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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

セーラー万年筆

The Sailor Pen Co.,Ltd.7992 · Standard · その他製品

万年筆やインクなどの文具と、プラスチック射出成形用ロボットを手掛ける老舗メーカー。プラスグループの一員。

概要

セーラー万年筆は、1911年創業の筆記具メーカーである。万年筆・ボールペンなどの製造販売を手掛け、21金ペン先に代表される高級万年筆で知られる。広島県呉市に本店を置き、連結売上高43億円、従業員197名。2018年からプラス株式会社グループに属し、文具事業とロボット機器事業の二本柱で経営を続けるが、近年は赤字が続く。

二つの事業で構成される収益構造

当社グループは文具事業とロボット機器事業の二つのセグメントで構成される。2025年12月期の連結売上高43億円のうち、文具事業が33億3,596万円(構成比約78%)、ロボット機器事業が9億6,465万円(同22%)を占める。文具事業では万年筆・ボールペン・インクを製造し、主力の21金ペン先万年筆が高価格帯を牽引する。ロボット機器事業ではプラスチック射出成形品用の自動取出ロボットや特注自動化装置を手掛けるが、両事業とも収益力は低調で、2025年は文具事業が5,700万円のセグメント利益、ロボット事業が2億5,600万円のセグメント損失を計上した。

プラスグループ傘下での経営再建

2018年3月、当社はプラス株式会社と業務・資本提携契約を締結し、同社が筆頭株主となった。2019年にはプラスが株式の過半数を取得し、当社は同社の子会社となる。2022年には転換社債型新株予約権付社債の株式転換により、プラスの議決権保有割合は58%に達した。グループ入り後、国内文具営業をコーラス株式会社(後にプラスに吸収合併)に委託し、プラスグループ内のぺんてる株式会社や日本ノート株式会社との協業を進めた。また、広島工場に新工場棟を建設し、万年筆の生産能力を増強した。

国内外で異なる市場の状況

文具事業の販売は国内と海外にまたがる。2025年12月期の連結決算によると、国内市場では物価高による個人消費の鈍化で主力の金ペン万年筆の売上が伸び悩んだが、高価格帯の限定製品は好調だった。海外では欧州が高価格帯製品の好調で前年を上回った一方、中国は景気停滞、北米は関税の影響で中価格帯製品が低迷した。ロボット機器事業では、国内は設備投資の中止・先送りが相次ぎ、特注自動化装置の売上が大きく落ち込んだ。海外では東南アジアが伸長したが、米国市場では営業体制の整備に時間を要し計画に遅れが生じた。

業界の中での役割は文具メーカー(筆記具)および産業用ロボットメーカー(射出成形用)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
43億円
営業利益
-2億円
営業利益率
-4.7%
純利益
-2億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/12
事業売上構成比利益利益率
文具事業33億円76.7%1億円3.0%
ロボット機器 事業10億円23.3%-3億円-30.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01文具(筆記具)主力

万年筆を中心とした筆記具の製造販売。国内販売はプラス株式会社に委託し、海外は子会社のSailor Pen Europe SASが販売を担う。

主な製品・サービス2
万年筆
高級筆記具として知られる万年筆。プラスグループの販路を通じて国内外で販売。
筆記具(その他)
万年筆以外の筆記具(ボールペン、シャープペンシル等)。詳細は不明。

02プラスチック射出成形業界準主力

プラスチック射出成形品の自動取出機や、二次・三次工程の自動化装置、FA化システムなどの特注自動化装置を設計・製造・販売。連結子会社のTHE SAILOR(THAILAND)CO.,LTD.が海外販売を担う。

主な製品・サービス2
取出機(自動取出ロボット)
プラスチック射出成形品を金型から自動で取り出すロボット。成形サイクルの短縮と省人化に貢献。
特注自動化装置
射出成形品の二次・三次工程の自動化、ストック装置、工場のFA化システムなど、顧客の要望に応じたオーダーメード装置。

製品と技術

高級万年筆の基軸技術「21金ペン先」

当社の最大の特徴は、世界で唯一自社製造する21金ペン先(21Kゴールドニブ)である。このペン先は、書き手の筆圧に応じてしなやかに変形し、滑らかな書き味を実現する。フラッグシップモデルとして「プロフェッショナルギア」シリーズや、2025年12月に発売した「プロフェッショナルギア アンカー万年筆」がある。また、高級万年筆のラインアップには、2008年のG8北海道洞爺湖サミット記念品として採用された「有田焼万年筆」や、2019年のG7広島サミット記念品となった「伝統漆芸 彩雅万年筆」など、伝統工芸と融合した限定品も含まれる。

インクと非金ペン先製品の拡充

2018年3月、万年筆用ボトルインク「インク工房」を発売し、お客様の声をもとに厳選した100色のラインアップを提供する。これは愛好家の収集欲を刺激し、ブランドの裾野を広げる役割を果たしている。また、金価格高騰に対応するため、スチール等の非金素材ペン先製品の販売を強化している。代表的なシリーズとして「TUZU」があり、2019年には「TUZUアジャスト万年筆」が日本文具大賞機能部門で優秀賞を受賞した。さらに「プロフィットカジュアルL」などの定番品も展開し、価格帯の拡充を図っている。

射出成形用取出ロボットと自動化システム

ロボット機器事業では、プラスチック射出成形品の自動取出ロボットを中心に、特注自動化装置を製造・販売している。2009年に開発した「RZ-Σ」シリーズは世界初の無線コントローラ搭載機種であり、業界に先駆けた技術革新だった。2019年には、高速・高精度を謳う最上位機種「sigma5 Series」と標準タイプ「sigmaA Series」を発売した。これらのロボットは、成形品の取出しから二次・三次工程の自動化、工場全体のFA化システムまでをカバーし、自動車部品や家電製品など幅広い分野の生産現場で使用されている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

その他製品のなかでの位置

筆記具老舗、赤字転落で構造改革途中

セーラー万年筆は万年筆・筆記具の老舗メーカーだが、デジタル化による需要減とコスト増で2024/12期は営業赤字に転落。同業の浅香工業(工具)やドリームベッド(寝具)とは業種が異なり、直接比較しにくい。売上は46億円程度と小規模で、万年筆以外の文房具・関連品も扱うが差別化要素は限定的。2025/12期も赤字が続く見通し。

強み

  • 万年筆の老舗ブランドとして、一部の愛好家から強い支持。
  • 高価格帯万年筆で品質・デザインに定評がある。
  • 万年筆製造のノウハウ・職人技術を保有。
  • 限定モデルを投入し、コレクション需要を喚起。

課題

  • 2024/12期営業赤字、業績回復の道筋が不透明。
  • デジタル化で筆記具需要が減少、需要創出が必要。
  • 生産規模が小さく、コスト削減やSCM改善が急務。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

その他製品の時価総額近傍。太字がセーラー万年筆

時価総額で並べると、掲載11社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
17791ドリームベッド35億円7.2倍
27986日本アイ・エス・ケイ34億円6.0倍
37813プラッツ34億円13.1倍
47800アミファ32億円6.3倍
57992セーラー万年筆31億円
67827オービス31億円15.6倍
77810クロスフォー30億円101.8倍
87897ホクシン30億円
97836アビックス27億円11.6倍
107850総合商研25億円11.2倍
117939研創24億円11.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 35件

