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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

ブライトパス・バイオ

BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.4594 · Growth · 医薬品

がん免疫治療薬に特化した創薬ベンチャー。iPS細胞由来の細胞医薬と抗体医薬を組み合わせ、早期のライセンスアウトで収益化を図る。

概要

ブライトパス・バイオは2003年設立のがん免疫治療薬開発ベンチャーである。iPS細胞由来NKT細胞療法やCAR-T細胞療法、抗体医薬を開発し、初期臨床試験までを自社で行い、その後大手製薬企業にライセンスアウトする事業モデルを採る。従業員23名、売上高は0、研究開発費先行で継続的な損失計上。

ライセンスアウト型創薬モデルと開発のポートフォリオ

当社は新規がん免疫治療薬の探索研究から早期臨床試験までを手掛け、国内外の製薬企業に開発製造販売権をライセンスアウトし、契約一時金やマイルストン収入を得る事業モデルを採る。パイプラインは細胞医薬(iPS-NKT細胞療法、CAR-T細胞療法)と抗体医薬(二重特異性抗体)の2つのモダリティから構成される。2011年には富士フイルムとのITK-1ライセンス契約、2022年には理研からのiPS-NKT権利導入など、外部との連携を積極的に進めている。

細胞医薬:iPS-NKT細胞をプラットフォームとする他家細胞療法

iPS細胞由来NKT細胞(iPS-NKT)を基盤として、他家(ドナー由来)で作り置き可能な細胞医薬の開発を進める。BP2201は非遺伝子改変iPS-NKT細胞で頭頸部がん第Ⅰ相試験が完了、BP2202はBCMAを標的とするCAR-NKT細胞で多発性骨髄腫を対象とした米国臨床試験を2026年度に計画する。BP2301はHER2標的CAR-Tで、固形がんへの適応を目指す。これらの細胞医薬は、患者自身の細胞を使わない「オフ・ザ・シェルフ」型治療を実現する可能性がある。

抗体医薬:免疫チェックポイント分子を標的とする二重特異性抗体

抗体医薬では、腫瘍組織内の免疫抑制を解除する二重特異性抗体の開発を進める。BP1212はCD39とTIM-3の両方を標的とし、樹状細胞の免疫抑制状態を解除して抗腫瘍T細胞免疫を誘導する。BP1223はCD39とCD3を標的とするT細胞エンゲージャーで、急性骨髄性白血病の治療を目的とする。両プログラムとも非臨床試験段階にあり、学会発表で作用機序のデータを報告している。

財務状況:売上ゼロが続く研究開発段階

2020年3月期以降、売上高は0百万円が続く。当期純損益は2016年3月期以降赤字が継続し、2025年3月期は▲12百万円、2026年3月期は▲13百万円の見通しである。研究開発費が先行し、資金調達は新株予約権の発行に依存している。創薬ベンチャー特有の長期開発サイクルにあるため、年単位の損益指標は経営の適切な指標とはならないとしている。

業界の中での役割はがん免疫治療薬の探索研究から早期臨床試験を担うバイオベンチャー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
0億円
営業利益
-13億円
純利益
-13億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医薬品(がん免疫治療薬)主力

新規がん免疫治療薬の創製・導入・開発を手掛ける。自社創製または導入したパイプラインを探索研究から早期臨床試験まで進め、国内外の製薬会社にライセンスアウトするビジネスモデル。細胞医薬(iPS-NKT、CAR-NKT、HER2 CAR-T)と抗体医薬(二重特異性抗体)を並行開発する。

広範かつ排他的に保護されるiPS-NKT関連特許の独占使用権

主な製品・サービス5
BP2201(iPS-NKT)
iPS細胞由来のNKT細胞を用いた他家細胞医薬。頭頸部がん等の固形がんを対象に早期臨床試験を実施した実績を持つ。
BP2202(BCMA CAR-ipsNKT)
BCMAを標的とするCARを発現させたiPS由来NKT細胞。多発性骨髄腫を対象に米国で臨床試験予定。FDAより希少疾病用医薬品に指定。
BP2301(HER2 CAR-T)
HER2陽性固形がんを標的とするCAR-T細胞療法。幹細胞様記憶型T細胞を多く含むことが特徴で、信州大学発の技術を採用。
BP1212(抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体)
CD39とTIM-3を同時に阻害する二重特異性抗体。固形がんの免疫抑制を解除し、抗腫瘍免疫を誘導する。
BP1223(T細胞エンゲージャー)
がん細胞のCD39とT細胞のCD3を架橋する二重特異性抗体。急性骨髄性白血病を対象に開発中。

製品と技術

iPS-NKT細胞療法BP2201:頭頸部がん第Ⅰ相試験完了

BP2201は、非遺伝子改変のiPS細胞由来NKT細胞を患者に投与する他家細胞医薬候補である。千葉大学が実施した頭頸部がん患者対象の医師主導第Ⅰ相臨床試験(2020年6月開始)は2024年1月に終了し、主要評価項目である忍容性・安全性に問題がないこと、および腫瘍増殖抑制例を含む初期的な臨床活性が確認された。成果はNature Communications誌に報告され、非遺伝子改変iPS-NKT細胞が将来のCAR-NKT細胞医薬のプラットフォームとなる基盤を示した。

BCMA CAR-NKT細胞療法BP2202:多発性骨髄腫を標的とする次世代CAR-T

BP2202は、非遺伝子改変iPS-NKT細胞にBCMA(B細胞成熟抗原)を認識するキメラ抗原受容体を導入した他家CAR-NKT細胞療法である。多発性骨髄腫を対象とし、2025年7月にFDAから希少疾病用医薬品指定を受けた。2026年度からの米国臨床試験実施を計画し、IND申請の最終段階にある。製造工程はCellistic社の3Dバイオリアクタープラットフォームに移管され、高純度・高増殖の工程を確立している。STAR-CRISPR遺伝子編集技術も導入し、固形がんへの拡大も視野に入れる。

HER2 CAR-T細胞療法BP2301:固形がん向け幹細胞様メモリーCAR-T

BP2301は、HER2陽性の固形がん(骨・軟部肉腫、婦人科悪性腫瘍)を対象とするCAR-T細胞療法である。信州大学で第Ⅰ相医師主導治験を継続中。本製品の特徴は、幹細胞様免疫記憶型(ステムセル・メモリー・フェノタイプ)のCAR-T細胞を多く含むことで、腫瘍微小環境での疲弊抵抗性と持続的抗腫瘍効果が期待される。信州大学中沢洋三教授の非ウイルス遺伝子導入法と新規細胞培養法を共同開発し、国内、中国、米国で特許査定を受けている。

抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体BP1212:固形がんの免疫抑制解除

BP1212は、CD39分子とTIM-3分子の双方を発現する免疫細胞を同時に阻害する二重特異性抗体である。固形がんを対象に、腫瘍組織内の樹状細胞が陥る免疫抑制状態を解除し、抗腫瘍T細胞免疫を誘導する作用メカニズムを持つ。2025年6月の学会IRCI 2025で非臨床試験データを発表し、作用機序を裏付ける結果が示された。現在は非臨床試験段階にあり、更なる開発ステップへの移行を目指す。

T細胞エンゲージャーBP1223:急性骨髄性白血病向けCD39/CD3二重標的

BP1223は、がん細胞上のCD39とT細胞上のCD3を同時に標的とするT細胞エンゲージャーである。急性骨髄性白血病(AML)を対象に、T細胞をがん細胞に接近させて殺傷させる作用メカニズムを持つ。国立がん研究センター東病院との共同研究を進め、2024年12月の米国血液学会(ASH)で一部の研究成果を発表した。BP1212と並び、当社の抗体医薬パイプラインを構成するプログラムである。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 医薬品(がん免疫治療薬)広範かつ排他的に保護されるiPS-NKT関連特許の独占使用権

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

創薬ベンチャー、無収益で開発段階

バイオ医薬品の研究開発を手掛ける創薬ベンチャー。同業のジーエヌアイグループやChordia Therapeuticsも未収益だが、ブライトパスは特にパイプラインが初期段階とみられる。過去3期の売上高は0百万円、営業利益も非開示で、収益化の目処は立っていない。創薬には多額の資金と時間を要し、成功確率も低い。

強み

  • 特定の疾患領域に特化した独自の創薬プラットフォームを持つ。
  • 複数の特許を保有し、技術の独占的利用が可能。
  • 大学や研究機関との連携により、基礎研究を強化。
  • 大手製薬との共同開発やライセンス契約の可能性。

課題

  • 創薬から上市まで10年以上かかり、当面無収益。
  • 研究開発費の調達が困難になると事業継続が危ぶまれる。
  • 治験で有効性・安全性が確認できず開発中止リスク。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がブライトパス・バイオ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 23件

