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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ZenmuTech

338A · Growth · 情報・通信業

独自の秘密分散技術「ZENMU-AONT」を核に、情報漏洩対策と秘密計算のソリューションを提供するセキュリティ専門企業。

概要

株式会社ZenmuTechは、秘密分散技術「ZENMU-AONT」を中核とする情報セキュリティ企業である。2014年にシンクライアント関連事業で創業し、2017年に現商号へ変更。2025年3月に東京証券取引所グロース市場に上場した。従業員36名、売上高は2024年12月期に6億円、2025年12月期には9億円に成長。主力の情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」は約11万5千人のユーザーに利用されている。

秘密分散技術を核とした単一事業セグメント

当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントで構成される。中核技術は独自の秘密分散アルゴリズム「ZENMU-AONT」であり、暗号鍵を使わずにデータを無意味化して分散する点が特徴である。収益はライセンス一括販売のフロー型、サブスクリプション契約、保守単独契約の三形態から成る。主力製品「ZENMU Virtual Drive」はPC内データを保護し、代理店経由で金融機関、コンサルティングファーム、ITベンダーなどに販売される。2025年12月期の売上高は851百万円(前期比31.3%増)、営業利益144百万円、当期純利益155百万円を計上した。

ZENMU Virtual Driveが牽引するビジネスモデル

情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」は、PC上のデータを秘密分散技術で無意味化し、サーバーやクラウド、USBなどの外部デバイスに分散保管する。オフラインでも動作し、ネットワーク負荷が小さく、VDIと比較して導入・運用コストを抑えられる。ライセンス数1,000件以上の大規模案件を代理店と協業で獲得しており、2025年にはディザスタリカバリオプションも提供開始した。サブスクリプション契約が増加し、安定収益の基盤を形成している。

秘密計算ソリューションQueryAheadへの事業展開

秘密分散技術を応用した秘密計算ソリューション「QueryAhead」を2021年に提供開始した。データを暗号化したまま計算・分析できるため、組織間のデータ連携やプライバシー保護に有効である。産業技術総合研究所との共同研究に基づき、CRESTやAIP加速課題、SIPプロジェクトにも参加して技術を磨いてきた。秘密計算ビジネスの売上は2023年12月期50百万円から2025年12月期132百万円へ拡大し、米国市場への展開も視野に入れている。

産学連携と研究開発で築く技術基盤

2018年より産業技術総合研究所と秘密分散技術の安全性評価で共同研究を開始。以後、CREST(2019~2022年)やAIP加速課題(2022年~)での協業、光・量子技術を活用したSIPプロジェクト(2023年終了)など国家プロジェクトにも参画している。2023年にはAIST SolutionsからAISolスタートアップに認定された。医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)への参画やドローン向け秘密分散の実証試験など、新分野への応用研究も積極的に進める。

業界の中での役割は情報セキュリティソリューションベンダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
9億円
営業利益
1億円
営業利益率
11.1%
純利益
2億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01情報セキュリティ主力

自社開発の秘密分散技術「ZENMU-AONT」を活用した「ZENMU」シリーズを展開。PC向け情報漏洩対策「ZENMU Virtual Drive」はシンクタンク・金融機関・ITベンダーなどで導入され、ライセンス販売と保守契約を組み合わせたストック型ビジネスで収益を得る。

主な製品・サービス2
ZENMU Virtual Drive
PCのデータを暗号化し複数の分散片に分割・保管する情報漏洩対策ソフト。分散片の一部が漏れても元データを復元できないため、紛失・盗難対策として有効。オフラインでも動作し、VDIと比べコストを抑えられる。
ZENMU Engine
秘密分散技術を顧客のソリューションに組み込むためのソフトウェア開発キット。OEM開発支援やロイヤルティ収入も得る。

02データ利活用(秘密計算)準主力

産総研と共同研究した秘密計算技術を応用した「QueryAhead」を開発。データを秘匿化したまま計算処理ができるため、組織間のデータ共有や分析の高度化に貢献する。事業化に向けパートナー開拓や委託研究を進める。

主な製品・サービス1
QueryAhead
データを暗号化したまま計算できる秘密計算ソリューション。クラウドや社内サーバーなど環境を問わず安全にデータ分析・受け渡しできる。

03組み込み・その他その他

設立当初から行うシンクライアント向け「Windows Embedded OSのカスタマイズ」や「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」を提供する。既存顧客からのリピート案件中心に収益を得る。

主な製品・サービス1
Embeddedソリューション
シンクライアント向けOSのカスタマイズや導入コンサルティング、運用支援を行う。

製品と技術

ZENMU Virtual Drive – PCデータを無意味化する情報漏洩対策

主力製品「ZENMU Virtual Drive」は、秘密分散技術ZENMU-AONTを用いてPC内のファイルを暗号化した上で複数の無意味な分散片に分割し、サーバー、クラウド、USB等に分散保管する。復元には全ての分散片が必要で、暗号鍵やパスワードを不要とする。オフラインでも動作し、ネットワーク負荷が低いためVDIより低コスト。2025年には自然災害時にも利用を継続できる「ディザスタリカバリオプション」を追加した。約11万5千人のユーザーに利用され、主に代理店経由で販売される。

ZENMU Engine – 他社製品に組み込める開発キット

「ZENMU Engine」はZENMU-AONTの秘密分散機能を顧客のソリューションに組み込むためのソフトウエア開発キットである。ライブラリ形式で提供し、技術支援やOEM開発のコンサルティングも行う。具体事例として、デジタルウォレットにおける秘密鍵の秘匿化処理に採用されたほか、株式会社日立システムズエンジニアリングサービスが監視カメラ映像向けに「秘密分散フォービデオ」として販売している。収益はSDKライセンス、保守料、OEMロイヤルティから得る。

QueryAhead – データを秘匿したまま分析可能な秘密計算

「QueryAhead」は秘密分散技術を応用したMPC方式の秘密計算ソリューションである。データを暗号化したまま計算・通信・保存でき、クラウドや社内サーバーを問わず安全にデータ分析が可能。組織間のデータ連携やプライバシー保護が必要な分野での活用が期待される。産総研との共同研究を基に開発し、CRESTやAIP加速課題で実証を進めてきた。2025年12月期の秘密計算ビジネス売上は132百万円で、米国市場開拓も視野に入れている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

AIソリューション特化、小規模ながら急成長

ZenmuTechはAI・画像認識技術を活用したソリューションを提供する情報通信企業。売上高は6億円(2024年12月期)と小規模だが、営業利益率16.67%と高収益。同業のソラコムはIoTプラットフォーム、VRain SolutionはVR、Cocoliveはライブ配信とそれぞれ異なる領域に特化。ゼンムテックはAIエッジコンピューティングに強みを持つが、事業規模が小さく、競合との差別化と拡大が急務。

強み

  • AI・画像認識分野で独自のアルゴリズムを保有。
  • 少人数で高付加価値サービスを提供。
  • AI需要拡大で大きな成長可能性。
  • 小規模ゆえにきめ細かなサポートが可能。

課題

  • 売上10億円未満で、安定性に欠ける。
  • 類似技術の競合が多く、独自性を維持する必要。
  • 販路拡大とマーケティング力の向上が不可欠。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がZenmuTech

時価総額で並べると、掲載11社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
13680ホットリンク33億円
29466アイドママーケティングコミュニケーション33億円17.8倍
34380Mマート33億円15.8倍
44198テンダ33億円176.3倍
5338AZenmuTech32億円53.3倍
69419ワイヤレスゲート32億円10.8倍
7148Aハッチ・ワーク32億円19.7倍
83842ネクストジェン32億円11.0倍
95578ARアドバンストテクノロジ31億円13.1倍
10330ATalentX31億円12.1倍
113858ユビキタスAI31億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 16件

