本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

ワールド

WORLD CO.,LTD.3612 · Prime · 繊維製品

アパレルを核にEC・物流・生産まで手掛けるファッショングループ。自社ブランドと他社向けプラットフォームの両軸で展開。

概要

ワールドは1959年に神戸で創業したアパレル大手である。婦人服・紳士服・子供服・雑貨を中心に、ユナイテッドアローズやPAGEBOY、American Eagleなど多ブランドを展開。百貨店・ショッピングセンター・EC・直営店と多チャネルで販売し、2026年2月期の連結売上収益は2840億円、従業員は7094人。持株会社体制のもと、ブランド・デジタル・プラットフォームの3事業で構成される。

3事業セグメントで構成されるグループ

ワールドは持株会社体制をとり、ブランド事業・デジタル事業・プラットフォーム事業の3セグメントで事業を展開する。ブランド事業は国内アパレル・国内ライフスタイル・海外・投資に細分化され、売上収益の約7割を占める。デジタル事業は自社ECサイト「ワールドオンラインストア」の運営や他社向け基幹システム・CRMの提供、さらにユーズドセレクトショップやサブスクリプションレンタルなどの新サービスを手がける。プラットフォーム事業は生産・販売・シェアードサービス・ライフスタイルの各機能をグループ内外に提供し、2025年にはエムシーファッションを子会社化してOEM・ODM領域を強化した。

百貨店からSCまで広がる販路

同社のブランドは百貨店を中心とするミドルアッパー業態と、ショッピングセンターを中心とするミドルロワー業態に大別される。ミドルアッパーでは高付加価値商品を、ミドルロワーでは価格競争力のある商品を展開。直営店舗のほか、専門店やECチャネルも併用し、マルチチャネル戦略を推進する。2026年2月期のブランド事業売上収益は2000億円超で、うち外部収益は1939億円。ライフスタイルブランドや海外事業も成長を続け、タイ・台湾・香港にも出店を進めている。

デジタルとサーキュラーへの投資

デジタル事業は重点投資領域と位置づけられる。B2Bソリューションでは、自社のEC運営ノウハウを活かした受託事業や、AIを含むITソリューションを提供。B2Cネオエコノミーでは、サーキュラーエコノミーをテーマに、ユーズドセレクトショップ「ティンパンアレイ」、オフプライスストア「& Bridge」、ブランドバッグのサブスクリプションレンタル(ラクサス・テクノロジーズ)などを展開する。これらの事業はまだ規模は小さいが、将来の成長柱として育成中である。

2027年へ向けた事業再編

同社は2027年2月期からセグメントをB2C事業とB2B事業に再編する計画を発表している。B2C事業はアパレル・ライフスタイル・ユニークのサブセグメントと、海外・サーキュラーをグループ直下に置く。B2B事業はサプライチェーン・テクノロジー・人材オペレーションの3つに分け、特にROICの高い人材オペレーションとテクノロジーにリソースを集中する方針だ。これにより、アパレル依存からの脱却と資本効率の向上を目指す。

業界の中での役割はアパレル・雑貨の企画販売会社(ブランド事業)およびファッション業界向けプラットフォーム提供会社にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2,840億円
営業利益
160億円
営業利益率
5.6%
純利益
120億円
2026/2 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01ブランド事業(国内アパレル)主力

百貨店を中心に展開するミドルアッパー業態とショッピングセンター中心のミドルロワー業態で、婦人・紳士・子供服および肌着等を直営店、EC、専門店で販売。自社企画・調達・販売を一貫して行う。

主な製品・サービス1
アパレルブランド(複数ブランド)
婦人服、紳士服、子供服、インナーウェアなど、多数のブランドを展開。商品企画から販売までグループ内で完結。

02ブランド事業(国内ライフスタイル)準主力

服飾雑貨や生活雑貨、ジュエリー、革小物などの雑貨業態を展開。中間持株会社の下で企画・調達・販売を独立して行う。

主な製品・サービス1
ライフスタイルブランド(雑貨)
服飾雑貨、生活雑貨、ジュエリー、革小物など、多様なブランドを展開。

03デジタル事業(B2Bソリューション)準主力

自社ブランドの直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営受託や、他社向けに基幹システム・CRMシステム等のデジタルソリューションを提供する。

主な製品・サービス2
ワールドオンラインストア
自社ブランドを販売する直営ECサイトの運営。
デジタルソリューション(基幹システム・CRM等)
他社向けに基幹システム、CRMシステム等のビジネスソリューションを提供。

04プラットフォーム事業(生産プラットフォーム)準主力

国内製造会社や協力縫製メーカーで製造した商品をグループブランド事業会社に供給。また、他社アパレルのOEM・ODM事業も行う。三菱商事ファッションを子会社化し機能強化。

主な製品・サービス1
OEM/ODM生産
他社向けアパレル商品の開発・製造受託。

05ブランド事業(海外)副次

アジアを中心に独資または合弁で展開。日本のブランド事業会社からの輸入、または現地で企画・調達した衣料品・雑貨を現地販売する。

主な製品・サービス1
海外ブランド事業
アジア市場向けに衣料品、服飾雑貨、生活雑貨を販売。

06ブランド事業(投資)副次

収益面で課題のあるブランドのバリューアップや、M&Aで加入した企業のPMI(統合プロセス)を推進。アパレル領域の事業再生・成長支援を行う。

07デジタル事業(B2Cネオエコノミー)副次

「サーキュラー」をテーマに、ユーズドセレクトショップ、オフプライスストア、ブランドバッグのサブスクリプションレンタルサービスなどを展開する。

主な製品・サービス3
ユーズドセレクトショップ
中古衣料品・雑貨を扱うセレクトショップ。
オフプライスストア「& Bridge」
ブランド品を割引価格で販売する店舗。
サブスクリプションレンタル(ブランドバッグ)
ブランドバッグに特化した定額制レンタルサービス。

08プラットフォーム事業(販売プラットフォーム)副次

店舗開発、催事の企画運営、アウトレットによる在庫消化、他業種小売業の運営受託などを行う。

主な製品・サービス1
店舗開発・運営受託サービス
店舗開発、催事企画、アウトレット運営、他業種小売業の運営受託。

09プラットフォーム事業(シェアードサービス)副次

ファッションビジネスに係る各種事務処理・手続き等の代行サービスをグループ内外に提供する。

主な製品・サービス1
事務処理代行サービス
各種事務処理・手続きの代行。

10プラットフォーム事業(ライフスタイルプラットフォーム)副次

什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供など、空間創造事業をアパレル以外の業界にも展開する。

主な製品・サービス2
什器・家具製造販売
店舗什器、家具の製造販売。
空間デザインサービス
店舗や空間のデザイン・施工。

製品と技術

ユナイテッドアローズなど多岐のアパレルブランド

同社は多数の自社ブランドとライセンスブランドを抱える。代表的なものにセレクトショップ「ユナイテッドアローズ」、カジュアルブランド「American Eagle」のライセンス展開、プライベートブランド「PAGEBOY」などがある。婦人服・紳士服・子供服に加え、肌着・ルームウェアもカバー。ブランドごとにターゲット価格帯や販路が異なり、百貨店向けのミドルアッパーからSC向けのミドルロワーまで幅広い。商品企画から生産・販売までグループ内で一貫して行うのが特徴である。

ライフスタイル雑貨と空間創造事業

ライフスタイル分野では、服飾雑貨や生活雑貨、ジュエリー、革小物などを展開する。子会社のアスプルンドは家具・雑貨の輸入販売に加え、什器の製造販売や店舗デザイン・施工も手がけ、アパレル以外の業界へも空間創造サービスを提供。2026年には阪急スタイルレーベルズから承継したコスメセレクトショップ「カラーフィールド」、家具・インテリア雑貨「ダブルデイ」も加わり、ライフスタイル領域がさらに拡充した。

サーキュラー事業:リユース・オフプライス・レンタル

デジタル事業のB2Cネオエコノミーでは、サーキュラーエコノミーに関連する3つのサービスを展開する。ティンパンアレイはユーズドセレクトショップで、中古衣料品・雑貨を販売。アンドブリッジはオフプライスストア「& Bridge」を運営し、ブランド品を割引価格で提供。ラクサス・テクノロジーズはブランドバッグに特化したサブスクリプションレンタルサービスを行う。これらは店舗とECを組み合わせ、ファッションの循環を促進する。

プラットフォーム機能の外販とOEM・ODM

プラットフォーム事業では、グループ内で培った生産・販売・シェアードサービス・空間創造のノウハウを外部企業に提供する。生産プラットフォームの中核はワールドプロダクションパートナーズで、グループブランド向けの製造に加え、他社アパレルのOEM・ODMも手がける。2025年に子会社化したエムシーファッションにより、この外販能力はさらに強化された。販売プラットフォームでは店舗開発や催事企画、アウトレット運営、他業種小売の運営受託なども行う。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

繊維製品のなかでの位置

アパレルOEMで国内中堅、内需型

ワールドはアパレル製品の企画・製造・販売を手掛け、国内中堅アパレルメーカーとして位置づけられる。売上高は2025年2月期に2257億円と前期比11.5%増、営業利益率は7.4%と改善傾向にある。しかし、2026年2月期の利益率は5.63%と低下見込みで、競争激化が懸念される。同業の片倉工業やグンゼと比較すると、ワールドはOEM・ODM主体で自社ブランド比率が低く、収益性がやや劣る。一方で、得意とする婦人服分野での企画力が強みだが、市場縮小リスクを抱える。

強み

  • 婦人服を中心に市場ニーズを捉えた企画力があり、OEM先から高い評価を得ている。
  • 大手小売・専門店との長期取引関係を構築し、安定的な受注を確保している。
  • 国内外に生産拠点を持ち、多品種少量生産にも対応可能なフレキシブルな体制。
  • 自己資本比率が高く、有利子負債が少ないため、景気変動に対する耐性がある。

課題

  • 国内売上比率が大半で、国内市場縮小の影響を直接受けやすい。
  • OEM主体のため価格競争に晒されやすく、利益率が低下する懸念がある。
  • 企画や生産管理の熟練人材が不足しやすく、人材の確保・育成が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

小売・消費の時価総額近傍。太字がワールド

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(小売・消費)に従っています。

会社の歴史

沿革 34件

神戸で創業から上場までの34年

ワールドは1959年1月、神戸市生田区(現中央区)に株式会社として設立された。1965年には東京店を開設し、1968年に神戸本社ビルを竣工。1980年には縫製子会社を設立して生産機能を拡充し、1984年にはポートアイランドに本社を移転した。1988年には台湾に初の海外現地法人を設立。1990年に株式額面変更のための合併を行い、1993年11月に大阪証券取引所市場第二部へ上場。その後1998年に東京証券取引所第二部、1999年には両市場の第一部に指定された。

MBOで非公開化、再編の6年

2005年11月、ワールドはMBOによる株式公開買付けを実施し、上場を廃止した。2006年4月には合併により会社を再編し、新たなワールドが発足。この時期、2005年9月にはホームファッション事業に参入するためジェイテックス(現ライフスタイルイノベーション)を子会社化。2011年にはECモール事業を行うファッション・コ・ラボを設立し、デジタル事業へ進出。さらに2014年にはケーズウェイを子会社化し、ルームウェア・肌着のインティメイト事業へ本格参入した。

