本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

キッズウェル・バイオ

Kidswell Bio Corporation4584 · Growth · 医薬品

バイオシミラーと細胞治療のハイブリッド事業。バイオシミラーで安定収益を確保しつつ、独自の乳歯歯髄幹細胞を用いた再生医療で成長を目指す。

概要

キッズウェル・バイオ株式会社は、バイオシミラー(バイオ後続品)の開発・供給と、乳歯歯髄幹細胞を用いた細胞治療製品の研究開発を二本柱とするバイオベンチャーである。2001年に札幌で設立され、2012年に東京証券取引所マザーズに上場。2021年に現商号に変更した。連結従業員数は32名。売上高は2026年3月期に66億円を見込むが、研究開発費の先行により営業損失が続いている。

バイオシミラー事業と細胞治療事業の二軸

キッズウェル・バイオは「バイオシミラー事業」と「細胞治療事業(再生医療)」のハイブリッド体制をとる。バイオシミラー事業では、フィルグラスチム、ダルベポエチンアルファ、ラニビズマブ、ペグフィルグラスチムの4製品を上市し、パートナー製薬企業への原薬・製剤の供給とマイルストン収入を得ている。細胞治療事業では、100%子会社の株式会社S-Quatreが開発した乳歯歯髄幹細胞「SQ-SHED」を基盤とし、脳性麻痺などを対象に臨床開発を進める。両事業の組み合わせにより、バイオシミラーの安定収益を細胞治療の研究開発に再投資する戦略である。

バーチャル型研究開発のプロジェクトマネジメント

同社は自社で製造設備を持たず、アカデミアや開発製造受託機関(CDMO)、製薬企業との連携により研究開発を推進する「バーチャル型」体制を採用する。バイオシミラー事業では、産生細胞株の構築から臨床試験、承認申請までを外部パートナーと分担し、プロジェクトマネジメント力で効率化を図る。細胞治療事業でも、SQ-SHEDの製造技術をCDMOへ技術移管し、GMP基準での製造を委託する。この体制により、限られた経営資源で複数の開発プロジェクトを同時進行させる。

収益構造と海外展開への意欲

バイオシミラー事業の収益は、開発進捗に応じた一時金と、上市後の原薬等販売収入、さらに販売実績に応じたロイヤリティで構成される。ただし、日本の薬価制度でバイオシミラーの薬価は先行品の70%に設定され、薬価引き下げと円安による製造コスト上昇が利益率を圧迫する。このため、同社は海外CDMOへの支払い条件見直しや供給価格の改定を進める。また、新規バイオシミラーについてはグローバル展開を視野に、海外パートナーとの協議を開始している。

グループ構成と子会社の変遷

2026年3月期時点で、連結子会社は株式会社S-Quatre(細胞治療事業)の1社。過去には株式会社セルテクノロジーや株式会社日本再生医療を子会社化したが、2020年と2022年にそれぞれ全株式を譲渡した。また、2016年にはノーリツ鋼機グループの資本参加を受け、一時は親会社となったが、2019年の株式交換でその他の関係会社に移行した。2022年には会社分割により細胞治療事業をS-Quatreに承継させ、事業を明確に分離している。

業界の中での役割はバイオシミラー原薬の供給企業であり、再生医療製品の開発企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
66億円
営業利益
-1億円
営業利益率
-1.5%
純利益
-4億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2024/3
事業売上構成比利益利益率
バイオシミラー事業24億円100.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01製薬企業向けバイオシミラー主力

がん治療や腎性貧血、眼疾患などを対象としたバイオシミラーの開発を行い、パートナー製薬企業と共同で製造販売承認を取得。上市後は原薬・製剤をパートナー企業へ供給し、開発マイルストン収入と販売収益を得る。

主要顧客富士製薬工業株式会社、持田製薬株式会社、三和化学研究所、千寿製薬株式会社

主な製品・サービス4
フィルグラスチムバイオシミラー(GBS-001)
がん化学療法による好中球減少症を適応とするバイオシミラー。2013年に上市され、富士製薬工業が販売。
ダルベポエチンアルファバイオシミラー(GBS-011)
腎性貧血治療薬のバイオシミラー。2019年に三和化学研究所が販売開始。
ラニビズマブバイオシミラー(GBS-007)
加齢黄斑変性などの眼疾患治療薬のバイオシミラー。2021年に千寿製薬が販売開始。
ペグフィルグラスチムバイオシミラー(GBS-010)
発熱性好中球減少症の予防・治療薬のバイオシミラー。2023年に持田製薬が販売開始。

02再生医療(細胞治療)準主力

子会社S-Quatreが独自に開発した乳歯歯髄幹細胞(SQ-SHED)を活用し、脳性麻痺や腸管神経節細胞僅少症などの難病に対する細胞治療製品の実用化を目指す。パートナー製薬企業との協働で開発・販売を進め、細胞供給や製造プロセスのライセンス提供で収益を得る。

主要顧客名古屋大学、持田製薬株式会社

主な製品・サービス1
SQ-SHED(乳歯歯髄幹細胞)
乳歯の歯髄から採取される間葉系幹細胞。神経堤由来の細胞で、脳性麻痺や腸管神経節細胞僅少症などの治療への応用が期待される。

製品と技術

フィルグラスチムバイオシミラー(GBS-001):最初の上市品

2012年に富士製薬工業との共同開発で承認を取得したフィルグラスチムバイオシミラーは、がん治療などで生じる好中球減少症に対処するための顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤の後続品である。原薬はCDMOに製造委託し、富士製薬工業と持田製薬が販売する。同社のバイオシミラー事業の基盤製品であり、堅調な需要により売上を伸ばしている。2025年には製造原価低減品への切り替えが進み、利益率改善に貢献している。

ダルベポエチンアルファバイオシミラー:貧血治療領域

2019年に三和化学研究所との共同開発で承認を取得。腎性貧血などに用いられる赤血球産生刺激剤(ESA)の後続品である。作用が長く、投与頻度が少ないことが特徴。同年11月より上市され、マイルストン収入と原薬供給収益をもたらしている。販売は三和化学研究所が担当し、同社は原薬等の供給と技術支援を担う。

ラニビズマブバイオシミラー:眼科領域への拡大

2021年に千寿製薬との共同開発で承認を取得。加齢黄斑変性症など眼内血管新生疾患を対象とする抗VEGF抗体の後続品である。同年12月に上市され、眼科領域のバイオシミラーとして日本市場に参入した。2023年にはペグフィルグラスチムバイオシミラーも持田製薬との共同開発で承認を取得し、がん支持療法の領域を広げている。

SQ-SHEDを用いた細胞治療製品(GCT-103)

乳歯歯髄幹細胞SQ-SHEDは、神経再生や免疫調整に優れた特性を持つとされる。最重要適応症は小児脳性麻痺で、開発コードGCT-103として名古屋大学との臨床研究を完了。2025年には全3症例で安全性と運動機能改善が報告された。持田製薬と共同事業化契約を結び、国内での治験準備を進める。製造はCDMOへの委託を想定し、GMP準拠の製造プロセス開発を行っている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

バイオベンチャー、収益化目前

キッズウェル・バイオは、がん免疫領域などに特化した創薬バイオベンチャー。売上高は24億円(2024/3期)から51億円(2025/3期)へ急成長し、営業損益は黒字化しつつある。しかし、2026/3期は赤字に転落する見通しで、研究開発費の増加が利益を圧迫する。同業のVeritas In SilicoやChordia Therapeuticsと同様に、パイプラインの進捗が業績の鍵を握る。現状はライセンス収入や助成金に依存しており、自社製品の上市による持続的収益化が急務。

強み

  • 前期比2倍以上の増収で、事業の拡大フェーズにある。
  • がん免疫領域に強み、差別化されたパイプラインを保有。
  • 大手製薬企業との提携経験があり、資金・開発面で支援を得やすい。
  • 複数の臨床試験が進行中で、今後の成果に期待。

課題

  • ライセンス収入や助成金に依存し、安定した利益確保が困難。
  • 開発ステージ進展に伴い費用が膨らみ、赤字転落のリスク。
  • 同領域のバイオベンチャーが多く、差別化と迅速な開発が求められる。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がキッズウェル・バイオ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14888ステラファーマ121億円
24512わかもと製薬108億円47.2倍
34570免疫生物研究所96億円29.2倍
44524森下仁丹93億円14.6倍
54896ケイファーマ92億円
64584キッズウェル・バイオ83億円
74564オンコセラピー・サイエンス81億円
84571NANOホールディングス81億円
94572カルナバイオサイエンス78億円
104890坪田ラボ76億円
114597ソレイジア・ファーマ76億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 18件

北海道大学の研究成果から創業した2001年

2001年3月、札幌市北区に資本金1000万円で株式会社ジーンテクノサイエンスとして設立された。北海道大学遺伝子病制御研究所における免疫関連タンパク質の機能研究の成果を、診断薬や治療薬に応用する目的だった。2002年には産業技術総合研究所北海道センター内に研究所を新設し、バイオ新薬の研究開発を強化するとともに、バイオシミラー事業への参入検討を開始した。創業期は基礎研究と受託サービスを柱としていた。

研究拠点の移転と東京進出(2003〜2008年)

2003年11月に研究所内に本社を移転した後、2008年4月に札幌市中央区へ本社を移転。同年5月には研究所を北海道大学遺伝子病制御研究所内に移し、大学との連携を深めた。同年6月には東京都中央区に東京事務所を開設し、首都圏での事業活動の足がかりを得た。この時期、バイオシミラー開発に向けた体制整備が進められた。

初のバイオシミラー上市と株式上場(2012年)

2012年11月、富士製薬工業との共同開発品であるフィルグラスチムバイオシミラーが国内で製造販売承認を取得し、2013年5月に上市された。同月、東京証券取引所マザーズに株式を上場し、資金調達力を高めた。このフィルグラスチムバイオシミラーは好中球減少症の治療に用いられ、同社の最初の収益源となった。

ノーリツ鋼機グループの傘下入り(2016年)

2016年3月、ノーリツ鋼機の関係会社であるNKリレーションズおよび合同会社Launchpad12と資本業務提携を締結。同年6月、Launchpad12が公開買付けを実施し、議決権所有割合が50%超となり、ノーリツ鋼機グループが親会社となった。これにより財務基盤が強化され、バイオシミラーの開発継続と新規事業への投資が可能となった。

子会社化とグループ再編(2019〜2021年)

2019年4月、株式会社セルテクノロジーを完全子会社化する一方、株式交換に伴う新株発行によりノーリツ鋼機グループの議決権割合が40%未満に低下し、親会社からその他の関係会社へと変わった。同年7月、本社を東京都中央区に移転。三和化学研究所との共同開発品ダルベポエチンアルファバイオシミラーが承認を取得し、11月に上市。2020年2月には株式会社日本再生医療を完全子会社化し、再生医療事業を拡大した。2021年7月、商号をキッズウェル・バイオ株式会社に変更した。

事業の選択と集中(2022年以降)

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行。同時に日本再生医療の全株式を譲渡し、連結範囲から除外した。さらに会社分割により細胞治療事業を新設子会社S-Quatreに承継させ、バイオシミラー事業と明確に分離した。2025年には、アルフレッサ ホールディングス、カイオム・バイオサイエンス、Mycenax Biotechと共同でバイオシミラー国内製造の合弁会社設立契約を締結。厚生労働省の補助事業に採択され、国内製造施設の整備を開始した。

年表18件を開く

2000年代

  • 2001年3月創業北海道大学遺伝子病制御研究所における免疫関連タンパク質の機能研究の成果を診断薬や治療薬として開発することおよび医薬品開発における受託サービス業務を行うことを目的として、札幌市北区に資本金10,000千円をもって株式会社ジーンテクノサイエンスを設立
  • 2002年6月独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター(札幌市豊平区)内に研究所を新設し、バイオ新薬の研究開発を強化するとともに、バイオシミラー事業への参入について検討を開始
  • 2003年11月研究所内に本社を移転
  • 2008年4月札幌市中央区に本社を移転
  • 2008年5月北海道大学遺伝子病制御研究所(札幌市北区)内に研究所を移転
  • 2008年6月東京都中央区に東京事務所を新設