シンクライアント関連事業で創業した2014年

2014年3月、東京都渋谷区において「シンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフトVUMS」(2018年販売終了)、Windows Embedded OSのカスタマイズ、シンクライアント基盤最適化コンサルティングの3事業を中核とする株式会社シンクライアント・ソリューション総合研究所を設立。同年6月には知財ビジネスを目的に創業者出資で株式会社ICT・パテント・マネジメントを設立した。

社名変更と合併を経た2015~2016年

2015年2月、略称として認知されていた「TCSI」に正式名称を統一するため株式会社TCSIへ社名変更。2016年1月には株式会社ICT・パテント・マネジメントを吸収合併し、知的財産の管理基盤を強化した。同年4月には本社を東京都品川区に移転し、事業拡大に備えた。

ZenmuTechへの改称と秘密分散技術への集中(2017年)

2017年1月、認知度向上とブランド確立のため商号を株式会社ZenmuTechに変更。同時に秘密分散ソリューションの名称を「PASERI」から「ZENMU」に統一し、同技術に経営資源を集中する方針を明確にした。2018年4月には秘密分散処理ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」の提供を開始、技術の応用範囲を広げた。

産総研との共同研究と製品拡充(2018~2019年)

2018年4月、国立研究開発法人産業技術総合研究所と秘密分散技術ZENMU-AONTの安全性評価に関する共同研究を開始。以後、CREST(2019~2022年)やAIP加速課題(2022年~)での協業に発展。同年11月には内閣府SIPプログラムの「光・量子を活用したSociety5.0実現化技術」に共同研究機関として参加(2023年終了)。2019年6月にはPC向け情報漏洩対策「ZENMU Virtual Desktop」をリリースした。

秘密計算QueryAheadの提供開始(2021年)

2021年2月、データを秘匿したまま演算可能な秘密計算ソリューション「QueryAhead」の提供を開始。産総研の理論と自社の秘密分散技術のノウハウを融合した製品である。同年11月にはZENMU Virtual Desktopの後継として「ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition」をリリースし、情報漏洩対策ラインアップを強化した。

グロース市場上場と成長基盤の確立(2023~2025年)

2023年8月、株式会社AIST SolutionsからAISolスタートアップに認定され、研究開発力が評価された。2025年3月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場。同時に本社を東京都中央区新川に移転した。上場による増資で資本を強化し、2025年12月期の売上高は9億円(前期比50%増)を見込む。長期借入金を完済し、自己資本比率は62.9%に改善した。

年表16件を開く

2010年代

  • 2014年3月創業東京都渋谷区において「シンクライアント(※1)用仮想USBデバイス統合管理ソフト VUMS」(2018年をもって新規販売を終了)、シンクライアント用「Windows Embedded OSのカスタマイズ」、「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」の3つを事業の中核とし、株式会社シンクライアント・ソリューション総合研究所設立
  • 2014年6月創業東京都渋谷区においてVUMSの特許権管理など知財ビジネスを目的に当社創業者である田口善一および岡積正夫の出資により株式会社ICT・パテント・マネンジメントを設立
  • 2015年2月商号変更略称として認知されてきた「TCSI」に正式名称を統一するため、株式会社TCSIへ社名変更
  • 2015年8月秘密分散技術を利用したPC向け情報漏洩対策ソリューション「PASERI for PC」のサービス提供開始
  • 2016年1月M&A株式会社ICT・パテント・マネジメントを当社が吸収合併
  • 2016年4月東京都品川区に本社を移転
  • 2017年1月商号変更当社事業の認知度向上と企業ブランドの確立を図るため、秘密分散ソリューションの名称を「PASERI」から「ZENMU」へ変更するとともに株式会社ZenmuTechへ商号変更
  • 2018年4月商号変更国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産業技術総合研究所という。)と、「秘密分散技術ZENMU-AONT(※2)に関する安全性評価」に関する共同研究開始 以後、戦略的創造研究推進事業チーム型研究「CREST」(※3)において「(プライバシー保護データ解析技術の社会実装」に関する協業(2019年4月~2022年3月)及び、AIP加速課題(秘密計算による安全な組織間データ連携技術の社会実装)での協業を2022年4月より実施 2023年10月より共同研究契約の当事者を産業技術総合研究所子会社である株式会社AIST-Solutionsに変更して本書提出日現在まで継続中
  • 2018年4月秘密分散処理ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」のサービス提供開始
  • 2018年11月内閣府科学技術・イノベーション推進事務局による戦略的イノベーション創造プログラム(※4)において、「「光・量子を活用したSociety5.0実現化技術」の研究課題の一つである「量子暗号技術と量子セキュアクラウド技術に関する研究開発」に共同研究機関として参加(2023年2月プロジェクト終了)
  • 2019年6月PC向け情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Desktop」のサービス提供開始

2020年代

  • 2020年3月東京都中央区銀座に本社を移転
  • 2021年2月データを秘匿したまま演算処理を実行することのできる秘密計算ソリューション「QueryAhead」の提供開始
  • 2021年11月「ZENMU Virtual Desktop」の利便性をさらに高めたPC向け情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition」のサービス提供開始
  • 2023年8月株式会社AIST Solutionsから、AISolスタートアップ(※5)として認定
  • 2025年3月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場 東京都中央区新川に本社を移転

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    秘密分散ソリューションの推進

    主力の「ZENMU Virtual Drive」でVDI導入企業への置き換え提案やローカルデータ保護オプションとしての販売代理店連携を強化。IoT機器向けOEM展開により活用領域を拡大する。

  2. 02

    秘密計算ソリューションの事業化

    秘密分散技術を応用した秘密計算で、暗号化したままデータ解析を可能にし、金融・製造・物流・材料開発・ヘルスケア分野をターゲットに企業連携を進める。

  3. 03

    海外市場(特に米国)への展開

    大規模スタートアップ展示会への出展や大手シンクタンクとの共創により、グローバルなマーケットでの事業機会を模索する。

  4. 04

    データ保護からデータ活用への移行

    5G時代を見据え、クラウドストレージ上のデータ保護と、保護されたデータの利活用を促進する秘密計算技術の向上に注力する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で36人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は753万円で、1期前と比べて+13.3%平均年齢は49.4歳、平均勤続年数は4.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年12月66549.84.134294
2025年12月75349.44.636278

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都中央区71百万円

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は9億円営業利益1億円前期と比べると増収増益で、売上が+50.0%、利益が+0.0%。

売上高
+50.0%
9億円
営業利益
+0.0%
1億円
純利益
+100.0%
2億円
営業利益率
11.1%
前期比 -5.6%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高11億円9億円
営業利益2億円1億円
純利益3億円2億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

半期ごとの推移

3期分

直近は2026年上期で、売上は3億円、営業利益は−1億円。前年の2025年上期と比べると、売上は+0.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2025年上期300.00
2025年下期6116.72
2026年上期3−1−33.3−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。四半期報告書の廃止(2024年)以降は半期の粒度になります。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

2020年12月期からの6期で、売上は1億円から9億円へ9.0倍に増えた。直近期の営業利益率は11.1%。売上は3期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2020年12月1−1−1
2021年12月20−1
2022年12月2−1−1
2023年12月411
2024年12月61116.71
東京証券取引所グロース市場に株式を上場 東京都中央区新川に本社を移転
2025年12月91211.12

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高9億円のうち、営業利益として残るのは1億円11.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2億円、売上の22.2%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金11.1%1億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金66.7%6億円
  • その他の費用持分法損益などの調整11.1%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益11.1%1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
88.9%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+2.7pt
11.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+15.6pt
22.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+16.8pt
29.9%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
15.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
14.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2025年12月期は営業CFが0億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−1億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は8億円で、売上の10.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年12月10011
2023年12月00203
2024年12月20025
2025年12月0−14−18

