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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

ミズホメディー

MIZUHO MEDY CO.,LTD.4595 · Standard · 医薬品

感染症の迅速検査薬で国内をリードする体外診断薬メーカー。イムノクロマト法でPOCT市場に強み。

概要

ミズホメディーは、佐賀県鳥栖市に本社を置く体外診断用医薬品メーカーである。1977年に臨床試薬の販売会社として設立され、現在は感染症免疫学的検査薬を主力とする。病院・開業医向けPOCT検査薬と一般消費者向けOTC検査薬の2つの市場に製品を提供する。2025年12月期の売上高は112億60百万円、従業員数は193名。2015年12月に東京証券取引所JASDAQに上場した。

感染症POCTと遺伝子POCTが二本柱の事業構成

当社の主力は、イムノクロマト法を用いた迅速抗原検査薬「クイックチェイサー」シリーズである。このシリーズにはインフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルス、新型コロナウイルスなど多様な感染症項目が含まれる。また、2018年からは遺伝子POCT検査システム「スマートジーン」を展開し、マイコプラズマやヘリコバクター・ピロリなどの遺伝子検出を実現した。両シリーズは病院・開業医分野で売上の大部分を占める。OTC分野では妊娠検査薬「P-チェック・S」や排卵日予測検査薬「ハイテスター」シリーズを販売する。2025年12月期の病院・開業医分野の売上構成比は96.6%に達する。

企画開発から販売までの自社一貫体制

当社は、ISO13485品質マネジメントを基盤に、企画開発、製造、販売を自社で一貫して行う体制を構築している。研究所や工場は佐賀県鳥栖市に集約され、1989年には本社内に研究所を新設、2012年には検査・研究棟を増築した。独自の研究開発に加え、産学官共同研究も実施する。特許権利取得を視野に入れた開発を行い、イムノクロマト法の感染症応用では国内初の製品化を実現した。製造面では、薬事法に基づく体外診断用医薬品製造業の許可を1986年に取得し、以後増築を重ねている。

新型コロナウイルス禍による需要変動と収益構造

2020年の新型コロナウイルス感染拡大は当社の業績に大きな影響を与えた。2020年12月期の売上高は42億円に落ち込んだが、2021年には131億円、2022年には176億円へ急増し、純利益もそれぞれ48億円、78億円と過去最高を記録した。これは新型コロナウイルス抗原検査キットおよび遺伝子検査キットの需要拡大による。2023年以降は感染症法上の位置づけが5類に移行し、売上高は110億円程度に落ち着いた。2025年12月期の売上高は112億円、営業利益49億円、純利益38億円。売上高経常利益率を重要な経営指標として位置づけている。

グループ関係会社と外部提携による事業展開

当社は2009年に株式会社AMBiSの株式を一部取得し、関係会社とした。AMBiSとは抗体委託開発や販売促進委託契約を締結している。また、大手企業との販売提携も積極的に行ってきた。1988年に塩野義製薬と免疫学的便潜血検査薬の取引基本契約を締結、1996年にオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスとHCV抗体検出キット、2007年に協和メデックス(現キヤノンメディカル)、2011年に富士フイルムと高感度インフルエンザ抗原検出キットの販売契約を結んだ。OTC分野では2016年に武田薬品工業(現アリナミン製薬)と包括的提携を締結し、現在も販売協力関係にある。

業界の中での役割は医療機関向け体外診断薬メーカー、OTC検査薬サプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
113億円
営業利益
46億円
営業利益率
40.7%
純利益
34億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01病院・開業医(医療機関)主力

国内外の医療機関向けに、感染症の迅速診断を可能にする免疫学的検査薬(イムノクロマト法)や遺伝子検査薬を提供。中小病院や開業医でも使える簡便さが特徴。

イムノクロマト法を国内で初めて感染症検査に応用した企業

主な製品・サービス5
クイックチェイサーシリーズ(迅速抗原検査キット)
イムノクロマト法を用いた迅速抗原検査キット。インフルエンザ、アデノウイルス、新型コロナなど多項目。医療現場で簡易・迅速に判定できる。
クイックチェイサー Immuno Reader / Immuno ReaderⅡ
銀増幅イムノクロマト法を用いた自動測定機器。高感度で客観的な判定を可能にする。富士フイルムとの共同開発。
スマートジーンシリーズ(遺伝子POCT検査システム)
全自動遺伝子解析装置と専用試薬キットのセット。1ステップで遺伝子の抽出・増幅・検出を行い、30〜60分で判定。
HCG クイックチェッカー Dip
尿中hCGを検出する妊娠検査薬。産婦人科向け。
LH クイックチェッカー・S
排卵時期を予測する尿中LH測定キット。

02OTC・その他(消費者・農業)準主力

一般消費者向けOTC検査薬を薬局・薬店へ販売。妊娠検査薬や排卵日検査薬の市場で認知を獲得。また、果樹ウイルス検査薬を農業試験場等に提供。

主な製品・サービス4
P-チェック・S
一般用妊娠検査薬。自社ブランドとして薬局・薬店で販売。
P-チェック・LH
薬局でのみ取り扱う排卵日検査薬。
ハイテスターN / ハイテスターH
アリナミン製薬と提携して販売する一般用妊娠検査薬・排卵日予測検査薬。
果樹ウイルス検査薬
農作物の苗木のウイルス病を検出する検査薬。農業試験場等へ販売。

製品と技術

クイックチェイサーシリーズ:感染症免疫学的迅速検査薬

クイックチェイサーシリーズは、当社の中核製品群であり、イムノクロマト法を原理とする迅速抗原検査キットである。1994年に発売された「クイックチェイサー HBsAg」が初号品であり、以降インフルエンザ(Flu A,B)、アデノウイルス(Adeno)、A群β溶血連鎖球菌(Strep A)、RSウイルス、マイコプラズマ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)等、呼吸器感染症を中心に品揃えを拡大した。2025年2月には新型コロナウイルス・インフルエンザ同時検出キットを発売。また、富士フイルムと共同開発した銀増幅イムノクロマト法を用いた「クイックチェイサー Auto」シリーズは専用リーダーで自動判定する高感度システムである。2021年には小型デンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」も発売した。

スマートジーンシリーズ:遺伝子POCT検査システム

スマートジーンシリーズは、当社独自の遺伝子抽出技術とリアルタイムPCR検出技術を組み合わせた遺伝子POCT検査システムである。2018年10月に発売された全自動遺伝子解析装置「Smart Gene」と専用試薬から構成される。検査は1つのカートリッジ内で抽出・増幅・検出を1ステップで行い、30~60分で結果が得られる。対応試薬としてマイコプラズマ、新型コロナウイルス、インフルエンザ、クロストリジウム・ディフィシル、ヘリコバクター・ピロリ(クラリスロマイシン耐性遺伝子同時検出)などがある。2025年には侵襲性の低い糞便検体を用いたヘリコバクター・ピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori S」の承認を取得した。

OTC検査薬:妊娠検査薬と排卵日予測検査薬

OTC分野では、一般用医薬品として薬局・薬店向けに妊娠検査薬と排卵日予測検査薬を販売している。1992年に久光製薬を通じて妊娠検査薬「アン・ドゥ・トロワS」の販売を開始。1997年から自社ブランド「P-チェック」を直接販売し、現在の主力は「P-チェック・S」である。排卵日検査薬は2016年の規制緩和後、製造販売承認を取得し、アリナミン製薬との提携により「ハイテスターH」を販売。また、ドラッグストア向けのプライベートブランド製品も供給している。OTC分野の売上高は約3.8億円で全体の3.4%を占める。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 病院・開業医(医療機関)イムノクロマト法を国内で初めて感染症検査に応用した企業

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

簡易検査薬に強み、ニッチトップ

ミズホメディーは免疫クロマト法を用いた簡易検査キットで国内シェアトップ。同業にはジーエヌアイグループ(遺伝子治療)などがあるが、ミズホメディーは感染症・妊娠検査に特化。2024年12月期営業利益率42.98%と極めて高収益だが、売上高は114億円と小粒。研究開発投資で次の成長ドライバーを模索中。新型コロナ特需の反動で2025年12月期は売上高微減を見込む。

強み

  • 営業利益率40%超は業界屈指で、強力な収益基盤。
  • 国内のイムノクロマト検査キット市場でシェア50%超。
  • 医療・介護現場で簡易検査は必需品であり、需要が堅調。
  • 複数の感染症を同時検査できるマルチパネルを開発中。

課題

  • 売上高114億円と中小規模で、スケールメリットが限定的。
  • 主力の検査キットが全売上の大半を占め、リスク分散不足。
  • 海外メーカーや新興企業の参入で価格競争が激化。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品の時価総額近傍。太字がミズホメディー

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14894クオリプス449億円
24554富士製薬工業439億円17.8倍
34548生化学工業401億円26.2倍
44577ダイト382億円12.3倍
54593ヘリオス341億円286.4倍
64595ミズホメディー328億円10.2倍
74538扶桑薬品工業216億円9.7倍
84599ステムリム194億円
9504Aイノバセル191億円
104575キャンバス170億円
114889レナサイエンス158億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 39件

臨床試薬販売から製造会社へ転換した設立期

1977年11月、福岡市博多区に株式会社九州カイノスとして設立。資本金500万円で臨床試薬の販売を目的とした。1981年に本社を佐賀県鳥栖市に移転し工場を新設、業務目的を臨床試薬の製造販売に変更。同年10月より製造を開始した。1983年3月、株式会社ミズホメディーに社名変更。同年4月には工場増設と研究室を落成し、製造体制を拡充した。1984年には資本金6,000万円に増資し、海外輸出を開始。この時期に販売会社から製造会社への転換を完了した。

営業所開設と海外輸出、製品開発の加速

1984年5月に海外輸出を開始。1986年7月に名古屋営業所を開設。同年8月に薬事法に基づく体外診断用医薬品製造業の許可を取得。1986年11月、免疫血清検査薬の新製品としてHBs抗原検出用キット「HBs-Ag QUIKテスト「ミズホ」」を開発・販売開始。1988年、塩野義製薬と免疫学的便中ヒトヘモグロビン・ヒトトランスフェリン検出用キットに関する取引基本契約を締結。1989年2月、同キット「LAヘモチェイサー」の製造を開始し塩野義製薬を通じて販売。1989年9月、本社移転と研究所新設。1990年12月、資本金3億2,975万円に増資。

