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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

フィックスターズ

Fixstars Corporation3687 · Prime · 情報・通信業

ハードウェアの性能を最大限引き出す高速化技術で、AI・半導体・自動運転など先端分野を支援。

概要

フィックスターズは、2002年8月設立のソフトウェア高速化技術を中核とする企業である。半導体、モビリティ、産業、ライフサイエンス、金融の5分野において、GPUやFPGAといったアクセラレータの性能を最大限に引き出すソフトウェア開発・高速化サービスを提供する。2025年9月期の連結売上高は約96億円、従業員数は334名。東京証券取引所プライム市場に上場している。

Solution事業とSaaS事業の二本柱

フィックスターズの事業は、Solution事業とSaaS事業に区分される。Solution事業は、顧客の製品開発フェーズに応じてコンサルティングから組込み支援まで一貫したソフトウェア高速化サービスを提供し、2025年9月期の売上高は91億7134万円(前期比19.4%増)、セグメント利益は32億3601万円(同31.7%増)に達した。SaaS事業では、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」、乳がんAI画像診断支援「METIS Eye」、AIパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」を展開。同事業の売上高は4億4634万円(同41.7%増)だが、先行投資によりセグメント損失4億2406万円を計上している。

半導体から金融まで6分野を横断する顧客基盤

同社はSemiconductor、Mobility、Industrial、Life Science、Finance、Cross-Industryの6分野に注力する。Semiconductorではキオクシア向けNAND型フラッシュメモリのファームウェア・デバイスドライバ開発が主要案件であり、2025年9月期にキオクシアへの売上高は16億4736万円(全売上の17.1%)を占めた。Mobilityでは自動運転向けアルゴリズム開発、Industrialでは検査装置向けソフトウェア、Life Scienceでは医療画像処理、FinanceではHFT向け半導体最適化を手掛ける。これらの分野横断的な知見をソフトウェア高速化の基盤としている。

米国子会社を含むグループ体制

連結子会社として、米国カリフォルニア州にFixstars Solutions, Inc.(2008年設立)、自動運転分野の合弁会社Fixstars Autonomous Technologies(2018年設立、ネクスティエレクトロニクスとのJV)、AI画像診断事業を担うSmart Opinion(2019年設立)、量子コンピューティングサービスのFixstars Amplify(2021年設立)、並列化技術のオスカーテクノロジー(2020年子会社化)を擁する。これらの子会社を通じて、海外展開や新規事業を推進している。

業績推移と財務の特徴

売上高は2012年9月期の14億円から2025年9月期の96億円へと約6.9倍に成長した。営業利益は2024年9月期に23億円、2025年9月期には26億円と拡大。自己資本利益率(ROE)は公開されていないが、親会社株主帰属当期純利益は19億円に達する。キャッシュフローでは、営業活動による資金獲得が20億円近くある一方、投資活動に6億円、財務活動に10億円を使用。現金同等物は51億円と堅調な財務基盤を維持している。

業界の中での役割は高性能コンピューティング向けソフトウェア高速化・AI開発支援サービスプロバイダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
96億円
営業利益
26億円
営業利益率
27.1%
純利益
19億円
2025/9 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2023/9
事業売上構成比利益利益率
Solution事業68億円97.1%22億円32.4%
SaaS事業2億円2.9%-1億円-50.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01半導体 (Semiconductor)主力

NAND型フラッシュメモリ向けファームウェア・デバイスドライバ開発、次世代AIチップ向け開発環境基盤の研究開発・開発支援を提供。

主な製品・サービス2
ファームウェア開発
NAND型フラッシュメモリ向けファームウェアの開発。
デバイスドライバ開発
NAND型フラッシュメモリ向けデバイスドライバの開発。

02モビリティ (Mobility)準主力

自動車の安全運転支援システム(標識認識、歩行者検知)向けソフトウェア高速化、自動運転研究開発向けアルゴリズム開発・高速化、次世代パーソナルモビリティ関連の研究開発支援を提供。

主な製品・サービス2
ソフトウェア高速化サービス
車載機器向けソフトウェアの高速化・最適化。
アルゴリズム開発支援
自動運転向けアルゴリズムの開発および高速化支援。

03クロスインダストリー (SaaS事業)準主力

Solution事業で蓄積した知見を活かし、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」、乳がんAI画像診断支援「METIS Eye」、AIパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」をSaaSとして提供。

主な製品・サービス3
Fixstars Amplify
量子コンピューティングクラウドサービス。組合せ最適化問題向け。
METIS Eye
乳がんAI画像診断支援システム。超音波画像から精密検査の要否を判別。薬事承認取得。
Fixstars AIBooster
AI開発・運用におけるGPU利用効率を監視・改善するパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム。

04産業/製造 (Industrial)副次

製造現場の検査装置や自動化制御装置向けソフトウェア開発、スマートファクトリー/Industry4.0向け開発支援、ハードウェア提供。

主な製品・サービス2
ソフトウェア開発支援
検査装置、自動化制御装置向けソフトウェア開発。
ハードウェア提供
GPU/FPGAボードなどのハードウェア選定・提供。

05ライフサイエンス (Life Science)副次

医療画像診断装置の高精細画像リアルタイム処理向け開発支援・ハードウェア提供、ゲノム解析システムの高速化支援、AI画像診断支援システムの研究開発。

主な製品・サービス2
ソフトウェア高速化サービス
医療画像処理、ゲノム解析向け高速化。
ハードウェア提供
GPU/FPGAボードなどの提供。

06金融 (Finance)副次

デリバティブやリスク評価の大量計算処理向けアプリケーション・ハードウェア構築支援、HFT向け半導体データパスレベル最適化支援。

主な製品・サービス2
アプリケーション・ハードウェア構築支援
金融計算向けシステムの開発・最適化。
半導体最適化支援
HFT向け半導体アーキテクチャ毎の最適化。

製品と技術

半導体向けファームウェアとデバイスドライバ開発

NAND型フラッシュメモリ向けのファームウェアおよびデバイスドライバ開発は、同社のSemiconductor分野の中核をなす。キオクシアへの売上が全売上の17.1%を占める主要案件であり、長期間にわたる安定した受注が継続している。これらのソフトウェアはメモリの高速化と信頼性向上に寄与し、データセンターやモバイル機器向けストレージに応用される。また、次世代AIチップ向けの開発環境基盤の研究開発も手掛けており、半導体の性能を最大化する低レイヤ技術が強みである。

