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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

三越伊勢丹ホールディングス

Isetan Mitsukoshi Holdings Ltd.3099 · Prime · 小売業

百貨店業を中核に、クレジット・友の会、不動産を展開する小売・サービス複合企業。

概要

三越伊勢丹ホールディングスは、三越と伊勢丹を中核とする百貨店グループである。連結子会社34社、持分法適用関連会社8社を擁し、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、不動産業を展開する。連結従業員数8,670人(2026年3月期)、本社は東京都新宿区に所在。2026年3月期の売上高5,456億円、営業利益800億円、純利益761億円を計上した。

百貨店業が売上の8割超を占める事業構成

当社グループの主力は百貨店業であり、2026年3月期のセグメント売上高は4,497億円と連結売上の82.5%を占める。旗艦店である伊勢丹新宿本店や三越日本橋本店を中心に、国内では札幌、仙台、新潟、静岡、名古屋、広島、高松、松山、福岡(岩田屋)などに店舗を展開。海外では中国、シンガポール、タイ、マレーシア、台湾、米国、イタリアに子会社または関連会社を通じて進出している。百貨店事業の営業利益率は14.6%と高水準で、グループ全体の収益を牽引する。

クレジット・金融・友の会が顧客識別の中核

クレジット・金融・友の会業は、連結子会社の㈱エムアイカードと㈱エムアイ友の会が担う。エムアイカードは2025年3月に年会費無料の「エムアイカード ベーシック」を導入し、新規会員数を大幅に拡大。識別顧客数は前年比約74万人増の約835万人に達した。また、2025年3月には資産運用・クラウドファンディング・保険等を提供する総合金融サービス「MITOUS」を開始。2025年10月に金融商品仲介業および銀行代理業の認可を取得し、百貨店店内での営業を開始している。同事業の売上高は356億円、営業利益63億円。

不動産業がグループ収益を補完

不動産業では、新宿エリアの保有物件からの賃料収入や、㈱三越伊勢丹プロパティ・デザインによる建装事業が収益源である。連結子会社には新宿サブナード㈱や野村不動産三越伊勢丹開発合同会社、タイのOne Bangkok Tower 4 Company Limitedなどが含まれる。セグメントとしての個別開示はないが、グループ全体の収益基盤を支える役割を果たす。また、㈱三越伊勢丹アイムファシリティーズが施設管理を担当する。

「個客業」への転換を掲げる中期経営計画

2025~2030年度の中期経営計画では、従来の百貨店中心の「館業」から、個々の顧客とのつながりをベースとする「個客業」への変革を掲げる。2027年度に営業利益850億円、2030年度に1,000~1,100億円を目標とする。顧客KPIとして識別顧客売上高6,960億円(2026年度計画)、グループ年間300万円以上購買顧客売上高2,520億円を設定。海外向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」の会員数は約88万人に達している。

業界の中での役割は百貨店運営会社(小売業)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
5,456億円
営業利益
800億円
営業利益率
14.7%
純利益
761億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01百貨店業主力

国内および海外(中国、シンガポール、タイ、マレーシア、台湾等)で百貨店を運営。高級品から日用雑貨まで幅広い商品を販売。

主な製品・サービス1
百貨店運営
三越伊勢丹ブランドでの衣料品・食料品・家庭用品等の小売。国内外に複数店舗を展開。

02クレジット・金融・友の会業準主力

百貨店向けクレジットカード「エムアイカード」の発行、友の会(積立購入制度)の運営。

主な製品・サービス2
エムアイカード
三越伊勢丹グループで利用できるクレジットカード。ポイントサービス等を提供。
エムアイ友の会
積立により商品券等と交換できる会員制度。百貨店の顧客囲い込みに貢献。

03不動産業準主力

百貨店施設の不動産管理・賃貸、新宿サブナード等の商業施設運営、海外の不動産開発(タイなど)。

主な製品・サービス2
不動産賃貸・管理
百貨店ビルや商業施設の賃貸・管理。テナント誘致・運営も行う。
不動産開発
国内外での商業施設・複合ビルの開発。タイのOne Bangkokプロジェクト等。

04その他その他

システムソリューション、人材派遣、旅行、ギフト、食品スタイル、ホテル運営等の多様な事業をグループ会社が展開。

製品と技術

伊勢丹新宿本店を中心とする百貨店運営

グループの象徴は伊勢丹新宿本店であり、国内外の富裕層から強い支持を得ている。店舗では高感度上質なファッションや宝飾時計、希少価値の高い商品を提案。2025年度には「丹青会」や「逸品会」等のお得意様向け招待会で過去最高売上を記録した。また、地域店舗では両本店からの商品取り寄せや店舗間送客による「拠点ネットワーク」活動が好調。オンライン事業の総額売上高も過去最高を更新している。

エムアイカードとエムアイ友の会による顧客識別

エムアイカードは百貨店向けクレジットカードで、2025年3月に導入した年会費無料の「エムアイカード ベーシック」が新規会員獲得の起爆剤となった。カード会員数は順調に増加し、識別顧客数は約835万人に拡大。エムアイ友の会は積立購入制度で顧客囲い込みに貢献する。さらに2025年3月には資産運用・クラウドファンディング・保険等を提供する総合金融サービス「MITOUS」を開始し、百貨店顧客向けに金融サービスを拡充している。

海外向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」

2025年3月にリリースされた海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」は、購買特典や高額免税者向けサービスを提供し、訪日客の来店促進を強化する。WeChatと合わせた合計会員数は約88万人に達した。アプリを通じて海外顧客の識別化とCRM構築を進め、国内顧客と同様のマーケティングを目指す。これにより、海外顧客売上の安定化と再成長を図る。

不動産開発プロジェクト(One Bangkokなど)

グループの不動産業は、百貨店ビルの賃貸管理に加え、国内外での商業施設開発を手がける。タイではOne Bangkokプロジェクトに関与し、連結子会社にOne Bangkok Tower 4 Company Limitedを持つ。国内では新宿サブナードや伊勢丹会館などの運営を行う。また、㈱三越伊勢丹プロパティ・デザインは建装事業を通じてグループ連携を強化し、受注を伸ばしている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

小売業のなかでの位置

百貨店業界で首位級、高利益率で安定

小売業界、特に百貨店セグメントでは国内有数の規模を持ち、売上高は約5,500億円で高水準です。同業他社にはトライアルホールディングスやまんだらけなどがありますが、百貨店事業では三越伊勢丹ブランドが高級路線で差別化しています。営業利益率は13.74%から14.66%と高く、収益性は優秀で、百貨店業界内でトップクラスの収益力です。顧客基盤は国内富裕層中心で、インバウンド需要も取り込んでいますが、市場全体の縮小傾向には対応が必要です。競合他社との差別化はブランド力と店舗網に依存しており、継続的な集客施策が求められます。

強み

  • 営業利益率が14%前後と業界最高水準で、安定した利益を確保
  • 三越・伊勢丹ブランドが高級百貨店として国内で確立している
  • 高所得層を中心に固定客を持ち、安定的な売上を実現
  • 訪日外国人客の取り込みで売上を押し上げている

課題

  • 国内百貨店市場は人口減少で縮小傾向にあり、成長が期待できない
  • 大型店舗の運営コストが高く、地方店舗の収益性が課題
  • EC化の遅れで、競合他社に比べデジタル戦略が弱い

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

小売・消費の時価総額近傍。太字が三越伊勢丹ホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19843ニトリホールディングス1.7兆円19.1倍
24452花王1.6兆円25.6倍
34755楽天グループ1.6兆円
44911資生堂1.4兆円
59021西日本旅客鉄道1.4兆円10.8倍
63099三越伊勢丹ホールディングス1.2兆円15.5倍
77453良品計画1.2兆円37.9倍
83088マツキヨココカラ&カンパニー1.1兆円18.4倍
99024西武ホールディングス1.1兆円22.8倍
109005東急1.0兆円10.8倍
113391ツルハホールディングス1.0兆円15.5倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(小売・消費)に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

1904年のデパートメントストア宣言による百貨店業の創始

当社グループの起源は、三越呉服店が1904年に行った「デパートメントストア宣言」に遡る。これは日本初の百貨店業の概念を打ち出したもので、その後三越は百貨店として発展。伊勢丹も別系統で成長し、両社は2008年に経営統合して三越伊勢丹ホールディングスを設立した(入力データ外だが、グループ形成の前提として記述)。創業以来「お客さま第一」の精神を掲げ、百貨店を中核とした小売グループとしての基盤を築いてきた。

再生フェーズ(2022~2024年度)での収益性改善

2022~2024年度の「再生フェーズ」では、勘や経験に依存しない「百貨店の科学」による収益性改善を推進。経費構造改革による人件費・地代家賃のコントロール徹底、識別顧客売上の拡大、高感度上質消費への特化によって、営業利益は3期連続で過去最高を更新した。2024年度には営業利益763億円、当期純利益556億円を達成。再生フェーズ終了時点でグループの収益基盤は大きく強化された。

まち化準備フェーズ(2025~2030年度)への移行

2025年4月から始動した中期経営計画では「まち化準備フェーズ」として、個客業への本格的な変革を開始。集客・識別化・利用拡大・生涯顧客化のプロセスを系統的に推進する。同年3月にはエムアイカード ベーシックを導入し、識別顧客数を大幅に増加。また、海外顧客向けアプリをリリースし、WeChatと合わせた会員数は約88万人に。国内店舗では「丹青会」「逸品会」等の招待会が過去最高売上を記録するなど、高額顧客の深耕が進んでいる。

2025年度の過去最高益達成と2026年度計画

2026年3月期(2025年度)は、営業利益800億円(前期比4.9%増)、当期純利益761億円(同44.1%増)と過去最高を大幅に更新した。百貨店業では国内顧客売上が堅調に推移し、個人外商の取扱高も伸長。クレジット事業はエムアイカードの会員拡大と収支構造改革により過去最高益。2026年度計画では営業利益800億円、純利益761億円を見込み、識別顧客売上高6,960億円を目標に掲げる。引き続き「個客業」への転換を加速する方針である。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 営業利益2027年度まで850億円
  • 営業利益2030年度まで1,000~1,100億円
  • 識別顧客売上高2026年度まで6,960億円
  • グループ年間300万円以上購買顧客売上高2026年度まで2,520億円

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    館業から個客業への事業変革

    百貨店の館を前提としたマス向けビジネスモデルから、個々の顧客とのつながりを基盤とする「個客業」へ本格的に転換し、集客・識別化・利用拡大・生涯顧客化のプロセスを推進する。

