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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

トライアルホールディングス

TRIAL Holdings, Inc.141A · Growth · 小売業

九州発のディスカウントストア大手。PB商品と自社物流でローコスト運営を徹底し、セルフレジ付きカート等の独自テックで小売DXを牽引する。

概要

トライアルホールディングスは1974年に屋号「あさひ屋」として創業し、1984年に商号をトライアルカンパニーに変更した持株会社である。福岡県福岡市に本社を置き、グループ全体で26の連結子会社を擁する。主力の流通小売事業では「TRIAL」ブランドのディスカウントストアを全国に352店舗展開し、2025年6月期の連結売上高は8038億円、営業利益211億円を計上。小売現場のニーズに基づくリテールAI事業も手掛ける。

四つの店舗フォーマットで全国352店舗を展開

当社グループの流通小売事業は、メガセンター(売場面積約8000㎡)、スーパーセンター(約4000㎡)、smart(約1400㎡)、小型店(~約1000㎡)の四つのフォーマットを運用する。メガセンターは地方都市に食品から趣味嗜好品まで約10万点を取り揃え、主力のスーパーセンターは郊外に約6~7万点を品ぞろえする。smartは都市部・小商圏向けに食品中心で約3万点、小型店は高頻度配送とテクノロジーで省人化を図る。2025年6月末時点の店舗数は352店舗(FC3店舗含む)。地域別では九州・中国地方を中心に北海道から関東まで広がり、ドミナント戦略により収益最大化を進める。

自社物流とPB商品で支える低価格戦略

価格戦略の基本はEDLP(毎日低価格)であり、その背景にEDLC(毎日低コスト)の徹底がある。グループ内に物流子会社MLSを持ち、白鳥物流センターなどでプロセスセンターを稼働。弁当・惣菜製造や生鮮加工を内製化し、飲料製造工場も有する。プライベートブランド(PB)商品として、惣菜、ナチュラルミネラルウォーター、衣料品などを展開し、高品質・低価格で人気を集める。24時間営業(一部店舗除く)で利便性を高め、ワンストップショッピングを実現する。

持株会社体制と機能別子会社の役割

2015年に単独株式移転で設立された純粋持株会社であり、グループ各社の自主性を尊重しながら経営効率を追求する。主な連結子会社として、店舗運営を担うトライアルカンパニー(28店を経て分割後も存続)とトライアルストアーズ(スーパーセンター・メガセンター運営)、店舗開発のトライアル開発、物流のMLS、決済・金融サービスのSU-PAY、システム開発のティー・アール・イーがある。また、生鮮事業のトライアルフレッシュシステムや、シェアードサービス会社など26社で構成される。

リテールAI事業の成長と外販

リテールAI事業は、小売事業者やメーカー向けにプロダクト・ソリューションを提供する。主力のSkip Cartはセルフスキャン式決済カートで、2025年6月末時点でグループ内外合計258店舗・2万1561台を導入。マンスリーユーザー数は非開示だが、店舗スループット向上に貢献する。同事業の売上高は2025年6月期に9億8500万円(前期比7.4%増)で、セグメント利益5500万円と黒字転換した。2024年10月にはグループ外小売企業2社への試験導入を開始し、顔認証決済の実証も進める。

業界の中での役割は消費者向け小売流通業者であり、小売DXソリューションの提供者。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.3兆円
営業利益
304億円
営業利益率
2.3%
純利益
35億円
2026/6 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01流通小売(消費者向け)主力

『TRIAL』ブランドのディスカウントストアを全国展開。スーパーセンターを主力に、メガセンター、smart、小型店の4フォーマットで、生鮮食品から日用品、家電までワンストップで提供。EDLP(毎日安値)戦略と、自社物流・PB商品・リテールテックによるローコストオペレーションで競争力を維持。

主な製品・サービス3
TRIAL(スーパーセンター等)
生鮮食品、一般食料品、日用雑貨、家電、衣料品などを扱うディスカウントストア。24時間営業で、低価格と利便性を提供。
Skip Cart
セルフスキャン方式のショッピングカート。レジ待ちを解消し、買い物体験を向上。クーポンやレコメンド機能も搭載。
TRIAL GO
顔認証決済などを活用した次世代型スマートストア。省人化と高効率な運営を実現。

02リテールAI(小売・メーカー向け)準主力

小売事業者や食品・消費財メーカー向けに、店舗オペレーション改善、マーケティング効率化、サプライチェーン最適化を実現するAIソリューションを提供。実店舗での実証を強みとし、Skip Cartやデータ分析プラットフォーム等を開発・販売。

リテールDXの先駆者として業界を牽引

主な製品・サービス5
Skip Cart
セルフスキャンカート。顧客体験向上とレジ人時削減を実現し、購買データも取得。月額利用料・ライセンス料で収益化。
MD-Link
POS・ID-POSデータ分析プラットフォーム。メーカーと小売のデータ連携を促進し、需要予測や発注最適化を支援。
e3-SMART
MD-Linkの基盤となるデータインフラ。多数の企業が利用する。
カメラソリューション
店内カメラで顧客動線や在庫を監視し、マーケティングや運営効率化に活用。
インストアサイネージ
店頭のデジタル広告・販促ツール。顧客属性に応じた広告配信を可能にする。

03その他(リゾート・建設等)副次

本業の顧客ロイヤルティ向上を目的に、旅館やゴルフ場などのリゾート事業、建築・不動産管理を展開。会員サービスとの連携で周遊性を高める。

製品と技術

Skip Cart:決済機能付きショッピングカート

Skip Cartは、買い物客が商品をスキャンしながらカートに入れ、そのまま決済まで行えるセルフレジ機能付きカートである。2015年に導入を開始し、2018年のスマートストア開店を機に本格展開。レジ待ち時間の大幅な短縮を実現し、店舗スループットを向上させる。また、クーポン配信やレコメンド機能を活用したワン・トゥ・ワンマーケティングを可能にし、小売事業者とメーカー双方に価値を提供。2025年6月末時点で、グループ内外合計258店舗に導入、総台数は2万1561台。マンスリーユーザー数も順調に増加している。月額利用料・ライセンス料が主な収益源である。

PACER:店舗運営を効率化するモバイル端末

PACERはPlan・Action・Check・Education・Recoveryの頭文字をとった、当社グループ独自開発のモバイル端末である。商品の自動発注、在庫管理、棚割り、販促計画など店舗運営業務のアプリケーションを搭載。これにより現場の意思決定を迅速化し、ローコストオペレーションを支える。PC-POSシステムで蓄積したデータと連携し、発注精度を高めて欠品ロスや廃棄ロスを削減。PACERは全店舗で活用され、店舗スタッフの業務効率化に貢献している。

リテールAIのデータ連携とマーケティングソリューション

リテールAI事業では、MD-Linkというデータベースエンジンを基盤に、メーカーと小売間で購買情報を共有・可視化する仕組みを提供。サプライチェーン全体の最適化を図る。さらに、インストアサイネージ(電子看板)やAIカメラを活用し、客動線分析や棚状況監視、プロモーション効果測定を実現。2021年からは産官学連携プロジェクト「ムスブ宮若」を開始し、食品・消費財メーカーと共同でリテールDXの実証実験を行う。また、小売事業者向けにSkip Cartの外販を進め、2024年10月にはグループ外小売企業2社への試験導入を開始した。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

小売業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • リテールAI(小売・メーカー向け)リテールDXの先駆者として業界を牽引

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

ディスカウント型スーパーで存在感、内需依存の高まり

当社は九州と北海道を地盤に食品スーパーを展開し、プライベートブランドの比率や生鮮の強みで差別化を図っている。売上高は2024年6月期の7,179億円から2026年6月期には1兆3,471億円へ約1.9倍に拡大する見込みだが、営業利益率は2.67%から2.26%へ低下傾向にあり、規模拡大に伴う収益性の悪化が課題だ。同業のイオン九州(2653)や光フードサービス(138A)と比較すると、当社はディスカウント型スーパーとしての価格訴求力が強みであり、全国展開を進める一方、海外売上比率が低く内需依存が顕著である。業界内では中期経営計画に基づく出店攻勢により、短期的な利益率は抑えられているが、長期的には規模の経済性を見込む。

強み

  • 自社開発のプライベートブランドを拡充し、価格と品質の両立で顧客支持を得ている
  • 生鮮食品の鮮度管理と産地直送により、他社との差別化を実現している
  • 九州で高い認知度と出店密度を持ち、地元顧客の固定化が進んでいる
  • 2026年6月期に売上高1兆3千億円超へ倍増させる積極投資を実行中

課題

  • 売上拡大に伴い営業利益率が年々低下、固定費増加が利益を圧迫
  • 海外売上がほぼ無く、国内景気や人口減少の影響を直接受ける構造
  • イオン九州など大手と価格競争が激化し、値引きが利益率を下げる

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

小売業の時価総額近傍。太字がトライアルホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12670エービーシー・マート6,597億円14.2倍
28252丸井グループ5,322億円18.3倍
33349コスモス薬品5,131億円15.9倍
47564ワークマン4,894億円23.7倍
57532パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス4,886億円20.9倍
6141Aトライアルホールディングス4,760億円136.1倍
79989サンドラッグ4,377億円13.7倍
83549クスリのアオキホールディングス3,869億円22.8倍
97419ノジマ3,850億円10.0倍
103397トリドールホールディングス3,839億円199.4倍
118242エイチ・ツー・オー リテイリング3,667億円11.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 24件

「あさひ屋」創業からディスカウントストア転換(1974~1992)

1974年4月、屋号「あさひ屋」として創業。1981年7月に株式会社あさひ屋に改組し、1984年10月に株式会社トライアルカンパニーへ商号変更した。1992年10月、ディスカウントストアトライアル1号店となる南ヶ丘店(福岡県大野城市)を開店。これにより、従来の小売業態からディスカウントストアへの転換を図り、低価格路線を打ち出す。同年、本社を福岡市中央区高砂に移転。この転換が現在のビジネスモデルの起点となった。

自社PC-POSとスーパーセンター1号店(1996)

1996年11月、スーパーセンター1号店となる北九州空港バイパス店(北九州市小倉南区)を開店。合わせて、1989年4月から自社開発を進めていたPC-POSシステムを完成させた。PC-POSによる顧客データの蓄積と活用は、後のリテールAI事業の基盤となる。1994年には柳川店を開店し、郊外型総合ディスカウントストアの多店舗展開を本格化。以後、店舗網拡大とシステム開発を並行して進める。

中国拠点設立と物流内製化(2003~2008)

2003年8月、本社を福岡市東区多の津に移転。同年12月には中華人民共和国に煙台創迹軟件有限公司を設立し、ソフトウエア開発の海外拠点とする。同時にフランチャイズ運営会社のナカヤを完全子会社化。2004年1月には物流内製化を目的に下田屋(現MLS)を株式交換で完全子会社化した。2008年2月、九州・中国地方の物流拠点となる白鳥物流センター(福岡県田川市)を開設し、プロセスセンターの稼働を開始。物流機能のグループ内集約を進めた。

