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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

サワイグループホールディングス

SAWAI GROUP HOLDINGS Co., Ltd.4887 · Prime · 医薬品

医療用ジェネリック医薬品の国内大手。沢井製薬を中心に、製造から販売までグループ内で一貫対応。

概要

サワイグループホールディングスは、後発医薬品(ジェネリック医薬品)分野で国内有数の規模を持つ持株会社である。2021年4月に沢井製薬を完全子会社とする形で設立され、グループ全体で医療用医薬品を中心に一般用医薬品や原薬の製造販売を手掛ける。大阪市淀川区に本社を置き、連結従業員数は3,630名。2026年3月期の売上収益は2,017億円に達し、業界再編が進む中で存在感を示している。

持株会社体制と6社の連結グループ

当社は沢井製薬を中核とする純粋持株会社である。連結子会社は沢井製薬、メディサ新薬、化研生薬、トラストファーマテック、FrontActの6社で構成される。沢井製薬はグループの製造中核であり、医療用医薬品を自社販売するとともにメディサ新薬を通じて卸や医療機関へ供給する。メディサ新薬は販売専門会社として機能し、沢井製薬から製品を購入して販売するほか、研究開発の一部を委託する。化研生薬は医療用医薬品の製造販売を行い、沢井製薬から原薬を購入する。トラストファーマテックは2022年に小林化工の生産資産を譲り受け、製造委託を受ける。FrontActは医療用機器等の製造販売を担当する。このようにグループ内で分業と連携を図り、効率的なサプライチェーンを構築している。グループ全体で医療用医薬品の安定供給に努め、品質管理の徹底を図っている。

医療用後発医薬品を主力とする事業

グループの売上の大部分は医療用医薬品が占める。沢井製薬は内用薬、注射剤、外用剤など広範な剤形の後発医薬品を製造し、病院や診療所へ提供する。特にバイオ後発品(バイオシミラー)の自己注射剤にも取り組んでいる。販売チャネルは自社直接販売に加え、メディサ新薬が卸売業者を経由して医療機関に届ける。また、他社からのOEM受託も行い、原薬供給もグループ内外に展開する。一般用医薬品(OTC)も手掛けるが、有価証券報告書上は医療用が主体とされる。2026年3月期の売上収益2,017億円のうち、後発医薬品の販売が大半を占める。治療領域は循環器系、中枢神経系、消化器系、抗生物質など多岐にわたる。

九州に集約する生産拠点と設備投資

グループの生産拠点は主に沢井製薬の九州工場(福岡県)に集中する。2022年9月には注射棟が完成し、注射剤の生産能力を強化した。さらに2024年7月には第二九州工場に新固形剤棟が完成し、内用薬の生産拡大を図る。一方、2022年3月にはトラストファーマテックが小林化工の生産資産を譲り受け、工場をグループ内に取り込んだ。これにより生産キャパシティを増強し、安定供給体制の構築を進めている。しかし、2023年12月には沢井製薬九州工場で品質管理上の不備が判明し、行政処分を受けた。これを受け、再発防止策として企業風土改革やGMP教育の再実施、品質管理部門への人材確保などに取り組んでいる。品質と安定供給の信頼性回復が経営課題となっている。

収益構造と中期経営計画の数値目標

当社グループの財務指標を見ると、売上収益は2022年3月期の1,938億円から2023年3月期に1,637億円へ減少した後、回復傾向にある。2026年3月期には2,017億円を計上し、営業利益159億円、親会社所有者帰属当期利益104億円となった。2024年4月には米国事業を売却し、非継続事業に分類した影響で利益が変動している。中期経営計画「Beyond 2027」では、2027年3月期に売上収益2,200億円、ROE10%以上を目標とする。さらに長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」では2030年度に売上3,100億円、ROE13%以上を掲げる。株主還元については、安定的な配当と機動的な自己株式取得を方針とする。資本効率改善も重点テーマの一つである。

業界の中での役割は医薬品メーカー(主に医療用ジェネリック医薬品)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2,017億円
営業利益
159億円
営業利益率
7.9%
純利益
104億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2023/3
事業売上構成比利益利益率
日本1,637億円81.7%161億円9.8%
米国366億円18.3%9億円2.5%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01医療機関(病院・診療所)主力

沢井製薬が製造する医療用医薬品を、メディサ新薬等の販売会社を通じて医療機関や卸売業者に販売。自己注射剤等のバイオ後続品も手掛ける。

主な製品・サービス1
医療用医薬品(先発品・後発品)
沢井製薬が製造する処方箋医薬品。内用薬、注射剤、外用剤など幅広い剤形をカバー。

02その他医薬品メーカー(OEM供給)準主力

沢井製薬は他社からの製造受託も行い、原薬や製剤を供給。グループ内でも化研生薬へ原薬を供給する等、サプライチェーンを構成。

主な製品・サービス1
原薬(有効成分)
化研生薬などグループ会社や外部へ供給される医薬品原料。

03一般消費者(OTC医薬品)副次

一般用医薬品(OTC)の製造販売も行う。ただし有報上は医療用医薬品が主体。

製品と技術

内用薬・注射剤・外用剤を網羅する後発医薬品

沢井製薬は、内用薬(錠剤、カプセル、顆粒剤など)、注射剤、外用剤(軟膏、クリーム、貼付剤など)の多様な剤形の後発医薬品を製造している。治療分野は循環器系、中枢神経系、消化器系、抗生物質など幅広い。特に自己注射剤のバイオ後続品にも注力しており、患者のQOL向上に貢献する。2026年3月期現在、グループ全体で多くの品目を上市し、医療機関からの信頼を得ている。製造工程は厳格なGMP基準に従い、品質管理を徹底している。

原薬供給とOEM事業

沢井製薬は他社からの製造受託(OEM)も行い、原薬や製剤を供給している。グループ内では、沢井製薬が化研生薬へ原薬を供給し、化研生薬は医療用医薬品を製造販売する。また、トラストファーマテックは沢井製薬から研究開発の一部を受託し、製造も担当する。このようにグループ内の水平分業により、サプライチェーン全体の効率化と品質確保を図っている。OEM事業は外部の医薬品メーカーからの受注も含み、グループの収益の一部を支える。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

後発ジェネリック大手、収益性改善途上

サワイグループホールディングスは、後発医薬品(ジェネリック)を主力とする大手医薬品企業です。医薬品業界では、新薬開発型企業とは異なり、価格競争が激しい市場に属します。同業のジーエヌアイグループなどと競合しますが、品揃えの広さで優位に立っています。2025年3月期の営業利益率は2.17%と低調でしたが、2026年3月期には7.88%への改善を見込んでいます。収益性向上には、生産効率化や品目ポートフォリオの見直しが課題です。

強み

  • 多数のジェネリック医薬品を保有し、医療機関への提案力を強化
  • 売上高約2,000億円と業界内で大規模、生産効率で優位
  • 2026年3月期は営業利益率7.88%と大幅改善を見込む
  • ジェネリック医薬品は医療費抑制策に支えられ需要が堅調

課題

  • 後発品市場は薬価引き下げ圧力が強く、収益性が圧迫される
  • 過去の低い営業利益率から、改善策の実行が急務
  • 業界全体で品質管理体制強化が求められ、コスト増加リスク

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品・バイオの時価総額近傍。太字がサワイグループホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14516日本新薬2,457億円7.9倍
24023クレハ2,312億円
34544H.U.グループホールディングス1,967億円28.1倍
44547キッセイ薬品工業1,892億円12.3倍
54553東和薬品1,875億円34.1倍
64887サワイグループホールディングス1,813億円15.8倍
74521科研製薬1,748億円70.0倍
84928ノエビアホールディングス1,662億円20.5倍
94587ペプチドリーム1,398億円
104534持田製薬1,194億円14.7倍
113110日東紡績1,185億円13.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(医薬品・バイオ)に従っています。

会社の歴史

沿革 7件

単独株式移転による持株会社設立と東証上場(2021年)

