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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

リニカル

Linical Co., Ltd.2183 · Standard · サービス業

医薬品開発の臨床試験(治験)を代行・支援するCRO(医薬品開発業務受託)事業を主軸に、発売後の支援や創薬支援までワンストップで提供する。

概要

株式会社リニカルは、2005年に大阪で創業した医薬品開発業務受託(CRO)企業である。東京証券取引所プライム市場(旧市場第一部)に上場し、2026年3月期の従業員数は577名。新薬の臨床試験(治験)のモニタリングを中核に、データマネジメント、統計解析、薬事戦略立案、発売後の臨床研究支援までをワンストップで提供する。日本、米国、欧州、アジアに拠点を持ち、国際共同治験に対応するグローバルCROを標榜する。

単一セグメントで展開するCRO事業

当社グループはCRO事業の単一セグメントで構成される。主たる業務は治験のモニタリングであり、治験実施計画書の遵守状況確認、症例報告書の回収、治験薬の管理などを担う。これに付随して、データマネジメント、統計解析、メディカルライティング、監査、ファーマコビジランス(副作用情報管理)なども手掛ける。加えて、医薬品発売後の臨床研究を支援する育薬事業、創薬段階から開発戦略・薬事対応をコンサルティングする創薬支援事業も展開する。これらを組み合わせることで、創薬から上市後のライフサイクルマネジメントまで一気通貫のサービスを提供する体制を持つ。

日本・米国・欧州・アジアをカバーする拠点網

本社を大阪に置き、東京オフィスを持つ。海外では、米国(ニュージャージーなど)、欧州(ドイツ、イギリス、ポーランド)、アジア(韓国、台湾、中国、シンガポール)に子会社を設立している。これらの拠点は国際共同治験の受託を可能にし、製薬会社のグローバル開発を支援する。2026年3月期の地域別売上では、日本は増収に転じたものの営業損失が縮小、米国と欧州は大型案件の終了や開始遅延により大幅減収で営業赤字、韓国は減収ながら損失縮小、中国と台湾は増収で営業黒字を確保した。

2013年度から2026年度の収益の軌跡

連結売上高は2013年度の36億円から拡大を続け、2019年度には113億円に達した。その後は横ばいから減少傾向に転じ、2025年度は104億円、2026年度は87億円と落ち込んだ。利益面では、2017年度に14億円の純利益を計上したが、2025年度には5億円の純損失、2026年度には33億円の純損失に転落した。2026年度は欧州事業ののれん減損や日本事業の固定資産減損、繰延税金資産の取り崩しが大きく影響した。2026年度末の純資産は39億円で、前期比45.2%減少した。

大手グローバルCROとの差別化戦略

当社は、がんや中枢神経系など開発難易度の高い疾患領域に注力し、大手製薬会社のみならず欧米の新興バイオテック企業を主要顧客とする。大手CROがリソース制限から細かい対応が難しい領域で、きめ細やかな提案型サービスを提供することで差別化を図る。また、医師主導臨床研究やアカデミアとの連携にも強みを持ち、創薬支援事業では元製薬会社の専門家が市場分析やライセンス交渉を支援する。グローバル拠点網を生かしながら、柔軟性と専門性で大手に対抗する戦略である。

業界の中での役割は製薬会社等の治験依頼者に対して、モニタリングを中心としたCROサービスを提供する受託機関にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
87億円
営業利益
-21億円
営業利益率
-24.1%
純利益
-33億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2025/3
事業売上構成比利益利益率
CRO事業99億円95.2%15億円15.2%
育薬事業5億円4.8%-1億円-20.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01製薬会社等(CRO事業)主力

医薬品の開発段階で行われる臨床試験(治験)に係る業務の一部を代行・支援。モニタリング業務を中心に、品質管理、データマネジメント、統計解析、メディカルライティング、監査業務、ファーマコビジランス等を提供。

主な製品・サービス6
モニタリング業務
CRAが医療機関で治験が法令・計画書に従い実施されているか監視する主要業務。治験実施可能性調査から症例報告書回収までを担当。
データマネジメント業務
症例報告書のデータベース設計や入力データのクリーニングを行う、治験データ品質を担保する業務。
統計解析業務
治験薬の有効性・安全性を統計科学的に検証する解析業務。
メディカルライティング業務
治験実施計画書や規制当局への届出・申請書類の作成を行う文書作成業務。
監査業務
治験の実施状況を調査し、治験データの信頼性を保証するための監査業務。
ファーマコビジランス業務
副作用等の安全性情報を収集・評価・分析・報告する安全性監視業務。

02医薬品発売後市場(育薬事業)準主力

医薬品の発売後の臨床試験・臨床研究等を支援。CRO事業で得たノウハウを活かし、専門性の高い企業・医師主導臨床研究の組織体制構築、発売後の企画、モニタリング、監査業務を受託。

主な製品・サービス1
発売後臨床試験支援
製造販売後の臨床試験・臨床研究のモニタリング、監査、組織体制構築を支援するサービス。

03バイオベンチャー等(創薬支援事業)副次

国内外のバイオベンチャー企業の創薬を支援。開発品の市場分析・調査、開発・薬事戦略立案、薬事対応、パートナリング・ライセンス支援等のコンサルティングサービスを提供。

主な製品・サービス1
開発戦略コンサルティング
開発品の市場分析・調査、開発・薬事戦略立案、薬事対応、パートナリング・ライセンス支援等のコンサルティングサービス。

製品と技術

治験の根幹を担うモニタリング業務

CRO事業の中心はモニタリング業務である。モニタリング担当者(CRA)が医療機関を訪問し、治験が薬機法やGCPに従って倫理的・科学的に実施されているかを確認する。具体的には、医療機関の治験実施可能性調査、治験依頼者・医療機関・CRO間の3者契約締結、治験責任医師への治験薬概要書の説明、治験薬の搬入・管理、症例報告書の回収、治験薬の回収などを行う。モニタリングは治験の品質と信頼性を確保する上で不可欠であり、CROの核となるサービスである。

データマネジメントと統計解析

治験で収集されたデータの品質管理も主要サービスである。データマネジメント業務では、症例報告書(CRF)のデータベース設計、入力データのクリーニング、論理チェックなどを実施し、正確なデータベースを構築する。統計解析業務では、治験薬の有効性・安全性を統計科学的手法で検証する。これらの業務は、治験結果を規制当局に提出するための根拠資料となる。当社はSASなどの統計ソフトウェアを用いた解析サービスを提供し、メディカルライティング業務で申請書類の作成も支援する。

発売後も支える育薬と創薬支援

育薬事業は、医薬品が承認・発売された後の臨床研究・調査を支援する。2018年の臨床研究法施行に伴い、法規制に沿った適切な運営が求められる中、企業や医師主導の臨床研究の組織体制構築、モニタリング、監査などを手掛ける。創薬支援事業では、開発品の市場分析、開発・薬事戦略の立案、ライセンス交渉支援などを行う。これらの事業はCROで培ったノウハウを活かし、大手製薬会社やバイオベンチャーに対して、創薬から上市後まで一貫した支援を可能にする。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

売上減少続く、収益性低く課題山積

治験施設支援機関(SMO)として創業。業績は3期連続で減収、2026年3月期には営業赤字が拡大。同業のジンジブやイシンと比較しても収益性は著しく低く、人員確保や案件獲得で劣後。規模の小ささから競争力が弱く、構造改革が急務。

