本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

Chordia Therapeutics

Chordia Therapeutics,Inc190A · Growth · 医薬品

RNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の創薬ベンチャー。ファーストインクラスの新規抗がん薬の研究開発に特化する。

概要

Chordia Therapeuticsは2017年に神奈川県藤沢市で設立された創薬ベンチャーである。RNA制御ストレスという新たながんの特徴に着目し、ファーストインクラスの低分子抗がん薬の研究開発に特化する。2024年6月に東京証券取引所グロース市場に上場。従業員20名。現時点で上市品はなく、ライセンス収入を主な収益源とする。

ライセンス型ビジネスモデルと収益構造

当社は自社で製造・販売を行わず、探索研究から臨床試験までを自社で実施し、開発が進んだ段階で製薬企業に導出するライセンス型のビジネスモデルを採用する。収入は契約一時金、開発マイルストン、販売マイルストン、ロイヤルティから構成される。2020年には小野薬品工業にCTX-177を導出、2025年に権利返還を受けるまでライセンス収入を得ていた。2021年8月期に8億円、2023年8月期に25億円の事業収益を計上している。

5つのパイプラインで構成される開発ポートフォリオ

当社は現在、2つの臨床段階パイプラインと3つの前臨床段階パイプラインを有する。最も進んでいるのはCLK阻害薬rogocekib(CTX-712)で、日本で第1相臨床試験を完了、米国で第1/2相臨床試験を実施中である。MALT1阻害薬CTX-177は小野薬品から権利返還され、再導出を検討中。前臨床パイプラインにはCDK12阻害薬CTX-439、GCN2阻害薬、新規パイプラインが含まれる。

RNA制御ストレスを標的とした独自の研究領域

当社の研究は、がん細胞に特有の「RNA制御ストレス」に焦点を当てる。RNAの転写、スプライシング、輸送、分解の各過程を標的とし、異常RNAをさらに蓄積させることでがん細胞を選択的に死滅させる。このコンセプトに基づく抗がん薬はまだ市販されておらず、当社はこの領域のリーディングカンパニーを自任する。標的とするCLK、CDK12、GCN2はいずれもRNA代謝に関わる酵素である。

上場後も継続する研究開発費と赤字決算

当社は研究開発段階にあるため、営業損失が継続している。2025年8月期の営業損失は18億円、当期純損失は18億円。研究開発費は14億円(前年比5%減)、販管費は3.6億円(同21%増)。現金及び預金は25億円で、前年から18億円減少した。財務基盤は上場時の資金調達で確保しているが、パイプラインの進捗に応じた追加調達の可能性がある。

業界の中での役割は創薬ベンチャー(研究開発主体)。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01製薬(がん領域)主力

アンメットメディカルニーズの高いがん領域を対象に、新しい作用機序を持つ低分子医薬品(ファーストインクラス)の研究開発に注力。RNA制御ストレスという新たながんの特徴を標的とし、CLK阻害薬、MALT1阻害薬、CDK12阻害薬、GCN2阻害薬などのパイプラインを有する。収入は当面ライセンス契約に依存する。

RNA制御ストレスを標的としたがん治療薬開発のリーディングカンパニー

主要顧客武田薬品工業、小野薬品工業

主な製品・サービス5
rogocekib (CTX-712)
CLK阻害薬。スプライシングを阻害しRNA制御ストレスを誘導することでがん細胞を選択的に死滅させる。急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、卵巣がんなどを対象に開発中。
CTX-177
MALT1阻害薬。NF-κBの活性化を抑制し、BTK阻害薬耐性のリンパ腫に効果が期待される。
CTX-439
CDK12阻害薬。RNA転写を阻害し、乳がんや卵巣がんなど複数のがん種で抗腫瘍効果を示す。
GCN2阻害薬
tRNAの輸送を阻害しRNA制御ストレスを誘導。化学療法薬や分子標的薬との併用が期待される。
CDK12阻害薬CTX-439
CDK12を阻害する低分子化合物。乳がん、卵巣がんなどの固形がんおよび血液がんを対象に前臨床開発中。

製品と技術

CLK阻害薬rogocekib:RNAスプライシングを標的としたリードパイプライン

rogocekib(開発コードCTX-712)は、CLK(Cdc2様キナーゼ)を選択的に阻害する経口低分子化合物である。CLKはRNAスプライシングを調節する酵素であり、阻害により異常mRNAを蓄積させ、がん細胞に追加のストレスを与えて死滅させる。非臨床試験では急性骨髄性白血病(AML)や卵巣がんなどに有効性が示された。日本第1相試験では60名の患者で安全性が確認され、卵巣がん14例中4例に部分奏効(28.6%)、AML・MDS14例中6例に奏効(42.9%)を認めた。米国では第1/2相試験を継続中で、2026年の拡大コホート開始を予定する。

MALT1阻害薬CTX-177:免疫関連がんへの応用可能性

CTX-177は、MALT1(粘膜関連リンパ組織リンパ腫転座タンパク質1)を阻害する低分子化合物である。MALT1はNF-κBシグナル伝達経路を活性化し、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫などの血液がんの増殖に関与する。2020年に小野薬品工業に導出され、米国と日本で第1相臨床試験が行われたが、2025年に権利が返還された。現在当社は再導出を検討中で、これまでに得られたデータを活用する方針である。

前臨床パイプライン:CDK12阻害薬CTX-439とGCN2阻害薬

前臨床段階にあるCTX-439はCDK12(サイクリン依存性キナーゼ12)を標的とする。CDK12はRNAポリメラーゼIIの制御に関与し、DNA損傷応答遺伝子の転写に重要である。GCN2阻害薬はアミノ酸枯渇ストレス応答を調節する。これらの研究成果は2025年の米国癌学会年次総会で発表された。当社はrogocekibにリソースを集中するため、前臨床パイプラインについては早期のパートナリングも検討している。また、2025年7月にはデ・ウエスタン・セラピテクス研究所と、8月には千寿製薬と、それぞれの化合物の眼科疾患治療薬としての可能性を探る共同研究を開始している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 製薬(がん領域)RNA制御ストレスを標的としたがん治療薬開発のリーディングカンパニー

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

創薬ベンチャー、パイプライン評価段階

Chordia Therapeuticsは医薬品セクターの創薬ベンチャーであり、売上高は25億円(FY2023)から直近では開示なしと、まだ製品上市に至っていない可能性が高い。同業のジーエヌアイグループやVeritas In Silicoなどと同様に、研究開発段階にある。業界内ではパイプラインの進捗が評価される段階であり、収益性は未確立である。資金調達や提携が成長の鍵となる。

強み

  • 新規メカニズムの創薬により、アンメットメディカルニーズに応える可能性がある。
  • FY2023に25億円の売上があり、一部パイプラインが収益化されている可能性。
  • リソースを創薬に集中し、高い専門性を有する。
  • 大手製薬との提携による収益化の可能性がある。

課題

  • 売上が激減しており、安定した収益源が未確立。
  • 営業損益が悪化しており、赤字が継続するリスクがある。
  • 同分野の創薬ベンチャーが多く、差別化が難しい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がChordia Therapeutics

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14893ノイルイミューン・バイオテック64億円
2206APRISM BioLab63億円
34583カイオム・バイオサイエンス55億円
44892サイフューズ54億円
54891ティムス49億円
6190AChordia Therapeutics48億円
74591リボミック48億円
84576デ・ウエスタン・セラピテクス研究所47億円
94582シンバイオ製薬37億円
104885室町ケミカル37億円22.6倍
114586メドレックス36億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 16件

湘南ヘルスイノベーションパークで創業した2017年

2017年10月、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク内にChordia Therapeuticsを設立した。創業直後の11月、武田薬品工業とライセンス契約を締結し、4つのパイプラインの全世界での独占的研究・開発・製造・商業化権を獲得した。同時に武田薬品工業、京都大学イノベーションキャピタルなどから出資を受けた。

最初の臨床試験開始と東京事務所開設(2018~2019年)

2018年8月、抗がん薬化合物CTX-712(後のrogocekib)の日本での第1相臨床試験を開始した。2019年3月にはジャフコグループなどから追加出資を実施。同年4月、東京都中央区に東京事務所を開設し、首都圏での事業基盤を強化した。

小野薬品への導出と権利返還(2020~2025年)

2020年12月、CTX-177および関連化合物の全世界での独占的権利を小野薬品工業に導出した。小野薬品は米国で第1相臨床試験を開始したが、2025年4月、戦略的理由で臨床試験を中止し、権利を当社に返還した。当社は再導出に向けた事業開発活動を開始している。

メディパル・シオノギとの提携と資金調達(2022年)

2022年5月、日本グロースキャピタル、東京大学協創プラットフォーム、メディパルホールディングス、シオノギファーマなどから第三者割当増資を実施した。同時にメディパルと流通・販売促進に関する基本合意書、シオノギと低分子化合物製造に関する基本契約書を締結した。

米国臨床試験開始と上場(2023~2024年)

2023年2月、rogocekibの米国での第1/2相臨床試験を開始した。同年8月には日本での第1相臨床試験の症例登録が完了し、60名の患者への投与を終了した。2024年6月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、資本市場からの資金調達経路を確保した。

希少疾患指定と国際一般名称の決定(2024~2025年)

2024年11月、rogocekibの医薬品国際一般名称(INN)が「rogocekib」に決定した。2025年1月、米国FDAから急性骨髄性白血病(AML)適応で希少疾患指定(オーファンドラッグ指定)を受理された。これにより開発費用の軽減や市場独占期間の延長などの優遇措置を受けることができる。

年表16件を開く

2010年代

  • 2017年10月創業創薬研究を目的として、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク内にてChordia Therapeutics株式会社を設立
  • 2017年11月武田薬品工業株式会社とライセンス契約を締結し、4つのパイプラインの全世界での独占的に研究、開発、製造及び商業化する権利を獲得
  • 2017年11月武田薬品工業株式会社、京都大学イノベーションキャピタル株式会社、他数社を引受先とする出資契約を締結
  • 2018年8月抗がん薬化合物CTX-712の日本での第1相臨床試験を開始
  • 2019年3月ジャフコ グループ株式会社、京都大学イノベーションキャピタル株式会社、他数社を引受先とする出資契約を締結
  • 2019年4月東京都中央区に東京事務所を開設

2020年代

  • 2020年12月小野薬品工業株式会社に対し、当社が保有する抗がん薬化合物CTX-177及びその関連化合物を全世界で独占的に研究、開発、製造及び商業化する権利について、ライセンス契約を締結(2025年4月に権利返還)
  • 2022年5月日本グロースキャピタル投資法人、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合、新生キャピタルパートナーズ株式会社、及び日本ベンチャーキャピタル株式会社、シオノギファーマ株式会社を引受先とする出資契約を締結
  • 2022年5月株式会社メディパルホールディングスとの将来的な流通及び販売促進等における業務提携に関する基本合意書を締結
  • 2022年5月シオノギファーマ株式会社と低分子化合物の製造における協業に関する基本契約書を締結
  • 2022年8月導出先である小野薬品工業株式会社が抗がん薬化合物CTX-177(ONO-7018)の米国での第1相臨床試験を開始
  • 2023年2月抗がん薬化合物CTX-712の米国での第1/2相臨床試験を開始
  • 2023年8月抗がん薬化合物CTX-712の日本での第1相臨床試験の症例登録完了
  • 2024年6月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2024年11月抗がん薬化合物CTX-712の医薬品国際一般名称(rogocekib)の決定
  • 2025年1月抗がん薬化合物CTX-712(rogocekib)の米国における希少疾患指定の受理

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/8期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    ファーストインクラス抗がん薬の研究開発

    これまでにない新しい作用機序を有する低分子の画期的医薬品(ファーストインクラス)の研究開発に注力し、既存治療薬では効果が不十分ながん患者に新たな治療選択肢を提供する。

  2. 02

    リードパイプラインの臨床開発推進

    リードパイプラインrogocekibの米国第1/2相試験を早期完了させ、国内では自社販売も視野にメディパルホールディングスやシオノギファーマと提携し、承認取得を目指す。