イムノクロマト法を感染症に応用した転換点

1992年6月、POCT検査薬の新製品「HBs-Agクイックパック」を開発販売。1992年7月、薬局・薬店向け妊娠検査薬「アン・ドゥ・トロワS」を久光製薬を通じて販売開始。1994年9月、イムノクロマト法を感染症に応用したHBs抗原検出用キット「クイックチェイサー HBsAg」を開発、先発品として販売開始。これは国内初の技術応用であり、専用機器不要で簡易迅速に判定できることから中小医療機関に普及した。1995年3月、本社工場第一次増築。

OTC事業部設立と呼吸器感染症検査薬への拡大

1996年、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスとHCV抗体検出キットの契約を締結、同年6月に「オーソHCV Abクイックパック」の製造開始。1997年10月、OTC事業部を設立し、薬局・薬店向けに妊娠検査薬「P-チェック」を開発販売。2004年10月、小児呼吸器感染症分野のPOCT検査薬としてインフルエンザ抗原検出用キット「クイックチェイサー Flu」を開発販売。2007年9月、協和メデックスと「クイックチェイサー Flu」の販売提携契約を締結。

富士フイルムとの共同開発と上場への道

2008年9月、ISO13485認証取得。2009年6月、㈱AMBiSと抗体委託開発契約、同年12月に同社の株式を一部取得し関係会社化。2010年9月、本社工場第二次増築。2011年4月、富士フイルムと高感度インフルエンザ抗原検出キットの販売契約。同年10月、機器を用いたPOCT検査薬「クイックチェイサー Auto Flu A,B」を富士フイルムと共同開発し販売開始。2012年9月、検査・研究棟増築。2015年12月、東京証券取引所JASDAQに上場、資本金4億6,454万円に増資。

遺伝子POCTの製品化と新型コロナウイルス対応

2016年、武田薬品工業(現アリナミン製薬)と一般用検査薬の包括的提携契約を締結。同年10月、マイコプラズマ抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto Myco」等を開発販売。2018年10月、遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キットを発売。2020年8月、新型コロナウイルス遺伝子POCT検査用キットを発売。2021年4月、デンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」発売。2022年以降も新製品を追加。2025年には百日咳菌核酸キットの製造承認申請を行った。

年表39件を開く

1970年代

  • 1977年11月創業臨床試薬 ※1 の販売を目的として福岡市博多区に株式会社九州カイノス(現 株式会社ミズホメディー)設立(資本金500万円)

1980年代

  • 1981年2月資本金2,400万円に増資
  • 1981年9月本社を移転するとともに工場新設(佐賀県鳥栖市藤木町6番地の7)、臨床試薬の製造販売会社に業務目的変更
  • 1981年10月新工場(佐賀県鳥栖市藤木町6番地の7)で製造開始
  • 1983年3月商号変更株式会社ミズホメディーに社名変更
  • 1983年4月工場増設及び研究室落成、操業開始(佐賀県鳥栖市藤木町6番地の7)
  • 1983年8月東京営業所(東京都台東区)を開設
  • 1983年10月大阪営業所(大阪市福島区)を開設
  • 1984年2月資本金6,000万円に増資
  • 1984年5月海外輸出開始
  • 1986年7月名古屋営業所(名古屋市千種区)を開設
  • 1986年8月薬事法に基づき体外診断用医薬品 ※2 製造業の許可を取得
  • 1986年11月免疫血清検査薬 ※3 の新製品HBs抗原検出用キット ※4「HBs-Ag QUIKテスト「ミズホ」」の開発、販売開始
  • 1988年3月塩野義製薬株式会社と免疫学的糞便中ヒトヘモグロビン・ヒトトランスフェリン検出用キット ※5 に関する取引基本契約を締結
  • 1988年12月資本金9,500万円に増資
  • 1989年2月免疫学的糞便中ヒトヘモグロビン・ヒトトランスフェリン検出用キット「LAヘモチェイサー」の開発、製造を開始し、塩野義製薬株式会社を通じ販売開始
  • 1989年9月本社を移転するとともに工場内に研究所を新設(佐賀県鳥栖市藤木町5番地の4)

1990年代

  • 1990年12月資本金3億2,975万円に増資
  • 1992年6月POCT検査薬 ※6 の新製品であるHBs抗原検出用キット「HBs-Agクイックパック」の開発、販売開始
  • 1992年7月薬局・薬店 ※7 向けの新製品である妊娠検査薬 ※8「アン・ドゥ・トロワS」の開発、製造を開始し、久光製薬株式会社を通じ販売開始
  • 1994年9月イムノクロマト法 ※9 を感染症に応用した、HBs抗原検出用キット「クイックチェイサー HBsAg」を開発、先発品として販売開始
  • 1995年3月本社工場第一次増築(佐賀県鳥栖市藤木町5番地の4)
  • 1996年2月オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社とHCV抗体検出用キット ※10 に関する取引基本契約を締結
  • 1996年6月HCV抗体検出用キット「オーソHCV Abクイックパック」の開発、製造を開始し、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社を通じ販売開始
  • 1997年10月創業OTC ※11 事業部設立
  • 1997年10月薬局・薬店向けとして妊娠検査薬「P-チェック」を開発、販売開始

2000年代

  • 2004年10月小児呼吸器感染症分野におけるPOCT検査薬としてインフルエンザ抗原検出用キット ※12 「クイックチェイサー Flu」の開発、販売開始
  • 2007年9月協和メデックス株式会社(現 キヤノンメディカルダイアグノスティックス株式会社)と「クイックチェイサー Flu」他の販売提携に関する売買取引基本契約を締結
  • 2008年9月ISO13485 ※13 認証取得
  • 2009年6月株式会社AMBiSと抗体委託開発に関する契約を締結
  • 2009年12月株式会社AMBiSの株式を一部取得し、関係会社とする

2010年代

  • 2010年9月本社工場第二次増築(佐賀県鳥栖市藤木町5番地の4)
  • 2011年3月株式会社AMBiSと販売業務に関する販売促進委託契約締結
  • 2011年4月富士フイルム株式会社と高感度インフルエンザ抗原検出用キットの販売に関する売買取引基本契約を締結
  • 2011年10月機器を用いたPOCT検査薬としてインフルエンザ抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto Flu A,B」を富士フイルム株式会社と共同にて開発、販売開始
  • 2012年9月検査・研究棟増築(佐賀県鳥栖市藤木町5番地の4)
  • 2015年12月上場東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場 資本金4億6,454万円に増資
  • 2016年3月武田薬品工業株式会社(現 アリナミン製薬株式会社)と一般用検査薬に関する包括的提携契約に基づく妊娠検査薬及び排卵日予測検査薬 ※14 の売買基本契約を締結
  • 2016年10月呼吸器感染症分野におけるPOCT検査薬としてマイコプラズマ抗原検出用キット ※15 「クイックチェイサー Auto Myco」及び「クイックチェイサー Myco」を開発、販売開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    遺伝子POCT検査の項目拡充と次世代開発

    既存の全自動遺伝子解析装置「Smart Gene」の検査項目を拡大するとともに、複数検体・複数項目を同時検出可能な次世代マルチ検査システムを開発する。

  2. 02

    高感度POCT機器試薬の品揃え強化

    銀増幅イムノクロマト法を採用した「クイックチェイサーAuto」シリーズの検査項目を追加し、機器の操作性向上やオンライン化で競合との差別化を図る。

  3. 03

    POCT迅速診断薬の性能向上と新規開発

    イムノクロマト製品の感度・客観性を高めるためモノクローナル抗体や自動判定機器を開発し、薬剤耐性菌検出キットなど新規項目の創出に取り組む。

  4. 04

    遺伝子技術の環境・食品検査分野への応用

    医療用に開発した遺伝子POCT検査技術を基盤として、環境・食品検査分野への事業拡大を推進する。

  5. 05

    開発人員の強化と製造能力増強

    研究開発人材の採用・育成を進めるとともに、生産ラインの自動化や設備投資により製造能力を増強し、安定供給体制を構築する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で193人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は790万円で、9期前と比べて+43.8%平均年齢は43.2歳、平均勤続年数は11.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月142
2017年12月157
2018年12月165
2019年12月54943.511.6175
2020年12月52744.111.6175
2021年12月68844.411.8173
2022年12月73943.911.8175
2023年12月75643.911.7180
2024年12月82543.511.61872,620
2025年12月79043.211.01932,383

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率20.8%
縦線は目安の30%
男性育休取得率0.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)57.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
久留米工場・遺伝子研究所 — 福岡県久留米市1,356百万円
本社・本社工場 — 佐賀県鳥栖市842百万円
主な関係会社
  • 国内
    株式会社AMBiS
    沖縄県宜野湾市
    議決権28.6%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    感染症対策関連物資生産設備補助事業(感染症検査キット等生産設備補助)
    経済産業省 · 2020-11-09
    7,885万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は113億円営業利益46億円前期と比べると減収減益で、売上が-0.9%、利益が-6.1%。

売上高
-0.9%
113億円
営業利益
-6.1%
46億円
純利益
-10.5%
34億円
営業利益率
40.7%
前期比 -2.3%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高114億円113億円
営業利益44億円46億円
純利益32億円34億円
1株あたり配当¥100¥100

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は35億円、営業利益は10億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は−12.5%、営業利益は−33.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q241041.77
2023年2Q22940.98
2023年3Q341955.913
2023年4Q3010
2024年1Q271348.110
2024年2Q20525.05
2024年4Q673146.323
2025年2Q401537.510
2025年4Q733142.524
2026年2Q351028.68

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は32億円から113億円へ3.5倍に増えた。直近期の営業利益率は40.7%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2012年12月3221
2013年12月3221
2014年12月4053
東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場 資本金4億6,454万円に増資
2015年12月4143
2016年12月5054
2017年12月5697
2018年12月64129
2019年12月64119
2020年12月4243
2021年12月1316748
2022年12月17611178
2023年12月1105338
2024年12月114495243.038
2025年12月113464740.734

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高113億円のうち、営業利益として残るのは46億円40.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は34億円、売上の30.1%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金31.0%35億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金28.3%32億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益40.7%46億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
69.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+37.8pt
40.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+27.4pt
30.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+13.1pt
19.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
15.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
27.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2025年12月期は営業CFが20億円、投資CFが−73億円で、差し引きのフリーCFは−53億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は23億円で、売上の2.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年12月00000
2014年12月20−220
2015年12月0−10−10
2016年12月2−1−111
2017年12月9−1−683
2018年12月7−7002
2019年12月7−80−12
2020年12月3−1−421
2021年12月56−2−125443
2022年12月62−16−164674
2023年12月40−3−243787
2024年12月33−3−213097
2025年12月20−73−21−5323

