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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

メドレックス

4586 · Growth · 医薬品

独自の経皮吸収技術ILTS®とNCTS®で、飲み薬や注射薬をテープ剤や貼付剤に変える製剤開発を強みとする創薬ベンチャー。

概要

メドレックス(MEDRX)は、香川県東かがわ市に本社を置く創薬ベンチャーである。独自の経皮吸収型製剤技術「ILTS®」と「NCTS®」を中核に、低分子から高分子までの薬物をテープ剤として投与可能にする新薬開発を手がける。従業員21名の小規模組織ながら、2025年9月には米国FDAから帯状疱疹後神経痛治療薬「Bondlido」の販売承認を取得。売上高は1億円程度で推移しており、研究開発費先行のため継続的な赤字状態にある。

経皮吸収技術に特化した創薬パイプライン

当社グループの事業の中核は、イオン液体の特性を利用したILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)と、薬物をナノコロイド化するNCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)の2つの経皮吸収製剤技術である。これらの技術により、従来経口投与が困難だった薬物のテープ剤化を可能にし、薬効の持続、副作用の低減、飲み忘れ防止といった付加価値を創出する。開発パイプラインは低分子から高分子まで幅広く、帯状疱疹後神経痛、痙性麻痺、中枢性疼痛、統合失調症など多様な領域をカバーする。2025年12月時点で、臨床開発段階のパイプラインは3つ、非臨床段階のパイプラインも複数存在する。

製薬企業との提携で収益を得るビジネスモデル

メドレックスは創薬パイプライン型ベンチャーとして、自社で新薬候補を開発した後、製薬会社にライセンスアウトすることで収益を得る。収入源は契約一時金、開発進捗に応じたマイルストンフィー、上市後の売上ロイヤルティの三本柱である。2025年12月期の売上高1億2,808万円のうち、約1億円はBondlidoのFDA承認に伴い株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所から受領したマイルストン収入であり、残りはAlto Neuroscience社からの契約収入である。このように、パイプラインの進捗に応じて収入が大きく変動する特徴を持つ。

小規模組織と継続的な研究開発投資

2025年12月末時点の従業員数は21名。本社は香川県東かがわ市にあり、連結子会社として米国子会社MEDRX USA INC.とオーストラリア子会社MEDRX AUSTRALIA PTY LTDを有する。財務面では、2025年12月期の売上高1億2,808万円に対し、販売費及び一般管理費は10億6,876万円に達し、営業損失9億4,154万円を計上した。現金及び預金は17億5,474万円あり、自己資本比率は92.2%と財務基盤は安定しているが、研究開発費が先行する構造は変わらず、継続的な資金調達が必要である。

米国市場を主戦場とするグローバル戦略

メドレックスの主要なターゲット市場は米国である。最も開発が進むBondlidoは米国FDAから承認を取得し、2026年下半期の上市を計画している。米国におけるリドカイン貼付剤市場は2024年で約240億円、筋弛緩薬市場は約2,300億円と推計され、各パイプラインの事業機会は大きい。また、Alto Neuroscience社との提携で進める統合失調症治療薬Alto-101も米国で臨床第2相試験が進行中である。海外子会社を通じた現地規制対応や提携交渉も重要な活動の一環である。

業界の中での役割は製剤技術のライセンスアウトにより、製薬企業に新たな経皮吸収型医薬品を供給するにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1億円
営業利益
-9億円
営業利益率
-900.0%
純利益
-9億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01経皮吸収型医薬品(疼痛領域)主力

帯状疱疹後神経疼痛、痙性麻痺、慢性疼痛などを対象に、独自のILTS®技術を用いたテープ剤・貼付剤を開発。米国市場を中心に、導出先の製薬会社と共同開発を進め、ライセンス収入を得る。

主要顧客D. Western Therapeutics Institute

主な製品・サービス3
Bondlido(MRX-5LBT)
リドカインテープ剤。成人の帯状疱疹後の神経疼痛を適応とし、2025年9月に米国FDAから販売承認を取得。
MRX-4TZT
チザニジンテープ剤。痙性麻痺を適応とし、臨床第2相/POC試験を実施中。
MRX-6LDT
ジクロフェナックとリドカインを配合したテープ剤。慢性疼痛を適応とし、非臨床試験を実施中。

02中枢神経領域の経皮吸収型医薬品準主力

アルツハイマー病、統合失調症などを対象に、NCTS®技術や外部提携による経皮製剤を開発。Alto Neuroscienceとの提携で統合失調症治療薬Alto-101の臨床第2相試験が進行中。

主要顧客Alto Neuroscience, Inc.

主な製品・サービス2
Alto-101
PDE4阻害剤の貼付剤。統合失調症の認知機能障害改善を目指し、Alto Neuroscienceと共同開発中。
MRX-7MLL
メマンチン貼付剤。NCTS®技術を用いたアルツハイマー病治療薬として開発が進められたが、2025年に開発断念。

03ワクチン・バイオ医薬品(マイクロニードル)副次

無痛自己投与が可能なマイクロニードルアレイを開発。ワクチンや核酸医薬への応用を目指し、モデル動物での検証や治験薬工場の運営を行っている。

主な製品・サービス1
マイクロニードルアレイ
生体分解性樹脂からなる微小針の集合体。ワクチンなどの無痛自己投与を可能にし、注射剤より高い免疫効果が期待される。

製品と技術

ILTS®技術とBondlido:イオン液体で実現した高分透過性テープ剤

ILTS®はイオン液体の特性を利用し、薬物の経皮吸収性を飛躍的に高めるプラットフォーム技術である。この技術を適用したBondlido(開発コード:MRX-5LBT)は、リドカインを有効成分とする帯状疱疹後神経痛治療用テープ剤。先行品Lidodermと比較して、皮膚刺激性が低く、貼付力に優れ、運動時でも剥がれにくいという特性を持つ。2025年9月にFDA承認を取得し、2024年時点で約240億円の米国リドカイン貼付剤市場への参入を目指している。現在は販売パートナーとの提携交渉中であり、2026年下半期の上市が計画されている。

中枢神経領域への展開:MRX-4TZT、MRX-9FLT、Alto-101

MRX-4TZTは中枢性筋弛緩薬チザニジンのテープ剤で、痙性麻痺を対象とする。ILTS®により経口剤と同等の有効性を維持しつつ、眠気や口渇などの副作用を低減する。2025年12月に多発性硬化症患者を対象とした臨床第2相試験を開始した。MRX-9FLTはフェンタニルテープ剤で、誤用事故防止機能を備え、FDAファストトラック指定を受けている。Alto-101はAlto Neuroscience社との提携製品で、PDE4阻害剤を経皮投与することで経口剤で多い副作用を抑え、統合失調症の認知機能改善を狙う。2026年第1四半期に第2相結果が予定されている。

NCTS®技術とマイクロニードルの研究開発

NCTS®は薬物をナノコロイド化して経皮吸収性を高める技術で、ILTS®とは異なるアプローチである。この技術を適用したアルツハイマー治療薬MRX-7MLLは、2025年5月のP1a試験で経皮浸透量不足が判明し開発中止となったが、NCTS®自体の研究は継続されている。また、メドレックスは無痛自己接種が可能なマイクロニードルデバイスの開発にも取り組んでいる。医療用医薬品/ワクチン用途のマイクロニードル治験薬工場を稼働させており、モデル動物でのフィージビリティスタディを実施しながら事業提携を模索している。この分野はテープ剤とは異なる新たな収益源となる可能性がある。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

上市前で収益無く赤字継続

メドレックスは売上高が3億円(2024/12期)と極めて小さく、営業利益率は-266.67%と大幅な赤字。医薬品業界の同業(ジーエヌアイグループ、Veritas等)と比較しても、売上高は桁違いに小さく、創薬段階のベンチャーと位置づけられる。ライバルのジーエヌアイグループはすでに製品を持つが、メドレックスは上市前であり、今後の承認・販売が鍵。

