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超!企業DB
日経平均64,214.48-111NYダウ53,686.11+624ドル円155.76-3NASDAQ26,584.06+366S&P 5007,747.71+81SOX 指数11,352.13+139/3終値

ソラコム

147A · Growth · 情報・通信業

クラウド上に独自構築したモバイルコアで、IoT通信を1回線から手軽に提供するIoTプラットフォーム企業。

概要

ソラコムは、法人向けIoTプラットフォーム「SORACOM」を提供する情報・通信業の企業である。仮想移動体通信事業者(MVNO)として独自にクラウド上にモバイル・コアを構築し、低コストでグローバルなIoT通信を可能にする。2015年のサービス開始以来、課金アカウント数は1万4百(2026年3月末現在)に拡大し、2024年3月に東京証券取引所グロース市場に上場。2026年3月期の連結売上高は124億円、営業利益は8.7億円である。

IoTプラットフォームとしての事業構造

ソラコムは単一セグメントであるAI/IoTプラットフォーム事業を展開する。収益は「リカーリング収益(プラットフォーム利用料)」「商品販売」「その他」の3つで構成される。リカーリング収益の大部分は通信サービス「SORACOM Air」による従量課金収入であり、2026年3月期に93億円(前期比41.7%増)を計上した。商品販売はIoT SIMやデバイスの仕入販売、その他にはKDDI向けプラットフォーム提供やプロフェッショナルサービスが含まれる。2026年3月期の売上構成はリカーリング収益74.8%、商品販売25.2%である。

収益成長を支える課金アカウントとARPAの拡大

同社の成長ドライバーは課金アカウント数とアカウントあたりの平均売上(ARPA)である。2026年3月末の課金アカウント数は1万4百、ARPAは947千円(前期比24.4%増)となった。セルフサービスモデルにより小規模顧客から獲得し、アカウントマネージャーのサポートでメジャーアカウントへ成長させる循環を形成する。主要顧客の年間解約率は0.4%と低く、NRR(Net Revenue Retention)は121%を記録している。

グローバル展開とグループ体制の変遷

ソラコムは日本国内に加え、米国(Soracom Global, Inc.)と英国(SORACOM CORPORATION, LTD.)に連結子会社を持つ。かつてリヒテンシュタイン、シンガポール、デンマークに子会社を設立したが、2020年5月に英国拠点へ業務を集約し、その後清算した。2024年10月には国内の株式会社キャリオット、2025年8月には株式会社ミソラコネクトの株式51%を取得し連結子会社化した。海外売上高比率は2026年3月期に40.0%であり、ミソラコネクトの連結により一時的に低下した。

KDDIグループ参画から上場後の独立体制へ

2017年8月、KDDI株式会社への株式譲渡によりKDDIグループに参画し、連結子会社となった。その後、2024年3月のグロース市場上場に伴い、KDDIは親会社からその他の関係会社へと地位が変更された。上場後もKDDIとの業務提携は継続しており、KDDI向けに「IoT世界基盤」の基礎となる通信ネットワークを提供するほか、技術開発支援の業務受託も行っている。この協業関係はリカーリング収益の一部を生み出すとともに、国内セルラー通信におけるKDDI回線の利用(2018年5月開始)としても現れている。

業界の中での役割はIoTプラットフォームプロバイダー(MVNO)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
124億円
営業利益
9億円
営業利益率
7.3%
純利益
6億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01IoTプラットフォーム主力

あらゆる業界の顧客企業に対し、IoTデバイス・SIM・通信回線・データ保存・可視化等を一元的に提供するIoTプラットフォーム「SORACOM」を展開。1回線から利用可能で、設備投資を抑えたIoT導入を実現する。

主な製品・サービス5
SORACOM Air
IoT向け通信サービス。セルラー(2G/3G/LTE/5G)、LPWA(Sigfox、LoRaWAN、LTE-M)、衛星通信に対応し、207の国と地域で利用可能。
SORACOM Arc
Wi-Fiや有線などあらゆるネットワーク経由でプラットフォームに接続できるサービス。データを暗号化し、セキュアに通信する。
SORACOM Harvest Data
IoTデータの時系列保存サービス。蓄積したデータをAI分析し、異常値や傾向を自然言語で把握できる。
SORACOM Flux
プログラミング知識なしで、IoTデータを活用したアプリケーションを構築できるサービス。生成AIで処理を自動化。
SORACOM Query
生成AI統合のデータ分析基盤。自然言語でIoTデータを検索・可視化・分析できる。

製品と技術

核となる通信サービス「SORACOM Air」

「SORACOM Air」はIoT向けの通信接続サービスであり、セルラー通信(2G/3G/LTE/5G)とLPWA通信(Sigfox、LoRaWAN、LTE-M)を提供する。セルラー通信は国内回線とグローバル回線に区分され、世界207の国と地域をカバーする。2025年からはSkylo Technologiesと協業し衛星通信も提供開始した。また、Wi-Fiや有線通信などあらゆるネットワーク上でプラットフォーム機能を利用できる「SORACOM Arc」もラインアップする。

IoTデバイスとエッジAIカメラの展開

同社は自社開発のIoTデバイスとして、2018年に国内初のセルラー通信内蔵「SORACOM LTE-M Button」シリーズを発売した。2019年にはエッジ処理AIカメラ「S+ Camera Basic」を開発し、映像データのエッジ処理を実現した。また、2022年5月からはクラウドカメラサービス「ソラカメ」を提供開始し、遠隔監視などのユースケースに対応している。これらのデバイスはプラットフォームと連携し、顧客のIoT導入を容易にする。

IoT向け付加価値サービス群とエコシステム

通信に加え、ネットワークサービス(VPN接続、物理専用線、リモートアクセス)やアプリケーションサービス(時系列データ保存、可視化ダッシュボード、データ転送)を提供する。2019年3月にはIoTサブスクリプション・マーケットプレイス「IoT SELECTION connected with SORACOM」を開設し、エコシステムパートナー企業と共に多様なソリューションを顧客に提供している。2023年7月には株式会社松尾研究所と「IoT x GenAI Lab」を設立し、生成AIのIoT分野への適用を研究している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

IoTプラットフォームの独立系リーダー

IoT通信プラットフォーム「SORACOM」を提供する独立系企業。同業にはVRain SolutionやCocoliveなどがいるが、SORACOMはMVNO型の国境を越えたサービスが特徴。通信キャリアに依存せず、クラウド連携に強み。売上高は2024/3期79億円から2026/3期124億円へ急拡大中。営業利益率も7%前後と高水準。顧客は法人中心で、海外展開も積極的。

強み

  • SORACOMシリーズは通信・デバイス管理・データ収集を統合。世界200以上の国・地域で利用可能。
  • 直近3期で売上高が約1.6倍に拡大。IoT市場の拡大を背景に増収基調。
  • 2025/3期営業利益率7.78%とSaaS型ビジネスモデルで高収益。
  • 技術者向けの豊富なドキュメントとサポートでユーザー基盤を拡大。顧客ロイヤルティ高い。

課題

  • 大手通信キャリアやクラウド事業者もIoTプラットフォームを提供。価格競争が激化。
  • グローバル展開で先行するが、地域ごとの規制・パートナー開拓にコスト発生。
  • IoT・クラウド領域の人材不足。優秀なエンジニアの採用・定着が成長の鍵。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がソラコム

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14743アイティフォー456億円15.6倍
29470学研ホールディングス455億円13.1倍
35243note452億円46.7倍
43836アバントグループ450億円14.3倍
53673ブロードリーフ449億円46.4倍
6147Aソラコム444億円69.9倍
75027AnyMind Group442億円35.5倍
84377ワンキャリア440億円20.2倍
93844コムチュア428億円12.9倍
104820イーエムシステムズ425億円27.7倍
11336Aダイナミックマッププラットフォーム420億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 26件

IoT向けSIMサービス提供目的で設立された2014年

2014年11月、東京都目黒区目黒において株式会社ヴイコネックとして設立された。事業目的はIoT向けのSIM及び無線通信回線サービスの提供であった。翌2015年4月に株式会社ソラコムへ社名変更し、本店を東京都世田谷区玉川に移転した。この時点で既にIoT通信に特化した事業構想が固まっていた。

プラットフォーム「SORACOM」の提供開始と初期の海外展開

2015年9月、IoTプラットフォーム「SORACOM」の提供を開始した。2016年には欧州とシンガポールに相次いで子会社を設立(リヒテンシュタイン、シンガポール、デンマーク)し、同年11月には北米、2017年2月には欧州でのサービス提供を開始した。また2016年5月には省電力無線通信規格LoRaWANへの対応を始め、2017年7月にはSigfoxへも対応した。これにより多様なIoT通信規格をカバーする体制を整えた。

KDDIグループ参画とeSIM・LTE-Mボタンの投入

2017年8月、KDDI株式会社への株式譲渡によりKDDIグループの連結子会社となった。同年10月には機器組み込み型のチップ型SIM(eSIM)の提供を開始。2018年5月には国内セルラー通信でKDDI回線の提供を開始し、同年7月にはセルラーLPWA LTE-Mへの対応と、国内初のセルラー通信内蔵SORACOM LTE-M Buttonシリーズを発売した。

海外拠点の再編と資本業務提携による成長加速

2019年11月に英国にSORACOM CORPORATION, LTD.を設立。2020年5月にはリヒテンシュタイン、シンガポール、デンマークの各拠点の機能を英国に集約し、営業を一本化した。これに伴い各旧拠点は2021~2022年に清算された。2021年6月にはセコム、ソースネクスト、ソニーグループ、日本瓦斯、日立製作所、World Innovation Labの6社と資本業務提携を実現し、資金調達と事業連携を強化した。

上場とM&Aによる事業拡大(2024~2025年)

2024年3月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。上場後も成長投資を継続し、2024年10月に株式会社キャリオット、2025年8月に株式会社ミソラコネクトの株式51%をそれぞれ取得し連結子会社化した。これによりグループの事業基盤を拡大するとともに、通信ネットワーク統合による原価低減やクロスセル推進を図っている。

年表26件を開く

2010年代

  • 2014年11月創業I oT向けのSIM及び無線通信回線サービスの提供を主たる事業目的として、東京都目黒区目黒において 株式会社ヴイコネック設立
  • 2015年4月商号変更株式会社ソラコムに社名変更、本店を東京都世田谷区玉川に移転
  • 2015年9月IoTプラットフォーム「SORACOM」を提供開始
  • 2016年2月リヒテンシュタイン公国にSORACOM LI, LTD. (連結子会社)を設立(2020年5月にSORACOM CORPORATION, LTD.(英国) (現連結子会社)に業務を引き継ぎ、2021年12月に清算結了)
  • 2016年5月シンガポールにSORACOM INTERNATIONAL, PTE. LTD. (連結子会社)を設立(2020年5月にSORACOM CORPORATION, LTD.(英国)(現連結子会社)に業務を引き継ぎ、2022年7月に清算結了)省電力無線通信規格 LoRaWANへの対応を開始
  • 2016年6月デンマークにSORACOM DK ApS (連結子会社)を設立(2020年5月にSORACOM CORPORATION, LTD.(英国)(現連結子会社)に業務を引き継ぎ、2022年3月に清算結了)
  • 2016年8月米国にSoracom Global, Inc. (現連結子会社)を設立
  • 2016年11月北米での IoTプラットフォーム サービス提供を開始
  • 2017年2月欧州での IoTプラットフォーム サービス提供を開始
  • 2017年7月省電力無線通信規格 Sigfoxへの対応を開始
  • 2017年8月KDDI株式会社への株式譲渡により、 KDDIグループに参画(KDDI株式会社の連結子会社となる)
  • 2017年10月機器への組み込みが可能なチップ型SIM(Embedded SIM, eSIM)を提供開始
  • 2018年5月国内向けセルラー通信でKDDI回線を提供開始
  • 2018年7月国内初のセルラー通信内蔵 SORACOM LTE-M Buttonシリーズを発売開始
  • 2018年7月セルラーLPWA LTE-Mへの対応を開始
  • 2019年3月IoTサブスクリプション・マーケットプレイス IoT SELECTION connected with SORACOM (注)を開設
  • 2019年7月エッジ処理AIカメラ S+ Camera Basicを開発
  • 2019年11月英国にSORACOM CORPORATION, LTD. (現連結子会社)を設立