量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」

Fixstars Amplifyは、組合せ最適化問題向けの量子コンピューティングクラウドサービスである。D-Wave Systemsとの協業やNEDOプロジェクトでの知見を基に開発され、ユーザーは量子アニーリングやイジングモデルを用いたプログラムを容易に実行できる。料金はSaaS型で提供され、物流や金融ポートフォリオ最適化など幅広い応用が期待される。2025年9月期時点ではSaaS事業全体として赤字だが、将来の収益化を目指して投資が継続されている。

AI画像診断支援「METIS Eye」の薬事承認

METIS Eyeは、乳がんの超音波画像をAIで解析し、精密検査の要否を判別するシステムである。2019年に設立したSmart Opinionが開発を主導し、日本の薬事承認を取得。複数の医療機関で試験運用が開始されており、医師の読影負担軽減や診断精度向上に寄与する。この製品はMedical AI分野における同社のソフトウェア高速化技術の応用例であり、ライフサイエンス事業の柱の一つに位置づけられる。

AIパフォーマンスエンジニアリング「Fixstars AIBooster」

Fixstars AIBoosterは、LLM等のAI開発・運用におけるGPU利用効率を監視・改善するためのパフォーマンスエンジニアリングプラットフォームである。同社のソフトウェア高速化ノウハウをSaaSとして提供し、AIインフラのコスト最適化を支援する。GPUのボトルネックを特定し、チューニング提案を行うことで、AI開発の生産性向上に貢献する。2025年9月期時点で開発が進められ、クロスインダストリー分野の新規SaaSとして成長が期待される。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

高速演算処理でニッチ首位、内需中心の独立系

フィックスターズは、高速演算処理(HPC/GPUコンピューティング)のソフトウェア最適化に特化した独立系企業。売上高は2024年9月期80億円、営業利益率28.75%と高収益だが、規模はまだ小さい。同業のVRain Solutionも類似領域だが、同社は特に金融・半導体向けに強みを持つ。内需依存度が高く、海外展開が限定的。競合のL is Bは異なるアプローチで別市場を狙う。

強み

  • GPU・HPC分野での深い知見を持ち、ソフトウェア最適化で他社を凌駕する性能を提供。
  • 2024年9月期営業利益率28.75%と、ニッチトップならではの高収益を実現。
  • 金融・半導体など特定業界に根ざし、継続的な受注につながっている。
  • AI・HPC需要拡大で、同社の技術への需要が高まっている。

課題

  • 売上高80億円と小さく、大口案件の変動に弱い。
  • 売上は国内中心。海外顧客の開拓が急務。
  • 専門性の高いエンジニアの採用・育成が成長の制約要因。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

IT・SaaSの時価総額近傍。太字がフィックスターズ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
13632グリーホールディングス750億円17.6倍
23962チェンジホールディングス739億円10.0倍
33817SRAホールディングス736億円10.9倍
42170リンクアンドモチベーション733億円44.5倍
5166Aタスキホールディングス720億円12.8倍
63687フィックスターズ692億円38.6倍
73763プロシップ669億円24.0倍
87128ユニソルホールディングス661億円34.4倍
99928ミロク情報サービス648億円11.4倍
109790福井コンピュータホールディングス627億円14.5倍
114481ベース625億円15.0倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(IT・SaaS)に従っています。

会社の歴史

沿革 17件

マルチコア時代の幕開けとCellへの注力(2002-2006年)

2002年8月、横浜市神奈川区に有限会社フィックスターズとして設立され、同年10月に株式会社へ組織変更。2004年7月、マルチコア技術開発部を設立し、ソニー・東芝・IBMが共同開発したCellプロセッサ向けソフトウェア開発サービスを開始した。CellはPlayStation 3に搭載されるヘテロジニアスマルチコアプロセッサであり、同社はこの革新的なハードウェアの性能を引き出すソフトウェア技術を蓄積。2006年12月にはPS3 Information Siteを立ち上げ、技術情報の発信を始めた。

米国進出と高速クラスタ導入(2008-2010年)

2008年10月、100%子会社Fixstars Solutions, Inc.を米国カリフォルニア州に設立し、海外展開の足掛かりを得た。2009年12月には並列プログラミングの入門書「OpenCL入門」を出版し、技術基盤を広く公開。2010年11月、米国空軍研究所にPlayStation 3を用いた高速クラスタシステムを導入し、Cellの並列処理能力を研究用途で実証した。この実績は同社のソフトウェア高速化技術の評価を高める重要な案件となった。

株式上場と市場変更(2014-2022年)

2014年4月、東京証券取引所マザーズ市場に上場。2016年11月には市場第一部(現在のプライム市場)へ変更し、資本市場でのプレゼンスを高めた。2022年4月の市場区分見直しにより、プライム市場に移行。この間、売上高は2014年9月期の29億円から2022年9月期の63億円へと拡大し、株式市場での成長が収益拡大と並行して進んだ。

量子コンピューティングと自動運転への展開(2017-2020年)

2017年6月、量子コンピュータメーカーD-Wave Systemsと協業を開始し、量子コンピューティング分野に参入。2018年2月にはネクスティエレクトロニクスとの合弁でFixstars Autonomous Technologiesを設立し、自動運転技術の開発を加速。同年10月、NEDOの「イジングマシン共通ソフトウェア基盤」プロジェクトが採択され、国プロジェクトへの参画も実現。2019年10月にはAI乳がん診断のSmart Opinionを設立。2020年3月には並列化技術を持つオスカーテクノロジーを子会社化し、技術領域を拡大した。

SaaS事業の本格化と新スローガン(2021-2025年)

2021年10月、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」を事業化する子会社Fixstars Amplifyを設立。2022年4月のプライム市場移行を経て、2025年3月にはコーポレートスローガンを「Speed up your AI」に刷新。SaaS事業の売上は2025年9月期に4.5億円まで成長したが、開発投資により赤字が続く。一方、Solution事業の堅調な伸びが全体の収益を支え、営業利益は26億円に達した。

年表17件を開く

2000年代

  • 2002年8月創業横浜市神奈川区に有限会社フィックスターズを設立
  • 2002年10月株式会社フィックスターズへ組織変更
  • 2004年7月創業マルチコア技術開発部設立、Cellソフトウェア開発サービス開始
  • 2006年12月PlayStation®3の発売を受け、「PS3® Information Site」を立ち上げる
  • 2008年10月100%子会社として、Fixstars Solutions, Inc.を米国カリフォルニア州に設立
  • 2009年12月「OpenCL入門-マルチコアCPU/GPUのための並列プログラミング」を出版

