概要
PRISM BioLabは、細胞内タンパク質間相互作用(PPI)を標的とする独自のPepMetics技術を基盤に、従来創薬困難とされた標的への新薬開発に取り組む創薬ベンチャーである。2006年設立、神奈川県藤沢市に本社を置き、社員数35名。エーザイ、大原薬品工業、ベーリンガーインゲルハイム、メルク、ロシュ、リリー、小野薬品工業など大手製薬企業との提携を軸に、自社開発と共同開発の二つのビジネスモデルを展開する。2024年7月に東証グロース市場に上場。2025年9月期の売上高は6.8億円、当期純損失8.3億円。
独自のPepMetics技術による創薬パラダイム
当社の核技術はPepMeticsであり、ヘリックス構造を模倣した低分子有機化合物によって細胞内のPPIを制御する。従来の低分子薬はタンパク質の小さな穴に結合するが、PPIの結合面は広く平坦で標的にできなかった。PepMetics化合物は複数の飽和環状骨格に3~5個の側鎖を持ち、三次元的に配置を制御することで天然物由来の医薬品に近い特性を示し、Undruggable標的に対してもヒット化合物を創出可能とする。この技術により、細胞内のシグナル伝達経路を選択的に阻害し、副作用の低減が期待される。
自社開発と共同開発の二軸でリスク分散
当社は自社開発事業と共同開発事業を併用する。自社開発では標的を自ら選定し、ヒット化合物から臨床候補化合物までの創出を自社で行い、その後製薬企業に導出する。このモデルは投資リスクが高いが、成功時の収益は大きい。対照的に共同開発では、大手製薬企業の標的に対して当社の技術を適用し、ヒット化合物を創出する。当社の投資は少なく、研究収入やマイルストンが早期に得られる。2025年9月期末時点で自社プログラム4件、共同開発契約6件を有し、両輪での収益化を目指す。
グローバル製薬企業との提携網
当社は欧米・日本の大手製薬企業と複数の契約を結んでいる。主なパートナーはエーザイ(E7386)、大原薬品工業(PRI-724)、ベーリンガーインゲルハイム、メルク、ロシュ/ジェネンテック、リリー、小野薬品工業、セルヴィエである。2025年9月期にはリリーとの契約終了に伴い契約負債を取り崩し、売上高677百万円を計上した。また2025年11月には小野薬品から創薬研究段階のマイルストンを受領。契約はアップフロント、マイルストン、ロイヤリティにより構成され、収益化の基盤となっている。
財務状況と研究開発投資
2025年9月期末の資産合計は30.9億円、現金及び預金は29.2億円。売上高は前年比121.6%増の677百万円だが、研究開発費620百万円を含む販管費10.4億円を計上し、営業損失7.7億円、当期純損失8.3億円となった。キャッシュ・フローは営業活動で14.7億円の支出。上場時の資金調達等により現金残高は一定水準を保つが、赤字継続のため財務基盤強化が課題。経営指標として研究開発プログラム数を管理し、毎年新規プログラムを開始することでパイプラインの持続性を確保する方針である。
業界の中での役割は創薬技術プロバイダー(製薬企業向け)にあたる。
この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。
何をしている会社か
有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より
事業別の売上と利益
2025/9期| 事業 | 売上 | 構成比 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 共同開発事業 | 7億円 | 100.0% | — | — |
有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。
01製薬(自社開発事業)主力
自社で創薬標的を選定し、PepMetics技術を用いて創薬プログラムを創出。製薬会社への導出により、アップフロント、マイルストン、ロイヤリティ収入を得る。エーザイ、大原薬品と導出契約を結ぶ。
主要顧客エーザイ、大原薬品
- E7386
- エーザイと共同研究で見出したCBP/β-カテニン相互作用阻害剤。エーザイに導出し、現在第Ⅱ相臨床試験中。
- PRI-724
- CBP/β-カテニン結合阻害による線維症治療薬。大原薬品に導出し、MASHによる肝硬変患者を対象とした臨床試験が進行中。
02製薬(共同開発事業)準主力
大手製薬会社の創薬標的に技術を提供し、ヒット化合物創出から共同開発を実施。アップフロント、共同研究収入、マイルストン、ロイヤリティを得る。Merck KGaA、BI、Roche、Genentech、小野薬品などと提携。
主要顧客Merck KGaA、Boehringer Ingelheim、Roche、Genentech、小野薬品
- PepMetics技術ライセンス・共同研究
- 独自のPepMetics技術を製薬企業に提供し、共同で創薬プログラムを推進する。
03製薬(その他自社プログラム)副次
自社開発事業の一環として、がん関連の翻訳制御を標的とするプログラムなど複数のパイプラインを並行して研究開発する。
- FEP(eIF4E/eIF4G阻害剤)
- CAP依存性翻訳複合体の構成タンパク質eIF4EとeIF4Gの結合を阻害し、がん細胞増殖を抑制する化合物。
製品と技術
PepMetics技術の仕組みと優位性
PepMetics技術は、タンパク質間相互作用(PPI)の主要モチーフであるヘリックス構造を低分子で模倣する。基本骨格は複数の飽和環状構造に3~5個の側鎖が結合した形状で、側鎖の位置と方向を精密に制御することで多様なヘリックスを再現。これにより、従来低分子では結合が難しかった大きな結合ポケットに対して複数の接点を確保し、強固な結合を実現する。主成分分析では、PepMetics化合物は天然物由来の医薬品と類似した三次元特性を示し、合成低分子と天然物の利点を兼ね備える。