2020年代

  • 2020年2月海外旅行者向け eSIMデータ通信サービス SORACOM Mobileを提供開始
  • 2020年5月リヒテンシュタイン、シンガポール及びデンマーク拠点の機能を集約し、英国拠点での営業を開始
  • 2021年6月当社プラットフォームの国内外における利用実績の拡大、サービス拡充を目的とし、セコム株式会社、ソースネクスト株式会社、ソニーグループ株式会社、日本瓦斯株式会社、株式会社日立製作所及びWorld Innovation Labの6社と資本業務提携を実現
  • 2022年5月クラウドカメラサービス ソラカメを提供開始
  • 2023年7月創業株式会社松尾研究所と「IoT x GenAI Lab」を設立
  • 2024年3月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場(KDDI株式会社は親会社からその他の関係会社へ)
  • 2024年10月株式会社キャリオット(現連結子会社)の株式51%を取得
  • 2025年8月株式会社ミソラコネクト(現連結子会社)の株式51%を取得

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • グローバル売上比率50%超

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    IoT中核事業の成長と拡張

    リカーリング収益の持続的成長を図るため、セルフサービスアカウントの獲得とメジャーアカウントへの転換を促進。国内ではAI対応需要を捉え、グループアセット統合によるクロスセルと原価低減で収益性を向上する。

  2. 02

    海外展開の加速

    米国・欧州の拠点で販売体制を強化し、セルフサービスとメジャーアカウントの両面で顧客を獲得。グローバル売上比率50%超を目標に、中南米・アジアへの段階的進出も進める。

  3. 03

    インオーガニック成長

    M&Aによるリージョン拡大と技術補完を推進。買収後は自社のクラウドネイティブ技術へ移行しコスト削減と品質向上を実現。丸紅グループやKDDIとの戦略的アライアンスも強化する。

  4. 04

    新たな成長市場への展開

    通信事業者向けMVNE、コネクテッドカー、AIネイティブカメラ、AI×IoTソリューションの4分野で収益機会を拡大。業界特化型の垂直展開により大規模案件を安定的に獲得する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で201人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,143万円で、2期前と比べて+2.3%平均年齢は41.9歳、平均勤続年数は4.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年3月1,11641.03.6150
2025年3月1,15041.14.0176398
2026年3月1,14341.94.8201448

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社5(国内 3 / 海外 2、うち連結子会社 4) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位4)
本社 — 東京都港区779百万円
データセンター — 東京都 新宿区359百万円
本社 — 東京都 文京区260百万円
本店 — 東京都世田谷区0百万円
主な関係会社
  • 海外
    Soracom Global, Inc. (注)1, 2
    米国ワシントン州ベルビュー市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    SORACOM CORPORATION, LTD. (注)1, 3
    英国ロンドン市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社キャリオット
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権51.0%
  • 国内
    株式会社ミソラコネクト(注)4
    東京都文京区 · 連結子会社
    議決権51.0%
  • 国内
    KDDI株式会社(注)5
    東京都新宿区 · その他の関係会社
    議決権42.1%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は124億円営業利益9億円前期と比べると増収増益で、売上が+37.8%、利益が+28.6%。

売上高
+37.8%
124億円
営業利益
+28.6%
9億円
純利益
+50.0%
6億円
営業利益率
7.3%
前期比 -0.5%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高151億円124億円
営業利益11億円9億円
純利益7億円6億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

5期分

直近は2027年1Qで、売上は34億円、営業利益は2億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2025年2Q3712.70
2025年4Q53611.34
2026年2Q5036.02
2026年4Q7468.14
2027年1Q3425.92

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 7期分

2020年3月期からの7期で、売上は26億円から124億円へ4.8倍に増えた。直近期の営業利益率は7.3%。売上は6期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2020年3月26610
2021年3月4378
2022年3月5553
株式会社松尾研究所と「IoT x GenAI Lab」を設立
2023年3月6311
東京証券取引所グロース市場に株式を上場(KDDI株式会社は親会社からその他の関係会社へ)
2024年3月7965
2025年3月90767.84
2026年3月124997.36

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高124億円のうち、営業利益として残るのは9億円7.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は6億円、売上の4.8%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金50.8%63億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金42.7%53億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益7.3%9億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
49.2%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.1pt
7.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比1.8pt
4.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比7.1pt
6.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
10.2%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2026年3月期は営業CFが18億円、投資CFが−14億円で、差し引きのフリーCFは4億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は93億円で、売上の9.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年3月2−110−916
2023年3月−22001835
2024年3月5−238377
2025年3月−7−525−1289
2026年3月18−14−1493

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 7期分

2026年3月期の総資産は155億円。このうち返さなくてよい自己資本が117億円で、自己資本比率は71.1%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2020年3月3425970.7
2021年3月43331074.3
2022年3月56381866.4
2023年3月57401767.5
2024年3月109842575.5
2025年3月1341043075.0
2026年3月1551173871.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
93億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
20億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
38億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
75
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率15 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中44位あたり、逆に低いのはROE605社中480位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
6.0%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
7.3%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
71.1%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
37.8%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.6%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月3日の終値

直近の終値は¥974で、1年前と比べて-4.9%過去52週の値幅のなかでは25%の位置にある。

¥974+0.0%1ヶ月-11.4%1年-4.9%時価総額444億円
過去52週の値幅
安値¥852高値¥1,335

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)69.9倍
PER (会社予想)62.9倍
PBR3.85倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1056円で、25日移動平均線をほぼ横ばい、200日線にもほぼ同水準。52週高値1335円からは約21%下落し、年初来では+8.31%と小幅高。8月13日は-6.3%と下落し、出来高は230100株と増加。8月12日には1127円まで上昇したが、反落し、もみ合い状態が続く。75日線は1037円で、それを上回っている。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 25/100)

PERは80.56倍と、同業界平均の30.53倍を大きく上回り、フォワードPERも72.8倍と高水準。PBRは4.53倍で業界平均3.59倍を上回るが、ROE6%に対して割高感。無配当で利回り0%、成長期待が株価に織り込み済み。売上高は伸びているが利益率は一桁台で、収益性改善が急務。バリュエーションは割高で、今後の業績進捗次第では修正余地も。成長株としてのプレミアムを考慮しても、現時点の水準は過小評価とは言えず、慎重な見方が必要。

指標この会社業種平均
PER (実績)69.9倍47.6倍
PER (予想)62.9倍
PBR3.85倍2.98倍
ROE6.0%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

IoT市場の成長を背景に、売上高は拡大傾向にあるものの、競争激化により収益性が課題となっている。強気派は、IoT市場の成長率と海外展開の余地、独自のプラットフォームを評価し、今後の収益拡大を期待する。一方、弱気派は、競合の参入による価格競争や、売上高の伸びに比べて利益が伸びないことを懸念する。収益性の改善と海外での競争力が焦点となる。

プラスに働く材料7
  • IoT市場の拡大

    「SORACOM」は成長市場で、2026/3期の売上高予想は124億円と前期比約38%増

  • 海外展開の余地

    グローバルに展開しており、海外売上比率の向上が収益を押し上げる可能性

  • プラットフォームの拡張性

    デバイス管理やデータ分析など、周辺サービスでの収益機会が増える

  • 売上高が2期連続増、直近期は38%増2026年3月期影響

    売上高は79億円→90億円→124億円と拡大、直近2期累計で45億円増

  • 営業利益が7億円→9億円へ2期連続増益2026年3月期影響

    営業利益率は7.78%→7.26%へ微減だが、営業利益は28.6%増

  • 予想PER72.8倍と利益成長期待の継続通年影響

    実績PER80.56倍から予想PER72.8倍へ低下、EPS成長が見込まれる

  • 外国人保有13.4%とグロース選好継続影響

    外国人保有比率13.37%と情報通信セクターでも高め、物色の下支え

マイナスに働く材料7
  • 競争激化

    同業他社が増え、価格競争が激化し、マージンが圧迫されるリスク

  • 収益性の低さ

    営業利益率は7%前後で、売上高の伸びほど利益が伸びない

  • 利益の不安定さ

    2023/3期は純利益1億円、2024/3期は5億円と変動が大きい

  • 営業利益率が7.78%→7.26%へ低下2026年3月期影響

    増収にもかかわらず営業利益率は0.52pt悪化、コスト増が利益圧迫

  • PER80倍超・ROE6%と割高警戒継続影響

    PER80.56倍、PBR4.53倍に対しROE6%と収益効率は低水準

  • 無配当でインカム需要を取り込めず継続影響

    配当利回り0%と無配、株主還元の訴求力は弱い

  • 純利益が前期4億円への落ち込み2026年3月期影響

    純利益は5億円→4億円→6億円、2025年3月期は減益でブレが大きい

次の決算で確かめる点
売上高成長率
IoT市場でのシェア拡大と事業の成長性を測る核心指標
営業利益率
競争激化下での収益性の維持・改善を確認するため
海外売上比率
海外展開の進捗と収益への貢献度を評価するため
契約顧客数
プラットフォームの定着度と将来の収益基盤を判断するため

株主

有価証券報告書より

2025年3月期末の株主数は延べ11,075人。区分でいちばん多いのは事業法人53.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が58.4%を占め、残る41.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年3月%2025年3月%
事業法人52.553.4
個人・その他23.728.5
外国法人12.810.8
金融機関7.36.1
証券会社3.71.1
外国人個人0.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位11

順位株主持ち株比率 %
01KDDI株式会社42.52
02WiL Ventures III, L.P.(常任代理人 みずほ証券株式会社)7.22
03玉川 憲6.43
04舩渡 大地(常任代理人 みずほ証券株式会社)6.38
05株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.70
06安川 健太(常任代理人 みずほ証券株式会社)3.06
07セコム株式会社2.13
08ソニーグループ株式会社2.13
09日本瓦斯株式会社2.13
10株式会社日立製作所2.13
11ソースネクスト株式会社2.13

有価証券報告書の大株主の状況から、上位11者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 7期分

1株利益は7期で−82%、1株純資産は7期で+28%。直近期のROEは6.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2020年3月8018953.5
2021年3月6325228.6
2022年3月9979.5
2023年3月2991.9
2024年3月131918.0172.6
2025年3月82233.9115.7
2026年3月142426.064.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2026/3期の役員報酬は総額85百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
玉川憲代表取締役社長CEO502,980,240
安川健太常務取締役CTO461,129,000
五十嵐知子取締役CFO639,900
藤井彰人取締役55
入山章栄取締役(監査等委員)53
伊佐山元取締役(監査等委員)53
福原成吾取締役(監査等委員)62

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)346115719
取締役(社内)1161616
監査等委員212126