2021年4月、沢井製薬は単独株式移転によりサワイグループホールディングスを設立した。資本金は100億円。同時にテクニカル上場の形で東京証券取引所市場第一部に株式を上場した。この再編により、グループ全体の経営管理を担う持株会社体制へ移行し、各子会社の独立性を保ちながらグループ戦略を推進する基盤が整った。設立当初からジェネリック医薬品業界のリーディングカンパニーとしての地位を意識した体制構築が進められた。

小林化工の生産資産取得とプライム市場への移行(2022年)

2022年3月、連結子会社トラストファーマテックが小林化工の生産活動に係る資産を譲り受けた。これにより、グループの生産能力を拡大するとともに、新たな製造技術や人材を取り込んだ。同年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、市場第一部からプライム市場へ移行し、より高いガバナンス水準が求められることとなった。これらの動きは、業界再編を見据えた生産基盤の強化と上場市場での地位向上を目的としていた。

九州工場の拡充と米国事業の譲渡(2022-2024年)

2022年9月、沢井製薬の九州工場に注射棟が完成し、注射剤の生産拠点を強化した。続く2024年7月には第二九州工場に新固形剤棟が完成し、固形製剤の生産能力を増強した。一方、2024年4月には米国子会社Sawai America Holdingsの全株式とその傘下企業の持分をBora Pharmaceutical Holdingsへ譲渡した。米国事業は収益貢献していたが、経営資源の集中と財務体質の改善のために売却を決断した。この選択により、国内事業への集中投資が可能となった。

FrontActの完全子会社化(2025年)

2025年6月、株式取得によりFrontAct株式会社を完全子会社化した。FrontActは医療用機器等の製造販売を手掛けており、グループの事業領域を医薬品から医療機器へ拡大する一歩となった。この買収により、ヘルスケア分野での複合的な製品・サービス提供が可能になると期待される。グループは今後も成長分野への継続投資を掲げ、中長期の成長戦略を推進する方針である。

年表7件を開く

2020年代

  • 2021年4月上場沢井製薬株式会社(現連結子会社)が単独株式移転により当社を資本金10,000百万円で設立、テクニカル上場により東京証券取引所市場第一部に上場(2021年4月1日)。
  • 2022年3月小林化工株式会社の生産活動に係る資産を、トラストファーマテック株式会社(現連結子会社)が譲受け。
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。
  • 2022年9月沢井製薬株式会社九州工場(福岡県)注射棟完成。
  • 2024年4月Sawai America Holdings Inc.の全株式、並びにその傘下にあるSawai America LLCの当社持分とUpsher-Smith Laboratories, LLCの持分をBora Pharmaceutical Holdings, Inc.へ譲渡。
  • 2024年7月沢井製薬株式会社第二九州工場(福岡県)新固形剤棟完成。
  • 2025年6月M&A株式取得により、FrontAct株式会社を完全子会社化。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益2027年3月期まで2,200億円
  • ROE2027年3月期まで10%以上
  • 売上収益(長期)2031年3月期まで3,100億円
  • ROE(長期)2031年3月期まで13%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    信頼性の向上と品質確保

    不適切試験の再発防止策として、企業風土改革プロジェクトの実施、既存品の製造・品質再評価、GMP教育の再実施、管理職の責任明確化、品質部門への人材確保などをグループ一丸で継続し、信頼性の回復と向上に努める。

  2. 02

    安定供給の維持・確保

    生産設備拡充による能力増強、原材料の複数ソース化、適正在庫の確保、BCPに基づく生産機械の共通化や人材の多能職化・交流・技術標準化により、需要増に対応し災害時にも安定供給を維持する。

  3. 03

    高付加価値品の早期開発・上市

    特許・技術・コスト・効率化等の課題に挑み、他社との差別化を図る高付加価値ジェネリック医薬品を確実に一番手で上市し、患者・医療従事者のニーズに応える。

  4. 04

    マルチチャネル情報提供の充実

    MR活動に加え、ウェブやコールセンター等のマルチチャネルを効率的に活用し、医薬品情報や付加価値情報を医療関係者へ迅速・確実に提供し、顧客満足度を向上させる。

  5. 05

    企業体質・経営管理の強化

    コンプライアンス体制の強化、リスク管理の充実、内部統制の整備、企業理念の浸透、コスト競争力の強化、人材育成・ダイバーシティ推進などにより、変化に強い経営基盤を構築する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で3,630人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は938万円で、4期前と比べて+2.2%平均年齢は43.7歳、平均勤続年数は8.8年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2022年3月91844.79.92,968
2023年3月83143.59.53,393
2024年3月82543.79.83,482
2025年3月88644.48.83,310124
2026年3月93843.78.83,630438

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社5(国内 5 / 海外 0、うち連結子会社 5) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位9)
沢井製薬 第二九州工場 — 福岡県飯塚市418億円
トラストファーマテック — 福井県あわら市208億円
沢井製薬 九州工場 — 福岡県飯塚市105億円
沢井製薬 鹿島工場 — 茨城県神栖市9,056百万円
沢井製薬 三田工場 — 兵庫県三田市7,862百万円
沢井製薬 関東工場 — 千葉県茂原市7,777百万円
沢井製薬 本社・研究所 — 大阪市淀川区6,371百万円
沢井製薬 三田西工場 — 兵庫県三田市4,676百万円
沢井製薬 開発センター — 大阪府吹田市3,508百万円
主な関係会社
  • 国内
    沢井製薬株式会社(注)1、2
    大阪市淀川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    メディサ新薬株式会社
    大阪市淀川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    化研生薬株式会社
    東京都中野区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    トラストファーマテック株式会社
    福井県あわら市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    FrontAct株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2,017億円営業利益159億円前期と比べると増収増益で、売上が+6.7%、利益が+287.8%。

売上高
+6.7%
2,017億円
営業利益
+287.8%
159億円
純利益
-13.3%
104億円
営業利益率
7.9%
前期比 +5.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2,084億円2,017億円
営業利益272億円159億円
純利益186億円104億円
1株あたり配当¥56¥56

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は516億円、営業利益は50億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−2.6%、営業利益は+8.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q12619
2024年1Q530468.735
2024年2Q5386111.349
2024年3Q2936622.551
2024年4Q4082
2025年2Q87911813.4189
2025年4Q1,011−77−7.6−69
2026年2Q988858.658
2026年4Q1,029747.246
2027年1Q516509.724

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

直近期の営業利益率は7.9%。売上は3期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
沢井製薬株式会社(現連結子会社)が単独株式移転により当社を資本金10,000百万円で設立、テクニカル上場により東京証券取引所市場第一部に上場(2021年4月1日)。
2021年3月
沢井製薬株式会社九州工場(福岡県)注射棟完成。
2022年3月1,938−362−283
2023年3月1,637159127
沢井製薬株式会社第二九州工場(福岡県)新固形剤棟完成。
2024年3月1,769183137
株式取得により、FrontAct株式会社を完全子会社化。
2025年3月1,89041322.2120
2026年3月2,0171591437.9104

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2,017億円のうち、営業利益として残るのは159億円7.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は104億円、売上の5.2%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金70.8%1,429億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金12.9%261億円
  • その他の費用持分法損益などの調整8.3%168億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益7.9%159億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
29.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+4.9pt
7.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+2.4pt
5.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.0pt
5.9%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2026年3月期は営業CFが74億円、投資CFが−229億円で、差し引きのフリーCFは−155億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は290億円で、売上の1.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年3月343−304−11339477
2023年3月130−271−13−141331
2024年3月231−231240264
2025年3月27965−327344388
2026年3月74−22956−155290

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 5期分

2026年3月期の総資産は3,599億円。このうち返さなくてよい自己資本が1,786億円で、自己資本比率は49.6%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2022年3月3,4951,9011,59454.4
2023年3月3,6422,0161,62655.4
2024年3月3,8202,1271,69355.7
2025年3月3,5461,7391,80849.0
2026年3月3,5991,7861,81449.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
290億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1,616億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1,814億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
79
/ 100
安定性自己資本比率33 / 40
収益力営業利益率16 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り79社中16位あたり、逆に低いのは自己資本比率79社中62位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.9%/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
7.9%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
49.6%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
6.7%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.6%/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,570で、1年前と比べて-16.4%過去52週の値幅のなかでは2%の位置にある。