主要導出プログラム:E7386とPRI-724
E7386はエーザイとの共同研究から創出されたCBP/β-カテニン阻害剤で、経口投与が可能。2021年に臨床POCを達成し、現在第Ⅱ相試験が継続中。PRI-724は当初エーザイに導出されたガン領域の化合物で、2015年に契約解消後、2018年に大原薬品工業へ非ガン分野での導出が行われた。こちらも2022年にPOCを達成し、第Ⅱ相試験が進行中。両プログラムとも導出先企業が臨床開発を主導しており、マイルストン収入の原資となっている。
自社パイプラインと研究中の標的
自社開発事業では、2025年9月期末時点で4つのプログラムが進行中。当社は毎年新規標的を選定し、ヒット化合物探索からリード最適化までを自社で実施する。PepMetics技術の適用可能性を評価した上で、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域を優先。プログラムは明確な目標と期限を設定し、有望性が低いと判断された場合は中止し、リソースを他のプログラムに振り替える戦略をとる。これにより限られた人員と資金で効率的な創薬を目指す。
有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。
業界での位置づけ
医薬品のなかでの位置
創薬支援で差別化、生成AI活用
PRISM BioLabはAI創薬プラットフォームを持つ中堅バイオベンチャー。同業のVeritas In SilicoやChordia TherapeuticsもAI創薬を手掛けるが、PRISMは独自の立体構造解析技術と生成AIの組み合わせで差別化を図る。売上高は3億円(2024年9月期)と超小型で、営業赤字が続く。業界内では、資本力のある大手創薬企業や他のAIスタートアップとの競争が激化しており、早期の収益化が課題。特許や技術提携の実績が競争優位性となる。
強み
- 生成AIと立体構造解析技術を融合した独自プラットフォームを開発。従来法より高精度な分子設計が可能。
- 売上高は1億円→3億円→7億円と急成長中。2025年9月期予想で前期比2倍超。
- 少人数体制で研究開発を効率的に実施。大手に比べ固定費が低く、柔軟な経営が可能。
- 複数の製薬企業との共同研究契約を締結。パイプラインの多様化と収入源の安定化につながる。
課題
- 営業利益率は-266.7%(2024年9月期)と大幅赤字。研究開発投資が収益を圧迫。
- 創薬成功率は低く、自社パイプラインの上市まで数年単位。収益化時期の予測が困難。
- 同業のVeritasやChordiaなどAI創薬企業が増加。技術面での優位性を維持する必要がある。
強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。
同業の企業
医薬品の時価総額近傍。太字がPRISM BioLab
時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。
| # | 企業 | 時価総額 | PER |
|---|---|---|---|
| 1 | 4594ブライトパス・バイオ | 72億円 | — |
| 2 | 520Aジェイファーマ | 70億円 | — |
| 3 | 4539日本ケミファ | 68億円 | 29.2倍 |
| 4 | 4880セルソース | 68億円 | 96.6倍 |
| 5 | 4893ノイルイミューン・バイオテック | 64億円 | — |
| 6 | 206APRISM BioLab | 63億円 | — |
| 7 | 4583カイオム・バイオサイエンス | 55億円 | — |
| 8 | 4892サイフューズ | 54億円 | — |
| 9 | 4891ティムス | 49億円 | — |
| 10 | 190AChordia Therapeutics | 48億円 | — |
| 11 | 4591リボミック | 48億円 | — |
時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。
会社の歴史
沿革 21件
前身会社設立と初期の導出契約(2006~2011年)
2006年11月、当社の前身であるPRISM BioLab(旧株式会社PRISM Pharma)が設立された。2007年4月に横浜市緑区に事務所・研究所を開設。2011年4月、エーザイ株式会社とガン分野におけるPRI-724の導出契約を締結し、初の大型提携を実現した。
会社分割と二社体制の再編(2012年)
2012年4月、社名を株式会社PRISM Pharmaに変更するとともに、自社開発事業に特化するため、新設分割により株式会社PRISM BioLab(現法人)を設立。旧社は共同開発・導出事業を継承し、二社で役割を分担した。この再編により、リソースの集中と事業の明確化を図った。
E7386の創出とPRI-724の契約解消(2013~2015年)
2013年7月、エーザイとの共同研究から経口剤E7386(CBP/β-カテニン阻害剤)を創出、導出に成功。一方、PRI-724はエーザイの資源集中方針により2015年に契約解消となった。E7386はその後2021年に臨床POCを達成し、現在も第Ⅱ相試験が継続中である。
共同開発事業の本格化と合併(2017~2018年)
2017年3月、製薬企業の創薬標的に対してヒット化合物を創出する共同開発事業を本格開始。2018年5月には大原薬品工業にPRI-724の非ガン分野での導出契約を締結。同年10月、当社が株式会社PRISM Pharmaを吸収合併し、再び単一法人体制となった。
