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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.77-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

オンコリスバイオファーマ

Oncolys BioPharma Inc.4588 · Growth · 医薬品

ウイルス創薬企業。がんのウイルス療法と重症ウイルス感染症治療薬の開発に特化し、ライセンス型と製薬会社型のハイブリッドモデルへ移行中。

概要

オンコリスバイオファーマは、2004年に設立された創薬バイオ企業で、国産初のウイルス療法を目指す。遺伝子改変アデノウイルス「テロメライシン(OBP-301)」を中核に、がん治療薬や感染症治療薬の研究開発を進める。従業員38名の少数精鋭体制で、2025年12月期の売上高は約2900万円、営業損失20億円と赤字が続く。同年12月にはOBP-301の国内製造販売承認を申請し、事業化への転換点を迎えている。

がんウイルス療法と感染症治療薬の二本柱

同社の事業は、独自技術を核とした二つの領域から成る。第一は、腫瘍溶解ウイルスを用いた「がんのウイルス療法」で、主力はOBP-301(テロメライシン)と次世代のOBP-702である。第二は、ウイルス感染症治療薬で、OBP-2011(抗SARS-CoV-2)や、ドラッグリポジショニングにより神経難病に転用されたOBP-601(censavudine)が含まれる。さらに、検査薬OBP-401やHDAC阻害剤OBP-801も保有するが、後者はがん領域での開発を中断し眼科領域への応用を模索中である。

ライセンス型からハイブリッド型へ転換する事業モデル

創業以来、同社はパイプラインを一定段階まで開発した後、大手製薬企業へライセンス許諾し、契約一時金やロイヤリティを得るライセンス型事業モデルを採用してきた。しかし近年、自社で製造販売承認を取得する製薬会社型事業モデルとのハイブリッドへ移行している。その具体例が、2024年2月に富士フイルム富山化学と日本における販売提携契約を結んだOBP-301であり、2025年12月には自社で国内承認申請に至った。また、OBP-601は2020年6月にTransposon社へ導出され、同社が開発費用を負担する。

売上高はライセンス収入に依存、研究開発費先行で赤字継続

2025年12月期の売上高は28,546千円と低水準で、全額がTransposon社からのライセンス収入である。一方、研究開発費が先行し、営業損失は20億円超に達した。資産は増資により45億円超に増加したが、現金同等物34億円を保有するものの、毎年20億円前後のキャッシュアウトが続く。売上高の大半を単一の顧客(Transposon社)に依存する構造であり、パイプラインの承認と販売開始による収益化が急務となっている。

38名の研究開発体制とアウトソーシング戦略

従業員数は38名と小規模だが、CRO(臨床試験受託機関)やCDMO(医薬品製造受託機関)への業務委託を積極的に活用し、低コストで効率的な研究開発を進める。自社製造は神戸リサーチラボで検査薬OBP-401のみ行い、治療薬は外部委託する。研究開発は兵庫県神戸市の神戸研究センターを拠点とし、東京都港区に本社を置く。少数精鋭で複数のパイプラインを同時に進める体制だが、承認申請後の製造販売や市販後調査には外部パートナーとの連携が不可欠である。

業界の中での役割は製薬業界向けのパイプライン開発企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
0億円
営業利益
-20億円
純利益
-21億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01がん治療(ウイルス療法)主力

がん細胞で特異的に増殖する腫瘍溶解ウイルスを開発し、固形がん(食道がん、膵臓がんなど)を対象に、局所療法としての治療薬や、次世代型のp53搭載ウイルスを開発している。国内では富士フイルム富山化学との販売提携、台湾ではMedigen社との商業化許諾など、アライアンスによる事業化を進めている。

主な製品・サービス2
OBP-301(テロメライシン)
テロメラーゼ活性の高いがん細胞で特異的に増殖する腫瘍溶解ウイルス。食道がんなど固形がんを対象に、放射線や免疫チェックポイント阻害剤との併用効果も期待される。
OBP-702
OBP-301にがん抑制遺伝子p53を搭載した次世代腫瘍溶解ウイルス。非臨床試験でOBP-301の約10~30倍の抗がん活性が示唆され、免疫チェックポイント阻害剤との併用効果が期待される。

02ウイルス感染症治療準主力

新型コロナウイルス感染症治療薬OBP-2011を開発してきたが、現在は開発優先順位を下げ、メカニズム解明と他ウイルス感染症への応用可能性を探索している。

主な製品・サービス1
OBP-2011
SARS-CoV-2を強く阻害する新規メカニズムの治療薬として開発されたが、現在は他のウイルス感染症治療薬としての可能性を探索中。

03神経変性疾患治療準主力

HIV感染症治療薬として開発してきたOBP-601をドラッグリポジショニングし、LINE-1阻害剤として神経変性疾患(PSP、ALS、アルツハイマー病など)の治療薬を目指す。開発と費用はライセンス先のTransposon社が担う。

主な製品・サービス1
OBP-601(センサブジン)
レトロトランスポゾンの逆転写を阻害するLINE-1阻害剤。神経変性疾患の新規治療薬として期待される。

04がん診断(検査薬)副次

がん細胞を特異的に蛍光発光させる遺伝子改変ウイルスを用いた検査技術を開発。血液中の循環腫瘍細胞(CTC)の検出を可能にし、がんの予後予測や超早期発見への応用を目指す。

主な製品・サービス1
OBP-401
がん細胞内でGFPを産生し蛍光発光する遺伝子改変アデノウイルス。血液中の生きたがん細胞(CTC)を検出するための検査用ウイルス。

製品と技術

OBP-301(テロメライシン):遺伝子改変アデノウイルスによる腫瘍溶解療法

OBP-301は、5型アデノウイルスのE1領域にヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)プロモーターとIRES配列を組み込んだ腫瘍溶解ウイルスである。テロメラーゼ活性の高いがん細胞内で特異的に増殖し、細胞を破壊する。正常細胞では増殖が抑えられるため、重篤な副作用が少ないとされる。局所注射により投与し、放射線治療や免疫チェックポイント阻害剤との併用効果が期待される。食道がんを対象に国内承認申請が行われ、米国と日本でオーファンドラッグ指定を受けている。内視鏡を用いた投与方法に関する特許(特許第7674738号)を単独保有する。

OBP-702:p53搭載の次世代腫瘍溶解ウイルス

OBP-702は、OBP-301に強力ながん抑制遺伝子p53を追加した次世代製品である。p53遺伝子の欠失や変異は全がんの30~40%で認められ、OBP-702はウイルス自身の腫瘍溶解作用に加え、p53蛋白をがん細胞内で生成させることでアポトーシスを誘導する。非臨床試験ではOBP-301比で約10~30倍の抗がん活性が示唆され、免疫チェックポイント阻害剤との併用効果も確認された。今後は膵臓がんなど既存治療に抵抗性を示すがん種への応用を目指す。

OBP-601(censavudine):LINE-1阻害剤として神経難病に挑む

OBP-601は元々HIV感染症治療薬として開発された核酸系逆転写酵素阻害剤だが、近年LINE-1レトロトランスポゾンの逆転写を阻害する機能が注目され、ドラッグリポジショニングにより神経変性疾患治療薬に転用された。2020年6月にTransposon社へ全世界独占的ライセンスを導出し、同社が開発費用を全額負担する。2024年5月に米国FDAから進行性核上性麻痺(PSP)のファストトラック指定を取得。ALSやアルツハイマー病への適応拡大も期待されている。

OBP-2011/401/801:補完的パイプライン

OBP-2011は2020年に鹿児島大学から導入した抗SARS-CoV-2薬で、経口投与が可能な新規メカニズムを持つ。変異株に対しても同等の活性を示したが、現在は開発優先度を引き下げ、他のウイルス感染症への応用可能性を探索中。OBP-401は緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現する遺伝子改変アデノウイルスで、血液中のがん細胞(CTC)検出用の検査薬として開発。自社保有の神戸リサーチラボで製造する。OBP-801はアステラス製薬から導入したHDAC阻害剤だが、米国Phase1で用量制限毒性が生じ、がん領域の開発を中断。眼科領域への応用を目指している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

創薬ベンチャー、売上ほぼゼロ

当社はバイオ医薬品開発企業で、現時点で売上はほぼなく、パイプラインの進捗が焦点。同業のVeritas In SilicoやPRISM BioLabと同様に、収益化には長期間を要する。2024年12月期の売上は0億円であり、創薬段階。資金調達と提携が生存の鍵。競合に対して差別化された技術が必要。

強み

  • 独自のプラットフォーム技術で新規モダリティを開発
  • 複数の適応症に向けたパイプラインを保有
  • 大手製薬との提携により研究開発資金を確保
  • 特許ポートフォリオで競争優位を構築

