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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

ツムラ

TSUMURA & CO.4540 · Prime · 医薬品

医療用漢方製剤の国内最大手。原料生薬の栽培から製造・販売まで一貫体制。

概要

ツムラは漢方薬のリーディングカンパニーである。医療用漢方製剤で国内シェア約80%を占め、医師が処方する漢方薬の事実上のスタンダード。製造から販売まで一貫体制を持ち、原材料の安定的な調達と品質管理に強み。2025年3月期の売上高は1811億円、経常利益率22%と高収益体質。従業員数は4923人、本社は東京都港区。

医療用漢方129処方が中核、国内シェア約80%

ツムラの売上の約8割を占めるのが医療用漢方製剤である。2026年3月期における医療用漢方129処方の売上高は1539億円。医薬品卸を通じて全国の医療機関に供給され、漢方処方の事実上の標準品として認知されている。主要な販売先はアルフレッサ ホールディングス(22.2%)、メディパルホールディングス(19.3%)、スズケン(13.3%)、東邦ホールディングス(10.2%)の4社で、この4社で総売上の約65%を占める。医療用漢方市場でのシェアは約80%に達し、競合他社を大きく引き離している。この高いシェアは、1976年に医療用漢方が健康保険に採用されて以来、医師への情報提供とエビデンス構築を積み重ねた結果である。

営業利益率18.3%、薬価改定と原価率上昇が課題

2026年3月期の連結業績は、売上高1926億円、営業利益352億円、営業利益率18.3%と高収益を維持した。しかし、売上原価率は52.5%と前年から2.5ポイント上昇し、販管費率も29.2%と1.3ポイント上昇した。これは原材料の生薬価格高騰と薬価改定の影響による。同社は中期経営計画でROE10%以上を目標に掲げるが、2026年3月期の自己資本比率は54.3%と健全性は高い。一方で、薬価改定が3年連続で実施されるなど収益環境は厳しさを増しており、ローコストオペレーション体制の構築が急務となっている。キャッシュフロー面では、設備投資や中国子会社の取得により投資支出が500億円を超え、財務活動で借入を増やしている。

中国に10以上の子会社、原料調達から製剤販売まで

ツムラは日本国内に加え、中国を中心に海外展開を進めている。中国では津村(中国)有限公司が地域統括を担い、平安津村有限公司、上海津村製薬有限公司、天津津村製薬有限公司など10以上の連結子会社を有する。事業範囲は原料生薬の栽培・調達(深セン津村薬業、盛実百草薬業など)、漢方エキス粉末の製造(上海津村製薬、天津津村製薬)、中薬飲片の製造販売(上海虹橋中薬飲片有限公司、2025年取得)と多岐にわたる。また、ラオスにLAO TSUMURA CO., LTD.、米国にTSUMURA USA, INC.を置き、グローバルな原料調達と研究開発体制を構築している。中国事業は今後の中成薬参入などさらなる拡大が計画されている。

物流・栽培子会社も垂直統合、18社でバリューチェーン

ツムラグループは医薬品事業のバリューチェーンを自社グループ内で完結させる垂直統合モデルをとる。連結子会社は18社(2026年3月期時点)。原料生薬の栽培は北海道の株式会社夕張ツムラや中国・ラオスの現地法人が担い、物流は株式会社ロジテムツムラが担当する。製造は国内の静岡工場・茨城工場と中国の上海・天津工場が行い、販売はツムラ本体が医療機関向けに行う。この一貫体制により、原料から製品までの品質管理と安定供給を実現している。家庭用品事業は2008年に売却し、現在は漢方・生薬関連事業に経営資源を集中している。

業界の中での役割は漢方製剤メーカー(医療用・一般用)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1,926億円
営業利益
352億円
営業利益率
18.3%
純利益
281億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医療用漢方(日本)主力

医療用漢方製剤の製造・販売を日本国内で展開。医療機関向けに処方される漢方エキス製剤が主力。原料生薬の栽培・調達・選別加工・保管も自社グループで行い、サプライチェーンを一貫管理。

主な製品・サービス1
医療用漢方製剤(エキス顆粒等)国内シェア首位
医療機関で処方される漢方エキス製剤。多岐にわたる処方をラインアップ。

02一般用医薬品(漢方・生薬)準主力

一般消費者向けの漢方製剤・生薬製品の製造販売。OTC医薬品としてドラッグストア等で販売。

主な製品・サービス1
一般用漢方製剤
市販の漢方薬。家庭用常備薬としての需要に対応。

03原料生薬の調達・加工・販売(中国)準主力

中国を中心に現地子会社を通じて原料生薬の栽培、調達、選別加工、保管、販売を行う。グループの製造拠点向け供給に加え、外部販売も行う。

主な製品・サービス1
原料生薬(原薬・加工品)
漢方製剤の原料となる生薬の栽培品および調達品。選別加工・保管も含む。

製品と技術

医療用漢方エキス顆粒:129処方を標準化

ツムラの医療用漢方製剤は、エキス顆粒の形態で提供される。129の処方が薬価収載されており、各処方は厳格な品質基準のもとで製造される。原料生薬を水で煎じてエキスを抽出し、賦形剤と混合して顆粒状に加工。服用が容易で、医療現場での利便性が高い。1987年に発売された「ツムラ漢方エキス顆粒」シリーズは、同一処方ならロット間の品質が均一であることを特長とする。製造は静岡工場と茨城工場で行われ、GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)に対応した設備で生産される。

一般用漢方製剤:OTC市場向けの製品群

一般消費者向けに、ドラッグストアで購入できる漢方製剤も展開している。医療用と同じ処方ベースの製品もあるが、一般用では用法用量が異なるほか、パッケージも消費者向けに設計されている。代表的な製品として、中将湯(婦人薬)などが長く販売されている。OTC漢方市場は医療用に比べて規模は小さいが、セルフメディケーションの需要拡大に伴い安定した収益源となっている。一般用医薬品としての承認を取得した製品は、薬局・薬店での販売が可能である。

原料生薬の垂直統合:栽培から選別加工まで

漢方薬の品質は原料生薬に大きく依存する。ツムラはこの点を重視し、原料生薬の栽培、調達、選別加工、保管をグループ内で一貫して行っている。日本国内では株式会社夕張ツムラが生薬の栽培を担当。中国では深セン津村薬業有限公司、平安津村薬業有限公司などが調達・選別加工を担い、ラオスでもLAO TSUMURA CO., LTD.が栽培を行う。これにより、トレーサビリティの確保と安定供給を実現している。また、選別工程では外観や成分含量を検査し、規格に合わないものは排除する厳格な品質管理体制を敷いている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 国内シェア首位医療用漢方製剤(エキス顆粒等)医療用漢方製剤の国内シェアトップ医療用漢方(日本)

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

漢方薬で国内首位、内需依存の成長基盤

ツムラは医療用漢方製剤で国内シェア約8割を握る圧倒的リーダーです。大手製薬企業が撤退する中、専門性を強みに市場を寡占化しており、業界内でも独自のポジションを確立しています。売上高は2024/3期の1508億円から2026/3期には1926億円へ拡大し、営業利益率も18〜22%と高水準を維持しています。同業他社にはジーエヌアイグループやタウンズなどが挙げられますが、規模・収益性ともにツムラが突出しています。一方で、漢方薬市場は国内需要中心で海外展開は限定的であり、市場成長が鈍化した場合のリスクがあります。また、原料生薬の安定調達や品質管理が重要な経営課題です。

強み

  • 医療用漢方製剤で国内シェア約8割を握り、市場をほぼ独占しています。
  • 営業利益率は20%前後と高く、安定した収益基盤を持ちます。
  • 漢方薬に特化し、他社が参入しにくい専門領域を開拓しています。
  • 2024/3から2026/3まで毎期売上を伸ばし、成長が続いています。

課題

  • 海外展開が限定的で、国内市場の縮小リスクに晒されています。
  • 生薬の多くを中国に依存し、供給リスクや品質確保が課題です。
  • 後発品や他社参入に対し、独自性の維持が求められます。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品・バイオの時価総額近傍。太字がツムラ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14967小林製薬4,432億円260.6倍
22531宝ホールディングス4,273億円35.8倍
33401帝人3,497億円
44272日本化薬3,320億円12.9倍
58129東邦ホールディングス2,921億円15.3倍
64540ツムラ2,901億円10.0倍
78086ニプロ2,610億円20.8倍
84516日本新薬2,457億円7.9倍
94023クレハ2,312億円
104544H.U.グループホールディングス1,967億円28.1倍
114547キッセイ薬品工業1,892億円12.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(医薬品・バイオ)に従っています。

会社の歴史

沿革 25件

中将湯本舗から始まった1893年創業

1893年4月、津村落合(後の津村重舎)が東京で「中将湯本舗 津村順天堂」を個人経営で創業した。主力製品は婦人薬の中将湯で、これは現在も販売が続くロングセラーである。創業時の事業は漢方薬の製造販売が中心であり、後の漢方専門企業の原点となった。当時は漢方薬が一般的な医薬品として広く使われており、中将湯は家庭用常備薬として多くの家庭に浸透した。

