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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

フォルシア

FORCIA, Inc.304A · Growth · 情報・通信業

旅行・観光業界のデータ流通を担うビジネスハブ。独自の検索技術基盤「Spook」を軸に、商品販売・業務基盤「webコネクト」と商品流通基盤「valueコネクト」を展開する。

概要

フォルシアは、旅行・観光業界に特化したデジタルビジネスプラットフォーム事業を手掛ける企業である。独自の検索技術基盤「Spook」を軸に、複雑なデータ処理を高速化し、商品販売から予約管理までを統合するシステムを提供する。2024年12月に東京証券取引所グロース市場に上場。従業員数140名、本社は東京都新宿区。直近事業年度の売上高は22億円。

収益の二本柱: 開発収益と月額収益

フォルシアの収益は、主に開発収益と月額収益で構成される。開発収益は、顧客の基幹システム構築やカスタマイズ、コンサルティングに係るプロジェクト収入であり、進捗に応じて計上される。月額収益は、システム稼働後の運用保守費やライセンス使用料、サービス利用料であり、導入顧客数の増加に伴い安定的に積み上がる構造を持つ。従来「初期開発収益」と呼んでいた区分は、導入後も継続的に発生する開発があることから、現在は「開発収益」に統一している。

ターゲットは複雑なデータを扱う旅行・観光業界

フォルシアは旅行・観光業界を重点領域とする。この業界では日時、場所、部屋タイプ、食事条件、交通手段、経路など多様な要素が組み合わさり、在庫や料金が外部システムと連携して時々刻々と変動する。膨大で複雑なデータを高速かつ正確に処理するためには、高度なデータ処理能力と業界知識が不可欠であり、フォルシアは独自の検索技術基盤「Spook」を核として顧客の課題に対応している。

三つの顧客区分で事業を展開

フォルシアは顧客規模とサービス内容に応じて、事業をエンタープライズ、スタンダード、ベーシックの三区分で展開する。エンタープライズ領域では大手旅行会社向けに高度なカスタマイズを伴う基幹システムを構築し、開発収益と運用・保守収益を得る。スタンダード領域では中堅事業者向けに標準機能ベースの「webコネクト」を提供し、月額利用料による継続収益を中心とする。ベーシック領域では小規模事業者向けに標準化された共同利用型サービスを提供し、導入コストを抑えてデータ流通の裾野を広げる。

三つのプロダクトが連携するデータ流通基盤

フォルシアは検索技術基盤「Spook」、販売・業務基盤「webコネクト」、商品流通基盤「valueコネクト」の三つのプロダクトを展開する。Spookは顧客のデータ構造を最適化し高速検索を実現する。webコネクトは旅行商品の登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイなどの機能を統合的に提供する。valueコネクトは観光素材の提供者と販売事業者を接続し、商品情報と在庫の流通を共通基盤上で効率化する。これら三つが相互に連携し、業界横断的なデータ流通基盤を形成する。

業界の中での役割は旅行・観光業界向けのデジタルプラットフォーム提供会社。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
22億円
営業利益
1億円
営業利益率
4.5%
純利益
0億円
2026/2 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/2
事業売上構成比利益利益率
webコネクト17億円77.3%
Spook4億円18.2%
その他1億円4.5%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01旅行・観光業界主力

旅行・観光業界向けに、検索技術基盤「Spook」を活用したデータ処理システムの提供(ソリューション型サービス)と、商品販売・業務基盤「webコネクト」等の共同利用型サービス(SaaS型サービス)を提供。顧客規模に応じてエンタープライズ(大手旅行会社向け高度カスタマイズ)、スタンダード(中堅事業者向け標準機能ベース)、ベーシック(小規模事業者向け標準化サービス)の3区分で展開。

主な製品・サービス3
Spook
顧客が保有する膨大かつ複雑なデータを高速かつ正確に処理する技術基盤。企業ごとに異なるデータ構造に柔軟に対応し、ECサイトを中心に採用されている。
webコネクト
旅行・観光業界向けの商品販売・業務管理プラットフォーム。素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能を統合的に提供する。
valueコネクト
観光素材の提供者と販売事業者を接続し、共通の基盤上で商品情報及び在庫の流通を実現するサービス。

製品と技術

検索技術基盤Spook: 複雑データを高速処理

Spookはフォルシアの中核技術であり、顧客が保有する膨大で複雑なデータを高速かつ正確に処理する基盤である。強みは単なる検索結果の表示ではなく、企業ごとに異なるデータ形式や構造を整理・最適化し、高速処理可能な形式に変換する点にある。ECサイトを中心に採用され、複雑な条件の検索をリアルタイムで実現。顧客の販売機会の最大化に寄与する。特許「情報検索システム」もこの技術に基づく。

webコネクト: 旅行商品販売と業務管理の統合プラットフォーム

webコネクトは旅行・観光業界向けの商品販売・業務管理プラットフォームである。素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイなどの機能をモジュールとして提供。複雑な商品構造やリアルタイムな在庫・価格変動に対応し、標準機能をベースにしながらも顧客の業務要件に応じたカスタマイズを可能とする。多数の旅行会社に導入されており、共同利用型サービスとして提供される。

valueコネクト: 素材提供者と販売事業者をつなぐ流通基盤

valueコネクトは観光素材の提供者(サプライヤー)と販売事業者(セラー)を共通の基盤上で接続するサービスである。商品情報や在庫の流通を効率化し、従来個別に行われていたシステム連携やデータ統合作業を不要にする。これにより複数事業者間でのデータ流通が促進され、流通量の拡大や新たな販売機会の創出を可能とする。フォルシアはこの基盤上で成果連動型(テイクレート型)の収益獲得を目指している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

SaaS/IoT特化、成長鈍化と収益悪化

フォルシアは情報・通信業界において、SaaS/IoTソリューションを提供する企業。同業のソラコム(IoTプラットフォーム)やVRAIN Solution(AI活用)と競合。売上高は約23億円(2025年2月期)と小規模ながら、営業利益率は2025年2月期に8.7%と改善したが、2026年2月期には4.55%へ低下予想。成長鈍化と収益悪化が懸念される。

強み

  • クラウド・IoT領域に特化し、先端技術への対応力が強み。特定業界向けソリューションで差別化。
  • サブスクリプションモデルにより、継続的な収益基盤を構築。リカーリング収入が安定要因。
  • DX需要拡大を背景に、市場自体は成長中。ニッチ分野でシェア拡大余地あり。
  • 他社との提携による販路拡大や技術補完を進めており、規模拡大の可能性。

課題

  • 営業利益率が8.7%から4.55%へ急低下。コスト増や競合激化が背景か。
  • 2026年2月期の売上高は22億円と前期比減収予想。成長鈍化が顕著。
  • 売上高20億円台の小企業。大手SaaSベンダーとの競争でリソース不足が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がフォルシア

時価総額で並べると、掲載11社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
1519Aベーシック25億円8.6倍
2340Aジグザグ25億円11.2倍
34387ZUU25億円
49423フォーバル・リアルストレート25億円14.8倍
5304Aフォルシア24億円49.8倍
63802エコミック24億円20.7倍
74260ハイブリッドテクノロジーズ24億円696.7倍
83970イノベーション24億円
95242アイズ23億円
104427EduLab23億円
114424Amazia23億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 16件

新宿で創業、初のWebアプリをリリースした2001年

フォルシア株式会社は2001年3月、東京都新宿区新宿に資本金50,000千円で設立された。創業から約1年半後の2002年12月、同社初のWebアプリケーション「おまかせ!じゃらんナビ」をリリース。これは旅行・観光業界向けのシステム開発の始まりであり、後に同社の事業領域を特徴づける旅行データ処理への第一歩となった。

検索技術基盤Spookの獲得とオフィス移転

2005年1月、フォルシアは検索技術基盤「Spook」の第一号案件を獲得した。Spookは同社の中核技術となり、複雑なデータを高速に処理する基盤へと育っていく。事業拡大に伴い、2007年4月と2009年7月に新宿区内で本店を移転。さらに2016年9月にも同区内で移転を実施し、開発体制を強化した。

特許取得と働きがい認定で技術と組織を強化

2011年3月、フォルシアは「情報検索システム」の特許(特許第4707476号)を取得。検索技術の独自性を法的に保護した。2016年2月にはGreat Place to Work Institute Japanの「働きがいのある会社」ランキングでベストカンパニーに選出された。2017年9月には情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格ISO/IEC 27001認証を取得し、信頼性の向上を図った。

子会社化と売却、そして上場への布石

2019年7月、フォルシアはボールドライト株式会社の株式85%を取得し子会社化したが、2022年8月に全保有株式を売却。2022年7月には京都大学との共同研究に基づくダイナミックプライシングに関する特許を取得(特許第7109027号)。これらの動きは、中核事業への集中と技術力の強化を示している。

東証グロース市場へ上場した2024年12月

2024年12月、フォルシアは東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。上場時点での従業員数は140名、売上高は約23億円(2025年2月期)。上場により資金調達と知名度向上を図り、旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の拡大を加速させる方針である。

