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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

Green Earth Institute

Green Earth Institute Co., Ltd.9212 · Growth · サービス業

微生物発酵を核としたバイオものづくり企業。自社工場を持たず、研究開発受託とライセンスで化学品生産を支援。

概要

Green Earth Institute(グリーンアースインスティテュート)は、2011年設立のバイオベンチャーで、コリネ型細菌による増殖非依存型バイオプロセスをコア技術とする。石油原料を非可食バイオマス由来に転換する化学品や、バイオジェット燃料などを開発し、研究開発受託・ライセンス・自社販売・テクノロジーパッケージの4つの収益モデルを持つ。2021年12月に東証マザーズ(現グロース)に上場。従業員50名、本社東京都新宿区。

研究開発から商用化を4段階でつなぐビジネスモデル

当社は自ら商用生産設備を持たず、技術開発の成熟度に応じた4段階(Stage0~3)で事業を進める。Stage0・1では開発候補の選定と概念実証を行い、Stage2ではパートナー企業と協力して菌体設計・生産プロセス開発を実施する。この段階では主に研究開発収入を得る。Stage3ではパイロットテストを経てライセンス供与、自社販売(委託生産)、テクノロジーパッケージ提供により収益化する。2025年9月期のパイプライン総数は22件で、Stage2が21件、Stage3が1件である。ライセンス一時金やロイヤリティによる長期的・安定的な収益を目指すが、現状は研究開発収入が売上の大部分を占める。

NEDO委託事業が売上の38%を占める収益構造

2025年9月期の売上高は11億円(前期比7.3%増)で、営業損失は4200万円、経常利益は1億5700万円と黒字転換した。NEDOからの受託事業(バイオファウンドリ事業、グリーンイノベーション基金事業など)が売上の38.2%を占め、単一の大口顧客である。研究開発補助金収入が経常利益を押し上げた。総資産29.7億円、自己資本比率71.0%。設立以来研究開発投資が先行し赤字が続いたが、2025年9月期に当期純利益1億2732万円を計上した。今後の課題は商用化案件を増やし、ライセンス収入などのストック収益を拡大することである。

コリネ型細菌の代謝を物質生産に特化させる技術

中核技術は、土壌細菌コリネ型細菌(Corynebacterium glutamicum)を用いた「増殖非依存型バイオプロセス」である。通常の発酵では微生物の増殖に伴う代謝で目的物質を得るが、当社は酸素抑制条件下で増殖を停止させたまま代謝活性を維持する手法を開発した。これにより原料効率が高く、小規模設備で短時間に多量の生産が可能となる。また非可食バイオマス由来のフェノール類などによる増殖阻害を受けにくい。加えて、人工代謝経路設計、実験計画法による培養最適化、CFD数値流体力学によるスケールアップ予測、3,000L発酵槽での検証など、菌体設計から生産まで一貫した技術プラットフォームを持つ。

中国企業やDIC、日本製紙などとの連携拡大

海外では2018年に中国企業とバリンのライセンス契約を締結、ライセンシーが製造販売を開始した。国内ではDIC株式会社とアスパラギン酸(2021年)、βアラニン(2022年)のライセンス契約を結んだ。2023年には日本製紙、住友商事と木質バイオマス由来のエタノール商用生産に関する基本合意書を締結し、2025年7月には同事業のために森空バイオリファイナリー合同会社を設立した。また2022年に電源開発とオイルパーム廃木の複合事業調査契約、2023年に住友林業と資本業務提携契約を結んだ。パートナー企業との協業を通じて、バイオものづくりの社会実装を段階的に進めている。

業界の中での役割はバイオ化学品の生産を目指す企業に対し、技術開発と商用化ソリューションを提供にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
11億円
営業利益
0億円
営業利益率
0.0%
純利益
1億円
2025/9 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01バイオ化学品製造主力

化学品メーカーやバイオものづくりを検討する企業向けに、微生物を設計し高効率な生産プロセスを開発する研究開発受託サービスを提供しています。開発成果はライセンスやテクノロジーパッケージとして供与し、パートナー企業の商用プラント建設や生産立ち上げを支援しています。

独自の増殖非依存型バイオプロセス技術

主な製品・サービス3
研究開発受託
パートナー企業の要望に応じて、目的の化学品を生産する微生物の設計・育種と生産プロセスを開発する。
ライセンス
開発した微生物や生産プロセスを、パートナー企業が商用生産する権利を供与し、一時金やロイヤリティを得る。
テクノロジーパッケージ
菌体・生産プロセス情報と工場設計などのハード面をセットにしたパッケージを提供し、プラント建設を支援する。

製品と技術

アミノ酸製品群:アラニン、バリン、βアラニン、アスパラギン酸

当社のバイオプロセスで生産可能なアミノ酸には、アラニン、バリン、βアラニン、アスパラギン酸がある。アラニンは2016年に商用スケール量産に成功した最初の製品で、生体エネルギー生成に関わる需要が多い。バリンは2018年に中国企業にライセンス供与され、飼料や医薬品原料として製造販売が行われている。アスパラギン酸は樹脂原料としてDICにライセンス、βアラニンもDICへのライセンス契約を2022年に締結した。これらのアミノ酸は、従来石油由来または高コストのバイオ生産代替として、食品、飼料、化粧品、樹脂用途をターゲットとする。

古着・シュレッダーごみ由来のバイオジェット燃料とエタノール

2021年2月、当社が古着から製造したバイオジェット燃料を搭載した日本航空の商用機が、日本初の純国産バイオジェット燃料によるフライトを達成した。同社はこの燃料を、古着に含まれるセルロースを糖化・発酵する技術で生産した。また、2021年7月には「サーキュラーバイオエタノールプロジェクト」の第1弾として、シュレッダーごみからエタノール消毒液を完成させた。これらの実証は、廃棄物系バイオマスの資源循環(サーキュラーエコノミー)の具体例であり、2022年9月には環境省から脱炭素社会を支える資源循環システム構築実証事業(約2億円)も受託している。

木質バイオマス由来のエタノールと将来のバイオ化学品

2023年1月、日本製紙・住友商事との基本合意を皮切りに、木質バイオマスを原料とするバイオエタノールの商用生産計画が始動した。2025年7月には3社共同の森空バイオリファイナリー合同会社を設立。このエタノールは輸送用燃料や化学品原料として利用される。さらに、2022年には電源開発とオイルパーム廃木を活用した複合事業の調査契約を結び、パーム残渣からのバイオ燃料・化学品も視野に入れる。また、NEDOのグリーンイノベーション基金やバイオものづくり革命推進事業では、CO₂由来のバイオ化学品やセルロース・ヘミセルロース・リグニン由来の化学品の開発も進めており、長期パイプラインとして多様な原料・製品をカバーする。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • バイオ化学品製造独自の増殖非依存型バイオプロセス技術

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

環境サービスで小規模、赤字続く

同社は環境関連サービスを提供しており、売上高は10億円前後と小規模。営業利益は2024年9月期に赤字、2025年9月期もほぼゼロと、収益性は極めて低い。同業のジンジブやダイブグループと比べても規模が小さく、競争上の優位性は明確でない。事業の立ち上げ期であり、成長には資金調達や事業モデルの確立が必要。提供サービスの差別化が急務である。

強み

  • 環境分野でニッチなサービスを提供し、新市場の開拓を目指す。
  • 売上高は増加傾向にあり、事業拡大に意欲的である。
  • 環境問題への貢献という社会的価値を提供している。

課題

  • 営業赤字が続き、早期の黒字化が必要である。
  • 同業他社に対する優位性が明確でなく、差別化が課題。
  • 小規模なため、事業成長に必要な資金調達が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字がGreen Earth Institute

時価総額で並べると、掲載11社のなかで4番目にあたる。

#企業時価総額PER
1477Aスタートライン31億円5.0倍
26549ディーエムソリューションズ31億円9.9倍
34341西菱電機31億円12.2倍
49212Green Earth Institute30億円43.1倍
57057エヌ・シー・エヌ30億円19.1倍
69767日建工学30億円10.4倍
77359東京通信グループ30億円9.3倍
89376ユーラシア旅行社30億円54.1倍
96577ベストワンドットコム30億円
107046TDSE29億円15.8倍
116046リンクバル29億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 21件

