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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

デ・ウエスタン・セラピテクス研究所

D.Western Therapeutics Institute, Inc.4576 · Growth · 医薬品

プロテインキナーゼ阻害剤を軸に、眼科研発に強みを持つ創薬ベンチャー。開発品を早期に製薬企業へ導出するビジネスモデル。

概要

デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、1999年に愛知県名古屋市で設立された創薬ベンチャーである。プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした医薬品の研究開発を手掛け、開発品を製薬会社にライセンスアウトすることで収益を得ている。2025年12月期の売上高は3億87百万円、従業員数は19名。東京証券取引所グロース市場に上場している。

創薬事業のビジネスモデル

当社グループは、自社で新薬候補化合物を研究開発し、比較的早期の段階で製薬企業にライセンスアウトするビジネスモデルを採用する。収益は主に契約一時金(フロントマネー)、開発進捗に応じたマイルストーン収入、製品上市後のロイヤリティ収入から構成される。2025年12月期の売上高3億87百万円のうち、84.4%をDutch Ophthalmic Research Center International B.V.からのロイヤリティが占めた。このモデルにより、大規模な自社販売網を持たずとも低コストで多品目の開発を進めることが可能となる。一方で、開発の遅延や中止リスクが収益変動に直結する構造でもある。

眼科領域への特化とパイプライン

当社の開発パイプラインは眼科疾患に集中している。主力品は緑内障・高眼圧症治療剤「グラアルファⓇ配合点眼液」(一般名:リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩)で、2022年に日本で上市され、アジア地域にも展開された。また、フックス角膜内皮変性症を対象とする「K-321」は米国・欧州でグローバル第Ⅲ相臨床試験中である。眼科手術補助剤では「ILM-BlueⓇ」「TissueBlue™」など内境界膜染色剤を欧米で販売し、日本ではわかもと製薬と共同開発を進める。さらに再生医療用細胞製品「DWR-2206」の臨床試験も行っており、眼科領域に特化したバイオベンチャーとしての地位を確立している。

財務状況と研究開発投資

創薬ベンチャー特有の長期・高リスクな事業構造から、当社は設立以来多くの期で営業損失を計上している。2025年12月期は営業損失6億19百万円、純損失6億32百万円と赤字が継続した。売上高は年4億円前後で推移するが、研究開発費(同期は6億69百万円)が売上高を上回るためである。一方、新株予約権の行使による資金調達で現金及び預金が17億9百万円と潤沢であり、自己資本比率は66.1%と財務基盤は維持されている。経営指標として一般的な利益目標ではなく、開発パイプラインの進捗を重視する方針を掲げている。

業界の中での役割は創薬研究開発型のバイオベンチャー(ライセンサー)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
4億円
営業利益
-6億円
営業利益率
-150.0%
純利益
-6億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01製薬業界(ライセンスアウト先)主力

自社開発した医薬品候補を国内外の製薬会社にライセンスアウトし、契約一時金、マイルストーン、ロイヤリティ収入を得る。眼科領域に強み。

独自技術ドラッグ・ウエスタン法による標的タンパク質同定

主要顧客興和、わかもと製薬、DORC、ロート製薬、メドレックス、アクチュアライズ

主な製品・サービス4
グラアルファ®配合点眼液
リパスジル塩酸塩とブリモニジン酒石酸塩を配合した世界初の配合点眼剤。緑内障・高眼圧症治療薬として国内上市。
ILM-Blue® / TissueBlue™
ブリリアントブルーGを主成分とする眼科手術補助剤。硝子体手術時に内境界膜を染色する。
MembraneBlue-Dual®
ブリリアントブルーGとトリパンブルーの配合染色剤。内境界膜・網膜上膜等の染色用。
DW-5LBT (Bondlido)
イオン液体技術を用いたリドカインテープ剤。帯状疱疹後神経疼痛の治療薬。

製品と技術

リパスジル塩酸塩水和物を基盤とする緑内障治療薬

当社の創製したリパスジル塩酸塩水和物(開発コードK-115)は、Rhoキナーゼ(ROCK)を選択的に阻害する低分子化合物である。この化合物を有効成分とする「グラナテックⓇ点眼液0.4%」は2014年に日本で上市され、2022年にはブリモニジン酒石酸塩との配合剤「グラアルファⓇ配合点眼液」が国内で販売開始された。配合剤は世界初のROCK阻害剤とα2作動薬の組み合わせであり、緑内障・高眼圧症の治療選択肢を拡大した。現在は適応拡大としてフックス角膜内皮変性症への応用が進められ、K-321としてグローバル第Ⅲ相臨床試験が実施されている。

眼科手術補助剤(BBG250製品群)

九州大学の研究グループが発見した色素Brilliant Blue G-250(BBG250)を主成分とする眼科手術補助剤は、内境界膜や水晶体前嚢を染色することで硝子体手術や白内障手術の安全性と確実性を高める。当社は2017年に本事業を譲り受け、DW-1002として開発。欧米ではDORC社が「ILM-BlueⓇ」「TissueBlue™」「MembraneBlue-DualⓇ」の製品名で販売し、日本ではわかもと製薬が製造販売承認取得を目指している。2025年12月に特許が満了したため、米国以外のロイヤリティは終了したが、配合剤の米国承認申請準備や日本での臨床試験が継続中である。

新規モダリティへの挑戦:再生医療と経皮吸収製剤

当社は低分子医薬品に加え、再生医療用細胞製品と経皮吸収製剤の開発にも取り組んでいる。DWR-2206は、培養ヒト角膜内皮細胞とROCK阻害剤を含む懸濁液を前房内に注入し、水疱性角膜症の治療を目指す再生医療製品である。2024年に国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、2025年11月に観察期間が終了、視力改善が示唆された。一方、DW-5LBT(Bondlido)はメドレックスのイオン液体経皮吸収技術(ILTS)を利用したリドカインテープ剤で、帯状疱疹後の神経疼痛を対象に2025年9月に米国承認を取得した。異なるモダリティへの挑戦はリスク分散と事業領域拡大の双方に寄与している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 製薬業界(ライセンスアウト先)独自技術ドラッグ・ウエスタン法による標的タンパク質同定

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

創薬ベンチャー、売上小規模で赤字継続

売上高は5億円未満の極小規模で、営業赤字が継続している。同業のVeritas In SilicoやChordia Therapeuticsも同様に開発段階だが、当社は具体的なパイプライン開示が乏しく、収益化の見通しが不透明。ジーエヌアイグループは後期開発に進んでおり、相対的に先行。資金調達力や提携実績が今後の生存に直結する。

強み

  • 創薬プラットフォームを有するが、具体的な成果や導出実績は未確認。
  • 小規模組織のため意思決定が速く、研究開発の方向転換が容易。
  • 上場企業として認知度はあるが、医薬品業界内では低い。
  • 売上規模が小さく固定費も低いが、研究開発費負担は継続。

課題

  • 売上高5億円未満で、収益基盤が脆弱。事業継続に資金調達が不可欠。
  • 直近期赤字幅は売上比で大きく、キャッシュフローがマイナスの可能性。
  • 具体的な開発ステージや提携情報が少なく、将来性の評価が困難。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がデ・ウエスタン・セラピテクス研究所

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14583カイオム・バイオサイエンス55億円
24892サイフューズ54億円
34891ティムス49億円
4190AChordia Therapeutics48億円
54591リボミック48億円
64576デ・ウエスタン・セラピテクス研究所47億円
74582シンバイオ製薬37億円
84885室町ケミカル37億円22.6倍
94586メドレックス36億円
104884クリングルファーマ31億円
114883モダリス29億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 27件

創業期からライセンス契約の開始まで(1999〜2002年)

1999年2月、医薬品研究開発を目的として有限会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所が愛知県名古屋市に設立された。資本金は5,000千円。創業から3年後の2002年9月、興和株式会社と閉塞性動脈硬化症治療薬K-134および緑内障・高眼圧症治療薬K-115の開発契約・実施契約を締結した。この契約は当社にとって初の本格的なライセンスアウトであり、以降のビジネスモデルの原型となった。2004年には株式会社へ組織変更し、資本金を10,000千円に増資した。

上場と初期の製品化(2006〜2014年)

2006年12月、国立大学法人三重大学と産学官連携講座共同研究契約を締結し、同大学内に「臨床創薬研究学講座」を開設した。この連携は当社の研究基盤強化に寄与した。2009年10月、ジャスダック証券取引所NEO(現・東京証券取引所グロース市場)に株式上場。2013年3月にはわかもと製薬株式会社とH-1129に関するライセンス契約を結び、同年10月にK-115の国内製造販売承認申請を行った。2014年12月、グラナテックⓇ点眼液0.4%(一般名:リパスジル塩酸塩水和物)が緑内障・高眼圧症治療薬として国内上市された。