1936年株式会社化、バスクリンも登場

1936年4月、東京都中央区に株式会社津村順天堂を設立し、個人経営から組織経営へ移行した。同時に婦人薬中将湯に加え、浴用剤「バスクリン」の製造販売を開始した。バスクリンはその後家庭用品事業の中核製品となる。1962年12月には防疫用農薬を製造する津村交易株式会社を吸収合併し、事業範囲を拡大した。1964年4月には静岡工場を建設し、それまでの目黒工場から移転。生産能力の増強を図った。

1976年医療用漢方が保険収載、事業構造が一変

1976年9月、医療用漢方製剤が健康保険に採用され、薬価基準に収載された。これにより漢方薬が正式な医療用医薬品として医師の処方で使用される道が開かれた。ツムラはこの機を捉え、漢方エキス製剤のラインアップを拡充。医療機関への情報提供活動を強化し、処方拡大を推進した。この政策転換がツムラを漢方のリーディングカンパニーに押し上げる最大の要因となる。1980年11月には東京証券取引所市場第二部に上場、1982年9月には第一部銘柄に指定される。

1983年茨城工場新設、生産研究拠点を集約

1983年10月、茨城工場を新設し、研究所を同工場敷地内に移転した。これにより生産と研究開発の一体化が進み、品質管理と技術開発の効率が向上した。同年7月には富士枝急送株式会社(現・株式会社ロジテムツムラ)に出資し、物流機能のグループ内化を開始した。1986年8月には本社を東京都千代田区に移転。1988年10月には商号を「株式会社ツムラ」に変更し、ブランドを統一した。

1991年中国進出、原料調達の現地化を開始

1991年3月、中国深圳市に深セン津村薬業有限公司を設立し、原料生薬の調達・選別加工の現地化に乗り出した。2001年7月には上海津村製薬有限公司を設立し、漢方エキス粉末の製造を中国本土で開始。同年8月にはTSUMURA USA, INC.を設立し、米国での研究開発拠点を確保した。これらの海外子会社設立により、原料調達から製造販売までのグローバルなサプライチェーンが形成され始めた。

2008年家庭用品事業売却、漢方専業に集中

2008年8月、バスクリンなど一般消費者向け家庭用品事業を売却した。これによりツムラは完全に漢方・生薬関連事業に特化することとなった。2009年7月には北海道夕張市に株式会社夕張ツムラを設立し、国内での生薬栽培を強化。2016年12月には津村(中国)有限公司を設立し、中国事業の統括機能を集約した。この時期から中国事業への投資を拡大する準備が整えられた。

2018年平安津村設立、中国事業を本格拡大

2018年6月、平安津村有限公司を設立し、中国における中成薬事業への参入を本格化。同年3月には津村盛実製薬有限公司(後に天津津村製薬有限公司に社名変更)を設立し、製造能力を増強した。2019年4月には平村(深セン)医薬有限公司を設立し、医薬品販売チャネルを確保。2020年3月には天津盛実百草中薬科技有限公司の持分を取得し、中薬飲片事業に進出した。2025年8月には上海虹橋中薬飲片有限公司を取得し、中国事業の拡大を続けている。

2022年プライム市場移行、長期ビジョン策定で新たな段階へ

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場に移行した。同年、長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」を策定し、サステナビリティビジョンと3つのP(PHC、PDS、PAD)を掲げた。2025年度から2027年度の第2期中期経営計画では、売上高2340億円、営業利益460億円、ROE9%の目標を設定。医療用漢方の標準治療拡大、中国事業拡大、デジタルトランスフォーメーションなど5つの戦略課題に取り組んでいる。

年表25件を開く

1890年代

  • 1893年4月創業個人経営の中将湯本舗 津村順天堂を創立。

1930年代

  • 1936年4月創業東京都中央区に株式会社津村順天堂を設立、個人経営の業務を引継ぎ、婦人薬中将湯、浴用剤バスクリン等の製造販売を開始。

1960年代

  • 1962年12月M&A防疫用農薬を製造販売する津村交易株式会社を吸収合併。
  • 1964年4月静岡工場建設、目黒工場より移転。

1970年代

  • 1976年9月医療用漢方製剤が健康保険に採用、薬価収載され発売。

1980年代

  • 1980年11月上場東京証券取引所市場第二部に上場。
  • 1982年9月東京証券取引所市場第一部銘柄に指定。
  • 1983年7月富士枝急送株式会社(現・連結子会社、株式会社ロジテムツムラ)に出資。
  • 1983年10月茨城工場を新設、研究所を同工場敷地内に移転。
  • 1986年8月東京都千代田区へ本社を移転。
  • 1988年10月商号変更株式会社ツムラに商号変更。

1990年代

  • 1991年3月深セン津村薬業有限公司(現・連結子会社)を設立。

2000年代

  • 2001年7月上海津村製薬有限公司(現・連結子会社)を設立。
  • 2001年8月TSUMURA USA, INC.(現・連結子会社)を設立。
  • 2005年10月M&A連結子会社であった日本生薬株式会社を吸収合併。
  • 2007年5月東京都港区へ本社を移転。
  • 2008年8月家庭用品事業を売却。
  • 2009年7月株式会社夕張ツムラ(現・連結子会社)を設立。

2010年代

  • 2016年12月津村(中国)有限公司(現・連結子会社)を設立。
  • 2018年3月商号変更津村盛実製薬有限公司(現・連結子会社 2021年4月より天津津村製薬有限公司に社名変更)を設立。
  • 2018年6月平安津村有限公司(現・連結子会社)を設立。
  • 2019年4月平村(深セン)医薬有限公司(現・連結子会社)を設立。

2020年代

  • 2020年3月商号変更天津盛実百草中薬科技有限公司(現・連結子会社 2020年8月より平安津村薬業有限公司に社名変更)の持分を取得。
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行。
  • 2025年8月上海虹橋中薬飲片有限公司(現・連結子会社)の持分を取得。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2027年度まで2,340億円
  • 営業利益2027年度まで460億円
  • ROE2027年度まで9%
  • ROE(長期経営ビジョン)2031年度まで10%
  • 自己資本比率2031年度まで50%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    漢方標準治療の拡大と個別化推進

    医療ニーズの高い処方へのエビデンス創出とプロモーション強化により漢方治療の標準化を拡大し、基本処方すべてを処方する医師を増やして個別化治療を推進する。情報提供のデジタル化・DX化で医療従事者が必要な情報を取得できる体制を整える。

  2. 02

    KAMPOmicsによる新価値創造とグローバル化

    重点3領域のアンメットメディカルニーズに関わる処方のエビデンス創出、未病の科学解明とマーカー創出、レスポンダーマーカー構築による個別化医療を推進。米国で大建中湯の開発を強化し、生薬から製剤までの品質管理をグローバルスタンダード化する。

  3. 03

    中国事業の拡大と中薬研究開発体制確立

    古典処方を持つ中成薬企業との連携、飲片の付加価値サービス展開、オンライン販売拡大により中国市場での事業を拡大。品質・価格で優位な生薬品目数を増やし、中国研究機関との連携で国際標準化を目指す。

  4. 04

    漢方バリューチェーンDX化と安定供給

    販売・生産・調達計画の高精度化で安定供給と適正在庫を両立。データ一元化と生成AI活用でローコストオペレーションを実現。スマートファクトリー化とAI生薬選別自動化の拠点拡大を推進する。

  5. 05

    人的資本の充足と漢方薬的組織の開発

    理念浸透・コーチングの継続、経営人財養成機能の最適化、多様性あるグローバル経営人財の輩出。スキルマップに基づく採用・配置・育成と、ツムラ流養生健康経営を実践する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で4,923人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は911万円で、9期前と比べて+12.4%平均年齢は41.9歳、平均勤続年数は15.5年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月3,331
2018年3月3,453
2019年3月81143.719.83,547
2020年3月81043.719.43,840
2021年3月78943.619.13,830
2022年3月83543.618.93,921
2023年3月80343.118.14,032
2024年3月80743.017.24,138
2025年3月79542.616.54,272939
2026年3月91141.915.54,923715

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率11.8%
縦線は目安の30%
男性育休取得率61.5%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)77.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社13(国内 2 / 海外 11、うち連結子会社 13) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
事務所 及び工場 — 中国 天津市251億円
医薬品事業
茨城工場(茨城県稲敷郡) (注)4210億円
医薬品事業
静岡工場(静岡県藤枝市) (注)5,6142億円
医薬品事業
石岡センター — 茨城県石岡市7,660百万円
医薬品事業
事務所 及び工場 — 中国 上海市6,881百万円
医薬品事業
事務所 及び工場 — 中国 深セン市4,326百万円
医薬品事業
事務所 及び工場 — 北海道 夕張市3,979百万円
医薬品事業
研究所(茨城県稲敷郡) (注)43,330百万円
医薬品事業
未定 — 群馬県邑楽郡3,195百万円
事務所 及び工場 — 中国 白山市1,599百万円
医薬品事業
ほか3件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    株式会社ロジテムツムラ
    静岡県藤枝市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社夕張ツムラ
    北海道夕張市 · 連結子会社
    議決権25.0%
  • 海外
    津村(中国)有限公司(注)2
    中国上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    深セン津村薬業有限公司(注)2
    中国深セン市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    平村(深セン)医薬有限公司
    中国深セン市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    上海津村製薬有限公司(注)2
    中国上海市 · 連結子会社
    議決権66.0%
  • 海外
    天津津村製薬有限公司(注)2
    中国天津市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    平安津村有限公司(注)2
    中国上海市 · 連結子会社
    議決権56.0%
  • 海外
    平安津村薬業有限公司(注)2
    中国天津市 · 連結子会社
    議決権80.0%
  • 海外
    盛実百草薬業有限公司(注)2
    中国天津市 · 連結子会社
    議決権97.7%
  • 海外
    白山林村中薬開発有限公司
    中国白山市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    上海虹橋中薬飲片有限公司
    中国上海市 · 連結子会社
    議決権51.0%
残りのグループ会社1社を開く
  • TSUMURA USA, INC.米国カリフォルニア州100%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1,926億円営業利益352億円前期と比べると増収減益で、売上が+6.4%、利益が-12.2%。