創業とRITE Bioprocessの導入

2011年9月、Green Earth Institute株式会社を資本金10,000千円で設立した。2012年2月には公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)との間で、アミノ酸等の製造に必要な「RITE Bioprocess」の特許実施権契約を締結し、基盤技術を獲得した。同年8月には米国工業微生物学会で、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)とのセルロース系バイオマス由来エタノールの共同研究成果を発表した。創業初期から非食用バイオマスからの化学品生産に焦点を当て、学術機関との連携を強化した。

商用スケールでのアラニン量産成功と中国ライセンス

2016年3月、バイオマス由来のアラニン(アミノ酸の一種)の商用スケールでの量産に世界で初めて成功した。この成果を基に、2018年4月には中国企業とバリン(アミノ酸の一種)のライセンス契約を締結し、同年10月にはライセンシーがバリンの製造販売を開始した。国外への技術ライセンス供与が初めて実現し、ビジネスモデルの有効性を示した。

日本初の純国産バイオジェット燃料フライト

2021年2月、当社が製造した古着由来のバイオジェット燃料を搭載した日本航空の商用機が、日本初の純国産バイオジェット燃料によるフライトを実現した。同じ月にDIC株式会社とアスパラギン酸のライセンス契約も締結した。同年7月には「サーキュラーバイオエタノールプロジェクト」第1弾として、シュレッダーごみ由来のエタノール消毒液が完成した。廃棄物を原料とする実証が相次いだ。

NEDOバイオファウンドリ事業の受託と上場

2021年8月、NEDOよりバイオファウンドリ事業(6年間、総額54億円)を受託し、研究開発の大型プロジェクトを開始した。同年12月には東京証券取引所マザーズに上場、2022年4月の市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行した。上場後もNEDOや環境省からの大型受託を獲得し、設備投資を加速した。

木質バイオマスエタノール事業への本格参入

2023年1月、日本製紙および住友商事と木質バイオマスを原料とするバイオエタノール商用生産とバイオ化学製品展開に関する基本合意書を締結した。同年8月にはNEDOグリーンイノベーション基金事業を受託、11月には住友林業と木質バイオマスを原料としたバイオものづくり事業の資本業務提携契約を結んだ。従来のアミノ酸中心から、バイオ燃料・バイオ化学品へと事業領域を拡大した。

バイオものづくり革命推進事業の連続採択

2024年2月、NEDOより第1回バイオものづくり革命推進事業(8年間、総額約24億円、補助金約14億円)の交付を受けた。続いて2025年1月には第2回同事業(6年間、総額約5.5億円、補助金約3.0億円)を獲得した。政府のバイオエコノミー戦略を背景に、国策プロジェクトの担い手としての地位を確立しつつある。

森空バイオリファイナリー合同会社の設立

2025年7月、日本製紙および住友商事との3社共同出資により、木質バイオマス由来エタノール等の製造・販売事業を目的とする森空バイオリファイナリー合同会社を設立した。これにより、研究開発段階から商用生産への移行を具体化した。設立から14年で、技術ライセンスから自社販売・合弁事業へとビジネスモデルを進化させている。

年表21件を開く

2010年代

  • 2011年9月創業Green Earth Institute株式会社を設立。(資本金:10,000千円)
  • 2012年2月公益財団法人地球環境産業技術研究機構との間でアミノ酸等の製造に必要なRITE Bioprocess®の特許の実施権契約を締結。
  • 2012年8月米国工業微生物学会(SIMB)にて、国立再生可能エネルギー研究所(The National Renewable Energy Laboratory(NREL))とのセルロース系バイオマス由来のエタノールの共同研究成果を発表。
  • 2016年3月バイオマス由来のアラニン(アミノ酸の一種)の商用スケールでの量産に成功。
  • 2018年4月中国企業とバリン(アミノ酸の一種)にかかるライセンス契約を締結。
  • 2018年10月ライセンシーにおいてバリンの製造販売を開始。

2020年代

  • 2021年2月当社が製造した古着由来のバイオジェット燃料を搭載した日本航空株式会社の商用機が、日本初の純国産バイオジェット燃料によるフライトを実現。
  • 2021年2月DIC株式会社とアスパラギン酸(樹脂原料)にかかるライセンス契約を締結。
  • 2021年7月「サーキュラーバイオ ® エタノールプロジェクト」第1弾として、シュレッダーごみ由来のエタノール消毒液が完成。
  • 2021年8月国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)よりバイオファウンドリ事業を受託(採択時において6年間、事業総額54億円(税込))。
  • 2021年12月上場東京証券取引所マザーズに上場。
  • 2022年3月DIC株式会社とβアラニン(アミノ酸の一種)にかかるライセンス契約を締結。
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場へ移行。
  • 2022年9月環境省より「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業(廃棄物等バイオマスを用いた省 CO2 型ジェット燃料又はジェット燃料原料製造・社会実装化実証事業)」を受託(採択時において2年間、約2億円(税込))。
  • 2022年10月電源開発株式会社とオイルパーム廃木を活用した複合事業にかかる調査契約を締結。
  • 2023年1月日本製紙株式会社、住友商事株式会社と、木質バイオマスを原料とするバイオエタノール商用生産及びバイオ化学製品の展開にかかる基本合意書を締結。
  • 2023年8月NEDO よりグリーンイノベーション基金事業を受託。
  • 2023年11月住友林業株式会社と木質バイオマスを原料としたバイオものづくり事業の推進にかかる資本業務提携契約を締結。
  • 2024年2月NEDOより第1回バイオものづくり革命推進事業の交付を受ける(採択時において8年間、事業総額約24億円、補助金総額約14億円)。
  • 2025年1月NEDOより第2回バイオものづくり革命推進事業の交付を受ける(採択時において6年間、事業総額約5.5億円、補助金総額約3.0億円)。
  • 2025年7月創業日本製紙株式会社及び住友商事株式会社と、木質バイオマスを原料とするエタノール等の製造・販売事業のための、森空バイオリファイナリー合同会社を設立。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/9期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    3つの収益化手法による事業展開

    ライセンス、自社販売、テクノロジーパッケージの3手法で、市場規模が大きく継続収入が見込める案件に集中する。菌体開発から商用生産までの知見を活かし、バイオ化学品の上市を実現する。

  2. 02

    バイオものづくりプラットフォームの構築

    脱炭素や安全保障の観点から、国等のプロジェクトを含むバイオファウンドリ、木質バイオマスエタノール、CO2由来化学品など複数パイプラインを推進し、社会実装を進める。

  3. 03

    開発から商用化へのビジネスモデル確立

    今後3年間で、国内外企業との研究開発推進、バイオ燃料・新規アミノ酸等の商用化、既存ライセンス製品の収益拡大に取り組み、持続的収益を確保する。

  4. 04

    成長を支える体制の確立

    内部統制システムの継続的改善、優秀な研究者・管理部門人材の確保、研究施設・設備の充実、認知度・信用力の向上を図り、プラットフォーマーとしての地位を維持する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で50人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は684万円で、4期前と比べて+15.6%平均年齢は47.7歳、平均勤続年数は3.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2021年9月59146.03.730
2022年9月65346.63.835
2023年9月70247.03.943
2024年9月68148.14.347−213
2025年9月68447.73.8500

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
Green Earth研究所 — 千葉県 木更津市201百万円
バイオファウンドリ 研究所 — 千葉県 茂原市25百万円
本社 — 東京都 新宿区0百万円
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発生産プロセスのバイオファウンドリ基盤技術開発スマートセル時代のバイオ生産プロセス実用化を促進させるためのバイオファウンドリ拠点の確立
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-10-07
    24.9億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進CO2を原料に物質生産できる微生物等の開発・改良、CO2を原料に物質生産できる微生物等による製造技術等の開発・実証水素細菌によるCO2とH2を原料とする革新的なものづくり技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-07-12
    3.1億円
  • 調達
    カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発産業用物質生産システム実証コリネ菌によるバイオイソプロパノ-ル生産システム実証
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-08-26
    4,000万円
  • 調達
    ムーンショット型研究開発事業地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現機能改良による高速CO2固定大型藻類の創出とその利活用技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-11-29
    3,312万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年9月期の売上高は11億円営業利益0億円前期と比べると増収で、売上が+10.0%。

売上高
+10.0%
11億円
営業利益
0億円
純利益
1億円
営業利益率
0.0%
前期比 +10.0%pt

会社が出している今期の予想2026年9月期

項目会社予想前期実績
売上高10億円11億円
営業利益-4億円0億円
純利益1億円1億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は1億円、営業利益は−2億円。前年の2023年3Qと比べると、売上は+0.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年2Q1−1−100.0−1
2023年3Q1−1−100.0−1
2023年4Q72
2024年1Q0−1−1
2024年2Q2−1−50.0−1
2024年4Q8112.51
2025年2Q2−1−50.0−1
2025年4Q9111.12
2026年2Q2−2−100.0−2
2026年3Q1−2−200.0−2