強み

  • 創業からの治験施設支援実績があり、医療機関とのネットワークを構築。
  • 治験SMOという専門領域で一定の認知度を有する。
  • 組織が小さいため、意思決定が迅速に行える可能性がある。
  • 赤字継続で、固定費削減などの構造改革に取り組む迫力。

課題

  • 3期連続減収で、2026年3月期は87億円とピーク比30%減。
  • 2026年3月期営業利益率-24.1%と大幅赤字。
  • 同業他社とサービスに大差なく、価格競争に巻き込まれる。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字がリニカル

時価総額で並べると、掲載11社のなかで3番目にあたる。

#企業時価総額PER
16538ディスラプターズ52億円7.5倍
27039ブリッジインターナショナルグループ52億円15.5倍
32183リニカル51億円
46580ライトアップ51億円17.6倍
52376サイネックス51億円87.6倍
66557AIAIグループ51億円7.9倍
76543日宣50億円7.1倍
89219ギックス50億円
92454オールアバウト50億円
102304CSSホールディングス49億円6.8倍
112449プラップジャパン49億円9.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 8件

CRO専業として創業した2005年

2005年6月、資本金3,100万円で大阪市淀川区に株式会社リニカルを設立した。医薬品の治験受託(CRO)事業を目的とした。2006年1月にはSMO(治験施設支援機関)事業を営むアウローラ株式会社を子会社化し、事業領域を拡大した。しかし、CRO事業に集中する方針へ転換し、2007年5月にアウローラの全株式を他のSMO事業者に売却した。創業から2年で方針を絞り込み、CRO専業としての基盤を固めた。

2008年の上場と米国進出

2008年7月、国内製薬会社の米国進出支援を目的に、米国カリフォルニア州に全額出資子会社LINICAL USA, INC.を設立した。同年10月には東京証券取引所マザーズに株式を上場し、資金調達と知名度向上を図った。その後、2013年3月には東京証券取引所市場第一部に市場変更し、上場企業としてのステータスを高めた。米国拠点はのちにニュージャージーへ移転し、営業活動を強化した。

2013年の海外M&Aによる欧州・アジア展開

2013年5月、台湾(LINICAL TAIWAN)と韓国(LINICAL KOREA)に子会社を設立すると同時に、韓国でCRO事業を営むP-pro. Korea Co., Ltd.を子会社化し吸収合併した。さらに、ドイツのNuvisan CDD Holding GmbHを買収し、社名をLINICAL Europe Holding GmbHに変更した。同社を通じてイギリス(LINICAL U.K.)とポーランド(LINICAL POLAND)にも子会社を設立した。シンガポールにも拠点を設け、アジア全域への展開を加速した。

収益拡大から赤字転落への2020年代

2013年度以降、売上高は順調に拡大し、2019年度には113億円に達した。しかし、2020年度以降は100億円前後で推移した後、2025年度に104億円、2026年度に87億円と減少に転じた。2025年度には営業損失5.8億円、純損失5.4億円を計上し、2026年度には営業損失20.7億円、純損失33.3億円と赤字幅が拡大した。2026年度には欧州事業ののれん減損や固定資産の減損、繰延税金資産の取り崩しを行い、大幅な特別損失を計上した。

2026年3月期の経営課題と再建策

2026年3月期は、米国での政府機関閉鎖による治験開始遅延や欧州での外注費増加が響き、営業赤字が拡大した。日本は増収だが営業損失継続、韓国・中国・台湾は改善傾向にある。経営陣は、グローバル営業人材の採用・育成、拠点間連携の強化、テクノロジー投資を重点施策に掲げる。中期経営ビジョンでは「日本発のグローバルCROとしてクライアントの戦略的パートナー」を掲げ、創薬支援から育薬までのワンストップ体制を維持しつつ、収益改善を目指す。

年表8件を開く

2000年代

  • 2005年6月創業医薬品の開発における臨床試験(治験)(注1)の受託を行う医薬品開発業務受託(CRO)(注2)事業を目的として、資本金3,100万円で大阪市淀川区に株式会社リニカルを設立
  • 2006年1月M&ASMO(注3)事業に進出するため、SMO事業を営むアウローラ株式会社を子会社化
  • 2006年6月東京都中央区茅場町に東京オフィスを開設
  • 2007年5月CRO事業に注力するため、連結子会社アウローラ株式会社の全保有株式を他のSMO事業者に売却
  • 2008年7月国内の製薬会社の米国進出を支援することを目的として、米国カリフォルニア州に全額出資子会社であるLINICAL USA, INC.を設立
  • 2008年10月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場

2010年代

  • 2013年3月東京証券取引所市場第一部に市場変更
  • 2013年5月M&A台湾及び韓国に全額出資子会社であるLINICAL TAIWAN CO., LTD.及びLINICAL KOREA CO., LTD.を設立 LINICAL KOREA CO., LTD.が韓国にてCRO事業を営むP-pro. Korea Co., Ltd.を子会社化 LINICAL KOREA CO., LTD.がP-pro. Korea Co., Ltd.を吸収合併 Nuvisan CDD Holding GmbHを買収 Nuvisan CDD Holding GmbHがLINICAL Europe Holding GmbHに社名変更 LINICAL TAIWAN CO., LTD.がシンガポールにLinical Singapore Pte. Ltd.を設立 LINICAL USA, INC.が業務拡大を目的として、ニュージャージー事務所を開設、本社移転 LINICAL Europe Holding GmbHがイギリスにLINICAL U.K. LIMITEDを設立 LINICAL Europe Holding GmbHがポーランドにLINICAL POLAND sp. z o.o.

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 1株当たり当期純利益持続的な成長

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    グローバル・ワンストップサービスの提供

    臨床試験の計画段階から全フェーズを対象とし、創薬支援から製造販売後まで一気通貫で医薬品ライフサイクルマネジメントを支援する。がん・中枢神経系など難易度の高い疾患領域や新たなモダリティに対応する。

  2. 02

    クライアントとの戦略的パートナーシップ

    大手製薬企業から欧米の有望なバイオテックまで幅広いクライアントと長期的な関係を構築し、医療機関との連携を基に提案型サービスでクライアント満足を追求する。

  3. 03

    グローバルカバレッジの拡大

    日本、米国、欧州を中心に、南半球を含む戦略的なエリア拡大により、あらゆる疾患の臨床データを迅速に収集し、グローバルプレゼンスを高める。

  4. 04

    テクノロジーと人材への投資

    AIや分散型臨床試験などのデジタル技術に対応するため、ベンダーとの協業体制を確立し、テクノロジーと臨床開発に精通した人材の採用・育成を強化する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で577人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は683万円で、9期前と比べて+3.1%平均年齢は37.1歳、平均勤続年数は8.5年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月599
2018年3月672
2019年3月66232.84.5823
2020年3月66232.95.0842
2021年3月67133.45.6845
2022年3月65234.26.3843
2023年3月64635.27.2759
2024年3月63236.67.7662
2025年3月65437.08.4598−100
2026年3月68337.18.5577−364

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率37.3%
縦線は目安の30%
男性育休取得率72.7%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)79.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 0 / 海外 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
東京オフィス — 東京都港区89百万円
本社 — 大阪市淀川区62百万円
主な関係会社
  • 海外
    Linical Accelovance America,Inc.
    米国 メリーランド州
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は87億円営業利益-21億円前期と比べると減収で、売上が-16.3%。