フルスペック型webコネクトとvalueコネクトの投入

2025年5月、フォルシアは「フルスペック型webコネクト」を稼働させた。これにより旅行商品販売プラットフォームの機能を大幅に拡充。続く2026年2月には、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」の提供を開始した。これらのプロダクトは、単なるシステム提供からデータ流通基盤への進化を象徴している。

年表16件を開く

2000年代

  • 2001年3月創業新宿区 新宿 にフォルシア株式会社(資本金50,000千円)を設立
  • 2002年12月当社初めてのWebアプリケーション「おまかせ!じゃらんナビ」をリリース
  • 2005年1月Spookの第一号案件を獲得
  • 2007年4月事業拡大により、新宿区新宿(同区内)に本店を移転
  • 2009年7月事業拡大により、新宿区新宿(同区内)に本店を移転

2010年代

  • 2011年3月「情報検索システム」特許を取得(特許第4707476号)
  • 2016年2月Great Place to Work ® Institute Japan 2016年「働きがいのある 会社」ランキング「ベストカンパニー」に選出
  • 2016年9月事業拡大により、新宿区新宿(同区内)に本店を移転
  • 2017年9月ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格である「ISO/IEC 27001(JIS Q 27001)」認証を取得
  • 2019年7月M&Aボールドライト株式会社の85%の株式を取得し子会社化
  • webコネクトの第一号案件獲得

2020年代

  • 2022年7月京都大学との共同研究に基づく、ダイナミックプライシングにかかる特許を取得(需要予測システム、価格決定システム、情報処理システム及びコンピュータプログラム、特許第7109027号)
  • 2022年8月子会社ボールドライト株式会社の全保有株式を売却
  • 2024年12月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2025年5月フルスペック型webコネクトが稼働
  • 2026年2月valueコネクトを提供開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/2期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    エンタープライズ領域の基幹システム対応深化

    大手旅行会社向けに、検索機能に加え基幹システム全体の機能強化を提供。顧客ごとの要望に応じた個別開発と共通プロダクト「webコネクト」を組み合わせ、複雑な商品構成や多様な販売チャネルに対応したシステム基盤を構築し、業務効率化とサービス高度化を支援する。

  2. 02

    スタンダード・ベーシック領域へのプロダクト展開加速

    中堅旅行会社や新規参入事業者に対し、エンタープライズ領域で培った知見を基に標準プロダクトを提供。サプライヤーや新規事業者が大規模投資なく販売機能を構築できる環境を整え、業界全体の生産性向上に貢献する。

  3. 03

    データ流通基盤の構築と新収益モデルの確立

    旅行・観光業界における「n対n」のデータ流通基盤を構築し、流通総額に連動するテイクレート型収益モデルを目指す。サプライヤーとセラーを横断的に接続し、業界全体の取引効率化と流通量拡大を支援する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で140人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は702万円で、1期前と比べて1.7%平均年齢は36.7歳、平均勤続年数は5.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2025年2月71536.55.7131153
2026年2月70236.75.914071

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都新宿区290百万円
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    政府統計の総合窓口(e-Stat)の機能向上に関する調査研究業務
    総務省 · 2019-02-01
    291万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年2月期の売上高は22億円営業利益1億円前期と比べると減収減益で、売上が-4.3%、利益が-50.0%。

売上高
-4.3%
22億円
営業利益
-50.0%
1億円
純利益
-100.0%
0億円
営業利益率
4.5%
前期比 -4.2%pt

会社が出している今期の予想2027年2月期

項目会社予想前期実績
売上高31億円22億円
営業利益4億円1億円
純利益3億円0億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

3期分

直近は2027年1Qで、売上は7億円、営業利益は1億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2026年2Q1100.00
2026年4Q1119.10
2027年1Q7114.30

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

2021年2月期からの6期で、売上は14億円から22億円へ1.6倍に増えた。直近期の営業利益率は4.5%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2021年2月1400
2022年2月1710
2023年2月2111
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2024年2月1911
2025年2月23228.71
2026年2月22114.50

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年2月期

売上高22億円のうち、営業利益として残るのは1億円4.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は0億円、売上の0.0%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金50.0%11億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金45.5%10億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.5%1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
50.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比3.8pt
4.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比6.6pt
0.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比10.6pt
2.5%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
7.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2026年2月期は営業CFが2億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは1億円期末の手元現金は13億円で、売上の7.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2023年2月−21−15
2024年2月5−1410
2025年2月0−14−112
2026年2月2−1113

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2026年2月期の総資産は22億円。このうち返さなくてよい自己資本が20億円で、自己資本比率は92.3%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2021年2月1312189.4
2022年2月1412284.5
2023年2月1513288.3
2024年2月1614288.2
2025年2月2219388.5
2026年2月2220292.3

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年2月期の内訳単体ベース
現金及び預金
13億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
15億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
69
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率9 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中3位あたり、逆に低いのはROE605社中540位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
2.5%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
4.5%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
92.3%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-4.3%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,970で、1年前と比べて-14.3%過去52週の値幅のなかでは27%の位置にある。

¥1,970-1.4%1ヶ月-0.5%1年-14.3%時価総額24億円
過去52週の値幅
安値¥1,676高値¥2,749

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)49.8倍
PER (会社予想)8.8倍
PBR1.22倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は6月下旬に1,795円から上昇を開始し、7月14日には1,998円まで上昇しました。7月21日には2,004円まで上昇しましたが、その後は調整し、8月4日には1,980円と、25日移動平均線(1,937円)を上回って推移しています。週足では上昇基調が続いており、出来高は7月15日に8,300株と高水準でしたが、その後は低調です。52週高値の2,749円に対してはまだ距離があり、上値は重いです。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

PER 50.01倍は同業界平均30.27倍を大きく上回るが、予想PER8.9倍と大幅な改善が見込まれており、将来の成長を考慮すると単純比較はできない。PBR1.23倍は平均3.46倍を下回り、ROE2.5%は低いが、配当は無配当で利回り0%。業績は横ばいで成長は限定的。現時点ではやや割高感があるが、予想の成長が実現すれば妥当な水準に近づくため、ほぼ妥当と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)49.8倍47.9倍
PER (予想)8.8倍
PBR1.22倍2.96倍
ROE2.5%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

ITインフラ需要は底堅い一方、競争激化による価格低下や人材不足が利益率を圧迫する懸念がある。強気派はストック型収益の安定性を評価し、クラウド需要の拡大を追い風と見る。弱気派は売上高の伸び悩みと利益率の低下を指摘し、成長鈍化を懸念する。

プラスに働く材料7
  • ストック型収益の安定性

    運用保守が売上の柱で、継続的な収入源がある

  • クラウド需要の拡大

    企業のクラウド移行が進み、関連サービスへの需要が増加

  • 財務体質の健全さ

    自己資本比率が高く、財務基盤が安定している

  • 来期予想PER8.9倍と一気に割安へ2027年2月期影響

    現在PER50.01倍に対し来期予想は8.9倍、増益を市場が予想

  • PBR1.23倍で下値が限定的継続影響

    純資産倍率1.23倍と資産価値に接近、割安感

  • 売上高23億円の高水準を維持決算発表後影響

    2025年2月期23億円、2026年2月期22億円と高水準

  • 株価調整で押し目買いの機会不定影響

    直近1年で-5.4%と小幅調整、戻り余地を探る

マイナスに働く材料7
  • 売上高の伸び悩み

    直近2期の売上高は横ばいで、成長が見込めない

  • 利益率の低下

    営業利益率が5%未満で、改善の兆しがない

  • 競争の激化

    ITサービス市場では価格競争が激しく、差別化が難しい

  • 2026年2月期は減収減益決算発表後影響

    売上高23億円→22億円、営業利益2億円→1億円

  • 無配当で株主還元がない継続影響

    配当利回り0%、インカム需要を取込めない

  • ROE2.5%と資本効率が低い通年影響

    自己資本利益率2.5%、利益創出力が弱い

  • 外国人保有0.39%で需給が細い継続影響

    海外投資家のシェア0.39%で売買が限定的

次の決算で確かめる点
ストック収入比率
継続的な収益の安定性を示す指標で、これが高いほど業績が安定する
営業利益率
価格競争の影響を受けやすく、収益力を測る重要指標
従業員一人当たり売上
IT業界では人材が資源であり、生産性の変化を把握する

株主

有価証券報告書より

2026年2月期末の株主数は延べ535人。区分でいちばん多いのは個人・その他94.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が2.4%を占め、残る97.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2025年2月%2026年2月%
個人・その他91.594.5
証券会社5.62.8
事業法人0.22.3
外国法人2.10.4
金融機関0.50.1
外国人個人0.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位11

順位株主持ち株比率 %
01屋代 哲郎33.01
02屋代 浩子32.87
03フォルシア社員持株会8.96
04株式会社SBI証券1.84
05フォルシア役員持株会1.50
06新保 光栄1.29
07ZETA株式会社1.01
08山田 尚紀0.97
09谷本 真一0.81
10吉村 龍吾0.81
11大久保 勉0.81