2010年代

  • 2010年11月米国空軍研究所に、PlayStation®3を用いた高速クラスタシステムを導入
  • 2014年4月上場東京証券取引所マザーズ市場に上場
  • 2016年11月東京証券取引所市場第一部へ市場変更
  • 2017年6月量子コンピュータ※を手掛けるD-Wave Systems Inc.との協業を開始
  • 2018年2月自動運転分野での事業拡大を意図し、株式会社ネクスティエレクトロニクスとの合弁会社、株式会社Fixstars Autonomous Technologiesを設立
  • 2018年10月量子コンピュータ向けミドルウェア※の研究開発プロジェクト「イジングマシン共通ソフトウェア基盤の研究開発」がNEDO※に採択
  • 2019年10月創業AIによる乳がん等解析の事業化を目指し、株式会社Smart Opinionを設立

2020年代

  • 2020年3月M&A自動並列化技術に強みを持つオスカーテクノロジー株式会社の株式を取得し連結子会社化
  • 2021年10月創業量子コンピューティング領域のさらなるサービス事業拡大を目指し、株式会社Fixstars Amplifyを設立
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行
  • 2025年3月商号変更コーポレートスローガンを「Speed up your AI」に変更

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/9期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    安定成長の維持と新規事業開発の推進

    ソフトウェア開発・高速化サービスを中心に安定成長を図る一方、特定分野での世界トップシェア獲得を目指し、新規事業開発を積極的に推進する。

  2. 02

    新製品の開発と研究開発への投資

    将来の事業展開に向けて新規自社プロダクトの開発や新技術領域の探索に注力し、継続的に研究開発投資を行う。

  3. 03

    継続型ビジネスモデルの確立

    量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」などのSaaS型自社プロダクト展開により、継続的な収益モデルを構築する。

  4. 04

    優秀な人材の確保と育成

    競争力の源泉であるエンジニアの積極採用と、社内研修・教育制度を通じた人材育成、プロフェッショナル職制度によるキャリア支援を実施する。

  5. 05

    ブランド価値向上とセキュリティ強化

    開発力・技術力の向上によるブランド価値確立と、セキュリティ方針の徹底・教育によるセキュリティ強化に取り組む。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で334人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は791万円で、9期前と比べて+14.2%平均年齢は36.1歳、平均勤続年数は6.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年9月133
2017年9月145
2018年9月176
2019年9月69235.44.4214
2020年9月70735.04.7253
2021年9月72035.65.3258
2022年9月71636.05.7263
2023年9月79136.45.9292
2024年9月78036.45.9320719
2025年9月79136.16.0334778

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年9月期・提出会社(単体)
女性管理職比率12.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率70.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)88.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社6(国内 6 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都港区179百万円
Solution事業 SaaS事業
主な関係会社
  • 国内
    株式会社Fixstars Autonomous Technologies (注)6
    東京都港区
    議決権66.6%
  • 国内
    株式会社Smart Opinion (注)2.3
    東京都港区
    議決権57.0%
  • 国内
    オスカーテクノロジー株式会社
    東京都港区
    議決権76.4%
  • 国内
    株式会社Fixstars Amplify
    東京都港区
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社Drone Autopilot Lab (注)4
    東京都港区
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社Fixstars Investment
    東京都港区
    議決権100.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発革新的AIエッジコンピューティング技術の開発エッジビジョンAIを超軽量化し短TATで実装する技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-12-27
    3.2億円
  • 調達
    量子コンピュータ(アニーリング方式)の適用領域検討に係る調査検討
    防衛省 · 2023-04-18
    2.7億円
  • 調達
    高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発次世代コンピューティング技術の開発イジングマシン共通ソフトウェア基盤の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-10-30
    1.2億円
  • 調達
    アニーリングマシン利用環境の調達(2021年度用その4)
    情報処理推進機構 · 2021-07-01
    704万円
  • 調達
    先端IT(次世代コンピュータ)講座実施業務
    情報処理推進機構 · 2018-07-23
    469万円
  • 調達
    アニーリングマシン利用環境(2020年度用その4)
    情報処理推進機構 · 2020-08-24
    385万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年9月期の売上高は96億円営業利益26億円前期と比べると増収増益で、売上が+20.0%、利益が+13.0%。

売上高
+20.0%
96億円
営業利益
+13.0%
26億円
純利益
+26.7%
19億円
営業利益率
27.1%
前期比 -1.7%pt

会社が出している今期の予想2026年9月期

項目会社予想前期実績
売上高108億円96億円
営業利益31億円26億円
純利益20億円19億円
1株あたり配当¥19¥19

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は25億円、営業利益は6億円。前年の2023年3Qと比べると、売上は+56.3%、営業利益は+50.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年2Q19526.34
2023年3Q16425.02
2023年4Q185
2024年1Q19526.33
2024年2Q20735.05
2024年4Q411126.87
2025年2Q481531.312
2025年4Q481122.97
2026年2Q541629.610
2026年3Q25624.03

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2012年9月期からの14期で、売上は14億円から96億円へ6.9倍に増えた。直近期の営業利益率は27.1%。売上は4期、純利益は4期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2012年9月1421
2013年9月1732
東京証券取引所マザーズ市場に上場
2014年9月2943
2015年9月3664
2016年9月4175
2017年9月4586
自動運転分野での事業拡大を意図し、株式会社ネクスティエレクトロニクスとの合弁会社、株式会社Fixstars Autonomous Technologiesを設立
2018年9月53118
AIによる乳がん等解析の事業化を目指し、株式会社Smart Opinionを設立
2019年9月70139
自動並列化技術に強みを持つオスカーテクノロジー株式会社の株式を取得し連結子会社化
2020年9月58127
量子コンピューティング領域のさらなるサービス事業拡大を目指し、株式会社Fixstars Amplifyを設立
2021年9月55105
2022年9月631711
2023年9月702114
2024年9月80232328.715
コーポレートスローガンを「Speed up your AI」に変更
2025年9月96262627.119

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年9月期

売上高96億円のうち、営業利益として残るのは26億円27.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は19億円、売上の19.8%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金47.9%46億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金25.0%24億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益27.1%26億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
52.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+18.7pt
27.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+13.2pt
19.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+12.9pt
26.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
19.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
38.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年9月期は営業CFが20億円、投資CFが−6億円で、差し引きのフリーCFは14億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は52億円で、売上の6.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2012年9月10014
2013年9月10015
2014年9月3−1329
2015年9月3−10211
2016年9月30−2312
2017年9月60−5613
2018年9月6−1−1517
2019年9月8−3−5517
2020年9月8−132756
2021年9月9−5−13447
2022年9月15−1−121451
2023年9月70−11746
2024年9月17−2−121549
2025年9月20−6−101452

