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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ジィ・シィ企画

Global Communication Planning Co., Ltd.4073 · Growth · 情報・通信業

キャッシュレス決済の仕組みを提供し、中堅・大手流通事業者のカード加盟店業務を支える。

概要

ジィ・シィ企画は、キャッシュレス決済システムの開発とクラウド型決済ASPサービスを中核事業とする情報通信企業である。1995年に千葉県佐倉市で設立され、2021年に東京証券取引所マザーズに上場(現グロース市場)。従業員117名(2025年6月期)。中堅から大手の小売事業者を主顧客とし、オンプレミス型とクラウド型の両方でクレジットカード・電子マネー決済のプロセシングを提供する。

二つの事業セグメントで構成される収益構造

当社の事業は「ペイメントインテグレーション事業」と「ペイメントサービス事業」の二つに分かれる。インテグレーション事業は、決済システムの構築・端末販売を中心とするフロー収益型で、2025年6月期の売上構成比は39.1%である。サービス事業は、クラウド型の決済ASPサービスと保守運用サービスによるストック収益型で、同60.9%を占める。ストック収益の比率が高いため、安定的な収益基盤を持つ。第30期(2024年7月-2025年6月)の連結売上高は18.4億円、営業損失0.8億円を計上したが、これは大型リプレース案件の反動や研究開発投資による一時的な要因である。

全国に分散する開発・運用拠点

本社は千葉県佐倉市に置く。決済システムのデータセンター「ジィ・シィ企画データセンター(GDC)」は神奈川県横浜市にあり、専用ルームで24時間365日運用される。開発拠点として、山形県米沢市の米沢事務所(2006年開設)と北海道札幌市の札幌R&Dセンター(2018年開設、旧北大BS R&Dセンター)がある。東京事務所は東京都港区にあり、TOKYO HORI BLDG BRANCHとして営業・マーケティングの拠点となっている。これらの拠点で、開発から保守・ヘルプデスクまでを内製する。

成長戦略の軸:サブスクリプションと手数料ビジネス

当社は2023年2月にマルチ決済端末のサブスクリプションサービス「サクラ」を開始し、小規模店舗への展開を狙う。また、国際ブランド決済ネットワークへの接続資格を活用し、加盟店と直接決済手数料契約を結ぶことで手数料差益を得るビジネスモデルも推進する。従来のオンプレミス顧客がリプレース時にクラウド型ASPに切り替える流れにも乗り、ストック売上の成長を重視している。経営指標として、売上高・売上高営業利益率に加え、ペイメントサービス事業売上の成長率を掲げる。

業界の中での役割はカード会社加盟店向け決済プロセシングサービスプロバイダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
23億円
営業利益
1億円
営業利益率
4.3%
純利益
1億円
2026/6 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/6
事業売上構成比利益利益率
ペイメントサービス事業11億円61.1%0億円0.0%
ペイメントインテグレーション事業7億円38.9%-1億円-14.3%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01流通・小売(カード加盟店)主力

中堅から大手の流通事業者向けに、決済処理システム「CARD CREWシリーズ」をライセンス提供。オンプレミス型とクラウド型(決済ASP)を提供し、POSシステムとの親和性が高く対面販売事業者を中心にユーザーを獲得。決済端末の販売も行う。フロー収益が中心。

主な製品・サービス1
CARD CREWシリーズ
キャッシュレス決済に必要な機能を備えた決済パッケージソフトウェア。オンプレミス型とASP型で提供。

02小売・流通(決済ASP)主力

当社がシステムと通信環境を用意するクラウド型決済ASPサービスを提供。顧客は初期費用を抑え、ストック収益となる。セキュリティ対策コスト上昇を背景に、オンプレミスからASPへの切替が増加。

主な製品・サービス1
決済ASPサービス
当社専用データセンターで運用するクラウド型決済サービス。ソフトウェア、通信回線、サーバー、保守運用まで提供。

03金融・決済準主力

導入後の保守運用サービスを提供。24時間365日体制のヘルプデスクを自社で用意し、オンプレミス型システムの監視・サポートを行う。

主な製品・サービス1
保守運用サービス
オンプレミス型決済システムの保守・運用サービス。24時間365日対応。

製品と技術

カード決済システム「CARD CREW」シリーズ

当社の基幹製品は、クレジット・電子マネー決済を実行するためのパッケージソフトウェア「CARD CREW」シリーズである。第1世代「CASS4.51」(1999年販売開始)、第2世代「CARD CREW」(2001年)、第3世代「CARD CREW PLUS」(2007年)と発展してきた。同シリーズはCAFIS(NTTデータ)やCARDNET(日本カードネットワーク)に製品登録されており、対面販売事業者のPOSシステムとの親和性が高い。オンプレミス型とクラウド型の両方で提供可能で、カスタマイズにも対応する。

決済端末向け組込アプリケーション

当社は決済端末(信用照会端末)に組み込むアプリケーションを自社開発している。基本パッケージをベースに顧客の要望に応じたカスタマイズを提供。2009年に「カード決済用端末向け組込アプリケーション」が千葉県の「ものづくり認定製品」に選ばれた。端末アプリケーションはペイメントインテグレーション事業の一部として販売され、対面販売の決済に不可欠な役割を担う。

マルチ決済端末サブスクリプション「サクラ」

2023年2月に開始した「サクラ」は、マルチ決済端末を定額で利用できるサブスクリプションサービスである。初期費用を抑えられるため、中小規模の加盟店への導入を容易にする。当社は端末と決済ネットワーク接続をセットで提供し、毎月の利用料から収益を得る。これにより、従来の大型・中型店に加え小規模店への販路拡大を狙い、ストック売上の成長に寄与している。

決済ASPサービスとデータセンター運用

決済ASPサービスは、当社がデータセンター内にシステムと通信環境を用意し、顧客にクラウド型で提供するサービスである。顧客は面倒なシステム管理から解放され、多様化する決済手段に柔軟に対応できる。当社のデータセンター「ジィ・シィ企画データセンター(GDC)」は横浜に所在し、セキュリティが確保された専用ルームで運用。PCI DSS認証も取得しており、決済データの安全性を担保する。2025年6月期のペイメントサービス事業売上は11.2億円と全体の60.9%を占める。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

情報・通信業で小規模だが、売上高は拡大傾向

当社は情報・通信業に属し、事業を展開している。直近の売上高は17億円から23億円へと増加しており、特に2025年6月期は赤字となったが、2026年6月期には黒字転換した。業界内では、VRain SolutionやCocolive、L is Bなどの同業他社が存在し、競争が激しい。当社は売上高が小規模であるため、業界内でのプレゼンスは限定的であり、収益性も不安定で、営業利益率はマイナスからプラスへと変動している。今後は、規模の拡大と収益の安定化が課題であり、同業他社との差別化が重要となる。

強み

  • 売上高は17億円から23億円へと増加し、成長が見られる。
  • 2026年6月期に営業利益率4.35%と黒字となり、業績改善した。
  • 小規模ながら事業を立ち上げ、一定の成長基盤を築いている。
  • 赤字からの回復により、コスト管理が強化されていると見られる。

課題

  • 営業利益率がマイナスからプラスへ変動し、収益が不安定。
  • 売上高が小さく、業界内での影響力が限定的。
  • 情報・通信業は競争が激しく、差別化が難しい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がジィ・シィ企画

時価総額で並べると、掲載11社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
13634ソケッツ15億円17.0倍
24017クリーマ14億円52.8倍
34265Institution for a Global Society14億円
4323Aフライヤー13億円97.4倍
54073ジィ・シィ企画12億円17.5倍
6241AROXX12億円2.4倍
7303Avisumo12億円14.4倍
8184A学びエイド11億円
94059まぐまぐ11億円54.6倍
103667enish11億円
113787テクノマセマティカル10億円11.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 31件

クレジット決済システム開発で創業した1995年

1995年9月、有限会社ジィ・シィ企画(資本金400万円)を千葉県佐倉市に設立。当初はクレジットカード等の決済関連システム開発を目的とした。同年12月には携帯電話・長距離電話サービス事業を開始するが、1999年6月に撤退。1997年12月からパソコン教室「GCコミューン」を運営したが、2006年5月に事業譲渡した。創業初期は複数の事業を試行錯誤したが、本業である決済システム開発に絞り込んでいく。

決済パッケージの初代投入とデータセンター開設(1999-2002年)

1999年3月、第1世代カード決済システムパッケージ「CASS4.51」の販売を開始。2001年3月には第2世代「CARD CREW」をリリースした。2002年6月には横浜市にデータセンターを開設し、クレジット・デビットカード決済のASPサービスの提供を開始。同時期に品質マネジメント国際規格ISO 9001を取得(2002年5月)。これにより、パッケージ販売とクラウドサービスの両輪が形成された。