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は224億円。このうち返さなくてよい自己資本が187億円で、自己資本比率は83.5%(業種中央値69.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月2781929.4
2013年12月2791832.2
2014年12月32122036.0
2015年12月35161945.5
2016年12月40192146.9
2017年12月44242055.7
2018年12月56322456.5
2019年12月64382659.0
2020年12月61382362.5
2021年12月122804265.8
2022年12月1911434874.8
2023年12月1891573282.7
2024年12月2071743483.7
2025年12月2241873783.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
108億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
179億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
10億円
在庫として抱えている分
負債合計
37億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り79社中1位あたり、逆に低いのは売上成長率79社中59位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
19.0%/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
40.7%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
83.5%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
-0.9%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
5.8%/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,723で、1年前と比べて+16.2%過去52週の値幅のなかでは43%の位置にある。

¥1,723-1.8%1ヶ月+3.7%1年+16.2%時価総額328億円
過去52週の値幅
安値¥1,566高値¥1,930

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)10.2倍
PER (会社予想)10.2倍
PBR1.77倍
配当利回り5.80%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1週間は1652円から1662円へ小幅上昇、前日比+0.12%と方向感に乏しい。25日線(1650円)を上回っており、短期的な底堅さはある。52週高値1930円からは乖離。週足では緩やかな上昇トレンド。出来高はやや減少傾向。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PER 9.2倍は業界平均26.8倍を大幅に下回り、PBR 1.73倍も平均3.13倍より低い。ROE 19%と高収益だが、配当利回り0%と無配が続き株主還元は課題。業績は横ばいで成長鈍化リスクもあり、割安な水準だが配当面では割引要因。

指標この会社業種平均
PER (実績)10.2倍36.0倍
PER (予想)10.2倍
PBR1.77倍3.53倍
ROE19.0%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

新型コロナ特需の反動で2023年に減収も、その後は基盤事業が回復。強気派は、感染症検査の定期的需要や新規検査項目の拡大により、安定した高収益体質が継続すると見る。営業利益率40%超、ROE19%と非常に高い収益性を誇り、PER9倍と割安。弱気派は、新型コロナ関連製品の売上減少が続く可能性や、競争激化による価格低下リスクを懸念。また、海外展開の不透明感も課題。

プラスに働く材料7
  • 高収益体質の継続

    営業利益率40%超、ROE19%と非常に高い収益性.

  • 安定需要と新製品

    感染症検査は恒常的需要があり、新規検査項目の拡大も.

  • 割安なバリュエーション

    PER9倍、PBR1.7倍と高収益性に対して割安.

  • 営業利益率40%超の高収益継続継続影響

    営業利益率42.98%→40.71%、高水準維持。安定した収益基盤

  • PER9.2倍、バリュエーション割安不定影響

    PER9.2倍は医薬品セクターで割安。株主価値向上余地

  • 安定した純利益、配当期待次回株主総会影響

    純利益38億→34億円安定。無配だが還元の可能性

  • 時価総額317億円、中型株の流動性不定影響

    浮動株十分、需給安定。1年株価上昇25.7%

マイナスに働く材料7
  • 新型コロナ特需の剥落

    コロナ関連売上が減少し、収益減少リスクが残る.

  • 競争激化と価格低下

    簡易検査市場は新規参入多く、価格競争に晒される.

  • 海外展開の不透明感

    海外売上比率が低く、グローバル競争に劣後する懸念.

  • 減収傾向、売上高113億円に低下2025年通年影響

    売上高110→114→113億円、成長鈍化。市場伸び悩み

  • 営業利益46億円、前期比6%減2025年Q4影響

    営業利益49→46億円、6%減少。コスト上昇か

  • 無配、株主還元不透明継続影響

    配当0、自己株式取得もなく、還元策乏しい

  • 特定製品依存のリスク不定影響

    主力製品に依存、競合出現で収益急減の可能性

次の決算で確かめる点
売上高(検査試薬)
基盤事業の成長トレンドを把握するため.
営業利益率
高収益性が維持されているか確認する重要指標.
海外売上比率
海外展開の進捗と収益源の多様化を測る.

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり100で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは5.80%。

年間配当
¥100
1株あたり
配当利回り
5.80%
いまの株価に対して
配当性向
55.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2016年12月630.1
2017年12月1168.030.3
2018年12月1538.130.0
2019年12月150.031.6
2020年12月5−65.531.1
2021年12月781450.030.6
2022年12月12561.330.4
2023年12月100−20.050.5
2024年12月1000.050.5
2025年12月1000.055.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥100

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ18,467人。区分でいちばん多いのは個人・その他84.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が3.6%を占め、残る96.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他85.688.279.389.988.084.0
外国法人4.05.410.74.64.77.3
証券会社2.81.35.71.82.65.0
金融機関6.84.33.12.83.22.7
事業法人0.70.81.10.71.40.9
外国人個人0.10.00.00.10.10.1
自己株式0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01唐川 文成20.54
02ミズホメディー社員持株会2.24
03株式会社西日本シティ銀行2.10
04三菱UFJeスマート証券株式会社1.62
05BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.35
06BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.28
07モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社1.18
08山口 和也1.11
09村田 淳一1.09
10唐川 則康1.05

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−12%、1株純資産は14期で−47%。直近期のROEは19.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2012年12月2041,84411.739.2
2013年12月3320916.730.4
2014年12月3813731.030.7
2015年12月3016718.715.030.5
2016年12月4119922.713.830.1
2017年12月6925630.528.930.3
2018年12月9733132.918.830.0
2019年12月9239425.330.631.6
2020年12月161998.140.031.1
2021年12月25342181.64.730.6
2022年12月41175070.34.630.4
2023年12月19882325.27.950.5
2024年12月19891122.97.650.5
2025年12月18098119.09.555.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2025/12期の役員報酬は総額240百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
唐川文成代表取締役 会長兼社長813,914,360
市丸和広取締役 知的財産部長兼 製造部・品質保証部 及び安全管理室担当6595,112
楢原謙次取締役 開発部長兼 開発企画部担当62104,843
神原俊夫取締役 営業本部長兼 海外事業部長6214,561
宇都信博取締役 総務部長兼 経理部担当6538,068
佐々木克取締役816,696
秋山伸一取締役81
川﨑宏隆監査役(常勤)6764,600
重見亘彦監査役555,315
橋本高吉監査役705,902

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円退職慰労百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)61378522337
社外取締役4101123
監査役15055