有価証券報告書の大株主の状況から、上位11者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は6期で−99%、1株純資産は6期で−99%。直近期のROEは2.5%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2021年2月3,434118,8892.9
2022年2月2,628121,5162.2
2023年2月1301,33510.2
2024年2月991,4347.2
2025年2月1271,5747.815.7
2026年2月401,6142.546.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2026/2期の役員報酬は総額102百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
屋代浩子代表取締役社長61404,900
屋代哲郎代表取締役61406,700
山田尚紀常務取締役6212,000
三坂紀取締役589,413
大西孝明取締役538,475
稲岡研士取締役70305
谷本真一常勤監査役6310,000
吉村龍吾監査役6110,000
西村健監査役60305
北上真一取締役68

役員報酬の内訳2026/2

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)6868614
社外取締役310103
監査役1666

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/2期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,035字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、旅行・観光業界のデータ流通を担うビジネスハブとして、デジタルビジネスプラットフォーム事業を展開しています。膨大・複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する検索テクノロジーを基盤としたシステム開発やサービス提供、コンサルティングを通じ、インターネット上に存在する有益な情報を円滑に流通させることを企業活動の根幹に据えています。 当社は、複雑化するデータ環境において、ユーザーが目的とする情報に迅速に到達できる状態を実現することで、ビジネス機会の拡大及び付加価値の向上に貢献することを事業の本質としております。 創業当初から、独自の検索技術基盤「Spook(スプーク)」を軸に、業界固有の課題や個別顧客のニーズに対応してまいりました。本技術は、単に検索結果を提示するものではなく、企業ごとに異なるデータの形式や構造を整理・最適化し、高速に処理できるデータ形式に変換する点に特長があります。この技術基盤を活用し、当社はこれまで大手旅行会社の予約サイトや専門商社のECサイトなど、高度なデータ処理が求められる分野においてデジタルビジネスの進化に貢献してまいりました。 近年においては、こうした個別課題への対応を通じて蓄積した業界知見・経験を基に、事業領域を「検索」から「業務基盤」、さらに「データ流通基盤」へと拡張しております。特に旅行・観光業界においては、商品販売・業務管理を担うプラットフォーム「webコネクト」に加え、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」を展開し、業界全体のデータ流通を支える基盤の構築を推進しております。 (1) 事業の重点領域 当社の重点領域は、創業当初から継続して事業展開を行っている旅行・観光業界向けのサービス提供であります。当領域においては、日時、場所、部屋タイプ、食事条件、交通手段、経路など多様な要素が組み合わされるとともに、それらの在庫及び料金が外部システムと連携して時々刻々と変動するため、取り扱うデータは極めて複雑であり、高度なデータ処理及び業界特有の知識が求められます。 近年、旅行・観光業界においては、商品構成や販売チャネルの多様化、在庫・価格の変動の拡大にともない、取り扱うデータは一層複雑化しています。このような状況においては、個社ごとの最適化にとどまらず、業界横断的なデータ流通基盤の整備が不可欠となっております。当社は、こうした環境において、検索機能の高度化に加え、商品販売・予約管理・データ連携など、ビジネス全体を支えるシステム基盤の構築に取り組んでまいりました。 その成果として開発した「webコネクト」は、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能をモジュールとして提供する商品販売プラットフォームであり、多数の旅行会社に導入されております。さらに当社は、こうした基盤の上に、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」を展開することで、データ流通そのものを創出・拡大する取り組みを進めております。 このような取り組みを通じて、当社は旅行・観光業界におけるデータ流通を支える共通基盤としての役割を担うことを目指しております。 (2) 収益構造 当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントで、顧客ごとの要件に応じた個別ソリューション提供から標準化されたプロダクト提供までを含む形で事業を展開しております。提供形態としては、オンプレミス(顧客のシステム環境に導入して利用する形態)及びクラウド(当社のシステムをクラウド上のサービスとして提供する形態)の双方に対応しております。 当社においては、検索技術基盤「Spook」を活用したデータ処理システムの提供を「ソリューション型サービス」、旅行・観光商材の販売・業務基盤である「webコネクト」等の共同利用型のサービス提供を「SaaS型サービス」と位置付けています。当社の収益は、いずれの提供形態においても、主として開発収益及び月額収益により構成されております。開発収益は、基幹システムの構築や導入時の設定・カスタマイズ及び、導入に関連した各種コンサルティング等に係る対価であり、原則としてプロジェクトの進捗に応じて収益計上されます。月額収益は、システム稼働後の運用保守費やライセンス使用料、サービス利用料等により構成され、導入顧客数の増加にともなって安定的に積み上がる収益であります。 なお、従来の開示において「初期開発収益」としていた収益には、サービス導入時におけるシステム構築・設定に係る対価に加え、個別課題への対応、既存ソフトウェア資産の利用、改修、機能追加、導入に関連した各種コンサルティング等に係る対価も含まれております。また、特にエンタープライズ領域においては、導入後も継続的に顧客業務基盤の高度化に対応する開発が発生することから、「初期」という表現では収益実態を必ずしも十分に表さない側面がありました。このため、当社の収益構造をより実態に即して示す観点から、今後は「初期開発収益」ではなく「開発収益」として整理しております。 当社は、これらの収益基盤を拡大する過程において、顧客規模及び提供するサービス内容に応じて、事業をエンタープライズ、スタンダード、ベーシックの3つの区分で展開しております。 エンタープライズ領域においては、大手旅行会社向けに「webコネクト」を中心に高度なカスタマイズを伴う基幹システムの構築を行っております。当該領域では、開発期間が長期にわたる大型案件が中心となり、主として開発収益並びに稼働後の運用・保守収益により構成されます。本領域は、業務知識及びデータ構造に関する知見の蓄積を通じて、当社の事業基盤を強化する役割を担っております。 スタンダード領域においては、中堅事業者を中心に「webコネクト」を活用した販売・業務基盤の提供を主に行っております。当該領域では、標準機能をベースとしつつ必要に応じたカスタマイズを行うことで、導入効率と柔軟性の両立を図っており、主として月額利用料による継続収益により構成されます。本領域は、顧客基盤の拡大を通じて収益の安定化を図る役割を担っております。 ベーシック領域においては、小規模事業者向けに標準化された共同利用型サービスを中心に提供し、幅広い事業者のビジネスのデジタル化を支援しております。当該領域では、初期導入コストを抑えつつサービス利用の拡大を促進することで、データ流通の裾野拡大に寄与しております。 また当社は、これら各領域における顧客基盤の拡大及びデータ流通の活性化を通じて、「valueコネクト」を活用した成果連動型(テイクレート型)収益を獲得することを目指しております。テイクレート型収益は、特定の事業領域に限定されるものではなく、エンタープライズ、スタンダード、ベーシックの各領域において蓄積・拡大されるデータ流通の上に成立する収益機会として位置づけられております。 (3) 基盤技術及びサービスの特徴 当社は、検索技術基盤「Spook」、販売・業務基盤「webコネクト」及び商品流通基盤である「valueコネクト」の3つのプロダクトを展開しており、これらが相互に連携することで、統合的なデータ流通基盤としての機能を構築しております。 当社の技術の特徴は、単に個別機能を提供するだけではなく、企業ごとに異なるデータの形式や構造を整理・最適化し、柔軟なカスタマイズに対応しながら、最適なサービスを提供する点にあります。このデータ流通基盤の上で、検索、販売、予約、データ連携といった各機能の一体的な提供を可能とすることで、顧客のビジネス全体を支える仕組みを実現しております。 a. Spook Spookは、顧客が保有する膨大かつ複雑なデータを高速かつ正確に処理する技術基盤であり、顧客ごとの業務要件に応じて最適化されたシステムとして提供するソリューション型サービスの中核を担っております。企業ごとに異なるデータ構造に柔軟に対応し、大規模かつ複雑なデータ処理を実現するシステム基盤として、ECサイトを中心に採用されております。 Spookの強みは、「検索結果を表示する」機能そのものではなく、その前提となるデータの形式や構造を整理・最適化し、高速に処理できるデータ形式に変換する点にあります。これにより、複雑な条件を伴う検索であっても高速かつ正確な処理が可能となり、顧客のビジネスにおける意思決定及び販売機会の最大化に寄与します。 b. webコネクト webコネクトは、旅行・観光業界向けの商品販売・業務管理プラットフォームであり、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能を統合的に提供しております。 Spookによって構築された当社の技術基盤を基に、複雑な商品構造や外部システムと連携したリアルタイムな在庫・価格の変動に対応し、旅行・観光商品の販売業務を一体的に支援します。標準化された機能をベースとした共同利用型サービスとして提供されるとともに、顧客の業務要件に応じた柔軟なカスタマイズや部分的な活用にも対応することで、標準化と個別最適化の両立を実現しております。 c. valueコネクト valueコネクトは、観光素材の提供者と販売事業者を接続し、共通の基盤上で商品情報及び在庫の流通を実現するサービスです。 本サービスにより、従来個別に行われていたシステム連携やデータ統合作業が効率化されるとともに、複数の事業者間でのデータ流通が促進されます。これにより、流通量の拡大及び新たな販売機会の創出が可能となり、業界全体の付加価値向上に寄与します。 (4) 事業系統図 当社の事業系統図は以下のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題9,768字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、フェアネスを追求する企業として、インターネット上に存在する有益な情報を円滑に流通させることを企業活動の根幹に据えています。