4.270.673.6015.6
2016年12月4.600.683.9214.8
2017年12月6.180.685.5011.0
2018年12月7.340.776.5710.5
2019年12月9.170.748.438.0
2020年12月12.520.6111.924.9
2021年12月16.831.0915.746.5
2022年12月20.400.7919.613.9
2023年12月22.630.8421.793.7
2024年12月26.510.9325.283.5
2025年12月28.800.9927.453.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
5.8兆円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-10,361億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
27.5兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
33
/ 100
安定性自己資本比率2 / 40
収益力営業利益率1 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率534社中222位あたり、逆に低いのは自己資本比率534社中533位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-18.5%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
0.6%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
3.4%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
9.5%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.6%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥726.7で、1年前と比べて-19.8%過去52週の値幅のなかでは11%の位置にある。

¥726.7-3.9%1ヶ月-12.6%1年-19.8%時価総額1.6兆円
過去52週の値幅
安値¥686.1高値¥1,068.5

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR1.73倍
配当利回り0.62%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1ヶ月で-2.11%と冴えない。25日線(808.22円)を下回り、75日線(773.35円)は上回っている。52週高値1068.5円からは約27%下落。8月12日に出来高が6792万株と急増し、株価は745円まで急落した。RSIは40.92と弱気圏。週足では下落トレンドが続くが、75日線がサポートとして機能するか注目。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 30/100)

PERおよび予想PERが算出不能(赤字)で、収益性は悪化している。PBRは1.86倍で業界平均3.33倍を下回るものの、ROEは-18.5%と深刻な赤字であり、PBRの水準は適切とは言えない。配当利回りは0.58%と平均2.29%を大幅に下回り、株主還元は脆弱。業績は赤字が続き、営業利益も減少傾向。将来の回復期待を織り込んでPBRが割高に見える。総合的にやや割高と判断。割安に見えるPBRも、収益力低下を考慮すると割高感が残る。

指標この会社業種平均
PBR1.73倍3.51倍
ROE-18.5%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

最大の争点は楽天モバイルの収益化がいつ実現するか。強気派は、モバイルの契約数が順調に伸びており、固定費負担が減れば黒字化が見込めると主張。さらに金融・ECは安定成長を続けており、シナジー効果も大きいと評価する。一方弱気派は、モバイルの赤字が続き連結最終赤字が長期化している点を問題視。価格競争が激しい市場で差別化が難しく、ポイント還元の原資を他事業が支えている構造は持続可能でないと見る。

プラスに働く材料7
  • モバイル契約者増

    契約数は順調に増加し、収益基盤が拡大

  • 金融・EC好調

    楽天カード、楽天銀行の利益が堅調で成長を牽引

  • ポイント経済圏の強さ

    会員基盤とデータ連携で競争優位を維持

  • 売上高2兆4966億円、3期連続で過去最高決算発表後影響

    2025年12月期売上高は24,966億円。前期比約9.5%増で、増収トレンドが継続。

  • 営業損益は2期連続で黒字維持通年影響

    2024年12月期は営業利益530億円、2025年12月期は144億円と黒字を確保。

  • 最終赤字幅は2年前から1616億円縮小決算発表後影響

    2023年12月期の純損失3,395億円に対し、2025年12月期は1,779億円に改善。

  • 外国人持ち株比率36.7%と高い継続影響

    外国人株主比率は36.68%。グローバル投資家の需要が下支え材料。

マイナスに働く材料7
  • 赤字継続の懸念

    連結最終赤字が4期連続で、モバイル負担重く

  • 割安感乏しい

    PBR2倍超で収益力に見合わないとの見方

  • 競争激化

    携帯市場の価格競争で収益性改善は困難

  • 営業利益が前期比386億円減少決算発表後影響

    2025年12月期営業利益は144億円と前期530億円から72.8%減。収益悪化が懸念。

  • 純損失が前期から拡大決算発表後影響

    純損失は2024年12月期の1,624億円から2025年12月期は1,779億円に拡大。

  • 1株利益がマイナスでPER評価不能継続影響

    純損失でROEが-18.5%とマイナス。PERも算出不能で収益性の評価が困難。

  • 配当利回り0.51%と低水準継続影響

    配当利回りは0.51%と低く、株主還元の魅力が乏しい。

次の決算で確かめる点
楽天モバイル契約数
収益化の進捗を測る最重要指標
連結営業利益
モバイル赤字が他事業で補えているかを確認
国内EC流通総額
基盤事業の成長性とシェア動向を把握

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり4.5で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは0.62%。

年間配当
¥4.5
1株あたり
配当利回り
0.62%
いまの株価に対して
配当性向
13.0%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2016年12月516.5
2017年12月50.010.1
2018年12月50.06.5
2019年12月50.038.6
2021年12月50.013.0
2022年12月50.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥4.5

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ730,758人。区分でいちばん多いのは外国法人36.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が36.8%を占め、残る63.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
外国法人28.131.924.024.833.436.1
個人・その他37.528.137.231.727.526.1
事業法人17.324.324.422.422.522.3
金融機関15.814.412.816.613.714.5
外国人個人0.20.20.50.50.50.5
証券会社1.11.11.14.02.40.4
政府・自治体0.00.00.00.00.00.0
自己株式5.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位11

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)10.84
02合同会社クリムゾングループ10.43
03三木谷 浩史8.14
04日本郵政株式会社6.04
05三木谷 晴子5.19
06MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)3.78
07株式会社日本カストディ銀行(信託口)2.70
08GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)2.33
09BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.08
10有限会社三木谷興産1.88
11有限会社スピリット1.88

有価証券報告書の大株主の状況から、上位11者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−628%、1株純資産は14期で+155%。直近期のROEは-18.5%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2012年12月161799.243.212.0
2013年12月3323016.247.216.4
2014年12月5432119.531.39.1
2015年12月344688.441.9
2016年12月274785.742.516.5
2017年12月8050716.212.910.1
2018年12月10557319.57.06.5
2019年12月−24542−4.238.6
2020年12月−84447−17.011.4
2021年12月−88691−15.713.0
2022年12月−238498−40.4
2023年12月−177391−41.7
2024年12月−76431−18.4
2025年12月−82457−18.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2025/12期の役員報酬は総額2,283百万円。

氏名役職年齢保有株数
三木谷浩史代表取締役 会長兼社長 最高 執行役員61176,703,400
百野研太郎代表取締役 副社長 執行役員59311,300
廣瀬研二取締役 副社長 執行役員6441,700
安藤隆春取締役77
Sarah J.M. Whitley取締役68
Tsedal Neeley取締役53
Charles B. Baxter取締役6144,600
羽深成樹取締役68
御立尚資取締役691,800
長沼義人監査役(常勤)619,300
中村太監査役(常勤)68
片岡麻紀監査役68
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
山口勝之監査役5974,900
河野奈保取締役 副社長 執行役員4927,400
加賀栄一取締役 上級執行役員5012,100

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円ストックオプション百万円合計百万円1人あたり百万円
その他役員123361232932,048171
社外取締役7614710916
監査役4727218
社外監査役3545418