パイプライン拡充と海外展開(2015〜2020年)

2015年6月、英国企業から眼科用治療剤DW-1001の日本における独占的実施権を導入した。同年11月には日本革新創薬株式会社を連結子会社化し、グループ体制を強化した。2017年4月、BBG250を含有する眼科手術補助剤の事業を譲り受け、DW-1002として開発を開始。2018年3月、自社開発品H-1337の米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験を開始した。2020年4月にはDW-1002(製品名TissueBlue™)が米国で上市され、同年8月には帯状疱疹後の神経疼痛治療薬DW-5LBTの米国承認申請を行った。この時期、ライセンス先の多様化と海外市場への進出が進んだ。

配合剤上市とグローバル臨床試験の本格化(2021〜2023年)

2021年11月、リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩の配合剤K-232の国内製造販売承認申請を行い、2022年12月に「グラアルファⓇ配合点眼液」として上市された。これは世界初の組み合わせによる緑内障配合点眼剤である。2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行。同年8月、K-321の米国第Ⅲ相臨床試験を開始し、2023年3月にはグローバル第Ⅲ相試験へ拡大した。2022年6月にはアクチュアライズ株式会社と再生医療用細胞製品DWR-2206の共同開発契約を締結し、再生医療領域に参入した。

承認取得と新たな開発ステージ(2024〜2025年)

2024年3月、DWR-2206の国内第Ⅱ相臨床試験が開始された。2025年9月、メドレックスと共同開発した帯状疱疹後の神経疼痛治療薬DW-5LBT(商品名Bondlido)が米国で承認を取得した。これにより当社は初の承認品目を自社ライセンスプログラムから得た。一方、同年12月にはILM-Blue、TissueBlueなどの眼科手術補助剤に関する米国以外の特許が満了し、該当地域のロイヤリティ収入が終了した。売上高は過去最高水準となった2024年から減少に転じている。

年表27件を開く

1990年代

  • 1999年2月創業医薬品研究開発を目的とした、有限会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所を愛知県名古屋市に設立(資本金5,000千円)

2000年代

  • 2002年9月興和株式会社とK-134(閉塞性動脈硬化症)の開発及び実施契約、K-115(緑内障・高眼圧症)の開発及び実施契約を締結
  • 2004年11月有限会社より株式会社へ組織変更(資本金10,000千円)
  • 2006年12月国立大学法人三重大学と産学官連携講座共同研究契約を締結し、同大学内に「臨床創薬研究学講座」を開設
  • 2009年10月上場ジャスダック証券取引所NEO(現 東京証券取引所 グロース市場)に株式上場

2010年代

  • 2013年3月わかもと製薬株式会社と日本におけるH-1129(緑内障・高眼圧症)の独占的実施権を許諾するライセンス契約を締結
  • 2013年10月K-115(緑内障・高眼圧症)の国内製造販売承認申請
  • 2014年12月グラナテック ® 点眼液0.4%(開発コード:K-115、一般名:リパスジル塩酸塩水和物)(緑内障・高眼圧症)の国内上市
  • 2015年6月眼科用治療剤の日本における独占的実施権を取得する導入契約を締結(開発コード:DW-1001)
  • 2015年11月M&A日本革新創薬株式会社を連結子会社化
  • 2017年4月BBG250を含有する眼科手術補助剤にかかる事業の譲受(開発コード:DW-1002)
  • 2018年3月H-1337(緑内障・高眼圧症)の米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験開始
  • 2019年8月リパスジル塩酸塩水和物(フックス角膜内皮変性症)の米国第Ⅱ相臨床試験のIND申請(治験許可申請)(開発コード:K-321)
  • 2019年9月H-1129(緑内障・高眼圧症)の開発中止
  • 2019年12月ロート製薬株式会社とDW-1001の日本における独占的実施権を許諾するライセンス契約を締結

2020年代

  • 2020年2月緑内障治療剤の配合剤(リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩)の国内第Ⅲ相臨床試験開始(開発コード:K-232)
  • 2020年4月DW-1002(製品名:TissueBlue™)(内境界膜染色)の米国上市
  • 2020年8月DW-5LBT(帯状疱疹後の神経疼痛)の米国承認申請
  • 2021年11月K-232(緑内障・高眼圧症)の国内製造販売承認申請
  • 2022年3月DW-1001の国内第Ⅰ相臨床試験開始
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所JASDAQ(グロース)からグロース市場に移行
  • 2022年6月アクチュアライズ株式会社と再生医療用細胞製品DWR-2206(水疱性角膜症)の共同開発契約締結
  • 2022年8月K-321(フックス角膜内皮変性症)の米国第Ⅲ相臨床試験開始
  • 2022年12月グラアルファ ® 配合点眼液(開発コード:K-232)(緑内障・高眼圧症)の国内上市 H-1337(緑内障・高眼圧症)の米国後期第Ⅱ相臨床試験開始
  • 2023年3月K-321(フックス角膜内皮変性症)のグローバル第Ⅲ相臨床試験開始
  • 2024年3月DWR-2206(水疱性角膜症)の国内第Ⅱ相臨床試験開始
  • 2025年9月DW-5LBT(帯状疱疹後の神経疼痛)の米国承認取得

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    研究開発型へのシフトとパイプライン拡充

    自社技術に加え他社からのインライセンスを積極的に進め、開発パイプラインを拡充する。ライセンスアウトによるフロントマネー、マイルストーン、ロイヤリティ収入の最大化を目指す。

  2. 02

    複数の開発パイプラインの保有と推進

    基礎研究による新薬候補の発見と、大学や企業からのインライセンス活動を積極的に行い、様々な開発ステージのパイプラインを保有する。既存パイプラインの臨床試験を順調に推進する。

  3. 03

    事業領域の拡大と自社開発の強化

    財務状況を踏まえつつ、早期のライセンスアウトではなく非臨床試験以降の自社開発を進め、ライセンスアウト時の収益性を向上させ企業価値を高める。

  4. 04

    基盤技術の応用と提携推進

    独自のプロテインキナーゼ阻害剤創製技術を強みとし、その技術を活かした他社との提携や適応拡大を進め、新薬候補品のポテンシャルを最大限に活かす。

  5. 05

    財務基盤の充実

    付加価値の高い収益構造を目指し、開発パイプラインのステージアップや拡充のために、必要に応じて金融・資本市場からの資金調達を実施する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で19人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は667万円で、9期前と比べて+35.3%平均年齢は50.8歳、平均勤続年数は10.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月16
2017年12月15
2018年12月17
2019年12月49341.410.017
2020年12月48341.511.215
2021年12月57343.410.119
2022年12月61046.410.420
2023年12月67650.610.621
2024年12月66850.811.121−5,714
2025年12月66750.810.319−3,158

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
開発研究所 — 三重県津市7百万円
本社 — 名古屋市中区6百万円
主な関係会社
  • 国内
    日本革新創薬株式会社(注)1、2
    名古屋市中区
    議決権77.9%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は4億円営業利益-6億円前期と比べると減収で、売上が-20.0%。

売上高
-20.0%
4億円
営業利益
-6億円
純利益
-6億円
営業利益率
-150.0%
前期比 +90.0%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高3億円4億円
営業利益-8億円-6億円
純利益-8億円-6億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は0億円、営業利益は−3億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は−100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q1−1−100.0−1
2023年2Q1−2−200.0−1
2023年3Q1−2−200.0−2
2023年4Q1−4
2024年1Q1−3−300.0−3
2024年2Q1−1−100.0−2
2024年4Q3−8−266.7−8
2025年2Q2−3−150.0−3
2025年4Q2−3−150.0−3
2026年2Q0−3−3

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は1億円から4億円へ4.0倍に増えた。直近期の営業利益率は-150.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2012年12月1−3−3
2013年12月1−2−2
2014年12月1−2−2
日本革新創薬株式会社を連結子会社化
2015年12月1−3−3
2016年12月2−3−3
2017年12月3−7−16
2018年12月3−8−7
2019年12月611
2020年12月4−3−3
2021年12月4−2−1
2022年12月4−3−4
2023年12月4−8−8
2024年12月5−12−12−240.0−13
2025年12月4−6−6−150.0−6

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高4億円のうち、営業利益として残るのは-6億円-150.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-6億円、売上の-150.0%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金25.0%1億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金250.0%10億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-150.0%-6億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
75.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比152.9pt
-150.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比152.7pt
-150.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-27.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-84.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが−5億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−5億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は17億円で、売上の51.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2012年12月−311−22
2013年12月−2−1020−1211
2014年12月−230112
2015年12月−381518
2016年12月−3−211−523
2017年12月−8−814−1621
2018年12月−50−516
2019年12月2−1−1115
2020年12月−2010−223
2021年12月−2−1−1−319
2022年12月−4−19−523
2023年12月−601−619
2024年12月−1306−1311
2025年12月−5011−517

