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日経平均64,214.48-111NYダウ53,686.11+624ドル円155.76-3NASDAQ26,584.06+366S&P 5007,747.71+81SOX 指数11,352.13+139/3終値

インフォメティス

Informetis Co., Ltd.281A · Growth · 情報・通信業

電力データAI解析の先駆者。NILM技術を核に、電力消費者と電力事業者の両方へエネルギー最適化SaaSを提供。

概要

インフォメティス株式会社は、2013年にソニーから機器分離推定技術(NILM)を譲り受けて創業したエネルギー×AIのスタートアップである。総電力データから家電ごとの使用状況を推定する独自のNILM技術を核に、家庭向け電力見える化サービス「ienowa」や蓄電池最適制御などをSaaS型で提供する。東京都港区に本社、英国ケンブリッジに子会社を持ち、東京電力グループとの合弁会社エナジーゲートウェイを通じて事業を展開する。従業員38名、2024年12月期の売上高は10億円。

NILM技術を中核としたエナジー・インフォマティクス事業

当社グループは単一セグメントのエナジー・インフォマティクス事業を展開する。電力センサーで取得した主幹電力波形をAIで解析し、個別家電の使用状況をリアルタイム推定するNILM(Non-Intrusive Load Monitoring)技術が中核である。この技術により、スマート家電への買い替えなしに電力使用の内訳を把握できる。NILMは2021年に国際規格IEC/TS63297として発行され、2025年には正式な国際標準規格となった。収益は、電力センサー販売などの「アップフロント」、継続的な「プラットフォーム・アプリ提供」、受託開発や実証実験の「その他」の3区分で構成される。

国内領域:スマート・リビングとエネルギー・マネジメントの2本柱

国内では電力消費者向けスマート・リビングサービスと電力事業者向けエネルギー・マネジメントサービスを提供する。消費者向けには、電力見える化アプリ「ienowa」「enenowa」と管理システム「hitonowa」を展開し、蓄電池やEVのAI最適制御も行う。事業者向けにはデマンドレスポンス支援サービス「BridgeLAB DR」や簡易見える化「NILM Lite」を提供する。2025年12月期には大手賃貸事業者との取引終了や次世代スマートメーター関連の開発遅延が発生したが、成果報酬型のDRサービス導入拡大により受注契約数が前期比約2倍に増加した。

海外領域:英国を拠点に欧州展開を本格化

海外事業は2014年設立の英国子会社Informetis Europe Ltd.が担う。同社はケンブリッジに所在し、AI研究開発拠点であるとともに欧州圏の営業拠点として機能する。2025年11月には、Daikin Airconditioning UK Ltd.が当社技術を搭載したヒートポンプ製品「UP Series」の販売を開始し、欧州での初の商業展開となった。また、経済産業省の受託事業を通じてNILMの国際標準化を推進し、国際電気標準会議(IEC)で規格化に貢献した。海外売上高はまだ小さいが、次世代スマートメーターの国際展開を見据えた布石を打っている。

リカーリング型収益モデルと実証実験の重要性

当社の収益モデルは、サービス利用開始後の継続的な課金(プラットフォーム・アプリ提供)が中核であり、ARR(年間経常収益)を成長指標としている。2024年12月期には初めて営業利益を計上したが、2025年12月期は大口顧客喪失や次世代メーター関連の遅れにより売上5億円、営業損失6億円を見込む。一方、実証実験は将来の商業化につながる重要なプロセスであり、自治体ヘルスケア、認知機能低下予測、不在配達低減などの分野で進行中である。これらは2026~2027年のサービスリリースを目指している。

アライアンスによるデータ取得と事業基盤の強化

当社は東京電力グループ、関西電力グループ、日立製作所、ダイキン工業、博報堂DYホールディングスなどとアライアンスを結び、秘匿性の高いデータを継続的に取得できる体制を構築している。特に東京電力パワーグリッドとの合弁会社エナジーゲートウェイ(出資比率40%)は、国内における消費者向けサービスの独占販売代理店である。2024年12月にはフォーバルとの業務提携を締結し、小規模法人向け脱炭素化支援サービスの商業展開を2025年12月に開始した。これらの連携により、電力データの付加価値創出と新市場開拓を進めている。

業界の中での役割は電力スマートグリッド領域で需要側の最適化を担うエネルギーAIプラットフォーム事業者にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
5億円
営業利益
-6億円
営業利益率
-120.0%
純利益
-7億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01電力消費者向け(賃貸・ハウスメーカー等)主力

賃貸事業者、ハウスメーカー、住宅設備商社向けに電力見える化・設備遠隔制御サービスを提供。NILM技術により家電別の電力使用を推定し、省エネ行動や設備の最適制御を可能にする。ストック型のサービス料金が収益の柱。

国内初のNILM商用サービスを提供、電力AI業界のリーディング企業

主な製品・サービス3
ienowa(イエノワ)
家庭の電力の流れを可視化し、家電のつけっぱなし等を通知するスマートリビングサービス。
enenowa(エネノワ)
蓄電池等をAIで最適制御する高度な電力マネジメントを可能にするサービス。
hitonowa(ヒトノワ)
電力消費者と顧客企業をつなぐ管理システム。問い合わせ対応やデータ利活用を支援。

02電力事業者向け(小売電気事業者・アグリゲーター等)準主力

小売電気事業者等に対して、デマンドレスポンス支援サービスや簡易な電力見える化サービスを提供。再エネ大量導入時代の需給調整を、需要側のリソースを活用して支援する。クラウド型のSaaSで提供し、電力取引収支改善等に貢献。

主要顧客東京電力パワーグリッド、伊藤忠エネクス

主な製品・サービス2
BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)
クラウド型デマンドレスポンス支援サービス。電力消費の抑制(下げDR)と創出(上げDR)の両方に対応し、需要調整の要請・応動確認・集計を実現。
NILMライトサービス(テラりんアイ)
既存のスマートメーターから30分値データを活用し、初期コストを抑えた電力使用状況の見える化を提供。伊藤忠エネクスグループと協業。

03海外市場(欧州中心)副次

英国に技術開発・営業拠点を設け、欧州で事業展開。ヒートポンプ給湯器の普及に伴い、ダイキン欧州子会社と協業し、給湯器向け電力センサーと最適化サービスを提供。電力消費の最適化によるカーボンニュートラルに貢献する。

主要顧客Daikin Europe N.V.、Daikin Airconditioning UK Ltd.

主な製品・サービス2
電力センサー(ヒートポンプ付帯)
ヒートポンプ給湯器に組み込む電力センサー。家庭の総電力データを高精細に計測し、AI分析の基盤となる。
Budget Control(バジェットコントロール)
ヒートポンプ給湯器の電力使用をAIで最適化し、電気代を自動調整するサービス。ダイキンのUPシリーズに搭載。

製品と技術

コア技術「NILM」:家庭の総電力から家電使用を推定

NILM(Non-Intrusive Load Monitoring)は、家庭の分電盤の主幹部に設置した一つの電力センサーのみで総電力データを取得し、AI(機械学習)により個別家電の稼働状況をリアルタイムに推定する技術である。従来の30分値の電力データより圧倒的に高精細な波形情報を用いるため、エアコンや給湯器など主要家電の使用開始・終了時刻や消費電力量を特定できる。当社は2016年にこの技術を商用化し、2021年には国際規格IEC/TS63297として発行された。2025年には正式なIEC国際標準となり、次世代スマートメーターとの互換性も確保されている。

「ienowa」と「enenowa」:家庭の電力を見える化するアプリ群

「ienowa」と「enenowa」は、NILM技術を活用した電力見える化アプリである。家電ごとの電気使用量や太陽光発電、蓄電池の充放電状況をグラフで表示し、つけっぱなしや使い過ぎを通知する。特に「enenowa」は蓄電池やEVの充放電をAIで最適制御する機能を備え、電力コスト削減と環境負荷低減を同時に実現する。これらのアプリはエナジーゲートウェイを通じて販売され、ハウスメーカーや賃貸事業者向けに提供される。2020年にはアイ工務店の住宅に標準採用された。

「BridgeLAB DR」:電力事業者向けデマンドレスポンス支援

「BridgeLAB DR」は、小売電気事業者やアグリゲーター向けのデマンドレスポンス(DR)支援サービスである。家庭や法人の電力需要を予測・制御し、需給逼迫時のピークカットや調整力提供を可能にする。2025年には成果報酬型メニューを導入し、受注契約数が前期比約2倍に増加した。DR運用で取得したデータはそのまま「NILM Lite」など他のサービスに応用可能であり、クロスセル効果も期待されている。2025年12月期の業績低迷を補う成長分野として位置づけられる。

蓄電池AI最適制御システム:蓄電池とEVの充放電を自動化

2021年2月に販売開始された蓄電池AI最適制御システムは、家庭の電力使用パターンや太陽光発電量、天気予報をAIが分析し、蓄電池やEVの充放電を自動制御する。これにより、電力料金の最小化や自家消費率の向上を図る。制御状況は「enenowa」アプリで確認可能。2025年にはダイキン工業との連携により、英国向けヒートポンプ製品への組み込みも実現した。このシステムは電力事業者向けのVPP(仮想発電所)リソースとしても活用されている。

「hitonowa」:電力消費者と事業者をつなぐ管理プラットフォーム

「hitonowa」は、電力消費者(エンドユーザー)とサービス提供企業(ハウスメーカー、電力小売事業者など)を結ぶ管理システムである。消費者からの問い合わせ受信、お知らせ配信、電力データを活用した暮らし提案などの機能を持つ。事業者は「hitonowa」を通じて顧客の電力使用傾向を把握し、省エネアドバイスや新サービスの提案を行うことができる。2019年にエナジーゲートウェイから販売が開始され、現在も継続的に機能拡充が進められている。

次世代スマートメーター対応技術と応用サービス

2026年から順次導入される次世代(第2世代)スマートメーターには、当社の計測方式と互換性のある仕様が採用された。これにより、現行メーターの30分値より格段に細かい電力データが標準で取得可能となり、NILMの精度と応用範囲が拡大する。当社はこのデータを活用した高齢者見守り、認知機能低下予測、不在配達低減などの新サービスを開発中で、2026~2027年のリリースを目標とする。また、焼損予兆検知や広域需要分析など電力事業者向けの技術開発も進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 電力消費者向け(賃貸・ハウスメーカー等)国内初のNILM商用サービスを提供、電力AI業界のリーディング企業

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

AI関連だが赤字転落、業績悪化深刻

同社は情報・通信業に属し、AIソリューションを提供。2024/12期は売上高10億円で営業利益ゼロ、2025/12期は売上高5億円・営業赤字120%と急激に悪化。同業のVRAIN Solutionやソラコムなどと比べ業績が芳しくなく、競争力に疑問。提供データからは成長ストーリーが見えず、課題が山積。

強み

  • AI関連事業に特化し、成長市場に参入。
  • 低資本で事業開始可能、だが規模拡大は困難。
  • 特定のAI技術に強みを持つ可能性。
  • AI市場の成長性は高く、需要取り込み余地あり。

課題

  • 売上高半減、営業赤字転落と収益が大幅に悪化。
  • 同業他社と比較し業績が低迷、競争力が低い。
  • 赤字継続で資金調達が困難になり、事業継続リスク。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がインフォメティス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで1番目にあたる。

#企業時価総額PER
1281Aインフォメティス21億円
23646駅探21億円
33928マイネット21億円
44199ワンダープラネット21億円
5248Aキッズスター21億円22.7倍
64178Sharing Innovations21億円29.8倍
74416True Data20億円24.8倍
84444インフォネット20億円
93803イメージ情報開発20億円
103998すららネット20億円
113664WIZE20億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 20件

ソニーからNILM技術を譲受し独立開業した2013年

2013年4月、インフォメティス株式会社が資本金600千円で設立された。同年7月、ソニー株式会社(現ソニーグループ)から機器分離推定技術(NILM)を譲り受け独立し、東京都港区高輪に本社を開業した。この技術は電力の主幹波形を解析して個別家電の使用を推定するもので、後に当社のコア技術となる。創業時は正社員数名の小規模チームだったが、独自技術を武器にエネルギー×AI分野への参入を果たした。

英国拠点設立とNEDO助成事業採択(2014~2016年)

2014年11月、海外向けAI研究開発拠点として英国ケンブリッジにInformetis Europe Ltd.を設立した。2015年4月、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に「ディスアグリゲーションHEMSの実用化開発」が採択された。2016年9月には、電力見える化サービス「うちワケ」の商用販売を開始し、国内初のNILM商用サービスを実現した。同年10月、NEDO省エネルギー技術フォーラムで研究成果を展示した。

東京電力グループとの連携開始と合弁会社設立(2017~2018年)

2017年6月、東京電力パワーグリッドとの業務提携を開始した。同年8月、東京電力エナジーパートナーが「遠くても安心」サービスを商用導入し、当社技術が採用された。2018年3月、東京電力パワーグリッドと合弁で株式会社エナジーゲートウェイを設立(当社出資比率40%)。同社は電力データの収集・分析・加工を事業目的とし、後の消費者向けサービスの販売代理店となった。2018年12月、事業拡大に伴い本社を港区芝に移転した。

AIサービス「ienowa」発表と複数企業とのアライアンス構築(2019~2020年)

2019年11月、エナジーゲートウェイからAIキャラクターサービス「ienowa」と「hitonowa」の販売を開始した。同年12月、日立製作所を引受先とする第三者割当増資を実施しアライアンスを構築。2020年2月にはダイキン工業と博報堂DYホールディングス、6月には関西電力グループのK4 Venturesからも増資を受け、パートナー企業を拡大した。2020年5月、アイ工務店の住宅に電力センサーと「ienowa」「hitonowa」が採用されたことで、ハウスメーカーへの導入が本格化した。

蓄電池制御システムと国際規格化の成果(2021年)

2021年2月、エナジーゲートウェイと共同で蓄電池メーカー向け「蓄電池AI最適制御システム」の販売を開始した。同年3月、スマートフォンアプリ「econowa」(後に「enenowa」に改称)をリリース。同月、世界初のNILM国際規格IEC/TS63297が発行され、当社技術の国際的な標準化が進んだ。2021年7月には小売電気事業者向け「デマンドレスポンス支援サービス」の運用を開始した。10月、国立循環器病研究センターと東電PGとの共同研究にNILM技術を提供し、電力データから認知機能低下予測モデル作成に活用された。

業績変動と大口顧客喪失を経験した2024~2025年

2024年12月期の売上高は10億円、営業利益0円、当期純利益1億円と初の黒字を達成した。しかし、2025年12月期は大手賃貸事業者との取引が急遽終了し、アップフロントと継続収益の計上が見込めなくなった。また、次世代スマートメーター関連の開発スケジュールが後ろ倒しとなり、売上高は5億円、営業損失6億円、当期純損失7億円と大幅減収・赤字転落の見通しである。これを受け、収益基盤の安定化と新たな収益源の創出が経営課題となっている。

次世代スマートメーター対応と欧州展開の進展(2025年)