2010年代

  • 2012年11月富士製薬工業株式会社との共同開発品であるフィルグラスチムバイオシミラーについて、富士製薬工業株式会社および持田製薬株式会社が国内での製造販売承認を取得(2013年5月上市済)
  • 2012年11月上場東京証券取引所マザーズ(現グロース)に株式を上場
  • 2013年9月北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター(札幌市北区)内に研究所を移転
  • 2016年3月M&ANKリレーションズ株式会社および合同会社Launchpad12(いずれもノーリツ鋼機株式会社の関係会社で、現在は同社に吸収合併され消滅)と資本業務提携契約を締結
  • 2016年6月商号変更ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社(合同会社Launchpad12から商号変更した会社)による当社株式に対する公開買付けの結果、同社の議決権所有割合が50%超となり、NKリレーションズ株式会社及びノーリツ鋼機株式会社とともに当社の親会社となる
  • 2019年4月M&A株式会社セルテクノロジーとの株式交換により同社が当社の完全子会社となり、当該株式交換に伴う新株式発行により、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社およびノーリツ鋼機株式会社は議決権所有割合が40%未満となり、親会社でなくなるとともに、新たにその他の関係会社となる
  • 2019年7月東京都中央区に本社を移転 株式会社三和化学研究所との共同開発品であるダルベポエチンアルファバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2019年11月上市済)

2020年代

  • 2020年2月M&Aノーリツ鋼機株式会社からの株式譲受により株式会社日本再生医療を完全子会社化
  • 2020年11月株式会社セルテクノロジーの全株式譲渡により、同社を連結の範囲から除外
  • 2021年7月商号変更商号をキッズウェル・バイオ株式会社に変更 千寿製薬株式会社との共同開発品であるラニビズマブバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2021年12月上市済)
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行
  • 2022年4月株式会社日本再生医療の全株式譲渡により、同社を連結の範囲から除外 持田製薬株式会社との共同開発品であるペグフィルグラスチムバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2023年11月上市済)会社分割(簡易新設分割)により細胞治療事業(再生医療)を分社化 同事業を承継する株式会社S-Quatre(現 連結子会社)を設立 東京都中央区内で本社を移転 アルフレッサ ホールディングス株式会社、株式会社カイオム・バイオサイエンスおよびMycenax Biotechとの共同出資によるバイオシミラー国内製造を目的とした合弁会社設立に関する契約を締結 乳歯歯髄幹細胞を用いた細胞治療製品(再生医療等製品)の海外臨床開発推進を目的として、Treehill Partners, LLCと米国に新会社を設立することについて基本合意

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    バイオシミラー安定供給と収益性改善

    上市済みバイオシミラーの供給体制強化・原薬製造の国内施設建設、および新規バイオシミラーの継続的開発・海外展開による市場シェア拡大と収益性向上を図る。海外パートナーとの協業によりグローバル展開も推進する。

  2. 02

    細胞治療製品の研究と臨床開発

    脳性麻痺を最重要適応症とし、SQ-SHED基盤のパイプライン開発に注力。開発初期からパートナー連携によりリスク・費用低減を図り、実用化へ向けた製造基盤整備も進める。

  3. 03

    開発品ポートフォリオの最適化

    限られた経営資源を効率的に投下するため、市場動向や競合状況を踏まえ品目の優先順位を見直す。特に細胞治療は脳性麻痺に集中投資し、中止判断も含めたポートフォリオ管理を継続する。

  4. 04

    高品質な原薬等の安定供給体制確立

    バイオシミラーで培った製造技術・品質管理の知見を細胞治療にも横展開し、両事業で高品質な原薬の製造プロセス・体制を早期に確立する。

  5. 05

    戦略的提携による事業推進

    開発段階に応じて最適なパートナー企業やCDMOとの連携を構築し、専門性補完・リスク分散・資金負担平準化を図る。新規バイオシミラーや細胞治療の創出に向けたパートナリング活動を継続する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で32人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は917万円で、9期前と比べて+78.3%平均年齢は48.6歳、平均勤続年数は5.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月20
2018年3月21
2019年3月51450.34.526
2020年3月66348.54.245
2021年3月65646.53.539
2022年3月74946.73.738
2023年3月73748.63.941
2024年3月75149.05.042
2025年3月81548.55.6370
2026年3月91748.65.632−312

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は66億円営業利益-1億円前期と比べると増収で、売上が+29.4%。

売上高
+29.4%
66億円
営業利益
-1億円
純利益
-4億円
営業利益率
-1.5%
前期比 -1.5%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高55億円66億円
営業利益4億円-1億円
純利益-4億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は13億円、営業利益は2億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q11−5
2024年1Q0−5−5
2024年2Q6−2−33.3−3
2024年3Q1000.01
2024年4Q8−7
2025年2Q17−3−17.6−2
2025年4Q3438.82
2026年2Q3326.11
2026年4Q33−3−9.1−5
2027年1Q13215.42

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1億円から66億円へ66.0倍に増えた。直近期の営業利益率は-1.5%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1−4−4
2014年3月3−5−5
2015年3月3−8−8
NKリレーションズ株式会社および合同会社Launchpad12(いずれもノーリツ鋼機株式会社の関係会社で、現在は同社に吸収合併され消滅)と資本業務提携契約を締結
2016年3月12−8−8
2017年3月11−12−12
2018年3月11−9−9
株式会社セルテクノロジーとの株式交換により同社が当社の完全子会社となり、当該株式交換に伴う新株式発行により、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社およびノーリツ鋼機株式会社は議決権所有割合が40%未満となり、親会社でなくなるとともに、新たにその他の関係会社となる
2019年3月10−8−9
ノーリツ鋼機株式会社からの株式譲受により株式会社日本再生医療を完全子会社化
2020年3月11−12−73
商号をキッズウェル・バイオ株式会社に変更 千寿製薬株式会社との共同開発品であるラニビズマブバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2021年12月上市済)
2021年3月10−10−10
株式会社日本再生医療の全株式譲渡により、同社を連結の範囲から除外 持田製薬株式会社との共同開発品であるペグフィルグラスチムバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2023年11月上市済)会社分割(簡易新設分割)により細胞治療事業(再生医療)を分社化 同事業を承継する株式会社S-Quatre(現 連結子会社)を設立 東京都中央区内で本社を移転 アルフレッサ ホールディングス株式会社、株式会社カイオム・バイオサイエンスおよびMycenax Biotechとの共同出資によるバイオシミラー国内製造を目的とした合弁会社設立に関する契約を締結 乳歯歯髄幹細胞を用いた細胞治療製品(再生医療等製品)の海外臨床開発推進を目的として、Treehill Partners, LLCと米国に新会社を設立することについて基本合意
2022年3月16−10−5
2023年3月28−6−7
2024年3月24−14−14
2025年3月51000.00
2026年3月66−1−4−1.5−4

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高66億円のうち、営業利益として残るのは-1億円-1.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-4億円、売上の-6.1%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金74.2%49億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金28.8%19億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-1.5%-1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
25.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比4.5pt
-1.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比8.8pt
-6.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-6.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-2.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが−11億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−11億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は33億円で、売上の6.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月−309−39
2014年3月−7015−716
2015年3月−1000−106
2016年3月−6−19−78
2017年3月−18−135−1924
2018年3月−4−1−519
2019年3月−9010−920
2020年3月−13−112−1420
2021年3月−1307−1315
2022年3月−1254−712
2023年3月−14014−1411
2024年3月−51622
2025年3月91−21030
2026年3月−11014−1133

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は61億円。このうち返さなくてよい自己資本が17億円で、自己資本比率は26.4%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月99096.3
2014年3月1911854.7
2015年3月113821.7
2016年3月1741322.6
2017年3月3735293.8
2018年3月3026485.0
2019年3月3227585.6
2020年3月36152139.8
2021年3月39162338.0
2022年3月35171843.8
2023年3月39122726.6
2024年3月5184313.2
2025年3月70145619.1
2026年3月61174426.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
33億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-12億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
44億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
28
/ 100
安定性自己資本比率18 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率79社中9位あたり、逆に低いのは自己資本比率79社中76位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
-1.5%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
26.4%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
29.4%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥167で、1年前と比べて-38.6%過去52週の値幅のなかでは22%の位置にある。

¥167-2.9%1ヶ月+15.2%1年-38.6%時価総額83億円
過去52週の値幅
安値¥125高値¥320

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR4.51倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月14日に163円と前日比7.24%高。1ヶ月で3.16%上昇、1年では-44.37%と大きく下落している。25日線147.4円を+10.6%上回り、75日線161円を僅かに上回るが、200日線213.48円は依然下回る。RSI74.42と過熱気味。52週高値320円からは-49.1%と半値以下。出来高は8月14日に80.7万株と急増しており、短期的な買いが優勢。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PERが算出できず、PBRは4.9倍で業界平均3.32倍を上回る。配当は無配でROEもマイナス。直近決算は赤字が続き、営業利益率は-1.52%と悪化。収益力がなくバリュエーションはPBRのみで高い水準にあり、割高と評価。

指標この会社業種平均
PBR4.51倍3.53倍

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

株価は1年で半減し、事業の不確実性が反映されている。強気派はパイプラインの進展と提携先からのマイルストーン収入に期待。弱気派は継続的な赤字と資金調達リスク、競合の先行を懸念。

プラスに働く材料7
  • パイプラインの進展

    2025年3月期に営業利益が黒字化し、売上も51億円と拡大。

  • 提携による資金確保

    大手製薬企業との提携で開発資金とマイルストーン収入の可能性。

  • 技術の独自性

    再生医療分野で特許を保有し、差別化が図れる。

  • 売上高が2期連続で増加し66億円通年影響

    24/3期24億円→25/3期51億円→26/3期66億円と拡大

  • 純損益が▲14億円から▲4億円へ改善通年影響

    24/3期▲14億円、25/3期0億円、26/3期▲4億円と改善

  • PSR約1.2倍と売上高比で割安継続影響

    時価総額81億円を直近売上高66億円で割ると約1.2倍

  • 外国人保有2.49%と低く買い増し余地継続影響

    外国人保有比率2.49%と低く、新規需要の入る余地

マイナスに働く材料7
  • 赤字の継続

    直近の2026年3月期も営業損失となり、将来の利益化が見えない。

  • 資金調達リスク

    赤字が続くと増資による希薄化が株主価値を毀損する。

  • 競争の激化

    再生医療分野は競争が激しく、技術の優位性が保てない可能性。

  • 26年3月期は営業利益▲1億円通年影響

    25/3期0億円から悪化、営業赤字に転落

  • PBR4.9倍と資産比で割高継続影響

    PBR4.9倍と高く、収益が伴わないと調整要因

  • 1年で49%下落し下げトレンド不定影響

    株価163円と1年で49.22%下落、下げ止まり感なし

  • 無配当で株主への還元なし継続影響

    配当利回り0%と無配当、投資家の期待が集まりにくい

次の決算で確かめる点
ライセンス収入
パイプラインの商業化前の収益源として重要。
営業利益
黒字化が達成できるかの目安。
研究開発費
将来の成長のための投資状況を示す。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ14,402人。区分でいちばん多いのは個人・その他67.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が25.8%を占め、残る74.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他41.542.749.958.861.667.6
事業法人44.540.740.733.730.024.6
証券会社4.34.32.93.64.24.1
外国法人3.35.94.01.81.51.9
金融機関6.36.32.52.02.11.2
外国人個人0.00.00.00.10.60.6

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01ノーリツ鋼機株式会社19.09
02江平 文茂4.03
03NANO ホールディングス株式会社2.02
04楽天証券株式会社共有口1.60
05千寿製薬株式会社1.12
06野村信託銀行株式会社(信託口2052241)0.95
07北島 義彦0.90
08BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱U F J 銀行)0.89
09津田 謹誠0.88
10大友 宏一0.81

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-07-29
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    4.55%
    -0.59pt
  • 2026-05-21
    ノーリツ鋼機株式会社
    新規の大量保有報告
    19.08%
    -13.52pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+96%、1株純資産は14期で−92%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2013年3月−238427
2014年3月−240442
2015年3月−332104
2016年3月−15166
2017年3月−137363
2018年3月−47134
2019年3月−44133
2020年3月−26552
2021年3月−3550
2022年3月−1749
2023年3月−2132
2024年3月−4021
2025年3月−131
2026年3月−832