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2025年12月期の総資産は13億円。このうち返さなくてよい自己資本が8億円で、自己資本比率は62.9%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2020年12月2−13
2021年12月202
2022年12月1−23
2023年12月62426.2
2024年12月72435.4
2025年12月138562.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
8億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-2億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
5億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
72
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率22 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中20位あたり、逆に低いのは自己資本比率605社中310位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
29.9%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
11.1%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
62.9%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
50.0%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,343で、1年前と比べて-38.4%過去52週の値幅のなかでは16%の位置にある。

¥2,343+9.7%1ヶ月+12.9%1年-38.4%時価総額32億円
過去52週の値幅
安値¥1,890高値¥4,780

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)53.3倍
PER (会社予想)21.1倍
PBR4.03倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は6月下旬の2000円前後から7月6日に2439円まで上昇したが、その後は下落基調に転じ、8月4日は2075円。前日比0.3%安。1か月で14.9%下落しており、25日移動平均線(2140.44円)を下回る。52週高値4925円からは58%下落、52週安値1890円からは9.8%上昇。RSIは44.38とやや弱含む。出来高は7月2日に12万株超と膨らんだが、その後は縮小傾向。ボラティリティの高い値動きが続いている。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 40/100)

PERが34.62倍と同業界平均の30.27倍を上回り、PBRは3.57倍で平均の3.46倍をわずかに上回る。ROEは29.9%と非常に高いが、成長性を鑑みてもPERの高さが目立つ。配当利回りはゼロで、株主還元がなく、高成長を織り込んだ評価がなされている。売上は増加傾向にあるが、営業利益率が低下しており、成長の質に疑問が残る。無配当であることや利益率の低下傾向を考慮すると、現時点のバリュエーションはやや割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)53.3倍47.9倍
PER (予想)21.1倍
PBR4.03倍2.96倍
ROE29.9%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

AI関連ビジネスの成長期待から強気の見方がある一方、小規模な売上高に対して株価評価が高く、実態が伴うかが争点。2024年12月期の売上高6億円に対し時価総額28億円で、PER34.6倍と割高感。強気派は、AI需要の追い風と粗利率改善余地を指摘し、今後の高成長を期待。弱気派は、売上規模が小さく、受注の大型化や継続性に乏しく、収益が計画未達に終わるリスクを懸念。

プラスに働く材料7
  • AI追い風

    企業のAI投資拡大でコンサル需要が増加基調

  • 利益改善

    2025年12月期に営業利益率11.11%へ上昇

  • 独自プロダクト

    自社開発AIが、受託と相乗効果の可能性

  • 2025年12月期売上高9億円、2年間で2.3倍に拡大2025年12月期影響

    売上高は4億円(2023/12)から6億円(2024/12)、9億円(2025/12)と急成長

  • ROE29.9%の高収益体質が継続継続影響

    ROE29.9%、PBR3.57倍でも資本効率の高さが成長を支える

  • 純利益2億円と過去最高益を更新2025年12月期影響

    純利益は2024/12期の1億円から2025/12期に2億円へ倍増

  • 外国人保有比率6.1%と低く、上昇余地不定影響

    外国人保有比率6.14%、時価総額28億円と小型株で買い増し需要が見込める

マイナスに働く材料7
  • 売上小粒

    売上高9億円規模で、市場評価が先行気味

  • 競争激戦

    AI分野は大手も参入、差別化が困難

  • 業績変動

    プロジェクト依存、営業利益率11%と不安定

  • 予想PER34.6倍と高バリュエーション通年影響

    PER34.62倍、純利益2億円に対し時価総額28億円と評価が先行

  • 営業利益率は16.7%から11.1%へ悪化2025年12月期影響

    営業利益率は2024/12期16.67%から2025/12期11.11%へ5.56pt低下

  • 株価1年で51.4%下落、戻り待ちの売り圧力継続影響

    株価変化率は-51.35%、時価総額28億円で流動性が低い

  • 無配当で成長頼みの株価形成通年影響

    配当利回り0%、株主還元がなく業績悪化時に買い支えがない

次の決算で確かめる点
売上高成長率
AI需要の取り込み状況を確認
営業利益率
プロジェクト収益性の改善度
受注残高
将来の売上確保を測る
顧客単価
大型案件の獲得状況を見る

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ2,521人。区分でいちばん多いのは個人・その他63.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が21.1%を占め、残る78.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年12月%2025年12月%
個人・その他38.163.9
事業法人46.720.5
証券会社15.28.9
外国法人5.6
金融機関0.5
外国人個人0.5

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01岡積 正夫6.99
02セグエグループ株式会社5.91
03田口 善一5.21
04有限会社Win44.68
05ミツイワ株式会社2.94
06松倉 泉2.94
07BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.26
08株式会社SBI証券2.24
09富士通クライアントコンピューティング株式会社2.06
10楽天証券株式会社共有口1.88

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近5
  • 2026-04-23
    田口 貴良
    新規の大量保有報告
    3.31%
    +2.87pt
  • 2026-04-23
    田口 貴良
    新規の大量保有報告
    0.44%
  • 2026-04-23
    田口 善一(相続人代表 田口 貴良)
    新規の大量保有報告
    0.00%
    -5.21pt
  • 2026-04-23
    田口 善一(相続人代表 田口 貴良)
    新規の大量保有報告
    5.21%
  • 2026-04-23
    田口貴良
    新規の大量保有報告
    3.31%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は6期で+100%、1株純資産は2期で+175%。直近期のROEは29.9%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%
2020年12月−25,646
2021年12月−10,447
2022年12月−118
2023年12月74
2024年12月7421740.9
2025年12月12159529.9

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額80百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
阿部泰久代表取締役社長CEO543,800
國井晋平専務取締役 COO兼CTO661,400
酒井茂輝取締役 CFO兼CWO431,200
白川彰朗社外取締役701,000
佐藤哲平取締役 監査等委員776,000
轟芳英取締役 監査等委員62
樽本哲取締役 監査等委員49
髙栁文子取締役 監査等委員50

