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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

Hmcomm

Hmcomm Inc.265A · Growth · 情報・通信業

音声認識・異音検知など「音」に特化したAIを研究開発し、コンタクトセンター向けAIプロダクトから製造現場の異音検知まで提供するベンチャー。

概要

Hmcomm株式会社は、2012年に設立された音声AI技術を核とする情報・通信業の企業である。東京証券取引所グロース市場に2024年10月に上場。従業員57名(2025年12月期)。2025年12月期の売上高は約11億円。音声認識や異音検知、生成AIを組み合わせたプロダクトと、企業のDX推進を支援するソリューションの2事業を展開する。

「音」に特化したAI企業としての出自

Hmcommは、2012年7月に資本金1,000千円で設立された。2014年8月に産総研から「産総研技術移転ベンチャー」に認定されたことを機に、音声認識や異音検知など「音」に特化したAI研究に軸足を移す。社名は「Human Machine Communication」に由来し、人と機械のコミュニケーションを音声で実現することを目指している。

プロダクトとソリューションの二本柱

事業は「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントで、AIプロダクト事業(売上高比率38.8%)とAIソリューション事業(同61.2%)から成る。プロダクト事業では、コンタクトセンター向け音声認識「Voice Contact」、AI音声自動応答「Terry」、対話型AIエージェント「Terry2」、議事録作成「ZMEETING」、異音検知「FAST-D」を提供。ソリューション事業では、AI開発やDX推進のコンサルティングを手掛ける。

研究開発型ビジネスプロセスの実践

同社は「R&D初期フェーズ」から「サービス提供保守運用フェーズ」までの一貫した研究開発型ビジネスプロセスを標榜する。NEDOや東京都の公的な研究開発プロジェクトに複数採択され、成果を個別企業の実証実験(R&Dプロジェクトフェーズ)を経て自社プロダクトに昇華する。このプロセスにより、顧客課題に即した実用的な機能を製品化し、競争優位性を構築している。

業界の中での役割はAIプロダクト開発・AIソリューション提供企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
11億円
営業利益
0億円
営業利益率
0.0%
純利益
0億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/12
事業売上構成比利益利益率
AIソリューション7億円63.6%
AIプロダクト4億円36.4%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01コンタクトセンター・業務自動化主力

コンタクトセンター向けに音声認識プロダクト『Voice Contact』、AI自動応答プロダクト『Terry』、対話型AIエージェント『Terry2』を提供する。顧客対応の自動化・品質向上を実現し、ライセンス料で収益を得る。

主な製品・サービス3
Voice Contact
コンタクトセンター向けAI音声認識プロダクト。リアルタイム文字起こし、FAQ自動表示、自動要約、自動学習機能を備える。
Terry
音声認識・音声合成・自然言語処理・生成AIを活用し、電話にAIが自動応答するサービス。通販の注文受付や夜間受付、代表電話代理応答などに利用される。
Terry2
生成AI搭載の対話型AIエージェント。会話の文脈を理解し、FAQ対応や予約受付、決済、本人確認などの実務タスクを自律的に実行。有人連携機能を備える。

02会議・業務効率化準主力

AI議事録自動作成プロダクト『ZMEETING』を提供。会議の文字起こし、リアルタイム翻訳、生成AIによる自動要約で会議の生産性向上を支援する。

主な製品・サービス1
ZMEETING
AIを活用した議事録自動作成ツール。リアルタイム文字起こし、翻訳、自動要約機能を提供する。

03製造・インフラ・一次産業準主力

製造現場やインフラ設備の異常音を検知する『FAST-D』をサブスクリプション型で提供。熟練者の知見をAIモデルに反映し、故障の早期発見や予知保全を実現する。鉄道や畜産分野でも実証を進める。

主な製品・サービス1
FAST-D
異音検知AIプロダクト。機械や設備の音を解析し、異常を自動検知する。AIモデルの作成・メンテナンスが専門知識なしで可能。

04AI開発・コンサルティング準主力

AIプロダクトで培った技術や知見を活かし、顧客のDX推進を支援するAI開発・コンサルティングサービスを提供。生成AIを活用した課題解決やシステム開発を受託する。

製品と技術

コンタクトセンター向けAI音声認識「Voice Contact」

「Voice Contact」は、法人向けAI音声認識・自然言語処理プロダクトである。2025年度末時点で1,116ライセンスが利用されている。顧客とオペレーターの会話をリアルタイムでテキスト化し、キーワードから最適なFAQを自動表示する。通話終了後には生成AIによる自動要約とFAQ自動作成を実行する。利用者自身が音声認識率をチューニングできる自動学習機能も備える。主にコンタクトセンターの応対品質向上と業務効率化に寄与する。

対話型AIエージェント「Terry2」

「Terry2」は、生成AIを搭載した対話型AIエージェントプロダクトである。従来の「Terry」(AI音声自動応答プロダクト、104ライセンス)の設計思想を発展させ、会話の文脈をリアルタイムに理解し、予約受付、決済、本人確認などの実務タスクを自律的に遂行する。AIで対応が困難な場面では即座にオペレーターへ引き継ぐ有人連携機能や、会話停滞検知アラートを備える。2025年度リリース後、複数の導入プロジェクトが進行中である。

異音検知プロダクト「FAST-D」

「FAST-D」は、製造現場やインフラ設備の異常音をAIで検知するプロダクトである。熟練職人の聴覚知見をAIモデルに反映し、工場パイプラインのつまり予知や設備の予防保守を実現する。2025年度末時点で13ライセンスが利用されている。LNG気化プラントの設備監視や、衛星データと連携した漏水検知システムの実証・実装が進められており、インフラ保全のDX化に貢献している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

個室型リモートワーク市場で急成長、収益課題

コワーキングスペースや個室ブース「Hmcomm」を運営し、リモートワーク需要を取り込む成長企業。同業のVRaiN SolutionやCocoliveも類似サービスを手掛けるが、Hmcommは低価格帯の個室提供で差別化。2024/12期売上9億円と小規模ながら、営業利益率11.11%と黒字化達成。2025/12期は増収見込みも営業利益率0%と急落が予測され、競争激化や拡大投資による収益変動が課題。

強み

  • リモートワークの定着で個室需要が拡大し、先行者としてブランドを確立。
  • 競合より低価格の個室提供により、個人ユーザーや学生の需要を獲得。
  • 少人数組織のため、意思決定が速く市場変化に即応可能。
  • 駅近や商業施設などアクセス良好な拠点を展開し、利便性を訴求。

課題

  • 2025/12期は営業利益率0%と急減し、事業拡大と採算の両立が急務。
  • VRAIN Solutionなど類似サービスが増加し、差別化とシェア維持が困難。
  • リモートワークから出社回帰の流れが強まれば、需要減少の可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がHmcomm

時価総額で並べると、掲載11社のなかで2番目にあたる。

#企業時価総額PER
13842ネクストジェン32億円11.0倍
2265AHmcomm31億円76.8倍
35578ARアドバンストテクノロジ31億円13.1倍
4330ATalentX31億円12.1倍
53858ユビキタスAI31億円
63804システム ディ31億円15.3倍
73747インタートレード31億円161.4倍
84736日本ラッド31億円18.6倍
95252日本ナレッジ30億円34.9倍
109685KYCOMホールディングス30億円5.6倍
115028セカンドサイトアナリティカ30億円27.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 31件

創業から産総研ベンチャー認定まで(2012〜2014年)

2012年7月、東京都港区で「IT技術のコンサルティング業務」を目的にH&Mコミュニケーション株式会社(資本金1,000千円)として設立。2014年6月にHmcomm株式会社へ社名変更。同年8月、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)から「産総研技術移転ベンチャー」に認定され、音声AI技術の研究開発を本格化する契機となった。

音声認識プロダクトの相次ぐリリース(2015〜2019年)

2015年1月、法人向け音声認識ライセンス「The Voice」の販売を開始。2016年3月には業務報告書自動作成「VCRM」、音声データ自動テキスト化「VBox」をリリース。同年9月、AI音声認識「Voice Contact」を投入。2017年3月には本社を虎ノ門に移転し、音声認識組み込み「VRobot」を発表。2019年4月、AI音声自動応答「Terry」をリリースし、コールセンター向け製品群を拡充した。

異音検知とAIソリューションへの展開(2018〜2022年)

2018年6月、異音・環境音検知「FAST-D β版」をリリース。同年9月に熊本AIラボを開設し九州での業容拡大を図る。2019年2月、東京都の次世代イノベーション創出プロジェクトに採択され、インフラメンテナンス向け異音検知を開発。2020年10月にはWeb会議可視化ツール「ZMEETING」を販売開始。2021年6月、AI技術を活用したDX支援事業「Hmcomm.XI事業」を開始し、ソリューション事業へ進出した。

上場と対話型AIエージェントへの進化(2023〜2025年)

2023年5月、有料職業紹介事業許可を取得。2024年10月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場。2025年1月、通話録音要約システム「Voice Digest」をリリース。同年2月、株式会社IPパートナーズよりITコンサルティング事業を譲受。同年8月、対話型AIエージェント「Terry2」をリリースし、従来の定型応答を超えた自律的なタスク遂行を実現。さらに同年8月、ファンタラクティブ株式会社よりDXパートナー事業を譲受し、事業基盤を強化した。