第三世代パッケージとセキュリティ認証取得(2006-2010年)

2006年8月、米沢事務所を開設しパッケージ開発拠点とする。同年12月には情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO/IEC 27001を取得。2007年9月、第3世代の「CARD CREW PLUS」を販売開始。2009年9月、カード決済用端末向け組込アプリケーションが「千葉ものづくり認定製品」に認定。2010年2月にはクレジットカード業界のセキュリティ基準PCI DSSを認証取得し、セキュリティ面での信頼性を高めた。

子会社清算と上場準備(2017-2021年)

2017年2月、子会社の株式会社ハッシュシステム(パソコン教室運営等)を清算。同年10月、米沢事務所を移転。2018年11月には北海道札幌市に北大BS R&Dセンターを開設し、研究開発を強化。2021年9月、東京証券取引所マザーズに株式を上場。これにより資金調達力を得て、その後のサービスの拡大につなげる。

上場後の成長と戦略提携(2022-2024年)

2022年4月、マザーズからグロース市場に移行。同年7月、札幌R&Dセンターに改称し移転。2023年2月、マルチ決済端末のサブスクリプションサービス「サクラ」を開始。2024年2月には株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN社)と資本業務提携契約を締結。一方、2024年8月にはNUCADOCO(アバター健康管理)事業を廃止し、キャッシュレス決済に経営資源を集中する方針を明確にした。

TMN社との関係深化と2025年6月期の業績

2025年3月、TMN社との資本業務提携が深化し、同社が当社株式の20%以上を保有するその他の関係会社となる。これにより、決済ゲートウェイサービスとの連携強化が期待される。2025年6月期の売上高は18.4億円(前期比6.0%増)だが、営業損失0.8億円を計上。これはペイメントインテグレーション事業での大型案件反動と研究開発投資によるもので、ペイメントサービス事業は堅調に推移した。

年表31件を開く

1990年代

  • 1995年9月創業クレジットカード等の決済に関連するシステム開発の提供を目的に有限会社ジィ・シィ企画(資本金4,000千円)を千葉県佐倉市千成に設立
  • 1995年12月携帯電話、長距離電話サービス事業を開始
  • 1997年11月株式会社に組織変更
  • 1997年12月パソコン教室「GCコミューン」を開設
  • 1999年3月第1世代カード決済システムパッケージ「CASS4.51」の販売を開始
  • 1999年6月携帯電話、長距離電話サービスを事業撤退
  • 1999年9月パソコン教室の運営等を目的に株式会社ハッシュシステムを子会社として設立

2000年代

  • 2001年3月第2世代カード決済システムパッケージ「CARD CREW」の販売を開始
  • 2002年5月品質マネジメントに関する国際規格「ISO 9001」を認証取得
  • 2002年6月決済システムのデータセンター(ジィ・シィ企画データセンター)を神奈川県横浜市に開設 クレジット・デビットカード決済ASPサービスの提供を開始
  • 2002年11月東京事務所を東京都新宿区荒木町に開設
  • 2006年5月パソコン教室「GCコミューン」を事業譲渡
  • 2006年6月本社を千葉県佐倉市王子台に移転
  • 2006年8月パッケージ製品の開発拠点として米沢事務所を山形県米沢市泉町に開設
  • 2006年12月情報セキュリティマネジメントに関する国際規格「ISO/IEC 27001」を認証取得
  • 2007年9月第3世代カード決済システムパッケージ「CARD CREW PLUS」(注3)の販売を開始
  • 2009年9月「カード決済用端末向け組込アプリケーション」が「千葉ものづくり認定製品」(注4)に認定

2010年代

  • 2010年2月クレジットカード業界における国際的なセキュリティ規準「PCI DSS」(注5)を認証取得
  • 2017年2月株式会社ハッシュシステムを清算
  • 2017年10月米沢事務所を山形県米沢市大町に移転
  • 2018年11月システムの開発と研究拠点として北大BS R&Dセンターを北海道札幌市北区に開設
  • 2019年2月東京事務所を東京都千代田区神保町に移転

2020年代

  • 2021年9月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズからグロース市場に移行
  • 2022年7月北大BS R&Dセンターを札幌R&Dセンターに改称し、北海道札幌市北区に移転
  • 2022年8月NUCADOCO(注6)アバターを利用したヘルスケアシステムの特許(特許第7104951号)取得
  • 2023年2月マルチ決済端末サブスクリプションサービス「サクラ」の提供を開始
  • 2023年7月東京事務所をTOKYO HORI BLDG BRANCHに改称し、東京都港区に移転
  • 2024年2月株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスと資本業務提携契約を締結
  • 2024年8月NUCADOCO(注6)事業を廃止
  • 2025年3月株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携が深化し、当社株式の20%以上が保有されることとなった結果、同社は当社のその他の関係会社となる

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/6期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    決済ASPサービスの拡充とリプレース誘導

    クラウド型決済ASPサービスを拡充し、既存顧客のリプレース時にASPへ誘導することでストック収益を増やす。

  2. 02

    多様な決済手段への対応と端末開発

    コンタクトレス決済など多様化する決済手段に対応し、自社標準端末の開発により低コスト化と高性能化を進める。

  3. 03

    国際ブランドネットワーク活用による低コスト決済提供

    VISAネットワーク直接接続を活かし、加盟店の決済コストを低減するとともに、トランザクションフィー収益を拡大する。

  4. 04

    マルチ決済端末サブスクリプションの展開

    カード会社との連携で、大規模店から小規模店までサブスクリプション型端末を提供し、マーケットシェアとストック収益を拡大する。

  5. 05

    研究開発による新事業創出

    既存ビジネスに依存せず、研究開発に注力して新たな事業の柱を育てる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で117人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は534万円で、4期前と比べて+0.8%平均年齢は42.3歳、平均勤続年数は8.4年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2021年6月52940.26.2114
2022年6月49640.96.9113
2023年6月52041.67.3113
2024年6月52142.07.911289
2025年6月53442.38.4117−85

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年6月期・提出会社(単体)
女性管理職比率25.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)58.0%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位4)
本社 — 千葉県佐倉市112百万円
ペイメントインテグレーション ペイメントサービス 全社(共通)
札幌R&Dセンター — 北海道札幌市北区3百万円
ペイメントインテグレーション
米沢事務所 — 山形県米沢市1百万円
ペイメントインテグレーション
東京事務所 — 東京都港区0百万円
ペイメントインテグレーション 全社(共通)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年6月期の売上高は23億円営業利益1億円前期と比べると増収で、売上が+27.8%。

売上高
+27.8%
23億円
営業利益
1億円
純利益
1億円
営業利益率
4.3%
前期比 +9.9%pt

会社が出している今期の予想2027年6月期

項目会社予想前期実績
売上高28億円23億円
営業利益1億円1億円
純利益1億円1億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年4Qで、売上は15億円、営業利益は2億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は+66.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q5120.00
2023年4Q3−2
2024年1Q500.01
2024年2Q5120.00
2024年3Q300.00
2024年4Q400.00
2025年2Q9−1−11.1−1
2025年4Q900.00
2026年2Q8−1−12.5−2
2026年4Q15213.33

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

2017年6月期からの10期で、売上は11億円から23億円へ2.1倍に増えた。直近期の営業利益率は4.3%。売上は3期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2017年6月1111
システムの開発と研究拠点として北大BS R&Dセンターを北海道札幌市北区に開設
2018年6月1311
2019年6月1511
2020年6月2643
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2021年6月2121
2022年6月16−1−1
2023年6月15−3−8
2024年6月17105.91
2025年6月18−1−1−5.6−1
2026年6月23104.31

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年6月期

売上高23億円のうち、営業利益として残るのは1億円4.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1億円、売上の4.3%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金95.7%22億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.3%1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比4.0pt
4.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比2.3pt
4.3%
税金まで払って最後に残る割合

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 7期分

2025年6月期は営業CFが−2億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは−4億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は7億円で、売上の4.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2019年6月2−1013
2020年6月4−15311
2021年6月2−1−715
2022年6月−3−23−54
2023年6月−3−17−47
2024年6月1−21−17
2025年6月−2−25−47

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 9期分

2025年6月期の総資産は20億円。このうち返さなくてよい自己資本が3億円で、自己資本比率は13.5%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2017年6月93631.5
2018年6月94540.0
2019年6月114740.4
2020年6月2071333.8
2021年6月138558.5
2022年6月1511475.2
2023年6月1631321.7
2024年6月1841323.5
2025年6月2031713.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年6月期の内訳単体ベース
現金及び預金
8億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-5億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
17億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中95位あたり、逆に低いのは営業利益率605社中446位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
4.3%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
27.8%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.0%/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥488で、1年前と比べて-36.7%過去52週の値幅のなかでは16%の位置にある。