福岡県久留米市で資本金1000万円の創薬会社としてスタート

2003年5月、福岡県久留米市旭町に資本金10,000千円で設立された。設立直後からがん免疫治療薬の研究開発を開始し、2006年1月には最初のパイプラインITK-1の去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験を開始した。当初は本社を久留米市内に置き、地元アカデミアとの連携も模索した。

富士フイルムとのライセンス契約と第Ⅲ相試験への進展

2011年11月、富士フイルム株式会社とITK-1に関する独占的ライセンス契約を締結した。これにより開発資金の一部を確保し、2013年6月には去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験を開始した。2015年6月の中間解析では効果安全性評価委員会が試験継続を推奨したが、最終的に2019年5月に開発中止を決定した。

川崎への拠点移転と社名変更、iPS-NKTへの参画

2016年8月、神奈川県川崎市殿町地区に川崎創薬研究所を開設した。2017年7月には商号をブライトパス・バイオ株式会社(BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.)に変更。2018年4月には理研のiPS細胞由来再生NKT細胞療法プロジェクトに参画し、細胞医薬分野への本格的な進出を開始した。2019年6月には本店も川崎に移転した。

ITK-1中止後のパイプライン再編と理研からの権利導入

2019年5月にITK-1の開発を中止した後、2020年6月には千葉大学でiPS-NKT細胞療法の医師主導治験を開始した。2022年5月にはHER2 CAR-T細胞療法(BP2301)の治験開始と、GRN-1201の米国第Ⅱ相試験早期中止を発表。同年11月には理研に対してiPS-NKTの独占的開発製造販売権の導入オプションを行使し、細胞医薬開発に経営資源を集中する方針を明確にした。

東証グロース市場移行と現行パイプラインの進捗

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しによりマザーズ市場からグロース市場へ移行した。2024年1月にはiPS-NKT細胞療法(BP2201)の頭頸部がん第Ⅰ相臨床試験が終了し、2025年12月には結果がNature Communicationsに掲載された。BP2202(BCMA CAR-NKT)は2025年7月に米国FDAから希少疾病用医薬品指定を受け、2026年度の米国臨床試験開始を目指している。

年表23件を開く

2000年代

  • 2003年5月創業福岡県久留米市旭町67番地に当社設立(資本金10,000千円)
  • 2006年1月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験を開始
  • 2008年11月本社を福岡県久留米市百年公園1番1号に移転
  • 2009年6月東京支社を東京都文京区本郷に設置
  • 2009年7月ITK-1の膠芽腫及び去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験継続投与試験が完了

2010年代

  • 2011年11月富士フイルム株式会社とITK-1に関する独占的ライセンス契約を締結
  • 2013年6月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験を開始
  • 2014年10月東京支社を東京都千代田区麹町に移転
  • 2015年6月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験の中間解析の結果、最終解析における主要評価項目達成の見込みが一定以上あることが示され、効果安全性評価委員会が計画通りの試験継続を推奨
  • 2015年10月GRN-1201のメラノーマ(悪性黒色腫)患者に対する第Ⅰ相臨床試験を開始
  • 2016年8月神奈川県川崎市殿町地区に川崎創薬研究所を開所
  • 2017年1月GRN-1201の免疫チェックポイント阻害剤との併用による非小細胞肺がんに対する米国での第Ⅱ相臨床試験を開始
  • 2017年7月商号変更会社名をブライトパス・バイオ株式会社(BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.)に変更
  • 2018年4月国立研究開発法人理化学研究所(以下:理研)のiPS細胞由来再生NKT細胞療法 開発プロジェクトに参画
  • 2018年5月ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)を実施
  • 2019年5月ITK-1の開発を中止
  • 2019年6月本店を神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目25番22号に移転

2020年代

  • 2020年6月iPS-NKT細胞療法の医師主導治験開始
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズ市場からグロース市場へ移行
  • 2022年5月HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)の医師主導治験開始
  • 2022年5月GRN-1201の米国第Ⅱ相臨床試験の早期中止を発表
  • 2022年11月理研に対してiPS-NKTに関わる全世界での独占的開発製造販売権の導入オプションを行使
  • 2024年1月iPS-NKT細胞療法の頭頸部がん患者に対する第Ⅰ相臨床試験が終了

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    がん免疫治療薬に特化した開発

    開発領域をがん免疫治療薬に絞り、免疫チェックポイント阻害抗体で実証された創薬コンセプトを拡張し、従来の治療法では効果が得られなかったアンメットメディカルニーズを満たす新薬を創製する。

  2. 02

    オープンイノベーションによるシーズ創出

    国内外のアカデミアやベンチャー企業と広く連携し、最先端サイエンスへのアクセスを確保。共同研究や導入を通じて競争力のあるパイプラインを継続的に獲得・創製する。

  3. 03

    ライセンスアウト型事業モデルの推進

    後期臨床試験以降は大手製薬企業にライセンスアウトし、契約一時金やマイルストン収入で早期収益化を図る。財務負担を抑えながら持続的な開発と企業成長を実現する。

  4. 04

    中長期的な製薬企業への転換

    ライセンスアウト成功による資金力を基盤に、一部のパイプラインは後期臨床試験以降も自社で開発し、創薬ベンチャーから製薬企業へ転換。統合的ながん免疫治療アプローチを目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で23人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は938万円で、9期前と比べて+7.5%平均年齢は48.6歳、平均勤続年数は5.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月37
2018年3月42
2019年3月87343.23.142
2020年3月91745.33.444
2021年3月86645.92.844
2022年3月86045.83.338
2023年3月86947.43.832
2024年3月89146.64.724
2025年3月84546.95.124−5,000
2026年3月93848.65.923−5,652

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本店 — 神奈川県川崎市川崎区9百万円
ほか1件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    株式会社アドバンスト・イミュノセラピー
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権66.7%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は0億円営業利益-13億円

売上高
0億円
営業利益
-13億円
純利益
-13億円

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高0億円0億円
営業利益-20億円-13億円
純利益-19億円-13億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は0億円、営業利益は−5億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0−3
2024年1Q0−3−3
2024年2Q0−3−3
2024年3Q0−3−4
2024年4Q0−2
2025年2Q0−5−5
2025年4Q0−7−7
2026年2Q0−5−5
2026年4Q0−8−8
2027年1Q0−5−5

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は5億円から0億円へ0%に減った。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月522
2014年3月900
2015年3月8−4−4
2016年3月8−10−10
会社名をブライトパス・バイオ株式会社(BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.)に変更
2017年3月5−11−11
2018年3月4−16−16
2019年3月2−17−19
2020年3月0−18−19
2021年3月0−17−17
2022年3月0−15−15
2023年3月0−15−15
2024年3月0−12−12
2025年3月0−12−11−12
2026年3月0−13−13−13

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2026年3月期は営業CFが−14億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−14億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は22億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2014年3月0001
2015年3月−4−112−58
2016年3月−9027−926
2017年3月−11−136−1250
2018年3月−16−133−1765
2019年3月−15−20−1749
2020年3月−18−10−1930
2021年3月−18021−1833
2022年3月−1506−1523
2023年3月−1204−1215
2024年3月−1207−1211
2025年3月−13010−138
2026年3月−14027−1422

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は26億円。このうち返さなくてよい自己資本が24億円で、自己資本比率は90.1%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月22078.5
2014年3月42246.5
2015年3月1210283.4
2016年3月2927294.6
2017年3月5452295.8
2018年3月7270295.3
2019年3月5351294.7
2020年3月3532391.5
2021年3月3735293.7
2022年3月2825390.5
2023年3月1716190.9
2024年3月1210277.7
2025年3月119280.6
2026年3月2624290.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
22億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-51億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中12位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
90.1%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥52で、1年前と比べて-40.2%過去52週の値幅のなかでは17%の位置にある。

¥52-1.9%1ヶ月+6.1%1年-40.2%時価総額72億円
過去52週の値幅
安値¥43高値¥96

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR3.05倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1ヶ月で+17.02%、直近1日でも+7.84%と上昇し、52週安値(43円)からは+27.9%の水準。25日線(49.52円)を上回り、75日線(49.52円)と同値。ただし52週高値(102円)からは-46.1%と大きく低迷。RSIは71.43と過熱気味で、出来高は直近244万株と増加。需給改善と材料期待から戻り歩調。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 5/100)

PERやPSRが算出不能で、収益計上がない企業。当期純損失が続き、直近も営業損失を計上。PBR3.23倍は業界平均4.21倍を下回るが、収益力がなく、無配当でROEは10%だが赤字企業には評価しにくい。将来の成長が見込めない賦存量を勘案し、バリュエーションは割高と判断。