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4606015
社外取締役413133
監査役1777

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容5,469字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、「データの保護、データの利活用を追及する」をミッションとして、安心・安全なデータセキュリティを社会に提供するため、自社開発した秘密分散技術「ZENMU-AONT」(※1)を活用した「秘密分散ソリューション『ZENMU』シリーズ」の展開、及び国立研究開発法人産業技術総合研究所により開発された理論と「ZENMU-AONT」開発のノウハウを生かした「秘密計算(※2)ソリューション」(「QueryAhead」)の開発を進めております。なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであります。 (1) 秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ 従来、セキュリティで用いられる一般的な暗号化技術(※3)では、暗号化された元データを暗号鍵やパスワードで管理するため、暗号鍵やパスワードを詐取されてしまうと、情報漏洩のおそれがありました。しかも、パスワードは増え続けることで管理が難しくなり、同一のパスワードを使い回す懸念もあります。これに対して当社の「ZENMU-AONT」は、「データ自体を無意味なものとして扱う」という新しい発想のセキュリティであり、データを暗号化したうえで複数の意味のないデータに変換・分散し、分散片単独では元のデータの復元や解析をできないようにする処理(データの無意味化)を行います。データの復元には暗号鍵やパスワードによる管理ではなく、全てのデータの分散片をそろえることで復元するアルゴリズムを実現しています。暗号鍵やパスワードによる管理を必要とすることなく、データを守ることを実現しました。また、分散片の数やデータサイズを任意に設定可能であり、データサイズは最小で32バイトであるため、ネットワークやストレージに大きな負荷をかけることがなく、分散処理や復元処理の高速化が可能となっています。 当社の秘密分散ソリューションのうち主力である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」は、シンクタンク、コンサルティングファーム、金融機関、ITベンダーなどで活用されておりますが、特定の業界や企業規模に限定されず利用することが可能です。当社ソリューションにおいては、契約先で使用されるPC端末毎にライセンスを付与することとしておりますが、ライセンスの販売形態として、①ライセンスのみを一括して販売するフロー型、②ライセンス契約と保守契約及びアプリケーションのアップデート対応が一体となったサブスクリプション契約、③ライセンス利用に係る保守単独契約の三形態があり、②③をストック型形態と位置づけております。販売経路は主に代理店を介しており、近年はライセンス数1,000件以上の大規模案件を代理店との協業により獲得していくことが多くなっております。こうしたフロー型及びストック型のビジネスモデルの概況は以下のようになっております。 当社の秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズの主なサービス・製品の詳細は次のとおりです。 ①情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」 「ZENMU Virtual Drive」は秘密分散技術を使用したPC向けの情報漏洩対策ソリューションであり、上の図の「ZENMU for PC」や「ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition」の総称です。サーバー、クラウド、USB、スマートフォン、ウエアラブル端末などあらゆるデバイスに、PCに内蔵されているデータの一部を自由に分散保管し、分散片を外部で管理する仕組みとなっています。保管先も、無意味化されたデータであれば、高価なストレージである必要はないため、新規にサーバー等の追加投資をする負担が少なく、パブリッククラウド(※4)の利用も可能です。 また、PCの操作に不慣れな方にも複雑な操作を必要とすることなく快適に利用できる、ユーザビリティの高さをコンセプトに開発を進め、シンプルな画面設計で通常のPC上の操作とほぼ同様に扱えるようになっております。データを分散保管したPCと外部のデバイスとの接続時に自動で分散片をPC上でマウント(結合)し、復元されたデータにアクセス可能な状態にしています。 仮に、データの分散片が保管されているデバイスの紛失や盗難に遭ったとしても、管理者が分散片へのアクセスを停止すればデータを復元することができなくなるため、セキュリティリスクは軽減されます。データの無意味化により、分散片の一部のデータだけでは元のデータを推測することは、現実的な処理時間では不可能な状態となることから、個人情報保護委員会が規定する「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」上の「漏洩等事案に係る個人データ又は加工方法等情報について高度な暗号化等の秘匿化がされている場合」に該当する状態であり、当社では分散片の一部の漏洩は情報漏洩には該当しないものと判断しております。 従って、社外へのPCの持ち出しやリモートワーク等の際、紛失・盗難時の有効な対策になり得ると考えております。エンドポイントセキュリティ(※5)として、従業員のリモートワークなどの多様な働き方を重視し、セキュリティインシデント発生の抑制及び発生時の被害のリスクを減少したい顧客への導入が増加し、他社ブランドとしてOEM提供しているものを含め本書提出日現在約11万5千人(注)の方にご利用頂いております。 さらに、オフラインでも利用でき、ネットワーク環境に影響されず、安定的なパフォーマンスを維持することができます。ネットワーク環境には依存せず、アクセスの集中時やWeb会議で通信負荷が増大した際のレスポンスの悪化や処理速度の低下といった事態は生じず、大量の処理を実行するサーバー等のリソースが不要であるため、情報セキュリティソリューションの選択肢の一つであるVDI(※6)と比較して、導入・運用に係るコストを抑えられる特徴があります。 また、顧客が必要としている時に即時に試用・提供が可能であり、顧客側においても、サーバー等の新たな固定資産の設備投資への負担が少ないため、ソフトウエア開発等の受託開発型に比して、導入までの意思決定期間を短くすることができます。 当社では、常にカスタマーサポート部門と技術開発部門が連携してサービスの改善・強化に努め、顧客から選ばれるサービスの継続を目指しております。 (注)当社製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約ライセンス数と保守契約ライセンス数の合計値になります。 ②秘密分散ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」 「ZENMU Engine」は「ZENMU-AONT」の秘密分散技術を顧客のソリューションに組み込むことができるようにするための製品(ライブラリ)であり、ソフトウエア開発キットとして提供しています。また、顧客の要望に応じて「ZENMU Engine」を組み込んだOEM商品の開発に対するコンサルティングなどの技術支援を行っております。 「ZENMU Engine」に係る課金形態として、顧客の利用目的に応じたソフトウエア開発キットのライセンス収入を得るほか、ライセンス利用に伴う保守契約を締結し、保守料を収受しております。また、OEM商品の開発に際して、コンサルティング料を収受するほか、OEM商品の収益に応じたロイヤルティを得る収益形態となっております。 <ZENMU EngineのOEM商品の事例> a.デジタルウォレット NFT(※7)及び暗号資産の取扱もできるデジタルウォレットの保護の要として、秘密鍵の秘匿化処理に「ZENMU Engine」の技術が採用されました。デジタルウォレットは、今後、メタバースと言われるインターネット上の3次元の仮想空間におけるサービスやNFTマーケット、暗号資産決済等、Web3(※8)サービスでは必要不可欠となるため、今後の利用拡大も期待されます。 b.防犯・監視カメラ 個人の顔が識別できる映像データは個人情報にあたりますが、秘密分散技術によって映像データを分散保管することによりセキュリティが強化され、漏洩や盗聴、窃取から守ることができ、株式会社日立システムズエンジニアリングサービスから「秘密分散フォービデオ」として提供されております。 (2) 秘密計算ソリューション 当社では、秘密分散技術を応用し、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究を基に秘密計算ソリューション「QueryAhead」を開発しました。秘密計算技術を用いることで、データを秘匿化したまま計算や通信、保存などの処理を行い、クラウドや社内サーバーなど環境を問わずに安全にデータの受け渡しや加工・分析が可能となり、データの利活用の活性化によるビジネス機会の創出、産業の活性化が期待されます。 当社では、複数の企業と連携して、秘密計算技術の開発・改良などの研究開発を進めるほか、秘密計算ソリューション「QueryAhead」を利用したサービスの事業化を目指すパートナーの開拓や委託研究の受託役務等を進めております。 (3) その他 秘密分散ソリューションおよび秘密計算ソリューションの開発・提供とは別に設立当初から行っております、シンクライアント用「Windows Embedded OSのカスタマイズ」及び「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」を「Embedded」ソリューションとして提供しており、既存代理店の案件や導入済顧客からの追加導入やPC更新時などのリピート案件について顧客の運用に応じたコンサルティングやカスタマイズ作業などの受託役務から収益を得ております。 ■用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義は次のとおりであります。 番号   用語   意味・内容 ※1   秘密分散技術 「ZENMU-AONT」   秘密分散技術「ZENMU-AONT」とは、情報を暗号化技術によって複数の分散片に分け、すべての分散片がそろわないと復元が不可能とするAONT(All or Nothing Transform)方式を用いた独自の秘密分散アルゴリズム(手順・計算方法)です。分散片はそれぞれ意味を持たず、32バイトまで小さくすることができ、分散後のデータサイズが大きくならないため、ネットワークに負荷をかけることなく、分割や復元処理が高速で可能となり、情報を無意味化することができる技術です。   ※秘密分散技術のイメージ ※2   秘密計算技術   秘密計算技術とは、データを暗号化したまま計算することができる技術の総称であり、データ分析でのプライバシー保護を強化する技術のひとつです。秘密計算技術により、機密データの直接的な送受信を避け、暗号化したままデータ分析が実施できることから、組織間のデータ共有などアナリティクスの高度化につながると期待されています。 ソフトウエア上で秘密計算を行う方式として、暗号化したまま計算する方式(準同型暗号方式)と秘密分散技術を利用したMPCと呼ばれる方式があり、当社は秘密分散技術のノウハウを活かしMPC方式の秘密計算技術の事業化に取り組んでおります。 ※3   暗号化技術   元のデータや通信内容を不規則な文字列に変換する処理のことであり、仮に個人情報が流出したとしても、データはランダムな文字列で表示されるため、第三者による解読や悪用を防止することができる技術です。 データを暗号化するため、また、暗号化したデータをもとのデータに戻す(復号化)ために使用される文字列を暗号鍵(または単に「鍵」)と呼び、主要な暗号化方式のひとつである公開鍵暗号方式ではペアとなる別の鍵を生成し暗号化と復号化で別々の鍵を使い分け、暗号化に用いる鍵を「公開鍵」、復号化に用いる鍵を「秘密鍵」と呼びます。 番号   用語   意味・内容 ※4   パブリック クラウド   情報システムのインフラをサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、誰でもインターネットからアクセスして利用することができます。 ※5   エンドポイントセキュリティ   ネットワークの末端に接続されているPCやモバイル端末などの「エンドポイント」を保護するセキュリティ対策です。 ※6   VDI   Virtual Desktop Infrastructure(仮想デスクトップ基盤)の略称で、デスクトップ仮想化や仮想デスクトップなどと呼ばれます。OSやアプリケーションなどのデスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約したものであり、利用者はシンクライアントPCからネットワークを通じてサーバー上の仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作することができます。 ※7   NFT   正式名称はNon-Fungible Token(非代替性トークン)で、改ざんが難しいブロックチェーン技術を使って、所有者情報などを保証するデジタル資産です。 ※8   Web3   次世代の分散型インターネットのことであり、ブロックチェーンなどの技術を活用して、データを分散管理します。 以上で述べました事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題7,448字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目であると認識しております。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、「安心・安全な情報の利活用で世界を変える」ことを目的として、事業に取り組んでおります。 そのビジョンとして、 ・当社のソリューションを通して、安全な情報社会の一翼を担う。 ・情報の利活用により、潜在価値の発掘・新たな価値の創造に貢献する。 を基本方針に、情報セキュリティ事業を展開してまいります。 (2) 経営環境 ビッグデータやAIの発展により有用なデータが蓄積されるようになり、企業間でデータを活用し、製品・サービスの改善や労働生産性の向上、新たな市場の出現等が期待されています。しかし、そのデータは、サイバー攻撃による広範囲に影響をもたらす情報漏洩、従業員がPC等のデバイスを外部に持ち出すことによる過失や内部不正による漏洩及び紛失、ハッキング、改ざん等のリスクにさらされており、データにアクセスするエンドポイントデバイスやモバイルデバイスに対するセキュリティソリューションの需要が高まっております。このような現状を踏まえ、世界のエンドポイントセキュリティ市場規模は、2023年から2030年にかけて 年平均成長率 7.4%で拡大し、2030年には288億米ドルに達すると予測されています。(注1) さらに、主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」は、情報漏洩対策のソリューションとして位置付けることが可能であり、類似の目的として利用される仮想デスクトップソリューションの市場規模は2024年の予測では834万ユーザー程度と推定されており、新型コロナウイルス感染症の流行を背景にしたリモートワークの導入または拡大を検討する企業からの需要により2027年まで緩やかな成長が見込まれており(注2)、価格差や利便性を強みとした置き換え提案、またはオフライン対応やローカルデータ保護としての同時利用による共存により、同市場のユーザー数の獲得による成長が見込まれます。なお、当社の売上高の推移は以下のようになっております。 今後は特に、「ZENMU Virtual Drive」を中心とした秘密分散ビジネスが順調に伸長していくものと予想しております。当社の秘密分散技術によるソリューションは、PC等のデバイスにあるデータをセキュアに保護し、上記の仮想デスクトップソリューションに対して導入費用およびランニングコストの両方において低コストかつ秘密分散技術の利用によりデータの通信量が小さく、ネットワーク環境に左右されずに作業スピードを維持することができることに優位性があると考えており、セキュリティ対策とコスト、業務効率の両立を重視する顧客に対して最適なソリューションの提供に努めていく方針であります。 <事業別売上高の推移> 2023年12月期   2024年12月期   2025年12月期 秘密分散ビジネス(千円)   376,727   511,858   700,547 秘密計算ビジネス(千円)   50,280   120,000   132,532 その他(千円)   13,783   17,083   18,863 合計   440,791   648,942   851,943 また、後述の秘密計算技術につきましては、海外市場(特に米国市場)は既に活況を呈しており、秘密計算「Confidential computing」の世界市場の規模は2024年に160-180億ドル、2026年に520-540億ドルと推定されるなど拡大することが予想され、「Confidential computing」の中でも当社が採用する「Multi-party computing」においても、次の図のように2024年から2026年にかけて高い成長が見込まれており、2026年には30億ドルの市場になると推定されております。(注3) このような環境のもと、グローバルなマーケットを見出すため、米国の大規模なスタートアップ展示会への出展を行い、大手シンクタンクとの共創によりソリューションを適用できる領域をリサーチするなど、事業化に向けて取組んでまいります。 (注)1.IDC Japan㈱ 国内クライアント仮想化市場予測、2023年~2027年 2.Grand View Research, Inc.「エンドポイントセキュリティの市場規模、シェア、動向分析レポート:コンポーネント別、展開別、組織別、用途別、地域別、セグメント予測、2023年~2030年」 3.CONFIDENTIAL COMPUTING CONSORTIUM「Common Terminology for Confidential Computing」 (3) 中長期的な経営戦略 データの「保護」からデータの「活用」へ デバイスに残されているローカルデータの保護は当社の秘密分散ソリューションで保護することが可能となりますが、今後、5G(第5世代移動通信システム)により通信環境が飛躍的に伸びることが期待される中で、クラウドストレージ上に保存されるデータの保護に移行していくことが予想されます。当社は、このような情勢にも対応すべく製品開発に注力し、さらに、保護された膨大なデータの利活用を促進し、新しい価値を創造することができるよう秘密計算技術の向上に努めてまいります。 各ソリューションの事業戦略は次のとおりです。 ■秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ 当社の事業の柱である、秘密分散ソリューションにつきましては、下記の活動を推進してまいります。 ①ZENMU Virtual Drive 主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」に関しましては、一部企業に出社回帰の動きがみられるもののコロナ禍により拡大したリモートワークが定着しており、オフィス出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドワークが主流となり、引き続きPCの持ち出しとその際のセキュリティ需要は根強いものと見込んでおります。 このような市場環境に対して、VDI導入済企業や導入検討中の企業に対して引き続き価格差や利便性を強みとした置き換え提案をおこなうほか、VDIを利用しているもののPC内に一部保存されるローカルデータ保護を目的に、VDI利用企業を顧客にもつ販売代理店と連携しVDIの追加オプションとして「ZENMU Virtual Drive」の機能制限版を提案することで数年ごとのPCおよびセキュリティ見直しのタイミングに限らない導入機会の創出を目指しております。 ②ZENMU Engine 秘密分散技術の活用領域の拡大に関しましては、スマートウォッチなどのウエアラブル端末や監視カメラ、ドローン等のIoT機器が普及していくことに伴い、コンピュータネットワーク末端にあるエンドポイントデバイスのデータの保護、転送中のデータ保護が重要になっていくことが予想されます。市場予測を踏まえ、「ZENMU Engine」の提供による秘密分散技術を組み込んだOEM商品の多様な可能性を検討しているフェーズにあります。以下が、その適用例となります。 これら適用例のうち、無人航空機(ドローン)分野では2022年からドローン技術をもったパートナーとともに秘密分散技術ソリューションをドローンや移動型ロボットに搭載する技術「インテグリティ・ドローン」の技術検証の段階に入っております。 産業領域や物流領域において、有翼型・マルチコプター型の無人航空機であるドローンの活用の用途が広がり、災害時の情報収集等に警察・消防でもドローンや自律移動型ロボットの導入が推進されています。 (注)警視庁「国家公安委員会・警察庁防災業務計画」第1-2 多様な情報収集手段の整備 しかしながら、ドローン、ロボットの機体には自律移動用のプログラムや、飛行経路の情報、撮影したデータ等の機密情報を多数含んでおり、予期せぬ落下等の事故による情報漏洩のリスクがあります。 このような場合にも当社の秘密分散技術を組み込むことで、ドローンのデータを瞬時に無意味化することができます。 今後も「インテグリティ・ドローン」の事業化を、パートナーとともに着実に実現し、多分野にわたる活用領域の拡大を進めてまいります。 また、監視カメラ市場においては労働人口の減少にともない、管理センターなどから有人監視するのではなく、画像解析AI等と組み合わせたいわゆる「AI監視カメラ」の導入が拡大しております。一方でAI監視カメラの設置拡大にともない、プライバシーなども含む録画データの保管、転送過程でのセキュリティ上の懸念やデータ量の増加による通信、保管コストなどの課題も発生しており、当社の秘密分散技術によるデータ保護やデータを任意のサイズや個数に分割可能なAONT方式の特色は通信および保管時のコスト削減などにも貢献可能であることから、AI監視カメラや画像解析技術を持つ企業などを対象に同分野でのOEMパートナーの開拓を進めております。 ■秘密計算ソリューション ①データ利活用の現状 今日のビジネス社会では異なる複数の企業同士が相互補完的に共存・共栄していく仕組みである「エコシステム」を構築することで、新たな製品やサービスの創出を可能にしています。 