北海道進出とカウボーイ統合(2008~2010)

2008年9月、北海道で小売店舗を展開するカウボーイとの業務提携により、トライアルが北海道に初出店。2009年6月にカウボーイを子会社化し、2010年1月に吸収合併した。これにより北海道地区の店舗基盤を獲得し、全国展開の足掛かりとする。合併後も北海道では独自の運営を継続しつつ、トライアルのフォーマットに統合された。

持株会社体制と事業会社分割(2015~2016)

2015年9月、単独株式移転により株式会社トライアルホールディングスを設立し、持株会社体制へ移行。同年、生鮮事業のトライアルフレッシュシステム、本部事務のトライアル・シェアードサービス、システム開発のティー・アール・イーを設立。2016年2月にはトライアルスーパーセンター(現トライアルストアーズ)とトライアルメガセンターを設立し、同年4月にトライアルカンパニーの28店舗をトライアルストアーズに、3店舗をトライアルメガセンターに分割承継。グループ再編により事業の迅速化を図った。

スマートストアとSkip Cartの本格展開(2018)

2018年2月、タブレット決済機能付きレジカート「Skip Cart」やAIカメラ、インストアサイネージを導入した日本初のスマートストア(当社調べ)を福岡市東区のアイランドシティ店に開店。新しい買い物体験を提供するとともに、店舗オペレーションの省力化を推進。Skip Cartはその後グループ内外へ拡大し、2025年6月末には258店舗・2万1561台に達する。また、小型店「TRIAL GO」では顔認証決済の実証実験を開始するなど、リテールテクノロジーの実装を加速させた。

年表24件を開く

1970年代

  • 1974年4月創業屋号「あさひ屋」として創業

1980年代

  • 1981年7月㈱あさひ屋に改組
  • 1984年10月商号変更㈱トライアルカンパニーに商号変更

1990年代

  • 1992年10月ディスカウントストア トライアル1号店となる南ヶ丘店(福岡県大野城市)を開店し、ディスカウントストアへの転換を図る
  • 1993年4月本社を福岡県福岡市中央区高砂に移転
  • 1994年3月柳川店(福岡県柳川市)を開店し、本格的に郊外型総合ディスカウントストアによる多店舗展開を開始
  • 1996年11月スーパーセンター1号店となるスーパーセンタートライアル 北九州空港バイパス店(北九州市小倉南区)を開店 1989年4月から開発を行っていた自社開発PC-POSシステムを完成

2000年代

  • 2003年8月本社を福岡県福岡市東区多の津に移転
  • 2003年12月M&A中華人民共和国でのソフトウエア開発業を目的として、煙台創迹軟件有限公司を設立(現:連結子会社)フランチャイズ店舗の運営会社である㈱ナカヤを完全子会社化
  • 2004年1月M&A物流機能の内製化を目的として㈱下田屋(現:㈱MLS、現:連結子会社)を株式交換により完全子会社化
  • 2008年2月九州・中国地方の物流拠点となる白鳥物流センター(福岡県田川市)を開設し、プロセスセンターの稼動を開始
  • 2008年9月北海道地区に小売店舗を展開していた㈱カウボーイとの業務提携により、北海道地区にトライアルが初出店
  • 2009年6月M&A㈱カウボーイを子会社化

2010年代

  • 2010年1月M&A㈱カウボーイを吸収合併
  • 2014年7月日本国内への貿易事業を目的として上海翔迹企業管理有限公司(現:連結子会社)を設立 白鳥プロセスセンター(福岡県田川市)にてISO9001認証取得
  • 2014年10月店舗開発業務の効率化を図るため、㈱トライアル開発(現:連結子会社)を設立
  • 2015年6月生鮮事業を行うことを目的として、㈱トライアルフレッシュシステム(注1)を設立 本部事務を行うことを目的として、㈱トライアル・シェアードサービスを設立
  • 2015年7月システム部門の機動性及び専門性を高めることを目的として㈱ティー・アール・イー(注2)を設立
  • 2015年9月㈱トライアルホールディングスを単独株式移転により設立、持株会社体制へ移行
  • 2016年2月㈱トライアルスーパーセンター(現:㈱トライアルストアーズ、現:連結子会社)、㈱トライアルメガセンターを設立
  • 2016年4月事業展開の迅速化を目的として㈱トライアルカンパニー(現:連結子会社)の28店の店舗運営業務を㈱トライアルスーパーセンター(現:㈱トライアルストアーズ、現:連結子会社)、3店舗の店舗運営業務を㈱トライアルメガセンターがそれぞれ分割承継
  • 2016年9月㈱トライアルフィナンシャルサービス(現:㈱SU-PAY、現:連結子会社)を設立
  • 2016年10月M&A「食」の強化を目的として㈱明治屋(現:連結子会社)を子会社化
  • 2018年2月タブレット決済機能付きのレジカートであるSkip Cartや棚状況の監視等のためのカメラ等のIoTデバイスを導入し、新しい買い物体験ができる日本初のスマートストア(注3)(当社調べ)である「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」(福岡市東区)を開店

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/6期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 惣菜の売上高構成比(流通小売売上高に占める割合)6.3%(前年同期比0.6ポイント増)をさらに引き上げる
  • PB商品の流通小売売上高に占める割合18.4%(前年同期比3.5ポイント増)をさらに高める

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    生鮮強化による生活必需店づくり

    生鮮四品(青果、精肉、鮮魚、惣菜)の商品開発を強化し、おいしさと価格優位性を追求。惣菜開発ではグループ会社の明治屋と連携し、売上高構成比を引き上げる。地場産品の直接取引ネットワークを構築し、地域ニーズに合わせた品揃えを実現する。

  2. 02

    マルチフォーマットによるドミナント戦略

    スーパーセンターを核に、smartや小型店、メガセンターを相互補完的に展開。特定エリアに複数フォーマットを集中出店し、市場シェアを拡大する。平日・休日の買い物ニーズの違いに全方位型で対応する。

  3. 03

    製造小売業(SPA)への変革

    自社のプロセスセンターやセントラルキッチンを活用し、生鮮加工や惣菜製造を内製化。できたて商品の提供と効率的なサプライチェーンを両立。プライベートブランド商品の比率を高め、自社工場のキャパシティ増強や拠点拡大によりSPA化を目指す。

  4. 04

    リテールAI事業の基盤拡充

    IoTデバイスやデータ分析プラットフォームの機能向上と導入・保守体制を強化。グループ内での展開を優先しつつ、外部企業とのアライアンスを通じてグループ外小売事業者へのプロダクト導入を加速する。

  5. 05

    データ活用による流通業界の効率化

    ID-POSデータや会員データを活用し、ワン・トゥ・ワンマーケティングや店舗メディア化を推進。実証実験で効果が確認できたものをプロダクト化し、グループ外へ展開することで、流通サプライチェーンのムダ・ムラ・ムリを削減する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で7,080人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,025万円で、1期前と比べて17.7%平均年齢は39.5歳、平均勤続年数は2.0年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年6月1,24540.92.06,529294
2025年6月1,02539.52.07,080298

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社31(国内 26 / 海外 5、うち連結子会社 26) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
流通小売事業 — 九州 メガセンタートライアル 新宮店(福岡県糟屋郡新宮町)他137店舗 物流・製造拠点 14施設467億円
流通小売事業 — 北海道 メガセンタートライアル 伏古店(札幌市東区)他33店舗 製造拠点 1施設152億円
流通小売事業 — 近畿 スーパーセンタートライアル りんくうタウン店(大阪府泉佐野市)他36店舗 製造拠点 2施設135億円
流通小売事業 — 中国・四国 スーパーセンタートライアル 鳥取千代水店(鳥取県鳥取市)他29店舗 製造拠点 1施設113億円
流通小売事業 — 関東 メガセンタートライアル 宇都宮店(栃木県宇都宮市)他59店舗 物流・製造拠点 6施設112億円
流通小売事業 — 東北 スーパーセンタートライアル 盛岡西バイパス店(岩手県盛岡市)他19店舗 製造拠点 2施設9,597百万円
流通小売事業 — 中部 スーパーセンタートライアル 南アルプス店(山梨県南アルプス市)他14店舗 製造拠点 1施設5,652百万円
その他事業 — 宮若温泉郷他(福岡県宮若市他)2,241百万円
流通小売事業 — 本社(福岡市東区)1,729百万円
流通小売事業 — 白鳥第一物流センター他(福岡県田川市他)1,347百万円
ほか1件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    ㈱トライアルカンパニー(注)3.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱トライアルストアーズ(注)3.5.8.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱青森トライアル(注)5.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱トライアルGO (注)5.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱魚寅(注)5.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱白鳥ロジスティックシステム(注)5.9.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱明治屋
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱Le Petit Nicois (注)5.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱トライアルフードパーク(注)5.
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱MLS
    福岡県田川市 · 連結子会社
    議決権34.2%
  • 国内
    ㈱SU-PAY
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱トライアルカーズ
    福岡市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社19社を開く
  • ㈱トライアル・インシュアランス・サービス(注)5.福岡市東区100%
  • ㈱Retail AI東京都港区100%
  • 拓鋭安(上海)科技有限公司中国上海市100%
  • 煙台創迹軟件有限公司中国煙台市100%
  • 上海翔迹企業管理有限公司(注)5.中国上海市100%
  • ㈱トライアルリアルエステート福岡市東区100%
  • ㈱トライアル開発(注)5.福岡市東区100%
  • ㈱河村佐藤デザイン(注)5.福岡市東区100%
  • ㈱トライアルゴルフ&リゾート(注)5.10.福岡市東区100%
  • ㈱ティージーアール阿蘇(注)5.福岡県宮若市100%
  • ㈱ティージーアール大分(注)5.福岡県宮若市100%
  • ㈱トライアルベネフィット福岡市東区100%
  • ㈱トライアルチャレンジド(注)5.福岡市東区100%
  • ㈱Fieldman東京都港区100%
  • TRIAL.Korea Co.,Ltd. (注)5.韓国釜山市30%
  • F&G Retail Co.,Ltd. (注)5.韓国釜山市30%
  • ㈱ムロオ広島県呉市28%
  • ㈱サクラバ秋田県北秋田市34%
  • ㈱SalesPlus (注)5.東京都港区50%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年6月期の売上高は1.3兆円営業利益304億円前期と比べると増収増益で、売上が+67.6%、利益が+44.1%。

