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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

ケイファーマ

K Pharma,Inc.4896 · Growth · 医薬品

慶應義塾大学発のバイオベンチャー。iPS創薬と再生医療で神経難病の治療薬開発に挑む。

概要

ケイファーマは、2016年に慶應義塾大学医学部発のベンチャーとして設立された医薬品・再生医療等製品の研究開発企業である。iPS細胞を活用した創薬(iPS創薬)と脊髄損傷などへの再生医療を二本柱とし、2023年10月に東京証券取引所グロース市場に上場した。従業員20名と小規模ながら、ALSや脊髄損傷といった有効な治療法のない神経疾患に焦点を当てる。2025年12月期の売上高はなく、研究開発段階にあり、純損失10億円を計上している。

二つの事業軸で神経疾患に挑む研究開発体制

ケイファーマの事業は、iPS創薬事業と再生医療事業の二つから構成される。iPS創薬事業では、患者由来iPS細胞から分化誘導した神経細胞を用いて既存化合物をスクリーニングし、新たな治療薬候補を見出す。再生医療事業では、他家iPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を損傷部位に移植する治療法を開発する。両事業は単一セグメントで管理され、共通の技術基盤(iPS細胞の神経分化誘導技術)を活用する。2025年12月期現在、iPS創薬に6、再生医療に5の開発パイプラインを有し、すべて前臨床または治験段階にある。

ライセンス契約を中心とする収益モデル

ケイファーマの収益は主に製薬企業との共同研究契約やライセンス契約に依存する。契約一時金、研究開発の進捗に応じたマイルストン収入、上市後の販売ロイヤリティが主な源泉である。2025年12月期の売上高はなく、営業損失9億円、純損失10億円を計上した。ただし、2023年3月にアルフレッサ ファーマとALS治療薬KP2011に関する導出契約を締結し、契約一時金を得た。2025年12月期末の現金及び預金は28.9億円、自己資本比率は43.1%で、当面の研究開発資金は確保されている。

国内大学・研究機関との密接な連携

ケイファーマは、特に慶應義塾大学との関係が深い。創業科学者である岡野栄之教授(慶應義塾大学)は取締役CSO、中村雅也教授(同)は取締役CTOを務める。研究所「ケイファーマラボ」を湘南ヘルスイノベーションパーク内に、さらに慶應義塾大学信濃町キャンパス内に「ケイファーマ・慶應 脊髄再生ラボ」を開設した。また、北里研究所、国立病院機構大阪医療センター、慈恵大学などとも共同研究契約を結び、難聴や慢性期中枢神経損傷など対象疾患を拡大している。海外展開の記述はなく、事業は国内のアカデミア連携が基盤である。

未だ売上なく、研究開発段階が続く財務状況

ケイファーマは設立以来、売上計上に至っていない。2019年10月期から2022年12月期までは毎期2~4億円の当期純損失を計上し、2023年12月期はライセンス契約一時金により約10億円の売上と3億円の純利益を記録したが、翌2024年12月期には再び営業損失8億円、純損失8億円となった。2025年12月期は営業損失9億円、純損失10億円と赤字が拡大した。総資産は29.4億円で、その大部分は現預金である。研究開発費の規模は明記されていないが、人件費や外部委託費用が主な支出と推測される。

業界の中での役割は神経難病領域における医薬品・再生医療等製品の研究開発企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01医薬品開発(iPS創薬)主力

患者由来iPS細胞から神経細胞を分化誘導し、化合物スクリーニングによる創薬を行う。ALSを対象にロピニロール塩酸塩の開発を進め、アルフレッサファーマに導出済み。ドラッグリポジショニングで効率的な開発を目指す。

主要顧客アルフレッサ ファーマ

主な製品・サービス1
KP2011(ロピニロール塩酸塩)
ALS治療薬候補。既存のパーキンソン病治療薬をリポジショニング。

02再生医療等製品(脊髄損傷治療)準主力

iPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を脊髄損傷部位に移植する再生医療を開発。亜急性期脊髄損傷を対象に慶應義塾大学で臨床研究を実施し、企業治験を計画。

世界初のiPS細胞由来神経前駆細胞移植

主要顧客アルフレッサ

主な製品・サービス1
KP8011(神経前駆細胞)
亜急性期脊髄損傷治療用の他家iPS細胞由来神経前駆細胞。

製品と技術

ALS治療薬KP2011:ドラッグリポジショニングで臨床へ

KP2011は、パーキンソン病治療薬ロピニロール塩酸塩をALSに適応拡大するドラッグリポジショニング型の開発品である。慶應義塾大学がiPS創薬の手法を用いて、ALS患者由来iPS細胞から分化誘導した神経細胞に対し約1,200化合物をスクリーニングし、ロピニロールがALS病態を改善する可能性を見出した。2018年から2021年にかけてALS患者20例を対象とした医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱa相)が実施され、安全性と有効性の兆候が確認された。2023年3月にアルフレッサ ファーマに導出され、現在は第Ⅲ相試験の準備が進んでいる。作用機序としてドーパミンD2受容体非依存的な経路が解明されつつある。

亜急性期脊髄損傷:iPS細胞由来神経前駆細胞移植

ケイファーマの再生医療の中核は、他家iPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を脊髄損傷部位に移植する治療法である。対象は損傷後2~4週間の亜急性期で、炎症が落ち着き細胞が生着しやすい時期とされる。慶應義塾大学医学部で医師主導臨床研究が行われ、2025年3月に4症例すべてで1年間の経過観察を完了し、安全性と有効性が評価された。ケイファーマはこの結果を基に企業治験を計画している。慢性期脊髄損傷や脳梗塞、脳出血、外傷性中枢神経損傷への応用も視野に入れ、大阪医療センターなどと共同研究を進めている。

難聴・認知症など多様な神経疾患への展開

iPS創薬事業では、ALS以外にも複数の神経疾患を標的とするパイプラインを有する。2023年6月、北里研究所と難聴治療薬の企業治験に向けた共同研究契約を締結し、内耳の有毛細胞再生を目指す。2025年11月には慈恵大学と新規神経変性疾患治療薬の作用機序解析に関する共同研究を開始した。さらに、前頭側頭型認知症(FTD)についても2025年の国際幹細胞学会で研究成果を発表している。これらのパイプラインは、基礎研究段階から共同研究段階にある。ケイファーマは「Rare to Common戦略」を掲げ、難病で得た知見を患者数の多い疾患に展開する方針である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 再生医療等製品(脊髄損傷治療)世界初のiPS細胞由来神経前駆細胞移植

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

創薬ベンチャー、収益化の途上

ケイファーマは売上高10億円と小規模な創薬ベンチャーであり、業界内では収益化が未達のフェーズにある。同業のVeritas In SilicoやChordia Therapeuticsも同様に研究開発段階で、競合は厳しい。採算性の指標は開示されておらず、パイプラインの進捗が鍵となる。製薬大手への導出や提携に依存するビジネスモデルだが、現状は単独での収益化に至っていない。

強み

  • 自社の創薬プラットフォーム技術を強みとし、差別化されたパイプラインを有する可能性がある。
  • 売上高10億円ながらも収益を計上しており、完全な開発段階ではなく、一部収益化の兆しがある。
  • 医薬品セクターは成長市場であり、創薬ベンチャーへの期待は高い。
  • 小規模ながら専門性の高い研究チームを有し、効率的な研究開発が可能。

課題

  • 売上高が小さく、安定収益の見通しが立っておらず、事業リスクが高い。
  • 研究開発に多額の資金が必要であり、赤字が続くと資金調達リスクが生じる。
  • 同業他社も同様のパイプライン開発を進めており、競争が激しい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がケイファーマ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14574大幸薬品130億円18.8倍
24888ステラファーマ121億円
34512わかもと製薬108億円47.2倍
44570免疫生物研究所96億円29.2倍
54524森下仁丹93億円14.6倍
64896ケイファーマ92億円
74584キッズウェル・バイオ83億円
84564オンコセラピー・サイエンス81億円
94571NANOホールディングス81億円
104572カルナバイオサイエンス78億円
114890坪田ラボ76億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 14件

慶應義塾大学の研究成果を基に2016年に創業

ケイファーマは2016年11月、東京都港区に医薬品および再生医療等製品の研究・開発・製造・販売を目的として設立された。創業の基盤となったのは、慶應義塾大学の岡野栄之教授と中村雅也教授の長年にわたる神経幹細胞およびiPS細胞の研究である。岡野教授は神経幹細胞マーカー「musashi」を発見し、中村教授は脊髄損傷治療の研究をリードしてきた。設立直後の2017年4月には、早くも学校法人慶應義塾と筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療剤に関する特許実施許諾契約を締結し、事業化への第一歩を踏み出した。

湘南に研究所を開設し研究インフラを整備(2018~2020年)

2018年4月、ケイファーマは神奈川県藤沢市の武田薬品工業湘南研究所(当時)内に研究所「ケイファーマラボ」を開設した。これにより、創薬基盤技術の開発と検証を自社で行う体制が整った。2020年4月には、慶應義塾大学とiPS細胞を活用した医薬品および再生医療等製品の開発を目的とする共同研究契約を締結し、研究の幅を広げた。この時期、ALSについては患者由来iPS細胞を用いた化合物スクリーニングが進められ、後にKP2011(ロピニロール塩酸塩)の同定につながった。再生医療では脊髄損傷治療用の細胞調製技術の確立が進んだ。

脊髄損傷治療の特許取得と治験準備(2021~2022年)

2021年3月、ケイファーマは慶應義塾大学と脊髄損傷治療用ニューロスフェア誘導剤に関する特許実施許諾契約を締結した。さらに2022年7月には、亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療の治験に向けた共同研究契約を結んだ。これにより、再生医療事業の中核パイプラインが具体化した。同年、慶應義塾大学医学部では医師主導臨床研究が開始され、ケイファーマはその後の企業治験を担う計画を固めた。また、2022年12月期の純損失は4億円に拡大し、研究開発投資が本格化した。

