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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

True Data

4416 · Growth · 情報・通信業

国内最大級のID-POSデータ基盤を活用し、小売業と消費財メーカーのマーケティングをデータで支援する。

概要

株式会社True Dataは、全国の小売業から収集したID-POSデータ(顧客ID付き購買データ)を基盤とするデータマーケティング企業である。2000年に三菱商事の子会社としてCRM事業で創業し、2014年に消費者購買データのマーケティングプラットフォームへと事業を転換。2021年12月に東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)に上場した。2026年3月期の売上高は約18.7億円、従業員数93名。データ・テクノロジー・ノウハウの3領域を統合的に提供する点を強みとし、国内最大級となる約6,500万人の購買データを活用した分析サービスを展開している。

国内最大級のID-POSデータと独自の精製技術

当社の核心資産は、全国のドラッグストアやスーパーマーケットなどから集信されるID-POSデータである。このデータは合算で約6,500万人規模に達し、国内最大級の消費者購買データベースを形成する。しかし、各小売業でデータのフォーマットや商品分類が異なるため、単なる収集だけでは活用が困難である。当社は独自のマスタ及びクレンジング技術により「大量かつバラバラな仕様のデータ」を「標準化されたデータ」へと精製する。この精製プロセスが他社の模倣を難しくしており、ビジネスモデルの参入障壁となっている。また、前日の購買まで検出できる速報性を持ち、市場変化への迅速な対応を可能としている。

ストック型収益と3つの事業セグメント

当社の収益は、ストック型の年間契約モデルが中心である。主力サービス「イーグルアイ」は消費財メーカー向けで180社が導入し、1社あたり約500IDが活用される事例もある。サービスはメーカー向けソリューション、リテール向けソリューション、リテールメディアその他の3領域に分かれる。2026年3月期の販売実績は、メーカー向け952百万円(前年比108.0%)、リテール向け509百万円(同165.2%)、リテールメディアその他408百万円(同112.2%)であった。特にリテール向けが急成長しており、データ開示機能の普及が背景にある。購買データの性質上、利用企業が増えても追加原価が限定的であるため、ストック売上の拡大に伴い利益率が向上する高収益モデルを目指している。

グローバルプラットフォーマーとのエコシステム

当社は、データプラットフォームを中核としたエコシステムの構築を進めている。Google CloudのBuildパートナーおよびServiceパートナー、SAPのCXエコシステムパートナー、ニールセンとの戦略的提携など、グローバルプラットフォーマーとの連携を強化。また、2022年にはベトナムのFPTソフトウェアと資本業務提携を締結した。国内では、伊藤忠商事、アルフレッサ ヘルスケア、あらたといった卸商社との協業網を完成させ、食品・医薬品・日用品の主要3領域をカバーする。さらに、SMNやMBKデジタルなど広告ソリューション企業にもデータ提供を開始。これらパートナーを通じて販路拡大とサービスの水平展開を図っている。

ガバナンスとデータ管理体制

ガバナンス面では、取締役会の過半数を社外取締役とし、監査等委員会設置会社へ移行(2018年)。情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」認証を取得(2025年)、プライバシーマーク認証も保有。2023年には経済産業省より「DX認定事業者」に認定された。これらの体制は、顧客企業が安心してデータを預けられる基盤として機能している。また、教育プログラムの提供を通じてデータ活用人材の育成にも注力しており、高校から大学院までの研究機関と連携している。

業界の中での役割はデータマーケティングプラットフォーム企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
19億円
営業利益
1億円
営業利益率
5.3%
純利益
1億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
イーグルアイ9億円47.4%
その他6億円31.6%
ショッピングスキャン4億円21.1%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01消費財メーカー主力

消費財メーカー向けに、購買データ分析ツールを提供。商品開発、ターゲティング、販促活動から事業戦略立案まで、データに基づく意思決定を支援する。

国内最大級のID-POSデータエコシステム

主な製品・サービス2
イーグルアイ
全国・地域単位の消費者購買行動を詳細に分析できるツール。データ精製により、購入の2日前まで速報性を持って把握できる。
ドルフィンアイ
カテゴリーや地域を選択するだけで購買情報を表示するツール。幅広い企業・組織に提供。

02小売業主力

小売業向けに、自社の購買データを分析するツールや、データ外販を支援するサービスを提供。顧客理解と販促施策の高度化を支援する。

主な製品・サービス1
ショッピングスキャン
小売業向けのID-POSデータ分析ツール。自社データの分析や、消費財メーカーへのデータ開示が可能。

03リテールメディア副次

小売業の購買データを活用した広告配信のターゲティングや効果検証などのリテールメディア関連サービスを提供。

主な製品・サービス1
販促AI
過去の購買データ等をAIで分析し、最適な顧客と配信媒体を自動選出するサービス。小売業とメーカーが登録した販促情報を基に、効率的な販促を実現。

製品と技術

消費財メーカー向け主力SaaS「イーグルアイ」

イーグルアイは、当社の主力サービスであり、消費財メーカー向けに全国及び地域単位の消費者購買行動を詳細に分析できるSaaSである。特徴は、購入者属性が紐づくID-POSデータを用いる点にあり、単なる売上数字ではなく、顧客の購買行動に関わる様々な指標を導出できる。当社独自の精製プロセスにより、二日前の購買まで検出可能な速報性を実現。2026年3月末時点で導入企業数は180社に達し、1企業で約500IDが活用されるケースもある。年間契約のストック型モデルで、サポートデスクによる伴走支援も含まれる。商品開発から販促戦略、中長期事業計画まで、意思決定の広範なプロセスを支える。

小売業向けデータ活用基盤「ショッピングスキャン」

ショッピングスキャンは、小売業向けに自社のID-POSデータを分析できるツールである。商品ごと、店舗ごとの購買行動を可視化し、売場構築や販促施策の高度化を支援する。特筆すべきはデータ開示機能で、小売業が消費財メーカーに自社データを販売する際の基盤となる。従来、個別に行われていたデータ送受信や付随業務を当社が一元的に代行し、業務効率を向上させる。この製販共創の取り組みは大手小売業を中心に導入が進んでおり、2026年3月期のリテール向けソリューション売上は前年比165%増と急成長した。

多様なデータを統合する「KURASHI360」

KURASHI360は、ID-POSデータに加え、嗜好価値観、自動車関連データ、政府・自治体のオープンデータなどをかけ合わせた地域マーケティングデータサービスである。これにより、購買行動の背後にあるライフスタイルや価値観を可視化し、地域ごとの生活者理解を深める。案件ごとに提供条件が決定される。このサービスは、AIの教師データとしても活用され、当社のデータ差別化要因の一つとなっている。また、外部データサプライヤーとの連携を拡大し、データラインナップの充実を図っている。

AI活用による販促最適化と出店予測

AIを活用したサービスとして、販促AIとSalesSensorがある。販促AIは、小売業とメーカーが登録した販促情報に基づき、過去の購買データをAI分析して最適な顧客と配信媒体を自動選出する。小売業の販促業務省力化とLTV向上、メーカーのROI可視化に寄与する。SalesSensorは、小売業の新規出店計画を支援する売上予測サービスである。自社の売上実績や店舗情報、競合情報、人口・乗降客数などのオープンデータをAIが分析し、地域特性を加味した出店時売上予測を自動算出する。これにより売上最大化とコスト最適化を実現する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 消費財メーカー国内最大級のID-POSデータエコシステム

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

データ関連で収益改善、小規模で競争厳しい

情報・通信業に属し、データ関連のソリューションを提供。売上高は16億円から19億円に増加、営業利益率は0%から5.26%に改善。同業他社にはVRAIN SolutionやCocoliveなどがあり、データ市場は成長分野だが競争も激しい。小規模ながら収益性の改善が見られ、データ活用のニーズは高まっている。しかし、規模が小さいため、大手や競合との差別化が課題。特定のデータ分野での専門性を活かした成長が期待されるが、持続的な収益拡大には新規顧客開拓が必要。

強み

  • 営業利益率が0%から5.26%に改善、黒字化
  • 売上高が16億円から19億円に増加、成長中
  • データ関連は成長市場、将来性がある
  • データ処理の専門性を持ち、差別化可能

課題

  • 売上高19億円と小さく、競争力に限界
  • 営業利益率5%台と低く、収益性強化が課題
  • 同業他社が多く、独自性の確立が必要

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がTrue Data

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
13670協立情報通信21億円7.3倍
2137ACocolive21億円15.0倍
3248Aキッズスター21億円22.4倍
4281Aインフォメティス21億円
54199ワンダープラネット21億円
64416True Data20億円25.1倍
73803イメージ情報開発20億円
84394エクスモーション20億円27.7倍
93998すららネット20億円
103928マイネット20億円
114444インフォネット20億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 23件