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容11,737字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社である米国のSoracom Global, Inc.、英国のSORACOM CORPORATION, LTD.及び国内の株式会社キャリオット、株式会社ミソラコネクトの計5社で構成されており、AI/IoTプラットフォーム事業(単一セグメント)を展開しております。 (1)ビジョン 現在、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の活用が世界的に加速しております。IoTの導入によって労働力不足やサステナビリティといった様々な社会的な課題を解決することが望まれております。しかし、デバイスの多様化、データ通信の複雑化、テクノロジーの高度化は益々進んでおり、企業がIoTを導入するには、ハードウェア、ソフトウェア、通信、セキュリティ、生成AIと多くの技術要素が複雑に絡む様々な課題に対処する必要があります。 当社グループは「Making Things Happen for a world that works together」をビジョンとして掲げ、日本から世界へと広がるグローバルな視野を持ちながら、IoTとAIのテクノロジーイノベーションを通じて社会に貢献することを目指しており、IoT活用に必要な各種サービスをワンストップに提供する事業を展開しております。最も顧客至上主義な会社として、当社のプラットフォームサービスの利用によって、多くの企業が気軽にIoTを導入し、即時に大規模展開することが可能となる「テクノロジーの民主化」を実現し、社会をより良いものへ変革することを目指しております。 「私たちがつくるのは、共鳴しあう世界です。モノや人がつながり、それぞれの価値が増幅しあい、 想像を超える未来が次々と生まれていく。通信、クラウド、AIといったテクノロジーを誰もが使えるように して、志を共にするパートナーたちと共に世界をよくするイノベーションへとつなげる。IoTと、その先へ。」 (2)事業・サービスの概要 当社グループは、顧客企業がIoTを導入・運用する際に直面する共通課題を解決するIoTプラットフォーム「SORACOM」(以下「当社プラットフォーム」という。)を提供しております。具体的には、IoTデバイスやIoT SIM、IoTに必要な通信回線、IoTサービスに求められるデータ保存や可視化アプリケーション、ネットワークサービス等をプラットフォームサービスとして提供しております。顧客企業は、当社プラットフォームを利用することで、迅速かつ効率的にIoTサービスを立ち上げることが可能になります。さらに、エコシステムパートナー企業には、プラットフォームを補完する多様なサービスの提供をいただき、共にIoTのエコシステムを発展させております。 当社はKDDI株式会社や株式会社NTTドコモなどの移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)から通信回線を調達している仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)であるとともに、クラウド上にモバイル・コア(注)を独自に構築することによって、IoTに特化した通信サービスをコスト競争力のある価格で提供しております。当社プラットフォームのコスト競争力は、MNOが提供する従来型のモバイル・コアが、サーバー、交換機及びデータセンター等を主にハードウェアによって構築しているため、多額の設備投資や更新費用の負担が必要となる一方で、当社独自のモバイル・コアはサーバー、交換機、データセンター等の機能をソフトウェアによりクラウド上に構築しているため、設備投資や更新費用の負担が相対的に少なくなっていることに起因しております。 また、当社プラットフォームは全てクラウド上に展開していることから、クラウド上の他社サービスとの親和性が高いだけでなく、当社独自のプラットフォームサービスとして、データの蓄積や可視化、クラウド連携やリモートアクセス、パケットキャプチャー、閉域ネットワークなど様々なIoT向けサービスを顧客のフィードバックを基に自社で開発し、柔軟に提供することが可能であり、継続的な機能更新や追加等を含めた拡張性を備えております。 (注) モバイル・コアとは、モバイル通信の基幹システムで、端末の制御、加入者情報管理、通信経路設定等を行っております。 当社プラットフォームは、一定規模の回線契約を必要とせず1回線からIoT通信を手軽に利用することが可能であり、かつ、予め必要となる各種IoT向けサービス・機能が用意されていることから汎用的に利用可能であるため、スタートアップ企業から大企業までの様々な規模の顧客企業において、システム開発又はカスタマイズ等の初期投資を抑えつつIoTを導入することが可能となっております。今までは顧客がIoT通信を開始するためには、MNOと一定規模の回線数をまとめて契約しなければならず、初期投資も多額になる傾向だったものが、当社プラットフォームは、1回線から利用できる汎用的な通信サービスを提供しているため設備負担が少ない形でIoT通信を開始することが可能です。 また、一般的なMVNOから安価な通信サービスを利用した場合、当社プラットフォームのようなIoT向けサービスをワンストップで提供していないことが多いため、顧客はIoTの導入を一気通貫で進めることができないことがあります。一方で、当社プラットフォームにおいてはデータの蓄積や可視化、クラウド連携やリモートアクセス、パケットキャプチャー、閉域ネットワークなど様々なIoT向けサービスを利用できるため、顧客はIoTの導入を一気通貫で進めることができます。さらには、顧客がIoTを始める上で必要なシステムを新しく自社開発することなく、当社のプラットフォームサービスを利用するだけでIoTを導入することが可能です。 加えて、当社プラットフォームを利用したIoT導入を支援するパートナープログラムを構築しており、顧客企業がIoT活用を進める上での課題を解決するエコシステムを形成しております。エコシステムのパートナー企業は当社プラットフォームを活用して、付加価値の高いソリューションやシステムインテグレーションをIoTを導入する顧客企業に提供することが可能となっております。これらエコシステムのパートナー企業数の増加が当社プラットフォームを補完するサービスの充実につながり、IoTのエコシステムを発展させております。日本では、2015年9月以降、パートナープログラムを洗練させており、参画するエコシステムパートナー企業(注)は年々増加しております。 (注) エコシステムパートナー企業は、認定資格者数や販売実績などの一定の基準を満たし、当社プラットフォーム活用の実績を持つと認定されたパートナーをいいます。 上記の事業サービスを展開することにより、当社プラットフォームを活用して、スマートメータリング、シェアリングモビリティ、スマートファクトリー、クラウド通訳機、子供やシニアの見守り端末、遠隔医療、遠隔監視といった、顧客企業の業務効率化や省力化の推進や、社会課題を解決するための数多くのIoTサービスが創出されております。 当社プラットフォームは、顧客企業自らがインターネット検索、Web広告、オンラインイベントやディベロッパーコミュニティの口コミや評判を通じて当社プラットフォーム及びサービスに興味を持ち、Web上にて通信SIMの購入及びサービス利用契約を行い、サービス利用を開始することが可能なセルフサービスモデル型の事業展開を構築しております。また、当社プラットフォームの利用を小規模から開始した顧客に対しては、IoT分野に精通する当社営業人員やエコシステムのパートナー企業が顧客のIoT利用の拡大をサポートしており、顧客のIoT利用が大きく拡大すると、IoTの成功事例として他の顧客に波及(ネットワーク効果)し、新たな顧客による当社プラットフォームの利用につながるという好循環が生まれているものと認識しております。なお、顧客獲得戦略は後述「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳細を記載しております。 このような顧客獲得戦略によって、2026年3月末において国内外のグループ全体の課金アカウント数(注)は1万4百を超えて拡大しており、スタートアップ企業から大企業、米国/欧州企業まで多くの顧客が当社プラットフォームを利用するに至っております。 最近では、AI技術の社会実装に強みを持つ株式会社松尾研究所(所在地:東京都文京区、代表取締役 川上登福)とともに、ChatGPTに代表されるGenerative AI(GenAI、以下「生成AI」という。)とLLM(大規模言語モデル)のIoT分野での活用を研究・推進するチーム「IoT x GenAI Lab」を設立しました。IoT分野における生成AI、LLMを用いた技術検証やプロトタイピング、新たなプロダクトの開発を行うとともに、ユーザー企業向けのプロジェクト支援を視野に入れ活動し、将来の事業・サービスの拡大を図っています。 (注) 課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。 当社グループが獲得する収益は、「リカーリング収益(プラットフォーム利用料)」、「商品販売」及び「その他」により構成されており、各サービス等の概要は以下のとおりであります。 [リカーリング収益 (プラットフォーム利用料)] ① 通信サービス(コネクティビティ) IoT向けの通信接続を提供するサービスであり、「SORACOM Air」の名称にて以下の通信規格に対応したサービスを提供しております。当該サービスにおいては、通信サービスにかかる従量課金による継続収入を受領しており、リカーリング収益の主要な収益源となっております。 ・セルラー通信 当社グループの主たる通信サービスであり、携帯電話向け周波数帯である2G/3G/LTE/5Gに対応したデータ通信SIM「IoT SIM」による通信サービスを提供しております。当該通信サービスは、国内向け回線及びグローバル回線に区分され、世界207の国と地域における利用をカバーしております。 ・LPWA通信 省電力及び長距離伝送を特徴とし、IoT用途での利用に適したLPWA(Low Power Wide Area)通信を用いたサービスであり、Sigfox、LoRaWAN及びLTE-Mの各ネットワークを利用した通信サービスを提供しております。 ・その他通信 上記の他に、Skylo Technologie, Inc. と協業し、衛星通信を提供しております。また、Wi-Fi、有線通信、衛星通信など通信経路に限らず、ネットワーク上のデータを暗号化して通信を行い当社グループのIoTプラットフォーム機能を利用できる「SORACOM Arc」も提供しております。 ② ネットワークサービス IoTシステム運用のためには、安全性の確保、通信方向の制御、取得したデータの利用等、通信サービス(コネクティビティ)の利用だけでは解決できない様々な課題が生じます。これらの課題を解決するために、VPN接続や物理専用線によりIoTデバイスから各種クラウドや顧客データセンターまでをセキュアに接続するサービス、当社通信サービスによりつながるIoTデバイスに必要時に遠隔から安全にアクセスできるサービス等を提供しており、ネットワークサービス上の顧客のデータ利用に応じた従量課金による継続収入を受領しております。 ③ アプリケーションサービス IoTデバイスから送信されるセンサーデータ等を時系列で保存する機能、データを可視化するダッシュボードの作成/共有サービス、各種クラウドやAI/機械学習などのサービスへのデータ転送サービス、IoT デバイスの管理等IoTデータ活用やIoTデバイス活用における課題を解決する機能を提供するサービスを提供しており、顧客のデータ利用に応じた従量課金による継続収入を受領しております。 ④ その他(KDDI向けプラットフォーム提供) 主要株主であるKDDI株式会社との業務提携契約に基づく協業の一環として、同社が構築する「IoT世界基盤」(グローバルIoTアクセス)の基礎となる通信ネットワークについて、当社プラットフォームを提供しております。 [商品販売] 通信サービス提供時の回線契約に伴い主に販売される通信用IoT SIMに加えて、通信モジュール、USBドングル、カメラ・GPS・ センサー等のIoTデバイス等の商品を仕入販売しております。また、特定大口顧客向けにはスマートメーター等の商品を販売しております。 [その他] ① プロフェッショナルサービス 当社グループのIoTプロフェッショナルコンサルタントが、顧客企業のIoT導入プロジェクトにかかる技術要素や課題の整理、実行計画立案の支援等、顧客プロジェクトに参画・サポートを行うコンサルティングサービスを提供しております。また、企業のIoTプロジェクトに関するシステム開発の考え方や、システム構成、具体的なサービス提供について実装するワークショップも提供しております。 ② 業務受託 主要株主であるKDDI株式会社との業務提携契約に基づく協業の一環として、技術開発支援等の業務を受託しており、個々の受託案件毎に業務受託収入を受領しております。 「商品販売」や「その他」の売上については顧客がIoT事業を始めるときだけでなく、IoT事業の拡大に伴って継続的に増加する売上であるため、「商品販売」や「その他」の売上をインクリメンタル収益と呼称しており、インクリメンタル収益の増加に伴って、リカーリング収益も増加していく関係にあります。一般的なIoTプロジェクトは、顧客企業がSIMやデバイスを購入し、PoC(概念検証)を実施した後、商用サービスを開始するにつれ規模が拡大していきます。規模の拡大とともに、インクリメンタル収益は増加するとともに、リカーリング収益の割合が高まっていく傾向があります。 (3)事業の特徴 [技術的な優位性] ① パブリック・クラウド上に構築した独自のモバイル・コアについて 従来型のモバイル・コアは交換器やサーバー等をハードウェアで構築していたため設備投資負担が大きいところ、当社グループはパブリック・クラウド上にソフトウェアベースで独自のモバイル・コアを構築しているため、コスト競争力と高い拡張性を実現しております。このモバイル・コアに関連する特許も100以上有しており、当社プラットフォームの技術的優位性の源泉となっております。 ② 継続的な機能更新及びサービス拡張について 当社グループは創業以降、プロダクト開発を積極的に進めており、多くの顧客企業がIoTに取り組む際に直面する共通課題を解決できるサービスを通信(コネクティビティ)、デバイス、アプリケーションの多岐にわたり提供しております。必要な機能が、レゴのブロックのようにモジュールとして揃っているため、顧客企業は、必要な要素を活用することで、すぐに新しいサービスを創り出すことができます。 また、顧客企業からのフィードバックに基づいた継続的な機能更新及びサービス拡張を実施しております。近年は平均2週間の開発サイクルにて継続的に新機能をリリースしており、当社プラットフォームのアップデートを通じて、顧客は先端技術の導入や利便性が向上されたサービスの利用が可能となっております。生成AIを活用した主な取り組みは以下のとおりです。 2023年   SORACOM Harvest Data Intelligence   IoTデータ保存サービス「SORACOM Harvest Data」に蓄積された時系列データをAI分析し、異常値や傾向などを自然言語で受け取ることが可能 2023年   IoT x GenAI Lab 設立   株式会社松尾研究所とIoT分野におけるLLM(大規模言語モデル)の活用を研究・推進する共同ラボを設立 2024年   SORACOM Flux   プログラミングの専門知識がなくても、生成AIを利用してIoTデバイスからのデータ(センサーデータ、カメラ画像など)を基に、さまざまな処理や連携を行うIoTアプリケーションを簡単に構築できるサービス 2025年   SORACOM Query   生成AIを統合したデータ分析基盤サービス。