課題

  • 上市まで収益がなく、資金消耗が続く
  • 臨床試験の失敗リスクが高く、事業化不透明
  • 同業他社との差別化が不十分

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がオンコリスバイオファーマ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14553東和薬品1,875億円34.1倍
24887サワイグループホールディングス1,813億円15.8倍
34521科研製薬1,748億円70.0倍
42160ジーエヌアイグループ1,547億円
54587ペプチドリーム1,398億円
64588オンコリスバイオファーマ1,198億円
74534持田製薬1,194億円14.7倍
84565ネクセラファーマ1,041億円
94559ゼリア新薬工業1,008億円10.5倍
104549栄研化学804億円20.8倍
114569杏林製薬709億円19.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 33件

2004年設立、ウイルス療法研究に着手

2004年3月、東京都港区に「オンコリスバイオファーマ株式会社」として設立。腫瘍溶解ウイルスと分子標的抗腫瘍薬の研究開発を目的とした。同年12月に本社を港区内で移転。2005年5月にはOBP-401(後の検査薬)がNEDOの分子イメージングプロジェクト助成金に採択され、国の支援を受ける。2006年10月には京都研究センターを開設し、研究拠点を整備した。

2006年、米国でOBP-301のPhase1開始

2006年3月、米国FDAへOBP-301の治験申請(IND)を実施し、同年10月にPhase1臨床試験を米国で開始した。同時期に日本国内特許が成立(特許第3867968号)。また、2006年6月にはYale大学から新規HIV治療薬の全世界独占的ライセンスを導入し、OBP-601として研究着手。これによりがん領域と感染症領域の二軸が形成された。

2008年、台湾Medigen社と戦略的提携

2008年3月、台湾のMedigen Biotechnology社とOBP-301の戦略的提携契約を締結。これは同社初の海外アライアンスであり、アジア展開の足がかりとなった。2009年10月にはアステラス製薬からHDAC阻害剤OBP-801を導入。2010年12月にはBristol-Myers Squibb(BMS)とOBP-601のライセンス契約を結び、グローバルな提携関係を拡大した。

2013年、東証マザーズに上場

2013年12月、東京証券取引所マザーズに株式を上場。上場前年の2012年12月期の売上高は4百万円と小規模だったが、研究開発の進捗を資金調達に結びつけた。上場後も研究開発を加速し、2013年11月に岡山大学でOBP-301と放射線併用の食道がん臨床研究を開始、2014年11月には台湾でPhase1/2試験に着手した。

2014年、BMSとの契約解消と独立路線

2014年4月、BMSとOBP-601のライセンス契約を解消。これにより一時的に開発が不透明になったが、同社はOBP-601の権利を回収し、後にドラッグリポジショニングによる神経難病治療薬として再活用する道を選んだ。同年にはOBP-801の米国IND申請、翌年にはPhase1開始と、独自のパイプライン開発を継続した。

2020年、Transposon社へのライセンス導出と感染症領域への参入

2020年6月、OBP-601(censavudine)を神経難病領域に特化したTransposon社へ全世界独占的ライセンス導出。契約一時金とマイルストーン収入を得るライセンス型の具体化となった。また、同年6月には鹿児島大学から抗SARS-CoV-2薬の特許を譲り受け、OBP-2011として新型コロナ治療薬の開発を開始した。

2024年、富士フイルム富山化学と販売提携

2024年2月、OBP-301の日本国内販売について富士フイルム富山化学と提携契約を締結。自社では製造販売承認を取得し、販売は富士フイルム富山化学が担う役割分担を定めた。同年12月には台湾のMedigen社へ商業化権を許諾し、アジア戦略も進めた。2024年5月にはOBP-601が米国FDAから進行性核上性麻痺(PSP)のファストトラック指定を受けた。

2025年、OBP-301の国内承認申請で節目を迎える

2025年12月、OBP-301を食道がん治療薬として厚生労働省に製造販売承認申請。同時に希少疾病用再生医療等製品(オーファンドラッグ)指定も受けた。同社は2020年以降、米国でもオーファンドラッグ指定を取得しており、承認が得られれば国内初の遺伝子改変アデノウイルス製剤となる。この申請は、研究開発型から製薬会社型への事業モデル転換の象徴的な出来事である。

年表33件を開く

2000年代

  • 2004年3月創業腫瘍溶解ウイルスの研究開発及び分子標的抗腫瘍薬の研究開発を目的に、「オンコリスバイオファーマ株式会社」を東京都港区に設立
  • 2004年12月東京都港区内で本社移転
  • 2005年5月OBP-401が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2005年度「分子イメージング機器研究開発プロジェクト/悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器研究開発プロジェクト」の助成金に採択
  • 2006年3月米国食品医薬品局(FDA)へOBP-301の治験申請(IND)を実施
  • 2006年6月Yale大学(米国)と新規HIV感染症治療薬の全世界における独占的ライセンス導入契約を締結し、OBP-601として研究・開発に着手
  • 2006年10月京都研究センターを京都府京都市に開設
  • 2006年10月OBP-301の日本国内特許成立(特許第3867968号)
  • 2006年10月OBP-301のPhase1臨床試験を米国にて開始
  • 2007年9月第5回日本バイオベンチャー大賞文部科学大臣賞受賞(主催:フジサンケイビジネスアイ)
  • 2007年11月京都研究センターを兵庫県神戸市に移転し、神戸研究センターとする
  • 2008年3月Medigen Biotechnology Corp.(台湾)とOBP-301に関する戦略的提携契約を締結
  • 2008年3月米国食品医薬品局(FDA)へOBP-601の治験申請(IND)を実施
  • 2008年5月OBP-601のPhase1a臨床試験を米国にて開始
  • 2008年8月フランス保健製品衛生安全庁(AFSSAPS)へOBP-601のPhase1b/2a臨床試験の実施許可を申請
  • 2009年1月OBP-601のPhase1b/2a臨床試験をフランスにて開始
  • 2009年9月OBP-601の米国特許成立(米国特許第7,589,078号)
  • 2009年10月アステラス製薬株式会社と新規分子標的抗癌剤の全世界における独占的ライセンス導入契約を締結し、OBP-801として研究・開発に着手

2010年代

  • 2010年7月OBP-401が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2010年度「イノベーション実用化開発費助成金」の助成金に採択
  • 2010年12月Bristol-Myers Squibb Co.(以下、「BMS社」)とOBP-601に関するライセンス契約を締結
  • 2011年4月独立行政法人医薬基盤研究所と新規検査薬OBP-1101の全世界における独占的ライセンス導入契約を締結し、研究・開発に着手
  • 2011年6月創業OBP-401をはじめとする検査薬事業を承継させるために、新設分割によりオンコリスダイアグノスティクス株式会社を設立
  • 2012年4月M&A連結子会社であるオンコリスダイアグノスティクス株式会社を吸収合併
  • 2012年4月OBP-401の研究目的受託検査を開始
  • 2012年4月OBP-301の米国特許成立(米国特許第8,163,892号)
  • 2012年11月OBP-401が、JST(独立行政法人科学技術振興機構)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の2012年度「フィージビリティスタディ(FS)ステージシーズ顕在化タイプ」に採択
  • 2013年5月OBP-801が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択
  • 2013年11月岡山大学でOBP-301の放射線併用食道がん臨床研究が開始
  • 2013年12月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2014年4月BMS社とOBP-601に関するライセンス契約を解消
  • 2014年5月OBP-801が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択
  • 2014年11月OBP-301のPhase1/2臨床試験を台湾にて開始
  • 2014年11月米国食品医薬品局(FDA)へOBP-801の治験申請(IND)を実施
  • 2015年5月OBP-801のPhase1臨床試験を米国にて開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    ライセンス型と製薬会社型のハイブリッドモデルへの移行

    従来のライセンス型事業モデルに加え、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルを展開するハイブリッドモデルへ移行。OBP-301の国内承認申請を実施し、製薬会社型モデルを具体化。

  2. 02

    研究開発体制の強化と薬事・信頼性保証業務の充実

    前臨床からPOC取得、治験薬製造に加え、製薬会社モデル移行に伴い薬事体制や信頼性保証業務を強化。プロジェクトリーダー人材の確保・育成、アウトソーシング活用によるローコスト・ハイレベルな研究開発体制を構築。

