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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

サンバイオ

SanBio Company Limited4592 · Growth · 医薬品

脳の再生を促す世界初の細胞治療薬を開発。アクーゴ®は日本で承認取得、米国で第3相試験を準備中。

概要

サンバイオは、2013年に設立された再生医療に特化した医薬品企業である。中枢神経系疾患を対象とした他家細胞治療薬の研究開発を手掛け、主導製品のSB623(アクーゴ®)が2024年に慢性期外傷性脳損傷治療薬として国内で条件付き承認を取得した。東京証券取引所グロース市場に上場(コード4592)、従業員数は33名(連結)で、売上は開発段階のため未計上である。

SB623に集中する単一パイプライン戦略

当社グループの研究開発は、SB623(間葉系間質細胞)を中核に据えている。SB623は健常者の骨髄液から採取したMASC細胞にNotch-1遺伝子を一過性に導入し培養した他家細胞治療薬で、脳内移植により神経保護、血管新生、神経新生などを促進する。対象疾患は慢性期外傷性脳損傷、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病など多岐にわたるが、現時点で実用化に最も近いのは外傷性脳損傷プログラムである。SB623以外にも、SB618(機能強化型間葉系間質細胞)、SB308(骨格筋幹細胞)、MSC1、MSC2などのパイプラインを保有するが、リソースはSB623に集中している。

開発段階に特化した収益構造と資金調達

当社の収入形態は、ライセンスアウト型と自社販売型の二軸で構成される。現状は開発段階のため、契約一時金やマイルストン収入、開発協力金が主な収入源である。2026年1月期の営業損失は35億円(連結)、研究開発費は27億円に上り、売上は計上されていない。財政面では、新株式発行や転換社債型新株予約権付社債の発行により資金を調達しており、2026年1月期末の現金及び預金は149億円である。将来はアクーゴ®の自社販売による製品売上収入を見込むが、現時点では赤字が継続している。

日米を軸とする二拠点体制と地域展開

当社グループは、東京都中央区に本社を置くサンバイオと、米国カリフォルニア州に所在する子会社SanBio, Inc.の2社で構成される。米国子会社は2013年に設立されたSanBio Merger Sub, Inc.を前身とし、2014年の三角合併で完全子会社化された。2016年からは日米グローバル臨床試験を実施し、米国FDAとは慢性期外傷性脳損傷プログラムのフェーズ3試験デザインで合意に達している。2021年にはシンガポールに子会社SanBio Asia Pte. Ltd.を設立したが、2022年に解散した。最大市場である米国での事業化を目指す一方、欧州やアジアへの拡大も視野に入れている。

少人数組織と外部連携で進める開発

従業員数は33名(連結)と少人数であり、研究開発の大部分は外部の研究機関やパートナー企業との連携に依存している。2019年には国内での再生医療等製品製造販売業許可を取得し、2022年には製造業許可(包装・表示・保管)も取得した。2020年にはOcumension(Hong Kong)Limitedと中華圏における網膜疾患治療薬の業務提携契約を締結。流通面では、株式会社スズケンと共同開発した流通管理システム「R-SAT®」を導入し、安定供給体制を構築している。自社販売に向けた製造・物流・販売体制の整備は緒に就いたばかりである。

業界の中での役割は慢性期の脳損傷・脳梗塞などのアンメットメディカルニーズに対し、細胞治療薬を開発する創薬型企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01中枢神経系疾患(脳神経外科・神経内科)主力

SB623(アクーゴ®)を中心に、慢性期外傷性脳損傷・脳梗塞・脳出血などの中枢神経系疾患を対象に細胞治療薬を開発。日本では外傷性脳損傷に対して条件付き承認を取得し販売準備中。米国では第3相試験を計画。

世界初の慢性期外傷性脳損傷治療薬

主な製品・サービス2
アクーゴ®(SB623)
健康なドナーの骨髄液から作製した他家間葉系間質細胞。脳内に移植することで神経再生を促す。慢性期外傷性脳損傷の運動麻痺に対して日本で製造販売承認を取得。
SB618
機能強化型の間葉系間質細胞。末梢神経障害や脊髄損傷などを対象に開発中。

製品と技術

SB623:Notch-1遺伝子導入による他家細胞治療薬

SB623は、健康なドナーから採取した骨髄液由来のMarrow Adherent Stem Cells(MASC細胞)にNotch-1遺伝子を一過性に導入し、培養後に分注・凍結保存した間葉系間質細胞である。他家由来のため患者自身の細胞を使わず、同一製品を全ての患者に使用できる。脳内移植時には定位脳手術という低侵襲な手技で投与され、免疫抑制剤は不要である。投与後約1〜2カ月間、神経栄養因子や細胞外マトリクスの分泌により、神経保護、神経新生、血管新生、抗炎症、バイオブリッジ形成といった複合的な再生プロセスを促進する。非臨床試験では、脳深部の神経幹細胞を損傷部位へ誘引する効果が確認されている。

慢性期外傷性脳損傷プログラムの臨床成果と承認

SB623の慢性期外傷性脳損傷プログラムは、日米61名の被験者によるフェーズ2臨床試験で主要評価項目を達成し、2019年に先駆け審査指定、2024年に条件付き承認を取得した。米国ではFDAとフェーズ3試験デザインで合意済みで、2026年度以降に試験開始を予定する。日本では慢性期脳梗塞プログラムの再開も検討しており、PMDAとの協議を目指している。

自社販売に向けた製造・流通体制の構築

アクーゴ®の自社販売に備え、当社は製造・物流・販売体制を整備している。製造面では2019年に製造販売業許可、2022年に製造業許可を取得。物流面ではスズケンと共同で流通管理システム「R-SAT®」を開発し、厳格な温度管理とトレーサビリティを実現した。販売体制はまだ構築途上だが、2026年度下半期の初出荷を目標に準備を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 中枢神経系疾患(脳神経外科・神経内科)世界初の慢性期外傷性脳損傷治療薬

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

再生医療開発中、売上・利益とも未計上

サンバイオは再生医療等製品の開発企業で、現時点で製品上市に至っておらず売上・営業利益とも計上なし。同業のVeritas In Silico(創薬AI)やChordia Therapeutics(がん治療)も開発段階だが、サンバイオは中枢神経系疾患に特化。同社の業績は開発進捗に大きく依存し、規制リスクや資金調達リスクが大きい。

強み

  • 中枢神経系疾患向け再生医療技術に強み。
  • 基礎特許を保有し、競合に対する優位性。
  • 複数の適応症で臨床開発を進める。
  • 大学等との研究連携により先端技術を獲得。

課題

  • 製品上市まで売上・利益がなく、資金調達リスク。
  • 臨床試験の失敗や承認遅延リスクが高い。
  • 同分野で他社も開発中、市場競争激化。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がサンバイオ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14534持田製薬1,194億円14.7倍
24565ネクセラファーマ1,041億円
34559ゼリア新薬工業1,008億円10.5倍
44549栄研化学804億円20.8倍
54569杏林製薬709億円19.7倍
64592サンバイオ708億円
74552JCRファーマ678億円29.3倍
84886あすか製薬ホールディングス596億円10.8倍
9197Aタウンズ521億円9.9倍
10219AHeartseed508億円266.2倍
114894クオリプス449億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 19件

資本金2,500千円で創業した2013年

2013年2月、医療関連技術の研究開発と特許販売を目的として、東京都千代田区麹町に資本金2,500千円でサンバイオが設立された。同年10月には米国子会社SanBio Merger Sub, Inc.を設立し、翌2014年に本社を港区海岸に、さらに同年末に中央区明石町(現所在地)へと移転した。設立当初から海外展開を視野に入れた組織体制が構築された。

三角合併で米国事業を子会社化した2014年

2014年1月、当時の親会社であるSanBio, Inc.と子会社のSanBio Merger Sub, Inc.との間で三角合併を実施。合併存続会社はSanBio Merger Sub, Inc.であり、合併後にSanBio Inc.へ社名変更した。これにより、SanBio, Inc.の株主には当社株式が割り当てられ、米国事業を完全子会社化した。この再編により、研究開発の拠点を米国に置く現在のグループ体制の基礎が固まった。

東証マザーズに株式上場した2015年

2015年4月、東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。上場時の資金調達規模は開示されていないが、これにより研究開発資金の調達が容易になった。2022年の市場区分見直しに伴い、マザーズからグロース市場へ移行した。上場年の2016年1月期には32億円の売上(契約一時金等)を計上したが、その後は売上が減少し、2021年以降は売上ゼロが続いている。

SB623の日米グローバル臨床試験が始動した2016年

2016年4月、SB623の慢性期外傷性脳損傷分野において、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に日米グローバル臨床試験(フェーズ2)の治験届が受理された。同年10月には日本で最初の被験者組み入れを実施し、2018年4月には日米での被験者組み入れが完了した。この試験は二重盲検で61名を対象とし、2018年11月にSB623投与群で統計学的に有意な運動機能改善を示し、主要評価項目を達成した。

先駆け審査指定と製造許可を取得した2019年

2019年4月、SB623の慢性期外傷性脳損傷プログラムが厚生労働省の「先駆け審査指定制度」対象品目に指定された。これにより審査の迅速化が図られた。同年7月には国内で「再生医療等製品製造販売業許可」を取得し、自社製造への道を開いた。これらの規制面での進展は、後の承認申請につながる重要なマイルストーンとなった。