指標この会社業種平均
PBR3.05倍3.53倍
ROE10.0%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

創業以来、売上高ゼロで開発費により赤字が継続。強気派は特定のパイプラインの進捗やアンメットメディカルニーズへの展開を評価するが、弱気派は資金調達リスクや開発の不確実性を指摘する。株価は1年で43%下落し、市場の信任が低下している。

プラスに働く材料7
  • 高い技術ポテンシャル

    独自の創薬プラットフォームを持つ可能性があり、大型契約の余地。

  • アンメットニーズ

    希少疾患や難病向けの開発で高い価値を創出できる可能性。

  • 研究開発の進展

    特定のパイプラインが臨床試験で有望なデータを示す可能性。

  • 赤字幅は前期比1億円増にとどまり急拡大回避継続影響

    純損失は12億円→13億円。売上高0億円でも赤字ペースは安定

  • PBR3.23倍・ROE10%は成長期待を映す不定影響

    時価総額76億円、PBR3.23倍。ROE10%は市場の高い期待を示す

  • 株価55円と低位、材料次第で値動きが拡大不定影響

    1年間で43.9%下落後の低価格帯。ニュースで戻りが期待できる

  • 外国人保有4.1%と低く新規資金の入る余地継続影響

    外国人持ち分4.1%、時価総額76億円。買い増し余地が大きい

マイナスに働く材料7
  • 収益の見通しなし

    売上高ゼロで、製品化まで長期の時間と資金が必要。

  • 資金調達リスク

    継続的な赤字で、増資や借入が株式価値を希薄化。

  • 開発失敗の可能性

    バイオベンチャーは臨床試験失敗のリスクが高く、事業継続が不透明。

  • 売上高0億円が3期継続、収益化の見通し立たず継続影響

    2026/3期も売上高0億円、営業損失13億円。無収益状態が長期化

  • 純損失は3期連続で12億→12億→13億円と拡大通年影響

    純損失は12億円、12億円、13億円。資金消耗が続き調達リスク

  • PBR3.23倍は無収益企業として割高不定影響

    時価総額76億円、純資産の約3.2倍。バリュエーション調整余地がある

  • 株価1年で43.9%下落、低価格が需給悪化招く継続影響

    株価55円、時価総額76億円。年初来下落率が高く戻り売りが続く

次の決算で確かめる点
研究開発費
開発の進捗と資金の燃焼速度を測る。
現金及び同等物
資金調達の必要性と事業継続期間を評価。
臨床試験の進捗
パイプラインの価値と将来の収益化可能性。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ38,179人。区分でいちばん多いのは個人・その他82.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が4.1%を占め、残る95.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他86.084.591.989.185.082.2
証券会社8.89.74.26.38.29.6
外国法人1.42.30.92.04.73.6
事業法人3.13.01.91.61.33.0
金融機関0.60.40.90.80.51.1
外国人個人0.10.20.20.20.40.5

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01楽天証券株式会社共有口2.48
02株式会社SBI証券2.46
03上田八木短資株式会社2.02
04BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD1.34
05日本証券金融株式会社1.05
06松井証券株式会社1.04
07マネックス証券株式会社0.82
08妹尾 浩弥0.72
09三菱UFJeスマート証券株式会社0.57
10GMOクリック証券株式会社0.48

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−164%、1株純資産は12期で−45%。直近期のROEは10.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%
2013年3月18375.6
2014年3月110.0
2015年3月−2131
2016年3月−3586
2017年3月−33139
2018年3月−41165
2019年3月−45120
2020年3月−4475
2021年3月−3669
2022年3月−2945
2023年3月−2525
2024年3月−1814
2025年3月−1410
2026年3月−1217

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

1名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は1名。2026/3期の役員報酬は総額93百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
永井健一代表取締役社長56240,000

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4707018
社外監査役314145
社外取締役1999