ALS治療薬の導出と東証グロース上場(2023年)

2023年はケイファーマにとって転機の年となった。3月、アルフレッサ ファーマ株式会社とALS治療薬候補KP2011の日本国内における導出契約を締結し、契約一時金を得た。6月には北里研究所と難聴治療薬の共同研究を開始、8月には国立病院機構大阪医療センターと慢性期脳梗塞などに関する共同研究契約を結んだ。そして10月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、資金調達力を強化した。上場時点での時価総額は公表されていないが、上場により社債発行なども可能となった。2023年12月期は初めて売上10億円を計上し、3億円の純利益を達成した。

上場後の研究拡大と赤字再拡大(2024~2025年)

上場後も研究開発の加速は続いた。2024年3月、慶應義塾大学と神経突起伸長促進用キットに関する特許実施許諾契約を締結。2025年11月にはアルフレッサ株式会社との業務提携基本契約、慈恵大学との新規神経変性疾患治療薬に関する共同研究契約を締結した。同年12月期の営業損失は9億円、純損失は10億円と赤字が拡大し、研究開発費の増加が主因と考えられる。一方、2025年3月には慶應義塾大学が亜急性期脊髄損傷の臨床研究で4症例すべての経過観察を完了したと発表し、再生医療パイプラインの進展が示された。

年表14件を開く

2010年代

  • 2016年11月創業医薬品および再生医療等製品の研究・開発・製造・販売を目的として東京都港区に当社設立
  • 2017年4月学校法人慶應義塾と筋萎縮性側索硬化症治療剤および治療用組成物等の特許実施許諾契約を締結
  • 2018年4月神奈川県藤沢市にある武田薬品工業株式会社湘南研究所(現 湘南ヘルスイノベーションパーク)内に研究所(ケイファーマラボ)を開所

2020年代

  • 2020年4月学校法人慶應義塾とiPS細胞を活用した医薬品および再生医療等製品の開発を目的とした共同研究契約 を締結
  • 2021年3月学校法人慶應義塾と脊髄損傷治療用 ニューロスフェア 誘導剤およびその使用の特許実施許諾契約を締結
  • 2022年7月学校法人慶應義塾と亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療の治験に向けた共同研究契約を締結
  • 2023年2月東京都新宿区にある慶應義塾大学信濃町キャンパス内総合医科学研究棟に「ケイファーマ・慶應 脊髄再生ラボ」を開設
  • 2023年3月アルフレッサ ファーマ株式会社と日本国内においてALSの治療薬候補であるKP2011導出に関するライセンス契約を締結
  • 2023年6月学校法人北里研究所と 難聴治療薬の企業治験に向けた共同研究契約 を締結
  • 2023年8月独立行政法人国立病院機構大阪医療センターと慢性期脳梗塞、脳出血および外傷性中枢神経損傷の再生医療の企業治験に向けた共同研究契約を締結
  • 2023年10月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2024年3月学校法人慶應義塾と神経突起伸長促進用キット及びその使用の特許実施許諾契約を締結
  • 2025年11月アルフレッサ株式会社と業務提携基本契約を締結
  • 2025年11月学校法人慈恵大学と新規神経変性疾患治療薬の作用機序解析に関する研究を目的とした共同研究契約を締結

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    iPS創薬と再生医療のハイブリッド展開

    iPS創薬事業と再生医療事業を両輪とし、事業リスク分散と技術・ノウハウの共有による相乗効果を狙う。また、基礎研究から臨床応用へつなげるFrom Basic to Clinical戦略、希少疾患から一般疾患へ広げるFrom Rare to Common戦略を推進する。

  2. 02

    ALS治療薬の第Ⅲ相試験実施

    難治性神経疾患ALSに対するロピニロール塩酸塩の第Ⅲ相試験の準備を進め、患者に安全で有効な治療薬を提供する。

  3. 03

    脊髄損傷再生医療の治験準備

    亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞移植の臨床研究完了後、企業治験を実施するため、大量培養法の確立、GMP対応試薬への切替、CDMO選定など治験薬製造に向けた検討を進める。

  4. 04

    ライセンス契約と自社製造販売の推進

    パートナーとの共同研究開発やライセンス契約を各段階で締結するとともに、再生医療事業では中長期的に自社での製造販売を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で20人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は909万円で、2期前と比べて+11.1%平均年齢は45.9歳、平均勤続年数は3.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2023年12月81943.52.915
2024年12月80143.73.217−4,706
2025年12月90945.93.620−4,500

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

四半期の推移

2期分

直近は2023年4Qで、売上は0億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q10550.04
2023年4Q0−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 7期分

直近7期の通期業績。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2019年10月−3−3
2020年12月−3−3
2021年12月−2−2
2022年12月−4−4
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2023年12月1033
2024年12月−8−8−8
2025年12月−9−9−10

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2025年12月期は営業CFが−9億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−10億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は28億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2021年12月−204−22
2022年12月−4015−413
2023年12月5015533
2024年12月−100−1023
2025年12月−9−115−1028

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 7期分

2025年12月期の総資産は29億円。このうち返さなくてよい自己資本が13億円で、自己資本比率は43.1%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年10月33095.0
2020年12月10114.1
2021年12月22086.9
2022年12月1413197.2
2023年12月3331293.7
2024年12月2423196.0
2025年12月29131743.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
28億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-10億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
17億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中67位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
43.1%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥792で、1年前と比べて+17.7%過去52週の値幅のなかでは54%の位置にある。

¥792-1.9%1ヶ月+9.2%1年+17.7%時価総額92億円
過去52週の値幅
安値¥604高値¥949

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR9.07倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1カ月で+7.4%と上昇。7月22日に762円まで急伸し、その後は720円前後で推移。25日線(719円)を上回り、75日線(713円)・200日線(707円)も上回っており、中期上昇トレンドが確認できる。52週高値949円にはなお23%の開きがあるが、安値604円からは21%高。出来高は7月22日に5万8900株と増加し、底値圏からの買いが入っている。RSIは49.8と中立。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

PERが開示されておらず評価困難だが、PBRが8.33倍と業界平均3.01倍を大幅に上回る。直近の業績は赤字で、2024年12月期以降は営業損失が拡大している。ROEは11.7%と表面上は高いが、赤字企業のため信頼性に欠ける。配当も無配。成長性と収益性の悪化を考慮すると、現在の株価水準は割高と判断せざるを得ない。

指標この会社業種平均
PBR9.07倍3.53倍
ROE11.7%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

未上場企業か新規上場企業で、財務データが不足している。直近の業績は赤字が続いており、研究開発段階の可能性が高い。強気派は、新薬開発への期待や将来の成長性に賭ける。弱気派は、赤字の拡大や資金調達リスク、売上の不透明さを懸念する。情報開示の少なさが投資判断を難しくしている。

プラスに働く材料7
  • 成長の可能性

    医薬品パイプラインの進展による将来の収益化

  • PBRの高さ

    PBR8.3倍と市場が成長を織り込んでいる

  • 株価の持ちこたえ

    過去1年で株価はほぼ横ばい(-1%)

  • FY2023/12に純利益3億円の実績不定影響

    過去に最終利益3億円、大型契約の再現で大きな業績変化

  • 株価の下落率が▲1.1%と底堅い継続影響

    業績悪化にも関わらず株価は安定、悪材料織り込み済み

  • 時価総額85億円規模で提携観測の余地不定影響

    医薬品業界で営業提携や導出先の対象になりやすい規模

  • 営業損失の増加額が1億円に縮小FY2025/12影響

    営業損失▲8億→▲9億円、費用削減で悪化ペース減速

マイナスに働く材料7
  • 赤字の拡大

    2023年は黒字だったが、2024年は赤字8億円と悪化

  • 売上の不安定さ

    2023年は10億円だったが、他の年はデータなし

  • 情報開示の不足

    企業概要が不明瞭で、評価が困難

  • 売上高が3期連続ゼロの可能性通年影響

    FY2024/12以降、売上高が発生していない。事業収益が皆無

  • 純損失が8億→9億→10億と拡大傾向FY2025/12影響

    純損失は▲8億→▲9億→▲10億円と数年で1.25倍

  • PBR8.33倍は開発期待を含む継続影響

    無収入の赤字企業としては高評価、期待外れで大幅調整

  • 研究開発の進捗が外部から見えにくい決算発表後影響

    決算書に開発ステージ情報が乏しく、投資判断が困難

次の決算で確かめる点
研究開発費
将来の製品開発への投資状況を確認するため
パイプライン進捗
新薬開発が順調かどうかを示す重要な指標
キャッシュ残高
赤字が続く中で資金調達リスクを評価するため

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ4,448人。区分でいちばん多いのは個人・その他78.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が17.8%を占め、残る82.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他80.180.378.9
事業法人17.817.717.8
証券会社1.81.42.1
外国法人0.20.50.9
外国人個人0.00.00.1
金融機関0.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01福島 弘明20.08
02SBI Ventures Two株式会社14.87
03中村 雅也10.14
04岡野 栄之10.04
05大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合9.85
06かごしまバリューアップ投資事業有限責任組合5.52
07アルフレッサホールディングス株式会社2.72
08テクノロジーベンチャーズ5号投資事業有限責任組合2.02
09モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社0.86
10吉田 勝則0.69

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-04-13
    岡野 栄之
    新規の大量保有報告
    10.03%
    -1.02pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 7期分

1株利益は7期で+100%、1株純資産は3期で−59%。直近期のROEは11.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPS
2019年10月−37,033
2020年12月−38,751
2021年12月−30
2022年12月−42
2023年12月25268
2024年12月−73195
2025年12月−86109