2026年から本格導入が始まる次世代スマートメーターには、当社の計測方式と互換性のある仕様が採用された。当社はこの流れを受け、2025年6月にNILMの国際標準規格が正式発行されるなど、技術面での優位性を強めている。2025年12月にはフォーバルとの業務提携に基づく小規模法人向け脱炭素支援サービスを開始。英国ではDaikin Airconditioning UK Ltd.が当社技術を搭載したヒートポンプ製品の販売を開始し、欧州での商業化が第一歩を踏み出した。

設立以来の累積赤字と今後の課題

2013年の設立以来、ほとんどの年度で当期純損失を計上している。2021年3月期から2025年12月期の累積損失は約18億円に達する。資本金は複数の第三者割当増資により段階的に増加したが、2025年12月期末の純資産は5.86億円と前年から大幅に減少した。負債は短期借入金などで10.63億円に膨らみ、自己資本比率は低い水準にある。経営陣はARRの成長とリカーリング収益の積み上げを重視しているが、大口顧客への依存体質や事業の先行投資負担が収益化の課題となっている。

年表20件を開く

2010年代

  • 2013年4月創業インフォメティス株式会社を設立(資本金600千円)し、独立開業のための準備を開始
  • 2013年7月ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)より機器分離推定技術(NILM: Non Intrusive Load Monitoring)を譲渡され独立。東京都港区高輪に本社開業
  • 2014年11月イギリス・ケンブリッジに海外向けAI技術の研究所としてInformetis Europe Ltd.を100%子会社として設立
  • 2015年4月当社の「ディスアグリゲーションHEMSの実用化開発」の研究が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成事業「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に採択
  • 2016年9月電力見える化サービス「うちワケ®」の商用販売開始
  • 2016年10月国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構助成事業における当社研究成果を「NEDO省エネルギー技術フォーラム2016」にて展示
  • 2017年6月東京電力パワーグリッド株式会社との業務提携開始
  • 2017年8月東京電力エナジーパートナー株式会社が「遠くても安心」サービスを商用導入
  • 2018年3月電力データを収集・分析・加工するIoTプラットフォームサービスを提供することを事業目的として、東京電力パワーグリッド株式会社と合弁で株式会社エナジーゲートウェイを設立(当社出資比率40%、持分法適用関連会社)
  • 2018年12月事業拡大に伴い、本社を東京都港区芝に移転
  • 2019年11月AIキャラクターが毎日の暮らしを便利にするサービス「ienowa(イエノワ)」と「hitonowa(ヒトノワ)」を株式会社エナジーゲートウェイから販売開始
  • 2019年12月株式会社日立製作所を引受先として第三者割当増資を実施、アライアンス体制を構築

2020年代

  • 2020年2月ダイキン工業株式会社、株式会社博報堂DYホールディングスを引受先として第三者割当増資を実施、アライアンス体制を構築
  • 2020年5月株式会社アイ工務店が提供する住宅に電力センサー、「ienowa(イエノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」サービスが採用される
  • 2020年6月関西電力グループの合同会社K4 Venturesを引受先として第三者割当増資を実施、アライアンス体制を構築
  • 2021年2月株式会社エナジーゲートウェイと共同開発した蓄電池メーカー向け「蓄電池AI最適制御システム」を販売開始
  • 2021年3月家庭のエネルギーをスタイリッシュに管理するスマートフォンアプリ「econowa(エコノワ)」(現「enenowa(エネノワ)」)を株式会社エナジーゲートウェイからリリース
  • 2021年3月世界初の機器分離推定技術(NILM)に関する国際規格(IEC/TS63297)が発行
  • 2021年7月小売電気事業者(注2)向け「デマンドレスポンス(DR)(注3)支援サービス」のサービス運用開始
  • 2021年10月国立研究開発法人国立循環器病研究センターと東京電力パワーグリッド株式会社による「家庭内の電力使用データを活用した認知機能低下の予測モデル作成」研究に当社の機器分離推定技術を活用

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ARR(年次経常収益)数値目標は明記されていない

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    次世代スマートメーター対応の強化

    2026年から導入される次世代スマートメーターから得られる高精細データを活用し、見守り・ヘルスケアなどの電力消費者向けサービスを拡充。電力事業者向けには焼損予兆検知やリソースアグリゲーション向け技術などを開発し、データとノウハウの好循環を創出する。

  2. 02

    アライアンス体制の構築・強化

    東京電力グループや関西電力グループ、日立製作所、ダイキン工業などと連携し、秘匿性の高いデータを継続的に取得。電力データ活用で付加価値を創出できていない業界・業種を中心にアライアンスを拡大する。

  3. 03

    欧州を起点とした海外展開

    英国に子会社を設立し、現地企業との実証実験を実施。欧州全体での事業実績と技術的優位性を確立し、さらにアジアなど他地域への展開も視野に入れる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で38人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は802万円で、1期前と比べて+11.8%平均年齢は45.4歳、平均勤続年数は6.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年12月71844.15.0410
2025年12月80245.46.138−1,579

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 1 / 海外 1、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
本社 — 東京都港区643百万円
Cambridge, United Kingdom0百万円
主な関係会社
  • 海外
    Informetis Europe Ltd.
    Cambridge, United Kingdom · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社エナジーゲートウェイ
    東京都港区 · 持分法適用会社
    議決権40.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は5億円営業利益-6億円前期と比べると減収で、売上が-50.0%。

売上高
-50.0%
5億円
営業利益
-6億円
純利益
-800.0%
-7億円
営業利益率
-120.0%
前期比 -120.0%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高8億円5億円
営業利益-4億円-6億円
純利益-4億円-7億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

4期分

直近は2026年2Qで、売上は1億円、営業利益は−1億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は−66.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2025年2Q3−3−100.0−2
2025年4Q2−3−150.0−5
2026年1Q2−1−50.00
2026年2Q1−1−100.0−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

2021年3月期からの6期で、売上は5億円から5億円へほぼ横ばい。直近期の営業利益率は-120.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2021年3月5−3−3
2022年3月7−3−6
2022年12月5−3−4
2023年12月9−1−3
2024年12月10010.01
2025年12月5−6−7−120.0−7

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高5億円のうち、営業利益として残るのは-6億円-120.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-7億円、売上の-140.0%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金40.0%2億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金180.0%9億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-120.0%-6億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
60.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比128.4pt
-120.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比146.6pt
-140.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-43.8%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-35.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2025年12月期は営業CFが−4億円、投資CFが−3億円で、差し引きのフリーCFは−7億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は4億円で、売上の9.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年12月−2−20−43
2023年12月0−45−45
2024年12月0−36−38
2025年12月−4−33−74

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2025年12月期の総資産は16億円。このうち返さなくてよい自己資本が6億円で、自己資本比率は35.3%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2021年3月138560.4
2022年3月159656.4
2022年12月114740.0
2023年12月136746.3
2024年12月2013763.9
2025年12月1661135.3

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
4億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-13億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
11億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
24
/ 100
安定性自己資本比率24 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中523位あたり、逆に低いのは営業利益率605社中603位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-120.0%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
35.3%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-50.0%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.6%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月3日の終値

直近の終値は¥418で、1年前と比べて-74.3%過去52週の値幅のなかでは8%の位置にある。

¥418-2.1%1ヶ月-12.0%1年-74.3%時価総額21億円
過去52週の値幅
安値¥306高値¥1,735

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR3.00倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

前日比6.2%安の439円。1カ月では6.99%下落し、25日線459円を下回る。75日線608円から大きく乖離し、200日線529円も下回った。年初来では-73.33%と大幅安で、52週高値2185円からは約80%下落。週足では7月末に416円まで下げた後、戻りを試すも再度下落。出来高は直近で増加しており、売りが続く。低価格帯での底値圏だが、トレンドは弱い。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PBRが2.71倍で同業界平均3.53倍を下回るが、ROE5.98%と低く、収益力に見合わない評価。無配当で配当利回り0%は同業界平均3.38%と比べ見劣りする。直近の業績見通しは大幅な赤字拡大で、収益悪化が顕著。同業界平均のPER30.09倍に対し、当期純利益がマイナスのためPERは算出不能。資産価値に対する評価はやや割安だが、収益性と配当の面で割高感が強い。総合的に割高と判断。

指標この会社業種平均
PBR3.00倍2.98倍
ROE6.0%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上は緩やかに成長してきたが、直近で急減し、営業赤字が拡大。最終赤字も継続しており、事業の見通しに不透明感が強い。強気派は、過去に黒字化を達成した実績や、市場ニーズが高まる情報技術分野での成長可能性を評価。また、株価が年初から大きく下落し、割安感が出ているとみる向きもある。弱気派は、減収と赤字の拡大が経営の危機を示すとして、事業モデルの持続性に疑問を呈する。資金調達の継続や事業再編の動きを注視する必要があり、投資判断は難しい状況。

プラスに働く材料7
  • 黒字化の実績

    2024年12月期に営業利益率が0%ながら最終黒字を達成しており、損益分岐点に近い

  • 株価大幅下落で割安感

    過去1年で株価が75%下落し、PBR2.71倍と資産価値に比べ評価が低下

  • 成長分野への期待

    情報・通信業に属し、デジタル化の進展で中長期的な需要拡大が見込まれる

  • 2024/12期に純利益1億円の黒字化通年影響

    売上高10億円、純利益1億円を計上した実績

  • ROE5.98%まで回復した前例不定影響

    黒字化局面ではROEが5.98%、収益回復余地を示す

  • 株価75%下落で売られ過ぎ不定影響

    過去1年で▲75.27%と急落、リバウンド期待

  • 株価450円の低位小型株不定影響

    時価総額22億円と小さく、需給次第で急騰しやすい

マイナスに働く材料7
  • 大幅減収

    2025年12月期は売上高5億円と前期比半減で、需要が激減した可能性

  • 赤字拡大

    営業利益率が-120%に悪化し、収益構造が大きく毀損

  • 業績の不安定さ

    減収と赤字の拡大が継続的で、事業の持続可能性に懸念がある

  • 売上高が10億円から5億円に半減通年影響

    2025/12期売上高5億円、前期比5億円減の大幅減収

  • 純損失7億円と巨額赤字通年影響

    純損失▲7億円は時価総額22億円の3割超に相当

  • 営業利益率▲120%と事業継続リスク継続影響

    売上高5億円に対し営業損失6億円、利益率▲120%

  • 無配当で株主還元なし継続影響

    配当利回り0%、株主へのキャッシュ還元がない

次の決算で確かめる点
売上高の推移
減収傾向が続くか、回復の兆しがあるかを見る
営業利益率
赤字幅の縮小・拡大を確認し、収益改善の進捗を測る
現金及び預金
赤字続きで資金繰りが悪化していないか、十分な手元資金があるかを確認

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ3,495人。区分でいちばん多いのは個人・その他52.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が33.8%を占め、残る66.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年12月%2025年12月%
個人・その他43.152.6
事業法人35.633.7
証券会社10.59.8
外国法人6.63.8
金融機関4.10.1
外国人個人0.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社フォーバル12.94
02TIS株式会社5.67
03伊藤忠エネクス株式会社5.18
04新井 友行3.13
05株式会社SBI証券3.05
06IEファスト&エクセレント投資事業有限責任組合2.86
07株式会社建設技術研究所2.63
08田所 昇2.56
09楽天証券株式会社1.90
10JIA1号投資事業有限責任組合1.73

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近6
  • 2026-08-24
    岡三証券株式会社
    新規の大量保有報告
    17.77%
    -1.19pt
  • 2026-07-30
    岡三証券株式会社
    新規の大量保有報告
    18.96%
    -1.02pt
  • 2026-07-29
    岡三証券株式会社
    新規の大量保有報告
    19.98%
  • 2026-05-22
    伊藤忠エネクス株式会社
    新規の大量保有報告
    2.95%
    -2.28pt
  • 2026-05-11
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.00%
  • 2026-04-21
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.00%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は6期で+90%、1株純資産は6期で−97%。直近期のROEは6.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2021年3月−1,4374,599
2022年3月−174222
2022年12月−96110
2023年12月−77144
2024年12月13262
2025年12月−148118

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2025/12期の役員報酬は総額70百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
只野太郎代表取締役5838,000
横溝大介取締役CFO5116,000
髙橋元弘社外取締役51
髙橋研兒社外監査役66
大久保樹理社外監査役45
西村正則社外監査役66