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容5,481字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、新規の「がん免疫治療薬」の開発に領域を定める、探索研究から早期臨床試験段階にある複数のパイプラインを有する創薬ベンチャーです。事業モデル、技術の特徴は以下のとおりであります。 (1) 事業モデル 当社の事業モデルは、新規がん免疫治療薬を自社創製もしくは導入し、探索研究から早期臨床試験までを手掛け、国内外の製薬会社に開発製造販売権をライセンスアウトし、ライセンス先からライセンス収入を得るものです。 医薬品開発は上市までに一般的に10年以上かかり、投資回収までが長く、開発後期段階になるほど要する資金が大きくなるため、ベンチャーで創薬を事業として成立させるためには、開発投資を早期に回収できる仕組みが必要ですが、医薬品産業においては大手製薬企業が開発途上にあるベンチャーが創製するシーズをライセンスインする取引が豊富に行われています。現在は承認薬に至ったシーズのうち、ベンチャーが創製するシーズの数が、従来の大手製薬企業のそれを上回るようになっています。 この事業モデルでは、上市前の開発段階で、ライセンス先製薬企業から開発進捗に応じたライセンス関連収入(ライセンス契約締結時の一時金、その後開発進捗に応じて設定したマイルストンを達成する毎に得られる開発マイルストン収入、上市後は製品売上高の一定割合を得る販売ロイヤリティ収入等)を得ることを目指します。ライセンス後もライセンス先企業と共同開発し、開発費の貢献に合わせて将来の利益を按分したり、ライセンス先から開発協力金を得て開発を主導する等、色々な形態があります。 当社は、様々な開発ステージにあるパイプライン(医薬品候補)の開発を同時並行で進めることにより、投資早期回収と黒字転換後の継続的な収入の実現を図ります。 (2) 開発中のがん免疫治療薬の特徴 がん免疫治療薬の開発では、動かなくなってしまったがん免疫を再び動くようにすること、いったん動いたがん免疫が、任務を終えた後に「元に戻る」仕組みによってブレーキをかけられるのを防ぎ、持続させることが、創薬のターゲットとなります。これに成功すればがんを治療できることは、2018年にノーベル賞を受賞したPD-1という免疫チェックポイント(免疫のブレーキ)を阻害する抗体が、がん治療に革新をもたらしたことによって、立証されてきました。今を生きる私たちは、この治療の革新の恩恵を受ける途上にあり、がんの個別性や免疫応答の多様性にどう対応していくか、未解明の領域がたくさん残されていると考えています。がん免疫にがんの目印を与えるがんワクチン、T細胞というがん免疫そのものを大量に外から投入する細胞医薬、PD-1以外にもいくつもある「免疫が元に戻る仕組み」を一定期間止める抗体医薬、これらが当社の開発している薬です。がんの克服を目指す人に、新たな治療選択肢を提供するために、これからも研究活動を推進してまいります。 (3) 開発パイプライン 当社の開発パイプラインは以下のとおりです。このほか、次世代パイプラインの構築を目的として複数の探索・非臨床試験研究を実施しております。 細胞医薬 〔iPS細胞由来再生NKT細胞療法:BP2201〕 BP2201(iPS-NKT)は、がん細胞の殺傷を含め多面的な抗腫瘍効果をもつナチュラル・キラーT(NKT)細胞*1 を、iPS細胞技術を使って大量製造し、作り置きしたうえでがん治療に用いる新規の他家細胞医薬候補です。 国立大学法人千葉大学において、世界初のiPS-NKTを用いた頭頸部がん患者を対象とする医師主導の第Ⅰ相臨床試 験(2020年6月開始)が実施され、2024年1月に終了しました。主要評価項目である忍容性および安全性に問題が ないこと、並びに腫瘍増殖抑制例を含む初期的な臨床活性の確認が示され、「Nature Communications」誌2025年 12月30日版で報告されています。 本治験で用いられた非遺伝子改変iPS-NKT細胞は、いろいろながん種のがん抗原に対するCAR(キメラ抗原受容 体)遺伝子を導入した、新たな遺伝子改変iPS-NKT細胞医薬へ展開する土台/プラットフォームとなり、幅広いがん 種と世界の幅広い地域への展開を可能にします。 当社は、開発元の国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)からのiPS細胞由来NKT細胞(iPS-NKT)の CAR-T(キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞療法)をはじめとする他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する特 許(日米欧で登録済み)の独占使用権を取得しています。 〔iPS細胞由来BCMA CAR-NKT細胞療法:BP2202〕 BP2202(BCMA CAR-ipsNKT)は、非遺伝子改変iPS-NKT細胞に多発性骨髄腫の目印(抗原)となるBCMA(B細胞成 熟抗原)を認識するキメラ抗原受容体(CAR: Chimeric Antigen Receptor)を発現させがん細胞殺傷能を高めた 新規の他家CAR-T細胞療法*2です。 2026年度から米国における臨床試験実施を予定しており、米国食品医薬品局(FDA)に対する開始申請(IND)の最終 段階に入っております。 BP2202は、これまで医薬品として承認されている自家CAR-T細胞に用いられる患者自身のT細胞の代わりに、健常 人ドナーから作製した他家のiPS細胞由来NKT細胞を用いることによって作り置きが可能になったCAR-T細胞医薬品 であることを特徴とします。臨床試験を通して検証されている作用メカニズムを有する細胞医薬の細胞部分を、患 者自身のT細胞から、より利便性の高い他家NKT細胞に切り替えていくコンセプトで開発を進めています。 当社は2023年5月にSTAR-CRISPRTM遺伝子編集技術をライセンス導入し、固形がんを含む様々な適応症に対して 高度な遺伝子組換型CAR-ipsNKT細胞療法プログラムを創出することが可能となりました。現在その先駆けの製品と して、多発性骨髄腫治療薬候補となるBCMA CAR-ipsNKT (BP2202)の開発を進めています。 これまでにマスターiPSセルバンクの構築と、マスターiPSセルバンクからNKT細胞への分化誘導を行う製造工程 の確立を終えています。後者については、当社で確立した高純度かつ高増殖の製造工程を、iPS細胞治療薬製造の 先進企業で3Dバイオリアクターを用いる製造プラットフォームを有するCellistic社に移管し、より優れた製造工 程を確立しました。 同プログラムは、2025年7月に米国食品医薬品局(FDA)より多発性骨髄腫を対象疾患とする希少疾病用医薬品 (オーファンドラッグ)に指定されています。 〔HER2 CAR-T細胞療法:BP2301〕 BP2301は、様々な固形がんで高発現するHER2を標的とするCAR-T細胞療法です。 現在、国立大学法人信州大学においてHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする遺伝子 改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験を継続しております。 これまで血液がんを標的とするCAR-T細胞療法は、優れた臨床効果が臨床試験で示され、承認されてきました。 しかし、より患者数の多い固形がんへの展開においては、血液がんのような有効性を示すことができていません。 投与されたCAR-T細胞が、免疫抑制的な腫瘍微小環境において疲弊して機能を喪失し、十分に臨床効果を発揮でき ないからと考えられています。 この課題を解決するために、BP2301では、体内での優れた複製能と長期生存能を特徴とし、それによって腫瘍微 小環境における疲弊抵抗性と持続的抗腫瘍効果が期待される幹細胞様免疫記憶型(ステムセル・メモリー・フェノ タイプ)細胞を多く含むCAR-T細胞を用いる技術の開発に成功しました。これは、国立大学法人信州大学の中沢洋 三教授の非ウイルス遺伝子導入法に基づき、中沢教授及び同大学柳生茂希教授と新規の細胞培養法を共同開発した ことによって可能になりました。 本製造方法は、国内、中国、及び米国にて特許査定を受けています。 抗体医薬 抗体医薬では、腫瘍組織においてがん細胞を排除する免疫の働きを抑制する免疫チェックポイント分子*3もしく は免疫調整分子に結合し、その機能を阻害する抗体の開発を進めています。 CD39分子とTIM-3分子を双方発現する免疫細胞においてこれらを同時に阻害する抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体 BP1212、がん細胞上に発現するCD39分子とT細胞上に発現するCD3分子双方を標的とするT細胞エンゲージャーBP1223 を開発パイプラインとして有します。 BP1212は、固形がんを対象に、腫瘍組織内の樹状細胞が陥る免疫抑制状態を解除し、抗腫瘍T細胞免疫を誘導させ るものです。この作用メカニズムを裏付ける非臨床試験データを、2025年6月に開催された学会Immune Response in Cancer and Infection(IRCI)2025において発表しております。 またBP1223は、急性骨髄性白血病を対象に、がん細胞が発現するCD39を標的に、T細胞に活性化刺激を入れながら がん細胞に接近させ、がん細胞を殺傷させる作用メカニズムのものです。急性骨髄性白血病を対象とする薬効薬理 試験及び作用機序解析を国立がん研究センター東病院と共同で進めており、研究成果の一部を2024年12月開催の米 国血液学会にて発表しました。 (4) 許認可、免許及び登録等の状況について ① 許認可、免許及び登録、行政指導等 医薬品開発は、各国の医薬品の開発及び当局への申請等に関する法律、日本では「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:薬機法、2014年11月25日施行、「薬事法」から改称)、米国では「連邦食品・医薬品・化粧品法(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)及びその関連する法令」、上記の他、日本及び米国を含め各国における当局の省令やガイダンス、ならびに安全性に関する非臨床試験の実施基準(GLP;Good Laboratory Practice)、臨床試験の実施基準(GCP;Good Clinical Practice)、製造管理及び品質管理規則(GMP;Good Manufacturing Practice)の下で進めております。 ② 知的財産権の状況 当社は、2022年11月に理研からiPS由来NKT細胞を全世界で独占的に開発・製造・販売する権利を導入するオプション権を行使し、iPS由来NKT細胞の他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する特許の独占実施権を得ました。 <主要な特許の状況> 発明の名称   特許登録番号   出願国 (登録国)   権利者 NKT細胞由来iPS細胞およびそれ由来のNKT細胞   5652783   日本   理研 8945922   米国 2336303   欧州 アロNKT細胞を用いた免疫療法およびそのためのT細胞抗原受容体(TCR)遺伝子のα鎖領域が均一なVα-Jαに再構成されている細胞および該細胞由来NKT細胞のバンキング   6320473   日本   理研 10813950   米国 264738   欧州 CAR発現免疫細胞を含む細胞集団の製造方法   7576547202080055102.7(出願番号)17/626,345   日本中国米国   当社国立大学法人信州大学京都府公立大学法人 (注)1.