売上高
+67.6%
1.3兆円
営業利益
+44.1%
304億円
純利益
-70.3%
35億円
営業利益率
2.3%
前期比 -0.4%pt

会社が出している今期の予想2027年6月期

項目会社予想前期実績
売上高1.5兆円1.3兆円
営業利益390億円304億円
純利益107億円35億円
1株あたり配当¥17¥17

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

6期分

直近は2026年4Qで、売上は6,730億円、営業利益は137億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は+68.2%、営業利益は+20.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年3Q5,3721542.995
2024年4Q1,807382.119
2025年2Q4,037972.461
2025年4Q4,0011142.857
2026年2Q6,7411672.541
2026年4Q6,7301372.0−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2020年3月期からの8期で、売上は25億円から1.3兆円へ538.8倍に増えた。直近期の営業利益率は2.3%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2020年3月0.001618
2021年3月0.016965
2021年6月0.0004
2022年6月0.6012771
2023年6月0.6514481
2024年6月0.721921982.7114
2025年6月0.802112222.6118
2026年6月1.353042022.335

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年6月期

売上高1.3兆円のうち、営業利益として残るのは304億円2.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は35億円、売上の0.3%にあたる。営業利益率は業種中央値3.7%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金97.7%1.3兆円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益2.3%304億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比1.4pt
2.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比2.2pt
0.3%
税金まで払って最後に残る割合

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2025年6月期は営業CFが−44億円、投資CFが−359億円で、差し引きのフリーCFは−403億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は723億円で、売上の1.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年6月223−135−4388274
2023年6月184−168−5216239
2024年6月595−260345335919
2025年6月−44−359208−403723

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 7期分

2025年6月期の総資産は3,003億円。このうち返さなくてよい自己資本が1,290億円で、自己資本比率は42.0%(業種中央値47.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2020年3月2492193087.9
2021年3月3012861595.1
2021年6月3072911694.9
2022年6月1,8575971,26031.2
2023年6月2,0066801,32632.8
2024年6月2,8361,1821,65440.8
2025年6月3,0031,2901,71342.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年6月期の内訳
現金及び預金
723億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
819億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
566億円
在庫として抱えている分
負債合計
1,713億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

小売業 322社との比較

同じ小売業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率322社中4位あたり、逆に低いのは配当利回り322社中304位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 8.6%
P25 4.9%P75 13.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
2.3%/中央値 3.7%
P25 1.6%P75 6.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
/中央値 47.4%
P25 34.3%P75 62.5%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
67.6%/中央値 4.5%
P25 0.1%P75 10.6%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.4%/中央値 1.9%
P25 1.1%P75 2.8%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,890で、1年前と比べて+51.9%過去52週の値幅のなかでは67%の位置にある。

¥3,890-2.0%1ヶ月+19.7%1年+51.9%時価総額4,760億円
過去52週の値幅
安値¥1,996高値¥4,840

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)136.1倍
PER (会社予想)44.6倍
PBR3.65倍
配当利回り0.44%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は3920円で、25日線(3301円)を19%上回り、急上昇しています。1カ月で30.9%上昇、年初来では60%高です。8月14日に3400万株超の出来高を伴って3680円へ飛び出し、その後も高値を更新しています。52週高値4840円に近づきつつありますが、RSIは80.6と買われ過ぎの水準に達しており、短期的な過熱感が非常に強い状態です。出来高は高水準を維持していますが、注意が必要です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 12/100)

PERが137.83倍と業界平均40.23倍を大幅に上回り、予想PERも45倍と高水準。PBR3.68倍も平均3.06倍を上回り、配当利回り0.43%は平均12.58%を大きく下回る。ROE9.7%は平均的だが、配当性向127.3%と利益を超える配当で持続性に懸念。割高だが業績成長は見込まれ、直近の純利益急減に注意が必要。

指標この会社業種平均
PER (実績)136.1倍39.6倍
PER (予想)44.6倍
PBR3.65倍2.44倍
ROE9.7%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

業容拡大に伴う売上高の急成長が投資の主眼となる一方、急速な出店やM&Aが損益の変動を生んでおり、成長の質が争点である。強気派は、国内における食品スーパーの再編の中で、低価格と利便性を両立したフォーマットが勝ち残るとみて、今後の出店余地や既存店の伸びに期待する。また、海外展開を含めた長期的な成長ストーリーを評価する。弱気派は、競争激化による価格競争のさらなる深刻化や、出店投資・M&Aによる負債増加と減益リスクを懸念し、ROEやキャッシュフローの改善が進まないと指摘する。さらに、テクノロジー投資の効果が十分に見えず、省人化が誤解であるとの見方も存在する。

プラスに働く材料7
  • 省人化モデルの優位性

    スマートカートの導入などで店舗コストを削減し、低価格販売を実現。

  • 成長余地の大きさ

    国内での出店余地に加えて、中国・韓国など海外に拡大余地がある。

  • PB商品の拡大

    PB比率の向上で粗利改善が進み、競争力が高まる可能性がある。

  • 売上高1.35兆円へ約68%急拡大2026年6月期影響

    売上高は8,038億円から13,471億円と5,433億円増加。営業利益も304億円に拡大し、成長規模が際立つ。

  • 営業利益が前年比44%増の304億円2026年6月期影響

    営業利益は211億円から304億円と93億円増加。増収効果により収益力が向上した。

  • 予想PER38.2倍へ改善見通し通年影響

    実績PER42.33倍から予想ベース38.2倍へ4.1ポイント改善し、相対的な割高感が和らぐ。

  • 外国人保有率4.65%の上昇余地継続影響

    外国人保有比率は4.65%と低く、海外投資家の買い増しによる需給改善が期待される。

マイナスに働く材料7
  • 競争激化のリスク

    大手スーパー・ディスカウントストアとの競争で価格低下が続く。

  • 投資負担の増大

    出店やM&Aで投資が膨らみ、利益率やキャッシュフローが悪化する。

  • 成長の質への疑問

    急拡大の裏で減益や純利益の低迷があり、成長の質が伴っていない。

  • 純利益35億円へ70%減益で実効PER約116倍2026年6月期影響

    純利益は118億円から35億円と83億円減少。時価総額4,075億円で計算するとPERは約116倍と極めて高い。

  • 営業利益率が2.26%へ低下2026年6月期影響

    営業利益率は2.63%から2.26%と0.37ポイント低下。増収下でも収益性が悪化している。

  • ROE9.7%でPBR3.12倍は割高継続影響

    ROEは9.7%と一桁台なのにPBRは3.12倍で、成長期待が過剰に織り込まれている懸念。

  • 配当利回り0.51%と低水準通年影響

    配当利回りは0.51%と低位で、株主への直接的な還元が乏しく、長期投資の魅力が薄い。

次の決算で確かめる点
既存店売上高前年比
店舗拡大に依存しない成長力を測るため。
PB商品売上比率
粗利率と競争力の源泉であり、収益構造の改善度合いを示す。
海外売上高比率
海外展開の成果と収益の分散度を確認するため。
出店投資額と回収期間
M&Aを含む積極投資が利益に与える影響を測るため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり17いまの株価に対する利回りは0.44%。

年間配当
¥17
1株あたり
配当利回り
0.44%
いまの株価に対して
配当性向
127.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥17

株主

有価証券報告書より

2025年6月期末の株主数は延べ40,080人。区分でいちばん多いのは事業法人70.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が74.4%を占め、残る25.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年6月%2025年6月%
事業法人70.870.5
個人・その他13.618.5
外国法人12.74.6
金融機関1.53.9
証券会社1.22.4
自己株式0.30.1
外国人個人0.20.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社ティー・エイチ・シー53.93
02株式会社Heroic investment7.66
03永田 久男1.77
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)1.51
05MORGAN STANLEY & CO. LLC (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1.27
06日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.99
07株式会社PALTAC0.98
08サントリー株式会社0.82
09三井物産流通グループ株式会社0.82
10ヤマエ久野株式会社0.74

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で−99%、1株純資産は7期で−98%。直近期のROEは9.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2020年3月3,73945,2008.6
2021年3月13,40758,85925.8
2021年6月83659,7501.4
2022年6月7359413.0
2023年6月8367713.155.3
2024年6月11094912.622.9104.8
2025年6月961,0319.724.0127.3
2026年6月29

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2025/6期の役員報酬は総額166百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
永田洋幸代表取締役 社長4464,156,100
石橋亮太取締役53157,800
立本博文取締役52
張相秀取締役71
上里剛志常勤監査役54
橋本道成監査役48
薄鍋大輔監査役49

役員報酬の内訳2025/6

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)410418612932
社外取締役424246
監査役1131313