希少疾病用指定と中華圏提携を進めた2020年

2020年6月、SB623が外傷性脳損傷における後遺症改善を効能として厚生労働省より「希少疾病用再生医療等製品」に指定された。これにより開発費用の助成や税制優遇が受けられる。同年3月にはOcumension(Hong Kong)Limitedと網膜疾患における中華圏での業務提携契約を締結し、地域展開を加速させた。米国FDAからもRMAT指定を受け、日米両国で規制上の優遇措置を得た。

承認申請とグロース市場移行を経た2022年

2022年3月、SB623の慢性期外傷性脳損傷後の運動機能障害の改善を効能として、厚生労働省に再生医療等製品製造販売承認申請を完了した。同年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、グロース市場に移行。同年12月には再生医療等製品製造業許可(包装・表示・保管)を取得し、製造体制を強化した。同時期にシンガポール子会社の解散も決定した。

アクーゴ®の条件付き承認と一部変更承認に至った2024〜2025年

2024年7月、厚生労働省はSB623を「アクーゴ®脳内移植用注」として、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善治療薬に条件及び期限付き製造販売承認を与えた。承認条件には7年間の期限内に製造販売後臨床試験を実施し本承認を取得することが含まれる。2025年12月には出荷制限の条件解除を目的とした製造販売承認事項一部変更承認を取得し、初出荷は2026年度下半期を予定している。これにより日本における再生医療製品の商用化が現実のものとなった。

年表19件を開く

2010年代

  • 2013年2月創業医療関連技術の研究開発、研究開発の受託、並びに開発技術の特許販売などを目的として東京都千代田区麹町に資本金2,500千円で当社を設立。
  • 2013年10月子会社としてSanBio Merger Sub,Inc.(米国)を設立。
  • 2013年12月本店を東京都港区海岸に移転。
  • 2014年1月M&A当社の親会社(当時)であるSanBio, Inc.と、当社の子会社であるSanBio Merger Sub,Inc.との間で、SanBio, Inc.を吸収合併消滅会社、SanBio Merger Sub,Inc.を吸収合併存続会社とし、その対価として当社の普通株式をSanBio,Inc.の株主に割当交付する三角合併を実施したことにより、SanBio,Inc.を完全子会社化する。吸収合併存続会社であるSanBio Merger Sub, Inc.は合併後にSanBio Inc.へと社名を変更する。
  • 2014年12月本店を東京都中央区明石町に移転。
  • 2015年4月上場東京証券取引所(マザーズ市場)に株式を上場。
  • 2016年4月[SB623(注)]外傷性脳損傷分野において、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に日米グローバル臨床試験(フェーズ2)の治験届けが受理される。
  • 2016年10月[SB623]外傷性脳損傷分野の臨床試験(フェーズ2)において日本における最初の被験者の組み入れを実施。
  • 2018年4月[SB623]慢性期外傷性脳損傷の臨床試験(フェーズ2)の日米における被験者組み入れが完了。
  • 2019年4月[SB623]慢性期外傷性脳損傷分野において、厚生労働省「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定。
  • 2019年7月国内での「再生医療等製品製造販売業許可」を取得。

2020年代

  • 2020年3月Ocumension(Hong Kong)Limitedとの網膜疾患における中華圏における細胞治療薬の研究開発及び事業化に関する業務提携契約を締結。
  • 2020年6月[SB623]外傷性脳損傷における後遺症の改善を効能として厚生労働省より「希少疾病用再生医療等製品」の指定を受ける。
  • 2021年2月子会社SanBio Asia Pte. Ltd.をシンガポールに設立。
  • 2022年3月[SB623]外傷性脳損傷後の運動機能障害の改善を効能、効果として、厚生労働省に対して「再生医療等製品製造販売承認申請」を完了。
  • 2022年4月上場東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、上場金融商品取引所をマザーズ市場からグロース市場に変更。
  • 2022年12月国内での「再生医療等製品製造業許可(包装・表示・保管)」を取得。子会社SanBio Asia Pte. Ltd.を解散。
  • 2024年7月[アクーゴ ® _SB623]厚生労働省よりアクーゴ ® 脳内移植用注は、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善治療薬として条件及び期限付き製造販売承認を取得。
  • 2025年12月[アクーゴ ® _SB623]厚生労働省より、アクーゴ ® 脳内移植用注の製造販売承認事項一部変更承認を取得。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/1期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    三本柱で再生医療のグローバルリーダーへ

    米国事業の実現、脳梗塞への適応拡大、日本のマザー拠点化を柱に、細胞治療薬SB623のポテンシャルを最大化し、再生医療分野でのグローバルリーダーを目指す。研究開発から製造販売まで一連のプロセスを着実に推進する。

  2. 02

    SB623の適応拡大と地域展開

    慢性期外傷性脳損傷に加え、慢性期脳梗塞、脊髄損傷、網膜疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病などへ適応拡大を進める。米国や欧州、アジアなどへの地域展開も進め、アクーゴに続く細胞治療薬のパイプラインも開発する。

  3. 03

    アクーゴの発売と本承認取得

    日本で条件付き承認を取得したアクーゴについて、製造販売承認事項一部変更承認を経て発売準備を進め、下半期に初出荷を実現する。承認条件である7年間の期限内に市販後臨床試験等を実施し、本承認を取得する計画。

  4. 04

    製造・物流・販売体制の本番稼働

    安定供給と適正使用のため、厳格な品質管理のもと、スズケンと開発した流通管理システム(R-SATシステム)を導入するなど体制を構築。初出荷に向けて、これまで整備してきた製造・物流・販売体制を実際に稼働させる。

  5. 05

    資金調達と人材獲得

    米国展開や脳梗塞プログラム推進のため、株式市場からの資金調達、融資、補助金活用、提携など多様な手段で資金調達基盤を強化する。また、小規模組織から成長に向けて必要な人材を確保する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で33人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は2,023万円で、9期前と比べて+92.4%平均年齢は47.8歳、平均勤続年数は3.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年1月37
2018年1月32
2019年1月43
2020年1月1,05142.31.374
2021年1月1,07245.61.585
2022年1月1,24748.11.889
2023年1月1,19047.02.365
2024年1月1,59747.83.029
2025年1月1,64148.23.229−12,069
2026年1月2,02347.83.333−11,515

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
本社 — 東京都中央区59百万円
他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業
東京製造所 — 東京都中央区10百万円
他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業
主な関係会社
  • 国内
    SanBio, Inc.
    アメリカ合衆国 カリフォルニア州 · 連結子会社
    議決権100.0%

四半期の推移

10期分

直近は2020年4Qで、売上は0億円。前年の2019年4Qと比べると、売上は−100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2018年3Q2−11−550.0−9
2018年4Q1−7
2019年1Q2−10−500.0−8
2019年2Q2−6−300.0−2
2019年3Q2−9−450.0−5
2019年4Q1−14
2020年1Q2−12−600.0−7
2020年2Q2−12−600.0−13
2020年3Q0−12−13
2020年4Q0−19

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 13期分

直近13期の通期業績。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
当社の親会社(当時)であるSanBio, Inc.と、当社の子会社であるSanBio Merger Sub,Inc.との間で、SanBio, Inc.を吸収合併消滅会社、SanBio Merger Sub,Inc.を吸収合併存続会社とし、その対価として当社の普通株式をSanBio,Inc.の株主に割当交付する三角合併を実施したことにより、SanBio,Inc.を完全子会社化する。吸収合併存続会社であるSanBio Merger Sub, Inc.は合併後にSanBio Inc.へと社名を変更する。
2014年1月2−6−6
東京証券取引所(マザーズ市場)に株式を上場。
2015年1月322217
2016年1月12−12−10
2017年1月9−22−18
2018年1月5−39−39
2019年1月7−29−29
2020年1月4−51−52
子会社SanBio Asia Pte. Ltd.をシンガポールに設立。
2021年1月−65−34
東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、上場金融商品取引所をマザーズ市場からグロース市場に変更。
2022年1月−46−47
2023年1月−47−56
2024年1月−28−26
2025年1月−35−30−29
2026年1月−38−43−38

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2026年1月期は営業CFが−38億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは−40億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は148億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2014年1月−15044
2015年1月−2−514−712
2016年1月−14−474−1869
2017年1月−1812−1749
2018年1月−19710−1247
2019年1月−40−10127−50125
2020年1月−57−170−58136
2021年1月−5242−1−10125
2022年1月−65−1−15−6646
2023年1月−74094−7467
2024年1月−48024−4844
2025年1月−36021−3629
2026年1月−38−2160−40148

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 13期分

2026年1月期の総資産は156億円。このうち返さなくてよい自己資本が136億円で、自己資本比率は85.4%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2014年1月5−2025
2015年1月18−119
2016年1月83641977.0
2017年1月63461772.8
2018年1月5294316.1
2019年1月140895163.5
2020年1月1561094769.4
2021年1月133835061.0
2022年1月55203531.0
2023年1月70442656.5
2024年1月50282251.3
2025年1月34181745.1
2026年1月1561362085.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年1月期の内訳
現金及び預金
151億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-10億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
20億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率79社中20位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
85.4%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥907で、1年前と比べて-63.7%過去52週の値幅のなかでは1%の位置にある。