三菱商事の戦略子会社としてCRM事業を開始した2000年

2000年10月、三菱商事が50.3%出資してカスタマー・コミュニケーションズ株式会社を設立。資本金4億円で、CRM事業を主業とし、購買者の行動分析ができるカスタマースキャンサービスを開始した。当初は小売業のサポート業務が中心であったが、2006年以降は縮小均衡の経営が続いた。2008年には株式譲渡により株式会社プラネットが筆頭株主となり、所有構造が変化した。

ビジネスモデルを刷新しデータプラットフォームへ転換した2014年

2014年は転換点である。5月、メイン事業をアウトソーシング受託事業から消費者購買データのマーケティングプラットフォームへと刷新。株式会社産業革新機構(現INCJ)などへの第三者割当増資を実施し、資本金を約9.8億円に増強した。同年3月には「ショッピングスキャン」、11月には「イーグルアイ」をリリースし、小売業と消費財メーカーの両方向けのサービスを整備した。9月には本社を現在地の芝大門に移転している。

商号変更と戦略提携で事業基盤を強化した2017年

2017年7月、商号を株式会社True Dataに変更。これに先立つ2015年には無償サービス「ウレコン」の提供を開始し、潜在顧客の開拓を狙った。同年9月にはニールセンカンパニー合同会社と戦略的提携契約を締結。2018年6月には監査等委員会設置会社へ移行し、ガバナンス強化を図った。2019年にはGoogle CloudのBuildパートナー認定を受け、データ基盤のクラウド化に着手した。

クラウド移行完了とKURASHI360のリリース(2020年)

2020年7月、データ管理・分析・運用基盤システムのクラウド環境への移行が完了。多様な消費者ビッグデータをかけ合わせた「KURASHI360」をリリース。同年12月にはSAPのCXエコシステムパートナーとして認定された。これにより、技術基盤を刷新し、拡張性の高いデータプラットフォームを確立した。

株式上場とグロース市場への移行(2021-2022年)

2021年12月、東京証券取引所マザーズ市場に上場。2022年4月の市場区分見直しに伴い、グロース市場へ移行した。上場後は、2022年1月にベトナムのFPTソフトウェアと業務提携し、同社子会社への出資を実施。海外展開の足掛かりを築いた。

DX認定とAIサービス拡充で新たな成長領域へ(2023年)

2023年5月、経済産業省より「DX認定事業者」に認定。同月、楽天グループのソリューション「RMP – Omni Commerce」に自社の統計化購買データを連携開始。さらに9月には、AIを活用した新規出店売上予測サービス「SalesSensor」をリリース。これらの取り組みにより、データの活用領域を小売・消費財から広告・出店支援へと拡大している。

年表23件を開く

2000年代

  • 2000年10月三菱商事株式会社の戦略的子会社として、同社が50.3%出資してCRM事業を主業とするカスタマー・コミュニケーションズ株式会社(資本金400,000千円)を東京都港区芝四丁目に設立 購買者の行動が分析できるカスタマースキャンサービス開始
  • 2001年10月東京都港区高輪二丁目に本社移転
  • 2008年11月株式譲渡により、株式会社プラネットが筆頭株主となる
  • 2009年9月東京都港区芝公園二丁目に本社移転

2010年代

  • 2014年3月小売業向けに、ID-POSデータ(注1)の分析及び消費財メーカーへのデータ開示サービス(注2)を可能にする「ショッピングスキャン」をリリース
  • 2014年5月メイン事業をアウトソーシング受託事業から消費者購買データのマーケティングプラットフォームとしてビジネスモデルを刷新 株式会社産業革新機構(現 株式会社INCJ)等を引受先とする第三者割当増資を実施、資本金を979,010千円に増資
  • 2014年9月東京都港区芝大門一丁目の現在地へ本社移転
  • 2014年11月消費財メーカー向けに、ID-POSデータの分析を可能にする消費者の購買行動分析SaaS(注3)「イーグルアイ」をリリース
  • 2015年3月全国各地の消費者の購買傾向を可視化するダッシュボード「ウレコン」をインターネット経由で無償にて提供開始
  • 2016年7月「簡単」「高速」な消費者の購買トレンド分析SaaS「ドルフィンアイ」をリリース
  • 2017年7月商号変更カスタマー・コミュニケーションズ株式会社から株式会社True Dataへ商号変更
  • 2017年9月ニールセンカンパニー合同会社と戦略的提携契約を締結
  • 2018年6月監査等委員会設置会社へ移行
  • 2019年6月Google Cloud(注4)パートナープログラムにおいてBuildパートナー(注5)(現:Buildエンゲージメントモデル)の認定を受け、データ管理・分析・運用基盤システムの刷新に着手

2020年代

  • 2020年7月当社のデータ管理・分析・運用基盤システムをクラウド環境へ移行完了 多様な消費者ビッグデータをかけ合わせて全国各地の生活者の暮らしをデータ化し、AIや商圏分析などマーケティング活用に提供する「KURASHI360」をリリース
  • 2020年12月SAP SEよりCXエコシステム(注6)に連携するスタートアップとしてパートナー認定(注7)を受け、協業体制を構築
  • 2021年11月Google Cloud パートナープログラムにおいてServiceパートナー(注8)(現:Serviceエンゲージメントモデル)の認定を受け、協業体制を強化
  • 2021年12月上場東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
  • 2022年1月FPTソフトウェア(本社:ベトナム)と業務提携契約を締結し、同社の子会社であるTrandata Technology Engineering Joint Stock Company(現:Techup Communication Joint Stock Company)が実施する第三者割当増資の引き受けを行う資本業務提携契約を締結
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所グロース市場に移行
  • 2023年5月経済産業省より「DX認定事業者」として認定
  • 2023年5月楽天グループ株式会社が提供する、オフラインでの購買データに基づく ID マーケティングソリューション「RMP – Omni Commerce」(注9)におけるメニューである「Instore Tracking」(注10)に対し、当社の統計化した全国規模のオフライン購買データの連携を開始
  • 2023年9月小売業が新規出店を計画する際の売上を予測する「SalesSensor(セールスセンサー)」をリリース

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高の対前期成長率向上を図る(数値目標の記載なし)
  • 営業利益向上を図る(数値目標の記載なし)
  • 営業利益率向上を図る(数値目標の記載なし)
  • 分析対象とする小売業の購買データ金額向上を図る(数値目標の記載なし)
  • ストック型契約の売上高及び売上高比率向上を図る(数値目標の記載なし)

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    購買データ基盤の拡充

    ID-POSデータの網羅性を高めるため、既存のドラッグストア・スーパーマーケットに加え、コンビニエンスストア、ホームセンター、EC、プレステージチャネル等へ対象を拡大する。

  2. 02

    ストック型サービスの拡大による収益強化

    「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」等のストック型サービスを事業の柱とし、無償情報サービス「ウレコン」や卸商社を通じた提案強化により利用企業数を拡大。限界利益率の高い収益モデルを確立する。

  3. 03

    多角的データラインナップの充実

    独自の生活者インサイトデータ「KURASHI360」の提供を強化し、外部ビッグデータを拡充。購買行動の背景にある嗜好性やライフスタイルを可視化し、他社との差別化を図る。

  4. 04

    エコシステムによる事業拡大

    外部のAI・テクノロジー・データ企業との連携によるエコシステムを構築。新規出店予測や在庫削減等の高度なソリューションをクロスセルし、顧客企業内で「意思決定基盤(OS)」としての定着を促す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で93人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は640万円で、4期前と比べて+7.3%平均年齢は41.7歳、平均勤続年数は6.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2022年3月59639.25.172
2023年3月63539.25.178
2024年3月66339.55.293
2025年3月67540.75.5990
2026年3月64041.76.293108

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率16.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率80.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)66.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都港区27百万円
主な関係会社
  • 国内
    株式会社プラネット
    東京都港区
    議決権24.3%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は19億円営業利益1億円前期と比べると増収で、売上が+18.8%。

売上高
+18.8%
19億円
営業利益
1億円
純利益
1億円
営業利益率
5.3%
前期比 +5.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高22億円19億円
営業利益1億円1億円
純利益1億円1億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は5億円、営業利益は0億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+25.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q30
2024年1Q400.00
2024年2Q400.00
2024年3Q400.00
2024年4Q41
2025年2Q800.00
2025年4Q800.00
2026年2Q900.00
2026年4Q10110.01
2027年1Q500.00

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 9期分

2018年3月期からの9期で、売上は10億円から19億円へ1.9倍に増えた。直近期の営業利益率は5.3%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2018年3月1000
2019年3月1100
2020年3月10−1−1
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
2021年3月12−1−1
2022年3月1300
2023年3月1410
2024年3月1611
2025年3月16000.00
2026年3月19115.31