  2. 02

    中長期3フェーズの経営計画

    長期目標実現に向け「再生」「まち化準備」「結実」の3フェーズで進化。2025~2030年度の「まち化準備」では個客業への変革と「世界・用途・空間・時間」の4つの拡大で新規事業機会を獲得する。

  3. 03

    連邦活動による事業間連携強化

    百貨店、金融、不動産、関連事業の多様な領域で連邦活動を活性化し、識別顧客の連携による利益拡大やBtoB・BtoCビジネスの拡大を図る。

  4. 04

    百貨店の科学による収益性改善

    勘や経験に依存しないデータ基盤の活用で収益性を改善。高感度上質消費を的確に捉え、地域百貨店では構造改革と拠点ネットワークにより安定黒字化を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で8,670人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は896万円で、9期前と比べて+7.9%平均年齢は47.4歳、平均勤続年数は23.6年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月12,382
2018年3月14,269
2019年3月83146.523.113,211
2020年3月86947.524.012,453
2021年3月78546.523.011,588
2022年3月71146.422.59,691
2023年3月77246.822.89,745
2024年3月88347.323.69,467
2025年3月92347.523.88,921855
2026年3月89647.423.68,670923

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率29.8%
縦線は目安の30%

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社42(国内 33 / 海外 9、うち連結子会社 23) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
三越日本橋本店 — 東京都中央区1,400億円
百貨店業
三越銀座店 — 東京都中央区977億円
百貨店業
本社等 — 東京都新宿区等605億円
百貨店業
伊勢丹新宿本店 — 東京都新宿区338億円
百貨店業
札幌丸井今井等 — 北海道札幌市中央区123億円
百貨店業
伊勢丹浦和店 — 埼玉県さいたま市浦和区9,701百万円
百貨店業
札幌三越店 — 北海道札幌市中央区9,298百万円
百貨店業
名古屋三越栄店 — 愛知県名古屋市中区8,837百万円
百貨店業
新潟伊勢丹店 — 新潟県新潟市中央区7,409百万円
百貨店業
百貨店業 — シンガポール7,331百万円
ほか12件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    ㈱三越伊勢丹 ※4、6
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱札幌丸井三越
    北海道札幌市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱函館丸井今井
    北海道函館市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱仙台三越
    宮城県仙台市青葉区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱新潟三越伊勢丹
    新潟県新潟市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱静岡伊勢丹
    静岡県静岡市葵区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱名古屋三越
    愛知県名古屋市中区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱広島三越
    広島県広島市中区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱高松三越
    香川県高松市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱松山三越
    愛媛県松山市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱岩田屋三越
    福岡県福岡市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    伊勢丹(中国)投資有限公司 ※4
    中華人民共和国 上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社30社を開く
  • イセタン(シンガポール) Ltd.シンガポール100%
  • イセタン(タイランド) Co.,Ltd. ※2タイランド バンコク市49%
  • イセタン オブ ジャパン Sdn.Bhd.マレーシア クアラルンプール市100%
  • 米国三越INC.アメリカ合衆国 フロリダ州100%
  • イタリア三越S.r.l.イタリア ローマ市100%
  • ㈱エムアイカード東京都中央区100%
  • ㈱エムアイ友の会東京都中央区100%
  • ㈱三越伊勢丹プロパティ・デザイン東京都新宿区100%
  • ㈱伊勢丹会館東京都新宿区100%
  • ㈱エムアイフードスタイル東京都新宿区100%
  • ミツコシ フェデラル リテイル INC.フィリピン マニラ市60%
  • ㈱三越伊勢丹ギフト・ソリューションズ東京都中央区100%
  • ㈱センチュリートレーディングカンパニー東京都新宿区100%
  • イセタンミツコシ(イタリア)S.r.l.イタリア ミラノ市100%
  • ㈱三越伊勢丹ビジネス・サポート東京都新宿区100%
  • ㈱三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ東京都中央区100%
  • ㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ東京都中央区100%
  • ㈱スタジオアルタ東京都新宿区100%
  • ㈱三越伊勢丹ニッコウトラベル東京都中央区100%
  • ライム ツリー クルーゼズB.V. ※2オランダ アムステルダム市100%
  • ライム ツリー シッピングAG ※2スイス バーゼル100%
  • ㈱三越伊勢丹イノベーションズ東京都新宿区100%
  • ㈱ジェイアール西日本伊勢丹京都府京都市下京区40%
  • 新光三越百貨股份有限公司台湾 台北市22%
  • アイティーエム クローバー Co.,Ltd.タイランド バンコク市46%
  • ㈱三越伊勢丹アイムファシリティーズ東京都中央区33%
  • 新宿サブナード㈱東京都新宿区33%
  • 野村不動産三越伊勢丹開発合同会社東京都中央区50%
  • One Bangkok Tower 4 Company Limitedタイランド バンコク市25%
  • One Bangkok Mitsukoshi Company Limitedタイランド バンコク市25%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は5,456億円営業利益800億円前期と比べると減収増益で、売上が-1.8%、利益が+4.8%。

売上高
-1.8%
5,456億円
営業利益
+4.8%
800億円
純利益
+44.1%
761億円
営業利益率
14.7%
前期比 +0.9%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高5,620億円5,456億円
営業利益840億円800億円
純利益630億円761億円
1株あたり配当¥70

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1,289億円、営業利益は189億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+8.6%、営業利益は+117.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q1,202128
2024年1Q1,187877.368
2024年2Q1,2981158.981
2024年3Q1,53320713.5162
2024年4Q1,346245
2025年2Q2,64134913.2254
2025年4Q2,91441414.2274
2026年2Q2,53931512.4294
2026年4Q2,91748516.6467
2027年1Q1,28918914.7223

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.2兆円から5,456億円へ44%に減った。直近期の営業利益率は14.7%。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.24342253
2014年3月1.32384212
2015年3月1.27346299
2016年3月1.29367265
2017年3月1.25274150
2018年3月1.26273−10
2019年3月1.20320135
2020年3月1.12198−112
2021年3月0.82−172−411
2022年3月0.4295123
2023年3月0.49300324
2024年3月0.54599556
2025年3月0.5676388113.7528
2026年3月0.5580086614.7761

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高5,456億円のうち、営業利益として残るのは800億円14.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は761億円、売上の13.9%にあたる。営業利益率は業種中央値3.7%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金38.3%2,089億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金47.0%2,567億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益14.7%800億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
61.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+11.0pt
14.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+11.5pt
13.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+3.9pt
12.5%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
6.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.9%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが907億円、投資CFが216億円で、差し引きのフリーCFは1,123億円この組み合わせは資産整理型にあたる。本業の稼ぎに加えて資産売却でも現金を作り、負債返済や還元に充てている。事業の入れ替え局面期末の手元現金は773億円で、売上の1.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月44−26323−219358
2014年3月460−192−162268506
2015年3月494−344−174150503
2016年3月431−245−37186642
2017年3月354−40924−55600
2018年3月730−270−528460540
2019年3月283−224−9159501
2020年3月163−10020363767
2021年3月12−47297−351,028
2022年3月379−174−399205845
2023年3月663−270−1623931,090
2024年3月569−270−685299724
2025年3月896−260−949636418
2026年3月907216−7691,123773

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が6,202億円で、自己資本比率は50.8%(業種中央値47.4%より厚い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1.225,0517,18640.1
2014年3月1.285,4117,43640.8
2015年3月1.295,7777,13943.4
2016年3月1.295,7437,18743.6
2017年3月1.315,7987,32343.4
2018年3月1.285,8816,87445.2
2019年3月1.255,8576,61746.1
2020年3月1.225,5026,73644.3
2021年3月1.205,0836,90041.9
2022年3月1.175,1776,50943.8
2023年3月1.225,5256,64844.9
2024年3月1.236,0086,24348.5
2025年3月1.216,0296,02849.9
2026年3月1.226,2025,97850.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
744億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
3,009億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
5,978億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
93
/ 100
安定性自己資本比率34 / 40
収益力営業利益率29 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

小売業 322社との比較

同じ小売業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率322社中11位あたり、逆に低いのは売上成長率322社中266位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
12.5%/中央値 8.6%
P25 4.9%P75 13.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
14.7%/中央値 3.7%
P25 1.6%P75 6.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
50.8%/中央値 47.4%
P25 34.3%P75 62.5%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-1.8%/中央値 4.5%
P25 0.1%P75 10.6%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.1%/中央値 1.9%
P25 1.1%P75 2.8%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,308で、1年前と比べて+26.9%過去52週の値幅のなかでは54%の位置にある。

¥3,308-5.9%1ヶ月-6.6%1年+26.9%時価総額1.2兆円
過去52週の値幅
安値¥2,255.5高値¥4,192

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)15.5倍
PER (会社予想)35.8倍
PBR1.93倍
配当利回り2.12%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は3,473円で、25日線3,639.2円を4.6%下回る。7月中旬に4,025円の高値をつけた後、8月に入り下落基調。8月13日には一時3,695円まで戻すが、その後再び売られ、8月19日に3,443円と直近安値を更新。52週高値4,192円からは17.1%下落、52週安値2,255.5円からは54%上昇の高水準。25日線・75日線を割り込み、短中期トレンドは下向きに転換。出来高は8月13日に1,412万株と急増し、8月14日も657万株と高水準で、売買が活発化している。RSIは42.48と中立圏で、下げが一服する可能性もあるが、戻りは鈍い。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PER 16.26倍は業界平均40.23倍を大きく下回り、PBR 2.03倍も平均3.06倍を下回る。ROE 12.5%と安定した収益性があり、配当利回り2.02%は平均12.58%を大幅に下回るが、配当性向73.2%と高水準で配当の持続性には注意が必要。小売業は百貨店需要の回復が見込まれ、業績予想も堅調。割安と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)15.5倍39.6倍
PER (予想)35.8倍
PBR1.93倍2.44倍
ROE12.5%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

インバウンド需要と高級品消費の回復で業績が拡大する一方、百貨店業界全体の縮小やECシフトへの対応が課題。強気派は、訪日外国人客の増加や富裕層消費の堅調さを背景に、旗艦店の集客力と収益性改善が続くと主張。弱気派は、コロナ後の特別需要の反動や、デパ地下・外商依存の高さ、オンライン競争の激化を懸念する。また、営業利益率の持続性と、不動産含む非百貨店事業の成長性も争点。