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は22億円。このうち返さなくてよい自己資本が14億円で、自己資本比率は66.1%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月55096.4
2013年12月2323099.0
2014年12月2121099.1
2015年12月2121088.1
2016年12月2929093.5
2017年12月2921869.5
2018年12月2113860.8
2019年12月2014670.3
2020年12月2722578.9
2021年12月2520581.4
2022年12月30191162.8
2023年12月24131153.9
2024年12月177943.9
2025年12月2214766.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
17億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-5億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
7億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中44位あたり、逆に低いのは売上成長率79社中68位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
-150.0%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
66.1%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-20.0%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥86で、1年前と比べて-25.9%過去52週の値幅のなかでは17%の位置にある。

¥86-2.3%1ヶ月+8.9%1年-25.9%時価総額47億円
過去52週の値幅
安値¥66高値¥181

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR3.51倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月中旬に一時428万株超の出来高を伴い84円まで上昇したが、その後は80円前後で推移し高値圏でのもみ合いが続く。直近80円は25日移動平均線(79.16円)を約1%上回り、75日線(78.77円)も上回るが、200日線(92.03円)には届かず、52週高値181円からは約56%低い水準。RSIは58.33と中立圏で、週足では76円から80円への緩やかな上昇基調を維持している。出来高は直近で6.1万株と7月15日の428万株から急減しており、上値余地を試すには需給の再活発化が必要。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 35/100)

PERが算出不能で、PBRは3.34倍。同業界平均PBR3.11倍を上回り、割高感がある。ROEは10%と平均的だが、直近期は赤字が継続し、2024年12月期は営業損失12億円、最終損失13億円と業績が悪化。2025年12月期も赤字が続く見込みで、収益性の低さが懸念。配当利回りはゼロで、株主還元も期待できない。PBRが高い一方で、収益力が弱く、割高と判断。

指標この会社業種平均
PBR3.51倍3.53倍
ROE10.0%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

研究開発型のため業績は不安定で、2024/12期は大幅な最終赤字。強気派はパイプラインの進捗や提携の可能性を期待し、弱気派は資金調達リスクや開発失敗リスクを重視する。

プラスに働く材料7
  • 研究開発進展

    今後の臨床試験結果次第で株価上昇の可能性

  • ROE10%

    2022/12期のROEは10%と高い水準を記録

  • 専門分野

    特定領域の専門性で差別化の可能性

  • 2025/12期営業赤字が12億→6億と半減決算発表後影響

    営業利益-12億円→-6億円と6億円改善。時価総額43億円に対し赤字縮小の寄与が大きい

  • 最終赤字も13億→6億と縮小、損失拡大の歯止め通年影響

    純損失-13億円→-6億円。赤字幅が縮小すれば市場の懸念が後退し投機資金が入る

  • 売上高4億円、固定費削減で損益分岐点が低下通年影響

    売上高は4億円でも営業赤字は6億円改善。コスト削減が進めば黒字化に必要な売上高も下がる

  • 営業利益率▲240%→▲150%とマイナス幅が縮小通年影響

    2024/12期営業利益率-240%に対し2025/12期-150%。売上高4億円で赤字額は6億円に圧縮

マイナスに働く材料7
  • 赤字継続

    2024/12期は純損失13億円と赤字幅拡大

  • 開発リスク

    医薬品開発は失敗リスクが高く、業績が不安定

  • 資金不足

    赤字が続き、資金調達リスクがある

  • 最終赤字3期連続、黒字化のめどが立たず継続影響

    純損失は-8億円→-13億円→-6億円と3期連続。収益構造が変わらなければ投資家離れが続く

  • 売上高が5億→4億と減収、商業化の進展が見えない通年影響

    売上高は2024/12期5億円→2025/12期4億円。既存事業が縮小しており成長シナリオが描きにくい

  • 営業利益率▲150%、本業の赤字が継続通年影響

    売上高4億円に対して営業損失6億円。売上総利益では固定費を賄えず資金消耗が続く

  • 株価1年で28.6%下落、小型バイオの需給悪化継続影響

    年間リターン-28.57%。外国人保有4.76%と流動性が薄く、売り圧力が価格を大きく動かす

次の決算で確かめる点
研究開発費
将来の収益源となる開発投資の規模を確認
現金及び預金
資金繰りの持続可能性を確認するため
提携・ライセンス収入
外部からの収入獲得の状況を測るため

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ18,948人。区分でいちばん多いのは個人・その他82.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が2.6%を占め、残る97.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他87.989.387.687.386.582.2
証券会社10.29.410.76.74.510.5
外国法人0.30.20.61.56.83.9
事業法人0.60.70.74.11.91.9
外国人個人0.20.30.20.30.30.9
金融機関0.80.20.30.10.00.7

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日高 有一9.49
02楽天証券株式会社共有口4.26
03MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)2.08
04株式会社SBI証券1.63
05株式会社ミートプランニング1.57
06日高 万由子1.35
07SMBC日興証券株式会社1.09
08日高 弘義0.79
09日本証券金融株式会社0.66
10モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社0.56

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-05-13
    日髙 有一
    新規の大量保有報告
    9.00%
    -2.07pt
  • 2026-05-13
    日髙 有一
    変更報告
    11.07%
    -1.04pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+9%、1株純資産は14期で+6%。直近期のROEは10.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPS
2012年12月−1425
2013年12月−10100
2014年12月−893
2015年12月−1383
2016年12月−10110
2017年12月−6076
2018年12月−2948
2019年12月553
2020年12月−1074
2021年12月−568
2022年12月−1560
2023年12月−2640
2024年12月−3718
2025年12月−1326

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2025/12期の役員報酬は総額131百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約9倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
日高有一代表取締役 社長535,150,600
松原さや子取締役4744,600
山田富士雄取締役(監査等委員)67
山川善之取締役(監査等委員)6418,000
中村栄作取締役(監査等委員)65100
中村和史取締役(監査等委員)46
都築伸弥取締役(監査等委員)33

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)26729202011558
社外取締役413133
取締役(社内)1333