¥488-3.6%1ヶ月-22.4%1年-36.7%時価総額12億円
過去52週の値幅
安値¥414高値¥878

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)17.5倍
PER (会社予想)18.3倍
PBR6.69倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は直近1カ月で15.83%上昇したが、8月19日に505円と前日比4.17%下落した。25日線(509円)を下回り、75日線(476円)は上回っている。52週高値878円からは大きく乖離しており、戻り待ちの売り圧力が強い。出来高は8月4日に871500株と爆発的な増加を見せた後、8月19日には37800株と落ち着いてきた。ボラティリティが非常に高い状況。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 35/100)

PERは算出不能で、予想PERは19倍と業界平均30.2倍を下回るが、PBRは6.93倍と業界平均3.55倍を大きく上回る。ROEは19.2%と高いが、直近の純利益は赤字で、業績が不安定。配当利回りは0%で無配当。売上高は増加傾向だが、営業利益は赤字と黒字を繰り返す。PBRの高さと業績変動から割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)17.5倍47.9倍
PER (予想)18.3倍
PBR6.69倍2.96倍
ROE19.2%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

この銘柄の論点は、売上高の成長と利益の不安定さの対比にある。売上は堅調に伸びているが、利益は年度によって大きく変動し、黒字と赤字を繰り返している。強気派は、売上成長の持続性と、コスト管理の改善による利益拡大の可能性を評価する。特に、2026年の黒字予想が達成されれば、成長局面に入ったと判断できる。一方、弱気派は、過去の赤字の原因が構造的である可能性を指摘し、一時的な黒字に過ぎないと懸念する。さらに、市場規模が小さく、資金調達力や競争力に不安がある。プロジェクトの採算性や受注の安定性が重要な焦点。

プラスに働く材料7
  • 売上の拡大

    2023年から2026年にかけて売上高が15億円から23億円へと増加傾向。

  • 直近の黒字予想

    2026年6月期は営業利益率4.35%の黒字が見込まれている。

  • 成長市場での事業展開

    情報・通信業は成長分野であり、需要拡大の恩恵を受けやすい。

  • 売上高が30億円へ30%増収し営業利益1.5億円通年影響

    前期売上23億円、営業利益1億円。30%増収なら営業利益1.5億円で時価総額13億円の11.5%増

  • 営業利益率が前期4.35%から10%へ改善通年影響

    売上23億円で営業利益率10%なら2.3億円、前期比1.3億円増

  • 増益により予想PERが19倍から15倍へ低下決算発表後影響

    時価総額13億円、純利益0.7億円でPER19倍。純利益0.9億円ならPER14.4倍に

  • 株価1年で14%下落し、ROE19.2%の高収益が再評価不定影響

    ROE19.2%に対し株価は1年で-14%。外国法人所有2.29%と低く、見直し買いの余地

マイナスに働く材料7
  • 利益の不安定さ

    赤字と黒字が交互に発生しており、収益の質が低い。

  • 小規模な事業規模

    時価総額13億円と小さく、不況時や競争激化に耐える体力がない。

  • 利益率の低さ

    黒字年度でも営業利益率は5%前後で、事業の収益性が高くない。

  • 収益の振れが続き再び営業赤字へ転落通年影響

    過去3期の営業利益は1億円、-1億円、1億円と交互。前期が1億円なら今期は-1億円の確率

  • PBR6.93倍の高評価剥落で株価が下方修正決算発表後影響

    自己資本はPBRから約1.9億円。一株当たり純資産が薄く、減益なら割高修正

  • 売上高の伸び率が前期28%から10%へ大きく鈍化通年影響

    前期23億円で前期比28%増。10%成長なら25.3億円と失望売り

  • 小型株の売買細りで流動性リスク不定影響

    時価総額13億円、外国法人所有2.29%。売買が薄く、下振れ時に急落しやすい

次の決算で確かめる点
売上高成長率
成長が継続するか、受注の拡大ペースを確認するため。
営業利益率
黒字の質を見る。利益率が改善しているかどうかが重要。
受注残高
将来の売上の確実性を測る指標。受注が積み上がっていれば安定感が増す。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり0で、前期から37.5%いまの株価に対する利回りは0.00%。

年間配当
¥0
1株あたり
配当利回り
0.00%
いまの株価に対して
配当性向
26.1%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2018年6月40023.1
2019年6月4000.025.3
2020年6月70075.013.3
2021年6月16−97.726.1
2022年6月10−37.5

配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想

株主

有価証券報告書より

2025年6月期末の株主数は延べ1,230人。区分でいちばん多いのは個人・その他49.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が43.2%を占め、残る56.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年6月%2022年6月%2023年6月%2024年6月%2025年6月%
個人・その他63.364.065.254.049.1
事業法人36.830.931.039.743.1
証券会社3.83.03.65.4
外国法人1.10.72.02.1
外国人個人0.10.00.10.2
金融機関0.10.10.60.1
自己株式0.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス20.25
02株式会社コミューン16.32
03株式会社アイネット6.38
04矢ヶ部 啓一4.78
05ジィ・シィ企画従業員持株会3.57
06金子 京子3.37
07小坂 大輔2.91
08坂井 正人2.59
09株式会社SBI証券2.02
10髙橋 恵二1.82

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-08-27
    株式会社コミューン
    新規の大量保有報告
    12.36%
    -2.55pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で−98%、1株純資産は9期で−98%。直近期のROEは19.2%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%配当性向%
2017年6月1,5025,61330.9
2018年6月1,7297,34226.723.1
2019年6月4021319.925.3
2020年6月13233548.113.3
2021年6月6137417.326.1
2022年6月−39457
2023年6月−310136
2024年6月2916619.2
2025年6月−58108
2026年6月28

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2025/6期の役員報酬は総額111百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
金子哲司取締役会長75
髙木洋介代表取締役 社長4729,720
丸山英幸代表取締役 副社長経営管理本部長4828,200
金澤憲一取締役 ペイメントビジネス本部長541,100
西田光志取締役74
日下部進取締役69
大高敦取締役56
小坂大輔常勤監査役7173,000
中村敏宏監査役72
齋藤浩史監査役70
阿部通子監査役54

役員報酬の内訳2025/6

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)5818116
社外取締役522224
監査役1888