強み

  • 独自のドラッグデリバリー技術により差別化可能。
  • パイプラインが承認されれば急成長の余地。
  • リソースを開発に集中、将来の収益源創造を目指す。
  • 未充足医療ニーズを狙い、競合を回避。

課題

  • 売上高は数億円程度で、収益源が脆弱。
  • 営業赤字が継続、資金調達リスク。
  • パイプラインの承認が事業化の前提。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がメドレックス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

2020年:帯状疱疹後神経痛治療薬の共同開発開始

2020年4月、メドレックスは株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(DWTI)と、リドカインテープ剤「Bondlido」の米国における共同開発契約を締結した。このパイプラインは、ILTS®技術を用いた最初の重点候補であり、既存のLidodermより皮膚刺激性が低く、貼付力に優れるという特徴を持っている。共同開発の開始により、非臨床試験や臨床試験の加速が図られた。当時の売上高はわずか1億円程度で、営業損失は9億円台に達しており、この提携は開発リスクと収益のバランスを取る上で重要な一歩であった。

2021~2023年:ファストトラック指定とAlto社との提携

2021年7月、中枢性鎮痛薬MRX-9FLT(フェンタニルテープ剤)がFDAからファストトラック指定を受けた。これはオピオイド誤用事故防止機能が評価された結果である。2023年9月には、Alto Neuroscience社と統合失調症治療薬Alto-101に関する提携契約を締結。Alto社のPrecision Psychiatry Platform™とメドレックスの経皮吸収技術を組み合わせ、経口剤で見られる副作用を低減する経皮製剤を開発する。この間も赤字は続き、2021年12月期から2023年12月期まで毎年11億円前後の当期純損失を計上している。

2024年:Bondlidoの承認申請と審査プロセス

2024年1月、メドレックスはBondlidoの新薬承認申請をFDAに提出した。しかし同年7月、FDAから完全回答通知書(CRL)を受領。追加データの要求に対応するため、2025年3月にデータを補充して再申請した。同じく2024年6月には、Alto-101の統合失調症患者を対象とした臨床第2相試験が開始された。一方、NCTS®技術を応用したアルツハイマー治療薬MRX-7MLLの臨床第1相試験(P1a)では、経皮浸透量が不十分であることが判明し、開発継続の目途が立たなくなった。

2025年:初のFDA承認と開発パイプラインの再編

2025年9月、Bondlidoが成人の帯状疱疹後神経疼痛を適応としてFDAから販売承認を取得。メドレックスにとって米国での初めての製品承認となった。販売パートナーとの提携交渉を進め、2026年下半期の上市を計画している。同年12月には、痙性麻痺治療薬MRX-4TZTの臨床第2相試験(POC試験)を開始。また、MRX-7MLLは経皮浸透性と皮膚安全性の両立が困難として開発を断念した。Alto-101の第2相試験は2026年第1四半期に結果速報を得る見込みである。2025年12月期の営業損失は前年より拡大し9億4,154百万円となったが、現金は17.5億円を維持している。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    創薬パイプラインの開発推進

    開発アセットの価値を高めるため、各パイプラインの臨床試験を段階的に進める。2026年にはMRX-4TZTの第2相試験結果判明、Alto-101の第2相試験結果判明を予定。MRX-5LBTは米国で販売承認を取得し2026年後半より販売開始予定。

  2. 02

    製薬会社等とのパートナーシップ構築

    開発権や販売権のライセンスアウトを通じて、win-winの関係を構築できるパートナーから収益を得て、財務基盤の強化と持続的成長を図る。MRX-5LBTの販売パートナーやMRX-4TZTの事業提携が重要課題。

  3. 03

    開発資金の確保

    中長期的成長に向け、創薬パイプラインの価値向上に必要な開発資金を適時適切な財務活動(新株予約権発行等)により確保する。

  4. 04

    人材の採用・育成と企業風土の醸成

    持続的成長のため、優秀な人材の確保と育成に努め、多様性とチャレンジ精神を尊重する企業風土を培う。

  5. 05

    内部統制の強化

    小規模組織に応じた内部管理体制を整備し、業務執行の妥当性や効率性をチェックする機能を有効に働かせる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で21人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は616万円で、9期前と比べて5.5%平均年齢は49.7歳、平均勤続年数は12.4年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月24
2017年12月23
2018年12月28
2019年12月65344.89.426
2020年12月61746.510.124
2021年12月64447.810.023
2022年12月58146.29.222
2023年12月60946.710.022
2024年12月58946.810.022−3,636
2025年12月61649.712.421−4,286

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
本社 — 香川県 東かがわ市191百万円
MEDRX USA INC. 本社 — 米国カリフォルニア州1百万円
東京事務所 — 東京都中央区0百万円

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は1億円営業利益-9億円前期と比べると減収で、売上が-66.7%。

売上高
-66.7%
1億円
営業利益
-9億円
純利益
-9億円
営業利益率
-900.0%
前期比 -633.3%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高4億円1億円
営業利益-12億円-9億円
純利益-12億円-9億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は0億円、営業利益は−5億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2022年4Q1−5
2023年1Q0−3−3
2023年2Q0−2−2
2023年3Q0−2−2
2023年4Q0−2
2024年2Q2150.00
2024年4Q1−7−700.0−7
2025年2Q0−6−6
2025年4Q1−3−300.0−3
2026年2Q0−5−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は1億円から1億円へほぼ横ばい。直近期の営業利益率は-900.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2012年12月1−6−6
2013年12月1−6−6
2014年12月0−10−10
2015年12月0−10−9
2016年12月0−13−13
2017年12月2−10−9
2018年12月0−13−13
2019年12月2−16−16
2020年12月1−11−11
2021年12月0−11−11
2022年12月1−11−11
2023年12月0−9−9
2024年12月3−8−8−266.7−8
2025年12月1−9−9−900.0−9

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高1億円のうち、営業利益として残るのは-9億円-900.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-9億円、売上の-900.0%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金1000.0%10億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-900.0%-9億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
100.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比902.9pt
-900.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比902.7pt
-900.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-40.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが−9億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−10億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は18億円で、売上の216.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2012年12月−5−34−82
2013年12月−6−245−839
2014年12月−9−1−1−1028
2015年12月−801−821
2016年12月−12414−826
2017年12月−9−7−1611
2018年12月−13614−718
2019年12月−15−314−1814
2020年12月−10014−1018
2021年12月−908−917
2022年12月−1104−1110
2023年12月−9016−917
2024年12月−8011−820
2025年12月−9−17−1018

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は22億円。このうち返さなくてよい自己資本が20億円で、自己資本比率は92.2%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月83535.0
2013年12月4745295.2
2014年12月3735294.9
2015年12月3028291.8
2016年12月3125679.0
2017年12月2120191.1
2018年12月2321289.8
2019年12月2019191.4
2020年12月2321291.4
2021年12月2120189.9
2022年12月1412282.2
2023年12月2119290.6
2024年12月2322192.9
2025年12月2220192.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
18億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-9億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中8位あたり、逆に低いのは営業利益率79社中78位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-900.0%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
92.2%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-66.7%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥60で、1年前と比べて-51.6%過去52週の値幅のなかでは7%の位置にある。

¥60-3.2%1ヶ月-10.4%1年-51.6%時価総額36億円
過去52週の値幅
安値¥48高値¥225

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR2.27倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月中旬に79円まで急騰後、60円前後で推移。直近66円と25日線63.88円を上回る。52週高値225円からは大きく乖離し、1年で41.07%下落。出来高は7月15日に3186万株と急増後、直近は100万株前後に落ち着いた。材料後の需給調整が続くが、25日線が下値支持として機能している。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PERが算出不能で、PBRは2.47倍と同業界平均3.34倍より低いが、ROEがマイナスで収益性が悪化。配当は0%で無配当であり、PBR乖離は赤字による資産価値の低下を反映。直近の営業利益率は-900%と深刻な損失拡大で、バリュエーションが正当化されにくい。業界平均がPER28.14倍、配当利回り1.45%と比較しても、成長性が乏しいため割高と判断。