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/6期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,432字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は持株会社制を導入し、純粋持株会社である当社並びに各事業を担う連結子会社26社及び関連会社5社(2025年6月30日現在)から構成されており、「流通小売事業」、「リテールAI事業」等の事業を営んでおります。当社は、中期経営計画及び年度事業計画に基づき、グループ各社の自主性を尊重するとともに、事業の発展及び経営改善に積極的に協力し、関係会社の育成を促進して企業グループとしての経営効率の向上を目指すことを目的として指導及び助言を行うことを基本方針としております。 当社の事業区分である「流通小売事業」及び「リテールAI事業」は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であり、報告セグメントに含まれていない事業及びこれらに附帯する事業を「その他」に区分しております。 当社グループの事業内容は、次のとおりです。なお、主な関係会社の詳細については「4 関係会社の状況」に記載のとおりです。 (1)流通小売事業 ①多様な店舗フォーマットとワンストップショッピングを可能にする豊富な商品ラインナップ 中核事業会社である㈱トライアルカンパニーを中心に、『あなたの「生活必需店」。』をストアコンセプトとした『TRIAL』ブランドのディスカウントストアを全国に展開しております。店舗フォーマットはメガセンター、スーパーセンター(SuC)、smart及び小型店の4種のフォーマットで、主力フォーマットであるスーパーセンターを中心に、商圏人口や立地、店舗面積等を考慮して様々なエリアに出店し、各エリアでのドミナント展開と収益の最大化を進めております。 業態名   売場面積 (㎡)   主な出店 エリア   業態の概要   主要販売品 及びアイテム数   店舗数 (2025年6月末現在) メガ センター   約8,000㎡   地方都市   食品から趣味嗜好品までフルラインで商品を取り揃える大型店   生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨、家電品、衣料品、園芸・DIY用品、ペット用品、スポーツ用品、インテリアなど約10万点   28店舗 スーパー センター (SuC)   約4,000㎡   郊外   生鮮食品や加工食品をはじめとする食品及び日用消耗品などの生活必需品を商品構成の中心としながら、家電製品や衣料品などの非食品を取り揃える中型店   生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨、家電品、衣料品、園芸・DIY用品、ペット用品、スポーツ用品、インテリアなど約6~7万点   207店舗 smart   約1,400㎡   都市部・ 小商圏   加工食品や弁当、惣菜を含む生鮮食品など、食品を中心とする商品構成で、メガセンター、SuCが出店困難な都市部・小商圏エリアへの出店が可能なフォーマット   生鮮食料品、一般食料品、日用雑貨、衣料品など約3万点   70店舗 小型店   ~約1,000㎡   都市部・ 小商圏   食品を中心とする商品構成で、SuCなど既存店舗からの高頻度配送により新鮮な生鮮食品、惣菜を提供。自動値下げソリューションや顔認証決済などのテクノロジーを活用した高い生産性を実現する次世代型スマートストア「TRIAL GO」等の小型店   一般食料品を中心として、日用雑貨など約7千~2万点   47店舗 なお、2025年6月末日時点の地域別の店舗数は以下のとおりです。 また、商品ラインナップは、生鮮食品などの「食」を強みとして、日用消耗品などの生活必需品から家電製品、アパレル用品からホビー用品などの非食品まで、豊富な品揃えを有しており、24時間営業(一部店舗を除く。)で、何でも・いつでも・欲しいものがお得に買えるワンストップショッピングストアとして、利便性や価格優位性を特徴としております。 また、当社グループ内に弁当・惣菜製造や生鮮食品の加工を行うプロセスセンターやセントラルキッチン、飲料製造工場を有しており、商品製造のノウハウを増強しております。ナショナルブランド商品を調達して販売するスタイルが主流である一方、プライベート・ブランド(PB)商品も展開しております。PB商品においては、かつ重などの惣菜、ナチュラルミネラルウォーターやお茶などの飲料、菓子類、フリースなどの衣料品が人気商品であり、いずれも高品質で低価格であることが、人気の理由であると考えております。 ②ローコストオペレーションを確立したユニークな店舗運営 1992年にトライアル1号店となる南ヶ丘店(福岡県大野城市)を開店して以来、当社は約30年におよぶディスカウントストアの運営ノウハウを蓄積しており、当社グループにてアライアンス先との物流網の共有化を通じた自社物流による最適化等、効率的な仕入れの確立と徹底したコスト管理、後述するリテールテックを活用した省力化によって、ローコストオペレーションを実現しております。 また、当社はグループ内に店舗の設計や建築を担う子会社を有しており、新規出店時における新築コストや店舗の改装コストを抑えることができるほか、居抜きによる出店も活用しており、新規出店時による一時的なコスト増加についても低位に抑える戦略が確立されております。 当社グループはEDLP(Every Day Low Price)(注1)を価格戦略における基本方針としております。EDLPが実現できる背景はEDLC(Every Day Low Cost)、すなわちローコストオペレーションであります。生鮮食品などの生活必需品を中心に、競争力のある価格提案を行い、欲しいものがいつでも安い、地域一番の生活必需店として、お客様に寄り添った店舗運営を確立しております。 ③リテールテックを活用した独自のビジネスモデル 当社グループが属する流通小売業をはじめ、あらゆる産業・分野においてデジタルトランスフォーメーション(DX)が浸透しており、様々な企業がIoT(注2)/AI(注3)などのデジタル技術を活用することで新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通じた価値の創出に取組んでおりますが、当社は、「テクノロジーと、人の経験知で、世界のリアルコマースを変える。」をビジョンとして、常に革新的な技術開発に取組んできた企業であり、現在も流通小売業(リテール)のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する『リテールDX』を牽引する先駆者として、業界の改革に取組んでおります。 当社グループは1996年のスーパーセンター1号店であるスーパーセンタートライアル 北九州空港バイパス店(北九州市小倉南区)の開店以降、自社開発のPC-POSシステム(注4)によって顧客データの蓄積と活用をはじめており、現在は各メーカー企業とお客様の購買情報がスムーズに連携できるデータベースエンジンの運用や商品の自動発注等を可能にする独自のPACER(注5)を活用した効率的な店舗オペレーションを実現しております。 また、当社のシステム開発等を所管する㈱Retail AIを中心に、お客様のさらなる買い物体験の向上と店舗運営の省力化をはじめとする流通小売業界全体のDXを企図とした取り組みを加速しております。 2015年には決済手続きを省力化するスマートショッピングカート(現:Skip Cart)の導入を開始したほか、お客様の動線や商品の在庫を記録するAIカメラや商品の販促等に活用するインストアサイネージを導入するなど、リテールテックを活用した独自性のあるビジネスモデルを構築できているものと考えております。特に、Skip Cartの利用によってお客様のレジ待ち時間が大幅に改善され、お客様の利便性向上につながっております。 (注)1.「EDLP」とは、Every Day Low Priceの略で、特売や限定販売ではなく、数量を限定せず、毎日お値打ち価格で販売することを指します。 2.「IoT」とは、Internet of Thingsの略で、あらゆるモノがインターネットに接続する技術を指します。 3.「AI」とは、Artificial Intelligenceの略で、人工知能のことを指します。 4.「PC-POSシステム」とは、販売時の商品情報を読み取り売上管理や商品管理を担う機器であり、PCを内蔵したものを指します。 5.「PACER」とは、Plan・Action・Check・Education・Recoveryの略で、当社グループで開発した店舗運営業務における商品管理の各アプリケーションがインストールされたモバイル端末になります。 当社の特徴である①ワンストップショッピング、②ユニークな店舗運営、そして③リテールテックを活用したビジネスモデルは既存店の安定的な客数及び客単価の成長に貢献しており、順調な事業規模の拡大を実現できております。 トライアル1号店開店以降の売上高と店舗数の推移は以下のとおりです。 <既存店売上高(前期比)> 既存店売上高(注)   2024年6月期   2025年6月期 前期比   (%)   105.8   103.6 (注)「既存店売上高」とは、開店から満12ヵ月経過した店舗(対象月又はその前年同月に月間5日以上改装等により閉店した店舗は除く。)のPOS売上の合計であります。「POS」とは、Point of Salesの略称であり、小売店において商品が購入された店舗や日時、数量等の把握が可能となる仕組み・システムを指しております。「POS売上」とは同仕組み・システムにおいて計上された売上高であります。以下同じです。 <既存店売上高(前年同月比)> 既存店売上高   2024年7月   2024年8月   2024年9月   2024年10月   2024年11月   2024年12月 前年同月比   (%)   101.6   109.3   101.9   100.8   105.0   104.2 既存店売上高   2025年1月   2025年2月   2025年3月   2025年4月   2025年5月   2025年6月 前年同月比   (%)   103.6   101.8   105.6   103.8   103.6   101.3 当社グループの小売店舗における月次の既存店売上高は、日本チェーンストア協会が公表している既存店ベースのチェーンストア総販売額(全国の食品スーパーやGMSなど)と比べ、長期にわたって前年同月比で高い成長を実現しております。 (注)「チェーンストア販売統計既存店売上高」とは、日本チェーンストア協会が公表している、同協会に加盟する会員企業(全国の食品スーパーマーケットやGMSなど)の総販売額における既存店ベース(当該月の販売額とその前年同月の販売額のうち、新規開店して売上増となったり閉店して売上減となったりする店舗の異動による影響を除いて比較)での前年同月比であります。 さらに当社グループでは、当社グループのみならず流通業界全体が活性化するような仕組みを『リテールDX』を通じて実現させることに注力しており、自社のみならず業界全体を巻き込んだ改革に取り組んでおります。 当該改革の一環として、2021年7月には、当社と福岡県宮若市、九州大学が連携し、産官学協働で『リテールDX』を軸にしたまちづくり「リモートワークタウン ムスブ宮若」プロジェクトを開始しました。同プロジェクトは、『リテールDX』を推進する当社グループと、宮若市及び九州大学が協働して推進する地方創生・まちづくり構想の一つであり、産官学による「リテールDXの拠点づくり」を目指し、リテール企業とメーカー企業が共同で実証実験を行っております。業界全体を巻き込んだ改革意識の醸成として、食品・消費財メーカーの担当者が全国から集まり、『リテールDX』を学び、実践する「宮若ウィーク」や、リテール企業やIT企業など、流通業に関わる様々な企業がオープンな環境で共にSmart Store Technologyを探求し、新たな購買体験と店舗効率化の共創を進める「Smart Store Consortium」というイベントを開催しており、当社グループでは、既成概念にとらわれない、自由な発想を取り入れたイノベーションを誘発する仕組みを設けることで、よりスピード感のある開発を実現し、リテールDXの最先端拠点を目指しております。具体的には取引先である食品・消費財メーカーやIT企業とともに、共同学習としてリテールAI専門家による講義の提供やリテールDX人材の育成プログラムを開発するほか、DX実践としてSkip Cartやインストアサイネージを活用したマーケティング改革、MD-Linkを活用したデータの共有・可視化によるサプライチェーン全体の最適化について協働しております。 (2)リテールAI事業 小売事業者や食品・消費財メーカーに対して、お客様の買い物体験の向上やリアル店舗のオペレーション改善、広告・販売促進活動の効率化、在庫・物流などサプライチェーンの効率化等に資するプロダクトやソリューションを提供しております。当社では実店舗の運営で発生する現場のニーズを速やかに開発に活かすことができ、また、開発した技術を速やかに現場で実証実験できる体制が最大の特徴であり、実際の小売店舗という現場や流通サプライチェーンのステークホルダーの営業活動などの場面で実活用できるプロダクトやソリューションを開発する「オペレーション・ドリブン」のコンセプトのもと、流通小売事業と連携を図りながら、実店舗で実利用され、効果を生み出すことのできるプロダクトを開発しております。 主力プロダクトであるSkip Cartは、セルフスキャンによるレジ待ちの解消及びレジ人時(注1)の削減やクーポン・レコメンドを活用した実店舗におけるワン・トゥ・ワンマーケティング(注2)など、新しい価値をお客様、小売事業者、食品・消費財メーカーに提供しております。なお、Skip Cartやその他のプロダクトの月額利用料・ライセンス利用料等の収入を得ております。 <当社グループが開発したセルフレジ機能付きのショッピングカート> <リテールAIが提供するプロダクト> 2025年6月末現在で、Skip Cartの当社グループ外での導入も含む導入店舗数は258店舗、導入台数は21,561台となっております。