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額140百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
福島弘明代表取締役 社長662,331,000
松本真佐人常務取締役 CFO51
岡野栄之取締役 CSO671,166,000
中村雅也取締役 CTO651,177,000
山田美穂社外取締役59
豊川峻輔社外監査役(常勤)67
西田恭隆社外監査役(非常勤)48
五十畑亜紀子社外監査役(非常勤)50

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)410810827
社外取締役532326

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容11,240字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、有効な治療法が確立していない神経難病に対して、当社取締役CSO(Chief Scientific Officer)兼慶應義塾大学教授、再生医療リサーチセンター センター長の岡野栄之、および当社取締役CTO(Chief Technology Officer)兼同大学医学部整形外科学教室教授の中村雅也を中心とした長年の基礎研究の成果を実用化し、一刻も早く臨床の現場に有効な治療法を届けるため、慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業として、2016年11月に、「医療イノベーションを実現し、医療分野での社会貢献を果たします」を経営理念として、医薬品および再生医療等製品の研究・開発・製造・販売を事業目的として設立いたしました。 当社事業の主要な対象としております中枢神経疾患領域につきましては、筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」*1という。)など我が国においても難病に指定される疾患が多く存在し、アルツハイマー病(*2)に代表される様々な認知症症状に対しても、有効な治療薬の開発が求められております。また、脊髄損傷(*3)や脳梗塞(*4)などの損傷疾患についても、未だ有効な治療法が確立しておりません。ALSの患者数は、世界では約33万人、国内では約1万人(出典:Clarivate Analytics データベース)と推定されており、脊髄損傷につきましては、国内の亜急性期の脊髄損傷(*5)患者数は年間約5千人(出典:総合リハビリテーション「疫学調査」2008年)、慢性期の脊髄損傷(*6)患者数は約10~20万人(出典:総合リハビリテーション「疫学調査」2008年)、脳梗塞の患者数は約130万人(出典:Clarivate Analytics データベース)とされております。 これらの対象患者に対して画期的な医療イノベーションの実現により有効かつ安全な医療成果を届けるため、当社におきましては、iPS細胞(*7)を活用したiPS創薬事業と再生医療事業のハイブリッドで慶應義塾大学医学部をはじめとする大学や研究機関等と連携して研究開発を推進すると共に、バリューチェーン(*8)を構成する各企業とも連携して事業活動を推進しております。なお、当社は医薬品等の研究・開発・製造・販売の単一セグメントであります。 (1)当社の事業領域 当社は、中枢神経疾患領域に対して、iPS細胞を活用したiPS創薬と脊髄損傷等の神経損傷部位に移植する再生医療等製品の開発を主たる事業としております。 ①はじめに 長年、中枢神経領域において、「神経は再生しない」という考え方が一般的でありましたが、当社の創業科学者兼取締役CSOである岡野栄之等の研究チームが、神経幹細胞のバイオマーカー(*9)である遺伝子「musashi」を発見し、世界で初めて、ヒト脳の中にも神経幹細胞(*10)が存在することを示したことにより、中枢神経領域の再生医療の可能性を見出し、臨床での神経再生が現実的なものとなってきました。 また、2007年に京都大学山中伸弥教授の研究グループがヒトの皮膚細胞からiPS細胞の樹立に成功したことにより、(ⅰ)iPS細胞を活用した細胞移植治療/再生医療、(ⅱ)iPS細胞による病態解明・薬効評価の可能性が示されました。そこで、慶應義塾大学において岡野栄之と中村雅也の研究チームは、脊髄損傷の治療に対してiPS細胞から分化誘導(*11)した神経細胞を活用する研究を開始し、また、岡野栄之の研究チームは、ALSの患者様由来のiPS細胞から樹立した神経細胞を活用したALS治療薬の開発に着手いたしました。 ②当社の優位性 当社は、当社取締役CSO兼慶應義塾大学教授、再生医療リサーチセンター センター長の岡野栄之、および当社取締役CTO兼同大学医学部整形外科学教室教授の中村雅也を中心とした長年の基礎研究をもとに事業を展開しており、特に、当社の事業の対象としている中枢神経疾患領域においては、大学や研究機関等において蓄積してきた知見を活用して、研究所において各種ノウハウや技術(iPS細胞から神経細胞に適切かつ効率的に分化誘導することができる技術、創薬に適した表現型(*12)を構築するためのノウハウや技術、再生医療として神経細胞に分化誘導し移植するためのノウハウや技術など)を活用して研究開発を推進しております。 ③iPS創薬事業 当社は、iPS創薬の研究開発の手法として、病気の患者様由来のiPS細胞から分化誘導した神経細胞を用いた表現型スクリーニングによる化合物・薬剤候補分子の効率的なin vitro(*13)スクリーニングを実施しております。具体的には、患者様から提供を受けた細胞を用いて疾患の特異的な情報を有するiPS細胞を樹立したうえで、神経細胞に分化誘導し、既存の数多くある化合物ライブラリー(*14)の中から、当該iPS細胞から分化誘導した神経細胞に対する各表現型に関して、その量、機能的な活性、反応を定性的または定量的に測定をすることで、薬剤の候補となる可能性のあるヒット化合物(*15)を選別しております。また、併せて、疾患の特異的な情報を有するiPS細胞から分化誘導した神経細胞を用いた疾患のメカニズムの解析や薬剤のターゲットとなりうる物質や遺伝子の解析等を共同研究先である慶應義塾大学医学部と共に進めております。 iPS創薬の手法は、従来の創薬開発プロセスと異なり、前臨床の段階で動物の疾患モデルでの評価を介さず、かつ直接的にヒトの病態を反映した細胞を活用することにより、ヒトでの予見性が高い創薬手法となることから、従来の創薬開発プロセスより短期間で行うことが可能であり、当社では、アンメットメディカルニーズ領域(*16)の疾患に対して効率的かつ合理的に創薬を進めてまいります。 また、さらに、当社のiPS創薬事業は、他の疾患のために開発された既存の医薬品・化合物の中から、新しい効果を発見して新しい医薬品の開発を行う方法であるドラッグリポジショニングという創薬手法を活用することにより、新たに化合物を開発することがなく、特に既に上市された医薬品を用いる場合には、既にヒトに対して一定の安全性が確認されていることから、創薬の研究開発に係る費用や時間について、これまでの新薬開発に必要な期間を3~12年、費用を50~60%程度削減できる可能性がございます(出典:株式会社三菱総合研究所 2020.6 ドラッグリポジショニングによる創薬力の復活)。 当社は、中枢神経疾患領域を重点ターゲットとして、未だ有効な治療法のない患者様に一刻も早く有効な治療法を届けるため、ALSを始めとした難治性の希少疾患に対する開発パイプラインの研究開発を推進しておりますが、各神経疾患が示す病態については一部共通した作用やメカニズムがあると考えていることから、「Rare to Common戦略」(患者数が少ない難治性の疾患の創薬開発から、患者数の多い一般的な疾患の創薬開発を目指す戦略)を推進してまいります。 ④再生医療事業 当社は、神経損傷疾患である脊髄損傷に対して、自身の細胞から樹立するiPS細胞と比較して、汎用性や市場性が高いと考えております他家iPS細胞(*17)から分化誘導した神経前駆細胞(*18)を移植することで損傷部位の治療を行う再生医療の研究開発を推進しております。 脊髄損傷は、スポーツでの怪我や交通事故により脊髄に損傷が及ぶケース、加齢によって骨が弱くなり転倒して損傷するケース、頸椎の形状が変化し頚髄に負荷がかかり損傷するケースなどがあり、脊髄が損傷した場合、脊髄が脳からの指令や情報を脳幹を通じて体の各部に伝達する役割を果たすことができなくなり、身体の運動機能や感覚機能が完全に停止または一部停止する、麻痺の症状が発生することがあります。 当社は、まず、慶應義塾大学医学部との共同研究において、損傷による炎症が低下し、かつ、損傷部位が完全に空洞化する前の移植した神経前駆細胞が生着しやすいと考えられる亜急性期の脊髄損傷についての研究開発を優先して進めております。当事業年度末現在、慶應義塾大学医学部において「亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療」の医師主導臨床研究が実施されており、当該臨床研究後に、当社において企業治験を行う予定であります。そのための準備として、最適なiPS細胞の選定や分化誘導法の確立、脊髄損傷モデルマウス(*19)の評価、臨床に向けた大量培養方法の検討、各種品質管理項目の検討などを進めており、実用化に向けた取り組みを推進しております。 また、当社では損傷後一定の期間が経過し損傷部位が完全に空洞化して、その空洞化した部分が移植した神経の伸長を阻害する可能性がある慢性期の脊髄損傷についても未だ有効な治療法がないことから研究開発を進めており、将来的には亜急性期の脊髄損傷に関する研究開発と並行して、亜急性期の脊髄損傷と比較して患者数の多い慢性期の脊髄損傷についての企業治験の検討も進めてまいります。さらに、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血、慢性期外傷性中枢神経損傷につきましても、共同研究を進めている独立行政法人国立病院機構大阪医療センターと連携し、前臨床の研究を進める予定にしております。 なお、2014年の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」という。)の改正に伴い、再生医療等製品の治験プロセスについては、通常の医薬品の治験プロセスと比較して、早期承認のための制度が追加されており、早期承認の審査の中で、一定数の限られた症例による治験において、安全性の確認と有効性の推定について認められた場合、条件期限付き承認を受けることが可能となり、販売後に更なる安全性と有効性の検証を経て、最終的に承認または失効するプロセスが導入されました。 当社におきましては、再生医療事業の各開発パイプラインについて、薬機法に従い、大学や研究機関と連携して、企業治験のための研究開発を推進してまいります。 *厚生労働省 薬事法等の一部を改正する法律の概要(平成25年法律第84号)を参考に当社作成 (2)当社のビジネスモデル 当社の主なビジネスモデルは、大学や研究機関等が保有する基礎研究の成果や特許等の知的財産権の独占的な実施許諾権等に基づいた開発パイプライン、または、当社自らが基礎研究を進めた成果に基づいた開発パイプラインについて、製薬会社等のパートナーと、基礎/探索研究から企業治験の各段階において、共同研究開発や将来の製造販売等の権利の一部または全部を譲渡するライセンス契約を締結して収入を受領するものであります。 まず、大学や研究機関等が保有する知的財産権等を活用して共同研究契約を締結する場合は、当社が情報や技術、研究成果等を受け取る一方で、当社から共同研究費用を支払うことになります。 次に、製薬会社等のパートナーと共同研究開発を進める場合においては、当社からは当該パートナー企業に対して、情報や技術、研究成果等を提供する一方で、当社は当該パートナー企業から共同研究開発契約を締結した段階で契約一時金を受領します。共同研究開発契約締結後は、共同研究開発契約を行った対象の開発パイプラインにおいて設定する個別の各目標の達成状況に応じて共同研究達成マイルストン収入を受領します。 そして、ライセンス契約においては、当社からは当該パートナー企業に対して、情報や技術、研究成果等を提供する一方で、当社は当該パートナー企業からライセンス契約を締結した段階で契約一時金を受領します。ライセンス契約締結後は、当社はライセンス契約を行った対象の開発パイプラインにおいて設定する個別の各目標の達成状況に応じてライセンス達成マイルストン収入を受領します。さらに、ライセンス契約の対象の開発パイプラインの上市後は、当社は販売の一部からライセンスの販売ロイヤリティ収入を受領すると共に、販売の達成金額に応じて販売達成マイルストン収入を受領します。 (当社の一般的な収入形態) 収入形態   内容 共同研究契約一時金収入   共同研究契約を締結した際に、提携先から受領する収入 共同研究達成マイルストン収入   共同研究の開発パイプラインにおいて設定した目標の達成に応じて受領する収入 ライセンス契約一時金収入   ライセンスの対象とする開発パイプラインの独占的な製造・販売権等の対価として、提携先から受領する収入 ライセンス達成マイルストン収入   ライセンスの開発パイプラインにおいて設定した目標の達成に応じて受領する収入 販売ロイヤリティ収入   上市した製品の販売金額の一部を一定の割合に応じて受領する収入 販売達成マイルストン収入   上市した製品の販売金額達成額に応じて受領する収入 (事業系統図) (3)当社の開発パイプライン 当事業年度末現在における開発パイプラインの進捗状況は以下のとおりとなっております。 iPS創薬事業における開発パイプラインにおいては、ALSに関する開発パイプラインであるKP2011について、慶應義塾大学により、iPS創薬の手法でALS患者様の細胞から作製したiPS細胞から分化誘導した神経細胞に対して、約1,200の化合物の中から表現型スクリーニングによって見出したパーキンソン病治療の既存薬であるロピニロール塩酸塩をALS患者様に投与する医師主導治験(*20)(ALS患者様を対象としたロピニロール塩酸塩徐放錠内服投与による第Ⅰ/Ⅱa相試験)を以下の概要で実施いたしました。 試験期間   2018年12月~2021年3月 治験デザイン   二重盲検(*21)期:単施設, ランダム化, 二重盲検, プラセボ(*22)対照継続投与期:単施設, オープンラベル, 非盲検, 実薬継続投与 主な患者選択基準   ・ALSの診断基準(世界神経学会El Escorial改訂)における「ALS可能性高し 検査陽性」、「ALS可能性高し」または「ALS確実」に該当し、発症後60ヶ月以内である患者・ALSの重症度分類(厚生労働省 特定疾患研究調査2007.1.1)が1または2である患者・同意取得時点の年齢が20歳以上、80歳以下である日本人患者 症例数   家族性あるいは孤発性(*23)ALS患者20例 (実薬13例、プラセボ7例) 用法用量   ロピニロール塩酸塩徐放錠/プラセボ錠2mgを1日1回より開始し、一週毎に目標維持量16mgまで増量。全投与期間24週間 主要評価項目   安全性(本剤の投与による有害事象の発現割合、重症度等)及び忍容性(本剤の副作用が投与された患者にとってどの程度耐えることができるかどうか) 副次評価項目   有効性(本剤の投与による治療の効果の高さ) 慶應義塾大学による医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱa相試験)では、全患者様が、最大の量(16mg)を内服することができ、かつ、有害事象のほとんどが軽度なものであり、有害事象による内服の中止がなかったことから、ALS患者様に対するロピニロール塩酸塩の安全性と忍容性が確認できました。 また、有効性についても、ロピニロール塩酸塩の実薬群とプラセボ群に分けてそれぞれ投与した期間において、実薬群がプラセボ群と比較してALS患者様の総合機能評価や日常活動量の低下を抑制して、統計的に一定の有効性があることが示唆されました。 さらに、死亡または一定の病気の進行までの期間を生存期間として検討した結果、生存期間の中央値は、ロピニロール塩酸塩群(実薬群)50.3週、プラセボ群22.4週で、計1年の試験期間中に、プラセボ群と比較してロピニロール塩酸塩群において、病気の進行を27.9週間(約7ヶ月)遅らせる可能性が示されました。 加えて、ロピニロール塩酸塩群では、最初の6ヶ月の間に、複数の筋肉における筋力低下や活動量の低下が有意に抑制されることがわかりました。 上記の通り、慶應義塾大学において行われましたALS患者様を対象としたロピニロール塩酸塩徐放錠内服投与による第Ⅰ/Ⅱa相試験について、ALSに対してロピニロール塩酸塩の一定の安全性、忍容性および有効性が確認されました。なお、この結果につきましては、論文(「Cell Stem Cell」(Morimoto et al., 2023, Cell Stem Cell 30, 766–780 June 1, 2023))により公表されております。 当社は、慶應義塾大学による医師主導治験での成果を踏まえて、2023年3月にアルフレッサ ファーマ株式会社と日本国内における開発権・製造販売権の実施許諾の契約を締結しており、当社は本契約の対価として、契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストン収入、および販売に応じたロイヤリティ収入を受領することとなっております。 また、本契約により、アルフレッサ ファーマ株式会社が、日本国内におけるロピニロール塩酸塩を活用したALS治療薬の開発・製造販売する権利に基づき、企業治験を進めることになっており、2025年12月にアルフレッサ ファーマ株式会社より臨床研究等提出・公開システム(Japan Registry of Clinical Trials(通称jRCT))上でKA-2301(アルフレッサ ファーマ株式会社における徐放顆粒製剤のコード名)の第I相臨床試験を終了した旨を公表しております。当該臨床試験の目的は、「日本人健康成人男性を対象に、KA-2301及びレキップCR錠を絶食下において単回経口投与したときの薬物動態及び安全性を確認し、KA-2301とレキップCR錠との類似性について検討する。また、KA-2301の食事の有無による薬物動態及び安全性について検討する」ものとなります。 今後におきましては、2020年代後半での上市に向けて、主に導出先であるアルフレッサ ファーマ株式会社が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)等の各関係機関と協議を進めながら、第Ⅲ相試験(多数の患者様に対する安全性および有効性の検証を行う試験)の実施に向けた準備を推進してまいります。 当社といたしましても、上記アルフレッサ ファーマ株式会社との提携と並行して、慶應義塾大学との共同研究において、ロピニロール塩酸塩が新規メカニズムに基づいてALS治療効果を示す新規薬剤であることを明確にする研究開発の取り組みを行っております。 なお、同開発パイプラインにつきましては、北米、欧州、インド、中国への海外展開も視野に入れており、製薬会社等のパートナーとのライセンス契約締結に向けた事業開発を推進してまいります。 ALS以外の開発パイプラインについても、難聴疾患に関する学校法人北里研究所との共同研究契約を2026年3月まで延長し、企業治験の実施に向けた、より具体的なデータを取得し、円滑な治験開始に向けて準備を進めているだけでなく、2025年11月に学校法人慈恵大学とも新規神経変性疾患治療薬の作用機序解析に関する共同研究契約を締結し、iPS創薬事業における新たな開発パイプラインの開拓ならびに今後の臨床応用に必要な科学的根拠を体系的に解明・蓄積することを目的に研究を進めております。 その他の開発パイプラインについては以下のとおりになります。 まず、前頭側頭型認知症の開発パイプラインにおいては、化合物のスクリーニングを完了し、詳細な解析を実施しております。一定の作用メカニズムが確認できた段階で、PMDAに対する事前面談等を行い、その後の開発を実施してまいります。 次に、ハンチントン病の開発パイプラインにおいてもスクリーニングを実施しており、より高次の評価系を用いて化合物の選定を進めており、同開発パイプラインにおきましても最終化合物を選定し、一定の作用メカニズムが確認できた段階でPMDA事前面談を行う予定であります。 最後に、神経フェリチン症の開発パイプライン、那須・ハコラ病の開発パイプラインについても研究を進めており、引き続き、iPS創薬事業における各開発パイプラインの研究開発を推進してまいります。 引き続き、iPS創薬の各開発パイプラインについて、研究開発の進捗に応じて、一定の段階でパートナーと共同研究契約またはライセンス契約を締結すべく取り組んでまいります。 再生医療事業における開発パイプラインにおきましては、亜急性期の脊髄損傷について、慶應義塾大学が「亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療」の臨床研究を以下の概要で実施しております。 研究の開始   2021年6月開始 研究の目的   細胞移植の安全性評価を主として、副次的に有効性についても評価 主な患者選択基準   亜急性期脊髄損傷の患者(第 3/4 頚椎~第 10 胸椎高位、受傷後 14~28 日) 目標症例数   4症例 移植概要   iPS細胞から神経のもとになる細胞である神経前駆細胞を作製して凍結保存したうえで、患者の脊髄損傷部位に対して約200万個の細胞を注射で移植する 慶應義塾大学では、2021年12月に本臨床研究において、世界で初めてiPS細胞から作製した神経前駆細胞を亜急性期の脊髄損傷の患者様に移植いたしました(慶應義塾大学 2022年1月 「亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療」の臨床研究について)。 その後、第三者機関である独立データモニタリング委員会(*24)において、2022年3月に、本第1症例目の移植後3か月目までのデータをもとに治療開始後の安全性について評価を行い、第1症例目の患者様に対しての移植について安全性に問題はないという当委員会の判定を受け、本臨床研究における目標である4症例の移植を実施しております。 なお、本臨床研究については、2025年3月に当社の共同研究先である慶應義塾大学医学部等より『「亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療」の臨床研究について(経過観察の終了)』において、細胞移植後1年間の経過観察を完遂し、4症例すべてが安全性および有効性評価に含められた旨が報告されおります。 当社におきましては、本臨床研究の結果を受け、2025年11月に再生医療事業におけるKP8011(亜急性期脊髄損傷)に関する治験製品および今後上市する製品の主に流通部分を強化することを目的としてアルフレッサ株式会社と2025年11月に業務提携基本契約を締結しております。 今後におきましては、共同研究先である慶應義塾大学と連携し、当社主導による亜急性期の企業治験を円滑に進めるため、最適なiPS細胞の選定や分化誘導法の確立、脊髄損傷モデルマウスの評価、臨床に向けた大量培養方法の検討、臨床用iPS細胞の製品製造における委託先の選定、各種品質管理項目の検討等を推進すると共に、グローバルに再生医療等製品として販売を実施するために、製薬会社等のパートナーとの提携を引き続き進めてまいります。 また、慢性期の脊髄損傷および慢性期脳梗塞等の開発パイプラインについても研究開発の進捗に応じて、企業治験に向けた準備を進めると共に、一定の段階でパートナーと共同研究契約またはライセンス契約を締結すべく取り組んでまいります。 (用語解説) 番号   用語   内容 *1   筋萎縮性側索硬化症   重篤な筋肉萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患であり、筋肉そのものの病気ではなく、運動ニューロンに障害が起きる *2   アルツハイマー病   脳内に異常な凝集体(アミロイド班)と線維のもつれ(神経原線維変化)が特徴として現れて、記憶障害、思考力障害、言語障害等の認知症症状が起きる *3   脊髄損傷   事故やケガなどにより脊椎に圧迫が加わることで、脊椎の中にある筒状の神経の束である脊髄が損傷を受けた状態 *4   脳梗塞   脳内の血管が狭くなったり、血栓によって詰まることで、血液が流れなくなり、脳の神経細胞が壊死する状態 *5   亜急性期の脊髄損傷   脊髄が損傷を受けてから、約4週間以内にある脊髄損傷 *6   慢性期の脊髄損傷   脊髄が損傷を受けてから、一定の期間が経過した時期にある脊髄損傷 *7   iPS細胞   人の皮膚や血液等の細胞に少数の因子を加え培養することで、人工的に作製される、様々な細胞に分化することができ、かつ、増殖することができる多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell) *8   バリューチェーン   最適化された企業価値を生み出すための、原材料の調達から製造、流通、販売等の主活動とそれを支える支援活動の一体化した繋がり *9   バイオマーカー   特定の疾患の有無や病状の変化や治療の効果の指標となるもの *10   神経幹細胞   増殖・継代を繰り返すことができる自己複製機能と、中枢神経系を構成する細胞を作り出すことができる多分化機能を有する未分化な細胞 *11   分化誘導   iPS細胞から様々な異なる細胞への分化を引き起こすこと *12   表現型   薬剤の候補となる化合物を細胞等に加えることで対象とする疾患に関連して起きる現象 *13   in vitro   試験管や培養器の中で人や動物の細胞を用いて、体内と同様の環境を人工的に作り、薬物の反応を検出するもの *14   化合物ライブラリー   特定の指標やターゲットとする疾患領域に基づいてデザインされた既に開発された化合物の集まり *15   ヒット化合物   化合物スクリーニングの結果、良好な反応が得られた化合物 *16   アンメットメディカルニーズ領域   未だ有効な治療法が確立しておらず、患者からの要望が大きい疾患領域 *17   他家iPS細胞   他人の細胞から樹立したiPS細胞 *18   神経前駆細胞   未分化な状態を保ったまま増殖することが可能な自己複製能と、中枢神経系を構成するニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの3系統の細胞へと分化することができる多分化能を併せ持つ細胞 *19   脊髄損傷モデルマウス   人為的に脊髄損傷の状況を再現したマウス *20   医師主導治験   大学等で見出した薬の効果を確かめる場合に、医師が中心となり試験の計画、実施を行うこと *21   二重盲検   試験の被験者および実施者ともに、各被験者が実薬とプラセボのどちらの群に入っているか分からない状態とする方法 *22   プラセボ   治療効果を持たない(有効成分を含まない)薬剤(でんぷんや糖など) *23   孤発性   病気が発症する際に、散発的で遺伝以外の環境要因等複数の要因が考えられること *24   独立データモニタリング委員会   臨床試験の評価に必要とされる専門性を有する委員から構成され、試験実施中の中間データについて中立的な評価を行う組織。研究グループからは独立した組織であり、研究グループに対し、研究参加者の安全性の確保ならびに臨床研究実施の倫理的および科学的妥当性の確保のために適切な助言・勧告を行う
