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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

住友不動産

Sumitomo Realty & Development Co.,Ltd.8830 · Prime · 不動産業

オフィスビル賃貸を中核とし、マンション販売・建替え・仲介・フィットネスまで手掛ける住友グループの総合不動産デベロッパー。

概要

住友不動産は、住友グループの中核を担う総合不動産会社である。1949年の財閥解体に伴い泉不動産として設立され、1957年に現社名に変更。東京都心の高品質オフィスビル賃貸を中核事業とし、分譲マンション・戸建住宅の販売、建替えサービス「新築そっくりさん」、不動産仲介、ホテル運営などを展開する。2026年3月期の連結売上高は1兆577億円、営業利益は2992億円で、13期連続の当期純利益最高益を達成。従業員数は連結で約1万4116人、財務基盤の強固さと高い営業利益率が特徴である。

収益の7割を占める不動産賃貸事業

連結営業利益の約7割を占める不動産賃貸事業は、オフィスビル、高級賃貸マンション、ホテル、商業施設等の賃貸から成る。2026年3月期の売上高は4606億円、営業利益は2101億円と過去最高を更新した。既存ビルの空室率は前期末5.8%から4.3%へ改善し、賃料の値上げが浸透した。同事業を支えるのは、東京都心5区に集中するオフィスビル群である。子会社住友不動産ヴィラフォンテーヌがホテルを、住友不動産ベルサールがイベントホールを、住友不動産商業マネジメントが商業施設をそれぞれ運営する。これら賃貸事業は景気変動の影響を受けにくく、安定したキャッシュフローを生む。

都心特化の「土地を創る力」

住友不動産の最大の強みは、細分化された土地を買い纏め、再開発により大規模用地を創り出す「土地を創る力」である。この力を活かし、同社は1970年代から半世紀にわたり東京都心の一等地にオフィスビルを開発してきた。代表的なビルとして、1974年竣工の新宿住友ビル、1982年の新宿NSビル、2002年の泉ガーデンタワー、2016年の六本木グランドタワー、2023年の東京三田ガーデンタワーなどが挙げられる。これらのプライム資産は「金の卵を産む鶏」と表現され、長期にわたり高収益を生み出す。自社で開発・保有・賃貸する一貫体制により、他社に模倣されにくい競争基盤を築いている。東京は世界最大のオフィス市場であり、同社はその恩恵を最大限に享受する戦略を取る。

グループ子会社が担う多角事業

不動産賃貸以外の事業は各子会社が専門に担う。不動産販売では、当社がマンション・戸建を開発分譲し、住友不動産シスコンがインテリア販売、住友不動産建物サービスが管理業務を行う。ハウジング事業は2025年4月に分社化した住友不動産ハウジングが「新築そっくりさん」と注文住宅を手掛ける。仲介事業は住友不動産ステップ(旧住友不動産販売)が売買仲介・賃貸仲介を提供し、2021年には「ステップオークション」を開始した。その他、住友不動産エスフォルタがフィットネスクラブ、泉レストランが飲食、いずみ保険サービスが保険代理店、泉カントリー倶楽部がゴルフ場を運営する。このように、住友不動産グループは不動産に関連する多様な事業を子会社化し、総合的なサービスを提供している。

インド・ムンバイを第2の成長エンジンに

国内の都心開発に加え、住友不動産は2019年からインド・ムンバイへの進出を本格化した。新都心BKC(バンドラ・クルラ・コンプレックス)地区で第1号物件用地を取得後、2022年に第2号、2025年に第3・4号と用地を拡大。2023年にはワーリー地区で延床面積100万平方メートル超の大規模複合開発用地も取得した。インドを「第2の成長エンジン」と位置づけ、長期的な収益拡大を図る。国内では2023年に羽田空港直結の複合施設「羽田エアポートガーデン」を全面開業。また、2020年には新宿住友ビルのリニューアルを完了し、全天候型イベント空間「三角広場」を設けた。これらのプロジェクトは将来の賃貸収益に寄与する。

業界の中での役割は総合不動産デベロッパー(賃貸・販売・仲介・運営)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.1兆円
営業利益
2,992億円
営業利益率
28.3%
純利益
2,125億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
不動産 賃貸4,581億円43.3%2,102億円45.9%
不動産 販売3,232億円30.6%762億円23.6%
ハウジング1,887億円17.8%134億円7.1%
ステップ746億円7.1%236億円31.6%
その他132億円1.2%55億円41.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01不動産賃貸(オフィスビル・賃貸マンション・ホテル・商業施設等)主力

主にオフィスビルならびに高級賃貸マンション等の開発・賃貸事業。子会社住友不動産ヴィラフォンテーヌがホテル運営、住友不動産ベルサールがイベントホール・会議室等賃貸運営、住友不動産商業マネジメントが商業施設等賃貸運営を行う。

主な製品・サービス5
オフィスビル賃貸
当社が開発・賃貸するオフィスビル。
高級賃貸マンション
当社が開発・賃貸する高級賃貸マンション。
ホテル運営
子会社住友不動産ヴィラフォンテーヌが運営するホテル。
イベントホール・会議室賃貸
子会社住友不動産ベルサールが運営するイベントホール・会議室等の賃貸。
商業施設賃貸
子会社住友不動産商業マネジメントが運営する商業施設等の賃貸。

02不動産販売(マンション・戸建住宅・宅地分譲)準主力

マンション、戸建住宅、宅地等の開発分譲事業。子会社住友不動産シスコンがインテリア販売、当社及び住友不動産建物サービスが分譲後のマンション管理業務を行う。

主な製品・サービス4
分譲マンション
当社が開発・販売するマンション。
戸建住宅・宅地
当社が開発・販売する戸建住宅・宅地。
インテリア販売
子会社住友不動産シスコンがインテリアの販売を実施。
マンション管理サービス
当社及び子会社住友不動産建物サービスがマンション分譲後の管理業務を実施。

03ハウジング(建替え・新築工事請負)副次

子会社住友不動産ハウジングが建替えの新システム「新築そっくりさん」事業ならびに新築戸建住宅等の建築工事請負事業を行う。

主な製品・サービス2
新築そっくりさん(建替えサービス)
子会社住友不動産ハウジングが提供する建替えの新システム。
新築戸建住宅建築工事請負
子会社住友不動産ハウジングが請け負う新築戸建住宅の建築工事。

04ステップ(不動産仲介・販売代理・賃貸仲介)副次

子会社住友不動産ステップが不動産売買の仲介事業、住宅等の販売代理および賃貸仲介事業を行う。

主な製品・サービス1
不動産仲介サービス
子会社住友不動産ステップが提供する不動産売買仲介、販売代理、賃貸仲介。

05その他(フィットネス・飲食・保険代理店・ゴルフ場運営)その他

子会社住友不動産エスフォルタがフィットネスクラブ運営、泉レストランが飲食業、いずみ保険サービスが保険代理店業、泉カントリー倶楽部がゴルフ場運営を行う。

主な製品・サービス4
フィットネスクラブ運営
子会社住友不動産エスフォルタが運営。
飲食業
子会社泉レストランが運営。
保険代理店業
子会社いずみ保険サービスが運営。
ゴルフ場運営
子会社泉カントリー倶楽部が運営。

製品と技術

都心のプライムオフィスビル群

住友不動産のオフィスビル賃貸は、東京都心5区に集中したプライム物件が中核である。代表例として、新宿住友ビル(1974年竣工)、新宿NSビル(1982年)、泉ガーデンタワー(2002年)、六本木グランドタワー(2016年)、東京三田ガーデンタワー(2023年)などがある。同社は「オフィスデパート戦略」と称し、テナントの多様なニーズに応える複合的なビルを提供する。自社で開発・保有し、長期にわたり賃貸することで安定収益を得る。2026年3月期の同事業営業利益は2101億円で、全体の7割を占める。空室率は4.3%と低く、テナント需要は旺盛で、新規ビルの内定率は9割を超える。

分譲マンション「シティタワー」シリーズ

分譲マンション事業では、「シティタワー」シリーズを筆頭に都心高層マンションを供給する。2003年発売の定価制「J・URBAN」シリーズや「WORLD CITY TOWERS」などが代表例。2014年から2019年まで6年連続で年間供給戸数日本一を達成した。2026年3月期の計上戸数は3,368戸、売上高は2760億円。販売価格の上昇により営業利益は過去最高の762億円となった。契約戸数は2,398戸で順調に推移し、期首時点で次期計上予定の大半を確保している。マンション分譲は不動産販売事業の9割を占め、同事業の主力である。

建替えサービス「新築そっくりさん」

1996年に開始した「新築そっくりさん」は、既存住宅を建替える新システムである。住みながらの工事が可能で、累計受注棟数は2015年に10万棟、2021年に15万棟を突破した。2025年4月の分社化により、住友不動産ハウジングが同事業を承継した。2026年3月期の受注棟数は6,559棟、受注高は1048億円。注文住宅も手掛け、合計受注棟数8,345棟、受注高1880億円。建築基準法改正の影響で上期に受注が減少したが、第4四半期には前年同期を上回り、期末受注残高はコロナ禍以降最高となった。

高級賃貸マンション「ラ・トゥール」とホテル運営

高級賃貸マンション「ラ・トゥール」シリーズは、都心一等地に立地し、富裕層向けの高品質な住居を提供する。2026年3月期の賃貸事業では、これらの単価増が収益向上に寄与した。ホテル事業は子会社住友不動産ヴィラフォンテーヌ(1978年設立)が運営し、全国に展開。イベントホールは住友不動産ベルサール(2008年設立)が運営し、ビジネス需要を取り込む。商業施設は住友不動産商業マネジメント(2017年設立)が運営する。これらの事業はオフィスビル賃貸を補完し、安定収益の多様化に貢献している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

不動産業のなかでの位置

都市部マンション中心、総合デベロッパー

住友不動産は総合不動産業者で、オフィス・住宅・商業施設を展開。同業の大東建託は賃貸住宅建設に強みを持つが、住友不動産は都心の高級マンションやオフィスビルで存在感を示す。売上高は1兆円を超え、営業利益率は26%超と高収益。リーマンショック後も堅調な業績を維持してきた。都心の再開発や駅前開発で競争力があり、ポートフォリオの多様性が強み。今後の課題は、低金利環境の変化や都心部の地価高騰への対応。

強み

  • オフィス、住宅を都心に集中開発し、高い需要を獲得。
  • 営業利益率が業界トップクラスで、安定した利益を確保。
  • オフィス賃貸、分譲住宅、商業施設など収益源が多様。