指標この会社業種平均
PBR2.27倍3.53倍

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

開発ステージのバイオベンチャーで、売上は極めて小さく赤字が続く。最大の論点は主力パイプラインの臨床試験の進捗と、提携先からのマイルストーン収入の実現可能性だ。強気派は経皮吸収技術の独自性と市場規模に期待し、承認取得で収益が飛躍的に伸びると見る。弱気派は資金調達リスクと開発失敗リスクを指摘し、株価が既に割高だと主張する。直近1年で株価は41%下落しており、材料出尽くし感もある。

プラスに働く材料7
  • 技術の独自性

    経皮吸収技術は競合が多くなく、市場価値が高い可能性

  • 提携の進展

    売上増加は一時金などで、提携先の獲得が進む

  • 下落後の反発余地

    株価が大幅下落し、期待値が低下した分リスク調整済み

  • 赤字拡大幅が1億円に留まる通年影響

    2025/12期の営業赤字は9億円と前期の8億円から小幅拡大。大幅な追加コストは発生していない

  • 純資産は約16億円と資金継続性継続影響

    時価総額39億円とPBR2.47倍から純資産は約16億円。開発費用はある程度カバーできる

  • 売上高3億円の商業化実績通年影響

    売上高3億円を計上し、ライセンス契約等による収益化が始動。2025/12期は一時的に1億円へ落ち込んだが、今後の契約次第で拡大余地

  • 株価が1年で41%下落しセンチメント反転の余地不定影響

    66円と昨年から41%安。売り一巡後のリバウンドが期待される

マイナスに働く材料7
  • 赤字の継続

    2025年12月期も9億円の最終赤字予想で資金消耗

  • 開発リスク

    臨床試験失敗の可能性が常にあり、収益化時期が不明

  • 株価の高PBR

    PBR2.47倍は資産価値に対して割高で下落余地

  • 売上高1億円・営業赤字9億円で事業基盤が脆弱通年影響

    売上高は前年3億円から1億円へ67%減、営業利益率は-900%と収益を大幅に毀損

  • 3期連続の最終赤字で純資産が減少通年影響

    2023/12期から2025/12期まで毎期9億円前後の純損失を計上。自己資本は漸減しているとみられる

  • 無配当継続で株主への直接的な還元がない継続影響

    配当利回りは0%であり、株主は値上がり益のみに依存する構造

  • PBR2.47倍のバリュエーションが先行不定影響

    営業損益が赤字にもかかわらず時価総額は39億円。PBR2.47倍は開発期待を織り込んだ水準で、遅延リスクに敏感

次の決算で確かめる点
パイプラインの進捗
臨床試験のフェーズや結果が企業価値を左右
提携・ライセンス収入
赤字補填と収益化への道筋を占う
現金及び預金
資金調達の必要性と継続可能性を確認

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ21,529人。区分でいちばん多いのは個人・その他84.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が2.1%を占め、残る97.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他76.880.481.087.685.584.8
証券会社7.313.711.05.86.59.8
外国法人11.41.84.63.45.23.0
事業法人4.13.52.72.52.11.6
金融機関0.30.40.50.20.30.5
外国人個人0.10.20.20.30.40.3

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01江平 文茂3.79
02楽天証券株式会社3.49
03永井 崇久3.37
04株式会社SBI証券1.84
05野村證券株式会社1.35
06NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN (CASHPB)1.24
07株式会社MM0.91
08山下 博0.65
09江崎 雄二0.63
10八木 朗0.58

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近14
  • 2026-09-02
    グロース・キャピタル株式会社
    変更報告
    11.90%
    -1.80pt
  • 2026-09-02
    グロース・キャピタル株式会社
    変更報告
    13.70%
    -1.34pt
  • 2026-09-02
    グロース・キャピタル株式会社
    変更報告
    15.04%
    -0.95pt
  • 2026-09-02
    グロース・キャピタル株式会社
    変更報告
    15.99%
    -1.36pt
  • 2026-08-31
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    10.77%
    -1.13pt
  • 2026-08-13
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    11.90%
    -1.80pt
  • 2026-07-30
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    13.70%
    -1.34pt
  • 2026-07-27
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    15.04%
    -0.95pt
  • 2026-07-23
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    15.99%
    -1.36pt
  • 2026-07-17
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    17.35%
    -0.91pt
  • 2026-07-14
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    18.26%
    -0.65pt
  • 2026-07-09
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    18.91%
    -0.89pt
  • 2026-06-29
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    19.80%
    -0.72pt
  • 2026-06-12
    グロース・キャピタル株式会社
    新規の大量保有報告
    20.52%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+91%、1株純資産は14期で−65%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2012年12月−19695
2013年12月−113673
2014年12月−152523
2015年12月−131397
2016年12月−155286
2017年12月−103219
2018年12月−127203
2019年12月−134136
2020年12月−69108
2021年12月−5077
2022年12月−4441
2023年12月−2748
2024年12月−1945
2025年12月−1734

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2025/12期の役員報酬は総額50百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約1倍にあたる。

氏名役職年齢
松村眞良取締役 会長81
松村米浩代表取締役 社長55
秋友比呂志取締役 開発部長65
濱本英利取締役 研究部長57
藤岡健取締役 経営管理部長59
岩谷邦夫取締役(監査等委員)84
山崎泰志取締役(監査等委員)54
大城紀子取締役(監査等委員)53
森川さち子取締役(監査等委員)49