年表31件を開く

2010年代

  • 2012年7月創業「IT技術のコンサルティング業務」を目的として、H&Mコミュニケーション株式会社(現 Hmcomm株式会社)(資本金1,000千円)設立
  • 2014年6月商号変更Hmcomm株式会社に社名変更
  • 2014年8月国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)により「産総研技術移転ベンチャー」認定(※1)
  • 2015年1月The Voice(Business:法人向け)ライセンス販売開始
  • 2016年3月業務報告書自動作成プロダクト「VCRM」をリリース
  • 2016年3月音声データ自動テキスト化プロダクト「VBox」をリリース
  • 2016年9月AI音声認識プロダクト「Voice Contact」をリリース
  • 2017年3月業容拡大に伴い、本社を東京都港区虎ノ門に移転
  • 2017年3月音声認識組み込みプロダクト「VRobot」をリリース
  • 2017年8月総務省関東総合通信局より届出電気通信事業の届出番号を取得(届出番号:A-29-15948 届出年月日:平成29年8月30日)
  • 2018年4月ImPACT重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステムにおける、音声認識技術の応用研究へHmcomm株式会社が参画
  • 2018年6月「FAST-D β版(異音・環境音検知)」をリリース
  • 2018年7月業容拡大に伴い、本社を現在地に移転(東京都港区芝大門)
  • 2018年9月九州地区での業容拡大を目的として、熊本AIラボを開設(熊本市中央区水道町)
  • 2019年2月東京都、次世代イノベーション創出プロジェクト(研究開発のテーマ:インフラメンテナンスにおける異音検知の開発)に採択
  • 2019年4月AI音声自動応答プロダクト「Terry」をリリース
  • 2019年8月AIコールセンター「VContact Center Lab」本格稼働
  • 2019年8月プライバシーマーク(※2)取得 登録番号22000318号
  • 2019年10月異音検知プラットフォーム開発事業(FAST-D)がNEDOの「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」に採択
  • 2019年11月業容拡大に伴い、熊本AIラボを移転(熊本市中央区桜町)

2020年代

  • 2020年1月ISMS(※3)取得 認証番号IS 719254
  • 2020年2月「FAST-D」を活用した音による製造業パイプラインのつまり予知・予兆診断システムの開発事業がNEDO(※4)の「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」に採択
  • 2020年10月音声AIによるWeb会議の可視化ツール「ZMEETING」を販売開始
  • 2021年6月AI技術等のXI技術を活用し企業のDX推進をサポートするHmcomm.XI事業開始
  • 2022年8月異音検知プロダクト「FAST-Dモニタリングエディション」をリリース
  • 2023年5月有料職業紹介事業許可取得 許可番号 13-ユ-315208
  • 2024年10月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2025年1月通話録音要約システム「Voice Digest」をリリース
  • 2025年2月株式会社IPパートナーズより、ITコンサルティング事業を事業譲受
  • 2025年8月対話型AIエージェント「Terry2」をリリース
  • 2025年8月ファンタラクティブ株式会社より、DXパートナー事業を事業譲受

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    対話型AIエージェントの展開

    音声自動応答プロダクト「Terry」をベースに、生成AIによる高度な思考・対話能力を実装した対話型AIエージェント「Terry2」を開発し、予約受付や本人確認、外部システム連携などの実務タスクを自律的に完結させることを目指す。

  2. 02

    コンタクトセンターの構造転換

    「Voice Contact」にもAIエージェント機能を追加し、「Terry2」とともに拡販する。コンタクトセンターを「AIエージェントが主体となり、人間がAIを支援する」構造へ転換し、高付加価値業務への人材シフトを図る。

  3. 03

    生成AIによるDX変革支援

    AIソリューション事業で、生成AIコンサルティングの深化、製造業の技能伝承や人事採用など産業特化型ソリューションの提供、プロダクト事業とのシナジー創出を推進する。

  4. 04

    音×インダストリーの深化

    異音検知プロダクト「FAST-D」のユースケース拡大を進め、熟練者の経験に依存しない品質診断や予防保守を提供する。対話型AI領域の最新技術を異音検知分野に波及させる。

  5. 05

    研究開発体制の強化

    生成AI・AIエージェント関連の高度な技術に対応するため、専門人材の採用・育成を強化し、研究開発型ビジネスプロセスを維持・発展させる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で57人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は718万円で、1期前と比べて+6.4%平均年齢は37.9歳、平均勤続年数は2.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年12月67539.23.438263
2025年12月71837.92.8570

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
本社 — 東京都港区13百万円
熊本AIラボ — 熊本市中央区0百万円
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    次世代人工知能・ロボット中核技術開発次世代人工知能技術分野多様話者・多言語に対応可能なEnd―to―End音声認識AIの実用化
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-10-27
    2,498万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は11億円営業利益0億円前期と比べると増収減益で、売上が+22.2%、利益が-100.0%。

売上高
+22.2%
11億円
営業利益
-100.0%
0億円
純利益
-100.0%
0億円
営業利益率
0.0%
前期比 -11.1%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高15億円11億円
営業利益1億円0億円
純利益0億円0億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

半期ごとの推移

3期分

直近は2026年上期で、売上は6億円、営業利益は0億円。前年の2025年上期と比べると、売上は+50.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2025年上期400.00
2025年下期700.00
2026年上期600.00

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。四半期報告書の廃止(2024年)以降は半期の粒度になります。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

2020年12月期からの6期で、売上は5億円から11億円へ2.2倍に増えた。直近期の営業利益率は0.0%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2020年12月5−2−2
2021年12月611
2022年12月712
2023年12月811
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2024年12月91111.11
2025年12月11000.00

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高11億円のうち、営業利益として残るのは0億円0.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は0億円、売上の0.0%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金54.5%6億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金36.4%4億円
  • その他の費用持分法損益などの調整9.1%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益0.0%0億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
45.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比8.4pt
0.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比6.6pt
0.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比12.0pt
1.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2025年12月期は営業CFが3億円、投資CFが−3億円で、差し引きのフリーCFは0億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は13億円で、売上の14.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年12月100112
2023年12月100113
2024年12月−102−114
2025年12月3−3−1013

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2025年12月期の総資産は21億円。このうち返さなくてよい自己資本が17億円で、自己資本比率は80.7%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2020年12月97274.4
2021年12月1411383.6
2022年12月1513287.3
2023年12月1514189.5
2024年12月1917290.6
2025年12月2117480.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
13億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
4億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
4億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
60
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中81位あたり、逆に低いのはROE605社中552位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
1.1%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
0.0%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
80.7%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
22.2%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥766で、1年前と比べて-41.3%過去52週の値幅のなかでは19%の位置にある。

¥766+5.9%1ヶ月+21.0%1年-41.3%時価総額31億円
過去52週の値幅
安値¥580高値¥1,552

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)76.8倍
PER (会社予想)96.7倍
PBR1.85倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月19日に前日比-5.31%の678円と下落しましたが、1ヶ月では-0.73%とほぼ横ばいです。7月中旬から8月上旬にかけては628円と直近安値を付けましたが、その後は反発し、8月14日には716円まで上昇しました。25日線(675.64円)と75日線(665.57円)の上に位置しており、短期的には下げ止まり感が出ています。ただし、200日線(844.64円)を大きく下回っており、中期的には弱気トレンドが継続中です。8月19日の下落で再び25日線を割り込むかが焦点です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PER 149.10倍は業界平均29.89倍を大幅に上回り、極めて割高。PBRは1.61倍で業界平均3.43倍を下回るが、ROE 1.1%と低収益のため割安感は乏しい。無配当で株主還元はなく、2025/12期の営業利益見通しが0百万円と急減し、成長性にも疑問。収益力とバリュエーションが乖離。

指標この会社業種平均
PER (実績)76.8倍47.9倍
PER (予想)96.7倍
PBR1.85倍2.96倍
ROE1.1%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

時価総額27億円、PER149倍と成長期待が株価に織り込まれている一方、直近の業績は減益(純利益1億円→0.1億円)。強気派は、既存タイトルの課金収入安定や新作投入による成長を期待するが、弱気派は小規模開発会社のヒット依存リスクと競合激化を懸念する。PERが高くバリュエーション調整リスクあり。業績ガイダンス未達が続けば株価下落リスク。

プラスに働く材料7
  • 利益率改善トレンド

    営業利益率が11%と前年から改善。スケールメリットが効き始めた可能性。

  • 低時価総額で割安感

    27億円と小型株で、成長余地を考慮すればPER149倍も許容範囲との見方。

  • 新タイトル投入余地

    開発中の新作ゲームがヒットすれば売上急拡大の可能性。今後の発表に期待。

  • 2026/12期の黒字復帰と利益率改善2026/12期影響

    2025/12期営業益0だが売上高11億、固定費削減で黒字化なら株価大幅上昇

  • 新規受注獲得によるトップライン拡大不定影響

    売上高8→9→11億と成長、受注増で13億超なら営業益率5%達成可能

  • 低PBR・低時価総額でのM&Aターゲット化不定影響

    PBR1.61倍・時価27億、業種特性か買収提案リスクで株価急伸も

  • 自己株買い等の資本政策次回株主総会影響

    配当無し、余剰資金で自社株買い実施なら需給改善

マイナスに働く材料7
  • 業績減速リスク

    純利益が2億円→1億円→0.1億円と減少傾向。減益基調が続く懸念。

  • バリュエーションの高さ

    PER149倍は業界平均比で割高。減益なら更なる調整リスク。

  • ヒット依存のビジネスモデル

    小規模なゲーム会社はタイトルのヒット有無に収益が左右され不安定。

  • 収益悪化で赤字定着の懸念通年影響

    2025/12期営業損益ゼロ、利益率0%から更に悪化なら赤字転落でPER計算不能

  • 業績予想未公表による不透明感継続影響

    予想PER未開示、先行き不透明で投資家離れ加速し株価下落

  • 売上高成長鈍化と競争激化2026年〜2027年影響

    情報通信業界の競合増で受注単価低下、売上成長率鈍化なら利益圧迫

  • 浮動株極小で値動き激化継続影響

    時価27億・外国人0.84%と流動性低く、大口売買で急落リスク

次の決算で確かめる点
既存タイトル月間課金収入
安定した収益基盤を示す主要指標。前年比の増減を確認。
新作リリース数・DL数
将来の成長を測る。新作の初動が業績に直結するため。

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ2,841人。区分でいちばん多いのは個人・その他90.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が2.0%を占め、残る98.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年12月%2025年12月%
個人・その他80.890.4
証券会社6.06.8
事業法人6.81.9
自己株式1.6
外国法人5.80.8
金融機関0.50.1
外国人個人0.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01三本 幸司29.76
02伊藤 かおる14.14
03DBJキャピタル投資事業有限責任組合5.52
04三本 智美3.90
05橋本 弥央2.44
06山田 匡和2.44
07三菱UFJeスマート証券株式会社1.31
08野村證券株式会社1.29
09合同会社J&TC Frontier1.22
10楽天証券株式会社共有口0.98