  3. 03

    人材の確保・育成と国際的視野の獲得

    英語能力など国際的視野を持つ人材の採用・育成を推進。OJTや研修プログラム、業績評価・株式報酬制度の充実により業務のスピード・質を最大化。

  4. 04

    事業開発部門の強化による製薬企業とのネットワーク構築

    科学的知識豊富な人材を確保・育成し、海外製薬企業とのライセンスや共同開発の機会を創出。キャッシュフロー獲得に貢献する事業開発体制を構築。

  5. 05

    アウトソーシング戦略の効率化とリスク分散

    CRO・CDMOとの関係強化、オペレーション体制強化、専門人材育成。特定1社依存リスクや地政学的リスク回避のためセカンドコントラクター探索。内製化によるリスクコントロールも検討。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で38人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,074万円で、9期前と比べて+37.7%平均年齢は49.4歳、平均勤続年数は4.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月30
2017年12月29
2018年12月30
2019年12月78045.85.727
2020年12月78240.64.032
2021年12月81442.34.433
2022年12月79142.84.833
2023年12月92547.74.834
2024年12月1,06149.24.635−4,857
2025年12月1,07449.44.738−5,263

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は0億円営業利益-20億円

売上高
0億円
営業利益
-20億円
純利益
-21億円

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は5億円、営業利益は−8億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2022年4Q2−3
2023年1Q0−3−3
2023年2Q1−6−600.0−6
2023年3Q0−4−4
2023年4Q0−6
2024年2Q0−4−4
2024年4Q0−9−9
2025年2Q0−13−13
2025年4Q0−7−8
2026年2Q5−8−160.0−8

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は4億円から0億円へ0%に減った。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
連結子会社であるオンコリスダイアグノスティクス株式会社を吸収合併
2012年12月4−1−1
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2013年12月0−6−6
2014年12月0−7−7
2015年12月1−9−9
2016年12月2−9−9
2017年12月2−11−11
2018年12月2−12−12
2019年12月13−5−9
2020年12月3−17−21
2021年12月6−15−16
2022年12月10−12−11
2023年12月1−19−19
2024年12月0−17−17−17
2025年12月0−20−21−21

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが−19億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−19億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は34億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2012年12月−2−34−54
2013年12月−6154−554
2014年12月−8−340−4212
2015年12月−818−11021
2016年12月−930−614
2017年12月−11115−1019
2018年12月−12311−922
2019年12月−2011−231
2020年12月−1502−1518
2021年12月−17031−1732
2022年12月−170−1−1715
2023年12月−13011−1313
2024年12月−20029−2022
2025年12月−19032−1934

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は46億円。このうち返さなくてよい自己資本が40億円で、自己資本比率は87.6%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月85359.0
2013年12月5751689.3
2014年12月5044687.2
2015年12月4035587.2
2016年12月3126582.7
2017年12月3529682.9
2018年12月3429584.3
2019年12月4435978.7
2020年12月2820871.4
2021年12月4336783.6
2022年12月2722581.2
2023年12月2015571.5
2024年12月3228485.8
2025年12月4640687.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
37億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-21億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
6億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中16位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
87.6%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,090で、1年前と比べて+513.2%過去52週の値幅のなかでは82%の位置にある。

¥4,090-1.6%1ヶ月+49.2%1年+513.2%時価総額1,198億円
過去52週の値幅
安値¥601高値¥4,875

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR36.78倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は直近1ヶ月で33.44%上昇し、8月21日には前日比-9.14%の3380円と急落した。52週高値3785円に迫る水準から調整し、25日線(2843円)は依然として上回るが、乖離は縮小傾向。出来高は8月13日に272万株、14日に286万株と爆発的に増加しており、投機的な売買が活発。RSIは68.14で上昇余地はあるが、短期的な変動は大きい。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PERは過去赤字のため算出不能で、PBRは32.02倍と業界平均3.34倍を大幅に上回ります。ROEはマイナスで収益性が低く、配当利回りは0%と無配です。売上高はほぼゼロで営業損益も赤字が続き、財務体質が脆弱です。バイオ企業としての成長期待が織り込まれているものの、現状の利益水準に対して株価は過大に評価されていると判断します。

指標この会社業種平均
PBR36.78倍3.53倍

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

今後の承認申請と事業化が最大の投資論点。強気派はがん治療の新機軸として将来性を評価し、臨床試験の進展や提携の可能性に期待する。弱気派はまだ収益化のめどが立たず、資金調達リスクや承認不成立の恐れを指摘する。株価は年初来で大きく上昇しており、期待先行の側面が強い。

プラスに働く材料7
  • 画期的な技術

    腫瘍溶解性ウイルスは既存治療と異なる作用機序で期待が大きい。

  • 臨床の進展

    頭頸部がんなどでの臨床試験が進行中で、良好なデータが得られれば前進。

  • 提携の可能性

    大手製薬との提携や導出により資金獲得の道がある。

  • 導出契約による一時金の受領条件付き影響

    売上高0円が続く中、大手製薬との導出契約で一時金が入れば純損失20億円台を補える可能性

  • 開発費の抑制で純損失縮小決算発表後影響

    2025/12期は純損益21億円。2026/12期に費用削減が進めば赤字幅が20億円を下回る見込み

  • 時価総額1,022億円に見合う技術評価継続影響

    無収入でも時価総額が大きいのは技術価値が評価されている証拠で、追い風材料

  • バイオ銘柄への資金流入継続影響

    1年で株価が372%上昇しており、セクターへの資金流入が続けばさらに買われる

マイナスに働く材料7
  • 収益化の遠さ

    直近の売上高はほぼゼロで、赤字が続いている。

  • 資金調達リスク

    研究開発に多額の資金が必要で、増資や借入による希薄化懸念。

  • 承認リスク

    臨床試験が失敗すれば株価に大きな悪影響。

  • 純損失の拡大傾向2026年12月期影響

    純損失は2023/12期19億円、2024/12期17億円、2025/12期21億円。赤字トレンドが続けば資金懸念で売り

  • 無配当・無収入への失望通年影響

    配当利回り0%、売上高0円で株主へのリターンが無く、期待が剥がれると売りが出やすい

  • 臨床試験失敗による開発価値の喪失条件付き影響

    売上高0円のため事業価値は全て開発パイプライン依存。治験中止が発表されれば時価総額が大幅減

  • 外国人保有4.46%の低さ継続影響

    外国人保有比率4.46%と低く、海外の機関投資家が売りに回る際は需給が悪化する

次の決算で確かめる点
臨床試験の進捗
承認への到達度を示す重要指標。
現金残高
資金調達の必要性を判断するため。
提携・導出契約
収益化への道筋が立つかどうかの鍵。

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ16,025人。区分でいちばん多いのは個人・その他85.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が3.7%を占め、残る96.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他79.976.675.976.379.385.0
証券会社6.78.210.111.77.86.8
外国法人2.21.41.62.44.94.3
事業法人10.79.69.15.86.13.6
外国人個人0.20.30.30.80.40.2
金融機関0.33.92.93.01.50.1
自己株式0.10.40.50.50.40.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01アステラス製薬株式会社2.48
02モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社2.23
03浦田 泰生1.78
04YUANTA SECURITIES CO., LTD-RETAIL ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店 カストディ業務部長 石川 潤)1.33
05西田 博行1.02
06株式会社SBI証券0.98
07今村 均0.93
08野村證券株式会社0.93
09UBS証券株式会社0.91
10中西 均0.87

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-05-20
    五味 大輔
    新規の大量保有報告
    3.91%
    -1.13pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−375%、1株純資産は14期で+83%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2012年12月−1775
2013年12月−94561
2014年12月−81476
2015年12月−93381
2016年12月−101283
2017年12月−106264
2018年12月−105217
2019年12月−66241
2020年12月−146136
2021年12月−96207
2022年12月−66124
2023年12月−10974
2024年12月−77110
2025年12月−80136

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2025/12期の役員報酬は総額112百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢
浦田泰生代表取締役社長70
樫原康成常務取締役 事業開発・リスク管理担当60
原野修取締役62
斎藤泰取締役68
飯野直子取締役66
久世愼一監査役(常勤)66
栁澤崇仁監査役61
永末真也監査役63
田村彰浩61

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)272118342
社外取締役622224
監査役2774