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,620字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び関係会社)は、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルという3つの事業を基軸としたグローバル イノベーション カンパニーであることから、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」の3つを報告セグメントとしています。報告セグメントの決定にあたっては事業セグメントの集約を行っていません。 これらのセグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっています。 「インターネットサービス」セグメントは、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。 「フィンテック」セグメントは、クレジットカード関連サービス、インターネットを介した銀行及び証券サービス、暗号資産(仮想通貨)の媒介、生命保険サービス、損害保険サービス、ペイメントサービスの提供等を行う事業により構成されています。 「モバイル」セグメントは、通信サービス及び通信技術の提供、電力供給サービスの運営並びにモバイルセグメントに関連する投資等を行う事業により構成されています。 また、次のセグメントは、連結財務諸表の注記に掲げる「セグメント情報」の区分と同一です。 当社グループの提供する主なサービス及びサービス主体は次のとおりです。 インターネットサービス 提供する主なサービス   主なサービス主体 インターネット・ショッピングモール『楽天市場』の運営   楽天グループ(株) インターネット上の書籍等の販売サイト『楽天ブックス』の運営   楽天グループ(株) インターネット上のゴルフ場予約サイト『楽天GORA』の運営   楽天グループ(株) インターネット総合旅行サイト『楽天トラベル』の運営   楽天グループ(株) 医療品・日用品等の通信販売等を行う『楽天24』等の提供   楽天グループ(株) ファッション通販サイト『Rakuten Fashion』の運営   楽天グループ(株) フリマアプリ『ラクマ』の運営   楽天グループ(株) オンライン・キャッシュバック・サービスの運営   Ebates Inc. 電子書籍サービスの提供   Rakuten Kobo Inc. モバイルメッセージング及びVoIPサービスの提供   Viber Media S.a.r.l. フィンテック 提供する主なサービス   主なサービス主体 クレジットカード『楽天カード』の発行及び関連サービスの提供   楽天カード(株) インターネット・バンキング・サービスの提供   楽天銀行(株) オンライン証券取引サービスの提供   楽天証券(株) 決済事業の運営   楽天ペイメント(株) 損害保険事業の運営   楽天損害保険(株) 生命保険事業の運営   楽天生命保険(株) インターネット・バンキング・サービスの提供   樂天國際商業銀行股份有限公司 モバイル 提供する主なサービス   主なサービス主体 移動通信サービスの提供   楽天モバイル(株) 光ブロードバンド回線サービス『楽天ひかり』の運営   楽天モバイル(株) 電力供給サービス『楽天でんき』の運営   楽天モバイル(株) グループ会社が開発したOpen RANベースの通信インフラプラットフォーム等の販売及び関連サービスの提供   Rakuten Symphony Singapore Pte. Ltd. [事業系統図] 以上に述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりです。
経営方針・対処すべき課題5,094字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)を経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていくことに寄与していきます。グローバル イノベーション カンパニーであり続けるというビジョンのもと、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を目指します。 (2) 目標とする経営指標 主な経営指標として、全社及び各事業の売上収益、Non-GAAP営業利益、流通総額(商品・サービスの取扱高)、会員数、クロスユース率等のKPIs(Key Performance Indicators)を重視し、成長性や収益性を向上させることを目指します。 (3) 中長期的な会社の経営戦略 ① 経営環境 インターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)の発展・普及がもたらした新しい経済、そして社会の姿は「デジタル経済」と呼ばれるようになってきており、政府は、その進化の先にある社会として「Society 5.0」を掲げています。「Society 5.0」においては、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられ、経済発展と社会的課題の解決が両立されることが期待されています。当社においても、当社の持つ様々な先端技術を利活用し、社会に貢献したいと考えています。また、近年、AI技術が飛躍的に発展し、社会に大きな変革を生み出す兆しを見せている中、当社としても、AIがビジネスにもたらす影響やその重要性を認識しており、事業運営や価値創造にAIとデータの持つ力を最大限活用しながら、消費者やビジネスパートナーに対し、革新的なサービスを提供していくことを目指しています。 経済産業省の調査(注1)によれば、2024年における日本のBtoC-EC市場規模は26.1兆円に達しました。BtoC市場における物販系EC市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で市場規模が拡大した後も成長を続け、前年比3.7%増と伸び率は鈍化したものの、EC化率は9.78%に達する等、商取引の電子化が着実に進展しています。日本のEC比率は諸外国と比較して依然として低いため、当社グループが推進するEC事業には、今後も大きな拡大余地があると考えています。 キャッシュレス決済においては、経済産業省の調査(注2)によれば、2024年の我が国におけるキャッシュレス決済比率は42.8%となり、2018年4月に経済産業省により策定された「キャッシュレス・ビジョン」で、2025年までの目標とされていた40%を1年前倒しで突破しました。さらに、将来的には同比率を世界最高水準の80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済等の様々な決済手段によるキャッシュレス決済規模の一層の拡大が見込まれます。当社グループのフィンテック事業各社は当該分野におけるリーディングカンパニーとして、引き続き同市場の拡大に貢献していきます。 移動通信においては、ネットワークの高度化の進展とともに、スマートフォンの普及、それと並行してSNS、ゲーム、動画・音楽配信、地図、検索等のエンドユーザー向けのコンテンツ・アプリケーション市場が拡大する中、モバイル端末の利用シーンが大きく広がっています。総務省の報告(注3)によれば、2025年9月末時点における日本の携帯電話の契約数は2億2,764万件に達する等、国内移動通信市場の拡大が継続しています。当社グループが展開するモバイル事業においても、グループ経済圏の強みを最大限に活かしながら、お客様へのクロスセル等を通じて、利便性の高い様々なサービスを提供していきます。 このように当社グループをとりまく経営環境はデジタル・トランスフォーメーションが加速する社会の中で、絶えず変化を続けており、当社グループにおいては恒常的な技術革新への対応や迅速・柔軟な経営判断等により、これらの変化に対応していく必要があります。 (注1) 出典:「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省) (注2) 出典:「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(経済産業省) (注3) 出典:「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和7年度第2四半期(9月末))」(総務省) ② 経営戦略 当社グループは、楽天グループ会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデル楽天エコシステムを構築し、拡大することを基本的事業戦略としています。当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開による楽天エコシステムの拡大により、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指します。 加えて、ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて2021年に当社グループのサステナビリティ戦略(優先的に取り組むESG課題)を改訂し、「事業基盤」、「従業員と共に成長」、「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」、「グローバルな課題への取組」の4つの分野を特定しました。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 特に「事業基盤」である、倫理的な事業慣行、情報セキュリティとプライバシー、製品サービスの品質は、当社グループにとって従来より重要性が高く、強固な管理・取組体制がある課題と捉えています。重点分野である「従業員と共に成長」、「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」及び「グローバルな課題への取組」には様々なESG課題が含まれます。具体的には、従業員のダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンや持続可能な生産と消費、気候変動等の課題に取り組んでいます。こうした取組を通じ、国内及び進出先国・地域の活性化、日本及び世界経済の発展に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける企業を目指します。 (4) 優先的に対処すべき課題 「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」企業グループとして、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長に向けた仕組みを構築することが、当社グループの対処すべき課題です。長期にわたる持続的な成長により、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を図るとともに、社会全体に便益をもたらすグローバル イノベーション カンパニーであり続けることを目指します。 ① 事業戦略 当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを核とする楽天エコシステムにおいて、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出及びグループ全体の価値最大化を目指し、また、メンバーシップ及び共通ポイントプログラムを基盤にしたオンライン・オフライン双方のデータ、AI等の先進的技術を活用したサービスの開発及び展開を進めています。 EC及び旅行予約をはじめとしたインターネットサービスにおいては、新規顧客の獲得、クロスユースの促進等に取り組むとともに、データやエージェント型AIツールであるAIコンシェルジュ等の活用を通じた新しい市場の創造や既存ユーザーの更なる購買額の向上により、流通総額及び売上収益の成長を目指します。 クレジットカード関連サービス、銀行サービス、証券サービス、保険サービス、ペイメントサービス等を提供するフィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤及び取扱高の拡大を目指します。また、政府によるキャッシュレス普及が推進されている中、QRコード・バーコード決済、電子マネー、ポイント等を含む総合的なキャッシュレス決済の推進に向け、決済サービス導入箇所の拡大や、アクティブユーザーを増やすための施策等に取り組んでいます。 モバイルにおいては、ネットワーク品質の向上及びその認知拡大努力を継続しながら、楽天エコシステムを活用した魅力的なマーケティング施策を打ち出していくことで顧客基盤を強化していきます。また、当社グループと取引のある全国の法人企業や自治体等に対する提案を通じ更なる契約者獲得を進めていきます。加えて、4G及び5G基地局の設置を拡大するとともに、スマートフォンと低軌道衛星の直接通信により、従来通信圏外だったエリアや災害等の緊急の場合においても利用可能なネットワークの構築を目指します。これらの取組により、高品質なネットワーク環境を提供し、契約者獲得のペース加速に繋げるとともに、モバイル事業における損益の改善を目指します。また、通信事業者におけるネットワーク機器の構成を刷新する取組や基地局のオープン化がグローバルで進む中、革新的なモバイルネットワーク技術を用いた通信プラットフォーム等を提供している「楽天シンフォニー」においては、既存顧客からの収益拡大に加え、新規顧客に対してもアプローチを進め、的確に商機を捉えながらグローバルにおける展開の強化を図っていきます。 こうした個々のビジネスの成長や事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップやAIの活用による革新的で効率的なマーケティング手法の確立、グループシナジーを生かした広告事業の活用、さらに国内外におけるブランド認知度、価値の向上等により、今後も楽天エコシステムを国内のみならずグローバルでも拡大していきたいと考えています。このためにはグローバル経営を一層強化する必要があり、経営資源配分の最適化を図るための事業ポートフォリオの見直し・強化を行うほか、AIを活用した生産性・事業効率の向上等にも力を入れていきます。 ② 経営体制 当社グループは、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。 当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は、社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。 当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。さらに取締役会とは別に、社外役員含む全ての役員が原則出席するグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項にとらわれない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。 新規の資金投下を伴う投融資案件については、外部有識者を含む投融資委員会で事前に審議し、その結果を取締役会に報告しています。また、重要案件については、事前に取締役・監査役と概要及び主要論点を共有・審議した上で上程することで、取締役会における審議の質の向上と意思決定の適正化を図っています。 加えて、業務執行における機動性の確保、アカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。 当社グループでは、今後もこうした取組を通じて、迅速な経営判断を可能にし、より実効性の高いガバナンス機能を有する経営体制を構築していきます。
事業等のリスク33,992字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしており、これらの企業活動の遂行には様々なリスクが伴います。本項では当社グループのリスク管理体制・プロセスとともに、当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると認識している主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。ただし、当社グループで発生しうる全てのリスクを網羅しているものではありません。当社グループの経営陣は、これらリスクの発生可能性の程度及び時期を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。しかしながら、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響並びにその対応策を合理的に予見することが困難である事項もあります。したがって、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて、総合的かつ慎重に検討した上で行う必要があると考えています。 なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 1 当社グループのリスク管理体制と取組 当社グループは、リスクを「経営目標の達成に影響を及ぼしうる不確実性」と定義し、経営目標達成の確度を向上させるために統合的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)を導入し、リスクを特定、評価し、的確な経営判断や事業運営につながるようリスク管理体制及びプロセスを整備しています。 当社グループの各部門ではグループ規程に従い、リスクの適切な把握・特定、グループ共通の基準での評価、重要性に応じた対応計画の策定と実行、その状況のモニタリングというサイクルを確立しています。この際、当社グループでは、「三つの防衛線モデル」を基本とした、リスクを段階的に軽減する多層的な管理体制を整え、リスク管理を推進しています(第一の防衛線は事業部門、第二の防衛線はグループ内リスク管理部門、第三の防衛線は内部監査部門が担います)。 また、当社グループ全体でリスクを管理するため、下図のようなグループのリスク管理体制を構築しています。当社グループの経営層が認識するリスクを「トップダウンリスク」、当社グループの各事業又はグループ会社が認識するリスクを「ボトムアップリスク」、当社グループ事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクを「グループトップリスク」等リスクの区分を設け、網羅的なリスクの洗い出し及び管理となるよう取組を進めています。中でもグループトップリスクは、その対策と対応状況を年4回開催されるグループリスク・コンプライアンス委員会にて協議しています。本委員会の主な協議事項は取締役会等の重要会議体を通じて経営陣に報告されます。 <グループのリスク管理体制及びリスク管理プロセス> 2 経営環境・戦略に関するリスク (1) マクロ経済環境に関するリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしており、当社グループの業績は国内の景気動向とともに、海外諸国の経済動向、社会情勢、地政学的リスク等に影響されます。