プラスに働く材料7
  • インバウンド需要の回復

    円安と訪日客増で高級品売上が拡大し、新宿本店の免税売上が好調。

  • 収益性の改善

    2026/3期の営業利益率14.66%と予想され、13%超の高水準を維持。

  • 外商とECの強化

    外商部門とオンライン販売の拡大で、高単価顧客との接点を増やしている。

  • 純利益761億円、前期比233億円増の大幅増益通年影響

    純利益は528億円→761億円と233億円増加。増益率44.1%と株価上昇をけん引

  • 営業利益800億円、前期比37億円増通年影響

    営業利益は763億円→800億円と37億円増加。高収益構造が継続

  • 営業利益率14.66%と0.92pt改善通年影響

    営業利益率は13.74%→14.66%へ改善。収益の質が向上

  • 株価1年で54.85%上昇、上昇トレンド継続継続影響

    株価3631円、1年間で54.85%上昇。強いモメンタムが続く

マイナスに働く材料7
  • 百貨店市場の縮小

    国内百貨店市場は人口減と嗜好変化で長期的に縮小傾向。

  • 特定店舗への依存

    伊勢丹新宿本店への売上依存が高く、同店の動向に業績が左右される。

  • 競争激化

    ECや安価なファッション小売との競争で、価格競争に巻き込まれるリスク。

  • 売上高5456億円、前期比1.8%減収通年影響

    売上高は5555億円→5456億円と99億円減少。増収基調が途切れた

  • 株価高で配当利回り1.93%と低下継続影響

    株価3631円で配当利回りは1.93%。株価上昇により期待利回りが低下

  • ROE12.5%に対しPBR2.06倍で評価拡大継続影響

    株価上昇でPBR2.06倍まで拡大。ROE12.5%を考慮すると評価調整の余地

  • 減収下で増益、利益の質への疑念決算発表後影響

    売上高は99億円減の5456億円、営業利益は37億円増の800億円。増益の持続性に不透明感

次の決算で確かめる点
百貨店売上高
既存店の売上動向が業績の基盤を示し、特に旗艦店の回復を確認するため。
訪日外国人売上比率
インバウンド需要の依存度と持続性を測る重要な指標。
外商売上高
高単価顧客の関係維持と成長性を評価するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり70で、前期から+29.6%いまの株価に対する利回りは2.12%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥70
1株あたり
配当利回り
2.12%
いまの株価に対して
配当性向
73.2%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1221.0
2018年3月120.0184.1
2019年3月120.0
2020年3月120.081.2
2021年3月9−25.081.7
2022年3月1011.136.7
2023年3月1440.065.9
2024年3月34142.953.2
2025年3月5458.8114.0
2026年3月7029.673.2

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥70

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ279,252人。区分でいちばん多いのは個人・その他33.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が40.8%を占め、残る59.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他37.436.635.334.134.833.5
金融機関33.033.233.034.132.929.4
外国法人14.215.016.217.417.824.0
事業法人13.713.112.912.111.911.3
自己株式3.93.93.85.53.94.3
証券会社1.72.02.52.32.51.7
外国人個人0.00.00.00.00.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) ※116.09
02株式会社日本カストディ銀行(信託口) ※25.87
03JP MORGAN CHASE BANK 385642(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)3.71
04公益財団法人三越厚生事業団3.59
05THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.99
06三越伊勢丹グループ取引先持株会1.90
07清水建設株式会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)1.69
08明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)1.55
09JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.27
10STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.22

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-07-23
    ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ,インク(T. Rowe Price Associates, Inc.)
    新規の大量保有報告
    2.71%
    -0.97pt
  • 2026-05-12
    ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ,インク(T. Rowe Price Associates, Inc.)
    新規の大量保有報告
    3.68%
    -1.03pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+234%、1株純資産は14期で+42%。直近期のROEは12.5%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月641,2455.321.286.0
2014年3月541,3294.223.786.6
2015年3月761,4225.526.271.4
2016年3月671,4384.719.593.0
2017年3月381,4602.631.921.0
2018年3月−21,479−0.2184.1
2019年3月351,4762.332.4
2020年3月−291,427−2.081.2
2021年3月−1081,317−7.981.7
2022年3月321,3412.529.936.7
2023年3月851,4306.117.565.9
2024年3月1461,5829.817.153.2
2025年3月1421,6468.815.0114.0
2026年3月2141,76512.513.373.2

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

12名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は12名。2026/3期の役員報酬は総額578百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約1倍にあたる。

氏名役職年齢
細谷敏幸取締役 代表執行役社長 CEO62
石塚由紀取締役64
牧野欣功取締役 執行役常務 経営戦略領域管掌CFO(チーフ・フィナンシャル・オフィサー)59
安藤知子取締役67
越智仁取締役73
岩本敏男取締役73
助野健児取締役71
松田千恵子取締役61
藤田直介取締役63
金原章執行役常務 業務領域管掌CAO兼CRO(チーフ・アドミニストレイティブ・オフィサー)(チーフ・リスク・オフィサー)58
山下卓也執行役常務 営業戦略領域管掌CMO(チーフ・マーチャンダイジング・オフィサー)59
鈴木ゆかり取締役63

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役41461498152428107
社外取締役7941511016
取締役(社内)33644013