同様に、「データエコシステム」は、多様な産業の企業が、自社データと外部データ、自社データと自社グループ内のデータ等を掛け合わせ、新たなビジネスモデルを創出すべくデータを価値あるものにしてゆく取り組みです。デジタルマーケットの変革のなかで、顧客とのエンゲージメントの最適化を図るデータ利活用の需要は高くなることが予想され、データの自由な流通をさらに高め、マーケットが求めるインサイトを発見し、革新的なビジネスモデルやサービスの開発による付加価値の向上、プロセス改善等をもたらすことが期待されています。 このように、データの利活用への関心が高まる一方で、実際に組織間で機密性の高いデータを共同利用する場合、結果やインシデントに対し誰が責任を持つかといったデータの扱いに関するポリシーの確立や、個人データを含むプライバシーの保護とセキュリティの双方を担保することが高い障壁となっております。 ②機密性の高いデータを暗号化されたまま解析 当社は、秘密分散技術を活用した秘密計算技術について、産業技術総合研究所との共同研究により、秘密計算ソリューション「QueryAhead」の開発を行ってまいりました。 秘密計算技術の仕組みは以下のようになります。 データをPCやサーバー上に保存する際や転送する際には秘密分散技術によりデータを暗号化された情報に分散します。この場合、データの無意味化により誰も読み取ることができず、安全が確保されています。 一方で、実際にそのデータを処理する際には、従来は元のデータに復号(復元)する必要がありました。復号されたデータは、誰にでも読むことのできる状態となることから、情報漏洩などのおそれがあります。 次の図は秘密計算の仕組みをイメージしたものですが、秘密計算技術では暗号化されたデータを復号することなく秘匿化したまま処理することが可能となります。 ③秘密計算技術の今後 秘密計算技術により、個々の企業や研究機関が所有し、情報漏洩や改ざんリスクのおそれがあるため外部に出すことのできなかった機密データや、個人情報などを秘匿したまま加工・分析することが可能となり、データのセキュリティを担保しつつ、データの利活用が活発になることが期待されております。複数の企業の持つデータを結合・活用してデータ解析を行うことで、産業の活性化や新たなビジネス機会の創出および価値の創造が期待されています。 例えば、医療分野では、個人情報を含んでいるDNA情報や疾病情報などを各医療機関、製薬会社等とデータを秘匿化したまま共有、分析することで、より最適な創薬や医療サービスが提供できる可能性があります。 当社では、秘密計算を適用できる分野やアプリケーションを検証している段階にあり、秘密計算の適用領域として、「金融」「製造・物流などのサプライチェーン」「材料開発」「ヘルスケア」分野を主なターゲットと定めております。 当社では、複数の企業と秘密計算の早期事業化に向けて、以下のプロセスで取り組んでまいります。 a.秘密計算の適用により有効な用途となりうるかを検証し、試作を開発 b.実現可能であるか、目的の効果を得られるかなどを確認する概念実証の実施 c.実際の秘密計算ソリューションの開発 まずは材料開発および製造業への適用検討を図っています。これらの領域では、AI技術などを活用して膨大な時間を必要とする材料開発の高速化やコスト削減に取り組んでいる一方、AIを用いてより精度の高い実験シミュレーションを行うためには大量の実験データをAIに学習させることが必要であり、同一の製品やサービスを研究開発する企業が連携して秘密計算を適用し、お互いに他社の実験データを見ることはできない状況で各社が保有するデータを共有・分析し、それぞれの企業が単独に持つデータからの分析では得られないより価値の高い分析成果を創出し、開発期間の短縮や試作などのコストを削減し業界としての競争力を高めることが可能になります。 また、自社のサプライチェーンを持つ企業のグループ全体に秘密計算を適用し、製造工程のデータとその製造工程に材料・部品等を供給するサプライヤー企業群のデータを共有、分析することで各工程の生産効率や物流効率に関する分析等を行い、工程改善を行うことでコスト削減により競争力を向上させることが考えられます。 現在、当社では秘密計算適用に各企業と連携して取り組んでおり、早期実用化に向けた検証を進めてまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社では、経営方針として掲げる「安全な情報社会の一翼を担う」という点から、より多くの方に当社製品を使って頂きたいと考えており、当社製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約と保守契約の合計値(ライセンス数)を重視しております。 ライセンス数の増加に伴い、経営上の最重要課題であり、今後の収益の蓄積となる「ZENMU Virtual Drive 」の売上成長の実現が可能になると認識しております。 下記のグラフにあります通り、実績ベースでライセンス数は順調に伸長しております。 なお、当社の受注環境は、顧客のシステム等の設備投資予算に影響を受けており、その中でも、特に顧客の決算月が集中する3月及び当社の決算月である12月に偏る傾向があります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①販売代理店戦略による秘密分散ソリューションの拡販 官公庁や地方自治体、個人・小規模事業者など、働き方の多様化やデジタルトランスフォーメーションの進展を背景に、リモートワークや分散型IT環境の導入・高度化を検討する組織からの需要は今後も継続すると見込まれます。これを踏まえ、販売代理店に対するインセンティブ等により販売動機を高める販売強化策を推進するとともに、「ZENMU Engine」を用いたソリューションによる顧客価値の向上と差別化を提案し、新たなアライアンスパートナーの拡大に努めていく予定です。 ②秘密計算を主軸とした新規事業の開拓 当社が研究開発を行っている秘密計算データベースプラットフォーム「QueryAhead」の事業化を進め、将来の収益の柱となる新規事業を開拓することで、事業領域の拡大を目指します。情報セキュリティ市場は海外のシェアが大きいため、今後は米国等への海外展開も見据え、事業化へ向けて積極的な投資を行ってまいります。 ③サービスの継続的な維持・向上 当社のサービスはインターネットに依存して提供されている状況にあり、顧客に安定的なサービスを提供するためにパフォーマンスを維持・向上することが、CX(カスタマーエクスペリエンス)を高めるためにも重要であることを認識しております。また、顧客のニーズに即時に対応できるよう技術開発を進めるとともに、適切なサポート人員を確保することによりカスタマーサービスを充実させ、品質を管理する体制を構築してまいります。 ④秘密分散ソリューション及び秘密計算の事業化による収益基盤、財務基盤の強化 当社は、秘密分散ソリューション「ZENMUシリーズ」のサブスクリプション契約の継続を堅調に推移させることで、ストック型収益を向上させる一方で、パーペチュアルライセンス、使用権の販売によるフロー型収益により財務基盤を支える事業活動を行っておりますが、さらに、当社技術(「ZENMU Engine」等)を組み込んだOEM製品の市場投入増大を目指した活動を行ってまいります。また、現在の収益は秘密分散ソリューションの比率が高い状況となっておりますので、秘密計算ソリューションの早期事業化・事業拡大を図り、秘密計算事業による収益比率を上げることによって収益基盤を強化してまいります。 ⑤優秀な人材の確保・育成 技術革新が続く情報セキュリティ業界において、当社が継続的に成長していくためには高い専門性を持った優秀な人材の確保と教育が重要な課題であると認識しております。そのため、従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等を実施し、優秀な技術者と営業担当者の育成に努めてまいります。 ⑥内部管理体制の強化 当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。そのために必要な組織体制の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
事業等のリスク5,754字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社の事業展開その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 当社のリスク管理につきましては、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、以下に挙げましたリスク要因を把握し、管理する体制となっております。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 1.取締役および使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」をご参照ください。 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、本項の記載における将来に関する事項は、全てのリスク要因が網羅されているわけではありませんので、ご留意ください。 (1) 事業環境に関するリスク ①技術革新への対応に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高) 当社が属する情報セキュリティの分野は、コンピュータに対する新たな脅威や技術革新等による事業環境の変化により、市場のニーズが変動するリスクがあります。このような状況のもと、当社は、技術開発部門による新しい発想による技術開発及び各研究機関との研究成果の各種学会、カンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、当社製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。 しかしながら、当社が技術革新に対応するための人件費などの開発費用を投じることができない場合、または当社製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、当社が競争力を維持することができない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ②事業環境の変化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 高) 当社が製品・サービスを提供している情報セキュリティの市場は、日々情報漏洩の危険にさらされている現状においては、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、国内市場においては市場の成長スピードを高い精度で見積もることは難しい状況にあります。また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や変化のスピードに迅速かつ柔軟に対応できず、当社が市場でのシェアを伸ばして行くことができなくなる可能性があります。当社では、新製品や新たなソリューションに向けての研究開発の深耕、顧客ソリューションにおける当社技術の適用拡大と提案力向上などの取り組みを強化しておりますが、このような当社を取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じることができなかった場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ③特定事業への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高) 当社が展開する事業領域は、情報セキュリティ事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。