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高19億円のうち、営業利益として残るのは1億円5.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1億円、売上の5.3%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金47.4%9億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金47.4%9億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.3%1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
52.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比3.1pt
5.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比1.4pt
5.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比6.2pt
6.9%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
6.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
14.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 7期分

2026年3月期は営業CFが2億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは1億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は10億円で、売上の6.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2020年3月0−31−34
2021年3月1−1004
2022年3月1−1308
2023年3月1−1009
2024年3月1−1009
2025年3月0−10−19
2026年3月2−10110

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 9期分

2026年3月期の総資産は15億円。このうち返さなくてよい自己資本が12億円で、自己資本比率は75.9%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2018年3月87184.7
2019年3月97278.9
2020年3月96368.5
2021年3月95460.4
2022年3月139471.3
2023年3月1310375.9
2024年3月1410476.9
2025年3月1411379.3
2026年3月1512475.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
10億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-4億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
4億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
71
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率11 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中135位あたり、逆に低いのはROE605社中459位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
6.9%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
5.3%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
75.9%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
18.8%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥417で、1年前と比べて-54.6%過去52週の値幅のなかでは9%の位置にある。

¥417-3.2%1ヶ月+6.9%1年-54.6%時価総額20億円
過去52週の値幅
安値¥364高値¥951

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)25.1倍
PER (会社予想)31.9倍
PBR1.73倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月19日に前日比-7.6%の401円まで下落したが、8月18日には434円まで急伸していた。1カ月では-11.67%と下落しており、7月10日の462円から低下傾向にある。25日移動平均線415円を約3%下回り、75日線415円もほぼ同水準。52週高値984円からは約59%下落する一方、52週安値364円からは約10%上昇。RSIは52.53と中立圏。出来高は8月18日に33万株と急増した後、8月19日は9万株と減少した。年初来では-57%と大幅安で、業績悪化が懸念される。ただし、直近の出来高増加で底打ちの可能性も。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 45/100)

PER は 23.65 倍で業界平均 30.09 倍を下回るが、PBR は 1.64 倍と業界平均 3.53 倍を大きく下回り割安感がある。ROE は 6.9% と低く、収益性が課題。直近の業績は緩やかな成長だが、先行き予想は不透明で、配当利回りが不明のため評価が難しい。総合的にやや割高と判断した。

指標この会社業種平均
PER (実績)25.1倍47.9倍
PER (予想)31.9倍
PBR1.73倍2.96倍
ROE6.9%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

小規模な情報サービス企業。売上高はほぼ横ばいで、株価は1年で56%下落。強気派は、2026/3期の営業利益率改善、今後の需要回復の可能性、時価総額19億円と小さく成長余地があると見る。弱気派は、売上高の停滞、競争の激化、株価下落トレンドを指摘し、成長性に乏しいと判断する。

プラスに働く材料7
  • 利益率の改善

    2026/3期は営業利益率5.26%と前期より改善見込み。

  • 小型株の成長余力

    時価総額19億円と小さく、ニッチ市場で伸びる余地。

  • 株価下落後の押し目

    株価が56%下落し、割安感が出ている可能性。

  • 売上高が19億円へ3期ぶり増収通年影響

    16→16→19億円、今期は18.8%増

  • 営業利益が0億円から1億円へ黒字化通年影響

    営業利益1億円、利益率5.26%

  • 純利益1億円を維持決算発表後影響

    純利益1億円、EPSベースで黒字継続

  • 株価が1年で56.4%下落し下げ止まり期待継続影響

    下落率56.38%、出直り余地

マイナスに働く材料6
  • 業績の伸び悩み

    売上高が16億円前後で推移し、成長が停滞。

  • 収益規模の小ささ

    純利益が1億円程度で、採算性が不安定。

  • 市場競争の厳しさ

    同業他社との競合で優位性が確立できていない。

  • 前期売上高16億円と横ばいの停滞通年影響

    売上高は前期比0%増、成長鈍化

  • 営業利益0億円と実質赤字の水準通年影響

    前期営業利益0億円、利益率0%

  • 時価総額19億円と流動性が極小継続影響

    時価総額19億円、売買が難しい

次の決算で確かめる点
売上高推移
成長の兆しが出ているか確認するため
営業利益率
収益力の改善度を測るため
案件獲得状況
受注が増えているかが将来の業績に直結

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ2,133人。区分でいちばん多いのは事業法人45.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が54.9%を占め、残る45.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人51.150.146.645.545.8
個人・その他29.831.932.335.432.3
金融機関6.76.49.49.29.2
外国法人7.17.47.57.57.6
証券会社5.14.04.12.35.1
外国人個人0.10.10.10.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社プラネット24.29
02第一生命保険株式会社9.09
03AGB Nielsen Media Research B.V.6.61
04米倉 裕之3.79
05セキ株式会社3.72
06株式会社タケオホールディングス3.51
07株式会社博報堂3.51
08株式会社博報堂プロダクツ3.51
09伊藤忠商事株式会社2.48
10楽天証券株式会社共有口1.78

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 9期分

1株利益は9期で−16%、1株純資産は9期で−98%。直近期のROEは6.9%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2018年3月2015,6460.1
2019年3月2815,6740.1
2020年3月−22135
2021年3月−14121
2022年3月31971.7192.4
2023年3月72053.573.0
2024年3月132195.739.2
2025年3月32241.2191.3
2026年3月172406.947.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2026/3期の役員報酬は総額66百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
米倉裕之代表取締役社長60183,400
島崎尚子取締役上席執行役員6123,000
玉生弘昌取締役81
結城義晴取締役7415,000
伊藤久美取締役61
石原弘隆取締役(監査等委員)59
村山利栄取締役(監査等委員)66
保井俊之取締役(監査等委員)63