  3. 03

    グローバルな提携と資金調達

    国内に限らずグローバルの製薬会社との新規提携を獲得し、必要に応じて株式発行など資本市場からの資金調達を行い、研究開発を推進する。

  4. 04

    パイプラインの拡充と導出検討

    CTX-177は早期開発再開のため導出を検討し、CTX-439やGCN2阻害薬は助成金を活用した自社研究と早期パートナリングの可能性を幅広く検討する。

  5. 05

    研究開発体制の強化

    臨床開発と探索研究を並行して行うため、研究開発体制を強化し、新規創薬標的の探索とパイプラインの安定的創出を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で20人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,115万円で、1期前と比べて+0.7%平均年齢は47.5歳、平均勤続年数は4.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年8月1,10746.04.122−8,182
2025年8月1,11547.54.720−9,000

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 神奈川県藤沢市0百万円
ほか1件の開示あり

業績の推移

有価証券報告書 6期分

直近6期の通期業績。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2020年8月−10−10
2021年8月8−5−5
2022年8月−18−18
2023年8月2522
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2024年8月−18−18−18
2025年8月−18−18−18

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2025年8月期は営業CFが−18億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−18億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は25億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年8月−17040−1743
2023年8月50548
2024年8月−19015−1943
2025年8月−1801−1825

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2025年8月期の総資産は27億円。このうち返さなくてよい自己資本が24億円で、自己資本比率は90.8%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2020年8月1210287.2
2021年8月2321289.4
2022年8月4543294.5
2023年8月4945491.2
2024年8月4642589.8
2025年8月2724290.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年8月期の内訳単体ベース
現金及び預金
25億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-75億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中11位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
90.8%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥70で、1年前と比べて-61.5%過去52週の値幅のなかでは3%の位置にある。

¥70-2.8%1ヶ月-11.4%1年-61.5%時価総額48億円
過去52週の値幅
安値¥66高値¥184

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR2.32倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は直近1か月で1.28%上昇し、25日移動平均線とほぼ同水準で推移しています。8月6日時点で79円と、52週高値192円から59%下落した水準にありますが、直近は底固めの様相です。RSIは50と中立で、方向感は乏しい状態です。出来高は7月29日に1597100株と急増し、その後は減少傾向にあり、売買が一巡した感があります。週足では下降トレンドから横ばいへの転換が見られます。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 40/100)

PBR2.62倍は同業界平均3.1倍を下回るものの、ROE5.1%と低く、収益性に見合わない面がある。直近2期は営業赤字が継続し、ネット利益も赤字で、業績悪化が続く。無配当で株主還元もない。成長期待からPBRが一定水準を保つが、収益化の見通しが立たない限り割高感は拭えない。構造改革の進展が株価評価の鍵となる。

指標この会社業種平均
PBR2.32倍3.53倍
ROE5.1%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

創薬ベンチャーの典型的な投資論点は、パイプラインの進捗と資金調達力です。強気派は、有力な開発候補が承認されれば大きなリターンが得られると期待します。弱気派は、開発の成功率が低く、資金が尽きるリスクを指摘します。直近の株価下落はその不透明感を映しています。

プラスに働く材料7
  • 提携による収益化

    製薬企業との提携がマイルストーン収入を生む可能性

  • 大型市場への参入

    対象疾患の市場規模が大きく、成功時のリターンが大きい

  • アンメットメディカルニーズ

    既存治療に不十分な領域で差別化できる可能性

  • 2023年8月期に売上高25億円の実績決算発表後影響

    2023/8期売上高25億円、純利益2億円。再び収益化できれば評価回復

  • PBR2.62倍と事業価値への期待継続影響

    PBR2.62倍。純資産を上回る評価で研究開発資産を織り込む

  • 株価は1年で56.8%下落し売られ過ぎ不定影響

    前年比-56.83%。時価総額55億円まで低下し反発余地

  • 時価総額55億円と小型で材料頼みの上昇不定影響

    時価総額55億円。売買が薄く材料次第で変動しやすい

マイナスに働く材料7
  • 開発リスク

    臨床試験の失敗確率が高く、投資回収が不透明

  • 資金不足懸念

    営業赤字が継続し、増資や資金調達が必要になる可能性

  • 競争激化

    同領域の他社開発が先行し、優位性を築けない恐れ

  • 営業赤字18億円が2期連続で継続通年影響

    2024/8期、2025/8期とも営業損失18億円。収益化の見通しが立たない

  • 売上高が2期連続で非開示通年影響

    2024/8期以降の売上高は非開示。事業収入がなくキャッシュ創出が心許ない

  • 無配当で株主還元がない継続影響

    配当利回り0%。研究開発に資金を充当するため還元は期待できない

  • 外国人持ち株比率1.06%と関心が低い継続影響

    外国人持ち株1.06%。機関投資家の参入がなく需給が細い

次の決算で確かめる点
研究開発費
開発への投資姿勢と資金消耗速度を把握するため
提携契約数
収益化の進捗を測る重要な指標となるため
現預金残高
資金調達の必要性と継続可能性を判断するため

株主

有価証券報告書より

2025年8月期末の株主数は延べ12,044人。区分でいちばん多いのは個人・その他65.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が28.0%を占め、残る72.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年8月%2025年8月%
個人・その他71.465.7
事業法人27.827.7
証券会社0.35.2
外国法人0.50.7
外国人個人0.00.4
金融機関0.00.3

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01武田薬品工業株式会社15.60
02New Life Science1号投資事業有限責任組合10.51
03日本グロースキャピタル投資法人6.97
04イノベーション京都2016投資事業有限責任組合6.75
05MEDIPAL Innovation投資事業有限責任組合6.10
06三菱UFJライフサイエンス1号投 資事業有限責任組合4.31
07京大ベンチャーNVCC2号投資事業有限責任組合3.73
08楽天証券株式会社2.65
09株式会社メディパルホールディングス1.89
10山田祥美1.55

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-05-22
    SBIインベストメント株式会社
    新規の大量保有報告
    4.86%
    -0.67pt
  • 2026-05-14
    京都大学イノベーションキャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    4.68%
    -1.11pt
  • 2026-04-23
    SBIインベストメント株式会社
    新規の大量保有報告
    5.53%
    -0.07pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は6期で+100%、1株純資産は3期で−55%。直近期のROEは5.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2020年8月−6,885
2021年8月−3,017
2022年8月−40
2023年8月479
2024年8月−3161
2025年8月−2635

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/8期の役員報酬は総額47百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
三宅洋代表取締役56900,000
嶋内明彦取締役79
中村学取締役58
石井幸佑取締役(常勤監査等委員)44
西方ゆかり取締役(常勤監査等委員)65
橋本阿友子取締役(監査等委員)42
土屋裕取締役74
平崎誠司取締役61

役員報酬の内訳2025/8

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)1242424
社外取締役319196
社外取締役1444