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容10,105字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) 事業の特徴 当社は、主に体外診断用医薬品に関して、特許権利取得を視野に独自の研究開発及び産学官共同研究を実施するとともに、ISO13485品質マネジメントを骨格とした企画開発、製造、販売組織による自社一貫体制を構築し、各組織において有能で経験豊富なスタッフを配備のうえ事業活動を行っております。また、これらのプロセスを一連の業務執行会議のもと遂行することで、医療現場のニーズに対して優れた品質の製品を提供するとともに、万全のアフターフォローでお客様への安定供給を行っております。なお、当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、市場分野の区分は「病院・開業医分野」「OTC・その他分野」としております。 病院・開業医分野では、国内外の医療機関向けに患者の健康状態、疾患の有無、治療の経過等を診断するための感染症免疫学的検査薬※1を主に製造販売しており、2018年10月からは新たに微生物を対象とした遺伝子検査薬※2及び専用装置の製造販売を開始しております。 OTC・その他分野では、主に一般消費者の自己検査として厚生労働省の承認を得ている一般用医薬品※3を薬局・薬店へ販売しております。その他には、農作物の苗木などのウイルス病を見つけるため、感染症免疫学的検査薬の技術を応用した果樹ウイルス検査薬を農業試験場等へ販売しております。 (2) 主な製品 ① 病院・開業医分野 医療機関において使用されている体外診断用医薬品は、初診時、入院時のスクリーニング検査、疾患の確定診断、モニタリング、健康診断、院内感染防御などに用いられており、多くの場合、大学や大病院の検査室・検査センターにおいては大量の検体が検査され、中小病院や開業医においては患者に近い医療現場で検体ごとに検査が実施されております。体外診断用医薬品は、診断分野の面から主に、生化学的検査薬、免疫学的検査薬(血清検査薬、呼吸器系感染症検査薬、消化器系尿糞便等検査薬)、微生物学的検査薬、遺伝子検査薬、血液学的検査薬や病理学的検査薬などの検査薬に分類されます。 当社の主力製品は、設立時は生化学的検査薬でしたが(2023年に製造販売を終了)、現在は診断分野の中でも最も市場規模が大きい感染症免疫学的検査薬となっております。感染症免疫学的検査薬の中でも、POCTとして患者に近い医療現場で使用されるインフルエンザウイルスやアデノウイルス※4などの迅速抗原検査薬は、中小病院や開業医を中心に市場が拡大し、新型コロナウイルスの発生によりさらに需要が増大しており、迅速で簡易な検査技術であるイムノクロマト法を用いた製品を数多く品揃えして販売しております。 これに加え、感染症の確定診断となる遺伝子検査において、当社独自の検出技術により1ステップで測定可能とした遺伝子POCT検査システム機器・試薬を開発し、2018年10月よりマイコプラズマ・ニューモニエ遺伝子を簡易・迅速に検出するキットの販売を開始し、2020年8月には新たに流行し始めた新型コロナウイルス遺伝子を1時間程度で検出可能なキットの販売を開始いたしました。 イ.感染症免疫学的検査薬POCT 当社は、それまで妊娠検査薬など尿中ホルモンの分野でしか用いられていなかったイムノクロマト法を、国内で初めて感染症の検査薬に応用し、血中ウイルス検査薬としてB型肝炎ウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー HBsAg」を製品化いたしました。本製品は、テストプレートのみで1検体ずつ簡易迅速に判定が行えることから、専用検査機器を所有していない中小医療機関に広く普及いたしました。 その後も、感染症分野での製品開発に継続して取り組んでおり、血中ウイルス検査薬として、C型肝炎や梅毒の検査薬の製品化を実現いたしました。現在主力となっている呼吸器感染症検査薬としては、鼻咽頭分泌液を検査対象としたインフルエンザウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Flu A,B」、アデノウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Adeno」、A群β溶血連鎖球菌検出用キット「クイックチェイサー Strep A※5」、マイコプラズマ抗原検出用キット「クイックチェイサー Myco」、その他RSウイルスやヒトメタニューモウイルスを検査項目とした検査キット等を続々と製品化し、新型コロナウイルスの感染拡大期においては、検査体制の拡充に貢献するべく、新型コロナウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー SARS-CoV-2」、新型コロナウイルス抗原及びインフルエンザウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)」の製品化を実現いたしました。 また、消化器感染症検査薬として、ヘリコバクター・ピロリ抗原検出用キット「クイックチェイサー H.ピロリ」、クロストリジウム(クロストリディオイデス)ディフィシル抗原検出用キット「クイックチェイサー CD GDH/TOX」、その他ノロウイルスやロタウイルスを検査項目とした検査キット等の製品化を実現し、簡易迅速検査キットであるクイックチェイサーシリーズとして、品揃えを充実させております。 2021年4月、これら簡易迅速検査キットについて、小型で持ち運びのできる機器の使用により機能の強化を図った、デンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」を発売し、本装置の適応キットを順次拡大いたしました。本装置は、検査結果を自動で判定し、その結果をモニター表示及びプリントアウトするため、測定環境や判定者に依存しない客観的かつ安定した診断結果の提供が可能となります。 このほか、富士フイルム株式会社との共同開発により、競合するPOCT検査薬企業に先駆けて、銀増幅イムノクロマト法を用いた機器試薬システム※6の製品化を実現いたしました。当該機器試薬システムは、感染症診断では最も重要な性能である高感度を実現しているため、感染初期においても判定が可能であり、また、自動検出と判定結果のプリントアウト機能を備えているため、迅速かつ客観的な判定が可能なものとなっております。このシステムの機器として「クイックチェイサー Immuno Reader」及びその後継機である「クイックチェイサーImmuno ReaderⅡ」を販売しており、試薬はクイックチェイサーAutoシリーズとして、呼吸器感染症を中心に、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、A群β溶血連鎖球菌、RSウイルス及びマイコプラズマ・ニューモニエを検査項目とした検査キットを続々と販売開始しております。新型コロナウイルスの感染拡大期においては、検査体制の拡充に貢献するべく、より高感度かつ客観的な判定結果が得られる、新型コロナウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2」、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)」を製品化し、さらに品揃えが充実いたしました。 なお、本システムに用いる機器は富士フイルム株式会社から当社へ供給され、試薬は当社から富士フイルム株式会社へ供給されており、機器試薬システムとしてそれぞれのブランドで販売されております。 ロ.尿糞便等検査薬 尿糞便等検査薬は、一般検査では尿中のタンパクや糖、大腸がん検診では便中のヘモグロビン(下部消化管出血マーカー)を検出する検査などに用いられています。 当社は、消化器内科向けに、便中のヘモグロビンとトランスフェリン(上部消化管出血マーカー)を同時に検出する当社独自の迅速検査薬「クイックチェイサー 便潜血」を販売しております。また、産婦人科向けに、尿中hCGを迅速に測定する妊娠検査薬「HCG クイックチェッカー Dip」や、当社の特許技術により妊娠しやすい排卵時期を予測する排卵日検査薬「LHクイックチェッカー・S」を販売しております。 ハ.遺伝子検査薬POCT 遺伝子検査薬は、感染症における適切な抗菌薬の選択を目的として原因微生物の検出や薬剤耐性の鑑別に用いられています。 これまでの微生物検査では、採取した検体を数日間分離培養し原因微生物を同定する検査、また、薬剤耐性の鑑別には培養後のコロニーを用いて各種薬剤が実際に抗菌作用を示すかを検査する感受性試験が主流でした。しかし、これら増菌培養を要する方法は、菌が増殖するまでに数日の期間を要することや、培養や菌の同定には技術や知識・経験を要することから、微生物検査専門の設備や技師による検査が必要でした。 感染症に対する治療は、早期に適切な抗菌薬を投与する必要があることからも、より迅速かつ確実に診療の場で原因微生物を捕えることができるPOCT遺伝子検査が注目されております。さらに、近年の技術革新により抗菌薬に対する遺伝子の耐性変異を検出することが可能となることから、抗菌薬の選定に貢献することも期待されています。 このようななか、当社は、かねてより研究開発に取り組んでおりました遺伝子POCT検査の国内製造販売承認を2018年2月に取得し、同年10月に遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」の発売を開始いたしました。2020年8月には、感染拡大が続いていた新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充に寄与し感染拡大防止に貢献するべく、早期開発に取り組み、公的医療保険適用の研究用試薬として、新型コロナウイルス遺伝子POCT検査用キット「スマートジーン 新型コロナウイルス検出試薬」の発売を開始いたしました。2021年4月、体外診断用医薬品として許認可を取得した「スマートジーン SARS-CoV-2」の販売へ切り替えております。このほか、スマートジーンシリーズの新たな検査項目として、2022年1月、インフルエンザウイルス核酸キット「スマートジーン Flu A,B」、同年2月、クロストリジウム・ディフィシル核酸キット「スマートジーン CD トキシンB」の発売を開始いたしました。 また、2021年12月に製造販売承認を取得したヘリコバクター・ピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori G」については、2022年11月に国内で初めて「ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出」として新たに保険収載され、同年12月に発売開始いたしました。 本装置及びこれらのキットは、当社独自の遺伝子抽出技術とPCR増幅産物をリアルタイムに検出する技術を原理とし、小型の装置を用いて、遺伝子の抽出・増幅・検出の全ての工程を1つのカートリッジ内で1ステップかつ短時間(判定時間:30~60分)で行うことを可能とした、遺伝子POCT検査システムです。基幹病院のみならず開業医・診療所など患者に近い診療現場において、簡易迅速かつ高感度に実施することができるため、早期の確定診断が可能となり、投薬や治療方針の決定、院内感染の予防等に大いに貢献するものと期待しております。今後も、本装置を用いる各種感染症検査キットの開発に取り組み、スマートジーンシリーズとして検査項目のさらなる充実を図ってまいります。 ② OTC・その他分野 一般用医薬品として薬局・薬店で販売されているOTC検査薬は、ドラッグストアでの販売が始まった2003年頃から市場規模が拡大し、特に妊娠検査薬は妊娠の早期判定の補助として広く普及しております。また、妊娠しやすい時期がわかる排卵日検査薬とともに、全国の薬局・薬店、ドラッグストア等に販売しており、昨今の少子化対策に貢献しております。 イ.一般用医薬品 当社は、1992年に一般用医薬品としての販売が解禁されると同時に妊娠検査薬の製造を開始し、製薬メーカーを通じて全国の薬局・薬店への販売を開始しました。その後、1997年に、当社から直接全国の薬局・薬店への販売を開始し、現在では、妊娠検査薬「P-チェック・S」を自社ブランド製品として販売するとともに、チェーン展開を行うドラッグストアのプライベートブランド製品としても「S-チェッカー※7」や「プレセルフ※8」などの製品名で販売しております。 排卵日検査薬については、政府による規制緩和方針に基づき、2016年に一般用検査薬としての承認申請及び審査体制が構築され、当社は、同年に製造販売承認を取得いたしました。現在では、OTC市場において販売提携を行ったアリナミン製薬株式会社(旧社名 武田コンシューマーヘルスケア株式会社)を通じて、排卵日予測検査薬「ハイテスター※9H」及び妊娠検査薬「ハイテスターN」を「ハイテスター」シリーズとして販売しております。 ロ.薬局における排卵日検査薬 薬局でのみ取り扱うことができる排卵日検査薬「P-チェック・LH」につきましても、引き続き販売を継続しております。 当社の病院・開業医分野における主な製品は、以下のとおりであります。 製品名   一般的名称   使用目的 クイックチェイサー Flu A,B   インフルエンザウイルスキット   鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液又は鼻汁鼻かみ液中のインフルエンザAウイルス抗原及びインフルエンザBウイルス抗原の検出(インフルエンザウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Adeno   アデノウイルスキット   咽頭粘膜上皮細胞、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出(アデノウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Adeno 眼   アデノウイルスキット   結膜滲出液を含む涙液、又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出 (アデノウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Strep A   A群ベータ溶血連鎖球菌抗原キット   咽頭検体中のA群β溶血連鎖球菌抗原の検出(A群連鎖球菌感染の診断の補助) クイックチェイサー 肺炎球菌/レジオネラ   脳脊髄膜炎起炎菌莢膜多糖抗原キット・ レジオネラキット   尿中又は髄液中の肺炎球菌莢膜抗原の検出(肺炎球菌感染の診断の補助)尿中のレジオネラニューモフィラ血清型1LPS抗原の検出(レジオネラ症の診断の補助) クイックチェイサー RSV/hMPV   RSウイルスキット・ ヒトメタニューモウイルスキット   鼻腔ぬぐい液又は鼻腔吸引液中のRSウイルス抗原の検出(RSウイルス感染の診断の補助)鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液又は咽頭ぬぐい液中のヒトメタニューモウイルス抗原の検出(ヒトメタニューモウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Myco   マイコプラズマ抗原キット   咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエ抗原の検出(マイコプラズマ感染の診断の補助) クイックチェイサー SARS-CoV-2   SARSコロナウイルス抗原キット   鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原の検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助) クイックチェイサー SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)   SARSコロナウイルス抗原キット・インフルエンザウイルスキット   鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原,A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー SARS-CoV-2/RSV   SARSコロナウイルス抗原キット・RSウイルスキット   鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原及びRSウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はRSウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto Flu A,B   インフルエンザウイルスキット   鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液又は鼻汁鼻かみ液中のインフルエンザAウイルス抗原及びインフルエンザBウイルス抗原の検出(インフルエンザウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto Adeno   アデノウイルスキット   咽頭粘膜上皮細胞又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出(アデノウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto Adeno 眼   アデノウイルスキット   結膜滲出液を含む涙液、又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出 (アデノウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto Strep A   A群ベータ溶血連鎖球菌抗原キット   咽頭検体中のA群β溶血連鎖球菌抗原の検出(A群連鎖球菌感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto RSV/Adeno   RSウイルスキットアデノウイルスキット   鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液又は咽頭ぬぐい液中のRSウイルス抗原及びアデノウイルス抗原の検出(RSウイルス感染及びアデノウイルス感染症の診断の補助) クイックチェイサー Auto Myco   マイコプラズマ抗原キット   咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエ抗原の検出(マイコプラズマ感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2   SARSコロナウイルス抗原キット   鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液又は唾液中のSARS-CoV-2抗原の検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助) クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)   SARSコロナウイルス抗原キット・インフルエンザウイルスキット   鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原・A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断の補助) 製品名   一般的名称   使用目的 クイックチェイサー Noro   ノロウイルス抗原キット   糞便中のノロウイルス抗原の検出(ノロウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー Rota/Adeno   ロタウイルスキットアデノウイルスキット   糞便中のロタウイルス抗原及びアデノウイルス抗原の検出(ロタウイルス感染及びアデノウイルス感染の診断の補助) クイックチェイサー 便潜血   ヘモグロビン/トランスフェリンキット   糞便中ヒトヘモグロビン、ヒトトランスフェリンの検出 クイックチェイサー H.ピロリ   ヘリコバクター・ピロリ抗原キット   糞便中のヘリコバクター・ピロリ抗原の検出(ヘリコバクター・ピロリ感染の診断の補助) クイックチェイサー CD GDH/TOX   クロストリジウムディフィシルキット   糞便中のクロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル抗原及びトキシン(トキシンA及びトキシンB)の検出(クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル感染の診断の補助) スマートジーン Myco   マイコプラズマ核酸キット   咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエDNAの検出(マイコプラズマ感染の診断の補助) スマートジーン SARS-CoV-2   SARSコロナウイルス核酸キット   生体試料中のSARS-CoV-2 RNAの検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助) スマートジーン Flu A,B   インフルエンザウイルス核酸キット   鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のA型及びB型インフルエンザウイルスRNAの検出(インフルエンザウイルス感染の診断の補助) スマートジーン CD トキシンB   クロストリジウム・ディフィシル核酸キット   糞便中のクロストリディオイデス・ディフィシル トキシンBのDNAの検出(クロストリディオイデス・ディフィシル感染の診断の補助) スマートジーン H.pylori G   ヘリコバクターピロリ核酸キット   胃内視鏡廃液中のヘリコバクター・ピロリDNA及び23S rRNA遺伝子ドメインV領域の変異の検出(ヘリコバクター・ピロリ感染及びクラリスロマイシン低感受性のヘリコバクター・ピロリ感染の診断補助) HCG クイックチェッカー Dip   ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット   尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出 LH クイックチェッカー・S   自己検査用黄体形成ホルモンキット   尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検出 当社のOTC・その他分野における主な製品は、以下のとおりであります。 製品名   一般的名称   使用目的 P-チェック・S   一般用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット   尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出(妊娠の検査) P-チェック・LH   自己検査用黄体形成ホルモンキット   尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検出 ハイテスターN   一般用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット   尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出(妊娠の検査) ハイテスターH   一般用黄体形成ホルモンキット   尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検出 (排卵日予測の補助) (3) 当社の販売形態 当社は体外診断用医薬品の原材料を国内外から仕入れ、当社で製造を行い、国内外の医薬品卸、代理店を通じて販売しております。当社の事業を事業系統図として示すと下記のとおりであります。 [事業系統図] [用語集] ※1 免疫とは、外部から侵入してくる細菌やウイルスに対して体内が抵抗する働きのことで、この免疫反応が引き起こされると作られる抵抗物質が抗体です。感染症免疫学的検査薬は、この抗体を用いて細菌、ウイルスの有無や量を調べる検査薬で、インフルエンザやコロナウイルスをはじめ広くウイルスや細菌による感染症の診断に使用されます。 ※2 微生物を対象とした遺伝子検査薬とは、検体から検査対象となる微生物の遺伝子を増幅・検出することで感染微生物の特定や薬剤に対する耐性変異遺伝子の検出を自動化機器により実施する検査です。感染症を引き起こす微生物には、細菌,真菌やウイルスなどがあります。微生物の検査においては、原因微生物の推定には塗抹検査や培養が行われ、さらに培養後のコロニーを用いた同定検査と薬剤感受性検査にて微生物の菌名の確定と効能がある薬の選定が行われていますが、染色や培養した菌の観察など特殊な技能を有し、また培養や感受性試験については、1週間程度の時間を要します。遺伝子検査は当日中にそれらの結果が得られ、感染症の診断と治療を迅速に実施することができます。 ※3 一般用医薬品とは、「一般の人が、薬剤師などから提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品であって、軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病などの疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの」と定義されています。十分な説明や情報を示した上で、消費者が自ら簡単な治療を行うというセルフメディケーションが推進されており、厚生労働省が認可を与えた医薬品のみ薬局やドラッグストアにおいて販売されています。 ※4 アデノウイルスとは、扁桃腺やリンパ節で増殖するウイルスです。アデノウイルスに感染すると、軽い風邪程度から重症の扁桃腺炎や肺炎を発症します。 ※5 Strep A(A群β溶血連鎖球菌)とは、のどや皮膚にみられる細菌です。一般に、咽頭炎や扁桃炎を発症し、気管支炎を起こすことも多い細菌です。 ※6 装置を用いて検査を行う試薬は、複数の機器メーカーが販売する汎用の装置に適用する検査薬と、専用の機器でのみ使用可能な検査薬に分類されます。機器試薬システムは後者をいい、1つのメーカーが装置と検査薬をセットで販売し、かつ、同じ装置に適用できる各種測定項目の検査薬を供給する販売形態です。 ※7 「S-チェッカー」は、ドラッグストアや薬局など営む法人または個人を加盟社として構成したチェーン組織である日本ドラッグチェーン会(株式会社ニッド)のプライベートブランド商品の名称です。 ※8 「プレセルフ」は、株式会社マツモトキヨシのプライベートブランド商品の名称です。 ※9 「ハイテスター」は、アリナミン製薬株式会社の登録商標です。
経営方針・対処すべき課題5,706字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は「もっと人のために」を経営理念としております。体外診断用医薬品分野において、この理念を実現すべく、医療検査の要請に応じて技術革新にあくなき探求を続け、お客様に満足いただける品質の高い製品を供給するという運営基本方針を定めております。 この方針に従い、ISO13485品質マネジメントに基づいた、企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを生かし、独自の研究開発を基本とした品質の高い製品を提供し続けることで、企業価値の向上に努め、ステークホルダーの期待に応えてまいります。 (2) 目標とする経営指標 当社は、中長期的な事業拡大と収益性を重視しており、売上高増加率及び売上高経常利益率を重要な経営指標として経営を行っております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略 当社は、企画開発、製造、販売の自社一貫体制のもと、体外診断用医薬品における革新的技術を構築することにより、病院・開業医分野及びOTC・その他分野において、以下の事項を成長戦略として位置づけ、実践してまいります。 ① 病院・開業医分野 ・遺伝子POCT機器・試薬の製品開発を推進するとともに売上拡大を図り、簡易迅速な確定診断製品として新たな市場創出に取り組みます。 ・感染症POCT免疫検査薬の製品群を拡大することにより、ウイルス・細菌分野における市場開拓に取り組みます。 ② OTC・その他分野 ・スイッチOTC製品の先発品の上市準備に取り組むとともに、OTC医薬品の大手企業であるアリナミン製薬株式会社(旧社名 武田コンシューマーヘルスケア株式会社)との販売提携のもとOTC市場でのシェアの拡大を図ります。 (4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 体外診断用医薬品業界におきましては、近年の様々な感染症の集団発生を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、適切な医療をより効果的かつ効率的に提供するための体制構築が迫られ、また、感染拡大防止や院内感染の予防対策として、感染症の早期診断及び早期治療の重要性の認識はさらに高まっており、遺伝子検査などの早期診断に有用な診断技術への期待も大きくなっております。 とりわけ、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、数年にわたり感染拡大を繰り返し、わが国においても国民の社会経済活動に大きな影響を及ぼしました。当該感染症の拡大を防ぐべく、行動制限やワクチン接種などの各種感染対策がとられるなか、遺伝子検査や抗原検査などの検査需要も急激に高まり、感染症の診断に対する関心・期待はさらに高まっているものと考えられます。 今後の感染症全般(新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、アデノウイルス感染症等)の感染動向・流行状況については、近年の傾向から、社会経済活動が正常化するなかで、各種感染症の変異株の出現などによる一時的な感染の急拡大あるいは流行期に抑制される状況は発生するものの、年間の流行規模や検査需要は一定程度の水準が継続するものと見込まれます。 このようななかにあって、引き続き競合他社との技術及び価格競争など厳しい状況が続くことが予想されます。 当社は、「もっと人のために」という経営理念のもと、企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを生かし、医療機関や患者のニーズに応える数多くの優れた製品を提供するため、今後の業界の将来も見据えながら、以下の課題に取り組み、事業の継続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。 ① 遺伝子POCT検査機器試薬システムの検査項目の拡充及び次世代システムの開発 検査薬市場においては、世界的にもPOCT市場向けの機器試薬システムの技術開発が加速しており、感染症、循環器、糖尿病など各々の疾患を早期に診断、治療を行うための新たなPOCT機器試薬システムが開発されております。