課題

  • 都心部の地価上昇が開発コストを押し上げる。
  • 借入金利の上昇が利益を圧迫する可能性がある。
  • 景気変動による不動産需要の変化に柔軟に対応が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

住宅・不動産の時価総額近傍。太字が住友不動産

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
18801三井不動産4.2兆円15.0倍
29020東日本旅客鉄道4.0兆円16.2倍
39022東海旅客鉄道3.9兆円6.9倍
48267イオン3.8兆円50.7倍
51925大和ハウス工業3.1兆円8.4倍
68830住友不動産3.1兆円14.5倍
71928積水ハウス2.3兆円8.6倍
83407旭化成2.3兆円14.1倍
99021西日本旅客鉄道1.4兆円10.8倍
103003ヒューリック1.4兆円11.3倍
113099三越伊勢丹ホールディングス1.2兆円15.5倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(住宅・不動産)に従っています。

会社の歴史

沿革 46件

1949年設立から住友グループ再編へ

1949年12月、財閥解体により清算される住友本社の資産を継承する会社として、泉不動産株式会社が設立された。当初は不動産管理が主業務であった。1957年5月、住友不動産株式会社に商号変更。1963年4月には清算中の株式会社住友本社を吸収合併し、住友グループの中核不動産会社としての地位を確立した。この間、1964年には大阪支店を開設し、関西にも拠点を置いた。同年8月には「浜芦屋マンション」の分譲を開始し、マンション分譲事業に進出した。これらは現在の事業多角化の原点となった。

1970年上場と都心ビル開発の幕開け

1970年10月、東京・大阪両証券取引所に株式を上場。1974年3月には「新宿住友ビル」が竣工し、同年6月に本社を千代田区の東京住友ビルから新宿住友ビルに移転。このビルは都心のランドマークとなり、以降のオフィスビル開発の先駆けとなった。1975年には住友不動産販売株式会社を設立し、販売網を整備。1978年には琵琶湖リゾートクラブ(現ヴィラフォンテーヌ)を設立し、ホテル事業に進出した。1980年には住友不動産シスコンを設立し、インテリア販売も開始。上場後の10年間で事業基盤を拡充した。

1980年代の多角化:マンション・ホテル・フィットネス

1982年9月、「新宿NSビル」が竣工。同年10月に本社を新宿NSビルに移転。11月には「広尾ガーデンヒルズ」の分譲を開始し、大型マンション共同事業に参入。1986年には住友不動産フィットネス(現エスフォルタ)を設立し、フィットネスクラブ運営を開始した。こうしてオフィス賃貸以外の事業を相次いで立ち上げ、収益の多角化を進めた。1972年設立の住友不動産カリフォルニアなど海外子会社も存在したが、後のインド進出に比べ限定的な活動にとどまった。

1990年代の証券化と建替え事業の革新

1995年10月、規格住宅「アメリカンコンフォート」事業を開始。1996年4月には建替えの新システム「新築そっくりさん」事業を開始し、既存住宅市場に新たな需要を創出した。1998年、子会社住友不動産販売を株式上場。1999年3月には不動産小口化ファンド「SURFシリーズ」を発売、同年6月には商業用不動産で国内初の公募証券化を実施した(サムクエスト社債)。これらの証券化手法の開発は資金調達手段の多様化に貢献した。SURFシリーズは2019年10月に事業終了している。

2000年代の再開発とマンション供給日本一

2002年10月、「泉ガーデンタワー」竣工。2003年4月、定価制都市型住宅「J・URBAN」シリーズ発売。2004年5月、「WORLD CITY TOWERS」分譲開始。これらは都心再開発の成功例である。2008年4月、住友不動産ベルサール設立。2011年10月には総合マンションギャラリーを新規開設(秋葉原・新宿など5か所、現在12か所)。2014年12月、分譲マンションで初の年間供給戸数日本一を達成。以後2019年まで6年連続で日本一となった。2015年4月「東京日本橋タワー」、2016年10月「六本木グランドタワー」が竣工。2017年2月、住友不動産商業マネジメント設立。同年6月、住友不動産販売を完全子会社化し上場廃止とした。

2019年以降のインド進出と大型プロジェクト

2019年1月、インド事業会社Goisu Realty Pvt. Ltd.を設立。同年7月、ムンバイ新都心BKC地区で第1号物件用地を取得。2021年9月、住友不動産販売(現ステップ)が不動産仲介新サービス「ステップオークション」開始。2022年11月、BKC地区第2号用地取得。2023年1月、羽田空港直結複合施設「羽田エアポートガーデン」全面開業。同年2月「東京三田ガーデンタワー」竣工。10月にはムンバイ・ワーリー地区で延床100万㎡超の大規模複合開発用地を取得。2025年4月、「新築そっくりさん」と注文住宅事業を住友不動産ハウジングに分社化、住友不動産販売を住友不動産ステップに商号変更。5月にはBKC地区第3・4号用地を取得し、インド事業が本格化している。

年表46件を開く

1940年代

  • 1949年12月創業財閥解体により株式会社住友本社を継承する会社として設立(当時は泉不動産株式会社と称する)

1950年代

  • 1957年5月商号変更住友不動産株式会社に商号変更

1960年代

  • 1963年4月M&A清算中の株式会社住友本社を吸収合併
  • 1964年4月大阪支店を開設
  • 1964年8月「浜芦屋マンション」(兵庫県神戸市)分譲(マンション分譲事業に進出)

1970年代

  • 1970年10月上場東京・大阪証券取引所に株式上場
  • 1972年5月住友不動産カリフォルニア(連結子会社)設立
  • 1973年7月住友不動産建物サービス株式会社(連結子会社)設立
  • 1974年3月「新宿住友ビル」(東京都新宿区)竣工
  • 1974年6月本社を東京住友ビル(東京都千代田区)から新宿住友ビルに移転
  • 1975年3月住友不動産販売株式会社(連結子会社)設立
  • 1978年2月株式会社琵琶湖リゾートクラブ(現:住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社)(連結子会社)設立

1980年代

  • 1980年8月住友不動産シスコン株式会社(連結子会社)設立
  • 1982年9月「新宿NSビル」(東京都新宿区)竣工
  • 1982年10月本社を新宿住友ビルから新宿NSビルに移転
  • 1982年11月「広尾ガーデンヒルズ」(東京都渋谷区)分譲開始(共同事業)
  • 1986年9月住友不動産フィットネス株式会社(現:住友不動産エスフォルタ株式会社)(連結子会社)設立

1990年代

  • 1995年10月規格住宅「アメリカンコンフォート」事業を開始
  • 1996年4月新建替えシステム「新築そっくりさん」事業を開始
  • 1998年6月上場住友不動産販売株式会社(連結子会社)が東京証券取引所に株式上場
  • 1999年3月不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化ファンド「SURFシリーズ」発売 ※2019年10月事業終了
  • 1999年6月商業用不動産で国内初の公募証券化実施(サムクエスト社債)

2000年代

  • 2002年10月「泉ガーデンタワー」(東京都港区)竣工
  • 2003年4月定価制都市型住宅「J・URBAN」シリーズ発売開始
  • 2004年5月「WORLD CITY TOWERS」(東京都港区)分譲開始
  • 2008年4月住友不動産ベルサール株式会社(連結子会社)設立

2010年代

  • 2011年10月「総合マンションギャラリー」新規開設(秋葉原・新宿・渋谷・池袋・田町) ※現在12か所
  • 2014年12月分譲マンションで初の年間供給戸数日本一達成(2014年~2019年まで6年連続)
  • 2015年4月「東京日本橋タワー」(東京都中央区)竣工
  • 2015年9月「新築そっくりさん」事業の累計受注棟数10万棟突破
  • 2016年10月「住友不動産六本木グランドタワー」(東京都港区)竣工
  • 2017年2月商号変更住友不動産商業マネジメント株式会社(連結子会社)(2020年1月商号変更)設立
  • 2017年6月上場住友不動産販売株式会社上場廃止(完全子会社化)
  • 2019年1月創業インド事業会社 Goisu Realty Pvt. Ltd.設立
  • 2019年7月インド・ムンバイ 新都心「BKC地区」で第1号物件用地取得

2020年代

  • 2020年6月「新宿住友ビル」(東京都新宿区)リニューアル・全天候型イベント空間「三角広場」完成
  • 2021年6月「新築そっくりさん」事業25周年(4月)、累計受注棟数15万棟突破
  • 2021年9月住友不動産販売株式会社の不動産仲介新サービス「ステップオークション」を開始
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行
  • 2022年11月インド・ムンバイ 新都心「BKC地区」で第2号物件用地取得
  • 2023年1月羽田空港直結複合施設「羽田エアポートガーデン」(東京都大田区)全面開業
  • 2023年2月「住友不動産東京三田ガーデンタワー」(東京都港区)竣工
  • 2023年10月インド・ムンバイ中心部「ワーリー地区」で延床100万㎡超の大規模複合開発用地取得
  • 2025年4月「新築そっくりさん」、「注文住宅」事業を会社分割(吸収分割)により、住友不動産ハウジング株式会社(新規設立)に承継・分社化(新規設立連結子会社)
  • 2025年4月商号変更住友不動産販売株式会社を住友不動産ステップ株式会社に商号変更
  • 2025年5月インド・ムンバイ 新都心「BKC地区」で第3号、第4号物件用地取得

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    プライム資産の積み上げによる強固な事業基盤構築

    東京都心のオフィスビルを中心としたプライム資産を開発・保有し、長期的に安定した賃貸収益を獲得する。資産売却による一時的な利益ではなく、保有し続けることで持続的なキャッシュフローを生み出す戦略。

  2. 02

    積極的な成長投資:東京都心再開発

    東京都心で六本木、八重洲など大規模再開発を推進。約60万坪の延床に2.6兆円超を投じ、高利回りの賃貸事業を拡充する。自社開発力を活かし、他社には真似できない高いNOI利回り(7%超)を実現。

  3. 03

    第2の成長エンジン:インド・ムンバイでのオフィスビル事業

    東京と同様の事業モデルをインド・ムンバイで展開。単独出資で用地取得から開発・リーシング・管理まで一貫して行い、高成長市場での事業拡大を図る。投資総額1兆円、延床約50万坪の開発プロジェクトを進行。