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2494925
社外取締役517173

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,266字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、「データと知恵で未来をつくる」という企業理念のもと、誰もが新しいデジタル時代の道具であるビッグデータとテクノロジーをマーケティングに活用できるようにすること、そしてあらゆる企業や自治体の持続的な成長や業務品質の向上に貢献することを目指しております。 また、当社データを活用することで、企業は市場への過剰な商品投下を抑制し、在庫削減と廃棄ロス削減を通じてコスト効率を向上させることが可能になります。これにより、大量生産・大量消費の時代からの脱却を促し、顧客と社会のサステナビリティへの貢献を目指します。 日本の小売市場は消費者ニーズの多様化により、海外市場と比較して多数の商品が毎日のように上市されては消える流動性の高い市場構造を有しております。POSシステムやポイントカードの普及により、購買データの蓄積は進んでいるものの、小売業や消費財メーカーがビッグデータやテクノロジーを経営やマーケティングの意思決定において有効活用するためには依然として多くの課題が存在すると認識しております。 データ活用は、①データ、②テクノロジー、③活用するためのノウハウ、この3領域が揃ってはじめて可能になります。企業のデジタル活用支援サービスとしては、AIやコンサルティング、システム構築など専門領域に特化する企業が多い中で、当社の特徴は、この3領域の全てにおいて顧客企業に価値を提供できる力を備えてきたことにあります(注)。 (注)①当社が取り扱う小売業の「データ」は合算して全国6,500万人規模に達し、国内最大級のデータエコシステムを構築しております。 ②「テクノロジー」はGoogle、SAP、ニールセン、Salesforceなど、グローバルプラットフォーマーやAIスタートアップとテクノロジー領域でのパートナー認定取得や協業が進展しております。 ③「活用するためのノウハウ」は教育プログラムとして外部に提供し、高校から大学院まで全国の教育研究機関におけるデータ活用の実践教育を支援しております。 これにより、AIの活用等において指摘されるコールドスタート問題(注)のように、いずれかの領域が不足してデータ活用ができていなかった企業に対してもサービスを提供することが可能であります。 (注)コールドスタート問題:AIなどテクノロジーを導入してもデータが準備できずに活用が進まない事例が散見される問題 (1)  事業の概要 当社は主たる事業として、ドラッグストアやスーパーマーケットなど全国の小売業から集信される顧客ID付きPOSデータ(以下、「ID-POSデータ」という)を基軸として、データマーケティングに関わるサービスを提供しております。 その提供領域は、対象や目的に応じ、メーカー向けソリューション、リテール向けソリューション、リテールメディアその他の3領域に分かれております。 メーカー向けソリューションにおいては、「イーグルアイ」「ドルフィンアイ」等のサービスを提供しております。 リテール向けソリューションにおいては、「ショッピングスキャン」等のサービスを提供しております。 リテールメディアその他においては、広告用購買データを活用した広告配信におけるターゲティング・効果検証等のリテールメディア関連サービス、消費者購買に関わるデータや分析レポート、AI技術を用いたデータ活用支援サービスを提供しております。 (2)  当社の変遷 当社の前身はID-POSデータの将来性に着目して2000年に三菱商事株式会社の新規事業として立ち上げられた企業であります。設立後10余年は小売業のサポートを主たる業務内容として事業を展開しており、2006年3月期以降は、毎年の売上高の減少トレンドの中、コスト削減に注力することで黒字を維持する縮小均衡の経営状況にありましたが、小売業の消費財メーカーへのデータ外販支援までの広範なサポートを行うことで、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が生まれる前から、そのサービスの原型を志向していた企業に位置づけられていました。 2012年に現行の経営体制への変更とともに、当社は消費財メーカー向けデータマーケティング事業を主軸に据え、小売業をデータ基盤を構成する重要な事業パートナーと定義いたしました。以降、連携するID-POSデータを拡大し、提供するソリューションの価値向上を図りながら持続的な売上成長を目指す成長路線へと経営方針を転換いたしました。 ガバナンス面では、取締役会の過半数を社外取締役に変更し、監査等委員会設置会社へ移行して経営の透明性と監督機能を強化いたしました。また、第三者割当増資による資本増強を行い、データを管理・保管するシステムインフラや分析機能を刷新し、DX認定の取得やプライバシーマーク認証に基づくデータガバナンス体制を構築してまいりました。さらに、事業拡大に伴う情報資産の管理体制強化を目的として、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001」の認証を取得し、顧客企業がより安心してサービスを利用できる体制を盤石なものとしております。 現在は、「データと知恵で未来をつくる」という企業理念(パーパス)のもと、人材採用とデータ活用人材への育成を強化しております。小売業や消費財メーカーのみならず、あらゆる産業の意思決定を支える「消費者ビッグデータに基づくマーケティングソリューション」の提供へとビジネスモデルを発展させ、デジタル時代の意思決定基盤(OS)としての役割を担うべく、さらなる進化を遂げております。 図表 当社の売上推移 (注)CVS(コンビニエンスストア)売上:当社は、2010年より大手CVSへのデータ外販支援事業(データ開示システムの開発及びシステム運用業務の受託)を9年にわたり展開しておりましたが、M&AによるCVS親会社の方針転換(同業務のグループ内製化)により、同社との取引を終了いたしました(売上影響が大きいことから個別に記載いたしております)。 (3)  サービスの具体的な内容 「ショッピングスキャン」は、小売業の商品ごと、店舗ごとの購買行動を容易に分析できる小売業向けのID-POSデータ分析ツールであります。 小売業は、ポイントカードの利用に伴って日々蓄積される自社の購買データを分析することで、ファンが付いている商品や買い合わせ傾向などを分析し、売場構築や販促施策などのマーケティング意思決定の高度化を図っております。 また、「ショッピングスキャン」のデータ開示機能(注)により、小売業は堅牢なデータガバナンスを確保しながら消費財メーカーへのマーケティングデータの販売が可能となります。消費財メーカーは「ショッピングスキャン」を通じて、小売業の購買データを分析し、小売業との商談資料に活用しております。このように、製販双方が同一のデータに基づいて最適な販売施策を共創するデータ開示の取り組みは、大手小売業を中心に導入が進んでおります。 (注)データ開示機能:小売業による消費財メーカーへのデータ外販及び各種分析をフルサポートする機能です。従来、企業間で個別に行ってきたデータの送受信並びにその付随業務を当社が一元的に対応を行います。これにより、各企業は各種マスタデータの管理やデータ精製などの煩雑なメンテナンス業務を各々で行う必要がなくなることから、小売業、消費財メーカーそれぞれの業務効率・費用効率向上を可能とするものであります。 当社は「ショッピングスキャン」のような分析ツールの提供に留まらず、小売業や消費財メーカー向けのデータ活用セミナーの開催やサポートデスクによる伴走支援などデータ活用支援サービスをあわせて提供することで、現場のデータマーケティングを活性化し、小売業のデータ外販収益の最大化にも貢献しております。 なお、「ショッピングスキャン」は年間契約のストック型モデルとして提供しており、データ活用セミナーの開催やサポートデスク設置などのデータ活用支援サービス(一部ケースにおいては入金管理を含む)と組み合わせたパッケージとして小売業へ導入されております。 一方で、小売業が自社で保有する購買データのみでは、自社の店舗に来店した顧客の購買行動の把握に限定されます。そのため、「店舗の商圏内に居住しながら来店していない消費者を理解し、来店いただけるようにしたい」「ターゲットとする消費者に効果的にアプローチしたい」「自社の店舗に置いていないが、市場では支持を得ている商品を発掘したい」といった外部環境を包含したニーズは解決できません。 仮に小売業のレシートデータを収集したとしても、企業により商品名称や商品分類が異なる(同じ商品でも「タンサンインリョウ」「タンサン飲料」「炭酸飲料」というように名称が異なる、あるいは「飲料分類」「炭酸分類」「炭酸水分類」など分類方法が異なる)ため、これらのデータを統合して全国や地域など市場全体を俯瞰した消費者分析を行うことは極めて困難です。 このため当社では、全国の小売業から集信する「大量かつバラバラな仕様のデータ」を独自のマスタ及びクレンジング技術によって「標準化されたデータ」へと精製しております。これにより、全国、地域、商圏単位で生活者の購買行動を可視化できる消費者購買データベースを構築して、小売業、消費財メーカー、政府・自治体、メディア等の幅広い意思決定を支援できるソリューションへと昇華させて提供しております。その主要なサービスが「イーグルアイ」であります。 大量データを集めて分析する難しさに加えて、データの標準化など精製プロセスに多大な労力とノウハウを要することが当社ビジネスモデルの模倣困難性となっております。 「イーグルアイ」は、全国及び地域単位での消費者の購買動向を早期かつ精緻に把握し、企業の意思決定を支援することを目的とした分析ツールであります。本サービスの基盤は購入者属性が紐づくID-POSデータであり、単なる商品の売れ行きに留まらず、顧客の購買行動に関わる様々な指標データを導き出せるほか、当社独自の精製プロセスにより二日前の購買まで検出できる速報性を実現しております。 また、消費者マーケティングに不可欠な分析機能を搭載しており、簡単な操作で迅速に分析結果を抽出できるため、意思決定の迅速化及び資料作成業務の大幅な効率化に寄与いたします。本サービスはクラウド型として提供しているため、低コストかつ迅速な導入が可能であるだけでなく、サポートデスクを完備し、導入後も継続的に活用を支援する伴走体制を整えております。 「イーグルアイ」は、主に消費財メーカーにおける商品開発や精緻なターゲティング、戦略的な販促活動から中長期的な事業戦略の立案まで、顧客企業の意思決定における広範なプロセスを高度化し、価値創造を強力に支援しております。 原則として年間契約のストック型モデルとして提供しており、収益基盤としての高い安定性を有しております。2026年3月末時点で「イーグルアイ」導入企業数は180社となり、1企業で約500IDが活用されるなど、企業の意思決定に不可欠な「基盤(OS)」として、組織全体に深く浸透・定着する事例もあります。 当社が提供する主なサービスは、以下の通りであります。 サービス名 (主な契約形態)   サービス内容 ショッピングスキャン (年間契約)   インターネットを通じて、小売業向けに、自社のID-POSデータやPOSデータの分析ツールを提供するサービス。小売業が自社データを消費財メーカーに開示できる(自社データの分析を外販する)機能を搭載。 イーグルアイ (年間契約)   インターネットを通じて、消費財メーカー向けに、消費者の全国や地域の購買行動を詳細に分析できるツールを提供するサービス。 