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/6期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,328字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社となる。」を経営理念として、電子マネーの急速な普及に伴い多様化するカード取引に対応するシステムを開発し、キャッシュレス決済サービス事業としてカード会社加盟店や企業への導入及びクラウドによる決済ASPサービスを行ってまいりました。また、導入後の保守・運用に関するサポートサービスは自社でヘルプデスクを備え、24時間体制でタイムリーに対応できるよう整備しております。 なお、当社の事業セグメントについて、前事業年度は「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」、「その他事業」の3つに区分しておりましたが、2024年8月にNUCADOCO事業を廃止したことにより「その他事業」セグメントを廃止し、当事業年度より「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」の2セグメントに変更しております。 (1) ビジネスモデルの概要 買い物は現金決済が当たり前で、クレジットカードはお金持ちが使うものという時代から、日々の買い物をカードや電子マネーで決済することが普通に行われる時代へと変遷しております。当社は創業時よりこれらのキャッシュレス決済の仕組みを提供しております。我が国のキャッシュレス決済比率は国家戦略として2025年に40%到達が目標(注1)とされていましたが、2024年に42.8%(注2)に到達しました。しかし2021年の韓国95.3%(注1)、中国83.8%(注1)といったキャッシュレス先進国と比較すると大きく出遅れており、こうした現状を受け今後もキャッシュレス決済の需要は高まるものと考えられます。 当社の顧客は中堅から大手の流通事業者が中心となっております。これら事業者は複数のテナントがあったり、フランチャイズで多店舗展開を行ったりしており、複数のレジで発生するクレジットカードや電子マネー等の決済をこなし、これに伴う与信処理や取消・返品の対応、決済後のクレジットカード会社等との精算業務などが必要です。 当社が提供するキャッシュレス決済サービスはこれらカード会社加盟店とカード会社を接続し、クレジットカード会社などの事業者の間に入って決済処理、精算データ生成のうえ、カード会社加盟店にデータ還元を行うなどのプロセシング(注3)の一部を担います。 (注)1 2023年8月 一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」 2 2025年3月 経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」 3 プロセシングとは、会員管理や加盟店管理に関する業務の総称です。当社では、その業務のうち決済に必要な通信環境やシステムを用意し、売上集計や請求等の加盟店業務を補佐するとともに、日々の運用に必要なメンテナンスやコールセンター業務を提供しております。 (注)POS:販売時点情報管理(英語:Point of sale system、略称POS system) ここでは、店舗に置かれたPOSシステムにつながれたレジスターを意味します。 (注)決済端末: クレジットカード決済に対応するために設置する信用照会端末を言います。クレジットカードの有効性をスイッチングセンターを通じてカード会社に問合せて決済を行います。 (注)スイッチングセンター: カード会社加盟店とカード会社、金融機関をネットワークで結び、決済を実行するための環境を提供しています。株式会社NTTデータが構築するCAFIS、株式会社日本カードネットワークが構築するCARDNETを指しています。 当社のその他の関係会社である株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスは、クラウド型電子マネーサービスを国内で初めて商用化して以来、電子マネーを中心にクレジット、コード決済等あらゆるキャッシュレス決済に対応し、国内でも有数の規模を図る決済ゲートウェイサービスを提携する事業者であり、当社は従前より開発パートナーとして関係を築いてまいりました。 今般の資本業務提携により、今後更に技術やノウハウを活かし、金融やマーケティング事業領域で新たなサービス開発を行うなど、イノベーションを加速することで、より便利で安全な消費環境の創出を目指してまいります。 (2) 具体的な商品又はサービスの内容 当社の主要事業であるキャッシュレス決済サービス事業は、カード会社加盟店の運用負担やコスト低減、セキュリティの確保など多様なニーズにお応えするため、カード会社加盟店が自身で管理する環境へシステム構築を行うオンプレミス型(注1)に加え、当社が保有するシステムをクラウドとしてご利用いただく決済ASPサービスを提供しております。いずれの場合にもカード会社加盟店向けのサービスとして24時間365日のヘルプデスクを設置し、開発、導入から保守、運用までワンストップで提供しております。 ① ペイメントインテグレーション事業 プロセシング業務を顧客自身が運用する場合に必要な決済処理システムを提供するものです。顧客は当社が直接契約するカード会社加盟店と大手システムインテグレータを通して契約するカード会社加盟店となっております。基本機能は決済パッケージソフトウェアCARD CREWシリーズ(注2)をライセンス提供しております。顧客ニーズに合わせてオンプレミス型、決済ASPサービス型で提供しておりますが、オンプレミス型ではほとんどの場合、カスタマイズが発生し、決済ASPサービス型では顧客環境に合わせたカスタマイズが発生することがあります。これら顧客に対し直接営業することにより発注をいただくほか、既存顧客からの照会にお応えしプロポーザル方式でのご用命をいただくケースもございます。特にPOSシステムとの親和性が高い事から対面販売事業者(注3)を中心にユーザーを獲得しております。 また、対面販売での決済に欠かせない決済端末の販売もこのカテゴリーに含んでおります。決済端末アプリケーションは全て自社開発し、基本パッケージをベースにご希望のカスタマイズを承っています。収益構造としてはフロー収益であり、需要により売上が変動します。 ② ペイメントサービス事業 上記に対し、ストック収益となっているのが、以下の2つのサービスです。 (a) 決済ASPサービス(クラウド型) 顧客環境に当社の決済システムを設置又は導入するのではなく、当社がプロセシングに必要なソフトウェア、通信専用回線、サーバー、保守・運用までを用意しご利用いただくクラウド型のサービスです。当社ではセキュリティが厳しく安定的なシステム運用が可能な外部事業者が提供するデータセンター内にサービスに必要なシステムと通信環境を設置した当社専用データセンターで運用しております(注4)。 初期費用を抑え永くご利用いただくことで、顧客にとっては導入しやすく、当社にとっては安定的なストック収益となっています。 第30期事業年度においては、収益全体のうちペイメントインテグレーション事業のフロー収益が39.1%、ペイメントサービス事業のストック収益は60.9%であります。 クレジット取引セキュリティ対策協議会(注5)が2020年3月までにPCI DSSの準拠又はカード情報の非保持化を求めたことから管理コストが上昇したため、顧客にとっては、面倒なシステム管理が不要で、多様化する決済手段にも柔軟に対応することが可能なことから、当初オンプレミス型でスタートした顧客がリプレースの段階でクラウド型の決済ASPサービスに切替えるケースが増加しております。 (注) 1 オンプレミスとは自社で情報システムを保有し自社内の設備で運用することを指します。これに対し、クラウド上に置いた情報システムを利用しその管理までを委託するクラウド型の対語となっております。 2 決済パッケージソフトウェア CARD CREWシリーズとは、キャッシュレス決済を実行するために必要な機能を揃えた基本パッケージソフトウェアです。顧客環境でご利用いただくためにライセンス供与し、運用も顧客自らが行うオンプレミス型で提供するほか、決済ASPサービスもこのパッケージソフトウェアで運用します。 3 対面販売とは、消費者と対面して販売する一般的な販売形式です。インターネットによるEC決済が非対面であることから区分するために使用しています。 4 この施設は当社専用ルームとなっており、「ジィ・シィ企画データセンター」(略称GDC)と呼んでおります。 5 クレジット取引セキュリティ対策協議会とは「国際水準のセキュリティ環境」を整備することを目指し、 クレジット取引に関わる幅広い事業者(カード会社、カード会社加盟店・関係業界団体、国際ブランド(注6)、端末機器メーカー、決済代行業者、セキュリティ事業者、情報処理センター等)及び行政が参画して2015年に設立されました。割賦販売法に基づき、クレジットカードの不正を防止するための実行計画を立て、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者が定められた加盟店調査義務を果たさない場合は経済産業大臣が業務改善命令や登録の取消しを行います。当社の業務ではクレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録は不要とされていますが、その他関係事業者として決済端末やソリューション等の機能・仕様面で情報漏えい防止のための必要なセキュリティ対策を講じることが求められています。 6 国際ブランドとは、世界各地に数多くのカード会社加盟店を持ち、国際的に通用するクレジットカードブランドを言います。 VISA(ビザ)、Mastercard(マスターカード)、American Express(アメリカン・エキスプレス)、DinersClub(ダイナースクラブ)、JCB(ジェーシービー)の5大国際ブランドに加え、Discover Card(ディスカバーカード)と銀聯(ぎんれん)を含めることもあります。 (b)保守運用サービス 当社がオンプレミス型で提供したシステムの保守並びに運用サービスを行っております。24時間365日対応の保守運用体制とヘルプデスクを自社で用意し、緊急時には開発者も交えながら万全の体制で決済システムを監視サポートしております。 事業の系統図は、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題7,976字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等 当社は、「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社を目指します。」という理念のもと、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに対し、常に最適な商品・サービスを提供するため、先進的で創造性溢れる技術に挑戦し、成長・発展する企業を目指しております。 こうした経営方針の下、当社は多店舗展開を行う小売事業者を主なターゲット顧客とし、キャッシュレス決済に係るシステム開発と決済サービスの提供を行っております。 当社の持続的な成長を確保するため、利用いただくカード会社加盟店にとって導入が容易(ワンストップ)で低コストとなるクラウド型の決済ASPサービスの拡充に努めてまいります。また、自社で決済システムを管理・運用を行っている既存顧客についても、リプレースを迎える際に決済ASPサービスに誘導することにより、ストックビジネスであるペイメントサービス事業の売上を伸長する戦略を行っております。 ① ペイメントインテグレーション事業 <成長戦略> a.コンタクトレス決済などの多様化する決済手段の対応により、幅広い顧客層への普及をめざします。 b.当社独自の標準決済端末の開発と展開により開発コストの低減と高性能端末の提供を進めます。 ② ペイメントサービス事業 <成長戦略> a.当社が保有する国際ブランド決済ネットワーク(注1)接続資格を活用することにより、カード会社加盟店にこれまでより廉価な決済環境を提供するとともに、トランザクションフィービジネスとすることで収益の増加を目指します。 b.決済ASPサービスにおける決済手段拡張により、マーケットターゲットを拡大させ、一層のキャッシュレス決済の普及に貢献します。 