これにより、商品やビジネスの本質的な価値を正確に伝え、ユーザーが自信を持って意思決定できる「フェアな世界」の実現を目指しています。 この理念のもと、当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業を展開し、膨大・複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する独自の検索技術を基盤としたシステム開発やサービス提供、コンサルティングを通じて、顧客の課題解決及び事業成長に貢献することを経営方針としております。 当社の強みは、独自の検索技術を中核としたデータ処理基盤と、旅行・観光業界における深い業務知見にあります。これらを組み合わせることで、在庫・料金・ビジネスルールといった複雑な条件を整合的に処理し、一貫した形で扱える状態を構築することで、商品登録から販売・予約に至る一連の業務の効率化と高度化を実現してまいりました。優秀な技術者の確保と育成を重視し、スピードと品質を両立する開発スタイルを追求することで、変化の激しい市場環境にも適応できる体制を構築しています。 また当社は、柔軟なカスタマイズと迅速なプロダクト提供を両立するハイブリッド型のビジネスモデルを採用し、顧客ごとの高度な要求に対応しながら、そのプロセスで得た知見を抽象化し、業界標準として必要とされる機能を共通機能としてプロダクトに取り入れることで、継続的な成長基盤を強化しています。近年においては、これらの技術資産を基盤とし、「webコネクト」及び「valueコネクト」といったプロダクトを展開することで、個別機能の提供にとどまらず、事業者間を横断した共通基盤としての機能を拡張しています。 当社は、これらの取り組みを通じて、旅行・観光業界におけるデータ流通を担うビジネスハブとしてのポジション確立を目指しております。すなわち、素材提供者(サプライヤー)と素材販売事業者(セラー)を共通の基盤上で接続し、データの標準化及び流通の高度化を通じて、業界全体の取引効率と付加価値の向上に寄与することを志向しております。 当社のビジョンは、あらゆる情報をなめらかにつなぎ、顧客や世界中のユーザーとの間に「フェア」で持続可能な関係を築くことです。このビジョンのもと、当社は旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の構築を通じて、サプライヤーとセラーがシームレスに接続されるマーケットプレイスの実現を目指しており、その先においては、当該基盤を業界の枠を超えて発展させ、業界横断の取引インフラへと進化させていく構想を描いています。 現在はシステム提供を中心としたビジネスを展開しておりますが、中長期的には、当該基盤上で創出される取引に連動した収益モデルへと発展させることで、参加者の拡大が価値の向上と収益性の向上に結びつく構造の実現を目指してまいります。その実現に向けて、当社の強みであるデータ処理技術と業界知見を活かし、データ流通における摩擦を解消することで企業の成長を支援するとともに、ユーザーにとっても付加価値の高いサービスを提供してまいります。これにより、当社は市場における競争力を維持し、持続的な成長を目指します。 (2) 経営環境 当社は、独自のデータ処理技術を基盤として、特に旅行・観光業界を中心に、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支援しております。旅行・観光業界においては、商品造成、在庫・料金管理、検索、予約、販売チャネル連携など、事業運営に必要な情報が多岐にわたり、かつそれぞれが複雑に連関しています。このため、個別機能のデジタル化にとどまらず、複数の事業者・販売チャネル・業務プロセスをまたいで情報を正確かつ円滑に流通させるためのシステム基盤の重要性が高まっています。 当社の検索技術基盤「Spook」は、膨大かつ複雑なデータを高速・効率的に処理する能力に強みを有しており、旅行・観光業界における多様な検索条件、在庫や料金のリアルタイム変動等を前提とした高度なデータ処理に対応してまいりました。こうした技術優位性を背景に、当社は検索機能の提供にとどまらず、業界固有の業務要件に対応したシステム基盤の構築・提供を進めております。 旅行市場の動向を見ると、国内旅行市場は引き続き高い水準で推移しています。観光庁の「旅行・観光消費動向調査 2025年年間値 確報(2026年4月30日発表)」によると、2025年の日本人国内旅行消費額は26兆7,845億円となり、前年を上回る水準となりました。加えて、訪日外国人旅行者数についても、日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計(2026年1月21日発表)」によれば、2025年は4,268万人と過去最高を更新しており、旅行・観光関連市場全体として需要の拡大が継続しています。 一方で、こうした需要拡大の局面においては、旅行・観光業界における業務の複雑性や情報流通上の非効率性も、より顕在化しやすくなっています。商品や在庫・料金の管理対象が増加し、販売チャネルが多様化する中で、事業者には、正確かつタイムリーな情報連携、柔軟な商品造成、複数チャネルを前提とした販売管理、顧客接点の高度化などが求められています。加えて、観光庁は観光DXの推進に関し、宿泊・体験等の予約・決済のシームレス化、観光地経営へのデータ活用、事業者間・地域間のAPI連携やデータ仕様統一化の促進を掲げており、業界全体としてもデータ連携基盤の整備が重要なテーマとなっています。 このような環境のもと、旅行会社、宿泊事業者、交通事業者、観光事業者、自治体・DMO(Destination Management Organizationの略、観光・自然・食といった地域資源を活用して観光戦略を推進する団体)などの各プレイヤーにおいては、単独で完結するシステムではなく、複数の主体をまたいで情報を接続し、流通させるための基盤の需要が高まっております。当社が提供する「webコネクト」や「valueコネクト」は、こうした業界構造の変化を背景として、旅行・観光業界におけるデータ流通の受け皿としての役割を担うことを目指しています。 また、観光庁の「主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計(2025年6月6日発表)」によると、2024年度の国内旅行取扱額は前年度比でおおむね92%、外国人旅行は同105%、海外旅行は同121%と、需要の回復・変化が分野ごとに異なる形で進行しており、事業者には市場変化に即応できる柔軟なシステム対応力が求められています。こうした環境下では、標準化された機能だけでは対応しきれない一方、個別開発だけでは継続的な拡張性や効率性の確保に限界があるため、柔軟なカスタマイズ性とプロダクトとしての再利用性を両立する仕組みの重要性が高まっているものと認識しております。 当社は、このような経営環境を、単なる需要回復局面としてではなく、旅行・観光業界における情報流通のあり方そのものが見直される転換局面であると捉えております。今後も、独自技術と業界知見を活かし、個別顧客の課題解決にとどまらず、業界全体の効率化・高度化に資する基盤の提供を通じて、持続的な成長機会を取り込んでまいります。 (3) 経営戦略 当社の経営戦略は、独自のデータ処理技術を中核とし、旅行・観光業界における複雑な情報流通を支えるシステム基盤を提供することで、業界全体の効率化と価値創出に貢献するとともに、当社自身の持続的な成長を実現することにあります。また、サプライヤーとセラーの間に位置し、ビジネスに必要なデータを包括的に取り扱うマーケットプレイスのシステム基盤を提供する「データ流通のビジネスハブ」として業界横断の取引インフラへと進化させていく構想を描いています。 旅行・観光業界においては、商品造成、在庫・料金管理、販売チャネル連携などが高度化・複雑化する中で、個別最適化されたシステムの積み上げでは対応が困難となりつつあり、複数の事業者・機能を横断したデータ連携基盤の重要性が高まっています。当社は、このような環境変化を踏まえ、「個別顧客への価値提供」と「業界全体への基盤提供」を両立する戦略を推進しております。 当社の中長期成長シナリオは、従前から掲げてきた「既存顧客へのサービス拡充、新たな顧客層の獲得、マーケットプレイス構想の推進」という基本方針を維持しております。具体的には以下の3つの戦略に基づき、中長期の成長を段階的に実現してまいります。 ①エンタープライズ領域における基幹システム対応の深化(既存顧客へのサービス拡充) 当社は、大手旅行会社を中心としたエンタープライズ顧客に対し、検索機能の提供にとどまらず、基幹システム全体の機能強化に対応したサービス提供を進めております。これまでに培ってきた検索技術及び業務知見を基に、「webコネクト」を中核としたプロダクト群を共通機能として効果的に活用しながら、顧客ごとの要望に対応した個別開発を組み合わせることで、様々な外部システムと連携し、複雑な商品構成や多様な販売チャネルに対応可能なシステム基盤の構築を支援しています。 これにより、顧客企業における業務効率化及びサービス高度化を支援するとともに、長期的な契約関係に基づく安定的な収益基盤の構築と、さらなる技術資産の蓄積につながっています。今後も、基幹システム刷新ニーズへの対応を通じて、既存顧客との関係深化及び収益の安定化を図ってまいります。 ②スタンダード・ベーシック領域におけるプロダクト展開の加速(新たな顧客層の獲得) エンタープライズ顧客で培った知見・経験を基に、当社は中堅規模の旅行会社や新規参入事業者に対して、業界標準として必要な機能を具備したプロダクトの提供を進めています。 旅行・観光業界においては、インバウンド需要の回復や体験消費の拡大を背景に、宿泊施設、体験・アクティビティ事業者などのサプライヤーでは、自ら顧客接点を持ち、商品を直接販売するニーズが高まっています。従来、旅行商品の流通は、大手旅行会社やOTA(Online Travel Agentの略、ネット上で旅行商品販売を完結させる事業者)など販売力を有するプレイヤーが中心となって担ってきましたが、サプライヤー側においても、自社商品の提供価値をより高める旅行の企画、他の旅行商品との組み合わせ販売、顧客データの取得、高付加価値商品の訴求力向上といった観点から、自らの販売力を高めることの重要性が増しています。また、主に大規模な顧客基盤を持つ事業者において、自社サービスにおける顧客のLTV(ライフタイムバリュー)向上に向けた新たな付加価値として、旅行事業に進出する動きも出てきています。 一方で、旅行・観光商品のオンライン販売には、素材登録、在庫管理、料金設定、検索、予約、決済、外部接続など、多岐にわたる機能が必要となり、中堅・小規模・新規の事業者が個別にシステムを構築・運用することは容易ではありません。当社は、エンタープライズ領域における大手旅行会社向けの開発を通じて培った知見・経験を活かし、「webコネクト」や「valueコネクト」をはじめとする当社プロダクトを通じて、サプライヤーや新規事業者が必要な機能を必要な範囲で利用できる環境の整備を進めております。これにより、サプライヤーや新規事業者は大規模なシステム投資を行うことなく、様々な外部システムや自社の会員・ポイント・決済システムと接続した販売機能を構築し、自社商品の販売力を高めることが可能となります。 当社は、スタンダード・ベーシック領域におけるこうした新規顧客層への横展開を通じて、より多くのサプライヤーや新規事業者が利用可能な標準プロダクトを展開してまいります。