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,515字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社日本革新創薬株式会社(以下、「JIT」)の2社で構成されており、プロテインキナーゼ(*)阻害剤(*)を中心とした医薬品の研究開発を行い、開発品を製薬会社等にライセンスアウトすることによって収益を獲得する創薬事業を展開しております。 当社グループ事業の系統図は以下のとおりです。 (1)創薬事業について ① 新薬開発の流れ 一般的に新薬の開発に際しては、基礎研究、非臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいはアメリカ食品医薬品局(FDA)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造(輸入)承認申請、医薬品としての承認取得、薬価申請・収載を経て販売が開始され、患者様へ提供することが可能となります。このうち基礎研究活動は、新薬候補化合物の合成、スクリーニング(*)、スクリーニング毒性(*)の手続により実施されます。前述の基礎研究活動が終了した後、人に対する臨床試験の前に医薬品として満たすべき条件を、実験動物を用いて副作用及び安全性、安定性の検証を行う非臨床試験によって検証します。その後の臨床試験は、第Ⅰ相臨床試験、第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相臨床試験の段階をもって実施されます。(下図参照) ② 創薬事業の概要 通常、新薬の研究開発過程において、非臨床試験から臨床試験へと開発が進捗するにしたがって、開発コストは大幅に増加し、また一定規模以上の自社臨床開発体制が必要となります。 当社グループは、研究開発活動の結果として、比較的早期の開発段階において開発品を製薬会社等へライセンスアウトしておりますが、これにより、臨床開発の推進に強みを持つ製薬会社等が開発を行うこととなり、自社での開発を継続する場合に比べて、低コストでの開発体制を維持できます。 このように、当社グループの創薬事業の特徴は、一般的な医薬候補品を開発するベンチャー企業に比べ、比較的早期の研究開発段階においてライセンスアウトが達成される点にありますが、これは、当社グループが基礎研究推進における独自の技術力を有していることと、その技術を基礎研究段階において十分に活用することにより効率的な研究開発が行われていることが要因と考えております。 当社グループの売上高は、主にライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、臨床開発進行に伴いその節目毎に受領するマイルストーン収入、製品上市(*)後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入等によるものです。既に保有する開発パイプラインの多くは製薬会社にライセンスアウト済みであり、複数の製品が上市されております。これらのフロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入等を新規開発プロジェクトに投入することによって、次なる新規開発品の開発を進めております。 当社グループの主な売上高は、以下のもので構成されております。 売上高   内容 フロントマネー収入   ライセンスアウト時に受領する収入。契約締結時に発生するため、契約一時金とも言う。 マイルストーン収入   臨床開発進行に伴いその節目毎に受領する収入。 ロイヤリティ収入   製品上市後販売額の一定比率を受領する収入。特許を実施する際に得られる収入のため実施料、ライセンス料とも言う。 ③ 開発パイプラインについて 現在、当社グループが保有する開発パイプラインは以下のとおりです。 (イ)上市品 製品名等   対象疾患   地域   ライセンスアウト先 ILM-BlueⓇ、TissueBlue™ (注)   ブリリアントブルーG   内境界膜染色   欧州・米国等   DORC MembraneBlue-DualⓇ (注)   ブリリアントブルーG/ トリパンブルー   内境界膜、網膜上膜及び増殖硝子体網膜症における増殖膜染色   欧州等 グラアルファⓇ配合点眼液   リパスジル塩酸塩水和物 /ブリモニジン酒石酸塩   緑内障・高眼圧症 (*)   日本・アジア   興和 (注)12月に米国以外の特許が満了し、該当国のロイヤリティは終了いたしました。 (ロ)開発パイプライン 開発コード等   対象疾患   開発段階   地域   ライセンスアウト先 K-321   リパスジル塩酸塩水和物   フックス角膜内皮変性症 (*)   第Ⅲ相臨床試験   米国、欧州等   興和 DW-1002   ブリリアントブルーG   内境界膜染色   第Ⅲ相臨床試験   日本   わかもと製薬 水晶体前嚢染色   第Ⅲ相臨床試験   日本 ブリリアントブルーG/トリパンブルー   内境界膜及び網膜上膜染色   申請準備中   米国   DORC DW-1001   眼科用治療剤(非開示)   第Ⅰ相臨床試験   日本   ロート製薬 H-1337   緑内障・高眼圧症   後期第Ⅱ相臨床試験   米国   自社開発 H-1129   免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬(非開示)   臨床準備中   日本   自社開発 DW-5LBT (商標名:Bondlido)   帯状疱疹後の神経疼痛   承認   米国   メドレックスと共同開発 DWR-2206   水疱性角膜症(*)   第Ⅱ相臨床試験   日本   アクチュアライズと共同開発 各開発パイプラインの詳細は以下のとおりです。 (イ)ILM-BlueⓇ、TissueBlue™、MembraneBlue-DualⓇ、DW-1002(ILM-BlueⓇ、TissueBlue™、DW-1002(単剤)の対象疾患:内境界膜染色、水晶体前嚢染色、MembraneBlue-DualⓇ、DW-1002(配合剤)の対象疾患:内境界膜、網膜上膜及び増殖硝子体網膜症における増殖膜染色) 本開発品は、国立大学法人九州大学の研究グループが発見したBBG250(Brilliant Blue G-250)という染色性の高い色素を主成分とした眼科手術補助剤について、独占的ライセンスに基づき開発している開発品で、眼内にある内境界膜又は水晶体を保護するカプセルを一時的に安全に染色し、硝子体・白内障(*)の手術を行いやすくするものです。当社は、2017年に本事業を譲受いたしました。 日本以外の全世界向けの独占的なサブライセンスをDutch Ophthalmic Research Center International B.V.(以下、DORC)に付与しており、DORCは2010年から欧州等において、ILM-BlueⓇ、MembraneBlue-DualⓇの製品名で製造・販売しております。2020年には米国においても単剤であるTissueBlue™の販売を開始し、配合剤については、内境界膜及び網膜上膜染色を対象に米国でオーファンドラッグ指定を受け、現在承認申請に向けて準備を進めております。なお、2025年12月の特許満了に伴い、米国以外のロイヤリティは終了いたしました。 国内については、わかもと製薬株式会社(以下、わかもと製薬)に独占的ノウハウライセンス条項付製品供給契約を付与しており、わかもと製薬は硝子体手術時の内境界膜染色、白内障手術時の水晶体前嚢染色を対象として、製造販売承認の取得に向けて開発を進めております。なお、2025年12月に日本の特許は満了しております。 (ロ)グラアルファⓇ配合点眼液、K-321 (a)グラアルファⓇ配合点眼液(対象疾患:緑内障・高眼圧症) 本剤は、リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩を含有する世界で初めての組み合わせの配合点眼剤です。リパスジル塩酸塩水和物はプロテインキナーゼの一種であるRhoキナーゼ(*)を選択的に阻害する当社が創製したイソキノリンスルホンアミド化合物(*)です。2020年より、興和にて緑内障・高眼圧症を適応症として国内第Ⅲ相臨床試験が行われ、2022年に国内上市されました。さらに、海外展開も進められ、アジア一部地域において上市されております。 (b)K-321(対象疾患:フックス角膜内皮変性症) 当社が発明したリパスジル塩酸塩水和物は、眼内にあるキナーゼに作用する可能性があることが示唆されており、適応拡大に向けた取り組みとして、フックス角膜内皮変性症を適応症とした米国第Ⅱ相臨床試験が2019年から開始されました。その後、2022年に米国第Ⅲ相臨床試験を開始、2023年に米国を含めたグローバル第Ⅲ相臨床試験が開始されました。被験者への投与は完了しており、経過観察が行われております。フックス角膜内皮変性症は病態の進行に伴い角膜内皮障害に至ります。重度の視覚障害を有する角膜内皮疾患のこれまでの治療法は角膜移植であり、有効な治療薬の開発が望まれています。 (ハ)DW-1001(対象疾患:非開示) 本開発品は、2015年に英国企業から導入した眼科用治療剤です。 他の疾患を適応症として既に市販されている化合物を眼科適応への適応拡大を目指す、いわゆるリポジショニングの手法での開発を目指しており、開発のコスト並びにリスクは相対的に低くなることが期待されます。 2019年に日本における独占的実施権をロート製薬株式会社(以下、「ロート製薬」)にライセンスアウトいたしました。ロート製薬では、非臨床試験を進め、2022年に国内第Ⅰ相臨床試験が良好な結果で終了いたしました。 (ニ)H-1337(対象疾患:緑内障・高眼圧症) 本開発品は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とする当社化合物ライブラリー(*)のシード化合物を基にして最適化された、緑内障・高眼圧症を対象疾患とする開発品です。当社初となる自社臨床開発を行っており、2018年に米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験を良好な結果で終了いたしました。その後、2024年8月に米国後期第Ⅱ相臨床試験を終了いたしました。試験結果は良好で、本開発品の有効性が確認され、安全性に関して重篤な有害事象は認められませんでしたので、第Ⅲ相臨床試験に向けた準備並びにライセンスアウト活動を進めております。 また、適応拡大の研究を進めており、滲出型加齢黄斑変性に対する治療効果、並びに肺高血圧に対する治療効果も動物試験において確認されております。 (ホ)H-1129(対象疾患:免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬(非開示)) 本開発品は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とする当社化合物ライブラリーのシード化合物を基にして最適化された開発品です。2019年まで緑内障治療剤として開発を行っていましたが、国内第Ⅲ相臨床試験にて開発中止となりました。その後、知的財産の有効活用及びキナーゼ阻害剤のポテンシャル発揮の観点から、他疾患への適用を検討し、新たに免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬として開発を決定いたしました。現在、臨床試験に向けた準備を進めております。 (ヘ)DW-5LBT(対象疾患:帯状疱疹後の神経疼痛) 本開発品は、イオン液体を利用した株式会社メドレックス(以下、「メドレックス」)の独自技術ILTS(Ionic Liquid Transdermal System)を用いた新規のリドカイン(*)テープ剤であり、リドカインパップ剤Lidodermの市場をターゲットとし、更なる新規市場への拡大も目指して開発した製品です。メドレックスが帯状疱疹後の神経疼痛治療薬として開発を進め、当社は2020年に共同開発を開始いたしました。その後、2025年9月に承認取得し、現在、販売提携先の選定等の上市準備を進めております。 (ト)DWR-2206(対象疾患:水疱性角膜症) 本開発品は、水疱性角膜症を適応症とした再生医療用細胞製品で、培養ヒト角膜内皮細胞とROCK阻害剤を含有した懸濁液を前房内に注入し、角膜内皮の再生の治療に用いられます。アクチュアライズ株式会社が開発を進めており、当社は2022年に共同開発を開始いたしました。当社初となる再生医療品であり、2024年3月に国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、2025年11月に被験者の観察期間が終了いたしました。現時点において、安全性については、重要な有害事象及び被験製品との因果関係が否定できない重篤な有害事象は発現しておらず、有効性については、視力改善が示唆されています。現在、データ解析を進めると共に、第Ⅲ相臨床試験の準備を進めております。 ④ 研究プロジェクトについて 当社グループは、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創出を行っております。プロテインキナーゼを対象とする疾患は様々ですが、特に眼科関連疾患に注力した研究を推進しております。