売上高
-16.3%
87億円
営業利益
-21億円
純利益
-33億円
営業利益率
-24.1%
前期比 -18.4%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高107億円87億円
営業利益3億円-21億円
純利益2億円-33億円
1株あたり配当¥8¥8

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は19億円、営業利益は−7億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−38.7%、営業利益は−800.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q334
2024年1Q3113.20
2024年2Q30310.02
2024年3Q3126.51
2024年4Q310
2025年2Q54−2−3.7−3
2025年4Q50−4−8.0−2
2026年2Q49−5−10.2−9
2026年4Q38−16−42.1−24
2027年1Q19−7−36.8−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は36億円から87億円へ2.4倍に増えた。直近期の営業利益率は-24.1%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
台湾及び韓国に全額出資子会社であるLINICAL TAIWAN CO., LTD.及びLINICAL KOREA CO., LTD.を設立 LINICAL KOREA CO., LTD.が韓国にてCRO事業を営むP-pro. Korea Co., Ltd.を子会社化 LINICAL KOREA CO., LTD.がP-pro. Korea Co., Ltd.を吸収合併 Nuvisan CDD Holding GmbHを買収 Nuvisan CDD Holding GmbHがLINICAL Europe Holding GmbHに社名変更 LINICAL TAIWAN CO., LTD.がシンガポールにLinical Singapore Pte. Ltd.を設立 LINICAL USA, INC.が業務拡大を目的として、ニュージャージー事務所を開設、本社移転 LINICAL Europe Holding GmbHがイギリスにLINICAL U.K. LIMITEDを設立 LINICAL Europe Holding GmbHがポーランドにLINICAL POLAND sp. z o.o.
2013年3月36106
2014年3月3774
2015年3月4984
2016年3月772013
2017年3月842114
2018年3月911813
2019年3月113136
2020年3月10995
2021年3月10365
2022年3月116128
2023年3月1251310
2024年3月12383
2025年3月104−6−5−5.8−5
2026年3月87−21−20−24.1−33

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高87億円のうち、営業利益として残るのは-21億円-24.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-33億円、売上の-37.9%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金87.4%76億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金36.8%32億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-24.1%-21億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
12.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比31.7pt
-24.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比43.0pt
-37.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比71.1pt
-59.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-27.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-21.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが−16億円、投資CFが1億円で、差し引きのフリーCFは−15億円この組み合わせは資産取り崩し型にあたる。本業の赤字を資産売却で埋めながら負債も返している。守りの局面期末の手元現金は52億円で、売上の7.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月90−2917
2014年3月2−1−3116
2015年3月7−148−718
2016年3月180−71829
2017年3月23−4−51944
2018年3月14−1−51352
2019年3月−8−2633−3451
2020年3月12−1−91152
2021年3月02−3251
2022年3月160−101660
2023年3月180−101870
2024年3月110−101175
2025年3月60−9670
2026年3月−161−5−1552

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は120億円。このうち返さなくてよい自己資本が40億円で、自己資本比率は33.1%(業種中央値53.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月26161060.0
2014年3月2819965.3
2015年3月56213536.5
2016年3月71304142.4
2017年3月83414249.4
2018年3月92524056.3
2019年3月133538039.6
2020年3月143539037.4
2021年3月153579637.4
2022年3月157659241.6
2023年3月175769943.4
2024年3月1858210344.4
2025年3月168739543.2
2026年3月120408033.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
52億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
27億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
80億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
42
/ 100
安定性自己資本比率22 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り534社中177位あたり、逆に低いのはROE534社中532位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-59.3%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-24.1%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
33.1%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-16.4%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.9%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥207で、1年前と比べて-37.2%過去52週の値幅のなかでは6%の位置にある。

¥207+0.0%1ヶ月+0.5%1年-37.2%時価総額51億円
過去52週の値幅
安値¥198高値¥355

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)26.0倍
PBR1.46倍
配当利回り3.86%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1日で0.5%上昇し205円。25日線(208円)を下回るが、52週安値(198円)に接近しており底堅い。週足では横ばい。出来高は7/30に7,400株と低調。1年で36%下落したが、最近は値固めの様相。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 90/100)

PBRが1.16倍と業界平均の3.16倍を大きく下回り、割安感が強い。配当利回りは3.9%と業界平均の2.73%を上回るが、過去3期で売上高・利益が減少傾向にあり、2026/3期は大幅な赤字見込み。ROEは-59.3%と業績悪化を反映しており、割安ではあるが収益力の回復が課題。

指標この会社業種平均
PER (予想)26.0倍
PBR1.46倍3.51倍
ROE-59.3%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

業績悪化が続き、2026年3月期は大幅赤字見通し。強気派は、PBR1倍割れに近く資産価値に下支えされた株価、またはターンアラウンド期待から買う可能性。弱気派は、収益悪化のトレンドが継続しており、再建への道筋が不透明、キャッシュ減少リスクを懸念。

プラスに働く材料7
  • 資産価値からの下値硬直性

    PBR1.16倍と解散価値に近く、大幅な下値は限定的。

  • ターンアラウンド期待

    コスト削減や受注回復により業績が改善する可能性。

  • 配当利回り3.9%

    業績悪化にもかかわらず配当を継続している。

  • PBR1.16倍で純資産接近継続影響

    PBR1.16倍と1倍接近、株価下落余地は限定的

  • 配当利回り3.9%が下支え継続影響

    無配転落リスクあるが現状高利回りで下支え

  • 2024/3期に黒字を計上した実績FY2024影響

    2024/3期純利益3億円の黒字実績、再建可能性

  • 小規模企業ゆえの事業再編の柔軟性不定影響

    売上規模104億円で固定費削減が容易、再編余地

マイナスに働く材料7
  • 業績悪化トレンド

    2025年3月期営業赤字、2026年3月期も赤字拡大見通し。

  • キャッシュ減少リスク

    赤字継続で財務リスクが高まる可能性。

  • 競争環境の厳しさ

    CRO業界は競合が多く、差別化が難しい。

  • 営業赤字の急速な拡大2026年Q3影響

    営業損失が6億円→21億円へ3.5倍拡大

  • 売上高の3期連続減少継続影響

    売上高123→104→87億円、年率約15%減収

  • 自己資本毀損リスク2026年Q3影響

    当期純損失33億円で自己資本比率低下懸念

  • 配当維持の困難次回決算影響

    赤字拡大で年間配当3.9%の維持は困難、減配リスク

次の決算で確かめる点
受注高
将来の売上高の先行指標。
営業損益
収益改善の兆候を確認。
自己資本比率
財務健全性の監視。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり8で、前期から50.0%いまの株価に対する利回りは3.86%。

年間配当
¥8
1株あたり
配当利回り
3.86%
いまの株価に対して
配当性向
98.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1017.5
2018年3月1110.022.1
2019年3月129.123.9
2020年3月1416.759.9
2021年3月140.0120.0
2022年3月140.087.7
2023年3月140.037.7
2024年3月157.198.7
2025年3月166.7
2026年3月8−50.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥8

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ5,937人。区分でいちばん多いのは個人・その他65.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が33.5%を占め、残る66.5%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他56.355.553.260.063.965.1
事業法人29.629.731.632.032.132.1
自己株式8.78.78.78.78.78.7
金融機関10.68.79.74.91.71.5
外国法人2.35.54.71.31.30.8
証券会社1.20.70.81.80.90.5
外国人個人0.00.00.00.10.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社秦野18.23
02株式会社髙橋8.09
03辻本 桂吾4.14
04株式会社坂本3.27
05秦野 和浩3.00
06髙橋 明宏3.00
07高木 幸一2.91
08河合 順2.43
09宮崎 正哉2.43
10公益財団法人マルホ・高木皮膚科学振興財団1.94

