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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

富士ピー・エス

FUJI P.S CORPORATION1848 · Standard · 建設業

PC(プレストレストコンクリート)技術を核に、土木・建築の設計・施工から製品製造までを手掛ける。

概要

富士ピー・エスは、1954年に九州地区のPC(プレストレストコンクリート)事業の先駆けとして設立された建設会社である。プレストレストコンクリート技術を核に、橋梁や道路などの土木工事、マンションや再開発案件向けの建築工事の請負、設計、施工監理、ならびにPC製品の製造・販売を行う。2026年3月期の連結売上高は322億円、純利益10億円、従業員数は491名。福岡証券取引所に上場(1993年)し、現在は東京証券取引所スタンダード市場に区分される。

土木と建築を両軸とするPC事業

富士ピー・エスの事業は、土木事業と建築事業の二本柱である。土木事業では、PC技術を用いた橋梁の新設・更新工事や、高速道路の大規模更新事業など公共インフラを中心に手がける。自社工場で製造した大型プレキャストPC床版やPC桁を現場に供給し、設計から施工まで一貫して行う。2025年3月期の土木事業売上高は230億円超で、セグメント利益は41億円に達した。建築事業では、PCa(プレキャストコンクリート)工法によるマンションや事務所ビルの建築工事を主力とする。独自製品「FR板」は現場の省力化に貢献し、首都圏の再開発需要を取り込む。建築事業売上高は約90億円である。両事業とも、原材料や労務費の高騰に対応するため原価管理と価格転嫁を進める。

全国6工場と支店網で支える供給体制

富士ピー・エスは全国に6つの工場を保有し、安定したPC製品の供給体制を築いている。九州小竹工場(福岡県)は2021年に大規模改修を完了し、生産性向上と就業環境改善を実現した。関東工場(栃木県)、三重工場(三重県)、東北工場(福島県)、いわき工場(福島県)のほか、かつて存在した山家工場や夜須作業所は閉鎖された。工場の立地は需要地に近接しており、輸送コストの削減に寄与する。営業面では、九州支店、関東支店、関西支店、広島支店、名古屋支店、東北支店を配置し、地域密着型の受注活動を行う。老朽化した工場の更新費用や狭小な敷地の制約が課題となり、統廃合を含む生産体制の再編を検討している。

グループ企業と業務提携で事業を補完

富士ピー・エスは連結子会社3社を有し、事業を補完する。駿河技建株式会社(2021年に全株式取得)はコンクリート構造物の診断および補修・補強工事を手がけ、メンテナンス事業を拡大する。かつて存在した株式会社富士メンテ(1996年設立、2007年解散)や、資機材調達を担った富士興産(2008年吸収合併)など、グループ再編を経て現在の体制となった。また、太平洋セメント株式会社(その他の関係会社)からセメント等を購入する。2021年には大豊建設株式会社との業務提携を開始し、PC技術の相互補完や共同技術開発を進める。ミャンマーにはMyanmar Fuji P.S Construction Company Limitedを設立したが、現状は非連結子会社である。

業界の中での役割はPC構造物の設計・施工・製品製造を手掛ける建設会社。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
322億円
営業利益
16億円
営業利益率
5.0%
純利益
10億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01土木(道路・橋梁等)主力

PC技術を用いた土木工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC土木製品の製造・販売を行う。橋梁や道路等のインフラ整備に対応する。

主な製品・サービス2
PC橋梁
プレストレストコンクリート技術を用いた橋梁の設計・施工・製品製造。
PC擁壁
道路や宅地造成等に用いるPC製の擁壁。

02建築(商業施設・集合住宅等)準主力

PC技術を用いた建築工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC建築製品の製造・販売を行う。免震構造等に強みを持つ。

主な製品・サービス1
PC免震部材
建物の免震構造に用いるPC部材。

03その他(不動産・海外事業等)副次

不動産の賃貸・管理等、海外事業、建設資機材のリース等を行う。

製品と技術

PC橋梁技術と大型プレキャスト床版

富士ピー・エスの土木事業の中核は、プレストレストコンクリート(PC)技術を用いた橋梁の設計・施工である。特に大型プレキャストPC床版は、高速道路の床版更新工事などで採用され、工場で製作した部材を現場で組み立てることで工期短縮と品質向上を実現する。自社の九州小竹工場や関東工場で製造し、全国のプロジェクトに供給する。また、PC桁や橋脚などの製品も手がけ、設計段階から施工まで一貫して行う点が強みである。2025年3月期には、NEXCO発注の大型更新工事や国土交通省発注のWTO案件(技術提案高評価)を複数受注した。

FR板:建築現場の省力化を支えるPCa製品

建築事業において、富士ピー・エスは独自のPCa製品「FR板」を展開する。FR板はプレキャストコンクリート製の壁板で、工場で製作し現場で組み立てるため、型枠工事や鉄筋組立の省力化に寄与する。首都圏のマンション建設や再開発プロジェクトで需要が高く、特に人手不足が深刻な建築業界で評価されている。また、耐震補強工事向けのPCa部材も提供する。関東・関西・中部地区の大型再開発案件への納入実績があり、2025年3月期の建築事業受注高は140億円超と前年比80%増加した。製品開発では、生産性向上とカーボンニュートラルへの対応も進めている。

補修補強技術とメンテナンス事業

富士ピー・エスは、建設後のインフラ維持管理分野にも注力する。子会社の駿河技建株式会社を通じて、コンクリート構造物の診断、補修、補強工事を提供する。老朽化した橋梁やトンネル、建築物の延命化を図る技術は、国土強靭化政策の下で需要が拡大している。また、PC技術を応用した外ケーブル工法や炭素繊維シート接着工法など、様々な補強手法を保有する。自社の製品・施工技術と組み合わせ、新設からメンテナンスまでのトータルソリューションを目指す。2025年3月期には、メンテナンス事業の拡大を中期経営計画の重点課題の一つに掲げている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

建設業のなかでの位置

PC橋梁専業、規模小さく低収益

富士ピー・エスはプレストレストコンクリート(PC)橋梁工事が主力。売上高300億円強で同業のショーボンドHDやミライト・ワンに比べ小規模。営業利益率は3%前後と低く、収益性で劣る。MBSと似たポジションだが、PC技術に特化している点が差別化要素。公共事業依存度が高い。

強み

  • PC橋梁に特化した技術力を保有し、特殊工事で差別化可能。
  • 国や自治体の発注が中心で、景気変動の影響を受けにくい。
  • インフラ老朽化で補修需要が底堅く、一定の受注を確保。
  • PC橋梁市場は競合が限られ、参入障壁が高い。

課題

  • 営業利益率が3%未満と低く、コスト管理や価格交渉力が課題。
  • 大手に対抗できず、大型案件の受注が困難で成長余地が小さい。
  • 専門技術者の確保が難しく、将来の施工能力低下が懸念。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

建設業の時価総額近傍。太字が富士ピー・エス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15078セレコーポレーション167億円14.1倍
21716第一カッター興業165億円9.6倍
31431Lib Work157億円146.5倍
41787ナカボーテック151億円12.0倍
51826佐田建設147億円13.7倍
61848富士ピー・エス145億円13.8倍
71981協和日成144億円11.4倍
81430ファーストコーポレーション138億円6.6倍
95079ノバック136億円11.4倍
101873日本ハウスホールディングス129億円9.6倍
111450TANAKEN128億円8.5倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 31件

九州鋼弦コンクリートとして創業した1954年

1954年3月、九州地区のPC事業の先駆けとして、福岡市天神町に九州鋼弦コンクリート株式会社の商号で設立された。同年10月には福岡県筑紫郡山家村に山家工場を設置し、PC製品の製造を開始する。翌11月には本店を福岡市橋口町に移転。創業当初からPC技術の普及に注力し、1959年には大阪出張所(後の関西支店)、1963年には東京連絡所(後の関東支店)を開設し、全国展開の基礎を築いた。1960年には本店を天神ビル内に移転し、1964年には大阪大東工場を設置するなど、生産体制を強化した。これらの投資は、高度経済成長期のインフラ需要を見据えたものであった。

