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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,959.24+192ドル円158.93-1NASDAQ26,195.71+96S&P 5007,663.84+32SOX 指数11,328.43+409/2終値

ソレイジア・ファーマ

4597 · Growth · 医薬品

がん領域の革新的医薬品を開発・販売するスペシャリティファーマ。日本とアジアに特化した臨床開発を展開。

概要

ソレイジア・ファーマは、がん領域に特化したスペシャリティファーマである。海外の製薬企業やバイオベンチャーから有望な医薬品候補を導入し、日本やアジアで臨床開発を実施した後、販売権を導出するビジネスモデルをとる。2007年に設立され、2017年に東証マザーズ(現グロース)に上場。従業員数22名の少人数体制で、3つの製品を上市している。

ライセンス導入と導出で価値を生む事業モデル

当社グループは自社で基礎研究を行わず、海外のバイオベンチャーや製薬企業から医薬品候補を導入する。導入段階は早期開発から後期臨床まで幅広く、日本や中国での臨床開発を通じて価値を高める。承認取得後は各地域の販売パートナーに権利を導出し、契約一時金やマイルストン、ロイヤリティを得る。このアセットライト型のビジネスモデルにより、少人数で複数の開発品を同時に進めることを可能にしている。

上市済み3製品と開発パイプライン

現在、3つの製品が上市されている。化学療法に伴う悪心・嘔吐を適応とするSancuso、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫を対象とするダルビアス、放射線・化学療法による口内炎の疼痛管理に用いるエピシルである。パイプラインとしては、化学療法誘発性末梢神経障害を対象とするSP-04(PledOx)と、フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強を目的とするSP-05(アルホリチキソリン)があり、SP-04は開発を留保中、SP-05は国際共同第III相試験の結果を受けて開発を再開している。

日本・中国を軸とした地域展開

当社グループの主たる事業地域は日本と中国である。中国には医薬情報提供を担う子会社を上海に置く。製品の販売は各地域の有力企業との提携に依存しており、Sancusoの中国販売はMAAB Pharma、ダルビアスの日本販売は日本化薬、エピシルの中国販売はGenSciが担う。さらに、東欧やブラジルなどへの導出も進めており、パートナー企業を通じてグローバルに製品を届ける体制を構築している。

22名の専門家集団が開発を担う

当社グループの従業員数は22名と極めて少ない。開発部門は国際的な製薬企業での経験を持つ人材で構成され、臨床試験の計画・管理・当局対応を自ら行う。試験の実施は外部の開発業務委託機関(CRO)に委託し、固定費を抑えつつ複数のプロジェクトを同時に進める。少人数ゆえに迅速な意思決定が可能であり、変化する開発環境に柔軟に対応することを強みとしている。

業界の中での役割はスペシャリティファーマ(医薬品開発企業)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
4億円
営業利益
-9億円
営業利益率
-225.0%
純利益
-9億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01がん領域(医薬品)主力

当社グループは、悪性腫瘍治療薬の開発・販売を主たる事業領域としています。導入した医薬品候補の臨床開発を日本や中国などアジアで実施し、承認を得た製品を他社へ導出することで収益を得るビジネスモデルです。

主な製品・サービス2
がん治療薬(開発品)
悪性腫瘍の治療を目的とした医薬品で、現在複数の開発品があります。
医療機器
悪性腫瘍治療に伴う副作用やQOL向上が期待される医療機器も事業領域としています。

製品と技術

経皮吸収型制吐剤Sancuso

Sancuso(一般名:グラニセトロン)は、経皮吸収型テープ剤であり、化学療法に伴う悪心・嘔吐を予防する。24時間以上の持続的な効果を持ち、患者のQOL向上に寄与する。中国では「善可舒」の製品名で2019年に発売。2026年1月には中国での販売権をMAAB Pharmaに導出し、現地生産を視野に入れた戦略的提携を進めている。

末梢性T細胞リンパ腫治療薬ダルビアス

ダルビアス(一般名:フォリトキソリン)は、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫を適応とする抗がん剤である。2022年に日本で承認され、日本化薬が販売を担当する。現在は他のがん種への適応拡大を目指し、国内大学や中国の研究施設で非臨床試験を実施中である。また、東欧13か国への販売権導出も行っている。

口腔内疼痛緩和用医療機器エピシル

エピシルは、放射線療法や化学療法による口内炎の疼痛を緩和する口腔用液である。2018年に日本で発売後、中国(益普舒)、韓国でも上市された。2022年に全世界の製造販売権を取得し、現在はブラジル(第一三共子会社)や中国(GenSci)など地域ごとに販売パートナーを配置している。がん支持療法において重要な役割を果たす製品である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

収益小規模で赤字継続、開発型創薬

同社は売上高数億円規模の極小バイオ医薬品企業であり、業界内ではVeritas In SilicoやChordia Therapeuticsなど同規模の開発型企業と競合する。既存の承認薬を持たず、パイプラインの進捗に業績が左右される状況。直近では営業赤字が拡大しており、キャッシュ・ランウェイの短さが課題。ただし、ニッチな適応症に特化したアプローチで差別化を図っている可能性がある。業界内でのプレゼンスは限定的だが、アンメットメディカルニーズへの対応で存在感を発揮する潜在性を有する。

強み

  • アンメットメディカルニーズの高い領域に注力し、競合との差別化を図っている。
  • 小規模組織のため固定費が低く、柔軟な経営が可能。
  • 製薬企業との提携やアウトソーシングを活用し、リスクを分散。
  • 創薬経験豊富な経営陣が指揮を執り、開発戦略に強み。

課題

  • パイプラインの承認・上市まで時間と資金が必要で、収益化の見通しが立たない。
  • 赤字継続でキャッシュが減少し、追加調達が必要となる可能性が高い。
  • 同規模のバイオベンチャーが多く、差別化要素の明確化が急務。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がソレイジア・ファーマ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで5番目にあたる。

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 32件

米国での準備拠点設立から会社設立へ(2006-2007)

2006年12月、当社の医薬品開発事業の準備拠点として、米国にJapanBridge Inc.を設立。翌2007年1月、バジャカラ株式会社(現ソレイジア・ファーマ)を設立した。この2つの法人が後の事業の核となる。

JapanBridgeによる買収と商号変更(2008)

2008年4月、JapanBridge Inc.が当社を買収し、医薬品開発事業を承継。商号をジャパンブリッジ株式会社に変更し、同年9月にソレイジア・ファーマ株式会社へと改めた。これにより現在の事業基盤が形成された。

初の導入契約と開発基盤の形成(2008-2011)

2008年5月、開発品SP-01 Sancusoの日本、台湾、シンガポール等での独占的開発販売権を導入。2011年3月にはSP-02ダルビアスのアジア太平洋地域での権利を導入した。これらの契約が当社のパイプラインの出発点となった。

中国子会社設立と上場準備(2014-2017)

2014年12月、中国上海に医薬情報提供を行う子会社を設立。2015年にSP-03エピシルの権利を導入し、2017年3月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場した。上場により資金調達力を高め、複数の開発品を同時に推進する体制を整えた。

製品上市と承認取得の集中期(2018-2022)

2018年5月にエピシルを日本で発売。2019年にはSancusoとエピシルを中国で発売し、初の海外上市を達成。2022年6月にダルビアスの日本における製造販売承認を取得し、同年8月に発売を開始した。2022年4月にはマザーズからグロース市場へ移行した。

導出契約の再編と新たな提携(2023-2026)

2022年7月にエピシルの全世界独占的製造販売権を取得。2024年以降、中国でのSancuso販売権をMAAB Pharmaに、エピシル販売権をGenSciに変更するなど導出先を再編した。2025年にはブラジルでのエピシル販売権を第一三共子会社に導出し、SP-05の開発も再開した。