売上高
+6.4%
1,926億円
営業利益
-12.2%
352億円
純利益
-13.3%
281億円
営業利益率
18.3%
前期比 -3.9%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2,136億円1,926億円
営業利益375億円352億円
純利益262億円281億円
1株あたり配当¥158¥158

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は497億円、営業利益は79億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+34.3%、営業利益は+68.1%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q3296
2024年1Q3704712.743
2024年2Q3835514.447
2024年3Q4058922.072
2024年4Q3505
2025年2Q89121123.7175
2025年4Q92019020.7149
2026年2Q89917119.0125
2026年4Q1,02718117.6156
2027年1Q4977915.965

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1,056億円から1,926億円へ1.8倍に増えた。直近期の営業利益率は18.3%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1,056243154
2014年3月1,101240181
2015年3月1,104216141
津村(中国)有限公司(現・連結子会社)を設立。
2016年3月1,126195126
2017年3月1,150164125
津村盛実製薬有限公司(現・連結子会社 2021年4月より天津津村製薬有限公司に社名変更)を設立。
2018年3月1,179179145
平村(深セン)医薬有限公司(現・連結子会社)を設立。
2019年3月1,209197146
天津盛実百草中薬科技有限公司(現・連結子会社 2020年8月より平安津村薬業有限公司に社名変更)の持分を取得。
2020年3月1,232196138
2021年3月1,164209153
2022年3月1,295259188
2023年3月1,400235165
2024年3月1,508235167
2025年3月1,81140142422.1324
2026年3月1,92635240018.3281

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1,926億円のうち、営業利益として残るのは352億円18.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は281億円、売上の14.6%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金52.5%1,011億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金29.2%563億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益18.3%352億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
47.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+15.3pt
18.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+11.9pt
14.6%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+3.1pt
9.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが247億円、投資CFが−503億円で、差し引きのフリーCFは−256億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は783億円で、売上の4.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月120−80−4340138
2014年3月59−17−4642144
2015年3月50−107104−57193
2016年3月176−75−46101251
2017年3月211−65−96146299
2018年3月211−234503−23783
2019年3月55−77−185−22562
2020年3月182−23571−53577
2021年3月161−74−10487597
2022年3月213−91−82122675
2023年3月165−15524410947
2024年3月56−194−44−138780
2025年3月338−250−19988731
2026年3月247−503326−256783

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は5,928億円。このうち返さなくてよい自己資本が3,716億円で、自己資本比率は54.3%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1,7051,18552068.6
2014年3月1,8761,33354369.9
2015年3月2,1571,50964868.8
2016年3月2,2251,55766868.8
2017年3月2,2201,57464669.7
2018年3月2,9241,96595966.2
2019年3月2,8732,06181270.2
2020年3月3,1202,14098065.8
2021年3月3,1912,33285968.3
2022年3月3,5102,58192968.3
2023年3月3,9682,7221,24663.5
2024年3月4,2832,9541,32963.2
2025年3月4,6443,3011,34364.7
2026年3月5,9283,7162,21254.3

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
841億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2,470億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
243億円
在庫として抱えている分
負債合計
2,212億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
96
/ 100
安定性自己資本比率36 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り79社中10位あたり、逆に低いのは自己資本比率79社中58位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
9.0%/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
18.3%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
54.3%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
6.3%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.2%/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,780で、1年前と比べて+5.0%過去52週の値幅のなかでは35%の位置にある。

¥3,780-0.5%1ヶ月+0.3%1年+5.0%時価総額2,901億円
過去52週の値幅
安値¥3,444高値¥4,403

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)10.0倍
PER (会社予想)10.8倍
PBR0.86倍
配当利回り4.18%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で1.65%下落し、8月10日時点の株価は3757円。25日移動平均線(3833.8円)を約2%下回り、75日線(3763.79円)からも約0.2%下。52週高値4403円からは約14.7%下、52週安値3444円からは約9.1%上と、レンジの中位よりやや下。出来高は7月27日-29日に40-68万株と増加したが、その後は縮小傾向。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PERは9.98倍で業界平均27.7倍を大幅に下回り、予想PERも10.7倍と低水準。PBRは0.8568倍で平均3.42倍を大きく下回り、割安感が強い。ROEは9.04%と堅調で、配当利回り4.21%は平均2.19%を上回り、株主還元も厚い。直近の業績は増収増益で、収益性も改善傾向。割安だが、医薬品業界全体のPERが高く、当社の成長鈍化や規制リスクには注意が必要。総合的に割安と評価する。

指標この会社業種平均
PER (実績)10.0倍36.0倍
PER (予想)10.8倍
PBR0.86倍3.53倍
ROE9.0%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

漢方薬の需要と収益性、海外成長への期待と国内市場の成熟が焦点。強気派は売上高の増加、高い経常利益率(約22%)、医療費抑制下での予防需要を取り込む可能性を評価する。弱気派は漢方薬の使用拡大が限定的、原材料価格上昇、海外展開の不確実性を懸念。

プラスに働く材料7
  • 高い市場シェア

    医療用漢方薬でシェア約80%、ブランド力と処方実績が安定収益に

  • 高収益体質

    2025年3月期の経常利益率22%と高く、売上高も1800億円台に拡大

  • 予防需要の拡大

    健康増進・未病分野への展開で新たな需要取り込みが期待

  • 2026/3期売上高1,926億円、2期連続増収決算発表後影響

    売上高は前期比6.35%増の1,926億円、過去最高を更新

  • PBR0.86倍、解散価値割れの割安水準継続影響

    PBR0.86倍は1倍を下回り、下値不安が限定的

  • 配当利回り4.19%と高水準継続影響

    配当利回り4.19%は株主還元の厚さを示す

  • 前期純利益324億円、94%増の大幅回復通年影響

    純利益は167億円から324億円へ約2倍増加

マイナスに働く材料7
  • 国内市場の限界

    漢方薬市場は成熟しており、大幅な拡大は見込みにくい

  • 原材料コスト上昇

    生薬の調達価格上昇や品質維持のコスト増が利益を圧迫

  • 海外展開の不確実性

    海外での規制や文化の違いから、事業拡大には時間がかかる

  • 今期営業利益352億円、前期比49億円減益決算発表後影響

    営業利益は前期比12.2%減、収益力の低下が懸念

  • 営業利益率18.28%、3.86pt低下通年影響

    営業利益率は22.14%から18.28%へ低下

  • 予想PER10.7倍、実績10.02倍から悪化決算発表後影響

    フォワードPERは実績を上回り、利益減少を織り込む

  • 外国人持株比率44.53%の高止まり継続影響

    外国人保有が高く、リスク回避時の売り圧力に晒される

次の決算で確かめる点
医療用漢方薬売上高
主力事業の伸びを示し、シェア維持の確認材料になる
経常利益率
収益性の維持・改善を確認する
海外売上比率
グローバル展開の進捗を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり158で、前期から+8.1%いまの株価に対する利回りは4.18%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥158
1株あたり
配当利回り
4.18%
いまの株価に対して
配当性向
45.0%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月6438.5
2018年3月640.036.0
2019年3月640.037.7
2020年3月640.037.8
2021年3月640.035.5
2022年3月640.032.6
2023年3月640.032.7
2024年3月8532.847.1
2025年3月13660.039.8
2026年3月1478.145.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥158

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ36,246人。区分でいちばん多いのは外国法人44.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が34.4%を占め、残る65.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人47.048.446.747.946.444.5
金融機関33.532.130.030.231.830.1
個人・その他11.411.514.312.913.218.9
事業法人7.37.07.56.85.64.3
証券会社0.81.01.52.23.12.1
自己株式0.30.30.30.30.61.9
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱信託口15.35
02BOCHK FOR PING AN LIFE INSURANCE COMPANY OF CHINA LTD(㈱三菱UFJ銀行)10.00
03STATE STREET BANK AN D TRUST COMPANY 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)6.00
04㈱日本カストディ銀行信託口5.35
05BRIGHT RIDE LIMITED(常任代理人 三田証券㈱)2.20
06ツムラグループ従業員持株会1.97
07㈱三菱UFJ銀行1.76
08BNYM AS AGT/CLTS 10PERCENT(常任代理人㈱三菱UFJ銀行)1.71
09野村信託銀行㈱(投信口)1.66
10JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.28