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年9月期の総資産は99億円。このうち返さなくてよい自己資本が85億円で、自己資本比率は83.6%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2012年9月94547.4
2013年9月117464.6
2014年9月1914573.0
2015年9月2518772.4
2016年9月2622483.0
2017年9月2823580.6
2018年9月3630681.4
2019年9月4234879.2
2020年9月81354642.1
2021年9月74363847.8
2022年9月82463654.1
2023年9月82582468.9
2024年9月87691877.1
2025年9月99851383.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年9月期の内訳
現金及び預金
52億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
81億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
0億円
在庫として抱えている分
負債合計
13億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中54位あたり、逆に低いのは配当利回り605社中543位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
26.0%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
27.1%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
83.6%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
20.0%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.9%/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,058で、1年前と比べて+15.6%過去52週の値幅のなかでは35%の位置にある。

¥2,058-6.2%1ヶ月-6.4%1年+15.6%時価総額692億円
過去52週の値幅
安値¥1,186高値¥3,690

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)38.6倍
PER (会社予想)34.1倍
PBR7.31倍
配当利回り0.92%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月19日に2078円まで下落し、前日比6.65%安と急落しました。直近1か月では3.66%下落しており、25日移動平均線(2188円)を5%下回る弱い展開です。一方、200日移動平均線(1784円)は依然として上回っており、52週高値3690円からは約44%低い水準です。出来高は直近で50万株前後と、7月の高水準からはやや減少傾向にあります。週足では7月中旬から下げ基調が続いており、25日線と75日線のデッドクロス接近が警戒されます。ただしRSIは56.91と中立圏で、過熱感はありません。今後の戻りは25日線回復が焦点となりそうです。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

HPC(高速演算)分野で技術力が評価され、高成長・高収益を実現している。強気派はAI・半導体需要拡大で市場が急拡大し、同社のニッチな技術に需要が集中すると見る。PER40倍とやや高めだが、成長継続なら割高ではない。弱気派は競合(英ArmやNVIDIA関連支援会社)の台頭、主要顧客への依存、技術変化への対応リスクを指摘。ROE26%と高効率だが、利益成長率が鈍化する可能性も。

プラスに働く材料7
  • AIブームで需要急増

    GPU・AIチップ需要拡大でHPC最適化需要が拡大。

  • 高収益性が持続

    営業利益率28%超、ROE26%と高水準。

  • 業績は右肩上がり

    売上高・利益ともに毎期増加傾向。

  • 2025/9期売上高96億円、前期比20%増2025年9月期影響

    売上80→96億円と2桁成長継続、業績拡大基調

  • 営業利益率28.75%の高収益体質継続影響

    2024/9期実績28.75%、他社比優位な収益性

  • 純利益19億円、前期比27%増2025年9月期影響

    純利益15→19億円、増益率高い

  • ROE26%と資本効率良好継続影響

    自己資本利益率26%、株主価値創出力高い

マイナスに働く材料7
  • 競合リスクの高まり

    半導体大手が内製化や新興企業との協業を強化。

  • 特定顧客への依存懸念

    大口顧客の動向に業績が左右される可能性。

  • PER40倍は割高感

    成長鈍化時にはバリュエーション調整リスク。

  • PER40倍とバリュエーション高水準継続影響

    予想PER約40倍、成長鈍化時は割高感強まる

  • 営業利益成長率13%と鈍化傾向2025年9月期影響

    2024/9期23→2025/9期26億、前期比13%増と前年比低下

  • 配当利回り0.79%と低水準継続影響

    株価2129円に対し配当約17円、インカム魅力薄

  • 外国人保有率16.63%と中程度継続影響

    海外投資家の保有は一定程度あるが拡大余地限定的

次の決算で確かめる点
売上高成長率
市場成長に連動した増収か確認。
営業利益率
高利益率維持が今後の競争力の指標。
主要顧客の売上構成比
顧客集中度の変化を監視。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり19で、前期から5.3%いまの株価に対する利回りは0.92%。

年間配当
¥19
1株あたり
配当利回り
0.92%
いまの株価に対して
配当性向
34.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2016年9月530.5
2017年9月58.732.2
2018年9月740.033.1
2019年9月87.133.3
2020年9月5−33.337.2
2021年9月50.036.4
2022年9月10100.033.6
2023年9月1330.026.4
2024年9月1946.244.1
2025年9月18−5.334.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥19

株主

有価証券報告書より

2025年9月期末の株主数は延べ20,498人。区分でいちばん多いのは個人・その他56.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が24.5%を占め、残る75.5%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年9月%2021年9月%2022年9月%2023年9月%2024年9月%2025年9月%
個人・その他59.960.054.058.354.356.0
金融機関24.626.528.327.820.418.4
外国法人8.56.28.45.417.416.4
事業法人4.75.47.06.46.06.1
自己株式2.53.34.44.34.24.1
証券会社2.01.72.21.91.62.9
外国人個人0.20.20.20.30.20.3

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01三木 聡10.32
02STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)9.52
03日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)9.36
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.32
05長谷川 智彦4.25
06原 行範2.97
07フィックスターズ従業員持株会2.26
08Dエンジン株式会社2.13
09NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE 009-016064- 326 CLT (常任代理人 香港上海銀行東京支店)1.99
10キオクシア株式会社1.49

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近4
  • 2026-06-10
    グッドハート パートナーズ エルエルピー(Goodhart Partners LLP)
    新規の大量保有報告
    4.16%
    -1.25pt
  • 2026-06-08
    グッドハート パートナーズ エルエルピー(Goodhart Partners LLP)
    新規の大量保有報告
    5.41%
    -1.48pt
  • 2026-06-04
    グッドハート パートナーズ エルエルピー(Goodhart Partners LLP)
    新規の大量保有報告
    6.89%
    -1.86pt
  • 2026-04-22
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    1.58%
    +0.03pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+210%、1株純資産は14期で+217%。直近期のROEは26.0%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2012年9月198127.221.5
2013年9月3112130.219.5
2014年9月94326.572.030.4
2015年9月145627.737.329.9
2016年9月156425.835.630.5
2017年9月176825.250.632.2
2018年9月258831.664.233.1
2019年9月2610028.054.633.3
2020年9月2010519.955.837.2
2021年9月1710915.647.536.4
2022年9月3413727.231.433.6
2023年9月4517528.826.026.4
2024年9月4620924.234.444.1
2025年9月6025626.030.434.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2025/9期の役員報酬は総額285百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
三木聡代表取締役 社長 執行役員553,470,200
堀美奈子取締役 執行役員 管理本部長48300,000
蜂須賀利幸取締役 執行役員 Solutionカンパニープレジデント54417,800
松田佳希取締役 執行役員 SaaSカンパニープレジデント4415,200
石井真取締役70
樺島弘明取締役50
榎本ゆき乃取締役55
野澤俊通取締役54
鉢嶺登取締役597,500
泉谷勇造常勤監査役733,500
志方洋一監査役78
齊藤悟志監査役55
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
山添千加美45
マイケル・クスマノ取締役7162,500
内野道雄571,000