年表32件を開く

2000年代

  • 2006年12月創業当社医薬品開発事業の準備拠点として、JapanBridge Inc.を米国に設立
  • 2007年1月創業バジャカラ株式会社(現当社)設立
  • 2008年4月M&AJapanBridge Inc.が当社を買収し、JapanBridge Inc.より医薬品開発事業を承継 ジャパンブリッジ株式会社(現当社)に商号を変更
  • 2008年5月開発品SP-01 Sancuso®の日本、台湾、シンガポール、マレーシア、中国(香港、マカオ含む)での独占的開発販売権をStrakan International Ltd.(現Kyowa Kirin Services Limited)(英国)より導入。日本での独占的開発販売権は2011年1月にStrakan International Ltd.に返還。なお、2023年7月に契約相手先がKyowa Kirin International UK NewCo Limitedへ変更。
  • 2008年9月ソレイジア・ファーマ株式会社に商号を変更

2010年代

  • 2011年3月開発品SP-02 ダルビアス®のアジア太平洋地域での独占的開発販売権をZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)(米国)より導入
  • 2014年7月開発品SP-02 ダルビアス®の米国、欧州諸国の独占的開発販売権をZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)(米国)より導入
  • 2014年12月中国上海に、当社製品の医薬情報提供を行うための子会社(Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.)を設立
  • 2015年3月開発品SP-03 episil ® の日本、中国の独占的開発販売権をCamurus AB(スウェーデン)より導入
  • 2015年11月開発品SP-01 Sancuso ® の中国(北京、上海、広州、香港、マカオを除く)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出
  • 2016年11月開発品SP-03 episil ® の日本での独占的販売権をMeiji Seika ファルマ株式会社に導出
  • 2017年2月開発品SP-03 episil ® の中国(北京、上海、広州を除く)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出
  • 2017年3月上場東京証券取引所マザーズ市場に上場
  • 2017年11月開発品SP-04 PledOx ® の日本、中国、韓国、台湾及びマカオでの独占的開発販売権をPledPharma AB(現Egetis Therapeutics AB)(スウェーデン)より導入
  • 2018年5月開発品SP-03 episil ® を日本で発売
  • 2018年8月開発品SP-03 episil ® の韓国での独占的開発販売権をCamurus ABより導入 開発品SP-02 ダルビアス®の南米8カ国独占的販売権をHB Human BioScience SAS(コロンビア)に導出
  • 2019年3月「Sancuso®」(開発品SP-01, 中国語製品名「善可舒®」)を中国で発売
  • 2019年7月「エピシル® 口腔用液」(開発品SP-03, 中国語製品名「益普舒®」)を中国で発売
  • 2019年12月開発品SP-04 PledOx ® の日本での独占的販売権をマルホ株式会社に導出

2020年代

  • 2020年1月開発品SP-03 episil ® の韓国での独占的販売権をSynex社に導出
  • 2020年8月開発品SP-05 arfolitixorinの日本における独占的開発販売権をIsofol Medical ABより導入
  • 2020年9月開発品SP-03 episil ® を韓国で発売
  • 2021年10月開発品SP-02 ダルビアス®の日本での商業化等の権利を日本化薬株式会社に導出
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場へ移行
  • 2022年6月開発品SP-02 ダルビアス®の日本における承認を取得
  • 2022年7月開発品SP-03 episil ® の全世界独占的製造販売権をCamurus ABより取得
  • 2022年8月開発品SP-01 Sancuso ®、開発品SP-03 episil ® の中国(北京、上海、広州)での自販体制を解除、同地域の独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK)に導出
  • 2022年8月開発品SP-02 ダルビアス®を日本で発売
  • 2024年2月商号変更「Sancuso®」の中国等独占的開発販売権導入元がKyowa Kirin International UK NewCo Limitedに変更
  • 2024年12月開発品SP-03 episil ® の中国での独占的販売権をGenSci Singapore Pte.Ltd.(Changchun GeneScience Pharmaceutical Co., Ltd.の子会社)及びそのグループ会社に導出
  • 2025年8月開発品SP-03 episil ® のブラジルでの独占的販売権を、Daiichi Sankyo Brasil Farmacêutica Ltda.(第一三共株式会社100%子会社)に導出
  • 2026年1月開発品SP-01 Sancuso ® の中国地域(中国本土・香港・マカオ・台湾)での独占的販売権をMAAB Pharma Limitedに導出

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    既存開発パイプラインの推進

    将来の収益基盤である開発パイプラインの臨床試験を中心に開発を推進し承認取得を目指す。既存製品の効能効果拡大も企業価値向上のために重要と認識している。

  2. 02

    新規開発パイプラインの拡充

    がん治療薬およびがん支持療法薬・医療機器に経営資源を集中し、早期から後期までの開発候補品をバランスよく導入する。小児がんや希少疾病治療薬の開発可能性も模索する。

  3. 03

    強固な販売パートナーシップの構築

    各地域で確立された販売網を持つパートナー企業への販売権導出を通じてパートナーシップを構築・強化し、収益化を図る。

  4. 04

    組織の強化と人材育成

    専門性の高いスタッフの採用・配置に加え、中長期視点での人員確保・育成を実施。外部専門家との連携を重視し、最適なチームを構築する。

  5. 05

    内部統制の強化と資金調達

    リスク管理・コンプライアンスの徹底により内部統制を強化。開発費などの資金需要に対応するため、新株発行や社債発行など継続的に資金調達の可能性を検討する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で22人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,480万円で、9期前と比べて5.1%平均年齢は56.0歳、平均勤続年数は7.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月16
2017年12月21
2018年12月31
2019年12月1,56049.44.352
2020年12月1,48049.94.277
2021年12月1,49051.44.977
2022年12月1,31052.55.527
2023年12月1,27054.76.324
2024年12月1,31055.16.823−8,696
2025年12月1,48056.07.922−4,091

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都港区113百万円
医薬品事業
主な関係会社
  • 国内
    Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.
    中華人民共和国上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は4億円営業利益-9億円前期と比べると増収で、売上が+33.3%。

売上高
+33.3%
4億円
営業利益
-9億円
純利益
-9億円
営業利益率
-225.0%
前期比 +441.7%pt

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は0億円、営業利益は−6億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q2−2−100.0−2
2023年2Q3−3−100.0−2
2023年3Q1−3−300.0−4
2023年4Q0−3
2024年1Q0−3−3
2024年2Q1−3−300.0−3
2024年4Q2−14−700.0−13
2025年2Q0−5−6
2025年4Q4−4−100.0−3
2026年2Q0−6−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

直近期の営業利益率は-225.0%。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2012年12月−6−6
2013年12月0−9−9
中国上海に、当社製品の医薬情報提供を行うための子会社(Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.)を設立
2014年12月0−7−7
2015年12月2−7−6
2016年12月5−5−5
東京証券取引所マザーズ市場に上場
2017年12月4−10−10
2018年12月3−24−24
2019年12月13−18−19
2020年12月5−42−41
2021年12月6−24−25
2022年12月11−25−25
2023年12月6−11−11
「Sancuso®」の中国等独占的開発販売権導入元がKyowa Kirin International UK NewCo Limitedに変更
2024年12月3−20−20−666.7−19
2025年12月4−9−9−225.0−9

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高4億円のうち、営業利益として残るのは-9億円-225.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-9億円、売上の-225.0%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金50.0%2億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金150.0%6億円
  • その他の費用持分法損益などの調整125.0%5億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-225.0%-9億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
50.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比227.9pt
-225.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比227.7pt
-225.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-42.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-90.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 12期分

2025年12月期は営業CFが−8億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−9億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は14億円で、売上の42.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2014年12月−6−18−75
2015年12月−7−629−1321
2016年12月−5−60−1110
2017年12月−9−538−1434
2018年12月−23−333−2640
2019年12月−8−716−1541
2020年12月−28−218−3030
2021年12月−25−24−277
2022年12月−21−426−258
2023年12月−403−47
2024年12月−10012−109
2025年12月−8−114−914