マクロ経済環境について注視しながら、事業展開等を進めていく方針ですが、今後の内外経済環境の先行きについては引き続き不透明な状況にあり、世界経済の低迷、社会情勢の混乱、国際社会における国家間の対立、地域紛争や武力行使、国家間の経済制裁等による輸出入・外資規制、諸規制変更や規制動向の変化等により、当社グループの事業活動に支障が生じ、サービス・商品の安定的な供給や経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合環境 当社グループが展開するいずれの事業においても多数の競合事業者が存在しており、激しい競争関係にあると考えています。また、他業種の事業者等を含む新規参入者が新たな競合事業者となった場合には、より一層競争が熾烈化する可能性があります。 当社グループは、競合事業者の動向を注視しつつ、引き続き顧客ニーズ等への対応を図り、サービス拡大に結び付けていく方針ですが、これらの取組が期待どおりの効果を上げられず、サービスの競争力を失った場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 業界における技術変化等 当社グループが展開するいずれの事業においても技術分野における進歩及び変化が著しく、新しいサービス及び商品が頻繁に導入されています。 当社グループは、常に最新の技術動向及び市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験、他社との提携等を通して競争力を維持するための施策を講じています。しかしながら、何らかの要因により、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合には、サービスの陳腐化、競争力の低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たなシステム等の開発による費用の増加が発生する可能性があり、これらの動向及び対応の巧拙によっては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業運営の脅威となりうる技術が開発される可能性もあり、このような技術が広く一般に普及した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 経営体制・事業戦略に関するリスク ① 経営体制(コーポレート・ガバナンス)に関するリスク 当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。 当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。 当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。さらに、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項にとらわれない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。 新規の資金投下を伴う投融資案件については、外部有識者を含む投融資委員会で事前に審議し、その結果を取締役会に報告しています。また、重要案件については、事前に取締役・監査役と概要及び主要論点を共有・審議した上で上程することで、取締役会における審議の質の向上と意思決定の適正化を図っています。 加えて、業務執行における機動性の確保及びアカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。しかしながら、これらの経営体制を含む各施策から期待どおりの効果を得られずに、適時適切な経営の意思決定が行われない、又はコンプライアンス違反が生じるような場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 上場子会社との関係に関わるリスク 当社グループは、上場子会社を有していますが、上場子会社と経営基本契約を締結し、当社グループの基本理念である「楽天主義」、ガバナンスの基本的事項である「コアポリシー」及び取締役・使用人が遵守すべき基本的事項である「楽天グループ企業倫理憲章」を定めつつも、関連法令上の公益の観点から求められる経営の独立性及び上場子会社として求められる独立性を尊重すること、上場子会社が当社グループ以外からの取締役の登用を積極的に行う等ガバナンスに対する適切なチェックが働く体制を構築してきたことを尊重すること、上場子会社の人事権を尊重することを規定しています。 かかる状況の下、上場子会社の独立的経営及び総株主の利益に資する単独企業としての価値の向上のためには、上場子会社における意思決定は、常に当社グループの意向に沿った、又は当社グループの利益に資するものになるとは限りません。また、双方の関係性が変容した場合や上場子会社の業況が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 事業戦略に関するリスク 当社グループは、保有するメンバーシップ、サービス利用に係る各種データ、「Rakuten」ブランドを核とする「楽天エコシステム」において、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、ひいては当社グループ利益の最大化を目指すという事業戦略を掲げています。この事業戦略のもと、個々のビジネスの成長及び事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップ、データ、「楽天ポイント」を使用したリワードプログラム等の活用を行っています。具体的には、1億以上の会員IDに基づくオンラインとオフライン双方のデータを活用することにより、それぞれの事業におけるサービスの向上を図りつつ、これに加えオンラインとオフラインの垣根を超えるサービスの相互利用を促進しています。しかしながら、それら施策から期待どおりの効果を得られなかった場合、当社グループの展開するサービスの一部あるいは複数が停止し相互利用の促進に障壁が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、デジタルプラットフォーム・メンバーシップデータの利用方法・リワードプログラムに関する法令等が当社グループにとって不利益な内容に改正された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業の拡大・展開に関するリスク 1) 投資及び買収 当社グループは、国外市場への進出、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、国内外を問わず買収(M&A)や合弁事業及び業務提携、投資活動を行っており、これらを経営の重要戦略の一つとして位置づけています。 買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように努めていますが、案件の性質、時間的な制約等から十分なデューデリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務が発生する可能性及び未認識債務が判明する可能性があります。さらに、被買収企業と情報システムの統合、内部統制システム等の統一、被買収企業の役職員及び顧客の維持・承継等が計画どおりに進まない可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、新規サービスの展開に当たってはその性質上、当該新規サービスが当社グループの事業、経営成績及び財政状態へ与える影響を正確に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画どおりにサービスが進展せず、投下資本の回収に想定以上の期間を要する又はその回収ができない可能性やのれん等の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 合弁事業及び業務提携の展開においても、パートナーとなる事業者の経営成績及び財政状態について詳細な調査を行うとともに、将来の事業計画及びシナジー効果について事前に十分に議論することによって極力リスクを回避するように努めていますが、サービス開始後に双方の経営方針に相違が生じ、期待どおりのシナジー効果が得られない可能性もあります。かかる場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に計画以上の期間を要する又はその回収ができない可能性があります。 その他、ベンチャー企業への投資等、様々な企業に対する投資活動を行っていますが、このような投資活動においても、経営環境の変化、投資先の業績停滞等に伴い期待どおりの収益が上げられず、投下資本の回収可能性が低下する場合には、投資の一部又は全部が損失となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2) 海外への事業展開 当社グループは、収益機会の拡大に向けてグローバル展開を主要な経営戦略の一つとして掲げ、米州、欧州、アジア等の多くの地域でECを含む各種サービスを展開しています。また、国内外のユーザーが国境を越えて日本又は海外の商品及びサービスを購入するためのクロスボーダーサービス等も順次拡大しています。今後とも在外サービス拠点及び研究開発拠点を拡大していくとともに、各国サービス間の連携強化等に取り組みながら、海外でのサービスの充実を図っていく予定です。 一方、グローバルにサービスを展開していく上では、言語、地理的要因、法令・税制を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安定性、通信環境や商慣習の違い等の様々な要因によって種々のリスクが生じる可能性があります。グローバルに事業を展開する競合他社との競争熾烈化のリスク、外国政府及び国際機関により関係する諸規制が予告なく変更されるリスク、当社グループ方針の浸透不足等により各種コンプライアンスに違反するリスクも存在します。さらに、サービスの国際展開では、サービス立ち上げ時に、現地における法人設立、人材の採用、システム開発、現地事業の適切な管理のための体制構築等に係る経費が発生するほか、既存サービスにおいても、法令の改正に対応するための継続的な支出が見込まれ、戦略的にビジネスモデルを変更する場合には、追加的な支出が見込まれることから、これらの費用が一定期間当社グループの収益を圧迫する可能性があります。また、新たなサービスが安定的な収益を生み出すためには、一定の期間が必要なことも予想されます。 これらのリスクに対応するため、当社グループは、各国情勢を注視し、現地法令等へ適正に対応するとともに、各現地グループ会社でコンプライアンス体制を適切に構築し、法令遵守に努めています。また、サービスの展開においては、KPIを用いた常時業績管理、「楽天エコシステム」を活用した収益構造の効率化等による迅速な事業の立ち上げ、柔軟なビジネスモデルの変更を行うとともに、適時適切なコストコントロールを行い、当社グループの収益を圧迫するリスクの低減に努めています。しかしながら、ビジネスモデルに影響を及ぼす法規制・制度の変更、市場競争環境の変化等によりかかるリスクが顕在化した場合には、対応に想定外の費用を要する可能性又は事業継続が困難となりサービス停止や事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また世界的なインフレ、金利の急激な変動、為替レートの不安定性等の経済リスクが顕在化した場合、当社グループの事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。 3) サービス領域の拡大 当社グループは、技術及びビジネスモデルの移り変わりが速いインターネットを軸とした多岐にわたる事業をサービス領域としています。その中で、新規サービスの創出、時代の流れに即したビジネスモデルの構築等を目的とし、サービス領域を拡大しています。新規サービスを開始するに当たって、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、当該サービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスクでも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。 また、新規に参入した市場の拡大スピード及び成長規模によっては、当初想定していた成果を上げることができない可能性があります。加えて、サービスの停止、撤退等においては、当該事業用資産の処分及び償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。当社グループは、サービス領域の拡大の場面において適時適切な対応を講じ、リスク低減に努めていますが、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4) 成長目標の達成 当社グループは、2023年5月12日付でVISION2030と題する経営ビジョンを公表しています。しかしながら、当該ビジョンにおける成長戦略の実施や目標の達成は、本「事業等のリスク」に記載された事項を含む様々なリスク要因や不確実性による影響を受けます。また、当該ビジョンは、策定時点における経済・事業環境の認識等様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該ビジョンにおける成長戦略の実施や目標の達成が困難となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3 事業運営全般リスク (1) 情報セキュリティに関するリスク 情報セキュリティに関するリスクは「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2. 重要なサステナビリティ項目 (4) 事業基盤(情報セキュリティとプライバシー) ② リスク管理」をご参照ください。 (2) AIの利用に関するリスク 当社グループはサービス全般において、AIの利用を積極的に促進しています。これに伴い個人情報漏洩、知的財産権侵害、誤情報の流布、意図せぬバイアスの助長等のリスク・エクスポージャーが増大する傾向にあります。これらのリスクを回避又は軽減するために、当社グループは生成AIの利用に関するガイドラインの策定、運用をし、常時見直しとともに技術的な対策の導入を行っています。同時に、AI利用のためのコンプライアンス体制も構築しています。 また当社グループは「AI倫理憲章」を公表しており、包括的な規則を定めることにより、個人の権利とプライバシーを尊重しつつ技術革新を推進し、AIの公平・公正で透明なAI利用の促進に取り組んでいます。全社にわたる従業員のコンプライアンス意識向上施策を実施し、リスク管理体制を構築することで、AI技術の発展や生成AIの利用拡大が急速に進む社会情勢の中、AI技術の信頼性の確保に努めています。 さらに、AI&データ委員会では、AIリスクマネジメント、AI研究開発、AIセキュリティ&セーフティ、政府・業界・ユーザー、データ活用、従業員教育等、各分野で実施されるグループ横断の活動計画を策定し、進捗が報告されています。特に、生成AI技術の急速な普及に伴うサイバーセキュリティ脅威への対応として、生成AIによる出力のフィルタリングや有害なコンテンツの生成を防ぐ制御、個人情報の入出力の管理等、セキュリティ対策を強化し、AIサービスの信頼性確保に努めています。グループ全体のAIガバナンス、リスク管理戦略も同委員会で策定、承認されています。更なる重要な決定事項や課題は、コーポレート経営会議と取締役会に対して定期的に報告し、AIガバナンスにおける責任ある説明体制と透明性の確保に努めています。 考えうる対応を迅速かつ継続的に講じることにより、当社グループは、ユーザー及び取引先からの信頼の確保並びに社会的信用が毀損されるリスクの排除又は軽減に努めています。しかしながら、かかるリスクが顕在化した場合、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報システムに関するリスク 当社グループのサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。当社グループは、適用できうる限りの最新の技術と対応を行い通信ネットワークが正常に機能し、サービスの提供に支障がないよう努めています。しかしながら、かかる対応策によっても通信ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合、欠陥等により、当社グループの情報システムに脆弱性又は不備が生じる可能性があります。加えて、人的な業務過誤により正常なサービスの提供に支障が生じる可能性があるほか、当社サービスの不正な利用、重要なデータの消失、機密情報の不正取得、改ざん、漏洩等が発生する可能性もあります。加えて、当社グループでは、高度で複雑なシステムを開発・運用しサービスを提供しており、何らかの要因によって、開発遅延や中止、設備の故障、不具合等が発生する可能性もあります。 これらのリスク発生の回避又は軽減のため、当社グループではITガバナンス強化の一環としてグループテクノロジー委員会を設置し、これらのリスクの透明性を確保するとともに、リスク最適化のための適切な対応方針を策定しています。また、自然災害、技術的脅威等に対応するため、IT-BCPとして重要なシステムの冗長化及びデータバックアップの強化に取り組んでいます。このような活動に加え、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種の対応策を講じていますが、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループのシステムが一時的に停止する等の事態が発生し、ユーザー及び取引先の信頼低下及び離反を招くのみならず、システム停止によってユーザー及び取引先が被った損失に対する損害賠償請求等がなされる可能性もあります。また、監督官庁からの行政処分等を受ける可能性もあり、かかる場合、当社グループに対する社会的信用が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法規制等に関するリスク ① 法令・コンプライアンスに関するリスク 当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしています。各国、地域において、各種事業活動に関連する法令諸規制等があり、後述のフィンテックセグメント及びモバイルセグメントの各項目に記載した法令諸規制等のほか、電気通信事業、運送業、資金移動業を含む各種業法令はもちろん、個人情報・プライバシー保護、消費者保護、公正競争、汚職禁止、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与並びに拡散金融対策、経済制裁、自然環境、労働環境、犯罪防止、開示、納税の適正、人権、輸出入、投資、為替に関する国内外の各種法令諸規制等が広く適用されます。