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)544449
社外取締役4662

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,792字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社独自の経皮吸収*型製剤技術を基に新たな医薬品を生み出す創薬企業グループです。経皮吸収技術をはじめとする製剤技術をもって画期的新薬を開発し、全世界の人々の健康とQOL*の向上に資することを企業理念としています。イオン液体の特徴を利用した独自の経皮吸収型製剤技術ILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)、薬物のナノコロイド*化技術を利用した独自の経皮吸収型製剤技術NCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)を中心とした医薬品製剤技術により、薬効の極大化、副作用の低減、飲み忘れ防止や経口投与が困難な患者への投与を可能にして、新たな付加価値を有する医薬品を生み出すことを目指しております。 当社グループは、当社、連結子会社MEDRX USA INC.及びMEDRX AUSTRALIA PTY LTDの3社で構成されています。 当社グループの現在のビジネスモデルは、当社製剤技術により新たに創出(製剤開発*)した医薬品候補製剤を、医薬品としての製造販売承認を取得するために開発(非臨床試験*、臨床試験*)する過程で、製薬会社等との間で開発・販売・製造に関する適切な提携関係を築いて事業を推進していくものです。当社は、提携先の製薬会社等から、「契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストンフィー」及び「上市*後の製品売上、ロイヤルティ」の形で収入を得ます。 医薬品候補製剤(開発パイプライン)の特性(市場性、開発費用)や、提携候補先製薬会社の当該パイプラインに対する取組姿勢を考慮した上で、開発パイプライン毎に当社の収益モデルを設計し、当社全体としてのリスクとリターンのバランスを取るためのポートフォリオを構築しながら成長していくことを目指しています。 当連結会計年度において、当社グループでは独自の経皮製剤技術であるILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)を中心とした医薬品製剤技術を用いて、低分子から高分子に至る様々な有効成分の経皮吸収性を飛躍的に向上させることにより新しい付加価値を持った医薬品を開発することを事業の中核に据え、製品化に向けた開発を推し進めるとともに提携候補先との契約交渉を行うなど事業の拡大を図ってきました。 開発が最も進んでいる「Bondlido (MRX-5LBT:リドカインテープ剤)」について、2025年9月に米国規制当局であるアメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)から成人の帯状疱疹後の神経疼痛を適応として販売承認を取得しました。現在、販売パートナー候補と提携交渉中であり、2026年下半期の上市を計画しています。 続いて「MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)」「MRX-9FLT:中枢性鎮痛貼付剤(フェンタニルテープ剤)」の2つのパイプラインが臨床開発ステージにあります。また、米国の創薬ベンチャーAlto Neuroscience, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー、以下「Alto」)との提携下で開発が進められている「Alto-101:統合失調症治療薬(PDE4阻害貼付剤)」について、統合失調症患者に対する臨床第2相試験が進行中です。 当社グループではこれらの貼付剤パイプラインとは別に、無痛での自己接種が可能で従来の接種方法と比べて高い免疫応答が期待できる、ワクチン等の投与デバイスであるマイクロニードルの研究開発に取り組んでいます。世界でまだ数ヶ所しかない医療用医薬品/ワクチン用途のマイクロニードル治験薬工場を稼働させており、モデル動物を用いたフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら、事業提携を模索しています。 当社グループの主要パイプラインの開発進捗状況は、以下のとおりです。 <開発コード MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)> ILTS®を用いて中枢性筋弛緩薬であるチザニジンのテープ型貼付剤を製剤開発したものです。米国における筋弛緩薬市場は、2024年において約2,300億円(1,546 million USドル)と推計されています(出所:IQVIA)。筋弛緩薬の経皮製剤が存在しない中、チザニジンを経皮製剤化することにより経口剤と比較して、有効血中濃度の持続性、眠気や口渇等の副作用の低減等の利点が期待されます。 2025年12月に臨床第2相/POC試験を開始しました。この試験では、多発性硬化症による痙縮患者を対象に高用量域におけるMRX-4TZTの安全性・忍容性および有効性をチザニジン経口剤と比較することにより、MRX-4TZTのProof of Concept「薬効を維持したまま、経口薬と比較して安全性・忍容性が向上することにより、患者負担が軽減される」を確立することを目的としており、2026年第4四半期に結果速報を得ることを見込んでいます。 試験デザイン詳細については、以下の当社ウェブサイトをご参照下さい。 https://www.medrx.co.jp/business/iltspipeline/mrx-4tzt/index.html 患者さんを対象としたこのPOC試験で、MRX-4TZTのコンセプト、即ち「薬効を維持したまま、経口薬と比較して安全性・忍容性が向上することにより、患者負担が軽減される」を示すことができれば、MRX-4TZTのアセットとしての価値が格段に向上し、ライセンスアウトによる収益化も見えてきます。MRX-4TZTはブロックバスターになり得るポテンシャルを持ったパイプラインであり、開発の要所である臨床第2相/POC試験結果は、当社の企業価値に大きなインパクトを与えると期待しています。 <Bondlido (MRX-5LBT):帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)> ILTS®を用いた新規のリドカインテープ剤であり、帯状疱疹後の神経疼痛を適応症としているリドカインパップ剤Lidodermの市場をターゲットとして、第一に米国で開発を進めてきた製品です。米国におけるリドカイン貼付剤市場は、2024年において約240億円(162 million USドル)と推計されています(出所:IQVIA)。2020年4月に株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(愛知県名古屋市、D. Western Therapeutics Institute、以下「DWTI」)と米国における共同開発契約を締結して以降、DWTIと共同で開発を進めてきました。Bondlidoは、これまでの臨床試験結果より、先行指標品であるLidodermより「皮膚刺激性が少なく」「貼付力に優れ」「運動時においても貼付力を保持できる」より良い製品として市場浸透することが期待されます。 2024年1月に新薬承認申請しましたが、2024年7月にFDAより審査完了報告通知(CRL)を受領しました。2025年3月にCRLにおいて求められていたデータを追加して再申請し、2025年9月に成人の帯状疱疹後の神経疼痛を適応として販売承認を取得しました。現在、販売パートナー候補と提携交渉中であり、2026年下半期の上市を計画しています。先行競合品ZTlidoのnet salesは2024年において約80億円(52 million USドル)です(出所:Scilex Holding Company, FORM 10-K)。この数字を一つの目安として、ZTlidoに追い付け追い越せとの期待を持って、販売提携候補先との交渉を行っています。 <開発コード MRX-9FLT:中枢性鎮痛薬(フェンタニルテープ剤)> フェンタニルは、オピオイドの一種で、医療用麻薬に指定されており、米国においては重度の急性疼痛、慢性疼痛及び癌性疼痛に貼付剤としても広く使用されています。フェンタニル貼付剤においては、患者の使用後の貼付剤を幼児・小児が誤って噛んだり貼付したりすることで死亡する誤用事故が報告されており、米国で社会的な問題となっています。 当社グループでは、オピオイド貼付剤における誤用事故の抑制・防止を目的とした独自技術を開発しており、その技術を適用したフェンタニルテープ剤についてFDAと面談会議を実施し、幼児・小児に対する誤用事故防止機能を持った貼付剤は重要で価値のあるゴールであることを確認した上で、本格的な開発に取り掛かりました。予備的な臨床薬物動態(pilot PK:Pharmacokinetics)試験により、MRX-9FLTが参照製品と同様の血中濃度推移を示すことが確認できました。また、in vitro(実験室レベル)や動物実験で確認してきた誤用事故防止機能についても、ヒトでの有用性を予備的に確認することができました。2021年7月には、MRX-9FLTが持つ誤用事故防止機能が評価され、FDAからファスト・トラック指定されました。新薬承認取得に向けて、参照製品との生物学的同等性を示すための検証的な比較臨床試験、及び、誤用事故防止機能を検証するための試験を計画しています。 米国におけるフェンタニル貼付剤市場は、2024年において約240億円(158 million USドル)と推計されており(出所:IQVIA)、誤用事故防止という高付加価値化により、現市場の置き換えと更なる市場拡大を企図しています。 <開発コード MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)> 当社では、ILTS®とは別に、薬物をナノコロイド化することにより経皮吸収性を飛躍的に向上させる独自の経皮製剤技術NCTS®を用いた経皮吸収型医薬品の研究開発にも取り組んでいます。MRX-7MLLは、NCTS®を用いてアルツハイマー治療薬であるメマンチンを含有した貼付剤を製剤開発したものです。 2025年5月にP1a試験(臨床第1相単回PK試験)結果が判明しました。P1a試験においてMRX-7MLLが示した経皮浸透量は、臨床上有用と考えられるパッチサイズで経口剤と同等の血中濃度を実現できる水準に達しませんでした。その後、経皮浸透性に関して製剤改良を多面的に試みましたが、経皮浸透性と皮膚安全性を両立させる目途が立たず、開発を断念することとしました。 <開発コード MRX-6LDT:慢性疼痛治療薬(ジクロフェナック・リドカインテープ剤)> 米国における疼痛管理薬市場は2024年において約6,400億円(4,251 million USドル)であり、その50%超をジェネリック医薬品が占めています(出所:IQVIA)。慢性疼痛市場にはジェネリック医薬品を含め多数の薬剤が存在し、新たなブランド薬が確固たる地位を築くことは容易ではありませんが、一方で、米国での慢性疼痛治療の基盤ともいえるオピオイド鎮痛薬の乱用リスクに対して米国社会全体から厳しい視線が集まっており、乱用リスクがなく有効性と安全性・忍容性に優れた慢性疼痛治療薬には大きな事業機会/潜在市場があると考えています。 