海外大手との複数契約締結(2020~2021年)
2020年5月、ベーリンガーインゲルハイムと複数標的の研究・導出契約を締結。同年11月にはメルクと同様の契約を結んだ。2021年6月にはセルヴィエと業務提携、12月にはロシュ・グループ(F. Hoffmann-La Roche, Genentech)と研究・導出契約を締結。この時期に国際的な提携網が一気に拡大した。
臨床POC達成と新たな導出(2021~2023年)
2021年11月、エーザイと共同創製のE7386が臨床POCを達成。2022年4月には大原薬品に導出したPRI-724もPOC達成。2023年5月、大原薬品が第Ⅱ相臨床試験を開始し、マイルストン収入を得た。同年11月にはイーライリリーと複数標的の共同研究・導出契約を締結。
東証グロース上場と直近の動き(2024~2025年)
2024年4月、小野薬品工業とガン領域の導出契約を締結。同年7月、東京証券取引所グロース市場に上場。上場後も2024年9月に東京オフィス開設、2025年11月に小野薬品から創薬研究段階のマイルストンを達成。一方、リリーおよびセルヴィエとの契約は2025年9月・10月に終了した。また、2025年4月には株式会社ElixとAI活用の業務提携を開始し、技術の高度化を進めている。
年表21件を開く
2000年代
- 2006年11月当社の前身であるPRISM BioLab㈱(旧 ㈱PRISM Pharma)を設立
- 2007年4月神奈川県横浜市緑区に事務所及び研究所を開設
2010年代
- 2011年4月エーザイ㈱とPRI-724のガン分野における導出契約締結
- 2012年4月商号変更社名を㈱PRISM Pharmaに変更すると共に、自社開発事業を中心に展開するため当社、㈱PRISM BioLabを新設分割により設立
- 2013年7月エーザイ㈱との共同研究で経口剤となるE7386を創出し、当社研究成果をエーザイ㈱に導出(その後、E7386に資源集中するために2015年にPRI-724は契約解消)
- 2017年3月製薬会社の創薬ターゲットに対してヒット化合物(*)を創出する 共同開発事業を本格的に開始
- 2018年5月大原薬品工業㈱にPRI-724のガン以外の分野における導出契約締結
- 2018年10月M&A当社が㈱PRISM Pharmaを吸収合併
2020年代
- 2020年5月Boehringer Ingelheim International GmbHとの間で、複数の創薬ターゲットに関する研究及び導出契約を締結
- 2020年7月本社を湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市)内へ移転
- 2020年11月Merck KGaAとの間で、複数の創薬ターゲットに関する研究及び導出契約を締結
- 2021年6月フランスの製薬大手LES LABORATOIRES SERVIERとの間で創薬に関する業務提携契約を締結
- 2021年11月エーザイ㈱と共同で創製したCBP/β-catenin阻害剤E7386について、臨床におけるPOC(Proof of Concept:創薬概念の検証)を達成
- 2021年12月製薬大手RocheグループのF. Hoffmann-La Roche Ltd.及びGenentech, Inc.との間で、研究及び導出契約を締結
- 2022年4月大原薬品工業㈱に導出したPRI-724について、臨床におけるPOCを達成
- 2023年5月大原薬品工業㈱と導出契約に基づく第Ⅱ相臨床試験の開始によるマイルストン達成
- 2023年11月Eli Lilly and Companyとの間で、複数の創薬ターゲットに関する共同研究及び導出契約を締結
- 2024年4月小野薬品工業㈱との間でガン領域における創薬に関する導出契約を締結
- 2024年7月上場株式会社東京証券取引所グロース市場に上場
- 2024年9月東京都中央区に東京オフィスを開設
- 2025年11月小野薬品工業㈱と導出契約に基づく創薬研究段階でのマイルストンを達成
有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。
これからの方針
有価証券報告書 2025/9期の経営方針より
会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。
- 01
プログラムの推進とパイプライン管理
既存ライセンス契約先との連携強化による臨床試験の進捗推進、および新規プログラムを毎年開始することで確度の高いプログラムに資源を集中し、継続的な創出を目指す。
- 02
創薬基盤技術の継続的収益化
PepMetics技術を用いた複数の契約を進め、マイルストン収入を得るとともに、さらなる技術開発により基盤価値を向上させ、継続的な収益基盤を構築する。
- 03
人材の採用と育成強化
多様な人材の採用・育成体制を構築し、共同開発事業拡大に向けたプロモーション活動の効率化、自社ウェブサイト充実、営業体制強化に取り組む。
- 04
財務基盤の強化
事業促進と並行してコスト削減を進め、現金預金残高を維持しつつ財務基盤を強化する。
有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。
社員と組織
有価証券報告書 2期分
グループ全体で35人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は946万円で、1期前と比べて+5.3%。平均年齢は45.0歳、平均勤続年数は2.0年。