役員報酬の内訳2025/9

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4691226425564
社外取締役930303

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/9期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,587字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、「Speed up your AI」をスローガンに掲げ、これまで培ってきた高度なソフトウェア開発技術のAI領域への活用を進め、AI技術が急速に進展する現代においてお客様のAI開発及びAI活用を強力に支援すべく、各事業を展開しております。 1990年代まで半導体業界及びコンピュータ業界においては、「デナード則※」や「ムーアの法則※」に従い、半導体微細化技術の進歩とともにクロック周波数向上等による高性能化を享受してきました。 しかしながら、2000年代半ばには「デナード則」に終焉が訪れ、クロック周波数向上等による高性能化から、マルチコア化等による高性能化へとパラダイムシフトが起こりました。「Cell」はそうしたマルチコア時代を切り拓いたプロセッサであり、当社グループは「Cell」向けのソフトウェア開発を進めることで、マルチコア等の革新的なハードウェアの性能を最大限に引き出すソフトウェア技術を蓄積してきました。 また近年においては、「ムーアの法則」の限界がささやかれ、マルチコア化にとどまらないパラダイムシフトが起きようとしています。GPU※やFPGA※といったアクセラレータ※の実用化が進み、加えて、特定の処理に特化した専用チップや、量子コンピュータに代表される、従来型コンピュータアーキテクチャ※とは全く異なる仕組みを採用したコンピュータの研究開発、実用化が進んでいます。 当社グループは、これら多種多様なハードウェアの性能を引き出す高度なソフトウェア技術を通じて、先進的な取り組みを行う研究機関、企業様に対し、ソフトウェア高速化やAI開発・活用に対する支援を行っております。 (1)当社グループの注力分野について 当社グループは、大量データの高速処理が求められる下記の産業分野に注力して事業を推進しております。 ①Semiconductor モバイル機器やデータセンタ等で利用の進むNAND型フラッシュメモリを対象として、ファームウェア及びデバイスドライバの開発を行っております。また、次世代AIチップ向け開発環境基盤の研究開発や開発支援を進めております。 ②Mobility 自動車の安全運転を支援する標識認識や歩行者検知警報といった車載機器向けソフトウェア高速化や、自動運転の実現を企図した研究開発向けアルゴリズム開発や高速化支援を行っております。また、次世代パーソナルモビリティに関連する研究開発及び高速化支援を行っております。 ③Industrial 製造分野の製品製造過程で使われる検査装置や自動化制御装置向けのソフトウェア開発、スマートファクトリーやIndustry4.0と呼ばれる製造工程を中心とした高度化に向けた開発支援、ハードウェアの提供を行っております。 ④Life Science 医療画像診断装置における高精細画像のリアルタイム処理向け開発支援及びハードウェアの提供や、ゲノム解析に利用されるシステムの高速化支援を行っております。また、AIを用いた画像診断支援システムの研究開発を進めております。 ⑤Finance デリバティブやリスク評価に伴い行われる大量の計算をより短時間、より低コストで処理できるよう、アプリケーションシステムやハードウェアの構築及び開発支援を行っております。また、HFT※においては、半導体内部のデータパスレベルでの最適化を実現するため、ハードウェア開発や半導体アーキテクチャ毎の最適化支援を提供しております。 (2)当社グループの事業セグメントについて ①Solution事業 Solution事業においては、大量データの高速処理を可能とするソフトウェア開発・高速化サービス及び関連するハードウェアを提供しています。顧客製品の開発フェーズに合わせて、コンサルティングから最終製品への組込み支援まで、一貫したトータルソリューションサービスを提供しております。 研究開発フェーズにおいては、顧客課題に最適な技術仕様の策定支援や、最新論文や技術動向に即した解決手法の提案を行っております。研究開発フェーズから製品開発フェーズへの橋渡しとして、顧客の考案したアルゴリズムの実装、要求性能を加味したアルゴリズムの改善等を提供しております。加えて製品開発フェーズにおいては、ハードウェアの計算資源を最大限に活用できるよう、ソフトウェア最適化やアルゴリズムの改良を提供しております。 また、各フェーズにおいて計算資源として使用するGPUやFPGAボード等のハードウェアについて、当社グループのソフトウェア開発に関する知見を活かして、お客様の要件に応じて最適なハードウェアの選定・提供を行っており、ソフトウェアとハードウェアの両面からお客様のビジネスを支援しております。 ②SaaS事業 SaaS※事業においては、Solution事業で蓄積した知見が社会により広く活用されることを目指し、複数のサービスをSaaSとして提供しております。 量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」においては、高い専門性が要求される量子コンピュータ向けプログラムを、より容易に取り扱うことが可能なサービスを提供し、組合せ最適化問題を中心としたお客様の課題解決に取り組んでおります。 乳がんAI画像診断支援事業においては、超音波画像に対しAIを用いて精密検査の要否を高速かつ高精度に判別する「METIS Eye」が薬事承認を取得し、複数の医療機関においてサービス導入に向けた試験運用が開始されております。 また、LLM※(大規模言語モデル)をはじめとしたAI開発・運用におけるパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」により、AIの開発に不可欠なハードウェアとなっているGPUの利用効率を継続的にモニタリングし、改善を行うサービスを提供しております。 [事業系統図] 当社グループの事業の系統図は、以下のとおりです。 [用語解説] 用語解説においては、「2 沿革」及び「3 事業の内容」の文章中において※で示した用語の本書内での意味を説明しており、一般的な内容を含むものとは限りません。(50音、アルファベット順となっております) 用語    解説・定義 アクセラレータ   コンピュータの処理性能を高める目的で使用されるハードウェアやソフトウェアのことを指します。 アーキテクチャ   コンピュータアーキテクチャを指し、コンピュータ(特にハードウェア)における基本設計や設計思想などの基本設計概念を意味します。 デナード則   ロバート・デナード氏により提唱された、微細化によりシリコン面積当たりのトランジスタ数を増やすことで、消費電力を上げずに処理速度を高めることができると示した法則。 プロセッサ   コンピュータなどの中で、ソフトウェアプログラムに記述されたデータの転送、計算、加工、制御、管理などの命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、命令や情報を格納するレジスタ、周辺回路などから構成されます。 マルチコア   1つのプロセッサ・パッケージ内に複数のプロセッサ・コアを封入したもの。外見的には1つのプロセッサでありながら内部的には複数のプロセッサで構成されるため、主に並列処理を行わせる環境下においては、プロセッサ・チップ全体での処理能力を上げ、性能を向上させることができます。 ミドルウェア   OS上で動作し、アプリケーションソフトに対してOSよりも高度で具体的な機能を提供するソフトウェア。OSとアプリケーションソフトの中間的な性格を持っています。 ムーアの法則   世界最大の半導体メーカー・インテルの創設者の一人であるゴードン・ムーア博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則。 量子コンピュータ   量子力学的な重ね合わせを用いて並列性を実現するコンピュータであり、その実現方法は、量子回路モデルと量子アニーリングの二つが主流となっています。このうち量子アニーリングにおいては、D-Wave Systems Inc.が世界初の商用量子コンピュータとされるD-Wave Oneを発表して以来大きな進展が見られ、「組み合わせ最適化問題」と称される膨大な選択肢から最良の選択肢を探索する問題において驚くべき性能を示しており、様々な産業分野での利用が期待されています。 Cell   異なる種類のプロセッサ・コアを1つのプロセッサに集積した「ヘテロジニアスマルチコア」と呼ばれるマルチコアプロセッサ。ソニー・東芝・IBMの3社によって共同開発されました。