法人化と広島工場の新設

1911年2月に阪田久五郎が創業した万年筆製造を基に、1932年8月に資本金250千円で株式会社セーラー万年筆阪田製作所を広島県呉市に設立した。1939年4月には広島県安芸郡大屋村に天応工場(現広島工場)を新設し、生産拠点を整備した。1941年4月には社名を株式会社阪田製作所に変更し、同年1月に設置した東京事務所を1949年8月に東京支社へと昇格させた。これらの動きは、戦時体制下での事業基盤強化を目的としたものであった。

上場と社名変更を経た高度成長期

1949年6月、広島証券取引所に上場を果たす。1952年5月には社名を株式会社セーラー万年筆阪田製作所に戻し、本店を東京都中央区に移転。1960年5月、現在のセーラー万年筆株式会社に商号を変更した。1961年10月には東京証券取引所市場第二部に上場し、首都圏での認知度向上を図った。1963年4月には東京都八王子市に八王子工場を新設するなど、生産能力の拡大を進めた。この時期、万年筆の需要拡大に対応し、国内市場でのプレゼンスを高めた。

ロボット事業への参入と多角化

1969年5月、ロボットマシン(射出成形品自動取出装置)の製造販売を開始し、事業の多角化に乗り出した。1982年4月には八王子事業所を青梅市に移転し、ロボット機器事業部として独立させた。1999年7月には第2工場を新設するなど、同事業への投資を続けた。2009年4月には世界初の無線コントローラ搭載の「RZ-Σ」シリーズを開発し、技術力の高さを示した。しかし、後の経営悪化に伴い、2017年に中国の生産子会社を清算、2018年に米国販売子会社の全株式を売却するなど、同事業の縮小を余儀なくされた。

海外展開とその後の撤退

1973年10月、台湾に子会社を設立し、初の海外生産拠点としたが、2002年10月に清算した。1996年6月にはタイにTHE SAILOR (THAILAND) CO.,LTD.を設立し、現在もロボット機器の販売拠点として存続する。1997年6月には米国にSAILOR U.S.A.,INC.を設立したが、2005年9月に清算。同1998年1月には別の米国子会社を取得したが、2005年1月に売却した。2002年5月には中国にロボット生産子会社を設立したが、2017年3月に清算した。一連の海外展開は、いずれも長期定着には至らなかった。

プラスグループ傘下での再建

2018年3月、プラス株式会社との業務・資本提携契約を締結し、同社が筆頭株主となる。2019年3月にはプラスが株式の過半数を取得し、連結子会社化された。同月、国内文具営業をコーラス株式会社に委託し、広島工場に新工場棟が竣工した。2022年5月にはプラスが支配株主となり、当社はプラスの連結子会社として正式にグループ内に位置づけられた。同年、東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場に移行。2025年にはコーラスがプラスに吸収合併され、営業委託先がプラス本体に変わった。

年表35件を開く

1930年代

  • 1932年8月創業阪田久五郎が1911年2月に創業したものを法人組織とし、資本金250千円で株式会社セーラー万年筆阪田製作所を広島県呉市に設立し、万年筆、インキ、画錨その他文具類の製造販売を開始
  • 1939年4月広島県安芸郡大屋村に天応工場(現広島工場)を新設

1940年代

  • 1941年1月東京都中央区日本橋橘町に東京事務所を設置
  • 1941年4月商号変更社名を株式会社阪田製作所に変更
  • 1949年6月上場広島証券取引所に上場
  • 1949年8月商号変更東京事務所を東京支社に変更し東京都中央区日本橋兜町に移転

1950年代

  • 1952年5月商号変更社名を株式会社セーラー万年筆阪田製作所に変更し本店を東京都中央区日本橋茅場町に移転

1960年代

  • 1960年5月商号変更社名をセーラー万年筆株式会社に変更(英訳名 The Sailor Pen Co.,Ltd.)
  • 1961年10月上場東京証券取引所市場第二部に上場
  • 1963年4月東京都八王子市に八王子工場新設
  • 1969年5月ロボットマシン(射出成形品自動取出装置)製造販売開始

1970年代

  • 1972年10月八王子工場売却、東京都八王子市に八王子事業所新設
  • 1973年10月台湾写楽股份有限公司を子会社として台湾高雄市に設立(2002年10月 清算)
  • 1978年4月本店を東京都台東区上野に移転

1980年代

  • 1982年4月商号変更八王子事業所を東京都青梅市に移転し、ロボット機器事業部に変更
  • 1987年1月東京事業所を東京都江東区毛利に設置し、文具事業部を移転

1990年代

  • 1996年6月THE SAILOR (THAILAND) CO.,LTD.を子会社としてタイ国バンコク市に設立
  • 1997年2月ロボット機器事業部を東京都青梅市新町に移転
  • 1997年4月本店を東京都江東区に移転
  • 1997年6月SAILOR U.S.A.,INC.を子会社として米国ジョージア州に設立(2005年9月 清算)
  • 1998年1月M&ASailor Corporation of America,INC.を子会社として米国ジョージア州に株式取得により設置(2005年1月 全株式売却)
  • 1999年7月ロボット機器事業部第2工場を新設

2000年代

  • 2002年5月中国におけるロボットマシン生産子会社 写楽精密機械(上海)有限公司設立(2017年3月 清算)
  • 2003年3月米国におけるロボットマシン販売拠点として3社合弁でSAILOR AUTOMATION,INC.(関連会社)をカリフォルニア州プレセンティアに設立
  • 2005年8月M&ASAILOR AUTOMATION,INC.を子会社化(2018年6月 全株式売却)
  • 2008年7月G8北海道洞爺湖サミットの記念品として『有田焼万年筆』を内閣総理大臣から各国首脳に贈呈
  • 2009年4月ロボット機器事業部 世界初無線コントローラ搭載の「RZ-Σ」シリーズ開発
  • 2009年7月「有田焼万年筆」が第3回ものづくり日本大賞の優秀賞を受賞

2010年代

  • 2011年5月創業創立100周年記念謹製万年筆「有田焼染付桐鳳凰文具セット」「島桑」限定発売
  • 2015年2月大阪支店を大阪市城東区へ移転
  • 2017年3月本店を東京都墨田区に移転
  • 2017年7月商号変更普通株式につき10株を1株に併合し、単元株式数を100株に変更
  • 2018年3月お客様の声をもとに生まれた厳選100色、万年筆用ボトルインク「インク工房」発売 プラス株式会社との業務・資本提携契約を締結 併せて第三者割当増資による新株式発行実施(同社が筆頭株主となる)
  • 2018年10月オリジナルペン先万年筆14種をモデルチェンジして販売再開
  • 2019年3月M&A優れた操作性、高速、高精度の射出成形機取出ロボット最上位機種「sigma5 Series」高精度で拡張性に優れた標準タイプ取出ロボット「sigmaA Series」発売 プラスグループの文具販売事業を統合した新会社「コーラス株式会社」に国内文具営業を業務委託 ぺんてる株式会社とのロボット機器事業における業務提携を発表 ヨーロッパ支店を廃止し、欧州販売拠点としてフランスの代理店を子会社化(「Sailor Pen Europe SAS」)「天応工場」を「広島工場」に名称変更 ものづくりの原点に立ち返るため、本店を創業の地である広島県呉市の広島工場へ移転 本部機能を東京都港区虎ノ門に移転(東京本社とする)東京証券取引所の市場区分見直しにより東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行 プラス株式会社が当社株式の過半数を取得し、当社は同社の子会社となる 広島工場敷地内に、主に万年筆製造を目的とした新工場棟竣工 G7広島サミットの記念品として当社製造『伝統漆芸 彩雅万年筆』を内閣総理大臣から各国首脳に贈呈 広島工場 一般見学開始「TUZUアジャスト万年筆」日本文具大賞 機能部門 優秀賞受