  4. 04

    オフィスデパート戦略による多様なテナントニーズへの対応

    東京都心各エリアに展開する多様な規模・立地のオフィスビルポートフォリオにより、大企業からベンチャーまで幅広いテナントを誘致。安定した収益基盤を構築する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で14,116人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は824万円で、9期前と比べて+24.6%平均年齢は42.6歳、平均勤続年数は10.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月12,574
2018年3月12,934
2019年3月66243.17.513,238
2020年3月67943.17.613,676
2021年3月66943.28.013,530
2022年3月66743.28.413,040
2023年3月71342.98.412,957
2024年3月73142.88.612,898
2025年3月74942.68.813,8441,961
2026年3月82442.610.314,1162,120

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率13.7%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)51.0%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社10(国内 9 / 海外 1、うち連結子会社 10) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
住友不動産東京三田 ガーデンタワー* — 東京都 港区2,160億円
住友不動産六本木グランドタワー* — 東京都 港区1,891億円
新宿住友ビル — 東京都 新宿区1,603億円
東京日本橋タワー* — 東京都 中央区1,303億円
泉ガーデンタワー* — 東京都 港区1,130億円
住友不動産大崎 ガーデンタワー* — 東京都 品川区1,098億円
住友不動産新宿 グランドタワー* — 東京都 新宿区997億円
有明ガーデン — 東京都 江東区885億円
住友不動産芝公園 ファーストビル — 東京都 港区838億円
住友不動産虎ノ門 タワー — 東京都 港区805億円
ほか111件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    住友不動産ハウジング㈱(注2)
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産ステップ㈱(注3)
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産建物サービス㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産シスコン㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産 ヴィラフォンテーヌ㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産ベルサール㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産商業マネジメント㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    住友不動産エスフォルタ㈱
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    住友不動産 カリフォルニアインク(注4)
    California U.S.A. · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エスエフ目黒開発特定目的 会社(注4)
    東京都新宿区 · 連結子会社
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    防災・省エネまちづくり緊急促進事業
    国土交通省 · 2019-04-26
    31.6億円
  • 補助金
    災害時拠点強靱化緊急促進事業
    国土交通省 · 2019-06-12
    3.1億円
  • 補助金
    防災・省エネまちづくり緊急促進事業
    国土交通省 · 2018-07-11
    5,110万円
  • 補助金
    防災・省エネまちづくり緊急促進事業
    国土交通省 · 2018-09-04
    4,564万円
  • 補助金
    国際競争力強化促進事業
    国土交通省 · 2020-03-27
    1,729万円
  • 補助金
    官民連携都市再生推進事業
    国土交通省 · 2020-07-20
    486万円
  • 補助金
    国際競争力強化促進事業
    国土交通省 · 2020-03-27
    243万円
  • 補助金
    防災・省エネまちづくり緊急促進事業
    国土交通省 · 2020-02-10
    -2,553万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.1兆円営業利益2,992億円前期と比べると増収増益で、売上が+4.3%、利益が+10.2%。

売上高
+4.3%
1.1兆円
営業利益
+10.2%
2,992億円
純利益
+10.9%
2,125億円
営業利益率
28.3%
前期比 +1.5%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.1兆円1.1兆円
営業利益3,200億円2,992億円
純利益2,230億円2,125億円
1株あたり配当¥52¥52

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は2,810億円、営業利益は1,028億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+11.0%、営業利益は+31.5%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2,410263
2024年1Q2,53178230.9569
2024年2Q2,52171628.4490
2024年3Q2,21354224.5397
2024年4Q2,412316
2025年2Q5,3961,55928.91,095
2025年4Q4,7461,15624.4822
2026年2Q5,3221,67531.51,183
2026年4Q5,2561,31725.1942
2027年1Q2,8101,02836.6852

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は7,367億円から1.1兆円へ1.4倍に増えた。直近期の営業利益率は28.3%。売上は5期、純利益は13期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.741,149598
2014年3月0.781,305697
2015年3月0.811,391806
2016年3月0.851,484878
住友不動産販売株式会社上場廃止(完全子会社化)
2017年3月0.931,6771,035
2018年3月0.951,8691,197
インド事業会社 Goisu Realty Pvt. Ltd.設立
2019年3月1.012,0321,301
2020年3月1.012,2051,410
2021年3月0.922,0991,414
2022年3月0.942,2511,505
2023年3月0.942,3671,619
2024年3月0.972,5311,772
住友不動産販売株式会社を住友不動産ステップ株式会社に商号変更
2025年3月1.012,7152,68326.81,917
2026年3月1.062,9922,89228.32,125

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.1兆円のうち、営業利益として残るのは2,992億円28.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2,125億円、売上の20.1%にあたる。営業利益率は業種中央値9.6%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金63.7%6,737億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金8.0%849億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益28.3%2,992億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
36.3%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+18.7pt
28.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+13.9pt
20.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比3.7pt
9.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.9%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,273億円、投資CFが−1,544億円で、差し引きのフリーCFは−271億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は583億円で、売上の0.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月336−5251,028−1892,247
2014年3月1,170−2,954975−1,7841,462
2015年3月351−2,2091,878−1,8581,503
2016年3月961−1,054450−931,860
2017年3月1,585−2,7421,980−1,1572,679
2018年3月1,899−2,205265−3062,620
2019年3月2,601−2,092−1,4615091,707
2020年3月2,305−2,901826−5961,934
2021年3月2,259−3,3671,021−1,1081,873
2022年3月1,930−2,100−219−1701,503
2023年3月1,651−4,8983,556−3,2471,841
2024年3月2,320−3,107−37−7871,031
2025年3月2,532−1,436−1,1681,096982
2026年3月1,273−1,544−128−271583

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は7.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が2.5兆円で、自己資本比率は34.4%(業種中央値32.8%より厚い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月4.110.653.4615.3
2014年3月4.220.733.4916.8
2015年3月4.520.863.6618.4
2016年3月4.680.923.7619.0
2017年3月4.981.043.9420.2
2018年3月5.171.114.0521.6
2019年3月5.131.203.9323.4
2020年3月5.321.294.0224.4
2021年3月5.671.504.1726.5
2022年3月5.811.634.1728.1
2023年3月6.371.804.5728.3
2024年3月6.682.054.6330.7
2025年3月6.722.174.5532.3
2026年3月7.192.474.7134.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
592億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1.8兆円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
11億円
在庫として抱えている分
負債合計
4.7兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
83
/ 100
安定性自己資本比率23 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

不動産業 131社との比較

同じ不動産業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率131社中5位あたり、逆に低いのは配当利回り131社中115位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
9.2%/中央値 12.9%
P25 7.7%P75 19.5%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
28.3%/中央値 9.6%
P25 5.6%P75 15.6%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
34.4%/中央値 32.8%
P25 26.6%P75 48.5%
売上成長率前期からの売上の伸び
4.3%/中央値 11.4%
P25 3.3%P75 23.1%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.6%/中央値 3.5%
P25 2.5%P75 4.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,300で、1年前と比べて+8.4%過去52週の値幅のなかでは11%の位置にある。

¥3,300-2.7%1ヶ月-5.3%1年+8.4%時価総額3.1兆円
過去52週の値幅
安値¥3,035.5高値¥5,358

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)14.5倍
PER (会社予想)13.8倍
PBR1.19倍
配当利回り1.58%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月27日から下落を続け、8月21日には3339円となり、52週高値5358円からは約38%下落しました。1か月で約9.6%下落し、年初来の上昇率は+6.8%にとどまっています。25日移動平均線(3560円)を約6%下回り、75日線(3734円)も下回っており、下降トレンドが継続しています。RSIは28.8と売られ過ぎの水準に近く、短期的な反発の可能性もありますが、出来高は減少しておらず、売り圧力は続いています。200日線(4073円)も大きく下回り、中期的な調整局面と言えます。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 60/100)

PERは14.62倍で業界平均14.72倍とほぼ同水準、PBRは1.20倍と業界平均1.84倍を下回り割安感がある。一方、配当利回りは1.56%と業界平均3.01%を大きく下回り、利回り面では劣る。ROEは9.2%とまずまずで、2026年3月期の予想PER13.9倍を考慮すると、相対的な割高感は薄いが、配当の少なさがバリュエーションを押し下げている。

指標この会社業種平均
PER (実績)14.5倍14.9倍
PER (予想)13.8倍
PBR1.19倍1.84倍
ROE9.2%11.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

不動産市況は金利上昇と景気減速懸念が交錯。強気派は、都心オフィスの需給逼迫と賃料上昇、高水準の営業利益率、増益見通しを評価。一方、弱気派は、金利上昇による評価損や利払い負担増、テレワーク定着によるオフィス需要減、住宅市況の悪化リスクを指摘。金利環境と需給バランスの変化が論点。

プラスに働く材料7
  • 安定した賃貸収入

    都心オフィスの稼働率が高く賃料が堅調

  • 高い収益性

    営業利益率が約28%と業界トップ級

  • 業績の成長

    売上・利益が3期連続で増加見込み

  • 2026/3期の営業利益2,992億円と過去最高計画決算発表後影響

    前期比277億円増益、売上高1兆578億円も拡大

  • オフィス賃貸が稼働率高位で利益率が上昇継続影響

    営業利益率は26.77%から28.29%へ1.5ポイント改善

  • 純利益2,125億円の会社計画は前期比208億円増決算発表後影響

    純利益2,125億円は前期1,917億円から増加し、2年連続の増益

  • 都心の大型再開発の開業で収益が拡大2027年〜2028年影響

    売上高1兆578億円に加え、新規物件の賃料収入が上乗せ

マイナスに働く材料7
  • 金利上昇リスク

    変動金利負債が増え、利払いが圧迫

  • オフィス需要の減退

    テレワーク定着で空室率が上昇

  • 住宅販売の低迷

    分譲事業が市況悪化で低調

  • 長期金利上昇で不動産投資需要が減退金融政策次第影響

    営業利益計画2,992億円は、金利急騰で売却益計画が崩れるリスク

  • オフィス空室率の上昇で賃料が低迷継続影響

    新築オフィス増加で既存物件の稼働率が下がり、営業利益率28.29%の維持が困難

  • 海外投資で為替差損が発生不定影響

    円高が進むと海外資産の円換算価値が下がり、純利益2,125億円計画が下振れ

  • 住宅分譲の販売減が収益を圧迫継続影響

    マンション市況の減速で分譲事業が低調なら、純利益2,125億円計画が下振れ

次の決算で確かめる点
オフィス稼働率
都心賃貸の根幹を直接測る
賃貸事業営業利益
安定収益の軸が毀損していないか確認
分譲事業の売上
開発利益への寄与と市況を反映
有利子負債金利
金利環境の影響を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり52で、前期から+25.7%いまの株価に対する利回りは1.58%。増配か配当維持が9年続いている。