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,074字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法や重症ウイルス感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。 特に、がんのウイルス療法OBP-301やOBP-702などの「がんのウイルス療法領域」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症領域」でパイプラインを構築し、「ウイルス創薬企業」として成長を目指しています。また、これまでHIV感染症治療薬として開発してきたOBP-601はドラッグリポジショニングにより神経難病治療薬として開発されています。今後は、自社によるOBP-301の販売開始や日本以外のアライアンスを推進し、各パイプラインの開発進展や製薬企業とのアライアンス活動を進め、さらに新規パイプラインの創製にも取り組んでゆく方針です。 これまで当社は、パイプラインの開発を一定段階まで進め、その後の開発や販売は製薬企業へライセンスを許諾し、その対価として契約一時金やマイルストーン、ロイヤリティ収入などを得るというライセンス型事業モデルを展開してきました。しかし、今後は従来のライセンス型事業モデルに加えて、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開を行う「ライセンス型事業モデルと製薬会社型事業モデルのハイブリッド」へ移行を進めています。この方針に則り、2020年6月にTransposon社とOBP-601のライセンス契約を締結し、契約一時金やマイルストーン収入などを受領するなどライセンス型事業モデルを具体化しています。また、製薬会社型事業モデルを具体化するために、2025年12月にOBP-301の国内承認申請を行いました。 「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開し、いち早く医療現場の課題解決に貢献してゆきたいと考えています。 なお、当社の事業系統図は以下のとおりです。 [事業系統図] (1) 主要なパイプライン 当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法や重症ウイルス感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。 特に、がんのウイルス療法OBP-301やOBP-702などの「がんのウイルス療法領域」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症領域」でパイプラインを構築しています。さらに、核酸系逆転写酵素阻害剤のメカニズムを活かしてHIV感染症治療薬として開発して参りましたOBP-601は、LINE-1阻害剤としてドラッグリポジショニングを行い、ライセンス先のTransposon社により神経難病治療薬として開発が進められています。 ①  がんのウイルス療法OBP-301 OBP-301は、5型のアデノウイルス[*1]を遺伝子改変した腫瘍溶解ウイルスです。5型のアデノウイルスは風邪の症状を引き起こすもので、自然界にも存在します。OBP-301は、細胞の寿命を決定づけるテロメラーゼの活性が高いがん細胞で特異的に増殖することによって、がん細胞を破壊します。一方、がん細胞と比較してテロメラーゼ活性が低い正常な細胞の中では、増殖能力が極めて低いため、臨床的な安全性を保つことが期待されています。 また、用法としては局所療法が中心となるため、体の負担も少なく、放射線治療や免疫チェックポイント阻害剤などとの併用により、さらに強力な抗腫瘍活性が導き出せることも明らかになっています。さらに局所注射した部位以外でのがんの縮小効果が示唆されており、がん免疫療法等との併用効果が期待されています。これまで嘔吐・脱毛・造血器障害などの重篤な副作用は報告されていないことから患者様のQOL(Quality of Life)の向上が期待されます。 a) 対象疾患 食道がんなどの固形がんを対象にします。 b) 技術導入の概況 OBP-301は、内視鏡を用いる投与方法に関する用法特許が日本国内で特許が成立しており(特許第7674738号)、米国及び欧州では審査中です。この用法特許は当社が単独で保有しています。 c) アライアンスの状況 2008年3月にMedigen Biotechnology Corp.(台湾)と戦略的アライアンス契約を締結し、2024年12月には台湾での商業化権を許諾しました。また、2024年2月に富士フイルム富山化学と日本における販売提携契約を締結しました。 d) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 なお、食道がん治療再生医療等製品として開発を進め、2025年12月に製造販売承認申請を行いました。また、2020年6月に米国においてオーファンドラッグ(希少疾患治療薬)の指定を食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から、2025年12月に厚生労働省から希少疾病用再生医療等製品(オーファンドラッグ)の指定を受けております。 e) 製造体制 当社は本剤を自社製造しておらず、他の製造会社に委託して製造しております。 f) 販売体制 日本国内に関しては、富士フイルム富山化学が販売する予定です。また、台湾はMedigen社へ商業化権を許諾しています。その他の海外に関しては、大手製薬企業等とライセンス契約又は販売提携契約を締結し、契約先が販売する予定です。 <OBP-301の構造> OBP-301は、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)遺伝子プロモーターをアデノウイルス5型遺伝子のE1領域[*2]に組み込み、さらに同領域にIRES配列[*3]を導入することによってがん細胞内での複製効率を高めたがん細胞で特異的に増殖する腫瘍溶解ウイルスです。 OBP-301のDNA構造は以下のとおりです。 ② LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine) OBP-601(censavudine)は、神経変性疾患への応用が新たに期待されるLINE-1阻害剤です。レトロトランスポゾン[*4]というヒトの遺伝子がRNAからDNAに逆転写されて、DNAの様々な場所に入り込んでしまうことで神経組織の炎症反応が起こり、その結果、筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」)などの神経変性疾患を引き起こされることが近年明らかになりました。OBP-601は、このRNAからDNAへの逆転写を司る酵素を抑制する作用を有しており、これまでにない新しい作用機序をもった神経変性疾患の治療薬になることが期待されています。 a) 対象疾患 PSP(進行性核上性麻痺)、C9-ALS(筋萎縮性側索硬化症)、アルツハイマー病などの神経変性疾患を対象にします。 b) 技術導入の概況 当社は、神経変性疾患治療薬の開発を目的に設立されたTransposon社と、2020年6月に全世界における再許諾権付き独占的ライセンス導出契約を締結しました。今後の開発は、Transposon社が全額費用を負担し、欧米を中心に実施します。 c) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 なお、2024年5月に米国においてPSPへのファスト・トラック指定を食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から受けております。 d) 製造体制 当社は本剤を自社製造しておらず、製造はライセンス導出先のTransposon社が行います。 e) 販売体制 Transposon社が第三者である大手製薬企業等へOBP-601のライセンスを再許諾した場合、ライセンス再許諾先が販売を行います。 <OBP-601(censavudine)の作用メカニズム> ③  次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702 OBP-702は、OBP-301に強力ながん抑制遺伝子p53を搭載した次世代腫瘍溶解ウイルスです。p53遺伝子[*5]の欠失又は変異によって細胞ががん化する割合は、がん全体の30~40%になると報告されています。OBP-702はがん細胞に投与されると、ウイルス自体ががん細胞のテロメラーゼ活性を介して増殖し、がん細胞を破壊するのに加え、同時にp53蛋白をがん細胞の中で生成させることにより、さらに強力にがん細胞をアポトーシスさせる機能を有しています。これまでの非臨床試験の結果では、OBP-301と比較し、抗がん活性が約10倍~30倍高いことが示唆され、免疫チェックポイント阻害剤との併用効果が示されています。今後、既存の治療法に抵抗を示すがんや、OBP-301で効果が得られにくかったがん種等、アンメット・メディカル・ニーズを充足させる治療薬を目指して開発してゆきます。 a) 対象疾患 膵臓がんなどの各種固形がんを対象にします。 b) 技術導入の概況 当社は、2015年に次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702をパイプラインに加えています。OBP-702は、OBP-301と同様に内視鏡を用いる投与方法に関する用法特許を日本国内で取得しており、米国及び欧州では審査中です。この用法特許は当社が単独で保有しています。 c) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 d) 製造体制 当社は、本剤を自社製造しておらず、他の製造会社に委託して製造する予定です。 e) 販売体制 大手製薬企業等へライセンスを導出し、導出先が販売する予定です。 <次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702の構造> ④ ウイルス感染症治療薬OBP-2011 OBP-2011は、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2を強く阻害する新規メカニズムを持った治療薬として開発を行っていました。これまでに行われた前臨床試験の結果から、経口投与が可能であることが確認され、探索的毒性試験や探索的遺伝毒性試験においても問題となるような検査の異常は認められていません。また、アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株・オミクロン株などの変異型コロナウイルス株に対しても、野生型と同等の活性を示すことが細胞培養系の実験で確認されています。今後は、開発優先順位を引き下げ、メカニズム解明を進めるとともに、他のウイルス感染症治療薬としての可能性を探索していきます。 a) 対象疾患 ウイルス感染症を対象に効果を探っています。 b) 技術導入の概況 当社は、2020年6月に鹿児島大学と抗SARS-CoV-2薬用途特許の特許譲受に関する契約を締結しました。日本国内では、本特許が成立しています(特許第7765835号)。さらに、2021年11月に抗SARS-CoV-2薬物質特許の出願を行いました。これらについても鹿児島大学から持分を譲り受けることで、当社は一元的に権利を保有しています。 c) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 d) 製造体制 当社は、本剤を自社製造しておらず、他の製造会社に委託して製造する予定です。 e) 販売体制 大手製薬企業等へライセンスを導出し、導出先が販売を行う予定です。 ⑤  検査薬OBP-401 OBP-401は、がん細胞内で特異的に増殖し、緑の蛍光色を発するタンパク質(GFP)を産生させてがん細胞を特異的に発光させる機能を持った遺伝子改変アデノウイルスです。