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は4期で+100%、1株純資産は2期で−1%。直近期のROEは1.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2020年12月−193,175
2021年12月7.9
2022年12月4214.0
2023年12月5.2
2024年12月324226.238.7
2025年12月54171.1213.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額74百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約1倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
三本幸司代表取締役社長CEO601,219,500
伊藤かおる取締役専務執行役員COO57579,500
土屋学取締役執行役員CFO44
浅田浩取締役59
恩田俊明取締役43
大和寿子常勤監査役58
大野寿和監査役41
飯田花織監査役37

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)5535311
社外監査役314145
社外取締役2774

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,613字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1)ミッション 当社は、「音から価値を創出し、革新的サービスを提供することにより社会に貢献する」を経営理念に掲げ、産総研技術移転ベンチャーの獲得を契機に、「音」に着目したAI(※1)の研究・開発を行い、その成果を社会実装することを目指してまいりました。また、当社は社名の由来ともなっているHuman Machine Communicationの実現により、新しい社会を自ら創造することを目指しております。 当社は、創業からAIに関する研究開発を行っており、近年の生成AI(※2)および大規模言語モデル(LLM)(※3)の急速な進展を踏まえ、これらを「AI×音」技術と組み合わせることで、コンタクトセンター業務のみならず、バックオフィスや製造現場、人事・採用領域など、多様な業務プロセスの高度な自動化・効率化を実現できると考えております。 (2)当社の特徴と優位性 当社の特徴は、「音」に着目したAIに関する研究開発から製品提供まで、自社内で完結することを目的に、研究開発人材を採用し、またこの独自の研究開発型ビジネスプロセスを実践しているところにあると考えております(全体像は下図に記載)。研究開発型ビジネスプロセスの実践とは、「R&D(※4)初期フェーズ」から始まり「サービス提供運用保守フェーズ」までを順番に実行することを意味しております。当社は創業以来、このプロセスを着実に実践してきた成果として、2025年には従来のAI音声自動応答プロダクト「Terry」を大幅に進化させた、対話型AIエージェント「Terry2」をリリースいたしました。本製品は、高度な自然言語処理と音響解析を組み合わせた「AIエージェント機能」を搭載しており、より人間に近い柔軟な対話コミュニケーションを実現しております。 (図1) 研究開発型ビジネスプロセス 「R&D初期フェーズ」においては、2014年8月の産総研技術移転ベンチャー認定取得や、国立研究開発法人の政府予算による複数件の研究開発プロジェクトの採択を通して、音声認識技術や異音検知技術の研究開発を実施してきました。本フェーズにおいては、今後訪れると予測される社会課題の解決につながる研究課題を当社で考え選定したうえで研究を進めてきております。その過程における活動が評価され「NEDO(※5)AIベンチャーコンテスト最優秀賞」、「JEITA(※6)ベンチャー賞」、「大学発ベンチャー表彰 NEDO理事長賞」等を受賞しております。 「R&D初期フェーズ」の研究開発成果を、個別企業の課題解決のために活用し、社会実装へと高める活動として「R&Dプロジェクトフェーズ」においては、資本業務提携を含む当社と密接な関係を有する先との実証実験を推進してまいりました。2025年度においても、コンタクトセンター分野に加え、製造業、インフラ、教育分野、さらには採用・人事領域等の新たな業務領域において、生成AIおよびLLMを組み合わせた実証実験・PoCを進めております。 「自社製品開発プロダクト化フェーズ」では、個別企業の課題解決の成果から生み出された機能を、多くの企業で必要となる標準的な機能としてまとめ、当社のAIプロダクトとし開発、提供しております。 「サービス提供保守運用フェーズ」では、顧客からの製品の設定・使用・動作状況についての技術的質問に関する助言や、当社製品のマイナーバージョンアップデートの提供、製品のソフトウェア障害への対応等を実施しております。また、保守運用フェーズにおける当社製品の導入による業務改善の取組み支援も行っております。 当社では、これらのビジネスプロセスを複数年にわたり実践することにより、社会課題解決につながる研究実践に加えて、個別企業と密接な提携関係を構築し課題解決を行えていると考えております。その結果、顧客企業や業界課題の理解度の向上、競合他社が簡単には入り込めない信頼関係の構築、課題解決に効果的な機能開発等を実施することができていると当社では認識しており、このビジネスプロセスにより当社ならではの競争優位性を構築できていると考えております。また、自社プロダクトに対しては、上記「自社製品開発プロダクト化フェーズ」で記載した通り、多くの企業で必要となる標準的な機能が実装されていくこととなり、課題解決につながる機能が拡大されていきます。そのため、当社プロダクトが課題解決につながる幅が大きくなっていくことにより、より多くの企業への導入につながるものと考えております。さらに、このビジネスプロセスがスパイラルアップされることで、今後より大きな社会課題の研究や個別企業の課題に取り組む機会を生み、この高度な課題を解決する機会を求めて優秀な人材が集まるという好循環も実現されていると当社では認識しております。 (3)当社が展開するサービス及びソリューションの内容 当社では「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントとしており、当該事業内でAIプロダクト事業(2025年度売上高比率:38.8%)とAIソリューション事業(2025年度売上高比率:61.2%)を展開しております。AIプロダクト事業は、コンタクトセンターにおける応対品質向上を支援する音声認識プロダクト「Voice Contact」、電話応対を自動化・高度化するAI音声自動応答プロダクト「Terry」および対話型AIエージェント「Terry2」を展開しております。また、会議の生産性を高めるAI議事録自動作成プロダクト「ZMEETING」や、製造現場等における機械の異常音を検知する「FAST-D」など、音声認識から異音検知まで幅広い領域で製品開発・提供を行っております。AIソリューション事業は、AIプロダクト事業で培った技術や知見を基に、AI活用や、顧客のDX(※7)推進等の課題解決をトータルに支援するAI開発・コンサルティングを実施しております。 ■AIプロダクト事業 当社では、2015年より「音声認識を民主化し、キーボードレスの新しい社会を自ら創造する」というビジョンの実現に向け、音声認識・言語解析プロダクトの開発に取り組んでまいりました。主にコールセンター領域において研究開発型ビジネスプロセスを推進し、その成果として「Voice Contact」や「Terry」等のプロダクトを市場へ提供しております。さらに2025年度からは、従来の音声AIボット「Terry」の設計思想を継承・発展させた、生成AI搭載の対話型AIエージェント「Terry2」の提供を開始いたしました。 「Terry2」は、定型的なシナリオによる対応に留まらず、会話の文脈をリアルタイムに理解し、予約受付、決済、本人確認といった実務タスクを自律的に遂行する能力を有しております。また、AIでの対応が困難な場面では即座にオペレーターへ引き継ぐ「有人連携機能」や、会話の停滞を検知するアラート機能を備えており、顧客体験の質を維持しながら業務の自動化を実現いたします。当社は、「Terry2」の普及により、コンタクトセンターの在り方が「システムによる人の支援」から、「AIエージェントによる自律的業務を人が管理・補完する形態」へと変容していくものと認識しております。 2026年度以降は、顧客ニーズに応じて「Terry」および「Terry2」の販売を加速させるとともに、これらのフロントエンド機能を核とした製品体系の再編を推進いたします。具体的には、業務通話の記録・分析基盤である「Voice Contact」を、AIエージェントが生成する膨大な対話データを高度に処理・蓄積するバックエンド基盤として位置づけ、「Terry2」の統合プラットフォームへと融合させてまいります。これにより、AIエージェントによる自動応対から有人による高度な顧客対応までを一気通貫で管理する「次世代対話プラットフォーム」の開発を推進し、コンタクトセンター全体のDXを牽引してまいります。 これまでは音声認識や自動要約技術を通じた「オペレーターの負担軽減」に主眼を置いてまいりましたが、今後はAIエージェントが対話の主体を担う構造への転換を想定しております。人は、AIでは対応困難な高付加価値業務や例外対応、およびAIエージェントの運用設計・品質改善といった「管理・監督」業務に注力することで、コンタクトセンター全体の生産性と応対品質の飛躍的な向上を目指してまいります 当社は、これらの「次世代対話プラットフォーム」の提供を通じ、コンタクトセンターやバックオフィス、人事・採用領域をはじめとする幅広い業務分野において、業務プロセスの自動化および顧客・利用者体験(CX/UX)の抜本的な向上を推進し、持続的な成長を目指してまいります。 当社では、個別企業の課題解決の成果を、多くの顧客が活用できる標準的な機能としてまとめ製品化しているため、多くの顧客で求められる実用的なAIプロダクトとして提供することができていると認識しております。また、音に着目したAIプロダクトの開発を会社設立後から継続的に実施し、その知識および経験の長さを評価されていると判断しております。当社ではこれらの理由から当社のプロダクトを選定いただけているものと考えております。 AIプロダクト事業における、当社が提供するプロダクトは以下の表のとおりです。 <当社プロダクト一覧と概要> プロダクト名   概要 Voice Contact (AI音声認識プロダクト)   法人向けに、コンタクトセンター向けAI音声認識・自然言語処理を活用したプロダクトとして、1,116ライセンス(2025年度末)の利用があり、以下の機能を提供しています。 1.顧客の音声をリアルタイムにオペレーターとカスタマーの会話をテキスト化してモニターに表示 2.顧客との会話のキーワードより最適なFAQ自動表示 3.顧客との会話終了後に会話の内容を生成AIによる自動要約の実施およびFAQの自動作成の実現 4.利用者自身で音声認識率をチューニング可能な自動学習機能を提供 5.生成AIによる自動要約作成や、会話データからのQ&Aの自動作成 Terry   法人向けに、音声認識と音声合成、自然言語処理、生成AIを活用し、お客様の電話にAIが回答するサービスであり、AIエージェント機能の有無により製品名称を分けております。 Terry(AI音声自動応答プロダクト)   法人向けに、音声認識と音声合成、自然言語処理、生成AIを活用し、お客様の電話にAIが回答するサービスとして、104ライセンス(2025年度末)の利用があります。主に以下のサービスを提供しております。 1.通信販売のコンタクトセンターで、商品申し込みをお客様との会話により注文受付を実現 2.家電量販店の夜間の修理受付対応の実現 3.企業の代表電話に対する代理応答の実現 4.生成AIによるお客様の問い合わせに対する回答の自動作成 Terry2(対話型AIエージェントプロダクト)   生成AIを活用し、人間のような自然な対話と実務レベルのタスク遂行(FAQ対応、予約受付、支払い、本人確認等)を実現する対話型AIエージェントです。 2025年度は複数の導入プロジェクトが進んでおりますが、顧客企業との守秘義務により、ライセンス数については非公開とさせていただいております。 1.会話の文脈をリアルタイムに理解し、柔軟かつ自然な応対を実現 2.FAQ対応に加え、予約受付や支払い、本人確認など実務タスクにも対応 3.AIでの対応が難しい場面では、即座にオペレーターへ引き継ぎ、中断を最小限に抑制 4.会話の停滞やループを検知し、適切なタイミングでアラートを出して対応遅延を回避 ZMEETING(AI議事録プロダクト)   法人および個人向けの業務効率化推進ツールとなり、以下のサービスを提供しております。なお、マーケティング戦略によりライセンス数については非公開とさせていただいております。 1.議事録自動作成 2.メッセージのリアルタイムテキスト化、リアルタイム翻訳 3.生成AIによる自動要約作成 FAST-D(異音検知プロダクト)   法人向けにAI技術者でなくても異音検知用のAIモデル作成とメンテナンスができることを目指し研究・開発を実施し、サブスクリプション型のプロダクトとして、13ライセンス(2025年度末)の利用があり、以下の機能を提供しています。 1.