マンスリーユーザー数(注3)は450万人となっております。他にもPOS(注4)やID-POS(注5)等のデータ分析プラットフォームの「MD-Link」(2025年6月末時点で288社が利用)及びそのインフラ基盤である「e3-SMART」、棚状況の監視等を行う「カメラソリューション」、店頭における広告・販売促進ツールである「インストアサイネージ」などのプロダクトやソリューションの開発を行うとともに、グループ内の基幹システムや各種業務システムの開発・運用・保守を行っております。 (注)1.「レジ人時」とは、会計時の精算業務1時間当たりに必要な従業員数のことを指しております。 2.「ワン・トゥ・ワンマーケティング」とは、お客様個人の嗜好や属性、購買履歴等に応じて、個別に行うマーケティング活動です。マスマーケティングと比較した際、より深い顧客理解と広告等の出し分けを行う仕組みの構築が必要となります。 3.「マンスリーユーザー数」とは、2024年7月1日から翌年6月30日におけるSkip Cartの延べ月間利用者数(グループ外を除く)の平均を指しております。 4.「POS」とは、Point of Salesの略称であり、小売店において商品が購入された店舗や日時、数量等の把握が可能となる仕組み・システムを指しております。 5.「ID-POS」とは、(注)4の「POS」にIDデータが組み合わされたものであり、商品が購入された店舗や日時、数量だけでなく、ID単位でどのお客様が何の商品を購入したのかを把握することができる仕組み・システムを指しております。 6.「平均利用率」は、2024年7月1日から翌年6月30日にSkip Cartの稼働実績のあった当社グループのスーパーセンター195店舗における、2024年7月1日から翌年6月30日の9時から21時のカート利用可能な時間帯における延べ客数のうち、Skip Cartの延べ利用者数の割合であります。 7.「1時間当たりの通過客数」及び「1時間当たりの通過点数」は、スーパーセンターであるアイランドシティ店の2025年4月29日から同年5月6日におけるPOSデータから算出しております。なお、当該店舗を対象とした理由は、一般的にSkip Cartの導入直後は不自然に利用者が増加する傾向があるため、Skip Cartの導入後期間が最も長い同店を対象としたものであり、また当該期間を対象とした背景は、顧客数が多い方がより実態に即したデータになるという考えから、繁忙期であるゴールデンウイークを選んだためです。 (3)その他 当社グループは、「食」のブランディングを通じて本業である流通小売業における「ロイヤルカスタマー」を確立するため旅館施設である「久織亭(くおりてい)」、「虎の湯」、「古民家煉り(ねり)」や2024年2月1日付で東急不動産株式会社より取得した大分及び阿蘇のゴルフ場を含むゴルフ場運営などのリゾート関連事業及び建築・不動産管理等を行っております。各事業の連携を通じて、会員サービスの拡充及び周遊性を高めることを目指しております。 当社グループ全体のビジネスを俯瞰した図は以下のとおりです。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
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経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは以下の経営理念のもとに、事業を展開しております。 <Purpose(トライアルグループの存在目的)> 世界の誰もが「豊かさ」を享受できる社会をつくる。 <Vision(5~10年で実現したい自社と世界の姿)> テクノロジーと、人の経験知で、世界のリアルコマースを変える。 <Value(ビジョン実現のための組織の価値観・行動指針)> ・効率化された店舗網で、モノを流通させる力 ・データとIoTを駆使する力 流通小売業界には、食品の廃棄や欠品などによるムダや在庫・物流が最適化されていないことによるムラ、商慣習として古くから存在するリベート等のムリなど、サプライチェーンにおける各種工程の中に『ムダ・ムラ・ムリ』が多く存在すると考えております。当社グループはこの『ムダ・ムラ・ムリ』の削減を推進し、お客様への新しいお買い物体験の提供、メーカーや卸、物流、小売企業等と協業したサプライチェーン改革・マーケティング改革の推進、テクノロジーを活用したオペレーションの効率化などに取り組むことで、当社グループのパーパスの実現を目指しております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 主な経営指標として、連結売上高成長率、既存店売上高成長率、連結売上高営業利益率、新規出店数等のKPI(Key Performance Indicators)を重視し、成長性や収益性を向上させることを目指します。 (3)経営戦略等 当社の子会社及び関連会社は、当社グループの現状における主力事業である流通小売事業を営む会社及びリテールテック関連プロダクトの開発や導入・展開を行うリテールAI事業を営む会社等で構成されております。 現在、情報通信分野における技術革新やデジタルデバイスの普及、それに伴う大量のデータとそれらを分析・処理する技術の発達によって、オンラインとオフラインが融合し、既存の産業においてもAIの活用など、従来型のビジネスモデルからの変革が強く求められています。 当社グループは、流通小売業界には多くの『ムダ・ムラ・ムリ』が存在していると考えております。欠品・ロス、R&D、支店・商談、広告、リベートに係るコストを広く合算した総額は約40兆円にのぼると試算しており、国内の流通小売業の売上高約165兆円(注1)との対比でも、かかる『ムダ・ムラ・ムリ』の大きさが見て取れると考えております。当社グループは、テクノロジーを活用しながら『ムダ・ムラ・ムリ』を解消していくことで、お客様に新たな価値を提供することができるものと考えております。流通小売事業において、リアルの店舗運営を行うことで、お客様やサプライチェーン全体の課題や真のニーズを把握し、それらをリテールAI事業の開発に反映させております。それによって、流通小売事業の収益性や生産性の向上を実現するとともに、現場において真に効果を上げることのできるプロダクトやソリューションを開発し、メーカーや卸、グループ外の小売企業等に対してサービス提供を行っております。 (注)1.流通小売業の売上高は、経済産業省「商業動態統計」2024年度に基づいて記載しております。 2.欠品/ロスは、飲食料品業界の食品廃棄額、資産ロス(万引・不正・管理ミスによる損失)及び機会ロス(欠品による売上高の減少)の合計額であり、食品廃棄額は経済産業省「商業動態統計」(2024年度)及び全国スーパーマーケット協会「スーパーマーケット年次統計調査報告書」(2024年10月)から推計、資産ロスは経済産業省「商業動態統計」(2024年度)及び全国万引犯罪防止機構「第14回全国小売業不明ロス・店舗セキュリティ実態調査分析報告書」(2024年4月)から推計、機会ロスは経済産業省「商業動態統計」(2024年度)ほか及びDaniel Corsten, Thomas Gruen「On Shelf Availability: An Examination of the Extent, the Causes, and the Efforts to  Address Retail Out-of-Stocks」(2005)(欠品による売上高の減少率(世界平均))から推計しております。 R&Dは、食品飲料メーカー、消費財メーカー及び衣食関連の卸・小売に係る研究開発費及び研究開発部門の人件費総額の合計額であり、食品飲料・消費財メーカーに係る研究開発費は上場企業の開示データ(出所:Quick)における「研究開発費」を集計して推計、衣食関連の卸・小売に係る研究開発費は経済産業省「企業活動基本調査」(2023年度)から推計、人件費総額は経済産業省「企業活動基本調査」(2023年度)を基にR&D部門の推定人員数×一人当たり推定人件費総額で試算しております。 支店/商談は、日本全国に支店を構え、営業拠点が点在すること及び個別商談を行うことによる非効率性を指しており、経済産業省「商業動態統計」(2024年度)及び日本ロジスティクスシステム協会「物流コスト調査」(2024年度)等から推計しております。 広告は、日本の総広告費であり、電通「2024年日本の広告費」に基づいて算出しております。 リベートは、消費財メーカーの販促費用の合計であり、経済産業省「工業統計調査」(2020年)及びデロイトトーマツ「消費財メーカーにおける販促費用最適化:ゼロベース予算を活用した最適化アプローチ」から推計しております。 各事業における重要な戦略は以下のとおりです。 <流通小売事業> ①生鮮など「食」を強化した生活必需店づくり 当社の強みの一つに、既存店成長を支える唯一無二と自負するビジネスモデルがあります。具体的には、生鮮を中心とした多様な商品展開によるワンストップショッピングの提供です。戦略的に「食」の強化を推進しながら、お客様の需要を喚起しております。惣菜開発を担うグループ会社の㈱明治屋において、熟練の料理人がメニュー開発から調理まで一貫して行っており、その代表的な成果として、「生姜醤油こだわりだし唐揚げ」が「第16回からあげグランプリ(注)」の「西日本スーパー総菜部門」にて金賞を受賞しました。これにより、当社グループは同グランプリで5年連続の金賞獲得となりました。 また、生鮮四品(青果、精肉、鮮魚、惣菜)においては、おいしさと優位性ある価格を実現する商品開発を強化しており、集客ドライバーかつ収益性も高い商材として、売上高成長と収益性向上を牽引し、2025年6月期時点で流通小売売上高のうち30.5%(前年同期比1.7ポイント増)を占めております。その中でも、惣菜の2025年6月期の売上高構成比は流通小売売上高のうち6.3%(前年同期比0.6ポイント増)を占めており、その構成比を今後もさらに引き上げていくことを目指します。 食品は地域によって、季節性や嗜好が異なる商品であることから、店舗を展開する地域のニーズに合わせた品揃えを実現しております。新規出店及び改装を契機として、中央卸売市場だけでなく地方卸売市場の開拓を進めながらも、こだわりの商品に関しては生産者様と直接取引を開始することにより、地場産の生鮮食品を安定的に調達するネットワークを構築しており、生鮮をはじめとする食品の品揃えが充実したことから、売上高増大に大きく寄与する店舗が増加しております。 外食産業における経験者を採用することで組織体制を厚くしつつ、グループ内のリソースを有効活用しながら、幅広い世代のお客様に喜んでいただけるような生活必需店の拡大に取組んでおります。 ②マルチフォーマットによるエリアのドミナント化 特定のエリアに複数フォーマットの店舗をドミナント展開することで、当該エリア全体の市場シェア拡大を狙うことを方針としております。 主力フォーマットであり収益力の高いスーパーセンターを中心にしながら、近隣のsmartや小型店、広域商圏から集客可能なメガセンターが相互補完する位置付けであります。平日と休日における、ニーズが高い商品やお買い物に費やす時間の違いによって、お客様による店舗の使い分けに、全方位型で対応しております。 さらに、スーパーセンターを出店の中核としつつ、周辺にTRIAL GO等の小型サテライト型店舗をドミナント展開することで、近隣店舗からの効率的な配荷が可能になり、小型店全店に店内キッチンなどの専用設備を有することなく、できたてのお弁当やお惣菜の販売が可能となるものであります。 ③製造小売業への変革 精肉などを加工するプロセスセンター(PC)やお惣菜加工を担うセントラルキッチン(CK)を自社内に有することで、生産インフラを強化しております。 生鮮食品など、商品における「食」の強化を実現するため及び店舗ネットワーク拡大に備えるため、2025年6月期末時点において日本全国にPCを7ヶ所、CK(店舗併設型を除く。)を6ヶ所有しております。 お弁当、お惣菜においては、「できたて」商品の提供にこだわる一方、店内調理の負担を考慮した効率的なサプライチェーンの構築を実現しております。 例えば、惣菜製造の過程において、食材の加工はPCで行って、焼くなどの最終調理加工のみを店内キッチンで行うことによって、お客様にできたてを提供しております。また、小型店など調理スペースがない店舗においては近隣の大型店から毎日配荷する仕組みができております。 さらに、商品ラインナップ拡充と高い収益性の2点を意識して、プライベート・ブランド(PB)商品も強化しております。2025年6月期におけるPB商品の売上高は、流通小売売上高の約18.4%(前年同期比3.5ポイント増)を占めておりますが、今後もPB商品の流通小売売上高に占める割合を高めることを目指します。PB商品の中でも、お水やお茶などの飲料が人気商品であり、福岡県田川市にお茶製造工場、大分県由布市にお水(ナチュラルミネラルウォーター)工場を有し、製造ノウハウを構築してまいりました。お茶製造工場はグループ内の物流センターに隣接していることから、横持ち運搬コストをかけずに、競争力ある価格を実現しております。 自社工場の製造キャパシティ増強や、PC及びCKの拠点拡大によって、SPA(製造小売業)化を目指す方針であります。 (注)一般社団法人日本唐揚協会が主催する「日本で一番うまい唐揚げ屋さんはどこ!?」をテーマに、本当に美味しい唐揚げを決めるべく2010年より毎年開催している投票企画。 <リテールAI事業> ①基盤の拡充 リテールAI事業の開発する各種IoTデバイスを活用したプロダクトやデータ分析プラットフォーム等をグループ内及びグループ外に広く展開することが事業戦略上の優先事項と考え、各種プロダクトの機能向上や導入・展開・保守体制の拡充を行っております。 開発に関しては、国内及び海外(主に中国)のエンジニアを組織化し、オペレーション・ドリブンのコンセプトのもと、流通小売事業とも連携しながら、現場からのフィードバックに対してスピード感を持って開発に反映するPDCAサイクルを高速で回転させております。 