当社は、主力とする感染症分野におきまして、これまでのイムノクロマト法に代わる革新的診断技術として、各種シーズ技術のスクリーニングを経たのち、遺伝子診断技術の開発に注力を続け、この成果として、2018年に業界では先発となる遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」を発売いたしました。さらに、2020年には新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充・感染拡大の防止に貢献するべく、同ウイルス検出試薬の早期開発に取り組み、「スマートジーン新型コロナウイルス検出試薬(現 スマートジーン SARS-CoV-2)」を発売いたしました。 遺伝子POCT検査薬機器試薬システムは、診療の現場において短時間で確定診断が可能なことから、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、感染拡大防止や早期診断に有用であることが広く認知されることとなり、その期待の高まりを背景に将来の遺伝子POCT検査市場の拡大が見込まれています。また、当社の遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」の普及が急速に進み、将来における各専用試薬の需要の基盤が確立しつつあることから、新たな検査項目の拡充や性能の改善が喫緊の課題となっております。 この課題に対応すべく、同装置を用いる新たな遺伝子POCT検査項目の開発・製品化を進め、2022年度においては、インフルエンザウイルス核酸キット「スマートジーン Flu A,B」、院内感染による下痢症の感染防御に貢献するCDトキシン核酸キット「スマートジーン CD トキシンB」、胃がん発症の原因となるヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出キット「スマートジーン H.pylori G」の発売を開始いたしました。 直近では、2025年6月に侵襲性のない糞便を検体としたヘリコバクターピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori S」の製造販売承認を取得し、同年10月に百日咳菌核酸キットの製造販売承認を申請いたしました。 今後につきましても、呼吸器感染症、消化器感染症、泌尿器感染症及び婦人科感染症項目並びに薬剤耐性菌項目など、さらなるラインナップの拡充を図り、簡便操作、迅速判定、コンパクトかつ低コストという特長を持つ遺伝子POCT機器試薬システムとして、病院や診療所へのさらなる普及に向け尽力してまいります。 これらに加え、今後さらなる市場拡大のため、次世代の遺伝子POCT検査装置として、測定時間のさらなる迅速化や複数検体・複数項目同時検出をコンセプトとした遺伝子マルチ検査システムの開発を一層推進してまいります。 ② 高感度POCT機器試薬システムの検査項目の拡充 POCT検査は治療に直結する検査であることから、各種検査項目について、より高感度、短時間判定かつ客観性の高い検査を実施できる機器試薬システムの開発が課題となっております。 この課題に対応すべく、当社は、富士フイルム株式会社との共同開発に取り組み、他社に先駆け、発症初期の診断精度や客観性を向上させた高感度感染症迅速診断システム(銀増幅イムノクロマト法)として、デンシトメトリー分析装置「クイックチェイサー Immuno Reader」及び高感度インフルエンザ抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto Flu A,B」の開発に成功し、販売を開始いたしました。その後も、検査キットにつきましては、A群β溶血連鎖球菌、アデノウイルス、RSウイルス、マイコプラズマ抗原及び新型コロナウイルス抗原を検査項目として逐次追加し、ラインナップの拡充を図りました。さらに、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されるなか、両ウイルスを同時に検出する「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu」を発売し、これに続き、インフルエンザのA型とB型を判別できる「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu A,B」を発売開始するなど、クイックチェイサーAutoシリーズとして品揃えをさらに充実させております。 また、機器につきましても、タッチパネルの採用やオンライン化対応等により実用性をさらに向上させた後継機を発売するなど、機器試薬システムとして、競合他社の製品との差別化を実現しております。今後も、さらなる検査項目の追加、性能の改善のための開発を継続することにより、市場及びシェアの拡大に努めてまいります。 ③ POCT迅速診断検査薬の項目開発及び性能向上 小児科など医療現場においては、特に迅速な治療が必要とされる感染症のPOCT検査薬の項目開発及び性能向上が求められており、加えて院内感染防御※1における迅速な検査体制の強化が課題となっております。 この課題に対応すべく、当社は、簡易・迅速に検査が実施できるイムノクロマト製品のさらなる性能向上のため、モノクローナル抗体※2の新規開発や機器の使用による機能強化といった研究開発を継続的に進めており、また、新たなPOCT検査薬項目の開発や薬剤耐性因子※3を検出する検査薬の創出において、専門機関との共同開発に取り組んでおります。この成果として、カルバペネム系抗菌薬に耐性をもたらす代表的な6種のカルバペネマーゼを迅速に検出できるカルバペネマーゼ検出キット「クイックチェイサー CARBA RESIST-6 RUO」の開発に成功しました。薬剤耐性菌に対する抗菌薬の適正使用や感染対策に新たな選択肢を提供できるものと考えております。 機器の使用による機能強化として、2021年4月、検査結果を自動判定し、その結果をモニター表示及びプリントアウトできるデンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」を発売いたしました。迅速診断キットと組み合わせて使用することにより、測定環境や判定者に依存しない客観的かつ安定した精度の高い判定結果を得られます。今後につきましては、同装置の普及に尽力するとともに、適応する検査項目の拡充にも努め、簡易・迅速性が特に求められる検査ニーズにも応えてまいります。 ④ 遺伝子POCT検査技術を応用した新たな事業展開 企業価値を一層高めていくためには、事業の拡大や多角化は重要な経営施策の一つであると認識しております。イムノクロマト法及び当社の遺伝子POCT検査技術は、医療だけではなく、環境・食品検査分野にも応用できるものであります。今後の事業拡大の施策の一つとして、環境・食品検査分野への進出が課題となっております。 この課題に対応すべく、当社は、独自の遺伝子POCT検査技術を基盤として、環境・食品検査分野への応用開発に取り組んでおります。 ⑤ 開発人員の強化・育成 当社の研究開発は、体外診断用医薬品業界における豊富な経験を有する研究開発人員により行われているものの、新技術や新分野での診断項目の開発においては、各開発グループの責任者及び一部の研究開発人員に強く依存しているところがあります。 当社は、継続的な成長を果たすためには、開発部門の人的強化が欠かせないと認識しており、既存開発人員に対する教育や各種学会への参加による育成を行うとともに、優秀な人材の採用に努めております。 ⑥ 製造能力の増強及び生産工程の合理化 検査需要の増加に伴う生産量の増大やPOCT検査薬の項目数の拡充に伴い、製造能力の増強とともに生産工程の合理化が課題となっております。 この課題に対応すべく、遺伝子POCT検査キット及びクイックチェイサーAutoシリーズの量産及び安定供給を行うため、2019年に福岡県久留米市に新規製造工場を建設し、遺伝子検査キット(主に新型コロナウイルス核酸キット)の需要増加を見込んだ設備投資を行いました。新型コロナウイルス感染症の5類移行後は、需要が急増している各種抗原キットの増産のため、さらに生産ラインを新設し稼働を開始するなど、月産の製造能力を大幅に増強しております。 今後もさらなる増産や安定した多項目生産に向け、生産設備の導入及び自動化により生産工程の合理化を図り、高品質の製品供給を維持する生産体制の構築に取り組んでまいります。 [用語集] ※1 院内感染防御とは、病院や医療機関内で新たに細菌やウイルスなどの病原体に感染する院内感染において、免疫力の低い多くの患者が同時に感染するリスクがあることから、院内の環境改善や集団感染時の対策マニュアルなどを講じ、薬剤耐性菌の蔓延を防止するための抗生剤や消毒薬の使用について組織的な防御を整えることをいいます。 ※2 ウイルスなど抗原が生体に侵入した場合、そのウイルスの一部(抗原)に対する抗体が産生されます。抗体は、そのウイルスの抗原部位に結合しウイルスを失活させる機能を持っています。これらの抗体には抗原のいろいろな箇所に結合する複数種類の抗体が混在しており、ポリクローナル抗体と呼ばれています。モノクローナル抗体とは、単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体であり、反応性が多様なポリクローナル抗体に比べて的確にウイルスと結合することができます。また、クローンに由来するため、安定した品質の抗体を生産することができます。 ※3 細菌などの微生物が、抗生物質などの薬剤に接触することで抵抗力を獲得し、薬剤の効果が低下することを薬剤耐性といいます。これは、細菌が自ら耐性遺伝子を作り出したり、既に耐性化した他の細菌からそのような遺伝子を獲得したりするものであります。薬剤耐性因子とは、そのような耐性遺伝子のことをいいます。
事業等のリスク4,912字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、下記におけるリスクの項目は、すべてのリスクを網羅したものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 特定製品(新型コロナウイルス検査薬及びインフルエンザ検査薬)への依存 インフルエンザ検査薬は、過去7年(2013年~2019年)ほどにわたり、当社の売上高の約50%を占める主力製品でありましたが、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、インフルエンザの流行は著しく低い水準に抑えられ、2020年よりインフルエンザ検査薬の売上高は大幅に減少しました。 一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、遺伝子検査や抗原検査の需要が急激に高まるなか、2020年より遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」の発売を開始し、これに続き発売を開始した各種抗原キットの売上高が大幅に増加したことから、新型コロナウイルス検査薬への依存度が急激に高まる結果となりました。 2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行されてからは、社会経済活動の正常化はさらに加速し、インフルエンザをはじめ、それまで抑えられていた様々な既存の感染症が一時的・反動的に急拡大する状況がみられています。近年においては、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行もみられ、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進むなか、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス同時検査キットの需要が急増しております。 今後につきましては、新型コロナウイルス検査薬は、感染拡大の動向や医療・検査体制の変化などによって、本検査薬の需要や売上高は大きく左右される可能性があります。また、新型コロナウイルスやインフルエンザの流行の時期や規模によって、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルスの同時検査キットあるいは各単独検査キットの需要が大きく変動する可能性があり、これらの状況の変化に伴い特定製品への依存度が変化する可能性があります。 当事業年度(2025年12月期)の各四半期会計期間の売上高の内訳及び直近5事業年度の売上高の内訳は、以下のとおりであります。 2025年12月期の各四半期会計期間の売上高の内訳 (単位:百万円) 第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期   合計 売上高   2,649   1,326   2,250   5,033   11,260 新型コロナウイルス検査薬   1,511   678   1,632   3,577   7,399 (内 CoV/Flu同時検査薬)   (1,059)   (390)   (897)   (3,118)   (5,466) インフルエンザ単独検査薬   271   25   △72   703   928 その他の検査薬及び機器   783   526   578   664   2,552 OTC・その他   83   96   112   88   380 直近5事業年度の売上高の内訳 (単位:百万円) 2020年 12月期   2021年 12月期   2022年 12月期   2023年 12月期   2024年 12月期 売上高   4,205   13,137   17,581   10,989   11,429 新型コロナウイルス検査薬   1,270   9,794   15,179   7,617   6,881 (内 CoV/Flu同時検査薬)   (―)   (34)   (2,206)   (3,324)   (3,730) インフルエンザ単独検査薬   750   239   416   949   977 その他の検査薬及び機器   1,773   2,689   1,640   2,070   3,187 OTC・その他   411   414   345   352   382 (2) 品質問題 当社は、医薬品医療機器等法及び関連法令並びに品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を敷いて製品の品質確保に取り組んでおります。しかしながら、万が一製品に重大な品質問題が発生した場合には、速やかに調査、回収、情報提供等の措置を取る必要があり、売上高の減少やコストの増加などにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 原材料の調達 当社は、様々な原材料を国内外より調達し製造活動を行っておりますが、調達にあたっては、仕入先との協力関係の維持強化、重要性及び調達リスクに応じた安全在庫の確保、一部の重要な原材料の自製化などにより調達リスクの低減に努めております。しかしながら、原材料に関する国内外の規制または原材料メーカーによる品質問題の発生、あるいは国際情勢の変化や政情不安等によって、原材料の入手が長期的に困難になることにより、製品を製造・販売することができなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 製品供給の遅延または休止 当社は、製品の安定供給を目指し、複数の製造拠点(佐賀県鳥栖市及び福岡県久留米市)を有しており、風水害、地震、火災等の災害発生時のリスク分散・軽減を図っております。