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で197人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は402万円で、9期前と比べて+7.3%平均年齢は42.9歳、平均勤続年数は17.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月216
2017年12月208
2018年12月213
2019年12月37544.118.9255
2020年12月38944.719.9198
2021年12月40743.518.2188
2022年12月39343.117.4199
2023年12月37641.815.9212
2024年12月40942.016.2212−142
2025年12月40242.917.3197−102

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率4.8%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)61.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社3(国内 1 / 海外 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
広島工場 — 広島県呉市820百万円
文具事業
東京本社 — 東京都港区10百万円
会社統括業務 文具事業
本社 — フランス Montroy市2百万円
文具事業
ほか2件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    プラス株式会社
    東京都港区
    議決権57.9%
  • 海外
    THE SAILOR(THAILAND) CO.,LTD.
    タイ国 バンコク市
    議決権100.0%
  • 海外
    Sailor Pen Europe SAS
    フランス Montroy市
    議決権70.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は43億円営業利益-2億円前期と比べると減収で、売上が-8.5%。

売上高
-8.5%
43億円
営業利益
-2億円
純利益
-2億円
営業利益率
-4.7%
前期比 +1.7%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高48億円43億円
営業利益0億円-2億円
純利益0億円-2億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は23億円、営業利益は0億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+9.5%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q11−1−9.1−1
2023年2Q11−1−9.1−1
2023年3Q1200.00
2023年4Q12−13
2024年1Q10−1−10.0−1
2024年2Q11−2−18.2−1
2024年4Q2600.0−9
2025年2Q21−1−4.8−1
2025年4Q22−1−4.5−1
2026年2Q2300.00

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年12月期からの14期で、売上は65億円から43億円へ66%に減った。直近期の営業利益率は-4.7%。純利益は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2012年12月650−1
2013年12月55−3−4
2014年12月62−2−2
2015年12月61−1−2
2016年12月6000
普通株式につき10株を1株に併合し、単元株式数を100株に変更
2017年12月5701
2018年12月54−1−1
優れた操作性、高速、高精度の射出成形機取出ロボット最上位機種「sigma5 Series」高精度で拡張性に優れた標準タイプ取出ロボット「sigmaA Series」発売 プラスグループの文具販売事業を統合した新会社「コーラス株式会社」に国内文具営業を業務委託 ぺんてる株式会社とのロボット機器事業における業務提携を発表 ヨーロッパ支店を廃止し、欧州販売拠点としてフランスの代理店を子会社化(「Sailor Pen Europe SAS」)「天応工場」を「広島工場」に名称変更 ものづくりの原点に立ち返るため、本店を創業の地である広島県呉市の広島工場へ移転 本部機能を東京都港区虎ノ門に移転(東京本社とする)東京証券取引所の市場区分見直しにより東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行 プラス株式会社が当社株式の過半数を取得し、当社は同社の子会社となる 広島工場敷地内に、主に万年筆製造を目的とした新工場棟竣工 G7広島サミットの記念品として当社製造『伝統漆芸 彩雅万年筆』を内閣総理大臣から各国首脳に贈呈 広島工場 一般見学開始「TUZUアジャスト万年筆」日本文具大賞 機能部門 優秀賞受
2019年12月530−1
2020年12月48−1−1
2021年12月5411
2022年12月50−1−2
2023年12月46−3−15
2024年12月47−3−2−6.4−11
2025年12月43−2−2−4.7−2

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高43億円のうち、営業利益として残るのは-2億円-4.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-2億円、売上の-4.7%にあたる。営業利益率は業種中央値5.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金67.4%29億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金37.2%16億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-4.7%-2億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
32.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比10.2pt
-4.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比8.9pt
-4.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比26.7pt
-19.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-4.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-3.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが0億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−1億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は5億円で、売上の1.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2012年12月10114
2013年12月−103−17
2014年12月−3111−217
2015年12月01−2115
2016年12月−1−1−2−211
2017年12月0−1−2−18
2018年12月−206−212
2019年12月100113
2020年12月−2−220−428
2021年12月2−60−425
2022年12月−3−122−1512
2023年12月−4−43−87
2024年12月−4−14−56
2025年12月0−10−15

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は43億円。このうち返さなくてよい自己資本が11億円で、自己資本比率は24.0%(業種中央値59.3%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年12月464428.7
2013年12月4864211.7
2014年12月57203733.2
2015年12月54193533.6
2016年12月51183334.7
2017年12月48183038.1
2018年12月52232945.0
2019年12月50222843.8
2020年12月69204929.5
2021年12月72215129.4
2022年12月72393354.3
2023年12月56243243.0
2024年12月48133526.4
2025年12月43113324.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
5億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-72億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
7億円
在庫として抱えている分
負債合計
33億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
16
/ 100
安定性自己資本比率16 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

その他製品 104社との比較

同じその他製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率104社中97位あたり、逆に低いのは自己資本比率104社中102位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-19.3%/中央値 7.4%
P25 4.0%P75 10.8%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-4.7%/中央値 5.5%
P25 2.1%P75 9.0%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
24.0%/中央値 59.3%
P25 46.8%P75 72.3%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-8.5%/中央値 2.6%
P25 -1.2%P75 8.3%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 3.0%
P25 2.0%P75 4.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥104で、1年前と比べて-19.4%過去52週の値幅のなかでは9%の位置にある。

¥104-2.8%1ヶ月-1.0%1年-19.4%時価総額31億円
過去52週の値幅
安値¥99高値¥154

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR3.10倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で+2.0%上昇したものの、前年比-16.4%と長期では下落基調です。25日線(102円)を下回る場面もあり、75日線(106円)・200日線(109円)をいずれも下回って推移。52週高値(154円)からは-33.8%下落し、52週安値(99円)に接近しており、下値不安が残ります。出来高は7月22日に急増しました。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PBR 2.83倍は業界平均1.36倍を上回り割高。PERは赤字のため算出不能(業界平均18倍)。ROE -19.3%と深刻な赤字で、配当なし。業績は減収・赤字継続。割高な株価水準に対し、収益改善の見通しは不透明。

指標この会社業種平均
PBR3.10倍1.38倍
ROE-19.3%6.6%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

強気派は、ブランド価値と愛好家の根強い需要を評価。赤字幅が縮小傾向にあり、2025年12月期は営業損失が改善予想である点に期待。弱気派は、売上高が減少傾向で赤字継続、事業再生のメドが立たず、自己資本が毀損しているリスクを指摘。ブランド価値が収益につながらない現状が最大の争点。