¥907-4.1%1ヶ月-3.3%1年-63.7%時価総額708億円
過去52週の値幅
安値¥874高値¥3,990

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR5.58倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月20日に1042円へ上昇し、前日比+5.89%と急伸しました。25日移動平均線(987.56円)を上抜け、RSIは73.31と過熱感が強い水準です。一方で、52週高値3990円からは-73.9%と大幅に下落した後の反発局面です。7月末に900円まで下落した後、8月に入ってからの上昇基調が続いており、出来高も8月20日に874,400株と高水準を維持しています。ただし、75日線(1215.24円)や200日線(1727.2円)は依然として上にあり、短期的なリバウンドの域を出ていません。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PBR 6.37倍は業界平均3.12倍の2倍超で割高。PERは利益がないため算出不可、ROEもマイナス。無配で配当利回り0%。売上高もなく、営業赤字が継続しており収益化の見通しが立たず、成長期待のみで株価が高い状態。同業他社と比較してもバリュエーションは割高であり、投資リスクが高い。

指標この会社業種平均
PBR5.58倍3.53倍

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

脳梗塞や脊髄損傷などアンメットニーズの高い領域に挑む創薬ベンチャー。強気派は、幹細胞治療の市場ポテンシャルの大きさと、SB623の臨床試験での有効性データ、特許による独占販売期間を評価。弱気派は、承認取得の不確実性、巨額の赤字継続(2026/1期も▲38億円)、資金調達リスク(時価総額808億円に対し自己資本は低い)を懸念。昨年来52%下落した株価は期待値を織り込みきれていないとの見方と、さらに下落余地ありとの見方が対立。

プラスに働く材料7
  • 大型市場への進出機会

    再生医療市場は2030年に約9兆円規模予想。

  • 臨床試験のポジティブデータ

    SB623は複数適応で有効性が示唆されている。

  • 特許による参入障壁

    独自の細胞調製技術は競合が模倣しづらい。

  • 脳卒中治療薬の承認・上市期待2025年以降影響

    パイプライン進展で売上発生、損失解消の可能性

  • 追加資金調達による開発継続不定影響

    研究開発費を賄う増資や提携の可能性

  • 株価急落後の反発期待短期的影響

    1年で-51.5%下落、買い戻しや投機的な動き

  • PBR6.4倍はバイオ企業として許容範囲現在影響

    無収益企業としてPBR6.4倍は過度な割高ではない

マイナスに働く材料7
  • 承認リスクが極めて高い

    再生医療の承認基準は厳しく、不承認の可能性。

  • 累積赤字と資金調達懸念

    営業赤字が続き、増資リスクが株価の重石。

  • 株価の急落継続リスク

    1年で52%下落も、業績悪化の悪材料は織り込み不足。

  • 営業損失拡大と資金消耗FY2026影響

    FY2025営業損失35億→FY2026予想38億円、赤字拡大

  • 資金枯渇リスク2-3年影響

    年間30億超のキャッシュ流出、追加調達なければ継続困難

  • 臨床試験失敗リスク臨床結果発表時影響

    ネガティブな治験結果で株価暴落の可能性

  • 流動性の低さと売り圧力継続影響

    外国人保有4.17%、需給細く大量売りで急落リスク

次の決算で確かめる点
現金及び預金残高
研究資金の枯渇時期を把握するために必須。
治験進捗状況
承認へのマイルストーン達成が株価の最大のイベント。
第三者割当増資の有無
資金調達のために実施されれば希薄化懸念が強まる。

株主

有価証券報告書より

2026年1月期末の株主数は延べ50,267人。区分でいちばん多いのは個人・その他87.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が3.0%を占め、残る97.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年1月%2022年1月%2023年1月%2024年1月%2025年1月%2026年1月%
個人・その他82.187.783.387.689.387.4
証券会社2.31.44.63.72.45.4
外国法人3.03.85.53.95.33.9
事業法人10.04.64.44.12.62.6
金融機関2.42.31.90.40.10.5
外国人個人0.20.20.30.30.20.3

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01川西 徹15.66
02森 敬太7.69
03株式会社SBI証券1.66
04野村證券株式会社1.47
05大高 功0.64
06マネックス証券株式会社0.57
07松井証券株式会社0.34
08SMBC日興証券株式会社0.31
09安井 勝孝0.29
10GMOクリック証券株式会社0.29

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-07-22
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    4.29%
    -1.05pt
  • 2026-06-23
    森 敬太
    変更報告
    8.33%
    -0.63pt
  • 2026-06-22
    森 敬太
    新規の大量保有報告
    8.96%
    -2.62pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 13期分

1株利益は13期で−241%、1株純資産は11期で+20%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2014年1月−15
2015年1月44
2016年1月−23143
2017年1月−41102
2018年1月−8718
2019年1月−60178
2020年1月−101209
2021年1月−65157
2022年1月−9033
2023年1月−9662
2024年1月−4038
2025年1月−4222
2026年1月−53171

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2026/1期の役員報酬は総額75百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約1倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
川西徹代表取締役会長 執行役員5812,221,186
森敬太代表取締役社長 執行役員595,997,284
古谷昇取締役69157,143
棚橋正顕常勤監査役64
植田俊道監査役596,329
山角健監査役7740,000
Drew Edwards取締役55