データマーケティングのプロフェッショナルにも対応する定番分析メニューを搭載。 ドルフィンアイ (年間契約)   インターネットを通じて、ユーザーが知りたい商品のカテゴリーや地域を選択するだけで、消費者の購買情報が表示されるツールを提供するサービス。 消費財メーカー、小売業、教育機関、メディアなど幅広い企業や組織に提供。 ウレコン (無償)   全国各地域における消費財500カテゴリーの上位100商品の購買情報をグラフで可視化し、まとめて一覧表示してユーザーへ情報提供するインターネットサービス。 POS分析クラウド (年間契約)   消費財メーカーなどの企業が社内のPOSデータやID-POSデータを分析するために、データ精製、蓄積、管理、分析など機能一式をクラウドシステムとして提供するサービス。 KURASHI 360 (案件により決定)   全国各地域の生活者のID-POSデータに、嗜好価値観や自動車など生活者の消費行動に関わる多様なビッグデータ、政府・自治体などが提供するオープンデータをかけ合わせて、地域毎の生活者のタイプや購買傾向の状況、変化などを読み解き、数値化された「暮らしに関わる地域毎のマーケティングデータ」として提供するサービス。 SalesSensor (年間契約)   小売業が新規出店計画を検討する際、小売業が独自に持つ売上実績データや店舗情報に加え、競合店の情報、人口や乗降客数、平均世帯年収など外部のオープンデータを AIが分析し、地域特性を加味した出店時売上予測を自動的に算出するサービス。 高精度の売上予測により、売上の最大化と新規出店コストの最適化が可能。 販促AI (年間契約)   小売業とメーカーが登録した販促情報に基づき、過去の購買データ等をAIが分析して最適な顧客と配信媒体を自動選出するサービス。小売業は販促業務の劇的な省力化とLTV向上を、メーカーはROI(投資利益率)の可視化による投資効率の最適化が可能。 (4)  事業の構造 国内の消費財メーカーは、従来より複数の小売業から購買データを入手し、その分析に基づいた販促提案を行っています。しかし、入手データのフォーマットや商品・店舗情報の内容は小売業ごとに異なるため、メーカー側での活用は各小売業への個別対応に留まっておりました。 昨今のデジタルトランスフォーメーション(DX)へのニーズの高まりを受け、消費財メーカーが自社独自のデータ活用基盤の構築を模索する動きも見られますが、膨大な新商品の上市や改廃、店舗の改廃情報をリアルタイムで整備し、異なるデータの質を一定水準に揃え続けることは、一社単独では極めて困難であります。 たとえそれが可能となったとしても、消費財メーカー各社が個別に対応することは、多大な活動の重複を生み出すこととなり、日本の産業界にとって極めて非効率な状況となります。 このような環境下、小売業・消費財メーカー双方のデータを多面化・統合化し、意思決定を支える「共通の基盤」を提供するプラットフォーム企業の重要性は飛躍的に高まっております。当社は、データガバナンスとセキュリティを確立しながら、以下のビジネスコアの確立を通じて、次世代のリテール戦略を支える「意思決定基盤(OS)」の構築を推進しております。 ① 小売業の購買データを、競合他社を凌駕するレベルで集信 ② データ精製機能、データガバナンスに基づく蓄積・管理機能、マーケティングに必要な分析機能とともに、当社を経由してクラウドなどで、小売業や消費財メーカーなど企業に一括供給 ③ 他の購買データやオープンデータとかけ合わせながら、「顧客の見える化」「ロイヤル顧客や売上の伸びしろの分析」「AI等を活用した多様なマイクロサービスの創出」「オンライン・オフラインの垣根のない(顧客への)さまざまな広告・販促手段へのデータ連携」「新規出店時の売上予測精度向上」を、よりわかりやすく、具体的に提供できるビジネスプラットフォームを提供 ビジネスコアを確立することで、当社は従来のマーケティング領域に留まらず、店舗開発や経営企画といった顧客企業内の意思決定部門へと支援領域を拡大してまいります。あわせて、AIスタートアップとの協業による先端技術の活用を推進し、成長の持続性と費用効率の向上を図ることが、当社が事業成長において目指す姿であります。さらに、消費者購買データは複数の顧客・サービスに何回活用されても消費・減耗することはないため、ストック型サービスの拡充及び売上拡大により収益性が加速度的に向上する構造となっています。 当社は、デジタル時代の新たなマーケティングインフラとして、小売業・消費財メーカー・当社の三者が質・量・コスト効率のすべてにおいて利益を享受できる、次世代のデータエコシステムの形成を主導してまいる所存です。 図表 事業系統図 大量データを蓄積・保管・分析し、競争力の高いソリューションをクライアントに提供するためには、テクノロジー面で以下の機能を担保することが必須であります。 ①  拡張性・処理性能の向上(膨大なデータ量と外部ツールへの連携) ②  安全性(世界レベルのセキュリティ対応) ③  先進テクノロジー(先進テクノロジーを用いたソリューション・分析メニュー) このため、当社はテクノロジー面では自社開発にこだわらず、GoogleやSAPなどのグローバルIT企業、ニールセンなど最先端の分析アルゴリズムを持つグローバルマーケティング企業、AIスタートアップとアライアンスを組み、テクノロジーの世界的な進化を取り込む仕組みを構築しております(※)。さらに当社は、データやソフトウエア、データ活用ノウハウを向上させるための人材などテクノロジーを競争力あるソリューションに変えるための経営資源に投資を行う等、競争力向上に向けた投資の最適化を図っております。 ※ 当社はAIなど製品のパフォーマンスをIT企業と競うのでなく、クオリティの高い製品を選別して採用し、その製品に当社データとプログラムを実装したソリューションとすることで、高い付加価値をお客さまに提供しております。 当社は提供するサービスのクオリティを高めることが、当社サービスを継続的に活用いただける成果につながり、持続的に事業成長する力を安定化させていく土台になると考えております。 (5)  ID-POSデータの特性、多様な消費者ビッグデータとのかけ合わせ POSデータは従来、「商品」の売れ行きを見る購買データとして、日本のみならずグローバルで一般的に利用されております。 ID-POSデータは、ポイントカードなどIDに紐づけたPOSデータ、すなわち「人」を軸とした購買データであり、単なる商品の売れ行きに留まらず、性別や年代別などを切り口とした属性分析、商品を継続して購買する顧客の割合を示すリピート率分析、他の商品から買い替えた顧客の状況を示すスイッチング分析、その商品と一緒に買われている商品を示す併買分析など、マーケティングにおいて購買行動を精緻に分析できるデータとしての強みがあります。 図表 POSデータ、ID-POSデータの特性 また、デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、データマーケティングは、多様なビッグデータを用いて消費者を理解して、顧客企業の価値創造を最大化させる時代に入っております。 なかでもID-POSデータは、消費者ビッグデータの代表格としてグローバルに活用が拡大しており、多様な消費者ビッグデータをかけ合わせる結節点としての重要性が高まっています。当社は、ID-POSデータに多様な消費者ビッグデータをかけ合わせ、独自のAIアルゴリズムを用いることで、単なる購買傾向の把握に留まらない「ライフスタイル」や「潜在ニーズ」の可視化を推進しております。こうした「リテールデータ×AIインサイト」を核とした取り組みにより、実効性の高いマーケティング施策を導き出し、企業の持続的な成長に貢献してまいる所存です。 図表 消費者ビッグデータのかけ合わせによる消費者理解
経営方針・対処すべき課題5,626字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は「データと知恵で未来をつくる」という企業理念のもと、誰もが新しいデジタル時代の道具であるビッグデータとテクノロジーをマーケティングに活用できるようにすること、そしてあらゆる企業の持続的な成長に貢献することを目指しております。 現在、当社は新中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)の始動に伴い、従来の「データ分析会社」から、企業の意思決定そのものを支える「意思決定支援会社」への進化を加速させております。実店舗からECまでを横断する購買データとAIを融合させた「意思決定基盤(OS)」の提供を通じ、企業が市場への過剰なリソース投下を抑制し、需給の最適化による在庫及び廃棄ロスの削減を実現できる仕組みを構築してまいります。これにより、大量生産・大量消費の時代からの脱却を促し、顧客と社会のサステナビリティへの貢献を目指します。 当社は、データやテクノロジーは新しいパワフルな道具であるからこそ、道具を使う「人」の育成が重要であり、持続的な成長と社会課題の解決を両立させたいとの志のもと、以下の行動指針を掲げて経営に取り組んでおります。 ①  社会に貢献し、持続的な成長を追求します。 ②  地域や規模を超え、あらゆる組織のデータ活用を支援します。 ③  データやテクノロジーを使う人の教育を推進します。 (2) 経営戦略 当社はこれまで、国内最大規模の消費者マーケティングデータ(ID-POSデータ)を核に、企業各社の現状把握や課題抽出を担う「購買データプラットフォーム」を同業他社に先駆けて構築・展開し、「データ分析会社」として市場における独自の地位を築いてまいりました。 現在は、新中期経営計画の始動に伴い、この強固なデータ基盤を土台として、クライアント企業の経営判断や価値創造そのものをリードする「意思決定支援会社」への進化を強力に推進しております。具体的には、従来の顧客分析に留まらず、AIを活用した高度なテクノロジー支援、オンライン・オフラインを横断する広告・販促支援、さらにはデータガバナンス構築や人材育成支援に至るまで、データ活用の全プロセスをフルサポートする体制を確立しております。 この独自の事業モデルに基づき、小売業に対しては、顧客の購買データを精製・蓄積・管理・分析するツールとして「ショッピングスキャン」を主に提供しております。また、消費財メーカーに対しては、全国や地域における消費者の購買行動を詳細に分析できるツールとして「イーグルアイ」を主に提供しております。このように、各ステークホルダーに最適化されたサービスを統合的に提供することで、産業全体の生産性向上と持続的な成長に寄与し、デジタル時代の新たな「意思決定基盤(OS)」としての地位確立を目指しております。 ① サービス利用小売業の増加による、消費者との「顧客接点」であるID-POSデータの増加 当社サービスの基盤となるID-POSデータの網羅性を高めるため、既存のドラッグストア・スーパーマーケットに加え、コンビニエンスストア、ホームセンター、EC、プレステージチャネル等への対象拡大を推進しております。これにより、消費財メーカーが抱える多様な販路(マス・チャネルからECまで)を一気通貫で分析したいという高度なニーズに応えます。 ② ストック型サービス(「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」「POS分析クラウド」など)の拡大による収益構造の強化 「イーグルアイ」や「ショッピングスキャン」等のストック型サービスを事業の柱とし、収益構造の強靭化を図ります。無償情報サービス「ウレコン」による潜在顧客層の開拓や、卸商社等の販売パートナーを通じた提案強化により、利用企業数の拡大を加速させます。 あわせて、AI・機械学習による予測モデルや、デジタル広告・サイネージと連携するマーケティングソリューション等の新領域をストック型サービスとして展開いたします。