プラスに働く材料7
  • ブランド力

    セーラー万年筆ブランドは国内外に熱心なファンが存在

  • 赤字縮小傾向

    営業損失が-11億→-2億円と改善傾向

  • ターンアラウンド期待

    コスト削減や高級品戦略で黒字転換の可能性

  • 営業赤字縮小による黒字転換期待2026年12月期影響

    営業利益-2億円(前年-3億円)で赤字幅縮小、黒字化近づく

  • PBR2.83倍の評価是正継続影響

    PBR2.83倍は資産価値上回るが、収益改善で適正化

  • 新製品投入による売上回復2025年下期影響

    万年筆需要回復で2025年12月期売上47億円、2026年予想43億円は保守的

  • コスト削減効果の本格化2026年12月期影響

    営業利益-2億円は固定費削減の効果現れつつある

マイナスに働く材料7
  • 売上減少トレンド

    売上高が50億→43億円と減少、市場縮小が続く

  • 赤字継続

    2025年12月期も営業損失見込みで、収益化の道筋不明

  • 財務悪化リスク

    ROE-19.3%と自己資本毀損が進行、財務リスク高い

  • 赤字継続による上場廃止リスク継続影響

    2期連続赤字、債務超過リスクあり

  • 売上高減少トレンド通年影響

    2025年12月期売上47億→2026年予想43億円、8.5%減

  • 配当無しで株主還元欠如継続影響

    無配継続、投資家離れリスク

  • 文具市場の需要減退不定影響

    デジタル化で万年筆需要減少続く

次の決算で確かめる点
営業損益
黒字転換の兆しが見えるかが最重要
売上高推移
市場縮小に歯止めがかかるか確認するため
自己資本比率
赤字継続による財務悪化リスクを監視

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ9,460人。区分でいちばん多いのは事業法人60.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が60.8%を占め、残る39.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
事業法人18.418.359.860.260.160.1
個人・その他71.573.736.536.335.435.6
証券会社5.03.62.12.23.42.6
外国法人1.41.40.60.50.40.8
金融機関3.52.40.80.60.50.7
外国人個人0.30.50.20.20.30.3
自己株式0.10.10.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01プラス株式会社57.78
02山中 央行1.35
03セーラー万年筆取引先持株会1.33
04株式会社SBI証券1.01
05村山 信也0.90
06EH株式会社0.80
07宮本 敏治0.61
08松井証券株式会社0.54
09小松原 俊哉0.51
10目黒 正夫0.48

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−243%、1株純資産は14期で+418%。直近期のROEは-19.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2012年12月−27−31.1
2013年12月−68−75.0
2014年12月−215−17.0
2015年12月−115−8.1
2016年12月−2142−1.3
2017年12月81465.531.2
2018年12月−7159−4.4
2019年12月−10151−6.2
2020年12月−9140−6.4
2021年12月41442.646.3
2022年12月−8132−6.4
2023年12月−5181−47.8
2024年12月−3942−62.8
2025年12月−735−19.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2025/12期の役員報酬は総額80百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢
田村光代表取締役社長61
木村孝常務取締役 管理本部長61
和田直樹常務取締役 開発本部管掌59
米澤章正取締役 製造本部長63
佐山嘉一取締役 営業本部長61
中澤俊勝取締役(常勤監査等委員)70
熊王斉子取締役(監査等委員)56
長谷川弥生取締役(監査等委員)51
篠田敏子59
中島聡取締役 経営戦略室長64