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+73%、1株純資産は14期で+160%。直近期のROEは9.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月2181,65914.115.929.4
2014年3月2561,86014.69.726.5
2015年3月2002,10310.114.934.9
2016年3月1782,1698.315.239.1
2017年3月1792,2508.119.438.5
2018年3月2012,5328.318.236.0
2019年3月1912,6407.417.637.7
2020年3月1802,6846.815.337.8
2021年3月2002,8477.319.735.5
2022年3月2463,1348.213.032.6
2023年3月2163,2996.712.232.7
2024年3月2203,5676.417.447.1
2025年3月4273,96811.310.139.8
2026年3月3764,3169.010.045.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2026/3期の役員報酬は総額325百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
加藤照和代表取締役社長CEO(最高経営責任者)6349,300
杉井圭取締役 COO(最高執行責任者)5610,900
三宅博取締役775,000
岡田正取締役701,500
江口真理子取締役60200
永渕富弘取締役 監査等委員613,600
望月明美取締役 監査等委員724,500
土屋智恵子取締役 監査等委員55

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)31785323177
社外取締役766669
取締役(社内)1282828

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容570字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループが営んでいる主な事業内容と、当該事業に係る各社の位置づけは次のとおりです。 2026年3月31日現在 セグメント   区分   主要な事業の内容   主要な関係会社 医薬品事業   日本   医療用医薬品・一般用医薬品の製造・販売   株式会社ツムラ 運送・保管   株式会社ロジテムツムラ 原料生薬の栽培・調達・選別加工・保管   株式会社夕張ツムラ 中国   地域統括   津村(中国)有限公司 事業統括   平安津村有限公司平安津村薬業有限公司 漢方エキス粉末の製造・販売   上海津村製薬有限公司天津津村製薬有限公司 原料生薬の調達・選別加工・保管・販売   深セン津村薬業有限公司盛実百草薬業有限公司 原料生薬の栽培・調達・選別加工・保管   白山林村中薬開発有限公司平村衆贏(湖北)薬業有限公司その他1社 医薬品・食品の販売   平村(深セン)医薬有限公司 中薬飲片の製造・販売・代理加工サービス   上海虹橋中薬飲片有限公司 その他   平安津村中医薬科技有限公司その他2社 ラオス   原料生薬の栽培・調達・選別加工・保管   LAO TSUMURA CO.,LTD. 米国   医薬品の開発   TSUMURA USA, INC. 事業の系統図は次のとおりです。 2026年3月31日現在
経営方針・対処すべき課題6,972字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針 当社グループは、究極的に成し遂げようという事業の志である「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を起点とし、基本的な価値観である経営理念「自然と健康を科学する」、社会から必要とされる存在意義である企業使命「漢方医学と西洋医学の融合により、世界で類のない最高の医療提供に貢献します」を基本理念として掲げ、理念に基づく経営を継続的に実践しています。 (2) 経営戦略等 当社グループでは、2022年4月1日、TSUMURA Group DNA Pyramidを刷新し、プリンシプル「順天の精神」及び究極的に成し遂げる事業の志であるパーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を新たに制定しました。また、サステナビリティビジョン「自然と生きる力を、未来へ。」と、3つの“P”(PHC:Personalized Health Care 一人ひとりに合ったヘルスケア提案、PDS:Pre-symptomatic Disease and Science “未病”の科学化、PAD:Potential-Abilities Development 潜在能力開発)を通じて、心と身体、個人と社会が「“Cho-WA”(調和)のとれた未来を実現する企業へ」を掲げた、長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」を策定しました。 ツムラグループのサステナビリティビジョンは、長期経営ビジョンの上位に位置づけられるものであり、漢方バリューチェーンを通じてツムラグループだからこそできる、持続可能な社会の実現を目指しています。そのために、ツムラグループが優先的に取り組む必要のある重要課題(マテリアリティ)を特定し、事業を通じた社会課題の解決と経営基盤の強化の両面から取り組みを行っています。 ツムラグループのマテリアリティ (3)資本政策の基本方針 当社は、ROEを持続的な株主価値向上に関わる重要な経営指標として捉え、収益力や資産効率を高めることで、資本コストを上回るROEを目指してまいります。また、財務の健全性を確保しながら経営効率を高め、営業活動によるキャッシュ・フローや負債の活用、最適資本構成から許容される資金を、成長投資と株主還元へ適切に分配してまいります。 なお、株主還元においてはDOE(株主資本配当率)を指標として設定し、堅牢なバランスシートに依拠して、長期的な配当拡充を目指してまいります。 指標   2031年度に目指す水準 経営効率   ROE   10% 財務基盤の健全性   自己資本比率   50%以上 配当   DOE(株主資本配当率)   5% (上記の業績見通し等の将来に関わる記述は、2031年度に目指すべき方向性のビジョンであり、今後さまざまな要因により上記数値と異なる可能性があります。) (4)中期経営計画 2025年5月12日に公表した、第2期中期経営計画(2025年度-2027年度)は、5 つの戦略課題に取り組み、長期経営ビジョン実現に向けた積極的な設備および事業への投資を推進し、日本事業の安定成長と中国事業の拡大に努めてまいります。また、事業を通じた社会課題解決への貢献により、企業価値を高めてまいります。 第2期中期経営計画 戦略課題 ① 漢方の標準治療の拡大と個別化治療の推進による漢方市場のさらなる成長② KAMPOmicsによる新たな価値の創造、エビデンスに基づいた「未病三防」の市場展開と漢方のグローバル化への挑戦③ 中国における中成薬事業への参入、飲片の付加価値サービスの展開と中薬研究開発体制の確立④ 最高の顧客体験価値の創造を目的とした漢方バリューチェーンの DX 化による安定供給・ローコストオペレーション体制の確立と製品価値の向上⑤ ビジョン実現に資する人的資本の充足と漢方薬的組織の開発推進による組織・人的資本価値の向上 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 第2期中期経営計画(2027年度)数値目標は2025年11月10日に数値目標を修正しており、以下のとおりです。 2027年度 売上高   2,340億円 営業利益   460億円 ROE   9% 前提条件:薬価改定(2025年度、2026年度、2027年度) 為替レート 20.1円/元(2025年度-2027年度) -戦略課題達成のための重点施策- ① 漢方の標準治療の拡大と個別化治療の推進による漢方市場のさらなる成長 ・医療ニーズの高い処方に対するエビデンスとプロモーションの強化により漢方治療の標準化を拡大する。 ・診療領域基本処方※1すべてを処方する医師が4人に1人以上となる医療現場を実現し、漢方治療の個別化を推進する。 ・情報提供のデジタル化を DX 化へ発展させ、医療従事者一人ひとりがいつでも必要な情報を取得できる体制を実現する。 ② KAMPOmics※2による新たな価値の創造、エビデンスに基づいた「未病三防※3」の市場展開と漢方のグローバル化への挑戦 ・漢方治療の標準化をさらに拡大させるため、重点3領域のアンメットメディカルニーズに密接に関与する処方を中心としたエビデンス創出に注力する。 ・未病の科学的解明により未病マーカーを創出し、エビデンスに基づいた未病改善サービスの開発に注力する。 ・個人に合わせた最適なヘルスケアサービス、漢方治療(個別化医療)を提供するため、KAMPOmics®をベースとした健康状態の可視化とともに、漢方処方のレスポンダーマーカー※4のエビデンス構築をする。 ・個人の状態に合わせた最適な漢方治療(個別化医療)の提供のため、アライアンスの強化により、漢方診断サポートシステムの開発をさらに推進し、一般消費者向けサービスへの横展開を図る。 ・漢方のグローバル展開を目指し、米国における TU-100(大建中湯)の開発活動を強化する。 ・生薬から製剤までの一貫した製造および品質管理手法をグローバルスタンダードにする。 ③ 中国における中成薬※5事業への参入、飲片※6の付加価値サービスの展開と中薬研究開発体制の確立 ・古典処方を保有する中成薬企業との事業展開を図り、ツムラの生薬およびノウハウを活用した中成薬を提供する。 ・公立病院チャネルを有する飲片企業との連携、保険適用外の民間病院チャネルの拡大、ならびにオンライン販売の拡大により、付加価値サービス「一人一方※7」を展開し、飲片の外販を拡大する。 ・飲片事業の拡大とともに、医療用漢方製剤の原料生薬の価格安定化を図ることも踏まえ、品質や取扱量、価格などにおいて優位性のある生薬の品目数を増やす。 ・中国の研究機関との連携により、生薬・製剤の国際標準化を目指し、研究開発・品質評価体制を確立する。 ④ 最高の顧客体験価値の創造を目的とした漢方バリューチェーンの DX 化による安定供給・ローコストオペレーション体制の確立と製品価値の向上 ・安定供給と適正在庫の両立のため、販売・生産・調達計画の高精度化などにより迅速な意思決定体制を構築する。 ・最高の顧客体験価値の創造のために製品剤形・包装形態最適化のグランドデザインを描き、ロードマップを策定し推進する。 ・ローコストオペレーションや組織間の知識共有・連携を実現するために、データ一元化・標準化と生成 AIの活用を連動させ推進する。 ・工場における医薬品製造の生産性および品質の向上のため、スマートファクトリー化を加速する。 ・AI を活用した生薬選別自動化の拠点拡大のために、選別可能な品目を増やし、設備コストパフォーマンスを向上させる。 ⑤ ビジョン実現に資する人的資本の充足と漢方薬的組織※8の開発推進による組織・人的資本価値の向上 ・理念浸透・コーチングの継続により理念経営を昇華させるとともに、漢方薬的組織を目指し、組織開発を実施する。 ・経営人財養成機能を最適化するとともに、理念経営を支える多様性に富んだグローバル経営人財の輩出を推進する。 ・動的な人財ポートフォリオ実現に向けて、スキルマップ(管理職・専門人財)を策定・更新し、それに基づいた人財の採用、配置、育成を実施する。 ・ツムラ流“養生”健康経営を実践する。 ※1 診療領域基本処方 各診療領域において、患者数が多い疾患・症状に対して、適正に使用することができる(適用を有する)処方を当社独自に設定 ※2 KAMPOmics® ツムラの強みである先端技術(メタボローム・遺伝子・腸内細菌・システムバイオロジーなど)の研究を組み合わせ、日本の伝統医学である漢方医学と、多成分で複雑な漢方薬を統合的に理解するためのツムラ独自の研究パッケージ。当社の登録商標。 ※3 未病三防 治未病(未病先防)、重症化抑制(既病防変)、再発抑制(癒後防復) ※4 レスポンダーマーカー 治療に対して効果がみられる可能性が高い患者様(レスポンダー)を層別化するための生理学的指標 ※5 中成薬 中医学の理論に基づいた処方を顆粒や丸剤等の形にした薬剤。 ※6 飲片 原料生薬を切裁したもの。刻み生薬。 ※7 一人一方 患者様の代わりに、スマートファクトリー設備で処方箋どおりに飲片を煎じ、煎液、流エキス、エキス顆粒に加工・包装したものを、直接患者様に郵送するスマートサービス ※8 漢方薬的組織 生薬を「人」「部門」に、漢方薬を「部門」「会社」に例え、成果を創出する調和した組織のこと (6) 経営環境 ① 国内市場 超高齢社会において、医療費の増大に伴う各種制度変更、地域医療のあり方や、生活者のセルフメディケーション意識の向上など、製薬会社が直面する課題は少なくありません。 国の施策においては漢方への期待と役割が大きくなっています。2015年に厚生労働省より公表された「医薬品産業強化総合戦略」の中の一つに、漢方薬は「我が国の医療において重要な役割を担っている」と明記されています。また、「がん対策加速化プラン」では、支持療法の開発・普及のために実施すべき具体策として、「漢方薬を用いた支持療法」があげられています。当社は、このような政策に準ずる施策に加え、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」や総合診療医・在宅医療の推進などを含む「地域包括ケアシステム」の構築などの医療政策、人口動態に伴う疾病構造の変化(高齢者疾患、女性特有の疾患など)を踏まえた取り組みを進めてまいります。 「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」において、医療関連のオーソリティによって、漢方医療を取り巻く課題と対応策が「提言書」として2017年に取りまとめられました。その後、健康寿命の延伸に資する観点から個別化医療が重要視され、漢方薬の必要性がより一層見直されてきている現状を踏まえ、2021年に提言書が更新されました。さらに、2026年には、高齢者のフレイルやポリファーマシー、少子化の進行など近年の社会課題を踏まえ、漢方薬が保険医療の中で果たす役割や課題、研究の推進、情報発信等の観点から提言内容が再構築されました。当社は、日本漢方生薬製剤協会の活動を通じて、この提言を実現するために、産官学共同の課題として取り組んでいます。 外部環境としては、インフレに伴う物価上昇等の影響による原資材価格の高止まりや為替変動など、厳しい事業環境が継続しています。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少が予測されており、少ない労働量でも成果を生み出せる企業体質への転換を図るべく、デジタル・ロボット技術を用いた自働化投資や従業員のエンゲージメントの向上に継続的に取り組んでいます。 ② 中国市場 中医学の理論に基づき製剤化された中成薬や飲片(刻み生薬)などの中薬は中国において長年使われている薬ですが、近年は中薬の発展を促進する政策が発表されています。2016年に国務院が発表した「健康中国2030計画綱要」では、現代医学と中国医学の双方を重視し、中薬生産の規範化、規模化を推進するとともに、理論研究と薬品開発に取り組むという方針が発表されています。また、2022年1月に「第14次五カ年医薬工業発展計画」が発表され、中薬の研究開発、技術と品質、製造レベルなど多方面から計画を行っていく方針が示されています。 また、中国では急速な高齢化が進行しており、高齢者人口(60歳以上)は2025年現在で3.2億人を超え、2035年には4億人を超えると予測されています。 中国における中薬の市場規模は、中成薬、飲片(刻み生薬)を合わせて2024年時点で約15.9兆円と日本の漢方市場と比較して約60倍と大きな規模ですが、このような環境の変化を踏まえると、さらに拡大するとみられています。 当社は、これまで国内事業で積み上げてきた技術・ノウハウを最大限活用し、中国平安保険グループとの協業のもと、中薬業界の発展と中国国民の健康に貢献する企業を目指しています。 (7) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 第2期中期経営計画に基づく取り組み 「(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しています。 ② 製商品の品質と安全性の追求 1) 品質保証 当社は、製商品の品質と安全性の追求を最も重要なテーマであると考えています。この品質重視の考え方「ツムラクオリティカルチャー」を漢方バリューチェーンの基盤とし、品質保証における継続的な改善と強化に取り組んでいます。 「ツムラ品質マネジメントシステム」 当社は、「品質方針」のもと品質保証システムのさらなる充実を目指した「ツムラ品質マネジメントシステム」の体制を整え、品質を重視する取り組みを推進しています。このシステムは、当社グループ全体を取り込む包括的なものであり、これによって経営陣の責務をさらに明確にしました。また、グローバル化(PIC/S※対応を含む)や法改正などにも適正に対応できる仕組みとなっています。 品質方針 当社およびグループ会社は、価値創造企業を目指し、“KAMPO”で人々の健康に寄与するため、以下の品質方針を定めています。 ・高品質かつ安全で信頼される製品を安定的に供給します ・医薬品に関する薬事関連法規を遵守します ・お客様の声を聴き、継続的な品質改善に努めます ・安全な生薬の安定確保を実現します ・研究の信頼性を確保し、研究成果を適切に提供します ・全役職員に対し、適切な教育を実施し、高い意識を持つ人財を育成します ・これらを実現するため、経営資源を適正に配分します ツムラ品質マネジメントシステムに関する規程のもと、生薬栽培から最終製品のデリバリーまでのサプライチェーン全般を対象として法令遵守や当社として守るべき基準を明記した文書をそれぞれ社規として体系的に構築しています。 これは当社独自の「品質システム」であり、当社及びグループ会社のすべての事業における品質重視体制を構築し、高品質な漢方製剤を患者様に提供するための活動となっています。 ※ PIC/S: Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Schemeの略称。医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキームのことであり、GMP基準などの国際化を推進する枠組み。 2) 「ツムラ生薬GACP※」 当社は、「ツムラ生薬GACPポリシーに関する規程」を制定し、運用しています。この規程は、「ツムラ品質マネジメントシステムに関する規程」に基づき、当社およびグループ会社による生薬生産の管理において、生薬の安全及び品質を保証するために遵守すべき基本的要求事項を定めることを目的としています。 ツムラ生薬GACPは、「ツムラ生薬GACPガイドライン」「生薬生産標準書」「生薬トレーサビリティ」「教育・監査・認証」で構成されています。 その一つである生薬トレーサビリティは、生薬の生産地から生薬製造所に納入される各段階で、生産団体・生産者の情報や栽培・加工などの記録を収集・保管し、情報の追跡と遡及を可能とする仕組みであり、漢方製剤の製造工程、流通過程の履歴情報と併せ、医療機関から生薬生産地までの全履歴情報の追跡・遡及を可能としています。 今後も、生薬の安全性・品質保証体制をより強固なものにし、安全で安心できる生薬の安定確保のために、ツムラ生薬GACPを継続的に強化し運用していきます。 ※ GACP:Good Agricultural and Collection Practice(生薬生産の管理に関する基準)
事業等のリスク9,732字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループの事業等に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しています。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社グループにおいては、これらの事項に対して、発生を回避すべく対応していきます。また、発生した場合においても、その悪影響を最小限に留めることができるよう対応に努めていきます。 当社は、リスク管理主管部門が執行役員、業務担当部門、グループ会社のトップ等へのリスクヒアリングを行い、その結果も踏まえて「リスクマネジメント委員会」を開催し、経営リスクに対する取り組み状況の確認及び今後発生し得るリスクについて、必要な対処方法を確認しています。「リスクマネジメント委員会」における審議・調整、決定事項は定期的に取締役会に報告されています。また、企業活動に重大な影響を及ぼす恐れがある緊急事態が発生した場合には、「リスク管理規程」に則って対応しています。さらに、気候変動・自然資本(生物多様性等)に関するリスクについては、取締役Co-COOを委員長とする「サステナビリティ委員会」において確認・検討を行い、「リスクマネジメント委員会」と情報を共有しながら、適切に評価・管理しています。 なお、以下に記載する事項については、将来に関する事項が含まれていますが、これらは有価証券報告書提出日現在において判断したものです。 (1) 医療制度 国内においては、超高齢社会や医療の高度化に伴う医療費高騰等による財政圧迫を背景として薬剤費引き下げ政策の強化が進められています。経済財政諮問会議の工程表には「給付と負担の見直し」が示されているなど医療費抑制について引き続き検討されています。 このような環境変化に対応するため、当社グループでは薬剤費引き下げ政策強化への対策や漢方製剤の価値に対する理解の醸成に努めるなど、企業努力を重ねてきました。また、国民医療において重要な役割を担う医療用漢方製剤を持続的に供給するため、業界団体と連携しながら関係省庁などへの提言も行っています。 当社グループでは原価率低減や流通効率化に取り組んでいますが、さらなる薬価制度改革などの医療費抑制策が実施された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用が生じる場合や製品が規制に適合しなくなる場合、あるいは今後、予測できない大規模な医療行政の方針転換が行われた場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 引き続き、当社グループは、医療用漢方製剤のエビデンス構築や一般生活者への漢方啓発活動を通じ、医療用漢方製剤が国民医療に必要不可欠な医薬品として広く認知いただける活動を継続していきます (2) 製品の供給 当社グループは、以下の要因により製品の供給に停止や遅延が生じた場合、当社グループの社会的信用、並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、原資材の市場価格高騰、エネルギーコストや原油価格の高騰、予想し得ない事象等が発生することにより業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 原料生薬の調達に関するリスク 当社グループの事業は、生薬を主要原料とした漢方・生薬事業です。その原料生薬の多くは天然物であることから、安全な生薬を安定確保するために、漢方製剤の長期的な需要予測に基づき、充分な在庫量の確保や国内外での生薬調達先の拡大、自社管理圃場※の継続拡大等に取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ天候不順や自然災害等が発生した場合、必要な数量の確保が困難となる可能性、生薬価格が高騰する可能性、並びに栽培中の生薬の減損損失を計上する可能性があります。 当社は漢方製剤に供する原料生薬の約90%を中国から、残りの約10%を日本・ラオスその他の国から調達しています。漢方製剤の安定供給に向け、日本国内における原料生薬生産量拡大にも取り組んでいます。また、中国にも漢方エキス粉末の製造拠点を構えることで、輸出入等の法規制の変更、政治や経済状況の変化による原料生薬の輸入規制に対応できる体制をとっています。