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

直近期の営業利益率は0.0%。売上は6期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2017年3月0−3−5
2017年9月0−1−1
2018年9月2−1−2
2019年9月2−3−3
2020年9月3−1−1
東京証券取引所マザーズに上場。
2021年9月5−1−1
2022年9月6−1−2
2023年9月9−1−1
2024年9月10−1−1−10.0−1
日本製紙株式会社及び住友商事株式会社と、木質バイオマスを原料とするエタノール等の製造・販売事業のための、森空バイオリファイナリー合同会社を設立。
2025年9月11020.01

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年9月期

売上高11億円のうち、営業利益として残るのは0億円0.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1億円、売上の9.1%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金45.5%5億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金54.5%6億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益0.0%0億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
54.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比7.5pt
0.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+4.0pt
9.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比5.6pt
6.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 7期分

2025年9月期は営業CFが0億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは−2億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は21億円で、売上の22.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年9月−103−16
2020年9月−200−24
2021年9月−206−28
2022年9月3016327
2023年9月−300−324
2024年9月0−10−123
2025年9月0−20−221

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2025年9月期の総資産は30億円。このうち返さなくてよい自己資本が21億円で、自己資本比率は71.0%(業種中央値53.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2017年3月20210.3
2017年9月31244.5
2018年9月64270.8
2019年9月84453.8
2020年9月63356.5
2021年9月118371.1
2022年9月34221265.5
2023年9月2721678.9
2024年9月2720872.2
2025年9月3021971.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年9月期の内訳単体ベース
現金及び預金
21億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-11億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
9億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率534社中124位あたり、逆に低いのは営業利益率534社中483位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
6.2%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
0.0%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
71.0%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
10.0%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥268で、1年前と比べて-33.2%過去52週の値幅のなかでは8%の位置にある。

¥268-2.5%1ヶ月+1.9%1年-33.2%時価総額30億円
過去52週の値幅
安値¥249高値¥495

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)43.1倍
PER (会社予想)20.7倍
PBR1.78倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月15日に339円まで上昇した後、7月16日に333,100株の大量売りで288円へ急落。以降は250〜280円のレンジで推移し、8月13日は274円。25日移動平均線280.88円を下回り、75日線304.16円、200日線364.85円も大きく下回る。52週高値495円からは44.6%下落し、52週安値249円に接近。RSIは48.48と中立圏。出来高は平均を下回り、様子見姿勢が続く。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 35/100)

PERが43.98倍と同業界平均の22.97倍を大幅に上回り、収益力に対して割高な水準にある。PBRは1.63倍で平均3.29倍を下回り、資産面では割安感があるが、ROEが6.2%と低く、資本効率が平均より劣る。無配当のため配当利回りはゼロで、株主還元は行われていない。直近の売上は増加傾向だが、営業利益が赤字から黒字に転換したばかりで、業績の安定性に欠ける。成長性と収益性の改善が期待される一方、現時点の株価は業績を織り込みすぎており、やや割高と判断した。

指標この会社業種平均
PER (実績)43.1倍23.4倍
PER (予想)20.7倍
PBR1.78倍3.51倍
ROE6.2%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上は増加傾向にあるものの、直近まで営業赤字が続き、黒字化が目前。強気派は、収益改善トレンドと環境意識の高まりによる需要拡大を評価し、早期の黒字定着を期待する。弱気派は、事業モデルの不透明さと利益率の低さを指摘し、競争激化で成長が頭打ちになると懸念する。争点は、新興市場での収益化の実現性と成長持続性である。

プラスに働く材料7
  • 黒字化が見える

    売上は増加し、今期予想で営業損益ゼロ、純利益1億円へ改善

  • 成長市場

    環境意識の高まりで、植物素材関連の需要拡大が見込める

  • 小型株の魅力

    時価総額30億円規模で、成長余地が大きく投資妙味がある

  • 営業損益が赤字からゼロに改善通年影響

    2025年9月期営業利益0億円、前期-1億円から1億円改善

  • 純損益はマイナス1億円からプラス1億円へ通年影響

    2025年9月期純利益1億円、前期-1億円から2億円改善

  • 売上高は3期連続増収通年影響

    売上高は9億円→10億円→11億円と3年にわたり増加

  • PBR1.63倍、ROE6.2%で資産価値は増加傾向継続影響

    PBR1.63倍、ROE6.2%。利益黒字化で資本効率改善

マイナスに働く材料7
  • 利益率が低い

    売上高10億円に対し営業利益率マイナス〜ゼロで、事業の収益力が弱い

  • 不透明なモデル

    事業内容が明確でなく、競争優位性や収益の源泉が見えにくい

  • 資金調達リスク

    赤字続きで財務基盤が弱く、増資などによる希薄化の懸念がある

  • PER43.98倍と高く、予想PERも未公表継続影響

    実績PER43.98倍。予想PERが開示されず、収益力に見合わない水準

  • 無配で株主還元が無い通年影響

    配当利回りは非開示・無配で、株主への還元が無い

  • 株価は1年で31.8%下落不定影響

    株価は1年間で-31.84%と大きく下落、センチメント悪化

  • 売上高11億円、営業利益0億円と小規模通年影響

    売上高11億円、営業利益0億円。収益規模が極めて小さい

次の決算で確かめる点
売上高伸び率
事業成長の勢いと市場受け入れを確認
営業利益率
黒字化が達成できたかの重要指標
顧客数
事業の拡大基盤を測る

株主

有価証券報告書より

2025年9月期末の株主数は延べ4,110人。区分でいちばん多いのは個人・その他44.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が38.7%を占め、残る61.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年9月%2022年9月%2023年9月%2024年9月%2025年9月%
個人・その他6.642.344.543.144.1
事業法人85.230.628.727.627.4
証券会社4.49.711.914.2
金融機関4.716.414.314.211.3
外国法人3.66.32.83.13.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社SBI証券10.56
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)9.95
03住友林業株式会社7.93
04公益財団法人地球環境産業技術研究機構7.93
05大田 誠4.59
06伊原 智人3.96
07DIC株式会社3.67
08エア・ウォーター株式会社2.64
09電源開発株式会社2.11
10川嶋 浩司1.66

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-06-22
    株式会社SBI証券
    新規の大量保有報告
    0.77%
    -4.80pt
  • 2026-04-21
    株式会社SBI証券
    新規の大量保有報告
    5.57%
  • 2026-04-08
    大和アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    9.23%
    -1.05pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で+100%、1株純資産は7期で+249%。直近期のROEは6.2%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2017年3月−233,420
2017年9月−41,039
2018年9月−73,180
2019年9月−3653
2020年9月−1439
2021年9月−988
2022年9月−22199
2023年9月−10187
2024年9月−12175
2025年9月11185

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/9期の役員報酬は総額67百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
伊原智人代表取締役CEO58450,000
川嶋浩司取締役53189,000
浦田隆治取締役CFO50120,000
本庄孝志取締役71
別所信夫取締役76
岡安静夫監査役69
髙敏晴監査役53
増田吉彦監査役44

役員報酬の内訳2025/9

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)3535318
社外監査役312124
社外取締役1222