これにより、個別開発に依存しない効率的なシステム導入を可能にするとともに、サプライヤーや新規事業者における販売・予約・在庫管理等の業務効率化を支援し、旅行・観光業界全体の生産性向上に貢献してまいります。 ③データ流通基盤の構築と新収益モデルの確立(マーケットプレイス構想の推進) 当社は、中長期的な成長戦略の中核として、旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の構築を位置づけ、流通総額に連動するテイクレート型収益モデルの確立を目指しています。これまで当社は、「webコネクト」を導入した各旅行会社を起点に、個別にサプライヤーとの接続を行う「1対n」のモデルを展開してきましたが、今後は、複数のセラー及びサプライヤーを横断的に接続する「n対n」の構造へと発展させていく方針です。 成長戦略①では、大手旅行会社向けの基幹システム対応を通じて、高度な販売・予約・在庫管理機能及び業界知見を蓄積してまいります。また、成長戦略②では、これらの知見を標準化されたプロダクトとして、宿泊施設、体験事業者、地域事業者等のサプライヤー及び新規事業者に展開し、商品情報、在庫、価格、予約等のデータを共通基盤上で管理・流通可能な状態へ整備してまいります。 成長戦略③では、こうして共通基盤上に蓄積されたサプライヤーの商品情報・在庫を、旅行会社、OTA等のセラーへ横断的に流通させることで、従来の個別接続型モデルから、複数のセラーとサプライヤーがつながる「n対n」のデータ流通モデルへと発展させてまいります。 この構造により、サプライヤーは自社商品の販売機会を拡大でき、セラーは多様な観光素材へ効率的にアクセスすることが可能となります。また、当社はその間に位置するデータ流通基盤として、商品情報、在庫、価格、予約、利用実績等の連携を担うことで、業界全体における取引の効率化及び流通量の拡大を支援します。当社がターゲットとする顧客層は、強い顧客基盤と高い集客力を持つ国内外の旅行関連事業者です。具体的には、公共交通(鉄道・バス)や地方自治体、DMOといった事業者が含まれます。これらの企業は、地域の交通網や観光資源を効率的に活用し、観光市場における競争力を高めることを目指しています。また、福利厚生サービスを提供する企業や共済組合、クレジットカード会社などの会員制サービス事業者も対象としており、これらの企業は既存の顧客基盤を活用して、旅行や観光サービスを提供するビジネスモデルを展開する可能性を持っています。さらに、訪日客を対象とする欧米やアジア等の海外旅行会社への展開も視野に入れております。 当社基盤上を流通する取扱高が拡大することで、従来の開発収益及び月額収益に加え、流通量に応じたテイクレート型収益の獲得が可能となります。これにより、当社の収益モデルは、システム提供を中心とするモデルから、業界全体の流通拡大と連動して成長するモデルへと進化していきます。 当社は、これら3つの戦略を相互に連動させることで、エンタープライズ領域での深い価値提供と、スタンダード・ベーシック領域での広い展開、さらに業界横断での基盤構築を段階的に実現していきます。この戦略により、顧客の成長を支援するとともに、当社自身の収益基盤の強化と持続的な成長を図り、旅行・観光業界における「データ流通のビジネスハブ」としてのポジション確立を目指してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社では、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高及び売上高営業利益率を最も重要なものと位置付けております。これらに加え、当該目標の達成状況を多面的に把握するため、重要な指標(KPI)として、SaaS型サービスである「webコネクト顧客数」及び「エンジニア稼働一日当たり売上高」を管理しております。 「webコネクト顧客数」については、期中において、「各期に(初期開発又は月額)収益が計上された顧客数」から「各期に月額収益が計上された顧客数」へと定義を変更するとともに、月額収益の規模別に区分し、旅行・非旅行を含めた合算値として把握する方法へ見直しております。これにより、当該KPIは月額収益の拡大状況を示す指標としての性格を強めるとともに、将来的には当社の複数プロダクトにおける月額収益を横断的に捉える指標への発展も想定しております。 また、「エンジニア稼働一日当たり売上高」については、売上創出に直結する業務にエンジニアを適切に投入できているかを測る指標として位置づけ、継続的にモニタリングしております。今後に向けては、当社の技術基盤の高度化や技術資産の再利用を通じた生産性の向上を捉える指標への見直しも視野に入れております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 前述のとおり、当社では、素材提供者(サプライヤー)と素材販売事業者(セラー)の間に位置し、ビジネスに必要なデータを包括的に取り扱うマーケットプレイスのシステム基盤を提供する「データ流通のビジネスハブ」となることを経営戦略としております。かかる戦略の完遂に向け、以下の課題に取り組んでまいります。 ①顧客基盤の拡大と収益モデルの高度化 当社がデータ流通のビジネスハブとして持続的な成長を実現するためには、サプライヤー及びセラー双方の取り込みを進め、顧客基盤の拡大と取引の活性化を図るとともに、特定のエンタープライズ顧客への依存度の低減を進めていくことが重要な課題であると認識しております。 過年度においては、webコネクトを通じて利用可能な決済手段の拡充や電子クーポン機能の提供等により、提供側・販売側双方にとっての接続価値を高め、新規事業者の参入促進と既存事業者の取引活性化を進めてまいりました。 今後は、参加事業者数の拡大に加え、流通量の増加を伴うネットワーク効果の発現を重視するとともに、流通量の拡大が収益拡大に直結するテイクレート型のビジネスモデルの導入・高度化を進めることで、持続的な成長基盤の構築を図ってまいります。 ②事業構造の変化に対応した収益管理の強化 当社が持続的な成長を実現するためには、事業構造の変化に対応した収益管理の高度化が重要な課題であると認識しております。 従来から進めてきたソリューション提供型のビジネスに加え、共同利用型のビジネスの拡大を進める中で、プロジェクト及びプロダクトごとの採算の可視化と管理精度の向上が求められております。また、プロダクト開発に係る先行投資については、適切な進捗管理及び回収計画の策定を行うことが重要となります。 今後導入を予定しているテイクレート型のビジネスモデルの拡大も見据え、収益構造の多様化に対応した管理体制を整備するとともに、収益性の向上と安定的な収益基盤の確立を図ってまいります。 ③プロダクトの拡充及びプラットフォーム基盤の高度化 当社は、これまでの検索領域における技術的な強みを基盤としつつ、データ流通基盤としての機能をさらに高めるため、すでに展開を進めている新たな事業領域において、プロダクトの拡充及びプラットフォーム基盤の高度化を図ることが重要な課題であると認識しております。 過年度においては、これまでの検索技術を中核としつつ、予約・販売管理、電子クーポン、外部決済サービスとの連携等の周辺機能を拡充し、顧客の業務全体を支えるプロダクトの提供を進めてまいりました。これにより、当社サービスは単なる検索機能の提供にとどまらず、業務基盤としての役割を担う段階へと進展しております。 今後は、これらの機能を一体的なプロダクト提供ラインとして整理し、体系化を図るとともに、共通機能の整備やデータ構造の標準化を進めることで、再利用性の高いプロダクト基盤の構築を推進してまいります。 併せて、アーキテクチャの高度化を通じてサービス提供基盤の拡張性及び柔軟性を高め、業界全体の業務効率の向上と利用者の利便性向上を両立する統合型プラットフォームとしての価値を一層高めてまいります。 ④安定的なサービス提供と開発生産性向上の両立 当社サービス提供先の拡大及び当社サービスを経由する商材の流通総量の増大にともない、システムの安定性・信頼性の確保と、効率的かつ持続的な開発・運用体制の構築が重要な課題であると認識しております。 特に、大型案件の増加やトラフィックの増大に対応する中で、システム負荷の増加を踏まえた処理能力の拡張及びパフォーマンスの維持・向上が求められており、安定的かつ拡張性の高いサービス提供を継続するための運用体制の高度化が必要となっております。 これまで、品質管理プロセスの整備・強化や監視体制の高度化を通じて、サービス品質の維持・向上を図るとともに、障害発生時の迅速な対応及び再発防止に取り組んでまいりました。今後は、情報セキュリティ対策の一層の強化に取り組み、外部からの不正アクセスや情報漏えい等のリスク低減に努めてまいります。 また、共通機能の活用や開発プロセスの標準化を通じて、再利用性の向上及び開発効率の改善を図るとともに、AI技術の活用等により開発スピードを飛躍的に高め、開発生産性の一層の向上を図ってまいります。 ⑤開発リソースの最適化と人材の確保・育成 持続的な事業成長とプロダクトの高度化を実現するためには、専門性の高い人材の確保・育成に加え、開発リソースの最適な配置が重要な課題であると認識しております。 過年度においては、エンジニア及びプロジェクトマネジメント人材の採用を強化するとともに、社内制度の整備を通じて自律的な成長と健全な競争環境の醸成に取り組んでまいりました。 今後は、社員の採用・育成に加え、外部の開発パートナーとの連携を含めたリソースの最適化を進め、内製と外部リソースを組み合わせた柔軟かつ高効率な開発体制を構築することで、大規模案件及びプロダクト開発の双方に対応可能な体制の強化を図ってまいります。 ⑥事業領域の拡大に向けたパートナーシップの強化 当社の事業領域の拡大及び新たな価値創出を実現するためには、外部企業との戦略的なパートナーシップの構築が重要な課題であると認識しております。 今後は、業務提携やアライアンスの推進に加え、必要に応じてM&A等も視野に入れながら、当社のプロダクト及びサービスの提供領域の拡張と競争力の強化を図ってまいります。これにより、顧客基盤の拡大及び新たな収益機会の創出を目指してまいります。 ⑦内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化 事業の成長にともない、経営の健全性及び透明性を確保するため、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化は重要な課題であると認識しております。 過年度においては、内部監査・経理部門への専門人材の配置を進めるとともに、監査役及び会計監査人との連携強化、社内規程の整備を推進してまいりました。加えて、顧客情報その他の重要情報を適切に管理するため、情報管理体制及び情報セキュリティに関する社内ルールの整備・運用にも取り組んでおります。 また、事業規模の拡大及び意思決定の高度化に対応するため、執行役員制度の導入及び組織体制の見直しを行い、執行機能と監督機能の役割分担の明確化を進めております。具体的には、従来の機能別組織から、事業推進(攻め)、経営戦略(中盤)、経営管理(守り)の各機能を明確に区分した体制へ移行することで、意思決定の迅速化と責任の所在の明確化を図っております。 今後も、内部統制の運用状況の継続的な検証及び改善を通じて、経営資源の適切な配分及びリスク管理の強化を推進し、上場企業として求められるガバナンス体制のさらなる高度化に取り組んでまいります。