また、自社の創薬基盤技術を活かし、他社との提携を積極的に推進しております。 主なプロジェクトとしては、眼科関連疾患や免疫・炎症系、呼吸器系疾患等を対象としたシグナル伝達阻害剤開発プロジェクトを当社開発研究所(国立大学法人三重大学の研究施設)において行っております。また、大学等との共同研究においては、当社開発品の適応拡大や主に眼科関連疾患を対象に複数のプロジェクトを積極的に進めております。 ⑤ 創薬事業における当社グループ技術と研究開発の特徴について 創薬事業における当社グループ技術と研究開発の特徴は以下のとおりです。 (イ)プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創製 当社グループは主にプロテインキナーゼ阻害剤を中心とした研究開発を進めております。 プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達(*)機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、有望な新薬候補品である阻害剤を投与することによって治療効果を高めるのが当社グループの開発の特徴であります。 当社は、有望な新薬候補品を創製するために、独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成しておりますが、これらの技術力が高いことから有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。 (ロ)当社独自の標的タンパク質(*)の同定(*)方法であるドラッグ・ウエスタン法(*)の活用 当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。 この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、1回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。 ドラッグ・ウエスタン法を活用した際の効果は、以下のとおりと考えられます。 a. 有効性:高い有効性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。新薬候補化合物の標的タンパク質を早期に同定することによって、その新薬候補化合物の作用機序(*)が明らかになり、その結果から、有効な新薬候補化合物の開発へとつなげていくことが可能になると考えております。 b. 安全性:副作用や他の医薬品との相互作用の予測により、高い安全性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。早期に標的タンパク質を同定することによって、副作用が起こるメカニズムの推測もしやすくなり、それにより、安全性の高い新薬候補化合物の開発が可能となります。また、作用メカニズムが明らかになることにより、他の薬剤との併用の可能性の分析がしやすくなり、薬としての利用機会の拡大とリスクの低減につながりやすいと考えます。 (ハ)細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学(*)に関する経験及びノウハウの活用 当社グループの創業者は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で2つの上市薬の誕生に貢献しております。当社グループは、こうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行い、2014年には当社設立以来初の上市薬が誕生いたしました。 当社グループの新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。 (ニ)提携関係を活用した研究開発体制 当社グループは、国立大学法人三重大学との産学官連携講座(後述「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 重要な契約等」参照)による共同研究等の提携関係を構築し、技術の取り込みを図り研究活動を進めております。また、研究開発の推進に向けては、業務受託企業等外部の企業を積極的に活用しております。こうした企業外部との提携関係を活用することによって、効率的な研究開発体制を構築することが可能となっております。 当社グループと外部機関との関係図(研究開発体制) <用語解説>(アルファベット、あいうえお順) * Rhoキナーゼ タンパク質リン酸化(*)酵素(プロテインキナーゼ)の一つであり、Rho-ROCK経路を介する多彩な細胞応答の制御機構に関与する酵素です。 * イソキノリンスルホンアミド化合物 当社が開発している化合物の有する骨格(形)の名称です。 * 化合物ライブラリー 当社が長年にわたり蓄積してきた新薬候補化合物のタネとなる化合物群です。これらの化合物の一つ一つが特徴的な性質を有しており、基礎研究や新薬候補化合物発見に利用されます。 * 細胞内情報伝達 神経刺激やホルモン等の細胞外からのシグナル(信号)を細胞内の必要な箇所へ伝えるシステムのことを言います。細胞内シグナル伝達とも言います。 * 作用機序 薬物が作用する仕組みのことを言います。近年では薬物作用の明確化の重要性が高まっており、この作用機序の解明が新薬開発において注目されております。 * 上市(じょうし) 新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)ことを言います。 * 水疱性角膜症 角膜内皮細胞が障害を受け、角膜浮腫が起こり、角膜が白く濁って視力が著しく低下する病気。フックス角膜内皮ジストロフィ、白内障や緑内障等の眼科手術により角膜内皮細胞が減少することが原因にあげられます。治療法は角膜移植手術になります。 * スクリーニング 新薬を開発するには、多数の候補化合物の中から、効果があり安全性が高いものを選び出すことが必要となります。このような多数の化合物から新薬の候補を探す一連の流れをスクリーニングと言います。 * スクリーニング毒性 細菌を用いる復帰突然変異試験(化学物質による、発癌性を含めた遺伝子に与える変化である変異原性を、細菌を用いてテストする試験)、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(明確な染色体構造を持たない細菌においては、染色体異常を検出できないため、人為的に生体外で培養したほ乳動物の細胞を用いて、染色体に対する遺伝毒性がないかをテストする試験)及びほ乳類を用いる28日間の反復毒性試験(ラット等の動物に一定期間毎日反復投与したときに現れる生体機能及び形態の変化を観察する試験)によって検出される毒性を指します。 * 阻害剤 生体内の様々な酵素分子に結合して、その酵素の活性を低下もしくは消失させる物質を指します。化学物質が特定の酵素の活性を低下もしくは消失させることにより、病気の治療薬として利用されることがあります。 * タンパク質リン酸化 タンパク質にリン酸基を移転する化学反応であり、タンパク質の働きを調節すると考えられております。 * 同定 単離した化学物質等の標的が何であるかを決定することを指します。 * ドラッグ・ウエスタン法 薬物の標的タンパク質の同定に用いられる手法で、当社がバイオテクノロジーを応用して発明し、特許を有しておりました。煩雑なタンパク質精製プロセスを介さずに、薬物が結合する少量のタンパク質を検出し、その遺伝子を特定することにより標的タンパク質を同定することができる方法です。 * 白内障 水晶体が白く濁り、視力障害を引き起こす病気です。主な原因は加齢によるもので、症状が進行している場合には、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術が行われます。日本では年間およそ120万件の手術が行われています。 * 標的タンパク質 薬物が作用する対象となるタンパク質を標的タンパク質と呼びます。生体においては多くのタンパク質が相互に作用することによって様々な機能を果たしており、多くの病気が特定のタンパク質の異常な働きによって引き起こされております。これらの病気には、これらのタンパク質を標的タンパク質として、その異常な動きを抑制する薬剤が有効となりうると考えられております。 * フックス角膜内皮変性症 角膜内皮細胞に障害がおき、角膜浮腫・混濁が生じ、視力が低下していく疾患です。欧米で多くみられ、日本では患者数が少ないとされています。これまでの治療法は角膜移植であり、有効な治療薬の開発が望まれています。 * プロテインキナーゼ ATP(アデノシン三リン酸と言われ、体内で作られる高エネルギー化合物)等、生体においてエネルギーの元となる低分子物質等のリン酸基を、タンパク質分子に転移する(リン酸化)酵素です。一般にリン酸化を触媒する酵素をキナーゼと呼び、特にタンパク質をリン酸化するキナーゼをプロテインキナーゼと言います。 * 分子薬理学 薬理学とは、薬物が生体に対してどのような作用により、影響・効果を発揮しているかを調べたり、薬物を用いて生体の機能を明らかにしたりする学問のことです。分子薬理学とは、その薬理学の調査の対象を生物の化学的性質を失わない最小の構成単位、つまり遺伝子のレベルで調べる学問です。 * リドカイン 神経末端において痛みの信号を遮断することにより痛みを軽減させる、局所麻酔薬の一種です。 * 緑内障・高眼圧症 緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患であり、日本の中途失明原因の第一位(2005年)となっております。また、高眼圧症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。 現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、「眼圧を下降すること」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が第1選択とされております。
経営方針・対処すべき課題1,938字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 「日本発の画期的な新薬を世界へ」というビジョンのもとに設立された当社グループは、設立以降プロテインキナーゼ阻害剤研究の知見から得た独自の科学技術を基に医薬品の研究開発を行っております。また、近年は他社からの開発パイプラインの導入を行い、従来に比してより有用な医薬品を早期に患者の皆様に提供することを目的に事業を推進しております。 当社グループは、新薬開発の上流である基礎研究から臨床開発までに経営資源を集中させ、創薬バイオベンチャーの先導企業を目指します。 (2)経営戦略 一般的に新薬が開発されて最終的に患者の皆様に届くまでには、10年以上の期間と多額の開発費用を要し、成功する確率も高くはありません。 このような中、当社グループは、自社技術を基とした研究型の事業を行うとともに、これらの研究の成果の価値を高めるため、研究のみではなく開発も行う研究・開発型へとシフトしております。また、自社新薬の継続的な研究開発以外にも他社からのインライセンスを積極的に進めることによる開発パイプラインの拡充にも取り組むことにより、ライセンスアウトによる収入(すなわち、フロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入)の最大化を目指してまいります。 (3)経営環境 近年の新薬開発は、従来の低分子医薬品だけではなく、抗体医薬品や核酸医薬品、再生医療等を用いた新しいアプローチ方法によるバイオ医薬品の研究開発などが行われており、技術革新が進んでいます。その結果、各社は新しい技術の特徴(治療の効果、副作用、費用対効果等)を把握し、最適な医薬品の開発を行うため、パイプライン拡充や他社との協業等、競争力強化に取り組んでおります。 このような状況の下、当社グループは新薬の継続的な創出と開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動を推進しております。 (4)目標とする経営指標 当社グループの事業である医薬品の開発は、基礎研究から上市に至るまでの期間が長期間にわたり、また、先行投資型のビジネスモデルであるため、財務諸表などの一般的な経営指標の設定は適さないと考えております。 そのため、当社グループでは、開発パイプラインの進捗状況を経営指標として設定しております。収益力の高い新薬候補化合物の創製やインライセンス、臨床開発の推進に取り組むことで、今後もこれら開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動に経営資源を投下する方針です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策は以下のように考えております。 ① 開発パイプラインの拡充と推進 新薬開発の成功確率は年々低下しており、保有する開発パイプラインが様々な理由で開発の遅延や中断、中止等になるリスクがあります。そのリスクに対応するためには、開発パイプラインの拡充と推進を進めることが必要であると考えております。基礎研究による新薬候補化合物の発見を一層推進するとともに、様々な開発ステージで構成された複数の開発パイプラインを保有するため、大学や企業等からのインライセンス活動を積極的に検討してまいります。また、既存開発パイプラインの順調な臨床試験の推進もしくは推進を支援し、着実な開発を進めてまいります。 ② 事業領域の拡大 当社グループは、自社の財務状況を踏まえて、比較的早期のライセンスアウトを目指しておりますが、ライセンスアウト時の収益性の向上が重要であると考え、非臨床試験以降の自社開発の取り組みを進めております。今後も、この事業領域の拡大に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。 ③ 基盤技術の応用 当社グループは、新薬候補品を創製できることが大きな強みであるバイオベンチャーです。自社の強みを最大限に発揮するために、独自の基盤技術であるプロテインキナーゼ阻害剤の創製に注力するとともに、その技術を活かしつつ、他社との提携を積極的に進めております。また、新薬候補品のポテンシャルを最大限活かすためにプロテインキナーゼ阻害剤が応用される領域での適応拡大の検討を進めてまいります。 ④ 財務基盤の充実 当社グループは、今後も付加価値の高い収益構造を生み出すことを目指し、保有する開発パイプラインのステージアップや開発パイプラインの拡充を図る予定であります。そのために必要に応じて、金融・資本市場からの資金調達を実施することにより、当社グループの財務基盤の充実を図ってまいります。