しかしながら、当社の製造拠点や当社の原材料等の調達先の製造施設・倉庫等において、甚大な風水害や地震等の自然災害や火災の発生あるいは技術上や規制上の問題により、操業が停止または混乱が生じた場合、製品の供給が遅延または休止し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 開発人員の強化・育成について 当社は、今後の事業拡大や市場に対し付加価値の高い製品を提供するため、新たな診断技術の創出や新分野での診断項目に対する研究開発といった活動に日々邁進しており、これに不可欠である研究開発人員を継続的に確保し、強化・育成するよう努めております。しかしながら、今後様々な市場ニーズへの対応や他社の開発技術と競合するなか、これに対応できる独創性や高度な開発技術を有する人材の確保及び強化・育成が計画通りに進まない場合、これら新たな診断技術の創出等の研究開発活動に支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 知的財産権 当社の製品は、特許及び実用新案等により一定期間保護されています。当社は、知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害あるいは第三者の知的財産権を侵害するおそれについても、常に監視を行っております。しかしながら、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社の製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 研究開発 体外診断用医薬品は、所轄官庁の定めた企業としての責任体制、製品の有効性、安全性、生産方法・管理体制に関する厳格な審査により許認可を得てはじめて上市可能となります。このため、研究開発が計画通りに進行しない、許認可取得に時間を要する、あるいは治験段階において新製品が期待通りの性能を示さない等の事由により、開発期間の延長や開発の中止を余儀なくされることがあります。これらにより、多額の追加投資が必要となった場合や、それまでに投下した研究開発投資の回収見込みがなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 競合他社との競争 当社は、市場ニーズを先取りした新製品開発及び性能改善を行っておりますが、体外診断用医薬品業界は技術開発及び性能の向上において常に競合他社と競争状態にあります。技術競争の結果、競合他社が当社より先に新製品や性能改善品を上市した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 市場環境の変化 病院・開業医分野では、医療制度改革や診療報酬の改定が行われるなか、治療に即した検査への淘汰が進んでおり、価格競争は激化しております。また、OTC・その他分野でも薬局・薬店業界の再編や新規参入など市場環境は日々変化しております。そのため、市場環境の変化への対応が遅れた場合、病院・開業医分野では、主要製品の需要減少、販売価格の低下、OTC・その他分野では、既存シェアの変化などにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)法的規制等 当社は、体外診断用医薬品の製造販売を行うために「体外診断用医薬品製造販売業許可」及び「体外診断用医薬品製造業登録」、また、医療機器の製造販売を行うために「医療機器製造販売業許可」及び「医療機器製造業登録」が必要であり、そのために医薬品医療機器等法及び関連法令をはじめ、様々な法規制の適用を受けております。 当社は、以下の主要な許認可を含めこれらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状においては当該許認可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関係法規が改廃または新たな法的規制が設けられた際に、仮にこれらの法規制を遵守できなかった場合、事業活動を制限されることはもとより、社会的信用の低下を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法規制を遵守するためのコストが発生し、利益率の低下につながる可能性があります。 許認可等の名称    許可番号   有効期限   取消事由 体外診断用医薬品製造販売業許可   佐賀県知事許可41E1X80013   2030年3月30日   医薬品医療機器等法第二十三条の二 第1項 体外診断用医薬品製造業登録   佐賀県知事許可41EZ280071   2030年3月30日   医薬品医療機器等法第二十三条の二の三 第1項 第二種医療機器製造販売業許可   佐賀県知事許可41B2X10001   2026年4月26日   医薬品医療機器等法第二十三条の二 第1項 医療機器製造業登録   佐賀県知事許可41BZ200003   2026年4月26日   医薬品医療機器等法第二十三条の二の三 第1項 体外診断用医薬品製造業登録   福岡県知事許可40EZ200001   2029年6月12日   医薬品医療機器等法第二十三条の二の三 第1項 (11)訴訟の提起 当社は、事業活動を継続していく過程において、製造物責任(PL)関連、労務関連、知的財産関連、商取引関連、その他に関する訴訟が提起される可能性があります。これらの訴訟の結果によっては、損害賠償を請求される等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)ITセキュリティ及び情報管理 当社は、各種の情報システム・IT機器を利用して業務を遂行しており、また、業務の遂行を通じて、開発・営業その他経営に関する機密情報や従業員の個人情報等を保有しております。これらの情報システム及び情報の保護等に関しては、情報システム運用管理規程や情報セキュリティポリシー等の制定及びその遵守・周知徹底により、業務の円滑化、適切な運用、セキュリティの強化等に努めております。しかしながら、サイバー攻撃等によるシステム障害、コンピューターウイルスの感染及びその他災害等が発生した場合、業務が阻害され、機会損失の発生等追加的なコストが発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、それら外部要因を含めた不測の事態により情報の流出や漏えいが発生した場合には、社会的信用を大きく失うこととなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)9,753字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度(2025年1月1日~2025年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復などを背景に、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、継続的な物価上昇による個人消費の減速懸念、米国の関税政策による影響、国際的な紛争による地政学的リスクなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 体外診断用医薬品業界におきましては、新型コロナウイルス感染症は、夏と冬に一定の流行が継続している状況は変わらないものの、夏場、冬場ともにその流行規模は例年より抑えられたものとなりました。当該感染症の検査においては、2023年5月に感染症法上の位置づけが5類へ移行され、「発症患者の陽性を確認するための迅速簡易検査」として、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進んでおります。 一方、インフルエンザ等の既存の感染症については、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会経済活動が正常化するなか、過去数年の間に免疫獲得の機会を十分に持てなかったこと等を背景に、一時的・反動的に急拡大する状況がみられております。インフルエンザにつきましては、2025/2026シーズンの流行は、2024/2025シーズンより1ヶ月程度早い10月初旬から流行入り(過去20年間で2番目の早さ)し、さらに、11月中旬には警報レベルを超える異例の速さで感染拡大しました。マイコプラズマ肺炎についても、2024年の大流行の規模とはならなかったものの、2年連続の感染拡大となり、このほか、2025年1月から4月にかけ、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行し患者数が過去10年で最多となるなど、各種感染症の急拡大が頻発しております。 今後の感染症の動向については、例年に比べ新型コロナウイルス感染症の流行が抑えられている状況や既存の感染症の一時的・反動的な急拡大の状況を鑑み、感染症全般にわたり注視する必要があります。 このような環境のなか、当社は、新型コロナウイルス検査薬をはじめ、流行が拡大したインフルエンザやその他感染症項目の検査薬の増産に取り組み、安定供給の維持に尽力しました。他方では、2025年2月に新型コロナウイルス抗原及びインフルエンザA型、B型の判別が可能な「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu A,B」を発売するなど、クイックチェイサーシリーズの検査項目の拡充を図りました。 遺伝子POCT検査機器試薬システムにつきましては、2025年6月、ヘリコバクターピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori S」の国内製造販売承認を取得し、発売に向けて準備を進めております。既存の製品からさらに侵襲性のない糞便を検体とし、クラリスロマイシン耐性に関与する遺伝子変異も同時に検出可能な検査キットで、検査時間の短縮や患者の負担低減、さらには抗菌薬の適正使用にも貢献できるものと考えております。また、2025年10月に新規検査項目として、百日咳菌核酸キットについて、厚生労働省に対し体外診断用医薬品としての製造承認申請を行いました。今後も継続して、スマートジーンシリーズの新たな検査項目の開発に注力するとともに、次世代の遺伝子POCT検査装置として、測定時間のさらなる迅速化や遺伝子マルチ検査システムの開発も進めてまいります。 これらの結果、当事業年度の売上高は、112億60百万円(前期比1.5%減)となりました。 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は、以下のとおりであります。 (単位:百万円、%) 市場分野の名称   2025年12月期   2024年12月期 対売上高構成比   対前期増減率       対売上高構成比 病院・開業医分野   10,880   96.6   △1.5   11,046   96.7 OTC・その他分野   380   3.4   △0.7   382   3.3 合計   11,260   100.0   △1.5   11,429   100.0 病院・開業医分野におきましては、新型コロナウイルス検査薬につきましては、当該感染症は、夏場・冬場ともに流行の規模は例年程とはなりませんでした。このような状況にあって、遺伝子検査キットにつきましては、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進んでいる影響もあり、出荷数は約16万テスト(前期は32万テスト)と大幅に減少しました。一方、抗原検査キットにつきましては、抗原検査へのシフトが進むなか、冬場の流行の時期が2025/2026シーズンのインフルエンザの大流行と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットの需要が急激に増加しました。各種経営施策による供給能力の拡大や新規の採用施設(病院・クリニック)増加の効果もあり、出荷数は約916万テスト(前期は708万テスト)と大幅に増加し、遺伝子検査キットの減収分を補いました。これらの結果、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高は、73億99百万円(前期比7.5%増)となりました。 インフルエンザ検査薬につきましては、2025/2026シーズンのインフルエンザの流行は、2024/2025シーズンより1ヶ月程度早い10月初旬から流行入り(過去20年間で2番目の早さ)し、さらに、11月中旬には警報レベルを超える異例の速さで感染拡大しました。このような大流行があったものの、新型コロナウイルスの冬場の流行の時期と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットへの需要が増加したため、インフルエンザ単独検査薬全体の売上高としては、9億28百万円(前期比5.1%減)にとどまりました。 その他感染症項目の検査薬につきましては、ヘリコバクター・ピロリ核酸キットやRSV・ヒトメタニューモウイルス抗原同時検出キットの売上高は前期比で増収となったものの、マイコプラズマ・ニューモニエ(マイコプラズマ肺炎)、StrepA(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)、アデノ眼(流行性角結膜炎)等において、前年程の大きな流行とはならなかったこと等を主因として、売上高は前期比で減収となりました。これらの結果、その他感染症項目の検査薬を含むその他の検査薬及び機器全体の売上高は、25億52百万円(前期比19.9%減)となりました。 以上により、病院・開業医分野全体の売上高は、108億80百万円(前期比1.5%減)となりました。 OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、業界再編など市場環境の変化のなか、一定の安定的な需要が継続していることから、OTC・その他分野全体の売上高は、3億80百万円(前期比0.7%減)となりました。 利益面につきましては、主に新型コロナウイルス遺伝子検査キットの減収に伴う売上構成比の変化により、売上原価率が上昇したため、営業利益は46億46百万円(前期比5.5%減)となりました。なお、外国為替相場の急激な変動に伴い、為替差損13百万円を営業外費用に計上しております。これは主に当社が保有する外貨建て資産を期末為替レートで換算したことにより発生したものであります。これらの結果、経常利益は47億36百万円(前期比8.3%減)、当期純利益は34億25百万円(前期比9.2%減)となりました。 当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。 当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ16億46百万円増加し、223億75百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少4億21百万円があったものの、売掛金の増加15億75百万円、棚卸資産の増加3億57百万円及び電子記録債権の増加1億5百万円があったことによるものであります。 当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ3億15百万円増加し、36億90百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加2億16百万円及び未払消費税等の増加1億80百万円があったことによるものであります。 