プレハブ事業進出と社名変更を経た1970年代

1965年11月、コンクリートプレハブ建築事業へ進出し、建築分野の基盤を固めた。1970年代に入ると、福岡県鞍手郡小竹町に筑豊工場(現九州小竹工場)を設置(1970年8月)、福岡支店と建築事業部を新設(1970年10月)。1971年1月には関東工場を栃木県真岡市に開設し、生産拠点を東日本に拡大した。1972年4月、社名を富士ピー・エス・コンクリート株式会社に変更。1976年には仙台連絡所を設置し(後に閉鎖)、東北地区への足がかりとした。この時期、PC技術の応用範囲を橋梁から建築物へ広げ、多角化を進めたことが特徴である。

商号変更と福岡証券取引所への上場(1988-1993年)

1988年9月、資機材の効率的調達を目的に富士興産株式会社を設立。1991年4月、社名を株式会社富士ピー・エスに変更し、現在の社名となった。1993年4月、福岡証券取引所に株式を上場。この間、1990年のバブル崩壊後も公共投資は堅調で、PC技術の需要は底堅かった。上場により資金調達の多様化と社会的信用の向上を図り、その後の事業拡大の基盤とした。名古屋営業所(1979年設置)の開設など営業網も整備され、全国的な受注体制が整った。

事業再編と新工場建設、海外進出(1998-2009年)

1998年11月、大阪大東工場の代替として三重工場を設置。2000年4月には山家工場と大阪大東工場を閉鎖し、生産拠点の集約を進めた。同年12月に決算期を9月期から3月期に変更。2001年4月、建築事業部を九州支店に統合するとともに、福島県に東北工場を新設。2006年に執行役員制度を導入し、ガバナンスを強化した。2007年には富士メンテを解散し、メンテナンス事業の再編を実施。2008年1月、いわき工場の運営会社として株式会社常磐ピーシーを設立し、同年10月には富士興産を吸収合併。2009年2月、本店を現在の福岡市中央区薬院に移転し、常磐ピーシーと株式会社シーピーケイ(全株式取得)を吸収合併。同時にミャンマーに現地法人を設立し、海外インフラ事業に参入した。

東証一部指定とM&Aによる事業拡大(2018-2021年)

2018年6月、東京証券取引所市場第一部に指定され、首都圏での信用力を高めた。同年、株式会社ピーエフ・ディー(非連結子会社)を設立。2021年1月には完全子会社の株式会社シーピーケイを吸収合併し、さらに駿河技建株式会社の全株式を取得。駿河技建はコンクリート構造物の診断・補修補強事業を主力とし、メンテナンス分野の強化につながった。同年、東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行。九州小竹工場の大規模改修工事が完了し、生産性向上と労働環境改善を実現した。これらの施策は、第5次中期経営計画「VISION2030」の一環として進められた。

年表31件を開く

1950年代

  • 1954年3月創業九州地区のPC(プレストレストコンクリート)事業の先駆けとして、福岡市天神町に九州鋼弦コンクリート株式会社の商号で設立
  • 1954年10月福岡県筑紫郡山家村に山家工場を設置(2000年4月閉鎖)し、PC製品の製造を開始
  • 1954年11月福岡市橋口町に本店移転
  • 1959年7月大阪市北区に大阪出張所(現 関西支店)設置

1960年代

  • 1960年6月福岡市天神町(天神ビル内)に本店移転
  • 1960年8月福岡県朝倉郡夜須町に夜須作業所設置(2009年3月閉鎖)
  • 1963年7月東京都千代田区に東京連絡所(現 関東支店)設置
  • 1964年12月大阪府大東市に大阪大東工場設置(2000年4月閉鎖)
  • 1965年11月プレハブ部を新設し、コンクリートプレハブ建築事業へ進出
  • 1966年4月広島市に広島出張所(現 広島支店)設置

1970年代

  • 1970年8月福岡県鞍手郡小竹町に筑豊工場(現 九州小竹工場)設置
  • 1970年10月福岡市に福岡支店(現 九州支店)、建築事業部(現 建築本部)設置
  • 1971年1月栃木県真岡市に関東工場設置
  • 1972年4月商号変更社名を富士ピー・エス・コンクリート株式会社に変更
  • 1976年1月仙台市に仙台連絡所設置(2009年3月閉鎖)
  • 1979年9月名古屋市中区に名古屋営業所(現 名古屋支店)設置

1980年代

  • 1988年9月創業土木建築用資機材の効率的調達を図るため、富士興産株式会社を設立

1990年代

  • 1991年4月商号変更社名を株式会社富士ピー・エスに変更
  • 1993年4月上場福岡証券取引所に株式上場
  • 1996年4月創業メンテナンス市場への積極的参画、事業拡大のため、株式会社富士メンテを設立
  • 1998年11月大阪大東工場の代替工場として三重県多気郡明和町に三重工場設置

2000年代

  • 2000年12月商号変更決算期日を9月30日から3月31日に変更
  • 2001年4月M&A建築事業部(現 建築本部)を福岡支店(現 九州支店)に統合 福島県安達郡大玉村に東北工場設置
  • 2002年5月本店及び福岡支店(現 九州支店)を福岡市中央区天神二丁目から同区舞鶴二丁目に移転
  • 2006年6月執行役員制度の導入
  • 2007年3月株式会社富士メンテを解散
  • 2008年1月創業福島県常磐地区に密着した企業活動を展開するため、いわき工場の運営会社として株式会社常磐ピーシーを設立 福島県いわき市にいわき工場取得
  • 2008年10月M&A富士興産株式会社を吸収合併
  • 2009年2月M&A本店を福岡市中央区舞鶴二丁目から同区薬院一丁目に移転 株式会社常磐ピーシーを吸収合併 株式会社シーピーケイの全株式を取得 仙台市に東北支店設置 ミャンマー連邦共和国のインフラ整備事業参入を図るため、同国にMyanmar Fuji P.S Construction Company Limited(現 非連結子会社)を設立

2010年代

  • 2018年6月東京証券取引所市場の第一部に指定 株式会社ピーエフ・ディー(現 非連結子会社)を設立

2020年代

  • 2021年1月M&A完全子会社の株式会社シーピーケイを吸収合併 駿河技建株式会社の全株式を取得 東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所市場第一部からスタンダード市場へ移行 九州小竹工場の生産体制の強化や就業環境の改善を目的として2021年に開始した大規模改修工事が完了

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で491人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は796万円で、9期前と比べて+27.7%平均年齢は44.2歳、平均勤続年数は15.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月383
2018年3月405
2019年3月62344.416.3420
2020年3月65444.115.9433
2021年3月72143.815.5431
2022年3月68743.217.1485
2023年3月63543.615.6500
2024年3月63144.015.8484
2025年3月66944.016.0493183
2026年3月79644.215.9491326

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率4.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率88.9%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)68.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 2 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位8)
九州小竹工場 — 福岡県鞍手郡小竹町2,756百万円
土木事業 建築事業
三重工場 — 三重県多気郡明和町1,393百万円
土木事業 建築事業
東北工場 — 福島県安達郡大玉村1,345百万円
土木事業 建築事業
滋賀工場 — 滋賀県東近江市734百万円
土木事業 建築事業
いわき工場 — 福島県いわき市631百万円
土木事業 建築事業
土木事業 — 駿河技建株式会社(静岡県静岡市)284百万円
関東工場 — 栃木県真岡市246百万円
土木事業 建築事業
九州機材センター — 福岡県朝倉郡筑前町207百万円
土木事業 建築事業
主な関係会社
  • 国内
    駿河技建㈱
    静岡県 静岡市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    太平洋セメント㈱(注)1、2
    東京都 文京区 · その他の関係会社