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は21億円。このうち返さなくてよい自己資本が18億円で、自己資本比率は81.7%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月65185.3
2013年12月5−16
2014年12月1931613.5
2015年12月41103124.2
2016年12月3734392.7
2017年12月6762593.3
2018年12月7771691.7
2019年12月79691087.0
2020年12月58372163.2
2021年12月3126582.3
2022年12月3127484.9
2023年12月2219384.1
2024年12月1412284.9
2025年12月2118481.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
14億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-5億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
4億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率79社中7位あたり、逆に低いのは営業利益率79社中61位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-225.0%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
81.7%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
33.3%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥29で、1年前と比べて-23.7%過去52週の値幅のなかでは38%の位置にある。

¥29-3.3%1ヶ月+0.0%1年-23.7%時価総額76億円
過去52週の値幅
安値¥21高値¥42

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR5.45倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月21日に32円まで下落し、前日比-11.11%と大幅安。1ヶ月では+14.29%上昇するも、52週高値42円からは-23.8%の水準。出来高は8月21日に4881万株と高水準で、売りが優勢。25日線29.88円を約7%上回るが、RSIは61.11と中立圏。週足では8月17日に35円まで上昇した後、調整が入っている。出来高は全体的に高水準で、投機的な売買が活発。トレンドは短期的には上昇基調だが、変動が大きい。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PERは算出不能(赤字)、PBRは6.02倍で業界平均4.13倍を上回る。ROEも算出不能で、無配当。売上高は減少傾向で、営業赤字が継続しており、財務リスクが高い。業績悪化にもかかわらず株価は高水準にあり、割高と判断。ただし、新薬開発などへの期待が株価に反映されている可能性もある。

指標この会社業種平均
PBR5.45倍3.53倍

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上は小規模で、業績は開発段階にあるパイプラインの価値にかかっている。強気派は、抗がん剤など有望な候補が後期段階にあり、ライセンス契約による大型収入の可能性を指摘。弱気派は、赤字が継続し資金調達リスク、臨床失敗リスクを懸念。開発の進捗と契約内容が投資判断の中心。

プラスに働く材料7
  • 開発品の高い潜在性

    既存パイプラインはアンメットメディカルニーズが高い領域を標的。

  • ライセンスアウトの可能性

    将来の契約により一時金・マイルストーン収入が期待できる。

  • アライアンス強化

    大手製薬企業との提携は資金と開発能力の補完となる。

  • 営業赤字が▲20億円から▲9億円へ半減通年影響

    2025/12期営業利益▲9億円は前期の▲20億円から約11億円改善。赤字縮小のペースが速い

  • 売上高が3億円から4億円へ33%増加通年影響

    売上高は2024/12期3億円から2025/12期4億円へ。増収により損失が縮小した

  • 最終損益も赤字幅が約半分に縮小通年影響

    純利益は2024/12期▲19億円→2025/12期▲9億円。黒字転換はまだだが、赤字縮小が続く

  • 低株価32円と小型時価総額で個人資金が集まりやすい継続影響

    株価32円、時価総額84億円。低位小型株の物色対象になりやすく投機的な買いで上昇する場面

マイナスに働く材料7
  • 研究開発リスク

    臨床試験の失敗が株価に重大な影響を与える。

  • 資金調達リスク

    継続的な赤字で増資による希薄化が懸念される。

  • 売上規模の小ささ

    現状の売上は限定的であり、過大評価のリスクがある。

  • 赤字継続で自己資本が毀損するリスク通年影響

    2025/12期も純損失9億円。時価総額84億円に対し純資産はPBR6.02倍から約14億円しかなく、毀損が続く

  • 売上高4億円に対し営業損失9億円と採算が悪い通年影響

    売上高4億円、営業利益率▲225%。コストを売上で回収できていない

  • 配当利回り0%と株主還元が見込めない継続影響

    配当利回りは0%。無配で株主への直接的な還元はなく、下支え材料に欠ける

  • PBR6.02倍は純資産対比で割高水準継続影響

    時価総額84億円を純資産換算の約14億円で割るとPBR6.02倍。赤字継続なら割高感が強まる

次の決算で確かめる点
研究開発費
将来の製品候補への投資水準を示すため。
ライセンス契約の状況
契約を通じた収入の獲得が現実的か把握するため。
臨床試験の進捗
開発の主要なマイルストーンであり、企業価値の変動要因。
現金及び預金
資金の持ち高は事業継続と調達リスクを評価する上で重要。

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ40,535人。区分でいちばん多いのは個人・その他80.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が10.7%を占め、残る89.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他56.060.864.071.881.180.1
事業法人30.727.315.715.012.110.0
外国法人5.62.83.23.82.45.4
証券会社5.64.513.76.33.22.8
外国人個人1.11.11.01.11.01.1
金融機関1.03.52.32.10.20.7

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本化薬株式会社4.55
02マルホ株式会社4.29
03MACQUARIE BANK LIMITED DBU AC3.20
04楽天証券株式会社共有口1.17
05荒井好裕0.60
06磯貝裕之0.60
07日本証券金融株式会社0.45
08MSIP CLIENT SECURITIES0.40
09大西正一郎0.38
10BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)0.38

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+87%、1株純資産は10期で−87%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2012年12月−30
2013年12月−33
2014年12月−27
2015年12月−25
2016年12月−1853
2017年12月−1271
2018年12月−2668
2019年12月−1859
2020年12月−3530
2021年12月−1919
2022年12月−1716
2023年12月−711
2024年12月−105
2025年12月−47

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額65百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
荒井好裕代表取締役社長661,584,545
宮下敏雄取締役 CFO 管理本部長58552,300
スタンレー・ロー取締役72
栄木憲和取締役78
水川二郎取締役73
荒木進監査役(常勤)74
川井田渚監査役37
中村栄作監査役65

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2494925
社外監査役410103
社外取締役3662