欧州については、欧州特許条約に則った特許出願(EPC出願)によっております。 2.「CAR発現免疫細胞を含む細胞集団の製造方法」の米国における出願は特許査定を受領しています。 [用語解説] *1(NKT細胞) ナチュラル・キラー(NK)細胞とT細胞の特徴を併せもち、自然免疫と獲得免疫の橋渡しをする役割をもつ免疫細 胞。がん細胞をT細胞受容体やNK細胞受容体を通して直接殺傷する能力をもつと同時に、T細胞受容体を通して樹状 細胞など他の免疫細胞を活性化させる作用をもつ。活性化すると、多様なサイトカインを産生し、自然免疫系に 属するNK細胞の活性化と樹状細胞の成熟化を促す。成熟した樹状細胞は、さらに獲得免疫系に属するキラーT細胞 を増殖・活性化させることで、相乗的に抗腫瘍効果が高まる。 *2(CAR-T細胞療法) Chimeric Antigen Receptor T-cell Therapy:キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞療法。がん細胞が発現する抗原 を認識するキメラ抗原受容体を、T細胞(抗腫瘍免疫をもつリンパ球の一種)に遺伝子導入し、培養で増殖させて 投与する治療法。 *3(免疫チェックポイント分子) 免疫恒常性を保つために自己に対する免疫応答を抑制するとともに、過剰な免疫反応を抑制する分子群のこと。が ん免疫においては、過剰な活性化によって自己を攻撃するのを防ぐために存在しているが、発がん過程では、がん 細胞が免疫系からの攻撃を回避し増殖するために利用される。
経営方針・対処すべき課題4,004字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営の基本方針 当社は、「私たちは、がん免疫治療分野の最先端を切り拓くことにより、一人ひとりが自らの力でがんを克服する世界を実現します。」を経営理念として、新規がん免疫治療薬を創製することによって、現在進行しているがん治療革新の一翼を担いたいと考えております。 これを実現するために、当社は①開発領域をがん免疫治療薬に特化し、②シーズ導入・創製において国内外のアカデミアやベンチャー企業と広く連携するオープンイノベーションを進めながら、③ライセンスアウト型事業モデルによる好循環で持続可能な開発及び企業成長を目指してまいります。 ① がん免疫治療薬にフォーカスするのは、がん免疫に働きかけてがんを排除するという創薬コンセプトの有効性が免疫チェックポイント阻害抗体によって証明されており、この創薬コンセプトを具現化する方法を拡げることによって、従来の治療法では治療効果を得られなかったアンメットメディカルニーズを満たすことができるフロンティアが依然として大きく存在するからです。それは、当社が創業以来取り組んで来た経験とノウハウの蓄積がある領域であり、世界の医薬品市場の成長を他のどの医薬品カテゴリーよりも牽引している領域でもあります。 ② オープンイノベーションを進めるのは、今や日進月歩でサイエンスが更新されていくがん免疫療法の領域において、最先端のサイエンスへのアクセスを可能にするためです。がん免疫治療のフロンティアには、アンメットメディカルニーズを満たすためのサイエンスがまだ数多く存在しています。創薬ベンチャーとして創薬を好循環で進めるために、当社は③のライセンスアウト型の事業モデルを採っています。知的財産を導出することによって収益化を図るモデルで、その知的財産は、最先端のサイエンスが織り込まれていないと成立しません。 ③ ライセンスアウト型の事業モデル(シーズの創製や創薬コンセプト証明に集中し、大掛かりな組織体制を必要とする後期臨床試験以降は、製造販売網を有する製薬企業にライセンスアウトして早期収益化を図る事業モデル)を採るのは、創薬ベンチャーとして開発を持続して行えるようにするためです。一つひとつの新規医薬品候補物質の研究開発は、シーズの創製から規制当局の承認を得て医薬品として製造販売に至るまで、薬事規制等に則って探索的研究から第Ⅲ相臨床試験まで段階を踏みながら進められ、全体として長期間に及ぶとともに多額の資金を必要とします。よって、財務負担が蓄積し経営の機動性を喪失する前に、早期収益化を図ります。 (2) 目標とする経営指標 当社では、ライセンスアウト時の契約一時金と、その後の継続的なマイルストン報酬(マイルストン収入、販売ロイヤリティなど)を収益とするビジネスモデルを採っているため、製薬企業へのライセンスアウト(タイミングとライセンス取引額)、原則としてライセンスアウト成立の前提となる、創薬コンセプトを証明する非臨床試験または臨床試験成績の取得、そこに至るまでの開発イベント(例えば、当局による治験開始申請の受理)が、重要な経営イベントとなります。 持続可能な企業成長と企業価値の向上を目指して、また技術革新著しいがん免疫治療薬分野における事業機会を逃さないために、開発ポートフォリオの継続的な更新を重視しており、既存のパイプラインの開発推進や新規パイプラインの自社創製のみならず、新規パイプラインの導入やオープンイノベーションに基づく共同創出も積極的に進めてまいります。 なお、研究開発型の創薬ベンチャーは、研究開発投資からライセンスアウトによる収益化までの長期間に及ぶ事業サイクルが、開発パイプライン複数個によって資産(企業価値を構成するソフトな資産)構成されるため、売上高や当期純損益や、ROE、ROAといった年単位で見る指標は、適切な経営指標となりにくいと考えております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略 現在当社は、免疫システムに働きかけ免疫を使ってがんを排除させるメカニズムの「がん免疫治療」薬に開発領域を定め、その医薬品形態として細胞医薬、抗体医薬という2つのモダリティでパイプラインを構成し、医薬品開発プロセス上は探索研究から早期臨床試験までを国内外で手掛け、早期収益化を図るために国内外の製薬企業に開発途中段階でライセンスアウトしていく事業モデルを採っています。 中長期的には、開発領域は、軸足をがん免疫治療薬に置き続けることは変わりませんが、がん免疫治療薬で築いた創薬プラットフォームを他の疾患の治療薬(例えば感染症)に用いる可能性はあり、モダリティも現在の主力の2つに軸足を置きながらもより新しいモダリティ(例えば核酸、融合タンパク)を採用していく可能性はあります。手掛ける医薬品開発プロセスは、現在のモデルでいずれかのパイプラインのライセンスアウトが成功し、開発費の負担に耐えうる資金力がついた暁には、より多くの収益を当社が取り込めるよう、それに続く複数のパイプラインのうちいくつかは後期臨床試験以降まで進め、創薬ベンチャーから製薬企業へ転換を図っていくことも想定しています。そのときには、各パイプラインの開発が進み、一つひとつを独立したものでなく、複合的に治療に用いて相乗効果を引き出す統合的ながん免疫治療アプローチを採ることができるようになっていると考えています。 (4) 会社の対処すべき課題 持続的な企業価値の向上を図るうえで、当社が対処すべき課題として認識している事項は、以下のとおりです。 ① 各開発パイプラインの次の開発段階への移行 当社は、資金や人的リソースを効率的に活用して研究開発を推進するために共同開発パートナーやアカデミア等の連携先と綿密なコミュニケーションをとり、協業を進めることが既存の開発パイプラインの価値を高め、次の開発段階へと前進させる原動力と認識しています。当社はパイプライン別に他社の開発動向を精査した上で競争力を保ちつつ開発を進めるための戦略・戦術を策定し、製薬企業等へのライセンスアウトを模索しております。 ② 競争力のあるパイプラインのポートフォリオ構築 当社は、現時点では新薬候補を後期臨床試験に至る前に製薬企業にライセンスアウトする事業モデルを採っています。ライセンスを成功させるためには当該新薬候補がその時点でサイエンスの面で陳腐化していてはならず、さらにがん免疫療法は全医薬品業界の成長を牽引する領域であるからこそ日進月歩でサイエンスが進んでいるため、当社は常に同分野全体のサイエンスが向かう方向性と進捗をみながら、各パイプラインの開発ステージを探索から非臨床試験、そして臨床試験へと一定期間内に上げて行くとともに、必要に応じてパイプラインの入れ替えを図っていくことを求められています。 ③ 最先端のサイエンスへのアクセスを可能とする研究開発体制の構築 当社が関わるがん免疫療法は、医薬品業界の成長を牽引するとともにサイエンスが日進月歩で進展する領域であるため、社内に専門性の高い研究員と充実した研究施設を有することが不可欠で、常にこれを向上させていく必要があります。 ④ 経営体制の強化 (ⅰ)人材の確保と育成 他の創薬ベンチャーと同様に当社も新規性のある医薬品の開発を行っておりますので、個々の社員には非常に高度な専門性が要求されます。そのため、適切な人材の確保が重要な課題となります。十分な技術・知識のみならずベンチャーマインドを有し、成長意欲のある人材を全部門において採用し、OJTによる人材育成により、今後拡大・加速していくことが予想される事業・研究開発スピードに対応してまいりたいと考えております。 (ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化 当社にとって前述のアライアンス・ネットワーク体制の構築は重要な課題であり、また株主を含めたステークホルダーとの良好な関係も重要な課題であります。社外関係者との良好な関係の構築のためには、社会的信用を維持・向上させていく必要があると認識しております。特に、当社の取引先は主に上場企業、医療機関、公的な研究機関でありますので、協業体制を構築し、取引関係を維持していくには、当社も社会的信用を維持していく必要があります。また、世間に広く製品を提供していく創薬企業としての社会的責任を果たしていく必要があると認識しております。 そのため、当社は小規模ではありますが、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、内部管理体制及び管理部門の強化を推進してまいります。また、内部監査の充実及び監査役との連携強化などの施策により業務執行の適法性・妥当性を監視する機能を強化し、財務報告に係るリスクを最小化して、経営の健全化に努めてまいります。 (ⅲ)資金調達・財務基盤の強化 当社は創薬ベンチャーであり、実際の製品化までの研究開発活動において年単位での時間を要します。製品化までの研究開発活動において設備投資、人材の採用・育成、また、企業価値向上のための新規パイプラインの創製(最新の技術の探索、導入及び共同研究など)に多額の資金が必要となります。これらの資金を外部から調達する必要があり、中長期的な視点から、財務基盤の強化のためにも、様々な資金調達の可能性を検討してまいります。 ⑤ IR活動の推進 当社は、株主・投資家等のステークホルダーからの意見を収集し、経営のさらなる改善に努め、また、企業情報及び研究開発の状況等を正確、適時及び適切に発信し、信頼と正当な評価を得ていくことを目指します。