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は322億円営業利益16億円前期と比べると減収増益で、売上が-4.7%、利益が+77.8%。

売上高
-4.7%
322億円
営業利益
+77.8%
16億円
純利益
-54.5%
10億円
営業利益率
5.0%
前期比 +2.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高331億円322億円
営業利益17億円16億円
純利益10億円10億円
1株あたり配当¥25¥25

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は83億円、営業利益は8億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+43.1%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q701
2024年1Q58−1−1.70
2024年2Q61−1−1.6−1
2024年3Q7633.92
2024年4Q913
2025年2Q15500.0−1
2025年4Q18394.923
2026年2Q16395.56
2026年4Q15974.44
2027年1Q8389.65

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は174億円から322億円へ1.9倍に増えた。直近期の営業利益率は5.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月17411
2014年3月21158
2015年3月24486
2016年3月23065
2017年3月21755
東京証券取引所市場の第一部に指定 株式会社ピーエフ・ディー(現 非連結子会社)を設立
2018年3月27488
2019年3月27996
2020年3月28096
完全子会社の株式会社シーピーケイを吸収合併 駿河技建株式会社の全株式を取得 東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所市場第一部からスタンダード市場へ移行 九州小竹工場の生産体制の強化や就業環境の改善を目的として2021年に開始した大規模改修工事が完了
2021年3月2771713
2022年3月273118
2023年3月26821
2024年3月28664
2025年3月338992.722
2026年3月32216155.010

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高322億円のうち、営業利益として残るのは16億円5.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は10億円、売上の3.1%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金84.2%271億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金10.9%35億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.0%16億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
15.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比2.4pt
5.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比2.3pt
3.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比3.1pt
7.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.8%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが4億円、投資CFが−11億円で、差し引きのフリーCFは−7億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は20億円で、売上の0.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月5−2−3321
2014年3月0−20−219
2015年3月−9−713−1616
2016年3月8−70117
2017年3月7−1−4619
2018年3月−1−3−3−412
2019年3月28−6−152220
2020年3月−15−921−2416
2021年3月−1−99−1015
2022年3月31−11−32033
2023年3月−12−1113−2323
2024年3月−11−1524−2622
2025年3月−231715−631
2026年3月4−11−5−720

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は356億円。このうち返さなくてよい自己資本が131億円で、自己資本比率は36.9%(業種中央値55.5%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1574711029.7
2014年3月1705611432.6
2015年3月1966113530.9
2016年3月1936412932.9
2017年3月1996813134.2
2018年3月2147414034.5
2019年3月2197814135.4
2020年3月2418215934.0
2021年3月2509315737.2
2022年3月2789818035.4
2023年3月2889918934.5
2024年3月33710423330.9
2025年3月37812325432.6
2026年3月35613122536.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
20億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
91億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
225億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
45
/ 100
安定性自己資本比率25 / 40
収益力営業利益率10 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

建設業 140社との比較

同じ建設業の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り140社中81位あたり、逆に低いのは売上成長率140社中119位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.8%/中央値 10.9%
P25 7.9%P75 14.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
5.0%/中央値 7.3%
P25 5.1%P75 9.4%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
36.9%/中央値 55.5%
P25 43.8%P75 66.2%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-4.7%/中央値 4.8%
P25 -1.9%P75 12.7%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.2%/中央値 3.5%
P25 2.7%P75 4.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥777で、1年前と比べて+44.1%過去52週の値幅のなかでは79%の位置にある。

¥777-2.5%1ヶ月+14.6%1年+44.1%時価総額145億円
過去52週の値幅
安値¥491高値¥854

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)13.8倍
PER (会社予想)13.6倍
PBR1.04倍
配当利回り3.22%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価694円は25日移動平均線661.24円を約5%上回り、上昇トレンドが続く。直近1ヶ月で6.77%上昇し、52週高値854円からは約19%下の水準。7月29日に29.3万株の大量出来高を伴って705円まで急伸して以降、高値圏で推移。75日線618.72円を上回り、上昇基調は崩れていない。建設業の堅調な需要が追い風。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PERは12.34倍と同業界平均の14.13倍を下回り、PBRは0.9245倍と平均1.52倍を大きく下回る。配当利回りは3.6%と平均の3.44%を上回っており、株主還元も良好。ROEは7.8%とやや低めだが、PBRが1倍を割れており、資産価値に対して株価が割安。ただし直近の最終利益が10億円と前期の22億円から半減しており、利益の伸び悩みが懸念される。割安だが業績の変動には注意が必要。

指標この会社業種平均
PER (実績)13.8倍14.4倍
PER (予想)13.6倍
PBR1.04倍1.55倍
ROE7.8%11.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

社会インフラの老朽化対策を背景に、維持・更新需要が高まっており、同社のPC技術は追い風だ。強気派は、2025年3月期の売上高338億円と前期比18%増加、当期純利益も22億円と大幅に増加した点や、受注残高の増加を評価する。また、低PBR(0.92倍)と安定配当も魅力。一方、弱気派は、2026年3月期の売上高が322億円と減収見込みである点、建設業界の人件費高騰や資材価格上昇による利益率の低下を懸念する。公共投資の先行き不透明感も指摘される。

プラスに働く材料7
  • 利益の大幅増

    2025年3月期の純利益が前期の4億円から22億円へ急増。

  • インフラ老朽化対策

    既設橋梁の補修・更新需要が高まり、PC技術が活きる。

  • 割安と配当

    PER12.34倍、PBR0.92倍で、配当利回り3.6%は安定。

  • 営業利益が9億円→16億円と倍増2026年3月期影響

    営業利益率は2.66%→4.97%へ2.31pt改善、収益力が大きく向上

  • PBR0.92倍と純資産近傍の割安継続影響

    PBR0.9245倍と1倍割れ、株価は1株当たり純資産を下回る水準

  • 配当利回り3.6%で下値支援通年影響

    配当利回り3.6%、安定的な株主還元が投資家の支え

  • 株価1年で31.27%上昇の好モメンタム継続影響

    過去1年で+31.27%と上昇基調、需給が改善し継続的な物色期待

マイナスに働く材料7
  • 減収の懸念

    2026年3月期は売上高322億円と前期比5%減の見通し。

  • 利益率の変動

    営業利益率は前期2.66%から次期4.97%へ改善見込みだが、単年度変動が大きい。

  • 公共投資依存

    公共工事の動向に業績が左右され、政策変更リスクがある。

  • 純利益が22億円→10億円と半減2026年3月期影響

    純利益は前期22億円から10億円へ12億円減少、特別損益の剥落

  • 売上高が338億円→322億円へ減収2026年3月期影響

    売上高は前期比16億円減、収益改善はあるが成長鈍化

  • ROE7.8%と資本効率は中位継続影響

    ROE7.8%と高くない水準、PBR0.92倍に見合う収益性

  • 外国人保有0.25%と海外関心は僅少継続影響

    外国人保有比率0.25%と極めて低く、グローバル資金の参入余地は小さい

次の決算で確かめる点
受注高
将来の工事量を示し、安定受注ができるかが業績の鍵。
受注残高
既に確保した工事量であり、短期の売上見通しを左右する。
完成工事高利益率
採算性の改善・悪化を確認し、収益の質を測る。
公共投資動向
政府の建設投資額が需要全体に直結するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり25で、前期から+69.2%いまの株価に対する利回りは3.22%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥25
1株あたり
配当利回り
3.22%
いまの株価に対して
配当性向
40.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月827.9
2018年3月912.521.9
2019年3月1011.130.6
2020年3月9−10.024.9
2021年3月90.016.0
2022年3月90.021.1
2023年3月90.0245.0
2024年3月1122.250.3
2025年3月1318.210.4
2026年3月2269.240.7