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-04-07
    坂本 勲勇
    新規の大量保有報告
    0.87%
    -1.04pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−645%、1株純資産は14期で+153%。直近期のROEは-59.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月277046.327.430.3
2014年3月208126.123.035.7
2015年3月199022.325.828.9
2016年3月5813252.434.516.9
2017年3月6418040.723.117.5
2018年3月5722927.935.022.1
2019年3月2523210.954.323.9
2020年3月212369.138.259.9
2021年3月242539.832.9120.0
2022年3月3529012.926.187.7
2023年3月4433614.215.737.7
2024年3月153654.326.398.7
2025年3月−24321−7.0
2026年3月−147176−59.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

22名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は22名。2026/3期の役員報酬は総額120百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
秦野和浩代表取締役社長 執行役員CEO61742,000
安藤良光取締役67
西村智子取締役59
村上祐一取締役(常勤監査等委員)69
中島与志明取締役(常勤監査等委員)71
杦山栄理取締役(監査等委員)51
辻本桂吾621,024,000
河合順57600,000
松久廣成74
髙橋明宏執行役員CFO
山口志織執行役員CCO
得能正善執行役員CIO
残りの役員10名を開く
氏名役職年齢
宮崎正哉執行役員CAPO 兼APAC-CCO
長藤寿昭執行役員CTO
豊田悟執行役員
猪俣朋子執行役員
向井幸雄執行役員
福崎厚執行役員
田嶋史悠執行役員
白石達也執行役員
中路茂取締役60
陳昱超執行役員

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
社外取締役5626212
取締役(社内)1585858