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2026/3期の役員報酬は総額70百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
紅林伸也代表取締役社長4991,000
栄木憲和取締役78
西岡佐知子取締役62
菅原治常勤監査役686,200
森正人監査役612,300
品川広志監査役4923,100

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円ストックオプション百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)248224925
社外取締役41411154
監査役150066

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容10,872字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1) 事業環境 医薬品産業の成長を支える新薬創出は、従来の化学合成による低分子医薬品を中心とした医薬品開発から、抗体医薬品等のバイオ医薬品、更には細胞治療製品・遺伝子治療製品等も含む幅広い創薬モダリティにおける医薬品開発へと大きく移行しています。こうした技術革新により、従来治療が困難であった疾患に対する新規治療薬の開発が進展し、グローバル医薬品市場における売上上位の半数以上をバイオ医薬品等が占めるようになりました。また、創薬モダリティの高度化・多様化に伴い、現在では新薬創出の80%をバイオベンチャーが担う等、バイオベンチャーの重要性は世界的に増しております。 一方で、技術の高度化や医薬品開発の複雑化等に伴い、研究開発期間の長期化や開発費・製造費の増加が進んでおります。この結果、新規に収載される医薬品の薬価は相対的に高水準となる傾向があり、医薬費全体の増加を招いております。このような医薬費増加への対応策として、日本を含む多くの国々においては、新規(先発)低分子医薬品の特許期間・再審査期間の満了後に後発品であるジェネリック医薬品の使用が推奨され、既に多くの先発医薬品からジェネリック医薬品への置き換えが進んでいます。また、新規(先行)バイオ医薬品の後続品であるバイオ後続品(バイオシミラー)についても、同様の理由で普及が期待される中、今後特許期間・再審査期間の満了を迎える先行バイオ医薬品が増加することから、バイオシミラーの開発・拡充が進み、その活用が今後更に浸透していくものと考えられます。 新規モダリティである細胞治療製品・遺伝子治療製品等の再生医療等製品については、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域を中心に実用化に向けた研究開発が進展しており、日本においても制度面での整備や承認事例の蓄積が進んでいます。これらの製品は高い治療効果が期待される一方で、研究開発、製造、供給体制の構築において品質の均一性確保や製造プロセスの高度な管理、流通・保管に関する複雑な要件への対応等の課題を有しており、実用化および安定的な供給にあたっては高度に専門的な知識・技術力や開発体制が求められています。 このように、今後の医薬品産業においては、医薬費抑制と新規創薬モダリティによる革新的な治療薬の実用化の両面での対応が求められる中、当社が推進するバイオシミラーおよび細胞治療事業の重要性は一層高まるものと考えられます。 (2) 当社グループの事業モデル 当社グループは、バイオシミラーの開発および開発品上市後の原薬・製剤(以下、「バイオシミラー原薬等」)の供給を行う「バイオシミラー事業」、当社100%子会社の株式会社S-Quatre(エスカトル。以下、「S-Quatre」)が独自に開発した乳歯歯髄幹細胞(以下、「SQ-SHED」※)を活用した細胞治療製品(再生医療等製品)の実用化を目指す「細胞治療事業(再生医療)」の2事業に取り組んでおります。 ※SHED(シェド)はStem cells from Human Exfoliated Deciduous teethの略 なお、当社グループは、以下の2点を特長とした事業活動を行っております。 ① ハイブリッド事業体制 当社グループは、バイオシミラー事業と細胞治療事業(再生医療)の組み合わせによるハイブリッド事業体制を採用しています。 バイオシミラー事業では、2012年以降、パートナー製薬企業との連携により4製品を上市しており、バイオシミラー原薬等の供給を通じて持続的な収益を確保しております。バイオシミラーの開発は、先行バイオ医薬品と同等の品質、安全性および有効性を有する医薬品を開発するものであり、革新的技術への依存度が相対的に低いことから、一定の予見性をもって開発を進めることが可能です。このため、限られた経営資源の下でも効率的かつ確実性の高い開発が可能な事業特性を有しております。当社は、今後も新規バイオシミラーの開発を継続的に推進し、更なる収益基盤の強化を図ってまいります。 一方で、2019年に本格的に参入した細胞治療事業(再生医療)では、従来の医薬品では治療が困難な疾患に対して革新的な細胞治療製品を創出することを目的としており、技術的な不確実性等による開発リスクは大きいものの、将来的には高い収益成長が期待される事業です。 この両事業を組み合わせたハイブリッド事業体制においては、バイオシミラー事業において生み出される持続的な収益と長年の取り組みを通じて蓄積したバイオ医薬品の研究開発ノウハウ・知見・経験等(以下、「ノウハウ等」)を、高い成長性が期待される細胞治療事業の研究開発に再投資・活用することで、事業間シナジーを最大化し、「安定と成長の両立」を目指しています。なお、「安定と成長の両立」の実現に向けては、事業の進捗に応じて、柔軟かつ迅速に財務的健全性と成長性のバランスを再調整することが求められ、パートナー企業や外部機関との連携強化、各事業の特性に応じた多様な資金調達手段の活用、研究開発品の優先順位付けの見直し等にも継続的に取り組んでいます。 ② バーチャル型研究開発およびプロジェクトマネジメント 医薬品の開発には、薬効・薬理研究、製造プロセス開発、GMP製造、臨床開発等、多岐にわたる高度に専門的な知見と最新鋭の設備が必要とされるため、すべての工程を自社単独で遂行することは困難です。このため当社グループは、バイオシミラーおよび細胞治療事業において、アカデミア、開発・製造受託機関(CDMO)、製薬企業等との連携による「バーチャル型」の研究開発体制を構築しています。 バイオシミラー事業では、これまでの豊富な開発経験を通じて蓄積した高度な開発ノウハウ・知見等に裏打ちされたプロジェクトマネジメント力を基盤として、パートナー企業や外部機関との連携の下、複数の開発プロジェクトを継続的に推進しております。開発早期から外部機関を組み込んだ体制を構築することで、開発から製造に至る各開発工程を効率的に統合し、限られた経営資源の下でも、新規バイオシミラーの継続的な開発と上市後のバイオシミラー原薬等の製造・供給を両立しております。これにより、事業単独での継続的な営業黒字の確保と更なる収益成長を実現していきます。 細胞治療事業においては、革新的治療法の創出を目指し、自社独自の発明技術を中核としつつ、外部機関との連携を通じて最先端の知見や技術を積極的に取り入れ、高い専門性の確保と柔軟な研究開発体制を構築しています。 このように、当社グループ主導でプロジェクトごとに最適な研究開発体制を構築することで、研究開発力の強化とスピードの向上を実現し、複数の研究開発プロジェクトを同時並行で推進可能な柔軟性と効率性を確保しています。結果として、開発リスクの分散と経営資源の最適配分を図り、ハイブリッド事業体制で目指す「安定と成長の両立」の実現に寄与しています。 (3) 開発の流れ、収益モデルおよび開発品目の選定方針 ① バイオシミラー事業 バイオシミラーの開発は、CDMO等との連携による産生細胞株の構築、またはCDMO等にて構築済の細胞株を導入することから開始され、続いて原薬製造プロセスの開発・最適化が進められます。バイオ医薬品の原薬製造は、化学合成による低分子医薬品と比べて工程が極めて複雑です。加えて、バイオシミラー原薬の製造プロセス開発においては、先行バイオ医薬品と同等の品質(物性、工程由来不純物、活性等)を保持するだけでなく、薬価が先行品の70%という現行制度上、より安価な原薬製造を実現するため、高い生産性を達成する必要があります。また、承認取得後の上市および安定供給に向けては、商用生産において製造プロセスの安定性や品質の一貫性を確保することが重要となります。加えて、先行バイオ医薬品メーカーによる特許権侵害訴訟等のリスクを避けるために、先行特許に抵触しない開発設計・計画も求められます。このような多面的な要件を全て満たすためには、バイオシミラー開発の各段階における精緻な検討と状況に応じた柔軟な調整が必要であり、豊富な開発経験を通じて蓄積した高度な開発ノウハウ・知見等に裏打ちされたプロジェクトマネジメント力と課題解決力が求められます。 また、迅速かつ確実な開発の推進と上市後の事業価値最大化に向けては、上記以外のプロセス、すなわち臨床開発や製造販売承認申請等の重要な役割を担うパートナー製薬企業との早期連携が開発成功の鍵となります。このため、当社では産生細胞株の構築・導入等の開発初期段階からパートナー製薬企業候補と協議を開始し、上市後の安定供給までを見据えた連携体制の構築を進めています。これにより、バイオシミラー原薬製造プロセス開発後速やかにパートナー製薬企業と連携して、製剤プロセス開発、非臨床試験、臨床開発へ移行することが可能です。 なお、臨床開発では、当社がCDMOに製造委託した原薬等をパートナー製薬企業に提供します。また、臨床試験後の製造販売承認申請に際しては、製造・品質に関する申請資料の整備や、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)からの照会対応について、当社の専門的知見等を活かし技術支援を行っています。なお、上市後は、パートナー製薬企業への安定的な原薬等の供給を通じて、当該バイオシミラーの持続的な供給に貢献しています。 現在の事業モデルにおけるバイオシミラー事業の収益構造は、臨床試験開始、製造販売承認の申請、上市等、各開発段階における進捗に応じた開発マイルストンペイメントによる一時金収益と、バイオシミラー原薬等をパートナー製薬企業に供給することによる販売収益の二本柱で構成されています。また、契約の内容によっては、パートナー製薬企業の販売実績に応じたロイヤリティ収益を得る場合もあります。なお、これらの収益の一部は、バイオシミラー原薬等の製造運転資金として、また、更なる成長のための新規バイオシミラー開発や細胞治療事業における研究開発にも活用されます。 図表1 開発の流れと収益モデル(バイオシミラー事業) (注)開発開始から上市に至るまでの一般的なバイオシミラーの開発所要年数は約7~8年であります。 図表2 事業系統図(バイオシミラー事業) なお、バイオシミラーの事業化においては、上市時期・順番が市場シェアに大きく影響することから、先行的な市場参入を重視した開発戦略・計画を立てております。また、開発対象品の選定にあたっては、先行バイオ医薬品の市場規模および競合となるバイオシミラーの開発状況が採算性に与える影響等を踏まえ、これらの要素を総合的に勘案しております。なお、市場規模については、先行品の薬価を基に推定される当該バイオシミラーの薬価、処方量、およびバイオシミラーへの置換率等の要素を掛け合わせて推計しております。更に、この推計市場規模に当社開発品の想定シェア、原価率等を加味することで当社の売上および利益を予測し、想定される開発費等を踏まえた正味現在価値を評価した上で、最終的な開発判断を行っております。 ② 細胞治療事業(再生医療) 細胞治療事業の研究開発においては、SHEDに関するサイエンスの探求と製造技術の構築が最も重要な要素です。当社グループはS-Quatreにおける独自研究を基軸としつつ、アカデミアやパートナー製薬企業等との共同研究も並行して進めるとともに、研究の加速や研究データの信頼性・再現性の確保を目的に、試験受託機関を活用しております。こうした基礎研究活動を通じて得られた科学的エビデンスに基づき、SQ-SHEDを活用した細胞治療製品等の対象疾患を選定し、有効性と安全性に関する非臨床試験を進めています。 臨床開発入りに向けては、当社グループ内において構築したSQ-SHED製造技術を提携CDMOへ技術移管した上で、細胞治療製品に特有の品質管理上および製造上の課題を踏まえ、当該CDMOと連携して製造プロセス開発を推進しております。また、海外市場における臨床開発も視野に入れ、各国の規制要件を踏まえた開発戦略の検討を行っております。 なお、細胞治療事業においては、自社開発品の競争優位性を確保する観点から、知的財産戦略も極めて重要です。当社グループは、基礎研究および製造プロセス開発から得られた成果に加え、他社特許の調査結果を踏まえ、重要技術領域を中心に特許ポートフォリオの構築を推進しております また、臨床開発段階以降は、原則としてパートナー製薬企業との協働を方針とし、当該パートナーの主導の下で開発を推進いたします。臨床試験において安全性及び有効性が確認された後は、厚生労働省に対して再生医療等製品等の製造販売承認の申請を行います。当社グループはCDMOへの委託を通じて治験製品を製造し、これをパートナー製薬企業に有償で提供するほか、製造・品質に関する治験申請ならびに承認申請資料の作成支援も行います。更に上市後においても、原薬となる細胞等の供給、もしくはその製造プロセスのライセンス提供を通じて、安定供給を支える役割を担います。 細胞治療事業の収益としては、パートナー製薬企業との提携時に得られる契約一時金収益と、臨床試験開始や製造販売承認の申請、上市等、各開発段階における進捗に応じた開発マイルストンペイメントによる一時金収益、更には、開発段階および上市後において、細胞治療製品等の原料となるSQ-SHED等をパートナー製薬企業に供給することによって得られる販売収益があります。また、契約内容によっては、開発段階において、当社グループのノウハウ等をパートナー製薬企業に提供することで得られる役務収益や、パートナー製薬企業の販売実績に応じたロイヤリティ収益を得る場合もあります。 図表3 開発の流れと収益モデル(細胞治療事業) 図表4 事業系統図(細胞治療事業) なお、細胞治療事業の対象疾患の選定に際しては、その科学的妥当性が最も重要であるものの、治療ニーズ、市場規模、収益性、競合状況等も重要な要素です。