センサーデータやSIMの通信状況といったIoTデータを自然言語で検索・可視化・分析することが可能 2025年   Wisora   生成AIを活用し、ボットの「学習」から「利用」「分析・改善」まで、必要な機能を搭載した業務支援サービス ② 多様な通信規格への対応及びクラウドとの高い親和性 当社プラットフォームは通信サービスにおいて、セルラー回線(3G~5G)及びSigfox等のLPWA回線による通信規格に対応しているほか、仮想SIMを発行することによりWi-Fiや有線Ethernetのインターネット回線などで接続するデバイスを提供しております。また、多様な通信規格による接続を可能とし、それら通信によって収集されたデータを当社プラットフォーム上で、一元的かつ容易に管理可能な設計としております(「Connectivity Agnostic」と称しております)。 また、当社プラットフォームはパブリック・クラウド上で構築されていることから、同じくパブリック・クラウド上に構築された顧客システムとの互換性が非常に高いことに加えて、データセンターなどのプライベート・クラウドも含め、他のクラウドサービスとの連携も容易に実行可能となっております(「Cloud Agnostic」と称しております)。 当社グループは、上記の「Connectivity Agnostic」及び「Cloud Agnostic」を、当社プラットフォームの機能柔軟性における特徴として顧客に訴求しており、一定の評価を受けているものと認識しております。 [グローバル・カバレッジ] 当社グループの現在の売上高においては、国内向けサービスが過半を占めておりますが、当社グループは、国内向けに加えて、海外地域向けサービスも展開しております。 当社グループは、SIM内のソフトウェアを自社開発することで回線プロファイルの拡張を可能としており、顧客ニーズに合わせてカスタマイズできるSIM/eSIMを提供しております。海外における接続回線は、欧州、米国、アジアの複数のキャリアとの契約により当該キャリアがローミング接続する各地域の通信キャリア回線を含めた調達を実現しており、当社プラットフォームは2026年3月時点において207の国と地域で、550のキャリア(注)を使用することが可能な通信カバレッジ体制を構築しております。 また、契約の切り替え無しに複数のキャリアを使用できることも特徴のひとつであり、例えば、米国においては、全土にIoTシステムを配置しようとした場合に一つのキャリアが提供する通信ではIoTシステムをカバーできないという顧客側の課題がありますが、当社プラットフォームにおいては複数のキャリアを使用可能とすることでこれを解消しており、同国における競争優位性を確立していると考えております。 (注) キャリアは、当社プラットフォームが接続可能な移動体通信事業者をいいます。 [強固なセキュリティ] IoTプラットフォームを提供するにあたり、当社は2017年に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC 27001:2013の認証を取得しているほか、AWS Foundational Technical Review等の外部機関によるシステム脆弱性診断を実施し指摘事項に対応することで、強固なセキュリティを構築しております。社内においてもISMS取得に際して情報セキュリティに関する各種規程を整備し運用したほか、四半期に一度システムに係る内部監査を実施することで、継続的にセキュリティを確認しております。 このようにセキュリティの管理運営に関して充実を図ることで、当社グループのIoTプラットフォームサービスを顧客が安心かつ安全に利用することが可能になっているものと考えております。 [顧客ストックの蓄積と事業拡大] 当社グループのサービスにおいては、IoT領域における特性として一度導入されたサービスが継続利用される傾向が強く、サービス開始以降、順調に顧客数は拡大しております。また、当社グループの事業においては、導入時におけるIoTデバイスの販売、各種セットアップ料等の初期費用にかかるインクリメンタル収益に加えて、データ通信量等のサービス利用に応じた継続課金にかかるリカーリング収益を獲得する構造であることから、比較的安定したビジネスモデルが構築されていると考えております。 当該ビジネスモデルにおいては、データ通信を実現する契約回線数(注1)と課金アカウント数(注2)の増加が重要となりますが、当社グループと顧客企業との取引においては、サービス導入時は小規模で開始されるものの、顧客企業におけるサービス導入範囲の拡大や、顧客企業が提供するIoTビジネスの拡大等に伴い、契約回線数並びにデータ通信量が拡大するケースが多く、新規顧客獲得に加えて、既存顧客との取引拡大が事業成長に大きく貢献する構造となっていると認識しております。 (注)1.契約回線数は、セルラー回線及びLPWA回線の数をいいます。 2.課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。 当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。 用語   用語の定義 IoT   Internet of Things(モノのインターネット)の略称。様々なモノをインターネット接続して活用すること又はその技術を意味します。この仕組みにより、離れた場所にあるモノ同士のデータの授受、遠隔操作などが可能になります。 IoTプラットフォーム   IoT向けのプラットフォーム。 インターフェース   2つの異なる機器やシステム、ソフトウェア間で情報のやり取りがなされる際、その間をつなぐ規格や機能であり、当社においては、外部からWebを介して当社プラットフォームとの接続を可能にし、アクセス権限管理やユーザーがソフトウェアを操作したり、アプリケーションを構築できるサービスなどを提供しております。 モバイルコアネットワーク   モバイル通信の基幹システムであり、端末の制御、加入者情報管理、通信経路設定等を行うネットワーク基盤を意味します。 IoT通信   IoT向けのデータ通信。 パケットキャプチャー   通信ネットワークや回線を流れるデータ(packet)を捕獲(capture)して、内容の表示や解析、集計などを行うことを意味します。これにより、通信の挙動の検証などを行うことができます。 閉域ネットワーク   不特定多数から直接アクセスを受けない、インターネットから物理的・論理的に分離されているネットワークを意味します。 2G   携帯電話等における通信規格「2nd Generation」の略称。デジタルな無線技術による通信を可能にした反面、通信速度が比較的遅い規格を意味します。 3G   携帯電話等における通信規格「3rd Generation」の略称。電波が広範囲に届くことにより様々な場所での通信が可能である反面、2Gに比べて通信速度が向上した規格を意味します。 LTE   Long Term Evolutionの略称。3Gより後に開発された携帯電話等における通信規格であり、3Gに比べて通信速度が向上した規格を意味します。 5G   携帯電話等における通信規格「5th Generation」の略称。従来の無線通信システムである4G/LTEに比べ、高周波数帯を利用した超広帯域伝送などによる高速・大容量通信、低遅延、多数接続といった特長がある規格を意味します。 SIM   Subscriber Identity Moduleの略称。利用者を識別する固有の番号が記録されており、端末に装着することで、通信することが可能になります。 LPWA   Low Power Wide Areaの略称。低消費電力で長距離の通信ができる無線通信技術を指します。 Sigfox   仏国Unabiz SAS社が提供する低消費電力・長距離伝送を特長とした、グローバルIoTネットワークを意味します。 LoRaWAN   LoRa(Long Range)の変調方式を採用したLPWAの通信規格のひとつを意味します。 LTE-M   LTEの一部周波数帯域のみを利用する通信規格を意味します。 用語   用語の定義 VPN   Virtual Private Networkの略称。暗号化等によりセキュリティを高めることを目的として、一般的なインターネット回線の中に作られた、仮想的なプライベートネットワークを意味します。 AI   Artificial Intelligenceの略称。人間が行う知的活動をプログラムとして実現することを意味します。 Wi-Fi   端末が互いに無線によって接続可能になる通信方式を意味します。 Ethernet   主に室内でコンピュータや電子機器をケーブルでつないで通信する通信規格を意味します。 ISMS   Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略称。国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で策定する情報セキュリティ規格で、情報資産の保護、利害関係者からの信頼を獲得するための“情報セキュリティ体制の確保”を目的としたフレームワークを意味します。 ISO/IEC 27001:2013   ISMSを構築することを目的に、その構築に必要な要求事項や管理策などを記載した国際規格を意味します。 AWS Foundational Technical Review   AWS上で提供されているサービスに関して、セキュリティ・信頼性・運用上の優秀性等の観点でワークロードを評価・診断することにより、AWSのベストプラクティスに沿っているか認定する制度を意味します。 回線プロファイル   APN(Access Point Name)設定プロファイル。回線へ接続するためのアクセスポイントを定義したファイルを意味します。このプロファイルを基に、回線へ接続することが可能になります。 eSIM   Embedded Subscriber Identity Moduleの略称。組み込み型のSIMであり、デバイスに手動で挿入するSIMカードとは違い、デバイスの製造時に基盤に実装されます。 ローミング接続   通信事業者間の提携により、利用者が契約しているサービス事業者のサービスエリア外であっても、提携先の事業者のエリア内にあれば同様のサービスを利用できることをローミングといい、そのサービスを利用した接続を意味します。 スマートメータリング   ガス・電気・水道等のメーターをインターネットに接続し、利用量や保安データの取得を可能にします。検針等にかかっていた業務コストの削減やデータの適時取得により、利用の予測と最適化、保安の高度化を実現します。 スマートファクトリー   工場内のシステムや生産設備等をインターネットに接続し、設備の稼働状況等のデータの取得を可能にします。得られたデータは、製造工程の可視化、生産性や品質の向上、在庫管理や物流の最適化に活用されます。 LLM(大規模言語モデル)   Large Language Modelsの略称。大量のデータをディープラーニング(深層学習)させることで、人が理解できる自然言語でのテキスト生成を実現します。IoT分野では、専門人材のようなデータ分析や予測などの分野で期待されています。
経営方針・対処すべき課題10,469字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、グローバルに使われるプラットフォームビジネスを目指し、以下の企業理念を掲げております: 「Making Things Happen for a world that works together」—モノや人がつながり、それぞれの価値が増幅し合い、想像を超える未来が次々と生まれていく世界— このプラットフォームとは、オープンでフェアで、アイディアを持つ誰もが利用できる共通の基盤です。クラウドの登場がアイディア実現の初期コストを下げ、多くのスタートアップとイノベーションを生む原動力となったように、当社グループのAI/IoTプラットフォームを通じて、素晴らしいアイデアを持つお客さまがテクノロジーを活用し、社会的問題を解決することを支援します。 当社グループは、IoTテクノロジーのプロフェッショナルとしてこの分野のフロントランナーであり続けるとともに、先進テクノロジーが社会をより良く進化させ、サスティナブルな社会を創ると確信しております。 AI/IoTコネクティビティプラットフォームの拡充とグローバル展開を加速させ、日本発のグローバルリーダーとしてグローバルNo.1を目指します。 (2)経営戦略等 当社グループは、上記の経営方針の下、グローバルNo.1 AI/IoTプラットフォームへの成長を実現するため、「IoT中核事業の成長と拡張」及び「海外展開の加速」を主要成長ドライバーと位置づけ、これらにM&Aによる「インオーガニック成長」を組み合わせることで持続的かつ飛躍的な成長基盤を確立するとともに、当社のAI/IoT基盤の強みを活かした「新たな成長市場への展開」を加速してまいります。 (a)IoT中核事業の成長と拡張 当社グループの中核事業であるIoTコネクティビティプラットフォームは、国内外の幅広い産業においてIoTの導入が加速するなか、引き続き堅調な成長を見込んでおります。 リカーリング収益の持続的な成長 当社グループは、IoTサービスを始める顧客企業に向けて包括的なサービスを提供しております。具体的には、IoTデバイスやIoT SIM、IoTに必要な通信回線、IoTサービスに求められるデータ保存や可視化アプリケーション、ネットワークサービス等をプラットフォームサービスとして提供しております。 当社プラットフォームでは、Web上で提供するIoTストアから、IoT SIMやデバイスを1個単位で購入し、すぐにサービス利用を開始することができるセルフサービスモデル型で事業を展開しております。Web広告やイベントを通じて当社プラットフォームの認知度を上げるとともに、IoTの導入ハードルを下げることで、幅広いセルフサービスアカウント(注1)の獲得を目指しており、セルフサービスアカウント数の増加がひとつの成長ドライバーとなります。 セルフサービスアカウント数の増加に加えて、メジャーアカウント(注2)への転換も当社グループの成長ドライバーになると考えております。当社グループにおいては、顧客によるIoTの導入規模や成長スピード等のポテンシャルを考慮の上でサービス導入や将来の取引拡大にかかるサポートを要すると判断した場合には、IoTに精通したアカウントマネージャーが対応することとしており、さらに、顧客ニーズに応じてスムーズなサービス導入及び立ち上げを促進するプロフェッショナルサービスを提供しております。 当社プラットフォームを利用するセルフサービスアカウントが成長することで、契約回線数並びにデータ通信量が拡大するケースが多く、当社プラットフォームの利用料が増加し、メジャーアカウントへ成長する事例も増えております。結果として、第13期連結会計年度におけるリカーリング収益のNRR(注3)は121%の伸びとなっております。 また、これらのメジャーアカウントの成長による成功事例が、当社プラットフォームのサービスの評価や認知向上に繋がり拡散されることによるネットワーク効果から、更なるセルフサービスアカウントの獲得に結び付くという好循環を生み出しているものと認識しております。さらに、当該ネットワーク効果は、IoTに精通しているアカウントマネージャーが比較的大規模にIoT事業を始める顧客に直接アプローチすることで、新規のメジャーアカウントの獲得にも寄与しており、2026年3月末でグループ全体の課金アカウントは1万4百と継続的に増加しております。 なお、IoT領域における特性に加え上記のアカウントマネージャーのフォローにより、2026年3月末の主要顧客の年間解約率は0.4%(注4)に留まっております。 当社プラットフォームは、5G/6G、衛星通信、生成AI、などのテクノロジーの進化、異なる業種での顧客利用にあわせ、今後も継続して新規機能を追加していく予定であり、リカーリング収益の持続的な成長が見込まれます。 国内市場戦略 国内では、AI対応(AI Ready)化が求められる産業において大容量・低遅延・高信頼の通信基盤への需要が構造的に高まっており、AIが必要とする通信へのシフトが接続単価を押し上げ、接続数と単価の両面で成長が加速する局面に入ったと認識しております。 また、ミソラコネクト・キャリオット等のグループアセットを統合し経済圏を拡大するとともに、クロスセルの推進、通信ネットワーク統合による原価低減、当社の技術基盤の移植によってグループ全体の収益性を底上げしてまいります。 当社プラットフォームを活用することで、顧客企業のイノベーションの初期投資を抑え、より多くの企業が社会課題の解決に向けたAI/IoTテクノロジーの活用に取り組めるよう支援してまいります。 (注1)セルフサービスアカウントとは、当社のアカウントマネージャーが担当していない比較的小規模なアカウントをいいます。 (注2)メジャーアカウントとは、規模や将来性等を踏まえ当社のアカウントマネージャーが担当しているアカウントをいいます。 (注3)Net Retention Rate の略称。既存顧客のリカーリング収益の継続率を表し、以下の式で算出しております。NRR=(前期以前に獲得した顧客の当期リカーリング収益)÷(当該顧客の前期リカーリング収益)。 (注4)2026年3月31日時点。年間解約率 = (12か月間リカーリング収益の発生していないアカウント数) ÷ (年間1,000千円以上のリカーリング収益が発生しており、かつ、12か月間以上リカーリング収益の発生していない期間が存在しないアカウント数) (b) 海外展開の加速 当社グループのAI/IoTコネクティビティプラットフォームは、「2026 Gartner® Magic Quadrant™ for Managed IoT Connectivity Services, Worldwide」においてSoracom-KDDIがリーダーの一社として位置づけられたほか、複数の主要調査機関からも最高水準の評価を獲得しており、グローバルでの認知度と競争力は着実に高まっております。 グローバル販売体制の構築 当社プラットフォームは、グローバルに提供できるBtoBプロダクトであり、日米欧の世界三拠点で販売カバレッジに対応した体制を構築しております。実際、世界標準の通信規格とメガクラウドに準拠する当社グループのサービスは、米国や欧州を含め海外で既にプロダクトマーケットフィットを確認しております。 海外拠点においては、営業人員拡充による販売体制強化を継続しており、顧客獲得においては米国拠点、欧州拠点ごとにその地域の顧客や市場に最適化したアプローチをとっております。 米国拠点:より中堅・中小企業やスタートアップ企業などを対象としてセルフサービスアカウントの獲得に注力するとともに、メジャーアカウントへ成長するサポートに注力しております。数千社規模のTSAネットワークを保有するTSD(Technology Solution Distributor)との提携を深化させることで最小限の直販リソースで高い成長を実現しております。 欧州拠点:有望な見込み顧客への直接アプローチに注力することで顧客開拓を進めております。 米国・欧州を中心とした社会・産業インフラへの採用が拡大するなか、グローバル売上比率はすでに4割に達しております。グローバル比率50%超を目指してまいります。今後は中南米・アジアをはじめとする新興地域への段階的な進出も進めてまいります。 今後も、米国拠点と欧州拠点のそれぞれの販売体制構築に向けたリソース拡充に努めてまいります。 (c) インオーガニック成長(戦略的M&A・アライアンス) オーガニックの成長基盤を確立した上で、M&Aによるインオーガニック成長も積極的に推進してまいります。国内外のIoT MVNOの買収によるリージョン拡大と、AIやIoTソリューション領域における技術補完を両軸として、ターゲットの選定を進めております。買収後は当社のクラウドネイティブ・モバイルコア技術への移行によってコスト削減とサービス品質向上を同時実現し、グローバルNo.1の地位を不可逆なものとしてまいります。 戦略的アライアンスの強化 丸紅グループとは、ミソラコネクトの子会社化をはじめ複数の分野において戦略的協業を推進しており、あらゆる産業のデジタル変革の加速と、持続可能でスマートな社会基盤の実現を目指してまいります。 当社グループは主要株主であるKDDI株式会社と戦略的アライアンスを組み、コネクテッドカー分野に取り組んでおります。グローバルなコネクテッドカーは、海外の地域キャリアと連携する必要があり、当社プラットフォームの海外通信キャリア連携の強みが活きる分野と考えております。通信キャリアとの連携において、KDDI株式会社へのIoT通信管理プラットフォームの開発・導入支援等も既に開始しております。今後、当社グループのテクノロジーを海外の他通信会社へ提供し、売上成長及びグローバルスタンダードの確立も期待できるものと考えております。 また、2024年2月にスズキ株式会社ともモビリティサービス分野のIoT先端技術の活用に向けた合意書を締結しております。 これらのアライアンスを通じて、ユーザー、パートナーのみなさまとともに、テクノロジーが社会をより良く進化させるエコシステムの構築に取り組んでまいります。 (d) 新たな成長市場への展開 上記の成長基盤を土台として、当社グループはAI/IoT基盤の強みを活かした以下の4つの成長市場において、収益機会の拡大を加速してまいります。当社プラットフォームを活用したイノベーティブなソリューション提供を通じて、様々な業界のお客さまの社会的課題解決を支援いたします。 大規模案件の安定的な獲得 当社プラットフォームは、主力サービスであるIoT通信の「SORACOM Air」をはじめとした多くのサービスを提供しております。様々な業種の顧客においてIoTの導入が進むにつれて、多様なニーズ、事業機会が生まれると想定されます。 今後のさらなる成長に向けて、顧客のフィードバックに基づくサービス開発を通じてAI/IoTプラットフォームサービスを継続的に拡充させるほか、各産業で必要とされるサービスを顧客の業務の流れやビジネス展開に沿った形で提供する取組みにより、また、クラウドカメラやIoTストア等のデバイス販売分野においても一時的な売上だけではなく、同様に顧客のニーズやビジネス展開に沿った提案をすることで、通信サービスの継続利用につなげ、事業の方向性を拡大し、収益機会を最大化してまいります。 当社グループは、IoTの導入を進める多くの業界へ水平に展開してきましたが、いくつかの業界においては、その業界に特化したIoTデバイスやIoT関連サービスの開発を共に行うことで、深い業界知識と様々なニーズに対応できる技術を蓄積しております。今後は、その業界特有のIoTに関する課題を解決するサービスを開発・提供するといった垂直的な展開を進めていくことによって、大規模案件の安定的な獲得につなげ、さらなる収益の向上に向けて取り組んでまいります。 第一:通信事業者向けサービス(MVNE) 国内外のMNOに対し、旧来型の通信設備をクラウドネイティブ・モバイルコアで代替することで設備コストの大幅削減を実現します。すでにKDDI株式会社との包括契約のもとで協業を深化させており、他の国内外通信事業者への展開を推進することで数百億円規模のMNO設備更新需要を取り込んでまいります。 第二:コネクテッドカー 次世代eSIM標準(SGP.32)準拠のeSIM管理を軸に、国内外のモビリティ企業へ国境を問わずシームレスな車載通信を提供します。グローバルなコネクテッドカーは海外の地域キャリアとの連携が不可欠であり、当社プラットフォームの海外通信キャリア連携の強みが最大限に活きる分野と位置づけております。 第三:AIネイティブカメラ クラウドカメラとAI解析を組み合わせることで物理世界をリアルタイムに可視化し、現場データを経営判断へ統合するサービスを提供します。フィジカルとデジタルをAIで繋ぐプラットフォームとして、幅広い産業における需要の取り込みを図ってまいります。 第四:AI×IoTソリューション 通信・クラウド・デバイスを一気通貫で提供するソリューション事業を推進することで、フィジカルAI時代における新たな収益の柱を創出してまいります。生成AIによるオペレーション自動化やコスト削減効果も、グループ全体の競争力強化に寄与するものと考えております。 (3)経営環境 ①市場環境 当社グループが展開するAI/IoTプラットフォーム事業は、IoTプラットフォーム市場やIoT関連のサービス市場のうち、コネクティビティ、サービス、ソフトウェア及びハードウェア(エンドポイント)を対象市場として想定しております。このIoT市場は、技術革新の波に乗り、今後も年間二桁成長率を維持することが予想されており、進化する生成AIや5Gなどのテクノロジーは、コネクテッドカーやスマートシティといった多岐にわたる業界においてIoTの展開を促進することが期待されています。また、IoTデータの蓄積が進むにつれて、その価値はさらに増大すると予測されており、2026年時点で全世界でそれぞれコネクティビティ市場(セルラー・LPWA回線他)は約646億ドル、インフラストラクチャ市場(クラウド基盤やデータ処理等)は約738億ドル、ソフトウェア市場(IoTプラットフォームやアプリケーション等)は約1,324億ドル、エンドポイント市場(センサーやセキュリティ機器等)は約3,081億ドル及びサービス市場(システム設計や構築等)は約626億ドルと、2029年時点では合計で約9,523億ドルの市場規模が見込まれております(注)。当社グループが注力するコネクティビティ市場はもちろんのこと、ソフトウェアやサービスを含む広範な領域で成長機会があります。 (注) 市場規模は、IDC「Worldwide Internet of Things Spending Guide」(2025年12月)におけるConnectivity、Infrastructure、Software、Endpoint及びServicesの各市場規模(米ドル)を参照しております。 ② 競争優位性について 当社グループは、IoTに必要な通信回線やデバイスを提供するとともに、インターフェースやアプリケーション、ネットワークサービス等、IoTを導入・運用する際に必要となる多種多様な機能をワンストップで利用可能なプラットフォームを提供しております。国内外の移動体通信事業者(MNO)より通信回線(携帯電話網)を調達し、サービスを提供するとともに、必要に応じて経営資源とノウハウを補完し合えるエコシステムパートナーとの協業を図り、常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感をもって的確に対処することで、競合サービスとは異なる優位性を構築しております。 ③ 事業・サービスの概要について 当社の主要なサービスの内容につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容(2)事業・サービスの概要」に記載しております。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社プラットフォームは従量課金モデルで提供しており、リカーリング収益の拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断する上で、契約回線数や課金アカウント数を重要な指標としております。リカーリング収益は経常的に得られる利用料の合計額であり、経営上の目標の達成状況を把握するものです。リカーリング収益を拡大させるためには特に課金アカウント数(注1)とリカーリング収益のARPA(注2)の拡大が重要と考えております。 (注1)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。 (注2)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題 AI/IoTプラットフォーム市場やIoT関連のサービス市場は、事業環境の変化が早く、顧客企業のニーズが絶えず変化しております。当社グループは直面する課題に対処するだけではなく、今後さらなる成長を実現するために、以下の取組みを行ってまいります。 ① 優秀な人材の採用と育成 当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えております。特に、イノベーションによりIoTの力で顧客の課題解決並びに事業成長を支援できるAI/IoTプラットフォームを開発・提供していくことが重要と考えており、顧客ニーズを適切に把握できる営業や開発の人員の強化が求められております。当社グループのミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用するために、積極的な採用活動を推進するとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取組んでまいります。 ② 技術力の強化と追加サービスの展開 AI/IoTプラットフォームに係る独創的な技術力は当社グループの競争力の源泉であり、事業の成長を支える基盤でもあることから、継続的な改善、強化が重要であると考えております。優秀な技術者の採用や先端技術の把握及び当社サービスへの反映を通じて、技術力の向上に取組んでまいります。 またAI/IoTプラットフォームとしての価値向上のために、自社サービスの追加開発や、当社プラットフォームにおいて他社のアプリケーションの連携を容易にする仕組みを継続的に開発し続けてまいります。 さらに、成功事例として蓄積されたノウハウを横展開し、新規顧客の獲得を進めてまいります。 ③ 海外市場における事業成長 当社グループは、2016年11月の北米におけるサービス開始、2017年2月の欧州におけるサービス開始を起点に、海外市場への展開を開始いたしました。世界的なIoT導入の加速、インターネットに接続されるデバイス数の飛躍的な増加を背景に、1回線から手軽にIoTを始めることを可能にする当社のビジネスモデルは海外市場においても事業機会を形成することができるものと考えており、当社グループは、投資規律を維持しつつ、今後も戦略的に海外市場での事業成長を図ってまいります。 一方で、当社グループの海外事業は人材の採用・育成やマーケティング活動に対する投資段階にあり、中期的には売上高拡大を重視した海外事業のさらなる拡大に向けて、以下2点の取組みを重点的に行ってまいります。 a. 営業体制の強化 当社グループの海外事業の成長を加速させる上で、海外拠点における営業体制の拡充は必要不可欠であると考えております。当社グループは、ミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材の確保や、教育研修制度の拡充を行うことで、より強固な営業体制の構築に努めてまいります。 なお、米国及び欧州における営業体制は一定の規模に達しており、現在は人材の質の向上と組織の最適化に注力しております。 b. 顧客獲得・マーケティング強化にかかる対応 グローバルでの認知度も高まっており、世界的な調査会社であるCounterpoint ResearchによりCMP(Connectivity Management Platform)ランキングにおいて3年連続でリーダーに選出され、IoT MVNOの中で最高のケイパビリティ評価を獲得しました。また、2026年のGartner® Magic Quadrant™ for Managed IoT Connectivity ServicesにおいてもSoracom-KDDIがリーダーの1社として位置づけられました。 海外顧客基盤の拡大のためには、さらなる知名度の向上が不可欠と考えております。当社グループは、今後もオンライン、オフライン双方でのイベント開催等を中心とした情報発信を通じて、知名度向上に努めてまいります。 ④ 戦略的アライアンスパートナーとの事業連携 当社は、2021年6月にセコム株式会社、ソースネクスト株式会社、ソニーグループ株式会社、日本瓦斯株式会社(ニチガス)、株式会社日立製作所及びWorld Innovation Lab(WiL)の6社と資本提携を含むパートナーシップを締結しております。6社とのグローバルビジネス協業を通じて、当社プラットフォームの国内外における利用実績を拡大し、顧客フィードバックに基づいてサービスを拡充していくことを目的としております。 また、今後は事業ポートフォリオの拡大及び既存事業とのシナジー創出等による事業成長を目的とし、IoTに関連するデバイスやアプリケーション領域にて事業展開する企業に対する当社グループからの出資を行う方針であります。その一環として、2022年5月には、ビジネス分野でのカメラ活用を推進するためIoTスマートホーム製品を開発・製造販売するアトムテック株式会社と資本業務提携を開始しております。また、2024年2月にスズキ株式会社とモビリティサービス分野におけるIoT先進技術の活用に向けた合意書を締結しております。 