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,085字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び関係会社(連結子会社34社、持分法適用関連会社8社、非連結子会社10社、持分法非適用関連会社2社(2026年3月31日現在))により構成され、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、不動産業等を行っております。各事業における当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりであります。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 事業内容等   主な会社名   会社数 百貨店業   ㈱三越伊勢丹、㈱札幌丸井三越、㈱函館丸井今井、㈱仙台三越、㈱新潟三越伊勢丹、㈱静岡伊勢丹、㈱名古屋三越、㈱広島三越、㈱高松三越、㈱松山三越、㈱岩田屋三越、伊勢丹(中国)投資有限公司、イセタン(シンガポール)Ltd.、イセタン(タイランド)Co.,Ltd.、イセタン オブ ジャパンSdn.Bhd.(マレーシア)、米国三越INC.、イタリア三越S.r.l.、㈱ジェイアール西日本伊勢丹、新光三越百貨股份有限公司(台湾)、アイティーエム クローバーCo.,Ltd.(タイランド)   連結子会社   17社 持分法適用関連会社  3社 クレジット・金融・友の会業   ㈱エムアイカード、㈱エムアイ友の会   連結子会社    2社 不動産業   ㈱三越伊勢丹、㈱三越伊勢丹プロパティ・デザイン、㈱伊勢丹会館、㈱三越伊勢丹アイムファシリティーズ、新宿サブナード㈱、野村不動産三越伊勢丹開発合同会社、One Bangkok Tower 4 Company Limited   連結子会社 3社 持分法適用関連会社 4社 持分法非適用関連会社1社 その他   ㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ、㈱三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ、㈱三越伊勢丹ビジネス・サポート、㈱三越伊勢丹ギフト・ソリューションズ、㈱三越伊勢丹ニッコウトラベル、㈱センチュリートレーディングカンパニー、イセタンミツコシ(イタリア)S.r.l.、㈱スタジオアルタ、㈱三越伊勢丹イノベーションズ、ライム ツリー クルーゼズB.V.(オランダ)、ライム ツリー シッピングAG(スイス)、㈱エムアイフードスタイル、ミツコシ フェデラル リテイル INC.(フィリピン)、One Bangkok Mitsukoshi Company Limited   連結子会社 13社持分法適用関連会社  1社非連結子会社 10社 持分法非適用関連会社1社
経営方針・対処すべき課題4,233字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社グループは、創業以来一貫して“お客さま第一”の精神を持ち、常に時代の変化や価値観の多様化に合わせ、生活に豊かさを提供することに邁進してまいりました。長期に目指す姿を「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」と定め、その実現に向けた道のりを3つのフェーズ(再生~まち化準備~結実)に区分し取り組みの進化を図っております。「再生フェーズ」(2022~2024年度)でグループ再生を大きく進展させた後、現中期経営計画(2025~2030年度)では、「まち化準備フェーズ」としてこれまでの百貨店の枠を超えた個客視点での多様な価値を提供するために「館業」から「個客業」への変革を図り、企業価値の向上を目指してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、営業利益とともに株主資本コストを意識し、ROE等の複数の経営指標を掲げ、将来にわたる企業の持続的成長と企業価値の向上に取り組んでおります。6ヶ年の中期経営計画(2025~2030年度)のフェーズⅠ(2025~2027年度)の最終年度となる2027年度には営業利益850億円の実現を目指し、フェーズⅡ(2028~2030年度)終了時点では営業利益水準を1,000~1,100億円規模で計画しております。また、「個客業」を目指す当社グループ独自の経営指標として、カードやアプリ等でつながったお客さまによる売上高(識別顧客売上高)等の「顧客KPI」を掲げており、2026年度は顧客KPIとして識別顧客売上高6,960億円、グループ年間300万円以上購買顧客売上高2,520億円を計画しております。 (3)経営環境及び対処すべき課題 当社グループを取り巻く外部環境は大きく変化しており、国内では人口減少・少子高齢化・地方の過疎化といった社会構造の変化が進行し、国内小売市場の縮小が懸念されています。一方、海外では中東をはじめとする地政学リスクの拡大などにより先行きの不確実性が高まり、国内の企業活動や消費動向にも影響を及ぼしはじめており、今後の動向の注視および柔軟かつ適切な対応が求められる状況にあります。 このような環境下においても、東京圏を中心とした一部の大都市での継続した転入超過、世界人口の拡大・訪日外国人の増加、さらには国内における金融資産増大による富裕層の拡大など、当社グループの成長に資する機会は着実に広がっていると認識しています。前中期経営計画(2022~2024年度)策定時には、「百貨店は収益性が低い」、「外部環境に左右されやすい」、「日本は人口減が続く」といった百貨店事業の将来に対する懸念が指摘されていましたが、当社グループは、勘や経験に依存しない“百貨店の科学”による収益性の大幅な改善、「マスから個」への転換を進め、個々のお客さまの嗜好に応じた情報提供を通じて識別顧客売上を安定的に拡大し、総花的なマーチャンダイジングではなく、高感度上質消費を的確に捉えたことで、「再生フェーズ」では大きく進展を図り、2025年度も継続して着実な成果を創出することができました。中期経営計画(2025~2030年度)「まち化準備フェーズ」では、成長の持続性・再現性を確かなものとする戦略を構築し、“顧客創造”と“顧客深耕”の継続的進化、戦略推進の再現性につながる「基盤構築」、長期戦略の着実な計画・進行を推進してまいります。 (4)中長期的な経営戦略 ①中長期ステップ 当社はグループが長期に目指す姿である「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」の実現に向けた中長期のステップを「再生」「まち化準備」「結実」の3つのフェーズで描き、中期の経営計画を組み立てております。 ②中期経営計画(2025~2030年度) 当社グループは、前身の三越呉服店による「デパートメントストア宣言」(1904年)から120年余が経過した現在、2025年4月より始動させた中期経営計画において、前中期経営計画で固めてきた基盤を足掛かりとして、百貨店の館を前提としたこれまでのマス向けビジネスモデルである「館業」から、個のお客さまとのつながりをベースとする「個客業」への事業構造の変革を本格的に進めております。 「個客業」において、世界中から集客し、識別化し、つながったお客さまに多様な顧客価値を提案するとともに、連邦活動による事業間の連携を深めた上で、「世界」「用途」「空間」「時間」の4つの拡大をキーワードとした新たな事業機会を獲得し、利益拡大を図ってまいります。 2026年度は、新たな顧客創造と更なる顧客深耕で個客業プロセス活動を加速し、併せて連邦活動の活性化において事業間の識別顧客の連携で連邦利益を拡大してまいります。 個客業プロセス活動は次の通りです。 <集客> 店舗やコンテンツの魅力で世界中から集客します。そのために、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店等の更なる「高感度上質店舗化」に向けた店舗リモデル等により独自性の強化を図ります。また2026年度より従来の商品領域に縛られず、新商品・サービスを生み出す「ゼロMDグループ」を新設稼働いたしました。 <識別化> 集まった顧客とカードやアプリ等の「仕組み」でつながります。今後、国内顧客の識別化100%を目指し、更にターゲットを海外顧客へ拡大。カードとアプリの機能を駆使したさまざまな識別化戦略を展開してまいります。 2025年度は、年会費無料のベーシックカードをフックに識別化が着実に進展し、海外顧客向けアプリの会員数が拡大しております。2026年度は海外顧客の国内顧客同様のCRM確立、また関連事業顧客IDの三越伊勢丹IDへの統合開始を計画しております。 <利用拡大> つながった顧客に当社グループの各種事業による多様な価値を提案します。識別化により充実する顧客情報をもとに“個客”単位のコミュニケーション活動を強化するとともに、グループ内での“連邦”活動を活発化させ、BtoB・BtoCビジネスの展開拡大を図ります。 2026年度は、連邦活動と上位カード戦略により客単価と利用頻度の向上を着実に進めてまいります。 <生涯顧客化> 顧客とのつながりを深め、LTV(ライフタイム・バリュー)を最大化します。つながった顧客との接点の深化を図りつつ、これまで百貨店が取り扱って来なかった商品やサービスの提案強化により顧客の生涯におけるさまざまなニーズに幅広くお応えしてまいります。 2026年度は、グループ外商業務フローとマネジメント体制でONEグループ外商化を推進し、グループカスタマープログラムサービスの再設計により、更なる客単価の向上を図ってまいります。 これらの個客業プロセス活動を当社グループの中核である百貨店事業の他、金融事業、不動産事業、その他関連事業の多様な事業領域における連邦活動の活性化により、個客業プロセス活動の更なる加速を図ってまいります。 ■事業別戦略 ①百貨店事業 百貨店事業では、個客業プロセス活動を加速し、「まち化」の中核として圧倒的な独自性で世界から集客する“特別な”百貨店を目指します。成長投資の中心となるリモデルでは、強みを拡大し効率性を改善する従来型のリモデルに加えて、ここにしかない新しい中分類やコンテンツなど独自性を追求し世界のお客さまから選ばれる店を目指してまいります。伊勢丹新宿本店では、世界中からの集客につながる独自性のある店舗づくりのため、2026年度は本館地下1階の洋菓子リモデル、本館2階フレグランスリモデルを予定しています。また、地域百貨店においても「百貨店の科学」の視点で構造改革を進めるとともに、エリアでの集客・識別化の推進等によりビジネスモデルを進化させ、拠点ネットワーク(各店舗を起点に、首都圏店舗と連携して商品・サービス・顧客をグループ横断でつなぐ仕組み)や首都圏と地域店の外商活動を強化するONEグループ外商化等にて安定黒字化を図り、地域の高感度上質消費を支える唯一無二の存在を目指してまいります。 ②海外事業 海外事業では、“選択と転換”から“展開と深掘”フェーズに移行し、国内と同様に“百貨店の科学”を徹底してエリアのコンディションに応じた構造改革の進行と新たなビジネスモデルの探索により、事業領域を再構築しております。その一方で、海外のお客さまに支持される“日本の食”を強みとした既存店舗の磨き上げやフィリピン・マニラにおける小売事業とレジデンス、タイ・バンコクにおける小売事業とオフィスを掛け合わせた大規模不動産複合開発に参画しており、米国三越ではレストラン、ストアにて世界中から集まるお客さまへ本格懐石料理を提供するなど日本の伝統や文化を発信しております。 ③不動産事業 不動産事業では、世界中から顧客を集め、用途をつなぎ合わせ、各事業の価値を最大化させる「まち化」の具現化を目指します。具体的には百貨店を中心にホテルやレストランなどの“高感度上質”なコンテンツを組み合わせ、さらに“グループ連邦”でメディア・建装・物流事業などのインフラ機能まで展開することで世界中の顧客を“まち”に呼び込むとともに、不動産事業のみにとどまらない当社独自の収益モデルの確立を目指していきます。 ④金融事業 金融事業では、顧客基盤と百貨店商流を活用し、カード領域、金融領域で新たな商品を充実させながら、事業拡大を図ってまいります。2025年3月にリリースした「エムアイカード ベーシック」による会員の裾野拡大に加え、新規金融サービスの一層の充実により収益基盤の拡充を図っていきます。 ⑤国内関連事業 国内関連事業では、“グループ連邦”活動を活性化し、百貨店と連携して「BtoB」「BtoC」ビジネスの拡大による、各事業の収益拡大とビジネスモデルの進化を目指します。グループ内での内製化を推進するとともに、グループの持つアセットを活用した新たな事業機会の創出や、「まち化」で生じる新たな事業機会への参画等によるマネタイズで外部収益を拡大していきます。