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,681字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社と連結子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.及び持分法適用関連会社の1社で構成されており、日本及び中国・韓国を中心としたアジア諸国におけるがん領域の革新的医薬品の開発及び販売を目的として設立されたスペシャリティファーマであり、医薬品及び医療機器の製品開発品ポートフォリオを有しています。 当社グループの事業系統図は下記のとおりです。なお、医薬候補品等の導入、導出契約における経済条件(支払条件)は、主に以下の形態の取引によって構成されます。 ・契約一時金 :導入導出契約を契機として導入側が支払う一時金 ・開発マイルストン:開発の一定の進捗を契機として導入側が支払う一時金 ・販売マイルストン:導入側乃至そのサブライセンス先等の、一定の製品販売金額への到達を契機として、導入側が支払う一時金 ・ロイヤリティ :導入側乃至そのサブライセンス先等の製品販売金額等に応じて導入側が支払う使用料 <事業系統図> (1) 当社グループの事業領域 現在、日本及び中国では悪性腫瘍(一般に悪性新生物又はがんという。以下同じ)が死因の第一位を占めており、その他のアジア諸国でも死因の上位を占める傾向にあります。当社グループは、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発及び販売を主たる事業領域としています。また、悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象(副作用等)を軽減し、悪性腫瘍に対する治療及び患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上が期待できる医薬品及び医療機器の開発及び販売も事業領域としています。 (2) 製薬バリュー・チェーン(初期研究活動から事業化までの機能連鎖)での位置づけ 標準的な製薬バリュー・チェーンは、上流の基礎研究、製剤研究、非臨床開発の各機能、中流の臨床開発機能、下流の販売、マーケティング、製造販売後調査※、製造の各機能により構成されます。当社グループは開発候補品の導入から薬事承認を取得するまでの臨床開発機能及び承認申請を含む当局対応機能等を中心とした事業を推進しています。 ※ 製造販売後調査:医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令において、医薬品の製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者が、医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、検出、確認又は検証のために行う使用成績調査又は製造販売後臨床試験をいう。 (3) 事業内容 ① 医薬品又は医療機器候補物質(以下、医薬品等候補という。)の権利導入 近年、多くの疾患原因の特定が遺伝子レベルの解析によって行われつつあることに伴い、基礎研究及び製剤研究は、より複雑化又は多様化する傾向にあります。大学や病院等の研究機関による成果、この研究を土台とするベンチャー企業の創薬技術や製剤化技術、あるいは国際的な大手製薬企業による研究を通じて、多くの医薬品等候補が産み出されています。当社グループは、一定の開発段階に至った医薬品等候補の権利を導入し、日本や中国等で臨床開発等を通じて当該医薬品等候補を販売可能な状況に導き、これの販売又は導出を通じて収益を得る事業を行っています。基礎研究や製剤技術の他社への提供による収益化を行うものではありません。 当社グループでは、臨床試験開始前から第Ⅰ相臨床試験※終了までの早期開発ステージ、又は有効性のproof of concept※が確認される第Ⅱ相臨床試験※から承認までの臨床後期ステージにある医薬品等候補を導入検討の対象としています。また、基礎研究、製剤研究、非臨床開発等の進捗状況の観点からは、少なくとも当社グループの主たる事業エリアである日本及びアジア諸国において科学面及び薬事行政面でも臨床開発が実施可能なレベルで基礎情報が整備されていることを導入の要件としています。 当社グループは、上記要件を満たす医薬品等候補について、当該医薬品等候補が対象とする適応症、非臨床・臨床データ、市場規模、競合品の開発及び販売状況等を検討し、経済条件及び特許権等の知的財産の扱い等について契約相手方と合意を得られた後、導入を決定しています。 ※ 第Ⅰ相臨床試験:実施する国において初めて対象となる医薬品候補品(治験薬)を使用する臨床試験で、健康成人がボランティアとして参加することが多い。第Ⅰ相臨床試験の主たる目的は、治験薬の安全性並びに忍容性(薬剤投与によって発現する副作用について、患者が治療を継続できる許容程度)の評価・確認及び薬物動態(生体に投与した薬物の体内動態)の検討である。 ※ proof of concept:医療の領域においては、期待あるいは想定される作用(一般には有効性)を初期臨床試験において確認すること。 ※ 第Ⅱ相臨床試験:対象となる疾病に罹患している少数の患者群に対し、医薬品候補品を投与して、その有効性及び安全性(副作用の発現等)の予備的評価、将来の実際の臨床現場で使用する投与量や用法の評価を主たる目的とした臨床試験。 ② 医薬品等候補の開発 当社グループは、医薬品等候補の導入後、自社の臨床開発機能を中心として、日本を含むアジア各地域の外部委託機関(Contract Research Organization:CRO※)と開発チームを構成し、アジア各地域における臨床試験(当該国の製造販売承認に必要な一部の追加非臨床試験を含む)又はアジア各地域を中心とした国際共同治験※を計画し、実施します。 医薬品等候補開発の最終的な目標は、質の高い医薬品等を、早期に医療現場に提供することにあります。そのためには、有望な医薬品等候補の将来性及び可能性を活かして厳格な臨床試験を効率的に計画・実施し、不要な失敗を回避して成功確率を高めることが重要であると考えています。これらを実現するための当社グループにおける医薬品等の開発体制は以下のとおりです。 ※ Contract Research Organization, CRO:医薬品等開発の一部の工程を依頼者との契約を以て受託し、実施する企業又はグループの総称。 ※ 国際共同治験:共通の実施計画書に基づき、複数の国が参加して実施される臨床試験。 a 当社グループの開発機能 医薬品等開発、臨床試験は、対象となる治療領域における問題点や改善点の評価、具体的な対象疾患及び患者の選択、最適投与量や用法の設計、有効性の評価項目の設定等の試験計画に始まり、実施に当たっては、対象疾患の専門医の選択と当該医師との臨床試験内容の協議、臨床試験実施地域や実施医療施設の評価と選択の過程を経て、実際の投薬及び試験モニタリング、さらに有効性と安全性のデータの収集、解析、評価等の複雑かつ多くのプロセスと諸活動により構成されます。 これらの医薬品等開発のプロセスは、薬事行政規制等に基づいて進められるとともに、常にデータや理論に基づく科学的判断が求められることから、最適な判断のためには、医薬品等や臨床開発全般に対する科学的見識と経験の裏付けが必要不可欠です。当社グループの開発部門は、採用に際してこれらの要素を最重要視して選考を行っており、悪性腫瘍治療薬の臨床開発について、国際的製薬企業等における経験を有する人材、日本国内や中国をはじめとするアジア諸国、さらには国際共同治験の経験を有する人材、あるいは薬事面では各規制当局と密な情報交換が可能な人材等を中心として構成し、少人数であっても医薬品等開発諸活動を円滑に支障なく運営し得る開発体制を構築することに努めています。 b 開発における外部機関の活用 近年、製薬企業における臨床試験実施は、その一部を外部委託機関に外注する傾向にあります。当社グループの開発部門は、臨床開発計画、試験設計、運営、評価及び医薬品等開発に関わる薬事行政対応を基本機能としており、試験実施に際しては、業務効率の向上並びに固定費削減を図るため、この外部委託機関(開発業務委託機関等)等を活用しています。これら外部委託機関の活用においては、当社グループが指示する臨床試験の方針や計画・設計を、正確に理解し実現し得る外部機関を選定することが重要です。そして外部委託機関が計画どおりの成果を果たすために、双方向で詳細な最新情報を共有するとともに、当社グループが随時指示の徹底を図り、管理監督の厳格な実施に努めています。 ③ 医薬品等候補の収益化 当社グループが医薬品等候補の開発に成功して製造販売承認を取得し、上市できることになった場合には、他社への販売権導出を通じて、製品販売収益、マイルストン収入及びロイヤリティ収入による収益確保を図ります。また上市に先立ち契約一時金、マイルストン収入を得る場合もあります。 (4) 当社グループの製品開発品ポートフォリオ(2026年2月末現在)
経営方針・対処すべき課題2,498字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、日本及びアジア諸国の医療に貢献するため、海外又は国内の製薬企業又はバイオベンチャー企業から有望な新薬候補品を導入し、日本及びアジア諸国における臨床開発を中心とした開発活動を通じ、製品を医薬品市場に供給することを経営基本方針としています。 (2)目標とする経営指標 現在の当社グループが目標とする経営指標は、開発品の価値向上にあります。将来収益の源泉となる開発品価値は、臨床開発を推進することにより増大します。当社グループはこれを目標とするため、①成功確率を重視した新規開発品の導入、②短期的な上市を可能とするための効率的な臨床開発を実践しています。 (3)中長期的な会社の経営戦略 ① 当社グループの事業領域 現在、日本及び中国では悪性腫瘍(一般に悪性新生物又はがんという。以下同じ)が死因の第一位を占めており、その他のアジア諸国でも死因の上位を占める傾向にあります。当社グループは、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発及び販売を主たる事業領域としています。また、悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象(副作用等)を軽減し、悪性腫瘍に対する治療及び患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上が期待できる医薬品及び医療機器の開発及び販売も事業領域としています。 ② 製薬バリュー・チェーン(初期研究活動から事業化までの機能連鎖)での位置づけ 標準的な製薬バリュー・チェーンは、上流の基礎研究、製剤研究、非臨床開発の各機能、中流の臨床開発機能、下流の製造、マーケティング、販売の各機能により構成されます。当社グループは開発候補品の導入から薬事承認を取得するまでの臨床開発機能及び承認申請を含む当局対応機能等を中心とした事業を推進しています。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 既存開発パイプライン/技術の進捗 当社グループの将来の収益基盤は開発パイプラインの成功にかかっており、そのために既存開発パイプラインの臨床試験を中心とした開発の推進、承認取得が必要不可欠であり、加えて既存製品の効能効果(適応症)の拡大も企業価値向上には重要であると認識しております。また医薬品関連技術の進捗も企業価値向上の重要手段と認識しております。 ② 新規開発パイプライン/技術の拡充 当社グループにおいて、開発パイプラインの充実は企業価値向上に直結し、将来の収益に大きく影響します。当社グループのビジネスモデルは、臨床試験の計画及び実施等の開発行為によって付加価値を高めた製品の導出又は販売であり、当社グループの特徴である製品開発機能を最大限活かすために、臨床試験移行段階の開発早期ステージから承認直前の後期ステージにある開発候補品までをバランスよく導入することを目指してまいります。