年間配当
¥52
1株あたり
配当利回り
1.58%
いまの株価に対して
配当性向
23.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
9年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1212.5
2018年3月1412.511.6
2019年3月1511.111.8
2020年3月1816.711.3
2021年3月198.613.5
2022年3月2318.417.4
2023年3月2615.617.5
2024年3月3015.419.3
2025年3月3516.716.9
2026年3月4425.723.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥52

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ14,461人。区分でいちばん多いのは外国法人34.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が60.5%を占め、残る39.5%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人21.019.522.127.129.034.2
事業法人36.337.837.836.234.230.7
金融機関38.237.934.732.031.929.8
個人・その他3.23.23.73.23.83.6
証券会社1.41.61.71.41.11.7
自己株式0.50.50.50.51.10.9
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.01
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.49
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部)1.93
04株式会社三井住友銀行1.79
05ダイキン工業株式会社1.53
06株式会社竹中工務店1.52
07株式会社住友倉庫1.31
08大成建設株式会社1.28
09西武鉄道株式会社1.24
10株式会社大林組1.19

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-06-19
    三井住友信託銀行株式会社
    新規の大量保有報告
    0.62%
    -0.13pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+81%、1株純資産は14期で+102%。直近期のROEは9.2%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1261,32310.128.518.1
2014年3月1471,49310.427.516.3
2015年3月1701,75610.525.413.2
2016年3月1851,87410.217.813.8
2017年3月2182,12510.913.212.5
2018年3月2532,35311.315.611.6
2019年3月2752,53611.216.711.8
2020年3月2982,73211.38.911.3
2021年3月2983,17110.113.113.5
2022年3月1591,7249.610.717.4
2023年3月1711,8989.48.717.5
2024年3月1872,1639.215.519.3
2025年3月2032,3039.113.816.9
2026年3月2282,6759.219.223.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

13名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は13名。

氏名役職年齢
小野寺研一取締役会長79
仁島浩順代表取締役社長 賃貸事業管掌65
小林正人代表取締役副社長66
尾台賀幸代表取締役副社長 管理部門管掌65
片山久壽代表取締役専務執行役員 都市開発事業本部長 兼インド事業管掌65
家守伸正取締役75
寺田千代乃取締役79
田村計取締役66
中村芳文常勤監査役75
田中俊和常勤監査役66
酒井孝志監査役73
長谷川尚子監査役61
残りの役員1名を開く
氏名役職年齢
川合伸子取締役64