熟練した職人の耳で判断している知見をAIモデルへ反映し、工場インフラの異常検知や非破壊検査を自動化する機能 2.稼働中の機械・設備が発する音の解析を通じた、故障の早期発見や部品交換時期の特定による予防保守・予知保全等 「Voice Contact」、「Terry/Terry2」、および「FAST-D」については、導入時の開発対応等により対価を受領しております。さらに、本導入以降は製品の利用による対価をライセンス利用料として受領しております。これらの対価は顧客の要求仕様、利用者数、追加開発の要否などを勘案し個別に決定しております。「ZMEETING」については、製品の利用による対価をライセンス利用料として受領しております。なお、2025年度AIプロダクトの取引先数(社数)は42社、顧客取引平均単価は10.2百万円(ZMEETINGを除く)となっております。 ■AIソリューション事業 2020年に国がDX認定制度の運用を開始すると、企業においてもDX推進が重要視されはじめました。当社においても、顧客の要望が「集めたデジタルのデータをどう活用するか」という次の段階に進んできたと認識しております。また、2022年にChatGPT(※8)に代表される生成AIが登場すると、当社でもこの生成AIの効果的な活用を含めた課題解決が求められてきていると認識しております。 そのため、当社ではAIプロダクト開発事業を通して培った以下4つのノウハウ(XI)を集結し、データの持つ力で新たな社会的価値を創造する「データサイエンス」により企業の課題解決やDX化の推進をトータルにサポートを行うことを目的として、2021年6月より、顧客の持つデータの利活用にかかわる経営課題を分析し、生成AIを活用した課題解決やDX化推進支援を目的にAIソリューション事業を開始しております。 (図2)Hmcomm.XI事業 「XI」とは、当社の造語であり以下4つのノウハウを集結し、データの持つ力で新たな社会的価値を創造する「データサイエンス」により企業のDX推進をトータルにサポートする意味を込めています。 AI:自社プロダクト開発で培ってきたAI(人工知能)技術 BI:自社プロダクトの導入サポートにより蓄えられたBI(ビジネスインテリジェンス)技術 CI:自社プロダクトの導入サポートにより蓄えられたCI(カスタマーインテリジェンス)技術 DI:上記をより効率的に活用するためのDI(データインテグレーション)の知見 当社では、AIプロダクト開発で蓄積されたAI技術、蓄積されたデジタルのデータをビジネスの意思決定に活用するためのデータマイニング(※9)やテキストマイニング(※10)、データ分析等のBI(ビジネスインテリジェンス)技術、お客様の声を分析するVOC(※11)分析技術、サービスやセールスに活用するCI(カスタマーインテリジェンス)技術を保持していると認識しております。さらにこれらを効率的に活用するためのDI(データインテグレーション)のノウハウを提供する必要があると当社では考えAIソリューション事業を開始しております。 事業内容としては顧客の課題に応じてAIの開発受託やコンサルティング業務を提供しており、契約形態としては準委任契約を中心に、一部業務については請負契約を適用しております。当社収益としては、役務提供による対価を受領しております。 当事業の具体例としては、コールセンターを持つ教育分野の事業者との取組みとして、当社がもつ、AI開発の経験から得られた知見を活用し、コールセンターの全体の顧客体験と生産性の大幅な向上に向けた、「Voice Contact」に生成AIを組み合わせたシステム要件のコンサルティングから実際のシステム開発までを事業者とともに推進しております。なお、2025年度AIソリューションのプロジェクト数は152件、顧客取引平均単価は4.5百万円となっております。 今後も当社ではAIプロダクト事業で培った技術力を武器としてAIソリューション事業を着実にすすめてまいります。また、本事業の顧客との課題解決活動を通して当社の信頼感を高めるとともに、技術力を感じていただくことで、同社のプロダクト製品の導入などにつながる活動を推進し事業拡大を図れるように努めてまいります。 (4)具体例 当社プロダクトを活用した具体的な取組みの事例は以下となります。 顧客業種   取組内容   想定する効果 コンタクトセンター   「Voice Contact」と生成AIを用いた次世代型コンタクトセンターの確立   コンタクトセンター全体の顧客体験と生産性の大幅な向上 化粧品   「Voice Contact」の自動帳票入力機能を導入し、顧客との会話内容を自動入力。 顧客との受電対応後の帳票入力業務を約80%削減(ユーザーヒアリングより)   電話対応業務の効率化、オペレーターの作業負荷低減 通販   「Terry」を導入し、電話による注文受付業務の自動化対応。 受電注文の約80%を自動化にて対応(ユーザーヒアリングより)   電話対応業務効率化、オペレーターの省人化 教育   「Terry」を導入し、本人確認業務の自動化対応。 確認作業が効率化され、月額数百万円のコスト削減効果を実現(ユーザーヒアリングより)   確認業務の効率化、オペレーターの作業負荷低減 インフラ   「FAST-D」を導入し、設備の動作音から正常と異常を判断。 顧客との実証実験により排水ポンプの動作音から異音を検知(実証実験結果より)。   故障の早期発見、メンテナンス業務の非属人化の実現性 鉄道   「FAST-D」を活用し、列車走行中の音からレールの歪みや継ぎ目の異常を検知するAIの開発。 レールの異常な継ぎ目判定にて異常検知性能70%を確認。(実証実験結果より)。   異常の早期発見、異常検知の効率化 畜産   「FAST-D」の技術を活用した養豚現場における咳や発情状況などを音から検知するシステムの研究・開発。   少人数の効果的な畜産業務 以上を踏まえた当社の事業系統図は、次のとおりであります。 (図3)事業系統図 [用語解説] 注釈番号   用語   用語の定義 ※1   AI   Artificial Intelligenceの略称であり、コンピューターで、記憶・推論・判断・学習など、人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフトウエア・システムのこと ※2   生成AI   あらかじめ学習したデータをもとに、画像や文章、動画などを新たに作成するAIの総称のこと。ジェネレーティブAIともいわれる ※3   大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)   大規模言語モデルとは、膨大なデータセットと多数のパラメータをもつディープラーニング技術によって構築された言語モデル ※4   R&D   Research and Developmentの略称であり、研究開発活動を行うこと ※5   NEDO   国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の略称 ※6   JEITA   一般社団法人電子情報技術産業協会の略称 ※7   DX(デジタルトランスフォーメーション)   データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること ※8   ChatGPT   OpenAI社が2022年11月から提供を開始した、会話型の文章生成を可能とする生成AI ※9   データマイニング   構造化された膨大な量のデータ(ビッグデータ)に、統計学や人工知能(AI)、パターン認識などの技法を網羅的に適用することで有益な情報を取り出す技術のこと ※10   テキストマイニング   大量の文章データ(テキストデータ)から、自然言語解析の手法を使って、文章を単語(名詞、動詞、形容詞等)に分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析することで有益な情報を抽出する技術のこと ※11   VOC   Voice of Customerの略称。顧客の声のことを言う。評価、苦情、要望、問合せなどがその代表的なもの
経営方針・対処すべき課題7,078字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、経営理念「音から価値を創出し、革新的サービスを提供することにより社会に貢献する」を掲げ、キーボードレスの新しい社会を自ら創造することをビジョンとし、事業を展開しております。2014年8月、産総研による「産総研技術移転ベンチャー」の認定を受けたことを契機に、「音」に着目した専門的な研究・開発をスタートし、その成果を革新的なサービスとして社会に提供していくことを目指してまいりました。また、近年画像認識や自動運転などを中心に人工知能(AI)の活用が広がりを見せており、当社では、「音」への人工知能(AI)の活用も顧客の経営課題を解決するためには重要な技術であると考えており、当社プロダクトに活用するための音声のテキスト化、感情分析、異音検知の領域に関する研究・開発を続けております。 (2)経営環境 2025年の日本経済は緩やかな回復基調がつづいており、日本銀行は1月と12月に政策金利引き上げを実施し、約30年ぶりの高水準となる0.75%へ引き上げられ、日本経済の正常化に向けた動きがみられます。一方で、2025年の平均国内消費者物価指数は前年にくらべ3.1%上昇し食料品を中心とした物価上昇や、米国を中心とする通商政策の変更、ウクライナやイスラエルなどの国際情勢の緊迫化などから経済成長への懸念も見られます。これらの影響から、日経平均は最高値を更新しているものの、円安進行に加えて、国債金利の上昇もみられることから、依然として先行きの不透明な経済状況が続いております。 このような中、株式会社富士キメラ総研の試算によると、当社の属する国内のAI市場環境は2024年度は1兆5,075億円、2029年度は3兆1,779億円と予測されております。(出典:株式会社富士キメラ総研「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」)また、当社は主にコールセンター向けの製品として「Voice Contact」および「Terry」を提供しておりますが、コールセンターサービス市場とコンタクトセンターソリューション市場を合わせた市場規模(事業者売上高ベース)は2024年度に1兆0,517億円、2027年度には1兆0,372億円と予測されております。(出典:株式会社矢野経済研究所「2025 コールセンター市場総覧 ~サービス&ソリューション~」) また、内閣府が提唱する我が国が目指す未来社会の姿「Society 5.0」(※1)の実現に向け、多様な人・機械・技術が国境を越えてつながる社会の具体化が必要となり、そのためには各企業においてDXの推進が必要不可欠であると当社では考えております。さらに、2025年12月には「AI基本計画」案が取りまとめられており、「信頼できるAI」による「日本再起」を目標とし、AIの利活用及び研究開発を積極的に推し進め、経済・社会構造の変革や付加価値を創出していく「AIイノベーション」の推進が必要であるとされております。具体的には、AIエージェントやフィジカルAI等の開発・実証・導入、および幅広い分野における社会実装の促進が挙げられています。 対象分野は、医療・ヘルスケア、介護、金融、教育、防災、環境保全、農林水産、製造(造船・舶用工業等)、インフラ、物流、公共交通など多岐にわたります。 これらの推進に重要な技術として、画像情報を活用するAI技術が必要となることは言うまでもありませんが、画像だけではなく当社が強みを持つ「音」の情報をデータとして取得し有効活用することも重要になると考えており当社技術の活用ができると考えております。例えば、お客様との電話のやり取りなど、デジタルデータ化されていないデータ分析は人手による属人的な分析にとどまっておりますが、当社技術を活用することにより、人手によらずデジタルデータ化、分析が可能となります。さらにこれらのデータと生成AIを活用しコンタクトセンターでの対話型AIエージェントを当社製品として提供しております。 このように、人間の代替となる、又は人間以上の能力を発揮しうる人工知能が期待されるなか、生成AIも登場しておりますが、“音声認識”や“異音検知”や”データ解析”、つまり人の「耳(認識、認知)」+「脳(予測、最適化)」の代替は、未だ技術的発展途上にあると当社では考えており、当社はこの分野で他社に追随を許さないポジションの確立を目指しております。 (3)経営戦略 当社では「AI×音」サイエンス事業として、「Society 5.0」に必要不可欠なDX推進を支援するAIソリューション事業と、「Connected Industries」(※2)の実現に向けて必要な音をデータとして活用するためのAIプロダクト事業を展開しております。AIプロダクト事業において、自律的な業務遂行能力を持つ対話型AIエージェントの普及促進を戦略的中核に据えた事業遂行を行っております。具体的には、対話型音声AIボット「Terry」に対話型AIエージェント機能を追加した「Terry2」の開発を実施しコンタクトセンターへの拡販を実施いたしました。また、AIソリューション事業においては生成AIを活用した高度な経営課題解決型コンサルティングを強化し、両事業の相乗効果による持続的な成長を目指しております。 ① AIプロダクト事業における戦略:AIエージェントを軸としたプロダクトへの段階的統合 (1)対話型AIエージェント「Terry2」の展開 当社は、現在、音声自動応答プロダクト「Terry」をベースに、生成AIによる高度な思考・対話能力を実装した対話型AIエージェント「Terry2」の展開を推進しております。