Cellは、家庭用ゲーム機PlayStation®3(2006年11月発売開始)に搭載する目的で開発されましたが、ハイビジョン対応のテレビやレコーダーなどのAV機器にも応用可能な汎用性のある設計がなされました。 FPGA   プログラミングすることができる大規模集積回路(LSI)のこと。マイクロプロセッサやASIC(特定用途向け集積回路)の設計図を送りこんでシミュレーションすることができます。ASICより動作が遅く高価ですが、ソフトウェアで回路のシミュレーションを行うよりは高速であり、研究用途から、一部業務用・組込み用に拡がりを見せています。 GPU   パーソナルコンピュータやワークステーション等の画像処理を担当する主要な部品のひとつ。個々のプロセッサの構造は単純でその機能はCPUに比べて限定されたものですが、大量のデータを複数のプロセッサで同時かつ並列処理することで、画像処理等を高速に処理できます。特にゲーム業界で多く利用されてきましたが、2000年代に入り、業務用途に特化して設計されたGPUが登場し、CAD、金融、CG映像、建築/設計、ディープラーニング、研究開発分野等において採用されています。 HFT   High Frequency Tradingの略称であり、ミリ秒単位のような極めて短い時間の間に、コンピュータを用いて自動的な金融資産の取引を行うことを指します。 LLM   Large Language Model(大規模言語モデル)の略称であり、大量のテキストデータを学習することで高度な自然言語処理を可能にしたAI技術。文章の要約や翻訳、問い合わせへの自動応答などをはじめとして、様々な分野への活用が期待されています。 NEDO   国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)の略称。日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人。 SaaS   Software as a Serviceの略称。インターネット等を通じて遠隔からソフトウェアを利用者に提供する方式。ソフトウェアは提供者側のコンピュータで稼働しており、ユーザはインターネット等を経由してそのソフトウェア機能を使用し、サービス料を支払います。
経営方針・対処すべき課題2,177字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、 ソフトウェア技術を通じて 全社員の幸福および すべてのお客様の成功を追求し フィックスターズの技術を活かして 全世界のしあわせ向上に貢献すること を経営理念として事業を推進しております。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、経営の効率化と継続的な事業の拡大を通じて企業価値を向上し続けていくことを経営の目標としております。経営指標としては、売上高、自己資本利益率、営業利益、フリーキャッシュ・フローを重視しております。なお、当社グループは、2024年9月期を初年度とする中期経営ビジョンを策定しており、特に営業利益を重要な経営指標として経営を推進しております。 (3)経営環境及び経営戦略 当社グループの属するソフトウェア産業においては、クラウドやAI技術の実用化が進む中で、「Winner takes all」と言うべきビッグトレンドが進行しております。一定分野における世界トップシェアを獲得したプレイヤーにデータ、コスト競争力、顧客、人材が集約され、それらがまた競争力向上の源泉となり、世界シェアの維持・拡大につながっております。 一方、技術動向に目を向けると、マルチコアプロセッサや専用チップ、次世代コンピュータのようなハードウェア技術のパラダイムシフト、AI・機械学習に代表されるアルゴリズムの高度化、日々複雑化する開発プロジェクトといった動きがみられ、最新ハードウェアとアルゴリズムの知識、高度なソフトウェア技術が求められる時代が到来しております。これはまさに、創業来当社グループが培ってきた、各ハードウェアの性能を最大限に引き出すことのできる低レイヤソフトウェア技術、日々高度化するアルゴリズムを改良・実装する力、各産業・研究分野の知見に裏付けられたソフトウェア高速化技術の果たす役割が増大している状況と言えます。 上記のような外部環境に吹く強い追い風を背景に、ソフトウェア開発・高速化サービスを中心とした安定成長の実現に努めてまいります。加えて、一定分野における世界トップシェアを獲得し、「Winner takes all」という脅威を更なる成長実現のためのチャンスに変えられるよう、新規事業開発を推進してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに具体的な取組状況等 当社グループでは、中長期的な成長を図るため、以下6点を主な経営課題として認識し、対応に努めております。 ①新製品の開発と研究開発 新規自社プロダクトの開発や新規技術領域の探索は、当社グループの今後の事業展開において重要な役割を担っております。当連結会計年度においては、研究開発活動に450,060千円を投資しており、今後も継続して研究開発投資を行う予定であります。 ②継続型ビジネスの拡大 当社グループの事業の大半においては、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績がほぼ対応しております。継続型ビジネスによる新たな収益モデルを確立すべく、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」をはじめとしたSaaS型自社プロダクト等の展開に取り組んでおります。 ③優秀な人材の確保と育成 当社グループの競争力の源泉は優秀なエンジニアであり、2025年9月末日現在、社員数334名中、9割以上をエンジニアが占めています。優秀なエンジニアを採用することは、当社グループの持続的な成長に必要不可欠であり、積極的な採用活動を行っております。 また、これまで培った豊富なソフトウェア高速化技術に関する社内ナレッジを共有する仕組みを、社内研修・教育制度として整備し、人材の育成を図っております。人事制度としましては、プロフェッショナル職制度を設けエンジニアとしてのキャリアパスを築けるよう支援を行っております。 ④知名度の向上、ブランド価値向上 知名度の向上とブランド価値向上は、お客様のリテンション拡大と、優秀なエンジニアの採用活動の両面において重要であり、企業イメージの確立に積極的に取り組んでおります。また、当社グループが提供するソフトウェアの高い開発力及び性能を通じて、当社グループのブランド価値が作られると考えており、その高い開発力を維持しながら、さらなる品質向上及び技術力の向上に取り組んでおります。 ⑤セキュリティの強化 セキュリティ対策は、ソフトウェア会社として、また当社グループのブランド価値向上のためにも重要であると考え、セキュリティ方針とセキュリティガイドを定め、その遵守を図るとともに、セキュリティ教育に継続して取り組んでおります。 ⑥内部管理体制の強化 当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、事業拡大に応じたグループ企業管理体制の強化を図り、経営の公正性・透明性を確保するとともに、コンプライアンス及びリスク管理体制を強化し、コーポレート・ガバナンスのより一層の向上に取り組んでおります。
事業等のリスク3,380字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。 当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 また、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。 以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1)事業内容に関するリスクについて ①市場の動向について 当社グループは、コンピュータの性能を最大限に引き出し大量データの高速処理を実現するソフトウェア開発・高速化サービスと、その周辺事業に特化して取り組んでおります。ソフトウェア開発市場の中において急速に重要性が高まっている高速化分野で、これらの分野における先駆けとなるべく事業を拡大してまいりました。当社グループは、本事業分野は今後も順調に成長すると予測しており、引き続き同分野に特化して事業を推進する計画です。 しかしながら、今後何らかの事情により当社グループの予測通りに市場が成長しない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②技術革新への対応について 当社グループは、コンピュータの性能を最大限に引き出し大量データの高速処理を実現するソフトウェア開発・高速化サービスと、その周辺事業に経営資源を集中的に投下していることに加え、最先端技術にも対応すべく努めており、それにより当社グループの差別化要因がもたらされていると認識しております。 