事業等のリスク9,023字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項記載以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。対応策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」も併せてご参照ください。 また、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業の内容について ① 当社グループの医薬品の研究開発に関する事項 (イ)研究開発の不確実性に関する事項 当社グループは医薬品開発を主業務としております。一般的に、医薬品の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられております。さらに、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされております。従って、当社グループのライセンスアウト済パイプライン及び新規開発品にも、かかるリスクは付随しており、医薬品としての安全性・有効性が確認され上市に至るかどうかは不確定であり、新規開発品についても想定通りに開発が進められるとは限りません。これらのライセンスアウト済パイプライン及び新規開発品の不確実性は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ロ)医薬品業界の競合関係に関する事項 当社グループが参画する医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による競争が激しい状態にあります。また、その技術革新は急速に進んでいる状態にあります。従って、これら競合相手との、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ハ)副作用に関する事項 医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ニ)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」)その他の規制に関する事項 当社グループが参画する医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬機法及び薬事行政指導、その他関係法令等により、様々な規制を受けております。 医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するに至るまでには、多大な開発コストと長い年月を必要としますが、品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての有用性を示すことができない場合には、承認が計画通り取得できず、上市が困難になる可能性があります。これは新規開発品を他社にライセンスアウトする場合も同様であり、薬機法その他の規制により、当初計画した条件でのライセンスアウトもしくはライセンスアウトそのものが困難になる可能性があります。 このような事象が生じた場合、また、将来各国の薬機法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ホ)製造物責任に関する事項 医薬品事業においては、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において製造物責任を負う可能性があり、製造物責任にかかる多額の負担金の支払い等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ② 当社グループの事業活動に関する事項 (イ)提携関係に関する事項 当社グループは研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ専門性の高い技術の取込みを図っております。当社グループは自社の研究開発人員とこれらの提携関係により、戦略的かつ柔軟な研究開発体制を構築しており、さらにその他の事業活動においても様々な提携関係等を構築しております。これらの提携関係に変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 当社グループでは、今後も事業基盤の強化、効率的な新薬開発の実現に向けて、広範な提携関係の構築を検討してまいります。しかしながら、期待通りに提携関係が構築できない可能性があります。 (ロ)大学との共同研究実施に関する事項 当社グループは、国立大学法人三重大学(以下、「三重大学」)との間で産学官連携講座共同研究契約に基づく共同研究を実施しております。 当該共同研究にかかる当社グループの費用負担については、三重大学との協議により、当社グループが共同研究に派遣する民間等共同研究員の人数に応じた研究料及び当該共同研究において必要と見込まれる直接経費について、共同研究費として三重大学に支払っております。当該費用については、契約期間内に支払うことになっており、契約期間に対応して費用計上しております。なお、共同研究における活動状況に応じて生じる追加費用等については、相互協議による契約変更の手続きにより追加支払いを行う場合もあります。 当社グループは、今後においても当社グループの事業基盤である共同研究を継続していく方針であり、相応の共同研究費を負担することになりますが、医薬品の研究開発活動は既述の通り不確実性が高い性質を有しており、現時点では収益基盤も不安定であるため、当該研究費を吸収するだけの収益が継続的に発生しなかった場合、もしくは予期せぬ研究開発活動中の事故、外的要因や自然災害による事故が発生し、当該共同研究実施が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ハ)ライセンスアウトに関する事項 当社グループは、開発計画に基づき、開発品のライセンスアウトに伴うフロントマネー収入及びライセンスアウトした薬剤の開発工程で計上するマイルストーン収入、製品上市後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入を収益基盤としております。 (a)ライセンスアウトに伴う収益計上時期にかかわるリスク ライセンスアウト後に当該開発品の開発スケジュールが変更となる等により、ライセンスアウトによる収入を受領する事業年度が当社グループ予想と異なる場合、又は、ライセンスアウトを予定している開発品に関して、ライセンスアウトを達成する時期が変更となったり、ライセンスアウトそのものが困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (b)開発品の開発中断及び中止にかかわるリスク ライセンスアウト後に当該開発品の開発が中断及び中止等になり、それ以降のライセンスアウトによる収入が得られなくなる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (c)開発品の販売開始後の売上変動リスク 製造販売承認後の販売計画はライセンスアウト先に依存しており、ライセンスアウト先において、販売計画の変更や経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ニ)特定の契約先からの収入への依存に関する事項 当社グループのライセンス契約に基づく収入は、ライセンスアウト先への依存度が高いビジネスモデルとなっております。 ライセンスアウト先との契約は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載した契約期間において有効であります。しかしながら、今後、当社グループがライセンスアウトした開発品をライセンスアウト先が当初計画通りに開発推進する保証はありません。従いまして、当社グループがライセンスアウトした開発品について、ライセンスアウト先の研究開発活動に計画変更や停止が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ホ)契約に基づく支払義務の負担に関する事項 当社グループは開発パイプラインに関する提携企業等との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先等に対する支払義務を負っている場合があります。これらの対価の支払形態は、創薬バイオベンチャー企業の事業の性質上当然のものと認識しておりますが、この結果として、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヘ)子会社に関する事項 当社は、2015年より子会社を有しておりますが、子会社における事業活動が計画通りに進展しない場合、また事業展開に伴う開発費用の増加等が発生する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 また、子会社に関して提携企業等と共同出資等の資本関係を有していることがありますが、提携企業等との関係に変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ト)小規模組織であることについての事項 当社グループは、当連結会計年度末において、従業員19名の小規模な組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっております。今後においては、組織規模に応じた適切な水準を維持、強化するとともに、内部管理体制の一層の充実を図る方針であります。 (チ)人材の確保及び育成に関する事項 当社グループの事業活動は、経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しております。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、このような人材確保又は育成が順調に進展しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (リ)資金調達に関する事項 当社グループは、医薬品開発のための継続した研究開発活動の実施に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく方針であります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、資金調達の機動的な実施が困難な場合、当社グループの資金繰りや事業活動等に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヌ)配当政策に関する事項 当社は創業以来配当を実施しておらず、また、当事業年度末においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。当面は内部留保に努め、研究開発活動の継続的実施に備えることを優先していく方針ですが、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における経営成績及び財政状態を勘案しつつ利益配当を検討する所存であります。しかしながら、今後も利益を安定的に計上できない場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。 (ル)為替変動リスクに関する事項 当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動や海外企業とのライセンス等において外貨建取引が存在しますが、特段の為替リスクヘッジは行っておりません。そのため、大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヲ)医療費抑制について 日本では医療費抑制策として、医療用医薬品の薬価引き下げや、ジェネリック医薬品の使用促進等の施策が行われております。海外においても、先進国を中心として薬剤費の引き下げの圧力が高まっています。