MRX-6LDTは、当社独自の経皮製剤技術ILTS®を用いて、消炎鎮痛作用を有するジクロフェナックと局所麻酔作用を有するリドカインの両薬物ともに高い経皮浸透を実現させるべく製剤開発したテープ型貼付剤であり、両薬物の相加的或いは相乗的な疼痛治療効果を最大限に発揮させることを企図しています。米国における大きな事業機会/潜在市場に向けて、まずは非臨床試験とそれに続く臨床第1相試験を実施して、MRX-6LDTの高い経皮浸透性及び製品ポテンシャルをヒトでのデータをもって確認することを計画しています。 <開発コード Alto-101:統合失調症治療薬(PDE4阻害貼付剤)> 2023年9月に、Alto Neuroscience, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー、以下「Alto」)と、当社独自の経皮吸収技術を適用した中枢神経領域の新規医薬品候補(Alto-101, PDE4阻害剤)に関する提携契約を締結しました。Altoは、個別化された高効果の治療選択肢を開発するために神経生物学を活用して精神医学を再定義することをミッションとした、ニューヨーク証券市場に上場している臨床開発ステージの創薬ベンチャーです。AltoのPrecision Psychiatry PlatformTMは、脳波記録、神経認知評価、ウェアラブルデータなどを解析することにより脳のバイオマーカーを計測して、それぞれの患者に合うAltoの薬を提供することを目指しています。 新規のPDE4阻害剤であるAlto-101の経口剤を用いて健常人に対して実施された臨床第1相試験(P1a)において、認識機能向上効果と認識機能に関連した脳波(electroencephalography: EEG)マーカーが示されています。また、当社とAltoとの提携下で製剤開発された新規のAlto-101経皮製剤を用いて健常人に対して実施されたもう一つの臨床第1相試験(P1b)において、Alto-101経皮製剤の好ましい薬物動態と忍容性、即ち、Alto-101経皮製剤は十分な量の薬物を体内に到達させた上でPDE4阻害剤を経口投与した際によく見られる副作用を低減させることが示されています。 2024年6月にAltoが統合失調症患者に対する臨床第2相試験を開始しており、2026年第1四半期に結果速報を得ることが計画されています。また、2025年10月には、FDAからファスト・トラック指定されました。進行中の臨床第2相試験は、Alto-101経皮製剤を用いたプラセボ対照交差二重盲検の用量増加試験であり、21~55歳の統合失調症患者約70名への投与が計画されています。本試験における最も重要な評価項目は、各投与期間終了時にEEGを用いて測定されるシータ帯域(脳波はalpha, beta, delta, thetaの4種類に分類される。そのうち4~7ヘルツの周波数帯域)活性へのAlto-101経皮製剤の影響です。Altoでは、EEGを用いて測定されるシータ帯域活性が統合失調症患者の認識機能とよく相関することを見出しており、本試験においてAlto-101経皮製剤の統合失調症治療薬としての堅固なPOC(Proof of Concept)を実証するのに適した指標であると考えています。 <マイクロニードルアレイ> マイクロニードルアレイ(Micro Needle array、以下「MN」という)とは、生体分解性樹脂等から成る数百μmの微小針の集合体で、当社開発品は生け花に用いる剣山を数百μmレベルに縮小したような形状です。MNは、注射しか投与手段のないワクチンや核酸医薬・タンパク医薬等の「無痛経皮自己投与」を可能にし、またワクチンや免疫性疾患においては「従来の注射剤と比べて高い免疫効果」が期待される、有望な投与デバイスとして注目されています。当社のMN技術は、鋭い針先と工夫された応力制御機構を持つアプリケータ(挿入器具)による「簡便で確実な投与」を特徴としています。 臨床試験等においてヒトに投与できるGMP(Good Manufacturing Practice)規格品を製造するMN治験薬工場が、ワクチンに用いられる病原性のある細菌やウイルス、遺伝子組み換え生物等の取り扱いを可能にするためのバイオセーフティ対策を整備した上で稼働しています。現在、量産化に向けた技術開発と並行して、モデル動物を用いたフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら事業提携を模索しています。 当社グループでは、自己投与可能なワクチンMN製剤が、パンデミック発生時の医療体制堅持や医療インフラ未整備地域での公衆衛生向上に貢献できるものと確信しており、実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。 上述した開発候補品以外にも、製薬会社等と共同で、あるいは当社グループ独自で医薬品等の製剤開発を進めています。 当社の経皮製剤技術について 経皮吸収型医薬品には、嚥下障害等で経口投与が困難な患者にも投与可能、ファーストパスエフェクトを受けない、薬物の血液中の濃度を一定に保ち効果を持続させ易い、注射剤と異なり投与時に痛みを感じない等の様々な利点があります。疾患別に見ると、昨今の潮流として、疼痛治療用薬剤に加え、アルツハイマー病やうつ病のような精神疾患系薬剤においても、QOL及び服薬アドヒアランスの向上(飲み忘れ等の防止)に寄与する経皮吸収型製剤が、アンメット・メディカルニーズに応える形で開発及び市場投入されています。 一方、皮膚は人体にとって外界からの異物の侵入に対する第一バリアであり、分子量が小さい、脂溶性が高い、融点が低い等の、皮膚から浸透し易い特定の物理化学的性質を持つ薬物以外の薬物を経皮吸収させることは極めて困難です。 当社では、イオン液体の特徴を利用した独自の経皮製剤技術ILTS®や薬物のナノコロイド化技術を利用した独自の経皮製剤技術NCTS®により、従来の技術では経皮吸収させることが困難であった難溶性薬物や核酸・ペプチドといった高分子に至る様々な薬物の経皮浸透性を飛躍的に向上させることに成功しています。さらに、ILTS®やNCTS®をもってしても経皮吸収させることが困難な高分子のワクチン等については、マイクロニードルアレイによる投与方法の研究開発を行っております。 ILTS®(Ionic Liquid Transdermal System) イオン液体とは、融点が100℃以下の塩(えん)のことで、常温溶融塩とも呼ばれています。低融点、高イオン伝導性、高極性、不揮発性、不燃性等の特徴を有しており、太陽電池や環境に優しい反応溶媒等、多方面における応用が検討されています。当社では、薬物をイオン液体化する、或いは、イオン液体に薬物を溶解することにより、当該薬物の経皮浸透性を飛躍的に向上させることができることを世界に先駆けて見出しました。現在までに、①人体への使用実績がある化合物の組み合わせによる安全性が高いと考えられるイオン液体ライブラリー、②対象薬物の経皮浸透性向上に適したイオン液体の選択に関するノウハウ、③薬物を含有するイオン液体をその特性を保持したまま使い勝手のよい形(貼り薬、塗り薬等)に製剤化するノウハウ等を蓄積しています。これらのノウハウ等も含めた独自の経皮吸収型製剤作製技術を総称して、ILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)と呼んでいます。 NCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System) 当社は、薬物をナノサイズのコロイドにすることで経皮吸収性が高まることを発見し、それによる製剤化技術をNCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)と名付けました。アルツハイマー治療薬等をターゲットとした製剤開発を進めております。 *用語解説 CRO(Contract Research Organization)   医薬品開発業務受託機関。 経皮吸収   皮膚から(薬物を)体内に吸収・浸透させること。 チザニジン     中枢性筋弛緩剤(脳や脊髄にある中枢神経に作用して筋肉の緊張を緩和する薬)の一種で、痛みを伴う肩こりや腰痛、五十肩、緊張性頭痛等の治療及び痙性麻痺等の筋肉がこわばる症状の治療に使用されている。 リドカイン   神経末端において痛みの信号を遮断して痛みを軽減させる、局所麻酔薬の一種。 フェンタニル   オピオイドの一種で、医療用麻薬に指定されており、米国においては重度の急性疼痛、慢性疼痛及び癌性疼痛に主に貼付剤として使用されている。 ファスト・トラック指定   重篤または生命を脅かす恐れのある疾患やアンメット・メディカルニーズの高い疾患に対して治療効果が期待される新薬を優先的に審査する制度。開発から審査までの迅速化を目的としている。ファスト・トラック指定により、臨床試験に関する相談などFDAと協議する機会がより多く与えられる。 メマンチン    脳内での過剰なグルタミン酸作用を抑えて神経細胞を保護するNMDA受容体拮抗薬で、中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行を抑制する薬。 製剤開発    飲み薬を貼り薬に、錠剤をゼリー剤にする等して、医薬品の剤型/投与方法を変えることにより、医薬品の有用性や安全性を高めるための研究開発。 臨床試験      薬剤候補について、有効性と安全性を実証するために、ヒトを対象として実施する試験の総称。少数健常人を対象として安全性及び薬物動態を確認する第I相試験、少数患者を対象として有効性及び安全性を探索的に確認する第Ⅱ相試験、多数患者を対象として有効性及び安全性を検証する第Ⅲ相試験に区分される。 オピオイド       ケシから採取されるアルカロイドやその関連の合成化合物及び内因性物質のうち麻薬性作用を持つ物質の総称。モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどに代表されるオピオイド鎮痛薬は、強い鎮痛効果を有する一方で、薬物依存性が高く中毒症を引き起こしやすく、過剰容量摂取した場合には呼吸抑制や昏睡を引き起こして死に至る恐れがあることが知られている。 コロイド    コロイドとは、液体、固体あるいは気体にある粒子が均一に分散している状態をいい、ナノコロイドは、粒子がナノサイズのコロイド。 非臨床試験    薬剤候補について、ヒトにおける試験を実施する上で十分な安全性と有効性があることの確認を目的として、主に動物を用いて行われる試験。 上市   各国の規制当局により新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)こと。 PDE4阻害剤     ホスホジエステラーゼ4という酵素の働きを阻害する物質の総称。様々な炎症性疾患において、免疫細胞にPDE4が過剰に存在することにより、免疫バランスの異常が生じて炎症が起こっていると考えられている。 ファーストパスエフェクト    初回通過効果ともいう。経口摂取した薬物は、腸管から吸収され肝臓に入る。多くの薬物は、その一部が肝臓で代謝されてしまうので、飲んだ薬の効果全てが全身(または患部)に届くわけではない。この肝臓通過による薬効減退効果のこと。 QOL(Quality of Life)   不快に感じることを最大限に軽減し、できるだけ当人(患者)がこれでいいと思えるような生活が送れるようにすることを目指した、医療上の概念。 アンメット・メディカルニーズ   まだ満たされていない医療上の必要性、未充足の医療ニーズ。 イオン液体     融点が100℃以下の塩(えん)のことで、常温溶融塩とも呼ばれる。低融点、高イオン伝導性、高極性、不揮発性、不燃性等の特徴を有しており、太陽電池や環境に優しい反応溶媒等、多方面における応用が検討されている。 難溶性薬物   水やその他の各種溶媒に対して溶けにくい性質を持つ薬物。 核酸    遺伝子の構成成分である生体高分子。核酸には、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)がある。 ペプチド    数個~数百個のアミノ酸がつながってできた物質の総称。医薬品としては、GLP-1等の糖尿病治療薬や抗肥満薬として使用されているものや、PTH等の骨粗鬆治療薬として使用されているものなどがある。 生体分解性樹脂   ヒトの体内で分解され得るプラスチック素材。手術時の縫合糸等に使われている。