「Terry2」は、従来の定型的な回答を行う電話自動応答の枠組みを超え、ユーザーの意図を汲み取りながら自然な対話を行い、予約受付や本人確認、外部システムと連携した事務処理などの実務タスクを、人間に代わって自律的に完結させる能力を有しております。現時点では、この「Terry2」による業務の完全エージェント化を先行して市場に浸透を進めております。 (2)「AIエージェントが主体となるコンタクトセンター」への構造転換の推進 「Terry2」の普及促進に加え、「Voice Contact」にもAIエージェント機能を追加し、Terry2とともに拡販を図ってまいります。AIエージェントを活用したプロダクトがコンタクトセンターに導入されることにより、当社は、コンタクトセンターの在り方を「人の業務をシステムが支える時代」から、「AIエージェントを人が支える時代」へと転換させていきたいと考えております。まずは「Terry2」が対話の主体(エージェント)となり、これまで人間が行っていた判断を伴う業務を自動化することで、人間はAIが対応困難な極めて高付加価値な業務や、エージェントの運用改善に注力する構造を構築します。なお、AIエージェント機能を不要とする顧客に対してはTerryの販売を継続し顧客の利便性を高めつつ、顧客要望に沿った幅広い製品提案をすることにより市場における競争優位性を強固なものとしてまいります。 ②AIソリューション事業における戦略:生成AIによるDX変革の推進 AIソリューション事業においては、単なるシステム開発に留まらず、顧客の経営課題を分析し、生成AIを軸とした抜本的な業務プロセス変革(DX)を支援しております。具体的には、以下の3点を重点戦略として推進しております。 ・生成AIコンサルティングの深化: 大企業の特定部門に対し、最新のLLM(大規模言語モデル)をカスタマイズ実装することで、従来のIT化では到達できなかった高度な知的作業の自動化を実現します。 ・インダストリー特化型ソリューション: 製造業の技能伝承や人事・採用領域のマッチングなど、特定の産業ドメインに対して、当社の「音」と「対話」の技術を組み合わせた独自のソリューションを提供し、高付加価値化を図ります。 ・プロダクト事業とのシナジー創出: ソリューション提供の過程で得られた汎用性の高いニーズを「Terry2」の機能開発へフィードバックすることで、プロダクト進化を加速させます。 ③FAST-D等を通じた「音×インダストリー」の深化 異音検知プロダクトについては、「すべての機器に聴覚を与える」の実現を目指し、音の特徴量分析から熟練者の経験に依存しない品質診断や予防保守の仕組みを提供する戦略を継続いたします。「FAST-D」のユースケース拡大を進めるとともに、対話型AI領域で培った最新のAI解析技術を異音検知分野へも波及させ、事業間の技術シナジーを最大化してまいります。 ④研究開発型ビジネスプロセスの継続と体制強化 当社は、独自の研究開発型ビジネスプロセスを今後も堅持してまいります。生成AI・AIエージェント関連の開発・運用には高度なAI技術、UX設計、コンサルティング能力が必要となるため、これらの分野における専門人材の採用・育成を強化いたします。 以上のように、当社はAIエージェント技術の社会実装と、生成AIコンサルティングによる顧客企業のDX支援を両輪として、さらなる成長を図ってまいります。急激に進化するAI市場において、常に最先端の技術を実務に即した形で提供し続けることで、社会課題の解決に貢献するとともに、中長期的な収益基盤の拡大と企業価値の向上に邁進してまいります。 当社は、今後の持続的な成長を見据え、サステナビリティ経営として事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいきたいと考えております。SDGs(※3)をはじめとした社会課題と事業活動の関連を確認し、以下の通り整理しました。これらの課題に取り組むことにより、社会とともに持続的に成長し信頼される企業を目指してまいります。 1.事業活動を通じた社会貢献 当社の特徴である音声・音響の可視化を実現するソリューション技術等の提供による先端テクノロジー普及の支援を通した社会貢献により、以下の目標達成に向け課題解決に取り組みます。 (8.働きがいも経済成長も) (9.産業と技術革新の基盤をつくろう) 2.上場企業としてのガバナンス体制の強化 コンプライアンスの徹底や、積極的な情報開示を通した企業統治により、以下の目標達成に向け課題解決に取り組みます。 (8.働きがいも経済成長も) (16.平和と公正をすべての人に) (17.パートナーシップで目標を達成しよう) (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、サービスの競争力を維持し、財務活動を含めた全事業の業績を向上させていくことが重要であると認識していることから、主な財務活動上の経営指標として、売上高成長率及び経常利益率、ROE、自己資本比率を重視しております。また、事業活動の状況をみる指標としてAIプロダクト事業においては、アカウント数(顧客者数)とAIプロダクトに占める生成AI売上高比率を、AIソリューション事業においては、プロジェクト数を、事業全体としては、エンジニアの人数をKPIとしております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① パートナー企業との協業推進およびM&Aの実行 当社は、2016年以降、様々な業界の大手事業会社と資本業務提携をしており、相互に経営資源とノウハウを補完し合うことにより事業展開を推進してまいりました。中長期的なビジョンに基づき、今後も各社との取り組みを適時・適切に進めていくとともに、常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感をもって対処しながら、相互の企業価値の向上に努めてまいります。また、従来のオーガニックな成長に加え、非連続な成長を実現するための戦略的M&Aを積極的に推進し、機動的な検討体制のもと、音ノウハウの隣接領域への展開や、IT開発企業の事業再生(ターンアラウンド)を通じた収益基盤の拡大を図り、企業価値の飛躍的な向上に努めてまいります。 ② サービスの強化 当社は、「AI×音」に関するソリューションを研究開発型ビジネスプロセスにより研究開発、コンサルテーション・要件定義からプロダクト開発、運用保守までを当社で対応し、ユーザーの利用シーンに合わせた様々な機能を用意することにより、サービスの魅力が更に高まると考えております。新しいテクノロジーを取り入れつつ、対象領域をさらに広げ、競争優位なシステムの構築を図るため、社内開発体制強化や他社との業務提携およびM&Aによる技術・人材の獲得に積極的に取り組み、業務の標準化、社内システムの改善などを適宜進めてまいります。特に、生成AIの活用による製品付加価値の向上と、AIエージェント領域への社会実装を加速させ、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)最大化を図ってまいります。 ③ テクノロジーの強化 当社の事業領域であるAI(人工知能)技術は、その利用可能性を期待され活発に研究開発が行なわれています。当社が事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術に適時に対応していくことが必要であり、さらなる優秀な人材の確保及び研究開発への投資、ノウハウの共有や教育訓練などが不可欠であると考えております。優秀な人材を積極的に採用するとともに、研究開発への取り組みを継続的に実施し、開発体制の強化に努めてまいります。 ④ 情報管理体制の強化 当社は、顧客企業へのサービス提供において、様々な音声データや顧客企業のユーザーに関する情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を徹底することが信頼確保の観点から重要であると考えております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC 27001の認証、個人情報の保護措置に関するプライバシーマークなどの外部認証を取得し、情報システム開発管理規程に基づく運用の実施、役職員への定期的な教育、物理的・技術的対策への必要経費の確保により、情報管理体制を強化してまいります。 ⑤ 利益及びキャッシュ・フローの創出 当社は、AIを活用した先進的なサービス開発を目指し、研究開発等への先行投資を積極的に進めてまいりました。第11期以降は先行投資の効果もあり売上高が増加してきており、営業黒字に転換しております。今後も継続的に成長を続けるために、当社独自の研究開発型ビジネスプロセスを推進し複数のAIプロダクトを継続的に市場提供していくことにより持続的な売上高の増加に努める一方で、開発工程の効率化や収支管理への取り組みにより、収益性の改善に努めてまいります。加えて、既存事業から創出されるキャッシュ・フローを非連続成長へ向けた再投資(M&A)へ充当してまいります。PMI(買収後の統合プロセス)による構造改革と営業支援を通じ、短期間での収益改善(EBITDAの向上)を実現することで、持続可能かつ高い収益性を伴う成長を目指してまいります。 ⑥ 内部管理体制の強化 当社事業は既存事業の拡大に加えM&Aによるグループ化が進む成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であることを認識しております。引き続き、管理部門の整備を推進し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、経営の公正性・透明性を確保し、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。 [用語解説] ※1.Society 5.0 サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を指し、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されました。 ※2.Connected Industries 2017年3月、経済産業省が「人・モノ・技術・組織などがつながることによる新たな価値創出が、日本の産業の目指すべき姿(コンセプト)である」として提唱した概念です。 ※3.SDGs 世界(地球)には、紛争や貧困、不平等や環境など、様々な社会課題がありますが、その中でも2030年までに解決すべき重要な問題について、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」として17個の目標(テーマ)を国連が定めたもので、英語の頭文字をとって、SDGs(エスディージーズ)と呼んでいます。世界中の人々が協力して、目標の達成に取り組むことで、社会課題を解決し、世界中の人々が、誰一人取り残されることのない社会を目指すものです。「自分の幸福のためだけに頑張る」のではなく、「社会全体、世界全体の幸福に向かって協力する」ための目印となるものです。
事業等のリスク13,047字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示をしております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項につきましては、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 また、当社ではリスクの防止及び会社損失の最小化を図ることを目的としたリスク管理規程を設けており、コンプライアンス規程、内部通報規程と合わせてこれら規程の遵守のために、コンプライアンス・リスク管理委員会を設けております。詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。 (1)当社を取り巻く環境に関する事項 ① 音声認識市場の動向について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、今後成長が見込まれる音声認識市場をターゲットに事業創造および事業展開を行ってまいります。具体的には、コールセンター、スマートライフ、プラント・インフラ保守、ものづくり・ロボティクス、自動走行・モビリティサービスなどの分野を想定しています。 しかしながら、これらのビジネス分野への市場創造を計画通りに進めることができず、長い時間を要する可能性もあり、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできないため、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 音声認識市場の動向を注視し、上記に掲げる複数分野へのアプローチを継続します。コールセンター、プラント・インフラ保守など先行事例のある分野はシェア拡大を加速させ、それ以外の分野も導入企業の獲得を進めます。外部環境の変化は速いため、現在の受注状況及び将来予測を綿密に分析したうえで、注力分野の優先順位を柔軟に変えながら諸対策を検討してまいります。また、新たなターゲット分野にも横展開することにより、バランスを重視したポートフォリオを構築し、リスク分散をしながら収益の最大化を目指してまいります。 ② 技術革新について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] インターネットをはじめとする当社が属するサービス分野において、新しい技術やデバイスを利用したシステムが登場し続けています。これら新しいシステムは、従来は不可能であった機能や、より高度な機能を実装したサービスとして提供することを可能とするものが多くあります。当社では、常に最新の技術動向へ目を向け、新機能の開発や新サービスの提供に新しい技術等を積極的に導入することにより、サービスの技術的優位性を維持する努力をしております。 しかしながら、インターネットの技術革新に追随しながら新機能や新サービスを提供し続けるためには、それを可能にする従業員の確保や育成など、開発体制の強化と維持を欠かすことができず、何らかの要因により当社がそれに耐えうる開発体制の強化と維持が困難になる場合は、当該リスクが顕在化する可能性があります。その程度や時期を正確に予測することはできませんが、技術的優位性を発揮できなくなり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社の組織は、技術力の高い専門チームを構成し、情報技術や生産・開発技術等の調査・研究を継続的に行ない、市場競争力の持続的向上を図っています。具体的には、生成AIをはじめとするコア技術の選定、基盤モデルの研究開発の推進及び自社プロダクトへの成果のフィードバック、ナレッジ共有化等に注力し、インターネットの技術革新への迅速な対応に努めています。 ③ 競合との競争激化によるリスクについて(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社サービスの技術的な側面からみた参入障壁は、著しく高いものとは言えません。資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社が参入し、将来的には類似サービスを提供する事業者の増加が予想されます。価格競争など市場競争が一層激化し、サービス価格の引き下げを強いられる、または市場シェアが低下するなどにより、業績に悪影響を与える可能性があります。あるいは、全く新しい発想や技術を活用した競合サービスが登場し、かつそれが市場に支持されることにより、当社サービスの相対的な優位性が低下した場合、当該リスクが顕在化する可能性があります。その程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] サービスの充実・品質向上に取り組むことで、ユーザー目線に立って経営課題の解決のための貢献度を上げていくとともに、競合他社の動向、類似サービスなどの情報キャッチアップを継続的に行い、競争優位性の向上に努めております。これらを当社の経営戦略に随時織り込んでいくとともに、当該動向に柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。 ④ 新型コロナウイルス等の感染症の影響について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 新型コロナウイルス感染症は2023年5月に季節性インフルエンザと同じ「5類」に感染症法の位置づけが変更されたことにより、経済的な影響が大幅に緩和されることとなりました。また、対面によるコミュニケーションも増加傾向にあります。このような環境のなか、当社が属する音声認識ソリューション業界においては、対面でのコミュニケーション回帰の流れはあるものの、一方で感染症対応に伴うリモートワークの浸透、新しい働き方への潮流等の環境変化による活動も定着していることから、業績に影響を与えるような事象は現在のところ発生しておりません。音声認識のビジネスへの活用については継続的な需要が期待できるものと考えており、当社としましてはオンラインを中心とした顧客面談やセミナーの開催等によりマーケティング活動を進めてまいります。また顧客の要望によりオフラインでの対応も増加させてまいります。 しかしながら、今後コロナウイルスが再拡大し経済活動の停滞が再度発生した場合は、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の顧客の業績悪化や経営方針の変更などにより商談中の案件が失注となることにより業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 新型コロナウイルス等の感染症による当社の事業に影響を及ぼす可能性は、完全には払拭されていないと考えられるため、当該リスクの顕在化に備え、状況に応じた柔軟な対応に努めるなど、リスク管理を慎重に行い、引き続き影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。 (2)当社の事業及びサービスに関する事項 ① 特定の販売先に関するリスク(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の販売先の上位5社による売上シェアは売上高の42.8%(2025年12月期実績)を占めています。パートナー企業における予期せぬ販売方針の変更や業績不振等により、円滑な取引継続が困難な事態となった場合、あるいは最近の新型コロナウイルス感染症等疾病の蔓延その他天災などにより販売パートナーによる顧客開拓の遅延または中止という事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。上位5社による売上高比率は全社売上高の伸長に伴い、その比率は逓減する見込みとなっております。 [リスクへの対応策] 新機能の開発及び改善を進めサービスの市場価値を高め、販売先との取引関係を長期間継続することができるよう最善を尽くすとともに、販売パートナーとのリレーションを強化して、販売先数の増加及び分散化を図っております。 ② 特定のサービスへの依存について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社のAIプロダクト事業のうち、主力サービスである「Voice Contact」への売上依存度の低減が進んでおります(当事業年度における当該売上高の割合は15.2%。前事業年度は40.8%)。依然として当該サービスは当社の重要な収益源の一つであり、市場環境の変化や競合他社の台頭等により「Voice Contact」に関連する売上高が著しく減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、事業ポートフォリオの多角化により、特定のサービスへの依存に伴うリスクは前事業年度と比較して相対的に低下しております。 [リスクへの対応策] 主力サービスの安定供給を図るとともに、継続的に新たなシステム開発により新製品・新サービスを市場に提供し、ストック収益の拡大、ビジネスモデルへの変革に取組むことで、特定のサービスに依存せずリスクの分散することに注力してまいります。 ③ 特定の外注先に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の外注先の上位5社による外注金額のシェアは40.4%(2025年12月期実績)を占めています。今後、外注先各社の経営方針や業績に著しい変化等が生じること等により取引の継続が難しくなり、かつ、代替先の確保に時間がかかった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 既存の外注先からの紹介、専門エージェントを通した募集などを積極的に行うことにより、特定の外注先に依存しない対応策をとっております。外注先の選定にあたっては、技術力、評判、経営状況及び反社会的勢力との関係の有無などを調査します。取引が進行している外注先とはリアルタイムで情報共有し、各プロジェクトのオンスケジュール推進を念頭に、外注先に対する報告会等を開催することにより、安全・品質管理の徹底等に十分に留意しております。 ④ 新製品開発に係る投資によるリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社では、新機能の開発及び新サービスの提供を目的として、積極的に音声認識ソリューションに係る開発活動を実施しております。しかしながら、予測不能な外部環境の変化により、開発した新機能や新サービスが期待どおりの成果をあげられない可能性があり、この場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社の成長戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営戦略」に記載のとおりであり、これまでに培った顧客基盤と技術領域を活かし、競争優位性を有する分野への事業投資を行ないます。市場環境やポジショニングに関する外部環境分析を行い、営業戦略や開発ロードマップの精度向上に努めております。投資前においては客観的視点での事業プランの評価を行ない、投資後においては事業進捗のモニタリング強化や正確な計数管理を実施することにより、適切にタイムリーな経営判断を行なってまいります。 ⑤ 企業買収(M&A)に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、非連続な成長を実現するため、事業シナジーが見込まれる企業とのM&Aや資本業務提携を積極的に推進する方針であり、企業等の取得に際しては、外部専門家による会計税務・法務のデューデリジェンスを行い、十分にリスクを確認しております。しかしながら、デューデリジェンスを尽くした場合であっても、対象企業の予期せぬ債務の露見、買収後の主要な人材や顧客の流出、あるいは市場環境の激変等により、当初期待していたシナジー効果や投資収益が得られない可能性があります。 また、買収対価が、企業結合日時点における対象企業の識別可能資産及び負債の時価純額を上回る場合に計上される「のれん」について、対象企業の業績が計画を下回り、将来の超過収益力が損なわれたと判断される場合、減損損失が計上される可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、案件の発掘からPMIまでを一貫して推進する専門の体制を整備しております 。投資判断にあたっては、専門的知見に基づく多角的な検討プロセスを経て、リスクとリターンを厳格に評価しております 。投資後においても、迅速な統合プロセスの実行、内部統制システムの導入、コスト削減等の構造改革を推進することで、投資リスクの低減と収益力の早期改善に努めてまいります 。 (3)情報資産及び法規制等に関する事項 ① システム障害・通信トラブルについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の事業では、サービスの安定的な提供を維持するため、外部の提供するクラウドサービスを通じて当社サービスを提供しております。当社は、外部のクラウドサービスを、地震、落雷、火災等の災害に対して十分な耐性を有すると判断される施設に限定し、慎重に検討した上で選定しております。 しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウイルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバへの過剰負荷、人為的ミス等あらゆる原因によりサーバ及びシステムが正常に稼働できなくなった場合、あるいは当社が過去に蓄積してきた商品及び価格情報が消失した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社のサービスが停止する可能性があり、これらの理由により当社のサービスが停止した場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] セキュリティ対策の強化を行うとともに、脆弱性の管理を強化し、外部専門家による検証を行っております。また、システムに冗長性を持たせ安定的に稼働できるように、システムインフラへの投資や稼働環境の見直しを継続的に行っております。 ② プログラム不良によるリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 開発したプログラムの不具合を原因として、システムに動作不良等が発生し、当社の提供するサービスが中断または停止する可能性があります。当社では、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。 しかしながら、このような事態が頻繁に発生した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当サービスに対する信頼性が失われ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 徹底した品質管理を行うことで、開発プログラムの安定稼働の維持に努めており、サービス納品後に万一不具合等が発生した場合においても、迅速かつ適切な対応ができる体制を構築しております。また、エンドユーザーからのクレーム等に備え、クレーム管理規程に則った運用により信頼性の向上に努めます。 ③ 特定のサーバへの依存によるリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社のサービスにおいては、AWS(Amazon Web Services)をデータセンターとして利用しており、2025年12月期実績におけるAWSに対するサーバ費用は53,153千円でありますが、今後も事業拡大に伴いサーバ費用が増加することが想定されます。