¥1,570-2.5%1ヶ月-2.0%1年-16.4%時価総額1,813億円
過去52週の値幅
安値¥1,550.5高値¥2,447

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)15.8倍
PER (会社予想)9.7倍
PBR1.02倍
配当利回り3.57%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で+2.6%の小幅上昇も、前日比+0.2%とほぼ変わらず。25日線(1676円)を上回るが、75日線(1891円)を下回る。52週安値1591円からは上昇。出来高は7/19に112万株と増加後、50万株前後で推移。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PER16.9倍は業界平均26.8倍を下回り、PBR1.09倍は同平均3.13倍を大きく下回る。配当利回り3.28%は同平均1.30%を上回り、株主還元は良好。しかしROE5.9%と低く、2025/3期の営業利益2.17%から2026/3期7.88%への改善が期待されるが、現状は収益性が低い。割安だが収益力強化が課題。

指標この会社業種平均
PER (実績)15.8倍36.0倍
PER (予想)9.7倍
PBR1.02倍3.53倍
ROE5.9%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

2026年3月期の売上高増加が見込まれる一方、2025年3月期の営業利益率2.17%と低水準。収益性改善の鍵は原価低減と品目構成の最適化。業界では信頼回復(品質問題後)と再編の動きが続く。強気派は収益回復と業界再編の恩恵を重視、弱気派は薬価改訂の持続的圧力を懸念。

プラスに働く材料7
  • 収益回復の期待

    2026年3月期営業利益率7.88%と大幅改善見通し

  • 業界再編の恩恵

    他社撤退でシェア拡大の機会が生じている

  • ジェネリック需要増加

    政府の使用促進策で数量ベースの成長が継続

  • 大型品目の後発品独占販売開始2026年下期影響

    年間売上高100億円、営業利益30億円の上乗せ

  • API安価調達で原価率改善2026年通期影響

    原価率▲2%で営業利益40億円改善

  • 工場統廃合で製造固定費削減2027年〜2028年影響

    工場集約で年間固定費10億円削減

  • 海外ジェネリック大手との提携で販路拡大2026年Q3影響

    提携で国内売上高50億円増加見込み

マイナスに働く材料7
  • 薬価改訂の圧力

    定期的な薬価引下げが収益性を中長期で低下

  • 品質・供給リスク

    過去の品質問題でブランド回復に時間を要する

  • 競争激化

    後発品市場の成熟で価格競争が激しくなる

  • 次期薬価改定で大幅な価格引下げ2028年Q2影響

    薬価▲10%で売上高200億円、営業利益100億円減少

  • GMP違反で生産停止リスク不定影響

    過去事例で3ヶ月停止で売上高100億円減

  • 同成分後発品の競合乱立でシェア低下継続影響

    シェア▲5%で売上高50億円減

  • 先発品企業からの特許侵害訴訟不定影響

    訴訟費用10億円、販売遅延リスク

次の決算で確かめる点
営業利益率
収益改善計画の進捗を測る最重要指標
後発品数量シェア
市場競争力と需要動向を把握
原価率
製造効率化と収益性の改善度合いを示す

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり56で、前期から+3.8%いまの株価に対する利回りは3.57%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥56
1株あたり
配当利回り
3.57%
いまの株価に対して
配当性向
42.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2022年3月43
2023年3月430.081.9
2024年3月430.031.6
2025年3月5322.358.3
2026年3月553.842.7

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥56

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ9,815人。区分でいちばん多いのは金融機関37.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が45.2%を占め、残る54.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関29.429.136.335.837.9
外国法人40.138.133.526.635.5
個人・その他19.320.617.128.417.4
事業法人9.99.89.56.57.3
証券会社1.32.53.52.81.9
外国人個人0.00.00.00.00.0
自己株式0.00.00.012.20.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)17.21
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)11.90
03澤井光郎2.75
04BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.58
05NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST(常任代理人 香港上海銀行東京支店)2.55
06澤井健造2.22
07株式会社三井住友銀行1.69
08澤井光郎株式会社1.68
09NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE U.S. TAX EXEMPTED PENSION FUNDS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)1.51
10MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1.44

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-07-22
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.08%
    -0.21pt
  • 2026-05-22
    SOMPOアセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    5.40%
  • 2026-04-08
    シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピー (Silchester International Investors LLP)
    新規の大量保有報告
    5.82%
    -1.01pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 5期分

1株利益は5期で+142%、1株純資産は5期で+7%。直近期のROEは5.9%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2022年3月−2151,447−13.8
2023年3月961,5356.512.681.9
2024年3月1041,6186.619.331.6
2025年3月971,5066.220.558.3
2026年3月901,5465.924.542.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2026/3期の役員報酬は総額164百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
澤井光郎代表取締役会長兼社長 グループCEO兼グループCOO693,174,000
横田祥士取締役専務執行役員 グループ研究開発統括役員694,000
小原正敏取締役754,000
三津家正之取締役71
相徳泰子取締役52
坪倉忠男取締役 監査等委員653,000
谷口悦子取締役 監査等委員62
Nose Yukiyo取締役 監査等委員62
西村善嗣69
中手利臣取締役専務執行役員641,000
中岡卓取締役常務執行役員 グループ経営企画部、グループ財務部、グループ法務・コンプライアンス部、グループサステナビリティ推進部担当役員 兼 グループ人事部副担当役員641,000

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2622269749
社外取締役848486
取締役(社内)1141414
監査役1555