また、当社グループは、経営資源を主にがん治療薬及びがん支持療法薬又は医療機器に集約し、がん治療全般に貢献し得る新薬や新医療機器の開発候補品を積極的に探索すると共に、小児がんや希少疾病治療薬についても開発の可能性を模索してまいります。このほか、当社開発パイプラインの拡充に資する新規技術の探索導入も継続的に推進してまいります。 ③ 強固な販売パートナーシップの構築 当社グループの収益確保のビジネスモデルは、当社グループにより開発が完了した製品の権利導出又は販売によって実現いたします。そのため、各地域で確立された販売網を持つ強力かつ信頼できるパートナー企業への販売権導出を通じてのパートナーシップが極めて重要になります。当社グループは、これらの収益化の構築及び強化のため、各事業領域において一定の実績を有するパートナー企業との連携を積極的に推進してまいります。 ④ 組織の強化 当社グループでは、いずれの部門も、専門領域の知識及び経験並びにマネジメント能力を有するスタッフを採用し、配置することに努めていますが、開発パイプライン拡充による製品開発活動量の増加、製品の品質確保、製品製造及び販売等に要する信頼性保証等に対応するためには、適切な人員増加と効率的な組織編制が重要になってまいります。また、当社グループが継続的に株主の期待に応えられる企業であるためには、年齢、性別を問わずバランスの良い人材配置と蓄積された知識・経験の次世代への伝達が不可欠であると考えられます。当社グループでは、組織の規模を追うことなく、少数の専門スタッフを最大限に活用する組織構築を念頭に、中長期の視点による必要人員の確保、育成及び組織強化に積極的に取り組んでまいります。また、当社グループのビジネスモデルの実践に際しては、当社グループのスタッフと外部専門家及び外部委託機関との連携が不可欠です。今後も、専門性の高い外部専門家及び外部委託機関と対等の協力関係を築くことを重視し、当社グループ人材を中心とする最適なチームを構築してまいります。 ⑤ 内部統制の強化 当社グループは、当社グループのビジネスモデルの実現及び継続のため、事業及び企業規模に応じて、業務執行の妥当性、効率性、企業倫理、法令遵守に留意するとともに、継続的にステークホルダーの期待に応えられる企業となるべく、リスク管理及びコンプライアンス管理等の内部統制の徹底を図ってまいります。 ⑥ 資金調達の実施 上記のとおり、企業価値の向上を図るためには開発パイプラインの強化が必要ですが、一方で臨床試験等遂行のための開発費支出やライセンス導入費等の支払いが先行するため、これらへの一定の資金需要が存在しております。当社グループは、これまでの製品販売、製薬企業への開発品導出、新株発行、社債発行、新株予約権発行を通じて資金を調達してまいりました。事業基盤強化のための資金調達の可能性は今後も継続して検討し、企業価値向上に資する事業活動に支障が生じないように努めてまいります。
事業等のリスク11,376字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの財政状況及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断にリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の判断において重要と考えられる事項は、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社グループは、これら事業等のリスクを認識した上で、発生の回数及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っていますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。また、当社グループの事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載はリスクを網羅するものではありません。当社グループは、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、すべての開発が成功するとは限りません。特に販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。 なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 研究開発の失敗に関する事項 当社グループの開発品は、既に販売開始となったもの、当局により承認を取得したもの、臨床試験の最終段階にあるものもあります。これら開発品には、今後の開発活動等において主に下記のとおりのリスクが付帯しています。 ・医薬品等の有効性若しくは安全性に対する、臨床試験等の結果の不確実性 ・臨床試験等の開発活動運営の不確実性 ・開発活動への投資額や所要期間の不確実性 ・法令や規制、規制当局指導の不確実性 ・開発品の競合関係の不確実性 ・導入や導出、開発委託等の提携関係の不確実性 ・開発主体である当社組織の不確実性 ・特許侵害等の知的財産権の不確実性 これらリスクが顕在化した場合には、当該開発品の開発方針の変更、開発延期、延長又は中止という事態(以下「開発品の中止等」という。)が生じる可能性があります。 開発品の中止等が生じた場合には、当該開発品に対して計画していた将来収益を失うほか、主に以下の事象を生じせしめ、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼすこととなります。但し、開発品の中止等に起因する下記事象は、それを網羅するものではありません。以下は、これら事象により影響を受けると考えられる勘定科目の、過去の連結財政状態計算書の数値です。 (単位:百万円)   第17期 2024年12月期 連結会計年度   第18期 2025年12月期 連結会計年度 決算年月   2024年12月31日   2025年12月31日 棚卸資産   128   112 有形固定資産   19   16 使用権資産   28   97 負債合計   206   393 資本金   2,211   836 資本剰余金   2,255   1,455 利益剰余金   △3,277   △521 資本合計   1,156   1,752 ① 棚卸資産の評価損 開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品の棚卸資産の一部若しくは全部が評価減されることとなり、連結損益計算書上で評価損が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。 ② 無形資産の減損 当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品に対して計上された無形資産の一部若しくは全部が減損されることとなり、連結損益計算書上で減損損失が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。 (2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項 ① 研究開発の不確実性に関する事項 当社グループは医薬品等の開発を主業務としています。近年の診断理論及び技術、また遺伝子レベルでの病因解析に基づいた新薬の効果安全性を予見する技術の向上にもかかわらず、最終的な効果及び安全性は臨床試験での検討あるいは検証を要することから、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされています。これらのことから、一般的に、医薬品等の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられています。 医薬品等の開発過程においては、臨床試験結果等に起因して、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止となる場合があります。このことから、研究開発活動の将来性は不確実性を伴っています。 医薬品等の開発は、主に開発を計画して運営する製薬企業、臨床試験を実施する医師及び医療施設、さらに開発プロセスの監督及び承認権限を有する規制当局の三者によって実施されます。製薬企業が科学的根拠に基づき作成した開発計画あるいは臨床試験計画についても、臨床試験を実施する医師の見解あるいは医療施設側において計画どおりに試験が実施できる可能性等によって計画変更を余儀なくされる場合があります。また、規制当局からの要望又は指導等により、当社グループの方針にかかわらず計画の変更を余儀なくされる場合があります。また、医薬品等業界は規制業種であり、開発をはじめとする医薬品等事業全般には、医薬品医療機器等法や他の法令に基づいて計画・実施することが求められます。法令は定期的又は不定期に変更・改訂される場合があります。これらの要因により、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止を招く場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 導入活動の不確実性に関する事項 当社グループは、開発パイプラインの拡充にあたっては導入の手法を活用しています。近年、世界的に新薬や新医療機器の開発候補品が限られてきており、大手製薬企業等も自らの基礎研究から輩出される新薬や新医療機器の開発候補品に加えて、積極的な候補品導入活動を行っていることから、当社グループの目指す疾患領域であるがん領域における有望な開発候補品獲得において、これら世界的製薬企業等との厳しい競合も想定されます。導入における他社との競合に起因する製品候補品導入の不確実性は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ③ 医薬品等業界の競合関係に関する事項 当社グループの属する医薬品等業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の多くの企業や研究機関等が、研究、開発、製造及び販売の各分野で激しい競争を繰り広げている状況にあります。当社グループの開発パイプラインには、同業他社が同じ適応症で開発を進めている競合品が存在するため、競合品の開発進捗状況やその結果によっては、当社グループの製品の優位性を示せない可能性があります。このことは、将来の開発品についても同様です。従って、これら競合相手との研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果によっては、当社グループの製品開発や販売が計画どおりに進展しない場合があり、それにより財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 副作用、製造物責任に関する事項 通常、医薬品は本来期待する治療効果とともに、期待されない副作用の両面を併せ持っています。医薬品の安全性は、動物を用いた非臨床試験の中で十分に検討されますが、ヒトに使用した場合、種の違いによる予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。また少数例での臨床試験では検出されなかった発現頻度の低い副作用が、当該医薬品の上市後、より多く使用される段階で検出される可能性もあります。 当社グループでは、これら臨床試験中又は市販後の副作用発生による補償又は賠償に対応するために、想定し得る範囲で治験保険あるいは製造物責任保険に加入していますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性は否定できません。また、重篤な副作用や死亡例の発現は、製品及び企業イメージを大きく損ねることとなり、当該製品以外の事業への影響も考えられます。重篤な副作用の発現等により、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項 当社グループの属する医薬品等業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度及びその他関係法令等により、様々な規制を受けています。 