しかしながら、輸出入等の法規制の対象範囲の変更や想定を超える政治的・経済的状況の変化が発生した場合、製品供給への影響、並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ※ 自社管理圃場: 当社が直接的に栽培指導をすることができ、栽培にかかるコストの把握と原料生薬の購入価格設定が可能な圃場。 ② 副原料及び資材の調達、生産及び物流に関するリスク 当社グループは、製品製造工程で使用する副原料及び資材においても国内外で調達していますが、可能な限り複数の取引先からの購買体制を構築しており、需要予測に基づき、柔軟な調達を行っています。しかしながら、自然災害及び不安定な社会情勢を起因とする需要、供給等の急激な流通不安により、副原料・資材不足が発生した場合、製品供給への影響、並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 製造拠点を日本国内では茨城工場と静岡工場の2拠点、中国では上海津村製薬有限公司と天津津村製薬有限公司の2拠点と分散体制をとっており、製造品目の切り替えを可能とした体制の構築を図っています。また、日本国内の生産施設については地震災害時の供給能力への影響を軽減すべく、免震・耐震構造の導入をしています。製品の供給拠点である物流センターについても、東西2拠点としており、安定供給に向けた体制を構築しています。 しかしながら、大規模な地震や火災等の災害、停電等による機能の低下や喪失、輸出入等の法規制の対象範囲の変更や想定を超える政治的・経済的状況の変化が発生した場合、製品供給に影響を及ぼす可能性があります。また、災害により損害を被った設備等の修復や棚卸資産の被害に備え災害保険等の加入をしていますが、想定を超える災害やその他予想し得ない事象等が発生した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 製品の安全性及び副作用問題 当社グループは、品質と安全性を追求し、信頼性を向上させるための品質重視の考え方である「ツムラクオリティカルチャー」を経営理念に通じる価値観とし、その醸成に取り組んでいます。この考え方を基盤として、製品の製造に関しては、当該国や地域の品質管理基準を遵守し、品質方針のもとさらなる充実を目指した「ツムラ品質マネジメントシステムに関する規程」を制定し、自社製造品のみならず委託製造品を含む全ての製品について品質を重視する取り組みを推進しています。また、この考え方は改正薬機法※1が求める法令遵守の考え方に通じるものです。 さらに原料生薬に関しては、生薬の安全性・品質保証体制をより強固なものにするため、「生薬GACP※2ポリシーに関する規程」を制定し、管理を徹底して運用しています。これらの取り組みにより、原料である生薬の調達に始まり、製剤の製造に適した製造方法・製造設備の確立、製造管理、品質管理の実施及び出荷に至るまでをすべて自社の管理下で行う一貫体制を構築し、徹底した品質管理を実施することで最終製品の品質を確保しています。 しかしながら、当社が管理を行っていない農薬及び化学物質が原料生薬に残留する可能性等、何らかの理由により生じる製品の欠陥や安全上の問題を完全に回避できる保証はありません。また、当社グループが販売する医薬品に予期せぬ副作用問題が発生した場合、並びに医薬品以外の製品に健康被害等が発生した場合、従来の使用方法が制限されることや、当社グループ及び当社グループが販売する製品の社会的信用の失墜による投薬抑制や服薬拒否、使用拒否等が起こる可能性があります。 以上の結果、販売数量の減少や多額の損害賠償請求、大規模なリコール等につながるような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ※1 改正薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第37号) ※2 GACP:Good Agricultural and Collection Practice (4) 国際事業 当社グループは、中国等、海外の国や地域において、生産、販売、研究開発活動を展開しています。 中国事業においては、経営管理機能を強化するため、津村(中国)有限公司を設立し、当社グループの持つ技術・ノウハウを最大限活用し、中国平安保険グループとの協業のもと、中国国民の健康に広く貢献できる企業を目指しています。 中国事業への参入にあたり、製造販売に関するライセンス等を有する企業との提携を検討及び実施しています。提携先の選定・実行にあたっては当社グループの企業理念に十分に共感いただける企業と提携し、シナジー効果を追求していますが、予期せぬ法規制の変更や政治的・経済的状況の変化・天候不順を含めた自然災害や生薬価格高騰等により影響を受ける可能性があります。 (5) 研究開発 当社グループは、将来の成長や業績の維持・向上を目的とし、国内及び海外においてエビデンスの構築や新製品・新技術に関する研究開発活動を行っています。しかしながら、このような当社グループの研究開発活動が、すべてにおいて成功する保証はありません。これらの研究開発活動が何らかの理由により中止や遅延、大幅なコスト増等が生じた場合、当社グループの収益確保に影響を及ぼす可能性があります。 米国においては大建中湯の医療用医薬品としての承認取得・上市を目標に活動していますが、何らかの理由により想定しているスケジュールに遅延が生じる、あるいは想定した費用を大幅に上回る等の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、国際情勢の変化や地政学的リスクの高まりにより、原材料や研究用資材の調達に支障が生じた場合、当社の研究開発活動に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 知的財産 当社グループは「ツムラグループ知的財産基本方針」を定め、知的財産の価値最大化を図り、社会へより良い価値を提供していくために、知的財産の創出や権利化、有効活用、厳格な管理、他社知的財産の尊重などにより、社会から信頼いただけるよう努めています。具体的に当社グループでは、特許権や商標権等の産業財産権を適正に取得するとともに、重要情報保管場所の施錠管理やアクセス可能人員の制限等ノウハウ・技術情報管理の徹底等により知的財産を適正に保護しています。しかしながら、当社グループの知的財産権の消滅や技術ノウハウ漏洩等が発生した場合には競争力が低下し、当社グループの収益確保に影響を及ぼす可能性があります。また、事業運営にあたっては、新製品やネーミング等において他社商標侵害を未然防止するための先行商標確認や新開発・導入技術に関する他社特許侵害防止等の事前対応を実施し、他社知財侵害係争が発生しないように努めていますが、完全に未然防止することは難しく、知的財産権に係る争訟により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 人財 当社グループは、「組織・人的資本」こそが企業・事業価値を創造する源泉であるとの認識のもと、人的資本を経営戦略の実行および中長期的な企業価値創造を左右する中核的基盤と位置付けています。企業経営の原点は「企業は人なり」であり、個々の能力である「人的資本」とチーム力・協働力である「組織資本」の双方を重視した経営を一貫して実践しています。 当社グループは、パーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を掲げた理念経営のもと、長期経営ビジョン「TSUMURA VISION "Cho-WA" 2031」を策定し、同ビジョンにおいてもPAD(Potential Abilities Development:潜在能力開発)として"人"に焦点をあてています。具体的には、目的・価値を求心力とした「対話」により自身の潜在能力を引き出す文化を醸成したうえで、世界に手本のない「漢方・中薬」ビジネスにおいて、自ら新しい道を切り拓き、誰からも信頼される「人」の集団かつ「漢方薬的組織」の実現を目指しています。 当社グループの事業は、生薬調達から生産、品質、研究開発、営業、管理に至るバリューチェーン全体において、人による高度な専門的判断と部門を越えた連携への依存度が高いという特性を有しています。そのため、人的資本の質・量および組織の実行力は、事業の継続性や競争優位性に直接的な影響を及ぼします。 こうした認識のもと、当社グループは、目的・価値を求心力とした「対話」を通じて一人ひとりの潜在能力を引き出す企業文化の醸成を重視するとともに、経営人財・専門人財・基盤人財の計画的な育成と確保、多様性の推進、組織開発、キャリア自律支援、DE&I推進、健康経営等の取組みを相互に連動させた組織・人的資本マネジメントを推進しています。また、社内人財養成機関であるツムラアカデミーを中心に、パーパス・理念浸透やクオリティーカルチャー醸成を進め、一人ひとりの「人間性・人間力」を高めることを重視しています。 しかしながら、組織・人的資本に関しては、以下の主なリスクを認識しています。 (1)専門性の高い人財の不足や育成の遅れによる、研究開発力・品質保証力の低下 (2)組織間連携や対話不足による、戦略実行力・意思決定の質の低下 (3)人財の多様性や挑戦機会が十分に確保されないことによる、エンゲージメント低下や人財流出 これらのリスクは、事業競争力や事業継続性に影響を及ぼす可能性があるため、人的資本戦略上の重要なマネジメント課題として認識しています。 また、人的資本リスクの兆候を示す指標として、離職率の上昇、平均勤続年数の低下、障がい者雇用率の低下、教育時間・教育費の低下、女性管理職比率の不足、男性育休取得率等をモニタリングしており、これらの指標が悪化した場合、必要な人財の確保・育成が計画的に推進できず、理念に基づく行動の定着が計画的に推進できない場合には、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、各種法令の遵守に努めていますが、今後、予測される生産年齢人口の減少や、労働環境の多様化・複雑化への対応も含め、労働安全衛生やハラスメント等の対策が不十分な場合、当社グループの社会的信用、並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。 ※ 当社グループでは全役職員が財産という観点から「財」の文字を使用しています。 (8) 競争 当社グループの収益の柱である医療用漢方製剤は、安心安全な生薬の安定確保及び均質性の高い医療用漢方製剤の安定供給、安全性・有効性に関するエビデンス集積等により、国内市場において長く優位性を保っており、様々な施策をさらに推し進めています。また、MRによる情報提供に加え、インターネットを介した多様な情報提供により医療関係者からの期待にお応えしています。 加えて、当社グループは、医療用漢方で培った信頼を基盤に、セルフケア・養生領域への展開を進めています。当該領域は成長機会であるとともに、生活者との継続的な関係構築による長期的な価値創出に資するものと位置付けており、収益基盤の多柱化を図っています。 しかしながら、国内外の製薬企業等が医療用漢方市場に参入した場合や競合他社が新たな臨床エビデンスを構築した場合、今まで以上に競争が激化し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、セルフケア・養生領域においても、異業種を含めた競争環境の変化や市場動向の影響を受ける可能性があります。 (9) 為替レートの変動 当社グループが販売する漢方製剤の主原料である生薬は主に中国から輸入していることから、生薬及び漢方エキス粉末の輸入時には、為替動向を考慮しながら為替予約等によるリスクの軽減を図っていますが、為替相場が大きく変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、連結財務諸表作成時に海外の連結子会社の現地通貨建財務諸表を円換算していることから、為替相場が大きく変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 財務 当社グループの業績及び財政状態は主として、以下の財務的要因の影響を受ける可能性があります。 ① 退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されています。株価の下落や割引率の変更等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 資金調達リスク 当社グループは漢方事業の持続的拡大のための設備投資計画や中国における成長投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達していますが、金利等の市場環境の悪化、当社の信用格付の変動等により当社グループが望む条件での資金調達が困難となる可能性があります。 ③ 有価証券の価格変動リスク 当社グループは価格変動リスクのある有価証券を保有しており、事前にリスクの軽減に努めていますが、金融市場における価格変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 税務 当社グループを構成する各事業法人は、各国の税法に準拠して税額計算し、適切に納税を行っていますが、各国における税制の改正、税務申告における税務当局との見解の相違等があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、各国の税務当局と見解の相違が生じ、追徴課税や二重課税により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは税務関連法を遵守するため「ツムラ税務ポリシー」を制定し、適切な納税の実施に取り組んでいます。詳細については当社WEBサイトをご覧ください。 (12) 環境 当社グループは、環境に関する法規制の遵守を前提とし、省エネルギーや太陽光発電の導入などによる温室効果ガス排出量の削減、環境負荷の低い容器包装資材への切り替え、野生生薬の栽培化、水の使用量の削減・再利用促進等の自然環境の保全に努めています。しかしながら、万が一、企業活動上において土壌汚染や水質汚染等を惹起し、法令違反等の問題が発生した場合には、行政処分による課徴金、刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等の支払いが生じる可能性があります。その場合、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、気候変動及び自然資本(生物多様性等)に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)及び自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に基づきリスクと対応策等について統合的な情報開示を行っています。気候変動に伴うリスクと対応策等についての詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」において記載していますのでご参照ください。 (13) 訴訟 当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟は現在提起されていません。しかしながら、当社グループは、企業活動上、漢方・生薬製剤等医薬品の副作用、健康被害、製造物責任、労務問題、知的財産権の侵害、契約の不履行、環境問題等様々な訴訟を提起される可能性があり、その動向ないし結果によっては、当社グループの業績及び財政状態、並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 情報システム及び情報管理 当社グループは、企業活動上、大規模な生産システムを含む各種情報システムを活用しており、システムトラブル等への備えとして、データ保護を徹底する等情報システムの強化への適切な投資を行っています。大規模な地震や火災等の災害、停電等による情報システムの機能不全によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)の整備等を実施していますが、想定規模を超える災害等によるシステム不全が発生した際には、事業を適切に遂行できない可能性があります。 また、情報資産の適正管理をより実効的なものとするため、「情報管理基本規程」をはじめとする、情報管理に関する社規の内容を全社に周知徹底し、情報管理の強化を推進しています。サイバー攻撃への備えとしてネットワーク・端末の監視等、セキュリティ対策と不審・不正メールの対処訓練も実施しています。しかしながら、悪意を持つ第三者によるサイバー攻撃ないし、従業員等の不注意または過失によるシステムの停止や機密情報の漏洩等を完全に回避できる保証はありません。 これらの事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態、並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 内部統制 当社グループは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制を含めた内部統制システムを整備・運用し、法令遵守の徹底並びにリスクマネジメントの強化に努めています。また、業務における人為的なミスや、内部関係者等による違法行為、不正行為等の不祥事が発生することのないよう、内部管理の基準を策定・運用する等の対策を実施しています。 しかしながら、内部統制システムが有効に機能せず、業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性等を確保できない事態あるいは違法行為・不正行為等が生じた場合には、かかる信頼を回復するための運営費用の増加や、各部門の業務工数が増大する可能性を含め、当社グループの業績及び財政状態、並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 (16) M&A ① 戦略通りの成果が得られないリスク 当社グループは、事業拡大や競争力強化を目的として、他企業の買収や資本提携を検討・実施しています。しかしながら、買収交渉の過程において、対象企業のデュー・デリジェンスを十分に行った場合でも、簿外債務の存在や、買収後に判明する予期せぬ法的・税務的問題が発生する可能性があります。また、市場環境の変化等により、当初期待していたシナジー効果や収益力が十分に発揮できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② PMI(買収後の統合プロセス)のリスク 買収後の統合プロセス(PMI)において、異なる経営方針、組織文化、人事制度の統合が円滑に進まず、主要な人材の流出や役職員のモチベーション低下が生じるリスクがあります。また、内部統制システムの統合に遅延が生じることで、コンプライアンス上の問題が発生する可能性があります。これらにより、買収先の経営効率が低下し、事業運営に支障をきたす恐れがあります。 ③ のれんの減損リスク 当社グループは、買収に伴いのれんおよび無形固定資産を計上しています。買収先の収益性が低下し、当初の事業計画を大幅に下回る事態となった場合、会計基準に基づき減損損失を計上する必要があります。この場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。 a 財政状態 総資産は、前連結会計年度末に比べて128,385百万円増加し、592,766百万円となりました。 負債は、前連結会計年度末に比べて86,892百万円増加し、221,162百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べて41,493百万円増加し、371,603百万円となりました。 b 経営成績 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、6.4%増加の192,615百万円となりました。 利益につきましては、営業利益35,219百万円(前連結会計年度比12.2%減)、経常利益40,036百万円(前連結会計年度比5.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益28,117百万円(前連結会計年度比13.3%減)となりました。 売上原価率は、52.5%(前連結会計年度比2.5ポイント上昇)となりました。また、販管費率は、29.2%(前連結会計年度比1.3ポイント上昇)となりました。これらの結果として、営業利益率は、18.3%(前連結会計年度比3.9ポイント低下)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、78,261百万円となり、前連結会計年度末と比べて5,126百万円増加しました。当連結会計期間のキャッシュ・フローの状況と、前年同期に対するキャッシュ・フローの増減は、次のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは、24,718百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益41,036百万円、売上債権の減少額6,105百万円、棚卸資産の増加額20,511百万円です。前年同期との比較では、9,104百万円収入が減少しております。 投資活動によるキャッシュ・フローは、50,309百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出32,780百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出14,764百万円です。前年同期との比較では、25,334百万円支出が増加しております。 財務活動によるキャッシュ・フローは、32,603百万円の収入となりました。主な内訳は、短期借入れによる収入48,368百万円、長期借入れによる収入53,408百万円、短期借入金の返済による支出54,340百万円、配当金の支払額10,299百万円です。前年同期との比較では、52,474百万円収入が増加しております。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 医薬品事業   190,420   +5.3 合計   190,420   +5.3 (注) 金額は、販売価格によっています。 b 受注実績 当社グループは、見込生産を主体としているため記載を省略しています。 c 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 医薬品事業   192,615   +6.4 合計   192,615   +6.4 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。 相手先   前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)   当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) アルフレッサ ホールディングス㈱   42,178   23.3   42,720   22.2 ㈱メディパルホールディングス   35,556   19.6   37,131   19.3 ㈱スズケン   26,889   14.8   25,696   13.3 東邦ホールディングス㈱   19,501   10.8   19,615   10.2 2 上記の相手先のうち、持株会社制を採用している会社は当該持株会社の名称を付すとともに、属する関係会社の取引高を集計して記載しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a 財政状態 当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりです。 当連結会計年度末における資産合計は592,766百万円で、前連結会計年度末に比べ128,385百万円の増加となりました。流動資産は、商品及び製品、原材料及び貯蔵品の増加等により、前連結会計年度末に比べて53,502百万円の増加となりました。