当社グループは、必要に応じて経営資源とノウハウを補完し合えるアライアンスパートナーとの協業を図り、常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感をもって的確に対処しながら、企業価値のさらなる向上に向けて事業展開を進めてまいります。 ⑤ 通信ネットワークの増強 多様な顧客が手軽に利用できるAI/IoTプラットフォームを構築するためには、通信ネットワークの運用効率化の推進が必要となります。当社グループは、特に海外における複数地域キャリア等からの回線調達の拡充を重点的に行うことで、今後も通信ネットワークの増強に努めてまいります。 ⑥ 自社デバイス製品の開発強化 当社グループは、IoT領域における技術革新に迅速に対応し、事業競争力の向上を図るため、今後新たな人員確保、研究開発の拡充を通じて、セルラー対応のAIカメラ、IoTセンサーといった自社デバイス製品の開発を強化していく方針であります。 ⑦ 出資による資本提携の実施 当社グループは、IoTに関連するデバイスやアプリケーション領域にて事業展開する企業等への出資による資本提携を通じて、ポートフォリオの拡大及び既存事業とのシナジー創出等による事業成長を検討してまいります。 この戦略の一環として、2024年10月には、IoTプラットフォーム開発・提供を手掛ける株式会社キャリオットを連結子会社化しました。これにより、当社のIoTソリューション提供能力が強化され、顧客への付加価値提供がさらに向上しました。また、2025年8月には、丸紅ネットワークソリューションズ株式会社のMVNO事業を承継した株式会社ミソラコネクトを連結子会社化し、IoT通信サービスの提供基盤をさらに強化しました。 ⑧ 財務上の課題 当社グループの当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は767,457千円、現金及び預金の残高は9,269,384千円となっており、当社グループの事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しており、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はございません。しかしながら、今後事業拡大のための優秀な人材の採用や広告宣伝・販売促進等のマーケティング投資、AI/IoTコネクティビティプラットフォーム「SORACOM」の拡充のための開発投資を進めていった際に、意図した投資成果が得られない場合には、流動性が低下する可能性があります。 当社グループは、事業規模の拡大状況から投資タイミングを見極め、投資成果を最大限に得られるようなリスク対策や施策を行いながら、投資を進めてまいります。
事業等のリスク12,547字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。 当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に判断した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在において判断したものであります。顕在化の時期については具体的な記載があるものを除き、本書類提出日時点で合理的に時期を見積もることは困難と判断しております。 (1)事業展開等について ① 特定の取引先に対する売上比率について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 第13期連結会計年度における当社グループの連結売上高に占めるKDDI株式会社(主要株主)に対する売上高の割合は9.3%となりましたが、2026年3月期に締結した包括契約に基づく協業の一環として、コネクテッドカー、モバイルコアシステムのOEM提供、生成AIとIoTの活用に向けた取組みを推進しており、引き続き売上の拡大を見込んでおります。 当社グループにおいては、今後もKDDI株式会社を含む上位取引先との良好な関係構築に努めるとともに、新規顧客獲得に注力することにより、その依存度低減を図る方針であります。しかしながら、当面は当該上位取引先の割合は一定程度高い状態が継続するものと考えられ、当該顧客企業における事業サービス動向に影響を受けるほか、事業戦略や取引方針等に変更が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② AI/IoTプラットフォームについて(顕在化の可能性:小、影響度:大) (a)通信回線の調達について 当社グループは、仮想移動体通信事業者(MVNO)であり、事業運営基盤となる通信回線(携帯電話網)は国内外の移動体通信事業者(MNO)より調達しており、その他複数の通信事業者と回線調達にかかる契約を締結しております。当社グループは、これら調達先と良好な関係を維持するとともに、事業拡大や効率的なネットワーク運営等を踏まえた調達先の拡大等、通信回線の安定調達を推進していく方針であります。 しかしながら、一部は代替困難となる通信回線等もあり、何らかの要因により通信回線の調達に支障が生じた場合は当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があるほか、将来において回線調達コストの上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、各調達先における通信回線サービスの長期にわたる中断や停止、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害その他の想定外の事象発生に起因する大規模通信障害等が発生した場合には、当社グループにおけるサービス提供不全等が生じ、収益機会の逸失やサービスに対する信頼性低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社プラットフォームにかかる顧客利便性向上及び通信ネットワークの運用効率化を図るため、海外における複数地域キャリア等からの回線調達の拡充を行う計画を有しております。各社との取引契約にかかる条件により設備投資費用の一部負担や預託金等の供出を要請される可能性があり、複数社との契約を締結することにより当該支出が多額となる可能性があります。 (b)クラウドサービス上におけるサービス提供について 当社グループは、外部クラウドサービス上に[IoTプラットフォーム用システム]を構築した上で各種サービスを提供しており、事業運営においてはクラウドサービスの安定稼働が重要な要素となります。 当社グループは、Amazon Web Services社が提供するサービス(以下「AWS」という。)を活用しており、AWSは全世界に点在する複数の地理的リージョン(注1)及びアベイラビリティゾーン(注2)にて運用されており、FISC安全対策基準(注3)を満たす安全性を備えているものと認識しております。また、当社グループは、クラウドサービスの継続稼働にかかる常時監視、障害発生又は予兆検知時のアラート通知及び早期復旧体制の構築等の対応を実施しております。 しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害その他の想定外の事象発生によりクラウドサーバーの停止、コンピュータ・ウイルス、クラッカーの侵入又はその他不具合等によりシステム障害が生じた場合、又はAWSの継続利用に支障が生じた場合には、サービス提供に支障が生じることにより顧客からの損害賠償やその対応にかかる追加費用負担等が発生する可能性があるほか、当社グループのサービスやブランドに対する信頼性毀損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (注1) 地理的に独立したサーバーの設置エリアのことをいいます。各リージョン同士は完全に独立しているためひとつのリージョンで障害が発生しても他のリージョンには影響が出ない設計となっております。 (注2) リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のことをいいます。 (注3) 公益財団法人「金融情報システムセンター(FISC:The Center for Financial Industry Information Systems)」が提供するガイドライン「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準・解説書」 ③ SIM及びデバイス商品仕入について(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社グループは、一部の通信サービス用SIM及びIoTデバイス商品(当社独自仕様含む)について、外部の海外事業者より商品仕入を行っております。また、当社グループは、近年における電子部品不足等の状況を踏まえて、商品在庫の確保施策等に努めております。 しかしながら、当該仕入については、製造元の供給能力や半導体その他の部材確保状況、その他のサプライチェーン動向等の要因から、継続かつ安定した商品仕入が困難となった場合、また、代替困難な商品について重大な欠陥が生じた場合等においては、当社グループの事業拡大の制約要因となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 海外事業展開について(顕在化の可能性:小、影響度:小) 当社グループの事業展開は、現在、国内に加えて、連結子会社であるSoracom Global, Inc.(米国)及びSORACOM CORPORATION, LTD.(英国)において、米国及び欧州その他の海外地域における事業展開を推進しております。 現時点においては、海外地域における当社グループの認知及び顧客獲得実績は限定的であり、海外事業の拡大を企図し、人員体制強化によるマーケティング及び顧客獲得強化等を推進しております。しかしながら、当該施策が当社グループの想定通り推移する保証はなく、海外事業の拡大に支障が生じた場合や事業推進のためにさらなる投資が必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、海外で事業活動を行うにあたっては、地政学上のバランス、各国の政治・経済情勢、為替の変動、外資規制・知的財産権等に関するものを中心とした法規制の新設又は変更等のリスクが存在すると考えております。当社グループはこれらのリスクを事前又は適宜に把握する社内体制を構築しており今後も必要な対応を講じていく方針でありますが、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 為替変動について(顕在化の可能性:大、影響度:小) 当社グループの事業においては、海外顧客向けの販売(国内顧客向けグローバル回線販売含む)及び海外通信回線の調達については外貨建て取引にて実施しております。また、SIM及びデバイス商品については海外商品があり、日本円建て取引を含めて為替変動の影響を受けております。 当社グループは、現在、外貨建て取引の割合、外貨建て仕入及び販売による相殺効果等を考慮して特段の為替リスク対策は実施しておらず、急激な為替変動が生じた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業環境について ① IoT関連市場の動向について(顕在化の可能性:小、影響度:大) 当社グループのIoTプラットフォーム事業は、今後の国内及び海外のIoT関連市場の成長を事業展開の前提と考えており、当社グループの事業成長は当該市場動向に依存しているといえます。 国内外のIoT関連市場は現在発展途上であり、また、今後も継続的な市場成長を想定しておりますが、当社グループの事業展開地域における景気の低迷や設備投資縮小、IoT領域にかかる新たな法的規制の導入や規制強化、技術革新の停滞などの要因により、IoT関連市場の成長が阻害される場合や当社グループの想定どおりの規模に成長しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、持続的な成長に向け、継続収入であるリカーリング収益拡大に注力しているほか、事業展開地域における景気変動や経済情勢等を分析し、市場の変化を適切に経営戦略に反映させるとともに、海外展開により特定地域への依存を軽減し、顧客ニーズの変化に応じたサービスの提供によりリスクの低減を図っております。また法的規制の動向につき国内外の弁護士等の専門家と連携し、適時に把握し、必要な対応をとるよう努めております。更に、常に最新の技術動向を注視し、優秀な人材の確保や教育を通じた技術水準の向上を図るとともに、既存サービス・機能の向上や新規開発等を目的とした投資の必要性について判断を行っております。 ② 技術革新等への対応について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 当社グループの事業展開においては、特にIoT領域におけるビジネス・サービス動向や顧客ニーズに対応したプラットフォームやサービス・機能の拡充・更新等を適時かつ継続的に行うことが重要であると考えております。 また、IoT領域に関連する技術革新のスピードは非常に速く、先端技術に対応するサービスを提供し続けるためには、常に技術ノウハウを獲得し、開発プロセスに取り入れていく必要があります。そのため、当社グループは、高度なスキルを有するエンジニアの採用及び育成、創造的な職場環境・開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見・ノウハウの取得に注力しております。 しかしながら、かかる施策に拘わらず、当社グループにおける技術革新等への対応が困難となる場合はサービスの陳腐化や競争力低下が生じる可能性があります。さらに、新技術への対応のために追加的なシステム投資又は人材投資等の支出が増加する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争状況について(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社グループが事業を展開するIoT関連業界においては、移動体通信事業者(MNO)や各種MVNO事業者まで多数の競合企業が参入しサービスを提供しており、その競争は激しい状況にあると認識しております。 当社グループは、クラウド上にモバイルコアネットワークを独自に構築し、IoTを導入・運用する際に必要となる多様な機能をワンストップでかつ安価に利用できるIoTプラットフォームが競争力の源泉となっているものと認識しており、また、過年度における顧客導入実績等から国内IoT業界において一定の市場認知を獲得しているものと考えております。 当社グループは、提供サービスについて、継続的な機能拡充、品質向上及び利便性追求等により競争力維持に努めていく方針でありますが、既存事業者との競争の激化や、新たな参入事業者が当社のシステムに類似する仕組みを構築する等により当社グループの優位性が損なわれる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 法的規制について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 当社は、IoTに必要な通信回線を提供するため、電気通信事業者として総務省に登録を行っており、電気通信事業法の規制を受けております。電気通信事業としての登録に有効期間はありませんが、当社の業務運営に関し、通信の秘密の確保やその他業務運営が適切ではないと判断された場合は、総務大臣より業務方法の改善命令その他の措置が実施されることとなります。また、電気通信事業法第14条に定められた事項に該当した場合は、電気通信事業者の登録の取消しとなります。現在、電気通信事業者の登録の継続に支障をきたす要因は発生していませんが、登録が取り消された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社事業においては、消費者保護法、電気用品安全法、個人情報保護法等の法規制を受けております。 また、当社グループは、海外地域においても事業活動を行っており、その対象となる各国及び地域の電気通信関連の法規制が適用されており、必要な届出又は許認可取得を実施しております。その他、労働安全衛生、労使関係、外国投資規制、外資規制、国家安全保障、消費者保護、競争政策、税制及び環境保護等に関連する様々な法律及び規制の対象となっております。 