5型のアデノウイルスの基本構造を持ったOBP-301にクラゲの発光遺伝子を組み入れ、がん細胞や炎症性細胞などのテロメラーゼ陽性細胞で特異的に蛍光発光させる検査用ウイルスです。 <OBP-401の構造模式図> OBP-401を用いた検査プラットフォームは、これまでの技術では検出が困難であった血液中の微量な生きたままのがん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)の検出を可能とし、幅広いがん種での体外検査による予後予測・がん遺伝子検査・超早期発見などへの応用を目指して開発を進めています。特に、肺がん等でがんの組織生検を行うことなく、血液採取でがん患者様に適したがん治療の選択肢を増やすことを目指しており、医療現場での高品質な検査への応用が期待されています。 a) 技術導入の概況 OBP-401は、今後AIを用いた検査系の立ち上げを行い、検査感度・精度及びスループットの向上を目指してゆきます。 OBP-1101は医薬基盤研究所より2011年4月28日付で世界における独占実施権を獲得しています。 b) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 c) 製造体制 当社は、兵庫県神戸市の神戸リサーチラボにおいて、自社製造体制を構築しています。また、必要に応じて他社に委託して製造する予定です。 d) 販売体制 国内外の検査会社等への遺伝子改変ウイルスを用いたがん検査薬の実施権の許諾と、研究機関や製薬企業へのがん検査及び検査薬販売が主体となります。将来は、検査キットを検査会社や医療機関に提供してゆきます。 ⑥  HDAC阻害剤OBP-801 OBP-801はヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase:HDAC)阻害剤[*6]です。OBP-801は、正常細胞のがん化に強く関係しているHDACという酵素の活性を阻害することで、がん細胞の増殖抑制や細胞死などを誘導する効果を示すことを期待して開発されていました。しかし、米国での各種固形がんを対象にしたPhase1臨床試験で用量制限毒性が生じたため、がん領域での開発を中断しています。現在、眼科領域への応用が試みられています。 a) 対象疾患 眼科疾患領域への応用 b) 技術導入の概況 当社は、2009年10月にアステラス製薬株式会社よりOBP-801に関する独占実施権を獲得しています。OBP-801は、眼科領域の用途に関する特許を日本国内で取得しております(特許第7542799号)。 c) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 d) 製造体制 当社は本剤を自社製造しておらず、他社に委託して製造しております。 e) 販売体制 将来的に大手製薬企業等へライセンスを導出し、導出先が販売を行います。 〔主要なパイプラインにかかる用語解説〕 [*1] アデノウイルス アデノウイルスは、正二十面体構造の二本鎖DNAウイルスで、ヒトの場合は気道に感染し、のどの腫れなどのいわゆる風邪の症状を起こします。アデノウイルスには、1型から51型まで51の血清型があり、ヒトアデノウイルス5型は小児の上気道感染症の原因となるウイルスで、36kbの2本鎖直線状のDNAゲノムを有しています。組換えDNA実験ではアデノウイルス5型がよく使われます。この属のウイルスは深刻な疾患の原因とはならず、サイズの大きな遺伝子を組み込むことができることから、遺伝子治療に応用されてきました。 [*2] E1領域 ヒトアデノウイルスゲノムは、5'逆方向末端反復配列(ITR)、パッケージングシグナル(ψ)、初期遺伝子領域E1A及びE1BからなるE1、E2、E3、E4、後期遺伝子領域L1~L5、及び3’ITRを含みます。E1及びE4は調節タンパク質を含み、E2は複製に必要なタンパク質をコードし、L領域はウイルスの構造タンパク質をコードします。E1A及びE1B遺伝子は、ウイルスの増殖に必須な初期遺伝子です。 [*3] IRES配列 IRES(Internal Ribosome Entry Site)と呼ばれる遺伝子配列は、一本のメッセンジャーRNAの途中から翻訳を開始させることができる配列です。このため複数の遺伝子を含むベクターに組み込んで使われています。 [*4] レトロトランスポゾン ヒトゲノムの約40%を占めており、逆転写酵素などの作用によってレトロトランスポゾンの複製が行われ、遺伝子内にランダムに転移が起きます。その結果、遺伝子の突然変異が起こりやすくなり、様々な病気が発生すると考えられています。このレトロトランスポゾンがランダムに複数コピーされてくると、様々な反応によりインターフェロンが産生され、神経細胞を傷つけることによりALSなどの神経変性疾患が発生すると考えられています。 [*5] p53遺伝子 がん抑制遺伝子の中でも代表的な遺伝子の1つであり、「細胞分裂の停止により、破損した遺伝子が修復するための時間稼ぎ」と「変異した遺伝子を持つ細胞の分裂を、強制的に阻止させる細胞死の発動」の役割を担っています。そのため、p53遺伝子は、ゲノム(遺伝子)の守護神という別名を持っています。 [*6] ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase; HDAC)阻害剤 染色体を構成するタンパク質を脱アセチル化することで染色体構造を緊密にし、遺伝子の発現を抑制する酵素を阻害する薬の総称です。
経営方針・対処すべき課題3,840字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 経営方針 当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法薬や重症感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。特に、腫瘍溶解ウイルスであるOBP-301並びに次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702を中心とした「がんのウイルス療法」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症治療薬」を主な事業領域とした「ウイルス創薬企業」として成長を目指しています。さらに、核酸系逆転写酵素阻害剤のメカニズムを活かしてHIV感染症治療薬として開発して参りましたOBP-601は、LINE-1阻害剤としてドラッグリポジショニングを行い、ライセンス先のTransposon社により神経難病治療薬として開発が進められています。 これまで当社は、パイプラインの開発を一定段階まで進め、その後の開発や販売は製薬企業へライセンスを許諾し、その対価として契約一時金やマイルストーン、ロイヤリティ収入などを得るというライセンス型事業モデルを展開してきました。しかし、今後は従来のライセンス型事業モデルに加えて、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開を行う「ライセンス型事業モデルと製薬会社型事業モデルのハイブリッド」へ移行を進めています。この方針に則り、2020年6月にTransposon社とOBP-601のライセンス契約を締結し、契約一時金やマイルストーン収入などを受領するなどライセンス型事業モデルを具体化しています。また、製薬会社型事業モデルを具体化するために、2025年12月にOBP-301の国内承認申請を行いました。 「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献してゆきたいと考えています。 (2) 当社を取り巻く経営環境 がんのウイルス療法は1990年代から欧米を中心に研究開発が進み、2010年代以降に大きな進展を遂げました。2015年に米国アムジェン社が遺伝子改変ヘルペスウイルスを使ったがんのウイルス療法を上市させ、日本国内では2021年に第一三共(株)が同様なヘルペスウイルス製剤「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)を日本国内で上市させました。現在も、世界で数十社が様々なウイルス療法の開発に着手し、開発競争が激しくなっています。一方で、遺伝子改変型アデノウイルスによるウイルス療法は未だ薬事承認されたものはなく、当社が開発しているOBP-301は、食道がんへの適応に対して開発の最終段階にあり、2025年には厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。 また、医薬品業界では、大手製薬企業の命運を左右させるようなパテントクリフを補う新薬の創出が大きな課題となってきており、大手製薬会社も独自の新薬の創出に頼るのではなく、ベンチャー企業が創出した従来にない遺伝子治療や細胞治療などの新しいモダリティを求めるようになってきました。このような環境下、当社のような小規模組織は、経営資源であるヒト・モノ・カネを戦略的かつ効率的に活用し、事業のスピードと質を最大化できるというメリットがあります。効率的な経営を実現させるためにCRO(臨床試験・前臨床試験受託企業)やCDMO(医薬品製造受託企業)に業務委託を行い、早期にパイプラインのPOC(Proof of Concept)を明確化させるとともに、規制当局との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化しています。ニューモダリティを求める大手製薬会社との提携に繋げて新薬承認へのスピードアップを実現させ、世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、組織戦略において下記の課題を重要な課題として取り組んでおります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 a.経営理念の浸透 当社のビジョンは、「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」です。私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみません。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業にできないことこそ、私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有してゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常にコンプライアンスの遵守を心がけます。この経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を具現化するための行動規範を策定し、役職員に行動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その上で、研究開発部門と事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さらに、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況をはじめとするモニタリング機能を充実させていきます。 b.人財の確保と成長 役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積極的に推進します。特に、当社の研究開発やビジネスは国内外に渡るため、英語能力をはじめ国際的視野を持つ人財を育てることが重要です。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せてOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価や株式報酬制度を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。 c.