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)6707012
社外取締役310103

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容458字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、2022年5月23日の親会社の異動により、プラス株式会社の子会社となり、同社を中心とするプラスグループの一員となっております。 当社グループは、当社と子会社2社で構成され、文具及びロボットの製造販売を主たる事業内容としております。 文具のうち、主に筆記具関連は当社で製造販売をしており、プラス株式会社に国内文具営業の業務を委託しております。また海外における販売会社として、連結子会社のSailor Pen Europe SASがあります。 ロボットのうち取出機(プラスチック射出成形品用自動取出ロボット)及び、特注自動化装置(プラスチック射出成形品の二次、三次工程の自動化、ストック装置、プラスチック射出成形工場のFA化システム等のオーダーメード装置)につきましては、当社で設計、製造及び販売を行っております。海外における販売会社として連結子会社の THE SAILOR(THAILAND)CO.,LTD.があります。 上記の企業集団の状況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題5,986字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 『文化の発展に貢献する万年筆をつくる』 創業者・阪田久五郎の経営理念 ものづくり思想(コーポレート・アイデンティティ) あまたある筆記具の中から、セーラー万年筆を選んでくださるお客さまがいます。 “お客さまに喜んでいただきたい”という私たちの思いは、ときに型破りな発想や、遊び心を引き出し、さらなる機能の追求へと駆り立ててきました。 “手書き文化を支える先駆者であり続けながら、自らも厳しい目を持つ書き手であれ” 創業以来、私たちの中に息づくこだわりは、精緻をきわめた細部の技術にまで至り、本物の美しさを浮かび上がらせます。セーラーの製品を手にしたお客さまは、機能に裏打ちされた美しさを感じ、表現する喜びにあふれることでしょう。 人びとの感性をゆさぶるブランドになること。私たちのものづくりへの思いと挑戦する魂は続きます。果敢に進む力こそ、未来を切りひらくと信じて。 ブランドロゴ(ビジュアル・アイデンティティ) 信頼と希望の象徴である「錨」は「Anchor」の語源となる古代ギリシャ語で「曲がった腕」を意味し、船を力強く繋ぎ止める錨に、古代の人々は目に見えない神秘的なエネルギーや神の加護を感じてきました。これまでも、これからも、セーラー万年筆の象徴として。希望・信頼の象徴である「錨」のモチーフはそのままに、技術力の高さと繊細で日本的な美意識をロゴマークに込めることで創業初期の精神を伴ったまま現代に昇華させ、そして未来へつなげていきます。 ロゴタイプはセーラー万年筆の創業当時の魂が宿る初期の美しいグラフィックを元に、簡素化することで本物を見出す日本の美意識を込めました。 また、コーポレートカラーとして、「SAILOR BLUE - 黎明」を設定しました。 長く大陸文化を受け入れてきた港町・呉において、創業者・阪田久五郎の見たであろう原風景をイメージしています。「黎明」は夜明けの意味と共に、新しいことが始まる時を指します。夜明け前の瀬戸内の海に見た、創業者の希望を我々も見続けることが大切であると、思いを色に表現しました。原点に思いを馳せながら日本の手仕事による確かな技術と美意識を以ってその海の先に広がる世界へ向けて出航します。 (2) 経営戦略 当社は2018年にプラス株式会社グループに加わって以降、同社をはじめとして、グループ内のぺんてる株式会社、日本ノート株式会社などの文具メーカー各社、並びに同グループの文具販売会社であるコーラス株式会社との、開発・製造・販売の各分野における協業を加速させ、相乗効果や新たな付加価値の創造を追求してまいりました。2022年には、プラス株式会社を引受先として発行済みの転換社債型新株予約権付社債の株式への転換を実行し、プラス株式会社が当社発行株式の58%を保有する支配株主となり、同時に当社は同社の連結子会社となりました。また、一連の財務政策による追加調達資金をもとに、当社文具事業の中核工場である広島工場に新棟を竣工し、従来の課題であった万年筆の供給面で生産能力増強を実現しております。2025年には、国内営業業務を委託していたコーラス株式会社がプラス株式会社に吸収合併され、同社ステーショナリーカンパニーのコーラス営業本部に国内営業業務が承継されたことにより、これまで以上にプラスグループとの連携が強化され、効率的な営業活動を推進できる体制が構築されました。 しかしながら、国内文具事業では、全体的な物価高の広がりを背景とした個人消費の鈍化が長期化したことにより、主力の定番金ペン万年筆の売上が低迷しました。海外文具事業では、欧州の高価格帯製品が好調に推移したものの、中国では景気停滞、北米では関税の影響による中価格帯万年筆の売上低迷が続きました。更には国内外とも金地金を中心とした原材料価格の高騰などが継続しております。またロボット機器事業においても、国内は、中国の景気停滞や米国の関税政策などの影響により企業の設備計画に中止や先送りが多く発生し、非常に厳しい状況で推移しました。海外は、東南アジアが大きく伸長したものの、米国市場については準備手続で予想外に時間を要したことに伴い、現地営業担当者の活動時間が十分に確保できなかったことから、計画に大幅な遅れが生じました。これら様々な要因により、当社グループは、連続して営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。 こうした経営環境下で業績回復を図るべく、以下の施策を推し進めていくことで、文具・ロボット機器両事業の独自競争力に磨きをかけると同時に、プラスグループ各社との連携を強化してまいります。 ① 収益に関する方針 (文具事業) ・独自技術と高付加価値製品によるブランド力強化 世界で唯一の「21金ペン先」という当社の技術的優位性を訴求し、ブランド価値の向上に努めます。21金ペン先万年筆を「書き手と一体になり、しなやかな思考を支えるもの」として再定義し、2025年12月にはフラッグシップモデルとして『プロフェッショナルギア アンカー万年筆』を上市いたしました。次期においても引き続き、国内外で好調なコレクター層をターゲットとした伝統工芸品仕様のハイエンド万年筆の投入を継続し、高単価・高付加価値製品による収益の確保を目指します。 ・金価格高騰に対応した製品ミックスの最適化 原材料価格の影響を受けにくい非金素材(スチール等)ペン先製品の販売を拡大し、利益率の改善を図ります。その施策として「TUZU」シリーズのラインアップ拡充(ラインエクステンション)を行うほか、「プロフィットカジュアルL」などの定番品拡販、限定企画品の投入、およびPB(プライベートブランド)提案を積極的に推進いたします。 ・新開発インク プラスグループ文具メーカー3社(プラス株式会社、ぺんてる株式会社、セーラー万年筆株式会社)共同開発のインクを搭載した「Que Será(ケセラ)ボールペン」を2026年2月に上市いたしました。“消せる”の常識を変える新技術であり、書くことがもっと自由に楽しくなる、インクを“はがして消す”新発想が生んだ新しいスタイルのボールペンです。今後も様々な筆記具にQue Seráインクを搭載できるよう、製品開発を進めてまいります。 ・グローバルな顧客接点の拡大と販売促進 顧客とのタッチポイントを創出し、購買につなげる活動を強化します。 国内においては、主要専門店と連携して万年筆ユーザーの拡大に繋がる施策を実施します。具体策として、気軽に万年筆を手に取っていただける試筆イベントのほか、万年筆の各パーツをビュッフェのように自分好みで選んで自分だけのオンリーワン万年筆をつくることができる「万年筆Buffet」などの体験型イベントを積極的に実施してまいります。海外においては、国内同様に「万年筆Buffet」をイベントとしての実施に加え、Shop in Shop形式での常設展開店舗を4店舗から9店舗へ倍増させる計画です。また、海外代理店と連携し各国のペンショーへ出展するとともに、インクイベントやペンメンテナンスの実施支援を通じて、ブランド体験の機会を提供します。 ・システムによる生産効率向上 効率化のための最適配置と製造設備の有効活用による新品種への取り組みにより、PSI(生産・販売・在庫)を連動させた生産計画を実行し、システム及びデータ連携による生産の合理化と在庫削減を実現してまいります。 (ロボット機器事業) ・海外市場の強化 米国市場に関しては、トランプ政権の関税政策による製造業の米国国内回帰で、製造ライン自動化需要や設備投資意欲の高まりが期待されます。これらへの対応として、現地営業担当者が2026年度は通期で営業活動が可能となったことから、今後、現地営業担当者の増員、教育研修によるスキル向上及び人材育成を図り、医療・食品関連機器分野を中心に既存顧客のニーズに応える提案及びフォロー体制の充実等による顧客とのパートナーシップ構築・強化に努めるとともに、併せて、新規顧客の獲得を積極的に進めてまいります。 ・国内販売戦略 ・医療・食品関連機器分野における取出ロボット・特注自動化装置の豊富な経験・実績を基に、既存顧客向けの他の製品へ、さらに新規顧客への水平展開を積極的に提案しております。医療・食品関連機器分野では、品質要求が厳しい中、当社技術力が高く評価されており、更なる市場拡大の余地があると見込んでおります。 ・既存顧客を中心に、更新需要の掘り起こしと同時に、顧客の製造ラインに沿った提案や製品の改善・改良を行い、一層の市場深耕を図っております。また、顧客のニーズにきめ細かに応え、新規顧客も含め、共同開発に繋げられる営業活動に注力しております。 ・今後人手不足が一層深刻化することが想定される製造・物流業界に向けて、省人化・無人化を実現する自動化装置の開発及び提案を進めます。 ・国内成形機メーカーや機械商社との協業体制を構築することで、新規顧客開拓に注力しております。 ・印刷メーカーと共同で梱包済みパッキンケースの印刷・段積みロボットのハンドリングを担当するなど、当社ロボットの特長である正確性・高剛性を活かして他業種に展開する取り組みを進めております。 ・パーツ・ユニットの電子版カタログを自社サイトに掲載することで、顧客の利便性向上を図っております。 ・設計効率化と製造能力強化 前年度に引き続き、新型取出ロボットとして機能向上を主眼とした開発を進めており、取出機から自動機までのパッケージ提案で競合他社との差別化を図る施策として、取出ロボットの後工程機器を標準化した製品を、順次医療・食品業界の市場に投入しております。併せて、製造、業務フローを改善し、リードタイムの短縮を含む製造能力の強化を図っております。 新型取出ロボットの開発については、IT技術を用いたロボット技術に着目しており、特にIoT技術に力を入れております。また、取出機の状態モニタリング、成形機IoTシステムやその他センサーとのデータ連携技術について、製品への搭載、及び収集データの分析によるロボットの性能向上や新たなサービスの開発を行っております。今後は、機械学習やAIなどを用いて更に発展させ、稼働状況の管理、ロボットの予知保全、スマートファクトリー化の提案など、お客様の生産性・付加価値の向上に努めてまいります。 ② 「働きがい」と社内の意識改革に関する方針 ▪ 事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。 ▪ 社員一人ひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。 ▪ プラスグループの一員となり、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、セーラー万年筆社員の内なる意識変革を促します。 (3) 経営数値目標 2026年度は売上高48億3千3百万円、営業利益5百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1千5百万円と予想しています。なお、今後の中期経営計画については現在精査中であります。 (4) 経営環境及び対処すべき課題等 次期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や高水準の賃上げの継続を背景に、個人消費や設備投資が底堅く推移し、緩やかな回復が続くものと期待されます。一方で、国際情勢の不安定化や為替の変動リスク、原材料価格の高騰、米国の関税政策など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。 当社グループにおきましては、連続して営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上している事実を厳粛に受け止め、抜本的な経営改革を実行してまいります。 (文具事業) 文具事業においては「ブランド力強化」「製品ミックスの最適化」「顧客接点の拡大」を軸に収益性の改善を図ります。第一に、当社の技術的優位性である世界で唯一の「21金ペン先」を再定義し、国内外のコレクター層をターゲットとした高付加価値・高単価製品の投入を継続強化することで、ブランド価値の向上と収益の確保を目指します。第二に、金価格高騰への対策として、原材料費の影響を受けにくいスチール等のペン先製品の販売を拡大します。その施策として「TUZU」シリーズのラインアップ拡充やPB提案を推進し、利益率の改善を図ります。また、プラスグループ文具メーカー3社(プラス株式会社、ぺんてる株式会社、セーラー万年筆株式会社)共同開発による新インク搭載筆記具「Que Será(ケセラ)ボールペン」を2026年2月に上市し、新たな市場を開拓してまいります。第三に、顧客接点の強化として、体験型イベント「万年筆Buffet」の開催や、海外におけるShop in Shop形式の店舗倍増、各国のペンショーへの出展を通じ、グローバルな販売促進を行います。また、生産面においても、新工場棟でのPSI(生産・販売・在庫)連動による生産計画の実行とシステム及びデータ連携により、生産の合理化と在庫削減を実現します。 (ロボット機器事業) ロボット機器事業においては「海外市場の再構築」と「国内市場の深耕・高付加価値化」に注力します。海外市場については、特に米国においては2025年後半より本格的な営業活動を開始いたしましたのでトランプ政権が推進する製造業の米国国内回帰に伴う特注自動化装置需要を捕捉すべく、現地営業担当者の増員と教育研修を行い、医療・食品関連機器分野を中心とした既存顧客の深耕と新規の顧客開拓を加速させます。国内市場については、医療・食品業界などの安定した需要が見込める分野に対し、取出ロボットから自動機までのパッケージ提案や、取出ロボットの後工程機器を標準化した製品投入を行い、競合他社との差別化を図ります。また、人手不足解消ニーズに応えるため、IoT技術やAIを活用した予知保全機能の搭載、スマートファクトリー化の提案など、付加価値の高いソリューションを提供してまいります。 株主の皆様には大変ご心配をおかけしておりますが、当社グループは、更なる業績向上及び企業価値の増大を達成し、早期の復配を目指してまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申しあげます。
事業等のリスク5,374字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場環境の変化に関するリスク 当社グループの文具事業では、万年筆及び万年筆インクを中核に据え、選択的な集中を進めていることから、国内・海外各市場における万年筆ユーザーの規模が想定を超えて急速に減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して当社では、従来の筆記具としての機能や価値を超えた魅力をもつ製品を提案することに専心しつつ、エントリークラスの製品群の強化と、販促活動を通じて市場のユーザーベースの維持並びに新たな万年筆ユーザー育成に努めております。 (2) 新製品の開発 文具事業におきましては、少子化が進行しつつある中、筆記具業界は競争が激化しております。このような状況の下、新製品が市場から支持を獲得できるか否かが売上に直結します。市場ニーズは多様化しており、実際に製品のサイクルは年々短くなってきております。また、既存の万年筆及び万年筆インクの機能を代替、あるいは陳腐化する新技術が登場する等、競合品の状況が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では既に確立された技術の活用のみならず、次世代製品を想定した研究開発に取り組みを進めています。 (3) 受注額の変動 ロボット機器事業におきましては、国内外の設備投資状況に連動して受注額が大きく変動します。当社では安定した需要のある食品容器関連や医療機器関連業界への自動機の受注に注力してまいります。 (4) 原材料等の調達 当社グループは、樹脂材、金属材、金地金などを原材料として使用しております。これらの原材料が予期せぬ経済的あるいは政治的事情により、予定していた単価で安定的に調達できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。現在の原油価格や金地金価格、物流費の高騰が更に長期化する場合は、当社グループの総利益や営業利益に影響を与える可能性があります。 リスクへの対応として、原材料の複数社購買、代替品対応、生産の効率化による原価低減等の施策を実施し、リスク低減に取り組んでおります。 (5) 海外拠点のリスク 当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の1つとしており、海外では為替リスクに加え、不安定な政情、金融不安、文化や商習慣の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、労働力不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等、国際的活動の展開に伴うリスクがあります。 当社グループでは、EU、東南アジア、米国に海外販売拠点を構築し、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めてまいりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 海外市場での売掛債権管理 文具事業及びロボット機器事業においては、海外市場へ積極的に販売促進を行いますが、それにより売掛サイトも長期化しやすく、カントリーリスク、為替リスクを含めた総合的な債権管理の強化がより一層必要となります。 (7) 棚卸資産の緩動化 文具事業では製品サイクルの短縮化、ロボット機器事業では技術革新による仕様変更が今後も続くことが想定されることから、製品のみならず原材料についても緩動化の可能性があり、今後一層の在庫管理が必要となります。 (8) 有利子負債と利子負担 運転資金につきましては、銀行及び親会社からの借入れによっております。銀行からの有利子負債は長期的には減少傾向にありますが、2025年12月末の銀行及び親会社からの長短合わせた借入金残高は18億7千4百万円であり、金利情勢、その他の金融市場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報システム 当社グループは、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティを実施しておりますが、停電、災害、サイバー攻撃、ソフトウェアや情報機器の欠陥、停止、一時的な混乱、内部情報の紛失、改ざんなどのリスクにより営業活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 人材の確保 当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持することが必須であると認識しております。