購買データベースは、利用数が増加しても追加原価が限定的であるという特性(限界利益率が高い構造)を持つため、ストック売上の伸長に伴い、利益率が加速度的に向上する高収益モデルを確立してまいります。 ③ 消費者をビッグデータで把握するための多角的なデータラインナップの充実 AI・機械学習の精度を左右する教師データとして、独自の生活者インサイトデータ「KURASHI360」の提供を強化し、他社との差別化を図ります。また、データサプライヤーとの連携により外部ビッグデータを拡充し、購買行動の背後にある「嗜好性」や「ライフスタイル」までを可視化する体制を整えます。 これらのデータ連携を通じ、小売・消費財領域に留まらず、幅広い業界における顧客理解の深化に寄与いたします。 ④ 当社データプラットフォームに連携される多様なソリューションのエコシステム運営による事業拡大 自社サービスの提供に留まらず、外部のAI・テクノロジー・データ企業との連携によるエコシステムを構築し、提供価値の最大化とスピード向上を実現します。新規出店予測や在庫・廃棄ロス削減といった顧客ニーズに即した高度なソリューションをクロスセルすることで、顧客企業内での「意思決定基盤(OS)」としての定着を促します。グローバルプラットフォーム企業やAIスタートアップのテクノロジーを積極的に導入し、最先端の知見と日本のリテール現場の知恵を融合させた、独自のデータエコシステムを展開してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、主要な経営指標として、成長性については売上高の対前期成長率、収益性については営業利益及び営業利益率を掲げており、それらの向上を図る経営に努めてまいります。 また、当社事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとなるKPIは、データの網羅性やデータ価値を示す「分析 対象とする小売業の購買データ金額」及び事業成長の持続性と安定性を示す「ストック型契約」の売上高及び売上 高比率であります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①  ブランドの認知度向上 当社が主な事業領域とする小売業界及び消費財メーカーにおけるサービス利用企業の確保は、当社事業において重要な要素であり、ブランドの認知度の向上は重要な課題と認識しております。無償サービスである「ウレコン」の提供やメディアでのデータ活用実績の増加、サービス導入企業の増加に伴い、認知度は着実に高まっているものの、持続的な事業成長のためには、さらなる認知度の向上が不可欠と考えております。この課題に対し、AI等を活用したサービスの利便性向上、消費者ビッグデータの活用ノウハウの高度化など、提供価値の強化を積極的に行い、「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」「POS分析クラウド」に代表される当社サービス利用者の満足度向上に努め、クオリティの高いソリューションを提供する企業としてのブランド確立を着実に進めてまいります。 ②  収益基盤の多様化と強化 当社は、国内最大級の消費者購買データプラットフォームを基盤とした分析サービスを主軸に成長してまいりました。次なる成長ステージにおいて、持続的な企業価値向上を実現するためには、収益基盤の多様化と強化が最重要課題であると認識しております。 この課題に対処するため、新たな中期経営計画では、「リテールデータ」と「AIインサイト」を掛け合わせ、現場の意思決定を自律化・高度化させるソリューションの提供を加速させております。単なるデータの提供にとどまらず、AIが精緻な需要予測や最適な施策を提示することで、顧客のマーケティング業務そのものを変革する「意思決定のOS」の構築に注力しております。 さらに、ビジネスアナリティクス領域や広告領域(リテールメディア)といった領域においても、すでに具体的な収益化が始まっております。これらのサービス群を、従来のID-POS分析サービスに次ぐ収益の柱として確立させることで、収益源の多角化と、より強固な収益ポートフォリオの構築を推進してまいります。 ③  プラットフォームの価値向上 当社は、データマーケティングに不可欠な3領域である①データ、②テクノロジー、③教育プログラムを含むデータ活用ノウハウの全てにおいて提供価値とクオリティを向上させ、データを収集・精製・管理・分析し、多様なマーケティングソリューションで活用するためのビジネスプラットフォームとしての優位性の盤石化を図ります。 データ戦略に関しては、既に強みを持つドラッグストアに加え、スーパーマーケットとの連携が着実に進展しており、購買データの網羅性は一段と高まっております。今後はこれらをベースとしつつ、ホームセンター、コンビニエンスストア、ECなどの他業態の小売業のデータ連携により、データの付加価値を高めていくことが重要と認識しております。 テクノロジー戦略に関しては、グローバルプラットフォーマー及びAIスタートアップとの連携を推進しております。世界標準のDXソリューションや、AIスタートアップが持つ最先端のアルゴリズムを当社の購買データと融合させることで、クライアントへの提供価値を飛躍的に高めてまいります。 教育プログラムを含む活用ノウハウに関しては、小売業から消費財メーカーへのデータ外販支援を含め、データマーケティングに関連する様々な活用ノウハウを蓄積しています。これらをベースに事業会社、教育研究機関、地方公共団体等に対するデータマーケティングに係る教育機会の提供を行っています。今後はデータマーケターの育成活動を通じて地域での雇用創出、地方経済や企業の発展に寄与していくことが、持続的な成長と社会への貢献を両立させる企業として重要であると認識しております。この取り組みの一環として、地域性を持つデータを分析し、マーケティング戦略の立案・実行につなげる専門性を有した「データマーケティング人材」を育成すること、また、地域社会の人材確保のために実践力のあるマーケティング人材の採用支援を図り、地域の雇用創出、地方創生に貢献することを目的とする一般社団法人ビッグデータマーケティング教育推進協会に出資しております。 ④  業績の持続的成長と社会課題解決への貢献の両立 データやテクノロジーを活用したマーケティングや市場変化への対応は、大企業のみならず中堅・中小企業や地方経済においてもその重要性が高まっております。 当社はかねてよりデータマーケターの育成や、地方行政との連携、教育研究機関や自治体と連携したSDGsやESGに関わる指標づくり、地域雇用の活性化や女性のエンパワーメントをはじめとする取り組みにも力を入れてまいりましたが、こうした社会課題の解決やサステナビリティに関わる領域への価値提供についての社会的な意義は今後ますます高まっていくと認識しており、企業としての持続的成長と並ぶ経営活動の基本戦略に位置付けて取り組みを進めています。 ⑤  組織と人材 当社の競争力の源泉は、データの力と人材の力であり、人材に関しては特に採用と教育に力を入れています。当社のような規模の企業にとっては、良質な人材の確保は経営上の重要課題です。当社の価値観に共感し自ら成長を求める人材を幅広く採用し、挑戦する舞台と教育の機会を用意することで、自律的なプロフェッショナルや次世代の経営人材を育成することが、持続的な成長につながると信じています。 そのためにも、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境を整え、様々な価値観や働き方を支えるインフラや制度を模索し、整備することで自律的なプロフェッショナルにとって魅力ある企業であることを目指しています。新卒採用と中途採用をバランス良く行いながら、人を育てることで組織も成長し、互いの成長を支援する風土を醸成しております。 教育プログラムとしては、専門性向上のためのテクニカル・スキルの教育プログラムのみならず、リーダーシップ開発や人間力の向上を目指したヒューマンスキルのプログラムを提供しています。具体的には、研修等のプログラムに加え、専門のコーチによるリーダーシップ開発、チームビルディング、女性リーダーのエンパワーメント、キャリアコーチングなど、コーチングプログラムの提供がそれにあたります。 当社としては、全社員が安心して自らの持つ力を存分に発揮できる環境を用意することで、組織としてのレジリエンシーを高めることが何よりも重要だと考えております。 ⑥  情報管理体制の強化 当社の事業は、将来的な発展を期待される領域であると同時に個人情報の取り扱いをベースとするため、その社会的責任は極めて重いものと認識しています。堅確な情報セキュリティは当社ビジネスを継続する上での大前提であり、最優先で取り組むべき課題です。個人情報保護体制に関するプライバシーマークに加え、国際基準の情報セキュリティ管理体制を示す「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」の認証を取得し、厳格な運用を実施しております。グローバルレベルの関連規制を遵守することはもとより、データマーケティングのリーディングカンパニーとして、さらなるデータガバナンスの強化を推進してまいります。徹底した社内統制や継続的な社員教育を通じ、お客様や取引先の皆様から常に信頼いただける確かなセキュリティ体制を構築し、安全かつ付加価値の高いデータ活用を追求してまいります。
事業等のリスク4,786字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生し得るあらゆるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業活動に関するリスク ① データの安定供給に影響する事項 当社は、国内の大手小売業者からID-POSデータ及びPOSデータの提供を受けて事業を展開しております。現在、当該小売業者とは良好な取引関係を構築しており、今後もこれを継続・維持していく方針であります。しかしながら、データ提供の相当程度を上位数社に依存していることから、将来において契約の終了や取引条件の変更等が発生した場合には、当社の事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システム運用に関わるリスク 当社は、データの定期的なバックアップ等の対策を講じ、システムトラブル発生時にも業務への影響を最小限に抑える体制を整えております。しかしながら、人為的要因や予測不能な大規模システム障害等が発生した場合には、業務停止等の事態を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術開発及び設備投資に関わる事項 当社は、顧客ニーズへの的確な対応及び競争力の維持・向上を図るため、継続的な技術開発及び設備投資を行っております。これらの開発・投資には相当の期間と多額の資金を要する場合があり、不測の事態による計画の遅延や、期待した成果が得られず投資資本の回収が困難になった場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 小売業界及び消費者購買データ市場の環境変化 当社の主要な顧客層であるドラッグストアやスーパーマーケット等の小売業界においては、近年、経営統合等による業界再編が進展しております。また、ID-POSデータの活用が多方面に広がる中で、大手共通ポイント事業者の統合やポイントサービスの相互連携も加速しております。こうした業界再編や提携関係の変化に伴い、データ提供元である小売業者の経営戦略が変更された場合、将来において取引の終了や取引条件の変更等が発生し、当社の事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 業界及び競合他社に関するリスク 当社は、顧客ニーズや市場環境の変化を的確に捉え、競争力の維持向上に努めております。