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/8期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容11,597字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1)事業の概要 ①ビジネスモデル 当社は、新規抗がん薬の市販を目指して研究開発を行う創薬ベンチャー企業です。医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)の高いがん領域で、新しい作用を有する低分子の画期的医薬品(ファーストインクラス)の研究開発が主要な事業の内容です。当社がマネジメントと研究業務(探索研究、前臨床研究、臨床研究)、特に候補化合物の探索、評価、最適化、臨床試験に集中し、外部協力先が得意な業務、中でも基礎研究、原薬及び製剤の製造、流通・販売などは各外部協力先に委託するという形を取ってビジネスを進めております。 創薬事業においては様々な専門性の高い作業や過程があり、また長い開発期間と多額の研究開発費用が必要です。当社は、効率的な創薬事業を実現するために、大学や公的機関、事業補完性のある企業、製薬会社などと積極的に共同研究やライセンス提携などの協業を行い、より短い期間で効率的に新しい抗がん薬の創出に取り組んでいます。 ・パートナリングに関する方針、考え方 当社における事業提携の基本戦略は、パイプライン(開発プログラム)の医薬品として市販される蓋然性が高まったタイミングで日本国外の販売権についてライセンス交渉を行う事です。2021年のBiotechnology Innovation Organizationの報告では、第2相臨床試験の成功確率が最も低いとされており、第2相臨床試験が成功してパイプラインが医薬品として市販される蓋然性が高まったタイミングは、パイプラインの価値が高くなるタイミングと当社は考えております。そのため事業提携の基本戦略としては第2相臨床試験の結果を確認できるタイミングで行うことが最適であると当社では考えています。 パートナー企業の選定基準としては、①パートナー企業の臨床開発戦略立案力、②パートナー企業の臨床開発に関する資金力、③当社のパイプラインの理解力、④パートナー企業内での当社のパイプラインの優先順位などを基準に選定を行います。 <事業系統図> ②ファーストインクラスの抗がん薬を生み出すための研究開発 がんは世界において主要な死因の一つであり、国立がん研究センターの統計によると日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、2人に1人ががんと診断され、また、がんで死亡する確率は男性が27.9%で約4人に1人、女性が21.1%で約5人に1人となっています(国立がん研究センター調査データに基づく。診断される確率は2021年、死亡確率は2022年のデータを引用)。そのため、患者や家族、社会にとって、がんは大きな問題になっています。また、近年、新しい治療法や新規抗がん薬が開発され、生存予後が改善する傾向がみられていますが、がんと診断された人の5年相対生存率(国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」)は68.9%にとどまり、依然として新しい抗がん薬や治療法の開発が望まれています(国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」)。このことから、がん領域は依然としてアンメットメディカルニーズが高い領域と考えています。 当社は、がん領域において、ファーストインクラスの研究開発を行っています。ファーストインクラスの医薬品は、既存治療薬と異なる有用性を示すことが期待され、これまでの治療法を大きく変えることができる医薬品に成長する可能性があると考えています(図1)。特に既存治療薬では十分な効果が認められず、現在のがんの進行に不安を感じている多くの患者に対して、がんの進行をコントロールできるという希望を届けられる可能性を秘めております。医薬品市場の観点からは、初めて市場に出るため大きな市場を取れる可能性が高く、薬価算定の際にその有効性や新規性に応じた高い価格が設定されることが多いことから、数多くのグローバル製薬企業が非常に高い関心を持っていると考えています。そのため、ファーストインクラスの医薬品にフォーカスしたパイプラインを有する当社は、グローバル製薬企業との共同開発やライセンス契約等の機会を積極的に検討しながら事業の価値最大化をめざすことが可能になります。 図1.ファーストインクラス創薬とは ③当社の研究領域 抗がん薬の標的となる分子を見つけ出すには、がんのホールマーク(特徴)、つまり、がん細胞が正常細胞と比べてどのように異なるのかを明らかにすることが重要です。これまでに、12種の多様なホールマーク(継続的な血管新生、組織への浸潤と転移、アポトーシスの回避、増殖シグナルの自己充足、増殖抑制シグナルに対する不応答性、無制限の複製能力、DNA損傷ストレス、酸化ストレス、有糸分裂ストレス、タンパク質毒性ストレス、代謝ストレス、及び免疫ストレス)が見出されていましたが、近年、最新の研究によって、RNA制御ストレスが新たなホールマークとして認識されるようになりました(右図、枠内がRNA制御ストレス)。がんのホールマーク(特徴)に着目した医薬品開発はこれまでにも盛んに行われてきており、優れた抗がん薬が多数生み出されてきたことから、高い効能を有する抗がん薬の開発において有効な研究戦略であると考えています。 ・がんの新しいホールマークである“RNA制御ストレス” RNA制御ストレスとは、細胞内でRNAを生成する過程に乱れが生じ、異常なRNAが蓄積し、それが細胞へ負荷をかけている状態のことです。特にがん細胞ではRNAを生成する複数の過程が乱れ、正常細胞に比べてがん細胞では過剰に負荷がかかっている状態です。当社の研究開発は、この新たに見出されたがんのストレス表現型である、RNA制御ストレスに焦点を当てています。当社のパイプラインは、RNA制御ストレスを標的とするコンセプト、すなわち異常RNAをさらに生成、蓄積させることでがん細胞に追加の負荷をかけて死に至らしめるという科学的なコンセプトに基づいています(図2)。RNA制御ストレスを標的としたがん治療薬は未だ医薬品として市販されていません。当社は、このRNA制御ストレスにいち早く注目して研究開発を行っており、当領域におけるリーディングカンパニーとして、新しい抗がん薬の研究開発を世界に先駆けて行っています。 図2.RNA制御ストレスとは ④パイプラインの概要 当社は現在、2つの臨床パイプライン(CLK阻害薬CTX-712、国際一般名称はrogocekib(以下、「rogocekib」という。)、MALT1阻害薬CTX-177、(以下、「CTX-177」という。))に加えて、3つの前臨床パイプライン(CDK12阻害薬CTX-439(以下、「CTX-439」という)、GCN2阻害薬、新規パイプライン)、合計5つのパイプラインを保有しています(図3)。前臨床パイプラインのうち、CTX-439は前臨床研究段階に、その他2つは探索研究段階です。 図3.パイプラインの概要と開発状況と開発タイムライン ⑤収入形態 当社が得る収入は、当面の間は、ライセンス契約に基づく提携企業からの収入を想定しています。ライセンス契約の収入には、「契約一時金」「開発マイルストン収入」「販売マイルストン収入」「ロイヤリティ収入」があります。また、当社は自社でも製造や販売する体制を構築することを視野にいれてパートナー企業との戦略的提携を進めていますので、今後のビジネスの進展により自社で製品を販売して得る収入も想定しています。 <事業収益の類型> 収入形態   内容 ライセンスの契約一時金   ライセンス契約を行った際に独占的な権利をパートナーに付与する対価として得られる一時金収入。 ライセンスの開発マイルストン   ライセンス契約を行ったパイプラインの開発進捗に応じて設定したいくつかの目標を達成する毎に一時金として得られる収入。臨床試験段階での開発マイルストンについては、目標間の期間は数年程度と想定する。 ライセンスの販売マイルストン*   ライセンス契約を行った際に設定した売上目標達成に応じて受領する収入。 ライセンスのロイヤリティ*   製品が市販後に、その売上からあらかじめ定められた一定割合を受領する収入。 *:現時点での受領実績はない。 **:現時点では自社で製品を販売する意思決定は行われていないため、計画上で想定される「製品の販売収入」につ いては表中に記載されていない。 (2)個別パイプラインの状況 ①RNA制御ストレスに焦点を当てたパイプライン RNAを生成する過程には、転写、スプライシング、分解、輸送などが挙げられます。これら各過程を標的とした抗がん薬は未だに市販されていません。当社はこれらに対するパイプラインを有しており、いずれのパイプラインも医薬品として市販されておらず、ファーストインクラスの医薬品になる可能性を有しています(図4)。特に当社が最も期待するパイプラインであるrogocekibにより、RNA制御ストレスを標的とした抗がん薬の有用性が立証されれば、RNA制御ストレスを対象とした抗がん薬の開発において新たな一歩が示せると考えています。 また、がん特有のホールマークは複数のがん種において共通して認められることから、このホールマークに焦点を当てた創薬研究は一つのがん種に限定されず、多くのがん種に対して適応できることが期待されます。実際に、既知のホールマークを標的とした医薬品は、市販後に適応とされるがん種が拡大され、ブロックバスターとして成長したケースがあり、当社が焦点を当てるホールマークであるRNA制御ストレスにおいても同様、幅広いがん種に適応する可能性があると考えています。すなわち、当社の研究アプローチは、がんのホールマークを標的とするという考え方であり、この考え方は既存の市販医薬品で有効性が示されている実績があります。 図4.DNA、RNA及びタンパク質に係るストレスを標的とした市販済みのがん治療薬の現状と当社パイプライン ②当社のパイプラインの標的となるRNAを生成する過程 DNAは生命活動の維持に不可欠な、タンパク質を合成するための設計図として機能しています。DNA上の遺伝情報は、メッセンジャーRNA(mRNA)へ写しとられ、このmRNAの情報をもとにタンパク質が作られます。当社のパイプラインは、mRNAを生成する過程に対してかかる制御ストレスを標的としており、イメージ図(図5)においては、A:転写を調節するCDK12、B:スプライシングを調節するCLK、C:RNA輸送を調節するGCN2、D:RNA分解を調節する新規パイプラインとして記載しています。 図5.RNAを生成する過程のイメージ図 ウイルスからヒトに至る多くの生物は遺伝子DNAを有しています。DNAは生命活動の維持に不可欠な、タンパク質を合成するための設計図として機能しています。DNA上の遺伝情報は、メッセンジャーRNA(mRNA)へ写しとられ、このmRNAの情報をもとにタンパク質が作られます。「DNA→mRNA→タンパク質」という細胞内における遺伝情報の流れは、生命の営みの基本的かつ普遍的な反応であることからセントラルドグマと呼ばれています。 RNAの転写とは、上記のセントラルドグマの中で、DNA情報をmRNAに写しとる過程です。この転写過程を直接つかさどっている重要なタンパク質としてRNAポリメラーゼⅡが知られています。RNAポリメラーゼⅡはDNAを鋳型として前駆型mRNAを作ります。 RNAのスプライシングとは、転写後の前駆型mRNAはタンパク質を作るために必要なエクソン配列に加えてタンパク質合成に不要なイントロン配列の両方を含んでいるため、エクソン配列を繋げ、イントロン配列を取り除き、成熟型mRNAを作る過程です。 RNAの輸送とは、スプライシングを受けた成熟型mRNAやタンパク質を作るために必要なトランスファーRNA(tRNA)をタンパク質合成の場に輸送する過程です。 RNAの分解とは、タンパク質合成の鋳型として役割を果たしたmRNAやtRNAが分解される過程です。 Ⅰ.rogocekib(CLK阻害薬CTX-712) ①作用 CLKはスプライシングを調節しています。rogocekibがCLKを阻害することによって正常のスプライシングが行われなくなるため、異常なmRNAが蓄積し、細胞に負荷がかかります。そもそも、がん細胞には過剰に負荷がかかっているためCLK阻害による追加の負荷に耐えられず、正常細胞に比べてがん細胞が選択的に死滅すると考えています。 ②特徴及び対象疾患 正常なスプライシングを阻害する作用の抗がん薬はこれまで市販されていないため、これまでの治療法で効果が無かった患者に対して新たな治療法となる可能性があると考えております。非臨床試験の結果からは、急性骨髄性白血病(以下、「AML」という。)や骨髄異形成症候群(以下、「MDS」という。)などの血液がんのみならず、卵巣がんなど複数の固形がんに対しても有効性が期待されていると考えております。 また患者を対象にした国内第1相臨床試験の結果からも、再発・難治性のAMLやMDS、卵巣がんがrogocekibに対する感受性が高いことが示唆されました。非臨床試験である動物モデルと実際の臨床試験が大きく相違ない結果であり、rogocekibは特定の特徴を有する複数種類のがんにおいて効果が期待されると考えております。 ③開発状況の概要 2018年から実施中のrogocekibの日本国内第1相臨床試験では、2023年8月に全ての患者登録が完了し、固形がん46名、血液がん14名合わせて60名の患者への投薬が行われました。 観察されたDLT(Dose-Limiting Toxicity:用量制限毒性)は、脱水、血小板数減少、低カリウム血症,及び肺炎であり、週2回の投与におけるMTD(Maximum Tolerated Dose:最大耐用量)は140 mgと決定されました。rogocekibに関連する有害事象として吐き気、嘔吐、下痢等が挙げられましたが、許容される安全性プロファイルと考えられました。有効性に関しては、固形がんにおいて4例のPR(partial response:部分奏効)を認め、それらはすべて卵巣がん(4/14例、28.6%)でした。AML、MDS計14例において、4例のCR(complete remission:完全寛解)、1例のCRi(complete remission with incomplete hematologic recovery:好中球未回復の完全寛解)、1例のMLFS(morphologic leukemia-free state:形態学的無白血病状態)を認め、Overall Response Rateは42.9%でした。以上より、卵巣がん、血液がんにおいてrogocekibが有効であることを示しました。 当事業年度末現在では、2023年に米国において開始した再発又は難治性のAML及びMDSの患者を対象にした第1/2相臨床試験を進めており、2025年8月末時点では36人の患者への投与を完了し、更なる症例登録を進めている状況でございます。 ④ライセンス状況 当事業年度末現在、武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」という。)とのライセンス契約に基づき全世界での独占的な研究、開発、製造及び商業化する権利は、当社が保有しています。今後の研究開発状況にあわせてライセンス活動を積極的に行ってまいります。 Ⅱ.CTX-177(MALT1阻害薬) ①作用 MALT1は転写因子NF-κBを活性化します。難治性リンパ腫においては、T細胞シグナルあるいはB細胞シグナル伝達経路の因子(T細胞受容体CD28、B細胞受容体CD79A/B、PLCγ1,PKCβ、CARD11)にシグナルを活性化する遺伝子変異が起こり、そのシグナルがBTKやMALT1を経由してNF-κBの活性化が引き起こされ、リンパ腫が異常に増殖しています(図6)。CTX-177は、MALT1を阻害してNF-κBの活性化を抑制する事で抗がん作用を生み出すと考えています。本パイプラインはRNA制御ストレスを標的としてはいません。 ②特徴及び対象疾患 MALT1阻害薬は難治性リンパ腫での有効性が期待されています。いくつかの難治性リンパ腫ではBTK阻害薬による治療が行われています。