再上場と積極的なM&Aの時代

2017年4月に持株会社体制へ移行し、同年12月にはアスプルンド(家具・雑貨輸入)を子会社化。2018年4月にはティンパンアレイ(リユース事業)を傘下に収め、同年9月に東京証券取引所市場第一部へ再上場を果たした。2019年はヒロフ(高級革製品)、神戸レザークロス(婦人靴)、アンドブリッジ(オフプライス)など相次いで子会社化。さらに2022年2月にはティーンズ・キッズ市場の中核企業ナルミヤ・インターナショナルを子会社化し、事業領域を拡大した。

ライトオン買収とB2B強化の近年

2023年3月にはラグジュアリーセレクトショップのストラスブルゴを子会社化。2025年2月にはOEM・ODM強化のためエムシーファッション(旧三菱商事ファッション)を、同年3月には国内生産強化のためワールドソーイングを子会社化。2025年11月には国内ブランド事業を集約した中間持株会社ワールド・ブランズを設立し、同年12月にはジーンズカジュアルのライトオンを子会社化。2026年3月には阪急スタイルレーベルズの事業を承継し、コスメ・家具分野に進出した。

年表34件を開く

1950年代

  • 1959年1月神戸市生田区(現:中央区)に㈱ワールドを設立。

1960年代

  • 1965年2月東京都台東区に東京店を開設。
  • 1968年10月神戸市葺合区(現:中央区)八幡通に神戸本社ビルを竣工。

1980年代

  • 1980年11月㈱ワールドインダストリー(現:㈱ワールドインダストリーファブリック及び㈱ワールドインダストリーニット)を設立し、縫製分野の一層の拡充を図る。
  • 1984年3月神戸市中央区港島中町(ポートアイランド)に新社屋を竣工し、本社を移転。
  • 1988年5月創業海外進出として台北に現地法人台湾和亜留土股份有限公司を設立。

1990年代

  • 1990年4月M&A株式額面変更のため、4月1日を合併期日として形式上の存続会社である㈱ワールドに吸収合併される。
  • 1993年11月上場大阪証券取引所市場第二部に上場。
  • 1998年12月上場東京証券取引所市場第二部に上場。
  • 1999年9月東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第一部銘柄に指定。

2000年代

  • 2005年9月M&A㈱ジェイテックス(現:㈱ライフスタイルイノベーション)を子会社化し、ホームファッション事業に参入。
  • 2005年11月上場MBOによる株式の公開買付けを行い、上場を廃止。
  • 2006年4月M&A㈱ハーバーホールディングスアルファと合併し解散。なお、㈱ハーバーホールディングスアルファは、同日付で商号を㈱ワールドに変更。

2010年代

  • 2011年4月㈱ファッション・コ・ラボを設立し、ECモール事業と他社EC事業の業務受託事業を行うデジタルプラットフォーム事業へ進出。
  • 2011年5月㈱ワールドフランチャイズシステムズを設立し、フランチャイズ事業を開始。
  • 2014年9月M&A㈱ケーズウェイを子会社化し、ルームウェア、肌着等のインティメイト事業へ本格参入。
  • 2016年11月タイ国でサハ・グループとの合弁会社 WORLD SAHA FASHION CO., LTD.を設立。
  • 2017年4月㈱ワールドを事業持株会社とする持株会社体制へ移行。
  • 2017年6月㈱日本政策投資銀行と投資ファンド運営会社 ㈱W&Dインベストメントデザインを設立。
  • 2017年12月M&A㈱アスプルンドを子会社化し、家具や雑貨などの輸入・販売・卸を行うライフスタイル事業を強化。
  • 2018年4月M&A㈱ティンパンアレイを子会社化し、リユース事業に参入。
  • 2018年9月上場東京証券取引所市場第一部に再上場。
  • 2019年3月M&A高級革製品を展開する㈱ヒロフを子会社化。
  • 2019年6月M&A婦人靴バリューチェーンの主要機能を有する神戸レザークロス㈱を子会社化。
  • 2019年8月㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンと合弁会社の㈱アンドブリッジを設立。ファッション産業の再循環を促すオフプライスストア業態を開発。
  • 2019年11月サーキュラー事業の強化を目的に、高級バッグのシェアリングサービスを提供するラクサス・テクノロジーズ㈱へ出資。

2020年代

  • 2022年2月M&Aティーンズ・キッズ市場の中核企業である㈱ナルミヤ・インターナショナルを子会社化。
  • 2022年4月プラットフォーム事業のB2B外販の強化やクロスセル等のシナジー創出に向け、㈱ワールドプラットフォームサービス(現:㈱ワールド・ソリューションズ)を設立。
  • 2023年3月M&Aラグジュアリーセレクトショップを運営する、㈱ストラスブルゴを子会社化。
  • 2025年2月M&AOEM・ODM領域のB2B外販を拡大するため、エムシーファッション㈱を子会社化。
  • 2025年3月M&A国内生産キャパシティー強化のため、㈱ワールドソーイングを子会社化。
  • 2025年11月アパレル及びライフスタイルの国内ブランド事業に関する関係会社株式や各種機能・業務を集約した中間持株会社として㈱ワールド・ブランズを設立。
  • 2025年12月M&Aジーンズカジュアルショップを運営する㈱ライトオンを子会社化。
  • 2026年3月M&A㈱阪急スタイルレーベルズの事業(コスメ・家具・インテリア雑貨)を承継した㈱ワールドスタイルレーベルズの株式を100%取得して、子会社化。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/2期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 親会社利益成長率(年率)次期中期経営計画期間(2027年2月期~未記載)まで8%
  • ROE次期中期経営計画期間(2027年2月期~未記載)まで12.5%以上
  • ROIC次期中期経営計画期間(2027年2月期~未記載)まで8.5%以上
  • ネットD/Eレシオ次期中期経営計画期間(2027年2月期~未記載)まで0.75倍以下

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    スパークス構想の進化によるエコシステム確立

    「SPARCS構想」をライフスタイル・サーキュラー領域に拡張し、プラットフォーム機能を強化することで、ロス・ムダのない持続可能なファッション産業を目指す「ワールド・ファッション・エコシステム」の確立と進化に取り組む。

  2. 02

    B2C事業の収益構造再構築

    アパレル・ライフスタイル・ユニークのサブセグメントで、商品企画・生産・販売のバリューチェーンを再構築。過度な売上拡大前提のMD設計を見直し、プロパー消化率重視へ転換。商品開発力・MD精度・販売力を向上させ収益力回復を図る。海外・サーキュラーは重点投資で成長加速。

  3. 03

    B2B事業の拡大とリソース集中

    サプライチェーン・テクノロジー・人材オペレーションのサブセグメントを形成。特にROICが高く成長性の高い人材オペレーションとテクノロジーセグメントへリソースを集中投下し、外販拡大と事業成長を加速する。

  4. 04

    M&Aや社内IP活用による成長投資

    B2Cの再生投資案件やサーキュラー事業、B2Bサービス領域など多数の成長機会に対し、M&Aも含めた積極的かつ規律ある成長投資を実行。社内IP開発・活用や社外IPとの共創により新たな価値を創造する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で7,094人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は558万円で、9期前と比べて12.1%平均年齢は43.1歳、平均勤続年数は15.2年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月11,271
2018年3月11,020
2019年3月63447.721.110,088
2020年3月63546.920.29,683
2021年3月53445.719.79,099
2022年3月46643.918.78,388
2023年3月50143.917.77,648
2024年2月48543.116.87,183
2025年2月51943.716.37,225231
2026年2月55843.115.27,094226

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年2月期・提出会社(単体)
女性管理職比率38.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)79.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社48(国内 42 / 海外 6、うち連結子会社 46) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
北青山ビル — 東京都港区226億円
-(注)4
営業店舗 — 国内2,883百万円
ブランド事業
ワールドディストリビューションセンター 南船橋I・Ⅱ — 千葉県船橋市1,033百万円
デジタル事業
岡山工場(岡山県岡山市中区)(注)5624百万円
プラットフォーム事業
淡路技術研究所(兵庫県洲本市)(注)5567百万円
プラットフォーム事業
松本技術研究所(長野県松本市)(注)5513百万円
プラットフォーム事業
主な関係会社
  • 国内
    ㈱ワールド・ブランズ
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱フィールズ インターナショナル(注)1
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ワールドインダストリーファブリック(注)4
    岡山県 岡山市 中区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ワールドインダストリーニット(注)4
    長野県 松本市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱センワ(注)4
    福島県 東白川郡 鮫川村 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱エクスプローラーズ トーキョー
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱フレンチブルー(注)4
    鹿児島県 出水市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ワールド ライフスタイル クリエーション(注)7
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ライフスタイルイノベーション(注)4
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ココシュニック(注)4
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱アルカス インターナショナル(注)1(注)6
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱ワールド フランチャイズ システムズ(注)4
    兵庫県 神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社36社を開く
  • ㈱ケーズウェイ大阪府 吹田市100%
  • ㈱ピンクラテ(注)6兵庫県 神戸市 中央区100%
  • ㈱ワールドアンバー(注)4(注)7兵庫県 神戸市 中央区100%
  • 台湾和亜留土 股份有限公司(注)2台湾 台北市100%
  • 世界連合時装(上海)有限公司中華人民共和国 上海市100%
  • World Saha Fashion Co., Ltd. (注)3タイ王国 バンコク49%
  • World Saha Thailand Co., Ltd. (注)3タイ王国 バンコク49%
  • WORLD Fashion (Malaysia) Sdn.Bhd.マレーシア クアラルンプール100%
  • WORLD Fashion (Hong Kong) Co., Ltd.中華人民共和国 香港特別行政区100%
  • ㈱アスプルンド(注)4東京都 港区100%
  • ㈱ティンパンアレイ東京都 中央区100%
  • ㈱ヒロフ東京都 港区100%
  • ㈱ストラスブルゴ東京都 港区100%
  • 神戸レザークロス㈱兵庫県 神戸市 中央区100%
  • Kobe Leather HK Co., Ltd. (注)4中華人民共和国 香港特別行政区100%
  • ㈱ナルミヤ・インターナショナル(注)1(注)5東京都 港区100%
  • ㈱LOVST (注)4東京都 中央区100%
  • ㈱KP (注)4東京都 港区100%
  • ㈱ライトオン(注)5東京都 台東区52%
  • ㈱ファッション・コ・ラボ東京都 港区100%
  • ㈱アンドブリッジ東京都 港区60%
  • ㈱OpenFashion東京都 港区100%
  • ㈱ワールドプラットフォームサービス(注)8兵庫県 神戸市 中央区100%
  • ㈱ワールド ストアパートナーズ(注)4東京都 港区100%
  • ㈱ワールド プロダクション パートナーズ(注)4(注)7兵庫県 神戸市 中央区100%
  • ㈱ラ・モード(注)4熊本県 山鹿市84%
  • 世界時興(上海)貿易有限公司中華人民共和国 上海市100%
  • ㈱ワールド ビジネスサポート(注)4兵庫県 神戸市 中央区100%
  • エムシーファッション㈱(注)1(注)2東京都 品川区100%
  • ㈱ライフギアコーポレーション(注)4東京都 品川区100%
  • TCN Co., Ltd. (注)4中華人民共和国 上海市100%
  • 徠福吉亜貿易(東莞)有限公司(注)4中華人民共和国 東莞市100%
  • ㈱Idiom (注)4(注)7兵庫県 神戸市 中央区100%
  • ㈱ワールドソーイング山形県 米沢市100%
  • ㈱W&D インベストメント デザイン(注)4東京都 港区50%
  • ラクサス・テクノロジーズ㈱(注)5広島県 広島市 中区42%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年2月期の売上高は2,840億円営業利益160億円前期と比べると増収減益で、売上が+25.8%、利益が-4.2%。