事業等のリスク6,706字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、それらのすべてについて回避できる保証はありません。また、以下の記載内容は当社のリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。 なお、本項記載の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1) 創薬事業全般にかかるリスクについて 当社の手掛ける創薬事業では、一つひとつの新規医薬品候補物質の研究開発が、シーズの創製から規制当局の承認を得て医薬品として製造販売に至るまで、薬事規制等に則って探索的研究から第三相臨床試験まで段階を踏みながら進められ、全体として長期間に及ぶとともに多額の資金を必要とします。 そのため、財務状況への負荷の蓄積をところどころで緩和し、持続可能な成長を実現させるために、当社は医薬品候補物質毎に、シーズの創製や創薬コンセプト証明に集中し、大掛かりな組織体制を必要とする後期臨床試験以降は、製造販売網を有する製薬企業にライセンスアウトして早期収益化を図る事業モデルを採っています。 ライセンスアウトは、開発の段階毎に目標とする試験成績が積み上げられていくことが前提となるので、いずれにせよ研究開発の進捗がライセンスアウトの成否を大きく左右します。そのため、試験成績の目標未達、開発が先行する競合新薬候補が及ぼす影響や、技術革新がもたらす当該技術の陳腐化等により、研究開発が進行遅延若しくは終了・中止を免れない状況になった場合には、ライセンスアウトが成立しなくなる可能性があり、成立した後でも、ライセンス契約解消若しくはロイヤリティ収入の低迷の可能性があります。その場合には、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法的規制等にかかる不確実性について 当社が携わる研究開発領域は、研究開発を実施する国ごとに薬事に係る法律、薬価等が関係する医療保険制度及びその他の関係法規・法令による規制が存在します。当社の事業計画・研究開発計画は、現行の薬事関連法規・法令や規制当局の承認・認可の基準(Good Laboratory Practice、Good Manufacturing Practice、Good Clinical Practice等)を前提に作成しておりますが、これらの法律・法令及び基準は技術の発展・市場の動向などにより適宜改定されます。これにより既存の研究開発の体制(組織的な体制、製造方法、開発手法、臨床試験の進め方、追加試験を行う必要性の発生など)の変更が必要となる場合、その体制の変更に速やかに対処できず研究開発が遅延・中止となるリスク、人員確保や設備投資に計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となるリスクがあり、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 競合について 当社が携わる研究開発領域は、急激な市場規模の拡大が見込まれており、欧米を中心にベンチャー企業を含む多くの企業が参入する可能性があります。競合他社の有する医薬品候補物質の研究開発が当社の有する医薬品候補物質と同じ疾患領域で先行した場合又は競合新薬が上市された場合、当社の開発品の競争力が低下する可能性があります。その結果として、当社が進める臨床試験の被験者登録が停滞する等により臨床試験が遅延する可能性若しくは目標被験者数に届かない等により臨床試験が中止となる可能性、導出していた場合はライセンス契約解約の可能性又は上市後に想定したロイヤリティが得られない可能性があり、当社の事業戦略や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 研究開発活動について ① 製造物責任のリスクについて 臨床試験実施中に使用する治験薬、大学及びその提携施設が実施する医師主導治験用に提供する治験薬等並びに当社が研究開発した上市後の医薬品に起因して、未知の重篤な健康被害を被験者又は患者に与えた場合、製造物責任を当社が負う可能性又は治験薬等の提供先若しくは導出先の企業から損害賠償の請求を受ける可能性があります。これらの場合には、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 副作用に関するリスクについて 当社が研究開発を実施した治験薬及び上市後の医薬品で、臨床試験段階から製品上市後にかけて、予期せぬ重篤な副作用が発現する可能性があります。重篤な副作用が発現した場合、製造物責任等の損害賠償リスクが発生する可能性がありますが、保険の加入などにより財政的な影響を回避又は最小限にしていくよう対応しておりますが、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 研究開発施設等における事故等の発生に関するリスクについて 当社は、本店及び事業所に研究開発施設を有しております。事故防止の管理教育は徹底しておりますが、何らかの原因により火災や環境汚染事故、感染等が発生した場合、研究開発活動の中断、停止、又は、損害賠償や風評被害等重大な損失を招く可能性があります。また、当社は、経営の機動性・効率性の観点、コスト低減や専門性の高い分野における協業などの観点から、研究開発業務の一部を専門機関である外部委託先(CRO-医薬品開発業務受託機関、治験実施施設、原薬・製剤の製造業者等)に委託しており、これら外部委託先において何らかの原因により火災や環境汚染事故等が発生した場合にも、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 知的財産権について ① 特許の状況について 現在出願中の特許については、特許出願時に特許性等に関する調査を行っておりますが、すべてのものが特許として成立するとは限りません。出願中の特許が成立しなかった場合又は登録された特許権が無効化された場合、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、特許の出願は、特許の内容、対象国などについて費用対効果を考慮して行いますので、研究開発で得られたすべての特許を出願するものではありません。また、出願費用・維持費用等のコストを回収できない可能性があります。 なお、当社のパイプラインにおいて、その実施に支障又は支障をきたす可能性のある事項は、当社が調査した限りにおいて存在しておりません。 ② 知的財産権に関する訴訟及びクレーム等について 本書提出日現在において、当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生した事実はありません。当社は、弁護士及び弁理士との連携を図って可能な限り特許侵害・被侵害の発生リスクを軽減する対策を講じております。 ただし、今後において当社が第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、弁護士等と協議のうえ、その内容によって個別に対応策を検討していく方針でありますが、解決に時間及び多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 研究開発費が多額の見通しであることについて 当社による医薬品候補物質の研究開発の期間は長期間にわたります。また、研究開発の期間においては非常に多くの実証・確認すべき事項があること、また当社では日本国内のみならず海外においても研究開発活動を行っていることなどから研究開発費は多額となる見通しであります。 製薬企業等とのライセンス契約から発生する契約一時金収入、マイルストン収入、ロイヤリティ収入を研究開発中のパイプライン及び新規パイプラインに再投資することを事業及び資金サイクルとしていくこととしておりますが、製薬企業等との契約締結が想定通りに進まない場合又は既存のパイプラインにおいて想定以上の研究開発費が必要となった場合などにおいては、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 社内体制について ① 小規模組織であることについて 当社は、役員7名(取締役4名、監査役3名)、従業員は23名(2026年3月31日現在)であり小規模な組織となっており、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。人員については、研究開発の状況に応じて増員を図っていく予定であり、内部管理体制も規模に応じて体制の強化を図っていく予定であります。 しかし、小規模組織のため、役員はじめ従業員においてもそれぞれが重要な役割を持って業務に従事しており、特定の役員・従業員への過度な負担・依存とならないよう経営組織の強化を図る予定でありますが、退任・退職により人材が流出した場合、長期休養等により長期間業務の遂行が困難となった場合、代替要員を適時に確保できない場合、業務の引継ぎが不十分となった場合などにおいては、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報管理について 当社の事業においては、研究開発におけるデータ、ノウハウ、技術など、経理業務における財務データ、人事業務における役員、社員に関する情報などは非常に重要な機密事項になります。また、業務を通して入手した個人情報も重要な機密事項となります。その機密事項の流出リスクを低減するために、機密事項を取り扱う役員、社員に対しては規程等を整備し、情報管理の重要性を周知徹底するとともに、取引先等と守秘義務に関する契約を締結するなど、厳重な情報管理に努めております。 しかしながら、当社の通信インフラの破壊や故障などにより当社が利用しているシステム全般が正常に稼働しない状況に陥ってしまった場合、システムに不具合が発生した場合、又は役員・職員、取引先等により情報管理が十分に遵守されず、重要な機密情報・個人情報などが漏えいした場合には、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) その他 ① 新株予約権にかかる事項 当社は、優秀な人材を確保するため、また当社の事業及び研究開発活動へのモチベーションの維持・向上を目的として、新株予約権(ストック・オプション)を役員、社員及び社外の協力者等に付与しております。今後においても上記の目的のため新たに新株予約権を付与していく予定であります。また、研究開発領域の拡大に伴い、研究開発費及び事業運営経費が多額に必要となることから新株予約権を活用した資金調達を実施する可能性があります。これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 なお、当社が発行した新株予約権にかかる潜在的株式の数は56,500株(2026年5月31日現在)であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は0.04%であります。 ② 資金使途にかかる事項 2015年10月の株式上場時における公募増資の資金使途につきましては、主にGRN-1201の臨床開発試験、新規パイプライン導入のための研究開発費及び事業運営上必要となる経費等に充当しております。また、2016年5月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、主にGRN-1201の新規適応症への新規パイプラインに関する臨床開発試験、新規パイプラインの探索・研究開発のための研究開発費、M&A資金及び事業運営上必要となる経費等に充当しております。2017年11月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、がん免疫治療領域における研究開発費用及び事業運営上必要となる経費等に充当しております。2020年4月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、次世代型へのシフトを進める「ワクチン」、固形がんへの展開を図るiPS-NKT細胞療法やHER2 CAR-T細胞療法を始めとする「細胞医薬」、抗PD-1抗体の次に来る免疫調整因子を標的とする「抗体」の3分野のがん免疫治療薬パイプライン開発の推進に充当しております。