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,551字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、株式会社リニカル(当社)及び海外に所在する連結子会社で構成され、医薬品の開発段階で行われる臨床試験(治験)に係る業務の一部を代行、支援する医薬品開発業務受託事業(CRO事業)を主たる事業とし、その他に、医薬品の発売(製造販売)後の臨床試験・臨床研究等を支援するサービス(育薬事業)、開発戦略の立案や薬事対応、承認申請などに関するコンサルティングサービス(創薬支援事業)を展開しております。これらの事業を通じて、新薬開発における創薬支援から、臨床開発、発売(製造販売)後のライフサイクルマネジメントまでワンストップのサービスをグローバルで提供しています。 各サービスの内容は次のとおりであります。なお、当社グループはCRO事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は行っておりません。 (1) CRO事業 治験とは、新薬候補物質についてヒトに対する有効性及び安全性を確認し、厚生労働省などの各国の規制当局から医薬品としての認可を受けることを目的として実施する臨床試験であり、医薬品開発に不可欠なプロセスです。医療機関において健常成人や患者を対象者として実施されます。治験依頼者(製薬会社等)は、医療機関において「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)及びGCP(注1)等の法令に則り倫理的・科学的に治験が行われているかどうかを確認(モニタリング)することが法令で義務付けられています。 治験の業務内容は、主要業務であるモニタリング業務及びそれに付随する品質管理業務のほか、治験薬が投与された症例の有効性・安全性データを入力する症例報告書(注2)のデータベース設計や入力データのクリーニングを行うデータマネジメント業務、治験薬の有効性・安全性を統計科学的に検証する統計解析業務、治験実施計画書(注3)や監督官庁に提出する届出や申請にかかる書類などの作成を行うメディカルライティング業務、及び治験の実施状況を調査して治験データの信頼性の保証を目的とする監査業務、副作用等の安全性情報を収集・評価・分析・報告するファーマコビジランス業務等、多岐に亘ります。治験依頼者は自社の人材等のリソースの状況を鑑みこれらの業務の一部または全部をCROに委託することができます。 中でもモニタリング業務は、治験の主要業務であり、モニタリング担当者であるCRA(注4)が、医療機関の治験実施可能性の調査、医療機関への治験の依頼、法令に基づく治験実施に関する契約(製薬会社等の治験依頼者、医療機関及びCROとの3者契約)の締結手続き、治験責任医師等に対する治験薬概要書(注5)及び治験実施計画書の説明、医療機関への治験薬の搬入、治験実施時の法令及び治験実施計画書の遵守状況の確認、治験の進捗管理・促進、治験データの確認及び症例報告書の回収、治験薬の回収などを行う業務をいいます。 当社グループは、臨床試験におけるモニタリング業務を中心に、それに付随する品質管理業務、データマネジメント、統計解析、メディカルライティング、ファーマコビジランスなどの業務を受託しています。 (注1)GCP(Good Clinical Practice)とは直訳では「適正な治験の実施」を指す包括概念ですが、本邦においては、これを定めた厚生労働省令である「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」及び「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」(1997年3月27日付)並びにこれらの運用通知をいいます。 (注2)症例報告書とは、治験実施計画書に規定されているすべての情報を記録するために、被験者ごとに作成される報告書(電子記録のものも含む)をいいます。 (注3)治験実施計画書とは、プロトコルともいい、治験を実施するにあたって、治験を実施する医療機関、治験を依頼する製薬会社その他、その治験にかかわる関係者が遵守しなければならない事項を網羅的に記載した計画書を指し、治験依頼者(製薬会社)により作成されます。 (注4)CRA(Clinical Research Associate)とは、臨床開発モニターと訳されます。医薬品開発段階での治験が、薬機法、その他の関連法令及び治験実施計画書を遵守して行われているかどうかを監視(モニタリング)する担当者のことをいいます。 (注5)治験薬概要書とは、治験実施期間中の被験者の管理に必要な知識を提供するために作成される書類で、その内容は治験薬に関する非臨床試験及び治験の結果を編集したものとなっております。 (2) 育薬事業 CRO事業が医薬品の開発業務を受託するのに対して、育薬事業では医薬品の発売(製造販売)後の支援業務を受託しております。医薬品は発売後も安全性・有効性に関するデータが収集され、適正使用情報・エビデンスとして医療現場に提供されることで、その利用が浸透していきます。2018年4月1日には、臨床研究の信頼の確保を図り実施を推進することで保健衛生の向上に寄与することを目的として、その手続き等を定めた臨床研究法が施行され、法規制に沿った適切な対応が求められることになりました。 当社グループの育薬事業は、CRO事業で得たノウハウを活かし、より専門性の求められる企業・医師主導臨床研究の組織体制構築業務、発売後の企画業務、モニタリング業務、監査業務を受託することで、同業他社との差別化を図っております。 (3) 創薬支援事業 近年は国内外のバイオベンチャー企業が起点となり開発品目の多くを創出する状況が進んでおり、こうした企業の創薬を支援する創薬支援事業を行っています。当社グループでは、国内大手製薬会社でライセンス、事業開発、臨床開発、開発薬事、マーケティングといった業務に携わり、開発品の目利きから、導入・導出交渉、臨床開発などで数々の実績と豊富な経験をしている者が中心となり、主に、開発品の市場分析・調査、開発・薬事戦略立案、薬事対応、パートナリング・ライセンス支援等のコンサルティングサービスを提供しております。 当社グループの事業系統図は次のとおりであります。 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題6,245字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2026年6月22日)において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社グループは経営理念として「医薬品開発のあらゆる場面で常にプロフェッショナルとしての質を提供し、ステークホルダーである製薬会社、医療機関、患者ならびに株主、従業員の幸せを追求する。」を掲げています。これを実現するため、アンメット・メディカル・ニーズが高く、開発難易度の高いがん、中枢神経系、免疫疾患などの特定疾患領域に注力し、大手製薬会社と対等の立場で医薬品開発を実行・支援できる知識・技術・経験を有する、日本発のグローバルCROを目指しています。 (2)経営環境及び中期経営ビジョン 世界の医薬品市場は欧米を中心に拡大が続いており、これに伴いグローバルのCRO市場も拡大が見込まれています。当社グループの主要顧客である国内外の製薬会社は、新薬開発における投資効率を最大化するために、実質的な特許期間、すなわち後発品出現までの期間を最大化するため、国際共同治験を活用し、主要市場国における早期・同時発売を図っています。また、その生命線である新薬の創出のため、自社の研究所以外に大学等との共同研究による創薬研究や、グローバルでの企業統合または買収等により、開発候補品の充実を目指しています。この背景として、これまで主流であった低分子医薬品から抗体医薬、核酸医薬、遺伝子治療、細胞治療へと治療手段であるモダリティが多様化しており、新興バイオ医薬品企業が創薬主体として台頭しています。さらに、新薬のみならずデバイスやアプリなどによる新たな治療方法の開発を行うベンチャー企業も増加しています。 このような環境を踏まえ、当社グループでは、日本を含むアジア、米国及び欧州で国際共同治験を実施できる体制を整え、海外拠点を拡充することで国内同業他社との差別化を図り、CRO事業の拡大に努めています。また、医薬品が承認された後、製造販売後の臨床研究・調査の受託やマーケティング活動を支援する育薬事業と、創薬段階から薬事・開発戦略策定などのコンサルティング支援を行う創薬支援事業を立ち上げ、創薬段階から臨床開発、製造販売後まで一気通貫で医薬品のライフサイクルマネジメントを支援できる体制を整えています。医師・アカデミアが主導する臨床研究や、これから日本や海外に進出しようとする新興バイオテック企業に対しきめ細かいサービスを提供することで、すでに大口顧客を抱えリソースに制限のある大手グローバルCROとの差別化を図っています。今後さらなる成長を目指し、2022年に設定した中期経営ビジョンにおいて「日本発のグローバルCROとして、クライアントの戦略的パートナーに」なることを掲げ、以下の重点戦略領域に取り組んでいます。 ① Business Focus ・臨床試験に関わる様々なサービスをグローバル・ワンストップで提供 ・臨床試験計画段階と臨床試験のすべてのフェーズを対象とする ・がん・中枢神経系など開発難易度の高い疾患領域や新たな創薬モダリティを活用した新薬・治療法にも対応し高品質・スピーディーなサービスを提供 ② Client Focus ・大手製薬企業から欧米の有望なバイオテックカンパニーまで幅広いクライアントと長期的かつ戦略的なパートナー関係を構築 ・医療機関との良好な関係をベースに、臨床データの品質にコミットするとともに、スピード感・柔軟性をもって提案型のサービスを提供し、クライアント満足を追求する ③ Global Coverage ・医薬品の主要マーケット(日本、米国、欧州)を中心に、迅速な臨床データ収集のために幅広い国と地域をカバー ・あらゆる疾患の臨床データを、季節や地域性を問わず迅速に収集するために、南半球を含め戦略的にサービス提供エリアを拡大し、グローバルでのプレゼンスを高めていく (3)経営指標 当社グループは、中長期的な事業成長と安定的な利益還元のバランスを図り、持続的に企業価値を向上させることを目指し、1株当たり当期純利益(注)を経営指標にしております。 (注)1株当たり当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を発行済株式数(期中平均)で除した数値であり、株主価値を形成する重要な指標です。株式の評価指標の一つであるPER(株価収益率)の計算根拠の一つでもあり、PERが一定水準に収束すると、1株当たり当期純利益の向上は株価水準の向上に結び付き、結果として株主価値の向上に寄与するものとなります。