研究開発体制の強化 当社の研究開発は、医薬品候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験(POC: Proof of Concept)までを中心とした前臨床から臨床段階への橋渡し(TR:Translational Research)や、これらの研究開発を進めるための治験薬の製造や品質管理などが従来は主業務でしたが、これらに加え製薬会社モデルに移行した現在は、厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化しています。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成が重要な課題です。当社の研究開発体制は、国内のみならず海外にも展開しております。世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。 d.事業開発部門の強化 当社は、遺伝子改変ウイルス製剤を用いたがんのウイルス療法と重症ウイルス感染治療薬を事業領域に定めており、この業界においては非常に特殊なウイルス創薬の事業化を目指しています。従って、ビジネス能力だけではなく科学的知識の豊富な人財を確保・育成し、世界の製薬企業とのネットワークをより強固なものにしていきます。さらに、海外製薬企業とのライセンスや共同開発の機会を数多く創出し、当社のキャッシュ・フロー獲得に貢献できる事業開発体制を構築します。 e.アウトソーシング戦略 アウトソーシングを主体とする当社のビジネスにおいて、その効率化は重要な課題であります。必要且つ十分な研究開発及び製造力の確保に向け、外部委託会社であるCRO(Contract Research Organization)及びCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)との関係を強化するために、オペレーション体制を強化し、専門の人材を育成してゆきます。また、常に効率的なアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存リスクや地政学的リスクが顕在化せぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行います。さらに、必要に応じてアウトソーシングを見直し、各々の業務の内製化によるリスクコントロールを検討していきます。 主要製品・サービス内容、顧客基盤、販売網等については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)主要なパイプライン」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。
事業等のリスク8,454字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因には、以下のようなものがあります。 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。 なお、文中の将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本書提出日時点において、当社が判断したものであります。 創薬事業における研究開発について (1) 事業の内容について ①  研究開発投資が高額であることにかかる事項 当社が行う医薬品及び検査薬の研究開発は、その期間が長期にわたり、コストも高額であります。保有するパイプラインを初期の臨床試験まで効率的に開発を進めることに注力し、そこで得られた有効性と安全性のデータを以って製薬企業へのライセンス契約締結を実現することを基本的な事業活動と位置付けています。また、政府など各種の補助金を利用して経費を下げるとともに、ライセンス契約締結後の後期臨床試験以降の開発費用はライセンス先の拠出となることで、当社が負担する開発コストを最小限に抑えるとともに、契約一時金収入及びマイルストーン収入を確保することで、新規パイプラインへの再投資が実現することを事業サイクルとしております。 しかしながら、万一、ライセンス契約締結及び維持に支障が発生した場合は、当社の事業収入が減少し、新規パイプライン開発への再投資が困難になる可能性があります。また、当社が上市まで開発する場合、パイプラインの開発費用をライセンス先が負担しないため、当社に発生する多大な研究開発費負担が当社業績を圧迫し、結果として開発の大幅な遅れや開発中止といった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ②  パイプラインの安全性及び有効性にかかる事項 当社が開発するパイプラインにおいて、安全性や有効性に問題が発見された場合は、開発が大幅に遅れる可能性もしくは開発そのものを中止する可能性があります。 当社は、保有するパイプラインの安全性及び有効性の評価を確実なものとするために、以下の方針を実施しています。 ⅰ) 科学評価顧問等のネットワークを最大限活用したパイプラインの客観的な評価 ⅱ) 非臨床・前臨床段階における適正な安全性や有効性の検証 ⅲ) PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)やFDA(米国食品医薬品局)等の監督官庁との情報交換 また、臨床試験の実施に当たっては、臨床試験のモニタリングを委託するCRO(受託臨床試験機関)と綿密なコンタクトを取り、常に正確な臨床現場情報を収集するとともに、医学専門家を交えたSRB(安全性評価委員会)などを設置し、臨床試験の適正な実行に対して最大の努力を図っております。さらに、治験保険への加入による損害賠償リスクの移転を図っております。 上記のような対策を行ってはおりますが、予期せぬ副作用による開発の遅滞・中止のリスクを完全に排除することは困難であり、開発の大幅な遅れや開発中止もしくは国内外の監督官庁の承認が得られないといった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ③  法的規制にかかる事項 医薬品の研究開発における薬機法に基づき、医薬品の前臨床試験においてはGLP(Good Laboratory Practice)、原薬等の製造においてはGMP(Good Manufacturing Practice)並びに、臨床試験においてはGCP(Good Clinical Practice)が、また市販後においてはGQP(Good Quality Practice)やGVP(Good Vigilance Practice)などのガイドラインがそれぞれ定められており、その操作手順やQA/QCが確実に実施されていることが必須条件になっております。当社は、再生医療等製品製造販売業者として、関係法令等に則った対応を行っていきます。 また、当社は遺伝子組換えウイルス製剤を開発しておりますが、日本においては、2000年に生物多様性条約特別締約国会議で採択された「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(カルタヘナ議定書)」に準拠した国内法「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)の定めるところに従って開発・製造・販売を行っていく必要があります。当社は、国内のウイルス取扱施設において、文部科学大臣より「遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする間に執る拡散防止措置の確認」について確認を得るとともに、日本国内でOBP-301の臨床試験を実施するために、カルタヘナに関する厚生労働大臣の承認を得ております。また、今後当社のウイルス製剤が販売された後は、ウイルス拡散防止条例に則った対応を行っていきます。 しかしながら、将来医薬品・ウイルス製造等に関する新たな法律や条例などが制定・施行される可能性があった場合には、当社の事業が何らかの制約を受ける可能性があります。その結果、開発の大幅な遅れや中止、或いは販売中止といった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ④  技術革新にかかる事項 当社が推進する創薬事業にかかる技術分野においては、いずれも技術革新及び進歩の度合いが著しく速いと考えられます。当社は、常に最新の技術情報の収集・集積に注力しておりますが、万一、医薬品及び検査薬の競合技術等が、当社の対応の及ばない状況下で格段の進歩を遂げた場合、当社の事業に影響を与える可能性があります。また、当該技術の導入等に多大な費用や時間を要する場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤  競合にかかる事項 当社の業務領域と完全に一致する企業は国内外に見当たりませんが、海外も含めたウイルス製剤の研究・開発・販売の動向には常に注視しています。 本書提出日時点で当社が把握できている競合品としては、遺伝子改変ヘルペスウイルス製剤Talimogene laherpareovec:T-VEC(Amgen社:米国)が、進行性黒色腫治療薬として2015年10月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けるとともに欧州医薬品庁(EMA)の諮問委員会の承認推奨を受けました。また、日本国内では2021年に第一三共株式会社により、遺伝子改変ヘルペスウイルス「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)が承認されました。 当社と同様のアデノウイルス製剤を用いた競合品としては、CG-0070(Cold Genesys社:米国)があげられます。同剤は膀胱がんを対象としてアメリカを中心にPhase 3臨床試験を実施しています。さらに、LOKON社(スウェーデン)でも遺伝子改変型のアデノウイルスを開発しておりPhase 2臨床試験の段階です。これら以外にも、レオウイルス(Oncolytic Biotechnology社)やVSV(水疱性口内炎ウイルス)などを用いたウイルス製剤が臨床試験を行っています。当社のOBP-301は2025年12月に食道がんの局所治療薬として承認申請を行いました。現段階で同領域を対象としたウイルス製剤は存在していませんが、同領域を対象とした腫瘍溶解ウイルスや医薬品が参入してきた場合、当社の事業に影響を与える可能性があります。 本書提出日時点で、当社が把握する競合の存在及びその研究開発進捗が必ずしも当社にとって直接マイナスの影響をもたらすものではありませんが、競合品が当社と同様の領域で飛躍的に市場を寡占化した場合等、当社のパイプラインによる収入に影響を与える可能性があります。 ⑥  アライアンスにかかる事項 現在の当社の収益構造は、それぞれのパイプラインの製品的価値の初期臨床評価であるProof of Concept(POC)に基づいて製薬企業等とライセンス契約を締結し、その対価として契約一時金・研究協力金・開発協力金・マイルストーン収入及び製品の上市以降その販売に伴って発生する製品販売収入やロイヤリティ収入等を段階的に見込むものであります。本書提出日時点において、当社は、Transposon社とLINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)の全世界における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンス契約を締結しています。また、OBP-301の日本国内での販売は富士フイルム富山化学と販売提携契約を締結しています。さらに、OBP-301の台湾での商業化の権利をMedigen社に許諾しています。 導出前の各パイプラインについては、導出先候補となる製薬企業や検査薬企業等のニーズを考慮し、研究開発の進捗状況を効果的に情報提供などの活動を続けています。しかしながら、当社のパイプラインが導出先候補企業のニーズを満たす保証はなく、導出契約の時期や条件が当社の想定するものと大幅に乖離した場合等には、当社の事業・財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。