更に、研究開発の進捗や規制等含む外部環境の変化を捉え、対象疾患の優先順位の見直しや、場合によっては開発中止の判断を行う等、開発パイプラインの最適化に努めています。 (4) 主力上市品・開発品 ① バイオシミラー事業 ・フィルグラスチムバイオシミラー(開発番号:GBS-001、対象疾患領域:がん) フィルグラスチムは、白血球の一種である好中球の分化・増殖促進、および骨髄からの好中球放出促進や好中球機能の亢進を目的とした製品です。当社は、2007年10月より富士製薬工業株式会社(以下、「富士製薬」)と共同で当該バイオシミラーの開発を推進し、2012年11月に富士製薬と持田製薬株式会社(以下、「持田製薬」)が国内での製造販売承認を取得し、2013年5月に上市されました。現在、当社は富士製薬に当該バイオシミラー原薬等を提供しており、富士製薬が販売を行っております。当社のフィルグラスチムバイオシミラーの産生細胞株は韓国のDong-ASTCo.,Ltd.(旧東亜製薬㈱)から導入しており、同社にはロイヤリティを支払っております。なお、他社によるバイオシミラーを含めて、先行品からの置き換え率は80%を超えています。 ・ダルベポエチンアルファバイオシミラー(開発番号:GBS-011、対象疾患領域:腎疾患) ダルべポエチンアルファは、腎性貧血治療薬であるエポエチンアルファの効果の持続性を高めた製品です。当社は、2014年1月より日本市場に向けて株式会社三和化学研究所(以下、「三和化学」)と当該バイオシミラーの共同開発を開始し、2019年9月に三和化学が国内での製造販売承認を取得し、2019年11月に上市されました。以後、製造販売については三和化学が単独で行い、当社は販売売上に応じた利益の分配を受けております。なお、他社によるバイオシミラー等を含めて、先行品からの置き換え率は80%を超えています。 ・ラニビズマブバイオシミラー(開発番号:GBS-007、対象疾患領域:眼疾患) ラニビズマブは、世界的な高齢化社会の進展や生活習慣の変化に伴い患者数が増加している黄斑変性症等の眼疾患に対する治療を目的とした製品です。当社は、2015年11月より千寿製薬株式会社(以下、「千寿製薬」)と共同で開発を推進し、2021年9月には同社が厚生労働省より国内での製造販売承認を取得、同12月に上市されました。現在、当社は千寿製薬に当該バイオシミラー原料等を提供しており、千寿製薬が販売を行っております。販売開始後には当初想定を大幅に上回る受注があり、2023年9月には適応症の追加も承認されております。2025年度においても売上は堅調に推移しており、当該バイオシミラーは当社バイオシミラー事業における主力製品の一つとなっています。こうした環境を踏まえ、当社は、千寿製薬および開発・製造受託機関(CDMO)と連携し、安定供給体制の維持・強化および収益の確保に取り組んでおります。 一方で、ラニビズマブと同じ作用機序を持つ製品において、先行品と原薬・製剤が同一であるバイオAG(オーソライズド・ジェネリック)やバイオシミラーが登場する等、競合環境の変化も見られることから、将来における需要動向については、引き続き慎重に精査していく必要があると認識しています。 ・ペグフィルグラスチムバイオシミラー(開発番号:GBS-010、対象疾患領域:がん) ペグフィルグラスチムは、がん化学療法に伴う発熱性好中球減少の抑制を目的とした次世代型フィルグラスチム(ペグフィルグラスチム)製品です。本製剤は、フィルグラスチムにPEG(ポリエチレングリコール)を修飾することで投与回数を減らし、効果の持続性を向上させた高付加価値製剤です。当社は、2016年12月より持田製薬と共同で当該バイオシミラーの開発を推進し、2023年9月に同社が国内での製造販売承認を取得、同11月に上市されました。現在、当社は持田製薬に当該バイオシミラー原薬等を提供しており、持田製薬およびニプロ株式会社(以下、「ニプロ」)が販売を行っております。販売開始後から現在において想定を上回る受注があり、今後も更なる需要拡大が見込まれております。これに対応するため、安定供給体制の強化および収益性の一層の向上を図り、引き続き持田製薬およびCDMO等と連携しながら、供給量の拡大や原価低減策に取り組んでまいります。 ・新規バイオシミラー製品の開発等に向けた取り組み 医療財政逼迫や高額な医薬品への患者アクセスの課題がある中で、日本においてもバイオシミラーの社会的な需要がますます高まっています。こうした環境において、当社は持続可能な医療体制の構築に貢献することを目指し、新規バイオシミラーの開発を積極的に推進しております。 2024年6月には、抗体医薬品の開発に強みを持つカイオム・バイオサイエンス株式会社(以下、「カイオム」)との間でバイオシミラー開発に関する業務提携契約を締結し、2025年5月には、カイオム、Mycenax Biotech Inc.(以下、「MBI」)との間で、新規バイオシミラー開発に関するMaster Service Agreementを締結しました。また、同10月には、アルフレッサ ホールディングス、当社ならびにカイオムの3社で、今後の新規バイオシミラー共同開発に関する基本合意書等を締結し、現在は複数バイオシミラーの細胞株構築が順調に進捗しております 更に、2025年5月に厚生労働省「医療施設等施設整備費補助金(バイオ後続品国内製造施設整備支援事業)」において、アルフレッサ ホールディングス、当社ならびにカイオムの3社が助成事業者として採択され、同年11月に、この3社に当該支援事業の重要関係者であるMBIを加えた4社にて締結した契約に基づき「Alfenax Biologics株式会社(アルフェナックス バイオロジクス)」を設立、アルフレッサ ホールディングスの子会社であるアルフレッサ ファインケミカル株式会社の敷地内において製造施設の建設を開始しています。これにより、各社の強みを活かしながら製造施設整備を着実に推進し、将来の安定的な供給体制の確立につなげてまいります。 ② 細胞治療事業(再生医療) ・開発番号:GCT-103(対象疾患:脳性麻痺) 脳性麻痺は、出産前後の周産期において酸素欠乏や感染症等が原因となって脳が損傷を受けた結果、成長の過程で運動障害等の症状が現れる疾患です。出産直後の急性期には症状が明確でないことが多く、将来的な症状の予測も困難です。しかしながら、急性期を過ぎて病状が固定した後の遠隔期(慢性期)からでは治療は難しいと一般的に考えられており、有効な治療法が求められているにも関わらず、その開発はほとんど行われてきませんでした。S-Quatreはこの遠隔期に対する治療法開発に取り組んでおり、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学(以下、「名古屋大学」)医学部附属病院小児科と共同で、2023年6月より自家SQ-SHED(患者自身の細胞)の臨床研究を開始しました。その後、2025年6月には最終3例目の患児様への投与が完了し、同10月には全3症例について独立安全性評価委員会による審議が行われ「投与後4週までの安全性に問題なし」との評価を受けました。加えて、同11月には、全3症例の投与後12週間までのデータに基づく有効性評価を含む中間解析結果をまとめた論文(プレプリント※)にて、投与後の安全性・忍容性が確認されたことに加え、運動機能(主に日常生活における大きな動作、手足の曲げにくさや伸ばしにくさ等の筋緊張)の大きな改善が認められたことが報告されました。なお、1例目、2例目の患児様の安全性・有効性に関する最終評価(52週)は既に完了しており、3例目の患児様については2026年5月末に最終観察が完了しています。今後、観察完了後の評価を経た上で、本臨床研究の最終解析結果が、2026年内に名古屋大学より公開される見込みです。 また、2026年1月には、名古屋大学との共同研究論文が国際的トップ学術誌に掲載されました。本研究は、脳性麻痺モデル動物に対して慢性期からの治療介入で効果を示した世界初の事例であり、そのメカニズムの一端を明らかにしたものであります。この成果は、上述の脳性麻痺を対象とする臨床研究の中間解析結果を支持する基礎的知見であり、今後のSQ-SHEDの臨床開発推進における科学的根拠として、その妥当性を支えるものです。 ※プレプリントとは、研究成果についてより早く、広く専門家の評価を受けるため、学術雑誌による査読に先行して公開される原稿です。査読を経て、内容に修正・変更が加えられる可能性があります。 ・小児脳性麻痺(遠隔期)治療の国内治験申請に向けた進捗 脳性麻痺の同種(他家)SQ-SHED(当社開発コード:GCT-103)については、2025年3月に持田製薬株式会社(以下、「持田製薬」)と締結した共同事業化契約に基づき、持田製薬が治験等を、S-Quatreが製造等を主な役割とし、治験入りに向けた準備を推進しております。現在、治験製品製造については試製造を経て、医薬品の品質と安全性を確保するための国際的な製造基準(GMP)に則した本製造の準備を進める等、国内での治験開始に向けて着々と準備を進めております。 ・脳性麻痺の海外における臨床開発の進捗 当社グループは、主に米国における同種SQ-SHEDの臨床開発加速を目的として、ヘルスケア分野に特化した戦略・財務アドバイザリーサービス等をグローバルに展開するTreehill Partners, LLC(以下、「Treehill」)と、米国に新会社を共同設立することで基本合意し、2026年2月に発表いたしました。この新会社では、当社グループとTreehillがそれぞれの強みを活かして、SQ-SHEDの米国での臨床開発を推進します。 海外治験に向けては、既にS-Quatreが単独で準備を進めており、2025年10月に米国FDA(食品医薬品局)とPre-IND Meeting(治験計画事前相談)を実施いたしました。その結果、FDAより脳性麻痺を対象とした同種SQ-SHEDの企業治験計画について合意と助言を取得し、それらの合意と助言に基づき今後の治験許可申請(IND申請)に向けた準備を現在Treehillと共に推進しております。 ・開発番号:GCT-102(対象疾患:腸管神経節細胞僅少症) 腸管神経節細胞僅少症は、腸管の蠕動運動を制御する神経細胞の不足により腸閉塞症状を示す難病で、治療法が確立されていません。SQ-SHEDは腸管神経節細胞と同じ神経堤由来の細胞であるため、投与されたSQ-SHEDが不足している腸管神経節細胞を補う働きをすることにより、腸管蠕動運動を回復させる可能性が期待されています。本疾患の研究開発については、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の「令和8年度 成育疾患克服等総合研究事業」に九州大学と共同で応募し、2026年3月に採択されました。本研究では、腸管神経節細胞僅少症の患者様に対し、自家(患者様自身の細胞)SQ-SHEDを投与し、その安全性および有効性を検討します。S-Quatreは本研究において、SHEDの製造および品質管理を担うとともに、これまでに蓄積してきた細胞製造および臨床開発に関連する知見を提供します。 ・SQ-SHED製造プロセス開発 商用製造を見据えた次世代大量培養技術に関しては、世界的な培養機器メーカーである米国のCorning Life Sciencesの協力の下、SQ-SHEDの特性に最適化された独自の製造プロセスを開発いたしました。この製造プロセスにおいては、培地を還流させる多層構造により、細胞に対して低ストレスかつ均一な環境での大面積培養を可能にし、従来の多層フラスコで培養した細胞との同等性を保ちながら、大量製造とコスト低減を目指しています。 更に現在、後期臨床試験および商用製造の製造プロセス確立を目的に、CDMO事業を展開するニプロ株式会社との共同開発契約に基づき、開発を順調に進めております。
経営方針・対処すべき課題4,333字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「バイオで価値を創造する-こども・家族・社会をつつむケアを目指して-」を企業理念に掲げ、「こどもの力になること、こどもが力になれること」を経営ビジョンとして、バイオ医薬品の研究開発で培ったノウハウ等を最大限活用し、バイオシミラー事業および細胞治療事業(再生医療)の2つの事業領域において研究開発を推進しています。 バイオシミラー事業では、より多くの患者様が安心して継続的な治療が受けられる環境の実現を目指しています。また、細胞治療事業においては、特に小児疾患や希少疾患に苦しんでおられる患者様やそのご家族、更には治療に携わる医療従事者の方々を支える革新的な治療法の開発に取り組んでいます。 (2) 経営環境 「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)事業環境」に記載しております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 バイオ医薬品の研究開発には膨大な時間と費用を必要とし、収益計上ができるようになるまでの期間が非常に長いため、短期的な経営指標による実績評価を行うことは一般的に適していません。そのため、当社グループにおいては、研究開発型バイオベンチャーとして、バイオシミラー事業および細胞治療事業(再生医療)のそれぞれの事業特性に応じた中長期的かつ客観的な経営指標を設定しています。 バイオシミラー事業においては、既に4製品が上市されており、現在はパートナー製薬企業への同製品の原薬等供給による販売収益、およびパートナー製薬企業による同製品の販売実績に応じたロイヤリティ収益を収益源としております。今後は既存製品の安定供給体制強化および収益性改善に向けた開発に加え、更なる収益成長に向けた新規バイオシミラーの開発にも積極的に取り組んでいく方針です。本事業の推進においては、開発投資と収益のバランスを見極めながら、事業単独での継続的な収益確保を経営目標として定め、事業を推進しております。 一方で、細胞治療事業では、特に最重要適応症である脳性麻痺に対する細胞治療製品の研究、臨床開発ならびにSQ-SHED製造プロセス開発に注力しており、研究開発投資が先行する事業ステージにあります。こうした状況の下、主に脳性麻痺に関連する研究開発工程ごとに中長期的な開発投資計画を策定し、その進捗・達成状況を経営指標としています。 