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥25

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ14,386人。区分でいちばん多いのは事業法人49.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が71.3%を占め、残る28.7%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人49.649.549.449.248.649.6
個人・その他22.221.823.725.828.928.3
金融機関27.626.424.724.221.821.7
自己株式4.03.23.23.23.23.2
証券会社0.52.22.00.50.40.2
外国法人0.20.20.30.30.20.2
外国人個人0.00.00.00.00.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01太平洋セメント株式会社17.32
02住友電気工業株式会社12.81
03日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・九州電力株式会社及び九州電力送配電株式会社口)12.41
04西日本鉄道株式会社4.16
05みずほ信託銀行株式会社退職給付信託神鋼鋼線工業口再信託受託者株式会社日本カストディ銀行3.88
06日鉄SGワイヤ株式会社2.27
07株式会社日本カストディ銀行(信託口)1.86
08株式会社渡辺藤吉本店1.44
09株式会社福岡銀行1.40
10株式会社西日本シティ銀行1.35

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+926%、1株純資産は14期で+182%。直近期のROEは7.8%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月52642.137.166.5
2014年3月4731416.26.310.8
2015年3月3634211.19.013.8
2016年3月283598.08.918.7
2017年3月303838.110.227.9
2018年3月4341710.816.121.9
2019年3月344387.815.030.6
2020年3月374628.114.524.9
2021年3月7552515.28.016.0
2022年3月445548.111.521.1
2023年3月75591.365.1245.0
2024年3月235854.119.550.3
2025年3月12369719.33.510.4
2026年3月567447.810.140.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

14名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は14名。2026/3期の役員報酬は総額144百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
堤忠彦代表取締役社長 執行役員社長6698,000
梅林洋彦取締役 執行役員副社長 兼管理本部管掌6459,000
油田康生取締役 安全品質管理室長6638,000
田中政章取締役 常務執行役員 九州支店長6226,000
小宮久文取締役 考査室長6619,000
田中康徳取締役60
松藤悟取締役61
的場哲司取締役59
波多江愛子取締役56
古賀順一常勤監査役6710,000
伊東和幸常勤監査役68
小野丈夫監査役73
残りの役員2名を開く
氏名役職年齢保有株数
後小路祥一取締役 常務執行役員 土木本部長615,000
石橋雅代常勤監査役64

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)5821710922
社外取締役721213
監査役1141414