しかしながら、豊富な資金力やブランド力を有する大手企業の新規参入や、革新的な技術・コンセプトに基づいたシステムを有する競合他社の出現等により、競争が激化する可能性があります。このような市場環境の変化により、当社の優位性が低下した場合には、当社の事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業買収、業務提携、合弁事業等 当社は、機動的な事業拡大を目的として、事業買収、業務提携、合弁事業等を実施する可能性があります。これらの実施に際しては、対象企業の財務状況や事業内容等について詳細な調査(デュー・デリジェンス)及び経済的価値の検討を行い、慎重に判断しております。しかしながら、投資後の市場環境の変化や統合プロセスの遅延等により、当初期待したシナジー効果や収益が十分に得られない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 事業投資等 当社は、事業拡大を図るため、各種の事業投資(IT投資、新規事業投資等)を継続的に検討していく方針であります。これらの投資の実行に際しては、既存ビジネスとのシナジー、リスクや収益性の見通し等を十分に分析・検討いたしますが、市場環境の変化やその他の要因により事業展開が計画どおりに進捗しない場合には、投資額の回収が困難になること等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 情報漏洩等のリスク 当社は、ID-POSデータ及びPOSデータに基づいた事業を展開しており、膨大な消費者の個人情報を保有しております。当社は、これらの個人情報を含む重要情報の漏洩等を防ぐため、各種規程及びマニュアルの整備、従業員への教育、プライバシーマークの取得など、管理体制の強化と適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、予期せぬ不正アクセスやサイバー攻撃等により、情報が漏洩、改ざんされるリスクを完全に払拭することは困難です。また、コンピューターウイルス感染等により、情報システムが停止を余儀なくされるリスクも存在します。このような事態が発生した場合、社会的信用の失墜や損害賠償責任の発生、事業活動の中断等により、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 高度な専門知識を有した人材の獲得及び継続雇用 当社は、今後の事業展開において、高度な専門知識を有する人材の確保及び育成が不可欠であると認識しております。ITやマーケティング領域の専門人材(エンジニア、データサイエンティスト、データマーケター等)は、労働市場における需給の逼迫が続いており、今後も獲得競争が激化する可能性が高まっております。このような環境下において、計画通りの人材採用・育成が進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約、提供サービスの品質低下を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 得意先の経営破綻 当社は、得意先に対する債権の回収不能リスクを軽減するため、情報収集の徹底や与信限度額の設定など、与信管理体制の構築・運用による債権保全に努めております。しかしながら、景気動向の急激な変化等により予期せぬ得意先の経営破綻が発生し、債権の回収不能や貸倒損失の計上が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 株式会社プラネットとの関係 当社は株式会社プラネットのその他の関係会社であり、同社は本書提出日現在において当社議決権の24.30%(1,176,000株)を所有しております。同社は流通業界を構成する各企業(製造者・卸売業者・小売業者)が合理的に利用できる情報インフラストラクチャーの構築・運営を主たる事業としております。 本書提出日現在における当社役員8名のうち、株式会社プラネットに属する者は1名であり、その氏名、当社及び同社における役職、並びに兼任の理由は次のとおりであります。 氏名   当社における 役職   株式会社プラネットにおける役職   兼任の理由 玉生 弘昌   取締役   名誉会長   同社の経営における豊富な経験と知見を当社の経営体制に活かし、経営基盤の強化を図るため。 当社は、経営方針の策定及び営業活動等、全ての業務執行において独自の意思決定を行っております。株式会社プラネットに属する者が当社役員に選任されている状況は、当社の自由な経営判断を妨げるものではなく、当社の経営における独立性及び自立性は十分に確保されていると認識しております。 (2) 経営環境に関するリスク ① 景気変動の影響 当社の主要な顧客層は、各種消費財メーカー及び小売業者であります。当社の売上構成は、継続的な利用料収入を主とするストック型売上が81.4%を占めており、収益基盤の安定性を確保しております。しかしながら、国内外の景気動向の悪化等に伴い、顧客企業が広告宣伝費やマーケティング予算を抑制し、当社との契約内容の見直しや解約等が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害等の影響 地震、台風、津波等の自然災害、火災、あるいは感染症の拡大等が発生した場合、当社の事業活動に甚大な影響を及ぼすおそれがあります。特に、大規模な災害等の発生により、通信インフラの遮断や拠点の損壊が生じた場合には、事業の継続に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制及び訴訟等に関するリスク ① 法的規制等 当社の事業は「個人情報の保護に関する法律」「不当景品類及び不当表示防止法」等の法的規制を受けております。当社はコンプライアンスの遵守を徹底しておりますが、今後、法令等の改正や新たな法的規制の導入がなされた場合、その対応により当社の事業活動が制限され、あるいはコストが増大する可能性があります。また、万一、想定外の事態によりこれら法令等に抵触した場合には、行政処分、社会的信頼の低下又は損害賠償責任の発生等により、当社の事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権 当社は、事業活動の展開にあたり、第三者が保有する特許権、商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないよう、情報の収集及び権利状況の確認に努めております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している場合、又は今後新たに権利が成立した場合等において、万一第三者の知的財産権を侵害したとみなされたときには、損害賠償や差止請求、あるいはロイヤリティの支払い、当該事業の制限等を余儀なくされる可能性があります。このような事態が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 訴訟に関する影響 当社は、システム開発をはじめとする事業活動において、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っております。しかしながら、当社の認識の範囲外で第三者の知的財産権に抵触したとして、不測の訴訟を提起される可能性があります。係争の結果、多額の損害賠償義務が発生し、又は関連システム等の使用差し止め等がなされた場合には、当社の事業運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスク ① 税務上の繰越欠損金 2026年3月期末において、当社は税務上の繰越欠損金を有しております。今後、当社の業績が順調に推移し、税務上の繰越欠損金が解消(控除が終了)された場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が発生することとなります。これにより、それまでと比較して税負担が増大し、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化 当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在におけるこれら新株予約権による潜在株式数は20,700株であり、発行済株式総数の0.42%に相当しております。 これらの新株予約権が行使された場合には、当社普通株式が発行され、既存株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 ③ 特定人物への依存 当社代表取締役社長である米倉裕之は、当社の経営方針や事業戦略の構築等において重要な役割を果たしております。 当社は現在、新中期経営計画の着実な実行に向け、将来的な社内カンパニー制の導入を視野に入れた組織改革を進めております。現場リーダー層への大幅な権限委譲を段階的に進めることで、組織的な意思決定体制の構築を加速させ、次世代の経営人材の育成と特定の個人に依存しない経営基盤の確立に取り組む方針であります。しかしながら、当面の間は同氏への依存度が高い状態で推移するものと考えております。このような状況において、同氏の事業への関与が困難となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,797字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 a. 経営成績の状況 当事業年度のわが国経済は、円安の影響等による物価上昇の継続などにより景気の下振れリスクがあるものの、各種政策の効果もあって雇用・所得環境が改善する中で緩やかな回復がみられました。一方で、欧米における高い金利水準の継続、それに伴う日本との金利差による円安基調、中国における不動産市場及び個人消費の停滞継続、ウクライナ問題の長期化や中東情勢のさらなる緊迫、米国の通商政策動向など海外の政治・経済の諸課題による影響も大きく、景気の先行きに対する不透明感は継続いたしました。 当社は、全国に広がるドラッグストアやスーパーマーケット等の小売店における消費者購買ビッグデータとAI等テクノロジーを活用し、小売企業や消費財メーカーなど顧客企業の収益拡大に貢献するソリューションの提供を主力事業としております。当社の事業領域はビッグデータを用いた社会構造変革や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やAIの台頭というメガトレンドの追い風を受け、中長期的な成長が見込まれております。当社においてもこのような追い風を背景に、小売企業や消費財メーカーの顧客企業の開拓・深耕が進み、成長トレンドが継続しております。 当事業年度においては、大手小売向けリテールDXサービスやAIソリューションの垂直展開による業績貢献に加え、主力サービスである「イーグルアイ」の契約社数を着実に積み上げ収益基盤の強化が進みました。また、前事業年度に実施した伊藤忠商事株式会社との資本業務提携に加え、さらなる販路の拡大やサービスの水平展開を強力に推進するため、アルフレッサ ヘルスケア株式会社との協業を開始するとともに、株式会社あらたとの戦略的業務提携契約を締結いたしました。これにより、食品、医薬品、日用品という消費財における主要3領域をカバーする国内トップクラスの卸商社との協業パートナー網が完成いたしました。リテールメディア領域では、ソニーグループのSMN株式会社や三井物産グループの株式会社MBKデジタルが提供する広告ソリューションに、当社の広告用購買セグメントデータの連携を開始いたしました。