しかしながら、これらの技術を含むIT技術の革新スピードにはめざましいものがあり、かつ当社グループの成果物である商品及びサービスはお客様企業を通じて世界的な競争に晒されていることから、当社グループには常に世界最先端レベルの技術力が期待されております。今後当社グループが最先端のIT技術に迅速かつ十分な対応をすることができなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③特定販売先への依存について 当社グループはキオクシア㈱に対する売上割合が高く、当連結会計年度においては、全売上高の17.1%を占めております。今後も同社との取引量は継続し、同社に対する売上割合は引き続き高い水準で推移する見込みであります。 当社グループといたしましては、同社業務において欠かすことのできない存在となるべくこれまで以上に技術力の向上に努めるとともに、当社グループの技術力を活かせる新たな分野、新たな販売先への売上拡大にも積極的に取り組んでいく方針です。 しかしながら、キオクシア㈱向けのプロジェクトが変更もしくは中止となり、同社向け売上が大きく減少した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2)会社組織のリスクについて ①特定人物への依存について 当社の代表取締役社長である三木聡は、当社の創業者であり、創業以来当社の最高経営責任者として、当社グループの経営方針及び事業戦略を決定するとともに、新規ビジネスの開拓及びビジネスモデルの構築から事業化に至るまでの過程において重要な役割を果たしております。 当社グループは、権限の委譲や人材の育成、取締役会や経営会議等において役員及び幹部従業員の情報共有を図ることで、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ②人材の確保及び育成並びにエンジニア等の退職に関連するリスクについて 当社グループの事業は、その大半がエンジニア等のヒューマンリソースに依存しております。当社グループにおける今後の事業拡大に伴い、その業務においてますますエンジニア等の専門化及び高度化が進むことが想定されることから、様々な採用活動等を通じて、優秀なスキルをもった人材の確保に加え、OJTや社内教育による能力向上を図っております。 また、当社グループは、ストック・オプション制度及び従業員持株会制度を導入するほか、魅力的な職場環境を提供し役職員の士気や意欲を高めることにより、人材の確保を図っております。 しかしながら、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適切な人材を十分確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。加えてエンジニア等の退職者が一時的に多数発生した場合、当社グループの技術力や開発力が低下し、当社グループの事業拡大が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③パートナー企業の活用について 当社グループは、業容の拡大に伴い、事業運営に際して協力会社等のさまざまなパートナーとの連携体制を構築しプロジェクトを遂行しております。優秀なパートナーを適宜、適正に確保できない場合、当社グループの開発力が低下し、当社グループの事業拡大が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)その他 ①法的規制について 当社グループでは、当社グループの事業の継続を困難にさせるような法的規制は存在していないと認識しております。しかしながら、今後法制度の改正により当社グループの事業分野に関連する何らかの規制がなされた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②不採算プロジェクトの発生について 当社グループは、想定される工数や難易度等を基に見積りを作成しプロジェクトを受注しております。当社グループはお客様との認識や開発想定工数が大幅に乖離することが無いように、開発工数の算定とプロジェクトの進捗管理を行っておりますが、事前に開発工数やその成果を完全に見込むことは困難であります。 従って、不測の事態等により、開発工数が増大しプロジェクトの収支が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③知的財産権について ・当社グループ保有の知的財産権について 当社グループでは、知的財産権が重要な経営資源の一つであるという認識のもと、知的財産権の保全に積極的に取り組んでおります。職務発明規程を制定し、職務発明審査会において審議のうえ知的財産権の取得を行っております。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループによる第三者の知的財産権の侵害について 当社グループによる第三者の知的財産権の侵害の可能性については、顧問弁護士及び弁理士事務所と連携し、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、特に新商品に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識することなく他社の特許等を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、ロイヤリティの支払いや損害賠償請求等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④災害・感染症の拡大・事故等について 当社グループは、首都圏を中心に事業活動を行っております。首都圏における地震・火災等の大規模災害や重大な感染症が発生した場合に備え、体制の整備を行っておりますが、通信・交通機関等の社会インフラや、当社グループの事業拠点・従業員等に被害が生じた場合、業務の全部又は一部が停止し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)4,985字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)業績等の概要 ①業績 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかに回復しております。一方で、米国の通商政策の影響、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れや金融資本市場の変動の影響等が国内景気の下振れリスクとして存在し、引き続き先行き不透明な状況が続いております。 このような経営環境下、当社は「Speed up your AI」を新たなスローガンとして掲げ、これまで培ってきた高度なソフトウェア開発技術のAI領域への活用を進め、AI技術が急速に進展する現代においてお客様のAI開発及びAI活用を強力に支援すべく、各種事業を展開しております。 主力のSolution事業では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発や高速化案件、半導体メーカー向けソフトウェア開発案件が長期安定して継続しております。その他においても、高速化サービスに対する旺盛な需要を背景に、日本国内の製造業向け案件を中心として安定的な収益を獲得しております。 SaaS事業においては、量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」、乳がんAI画像診断支援プログラム「METIS Eye」、AI開発・運用におけるパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」の開発を進めております。 また、海外事業では、米国子会社のFixstars Solutions, Inc.が日本のお客様の米国業務の一翼を担う一方、研究機関等を対象とした高速化案件の拡大に取り組んでおります。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は9,617,686千円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益2,578,202千円(前連結会計年度比11.9%増)、経常利益2,581,516千円(前連結会計年度比12.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,945,356千円(前連結会計年度比30.2%増)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去後となっております。 (Solution事業) Semiconductorの分野では、モバイル機器やデータセンタ等で利用の進むNANDフラッシュメモリを対象として、ファームウェア及びデバイスドライバの開発等を行っております。