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容701字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社の企業集団は、当社および連結子会社49社ほかにより構成され、その主要な事業および当該各事業における当社および主要企業の位置づけは次のとおりです。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 (1) 不動産賃貸事業 当社は、主としてオフィスビルならびに高級賃貸マンション等の開発・賃貸事業を行っております。また、住友不動産ヴィラフォンテーヌ㈱がホテル運営を、住友不動産ベルサール㈱がイベントホール・会議室等の賃貸運営を、住友不動産商業マネジメント㈱が商業施設等の賃貸運営を行っております。 (2) 不動産販売事業 当社は、マンション、戸建住宅、宅地等の開発分譲事業を行っております。また、住友不動産シスコン㈱がインテリアの販売を、当社および住友不動産建物サービス㈱がマンション分譲後の管理業務を行っております。 (3) ハウジング事業 住友不動産ハウジング㈱は、建替えの新システムである新築そっくりさん事業ならびに新築戸建住宅等の建築工事請負事業を行っております。 (4) ステップ事業 住友不動産ステップ㈱は、不動産売買の仲介事業、住宅等の販売代理および賃貸仲介事業を行っております。 (5) その他の事業 住友不動産エスフォルタ㈱がフィットネスクラブ運営を、泉レストラン㈱が飲食業を、いずみ保険サービス㈱が保険代理店業を、泉カントリー倶楽部㈱がゴルフ場運営を行っております。 以上に述べた事項の系統図は次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題13,736字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 <目次>(1) 経営の基本方針(2) 「住友の事業精神」による住友不動産グループの「持続的成長戦略」① 市況の変化に強く利益が下振れしにくい強固な事業基盤イ. 東京は世界最大、最優良のオフィス市場ロ. 「金の卵を産む鶏」=プライム資産ハ. 当社独自の「オフィスデパート戦略」② 積極的な成長投資による賃貸事業の大幅拡充イ. 最大の成長エンジン:東京ロ. 第2の成長エンジン:インド・ムンバイ③ 持続的成長が、持続的株主還元増、持続的賃上げをもたらすイ. 持続的な株主還元増ロ. 持続的な賃上げ④ 持続的成長と企業価値向上を促すガバナンス体制の強化イ. 経営体制改革ロ. 政策保有株の縮減および持続的成長戦略への有効活用⑤ 持続的成長に資する新たな成長分野イ. 既存住宅事業(リフォーム・流通)の強化ロ. 国内の開発分譲型事業を「マンション分譲事業」と「収益物件分譲事業」の二本柱に(3) 第十次中期経営計画の進捗① 第十次中期経営計画骨子② 第十次中期経営計画1年目を終えて今後の課題への対処イ. 金利上昇に負けないオフィスビルの賃料改定ができるかロ. 建築費上昇や工期長期化への対策はあるかハ. 新築分譲マンション事業環境の見通しとその対策はあるか (1) 経営の基本方針 430年の歴史「住友の事業精神」を継承した経営理念 当社は、住友本社を継承した住友グループの総合不動産会社として、430年もの歴史を刻む“住友の事業精神”を経営理念としています。世界で最も永続している企業グループの一つである住友グループは、「信用を重んじ、浮利を追わない」、「自身を利するとともに社会を利する」といった事業精神を脈々と受け継いでおり、住友不動産グループでも、これら先人の教えを踏まえ、信用を大切に、目先の利益を追わず、自己利益の追求による経済価値だけでなく、先々まで世に必要とされる持続的な社会価値をも一体的に創出することを理念に掲げています。 この理念に即し、当社は、『より良い社会資産を創造し、それを後世に残していく』ことを基本使命とし、各事業を通じて環境をはじめとする様々な社会課題の解決に取り組みつつ、企業価値の最大化を目指すことを経営の基本方針としています。さらには、この企業姿勢をコーポレートスローガン『信用と創造』として掲げ、そして、ステークホルダーの皆様との信頼関係を大切に、且つ、高い目標を掲げ、新たな発想で新分野に挑戦し、“新しい価値を創造”することを行動指針として事業展開を進めています。 (2) 「住友の事業精神」による住友不動産グループの「持続的成長戦略」 当社は、市況の変化に強く利益が下振れしにくい強固な事業基盤を築くとともに、常に成長のための投資を怠らず、一過性の利益に頼らない持続的な成長を成し遂げ、その果実として持続的な株主還元増と賃上げを可能にするという「持続的成長戦略」を経営の根本としています。 ① 市況の変化に強く利益が下振れしにくい強固な事業基盤 当社のこれまでの成長を支えてきた原動力は、東京都心のオフィスビルを中核とした不動産賃貸事業です。不動産賃貸事業の営業利益は当社全体の7割近くを占め、まさに、大黒柱として企業価値の根幹を成しています。 当社は、1970年代初頭からおよそ半世紀にわたり、東京都心に特化したオフィスビル開発を推進、事業基盤を拡充してまいりました。これまで様々な環境変化を経てきましたが、首尾一貫して資産売却による一時的な利益を追わず、開発用地を自ら創り出してビルを開発、保有賃貸して長期安定的な賃貸利益を蓄積するという長期視点による経営方針を貫き、継続しています。その結果、景気の動向に耐性のある強固な収益構造を確立しています。 東京都心の賃貸ビルを中心としたプライム資産を保有し安定収益を積み上げることは、当社の持続的成長において最も重要な基本戦略です。 当社は、「世界最大、最優良のオフィス市場である東京」で、立地や規模の希少性が高く高収益で、今後も得難く持ち続ける意義のある「金の卵を産む鶏」=プライム資産を、他社には真似できない当社独自の“オフィスデパート戦略”のもと積み上げてきたことで、競争力の高い事業基盤を築いてまいりました。 今後も長期的な競争力強化のため、プライム資産をさらに積み上げてまいります。 <企業価値創出の源泉:「土地を創る力」>当社は、大型用地の希少な東京都心において、細分化された土地を買い纏めたり、地権者の権利関係を調整する再開発の手法を用いて土地を創り出しています。今ではこの「土地を創る力」こそが当社最大の強みであり、企業価値創出の源泉となっています。当社は、「土地を創る力」をはじめこれまで培ってきた経営基盤や強みを活かし、さらなる収益力の拡大と企業価値の向上を目指してまいります。 イ. 東京は世界最大、最優良のオフィス市場 a. 東京はニューヨーク、ロンドンよりも大きい、世界最大のマーケット 東京のオフィス総床面積は1,750万坪で、ニューヨーク、ロンドンを上回る世界最大の市場規模であるとともに、過去20年間の平均空室率が約5%、直近空室率2.2%と極めて安定しており、世界最大・最優良のオフィスビルマーケットです。 東京,NY,ロンドンのオフィス総床面積 東京(都心5区)空室率と賃料の推移 b. 建替え再開発が中心であり、オフィス床のネット供給増は差引年間1%未満 近年の東京では、都市防災を強化して社会基盤整備を進めるため、容積緩和などのインセンティブが付与されるのを受け、都心一等地の建替型再開発が進んでいます。しかしながら、追加付与される容積率の多くは商業床やホテル床などに充当することが義務付けられ、新しいオフィス床の増加は限定的で、取り壊される旧オフィス建物の滅失面積を差し引いたオフィス床のネット供給量は、直近20年間で年1%程度の増加に留まっており、長期的に見れば需給関係はバランスが取れたものとなっています。 オフィス総床面積の推移(東京23区) c. 大企業が集結、多様な産業が揃う世界に類例のないマーケット 日本の大企業(時価総額上位 100 社)の8割は東京に本社を置き、本社を地方に置く大企業も東京本社を併設していることが一般的です。これに対し、ニューヨークでは1割強、ロンドンも5割に留まっています。 また、業種別に見ても製造、サービス、情報通信、金融など、東京には多様な業種が集結しており、金融業が中心のニューヨークなど、産業クラスターが諸都市に分散する諸外国とは大きく異なっています。このため、オフィスニーズも裾野の広い安定した構造となり、業種ごとに好不況はあっても、縮む業界の床を伸びる業界が吸収し、その結果、需給が安定し、諸外国と比べ相対的に空室率は低水準に留まっています。 東京の企業集積(時価総額上位100社の本社所在地と業種) d. 充実した都市交通インフラゆえ、都心の希少価値が揺るがない 東京都心の交通手段で核となる環状山手線に、四方から鉄道網 42 路線が接続され、安全かつ正確な時間で運行される鉄道インフラを利用して、首都圏全方位から通勤者が都心に集まっています(首都圏オフィスワーカーの8割超が公共交通機関を利用)。この効率的な交通インフラのおかげで、企業にはオフィスを郊外に移転する積極的メリットが生じず、結果、東京には将来にわたって動くことのない都心が形成され、東京都心の希少価値は揺るがないものとなっています。 都心への交通インフラ網 ターミナル駅の乗降客数 e. 構造的・継続的な人口流入 首都圏には多くの企業や大学、ホテル、病院、充実した商業施設など、人が集まる魅力があります。そのため、首都圏の人口は、長期間にわたり流入超過となっており、しかも、その牽引役は20 歳前後の若年層となっています。東京に集積する大学への地方からの進学者は変わらず多く、卒業後もそのまま東京の企業に就職する傾向が長年にわたり定着し、大学、企業の集積が人を呼び、人の集積が企業を呼び込む好循環となっています。   人口流入超過数 ロ. 「金の卵を産む鶏」=プライム資産 この世界最大・最優良の東京オフィスマーケットにおいて、当社は床面積規模でNo.1の地位にあります。また、保有延床150万坪超のポートフォリオの中でも、立地や規模の希少性が高く、今後も得難く持ち続ける意義のある「金の卵を産む鶏」をプライム資産と定義しており、こうしたプライム資産を保有することで毎年生み出される潤沢なキャッシュフローが当社の持続的利益成長の源泉となっています。 ■主なプライム資産 ハ. 当社独自の「オフィスデパート戦略」 当社は不動産賃貸事業の中核を担うオフィスビル賃貸事業において、賃貸オフィスビルポートフォリオの大部分(95%)が東京23区に、84%がビジネス主要エリアの集中する東京都心部(都心7区)に所在しています。また、その多くは、主要な鉄道路線・地下鉄駅の至近に位置し、ビジネス拠点として優位なアクセス利便性を有しており、当社ビルに入居する約1,800社のテナント企業は、大企業からベンチャー企業まで企業規模や業種が多岐に渡り、景気や社会の変化に耐性が強く安定した収益の確保を実現しています。 ◇ 規模の多様性…大企業からベンチャー企業まで対応 ◇ 立地の多様性…都心各エリアに展開しており、各業界の多様なニーズに対応 ②  積極的な成長投資による賃貸事業の大幅拡充 当社の最大の成長エンジンは東京都心の大規模再開発事業であり、六本木、八重洲、築地、池袋、飯田橋など、当社所有予定延床約60万坪に既投資額を含め2.6兆円超を投じる計画です。 また、第2の成長エンジンとして、インド・ムンバイに既投資額を含め1兆円を投じます。交通インフラの整備が急ピッチで進められ、将来、東京都心部に匹敵するビジネスエリアに進化する可能性を強く感じさせるムンバイで、延床約50万坪の開発プロジェクトが動き出しています。 イ. 最大の成長エンジン:東京 東京都心で完成済稼働物件を取得する場合、通常は2.5~3.5%程度の利回りにしかならないところ、当社は、デベロッパーとしての開発力を発揮してきたことで7%を超える高利回り(NOI利回り)を実現しています。当社の含み益は、この高利回りを時価評価した結果であり、未活用資産の含み益とは全く異なっています。 利便性が高い都心ほど再開発が進み、ビル立地が郊外化していないことからも、事業適地の範囲は自ずと限られてきます。仮に、売却によってプライム資産の含み益を実現したとしても、事業性の高い物件の開発機会を得ることは容易ではなく、単純に「売って利益を出した後で、安く買い直す」ことは極めて困難です。したがって、プライム資産を売却して一過性の売却益を獲得することは、毎年のキャッシュ・フローを減らして、持続的成長を損なうことになると考えています。例えて言えば、鉄道会社が線路を売る、メーカーが最新鋭製品を作る工場を売るのと同じで、当社の主力事業の縮小を意味しており、当社は、プライム資産を一過性の利益を得るために売却するのではなく、寧ろ積み上げていくことが必要であると考えています。 ≪現在進行中の主な開発計画≫ プロジェクト名   所在地   延床面積※ (坪)   竣工(予定) 八重洲二丁目中計画   中央区   117,000   2029/3期 東池袋一丁目計画   豊島区   47,000   2030/3期 八重洲二丁目南計画   中央区   42,000   十一次以降(開発推進中) 富士見二丁目計画   千代田区   14,000   〃 九段南一丁目計画   千代田区   25,000   〃 秋葉原駅前東計画   千代田区   16,000   〃 後楽二丁目南計画   文京区   84,000   〃 築地一丁目計画   中央区   56,000   〃 六本木五丁目西計画   港区   327,000   〃 ※当社グループ外の第三者持分を含んだ総延床面積 八重洲二丁目南計画延床面積:42,000坪 六本木五丁目西計画延床面積:327,000坪 ロ. 第2の成長エンジン:インド・ムンバイ 当社は、2019 年以来、大規模用地を単独で取得し、オフィスビルなどの開発・リーシング・管理まで一貫して行う「東京同様の当社オフィスビル事業」をインド・ムンバイで推進しています。 単独出資による事業は、インドの複雑な制度やリスクを直接我が事として理解することで当社なりの工夫の余地が生まれ、リスクを小さく、リターンを大きくできると考えています。この考え方は、当社が従来より、東京都心で、社員自ら多数の地権者と直接交渉し、大きな再開発を次々と実現してきたDNAを引き継ぐものです。 当社は、高い経済成長率と市場規模を備えたインド・ムンバイを、“東京に並ぶ一大事業拠点”とすることを目指してまいります。 <高成長・高収益のインド・ムンバイ>インドは総人口14.5億人、平均年齢28.4歳の世界最大の民主主義国家であり、2028年には日本・ドイツを抜いて世界第3位のGDPに至ると想定される経済大国です。その中で、マハラシュトラ州都ムンバイは、市域人口約1,840万人を誇り、インドにおける経済の中心地として古くから栄えています。グローバル金融機関のインド本社、インド各財閥の本社が集中しており、現在の都心を中心に公共交通機関の整備が進められているなど、東京と同様、都心が動かない都市構造となっています。インド経済発展の弱点とされていたインフラ面の強化に伴い、今後、経済大国としてのインドの地位はさらに高まることが予想され、ムンバイでは将来にわたり都心のオフィスビル競争力が揺るがないと判断しています。 ① 経済成長■インドの経済成長は近年さらに勢いを増しており、2028年にはGDP世界3位へ(2011年対比の経済成長率では、すでに中国を上回る水準で推移)主要国GDP順位の推移2011年以降の主要国GDP順位の推移 インドの1人あたり名目GDPの推移と今後の見通し ② 人口■人口世界一、生産年齢人口は全人口の2/3✓総人口は2024年時点で中国を抜き世界1位の14.5億人、平均年齢は28歳 ≪現在の各物件の進捗状況≫ ■ BKC第1号物件 2026年秋の竣工に向けて建築工事は順調に進捗しています。 ■ BKC第2号物件 建築工事に着手済みで、2029年の竣工を予定しています。 ■ BKC第3号、第4号物件 第1号、第2号物件での開発経験を活かし、早期の着工を目指してまいります。 ■ワーリー 商品企画、行政協議など着工に向けた準備を着々と進めています。 BKC第1~4号物件 開発用地 ③ 持続的成長が、持続的株主還元増、持続的賃上げをもたらす イ. 持続的な株主還元増 今中計より、毎年得られるキャッシュフローが拡大した結果、借入金を増やすことなく『成長投資』と『株主還元の拡充』を両立できるステージに上がりました。 当社は、長期的な収益基盤強化のための積極的な成長投資は継続しつつ、株主の皆様への還元強化のため、利益成長に沿った「持続的増配(累進配当)」を行う方針とし、配当性向35%到達まで年8円以上の累進配当を確約しています。 この成長・還元の好循環を永きにわたって継続するためにも、今後も成長投資を怠らず、一過性の利益に頼らず、持続的成長を図っていく方針です。 当期利益と配当の推移 <TOPICS:利益上振れにつき、2026年3月期配当を9円増配に引き上げ(35円→44円)> 2026年3月期の当期純利益は計画を超過達成しましたので、2026年3月期末の配当に1円追加し、従来計画の年8円増配を9円増配としました(35円→44円)。次期以降も、公約である年8円の累進配当を基本とし、さらに増配ペースを早めるべく利益の上積みを目指してまいります。増配の推移 ロ. 持続的な賃上げ 当社の給与制度は、定期昇給がない代わりに、年齢、性別、社歴を問わず、役割と成果のみで評価し、社員の成長に応じて年収を上げる仕組みとしています。言い換えれば、「年収がアップした社員」が多いほど、当社の生産性、企業価値が向上したということであり、「人件費はコストではなく投資」を体現する制度と言えるものです。なお、2025年3月期は5.7%、2026年3月期は 6.0%の賃上げを実現しました。 (人材戦略の詳細については、「5.従業員の状況等」をご参照下さい。) <勤続功労株式報酬制度> 当社は、2024年12月に住友不動産ハウジング株式会社の従業員向けに勤続功労株式報酬制度を新設し、その後2025年2月に当社グループ従業員全体(退職金制度がある当社またはグループ会社従業員を除く。)に対象範囲を拡大し、現在はグループ従業員約1.4万人のうち1万人が対象となりました。 本制度は従業員の毎年の貢献に応じて当社株式の受取権を割り当てるもので、年々当社株の受取権が累増します。また、当社の基本方針である持続的成長によって株価が上昇すれば、さらに受取報酬は増えていきます。本制度により、従業員が大いに力を発揮し、当社の株価上昇によって自らも受取報酬が増加するという好循環を作り出すことができます。 <実質ROE※> ※実質ROE:株式市場の変動で大きく上下する保有有価証券の評価差益を除く自己資本を分母とする現在の実質ROEは10.6%です。当社は、一過性の資産売却益に依存せず、安定収益であるオフィス賃貸収入を着実に増やし、引き続き安定的に且つ高い利益成長を実現することで、ROEの維持・向上を目指す方針です。 ④ 持続的成長と企業価値向上を促すガバナンス体制の強化 イ. 経営体制改革 当社はこれまで、社内取締役の減員と、社外取締役の増員並びに多様性の確保を進め、取締役会の監督機能を継続強化してまいりました。2020年に執行役員制度を導入して以降、執行体制の強化にもあわせて取り組み、2025年には同制度をグループ主要会社に拡大するなど、経営の監督と執行を分離する経営体制改革を着々と進めてきています。また、2025年6月開催の定時株主総会にて取締役の任期を短縮(2年→1年)し、監督機能に必要十分な取締役定数へ削減(12名→9名)しました。 これまでの主な取り組み 当社は、現監査役4名の会社法に定める任期保証を尊重しつつ、2027年定時株主総会において監査等委員会設置会社に移行して社外取締役を過半数とする方針を既に公表しており、本年定時株主総会にて、1年後の株主総会終了時をもって監査等委員会設置会社に移行する旨の定款変更議案を上程します。 ロ. 政策保有株の縮減および持続的成長戦略への有効活用 当社は、政策保有株の縮減目標として取得価格ベース(簿価)の株主資本に対する比率を10%以下とする目標を掲げてきました。当期末におきまして、1年間に及ぶ相手先との精力的な協議を経て、売却ないし、「信託を用いた、上場有価証券売却スキーム」を導入して純投資に振替えることで、取得価格ベースの株主資本比率は7.8%となり、目標を2年前倒し(2022年5月に策定した当初目標からは5年前倒し)で達成しました。 また、今後概ね10年間で「政策保有株式を含む上場有価証券4,000億円を売却し、持続的成長戦略に有効活用する方針」につきましても、当期に売却した約500億円と合わせ、同スキームの導入により約3,400億円(当期末時価ベース)に目途をつけたこととなります。なお、今後発生する売却益は、特別損失と金利増を相殺して、営業利益の増加を当期利益の増加に直結させるために活用し、売却資金は、10%以上の高利回りが期待可能なインドなどへの成長投資へ充当することとしています。これにより、当社は、政策保有株の縮減と持続的成長を同時に実現してまいります。 (保有株式の詳細は、「4.コーポレートガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」を併せてご参照下さい) ⑤ 持続的成長に資する新たな成長分野 首都圏における新築分譲マンションの供給戸数は、1990年代のピーク時約10万戸から現在は2万戸台に大幅に減少しています。一方で、中古住宅の流通戸数は増加を続けており、2010年代中盤には新築供給戸数を逆転し、現在も継続して増加しています。 既存住宅が大きく数を増やしてきた背景には、建築費の高騰に加えて、耐震性能向上などによって耐用年数が長期化し、適切なリフォームをすることで長く使い続けることが可能となったことなどがあります。また、既存住宅は新築に比べて取得総額を抑えやすく、多くの選択肢から物件を選びやすいという特徴があることに加えて、地球環境負荷の軽減という観点からも、社会全体として『既存住宅ストック』の有効活用を推し進めるべきだという時代に変わってきました。 こうした動きから、住宅マーケットは、従来の『新築』を中心としたマーケットから『既存』を中心とするマーケットへと、大きく構造が変化していると捉えています。 住宅の軸足は新築から中古へ イ. 既存住宅事業(リフォーム・流通)の強化 a. リフォーム事業:住友不動産ハウジング 当社グループのリフォーム事業「新築そっくりさん」は、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、戸建て住宅を「建替えより安く、地震に強い住宅に再生できないか」という思いから誕生した商品です。安心安全な住まいづくりを根本とし、確かな耐震補強、安心の定価制などの特徴を備え、大規模リフォームの分野において業界一位の実績を誇るまでに成長しました。 「新築そっくりさん」は、既存建物の基礎や柱、梁など、活かせるものは最大限に活かして工事を施工しますので、新築に比べ低コストで、新築並みの性能に向上させることができます。現在、国内の住宅の多くは耐震不安に加え、断熱性能の低い「暑くて寒い家」となっています。当社は、住む人の健康を守り、社会課題であるCO2削減にも大いに寄与する『高断熱リフォーム』の認知拡大と普及を図り、更なる成長に繋げてまいります。 一方で、建築の担い手不足が深刻化していく中、「ニーズはあれども、工事が出来ない」という、施工キャパシティ不足が成長の阻害要因になりかねない状況となっています。そこで、高品質・高性能の商品力を武器に着実にシェア・利益を増やしてきた新築注文住宅を担う事業と「新築そっくりさん」を担うリフォーム事業を分社化・統合し、店舗網、住宅設備、設計、施工体制など、様々な面を共通化することで、棟梁さん、設備業者さんといった多くのパートナーとの共存共栄を目指す構造改革に取り組んでいます。 b. 不動産流通事業:住友不動産ステップ 不動産流通事業は、インターネットの普及から始まり、DXの進化、更にはAI社会の到来により、水面下では大きな市場変化の最中にあります。 従来は駅前店舗を拡大し、チラシを大量に配布するなどしてお客様を集客し、売り情報と買い情報を結び付ける、いわゆるマッチング型ビジネスが事業の中心でした。一方で将来の不動産流通事業は、マーケット変化の予測や需要動向などを分析した上で、適正価格での透明性の高い取引の推進をはじめ、コンプライアンスの強化を基盤とした安心・安全な取引の支援、さらには税務や相続相談も含めた、お客様を総合的に支援する高度且つ幅広い付加価値が求められる時代になると考えています。 住友不動産ステップでは、透明性の高い取引を実現する「ステップオークション」を導入、さらにはDX化によって徹底した業務の見える化を図るなど、お客様の利益を損なう「囲い込み」が生じ得ない、疑われようがない体制構築を推進しています。 また、店舗網を集約・統合して一店舗あたりの人員を増やすことで、OJTに依存していた従業員への指導体制を見直して専門人材育成の強化を図るなど、個人能力に依存した体制から脱却し、チームで専門能力を提供する体制へと移行するとともに、併せて歩合給の廃止を含む人事給与制度の改革も実施しています。 一時的な痛みは伴いますが、将来の更なる飛躍を目指すため、聖域なき構造改革に取り組んでまいります。 ロ. 国内の開発分譲型事業を「マンション分譲事業」と「収益物件分譲事業」の二本柱に マンション分譲事業は当社の大きな柱であり、今後数年は現在の高い利益水準を維持できる見通しですが、土地代・建築費の高騰による事業化可能エリアの縮小、住宅マーケットにおける「新築」から「既存」への変化もあり、今後持続的に供給量を拡大することは困難であると考えています。 このような事業環境の変化を見据え、当社は、投資家向けの収益物件分譲事業を強化する方針を公表しました。国内での不動産投資家が厚みを増す中、本事業をマンション分譲事業と並ぶ二本目の柱として育てていくことで、国内の開発分譲型事業を更に成長させていきます。 なお、本事業は、更地を取得し、その上に建物を建設、更にはテナントを誘致してから売却というサイクルが基本となりますので、業績への寄与は次期(第十一次)中計以降となる見込みです。 <非プライム資産の有効活用> 当社は、保有資産を中計ごとに再度評価し、保有を継続するもの(=プライム資産)、賃貸稼働させたまま投資家に売却するもの、用途変更を伴う建て替えを実施してプライム資産化するもの、もしくは開発して売却するものなど、様々な手法で持続的成長に資するよう、保有資産の最有効活用を図ってまいりました。 今後、東京60万坪、インド・ムンバイ50万坪の成長投資によってプライム資産の更なる強化、賃料収入の大幅な拡大が確実となり、非プライム資産の賃料収入に頼ることなく成長を持続できるステージに入ってきたため、これまでの非プライム資産の有効活用を更に加速させ、様々な用途で活用していく方針も併せて公表しています。 ・「今後も堅持する2つの方針」と「しなやかに適応する4つの新方針」(2025年11月11日) https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/release_20251111_1_JP.pdf ・2025年9月期 決算説明会資料 https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/IRPresentationMaterial202509.pdf 開発分譲型事業をマンション分譲型事業と収益物件分譲事業の二本柱に (3) 第十次中期経営計画の進捗 当社は、3年毎に策定する中期経営計画の達成を最重要課題とし、これを着実に遂行することにより企業価値を高めてきました。 ① 第十次中期経営計画骨子 ≪中計3ヵ年合計の数値目標≫ ■ 2027年3月期(中計2年目)経常利益3,000億円到達 ■ 15期連続 当期利益最高益更新 ■ 長期的ターゲット:今後10年以内 経常利益4,000億円超 ② 第十次中期経営計画1年目を終えて今後の課題への対処 第十次中計の初年度となる2026年3月期は、13期連続の当期純利益最高益更新を達成し、堅調なスタートを切ることができました。他方、金利上昇や建築費高騰、国際紛争リスクなど、事業環境の不透明さは増してきています。 第十次中計1年目を終えて、当社が何を課題とし、その解決に向けて如何なる対処を講じているかについては以下の通りです。 同内容の詳細は、2026年5月13日公表のステートメントおよび決算説明会資料をご参照ください。 ・第十次中期経営計画1年目を終えて 今後の課題への対処https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/release_20260513_1_JP.pdf・2026年3月期 決算説明会資料https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/IRPresentationMaterial202603.pdf イ. 