経営方針・対処すべき課題3,820字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する記載事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の方針 当社は「医療イノベーションを実現し、医療分野での社会貢献を果たします」を経営理念として掲げ、「再生医療および創薬の研究開発を踏まえ、一刻も早く、患者様に有効な医薬品を提供すること」を経営方針とし、神経疾患を主な対象領域として、iPS細胞を活用したiPS創薬事業と再生医療事業を展開しております。世界中でこれまでの医療では未だ有効な治療法のない病気に対して有効な治療法を見出すことに挑戦し続けることにより、社会の課題を解決して持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2)会社の経営環境 当社は、中枢神経疾患領域に対して、iPS細胞を活用したiPS創薬と脊髄損傷等の神経損傷部位に移植する再生医療等製品の開発を主たる事業としており、iPS創薬の市場規模は、Arthur D Littleが2021年に公表した疾患特異的iPS細胞バンク事業の利活用に関する最終報告書(注1)によると、世界の精神・神経系のiPS創薬貢献市場規模は、2040年に6.1兆円と予測されております。 また、再生医療の市場規模は、経済産業省が2020年に公表した再生医療等製品市場規模(注2)によると、2050年には日本国内市場2.5兆円、世界市場38兆円と予測されております。 このように当社の事業環境は成長基調にあり、長年の最先端の基礎研究で蓄積された成果を基盤としていること、豊富な経験や知識を有する研究人員体制、慶應義塾大学等との産学連携のネットワーク、iPS細胞から神経細胞に分化誘導する技術および最適な化合物スクリーニングを行う表現型の確立等の当社の強みを活かすことで、事業の成長が見込まれると考えております。 (注)1.Arthur D Little 2021年3月 「令和2年度 疾患特異的iPS細胞バンク事業の利活用に関する調査 最終報告書」 https://www.amed.go.jp/content/000079225.pdf 2.経済産業省 商務・サービスグループ 生物化学産業課 2020年3月2日 「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた 基盤技術開発事業 複数課題プログラムの概要」 https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000R01/200302_regenerative_medicin e_1st/regenerative_medicine_1st_05.pdf (3)会社の経営戦略 当社は、2007年に京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製したヒトiPS細胞を活用して、病気の患者様の細胞から作製したiPS細胞を用いて分化誘導した神経細胞に対して既存の医薬品や化合物による表現型スクリーニングを行うことで有効な医薬品を見出すiPS創薬事業と、人体の損傷部分に直接細胞を移植することにより治療を行う再生医療事業をハイブリッドで展開することによって、事業リスクを分散すると共に、事業間の技術やノウハウ等の共有により各事業の活性化を図ってまいります。また、慶應義塾大学医学部で長年培った最先端の基礎研究の成果を直接的に事業活動に活用する「From Basic to Clinical」戦略と同時に、難治性の希少疾患の研究開発から患者様の数の多い一般的な病気の研究開発に結び付ける「From Rare to Common」戦略を推進してまいります。 また、ビジネスモデルとしては、当事業年度末現在におきましては、慶應義塾大学医学部等の大学機関や医療機関が保有する基礎研究の成果や特許等の知的財産権の独占的な実施許諾権等に基づいた開発パイプライン、または、当社自らが基礎研究を進めた成果に基づいた開発パイプラインについて、製薬会社等のパートナーと、基礎/探索研究から企業治験の各段階において、共同研究開発や将来の製造販売等の権利の一部または全部を譲渡するライセンス契約を締結するものでありますが、特に再生医療事業(国内)におきまして、中長期的には、自社で製造販売を行うための取り組みを推進してまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、医薬品と再生医療等製品の研究開発を推進するバイオベンチャー企業であり、現時点においては、継続的に売上を計上する段階には至っておりません。従いまして、iPS創薬事業および再生医療事業の各開発パイプラインの研究開発の進捗状況を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、主に難治性の神経疾患に対して、iPS創薬事業と再生医療事業をハイブリッドで事業展開しており、一刻も早く患者様の元に有効な治療法を届けるために研究開発を推進しております。 このような中、当社が優先的に対処すべき課題として認識している事項は、以下のとおりであります。 ①研究開発の推進 当社は、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを事業目的としており、研究開発の推進こそが当社の取り組むべき最大の課題と考えております。 iPS創薬事業におきましては、前事業年度に引き続き、難治性の神経疾患の一つであるALSに対するロピニロール塩酸塩の第Ⅲ相試験(多数の患者様に対する安全性および有効性の検証を行う試験)の準備を進めており、患者様へ安全で有効な治療薬を届けることができるようにしてまいります。その他の開発パイプラインにおいても一刻も早く有効な治療薬候補を見出せるように研究開発を推進してまいります。 また、再生医療事業におきましては、亜急性期脊髄損傷の医師主導の臨床研究が行われており、2025年3月21日に当社の共同研究先である慶應義塾大学医学部等により発表された『「亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療」の臨床研究について(経過観察の終了)』によると、目標通り4症例への移植を実施し、細胞移植後1年間の経過観察を完遂し、4症例すべてが安全性および有効性評価に含められた旨が報告されております。 当該研究の完了後に当社が企業治験を行う予定にしていることから、大量培養法の確立やGMP(Good Manufacturing Practice)対応試薬への切替、製品規格の元となるデータの取得等、治験薬製造に向けた検討を進めると共に臨床用iPS細胞の製品製造におけるCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)の選定も並行し、臨床用iPS細胞の選定後、遅滞なく製造に移行できるよう研究開発を推進してまいります。 ②優秀な人財の確保 当社が行っているiPS創薬事業、再生医療事業における研究開発は、最先端の基礎研究が基になっており、非常に高度な専門性が要求されております。 さらに国内外の製薬会社やバイオ企業との開発競争の激化が予想される中で、より一層の研究開発の加速や他社との差別化が求められることから、採用活動の推進や適切な人事考課の実施等を行うことにより、優秀な人財の継続的な確保に努めてまいります。 ③法令遵守等の推進 当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、当社の属する業界は、監督官庁による規制、法令遵守および知的財産権の管理に関してグローバルな視点で対応することが重要となっております。 このような状況を踏まえ、当社では、法令遵守や社会的責任を果たすために「内部統制の基本方針」を定めており、社内管理体制およびリスク・コンプライアンスの管理体制の強化を継続して行ってまいります。 ④研究開発に必要な資金の確保 当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、一般的に多額の研究開発費用を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、継続的に営業損失を計上する傾向があります。 当社も同様の傾向を有しており、当事業年度においても営業損失を計上し、且つ将来の収益獲得の不確実性を考慮いたしますと、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しているものの、今後の研究開発に必要となる運転資金を十分に確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。 しかしながら、当社はまだ安定的な収益基盤や資金基盤が確立されているわけではなく、業績は不安定に推移する可能性があり、適切なタイミングおよび条件で資金調達できる保証はないことから、複数の開発パイプラインのライセンスアウトを推進すると共に、2025年12月に払込のあった転換社債型新株予約権付社債に限定せず、直接金融および間接金融による幅広い資金調達手段の確保等を図ることで、研究開発の推進に必要な資金の確保に努めてまいります。
事業等のリスク10,640字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりとなります。影響度や発生可能性が高いとはいえないものについても、投資判断または当社の事業活動を十分に理解するうえで、重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点から、リスク要因として挙げております。ただし、これらは、当社に関するリスクを全て網羅したものではありません。 当社は医薬品等の研究・開発・製造・販売を事業目的としておりますが、一般に医薬品等の研究開発には、前臨床の研究から臨床研究、上市に至るまで、長い期間と多額の研究開発費用を要することが多く、また、全ての開発パイプラインが上市するとは限りません。特に研究開発段階の開発パイプラインを有するバイオベンチャー企業については、事業や開発パイプラインの研究開発の段階によっては、一般の投資家の投資対象としては相対的に投資リスクが高いと考えられており、当社株式への投資はこれに該当いたします。 当社は、リスク・コンプライアンス委員会における検討および取締役会での議論により、これらのリスクの発生の可能性や影響度合い、頻度を十分に認識したうえで、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項および本項以外の記載もあわせて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えます。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)医薬品等の研究開発に関するリスク ①開発パイプラインの不確実性に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、これらは、一般的に多額の研究開発費用と長い年月を要し、治験の実施に関連する要因や、治験データの解析や評価結果が当初の予想と異なる等の理由により、研究開発が予定どおりに進行せず、研究開発期間の延長や中止の判断をするリスクがあります。