導入に関しては、グループ内での展開を優先的に行うとともに、POSベンダーや店舗機器メーカー等の外部企業とのアライアンスを活用し、グループ外の小売事業者へのプロダクト導入を加速させていく方針であります。 ②データを活用した流通業界の効率化 流通業界は、サプライチェーン上に、メーカーや卸、物流事業者、小売事業者など多くの企業が参加する巨大な業界である一方、様々な情報及びデータが企業毎に分断されているなど、業界全体の効率化が実現されていないという課題があり、当社では、これを流通業界の『ムダ・ムラ・ムリ』と表現しております。 商品データや地域データに加えて、会員データや購買データなどの顧客データ・インストアデータを活用することで、これらの『ムダ・ムラ・ムリ』を削減することを目指しております。 具体的には、約1,217万人(2025年6月末時点)(注)の会員データと紐づいたID-POSデータを活用したワン・トゥ・ワンマーケティングや実店舗のメディア化などの販促戦略に取組んでおり、食品・消費財メーカーや広告代理店との実証実験を継続しております。実証実験を通じて、効果が確認できたものに関しては、プロダクト化を行い、グループ外の小売業への展開も行っていく方針であります。 (注)プリペイド会員数及び決済アプリ(SU-PAY)アカウント登録者数の単純合算であり、同一顧客の重複を一部含みます。 (4)経営環境 今後の当社グループを取り巻く経営環境は、国内における人口減少と少子高齢化の加速に伴い、より厳しさを増していくものと考えております。内閣府の令和7年版高齢社会白書によると、国内人口は2055年には約1億人まで減少し、生産年齢人口比率も50%に近づいていくと予測されております。国内全体における消費の拡大が見込まれない中で、当社グループが主力で取り扱う「食」や「日用生活消耗品」の消費は一定の規模を維持し、顧客属性や地域に応じた嗜好の細分化がより一層進んでいくものと認識しております。 小売業界においては、お客様の購買行動の変化への対応、働き手の確保、データ活用などの業界課題によって、従来型のビジネスモデルからの変革が強く求められております。海外においては、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)やクリック&コレクトといった新しい買い物の形が生活に定着しつつあり、国内においてもオフラインとオンラインの融合は極めて重要な経営課題として認識されております。 さらに、海外における金利上昇やそれに伴う円安の進行、商品の仕入価格の上昇、エネルギー価格の高騰などによるコスト上昇が企業業績に与える影響も深刻であり、それらを吸収し、収益を確保できる企業の選別が一層進んでいくものと思われます。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは流通小売事業において、新規出店によって店舗網を拡大するとともに、生鮮を中心とした「食」の強化や、店舗改装などによって店舗の集客力及び収益性を高めてまいります。また、リテールAI事業においては、プロダクトやソリューションの新規開発や既存プロダクトの機能改善により、小売企業、食品・消費財メーカー、ベンダー等への更なる提供価値の向上に努めてまいります。 ①新規出店と店舗改装 当社グループの主力事業である流通小売事業では、店舗の新規出店や既存店舗の改装による集客力及び収益性の向上は重要な成長ドライバーであります。 当社グループでは独自開発の商圏分析ソフトであるRetail Mapによって、広範な自社データ(顧客属性、購買情報など)と、一般データ(商圏情報、地図情報、統計情報など)を組み合わせて分析できる環境を整備しており、当社グループの出退店の検討や既存店の業績改善に活用しております。 主力フォーマットであるスーパーセンターを今後も主軸としつつ、店舗サイズや商品構成の異なる複数の店舗フォーマットを有することにより、食品スーパー、家電・家具量販店、ホームセンター、アパレル店舗など、他社撤退跡地への柔軟な居抜き出店と、自社競合を低減したドミナント出店を可能としております。 また、自社出店以外にも事業再編やパートナーシップを通じた事業拡大についても積極的に検討しており、2023年10月23日付の株式会社佐藤長からの一部事業の譲受を通じた小型店舗の拡大も実現しております。 <過去5期における店舗数の推移(単位:店)> 店舗フォーマット   売場面積   2021年6月期末   2022年6月期末   2023年6月期末   2024年6月期末   2025年6月期末 メガセンター   約8,000㎡   20   22   24   24   28 スーパーセンター   約4,000㎡   173   175   181   187   207 smart/小型店   約1,400㎡以下   72   74   80   107   117 合計   -   265   271   285   318   352 当社グループは、2021年6月期から2022年6月期にかけて、既存店の改装による生鮮や惣菜など「食」を強化した店舗づくりにリソースを投じたことから、戦略的に新規出店数を抑制してまいりました。 2023年6月期以降は「食」を強化した新規出店が進んでおり、今後も事業の譲受等のインオーガニックな成長もあわせて、店舗網を拡大していく予定であります。 出店地域は、店舗ネットワークを有する九州を中心としたドミナント展開を軸に、九州以外の地域におけるネットワーク拡大も目指しております。 出店フォーマットは、主力のスーパーセンターを中心としながら、ロードサイドにおける大型店メガセンター及び都市部におけるsmartの出店を行うほか、スーパーセンターなどの既存店舗を拠点に、サテライト型の小型店(TRIAL GO等)の出店を拡大することで、各地域におけるお客様支持の獲得・拡大を目指してまいります。 既存店につきましては、Skip CartなどのIoTデバイスの導入や、機械化や効率化により削減した人時をより高付加価値の作業に割り当てるというオペレーションの改善、生鮮食品をはじめとする地域の特性に合わせた品揃えの強化などの店舗改装を進め、地域のお客様が便利に楽しくお買い物をしていただける魅力的な売り場を実現します。2025年6月期は19店舗を改装しており、一定の売上高向上効果が発現しております。また、今後数年間におきましても毎年30店舗程度の改装を見込んでおります。 こうした新規出店及び店舗改装等に加え、プライベート・ブランド(PB)商品の開発強化や継続的な商品構成の見直し、適切な売価設定、販売費・一般管理費を含む徹底的なコストコントロール等を実施することにより、集客力及び収益性の向上を目指してまいります。 ②人材戦略 当社グループは、持続的・中長期的な企業価値の向上を実現していくにあたっての競争優位の源泉は「人材」であると位置づけ、多様な人材が活躍でき、働きがいがあり、安心して働ける職場環境や教育制度の整備、次世代経営者の育成を経営戦略上の重要課題としております。 当社グループのパーパスである『世界の誰もが「豊かさ」を享受できる社会をつくる。』を実現するため、多様な視点や価値観を尊重することが重要であることから、ダイバーシティー&インクルージョンプロジェクトを立ち上げ、女性、外国人、中途採用者、シニア層や障がいを持つ従業員など、多様な人材が活躍できるサポート体制を整備・推進しております。また、多様な人材の活躍を企業の成長につなげていく上では、全従業員への経営理念の理解・浸透を継続的に行っていくことが必須であり、教育上の最重要項目として実践してまいります。 当社の母体である株式会社トライアルカンパニーの「トライアル(TRIAL)」は、英語で「試み」や「試練」を意味し、「カンパニー(COMPANY)」には、会社という意味の他に「仲間」という意味があります。困難に屈することなく、「挑戦し続ける仲間たち」という意味が「トライアルカンパニー」という社名に込められており、失敗は財産であるという企業文化のもと、従業員1人1人が挑戦できる働きがいのある環境づくりとして、評価・報酬制度や次世代経営者育成プログラムなどの実施と継続的な改善を進めてまいります。また、流通小売業界のムダ・ムラ・ムリを削減していく「仲間」として他社との連携強化も経営上の重要課題と位置づけ、福岡県宮若市に流通DX開発拠点を構築し、メーカー、卸、他社小売、IT企業などが一体となって流通DXの人材育成に取り組んでおり、今後一層その取り組みを強化してまいります。 多様な従業員1人1人が生涯成長し続けることで、当社グループの発展・成長と、社会全体の発展・成長の2つの価値の最大化につながると考えております。 ③テクノロジーやデータの利活用 お客様の嗜好の細分化、購買行動の多様化、電子商取引(EC)比率の向上などの外部環境の変化によって、実店舗運営を中心に事業活動を行う小売事業者にとっても、ITやAI等のテクノロジーの活用は必要不可欠な要素となってきております。当社グループにおいては、創業時よりITやデータを活用した経営を一貫して行ってきており、現在においては「リテールAI事業」として事業セグメントを「流通小売事業」と分離し、テクノロジーを活用したプロダクト及びソリューションの開発投資を積極的に行っております。それらのテクノロジーを自社利用するだけでなく、メーカーや卸、グループ外の小売企業等にも提供し、サービス利用料等を収受しております。 流通小売業界にとって、テクノロジーやデータを活用したビジネスモデルの変革は非常に重要であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)へのニーズや投資意欲は益々高くなっていくものと考えております。グループ内での活用はもちろんのこと、データをメーカーや卸、物流及び小売企業間でシームレスに共有することで、業界全体の流通エコシステムを構築し、また、プロダクトやソリューションをグループ外の企業にも展開していくことで、流通小売業界に残る『ムダ・ムラ・ムリ』を解消し、業界の効率化を実現していきたいと考えております。
事業等のリスク9,498字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。当社グループの事業は、「流通小売事業」、「リテールAI事業」及び「その他事業」の3つの事業セグメントで構成されております。「中核事業である流通小売事業セグメント及び当社グループ共通のリスク」のほか、事業領域ごとに想定されるリスクをセグメント別に記載しております。 また、当社グループは、当社グループでコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性が必ずしも高くないとみられる事項を含め、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については積極的に開示することとしておりますが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努める方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <中核事業である流通小売事業セグメント及び当社グループ共通のリスク> (1)店舗拡大及び店舗改装を含む事業規模の拡大と人材確保及び労働環境の変化 当社グループは、成長戦略として、重点地域におけるドミナント戦略及び未出店地域への出店強化や既存店舗の改装を通じた事業規模の拡大を進めてまいりますが、同業他社及び他業種との競合が激化した場合や戦略に合致する店舗用地の確保が困難となった場合、その他不動産価格や建築コスト、資金調達コスト等の上昇、国内景気及び個人消費の減退等、当社グループを取り巻く経済条件に変化が生じた場合、出店及び改装のペースが減速し、新規出店店舗及び改装店舗に係る売上又は利益が想定を下回る可能性があります。 また、当社グループでは、パート社員であるアソシエイト職を含めた積極的な人材採用を進め、並行して新入社員からマネジメント職まで様々な研修プログラムを実施しております。しかしながら、労働人口減少に伴う人材確保競争の激化により店舗数の拡大ペースに対応した人材の確保・育成が予定どおりに進まない場合や労働需給の逼迫等によって時間給単価が上昇した場合、想定を上回る費用が発生したり、店舗の出店や改装のペースが鈍化する可能性があります。 加えて、当社グループは、事業規模や出店地域の拡大、事業の多角化のための手法の一つとして、M&A等を含む投融資活動を実施する可能性があります。しかしながら、その実施には多額の資金を必要とする場合があり、一時的に財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があるほか、実施後の事業の展開が計画どおりに進まない場合や、想定以上の支出を要する場合等には、それらの投融資活動により想定した効果を得られない可能性があります。 これらの要因によって、当社グループの成長戦略が想定どおりに実行できなかった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)新型コロナウイルス感染症その他感染症の流行による影響 2023年5月に新型コロナウイルス感染症の位置付けが感染症法上の5類へ移行されて以降、同感染症の事業活動への影響は軽微なものとなっております。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症その他の感染症の流行が発生又は拡大し、当社グループの店舗やプロセスセンター、取引先、仕入先、宿泊施設等において感染症の蔓延が生じた場合や感染拡大防止のために経済活動の制限が行われた場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)消費者需要、天候及び季節性等事業を取り巻く外部環境 景気動向・消費動向等の経済情勢、消費者需要の変化、天候の変化及び季節性による需要の偏りといった不可避的な要因が当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 天候及び季節性のリスクとして、当社グループの店舗・施設の周辺地域(特に九州地方)において大地震や台風、津波等の自然災害、火災或いは予期せぬ事故等が発生した場合、店舗・施設への物理的な損害、その他当社グループの供給業者又は仕入・流通ネットワークに影響を及ぼす可能性があります。