役員報酬の内訳2026/1

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2494925
社外取締役526265

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/1期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容12,892字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1)当社の事業領域 当社グループ(以下、当社及びSanBio, Inc.(米国カリフォルニア州オークランド市)2社を指します。)は「再生医療の開発を通して、患者さんをはじめとしたステークホルダーの皆さまへ価値を提供する」ことをコーポレート・ミッションに掲げ、日米において細胞治療薬の研究、開発、製造及び販売を手掛ける再生医療事業を展開しています。当社グループでは、主に中枢神経系の疾患(眼科を含む)における、慢性期外傷性脳損傷、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病等のアンメットメディカルニーズの高い疾患を対象とした治療薬の販売を目指しています。 ≪細胞治療薬とは≫ 当社グループが手掛ける細胞治療薬は、病気・事故等で失われた身体機能の自然な再生プロセスを誘引ないし促進させ、運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効能が期待される医薬品です。 (2)事業の内容 当社グループは、大学等の研究機関から導入した技術を基盤として、当社グループにおいて製造開発、非臨床試験及び臨床試験等を実施し、再生医療等製品の研究、開発、製造及び販売を行っています。 当社グループの事業モデルは、主として、医薬品の販売網及び商業化能力を有するパートナー製薬会社に対して、当社グループが保有する開発権及び販売権をライセンス許諾することにより収益を獲得するライセンスアウト型モデルを基本としています。これに加え、今後は、当社グループ自らが製造販売承認を取得し、販売体制を構築した上で製品を販売する自社販売型モデルも、収益機会の一つとして併存させる方針としています。 収入形態の内容は以下のとおりです。 ≪当社グループの収入形態≫ 収入形態   内容 A   契約一時金   ライセンス許諾の契約時の一時金として得られる収入 B   マイルストン収入   開発進捗又は製品上市後の売上高等、予め設定したマイルストン達成時に一時金として得られる収入 C   開発協力金   開発費用のうち、ライセンスアウト先が負担する部分として得られる収入 D   ロイヤルティ収入   ライセンスアウト先による製品販売後、製品売上高の一定割合として得られる収入 E   製品供給収入   ライセンスアウト先に対し、当社グループが製品を供給する対価として得られる収入 F   製品売上収入 (自社販売)   当社グループが製造販売承認を取得し、自社で販売する製品について、医療機関等への販売により直接得られる売上収入 ≪収入構造の概要≫ 当社グループの収入は、開発段階においては、主として(A)契約一時金、(B)マイルストン収入及び(C)開発協力金により構成されます。製品上市後は、ライセンスアウト型モデルにおいては、売上マイルストンに係る(B)マイルストン収入に加え、(D)ロイヤルティ収入及び(E)製品供給収入が主な収入形態となります。 一方、自社販売型モデルにおいては、当社グループが製造・物流・販売体制を構築し、製品を販売することにより、(F)製品売上収入を直接計上することとなります。この場合、製品売上高は当社グループの売上として計上される一方で、販売活動に伴う販売管理費等が発生します。 当社グループでは、対象疾患の市場規模、医療提供体制、販売効率、必要となる経営資源等を総合的に勘案し、ライセンスアウト型モデルと自社販売型モデルのいずれが当社グループの企業価値最大化に資するかを、製品及び地域ごとに個別に判断する方針としています。 ≪ライセンス許諾及び販売戦略≫ ライセンス許諾のタイミングについては、ヒトでの安全性及び有効性を確認するProof of Concept(POC)段階まで当社グループにおいて開発を進めた時点を想定しています。 また、今後のパイプラインについては、パートナー製薬会社との提携によるライセンスアウトのみならず、自社販売の可能性も含めて、柔軟に検討していきます。 なお、条件及び期限付き製造販売承認を取得したアクーゴ®については、当社グループによる自社販売を想定しています。 (3)開発の状況 ① 当社グループが手掛ける細胞治療薬 当社グループが開発を進める細胞治療薬はSB623(間葉系間質細胞、対象疾患は慢性期脳梗塞、慢性期外傷性脳損傷、慢性期脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病等)、SB618(機能強化型・間葉系間質細胞、対象疾患は末梢神経障害等)、SB308(骨格筋幹細胞、対象疾患は筋ジストロフィー等)、MSC1(間葉系間質細胞、対象疾患はがん疾患等)、MSC2(間葉系間質細胞、対象疾患は炎症性疾患等)の5種類です。 当連結会計年度末時点での研究開発パイプラインの進捗状況を以下の表に示します。 当社グループでは、バックアップとなりうる製品を用意しつつも、主たる製品候補である細胞治療薬SB623(間葉系間質細胞)における各種対象疾患での開発を最優先に進める方針です。 ※1: 「外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善」を効能・効果とする ※2: これまでの慢性期脳梗塞及び慢性期外傷性脳損傷の臨床試験で安全性が確認できているため、フェーズ2b臨床試験以降から開始 ※3: OcuMension(Hong Kong) Limited社との共同開発 ※4: D&P Bioinnovations, Inc社と食道再生インプラントの開発及び商業化に関する業務提携 ≪SB623の概要≫ SB623は「脳の再生」を促す世界初の治療薬です。脳内の損傷した神経組織に移植することで、複数のタンパク質等が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する効果が期待されています。また、基礎試験の結果から、神経細胞の保護作用、血管新生促進作用、免疫調整作用が報告されています。 当社グループが開発を手掛ける細胞治療薬は、患者本人の細胞を処理して再度患者に戻す形態の医療サービス(自家移植の再生医療)ではなく、健康なドナーから採取した細胞を加工・培養して均質な細胞を大量製造して製品化した他家由来の医薬品です。同一の製品で多くの患者を同様に治療できるため、発売開始後には迅速な普及が見込まれます。健常者の骨髄液から得られるMarrow Adherent Stem Cells(MASC細胞)に、Notch-1遺伝子を一過性に導入し、さらに培養して得られる細胞を分注して凍結保存した間葉系間質細胞がSB623です。 SB623は慢性期外傷性脳損傷や慢性期脳梗塞等の脳神経疾患の場合には、定位脳手術と呼ばれる既に脳神経外科では広く普及した手技により、局所麻酔で安全に投与可能です。長期入院は不要で、投与に当たっては免疫抑制剤も不要で、通常の医薬品と同様に、同一の製品を全ての患者を対象に使用することが可能です。 作用メカニズムについては、複合的な作用で神経機能の再生を促進しているものと考えられます。投与したSB623は、投与後約1~2カ月間の比較的早い時期に液性の神経栄養因子や不溶性の細胞外マトリクスを分泌することで、体の自然な再生プロセスを促進させていると考えられます。具体的には(A)神経保護(神経細胞をまもる)、(B)神経新生(神経細胞をつくる)、(C)血管新生(血管をつくる)、(D)抗炎症(炎症を抑える)、(E)バイオブリッジの形成(成人の脳の奥深いところに僅かに存在する神経細胞の元である神経幹細胞を誘引ないしは増幅する)等複合的に作用することを示唆するデータが確認されています。 特に、上記作用メカニズムのうち(E)については、通常、脳が損傷を受けた場合、損傷部位で新たに神経細胞がつくられることはありませんが、同じ条件下でSB623を損傷部周辺に移植すると、その作用により、脳の奥深くに僅かに存在していた神経幹細胞が誘引ないしは増幅され損傷部位まで到達できるようになります。この結果、損傷部位で新たな神経細胞がつくられることになります。こうした作用データが非臨床試験(In Vivo試験)において確認されています。 ② SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの開発状況 外傷性脳損傷は、世界中の主な死因および障害の原因の一つです。2016年の世界の急性外傷性脳損傷の新規患者数は2,700万人(推定)、外傷性脳損傷に続発する慢性障害の患者数は5,550万人(推定)でした※1。外傷性脳損傷及び外傷性脳損傷に続発する長期に渡る運動機能障害は、患者さんの自立、雇用、およびQOLを著しく損ない、総じて各国の医療システムの大きな負担になっています。米国では、外傷性脳損傷で入院し生存した患者さんの約43%が長期の運動機能障害を経験しており※2、2,317万人が外傷性脳損傷に続発する運動機能障害を長期に抱えて生活していると推定されています※3。また、日本における外傷性脳損傷(TBI)の患者数は約6万人※4で、そのうち20%は後遺症を伴うと推定されています※5。 損傷を受けた脳組織の自然回復は難しいと言われており、慢性期に入り運動麻痺が定着した患者さんは、日常生活や社会生活における影響を生涯に渡って抱えることとなり、未だ有効な治療法がないことから大きなアンメットメディカルニーズが存在していました。これまで、脳の機能を回復する治療薬は存在しておらず、慢性期の外傷性脳損傷の運動麻痺における治療薬は存在しませんでしたが、アクーゴ®脳内移植用注(以下、「アクーゴ®」)は慢性期の外傷性脳損傷(TBI)の運動麻痺において、有効性・安全性の点から規制当局に承認された、世界初の新たな治療選択肢です。 当社グループでは、慢性期脳梗塞用途のフェーズ1/2aにおいてSB623の安全性が示唆されたことを受けて、外傷性脳損傷を対象とした臨床試験については、フェーズ2から開始しました。日米を含むグローバル試験(二重盲検、被験者61名)として実施したフェーズ2試験については、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成」という良好な結果を得ました。本試験結果を踏まえて、2019年4月に厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受け、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議を重ね、2022年1月までに先駆け総合評価相談を完了し、2022年3月に厚生労働省に対して再生医療等製品製造販売承認申請(以下、「本申請」)を行い、2024年7月に厚生労働省より外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺を効能・効果として条件及び期限付き製造販売承認を取得し、SB623はアクーゴ®となりました。その後、承認条件の一つである治験薬と製品薬の同等性/同質性を確認し、2025年12月に製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。現在、販売に向けて国内の製造・物流・販売体制の構築を進めています。 最大市場となる米国市場においては、日本でのアクーゴ®の実績を基に、米国規制当局(FDA)と臨床試験の実施に向けて協議を行っており、臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ています。翌連結会計年度から臨床試験に向けた準備を行っていく予定です。 なお、慢性期外傷性脳損傷を対象としたSB623については、「先駆け審査指定制度」の対象品目指定に加え、厚生労働省から「希少疾病用再生医療等製品」の指定を、米国食品医薬品局(FDA)からは、RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)の指定を受けています。 <出典> ※1: James SL, et al. “Global, regional, and national burden of traumatic brain injury and spinal cord injury, 1990- 2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.” Lancet Neurol 2019;18:56-87. ※2: Selassie AW, et al. “Incidence of long-term disability following traumatic brain injury hospitalization, U.S.”, 2003. J Head Trauma Rehabil 2008;23:123-31 ※3: Zaloshnja E, Miller T, Langlois JA, Selassie AW. Prevalence of long-term disability from traumatic brain injury in the civilian population of the United States, 2005. J Head Trauma Rehabil. 2008 Nov-Dec;23(6):394-400. ※4: 厚生労働省患者調査 2020 「19損傷,中毒及びその他の外因の影響(頭蓋内損傷)」の患者数 ※5: 厚生労働省患者調査 2020 「T905頭蓋内損傷の続発・後遺症」の患者数 ③ SB623慢性期脳梗塞プログラムの開発状況 脳梗塞は血栓が脳の血管に詰まるために引き起こされ、脳の神経細胞に十分な血液が供給されなくなる病気です。 発作後数時間までの急性期を過ぎるとリハビリ以外に対処方法が無く、さらに6カ月を過ぎ慢性期に入ると大半の場合、それ以上の改善を期待することはできないとされています。 