経営方針・対処すべき課題1,539字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 (1) 創薬パイプラインの開発推進 創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、当社企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。 2025年においては、株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所と共同開発を行っていた<MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)”Bondlido”>がFDAから販売承認を取得しました。当社の米国第一号製品として、2026年後半より販売開始予定です。また、<MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)>については、第2相試験の開始が予定より遅延しましたが2025年12月に開始しました。また、<MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)>については経皮浸透性と皮膚安全性を両立させる目途が立たず、開発を断念しました。 2026年においては、以下の開発進展を予定しています。 ● MRX-4TZT:多発性硬化症による痙縮患者を対象とした臨床第2相試験の結果判明(2026年第4四半期) ● Alto-101:統合失調症患者に対する臨床第2相試験の結果判明(2026年第1四半期) (2) 製薬会社等とのパートナーシップの構築 当社グループは研究開発投資が先行する創薬パイプライン型ベンチャーであることから、製薬会社等との事業提携も重要課題であると認識しています。各開発パイプラインや基盤技術の一部について、開発権や販売権のライセンスアウトを通じて、win-winの関係を構築できるパートナーから収益を得て、財務基盤の強化、持続的な企業成長を図っていく方針です。 「MRX-5LBT “Bondlido”」の新薬承認取得に続く販売パートナーとの提携、「MRX-4TZT」のP2試験成功に続く事業提携が、引き続き重要な経営課題であります。 (3) 開発資金の確保 当社グループは研究開発投資が先行する創薬パイプライン型ベンチャーであることから、中長期的成長に向けて、創薬パイプラインの開発アセットとしての価値を高めていくための開発資金の確保も重要課題であると認識しています。当連結会計年度においては、第32回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行・行使による新株発行により、開発資金を確保することができました。今後も、適時適切な財務活動による資金調達を実施して開発資金を確保し、開発アセットの価値向上を通じて企業価値向上を図っていく方針です。 (4) 人材の採用・育成、企業風土の醸成 当社グループの事業活動は、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。当社が持続的な成長を果たすためには、人的陣容強化が欠かせないと認識しており、常に優秀な人材の確保と育成に努めています。また、研究開発推進の背骨となる多様性とチャレンジ精神を尊重する企業風土を培い続けていく所存です。 (5) 内部統制の強化 当社グループでは、企業規模・業容に応じた内部管理体制を整備し機能させることが重要であると考えています。業務執行の妥当性や効率性のチェック機能を有効に働かせ、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名、取締役(監査等委員)4名(うち、社外取締役4名)及び従業員21名の小規模組織(2025年12月末現在)に応じた内部管理体制を敷いています。
事業等のリスク7,417字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 Ⅰ. 医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスクについて (1) 新薬開発の不確実性 医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要しますが、臨床試験で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、日本国内はもとより、海外市場への展開においては、各国の薬事関連法規等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性、及び品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市ができず延期になる、または上市を断念する可能性があります。これは当社グループのパイプラインを他社にライセンスアウトした場合も同様であり、当社グループが研究開発を行った医療用医薬品候補及び他社にライセンスアウトした医療用医薬品候補の上市が延期または中止された場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクの対応策として、当社グループでは、自社グループの研究開発機能を進化発展させるとともに、他の製薬企業、バイオベンチャー企業、大学等の研究機関との提携、共同研究・共同開発により、パイプラインの拡充及び複線化に努めています。経営資源の制約(資金、社員数等)によってパイプライン数の上限はありますが、「当社グループのリスク・リターン(6ページ)」に記載しておりますように、複数の開発パイプラインで、成功確率の大小、成功時収益の大小を評価の主軸とした開発パイプライン・ポートフォリオを構成することにより、当社グループ全体としてのリスクを一定程度低減させつつ、大きな成功を目指しています。 (2) 薬事関連法規等の規制 当社は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という)」等の薬事関連法規の厳格な規制を受けており、事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可等を受けています。 許認可等の 名称及び所管官庁   許認可等の内容 及び有効期限   主な許認可取消 又は業務停止事由 第二種医薬品製造販売業許可証 所管官庁:厚生労働省、香川県 医薬品医療機器等法第12条第1項の規定により許可された第二種医薬品製造販売業者であること。 有効期限:2029年2月8日 (5年毎の更新)   医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき(医薬品医療機器等法第75条第1項) これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生していません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、規制の対象となる製品を回収し、またはその販売を中止することが求められる可能性及び対象事業を継続できない可能性があり、当社グループの運営に支障をきたし事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、将来において各国薬事法等の諸規制に大きな変化が生じた場合にも、同様に、当社グループの運営に支障をきたし事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 副作用発現、製造物責任 医薬品には、臨床試験段階から更には上市後以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社グループは、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入しておりますが、最終的に当社グループが負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社グループ及び当社グループの製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があるとともに、社会的信頼の失墜を通じて当社グループの事業展開にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 競合 医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による激しい競争状態にあり、その技術革新は急速に進んでいる状況です。これら競合相手との競争において必ずしも当社が優位性をもって継続できるとは限らず、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクの対応策として、自社グループの研究開発機能を進化発展させるとともに、他の製薬企業、バイオベンチャー企業、大学等の研究機関との提携、共同研究・共同開発により、最新の技術革新の取り込み及び協働による競争優位性の確保に努めてまいります。 (5) 医療費抑制策 当社グループの最重要ターゲット市場である米国において、MFN(Most Favored Nation:最恵国待遇)政策による先発医薬品への価格引下げ圧力のほか、低価格のジェネリック医薬品の使用促進も進んでいます。また、我が国においても、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費の伸びを抑制していく方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用促進等が進んでいます。今後の医療費政策の動向が当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.事業遂行上のリスクについて (1) パイプライン・製品に関する収益の不確実性 当社グループでは、当社製剤技術により製剤開発した複数の医薬品候補製剤(開発パイプライン)を製品化(医薬品としての製造販売承認取得)に向け臨床開発等を行っておりますが、製品上市前の収益として、各開発パイプラインのライセンスアウトによる契約一時金や開発の進捗に応じた所定の成果達成に基づくマイルストン収益を見込んでいます。この発生時期はライセンス交渉や開発の進捗に依存した不安定で予測困難なものであり、ライセンス交渉や開発に遅延が生じた場合、あるいは臨床試験等において期待される結果が確認できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクの対応策として、経営資源の制約(資金、社員数等)によってパイプライン数の上限はありますが、「当社グループのリスク・リターン(6ページ)」に記載しておりますように、複数の開発パイプラインで、成功確率の大小、成功時収益の大小を評価の主軸とした開発パイプライン・ポートフォリオを構成して収益源(候補)を複線化することにより、当社グループ全体としてのリスクを一定程度低減させつつ、大きな成功を目指しています。 (2) 小規模組織、少数の事業推進者への依存、業務委託及び提携先への依存 当社グループは、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名、取締役(監査等委員)4名(うち、社外取締役4名)及び従業員21名の小規模組織(2025年12月末現在)であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針です。 また、当社グループの事業活動は、現経営陣、各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループでは、研究開発、製造及び販売に関して、業務委託及び業務提携することにより、比較的少人数による事業推進を可能にしています。しかしながら、何らかの理由により、業務受託又は業務提携先との関係が解消された場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 知的財産権 当社グループでは研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。 しかし、当社が保有している現在出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常在しています。当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは他社の特許権の侵害を未然に防止するため特許調査を実施しており、これまでに、当社グループの開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社グループのような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクの対応策として、当社グループでは知的財産権に関する豊富な知識、経験を有する専門人材を雇用してその任に当たらせ、特許権を含む知的財産権を適切に管理しております。また、取締役会において毎月、特許権の申請・取得状況について知財担当の専門人材の詳細な説明による継続的なモニタリングを行うことで、リスクの回避と影響の低減を図っております。 Ⅲ.業績等に関するリスクについて (1) 社歴の浅さ 当社は2002年1月に設立された社歴の浅い企業であり、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、今後、未だ経験していない事業上のトラブルが発生する可能性は否定できず、将来の不確実要因も多いと考えられます。 (2) マイナスの繰越利益剰余金の計上 当社グループは、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業です。医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社グループも創業以来継続的に営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。 当社グループは、複数のパイプラインの開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指しています。しかしながら、設立以来親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、将来において計画通りに親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社事業が計画通りに進展せず親会社株主に帰属する当期純利益を獲得できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。 (3) 収益計上が大きく変動する傾向 当社グループは、上市済み製品による売上を計上しているもののその額は微々たるものであり、当社グループの売上高は、現在開発中のパイプラインのライセンスアウト時の契約一時金及び開発進捗に伴うマイルストン収入に大きく影響されるため、過年度の売上高、親会社株主に帰属する当期純利益(損失)は不安定に推移しています。この傾向は、現在開発中のパイプラインが上市され安定的な収益基盤となるまで続くと見込まれます。 (4) 資金繰り 当社グループは、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とし、また研究開発費用の負担により長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社も営業キャッシュ・フローのマイナスが続いており、かつ現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。 このため、先行投資期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針です。当期においては、2025年4月に発行した第三者割当による第32回新株予約権の行使により、①MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)の臨床第2相試験費用(治験薬製造等の準備費用を含む)②MRX-5LBT “Bondlido”の上市準備・承認維持費用③製剤開発を中心とした研究開発費用及び運転資金に要する費用としての資金を獲得しました。 当社グループでは、こうした方針を今後も継続していく予定ですが、将来的に必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 (5) 為替変動リスク 当社グループの収入及び支出(計画を含む)には米国ドル建決済及び豪州ドル建決済が含まれていますが、特段の為替リスクヘッジは行っておりません。大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (6) 調達資金使途 上場時の公募増資及びその後現在に至るまでの新株予約権の権利行使により調達した資金は、医薬品の研究開発を中心とした事業費用に充当する計画です。但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。 (7) 新株発行による資金調達 当社グループは際限ない成長意欲を有しており、将来の急速な事業規模の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 (8) ストック・オプション 当社は、当社取締役(監査等委員である取締役を除く)、取締役(監査等委員)、従業員、当社子会社従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。当社取締役(監査等委員である取締役を除く)、取締役(監査等委員)、従業員、当社子会社従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っています。 2025年12月31日現在における当社の発行済株式総数は59,365,100株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに333,000株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、所定の業績達成基準が満たされた場合に行使可能な有償ストック・オプションが96,800個(9,680,000株)存在しております。 今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 (9) 配当政策 医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資回収も長期に及ぶ傾向にあり、当社も創業以来継続的に営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。このような状況下においては、積極的な開発推進によって企業価値を高めることこそが、株主利益の最大化に繋がると考えています。 2025年12月期末においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。 株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって親会社株主に帰属する当期純利益が計上される時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、配当による利益還元の実施を検討したいと考えております。 (10) 継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは創薬ベンチャー企業です。 医薬品の研究開発には長期に及ぶ先行投資が必要であり、ベンチャー企業として医薬品の開発に取り組んでいるため、期間損益のマイナスが先行する結果となっております。 当連結会計年度においても営業赤字が継続しているため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況となっておりますが、2013年2月13日の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う資金調達及び上場以降適時に実施してまいりました資金調達により、翌連結会計年度の研究開発活動を展開するための資金は確保できており、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。 「第2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおり、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動による資金調達を組み合わせて、事業基盤並びに財務基盤の強化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。
経営成績の分析 (MD&A)6,034字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて118百万円減少し、2,157百万円となりました。これは主に現金及び預金が222百万円減少し、土地が81百万円増加したこと等によるものです。 流動資産は1,824百万円となりました。主な内容は、現金及び預金1,754百万円であります。固定資産は332百万円で、主な内容は土地81百万円、建物及び構築物108百万円、及び投資有価証券130百万円等であります。 (負債) 負債は、前連結会計年度末に比べて2百万円増加し、108百万円となりました。これは主に繰延税金負債の増加31百万円、未払金の減少36百万円、未払法人税等の増加8百万円によるものであります。 流動負債は77百万円となりました。主な内容は未払金53百万円、未払法人税等22百万円であります。固定負債は繰延税金負債31百万円であります。 (純資産) 純資産は、前連結会計年度末に比べて121百万円減少し、2,048百万円となりました。 これは親会社株主に帰属する当期純損失937百万円により利益剰余金のマイナスが937百万円拡大したこと、第32回新株予約権の行使に伴い、資本金及び資本剰余金がそれぞれ369百万円ずつ増加したこと等によるものであります。また、2025年3月28日開催の第23期定時株主総会において、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関する議案が承認可決され、その後、債権者保護手続きが実施され特に異議が生じなかったため、資本金及び資本準備金の額の減少に関する効力が2025年5月8日付で生じました。その結果、資本金及び資本準備金がそれぞれ500百万円、325百万円減少しており、その合計額825百万円を繰越利益剰余金に振り替えることにより欠損てん補を行いましたが、これによる純資産に与える影響はありません。 