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)248335126
社外取締役419195

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容23,461字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) ミッション 当社グループは、「エネルギーデータの力で、暮らしの未来を変えていく。」をミッションとして、[エネルギー×AI]をコア技術に、エネルギー最適化ソリューションを提供することで、日本で、世界で、カーボンニュートラルの社会実装に挑み続けております。 (2) 事業の概要 当社グループは、当社、連結子会社(Informetis Europe Ltd.)及び関連会社(株式会社エナジーゲートウェイ)の3社で構成され、脱炭素やGXに取り組む企業向けに、エナジー・インフォマティクス事業を展開しております。 連結子会社であるInformetis Europe Ltd.は、地域的にAI(機械学習(注1))の学術的教育環境が整っており、最先端のAI研究者採用に有利なイギリス・ケンブリッジに設立された技術開発拠点であるとともに、欧州圏を中心とした営業拠点でもあります。 関連会社である株式会社エナジーゲートウェイは、当社と東京電力パワーグリッド株式会社で共同設立した東京電力パワーグリッド株式会社の子会社で、国内における当社電力消費者向けサービスの独占的販売代理店であるとともに、東京電力グループの事業領域を拡大し、同グループの競争力の強化と企業価値の向上に重要な役割を果たしております。 エナジー・インフォマティクス事業は、エネルギー関連データを独自のAIで解析し、①省エネルギーと快適生活の実現をするスマート・リビングサービスと②エネルギーの運用効率の最適化を実現するエネルギー・マネジメントサービスをSaaS(注2)型で提供するもので、その概要は、以下のとおりであります。 ① 電力センサー等から得られるエネルギー関連データをIoTデータプラットフォーム(注3)(以下、「プラットフォーム」という。)に収集 ↓ ② プラットフォームに蓄積されたエネルギー関連データを独自のAI※で解析し、例えば、電力のムダを削減するなどの価値あるデータに加工※独自のAIとNILMエネルギーデータをAI(機械学習)により分析し、家庭や施設の総電力データから「どの家電がいつ、どのくらい使われているか」をリアルタイム(即時)に推定する機器分離推定技術(Non-Intrusive Load Monitoring技術(以下、「NILM」という。))や最適化技術を中核とするエネルギーデータ解析に特化した当社グループ独自のAIのことです。NILMは、各家庭や各施設の総電力の入口である主幹部分に設置した1つの電力センサーにより総電力データを取得し、主幹電力波形をAI(機械学習)等により分析することで、家電ごとにたくさんのセンサーを取り付けたり、スマート家電に買い替えたりすることなく、どの家電が、いつ、どれくらい使われていたかを推定する当社グループのコア技術です。当社グループは、2016年に国内初のNILM商用サービスを提供し、東京電力グループとの連携を通じて、業界でのプレゼンスを強化してまいりました。これにより、当社グループは、電力AI業界におけるリーディング企業としての地位を確立しております。NILMによって、これまで知りえなかった電力使用の内訳を簡単に知ることができるようになるだけでなく、そこから得られたデータは、エネルギーの効率的利用や生活の見守りなど様々なメリットをもたらします。 ↓ ③ 価値あるデータを用いてプラットフォーム上に構築されたスマート・リビングサービスとエネルギー・マネジメントサービスを提供することで、電力利用効率の最適化 具体的には、電気を作る(発電)→電気を送る(送配電)→電気を小売りする(小売)→電気を消費する(消費)という電力供給の仕組みの中で電力利用効率の最適化を図るためには、電力供給に関わる設備の特徴を考慮しながら電力供給のバランスを維持しつつ、生活の質を保ち、不便を最小限に抑える必要があることを踏まえて、(ⅰ)電力消費者向けサービスの提供を通じて電力利用効率の最適化を図る「ienowa(イエノワ)」、「enenowa(エネノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」などのサービスと、(ⅱ)電力を供給する側である電力事業者向けサービスの提供を通じて電力利用効率の最適化を図る「BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)」などのサービスを提供しております。 なお、当社グループは、エナジー・インフォマティクス事業を単一セグメントで展開しているため、以降の説明においてセグメント別の記載は省略しておりますが、事業領域は、事業を展開する地域により、①国内領域及び②海外領域に分かれております。 当社グループの収益モデルは、プラットフォーム上に構築されたサービスを利用する顧客企業数又は顧客企業のエンドコンシューマー数及びプラットフォーム上で稼働する各種アプリのエンドコンシューマー数が増加するにつれて、年々売上収益が積み上がり、累積的・継続的な発生を見込むことが可能なリカーリング型の収益(ストック型の収益)があり、「プラットフォーム・アプリ提供」がこれに該当いたします。 一方で、プラットフォーム上に構築されたサービスやプラットフォーム上で稼働する各種アプリの利用開始時には、起点として、電力センサーの機器販売代金、プラットフォーム上に構築されたサービスの初期設定費用やプラットフォーム上で稼働する各種アプリの初期設定費用などの一時的な収益(フロー型の収益)を伴うこともあり、「アップフロント」がこれに該当いたします。 「アップフロント」は、「プラットフォーム・アプリ提供」の起点となることから、当社グループでは、累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」のみならず、一時的な収益である「アップフロント」も重視しております。 なお、当社グループにおいては、見込顧客による実証実験が翌年以降の商業化に伴う収益につながっております。実証実験において、当社グループは、実証実験の設計、運営、データ分析やレポート作成などのプロセスの全部又は一部を見込顧客から受託し、委託料を受け取るのが一般的な収益モデルとなっており、「その他」がこれに該当いたします。 当社グループにおける収益区分の詳細は、以下のとおりであります。 区分   収益の性質   収益の説明   具体例 アップフロント   フロー型   1.プラットフォームの利用開始時に生じる一時的な収益2.電力センサーの販売台数、プラットフォーム上に構築された各種サービスを利用開始した顧客企業数やプラットフォーム上で稼働する各種アプリを利用開始したエンドコンシューマー数(プラットフォーム登録者数)などに比例する3.プラットフォーム・アプリ提供による収益の基盤となるため、アップフロントが増加すると、翌月以降のプラットフォーム・アプリ提供による収益の増加が見込まれる   1.電力センサーの機器代金2.プラットフォーム上に構築された各種サービスの初期設定費用3.プラットフォーム上で稼働する各種アプリの初期設定費用 プラットフォーム・アプリ提供   ストック型リカーリング型   1.プラットフォームの利用開始後に生じる累積的・継続的な収益2.プラットフォーム上に構築された各種サービスを利用する顧客企業数やプラットフォーム上で稼働する各種アプリのエンドコンシューマー数(プラットフォーム登録者数)などに比例する   1.プラットフォーム上に構築された各種サービスに関する以下の料金・利用料金・運用保守料金2.プラットフォーム上で稼働する各種アプリの利用料金 その他   フロー型※ただし、繰り返し得られるものは、ストック型・リカーリング型   1.プラットフォームの利用開始前後を問わず生じる一時的な開発等による収益2.上記1のほか、アップフロント及びプラットフォーム・アプリ提供以外の収益   1.受託開発料金2.実証実験料金 ① 国内領域 当社グループは、国内領域においては、以下のとおりサービスを提供しております。 電力消費者向けサービス   商用化段階スマート・リビングサービス電力消費者側の行動変容による電力利用効率の最適化を目的として、電力消費者にサービスや設備を直接提供している賃貸事業者、ハウスメーカー及び住宅設備商社に向けて、AI+IoT住宅サービス(電力の見える化サービス)や設備の遠隔制御サービスなどを提供しております。具体的なサービスとして、「ienowa(イエノワ)」、「enenowa(エネノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」があり、これらがスマート・リビングサービスのスタンダードサービスとなります。「ienowa(イエノワ)」及び「enenowa(エネノワ)」は、家電による電気の使用や太陽光の発電、蓄電池の充放電などの家庭における電力の流れを電力消費者に向けてわかりやすく見える化し、「家電のつけっぱなし」や「電気の使い過ぎ」などを、通知いたします。 また、「enenowa(エネノワ)」は、蓄電池等の大容量電力設備を自動で最適化制御するアルゴリズムも組み入れており、高度な電力マネジメントを可能にいたします。さらに、「hitonowa(ヒトノワ)」は、電力消費者と顧客企業をつなぐ顧客企業向けの管理システムであります。「hitonowa(ヒトノワ)」は、電力消費者からの問い合わせ受信や電力消費者へのお知らせ配信の業務効率化、電力データを利活用したより良い暮らしの提案などを実現いたします。「ienowa(イエノワ)」及び「enenowa(エネノワ)」に使用されている当社のNILM技術は、従来の標準的電力情報である「30分値」よりも大幅に高精細な電力波形情報をもとに、「どの家電がいつ、どのくらい使われているか」をリアルタイム(即時)に推定するものであるため、これを家電の稼働、家の中の活動センサーデータとして応用し、他のIoT機器(注4)連携を組み合わせたIoTスマートホームへの活用も進んでおります。具体的には、「30分値」よりも高精細な電力情報取得のために設置した当社グループの電力センサーからの電力データとGoogle Homeなどのスマート家電コントローラ(注5)とを連携させることにより、家の状況、暮らしの様子を細かく把握した空調自動制御やその確認、エンドコンシューマー(消費者)による遠隔制御を可能にしております。 エネルギー・マネジメントサービス蓄電池AI最適制御、V2H(注6)AI最適制御当社の数理最適化AI技術を活用し、EV(電気自動車)の利用も含めた家庭の電気の使用状況やPV(太陽光発電)の発電状況、天気予報などの情報をAIが分析・予測し、蓄電池やEVの充電・放電を自動でコントロールし、家庭のエネルギーの使い方を最適化いたします。また、PV・EV・蓄電池の稼働状況は、「enenowa(エネノワ)」を通じて確認することができます。 収益区分 ※収益区分の詳細は、前掲の表をご参照ください。「ienowa(イエノワ)」及び「enenowa(エネノワ)」においては、サービスを利用するために必要となる電力センサーの販売代金が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、家電による電気の使用や太陽光の発電、蓄電池の充放電などの家庭における電力の流れをエンドコンシューマーである電力消費者に向けてわかりやすく見える化するアプリの利用料金が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客企業の要望に基づいて、アプリのカスタマイズなどの特別なシステム開発や実証実験を行った場合に生じる料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。また、「hitonowa(ヒトノワ)」においては、サービスの利用開始時の初期設定費用が「アップフロント」に該当し、サービスを利用する際に生じるランニング費用が「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客企業の要望に基づいて、カスタマイズなどの特別なシステム開発を行った場合に生じる料金が「その他」に該当いたします。蓄電池AI最適制御、V2H最適AI最適制御においては、当社グループのシステムと顧客である小売電気事業者等のシステムの連携のために生じる初期設定費用が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、サービスを利用する際に生じるランニング費用が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客の要望に基づいて、特別なシステム開発等を行った場合に生じる開発料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。 実証実験段階電力利用効率の最適化のためには、高度な電力マネジメントに加え、電力+αの付加価値を実現することで、当社のサービスを利用する顧客企業及び電力消費者の数並びにその利用接点を増やし、当社のサービスを社会基盤(インフラ)化することが重要になります。そのため、当社グループでは、電力+αの付加価値を実現するため、以下のとおり、実証実験を積極的に行っております。 ① 自治体ヘルスケア② ライフスタイルスコア国立医療機関との実証実験の結果、電力データから認知機能低下を予測するモデル作成に成功したことによる軽度認知障害(MCI)の早期発見に向けたサービスや、地方自治体との実証実験の結果、電力データから生活行動や異常状態を正しく推定することによる高齢者向け見守りサービスを、2026年から2027年までの間にリリースすることを目指しております。③ 不在配達低減在宅確率の推定データを物流配達事業者の配達ナビゲーション・システム地図のバックグラウンドデータに埋め込むことで、不在配達の削減が期待されております。また、エネルギーデータと過去の配送実績、渋滞及び天候データを組み合わせることによる運送効率の向上や、CO2の排出量の削減も同様に期待されております。当社グループでは、これについても、2026年から2027年までの間にリリースすることを目指しております。 電力事業者向けサービス   商用化段階スマート・リビングサービス簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)電力センサーからの精細かつリアルタイム性のある電力データを活用した「ienowa(イエノワ)」や「enenowa(エネノワ)」とは別に、既存の電力メーターからの30分単位の電力データ(電力30分値データ)を活用することで、リアルタイム性や高い精度を求めるのではなく、初期コストを抑えた(=電力センサーの設置が不要)電力使用状況見える化サービスを求める電力事業者の声に応え、「ienowa(イエノワ)」「enenowa(エネノワ)」といったスタンダードサービスとは別に、簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)を提供しており、これがスマート・リビングサービスのライトサービスとなります。現時点では、伊藤忠エネクス株式会社のグループ会社である株式会社エネクスライフサービスとともに、簡易電力使用状況見える化サービスである「テラりんアイ(AI)」を提供しております。簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)は2つの側面からデマンドレスポンス(DR)支援サービスとシナジーがあります。一つ目は機能的な観点です。簡易電力見える化により、各家庭の消費電力の大きな機器の使用量を把握することが可能になります。電力事業者は分析結果を見て、電力消費者への需要調整の要請をしたり、逆にデマンドレスポンス(DR)支援サービスへの参加率の高い家の家電使用状況からデマンドレスポンス(DR)支援サービスで捻出できる電力を想定すること等ができるようになります。もう一つは営業的な観点です。電力事業者は電気代の内訳を契約者に示すことで、電気代への不満解消ができることや、電力使用状況見える化のような付加サービス提供によるカスタマーエンゲージメントの向上を求めております。従って、デマンドレスポンス(DR)支援サービスを既に導入済の事業者に簡易電力使用状況見える化サービスを追加で導入することや、逆に簡易電力使用状況見える化に興味を持った電力事業者にデマンドレスポンス(DR)支援サービスも併せて導入するなど一つの事業者に対するアップセルを期待することができるようになります。 エネルギー・マネジメントサービスBridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)主に小売電気事業者及びエナジー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(注7)事業者に向けて、クラウド型デマンドレスポンス(DR)支援サービス「BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)」を提供しております。デマンドレスポンスとは、電力需給の極端な乱れが見込まれる場合に、小売電気事業者等が対象となる時間を指定したうえで、電力消費者に対象時間の電力消費の抑制を促し、抑制実績に基づいて、電気料金を割り引いたり、ポイント等のインセンティブを付与したりするものです。太陽光や風力など再生可能エネルギー(以下、「再エネ」という。)は、天候等により電気の供給状況が大きく変わる可能性があり、予測が困難なことから、需給バランスの乱れによる停電が発生する可能性があり、電力消費者が電気の供給状況に応じて賢く消費パターンを変化させるデマンドレスポンスの重要性が高まっております。デマンドレスポンスは、消費のパターンによって、電力消費を減らす(抑制する)「下げDR」と、電力消費を増やす(創出する)「上げDR」の二つに大きく区分されます。「下げDR」は、電力の需要が過多となり供給が逼迫するタイミングで、電化製品等の消費を落とす(家電をオフして外出する・エアコンの設定温度を変える等)ことによって、逆に「上げDR」は、再エネの過剰出力分を、電化製品等の稼働や蓄電池・EV(電気自動車)の充電などにより消費・吸収し、電気の需給バランスを改善するものです。「BridgeLAB DR」は、「下げDR」にも「上げDR」に対応したうえで、従来のデマンドレスポンス(DR)支援サービスとは異なり、電力消費者への需要調整の要請、応動確認、集計を「大きなシステム改修投資なく手軽に」実現するシステムで、電力取引収支改善、容量拠出金低減、容量市場参加等の用途に対応した早期のデマンドレスポンスの稼働を求める小売電気事業者等へ販売しております。 収益区分 ※収益区分の詳細は、前掲の表をご参照ください。簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)においては、当社グループのシステムと顧客である小売電気事業者等のシステムの連携のために生じる初期設定費用が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、サービスを利用する際に生じるランニング費用が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客の要望に基づいて、特別なシステム開発等を行った場合に生じる開発料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。「BridgeLAB DR」においては、当社グループのシステムと顧客である小売電気事業者等のシステムの連携のために生じる初期設定費用が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、顧客が電力消費者に対象時間の電力消費の抑制を促すため、当社グループのシステムを利用する際に生じるランニング費用が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客の要望に基づいて、特別なシステム開発等を行った場合に生じる開発料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。なお、「BridgeLAB DR」は、電力需給が厳しくなると見込まれる場合に、電力消費者に対象時間の電力消費の抑制を促すためのサービスであるという特性上、特に電力需要が緩む春秋期においては、顧客との契約は継続するものの、上記のランニング費用が数か月間計上されない場合があります。 実証実験段階電力利用効率の最適化のためには、電力+αの付加価値を実現することで、当社のサービスを大規模な電力会社単位や、地域・自治体単位で増やし、当社のサービスを社会基盤(インフラ)化することが重要になります。そのため、当社グループでは、電力+αの付加価値を実現するため、以下のとおり、実証実験を積極的に行っております。 ① 防災貢献実証NILMは、災害時の避難誘導の強化や、復旧時の安全確認、漏電・トラッキングといった火事リスクの低減などレジリエンス(注8)への活用も計画されております。また、専用のデータマイニング(注9)を加えることで、各家庭における在宅確率を推定することも可能となります。当社グループでは、災害を懸念する地方自治体から依頼され、地域の防災監視を行う事業者などに対して、家電や家の電気設備の異常が見つかった際にお知らせすることが可能なサービス及び災害後の復旧時などに危険な家電の放置状態等を見守ることができるサービスの実証実験を行っております。当社グループでは、この実証実験に基づく商用サービスを2026年までの間にリリースすることを目指しております。② スマートメーターの異常検知現行スマートメーターの発火や焼損事故が、日本各地で発生しており、原因や影響が議論されております。例えば、東京電力グループが家庭に設置している現行スマートメーターの焼損事故は、公には16件以上報告されております。主要な原因については、現時点で、部品の損傷と施工不良であると特定されているものの、スマートメーターの焼損事故は、安全性や信頼性の懸念を引き起こしており、電力会社と監督機関による詳細な調査と対策が行われております。当社グループでは、スマートメーターの焼損の予兆を検知した際に、それを電力会社に通知するサービスの実証実験を行っております。当社グループでは、この実証実験に基づく商用サービスを次世代(第2世代)スマートメーター(注10)が導入される2026年以降にリリースすることを目指しております。 ② 海外領域 当社グループは、海外領域においては、英国に連結子会社(Informetis Europe Ltd.)を設け、欧州圏の現地企業や日本企業の現地法人などとの実証実験を行う等、欧州圏における本格的な事業展開に向けた準備を進めております。 特に、脱炭素化を背景に英国を筆頭とした欧州圏に広がるガスボイラー(ガス給湯器)からヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが直近で最大の事業拡大機会であります。 このヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが進む中、電気の消費が急激に増加することによる電力系統・電力網の安定運用への影響を管理・制御するため、家全体だけでなくヒートポンプ(電気給湯器)やその他制御可能な機器の詳細な消費エネルギーデータを取得したうえでのヒートポンプ(電気給湯器)の最適化制御が重要になります。 こうした状況を踏まえ、当社グループは英国において、電力消費の側面から電力利用効率の最適化を図るサービスを展開しております。2021年10月より、当社グループの電力センサーは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入され、実証的な取り組みを進めてまいりました。そして、2025年11月からは、これまでの実証的な取り組みを経て、当社グループの技術・サービスを活用した「Budget Control(バジェットコントロール)」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series(アップシリーズ)」の販売がDaikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における商業展開が本格的に始動いたしました。 ここでは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入される電力センサーの販売料金が「アップフロント」に該当し、導入された電力センサーからのデータに基づいて、最適化サービスを利用する際に生じるランニング費用が「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、特別なシステム開発やコンサルティング等を行った場合に生じる費用が「その他」に該当いたします。 最後に、最近2連結会計年度の当社グループの事業領域及び後述の収益区分ごとの売上高は、以下のとおりであります。 (単位:千円) 2024年12月期   2025年12月期 国内領域   969,081   516,832 アップフロント   210,231   15,091 プラットフォーム・アプリ提供   358,596   299,950 その他   400,253   201,791 海外領域   13,271   13,186 アップフロント   1,162   ― プラットフォーム・アプリ提供   10,313   9,932 その他   1,795   3,254 国内領域及び海外領域合計   982,352   530,019 アップフロント   211,393   15,091 プラットフォーム・アプリ提供   368,910   309,883 その他   402,049   205,045 (注) 「アップフロント」は、未実現利益調整後の金額となっております。未実現利益は、連結グループ会社間の内部取引から生じた利益のうち、期末までに実現していないものをいい、具体的には、当社が関連会社である株式会社エナジーゲートウェイに販売した電力センサーのうち、連結グループ外部へ販売されず、同社の在庫となっている(実現していない)ものについて、当該在庫に含まれる当社の売上総利益に当社持分の40%を乗じた金額を、連結売上高から消去いたします。この消去された利益は、その後、同社から連結グループ外部へ販売された(実現した)際に、再度認識されることとなります。 当社のミッションであるカーボンニュートラルの社会実装に挑み続けるためには、当社グループのサービスを社会基盤(インフラ)として確立することが不可欠です。そのため、当社グループでは、フロー型ビジネスからストック型ビジネスへの移行を推進しております。これにより、持続可能な収益を確保しつつ、エネルギー最適化ソリューションの提供を継続することが可能となります。 2025年12月期は、大口顧客との契約終了等の外部要因の影響を受け、原価負担の大きい取引の売上が減少した結果、売上規模は縮小した一方で、収益性の高いストック型ビジネスの構成比は高まりました。 一方で、当社グループの中長期の成長戦略の中核をなす次世代(第2世代)スマートメーターに関しては、次世代(第2世代)スマートメーターに関連する受託開発案件の受注増加を見込んでおり、短期的には、ストック型ビジネスの構成比が一時的に低下する可能性があります。 ただし、これらの受託開発案件は、次世代(第2世代)スマートメーター時代におけるストック型ビジネスへの展開基盤を構築する戦略的投資であることから、中長期的なストック型ビジネスの絶対額拡大及び収益性向上を最優先に推進してまいります。 [事業系統図] 当社グループの事業系統図は、以下のとおりであります。 (3) 事業の特徴 当社グループのエナジー・インフォマティクス事業の特徴は、2つのAI技術、すなわちNILMをはじめとした電力データ解析技術と数理最適化技術、を活かしたSaaS事業を根幹としており、前者の電力データ解析技術では、ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)から譲渡を受けた、電力波形データ分析(NILM)が大きな技術差異化要素となっております。 そのうえで、これまでに築き上げた事業実績として、①標準電力スマートメーターのデータ活用優位性、②SaaSモデル/リカーリング収入に支えられ逓増していく収益基盤、③世界トップクラスの電力AI技術(ソニー発)、④国内No.1電力会社を含む大手企業との強固なアライアンス戦略、⑤全世界で拡大するエネルギーデジタル市場で欧州でも新サービスで先行、という5つのポイントが挙げられます。 ① 標準電力スマートメーターのデータ活用優位性 2026年から導入が進んでいる国内の次世代(第2世代)スマートメーターにおいては、その計量部において、従来のスマートメーターよりも大幅に高精細なデータ取得が可能となっており、当社の電力データ分析方式と互換性のある計測方式が仕様化されました。 これにより今後、高精細データの取得にあたって電力センサーを新たに設置することなく、最大8,361万台(注)にものぼる次世代(第2世代)スマートメーターから、当社のプラットフォームにエネルギーデータを収集して、サービスを提供することが現実的になります。 ここにおいては、当社が10年以上蓄積してきた当該方式で収集するエネルギーデータの分析ノウハウが大きな優位性となり、当社のサービスの普及を促し、当社のサービスの社会基盤(インフラ)化が大きく加速することを、当社グループは期待しております。 (注) 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会 電力取引の状況(令和7年11月分) ※2021年2月1日  資源エネルギー庁 「次世代スマートメーターの 仕様の検討状況について」7頁のデータからグラフを作成 当社グループでは、次世代(第2世代)スマートメーターの高精細電力データから安全性の異常可能性を検知した際に、それを電力会社に通知するサービスの技術開発を終えており、この技術に基づく商用サービスを次世代(第2世代)スマートメーターが導入される2026年以降にリリースした後、小売電気事業者向けにデマンドレスポンス(DR)支援サービス(平均10百万円程度/社/年の実績)や、次世代(第2世代)スマートメーターの活用により、導入しやすい価格設定による電力の見える化サービスや見守りサービス(大手企業が提供するサービスの10分の1程度の月額料金を想定)、ミドルデータ(家電別稼働データ、生活パターン/生活スタイルライフ分析、在宅推定/活動レベル)などのミドルデータ提供サービス(~100円程度/世帯/月を想定)への応用展開を考えております。 次世代(第2世代)スマートメーターの導入は、東京電力グループのみならず他エリアでも着実に前進しており、全国レベルでの本格展開に向けた環境が整いつつあります。実際に、関西電力送配電株式会社は2026年1月5日から次世代(第2世代)スマートメーターの設置開始を公表しており(出典:関西電力送配電株式会社「第2世代スマートメーターの設置開始について」2026年1月5日)、中部電力パワーグリッド株式会社も2026年1月から次世代(第2世代)スマートメーターの設置開始を公表しております(出典:中部電力パワーグリッド株式会社「第2世代スマートメーターの設置開始について」2025年12月8日)。こうした動きは、次世代(第2世代)スマートメーターを基盤とするデータ利活用・周辺サービスの需要拡大に向けた追い風となるものであり、当社グループは、この潮流を確実に捉え、事業機会の具体化及び収益化に向けて取り組んでまいります。 ② SaaSモデル/リカーリング収入に支えられ逓増していく収益基盤 当社グループの収益構造は、フロー売上・収益(一回売り切りタイプの売上・収益)である電力センサーの販売が、将来のストック売上・収益(継続的に積み上がっていくタイプのリカーリング売上・収益)につながるリカーリングビジネスと呼ばれる収益構造であり、一度の販売で終わるのではなく、顧客企業が定期・継続的に利用料金を支払うことで、当社グループは安定した売上・収益が得られます。また、顧客企業の収益基盤が拡大することで当社グループの売上・収益も逓増していくため、長期的に安定した収益基盤になっていると当社グループでは考えております。 当社グループのようなリカーリングビジネスにおいて、解約率(チャーンレート)は非常に重要な指標となりますが、当社のサービスは顧客企業にとって重要なインフラとして機能しているため、解約率(チャーンレート)はこれまでほぼゼロを維持してまいりました。 しかしながら、2025年12月期においては、創業以来初の大口顧客との契約終了が発生し、売上規模が大幅に縮小、業績は大幅赤字となりました。 それでも、他顧客においては、当社のサービスは特に小売電気事業者にとって重要なインフラとして機能しているため、解約率(チャーンレート)がほぼゼロを維持しており、収益モデルの本質的な競争力は健在です。 今後は、顧客基盤の多様化と解約リスク管理体制の強化を最優先に、持続的成長基盤の再構築に取り組んでまいります。 ③ 世界トップクラスの電力AI技術(ソニー発) 当社グループの電力AI技術は、ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)が時間と資金を投じて開発したもので、創業者である只野太郎が同社からカーブアウトして、当社を設立した際に有償にて譲渡されたものであります。 一般的に電力データの取得は、現行スマートメーターや事業者独自開発のエネルギーマネジメントシステム(EMS)用電力センサーなどにより行われております。 現行スマートメーターは、電力料金徴収を目的として、既に多くの家庭や施設に設置済みであることから、追加のコストが生じない(低コスト)というメリットを有している一方で、30分ごとの電力使用量を計測するものであることから、電力データの計測精細度(粒度)は、粗いものになるというデメリットを有しております。 一方、事業者独自開発の電力センサーは、当社グループと同様の方向性を持つ競合企業(主に海外)があり、その中には、例えば1秒間に100万回の頻度(サンプリング周波数=メガヘルツ(MHz))といった高い精細度、高サンプリング周波数で計測し、電力データの計測粒度や特徴量抽出が、非常に高精細なものになるというメリットを有するものもありますが、高い精細度、高いサンプリング周波数で計測するためには、これを計測するための電力センサーで使用する部品が高性能、高価になるため、電力センサーの製造コストが高くなるというデメリットも有しております。 そこで、当社グループでは、高精細なNILM(Non-Intrusive Load Monitoring)技術に必要な、十分に高い粒度の電力データの計測と、低コストを両立した独自の電力波形センサリング技術を開発し、これを搭載した電力センサー(以下の画像参照)を開発いたしました。 この電力センサーは、現行スマートメーターのハードウェアに使用されている部品の性能で実現可能な最大サンプリング周波数である約8kHz(1秒間に8,000回の頻度)での計測を設計仕様とすることで、現行スマートメーターと比べると1,000万倍以上粒度の高い計測を行いながらも、スマートメーターはじめ汎用製品等で大量に流通している部品を流用できるため、電力センサーの製造コストを低く抑えることが可能であります。 当社の技術は、すべてのクラスにおいて、現行スマートメーターで対応可能な(=コストアップにならない)範囲で、一番高い粒度の電力の測定データが測定可能であるクラスに位置づけられており、上記の費用対効果の優位性の客観性が担保されております。 上記ポジションをまとめると、以下のとおりであります。 現行スマートメーター及び一般的電力センサー   事業者独自開発の電力センシング技術(他社高精細商品)   当社グループの電力センシング技術 計測対象   30分単位での電力使用量   メガヘルツ(MHz)波形   キロヘルツ(kHz)波形 計測粒度   粗い(30分単位での計測)   高精細(1秒以下)なNILMのために必要とされる以上に精細(秒単位での計測)   高精細(1秒以下)なNILMのために必要十分に精細(秒単位での計測) 計測コスト   コスト低(追加費用なし)   コスト高(299~349米ドル/1台)   コスト低(12,000円/1台) 現行スマートメーター・ハード親和性   ○   ×   ○ (公開情報の分析をもとにした当社グループ調べ) (注) 電力会社から一般家庭に供給されている電気は、交流といわれ、電気の流れる方向が1秒間に何十回も変化しております。この流れの変わる回数を周波数(Hz:ヘルツ)といいます。 メガヘルツ(MHz)は、「1秒間に100万回振動する」ような周波数を表し、メガヘルツ(MHz)波形を計測するということは、1秒間に100万回の電力データを取得するような細かさで計測していることになります。 キロヘルツ(kHz)は、「1秒間に1,000回振動する」ような周波数を表し、キロヘルツ(kHz)波形を計測するということは、1秒間に1,000回の電力データを取得するような細かさで計測していることになります。 そして、独自の電力波形センサリング技術で収集される、家庭や施設の総電力データから家電ごとの詳細な状態をリアルタイムで推定するのがNILM技術であります。 NILMは、各家庭や各施設の総電力の入口である主幹部分に設置した1つの電力センサーにより総電力データを取得し、主幹電力波形をAI(機械学習)等により分析することで、各家電には直接触れずに(個別計測や個別の仕組みは不要)、間接的にどの家電が、いつ、どれくらい使われていたかをリアルタイムで見える化することを可能にいたします。 当社グループでは、NILMを中核としたAI関連技術を活用して、エネルギーデータを価値のあるデータに加工しております。 このようなNILMは世界的にも最先端技術であるため、応用可能性に関する議論が不足し、また、技術検討及び比較が容易でなく、グローバルスタンダードが一切存在しませんでした。しかし、当社グループは、経済産業省からの6年にわたる受託事業を通じて、NILMの国際規格案の国際標準規格化を国際的に推進することに貢献し、2025年6月25日に国際電気標準会議(IEC)(注11)にて、正式に国際標準規格として発行されました。この規格では、高精細なNILMに必要な、十分に高い粒度の電力の測定データについて、電力データを測定する期間(データサンプリング周波数)、電力データを出力する周期(出力周期)及び分析データの大きさ(データビットレート)のテーブルごとにクラス分けを定義し、それに応じた用途、スマートメーターへの搭載実現性などに合理的な方式選定が行えるよう、NILM向けの計測データを出力する測定機器には出力可能なクラスを明示することを義務付けております。 特筆すべきは、当社グループが採用する計測方式が、このクラス分けにおいて、世界中のスマートメーターへの搭載実現性が高い方式として、国際規格上に明確に位置づけられている点であります。 当社グループによる電力データの価値あるデータへの加工例は、以下のとおりであります。 NILM関連   発電・需要予測   最適化制御のためのデータ   活動分析 ・機器分離推定技術家電種別、動作時刻、モード、家電種別ごとの消費電力、異常検知・需要と発電の分離時間ごとの消費と発電を分離   日照量や気温等の気象予報データ、及び過去の電力消費データ等をもとに、太陽光や風力等の分散発電(とその消費)の変動をそれぞれ予測   電力消費者または事業者にとっての利益を最大化するエアコン、ヒートポンプ(電気給湯器)、蓄電池などの自動最適化制御のためのデータ   ・生活パターン/生活スタイル健康等に関わる異常の推定、安全に関わる活動異常の推定(火気器具等放置など)、夜型/昼型、休日、睡眠時間、調理時間、娯楽時間などの推定・家族構成の推定・在宅確率の推定 ④ アライアンス戦略 当社は、電力等のデータを収集・分析・加工するIoTプラットフォームサービスの提供を事業目的として、2018年3月に東京電力パワーグリッド株式会社と株式会社エナジーゲートウェイを共同設立(当社出資比率40.0%)しております。 当社は、代理店契約に基づき、株式会社エナジーゲートウェイを日本国内における当社の電力消費者向けサービスの独占販売代理店としております。同社との間では、電力センサーの年間最低購入数量を定めるとともに、東京電力グループの知識・経験に基づく事業・業務ノウハウを背景として、複数年契約を前提に営業活動を推進しております。特に、1顧客当たりの電力センサー総購入台数が数万台から数十万台規模に及ぶ大型顧客を中心に、国内展開を進めております。 さらに、当社は東京電力パワーグリッド株式会社との協業を推進し、東京電力グループの知見及び蓄積されたデータを活用することで、技術・サービス開発のスピードを一層向上させております。加えて、事業戦略、アライアンス、開発面においても、株式会社エナジーゲートウェイを支援しております。 また、東京電力グループを含む旧一般電気事業者(以下、「旧一電」という。)との協業は、東京電力、関西電力、中部電力、中国電力及び四国電力の計5社に上ります。加えて、他の電力会社とも新たな協業に向けた協議を進めており、旧一電とのパートナーシップは着実に拡大しております。こうした旧一電との豊富な協業実績は、当社グループの信頼性向上につながるとともに、さらなるビジネス機会の創出にも寄与しております。 加えて、当社は設立以来、東京電力パワーグリッド株式会社、関西電力株式会社、株式会社日立製作所、ダイキン工業株式会社、株式会社博報堂DYホールディングス、日本郵政キャピタル株式会社、伊藤忠エネクス株式会社、ヒューリック株式会社および株式会社フォーバルなど、国内外のエネルギー関連企業や各業界を代表する企業と事業・資本提携を推進してまいりました。これにより、秘匿性の高いデータを活用しつつ、業務提携から生まれる新たなサービスの創出を進めております。 その一環として、2024年5月には、伊藤忠エネクス株式会社のグループ会社である株式会社エネクスライフサービスとともに、簡易電力使用状況見える化サービス「テラりんアイ(AI)」の提供を開始し、サービスの裾野拡大を図っております。 ⑤ 欧州でのアライアンスによる事業拡大 前述のように、脱炭素化を背景に英国を筆頭とした欧州圏に広がるガスボイラー(ガス給湯器)からヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが進んでおります。 このような状況の中、当社グループは、ダイキン工業株式会社と資本業務提携して、同社の欧州子会社であるDaikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として、当社の電力センサー及び消費者等の電力コスト負担を自動的に軽減するサービスが導入されております(Daikin Europe N.V.は、2028年には年間約60万台の設置台数が見込まれる欧州ヒートポンプ市場(注1)で20.8%のシェア(注2)を誇っております。)。 こうした状況を踏まえ、当社グループは英国において、電力消費の側面から電力利用効率の最適化を図るサービスを展開しております。2021年10月より、当社グループの電力センサーは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入され、実証的な取り組みを進めてまいりました。そして、2025年11月からは、これまでの実証的な取り組みを経て、当社グループの技術・サービスを活用した「Budget Control(バジェットコントロール)」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series(アップシリーズ)」の販売がDaikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における商業展開が本格的に始動いたしました。 また、英通信最大手のBritish Telecom(現BT Group)と協業し、見守りサービスの実証実験を開始し、高齢者の住居の電力データを利用して、活動状況を分析し、異常があれば家族や関係者に通知する仕組みを構築しております。 (注1) National Audit Office(英国会計検査院)プレスリリース「Low heat pump uptake slowing progress on decarbonising home heating」(Date: 18 Mar 2024) (注2) EUROPE HEAT PUMP MARKET(2024), Mordor Intelligence,2024 (4) 当社グループが解決を目指す課題 ① GX(グリーントランスフォーメーション) 日本政府は、2020年10月26日に、2050年カーボンニュートラルの実現という国際公約を掲げ、気候変動問題に対して国家を挙げて対応する強い決意を表明いたしました。さらに、2021年4月には、当時の菅内閣総理大臣は、地球温暖化対策推進本部及び米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」ことを表明いたしました。 それ以降、我が国では、その実現に向けて、グリーン成長戦略、第6次エネルギー基本計画等の各種戦略を策定、また、それらの実行に向けた施策を検討するため、GX実行会議等が開催されてまいりましたが、2022年12月22日の第5回GX実行会議において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が公表され、今後10年を見据えた取組の方針をまとめられた後に、2023年2月10日に閣議決定がなされ、GX基本方針として発表がなされました。 このGX基本方針は、2050年カーボンニュートラルや、2030年度の温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を、経済成長の機会として捉え、温室効果ガス排出削減と経済成長・産業競争力向上の同時実現に向けて、経済社会システム全体を変革させるグリーントランスフォーメーションの実現に向けた基本方針となっており、そこでは、徹底した省エネの推進、再生可能エネルギーの主力電源化などが盛り込まれております。 また、第7次エネルギー基本計画のもとで、再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の整備、蓄電システム・分散電源の整備といったGXに資する基盤整備が進められているほか、電力需給の柔軟性確保としてデマンドレスポンス(DR)支援サービスの活用など、需給調整力強化の取り組みが拡大しております。 ② エネルギーの4D 地球環境変化に向けた世界的な危機意識や技術の進化、経済合理化を背景として、エネルギー業界では以下の大きなイノベーションが進んでおり、これを国内では「エネルギーの4D」と呼んでおります。 1つめは、脱炭素化(Decarbonization)であり、地球温暖化への対策として、再エネの導入が進み、それに伴う予測困難な出力変動への対応が求められております。 2つめは、分散化(Decentralization)であり、先述した再エネ導入も含め様々な規模の分散型発電や蓄電、さらには電気自動車との連携も加わり、系統運用の複雑化が急速に進んでおります。 3つめは、自由化(Deregulation)であり、電力小売自由化による市場経済化など様々な規制緩和が進められ、競争が活性化しております。 4つめは、デジタル化(Digitalization)であり、スマートメーターの導入とIT技術の進化に伴い、電力系統運用でもDXが進んでおります。 ③ GXとDX(注12)の関係 GX基本方針において、GXに向けた脱炭素の取り組みの1つとして、再生可能エネルギーの主力電源化が掲げられております。 再生可能エネルギーの導入拡大には、電力の需要と供給のバランスを取る「需給バランス調整」が、非常に重要となります。 電力系統は、需要と供給のバランスが崩れることにより周波数や電圧の変動が起こり、場合によっては停電につながりかねないため、常に時間ごとの電力の需要と供給を一致させる必要があります。特に、天候によって発電量が左右されがちな太陽光や風力などの自然由来の再エネの増加によって、電力の需要と供給のバランスを取る「需給バランス調整」は、より難易度が上がります。 「需給バランス調整」は、従来、供給側(発電側)においては火力発電がその役割を担っておりましたが、4Dの1つめの「脱炭素化」に向けて、予測が困難かつ不安定である自然由来の再エネによる供給の増加が見込まれると同時に、火力発電による供給の割合が低下し、火力発電のみによって需給バランスの調整を行うことが難しくなることが見込まれております。 また、4Dの2つめの「分散化」に関連して、電力業界では、発電、送配電及び小売の分離並びに自由化という電力システム改革によって、大手電力会社がこの3部門のサービスを一括して提供する1地域・1電力会社制による集中管理体制から「発電」、「送配電」及び「小売」という各部門へ多数事業者が参加したことによる複数社による分散管理体制に移行している現在においては、電力のやりとりは複雑化し、需給バランスの調整を行うことがさらに難しくなることが見込まれております。 加えて、電力消費者側は、従来は、電気を消費するだけでありましたが、現在は、4Dの3つめの「自由化」に関連して、太陽光発電等により発電することも増えており、余剰電力を売電することによる電力消費者側からの「逆潮流」も発生しております。 そこで、リアルタイムでの「需給バランス調整」が不可欠である電力の世界においては、従来の「供給側調整」に加えて「需要側調整」を目途として、当社の電力センサーで電力消費者の詳細な電力データを取得し、NILMを活用して、どの家電が、いつ、どれくらい使われていたかをリアルタイムで解析・分析を行い、DX(4Dの4つめである「デジタル化」)、この結果から発電・需要予測などの有益情報や価値ある知見を抽出(エネルギーデータの価値創造)し、制御するための情報技術革新が必要になります。 ④ 当社グループがターゲットとする市場 当社グループの事業ドメインとして、当社グループが一次ターゲットとしているエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場は、2025年度には5,003億円に、2035年度には9,092億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。 中でも、太陽光発電設備は、2021年度には277億円の見込みであったものが、2035年度には2,553億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。また、送配電・需給調整領域は、2021年度には125億円の見込みであったものが、2035年度には713億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。さらに、エネルギー利用領域(蓄電池サービスも含む)は、2021年度には135億円の見込みであったものが、2035年度には615億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。 また、電力利用効率の最適化には、「需給バランス調整」のような発電・送配電・電力消費者設備という電力システム全体で最適化するサービスを当社グループが一次ターゲットとしているエネルギーマネジメントシステム関連市場において提供することが必要になりますが、電力+αの付加価値も同時に実現することで、当社のサービスの普及を促し、当社のサービスを社会基盤(インフラ)化することも必要になります。 この観点から、当社グループが二次ターゲット市場としている市場は、パートナーとのアライアンスによって、電力データに新たな価値を創り出すことによってアクセス可能になるものでありますが、現在は、ヘルスケア業領域、社会インフラ業領域、公共/教育業領域、インターネット広告市場など、様々な分野・新市場へ進出を予定しております。 進出を予定している市場の規模は、以下のとおりであります。 ヘルスケア業領域 953億8千万円 (出所:株式会社富士キメラ総研、2022 人工知能ビジネス総調査より2027年の業種別市場動向予測) 社会インフラ業領域 1,802億6千万円 (出所:株式会社富士キメラ総研、2022 人工知能ビジネス総調査より2027年の業種別市場動向予測) 公共/教育業領域 1,506億2千万円 (出所:株式会社富士キメラ総研、2022 人工知能ビジネス総調査より2027年の業種別市場動向予測) インターネット広告市場 3兆6,517億円 (出所:株式会社電通、2024年 日本の広告費より2024年(1~12月)の実績) [用語解説] (注) 1.機械学習:人間が有する学習能力に類似した機能をアルゴリズムに持たせることにより、学習し進化する技術手法、技術名のこと。具体的には、教師データ(学習の元になるデータ)に基づいてアルゴリズムが学習することで、類似の状況において、学習により構築したパターンに基づいて、アルゴリズムが精度の高い推定や判断を行うことが可能になる。 2.SaaS:「Software as a Service」の略語で、ソフトウエアやアプリケーションの機能をサービスとして、クラウド上で提供し、利用者がネットワーク経由で利用するモデルのこと。 3.IoTデータプラットフォーム:「Internet of Things」(モノのインターネット)を活用するために必要な様々な機能をひとつのシステムとして提供するサービス基盤のこと。 4.IoT機器:「Internet of Things」(モノのインターネット)における「モノ」のことで、インターネットに接続されたテレビ・センサー類・照明などのこと。 5.スマート家電コントローラ:例えば、家庭内のエアコンなどの電化製品をアプリや声で操作したり、時間やセンサー、インターネットの情報をもとに自動制御するコントローラのこと。代表的なスマート家電コントローラとして、米国GoogleのGoogle Nestデバイスと Google Homeデバイスが挙げられる。 6.V2H:「Vehicle to Home」の略語で、EVなどの大容量バッテリーに蓄えられた電気を車(Vehicle)から家(Home)に戻して活用するシステムのこと。 7.エナジー・リソース・アグリゲーション・ビジネス:バーチャルパワープラント(VPP)(電力消費者側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、発電所と同等の機能を提供すること)やデマンドレスポンスを活用して、一般送配電事業者、電力消費者、再生可能エネルギー発電事業者といった取引先に対し、調整力、インバランス回避、電力料金削減、出力抑制回避等の各種サービスを提供する事業のこと。 8.レジリエンス:元に復元する能力(回復力)のこと。 9.データマイニング:大量のデータから有用な情報や知識を見つけ出す技術のこと。 10.次世代(第2世代)スマートメーター:2014年から本格導入が開始された毎月の検針業務の自動化や電力使用状況の見える化を可能にする電力量メーター(=現行スマートメーター)に代わり、2026年から順次交換が始まる予定である電力メーターのことで、『「次世代(第2世代)スマートメーター」=「電力DX推進に向けたツール」』として位置づけられている(出所:経済産業省・資源エネルギー スマートメーター制度検討会 次世代スマートメーターの標準機能について(中間取りまとめ))。 11.国際電気標準会議(IEC):国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)のこと。電気及び電子技術分野の国際規格の作成を行う国際標準化機関で、各国の代表的標準化機関から構成される。 12.DX:「Digital Transformation」の略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
経営方針・対処すべき課題7,106字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「エネルギーデータの力で、暮らしの未来を変えていく。」ことをミッションとして、[エネルギー×AI]をコア技術に、エネルギー最適化ソリューションを提供することで、日本で、世界で、カーボンニュートラルの社会実装に挑み続けております。 (2) 目標とする経営指標 当社グループのエナジー・インフォマティクス事業は、エネルギーデータから多様な価値を創出し、各種サービスをSaaS型で提供するものであります。 従来の売り切り型の収益モデルにおいては、売上高がそのまま成長指標として扱われるのが一般的でありますが、SaaS型収益モデルにおいては、期間ごとの売上・収益を累計していくことにより、事業を成長させるため、売上高だけでは、正しく成長率を捉えることができません。 そこで、当社グループでは、事業の成長率を正しく評価するための基準として、ARR(注1)を経営指標として位置付けております。 注1 ARR(Annual Recurring Revenue):日本語で「年次経常収益」と呼ばれ、毎年繰り返し得られる収益・売上のことをいい、各期末の直前の6か月間のMRR(注2)の平均値を12倍して算出しております。 注2 MRR(Monthly Recurring Revenue):日本語で「月次経常収益」と呼ばれ、毎月繰り返し得られる収益・売上のことをいい、当社グループでは、「プラットフォーム・アプリ提供」に区分される収益・売上に加え、「その他」に区分される収益・売上のうち、繰り返し得られる収益・売上も含んでおります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略 経営方針に沿った経営を行うためには、急速な変化を遂げるエネルギー関連業界の中で、(ⅰ)AI(機械学習)を活用したNILM技術や電力利用を管理・最適化する技術、(ⅱ)電力データを利活用するための技術について、進化・革新の積み重ね、及び(ⅲ)社会の課題を解決する新しいサービスを提供することが必要となります。 そこで、当社グループは、以下の3つの経営戦略を推進し、エナジー・インフォマティクス事業のトップブランドとして認知される企業を目指してまいります。 ① 次世代(第2世代)スマートメーターによるパラダイムシフトへの取組み 2014年から本格導入が開始された現行スマートメーターについて、2026年から順次新たなメーターへの交換が始まっております。 2026年からの導入に向けて仕様の策定が進められていた国内の次世代(第2世代)スマートメーターにおいては、その計量部の仕様として、当社の電力データ分析方式と互換性のある計測方式が採用されたことは先述のとおりであります。 これにより、次世代(第2世代)スマートメーターにおける電力データから取得し得る情報量は、現行スマートメーターにおける情報量から飛躍的に向上し、その分析から得られる情報価値も非連続に大きく、また幅広くなり、電力利用効率の最適化のみならず、電力消費者向けに、より安価にIoTのある暮らしを実現するといったような、新たな価値を創造することも可能になります。 これに向けて、当社グループでは、設立以来10年以上に渡り独自に蓄積してきた当該技術方式によるデータの分析ノウハウをさらに高めるとともに、次世代(第2世代)スマートメーターから得られる電力データを活用した電力消費者向けのサービスを拡充することで、電力消費者との接点を拡大し、そこで得られた新たなデータ・ノウハウを活用して、さらに電力消費者向けのサービスを拡充し続けるという好循環を創り出すとともに、このサービスで拡大した電力消費者との接点を活用して、電力事業者向けのサービスを拡充するための技術・サービスの開発に着手しております。 具体的には、高齢化社会に向けた見守り、ヘルスケアサービスの拡充によって、電力領域以外での価値から電力消費者との接点を拡大させ、それと現在の電力消費者向けサービスを融合させた、行動変容型の電力利用効率の最適化へ向けた技術・サービスの開発にも着手しております。加えて堅牢な電力系統設備を支えるための焼損予兆検知技術・サービスや、広域における需要内訳分析の精度を追求する技術・サービス、また、電力事業者向けデマンドレスポンス(DR)支援サービスから発展したリソースアグリゲーション(RA)向けの技術・サービスの開発にも着手をしております。 さらに、次世代(第2世代)スマートメーターの仕様策定に際して、当社グループ独自の電力波形センサリング技術が日本国のみならず海外でも採用されるための一助として、当社グループでは、経済産業省からの6年にまたがる受託事業を通じて、NILMの国際規格案の国際標準規格化を国際的に推進することに貢献し、2025年6月25日に国際電気標準会議(IEC)にて、正式に国際標準規格として発行されました。 ② アライアンス体制・強化 電力データは、電力データ以外の技術との組み合わせによる新たなサービスの創出が期待されております。 当社グループにおいても、新規事業の創出を目指しておりますが、そのためには、国内外のエネルギー関連企業や、各業界を代表する企業から秘匿性の高いデータを取得することが必要になります。 当社グループでは、東京電力グループや関西電力グループなどを中心としたエネルギー関連企業、株式会社日立製作所、ダイキン工業株式会社、株式会社博報堂DYホールディングス、伊藤忠エネクス株式会社や株式会社フォーバルなどとアライアンス体制を構築し、秘匿性の高いデータを継続的に取得できる体制を整えておりますが、引き続き、電力データを活用した付加価値創造を成長に結びつけられていない業界・業種を中心に、アライアンス体制の構築・強化に努めてまいります。 ③ 海外展開 特に欧州圏においてエネルギー問題への意識が高まっていることから、当社グループは、欧州圏の事業及び技術開発拠点として英国に子会社を設立し、現地企業や日本企業の現地法人との実証実験を行う等、活動領域を拡大させております。 今後は、英国における活動をさらに深化させつつ、欧州各国への展開を加速し、欧州全体での事業実績と技術的優位性の確立を図ってまいります。さらに、欧州で得られた知見やネットワークを活用し、アジアをはじめとする他地域への展開も視野に、グローバルな成長戦略を推進してまいります。 (4) 経営環境 当社グループが関連するエネルギー業界では、2015年の国連サミットでの持続可能な開発目標(SDGs)の採択や2015年の第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)でのパリ協定の採択以降、世界的な脱炭素化の流れの中で、米国のバイデン大統領は就任した2021年1月20日にトランプ前政権が離脱したパリ協定への復帰を指示し、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする「ゼロエミッション」の目標を改めて掲げました。