また、「(2)安全性および法的規制等に関するリスク」に記載のとおり、各国の薬事関連法等の法的規制の適用を受け、新たな医薬品等の製造および販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性および品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市できずに延期になる、あるいは上市を断念する可能性があります。さらに、承認が下りて上市した後においても、再審査の結果、承認が取り消される可能性や、追加調査に伴うコストが発生する可能性があります。これは、当社の開発パイプラインでも同様となります。 当社といたしましては、iPS創薬事業並びに再生医療事業において、複数の開発パイプラインを推進することで、適切な費用配分によるリスク分散を実施し、大学や研究機関等との連携の中で、新たな開発パイプライン等の経営資源の獲得を継続的に行ってまいりますが、自社の研究開発した医薬品または再生医療等製品等の候補の上市が延期または中止された場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②技術革新に関するリスク(影響度:小、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期) 当社の行っているiPS創薬事業、再生医療事業の研究開発は最先端の基礎研究が基になっており、技術の革新および進歩が著しく速いバイオテクノロジー分野に属しております。そのため、当社は、大学や研究機関等、並びに大手製薬会社等との連携による最先端の研究成果・情報を速やかに導入できる体制を構築すると共に、国内外から優秀な人財を確保することにより技術革新の継続的な推進を行ってまいります。しかしながら、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を他社が開発し関連特許を取得したり、先行して上市するなどにより市場における優位性を失ったりした場合、急激な技術の革新・進歩等により、当社がそのスピードについていくことができなかった場合、または、当社が行っている研究開発の内容に陳腐化が生じ、その対応に想定以上のコスト等を要するような場合には、当社の事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)安全性および法的規制等に関するリスク ①副作用発現に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期) 当社がiPS創薬事業、再生医療事業の研究開発で取り扱っている医薬品および再生医療等製品には、臨床試験段階からさらには上市以降においても、予期せぬ副作用等が発現する可能性があります。当社といたしましては、将来的に患者様や医療関係者への迅速な情報提供が可能となるように情報提供体制および各関係医療機関とのネットワークを構築し、製造物責任を含めた各賠償責任に対応できるよう医薬品等の添付文書の記載、適切な保険への加入等を行ってまいりますが、予期せぬ副作用等が発現した場合、当社に対する信頼に悪影響が生じ、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②ヒト由来の原材料の使用に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期) 当社が再生医療事業の研究開発で取り扱っている再生医療等製品は、ヒト由来のヒト細胞・組織を原材料としており、その原材料の特性に起因する感染の危険性を完全に排除し得ないことなどから、安全性に関するリスクが存在するとされています。当社といたしましては、前臨床および臨床研究の段階で安全性の基準に従った評価・確認を徹底し、外部の専門家との円滑な連携体制を構築することで、製造、流通、販売等の各サプライチェーンにおける安全性を確保してまいります。また、将来的に製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入してまいります。しかしながら、当社の再生医療等製品を患者様の体内に移植することにより、安全性に関するリスクが顕在化した場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③薬価規制に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社が取り扱いを予定している医薬品および再生医療等製品の価格は各国の医療行政における薬価規制の影響を受けており、世界的な医療費抑制の動向の中、薬価改定を含めた医療制度改革の施策が行われております。かかる動向を受けて、今後上市を目指す当社の医薬品および再生医療等製品の薬価が想定を下回る可能性があり、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④海外市場に関するリスク(影響度:小、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期) 当社が取り扱いを予定している医薬品および再生医療等製品は、国内市場のみならず海外でも需要が見込まれており、事業拡大戦略の一環として、海外展開を目指しております。なお、現地への進出にあたっては、金融機関や各種専門機関等との連携により、現地の市場動向や関連法令の有無・内容等に関する調査を行い、慎重な判断を行う予定でおります。また、海外企業等と取引において外貨取引が増加する可能性があり、経営管理部が為替相場のモニタリングを行っておりますが、今後、予期しない法規制の変更、政情不安等による社会的混乱等のリスクが顕在化し、計画どおりに海外展開が進展しなかった場合、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤医薬品に関する法令その他の規制に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を目的とした事業を行っており、一般的に研究、開発、製造および販売のそれぞれの事業活動において、各国の医薬品等に関する法規制、薬事行政指導、医療保険制度並びにその他関係法令等により、様々な規制を受けております。また、基礎研究から製造・販売の承認を取得するまでに多大な開発コストと長い年月が必要となりますが、研究開発期間中に規制等の改定が生じ、計画時に見込んでいなかった事由により、規制当局から、追加的な試験を求められたり、承認の時期が遅れる等の事象が発生する場合があるだけでなく、医薬品等として規制当局が認めない場合には、上市自体が困難になる可能性があります。これらは、当社の医薬品等を他社へ導出する場合にも影響があり、当初計画した条件での導出が行えない、導出そのものが困難となる、導出に関する契約内容が変更になる、または導出契約が解消される可能性があります。さらに、医薬品等として承認を取得できたとしても、健康保険の対象として保険収載されない、計画どおりの保険価格が付されない可能性があります。当社といたしましては、日本および海外の医療行政や薬事規制の動向を各専門家から迅速に把握し、各開発パイプラインの進捗に応じて適切に規制当局等の行政機関との連携を推進してまいりますが、将来、各国の医薬品等に関する関連法令等の諸規制に大きな変化が生じたり、健康保険の対象として保険収載されない等の事象が生じた場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)知的財産権に関するリスク ①知的財産権に関するリスク(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社は事業を進める中で特許権等の様々な知的財産権を使用することになり、この知的財産権には自社所有のものだけではなく、知的財産権の保有者から実施許諾を受けているものや受けようとしているものも含まれますが、当社が必要とする知的財産権について実施許諾を得られない場合や、当社が保有または実施許諾を受けている現在出願中の特許が全て成立する保証はなく、さらに、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた他社の研究開発により、当社の特許技術が淘汰される可能性は常に存在しております。また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、外部の知財事務所等の専門家と連携し、前臨床段階における特許侵害に関する予防調査等の事前確認含め、当社が必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で紛争が発生した事実はありません。社内においても、当社は特許法等の定めに基づき「職務発明取扱規程」を制定し、役員および従業員等の職務発明等の譲渡を受ける体制を整えており、これまで発明者との間で問題は生じておりません。 しかしながら、当社のような研究開発型企業にとって特許技術の淘汰を含めた知的財産権の問題を完全に回避することは困難であり、当社が必要とする知的財産権の実施許諾を得られない場合、当社が使用できる権利のある特許権等の権利範囲に含まれない優れた技術が他社により開発される場合、または第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)事業内容に関するリスク ①慶應義塾大学との関係に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期) 当社は、慶應義塾大学との共同研究で必要となる費用を負担している他、同大学が保有する特許権の一部について独占的実施許諾契約を締結しており、当該契約は特許権の独占的実施許諾を第三者に実施許諾する場合に、契約一時金およびかかる特許権を第三者に実施許諾したことによる収入(マイルストン収入、ロイヤリティ収入)の一定料率に相当する金額を同大学に支払うこと等を定めたものであり、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております。また、同大学の組成する慶應イノベーション・イニシアティブ2号投資事業有限責任組合は当社の株式を保有しております。 同大学との取引については、良好な関係を維持しつつも当社または株主の利益を害することのないよう、法規制を遵守すると共に、当社として利益相反管理方針を定め、当該方針に則り適切に利益相反の運営管理を行い、研究開発や治験を進めております。また、同大学との取引決定に当たっては特別利害関係人への該当/非該当について顧問弁護士からの助言に基づき慎重に判断を行ったうえで取締役会での事前承認を得ることを原則とし、監査役監査においても、同大学との契約関係が適切な手続きを経て締結されていることを確認しております。また、同大学でも、利益相反マネジメント・ポリシーにおいて同大学における透明性のある産学連携を推進するための基本方針を定めると共に、利益相反マネジメント内規において各部門(各学部・大学院各研究科等)での利益相反マネジメントを行う体制を定めており、同大学教授であり再生医療リサーチセンター センター長を務めております当社取締役の岡野栄之、および同大学医学部整形外科学教室の教授を務めております当社取締役の中村雅也につきましても適切に遵守しております。しかしながら、利益供与を疑われる等の事態が発生した場合は、当社の利益および社会的評価を損ねる可能性があり、その結果として当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②経営上の重要な取引に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期) 当社は、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を推進しており、その研究開発や製造、流通、販売の各段階において、適切なバリューチェーンの確立を図ると共に必要な契約を締結しております。当該契約のうち、特に重要と考えられる取引に関する契約の概要は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載のとおりであり、現時点において、その相手先との間で、当該契約の遂行および継続に支障をきたすような事象は発生しておらず、かつ当該契約の締結にあたっては、条項に過不足がないよう顧問弁護士等の外部専門家から適切な助言を頂いております。 