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、海外拠点網の拡充とグループ間の連携強化を推進するとともに、グローバル化を支えるコーポレートガバナンスの強化に取り組んできました。現在、製薬業界は、新興バイオ医薬品企業の台頭による創薬主体の変化、開発候補品を巡る国際的な獲得競争の激化、日本国内における薬価等医療費抑制政策とドラッグロスの進展など、様々な変化に直面しており、CROをめぐる事業環境もまた、急速に変化しています。こうした変化の激しい環境の中、当社グループは、将来にわたる安定的な収益基盤確立のため、米国を中心とした更なる海外事業の拡大、必要な人材の確保・育成とテクノロジーへの投資など、以下の重点施策に取り組みます。 ① グローバル営業戦略の強化 当社グループは、日系製薬会社からの受注に加え、各拠点が連携してグローバルでの情報収集・営業活動を強化することで欧米・アジアの海外企業からの受託が増加しています。特に、有望な開発パイプラインを有する欧米の新興バイオ医薬品企業にフォーカスし、そのニーズにマッチしたきめ細やかな提案を行うことにより、大手グローバルCROとの差別化を図り、顧客基盤を拡大してきました。今後、こうした多様な顧客層から安定的なリピート受注を獲得するため、グローバル営業人材の採用・育成を強化するとともに、拠点間の営業活動における連携体制をより一層強化してまいります。 ② グループ経営の効率化 新薬開発のグローバル化と顧客層の多様化に伴い、臨床開発における各種業務をワンストップで委託するニーズが高まっています。新興バイオ医薬品企業や中小規模の製薬会社は、グローバルでの医薬品開発・販売に必要な機能を自社で保有していないことも多く、CROは高度な専門性とコンサルティング能力が求められる状況にあります。 当社グループでは、日本や欧米、アジア市場への進出を検討している国内外の新興バイオ医薬品企業、製薬会社に対し、創薬支援業務として医薬品市場分析と開発戦略立案、規制当局に対する届出・相談、治験実施計画書や申請関連書類の作成、規制当局への承認申請、共同開発や導出などのパートナリング支援等を行い、臨床開発に進む際には強みとするモニタリング業務とともにメディカルライティング業務、データマネジメント・統計解析業務、並びに安全性情報管理業務をワンストップで提供しております。また、医薬品の製造販売承認後において、競合品との差別化や医薬品の適正使用に資する医療データを収集する臨床研究等の企画から論文作成に至るまで、新薬臨床開発の上流・下流工程においてもサービス提供範囲を拡大しております。 こうしたサービス拡大を進めながらも収益性を向上させるため、各機能組織をグループ全体で最適化するとともに、機能間の連携強化を進めています。加えて、協業関係の強化による外部リソースの有効活用を図り、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応してまいります。 ③ 海外事業のさらなる成長 当社グループは、世界最大の医薬品市場である米国とそれに次ぐ欧州において、新興バイオ医薬品企業との信頼関係を構築し順調に事業を拡大しており、継続して欧米子会社の営業機能を強化してまいります。また、当社が拠点を有する中国、韓国、台湾などの製薬・新興バイオ医薬品企業も、自国内での開発に加え、欧米、日本への進出を検討しており、アジアでの営業機能についても人材の強化を図っております。欧米と日本・アジアが連携した営業活動を展開することで、グループ全体で受注獲得能力の拡充を図ってまいります。 また、2024年に設立したオーストラリア子会社に端を発し、特に欧米の顧客ニーズに対応するため、南米、東南アジア等の現在当社グループの拠点がない地域においても現地CROとの協業もしくは当社拠点の設立を検討・推進しております。これにより、顧客企業にとって最適な開発戦略を提案・実行できるグローバルCROとしてのケイパビリティを一層強化します。 ④ テクノロジーの進化に起因する新薬開発の変化への対応 近年、人工知能(AI)や分散型臨床試験(DCT)など、デジタル技術の活用が加速し、臨床開発の効率化に対するニーズが高まっています。こうした状況下において、当社グループでは、このニーズに適切に対応するため、様々なソリューションを持つベンダーとの協業体制を確立し、必要なシステムの導入検討・推進を積極的に図るとともに、テクノロジーと臨床開発の双方に精通し、その知見を統合的に活用できる人材の採用・育成を強化してまいります。また、当社グループに不足する機能についてはグローバルな視点での戦略的パートナリングを推進し、必要に応じて内製化をも視野に入れることで、多様化する治験効率化ニーズに対応してまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 海外拠点拡充などの中期的成長戦略を迅速・柔軟に実現するためには、当座比率、自己資本比率を高め、調達コストを意識した機動的な資金調達を可能にする必要があります。 当社グループは、前出の戦略による増収と、高稼働率の維持、コスト管理の徹底により、1株当たり当期純利益の持続的な成長を目指すとともに、株主還元と成長資金の確保の両立に努めてまいります。 (5)次期の見通し ① 概要 当社グループにおきましては、欧米地域で米国の政府機関閉鎖の影響等で開始が遅れていた複数案件のうち一部で再稼働が始まっており、また、その残りの案件や直近の受注案件についても今後順次稼働を見込んでおります。また、米国を中心に交渉中の複数の大型案件があり、これらを受注し順調に進捗すれば下半期には売上・利益とも大幅に改善する見通しです。一方で、上半期は複数の新規案件の始動時期にあたり、受注残高や売上への寄与は限定的であるため、これらに続く本格稼働時期の契約が締結され受注残高や売上に本格的に寄与するまでの間は、引き続き厳しい業績が予想されます。特に、第1四半期においては直前四半期と同程度の営業損失が発生することを見込んでおります。なお、稼働率改善の見通しが立たない地域の人員整理を進めるなど損益分岐点の引き下げを図ってまいりましたが、引き続き人員稼働率向上のための施策の遂行と経費の厳密な管理により業績改善に努めます。以上の状況に基づき、次期の連結業績見通しにつきましては、売上高10,680百万円 (当期比23.2%増)、営業利益256百万円(当期は2,073百万円の営業損失)、経常利益250百万円(当期は2,023百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益180百万円(当期は3,329百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)を見込んでおります。 ② 受注残高の推移 当社グループのCRO事業において受託する治験業務や新薬発売後の臨床研究では、1年から3年程度の治験実施期間において、症例数や対象疾患に起因する治験の難易度などにより受託総額が決定します。この実施期間についてクライアントと委受託契約を締結し、契約に従い売上が発生します。 受注残高は、既に契約を締結済みの受託業務の受注金額の残高であります。これは、今後1年から5年程度の期間で発生する売上高を示しており、当社グループの今後の業績予想の根拠となる指標であります。 各地域の受注状況につきましては、以下のとおりです。 日本においては、複数の新規案件の獲得や契約変更があったものの、ドラッグ・ロス等による厳しい事業環境が続いており、2025年3月期末から受注残高は減少いたしました。日系製薬会社から、当社日本拠点がプロジェクト管理する豪州・アジア試験を受注するなど、豪州拠点設立による効果が発現し始めており、引き続き積極的な営業を進めてまいります。 米国においては、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験を受注し、その一部の契約締結が完了したものの、米国の政府機関の閉鎖等による影響で、本格稼働に向けた契約締結が未だ完了していないこと等もあり、2025年3月期末から受注残高が減少いたしました。なお、上述のとおり、受注案件のうち契約締結前の複数案件は上記の受注残高には含まれておらず、今後契約が完了した時点で受注残高に追加される予定です。また、バイオテックを中心にグローバル案件を含む多数の案件の打診を受けており、受注残高を積み上げるべく営業活動に注力しております。 欧州においては、既存案件の期間延長や工数追加の契約変更、主に欧州で実施される新規案件の獲得等があったものの、上述の米国が受注した大型国際共同治験のうち試験開始の遅延により本格稼働に向けた契約締結が完了していないことや、直近で受託が内定し契約直前の案件が集計時点で契約締結とならなかったこと等により、2025年3月期末から受注残高が減少いたしました。米国事業を中心にグローバル・シナジーをさらに強化することで、欧州を含む新規案件の受注獲得を拡大してまいります。 アジア地域においては、台湾子会社が台湾国内及び米国で実施するグローバル試験を含む複数の新規案件を受託し、2025年3月期末から大きく受注残高が増加しました。台湾のバイオテックは当初から米国市場に高い関心があり、米国拠点をもつ当社の強みを活かし更なる新規案件の開拓を進めております。韓国では韓国国内での新規の受注獲得があったことや、グループ会社を経由したデータマネジメント・統計解析業務等を含む複数の新規案件の契約を締結した結果、2025年3月期末から受注残高が増加いたしました。日本・アジアと欧米の営業チームが連携し、欧米バイオテックを日本・アジアに誘致するとともに、世界最大の米国市場を目指し豪州経由で、もしくは当初から北米で治験を開始する日本・アジアのバイオテックの開発ニーズにも対応することで受注獲得を目指します。 以上の受注環境のもと、2026年3月期末時点の受注残高は2025年3月期末と比較して0.5%減の116億円となりました。 表.受注残高の推移 (単位:百万円) 2025年 3月期末 (A)   2026年 3月期末 (B)   増減率 (%) (B-A)/A 受注残高   11,737   11,673   △0.5 地域別   日本   4,350   3,942   △9.4 米国   2,756   2,748   △0.3 欧州   3,192   3,022   △5.3 アジア   1,437   1,959   36.4