このような事象に備え、当社グループにおいては、不測の事態が生じた際の社内における迅速な情報共有と管理体制を構築し、適時適切に事態を収束させることができる体制を整えておりますが、想定を上回る事象の発生により当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合や、人的又は物的な被害があった場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、流通小売業界は、国内外の景気動向、消費動向、物価動向、燃料・エネルギー価格の動向、為替動向等の経済情勢、消費者需要の変化により大きな影響を受けます。こういった変化に対し、当社は適時適切な価格戦略、在庫管理、販売力強化によりその影響を限定するよう努めておりますが、こうした外部要因の急激な変動等が生じ、これに対する十分な対応ができなかった場合、既存店の売上や収益性、新規出店・改装計画等に支障をきたし、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)仕入価格及び原油・原材料価格等の上昇 当社グループの流通小売事業ではプライベート・ブランド(PB)商品及び惣菜製造等で一部原材料の仕入をしております。それら仕入価格は、気温上昇や天候による需給の変化等により影響を受ける可能性があるほか、一部の原材料は海外子会社を通じて外貨で仕入れるため、為替変動による影響を受ける可能性があります。当社グループでは、特定の取引先や地域に依存することのないよう仕入の分散化を図っておりますが、想定外の異常気象等により原材料の仕入価格が高騰した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、原油・原材料価格等の高騰により、流通小売事業において、包装資材として使用しているレジ袋やトレー、フィルム等石油製品の仕入価格も上昇します。加えてエネルギー価格の上昇から各店舗で発生する水道光熱費の上昇や物流面におけるガソリン等の価格上昇の影響を受けることから、原油価格等の高騰は店舗運営コスト及び物流コスト増の要因となります。さらに、宅配の増加に伴い、トラックドライバーの需要が近年増加している一方で、その担い手の減少が見込まれることや労働時間の上限が規制されることなどにより、トラックドライバーの人件費の上昇を受けて、物流コストが増加する可能性があります。これらの外部環境による価格変動を顧客への販売価格に適切な程度及び時期において転嫁できない場合や、顧客への価格転嫁により当社グループの競争力が低下する場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)法律等による規制 店舗の出店においては大規模小売店舗立地法、商品の販売においては景品表示法、食品表示法及び食品衛生法、商品の仕入れにおいては下請法や環境に関するリサイクル関連法等の様々な法的規制を受けております。また、当社グループは中国や韓国において関係会社を保有しておりますが、海外においては現地法令の適用を受けるほか、政治・経済・文化・宗教・習慣や為替等の様々な影響を考慮する必要があります。当社グループでは法規制の遵守に努め、許認可の取得又は更新を遅滞なく実施できる体制整備に努めておりますが、法令の改正や解釈の厳格化により主要な事業の遂行が制限される可能性があるほか、法規制の遵守に想定外のコストが必要となる可能性があります。また、当社グループが法令等に違反した場合、課徴金等のペナルティに加えて、当社グループの社会的信用が失墜するなど、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)個人情報保護法 当社グループは、流通小売事業をはじめ当社グループにおいて営む各事業のお客様の個人情報を数多く保有・管理しております。これらの情報の管理については、「個人情報保護規程」を定め漏洩が生じないよう最大限の対策を講じ細心の注意を払っておりますが、不測の事態により、万一、外部漏洩等が発生した場合は、当該個人への賠償や当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)情報セキュリティ・システムトラブル 当社グループは、情報やコンピューター及びネットワーク等の情報システム(以下、「情報資産」という。)を「ヒト・モノ・カネ」に続く第4の資産として位置付けております。情報資産を重要な資産とし保護するため、「情報セキュリティポリシー」を定め情報セキュリティ委員会において継続的にリスク分析・評価を行い管理しております。 しかしながら、想定外の自然災害や事故等により設備が甚大な損害を被った場合や、コンピュータウィルスの不正侵入、サイバーアタック、従業員の過誤によるシステム障害等が発生した場合、社会的信用が毀損する等して、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)訴訟及びレピュテーションリスク 当社グループは、法令を遵守した事業活動を行っており、グループリスクコンプライアンス委員会を組織するなど社内においても法令遵守の意識向上を図っておりますが、通常の業務遂行において、従業員による法令違反や不適正行為、契約を巡る紛争や労働紛争、損害賠償等、第三者からの訴訟その他法的手段の提起等、様々な法的手続きに服するリスクを有しております。長期的かつ多額な費用を要する訴訟や社会的影響の大きい訴訟等が発生した場合、金銭的な負担に加え、企業イメージの悪化等、社会的なレピュテーションの低下により当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)固定資産の減損 当社グループは、事業の用に供する設備や不動産をはじめとする様々な固定資産を所有しております。保有資産の将来キャッシュ・フローの減少などにより、減損損失の認識及び測定を実施した結果、固定資産の減損損失の計上が必要となった場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)食品・商品の安全性・衛生管理 当社グループは、生鮮食品や惣菜をはじめとした食品を強みとして、お客様の多様なニーズにお応えするため生鮮食品から加工食品、日配食品まで幅広い商品を取り扱っており、「商品品質衛生管理規程」を定め当社流通小売事業における品質管理部門を中心に管理体制を構築しております。各店舗やセントラルキッチンにおいては規程の遵守状況について、食品衛生法及び食品表示法、HACCP、品質マネジメント認証に基づいた衛生管理がなされているかの定期的な点検を実施し、品質管理部においてはその実施状況の確認及び指導を行っております。また、内部監査室の店舗監査においては、そのサイクルと有効性を評価しております。さらに、外部機関による食品衛生法の遵守状況についての定期検査を受けるなど、安全性及び衛生管理の徹底を図っているほか、店舗や製造部門の従業員には衛生管理及びコンプライアンスに関する研修制度を設け社内独自の資格試験の受験を義務化する等安心・安全・適正にお客様へ提供するために様々な取組みを進めております。しかしながら、万一、食中毒や異物混入、原産地やアレルギー表記等の誤りなど、不適切な食品・商品の提供や表示がなされた場合や、食品・商品に関してSNS等における不適切な情報拡散がなされた場合には、当局による処分や措置の対象となり、また、販売自粛や商品回収、表示の是正等の措置や再発防止策の実施等に関して、多額のコストが発生する可能性があるほか、当社グループの商品に対する信頼の低下等につながるおそれがあります。当社グループでは、記載のとおり各部門の相互確認による管理体制及び社員教育体制によって最大限の品質管理を行っておりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)競合による影響 当社グループは流通小売業を基幹事業として営んでいますが、日本国内においては少子高齢化等によるマーケットの縮小が見込まれる一方で、同業他社のほか、競合業態であるスーパーマーケット、GMS、ドラッグストア等との間で激しい競争に晒されております。このような競争環境の下、当社グループでは、IT・AIにより顧客の購買動向の把握や分析等を推し進めるとともに、ローコストオペレーションにより高い価格競争力を有することで、競合他社との差別化を図っております。しかしながら、競合他社によるディスカウント業態の多店舗展開や業種・業態をこえた競争が激化する場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)資金使途について 株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、当社グループにおける事業のさらなる拡大のため、新規出店並びに既存店の改装及び修繕のための設備投資資金、物流センターへの設備投資資金、製造工場及び飲料水工場の設備投資資金、流通小売事業に係るIT投資資金、リテールAI事業に係るソフトウエア開発投資資金、その他事業に係る不動産開発投資資金などに充当する予定であります。しかしながら、急速な経営環境の変化により調達資金を計画どおり充当できない可能性があります。また計画どおり充当した場合でも、想定していた投資効果を得られず、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、資金使途を変更する決議を行った場合には、適時開示を行う方針であります。 (13)当社株式の流動性について 当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は当連結会計年度末時点において25.4%であります。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主及び役員への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)大株主との関係 当連結会計年度末現在、当社株式の大部分は、創業者かつ当社会長である永田久男並びに永田久男及びその親族の資産管理会社である株式会社ティー・エイチ・シー及び株式会社Heroic investmentにより保有されております。 かかる大株主が当社の事業その他に関して有する利益は他の株主の利益と異なる可能性があり、その保有方針や議決権の行使方針によっては、当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼすなど、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 <リテールAI事業に関するリスク> (1)先行投資の発生及び損失の継続計上 当社グループは、リテールAI事業への先行投資を行っており、リテールAI事業では前連結会計年度まで連続したセグメント損失を計上しておりました。これは、新規のプロダクト開発や既存プロダクトの改良のための開発投資や人件費、有形固定資産の取得等によるものです。一方で、流通小売事業においては、安定的に営業活動におけるキャッシュ・フローのプラスを計上しております。経営戦略上も、流通小売事業の売上高や収益性が継続的に成長・改善していく中で、リテールAI事業への積極的な投資を行っていくことを前提としております。 しかしながら、リテールAI事業においては、様々な実証実験の実施や新規事業の開発を行っておりますが、計画どおりにプロダクト化や開発が進捗する保証はなく、また、既存又は開発予定のプロダクトの普及・展開においても計画どおりに進捗する保証はありません。また、これらのプロダクト開発に必要なエンジニア等を確保できる保証もありません。さらに、リテールテック市場は技術革新が著しいことから、今後リテールAI事業の成長のための先行投資が想定以上に発生する可能性もあります。これらの要因その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、想定していた事業計画を達成できなかった場合、リテールAI事業において安定した収益を得ることができず、投資した資金が回収できない等、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)法律による規制 当社グループは、リテールAI事業において、精密機械の製造やDXソリューションサービスを提供する事業を行っているため、電波法や個人情報保護法など、企業活動に関わる各種法令の規制を受けております。当社グループは、コンプライアンス体制の充実が重要であると考えており、法務担当部署が中心となり、法令遵守状況の確認や法令改正時の事業への影響度の見積りなどを行っております。 しかしながら、将来において、当社グループが提供するプロダクト及びソリューションが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後の法改正や法的解釈の変更等により、当社グループのプロダクト及びソリューションの提供が困難になるような場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (3)ハードウエアやソフトウエアの不具合 当社グループは、リテールAI事業において、IoTデバイスを小売店舗に導入することによるソリューションの提供やデータの取得を行っております。ハードウエア、ソフトウエアともに品質管理体制を確立し、プロダクトやソリューションの提供を実施する中で、改善・改良を図るなど、製品の安全性確保やサービスの不具合の未然防止に努めております。 しかしながら、これらの不具合を将来に渡って完全に防止することは不可能であり、万一、大規模な製品の欠陥が生じたり、それに起因する損害が発生したりした場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (4)競合について 当社グループは、リテールAI事業において、「オペレーション・ドリブン」を軸に置いて営業活動を行っており、導入・運用実績の観点でも世界トップレベルであると認識しております。一方で、リテールテック市場では国内外に多数の競合他社が存在します。