c.より安価にキャッシュレス決済端末をご利用いただけるサービスとして、マルチ決済端末のサブスクリプションサービスを導入しております。カード会社とのアライアンスによって、従来の大規模、中規模店に加え、小規模店にも展開し、ストック売上の成長のためにマーケットシェアの拡大を目指します。 d.当社のユーザーと決済手数料にかかる契約を直接締結して、決済手数料の差額を収益とするビジネスモデルで、決済手数料売上の拡大を目指します。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、持続的な成長と企業価値向上を図るため、主な経営指標として売上高及び売上高営業利益率を重視しております。また、経営基盤の安定化に資するペイメントサービス事業売上の成長率を経営指標としております。算出は以下の方法により行っております。 経営指標   算出方法   評価、モニタリング 売上高   ‐   月次、四半期、年次 売上高営業利益率   営業利益÷総売上高   四半期、年次 ペイメントサービス事業売上の成長率   前期比、前年同期比   四半期、年次 また、取引先とエンドユーザーを継続的に増加させること並びに契約額の大きい取引先を獲得することがペイメントサービス事業売上の継続的な成長の支えであることから、ペイメントサービス事業のエンドユーザーの契約数及び月額平均単価について、それぞれ重視しております。 (3) 当社の強み ① 技術力・開発力について業界内で一定の評価 当社は開業以来、キャッシュレス決済システムの開発と決済サービスの提供を継続的に行なってきたことから、技術力・開発力については業界内で一定の評価を頂いていると認識しております。中でも大手システムインテグレータに当社製品への通信接続が簡易に実現できるモジュールを提供したことや、ソフトウェアのパッケージ化によってユーザーがシステムの利用を早期かつ安定的に実現できる環境を整えてきたことから、引き合いを受けるケースがございます。また国内の決済ネットワーク運営法人である株式会社NTTデータがサービス提供するCAFIS(注2)や株式会社日本カードネットワークのCARDNET(注3)に対し、当社パッケージが製品登録されている事からも信用と評価に繋がっていると考えております。 (注) 1 国際ブランド決済ネットワーク :クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。各国際ブランドが運営しており、ビザはVisaNet(ビザネット)、マスターカードはBANKNET(バンクネット)という決済ネットワークを運営しています。世界各地で標準的に利用されていますが、日本ではほとんどのクレジットカード決済が以下に記載するCAFISまたはCARDNETを利用して行われています。 2 CAFIS :クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。株式会社NTTデータが運営しており全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。日本国内専用の決済ネットワークとなっております。 3 CARDNET:クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。JCBグループの株式会社日本カードネットワークが運営しており全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。日本国内専用の決済ネットワークとなっております。 ② 開発から保守までのワンストップサービス システム開発やサービス構築の設計から開発までを内製しており、更にヘルプデスクや保守サービス、運用サポートも自社内で運営していることから、システムの導入から運用までをワンストップで提供可能となっております。さらに、ユーザーの環境に合わせたカスタマイズ対応も自社内で可能なことは強みとなっており、顧客の安心感や満足度は高いと自負しております。 ③ 安定的な経営を支えるストック売上 当社のペイメントサービス事業売上は、ユーザーに決済ASPサービスや保守運用サービスを提供する顧客単位の月額固定売上、決済端末台数単位の月額処理料売上等であり、収益構造としては安定したストック売上であります。サブスクリプションサービスの導入により一層の成長を見込んでおり、更に安定的な経営を目指してまいります。 ④ 高いセキュリティと信頼性 キャッシュレス決済では、顧客(消費者)の決済に関わる情報を取り扱います。これが漏えいすると、不正使用につながりその被害は甚大になる可能性があります。当社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO/IEC 27001(ISMS)やPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)を取得・準拠し、不正アクセスや情報の不正使用、情報漏えいなどセキュリティインシデントのリスク低減に努めております。これらによって当社のセキュリティレベルは高く評価され、カード会社加盟店やシステムインテグレータ、カード会社などから高い信頼を得ております。 ⑤ 多様な決済端末への対応 当社は国内外の多種多様な決済端末、POSシステムとの接続実績がありカード会社加盟店のニーズに応えてまいりました。POSシステムを開発するシステムインテグレータへ当社サービスへの接続プログラムを無償で提供することにより、リーズナブルな価格で且つ短期間にシステム構築を実現させることを可能にしております。そのため、カード会社加盟店が使用する決済端末やPOSシステムのメーカーを問わず信用照会データや債権データを中継し決済を成立させるシステムとなっております。 ⑥ 国際ブランド決済ネットワーク接続 当社は国際ブランドであるVISAとの契約によりVISAの決済ネットワークであるVISANETに直接接続する権利を有しております。この契約により国内専用の決済ネットワークの利用を迂回するシステムを構築することで、カード会社やカード会社加盟店のコスト負担を低減することが可能となります。国際ブランド決済ネットワーク接続は、当社にとって大きな強みになると考えております。 (4) 経営環境 当社は、情報サービス産業に属しており、中でもクレジットカード等によるキャッシュレス決済システムの開発やクラウド方式による決済ASPサービスの提供を中核事業としております。経済産業省の発表(2025年3月31日)によれば、我が国のキャッシュレス決済比率は2024年に42.8%に到達しました。将来的には、世界最高水準のキャッシュレス決済比率80%を目指し、必要な環境整備を進めていくこととされております(注)。 キャッシュレス市場はオンラインショッピングを中心に利用率・利用額ともに増加傾向にあり、今後も利用シーンの多様化が進み、更なる市場規模の拡大が見込まれるものと想定しております。 一方で、決済手段は多様化の一途をたどっており、スマートフォンを利用したバーコード決済やQRコード決済(総称して「コード決済」といいます)や、乱立と言われるほどの多種多様な電子マネーによる決済が普及し大きな環境の変化も起きております。これらの変化に柔軟な事業戦略を有していること、そこで求められる新技術やノウハウを常に先行して蓄積していること、それらを可能にする体制が構築されていることが重要であると考えております。 (注) 2018年4月 経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」から引用 (5) 中長期的な経営戦略 経営環境に記載したとおり、キャッシュレス市場は急速な勢いで拡大を続けております。しかしながら、同時に競合する事業者の参入も加速されることとなり、差別化は喫緊の課題であると認識しております。創業以来築き上げてきたノウハウ並びに顧客からの信用をベースに、多様化する決済手段への柔軟な対応と、顧客の利便性・経済性を一層高めるためのサービスを追求することにより、キャッシュレス決済市場の拡大とともに売上を伸長させてまいります。 当事業年度においてデジタルペイメントソリューションの世界的大手プロバイダーであるNewland Payment Technology International (Singapore)Pte. Ltd.と販売店契約を締結したことにより、当社の端末販売及びサブスクリプションサービスのラインアップを充実させ、キャッシュレスでの国内シェア拡大を進めております。 また、資本業務提携先である株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」という。)について、当社の強みである決済端末からシステム開発までワンストップで提供できる点で当社と類似性があり、高いシナジー効果を発揮することができると考えております。決済事業領域においてTMN社と当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力強化を図ってまいります。 ① ストック収益の拡大 当社のサービスは前述のとおり「ペイメントインテグレーション事業」及び「ペイメントサービス事業」の両輪であります。景気動向による顧客のIT投資意欲に左右される「ペイメントインテグレーション事業」は時に大きな商談をもたらしますが、変動のあるフロー収益であり開発要員の確保や売上計画における不確定要素となります。これに対し、「ペイメントサービス事業」は定期契約に基づくストック収益であり、経営基盤の強化につながっております。過去に「ペイメントインテグレーション事業」として納めたシステム等が更新を迎える時は、当社の「ペイメントサービス事業」の基軸であります決済ASPサービスに誘導することで顧客の負担を軽減するとともに当社のストック収益を増強してまいります。また、以下②③に記載の新たなサービスの導入を進めることで他社との差別化を図り、顧客ニーズに沿ったサービスの提供に努めます。 ② 国際ブランド決済ネットワーク接続によるカード会社加盟店コスト低減とトランザクションフィー売上の強化 当社は国際ブランドであるVISAとの契約によりVISAの決済ネットワークであるVISANETに直接接続する権利を有しております。現在我が国においては国内専用の決済ネットワークが運用されており、そこには国内のカード会社が接続され信用照会や債権データの取引が行われております。歴史的に見れば国内専用の決済ネットワークが前述のVISANETに先駆けて構築された為でありますが、世界的には稀な仕組みであり、結果的に我が国の決済コストを高めています。カード会社加盟店の手数料が他国より比較的高額であるのはこの事実と無関係ではありません。当社の決済ASPサービスは現在国内専用の決済ネットワークに接続されておりますが、この契約を有効的に活用し、VISANETへ順次切り替えてまいります。これによりカード会社の運用コストを引き下げ、ひいてはカード会社加盟店の手数料などのコスト低減を進めることにより、当社の決済ASPサービスを契約するカード会社加盟店を増加させる計画です。 一方、カード会社(アクワイアラ)がこれまで負担していたトランザクションフィー(取引1件ごとに加算される手数料)は国内専用の決済ネットワーク事業者に支払われておりましたが、この分が減額されることから、その一部を当社収益とすることで、ストック収益の増加につなげます。 ③ マルチ決済端末サブスクリプションサービスの導入 為替変動リスクの影響により決済端末の価格が上昇傾向にあること、当社サービスと他社との競争激化といった環境の変化に対応するため、従来の決済端末の売切り型販売に加え、ユーザーが購入しやすいサブスクリプションサービスを導入しております。カード会社とのアライアンスによって、従来の大規模、中規模店に加え小規模店への展開を行うことにより、マーケットシェアを拡大し、ストック収益の増強を図ってまいります。 ④ 研究開発から創出する新事業 既存ビジネスだけにとらわれると、市場のシュリンクまたは様変わりによって持続的な成長が阻害される恐れがあります。そのため、研究開発に力を入れ、以下の2つの柱で取り組んでまいります。 a.既存ビジネスの改善と新たな付加価値の創造に係る開発 b.大学研究機関との共同研究による実証研究開発 取引先との情報共有、社内外におけるセミナー等により最新情報の習得に努め、札幌市に札幌R&Dセンターを開設し最新技術の研究開発を進めるほか、北海道大学、専修大学との共同研究により学術的な観点からの研究も進めております。 (6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社では、キャッシュレス決済分野に特化した高品質なサービスの提供により、業界における存在価値を高めるため、以下の課題に取り組み、経営基盤の強化を図ってまいります。 ① システム開発力と競争力の強化 当社は、長年蓄積されたノウハウを生かし、多様なキャッシュレス決済ニーズに対応したシステムを提供しております。情報通信の技術革新は日進月歩であり、常に新技術、新サービスが出現する状況です。当社は競争力のある商品・サービスをお客様にご提供するために、それらの技術やサービスをタイムリーにキャッチし、先行して対応することが重要と認識しております。システム開発においては、プロジェクトの見える化を推進し、問題点の把握・早急な対応策の実施等をとおして、品質、コスト、納期の三面からの管理に取り組んでおります。また、リリース時の検証に十分な時間をかけ、安全性と信頼性の高いシステムとサービスの提供に取り組んでまいります。 ② 優秀な人材の獲得及び育成 当社は、新しい技術への対応が常に要求される事業を営んでおります。最先端の技術を習得し、高度な技術力に裏付けられた、顧客にとって使いやすく、顧客業務の効率化に資する商品・サービスの提供を目指しております。高品質なサービスの企画・開発力が競争力の源泉になると認識しておりますが、その確保のためには、優秀なスタッフと、組織体制を整備していくことが必要になると考え、積極的な人材採用活動を進めるとともに、従業員が働きやすい環境の整備、人事制度の構築、人材育成のための研修などを行ってまいります。 ③ サービス品質の向上 当社は、サービスの一層の品質向上に向けて、開発技術の精錬に努め、トラブルや不具合などが発生しないよう保守及び運用サービスを強化するとともに、品質保証による信頼を獲得、維持することが重要であると考えております。そのため、品質マネジメントシステムの国際標準規格であるISO 9001の認証を取得し、継続的な改善に努めております。引き続き、品質管理を徹底し、企業価値の向上に努めてまいります。 ④ 情報セキュリティの強化 当社が提供するシステムやサービスの顧客数が増加しデータの規模が拡大するのに伴い、外部からの不正な手段による侵入等によって、決済情報やクレジットカード情報等の重要なデータが消去される、あるいは、外部に流出するリスクも増加することになります。これらの情報の保護等の体制強化のため、当社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格であるISO/IEC 27001及びクレジットカード情報保護におけるセキュリティ基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standards)の認証を取得しておりますが、在宅ワークの普及や、情報犯罪の高度化により、情報漏洩又はコンピュータウィルスの侵入リスク等に晒されていることを認識しております。そのため、情報セキュリティ事務局を置き、情報管理やアクセス管理を実施するとともに、情報の取扱いに関する教育・訓練等を含め、情報セキュリティ管理体制の継続的な強化に努めてまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化 当社は、今後の事業環境の変化に対応し、継続的な事業拡大を進めるためには内部管理体制の強化が重要であると認識しております。社内規程や業務マニュアルの運用、定期的な社内研修の実施を通じてコンプライアンス体制の強化を行い、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。 ⑥ 収益力の向上 持続的な成長を実現するためには収益基盤の強化が必要であると考えており、営業アライアンス先を拡充、特にカード会社との連携を強化することにより、新規顧客獲得を図ってまいります。既存ビジネスに加え、国際ブランド決済ネットワーク接続サービスや決済端末サブスクリプションサービスによるストック売上の拡大に取り組んでおります。また、TMN社との業務提携を深化し、決済領域において当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力強化を図ることで、事業の成長に取り組んでまいります。 費用面につきましては、全社的な予算実績管理の徹底を継続し、固定費を中心に費用削減を図り、一層の収益力向上に努めてまいります。
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会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。 なお、文中における将来に関する記載事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 事業環境に関するリスクについて ① 価格競争について 顧客のIT投資に対する価格要求はますます厳しさを増しており、価格面、品質面から常に同業他社との競争に晒されております。顧客からの価格低減圧力は依然として強いままとなっており、競争激化の傾向は当面続くものと見込まれております。このような市場環境の中で当社は、キャッシュレス決済分野のノウハウ等得意分野を活かし、より付加価値の高いサービスの提供と、国際ブランド決済ネットワーク接続によりカード会社加盟店の負担軽減を図るなどの方策に努めておりますが、競合相手との価格競争により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場環境について 当社が事業を展開する情報サービス産業において、経済情勢の低迷や景気の悪化等により、顧客のIT投資への姿勢に影響を受ける傾向があります。当社は、市場の動向や経済情勢を先んじて的確に把握し、その対応策を早期に講じるよう常に努めておりますが、経済情勢の悪化や景気の低迷等による顧客のIT投資の減少により、当社の事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替変動のリスクについて 当社は、一部の製品の輸入、サービスの利用を台湾、米国の企業に依存しており、外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、原価率が上昇する可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (2) 事業に関するリスクについて ① 売上高の計上時期について 当社のペイメントインテグレーション事業の売上高は、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、一時点で充足される履行義務に基づき認識される収益と、一定の期間にわたって履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。 当社は納期管理を徹底しており、当社起因による納期遅延は少ないものの、大型開発案件等について、顧客の投資方針の変更や受注後の仕様変更等により納入時期に変更が生じ売上計上のタイミングが翌期にずれ込む場合、計画どおりに売上計上できず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報処理センターネットワークの利用について 当社のキャッシュレス決済における中継処理サービスについては、株式会社NTTデータが運営する「CAFIS」及び株式会社日本カードネットワークが運営する「CARDNET」のいずれかのネットワークを経由してデータ処理を行っております。 そのため、これらのネットワークシステム障害等の理由により、サービス提供が困難になる可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 情報セキュリティに関するリスクについて 当社は、事業においてクレジットカード情報を取り扱うため、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格ISO/IEC27001の認証を取得しているほか、国際クレジットカードブランド5社(American Express、Discover、JCB、Mastercard、VISA)が共同で設立したPCISSC(Payment Card Industry Security Standards Council)が認定した、クレジットカード情報保護におけるセキュリティ基準PCI DSS Ver4.0に準拠し、資格確保のための更新審査を受けており、情報セキュリティに関する脅威の監視や分析、未然防止対策を講じて、情報漏洩につながる状況への対応の強化及びリスクの低減に努めております。 しかしながら、これらの情報について紛失、漏洩等が発生した場合、当社の社会的信用低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。 また、何らかの事情により更新ができず、資格を失った場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保について 当社のビジネスを支えている最大の資産は人材であり、各種サービスの品質向上、新規サービスの企画・開発のためには、優秀な人材の採用・育成・モチベーションの向上が欠かせません。そのために人員の採用を積極的に進めており、また処遇の改善や働きやすい職場環境の改善等に継続的に取組んでおります。 しかしながら、人材獲得競争の激化等により十分な人材採用を実現できなかった場合、又は在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ プロジェクトの不採算リスクについて 当社の行うシステム開発においては、ISO9001に準拠した品質標準に基づく品質管理のほか、品質保証部を設置し、開発プロセス毎に行うプロジェクトレビューの取組などにより納期・品質・コストについて管理しております。しかしながら、開発途中の大幅な仕様変更の発生や、作業工数が当初の見積もり以上に増加するといった、受注時には予測できなかった要因により不採算プロジェクトが発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、上記のような大幅な変更等によるトラブルが発生した場合、納期の未達成や契約条件等の不履行などにより、売上計上の遅延、追加コストの発生、損害賠償請求等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 決済端末の仕入に関するリスクについて 当社は、決済端末の大部分をCastles Technology社より仕入れております。 当社は、これまで同社とは販売店契約を締結して信頼関係を構築し、継続的な取引関係の強化を図っております。また、新たな仕入先としてNewland Payment Technologyと販売店契約を締結し、複数のメーカーと契約を締結することで仕入ルートの分散化を図っております。 しかしながら、仕入先との関係が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 また、Castles Technology社の工場は中国や台湾に多く存在していることから、工場のある各国の政治的・社会的な混乱、新たな法的規制や制限、自然災害、紛争、為替の状況、資源価格の高騰や半導体不足による仕入価格の高騰等により、製品の調達に支障が生じた場合にも、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 棚卸資産に関するリスク 当社は、品揃えを充実させ、適時に供給を果たすために顧客からの注文に先行して決済端末の仕入を行い、一定量の在庫を確保しております。 想定を超えた受注量の増加があった場合においては、あらかじめ確保しておいた在庫が不足することによる販売機会の逸失等、受注量の減少があった場合においては、過剰在庫の発生に伴う、在庫の評価損、廃棄損の計上等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 技術革新の対応に関するリスク 当社が属する情報サービス産業は、ITの技術革新が激しく、既存技術の進化や新たな技術への対応の遅れやITサービス市場におけるIT技術の急速な変化により、当社が保有する技能・ノウハウ等が陳腐化し、競争優位性を喪失する可能性があります。