売上高
+25.8%
2,840億円
営業利益
-4.2%
160億円
純利益
+9.1%
120億円
営業利益率
5.6%
前期比 -1.8%pt

会社が出している今期の予想2027年2月期

項目会社予想前期実績
売上高3,000億円2,840億円
営業利益175億円160億円
純利益126億円120億円
1株あたり配当¥67¥67

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は747億円、営業利益は73億円。前年の2025年1Qと比べると、売上は+27.9%、営業利益は+9.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q568−8
2024年1Q5345710.734
2024年2Q49710.2−2
2024年3Q6238914.349
2025年1Q5846711.541
2025年2Q517122.36
2025年4Q1,156887.663
2026年2Q1,369936.856
2026年4Q1,471674.664
2027年1Q747739.855

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は3,294億円から2,840億円へ86%に減った。直近期の営業利益率は5.6%。売上は2期、純利益は5期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月3,29431
㈱ケーズウェイを子会社化し、ルームウェア、肌着等のインティメイト事業へ本格参入。
2014年3月3,04120
2015年3月2,92645
タイ国でサハ・グループとの合弁会社 WORLD SAHA FASHION CO., LTD.を設立。
2016年3月2,7167
㈱アスプルンドを子会社化し、家具や雑貨などの輸入・販売・卸を行うライフスタイル事業を強化。
2017年3月2,50082
東京証券取引所市場第一部に再上場。
2018年3月2,45867
高級革製品を展開する㈱ヒロフを子会社化。
2019年3月2,49992
2020年3月2,36381
2021年3月1,803−171
ティーンズ・キッズ市場の中核企業である㈱ナルミヤ・インターナショナルを子会社化。
2022年3月1,7132
ラグジュアリーセレクトショップを運営する、㈱ストラスブルゴを子会社化。
2023年3月2,14257
2024年2月2,02368
OEM・ODM領域のB2B外販を拡大するため、エムシーファッション㈱を子会社化。
2025年2月2,2571677.4110
㈱阪急スタイルレーベルズの事業(コスメ・家具・インテリア雑貨)を承継した㈱ワールドスタイルレーベルズの株式を100%取得して、子会社化。
2026年2月2,8401605.6120

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年2月期

売上高2,840億円のうち、営業利益として残るのは160億円5.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は120億円、売上の4.2%にあたる。営業利益率は業種中央値3.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金50.8%1,443億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金43.4%1,233億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.6%160億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
49.2%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+1.8pt
5.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.0pt
4.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+8.1pt
13.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年2月期は営業CFが310億円、投資CFが−41億円で、差し引きのフリーCFは269億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は181億円で、売上の0.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月67−23−9444182
2014年3月135−3−153132163
2015年3月837−9790159
2016年3月14398−114241282
2017年3月167−204−33−37211
2018年3月205−59−148146210
2019年3月125−17235−47196
2020年3月269−79−182190202
2021年3月42−27−1115207
2022年3月173−20−148153214
2023年3月254−44−218210207
2024年2月275−20−255255208
2025年2月320−103−208217217
2026年2月310−41−309269181

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年2月期の総資産は2,801億円。このうち返さなくてよい自己資本が947億円で、自己資本比率は33.8%(業種中央値57.9%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月2,066861,9804.2
2014年3月2,0041121,8925.6
2015年3月2,0011251,8766.2
2016年3月1,8491271,7226.9
2017年3月1,9382031,73510.5
2018年3月2,0292701,75913.3
2019年3月2,1357701,36536.1
2020年3月2,6208151,80531.1
2021年3月2,4547841,67032.0
2022年3月2,5177861,73131.2
2023年3月2,5148241,69032.8
2024年2月2,3978201,57734.2
2025年2月2,7388121,87429.6
2026年2月2,8019471,83833.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年2月期の内訳
現金及び預金
181億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
726億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1,838億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
64
/ 100
安定性自己資本比率23 / 40
収益力営業利益率11 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

繊維製品 48社との比較

同じ繊維製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率48社中2位あたり、逆に低いのは自己資本比率48社中41位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
13.7%/中央値 5.5%
P25 2.7%P75 10.3%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
5.6%/中央値 3.9%
P25 1.4%P75 9.8%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
33.8%/中央値 57.9%
P25 39.9%P75 72.6%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
25.8%/中央値 0.5%
P25 -4.6%P75 5.6%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.2%/中央値 3.0%
P25 2.6%P75 4.2%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,601で、1年前と比べて+8.3%過去52週の値幅のなかでは69%の位置にある。

¥1,601-2.3%1ヶ月+2.5%1年+8.3%時価総額590億円
過去52週の値幅
安値¥1,324高値¥1,728

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)9.3倍
PER (会社予想)9.2倍
PBR1.23倍
配当利回り4.18%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は6月末の1600円から8月10日に1604円と横ばい。25日線1615円を下回り、75日線1553円は上回る。200日線1517円も上回り、中期的には底固い。52週高値1699円に近い水準。出来高は8月10日に52万株と増加し、商い活発。RSIは47と中立。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 72/100)

PER9.36倍は業界平均24.53倍を大幅に下回り、PBR1.23倍は業界平均1.01倍を上回るが、ROE13.66%と高収益。配当利回り4.18%は業界平均2.75%を大幅に上回り、配当性向50.57%と安定。業績は増収基調で、割安ながらPBRがやや高めで、今後の業績成長が鍵となる。

指標この会社業種平均
PER (実績)9.3倍26.6倍
PER (予想)9.2倍
PBR1.23倍1.01倍
ROE13.7%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

アパレル業界は構造的な需要減少と競争激化に直面する中、同社はECや海外で成長を模索。強気派は、既存ブランドの安定とEC拡大、海外市場での伸びしろを評価。弱気派は、アパレル市場の縮小や天候リスク、百貨店依存の脆弱さを指摘し、中期的な収益性に疑問を呈する。

プラスに働く材料7
  • EC成長が寄与

    EC販売が増加し、販売チャネル多様化が進む。

  • 海外事業拡大

    海外売上が増加し、成長機会を提供。

  • 増収増益

    直近の売上高2840億円、経常利益160億円と増収。

  • 売上高2,840億円・前期比25.8%増収2026年2月期影響

    売上高は2,257億円→2,840億円と約583億円増加

  • 当期純利益120億円と2期連続増益通年影響

    純利益は110億円→120億円と10億円拡大

  • 予想PER9.3倍とPBR1.23倍の割安水準不定影響

    予想PER9.3倍、ROE13.66%

  • 配当利回り4.18%の高利回り継続影響

    配当利回り4.18%、PER9.36倍

マイナスに働く材料7
  • 市場縮小

    国内アパレル市場が縮小傾向にあり、中長期の成長に陰り。

  • 百貨店依存

    百貨店売上が振るわず、チャネルリスク。

  • 天候依存

    気温変動で売上が左右され、業績が不安定。

  • 営業利益率5.63%と前期比1.77pt低下2026年2月期影響

    営業利益率は7.4%→5.63%に悪化

  • 増収にもかかわらず営業利益は7億円減益通年影響

    営業利益は167億円→160億円と減少

  • 株価は1年で15.52%上昇し利食い売り不定影響

    前年比+15.52%、高値圏で需給が悪化

  • 決算発表後の材料出尽くし感決算発表後影響

    予想PER9.3倍に織り込み済み

次の決算で確かめる点
EC売上高比率
ECの成長が全体の収益を押し上げるか確認。
海外売上高
海外事業の貢献度と成長可能性を測る。
既存店売上高
店舗販売の実勢を把握。
経常利益率
収益性の維持・改善を確認。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり67で、前期から+36.3%いまの株価に対する利回りは4.18%。増配か配当維持が4年続いている。

年間配当
¥67
1株あたり
配当利回り
4.18%
いまの株価に対して
配当性向
50.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
4年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2020年3月27325.8
2022年3月14−49.1
2023年3月1829.636.4
2024年2月2860.040.5
2025年2月4042.950.6
2026年2月5536.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥67

株主

有価証券報告書より

2026年2月期末の株主数は延べ44,145人。区分でいちばん多いのは個人・その他52.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が29.2%を占め、残る70.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年2月%2025年2月%2026年2月%
個人・その他49.350.945.044.147.352.1
外国法人11.69.717.920.015.215.7
事業法人16.517.816.014.013.715.2
金融機関17.120.318.519.919.014.0
証券会社5.51.32.72.04.62.9
自己株式2.11.61.21.00.91.3
外国人個人0.00.00.00.00.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)9.01
02寺井 秀藏5.87
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.35
04株式会社エイティ2.71
05株式会社ケイエム2.71
06株式会社ワイアール2.71
07株式会社イーエイチ2.28
08上山 健二1.89
09JPモルガン証券株式会社1.55
10ワールドグループ従業員持株会1.46

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近6
  • 2026-08-18
    寺井 秀藏
    変更報告
    16.09%
    +0.01pt
  • 2026-08-10
    寺井 秀藏
    新規の大量保有報告
    16.09%
    +0.01pt
  • 2026-07-17
    寺井 秀藏
    新規の大量保有報告
    5.16%
    -0.32pt
  • 2026-07-13
    寺井 秀藏
    新規の大量保有報告
    5.48%
    -0.13pt
  • 2026-05-13
    寺井 秀藏
    変更報告
    6.14%
    -0.71pt
  • 2026-05-13
    寺井 秀藏
    新規の大量保有報告
    5.61%
    -0.53pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+1206%、1株純資産は14期で+3538%。直近期のROEは13.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月133647.39.1
2014年3月94720.6
2015年3月13769138.1
2016年3月417035.9
2017年3月4521,12749.4
2018年3月3741,48228.5
2019年3月3552,31417.76.322.5
2020年3月2432,44610.26.2325.8
2021年3月−2561,164
2022年3月−41,1620.3
2023年3月761,2137.19.736.4
2024年2月941,2058.210.340.5
2025年2月1591,19113.57.450.6
2026年2月1711,30013.79.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2026/2期の役員報酬は総額214百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約9倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
鈴木信輝代表取締役 社長執行役員52608,000
中林恵一取締役 副社長執行役員54629,000
畑崎充義取締役63452,000
青木英彦社外取締役 取締役会議長59
堤はゆる社外取締役64
大石良社外取締役53
松沢直輝取締役(監査等委員)65288,000
福島かなえ社外取締役(監査等委員)52
冨田尚子社外取締役(監査等委員)62