金利上昇に負けないオフィスビルの賃料改定ができるか 金利上昇リスクに対しては、これまでも借入期間の長期化および金利の固定化により備えてきましたが、昨年来、金利上昇が鮮明になる中、その上昇に負けないオフィスビルの賃料改定を実現できるかが重要な課題となっています。 東京のオフィス市場は需給逼迫により賃料上昇 現在、東京のオフィス市場は空室率が大幅に低下し、増床意欲の旺盛な企業が残り少ない空室を取り合う状況となっており、賃料相場は上昇し続けています。 当社における直近半年(2026年3月期下期)の新規成約平均賃料は前年同期比で約10%上昇しています。また、2026年3月期の賃料改定につきましては、ほぼ全件に値上げをご理解いただき、最大20%超、平均7%台の賃料上昇を実現しています。 デフレ時代からインフレ時代への大転換期を迎え、持続的な賃料上昇局面に突入 東京オフィス市場は、空室率の大幅低下に加え、失われた30年からインフレ時代への大転換期を迎え、本格的な賃料上昇局面に突入しています。過去を振り返ると、ピーク時(1991年)における東京都心5区の平均賃料(全グレード平均)が坪4.4万円であったのに対し、35年経った現在は未だ坪2.2万円程度です。当社は、足元の賃料上昇はまだまだ入口段階に過ぎず、今後持続的に上昇していくと考えています。そして、東京都心部におけるオフィス所有床面積No.1の当社は、賃料上昇の恩恵を最も享受できる立ち位置にいるため、金利上昇分を吸収し、さらなる収益拡大が期待できると考えています。 東京都心5区 ピーク時(1991年)との賃料比較 ロ. 建築費上昇や工期長期化への対策はあるか 労務費、資材費の上昇や工期長期化などに伴い、再開発などの事業規模の大きい案件において、他社では事業計画の大幅な見直し、場合によっては頓挫を余儀なくされた事例が発生しています。当社では、長年にわたりゼネコンさんやサブコンさんと培ってきたパートナー関係を活かし、合理的な建築費抑制と工期短縮に共同で取り組んでいます。 長年にわたるゼネコンさん、サブコンさんとのパートナー関係 当社は工事発注先を決定するにあたり、着工直前に複数の相手先に相見積もりを依頼して発注先を選定することに拘らず、ゼネコンさん、サブコンさんと用地取得の段階から事業目的や事業スケジュールを共有した上で、建築費を含む事業計画について繰り返し協議を行っています。これにより過剰設計や独善設計、一方的な工期の押し付けを避け、コストアップを最低限に抑え、事業計画が頓挫するリスクを大幅に軽減しています。 東京都心60万坪の開発方針に変更なし 建築費は上昇しているものの、前述の通り賃料水準も持続的に上昇する局面に突入していることから、東京都心60万坪の開発は引き続き推進していく方針です。 ハ. 新築分譲マンション事業環境の見通しとその対策はあるか 首都圏における新築マンションの供給戸数は、ピーク時の年10万戸から、直近では年2.2万戸程度まで大幅に減少しました。それに加え、中東情勢の悪化に伴う資材不足による工期遅延と価格高騰への懸念も重なり、業界全体としては安定的な分譲マンション供給が不透明な状況となっています。 3年分の完成“財”庫これに対し当社は、約3年分、6,000戸を超える完成在庫(※)を有していますので、当面の間安定的な供給が可能です。当社では、竣工前完売が業界の常識であった20年以上前から、建物竣工後も安易な値引きをせず、「完成在庫は売れ残りではなく、むしろ財産である」という考えに基づき、実際の建物をご確認いただきながら時間をかけて大切に販売することで事業利益を確保してきました。この“財”庫は、中東情勢の悪化により工期遅延が懸念される局面においても、今後の安定的な供給と事業利益を支える貴重な財産となっています。なお、2027年3月期計上予定戸数については期初時点で大半の契約が完了し、現在の営業活動の主戦場は、2028年3月期計上予定分となっています。(※)2027年3月期以降に引き渡し予定の契約済み住戸含む <分譲宅地事業を強化> 将来的な新築分譲マンション市場の供給減を見据え、「分譲宅地事業」を強化していくこととし、2026年2月に分譲宅地+注文住宅の新ブランド「シティガーデン」を発表しました。「分譲宅地+注文住宅」は、同価格帯・同エリアの分譲マンションと比較し、より広い居住面積を活かした自由な空間設計が可能となるうえ、「シティガーデン」は高品質住宅設備や高性能住宅など、当社ならではの上質な邸宅品質で、引き続き需要が旺盛な新築住宅へのニーズに応えていくものです。都心部へのアクセスが良好な利便性の高い立地で、城南・城西・城北エリア・東京都下、横浜市、さいたま市など首都圏を中心に全国で年間300区画以上を供給していく方針です。 (シティガーデン イメージパース)
事業等のリスク2,909字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループが行っている不動産賃貸事業、不動産販売事業、ハウジング事業及びステップ事業は、景気動向や企業業績、個人所得等の動向、人口動態、地価動向、原材料価格や建築費の動向、金融情勢、税制等の影響を受けやすい傾向にあり、これらが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 その中で、経営者が、当連結会計年度末現在において、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に特に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)災害その他不可抗力の事態に関するリスク 当社グループは、災害その他不可抗力の事態に備えるため、保有資産において、免震・制振構造の採用や非常用発電機の設置による無停電対応などにより事業継続性を高めるとともに、当社事業活動において、各種事態を想定したマニュアルの策定と訓練の実施による継続性の確保に努めております。また、サステナビリティ委員会の下部組織であるBCP対策協議会において、当社グループにおけるBCP対策整備の具体的方針を定め、整備状況のモニタリングを行っております。 しかしながら、想定をはるかに凌駕する規模の不可抗力の事態が発生した場合、保有資産の復旧費用負担の発生や営業活動の停滞等に伴い、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 (2)コンプライアンスに関するリスク 当社グループが行う事業は、宅地建物取引業法、建設業法、建築基準法、労働基準法をはじめとして、様々な法規制の下に置かれており、その改正動向を注視しつつ、適時適切に対応するよう努めております。また、サステナビリティ委員会の下部組織である内部統制会議において、当社グループにおけるコンプライアンス推進活動のモニタリングを行うとともに、当社内部監査室が子会社を含めた内部監査を実施しております。更に、行動指針の一つである「コンプライアンスの実践」を全役職員に浸透させるため、「コンプライアンスハンドブック」を定めるとともに、社内外に複数の内部通報窓口を設置し、不正、違法行為の発見、抑止に努めております。 しかしながら、法律等の改正による事業活動への影響を通じて、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。また、当社グループやその役職員によるコンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの信用が損なわれ、当社グループの商品需要が低下することにより、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 (3)気候変動に関するリスク 当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理的リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するため、TCFDフレームワークに基づき、ガバナンス・戦略・リスク・目標の4つの観点から、気候変動がもたらす財務影響とその対応を整理・分析し、開示するとともに、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ推進協議会において、様々な取り組みを推進しております。社会資産を供給する事業者として、事業活動を通じた気候変動対策の推進に向け、特に環境性能が高い物件や商品の新規開発や、運用時における省エネ啓蒙、既存物件の改修による環境性能の向上等に注力し、脱炭素の取り組みを推進しております。 しかしながら、想定を超える規制や事業環境の急激な変化等により、建築コストや事業運営コストが高まり、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 (4)サプライヤーに関するリスク 当社グループは、建設事業者をはじめとして、賃貸資産の管理に係る清掃員・係員・警備員・設備保守点検事業者など、多くのサプライヤーとともに事業を推進しており、サプライヤーに起因するリスクを低減するため、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ推進協議会において、新規取引開始時におけるデューデリジェンスや「サステナブル調達ガイドライン」の周知徹底、当社職員による監理、サプライヤー向け安全研修などを実施しております。また、定期的な価格協議を励行するとともに、サプライヤー向けのアンケートを実施し、価格協議の実効性を検証、不十分な部門に対する指導を実施しております。 しかしながら、想定外の事態の発生等により、サプライヤーに起因して、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 (5)情報セキュリティに関するリスク 当社グループでは、各事業において、個人情報を含む多くの重要な情報を保有しており、情報流出を防ぐためのサイバーセキュリティを導入しているほか、当社グループにおける組織的管理とセキュリティレベルの維持向上を目的とした「情報管理規程」を定め、職員に対して情報セキュリティに関する研修を実施することで、情報セキュリティ対策の強化や、全役職員の教育・啓蒙を行っております。 しかしながら、サイバー攻撃や職員の不注意により情報が流出した場合、補償の発生や、信用の喪失による当社グループの商品需要の低下などにより、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 (6)ファイナンスに関するリスク 当社グループが行っている不動産賃貸事業および不動産販売事業は、まず用地を取得し、かつ建物が竣工しなければ収益に計上できない投資先行型の事業であるため、事業資金を金融機関等からの借入や社債等により安定的に賄う必要があります。 これに対し、連結有利子負債の借入期間の長期化、固定金利化を進めるとともに、多様な金融機関※との安定的な関係性の構築を進め、資金調達の安定化を図っております。 しかしながら、金融環境の急速かつ大幅な変化、借入先の経営状況の変化等により、借入利息の上昇、資金繰りの悪化等、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 ※報告書提出日現在、当社は117の金融機関と取引を行っております。 <連結有利子負債他の推移> (百万円) 2022年3月期   2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 連結有利子負債   3,559,993   3,938,021   3,961,564   3,891,925   3,975,920 連結自己資本   1,634,049   1,799,372   2,050,582   2,168,107   2,470,712 デットエクイティレシオ※   2.1   2.1   1.9   1.7   1.6 長期比率   98%   95%   97%   97%   94% 固定金利比率   96%   86%   84%   87%   81% ※連結純有利子負債÷連結自己資本