今後リテールテック市場の成長に伴い、既存事業者との競争激化や、別業界から当該市場への事業者の新規参入等によって、競合他社に比して当社のプロダクトやソリューションの技術レベルや価格が劣後するような場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)世界情勢、サプライチェーンに関するリスク 当社グループは、リテールAI事業において、Skip CartをはじめとしたIoTデバイスの仕入を中国から行っております。国内外における重大な感染症によるサプライチェーンへの影響や米中の貿易摩擦、日中の政治・外交問題等が発生した場合、又はそれらの仕入先との関係が悪化した場合等には、IoTデバイスの調達が滞ることや取引機会が縮小する可能性があります。また、世界的な半導体需要の逼迫等により、協力工場からの安定した製品や部品の調達が困難となる可能性もあります。 当社グループは、将来的な導入計画を見据え、協力工場との長期的関係の構築に努めるとともに、調達ルートの複数化などのリスクヘッジを検討しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (6)知的財産権の管理について 当社グループは、関連法規に則り当社グループの活動が他社の著作権、特許権等の知的財産権を侵害すること、また、社内において業務で使用するソフトウエア等が他社の権利を侵害することがないよう、社内にて調査確認を行うことでその防止に努めており、判断が困難な場合には弁理士及び顧問弁護士の意見を聴取する体制をとっております。また、当社グループの事業運営上重要な技術等に関しては、特許申請を行うなど、自社の保有する知的財産権の保護に努めております。 しかしながら、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であるため、意図せず他社の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。この場合、特許権侵害や商標権侵害を理由とする損害賠償請求や差止請求を受けたり、知的財産権の使用に対する対価の支払い等が発生したりする可能性があり、これらの場合には当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有している知的財産権が第三者により侵害された場合にも、リテールテックを活用した当社グループのビジネスモデルの優位性が失われてしまう可能性があるほか、法的措置を含めた対応を要し、人的又は物的コストが発生するなど、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響が及ぶ可能性があります。 <その他事業に関するリスク> その他事業は主に旅館業及びゴルフ場運営事業などのリゾート事業を行っており、上記グループとしてのリスク事項以外に以下のリスクを認識しております。しかしながら、グループ全体における影響度としましては、低いものであると認識しております。 (1)景気動向の変化について リゾート事業においては、景気動向、特に個人消費の動向に大きな影響を受けます。経済情勢や為替情勢、天候及び季節性事情により旅行者が減少するなど景気の先行き不透明感につながる事象が払拭されない状況が中長期的に継続する場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)労働力人口の減少に伴うサービスの質の低下への影響について 旅館業は労働集約的なサービスの提供を中心業務としておりますが、昨今の少子高齢化に伴う労働人口の減少により今後も中長期的な人手不足が継続したような場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客満足度向上及びリピート率向上のための従業員教育の実施や付加価値の提供による他社との差別化を図っておりますが、提供するサービスの質が低下した場合には顧客離れが起こり、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)4,926字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における日本経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、個人消費は緩やかな増加基調が見られたものの、電気代などのエネルギー価格及び人件費上昇に起因する物価上昇が継続しました。 物価上昇に起因する節約志向を背景として、消費の二極化及び緩急が顕著となりました。すなわち、季節イベントや行事など人が集まる機会に高付加価値商品の消費が活況を呈した一方、普段の生活必需品においては価格感応度が高まるなど、選別消費が進みました。 小売業界においては、記録的な暑さや少雨などの異常気象を背景として、野菜や米穀類などの生鮮食品の価格が急騰したことや、エネルギー価格及び人件費上昇に起因したナショナルブランド商品の価格上昇などにより、消費者の生活防衛意識が加速度的に高まりました。 そのような環境の中、当社グループが掲げる「テクノロジーと、人の経験知で、世界のリアルコマースを変える。」というビジョンを実現するため、新規出店による店舗網の拡大や「食」の強化及び改装による既存店の成長力強化を進めております。 さらに、Skip Cart(決済機能付きレジカート)や、インストアサイネージ(電子看板)などIoTデバイスの導入推進によって、便利なお買い物体験の提供や、データの蓄積及び活用を進める取り組みを実施してまいりました。 以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高803,829百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益21,106百万円(同10.2%増)、経常利益22,200百万円(同12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,752百万円(同2.7%増)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりです。 なお、売上高については、外部顧客への売上高の金額によっております。また、セグメント利益又はセグメント損失については、未実現利益の消去等及び全社費用を調整する前の金額によっております。 (流通小売事業) 『あなたの「生活必需店」。』をコンセプトとして、食品や日用消耗品を中心とした豊富な商品ラインナップを、競争力ある価格で、24時間いつでもお買い物いただける店舗づくりを行っており、多様化するライフスタイルのあらゆるニーズにお応えしております。 当連結会計年度における流通小売事業の既存店売上高は、できたての惣菜をはじめとする魅力的な商品ラインナップや競争力のある価格提案、商品の価値を伝える棚づくりなどによって高い成長率を記録しました。 中長期的な成長を見据えて積極的に新規出店を進め、メガセンターを4店舗、スーパーセンターを20店舗、smartを7店舗、小型店を4店舗出店した一方、小型店を1店舗閉鎖しました。また、smart1店舗を小型店に業態転換しました。 なお、新規出店数には、2024年11月に群馬県でスーパーマーケットを運営する株式会社スーパー丸幸より吸収分割の方法で承継した2店舗を含んでおります。 当連結会計年度末の店舗数は、352店舗(うちFC3店舗を含む)となりました。改装は、スーパーセンター13店舗、smart2店舗、小型店4店舗の計19店舗において実施しました。 以上の結果、当事業の売上高は799,773百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益は23,726百万円(同8.4%増)となりました。 (リテールAI事業) 便利なお買い物体験の提供や店舗オペレーションの省力化を目指したリテールテクノロジーの開発及び導入拡大のための投資を継続実施しております。 Skip Cartの導入推進(2025年6月末時点の当社グループ外での導入も含む導入店舗数:258店舗、導入台数:21,561台)によって、決済時にレジの列に並ぶ必要がないなど、お客様視点の利便性が向上していると同時に、店舗のスループット(時間当たりのレジ通過客数・点数)が上昇しております。2024年10月に当社グループ外の小売企業2社に新たに試験導入し、実証実験を進行中です。 また、小型店(TRIAL GO)において、レジ端末に設置されたカメラによる顔認証決済の実証実験を推進するなど、新しい時代の買い物体験を展開する取り組みを行っております。 以上の結果、当事業の売上高は985百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は55百万円(前年同期はセグメント損失520百万円)となりました。 (その他事業) その他事業は、不動産・リゾート事業を含んでおり、主にリゾート施設にて「食の強化」を体現する体験型施設としての認知度が高まりつつあります。 運営しているゴルフ場や旅館は、国内旅行の需要に加えて、アジアを中心とする訪日外国人観光客の需要を獲得することができました。 以上の結果、当事業の売上高は2,734百万円(前年同期比38.3%増)、セグメント利益は643百万円(前年同期はセグメント損失16百万円)となりました。 ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ16,656百万円増加し、300,283百万円となりました。これは主として、建物及び構築物が15,544百万円、棚卸資産が10,172百万円、建設仮勘定が3,537百万円、売掛金が2,131百万円、土地が1,572百万円増加し、現金及び預金が19,621百万円減少したこと等によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ5,814百万円増加し、171,254百万円となりました。これは主として、短期借入金が26,500百万円増加し、買掛金が19,197百万円減少したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ10,841百万円増加し、129,028百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を11,752百万円計上し、剰余金の配当を1,829百万円実施したことにより利益剰余金が9,922百万円増加したこと等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ19,621百万円減少し、72,325百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により使用した資金は4,446百万円(前年同期は59,497百万円の獲得)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益19,829百万円、減価償却費13,835百万円を計上したことであり、主な減少要因は仕入債務の減少額19,913百万円、棚卸資産の増加額10,324百万円、法人税等の支払額9,834百万円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は35,892百万円(前年同期は26,005百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が33,960百万円あったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により得られた資金は20,770百万円(前年同期は34,503百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加額が26,500百万円、長期借入金の返済による支出が4,087百万円あったこと等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2024年7月1日  至 2025年6月30日)   前年同期比(%) 金額(百万円) 流通小売事業   799,773   111.9 グロサリー   225,293   108.7 デイリー   130,993   112.1 フレッシュ   244,050   118.6 生活   92,082   107.3 ハード   68,733   106.3 アパレル   22,257   106.0 その他   16,362   121.2 リテールAI事業   985   107.4 その他事業   2,734   138.3 合計 (注)1.   803,829   112.0 (注)1.販売実績の合計額には、事業セグメントに配分していない収益335百万円を含んでおります。 2.セグメント間取引については、相殺消去しております。 3.「グロサリー」は菓子類などの加工食品、「デイリー」は卵や乳製品などの日配品、「フレッシュ」は生鮮四品(青果・精肉・鮮魚・惣菜)、「生活」は日用消耗品や家庭用品、「ハード」は家電製品などの耐久性商品、「アパレル」は衣料品を示しております。 4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果は、これらと異なることがあります。 当社の連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項  (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ 財政状態 財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ロ 経営成績 経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ハ キャッシュ・フロー キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。 運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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