しかしながら、MALT1がNF-κBを活性化することによりBTK阻害薬に耐性を獲得したリンパ腫が出現しており、治療上の問題となっています。MALT1阻害薬はNF-κBの活性化を抑制することが可能であるため、BTK阻害薬に耐性のリンパ腫においても効果を示すことが期待されています。 図6.CTX-177の作用のイメージ ③開発・ライセンス状況 2020年に武田薬品とのライセンス契約に基づき、当社は対象化合物に関する全世界での独占的な研究、開発、製造及び商業化の権利を取得しました。その後、当該権利は小野薬品工業株式会社(以下、「小野薬品」という)に導出され、同社により米国及び日本において第1相臨床試験が実施されました。 しかしながら、2025年4月28日に、小野薬品より戦略的判断に基づき臨床試験を中止する旨の通知を受領し、これに伴い当社が当該権利を回収いたしました。これにより、当事業年度末現在、当該化合物に関する全世界での独占的な研究、開発、製造及び商業化の権利は、当社が保有しています。現在、当社は新たなライセンス許諾先の選定に向けた検討を進めております。 Ⅲ.CTX-439(CDK12阻害薬) ①作用 CDK12はRNAポリメラーゼⅡによるmRNAの転写を調節しています。CTX-439は、CDK12を阻害することによってRNAポリメラーゼⅡによるmRNAの転写を抑制します。このmRNAの転写の抑制により異常なmRNAが蓄積し、細胞に負荷がかかります。そもそも、がん細胞には過剰に負荷がかかっているためCDK12阻害による追加の負荷に耐えられず、正常細胞に比べてがん細胞が選択的に死滅すると考えています。 ②特徴及び対象疾患 CTX-439は、単剤で乳がん及び卵巣がんを含むその他複数の固形がん及び血液がんのマウスモデルで抗がん作用を示しております。加えて、化学療法薬あるいは分子標的薬の魅力的な併用薬となる可能性を有しています。 ③開発状況 当事業年度末現在、臨床試験開始に向けての安全性試験や治験原薬の製造を終え、次のフェーズの準備を進めているところです。 ④ライセンス状況 当事業年度末現在、武田薬品とのライセンス契約に基づき全世界での独占的な研究、開発、製造及び商業化する権利は、当社が保有しています。今後の研究開発状況にあわせてライセンス活動を積極的に行ってまいります。 Ⅳ.GCN2阻害薬 ①作用 GCN2は、タンパク質を作るために必要なtRNAの輸送を調節しています。GCN2阻害薬は、tRNAの輸送に異常を生じさせ、輸送が正常に行われなかった異常なtRNAが蓄積し、細胞に負荷がかかります。そもそも、がん細胞には過剰に負荷がかかっているためGCN2阻害による追加の負荷に耐えられず、正常細胞に比べてがん細胞が選択的に死滅すると考えています。 ②特徴及び対象疾患 GCN2阻害薬は、単剤で異常なtRNAを誘導することによる抗腫瘍効果を示すことが期待されます。加えて、化学療法薬あるいは分子標的薬の魅力的な併用薬となる可能性を有しています。 ③開発状況 当事業年度末現在、前臨床研究に向けて、内部リソースを活用した探索研究を実施中です。 ④ライセンス状況 当事業年度末現在、武田薬品とのライセンス契約に基づき全世界での独占的な研究、開発、製造及び商業化する権利は、当社が保有しています。今後の研究開発状況にあわせてライセンス活動を積極的に行ってまいります。 (3)用語説明(五十音順) 用語   解説 RNA   Ribonucleic acidリボ核酸の略で、遺伝子であるDNAからタンパク質を生成するために必要な物質。ゲノムDNAから転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)、タンパク質合成時に利用されるトランスファーRNA(tRNA)などがある RNAポリメラーゼⅡ   DNAからmRNAへの転写を触媒するタンパク質複合体 アンメットメディカルニーズ   未だ有効な治療法がない疾患に対する医療ニーズ イントロン   タンパク質合成に不必要なRNA部分 AML   Acute Myeloid Leukemia急性骨髄性白血病の略で、骨髄中で白血球の元になる血液細胞ががん化した疾患で、血液がんのひとつ エクソン   タンパク質合成に必要なRNA部分 エクソンスキッピング   一部のエクソンが抜け落ちるスプライシングの変化 FDA   Food and Drug Administration米国食品医薬品局の略で、医薬品などを審査、取り締まるアメリカ合衆国の政府機関 NF-κB   Nuclear Factor-kappa Bの略で、転写を担うタンパク質複合体のひとつ MFLS   CRには至らないものの、形態学的には骨髄中に白血病細胞が見られない状態 MDS   Myelodysplastic syndromes骨髄異形成症候群の略で、骨髄中で血液細胞のもとになる造血幹細胞に異常がおき、正常な血液細胞がつくなれなくなる疾患で、血液がんのひとつ MTD   Maximum Tolerated Dose最大耐量の略で、毒性が認容できる範囲内で最大の投与量 CARD11   Caspase Recruitment Domain Family Member 11の略で、MALT1の活性調節に働くタンパク質 拡大コホート   第1相臨床試験のなかで、次相の推奨使用用量の設定後、安全性と一部有効性を確認するために症例を集めた患者集団のこと 血管新生   新しい血管が作られる現象のことで、創傷部位やがんが進行する際にも認められる現象 血液がん   血液細胞が分化の過程でがん化して増殖する疾患の総称 好中球   細菌などの感染から体を守る働きを有した白血球の一種。白血球全体の約45~75%を占めている。 固形がん   血液がん以外の、臓器や組織などで塊をつくるがんの総称 最大耐量   毒性が認容できる範囲内で最大の投与量、MTDのこと CR   Complete Remission完全寛解の略で、血液がんの評価において使用され、患者の骨髄に存在するがん細胞の割合が5%未満であり、末梢血中の好中球と血小板などの数値が完全に回復している状態 固形がんの評価におけるCRは、Complete Response完全奏効の略で用いられ、腫瘍が完全に消失した状態 CRi   Complete Remission with incomplete hematologic recoveryの略で、血液がん(AML)の評価において使用され、患者の骨髄に存在するがん細胞の割合が5%未満であるが、末梢血中の好中球と血小板の回復が不完全な状態 CLK   CDC2-Like Kinaseの略で、対象となるタンパク質にリン酸基を転移させる反応を触媒する酵素でスプライシングにおいて重要な役割を果たしている CDK12   Cyclin Dependent Kinase 12の略で、対象となるタンパク質にリン酸基を転移させる反応を触媒する酵素で転写の伸長反応において重要な役割を果たしている GCN2   General Control Nonderepressible 2の略で、対象となるタンパク質にリン酸基を転移させる反応を触媒する酵素で細胞内のアミノ酸の量において重要な役割を果たしている 浸潤   がん細胞や免疫細胞などが周辺組織に染み広がる特徴のことで、転移するがんが有している特徴の一つである スプライシング   RNAを成熟させる過程 成熟型mRNA   スプライシングを受けて成熟したRNA 前駆型mRNA   スプライシングを受けて成熟する前のRNA 前臨床研究   臨床試験を実施する前に検討する研究。ヒトにおける医薬品候補化合物の安全性、薬物濃度、有効濃度などを推定する研究の総称 探索研究   医薬品の研究開発の初期段階であり、病態の進展に寄与している生体分子(薬物標的)を探索する研究 用語   解説 治療モダリティ   治療薬の種類のことで、低分子医薬品、抗体医薬品、核酸医薬品、細胞医薬品などがある DNA   Deoxyribonucleic acidデオキシリボ核酸の略で、DNAには全ての遺伝情報が蓄えられている DLT   Dose-Limiting Toxicity用量制限毒性の略で、臨床試験において増量できない理由となる毒性のこと 転写   遺伝情報をDNAからメッセンジャーRNAにコピーする過程 バイオマーカー   ある疾患の有無、病状の変化や治療の効果の指標となる生体内の物質。特に抗がん薬領域では患者の層別化に用いることが多い パイプライン   研究開発プログラムもしくは医薬品候補化合物 曝露   生体に化学物質がさらされていること PR   Partial Remission部分寛解の略で、血液がんの評価において使用され、骨髄に存在するがん細胞の割合が5-25%(AMLの場合)あるいは5%以上(MDSの場合)であるが、治療前に比べ50%減少した状態 固形がんの評価におけるPRは、Partial Response部分奏効の略で用いられ、標的病変の径の和が30%以上減少した状態 POC   Proof of Concept概念実証の略で、患者での安全性と有効性(治療効果)が確認されること PK   Pharmacokinetics薬物動態の略で、薬物投与後の体内薬物濃度の推移 PD   Pharmacodynamics薬力学の略で、生体や細胞に対する薬物の作用 PMDA   Pharmaceuticals and Medical Devices Agency医薬品医療機器総合機構の略で、厚生労働省所管の独立行政法人であり、医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に関する審査機関 非臨床試験   臨床試験以外の試験であり、臨床試験を行う前に実施する安全性試験、薬物動態試験、薬効薬理試験などが含まれる。 ファーストインクラス   これまでになかった新しい作用を有する低分子の画期的医薬品のカテゴリーのことで、既存治療薬による治療法を大きく変えることができる可能性のある医薬品のこと B細胞シグナル、T細胞シグナル   リンパ球であるB細胞やT細胞の増殖を活性化するシグナル BTK   Bruton’s Tyrosine Kinaseの略で、対象となるタンパク質にリン酸基を転移させる反応を触媒する酵素 ブロックバスター   画期的な薬効を持つ新薬で、大きな売上を生み出す医薬品(年商1,000億円以上の製品を指すことが多い) 分子標的薬   特定の生体分子を標的として、その機能を制御する医薬品 MALT1   Mucosa-Associated Lymphoid Tissue lymphoma translocation protein 1の略で、タンパク質を切断する酵素のひとつ 薬物動態   薬物投与後の体内薬物濃度の推移、PK(Pharmacokinetics)のこと 用量漸増コホート   第1相臨床試験のなかで、最大耐量MTDや用量制限毒性DLTを確認するために症例を集めた患者集団のこと 臨床試験   新しい医薬品などの効果や安全性について確認するために行われる患者を対象とした試験 臨床研究   病気の原因及び病態の理解ならびに予防方法、診断方法及び治療法の改善を目的として実施されるヒトを対象とする医学系研究の総称
経営方針・対処すべき課題7,596字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、「日本発」「世界初」のこれまでにない新しい抗がん薬を、一日でも早く患者様のもとに届けることで、『Tomorrow is Another Day~明日に希望を感じる社会の実現』を目指しています。2030年には日本発の研究開発型の製薬会社に成長していくことをビジョンとして掲げ、アンメットメディカルニーズの高いがん領域に特化して事業を進めています。特に、これまでにない新しい作用機序を有する低分子の画期的医薬品(ファーストインクラス)の研究開発に注力しておりますが、ファーストインクラスの医薬品は、既存治療薬と異なる有用性を示すことが期待され、これまでの治療法を大きく変えることができる医薬品に成長する可能性があります。既存治療薬では十分な効果が認められず、現在のがんの進行に不安を感じている多くの患者様に対して、がんの進行をコントロールできるという希望を届けることを目標に事業の推進を行っております。 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、新規抗がん薬の市販を目指して研究開発を行う創薬ベンチャー企業であり、現時点では製品売上により利益を安定的に計上するステージにはありません。 当面の経営管理上の目標は、抗がん薬の早期の市販に向けて、当社のパイプラインを計画通り研究開発を推進すること、及び新規創薬標的の探索及びパイプラインを安定的に創出する体制を構築することです。 従いまして、当社は、ROAやROEといった経営指標を目標とはせず、パイプラインの進捗等に目標をおいた事業活動を推進しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社の中長期における最重要課題は、新規抗がん薬の研究開発を着実に推進して承認の取得もしくはライセンス契約を締結し、自社もしくはパートナー企業による製品販売からの安定的な収益源を確保することです。 当社のリードパイプラインであるrogocekibは臨床試験段階にあり、自社もしくはパートナー企業により日本国内や欧米などの各地域での承認を取得していく予定です。また、パイプラインの充実に向けた探索研究も継続的に実施してまいります。創薬ベンチャーである当社にとっては、これらの臨床開発と探索研究を並行して行っていくために、研究開発体制の強化と研究開発資金の調達が不可欠であります。 従いまして、当社は、日本の提携先に留まらず、グローバルの製薬会社等の新規提携パートナー企業の確保に努めるとともに、必要に応じて、事業会社や株式発行による資本市場からの資金調達を行いながら、研究開発を推進していく方針です。 (4)経営環境 ①医薬品市場の動向 厚生労働省が公表した「薬事工業生産動態統計」によると、2023年の医薬品最終製品(医療用医薬品や一般用医薬品などの合計)の国内での生産金額は10兆332億円、外国からの輸入金額は3兆7,727億円で、合計金額は13兆8,059億円でありました。これに対し、国内への出荷金額は12兆3,597億円、外国への輸出金額は7,131億円であり、合計金額は13兆728億円となりました。 このうち、医療用医薬品の2023年の生産金額は9兆1,529億円であり、前年比較で0.8%の増加となりました。国内医薬品市場規模は薬価改定や医療制度改革に強く影響を受けておりますが、2019年以降の医療用医薬品生産金額の推移は、2021年を直近の底値として、2022年、2023年と2年連続で増加している状況です。その内訳として、腫瘍用薬(がん治療薬)の2023年の生産金額は1兆3,447億円であり、医療用医薬品生産金額の14.7%を占めました。腫瘍用薬の占める割合は2019年以降毎年増加している状況です。 (単位:億円) 出典:厚生労働省「薬事工業生産動態統計」(2019~2023年度) ②がん領域、及び当社が注力する低分子医薬品の背景 厚生労働省の調査によると日本における2022年のがんの死亡数は38.5万人となり、死因別にみても一番高い順位となりました。なお、がんは1981年から死因の第1位であり、人口10万人当たりの死亡率でみても1947年から増加傾向が進んでおり、最近では総死亡の約3割を占めております。 <死因順位別死亡数・構成割合(上位3位まで)> 2021年   2022年   前年比 死亡数 (人)   死亡総数に占める割合(%)   死亡数 (人)   死亡総数に占める割合(%)   死亡数 (人) 総数   1,439,856   100.0   1,569,050   100.0   129,194 死因別 1位 悪性新生物(がん)   381,505   26.5   385,797   24.6   4,292 2位 心疾患   214,710   14.9   232,964   14.8   18,254 3位 老衰   152,027   10.6   179,529   11.4   27,502 (引用元:厚生労働省令和4年(2022)人口動態統計) <主要要因別死亡率> 出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2025」 国立研究開発法人である国立がん研究センターの調査によると、日本においては人口比におけるがんの死亡割合が世界の中でも高いことが挙げられます。