経営成績の分析 (MD&A)7,322字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 5期連続経常最高益、13期連続当期純利益最高益更新 当連結会計年度の業績は下表の通りで、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて過去最高を更新しました。(売上高2期連続、営業利益4期連続、経常利益5期連続、当期純利益13期連続) 主力の不動産賃貸事業が過去最高の増益額で業績を牽引 部門別では、東京のオフィスビルを中心とする不動産賃貸事業が過去最高の大幅増益で最高益を更新し、業績を牽引しました。また、販売価格の上昇を背景に高水準の利益を確保した分譲マンションを中心とする不動産販売事業、中古マンション価格の上昇などにより取扱単価が大幅に上昇したステップ事業も過去最高益を達成しました。 営業外損益は支払利息の増加などにより前期比67億円の悪化、特別損益は、従業員向けの勤続功労株式報酬制度導入に伴う過年度功労分を引当計上した一方で、投資有価証券売却益を計上したことにより同88億円の改善となりました。 その結果、売上高1兆577億円(前期比+4.3%)、営業利益2,991億円(同+10.2%)、経常利益2,892億円(同+7.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,125億円(同+10.9%)となりました。 (百万円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) 売上高   1,014,239   1,057,765   +43,525 営業利益   271,516   299,155   +27,639 経常利益   268,323   289,233   +20,910 親会社株主に帰属する 当期純利益   191,681   212,535   +20,854 部門別の営業成績は下表の通りです。 (百万円) 売上高   前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) 不動産賃貸   433,684   460,637   +26,952 不動産販売   294,755   324,033   +29,278 ハウジング   204,259   188,905   △15,353 ステップ   73,174   75,360   +2,185 連結計   1,014,239   1,057,765   +43,525 (百万円) 営業利益   前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) 不動産賃貸   188,654   210,181   +21,526 不動産販売   64,216   76,223   +12,006 ハウジング   21,586   13,420   △8,165 ステップ   19,501   23,601   +4,099 連結計   271,516   299,155   +27,639 <不動産賃貸事業部門> 過去最高の増益額で最高益を更新 当連結会計年度は、既存ビルの稼働率改善と値上げの浸透、「住友不動産中野駅前ビル」、「住友不動産新宿南口ビル」などの通期稼働効果に加え、高級賃貸マンション(ラ・トゥール)、ホテル、イベントホールなどの単価増や稼働率向上も寄与した結果、過去最高の増益額となり、売上、営業利益ともに過去最高を更新しました。 空室率大幅改善、新規ビルのテナント募集も堅調に推移 当期末の空室率は、4.3%(前期末比△1.5pt)となりました。働きやすいオフィス環境を志向する企業や事業拡大のため採用強化を図る企業の新規需要は引き続き旺盛で、契約面積が解約面積を上回る状況が継続しております。また、前期竣工の「住友不動産六本木セントラルタワー」は満室となり、当期竣工の「住友不動産大崎ツインビル西館」、「住友芝公園ビル」も内定率は9割を超えるなど募集は堅調に推移しました。 前期末 (2025.3月末)   当期末 (2026.3月末) 既存ビル空室率   5.8%   4.3% <不動産販売事業部門> 増収増益、最高益更新 当連結会計年度は、「シティタワー虎ノ門」、「シティテラス多摩川」、「シティタワーズ板橋大山」などが引渡しを開始、マンション、戸建、宅地の合計で3,368戸(前期比△158戸)を販売計上しました。当事業部門の9割を占める分譲マンション市場では、供給が限られる一方で需要は底堅く、販売価格は一段と上昇しました。結果、計上戸数は減少したものの増収増益を達成、営業利益は過去最高を更新しました。 マンション契約順調、営業の軸足は次々期計上分 当連結会計年度のマンション契約戸数は2,398戸(前期比△222戸)となりました。契約戸数は順調に推移しており、期首時点で次期計上予定分の大半を確保し、営業の軸足は次々期計上予定分に移行しております。 前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) マンション契約戸数   2,620   2,398   △222 計上戸数   3,526   3,368   △158 マンション・戸建   3,440   3,276   △164 宅地   86   92   +6 売上高(百万円)   246,402   276,007   +29,605 マンション・戸建   227,151   252,267   +25,115 宅地・その他   19,250   23,740   +4,490 <ハウジング事業部門> 次期の業績反転に向け、期末受注残高はコロナ禍以降最高 当連結会計年度の受注棟数は、「新築そっくりさん」事業で6,559棟(前期比△485棟)、注文住宅事業で1,786棟(同△354棟)となりました。当部門の業績は、建築基準法改正の影響もあり主に上期の受注が大きく減少したこと、分社化に伴う費用が発生したことなどから、大幅な減益となりました。一方で、年明け以降は企図した改革の成果も徐々に出始め、第4四半期の受注棟数・受注高はともに前年同期を上回り、期末受注残高はコロナ禍以降最高となっています。 前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) 受注棟数   9,184   8,345   △839 新築そっくりさん   7,044   6,559   △485 注文住宅   2,140   1,786   △354 受注高(百万円)   192,143   187,998   △4,145 新築そっくりさん   110,821   104,811   △6,010 注文住宅   81,322   83,187   +1,864 計上棟数   9,279   8,343   △936 新築そっくりさん   7,035   6,453   △582 注文住宅   2,244   1,890   △354 売上高(百万円)   204,799   188,876   △15,923 新築そっくりさん   110,310   103,344   △6,965 注文住宅   94,488   85,531   △8,957 <ステップ事業部門> 取扱単価が上昇し最高益更新、構造改革は継続 当連結会計年度は、仲介引渡し件数は減少しましたが、中古マンション価格の上昇やステップオークションの浸透などにより取扱単価が大幅に上昇し、営業利益は過去最高を更新しました。当事業部門は、人事制度改革や店舗網の再編など、お客様ファーストを志向した構造改革に取り組んでおりますが、次期もこの取組みを着実に進めてまいります。 引渡しベース   前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) 仲介件数   31,003   28,848   △2,155 取扱高  (百万円)   1,434,390   1,488,451   +54,060 取扱単価(百万円)   46.3   51.6   +5.3 契約ベース   前連結会計年度   当連結会計年度   増 減 (2024.4.1~2025.3.31)   (2025.4.1~2026.3.31) 仲介件数   31,325   27,668   △3,657 取扱高  (百万円)   1,486,422   1,460,795   △25,627 取扱単価(百万円)   47.5   52.8   +5.3 <その他の事業部門> フィットネスクラブ事業、飲食業などその他の事業は、売上高17,917百万円(前期比+4,882百万円)、営業利益5,452百万円(同+3,281百万円)となりました。 <中期経営計画の達成状況> 当社は、2025年4月より「第十次中期経営計画」に取り組んでおります。計画1年目となる当期は、前述の通り、5期連続経常最高益、13期連続当期純利益最高益更新を達成しました。 その結果、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて、下表の通り3ヵ年累計目標の概ね3分の1を達成、中計最高業績連続更新に向けて順調な滑り出しとなりました。 (億円) 3ヵ年累計目標※(2025.4.1~2028.3.31)   当期業績 (2025.4.1~2026.3.31)   達成率 売上高   32,000   10,577   33% 営業利益   9,300   2,991   32% 経常利益   9,000   2,892   32% 当期純利益   6,500   2,125   33% ※2025年3月28日公表 <資産、負債、純資産の状況> 当連結会計年度における総資産は、7兆1,856億円(前期末比+4,632億円)となりました。主に販売用不動産と賃貸ビルを主とする有形固定資産、投資有価証券が増加しました。 負債合計額は、4兆7,149億円(前期末比+1,606億円)となりました。コマーシャルペーパー発行額の増加などが主たる要因です。 純資産合計額は2兆4,707億円(前期末比+3,026億円)となりました。また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が2,125億円となり利益剰余金が増加、自己資本比率は34.4%(前期末32.3%)となりました。 なお、当連結会計年度における連結有利子負債の長期比率は94%(前期末97%)、固定金利比率は81%(同87%)となっております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、 営業活動によるキャッシュ・フロー 127,287百万円(前期比  △125,884百万円) 投資活動によるキャッシュ・フロー △154,387百万円(前期比 △ 10,771百万円) 財務活動によるキャッシュ・フロー △ 12,756百万円(前期比 +104,091百万円) となり、現金及び現金同等物は39,947百万円減少して58,286百万円となりました。 <営業活動によるキャッシュ・フロー> 当期の経常利益は2,892億円、減価償却費は763億円となりました。棚卸資産の増加、法人税等支払い額の増加などもあり、営業キャッシュ・フローは1,272億円の収入となりました。 <投資活動によるキャッシュ・フロー> 賃貸事業の増強を目的として、有形固定資産投資やムンバイ子会社の増資などを行った一方で、政策保有株式を約500億円売却したことにより、投資キャッシュ・フローは1,543億円の支出となりました。 <財務活動によるキャッシュ・フロー> 社債の償還550億円、および自己株式の取得605億円、配当金の支払361億円に対応し、差引1,490億円のコマーシャル・ペーパー発行を実施した結果、財務キャッシュ・フローは127億円の支出となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況 生産、受注及び販売の状況については、前掲「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (イ) 概況 当連結会計年度は、売上高1兆577億円(前連結会計年度比+435億円)、営業利益2,991億円(同+276億円)、経常利益2,892億円(同+209億円)となりました。売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて過去最高を更新しました。 (ロ) 売上高および営業利益 当連結会計年度は、東京のオフィスビルを中心とする不動産賃貸事業が過去最高の大幅増益で最高益を更新し、業績を牽引しました。また、販売価格の上昇を背景に高水準の利益を確保した分譲マンションを中心とする不動産販売事業、中古マンション価格の上昇などにより取扱単価が大幅に上昇したステップ事業も過去最高益を達成しました。その結果、売上高は1,057,765百万円(前連結会計年度比+43,525百万円、同+4.3%)、営業利益は299,155百万円(同+27,639百万円、同+10.2%)となりました。 なお、各事業部門の詳細については、前掲「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。 (ハ) 営業外損益 営業外収益は、受取配当金などにより、20,498百万円(前連結会計年度比△648百万円)となりました。また、営業外費用は、支払利息の増加などにより、30,419百万円(同+6,079百万円)となりました。その結果、営業外損益は△9,921百万円(同6,728百万円の悪化)となりました。 (ニ) 特別損益 当連結会計年度は、投資有価証券売却益などにより特別利益は33,233百万円(前連結会計年度比△5,262百万円)となった一方、減損損失や固定資産除却損など18,900百万円(同△14,078百万円)の特別損失を計上しました。その結果、特別損益は、差引14,332百万円の利益(同8,816百万円の改善)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 親会社株主に帰属する当期純利益が212,535百万円となり、株主資本が前連結会計年度末比116,397百万円増加 した結果、当連結会計年度末の自己資本は、2,470,712百万円(同+302,604百万円)、自己資本比率は34.4%となりました。 資金調達においては、当連結会計年度中に、期限到来に伴う長期借入金3,577億円の返済、社債550億円の償還に対応し、コマーシャルペーパー差引き1,490億円の発行、3,510億円の長期借入を実施しました(ノンリコース含む)。その結果、連結有利子負債は、3,975,920百万円(前連結会計年度末比+83,995百万円)となりました。 なお、当連結会計年度における連結有利子負債の長期比率は94%(前期末97%)、固定金利比率は81%(同87%)となっております。 2025年4月より開始した「第十次中期経営計画」では、更なる収益基盤強化のため、東京都心およびインド・ムンバイにおける賃貸資産への投資を継続推進することとしております。必要な資金は、拡大する賃貸キャッシュフローにより賄うこととしており、併せて累進配当による株主還元も強化していく方針としております。詳しくは、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ③ 重要な会計方針および見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。 販売用不動産(仕掛含む)及び賃貸資産の評価 当社グループは、販売用不動産(仕掛含む)について、連結財務諸表の注記事項に記載のとおり、主として個別法に基づく原価法(収益性の低下による簿価切り下げの方法)により評価しております。また、賃貸資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、資産のグルーピング、減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定を行っております。 なお、詳細は第5[経理の状況]の連結財務諸表の(重要な会計上の見積り)に記載しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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