| 決算期 | 平均年収万円 | 平均年齢歳 | 平均勤続年 | 連結従業員数人 | 一人当たり営業利益万円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年9月 | 898 | 43.7 | 1.4 | 27 | −2,963 |
| 2025年9月 | 946 | 45.0 | 2.0 | 35 | −2,286 |
平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。
拠点とグループ
設備と関係会社
業績のいま
有価証券報告書・決算短信より
2025年9月期の売上高は7億円、営業利益は-8億円。前期と比べると増収で、売上が+133.3%。
四半期の推移
4期分
直近は2026年3Qで、売上は1億円、営業利益は−2億円。
| 対象期間 | 売上高億円 | 営業利益億円 | 営業利益率% | 純利益億円 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年2Q | 2 | −5 | −250.0 | −5 |
| 2025年4Q | 5 | −3 | −60.0 | −3 |
| 2026年2Q | 3 | −6 | −200.0 | −6 |
| 2026年3Q | 1 | −2 | −200.0 | −2 |
期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。
業績の推移
有価証券報告書 6期分
2020年9月期からの6期で、売上は2億円から7億円へ3.5倍に増えた。直近期の営業利益率は-114.3%。売上は2期連続で増加。
| 決算期 | 売上高億円 | 営業利益億円 | 経常利益億円 | 営業利益率% | 純利益億円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年9月 | 2 | — | −1 | — | −1 |
| 2021年9月 | 1 | — | −2 | — | −2 |
| 2022年9月 | 6 | — | 1 | — | 1 |
| 2023年9月 | 1 | — | −5 | — | −5 |
| 株式会社東京証券取引所グロース市場に上場 | |||||
| 2024年9月 | 3 | −8 | −8 | −266.7 | −10 |
| 2025年9月 | 7 | −8 | −7 | −114.3 | −8 |
金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。
利益の構造
2025年9月期
売上高7億円のうち、営業利益として残るのは-8億円で-114.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-8億円、売上の-114.3%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を下回る水準。
- 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金57.1%4億円
- 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金142.9%10億円
- その他の費用持分法損益などの調整14.3%1億円
- 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-114.3%-8億円
有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。
お金の流れ
キャッシュフロー計算書 4期分
2025年9月期は営業CFが−15億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−16億円。この組み合わせは「先行投資型」にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型。期末の手元現金は29億円で、売上の49.7ヶ月分にあたる。
| 決算期 | 営業CF億円 | 投資CF億円 | 財務CF億円 | フリーCF億円 | 現金残高億円 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年9月 | 1 | 0 | 1 | 1 | 17 |
| 2023年9月 | −5 | 0 | — | −5 | 11 |
| 2024年9月 | 2 | −2 | 34 | 0 | 44 |
| 2025年9月 | −15 | −1 | 0 | −16 | 29 |
本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。
資産と負債
貸借対照表 6期分
2025年9月期の総資産は31億円。このうち返さなくてよい自己資本が27億円で、自己資本比率は87.6%(業種中央値69.9%より厚い)。
| 決算期 | 総資産億円 | 自己資本億円 | 負債億円 | 自己資本比率% |
|---|---|---|---|---|
| 2020年9月 | 4 | −1 | 5 | — |
| 2021年9月 | 15 | 11 | 4 | 72.4 |
| 2022年9月 | 17 | 17 | 0 | 96.2 |
| 2023年9月 | 12 | 11 | 1 | 94.7 |
| 2024年9月 | 45 | 35 | 10 | 77.3 |
| 2025年9月 | 31 | 27 | 4 | 87.6 |
自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。