当社グループでは、2011年より、慢性期の脳梗塞患者に対して、SB623の安全性と有効性を評価するためのフェーズ1/2a臨床試験を米国にて実施し、この結果、SB623に起因する重篤な副作用は認められないこと(安全性)と、SB623が慢性期脳梗塞患者の運動機能を改善する可能性があること(有効性の示唆)が確認されました。 本フェーズ1/2a臨床試験に続き、2015年12月には、米国でのフェーズ2b臨床試験(二重盲検、被験者163名)を開始し、2019年1月に主要評価項目未達という解析結果を得ました。しかし、2020年9月には、STR-02試験の追加解析として、梗塞巣サイズが一定量未満の患者77名(当試験組み入れ患者全体の47%)を対象に、複合FMMSエンドポイントを用いてSB623の投与から6カ月後における有効性を評価したところ、偽手術群26名のうち19%の改善に対し、SB623投与群51名のうち49%において改善が見られ、統計学的に有意な結果(P値=0.02)を得ました。本追加解析結果を踏まえて、慢性期脳梗塞における新たな臨床試験の実施に向けて、日米の規制当局との協議を進める予定です。 ④その他のパイプラインの開発状況 ≪SB623慢性期脳出血プログラム≫ 上記の慢性期外傷性脳損傷プログラムの良好な結果を受けて、外傷性脳損傷と類似性がある慢性期脳出血プログラムをパイプラインに追加しました。脳出血は、血管が詰まって引き起こされる脳梗塞に対して、血管が破れることで引き起こされる疾患であり、半身麻痺、感覚障害又は記憶障害等の症状が起こりますが、現状では根治治療は存在していないとされています。当社グループとしては、現在、本プログラムの臨床試験は、フェーズ2又はフェーズ3からの開始を見込んでおり、今後準備を進めていきます。 ≪SB623網膜疾患プログラム≫ SB623は強い神経保護作用を持つことから、網膜疾患への適応も期待されます。 対象となる網膜疾患の主なものとしては、加齢黄斑変性、網膜色素変性、緑内障などがあげられます。これらのうち、当社グループで最初に取り組んでいるのは加齢黄斑変性です。カメラでいえば光を感知するフィルムに相当する膜が網膜ですが、この中心部に黄斑とよばれる部分があり、ものを見るときに大切な働きをしています。加齢にともなって黄斑が異常をきたし、徐々に網膜の細胞が死滅していく結果、視力が低下していくのがドライ型加齢黄斑変性です。患者数が多い一方、有効な治療法が存在せず、新たな治療法の確立が期待されています。 網膜疾患用途では初期臨床試験段階まで自社で開発を進めつつ製薬会社にライセンスアウトする方針の中、2020年3月に、Ocumension(Hong Kong)Limitedと中華圏における網膜色素変性症及び加齢黄斑変性症(ドライ型)等を対象疾患とした共同開発を行なう契約(中華圏以外の開発及び販売に係る権利は当社グループでのみ留保)を締結しました。現在、Ocumension(Hong Kong)Limitedとの共同開発の枠組みの中で非臨床試験を開始し、臨床試験開始に向けたデータの取得を進めています。 ≪SB623その他の疾患への展開≫ パーキンソン病、脊髄損傷では動物試験で良好な結果が得られており、今後は臨床試験の実施許諾に向けて必要な追加試験を実施します。アルツハイマー病等その他の疾患については非臨床試験(In Vivo試験)において適応可能性について検討していきます。 ≪SB618≫ 細胞治療薬SB618もSB623と同様、神経機能を再生する作用が期待される治療薬ですが、SB618はSB623とは異なった特性を持っており、機能強化型の間葉系間質細胞です。 SB618は健常者の骨髄液を原料として独自の製法で大量培養し、分注して凍結保存することで最終製品となります。この点はSB623と同様ですが、途中の製法が異なります。骨髄液からMASC細胞を得るまでの、SB623と共有した上流の製造プロセスのあと、レチノイン酸や複数のサイトカインを添加しさらに培養します。このプロセスにより間葉系間質細胞の性質が変化し、SB618の独自性を生むものと考えています。SB618は、これまでに、末梢神経障害、脊髄損傷を対象とした非臨床試験(In Vivo試験)で効果が示唆されており、今後、末梢神経障害、脊髄損傷、多発性硬化症などを対象に開発を進めていきます。 ≪SB308≫ 細胞治療薬SB308は骨髄由来の骨格筋幹細胞です。未だ研究段階ですが、将来的には筋ジストロフィーなどの疾患への応用を視野に開発を進めます。 筋ジストロフィーは、筋肉が壊死・変性し、次第に筋力低下が進行して行く病気です。その中でも最も多いデュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉の細胞骨格をつくるジストロフィンが遺伝子異常により作られなくなってしまうことにより起こります。有効な治療法は存在せず、筋力低下による呼吸障害や、心臓の機能障害により若くして亡くなるケースが大半を占めます。SB308は、筋ジストロフィーの非臨床試験(In Vivo試験)で、その応用可能性が示唆されています。 ≪MSC1・MSC2≫ 2018年9月にMSC1、MSC2という間葉系間質細胞由来の細胞治療薬に関する特許ポートフォリオを他社から取得しました。間葉系間質細胞の細胞膜上に存在する特定のToll様受容体を刺激することで、間葉系間質細胞の特徴である安全性及び忍容性を維持したまま抗炎症機能を増強する技術及び炎症機能を増強する技術です。 炎症機能を高めたMSC1は、通常の間葉系間質細胞が腫瘍の成長に促進的に働くのに対し、腫瘍の成長を減衰させることが非臨床試験で確認されており、がん治療薬としての開発が期待できます。高い抗炎症作用を有するMSC2は、視神経炎、多発性硬化症やクラッベ病といった脱髄疾患、糖尿病性神経障害、関節リウマチ、クローン病等の炎症性疾患に対する治療薬としての開発が期待されており、2020年3月に、Ocumension(Hong Kong)Limitedと中華圏における視神経炎を適応疾患とした細胞薬の開発及び販売権の取り決めをしました。 ⑤ パートナー製薬会社との契約の締結状況 当社グループは、2020年3月にOcumension(Hong Kong)Limitedと眼科領域における細胞治療薬の研究・開発・商業化を目的として、SB623及びMSC2に関して、業務提携契約を締結しました。また、2021年11月にはD&P BioinnovationsとMSC2細胞を利用した食道再生インプラントの開発及び商業化に関する業務提携契約を締結しました。それぞれの契約において、製品販売前の臨床試験段階における当社グループの収入形態及び製品販売段階における販売権の取り決めがなされています。 今後も、当社グループの保有するパイプラインにおける開発権及び販売権について、パートナー製薬会社との提携のみならず、自社販売の可能性も含め検討していきます。 (4)事業の特徴 ① 収益性の確保に向けた取組 a. 他家移植であること 一般に再生医療は、自家移植と他家移植に分けられます。 自家移植の再生医療は、患者の細胞や組織を処理して再度患者本人に戻す形態の治療法です。この場合、細胞調製に手間がかかる等、実用化に当たっての課題が存在しています。一方、当社グループが開発を進める細胞治療薬は、他家移植であり、ドナー(細胞提供者)の細胞を処理し、均質の細胞を量産化した医薬品であり、同一の製品で多くの患者を治療できるモデルとなっています。 b. 量産化技術が確立されていること ドナーの骨髄液を培養して、均質な製品を大量に製造し、これを凍結保存して輸送し、融解して投与できる技術が確立されています。 なお、当社グループが開発を進める細胞治療薬は、もともと体内に存在する骨髄液由来の間葉系間質細胞を細胞源としているため、安全性に優れており、増殖性の高いES細胞やiPS細胞由来の細胞と比較してがん化のリスクも低いと認識しています。また、倫理的な点が懸念されるES細胞由来又は中絶胎児由来の細胞に対して、健常者の骨髄液由来のSB623は、臨床現場で抵抗なく受け入れられるものと考えています。 c. 製品供給権が確保されていること 他社からライセンス導入して研究開発を行う創薬ベンチャー企業の場合、多くはパートナー製薬会社が製造を担い、自社で製品供給権を保有していないため、製品販売後は製品販売に伴うロイヤルティ収入のみとなります。 一方、当社グループの細胞治療薬は、他社からのライセンス導入品ではなく、基礎段階から自社で研究開発を行ってきた当社独自の製品です。 そのため、ライセンスアウト型モデルにおいては、パートナー製薬会社との関係において製品の製造を担うため、製品販売後は製品販売に伴う(D)ロイヤルティ収入に加え、製品供給の対価として(E)製品供給収入を獲得することができ、また、自社販売型モデルにおいては、(F)製品売上収入を獲得することができます。 ② 対象となる患者数の多さ 当社グループが手掛ける細胞治療薬は、従来の医療では対応できなかった(アンメットメディカルニーズの高い)中枢神経系疾患を対象としているため、対象患者数が多いことが見込まれます。例えば、米国における外傷性脳損傷の患者数は約550万人、脳梗塞は約685万人と推計しています。 外傷性脳損傷及び脳梗塞のほか、脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、脊髄損傷、パーキンソン病及びアルツハイマー病等、既存の医療・医薬品では対処できない多くの中枢神経系疾患に対して、細胞治療薬は機能の再生を促す新しい治療薬として期待され、製品開発に成功すれば新たな医薬品分野を切り拓くことに貢献できるものと考えています。 ③ 販売に必要な知的財産を自己保有 当社グループでは、開発及び製品販売に伴う、収入の極大化を目指すため、細胞治療薬の事業化に必要な知的財産を全て自社で取得することを基本方針としており、開発を進めている細胞治療薬(SB623、SB618、SB308、MSC1、MSC2)の特許は基本的に全て自社で保有しています。 2015年3月3日に当社グループの細胞治療薬SB623に関する物質特許が米国において承認されました。当社は、独自の細胞薬「SB623」及びその後続開発品について、物質特許のみならず、製造・用途に係る特許、及び周辺特許も取得しています。また、2024年秋にはSB623を用いた慢性期脳梗塞の細胞治療に関する米国での新規特許を取得し、最大市場である米国におけるSB623の用途特許の期間を大幅に延長することができました。今後も引き続き競争力の源泉となる知的財産権確保に努めていきます。 特許取得地域については、開発を進捗させている日本及び米国に加え、今後、開発を進める予定の欧州、中国、カナダ、オーストラリア、香港、シンガポール等にて権利を取得済みであり、世界各地における製品販売に向けた基盤の整備を進めています。 ≪SB623関連の特許取得地域≫ 米国、日本、イギリス、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、カナダ、韓国、香港、オーストラリア、中国、シンガポール他 (5)今後の展開 前連結会計年度の2024年7月に、アクーゴ®は、日本における条件及び期限付き製造販売の承認を取得し、当連結会計年度の2025年12月に製造販売承認事項一部変更が承認され、出荷制限の条件が解除されました。これに伴い、販売の準備を行い、初出荷は翌連結会計年度の下半期(2026年8月~2027年1月)を見込んでいます。 また、当連結会計年度の2025年11月に海外募集による新株式発行により142億円(差引手取額)の成長資金を確保しており、今後の米国におけるSB623慢性期外傷性脳損傷プログラム及び日本のSB623慢性期脳梗塞プログラムの臨床試験を進める予定です。 このほか、SB623の適応疾患拡大として、すでに非臨床試験(In Vivo試験)で良好な結果が得られている網膜疾患(加齢黄斑変性、網膜色素変性等)、脊髄損傷、パーキンソン病といった疾患領域に関しては、臨床試験の実施許諾に向けて必要な追加試験を実施していきます。さらに、将来的には、アルツハイマー病やその他の疾患について、非臨床試験(In Vivo試験)で適応可能性について検討していきます。 <用語解説> 番号   用語   意味・内容 1   マイルストン   医薬品を開発する際に段階的に設定される、開発状況の進捗の節目のこと。 2   ライセンスアウト   自社の開発権、販売権などの権利を他社に使用許諾すること。 3   ロイヤルティ   医薬品販売後に、医薬品の売上高に応じて権利の保有者に支払われる使用料のこと。 4   上市   研究開発を経て承認された新薬を、製品として市場に出すこと。 5   細胞治療薬   健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(他家)骨髄由来加工間葉系間質細胞です。脳内の損傷した神経組織に移植するとFGF-2(タンパク質の一種)が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する効果が期待されています。細胞治療薬は、主に自家(じか)と他家(たか)に分けられますが、他家細胞治療薬は細胞提供者(ドナー)から採取した細胞を大量培養して治療薬を製造するため、量産化が可能で多くの患者さんへ治療薬を提供することができます。 6   細胞調製   ヒト幹細胞等に対して、その細胞の本来の性質を改変しない操作や加工(人為的な増殖、細胞の活性化を目的とした薬剤処理、生物学的特性改変操作など)を施す行為をいう。 7   フェーズ   有効性と安全性を調べるための臨床試験(治験)における段階のこと。フェーズ1からフェーズ3の3段階がある。 8   米国食品医薬品局(FDA)   U.S. Food and Drug Administration。食品や医薬品等の許可や取締り等の行政を行う、アメリカ合衆国の政府機関のこと。 9   分注   一定量で少量ずつに分けること。 10   免疫抑制剤   免疫系の活動を抑制するための薬剤。主に拒絶反応の抑制に用いられる。 11   神経栄養因子   神経細胞へ栄養を送り届け、神経の機能の維持や成長などの要因となっているもの。 12   細胞外マトリクス   生体組織のうち細胞以外の部分。