中でも、デジタルプラットフォーム事業者に対する法規制、各国の個人情報管理に関する法規制、グローバルなデータの移転に関する法規制、情報セキュリティに関する法規制等は、特に当社グループの事業運営に影響を及ぼす最も重要な法令諸規制等と認識しています。 こうした関連法令諸規制等に違反した場合には、行政機関による制裁金・課徴金、業務改善命令、業務停止命令、許認可取消等を受ける場合があるほか、レピュテーションへの影響が生じたり、訴訟等を含む紛争に発展する可能性があります。また、新たな関連諸法令の制定又は改正、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受けた場合又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置づけ、グループ COO(Group Chief Operating Officer)、グループ CCO(Group Chief Compliance Officer)及び社内カンパニー制に基づくCompany Compliance Officerによりコンプライアンスに対するグループ横断的な取組を進め、グループリスク・コンプライアンス委員会及び取締役会へその取組状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査部及び子会社の内部監査部門による内部監査を実施しています。また、急激に事業拡大している分野においては、役職員又は業務委託先等による法令違反や、不正行為等のリスクも高まりますが、規程・マニュアル類の整備、内部通報制度の利用促進、教育、その遵守状況のモニタリング等によりコンプライアンス体制を強化し、コンプライアンス遵守を図っています。 しかしながら、コンプライアンスに関するリスク(監督官庁の見解と当社グループの見解が異なるリスクを含む)及びそれに付随して当社グループの社会的信用が毀損されるリスクは完全に排除できるものではなく、当社グループのみならず取引先に起因するものを含め、当社グループがこれらのリスクに対処できない場合には、行政機関からの行政処分や、金銭的な損失及び損害の発生により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟等に関するリスク 当社グループは、各種サービスの展開を図る上で、販売者、役務提供者、購入者、役務利用者・ユーザー、その他の関係者による違法行為及びトラブルに巻き込まれた場合、システム障害等によってこれらの関係者に対し損害を与えた場合又は、当局による諸規制等に違反した場合には、当社グループに対して訴訟を提起される可能性及びその他の請求や行政処分や高額な課徴金の支払命令を受ける可能性があります。楽天モバイル株式会社、Rakuten Kobo Inc.が販売する携帯端末、電子書籍端末等については、それらグループ会社がメーカーの立場及び第三者に製造を委託している立場として製造物の欠陥等に伴う製造物責任等を負う可能性があります。また、新たに発生した、又は今まで顕在化しなかったビジネスリスクによって、現時点では予測できない訴訟等が提起され、その結果、高額な損害賠償金の支払義務を負う可能性があります。一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害される又は第三者の行為により損害を被った場合には、当社グループの権利が保護されない可能性及び当社グループの権利保護のための訴訟等の遂行に多大な費用を要する可能性もあります。 当社グループでは、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、適切かつ適法なサービスの提供に努めていますが、全ての訴訟等の可能性を排除することは困難であり、かかるリスクが顕在化した場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては特別損害が発生し、また、当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、ひいては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) サプライチェーンに関するリスク 当社グループでは、製品調達及び供給を適時に行うことが求められます。製品の調達・供給において、地政学的リスク、自然災害、疫病、戦争、内戦、暴動、テロ、サイバー攻撃、ストライキ、あるいは輸送事故等の理由により生産・物流が停滞する場合、供給不可や配送遅延による売上機会の損失、復旧対応のコスト増加により当社の収益確保に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは顧客の維持・獲得、ネットワークの構築・メンテナンス等のほか、それらに付随する業務の一部又は全部について、他社に委託しています。そのため、サプライヤーに関しては選定時に「楽天グループにおける調達管理に関するインストラクション」及び「楽天グループサステナブル調達インストラクション」やそれに基づく各社調達規程に則ったサプライヤー審査・選定を行い、リスク指標に基づくリスクアセスメント、ガバナンスKPIによるモニタリング、サプライヤー調査及び課題の抽出等のPDCAサイクル構築によって、取引上のリスクの低減に努めています。 さらに、サプライヤーに向けては、法令・社会規範の遵守、汚職・賄賂等の禁止、公平・公正な取引の推進、環境への配慮等の行動指針を定め、取引先等との公平・公正かつ透明性の高い取引に基づく良好な関係の構築と関係強化に取り組んでいます。 しかしながら、これらの対策を講じたとしても、サプライヤーと当社グループとの業務の中での故意又は過失による法令違反、不正行為、人権侵害等が発生する可能性を完全には排除できないため、万が一これらの事態が発生した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、サプライヤーは当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、上述のような事象により当該サプライヤーの信頼性や企業イメージに悪影響が出た場合に、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。 (6) 有形固定資産に関するリスク 当社グループは、モバイル事業の通信ネットワークの構築に必要な設備等をはじめとする有形固定資産を保有しています。これらの資産については、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断し、減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っています。回収可能価額の見積りは、将来キャッシュ・フロー予測等を使用しており、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識しています。将来の事業環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 無形資産に関するリスク ① 「Rakuten」ブランドの保全と推進に関するリスク 当社グループは、多様なサービス展開、広告宣伝活動等を通じて「Rakuten」ブランドの確立を図っており、そのユーザー等に対して一定の認知が得られているものと認識しています。事業規模の更なる拡大等に伴い、各サービスブランドの「Rakuten」ブランドへの統合推進、会員データベースの一元化、リワードプログラムの共通化を媒介とした会員IDの統合等を推進しています。ブランドの強化による認知度又はロイヤリティ向上のための施策及び費用については事前に十分な計画を立てていますが、思うような成果が現れず計画比で費用が超過する可能性もあります。また、これらの施策の過程においてブランド名称やロゴ、会員IDの変更により既存会員のロイヤリティの低下及び会員組織からの離脱を招く可能性もあります。さらに、「Rakuten」ブランド傘下のブランド統合により、各サービスブランドの施策が当社グループ全体に影響を与えるため、一つのサービスブランドにおいて、当社グループのブランドの信頼性及びブランド価値を毀損するような事案等が発生した場合には、当社グループ全体に影響を及ぼし、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権に関するリスク 当社グループが展開するいずれの事業においても技術分野における進歩及び変化が著しいため事業展開を行う各国において自社グループの技術、ブランド、コンテンツ等を保護することが継続的な事業運営に必要不可欠であると考えています。そのため、特許権、商標権、著作権、ドメインネーム及びその他の知的財産権を取得するよう努めるとともに、必要に応じて第三者から知的財産権のライセンスを受けています。さらには、第三者の権利侵害を回避するための対応の実施を進めています。 しかしながら、想定どおりに知的財産権を取得できないことで、当社グループが使用する技術、ブランド、コンテンツ等を保護できない可能性があります。また、上記対応の実施にもかかわらず、第三者から知的財産権等の侵害を主張されることで、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性、知的財産権のライセンスの取得等のために多額の費用が発生する可能性、当社グループの事業が差し止められ、多額の損害賠償金が課せられ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性等があります。 ③ 人的資源に関するリスク 当社グループでは、各サービス分野において人材の専門性及び多様性が必要であり、今後とも事業拡大及び国際展開に応じて、継続してグローバルに人材を確保、育成すること及びダイバーシティを実現することが必要です。さらに、日本においては少子高齢化や労働人口の減少が進行していることを踏まえ、市場ニーズの変化による採用、生産性の向上や採用した人材の定着(リテンション)及びマネジメント層の育成も継続した課題と認識しています。 当社グループでは、月次の人員計画を確認し、その変動を注視しつつ採用チャネルの多様化、リクルーターの増員等を行い、採用活動を行っています。加えて、採用した人材に対する職階に応じた教育・研修の実施等を通じて、人材育成や当社グループへのエンゲージメントの強化に取り組んでいます。マネジメント層の育成では、当社グループ内で実施するリーダーシップサミット等で当社グループのマネジメント層同士が議論する機会を設け、グループ横断的な連携及びリーダーシップの強化を図っています。しかしながら、かかる施策にもかかわらず、競合他社との人材獲得競争の激化により採用が計画どおりに進まなかった場合、人材の育成及び多種多様な人材が活躍できる就労環境の整備が順調に進まず、在職する人材の社外流出が生じた場合等には、労働力が不足し、労働生産性が低下する恐れがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏は、当社グループの創業者であり、創業以来CEOとして当社グループの経営に携わり、重要な役割を果たしているため、同氏の離職又は業務執行が困難となる不測の事態が生じた場合には、当社グループに影響を与える可能性があります。当社グループは社内カンパニー制を敷き、職務権限表に基づき各カンパニーごとにカンパニープレジデントを設置し、また執行役員制度を採用して適切に業務遂行の権限委譲を行っています。さらに、グローバルで多岐にわたる当社グループの事業展開を担うことができる人材の育成も行い、同氏が離職又は業務執行が困難となった場合のリスクを低減しています。しかしながら、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ のれんに関するリスク 当社グループは、インターネットサービスセグメント、フィンテックセグメント及びモバイルセグメントにおいてのれんを計上しています。これらの資産については、減損の兆候の有無に関わらず、各連結会計年度における一定時期に、年に1度減損テストを実施しています。また、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断し、減損の兆候が存在する場合には、資金生成単位グループの資産の回収可能価額の見積りを行っています。回収可能価額の見積りは、将来キャッシュ・フロー予測等を使用しており、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識しています。将来の事業環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) マーケットに関するリスク ① 金利変動及び有価証券、金銭信託等の価格変動に関するリスク 当社、楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社、楽天証券株式会社、楽天モバイル株式会社等では、必要な事業資金について銀行等からの借入等を行っていますが、当該事業資金の調達が金利変動の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループは有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しており、これらの有価証券等は金融商品市場の動向等により価格が変動する可能性があります。一部の借入、有価証券等は、金利、価格変動等のリスクを低減するためデリバティブ取引の活用、分散投資等によりそのリスクを低減するように努めていますが、完全にリスクを回避及び低減できる保証はなく、金利、金融商品市場における価格等の変動により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替変動に関するリスク 当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引においては、経済動向を注視しつつ、デリバティブ取引の活用等により為替変動リスクを極力回避する方針としています。しかしながら、当該リスクを完全に回避又は低減できる保証はなく、また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債は、現地通貨で発生したものを円換算し、連結財務諸表を作成しているため、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、外国為替相場の変動により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 財務・資金に関するリスク ① 資金調達等に関するリスク 当社グループが、金融機関等と締結しているローン契約、社債等には、財務制限条項やその他の誓約事項が規定されている場合があります。当社グループの経営成績、財政状態又は信用力が悪化する等により、いずれかの財務制限条項等に違反した場合には、これらの条項に基づき金融機関等から既存借入金や社債の一括返済、金利及び手数料率の引上げ、担保権の設定等を迫られる可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても返済を求められる可能性があります。また、当社グループの信用力の悪化により格付機関による信用格付が引き下げられた場合及び金融市場の状況等に起因して金融機関等における調達環境が悪化し、当社グループに対する貸出条件、社債発行条件等に影響する場合、並びに保有株式の株価の下落、大幅な金利や為替相場の変動、保有資産の市場流動性の低下、必要な許認可取得の遅延、税制の変更、契約上の売却制限が保有資産の売却条件等に影響を与える場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があります。また、当社グループでは、楽天カード株式会社のクレジットカード債権、楽天モバイル株式会社の通信料債権等の金銭債権の証券化、通信設備等を活用したセール・アンド・リースバックによる資金調達等も行っていますが、何らかの要因により、それらの継続が困難となるか、又は取引条件が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが発行している社債等には、当社グループの裁量で期限前償還可能な初回任意償還日が設定されている場合があります。当社グループは資本市場との良好な関係性維持のため、初回任意償還日での期限前償還を行う方針ですが、何らかの理由により、当社グループが初回任意償還日での期限前償還を見送る場合や、期限前償還がいずれかの財務制限条項等によって制限される場合は、将来の有価証券の発行条件に悪影響を及ぼす等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社が発行している社債の要項には、当社と比較可能な上場企業の配当水準を超える等の一定の条件を満たさない株式の配当及び自己株式の取得を制限する条項が規定されている場合があり、この場合には配当又は自己株式の取得に影響を与える可能性があります。加えて、当社が優先株式の発行を行った場合において、何らかの理由により優先株式の配当が制限された場合は、普通株式の配当に影響を与える可能性があります。 当社グループは金融機関、格付機関、資本市場等との良好な取引関係の維持、調達先の分散、調達手段の多様化等により、かかるリスクを極力低減するように努めますが、かかるリスクが顕在化した場合及び金融市場が不安定な場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 繰延税金資産に関するリスク 当社及び一部の連結子会社においては、IFRS会計基準に基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しています。当社グループは、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングをし、回収可能な繰延税金資産を計上していますが、将来課税所得の見積りが下方修正されたことに伴い当社及び連結子会社における繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合若しくは税制及び会計基準の変更が行われた場合には、当該繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 自然災害等の危機的な事象発生に関するリスク 地震、台風、津波等の自然災害、パンデミック、大規模事故、テロ・暴動その他予期せぬ危機的な事象が発生した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これらの災害及び危機的な事象が発生した場合には、社会全体の経済活動が停滞し、当社グループの提供するサービスへの需要が著しく減少する可能性があります。一方、災害等の態様によっては急激にその需要が増加することも想定され、それが当社グループの業務対応能力を超えた場合には、サービスの提供等が遅延又は一時停止する可能性があります。