なお、バイオシミラー事業と細胞治療事業を含む当社グループ全体としては、事業の着実な推進と安定的な連結営業黒字化の実現を目指し、構造改革等を通じた事業間の連携強化、業務効率化、人的資源の最適化等にも取り組んでいます。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 ① 上市済みバイオシミラーの安定供給体制の構築および収益性の改善と、新規バイオシミラーの開発 バイオシミラー事業において、当社は上市済みバイオシミラーの原薬等をパートナー製薬企業に供給しておりますが、一部製品では需要が当初想定を大幅に上回って推移しており、供給能力の拡張を含む供給体制の再構築、および供給増に付随して増加する製造運転資金の最適化が課題となっています。また、日本の薬価制度では、上市時のバイオシミラーの薬価は原則として先行品の70%に設定される上、流通段階における取引価格の実勢の影響を受け、年次の改定においてその薬価が低下する一方、原薬製造を行う海外委託先国における物価上昇や為替市場における円相場の下落により製造費用は増加しており、売上単価の低下と原価上昇が同時に進行することで当社の利益率に影響を及ぼしています。これらに対応し収益性を改善するためには、さらなる原価低減策の推進やパートナー製薬企業に対する供給価格等の調整も必要です。 バイオシミラー事業のさらなる成長に向けては、既存バイオシミラーの安定供給体制の強化・維持による市場シェア拡大および収益性向上を図りつつ、新規バイオシミラーの継続的な開発・拡充が重要課題であり、既に複数品目の細胞株構築を進めております。加えて、安定供給体制を構築・強化するべく、厚生労働省の助成事業に基づいて、Alfenax Biologics株式会社を通じて国内製造施設の建設を開始し、バイオシミラーの開発から製造・供給までをカバーする国内初のサプライチェーン構築による安定供給の実現を目指しています。 また、事業価値最大化に向けては、日本市場への依存からの脱却も重要な課題です。上市済みおよび新規バイオシミラーの双方について、パートナー製薬企業との協業を通じた海外市場への展開に積極的に取り組みます。特に新規バイオシミラーについては、グローバル展開を前提に、既に国内外複数のパートナー候補製薬企業との間で共同事業化に向けた協議が進んでいます。グローバル展開により、バイオシミラー原薬等の販売量の最大化と当該販売量に合わせて拡大した製造プロセスの採用による製造原価の低減に加え、海外売上収益と海外製造費支出の相殺による為替変動リスクの緩和を目指します。 今後は、こうした取り組みを通じて、限られた資金と人材をより効率的に活用し、継続的な成長を実現できる事業モデルへの変革を推進してまいります。 ② 細胞治療製品等の研究および臨床開発 研究開発投資が先行する事業ステージにある細胞治療事業(再生医療)においては、投下資金とのバランスを強く意識した、効率的かつ適正な研究開発投資の実行が重要な課題となっています。当社グループは、SQ-SHEDを基盤とする複数の開発パイプラインについて、基礎研究から非臨床、臨床開発までを段階的に進める中、開発初期段階からパートナー企業との連携を図ることで、当社グループとしての開発費負担および開発リスクの低減を図る方針です。 また、世界的に十分な治療法がない疾患に対する医薬品の創出を目指す細胞治療事業において、国内外での臨床開発を視野に入れた臨床開発体制の構築および推進も重要な経営課題です。加えて、将来の商用化を見据え、製造プロセスの適正化やパートナー企業・CDMO等との協業を通じた製造基盤の整備を進めることで、安定供給とコスト効率の両立を図り、実用化を見据えた治療薬開発を推進し、細胞治療事業の中長期的な事業価値の最大化に取り組んでいきます。 ③ 開発品ポートフォリオの最適化 当社グループはバイオシミラー事業および細胞治療事業(再生医療)で複数の開発品目を保有しており、限られた経営資源を効率的に投下して最大限の成果を創出すべく、パートナー製薬企業等や業務委託先との協業の下、各開発品の開発を着実に推進しております。一方で、バイオシミラーおよび再生医療等製品を取り巻く環境は、市場動向、技術革新や各疾患領域における標準治療法、さらには競合他社の開発状況等、日々変化しており、開発品目の選択と重点化の重要性が一層高まっています。 特に細胞治療事業においては、研究開発投資が先行する事業特性を踏まえ、脳性麻痺を最重要適応症として再定義し、当該領域へ経営資源を戦略的に集中投下する方針へと転換しています。これにより、開発リスクおよび資金負担を適切に管理しつつ、事業化の蓋然性が高いテーマを中心に、パートナー企業と連携し、開発の進捗に応じた意思決定・投資判断の下、開発を推進してまいります。 当社グループは、これら社内外の様々な要因を総合的に勘案し、開発品目の優先順位の見直しや、新規テーマの立ち上げ、開発中止の判断等を適切に行い、開発ポートフォリオの最適化を継続的に図ってまいります。 ④ 高品質な原薬等の安定供給体制の確立 バイオシミラーや細胞治療(再生医療)を事業化する上で、高品質な原薬等の安定供給は極めて重要な要素です。当社は、バイオシミラー事業において、高品質な原薬の製造プロセス開発と安定供給体制の確立・維持に長年取り組んでおり、これまで日本国内において承認されているバイオシミラー23製品中4製品の開発と3製品の安定供給に携わってまいりました。これは、バイオベンチャーとしては類を見ない実績であり、当社の強みを形成する重要な基盤となっています。このようにバイオシミラー事業で蓄積した製造技術・品質管理等の豊富な知見・ノウハウ等を細胞治療事業に横展開することで、バイオシミラー原薬等のみならず、細胞治療製品においても、高品質な原薬の製造プロセス開発・製造体制の早期確立を目指しております。また、これにより、当社グループにおける開発品目の優位性を確立し、ひいては事業価値最大化を図ってまいります。 ⑤ 提携による事業推進 開発品目の開発・事業化を着実に推進するためには、当社グループの強みである製造プロセス開発・原薬製造に関する知見・ノウハウ等を基盤としつつ、開発段階や品目特性に応じて最適なパートナー企業、CDMO、臨床試験受託機関等との連携体制を構築・活用していくことが必須です。こうした外部パートナーとの協業により、専門性の補完や開発機能の拡張を図るとともに、開発リスクの分散や資金負担の平準化を実現し、開発の確度とスピードの両立を目指してまいります。今後も、バイオシミラー事業における新規バイオシミラーの開発や、細胞治療事業における革新的な治療法の創出に向けて、戦略的なパートナリング活動を通じた事業推進を継続し、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。 ⑥ コンプライアンス・リスク管理体制およびコーポレート・ガバナンスの強化 当社グループがパートナー企業等との提携関係を構築・維持し、円滑に研究開発活動を推進していくためには、社会的信用の維持・向上が不可欠です。当社の取引先は金融機関、上場企業や公的研究機関といった高い社会的信頼性を有する組織が多く、こうした企業や機関と信頼に基づく健全な取引関係を維持していくためには、当社グループの信用力が重要となります。このような認識の下、当社グループは小規模な組織ではありますが、コンプライアンス意識の醸成とリスク管理体制の強化に継続的に取り組んでおります。また、全てのステークホルダーに対して組織的かつ的確に対応できる体制を構築するため、コーポレート・ガバナンスの改善を進め、経営の公正性・透明性を高めてまいります。
事業等のリスク12,154字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業展開その他に関連して、リスク要因と考えられる主な事項を以下に記載しております。これらには、現時点で当社グループが必ずしも重要なリスクとは考えていない事項および実際に具体化する可能性が高くないと想定される事項も含まれておりますが、投資判断や当社グループの事業活動への理解を深めていただく上で重要と捉え、情報開示の観点から開示しております。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その回避および発生時の適切な対応に努めてまいります。ただし、株式への投資判断は、以下の事項および本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち、予想、見通し、方針等、将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果とは異なる可能性があることにご留意下さい。 1.法的規制等に関する事項 (1) 許認可等に関するリスク 当社グループは、主にバイオシミラー原薬等の販売に当たり、医薬品医療機器等法その他の規制を受けますが、これらについて法令違反があった場合、あるいは必要とされる資格を保有する人材が離職しその補充ができない場合には、監督官庁から業務の停止や許認可の取消し等の処分を受けることになり、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在において、業務の停止や許認可の取消し等の処分を受ける原因となる事由は発生しておりません。 主な許認可等の状況 許認可等の名称   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   取消し等となる事由 医薬品販売業許可   東京都   東京都保健所長 許可 (5302250083)   2031年4月30日 (6年ごとの更新)   医薬品医療機器等法、その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、医薬品医療機器等法第75条第1項により、その許可が取り消されまたは期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じられることがある。 (2) 医薬品の研究開発における医薬品医療機器等法その他の規制に関するリスク 当社グループが業を営む医薬品業界では、研究、開発、製造および販売の各段階において、国内外の薬事に関する法令、薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けております。当社グループは、日本国内市場に留まらず欧米を含む国外市場への進出も想定して各開発品の研究開発を進めておりますが、これらの開発品を医薬品として上市させるためには、パートナー製薬企業等との連携の下、各国の薬事に関する法令、関連するガイドラインおよびその他の規制に準拠して製造販売承認の申請を行い、同企業が規制当局から承認を取得することを想定しております。このため、臨床試験等において、医薬品としての品質、安全性および有効性等を示すことができない場合には、承認を得られず、上市できないため、当社グループの事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、現在の日本の医薬品医療機器等法においては、原薬等の外部委託製造が可能となっておりますが、今後このような外部委託製造に関する規制や海外品の輸入等に関する規制が改定された場合、当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 医療制度改革の影響に関するリスク 日本では、医療費の抑制を目的とした薬価改定等の医療制度改革が進められており、今後も継続されると考えられます。その結果、当社グループ開発品の上市後に当該医薬品の薬価が影響を受ける可能性があり、これにより当社グループがパートナー製薬企業に販売するバイオシミラー原薬等の価格や、パートナー製薬企業の販売実績に応じて当社グループが受領するロイヤリティ収益にも大きな影響を及ぼす可能性があります。 2.医薬品開発事業に関する事項 (1) 医薬品開発事業全般に関するリスク 医薬品の研究開発は、基礎研究から製造販売承認の取得、上市に至るまで、段階的なプロセスを踏む必要がありますが、非臨床試験や臨床試験において予期せぬ副作用が発生した場合や期待する治療効果が確認できない場合には、当該開発品の研究開発が中止される可能性があります。当社グループの開発品について、これらの理由により研究開発が中止された場合、事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、研究開発の進行において計画通りの結果が得られない場合や、各種試験の開始または完了に遅延が生じた場合、あるいは治験薬製造等において問題が発生した場合等には、製造販売承認の取得が遅れる可能性があります。当社グループは、このような事態を極力回避すべく、各開発品の評価および進捗管理を適切に実施し、必要に応じて追加の経営資源を投下する等の対策を講じております。しかしながら、研究開発が計画どおりに進行しない場合には、事業計画ならびに財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 医薬品の品質・副作用に関するリスク 当社グループが開発に関与する医薬品の安全性に関する情報は、限られた被験者を対象に実施した臨床試験から得られたものであり、上市前に副作用の全てを把握できない可能性があります。現時点において、当社グループは、直接医薬品を販売する計画はありませんが、パートナー製薬企業によって販売される製品について、上市後に予期せぬ副作用が発生する可能性を完全には否定できません。重篤な副作用が発生した場合、製品の回収あるいは販売中止を余儀なくされ、当社グループの原薬等の販売についても継続することが困難となり、以後の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 (3) 医薬品業界における競合に関するリスク 国内外の製薬企業、バイオベンチャー、アカデミア等の研究機関がそれぞれ独自に、または協力して医薬品の研究開発を行っており、同じ疾患を対象とした開発品が複数存在することは珍しくありません。この競合環境において、他社の開発品が市場で優位性を示した場合、当社グループの開発品の研究開発が中止を余儀なくされる可能性があります。