医薬品等は基礎研究から製造販売承認を取得するまでには、多大な開発コストと長い年月を必要とします。品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品等としての有用性を規制当局が認めない場合には、承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これは開発品を他社に導出する場合も同様であり、当初計画した条件での導出が行えない可能性、導出そのものが困難になる可能性、導出した場合にその契約内容が変更になる可能性若しくは導出契約が解消される可能性があります。また、当社開発品への承認を取得できた際にも、健康保険の対象として保険収載されない場合や、計画どおりの保険価格が付されない可能性があります。このような事象が生じた場合、また、将来各国の医薬品医療機器等法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (3) 当社グループの事業活動に関する事項 ① 導出に関する事項 当社グループは、開発品の収益化について、開発品を開発の途中段階で他社に導出し、一時金や導出先の販売高に連動して収益を受領する導出モデルを採用しております。しかしながら、開発の遅延その他の理由により計画どおりの時期に導出ができない場合、導出を行った場合において想定できない状況により導出契約の内容が変更となる場合若しくは導出契約が解消される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。また、導出を予定している開発品に関して、導出そのものが困難になった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ② 提携関係に関する事項 当社グループは、開発品の導入や導出のほか、研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ最先端技術の取込みを図っています。特に臨床開発部門では、組織の規模拡大を一義とせず、自社では専門性を有する少数の人材を確保するに留め、外部専門家及び外部委託機関との協力・協業によって企業活動を遂行しています。当社グループは、自社の研究開発人員とこれらの提携関係をもって研究開発体制を構築しています。同様に固定費増加の回避等を目的として、将来自社で販売を計画している開発品の販売体制や製品製造・調達体制においても、様々な提携関係を構築しています。これら提携関係のうち、特に重要と考えられる契約は、「5 重要な契約等」に記載のとおりです。今後も事業基盤の強化、効率的な経営の実現に向けて、広範な提携関係構築を検討してまいりますが、期待どおりに提携関係が構築できない場合、提携関係に想定し得ない変化が生じた場合、提携の効果が当初の期待を下回る場合、若しくは提携関係が当社グループの意図に反して解消された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ③ 会社組織に関する事項 a 業歴に関する事項 当社は、2006年に創業し、連結子会社である中国法人は2014年に設立されています。当社グループでは、医薬品等業界又はその他専門分野での経験を有する人材の登用と維持に努めていますが、企業体としての経験はいまだ浅く、今後予測できない事業上の問題等が発生し、これに対応する人材の確保もしくは維持ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 b 小規模組織に関する事項 当社グループは、医薬品等を取り扱う企業としては小規模組織であるために、役職員一人一人が担当する業務及び責任範囲は相対的に広範となる場合が多く、退職あるいは休職等に対応する補充要員が十分でない環境にあります。今後の事業拡大に伴い、必要な人員増加を図ってまいりますが、多くの人材流出等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 c 人材の確保及び育成に関する事項 当社グループの事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しています。そのため、常に必要とされる人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保又は育成が計画どおりに行えない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 事業地域に関する事項 a 中国固有のカントリー・リスクに関する事項 当社グループ事業は主にアジアを対象としており、その中心は日本及び中国です。中国の医薬品等産業は中国政府の厳しい監督管理下での規制を受けており、政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動の制約要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 b 中国での雇用に関する事項 当社グループは、中国での事業活動に際し、中国人従業員を採用しています。中国の労働環境は、社会制度の違いにより日本に比べて企業による管理が困難な場合があり、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。当社グループでは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 c 中国の開発活動に関する事項 当社が現在保有している開発品は、中国で開発販売権を有しており、そのうち、SP-01は2018年7月に、SP-03は2019年2月に、中国当局の承認を受けております。一方で、SP-02とSP-04においては、今後も中国での開発活動を推進する可能性があります。医薬品等の開発活動は、前掲「医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項」のとおり様々な規制のもとで推進することが必要ですが、中国の規制が日本等の他の国との規制が相違する場合、中国での開発活動がその影響を受けることは否定できません。 ⑤ 訴訟等に関する事項 当社グループは、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、このような事態が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑥ 知的財産権に関する事項 当社グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループが所有する権利であるか、または適法に使用許諾を受けた権利であると認識しています。しかしながら、出願中の特許が登録に至らない、もしくは特許の一部のみが登録に至る可能性があります。また、当社グループが所有または使用許諾を受けた知的財産権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的財産権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難です。こうした結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑦ 情報管理に関する事項 当社グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しています。しかしながら、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は存在し、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 業績、財務及び資本政策等に関する事項 ① 財務状況について 当社グループは、医薬品等の研究開発とその販売を業としています。医薬品等の研究開発は多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。2018年5月、2019年3月、2019年7月、2022年8月に当社製品の上市を達成しましたが、いずれも現時点で市場浸透度は充分ではありません。このことから、事業全体としても先行投資の段階にあり、研究開発活動の失敗を原因としない損益計算上の損失計上、収支計算上の営業キャッシュ・フローマイナスの計上という状況が継続的に生じています。 これまでの先行投資の結果として、当局承認を経て上市に到達した開発品、医薬品等の事業化プロセスの後期段階にある開発品ポートフォリオを保持するに至り、今後も製品開発、承認獲得及び製品上市を通じ、更なる企業価値向上と中長期視点に基づく財務状況改善を図る計画にあります。このうち、当社開発品SP-03(国内販売名:「エピシル® 口腔用液」)の日本事業化においては2018年5月に、当社開発品SP-01及び当社開発品SP-03の中国事業化では2019年3月、2019年7月に、当社開発品SP-02の日本事業化においては2022年8月にそれぞれ製品上市を達成しております。このことは、これまでの先行投資一辺倒であった財務状況から、一定の経常的な収益を計上しうる事業構造への転換点に到達したものと見込まれ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象は現時点で存在せず、またそのような状況に現時点で該当しないと判断しております。但し、承認獲得及び製品上市には不確実性を有し、当社グループの計画どおりに製品開発と事業化が進捗しない場合には、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 過年度の業績推移等に関する事項 当社グループは医薬品等の開発を主たる事業としています。既に3製品の上市を達成しましたが、いずれも現時点で市場浸透度は充分ではありません。また、積極的に研究開発活動に経営資源を投入していることから、下表のとおり、最近5事業年度の損益(単体)はマイナスとなる傾向が続いています。一方で、今後の一定時点において、開発の成功を契機として投下した研究開発費の回収を図り、また損益がプラスに転じる可能性があります。そのため、過年度の財務経営指標は、期間業績比較、今後の当社グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。 回次   第14期   第15期   第16期   第17期   第18期 (単位:百万円) 決算年月   2021年12月   2022年12月   2023年12月   2024年12月   2025年12月 日本基準単体 売上高   559   1,092   617   316   429 経常利益(△損失)   △2,228   △1,772   △678   △869   △897 当期純利益(△損失)   △2,232   △2,084   △679   △868   △897 利益剰余金   △7,529   △2,084   △2,764   △3,633   △897 現金及び預金   668   793   719   875   1,378 国際会計基準連結 売上収益   559   1,092   617   316   429 税引前当期利益(△損失)   △2,442   △2,492   △1,135   △1,961   △876 当期利益(△損失)   △2,478   △2,548   △1,112   △1,941   △876 利益剰余金   △5,204   △223   △1,336   △3,277   △521 現金及び現金同等物   714   803   728   886   1,387 ③ 契約に基づく支払義務の負担に関する事項 当社グループは、開発パイプラインに関する提携企業との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先に対する支払義務を負っている場合があります。