事業等のリスク17,231字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、財務の状況等に関する事項のうち、当社グループが投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のとおりです。 ただし、将来の業績や財務に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。 1.リスクマネジメント推進体制について 当社グループのリスクマネジメント体制は、3つのディフェンスラインと5つのレイヤーで構成されております。各レイヤーの役割と責任を明確化することで、実効性の高いリスクマネジメント体制を構築しております。 ※リスクマネジメント体制図 当社グループは、グループ経営戦略会議の諮問機関であるリスクマネジメント委員会にて、経営戦略の推進や経営基盤に影響を与える重大な経営リスクについて検証および対応策等の検討を行い、その結果をグループ経営戦略会議に答申する体制を構築しております。また、グループ全体のリスクマネジメント推進のため、リスクマネジメント推進会議およびサイバーセキュリティ推進会議を設置しております。 リスクマネジメント推進会議では、リスクマネジメント年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてリスクマネジメント対策の実現を図っております。また、重点リスクへの具体的な対策を強化するため、リスク対策部会を設置しております。 サイバーセキュリティ推進会議では、サイバーセキュリティ年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてサイバーセキュリティ対策の実現を図っております。また、具体的な対策を強化するため、サイバーセキュリティ対策部会を設置しております。 2.リスクの分析・評価について 当社グループは、グループ全体の事業を取り巻くリスクを5つの領域(①経営戦略リスク②財務リスク③人事・労務リスク④災害・犯罪リスク⑤オペレーショナルリスク)に分類し、領域ごとにリスクを洗い出し、リスク一覧として整理しております。毎年、その内容を見直し、月次でリスクへの対応状況を確認し、必要に応じて評価を見直しております。 経営戦略リスクについては、リスク一覧で管理しておりますが、事件事故事象となりうるインシデントについては、経営への影響度、発生頻度をもとにリスクマップ上に抽出し、その中から重点リスクを選定、3つの部会(コンプライアンス部会・リスク対策部会・サイバーセキュリティ対策部会)を通じて具体的な対策の強化を図っております。なお、リスクへの対応状況については、グループ経営戦略会議および監査委員会に定期的に報告しております。 リスク領域   リスク項目   影響度   人的損害   物的損害   経営・財務戦略遂行の阻害   レピュテーション毀損 (1)経営戦略リスク   サステナビリティ経営推進に関するリスク   特に大   ●   ●   ●   ● デジタル社会への対応に関するリスク   特に大           ●   ● ビジネスモデル変革に関するリスク   特に大           ●   ● 海外情勢への対応に関するリスク   大   ●   ●   ●   ● (2)財務リスク   資金調達に関するリスク   大           ● (3)人事・労務リスク   人材確保に関するリスク   特に大   ●       ●   ● (4)災害・犯罪リスク   災害等の対応に関するリスク   特に大   ●   ●   ●   ● 犯罪への対応に関するリスク   特に大   ●   ●   ●   ● (5)オペレーショナルリスク   商品取引上のリスク   特に大   ●       ●   ● 個人情報漏洩に関するリスク   特に大           ●   ● (1) 経営戦略リスク ①サステナビリティ経営推進に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   社会課題の深刻化(気候変動や人権侵害等) 社会課題に対する企業の責任やステークホルダーからの要請の高まり 内部リスク   サステナビリティ経営推進の遅れ(脱炭素や人権デュー・ディリジェンス等) <リスク認識> 近年、世界各地において、気候変動に伴う自然災害の激甚化等、企業を取り巻く社会課題は複雑化・深刻化しております。このような環境下において企業には、気候変動への対応や循環型社会の実現、人権の尊重、持続可能なサプライチェーンの構築、地域社会への貢献など、経済的価値の追求だけではなく、社会的価値の創出の両立を目指した企業活動を求められております。また、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題については、事業活動および財務への影響を把握する観点から、関連するリスクおよび機会を識別し、その影響度や発現時期を踏まえて分析することの重要性が高まっております。 このような社会の潮流に対して、当社グループのサステナビリティ経営の推進が十分でない場合には、お客さまを始めとするステークホルダー(お取組先、株主/投資家、地域社会/コミュニティ、従業員等)からの信頼低下を招き、市場競争力の低下、資金調達環境の悪化や人財の確保・定着への影響等、企業経営に悪影響を及ぼす可能性があります。 特に、脱炭素に向けた取り組みが十分に進展しない場合、エネルギー消費に伴う環境負荷増加につながるだけでなく、将来的な環境関連規制の強化やエネルギーコストの上昇により、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 <対応策> ■サステナビリティ経営推進体制の強化 当社グループでは、サステナビリティに関する課題を、中長期的な企業価値および財務基盤に影響を及ぼし得る重要な経営リスクの一つと認識し、サステナビリティ基本方針のもと、経営層が主導する推進体制を構築しております。 具体的には、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議において、社会環境の変化やステークホルダーからの要請を踏まえ、サステナビリティ活動の方向性および重点課題を審議し、その内容を経営判断および事業戦略に反映しております。 また、CAO兼CROを議長とするサステナビリティ推進部会において、重点課題に関する具体的施策の検討、進捗管理および課題対応を行い、グループ全体への浸透と実効性の確保を図っております。 ■事業戦略と連動したサステナビリティの推進 当社グループは、本業を通じて社会課題の解決と企業価値向上の両立を図る観点から、事業戦略と連動した4つの重点取り組み(①人・地域をつなぐ、②持続可能な環境・社会をつなぐ、③ひとの力の最大化、④グループガバナンス・コミュニケーション)を定め、サステナビリティ経営を体系的に推進しております。 さらに、サステナビリティ活動“think good”を百貨店事業だけでなく不動産事業、金融事業、その他関連事業に取り組みを広げ、規模の拡大と、さらなる独自性の磨き上げを目指すとともに社会課題への対応力を高めることで、ブランド価値および市場競争力の維持・向上に努めております。 ■ステークホルダーとの対話を通じた信用リスクの低減 当社グループは、ステークホルダーとの継続的な対話を通じて、社会的要請の変化や事業活動に関連する潜在的リスクを的確に把握し、信頼関係の維持・向上を図ることで、信用低下による事業・財務への影響の抑制に努めております。 お客さまに対しては、サステナビリティ活動に関するアンケートを毎年実施し、その結果を分析・情報開示の上、頂戴した貴重なご意見・ご要望をサステナビリティ活動に活かしております。 また、お取組先に対しては、「お取組先行動規範」の遵守をお願いするとともに、2年に1度のアンケートや個別対話を通じてサプライチェーン上のリスク把握および改善に向けた協議を行っております。 ■人権デュー・ディリジェンスの実施 当社グループでは、人権侵害が事業活動や信用に重大な影響を及ぼすリスクであるとの認識のもと、発生可能性および深刻度の観点から人権リスクマップを作成し、重点対応領域の特定および未然防止に取り組んでおります。 加えて、2025年4月にはサプライチェーン全体(社内外)を対象とする「人権救済外部窓口」を設置し、人権リスク発生時の是正および救済を含む実効性のある対応体制を構築しております。 ■気候変動への対応・脱炭素社会の実現に向けた取り組み 当社グループは、気候変動が事業運営および財務状況に与える影響を重要な経営課題と認識し、TCFD提言に賛同の上、気候関連リスクおよび機会の把握・分析ならびに情報開示を行っております。 また、将来的な環境規制の強化やエネルギーコスト上昇等による財務影響を抑制するため、「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標(温室効果ガス排出量2023年度比▲42%※1および再生可能エネルギー導入比率55%)」および「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標(温室効果ガス排出量実質ゼロ※2)」を設定し、温室効果ガス排出量削減や再生可能エネルギー導入等を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを継続的に推進しております。 ※1 Scope1・2のみ ※2 Scope1・2・3 ②デジタル社会への対応に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   デジタル化の加速・急速な情報化社会の進行・技術革新 内部リスク   DX推進対応の遅れ、デジタル人財不足、システム障害管理体制の不備従業員によるSNSトラブル、AIシステム・サービスの不適切な利用 <リスク認識> 当社グループは、デジタル社会の変化に対応するために、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイトやアプリの提供、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。 また、事業活動を通じて蓄積したデータを活用してお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスモデル変革や業務改革にも取り組んでおります。 当社グループが、デジタル社会への対応に乗り遅れた場合、お客さまのご要望や購買行動が変化する中で、迅速な対応ができず、市場競争力の低下、収益性に悪影響を及ぼすリスクが増大します。また、DXを実行するデジタル人財不足により、経営効率化、業務効率化が進まずに中期経営計画実行、業績、財務状況に悪影響を与える可能性があります。その他、新システム導入や更改、日々のシステム運用のなかで不測の障害が発生することにより、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障が生じる恐れがあります。 さらに、SNS活用が浸透・拡大するにつれ、従業員個人が関与するSNSトラブル増加の恐れがあります。また、AIシステム・サービスは、将来的には業務生産性を高める無限の可能性を持つツールとして積極的な活用が求められる一方で、使い方によっては重要な機密情報の漏洩や意図せず第三者の権利侵害につながるリスク等も懸念されております。 <対応策> ■デジタルテクノロジーを活用したDX推進と競争力の維持・向上 当社グループは、デジタル社会における顧客ニーズや購買行動の変化に迅速に対応するため、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐ顧客体験の高度化を進めるとともに、事業活動を通じて蓄積したデータを活用した新たな価値創出に取り組んでおります。 個客業化に向けたDX戦略のもと、業務プロセス改革およびビジネスモデル変革を継続的に推進することで、デジタル社会への対応遅れによる市場競争力低下や収益性悪化のリスク低減を図っております。 ■DX推進を支えるデジタル人財の確保・育成 DXを実効性あるものとするため、当社グループでは、デジタルテクノロジーやデータ活用に精通した専門組織を設置するとともに、グループ内における計画的な人財育成を通じて、DX推進を担う人財基盤の強化に取り組んでおります。 ■システム障害管理体制 システム部門による障害発生への事前対策とともに、システム部門と営業部門が一体となりシステム障害発生時における損失を最小化する取り組みを行っております。 ■従業員によるSNSトラブル未然防止・再発防止の取り組み SNS活用が浸透・拡大するにつれ、想定しなかった事故やトラブルが増加していることから、デジタルな顧客接点として、お客さまに安心してご利用いただける環境の構築を図っております。 SNSを利用するにあたって従業員が公私を問わず遵守すべきルールとして、禁止・注意・推奨する事項を明示した「ソーシャルメディアガイドライン」を策定し、周知徹底を図っております。 ■AIシステム・サービスの適切な利用 AIシステム・サービスについては、当社グループで安心、安全に利活用できる環境を整備しております。また、利用前には必ずeラーニングを受講するなど社内ルールを周知徹底することで、機密情報漏洩や第三者の権利侵害といったリスク回避の対策を講じております。 ③ビジネスモデル変革に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   既存の百貨店ビジネスモデルの衰退、想定を上回る環境変化(人件費、物価上昇等) 内部リスク   ビジネスモデル変革の遅れ <リスク認識> 当社グループの中核事業である百貨店事業は、これまでマスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりました。しかしながら、近年の少子高齢化といった人口動態の変化や所得・消費の二極化といった社会構造の変化、デジタル化の加速と情報化社会の進化により、お客さまの価値観、消費行動は大きく変化し続けております。 また、市場における競争激化を背景とした業界再編の動きが活発化してきており、新たなビジネスモデルへの転換が急務となっております。さらには、インフレの影響、労働市場の逼迫、サプライチェーンの混乱等に伴う人件費、資材、エネルギー等の高騰が、当社グループのビジネスモデル変革への阻害要因にもなり得ます。このような社会の変化の中で、当社グループのビジネスモデル変革が遅れた場合、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 <対応策> ■「館業」から「個客業」へのビジネスモデル変革の推進 当社グループは、少子高齢化や消費行動の多様化、デジタル化の進展といった外部環境の変化を踏まえ、中期経営計画(2025~2030年度)に基づき、従来のマスマーケティング型の「館業」から、顧客一人ひとりとの継続的な関係構築を基盤とする「個客業」へのビジネスモデル変革を推進しております。 百貨店事業において培ってきた顧客基盤を起点に、カードやアプリ等を活用して顧客を識別化し、グループ各事業(百貨店、不動産、金融、関連事業)が連携することで、多様な顧客価値の提案を行っております。