当社グループでは、パートナー製薬企業と連携しながら競合環境を綿密に調査し、開発品の選定・優先順位付けを行うことでリスクの低減に努めていますが、競合品の新規参入等による影響により、当社グループの事業計画および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、バイオシミラー事業においては、これまで当社上市品についてバイオAGや競合他社によるバイオシミラーの参入は限定的でありましたが、2026年1月以降、GBS-007(ラニビズマブ)が対象とする眼科領域における抗VEGF製剤市場において、競合先行品であるアイリーア(アフリベルセプト)のバイオAGおよびバイオシミラーが薬価収載・販売開始されており、当社は現在その影響を精査しております。 一方で、今後の制度動向について、厚生労働省は2026年度の薬価制度改定において、「先行品と有効成分、原薬、添加物、製法等が同一のバイオ医薬品であって、後発品として薬事承認を受けたもの(バイオAG)(今後新たに薬価収載される品目に限る)の薬価は、バイオ後続品(いわゆるバイオシミラー)との適切な競争環境を形成・維持する観点から、バイオ先行品の薬価と同額とすることとする。」と定めています。このため、制度上は、今後バイオAGが薬価差を主な競争手段として市場シェアを獲得することは想定されず、バイオシミラーのより安定した薬価と市場シェア獲得が期待できるものと当社グループでは認識しています。 もっとも、競合バイオシミラーの参入、薬価制度の運用状況、医療現場における処方動向によっては、当社グループの事業計画および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があることから、当社グループは、引き続き市場環境および制度動向を慎重に注視してまいります。 3.事業モデルに関する事項 (1) 収益計上に関するリスク 医薬品の基礎研究開始から上市に至るまでには通常10年以上の年月を要し、研究開発の成果が事業収益として計上されるまでには長期間を要します。また、医薬品開発の成功確率は近年低下傾向にあり、上市に至らないケースも多いため、最終的に事業収益が計上されない可能性もあります。そのため、当社グループは、自社で臨床開発や製造販売を実施せず、パートナー製薬企業に臨床開発以降のプロセスを主導してもらうことを基本方針とし、契約一時金や開発マイルストンペイメントの設定による早期収益化を目指しています。また、バイオシミラー事業と細胞治療事業(再生医療)の組み合わせによるハイブリッド型事業体制を構築し、当社グループ全体として、またそれぞれの事業において開発品ポートフォリオの最適化に取り組むことで、開発リスクと収益計上リスクの分散を図っています。しかしながら、提携時期や研究開発の遅延、研究開発の中断等が発生した場合には、当社グループの事業計画や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) パートナー製薬企業との契約に関するリスク 当社グループは、研究開発の基本方針として、臨床開発以降のプロセスをパートナー製薬企業が主導することを想定しています。そのため、適切なパートナーが見つからない場合には、有望な開発品であっても開発が遅延し、または当該開発品の開発中止を判断することになります。このようなリスクを低減するため、当社グループは、国内外の製薬企業との定期的な面談を通じて、幅広いネットワークの構築と関心領域の把握に努めるとともに、バイオシミラー事業においては新たな開発候補品の選定・細胞株の構築段階から、細胞治療事業においては基礎研究・製造プロセスの開発段階から、パートナー製薬企業候補との協議を開始することで、早期提携に向けたパートナリング活動を推進しています。しかし、パートナー製薬企業との契約締結に至らない場合には、当社グループの事業計画や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) パートナー製薬企業の方針変更等に関するリスク 当社グループは、バイオシミラー事業および細胞治療事業において、パートナー製薬企業と提携し、協働で開発活動を行っておりますが、提携先企業の経営環境の変化や経営方針の変更等、当社グループが制御し得ない要因によって、開発活動が中断あるいは中止になる場合、または当該契約が解除された場合には、当社グループの事業戦略や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、現在バイオシミラー事業においては、パートナー製薬企業の販売方針と需要予測に基づき、上市済みバイオシミラー原薬等の製造をCDMOに委託していますが、何らかの理由により当該販売方針が変更され、需要予測が大幅に下方修正された場合には、原薬等の製造・納品計画についても修正を求められる可能性があります。その際、CDMOとの製造計画の調整が進まない場合には余剰在庫が発生し、当社グループの経営成績や資金繰りに重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) バーチャル型研究開発に関するリスク 当社グループは、開発品ごとに最適な外部機関と連携し研究開発体制を構築する、「バーチャル型」の研究開発体制を構築しています。この体制は、限られた経営資源を効率的に活用し、柔軟かつ迅速な開発を可能にするという利点がありますが、連携先の外部機関において、品質や納期、技術的対応に問題が生じた場合、当社グループが直接コントロールできないため、研究開発スケジュールに遅れが生じるリスクがあります。特に、当社グループが取り組むバイオシミラーや細胞治療製品のように高い専門性が求められる分野では、代替機関の確保や技術移管が容易ではなく、場合によっては研究開発の中断や中止を余儀なくされ、当社グループの事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。 更に、バイオシミラー事業においては、上市済みバイオシミラーの原薬等の安定供給を担っていますが、CDMOでの安定的な商業製造や、CROでの品質試験が滞る場合には、当該バイオシミラーの供給不足が発生し、これにより、売上機会の損失やパートナー製薬企業からの信頼低下を招き、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (5) 知的財産権に関するリスク バイオ医薬品の分野では、先行する製薬企業を含む複数の第三者が特許権等の知的財産権を保有していることが一般的です。当社グループのバイオシミラー事業活動においても、候補品の選定時だけでなく、開発の各段階で国内外の特許調査を継続的に実施し、関連する第三者の特許権等を特定し、侵害行為が発生しないように努めております。 しかしながら、開発の途中で第三者特許権等が判明した場合や、既存特許の解釈が変更された場合には、開発の遅延や中止を余儀なくされ、特許権者とのライセンス交渉や損害賠償請求への対応が必要となる場合には、当社グループの事業計画に大きな影響が及ぶ可能性があります。 同様に、細胞治療事業においても、技術の高度化と複雑化により多数の特許が存在する領域であるため、研究開発の各段階で特許調査を行い、関連しうる第三者特許権等の侵害の回避に努めておりますが、万が一侵害が発生した場合には開発の中断や訴訟リスクが生じ、事業への影響は避けられません。このような観点を踏まえて、細胞治療事業では自社開発品の特許出願を通じて知的財産の保護と競争力を高めることにも注力しております。 また、開発の過程で出願に至った特許についても、かならずしも成立が確証されるものではなく、仮に成立しても、その保護範囲が限定的であったり、代替技術の存在により十分な競争優位性を確保できない可能性があります。更に特許権が成立した後は、その権利を侵害する第三者に対して法的措置を講じる必要があり、紛争の規模によっては解決に多大な時間と費用を要する可能性があります。 なお、本書提出日現在、当社グループの事業活動において使用している知的財産は、当社グループが権利を保有または出願中であるもの、第三者から適法に使用許諾を受けたもの、または権利が既に消滅したものであると認識しています。また、現時点において知的財産権に関する第三者との紛争は発生しておりません。 (6) 細胞治療事業における重点領域への経営資源集中に関するリスク 当社グループは、細胞治療事業の成長戦略として、脳性麻痺を最重要適応症として位置付け、当該疾患を中心に、臨床開発および将来の承認取得に向けた取り組みに細胞治療事業の経営資源を重点的に投入しております。 しかしながら、細胞治療製品の臨床開発においては、有効性および安全性の検証に係る試験デザインの妥当性、被験者の組入れ状況、評価指標の設定、更には規制当局の判断等、多くの不確実性を伴います。特に、細胞治療事業における最重要適応症として当該事業の経営資源を集中している脳性麻痺において、臨床開発が想定どおりに進捗しない場合や、有効性・安全性に関する結果が示されない場合には、細胞治療事業全体の中長期的な事業戦略に影響を及ぼし、結果として当社グループの経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 細胞治療事業(再生医療)における新規開発品の創出に関するリスク 細胞治療製品をはじめとする新たな創薬モダリティの領域では、革新的技術の創出や、複数の先端技術の融合による進展が急速に進んでおります。当社グループは、自社独自の発明技術を軸としながらも、他のバイオベンチャーやアカデミア等の研究機関との連携を含むオープンイノベーションを通じて、新規開発品の探索および創出を推進しております。しかしながら、これらの取り組みにより、常に新規開発品の創出が実現するとは限らず、想定通りの成果が得られない可能性もあります。仮に、何らかの要因によりこれらの活動に支障が生じた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 研究所の使用に関するリスク 当社グループは、札幌市および東京都江東区に研究所を置いております。札幌研究所は北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センターが民間企業との共同研究等のために設けているオープンラボラトリスペースの一部を、東京研究所は三井不動産株式会社が運営するレンタルラボ施設を使用しております。このため、共同研究契約あるいは賃貸借契約の終了等何らかの理由により、同施設の使用ができなくなった場合には、研究所の移転を余儀なくされ、追加的な設備投資や賃借料の発生等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 4.業績等に関する事項 (1) 財政状態及び経営成績に関するリスク 当連結会計年度においては、バイオシミラー事業の業績は堅調に推移したものの、研究開発活動の順調な進展に伴う研究開発費の増加、為替変動による原価上昇等を主な要因として、連結営業赤字を計上しております。 当社グループは、今後の事業運営において、事業収益や製造運転資金とのバランスを踏まえつつ、バイオシミラー事業と細胞治療事業(再生医療)の事業価値最大化に向けた研究開発投資を適正な範囲で実施し、2026年度以降の安定的な連結営業黒字に向けた収益基盤の強化に取り組んでまいりますが、事業計画が想定通りに進捗しない場合には、連結黒字化の時期が遅れたり、繰越利益剰余金がマイナスからプラスに転じる時期が遅れる可能性があります。 (2) 特定の販売先への依存に関するリスク 当社グループの売上高の大半はバイオシミラーの原薬等の供給にかかる売上であり、特にラニビズマブバイオシミラーのパートナーである千寿製薬、ペグフィルグラスチムバイオシミラーのパートナーである持田製薬に対する依存度が非常に高い状況です。今後、新規バイオシミラーまたは細胞治療製品等を新規パートナー製薬企業と開発することで、特定の販売先への売上依存度の引き下げを図る方針でありますが、開発が想定どおりに進まない可能性があります。また、現在契約を締結している販売先との契約解消等が生じた場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。 (3) 資金調達に関するリスク バイオシミラー事業においては、上市済みバイオシミラーの需要拡大に伴う製造量の増加により、CDMO等への支払いが先行し、前渡金や仕掛品等の増加を通じて製造運転資金が一時的に増加いたします。このため、今後バイオシミラーの需要が想定を上回るペースで更に拡大した場合には、過去の事業拡大局面と同様に製造運転資金が増加し、資金繰りや財務の柔軟性に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、こうした製造運転資金上の課題に対応するため、パートナー製薬企業との間で支払条件の変更等を通じ製造運転資金の適正化に継続的に取り組むとともに、金融機関との間でシンジケートローン契約を締結する等、財務基盤の強化および資金調達体制の安定化を図っています。 しかしながら、今後の事業環境の変化や更なる需要増加等により、製造運転資金が再び増加した場合には、追加的な資金調達が必要となる可能性があります。その場合、特に借入拡大のためには、財務健全性の観点から負債資本倍率の改善を求められる場合があり、その対応として増資等による資金調達が必要となる可能性があります。これに伴い、発行済株式総数が増加するため、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 一方、細胞治療事業においては、引き続き研究開発投資が先行している状況にあり、当社グループは、事業会社との資本業務提携や、契約一時金の獲得、各種助成金の活用等を含む外部資金の活用を前提とした資金調達に取り組んでいます。このため、S-Quatreの増資による資金調達が実施された場合、S-Quatreに対する当社の持分比率が低下する可能性があります。また、発行済株式総数増加により上述と同様に1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。更に、当初の想定を上回る研究開発資金等が必要等により適時の資金調達が困難となった場合には研究開発活動等の継続が困難となり当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。 (4) 財務制限条項への抵触リスク 当社のシンジケートローン組成に伴う借入には財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 為替レートの変動に関するリスク 当社グループは、バイオシミラー事業において、原薬の製造費用を外貨建てで海外CDMOに支払っており、売上原価の一部が為替レートの変動に影響を受けます。