単なる構造体でなく、細胞の挙動に多大な影響を与える生物学的機能も有しているもの。 13   パイプライン   新薬誕生に結びつく開発中の医療用医薬品候補化合物(新薬候補)。 14   INDミーティング   Investigational New Drug Exemption。前臨床試験から臨床試験に移行しようとしている新医薬品候補品目について、前臨床試験結果等の情報をまとめた資料、すなわち、臨床試験実施のための申請資料を提出することを指す。臨床試験の開始に際して、INDを提出し、米国食品医薬局より試験実施の承諾を得ることが義務付けられている。 15   先駆け審査指定制度   2014年6月に厚生労働省における「世界に先駆けて革新的医薬品等の実用化を促進するための省内プロジェクトチーム」において発表された「先駆けパッケージ戦略」に基づき新たに設けられた制度であり、世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階で顕著な有効性が見込まれる革新的な医薬品について、優先審査をする制度。 番号   用語   意味・内容 16   RMAT   Regenerative Medicine Advanced Therapy。米国における21st Century Cures Act(21世紀治療法)のもとに設立され、アンメットメディカルニーズがある重篤な疾患に対する再生医療であり、臨床試験において一定の効果を示した治療法を対象として、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)より指定されるもの。 17   欧州医薬品庁(EMA)   European Medicines Agency。EUにおいて医薬品認可制度が施行された1995年にロンドンに設置されたEUの機関であり、人間及び動物用医薬品の評価及び管理を行う。 18   先端医療医薬品(ATMP)   Advanced Therapy Medicinal Product。遺伝子、組織、又は細胞に基づいたヒト用の薬であり、指定については EMA の先進療法委員会(Committee for Advanced Therapies:CAT)によって決定される。ATMPを用いた治療は、その病気や怪我の治療に対し画期的で新しい好機を提供する。 19   医薬品医療機器総合機構 (PMDA)   Pharmaceuticals and Medical Devices Agency。医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健康被害の救済を図り、医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に資する審査等の業務を行う、厚生労働省所管の独立行政法人。
経営方針・対処すべき課題2,862字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 会社の経営の基本方針 細胞治療薬の研究開発及び製造を営む当社グループは、「再生医療の開発を通して、患者さんをはじめとしたステークホルダーの皆さまへ価値を提供する」ことをコーポレート・ミッションに掲げ、再生医療分野でのグローバルリーダーを目指し、細胞治療薬の研究開発に取り組んでいます。アンメットメディカルニーズを抱える患者さんの治療生活に希望をもたらし、QOL(Quality of Life)向上に寄与することで、豊かで幸せな社会の実現に貢献していきます。 (2)経営戦略等 ① 目標とする経営指標 当社グループでは、日本で条件及び期限付き承認を取得したアクーゴ®の実績を踏まえて、「米国事業の実現」「脳梗塞の成功」「日本のマザー拠点化」の三本柱で、再生医療のグローバルリーダーとなることを目指していきます。適応拡大の可能性のある疾患を多数パイプラインとして持つSB623のポテンシャルを最大化することこそが、最も重要な経営課題と考えています。そのために、研究開発から臨床開発、そして市販後を見据えた製造販売体制の樹立まで一連のプロセスを確実かつスピーディに推進していきます。従いまして、現在の当社グループにおいては、ROAやROEといった経営指標を目標とはせず、開発プログラムの進捗、パイプラインの拡充及び地域展開の進捗に目標をおき事業活動を推進しています。 ② 中長期的な経営戦略 当社グループの中長期における最重要課題としては、まずはアクーゴ®の実用化に向けて製造・物流・販売体制の準備を着実に進めていくことですが、SB623は、慢性期外傷性脳損傷以外にも、慢性期脳梗塞、慢性期脳出血、脊髄損傷、網膜疾患、パーキンソン病、及びアルツハイマー病といった他の中枢神経疾患へ適応拡大できるものと考えており、中長期的にはそれらのプログラムの開発を推進していく予定です。また、治験実施実績のある米国と日本以外の欧州やアジアといった他の地域への拡大も重要な経営戦略の一つであり、開発の進捗にあわせて適宜取り組んでいきます。また、アクーゴ®に続く細胞治療薬として、多発性硬化症疾患に対する候補薬等も保有しており、長期的にそれらの開発にも取り組む予定です。再生医療のグローバルリーダーを目指す当社グループは、当社独自の細胞治療薬アクーゴ®の適応拡大及び地域の拡大、並びに新しい細胞医薬品のパイプライン拡充を通して、企業価値最大化を図っていきます。 (3)経営環境 日本の再生医療業界においては、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって、再生医療の産業促進化が進むなか、2026年1月末までに23品目、そして2026年2月にあらたに2品目が再生医療等製品としての製造販売承認を取得しました。また、米国においては、2016年12月に可決された21st Century Cures Act(21世紀治療法)のもと、重篤な疾患の治療を目的とした再生医療製品の迅速承認を可能とするRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定制度が設けられ、2021年にはRMAT指定品目として初のBLA(Biologics License Application)承認取得を含むRMAT指定3品目がBLA承認を取得し、2025年にはRMAT指定1品目がBLA承認を取得しました。このように、2024年は日本及び米国において再生医療の実用化に向けた継続的な進展が見られました。 (4)会社の対処すべき課題 全世界で再生医療の産業化が徐々に進むなか、各国でも国レベルの取組がされています。国内でも、再生医療を政府の成長戦略のひとつとして、この分野における科学・基礎研究への手厚い支援及び助成金の実施や、薬事法を改正し再生医療等製品への法制度の見直しが行われてきました。このような環境のなかで、当社グループは、細胞治療薬SB623の製造及び販売の開始をグローバルで目指すため、次の対処課題に取り組んでいきます。 ① アクーゴ®脳内移植用注の発売開始及び本承認の取得 2024年7月に、日本における条件及び期限付き製造販売承認を取得したアクーゴ®は、2025年12月に、製造販売承認事項一部変更承認を経て、現在、発売の準備に取り掛かっています。翌連結会計年度の下半期には、初出荷を実現する計画です。また、承認条件である7年間の製造販売承認期限内に製造販売後臨床試験等を実施し、本承認を取得する計画です。 ② 市販後の製造・物流・販売体制の本番稼働 当社グループは、従来の医薬品とは異なる性質を持つ再生医療等製品アクーゴ®の安定供給と適正使用を実現するため、製造・物流・販売体制の整備を進めてきました。製造面では、品質の維持に向けた取組を行ってきました。物流については、厳格な品質管理のもと、患者さんへ確実にアクーゴ®を届ける仕組みとして、株式会社スズケンと共同開発した流通管理システム(R-SAT®システム)を導入するなど、安定供給体制の構築を進めてきました。翌連結会計年度には、アクーゴ®の初出荷を予定しており、これまで構築してきた製造・物流・販売体制を実際に稼働させ、成功裏に本番運用を行う予定です。 ③ 地域展開及びパイプラインの拡充 アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認を経て、国内における発売準備を行っている現在、次の成長を見据えて、米国事業の再始動及び脳梗塞への再挑戦を行っていきます。既に、米国食品医薬品局(FDA)との間で、SB623外傷性脳損傷プログラムの臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ており、引き続き臨床試験に向けた準備を行っていく予定です。また、国内のSB623脳梗塞プログラムについては、翌連結会計年度に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を開始したいと考えています。 ④ 資金調達 当社グループは、前述のとおり、米国市場への展開およびSB623脳梗塞プログラム等の推進を通じて、持続的成長を目指しています。これに伴い、安定的かつ戦略的な資金調達体制の構築が不可欠であると認識しています。当社は、株式市場からの必要な資金の獲得、金融機関からの融資、補助金活用、および提携等、多様な手段を組み合わせることで、資金調達基盤の強化および多角化を図っていきます。 ⑤ 人材の獲得 当社グループは、現在、小規模組織で運営していますが、今後の成長に向けて人員の確保が重要となります。これからも、必要な人材を適切かつ十分に確保し、持続的成長を維持することに注力していきます。
事業等のリスク8,369字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社グループの事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。 当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。なお、文中の将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク ① 新薬開発の不確実性 医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要しますが、臨床試験で有効性や安全性を確認できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、日本国内はもとより、海外市場への展開においては、各国の薬事関連法規等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性、及び品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市ができず延期になる、又は上市を断念する可能性があります。これは当社グループのパイプラインを他社にライセンスアウトした場合も同様であり、当社グループが研究開発を行った医療用医薬品候補及び他社にライセンスアウトした医療用医薬品候補の上市が延期又は中止された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 細胞治療薬の開発・製造に関するリスク a. 先端医療に関する事業であることに由来するリスク 細胞治療薬は世界的にまだ本格的な普及段階に至っておらず、日本国内では現在でも細胞治療薬が属する再生医療等製品として当局から製造販売承認を受けたものは20品目に限られ、現時点では主に特定の医療機関や研究機関が用いる高度な医療技術として比較的限定された範囲で使用されております。 こういった現状の背景には、最先端の医療・医薬品に特有の課題やリスクが存在します。まず細胞治療薬の基盤となる学問や技術が急速な進歩を遂げている中で細胞治療薬そのものに関する研究開発も非常に速いスピードで進んでおり、日々新しい研究開発成果や安全性・有効性に関する知見が生まれてきております。当社グループの基盤技術である他家移植の細胞治療薬は現時点では新規性の高い再生医療技術であり、また学術的に見ても安全性・有効性・応用可能性ともに他の細胞治療薬よりも優れていると自負しておりますが、一方で常に急激な技術革新の波に追い越されるリスクや製造・安定供給面でのリスク、想定していない副作用が出るリスクが存在し、またそのために当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 b. 法規制改正・政府推進政策等の変化に由来するリスク 細胞治療薬に関連する法規制についても、最新の技術革新の状況に対応すべく常時変更や見直しがなされる可能性があります。例えば、法律・ガイドライン等の追加・改正により、これまで使用が認められてきた原材料が突然全く使用できなくなるといったリスクや当社グループの想定通りの内容で薬事承認が下りない又は薬事承認の取得に想定以上の時間を要するといったリスクも否定できません。法律に違反した場合あるいは規制の新設・強化や想定外の適用等に事業活動が抵触するようになった場合、監督当局による行政処分、訴訟対応、事業活動の停止、企業の信用失墜の可能性があります。また世界的な医療費抑制の流れの中で、当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となる可能性もあります。当然このような場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また現在、米国や日本をはじめとする医療先進国においては先端医療に係る各種の推進政策が実施されております。これらの推進政策は、当社が推進する細胞治療薬に大きな影響を与える可能性がありますが、その影響の内容・大きさはまだ定かではないことから、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 c. ヒト又は動物由来の原材料の使用に関するリスク 当社グループの細胞治療薬はヒト細胞・組織を利用したものであり、利用するヒト細胞・組織に由来する感染の危険性を完全に排除し得ないことなどから安全性に関するリスクが存在するとされています。