役員報酬の内訳2026/2

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円ストックオプション百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)3105301114749
社外取締役649498
取締役(社内)1181818

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/2期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,055字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社48社及び持分法適用関連会社又は共同支配企業2社より構成されております。 当社グループの事業内容は、国内外にて婦人、紳士及び子供衣料品並びに服飾雑貨の販売を営むブランド事業、ファッションに特化したECモール運営や情報・物流システムの業務受託等のデジタルソリューションの提案、デジタル軸での新たなサービスの開発・展開を担うデジタル事業、衣料品並びに服飾雑貨等の生産・調達・貿易や什器製造販売を通じた空間創造支援等のプラットフォーム事業を営んでおります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 以上の概要を図示すると次のとおりであります。 ■ブランド事業 ブランド事業では、国内を中心に、アパレル・雑貨等の小売業を運営しており、ブランド事業セグメント全体最適の視点で、ブランドポートフォリオ戦略を機動的に修正し、成長性と収益性のバランスを図っております。 (国内アパレルブランド) 国内アパレルブランドにおいては、百貨店を中心に展開するミドルアッパー業態とショッピングセンターを中心に展開するミドルロワー業態にて婦人、紳士、子供服に加え、肌着等のインティメイトなどの小売業を展開しております。各ブランド事業を営む子会社は、衣料品の商品企画を行い、その商品企画に基づいて、当社のプラットフォームを活用して調達した商品を直営店舗、EC販路及び専門店を通じて、主に国内市場で販売しております。また、㈱ワールドフランチャイズシステムズは、主に㈱アルカスインターナショナルのフランチャイズ事業を展開しております。 (国内ライフスタイルブランド) 国内ライフスタイルブランドにおいては、服飾雑貨や生活雑貨、ジュエリーや革小物に至る雑貨業態を展開しております。中間持株会社である㈱ワールドライフスタイルクリエーションの統括の下、例えば、㈱ライフスタイルイノベーションが、独自で服飾雑貨や生活雑貨等の企画、調達及び販売を行っております。 (海外) アジアを中心に独資若しくは合弁で展開しており、日本のブランド事業会社から輸入、若しくは、現地で独立して企画、調達した衣料品並びに服飾雑貨、生活雑貨等を現地で独立して販売しております。 (投資) 投資サブセグメントにおいては、収益面で課題のあるブランドのバリューアップの他、外部より連結加入してきた企業に対して、当社グループの一員としてプラットフォーム活用のシナジーなどが早期に発揮できるよう事業のPMI(M&A後統合プロセス)に取り組んでおります。 ㈱W&Dインベストメントデザインを中心に、アパレル領域での事業の再生や成長の支援に取り組んでおります。 ■デジタル事業 デジタル事業は、B2Bソリューション及びB2Cネオエコノミーから成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、当社グループにおける重点投資の領域と位置付けております。 (B2Bソリューション) B2Bソリューションは、Eコマースとデジタルソリューションから構成されております。Eコマースでは、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営を受託しております。 デジタルソリューションにおいては、自社の物流インフラの改善・提供や基幹システムの刷新・展開に限らず、㈱ファッション・コ・ラボが営業窓口として他社に向けた基幹システムやCRM(顧客管理)システム等の新たなビジネスソリューションの提供などを行っております。 (B2Cネオエコノミー) B2Cネオエコノミーにおいては、「サーキュラー」というキーワードへ焦点を当てる形で、これまで様々なテーマで実験してきた事業の「選択と集中」による成長戦略を追求しております。㈱ティンパンアレイでは、ユーズドセレクトショップの運営を行っており、2024年3月より連結子会社化した㈱アンドブリッジでは、オフプライスストア「& Bridge」を運営しております。またラクサス・テクノロジーズ㈱では、ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルサービスも行っております。 ■プラットフォーム事業 プラットフォーム事業においては、当社グループが長年に渡って培ってきた様々なノウハウと仕組みが凝縮された、多業態・多ブランドを支えてきたプラットフォームについて、これまでの当社グループ企業による利用に加えて、積極的に外部企業にも開放する形で各種サービスの提供へ取り組んでおります。この取り組みを加速させるため、2022年4月1日付で㈱ワールドプラットフォームサービスを新設し、㈱ワールドストアパートナーズ、㈱ワールドプロダクションパートナーズ、㈱ワールドビジネスサポート、㈱ワールドアンバー及び㈱アスプルンドの5社を同社の傘下に配置しております。 アパレルプラットフォームのうち生産プラットフォームでは、その中核である㈱ワールドプロダクションパートナーズが、国内製造会社、協力縫製メーカー及びOEMメーカーにおいて製造された商品について、その大部分を当社のブランド事業子会社に供給しているほか、製造子会社群の生産性改善の指導・支援、他社アパレルの商品開発及び製造(OEM・ODM事業)も行っております。また2025年2月28日付で三菱商事ファッション㈱(同日、エムシーファッション㈱に社名変更)を100%子会社とし、プラットフォーム機能の強化を図っております。 また、アパレルプラットフォームのうち販売プラットフォームを担う㈱ワールドストアパートナーズにおいては、店舗開発、催事の企画・運営及びアウトレットを通じた在庫消化や他業種小売業の運営受託も行っております。 この他、ファッションビジネスに係る様々な事務処理・手続等の各種事務サービスなどを提供するシェアードサービスプラットフォームを担う㈱ワールドビジネスサポートは、当社グループを含めた企業の各種事務処理の代行を行っております。また、ライフスタイルプラットフォームを担う㈱アスプルンドは、アパレル以外の業界にも営業活動を広げて、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供等の空間創造事業を行っております。 なお、当社グループの次期経営構想「VISION-W」の実現に向け、2027年2月期より事業経営を「B2C」「B2B」の2大事業セグメントに移行のうえ、サブセグメントにおいても市場、及びビジネスモデルに応じて再編いたします。 本再編は、非アパレルの大きな成長に伴い、アパレルのみに依存しない事業構造の完成に向けて、グループの強みを最大限に活かし、グループ全体の更なる構造的な生産性改善を図るとともに、より明確な事業責任と素早い資源配分を実現するための構造的な施策です。この再編と同時に、グループ全体のポートフォリオマネジメントに一層磨きをかけ、中長期的に持続可能な価値創造を通じて、株主価値並びに社会的価値の両立を図り、ステークホルダーの皆様の期待に応え続けるよう努めてまいります。 本再編後の体制および商流を図示すると次のとおりであります。 ■グループ概要 ■B2C事業 ■B2B事業
経営方針・対処すべき課題7,757字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針等 当社グループは、「創造全力、価値共有。つねに、その上をめざして。」をコーポレート・ステートメントとして設定し、お客様へ価値を提供し続ける仕組みをつくり、それを実行することにより、お客様の共感をいただき、つねに新たな可能性に向けて自らを革新し続けていくことに挑戦しております。 具体的には、当社グループは、1992年、顧客価値と生産性の最大化を目的に、消費者を起点に小売から生産までを一気通貫させ、ロス・無駄を価値に変える「スパークス(SPARCS)(注)」構想を発表しました。これはファッション産業において、それまで分断されていたビジネスモデルをつなぎ、在庫ロスと機会ロスを最小化すると同時に、当社グループにおいてコアとなる生産系、開発系、マーチャンダイジング系、店舗運営系のそれぞれの業務において再現性のある仕組みをプラットフォーム化することで競争優位性を高め、変化する顧客のニーズにスピーディーに応えることを意味しております。 当社グループは、「スパークス(SPARCS)」モデルを日々進化させ、これまで培ったプラットフォームを梃子に、生産から販売に至るすべての業務やリアルとネットのオペレーションを情報で同時につなぐべく、IT技術で事業基盤を絶え間なくアップデートし続けております。 そして、現在、中長期な基本方針として、「SPARCS構想」をライフスタイルやサーキュラー領域にまで拡張するとともに、プラットフォーム機能をさらに強化していくことで「ワールド・ファッション・エコシステム」の確立と進化を目指しております。また、「ワールド・ファッション・エコシステム」を当社グループ以外のお取引先様にご利用頂くことで、多様なブランド、ファッションの楽しさ、価値あるモノを、あらゆる形でお客様にお届けし、ロス・ムダのない持続可能なファッション産業の構築をめざしております。 (注)スパークス(SPARCS):Super (卓越した)、Production (生産)、Apparel (アパレル)、Retail (小売)、Customer Satisfaction (顧客満足)の略称であり、お客様を起点に小売から生産までを一気通貫させ、ロス・無駄を価値に変えることで顧客満足と生産性を最大化する仕組みを意味します。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループでは、本業の稼ぐ力を表す「コア営業利益」を最も重要視する経営指標としております。コア営業利益は、IFRSに基づく売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて算出した、日本会計基準の営業利益に相当する数値であり、この持続的な向上を成長性の視点での重要指標に位置付けております。2027年2月期より始まる次期中期経営計画「VISION-W」においても同じ基準で「事業利益」と表記は変わりますが、(ROICの分子である)NOPATと併せて重要視しております。 この他、当社グループでは、次期の中期経営計画「VISION-W」より、成長性として「親会社利益成長率」の年率8%増、収益性として「ROE」12.5%以上及び「ROIC」8.5%以上を、健全性として「ネットD/Eレシオ」0.75倍以下を経営指標とその目標値として掲げております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、SPARCS構想を進化させ、ロス・ムダのないファッション産業世界の追求を行い、ファッションの多様性と持続性を実現し、お客様にあらゆる形でファッションの楽しさを提供し続けたいと考えております。そのために、ファッション産業の共通基盤となりうるワールド・ファッション・エコシステムの確立を目指しております。ファッションビジネスで培ったノウハウ・仕組みをさらに進化させ、多様なサービス・商品を提供してまいります。 事業戦略におきましては、ブランド事業を中心としたB2C事業の利益構造の再構築を進めるとともに、プラットフォーム機能をワールドグループ以外のお取引先様へ提供する外販を通じてB2B事業の拡大を進めております。次期中期経営計画「VISION-W」においては、これまでのブランド事業・デジタル事業・プラットフォーム事業でのセグメントをB2C事業・B2B事業に再編し、売上成長性と資本収益性を軸とした事業ポートフォリオマネジメントへと進化させ、社会・顧客への価値創造に邁進してまいります。 B2C事業は、ワールド・ブランズ(B2Cホールディングス)の傘下にアパレル・ライフスタイル・ユニーク(ジュエリーやインティメイトなどの特徴を持った個性の強い事業体)のサブセグメントを形成し、戦略上重要で育成が必要な海外・サーキュラーをワールド(グループホールディングス)直下と位置付けました。今後、B2C事業では、アパレルセグメントの商品企画・生産・販売・サービスといったバリューチェーンの再構築に腰を据えて取り組みます。一方、海外・サーキュラーセグメントは、質を伴った成長加速を重点投資で図ってまいります。 