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/9期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容6,980字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) 事業の特徴 当社は、コリネ型細菌という微生物を活用した高効率な発酵技術(バイオプロセス)をコア技術として設立された技術開発型ベンチャーであります。 当社は、現在石油を原料として生産されている化学品を、農業残渣や食品残渣等のバイオマス由来のものに転換、又は従来バイオマスより生産されている製品につき、より効率的な生産方法に代替していくことによる、持続可能な社会の実現を経営理念として掲げており、当社の技術により、石油を使わず、バイオマスから化学品を作る「バイオエコノミー」と資源の循環により持続的な社会を作る「サーキュラーエコノミー」の両方を同時に実現してまいります。 そして、今後、増加してくるであろう世界中のバイオものづくりプラントにおいて当社の技術が使われ、「創造的な技術力、提案力でバイオものづくり分野を牽引し、常識を変革する企業になる」ことを目指しております。 当社は、自らは商用生産設備を保有せず、研究開発受託と、そこから展開されるライセンス、自社販売、テクノロジーパッケージという4つのビジネスモデルを軸としております。新技術の商用化には、大別して4つの段階があり、技術開発の対象を選定するStage0、技術的及び市場的な可能性を実証するStage1、対象製品に対する需要を抱える企業等と最適な菌体及び生産プロセスを開発するStage2、そして研究開発の成果である技術のパイロットテストの実施、パートナー企業等にライセンス供与、当該技術や設備の導入又は当該技術を使用した自社販売(外部へ委託生産し、当社が販売)するStage3となります。 各Stageにおける具体的な実施事項は次のとおりであり、Stage2(開発段階)においては、主として研究開発収入、Stage3(商用化段階)においては、主としてライセンス一時金、ロイヤリティ収入又は製品販売収入を収益として計上しており、特許権等の活用による長期的かつ安定的な収益形態を目指しております。 ① Stage0~1「研究段階」 ・開発品候補の選定:市場の需要等より開発すべき化学品の候補を選定 ・PoC(Proof of Concept):開発候補品の技術的な開発可能性、特許権の抵触の有無、市場規模、競合製品及び市場優位性等の確認 ② Stage2「開発段階」 ・菌体の設計及び開発:意図する化学品を効率的に生産する菌体の設計、開発 ・生産プロセスの開発:意図する化学品を生産可能な菌体をラボレベルで増殖させるプロセスの開発 ・生産プロセスのスケールアップ:実機レベルで菌体を増殖可能とするためのシミュレーション等の実施 ③ Stage3「商用化段階」 ・パイロットテストの実施:ライセンス候補先又は当社における、Stage2で得られた菌体及び生産プロセスにかかる知見を基にしたパイロットスケールで化学品を生産実証 ・実機テストの実施:ライセンシーにおける商用化のための商用プラントでの試作とサンプル提供等(商用生産準備) ・プラント導入:Stage2で得られた菌体及び生産プロセスにかかる知見を基にした生産プラントの導入 ・製造販売:ライセンシーにおける商用生産又は当社における委託生産の開始及び製品(化学品)販売の実施 当社においては、開発対象とする製品や提供するサービス等の区分とパートナー企業の組合せごとに、このような研究開発から商用化までの流れに沿って進められる案件をパイプラインと称しております。 主としてStage2が研究開発事業、Stage3がライセンス・製品販売・テクノロジーパッケージ事業の領域であり、研究開発事業がライセンス・製品販売・テクノロジーパッケージ事業へと成長することから、これらのビジネスモデルを総じて1つのバイオものづくり事業というセグメントとしております。 売上高にかかるパイプライン総数の推移は次のとおりであります。 2023年9月期   2024年9月期   2025年9月期 売上高(億円)   8.9   10.0   10.7 パイプライン総数(件)(注)   Stage2   14   20   21 Stage3   2   2   1 合計   16   22   22 注.当該事業年度中に売上を計上したパイプラインの数 ※1 フロー(収益計上が役務提供の都度発生するもの)、ストック(収益計上が毎期継続的に発生するもの) ※2 横軸は、当社の標準的な業務のステップであるが、実際の業務に要する時間を表しているものではない ※3 各収益は、当該業務ステップでの対価であるが、収益計上の時期・金額規模を表しているものではない ※4 マイルストン型の収入であるが、マイルストンの数は、研究開発の契約形態により異なる ※5 パートナー企業が自社保有の発酵設備を用いてパイロットテストをする際の当社の技術的支援等に対する対価である ※6 当社がパイロットテスト及び実機テストを実施する際の対価である ※7 コマーシャルプラントに先立ち、パイロットテスト用のプラントを導入する場合に発生する対価であるセミコマーシャルプラントやデモプラントと呼ばれる準商用生産用のプラントを導入することもある ※8 コマーシャルプラント商用生産用のプラントを導入する場合に発生する対価である (2) 技術の特徴 当社が得意とするバイオものづくり技術は、次の9つの特徴を有します。これらの特徴的な技術の組合せによって、遺伝子操作により高度に機能が設計された微生物を活用した、高効率なバイオものづくりを実現しております。 ① 独創的な人工代謝経路設計 より高効率な生産を実現するために、微生物自体について、当社が保有する技術やノウハウや人工代謝経路設計を使い、複数の遺伝子を破壊、もしくは導入することにより、副生物の生成を抑えて原料の利用効率を高める等の代謝経路の最適化や、酵素特性の改変、特定物質への耐性の付与等の開発を行っております。 ② 増殖非依存型バイオプロセス 従来の発酵法によるバイオマスからの化学品の生産は、微生物の生命活動(増殖)を利用し、その生命活動のための多段階の酵素反応(代謝)の過程で生成される物質を得るものであります。よって微生物の分裂増殖に依存して生産を行います。 そのため、増殖のためのエネルギー、場所、時間を必要とし、石油等の非バイオマスからの化学反応による生産と比較して生産性が大幅に低く、経済的な障壁となっておりました。 しかし、増殖非依存型バイオプロセスは、微生物(コリネ型細菌)が、増殖できない酸素抑制条件において、増殖をしないものの代謝活性を高く維持するという特徴に着目し、増殖をさせずに代謝のみを行わせることにより、低コストで高い生産性を発揮する独創的な発酵法であります。 増殖非依存型バイオプロセスでは、大量に培養したコリネ型細菌を反応器に高密度に充填し、酸素抑制条件下で増殖を停止させてコリネ型細菌の活動を物質生産に集中させる手法により、従来の発酵法と比較して高い原料効率で小規模な設備で短時間に対象物質を多量に得ることができます。 また、増殖に依存しないため、非可食バイオマスを原料とする代謝の過程で生じるフェノール類やアルデヒド類、有機酸類等の副生物による、発酵阻害(増殖阻害)の影響をあまり受けずに生産することができます。 ③ 実験計画法による培養条件の最適化 実験計画法(Design of Experiments)※1での統計解析により、それぞれのバイオプロセスにおける重要パラメータを抽出し、決定的スクリーニング表(Definitive Screening Design)※2で条件を最適化できます。 ※1 実験計画法(DOE/Design of Experiments):少ない実験回数の結果から、統計解析により効率よく実験結果を得るために実験を計画する手法 ※2 決定的スクリーニング計画(DSD/Definitive Screening Design):様々な培養条件について低・中・高の3条件を設定し、各条件で得られる結果から、複数の条件について同時に最適条件を導き出す計画手法 ※3 出典:「Aspartic Acid Market Size To Reach $168.0 Million By 2030」 https://www.grandviewresearch.com/press-release/global-aspartic-acid-market ※4 当該図は、実験計画法のイメージ図であり、実際の重要パラメータ抽出と条件最適化を表現しているものではない ※5 応答曲面法:実験データを基にして近似曲面を生成し、最適化を行う設計手法 ④ 発酵原料となる糖を抽出する前処理設備や発酵液からの精製設備の導入 バイオファウンドリ研究所に、発酵原料となる糖質をバイオマスから取得する前処理設備として二軸同方向押出加熱器や発酵液からの精製設備として、樹脂塔、晶析、濃縮、膜分離等の多種類の装置を導入。 ⑤ CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)による高度な数値解析 モノづくりにおいて、ラボスケールで良いデータが得られても、商用スケールにした場合、同様の結果が得られるとは限りません。特に、バイオものづくりでは、菌体という生きものを扱っていることから、設備の種類や大きさ、生産規模等の環境によって菌体のパフォーマンスが大きく異なることから、これまで商用スケールにおける生産予測が難しく、少しずつスケールアップするというのが常道でありました。 当社は、バイオ生産プロセスにおけるCFDに基づくコンピュータシミュレーションシステムを開発しており、本システムの活用により、精度良く商用生産時における生産環境を予測し、短期間、低コストでスケールアップすることが可能となります。 ※ 従来のコンピュータシミュレーションでは、気体・液体・固体が混在する培養槽内の環境を再現するのは困難であります。 ⑥ スケールダウンモデルによる大型槽の培養条件の再現 スケールアップにあたって、CFDで予測した大型槽環境下で、微生物の生産性がどうなるかをスモールスケールで再現する手法(スケールダウンモデル※1)を使って、商用生産時の条件の最適化を図ることが可能となります。 ※1 スケールダウンモデル:開発当初から最終生産(大型培養槽)の影響を確認しながら検討を進める手法 ⑦ 生産プロセスの修正をしながらの生産実証 生産プロセスのパイロットテストの経験を数多く有する当社が、パイロットテストやサンプル生産を実施することにより、開発へのフィードバックが円滑に実施され、商用化までの期間が短縮されることになります。 ⑧ 3,000L発酵槽によるスケールアップ検証 バイオファウンドリ研究所で最大3,000L発酵槽によるスケールアップ検証が可能であり、サンプル作成も可能です 。 ※1 DO(Dissolved Oxygen/溶存酸素濃度):培養液中に溶解している酸素の濃度。