事業等のリスク9,172字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。 当社は、後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (1) コーポレートガバナンスの概要」に記載のとおり、「内部統制システムの構築に関する基本方針」及び「リスク管理規程」において、当社の事業活動において想定される各種のリスクの管理について定めております。同規程に基づき、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、会社の業務遂行に関わる様々なリスクについて年度ごとに見直しを行い、各組織に適切に対応させることにより、全社的なリスク管理を実施しております。 1. 事業に関するリスク (1)市場・事業環境リスク a. 経済動向及び市場環境に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の主要顧客である企業のIT投資意欲や設備投資動向の影響を受けております。景気後退、金利・為替動向の変動、国際情勢の不安定化等により顧客企業の投資意欲が減退した場合、新規案件の獲得停滞や既存顧客からの受注減少が生じる可能性があります。特に、当社の重点領域である旅行・観光業界においては、地政学的緊張の高まり、国際紛争の発生、外交関係の変化、エネルギー価格の高騰等により、旅行需要や訪日需要が減少し、顧客企業の事業活動や投資判断に影響が及ぶ可能性があります。 また、顧客企業のコスト削減方針の強化等により、使用許諾費、運用保守費、サービス利用料等の見直しが行われた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、マクロ経済環境や外部環境の変化による影響を緩和するため、重点領域である旅行・観光業界における顧客基盤の多様化を進めるとともに、旅行会社以外の事業者への展開を通じて特定市場への依存低減に努めております。また、開発収益に偏らない月額収益の積み上げにより収益基盤の安定化を図るとともに、顧客企業を取り巻く市場環境の変化を継続的にモニタリングし、必要に応じて投資計画や事業計画の見直しを行う体制を整備しております。 b. 旅行業界における競争環境の変化に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は旅行・観光業界を重点領域としており、当該業界に関連する売上の比率は高い水準にあります。一方で、当該領域では国内外の競合企業が多数存在し、特にOTA等の海外事業者を含む競争環境の変化が継続しております。 顧客企業である旅行会社等が、価格競争の激化や競争優位性の低下等により、想定どおりの事業展開を図れない場合、当社が提供するシステムやサービスへの投資余力の低下、又は投資方針の見直しにつながる可能性があります。その結果、当社の受注機会の減少や案件規模の縮小等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、旅行会社向けのシステム提供にとどまらず、業界全体のデータ流通基盤を担う立場として、サプライヤー・セラー双方に価値を提供できるプロダクト展開を進めております。また、旅行・観光業界内においても顧客層の多様化を進め、特定の競争構造に過度に影響されない事業ポートフォリオの構築に努めております。 (2)ビジネスモデルリスク a. 大口顧客依存に関わるリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の売上高は一部の大口顧客への依存度が相対的に高く、大口顧客の投資計画や事業方針の変化、取引関係の縮小又は終了等が生じた場合、当社の売上高及び利益に影響を及ぼす可能性があります。 また、大口顧客からの案件が同時期に集中した場合には、開発リソースの逼迫や外部パートナー活用の増加により、収益性の低下や他案件への対応制約が生じる可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、大口顧客との継続的な関係維持に努めるとともに、スタンダード・ベーシック領域を含む新規顧客基盤の拡大を進めることで、特定顧客への依存度の低減を図っております。また、案件集中時に備えて外部パートナー企業と協業可能な体制を継続的に維持するとともに、プロジェクト管理体制の強化により、案件の平準化と収益性維持に努めております。 b. 自社開発プロダクトの展開に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、これまでに蓄積した知見・経験を基に、「webコネクト」等の自社開発プロダクトの展開を進めております。これらのプロダクトは中長期的な成長の中核を担うものと位置付けておりますが、市場環境の変化、顧客ニーズとの乖離、販売拡大の遅れ等により、想定どおりの導入件数や収益性を確保できない場合があります。 その場合、売上計画の未達や、ソフトウェア資産の減損、投資回収の遅延等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、プロダクト投資に当たり、経営会議及び取締役会において投資内容、事業性、回収可能性等を審議し、慎重に判断しております。また、開発状況や販売進捗については定期的に予実比較を行い、想定との乖離を早期に把握する体制を構築しております。さらに、個別案件から得られた知見をもとに、機能の共通化・標準化を進めることで、再利用性の高いプロダクト基盤の強化に努めております。 c. マーケットプレイス型サービスの提供に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の構築を進め、将来的にはサプライヤーとセラーを結ぶマーケットプレイス型サービスの拡大を目指しております。しかしながら、この事業モデルは、一定規模以上の参加事業者数、接続数及び流通量の拡大を前提として成立する面があり、十分なネットワーク効果が発現しない場合には、想定した成長が実現できない可能性があります。 また、参加主体間の利害調整、商流設計、運営ルールの整備等に想定以上の時間やコストを要した場合、事業化の遅延又は収益性の低下を招き、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、まず既存の顧客基盤及び接続基盤を活用しながら、段階的に参加事業者数及び接続対象の拡大を進めております。また、「webコネクト」と「valueコネクト」の連携を強化し、取引及びデータ流通の利便性向上を図ることで、参加事業者にとっての利用価値を高めております。加えて、流通量の拡大に向けて、提供側・販売側双方に価値がある機能拡充を進めております。資産計上されるソフトウェアにつきましては、定期的に減損判定を行い適切に処理することとしております。 (3)収益・業績リスク a. 売上計上の期ずれに関するリスク(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社が展開する個別開発及び初期開発を伴う案件においては、顧客側の検討期間の長期化や意思決定時期の後ろ倒し、要件確定の遅延、仕様変更、当社以外の事業者が担当する領域の作業遅延、開発スケジュールの見直し等により、売上及び利益の計上時期が変動することがあります。 このため、案件自体の受注見通しに大きな変化がない場合であっても、各四半期又は年度における売上高及び利益が変動し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、案件ごとの進捗状況、受注見通し及び収益認識時期を適時適切に業務システムへ反映し、月次で予実比較を行うことで、遅延の兆候を早期に検知することによって、期ずれリスクの低減に努めております。また、必要に応じて予算や見通しの見直しを迅速に行う体制を整備しております。 b. テイクレート型モデルのビジネスリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、中長期的に、基盤上で創出される取引に連動して収益を得るテイクレート型モデルへの発展を志向しております。しかしながら、当該モデルは、利用事業者数や素材接続数の拡大に加え、実際の流通量及び継続利用率の向上がともなって初めて十分な収益性が確保されるものであります。 そのため、参加者の増加に対して流通量の拡大が追いつかない場合や、想定した手数料水準を確保できない場合には、収益化が遅延し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、テイクレート型モデルの本格展開に先立ち、素材接続数、利用旅行会社数、利用施設数等を先行指標として継続的にモニタリングし、基盤の拡大状況を把握しております。また、流通量の増加につながる商品提供の拡充、接続利便性の向上、機能改善等を段階的に進めることで、収益化の確度向上に努めております。 c. プロダクト投資における回収期間の長期化リスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、共通機能の開発やプロダクト基盤の拡充に継続的に投資を行っております。これらの投資は将来の収益獲得を見込んで行うものでありますが、市場導入の遅れ、顧客獲得ペースの鈍化、追加投資の発生等により、回収期間が当初想定より長期化する可能性があります。 その場合、投資効率の低下や資産性評価の見直し等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、開発費の資産計上に当たり、取締役会において投資内容、回収可能性及び事業性を確認しております。また、投資後も定期的に開発進捗及び事業計画との整合性を検証し、必要に応じて投資方針の見直しを行うことで、回収期間の長期化リスクの低減に努めております。 (4)技術・サービス提供リスク a. 検索技術基盤「Spook」を用いた個別開発に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社が属するソフトウェア開発市場では、競合企業の新規参入や価格競争等が生じる可能性があります。当社は、旅行・観光業界における業務知識、技術力及びコンサルティング力を通じて差別化を図っておりますが、競争環境の変化により、提供価値に見合った価格水準を維持できない場合には、売上成長の鈍化又は利益率の低下を招く可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、「Spook」を用いた検索機能の提供にとどまらず、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等を含む「webコネクト」へと価値提供領域を拡大することで差別化を図っております。また、検索性能や処理効率の改善を継続し、技術面での優位性維持に努めております。 b. 技術革新に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社が事業展開するソフトウェア開発市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが速く、継続的な技術対応が求められます。新技術への対応が遅れた場合や、必要な技術投資・人材育成に想定以上のコストを要した場合には、競争力の低下又は収益性の悪化を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、技術部門を中心に技術動向の把握、新規技術の検証、社員の資格取得支援、社外イベントへの参加・協賛、社内勉強会の開催等を継続的に行っております。また、AI技術を活用するとともに、新たな技術の活用可能性について継続的に検討しております。 c. 品質が顧客の期待を下回るリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:大) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社が提供するシステムは、顧客の基幹業務や販売業務に直結しており、品質及び納期に対する高い要求水準がともないます。