また当社グループの細胞治療薬は、原材料や製造工程で使用する培地に動物由来原料を使用しており、この動物由来原料の使用によって未知のウイルスによる被害等が発生する可能性を否定できません。当社の細胞治療薬を患者の体内に移植することにより、そのような事態が発生した場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 副作用発現、製造物責任 医薬品には、臨床試験段階から更には上市後において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社グループは、こうした事態に備えて、各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入しておりますが、最終的に当社グループが負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、当社グループに対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、請求等がなされたこと自体によるネガティブイメージにより、当社グループ及び当社グループの製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があるとともに、社会的信頼の失墜を通じて当社グループの事業展開にも重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競合 医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による激しい競争状態にあり、その技術革新は急速に進んでいる状況であります。これら競合相手との競争において必ずしも当社グループが優位性をもって継続できるとは限らず、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 医療費抑制策 当社グループの細胞治療薬アクーゴ®の最重要ターゲットである米国において、2010年3月に改定された医療保険改革法案等による先発医薬品への価格引下げ圧力のほか、低価格のジェネリック医薬品の使用促進も進んでいます。また、日本国内においても、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費の伸びを抑制していく方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用促進等が進んでいます。今後の医療費政策の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 外部協力業者への依存 当社グループは、コア・コンピタンスとなる研究開発及び製造プロセスのデザイン等は自社で行いますが、非臨床試験や臨床試験の実施及び細胞治療薬の製造業務等はCRO(医薬品開発業務受託機関)やCMO(医薬品製造受託機関)といった外部協力業者に委託しています。外部協力業者とは、当社グループの事業活動に必要な支援を得られるよう、契約及び密なコミュニケーションを通して、強固な協力体制を構築しています。しかしながら、外部協力業者の置かれている事業環境の変化等により、当社グループの望む支援が得られない事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業遂行上のリスク ① 収益モデルの不確実性 当社グループは、大手製薬企業等との共同開発及び販売権ライセンスアウトによる収益モデルと当社グループ自らが製造販売承認を取得し、販売体制を構築した上で製品を販売する自社販売型モデルによる事業を遂行しています。 これらの収益モデルは、相手先企業の経営方針の変更や経営環境の極端な悪化等の、当社がコントロールし得ない不測の事態により、期待どおりの収益を計上できない可能性があります。今後、これらの収益モデルで事業が遂行され不測の事態が生じた場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、製品上市前の収益モデルとして、所定の成果達成に基づくマイルストン収益を見込む場合がありますが、この発生時期は開発の進捗に依存した不確定なものであり、開発の進捗次第で、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループでは今後、この収益モデルによる不確実性を低減させるため、複数のパイプラインをライセンスアウトしていく方針ですが、それらの収益化についても、開発の進捗に依存した不確実なものであり、これらの開発に遅延が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 小規模組織及び少数の事業推進者への依存 当社グループは、2026年1月末現在、取締役3名、監査役3名(非常勤監査役2名を含む)及び従業員33名の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針であります。 また、当社グループの事業活動は、当社グループの創業者である代表取締役会長川西 徹及び代表取締役社長森 敬太をはじめとする現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産権 当社グループでは研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。 また、当社グループが保有している現在出願中の特許が全て成立する保証はありません。さらに、特許が成立した場合でも、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により、当社グループの特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しています。当社グループの特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは他社の特許権の侵害を未然に防止するため、当社グループとして必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに、当社グループの開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社グループのような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 細胞治療薬アクーゴ®の日本における外傷性脳損傷適用での本承認取得予定 当社グループは、2024年7月に厚労省よりアクーゴ®の日本における条件及び期限付き製造販売承認を取得しました。また、2025年12月には、アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認を取得し、出荷制限が解除されました。今後は、国内でのアクーゴ®の普及を活発化させ、そのなかで、二つ目の承認条件である7年間の製造販売承認期限内に製造販売後臨床試験等を実施し、本承認を取得する計画です。 しかしながら、規制当局による審査の過程で何らかの予期せぬ事態が生じる等により、当社の想定通りに進まなかった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ アクーゴ®市販後の製造・物流・販売体制の構築 当社グループは、国内でのアクーゴ®の条件及び期限付き承認取得を踏まえ、アクーゴ®市販後の製造・物流・販売体制の構築に着手しています。 しかしながら、アクーゴ®はヒト又は動物由来の原材料を使用し、新規性の高い再生医療技術に基づき製造される細胞治療薬であるため、一連の体制の構築において何らかの予期せぬ事態が生じる等により、当社の想定通りに進まなかった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)業績等に関するリスク ① マイナスの繰越利益剰余金の計上 当社グループは、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業であります。医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社グループも、提携締結や開発の進捗に応じて契約一時金や開発マイルストンなど一時的に収益が計上されることがあるものの、開発中の新薬の販売が開始されるまでは事業収益、当期純利益(損失)は不安定に推移する可能性があります。 当社グループは、アクーゴ®を始めとするパイプラインの開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指しています。しかしながら、開発の進捗や結果によっては、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社事業が計画通りに進展せず当期純利益を獲得できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。 ② 収益計上が大きく変動する傾向 当社グループの製品上市前の事業収益は、現在開発中のパイプラインのライセンスアウト時の契約一時金及び開発進捗に伴うマイルストン収入の有無に大きく影響されるため、その計上時期や金額によっては事業収益、当期純利益(損失)は不安定に推移する可能性があります。この傾向は、現在開発中のパイプラインが上市され安定的な収益基盤となるまで続くと見込まれます。 ③ 資金繰り 当社グループは、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とし、また研究開発費用の負担により長期にわたって先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループも営業キャッシュ・フローのマイナスが続いており、かつ現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。 また、当社グループがタームローン契約等により金融機関から借入を行った場合に、財務制限条項及びその他の遵守事項が設定されるケースがあり、これらの条項または事項に抵触しかつ当社が期限の利益の喪失を回避するための手段を取ることができない場合、当社グループは借入金にかかる期限の利益を喪失し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 毎事業年度末時点では、翌期の事業計画に照らして十分な現金及び預金を保有しておりますが、安定的な収益源を確保するまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針です。必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社グループの事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 ④ 調達資金使途 当社グループは新株発行等による資金調達のほか、借入金や補助金の獲得などにより、医薬品の研究開発・SB623市販後の製造・物流・販売体制構築を中心とした事業費用に充当してきておりますが、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、また予期せぬ事態により当社の計画に遅延が生じる場合もあり、その結果、充当した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。 ⑤ 新株発行による資金調達 当社グループは医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大を見込み、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していきます。当連結会計年度に発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債については、今後転換社債新株予約権が行使された場合に、新たに最大で2,113千株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 ⑥ 新株予約権 当社グループは、当社取締役、監査役、従業員、当社子会社従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、監査役、従業員、当社子会社従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っています。 2026年1月末日現在における当社の発行済株式総数は78,033千株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに267千株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 ⑦ 配当政策 医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資回収も長期に及ぶ傾向にあり、当社グループも、提携締結や開発の進捗に応じて契約一時金や開発マイルストンなど一時的に収益が計上されることがあるものの、開発中の新薬の販売が開始されるまでは、業績は不安定に推移することが予想されます。 このような状況下においては、開発に優先的に経営資源を投入し早期に承認取得を実現することが企業価値向上、ひいては株主利益の最大化に繋がるものと考えています。 2026年1月期においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。また、翌連結会計年度についても配当は実施しない予定としております。 株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、アクーゴ®ほかSB623をはじめとする現在開発中の新薬が上市され、その販売によって当期純利益が計上される時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、配当による利益還元の実施を検討したいと考えております。 ⑧ 為替変動 当社グループは取引通貨が米ドルである米国子会社を有しており、財務諸表も当該通貨で作成されます。