障害が生じ代替手段の構築ができずに、サービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社が提供するサービスの一部は、AWS以外のクラウドサービスを活用することによりコスト削減を実現できる場合があり、ケースバイケースで最適なインフラ環境をバランスよく選定することが重要と考えています。AWS依存によるリスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識したうえで、AWSの市場動向、経営戦略等、他のクラウドサービスに関する情報収集を定期的に行ない、適切な経営判断ができるよう努めております。 ④ 個人情報の取り扱いについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社サービス内に格納された顧客が保有する個人情報等のデータについては、その閲覧、編集、削除等の一切の管理を顧客が自ら行うものとし、当社は、これらの情報資産を安全にかつ効率的に管理するためのプロダクトを顧客に提供するのみで、当社が自ら顧客のデータの閲覧、編集、削除等の管理を行うことはありません。 しかしながら、当社は、あらかじめ顧客の同意を得て、その依頼に基づき、一時的に顧客保有の個人情報等を預かり、編集等を行うことがあります。当社は個人情報の取扱いに関する重要性、危険性を十分に認識し、個人情報の適切な管理を実現するために、「個人情報保護規程」を整備しております。さらに、当社のホームページに「個人情報保護方針」を公開し、これら規程及び方針に準拠した行動指針やガイドラインを制定するとともに、役職員への教育、研修を通じて、個人情報を適正に管理する体制の構築に注力しております。 なお、当社は、2019年8月にプライバシーマークの認証を取得しているものの、個人情報の収集や管理の過程等において、不測の事態により個人情報の漏洩等が発生した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社への多額の損害賠償請求や認証取消処分または罰金等が課されるなど、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 個人情報保護規程や個人情報保護安全管理細則など体系的に整備し、改正個人情報保護法への対応として関連規程やプライバシーポリシーの見直しを図っております。引き続き、慎重かつ適切な個人情報の管理に努めてまいります。 ⑤ 情報セキュリティ対策の不備によるリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、顧客が保有する多くの情報資産を安全かつ効率的に管理することができるプロダクトを提供しております。また当社も事業運営に必要なさまざまな情報資産を保有しており、情報資産を安全に管理することは、重要な経営課題として認識し、適切なセキュリティ対策を講じるよう努めております。当社では、情報セキュリティマネジメントシステムの整備を進めており、適切な情報セキュリティの実現を図っております。 なお、当社は、2020年1月にISMSの認証を取得しておりますが、当社の予測を超える当社サービスへの不正アクセス、データの盗難、紛失等により、または情報セキュリティ対策の不備により、情報資産の漏洩、紛失、改竄等があった場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社への多額の損害賠償請求や認証の取消処分または罰金等が課される可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 取引関係先や従業員等と秘密保持契約を締結し、情報資産の管理に対しては個人情報保護規程や情報セキュリティ基本規程を整備するとともに、プライバシーマーク、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の各認証を取得し、情報の適正な取扱いと厳格な管理を行なっています。また、コンプライアンス・リスク管理委員会を定期開催し、外部の脅威動向と全社活動状況、課題点を把握し、必要な施策を講じています。 ⑥ 知的財産権について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、知的財産権の保護をコンプライアンスの観点から重要な課題であると認識しており、専門家と連携して可能な範囲で調査対応を行っております。当社が提供するプロダクトの一部について第三者が所有権を有するソフトウェアを使用しておりますが、当該第三者との間で使用許諾に係る覚書を締結しており、第三者の特許権、著作権等の知的財産権の侵害は無いと認識しております。 しかしながら、ソフトウェア開発事業において第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社の事業領域に関連する知的財産権について第三者の特許取得が認められた場合、あるいは将来特許取得が認められた場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の事業遂行の必要上これらの特許権者に対して使用料を負担する等の対応を余儀なくされる可能性があります。この場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社の事業活動において、第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害することのないよう、細心の注意を払い、社員への教育・研修を通じて意識向上に努めております。また、当社が保有する知的財産権についても、重要な経営資源として認識のもと、その保護・活用に努めております。 ⑦ 法的規制について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社がサービスを提供する場合、又はサービス提供の全部又は一部を他の事業者に委託する場合に、深く関与する法律の一例として、以下のような法律があります。 「個人情報の保護に関する法律」 「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」 「著作権法」 「下請代金支払遅延等防止法」 当社は、これらの法律を遵守するために必要な社内体制の整備、当社サービスの利用規約の整備等を行っておりますが、法律改正等により当社の整備状況に不足が生じ、または当社が受ける規制や責任の範囲が拡大した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、その後の当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 法令遵守を実践することにより、健全な企業として発展することを目的として、コンプライアンス規程を制定し、適法性、財務報告の適正性を確保するための内部統制システムを構築しています。また、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、役員・社員への教育啓発活動の実施、関連組織との連携による内部統制の運用徹底・改善の取り組みを通じて、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めております。 ⑧ 自然災害、事故等について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社では、自然災害、事故等に備え、コンピュータシステム、データベース及びログの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めております。しかしながら、当社所在地又はインターネットデータセンター所在地近辺において大地震等の自然災害が発生した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできないものの、当社設備の環境や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 従業員等の安全の確保と事業の継続を目的として、被災時における事業継続については、一定の基準を超える災害発生時には代表取締役社長CEOを執行責任者とする対策本部を設置し、臨機応変な対応を行ないます。当社は、リモートワーク環境下においてもサービス提供できる体制・ノウハウをすでに構築しており、サービス提供への影響の最小化を図っています。 また、ビジネスへの影響に対しては、お客様の状況等を注視しながら事業運営を行ない、リスクに備えた資金手当等、必要に応じた取り組みを適宜実行してまいります。 (4)組織体制に関する事項 ① 特定の人物への依存について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の創業者であり大株主でもある代表取締役社長CEO三本幸司は、当社の強みである事業の創出やノウハウを蓄積しており、事業の推進において重要な役割を果たしております。当社は、三本幸司に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、幹部人材の育成及び強化を進めております。しかしながら、何らかの理由により三本幸司が当社の業務執行ができない事態となった場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社は、三本幸司に対して過度に依存しない経営体制の構築を目指し、経営チーム内での適切な役割分担、権限委譲等を図るとともに、次世代のマネジメント人材の育成・強化を推進しています。 ② 人材の確保及び育成について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社において優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であります。新入社員及び中途入社社員に対する研修の実施をはじめ、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。 しかしながら、これらの施策が必ずしも効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外流出した場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、優秀な人材の確保に支障をきたし、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 事業成長見込みや各部門ニーズを勘案した採用目標数を定義し、即戦力となる経験者採用の強化を推進しています。ストック・オプション等のインセンティブの付与や、人材育成に係るプログラムの強化、人事評価の適正の確保、福利厚生制度の拡充、ワークライフバランスの実現等により、優秀な人材の確保・育成及び流出防止に努めています。 短期的にプロパー人材では充足しないことが見込まれる場合、複数の外注先との定期的な会合等を通じた状況の把握や深いパートナーシップ関係の構築を図ることにより、当社のニーズにマッチした対応が可能な優良パートナー・外注先の確保に努めています。 (5)その他の事項 ① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は286,000株(発行済株式総数4,097,400株の7.0%)であり、当社は今後もストック・オプション制度を活用していく方針であります。 [リスクへの対応策] 当社役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気の高まりを通じ、株価変動に係る利害を株主と共有することで、企業価値向上への貢献につなげられるよう努めてまいります。 ② 配当政策について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。今後の配当政策の基本方針としましては、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。また、内部留保資金につきましては、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、事業基盤の確立・強化を図っていく予定であります。将来的には、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。当事業年度につきましては、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図るため、配当を実施しておりません。 [リスクへの対応策] 事業計画の達成に努め、企業価値を継続的に高めていくことにより、株主へ安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。 ③ 資金使途について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 2024年度に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、人材関連費用、当社プロダクトの研究開発費用、広告宣伝費及び販売促進費に充当する予定であります。 しかしながら、当社は現在、非連続な成長を実現するために、事業シナジーが見込まれる企業の取得や資本業務提携(M&A)を積極的に推進する方針を掲げております。