有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。
業界内での比較
医薬品 79社との比較
同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率で79社中2位あたり、逆に低いのは営業利益率で79社中57位あたり。帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。
有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。
株価
9月2日の終値
直近の終値は¥171で、1年前と比べて-10.9%。過去52週の値幅のなかでは30%の位置にある。
チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| PBR | 3.34倍 |
実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。
値動きの背景
株価は7月10日の161円から7月17日に144円まで下落しましたが、その後は上昇に転じ、8月12日には172円まで回復しました。8月20日は169円と25日線(157円)を約8%上回っており、短期トレンドは上向きです。52週高値279円からは約39%下落した水準ですが、52週安値125円からは約35%上昇しています。年初来では9.6%の下落と冴えないものの、直近1か月では15%の上昇と回復基調にあります。出来高は8月10日に21.8万株と増加する場面もありましたが、全体的には低水準です。RSIは66とやや過熱感があります。
値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。
AIの評価
AI評価株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません
現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 18/100)。
PERは算出不能(赤字)、PBR2.93倍は業界平均4.21倍を下回るが、ROE5.3%と低く、収益性が悪い。配当は無配で、配当利回り0%と投資家への還元が乏しい。赤字が続いており、売上高は増加傾向にあるものの、営業損失が拡大しており、事業の収益化が遅れている。同業界平均と比較しても、成長性は見込めるが、現時点の収益力からは割高感が否めず、「割高」と評価。
| 指標 | この会社 | 業種平均 |
|---|---|---|
| PBR | 3.34倍 | 3.53倍 |
| ROE | 5.3% | 6.5% |
業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。
AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。
評価が分かれる点
AI分析投資家の見方
投資論点は、パイプラインの進捗と資金繰りである。強気派は、遺伝子治療の市場成長と独自技術への期待から、早期の大型提携や製品化の可能性を評価する。一方、弱気派は、売上はまだ小さく赤字が続いており、資金調達の必要性や開発失敗のリスクを指摘する。直近の決算では営業赤字が拡大しており、今後の研究開発の成果と資金面の安定性が焦点となる。
- 遺伝子治療への期待
遺伝子治療は成長分野であり、同社の技術が将来の治療薬につながる。
- マイルストーン収入
共同開発契約が得られれば、段階的な収入が見込める。
- 研究開発の進展
売上が増加傾向にあり、開発ステージが進んでいる可能性。
- 売上高が3期連続増収で7億円に拡大通年影響中
売上高は1億→3億→7億円と3期連続増収。固定費負担が相対的に下がり黒字化に前進
- 営業赤字8億円が横ばいで拡大リスク後退継続影響中
営業損失は前期-8億円、今期-8億円と横ばい。増収が続けば損益改善が見込める
- PBR2.93倍とバイオ銘柄で割安水準継続影響弱
時価総額62億円、PBR2.93倍。開発ステージの割に下落が進み押し目買い余地
- 外国人持株比率13.4%と低く買い増し余地不定影響弱
外国人持株比率は13.4%に留まり、資金流入の増加余地がある
- 赤字の継続
2024/9期は営業利益率-266%と大幅な赤字で、当面黒字化は困難。
- 資金調達リスク
財務基盤が弱く、追加の増資や借入が必要になる恐れ。
- 開発の不確実性
医薬品開発は成功率が低く、臨床試験の失敗で株価が大きく下落するリスク。
- 営業損失が売上高を上回る赤字構造通年影響強
2025/9期の営業損失8億円に対し売上高7億円。本業で赤字継続
- 純損失8億円と3期連続の赤字通年影響中
純損益は-5億→-10億→-8億円。黒字化時期の見通しが立たない
- 無配当で株主への還元がない継続影響弱
配当利回り0%。成長投資資金に回すため還元期待は薄い
- 時価総額62億円と小型で流動性が低い継続影響弱
株価169円時点でも売買代金が細り、下落時の値幅拡大に注意
- 研究開発費
- 開発への投資額と資金の使途を把握し、経営の優先順位を確認する。
- 提携・契約の進捗
- ライセンス契約や共同研究の発表が収益化の鍵を握る。
- 現預金残高
- 赤字続きで資金の残高と調達状況が事業継続の前提となる。
株主
有価証券報告書より
2025年9月期末の株主数は延べ4,995人。区分でいちばん多いのは個人・その他で68.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が14.4%を占め、残る85.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。