従いまして、連結財務諸表を作成する過程において、当該財務諸表は、外貨建取引等会計処理基準に沿って日本円に換算されるため、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 国際税務に関連するリスク 当社グループは、2014年1月の「親子逆転」により、日本法人である当社、米国法人であるSanBio, Inc.より構成される資本関係となっております。このため、親子間の資本関係や取引関係から生ずる課税上の取扱いについては、国際税務、具体的には日米両国の税法及び日米租税条約の適用を受けることとなります。 上記のとおり、当社グループは、各国の税務につき、税理士等の専門家と顧問契約を締結し、当社グループに適用される税法に関して情報を収集し税務リスクの確認及び排除に努めておりますが、国際税務は複雑なため、当社グループに不利となる税務事象の発生の可能性、及び将来的に当社グループに不利となる国際税務関連の税制改正が行われる可能性を否定できません。その場合は、将来の税負担額が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 a. 経営成績 日本の再生医療業界においては、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって、再生医療の産業促進が進むなか、2026年1月末までに23品目、そして2026年2月にあらたに2製品が再生医療等製品としての製造販売承認を取得しました。また、米国においては、2016年12月に可決された21st Century Cures Act(21世紀治療法)のもと、重篤な疾患の治療を目的とした再生医療製品の迅速承認を可能とするRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定制度が設けられました。2021年にはRMAT指定品目として初のBLA(Biologics License Application)承認取得を含むRMAT指定3品目がBLA承認を取得し、2025年にはRMAT指定1品目がBLA承認を取得しました。このように、日本及び米国において再生医療の実用化は引き続き着実に進展しています。 このような環境のもと当社グループは、アンメットメディカルニーズが高い中枢神経系疾患を主な対象とし、当社グループ独自の細胞治療薬SB623の事業化を目指して、研究開発を進めてきました。 SB623慢性期外傷性脳損傷プログラム(以下、「本プログラム」)については、日本を含む国際共同フェーズ2臨床試験(被験者61名)にて、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成」という良好な結果を得て、2019年4月には、国内で厚生労働省より再生医療等製品として先駆け審査指定制度の対象品目の指定を受けました。以降、当該指定の枠組みにおいて、2022年3月に再生医療等製品製造販売承認申請を行い、2024年7月に、本プログラムは、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善治療薬「アクーゴ®脳内移植用注」として、日本における条件及び期限付き製造販売承認を取得しました。その後、出荷制限の条件解除を目的に、2025年6月にアクーゴ®の製造販売承認事項一部変更の申請を行い2025年12月にその承認がされました。今後については、まず、薬価収載を今年5月に見込んでおり、アクーゴ®の発売日も同5月を予定しています。アクーゴ®の初出荷は、投与施設における製品の採用等の院内手続きが完了する翌連結会計年度下半期を想定しています。このように、国内でのアクーゴ®の普及が順調に進むなか、二つ目の承認条件である7年間の製造販売承認期限内に製造販売後臨床試験等を実施し、本承認の取得を目指します。 次に、当社の中長期成長戦略の米国事業展開とSB623慢性期脳梗塞プログラムの再開については、既に、米国市場でSB623慢性期外傷性脳損傷プログラムは、米国食品医薬品局(FDA)から臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ており、引き続き臨床試験に向けた準備を行っていく予定です。また国内では、今期に、SB623慢性期脳梗塞プログラムの臨床試験に向けて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議開始を目指します。このように、当社は再生医療分野のグローバルリーダーとなることを目指し、企業価値最大化を図ってまいります。 このような状況のなか、当連結会計年度は、アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認取得に関連する費用が主なものとなり、研究開発費2,678百万円を計上した結果、営業損失は3,794百万円(前連結会計年度は営業損失3,516百万円)となりました。一方、為替相場の変動による為替差損が発生したため、営業外費用として為替差損326百万円を計上し、経常損失は4,291百万円(前連結会計年度は経常損失3,022百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失3,842百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,882百万円)となりました。また、本日までに、銀行とのコミットメントラインの締結、新株式及び転換社債の発行による資金調達を実施しています。今後も、適切な時期に最適な手段による資金調達を行うことにより、健全な財政状態を維持していきます。 当社グループは他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しています。 b. 財政状態 (流動資産) 当連結会計年度末の流動資産の残高は、15,489百万円(前連結会計年度末は3,335百万円)となり、前連結会計年度末に比べて12,153百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が12,161百万円増加したことが主な要因であります。 (固定資産) 当連結会計年度末の固定資産の残高は、131百万円(前連結会計年度末は111百万円)となり、前連結会計年度末に比べて20百万円増加いたしました。 (流動負債) 当連結会計年度末の流動負債の残高は、534百万円(前連結会計年度末は732百万円)となり、前連結会計年度末に比べて197百万円減少いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が139百万円、未払費用が92百万円減少したことが主な要因であります。 (固定負債) 当連結会計年度末の固定負債の残高は、1,482百万円(前連結会計年度末は952百万円)となり、前連結会計年度末に比べて530百万円増加いたしました。これは、長期借入金が129百万円、繰延税金負債が450百万円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債が1,109百万円増加したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産合計は、13,604百万円(前連結会計年度末は1,762百万円)となり前連結会計年度末に比べて11,841百万円増加いたしました。これは、第三者割当による新株式の発行、海外募集による新株式の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ7,652百万円増加したこと、為替換算調整勘定が321百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失3,842百万円を計上したことが主な要因であります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、14,815百万円(前連結会計年度末は2,853百万円)となり、前連結会計年度末に比べて11,962百万円増加いたしました。 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は3,760百万円(前連結会計年度は3,603百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失4,291百万円、為替差損410百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は231百万円(前連結会計年度は4百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出400百万円、定期預金の払戻による収入200百万円、有形固定資産の取得による支出32百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は15,962百万円(前連結会計年度は2,091百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出268百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入1,080百万円、株式の発行による収入15,171百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b. 受注実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c. 販売実績 該当事項はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 財政状態の分析 (流動資産) 当連結会計年度末の流動資産の残高は、15,489百万円(前連結会計年度末は3,335百万円)となり、前連結会計年度末に比べて12,153百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が12,161百万円増加したことが主な要因であります。 (固定資産) 当連結会計年度末の固定資産の残高は、131百万円(前連結会計年度末は111百万円)となり、前連結会計年度末に比べて20百万円増加いたしました。 (流動負債) 当連結会計年度末の流動負債の残高は、534百万円(前連結会計年度末は732百万円)となり、前連結会計年度末に比べて197百万円減少いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が139百万円、未払費用が92百万円減少したことが主な要因であります。 (固定負債) 当連結会計年度末の固定負債の残高は、1,482百万円(前連結会計年度末は952百万円)となり、前連結会計年度末に比べて530百万円増加いたしました。これは、長期借入金が129百万円、繰延税金負債が450百万円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債が1,109百万円増加したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産合計は、13,604百万円(前連結会計年度末は1,762百万円)となり前連結会計年度末に比べて11,841百万円増加いたしました。これは、第三者割当による新株式の発行、海外募集による新株式の発行及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ7,652百万円増加したこと、為替換算調整勘定が321百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失3,842百万円を計上したことが主な要因であります。 b. 経営成績の分析 (営業損益) 当連結会計年度における営業損失は、研究開発費2,678百万円、その他の販売費及び一般管理費1,116百万円の計上により、3,794百万円(前連結会計年度は営業損失3,516百万円)となりました。 (経常損益) 当連結会計年度における経常損失は、営業外費用として為替相場の変動による為替差損326百万円の計上により、4,291百万円(前連結会計年度は経常損失3,022百万円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損益) 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は3,842百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,882百万円)となりました。 c. キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 d. 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。 e. 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社は、細胞治療薬アクーゴ®の製品化の実現に向けて、先行して研究開発に資金を充当しています。当連結会計年度は、アクーゴ®の製造販売承認事項一部変更承認取得に関連する費用を中心として、研究開発費2,678百万円を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローは、3,760百万円の支出となりました。また、新株式及び転換社債の発行、並びに、銀行借入の返済等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、15,962百万円の獲得となりました。これらが資金の主な動きとなり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、14,815百万円となりました。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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