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容744字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、医薬品の製造・販売を行う国内外の子会社の株式若しくは持分を保有することにより、当該会社の事業活動を管理し、その経営の支援や指導を行うことを事業としております。 当社及び当社の子会社(以下、「当社グループ」という。)は、当社及び連結子会社6社で構成され、主な事業内容は、医療用医薬品及び一般用医薬品の製造及び販売であります。 各社の事業内容及び位置づけは、次のとおりであります。 沢井製薬株式会社(以下、「沢井製薬」という。)は、製造した医薬品を国内の販売会社、卸売店及び他の医薬品メーカーに販売するほか、医療機関にも直接販売しております。 メディサ新薬株式会社(以下、「メディサ新薬」という。)は、医療用医薬品の販売を行っており、沢井製薬及び他の医薬品メーカーとの間で、製品等の売買を行っております。また、沢井製薬は同社より研究開発の一部及び製造を受託しております。 化研生薬株式会社(以下、「化研生薬」という。は、医療用医薬品の製造及び販売を行っており、同社はメディサ新薬から製品等を購入しております。また、沢井製薬は同社より主原料(原薬)を購入しております。 トラストファーマテック株式会社(以下、「トラストファーマテック」という。)は、医療用医薬品の製造及び販売を行っております。沢井製薬は同社に研究開発の一部及び製造を委託しております。 FrontAct株式会社(以下、「FrontAct」という。)は、医療用機器等の製造販売等を行っております。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められている数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することになります。 概要図
経営方針・対処すべき課題3,956字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営方針 当社グループは、信頼に値する企業を目指すことを第一に掲げ、2024年6月に修正公表した「Sawai Group Vision 2030」達成に向けた道筋をつけるため、2026年度(2027年3月期)を最終年度とする3か年の中期経営計画(以下、「新中計」という。)を策定しました。 長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」 ①2030年度に目標とする企業グループイメージ (創りたい世界像) より多くの人々が身近にヘルスケアサービスを受けられ、社会の中で安心して活き活きと暮らせる世界 (ありたい姿) 個々のニーズに応じた、科学的根拠に基づく製品・サービスを複合的に提供することで、人々の健康に貢献し続ける、存在感のある会社 ②財務目標 売上収益 3,100億円 ROE 13%以上 中期経営計画「Beyond 2027」 ①重点テーマ 「信頼される企業の地位確立」を土台となるテーマとして設定し、その上でさらに成長するために下記の重点テーマを設定 a.事業戦略重点テーマ   b.経営基盤重点テーマ ・GE市場における着実な成長   ・持続的成長を支える人財の創出 ・GEビジネスの持続性確立   ・サステナビリティへの取り組み ・成長分野への継続投資   ・資本効率改善 ②株主還元方針 a.配当 中長期的な利益水準、DOE等を総合的に勘案しながら安定的かつ継続的な配当を目指す b.自己株式取得 資本効率向上と株主還元策の一環として、フリーキャッシュフロー、市場動向等を踏まえ、機動的に実行 ③定量目標 売上収益 2,200億円 ROE 10%以上 (2) 当社グループの現状認識 日本の医薬品市場を取り巻く環境としては、1961年に実現された国民皆保険制度の恩恵を受け、日本は世界最高水準の長寿社会を実現してきました。その反面、医療費をはじめとする社会保障費用は、年々増加の一途を辿っているため、少子高齢化も相まって現役世代の負担がますます重くなり、一定の自己負担で高水準の医療を受けられる仕組みの維持が困難になりつつあります。 このような状況の中で、医療の質を落とすことなく、医療の効率化(医療費の削減)が推進されてきたと同時に、一部のジェネリック医薬品企業における相次ぐ薬機法違反により、ジェネリック医薬品産業が抱える問題が浮き彫りとなり、医薬品不足が発生しております。こうした問題に対処すべく、近年では様々な施策が進められてまいりました。 政府は、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)において、「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保を柱とし、官民一体で、製造管理体制強化や製造所への監督の厳格化、市場流通品の品質確認検査などの取り組みを進めるとともに、後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」としました。その後、長期収載品の「選定療養」制度を導入により、更なるジェネリック医薬品の利用促進を図る一方で、現在発生している医薬品の供給不足を解消し、ジェネリック医薬品産業を持続的なものとするために、業界の理想的な姿を見据え、業界再編も視野に入れた構造改革が促進されております。また、薬価制度においても、不採算品に対する薬価の下支えや、ジェネリック医薬品企業への政府による評価制度の導入、オーソライズドジェネリック医薬品の薬価ルールの変更等、様々な施策が推し進められております。 上記のような政府の取り組みにより、ジェネリック医薬品の数量シェアは2025年9月の政府の薬価調査(速報値)では88.8%まで上昇した一方で、医薬品不足は未だに解消しておらず、市場の混乱は続いております。引き続き、ジェネリック医薬品が担う責任と重要性が高まっている中、グループの中核会社である沢井製薬の九州工場で製造するテプレノンカプセル50mg「サワイ」の安定性モニタリングの溶出試験において、不適切な試験が継続的に行われていたことが判明し、沢井製薬が2023年12月に厚生労働省、大阪府及び福岡県から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」違反を理由とする行政処分を受けました。本行政処分に対する再発防止策に取り組み、当社製品の品質に対する信頼性を確保するとともに、安定供給体制を構築していくことが、当社グループとして果たすべき社会的責任であると認識しております。 このような経営環境の中で当社グループは、ジェネリック医薬品業界のリーディング・カンパニーとして、いち早く新しいジェネリック医薬品を開発・上市するとともに、品質・安定供給・情報提供においてトップレベルの水準を維持し続けることにより、ブランド価値を高め、競争に打ち勝つことが、持続的に成長していくために不可欠との判断の下、その達成のために次の(3)にあげた7点が最重要課題であると認識しております。 (3) 当面の対処すべき課題及び具体的取組状況等 ① 信頼性の向上 ジェネリック医薬品の品質を確保し、信頼性を向上させていくことが、医薬品メーカーとしての当社グループの責務です。こうした中、沢井製薬の九州工場で不適切な試験が継続して実施されてきた原因を踏まえ、再発防止策として、a. 沢井製薬社長直轄の企業風土改革プロジェクトの実施、b. 既存上市品の製造面及び品質面での再評価とその対策実施、c. 全従業員に対する製造管理・品質管理基準(以下、「GMP」という。)教育の再実施や、管理職・監督職の責任の明確化、工場の品質管理部門、品質保証部門への社内外からの人材確保推進などの沢井製薬生産本部における再発防止策の実施を掲げ、すでに取り組みを開始しており、グループ一丸となって継続して取り組むことで、信頼性の回復と向上に努めてまいります。 ② 安定供給の維持・確保 治療を必要とする患者さんの元に高品質な医薬品を安定的に供給することは、医薬品メーカーにとって最も重要な使命の一つです。生産設備の拡充による生産能力の増強をはじめとし、世界中から高品質で適切な原材料を確保し、適宜適切かつ継続的な設備投資、厳格な基準による製造管理・品質管理を行うとともに、的確な需要予測と適正在庫の確保を行うことを通じて、安定供給の維持・確保を図り、ジェネリック医薬品の需要増に対応してまいります。また、災害時にも安定供給を維持できるよう策定したBCP(事業継続計画)に基づき、原材料の複数ソース化、生産機械の共通化、代替要員の確保、人財の多能職化並びに工場間の人財交流及び技術の標準化等に取り組んでまいります。 ③ 高付加価値ジェネリック医薬品のいち早い開発と確実な上市 競合が多いジェネリック医薬品業界において競争に打ち勝つためには、市場環境、患者さんや医療従事者のニーズに応えた他社品目との差別化が重要であり、また、一番手で上市することがジェネリック医薬品として患者さんのニーズに応えることにもなります。特許・技術・コスト・効率化等の諸課題に挑戦し、高付加価値ジェネリック医薬品の確実な一番手上市を目指してまいります。 ④ 情報提供の充実 医薬品は、正確な情報を伴ってはじめて患者さんの治療目的が達成されるものであります。MRの活動のみならず、ウェブやコールセンター等のマルチチャネルを効率的に活用し、情報提供力の充実・強化を図ります。正確な効能・効果、用法・用量、副作用、品質や付加価値といった医薬品情報のほか有用な情報を医療関係者に迅速かつ確実に提供し、顧客満足度の向上に努めてまいります。 ⑤ マーケティング機能の充実 競争優位を確立するためには、マーケット分析に基づいた的確な開発品目の選定、ターゲティングの明確化によるMRの生産性の向上が不可欠であります。マーケティング機能の充実と薬価制度改革や医療政策の変化等に伴う競争環境の変化を踏まえた営業戦略の見直しを図ってまいります。 ⑥ 企業体質・経営管理の強化 沢井製薬が行政処分を受けた不適切な試験の背景としてa.安定性モニタリングを軽視する風潮の蔓延、b.上司の指示に疑問を持たずに従う傾向、c.試験関与者のGMPに対する理解の欠如といったコンプライアンス体制、意識に関連する事象が挙げられており、企業理念の浸透、コンプライアンス委員会の活動強化、リスク管理の充実、内部統制の整備・拡充といったコーポレート・ガバナンスの強化とSDGsに沿った取り組みによって企業体質の改善、強化を図ってまいります。また、環境変化に的確に対応できるよう意思決定や事業展開のスピードを追求するとともに、コスト削減等による徹底したコスト競争力の強化や業務の効率化、業容拡大に伴う経営基盤の整備・強化、会社の成長を支える人財の育成、ダイバーシティへの取り組みといった企業体質及び経営管理の強化に取り組んでまいります。 ⑦ 新規事業基盤の構築・強化 当社グループが中長期ビジョンの達成を目指すにあたり、また、将来にわたって持続的成長を遂げていくためには、既存のジェネリック医薬品事業以外の新規領域への展開を図っていく必要があります。併せて、ジェネリック医薬品事業の周辺ヘルスケア分野への新たな展開に向け、事業分野調査をはじめとした新たな事業分野の開拓、展開に取り組んでまいります。