開発規模の大型化や要件の高度化により、品質不良、仕様不整合、納期遅延等が発生した場合には、追加コストの発生、損害賠償、信用毀損、将来案件の受注機会喪失等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、商談段階からプロジェクト管理者を配置し、進捗・品質管理を行う体制を整備しております。また、定期レビュー、進捗報告、テスト手法の標準化、成熟した技術やフレームワークの活用等を通じて品質リスクの低減に努めております。大型案件については、専任のプロジェクトマネジメント担当を配置し、顧客及び外部パートナーとの密な連携を図っております。 d. 外注先への業務委託に係るリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、必要に応じて外部パートナー企業に開発・保守運用等の一部を委託しております。外部パートナー企業において、必要な技術者数や技術水準が確保できない場合、外注コストが上昇した場合、又は品質・納期上の問題が発生した場合には、当社のサービス提供能力や受注対応力に制約が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、主要な外部パートナー企業と定期的にコミュニケーションを図り、必要な開発リソースを確保できる体制づくりに努めております。また、大型案件についてはプロジェクトマネジメント担当を配置し、品質・納期・コミュニケーション面での統制を強化しております。中期的には、社員数の拡充と共通機能の整備により、外部パートナーへの依存度のコントロールを図ってまいります。 e. 提供サービスのスケーラビリティに関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社が提供するサービスは、取扱データ量、接続数、利用事業者数及び流通量の拡大にともない、より高い処理能力、安定性及び拡張性が求められます。今後、サービス利用の増加や商材流通量の拡大に対して、システム基盤の性能向上やアーキテクチャの高度化が適時に実現できない場合には、応答性能の低下、障害発生頻度の上昇、顧客満足度の低下等を招き、当社の競争力及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、「Spook」の性能向上及び処理効率の最適化に向けた技術検証を継続するとともに、共通基盤化、アーキテクチャの見直し、監視体制の高度化等を進めております。また、プロダクト開発においても、再利用性・拡張性を意識した設計を行い、スケール拡大に耐え得る基盤整備に取り組んでおります。 (5)インフラ・セキュリティ・統制リスク a. 大規模災害・サイバー攻撃等による通信障害のリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社はクラウドサービスの活用等を通じて災害対策を講じておりますが、地震、火災、通信障害、電力供給停止、サイバー攻撃その他予測困難な事象によりシステムトラブルが発生した場合には、当社の事業継続、サービス提供及び経営成績に影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、主要サーバー及びソフトウェア資産のバックアップ体制を整備し、事業継続体制を強化しております。また、セキュリティ対策を目的としたソフトウェア及びハードウェアの導入、監視体制の整備等により、障害及び攻撃発生時の影響最小化に努めております。 b. 知的財産権に関するリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しておりますが、万一侵害が認定された場合には、損害賠償、差止請求、ライセンス料負担等が発生する可能性があります。また、オープンソースソフトウェアの利用にともない、当社開発資産の開示義務等が生じる場合には、事業展開に制約が生じる可能性があります。これらの場合、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社では、外部ソフトウェア及びオープンソースソフトウェアの利用に関するルールを整備し、ライセンス確認の上で一覧管理を行っております。また、知的財産権に関する社員向け研修を実施し、権利侵害リスクの低減に努めております。 2.会社組織に関するリスク (1)人的・組織運営リスク a. 人材確保に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:大) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の事業の継続及び成長には、一定水準以上のスキルを有する技術者、プロジェクトマネジメント人材及び事業推進人材の確保が不可欠です。採用競争の激化や離職率の上昇等により必要な人材を計画どおり確保・育成できない場合には、開発力の低下、案件対応力の不足、成長機会の逸失等を通じて、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 新卒・中途採用を継続的に進めるとともに、学生インターンシップ、技術ブログ、イベント開催等を通じて企業ブランディングの強化を図っております。また、書籍購入、資格取得、勉強会等の支援を通じて育成体制を整備するとともに、賞与相互査定制度等による公正かつ透明性の高い評価を通じて定着率向上にも取り組んでおります。 b. 小規模組織であることに関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社は、事業規模の拡大に比して組織規模が相対的に小さいと見なされることがあり得ます。今後の成長にともない内部管理体制、業務管理体制及びガバナンス体制の整備が十分に追いつかない場合には、適切な業務運営やリスク管理に支障が生じ、当社の事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 内部統制の整備・運用を継続的に見直すとともに、業務の定型化、ルール整備、専門人材の配置、執行役員制度の導入等を通じて、事業規模の拡大に応じた管理体制の高度化に取り組んでおります。 (2)ガバナンス・統制・資本構造リスク a. 代表取締役への依存にかかるリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社の代表取締役屋代浩子並びに屋代哲郎は、当社の創業者であり、経営方針・経営戦略の策定やその実行において重要な役割を果たしております。当社は、両氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、取締役・執行役員・幹部社員への情報共有や権限委譲等によって両氏への過度な依存の脱却に努めておりますが、今後何らかの理由で両氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合には、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 通常業務における権限委譲を進めるとともに、重要事項については経営会議及び取締役会における合議を経て意思決定する体制を整備しております。また、後継人材の育成及び幹部層への経営情報共有の強化を進めております。 b. 個人情報を含む顧客情報の紛失や漏洩等の情報管理に関するリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 業務上、顧客が有する各種秘密情報及び個人情報を取り扱う場合があります。情報管理規程の整備や各種安全管理措置を講じておりますが、万一、情報の紛失、破壊、漏洩、不正アクセス等が発生した場合には、損害賠償請求、信用低下、取引停止等を通じて、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 個人情報保護規程及び情報管理規程の整備、定期的な社員研修、アクセス権管理、暗号化、監視体制の整備等、組織的・人的・物理的・技術的安全管理措置を講じております。また、プライバシーマーク及びISMS認証の維持運用を通じて、情報管理水準の継続的向上に努めております。 c. 当社株式の流動性に関するリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) [リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社株式は、主要株主による保有比率が高いこと等から、市場における流動性が十分に確保されない可能性があります。今後、何らかの事情により株式流動性が低下した場合には、株式売買の停滞や需給悪化を招く可能性があり、当社株式の市場評価に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 流通株式比率及び流動性の向上に向け、主要株主との協議を進めるとともに、適時・適切なIR活動を通じて投資家層の拡大に努めております。
経営成績の分析 (MD&A)6,473字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当事業年度(2025年3月1日~2026年2月28日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いているものの、国際情勢の不透明感や原材料価格の高止まり、為替変動などの影響もあり、先行きについては引き続き慎重な見方が広がる状況となりました。また、生成AIをはじめとするデジタル技術の実装が一層進展する中、業務効率化・高度化を目的としたデジタル投資の需要は引き続き高水準で推移しております。 当社が主にサービスを提供する旅行・観光業界においては、訪日外国人旅行者数(インバウンド)が過去最高水準で推移するなど、引き続き高い需要が維持されております。一方で、政治・外交要因等の影響により訪日需要に変動が見られるなど、市場構造に変化の兆しも見られております。また、国内旅行については、物価上昇等の影響もあり旅行需要は概ね横ばいで推移しております。主要顧客である国内大手旅行会社においては、需要構造の変化に対応した収益構造の見直しやデジタル投資、販売チャネルの高度化に向けた取り組みが進展しております。 こうした事業環境のもと、当社は独自の検索技術基盤「Spook」を軸としたソリューション型サービスと、旅行・観光業界向け商品販売プラットフォーム「webコネクト」を軸としたSaaS型サービスの二軸で事業を展開しております。両サービスはいずれも「開発収益」と「月額収益」で構成され、開発収益はプロジェクトの受注状況や進捗に応じて変動する一方、月額収益は導入顧客数の増加に比例して安定的に積み上がる構造となっております。なお、当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 当事業年度においては、主要顧客における基幹システム刷新や新サービス構築に係るプロジェクトが順調に進行し、開発フェーズの進捗に応じた初期開発収益の計上や、サービスイン後の月額収益の積み上がりなど、事業自体は堅調に推移いたしました。また、当事業年度中において受注時期が後ろ倒しとなっていた新規大型案件につきましても、第4四半期中に設計・開発フェーズの受注及び契約締結が完了しており、プロジェクトは計画どおり進行しております。 当社では、当事業年度末時点において通期業績見通しで想定する売上を達成する水準での決算数値の取りまとめを行いました。