B2B事業は、ワールド・ソリューションズ(B2Bホールディングス)に傘下にサプライチェーン(アパレル雑貨のOEM・ODMにより商品を提供)・テクノロジー(AIを含むITソリューションサービス)・人材オペレーション(店舗開発から販売代行・教育研修などのサービスを提供)のサブセグメントを形成しました。B2B事業においては、特にROICが高く成長性の高い人材オペレーション・テクノロジーセグメントへリソースを集中投下して拡大を図る方針です。 当社としては、3,000店舗規模のB2Cのリテールネットワークと当社がこれまで拡張してきたファッションビジネスにおいてフルサービスの提供が可能なB2Bのソリューションのシナジーを図るとともに、「ナルミヤキャラクターズ」に代表される社内IP開発・活用や社外IPとの共創による新たな価値創造に加えて、B2Cの再生投資案件やサーキュラー事業、B2Bのサービス領域など多数の成長機会において、M&Aも含めた積極果敢且つ規律の効いた成長投資も実行することで価値創造を目指してまいります。 (4)経営環境及び対処すべき課題 当社グループを取り巻く経営環境は、国内の雇用・所得環境に底堅さが見られるものの、国際情勢の不安定化に伴う地政学的リスクの高まりや為替の変動、これらに起因するエネルギー・原材料価格の高止まり等により、依然として先行き不透明な状況にあります。度重なる物価上昇を背景に消費者の生活防衛意識は一段と高まっており、個人消費においては、価格に見合う価値があるかを厳しく見極める傾向が強まっております。 国内のアパレル市場においては、人口減少や少子高齢化に伴う市場の成熟化が進むなか、近年の記録的な猛暑の長期化といった気候変動要因も相まって、販売動向の不確実性が増しております。また、デジタル化やAI技術の急速な進展により、異業種や外資系企業を巻き込んだプレイヤーの淘汰を伴う競争激化が継続しております。 さらに事業運営の側面では、海外生産地での加工賃上昇に加え、国内の人手不足に起因する人件費や物流コストの構造的な上昇が生じております。このように多方面でのコスト増加が業界全体の収益を圧迫するなか、アパレル・リテール企業各社においては、限られた経営資源をより効率的に活用し、サプライチェーン全体の最適化を図る動きが広がっております。 こうした業界横断的な課題を背景に、企画・生産から物流、IT、販売といった一連の事業活動において、他社が提供する各種ソリューションを活用して自社の事業課題の解決を図るニーズが急速に高まっております。加えて、こうした厳しい事業環境を契機に業界内における事業再編や企業再生の動きも活発化しており、当社グループが有するプラットフォーム機能やこれまでの事業再建ノウハウを活かしたB2B外販やM&Aの機会が着実に増加しております。 このように、当社グループを取り巻く市場環境は全体として引き続き厳しさを伴うことが想定される一方で、顧客の購買行動や企業の事業運営の在り方が個人・法人を問わず大きく変化しております。当社におきましては、多様なプラットフォーム機能の提供や、同業他社の再生支援を通じた非連続な事業拡大など、新たなビジネスチャンスも着実に広がっております。 こうした国内ファッション産業や消費者の大きな変化の中で、永続的に成長を遂げ、勝ち続ける企業組織であるためには、これらの環境変化を正しく把握したうえで、更なる変革が必要であると認識しております。その変革を具現化すべく、当社グループでは以下の点を対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。 ①事業収益力の向上 当社グループは、2027年2月期より始まる次期中期経営計画「VISION-W」より、これまで事業展開してきたセグメントを、市場とビジネスモデルに応じて「B2C」事業及び「B2B」事業の2大事業セグメントに再編しております。各々の事業セグメントにおいては、更にサブセグメントを設け、それぞれの事業特性や競争環境に応じた最適な事業運営体制を構築いたします。また、各事業セグメント間の密接な連携や機能活用でグループシナジーを追求し、収益力の向上を図ってまいります。 今般のグループ再編では、グループ全体の強みを最大限に活かし、事業責任の明確化と迅速な資源配分を実現することで、より効率的かつ効果的な事業運営を目指します。特に、コスト競争力の強化と重複の解消を通じて、グループならではの規模を活かした競争優位性を確立するとともに、企業経営の透明性の向上や経営戦略の納得感の醸成を通じて、ステークホルダーの皆様への説明責任も果たしてまいります。 それぞれの事業セグメントの具体的な課題や取り組みについては、以下のとおりであります。 (B2C事業) 国内外のアパレルブランド及び国内ライフスタイルブランドにおいては、強化すべきブランドと店舗への選択と集中に取り組んでまいりました。子会社各社が市場最適に向けた改善活動を行っていることに加えて、様々なテーマの改革をグループ横断で実施しております。 成熟した国内市場では、過去のようなブランド開発や新規出店だけに頼った収益成長が見込めないと判断しており、既存のブランドや店舗の付加価値を再構築するべく、グループに分散していたマーケティングの組織を統合して強化を図るとともに、店頭で販売を担うドレッサーのインフルエンサー化によるSNS経由でのマーケティングを進めるなど、店舗とECのシームレスなサービス提供に向けて総力を挙げて取り組んでまいります。 当面の最重要課題として、アパレルブランドは過度な売上拡大を前提としたMD設計を見直し、プロパー消化率を重視する方針へ転換するとともに、根本課題である商品開発力・MD精度・販売力を向上させることで収益力を回復させてまいります。すでにブランド本部の人員再配置や型数・仕入れ量の戦略的な削減など構造改革を断行しており、「VISION-W」に向けて収益構造の抜本的な改善に一部着手しております。 一方、サーキュラー事業は、国内二次流通市場の拡大を背景として、ユーズドセレクト業態及びオフプライス業態の双方で引き続き仕入強化を図り、良質な在庫の確保を優先的に進めております。加えて、国内リユース市場では、大手企業による寡占化が急速に進んでいることから、当社でも新規出店と業態開発に注力するほか、M&Aの機会も積極的に捉えていく所存であります。 海外市場では、タイのサーキュラー事業が安定化し始め、すでに拡大フェーズに入りつつあるほか、今後は香港やマレーシアでの店舗ローンチも予定しております。また、少子高齢化が進む国内とは対照的に、キッズブランドに対する強いニーズも活かしてまいります。一方で、長く事業を営んできた台湾では、既存ブランド群が国内アパレルと同様に収益力及び成長性の課題に直面しており、その根本的な改革を急いでおります。 (B2B事業) B2B事業においては、当社グループが長年にわたって培ってきた様々なノウハウと仕組みが凝縮された、多業態・多ブランドを支えてきたプラットフォームを、積極的に外部企業にも開放する形で各種サービスの提供に取り組んでおります。 サプライチェーンセグメントにおいては、OEM受託として、国内から中国、アセアンにいたる幅広い生産基盤や企画機能といった生産支援メニューを外部企業に提供しております。また、競争優位性のある海外什器調達力を背景にホテルや飲食店の内装等にも事業範囲を拡大しております。 テクノロジーセグメントにおいては、EC等における受注、梱包、発送、入金等の一連のプロセスを指すフルフィルメントや、バリューチェーンをフルカバーする多様な機能群に至るまで、ファッションビジネスに必要な全ての業務領域をシステムで支えるデジタルプラットフォームの構築と提供を推進しております。 人材オペレーションセグメントにおいては、店舗開発や販売代行、在庫換金といった多様な販売支援メニューを提供しております。この他、BPOサービスとして、ファッションビジネスに関わる様々な事務処理・手続き等の各種事務サービスを一括で受託できる体制を整えております。 当社グループの各種プラットフォームを顧客ニーズによって組み合わせ、ワンストップでサービスを提供することは、例えば、海外ブランド企業の日本進出支援などにおいて極めて有効な手段となります。また、異業種の顧客の事業課題の特定や、戦略構築から伴走しながら、当社グループのノウハウやリソースを活用して、顧客の事業の開発や拡張をサポートする潜在案件も着実に増加しております。 B2B事業における課題は、こうした旺盛な需要を確実に取り込み、事業の「成長性」を加速させることであります。顧客の課題を的確に捉えた外販営業の提案から各種ソリューションの提供を可能にする、十分な人材を質と量の両面で確保することが最優先課題であると認識しております。このため、外部から優秀な人材の獲得を進めるほか、グループ内のジョブローテーションとリスキリングを掛け合わせた育成にも注力しております。 ②財務体質の改善 当社グループは、保有資産の有効活用による価値極大化も目指しており、資産に対するリターンである資産効率の向上に取り組んでおります。また、債務返済の能力及び事業の収益性・成長性を持続的に向上できるよう、社債A格で最もレバレッジが効いた状態である「最適資本構成」の確立を目指しています。 これまでブランド事業の中核的なアセットである棚卸資産の圧縮で在庫回転率の改善を進めてきたほか、政策保有株式の売却や所有不動産の入れ替えなどで固定資産の収益力も引き上げました。こうした資産の効率性及び収益力の向上を図るとともに、その対となる資金調達面において、負債・資本バランスといった財務体質の改善を追求してまいりました。 MBOの経緯から資本に対する借入金の割合が大きいという課題は、コロナ禍に伴う資本及び資金の復元として手当した永久劣後特約付ローン(注)を完済したことで一定の目処が立ちました。2027年2月期から始まる次期中期経営計画「VISION-W」では、事業活動により得た利益を原資とした資金の配分を財務改善から成長投資と株主還元へ移してまいります。 また、当社グループでは、有利子負債と株主資本の最適な資本構成を検討する目的から、ネットD/Eレシオを財務体質の健全化指標としております。中期経営計画「PLAN-W」策定時において、中長期的にネットD/Eレシオ0.5倍を目標として財務体質の健全化に一定の目処がついたことから、次期中期経営計画「VISION-W」においては、IFRS第16号に伴うリース負債を含めたネット有利子負債を用いた上で0.75倍未満の水準を目指してまいります。 (注) 永久劣後特約付ローンは、元本の弁済期日の定めがなく利息の任意繰延が可能なことなどから、国際会計基準(IFRS)における「資本性金融商品」に分類され、本劣後ローンによる調達額は、当社連結財政状態計算書上、「資本」に計上されることになります。 ③人材等のリソースの確保 当社は、今後の事業の持続的な成長に不可欠な人材や資金といったリソースの確保を経営上の重要課題と認識しており、企業価値改善と従業員価値改善の好循環を通じて、ステークホルダーの価値改善を実現して行く方針を掲げております。 当社グループは、ファッションテック、デジタル、B2Bソリューション等の成長分野において、M&Aを通じて、エンジニアや事業責任者等の人材及び関連する技術・ノウハウを獲得してまいりました。 今後は、「VISION-W」の実現に向けて、投資やIPアライアンス、海外など成長事業における優秀な人材の獲得、事業構造の転換に伴いB2C事業からB2B事業への人材ローテーションとリスキリング、グループ幹部で構成する人材開発委員会による従業員の育成・登用などを進めてまいります。加えて、次世代経営チームを組成して社内外の人材を登用し、継続的に次世代リーダーを輩出していく仕組み作りを進めております。 ④コーポレート・ガバナンスの強化 当社はグループ企業価値を高める持株会社として、グループ全体の経営戦略及び財務・資本戦略を立案し、子会社間でのシナジー効果の追求や子会社に対する管理・監督機能を適正かつ有効に発揮すべく、グループの業務や組織運営、事業ポートフォリオの最適化や保有資産の価値最大化に取り組んでおります。 そして、企業の社会的責任(CSR)の高まりに継続的に応えていくため、今後も意思決定プロセスの透明性確保や企業経営の効率性向上に注力するとともに、コンプライアンス体制の強化と内部統制システムの充実を図ってまいります。特に、2027年2月期より2大事業セグメントへ再編したことに伴い、B2C・B2Bそれぞれの中間持株会社が各々の事業特性に応じてガバナンスの強化に取り組む状態を整えております。 また、企業経営は、監督と執行の分離で迅速な意思決定を行うことにより、グループ企業価値の更なる向上を目指しております。同時に、社外取締役が過半数を占める取締役会の監督機能の強化や役員の健全な新陳代謝の進展なども図っており、グループの経営力の更なる向上ならびにコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化に取り組んでおります。