このため、変化する経営環境や投資機会に機動的に対応すべく、当初の計画以外の使途にも調達資金を充当する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、計画以外の使途へ変更が発生した場合は、速やかに開示いたします。また、当初の計画あるいは変更後の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。 [リスクへの対応策] 経営環境等の変化に対応するための突発的な資金需要が発生した場合に備え、内部留保の充実を図るとともに、金融機関等からの柔軟な資金調達を行える体制の整備を行うなど、計画どおりの投資効果を上げるための最善策を講じてまいります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産合計は1,542,837千円となり、前事業年度末に比べて293,044千円減少しました。これは主に、前事業年度末に計上していた開発案件の納品・検収完了に伴う入金等により契約資産が249,152千円減少したこと、前述の入金決済等がありながらも事業譲受に係る決済が影響し現金及び預金が57,613千円減少したことによるものです。また、固定資産合計は541,125千円となり、前事業年度末に比べて471,887千円増加しました。これは主に、事業譲受に係るのれんの計上等により無形固定資産が329,500千円増加したこと、事業譲受に伴う繰延税金資産の計上等により投資その他の資産が142,805千円増加したことによるものです。この結果、資産合計は2,083,963千円となり、前事業年度末に比べ178,842千円増加しました。 (負債) 当事業年度末における流動負債合計は401,977千円となり、前事業年度末に比べて223,827千円増加しました。これは主に、株式会社IPパートナーズとの事業譲渡契約で定められた条件付取得対価に係る未払金の計上等により未払金が254,605千円増加した一方で、前事業年度末のサーバ仕入決済等により買掛金が25,769千円減少したことによるものです。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は1,681,986千円となり、前事業年度末に比べて44,984千円減少しました。これは当期純利益の計上により利益剰余金が18,515千円、新株予約権の行使により資本金が1,434千円、資本剰余金が1,434千円それぞれ増加した一方で、自己株式の取得により66,368千円減少したことによるものです。この結果、自己資本比率は80.7%(前事業年度末は90.6%)となりました。 ② 経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景とした設備投資の拡大に加え、インバウンド需要の定着や賃上げに伴う個人消費の底堅さが継続し、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇の長期化や金利のある世界への移行、米国の通商政策や中国経済の減速、不安定な中東情勢など、海外経済や地政学的リスクを巡る不確実性が続いており、景気の先行きには依然として不透明感が残っています。こうした環境下において、政府及び企業による賃上げ・投資促進の動きや、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進・カーボンニュートラル対応といった構造的な変化に向けた取り組みが進展しております。 当社を取り巻く環境としましては、生成AIの社会実装が本格化し、実用的なソリューションへのニーズが一段と高まるなか、国や企業のDX推進に向けた投資が継続しております。当社においても、これらの市場動向を踏まえ、事業活動を通じて社会及び企業のDX推進に貢献してまいります。 こうした経営環境のもとAIプロダクト事業では、音声認識プラットフォーム「Voice Contact」及びAI議事録作成サービス「ZMEETING」において、生成AIを活用した高度な自動要約機能のブラッシュアップを継続し、企業の業務効率化を強力に支援いたしました。特に「Voice Contact」については、セコム株式会社などの大手企業への導入が進んだほか、対話型AIエージェント「Terry2」のリリースにより、電話応対の完全自動化領域を拡大させ、深刻な人手不足に悩むコンタクトセンター業界の課題解決を推進いたしました。 また、異音検知プロダクト「FAST-D」においては、スマートメンテナンスの需要を取り込み、LNG気化プラントの設備監視や、衛星データと連携した漏水検知システムの実証・実装を進めるなど、インフラ保全業務のDX化をさらに深化させております。 AIソリューション事業では、顧客企業のDX推進に向けたAI開発・コンサルティングを提供しております。当事業年度においては、DXパートナー事業の譲受による体制強化に加え、生成AIを基盤としたシステム開発案件が大幅に増加いたしました。具体的には、ベネッセi-キャリア向けの「AI自動採点サービス」の開発や、金融機関とのAIエージェントに関する共同研究など、高度な自然言語解析技術を活かした新規プロジェクトが順調に推移しております。これらの施策により、既存顧客の継続的な支援に加え、パートナーシップを通じた多角的な受注拡大を実現いたしました。 これらの結果、当事業年度の売上高は1,112,224千円と前年同期と比べ165,866千円の増収(17.5%増)、営業利益は38,573千円と前年同期と比べ56,225千円(59.3%減)の減益、経常利益は39,570千円と前年同期と比べ32,434千円(45.0%減)の減益、当期純利益は18,515千円と前年同期と比べ77,603千円(80.7%減)の減益となりました。 なお、当社は「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度に比べて57,613千円減少し、1,317,463千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次の通りです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、277,822千円の資金収入(前事業年度は139,713千円の資金支出)となりました。その要因は、契約資産の減少額249,152千円、税引前当期純利益39,220千円等による資金増加、仕入債務の減少額25,769千円等による資金減少によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、271,935千円の資金支出(前事業年度は11,026千円の資金収入)となりました。その要因は、事業譲受による支出264,972千円、無形固定資産の取得による支出 9,968千円、敷金・保証金の返還による収入3,005千円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、63,500千円の資金支出(前事業年度は197,060千円の資金収入)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出66,368千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入2,868千円によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社は、「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントであるため、セグメント別に記載しておりませんので、サービス区分別に記載しております。 a 生産実績 当社は、生産活動を行なっておりませんので、該当事項はありません。 b 受注実績 当事業年度における受注実績は、次の通りであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 「AI×音」サイエンス事業   1,079,227   121.1   94,963   79.4 合計   1,079,227   121.1   94,963   79.4 c 販売実績 当事業年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。 サービスの名称   当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)   前年同期比(%) AIプロダクト(千円)   431,369   75.7 AIソリューション(千円)   680,855   180.7 合計(千円)   1,112,224   117.5 (注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)   当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 株式会社ベネッセコーポレーション   137,556   14.5   52,922   4.8 株式会社ゼンリンデータコム   115,062   12.2   21,365   1.9 株式会社システムエグゼ   -   -   139,140   12.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、実際の結果と異なる可能性もありますのでご留意ください。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (b)経営成績の分析 (売上高) 当事業年度における売上高は1,112,224千円(前年同期比17.5%増)となり、前事業年度と比較して165,866千円の増収となりました。これはAIプロダクトの売上が138,184千円減少しながらも、AIソリューションの売上が304,050千円増加したことによるものです。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度における売上原価は625,468千円(前年同期比22.1%増)となりました。これは主に開発人員に係る外注費の増加、社員数の増加及び給与水準の上昇に伴う人件費の増加によるものになります。この結果、売上総利益は486,756千円(前年同期比12.1%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度における販売費及び一般管理費は448,182千円(前年同期比32.1%増)となりました。これは主に事業譲受に係るのれんの償却費やアドバイザリー報酬等が発生したことによるものになります。この結果、営業利益は38,573千円(前年同期比59.3%減)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当事業年度における営業外収益は主に受取利息により1,787千円(前年同期比11.0%減)となりました。営業外費用は主に助成金に係る収益納付の計上により790千円(前年同期比96.8%減)となりました。この結果、経常利益は39,570千円(前年同期比45.0%減)となりました。 (特別損失、税引前当期純利益) 当事業年度における特別損失は、一部固定資産の減損損失計上により350千円(前年同期比91.9%減)となりました。この結果、税引前当期純利益は39,220千円(前年同期比42.1%減)となりました。 (当期純利益) 法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額を含む法人税等合計20,705千円を計上したことにより、当事業年度における当期純利益は18,515千円(前年同期比80.7%減)となりました。 (c)経営成績に重要な影響を与える要因 当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、景気動向や市場環境の変化、法的規制、同業他社、人材等の様々なリスク要因があると認識しております。詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。 ② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりとなります。 資本政策につきましては、内部留保の充実を図るとともに、経営基盤の長期安定に向けた財務体制の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させることと、株主への利益還元を考慮し、実施していくこととしております。 当社の資金需要の主なものは、人材採用及び人件費、外注加工費、システム利用料等に係る運転資金であります。 当社は必要になった資金について、主に内部留保と営業活動によるキャッシュ・フローから支出し、必要に応じて借入金による資金調達を行っておりますが、当事業年度末において借入金の残高はありません。 以上により、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,317,463千円となっております。当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

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出典

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