また、当社グループの営業及び物流拠点、データセンターをはじめとする主要な拠点が、これらの災害及び危機的な事象により直接的又は間接的に被害を受けた場合には、物理的、人的被害による影響により、通信ネットワークや情報システム等が正常に稼働せず、当社グループの事業活動に制約が生じ、やむを得ずサービスの一時停止を余儀なくされる可能性があります。加えて役職員の安全確保のため、役職員の出勤制限又は停止等、業務の運営形態を変更せざるを得ない状況に陥ることにより、業務生産性が低下し、情報セキュリティ及びプライバシー保護に関するリスクが、一時的に上昇する可能性があります。 当社グループにおいては、これらの災害及び危機的な事象が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、訓練等を通じ役職員の安全性の確保や情報システムのバックアップシステムの立ち上げを想定する等、かかるリスクによる影響を最小限に留めるよう努めていますが、災害及び危機的な事象の発生規模がその想定を超える場合には、当該リスクが顕在化し、事業の継続自体が困難又は不可能となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 気候変動に関するリスク 気候変動に関するリスクは「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2. 重要なサステナビリティ項目 (3) グローバルな課題への取組(気候変動)」をご参照ください。 (12) 事務・オペレーショナルリスク ① 財務報告に関するリスク 当社グループは、信頼性の高い財務報告を作成するため、金融商品取引法が定める内部統制報告制度に基づき、財務報告に係る内部統制を整備し、その評価を実施しています。しかしながら、当社グループの内部統制が適切に機能しない又は内部不正を阻止できない等、重要な不備が生じた場合には、当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 業務効率に関するリスク 当社グループは、業務の正確性、効率性を高めるために、様々な取組を実施しています。具体的には、全従業員参加型の改善活動の実施、業務遂行過程における各種情報システムの活用、担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施、社内規程及び事務手続きの標準化並びに文書化等に取り組んでいます。しかしながら、一部において専用の情報システムが導入されておらず、人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きの不備が発生する可能性があります。また当社グループの急速な拡大に伴う事務量の増加、新サービスの展開等により、業務遂行に必要な知識の共有及び継承が不十分になる可能性があります。それらの結果、事務手続きの不備の増加や生産性の低下により安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 風評に関するリスク 各種報道機関、SNS等を通じ、当社グループの事業及び役職員に関する様々な内容の報道及び情報の流布がされています。これらの報道及び情報の流布は、正確な情報に基づいていないもの及び憶測に基づいたものが含まれている場合があり、それらの内容の正確性や当社グループへの該当の有無に関わらず、当社サービスのユーザーや投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性があります。 当社の株価に重大な影響を与える可能性のある不明確な情報が発生した場合、東京証券取引所の注意喚起に応じ、これらの不明確な情報に対する当社グループの見解を直ちに開示する等、投資者が正しい情報に則って当社株式の評価ができるよう資本市場に適切な情報を開示します。また同時に、当社グループのコーポレートサイトを通じて適切な情報発信に努めています。しかしながら、かかる報道及び情報の流布により結果的に当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4 ビジネスセグメント固有の事業運営に関するリスク (1) インターネットサービスセグメント ① マーケットプレイス型のサービス 『楽天市場』のようなオンライン・ショッピングモール・サービス、『楽天トラベル』のような宿泊予約サービス、『Rakuten Rebates』のようなオンライン・ポイントバック・サービス等においては、取引の場を提供することをその基本的形態としています。 当社グループは売買契約等の当事者とはならず、規約においても、販売者又は役務提供者と購入者又は役務利用者との間で生じたトラブルについて、当社グループはその責任を負わず、当事者間で解決すべきことを定めていますが、他方で、マーケットプレイス型サービスにおける取引の場の健全性確保のため、偽造品その他の権利侵害品の排除等に自主的に努めています。具体的には、出品商品に関するガイドラインによるルールの明文化や、事前の商材審査、定期モニタリングの実施、社外からの通報窓口設置等を行っています。しかしながら、マーケットプレイス型のサービスにおいて、第三者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合には、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループも取引の場を提供する者として責任を問われ、さらには、当社グループのブランドイメージが毀損される可能性もあります。 また、近時、マーケットプレイス型サービスを含むプラットフォームビジネスについては、ネットワーク効果や規模の利益が働きやすいことから、優越的地位の濫用を含む不公正な取引方法に該当する事例その他の独占禁止法上の問題が生じやすいことが指摘されています。当社グループは、前述のように販売者又は役務提供者と購入者又は役務利用者に健全で信頼される取引の場を提供するとともに、これらの者との健全な関係の維持に努めています。また、当社グループは「3 事業運営全般リスク (4)法規制等に関するリスク ①法令・コンプライアンスに関するリスク」にも記載しているように、法令遵守を重要な企業の責務と位置づけ、コンプライアンス体制を構築し、必要に応じて弁護士その他の専門家への相談、監督官庁との協議等を行い、法令遵守の徹底を図っています。しかしながら、当社グループのかかる施策にも関わらず、公正取引委員会の見解と当社グループの見解が異なること等により、独占禁止法への抵触の問題が発生する可能性は完全には否定できません。公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令等を受けた場合には、企図していた施策が実現できなくなることに加えて、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、利便性及び信頼性の高いシステムに加え、集客力に優れた取引の場を継続的に提供することに努めていますが、それらの取組が期待どおりの効果を上げられなかった場合には、販売者・役務提供者が減少し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 直販型のサービス 当社グループが一般消費者に対して商品・役務を直接提供する『楽天24』、『楽天ブックス』、『Rakuten Fashion』等のサービスにおいては、当社グループは売買契約等の当事者となり、商品・役務の品質及び内容に責任を負っています。商品の販売及び役務の提供に際しては、関係法令を遵守し、品質管理に万全を期していますが、欠陥のある商品を販売又は欠陥のあるサービスを提供した場合には、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、商品回収、損害賠償責任等の費用の発生、顧客からの信用低下による売上高の減少等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、商品については、一部でデータ活用を用いて予測した需要に従って、仕入及び在庫水準の管理等を行っていますが、想定した需要が得られない場合、又は技術革新及び他社商品との競争の結果、商品価格が大きく下落する場合には、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があり、その結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 物流事業 当社グループは、『楽天市場』等におけるユーザー、販売者又は役務提供者である出店企業の利用満足度を一層高めるべく、出店企業の物流業務の受託サービスの拡大等を通じた配送品質の向上に注力しています。 物流事業においては、物流サービス市場における競争激化、及びそれに伴う価格競争やサービス競争が激化するリスクがあります。また、何らかのシステム障害が発生して物流業務の遂行が不可能になること、物流拠点内の事故、自社物流網における各感染症の発生、自然災害による物流拠点の稼働停止等のリスクがあります。当社グループは、システム障害発生の未然防止、障害発生原因に対する恒久対応策の実施、庫内・配送における安全業務遂行のための安全衛生委員会の設置及び自然災害を想定したリスク管理体制の構築を行っています。しかしながら、これらの施策が不十分であった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、物流拠点の拡大にあたり、設備として賃貸物件等を活用し、倉庫内設備投資等は将来見込まれる受注量を予測して実施していますが、当該設備の構築及び稼動開始までには一定の時間を要するため、かかる支出は先行的な投資負担になる場合があるほか、燃料費、資材、ドライバー不足や物流現場の人材確保の困難化、それに伴う人件費の高騰による労働力等の調達コスト増加や、当初見込んだ受注量の未達により受託業務での収益が予測を下回る場合には先行費用を補えず、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、設備の移転、廃止等が決定された場合には、当該資産の処分及び償却を行うことにより、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 広告事業 当社グループでは、デジタル広告等に関する広告事業の売上高がグループ全体の売上に対して一定の比率を占めていますが、広告市場は特に景気動向の影響を受けやすい傾向があり、景気が後退した場合には、広告主による予算減少の影響を受ける可能性があります。また、デジタル広告の分野においては技術の進展によって多様な広告手法が生み出されており、新規の参入者も多いことから、特に激しい競争にさらされています。 さらに、広告配信プラットフォーム等の技術的な手法に、各種法令やプライバシーに配慮した制約や変更が生じ、従来可能であった広告手法の変更や更なる技術開発が必要となる可能性があります。かかる事業環境において、当社グループはこれらの競争や環境変化に対応するため、独自プラットフォーム上での広告の拡大やデジタル広告の技術開発を含む様々な施策を講じていますが、これらの施策が十分でない場合には、サービスの競争力を失い、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ コンテンツ関連事業 1) エンターテインメントコンテンツサービス 当社グループでは、電子書籍サービス、ビデオストリーミングサービス、ミュージックストリーミングサービス、オンラインチケット販売等のエンターテインメントコンテンツの提供をインターネットサービスセグメントにおいて行っています。エンターテインメントコンテンツは多彩であるため、映像等の使用許諾者やライセンサー等から最低保証料等の費用を求められることがあり、コンテンツ収入が当該費用を下回る場合や、海外コンテンツに関する使用権取得に際し、為替変動により使用権取得費用が上振れしてしまう場合には、当事業の収益に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、ライセンサー等と契約交渉するにあたり、ライセンサーへの費用の支払を最低保証金等ではなく可能な限り売上分配型の形態を採るよう交渉に努めています。また、「楽天エコシステム」を生かし、楽天モバイル株式会社が販売する携帯端末から当社グループが提供するエンターテインメントコンテンツへのアクセスを容易にすることや、販売窓口におけるエンターテインメントコンテンツサービスの紹介及び各種割引サービスを実施することによりモバイル事業とのシナジーを生かした事業展開を行っています。しかしながら、かかる施策を講じても必ずしも期待どおりの効果が生じる保証はなく、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2) メッセージングサービス 当社子会社のViber Media S.a.r.l.及びその子会社が提供するモバイルメッセージング及びVoIPサービス、それらに付随する広告サービス等は、日本及びヨーロッパをはじめとする海外で広く事業展開を行っています。当サービスにおける通信内容等の情報の取扱いは、日本及び各国の個人情報保護に関する法令に則り適切な取扱いを行っています。しかしながら、前述の「3 事業運営全般リスク (1) 情報セキュリティに関するリスク、(3) 情報システムに関するリスク」に記載のとおり、サービスを提供するシステムの不具合やマルウエア等の影響、外部からの不正な手段による侵入等の犯罪行為等により情報システムの可用性又は情報の機密性及び完全性を確保できない可能性があります。また、前述の「2 経営環境・戦略に関するリスク (1) マクロ経済環境に関するリスク」に記載のとおり、地域間の紛争や政治的な衝突等の地政学的リスクの影響が拡大した場合、特定地域での政策変更や規制等により、同社が提供するサービスの利用制限や広告規制等影響が生じ、収益が低下する可能性があります。当社グループではこれらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対応策を講じ、政治情勢のフォローに加え、タスクフォースの設置により収益等への影響を引き続き注視します。しかしながら、これらの施策が不十分であった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) フィンテックセグメント ① フィンテックセグメント共通リスク 1) 法的規則 楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社、楽天証券株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社等の金融サービスを提供するグループ会社(以下「当社金融グループ会社」)においては、各種業法、金融関連諸法令、監督官庁の指針(ガイドライン)、金融商品取引所・業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受け、これらを遵守しています。しかしながら、当社金融グループ会社において、サービスを提供するために必要な許認可につき、将来、何らかの事由により免許等の取消等がなされ、又は業務停止が求められた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、関連法令諸規則の新設、改正等により、他社の新規参入が容易になる場合や提供するサービスに関する規制が強化された場合には、競争の激化、規制強化に対応するための想定外の追加コストの発生及びビジネスモデルの見直し等が必要になる可能性があります。一方、当該関連法令諸規則等の変更や緩和により当該サービスの提供にあたり有利に影響する場合には事業展開に追い風となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、近年金融犯罪の手口が多様化かつ複雑化し、組織犯罪やテロ活動の脅威は世界的に高まっており、国際的な金融犯罪の防止態勢が強化されています。日本当局を含めた各国当局は、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止(AML/CFT)に関連し、FATF(金融活動作業部会)等の要請に基づいた各種施策を進めており、当社グループにおいても、国内外で業務を行うにあたり各種規制の適用を受けています。当社グループは、関係法令諸規則等を遵守すべく、当社グループ全体の基本方針としてAML/CFTに関する関連規程を定め、同規程に基づいた運営及び管理を行っています。今後も、第5次対日相互審査を含め国際的な動向を注視し、継続的に取組を進めてまいります。しかしながら、当社グループにおいて、マネー・ローンダリングあるいはテロ資金供与を効果的に抑止できなかったこと等により、結果的に関連法令諸規則等を遵守できなかった場合や法規制への対応が不十分であるとされた場合には、行政処分や罰則を受けたり、業務に制限を付されたりするおそれがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社金融グループ会社は、監督官庁の指針(ガイドライン)に基づき、内部統制基本方針、リスク管理細則等の社内規程に加え、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制等を参考にした内部統制の整備によるグループガバナンス体制を構築し、業務の健全性、適切性を確保しています。しかしながら、何らかの理由によりグループガバナンス体制に不備があり監督官庁から行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2) マーケット 当社金融グループ会社の各事業は、資産負債の時価変動についてリスクを負っています。当社金融グループ会社は、資産負債管理(ALM)を適切に対応していますが、市場動向等により金利が大幅に変動した場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社金融グループ会社は、個人・法人向けの貸付債権を保有しているほか、国債・社債等の債券を保有しています。経済状況が悪化した場合及び債務者・債券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、当該貸付債権・保有債券の信用力が低下し、元利金の支払が不履行となる可能性があるとともに、当該貸付債権への引当金計上及び保有債券の市場価格の下落により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、市場リスクをヘッジするために行っている金利スワップ、通貨スワップ、為替予約、オプション等のデリバティブ取引についても、カウンターパーティーリスク(取引の相手方が破綻して約定どおりの支払が受けられないリスク)があります。当社金融グループ会社は、これらのリスクに対し、当該貸付債権、保有債券及びデリバティブ取引の相手方の信用状況について、適宜精査をしており、早期の対応を図っていますが、当該対応が間に合わず、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このほか、当社金融グループ会社を含む当社グループ全体に関わるマーケットリスクについては、「3 事業運営全般リスク (8) マーケットに関するリスク」をご参照ください。 ② フィンテックセグメント個別リスク 当社金融グループ会社は、各事業において固有のリスクを有しています。特に投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については以下のとおりです。これらのリスクは互いに独立したものではなく、ある事象の発生により複数のリスクが同時に発生する可能性があります。 1) 楽天カード株式会社 楽天カード株式会社は、クレジットカード決済等における加盟店契約業務を提供しており、加盟店からの手数料を収入源としています。加盟店手数料率の低下、競合他社との競争激化等による加盟店流出が生じる可能性がありますが、同社は引き続き、業務改善を通じたコスト削減及びお客様のニーズに合わせたサービス展開に取り組みます。しかしながら、その取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合、加盟店数の減少や手数料ビジネスの利益率の悪化により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また経済環境の悪化に伴い、自己破産及び多重債務者の増加、消費の落ち込みによるサービス需要の低下並びに求償債権の増加による引受信用保証の収益性の悪化の可能性があります。これらのリスクに対して与信管理を適切に行っていますが、想定を超え経済環境が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらにクレジットカードの不正利用等については、キャッシュレス決済手段の拡充による取扱高の増加に伴い、年々増加しています。同社においてはカード情報を裏面に記載した新デザインカードの発行、SMSを活用した本人認証サービスの実施及び、24時間体制でのモニタリング等にて不正利用の防止体制を強化していますが、想定を超える不正利用が発生した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2) 楽天銀行株式会社 楽天銀行株式会社は、銀行法、金融商品取引法等に基づく監督を受けています。同社は、法令等により一定の自己資本比率の維持を求められており、財政状態を健全に保ち、最低自己資本比率を下回ることがないように留意していますが、財政状態の悪化により定められた自己資本比率を下回る場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があります。さらに同社は、登録金融機関として外国為替証拠金取引を取り扱っており、金融商品取引法その他の関係法令及び一般社団法人金融先物取引業協会の規則を遵守するとともに、各種禁止行為を行うことがないよう留意し事業を行っています。しかしながら、かかる取組や対応策が不十分であった場合には、同社は行政処分等を受ける可能性、顧客からの信頼を失う可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、同社では、インターネットを活用した銀行サービスを提供しており、ATMでの普通預金の引き出し、定期預金の解約、他の金融機関への送金又は振込等が24時間365日(システムメンテナンス時間を除く)行えます。そのため、経済環境の悪化や同社及び当社グループのレピュテーションに悪影響を及ぼす不測の事態が発生した場合には、他の金融機関と比較して速いペースで想定を超えた資金流出が著しく発生する可能性があります。かかるリスクに対して、インシデント発生の未然防止又は早期発見のための定期的なモニタリング及び内部監査を内部統制の取組として実施しています。しかしながら、それらの取組の結果が期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、同社においては、適切な収益確保とマーケティングコストの管理を行っていますが、競争環境の激化により、ローン金利の引き下げ、預金調達コストの増加及び多額のマーケティングコストが発生した場合や、日本銀行による想定外の政策金利の変更が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、同社は、独自のATMネットワークを有していないため、ATMの利用に関わる契約を締結している他の金融機関との関係が悪化した場合又はこれらの業務若しくは関連するシステムに障害が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3) 楽天証券株式会社、楽天ウォレット株式会社 楽天証券株式会社は、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を行っており、金融商品取引法や同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を、楽天ウォレット株式会社は、資金決済法に基づく暗号資産交換業者の登録等及び金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を行っており、同法や同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。これに対し各社は、定期的なモニタリング、内部監査等の内部統制の取組を実施しており、法令等を遵守しています。また、法令等により一定の自己資本規制比率を保つよう義務付けられており、一定の財政状態を健全に保つように努めています。しかしながら、各社の取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合及び最低自己資本規制比率を下回る場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があります。 また、各社は、適切な収益確保のため、競合他社の動向調査を行い、収益の維持に努めています。しかしながら、更に競争環境が激化した場合には、新たな収益源となりうる商品やサービスの拡充が求められます。これらの取組が期待どおりの効果を得られなかった場合には、各社の収益性が悪化し、また、各国の金融政策の変更等がきっかけとなり、金融市場の混乱・低迷による投資家心理の悪化等が生じた場合には、各社の手数料収益が大幅に減少する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、各社は、ログイン追加認証必須化等の対応を行っています。しかしながら、各社の取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合には、不正アクセスや第三者の不正取引による資産の流出が発生する可能性があります。かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4) 楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社 楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社は、保険業法その他関連法令諸規則等に基づく金融庁の監督を受けています。主として契約者保護を目的とした保険業法その他関連法令により、業務範囲及び資産運用方法の制限を受け、また、準備金の積立て、ソルベンシー・マージン比率の維持等に関する規定が定められています。また、両社は、財務の健全性をより正確に把握するための指標として、経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR: Economic value-based Solvency Ratio)を導入しています。両社は、社内規程等を整備し、ソルベンシー・マージン比率等及び経済価値ベースのソルベンシー比率についてのリスク許容度の設定やモニタリング管理を行っており、適宜対応できる体制を整備しています。しかしながら、何らかの要因により、業務運営、資産運用上の諸前提に大きな乖離が生じる等して、当該比率を適切に維持できず、金融庁からの行政処分等が行われた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 楽天生命保険株式会社は定期保険や医療保険等、楽天損害保険株式会社は自動車保険、火災保険等の保険商品を販売しており、保険契約者からの保険料収入及びそれを原資とした資産運用による収益を主な収入源としており、商品の拡販のための各種施策等の実施や保有契約の継続率向上に努めています。しかしながら経済環境の悪化等の原因により、新規契約の減少、想定を超えた中途解約の増加等により、保有契約の著しい減少が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資産運用に関しては、リスク許容度に応じたリスクの限度額管理を行うことで適切なリスク管理に努めていますが、保有する国内外の有価証券等について予想を超える価格変動等が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、大規模な自然災害の発生やパンデミックに備え、再保険の活用や異常危険準備金の積立て等を行っていますが、想定を上回る頻度及び規模の保険金支払が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5) 楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社 楽天ペイメント株式会社は主にモバイル決済サービス等、楽天Edy株式会社はプリペイド型電子マネーサービス等を提供しています。また、楽天Edy株式会社は資金決済法に基づく前払式支払手段発行者及び資金移動業者の登録等を行っており、同法や同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。特に、前払式支払手段に対しては基準日未使用残高の2分の1の額以上の発行保証金を、資金移動業においては送金途中にあり滞留している資金の100%以上の履行保証金をそれぞれ保全することが義務付けられており、法令やガイドラインに定められた内容に沿って顧客資産の保全を実施しています。加えて、2025年3月19日には、楽天Edy株式会社が厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者として、「賃金のデジタル払い」の提供を開始しました。これにより、労働基準法に基づく賃金において、希望する労働者にはデジタル支払が行われることとなり、新たなサービス機会が創出される一方で、労働者の賃金を取り扱う指定事業者として高いレベルの法令遵守態勢やシステム管理態勢が求められています。しかしながら、何らかの理由で関連業法等に違反した場合には、金融庁・厚生労働省等の関係当局から指定の取消しや営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 キャッシュレス決済サービスに関連するシステムに障害や不正アクセス等が発生した場合には、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社ひいては当社グループのセキュリティに対する信頼性及びレピュテーションが低下し、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があります。また、日本国内における、キャッシュレス決済の認知、利用頻度の高まりにより、クレジットカード同様、社会インフラの一つとして認識されていることから、より一層高い信頼性が求められます。両社は、キャッシュレス決済関連システムの障害発生及び不正アクセスを防ぐため、システムの冗長構成(バックアップ体制の構築)、セキュリティの強化等に努めていますが、かかる取組が期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) モバイルセグメント ① モバイル事業 1) 法的規制等 楽天モバイル株式会社が提供する通信サービスは、日本及び今後事業展開を予定する各国において、通信事業に関する法令、安全保障に関する制約、事業・投資に係る許認可等、規制の改廃、政策決定等により、直接又は間接の影響を受ける可能性があります。また、同社は、電気通信役務の円滑な提供のために他の電気通信事業者の通信設備と同社の通信設備を相互接続するため相互接続協定を結んでいます。現在、電気通信設備を有する者は他事業者に対して原則として接続義務を有していますが、電気通信事業法等の改正等により、接続義務の撤廃や緩和等の措置が取られ、同社の負担すべき使用料、相互接続料等が増加する等、同社にとって不利な形で条件変更がなされる可能性があります。 同社は当社グループと協働し、日本及び今後事業展開を予定する各国の通信事業に関する法令諸規則等の改廃、政策決定等の動向を注視し、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、必要な情報を早期収集するとともに当該動向に適合するようすみやかに運用方法を変える等しかるべき対応策を講じ、またそれら対応策の実施状況をモニタリングしています。このように必要な対応策を講じ、リスクの軽減に努めていますが、これらのリスクが顕在化する時期を完全に予測することは困難であり、また完全に回避できる保証はなく、これらの法令等の改廃、政策決定等の動向により、同社のサービスの提供に制約等を受け又は不測の費用が発生する可能性があります。また、同社がこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、行政機関から行政処分等を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの信頼性の低下、事業展開の制約等が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、同社及び当社グループでは内部管理体制の強化、社内規程等の整備と周知及びコンプライアンス教育を徹底し、グループ全体で重大な法令違反や不正行為等の防止に努めています。しかしながら、同社及び当社グループのみならず取引先に起因するものも含むコンプライアンスに関するリスクは完全に排除できるものではなく、同社及び当社グループがこれらのリスクに対処できない場合には、行政機関からの行政処分や金銭的な損失及び損害の発生により、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2) 他事業者との競争、市場及び事業環境 本事業の市場は、強固な顧客基盤を有する他の移動体通信事業者(MNO)及び仮想移動体通信事業者(MVNO)との価格競争等が生じています。また、各社が提供するサービスの同質化が進み、通信事業者が新たな収益の確保に向けて通信以外のサービスへ事業領域を拡大する等、事業環境は大きく変化しています。そのような事業環境の中、同社は独自の革新的な技術を用いた仮想無線ネットワークの実現により、安価で高速な通信環境を生かし通信サービスをユーザーに提供しています。また、当社グループの「楽天エコシステム」を生かし、当社グループのほかの魅力的なサービスへのアクセスを容易にすることにより、競合他社と差別化を図り、ユーザーの獲得を図っています。しかしながら、かかる施策を推進しても、当社グループが提供する優位性を生かせず、逆に競合他社が既存の優位性に加え、安価な通信サービス等を展開することにより、同社において新規ユーザーの獲得及び維持が困難になり、同社及び当社グループが、期待どおりにサービス及び関連商品を提供できない可能性があります。 かかる状況の下、前述の施策によっても他通信事業者との競争に対抗しきれない場合には、想定している契約者数や顧客単価が計画どおりの水準に達しないことにより収益貢献できず、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3) 設備・機器 同社による移動体通信事業者(MNO)サービスの拡大及び品質向上に向けて、基地局及び伝送・交換等を行う通信設備を設置するための地権者との協議、通信ネットワークを構築するための他通信事業者が保有する通信回線設備との連携、通信機器やネットワーク機器、携帯端末の調達等を行っていますが、これらの協議等が計画どおりに進まない場合には、同社及び当社グループにおいて当該サービスを計画どおりに拡大できず、追加費用が発生するほか、通信機器の売上が減少する等、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4) 安定的な通信サービスの提供 同社は、通信という社会インフラを提供する社会的使命を認識し、安定的な通信サービスの提供に努めています。また、危機管理基本方針を定め、それに基づき事業継続計画(BCP)を策定し、危機発生時の初動対応、重要業務の継続及び早期復旧に対応できるよう努めるとともに、地方自治体等と協定を締結し、大規模災害に備えた連携体制を構築しています。同時に、ネットワークの品質とセキュリティ向上に努め、外部からの攻撃への対応策を実施しています。しかしながら、同社の想定を大きく上回るサイバー攻撃等の外部からの攻撃、自然災害・事故等による通信障害等の不測の事態が発生する可能性を否定することはできず、万が一、これらが発生した場合には、サービス提供の制約又は一時的な停止を余儀なくされ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、同社は2023年10月23日、「プラチナバンド」と呼ばれる700MHz帯における移動通信システム普及のための特定基地局開設計画の認定を総務大臣から受けました。本認定に伴い同社では、700MHz帯を活用したモバイルネットワークの商用サービスを2024年6月27日に開始し、順次展開を行っています。 さらに同社は、低軌道衛星を活用したモバイル通信の実現に向け、通信試験・事前検証用の実験試験局予備免許を取得し、実験試験局免許の付与を受け次第、日本国内における低軌道衛星を活用したモバイル通信試験及び事前検証を実施します。今後も、楽天回線エリアの拡大や通信品質の向上に努め、顧客にどこでも快適で利便性の高い通信サービスをご利用いただけるよう取り組んでいますが、事前検証の結果次第では、当初の予定どおりのスケジュールでのサービス提供ができず、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5) 第三者との提携等 同社では、自社の基地局及び伝送・交換等を行う通信設備の拡充を行っていますが、他の電気通信事業者(ローミング事業者)の回線を使用したサービス(ローミングサービス)の提供も行っており、安定的なサービス提供に努めています。しかしながら、何らかの理由により、提携するローミング事業者が回線の利用料を引き上げた場合、同提携が終了するに至った場合又は当該ローミング事業者の通信設備が自然災害等により利用が困難になった場合には、同社が提供するサービスの変更を余儀なくされる又はサービス提供に支障をきたす可能性が否定できません。かかる場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6) グローバル事業 当社グループは、楽天シンフォニー株式会社を通じ、4G及び5G用のインフラ並びにプラットフォームソリューションを世界市場に提供しています。