2021年には年間約99万人が新たにがんと診断され、2023年にがんで死亡した人は382,504人となりました。これは日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性が63.3%、女性が50.8%と約2人に1人が診断されているほか、がんによる死亡確率は男性が27.9%で約4人に1人、女性が21.1%で約5人に1人となっています。(診断される確率は2021年、死亡確率は2022年のデータを引用) <がん統計データ> 出典:国立がん研究センター がん情報サービス 「最新がん統計」、「院内がん登録生存率集計」 厚生労働省 「令和5年患者調査の概況」 また2022年の全世界におけるがんの新規症例数は1,996万人、死亡数は973万人と報告されています(以下の表の脚注に記したBray F.らによる2024年の論文報告より引用)。 <世界における新規症例数および死亡数(2022年)> がん種   新規症例数   比率(%)   死亡数   比率(%) 肺がん   2,480,301   12.4   1,817,172   18.7 乳がん   2,308,897   11.6   665,684   6.8 大腸がん   1,926,118   9.6   903,859   9.3 前立腺がん   1,466,680   7.3   396,792   4.1 胃がん   968,350   4.9   659,853   6.8 その他のがん種   10,814,465   54.2   5,293,419   54.4 合計   19,964,811       9,736,779 出典:Bray F, Laversanne M, Sung H, et al. Global cancer statistics 2022: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin. 2024;74(3):229-263. doi:10.3322/caac.21834 上記のとおり、がんは日本を含む世界中で罹患者数が多く、多くのがんにおいて根治療法が確立されていないため、新たな治療法を待っている患者が多くいることからアンメットメディカルニーズが高く、これからも創薬領域での研究開発がさらに活発になることが予想されます。 当社が注力する抗がん薬、ファーストインクラス新薬の承認状況については、米国食品医薬品局(以下、「FDA」という。)が2024年に承認した50品目のうち、それぞれ24品目、13品目でありました。また、そのうちのおよそ半数のモダリティが低分子医薬品であり、ファーストインクラスの低分子抗がん薬の開発が引き続き活発に行われている状況と認識しており、当社パイプラインに対する大手製薬会社からのニーズも引き続き高いものと想定しております。 ③今後の見通し 日本国内においては、高齢化や医療分野での技術革新等の要因により、国が負担する全体の医療費が増大しております。これに伴い、国は薬価の引き下げを強化して薬剤費を抑えようとしております。実際に、2020年に当時の菅首相の所信演説では薬価改定を毎年実施する予定であることが示されました。このような薬価改定による価格引き下げで、国内医薬品市場は縮小傾向にあります。しかしながら、高齢化によるがん患者が増加している背景を受けて、抗がん剤等の新薬は販売を拡大しています(日本貿易振興機構JETROのHPより)。 世界市場については、アジア新興国やBRICs諸国が世界市場のシェアを伸ばしてきており、この傾向は今後も続き、市場規模の拡大を牽引することが見込まれます。他の拡大要因としては、治療法が確立していない疾患への対応、長寿化及び医療サービスの高度化等が挙げられています。加えて創薬技術の高度化も市場規模の拡大に寄与するものと考えられます。 ④参入障壁 医薬品開発では患者を対象にして安全性と有効性の検証を段階的に進める臨床試験を実施しなければなりません。そのため、医薬品の臨床試験の実施の基準に関するGCP(Good Clinical Practice)と呼ばれる基準や、GMP(Good Manufacturing Practice)と呼ばれる適正製造基準が制定されています。安全な医薬品を製造し、臨床試験を実施するには、これらの厳格な基準を遵守する必要があるため、製薬業界への参入障壁は高いと考えられます。 ⑤国際競争力 医療用医薬品の世界売上上位100品目のうち、1割が日本の製薬企業から生み出されています。これまで医薬品開発に関連する様々なイノベーションにより、新しい価値を有する医薬品が誕生してきました。製薬産業は、研究、開発、生産、販売というバリューチェーンを通じて、さまざまなノウハウの蓄積が必要となるため、継続的に新薬を開発することができる製薬企業を持つ国は限られています。 医療用医薬品世界売上上位100品目の 国別起源比較(2018年) (出所:厚生労働省「医薬品産業ビジョンの策定に向けて」、2021年5月17日) ⑥技術革新 製薬業界では、AIやITを活用した創薬が注目されています。例えば、新薬の候補になる化合物の探索や設計、評価を行いますが、この探索や設計をコンピュータによるシミュレーション技術を活用するなどといったことが挙げられます。他にも、自律的に学習を深めていくディープラーニング(深層学習)を取り入れる試みや、分子の構造を計算する新しいアルゴリズムなど画期的な技術も次々と登場しています。 これらの技術革新により、薬の有効成分になりうる新規化合物の創出や研究開発の時間的、金銭的コストの削減などのメリットが期待され、難病に対する新たな治療薬の誕生に向け、AIやIT技術が重要な役割を果たすとみられています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、新しい作用を有する抗がん薬を開発することにより、今まで効果的な治療薬がなかったがん患者に対して、新たな治療法を提供することを目指しています。一方で医薬品としての事業化は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、当社は営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、すべての研究開発に関する投資を補うに足る収益は生じておりません。なお、当社は、当面の研究開発活動は、リードパイプラインであるrogocekibの米国1/2相試験に注力し、CTX-177は早期に開発を再開させるために、積極的に導出の可能性を検討しています。他の自社パイプラインについては、AMED等からの助成金を活用した自社研究を進めており、CTX-439とGCN2阻害薬に関しては早期のパートナリングも含めた幅広い可能性の検討を前向きに行っております。 このような事業背景の下で、当社は、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。 ①rogocekibの開発の促進 当社は、国内の第1相臨床試験では、臨床試験実施医療機関の協力の下で患者登録が継続され、2023年8月には全ての患者登録を完了し、その結果を2024年4月の米国癌学会年次総会で発表しました。また2023年には米国での第1/2相臨床試験を開始し、臨床試験実施医療機関及び関連機関との連携を行い、早期で試験を完了する計画を進めています。世界の主要国において早期に承認を取得するためには、さらなる開発体制の強化と開発資金の確保が課題となります。このため、当社は国内及び米国での臨床試験の結果をもとに、提携パートナーの獲得を目指しながら開発の促進を図ってまいります。同時に国内の商業化を製薬会社との提携を行わず自社を中心に実施することも視野に入れ、株式会社メディパルホールディングスとの業務提携及びシオノギファーマ株式会社と協業に関する基本合意を行っております。ただし、株式会社メディパルホールディングス及びシオノギファーマ株式会社との提携については、基本合意段階であり、国内で自社販売する方針が固まったわけではありません。 また、rogocekibは、一定の要件を満たす画期的な医薬品等については、開発の比較的早期の段階から、薬事承認に関する相談・審査における優先的な取り扱いをされる「先駆的医薬品指定制度」や、重篤な疾患であって有効な治療薬が乏しく患者数が少ない疾患等を対象として、治験実施が困難、あるいは実施可能であっても治験の実施にかなりの長時間を要すると認められる場合に、承認申請時に検証的臨床試験以外の臨床試験等で一定程度の有効性及び安全性を確認した上で、製販後に有効性・安全性の再確認等のために必要な調査等を実施すること等を承認条件に付与される「条件付き早期承認制度」を活用できる可能性のある品目であると当社は考えていることから、今後これらの指定制度(海外における同様の制度を含みます。)を活用することにより、開発の促進を実施する可能性がございます。現状の臨床試験戦略で目指している2028年後期の承認申請については、上述の国内外での指定制度を活用できることを前提として、計画を立案しております。 ②CTX-177の導出 CTX-177については、小野薬品とのライセンス契約の終了に伴い、当社がCTX-177の全世界での全権利を有することとなりましたので、開発の再開に向けて、新たなパートナーとのライセンス契約の締結を選択肢の一つとして考え、パートナー探しを鋭意進める予定でございます。 ③前臨床パイプラインの開発の促進 当社は、RNA制御ストレスを標的としたCTX-439、GCN2阻害薬、新規の標的分子阻害薬の3つの前臨床パイプラインを保有しています。AMED等からの助成金を活用した自社研究を進める一方で、研究開発リソースをrogocekibに注力している状況ですので、CTX-439とGCN2阻害薬に関しては早期のパートナリングも含めた幅広い可能性の検討も前向きに行っております。市場環境や競合状況を的確に判断して、適切なタイミングで提携パートナーを確保することが課題です。 ④パイプラインの充実 当社は、必要に応じてRNA制御ストレスを標的とした新しい抗がん薬パイプラインを立ち上げ、適宜パイプライン間の優先順位付けを見直すことによって研究開発の成功確率を上げることができると考えていますが、そのためにはアカデミアなどの最先端の科学へのアクセスを維持することと研究開発資金の確保が課題となります。なお、現状は研究開発リソースをrogocekibに注力している状況ですので、抑制的に新規パイプラインの検討を行っています。 ⑤財務体質の強化 当社は創薬バイオベンチャーであるため、多額の研究開発費用が先行して必要となり、継続的な営業損失が発生するとともに営業キャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があります。そのため、財務体質の強化が課題となります。今後も、当社がrogocekibを始めとした既存パイプラインの開発を促進しながら、安定的に新規パイプラインの創出を継続していくためには、新たな提携パートナーの確保に加え、事業会社や株式発行による資本市場からの資金調達を実施するなどして、財務基盤の充実と安定化を図っていくことが重要な課題と考えています。 ⑥優秀な人材の獲得 当社は、創薬に関する経験豊富なメンバーが積極的に外部委託を活用することにより、効率的な組織運営をしております。しかしながら、今後も、国内外のバイオベンチャー企業や製薬企業との競争が続く中において、競合他社との差別化、研究開発の加速、事業領域の拡大などが必要になる可能性があると考えております。そのため、パイプラインの創出に際して最先端の科学へのアクセスを維持し、創造的かつ独創的な研究活動を推進する等の優秀な人材の獲得は、当社の重要な課題になっています。また、管理部門においても当面は少人数による運営体制を計画しておりますが、適切なタイミングで新たな人材を獲得して、財務・経理・内部統制を含む管理体制の一層の強化を進めていく方針です。 ⑦提携パートナー確保 当社はパイプラインの開発を推進するために最適な提携パートナーを確保することを課題としております。そのために、提携パートナー候補先の研究開発に関する戦略の方針状況を常に把握し、医療情報などの市場環境の情報収集も行っております。また当社のパイプラインの開発状況、競合状況を勘案して、適切なタイミングでコミュニケーションを行っております。
事業等のリスク18,318字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。また、事業への影響度が高いと当社が考えるリスクに対しては、その発生可能性に対する当社評価も合わせて記載しております。発生可能性は、5年に1回程度の発生を中として、それより頻繁な場合は高、稀な場合は低としました。 当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。 当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い歳月と多額の研究費用を要し、全ての開発が成功するとは限りません。特に販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する研究開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。 なお、文中の将来に関する記載は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 Ⅰ.医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク (1)新薬開発の不確実性(事業への影響度:高、発生可能性:中) 医療用医薬品の研究と開発は、一般的に多額の投資と長い時間を要し、またその成功確率は他の産業に比べて極めて低い確率となっています。実際に、新薬の研究開発においては基礎研究及び非臨床研究において高い効果が期待される医薬品候補が見つかったとしても、その後の臨床試験において、期待した効果が得られない場合、重篤な副作用が生じた場合、当局の審査において承認が得られない場合などには、研究開発に遅れが生じ、研究開発計画の大幅な変更あるいは研究開発を中止せざるを得ない可能性があります。 当社では、上記のリスクを低減するために非臨床試験での研究や評価、臨床試験での治験デザインの策定や計画、原薬及び製剤に関する施策などにおいて、外部の専門家のアドバイスを受けて適切にリスク対策を行っておりますが、当社の現在及び将来のパイプラインについても研究開発の遅延や、計画変更あるいは計画自体を中断せざるを得ない不確実性が内在すると考えております。研究開発が遅れた場合や追加試験が必要となった場合には、計画外の追加試験期間や追加資金の確保が必要となり、新たに資金調達が必要となる可能性があります。その資金調達の確保自体についても不確実性があります。 当社のパイプラインが承認された際でも類似する薬が存在しない新薬となるため、当社で想定している薬価で保険償還されない可能性もあります。また新薬開発が必要とされるアンメットメディカルニーズの残る適応疾患には新たな競合品や新規の医療機器などが数多く開発されるため、将来的に対象疾患の治療体系が大きく変化する可能性があり、当初想定した計画を遂行できなくなり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)副作用発現による損害賠償責任及び製造物責任(事業への影響度:高、発生可能性:低) 医薬品には、臨床試験段階から更には市販後において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社は、こうした事態に備えて、各種賠償責任に対応するため、損害賠償保険などの適切な保険に加入しておりますが、最終的に当社が負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブイメージにより、当社及び当社のパイプラインに対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (3)競合について(事業への影響度:高、発生可能性:中) 医薬品の研究開発は、国内外の製薬会社や創薬ベンチャー企業により激しい競争環境の下で行われております。