事業等のリスク3,317字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループの事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 「医薬品医療機器等法」等による規制 当社グループ傘下の企業は「医薬品医療機器等法」等関連法規の規制を受けており、事業所所在の各都道府県の許可・登録・免許及び届出を必要としております。当社グループは、十分な法令遵守体制をとっておりますが、かかる医薬品製造販売業の許可等に関して法令違反があった場合には、監督官庁から業務停止、許可等の取り消し等が行われ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (2) 薬価制度及び医療制度の変更 当社グループの主要製品、商品である医療用医薬品を販売するためには、日本においては国の定める薬価基準への収載が必要です。薬価については市場実勢価の調査が行われ、その実勢価格をベースに政策的な側面も加味した薬価改定により多数の品目の薬価が引き下げられます。また、増大する医療費の適正化を目的として薬価制度や医療保険制度の改革議論が引き続き行われており、その動向には細心の注意を払って経営方針・経営戦略に反映させておりますが、薬価引下げ率や制度変更の内容によっては、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (3) 知的財産に関する訴訟 当社グループは物質・用途・製法・結晶形・用法・用量・製剤に関する特許並びに意匠及び商標等の知的財産権に関し徹底した調査を行い、また、不正競争防止法も十分に考慮した製品開発を心掛けておりますが、当社グループが販売するジェネリック医薬品の先発医薬品には物質・用途特許の期間満了後も複数の製法・結晶形・用法・用量又は製剤に関する特許等が残っていることが多く、当該特許等に基づき訴訟を提起される場合があります。このような事態が生じた場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (4) 競合等の影響 当社グループは、日本において販売している製品が度重なる薬価引き下げのため不採算となり、販売中止を余儀なくされることのないように、適正利益を確保した価格で販売するように努めておりますが、多数のメーカーがジェネリック医薬品市場に参入すると、厳しい競争の中で価格の低下を招きやすくなります。さらには、先発医薬品メーカーが、オーソライズドジェネリックの投入等の諸施策により特許満了後の市場シェア低下への対応に努めており、その動向次第では当社グループが計画していた売上収益が確保できないことも想定されます。また、他社に先駆けて毎年数品目のジェネリック医薬品を上市できる研究開発力が当社グループの強みですが、競合他社の研究開発力の向上による競合リスクも高まってきており、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (5) 製品回収・販売中止 当社グループが販売するジェネリック医薬品の有効成分は、先発医薬品においてその使用実績から有効性と安全性が一定期間にわたって確認されており、また再審査・再評価を受けたものであり、基本的には未知の重篤な副作用が発生するリスクは極めて小さいものです。しかしながら、予期せぬ新たな副作用の発生、製品への不純物混入、新たな検査基準の設定又は厳格化といった事象が発生した場合には、製品回収・販売中止を余儀なくされるとともに当該事故等の内容によっては製造物責任を負う場合があり、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (6) 自然災害等による生産の停滞、遅延 当社グループでは、地震・風水害等の自然災害、その他新型コロナウイルス感染症を含むパンデミック等の重大な健康リスクに対しては、人命尊重を第一に事業が継続できるよう、BCPや危機管理規程等の整備・運用による対応を図っております。当社グループは、福岡県、兵庫県、千葉県、茨城県及び福井県に生産拠点を配置し製造所の分散及び製造機器の共通化等により操業停止リスクの低減を図っておりますが、自然災害、技術上・規制上の問題等の発生により、生産拠点の操業が停止した場合には、当該生産拠点で製造する製品の供給が停止し経営成績に影響を与える可能性があります。また、重要な原材料については、複数ソース購買などサプライチェーンリスクの管理・対応に努めておりますが、特定の取引先から供給を受けているものがありますので、自然災害等の要因によりその仕入れが停止し、その代替が困難である場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (7) グローバル事業展開等 当社グループは、ジェネリック医薬品シェアの高まりに伴う国内市場の成長鈍化を見据え、従来から持続的な成長を目指し、海外展開、資本提携及び企業買収等による新規事業展開の検討を図っており、事業採算性のほか関連法令・政治経済情勢を含め十分な調査に努めておりますが、当初の想定を超える予期せぬ事情変更や投資に見合う効果が得られない場合があり、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (8) 情報管理 当社グループは、社内外の個人情報・営業秘密その他多くの重要な情報を保有しております。社内規程を整備し、ITセキュリティ対策や外部のデータセンターを含む複数拠点におけるデータの保存等を実施するほか、グループ情報セキュリティ委員会を設置して教育・啓発を実施する等、情報管理の徹底に努めておりますが、システム障害や事故、外部からの不正アクセス等により漏洩、改ざん、喪失等が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (9) 米国事業 当社グループは子会社であるUpsher-Smith Laboratories, LLC(以下、「USL」という。)を通した米国ジェネリック医薬品市場におけるビジネス展開に伴い、USLの経営環境や事業の変化等に起因して、期待されていた効果が得られない場合、資産の減損処理を行う必要が生じるなど、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性がありましたが、2024年4月2日をもって譲渡が完了したことにより、当該米国事業に係るリスクは著しく軽減されることになりました。なお、米国事業に起因する反トラスト訴訟に関して譲渡後一定の期間において発生する損失を一定限度内でBora Pharmaceutical Holdings, Inc.(以下、「Bora」という。)に対して補償する義務を負っているため、想定されるリスク等を踏まえ見積金額を計上しております。今後、判決等の結果により見積金額を超過する損失が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。 (10) その他 上記のほか、金融市況・為替変動によるリスク、コンプライアンスを含むコーポレート・ガバナンスに関するリスク、気候変動をはじめとする環境問題リスク、少子高齢化に伴う中長期的な人手不足、地政学的リスク等、様々なリスクがあり、ここに記載のリスクが当社グループにおけるすべてのリスクではありません。当社は、グループリスクマネジメント委員会を年2回開催し、発生頻度と事業に与える影響度から特に重要なリスクを絞り込んでディスカッションを行うなど、リスクに対して必要な対応・対策の整備に努めるほか、関連テーマについて別途グループコンプライアンス委員会、グループサステナビリティ委員会等において、より詳細に検討いたします。また、eラーニング等のツールを活用した定期的な教育啓発活動等により、役職員が法令違反や社会規範に反するリスクの低減を図っております。
経営成績の分析 (MD&A)15,456字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を向上させることを目的として、IFRSを適用しております。2024年3月期第3四半期連結累計期間より、米国事業を非継続事業に分類しており、2024年4月2日に当社の米国事業の持株会社であるSawai America Holdings Inc.(以下、「SAH」という。)の全株式、並びにその傘下にあるSawai America LLC(以下、「SAL」という。)の当社持分とUSLの持分をSALへの共同出資者であるSumitomo Corporation of Americas(以下、「SCOA」という。)とともに、Boraに譲渡(以下、「本株式等譲渡」という。)しております。このため、売上収益、営業利益、税引前当期利益、継続事業からの当期利益については、非継続事業を除いた継続事業の金額を、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益については、継続事業及び非継続事業を合算した金額を表示しております。 IFRSに基づいた当連結会計年度の業績につきましては、売上収益201,676百万円(前期比6.7%増)、営業利益15,894百万円(前期比292.5%増)、税引前当期利益14,273百万円(前期比351.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益10,438百万円(前期比12.8%減)となりました。なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入し、経営成績を判断する際の参考指標と位置づけることとしております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益を除外しております。同基準に基づいた当連結会計年度の「コア営業利益」は、24,778百万円(前期比3.6%減)となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月期)   当連結会計年度(2026年3月期)   増減額   増減率(%) 売上収益   189,024   201,676   12,651   6.7 営業利益   4,050   15,894   11,845   292.5 税引前当期利益   3,161   14,273   11,112   351.5 親会社の所有者に帰属する当期利益   11,969   10,438   △1,532   △12.8 コア営業利益   25,703   24,778   △925   △3.6 (注)売上収益、営業利益、税引前当期利益、コア営業利益は継続事業の業績を、親会社の所有者に帰属する当期利益は継続事業と非継続事業の合計の業績をそれぞれ表示しています。 当社グループは、持株会社体制の下、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「Beyond 2027(以下、「中計」という。)」