微生物が呼吸により消費するため、培養液中に空気を吹き込み、一定濃度を維持することが必要 ※2 排ガス濃度:微生物が呼吸によって排出したCO2(二酸化炭素)と吹き込んだ空気で利用できなかったO2(酸素)濃度を測定することで微生物の生育状態を把握している ※3 濁度:培養液に光を透過させて、透過光の量を測定することで微生物の増殖によって生じる濁りを菌数の指標としている ⑨ エンジニアリング会社との協力によるテクノロジーパッケージ作成 エンジニアリング会社と協力してソフト面(菌体、生産プロセス情報等)とハード面(設備設計書、プラント建設等)を兼ね備えたテクノロジーパッケージを製作し、バイオ化学品を生産したいパートナー企業に提供します。 (3) 事業系統図等 当社の事業系統図は次のとおりであります。 ※1 OEM(Original Equipment Manufacturer):委託者のブランドで製品を生産すること、又は生産するメーカーのこと (4) 用語 本書で使用する用語の解説は次のとおりであります。 用語   解説 アミノ酸   酸性基であるカルボキシル基(-COOH)と塩基性基であるアミノ基(-NH2)から構成される有機化合物。ペプチド結合(-CONH-)によりタンパク質を合成する。種類により甘味、苦味、酸味やうま味を持つ栄養素でもあり、食品添加物や医薬品原料、化粧品原料に使用される。 アラニン   生体のエネルギー生成に重要なアミノ酸である。糖や酸の代謝、免疫力の向上や、筋肉組織、脳、中枢神経系へのエネルギーの供給に関わる。 カーボンニュートラル   一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量であるという概念。バイオマスは燃焼するとCO2を排出するが、そのCO2は植物等が成長する過程で、大気中から吸収したものであり、総量としてCO2の量は変化しないという考え方である。 グルコース   単糖類の1つであるブドウ糖(C6H12O6)。生物が活動するためのエネルギー源となる。天然に存在する単糖類は炭素原子(C)を6個持つものが多く、グルコースと同じ分子式であり、構造が異なる糖として、ガラクトース、マンノースが存在する。 酵素   生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子 コリネ型細菌(Corynebacterium glutamicum)   グラム陽性(グラム染色法により紫色に染まる細胞壁の厚い菌)土壌細菌であり、グルタミン酸やリジンをはじめとする、食品用、飼料用、医薬用のアミノ酸の工業生産菌として使用される。 サーキュラーエコノミー   従来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」のリニアな経済(線形経済)に代わる、製品と資源の価値を可能な限り長く保全、維持し、廃棄物の発生を最小化した経済システム 生分解性   物質が微生物等の生物の作用により分解する性質。一般的には樹脂(プラスチック)等の有機化合物が土壌や水中の微生物により分解される性質を指す。 用語   解説 セルロース   植物細胞の細胞壁及び植物繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占める炭水化物(グルコースが結合した多糖類)である。 糖類   本書では、糖(C6H12O6)の最小単位である単糖類、複数個の単糖類が脱水縮合して結合(グリコシド結合)した少糖類、及び多数の単糖類がグリコシド結合した多糖類を指す。 バイオ化学品   化石資源ではなく再生可能資源であるバイオマスを原料として製造された化学製品。一般的に、酵素、酵母、微生物などを利用するバイオプロセスを使う。 バイオファウンドリ   合成生物学や未利用微生物の実用化も含めた微生物等の育種から生産に必要な大量培養に至るまでのバイオ生産システム バイオプロセス   本書においては、バイオものづくり技術により目的物を生産するまでの工程及び当該工程の最適化を指す。 バイオマス   生物資源(bio)の量(mass)を表す概念であり、再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの。 バイオものづくり   遺伝子技術を活用して微生物や動植物等の細胞によって物質を生産することであり、化学素材、燃料、医薬品、動物繊維、食品等、様々な産業分野で利用される技術。 発酵   細菌等の微生物が、有機物を分解、合成してエネルギーや別の有機物を生産する過程(代謝)であり、主にヒトにとって有益な物質を生産するものを指す。 バリン   人の体内で合成されない必須アミノ酸である。たんぱく質の合成、肝機能向上、血液中の窒素バランスの調整、中枢性疲労の軽減に関わる。 非可食バイオマス   ヒトが食用にしない植物材料 ヘミセルロース   植物細胞壁の主要な構成要素の一つであり、不溶性、非結晶性の多糖類の総称。植物の細胞壁で、セルロースやリグニン各々を「結合させる機能」を担っている。樹木・植物の約20~30%を占める。 ライセンサー   知的財産権の実施許諾者 ライセンシー   知的財産権の実施権者 リグニン   植物細胞壁の主要な構成要素の一つであり、高分子化合物のポリマーである。抗菌性や難燃性があると考えられており、植物に強度を与える化合物。樹木・植物の約20~30%を占める。 CFD(Computational FluidDynamics)   偏微分方程式の数値解法等を駆使して、流体に関する運動方程式をコンピュータで解く数値流体力学により、空気の流れや温度の分布状況の可視化を行う数値解析、シミュレーション手法 Proof of Concept   新しい概念や理論、原理等が実現可能であることを示すための試行
経営方針・対処すべき課題5,018字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営戦略等は次のとおりであります。 また、次の文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営理念及び経営方針 当社は、「グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む」を経営理念(ミッション)として掲げ、研究開発事業とライセンス・製品販売事業の2つのビジネスモデルを軸として、世界中のバイオものづくりプラントにおいて当社の技術が使われ、「創造的な技術力、提案力でバイオものづくり分野を牽引し、常識を変革する企業になる」ことを目指しております。 (2) 経営戦略等 当社の成長は、次の事項により実現してまいります。 ① 3つの収益化手法での事業展開 当社の強みは、バイオものづくりの事業について、菌体開発から商用生産まで全体を通した知見と経験を有していることであります。したがって、バイオものづくりにかかる様々な課題に対して、その解決法を考え、提供していくことで、バイオ化学品の上市を実現していくことが弊社の事業のコアとなります。 当社がバイオ化学品の上市を実現するための収益化の形として、次の3つの手法が挙げられます。 ・ライセンス ・自社販売 ・テクノロジーパッケージ いずれの手法についても、市場規模の大きい重厚型、かつ継続的な収入が得られる長大型の案件に集中し、事業を展開してまいります。 ② バイオものづくり分野におけるプラットフォームの構築 世界の脱炭素の流れにおいて、欧米を中心に、化学品のバイオ化の要請が強まりつつありますが、まだ、日本においては、バイオものづくりという分野は未成熟であり、バイオものづくり事業という産業が確立されている状況ではありません。そうした状況を危惧し、国内においても、政府が、従来の脱炭素の目標に加え、安全保障の観点からも、バイオ燃料やグリーン化学品の社会実装に力を入れはじめています。 そうしたなかで、当社は、バイオものづくり事業のプラットフォームを構築し、そのプラットフォームを使って、国等のプロジェクトも含む次のような事業に取組み、バイオものづくりの社会実装を推進してまいります。 <成長戦略を実現するための主要パイプライン> ・バイオファウンドリ事業関連 ・木質バイオマス由来のエタノール関連 ・製紙産業素材由来のバイオ燃料・バイオ樹脂原料 ・パーム残渣由来のバイオ燃料・バイオ化学品 ・米由来の次世代タンパク質 ・CO2由来のバイオ化学品 ・セルロース・ヘミセルロース・リグニン由来のバイオ化学品関連 (3) 経営環境 近年、米国や欧州等では、バイオテクノロジーと経済活動を一体化させた「バイオエコノミー」という概念に基づく総合的な戦略のもとに技術開発や政策が推進されております。 2022年9月に、米国で発表された「National Biotechnology and Biomanufacturing Initiative」のFACT SHEET(https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/09/12/fact-sheet-president-biden-to-launch-a-national-biotechnology-and-biomanufacturing-initiative/)では、バイオものづくりが今後10年以内に製造業の世界生産の3分の1を置き換え、金額換算で約30兆ドル(約4,500兆円)に達するという分析がなされています。 また、欧州では、EUが規制戦略による循環型社会(サーキュラー・バイオエコノミー)の構築が進められ、英国では2023年2月に組織を新設するとともに、同年12月にEngineering Biologyに関するビジョン(「National Vision for Engineering Biology」)を公表しています。 このほか、中国、韓国、シンガポール等のアジア諸国でも、バイオものづくり産業に対する政策的な支援や市場創出の取組みが進められています。 日本においては、2024年6月に、内閣府(統合イノベーション戦略推進会議)が「バイオエコノミー戦略」を策定しました。本戦略は、バイオエコノミー市場拡大に向けて、2019年に策定した「バイオ戦略」から、「バイオエコノミー戦略」に名称を改め、最新の国内外の動向等を踏まえ、2030年に向けた科学技術・イノベーション政策の取組みの方向を取りまとめたものです。本戦略によると、バイオテクノロジーやバイオマスを活用するバイオエコノミーという産業の世界全体の市場規模は、2030年時点で約100兆円が見込まれており、うち当社が属するバイオものづくり・バイオ由来製品の領域は53.3兆円を占めています。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 優先的に対処すべき財務上の課題として、当社は設立時より研究開発のための設備や人件費等を先行投資しており、2025年9月期までにおいては継続的な営業損失を計上しております。研究開発サービスを提供する、当社のような技術開発型ベンチャーにおいては、商用化可能な技術基盤の確立のための設備投資を含む研究開発費用が先行して計上されるに伴って、赤字計上となることに特徴があります。ただし、2025年9月期においては、10億円を超える売上に加えて、研究開発にかかる国からの補助金収入があったことから、経常収益では1億円を超える黒字となりました。 