当社が技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、適切に対応できない場合又は想定以上に多額な研究開発費用が発生した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 労務管理のリスク ソフトウェアによるシステム開発は、知識集約型かつ労働集約型の業務であります。このため、当社では過重労働の撲滅を経営課題として、常に従業員の健康に配慮した労働環境の整備に努めております。しかしながら、予想外のトラブルや開発工程の品質、納期を厳守するために、一時的に特定の従業員に業務負荷がかかる可能性があります。こうした場合には、従業員の健康問題や労務問題に発展し、他の従業員の士気の低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 協力会社に関するリスク 当社は、社内の工数が不足する場合や当社技術で対応が難しい場合などに協力会社(外注先)から外部委託又は役務の提供を受けることがあります。今後、協力会社技術者の需要バランスの変化による要員の確保難や価格の高騰が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 特定顧客への依存について 当社の製品・サービスは、大型プロジェクトが社内外の人材投入のピークとなる開発フェーズに移行した場合等に、一時的に売上全体に占める特定顧客への売上高依存割合が高まる場合があります。当社は、顧客の業種やプロジェクトのフェーズが分散されるように留意し、既存顧客との関係を強化して継続的に受注を獲得するとともに、新規顧客の獲得にも注力しておりますが、特定顧客の経営状況の変化やIT投資の方針の変更が、当社の業績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携について 株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」という。)は、当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社に該当しております。当社はTMN社の持分法適用関連会社であり、TMN社の代表取締役社長が当社の社外取締役を兼務しております。また、同社との間で資本業務提携契約を締結しており、同社との取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等は確保しております。 当社の経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、現状、TMN社に対して事前承認を要する事項はなく、独立性・自律性は保たれていると認識しております。 将来において、TMN社の当社の株式保有方針が変更されたり、同社との業務提携内容に変更が生じた場合、当社株式の流動性及び株価形成、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) その他のリスクについて ① 自然災害等について 当社が事業展開する地域において、自然災害、電力・通信・交通その他の社会インフラの障害、大規模な事故等が発生した場合には、当社又は当社の取引先の事業活動に悪影響を及ぼし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害やパンデミックの影響により、一時的に想定以上の決済データが発生し、決済ASPサービスの許容量をオーバーしてしまう可能性があります。 これに備え、季節的な変動要素と当社の成長性を考慮した上で計画的な設備投資を行っております。更に事業継続計画(BCP)を作成し、予防訓練、想定訓練等を実施したうえ、BCPは年毎の見直しを行っております。 ② コンプライアンスに関するリスク 当社において、法令・社会規範・倫理に反する問題が発生した場合や役職員等の内部関係者による贈収賄・横領・インサイダー取引等の不正行為が発生した場合には、当社の社会的な信用が低下し、顧客から取引を停止されたり、多額の課徴金や損害賠償を請求されたりするなど、当社の経営成績、財政状態及びレピュテーションに大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制等について 当社が事業運営を行う上で、下請代金支払遅延等防止法、製造物責任法、労働基準法等の一般的な法的規制等を受けており、今後その規制が強化されることも考えられます。また、現時点では存在しない新たな法規制が制定される可能性もあります。その場合、事業活動に対する制約の拡大、規制の変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、法令等の改正については、加盟する各種団体からの情報を得るほか、弁護士、社労士との契約に基づき、早期の対応ができるよう体制を整えております。 ④ 知的財産権について 当社は、第三者が所有する特許権、商標権、意匠権等(以下、「知的財産権」という。)を侵害しないように、新製品や新サービスの企画段階においては、業界動向や関連情報などを確認し、必要に応じて特許情報プラットフォームにて同種の出願もしくは登録のある知的財産権の有無に関する調査を行っており、疑わしい場合は特許事務所において調査を実施しております。しかしながら、当社の認識の範囲外で第三者が所有する知的財産権を侵害する可能性があります。このような場合、当社への損害賠償請求及び差止請求、信用の低下、風評等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 訴訟等について 当社は、株式会社モビリティ及びモビリティ・エックス株式会社(以下「原告ら」)より、当社の販売する決済端末を利用した決済システムが原告らの特許権及び当該特許権の専用実施権を侵害することによって損害を被ったとして、2021年7月12日付けで特許権侵害に基づく損害賠償請求の提起を受け、また株式会社モビリティから2021年9月14日付けで審理対象期間を追加する訴えの提起を受け、これらは東京地方裁判所において併合して審理されておりましたが、東京地方裁判所から、2024年3月22日、原告らの請求をいずれも棄却する旨の第一審判決の言い渡しがありました。 原告らは第一審判決を不服として、2024年4月3日、知的財産高等裁判所に第一審判決の取消等を求めて控訴しておりましたが、知的財産高等裁判所から、2025年5月8日、原告らの請求をいずれも棄却する旨の第二審判決の言い渡しがありました。 また、当社は、株式会社モビリティ及び外1名(以下「モビリティら」)に対し、2021年8月31日付けで、不正競争防止法等に基づき損害賠償請求をする本訴を提起しており、モビリティらは、当社の本訴提起が、故意又は過失によってモビリティらの権利又は法律上保護される利益を侵害し、これにより有形及び無形の損害を被ったとして、当社に対し損害賠償又は謝罪を求める反訴を提起しましたが、東京地方裁判所から、2024年3月22日、当社の本訴に係る請求、モビリティらの反訴にかかる請求は、いずれも棄却する旨等の第一審判決の言い渡しがありました。 モビリティらは第一審判決を不服として、2024年4月5日に知的財産高等裁判所に第一審判決の取消等を求めて控訴を提起しておりました。当社も、2024年4月4日に同様に控訴を提起し、後に控訴審において請求の追加をしておりましたが、知的財産高等裁判所から、2025年5月8日、モビリティらの請求、当社の請求をいずれも棄却する旨等の第二審判決の言い渡しがありました。 当該訴訟の結果によっては、当社の事業や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 有利子負債への依存及び金利変動について 当社は主に、金融機関等からの借入により資金調達を行っているため、有利子負債の比率が高い水準となっております。有利子負債の抑制に努めてまいりますが、金融情勢の変化等により急激な金利変動が生じた場合や計画どおりに資金調達ができない場合、当社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)7,272字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。 当事業年度の期首より、表示方法の変更を行っており、当該表示方法の変更を反映させた組替え後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(表示方法の変更)」をご参照ください。 ① 財政状態の状況 a.資産の部 流動資産は、前事業年度末と比べて73,852千円増加し、1,590,436千円となりました。これは主に、現金及び預金が45,998千円、売掛金及び契約資産が50,354千円、リース投資資産が111,897千円、仕掛品が1,947千円増加した一方で、商品が134,988千円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べて165,814千円増加し、414,090千円となりました。これは主に、有形固定資産が13,529千円、自社利用ソフトウエアの開発により無形固定資産が184,992千円増加した一方で、長期前払費用が3,591千円、繰延税金資産が29,313千円減少したことによるものであります。 この結果、当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ239,666千円増加し、2,004,527千円となりました。 b.負債の部 流動負債は、前事業年度末に比べて1,094千円減少し、1,112,702千円となりました。これは主に、買掛金が13,146千円、1年内返済予定の長期借入金が133,753千円、預り金が17,716千円増加した一方で、未払金が1,863千円、未払費用が6,309千円、契約負債が126,871千円、未払消費税等が30,166千円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べて386,198千円増加し、621,810千円となりました。これは主に、長期借入金が386,198千円増加したことによるものであります。 この結果、当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ385,103千円増加し、1,734,512千円となりました。 c.純資産の部 純資産合計は、前事業年度末に比べて145,436千円減少し、270,015千円となりました。これは主に、新株予約権の行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ225千円、新株式申込証拠金が450千円増加した一方で、当期純損失の計上により利益剰余金が146,336千円減少したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当事業年度における我が国経済は、インバウンド需要の継続や賃上げによる雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調となりました。一方、米国の政策動向や地政学リスクの高まり等の海外情勢不安等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 当社が属する情報サービス産業においては、少子高齢化・生産年齢人口減少の影響等を受け、既存システムの刷新やデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが進められており、あらゆる産業において、業務効率化・競争力強化を図るためのIT投資意欲は引き続き拡大していくことが見込まれております。 経済産業省の発表(2025年3月31日)によれば、2024年のキャッシュレス決済比率は、42.8%と政府目標である4割を達成しました。将来的にはキャッシュレス決済比率80%を目指し、必要な環境整備が進められるものとされています。なかでも、当社の主要な事業領域であるクレジットカードによる決済額は、他の決済手段と比べて依然として高い比率を占めております。 このような環境の中、当社はスーパーマーケット・ディスカウントストア等、小売業の新規・既存顧客を中心に、マルチ決済システムの導入やリプレース、決済端末の販売、新たな決済手段やサービス開始の提案等を引き続き進めております。また、マルチ決済端末のサブスクリプションサービス「サクラ」の提供を進め、マーケットターゲットの拡大を図るとともに、安定した収益確保に取り組んでおります。 