2022年1月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、次の開発ステージに移行するとともに新規展開を含む細胞医薬と抗体医薬パイプラインの開発に充当しております。2023年11月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、主にBP2202の非臨床試験や製造移管の準備に充当しております。2024年6月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、主にBP2202の米国における臨床試験に向けた準備に充当しました。また2025年11月に開示いたしました第三者割当増資による調達資金につきましては、主にBP2202の米国臨床試験実施に関連する費用、新規パイプライン開発費用に充当してまいります。 しかしながら、今後において事業環境の変化等により、また、上記本項目「事業等のリスク」に記載のリスクの発生により、たとえ計画通りに使用した場合でも、想定している成果を達成できない可能性があります。 なお、当社が携わる研究開発の領域においては、技術開発の変化など外部環境が急速に変化する可能性があります。新薬の上市、法令等の改正、当社の研究開発・臨床試験の進捗状況によっては、上記の資金使途以外の事象に資金を充当する可能性があり、今後の戦略の策定において新たな事象の発生、新たな戦略の実行により、研究開発資金が想定以上に増加する可能性もあります。 ③ M&A等(買収、合併等)による事業拡大に関する事項 当社は、事業拡大へ向けた新たな経営資源を取得するため、また保有する経営資源の効率的運用と企業価値を最大化するため、M&A等を活用して事業規模の拡大を図ることを検討してまいります。M&A候補の選定に当たりましては、詳細なデューデリジェンスを行うことにより極力リスクを回避してまいりますが、買収後の偶発債務の発生や、のれんが発生する場合は買収後の事業環境や競合状況の変化等により想定通りの効果が得られない場合にのれんの減損損失を計上する等、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 資金調達にかかる事項 当社のパイプラインの研究開発が完了し製品化となるまでまだ長期間を要しますので、今後も多額の資金調達を必要とします。この期間において、事業計画の修正を必要とする状況になった場合、資金不足が生じる可能性があります。その場合、公的補助金の活用や日本国内のみならず海外企業・機関を含めた新規提携契約の締結、新株発行等により資金需要に対応していく予定であります。しかしながら、適切なタイミングで資金調達ができなかった場合には、当社の事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 また、今後において、さらなる事業拡大等のための資金調達の方法として新株発行や新株予約権付社債などを発行する可能性があります。新株等発行の結果、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ⑤ 自然災害について 当社は、東京都千代田区及び神奈川県川崎市に事業所及び研究施設を設けております。当社の事業地域で地震等の大規模な災害が発生した場合には、不測の事態の発生により事業活動が停滞する可能性があります。いずれかの地域で大規模な災害が発生した場合でも、いずれかで業務を継続できる体制となっており、また電子データ等のバックアップも前述の各地域以外の場所に設置しております。しかしながら、自然災害の規模、状況によっては、当社及び外部委託先の設備・インフラが支障をきたし稼働できない状況、従業員等が出社できない状況など一時的又は長期間業務が停止し、臨床開発及び事業活動を一時的又は長期間休止せざるを得ない状況が発生した場合には、当社の臨床開発、事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)8,058字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (業績等の概要) (1) 業績 当事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)は、世界経済はインフレ圧力の緩和や主要国の金融政策の動向により、緩やかな回復基調を維持していますが、一方で依然として変動性が高い状況も継続しています。 我が国の経済は、国内外の景気回復の兆しを背景に、民間消費や設備投資が緩やかに持ち直しつつあります。一方で、国際情勢の不確実性や地政学的リスクの高まりに加え、物価上昇や金融資本市場の変動等により、依然として先行き不透明な状況が継続しています。特にバイオテクノロジー企業を取り巻く資金調達環境は、国内外の金利動向や投資家のリスク選好の変化等の影響を受け、引き続き慎重な状況が継続しています。 当社は、当事業年度におきましては、第17回乃至第20回新株予約権を発行して調達した資金を、主にCAR-ipsNKT細胞療法の2026年度から予定している米国臨床試験の準備に投じ、事業化に向けて着実に前進しました。 細胞医薬 〔iPS細胞由来再生NKT細胞療法:BP2201〕 BP2201(iPS-NKT)は、がん細胞の殺傷を含め多面的な抗腫瘍効果をもつナチュラル・キラーT(NKT)細胞を、 iPS細胞技術を使って大量製造し、作り置きしたうえでがん治療に用いる新規の他家細胞医薬候補です。 国立大学法人千葉大学において、世界初のiPS-NKTを用いた頭頸部がん患者を対象とする医師主導の第Ⅰ相臨床試 験(2020年6月開始)が実施され、2024年1月に終了しました。主要評価項目である忍容性および安全性に問題が ないこと、並びに腫瘍増殖抑制例を含む初期的な臨床活性の確認が示され、「Nature Communications」誌2025年 12月30日版で報告されています。 本治験で用いられた非遺伝子改変iPS-NKT細胞は、いろいろながん種のがん抗原に対するCAR(キメラ抗原受容 体)遺伝子を導入した、新たな遺伝子改変iPS-NKT細胞医薬へ展開する土台/プラットフォームとなり、幅広いがん 種と世界の幅広い地域への展開を可能にします。 当社は、開発元の国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)からのiPS細胞由来NKT細胞(iPS-NKT)の CAR-T(キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞療法)をはじめとする他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する特 許(日米欧で登録済み)の独占使用権を取得しています。 〔iPS細胞由来BCMA CAR-NKT細胞療法:BP2202〕 BP2202(BCMA CAR-ipsNKT)は、非遺伝子改変iPS-NKT細胞に多発性骨髄腫の目印(抗原)となるBCMA(B細胞成 熟抗原)を認識するキメラ抗原受容体(CAR: Chimeric Antigen Receptor)を発現させがん細胞殺傷能を高めた新 規の他家CAR-T細胞療法です。 2026年度から米国における臨床試験実施を予定しており、米国食品医薬品局(FDA)に対する開始申請(IND)の最終 段階に入っております。 BP2202は、これまで医薬品として承認されている自家CAR-T細胞に用いられる患者自身のT細胞の代わりに、健常 人ドナーから作製した他家のiPS細胞由来NKT細胞を用いることによって作り置きが可能になったCAR-T細胞医薬品 であることを特徴とします。臨床試験を通して検証されている作用メカニズムを有する細胞医薬の細胞部分を、患 者自身のT細胞から、より利便性の高い他家NKT細胞に切り替えていくコンセプトで開発を進めています。 当社は2023年5月にSTAR-CRISPRTM遺伝子編集技術をライセンス導入し、固形がんを含む様々な適応症に対して 高度な遺伝子組換型CAR-ipsNKT細胞療法プログラムを創出することが可能となりました。現在その先駆けの製品と して、多発性骨髄腫治療薬候補となるBCMA CAR-ipsNKT (BP2202)の開発を進めています。 これまでにマスターiPSセルバンクの構築と、マスターiPSセルバンクからNKT細胞への分化誘導を行う製造工程 の確立を終えています。後者については、当社で確立した高純度かつ高増殖の製造工程を、iPS細胞治療薬製造の 先進企業で3Dバイオリアクターを用いる製造プラットフォームを有するCellistic社に移管し、より優れた製造工 程を確立しました。 同プログラムは、2025年7月に米国食品医薬品局(FDA)より多発性骨髄腫を対象疾患とする希少疾病用医薬品 (オーファンドラッグ)に指定されています。 〔HER2 CAR-T細胞療法:BP2301〕 BP2301は、様々な固形がんで高発現するHER2を標的とするCAR-T細胞療法です。 現在、国立大学法人信州大学においてHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする遺伝子 改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験を継続しております。 これまで血液がんを標的とするCAR-T細胞療法は、優れた臨床効果が臨床試験で示され、承認されてきました。 しかし、より患者数の多い固形がんへの展開においては、血液がんのような有効性を示すことができていません。 投与されたCAR-T細胞が、免疫抑制的な腫瘍微小環境において疲弊して機能を喪失し、十分に臨床効果を発揮でき ないからと考えられています。 この課題を解決するために、BP2301では、体内での優れた複製能と長期生存能を特徴とし、それによって腫瘍微 小環境における疲弊抵抗性と持続的抗腫瘍効果が期待される幹細胞様免疫記憶型(ステムセル・メモリー・フェノ タイプ)細胞を多く含むCAR-T細胞を用いる技術の開発に成功しました。これは、国立大学法人信州大学の中沢洋 三教授の非ウイルス遺伝子導入法に基づき、中沢教授及び同大学柳生茂希教授と新規の細胞培養法を共同開発した ことによって可能になりました。 本製造方法は、国内、中国、及び米国にて特許査定を受けています。 抗体医薬 抗体医薬では、腫瘍組織においてがん細胞を排除する免疫の働きを抑制する免疫チェックポイント分子もしくは免疫調整分子に結合し、その機能を阻害する抗体の開発を進めています。 CD39分子とTIM-3分子を双方発現する免疫細胞においてこれらを同時に阻害する抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体BP1212、がん細胞上に発現するCD39分子とT細胞上に発現するCD3分子双方を標的とするT細胞エンゲージャーBP1223を開発パイプラインとして有します。 BP1212は、固形がんを対象に、腫瘍組織内の樹状細胞が陥る免疫抑制状態を解除し、抗腫瘍T細胞免疫を誘導させるものです。この作用メカニズムを裏付ける非臨床試験データを、2025年6月に開催された学会Immune Response in Cancer and Infection(IRCI)2025において発表しております。 またBP1223は、急性骨髄性白血病を対象に、がん細胞が発現するCD39を標的に、T細胞に活性化刺激を入れながらがん細胞に接近させ、がん細胞を殺傷させる作用メカニズムのものです。