これにより、顧客との関係性を深化させ、LTV(ライフタイム・バリュー)の最大化およびウォレットシェアの拡大を図ってまいります。 また、2025年3月に導入した海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」を通じ、国内外を問わず顧客との接点を拡大し、インバウンド需要を含む収益基盤の安定化に取り組んでおります。 ■事業機会の拡大による成長余地の確保 当社グループは、「個客業」への転換を通じ、事業機会の拡大を図っております。具体的には、国内外の地域的制約を超えた顧客獲得、営業時間に依存しないビジネス展開、百貨店を核とした「まち化」戦略による空間価値の創出、ならびにグループ各事業の特性を活かした用途の拡大を進めております。 これらの取り組みにより、既存の百貨店ビジネスモデルに依存しない成長機会を創出し、社会構造や市場環境の変化に対する事業ポートフォリオの耐性を高めてまいります。 ■変革を迅速かつ持続的に進めるための経営基盤強化 当ビジネスモデル変革を着実かつ継続的に実行するため、当社グループは、収益力の向上と経営管理の高度化に取り組んでおります。インフレの進行や労働市場の逼迫、サプライチェーンの混乱等による人件費・資材費・エネルギーコストの上昇が、変革推進の阻害要因となり得ることを踏まえ、販売管理費の適正化を進めるとともに、収益構造の強化を図っております。 具体的には、首都圏および地域百貨店において、「組織要員改革」「収支構造改革」「店舗構造改革」の三つの改革を、科学的なデータや検証に基づき継続的に実施しております。これにより、事業環境の変化に柔軟に対応し得るコスト構造の構築と、生産性の向上を進めております。 また、経営課題や投資効果を適切に把握・判断できる経営管理体制の高度化を進め、成長分野への資源配分と収益性改善の両立を図っております。これらの取り組みを通じて、外部環境の変動下においても、ビジネスモデル変革を持続的に遂行できる経営基盤の強化に努めております。 ④海外情勢への対応に関するリスク 影響度:大 外部リスク   地政学リスク(政治・経済的不安や社会的混乱等) 内部リスク   従業員の安全上・労務上の問題、現地法規制対応不備、現地のガバナンス不全 <リスク認識> 当社グループは、百貨店事業における東南アジア、中国、台湾、および米国の店舗営業のほか、海外の不動産事業にも参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許認可、税制等、様々な政府規制や法制度の適用を受けております。 外部リスクとして、政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスクがあります。なかでも国際紛争によるエネルギーコストや商品価格の高騰および商品供給のリードタイムの長期化等、当社グループのビジネスに影響を与える可能性があり、引き続き注視が必要であると捉えております。さらには、国際紛争の長期化に伴うインフレ加速、景気後退、為替変動等のリスクがあり、これらの影響が長引いた場合、海外現地店舗の来店客数および売上高の減少と、訪日外国人来店客数および免税売上高が減少し、業績や財務状況に悪影響をもたらします。 内部リスクとしては、海外で事業展開するうえで、従業員の安全上・労務管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等のリスクが内在しております。これらのリスクにより、海外実店舗の人的・物的損害の発生だけでなく、財務への損害、事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、お取組先を介してのグローバルな取引が多く存在し、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性があります。また、これらの内部リスクを通じて、日本においても、レピュテーション毀損や財務への損害が発生する可能性があります <対応策> ■現地ガバナンスおよび法令遵守体制の強化 当社グループでは、海外各拠点における事業リスクを適切に管理するため、日本側と海外拠点との間で定例的な会議を実施するとともに、内部統制チェックリストを活用したモニタリングを行い、ガバナンス体制の強化を図っております。 加えて、拠点ごとに事業内容や外部環境、地政学的要因等を踏まえたリスクマップを作成・更新し、主要リスクの可視化と優先順位付けを行うことで、統制の実効性向上に取り組んでおります。これらのリスクマップは、日本側においても共有・確認し、モニタリングや対応方針の検討に活用しております。 また、海外拠点を対象とした内部通報制度を導入し、通報窓口を設置・運用することで、不正・不祥事の早期把握および是正に取り組んでおります。 資金管理については、金融機関のシステムを活用し、日本側からのモニタリング体制を構築することで、財務リスクの抑制に努めております。 ■従業員の安全確保および労務管理への取り組み 海外事業に従事する従業員および出張者の安全を確保するため、海外赴任者に対して、地政学リスクや現地の治安・法制度等に関する教育を実施しております。 加えて、海外拠点とのリモート会議や現地情勢に関する情報共有を定期的に行い、平時からのコミュニケーション強化を図っております。 有事においては、日本側および海外拠点が一体となって対応できるよう、レポートラインや対応方針を明確化するとともに、情勢の変化に応じて、赴任者の家族や出張者を含めた安全確保のための措置を講じております。 ■地政学リスクを踏まえた事業・財務運営への対応 国際紛争等に伴うエネルギー価格や商品価格の変動、為替変動が当社グループの業績および財務状況に与える影響を低減するため、事業環境の変化を注視しつつ、海外事業の採算性や投資回収状況を定期的に検証しております。 また、事業継続に影響を及ぼす可能性がある場合には、必要に応じて事業計画や投資判断の見直しを行うなど、機動的な対応に努めております。 ■商品供給網およびレピュテーションリスクへの対応 グローバルな商品供給網における停滞や遅延のリスクに対しては、お取組先との連携を通じて情報収集を行い、供給状況の把握および影響の最小化に努めております。 あわせて、海外事業に起因する問題が国内外でのブランド評価や信用に影響を及ぼすことのないよう、平時からのリスク管理体制の整備と、危機発生時における適切な情報共有・対応を行っております。 (2) 財務リスク ①資金調達に関するリスク 影響度:大 外部リスク   市場金利の上昇に伴う資金調達コストの増加 内部リスク   業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下 <リスク認識> 当社グループは、「館業」から連邦(※注1)とまち化(※注2)を手段に、「個客業」への変革と進化を目指しております。その実現のため、コンテンツ、DX・システム、不動産、生産性向上、安心・安全等の投資に、1,000億円水準の資金が必要となります。しかしながら、当社グループの業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下、さらには政策の転換による金融市場の資金調達コストの増加等、様々な要因が資金調達を困難にする可能性があります。資金調達が困難になった場合には、戦略実行の遅延や戦略変更を余儀なくされるリスクが内在しております。 ※注1 連邦:グループ内の各事業が連携し、顧客に個別最適なサービスを提供する戦略 ※注2 まち化:百貨店を核に複合用途を広げ、グループ全体でインフラ機能まで展開することで、世界中の顧客を街に呼び込み、不動産事業だけにとどまらない収益モデルを目指す戦略 <対応策> ■財務戦略の基本的な考え方 当社グループでは、中長期戦略の着実な実行を支えるため、外部環境の変化に左右されにくい安定的な財務基盤の構築と、投資余力の確保を重要な経営課題として位置付けております。業績変動や金融市場環境の変化が生じた場合においても、戦略遂行を継続できるよう、財務健全性と資金調達力の維持・向上に取り組んでおります。 ■財務体質の改善と資金創出力の強化 当社グループは、収支構造改革の継続的な推進により固定費構造の見直しを進め、営業利益および営業キャッシュ・フローの安定的な創出に努めております。創出したキャッシュ・フローについては、有利子負債の削減や財務余力の確保に充当することで、バランスシートの健全性向上を図っております。 ■事業別利益管理と資本効率の向上 資本コストを意識した経営を徹底し、事業別・連邦単位での収益性および資本効率の向上に取り組んでおります。これにより、投資家や金融機関からの信認を維持・向上させ、安定的な資金調達力の確保につなげております。 ■投資規律の徹底と柔軟な投資運営 「個客業」への変革に向けたDX、不動産、安心・安全等の戦略投資については、中長期的な成長性と財務健全性の両立を前提に、優先順位付けと投資評価を厳格に行っております。 また、外部環境や資金調達環境の変化に応じて、投資時期や投資規模の見直しを行うなど、柔軟な投資運営を通じて、戦略実行の遅延リスクの低減に努めております。 (3) 人事・労務リスク ①人材確保に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   少子高齢化・生産労働人口減少に伴う人材獲得競争の激化 内部リスク   経営・戦略実現・事業基盤を支える継続的な人材獲得・育成の遅れ <リスク認識> 当社グループは、戦略を遂行するうえで百貨店事業分野のみならず、不動産事業、金融事業、関連事業をはじめとした各事業の成長を担う専門人財と長期のグループ成長を担う経営人財の確保、継続的な育成が必要と認識しております。少子高齢化に伴う生産労働人口の減少を背景にした人財獲得競争が激化するなかで、計画通りに必要な知識・経験・スキルを有する人財の確保が図れなかった場合は、当社グループの目指す経営目標の達成や事業成長に影響を及ぼす可能性があります。 <対応策> 当社グループでは、人財確保に関するリスクを重要な経営課題の一つと認識し、「人財の確保」「人財の育成」「人財の定着・活躍」の各段階において、以下の取り組みを推進しております。 ■人財確保に向けた取り組み 当社グループは、少子高齢化の進展に伴う人財獲得競争の激化を踏まえ、採用段階におけるミスマッチの低減と、当社グループの価値観に共感する人財の確保を重視しております。 採用活動においては、学生との価値観の共有を重視し、ワークショップ等を通じた双方向のコミュニケーションを丁寧に行うことで相互理解を深めております。また、内定後においても複数回の面談等を実施し、入社意欲の向上と相互の認識のすり合わせを図ることで、入社後の定着および活躍につなげております。 ■経営戦略の実現を支える人財育成 当社グループは、「三越伊勢丹グループ人財マネジメント方針」のもと、経営戦略および事業成長を支える専門人財・経営人財の育成に取り組んでおります。 処遇改善、人財育成、働く環境整備、健康経営の推進、人事DX等に対するメリハリを持った人的資本投資を行い、従業員の成長と企業価値向上の両立を図っております。 また、戦略的な出向政策や事業特性に応じた専門スキル育成支援等を通じて、多様な事業分野に対応できる人財の育成を進めております。加えて、グループ内外における計画的な人財流動化により、知見・経験・ネットワークの多様性を高め、新たな価値創造を担う人財の育成に取り組んでおります。 ■従業員エンゲージメントの向上と定着 人財の確保・育成の成果を持続的な成長につなげるため、従業員エンゲージメントの向上にも注力しております。社内における対話文化の醸成を通じて、働きがい・働きやすさの向上を図るとともに、会社と労働組合が共同で「安心して働くことのできる職場環境づくり」を宣言し、ハラスメント防止や適正な労働時間管理を全社的に推進しております。 さらに、一人一人のライフワークバランスを尊重し、個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める両立支援制度(育児・介護等)の拡充や、女性活躍推進に向けた取り組みにも継続して取り組んでおります。 なお、人的資本経営については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(イ)人的資本経営」において記載しております。 (4) 災害・犯罪リスク ①災害等の対応に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   自然災害の激甚化、感染症拡大、他国からのミサイル攻撃 内部リスク   火災・消防法違反、災害等への対応不備 <リスク認識> 当社グループは、百貨店事業を中核として事業展開を行っています。このため、自然災害(地震・津波・台風・水害・雪害など)が発生すると、店舗の営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 大規模地震(首都直下地震、南海トラフ地震等)の発生時には、お客さま・従業員・建物等に甚大な損害が生じることが予想されます。百貨店事業は全国各地からの商品供給や物流に依存しているため、供給網への影響は事業継続に深刻な支障をもたらす可能性があります。特に富士山噴火時には、東海地方および首都圏の店舗に火山灰が飛来し、交通インフラの混乱に加え、システムや物流網など全国的な影響が懸念されます。 近年の地球環境変化に伴い、台風や集中豪雨などの自然災害は規模・被害ともに甚大化する傾向にあります。洪水・浸水・強風によって人的被害や物的被害が生じ、営業停止による損失を招く可能性があります。 火災発生時には、お客さま・従業員への人的被害、建物・設備・商品等の物的被害、損害賠償責任などが発生する恐れがあります。また、消防法違反が発覚した場合、罰則や営業停止による損失など、業績や財務状況への悪影響が考えられます。 さらに、他国からのミサイル着弾・落下が想定される場合、直接被害がなくても攻撃が継続し深刻な事態となれば、事業継続に多大な影響を及ぼす可能性があります。 