また、事業の拡大に伴い、情報資産を適切に管理し、顧客企業が安心してサービスを利用できる体制を構築するため、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO/IEC 27001:2022+Amd1:2024(JIS Q 27001:2025)」の認証を取得いたしました。一方で、中長期的なさらなる収益拡大を見据え、人材投資やAIソリューションの業務洗練化を優先して進めた結果、運営・稼働費等の先行費用が嵩んだことにより、2025年5月14日に公表いたしました通期業績予想を下回る結果となりましたが、前事業年度比で大幅な増収増益となりました。 以上の結果、当事業年度における当社の売上高は1,870,468千円(前事業年度比20.3%増)となり、営業利益は101,600千円(前事業年度比109.6%増)、経常利益は108,959千円(前事業年度比121.6%増)、当期純利益は80,508千円(前事業年度比508.5%増)となりました。 なお、当社は、データマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 b. 財政状態の状況 (資産の部) 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ171,438千円増加し1,534,079千円となりました。流動資産は、現金及び預金や売掛金の増加により、1,315,188千円と前事業年度末に比べ172,915千円増加いたしました。固定資産は、ソフトウエア開発及び出資金の払込みを行った一方で、ソフトウエアの減価償却が進んだことにより、218,890千円と前事業年度末に比べ1,477千円減少いたしました。 (負債の部) 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ88,319千円増加し370,161千円となりました。流動負債は、買掛金や契約負債の増加により、366,305千円と前事業年度末に比べ88,284千円増加いたしました。 (純資産の部) 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ83,118千円増加し1,163,917千円となりました。利益剰余金が80,508千円増加したほか、ストック・オプションの行使により資本金が1,305千円増加し、さらに資本剰余金も1,305千円増加いたしました。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は971,079千円と、前事業年度末に比べ111,521千円増加いたしました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況及び変動要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度末における営業活動により獲得した資金は189,052千円(前事業年度は37,153千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益102,963千円、減価償却費65,829千円、売上債権の増加額65,387千円、仕入債務の増加額44,921千円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度末における投資活動により使用した資金は74,205千円(前事業年度は104,905千円の支出)となりました。これは主に、出資金の払込による支出32,500千円及び有形固定資産の取得による支出15,899千円及び無形固定資産の取得による支出15,518千円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度末における財務活動により使用した資金は2,870千円(前事業年度は10,220千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出5,480千円があった一方で、新株の発行による収入2,610千円があったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の状況 a. 生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b. 受注実績 生産実績と同様の理由により、受注状況に関する記載はしておりません。 c. 販売実績 第26期事業年度の販売実績は、次のとおりであります。 サービスの名称   販売高(千円)   前年同期比(%) メーカー向けソリューション   952,697   107.99 リテール向けソリューション   509,726   165.19 リテールメディアその他   408,045   112.24 合計   1,870,468   120.34 (注)1.当社は、データマーケティング事業の単一セグメントであるため、取扱データ分野別に記載しております。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が10%未満のため、記載を省略しております。 3.当事業年度より、事業戦略に伴う顧客属性別開示を目的として、従来、「あらゆる産業向けソリューション」としておりました項目を、「リテールメディアその他」に名称変更しております。この変更により、「メーカー向けソリューション」に含まれていた事業に係る収益の一部を、「リテールメディアその他」に組み替えております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①  重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表を作成するにあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、それが資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。 経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。 ②  経営成績等分析 (売上高) 当事業年度の売上高は前事業年度に比べ316,183千円増加し、1,870,468千円となりました。 当社ストック型売上の主力サービスのうち、消費財メーカー向け主力サービスである「イーグルアイ」「ドルフィンアイ」の販売拡大に注力するとともに、小売業向けサービスである「ショッピングスキャン」に関しても、提携先も含めた販売体制を強化し、新規取引先開拓のための取り組みを進めてまいりました。加えて、当社の強みである消費者購買ビッグデータの更なる活用を目指し、ビジネスアナリティクスや広告領域等の新規領域の開拓にも注力してまいりました。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は新基盤システムの減価償却費等により、前事業年度に比べ162,121千円増加し、821,563千円となりました。 この主な内訳は、労務費203,000千円、減価償却費49,018千円、データセンター使用料166,445千円であります。 以上の結果、当事業年度における売上総利益は前事業年度に比べ154,061千円増加し、1,048,904千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は業務委託費の増加等の影響により、前事業年度に比べ100,929千円増加し、947,304千円となりました。 この主な内訳は、給与手当447,775千円、役員報酬66,640千円であります。 以上の結果、当事業年度における営業利益は101,600千円(前事業年度は48,468千円)となりました。 (経常利益) 当事業年度における営業外収益は12,773千円(前事業年度は2,657千円)を計上しております。これは、主に受取保険金であります。 当事業年度における営業外費用は5,414千円(前事業年度は1,959千円)を計上しております。これは主に支払手数料であります。 以上の結果、当事業年度における経常利益は108,959千円(前事業年度は49,166千円)となりました。 (当期純利益) 当事業年度の税引前当期純利益は102,963千円(前事業年度は22,831千円)となりました。 また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は22,455千円(前事業年度は9,599千円)であります。 以上の結果、当事業年度における当期純利益は80,508千円(前事業年度は13,231千円)となりました。 ③  財政状態の分析 財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況 ① 財政状態及び経営成績の状況 b 財政状態の状況」に含めて記載しております。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当社の資金需要のうち主なものは、システムの運用費及び人件費であります。当社の資金需要については、自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティ・ファイナンス等で資金調達することを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行うこととしております。 また、資金の流動性については、当事業年度における現金及び現金同等物の残高が、前事業年度末より111,521千円増加し、971,079千円となっており、流動比率は359.0%と高い水準となっております。 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 (6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、「データと知恵で未来をつくる」という企業理念のもと、誰もが新しいデジタル時代の道具であるビッグデータとテクノロジーをマーケティングに活用できるようにすること、そしてあらゆる企業の持続的な成長に貢献することを目指しております。現在は、当社が保有するビッグデータ、そしてオープンデータや協力企業が保有するデータ等、ビッグデータ同士をかけ合わせるプロジェクトを推進しております。これにより、小売業、消費財メーカーのみならず、業種や企業規模を問わず多様な産業において当社のデータが活用される機会が拡大しております。 当社の経営指標につきましては、成長性については売上高の対前期成長率、収益性については営業利益及び営業利益率を設定しております。当事業年度における当社の売上高は、複数の大手小売り向け大型案件の立ち上がり等により、前事業年度比20.3%増の1,870,468千円と伸長する結果となりました。また当事業年度の営業利益も前事業年度比109.6%増の101,600千円と伸長するとともに、営業利益率は5.4%(前事業年度3.1%)を確保し、収益性についても向上することとなりました。 また、小売業の購買データは当社ビジネスの基盤であることから、購買データ量を主要な経営指標としております。小売業向け主要サービスであります「ショッピングスキャン」の分析対象となる小売業の購買データ(一年間に集信された購買データの合計金額)が、10兆6,055億円となりました。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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