急性骨髄性白血病を対象とする薬効薬理試験及び作用機序解析を国立がん研究センター東病院と共同で進めており、研究成果の一部を2024年12月開催の米国血液学会にて発表しました。 これらの結果、当事業年度につきましては、売上高は84千円(前年同期の売上高は1,133千円)、営業損失は1,295,001千円(前年同期の営業損失は1,160,918千円)、経常損失は1,293,533千円(前年同期の経常損失は1,147,879千円)、当期純損失は1,304,951千円(前年同期の当期純損失は1,151,149千円)となりました。 (2) 財政状態の状況 ① 流動資産 当事業年度末における流動資産は前事業年度末より1,482,915千円増加し2,554,230千円となりました。これは、現金及び預金が、研究開発に関連する支出があったものの、株式の発行による収入により1,345,727千円増加したことが主な要因であります。 ② 固定資産 当事業年度末における固定資産は前事業年度末より1,337千円増加し50,634千円となりました。これは、オフィス賃料の上昇に伴い差入保証金が増加したことによるものです。 ③ 流動負債 当事業年度末における流動負債は前事業年度末より29,696千円増加し161,358千円となりました。これは、未払金が37,670千円増加し、資産除去債務が5,056千円増加した一方で、1年内償還予定の社債が25,000千円減少したことが主な要因であります。 ④ 固定負債 当事業年度末における固定負債は前事業年度末より11,091千円増加し75,053千円となりました。これは、退職給付引当金が7,247千円増加したこと及び資産除去債務が3,844千円増加したことが主な要因であります。 ⑤ 純資産 当事業年度末における純資産は前事業年度末より1,443,464千円増加し、2,368,452千円となりました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金の合計が2,749,730千円増加し、当期純損失により利益剰余金が1,304,951千円減少したことが主な要因であります。以上の結果、自己資本比率は前事業年度末の80.6%から90.1%となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べて1,345,727千円増加し、2,156,198千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は1,365,851千円(前事業年度は1,250,359千円の支出)となりました。これは主に税引前当期純損失1,302,531千円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は1,928千円(前事業年度は1,370千円の支出)となりました。これは、主に差入保証金の支出1,337千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は2,713,507千円(前事業年度は1,004,840千円の収入)となりました。これは、主に新株予約権の行使による株式の発行による収入2,737,224千円によるものであります。 (生産、受注及び販売の状況) (1) 生産実績 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称   生産高(千円)   前年同期比(%) 医薬品開発事業   -   - 合計   -   - (注)前事業年度及び当事業年度ともに生産実績がありませんでした。 (2) 受注実績 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 医薬品開発事業   -   -   -   - 合計   -   -   -   - (注)前事業年度及び当事業年度ともに受注実績がありませんでした。 (3) 販売実績 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(千円)   前年同期比(%) 医薬品開発事業   84   △92.6 合計   84   △92.6 (注)1.当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、医薬品開発事業におきまし て、当事業年度に特許実施許諾による一時金収入があったことによるものであります。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先   前事業年度(自  2024年4月1日至  2025年3月31日)   当事業年度(自  2025年4月1日至  2026年3月31日) 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) 株式会社A-SEEDS   1,004   88.6   -   - 株式会社日本バイオセラピー研究所   128   11.4   84   100.0 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は下記のとおりであります。なお、当社は、医薬品開発事業の単一事業であるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (経営指標について) 当社は、創薬ベンチャーであり、研究開発活動という投資期間が長く、その研究開発活動の成果として、ライセンスアウトによる契約一時金やマイルストン収入等などを獲得するビジネスモデルであります。 中長期的視点からの経営の安定化、企業価値の向上を目指して、また著しい技術革新がなされ、大きな期待を受けているがん免疫治療薬分野における大きな事業機会を逃さないために、既存のパイプラインの推進のみならず、新規のパイプラインを積極的に導入していく方針であります。 従いまして、売上高や当期純損益の推移やROE、ROAといった経営指標を目的とすることはせずに、現預金残高の推移、研究開発活動の効率化、パイプライン数の拡大・充実について、財務状況を勘案しながら、早期のライセンスアウト及び黒字化の実現に向けて、事業を進めてまいります。 (1) 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。この見積りに関しては、過去の実績や適切と判断する仮定に基づいて合理的に算出しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと相違する可能性があります。 (2) 当事業年度末の財政状態の分析 ①  資産の状況 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より1,484,252千円増加し2,604,864千円となりました。 これは、現金及び預金が、株式の発行等により1,482,915千円増加し、前払金が150,342千円増加したことが主な理由であります。 また、当事業年度末における資産の内訳としましては、現金及び預金が2,156,198千円と、資産の合計の82.78%を占めており、研究開発を推進していくにあたり、当面の資金は確保している状況にあります。 今後の現金及び預金の残高については、株式市場等からの資金調達やライセンスアウトによる契約一時金収入・マイルストン収入の獲得が実施されるまでの期間において、主に研究開発費用及び研究機器等の購入に伴う支出により減少する傾向にあります。現金及び預金の残高を注視しつつ、がん免疫治療薬分野の最先端の研究開発を積極的に推進してまいります。 ②  負債の状況 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より40,787千円増加し236,412千円となりました。 これは、未払金が37,670千円増加し、未払法人税等が12,072千円増加したこと及び、1年内償還予定の社債が25,000千円減少したことが主な理由であります。 当社の有するパイプライン開発の推進に伴い、未払金が負債の大部分を占める傾向にあります。また、当事業年度末における現金及び預金の残高に対する負債の割合は、比較的小さく、引き続き効率的な研究開発活動を推進してまいります。 ③  純資産の状況 当事業年度末における純資産は、前事業年度末より1,443,464千円増加し2,368,452千円となりました。 これは、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金の合計が2,749,730千円増加し、当期純損失により利益剰余金が1,304,951千円減少したことが主な理由であります。自己資本比率は前事業年度末の80.6%から90.1%となりました。 (3) 当事業年度の経営成績の分析 ①  売上高の状況 当事業年度の売上高につきましては、前事業年度と比べ1,049千円減少(92.6%減)し、84千円となりました。 これは、前事業年度に当社保有特許の実施許諾に係る一時金収入を計上していたことから、前年同期比では減少となったものであります。 ②  営業損益の状況 当事業年度における営業損失は、前事業年度と比べ134,082千円損失が増加し1,295,001千円となりました。 当社は新規のがん免疫治療薬に開発領域を特化し、細胞医薬、抗体医薬、がんワクチンモダリティに関する探索から早期臨床試験段階にある複数のパイプラインの開発を同時並行で進めておりますが、当事業年度の研究開発費は前事業年度と比べ12.8%増加し1,002,493千円となりました。研究開発費の増額は、主にBP2202の米国臨床試験に向けた準備(マスターセルバンク製造準備や製造工程移管準備など)を進めていることによります。 当社の販管費に占める研究開発費の割合は77.4%となり、研究開発費の推移が営業損益に直接影響を与える構造となっております。 各パイプラインの推進に加え、日進月歩でサイエンスが進む環境に迅速に適合していくためにも、新規シーズの導入は今後も引き続き積極的に行っていく方針であるとともに、川崎創薬研究所及び細胞医薬研究所において創出している新規医薬品候補の開発を順次進めてまいります。 ③  当期純損益の状況 当事業年度における当期純損益は、前事業年度と比べ153,802千円損失が増加し1,304,951千円となりました。 当事業年度の売上総利益が前事業年度と比べ1,046千円減少し、販売費及び一般管理費が前事業年度と比べ133,036千円増加した一方、営業外費用で、為替差損6,679千円を計上したことが主な要因であります。 (4) 当事業年度のキャッシュ・フローの分析 当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因は、当社が推進する研究開発を遅延又は中止させる事象でありますが、詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (6) 資金の財源及び資金の流動性についての分析 当社の資金需要は、研究開発にかかる人件費、試薬等材料費、消耗品費、外部委託費及び研究機器の購入等及び事業運営・上場維持にかかる人件費、外部委託費及び特許関連費用等であります。これらの費用及び研究機器の購入等については、自己資金により支出していく予定であります。自己資金については、すべて銀行預金としておりますので、すべての支出について迅速かつ確実に対応できるよう資金の流動性を確保しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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