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ13億30百万円増加し、186億84百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加13億30百万円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ74億5百万円減少し、22億59百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動により増加した資金は、19億56百万円(前期は33億48百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加16億80百万円、法人税等の支払11億55百万円及び棚卸資産の増加3億57百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、税引前当期純利益47億36百万円、減価償却費2億66百万円及び未払消費税等の増加1億80百万円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動により減少した資金は、72億84百万円(前期は3億7百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻30億28百万円によるキャッシュ・フローの増加があったものの、定期預金の預入100億28百万円及び有形固定資産の取得2億55百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動により減少した資金は、20億77百万円(前期は20億94百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払20億77百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については市場分野別に記載しております。 イ.生産実績 当事業年度の生産実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。 市場分野の名称   生産高(百万円)   前年同期比(%) 病院・開業医分野   13,344   113.5 OTC・その他分野   465   104.0 合計   13,809   113.2 (注) 金額は販売価格によっております。 ロ.受注状況 当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ハ.販売実績 当事業年度の販売実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。 市場分野の名称   販売高(百万円)   前年同期比(%) 病院・開業医分野   10,880   98.5 OTC・その他分野   380   99.3 合計   11,260   98.5 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先   前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)   当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 販売高(百万円)   割合(%)   販売高(百万円)   割合(%) 株式会社メディセオ   2,046   17.9   1,983   17.6 東邦薬品株式会社   1,682   14.7   1,737   15.4 アルフレッサ株式会社   1,135   9.9   1,440   12.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.経営成績の分析 (売上高) 売上高は、112億60百万円(前期比1.5%減)となりました。市場分野別の売上高の状況の認識及び分析等は以下のとおりであります。 病院・開業医分野におきましては、新型コロナウイルス検査薬につきましては、当該感染症は、夏場・冬場ともに流行の規模は例年程とはなりませんでした。このような状況にあって、遺伝子検査キットにつきましては、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進んでいる影響もあり、出荷数は約16万テスト(前期は32万テスト)と大幅に減少しました。一方、抗原検査キットにつきましては、抗原検査へのシフトが進むなか、冬場の流行の時期が2025/2026シーズンのインフルエンザの大流行と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットの需要が急激に増加しました。各種経営施策による供給能力の拡大や新規の採用施設(病院・クリニック)増加の効果もあり、出荷数は約916万テスト(前期は708万テスト)と大幅に増加し、遺伝子検査キットの減収分を補いました。これらの結果、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高は、73億99百万円(前期比7.5%増)となりました。 インフルエンザ検査薬につきましては、2025/2026シーズンのインフルエンザの流行は、2024/2025シーズンより1ヶ月程度早い10月初旬から流行入り(過去20年間で2番目の早さ)し、さらに、11月中旬には警報レベルを超える異例の速さで感染拡大しました。このような大流行があったものの、新型コロナウイルスの冬場の流行の時期と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットへの需要が増加したため、インフルエンザ単独検査薬全体の売上高としては、9億28百万円(前期比5.1%減)にとどまりました。 その他感染症項目の検査薬につきましては、ヘリコバクター・ピロリ核酸キットやRSV・ヒトメタニューモウイルス抗原同時検出キットの売上高は前期比で増収となったものの、マイコプラズマ・ニューモニエ(マイコプラズマ肺炎)、StrepA(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)、アデノ眼(流行性角結膜炎)等において、前年程の大きな流行とはならなかったこと等を主因として、売上高は前期比で減収となりました。これらの結果、その他感染症項目の検査薬を含むその他の検査薬及び機器全体の売上高は、25億52百万円(前期比19.9%減)となりました。 以上により、病院・開業医分野全体の売上高は、108億80百万円(前期比1.5%減)となりました。 OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、業界再編など市場環境の変化のなか、一定の安定的な需要が継続していることから、OTC・その他分野全体の売上高は、3億80百万円(前期比0.7%減)となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価は、34億41百万円(前期比2.8%増)、売上原価率は30.6%(前期から1.3ポイント上昇)となりました。これは主に、売上構成比が変化したことによるものであります。 販売費及び一般管理費は、31億72百万円(前期比0.2%増)となりました。これは主に、人件費の減少や販売委託手数料の減少があったものの、遺伝子POCTをはじめとした新製品に係る研究開発費の増加や物流関連経費の増加があったことによるものであります。 (営業利益) 営業利益は、前事業年度に比べ2億70百万円減少して46億46百万円となりました。 (営業外収益、営業外費用) 営業外収益は、前事業年度に比べ1億41百万円減少して1億8百万円となりました。 営業外費用は、18百万円となりました。 これらは主に、受取利息及び配当金が25百万円増加したものの、外国為替相場の急激な変動のなか、当社が保有する外貨建資産を期末為替レートで評価替えしたことにより発生した為替差損によるものであります。 (経常利益) 経常利益は、前事業年度に比べ4億30百万円減少して47億36百万円となりました。また、売上高経常利益率は42.1%となり、前事業年度に比べ3.1ポイント低下し、収益性は低下しております。 (特別利益、特別損失) 特別利益及び特別損失の計上はありませんでした。 (当期純利益) 当期純利益は、前事業年度に比べ3億48百万円減少して34億25百万円となりました。 インフルエンザ検査薬は、過去7年(2013年~2019年)ほどにわたり、当社の売上高の約50%を占める主力製品でありましたが、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、インフルエンザの流行は著しく低い水準に抑えられ、2020年よりインフルエンザ検査薬の売上高は大幅に減少しました。 一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、遺伝子検査や抗原検査の需要が急激に高まるなか、2020年より遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」の発売を開始し、これに続き発売を開始した各種抗原キットの売上高が大幅に増加したことから、新型コロナウイルス検査薬への依存度が急激に高まる結果となりました。 2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行されてからは、社会経済活動の正常化はさらに加速し、インフルエンザをはじめ、それまで抑えられていた様々な既存の感染症が一時的・反動的に急拡大する状況がみられています。近年においては、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行もみられ、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進むなか、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス同時検査キットの需要が急増しております。 今後につきましては、新型コロナウイルス検査薬は、感染拡大の動向や医療・検査体制の変化などによって、本検査薬の需要や売上高は大きく左右される可能性があります。また、新型コロナウイルスやインフルエンザの流行の時期や規模によって、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルスの同時検査キットあるいは各単独検査キットの需要が大きく変動する可能性があり、これらの状況の変化に伴い特定製品への依存度が変化する可能性があります。 当事業年度(2025年12月期)の各四半期会計期間の売上高の内訳及び直近5事業年度の売上高の内訳は、以下のとおりであります。 2025年12月期の各四半期会計期間の売上高の内訳 (単位:百万円) 第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期   合計 売上高   2,649   1,326   2,250   5,033   11,260 新型コロナウイルス検査薬   1,511   678   1,632   3,577   7,399 (内 CoV/Flu同時検査薬)   (1,059)   (390)   (897)   (3,118)   (5,466) インフルエンザ単独検査薬   271   25   △72   703   928 その他の検査薬及び機器   783   526   578   664   2,552 OTC・その他   83   96   112   88   380 直近5事業年度の売上高の内訳 (単位:百万円) 2020年 12月期   2021年 12月期   2022年 12月期   2023年 12月期   2024年 12月期 売上高   4,205   13,137   17,581   10,989   11,429 新型コロナウイルス検査薬   1,270   9,794   15,179   7,617   6,881 (内 CoV/Flu同時検査薬)   (―)   (―)   (34)   (2,206)   (3,730) インフルエンザ単独検査薬   750   239   416   949   977 その他の検査薬及び機器   1,773   2,689   1,640   2,070   3,187 OTC・その他   411   414   345   352   382 ロ.財政状態の分析 当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ16億46百万円増加し、223億75百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少4億21百万円があったものの、売掛金の増加15億75百万円、棚卸資産の増加3億57百万円及び電子記録債権の増加1億5百万円があったことによるものであります。 当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ3億15百万円増加し、36億90百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加2億16百万円及び未払消費税等の増加1億80百万円があったことによるものであります。 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ13億30百万円増加し、186億84百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加13億30百万円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 当社の資金需要につきまして、運転資金として主なものは、原材料購入等の製造費用、商品の仕入のほか、研究開発費や人件費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金として主なものは、製造または研究開発のための設備の新設または更新であります。 運転資金及び設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、手元資金、回収期間及びリスク等を勘案したうえで、必要に応じて金融機関からの短期借入または長期借入による調達を行う方針であります。また、機動的かつ安定的に資金の調達が行えるよう、取引銀行と当座貸越契約(総額16億円)を締結しており、緊急の資金需要や不測の事態にも備えております。 株主の皆様への利益還元につきましては、当社は、業績に対応した配当を行うことを基本としつつ、配当性向、企業体質の一層の強化及び今後の事業展開に備えるための内部留保の充実などを総合的に勘案して決定する方針を採っております。この方針に基づき、配当性向50%を目標として配当を実施するよう努めてまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や会社の状況・経営環境等に応じ、合理的だと想定される様々な仮定に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、将来の不確実性により、最善の見積りを行った結果としての見積られた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものに該当事項はありません。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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