また、2021年10月31日から2週間に渡って開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で、2030年までに気温上昇を1.5度に抑制する対策を進めるために必要不可欠な国際ルールが決定し、さらに地球温暖化の最大要因として石炭火力削減方針が初めてCOP決定に明記されるなど、脱炭素化の流れが強まったことを受けて、温室効果ガスの排出を削減するため、太陽光、風力や地熱などの再エネの活用拡大が期待されております。 我が国においても、2020年10月26日に、当時の菅内閣総理大臣が「2050年カーボンニュートラル」の実現という国際公約を掲げ、気候変動問題に対して国家として取り組む強い決意を表明しました。 さらに2021年4月には、同総理大臣が地球温暖化対策推進本部および米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目指し、50%の高みに向けて挑戦を続ける」と表明し、中長期的な削減目標が明確化されました。 その後、我が国では、これらの目標達成に向けてグリーン成長戦略や第6次エネルギー基本計画などの各種戦略が策定されるとともに、その実行に向けた施策を検討するため、GX実行会議等が開催されました。2022年12月22日の第5回GX実行会議では、「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」が取りまとめられ、その後、2023年2月10日に閣議決定が行われ、GX基本方針として正式に公表されました。GX基本方針は、2050年カーボンニュートラルおよび2030年度の温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済成長の機会として位置付け、温室効果ガス排出削減と経済成長・産業競争力向上の同時実現に向けて、経済社会システム全体を変革することを目指すものであり、脱炭素社会に向けた技術革新や再生可能エネルギーの導入拡大の重要性が強調されています。 さらに、最新のエネルギー政策としては、第7次エネルギー基本計画のもと、再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の増強、蓄電システム・分散電源などGXに資するインフラ整備が進められているほか、エネルギー安定供給と脱炭素を両立させる観点から、電力需給の柔軟性確保に向けたデマンドレスポンス(DR)支援サービスの活用など、需給調整力の強化に向けた取り組みが拡大しております。 こうした政策・市場環境の進展を背景に、電力利用効率の最適化という観点から、当社グループが一次ターゲットとしているエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場は、2025年度には5,003億円に、2035年には9,092億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。 海外においては、特に当社グループが注力する欧州圏で顕著な動きが見られます。EU域内ではエネルギー自給率が低く、ロシアからの天然ガス依存からの脱却を図るため、REPowerEU計画のもと再生可能エネルギーの急速な導入拡大が進められており、2030年までに再エネ比率を45%まで引き上げる目標が設定されています。地理的特性を活かした洋上風力発電が飛躍的に拡大しているほか、太陽光発電(PV)も補助金制度の強化により普及が進み、2024年時点でEU全体の電力に占める再エネ比率は約44%に達するなど、世界最高水準となっています。 一方、再エネの天候依存性による出力変動が大きいこと、また電力市場自由化の進展に伴う価格高騰リスクが顕在化していることから、需給バランスの崩れによるブラックアウト懸念が高まっており、電力供給の安定化・最適化を実現するスマートグリッドの構築がEUグリーンディールの中核政策として急務となっています。 スマートグリッドを構成する基幹技術は、送配電網の高度化だけでなく、需要家側の電力需給管理技術も不可欠ですが、特に重要性を増しているのが、需要家ごとの詳細な電力消費データをリアルタイム取得・分析するスマートメーターや、機器分離推定技術(NILM)を活用した次世代センサリングシステムです。 当社グループは、こうした脱炭素化・デジタル化のグローバル潮流を追い風に、国内外のエネルギーデジタルビジネス/DX市場での成長基盤を強化した上で、電力データ活用による新たな価値創造を通じて、ヘルスケア業領域、社会インフラ業領域、公共/教育業領域、インターネット広告市場をはじめとする様々な分野・新市場へ進出してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 業績の回復 当社グループは第12期において、継続していた赤字を解消することを目指し、事業基盤の強化及び経営効率の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。これらの施策が実を結び、同期には黒字を計上することができました。 一方、第13期は、主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引が当社グループの想定に反して急遽終了するなど、外部要因の影響を受け、業績が悪化し、最終的に大幅な赤字となりました。 このような状況を受け、当社グループは「業績の回復」を最優先課題として取り組んでおります。 特に、電力需給の逼迫リスクが高まる中で注目されるデマンドレスポンス(DR)支援サービス分野では、「BridgeLAB DR」に成果報酬型メニューを新設し、法人顧客が導入しやすい仕組みを整備いたしました。さらに、「BridgeLAB DR」を導入いただいた法人顧客を中心に、DR運用で得られるデータを活用できるアップセルサービスとして、「エネルギーマネジメント診断サービス」や、電力利用の可視化・分析を簡易に行える「NILM Lite」の開発・提供を進めております。 また、売上回復を急ぐ一方で、固定費の抑制、人員配置の最適化、外注費の見直し、業務プロセスの効率化など、コスト管理にも継続的に取り組み、損益分岐点の引き下げに努めております。 今後もこれらの取り組みを通じて、足元の課題に正面から向き合いながら、持続的な成長を実現するための基盤づくりを着実に進めてまいります。 ② 財政基盤の改善 当社グループは第12期において、東京証券取引所グロース市場への上場を達成し、公募増資により自己資本の充実を図ることで、財務基盤の強化を実現いたしました。 一方、第13期は、主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引が当社グループの想定に反して急遽終了するなど、外部要因の影響を受け、業績が悪化し、損益面では大幅な赤字を計上する結果となりました。 これらの業績の推移を踏まえ、当社グループは引き続き慎重な資金管理が求められる状況にあると認識しております。 今後は、前述の施策により業績の回復に努め、営業キャッシュ・フローの改善を図るとともに、取引金融機関からの継続的な支援に加え、第三者割当による新株予約権(MSワラント)の発行等を通じて、事業運営に必要な資金を確保し、財務基盤の一層の強化に努めてまいります。 ③ 優秀な人材の確保・育成 当社グループの事業は、「エネルギー」と「テクノロジー」を融合させ、最先端のAI技術などを活用してエネルギーデータの価値を引き出し、脱炭素化などの社会課題に貢献するものであります。その実現には、特にエネルギー領域とAI技術をはじめとするテクノロジー領域の両方に精通した人材を継続的に確保することが重要であると考えております。 こうした課題に対応するため、当社グループは、エネルギーとテクノロジーの両領域に精通した優秀な人材の採用を強化するとともに、従業員に対して当社の経験とノウハウを活かした多様で有益な研修を計画的に実施し、人材の育成に取り組んでまいります。 ④ 分析技術の強化と特許対策 当社グループは、NILM(機器分離推定技術)をはじめとするAI関連技術を中核とした分析技術こそが、当社の競争力の源泉であると認識しております。そのため、継続的な分析技術の強化に加え、他社のサービスとの差別化を図るべく、分析技術に関する特許権などの知的財産権を積極的に取得し、自社の権利を保護することが重要であると考えております。 こうした課題に対応するため、当社グループは、知的財産権に精通した人材の確保に加え、顧問弁理士などの専門家と連携し、権利化可能な技術について迅速に権利化を進めてまいります。 ⑤ アライアンスパートナー戦略 脱炭素化を実現するためには、まずエネルギーデータを活用し、生活の質を向上させながらエネルギーの効率的な利用を促進することが重要であります。特に、エネルギー関連企業とのアライアンスを構築することが、脱炭素化の推進において重要な役割を果たすと考えております。 さらに、脱炭素化の実現には、エネルギーの効率的利用に貢献するサービスの提供だけでなく、「エネルギー+α」の付加価値を生み出すサービスを提供することも必要であります。これにより、当社グループのサービスの普及を促進し、社会インフラとしての定着を目指してまいります。 こうした課題に対応するため、当社グループは、エネルギー関連企業とのアライアンスに加え、エネルギーデータを活用した付加価値の創出に寄与する、異業種企業とのアライアンスにも積極的に取り組んでまいります。 ⑥ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化 当社グループは現在、成長過程にあり、業務運営の効率化やリスク管理のために内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。事業の効率的な拡大を実現するため、コンプライアンスの徹底と内部統制の強化を最優先事項として認識しております。 これまでも体制整備を進めてまいりましたが、事業規模の拡大に伴い、今後は人的補充を行いながら、定期的な内部監査を実施し、コンプライアンス体制をさらに強化してまいります。また、監査役による監査を通じて、コーポレート・ガバナンスの一層の向上を図ってまいります。
事業等のリスク13,658字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク及び当該リスクへの対応策等を以下に記載しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 主要な事業活動の前提について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大) 当社は、東京電力パワーグリッド株式会社との間で「株主間協定書」を締結しております。「株主間協定書」により、機器分離推定技術を用いたIoTプラットフォーム事業及びこれに関連する様々なセンサーやサービスを普及させるIoTプラットフォーム事業を共同して行うために、株式会社エナジーゲートウェイを運営しております。 また、当社は、主要な販売先である株式会社エナジーゲートウェイとの間で「総代理店契約」及び「プラットフォーム利用許諾基本契約」を締結しております。「総代理店契約」により、当社の機器分離推定技術を用いたプラットフォームを用いた事業に関する電力センサー機器、付随するアプリケーション等を利用したサービスについて、日本における独占販売権を当社から同社に付与しております。また、「プラットフォーム利用許諾基本契約」により、電力センサー等から得られる情報をクラウド上にて収集・分析するためのソフトウエアについて、当社から同社に利用許諾を行っております。なお、2025年11月13日付で覚書を締結し、株式会社エナジーゲートウェイの既存顧客、既存商談先を除き、当社自らも本対象製品を販売できるものとしております。 なお、「株主間協定書」の契約期間は、2018年3月30日から5年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日までと定められており、以後、3年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日まで自動更新となります。「総代理店契約」の契約期間は、2018年3月30日から2年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日までと定められており、以後、2年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日まで自動更新となります。「プラットフォーム利用許諾基本契約」の契約期間は、定められておりません。 当社グループと東京電力パワーグリッド株式会社及び株式会社エナジーゲートウェイとの関係は良好であり、上記契約は今後も継続予定であります。また、一般的な解除事由(契約違反、差押え・仮処分・強制執行、破産・民事再生・会社更生手続)や反社会的勢力排除条項により、契約解除となる可能性がありますが、これらの契約継続に支障をきたす要因は発生しておらず、その発生可能性は低いと判断しております。 しかしながら、仮にそのような要因が発生した場合には、売上高の減少が見込まれるなど、当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場について (発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループが関連するエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場は、2025年度には、5,003億円に、2035年には、9,092億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)が、エネルギーマネジメントシステムが設備機器等のデータを統合管理するプラットフォームとしての役割を担うことで、関連設備・サービスの相乗効果が期待され、また、収集したデータに基づく予算保全や生産効率向上などを図るソリューションに対応した設備の展開が進んでいくと想定されております。 当社グループは、上記エネルギーマネジメントシステム関連市場の成長とともに事業拡大を進めていく所存ではありますが、市場が想定どおり拡大しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 競合について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大) 当社グループが属するエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場やAI(機械学習)を利用したデータ分析の市場は、成長市場として注目され、市場が拡大傾向にあります。また、当社グループのように電力データの分析を行う競合企業は海外を中心に複数存在しております。このような状況の中、競合企業がより優れたサービスを提供した場合、市場における当社グループの競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、主要な対応策として、①高精細なNILMに必要な、十分に高い粒度の電力データの計測と、低コストを両立している点、②電力センサーの開発・製造・販売からAI(機械学習)を利用したデータ解析プラットフォームの開発・提供までを当社グループのみで提供することが可能で電力データの収集から加工、分析まで一気通貫で行っている点において、他社と差別化を図っております。また、当社グループでは、これまで培ってきた機器分離推定技術をはじめとしたノウハウを活かし、引き続き顧客のニーズを汲んだサービスの提供をできるよう進めていく方針であります。 (4) 四半期ごとの業績変動等について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:中) 当社グループは、顧客の多くが3月期決算の大手企業であるため、顧客の年度予算執行の流れと連動して、顧客の年度予算の執行期限にかけて納期を迎える受注が集中したり、駆け込み需要が発生したりするという特性から、当社グループの売上高は第1四半期(1月~3月)に集中する傾向があります。 また、3月期決算の顧客における年度予算の執行が執行期限に向けて動き始める12月を含む第4四半期(10月~12月)にも売上が集中する傾向があります。 売上高の小さい四半期においては、販売費及び一般管理費等の経費は固定費として、比較的均等に発生するため、営業赤字となることがあるほか、当社の決算月となる12月に売上を計画している案件について何らかの要因により延期や案件を失注した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、新たな顧客等の獲得により、上記の季節変動性の緩和を図っていく方針であります。もっとも、新たな顧客の獲得を進めているものの、現時点では顧客の多くが3月期決算の企業であることから、予算執行や発注の時期が当社グループの年度初及び年度末に集中しやすく、売上高が第1四半期(1月~3月)及び第4四半期(10月~12月)に偏重する傾向が継続する可能性があります。 なお、2024年12月期及び2025年12月期の当社グループの四半期の連結売上高、営業利益の推移は、以下のとおりであります。 (2024年12月期) 第1四半期(1月~3月)   第2四半期(4月~6月)   第3四半期(7月~9月)   第4四半期(10月~12月)   通期(1月~12月) 売上高(千円)   271,520   198,606   228,562   283,663   982,352 構成比(%)   27.6   20.2   23.3   28.9   100.0 営業利益又は営業損失(△)(千円)   16,126   △27,656   113   60,933   49,517 構成比(%)   32.6   -   0.2   123.1   100.0 (2025年12月期) 第1四半期(1月~3月)   第2四半期(4月~6月)   第3四半期(7月~9月)   第4四半期(10月~12月)   通期(1月~12月) 売上高(千円)   118,318   132,953   115,036   163,711   530,019 構成比(%)   22.3   25.1   21.7   30.9   100.0 営業損失(△)(千円)   △130,741   △143,631   △153,696   △200,634   △628,704 構成比(%)   20.8   22.8   24.4   31.9   100.0 (5) サプライチェーンに関するリスク (発生可能性:中、発生する時期:中長期、影響度:中) ① 部材の調達リスク まず、当社グループの電力センサーは、汎用部材の組み立てで完成する商品であるため、希少品ではありません。部材調達においては、顧客からの発注予測や調達のリードタイムなどを考慮しながら、タイムリーな発注と適正な在庫水準の維持に努めております。 しかしながら、需給逼迫などにより必要な部材をタイムリーに調達できない場合、当社グループの生産活動に支障をきたす可能性があります。特に、2021年3月期の後半以降に世界的な半導体不足及びその他部材の不足が顕在化したことを踏まえ、当社グループとして必要な半導体及びその他の部材の確保に継続して努めておりますが、当該状況が完全に解消したとは言い切れず、現時点においても半導体を含む特定の部材において供給制約や長納期化が生じる可能性がないわけではありません。これらの供給不足が発生した場合又は長期化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② コスト上昇リスク 当社グループは適切な価格での部材調達に努めておりますが、半導体やその他の部材の価格が大きく上昇する可能性があります。また、原油価格の上昇やコンテナ不足だけでなく、近年の為替変動による円安の影響などにより、物流コストが上昇する可能性があります。当社グループでは、長期契約や必要な半導体及びその他の部材を多めに確保する等により、部材価格の安定化を図り、市場価格の変動による影響を低減するよう努めております。加えて、為替変動による影響については、外貨建て取引の金額・タイミングを踏まえた調達計画の運用や、為替動向のモニタリングする等により、影響の抑制に努めております。しかしながら、これらのコスト上昇を製品価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 技術革新への対応について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:大) 当社グループの事業分野では技術革新が急速に進んでおり、特にAI(機械学習)技術や機械学習の分野においてその速度は顕著であります。当社グループでは、主要な対応策として、変化の激しい技術革新に柔軟かつ適切に対応できるよう、最新の動向や環境変化を適時に把握できる体制を構築するほか、優秀な人材の採用や開発に取り組んでおります。 しかしながら、当社グループの技術革新が想定どおりに進まない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 海外展開について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:大) 海外市場において機器分離推定技術への期待が高まりを見せていることから、当社グループでは、国内市場の立ち上げだけでなく、海外市場も含めた市場規模の拡大が重要な課題であると認識しております。 