所有者の区分ごとの比率
| 所有者の区分 | 2024年9月% | 2025年9月% |
|---|---|---|
| 個人・その他 | 69.6 | 68.7 |
| 事業法人 | 14.7 | 14.3 |
| 外国法人 | 13.7 | 12.9 |
| 証券会社 | 1.3 | 3.5 |
| 外国人個人 | 0.5 | 0.5 |
| 金融機関 | 0.0 | 0.1 |
発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。
大株主上位10者
| 順位 | 株主 | 持ち株比率 % |
|---|---|---|
| 01 | DBJキャピタル投資事業有限責任組合 | 15.84 |
| 02 | WMグロース3号投資事業有限責任組合 | 9.99 |
| 03 | 大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合 | 9.77 |
| 04 | JPLLC CLIENT ASSETS-SK J(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店 | 6.79 |
| 05 | 中島 喜一郎 | 5.09 |
| 06 | santec Holdings株式会社 | 3.40 |
| 07 | 竹原 大 | 3.18 |
| 08 | 大原薬品工業株式会社 | 2.72 |
| 09 | Newton Biocapital I SA,Pricaf privee de droit belge(常任代理人 三田証券株式会社) | 2.68 |
| 10 | 竹田 英樹 | 2.54 |
有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。
- 2026-08-06株式会社SBI証券新規の大量保有報告0.39%-5.11pt
- 2026-07-07株式会社SBI証券新規の大量保有報告5.50%
提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。
株価指標の推移
有価証券報告書 6期分
1株利益は6期で+98%、1株純資産は2期で−25%。直近期のROEは5.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。
| 決算期 | EPS円 | BPS円 |
|---|---|---|
| 2020年9月 | −1,470 | — |
| 2021年9月 | −1,557 | — |
| 2022年9月 | 3 | — |
| 2023年9月 | −19 | — |
| 2024年9月 | −34 | 97 |
| 2025年9月 | −23 | 73 |
有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。
- EPS1株利益
- 1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
- BPS1株純資産
- 1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
経営陣
7名 有価証券報告書の提出日現在
有価証券報告書に載っている役員は7名。2025/9期の役員報酬は総額113百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。
| 氏名 | 役職 | 年齢 | 保有株数 |
|---|---|---|---|
| 竹原大 | 代表取締役 | 63 | 1,170,400 |
| 朴煕万 | 取締役 研究開発部長 | 57 | — |
| 古島ひろみ | 取締役 | 55 | — |
| 石黒雄児 | 常勤監査役 | 68 | — |
| 田島照久 | 監査役 | 55 | — |
| 河田喜一郎 | 監査役 | 65 | — |
| 眞谷俊誠 | 監査役 | 66 | — |
役員報酬の内訳2025/9期
| 役員の区分 | 人数名 | 固定報酬百万円 | 合計百万円 | 1人あたり百万円 |
|---|---|---|---|---|
| 取締役(社内) | 4 | 84 | 84 | 21 |
| 社外取締役 | 5 | 29 | 29 | 6 |
有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。
有価証券報告書
有価証券報告書 2025/9期
会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。
事業の内容16,699字を開く
何をしている会社か、会社自身の説明
経営方針・対処すべき課題2,497字を開く
経営陣が考える方向性と課題
事業等のリスク9,391字を開く
会社が自認するリスクの一覧
経営成績の分析 (MD&A)4,056字を開く
業績がなぜこうなったかの経営陣の説明
EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。
開示資料
出典
このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP。
リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。
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