その後の監査の過程で収益認識に関する要件の適用について改めて監査法人と協議を行った結果、当事業年度における一部大型案件の進捗に応じた売上につき、翌事業年度に顧客が検収した時点で計上することが適切であるとの結論に至りました。 上記の影響により、2026年2月期の売上高につきましては、期初の業績予想を下回る結果となりました。なお、当該案件は当事業年度中に受注及び契約締結が完了しており、案件自体の進捗に変更はありません。 利益面につきましては、当該大型案件の開発着手を見据えて期中より開発体制の拡充を進めていたことに加え、プロダクトの品質向上や中期的な収益基盤の拡大に向けた新機能開発等の先行的な取り組みを継続的に進めていたことが、売上原価を押し上げる主な要因となりました。これらの費用は、本事業年度の売上計上と対応する形で回収することを見込んでおりましたが、前述のとおり売上の計上が翌事業年度に行われることとなったため、当事業年度の利益減少として表れる構造となりました。 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は2,197,552千円(前期比4.9%減)、営業利益は71,458千円(同66.8%減)、経常利益は74,414千円(同62.5%減)、当期純利益は48,716千円(同63.0%減)となりました。 ② 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて37,227千円減少し、2,154,410千円となりました。これは主に、現金及び預金が57,239千円、仕掛品が42,617千円及びソフトウェアが91,579千円増加したものの、売掛金が103,425千円及び契約資産が79,303千円減少したためであります。 (負債) 当事業年度末における総負債の残高は、前事業年度末に比べて85,944千円減少し、166,532千円となりました。これは主に、未払法人税等が63,636千円減少したためであります。 (純資産) 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて48,716千円増加し、1,987,878千円となりました。これは、利益剰余金が48,716千円増加したためであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度に比べ57,239千円増加し、当事業年度には1,287,720千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、181,193千円(前期は27,578千円の資金の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上74,414千円(前期は198,189千円)、減価償却費の計上73,263千円(前期は53,873千円)、仕掛品の増加額42,617千円、売上債権の減少額103,425千円(前期は売上債権の増加額139,725千円)、契約資産の減少額79,303千円(前期は契約資産の増加額86,318千円)及び法人税等の支払額87,030千円(前期は法人税等の支払額57,404千円)によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、123,953千円(前期は111,318千円の使用)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出109,596千円(前期は105,236千円の支出)によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果使用及び獲得した資金はありませんでした(前期は355,240千円の獲得)。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b 受注実績 当社では、概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 c 販売実績 当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりませんが、第25期事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。 サービス区分   第25期事業年度(自 2025年3月1日    至 2026年2月28日)   前期比(%) ソリューション型サービス 開発(千円)   293,876   △19.8 月額(千円)   459,483   △3.2 SaaS型サービス 開発(千円)   681,887   △21.5 月額(千円)   762,304   27.0 合計(千円)   2,197,552   △4.9 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先   第24期事業年度   第25期事業年度 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) クラブツーリズム株式会社   471,021   20.4   474,237   21.6 株式会社JTB   264,411   11.4   238,177   10.8 株式会社日本旅行   231,280   10.0   234,427   10.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績の分析 a. 売上高 当事業年度の売上高は2,197,552千円(前期比4.9%減)となりました。主要顧客における基幹システム刷新や新サービス構築に係るプロジェクトは順調に進行し、初期開発収益の積み上がり及び月額収益の拡大が進んだものの、一部大型案件における収益認識タイミングの見直しにより、当期に計上を見込んでいた売上の一部が翌事業年度の計上となったことから、減収となりました。 b. 売上原価、売上総利益 当事業年度の売上原価は1,135,238千円(前期比5.6%増)、売上総利益は1,062,313千円(前期比14.0%減)となりました。 大型案件の開発着手を見据えた開発体制の拡充や、プロダクトの品質向上・機能拡張に向けた先行的な取り組みにより売上原価が増加しました。一方で、一部大型案件における収益認識タイミングの見直しにより、当期に計上を見込んでいた売上の一部が翌事業年度の計上となったことから、売上総利益は減少しました。その結果、売上総利益率は48.3%(前期53.5%)となりました。 c. 販売費及び一般管理費、営業損益 当事業年度の販売費及び一般管理費は990,855千円(前期比2.8%減)、営業利益は71,458千円(前期比66.8%減)となりました。 販売費及び一般管理費については、費用抑制に努めた結果、前期比で減少したものの、売上の期ずれにより当期に見込んでいた利益が翌事業年度に後ろ倒しとなったことに加え、開発体制の拡充等に伴う原価増の影響により、営業利益は大幅な減益となりました。営業利益率は3.3%(前期9.3%)と大きく低下しました。 d. 営業外収益、営業外費用、経常利益 当事業年度の営業外収益は2,957千円(前期比151.0%増)、営業外費用は1千円(前期比99.9%減)となり、経常利益は74,414千円(前期比62.5%減)となりました。 営業外費用については、前期に計上していた上場関連費用が当期には発生していないことから大幅に減少しておりますが、営業利益の減少の影響により、経常利益は減少しております。 e. 特別利益、特別損失及び当期純利益 当事業年度において特別利益及び特別損失に重要な発生はありませんでした。この結果、税引前当期純利益は74,414千円(前期比62.5%減)となりました。法人税、住民税及び事業税として20,211千円、法人税等調整額5,487千円を計上した結果、当期純利益は48,716千円(前期比63.0%減)となりました。 ② 財政状態の分析 当社の財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社のキャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローにより調達しております。手許現預金の水準については、過去1年程度の最大月間支出額の2か月分程度の6億円以上が適正であるとの考えのもとに管理しております。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,287,720千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。 当社の資金需要のうち主なものは、人件費、外注費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、継続的なソフトウェア開発であります。 ④ 経営戦略の現状と見通し 経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑤ 経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は売上高、売上高営業利益率を重要な経営指標として設定しています。各指標の推移は以下のとおりであります。 重要指標   第24期事業年度   第25期事業年度 期初予算   実績   期初予算   実績 売上高(千円)   2,199,687   2,310,220   2,492,551   2,197,552 (営業利益(千円))   (171,558)   (215,336)   (249,525)   (71,458) 売上高営業利益率(%)   7.8%   9.3%   10.0%   3.3% また、SaaS型サービスである「webコネクト顧客数」及び「エンジニア稼働一日当たり売上高」をKPIとして管理しております。 a.webコネクト顧客数 (注1)「webコネクト顧客数」は各期に月額収益が計上された顧客となります。 (注2)  顧客区分は「エンタープライズ型」が月額収益300万円超、「スタンダード型」は月額収益100~300万円、「ベーシック型」は月額収益100万円未満として、契約済み顧客から得られる月額収益に応じて分類しています。 b.エンジニア稼働一日あたり売上高 (注)算定方法:稼働一日当たり売上高=(当月の売上高)/(投入した作業量(1日8時間にて日単位に換算))。なお、売上高からは作業が発生しないライセンス費及び請負外注費に対応する売上高を除く。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や取引の状況等を勘案し合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ・受注制作のソフトウェア開発に係る見積総原価 一定の期間にわたり充足される履行義務に係る売上高及び受注損失引当金の算定に係る重要な見積りは見積総原価であり、その見積総原価における主要な仮定は、ソフトウェア開発の作業内容にともない発生が見込まれるソフトウェア開発人員の工数及び外注費等が挙げられます。 総原価の見積りはソフトウェア開発の進行に応じて適時、適切に見直しを行いますが、契約ごとに個別性が高く、顧客からの要請の高度化・複雑化や開発段階でのシステム要件の変更、納期の変更等により、見積総原価が変動することがあります。翌事業年度以降、当該見積総原価の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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