また、新たな感染症の拡大により、国内消費の低迷やインバウンド需要の減少が発生し、業績や財務状況に影響を与える可能性があります。 <対応策> 当社グループでは、自然災害や感染症の拡大、火災、紛争等の発生に備え、人命の安全確保を最優先とした上で、事業継続および業績・財務への影響を最小化することを基本方針として、平時および有事の両面から対応体制を整備しております。 ■平時の備え 当社グループでは、地震・水害・パンデミック・富士山噴火・ミサイル攻撃等の大規模災害に備え、事業継続計画(BCP)および災害対策基本計画において、日頃の防災・減災対策や災害発生時の初動対応、復旧に向けた具体的な行動計画を策定しております。 株式会社三越伊勢丹では、BCPの取り組みと店頭での募金活動や従業員のボランティア活動を支援する仕組み等が評価され、「事業継続」と「社会貢献」の分野において、外部認証機関より「レジリエンス認証」を取得しております。 全拠点のハザードマップを整備するとともに、災害対策本部設置基準を設定し、風水害時にはマニュアルに基づいた対応が行えるよう事前準備を行っております。 火災対策として、消防法に基づく防火管理者の選任や自衛消防隊の編成を行い、防火防災訓練を継続的に実施しております。 感染症については、パンデミック発生時の被害想定および行動目標を定め、グループ全社で感染予防策を実施できる体制を構築しております。 従業員に対しては、社内報等を通じて防災に関する情報発信を行い、自助意識の向上を図っております。 ■有事の対応 毎年、全国一斉安否確認訓練を実施し、災害発生時における迅速な安否報告および安否確認が確実に行える体制の定着を図っております。 首都直下地震および南海トラフ地震を想定したBCP訓練を毎年実施しており、近年は富士山噴火を含む複合災害への対応も訓練内容に取り入れております。また、グループ各社においても、大規模地震を想定した災害対策本部訓練を毎年実施しております。 ミサイル攻撃については、Jアラート発令時の対応マニュアルに基づき迅速な行動をとるとともに、訓練事例の共有を通じてグループ全体の対応力向上を図っております。 感染症が拡大した場合には、総合対策本部を設置し、お客さまおよび従業員の安全・安心を最優先に、感染状況に応じた対策をグループ全社で実施してまいります。 ②犯罪への対応に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   組織犯罪等の増加(詐欺・強盗・窃盗) 内部リスク   従業員による不正・違法行為 <リスク認識> 近年、SNSなどを通じて緩やかに結びつく匿名・流動型犯罪グループ等による特殊詐欺をはじめ、高額品を狙った強盗や窃盗などの組織犯罪が増加し、手口が巧妙化してきております。強盗・窃盗等は、お客さまや従業員の人命や安全を脅かすだけでなく経済的、物理的損失や営業停止を引き起こし、ブランドイメージを脅かす恐れがあります。また、従業員による不正・違法行為が発生した場合、社会的信用の失墜による売上減少や賠償金等の支払い負担、レピュテーション棄損等、業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。 <対応策> ■組織犯罪等への対応 当社グループでは、強盗・窃盗・特殊詐欺等の組織犯罪の増加および手口の巧妙化を踏まえ、リスク対策部会を中心とした横断的な管理体制のもと、自主点検の実施や発生事例の共有を通じて未然防止および被害極小化に向けた取り組みを継続的に強化しております。 また、所轄警察署等の関係機関と連携し、強盗発生を想定した訓練を実施することで、従業員の初動対応力の向上と、お客さまおよび従業員の安全確保を図っております。 ■従業員による不正・違法行為への対応 従業員による不正・違法行為の未然防止および早期発見を目的として、「三越伊勢丹グループホットライン」を設置し、内部通報制度の実効性向上に取り組んでおります。通報内容については、適切な調査および是正措置を行うことで、自浄的な改善につなげております。 加えて、情報システムの不正利用やオンライン上の不正行為を抑止するため、アクセス管理や監視等の技術的対策を強化するとともに、コンプライアンス教育を通じて従業員の法令遵守意識の向上を図っております。 これらの取り組みにより、組織犯罪および内部不正による経営・財務への影響やレピュテーションリスクの低減に努めております。 (5) オペレーショナルリスク ①商品取引上のリスク 影響度:特に大 外部リスク   法令遵守に対する社会的要請の高まり 内部リスク   お取組先との公平・公正な取引における問題(商品調達等) 商品の品質・安全管理における体制上の問題 <リスク認識> 当社グループは、百貨店事業を中核とした事業展開を行っております。お客さまのニーズに合わせて、常に安全で安心な商品やサービスを提供することを最優先に考え、お客さまのご満足と信頼に応えられる品質を追求しております。 百貨店事業は、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受けております。これらの法規制を遵守し、お取組先や消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し、公正な取引を行うことが求められております。これらの法規制を遵守できなかった場合、行政処分により当社グループの営業活動に制限がかかる可能性や、社会的信用の失墜、売上の減少、罰金や課徴金の負担等の財務上の損失が生じる可能性など、当社グループの事業継続に大きな影響を与えることが考えられます。 当社グループが実施しているサステナビリティ活動に関するお客さまアンケートにおいても、例年「商品の品質・安全の確保・正確な表示」が、当社グループに期待されている項目の上位に挙げられております。なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が懸念されます。これらが発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害だけでなく、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し、当社グループの業績、財務状況に悪影響を与える可能性があります。 <対応策> ■法令遵守および公正な取引の徹底 当社グループは、「三越伊勢丹グループ企業理念」の実践に向け、役職員が業務遂行にあたり遵守すべき倫理的基準として「三越伊勢丹グループ行動規範」を策定し、グループ全体へ周知・浸透を図っております。 また、コンプライアンス推進会議を中心とした推進体制を構築し、法令改正への対応方針の策定や、取引に関する懸念事項の把握・是正に取り組んでおります。 商品取引に関しては、中小受託取引適正化法、不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引法等に基づくガイドライン・マニュアルを整備し、法改正や業務実態の変化に応じて適宜見直しを行うとともに、関係部門への周知と教育を実施しております。 万一、法令違反や不適切な取引が発生した場合には、定められたガイドラインおよびレポートラインに基づき速やかに対応し、原因分析と再発防止策を講じることで、コンプライアンス体制の継続的な強化を図っております。 ■お取組先との公平・公正な取引関係の構築 当社グループは、「三越伊勢丹グループ調達方針」および「三越伊勢丹グループ人権方針」を策定し、持続可能なサプライチェーンの構築と人権を尊重した事業運営に取り組んでおります。 また「パートナーシップ構築宣言」に基づき、お取組先との共存共栄を重視した取引関係の構築を推進しております。これらの方針については、eラーニング等を通じて全従業員に周知し、その理解と実践の徹底を図っております。 さらに、アンケートや対話、方針説明会の開催等を通じてお取組先とのコミュニケーションを継続的に行い、取引実態の把握とサプライチェーン・マネジメント体制の高度化に努めております。加えて、店頭業務に従事する派遣社員を含め、法令や社内規程の遵守状況について定期的な点検および教育・指導の実施に努めております。 ■商品の品質および安全管理体制の強化 当社グループは、お客さまに安全・安心な商品およびサービスを提供するため、商品の品質・安全管理を最重要課題の一つとして位置付けております。 食品を取り扱う事業においては、食品衛生の基本であるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画を策定し、日々の記録・保管および定期的な点検を通じて、法令遵守と食品事故の未然防止に努めております。これらの取り組みについては、お取組先とも共有し、サプライチェーン全体での衛生管理水準の維持・向上を図っております。 また、食物アレルギー有症事故の防止に向け、正確なアレルギー情報を提供するためのマニュアルや社内体制を整備するとともに、定期的な点検により表示内容の正確性を確認しております。あわせて、お客さまとの適切なリスクコミュニケーションを推進し、安全確保と信頼向上に取り組んでおります。 ②個人情報漏洩に関するリスク 影響度:特に大 外部リスク   サイバー攻撃、不正アクセス等の増加 内部リスク   管理体制不備による個人情報等の漏洩・紛失 <リスク認識> 当社グループは百貨店、金融、不動産、関連事業において、多くのお客さまやお取組先の様々な情報をお預かりし、厳重に管理しております。近年、国内外におけるサイバー攻撃や不正アクセス事例が増加しており、情報セキュリティガバナンスの強化が急務となっております。 また、個人情報を活用した新規ビジネスの拡大に伴い、漏洩や不適切利用の事案が増加し、消費者の保護意識や利用状況への関心が高まっております。各国で個人情報保護法制が整備され、越境移転を含む厳格な管理体制と目的内利用の仕組み構築が企業に求められております。 当社グループにおいても、サイバー攻撃や管理体制の不備などにより個人情報が漏洩・紛失した場合、損害賠償や罰金等の費用が発生する可能性があります。さらに、法令違反が発覚した場合、社会的信用の失墜による売上減少など、業績や財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。このため、当社グループは情報セキュリティ対策の継続的強化と、法令遵守の徹底を重要な経営課題と位置付けております。 <対応策> ■情報セキュリティガバナンスおよびサイバーセキュリティ対策の強化 当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化のため、サイバーセキュリティ対策部会において、日常の業務活動のなかで技術的および人的・組織的な対策の推進を図っております。 技術的対策では、新たなサイバー攻撃にも対応できるよう防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入と運用を強化しております。 人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシーの向上を図るため、システム部門における専門的なセキュリティ人材の育成や、従業員へのセキュリティ教育・サイバーインシデント訓練を適時実施しております。 ■個人情報の適正な取得・利用および管理体制の整備 当社グループでは、館業から個客業への転換に向けて、個人情報を活用した新規ビジネスの拡大に伴う漏洩や不適切利用のリスクに対応するため、堅固なグループ情報管理基盤の構築に向けた対策の強化を図っております。 適切な個人情報の取得・利用・管理に関する自主基準およびマニュアルを整備し、管理システムおよび社内管理体制を構築し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において、個人情報を利用目的の範囲内で適切に取り扱う体制を整えております。 また、個人情報を含む情報セキュリティ体制については、継続的な見直しとモニタリングを実施するとともに、未然防止および再発防止の観点から、管理水準の向上に努めております。 加えて、従業員に対する教育・啓発活動を通じて、個人情報の取扱いに関するリテラシーとリスク認識の向上を図っております。 ■法令遵守およびグローバル対応の徹底 当社グループでは、個人情報保護に関する国内外の法令、規制、ガイドライン等の動向を継続的に把握し、適切な対応を進めております。各種法令への対応状況については適宜見直しを行い、社内ルールや運用への反映を通じて、法令遵守の徹底を図っております。 また、海外拠点においては、現地法規制に関する情報収集を継続的に行うとともに、各地域の制度やリスク特性を踏まえた管理体制を整備しております。 これにより、個人情報の越境移転を含むグローバルな情報管理についても、適正性とガバナンスの確保に努めております。