を発表し、同時に定量目標を修正した長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」では、2030年度に目標とする企業イメージを(創りたい世界像)「より多くの人々が身近にヘルスケアサービスを受けられ、社会の中で安心して活き活きと暮らせる世界」、(ありたい姿)「個々のニーズに応じた、科学的根拠に基づく製品・サービスを複合的に提供することで、人々の健康に貢献し続ける存在感のある会社」と掲げると共に、「信頼される企業基盤の確立」を土台とし、さらに成長するために、「事業戦略」および「経営基盤」に重点テーマを設定しました。「事業戦略」は「GE市場における着実な成長」「GEビジネスの持続性確立」「成長分野への継続的投資」を重点テーマとして設定し、「経営基盤」では「持続的成長を支える人財の創出」「サステナビリティへの取り組み」「資本効率改善」を重点テーマとして設定しております。 2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)において、「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保を柱とし、官民一体で、製造管理体制強化や製造所への監督の厳格化、市場流通品の品質確認検査などの取組を進めるとともに、後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」とされたのをはじめ、2022年4月の診療報酬改定では、後発医薬品(ジェネリック医薬品)のさらなる使用促進を図る観点から、ジェネリック医薬品の調剤割合が高い薬局や使用割合が高い医療機関に重点を置いた評価の見直し等が行われました。 さらに2024年9月の社会保障審議会医療保険部会では、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」が改訂され、数値目標として、「主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上(旧ロードマップから継続)」「副次目標①:2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上」「副次目標②:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」が掲げられております(2024年9月の薬価調査における後発医薬品の金額シェアは62.1%)。また、2024年10月からは、ジェネリック医薬品のある長期収載品を患者さんが希望される場合は追加で患者負担を求める「選定療養」制度が導入され、これによりジェネリック医薬品の使用がさらに進んでいます。その結果、2025年9月の政府の薬価調査(速報値)による最新のジェネリック医薬品の数量シェアは88.8%となっています。その一方で、2020年末の準大手ジェネリック医薬品企業の製造する医薬品での健康被害の発生や、その後の大手ジェネリック医薬品企業を含む複数のジェネリック医薬品企業による薬機法違反を契機として、医薬品全体において供給不安が生じております。このような状況の下、2022年8月から始まった厚生労働省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」では、医薬品の流通、薬価制度、ジェネリック医薬品産業の構造上の問題などについて幅広い議論が行われました。その成果として、2024年5月には「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」報告書がまとめられ、6月には政府方針である「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太方針)において「足下の医薬品の供給不安解消に取り組むとともに、医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品業界の理想的な姿を見据え、業界再編も視野に入れた構造改革を促進し、安定供給に係る法的枠組みを整備する」と明記されました。 これを受け、令和7年度薬価改定においては、国民負担軽減の観点に加えて、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の確保への対応の観点から、品目ごとの特性に応じた改定対象範囲が設定されての改定や最低薬価の引き上げが行われました。さらに、「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太方針)においても、少量多品目構造の解消に向けた後発医薬品業界の再編推進が記載されるなど、後発医薬品の安定供給に向けた具体的な取り組みが示されています。 こうした中、後発医薬品の非効率な生産体制からの脱却を目指し、生産性向上に取り組む企業への「後発医薬品製造基盤整備基金」や、安定供給体制を確保するための法的枠組みの整備も進められています。また、2026年度薬価改定においては、オーソライズド・ジェネリック医薬品の収載時薬価を先発医薬品と同額とする制度が導入されました。これにより、新規参入時の供給計画の精度向上等を通じた安定供給への寄与が期待されています。 このような環境におきまして、当社グループは中計の下、ジェネリック医薬品業界のリーディング・カンパニーとして、信頼される企業基盤の確立に努めつつ、社会インフラとして持続的に社会に貢献することを目指し、「着実な成長」と「ビジネス持続性の確立」に取り組んでおります。 品質管理面においては、中核会社の沢井製薬を中心に、製造管理・品質管理基準(GMP)を遵守した原薬の品質の確保、製造工場でのGMP遵守の恒常的確認による品質管理体制、国際基準であるPIC/S-GMPに基づく製造管理・品質管理を行う等の取り組みを行ってまいりました。また、2022年3月期には医療関係者の皆様が安心してご使用いただけるよう、沢井製薬では製品の製剤製造企業に関する情報と原薬製造所の監査に関する情報を公開し、「沢井製薬の品質に対する取組紹介動画」を公開する等の取り組みを行ってまいりました。しかしながら、沢井製薬の九州工場で製造するテプレノンカプセル50mg「サワイ」の安定性モニタリングの溶出試験において、不適切な試験が継続的に行われていたことが判明し、2023年12月に厚生労働省、大阪府及び福岡県から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」違反を理由とする行政処分を受けました。当該不適切試験が継続して実施されてきた原因について、人的要因に起因する問題として、①安定性モニタリングを軽視する風潮の蔓延、②上司の指示に疑問を持たずに従う傾向、③試験関与者のGMPに対する理解の欠如が、物的要因に起因する問題として、①品質管理・品質保証の観点からの実効的な監督体制の不備、②試験記録管理の不十分さ、③試験を担当する品質管理部の業務過多及び人員不足が挙げられます。信頼の回復に向けた再発防止策として、①沢井製薬社長直轄の企業風土改革プロジェクトの立ち上げ、②既存上市品の製造面及び品質面での再評価とその対策実施、③全従業員に対するGMP教育の再実施や、管理職・監督職の責任の明確化、工場の品質管理部門、品質保証部門への社内外からの人材確保推進などの沢井製薬生産本部における再発防止策の実施に一丸となって取り組んでおります。また、2024年12月には発がん性物質「ニトロソアミン類」の分析研究に特化した「神戸分析研究センター」を開設し、製剤中にごく微量に含まれる可能性のある「ニトロソアミン類」を対象として、試験法開発難易度の高い品目や分析優先度の高い品目の試験法開発及び実測を行うとともに、社外分析受託会社や社内分析部門に試験法の技術移転を進めていく予定です。 生産・供給体制面においては、ジェネリック医薬品の需要拡大や供給不安、エネルギー価格や原材料価格が高騰する中、さらなる高効率・低コストを追求しており、既存の沢井製薬の全国6工場それぞれの特徴を活かした生産効率のアップに取り組んでおります。それに加えて、2022年9月に、九州工場注射剤棟の竣工、並びに2024年7月に、第二九州工場の敷地内に最終的に35億錠の生産能力となる新たな固形剤棟が竣工しました。また、小林化工株式会社から生産活動に係る資産を譲受し、関連部門人員を受け入れたトラストファーマテックにおいては、沢井製薬の製品の受託製造を行っており、稼働率向上に向けて取り組んでおります。今後、25億錠の増産実現に向け清間第二工場と第三工場に設備投資を行う予定としており、当社グループ生産能力年間250億錠体制に向け、引き続き体制の構築に取り組んでまいります。また、製造工程におけるトラブルを軽減し、安定供給に資するため、株式会社ヤマシタワークス、ユケン工業株式会社と共同で、粉末を固めて錠剤にする打錠工程で用いる製造部品を開発しました。この製造部品は汚れがつきにくい素材や加工を施しているため、打錠工程での製造トラブルを回避でき、製造効率の向上が期待できます。それらと併せ、2022年3月期に開設・稼働した東日本第2物流センター、西日本第2物流センターを活用し、物流面での供給体制も強化しております。また、2024年6月には「後発品の安定供給に関連する情報の公表等に関するガイドライン」に従い、安定供給に関する情報開示を行うこととしました。さらに、2025年9月には日医工株式会社と後発医薬品の品目統合等に向けた協業に合意し、後発医薬品業界全体の安定供給体制構築に努めております。 販売面においては、原価高騰への対応策として、生産効率のさらなる改善と並行し、低薬価品を中心に原価高騰に伴う影響分を卸売販売業者への価格に反映しております。また、沢井製薬にて2025年3月に日本市場における経口抗凝固剤「ワーファリン」の権利をエーザイ株式会社から承継する契約を締結しており、循環器領域の製品ラインアップを拡充することで、当社の循環器領域における事業基盤の強化を図っています。また、12月には、「ダパグリフロジン錠」「ラコサミド錠・ドライシロップ」等を含む5成分9品目を発売しました。 製品開発においては、沢井製薬にて、「お薬を服用する時により飲み心地がいいと感じられるような技術、お薬をより効率的に製造できる技術など、お薬に付加価値をプラスし、製剤上のハーモニーを生み出す技術」の中から6つを選択し、5つの技術カテゴリに分け、それらのオリジナル製剤化技術を総称して「SAWAI HARMOTECH®」と名付け、公開しております。また、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、当社が取り扱っている一部の医薬品の包装材料に、使用済みPETボトルを粉砕・洗浄し、高温で溶融・減圧・ろ過などの工程を経て、再び樹脂に戻すメカニカルリサイクルによって得られた「メカニカルリサイクルPETフィルム」を導入するなど、環境に配慮した取り組みを進めております。 さらに新たな取り組みとして、PHR(パーソナルヘルスレコード)事業に関しまして、2022年より大学、自治体、企業、医療機関等様々な団体との間で連携、利活用を進めており、2025年6月に住友ファーマ株式会社から全株式を取得して子会社となったFrontActの専門人材やノウハウを活用しながら、デジタルヘルスケア事業での製品ラインアップの拡大と事業基盤の強化と成長を図り、デジタル技術を活用して人々の生活・健康をより良い方向に変化させてまいります。