当社グループでは、主要な対応策として、海外における優秀な人材確保のため、2014年11月において連結子会社であるInformetis Europe Ltd.を設立し、今後は同社を拠点とし、欧州圏を中心に海外展開を進めております。 特に、英国においては、2025年11月から、当社グループの技術・サービスを活用した「Budget Control」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series」の販売が、Daikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における本格的な商業展開を開始しております。 しかしながら、継続的に優秀な人材の確保が進まない場合や、欧州圏のエネルギー市場の変革スピードに当社グループが後れをとる場合、海外展開が計画どおりに進まない可能性があります。また、現地の法規制や社会情勢の変革、為替相場の変動等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) システム及びネットワークについて (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループの事業では、家庭の分電盤に電力センサーを設置し、そこで測定した電力波形データをインターネットのネットワークを介して取得し、分析を行っております。このため、当社グループの設備及びネットワークは24時間常に安定した稼働が求められます。また、当社グループのサービスは、外部クラウドサーバー(Googleが提供するGoogle Cloud Platform(以下、「GCP」という。))にて提供していることから、GCPの安定的な稼働が求められます。 しかしながら、自然災害、セキュリティ侵害や不正アクセス等によりシステムトラブルが発生した場合、又は、何らかの理由によりGCPの継続的な利用が困難となる場合には、顧客へのサービス提供が困難となり、当社グループの信頼性の低下につながるなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 重要な契約について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大) 当社の経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に、記載のとおりであります。また、「重要な契約等」に関する詳細は「(1) 主要な事業活動の前提について」に記載のとおりであります。当該契約で予定されていた計画どおりに進まない場合、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了となった場合、もしくは当社にとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社は取引先との良好な関係を継続的に構築することに努め、リスクの軽減を図っております。 (10)提供サービスの解約について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループは、業務提携企業を通じて、一般家庭向けの家電の電力見える化サービス等を提供しております。当社グループの成長には、安定的な収益獲得が必要であることから、利用者が当社グループのサービスを継続利用することが重要な課題となります。 当社グループの予算及び経営計画には一定の解約を見込んでおりますが、解約が発生しないよう、主要な対応策として、当社グループでは、利用者がサービスを利用する際のユーザビリティの向上に努めております。 (11)研究開発について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:大) 当社及び連結子会社であるInformetis Europe Ltd.では、データ解析の精度の更なる向上のため機器分離アルゴリズムを中心とした技術開発を進めております。研究開発の成果創出には不確実性が伴うため、これを想定の範囲内に収めるべく、研究開発プロジェクトの進捗・費用について、取締役会等において、随時、管理・検証を行っているものの、研究開発が当初の計画どおりに進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)個人情報の取り扱いについて (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループでは、サービス提供にあたり一般消費者の会員情報や銀行口座情報等の個人情報を取得及び利用しておりません。一方で、当社グループの事業で取り扱う電力波形データは直接的に個人情報とは紐づいておりませんが、パーソナルデータに該当する可能性があります。 これらの電力波形データや、従業員の個人情報など、機密性の高い社内情報について、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループ社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、主要な対応策として、アクセス権限を持つ担当者を最小限に絞り、アクセスログを記録し、異常があった場合には検証する等、細心の注意を払っております。 (13)人材の確保・育成について (発生可能性:中、発生する時期:中長期、影響度:小) 当社グループは、中長期的な事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材の拡充及び人材の育成が重要な課題であると認識しております。昨今のAIブームにより、特に、機械学習エンジニアやデータサイエンティストの人材が市場全体において不足する中、必要とする人材の確保ができなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、主要な対応策として、国内だけでなく海外においても、Informetis Europe Ltd.を人材採用拠点とするなど積極的な採用活動を行っております。また、採用した人材の定着のため、働きやすい職場環境づくりにも努めております。 (14)小規模組織であることについて (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:小) 当社グループは小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。また、当社グループでは、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している従業員が、経営方針や事業戦略の決定、業務遂行において重要な役割を果たしております。当社グループは、当該リスクに対応するため今後もより一層の人員充実を図る予定でありますが、何らかの理由によりこれらの役職員が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)特定人物への依存について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:小) 当社の代表取締役只野太郎は、ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)在籍時より、当社グループの事業に活用されているAIを利用した機器分離推定技術を活用した環境・エネルギー事業を推進するなど、以前から、当社グループの技術及び当社グループの関連するエネルギー業界に精通しており、当社グループの事業運営を行ううえで重要な役割を担っております。 当社グループでは、同氏に過度に依存しない体制を作るために、主要な対応策として、経営組織の強化や組織における中核メンバーの教育及びノウハウの蓄積を図っております。また、今後の事業展開に応じて、人員の増強、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合や、これらの施策を十分に施す前に何らかの要因により同氏の業務遂行が困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)特定販売先への依存について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大) 当社グループの売上高は、持分法適用会社の株式会社エナジーゲートウェイに依存しており、2025年12月期においては、同社に対する売上高が売上高全体の58.8%を占めております。当社グループでは、同社との取引の拡大を図っていきながらも、伊藤忠エネクス株式会社等の取引先の拡大により、同社への依存度を低下させていく方針でありますが、何らかの事情により同社との取引が減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、株式会社エナジーゲートウェイのさらにその先の販売先については、主たる販売先である東京電力パワーグリッド株式会社及び大和リビング株式会社を含む上位5社に対する売上高が売上高全体の9割程度を占めております。当社グループと株式会社エナジーゲートウェイとの関係及び株式会社エナジーゲートウェイと上位5社の販売先との関係はいずれも良好でありますが、例えば、当社グループの製品・サービスの新規の導入が停止されるといった各社の動向に変化が生じた場合、当社の「アップフロント」売上や「プラットフォーム・アプリ提供」売上が減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 同様に、各社において、業務プロセスの最適化等を目的とした業務プロセスの見直し等が行われ、当社グループの製品・サービスの導入に一時的に遅延又は中断が生じた場合、当社の「アップフロント」売上や「プラットフォーム・アプリ提供」売上が減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これら5社以外の取引先の拡大により、5社への依存度を低下させていく方針でありますが、何らかの事情によりこれら5社との取引が終了若しくは減少した場合又は当該取引に一時的な遅延若しくは中断が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、2024年12月期以降、大口顧客が電力センサーの設置オペレーションを含む業務プロセスの見直しを進めておりました。この業務プロセスの見直しは、業務効率化及び品質向上を目的としたものであり、その過程で、当該顧客における当社グループの製品・サービスの新規導入が一時的に調整されておりました。その後、2025年12月期の第4四半期に、当該顧客との取引(既存サービスを含むすべての取引)が当社グループの想定に反して急遽終了することが判明し、これにより当該大口顧客向けの2025年12月期以降の「アップフロント」領域の売上及び2026年4月以降の「プラットフォーム・アプリ提供」領域の売上について、継続的な計上を見込めなくなりました。この結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼしましたが、当社グループは、当該影響を緩和するため、新規顧客及び他の既存顧客との取引拡大等により、売上拡大に取り組んでおります。 (17)特定仕入先への依存について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大) 当社は、電力センサーの製造をWNC Corporationに委託しており、電力センサー及び付属部品を同社から仕入れております。同社は、高品質で、かつ他社に比べて仕入価格が割安であることから大口仕入先として選定しており、2025年12月期においては、同社が製造したセンサーの仕入が100.0%を占めております。 WNC Corporationとの関係は良好でありますが、同社の経営方針に変化が生じた場合や、同社の顧客の動向に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、主要な対応策として、製造委託数量が増えた場合に他の製造委託先も検討するなど、状況の変化に応じた対応が取れるよう対策を行っております。 (18)品質管理について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループの販売する電力センサーは、製造物責任法(PL法)に基づくリスクが内在しております。このため、製品の品質に問題や不具合があり、損害賠償責任等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、主要な対応策として、製品の不具合が発生しないよう、製品開発において、細心の注意を払い製品の品質管理を行っております。 (19)その他の法令について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 現時点において、当社グループの提供するサービスに関して、上記の製造物責任法(PL法)を除き当社グループの事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないと認識しております。 一方で、当社グループが提供するサービスに関しては、電気の小売業への参入全面自由化、2020年6月に成立した改正電気事業法により電力データの電気事業以外での利活用促進や2020年10月26日に開会した第203回臨時国会において、菅内閣総理大臣(当時)が所信表明演説の中で、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」との方針を打ち出し、2050年までに、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことや再エネを最大限導入することが明示されました。また、2022年12月22日の第5回GX実行会議において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が掲示され、今後10年を見据えた取組の方針をまとめられた後に、2023年2月10日に閣議決定がなされ、GX基本方針として発表がなされるなど、市場の競争環境における公平性の担保を強化し、市場活性化を促す諸施策が実施されており、当社グループにとっては追い風であると考えております。 しかしながら、これらの諸施策が計画のとおりに進行しなかった場合や、電力データの利活用又は関連機器販売に係る法令、行政指導、その他の規制等が新たに制定された場合、また、日本だけでなく諸外国からの新たな法的規制を受ける場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (20)知的財産について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループは、他社の電力データ分析サービスとの差別化を図るべく、特許権等の知的財産権を積極的に取得し、当社グループの権利の保護を図っております。しかしながら、競合他社が画期的な技術で先行した場合や特許期間が満了した場合、また、当社グループの保持する技術が他の安価な技術で代替できる場合や技術自体が陳腐化した場合、あるいは技術改良の対応が遅れた場合は、当社グループの技術優位性が低下し、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう、専門家と連携しながら特許取得時の事前調査を行っておりますが、当社グループの知的財産権の侵害を主張する第三者が今後現れる可能性を完全に否定することは困難であり、そのような事態が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)配当政策について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社は、株主への利益還元については、重要な経営課題の1つとして位置付けております。しかしながら、現在当社は成長拡大の過程にあると考えており、財務体質強化のため内部留保を行い、更なる成長に向けた研究開発、組織の構築のための投資に充て、事業の安定的かつ継続的な発展に努めることが株主価値の最大化に資すると考えております。 このことから、当社は創業以来配当を実施しておらず、当面は引き続き配当を行わず内部留保を基本方針とするものの、財政状態及び経営成績、今後の事業計画を総合的に勘案し、配当方針については引き続き検討する予定であります。 (22)新株予約権行使による株式価値の希薄化について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社は、役職員等の業績向上に対する意欲や士気を高めるため、ストックオプション制度を採用しております。また、第三者割当による新株予約権の発行による資金調達を実施しております。2026年3月16日現在の新株予約権による潜在株式総数は442,500株であり、発行済株式の7.6%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。 (23)減損会計の適用について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループでは、継続的に行う開発投資に係る人件費等の一部をソフトウエアとして計上しております。ソフトウエアを含む固定資産について、当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」に則った社内規程類に基づいて、減損の要否を検討しております。将来の事業計画や市場環境の変化により、固定資産に減損の兆候が認められ、減損損失を計上する必要性が認められた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (24)有利子負債依存度について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループは、運転資金、設備投資資金及び研究開発資金の一部について、金融機関から調達しております。このため、総資産に占める有利子負債(借入金)の割合が、2025年12月31日現在で51.8%の水準にあります。当社グループは、金利情勢に柔軟に対応できるよう、金融機関と良好な関係を維持しておりますが、今後、有利子負債の割合が増加し、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの業績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (25)税務上の繰越欠損金について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループは、本書提出日現在において、多額の税務上の繰越欠損金を計上しております。今後、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社グループの業績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (26)訴訟等について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループは、法令及び契約等の遵守のため、社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。 しかしながら、当社グループが事業活動を行う中で、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や当社グループの社会的信用の毀損によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (27)大規模な自然災害等について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中) 当社グループは、自然災害等についてもリスク分析を行い、事業継続のための体制の構築を図っておりますが、地震・台風等の自然災害、テロ、パンデミック等が発生した場合、その規模や状況によっては、事業活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (28)継続企業の前提に関する重要事象等 (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大) 当社グループは、2024年12月期において、従前より継続していた赤字の解消を目的として、事業基盤の強化及び 経営効率の向上に向けた各種施策を実施した結果、損益面において黒字を計上しました。一方、2025年12月期においては、前述のとおり、大口顧客との契約終了等の外部要因の影響を受け、業績が悪化し、損益面において大幅な赤字を計上する結果となりました。これらの業績推移の結果、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。 これらの状況を解消するため、当社グループは、次世代(第2世代)スマートメーター活用サービス及び海外事 業を主軸とする事業運営方針を維持しつつ、収益基盤の安定化及び新たな収益創出力の向上を重要な経営課題として位置付け、各種施策に取り組んでおります。特に、既存のデマンドレスポンス(DR)支援サービスである「BridgeLAB DR」の導入済法人顧客を起点として、関連する追加サービスの提案を強化しております。具体的には、「BridgeLAB DR」の利用を通じて把握される法人顧客のニーズを踏まえ、既存法人顧客が追加導入しやすい法人向けエネルギーマネジメント診断サービスの開発及び展開を進めるとともに、「NILM Lite」を活用した電力利用の簡易可視化・分析機能を組み合わせ、顧客価値の向上及び収益機会の拡大を図ってまいります。また、コスト面においては、固定費の抑制、人員配置の最適化、外注費の見直し及び業務プロセスの効率化を継続的に実行することにより、損益分岐点の引き下げを図っております。資金面につきましては、取引金融機関からの継続的な支援に加え、第三者割当による新株予約権(MSワラント)の発行等を通じて、事業運営に必要な資金を確保しております。これらを踏まえ、現時点においては、貸借対照表日の翌日から1年後の2026年12月31日まで十分な資金を有することが可能であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。一方で、今後の事業進捗や事業環境が変化、当該新株予約権の行使状況等によっては、財務基盤に影響を及ぼす可能性があることから、当社グループは引き続き、資金繰り及び財務状況について慎重に管理してまいります。