1&1 AG(本社:ドイツ)と締結した長期的なパートナーシップのもと、各社は革新的なOpen RAN技術に基づく欧州初となる完全仮想化モバイルネットワークを構築します。しかしながら、楽天シンフォニー株式会社のビジネスモデルは収益化まで時間を要し、また複数国間の企業を結合した組織となるため、カントリーリスクの発現等予期しえない事象により同社のサービス展開等が遅延することで、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 楽天シンフォニー株式会社は、政府機関、通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、コスト管理を行いつつ期待される製品の性能を満たすよう開発に努めています。しかしながら、技術上又は顧客のニーズの変化等の理由により、同社が開発計画を変更する必要が生じ、開発工数が増加した結果、開発遅延を引き起こす可能性があります。また、顧客に保証したサービス品質を達成できないことで損害賠償請求がなされたり、知的財産等に関する訴訟等の法的紛争が発生する可能性があります。加えて、第三者から知的財産権のライセンス等を取得する必要が生じる可能性もあります。これらの事情により、当初計画より多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、楽天シンフォニー株式会社においては戦略的パートナーとのビジネス上のパートナーシップに加え、資本等の受け入れの検討も進めていますが、事業環境等の変化によりそれらが予定どおり進捗しない場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② エネルギー関連事業 電力小売事業は、卸電力取引市場で電力を調達しているため、電力調達価格の価格変動リスクを負っています。 同事業は、卸電力取引市場での電力調達価格の変動に備えるため、電力調達の一部を固定価格で契約するとともに、卸電力取引価格に連動した小売料金を導入しています。しかしながら、電力調達価格の価格変動リスクを完全に回避できる保証はなく、卸電力取引市場における電力取引価格の変動により同事業の電力仕入価格が高騰する等の事態が発生した場合には、同事業及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、容量拠出金制度への対応等、制度改正、市場価格の変動及び需要予測の不確実性が、同事業に影響を及ぼす可能性があります。これらに備えるため、制度改正動向の継続的なモニタリング、需要予測精度の向上、取引条件の適切な見直し等により、リスクの抑制に取り組んでいます。しかしながら、これらのリスクを完全に回避できる保証はなく、価格変動が販売価格に十分に転嫁できない場合には、同事業及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)15,114字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況 当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」)及びIFRS会計基準に基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。 Non-GAAP営業利益は、IFRS会計基準に基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産償却費等を指します。 (注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。 ①  当期の経営成績(Non-GAAPベース) 当連結会計年度における世界経済は、一部の地域において足踏みがみられながらも緩やかな持ち直しが続いている一方、その先行きについては、米国の今後の政策動向、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があります。日本経済については、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられ、先行きについても、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が景気の緩やかな回復を支えることが期待されています。 「情報通信白書」(注1)によると、人口減少下にあり、地域や社会の課題が多様化・複雑化する日本において、成長力を維持していくためには、生成AIをはじめとするデジタル技術を徹底的に活用し、DXの加速化を図ることが必要であり、その実現に不可欠となるデジタルインフラの重要性が高まっているとされています。総務省はこうした状況を踏まえ、2025年6月に「デジタルインフラ整備計画2030」を策定し、高品質な通信サービスの普及拡大やBeyond 5Gの研究開発・社会実装等を推進することにより、AI社会を支えるデジタル基盤の整備を推進していくこととしています。 このような環境下、当社グループは、メンバーシップ、オンライン・オフライン双方で展開する様々なサービスの展開によって蓄積される質・量ともに圧倒的なデータを生かしたAI等の先進的技術を活用したサービスの開発及び展開、モバイルサービスにおけるネットワーク品質の向上、ユーザー獲得等を積極的に進めています。楽天エコシステムを更に進化・拡大させることで、当社グループの競争力を高めていくとともに、インターネットサービス、フィンテック、モバイル等の多岐にわたるサービスを通じて蓄積したユニークなデータ資産を保有している当社グループだからこそ可能であるソリューションサービスを提供していくことで、「AIエンパワーメントカンパニー」としても進化し、人々の生活をより便利で豊かにすることを目指しています。また、足元において物価上昇、為替変動等の景気の先行きへの不透明感が伴う中、多種多様な事業ポートフォリオを有する当社グループが強みとして発揮できる相乗効果を最大限生かすことで、消費者動向やニーズを的確に把握し、更なる成長機会を捉えていきます。 グループを挙げて、AIを活用した売上収益の伸長及びコスト削減に取り組む中、インターネットサービスにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長のために、新規顧客の獲得及びロイヤルユーザーの育成、モバイルユーザーを中心としたクロスユースの促進、『楽天市場』や『楽天トラベル』においてユーザーに最適な商品及びサービス選びをサポートするAIコンシェルジュのサービスリリース等に注力するとともに、コスト最適化努力により収益性の向上を目指した結果、増収増益を達成しました。フィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤及び取扱高の拡大、各サービス間及び他セグメントのグループサービスとのクロスユースの促進に努めた結果、更なる売上収益の伸長とセグメント利益の向上に繋がりました。モバイルにおいては、継続的な通信品質改善とその認知促進、オンライン・オフライン双方における各種マーケティング活動の結果、2025年12月には全契約回線数が1,000万回線(注2)を突破、セグメント売上収益が拡大しました。加えて、コスト面においては、従来の水準を維持したことで、セグメント損失は引き続き縮小しています。 この結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は2,496,575百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。目標としていた二桁増収には及ばなかったもののフィンテックを中心に増収したほか、Non-GAAP営業利益は106,277百万円(前連結会計年度比1,407.9%増)となりました。 (注1) 出典:「令和7年版 情報通信白書」(総務省) (注2) 法人向けのBCPプランを含むMNO、MVNE、MVNOの合算 (Non-GAAPベース) (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 (自2024年1月1日至2024年12月31日)   (自2025年1月1日至2025年12月31日) 売上収益   2,279,233   2,496,575   217,342   9.5   % Non-GAAP営業利益   7,048   106,277   99,229   1,407.9   % ②  Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整 当連結会計年度において、Non-GAAP営業利益にて控除される無形資産償却費は5,172百万円、株式報酬費用は15,645百万円となりました。前連結会計年度に計上された非経常的な項目には、保険事業の生損保一体型基幹システム及びその他のシステムの一部に係る除却損5,863百万円、損害保険事業における基幹システムの開発計画の見直しに伴う固定資産の減損9,662百万円、令和6年能登半島地震における基地局の保守修繕費等の発生費用1,154百万円、モバイル事業における一部代理店との契約の見直し及び取引の再評価による契約獲得のためのコストから認識した資産等の取崩し損失5,411百万円、楽天シンフォニー事業における先進的なネットワークソフトウエア開発により注力する形のビジネスモデル転換に伴う除却損1,891百万円及び資金生成単位の変更に伴う固定資産の一部減損2,155百万円、楽天農業事業及び海外広告事業の将来の収益見通しを再評価したことによる固定資産の減損1,667百万円、楽天チケット事業のリストラクチャリングに伴う固定資産の減損等1,305百万円、Viber Media S.a.r.l.の株式のグループ内譲渡及び楽天カード株式会社の株式の一部譲渡に伴う租税公課4,151百万円、海外子会社の売却未収金の回収不能リスクに伴い計上した貸倒引当金繰入額4,386百万円、International Business Machines Corporationとの間の訴訟の解決に係る費用、AST SpaceMobile, Inc.株式の会計上の取扱いの変更による再測定益106,906百万円、みん就株式会社の譲渡益1,613百万円等が含まれています。なお、連結損益計算書において、モバイル事業における契約獲得のためのコストから認識した資産等の取崩し損失並びにViber Media S.a.r.l.の株式のグループ内譲渡及び楽天カード株式会社の株式の一部譲渡に伴う租税公課は営業費用に、それ以外の収益及び費用は主にその他の収益及びその他の費用に計上されています。また、当連結会計年度に計上された非経常的な項目には、国内スポーツ事業において、過去に締結したチーム運営に重要な影響を及ぼすコンサルティング契約を、チームの運営方針の変更を契機に解約したことによる中途解約金2,459百万円、カード債権流動化における資金調達取引に係る消費税の更正通知の受領に起因した過年度分を含む追徴税額及び延滞税額等の納付額4,950百万円、証券事業における不正アクセスに伴う顧客取引の補償に係る損失額858百万円、倉庫型ネットスーパー事業において顧客獲得実績が当初計画を著しく下回ったこと及び一部商圏からの撤退を決定したことに伴う固定資産の減損等27,909百万円、過去に貸倒引当金を繰り入れた海外子会社の売却未収金の回収に伴う引当金戻入額2,258百万円、ロジスティクス事業において貸与している倉庫の将来的な荷量の増加ペースの遅延及び取扱商品サイズの想定以上の大型化による保管可能な荷量の減少に伴う固定資産の減損10,024百万円、「楽天シンフォニー」のOpen RAN事業においてビジネスの立ち上げに当初想定以上の時間を要したことに伴う固定資産の減損20,497百万円、2022年連結会計年度に発覚した子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に関与した取引先との一部和解に基づく委託料債務の免除益3,715百万円、海外アフィリエイト事業の将来の収益見通しを再評価したことによる固定資産の減損1,254百万円、一部欧州事業の撤退に向けた人件費引当等1,720百万円、過去に売却した子会社の債務の支払請求訴訟に係る引当金繰入額が含まれています。なお、連結損益計算書において、カード債権流動化における資金調達取引に係る消費税の更正通知の受領に起因した過年度分を含む追徴税額及び延滞税額等の納付額は営業費用に、それ以外の収益及び費用は主にその他の収益及びその他の費用に計上されています。 (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額 (自2024年1月1日至2024年12月31日)   (自2025年1月1日至2025年12月31日) Non-GAAP営業利益   7,048   106,277   99,229 無形資産償却費   △6,821   △5,172   1,649 株式報酬費用   △15,910   △15,645   265 非経常的な項目   68,658   △71,078   △139,736 IFRS営業利益   52,975   14,382   △38,593 ③  当期の経営成績(IFRS会計基準ベース) 当連結会計年度における売上収益は2,496,575百万円(前連結会計年度比9.5%増)、IFRS営業利益は14,382百万円(前連結会計年度においてAST SpaceMobile, Inc.株式の会計上の取扱いの変更による再測定益106,906百万円を計上した影響もあり、前連結会計年度比72.9%減)、当期損失(親会社の所有者帰属)は177,886百万円(前連結会計年度は162,442百万円の損失)となりました。 (IFRS会計基準ベース) (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 (自2024年1月1日至2024年12月31日)   (自2025年1月1日至2025年12月31日) 売上収益   2,279,233   2,496,575   217,342   9.5   % IFRS営業利益   52,975   14,382   △38,593   △72.9   % 当期損失(△) (親会社の所有者帰属)   △162,442   △177,886   △15,444   -   % ④  セグメントの概況 各セグメントにおける業績は次のとおりです。なお、IFRS会計基準上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業利益ベースで表示しています。 (インターネットサービス) 主力サービスである国内ECにおいては、新規顧客の獲得及びロイヤルユーザーの育成、モバイルユーザーを中心としたクロスユースの促進、エージェント型AIツールであるAIコンシェルジュの開発等に注力しました。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』においては、AIを活用した出店店舗支援ツールの展開を含む、顧客の利便性や満足度の向上を追求した各種施策を行った結果、流通総額及び売上収益が成長し、マーケティング効率の改善とあいまって増益となりました。インターネット旅行予約サービス『楽天トラベル』においては、訪日外国人観光客の増加に伴うインバウンド需要の高まり等により、取扱高が拡大しました。 海外インターネットサービスを運営するインターナショナル部門においては、電子書籍サービスの『Rakuten Kobo』において、2024年に発売開始したカラー対応端末の売上の好調に加えコンテンツ売上が拡大したほか、メッセージングサービスの『Rakuten Viber』において通信売上及び広告売上が増加する等、各事業が着実に成長を継続し、セグメント利益の拡大に寄与しました。 この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は1,369,697百万円(前連結会計年度比6.8%増)、セグメント利益は88,943百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 (自2024年1月1日至2024年12月31日)   (自2025年1月1日至2025年12月31日) セグメントに係る売上収益   1,282,087   1,369,697   87,610   6.8   % セグメント損益 考慮前   96,940   103,485   6,545   6.8   % モバイルエコシステム貢献額   △11,803   △14,542   △2,739   -   % 考慮後   85,137   88,943   3,806   4.5   % (フィンテック) フィンテックにおいては、クレジットカード関連、銀行、証券、保険、ペイメント等の国内主要サービスの全てにおいて増収となりました。クレジットカード関連サービスにおいては、『楽天カード』の顧客基盤の拡大及びショッピング取扱高の伸長が拡大しました。銀行サービスにおいては、顧客基盤の拡大に伴う運用資産の増加及び日銀の政策金利の引き上げに伴う運用利回りの向上により、資金運用収益が大幅に拡大しました。証券サービスにおいては、顧客基盤の継続的な拡大に加え、収益源の多様化等により売上収益の成長が継続しました。保険サービスにおいては、商品特性に合わせた販売チャネルの活用が奏功し、保険料収入が拡大しました。ペイメントサービスにおいては、『楽天ペイ』のユーザー数増加に伴い取扱高が増加し、効率的なマーケティング施策とあいまって増収増益となりました。 この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は975,931百万円(前連結会計年度比19.0%増)、セグメント利益は199,922百万円(前連結会計年度比30.3%増)となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 (自2024年1月1日至2024年12月31日)   (自2025年1月1日至2025年12月31日) セグメントに係る売上収益   820,419   975,931   155,512   19.0   % セグメント損益 考慮前   167,994   219,402   51,408   30.6   % モバイルエコシステム貢献額   △14,617   △19,480   △4,863   -   % 考慮後   153,377   199,922   46,545   30.3   % (モバイル) モバイルにおいては、『楽天モバイル』を中心に増収、損失改善となりました。『楽天モバイル』は、通信品質の向上及びその認知拡大努力に取り組むとともに、新パック「Rakuten最強U-NEXT」の提供、『楽天市場』や『楽天カード』をはじめ楽天エコシステムの各種サービスを活用したマーケティング施策等を展開したほか、法人向けプランの契約者獲得を積極的に推進した結果、2025年12月に、全契約回線数(法人向けのBCPプラン含むMNO、MVNE、MVNOの合算)が1,000万回線を突破しました。ARPUについても、データ利用量の増加、オプションサービスの利用者の増加等を背景に、B2C及びB2BのARPUが2024年第4四半期連結会計期間と比較してそれぞれ上昇しました。 