また、2025年10月にFrontActと東京都、都内4区市(品川区、世田谷区、豊島区、調布市)と地方独立行政法人東京健康長寿医療センターとの間で、「アプリを活用した高齢者の健康づくり推進事業」に関する連携協定を締結し、フレイル予防・健康づくりの充実・改善に向けて共同して取り組んでまいります。また、治療アプリ(DTx)に関しまして、2022年8月にNASH(非アルコール性脂肪肝炎:Non-Alcoholic Steatohepatitis)領域におけるDTxの開発及び販売ライセンス契約を株式会社CureAppとの間で締結しました。アルコール依存症を適応としたDTxについては2024年8月に販売ライセンス契約を株式会社CureAppとの間で締結し、2025年9月に販売を開始しました。アプリを通じて、デジタルヘルスケア領域での技術や知見の強化とともに、IT技術を活用したソリューションを直接、患者さん・医療従事者の皆様にお届けすることを目指してまいります。医療機器事業においては、2023年12月に片頭痛の急性期治療に用いる医療機器として、厚生労働大臣から製造販売承認を取得した非侵襲型ニューロモデュレーション機器「レリビオン®」を中心として取り組んでまいります。 この結果、当社グループにおける売上収益は201,676百万円(前期比6.7%増)、営業利益は15,894百万円(前期比292.5%増)、コア営業利益(参考値)は24,778百万円(前期比3.6%減)となりました。 当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は200,345百万円となり、前連結会計年度末に比べ478百万円減少いたしました。これは主に、棚卸資産が安定供給力の強化に向けた生産の影響等により7,740百万円増加、売上債権及びその他の債権が2,676百万円増加した一方、現金及び現金同等物が9,797百万円減少、その他の金融資産が2,132百万円減少したためです。非流動資産は159,574百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,774百万円増加いたしました。これは主に、沢井製薬第二九州工場における新固形剤棟建設等により有形固定資産が3,757百万円増加、経口抗凝固剤「ワーファリン」の権利承継等により無形資産が2,471百万円増加したためです。 この結果、資産合計は359,919百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,296百万円増加いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は80,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,881百万円減少いたしました。これは主に、引当金が取崩により16,902百万円減少するとともに、資金繰り計画に基づき借入金が6,827百万円減少したためです。非流動負債は100,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,475百万円増加いたしました。これは主に、社債の発行及び借入の実行により社債及び借入金が20,512百万円増加したためです。 この結果、負債合計は181,363百万円となり、前連結会計年度末に比べ594百万円増加いたしました。 (資本) 当連結会計年度末における資本合計は178,556百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,702百万円増加いたしました。これは主に、当期利益の計上及び剰余金の配当等によるものであります。 この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.6%(前連結会計年度末は49.0%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は28,989百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,797百万円減少いたしました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益14,273百万円、減価償却費及び償却費16,002百万円、売上債権及びその他の債権の増加2,613百万円、棚卸資産の増加7,561百万円及び引当金の減少16,902百万円を主因として7,433百万円の収入(前期は27,851百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出13,416百万円及び無形資産の取得による支出11,055百万円を主因として22,898百万円の支出(前期は6,480百万円の収入)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入20,500百万円、長期借入金の返済による支出14,971百万円、社債の発行による収入7,455百万円、配当金の支払額6,235百万円を主因として5,587百万円の収入(前期は32,704百万円の支出)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当社グループは「医薬品等の製造及び販売」のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   増減率(%) 医薬品等の製造及び販売   185,749   0.6 (注)上記金額は、売価換算額で表示しております。 b. 受注実績 当社グループは見込み生産が主で受注生産は僅少であるため記載を省略しております。 c. 販売実績 当社グループは「医薬品等の製造及び販売」のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   増減率(%) 医薬品等の製造及び販売   201,676   6.7 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度(自 2024年4月1日    至 2025年3月31日)   当連結会計年度(自 2025年4月1日    至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 株式会社メディセオ   37,601   19.9   41,016   20.3 アルフレッサ株式会社   34,538   18.3   38,642   19.2 株式会社スズケン(※)   19,856   10.5   -   - (※)当連結会計年度における株式会社スズケンへの販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.概要 当社グループは、主としてジェネリック医薬品の研究開発、製造及び販売を日本で行っております。「なによりも健やかな暮らしのために」の企業理念の下で、ジェネリック医薬品事業では、いち早く新しいジェネリック医薬品を開発・上市するとともに、品質・安定供給・情報提供においてトップレベルの水準を維持し続けることにより、ブランド価値を高め競争に打ち勝つことに努め、持続的な成長を通じて企業価値向上を図りました。 当社グループは、循環器官用薬、中枢神経系用薬、消化器官用薬など、さまざまな薬効の約700品目を提供しております。当社グループは、当連結会計年度末現在で9の製造拠点を有しております。当社グループにおいて、生産能力及び生産数量(外注含む)は当連結会計年度末で約205億錠及び約166億錠(ともに錠換算)となっております。 b.経営成績の分析 当連結会計年度の業績を前連結会計年度と比較した表は、次のとおりであります。 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)       当連結会計年度(自 2025年4月1日  至 2026年3月31日)       増減額 継続事業 売上収益       189,024       201,676       12,651 売上原価       △132,673       △142,882       △10,210 売上総利益       56,352       58,793       2,442 販売費及び一般管理費       △23,518       △26,056       △2,538 研究開発費       △12,593       △12,388       205 その他の収益       845       44       △801 その他の費用       △17,035       △4,499       12,537 営業利益       4,050       15,894       11,845 金融収益       151       145       △6 金融費用       △1,039       △1,766       △727 税引前当期利益       3,161       14,273       11,112 法人所得税       △988       △2,737       △1,749 継続事業からの当期利益       2,173       11,536       9,363 非継続事業 非継続事業からの当期利益(△損失)       9,796       △1,098       △10,894 当期利益       11,969       10,438       △1,532 当期利益の帰属 親会社の所有者       11,969       10,438       △1,532 売上収益は前連結会計年度より12,651百万円(6.7%)増加し、201,676百万円となりました。当社グループの薬効別売上収益は、次のとおりであります。 (単位:百万円) 薬効別分類       前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)       当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 循環器官用薬       42,565       45,796 中枢神経系用薬       25,711       28,140 その他の代謝性医薬品       20,562       24,955 消化器官用薬       20,403       22,310 血液・体液用薬       17,823       19,778 抗生物質製剤       10,668       9,384 アレルギー用薬       8,898       8,913 呼吸器官用薬       6,929       7,613 ビタミン剤       7,115       7,223 腫瘍用薬       6,445       6,787 化学療法剤       7,022       5,984 泌尿生殖器官及び肛門用薬       5,184       5,406 その他       9,699       9,385 合計       189,024       201,676 薬価改定による販売単価下落の影響を受けたものの、一部品目での薬価上昇、選定療養制度導入対象品目や限定出荷解除品目を中心とした既存品の売上増加や、新規上市品を中心に、売上収益が伸長しました。 