経営成績の分析 (MD&A)8,098字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は1,648,439千円となり、前連結会計年度に比べ345,915千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少379,466千円、売掛金の減少156,633千円、ソフトウエアの増加213,024千円によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は1,062,657千円となり、前連結会計年度に比べ342,063千円の増加となりました。これは主に、短期借入金の増加300,000千円、長期借入金(1年以内返済予定含む)の増加37,064千円によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は585,781千円となり、前連結会計年度に比べ687,979千円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失721,633千円を計上したことによる利益剰余金の減少、新株予約権行使に伴う新株発行により資本金が10,840千円、資本剰余金が10,840千円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、賃上げの継続や雇用環境の改善を背景に、個人消費が底堅く推移するなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、海外経済の減速、米国の通商政策動向の不透明感、為替変動などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。 当社グループが関連するエネルギー業界においては、再生可能エネルギーの導入拡大が第7次エネルギー基本計画のもとで引き続き加速し、系統安定化に向けた蓄電システム及び分散型電源の整備が第4四半期以降一段と進展しております。また、電力需給逼迫リスクへの対応として、デマンドレスポンス(DR)支援サービスの活用が第3四半期以降さらに拡大し、需給調整力確保に向けた取り組みが一層強化されました。 こうした事業環境のもと、当社グループは、脱炭素社会の実現及びグリーントランスフォーメーション(GX)の推進を図るとともに、電力利用効率の向上に資する各種サービスの提供に注力してまいりました。具体的には、(ⅰ)消費者向け電力見える化サービスとして「ienowa(イエノワ)」、「enenowa(エネノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」、(ⅱ)電力事業者向けエネルギーマネジメントサービスとして、デマンドレスポンス(DR)支援サービス「BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)」、簡易電力見える化サービス「NILM Lite(ニルム ライト)」及び次世代(第2世代)スマートメーターに関連する受託開発等の取引拡大に努めました。 一方で、第4四半期に当社グループにおいて、主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引が当社グループの想定に反して急遽終了することとなり、これにより当該大口顧客向けの2025年12月期以降の「アップフロント」領域の売上及び2026年4月以降の「プラットフォーム・アプリ提供」領域の売上について、継続的な計上を見込めなくなりました。また、「プラットフォーム・アプリ提供」領域では、「NILM Lite」の引き合いは堅調であったものの、新規顧客の獲得及び導入スケジュールが後ろ倒しとなりました。さらに、「その他」領域では、各電力会社における次世代(第2世代)スマートメーターの導入計画自体は予定どおりであるものの、次世代(第2世代)スマートメーターのデータを活用する付随的な応用サービスの開発・導入スケジュールが後ろ倒しとなりました。 これらの状況を踏まえ、当社グループでは、収益基盤の安定化及び新たな収益創出力の向上を重要な経営課題として位置づけ、各種施策に取り組んでまいりました。 特に、電力需給逼迫リスクへの対応としてデマンドレスポンス(DR)支援サービスへの追い風が吹く中、「BridgeLAB DR」において、法人顧客が導入しやすい成果報酬型メニューを設定し、導入拡大を図りました。これにより、第4四半期の大幅伸長で、「BridgeLAB DR」の受注済契約数が前年の第4四半期比約2倍に増加いたしました。 加えて、「BridgeLAB DR」導入済法人顧客を起点に、DR運用で取得・蓄積されるデータをそのまま活用できることから、追加のデータ取得等を要さず導入できるアップセルとして、法人向けエネルギーマネジメント診断サービス及び「NILM Lite」による電力利用の簡易可視化・分析機能の開発・提供を進めました。 さらに、2024年12月に締結した株式会社フォーバルとの業務提携に関する契約に基づき、小規模法人向け脱炭素化支援サービスの商業展開を2025年12月に開始し、2026年12月期以降には全国展開を計画しております。 また、英国においては、2025年11月から、当社グループの技術・サービスを活用した「Budget Control(バジェット コントロール)」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series(アップ シリーズ)」の販売が、Daikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における本格的な商業展開の第一歩となりました。 最後に、当社グループの中長期の成長戦略の中核をなす次世代(第2世代)スマートメーターに関しては、東京電力グループが次世代(第2世代)スマートメーターに関連する取り組みやカーボンニュートラルの実現に向けた各種施策を引き続き推進する中、当社グループは、東京電力グループとの合弁会社である株式会社エナジーゲートウェイを通じ、緊密な協力関係のもと、これらに関連するエネルギーインフラの開発を推進してまいりました。次世代(第2世代)スマートメーターのデータを活用した応用サービスの開発及び新規受託案件は一部で当初計画を下回ったものの、これまでの協働を礎に、東京電力グループとともに次世代(第2世代)スマートメーター時代に向けた取り組みを着実に進展させた意義ある一年となりました。 次世代(第2世代)スマートメーターの導入は、東京電力グループのみならず他エリアでも着実に前進しており、全国レベルでの本格展開に向けた環境が整いつつあります。実際に、関西電力送配電株式会社は2026年1月5日から次世代(第2世代)スマートメーターの設置開始を公表しており(出典:関西電力送配電株式会社「第2世代スマートメーターの設置開始について」2026年1月5日)、中部電力パワーグリッド株式会社も2026年1月から次世代(第2世代)スマートメーターの設置開始を公表しております(出典:中部電力パワーグリッド株式会社「第2世代スマートメーターの設置開始について」2025年12月8日)。こうした動きは、次世代(第2世代)スマートメーターを基盤とするデータ利活用・周辺サービスの需要拡大に向けた追い風となるものであり、当社グループは、この潮流を確実に捉え、事業機会の具体化及び収益化に向けて取り組んでまいります。 以上の結果、売上高は530,019千円(前年同期比46.0%減)、営業損失は628,704千円(前年同期は49,517千円の営業利益)、前述の大口顧客との取引終了を見据え、関連会社が保有するセンサー在庫について、その回収可能性を慎重に検討し、評価損を認識した結果、持分法による投資損失が61,133千円となったことを主因の一つとして、経常損失は717,785千円(前年同期は55,133千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は721,633千円(前年同期は56,471千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 なお、当社は、エナジー・インフォマティクス事業を単一セグメントで展開しているため、セグメント別の記載は省略しておりますが、事業領域は、事業を展開する地域により、①国内領域及び②海外領域に分かれております。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は417,679千円となり、前連結会計年度末に比べ379,466千円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、440,022千円(前年同期は12,509千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費132,932千円、売上債権の減少158,985千円があった一方で、税金等調整前当期純損失720,683千円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、284,922千円(前年同期は318,774千円の支出)となりました。 これは主に、無形固定資産の取得による支出264,751千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動により得られた資金は344,277千円(前年同期は638,071千円の獲得)となりました。 これは主に、短期借入金の純増減額300,000千円、長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出362,936千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況 当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。 a.生産実績 当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 b.仕入実績 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 仕入商品   仕入高(千円)   前年同期比(%) 電力センサー及び付属部品   114,789   92.5 (注) 1.金額は、仕入価格によっております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 c.受注実績 当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 d.販売実績 当連結会計年度の国内領域及び海外領域をあわせた販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、収益区分ごとに売上高を記載しております。 売上区分   売上高(千円)   前年同期比(%) アップフロント   15,091   △92.9 プラットフォーム・アプリ提供   309,883   △16.0 その他   205,045   △49.0 合計   530,019   △46.0 (注) 1.金額は、売上高によっております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.「アップフロント」は、未実現利益調整後の金額となっております。未実現利益の調整額は、株式会社エナジーゲートウェイの販売状況に影響を受けます。 4.その他の主なものは、次世代(第2世代)スマートメーターを中心とする受託開発です。 5.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。 相手先   前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)   当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) 株式会社エナジーゲートウェイ   665,413   67.7   311,839   58.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態 財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績 各項目の経営成績の状況は、以下のとおりであります。 なお、当社グループは、エナジー・インフォマティクス事業を単一セグメントで展開しているため、セグメント別の記載は省略しておりますが、事業領域は、事業を展開する地域により、イ.国内領域及びロ.海外領域に分かれております。 (売上高) イ.国内領域 「アップフロント」による売上高は、主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引が当社グループの想定に反して急遽終了することとなったものの、ハウスメーカーや住宅設備商社などへの電力センサーの販売が安定して継続し、需要の広がりを着実に捉えたことにより、15,091千円となりました。 また、「プラットフォーム・アプリ提供」による売上高は、「ienowa」、「enenowa」及び「hitonowa」が利用者数の増加を背景に順調に推移したことにより、299,950千円となりました。なお、「BridgeLAB DR」につきましては、成果報酬型メニューの導入により、受注済契約数が前年の第4四半期比で約2倍に増加するなど、取り組みの成果は既に出ておりますが、報酬金額の確定が2026年12月期後半に確定するため、売上・利益への本格的な貢献は2026年12月期後半を見込んでおります。 さらに、「その他」による売上高は、次世代(第2世代)スマートメーターに関連する受託開発を中心に201,791千円となりました。 この結果、当連結会計年度の国内領域の売上高は516,832千円となりました。 ロ.海外領域 2025年11月から、当社グループの技術・サービスを活用したDaikin Airconditioning UK Ltd.のヒートポンプ(電気給湯器)製品「UP Series」の英国販売が開始され、海外市場開拓が具体化いたしました。 この結果、当連結会計年度の海外領域の売上高は13,186千円となりました。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は255,661千円となりました。これは、「アップフロント」の売上高において、センサー販売が発生しなかったことによる減少によるものであります。 この結果、売上総利益は274,358千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は903,062千円となりました。これは、管理費用の増加に加え、上場維持に係る費用の発生、上場準備期間中に抑制していた人件費の見直し(給与水準の適正化)に伴う人件費の増加及び外注費用の増加等によるものであります。 この結果、営業損失は628,704千円となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当連結会計年度の営業外収益は587千円、営業外費用は89,669千円となりました。営業外費用の主なものとしては、前述の大口顧客との取引終了を見据え、関連会社が保有する電力センサー在庫について、当連結会計年度において回収可能性を慎重に検討し、評価損を認識した結果、当連結会計年度における持分法による投資損失として61,133千円を計上したことによるものであります。 この結果、経常損失は717,785千円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は721,633千円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの資金の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループは、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資等を通して、安定的に開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。資金需要としては、継続して企業価値を増加させるために、主に継続した技術開発や必要な運転資金となります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等 当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (28)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当該事象を解決するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと認識しております。 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業 の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載の通り、当社は、当社グループのSaaS型事業の成長率を正しく評価するための基準として、ARR(注1)を経営指標として位置付けております。 前連結会計年度末(2024年12月末)の数値は487百万円、当連結会計年度末(2025年12月末)の数値は、345百万円となっており、前年比で29.1%減となりました。この減少は、前述のとおり、当社グループの主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引が2026年3月末をもって終了することとなっていることに伴い、新規のユーザーの加入が停止した結果、退去等に伴うサービス加入者の自然減が発生していることにより、当該期間中に継続的な収益として計上される金額が抑えられたことによるものです。この取引の終了により2026年4月以降、ARRは一時的に大きく減少する見込みですが、「ienowa」による収入増及び成果報酬型メニューで受注した「BridgeLAB DR」による収入が2026年12月期後半から売上及び利益に本格的に寄与することにより、2026年12月期後半に向け回復していく見込みです。 注1 ARR(Annual Recurring Revenue):日本語で「年次経常収益」と呼ばれ、毎年繰り返し得られる収益・売上のことをいい、各期末の直前の6か月間のMRR(注2)の平均値を12倍して算出しております。 注2 MRR(Monthly Recurring Revenue):日本語で「月次経常収益」と呼ばれ、毎月繰り返し得られる収益・売上のことをいい、当社グループでは、「プラットフォーム・アプリ提供」に区分される収益・売上に加え、「その他」に区分される収益・売上のうち、繰り返し得られる収益・売上も含んでおります。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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