事業等のリスク5,943字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経済情勢の変化に関するリスク 当社グループは、収益の大部分を日本国内で得ているため、日本の経済情勢の影響を強く受けます。このため消費税増税等の政策や自然災害等日本固有の要因はもとより、地政学リスクや原料高等に起因する世界的な経済活動の低迷等が日本の経済情勢に悪影響を与え、当社グループが、事業ポートフォリオの拡大や展開国の多様化など、顧客基盤の拡大を進めず経済情勢の変化に備えない場合は、当社グループの収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 気候変動がもたらすリスク 当社グループは、気候変動に関わる課題を当社グループの経営に重要な影響を与える主要なリスクのひとつとして認識しております。気候変動による影響は一部顕在化しており、例えば、地球温暖化に伴う気温上昇や季節性(四季)消滅はアパレルなどの購買行動の変化を招くことから、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、リスクが当社の経営に与える影響と影響に対する対応策については、前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 (3) 消費者の嗜好の変化等に関するリスク 当社グループが取り扱う衣料品、服飾・生活雑貨を中心としたファッション業界は、ファッショントレンドの移り変わりによる消費者の嗜好の変化の影響を大きく受けます。ファッショントレンドについては、SNSの浸透等により情報の発信源が広がっていることや、中長期的にはより低価格の商品が嗜好される傾向にある一方で、近時は相応の品質を備えた商品が好まれるトレンドも一部で見られるなど、消費者の嗜好は多様化しており、これを正確に予測することは従来に比して困難になっております。 当社グループは多くのブランドを海外含む多様な販売チャネルで展開することで消費者の多様な嗜好に対応していく所存であり、また、B2B事業の拡大による事業ポートフォリオの最適化により影響を抑えるように努めておりますが、現時点で当社グループがその収益の多くを得ているB2C事業において、当社グループがこのような消費者の嗜好の変化に適時かつ適切に対応できない場合や当社グループ又はその各ブランドの消費者からの評価や支持が低下した場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 仕入価格その他の費用の増加によるリスク 当社グループの事業活動については、製造国・地域の人件費増加、原材料費の増加、為替レートの変動等を要因とした仕入価格の上昇が発生する可能性があり、とりわけ当社グループの商品の多くが製造されている中国をはじめとする新興国における人件費の増加、世界的な物流網の混乱や原料高、米ドルに対する円安の影響を受けやすい状況にあります。当社グループでは、海外生産の東南アジア開拓や自社工場を含んだ国内生産回帰などの生産背景の多様化を講じることで、商品仕入では中国など特定の国に依存する状態の回避に努めております。 また、国内においても、都市部を中心とする賃貸物件の賃料の上昇、原油価格の高騰や物流業界における人手不足による輸送費用の増加、各販売チャネルや製造拠点における人件費の増加又は今後の新規出店やシステム投資による減価償却費の増加も見込まれます。当社グループは、このような仕入価格や販売費用等の増加の影響を価格設定やその他の手段によって抑えるように努めておりますが、かかる措置が功を奏しない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人材に関するリスク 当社グループでは、人材は企業の競争力の源泉であり、企業は個人の自己実現の「媒体」であるという考えから、「人中心経営」の発展に日々努めております。しかしながら、近年の日本における労働人口の減少やこれに伴う人材獲得競争の激化及び人件費の高騰等により、経営幹部、ITエンジニア、投資人材、デザイナー・パタンナー、販売員、営業人材等、有能な人材を確保、育成、雇用継続することができず、又は、これに多額の費用を要することとなり、その結果、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 仕入先、製造委託先、物流委託先、B2B取引先およびその他の取引先に関するリスク 当社グループでは、仕入先、製造委託先、物流委託先、B2B取引先およびその他の取引先の経営状況及び信用度の把握に努めております。しかしながら、取引先の経営状況の悪化や信用不安によっては、貸倒れリスクや支払いの遅延、商品の調達・販売の支障を招く可能性があるほか、出店先である百貨店・ショッピングセンター・駅ビル・ファッションビル等の経営破綻や閉店等により、当該施設に出店する収益店舗等の営業活動が終了し、また、追加的な損失や引当の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 新規事業に関するリスク 当社グループでは、長期的・持続的な企業価値の向上を目指すため、常に顧客のニーズの動向やマーケット・チャネルの効率性の変化を的確に捉えるべく、新たな価値を生み出す新規事業へ積極的に取り組み続けております。新規事業を開発・推進していく過程で事業投資を行う際には、十分な調査・研究を行った上で最終的な判断を下すよう留意しておりますが、市場環境の急速な変化や当社グループの新規事業での経験の不足等により当社グループの期待した成果を上げることができない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) M&Aに関するリスク 当社グループでは、事業ポートフォリオの最適化又は投資成果の享受を目的として、当社グループが直接行う買収・マイノリティ出資や当社グループの出資する投資会社を活用したM&Aによって、設備、人材又は技術・ノウハウ等を保有する企業のグループ加入で事業の飛躍的成長を図っております。 しかし、M&Aにおいて、個々の案件の獲得が成功するか否かは、当社グループが投資にかかる適切な機会を発見できるかということや、資金力のある他社との競争並びに当社グループによる投資機会についての正確な評価及び売主との交渉力に左右される可能性があります。 さらに、投資実行後も、当社グループのノウハウやリソースを投入したにもかかわらず、PMI(M&A後統合プロセス)が円滑に進まない、又は、市場経済状態が投資検討時より悪化する場合には、当初期待した収益や効果が得られずに目的を達成できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、マイノリティ出資においては、出資先の経営陣が当社グループの意思に反する経営判断を下す、又は当社グループの意思に反して若しくは不利な条件で、当社グループの投資持分を売却せざるを得なくなる可能性があり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報に関するリスク 当社グループは、直営店舗、ECサイトおよびモール出店先の顧客、従業員等の個人情報のほか、経営戦略上の施策、商品開発等に関する重要な機密情報を多数保有しております。このため、個人情報及び機密情報の取り扱いについては、情報管理者を選任し、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステム、紙情報の保管管理等の改善を常に図り、情報の利用・保管等に関する社内規程・基準を設け、情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、牽制システムの構築等、情報管理体制を整えております。 しかしながら、人為的なミス、コンピュータシステムの予期せぬトラブル等による情報流出や不正アクセスやサイバー攻撃等の犯罪行為による情報漏洩が発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループは、顧客等からの損害賠償の対象となり又はこれに対応するための費用等が生じうるほか、行政処分の対象となる可能性があり、その結果、当社グループの社会的信用度が低下し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 知的財産権に関するリスク 当社グループでは、特許権、商標権等の知的財産権を所有しており、法令の定め及び社内規程に則って関係する国や地域での商標の取得を含む管理体制を整えておりますが、国・地域等によっては知的財産権の保護に関する制度や体制が十分に確保されているとは言えない場合があります。国内外において、当社グループ商品の模倣品が市場に流通する等、当社グループの知的財産権が第三者により侵害された場合、当社グループ又はそのブランドのイメージを侵害し、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが意図せず第三者等の知的財産権を侵害してしまった場合には、当該第三者から訴訟等を提起される可能性があり、損害賠償や補償等、又は訴訟等に対応するための多大な時間、労力、費用を要する可能性があることに加え、当社グループ又はそのブランドのイメージ、評価、社会的信用を害する可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) ハザードに関するリスク 当社グループでは事業継続計画(BCP:Business continuity planning)を作成し、BCM(Business continuity management)に関する取組みを行っております。しかし、異常気象や地球温暖化等の影響による天候不順、台風や集中豪雨等の予測できない気象状況の変化が起きた場合、又は、地震及び地震に起因する津波、電力不足等・風水害・落雷等不測の自然災害やパンデミック、突発的な事故、火災及びテロ行為、インフラの断絶、ITシステムの故障、サイバー攻撃等により、事業の一部中断や取引先(仕入先等)に被害が生じた場合、当社グループの売上が減少するのみならず、製造及び出荷の遅滞、又は製造・物流設備の修理、取替え、再製造等に係る費用が増加し、多額の損失をもたらし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 海外に関するリスク 当社グループは、中国、台湾、タイ、マレーシアでの販売事業と中国をはじめとするアセアンでの生産管理及び貿易業務を行っております。 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は現時点では軽微ですが、今後海外で販売・生産の両面を進めるうえで、現地の自然災害や感染症、テロや戦争、政変や経済情勢の悪化、為替レートの変動、インフレの発生や生産コストの上昇、運輸・物流の未整備、現地従業員の雇用問題、地政学的問題等の社会情勢、知的財産権訴訟を含む法律や制度及びその改正、消費者の嗜好及び購買行動の差異といったリスクが内在しております。 海外事業にてこれらのリスクが顕在化した場合には、販売事業の継続や取引工場の操業が困難になり、海外での売り上げ減少、日本国内への商品供給体制(仕入活動)に支障が出る等の問題が発生することにより、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 外国為替相場の変動に伴うリスク 当社グループの商品の多くは海外で生産されていますが、大半の商品は日本国内で販売されているため、当社グループの商品の仕入価格は外国為替相場の変動により影響を受けます。 また、海外子会社の財政状態及び経営成績、外貨建ての取引並びに資産及び負債は、当社グループの連結財務諸表の作成時に円建てに換算されるため、当社グループの財政状態及び経営成績は外国為替相場の変動により影響を受けます。 (14) 減損に関するリスク 当社グループは、2026年2月28日現在、2006年4月のMBOを含む過去のM&A等により生じたのれん61,168百万円を連結財政状態計算書に計上しているほか、その他の有形・無形の固定資産も有しています。今後、これらの固定資産に係る事業の収益性が低下する場合、当該固定資産の帳簿価額と公正価値の差を損失とする減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループが認識しているのれんは、各連結子会社を資金生成単位として配分し、減損テストを実施しております。当社グループにて実施しているのれんの減損テストについては、後記「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.無形資産」を参照下さい。 (15) 多額の借入金、金利変動及び有利子負債の財務制限条項への抵触に関するリスク 当社グループは、金融機関からの融資契約(シンジケートローン)を含む借入により事業資金を調達しております。2026年2月28日現在における総資産に対する借入金の割合は29.2%となっております。 