当該事業の売上が拡大する中、海外CDMOに対する外貨建て払いは増加しており、為替変動が収益性に与える影響も増しています。また、細胞治療事業においても一部の試験を海外のCROに委託しているため、為替レートの変動は研究開発費の増加要因にもなり得ます。 当社グループでは、こうした為替変動リスクへの対応として、バイオシミラー事業におけるパートナー企業等との契約において、為替レートの変動を一定程度見越したバイオシミラー原薬等の価格調整について一部合意し、継続して対応を進めています。また、今後は、海外市場への事業展開に取り組み外貨建ての売上高を得ることで、為替レート変動の業績への影響を一部相殺できる体制の構築を目指しています。一方で、外貨建ての取引全体については、なお為替変動リスクが残存しており、今後も継続的な対応が必要となっています。 このため、事業規模の拡大に伴い、更に外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動が当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6) 投資有価証券の価値変動に関するリスク 当社グループは、本書提出日現在において投資有価証券を保有しております。このため、当該投資有価証券の価値変動に伴い評価損が計上された場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 配当政策に関するリスク 当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法上の配当可能利益が計上されていないため、配当を実施可能な状態にはありません。このため、安定的な営業利益の確保は連結営業黒字の達成を目標として掲げている2026年度以降になる見通しです。 このような状況を鑑み、当面は収益基盤の確立と財務体質の強化を最優先とし、バイオシミラー事業で得た利益を活用した研究開発活動への再投資を重点的に行う方針です。一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題と認識しており将来的には財政状態や経営成績を総合的に勘案した上で配当の実施を検討する予定です。 ただし、利益計画が想定どおりに進捗せず、安定的に利益を計上できない状態が継続した場合には、配当を通じた株主還元が困難となる可能性があります。 5.その他 (1) 情報流出に関するリスク 当社グループは、研究開発の過程で得られるノウハウ等、重要な機密情報を多数保有しております。これらの情報が外部へ漏洩した場合には、当社グループの信用や事業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、厳格な管理が求められます。当社グループでは、役職員および取引先との間で秘密保持契約を締結し、情報の取り扱いに関するルールを設定するとともに、一般的なリスク管理手法を踏まえ、アクセス制限や監査体制の整備等、技術的および組織的な対策を講じています。 しかしながら、役職員および取引先がこれらの規定を遵守しない場合には、重要な機密情報が流出し、当社グループの事業活動や競争優位性に重大な影響を与える可能性があります。 (2) システム障害等に関するリスク 当社グループはシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するための対策を講じておりますが、ウイルス感染、不正アクセス、自然災害、通信障害あるいは電気障害等によるインシデント発生の可能性を完全に排除することは困難です。これにより、当社グループが保有する重要な情報の喪失または漏洩が発生した場合、データ復旧に係る金銭的・時間的負担や、研究開発の遅延、更には取引先からの損害賠償請求等が生じる可能性があります。これらの事象は当社グループの信用失墜や社外提携関係への悪影響を及ぼし、事業計画の遂行に重要な影響を与える恐れがあります。 (3) 訴訟等に関するリスク 当社グループは、法令遵守や契約管理の強化等を含むコンプライアンス体制の構築に努めております。しかしながら、知的財産権の解釈や技術の重複等を巡り、製薬企業等から特許侵害等を理由として損害賠償請求を受ける、または訴訟を提起される可能性があります。また、製造物責任、環境関連問題、労務管理等を含む事業活動に付随する分野においても、第三者との間で訴訟が発生する可能性があり、これらの訴訟の結果によっては、当社グループの社会的信用が損なわれるだけでなく、当社グループの財政状態および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 小規模組織であることに関するリスク 当社グループは、開発品ごとに最適な外部機関と連携し研究開発体制を構築する、「バーチャル型」の研究開発体制を構築しています。このため、高度な専門知識、技能や経験を有するバイオ人材による少人数組織体制を前提としています。 当該バイオ人材は当社グループの重要な経営資源であり、その確保および育成は事業運営上の重要な要素となっておりますが、バイオ医薬品および細胞治療製品の研究開発経験を有する人材は限られており、特に、特定の専門領域においては代替が困難な人材への依存が高い場合があり、想定どおりに人材の確保ができない場合、あるいは人材の流出が生じた場合には、研究開発の推進や社外との提携関係の構築・維持に支障が生じ、当社グループの事業計画や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、事業の拡大に伴い、内部管理体制の強化も求められる一方で、少人数の組織であることから、管理部門の人材確保や体制整備が遅れるリスクがあります。このため、人材の確保が想定どおりに進まない場合や流出が生じた場合には、内部管理体制の質の低下を招き、当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 (5) 企業再編、企業買収、合併等に関するリスク 当社グループは、企業価値向上を目的として、技術力や資金力等の補完、事業領域の拡張、効率的な経営体制の構築等を視野に入れ、将来的に他社との経営統合や企業買収等の実施を検討する可能性があります。この際、経営統合や企業買収等にかかる費用が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。また、当該経営統合や企業買収等が計画どおりに進捗しない場合や、統合後の組織運営や人材・文化の融合が想定どおりに進まない場合には、業務の非効率化や意思決定の遅延、従業員の離職等が発生し、統合効果が十分に得られない可能性があります。更に、事業環境や競合状況の著しい変化により、期待していた効果が得られない場合には、投資価値の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績、財政状態に様々な影響を及ぼす可能性があります。 (6) 災害およびパンデミック等の緊急事態に関するリスク 当社グループは、事業活動の中心となる事業所を東京都と北海道に設置し、地理的なリスク分散を図っております。また、研究開発活動の一部を外部の受託機関に委託しており、実質的にはより分散した体制が構築されている状況です。しかしながら、これらの地域において大規模な地震等や災害、あるいは新型コロナウイルス感染症に類するパンデミック等が発生した場合、設備等の損壊やインフラの機能停止等により、当社グループの事業活動が影響を受ける可能性があります。 当社グループは小規模組織であるため、限られた人員や設備に依存した業務が多く、代替手段の確保が困難な状況です。そのため、緊急事態が発生した場合には、研究開発の遅延、提携先との関係悪化、財務面での負担増加等が生じ、当社グループの経営成績および企業価値に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (7) 継続企業の前提に関する重要事象等について 当連結会計年度において、当社グループの経営基盤であるバイオシミラー事業では営業黒字を確保しているものの、細胞治療事業(再生医療)への研究開発投資により連結営業赤字が先行する結果となっております。このため、継続企業の前提に重要な疑義を生じる状況となっております。 これに対し、当社グループはバイオシミラー事業で得た利益に加え、当連結会計年度において金融機関からのシンジケートローン等による調達を行う等、事業継続に必要な資金を確保しております。また、バイオシミラー事業における収益基盤の強化を図るとともに、翌連結会計年度における連結営業黒字化の達成を目指し、以降は収益とのバランスを踏まえた適切な研究開発投資を実施する方針です。 以上の対応により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は存在しないと判断しております。
経営成績の分析 (MD&A)8,734字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当社グループの連結業績につきましては、売上高6,589,923千円、研究開発費1,119,977千円、営業損失138,510千円、経常損失374,914千円、親会社株主に帰属する当期純損失413,994千円となりました。 バイオシミラー事業においては、堅調な需要を背景にバイオシミラー原薬等の製造・納品を計画に基づき着実に進めたことに加え、前連結会計年度第3四半期に一部製品における供給価格が改定された影響が通期で寄与したこと等に加え、当連結会計年度第3四半期に前述とは異なる一部バイオシミラー原薬等の供給価格が改定された影響等により、売上高は前連結会計年度比で大きく伸長いたしました。 売上総利益については、バイオシミラー原薬等の売上拡大に加え、当連結会計年度第4四半期末に一部バイオシミラー原薬等の製造原価低減品への切替が進んだことで増益の結果となりました。その一方で、前連結会計年度において一部製品で製造運転資金の効率化を目的とした支払条件変更により、製造原価部分を除いた粗利益相当額のみを売上高に計上していたことが売上総利益率の一時的な上昇要因となっていましたが、当連結会計年度においては当該影響の反動により売上総利益率は低下しております。加えて、当連結会計年度においては、上述の供給価格改定および製造原価低減品への切替による利益率改善施策が業績へ一定の寄与をしたものの、バイオシミラー原薬の製造等に対する海外CDMO等への支払いにかかる為替レートが円安方向に変動したため、製造原価等が上昇し、当連結会計年度の売上総利益の拡大は限定的となりました。なお、海外CDMO等への支払いと当社の売上計上タイミングには時差があるため、当連結会計年度における当社の為替レートは当連結会計年度中の為替レートの変動と必ずしも連動するものではありません。 研究開発費については、バイオシミラー事業における製造原価低減施策への継続投資、新規バイオシミラーの開発、細胞治療事業における脳性麻痺を対象とした細胞治療製品の国内外での治験実施に向けた非臨床試験、大量製造法開発等への投資を進めた結果、1,119,977千円(前年同期比 45.9%増)となりました。 営業外以下の費用については、シンジケートローン組成に伴う支払手数料、並びに中間期において発生したバイオシミラー原薬等の製造工程における棚卸資産廃棄損を営業外費用として計上したほか、研究開発体制の効率化および重点領域への経営資源配分の最適化を目的とした組織再編に伴う研究拠点の統合関連費用を精査した結果、賃貸借契約解約損として特別損失を計上しております。 以上の結果、バイオシミラー事業における増収はあったものの、研究開発投資の増加および一過性費用の計上等により、当連結会計年度は営業損失、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。 当連結会計年度における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。 イ バイオシミラー事業 当社は、かねてより一部バイオシミラー原薬等の安定供給体制の強化・維持、および製造原価低減等を目的とし、新規CDMOへの技術移管・製造プロセス開発等を推進してまいりました。当連結会計年度における進捗としては、当初計画比で承認取得時期に半年程の遅延はあったものの、新規CDMOの追加に係る独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認を2025年5月に確認いたしました。これに伴い、当連結会計年度第4四半期より当該バイオシミラー原薬等の製造原価低減品への切替が始まり、利益率改善効果を発揮し始めています。なお、翌連結会計年度には、この製造原価低減品への切替による利益率改善効果が通期で発揮されることを想定しております。 また、上述の通り、前連結会計年度第3四半期に一部製品における供給価格が改定された影響が通期で寄与したこと等に加え、また当連結会計年度第3四半期に前述とは異なる一部バイオシミラー原薬等の供給価格が改定された影響等により売上高が前連結会計年度比で大きく伸長する等、供給価格の見直しに向けた協議・調整を継続的に実施してまいりました。 加えて、新たな収益源の創出を通じた当該事業の更なる成長を目指し、当社は、2025年5月にカイオム、MBIとの間でMaster Service Agreementを締結し新規バイオシミラー細胞株構築に着手、同10月には、アルフレッサ ホールディングス、当社ならびにカイオムの3社で、今後の新規バイオシミラー共同開発に関する基本合意書等を締結、現在は複数バイオシミラーの細胞株構築が順調に進捗しております。既に、新規バイオシミラーについてはパートナー候補である複数の国内外製薬企業等と秘密保持契約下での協議を進めております。 また、今後更なる需要拡大が想定されるバイオシミラーについて、開発から製造・供給までをカバーする国内初のバイオシミラーのサプライチェーン構築と安定供給の実現を見据え、アルフレッサ ホールディングス、カイオムと共に厚生労働省「医療施設等施設整備費補助金(バイオ後続品国内製造施設整備支援事業)」に係る公募へ共同申請し、2025年5月に採択を受けました。現在、申請3社にバイオシミラーを含むバイオ医薬品の製造および製造施設の整備に豊富な実績を有する台湾のバイオ医薬品製造受託機関であるMBIを加えた4社にて、当該支援事業の目的であるバイオシミラーの原薬・製剤製造施設の整備を進めております。 