今後の医療費政策の動向が当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ワ)重要な契約に関する事項 「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております契約のうち、特に当社グループの研究開発体制の維持のためには三重大学との契約が重要であり、現パイプラインについては各ライセンスアウト先との契約が重要でありますが、三重大学及び各ライセンスアウト先とは契約の継続性に支障がない関係にあるものの、将来、契約内容の変更、期間満了、解除その他何らかの理由により契約の終了が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (カ)知的財産権に関する事項 当社グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。なお、当連結会計年度末において当社グループが保有している特許権及び特許出願は全部で11種類あります。しかしながら、当社グループが保有している出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により、当社グループの特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しております。当社グループの特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社グループ事業の継続、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 また、当連結会計年度末において、当社グループの開発に関する特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生した事実はありません。当社グループは、他者の特許権の侵害を未然に防止するため特許調査を実施しておりますが、当社グループのような研究開発型企業にとって知的財産権の問題を完全に回避するのは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社グループ事業の継続、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヨ)訴訟等に関する事項 当社グループは当連結会計年度末において訴訟は提起されておりませんが、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、この結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (タ)情報管理に関する事項 当社グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の流出リスクを低減するために、当社グループは、役職員、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結する等、厳重な情報管理に努めております。しかしながら、万一これらの情報が外部に漏えいした場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (レ)災害・感染症等に関する事項 当社グループの各事業所又は当社グループの取引先、関係する医療機関並びにその地域等について、地震や台風等の自然災害や火災等の事故の発生、感染症の蔓延等により、事業活動の停止・制約等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)業績等に関する事項 ① 経営成績について 当社グループの売上高は、ライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、ライセンスアウトされた開発品の一定の進捗により受領するマイルストーン収入、上市によってもたらされるロイヤリティ収入等により得られます。当社グループは複数の上市品を保有しているため、毎期継続的な収入が計上されると見込んでおりますが、ロイヤリティ収入はライセンスアウト先の売上高に依存するため、将来に期待していた収入が見込めない可能性があります。また、フロントマネー収入、マイルストーン収入は、ライセンスアウト及び開発品の一定の進捗の有無により、毎期経常的に計上されているものではなく、不安定に推移しております。従いまして、過年度の経営指標及び今後開示される業績は、期間業績比較を行うための材料として、さらに今後の当社グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。 当社グループは、医薬品の研究開発とライセンスアウトを推進することによって、将来の継続的な黒字化を目指しておりますが、保有する開発パイプラインの価値を向上させるため積極的な先行投資を実施することにより、業績は赤字の傾向があります。従いまして、2019年12月期を除き、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスであり、将来において親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 ② マイナスの利益剰余金が計上されていることについて 当社グループは創薬バイオベンチャー企業であり、ライセンスアウト済パイプラインが上市し、ロイヤリティ収入等の安定的な収入を確保し、その収入が研究開発費等の費用の合計を上回るまでは、連続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上することになります。 当社グループは開発パイプラインの拡充、ライセンスアウトの実施、ライセンスアウトが完了した開発品の上市に向けた臨床開発支援活動を行うことにより、早期の利益確保を目指しておりますが、将来において計画通りに親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社グループの事業が計画通りに進展せず、親会社株主に帰属する当期純利益を獲得できない場合には、マイナスの利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります。 ③ 業績予想に関する事項 当社グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。 ④ 資金繰りについて 当社グループの事業計画が計画通りに進展しない等の理由から、想定したタイミングで資金を確保できなかった場合には資金不足となり、当社グループの資金繰りの状況によっては、事業存続に影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 有利子負債について 当社の借入金には、財務制限条項及びその他の遵守事項が設定されております。当該条項に抵触した場合には、期限の利益の喪失により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。また、今後、金融情勢の変化や金利上昇等により資金調達コストが増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑥ 税務上の繰越欠損金について 当連結会計年度末において、当社グループは税務上の繰越欠損金を有しております。そのため、当社グループの業績が順調に推移する等、繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。 (3)その他 ① 調達資金の使途に関する事項 増資を中心とした調達資金の使途については、開発パイプラインの拡充をしていくための研究開発資金及び事業運転資金に充当する予定です。 但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が当社グループの収益に結び付くには長期間を要する一方で、研究開発にかかる成果が得られない場合もあるため、調達した資金が投資家の期待している収益に結び付かない可能性があります。 ② 新株予約権に関する事項 当社は2025年7月31日付で、株式会社SBI証券を割当先とする第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の発行を行いました。当該新株予約権の目的となる株式数は当連結会計年度末において合計1,489,800株となり、発行済株式総数の2.7%に相当します。当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 また、新株予約権の行使は、原則として新株予約権者の判断によるため、市場における当社株価の動向によりましては、当該新株予約権の全部又は一部が行使されない可能性があります。そのため、予定された資金が調達されるまでに一定の時間を要する可能性や、予定された資金が調達できない可能性があります。当該新株予約権の行使が進まず、当該新株予約権による資金調達が困難になった場合は、事業計画の見直しを行うとともに、別途資金調達方法の検討を進める可能性があります。 ③ 継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、創薬研究及び臨床開発費用が収益に先行して発生する等の事業特性上の理由から継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 このような状況の解消を図るべく、当社グループは保有する開発パイプラインの順調な開発進捗による早期上市、開発パイプラインの拡充による更なる収益機会の獲得を進め、さらに、現在実施している資金調達を進めることにより研究開発に必要な資金を確保するとともに、必要に応じて新たな資金調達等を実施することも検討してまいります。 資金面においては、継続的なロイヤリティ収入及び開発費用のコントロール並びに主力金融機関からの借入れ、第三者割当による新株予約権の発行及び割当先による行使等、適時に実施している資金調達により、当連結会計年度末において1,709百万円の現金及び預金残高を有し、当面の事業活動を展開するための資金は確保できております。 以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。
経営成績の分析 (MD&A)6,827字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 当連結会計年度において、当社グループは新薬の継続的な創出と開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動を推進いたしました。 上市品(眼科手術補助剤「ILM-BlueⓇ、TissueBlue™、MembraneBlue-DualⓇ(以下、「ILM」等の製品)」(単剤及び配合剤)、緑内障治療剤「グラアルファⓇ配合点眼液(以下、「グラアルファ」)」等)については、ライセンスアウト先において順調に販売されております。「グラアルファ」は海外展開として、7月にタイ、12月にマレーシアで販売開始されました。 開発パイプラインについては、ライセンスアウト済み開発品であるフックス角膜内皮変性症治療剤「K-321」が2つのグローバル第Ⅲ相臨床試験を実施しており、いずれも被験者への投与を完了し経過観察を行いました。そのうちの1試験は、11月に観察期間を終了しデータ解析を進めております。共同開発品である神経疼痛治療薬「DW-5LBT」は3月に再申請を行い、9月に承認を取得いたしました。現在、販売提携先の選定等の上市準備を進めております。また、再生医療用細胞製品「DWR-2206」は、11月に国内第Ⅱ相臨床試験の被験者の観察期間が終了いたしました。現在、データ解析を行うと共に、第Ⅲ相臨床試験の準備を進めております。さらに、自社創製品「H-1129」は7月に免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬として開発を決定し、臨床試験に向けて準備を進めております。その他、各開発品についてもそれぞれ開発を進めました。 研究プロジェクトについては、眼科関連疾患を中心に新薬候補化合物の探索のための研究開発活動及び大学等との共同研究を積極的に推進いたしました。 以上の結果、売上高については、各上市品のロイヤリティ収入等により、合計387百万円(前期比17.8%減)を計上し、売上原価に38百万円(前期比17.0%減)を計上しました。なお、「ILM」等の製品は、12月に米国以外の特許が満了しましたので、該当国のロイヤリティは終了いたしました。「グラナテックⓇ点眼液0.4%」(海外)についてもロイヤリティは終了いたしました。 販売費及び一般管理費については、968百万円(前期比40.7%減)となりました。その内訳は、研究開発費が669百万円(前期比51.0%減、前期は「H-1337」及び「DWR-2206」の臨床試験を実施)、その他販売費及び一般管理費が人件費の増加等により298百万円(前期比12.1%増)となりました。 これらにより、営業損失は619百万円(前期営業損失1,209百万円)、経常損失は630百万円(前期経常損失1,228百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は632百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1,290百万円)となりました。 ② 財政状態の状況 総資産は、前連結会計年度末から500百万円増加し、2,169百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から544百万円増加し、2,020百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末から44百万円減少し、149百万円となりました。 負債は、前連結会計年度末から201百万円減少し、734百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から71百万円増加し、203百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末から272百万円減少し、530百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末から701百万円増加し、1,435百万円となりました。この結果、自己資本比率は66.1%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ583百万円増加し、1,709百万円となりました。 なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は493百万円(前期は1,299百万円の支出)となりました。これは主に減価償却費47百万円、株式報酬費用39百万円等があった一方で、税金等調整前当期純損失630百万円があったこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は2百万円(前期は10百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2百万円があったこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は1,080百万円(前期は567百万円の収入)となりました。これは主に社債の償還による支出302百万円があった一方で、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,267百万円及び長期借入れによる収入135百万円があったこと等によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 (イ)生産実績 該当事項はありません。 (ロ)受注実績 該当事項はありません。 (ハ)販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 販売高(千円)   前年同期比(%) 創薬事業   387,620   82.2 合計   387,620   82.2 (注)1 当連結会計年度の主な販売実績は、ロイヤリティ収入です。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) Dutch Ophthalmic Research Center International B.V.   335,476   71.1   327,224   84.4 興和株式会社   126,036   26.7   60,051   15.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。なお、当社グループは、創薬事業の単一事業であるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態の分析 (イ)資産 総資産は、前連結会計年度末から500百万円増加し、2,169百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から544百万円増加し、2,020百万円となりました。主な要因は、貯蔵品が15百万円減少した一方で、新株予約権の行使等により現金及び預金が583百万円増加したこと等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末から44百万円減少し、149百万円となりました。主な要因は、契約関連無形資産が41百万円減少したこと等によるものです。 当連結会計年度末における現金及び預金は1,709百万円であり、今後の現金及び預金の残高推移については十分に注視しつつ、研究開発活動を推進してまいります。 (ロ)負債 負債は、前連結会計年度末から201百万円減少し、734百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から71百万円増加し、203百万円となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が80百万円増加したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末から272百万円減少し、530百万円となりました。この要因は、長期借入金が29百万円増加した一方で、社債が302百万円減少したことによるものです。 当連結会計年度末における借入金の残高は605百万円であり、引き続き効率的な研究開発活動を推進してまいります。 (ハ)純資産 純資産は、前連結会計年度末から701百万円増加し、1,435百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が632百万円減少した一方で、新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金が各々667百万円増加したこと等によるものです。なお、第27期定時株主総会の決議に基づき、資本金1,173百万円、資本準備金2,647百万円をそれぞれその他資本剰余金へ振り替え、当該その他資本剰余金3,821百万円を利益剰余金に振り替え欠損填補を行いましたが、これによる純資産合計に変動はありません。 この結果、自己資本比率は66.1%となりました。 ② 経営成績の分析 (イ)売上高、売上原価 売上高は、「ILM」等の製品、「グラアルファ」のロイヤリティ収入等により、合計387百万円(前期比17.8%減)を計上し、売上原価に38百万円(前期比17.0%減)を計上いたしました。なお、「ILM」等の製品は、12月に米国以外の特許が満了し、該当国のロイヤリティは終了いたしました。 (ロ)販売費及び一般管理費、営業利益 (a)研究開発費 当社グループの研究開発費は、自社創製品を発明している基礎研究と保有する全ての開発品の開発を進める臨床開発で使われているものに大別されますが、臨床開発をどのステージまで行うか、どの程度の規模で行うかによって費用が大きく増減します。当連結会計年度における研究開発費は、「H-1337」の米国第Ⅲ相臨床試験に向けた準備費用、「DW-5LBT」の承認取得による支払マイルストーン費用、自社創製品の発明のための基礎研究並びに他社との共同研究を推進したこと等により、669百万円(前期比51.0%減、前期は「H-1337」及び「DWR-2206」の臨床試験を実施)となりました。 なお、当社グループのライセンスアウト済みパイプラインの研究開発費は、「DW-1002(日本)」の一部を除いてライセンスアウト先の資金により賄われており、当社グループにおいて研究開発費負担は発生しておりません。 (b)その他販売費及び一般管理費 その他販売費及び一般管理費は、主に研究開発費以外の本社費用等となります。当連結会計年度においては、人件費の増加等により298百万円(前期比12.1%増)となりました。 これらにより、営業損失は619百万円(前期営業損失1,209百万円)となりました。 (ハ)経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益 経常損失は630百万円(前期経常損失1,228百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は632百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1,290百万円)となりました。 ③ キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社グループは、事業活動の結果得られた資金(ライセンス契約に基づくフロントマネー収入、マイルストーン収入及びロイヤリティ収入等)、並びに金融機関からの借入、金融・資本市場からの資金調達により得た資金を主な財源とし、医薬品の研究開発を進めております。新薬開発に関わる研究開発活動は長期間を要するため、資金需要の発生時に機動的に対応できるよう資金の流動性を確保しております。当社グループの現在の財政状態及びキャッシュ・フローの展望を勘案し、自社研究施設は引き続き所有しない方針を継続します。 なお、当連結会計年度末における借入金の残高は605百万円であります。また、当連結会計年度においては新株予約権の行使による株式の発行による資金調達を行っており、現金及び現金同等物の残高は1,709百万円となっております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と相違する場合があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって採用している会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 (固定資産の減損) 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産について、当該資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 (投資有価証券の評価) 当社グループでは、投資有価証券の実質価額の下落の有無を確認し、帳簿価額に対して著しく下落している場合は、回復の可能性が合理的に認められる場合を除いて評価損を計上することとしております。回復の可能性は事業計画や市場環境等を踏まえて判断しておりますが、実質価額の下落が明らかになった場合、減損処理が必要となる可能性があります。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、保有する開発パイプラインの変動であると考えております。この変動とは、保有する開発パイプラインの新規のライセンスアウト、新規開発パイプラインの導入、開発パイプラインの臨床開発の中止・失敗・期間延長及びライセンス契約の解約等が想定されます。これらの状況により当社グループの経営成績は大きく変動いたします。 なお、事業展開上のリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について 現在、当社は複数の上市品を有しており、保有する開発パイプラインの開発も順調に進んでおります。近年は、自社開発(共同開発含む)に力を入れており、「H-1337」の米国後期第Ⅱ相臨床試験は良好な結果を得られましたので、米国第Ⅲ相臨床試験の準備並びにライセンスアウト活動を進めております。「DWR-2206」は2024年3月に国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、2025年11月に被験者の観察期間が終了いたしました。現在、データ解析を進めると共に、第Ⅲ相臨床試験の準備を進めております。また、「DW-5LBT」は2025年9月に承認を取得し、販売提携先の選定等の上市準備を進めておりますので、今後の収益基盤の拡充に繋がる見込みです。基礎研究においては、自社創製品「H-1129」について2025年7月に免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬として開発を決定し、臨床試験に向けて準備を進めております。また、自社創薬だけでなく、他社・他大学との共同研究を推進し、多様なモダリティを取り入れ、最適な治療の提供に取り組んでおります。開発が順調であることは、当社の企業価値に影響するだけでなく、当社の保有する基盤技術の証明になるものと考えております。 このような中、経営者の問題認識としては、今後当業界において有益な開発パイプラインの創製もしくは保有することがより一層重要になると考えております。このため、当社グループは「日本発の画期的な新薬を世界へ」のビジョンのもと、魅力ある開発パイプラインの創製、他社からの開発パイプラインの導入と自社による臨床開発を進め、患者の皆様に新薬をお届けしてまいります。 今後の方針としては、これまでの取り組みを継続して、当社グループの開発パイプラインの充実を図っていくと共に、保有する開発パイプラインが上市され、患者の皆様への満足度の高い治療の提供と当社収益額の向上を図ってまいります。 なお、経営環境及び対処すべき課題等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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出典

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