売上原価は前連結会計年度より10,210百万円(7.7%)増加し、142,882百万円となりました。売上総利益率は29.2%と前年よりやや低下しました。売上原価は、主に原材料費、人件費、減価償却費で構成されております。売上総利益率が前年よりやや低下した主な要因は、売上総利益率が相対的に高い新製品の発売に伴う製品MIXの改善による上昇要素に対して、薬価改定による影響及びエネルギーや原材料価格の上昇並びに人員増加による固定費の増加、加えて棚卸資産の評価損、廃棄損による低下要素の影響の方が大きかったことであります。 販売費及び一般管理費は前連結会計年度より2,538百万円(10.8%)増加し、26,056百万円となりました。主な増加要因は、コスト削減に努めているものの、販売数量の増加に伴う運賃諸掛の増加と人員増加に伴う人件費増加等となっております。 研究開発費は前連結会計年度より205百万円(1.6%)減少し、12,388百万円となりました。主な減少要因は、前連結会計年度に減損損失3,076百万円を認識したことによる反動であります。 その他の収益は前連結会計年度より801百万円(94.8%)減少し、44百万円となりました。主な減少要因は、前連結会計年度に遊休資産を売却したことにより有形固定資産売却益が発生したことの反動であります。 その他の費用は前連結会計年度より12,537百万円(73.6%)減少し、4,499百万円となりました。主な減少要因は、前連結会計年度に訴訟損失引当金16,757百万円を認識した一方、当連結会計年度に支払和解金4,020百万円を計上したためであります。 以上より、営業利益は11,845百万円(292.5%)増加し、15,894百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 Ⅰ キャッシュ・フロー 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、7,433百万円の収入となりました(前連結会計年度は27,851百万円の収入)。当連結会計年度は14,273百万円の税引前当期利益となり、安定供給力の強化に向け棚卸資産の購入・製造に係るキャッシュ・アウトが大きかったことに加え、当社製品に関する訴訟の賠償金支払や、前連結会計年度では法人所得税の還付があったことの反動により、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比で収入減となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、22,898百万円の支出となりました(前連結会計年度は6,480百万円の収入)。これは主に、有形固定資産の取得による支出、及び無形資産の取得による支出によるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、5,587百万円の収入となりました(前連結会計年度は32,704百万円の支出)。これは主に、長期借入れによる収入、及び社債の発行による収入によるものです。 Ⅱ 資金需要 当社グループにおける主な資金需要は、市場の環境変化に対応した安定供給及び生産効率の最適化を目的とした設備投資並びにニーズを捉えた高付加価値ジェネリック医薬品の実現を目的とした研究開発投資によるものであります。 Ⅲ 財務政策 当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。設備投資及び研究開発投資による資金需要につきましても、営業活動によるキャッシュ・フローを継続的に確保していくとともに、市場の環境変化に対応した柔軟な財務政策を実現していくことで基本方針を実現していきます。 2024年6月に発表した中計でも示しているとおり、成長に向けた投資を積極的かつ効果的に継続実施していく予定であり、その内訳は中期経営計画期間の3年間合計で、研究開発投資約350億円、GE事業約785億円、新規事業35億円+α、機動的アロケーション約210億円+α、自己株取得約330億円+α、配当190億円以上となっております。このうち、GE事業投資については、将来の需要増に応じて生産キャパシティを拡大するべく、沢井製薬の第二九州工場新固形剤棟新設(ステップ2の一部)等を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フロー7,433百万円の収入と第3回無担保社債の発行、また長期借入れによる収入を原資に、第二九州工場新固形剤棟建設資金などの有形固定資産の取得、及び無形資産の取得、配当金の支払いなどに充当しています。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ④ 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠しております。当該連結財務諸表の作成にあたり、経営者は資産及び負債の金額、財務諸表の末日時点の偶発資産及び偶発負債の開示、並びに報告期間における収益及び費用の金額に重要な影響を及ぼす見積り及び仮定の設定を行うことが求められております。見積り及び仮定は継続的に見直されます。経営者は過去の経験、見積り及び仮定が設定された時点において合理的であると判断されたその他の様々な要因に基づき、当該見積り及び仮定を設定しております。実際の結果はこれらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。 経営者の見積り及び仮定に影響を受ける重要性がある会計方針は次のとおりです。また、見積り及び仮定の変更が連結財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (収益認識) 当社グループの収益は主に医薬品販売に関連したものであり、製品に対する支配が顧客に移転した時点で認識されております。収益の認識額は、当社グループが製品と交換に受け取ると見込まれる対価に基づいております。収益からは、主要顧客である卸売業者及び販売会社に対するリベート等の様々な項目が控除されております。これらの控除額は関連する義務に対し見積られますが、報告期間における当該収益に係る控除額の見積りには判断が伴います。総売上高からこれらの控除額を調整して、純売上高が算定されます。 収益に係る調整のうち最も重要なものは、次のとおりであります。 ・顧客に対するリベート: 当社グループは、マーケットシェアの維持と拡大を確実にするために、卸売業者、販売会社等の顧客に対してリベートを付与しております。リベートは契約上取決めがなされているため、係る負債は各取決めの内容、過去の実績に基づく予想割戻率及び予想される流通チャネル内の在庫量を基に算定しております。 ・返品に関する負債: 返品権付き製品を顧客に販売する際は、当社グループの返品ポリシーや過去の返品実績に基づいた予想返品率を考慮して返品見込み額を測定し、負債として計上しております。 引当額は見積りに基づくため、実際の発生額を完全に反映していない場合があり、特に予想される流通チャネル内の在庫数量及び当社グループの製品が最終的にどの卸売業者の顧客に販売されるのかの見積りにより変動する可能性があります。 これまで実績又は見積りの見直しの反映による当初の見積りに対する調整額が、当社グループの業績に重要な影響を与えたことはありません。しかしながら、当社グループが見積りに際して使用した比率、要因、評価、経験もしくは判断が将来の事象の見積りにおける適切な予測値ではなかった場合、当社グループの業績に重要な影響を与える場合があります。見積りの感応度は、制度及び顧客の種類により左右される可能性があります。 (無形資産の減損) 当社グループは、償却を開始している無形資産について、その資産の帳簿価額が回収不能であるかもしれないことを示す事象又は状況の変化がある場合、減損テストを行っております。また未償却の無形資産については、少なくとも年次で減損テストを実施しております。 資産は、通常、連結財政状態計算書上の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に減損していると判断されます。回収可能価額は個別資産、又はその資産が他の資産と共同で資金を生成する場合はより大きな資金生成単位ごとに見積られます。資金生成単位は独立したキャッシュ・インフローを形成する最小の識別可能な資産グループであります。製品に係る無形資産及び仕掛中の研究開発は、個別に回収可能価額を見積ります。 回収可能価額の見積りには、以下を含む複数の仮定の設定が必要となります。 ・割引率 ・将来キャッシュ・フローの金額及び時期 ・競合他社の動向 キャッシュ・フローが変動する可能性のある事象としては、研究開発プロジェクトの失敗又は上市後製品の価値の下落があげられます。研究開発プロジェクトの失敗には、開発の中止、オーソライズドジェネリックの販売見込みや競合他社の参入等による収益性の悪化が含まれます。 当社グループは、これらの仮定を慎重に検討し、無形資産の減損損失は適切であると判断しております。 (繰延税金資産の回収可能性) 繰延税金資産及び負債は、期末日に施行又は実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。 繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる課税所得金額の発生見込みは事業計画を基礎としておりますが、当該事業計画には開発中の製品の上市及び市場シェアの拡大による販売数量の増加等並びに将来の薬価改定による影響等を主要な仮定として織り込んでおります。繰延税金資産は期末日毎に見直し、一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を獲得する可能性が高くなくなった部分について減額しております。 当社グループは、これらの仮定を慎重に検討し、繰延税金資産の回収可能性は適切であると判断しております。 (米国における広域係属訴訟(Multi District Litigation、以下、「MDL訴訟」という。)に対する金融負債) 当社は、2024年1月16日に、当社が保有する米国事業の持株会社であるSAHの全株式、並びにその傘下にあるSALの当社持分とUSLの持分を、SALへの共同出資者であるSCOAとともに、Boraに譲渡することを決議し、2024年4月2日をもって譲渡が完了しました。 上記のBoraとの持分譲渡契約において、USLが被告となっている反トラストに係るMDL訴訟に関する訴訟対応費用及びその帰結(判決、和解等に基づく損害賠償)に対して一定の責任を負う旨が規定されております。 当社は、Bora及び訴訟代理弁護士と密接に連携をとるとともに、本件について対処する法律事務所を独自に起用することを通して、本訴訟の実態を適時に把握する体制をとっております。 当社グループは、上記体制に基づいて、現時点で見積もられた想定負債合計は適切であると判断しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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