ロ 細胞治療事業(再生医療) 細胞治療の研究開発活動においては、これまでSQ-SHEDの特徴に基づきその治療効果が期待できる疾患として脳性麻痺(遠隔期)、骨疾患等を選択し、研究を進めてまいりました。その進捗として、脳性麻痺を対象として名古屋大学と共同で実施中の臨床研究において、全3例の患児様への投与が完了し、2025年10月には全3症例について独立安全性評価委員会による審議が行われ「投与後4週までの安全性に問題なし」との評価を受けました。加えて、同11月には、全3症例の投与後12週間までのデータに基づく有効性評価を含む中間解析結果をまとめた論文(プレプリント※)にて、投与後の安全性・忍容性が確認されたことに加え、運動機能(主に日常生活における大きな動作、手足の曲げにくさや伸ばしにくさ等の筋緊張)の大きな改善が認められたことが報告されました。 更に、日本国内における小児脳性麻痺を対象とした同種SQ-SHED(当社開発コード:GCT-103)については、2025年3月に持田製薬との間で共同事業化契約の締結に基づき、持田製薬が治験等を、S-Quatreが製造等を主な役割とし、治験入りに向けた準備を推進しております。現在、治験薬製造については試製造を経て、医薬品の品質と安全性を確保するための国際的な製造基準(GMP)に則した本製造の準備を進める等、国内での治験開始に向けて着々と準備を進めております。一方、海外市場におけるGCT-103の臨床開発に向けては、主に米国における同種SQ-SHEDの臨床開発加速を目的として、ヘルスケア分野に特化した戦略・財務アドバイザリーサービス等をグローバルに展開するTreehill Partners, LLC(以下、「Treehill」)と、米国に新会社を共同設立することで基本合意し、2026年2月に発表いたしました。この新会社では、当社グループとTreehillがそれぞれの強みを活かして、SQ-SHEDの米国を含む海外における臨床開発を推進します。また、海外治験に向けては、既にS-Quatreが単独で準備を進めており、2025年10月に米国FDA(食品医薬品局)とPre-IND Meeting(治験計画事前相談)を実施いたしました。その結果、FDAより脳性麻痺を対象とした同種SQ-SHEDの企業治験計画について合意と助言を取得し、それらの合意と助言に基づき今後の治験許可申請(IND申請)に向けた準備を現在Treehillと共に推進しております。 SQ-SHEDの次世代大量培養技術開発についても独自に取り組みを進めており、世界的な培養機器メーカーである米国のCorning Life Sciencesの協力の下、SQ-SHEDの特性に最適化された独自製造プロセス開発に成功し、2025年5月に米国で開催された国際細胞治療学会(ISCT)にて同社と共同で発表を行いました。更に、後期臨床試験および商用製造への適用に向け、本格的なプロセス開発を進めるべく、CDMO事業を展開するニプロと共同開発契約を締結し、S-Quatreからの技術移管を完了しました。今後も引き続き、各社と協働の下、次世代製造体制の構築に向けた開発を進めてまいります。 ※プレプリントとは、研究成果についてより早く、広く専門家の評価を受けるため、学術雑誌による査読に先行して公開される原稿です。査読を経て、内容に修正・変更が加えられる可能性があります。 ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末比13.1%減の6,088,396千円となりました。 これは主に、シンジケートローン組成による資金調達の実施により現金及び預金が299,480千円増加したことに加え、バイオシミラー原薬等の製造、ならびにパートナー製薬企業への納品と売掛金回収が順調に進んだことにより、売掛金が536,056千円減少、仕掛品1,111,531千円減少したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末比20.8%減の4,434,479千円となりました。 これは主に、上述の資金調達実施により長期借入金(1年内返済予定を含む)が1,087,040千円増加した一方で、一部のパートナー製薬企業との間での製造運転資金の効率化を目的とした支払条件の変更等により前連結会計年度に増加していた契約負債(前受金)が1,856,168千円減少、一部転換により転換社債型新株予約権付社債が375,000千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比17.2%増の1,653,916千円となりました。 これは主に、2025年6月27日開催の定時株主総会決議に基づき、欠損填補を行ったことによるものです。具体的には、資本金を2,486,206千円、その他資本準備金を11,841,807千円減少、その他資本剰余金を14,328,013千円増加させたのち、繰越利益剰余金に11,902,990千円振り替える処理を行っております。加えて、転換社債型新株予約権付社債の一部転換による資本金の増加、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により、株主資本全体としては、306,293千円増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、3,294,916千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により使用した資金は1,096,139千円となりました。 これは主に、棚卸資産の減少が986,263千円、売上債権の減少が536,056千円あったものの、税金等調整前当期純損失の計上が402,928千円、契約負債(前受金)の減少が1,856,168千円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は12,624千円となりました。 これは主に、敷金及び保証金の回収による収入が5,000千円あったものの、有形固定資産の取得による支出が17,614千円あったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は1,397,941千円となりました。 これは主に、シンジケートローン組成に伴い、既存の長期借入金の返済による支出が1,412,960千円あったものの、新規の借入収入が2,500,000千円あったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。 区分   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 生産高(千円)   前年同期比(%) バイオシミラー事業   4,842,527   40.7 原薬等販売収益   4,842,527   40.7 合計   4,842,527   40.7 b.受注実績 フィルグラスチムバイオシミラー及びラニビズマブバイオシミラーにつきましては、ロット単位での受注であり、各ロットの生産高に応じて売上高が変動し、受注金額を確定できないことから、記載を行っておりません。 なお、上記以外の品目につきましては、研究開発段階での売上であり、その不確実性に鑑み、記載を行っておりません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。 区分   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 販売高(千円)   前年同期比(%) バイオシミラー事業   6,585,275   33.6 原薬等販売収益   6,282,946   33.1 知的財産権等収益   302,328   42.9 細胞治療事業(再生医療)   4,648   △96.9 知的財産権等収益   4,648   △96.9 合計   6,589,923   29.7 (注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) 千寿製薬㈱   2,832,962   55.7   3,468,490   52.7 持田製薬㈱   1,652,622   32.5   2,240,273   34.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高6,589,923千円(前連結会計年度比29.7%増)、営業損失138,510千円(前連結会計年度は、営業利益27,882千円)、経常損失374,914千円(前連結会計年度は、経常利益5,187千円)、親会社株主に帰属する当期純損失413,994千円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する純損失21,140千円)となり、後述の要因により損失を計上しております。 売上高は前年の5,082,053千円から1,507,870千円増加し、6,589,923千円となりました。主な要因は、バイオシミラー事業におけるGBS-007およびGBS-010の需要増に対応する形で原薬等の製造・納品が計画通りに完了したこと、前連結会計年度第3四半期に一部バイオシミラー原薬等の供給価格が改定された影響が通期で寄与したこと、また当連結会計年度第3四半期に前述とは異なる一部バイオシミラー原薬等の供給価格が改定された影響等によるものです。 営業利益は、前連結会計年度の営業利益27,882千円から、当連結会計年度は138,510千円の営業損失へと転じました。これは上述の売上高の増加があるものの当連結会計年度中に売上計上したバイオシミラー原薬等の製造にかかる為替レートが前連結会計年度と比較して大きく円安方向に進み製造原価が増加したことに加え、バイオシミラー事業における製造原価低減施策への継続投資、新規バイオシミラーの開発、細胞治療事業における脳性麻痺を対象とした細胞治療製品の国内外での治験実施に向けた非臨床試験、大量培養法開発等への投資を進めた結果、研究開発費として1,119,977千円(前連結会計年度は、767,877千円)を計上したことが影響しています。 経常利益も同様に、前連結会計年度の経常利益5,187千円から、当連結会計年度は374,914千円の経常損失へと転じました。これは、シンジケートローン組成に伴う支払手数料、ならびに中間期において発生したバイオシミラー原薬等の製造工程における棚卸資産廃棄損を営業外費用として計上したことが影響しています。 親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度の当期純損失21,140千円から、当連結会計年度は、当期純損失413,994千円まで赤字幅が拡大しました。これは、上述の要因に加え、研究開発体制の効率化および重点領域への経営資源配分の最適化を目的とした組織再編に伴う東京ラボ閉鎖費用を特別損失として計上したことが主な要因となっております。なお、これらの要因はいずれも翌連結会計年度に影響を及ぼすものではなく、翌連結会計年度においては、供給価格改定および製造原価低減品への切替が通期で寄与することにより、当初計画どおり連結営業黒字を達成する見通しであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、企業価値の最大化と株価の回復・成長の早期実現を図るため、資金調達の最適化と財務基盤の強化に継続して取り組んでおります。バイオシミラー事業では、上市済みバイオシミラーの安定的な収支構造の維持に努める上で、GBS-007およびGBS-010の需要拡大や海外製造コストの上昇に伴う製造運転資金増、製造原価増に対応するため、一部バイオシミラー原薬等についてパートナー企業との支払条件見直し、供給価格改定等を実現し、その他においても追加の交渉を継続しております。 加えて、株式市場からの資金調達についても、行使価格と株価の乖離が大きく調達が長期化していた既存の新株予約権を買入消却し、実勢株価に即した第23回および第24回新株予約権を発行するリファイナンスを2024年12月に実施しております。その結果、第24回新株予約権は2025年4月までにすべての行使が完了しました。また、2022年7月発行の第4回無担保転換社債型新株予約権付社債についても2025年4月以降転換が大きく進んでいます。 更に、2025年11月には、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする総額25億円のシンジケートローン契約を締結いたしました。本契約には既存借入金のリファイナンスも含まれており、複数の既存借入金を一本化することで資金調達構造の効率化と管理体制の強化を図ります。これにより、短期的には資金繰りの安定化および借り換えリスクの低減を実現するとともに、特定の金融機関に過度に依存しない安定した取引銀行群を確立し、より柔軟に中長期的な事業拡大に向けた新規資金調達に対応可能な体制を構築します。 以上のとおり、当社グループは財務体質の安定化に取り組む一方、バイオシミラー事業および細胞治療事業の成長に必要な研究開発投資については継続して行う必要があります。そのための資金確保手段として、開発パートナー企業等との資本業務提携や各種助成金等の活用に加え、間接金融からの借入等、資金調達手段の多様化と最適化に2026年度以降も継続して取り組んでまいります。また、両事業においては、研究開発活動の進捗および事業性に応じて優先順位を機動的に見直すとともに、早期のパートナリング等を通じた役割分担と費用負担の調整を進めることにより、メリハリのある研究開発投資の実行とリスクの低減に取り組み、将来の成長性を毀損することなく、「安定と成長の両立」の実現に向けたバランスの取れた財務基盤の確立を目指します。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りには不確実性が伴うため、将来において、これらの見積りおよび仮定とは異なる結果となる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

IR資料の開示履歴 (TDnet)

TDnetのPDFは掲載後約1ヶ月で削除されるため、古い開示はタイトルのみの記録です。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。