当社のパイプラインと同じ疾患領域で他社が早期に、もしくは優位性のある競合品を市場導入した場合においては、当社パイプラインの競争力は低下する可能性があります。詳細は後述の通りですが、RNA制御ストレスに着目して当社パイプラインと同じ標的の研究開発を手掛けている創薬ベンチャー企業が既に存在しています。また、当社がrogocekibを優先的に開発しているAMLでは低分子医薬品に加えて抗体医薬品や細胞医薬品などの新しい治療モダリティの競合品が複数検討されています。競合品の開発状況により、当社のパイプラインの臨床試験において被験者登録の遅延や目標被験者数の未達となる可能性があり、その場合には当初の計画以上の開発資金が必要になったり、又は開発中止に追い込まれたりして、当社の事業計画や経営等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、一般的に、当社パイプラインを導出した場合においても、その競合品が先行して市販され、当該パイプラインの事業性が大きく毀損されたと導出先製薬企業が判断した場合、開発スケジュールが遅延する可能性があるだけでなく、ライセンス契約そのものを解消する可能性があります。また、当社パイプラインが市販に至った場合でも、他社が当社のパイプラインより優位性のある製品を販売した場合、市場占有率が低下して、当初想定したロイヤリティ収入が得られない等により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社は、競合品の開発状況について随時検討を重ねており、将来収益予想に影響を及ぼす可能性のある競合品は現時点では少ないと判断しておりますが、今後の競合品の開発状況の変化により、将来の収益性に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (4)ライセンス活動の不確実性(事業への影響度:高、発生可能性:中) ライセンス収入の形態は、ライセンス契約締結時に発生する「契約一時金」、開発や販売の進捗に伴って発生する「マイルストン収入(臨床試験の開始や終了時又は製造販売承認申請時、販売目標等の予め定めた開発及び販売の節目(マイルストン)毎に支払われる収入)」、市販後において導出先である製薬会社が行う医薬品販売に対する「ロイヤリティ収入」などがあります。 ライセンス契約の締結においては、製薬会社から当社のパイプラインに関して評価を獲得する必要があります。その際には、当社のパイプラインの有効性及び安全性、並びに予想される対象患者数や薬価、特許存続期間、競合優位性等の事業性の観点が評価されます。従いまして、製薬会社から研究開発成果に対する十分な評価が得られない可能性、当社の研究開発の遅延や導出候補先製薬会社のパイプライン状況などにより想定どおりのタイミングで評価されない可能性、製薬会社から想定どおりの評価が得られず「契約一時金」をはじめ上記の各種収入が当社の想定する規模の金額で契約できない可能性又はライセンス契約に至らない可能性があります。 またライセンス契約締結に至っても、臨床試験を次の段階に進めるために十分な成績が得られない可能性、対象疾患の市場環境の変化、特許訴訟の発生等で当社のパイプラインの事業性が大きく毀損されたと導出先製薬企業が判断する場合は、開発スケジュールが遅延する可能性やライセンス契約自体を解消される可能性があります。また、医薬品のライセンス契約においては特許の成立国ごとで存続期間が異なる場合があるため特許権の有効期間をライセンス存続期間とする契約条件が一般的であり、ライセンス契約期間中に重要なマイルストンの達成が遅れてしまうと、当社が想定する投資金額の回収を終える前に、ライセンス期間もしくは特許期間が満了してしまうリスクがあり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (5)薬事関連法規について(事業への影響度:高、発生可能性:低) 医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法(日本では、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、別名、薬機法)及びその他の関連法規等により、様々な規制を受けております。具体的には、非臨床試験においては、医薬品の安全性試験の実施に関する基準であるGood Laboratory Practice(GLP)、原薬等の治験薬の製造においては、医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準であるGood Manufacturing Practice(GMP)に準拠した治験薬製造、そして臨床試験においては、医薬品の臨床試験の実施に関する基準であるGood Clinical Practice(GCP)を遵守することが必要であり、製造販売においては販売を行う各国で定められている薬事関連法規や法令、規制当局の承認、許可を得る必要があります。 現在、当社のパイプラインは、それぞれの法規制に適する体制を整備して事業を進めておりますが、各国の薬事法及びその他の関連法規等は改定やガイドラインの追加がなされるものであり、さらなる体制の整備・変更を求められることが起こり得ます。そうした場合において、これまで認められてきた開発方針や申請内容では薬事承認が下りなくなる、又は薬事承認の取得に想定以上の時間を要するといったリスクも否定できません。当社では、当該リスクへの対応について、適切なタイミングで各国の規制当局(日本では医薬品医療機器総合機構(PMDA))やその他の専門家に事前相談を行い、適切な助言を受けた上で計画の立案や事業の運営を行っておりますが、こうした規制への対応を適切に行えなかった場合や規制対応に多額の費用を要する事により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (6)医療費抑制策などによる医療保険制度の変化 世界の医薬品市場の主要国においては、人口の高齢化に伴う医療費の増大に対処するために、医療費抑制策が強化されております。実際に米国では2022年に米国議会において、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)が可決され、薬価上昇率がインフレ率を上回った製薬会社に対するペナルティの賦課、メディケア(米国の高齢者向け医療保険制度)受給者の自己負担額の上限設定、2026年よりメディケアの対象となる特定の医薬品に関する連邦政府への価格設定権限の付与等、メディケア・プログラムに基づく医薬品の補償条件が大幅に変更されました。また、2025年5月には、米国の処方薬価格を、選定された「同等に発展した国々」での最も低い価格に連動させる価格設定メカニズムである「最恵国待遇(MFN)」価格の導入に関する大統領令が発出されました。日本国内においても、政府は医療費の増大を抑制するため、定期的に薬価引き下げを実施しながら、後発医薬品の使用促進策の導入を進めております。そのため、今後の医療保険制度及びその他関係する制度の動向により、当社の想定する販売価格や薬価が認められず、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.事業遂行上のリスク (1)事業の特定のライセンス契約への収益依存及び不確実性(事業への影響度:高、発生可能性:中) 当社は、下記のライセンス契約を締結しており、これらを中心とした事業計画を策定しております。 ・2017年11月に、武田薬品との間で、4つのパイプラインの全世界での独占的に研究、開発、製造及び商業化する権利を獲得するライセンス契約を締結 ・2020年12月に、小野薬品との間で、全世界においてMALT1阻害薬CTX-177及びその関連化合物に関する独占的に研究、開発、製造 及び商業化する権利を供与するライセンス契約を締結、2025年4月に、戦略上の理由で臨床試験を中止する旨の通知を小野薬品より受領、ライセンス契約が終了。 このような契約は、契約条項違反が一定期間内に是正されない場合、当社の責務に依存しない要因などによって契約期間満了前に終了する可能性があります。現時点では契約終了となるような状況は発生しておりませんが、仮に本契約が終了した場合は、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 上記の武田薬品とのライセンス契約では、契約内に記載の違反条項等により契約を終了、解約された場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、上記の小野薬品とのライセンス契約が終了となったため、当社は現状、マイルストン収入が期待できるライセンス契約を有しておりません。そのため、今後、国内外の製薬企業との新しいライセンス契約を図っていきますが、ライセンス契約の締結には、当社のパイプラインに対する相手先企業の評価や経営判断等が伴うことから、当社が想定するタイミングで導出の提携ができない可能性があります。 一般的に、当社パイプラインの権利を導出するライセンス契約に基づく収益には、開発の進捗に依存したマイルストンも含まれており、開発の遅延が生じた場合や、提携先の経営方針の変更など当社が制御し得ない要因により開発を中断あるいは中止した場合、又は提携先が契約条件の履行や各種規制等の遵守をできない場合は、提携契約の解除・終了や契約条件の変更等が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社では現状のライセンス契約への依存度を低減していくために、今後、新しいパイプラインの自社研究からの創出や導入の可能性を適切なタイミングで検討していきますが、特に導入に関しては相手先企業の経営判断等が伴うことから、当社が想定するタイミングで導入の提携ができない可能性があります。 (2)小規模組織及び少数の事業推進者への依存 当社は、2025年8月末現在、取締役6名(社外取締役5名)、及び従業員20名の小規模組織であり、現在の内部管理体制は当該組織規模に応じたものとなっています。今後、事業拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針です。当社の事業活動は、当社の創業者であり代表取締役である三宅洋及び事業を推進する各部門の責任者に強く依存するところがあります。したがいまして、三宅洋及びその他の重要な役職員による職務遂行が困難となった場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、当該リスクへの対応として、社内で事前に事業継続計画(BCP)を定めており、また各部門においては有事の際に、各従業員の担当業務の引継ぎ担当を決めており、持続的に成長を続けていく体制を構築しておりますが、上記の対応策では重要な役職員の職務を完全に補完できない可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)社歴の浅さ 当社は2017年10月に設立された社歴の浅い企業です。従って、過去の業績から当社の将来の業績等を推測することは難しい状況にあります。また、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、企業としては未経験のトラブルが発生する可能性は否定できず、それへの組織としての対応能力については、一定のリスクがあります。 (4)人材の採用、育成 当社は、持続的に事業を拡大していくために不可欠な要素の一つとして、優秀な人材、特に研究開発の知識や技能を有した人材の確保及び育成を考えております。また同時に、優秀な人材の採用、育成、維持に関しては人事に関する専門家、さらには知的財産、法務などの専門家の確保も重要と捉えています。当社では、①企業理念、経営戦略についてホームページなどを通じて社内外に浸透させ、やりがいのある会社風土を醸成し、②各従業員の職務権限を明確化し、適切な権限委譲を行い、③公的資金の獲得等による知名度向上などにより、優秀な人材の育成、維持、新規採用を図るように努めておりますが、当社の想定する計画で人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材が社外に流出した場合には、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (5)知的財産権 ①当社が保有する知的財産権について(事業への影響度:高、発生可能性:低) 当社では研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に実施許諾を受けた権利となります。また、こちらの知的財産権については登録済みとなっているものと、出願・審査中のものがあります。下表に開発段階及び臨床試験段階にある当社の抗がん薬候補化合物に関する重要な特許の状況について記載します。 標的阻害薬   特許権者   特許申請番号   出願日(注) CLK阻害薬   武田薬品工業株式会社   PCT/JP2017/016717   2016年4月28日 GCN2阻害薬   武田薬品工業株式会社   PCT/JP2017/028928   2016年8月10日 CDK12阻害薬   武田薬品工業株式会社   PCT/JP2019/013531   2018年3月29日 MALT1阻害薬   武田薬品工業株式会社   PCT/JP2019/046261   2018年11月28日 MALT1阻害薬   武田薬品工業株式会社   PCT/JP2021/019911   2020年5月27日 MALT1阻害薬   当社及び小野薬品工業株式会社   PCT/JP2023/003154   2022年2月2日 CLK阻害薬   当社及び国立研究開発法人国立がん研究センター   PCT/JP2023/013361   2022年3月31日 CLK阻害薬   当社   PCT/JP2025/000724   2024年1月12日 (注)当該出願日は、基礎出願日となります。 当社が保有している現在出願中の特許が全て登録される保証はありません。また、特許が登録された場合でも、特許異議申立や特許無効審判制度により当社が保有している特許の全部又は一部の請求項が無効化され、独占性が失われる可能性があります。さらに、特許権の有効性、帰属などに係る特許権侵害訴訟の提起や特許無効審判が請求された場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。あわせて、CLK阻害薬の物質特許であるPCT/JP2017/016717については、出願時に特許明細書の一部の記載に不具合が存在したことから、外部専門家の意見も得た上で、特許事務所、ライセンス元である武田薬品と協力して対応して、これまで問題なく各国での登録が進んでいます。しかし、将来的にその不具合を根拠とした異議申立や特許無効審判が請求される可能性は否定できません。 ②知的財産に関する訴訟及びクレーム等の対応について(事業への影響度:高、発生可能性:低) 当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、出来る範囲で特許の調査を実施しており、これまでに、当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難です。また、当社が保有する特許及びライセンスを受けた特許に係る関連化合物及び製剤の開発等に関し、第三者が権利主張や異議を述べてくる可能性も否定できません。当社は、仮に法的紛争に巻き込まれた場合には、弁護士や弁理士との協議の上、その内容に応じて対策を講じていく方針でありますが、法的紛争の解決に多大な労力、時間及び費用を要する可能性があり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③職務発明及び特許出願に関する方針について 当社は、2005年4月に施行された特許法の改正に伴い、職務発明規程を作成して、発明の認定や特許出願に関する社内運用を明確化しております。