また、パイプラインを導出した場合は、導出後の研究開発・承認申請・製造及び販売活動を導出先企業が行うことになるため、当社の収益は導出先企業の戦略及び開発進捗などに依存することとなります。導出先企業が実施する臨床試験において予期せぬ副作用が発生した場合、及び導出先企業の経営戦略の変更によるポートフォリオの見直し等により、導出済みパイプラインの開発中止等の決定がなされた場合、当社の事業・財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、予期せぬ副作用により開発中止された場合を除き、当社は速やかに新たな導出先を見つける活動を行いますが、新たな導出先が早期に決定しない場合は、当社の事業・財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦  為替相場変動リスクにかかる事項 現在、当社の業務委託先及び提携先については、欧米の企業・機関がその大半を占めております。外貨建取引は、財務諸表上全て円換算しております。これらの項目は、現地通貨における価値が変化しなかった場合も、換算時のレートによって円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 為替相場の変動に起因する影響を軽減するために、必要に応じて為替予約などのリスクヘッジを行って参りますが、これによって全てのリスクを回避することは困難であり、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) 知的財産権について ①  特許にかかる事項 当社は、本書提出日時点において、当社の事業に対する特許権等の知的財産権に関する第三者との間での苦情及び訴訟等といった問題は認識しておりません。さらに、社内に知的財産権の専任担当者を設置するとともに、顧問弁護士及び弁理士との連携を以って可能な限り特許侵害・被侵害のリスクを軽減すべく活動しております。また、発明者、TLO法に基づく大学等の知的財産管理機関、企業及び研究機関から、「特許権又は特許を受ける権利」を正当に譲り受け、又は「実施権の許諾」を受け、事業化が推進できる体制を築いております。 しかし、当社の展開する医薬品・検査薬の一般的なリスクとして、自社で出願した特許以外にも第三者特許が関連する可能性があります。なお、今後、当社が第三者との間で係争に巻き込まれた場合、当社は弁護士や弁理士との協議の上、その内容に応じて対応策を検討していく方針でありますが、係争の解決に労力、時間及び費用を要する可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 主力パイプラインにかかる主要な特許の状況は、以下のとおりです。 対象   適応症   特許権者又は出願人   当社   備考 OBP-301   固形がん(食道がんなど)   当社   特許権者   日本で内視鏡投与に関する用法特許が成立。 ios Bio Ltd.(旧:Stabilitech Biopharma Limited)   世界における独占的実施権   日本・米国・欧州を含む24カ国でウイルス保存安定製剤に関する特許が成立。 OBP-702   固形がん   当社   特許権者   日本で内視鏡投与に関する用法特許が成立。 OBP-801   眼科領域   当社、京都府公立大学法人   特許権者   日本で眼科領域への用途に関する特許が成立。 OBP-1101   がんの体外検査   国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所   世界における独占的実施権   日本・米国・欧州を含む13カ国で物質に関する特許が成立。 OBP-2011   ウイルス感染症   当社   出願人   新型コロナウイルス感染症治療薬用途に関する特許が日本で成立、物質に関する特許を日本・米国に出願中。 ② 職務発明にかかる事項 当社における職務発明の取扱に関しては、取締役・従業員が協議の上、取締役会決議により「職務発明規程」を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性についての係争が発生した場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 重要な契約について 当社の経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載のとおりであります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、もしくは当社にとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) 社内体制について ①  特定人物への依存にかかる事項 当社の事業活動においては、当社代表取締役社長である浦田泰生の製薬企業での経験・知識に基づく研究開発及び事業開発戦略に依るところが多く存在しております。浦田泰生の経営ビジョンを、企業理念・経営戦略として明確化して組織に浸透させること、及び後継者育成に専心し、浦田泰生に一元依存しない体制を構築することに努めております。 しかしながら、組織強化や後継者育成が遅れをきたし、事業承継が円滑に実施できない場合には、それにより当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ②  小規模組織であることにかかる事項 当社は、小規模な組織であり、社内における管理体制についてもこの規模に応じたものとなっております。当社においては、業務上必要な人員の増員及び育成等を図っていく方針でありますが、各部門において従業員に業務遂行上の支障が生じた場合、人財流出が生じかつ代替要員の不在等の問題が生じた場合には、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ③  人財育成・確保にかかる事項 当社が成長を続けていくために不可欠な要素の1つが、優秀な人財の確保であります。 当社は、従来はアウトソーシングを活用したファブレス経営モデルを構築することで、必要人員の絶対数を削減し、統括的なプロジェクトマネジメント能力を有する人財を重点的に確保しつつ、将来当社を担う人財の育成に注力しておりました。しかし、製薬会社モデルに移行した現在は、厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務も強化する必要があります。研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成に努めております。 また、経営理念を社内に浸透させ、その崇高な目的に共感できる従業員を育成すること、トップが率先して基幹人財間のコミュニケーションの充実に関与すること、及び社内の評価制度や人事制度を充実させること等により、社内人財の定着率向上に努めております。 しかしながら、人財育成が円滑に進まない場合、又は各部門において中心的役割を担う特定の従業員が万一社外に流出した場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (5) 業務上の事故やトラブル等のリスクについて ① 研究施設における事故等の発生にかかる事項 当社は、神戸リサーチラボを保有しております。同施設で遺伝子組み換えウイルスを取り扱うにあたっては、いわゆるカルタヘナ法の定めに基づき、必要な設備を監督官庁に届け出てその確認を受けております。また、遺伝子組み換えウイルスの取扱に関して、遺伝子組換え実験等安全委員会を設置して、その管理を徹底させ、社員の教育指導に努めております。しかしながら、何らかの要因により火災や環境汚染事故等が発生した場合には、重大な損失を招くリスクがあり、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ②  自然災害等にかかる事項 当社は、東京都港区に本社を設置しており、事業活動に関わる資料・データ及び人員の半数以上が本社に集中しております。万一、首都圏直下型の大型地震の発生・台風・津波等の自然災害や大規模な事故・火災・テロ行為等により本社社屋の倒壊、資料・データの散逸、人員の死傷等不測の事態が発生した場合や、有効な治療薬がない感染症等のパンデミックが発生した場合には、当社の事業活動及び国内外において進めている臨床試験の停滞や継続が困難となる状況が生じ、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ③  訴訟にかかる事項 当社は知的財産権及びその実施権をビジネスの基盤としておりますため、事業を展開する上で、当社の責任の有無に関わらず、第三者から権利又は利益を侵害したとの主張による損害賠償請求訴訟を提起される可能性があります。また、臨床試験において被験者の健康被害が発生した場合、取引関係や労使関係において不測のトラブルが発生した場合等においても、損害賠償請求等の訴訟を提起される可能性があります。当社では、十分な知的財産権の管理や治験保険への加入等リスクの回避・低減に努めております。しかしながら、訴訟が提起された結果、金銭的負担の発生や当社に対する信頼・風評の低下により、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (6) その他 ①  新株予約権及び株式にかかる事項 当社は役員、従業員及び社外協力者等に対して、当社事業及び研究開発へのモチベーションの向上を目的として、新株予約権(ストック・オプション)の発行や譲渡制限付株式を交付する株式報酬制度を導入し、事業会社や金融機関等に対して、事業推進のための資金調達を目的として株式や新株予約権を発行しています。また、役員及び従業員に対して、譲渡制限付株式を発行しています。今後も優秀な人財・社外協力者の確保や事業推進のための資金調達を目的として、同様の施策を実施する可能性があります。これらの新株予約権の行使や株式発行が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、当社株価形成に影響を与える可能性があります。また、今後も優秀な人財の確保のためにストック・オプションをはじめとするインセンティブプランや必要に応じた資金調達を実施するために、新たな新株予約権や株式が発行される可能性があります。なお、新株予約権の状況及び内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1.株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご覧ください。 ②  資金使途及び資金調達にかかる事項 当社が保有する資金は、主に既存パイプラインの研究開発費用、新規パイプラインの導入及びその研究開発費用、戦略的な投資に充当する考えです。当社が本書提出日時点で計画している資金使途は上記のとおりですが、急激な事業環境の変化等により、計画どおりに使用した場合においても、当初の想定どおりの成果が得られない場合があります。 また、当社株価が下落した場合には、必要資金を計画どおりに調達できない可能性があります。計画どおりに必要資金を調達できない場合には、資金使途を変更する可能性があるとともに、当初の想定どおりの成果を得られない可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,566字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概況 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、米国の関税政策による不確実性が上昇した局面もありましたが、日米合意を踏まえて相互関税政策の影響は限定的にとどまる見込みであり、企業活動の底堅さも示されています。一方、中国との政治的関係の悪化、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル紛争の解決が見えないなど、不安定な状況も継続しています。 