この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は482,838百万円(前連結会計年度比9.6%増)、セグメント損失は161,841百万円(前連結会計年度は208,933百万円の損失)となりました。特に、モバイル事業においては、当連結会計年度においてEBITDA黒字化を達成しました。 今後も引き続き更なる通信品質改善に向けた設備投資等に注力するとともに、端末ラインナップや法人向けのソリューションサービスの拡充等にも取り組み、契約者増加及び顧客満足度の更なる向上を図ってまいります。 (単位:百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減額   増減率 (自2024年1月1日至2024年12月31日)   (自2025年1月1日至2025年12月31日) セグメントに係る売上収益   440,698   482,838   42,140   9.6   % セグメント損益 考慮前   △235,353   △195,863   39,490   -   % モバイルエコシステム貢献額   26,420   34,022   7,602   28.8   % 考慮後   △208,933   △161,841   47,092   -   % ⑤  生産、受注及び販売の状況 (生産実績) 当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしていません。 (受注実績) モバイルセグメントにおいて、Open RANベースの通信インフラプラットフォーム及びサービスの提供等を行っており、受注実績は次のとおりです。その他のセグメントは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしていません。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) モバイル   34,487   △16.2   42,980   △44.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しています。 (販売実績) 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前年同期比(%) インターネットサービス   1,369,697   6.8 フィンテック   975,931   19.0 モバイル   482,838   9.6 内部取引等   △331,891   - 合 計   2,496,575   9.5 (2) 経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 経営成績の分析 (売上収益) 当連結会計年度における売上収益は2,496,575百万円となり、前連結会計年度の2,279,233百万円から217,342百万円(9.5%)増加しました。これは、インターネットサービスにおける、『楽天市場』や『楽天トラベル』に代表される国内既存事業の成長に加え、『Rakuten Kobo』や『Rakuten Viber』等海外事業の成長が売上収益に貢献したこと、フィンテックにおける、『楽天カード』の会員基盤及びショッピング取扱高の拡大に伴う手数料収入等の増加及びリボ残高やカードキャッシング残高の継続的な拡大に伴う各手数料収入の伸長、銀行サービスの運用資産の順調な積み上げ及び政策金利の引き上げによる金利収益の伸長、証券サービスの預り資産の順調な積み上げ及び収益源の多様化による手数料及び金利収益の伸長、『楽天ペイ』の会員基盤及び取扱高の拡大に伴う手数料収入等の増加、モバイルにおける、『楽天モバイル』の顧客基盤拡大に伴う通信料金収入の増加等が売上収益に貢献したこと等によるものです。 (営業費用) 当連結会計年度における営業費用は2,399,167百万円となり、前連結会計年度の2,303,806百万円から95,361百万円(4.1%)増加しました。これは、フィンテックにおけるクレジットカード関連サービスの業容の拡大による費用の増加に加え、更正通知に基づく消費税等を計上したことによる租税公課の増加や、モバイルにおける販促費や販売端末の製品原価等の増加等によるものです。 (その他の収益) 当連結会計年度におけるその他の収益は19,005百万円となり、前連結会計年度の125,784百万円から106,779百万円(84.9%)減少しました。これは、前連結会計年度においてAST SpaceMobile, Inc.株式の会計上の取扱いの変更による再測定益を106,906百万円計上したこと等によるものです。 (その他の費用) 当連結会計年度におけるその他の費用は102,031百万円となり、前連結会計年度の48,236百万円から53,795百万円(111.5%)増加しました。これは、倉庫型ネットスーパー事業において顧客獲得実績が当初計画を著しく下回ったこと及び一部商圏からの撤退を決定したことに伴う固定資産の減損等を27,909百万円、ロジスティクス事業において貸与している倉庫の将来的な荷量の増加ペースの遅延及び取扱商品サイズの想定以上の大型化による保管可能な荷量の減少に伴う固定資産の減損を10,024百万円、「楽天シンフォニー」のOpen RAN事業においてビジネスの立ち上げに当初想定以上の時間を要したことに伴う固定資産の減損を20,497百万円計上したこと等によるものです。 (営業利益) 当連結会計年度における営業利益は14,382百万円となり、前連結会計年度の52,975百万円から38,593百万円(72.9%)減少しました。これは、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルにおいて、事業が堅調に推移し、売上収益が増加したことに加え、全社において、コスト削減施策等が奏功した一方、前連結会計年度においてAST SpaceMobile, Inc.株式の会計上の取扱いの変更による再測定益を計上したこと等によるものです。 (持分法による投資損益) 当連結会計年度における持分法による投資損失は7,886百万円となりました(前連結会計年度は、9,032百万円の損失)。これは、AST SpaceMobile, Inc.に対する投資損失が減少したこと等によるものです。 (税引前当期損失) 当連結会計年度は29,550百万円の税引前当期損失となりました(前連結会計年度は、16,277百万円の利益)。これは、営業利益で説明した要因等により利益が減少したことによるものです。 (法人所得税費用) 当連結会計年度における法人所得税費用は93,663百万円となりました(前連結会計年度は145,762百万円)。これは、グループ通算制度から離脱している楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社及び楽天証券株式会社の好調な業績により課税所得が増加した一方、前連結会計年度において、通算グループにおける予算未達の状況に起因する将来所得の不確実性を考慮し、繰延税金資産を取り崩したこと等によるものです。 (当期損失) 以上の結果、当期損失は123,213百万円となりました(前連結会計年度は、129,485百万円の損失)。 (親会社の所有者に帰属する当期損失) 以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は177,886百万円となりました(前連結会計年度は、162,442百万円の損失)。 ② 財政状態の分析 (資産) 当連結会計年度末の資産合計は28,804,400百万円となり、前連結会計年度末の資産合計26,514,728百万円と比べ、2,289,672百万円増加しました。これは主に、証券事業の金融資産が823,187百万円増加、銀行事業の貸付金が809,669百万円増加、銀行事業の有価証券が636,878百万円増加したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末の負債合計は27,450,168百万円となり、前連結会計年度末の負債合計25,276,214百万円と比べ、2,173,954百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が1,429,320百万円増加、証券事業の金融負債が515,717百万円増加したことによるものです。 (資本) 当連結会計年度末の資本合計は1,354,232百万円となり、前連結会計年度末の資本合計1,238,514百万円と比べ、115,718百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期損失を177,886百万円計上したこと等により、利益剰余金が211,441百万円減少した一方で、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の上昇等によりその他の資本の構成要素が179,102百万円増加、利払繰延条項・任意償還条項付無担保永久社債(清算型倒産手続時劣後特約付)の発行等によりその他の資本性金融商品が80,944百万円増加、非支配持分が51,184百万円増加したことによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ333,322百万円減少し、5,837,566百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、424,093百万円の資金流入(前連結会計年度は1,190,882百万円の資金流入)となりました。これは主に、証券事業の金融資産の増加による資金流出が823,128百万円、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が805,188百万円、カード事業の貸付金の増加による資金流出が165,086百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が1,420,349百万円、証券事業の金融負債の増加による資金流入が515,744百万円、減価償却費及び償却費が320,472百万円となったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、779,809百万円の資金流出(前連結会計年度は921,724百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が634,579百万円(取得による資金流出が1,930,882百万円、売却及び償還による資金流入が1,296,303百万円)、無形資産の取得による資金流出が140,299百万円となったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14,134百万円の資金流入(前連結会計年度は757,469百万円の資金流入)となりました。これは主に、社債の償還による資金流出が476,172百万円となった一方で、銀行事業の短期借入金の純増による資金流入が199,158百万円、カード事業の長期借入れによる資金流入が182,144百万円、カード事業の社債の発行による資金流入が159,175百万円となったことによるものです。 ④ 収益の認識及び表示方法 収益の認識及び表示方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記2. 重要性がある会計方針 (15) 収益」をご参照ください。 ⑤ 繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異、全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しています。当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、この見積りには管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループが繰延税金資産を減額する可能性があります。 ⑥ 公正価値で測定する金融資産 公正価値で測定する金融資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 48. 金融商品の公正価値」をご参照ください。 (3) 資産の財源及び資金の流動性 ① 財務運営の基本方針 当社は、グループの持続的成長の実現を可能とするための資金ニーズに対し、安定的かつ多様な資金調達手段の確保を行うこと、また、金融事業に従事する子会社の財務健全性を堅持するため、十分な流動性の確保を図ることを財務運営の基本方針としています。 経営の独立性が求められるフィンテックセグメントに属する子会社及び外部金融機関からのリース調達をしている楽天モバイル株式会社を除く子会社においては、原則として銀行等の外部金融機関からの資金調達を行わず、グループ内のキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、当社が資金調達、グループ資金効率の向上、流動性の確保等を行っています。 また、成長が続くインターネットサービスセグメントにおける運転資金の増加等については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金や、コマーシャル・ペーパー等の短期借入金を充当することを基本方針としています。また、投資フェーズにあるモバイルセグメントでの設備投資資金への資金充当については、下記「③ 今後の資金調達のニーズ及び資金調達の見通し」をご参照ください。 なお、投資等の新規に資金投下を要する案件等については、外部有識者を含むメンバーで構成される投融資委員会において、案件の取り進めの可否を事前審議しており、その審議結果については、取締役会に報告することに加え、一定額以上の案件につき当社の取締役会の承認決議を要件とすることとしています。さらに、投資後のモニタリングを継続的に実施し、必要に応じて機動的にポートフォリオの見直しを実施しています。これらを通じて、グループ全体でのリスク管理及び最適な経営資源の配分を実現することを目標としています。 以上を踏まえ、具体的な資金調達手法及び資金調達のタイミングに関しては、グループ全体の事業計画に基づくキャッシュ・フロー、手元流動性の状況等を踏まえて判断しています。資金調達に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク 3 事業運営全般リスク (9) 財務・資金に関するリスク ① 資金調達等に関するリスク」をご参照ください。 ② 現状 当社グループは、当連結会計年度末時点において、総額5,569,622百万円の社債及び借入金を有しており、前連結会計年度比107,909百万円増となりました。このうち、短期の社債及び借入金は前連結会計年度比351,289百万円増の810,267百万円で、内訳は、短期借入金641,967百万円、コマーシャル・ペーパー168,300百万円となっています。 なお、当連結会計年度末時点の当社の長期及び短期の信用格付けは、日本格付研究所(JCR)でA-/J-1、格付投資情報センター(R&I)でBBB+/a-2、S&Pグローバル・レーティングでBB(長期)となっています。 ③ 今後の資金調達のニーズ及び資金調達の見通し 連結子会社の楽天モバイル株式会社は、2018年4月に「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」、2019年4月に「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画」の認定を受け、それぞれ2020年4月に4Gサービス、同年9月に5Gサービスを本格的に開始しました。2021年4月には追加の「第5世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」の認定を受け、当該計画に基づく設備投資額は2029年3月末までに約118,600百万円程度となる見込みです。さらに、2023年10月には「700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」の認定を受け、2033年度末までに累計約54,400百万円の設備投資を予定しています。これらの設備投資は、通信品質向上のための基地局高密度化、利用者数及びデータ利用量の増加等に対応するため、当初計画を上回る基地局設置を進めており、それに伴い基地局向けの累計設備投資額も増加しています。 モバイル事業における今後の必要資金については、当社から楽天モバイル株式会社への投融資、楽天モバイル株式会社におけるリース、流動化ファイナンス等を活用して調達する予定です。これまでの当該投融資については、当社が2018年12月に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)により調達した182,000百万円(そのうち、75,000百万円については2021年7月に、68,000百万円については2025年2月に買入消却を実施)、2020年11月に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)により調達した120,000百万円(そのうち、33,200百万円については2025年2月に買入消却を実施)、2021年3月に実行した第三者割当による新株の発行及び自己株式の処分により調達した242,347百万円、同年4月に発行した米ドル及びユーロ建永久劣後特約付社債により調達したそれぞれ1,750百万米ドル、1,000百万ユーロ、同年12月に発行した無担保社債により調達した300,000百万円(そのうち、55,800百万円については2024年4月に買入消却を実施)、2022年6月に発行した無担保社債により調達した150,000百万円、同年11月に発行したドル建無担保社債により調達した500百万米ドル(そのうち、150百万米ドルについては2024年2月に買入消却を実施)、2023年1月に発行したドル建無担保社債により調達した450百万米ドル(その全額について2024年2月に買入消却を実施)、同年2月に発行した無担保社債により調達した250,000百万円、2023年5月に実行した公募及び第三者割当による新株の発行での調達資金296,010百万円、2025年7月に発行した無担保社債(サステナビリティボンド)により調達した30,000百万円等の全部又は一部を充当しています。なお、2026年12月期の楽天モバイル株式会社における設備投資額は、200,000百万円強を予定しています。 また、今後、5Gサービス等における設備投資の拡大等により、当社から楽天モバイル株式会社への更なる出資等が求められる可能性もあります。その場合においては、上記の「① 財務運営の基本方針」も踏まえ、最適な資金調達手段を検討していきます。 (4) 経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。

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開示資料

出典

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