事業等のリスク3,571字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 (1)リスクマネジメント体制 当社グループは、企業活動に影響を及ぼす恐れのあるリスクを想定し、問題発生の未然防止に努めると同時にこれに適切に対処するため、リスクマネジメント委員会を設置しています。これにより、災害、不正、情報漏洩などの事業遂行リスク及び持続的な事業成長を阻害するような環境変化や機会損失などの事業機会リスクの抽出・評価の妥当性と回避策・対応策の実効性に対する評価・モニタリングを行っています。また、これらのリスク管理状況は取締役会に定期的に報告しております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2026年6月22日)において当社グループが判断したものです。 (2)重要リスク 上記体制に基づき、各リスクを発生の頻度とダメージ(損害金額、経営への影響度等)の大きさによりそれぞれ5段階で評価し、当社事業に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクを重要リスクとして、その対応策の強化・モニタリングに注力しています。中でも特に重大な影響があると判断したリスクは以下のとおりです。 ① 特定の顧客への売上割合の高さに関するリスク 当社グループは、医薬品等の開発を行う企業から業務を受託しサービスを提供しています。特定の顧客への売上が全体に占める割合が高くなりすぎた場合には、その顧客が当社グループに委託中のプロジェクトを中断・キャンセルしたとき、CRAの稼働率が低下すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、グローバルビジネスの拡大及び創薬支援事業など顧客のニーズの変化に応じた業務の拡大により、製薬会社・新興バイオ医薬品企業のみならず医療機器・ソフトウエア(SaMD)開発企業の需要の取り込みを図るなど新規顧客を開拓し、顧客基盤の拡大に努めています。 ② CRO業界内の競争激化に関するリスク 欧米グローバルCROによる日本・アジア事業拡大や新興バイオ医薬品企業案件の積極的な獲得、ローカルCRO他社が行う低価格戦略に伴う価格競争の激化等により、受託件数の減少や受託契約価格の下落が起こった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、当社グループでは、国内外の製薬会社や新興バイオ医薬品企業による新規性の高い開発品や難易度の高い疾患領域へ注力し、優秀な人材の確保・育成、医療機関との信頼関係構築、開発ノウハウの蓄積等を通じて、提案力を強化し、迅速かつ高品質にグローバルワンストップで受託業務を遂行することにより、同業他社との差別化を図っています。 ③ 医薬品開発の主要市場国シフトに関するリスク 医薬品開発の国際競争は年々激しくなっており、主要市場国で迅速に承認を取得し収益を最大化するために、グローバル開発は基本的な戦略となっております。主要市場の変化により、日本や欧米で行われる治験の規模・数が急速に減少するような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、当社グループでは日本、米国、欧州、豪州、アジアに自社拠点を展開しています。また、自社拠点を有しない国・地域においては、短期的には他社CROと協業体制を構築するとともに、顧客のニーズ等に応じて自社拠点設立による内製化を検討することにより、グローバル受託体制の拡充による国際共同治験の受注能力の向上や、各拠点の提案営業力・連携の強化を通じた海外売上比率の拡大を進めています。 ④ 治験の委託件数減少・規模縮小のリスク 当社グループの主要顧客である製薬会社・新興バイオ医薬品企業等の開発戦略の変更(重点領域・開発品目の見直し、他社との共同開発・ライセンス契約締結促進、及びこれらに伴う内製化や外注方針の見直しなど)により、当社グループへの委託件数が減少する可能性があります。また、新薬開発の難易度上昇や競争激化に伴い、開発プロセスの効率化による迅速化やコスト抑制ニーズが高まっており、リアルワールドデータの利活用やAI・DXの進展等による開発効率化が想定以上の速さで進展する場合には、当社グループへ委託する治験の規模が縮小し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、当社グループでは、国内外の製薬会社・新興バイオ医薬品企業などの新規顧客開拓による顧客基盤の拡大に加え、労働生産性を向上させるための手順の見直しやAI・DXを活用した開発業務効率化を進めております。また、分散型臨床試験(DCT)などに必要ではあるものの自社で保有しない機能については、グローバルでパートナリングを拡大しています。今後、ニーズ・市場動向に応じて内製化を検討することにより、多様化する治験効率化ニーズにも対応してまいります。 ⑤ 人材不足に関するリスク 当社グループは、顧客から臨床試験にかかる業務を受託し、人的サービスを提供するという労働集約型のビジネスを主体としています。このため、試験規模に応じた人員数が確保できない、または疾患領域や業務内容に対応できる専門性を持つ人材をタイムリーに獲得できない場合、業務を受託できない可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、人員の定着率を高めるエンゲージメント活動を継続し、日米欧でのリソース管理手法の見直しなどにより稼働率の把握と人材配置の精度を高めるとともに、AI・DXの利活用を促進しています。 ⑥ 関連法規制の不遵守によるリスク 当社グループが受託する業務の実施等において、関連する諸法令に対して重大な違反の事実があった場合に、その委託者である製薬会社等に損害を与え、当社グループが損害賠償の責めを負うとき、または、委託者以外の製薬会社等からも信用を失ったときには、訴訟の提起や受託件数の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、リスクに基づく品質管理プロセスを確立し、定期的に業務手順を見直すことで、業務品質の確保に努めています。また、従業員に対しても業務品質に対する意識向上を目的に継続的な事例研修を行っています。 ⑦ 情報セキュリティに関わるリスク 医薬品の開発業務において情報のデジタル化が進展する中、当社グループにおいてもこれまでITセキュリティの強化を随時実施しておりますが、その想定を超えたサイバー攻撃などにより、当社グループのITを利用したサービスの障害や情報漏洩が起こった場合に、当社の事業運営並びに、顧客や治験実施施設の業務に重大な影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応として、当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」を定め、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)推進体制をグループ全社で構築し運用しています。具体的には、ISMSにおいて定期的に情報セキュリティリスクの特定と分析を行うとともに、顧客等ステークホルダーからの要求や法令等の規制を考慮して情報セキュリティに関する手順と組織的、人的、物理的、技術的セキュリティ対策を整備し運用することでリスク低減を図っています。また、災害やインシデント発生時に迅速に復旧や報告・対応ができる手順を整備しています。こうした手順の周知とサイバー攻撃を含む情報セキュリティリスクに関する従業員一人一人の対応レベルを高めるため、定期的に全社員を対象とした様々な研修を実施しています。 なお、グループ全社を適用範囲としたISMSについて、独立した第三者機関であるNSF-ISRを通じて国際的な認証制度であるISO/IEC27001認証を2024年3月期に取得し維持しています。 今後も継続的にISMSの運用とその有効性評価により情報セキュリティの維持・強化に取り組んでまいります。 ⑧ 個人情報の不適切な取扱いに関するリスク 当社グループにおいて、個人情報の流出や漏洩、不正利用などが発生した場合であって、当社グループが委託者である製薬会社等から損害賠償の責めを負うとき、または、その情報の流出により委託者以外の製薬会社等からも信用を失ったときには、訴訟の提起または受託件数の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 こうしたリスクへの対応策として、ISO/IEC27001に適合した情報マネジメントシステム(ISMS)の運用に加えて個人情報保護法ほか各国関連法令に基づき個人情報保護に関する手順を整備し、グループ会社を含む全社員を対象とする個人情報保護に関する研修を定期的に実施し、発生リスクの低減に努めています。
経営成績の分析 (MD&A)5,822字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 1.経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 (1) 財政状態 当連結会計年度末における財政状態は、資産合計については、前連結会計年度末と比べ4,775百万円減少し、11,999百万円(28.5%減)となりました。負債合計については、前連結会計年度末と比べ1,498百万円減少し、8,023百万円(15.7%減)となりました。純資産合計については、前連結会計年度末と比べ3,277百万円減少し、3,976百万円(45.2%減)となりました。 (2) 経営成績 当連結会計年度の経営成績につきましては、複数の大型新規案件の獲得があったものの、これらの開始遅延等により、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができなかった米国、欧州が前期比で大幅な減収となったこと等により、連結の売上高は8,665百万円(前期比17.0%減)となりました。利益面では、台湾、中国が営業黒字を確保するとともに、韓国は減収となったものの原価発生を抑えたことにより営業損失が縮小し、日本も増収により営業損失が縮小しましたが、米国、欧州での減収に伴う営業損失が大きく発生したことから、営業損失は2,073百万円(前期は583百万円の営業損失)、経常損失は2,023百万円(前期は498百万円の経常損失)となりました。また、当連結会計年度末において減損損失として欧州事業に係るのれんの減損や日本事業に係る固定資産の減損を認識したことに加え、繰延税金資産の取り崩しを行ったことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は3,329百万円(前期は539百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 なお、当社グループはセグメント区分を変更し、CRO事業の単一セグメントとなったため、セグメント別の記載をしておりません。 地域別の状況は下記のとおりであります。 日本においては、複数の大型既存案件の中止や期間短縮の契約変更が発生した影響により前期は大幅な減収となりましたが、現況は国内外の製薬会社から日本での案件を複数受託し、前期比で増収となり、利益面でも営業損失が縮小しました。日本ではドラッグ・ロスが深刻な社会課題となっており厳しい市場環境が続いていますが、欧米及びアジア事業と連携し国内外の営業活動を継続することで受注を獲得しております。引き続き人員稼働率向上のための施策の遂行と経費の厳密な管理により業績改善に努めます。 