このような状況下、当社は「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」をビジョンとし、特に、腫瘍溶解ウイルスOBP-301を中心に研究・開発・ビジネス活動を推進させ、2025年12月15日に厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。また、当社は、OBP-301の国内ビジネスを製薬会社モデルで展開することにより、従来のライセンス依存の単一の事業モデルから、製薬会社型とライセンス型の『ハイブリッド型事業モデル』へ移行を進めています。 LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)は、Transposon社とのライセンス契約の下、同社の全額費用負担により臨床試験が実施され、Transposon社のビジネス活動も進んでいます。 当社活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当事業年度末における資産は、現預金の増加等により4,555,879千円(前期比42.4%増)となりました。負債は、前受金の受領による契約負債の増加等により555,909千円(前期比24.5%増)となりました。純資産は、新株発行による増資や当期純損失等により3,999,969千円(前期比45.3%増)となりました。 b.経営成績 当事業年度は、売上高28,546千円(前期は売上高31,384千円)、営業損失2,024,068千円(前期は営業損失1,681,403千円)を計上しました。また、営業外収益として受取利息3,949千円等を計上し、営業外費用として新株予約権発行費7,177千円、株式交付費9,222千円等を計上し、経常損失2,051,244千円(前期は経常損失1,663,911千円)になりました。さらに、当社の東京本社改修工事等の減損損失2,772千円を特別損失として計上した結果、当期純損失2,058,049千円(前期は当期純損失1,684,778千円)を計上しました。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,429,561千円(前期比58.3%増)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは1,940,866千円の支出(前期は2,020,088千円の支出)となりました。これは主として、税引前当期純損失2,054,016千円の計上、前払金の減少147,229千円、未収入金の増加199,872千円、契約負債の増加110,000千円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは7,583千円の支出(前期は4,705千円の支出)となりました。これは、主に敷金及び保証金の差入による支出4,496千円、有形固定資産の取得による支出3,014千円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは3,221,897千円の収入(前期は2,879,444千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入3,193,862千円、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出94,444千円、リース債務の返済による支出10,177千円等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績 (1) 生産実績 該当事項はありません。 (2) 受注実績 該当事項はありません。 (3) 販売実績 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。 セグメントの名称   当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)   前年同期比(%) 創薬事業(千円)   28,546   90.9 合計(千円)   28,546   90.9 (注) 1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日) 販売高(千円)   割合(%) Transposon Therapeutics   31,384   100.0 相手先   当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 販売高(千円)   割合(%) Transposon Therapeutics   28,546   100.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の経営成績等の状況については、上記「(1)経営成績等の状況の概況」をご参照ください。 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高い遺伝子改変ウイルスによるがん治療薬、重症ウイルス感染症治療薬及びがん検査薬などの開発と事業化を推進しています。特に、ウイルスの増殖能力を利用してがん細胞を殺す「がんのウイルス療法」と、ウイルスの増殖を止めて治療を行う「重症ウイルス感染症治療薬」を事業領域とし、ウイルスを軸にした業界でも類を見ない『ウイルス創薬』を展開して参りました。また、これまでHIV感染症治療薬として開発してきたOBP-601は、そのメカニズムを基に応用を拡大して神経難病治療薬としての開発が進められています。今後も、各パイプラインの製薬企業へのライセンス活動を推進して商業化を早め、さらに新規パイプラインの創製にも取り組んでゆく方針です。 当事業年度の腫瘍溶解ウイルスOBP-301に関する活動に関しては、2025年12月に食道がん治療再生医療等製品として、製造販売承認申請を行いました。同月には、希少疾病再生医療等製品の指定も受けています。製造面では、18ヶ月の有効期限を確認して商用出荷1ロット目の製剤を製造しました。また、OBP-301の安定供給に向けて、商用出荷2ロット目の原薬も製造を完了しました。知的財産面も強化を進め、2025年4月に、腫瘍溶解アデノウイルスの内視鏡投与に関する特許を日本で成立させました。同特許は、OBP-301に限らずOBP-702や他社の腫瘍溶解アデノウイルスもカバーし、2040年5月まで特許が存続します。 一方、OBP-601のライセンス先であるTransposon社による神経難病患者を対象としたPhase2臨床試験の結果を基に、PSP(進行性核上性麻痺)やALS(筋萎縮性側索硬化症)患者に対する臨床試験の準備が進んでいます。また、これらの疾患に加えて、新たにアルツハイマー病の臨床試験の準備が進められています。 当社の経営に影響を与える大きな要因としては、1)研究開発の進捗度合い、2)ウイルス製剤の製造、3)ライセンスや販売提携に伴う資金獲得、4)医薬品市場動向及び5)為替動向等が挙げられます。 1) 研究開発については、特に臨床試験では適格な症例を組み入れることがその試験の成功を左右させる大きな要因となります。当社の開発方針はUnmet Medical Needs(治療法が確立されていない医療領域)を対象に臨床開発を展開しており、対象症例が非常に希少であるために臨床試験の症例組み入れが予想よりも遅延する可能性があります。そのために臨床試験受託会社(CRO)を的確にオペレーションし、臨床試験担当医師との情報交換を頻度高く行うなどの努力を最大限行って臨床試験の質とスピードを向上させることを重要視しています。これらに加え今後は厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化していきます。研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成を行っていきます。 2) ウイルス製剤の製造においては、OBP-301の商用製造に向けて原薬及び製剤をヘノジェン社(ベルギー)に委託しています。これまでに商用出荷に向けた製剤製造を実施しました。ウイルス製造には大きな費用が掛かり、さらに品質試験や安定性試験にも時間と費用を要します。これらの遅延又は失敗は、OBP-301の安定供給に悪影響を与える可能性があります。このような状況を防ぐために、当社ではウイルス製造時に当社製造担当者を派遣し、製造受託企業スタッフと綿密な情報交換を行い、当社神戸リサーチラボにおいても補足的検討を即時的に行い、効率的かつ高品質なウイルス製剤が製造できるよう努めています。また、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)との関係を強化するために、定期訪問等による綿密なコンタクト体制をとるべく全組織に啓蒙しています。なお、常に効率的なアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存リスクや地政学的リスクが顕在化せぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行っています。さらに、必要に応じてアウトソーシングを見直し、各々の業務の内製化によるリスクコントロールを検討していきます。 3) ライセンス契約や販売提携契約に関しては、研究開発の大幅遅滞や失敗、医療行政の変動、競合薬の進展などのリスクに加え、契約締結先の経営戦略変更により契約が解消されるリスクなどが挙げられます。これらのリスクを回避・低減するため、契約条件をより当社に有利にできるよう、過去の契約事例を参照して不足事項を補い、コンサルタントや弁護士の助言を最大限に活用し、より良い契約が完遂できるよう努力していきます。 4) 市場動向については、国内外の大手製薬会社やバイオ企業との熾烈な研究開発競争が今後も展開され、がん治療の標準的治療法が年々変更される時代となったために、マーケット調査を強化して将来を見据えた開発方針を立てる必要があります。常に競合情報やマーケット情報をキャッチアップできるよう、国内外の情報収集に努めてゆきます。 5) 為替動向に関しては、当社の海外における臨床試験や製造などが主に外貨建てで行われているという理由により、経営成績が大きく影響を受けるため、為替変動リスクを最小限に抑える必要があります。今後は外貨建て収入を増加させることで、外貨建て債務に係る為替リスクの低減を図っていきます。 このような中で、当社はグローバル市場におけるリスク対応力の高い人財を育成し、「ウイルス創薬」という新しい業態において名実ともに存在感のある企業として成長していくために、収入増大による経営基盤の強化を図り、企業統治を高度化していきます。 ③ 資本の財源及び資金の流動性 a.資金需要 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、医薬品及び検査薬の研究開発に伴う研究開発費、各種ライセンス契約や戦略的アライアンス契約に伴う特許関連費、各事業についての一般管理費があります。また、設備・投資資金需要としては、各種機器や戦略的投資に伴う固定資産投資等があります。 b.財務政策 当社は事業活動の維持拡大に必要な資金を、ライセンス契約や販売提携による一時金やマイルストーン収入のみならず、商業化によるロイヤリティー収入や製品販売収入を軸とした事業収入によって確保することを第一に考え、内部資金を活用し、必要に応じて資本市場からの資金調達や銀行からの借入を行っています。また、運転資金及び設備・投資資金は、当社において一元管理しています。 「ウイルス創薬」による医薬品や検査薬の研究開発という成果を実現させるまで、相対的に時間を要する事業を行っているために、資本性の高い長期資金を得ることで、資金特性のバランスを考慮しています。また、銀行借入の実施により資本コストの引き下げを目指します。

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出典

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