以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の92.9%から92.2%となりました。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度の売上高は128百万円(前年同期は257百万円)、研究開発費用とその他経費を合わせた販売費及び一般管理費は1,068百万円(前年同期は1,050百万円)を計上しました。営業損失は941百万円(前年同期は793百万円)、営業外収益として、保険解約返戻金14百万円、令和6年度中小企業等海外展開支援事業補助金(海外出願支援事業)2百万円、受取利息2百万円等を含め20百万円を計上、営業外費用として、行使価額修正条項付第32回新株予約権の発行等に係る営業外支払手数料8百万円、為替差損5百万円、株式交付費1百万円等を含め15百万円を計上し、経常損失は937百万円(前年同期は755百万円)となりました。特別利益として、新株予約権戻入益12百万円、法人税等12百万円の計上によって親会社株主に帰属する当期純損失は937百万円(前年同期は806万円)となりました。 なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ222百万円減少し、1,754百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、888百万円(前連結会計年度は803百万円の支出)となりました。これは税金等調整前当期純損失が925百万円となったこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは82百万円(前連結会計年度は3百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出82百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得したキャッシュ・フローは745百万円(前連結会計年度は1,066百万円の収入)となりました。これは,行使価額修正条項付第32回新株予約権の発行及び第33回新株予約権(有償ストックオプション)の発行による収入5百万円、行使価額修正条項付第32回新株予約権の行使による収入739百万円によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の状況 a. 生産実績 当社グループの製品は、すべて製造委託しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。 事業の名称   受注高 (千円)   前年同期比 (%)   受注残高 (千円)   前年同期比 (%) 医薬事業(製品売上高)   3,976   1,223.4   ―   ― 合計   3,976   1,223.4   ―   ― c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。 事業の名称   販売高(千円)   前年同期比(%) 医薬事業(製品売上高)   3,976   1,223.4 医薬事業(研究開発等収入)   124,108   48.2 合計   128,084   49.7 (注)   1.  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) 株式会社マリーヌ   325   0.1   3,976   3.1 Alto Neuroscience, Inc.   257,590   99.9   24,108   18.8 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所   ―   ―   100,000   78.1 2.  当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは<MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)”Bondlido”>がFDAから販売承認を取得したことにより、株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所から100百万円のマイルストン収入を得ましたが、Alto Neuroscience, Inc.の契約に基づくマイルストン収入が前年よりも減少したためであります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。 なお、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 創薬パイプライン型ベンチャーである当社グループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、当社企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。 <Bondlido (MRX-5LBT):帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)> 最後の一歩での足踏みが続いていましたが、2025年9月に成人の帯状疱疹後神経疼痛を適応として米国での販売承認を取得することができました。Bondlidoは、これまでの臨床試験結果より、先行指標品であるLidodermより「皮膚刺激性が少なく」「貼付力に優れ」「運動時においても貼付力を保持できる」より良い製品として市場浸透することが期待されます。 現在、販売パートナー候補と提携交渉中であり、2026年下半期の上市を計画しています。先行競合品ZTlidoのnet salesは2024年において$52M(約80億円)です。この数字を一つの目安として、ZTlidoに追い付け追い越せとの期待を持って、販売提携候補先との交渉を行っています。 <MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)> 2025年12月に臨床第2相 / POC試験を開始しました。この試験では、多発性硬化症による痙縮患者を対象に高用量域におけるMRX-4TZTの安全性・忍容性および有効性をチザニジン経口剤と比較することにより、MRX-4TZTのProof of Concept「薬効を維持したまま、経口薬と比較して安全性・忍容性が向上することにより、患者負担が軽減される」を確立することを目的としており、2026年第4四半期に結果速報を得ることを見込んでいます。試験デザイン詳細については、以下の当社ウェブサイトをご参照下さい。 https://www.medrx.co.jp/business/iltspipeline/mrx-4tzt/index.html 患者さんを対象としたこのPOC試験で、MRX-4TZTのコンセプト、即ち「薬効を維持したまま、経口薬と比較して安全性・忍容性が向上することにより、患者負担が軽減される」を示すことができれば、MRX-4TZTのアセットとしての価値が格段に向上し、ライセンスアウトによる収益化も見えてきます。 チザニジン経口剤は、米国において年間約10億錠、1日3回服用なので約3.3億日分が処方されており(2020-2024年、出所:IQVIA)、MRX-4TZTの販売ピーク時において、チザニジン経口剤の9-30%が1日1回貼付の副作用が少ないMRX-4TZTに置き換わると想定すると年間3,000万枚-1億枚、ピーク時の販売価格を1枚10 USドルと想定すると、ピーク時の売上高は300-1,000 million USドル(約450-1,500億円)に達する計算になります。 MRX-4TZTはブロックバスターになり得るポテンシャルを持ったパイプラインであり、開発の要所である臨床第2相 / POC試験結果は、当社の企業価値に大きなインパクトを与えると期待しています。 <MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)> 2025年5月にP1a試験(臨床第1相単回PK試験)結果が判明しました。MRX-7MLLが示した経皮浸透量は、臨床上有用と考えられるパッチサイズで経口剤と同等の血中濃度を実現できる水準に達しませんでした。その後、経皮浸透性に関して製剤改良を多面的に試みましたが、経皮浸透性と皮膚安全性を両立させる目途が立たず、開発を断念することとしました。 <Alto-101:中枢神経疾患治療薬(PDE4阻害剤)> 2023年に米国の創薬ベンチャーである Alto Neuroscience, Inc.(以下「Alto」)と、当社独自の経皮吸収技術を適用した中枢神経領域の新規医薬品候補(Alto-101、新規PDE4阻害剤)に関する提携契約を締結しました。Altoは、NY証券市場に上場している臨床開発ステージの創薬ベンチャーです。 当社とAltoとの提携下で製剤開発されたAlto-101経皮製剤を用いた臨床第1相試験において、Alto-101経皮製剤は十分な量の薬物を体内に到達させた上でPDE4阻害剤を経口投与した際によく見られる副作用を低減させることが示されました。Altoが統合失調症患者に対する臨床第2相試験を実施中であり、2026年第1四半期に結果速報を得ることが計画されています。 <マイクロニードルアレイ(MN)> 当社では、自己投与可能なワクチンMN製剤が、パンデミック発生時の医療体制堅持や医療インフラ未整備地域での公衆衛生向上に貢献できるものと確信しており、実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。量産化に向けた技術開発と並行して、モデル動物を用いたフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら事業提携を模索しています。 メドレックスの成長にとって、まず一番のポイントは、「Bondlidoの売れ行き」です。米国での当社第1号製品Bondlidoにご期待下さい。もう一つのポイントは、「MRX-4TZT Phase 2 / POC試験結果」です。MRX-4TZTはブロックバスターになり得るポテンシャルを持ったパイプラインであり、開発の要所である臨床第2相 / POC試験結果は、当社の企業価値に大きなインパクトを与えると期待しています。他にも、Alto-101 Phase 2 / POC試験結果とその先の進捗や、マイクロニードルの開発進展~事業提携など、将来の成長に繋がるテーマはありますが、メドレックスの成長にとって当面のポイントは「Bondlidoの売れ行き」「MRX-4TZT 臨床第2相 / POC試験結果」この2つにご注目いただきたいと考えています。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 未だ主要パイプラインが臨床開発段階にある創薬パイプライン型ベンチャーの当社グループとして、最重要視している財務指標は現有資金です。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,754百万円であり、当面の開発及び運転資金相当と考えています。今後も、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動/増資による資金調達を組み合わせて、開発資金の確保と中長期的企業価値の最大化を追求してまいります。 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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