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容675字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社は、当社、子会社3社、その他の関係会社1社により構成され、PC技術を用いた建設業を主な事業の内容としております。 当社及び当社の関係会社の事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 土木事業          当社は、PC技術を用いた土木工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC土木製品の製造・ 販売を行っております。 駿河技建㈱(連結子会社)は、コンクリート構造物の診断及び補修・補強を行っております。 太平洋セメント㈱(その他の関係会社)からは、同社製品のセメント等を購入しております。 建築事業          当社は、PC技術を用いた建築工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC建築製品の製造・ 販売を行っております。 太平洋セメント㈱(その他の関係会社)からは、同社製品のセメント等を購入しております。 その他            当社は、不動産の賃貸・管理等及び海外事業、建設資機材のリース等を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 ※関係会社の一部は複数の事業を行っており、上記は主な事業内容を掲載しております。
経営方針・対処すべき課題4,052字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「企業は社会の公器、企業の社会的責任遂行」という言葉を明確に自覚し、株主を始め、顧客、当社グループ社員、協力会社並びに地域社会からの信頼を得て、社会資本整備を通して「信頼と利益」の調和の取れた企業経営を目指しております。企業である限り競争は必然であり、そのためにより高度で特化した技術が必要であることを認識し、人材教育と技術開発を推進しております。 (経営理念) ・福祉国家建設の一翼を担って社会に奉仕する ・技術を究め創意をこらし自己の責任を完遂する ・和信協同し企業の繁栄と共に幸福を創り出す (経営方針) 技術の研鑽と創意に努め、安全と安心の企業ブランドのもと、社会資本整備を通して国家建設に貢献するとともに、利益追求と社会的責任の調和を実現する。 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループが事業対象とする市場環境につきましては、土木分野においてこれまで市場を牽引してきた高速道路会社の大規模更新事業が僅かに縮小へ向かう傾向にあるものの、政府の「第1次国土強靱化実施中期計画」の始動により、老朽化インフラの更新や災害対策事業の拡大が見込まれ、市場全体としては引き続き堅調に推移するものと判断しております。また建築分野では、首都圏を中心とする都市再開発需要が継続する中、深刻な人手不足を背景に、現場の省力化を実現する当社独自製品「FR板」への需要がさらに高まる見通しです。その一方で、原材料価格や労務コストの高止まり、及び受注競争の激化など、予断を許さない状況が続いています。また当社グループは現在、2030年度を最終年度とする第5次中期経営計画「VISION2030」を推進しております。外部環境の変化に伴い、中間目標(売上高350億円、営業利益率5%)の達成時期を2027年3月期へと1年延長いたしましたが、第75期はこの目標完遂に向けた「稼ぐ力」を最大化させる極めて重要な年です。これまでのアクションプランを通じ、九州小竹工場のリニューアルやDX環境の整備、メンテナンス事業会社のM&Aなど、着実な成果を上げてまいりました。しかしながら、人的リソースの拡充においては慢性的な担い手不足が足かせとなり、想定した成果を十分に上げるには至っておりません。これらの状況を踏まえ、当社グループは以下の課題に重点的に対処してまいります。 ①人的リソースの拡充と定着(「量」から「質」への転換) 担い手不足が深刻化する中、人材戦略を従来の「量」の確保から個々の「質の向上」をより重視する施策へと抜本的に転換いたします。実践に即した教育研修を通じて現場運営の高度化を実現するとともに、既存社員の定着(離職防止)を経営の最優先課題の一つに掲げます。具体的には、健康経営の活動深化、リ・ブランディング活動を通じたエンゲージメント向上に加え、i-con戦略ラボの活動を加速・実装させることで、現場の負担軽減を図ります。これらを通じて「働き続けたい企業」としての基盤を固め、担い手の確保と育成の両立を目指します。 ②サステナブルな工場事業に向けた再編の検討 全国6工場のネットワークは、安定的に製品需要に応えることができる当社グループの強みのひとつです。しかし、一部の工場においては老朽化による更新費用の増大や、敷地の狭小性による機能拡張の限界など、長期的な採算性の観点から課題も顕在化しております。今後、工場製品への需要がさらに高まる中、事業の継続性と効率性を両立させるべく、統廃合をも視野に入れた「最適配置と生産体制の再構築」の検討を推進し、次世代を支える強固な事業としての生産基盤を確立いたします。 ③収益性のさらなる改善と業務アライアンスの実装 「工事工場利益改善プロジェクト」による徹底した原価管理と適正な価格転嫁を継続し、高水準の収益性を安定的に維持できる経営体制を確立いたします。あわせて、大豊建設株式会社との業務提携を具体的な収益へと繋げる「実装フェーズ」を加速させます。PC技術の相互補完や共同技術開発を深化させ、自社単独では困難であった新事業分野への展開や受注競争力の強化を早期に実現いたします。 ④企業価値向上に向けた戦略的アプローチ 持続的な成長と資本効率の向上を通じて、ステークホルダーからの社会的評価を高める取り組みを強化いたします。東証の要請(PBR1.0以上の早期達成)を真摯に受け止め、収益性の改善と市場との対話の深化を実行することで、外的環境に左右されない「自律的な経営環境」を強固なものといたします。 上記の課題解決を加速させることで、「社会に必要とされる100年企業」への道筋を確かなものにし、中長期的な企業価値の最大化に邁進する方針です。 (3)中期経営計画「VISION2030」について 当社グループは、2021年に向こう10年を見据えて、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした「VISION2030」を策定いたしました。 「VISION2030」では、通過点である2025年までの5年間で高収益体制の実現、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築を目指すべきゴールとして、「稼ぐ力」を蓄えるためのハード・ソフト両面での環境整備を集中的に行い、その後、2030年に向かってこれをテコに「急成長を成し遂げる期間」としております。 2030年にあるべき姿として「価値を創造するエンジニアリング企業」「顧客の要望にワンストップで応える企業」「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業」を目標としております。 この「VISION2030」を達成するための方針として、次の4つを掲げております。 事業方針: (ⅰ)2030年度のゴールに向けて、2025年度までに高収益体質が実現し、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築している状態を目指す (ⅱ)2030年度のゴールを、売上高450億円超・営業利益率5%超とし、2025年度に売上高350億円超・営業利益率5%超を目指し、選別受注及び利益優先主義を継続する (ⅲ)人員増加施策だけでなく、生産性の向上を図るため、大規模な設備増強や現場負荷軽減のための仕組みづくりに注力する 投資方針: (ⅰ)工場を中心に5年間で集中的な投資を行い、生産性の向上、製品売上比率の向上を図る (ⅱ)将来の工場製品売上の増加見通しに伴い、必要な時期において工場の生産能力の増強を検討する (ⅲ)継続的な研究開発を行うために売上高の0.3%を開発費に充てる 財務方針: (ⅰ)財務の健全性を重視し、投資は利益の範囲内とする (ⅱ)将来、大規模な投資が必要となった場合は、保有資産の活用も視野に入れる (ⅲ)ROEは7%超の維持を目標とする 株主還元方針:配当性向20%超の維持 また、「VISION2030」においては、SDGs<持続可能な開発目標>の17の目標への取り組みについても掲げております。 当社グループは、2015年に国連サミットで採択されたSDGsに対し、当社事業の重要な様相としてSDGsを位置付け、「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を目標に掲げ、SDGsが描く未来の現実に取り組むことで、さらなる社会貢献を図ること、及び事業活動を通じて、課題抽出と技術革新に取り組み環境負荷軽減を達成することは重要な課題と捉えております。 また、外部環境の変化を受け中期経営計画「VISION2030」の一部をアップデートし、中長期的な企業価値の向上に向けて、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行うことを2024年5月15日に公表いたしました。 世界的なインフレによる原材料、労務費、輸送費等の建設コストの高騰など外部環境の変化の影響を受け、「VISION2030」に掲げたROE7%超の維持が未達、PBR(株価純資産倍率)が1.0を割り込んでいる状況であることから、主要セグメントである土木事業・建築事業の収益性確保により「VISION2030」の業績目標を達成し、株主還元の充実、IR活動の強化などによる株価の向上に向けた取り組みの実施により、ROEとPBRの改善・向上に繋げてまいります。 具体的な目標・取り組みは以下のとおりです。 (ⅰ)利益確保によるROEの改善 「VISION2030」に計画する工場設備投資等による既存事業の充実に加え、新規事業への挑戦・拡大を図るとともに、「工事工場利益改善プロジェクト」にて策定した諸施策の遂行により、売上高350億円超、営業利益率5%超の実現することにより、ROE8%超の実現を目指す (ⅱ)株価向上施策によるPBRの向上 ①配当政策の見直し 株主還元強化による株価向上施策の一環として、配当性向40%を目指す ②自己株式の取得 資本効率向上と株主還元強化の一環として、自己株式の取得を検討 ③IR活動の強化 積極的な情報開示とIR活動の強化 (ⅲ)他社との協業による企業価値の向上 当社は、2025年6月に主力分野の異なる大豊建設株式会社と将来的な企業価値の向上を目指す施策の一環として、業務提携を行いました。 主力分野の異なる企業との協業は、シナジー効果によって企業価値を安定的に高め、対象市場を拡大し、コスト競争力を強化できるものと考えております。 業務提携の主な目的と内容等は次のとおりです。 ①プレキャスト化の推進 ②メンテナンス工事におけるトータル対応の実現
事業等のリスク2,931字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)公共事業の市場環境の影響について 当社グループの事業は公共土木事業への依存度が7割程度であります。国土強靭化策などにより公共事業は増加基調にありますが、わが国の財政事情などから、この増加基調が中長期的に継続するか否かは不透明であります。当社グループは公共事業に偏らない土木・建築を両輪とした安定的な事業構造への転換を進めておりますが、建築事業の拡大が進展しない場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、公共事業以外の受注活動も強化することで、リスクの軽減を図っております。 (2)現場での労災事故について 建設業界は高所作業など危険作業が多く、産業界でも重大事故発生率が最も高い産業であります。当社グループは「安全なくして生産なし」をスローガンとして掲げ、グループを挙げてゼロ災害に取り組んでおります。しかしながら、万一、労災事故が発生した場合は、工事成績評点へのマイナス影響や、関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、各支店に安全衛生委員会を設置し、安全パトロールや作業員に対する安全衛生教育を定期的に実施するとともに、日常の安全衛生活動では、安全朝礼、ツールボックス・ミーティング、危険予知活動(KY活動)を行い労災事故の防止に努めております。 (3)契約不適合責任及び製造物責任について 「安全と安心」を企業ブランドとして掲げ、品質管理にはグループを挙げて万全を期しておりますが、万一、契約不適合責任及び製造物責任による損害賠償や補修工事などが発生した場合は、多額の補修費用の発生や関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、工事受注後から設計照査を行い、品質パトロールを定期的に実施するなど、プロセスチェックを実施する品質管理体制により、厳密な品質管理を徹底することで、リスクの軽減を図っております。 (4)PC建築製品製作のための工場設備について 当社グループの事業安定化のためには建築事業の拡大が不可欠であり、その主力製品は工場部材であることから、各地域市場に供給する工場設備の保有が必要であります。民間建築投資は景気、物価、賃金、雇用動向等に大きく影響を受けることから、景気の低迷等による需要低下で工場の稼働率が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、公共事業を中心とする土木事業のプレキャスト化を推進することで、民間建築投資に過度に依存しない体制を構築し、リスクの軽減を図っております。 (5)官公需法の影響について 官公需法とは、地元企業育成のために地元中小企業に優先的に公共事業を発注する制度を定めた法律であります。特に地方自治体は地域振興策を強化しており、官公需法の運用が堅持・強化された場合は、当社グループはこれら地元中小企業の下請けになるケースや地元企業との共同企業体となるケースが増加することなどが考えられます。 元請けや共同企業体構成員となった地元企業が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、契約前に取引先の信用調査を適切に実施することで、リスクの軽減を図っております。 (6)資材価格や外注労務単価変動の影響について 様々な要因で資材の購入単価や外注労務単価が高騰し、契約条件にある請負金額のスライド条項などが適用されない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、発注者との交渉を密にし、スライド条項が適用されるように働きかけることで、リスクの軽減を図っております。 (7)建設技術者や技能労働者の不足について 少子高齢化の進展や建設産業の構造的な問題により、建設技術者や技能労働者の不足が顕著な問題となっております。労働者不足に関しては国をあげた課題として取り組まれており、この問題に適切に対応できない場合は施工能力が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、建設技術者や技能労働者不足に対応するために、現場工事のプレキャスト化の推進や、女性技術者及び外国人技術者の採用を積極的に行うことで、リスクの軽減を図っております。 (8)大規模自然災害等 地震や台風等大規模な自然災害の発生や感染症の流行により、当社グループの事業遂行に直接的または間接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、事業継続に重大な影響を及ぼす大規模自然災害や感染症等の不測の事態に備え事業継続計画を策定するとともに、大規模災害を想定した避難訓練、安否確認訓練を実施し、リスクの軽減を図っております。 (9)情報セキュリティについて 当社グループの事業活動において、施工物件や知的財産に関する情報など、多様な電子データを取り扱っており ます。近年、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃が増加し、当社グループ内で同様の事象が生じた場合、 機密情報や個人情報などの漏洩に加え、事業活動の継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、情報セキュリティ研修によるリテラシー向上や、マルウェア検知ソフトの導入、他拠点バッ クアップによるデータ保護を行っています。さらに、感染時や感染が疑われる場合に、適切な連絡体制を通じて速 やかな報告を行い、定められた手順に従って迅速に対応して情報システム環境の復旧と適切な情報発信を行うこと を事業継続計画に定め、リスクの軽減を図っております。 (10)法的規制等について 当社グループの事業は、建設業法、建築士法、建築基準法等の法的規制を受けております。主要な事業であります土木・建築事業は、建設業法に基づき、特定建設業許可を受けておりますが、不正な手段による許可の取得や経営管理者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなります。 当社グループでは、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、現時点において、これらの免許の取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、法務部門が当該許可の諸条件や法令等を遵守していることを定期的に確認することでリスクの軽減を図っております。 (許認可等の状況) 法令等   許認可等   有効期限   取消事由 建設業法   特定建設業の許可 国土交通大臣許可 (特—4)第2301号   2022年11月26日から 2027年11月25日まで (5年ごとの更新)   建設業法第29条
経営成績の分析 (MD&A)14,306字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と いう。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の継続や堅調な企業業績等を背景に、賃上げによる雇用・所得環境の改善に加え、政府による各種政策により、物価上昇の中でも緩やかな回復基調が続いております。一方で、中東やウクライナにおける紛争の長期化による原材料・エネルギー価格は依然として高止まりの状況にあることに加え、米国の通商政策などの影響による景気の下振れが懸念されることから、今後も引き続き国内外の様々な環境変化を注視していく必要があります。 当建設業界におきましては、土木分野は高速道路の大規模更新事業において発注者側の働き方改革や事業財源の制約などにより、整備スピードに鈍化傾向がみられるものの、災害復旧事業や「防災・減災、国土強靱化」関連の整備事業を中心に堅調に推移しました。土木分野の先行きにつきましては、従来の公共事業関係費に加え、2026年度からスタートする政府主導の「第1次国土強靭化実施中期計画」や高速道路会社の「中期事業見通し」などから、引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に一定量の発注が想定され、底堅く推移していくと見込まれます。また、建築分野につきましても首都圏を中心とした再開発事業や防衛関連施設への投資の増加に加え、民間設備投資に持ち直しの動きがみられ、今後も需要拡大が期待されます。一方で、労務費・建設資材・輸送費の高騰など建設コストが総じて高い価格水準で推移していることに加え、深刻な人手不足は業界全体における喫緊の課題であり、人材の確保や生産性の向上に向けた施策が必須となっております。 このような経営環境のもと、当社グループは「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」の中間年にあたる5年目を迎え、「工事工場利益改善プロジェクト」による収益性の向上、キャッシュ・フローの改善による財務体質の健全化、既存工場のリニューアルによる労働環境の改善や生産性の向上、専門部署による「DX」の推進・普及、生産現場の業務を支援するバックオフィスの機能向上、SBT認定に向けたカーボンニュートラル等の環境対策や補修補強・防災分野に関する研究開発、子会社を核としたメンテナンス事業の拡大、コンクリート構造物を主たる事業とするゼネコンとの業務提携など、整備してきたリソースを通じて「稼ぐ力」の向上を目指した取り組みを実施しながら企業活動を進めてまいりました。また、多様性を重視したリクルート活動、生産現場の働きがい改革「リ・ブランディング」の推進、時間外労働の減少などワークライフバランスの充実、経済産業省が推進する健康経営優良法人の認定継続、「SDGs」の全社的展開を通じた社会的な企業価値向上のための取り組みなど、生産性の向上とあわせて社員及び協力会社従業員の働き方改革の実現に向けて様々な施策を実施してまいりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,142百万円減少し、35,613百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,976百万円減少し、22,470百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ834百万円増加し、13,143百万円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の受注高は建築事業におけるプレキャスト製品の需要拡大などにより31,201百万円(前連結会計年度比18.1%増)、売上高は手持ち工事が順調に進捗したものの、建築事業売上高が前連結会計年度において過去最高額だったことによる反動減により32,230百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。利益につきましては、売上高は減少したものの、工事採算性が改善したことなどから、営業利益は1,588百万円(前連結会計年度比79.4%増)、経常利益は1,476百万円(前連結会計年度比73.4%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に保有資産の譲渡に伴う譲渡益を特別利益に計上した影響により993百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 なお、第1四半期より、従来報告セグメントとして開示しておりました「不動産賃貸事業」は、量的な重要性が低下したため、報告セグメントから除外し、「その他」として記載する方法に変更しております。 また、前連結会計年度のセグメント情報は、当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。 土木事業 土木事業は、官庁発注の工事が大型化・長期化の傾向がより強まる中で、長期の大型手持ち工事の確保と中・短期的な工事確保による安定経営を目指し公入札、民間受注活動に鋭意取り組みました。その結果、当連結会計年度においては、国土交通省発注の政府調達協定対象工事(WTO)で技術提案高評価により2件を受注、またNEXCO発注工事ではゼネコンとのJVで継続工事を随意契約で受注し、地元福岡においては福岡県、福岡北九州高速道路公社などでも複数件の工事を受注しました。さらに民間営業での工場製品である大型プレキャストPC床版製作工事を受注するなど営業活動を進めましたが、橋梁関連の公入札工事の発注に鈍化傾向がみられたこともあり、それに伴い競争が激化した影響などにより、受注高は17,080百万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。 売上高につきましては、現場施工、製品製作とも大型工事を中心に概ね順調に進捗したことに加え、工期末を迎えた大型工事の最終設計変更契約による増額などにより、当連結会計年度においては23,053百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。 セグメント利益につきましては、売上高の増加に加え、上記のように発注者との各種スライド条項や協議による設計変更を進めた結果、想定以上の成果が得られたことなどにより工事採算性が改善したことから4,124百万円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。 建築事業 建築事業は、関東及び関西・中部地区におけるマンション事業の発注が順調に推移したことに加え、建設物価上昇分を販売価格に転嫁できたこと、また関東地区を中心に工事を含む複数のPCa物件の受注を獲得できたことにより、受注高は14,036百万円(前連結会計年度比79.7%増)となりました。 売上高につきましては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗が好転したこと、及び関西・関東地区の大型再開発現場も順調に進捗しましたが、前連結会計年度の売上高が過去最高額を更新したことによる反動減により、9,084百万円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。 セグメント利益につきましては、運送費、人件費等の建設コスト高騰の影響を受けたものの、適正な価格転嫁の推進により全工種に亘って原価率の改善が実施できたことで、942百万円(前連結会計年度比28.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,133百万円減少し、期末残高は1,950百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は418百万円(前連結会計年度は2,334百万円の使用)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上、売上債権の減少などによるものであります。