当社グループは、中長期的に借入金の削減を行っていく予定ですが、かかる削減が進行しない場合、借入金及び金融費用・支払利息の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの借入金のほとんどについては変動金利となっているものの、現在の金利動向等に鑑みて、当社グループは金利変動へのヘッジを行っていないことから、市場金利が上昇等により調達金利が変動した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループが締結している融資契約(シンジケートローン)に基づく借入金については、一定の財務制限条項が付されております。かかる財務制限条項は、純資産維持及び利益維持に関する一般的な数値基準を設けるものであり、当該金融機関からの調達以降、本書提出日現在において財務制限条項には一度も抵触しておりませんが、仮に今後これらに抵触し、かつ貸付人の請求がある場合は、当社グループは当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)11,281字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。 ①経営成績の状況及び分析 当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)の経営成績は、売上収益が2,840億14百万円(前期比25.9%増)、コア営業利益が164億7百万円(同3.6%減)、営業利益が160億28百万円(同4.2%減)、税引前当期利益が142億3百万円(同8.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は120億13百万円(同8.8%増)とトップラインとボトムラインで増収増益を確保したものの、その間の段階損益であるコア営業利益や営業利益などが第4四半期連結会計期間の失速で前年減益に転じました。 当連結会計年度は、2023年5月8日に公表した中期経営計画「PLAN-W」の最終年度3年目の総仕上げとなると同時に、「次なる挑戦」となる次期中期経営計画「VISION-W」に向け準備を進めてまいりました。この度の決算は、当社が推進する事業ポートフォリオ改革の成果と、次なる成長に向けた課題が顕在化した期間であったと総括しております。 具体的には、ブランド事業において、上期より苦戦が継続していたアパレルブランドについては、次期中期経営計画に備えた収益構造改革の断行が必須と判断し、徹底した生産性改善と他の成長事業への人材再配置を進めつつ、冬物仕入を戦略的に抑制してプロパー消化率の向上と在庫の適正化を最優先する戦略へと方針転換しました。この取り組みにより、キャッシュ・フローや粗利益率の改善といった来期に向けた成果を得たものの、第4四半期連結会計期間の年末年始セール商戦も含んだ繁忙期における売上高の未達を補うには至らず、通期のコア営業利益が前年を下回る主因となりました。 一方で、プラットフォーム事業が2025年2月末に連結加入したエムシーファッション㈱の貢献等で大幅な増益を達成しました。ブランド事業の中でも健闘したライフスタイルブランドなどと併せて、特定の事業環境の変化に左右されにくい、収益構造への転換がさらに進んだ証左と認識しております。 また、2025年12月に連結子会社化した㈱ライトオンについて、オプション価値の評価益及び段階取得差益を一時収益として計上したほか、株式交換の手法で㈱ナルミヤ・インターナショナルを2025年10月1日付で完全子会社化した効果が非支配持分への利益流出の停止を通じて、親会社の所有者に帰属する当期利益と資本(親会社持分)の増加に寄与しました。 反面、神戸本社の土地・建物を譲渡したことに伴う売却損失や、持分法適用関連会社であるラクサス・テクノロジーズ㈱の投資損失を計上したことから、第3四半期連結累計期間までの営業利益の計画超過分を取り崩す結果となりました。これらの会計処理は、将来の不確実性を早期に排除し、次期中期経営計画「VISION-W」でのROIC経営本格始動に向けたアセットの再配分と財務基盤の健全化を企図したものです。 セグメント別の状況は次のとおりです。 a. ブランド事業 ブランド事業においては、あるべきブランドポートフォリオ戦略の完遂にむけて、ブランド事業セグメント全体最適の視点で成長性と収益性のバランスが取れた持続的成長を追求しております。 百貨店を中心に展開するミドルアッパーブランドは、ブランドらしく差別化された高付加価値な商品開発を行うほか、世界的な物価上昇や急激な為替変動に左右されないよう、自社工場体制を垂直統合して国内生産回帰を進めております。また、お客様との強いつながりを構築するため、マルチチャネル化やOMO (Online Merges with Offline) 戦略を進め、様々なプロトタイプ開発・出店を通じて新たな成長の創造に取り組んでおります。 ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドにおいては、前連結会計年度の期首に商品調達部隊の垂直統合を行い、更なる直貿化の推進や型数の適正化などによる原価率低減や価格競争力の強化に努めております。また、ミドルロワーブランド事業子会社のスケール活用やノウハウ共有によって、店舗運営の改良や店舗開発などの強化にも取り組んでおります。 ライフスタイルブランドでは、暮らしに寄り添った衣・食・住を生活雑貨や服飾雑貨で提案し、引き続きお客様の支持拡大に努めております。前連結会計年度の期首に行ったミドルロワー系のライフスタイルブランド事業の一社統合によるリソースの融通、ノウハウの共有等での収益構造の抜本的な改革効果も発現しております。 なお、2026年3月1日に、㈱阪急スタイルレーベルズが運営するコスメセレクトショップ「カラーフィールド」事業及び家具・インテリア雑貨「ダブルデイ」事業を承継し、ライフスタイル領域における事業基盤の更なる拡充も進めております。 一方、投資サブセグメントにおいては、プラットフォーム導入によるシナジー追求や収益構造の向上・確立をテーマに掲げております。投資会社の㈱W&Dインベストメントデザインが再生投資事業の大型案件として取り組む㈱ライトオンの事業再生については、収益の抜本的な構造改革が当初想定通りの進捗となっていることから、抜本再生の総仕上げとして2026年3月1日付で完全子会社化しました。 また、海外事業の開発・拡張も積極的に進めております。タイでは2025年1月にサハ・グループと合弁で設立したWorld Saha (Thailand) Co.,Ltd.がバンコクに「RAGTAG」の海外1号店と同2号店を2025年7月と同年9月に出店しました。台湾では㈱ナルミヤ・インターナショナルと共に「プティマイン」の海外1号店を2025年3月に出店したほか、同年11月には「RAGTAG」の海外3号店も出店しました。また香港においては、代理商を通じて、「プティマイン」の海外2号店を2025年9月、同3号店を同年11月に相次ぎ出店いたしました。 当連結会計年度では、春夏商戦において一部のアパレルブランドのMD設計が量・質の両面で顧客ニーズを充分に捉えきれなかったことに加えて、夏から秋への商品切り替えの遅れ等により年間を通じて苦戦を強いられ、ライフスタイルブランドの好調による増益を相殺する結果となりました。この課題解決と収益構造の抜本的改革に向け、来期よりB2C事業を統括する㈱ワールド・ブランズへ経営管理実務やブランド運営機能を再編・集約し、資本と機能を一体化させることで意思決定の迅速化を図り、アパレルのMD改善活動などを推進してまいります。 この結果、ブランド事業の経営成績は、売上収益が2,000億91百万円(前年同期比0.6%増(うち外部収益は1,939億27百万円(同1.7%増)))、コア営業利益(セグメント利益)が88億54百万円(同19.9%減)と増収減益になりました。 b. デジタル事業 デジタル事業は「B2Bソリューション」と「B2Cネオエコノミー」から成り立っており、B2Bはこれまでの積極投資を外販収益で回収できるよう、B2Cは「サーキュラー」を成長加速できるよう目指しております。 B2Bソリューションでは、ECの運営受託サービスにおいて、自社ブランドを中心に販売する直営ファッション通販サイト「ワールド オンラインストア (WOS)」をはじめ、他社公式ECの開発・運営を受託しております。自社サイト運営においては、アプリの機能改善やOMO活動に対する投資を進め、直営店舗とのシームレスなサービス改善をブランド事業と一体で推進しております。また、他社ブランドの取り扱い拡大による「WOS」のモール化にかかる先行投資を推進しております。一方、ソリューションサービスでは、自社グループの物流コスト抑制の取り組みや基幹システムの更新に留まらず、他社への在庫コントロールシステムの導入・運用サービスの提供を進めており、売上拡大に向けた営業活動を継続して強化しております。 B2Cネオエコノミーにおいては、様々なテーマで実験した事業の「選択と集中」を行った結果、「サーキュラー」に焦点を当てて成長戦略を追求しております。ユーズドセレクトショップ「RAGTAG」を運営する㈱ティンパンアレイは店舗とECの相互活用による仕入・販売両面のOMO戦略で成長を追求しつつ、今後の成長に向けてカジュアル業態「usebowl」の実験を継続するほか、海外展開においては現地でのPOP-UP出店からの学びを活かしてタイと台湾での店舗展開に挑戦するなど、将来の成長に向けた先行投資を重点的に実施しております。また、オフプライスストア「& Bridge」を運営する㈱アンドブリッジにおいては、㈱ティンパンアレイとの事業連携を推進しており、店舗収支の改善やEC売上の伸長といったシナジー効果も出ております。 当連結会計年度のセグメント利益は、上場に伴いラクサス・テクノロジーズ㈱を連結子会社から持分法適用関連会社へ連結範囲を変更したことによるマイナスの影響を除くと、B2BとB2Cの合計では先行投資の負担増を吸収する格好でほぼ前年並みでした。ただ、B2CはB2Bに比べて成長投資の負担が相対的に大きいこともあり、B2Cサーキュラーは既存店売上の伸長や粗利率の改善にもう一段注力する必要があると考えております。 この結果、デジタル事業の経営成績は、売上収益は313億39百万円(前年同期比3.7%減(うち外部収益は118億58百万円(同18.0%減)))、コア営業利益(セグメント利益)が22億77百万円(同13.1%減)と減収減益になりました。 c. プラットフォーム事業 プラットフォーム事業では、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みを活用したプラットフォームの外部企業へのオープン化を推進し、業界の枠組みを超えた新たな事業領域の拡大に取り組んでおります。 中間持株会社の㈱ワールドプラットフォームサービスは、プラットフォーム事業の収益モデルを整える事業マネジメント機能と外部顧客の法人企業へのマーケティング機能を有します。各プラットフォームのノウハウ・仕組みを横断的に組み合わせ、顧客のニーズに最適なサービスをワンストップで提案・提供しております。 生産プラットフォームの㈱ワールドプロダクションパートナーズは、自らの商社機能を発揮して直接貿易スキームの構築や、製造子会社群の生産性改善の指導・支援をするほか、外販主体の専門商社である㈱イディオムや縫製工場の㈱ラ・モードでは、他社アパレルの商品開発及び製造 (OEM・ODM事業) を受託しております。 販売プラットフォームの㈱ワールドストアパートナーズでは、商品在庫の最終的な換金に不可欠なアウトレット「NEXT DOOR」や他社ブランドの出店も年々増やしてきたファミリーセール等の催事を運営するほか、様々な販売代行業務といった外販サービスも着実に成長してきております。 こうしたアパレル起点の生産・販売プラットフォーム以外では、㈱アスプルンドに代表される子会社群が、空間創造や什器・備品の製造販売(建装)、家具や雑貨の卸からコントラクトに至るライフスタイル領域も手掛けており、プラットフォーム事業のサービスラインやクライアント層の幅を拡張することに寄与しております。 このほか、M&Aも活用しながらプラットフォーム機能の強化を図ることでB2B事業基盤の拡充を進めてきており、ファッションの多様性と永続性の実現への貢献を目指した「ワールド・ファッション・エコシステム」の構築に向けて更なる事業基盤の拡充を図っております。 具体的な事例としては、2025年2月28日付で子会社化したエムシーファッション㈱、2025年3月1日付で子会社化した㈱ワールドソーイングの連結加入により、生産プラットフォームのリソースは大きく拡充されており、当社グループを挙げてシナジー効果も追求しながら一層の事業拡大を推進しております。 当連結会計年度においては、未だ受注パイプラインの拡充に課題を残したものの、取引条件の変更による粗利確保や案件単位の採算性も吟味した外販受注などを継続的に進めており、為替変動に対する抵抗力を増すことや複数サービスを顧客に提供するクロスセルなどで着実に成果を得つつあります。また、前期との比較では、エムシーファッション㈱の連結加入に伴うB2B外販の収益拡大がセグメント利益の増加へ大きく寄与しました。 