当社グループにおいては、各種法規制を踏まえた社内規程やマニュアル整備等による社内体制の構築、各地域の法律専門家の活用、行政当局への相談等により、法令を遵守した業務運営に努めております。しかしながら、当社グループが法令等に違反する行為を行った場合、その違反意図の有無にかかわらず、行政当局から処分又は指導を受けることにより事業運営に支障をきたす可能性があるほか、ブランドイメージ及び社会的信用に悪影響が生じる可能性があります。また、今後上記の法的規制やこれに関連する法解釈が変更されたり、新たな法的規制が導入された場合には、当社グループの事業運営が制約される可能性があります。これらの場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)事業体制について ① 人材の採用・育成について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 当社グループは、今後想定する事業成長や企業規模拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが重要であると認識しております。 サービスにかかる品質確保や安定稼働、競争力向上に際しては、開発部門を中心とした高度な技術力・企画力を有する人材が必要であり、また、国内外における新たな顧客獲得や顧客サポートを強化するため、営業及びマーケティング部門における組織体制強化も必要となり、継続的な人材採用とともに、既存人材の育成・強化が必要であると考えております。当社グループでは、国内外において、営業及びマーケティング部門、エンジニア部門および経営管理部門等の人員強化を図るとともに、部門別・職階別研修等による計画的な人材育成に努めております。 しかしながら、エンジニアその他の優秀な人材確保にかかる競争は厳しく、当社グループが必要とする優秀な人材確保が計画通りに進展しない場合や人材確保にかかる費用上昇が生じた場合、また、既存人材の育成が図られない場合や社外流出が生じた場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 内部管理体制の整備状況にかかるリスクについて(顕在化の可能性:小、影響度:中) 当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、さらに法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③ コンプライアンス体制について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 当社グループでは、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化にも取組んでおります。 しかしながら、これらの取組みにもかかわらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 知的財産権の管理について(顕在化の可能性:小、影響度:小) 当社グループは、提供している商品・サービスに関する知的財産権の取得・維持・活用に努めております。しかしながら、先行する技術や商標の存在等により、当社が希望する態様で知的財産権を取得できず、当社グループの商品・サービスを模倣する商品・サービスに対して十分な対応ができない可能性があります。また、当社グループは、第三者の知的財産権の侵害を防ぐため、必要に応じて知財担当者又は外部への委託等により調査を行っております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者に対して損害賠償の支払いや、侵害を構成する当社グループの商品・サービスの名前又は仕様の変更が必要となる可能性があります。これらの結果として、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 情報管理体制について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 当社グループは、電気通信事業者として通信の秘密の保護を遵守するとともに、取り扱う情報資産の保護、管理に関して、情報セキュリティ委員会を設置して内部からの情報漏洩防止、及び外部ネットワークからの不正侵入の防止に関わる全社的対応策の策定及びGDPR等グローバルな法制度への対応を実施しております。しかしながら、情報の漏洩等が発生した場合、当社グループのブランドイメージや信頼性の失墜、莫大な補償・課徴金を伴う可能性があります。また、将来的に通信の秘密及び顧客情報保護体制の整備のため、さらなるコストが増加する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) KDDI株式会社との関係について KDDI株式会社は、本書提出日現在における当社の発行済株式総数の42.1%を保有しており、同社は当社の主要株主であります。 ① KDDIグループとの資本関係(顕在化の可能性:小、影響度:小) 同社は、当社株式上場に伴う一部保有株式の株式売出し等により株式保有割合は42.1%となりましたが、今後も当社が同社持分法適用会社に該当する水準にて当社株式を継続保有する方針であります。 KDDIグループの適切な運営を目的として、当社の経営において、同社の承認を要する事項は存在しておりませんが、同社において適時開示が必要となる事項に限り事前報告を行うことが定められており、同社は議決権の行使を通じて当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、同社利益が他の株主の利益と一致しない可能性があります。 ② KDDIグループとの人的関係について(顕在化の可能性:小、影響度:小) 本書提出日現在、当社取締役7名のうち、主要株主であるKDDI株式会社より1名を選任しております。豊富な経営知識から、当社事業に関する助言を得ることを目的として招聘したものであります。兼任している役員は以下のとおりであります。 当社における役職   氏名   兼務先における役職 取締役   藤井 彰人   執行役員 先端技術統括本部長 ③ KDDIグループにおける当社の位置付けについて(顕在化の可能性:小、影響度:小) 当社は、KDDIグループにおいて、IoTやクラウド等を活用したビジネスDX(デジタルトランスフォーメーション)を担う会社として位置付けられております。主要株主であるKDDI株式会社においては、移動通信及び固定通信を中心とする通信事業をコア事業としているものの、これらに付随してIoTサービスを提供しており、広くIoTという領域でみれば、当社と一部事業領域が重複しております。 主要株主であるKDDI株式会社は、通信基地局等を保有したMNO(移動体通信事業者:Mobile Network Operator)であり、IoT領域においては、主に大規模顧客等に対するIoTシステム構築及び個別開発を前提とした事業を展開しております。これに対し当社グループは、通信基地局等を持たないMVNO(仮想移動体通信事業者:Mobile Virtual Network Operator)であり、IoTに必要となる機能・サービスをクラウド上に独自プラットフォームとして構築し、顧客に提供する形態により事業を展開しており、事業上の棲み分けがなされているため、事業展開に影響を及ぼす競合等は生じておりません。 また、当社はKDDI株式会社との間で締結する業務提携契約に基づき、KDDI株式会社が構築する「IoT世界基盤」にかかる開発支援及びプラットフォームサービスの提供、その他技術開発支援等を受託しており、一部事業において協業しております。「IoT世界基盤」は当社のIoTプラットフォーム形成に関連する通信技術とau国際ローミングや閉域接続サービスを含むKDDI株式会社の世界規模の通信カバレッジを融合させたサービスであり、IoTによるシステム保守やメンテナンスのDX(デジタルトランスフォーメーション)やサブスクリプションモデルのグローバル展開など全産業の幅広い事業法人を対象に展開しております。なお、事業展開に影響を及ぼす競合等は生じておりません。 なお、当社グループにおいては上記の関係を継続していく方針でありますが、将来においてKDDIグループにおける経営方針及び事業戦略等の変更が生じた場合には、競合が生じる可能性があります。 ④ 主要株主であるKDDI株式会社との業務提携契約について(顕在化の可能性:小、影響度:小) 当社グループは、協業による通信ネットワークに関する技術開発及び収益ビジネスの創出・拡大を目的とし、KDDI株式会社と業務提携契約を締結しております。業務提携の主な内容は、新たな通信サービスの共同での技術開発及び販売等、当社が保有するデータ通信に関連する技術及び知見を活用したKDDI株式会社の通信ネットワークの高度化、KDDIグループが保有する通信に関連する技術開発環境及び営業上の販路等のリソースを活用した当社の販路拡大及び競争力強化になります。 また、当社グループは当該契約において指定される国内及び海外の移動体通信事業者等(指定事業者等)と指定される業務(指定業務)と競業する行為を行おうとするときは、KDDI株式会社との事前合意又は事前協議を経ることを義務付けられております。 本書提出日現在、当該契約における指定業務は「KDDIグループが保有するネットワークの改善・高度化を図るための技術検証及び開発」並びに「IoT 世界基盤等の提供可能範囲・サービス内容拡充のための技術連携・サービス開発」に限定されており、当社の提供しているサービスについては、顧客が指定事業者等に該当しないか、指定業務と競業する行為に該当しないかのいずれかとなっているため、当社グループの事業及び業績に与える影響も限定的であります。 しかしながら、今後の当社グループのビジネス展開がKDDI株式会社との競合に該当し同意が得られない場合や、当該契約の内容により当社グループの将来の事業活動が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、過去に、当社グループのビジネス展開がKDDI株式会社との競合に該当した事例はありません。 ⑤ KDDIグループとの取引関係について(顕在化の可能性:小、影響度:小) 当社グループは、移動体通信事業者(MNO)であるKDDI株式会社と「IoT世界基盤」に係るプラットフォームサービスの提供及びソフトウェア開発等の業務受託取引並びにその他の取引を行っております。 また、当社グループは、KDDI株式会社を含むKDDIグループとの取引(関連当事者取引)を実施するにあたっては、関連当事者取引管理規程に基づき、年間取引金額が1百万円以上となる新たな取引については事業計画決議時又は取引開始前に取締役会において事業上の必要性、取引条件の妥当性を検討のうえ、承認を得ることとしております。さらに、事業年度をまたいで継続する取引についても、事業計画決議時の取締役会において事業上の必要性、取引条件の妥当性を報告することで、適切に牽制する体制を構築しております。 当社グループと主要株主であるKDDI株式会社との取引については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」をご参照ください。 (5) その他のリスクについて ① 配当政策について(顕在化の可能性:中、影響度:小) 当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けております。現時点では、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 ② 税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:大、影響度:小、顕在化の時期:中期) 第13期連結会計年度末は、当社グループに税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合や税制の変更等により繰越欠損金が十分に活用できない場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 ③ 訴訟等について(顕在化の可能性:小、影響度:小) 当社グループは、本書提出日現在において、業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施する等、法令違反などの発生リスクの低減に努めておりますが、事業を展開する中で、当社グループが提供するサービスの不備、情報漏洩、役職員のトラブル等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 自然災害・事故等について(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社グループでは、自然災害・事故等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社グループの所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループが保有する設備の損壊や電力供給やインターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 株式の追加発行等による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:中、影響度:小、顕在化の時期:中期) 当社グループは、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後においても新株予約権又は譲渡制限付株式等を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合や譲渡制限付株式の発行に伴い、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は4,320,555株であり、発行済株式総数 45,579,505株の9.5%に相当しております。 ⑥ 調達資金の使途について(顕在化の可能性:小、影響度:中) 株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、事業拡大のための人件費及び採用費、広告宣伝・販売促進等のマーケティング投資並びにIoTプラットフォーム「SORACOM」の拡充のための開発費に充当する予定であります。しかしながら、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。また、市場環境の変化が激しく、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