当社グループでは継続的に人材の確保と育成に注力しておりますが、人材の確保が計画通り進まなかった場合や既存の人材が社外に流出した場合には、当社グループの将来の成長、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害によるリスク 当社グループの生産、販売拠点において地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止により、生産拠点の一時的な操業停止や物流網の混乱が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、連続して営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、これが改善されず当連結会計年度末日後1年内に資金繰りを悪化させる要因となることが懸念されることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。 当社グループではこれらの状況を解消又は改善するべく、損益の改善及び資金繰り対応として以下の施策を推し進め、業績回復及び財務基盤の改善強化に取り組んでおります。 (文具事業) ①独自技術と高付加価値製品によるブランド力強化 世界で唯一の「21金ペン先」という当社の技術的優位性を訴求し、ブランド価値の向上に努めます。21金ペン先万年筆を「書き手と一体になり、しなやかな思考を支えるもの」として再定義し、2025年12月にはフラッグシップモデルとして『プロフェッショナルギア アンカー万年筆』を上市いたしました。次期においても引き続き、国内外で好調なコレクター層をターゲットとした伝統工芸品仕様のハイエンド万年筆の投入を継続し、高単価・高付加価値製品による収益の確保を目指します。 ②金価格高騰に対応した製品ミックスの最適化 原材料価格の影響を受けにくい非金素材(スチール等)ペン先製品の販売を拡大し、利益率の改善を図ります。その施策として「TUZU」シリーズのラインアップ拡充(ラインエクステンション)を行うほか、「プロフィットカジュアルL」などの定番品拡販、限定企画品の投入、およびPB(プライベートブランド)提案を積極的に推進いたします。 ③新開発インク プラスグループ文具メーカー3社(プラス株式会社、ぺんてる株式会社、セーラー万年筆株式会社)共同開発のインクを搭載した「Que Será(ケセラ)ボールペン」を2026年2月に上市いたしました。“消せる”の常識を変える新技術であり、書くことがもっと自由に楽しくなる、インクを“はがして消す”新発想が生んだ新しいスタイルのボールペンです。今後も様々な筆記具にQue Seráインクを搭載できるよう、製品開発を進めてまいります。 ④グローバルな顧客接点の拡大と販売促進 顧客とのタッチポイントを創出し、購買につなげる活動を強化します。 国内においては、主要専門店と連携して万年筆ユーザーの拡大に繋がる施策を実施します。具体策として、気軽に万年筆を手に取っていただける試筆イベントのほか、万年筆の各パーツをビュッフェのように自分好みで選んで自分だけのオンリーワン万年筆をつくることができる「万年筆Buffet」などの体験型イベントを積極的に実施してまいります。海外においては、国内同様に「万年筆Buffet」をイベントとしての実施に加え、Shop in Shop形式での常設展開店舗を4店舗から9店舗へ倍増させる計画です。また、海外代理店と連携し各国のペンショーへ出展するとともに、インクイベントやペンメンテナンスの実施支援を通じて、ブランド体験の機会を提供します。 ⑤システムによる生産効率向上 効率化のための最適配置と製造設備の有効活用による新品種への取り組みにより、PSI(生産・販売・在庫)を連動させた生産計画を実行し、システム及びデータ連携による生産の合理化と在庫削減を実現してまいります。 (ロボット機器事業) ①海外市場の強化 米国市場に関しては、トランプ政権の関税政策による製造業の米国国内回帰で、製造ライン自動化需要や設備投資意欲の高まりが期待されます。これらへの対応として、現地営業担当者が2026年度は通期で営業活動が可能となったことから、今後、現地営業担当者の増員、教育研修によるスキル向上及び人材育成を図り、医療・食品関連機器分野を中心に既存顧客のニーズに応える提案及びフォロー体制の充実等による顧客とのパートナーシップ構築・強化に努めるとともに、併せて、新規顧客の獲得を積極的に進めてまいります。 ②国内販売戦略 ・医療・食品関連機器分野における取出ロボット・特注自動化装置の豊富な経験・実績を基に、既存顧客向けの他の製品へ、さらに新規顧客への水平展開を積極的に提案しております。医療・食品関連機器分野では、品質要求が厳しい中、当社技術力が高く評価されており、更なる市場拡大の余地があると見込んでおります。 ・既存顧客を中心に、更新需要の掘り起こしと同時に、顧客の製造ラインに沿った提案や製品の改善・改良を行い、一層の市場深耕を図っております。また、顧客のニーズにきめ細かに応え、新規顧客も含め、共同開発に繋げられる営業活動に注力しております。 ・今後人手不足が一層深刻化することが想定される製造・物流業界に向けて、省人化・無人化を実現する自動化装置の開発及び提案を進めます。 ・国内成形機メーカーや機械商社との協業体制を構築することで、新規顧客開拓に注力しております。 ・印刷メーカーと共同で梱包済みパッキンケースの印刷・段積みロボットのハンドリングを担当するなど、当社ロボットの特長である正確性・高剛性を活かして他業種に展開する取り組みを進めております。 ・パーツ・ユニットの電子版カタログを自社サイトに掲載することで、顧客の利便性向上を図っております。 ③設計効率化と製造能力強化 前年度に引き続き、新型取出ロボットとして機能向上を主眼とした開発を進めており、取出機から自動機までのパッケージ提案で競合他社との差別化を図る施策として、取出ロボットの後工程機器を標準化した製品を、順次医療・食品業界の市場に投入しております。併せて、製造、業務フローを改善し、リードタイムの短縮を含む製造能力の強化を図っております。 新型取出ロボットの開発については、IT技術を用いたロボット技術に着目しており、特にIoT技術に力を入れております。また、取出機の状態モニタリング、成形機IoTシステムやその他センサーとのデータ連携技術について、製品への搭載、及び収集データの分析によるロボットの性能向上や新たなサービスの開発を行っております。今後は、機械学習やAIなどを用いて更に発展させ、稼働状況の管理、ロボットの予知保全、スマートファクトリー化の提案など、お客様の生産性・付加価値の向上に努めてまいります。 これら施策を遂行することにより、当社グループの業績回復及び財務基盤の改善強化が可能であると見込んでおります。 (プラスグループの一員として) 当社グループは、プラスグループの一員として連携した事業遂行を行っており、営業、人事及び財務面においても密接な関係にあります。 当連結会計年度末現在、当社グループは、現金及び預金5億3千4百万円を保有しており、上記施策に基づく資金計画において、財務的な安定性については相当程度確保されていると考えております。仮に、想定外の要因によって施策の遂行が困難な状況になった場合や、計画した業績結果が得られなかった場合は、これらにより生起する新たな資金需要の可能性に備えて、親会社であるプラス株式会社に対しては緊急時における資金支援要請を行っており、同社からは相当額の資金支援を受けられる確約を得ております。 以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 株主の皆様におかれましては大変ご心配をおかけし深くお詫び申し上げますとともに、当社グループとしては、可及的速やかに業績回復及び企業価値の向上を達成し、早期の復配を目指してまいりますので、今後とも格別のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
経営成績の分析 (MD&A)5,465字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。 ① 財政状態及び経営成績 当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)におけるわが国経済は、円安を背景としたインバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善などにより景気は緩やかな回復の動きがみられました。一方、円安の進行や原材料・エネルギー価格の高騰、人手不足の深刻化によるコスト上昇に加え、米国の関税政策、地政学リスクなどによる海外景気の下振れ懸念など、依然として先行き不透明な状況が続きました。 当社グループは前年度に引き続き文具・ロボット機器両事業で抜本的な経営改革を目指しつつ、積極的な販売活動に取り組んでまいりましたが、当連結会計年度は、遺憾ながら売上高43億円(前期比8.1%減)、営業損失1億9千8百万円(前期営業損失2億7千万円)、経常損失1億8千9百万円(前期経常損失2億1千6百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億2千1百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失11億4千5百万円)となりました。 各事業セグメントの業績は次のとおりであります。 (文具事業) 国内市場においては、当社独自の特殊ペン先万年筆や万年筆・つけペン用インクのラインナップ拡充による積極的な拡販を推進しました。物価高騰による個人消費の鈍化が長期化している影響を受け、主力の定番金ペン万年筆の売上が伸び悩んだものの、高価格帯の限定製品が好調に推移しました。また、海外市場においては、中国では景気停滞、北米では関税の影響により中価格帯製品の売上が苦戦を強いられましたが、欧州は高価格帯製品が好調に推移し、前年度を上回る売上を確保したことにより、売上高33億3千5百万円(前期比1.6%減)と微減になりました。 