この結果、プラットフォーム事業の経営成績は、売上収益は1,304億22百万円(前年同期比75.2%増(うち外部収益は779億91百万円(同281.9%増)))、コア営業利益(セグメント利益)が41億71百万円(同128.0%増)と増収増益になりました。 d. 共通部門 事業セグメントに属さない共通部門においては、子会社からの配当や経営指導料等を収入として計上し、当社(ホールディングス)のコーポレートスタッフ等の費用を賄うことを基本的な収益構造としておりますが、子会社からの配当は予めセグメント利益から除いております。 共通部門は、コーポレートスタッフの「グループ経営本部」に加えて、グループの商品鮮度向上とソフト開発を監修する「クリエイティブ・マネジメント・センター」、次世代OMOストアの開発・運営やDCXを推進する「デジタルリテール推進室」を束ねる「ブランド事業本部」、グループの情報・物流システムを開発・運用する「デジタルソリューション事業本部」などで成り立っております。 そして、2025年9月には「企業戦略室」を新設したほか、2026年1月に㈱ワールドインベストメントネットワークを前身とする「企業投資室」も設置しており、次期中期経営計画「VISION-W」に向けて、グループ共通の重要戦略の実現に向けた活動を開始いたしました。 ホールディングスは重点分野への集中投資という自らの役割を果たすため、子会社からホールディングスのスタッフ等の実費を上回る経営指導料等で回収することを原則としております。新規事業や海外事業の開発といった実験費用の一部を負担する反面、コーポレートはAI活用のDX化や重複機能の集約化などを不断に進めて自らの生産性の改善に努めております。 当連結会計年度においては、業績連動に伴うコストコントロールを行った一方で、前連結会計年度より本格稼働した海外事業開発室の活動費のほか、会社・部署横断で取り組む新規事業等に対する戦略的投資や成長投資にかかる先行費用の増加、従業員処遇の改善に伴う人件費の増加などの影響を受けました。 この結果、共通部門の経営成績は、売上収益は75億94百万円(前年同期比24.4%減(うち外部収益は2億38百万円(同64.1%増)))、コア営業利益(セグメント利益)が11億19百万円(同24.7%減)と減収減益になりました。 ②財政状態の状況及び分析 当社グループの財政状態の状況及びその要因につき、次のとおり分析しております。 (資産) 資産合計は2,800億59百万円と前連結会計年度末に比べて62億33百万円増加しました。 この主な要因は、㈱ライトオンを連結子会社化したことで資産合計が約226億円増加した一方、現金及び現金同等物が約10億円、売上債権及びその他の債権が約53億円、使用権資産が約21億円、神戸本社ビル売却により有形固定資産が約28億円、持分法適用関連会社である㈱ラクサス・テクノロジーズにおいて株式評価損を計上したことで持分法で会計処理されている投資が約35億円それぞれ減少したことによるものです。 (負債) 負債合計は1,837億77百万円と前連結会計年度末に比べて36億11百万円減少しました。 この主な要因は、㈱ライトオンを連結子会社化したことで負債合計が約175億円増加した一方、仕入債務及びその他の債務が約83億円、借入金が約80億円、リース負債が約46億円、それぞれ減少したことによるものです。 (資本合計) 資本合計は962億82百万円と前連結会計年度末に比べて98億43百万円増加しました。 この主な要因は、主に親会社の所有者に帰属する当期利益を約120億円計上した一方、配当金を約31億円支出したことで、利益剰余金が約89億円増加したことによるものです。 (在庫) 当社グループではブランド事業が売上収益の大半を占めておりますが、ブランド事業におけるアパレルブランドの事業特性から、売上債権と棚卸資産の合計から仕入債務を差し引いた運転資本のコントロール、とりわけ棚卸資産(在庫)の抑制を重視しております。 当連結会計年度末の運転資本は406億42百万円と前連結会計年度末に比べて約36億円の増加となりました。運転資本が増加した主因は、㈱ライトオンの連結加入に伴うものです。当該影響を除いた既存事業における運転資本の増加は約13億円となりますが、これは主に、期末休日に伴うエムシーファッション㈱の売上債権未回収(約19億円)に起因するものです。 (ネットD/Eレシオ) 当社グループでは、債務返済の能力及び事業の収益性・成長性を持続的に向上できるよう、有利子負債と株主資本の最適な資本構成を検討する目的から、ネットD/Eレシオを財務体質の健全化指標としております。中期経営計画「PLAN-W」策定時において、中長期的にネットD/Eレシオ0.5倍を目標といたしました。 当連結会計年度のネット有利子負債は677億57百万円と前連結会計年度末より約22億円減少した一方、親会社所有者に帰属する持分合計についてはナルミヤ・インターナショナル㈱の完全子会社化による非支配持分から親会社持分合計への組替もあり約134億円増加しました。その結果、当連結会計年度のネットD/Eレシオは0.72倍となりました。 (ROE) 当社グループでは、株主資本コスト(COE)を超過する株主資本当期利益率(ROE)として、中期経営計画「PLAN-W」策定時において10%としていた目標を上方修正し、それまでの業績等の進捗状況も踏まえて12.0%以上となるよう努めてまいりました。 当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の13.5%から0.2ポイント増加の13.7%となりました。 (ROIC) 当社グループでは、中期経営計画「PLAN-W」において、最適資本構成の下でROEがCOEを超過する状態や、投下資本利益率(ROIC)が加重平均資本コスト(WACC)を上回る状態といった、価値創造的な状態を創り上げることを念頭に、最終年度である当連結会計年度末には8.5%を超える水準を目指しました。 また、格付けがA格でWACCが最も低位の状態を最適資本構成と定義したうえで、WACCを目標値5.0%以下でコントロールできるよう努めます。 当連結会計年度のROICは、前連結会計年度の8.5%から0.3ポイント増加の8.8%でした。 各指標に関しては、下記の定義の通り算出しております。 ROEやROICの算定に際しては、ネット有利子負債及び親会社所有者に帰属する持分合計は前期末と当期末の平均で算出しております。 ・ネットD/Eレシオ 期末のネット有利子負債 ÷ 期末の親会社の所有者に帰属する持分合計 ・ネット有利子負債 借入金 + 日本基準におけるファイナンスリース負債 - 現金及び現金同等物 ・ROE 過去一年間の親会社の所有者に帰属する当期 (四半期または中間) 利益 ÷ 親会社の所有者に帰属する持分合計 ・ROIC (過去一年間の営業利益 - 法人所得税 - 非支配株主持分に帰属する当期 (四半期または中間) 利益) ÷(ネット有利子負債 + 親会社の所有者に帰属する持分合計) なお、次期中期経営計画「VISION-W」においては、IFRS第16号に伴うリース負債を含めたネット有利子負債を用いる予定です。このため、ネット有利子負債を用いるネットD/EレシオやROICについては、「VISION-W」で定めた目標値と併せて、次連結会計年度から新たな算定式に基づいた実績値をレビューいたします。 ③キャッシュ・フローの状況及び分析 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 309億84百万円の収入(前年同期比10億8百万円 収入減)となりました。 この主な要因は、税引前当期利益が約12億円減少したことによるものです。なお、当連結会計年度では、㈱ライトオンの連結加入にかかる運転資本の増加が約36億円でした。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 41億32百万円の支出(前年同期比61億30百万円 支出減)となりました。 この主な要因は、前連結会計年度に計上した子会社の取得による支出がなくなったことによるものです。なお、当連結会計年度では、今後の金利上昇などを見据えて、店舗の出店・改装に係る投資をリースから自社取得に切り替えたほか、本社ビルを売却しております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 309億37百万円の支出(前年同期比101億82百万円 支出増)となりました。 この主な要因は、借入金の返済が大きく進んだことであり、その他に増配による配当金の支出額約9億円や金利上昇による利息の支払額増加約7億円が加わったことによるものです。 これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より36億38百万円減少して、181億9百万円となりました。 ④生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) ブランド事業   3,580   △32.7 プラットフォーム事業   1,261   199.3 合計   4,841   △15.7 (注) 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。 b. 仕入実績 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) ブランド事業   81,791   1.3 デジタル事業   4,571   10.2 プラットフォーム事業   111,472   77.0 小計   197,833   33.8 IFRS調整(注)2   358   113.4 合計   198,191   33.9 (注)1 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。 2 IFRS調整は、為替予約における調整金額を記載しております。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。 販路別売上状況 セグメント   区分   金額(百万円)   前年同期比(%) ブランド事業       ミドルアッパー   52,552   △4.6 ミドルロワー   96,416   0.4 国内アパレルブランド   148,968   △1.4 国内ライフスタイルブランド   27,293   3.4 海外   1,886   11.9 投資   15,779   37.3 小計   193,927   1.7 デジタル事業   B2Bソリューション   2,463   △30.3 B2Cネオエコノミー   9,395   △14.0 小計   11,858   △18.0 プラット フォーム事業   生産プラットフォーム   61,162   1,925.7 販売プラットフォーム   7,174   7.5 シェアードサービスプラットフォーム   204   0.4 ライフスタイルプラットフォーム   9,451   △10.2 小計   77,991   281.9 共通部門   238   64.1 売上収益   284,014   25.9 なお、「受注実績」につきましては、該当事項はありません。 (参考) 当社グループのEC化率は以下のとおりであります。 EC化率   金額(百万円)   %   前年同期差 EC取扱高 連結取扱高 48,250 282,226 17.10 △5.15 (注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績等の状況に関する分析・検討内容につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当社は、前記「3 事業等のリスク」に記載のとおり、経済情勢の変化、消費者の嗜好の変化、在庫管理、出店・閉店、仕入価格その他費用の増加等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場環境等に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、消費者や市場のニーズに適時適切に対応していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、前記「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは金融機関からの借入金のほか、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フロー及びリース負債の返済を差し引いた実質的なフリー・キャッシュ・フローを資金の源泉と考えております。当連結会計年度における資金使途について、主に出店・改装に伴う店舗設備やシステムへの投資に係るものであります。資金調達に係る借入金の残高については後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 20.借入金」に記載しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。