固定資産は、有形固定資産、のれんによる無形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて74,883百万円の増加となりました。 負債合計は221,162百万円で、前連結会計年度末に比べて86,892百万円の増加となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金、1年内返済予定の長期借入金の増加等により前連結会計年度末に比べて21,344百万円の増加となりました。固定負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて65,547百万円の増加となりました。 純資産合計は371,603百万円で、前連結会計年度末に比べて41,493百万円の増加となりました。株主資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて12,654百万円の増加となりました。その他の包括利益累計額は、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて8,544百万円の増加となりました。また、非支配株主持分は、前連結会計年度末に比べて20,295百万円の増加となりました。 以上の結果、自己資本比率は10.4ポイント減少して、54.3%となりました。 b 経営成績 売上高は、前連結会計年度と比べ6.4%増加し、192,615百万円となりました。 国内事業の売上高は、前連結会計年度と比べ0.4%増加し、161,172百万円となりました。医療用漢方製剤129処方の売上高は、前連結会計年度と比べ0.1%減少し153,918百万円となりました。 感染症の流行が想定より早期に収束したことにより、第3四半期末の流通在庫が高水準となっていた影響に加え、第4四半期の感染症関連処方の実売が前年を下回ったことで、当連結会計年度の出荷は前連結会計年度を下回りました。 なお、実際の需要である実売数量(医薬代理店・卸から医療機関への納入)は限定出荷解除後のe-プロモーションとMR活動を融合したハイブリッド型の情報提供活動により、浮腫や頭痛・めまいや不安・不眠等に関連する処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べて2.0%増加しました。 [育薬・Growing処方の売上高] (単位:百万円) 売上 順位   製品No./処方名   2024年度   2025年度   前年同期比       参考:実売数量前年比 育薬処方    1   100   大建中湯       14,769   14,688   △81   △0.5   %       +1.9   % 2   54   抑肝散       11,147   11,053   △93   △0.8   %       +2.6   % 5   43   六君子湯       7,199   7,205   +6   +0.1   %       +0.7   % 7   107   牛車腎気丸       5,583   5,623   +40   +0.7   %       +3.1   % 24   14   半夏瀉心湯       1,464   1,546   +81   +5.6   %       +5.7   % 育薬処方合計   40,163   40,117   △45   △0.1   %       +2.1   % Growing処方    3   17   五苓散       7,376   8,338   +962   +13.0   %       +15.0   % 4   41   補中益気湯       7,597   7,451   △146   △1.9   %       △1.4   % 9   24   加味逍遙散       4,917   5,043   +125   +2.6   %       +2.6   % 18   137   加味帰脾湯       2,238   2,405   +166   +7.5   %       +7.1   % 19   108   人参養栄湯       2,234   2,107   △126   △5.7   %       △2.5   % Growing処方合計   24,364   25,346   +982   +4.0   %       +6.4   % 育薬・Growing処方以外の119処方合計       89,545   88,454   △1,090   △1.2   %       +0.9   % 医療用漢方製剤129処方合計   154,072   153,918   △154   △0.1   %       +2.0   % また、国内事業のヘルスケア製品(一般用漢方製剤等)の売上高は、取り扱い店舗数が拡大したことにより、前連結会計年度と比べ17.4%増加し、6,206百万円となりました。 中国事業の売上高は、上海虹橋中薬飲片有限公司の連結に加え、平安津村薬業有限公司、深セン津村薬業有限公司等における原料生薬と飲片(刻み生薬)の販売が伸長したことにより、前連結会計年度と比べ52.4%増加し、31,442百万円となりました。 売上原価率は、日本国内における原料生薬在庫の戦略的な積み増しによる一時的なコストの増加と上海虹橋中薬飲片有限公司の連結等により、前連結会計年度と比べ、2.5ポイント上昇し、52.5%となりました。 販売費及び一般管理費は、主に給料諸手当や情報提供活動の強化にともなう費用およびDX関連費用の増加と上海虹橋中薬飲片有限公司の連結の影響により、前連結会計年度と比べ11.6%増加し、56,296百万円となり、販管費率は前連結会計年度と比べ1.3ポイント上昇し、29.2%となりました。 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度と比べ12.2%減少し35,219百万円となり、営業利益率は前連結会計年度と比べ3.9ポイント低下し、18.3%となりました。経常利益は、前連結会計年度と比べ5.7%減少し、40,036百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ13.3%減少し28,117百万円となりました。 c 経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 なお、当連結会計年度において、経営成績に重要な影響を与える要因はございません。 d 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2025年度修正計画との比較では、売上高は192,615百万円(計画比2.7%減)、営業利益は35,219百万円(計画比0.6%増)、売上高営業利益率は18.3%(計画比0.6ポイント増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は28,117百万円(計画比15.7%増)となりました。 EPSは376.28円(計画比56.2円増)となり、ROEは9.0%(計画比1.0ポイント増)となりました。 e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは医薬品事業の単一セグメントです。 (医薬品事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ6.4%増の192,615百万円となりました。 セグメント利益は、前連結会計年度に比べ12.2%減の35,219百万円となりました。 セグメント資産は、前連結会計年度に比べ128,385百万円増加の592,766百万円となりました。 f 今後の見通し 2027年3月期の業績予想につきましては、売上高は主に国内医療用漢方製剤の販売数量増加に加え、中国事業の伸長により213,600百万円を見込んでおります。このうち中国事業の売上高は46,000百万円を見込んでおります。利益につきましては、主に人件費の増加に加え副原料および資材コストの上昇などの影響があるものの、売上高増加および上海虹橋中薬飲片有限公司の連結取込分が通期で寄与すること等により、営業利益は37,500百万円(6.5%増)となる見込みです。また、前連結会計年度では為替差益が計上されたため、経常利益は35,500百万円(11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は26,200百万円(6.8%減)を見込んでおります。 国内事業においては、製品の安定供給体制の強化や将来の漢方市場の持続的拡大を目指し、今期においても設備投資、研究開発、情報提供活動に対して重点的に資金を投入いたします。設備投資に関しては、生産能力増強や生産性向上を目的とした積極的な投資を実施いたします。研究開発に関しては、漢方治療の標準化拡大のためのエビデンス構築、最先端技術による漢方の個別化治療への取り組み、一人ひとりのライフステージにあった健康への貢献(治療・未病・養生(予防))に関する研究を強化してまいります。情報提供活動については、医療ニーズの高い処方に対するプロモーションの強化により漢方治療の標準化を推進するとともに、診療領域ごとの基本的な医療用漢方製剤を処方する医師の増加を目指した個別化治療を推進いたします。また、情報提供のDX化により、医療従事者一人ひとりがいつでも必要な情報を取得できる体制づくりに取り組んでまいります。 中国事業においては、生薬プラットフォームにおける原料生薬、飲片(刻み生薬)の販売を拡大するとともに、製剤プラットフォームにおける中成薬事業展開を目的とした古典処方の研究開発や中成薬企業との協業を含む市場開拓活動等に取り組んでまいります。 (単位:百万円) 売上高   営業利益   経常利益   親会社株主に帰属する当期純利益 翌連結会計年度2027年3月期(増減率)   213,600(10.9%)   37,500(6.5%)   35,500(△11.3%)   26,200(△6.8%) ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、社債、金融機関からの借入金により資金調達を行っています。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は社債及び長期借入金を基本としています。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は135,575百万円となっています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は78,261百万円となっています。 c 資金使途 当社グループは2025年度からスタートしている第2期中期経営計画を長期経営ビジョン実現のための成長戦略、投資推進のステージとして位置づけ、成長(事業規模の拡大)と収益力(利益率の向上)による企業価値の向上を目指し、適切なリスクをとりながら将来のために必要な投資を行ってまいります。 国内事業関連投資において、国内でのエキス粉末製造工程、顆粒製造工程、包装表示工程への投資を計画しており、中国事業関連投資においては、中薬研究やIT基盤構築への投資を計画しています。また、中薬企業との提携等を実施し、中国国民の健康に広く貢献できる企業になるべく事業の拡大を進めてまいります。 なお、当社グループの2026年度設備投資金額は46,900百万円、研究開発費は9,100百万円を計画しています。 今後もさらなる安定成長と事業拡大に向けて、適切な資金調達及び中長期的な視点から経営の意思を反映した資源配分を行ってまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っています。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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出典

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