支出の主な要因は、仕入債務の減少、未収入金の増加、法人税等の支払いなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は1,086百万円(前連結会計年度は1,701百万円の獲得)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は464百万円(前連結会計年度は1,514百万円の調達)となりました。これは、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いが主な要因であります。 ③生産、受注及び販売の実績 a.受注実績 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円)   前年同期比(%) 土木事業   17,080   △6.7 建築事業   14,036   79.7 その他   83   △71.3 合計   31,201   18.1 b.売上実績 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円)   前年同期比(%) 土木事業   23,053   1.5 建築事業   9,084   △15.6 その他   92   △67.2 合計   32,230   △4.6 (注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。 2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。 相手先     前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)       当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 中日本高速道路㈱   4,453   13.2   5,456   16.9 西日本高速道路㈱   3,320   9.8   3,785   11.8 (参考)提出会社の建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績は次のとおりであります。 (1)受注工事高、完成工事高及び繰越工事高 期別   区分   前期繰越 工事高 (百万円)   当期受注 工事高 (百万円)   計 (百万円)   当期完成 工事高 (百万円)   次期繰越 工事高 (百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   土木工事   38,832   12,882   51,715   17,489   34,225 建築工事   1,259   928   2,188   1,236   951 計   40,092   13,811   53,903   18,726   35,176 その他   11,983   11,406   23,389   13,580   9,809 合計   52,075   25,217   77,293   32,306   44,986 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   土木工事   34,225   12,046   46,271   17,642   28,629 建築工事   951   1,078   2,029   1,426   602 計   35,176   13,125   48,301   19,069   29,232 その他   9,809   16,164   25,974   11,661   14,313 合計   44,986   29,289   74,275   30,730   43,545 (注)前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にそ の増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。 (2)受注工事高の受注方法別比率 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。 期別   区分   特命(%)   競争(%)   計(%) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   土木工事   34.3   65.7   100 建築工事   100   -   100 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   土木工事   50.8   49.2   100 建築工事   99.3   0.7   100 (注) 百分比は請負金額比であります。 (3)完成工事高 期別   区分   官公庁(百万円)   民間(百万円)   計(百万円) 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   土木工事   17,454   34   17,489 建築工事   870   366   1,236 計   18,325   401   18,726 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   土木工事   17,627   15   17,642 建築工事   1,240   186   1,426 計   18,867   201   19,069 (注)1.前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。 中日本高速道路㈱   北陸自動車道(特定更新等)九頭竜川橋他2橋床版取替工事(その2) 中国地方整備局   令和4年度三隅・益田道路木部高架橋PC上部工事 ㈱大林組   新東名高速道路大御神西跨道橋他3橋(PC上部工)工事 ㈱大林組   東名阪津島高架橋拡幅梁外ケーブル工事 四国地方整備局   令和4-6年度 横断道江田高架橋上部PA27-PA32工事 2.当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。 東日本高速道路㈱   首都圏中央連絡自動車道 阿見高架橋(PC上部工)工事 阪神高速道路㈱   喜連瓜破橋大規模更新工事 宮崎県道路公社   令和4年度 一ツ葉道路工事 第4号 但し、一ツ葉大橋耐震工事 福岡県   県道甘木田主丸線両筑橋橋梁上部工工事(2工区) 関東地方整備局   R5国道20号八王子南BP寺田跨道橋上部工事 3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。 前事業年度   中日本高速道路㈱   4,246百万円   22.7% 西日本高速道路㈱   3,320百万円   17.7% 当事業年度   中日本高速道路㈱   5,302百万円   27.8% 西日本高速道路㈱   3,785百万円   19.9% (4)次期繰越工事高(2026年3月31日現在) 区分   官公庁(百万円)   民間(百万円)   計(百万円) 土木工事   28,584   44   28,629 建築工事   520   82   602 計   29,105   127   29,232 (注) 次期繰越工事のうち請負金額4億円以上の主なものは次のとおりであります。 中日本高速道路㈱   岡谷高架橋改良工事 西日本高速道路㈱   令和2年度 佐世保道路 佐世保高架橋(拡張)工事 中日本高速道路㈱   名神高速道路(特定更新等)木曽川橋床版取替工事 西日本高速道路㈱   新名神高速道路 城陽第二高架橋東(PC上部工)工事 中日本高速道路㈱   新名神高速道路錐ヶ瀧橋他1橋(PC上部工)拡幅工事 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、のれん、貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金、株式給付引当金、退職給付に係る負債、収益認識に関する会計基準に基づく収益認識などの判断につきましては、過去の実績や合理的な方法により見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 上記のうち、見積り及び仮定の重要度が高いものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 1)財政状態 当連結会計年度末における資産合計は35,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,142百万円の減少となりました。 流動資産は、25,434百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,430百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、未収入金が435百万円増加するなどはありましたが、現金預金が1,123百万円、受取手形・完成工事未収入金等が1,819百万円減少したことなどによるものであります。 固定資産は、10,179百万円となり、前連結会計年度末に比べ288百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、九州小竹工場リニューアル工事の進捗に伴い機械・運搬具及び工具器具備品や建設仮勘定の増加により有形固定資産が299百万円増加いたしました。また、のれんの償却などによる減少とその他の資産の増加により無形固定資産が1百万円の増加、繰延税金資産の減少などにより投資その他の資産が12百万円減少いたしました。 負債合計は22,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,976百万円の減少となりました。 流動負債は、21,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,917百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、流動負債「その他」296百万円増加いたしましたが、支払手形・工事未払金等が1,169百万円、電子記録債務が719百万円減少したことなどによるものであります。 固定負債は、1,458百万円となり、前連結会計年度末に比べ59百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、長期借入金が57百万円減少したことなどによるものであります。 純資産合計は13,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益993百万円の計上、退職給付に係る調整累計額の増加57百万円、自己株式の株式報酬としての処分による増加5百万円、剰余金の配当による減少234百万円によるものであります。 以上の結果、自己資本比率は36.9%となり、前連結会計年度末に比べ4.3%上昇いたしました。 2)経営成績 (売上高) 当連結会計年度における売上高は、潤沢な手持ち工事が順調に進捗したものの、建築事業売上高が前連結会計年度において過去最高額だったことによる反動減により前連結会計年度に比べ1,541百万円減少(前連結会計年度比4.6%減)の32,230百万円となりました。 なお、セグメント別の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。 (売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度における売上原価は、売上高の減少に加え、土木事業、建築事業ともに工事原価の低減に努めた結果、前連結会計年度に比べ2,358百万円減少(前連結会計年度比8.0%減)の27,102百万円となりました。 売上総利益は、売上高の減少はあったものの、土木事業においては順調な設計変更契約の獲得など、建築事業においては適正な価格転嫁の推進などにより工事採算性が改善し、前連結会計年度に比べ816百万円増加(前連結会計年度比18.9%増)の5,128百万円となりました。売上総利益率は前連結会計年度12.8%に対し、3.1ポイント改善し15.9%となりました。 なお、セグメント別の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。 販売費及び一般管理費は、各種経費の節減や業務効率化による残業時間の削減などに努めましたが、賃金上昇による労務費の増加などにより、前連結会計年度に比べ114百万円増加(前連結会計年度比3.3%増)の3,539百万円となりました。 (営業利益) 営業利益は、売上総利益の増加により前連結会計年度に比べ702百万円増加(前連結会計年度比79.4%増)の1,588百万円となりました。営業利益率は4.9%となり、前連結会計年度に比べ2.3ポイントの大幅な好転となりました。 (営業外損益) 営業外収益は、前連結会計年度に比べ38百万円減少の50百万円となりました。鉄屑等の売却による物品売却益の減少及び固定資産の経常的な入れ替え等に伴う処分益の減少が主な要因となります。 営業外費用は、前連結会計年度に比べ39百万円増加の162百万円となりました。借入金利の上昇に伴う支払利息の増加が主な要因となります。 (特別損益) 特別損失は、九州小竹工場リニューアル工事及び関東工場リニューアル工事に伴う固定資産除却損を計上した結果、52百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において保有不動産の譲渡に伴う譲渡益を特別利益に計上したことなどにより前連結会計年度に比べ1,194百万円減少(前連結会計年度比54.6%減)の993百万円となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」、及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 c.資本の財源及び資金の流動性 1)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 2)資金需要 当社グループの資金需要は、運転資金、投資資金及び株主還元に分けられます。 運転資金需要の主なものは、工事の施工及び工場の製品製造のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用や管理費用であります。 投資資金需要の主なものは、設備資金であり、工場における製造設備、工事現場における建設機材等固定資産の購入によるものであります。 また、株主還元については、財務健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。 3)資金調達 当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、子会社(非連結・持分法非適用)を含めた資金調達は、原則として当社が一元管理しており、必要に応じて当社より子会社へ貸付けを行っております。 運転資金及び株主還元につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当しておりますが、運転資金において不足が生じた場合には金融機関からの借入金を利用しております。 設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金計画を作成し、内部資金で不足する場合には金融機関からの借入金を利用しております。なお、工場建設等の大規模な設備投資の場合には、内部資金に加え長期借入金を始めとした複数の調達方法を検討しております。 当社は、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を維持するとともに、長期・短期の借入金のバランスを考慮した安定的な資金調達を行いながら、今後の事業成長に資するため事業運営上必要な手元流動性を高めることに努めております。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」を2022年3月期よりスタートさせ、当連結会計年度は5年目となりました。 この「VISION2030」における前半の5年間(「稼ぐ力」を蓄える期間)における具体的な数値計画は以下のとおりとなっております。 (百万円) 2022年3月期   2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 (当期) 売上高   28,160   29,400   31,200   33,000   35,300 営業利益   980   1,160   1,250   1,500   1,750 (営業利益率)   (3.5%)   (3.9%)   (4.0%)   (4.5%)   (5.0%) 売上高及び営業利益(率)は、企業経営の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として、重要な指標としております。当連結会計年度の実績との比較は以下のとおりであります。 (百万円) VISION2030   実績値   差額 売上高   35,300   32,230   △3,069 営業利益   1,750   1,588   △162 (営業利益率)   (5.0%)   (4.9%)   (△0.1%) 当連結会計年度における実績は、「VISION2030」に対し売上高は3,069百万円下回り32,230百万円となり、達成率としては91.3%となりました。 この主な要因は、土木事業では、潤沢な手持ち工事を現場・工場ともに順調に進捗させたことに加え、工期末を迎えた大型工事の最終設計変更契約が円滑に進んだことなどにより手持ち工事に係わる売上高が増加した一方で、橋梁関係の公入札工事の発注に鈍化傾向が見られ、競争が激化し受注高が減少したことにより、新規受注工事の売上高が計画を下回ることとなり、全体としてVISION2030の目標値を下回る結果となりました。 建築事業においては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗が好転したこと、並びに関東や関西における大型再開発現場が滞りなく進捗したことで当社製品の供給も順調に行えたことにより、当連結会計年度は「VISION2030」の目標値を達成する結果となりました。 営業利益は、「VISION2030」の目標値を162百万円下回り1,588百万円となり、達成率は90.7%となりました。 営業利益率につきましては、4.9%と5.0%にわずかに達成できなかったものの、「工事工場利益改善プロジェクト」などの施策の効果により工事採算性が改善し、前連結会計年度の実績2.6%に比べ大幅に改善しており、順調に進捗しております。 販売費及び一般管理費につきましては、賃金上昇により労務費は増加傾向にありますが、各種経費の節減や業務効率化による残業時間の削減などに努めた結果、「VISION2030」の目標値を2.0%程度上回るに留まりました。 したがいまして、営業利益の未達成の主な要因は、前述の要因による売上高が「VISION2030」の目標値を下回ったことにあると判断しております。 (投資方針及びその分析) 投資につきましては、当社グループが建設業界に属していることから工事用機材の適切な維持更新は安全な施工を行うために不可欠であり、また、工場においても生産性の向上、省人・省力化等のために継続的な設備投資は不可欠と考えております。従って、設備投資額を重要な指標の一つとしております。 当連結会計年度における設備投資額は、782百万円であります。 老朽化設備の更新に加え、大型機材や工場製造設備といった設備増強、安全性・生産性の向上及び効率化のための設備の取得などの設備投資が397百万円となりました。 さらに、生産力アップのため既存工場の本格的なリニューアル工事として、九州小竹工場リニューアル工事を2022年3月期からスタートさせており、5年目を迎えた当連結会計年度においては、自社工法で工場事務所棟の建設などを行い384百万円の設備投資を実施いたしました。なお、当連結会計年度で全てのリニューアル工事の完了を予定しておりましたが、進捗に若干の遅れが生じ、事務所棟は5月の完成となりました。九州小竹工場のリニューアル工事の計画及び進捗については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。 研究開発につきましては、設立以来、新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題に挑戦しながら、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を実施していることから研究開発投資も重要な指標としております。研究所での技術開発などを行った結果、当連結会計年度における開発費の額は125百万円で、売上高の0.4%となり、方針としている売上高の0.3%を達成する結果となりました。 (財務方針及びその分析) 財務につきましては、ROE(自己資本利益率)は投下した資本に対しどれだけの利益を獲得できたかを示す指標であり、重要な指標としております。 当連結会計年度においては、連結で7.8%、個別で7.7%となり、方針としている8%超の目標値を若干下回る結果となりました。 なお、今後は「第2 事業の状況 (3)中期経営計画「VISION2030」について」に記載した通り、利益確保によるROEの改善を図り、ROE8%超の実現を目指してまいります。 また、当連結会計年度の設備投資資金につきましては、設備投資総額で782百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益993百万円の範囲内となっております。従って、当連結会計年度の設備投資資金は、基本として自己資金によっております。なお、九州小竹工場リニューアル関連投資に係る今後の資金については、基本的に内部留保等の活用による自己資金による調達を考えておりますが、大型・長期の設備投資と言うこともあり、長期での資金調達が適切と考えており、借入金等による調達も視野に入れ検討しております。 (株主還元方針及びその分析) 当社グループは、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、安定配当を実施することを基本方針としております。当社の中期経営計画「VISION2030」においても、配当性向を重要な指標としており、2024年5月15日に公表いたしました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」において配当性向40%を目指すこととしております。また、期間損益に影響を受けやすいという特性がある配当性向に加え、安定配当の指標として株主資本配当率(DOE)を配当検討の際の指標として加えております。 当連結会計年度においては、前連結会計年度の普通配当13円から9円増配の1株当たり22円の普通配当といたしました。この結果、配当性向は39.1%となりました。また、もう一つの指標としている株主資本配当率は前連結会計年度の2.0%から1.1ポイント上昇し3.1%となりました。 なお、今後も「第2 事業の状況 (3)中期経営計画「VISION2030」について」に記載した通り、PBR向上のため、株主還元強化を株価向上施策の一環と捉えており、翌連結会計年度の配当は、当連結会計年度の普通配当より3円増配し、1株当たり25円の普通配当を予定しており、配当性向も43.7%となる予定です。今後も株主還元を強化し、配当性向は40%超を維持できるよう努める方針としております。 (SDGsへの取り組み) 「VISION2030」においては、SDGs<持続可能な開発目標>の17の目標への取り組みについても掲げております。「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を2030年に目指す姿の一つと定め、その実現に向けて、基本理念に基づいた重要と思われる5つの課題(マテリアリティ)及びその課題を解決するための活動方針(アクションプラン)を策定しております。 当連結会計年度において、当社グループではSDGs関連研修の実施をはじめとして、SDGsに寄与するため下記のような取り組みを実施いたしました。 ① 福岡市・北九州市における「福岡市SDGs登録制度」認定継続取得 ② 7年連続で「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定取得 ③ スポーツエールカンパニー2026として認定を継続取得 ④ 「健康づくり優良事業所」ゴールド認定取得 ⑤ 「女性活躍推進法に基づくえるぼし認定(2段階目)」取得 ⑥ 「カーボンニュートラル推進プロジェクト」により検討を進め、SBT認定の取得を目指してグループ全体と しての取り組みを実施 「スポーツエールカンパニー」とは、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業としてスポーツ庁が認定を行う制度です。社員がスポーツに親しめる環境づくりを進めることで、社員が心身ともに健康で個性や能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指し、健康経営を推進しています。 また、当社に設置している「カーボンニュートラル推進プロジェクト」において、CO2削減目標、ロードマップの策定及び具体的なCO2削減策の立案と検討を進め、過年度において、企業が「Science Based Targets initiative (SBTi)」に対し、2年以内に科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標を設定し、SBTiの承認を得ることを約束する意思表明「コミットメント」を完了させております。 このほかにも、脱炭素・低炭素につながるコンクリートの材料・配合選定・養生方法などの研究開発の実施、風力発電ハイブリッドタワーの実用化に向けた取り組み、工場で使用する蒸気養生ボイラーの燃料を重油から天然ガスに転換することで、有害排気ガスの排出削減の実施など様々な地球温暖化対策に積極的に取り組んでおり、今後も継続して取り組みを実施してまいります。

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開示資料

出典

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