経営成績の分析 (MD&A)7,848字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比2,096,597千円増加の15,499,947千円となりました。 流動資産については、株式会社ミソラコネクトの株式取得等による支出があったものの、円安による換算替えや新株予約権の行使による収入により現金及び預金が351,611千円増加し、また在庫の確保に伴い商品が206,185千円増加しました。一方、主に個別債権に対して貸倒引当金65,636千円を計上しております。 また、株式会社ミソラコネクトの子会社化に伴う取り込みにより機械及び装置が354,734千円増加したこと、ソフトウエアが390,106千円増加したこと、並びに株式会社ミソラコネクトの株式取得に伴うのれんを644,064千円計上したことにより、固定資産が増加しております。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債合計は、前連結会計年度末比892,862千円増加の3,212,802千円となりました。これは主に、KDDI株式会社からの受託開発に係る前受により契約負債が312,230千円増加したことや、未払消費税等の計上及び株式会社ミソラコネクトの子会社化に伴う取り込みによりその他の流動負債が379,697千円増加したことによるものです。 固定負債合計は、前連結会計年度末比188,975千円減少の539,414千円となりました。これは主に、返済により長期借入金が249,996千円減少したことによるものです。 この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比703,887千円増加の3,752,216千円となりました。 なお、当連結会計年度末日現在における借入先及び借入額については、以下の通りであります。 借入先   借入額(千円) 株式会社りそな銀行   687,505 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比1,392,710千円増加の11,747,730千円となりました。これは主に、株式会社ミソラコネクトの子会社化による非支配株主持分の増加376,936千円及び親会社株主に帰属する当期純利益による増加631,411千円によるものです。 この結果、自己資本比率は71.1%(前連結会計年度末は75.0%)となりました。 なお、新株予約権の増加48,515千円は、主に従業員に付与した新株予約権に係る株式報酬費用の計上によるものです。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げの継続や企業業績の改善を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、食料品を中心とした物価上昇が個人消費の重石となったほか、トランプ政権による相互関税政策の発動により輸出動向や企業マインドへの先行き不透明感が増しました。米国経済は、関税政策による不確実性が高まったものの、個人消費や設備投資は底堅く推移しました。欧州経済は、物価の安定と実質賃金の回復を背景に個人消費が持ち直すなど緩やかな回復の動きがみられましたが、米国の関税政策による外需・製造業への下押しや、ウクライナ情勢等の地政学リスクが引き続き懸念材料となりました。 このような状況の下、IoT(Internet of Things)の活用は世界的に加速しており、労働力不足や生産性向上、サステナビリティといった社会課題の解決手段としてその重要性はますます高まっています。また、生成AIの社会実装と活用が急速に進む中、AIが現実世界のデータを活用するためのIoT通信基盤への需要はさらに高まっており、当社グループは「Making Things Happen – for a world that works together」の企業理念のもと、AI/IoTコネクティビティプラットフォーム(注1)として果たすべき役割はますます大きくなるものと認識しております。 こうした認識のもと、プラットフォーム全体の機能強化とAI活用を支えるサービス拡充を継続的に推進しました。また、2025年8月に子会社化した株式会社ミソラコネクトの業績貢献及び米国市場での売上伸長も追い風となり、課金アカウント数(注2)・ARPA(注3)がともに増加しました。その結果、当連結会計年度において、リカーリング収益(プラットフォーム利用料)による継続収入は、9,296,994千円(前期比41.7%増)と大幅な増収となりました。課金アカウント数は継続的に伸びて1万4百となり、ARPAは前期比24.4%増加の947千円となりました。 商品販売とその他の売上からなるインクリメンタル収益については、大型デバイス案件の受注・納品が貢献し3,126,752千円(前期比28.6%増)となりました。 一方、海外売上高比率は、2025年8月より株式会社ミソラコネクトが連結子会社となったことに伴い、一時的に低下し、前期比1.8ポイント低下の40.0%となっております。 販売費及び一般管理費については、株式会社ミソラコネクトの連結子会社化による純増に加え、業績好調による賞与引当金の増加や一部顧客の財務状況の悪化に伴う貸倒引当金の計上により5,271,864千円(前期比20.5%増)となりました。販管費率は、売上の伸長が寄与し、48.7%から42.4%へと改善しました。 また、特別損失として、取引先からの保証金の返還懸念による貸倒引当金繰入額136,572千円、投資有価証券評価損49,999千円を計上しております。 この結果、当連結会計年度における売上高は12,423,747千円(前期比38.1%増)、営業利益は871,335千円(前期比32.7%増)、経常利益は857,749千円(前期比38.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は631,411千円(前期比79.0%増)となっております。 当社はAI/IoTプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。なお、当連結会計年度より、従来「IoTプラットフォーム事業」としていたセグメント名称を「AI/IoTプラットフォーム事業」に変更いたしました。本変更はセグメント名称のみであり、セグメント情報への影響はございません。 (注1)当社プラットフォームの呼称を「リアルワールドAIプラットフォーム」から「AI/IoTコネクティビティプラットフォーム」に変更しました。AIの活用が広がる中においても、IoTデバイスと現実世界をつなぐコネクティビティがSORACOMの本質であることに変わりはなく、その役割をより明確に表現するため、名称を改めたものです。 (注2)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。 (注3)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)については、前連結会計年度末より351,611千円増加し、9,269,384千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、増加した資金は1,761,047千円(前連結会計年度は728,673千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益671,177千円の計上に加え、非資金損益項目である減価償却費228,476千円、貸倒引当金279,721千円、賞与引当金116,667千円を計上したことによるものです。また、前期末におけるデバイス売上に係る債権を回収したことにより売上債権は265,978千円減少しております。一方、デバイス調達の仕入債務を支払ったことにより仕入債務が244,871千円減少しております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、支出した資金は1,382,432千円(前連結会計年度は474,993千円の支出)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出915,289千円、ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出465,256千円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、支出した資金は67,514千円(前連結会計年度は2,451,930千円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出249,996千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入195,838千円によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。 a. 生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b. 受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 c. 販売実績 当社グループは、AI/IoTプラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しておりますが、第13期連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。 品目   販売高(千円)   前期比(%) リカーリング収益 (プラットフォーム利用料)   9,296,994   141.7 インクリメンタル収益   商品販売   2,147,598   125.2 その他   979,153   136.9 小計   3,126,752   128.6 IoTプラットフォーム事業合計   12,423,747   138.1 (注)  前連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度において総販売実績に対する販売割合が、10%以上の相手先はありません。 相手先   前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 金額(千円)   割合(%) 株式会社エナジー宇宙 ※   963,959   10.7 KDDI株式会社   955,591   10.6 ※ 株式会社エナジー宇宙は、ニチガスグループの組織再編後のガス導管事業等承継会社で、日本瓦斯株式会社の完全子会社であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。 この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 (繰延税金資産) 当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性を判断した上で、回収可能性がないと見積られる金額を評価性引当額として控除しております。繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、将来の課税所得に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の発生額は、取締役会によって承認された来年度予算を基礎としており、顧客との交渉状況を踏まえた新規受注の獲得見込み等を主要な仮定として見積っております。 ただし、当該見積りには不確実性を伴い、これに関する経営者による判断が繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。 (貸倒引当金) 貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を勘案した回収不能見込額を計上しております。 回収可能性の評価にあたっては、滞留期間、債務者の財政状態、返済交渉の状況等を総合的に勘案しておりますが、相手先の財政状態の悪化等により見積額と実際の回収不能額に乖離が生じる場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 2026年3月期(第13期)は、当社グループにとって大幅な増収増益となった期となりました。売上高は前期比38.1%増と力強く成長し、売上高・リカーリング収益・営業利益のいずれも過去最高を更新しました。 リカーリング収益の成長(前期比41.7%増)を牽引したのは、以下の三つの要因です。 ・2025年8月に連結子会社化した株式会社ミソラコネクトの業績貢献 ・米国市場での売上拡大 ・既存顧客における利用拡大 インクリメンタル収益も、大型デバイス案件の受注・納品が寄与し、前期比28.6%増を達成しました。 費用面では、ミソラコネクト連結化に伴う販管費の純増および業績好調に連動した賞与引当金の増加があったものの、売上の伸長が費用増加を上回りました。結果として販管費率は前期比6.3ポイント改善(48.7%→42.4%)し、営業利益は871,335千円(前期比32.7%増)となりました。 特別損失としては、取引先からの保証金返還懸念に係る貸倒引当金繰入額136,572千円および投資有価証券評価損49,999千円を計上しています。なお、販管費にも一部顧客の財務状況悪化に伴う貸倒引当金を計上していますが、こちらは通常の営業債権に対するものであり、特別損失とは性質が異なります。 財政状態については、期末時点でリース債務を含む有利子負債残高は767,457千円、一方、現金及び預金残高は9,269,384千円と、事業推進に十分な流動性を確保しています。今後は、この財務基盤を活かし、収益力とのバランスを保ちながらマーケティング・人材採用・事業投資を機動的に行ってまいります。それにより、国内売上の安定成長と海外売上の加速を実現していきます。 ③ 資本の財源及び資金の流動性 当社は、事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給料手当のほか、販売費及び一般管理費の広告宣伝費であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金については自己資金により賄いますが、短期的な運転資金が必要となる場合には、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していく方針です。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。 ④ 経営成績に重要な要因を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営成績を評価するために売上高、売上高総利益率及び営業利益率に加えて、リカーリング収益、課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAを重要な経営指標と考えております。 売上高の伸びは事業全体が安定的に成長している指標となっており、コストとのバランスが異常でないことを売上高総利益率及び営業利益率をモニタリングすることで測っております。売上高については、前期比138.1%の伸びであり、営業利益率については、株式会社ミソラコネクトの子会社化の影響もあり、7.0%(前期は7.3%)となりました。 ARPAの上昇は、既存顧客がプラットフォームの利用範囲を拡大していることを示すため、課金アカウント数の増加と併せて重要な指標として管理しております。課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAは、それぞれ前期比113.8%及び124.4%とともに増加し、顧客数の増加のみならず既存顧客の事業へのIoTの浸透が進んでいるものと評価しております。 加えて、特に米国における売上が拡大した結果、海外子会社の国又は地域における売上高である海外売上高は前連結会計年度は3,759,020千円(海外売上高比率41.8%)、当連結会計年度は4,968,104千円(海外売上高比率40.0%)と高い水準を維持しております。なお、海外売上高には、国内顧客向けグローバル回線にかかる売上高が含まれております。 売上高及び売上総利益の伸長の背景については「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」をご参照ください。 (単位:千円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)   当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 前期比 売上高   8,993,031   12,423,747   138.1% リカーリング収益   6,562,193   9,296,994   141.7% 売上総利益   5,033,066   6,143,199   122.1% 売上高総利益率   56.0%   49.4%   - EBITDA(注)1   833,926   1,228,450   147.3% 営業利益率   7.3%   7.0%   - 課金アカウント数(千個)(注)2   8.8   10.4   113.8% リカーリング収益のARPA   760   947   124.4% (注) 1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額+株式報酬費用 2.株式会社ミソラコネクト、株式会社キャリオットを含んでおります。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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