特許出願においては、発明の内容、事業性などの情報を基にして知財の排他性や費用対効果などを考慮して特許出願の可否を決定しています。一方、特許出願に至らなかった発明や戦略上の理由により特許出願しないと判断した発明においては、ノウハウとして社内で留保する運用を図っています。職務発明規程は労使間の協議の上で作成したものでありますが、将来、発明者との間で発明に対する対価の支払請求等について問題が起こらない保証はなく、紛争が生じた場合には、当社の業績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は複数の大学や公的研究機関との共同研究を積極的に行っております。そのため共同研究の中から見いだされた発明に係る知的財産については、単独あるいは共同出願という形で権利化を進めています。大学や研究機関が単独で出願した権利であっても、当社に独占的な実施権が許諾されるようなライセンス契約を協議することができます。そのため、本共同研究で生じた発明や特許権については一定の排他的な実施権を確保した上で事業を進めていると認識しております。しかしながら、大学や研究機関が出願人である発明や特許権に関して、将来的に共同研究契約の内容が変更された場合、期間満了及び解除等により契約が終了された場合において、知的財産の権利の確保が出来ず、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。 当社では当該リスクに対して、大学や公的機関の研究者や知的財産担当者と適切な関係性を維持しており、また労使関係においても継続的な協力関係を築いておりますが、将来的に異議申し立てが発生する可能性や紛争が起こる可能性は否定できません。 (6)パイプライン(事業への影響度:高、発生可能性:中) 当社は、臨床開発段階に2つ、それ以前の研究段階に3つの全5パイプラインを有しています。臨床開発段階にはrogocekibとCTX-177が進んでいますが、それぞれ第1相臨床試験の途上、第1相臨床試験を開始したばかりでありどちらも開発の早期段階にあるため、今後の開発が当社の計画通りに進まない場合は、市販時期が遅れる可能性があります。さらに、各パイプラインは、前述の「Ⅰ.医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク」を伴うことに加え、それぞれに特有な業務遂行上のリスク要因が存在すると認識しています。 ①rogocekib(CLK阻害薬CTX-712) 当社と競合するCLK阻害薬を米国のベンチャー企業であるBiosplice Therapeutics社(以下、Biosplice社という。)、BlossomHills Therapeutics社(以下、BlossomHills社という。)が臨床試験を実施しております。両社が当社よりもより早く開発を進めると、rogocekibの市場占有率が下がる可能性があることに加え、両社がCLK阻害薬の安全性懸念事項や毒性所見を発表した際においては、当社のrogocekibの開発計画についても影響を受ける可能性があります。ただし、同一の化合物を開発しているわけではないため、影響は限定的であると想定しております。また両社のみならず、他の大手製薬会社がCLK阻害薬を新たに研究・開発して新たな競合が生じるリスクは潜在的に存在するものと想定しておりますので、できるだけ早くに開発を進め、競合優位性を保ちつつ市販され、市場占有率を高く維持し、適応がん種を拡大していく事が課題であると考えています。 また、臨床試験において、rogocekibの投与と因果関係が否定できない3件の死亡例が発生しています。いずれも、規制当局に報告を行い、より安全に治験を実施するため治験実施計画書を改訂した上で試験を継続しており、現時点では、本パイプラインの開発の継続は可能と考えていますが、今後、重篤な副作用(特に死亡例)が続き、重篤な副作用発生のリスクを低減できない場合においては、本パイプラインの開発を中止する可能性があります。 ②CTX-177(MALT1阻害薬) CTX-177においては、血液がんの研究開発に強みを持つAbbVie社、さらにはSchrodinger社がMALT1阻害薬の臨床試験を実施しております。またNovartis社等でも同一標的に対する研究を報告しているため競合環境が激しいと言えます。当社では、早期にCTX-177の権利を再導出し、臨床試験を再開できるように事業開発活動に鋭意取り組んでまいりますが、再導出には時間がかかる可能性があります。その場合はCTX-177の開発が遅れることになり、競合優位性が低下する可能性があります。 ③CTX-439(CDK12阻害薬) 当社と競合するCDK12阻害薬を米国の創薬ベンチャー企業であるCarrick Therapeutics社が臨床試験を2024年9月に開始しており、またInsilico Medicine社等の会社も非臨床試験を実施しております。競合他社が当社よりも早く開発を進めると、CTX-439の市場占有率が下がる可能性があることに加え、CDK12阻害薬の安全性懸念事項や毒性所見が発表された際においては、当社のCDK12阻害薬の開発計画についても影響を受ける可能性があります。ただし、同一の化合物を開発しているわけではないため、影響は限定的であると想定しております。できるだけ早くに開発を進め、競合優位性を保ちつつ市販され、市場占有率を高く維持していく事が課題であると考えています。 ④GCN2阻害薬 当社のGCN2阻害薬パイプラインについては探索研究段階にあり、非臨床の安全性、製造上の懸念等で医薬品の研究開発における遅延や中断のリスクが存在するため、想定し得ない原因により開発が遅延したり、開発自体を中断しなければならない可能性も否定できません。HiberCell社、Nuvectis社及びDeciphera社がGCN2活性調節薬を、Nerviano Medical Sciences社及びApollo Therapeutics社がGCN2阻害薬の臨床試験を実施しており、加えてMerck KGaA社やRAPT Therapeutics社等が非臨床研究の報告をしております。競合他社が当社よりもより早く開発を進めると、当社のGCN2阻害薬の市場占有率が下がる可能性があることに加え、GCN2阻害薬の安全性懸念事項や毒性所見が発表された際には、当社のGCN2阻害薬の開発計画についても影響を受ける可能性があります。ただし、同一の化合物を開発しているわけではないため、影響は限定的であると想定しております。できるだけ早くに開発を進め、競合優位性を保ちつつ市販され、市場占有率を高く維持していく事が課題であると考えています。 ⑤新規の標的分子阻害薬 当社のRNA制御ストレスを標的とした新規の標的分子阻害薬については、化合物の最適化検討を行っている段階であります。現時点で競合品の開発情報はございませんが、当社のrogocekibが臨床での有用性を証明した際には多くの製薬会社がRNA制御ストレスの創薬研究に参入する可能性があり、競合環境がさらに激しくなる可能性があります。また、本標的分子の阻害薬においては、非臨床試験で安全性の確保、十分な有用性、医薬品に必要な化合物の物性を保つことができないリスクも否定できず、当社が想定している計画通りに研究開発が進まない可能性があり、当社の業績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (7)外部委託先との連携について 当社は、経営の機動性・効率性の観点、経費の低減や高い専門性が必要な分野における協業などの観点から、以下の業務の一部を専門機関に委託しております。 ・薬効薬理試験、化合物の最適化と合成研究 ・薬物動態や毒性試験等の非臨床試験 ・原薬や製剤の製造・評価試験 ・臨床試験の実施、そのモニタリング、データマネジメント、統計解析など 当社は、業務委託先の選定及び関係構築について慎重に対応しており、業務に支障が生じないようリスク管理を十分に行っております。しかしながら、不測の理由により、業務委託先との契約が終了した場合、当社にとって不利な契約改定が行われた場合、業務委託先で業務遂行に支障が生じた場合には、当社の事業活動計画に大きな変更が生じる可能性があり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、代替委託先を複数確保するように努めておりますが、適切なタイミングで委託契約を締結できるかの不確実性があり、また、これまでと同等の品質のサービスを受けられるとは限らないため、代替委託先での切り替えには時間とリスク、追加費用が発生する可能性が存在します。 (8)重要な契約等(事業への影響度:高、発生可能性:低) 当社の重要な契約等は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載の通りです。事業環境の変化、契約の相手方の方針の変更その他、不測の理由で契約が終了したり、契約の履行に支障が生じたりした場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (9)研究施設等における事故等の発生について 当社は、湘南ヘルスイノベーションパーク内に研究施設を賃借して研究活動を行っております。同施設は多数の他社がテナントとして入居して共同利用することができるオープンラボスペースですが、設備の一部で当社の専有スペースを借りております。オープンラボスペースの特性上、他社が専有スペースにも出入りできる設備デザインとなっておりますが、湘南ヘルスイノベーションパークでは厳格な利用規則や使用ルール、毎日の巡回、入退場記録や防犯カメラ、3つのセキュリティレベルのICカード等が設置されており、また当社の専有機器には施錠等の対策をすることで盗難や事故が起こりにくい体制となっております。しかしながら、オープンラボのため何らかの原因により火災や環境汚染漏洩事故などが発生した場合、研究開発活動の中断、停止、又は、損害賠償などの重大な損失を招く可能性があり、その場合には当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 さらに、地震や水害などの自然災害やその他避けることの困難な事態の発生により、研究設備・インフラが支障をきたし、研究施設等が稼働できない状況、従業員などが出社できない状況など、一時的又は長期的に業務が停止せざるを得ない状況が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (10)ITセキュリティ及び情報管理について(事業への影響度:高、発生可能性:中) 当社は、湘南ヘルスイノベーションパーク内に本社機能を設けております。同施設は多数の他社がテナントとして入居して共同利用することができるオープン施設ですが、設備の一部に他社が入室できない当社専有の執務用スペースを借りております。そのため、重要な業務や秘匿情報については専有の執務用スペースで業務を行っており、重要な書類についても専有の執務用スペースの施錠可能なロッカーで情報管理を行っております。しかしながら、第三者による意図的な行為により当社の重要情報の漏洩が発生する可能性があります。 また、ITセキュリティ及び情報管理については、情報セキュリティ管理規程、個人情報取扱規程、特定個人情報保護規程、IT機器管理マニュアルなどの規程やマニュアルを整備して、ITセキュリティ及び情報管理の体制を構築していますが、役職員や外部委託先の不注意又は故意の行為、又は第三者による意図的なサイバー攻撃などにより、当社のシステムの停止、中断、秘密情報や個人情報の漏洩が発生する可能性があります。当社では当該リスクに対して、できる限りリスクを低減するべく規程やマニュアルの改訂・更新を行うとともに、外部専門家への委託を通じてセキュリティの強化に努めております。しかしながら、万が一当社の研究又は開発段階の情報や技術、ノウハウ等の重要な機密情報が流出した場合には、当社の研究開発活動への悪影響、個人情報や知的財産などにかかる重大な機密情報の流出、漏洩により権利の毀損や社会的信用低下を招き、当社の業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)コンプライアンスについて 当社の業務遂行にあたっては、各国の薬事法上の規制、製造物責任法、環境に関する規制などの各種法令の規制適用を受けております。当社では、全社において事業活動が法令に遵守して実施されるように内部監査規程、コンプライアンス管理規程、監査等委員会規程、ハラスメント防止規程、ハラスメント相談に関する対処規程、研究活動上の不正行為の防止規程、公的資金等管理規程を整備して、また定期的に監査を通じて運用状況を検証しておりますが、役職員や外部委託先の第三者が法令等に違反した場合や仮に法令違反に該当しなくとも社会的に不適切とみなされる行為に及んだ場合には、法令による処分、処罰などの制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、当社の社会的信頼が毀損するだけでなく、金銭的損害を被ることにより、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (12)災害、感染症等の発生に関する不可抗力について 当社は、事業活動の中心となる設備や人員が東京都と神奈川県に集中しています。また研究や製造の委託先及び臨床試験においては国内外の企業や施設に委託しています。そのため、これらの地域において地震や大規模な災害、世界的な感染症などが発生した場合には、設備等の一部又は全部が損壊などの影響を受けることで、研究開発の遅延や停滞、又は事業を中断せざるを得なくなる場合があります。そのような不可抗力により当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (13)風評上の問題発生について 当社は、研究開発における安全性の管理、法令遵守、個人情報の管理、知的財産権の管理などに努めており、現時点において、第三者から何らかの請求や主張を受けている事実はありません。しかしながら、当社に対してマスコミ報道やインターネット上での書き込みなどで、事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社では、主にホームページ上で適時に適切な開示を行う事で、こうした風評の発生の予防に努めております。 (14)新型コロナウイルス感染症拡大について 現在、新型コロナウイルスの感染状況は比較的落ち着いており、社会・経済活動は概ね通常通りに行われています。しかしながら、今後同感染症が再度拡大し、政府等による移動制限や外出自粛要請等が発令された場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.業績等に関するリスク (1)配当政策について 医薬品の研究開発には多額の先行投資が必要であり、その投資回収までの期間も長期に及ぶ傾向にあります。当社も創業以来、繰越利益剰余金がマイナスとなっており、株主に対する余剰金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営の成績や財務状況を勘案しつつ余剰金の分配を検討する予定であります。しかしながら、剰余金がマイナスとなっている状況下においては、積極的な投資による開発推進によって企業価値を高めることこそが、株主利益の最大化に繋がると考えています。2025年8月期においては、配当可能な財政状態にはありませんが、将来、現在開発中の新薬が市販され、その販売によって当期純利益が継続的に計上される時期において、配当による利益還元の実施を検討したいと考えております。 ①マイナスの繰越利益剰余金 当社は、医薬品の研究開発を行う創薬バイオベンチャー企業です。医薬品の研究開発には多額の先行投資を要し、その投資資金の回収にかかる期間も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、創薬バイオベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあり、当社においても繰越利益剰余金は、2025年8月期末時点で、△7,507百万円とマイナスが先行しております 当社はパイプラインの進捗に邁進し、製品市販後に利益計上及び利益拡大を目指していますが、開発が計画通りに進捗しない場合には、将来において当期純利益を計上する時期が遅延する可能性があります。