また、開発費の共同負担や、販売開始後一定額の販売活動経費の投入を行う義務を負う場合もあります。これらの対価の支払形態は、当社グループのような製薬企業の事業の性質上当然のものと認識していますが、当社グループの資本力に比べ金額が高額となる可能性は否定できず、支払時期等の観点から当社グループにとって資金負担が大きくなる可能性もあります。何らかの理由により当社グループがかかる支払義務を履行できない事態が生じた場合は、当社グループは対象となる契約の解除や損害賠償請求等を受ける可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 外国為替変動に関する事項 当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外企業とのライセンスや、海外からの製品仕入、海外での研究開発活動等においては、外貨建て取引を行い、債権債務が存在しています。当社グループでは、為替変動に対しては想定し得る範囲でヘッジ手段を講じていますが、急激な為替変動によって当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 無形資産に関する事項 当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品において、「(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項」「(3) 当社グループの事業活動に関する事項」に記載のとおりのリスクが顕在化し、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止が生じた場合、また当該開発品に対して想定している売上収益と利益を計上できない場合には、資産化された無形資産の全部又は一部を減損する可能性があります。なお、第17期連結会計年度末及び第18期連結会計年度末において、無形資産の残高はありません。 ⑥ 業績予想に関する事項 当社グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。 ⑦ 公募増資等の資金使途に関する事項 当社グループが2018年9月に実施した公募増資による調達資金は、SP-04(がん化学療法に伴う末梢神経障害への適応)の臨床試験を中心とした開発費及び権利導入元へのマイルストン費用に充当致しました。 当社グループが2019年12月に実施した第三者割当増資により調達した資金は、2020年8月に導入したSP-05への投資に充当致しました。 当社グループが2020年8月に実施した普通社債発行及び新株予約権発行による資金調達はSP-05第Ⅲ相臨床試験費用等、SP-02適応拡大非臨床試験費用等、当局申請準備費用等、SP-04非臨床試験費用等、第Ⅲ相臨床試験費用等へ充当致しました。 当社グループが2022年3月に実施した普通社債発行及び新株予約権発行による資金調達と2022年7月に実施した第三者割当増資による資金調達で得た資金は、SP-02適応拡大検討費用、株式会社HikariQ Healthへの出資等による新規開発品探索費用、開発費用、その他開発体制維持費用等に充当いたしました。 当社グループが2024年3月に実施した普通社債発行及び新株予約権発行による資金調達はSP-02中国開発費用等に充当いたしました。 当社グループが2025年3月に実施した新株予約権発行による資金調達はSP-05開発資金等に充当する予定です。 しかしながら、経営環境の変化に対応するため、あるいは開発品の中止等が生じた場合、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定です。また、計画どおりの投資が行われても想定どおりの効果が得ることができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑧ 資金繰りに関する事項 当社グループは医薬品等の開発を進めるため、多額の研究開発費を必要とします、開発パイプラインの事業化が計画どおりに進展せず、資金不足が生じた場合、新たな提携契約の獲得、既存提携先との契約内容の見直し、新株発行等の方法により資金の確保に努めますが、資金確保のタイミング次第では、医薬品等の開発の継続が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑨ 資金調達に関する事項 医薬品等事業においては、多額の研究開発費を要し、その額は研究開発の進捗に応じて増加する傾向にあり、当社グループに資金需要が生じた場合には、増資を中心とした資金調達の実施を検討してまいります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、市場における需給環境の悪化等により機動的な資金調達を行うことができなかった場合には、当社グループの研究開発に係る体制及び計画の見直しを余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑩ 無配継続等の配当政策に関する事項 当社グループは、創業以来配当を実施していません。また、上記「② 過年度の業績推移等に関する事項」の表記のとおり日本基準の貸借対照表(単体)において利益剰余金のマイナスが継続しており、当連結会計年度末においても、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。将来財政状態が好転した場合、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当を検討する所存です。 ⑪ 新株予約権等に関する事項 当社は、資金調達を目的として新株予約権を発行しております。また、当社はインセンティブ目的としてのストックオプション制度を採用しており、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき当社グループ取締役、監査役、従業員及びアドバイザー等に対して新株予約権を発行しております。 これらの新株予約権等の目的となる株式数は2025年12月31日現在で11,751,899株であり、これらの新株予約権等の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。そして、今後インセンティブ目的等で新株予約権等を新たに発行しその行使が行われた場合、同様に当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)7,258字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 ①  経営成績の状況 当社グループは、がん領域を対象とする製品の開発事業化に特化するスペシャリティファーマであり、バイオベンチャー企業の一種です。医薬品等の研究開発は臨床試験等を実施するために多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。これまでの先行投資の結果として、3つの開発品について開発に成功し、販売開始に至りました。製品の販売開始により、投資資金回収の端緒に就いたものと認識しておりますが、医薬品等の研究開発過程において最大の投資が必要とされる最終段階の開発を複数行ってきたことから、事業全般においては未だ先行投資を継続している状況にあります。 バイオベンチャー企業の成功事例を多数有する米国において、その大半の企業の単年度損益は赤字です。これは、当該企業の単年度損益への評価に比して、有望な医薬品開発への先行投資を積極的に図る事業戦略への評価が金融市場においてより重要視されていることによるものと考えられます。当社グループは、現時点において同様の事業戦略によって運営されております。 当連結会計年度は、主に、以下の各開発品等の事業活動に努めてまいりました。 [開発完了した販売開始済製品] ■Sancuso® (効能・効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐) ・新製造所からの初回輸入に対する中国税関からの要請により、受け入れ試験全項目の実施に時間を要したため、製品出荷の時期が遅延しておりましたが、新製造所から初回出荷を完了しました。 ・中国販売パートナーであるLee’s社とのライセンス契約期間満了が2026年末に到来することに鑑み、2027年以降の販売を担うパートナーとして2026年1月にMAAB社とライセンス契約を締結いたしました。同社には製造権も導出し、中国現地生産を企図しております。また、同社とはSancuso®以外の当社製品及び開発品に関する戦略的提携についても評価・検討を進めております。 ■ダルビアス® (効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫) ・2022年に日本で承認され、日本化薬株式会社により販売が開始されています。 ・現在、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫に引き続く、他のがん種への適応拡大の検討を行っており、国内の大学研究室及び中国の研究施設において、ダルビアス®の作用機序並びに臨床における症例報告等から可能性のあるがん種を選定し、その細胞株を用いたin vitro非臨床試験を進めております。 ・2025年8月に、英国 WEP Clinical 社との現契約を終了し、新たに INTEGRIS PHARMA S.A.(本社:ギリシャ共和国 アテネ市、設立:2008 年、医薬品販売業、CEO:Harry Therianos)と東欧13か国でのMAP(Managed Access Program)制度を前提とした販売等独占的権利の許諾に関するライセンス契約を締結いたしました。 ・2025年4月に、シンガポールFirebird社と東南アジアの一部、オセアニア、中東の一部及びアフリカの一部でのダルビアス®及びエピシル®販売権ライセンス契約を締結しましたが、同年12月に契約を解除致しました。 ■エピシル®(使用目的:がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和) ・2024年12月に中国販売パートナーをLee’s Pharmaceutical (HK) LimitedからChangchun GeneScience Pharmaceutical Co., Ltd. (Gensci)へ変更する契約を締結し、当連結会計年度中に同社への出荷を開始しました。Gensciは2025年3月より販売を開始しております。 ・2025年8月に、Daiichi Sankyo Brasil Farmacêutica Ltda.(本社:ブラジル連邦共和国サンパウロ市、President: Marcelo Gonçalves、第一三共株式会社 100%子会社)と、ブラジルを対象地域とする独占的販売権ライセンス契約を締結いたしました。 [非臨床試験段階の開発品] ■SP-04(PledOx®: 予定する効能・効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害) ・大腸がん患者におけるオキサリプラチンを含む多剤併用化学療法に起因する末梢神経障害を対象とした、日本を含む国際共同第III相臨床試験(POLAR-A試験及びPOLAR-M試験)の結果に鑑み、当該対象の開発を留保し、タキサン製剤に起因する末梢神経障害を対象とした開発の可能性を探索するため追加の動物試験を実施しております。これまで、導入元Egetis社と協力により海外の大学研究室及び国内の大学の研究室で実施した動物試験項目の一部で有効性が見られたことから、国内の大学においてより詳細な効果発現機序を検討するための新たなin vitro非臨床試験を進めております。 [臨床試験段階の開発品] ■SP-05(アルホリチキソリン:予定する効能・効果:フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強) ・大腸がん患者を対象とした、日本を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験(AGENT試験)の最終結果として、主要評価項目及び重要な副次評価項目で統計学的に有意な結果を示さなかったことが2022年に判明し、当社は開発を停止しておりました。