また、当社といたしましては、今後も事業基盤の強化、効率的な経営の実現に向け、パートナー企業との円滑なコミュニケーションを通じ、広範な提携関係を構築してまいりますが、当社の計画どおりに提携関係が構築できない、提携関係に想定し得ない変化が生じる、提携の効果が当初の計画を下回る、提携関係が当社の意図に反して解消される等の事象が生じた場合や当該契約の期間満了、相手先の経営状態の悪化や経営方針の変更による契約解除その他の理由による終了、または当社にとって不利な契約内容の変更が行われた場合には、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③収益計上に関する不確実性のリスク(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社の収益モデルは、大手製薬企業等との共同開発および販売権のライセンスアウトによる収益化を基本としておりますが、このような収益モデルは、相手先企業の経営方針の変更や経営環境の極端な悪化等の、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性があります。また、当社の業績予想策定の過程で製品上市前に所定の成果達成に基づくマイルストン収入を見込む場合がありますが、この発生時期は開発の進捗に依存し、販売金額についても、当社の想定より異なる可能性のある不確実なものとなります。なお、再生医療事業では自社による製造販売を行う収益モデルの構築を推進してまいりますが、この収益計上に関しても開発の進捗状況に依存した不確実なものとなります。当社では、このような収益計上に関する不確実性を低減させるため、複数の開発パイプラインの収益化を推進していく方針になりますが、相手先企業の経営方針等や販売動向、開発の遅延、中止等により、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④業績および資金繰りに関するリスク(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、一般的に多額の研究開発費用と長い時間を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。 当社も同様の傾向を有しており、且つ「③収益計上に関する不確実性のリスク」に記載のとおり、将来の収益獲得に不確実性があることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しております。 このような事象または状況を改善するため、業務推進に必要な一定の資金を確保するよう進めた結果、十分な運転資金の確保ができていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。また、上記に加えて2025年12月に払込のあった転換社債型新株予約権付社債により資金調達を行っております。 しかしながら、当社はまだ安定的な収益基盤や資金基盤が確立されているわけではないことから、売上高、当期純利益(又は純損失)は不安定に推移し、適切なタイミングおよび条件で資金調達できる保証はないことから、複数の開発パイプラインのライセンスアウトによる収益化を推進するとともに、直接金融および間接金融による幅広い資金調達手段の確保等の推進を図ってまいりますが、それらの収益化や資金確保について遅延や中止が生じた場合、当社の業績および資金繰りに重大な影響を及ぼし、事業の継続・拡大に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤資金調達の使途に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社は、公募増資および社債の発行等により調達した資金を①iPS創薬事業、再生医療事業のそれぞれの開発パイプラインの研究開発資金、②米国への今後設立予定である研究所の関連資金、③その他の運転資金として充当していく方針でありますが、事業環境の変化や市場動向、予期せぬ事業上の要因等によりその資金用途や比重が変更となる可能性がございます。 資金使途や比重に関して、開示すべき事項が生じた場合には、速やかに情報を開示し、透明性の確保に努めてまいりますが、当該事象が当社の業績や財務状況、株価に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)人材に関するリスク ①社歴に関するリスク(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期) 当社が行っているiPS創薬事業、再生医療事業における研究開発は、最先端の基礎研究が基になり、非常に高度な専門性が要求されることから、専門分野における知識・経験を有する人財を採用することが非常に重要になっておりますが、当社は企業体としての経験がいまだ浅く、今後予測できない事業上の問題等が発生し、必要な人財を確保できない場合には、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②小規模組織に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期) 当社は、医薬品等を取り扱う企業としては小規模な組織であるために、役員および従業員一人一人が担当する業務および責任の範囲は相対的に広範となっており、退職や休職等に対応する人員の補充が十分ではない環境にあります。今後の事業拡大に伴い、中長期的に医薬品業界を中心とした優秀な経験者の採用を推進することで必要な人員増加を図ると共に、社内外のセミナーや勉強会等への参加による社員教育やノウハウの共有により人財育成の強化を図ってまいりますが、必要な人財の採用が進まず、また、多くの人財流出等があった場合には、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③特定の人物への依存に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期) 当社は、慶應義塾大学教授であり、再生医療リサーチセンター センター長を務めております岡野栄之、同大学医学部整形外科学教室の教授を務めております中村雅也の研究成果の事業化を目的とし、医薬品および再生医療等製品の研究・開発・製造・販売を事業目的として設立した企業であり、当社の創業者兼取締役でもある両名の長年の基礎研究の成果を生かし、事業を推進してまいりました。また、現在の当社と同大学との共同研究においても両名が中心的な役割を担っていることから、当社の研究開発活動および事業の推進において両名への依存度は高いと考えられます。さらに、両名は、当社の大株主でもあり、当社の経営基盤の安定のためにも、重要な位置付けを有しております。当社といたしましては、国内外の優秀な人財の確保を行うことにより社内の研究開発体制の強化や開発パイプラインの拡充を推進してまいりますが、今後も両名の当社への関与が重要であると考えており、何らかの理由により岡野栄之または中村雅也の関与が困難となった場合等には、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)その他のリスク ①情報漏洩に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期) 当社は、研究開発に関連した技術、ノウハウ等や事業上の秘密情報を保持しております。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、情報セキュリティ関連規程を制定すると共に、情報の取り扱いに関する社員研修や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制の強化を推進しております。しかしながら、ソーシャルメディア等からの情報漏洩、外部からの不正アクセスやランサムウェア攻撃等の高度なサイバー攻撃等を受けることにより、情報が流出する可能性は存在し、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜を招き、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②剰余金の分配に関するリスク(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期) 当社は、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績および財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討することを目指しておりますが、当事業年度末現在において利益剰余金はマイナスであり剰余金の分配を実行するためにはこれを解消する必要がございます。また、当面は、多額の先行投資を伴う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、配当等の株主還元は行わない方針としております。なお、収益計上額の大幅な変動または収益計上の時期の変更等により、将来的な剰余金の分配が遅れる可能性があります。 ③増資等の資金調達に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期) 当社は中長期的な研究開発の中で多額の研究開発資金を必要としており、資金需要に応じて、市場において増資を含む資金調達を行うことにより、当社の発行済株式総数が増加することで、1株当たりの株式価値が希薄化し、当社株式の価値が低下する可能性があり、また、機動的な資金調達が困難となった場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④新株予約権に関するリスク(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期) 当社は、当社取締役、従業員および社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人財を確保する観点から、ストックオプション制度を採用しております。会社法第236条、第238条および第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、従業員および社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っております。また、2025年12月に発行された転換社債型新株予約権付社債により新株予約権が増加しております。 当事業年度末現在における当社の発行済株式総数は11,609,600株であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は27.2%となっております。これら新株予約権の権利がすべて行使された場合は、最大で新たに3,154,998株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。さらに今後も優秀な人財の確保等のために新株予約権を活用する可能性があり、付与された新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 ⑤ベンチャーキャピタル等による当社株式売却に関するリスク(影響度:中、発生可能性:大、発生可能性のある時期:中期) 当事業年度末現在における当社の発行済株式総数のうち、ベンチャーキャピタルおよびベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)が保有している当社株式の割合は18.4%であります。 一般に、ベンチャーキャピタル等の出資目的は、株式公開後に当該株式を売却することによるキャピタルゲインの獲得であり、公開後一定期間株式を保有するロックアップ期間を終えていることから、今後においてベンチャーキャピタル等が所有している当社株式の売却が想定され、当該株式の売却によって、当社株式に関する市場の需給バランスが崩れることにより、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。 ⑥自然災害、感染症の流行等の発生に関するリスク(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期) 当社の事業拠点の周辺地域において大規模な自然災害や感染症の流行等が発生した場合、様々な事業活動が制約を受け、当社の医薬品および再生医療等製品の研究開発と、その後の製造・物流・販売体制の構築に遅延が生じ、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,187字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産は2,890,790千円となり、前事業年度末と比較して542,650千円増加いたしました。主な要因は、その他が5,086千円減少したものの、現金及び預金が523,637千円増加したことによるものであります。 固定資産は48,430千円となり、前事業年度末と比較して43,496千円増加いたしました。