当社は、2024年2月に株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」といいます。)と資本業務提携契約を締結し、2025年3月にはその深化を図り、TMN社は当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社となりました。決済事業領域におけるTMN社と当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力を強化することに継続して取り組み、事業の拡大を図っております。 以上の結果、当事業年度における売上高は1,844,329千円(前年同期比6.0%増)、営業損失は80,040千円(前年同期は営業利益58,558千円)、経常損失は115,610千円(前年同期は経常利益44,702千円)、当期純損失は146,336千円(前年同期は当期純利益72,602千円)となりました。 セグメント別の経営成績は以下のとおりです。 当社の事業セグメントは、「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」、「その他事業」の3つに区分しておりましたが、2024年8月にNUCADOCO事業を廃止したことにより「その他事業」セグメントを廃止し、当事業年度より「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」の2セグメントに変更しております。ヘルスケアアプリの設計・開発・販売・サービスの提供(NUCADOCO事業)は廃止いたしましたが、事業化を検討している新規ビジネス等につきましては、継続して取り組んでまいります。 なお、前年同期の数値については、変更後の区分により作成したものを記載しております。 (セグメント売上高):当事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) セグメントの名称   売上高(千円)   構成比(%)   前年同期増減率(%) ペイメントインテグレーション事業   721,140   39.1   △6.9 ペイメントサービス事業   1,123,189   60.9   16.3 合 計   1,844,329   100.0   6.0 (ペイメントインテグレーション事業) ペイメントインテグレーション事業は、端末販売は堅調に推移したものの、リプレース大型案件の影響があった前年同期に比べ、受託開発売上が減少しました。 棚卸資産(商品)の評価を行い、商品評価損(売上原価)を29,765千円計上したことに加え、積極的な研究開発を行ったため、当事業年度はセグメント損失を計上することとなりました。 以上の結果、売上高は、721,140千円(前年同期比6.9%減)、セグメント損失(営業損失)は60,138千円(前年同期は82,680千円のセグメント利益)となりました。 (ペイメントサービス事業) ペイメントサービス事業は、決済ASPサービス、保守運用サービスの提供等、ストック売上として計上されるものについて、一部のサービス料金見直しを実施したことにより堅調に推移しました。 当事業年度より、ストック売上に加えてサブスク売上を計上しており、売上は増加しました。サブスクのうち、継続的なサービスの提供による分はストック売上として計上されますが、決済端末貸与分については、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)を適用し、リース取引開始日に売上高と売上原価を計上しております。 サブスク案件にかかる端末原価等の計上があったこと、また、利益率の高いASPユーザーよりも利益率の低い電子マネーユーザーが増加するなど、売上構成の変化により、セグメント利益については減少いたしました。 以上の結果、売上高は、1,123,189千円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益(営業利益)は41,139千円(同27.0%減)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ42,392千円増加し、742,232千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は△229,160千円(前年同期は63,492千円)となりました。これは主に、税引前当期純損失の計上△115,610千円、減価償却費33,274千円、売上債権の増減額△50,354千円、リース投資資産の増減額△111,897千円、棚卸資産の増減額133,040千円、契約負債の増減額△126,871千円、法人税等の支払額又は還付額△1,448千円、そのほか、預り金の増減額、未払消費税等の増減額等によるものであります。 受託案件の大型化に伴い売上債権が増加傾向にあること、サブスクのうち決済端末部分については、リース投資資産として一時点で売上計上されるものの、債権回収が長期に渡ることから、当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっているものと分析しております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は△234,326千円(前年同期は△190,773千円)となりました。これは主に、サーバー等機器類の購入により、有形固定資産の取得による支出△19,570千円、自社利用ソフトウエアの開発を中心に無形固定資産の取得による支出△210,479千円、定期積金の預入による支出△3,606千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は505,851千円(前年同期は101,943千円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入650,000千円、長期借入金の返済による支出△130,048千円及び支払手数料の支出△15,000千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当事業年度における受注実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前期比(%)   受注残高(千円)   前期比(%) ペイメントインテグレーション事業   881,621   189.93   409,306   164.50 合計   881,621   189.93   409,306   164.50 (注)1.当事業年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、ペイメントインテグレーション事業におきまして、大型案件を受注したことによるものであります。 2.ペイメントサービス事業については、その事業の性質上、受注生産形態になじまないため、受注実績は記載しておりません。 c.販売実績 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(千円)   前期比(%) ペイメントインテグレーション事業   721,140   93.1 ペイメントサービス事業   1,123,189   116.3 合計   1,844,329   106.0 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先    第29期事業年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)    第30期事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス   222,129   12.8   381,583   20.7 東神開発株式会社    82,720   4.8   252,062   13.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。 この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。経営者は過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 財政状態の状況 財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」をご参照ください。 ③ 経営成績等の状況 a.売上高 当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ103,898千円増加し、1,844,329千円(前期比6.0%増)となりました。ペイメントサービス事業売上は前期比16.3%増となり、当社の経営指標の1つであるペイメントサービス事業売上成長率の目標値10%超を達成しました。 b.売上原価、売上総利益 当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ175,617千円増加し、1,261,492千円(前期比16.2%増)となりました。これは主に、サブスク案件にかかる端末原価等により商品売上原価が80,808千円増加したこと、外注費、支払手数料等により製品売上原価が94,808千円増加したことによるものであります。その結果、当事業年度における売上総利益は582,837千円(同11.0%減)となりました。売上総利益率は6.0ポイント低下し、31.6%となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ66,879千円増加し、662,877千円(前期比11.2%増)となりました。これは主に、研究開発費が46,848千円増加したほか、給与手当の増加等によるものであります。研究開発の内容につきましては、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。 この結果、当事業年度における営業損失は、80,040千円(前期は営業利益58,558千円)となりました。 d.営業外損益、経常利益 当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ4,761千円減少し、3,303千円となりました。また、営業外費用は、支払利息、支払手数料、訴訟関連費用の増加により前事業年度に比べ16,951千円増加し、38,872千円となりました。 この結果、経常損失は、115,610千円(前期は経常利益44,702千円)となりました。 e.特別損益、当期純利益 当事業年度における特別損益の計上はありません。 また、当事業年度は繰延税金資産の取崩に伴う法人税等調整額(損)29,313千円(前期は法人税等調整額(益)29,313千円)の計上がありました。 この結果、当期純損失は、146,336千円(前期は当期純利益72,602千円)となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社の運転資金需要のうち主なものは、労務費、外注加工費、商品仕入、並びに販売費及び一般管理費となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、新たなパッケージソフトの開発や、データセンター等への投資が必要な場合には、状況に応じて金融機関等からの借入による資金調達で対応していくこととしております。なお、現在の現金及び現金同等物の残高については、当事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。 今後の重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑦ 経営戦略の現状と見通し 当社の中長期における最重要課題は、当社商品とサービスの機能拡張を行うことにあります。成長戦略の一つとして決済端末の販売方法を従来の売切り型に加え、ユーザーが購入しやすいサブスク型販売を拡大し、マーケットシェアの拡大につなげるなど、積極的に営業推進・研究開発・人材等に投資を行い、将来につながる基礎を確立させてまいります。 ⑧ 経営者の問題意識と今後の方針 経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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