今後も、技術基盤の強化のための研究開発活動への投資を継続するとともに、次の事業上の課題である「開発から商用化というビジネスモデルの確立」及び「成長を支える体制の確立」に取り組むことで、更なる売上高の拡大を目指し、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。 また、優先的に対処すべき事業上の課題は次のとおりであります。 ① 開発から商用化というビジネスモデルの確立と実績作り 当社は、バイオものづくりという新しい市場で生き残り、成長していくために、自社で開発、生産、販売するという単純なビジネスモデルではなく、様々なニーズや課題を抱える他社との研究開発を実施し、事業化可能な技術レベルまで発展させ、最適な商用化の形(ライセンス契約、自社販売又はテクノロジーパッケージ)を選択し、収益を確保してまいります。 また、いずれの選択についても、市場規模の大きい重厚型、かつ継続的な収入が得られる長大型の案件に集中し、事業を展開してまいります。 そのため、中期目標とし、今後3年間において、次の項目を実施してまいります。 a 国内外企業との研究開発の推進 社会が求めるバイオ化学品を選び出して、その開発のために最適なパートナー企業を探し出し、研究開発を進めております。特に最近では、地球環境問題等に対する関心が高まり、非石油由来のバイオ樹脂や生分解性のバイオ樹脂に対するニーズが強まっているものと考えております。また、バイオマスを原料とする場合、原料調達費、人件費、物流コスト、供給安定性等から、低コスト化のためには、海外での商用化がカギを握っております。さらに、近年、「サーキュラーエコノミー(循環経済)」ということが叫ばれ、廃棄物の有効利用が求められており、当社が有している非可食バイオマスの利用とバイオものづくりの知見を使ったソリューションを提供してまいります。 こうした状況を踏まえ、今後3年間において、バイオ燃料生産技術の確立、バイオ樹脂原料の研究開発、海外企業とのバイオ化学品の研究開発、食品残渣・農業残渣由来のバイオ化学品の事業化に向けた取組みを展開してまいります。 b 開発製品の商用化 継続的かつ安定的な収益の確保のためには、研究開発による一時的な売上だけではなく、開発した技術及び製品の商用化(ライセンス契約、共同出資会社による生産及び販売、自社販売又はテクノロジーパッケージとしての技術開発)が重要であります。製品の価格、用途、市場規模、パートナー企業の有無、技術の特性等の状況に応じて、どの形態が最適かを判断し、商用化を進めてまいります。 具体的には、今後3年間において、既に開発に着手している、バイオ燃料、新規アミノ酸、非可食バイオマス利用及び食品向け素材のパイプラインの商用化を計画しております。 c 商用化済製品の収益拡大 当社は、既に5種類のアミノ酸及び米由来の次世代タンパク質のライセンス、並びに化粧品用エタノールの自社販売という形で商用化を実現しており、これらの商用化済製品からの収益の拡大にも取り組む必要があります。 具体的には、今後3年間において、改良技術の提供等を通じたライセンシー企業の製品の売上高拡大によるロイヤリティ収益の拡大を図ります。 ② 成長を支える体制の確立 当社が「バイオものづくりの社会実装を実現するプラットフォーマー」であり続けるためには、事業の拡大を支える体制を確立・維持し続ける必要があり、中期目標として今後3年間において、次の項目を推進してまいります。 a 内部統制システムの適時の改定及び運用の継続 規程類の整備とその適正な運用、必要となる組織の新設及び変更並びに適切な人員の採用及び配置、予実管理及び決算体制の整備、会計システムのワークフローの確立及び人的作業からシステム制御への移行、内部監査の実施、リスク及びコンプライアンス管理の実施等を実行して、法令に準拠し、また当社の事業構造に適応した内部統制システムの適時の改定及び運用を継続してまいります。 b 人材の確保 世界的な石油資源からバイオマスへの転換の波による、大企業におけるバイオプロセスの研究開発への投資や少子化による研究者の絶対数の減少等により、研究者は現在売り手市場であると考えております。当社は技術開発型ベンチャーであり、独自の技術開発が事業の根幹となることから、優秀な研究者の確保が必要不可欠であります。 また、上述の内部統制システムの構築や、適時開示及びIR等、付加的業務への対応のため、企画、管理部門についても増員が必要であり、適時の採用活動を行っていきます。 c 研究施設及び設備の充実 当社のビジネスモデルの特徴として、自ら大規模な製造設備を持たないことで、大きな設備投資を必要としないことにありますが、成長のためには、多くの製品の開発を行う必要があり、人員の拡大に伴う研究施設の拡張、発酵槽等の研究開発設備への追加投資が必要であります。 d 当社の認知度及び信用力の向上 研究開発は、必ずしも目標値を達成し、成果を確約するものではなく、また新規技術は市場における実績も少ないことから、取引先の拡張にあたっては、当社の認知度及び信用力を向上させ、当社の技術に対しても信用を持たせることが重要であります。 当社は、商用化実績を着実に積み上げるとともに、上場企業としての知名度の上昇及び信頼の獲得を目指します。 ③ SDGsへの取組み SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月開催の国連サミットで加盟国により採択された、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標であり、17のゴール(目標)と169のターゲットから構成されます。 当社の事業は、17のゴールのうち次の6つの達成に寄与するものと考えており、当社の事業成長が持続可能な社会の実現に繋がることを志しております。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、バイオものづくり事業により、今まさに新たな市場を作りだしている過渡期であります。 市場成長の初期段階において先駆者として実績を積むことは、当該市場において高い優位性に繋がることから、第一に売上高と営業外収益(バイオものづくり事業に関連する収益のみ)を経営指標とし、パイプラインの拡大を基盤とする販売実績の増加を目指しております。
事業等のリスク5,418字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は次のとおりであります。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。 また、次の文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 経済動向等の変動 当社事業は、基本的には企業向けに、バイオ燃料、アミノ酸や樹脂原料等の原材料に関する研究開発及びライセンスの付与を実施するものであることから、一般的な製造業や小売業と比較して、景気の変動の影響を受けにくい特徴を有しますが、景気の急速な悪化により、事業者の新規事業や研究開発活動への投資が減速した場合、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) ライセンシーにおける販売 当社は、収益化手法の1つとしてライセンス契約に取組んでおります。ライセンス契約においては、主として自社において技術を使用した製品の生産、販売を行わないことにより、設備投資及び販路確保や在庫の保有、広報等の販売活動にかかる費用やリスクを最小限にすることができます。 一方、ライセンス契約の事業構造上、製品の販売活動はライセンシー(ライセンス契約の締結先)に依拠し、当社において販売の計画、実行を行わないことから、特に短期的な業績予測と実績の乖離が生じる可能性があります。 当社としては、期待するロイヤリティ収入を保持できるよう、ライセンシーの販売計画を精査のうえ、ライセンス契約の条件を個々に設定しており、今後は既存のライセンス契約の条件やロイヤリティ収入の実績の知見をもって、さらに業績予測の精度を高める方針でありますが、ライセンシーの事業状況に変動が生じた場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) カントリーリスク 当社は、アジア地域において事業展開を行っており、当該地域における事業活動には次のようなリスクがあります。 ・予期し得ない法律、規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更 ・不利な政治的要因の発生及びそれに伴う為替の変動 ・常識、文化、社会的慣習の違いによる契約違反や技術流出等の発生 当社は、今後事業開拓活動により、研究開発の対象製品、提携先(取引先)の多様化を進め、研究開発に続くライセンス契約も、複数の地域、取引先に展開していく計画でありますが、上述のアジア地域に特有のリスクが発生した場合は、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 商用化における特定の対象製品にかかるリスク 当社の1つの大きなパイプラインにおける対象製品(当社がライセンスした技術によりライセンシーにおいて商用生産される製品)が不可抗力により、その需給に大幅な変動が生じることがあります。例えば、2018年から中国を中心に拡大した豚コレラの蔓延により、中国国内での養豚数が激減し、豚向けの主要な飼料添加物であるバリンの売上が想定値より大幅に減少するという事態が生じました。 当社は、複数のパイプラインに取組むことで、特定の1つのパイプラインのリスクが当社の経営全体に与える影響を最小限に抑えるような事業構造を構築してまいりますが、特定製品にかかる需給リスクが発生した場合は、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) パイプラインの進捗にかかるリスク 各パイプラインはStageごとの複数の契約の締結、遂行により進捗していくものであり、研究開発の目標達成状況やパートナー企業の方針等により、契約が締結されない、あるいは進捗が遅延又は停滞する可能性があります。 計画数値の策定にあたっては、既に契約が締結されているもの、あるいはほぼそれと同様の確度で収益が見込まれるものを中心に売上高に計上することで予算未達のリスクを抑えることとしております。それでも、ライセンス契約の締結時期の遅延や大型の研究開発契約の開発期間の長期化等のパイプラインの進捗に遅れが生じる事象が生じた場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 技術革新への対応に関するリスク バイオものづくり技術については、商用化可能な技術基盤の確立のために中長期的な研究開発期間及び先行投資が必要であり、IT技術のように革新が早く入れ替わりがあるような業界ではありませんが、対象製品について当社技術より優位性の高い技術が第三者により商用化された場合は、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社においては、技術基盤の強化のための研究開発活動を継続するとともに、「(4) 商用化における特定の対象製品にかかるリスク」に記載のとおり、商用化の対象製品を複数とすることで、特定の1つのパイプラインのリスクが当社の経営に与える影響を最小限に抑えるような事業構造を構築してまいります。 (7) 大株主である公益財団法人地球環境産業技術研究機構との関係について 当社は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構で開発された技術を事業化したことから設立されており、同機構は当事業年度末において当社の株式900,000株を保有する大株主であります。 当社では、同機構の保有するRITE Bioprocess®に関連するものを始めとする特許権の実施許諾を受け事業展開を行ってきており、その使用にあたっては同機構(ライセンサー)に対しロイヤリティを支払うものであります。また、当社の研究開発拠点であるGreen Earth研究所の建物は同機構より借り受けるものであります。 同機構は公益財団法人として、開発した技術を世の中に広め、もって地球環境の保全及び世界経済の発展に資することを理念としており、当社の事業成長を推進する立場にあることから、これまで同機構とは協力的な提携関係を維持しており、その継続性にかかるリスクは僅少でありますが、万が一これらの特許権及び建物賃貸にかかる契約の継続が困難となった場合には、現在時点において当社の業績及び財務状況等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、特許権については、大規模な設備投資や販売活動を必要としない事業形態を活かして研究開発へ注力し、当社の特許権の取得を進めつつ、できる限り多くの企業との協業を実現することにより、外部の特許権に依存しない事業展開を進める方針であり、現状、当該依存度は減少傾向にあります。 (8) 災害等 当社の研究開発拠点は、Green Earth研究所とバイオファウンドリ研究所の2ヵ所であり、大規模災害等が発生し、当該研究所が損壊又は当該研究所の研究開発設備が破損、紛失した場合、研究開発が停止することとなります。 研究開発は当社の事業の核となる活動であることから、研究開発設備について、地震保険をかけ、損壊時における新規設備購入のための手元資金を確保しております。また、事業継続上作成に期間がかかる菌株については、独立行政法人製品評価技術基盤機構が提供する、安全保管(生物遺伝資源の保管委託)サービスを利用して保管しておりますが、不測の災害等が発生した場合、当事業年度においては売上高の大きな割合を占める研究開発契約にかかる業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、2023年4月にバイオファウンドリ研究所が稼働を始めたことで、災害等にかかるリスクの影響は分散、軽減されております。 (9) 知的財産権 当社は事業展開において様々な特許権等の知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、又は他者より適法に実施許諾を受けた権利であると認識しております。これらの知的財産権について、これまで第三者の知的財産権を侵害した、又は当社が侵害を受けた事実はなく、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは困難であります。 今後、当社が第三者との間の知的財産権を巡る法的紛争等に巻き込まれた場合、顧問弁護士や弁理士と協議のうえ、当該知的財産権によってはライセンサーとも協力し、対応する方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的及び資金的負担が発生するとともに、当社のライセンサーから特許権の実施の差止請求や、損害賠償等の請求を受けることがあり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報セキュリティ 当社の提供する技術は、特殊な設備を要することなく導入できることが強みでありますが、一方で技術つまりはノウハウにかかる情報資産につき、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入等による漏洩リスクが存在します。 これに対し、VPN(Virtual Private Network)及びUTM(Unified Threat Management)を導入し、プライベートネットワークによる拠点間接続を行い、セキュリティの高い環境を構築しております。また、当社の情報資産はVPNで接続されたLAN(Local Area Network)上に保存し、適切なアクセス権限の設定を行うことにより、情報資産を一元管理し、情報漏洩リスクへの対策を講じておりますが、不法な侵入等を受けた場合は、企業が不正にその技術を利用して当社に競合する、又は当社へライセンスされた特許権にかかる情報資産の漏洩につき、当社のライセンサーから特許権の実施の差止請求や、損害賠償等の請求を受けることがあり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 先行投資に伴う財務的影響 技術開発ベンチャーである当社においては、商用化可能な技術基盤の確立のための、研究開発にかかる投資が重要と考えており、先行的に研究開発設備の導入及び研究開発用消耗品の購入、並びに研究員の増員のための人件費等の費用を先行的に投下しており、2025年9月期までにおいて継続的な営業損失を計上しており、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。ただし、2025年9月期においては、10億円を超える売上に加えて、研究開発にかかる国からの補助金収入があったことから、経常収益では1億円を超える黒字となっております。 当社においては、今後も、技術基盤の強化のための研究開発活動への投資を継続するとともに、新たな研究開発契約やライセンス契約の締結及びそれに伴う収益の計上に努めてまいりますが、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合は、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 社歴、業歴が浅いことによる業績の不確実性 当社は、2011年9月の設立より、近年までは商用化のための研究開発を事業活動の中心とし、収益も行政機関等からの委託事業等を主体としておりましたが、2018年9月期より本格的な商用化に至っております。 技術自体は商用化段階に達しており、当該技術を使用して製造する製品も既存の市場が存在し、その規模、市場価格等の指標となるデータが入手できます。そのため、業績予測については一定程度の蓋然性があるとの認識であり、今後は実績の積み重ねにより、さらに業績予測の精度を高める方針であります。 ただし、2025年9月期で初めて経常黒字になったものであり、過年度の業績のみでは期間比較を行う充分な材料とはならず、今後の業績については当社において合理的と考えられる方法により予測、算定したものでありますが、判断指標が不十分であり、当社の業績予測と実績に乖離が生じる可能性があります。 (13) 人材の獲得及び育成について 技術基盤の継続的な強化のための研究開発活動、及び収益の最大化のための事業活動にあたっては、優秀な人材の確保が必要不可欠であります。当社においては、事業規模に応じて採用活動を行ってきており、これまでのところ適時に必要な人材の採用に至っておりますが、今後、大企業の採用市場の動向や少子化による就活者の募集の減少等により、採用活動が円滑に進まない場合は、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (14) その他のリスク 当社は、主として、取締役及び従業員に対し、経営目標や業績の達成の意識向上又は優秀な人材の採用を目的としたインセンティブとして、新株予約権の付与を行っております。 提出日現在におけるこれらの新株予約権にかかる潜在株式数は497,400株であり、当社の発行済株式総数及び潜在株式数の合計11,852,500株の4.20%にあたり、今後新株予約権が行使された際には、既存株主の株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,824字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 市場状況並びに経営成績の概要及び分析 日本の経済においては、物価の上昇による影響があるものの、インバウンド需要の増加や雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方、米国の新政権における今後の政策変更への懸念、長期化するロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢等の背景から、原材料価格やエネルギー価格の上昇等、依然として先行き不透明な状況が続くことが見込まれます。 このような状況下であるものの、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)より受託したバイオファウンドリ事業やグリーンイノベーション基金事業等、また、同機構より交付を受けているバイオものづくり革命推進事業や、国内外のパートナー企業等との大型のパイプラインを含む研究開発を進捗させております。 なお、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢については、海外企業との取引において為替相場の影響は受けるものの、当社の現在の事業展開地域に当該各国は含まれておらず、現段階において、当該情勢による直接的な事業影響はございません。 以上の結果、当事業年度は売上高1,075,413千円(前年同期比7.3%増)、営業損失4,202千円(前期営業損失148,793千円)、経常利益156,990千円(前期経常損失138,087千円)となりました。当期純利益については、127,324千円(前期当期純損失133,881千円)となりました。 なお、当社はバイオものづくり事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ② 財政状態の分析 a 資産 当事業年度末における流動資産は2,736,804千円となり、前事業年度末に比べ100,742千円増加いたしました。これは主に売掛金が202,723千円、売上高に紐づく研究開発活動にかかる仕掛品が57,434千円、バイオファウンドリ事業における設備投資のうちNEDOの所有分による立替金が52,387千円増加した一方、現金及び預金が214,708千円減少したことによるものであります。固定資産は230,687千円となり、前事業年度末に比べ130,459千円増加いたしました。これは主に機械及び装置が103,739千円、工具、器具及び備品が13,624千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は2,967,492千円となり、前事業年度末に比べ231,201千円増加いたしました。 