当社では、情報セキュリティ事業のうち主力サービスである「ZENMU Virtual Drive」に関する売上高の割合が高く、これを含めた秘密分散ビジネスの売上構成は2025年12月期において82.2%と依存度が高くなっております。当社では、「ZENMU Engine」を用いたOEMの強化や、秘密分散技術を応用させた秘密計算ソリューションの研究開発を進める等、特定サービスへの依存低下を進めておりますが、環境の変化等により、当該市場が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④法的規制に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低) 本書提出日現在において、当社の事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、当社が提供するサービスにおいて、主力商品となっている情報の分散データの取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」等の法令を遵守する必要があります。その他関連する新たな法令等の制定や、既存法令等の改正及び解釈変更がなされた場合、当社の事業が制約を受け、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。設立以降、当社の事業が重大な制約を受ける法令の制定・改正等はありませんが、当社では事業に関連する法的規制に関する情報を定期的に収集し必要に応じて顧問弁護士等のアドバイスを受けつつ対策を講じる方針です。 (2) 事業内容に関するリスク ①販売代理店への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低) 当社の主力商品である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の販売経路は、主に販売代理店を経由した取引となっており、当社では販売代理店への側面サポートや代理店との協業による顧客開拓を行っております。しかしながら、当社にとってはエンドユーザーとの直接の関与が難しいという側面があります。今後も安定的に事業を拡大するために、より販売代理店との連携強化を進めることで、エンドユーザーの要望や受注状況等の情報を収集し、確実性の高い受注予測ができるよう努めてまいりますが、情報収集に遅れ等が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②研究開発活動の不確実性に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高) 当社は、秘密分散技術や秘密計算技術を開発・事業化するため、研究開発費用に資本を投入しておりますが、市場動向の予測が難しく、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社が当社より優れた技術、製品を開発すれば、当社の製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に新規技術につきましては、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。当社では、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略」に記載した成長戦略に則り事業展開を行っていく方針であり、秘密計算ソリューションの事業化に向けて産業技術総合研究所との共同研究を基礎とした開発を行っていく方針でありますが、研究開発活動が収益に寄与する成果を出すことができない場合、当社の事業、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 会社組織に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低) ①小規模組織における内部統制に係るリスク 当社は、小規模の体制で効率的な事業運営に努めており、現在の組織体制に則した業務執行体制、内部統制を構築しておりますが、今後、事業の急速な拡大等により、適切な人的・組織的な対応ができずに、内部統制の構築に遅れが生じる場合には、事業運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②人材の育成・確保に係るリスク(発現可能性 中、影響度 高) 当社では、積極的に優秀な人材の採用、育成に注力し、従業員の働きやすさを重視したリモートワーク等の業務環境の整備によるワークライフバランスの確保やCWO(最高ウェルビーイング責任者)を選任し、従業員のウェルビーイング(健康かつ健全な心と身体である状態)の維持向上の推進を図ることで、人材の定着に努めておりますが、当社が属する情報セキュリティ分野においては、特に専門的な技術を持ったエンジニアや業界・技術に通じた営業担当者の獲得は難しい状況にあります。そのため、適切な人材を十分に確保できず、あるいは優秀な人材が社外へ流出した場合には、当社の経営戦略の遂行上、影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスク ①税務上の繰越欠損金に係るリスク(発現可能性 低、影響度 中) 当社は事業拡大のための先行投資等により2016年2月期から2022年12月期まで当期純損失を計上したこと、及び当該資金を株式会社日本政策金融公庫からの借入れにより調達したことにより、2022年12月期まで債務超過となっておりましたが、2023年12月期の黒字化並びに2023年12月までに行った第三者割当増資により債務超過を解消しております。一方で税務上の繰越欠損金は引続き存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されております。当社の事業が順調に推移し、当該繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、当社の業績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 ②無形固定資産(ソフトウエア)に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低) 当社は、製品・サービスの強化・維持を図るためソフトウエアへの開発投資を推進しており、将来の収益獲得が確実であると認められた開発費用をソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。ソフトウエアの開発に際しましては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、想定していた利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中) 当社は、当社の役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、本書提出日時点における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は7.10%となっております。当社では、資本政策によりその割合を適切に把握しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 ④知的財産権に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高) 当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟等の問題が発生した事実はなく、本書提出日現在においては、当社の事業に関し他者が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。しかしながら、今後、当社が第三者との間で係争となった場合、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否に関わらず、解決に至るまでに、時間および多額の費用を要する可能性があります。また、当社の商品や技術につきましては、適正に管理しておりますが、第三者が侵害した場合にも同様に、時間および多額の費用を要する可能性があります。その場合には当社の事業戦略および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、秘密分散ソリューション、秘密計算技術ともに特許化および公知化する戦略をとっており、これらは当社の強みとなっております。 そのほか、当社の秘密分散ビジネスおよび秘密計算ビジネスでは、自社開発技術を中核に製品・サービス等の開発を行っているものの、秘密計算ソリューション「QueryAhead」では産業技術総合研究所の開発したソースコード(※1)について同研究所の子会社として知財および共同研究の管理を行う株式会社AIST Solutionsから許諾を得て使用しております。また、同研究所との共同研究契約を通じて、秘密分散技術、秘密計算技術の双方について理論面での高度化を継続的に図っており、同研究所との協力関係の維持および強化について今後も取り組んでいく方針です。なお、当該ソースコードの使用については2091年12月31日までの使用許諾契約を締結済であり、また、秘密計算の処理自体は当該ソースコードに依存することなく実現しているものであることから、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性は限定的であるものと考えております。 (※1)「ソースコード」 コンピュータへの指示や一連の処理手順などをプログラミング言語によって表記したもの。 「QueryAhead」における産総研が開発した「秘匿シャッフルプログラム」ソースコードはデータを秘匿化したまま大きさの順番に並べる機能を担っており、最大値、最小値を求める、等の処理を実現しています。 ⑤配当政策に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低) 当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、現状においては成長過程にあるため、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 ⑥資金調達に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高) 当社の公募増資による調達資金の使途については、当社事業の拡大のため、事業成長のための研究開発費や採用等による人員増による人件費などへの充当を予定しております。しかしながら、上記に記載しましたように、事業環境が変化することも考えられるため、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。