2024年に、権利導入元のIsofol社がSP-05の開発再開を決定したことを受け、当社もIsofol社から提供された新たな情報を改めて評価し、日本における開発再開方針を決定しております。 ・Isofol社は、2025年1月までにAGENT試験事後解析結果とSP-05用量反応性等に関する非臨床試験結果を公表しております。新たに実施した非臨床試験結果から、至適ではなかったと想定されるSP-05の投与量と投与タイミングで実施されたAGENT試験において、SP-05投与群が対照のロイコボリン投与群に比べて抗腫瘍効果は数値的には優位であったという解析結果が報告され、また試験実施計画書を厳格に遂行した患者群のみを解析対象とした場合、SP-05投与群が対照のロイコボリン投与群に比べて高い有効性が示されたこと等が報告されております。現在進行中の第Ib/Ⅱ相臨床試験では、これらの事後解析結果等を踏まえてSP-05投与量及び投与タイミングが修正されており、ポジティブなデータを得る可能性を高めるものと考えられます。 ・2025年3月、ドイツ規制当局よりSP-05第Ib/Ⅱ相臨床試験の開始許可を取得し、2025年4月にベルリン大学医学部シャリテ病院で患者への投与が開始されました。2025年6月には当該試験第Ib相パートの用量漸増第2コホート(第2段階)が完了し、現在第3コホートを実施中です。なお、当社権利地域である日本では、当該試験第Ⅱ相パートから2026年度後期の参加を予定しております。 ・Isofol社において、今後のSP-05 開発資金を株主割当等の手法にて調達することとなり、当社も出資要請を受け、2025年7月に77百万円の出資を実施しました。当社は、本件出資を通じ、今後のSP-05開発活動におけるIsofol社とのより綿密な連携を期待し、このほか日本以外の地域で生じるSP-05開発進捗により得られる経済価値の一部を享受することを期待しております。 [開発候補品プロジェクト] ■RECQL1-siRNA(予定する効能効果:卵巣がん又は消化器がんの腹膜転移(腹膜播種)) ・新規核酸医薬候補品RECQL1-siRNAは、国内で創製されたがん細胞で過剰発現が認められるDNA修復酵素ヘリカーゼRECQL1に対するsiRNAで、これまでの非臨床研究により、がん細胞内で当該酵素のみを選択的に発現抑制することで細胞死に誘導する新作用機序が考えられています。当社は2020年7月に株式会社ジーンケア研究所と同プロジェクトのオプション契約を締結し、同社と共同で開発にむけての評価を進めております。 ・国内の大学研究室と共同で、同候補品のプロトタイプ剤型を用いた動物試験を進めております。 上記のとおり製品開発品価値向上に努め中長期観点での企業価値向上を図りましたが、短期的損益面においては、製品販売が未だ初期段階にあるため、製品販売利益を超過する医薬品開発先行投資等を継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の単年度損益業績は次のとおりとなりました。 売上収益は、Sancuso®、ダルビアス®及びエピシル®製品販売収益等及びエピシル® ブラジル権利ライセンスアウト収益発生により429百万円生じ、また、売上総利益は207百万円となりました。 研究開発費は430百万円発生いたしました。これは主にダルビアス®の原価低減、適応拡大及び中国臨床開発の検討、SP-04動物実験、新規開発品候補への投資によるものです。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ1,084百万円減少し、637百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は861百万円の損失となり、当期損益は876百万円の損失となりました。 ② 財政状態およびキャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローについては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおりです。 ③生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。 b. 受注実績 当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。 c. 販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 金額(百万円)   前年同期比(%) 医薬品事業(百万円)   429   135.4% (注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) Lee’s Pharmaceuticals (HK)Ltd.   27   8.7   177   41.3 日本化薬株式会社   82   26.1   105   24.7 GenSci Singapore Pte.Ltd.   158   49.9   75   17.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 ① 重要性がある会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの重要性がある会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針、5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。 経営成績 前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   前期比 (百万円) 売上収益   316   429   112 売上総利益   185   207   21 営業利益(△損失)   △1,951   △861   1,090 当期利益(△損失)   △1,941   △876   1,064 当社グループは、販売開始済3製品を含むがん領域医薬品パイプラインの拡充育成を中心に事業運営を図っており、当期は主に上記「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載の通り、事業活動に務めてまいりました。 上記のとおり製品開発品価値向上に努め中長期観点での企業価値向上を図りましたが、短期的損益面においては、製品販売が未だ初期段階にあるため、製品販売利益を超過する医薬品開発先行投資等を継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の単年度損益業績は次のとおりとなりました。 (売上収益、売上総利益) 売上収益は、Sancuso®、ダルビアス®及びエピシル®製品販売収益等及びエピシル® ブラジル権利ライセンスアウト収益発生により429百万円生じ、また、売上総利益は207百万円となりました。 研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳 前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   前期比(百万円) 研究開発費   414   430   16 販売費及び一般管理費   1,721   637   △1,084 計   2,136   1,068   △1,068 (内訳)人件費   422   449   27 業務委託費   428   433   4 減価償却費、無形資産償却費及び減損損失   1,154   37   △1,116 その他   131   147   16 (研究開発費、販売費及び一般管理費、営業損益、当期損益) 研究開発費は430百万円発生いたしました。これは主にダルビアス®の原価低減、適応拡大及び中国臨床開発の検討、SP-04動物実験、新規開発品候補への投資によるものです。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ1,084百万円減少し、637百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は861百万円の損失となり、当期損益は876百万円の損失となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   前期比(百万円) 営業活動によるキャッシュ・フロー   △1,033   △847   185 投資活動によるキャッシュ・フロー   △0   △81   △81 財務活動によるキャッシュ・フロー   1,180   1,425   245 (資産) 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ782百万円増加し、2,145百万円となりました。流動資産は1,890百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は1,387百万円、売掛金を中心とする営業債権及びその他の債権は374百万円です。非流動資産は254百万円です。使用権資産97百万円およびその他の金融資産141百万円が主要構成要素です。 (負債) 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ186百万円増加し、393百万円となりました。流動負債は312百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は229百万円です。非流動負債は80百万円であり、そのうちリース負債64百万円が主要構成要素です。 (資本) 当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ595百万円増加し、1,752百万円となりました。主な増加要因は新株予約権行使による新株発行1,458百万円であり、主な減少要因は当期損失876百万円です。このほか、2025年5月に繰越利益剰余金欠損填補を目的として、資本金と資本準備金を合計で3,633百万円減少させる処理を行っております。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは847百万円のマイナス(前連結会計年度は1,033百万円のマイナス)であり、税引前当期損失876百万円が主要因です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは81百万円のマイナス(前連結会計年度は0百万円のマイナス)です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,425百万円のプラス(前連結会計年度は1,180百万円のプラス)であり、新株予約権行使による株式発行収入1,458百万円が主要因です。 ④ 経営戦略と見通し 当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。 a. 既存開発パイプラインの進捗 b. 新規開発パイプラインの拡充 c. 強固な販売パートナーシップの構築 d. 組織の強化 e. 内部統制の強化 f. 資金調達の実施 上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に亘り設定しており、当面は継続して推進する所存です。 (3) 経営者の問題認識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。 (4) 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3.事業等のリスク」に記載のとおりです。

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