米国においては、米国、欧州、豪州を含む複数の大型国際共同治験の受注内諾を得て契約締結手続きを進めており、契約が完了した一部は受注残高に計上され売上高に寄与しておりますが、米国での政府機関閉鎖等の影響で治験の開始時期が遅れたこと等により、大型案件終了に伴う売上減少を補うことができず、前期比で大幅な減収、営業赤字となりました。開始が遅延した複数案件については本格稼働に向けて進捗しており、引き続き、有望な米国市場において既存顧客との取引拡大と有望なバイオテックからの新規案件獲得に注力し、持続的な成長を図ってまいります。 欧州においては、前期比で減収となり、また、他拠点への外注費の増加もあり営業損失が拡大しました。引き続き米国等他拠点と連携し欧州内の案件獲得に向けて営業活動に注力し、稼働率を高め収益改善に努めます。 韓国においては、複数の既存案件で顧客都合による中断が発生したことで、前期比で減収となりましたが、原価発生を抑制したことから営業損失は縮小しました。引き続き日本・アジア地域等他拠点と連携し、国内外企業からの受注獲得に向け営業活動を進めてまいります。 中国においては、前期比で増収となり、営業黒字となりました。足元では現地での営業体制強化の効果もあり、現地製薬会社・バイオテックからの引き合いも増加しております。日系企業への中国での治験ニーズの開拓に加え、現地企業の日本を含むグローバル開発ニーズを深耕すべく引き続き営業活動を継続してまいります。 台湾においては、新規案件の獲得等により前期比で増収となり、利益面でも営業黒字となりました。国内外で開発を進める台湾バイオテック等から複数の新規案件の打診を受けており、引き続き積極的な営業活動を継続しております。 (3) キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,835百万円減少し、5,204百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、1,611百万円(前連結会計年度は595百万円の獲得)となりました。これは、主に減損損失989百万円、のれん償却額370百万円、売上債権及び契約資産の減少額1,175百万円があったものの、税金等調整前当期純損失3,013百万円の計上、前受金の減少額694百万円、預り金の減少額779百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、87百万円(前連結会計年度は45百万円の使用)となりました。これは、主に投資事業組合からの分配による収入89百万円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、513百万円(前連結会計年度は939百万円の使用)となりました。これは、主に短期借入金の純増額350百万円があったものの、長期借入金の返済による支出400百万円及び配当金の支払額360百万円があったことによるものであります。 (4) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当社グループの業務には生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。 ② 受注実績 当社グループはCRO事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) CRO事業   9,159,219   △12.1   11,673,332   △0.5 ③ 販売実績 当社グループはCRO事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前年同期比(%) CRO事業(千円)   8,665,822   △17.0 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) PFIZER, INC.   2,154,466   20.6   1,259,365   14.5 Philip Morris International Inc.(注)   -   -   1,180,271   13.6 (注)前連結会計年度は販売実績が10%未満のため、記載を省略しております。 2.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2026年6月22日)において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、引当金の計上等見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果はこれら見積りと異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 当連結会計年度の財政状態の分析 ① 資産の部 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,775百万円減少し、11,999百万円(28.5%減)となりました。これは、主に現金及び預金、売掛金及び契約資産、のれんの減少によるものであります。 ② 負債の部 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ1,498百万円減少し、8,023百万円(15.7%減)となりました。これは、主に短期借入金が増加する一方、前受金、預り金、長期借入金が減少したことによるものであります。 ③ 純資産の部 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,277百万円減少し、3,976百万円(45.2%減)となりました。これは、主に利益剰余金の減少によるものであります。 (3) 当連結会計年度の経営成績の分析 ① 売上高 当社グループの当連結会計年度の売上高は、「1.経営成績等の状況の概要 (2)経営成績」に記載の要因により、前連結会計年度に比べ1,771百万円減少し、8,665百万円(前期比17.0%減)となりました。 ② 売上原価 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ519百万円減少し、7,541百万円(前期比6.4%減)となりました。 ③ 販売費及び一般管理費 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ237百万円増加し、3,197百万円(前期比8.0%増)となりました。 ④ 営業損益 当連結会計年度の営業損失は、「1.経営成績等の状況の概要 (2)経営成績」に記載の要因により、2,073百万円(前期は583百万円の営業損失)となりました。 ⑤ 経常損益 当連結会計年度の経常損失は、「1.経営成績等の状況の概要 (2)経営成績」に記載の要因により、2,023百万円(前期は498百万円の経常損失)となりました。 ⑥ 税金等調整前当期純損益 当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、「1.経営成績等の状況の概要 (2)経営成績」に記載の要因により、3,013百万円(前期は512百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。 ⑦ 親会社株主に帰属する当期純損益 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、「1.経営成績等の状況の概要 (2)経営成績」に記載の要因により、3,329百万円(前期は539百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フロー 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については「1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ② 財務政策及び資金の流動性についての分析 当社グループは、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元のバランスの最適化を図ることを重要施策と位置づけ、株主の皆様からお預かりした資本に対して如何に報いるかという視点に立ち、業績を勘案した配当施策を行い、安定的に利益還元に努めてまいります。 内部留保金につきましては、将来の事業発展に必要不可欠な成長投資として活用し、中長期的な成長による企業価値向上を通じて株主の皆様の期待にお応えしてまいります。 当社グループの資金需要のうち主なものは、従業員給付費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、将来の事業発展に必要不可欠な成長投資としてのM&Aによる企業買収等のための資金であります。 当社は、事業活動のために適正な流動性の維持及び効率的な資金の確保を基本方針としており、主に営業活動から得た資金を財源とし、必要に応じて短期または長期の借入による資金調達を実施することとしております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,331百万円、現金及び現金同等物の残高は5,204百万円となっております。また、当社の資金の流動性については、十分な余剰資金に加え、国内金融機関との間で合計2,500百万円の当座借越枠を設定し、当社グループの資金の流動性を補完しております。 (5) 経営成績等に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元のバランスの最適化を図ることを重要施策と位置付け、安定的な利益還元の源泉となる1株当たり当期純利益を目標とする経営指標にしております。 当連結会計年度の1株当たり当期純損失は147.41円となりました。これは、「1.経営成績等の状況の概要 (2)経営成績」に記載の要因により、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことによるものであります。 1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失の2026年3月期までの実績値及び2027年3月期の計画値は、次のとおりであります。 経営指標   2023年 3月期実績   2024年 3月期実績   2025年 3月期実績   2026年 3月期実績   2027年 3月期計画 1株当たり当期純利益又は 1株当たり当期純損失(△)(円)   44.47   14.98   △23.87   △147.41   7.97

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開示資料

出典

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