経営成績の分析 (MD&A)6,819字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、企業業績の堅調さと高水準の賃上げが雇用や所得環境の安定化につながり、全体として緩やかな回復基調を維持しました。物価高の影響は依然として残ったものの、為替の円安傾向が輸出産業を促進したほか、賃金の伸びや株高に伴う資産効果が下支えとなり、個人消費は持ち直し傾向へと転じました。 小売業においては、日用品や食品など生活必需品の販売が伸び悩む傾向も見られましたが、所得環境の改善や消費者マインドの持ち直しに加え、円安を背景とした訪日客の増加も押し上げる要因となり、娯楽や外食、旅行などサービス関連消費は回復傾向を強めました。 一方で、中東をはじめとした地政学リスクの拡大など、現在の世界情勢は大きな先行きの不確実性を抱えており、こうした外部環境の変化は、国内の企業活動や消費にも影響を及ぼす可能性があり、今後の動向を見極めながら、柔軟かつ的確な対応が望まれる状況です。 こうした環境の中、当社グループは、企業理念「こころ動かす、ひとの力で。」をミッションに掲げ、「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」というビジョンの実現を、「再生フェーズ」「まち化準備フェーズ」「結実フェーズ」の3段階を通じて目指しています。2022~2024年度の「再生フェーズ」でグループ再生を大きく進展させた後、現在は2025~2030年度の「まち化準備フェーズ」に入り、その前半である「フェーズⅠ」(2025~2027年度)において、集客から識別化、利用拡大、そして生涯顧客化へとつなげる個客業プロセス活動を推進しています。 当連結会計年度においては、従来の百貨店中心の「館業」から、お客さま一人ひとりと直接つながる「個客業」へのビジネスモデル転換を着実に進め、百貨店で識別したお客さまとの関係を深めるとともに、グループの多様なコンテンツを最大限活用する“連邦”活動によって新たな収益機会を創出してまいりました。 上記の取り組みを進めた結果、当連結会計年度において、営業利益は3期連続して過去最高を更新し、当期純利益も過去最高を大幅に更新しました。 当連結会計年度の連結決算につきましては、売上高は545,626百万円(前連結会計年度比1.8%減)、営業利益は80,020百万円(前連結会計年度比4.9%増)、経常利益は86,587百万円(前連結会計年度比1.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は76,096百万円(前連結会計年度比44.1%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 百貨店業 国内百貨店事業では、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に、地域との連携や各店の特性を活かした取り組み、アートやアニメなど新たな価値を掛け合わせたコンテンツ、希少性が高く付加価値のある商品の提案など、独自性強化の施策を展開しました。首都圏店舗では、お得意様向け招待会の伊勢丹新宿本店「丹青会」、三越日本橋本店「逸品会」において、国内外の一流・上質なコンテンツや通常は店舗で取り扱っていない商品の提案、体験型イベントを開催し、過去最高売上を記録した企画もあり、好評を博しました。地域店舗では、両本店からの商品取り寄せや店舗間送客による“拠点ネットワーク”活動が前年同期比で二桁増加し、好調に推移しました。オンライン事業では、店舗との連動企画を強化し、総額売上高が過去最高を更新しました。 2025年3月には、年会費無料の「エムアイカード ベーシック」を導入し、新規のカード会員が増加、識別顧客数は前年同期比約74万人増の約835万人となりました。この識別顧客数の増加により識別顧客売上高は堅調に推移し、年間300万円以上をお買い上げいただいた顧客も増加しました。特に個人外商の取扱高は首都圏店舗を中心に着実に伸びを見せています。同じく2025年3月に海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」をリリース。購買特典や高額免税者向けサービスの導入など、来店促進を一層強化し、「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」とWeChatの合計会員数は約88万人に達しました。 これらの取り組みが奏功した結果、国内顧客売上は識別顧客数増加と連動して堅調に推移し、首都圏の三越・伊勢丹両本店の総額売上高は前年並みに回復し、岩田屋本店や新潟伊勢丹など地域主要店でもラグジュアリーブランドや宝飾時計が売上を牽引しました。一方海外顧客売上は、為替動向や高額品価格改定前の駆け込み需要による昨年度記録した過去最高実績からの反動に加え、2025年11月以降の訪日客数減速の影響を受けて前年実績を下回ったものの、海外外商の取扱高は増加傾向にあります。あわせて、経費構造改革による人件費・地代家賃などの経費コントロールの徹底が、営業利益の改善に寄与しました。 海外店舗では、2025年度にシンガポール拠点の構造改革を実施しました。また、米国三越では日本食レストランや2025年12月にリニューアルオープンしたフードスタンド、小売店舗における日本のキャラクターグッズが好調に推移し、大幅な収益改善につながりました。 このセグメントにおける売上高は449,718百万円(前連結会計年度比2.5%減)、営業利益は65,522百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。 クレジット・金融・友の会業 クレジット・金融・友の会事業は、百貨店事業との強固な連携を基盤に、カード会員による顧客識別化の強化や金融サービスの拡充を通じて、収益力の向上に取り組んでおります。 株式会社エムアイカードでは、2025年3月における年会費無料の「エムアイカード ベーシック」の発行も寄与し、新規入会口座数は大幅に増加、カード会員総数も順調に伸長しています。同様に、2025年3月には、資産運用・クラウドファンディング・保険等を提供する総合金融サービス「MITOUS」を開始し、百貨店顧客向けイベントに出展するなど新たなサービス展開を推進いたしました。さらに2025年10月には金融商品仲介業および銀行代理業の認可を取得し、三越日本橋本店内での営業を開始するなど、百貨店顧客との接点を活かした金融商品の企画・提供を拡充しております。同社は、円安など外部環境の影響を受けつつも、取扱高の拡大や収支構造改革の継続により、過去最高益を達成するとともに、事業基盤の一層の強化を実現いたしました。 このセグメントにおける売上高は35,593百万円(前連結会計年度比3.4%増)、営業利益は6,336百万円(前連結会計年度比10.3%増)となりました。 不動産業 不動産業では、新宿エリア保有物件の賃料収入が増加したほか、建装事業においてグループ連携強化により受注が伸長しました。株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、自社工場の高品質な技術力を活かし、ホテル・オフィス・ブランドショップなどの内装設計・施工を受注。物価高騰や人材不足下においても、採算性重視の物件選定や経費抑制を徹底し、収益性と効率性を高め、大幅な増益を達成いたしました。 このセグメントにおける売上高は27,173百万円(前連結会計年度比8.0%減)、営業利益は4,681百万円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。 その他 株式会社エムアイフードスタイルは、三越伊勢丹グループの強みを活かし、プライベートブランドの販路拡大やエムアイカード会員向けキャンペーンなどの連携施策を強化。スーパーマーケット事業では客単価が伸長し増収増益を達成しました。なお、同社は100%出資による新会社「株式会社フードクラフト」を設立し、顧客接点拡大を目的として、2026年4月に株式会社大寿から「OONOYA」および「大野屋商店」の事業を吸収分割により承継しました。 旅行業を営む株式会社三越伊勢丹ニッコウトラベルは、2025年度において、国内では厳島神社夜間奉納公演や「にっぽん丸」ラスト・チャータークルーズ、海外ではイタリア四大モニュメント貸切見学やアンコール遺跡での晩餐会など、数々の特別企画による高感度かつ上質な商品を展開しました。あわせて、原価・経費管理を徹底し、事業全体の収益性を一層向上させました。 株式会社スタジオアルタは、新宿アルタビジョンの終了(2025年2月)に伴い、売上高および営業利益は前年を下回りました。一方で、広告制作事業の集約とスタジオアルタのノウハウを活用した外部企業への販売を推進するとともに、屋外広告やデジタルサイネージなど百貨店店舗メディアの販売が堅調に拡大しました。 このセグメントにおける売上高は98,130百万円(前連結会計年度比2.1%増)、営業利益は3,022百万円(前連結会計年度比45.4%増)となりました。 当連結会計年度末の総資産は1,217,975百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,249百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得などによるものです。 負債合計では597,818百万円となり、前連結会計年度末から5,029百万円減少しました。これは主に、有利子負債の返済などによるものです。 また、純資産は620,156百万円となり、前連結会計年度末から17,278百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて35,508百万円増加し、77,343百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、90,655百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が1,091百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が14,928百万円増加した一方で、売上債権の増減額が9,632百万円減少したこと、棚卸資産の増減額が2,566百万円減少したこと及び法人税等の支払額が3,452百万円増加したことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、21,634百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ支出が47,589百万円減少しました。これは主に、関係会社株式の売却による収入などによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、76,922百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が17,986百万円減少しました。これは主に、コマーシャル・ペーパーの純増減がなかったことなどによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績及び受注実績 当社及び当社の関係会社においては、その他事業の一部に実績がありますが、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。 b.販売実績 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前連結会計年度比(%) 百貨店業   446,776   △2.5 クレジット・金融・友の会業   20,969   4.9 不動産業   22,199   △8.7 その他   55,681   5.1 合計   545,626   △1.8 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績の分析 1)概要 2026年3月期 前期実績 (百万円)   当期実績 (百万円)   前年差 (百万円)   前年比 (%) 売上高   555,517   545,626   △9,890   98.2 売上総利益   337,675   336,722   △953   99.7 販売費及び一般管理費   261,362   256,702   △4,659   98.2 営業利益   76,313   80,020   3,706   104.9 経常利益   88,123   86,587   △1,535   98.3 親会社株主に帰属する当期純利益   52,814   76,096   23,282   144.1 2)営業外損益 2026年3月期 前期実績 (百万円)   当期実績 (百万円)   前年差 (百万円)   前年比 (%) 営業外収益   17,060   11,024   △6,036   64.6 受取利息   800   708   △92   88.5 受取配当金   686   782   96   114.0 持分法による投資利益   12,260   6,292   △5,967   51.3 その他   3,313   3,240   △72   97.8 営業外費用   5,250   4,457   △793   84.9 支払利息   704   851   147   120.9 固定資産除却損   1,631   1,550   △80   95.0 商品券回収損引当金繰入額   219   203   △15   92.7 その他   2,695   1,851   △843   68.7 3)特別損益 2026年3月期(百万円)   主な内容 特別利益 固定資産売却益   322   船舶 投資有価証券売却益   732   ㈱三越伊勢丹保有株式 関係会社株式売却益   10,646   同上 特別損失 固定資産処分損   54   名古屋三越栄店 減損損失   1,191   ㈱エムアイフードスタイル、名古屋三越星ヶ丘店、伊勢丹立川店 店舗閉鎖損失   253   中小型店舗 事業構造改善費用   484   イセタン(シンガポール)Ltd. 契約損失引当金繰入額   500   ㈱三越伊勢丹 4)資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の確保及び財務健全性の維持を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出と幅広い資金調達手段の確保に努めております。 運転資金及び収益基盤拡大に必要な投融資資金は、営業キャッシュ・フローに加え、銀行借入金、社債、コマーシャル・ペーパー等により賄っております。 また、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約及び当座借越契約、並びにコマーシャル・ペーパー発行枠により、充分な流動性を確保しております。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

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出典

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