Mobilityの分野では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発及び高速化案件や、次世代モビリティに関連する研究開発及び高速化支援を行っております。LifeScienceの分野では医療画像診断装置における高精細画像のリアルタイム処理やゲノム解析、Financeの分野ではリスク計算やHFTの高速化支援、Industrialの分野では産業機器等におけるマシンビジョンシステムの高速化支援等を提供しております。 この結果、売上高は9,171,343千円(前連結会計年度比19.4%増)、セグメント利益(営業利益)は3,236,011千円(前連結会計年度比31.7%増)となりました。 (SaaS事業) 各SaaS事業において、将来の収益獲得に向けて積極的な投資・開発を行っております。 この結果、売上高は446,343千円(前連結会計年度比41.7%増)、セグメント損失(営業損失)は424,065千円(前連結会計年度はセグメント損失(営業損失)151,101千円)となりました。 (その他) CVC事業において保有株式の評価減を行い、売上原価として営業投資有価証券評価損232,459千円を計上しております。 この結果、その他の事業セグメントにおけるセグメント損失(営業損失)は233,743千円(前連結会計年度はセグメント損失(営業損失)2,502千円)となりました。 ②キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ321,669千円増加し、当連結会計年度末には、5,178,150千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は1,978,609千円(前連結会計年度比19.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(2,586,004千円)、法人税等の支払額(△905,027千円)等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は631,784千円(前連結会計年度比277.8%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(△109,631千円)、敷金及び保証金の差入による支出(△506,250千円)等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は1,043,624千円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出(△493,018千円)、配当金の支払額(△610,993千円)等によるものであります。 (2)生産、受注及び販売の実績 ①生産実績 生産に該当する事項がないため、記載する事項はありません。 ②受注実績 当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。 ③販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)   前年同期比(%) Solution事業 (千円)   9,171,343   19.4 SaaS事業 (千円)   446,343   41.7 合計 (千円)   9,617,686   20.3 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)   当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) キオクシア㈱   1,613,107   20.2   1,647,361   17.1 ㈱ネクスティエレクトロニクス   807,497   10.1   1,118,787   11.6 (3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ②財政状態の分析 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,141,566千円増加し、9,871,235千円となりました。これは現金及び預金が321,669千円増加したこと、売掛金が558,769千円増加したこと等が主な要因であります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ437,385千円減少し、1,349,176千円となりました。これは、返済により1年内返済予定の長期借入金が493,018千円減少したこと等が主な要因であります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,578,951千円増加し、8,522,059千円となりました。これは、利益剰余金が1,333,258千円増加したこと等が主な要因であります。 ③経営成績の分析 (売上高) 当連結会計年度における売上高は9,617,686千円(前連結会計年度比20.3%増)となりました。当社の主力であるSolution事業において、高速化サービスに対する旺盛な引き合いが継続し、増収となりました。 (売上総利益) 当連結会計年度における売上総利益は、5,006,296千円(前連結会計年度比19.8%増)となりました。これは主に増収によるものであります。 (販売費及び一般管理費) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,428,093千円(前連結会計年度比29.6%増)となりました。主に新規事業に対する投資や事業規模の拡大に伴うものであります。 (営業利益) 当連結会計年度における営業利益は、2,578,202千円(前連結会計年度比11.9%増)となり、営業利益率は26.8%と、前連結会計年度に比べて2.0ポイント減少致しました。 (経常利益) 当連結会計年度における経常利益は、2,581,516千円(前連結会計年度比12.0%増)となり、経常利益率は26.8%と、前連結会計年度に比べて2.0ポイント減少致しました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 以上に加え、連結子会社であった株式会社Siderの清算結了による一時的な税負担の軽減があった結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,945,356千円(前連結会計年度比30.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益率は20.2%となり、前連結会計年度に比べて1.5ポイント上昇致しました。 ④資本の財源及び資金の流動性 (キャッシュ・フロー) キャッシュ・フローの状況については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載しております。 (資金需要) 当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業におけるエンジニアを中心とした人件費、ハードウェア販売案件におけるハードウェアの仕入れ等の運転資金及び新規事業向け研究開発費や事業拡大に伴う設備投資資金等であります。 (資金の源泉) 運転資金や研究開発費、事業拡大に伴う設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を財源としております。当連結会計年度末において5,178,150千円の現金及び現金同等物の残高があり、当面の資金需要に充当し得る十分な資金を保有しております。 ⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「Speed up your AI」のスローガンの下、経営の効率化と継続的な事業の拡大を通じて企業価値を向上し続けていくことを経営の目標としております。 具体的な経営指標としては、売上高及び営業利益の成長を第一にとらえ、自己資本利益率、フリーキャッシュ・フローを高水準で維持していくことを目標としております。 当連結会計年度を含む、直近3連結会計年度の推移は以下のとおりであります。 2023年9月期   2024年9月期   2025年9月期 売上高(千円)   7,038,276   7,995,406   9,617,686 自己資本利益率(%)   28.8   24.2   26.0 営業利益(千円)   2,086,357   2,304,095   2,578,202 フリーキャッシュ・フロー(千円)   691,458   1,488,852   1,346,824

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。