また、計画通りに当期純利益を計上できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期も遅延し、株主に配当を実施する時期が遅れる可能性があります。 ②収益が大きく変動する傾向 当社の事業収益は、当面は、今後締結する可能性のあるパイプラインに対するライセンス契約等に基づく契約一時金、開発や販売の進捗に伴うマイルストン収入及びロイヤリティ収入に依存しているため、過年度の事業収益、当期純利益(損失)は不安定に推移する傾向があります。そのため、当社のパイプラインが市販され安定的な収益基盤が確立するまで、収益の変動は続くと見込まれます。また、2023年8月期においては、小野薬品から25億円のマイルストン収入を受領したため、黒字となりましたが、2024年8月期及び2025年8月期は赤字を計上しており、当社のパイプラインが市販され安定的な収益基盤が確立するまで、収益の変動は継続する見込みです。 (2)資本政策について 当社は、研究開発費用の負担により長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があります。当社においても、営業キャッシュ・フローは、当事業年度は△1,836百万円とマイナスとなり、翌期以降もマイナスが継続することを見込んでおります。このため、当社製品が市販され、安定的な収益源が確保されるまでの期間においては、必要に応じて追加の資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る必要性が生じます。臨床戦略、ライセンス活動が想定通りに進まず、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、手元資金が枯渇し、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 ①新株発行を伴う資金調達による株式の希薄化リスク 当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資等の新株発行を伴う資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ②新株予約権の発行に伴う株式の希薄化リスク 当社は、当社役職員の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、監査等委員である取締役、従業員に対して新株予約権の発行と付与を行っています。 2025年8月末時点における当社の発行済株式総数は68,988,800株、新株予約権による潜在株式数は5,727,000株(発行済株式総数と潜在株式数を合計した株式数に対する割合7.7%)であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、新株予約権の発行と付与を継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 ③ベンチャーキャピタル等の当社株式保有比率 2025年8月末時点における当社の発行済株式のうち、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下総称して「VC」)が所有している株式の所有割合は38.6%です。 一般に、VCは投資ファンドの運用期間終了に伴い、保有株式の現金化を図ることが多く、当社の株式についても、今後の市場環境やファンドの償還時期等に応じて、VCによる一部または全部の売却が行われる可能性があります。これにより、短期的な需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格が下落する可能性があります。 (3)調達資金が業績に反映されないリスクについて 当社は、上場時に調達した資金について、抗がん薬候補化合物rogocekibによる再発・難治性血液がんを対象とした臨床第1/2相試験の実施費用等に充当しております。一方で、現在発行中の新株予約権により調達を見込む資金については、同試験の拡大コホートの実施費用および薬物相互作用の検討に係る費用に充当する計画です。しかしながら、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要するため、研究開発投資から期待した想定の期間で成果が得られない場合があり、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。 また、当社が携わる抗がん薬の研究開発の領域において、外部環境が急速に変化する可能性があります。そのため、新薬の市販の動向、法令等の改正、当社の臨床試験の進捗状況によっては、上記の資金使途以外の事象に資金を充当する可能性があります。 (4)資金繰りに関するリスクについて 当社は、当面の研究開発活動は、リードパイプラインであるrogocekibの米国1/2相試験に注力する見込みであり、そのための資金は上場時に調達した資金及び現在実施中の新株予約権の発行により調達する資金で確保できる見込みです。また、他の自社パイプラインについては、新たな資金を確保するまで多額の投資は行わず、新たなフェーズへの進捗はない予定です。現在、リードパイプラインであるrogocekibについて今後想定するタイミングでの導出を目指すと共に、既存パイプラインの早期導出、その他新たな資金調達手段に係る検討を進めていますが、導出については先方との交渉次第であるという点で不確実性がある高いと考えています。仮に今後、上記手段による新たな資金を確保出来ない場合には、rogocekib以外の研究開発が進められないなど、事業継続に支障が生じる可能性があります。 (5)為替変動リスクについて 医薬品の研究開発においては海外の委託先も使用しており、外貨建の取引を行っていること等、当社の取引には、為替変動リスクにさらされているものが存在します。そのため、当社の想定以上に為替相場の変動が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)継続企業の前提に関する重要事象等 当社は、新規抗がん薬の市販を目指して研究開発を行う創薬ベンチャー企業です。創薬事業は、高度な専門性と多額の資金を要する一方で、収益化までに長期間を要する事業特性を有しております。このため、継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上、重要な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。 このような状況を踏まえ、当社は最も期待するパイプラインであるrogocekibに経営資源を集中させ、開発の迅速化を図っております。その他のパイプラインについては、引き続きコストを抑制しながら、他社との事業連携を含めて戦略的に検討を行う方針です。 当事業年度末時点において、現金及び預金残高は2,548百万円を保有しており、今後1年間の事業活動を継続するために必要な資金は確保できております。また、rogocekibの将来の開発資金を確保するために、2025年9月には第三者割当による第9回新株予約権(行使価額修正条項付)、第10回新株予約権及び第11回新株予約権の発行を行っております。これにより、将来的な資金需要に対しても柔軟に対応可能な体制を維持しております。 以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。
経営成績の分析 (MD&A)3,826字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当事業年度における当社の業績としてのパイプラインの開発進捗は以下の通りとなりました。 当社が注力する抗がん薬、ファーストインクラス新薬の承認状況については、FDAが2024年に承認した50品目のうち、それぞれ24品目、13品目でありました。また、そのうちのおよそ半数のモダリティが低分子医薬品であり、ファーストインクラスの低分子抗がん薬の開発が引き続き活発に行われている状況と認識しており、当社パイプラインに対する大手製薬会社からのニーズも引き続き高いものと想定しております。 このような環境の中で、当社は、rogocekibを中心とした5つのパイプラインの研究開発を進めております。当事業年度における主なパイプラインの進捗は以下のとおりです。 <rogocekib> rogocekibは、細胞増殖に重要な役割を果たすRNAスプライシング反応の主要な制御因子であるCLKに対するファーストインクラスの選択的な経口型の低分子阻害薬です。FDAからAML適応でのオーファンドラッグ指定(Orphan Drug Designation(ODD):希少疾病用医薬品指定)を受けています。2018年に開始した単剤での日本国内第1相臨床試験では、進行・再発又は難治性となった46例の固形がん及び14例の血液がん、合計で60例の患者に投与を行いました。rogocekibに関連する有害事象として、吐き気、嘔吐、下痢等が認められましたが、治験医師が参加する安全性評価委員会において、本剤の安全性に関する評価結果は許容範囲内であると考えられました。rogocekibの有効性に関しては、固形がんにおいて4例のPR(partial response:部分奏効)を認め、それらは全て卵巣がんでした。46例の固形がんのうち卵巣がん患者は14例であったため、卵巣がんでの奏効率としては14例中4例、28.6%でした。また、AMLとMDSの計14例においては、4例のCR(complete remission:完全寛解)を含む6例の奏功を認め、奏効率は42.9%でした。この試験結果は、卵巣がん及び血液がんにおいてrogocekibが有効である可能性を示しています。現在は、2023年に米国において開始した再発又は難治性のAML及びMDSの患者を対象にした第1/2相臨床試験の第1相パートを進めており、2025年8月末時点では合計36症例が登録されています。今後、2026年の早い時期に拡大コホートを開始する予定です。 <MALT1阻害薬CTX-177> MALT1阻害薬CTX-177については、2020年に小野薬品とライセンス契約を締結し、小野薬品によって米国及び日本において第1相臨床試験が実施されていましたが、2025年4月28日に、戦略上の理由で臨床試験を中止する旨の通知を小野薬品より受領しました。小野薬品とのライセンス契約が終了しましたので、今後は当社が、全世界での独占的な研究、開発、製造及び商業化する権利を保有します。現在、小野薬品と進行中の試験の取り扱い、これまでに得られたデータの移管、知的財産の取り扱い等に関する協議を進めております。今後、再導出に向けた事業開発活動を積極的に行なってまいります。 <前臨床パイプライン> 前臨床段階にあるCDK12阻害薬CTX-439、GCN2阻害薬と5番目のパイプライン(標的名非公開)は、AMED等からの助成金を活用した自社研究を進めており、CTX-439やGCN2阻害薬の研究成果は、2025年4月25日から30日まで米国シカゴで開催された米国癌学会年次総会で発表いたしました。当社は、最も開発が進んでいるrogocekibにより一層注力して、開発をさらに迅速に進め薬事承認を獲得することが企業価値の向上に資すると考えており、rogocekibに社内リソースを集中させている状況ですので、CTX-439とGCN2阻害薬に関しては早期のパートナリングも含めた幅広い可能性の検討も前向きに行っております。また、パイプラインの価値を大きくするために、がん以外の疾患領域での可能性も共同研究等を通じて探っています。2025年7月には株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所と、2025年8月には千寿製薬株式会社と、それぞれ異なる当社化合物の眼科疾患治療薬としての可能性を探る共同研究を開始しています。 以上の結果、当事業年度の事業収益は該当ありませんでした(前事業年度は該当なし)。事業費用につきましては、研究開発費が1,425百万円(前事業年度比で5.0%減少)、販売費及び一般管理費が364百万円(前事業年度比で20.8%増加)となりました。この結果、営業損失は1,789百万円(前事業年度は営業損失1,801百万円)、経常損失は1,769百万円(前事業年度は経常損失1,824百万円)、当期純損失は1,785百万円(前事業年度は当期純損失1,827百万円)となりました。 なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。 ②財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における資産合計は2,681百万円となり、前事業年度末と比較して1,951百万円減少しました。このうち、流動資産の残高は2,669百万円となり、前事業年度末と比較して1,936百万円減少しました。これは主として、現金及び預金が1,780百万円減少したことによるものであります。また、固定資産の残高は12百万円となり、前事業年度末と比較して14百万円減少しました。これは主として、長期前払費用が11百万円減少したことによるものであります。 (負債) 当事業年度末における負債合計は244百万円となり、前事業年度末と比較して226百万円減少しました。このうち、流動負債の残高は244百万円となり、前事業年度末と比較して226百万円減少しました。これは主として、未払金が262百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は該当ありません。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は2,437百万円となり、前事業年度末と比較して1,724百万円減少しました。これは主として、資本金及び資本剰余金がそれぞれ31百万円増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が1,785百万円減少したことによるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,548百万円となり、前事業年度末から1,780百万円減少しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果使用した資金は1,836百万円(前事業年度使用した資金は1,937百万円)となりました。これは主として、税引前当期純損失1,783百万円の計上によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は5百万円(前事業年度使用した資金は10百万円)と少額の発生にとどまりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は61百万円(前事業年度獲得した資金は1,478百万円)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入61百万円があったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 該当事項はありません。 b.受注実績 該当事項はありません。 c.販売実績 該当事項はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の財政状態は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。経営成績の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の運転資金については、自己資金により充当しています。当事業年度末における現金及び現金同等物は2,548百万円であり、充分な流動性を確保しています。 キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、重要なものはありません。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。