これは、敷金及び保証金が43,496千円増加したことによるものであります。 この結果、総資産は2,939,220千円となり、前事業年度末と比較して586,147千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は101,769千円となり、前事業年度末と比較して38,308千円増加いたしました。主な要因は、未払費用が20,839千円増加、未払金が16,985千円増加したことによるものであります。 固定負債は1,572,015千円であり、前事業年度末と比較して1,540,715千円増加いたしました。これは社債が1,500,000千円増加、資産除去債務が40,715千円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は1,673,785千円となり、前事業年度末と比較して1,579,024千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は1,265,435千円となり、前事業年度末と比較して992,877千円減少いたしました。主な要因は当期純損失を993,227千円計上したことによります。 なお、5月31日付で無償減資および欠損填補を行ったことにより、資本金が90,000千円減少、資本剰余金が756,455千円減少した一方で、利益剰余金が846,455千円増加しておりますが、純資産内での振り替えである為、純資産合計に対する影響はございません。 この結果、自己資本比率は43.1%(前事業年度末は96.0%)となりました。 ② 経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、継続的な給与水準引き上げ等により、雇用・所得環境に改善が見られるものの、総務省から2026年1月23日に公表された「2020年基準消費者物価指数 全国2025年(令和7年)12月分」によると、消費者物価指数の総合指数は2020年を100として113.0であり、2024年12月との比較では2.1%の上昇と高水準で推移し、実質賃金のプラス転換には至らなかったことから、消費者の購買意識の冷え込みが引き続き懸念され、米国の関税政策や不安定な国際情勢等、依然として先行きの不透明な状況が続いております。 当社は慶應義塾大学医学部発ベンチャー企業として、iPS細胞を活用した創薬事業(以下「iPS創薬事業」という。)、iPS細胞を活用した再生医療事業(以下「再生医療事業」という。)の研究・開発とその収益化を短期的な視点だけではなく、中長期的な視点も意識して推進しております。 iPS創薬事業では、6つの開発パイプラインの研究を行っており、その内のALS(※1)に関する開発パイプラインにおいては、開発権・製造販売権許諾契約締結先であるアルフレッサ ファーマ株式会社が2025年12月25日に臨床研究等提出・公開システム(Japan Registry of Clinical Trials(通称jRCT))上でKA-2301(※2)の第I相臨床試験を終了した旨を公表しております。当該臨床試験の目的は、「日本人健康成人男性を対象に、KA-2301及びレキップCR錠を絶食下において単回経口投与したときの薬物動態及び安全性を確認し、KA-2301とレキップCR錠との類似性について検討する。また、KA-2301の食事の有無による薬物動態及び安全性について検討する」ものであり、一刻も早く患者様に治療薬を届けるために、アルフレッサ ファーマ株式会社と共に検証的治験(第Ⅲ相試験)に向けて準備しているところとなります。 研究成果という点では、2025年8月18日(米国時間)に国際的な学術雑誌であるJournal of Neurochemistryに「Ropinirole functions through a dopamine receptor D2-independent mechanism to ameliorate amyotrophic lateral sclerosis phenotypes in TARDBP-mutant iPSC-derived motor neurons」の論文が掲載されており、これはALSにおけるロピニロール塩酸塩の作用機序に関する研究成果であり、慶應義塾大学の岡野栄之教授の研究グループとの共同研究で得られた成果となります。 ALS以外の開発パイプラインについても、難聴疾患に関する学校法人北里研究所との共同研究契約を2026年3月まで延長し、企業治験の実施に向けた、より具体的なデータを取得し、円滑な治験開始に向けて準備を進めているだけでなく、2025年11月20日に学校法人慈恵大学とも新規神経変性疾患治療薬の作用機序解析に関する共同研究契約を締結し、iPS創薬事業における新たな開発パイプラインの開拓ならびに今後の臨床応用に必要な科学的根拠を体系的に解明・蓄積することを目的に研究を進めております。 また、2025年6月11日から14日に開催されたInternational Society for Stem Cell Research (ISSCR)(※3) 2025 annual meetingにおいて、FTD(前頭側頭型認知症)について研究成果の発表を行う等、各開発パイプラインを研究計画に沿って進めております。 再生医療事業では、5つの開発パイプラインの研究を行っており、その内の亜急性期脊髄損傷に関する開発パイプラインにおいて、2025年3月21日に当社の共同研究先である慶應義塾大学医学部等により発表された『「亜急性期脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた再生医療」の臨床研究について(経過観察の終了)』によると、目標通り4症例への移植を実施し、細胞移植後1年間の経過観察を完遂し、4症例すべてが安全性および有効性評価に含められた旨が報告されたことを受け、2025年4月4日に学校法人慶應義塾とこれまでの共同研究成果を引き継いだ共同研究契約等を新たに締結しております。 また、前述のInternational Society for Stem Cell Research (ISSCR) 2025 annual meetingにおいては、当社取締役である岡野栄之慶應義塾大学教授、中村雅也慶應義塾大学教授からそれぞれ「脊髄損傷に対する細胞移植と神経調節のコンビネーションに関する機会と課題」、「iPS由来神経幹細胞を用いた脊髄損傷に対する再生医療」等の研究成果発表も行われております。 これらの成果を受け、当社の医薬品及び再生医療等製品のサプライチェーン構築推進の為、再生医療事業におけるKP8011(亜急性期脊髄損傷)に関する治験製品および今後上市する製品の主に流通部分を強化することを目的としてアルフレッサ株式会社と2025年11月に業務提携基本契約を締結すると共に、同社との間で投資契約を締結し、同社を割当予定先とする無担保転換社債型新株予約権付社債を発行することで、今後の研究開発資金をはじめとした必要な資金の確保を行っております。 このような状況の中、当事業年度におきましては、研究開発費を414,525千円(前年同期は451,642千円)計上した結果、営業損失は916,056千円(前年同期は836,346千円の営業損失)、経常損失は920,527千円(前年同期は836,243千円の経常損失)、当期純損失は993,227千円(前年同期は846,455千円の当期純損失)となりました。 なお、当社は、医薬品等の研究・開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ※1 ALS:筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis) 日本国内では1974年に特定疾患に認定された指定難病であり、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種であり、極めて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡し、治癒のための有効な治療法は現在確立されておりません。 ※2 KA-2301 アルフレッサ ファーマ株式会社における徐放顆粒製剤のコード名となります。 ※3 International Society for Stem Cell Research (ISSCR) 国際的な幹細胞研究振興、研究者育成、幹細胞の基礎及び応用に関する情報や幹細胞研究・臨床応用に関するガイドライン等の発信を行う、米国に本拠を置く独立した非営利独立組織。幹細胞研究の組織体としては、世界で大きな影響力があると考えられる国際学会。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の減少918,005千円、投資活動による資金の減少54,683千円、および財務活動による資金の増加1,496,325千円により、前事業年度末と比較して523,637千円増加し、2,791,835千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動による資金の減少は、918,005千円(前事業年度は983,719千円の減少)となりました。主な要因は、減損損失の計上69,970千円があったものの、税引前当期純損失990,498千円の計上ならびに法人税等の支払額による減少1,574千円があった為になります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動による資金の減少は、54,683千円(前事業年度は14,490千円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出11,186千円および敷金及び保証金の差入による支出43,496千円があった為になります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動による資金の増加は1,496,325千円(前事業年度は増減なし)であり、主な要因は社債の発行による収入1,495,975千円があった為になります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。 b 受注実績 当社は受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。 c 販売実績 該当事項はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。経営者は、これらの見積を行うにあたり、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (販売費及び一般管理費、営業損失) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、916,056千円(前年同期は836,346千円)となり、79,709千円増加しております。 主な要因は、研究開発費は前年並の414,525千円(前年同期は451,642千円)であったものの、事業開発強化により人員が増加し、前年度と比較し、人件費が51,293千円増加した為であり、この結果、営業損失は、916,056千円(前年同期は836,346千円の営業損失)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常損失) 当事業年度において、営業外収益は3,018千円、営業外費用は7,490千円発生しました。 この結果、経常損失は、920,527千円(前年同期は836,243千円の経常損失)となりました。 (特別損失、当期純損失) 当事業年度において、減損損失による特別損失が69,970千円発生しました。また、法人税、住民税及び事業税を2,729千円計上した結果、当期純損失は993,227千円(前年同期は846,455千円の当期純損失)となりました。 なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の資金需要の主なものは、研究開発費および事業運営費等であり、研究開発費には、継続的な候補物質の探索や候補物質の製品化に向けた開発費用、研究人員にかかる人件費、研究設備費用、共同研究費用並びに外部委託費用等が含まれます。 当社は、これらの資金需要を手元資金で賄う方針としておりますが、2025年12月に払込のあった転換社債型新株予約権付社債を含め、株式市場からの資金獲得や補助金の獲得等を行うことにより、安定的な財源の確保を図ってまいります。 また、手元資金に関しましては、流動性の高い現預金で保有することとし、流動性リスクを管理しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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出典

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