利益につきましては、金地金を中心とした原材料価格の著しい高騰という厳しい環境下、製造部門の最適配置による労務費・経費の抑制など、徹底したコストダウン施策を実行いたしました。これらの施策に加え、高価格帯製品の販売注力が奏功した結果、セグメント利益5千7百万円(前期セグメント損失9千万円)となり、大幅な損益改善による黒字転換を実現いたしました。 (ロボット機器事業) 国内においては、中国の景気停滞や米国の関税政策などの影響により企業の設備計画に中止や先送りが多く発生し、非常に厳しい状況で推移しました。製品種類別では取出機・部品工事はほぼ前年度並みの実績でしたが、特注自動化装置の売上が大きく落ち込みました。海外においては、東南アジアが大きく伸長したものの、米国市場については準備手続で予想外に時間を要したことに伴い、現地営業担当者の活動期間が十分に確保できなかったことから、計画実行に大幅な遅れが生じました。そのため、予定した売上への貢献までには至らず、売上高9億6千4百万円(前期比25.2%減)となりました。 利益につきましては、引き続き原材料費・経費の圧縮に努めたものの、セグメント損失2億5千6百万円(前期セグメント損失1億7千9百万円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて4千5百万円減少し、5億3千4百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金は、3千4百万円の増加(前期は4億5百万円の減少)となりました。 主な増加要因としては、売上債権の減少額2億8千9百万円、棚卸資産の減少額1億3千5百万円等で、主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失1億9千8百万円、仕入債務の減少額1億3千万円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出6千8百万円等により、7千5百万円の減少(前期は6千8百万円の減少)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金は、短期借入金の純増加額1億円、リース債務の返済による支出1千2百万円、長期借入金の返済による支出1億円等により、1千2百万円の減少(前期は3億8千7百万円の増加)となりました。 (2) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)   前年同期比(%) 文具事業(千円)   2,936,152   89.9 ロボット機器事業(千円)   881,805   73.4 合計(千円)   3,817,957   85.5 (注)金額は販売価格によっております。 ② 商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)   前年同期比(%) 文具事業(千円)   180,888   96.8 ロボット機器事業(千円)   4,273   57.8 合計(千円)   185,162   95.3 ③ 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) ロボット機器事業   1,042,214   102.3%   352,531   128.2 (注)1.金額は販売価格によっております。 2.文具事業においては、見込生産を行っております。 ④ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)   前年同期比(%) 文具事業(千円)   3,335,960   98.4 ロボット機器事業(千円)   964,650   74.8 合計(千円)   4,300,610   91.9 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 以下に記載の内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産・負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。 見積りについては過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の財政状態の分析 (資産) 資産合計は、前連結会計年度末に比べて4億3千5百万円減少し、43億2千8百万円となりました。このうち、流動資産は、現金及び預金の減少4千5百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少2億8千2百万円、商品及び製品の減少6千7百万円、仕掛品の増加7千1百万円、原材料及び貯蔵品の減少1億3千2百万円等により、前連結会計年度末から4億7千1百万円減少して34億1千4百万円となりました。固定資産につきましては、機械装置及び運搬具(純額)の増加4千4百万円等で、前連結会計年度末から3千6百万円増加して9億1千3百万円となりました。 (負債) 負債合計は、前連結会計年度末に比べて2億2千2百万円減少し、32億7千6百万円となりました。このうち、流動負債は、支払手形及び買掛金の減少1億3千8百万円、短期借入金の増加1億円等により、前連結会計年度末より6千5百万円減少し、23億8千1百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少1億円、退職給付に係る負債の減少5千万円等により、前連結会計年度末より1億5千7百万円減少し、8億9千4百万円となりました。 (純資産) 純資産は、前連結会計年度末から2億1千2百万円減少して、10億5千2百万円となりました。 ③ 当連結会計年度の経営成績の分析 (グループの経営成績に重要な影響を与える要因) 当社グループの経営に影響を与える要因としては、文具業界の市場動向及び万年筆を始めとする主力製品の原材料価格と供給体制、ロボット機器事業に影響を及ぼす国内外の設備投資動向、半導体や電気部品等原材料の価格動向、海外市場における為替動向等が挙げられます。 これらの要因を踏まえ当連結会計年度における経営成績の分析は以下の通りであります。 a.売上高 当社グループの売上高は43億円(前期比8.1%減)となりました。このうち、文具事業の売上高は33億3千5百万円(前期比1.6%減)、ロボット機器事業の売上高は9億6千4百万円(前期比25.2%減)となりました。 文具事業につきましては、国内市場においては、当社独自の特殊ペン先(スペシャルニブ)万年筆や万年筆・つけペン用インクのラインナップ拡充による積極的な拡販を推進しました。物価高騰による個人消費の鈍化が長期化している影響を受け、主力の定番金ペン万年筆の売上が伸び悩んだものの、高価格帯の限定製品が好調に推移しました。また、海外市場においては、中国では景気停滞、北米では関税の影響により中価格帯製品の売上が苦戦を強いられましたが、欧州は高価格帯製品が好調に推移し、前年度を上回る売上を確保しました。その結果、売上高は微減の結果となりました。 ロボット機器事業につきましては、国内においては、中国の景気停滞や米国の関税政策などの影響により企業の設備計画に中止や先送りが多く発生し、非常に厳しい状況で推移しました。製品種類別では取出機・部品工事はほぼ前年度並みの実績でしたが、特注自動化装置の売上が大きく落ち込みました。海外においては、東南アジアが大きく伸長したものの、米国市場については準備手続で予想外に時間を要したことに伴い、現地営業担当者の活動期間が十分に確保できなかったことから、計画実行に大幅な遅れが生じました。その結果、予定した売上への貢献までには至らず、売上高は前年を大きく下回る実績となりました。 b.営業損益 当社グループの営業損益は、1億9千8百万円の営業損失(前期営業損失2億7千万円)となりました。そのうち、文具事業におきましては、セグメント利益5千7百万円(前期セグメント損失9千万円)となりました。ロボット機器事業におきましては、セグメント損失2億5千6百万円(前期セグメント損失1億7千9百万円)となりました。 文具事業におきましては、金地金を中心とした原材料価格の著しい高騰という厳しい環境下、製造部門の最適配置による労務費・経費の抑制など、徹底したコストダウン施策を実行いたしました。これらの施策に加え、高価格帯製品の販売注力が奏功した結果、大幅な損益改善による黒字転換を実現いたしました。ロボット機器事業につきましても引き続き原材料費・経費の圧縮に努めたものの、営業損失を計上する結果となりました。 c.経常損益 支払利息の計上2千9百万円などにより、経常損失1億8千9百万円(前期経常損失2億1千6百万円)となりました。 d.親会社株主に帰属する当期純損益 減損損失の計上8百万円により、親会社株主に帰属する当期純損失2億2千1百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失11億4千5百万円)となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、運転資金としては原材料及び商品仕入、製造費及び販売費・一般管理費等の営業費用、設備投資資金としては中長期的な成長に必要な設備投資であります。 運転資金及び設備投資資金については、内部資金、銀行等金融機関及び親会社からの借入によっております。 なお、当連結会計年度末における借入金残高は18億7千4百万円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5億3千4百万円となっております。 ⑥ 経営上の達成状況について 当社グループは、2025年実績と最近の経済状況を踏まえ、よりリスク耐性が高く、収益性を高める経営が求められていると考えております。なお、今後の中期経営計画については現在精査中であります。

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開示資料

出典

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