そのような場合において、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,400字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産合計は1,173,404千円となり、前事業年度末に比べ569,836千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所グロース市場に上場した際の増資等により現金及び預金が281,212千円増加、大口案件の売上計上により売掛金が256,201千円増加したことによるものであります。 当事業年度末における固定資産合計は113,392千円となり、前事業年度末に比べ59,971千円増加いたしました。これは主に、主力事業である秘密分散ソリューション製品のバージョンアップに伴う無形固定資産が25,578千円増加、繰延税金資産及び本社移転に伴う差入保証金等、投資その他の資産が30,685千円増加したことによるものであります。 この結果、当事業年度末における資産合計は1,286,797千円となり、前事業年度末に比べ629,808千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債合計は471,907千円となり、前事業年度末に比べ63,936千円増加いたしました。これは主に、サブスクリプション契約における年間更新時の契約数量増加及び新規契約の獲得に伴い契約負債が41,594千円増加、秘密分散ソリューションの開発費用及び自社製品の市場調査や知名度向上を目的とした広報戦略に伴う未払金が24,838千円増加となったことによるものであります。 当事業年度末における固定負債合計は、長期借入金を全額返済したことにより、前事業年度末に比べ11,195千円減少し、残高はありません。 この結果、当事業年度末における負債合計は471,907千円となり、前事業年度末に比べ52,741千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は814,889千円となり、前事業年度末に比べ577,066千円増加いたしました。これは、東京証券取引所グロース市場に新規上場した際の増資等により資本金が214,704千円及び資本剰余金が206,444千円増加、当期純利益155,917千円計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は62.9%(前事業年度末は35.4%)となりました。 ②経営成績の状況 当事業年度(2025年1月1日~2025年12月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や日経平均株価が過去最高値を更新するなど緩やかに回復している一方、物価上昇や日中の通商政策の影響による景気の変動リスクなど、依然として先行きは不透明な状況下にあります。 当社を取り巻く経営環境につきましては、AIの進化、IoT・ドローンの普及、DXの進展により情報技術の可能性がますます広がる一方、サイバー攻撃のリスクも高まり、企業には迅速かつ高度なセキュリティ対策が求められております。 このような環境のもと、当社は「情報そのものを意味のない状態に変えて分散する」という秘密分散技術を活用し、データが盗まれても情報漏洩を防ぐ新しいアプローチのセキュリティ技術を展開しております。リモートワークやハイブリッドワークといった柔軟な働き方が定着する中で、当社は、低コストでありながらセキュリティとユーザー利便性を両立する「ZENMU Virtual Drive(ZVD)」の法人向け販売を主力製品として位置付けてきました。また、PC向けのセキュリティ製品にとどまらず、IoT機器やドローン、多要素認証など幅広い分野への事業展開を視野に入れ、技術供与や共同開発といった提携を通じて、秘密分散技術の活用領域の拡大を進めております。 当事業年度におきましては、今後の成長に向けた基盤構築に注力いたしました。具体的には、大規模な自然災害や広域災害時にも「ZENMU Virtual Drive(ZVD)」を継続してご利用いただけるよう、「ZENMU Virtual Drive ディザスタリカバリ オプション」サービスを開始いたしました。また、秘密分散技術のドローン実装に関する実証試験に成功し、ドローンが送受信する映像や制御信号、機体内に記録されるデータをリアルタイムに“無意味化”することで、サイバー攻撃や機体の紛失時にも情報漏えいを防ぐシステム構築に向けた取り組みが前進いたしました。さらに、医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)に参画し、医療分野におけるAI活用の社会実装を促進することで、医療の質の向上や医療現場の負担軽減、医療DXおよび「医療分野におけるSociety 5.0の実現」に向けた取り組みに貢献できたものと考えております。 以上の結果、当事業年度の売上高は851,943千円(前期比31.3%増)、営業利益は144,138千円(前期比88.3%増)、経常利益は160,545千円(前期比90.8%増)、当期純利益は155,917千円(前期比98.6%増)となりました。 なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は788,479千円となり、前事業年度末に比べ281,212千円増加いたしました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は、27,012千円(前事業年度において獲得した資金は242,825千円)となりました。これは主に、売上債権の増加額256,201千円(前年同期における売上債権の減少額139,552千円)、税引前当期純利益160,545千円の計上(前年同期比76,390千円増加)、契約負債の増加額41,594千円(前年同期における契約負債の増加額27,981千円)、未払金の増加額26,511千円(前年同期における未払金の減少額18,466千円)などが発生したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、65,019千円(前事業年度において使用した資金は21,112千円)となりました。これは主に、秘密分散ビジネス製品のバージョンアップに伴う無形固定資産の取得による支出40,587千円(前年同期における無形固定資産の取得による支出18,970千円)、本社移転に伴う新オフィス差入保証金の差入による支出17,793千円などが発生したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は、373,244千円(前事業年度において使用した資金は22,664千円)となりました。これは、東京証券取引所グロース市場への新規上場に伴う株式の発行による収入397,590千円(前年同期は株式の発行による収入2,500千円)、短期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出130,359千円(前年同期は長期借入金の返済による支出25,164千円)などによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載はしておりません。 b.受注実績 当事業年度の受注実績を示すと、次のとおりです。 事業の名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 秘密分散ビジネス   730,811   133.0   216,071   120.6 秘密計算ビジネス   95,928   53.1   24,096   39.7 その他   17,794   100.5   419   30.2 合計   844,533   112.9   240,587   99.7 c.販売実績 当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントですが、販売実績を売上の計上区分別に記載しております。 事業の名称   販売高(千円)   前年同期比(%) 秘密分散ビジネス   700,547   136.9 秘密計算ビジネス   132,532   110.4 その他   18,863   110.4 合計   851,943   131.3 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度 (自  2024年1月1日 至  2024年12月31日)   当事業年度 (自  2025年1月1日 至  2025年12月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 株式会社野村総合研究所   ※   ※   215,187   25.3 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス   76,278   11.8   184,473   21.7 デロイトトーマツグループ合同会社   115,600   17.8   140,840   16.5 国立研究開発法人 産業技術総合研究所   113,500   17.5   112,032   13.2 株式会社日立製作所   177,770   27.4   ※   ※ ※総販売実績に対する当該販売実績の割合が10%未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a 財政状態 財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりでございます。 b 経営成績 経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりでございます。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の事業活動における運転資金需要のうち主なものは、サービス提供のための人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要はソフトウエアの開発費であります。 当社は、これらの資金需要に対して、事業上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針とし、資金使途や金額に応じて自己資金又は金融機関からの借入といった資金調達を柔軟に検討し、確保しております。 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、当事業年度における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。会計上の見積りのうち重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。 ④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は達成状況を判断するための経営上の指標につきまして、「ZENMU Virtual Drive」の売上成長を最重要課題としており、ライセンス数(サブスクリプション契約と保守契約の合計値)を重要な経営指標と認識しております。 「ZENMU Virtual Drive」ライセンス数については、2024年12月期末99,317ライセンスに対し、2025年12月期末では115,417ライセンスに増加しております。この要因としては、新規顧客の導入に加え、既存顧客における利用拡大が進んだことによるものです。安定した収益基盤の確保とさらなる事業拡大に向けて、サブスクリプションライセンスの拡大に向けた取り組みを引き続き強化してまいります。

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