b 負債 当事業年度末における流動負債は819,324千円となり、前事業年度末に比べ210,769千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が100,100千円、バイオファウンドリ事業における設備投資等費用の概算額の入金による仮受金が51,975千円、未払金が41,180千円増加したことによるものであります。固定負債は42,050千円となり、前事業年度末に比べ110,563千円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金への振替により長期借入金が108,040千円、リース資産の賃借による長期リース債務が2,617千円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は861,375千円となり、前事業年度末に比べ100,205千円増加いたしました。 c 純資産 当事業年度末における純資産合計は2,106,117千円となり、前事業年度末に比べ130,996千円増加いたしました。これは新株予約権行使により資本金が1,836千円、資本準備金が1,836千円、利益剰余金が127,324千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は71.0%(前事業年度末は72.2%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、本項目において「資金」という。)については、前事業年度末より214,708千円減少し、2,059,541千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 a 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果、支出した資金は49,391千円(前事業年度においては3,378千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益156,978千円、バイオファウンドリ事業における設備投資等費用の概算払いによる仮受金の増加額51,975千円、及び未払金の増加額37,546千円の増加要因があったものの、主に売掛金の発生に伴う売上債権の増加額202,723千円、研究開発活動にかかる棚卸資産の増加額57,642千円の減少要因によるものであります。 b 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果、支出した資金は156,002千円(前事業年度においては81,333千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出148,672千円の減少要因によるものであります。 c 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果、支出した資金は9,314千円(前事業年度においては48,855千円の支出)となりました。これは主に新株予約権行使による株式の発行による収入3,672千円の増加要因があったものの、長期借入金の返済による支出7,940千円、及びリース債務の返済による支出5,014千円の減少要因によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況 a 生産実績 当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 b 受注実績 当社が提供する役務の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 c 販売実績 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はバイオものづくり事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。 セグメントの名称   販売高(千円)   前年同期比(%) バイオものづくり事業   1,075,413   7.3 注1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)   当事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) 販売高 (千円)   割合(%)   販売高 (千円)   割合(%) NEDO   553,622   55.2   410,568   38.2 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。 また、次の文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や市場動向を勘案し、合理的に判断しておりますが、不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。 当社の財務諸表にかかる重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 特に次の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (固定資産の減損処理) 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当社の将来の事業計画を基に、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。 将来の事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失を計上する可能性があります。 (繰延税金資産) 繰延税金資産については、当社の将来の課税所得見込みや想定実効税率等、現状入手可能な将来情報に基づき、合理的に将来の税金負担を軽減する効果を有し、回収可能性があると考えられる範囲内で計上することとしております。 繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。 ② 経営成績の分析 a 売上高 当事業年度における売上高については、前事業年度より72,872千円増加し、1,075,413千円となりました。これは主にバイオものづくり事業のインフラ整備を目的として受託しているバイオファウンドリ事業等の国のプロジェクト、並びに石油資源の枯渇、CO2削減又は使い捨てプラスチックにかかる法的及び業界の規制を見据えた企業の、石油由来の化学品からバイオマス由来の化学品への転換の需要の伸長による、研究開発契約の締結によるものであります。 b 売上原価 当事業年度における売上原価については、前事業年度より127,765千円減少し、432,929千円となりました。これは主に当事業年度において、バイオファウンドリ事業を始めとする研究開発契約に紐づき発生する外注費及び間接原価が前事業年度と比較して減少したことによるものであります。 c 販売費及び一般管理費及び営業損失 当事業年度における販売費及び一般管理費については、事業規模の拡大に伴う増員及び増員に伴う各種経費の増加の結果、前事業年度より56,047千円増加し、646,686千円となりました。以上の結果、営業損失は4,202千円となりました。 d 営業外収益、営業外費用及び経常利益 当事業年度における営業外収益については、前事業年度より149,911千円増加し、162,660千円となりました。これは主に補助金収入145,996千円の増加等によるものであります。また、営業外費用については、前事業年度より575千円減少し、1,466千円となりました。以上の結果、経常利益は156,990千円となりました。 e 特別利益、特別損失及び当期純利益 当事業年度においては、固定資産売却損12千円を計上した結果、特別損失は12千円となりました。また、法人税、住民税及び事業税29,654千円、及び法人税等調整額△0千円を計上した結果、当期純利益は127,324千円となりました。 ③ キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性の分析 当社は、自らは製品の生産設備を保有せず、研究開発に必要な設備のみを有し、技術を提供する事業形態であることから、資金需要の主なものは、菌体及びバイオプロセスの基礎開発にかかる研究開発費その他人件費等の事業活動費でありますが、2022年9月期より、バイオファウンドリ事業において、インフラ整備のための新たな研究施設の建設、発酵槽や自動化機器等の研究開発設備への大規模な追加投資を行っております。ただし、これらの固定資産は事業期間中においては、NEDOが所有するものとなり、事業終了後に簿価買取となります。 運転資金については、2020年9月期においては新型コロナウイルス感染症による経済の低下の可能性を鑑み、融資により60,000千円を調達しており、2021年9月期においても100,000千円の融資及び第三者割当増資による株式発行により550,000千円を調達しております。 さらに、2022年9月期においては上場に伴う株式発行の有償一般募集及び有償第三者割当により1,617,875千円を調達しております。 上述の大規模投資についてはバイオファウンドリ事業の事業予算及び上場に伴う株式発行による調達資金を充当いたします。なお、それ以降は現時点において大規模な資金需要の計画はなく、基本的に流動性の高い銀行預金により賄う方針であります。 ⑤ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析 当社は、新興市場であるバイオものづくり業界においては、当面、売上高の拡大が同業界における企業成長を示すものと考えており、目標とする経営指標として売上高を掲げております。 売上高実績については、国等のプロジェクトの契約の締結による受託収入、並びに研究開発契約の締結による研究開発収入及びライセンス契約の締結によるライセンス一時金等の計上により、前事業年度は1,002,540千円(前年同期比11.7%増)、当事業年度は1,075,413千円(前年同期比7.3%増)であります。売上高は、現時点において上述の方針どおりの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因 当社は、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、経済動向、世界市場を対象としたライセンス契約による製品の市場展開、特定の第三者の技術を基盤とする事業展開、技術の損失、漏洩及び知的財産権の侵害等によるリスクを認識しております。 これらのリスクに対応するため、当社は、製品の市場動向を見据え、ライセンシーとの密な提携により、予算や各種計画の精度を上げるとともに、研究開発活動への投資を拡大して、当社単独による特許権の取得や多様な製品を対象とした研究開発を推進し、併せて情報セキュリティの拡充を含む内部統制の向上により、情報資産の管理、保全に取組んでまいります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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