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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

プレイド

PLAID, Inc.4165 · Growth · 情報・通信業

顧客体験(CX)プラットフォーム「KARTE」を提供するSaaS企業。データで一人ひとりを可視化し、最適な体験を届ける。

概要

プレイドは2011年設立のSaaS企業で、顧客体験(CX)プラットフォーム「KARTE」を中核に事業を展開する。Webサイトやアプリ上の行動データをリアルタイム解析し、一人ひとりの顧客に最適化されたコミュニケーションを実現する。2025年9月期の売上高は134億円、営業利益14億円と黒字化を達成。東京証券取引所グロース市場に上場し、連結従業員は531名。

「KARTE」に集中する単一セグメントの収益構造

プレイドはSaaS事業の単一セグメントで構成される。主力製品はCXプラットフォーム「KARTE」であり、すべての収益はこの製品群から生み出されている。2025年9月期の売上高134億円のうち、サブスクリプション売上高が大部分を占め、同社の経営指標であるARR(年間経常収益)は121億円に達した。営業利益は14億円、親会社株主に帰属する当期純利益は11億円で、前年度から大幅に改善している。収益の安定性を示すサブスクリプション売上高比率は高く、毎月経常的に得られる月額利用料の積み上がりが事業の基盤となっている。

サブスクリプション型課金によるARRの積み上げモデル

プレイドの料金体系は月額課金型(サブスクリプションモデル)を採用する。「KARTE (for Web)」と「KARTE for App」の基本料金は、顧客のサービスにおけるMAU(月間アクティブユーザー数)に応じて決定される。オプションの「KARTE Datahub」はMAUとレコード総数に基づく。契約期間は原則1年で、毎月の安定収入がARRを構成する。同社はARRの拡大を最重要経営指標と位置づけ、導入企業数の増加と既存顧客の利用拡大によってARRを積み上げる戦略を取る。2025年9月末のARRは121億円で、前年比21.9%増の売上高成長を支えた。

ECから金融、不動産へ広がる業種横断の顧客基盤

プレイドの顧客は大企業を中心に、EC、人材サービス、金融、不動産、自動車など多業種にわたる。同社の有価証券報告書によれば、「KARTE」は役割の異なる複数部署や複数事業で活用される事例が増えており、導入企業はCX(顧客体験)向上を目的として同製品を採用する。特に、デジタル人材不足に悩む企業にとって、エンジニアや外注に頼らずにマーケティング施策を実行できる点が評価されている。また、カスタマーサポート領域などにも利用が拡大し、顧客企業の社内横断的な活用が進んでいる。

パートナー提携と子会社化で周辺機能を強化

プレイドは自社開発に加え、戦略的パートナーシップや子会社化を通じて事業領域を拡大してきた。2019年にはトランスコスモス株式会社と「KARTE」導入支援で業務提携を締結。2020年には株式会社エモーションテックに出資し、翌年に完全子会社化した。2021年にはRight Touchを設立、2022年にはアジト株式会社を子会社化し、2025年には株式交換により完全子会社化を完了。2023年にはCODATUMを設立している。これらの取り組みにより、感情分析やデータ統合などの機能をグループ内に取り込み、プラットフォームの価値向上を図っている。

業界の中での役割はデジタルマーケティング分野のCXプラットフォームベンダー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
134億円
営業利益
14億円
営業利益率
10.4%
純利益
11億円
2025/9 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2025/9
事業売上構成比利益利益率
プロダクト110億円82.1%
サービス23億円17.2%
その他1億円0.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01EC・小売(アパレル、美容・健康など)主力

サービス開始当初から導入が進む主要顧客層。ECサイトやアプリの顧客体験向上を支援。

主な製品・サービス2
KARTE for Web
ウェブサイト向けに顧客行動を可視化し、リアルタイム解析と施策実行をワンストップで行うSaaS。
KARTE for App
スマートフォンアプリ向けに行動解析とプッシュ通知などの施策を提供するSDK。

02金融・人材・不動産準主力

金融、人材サービス、不動産など、オンラインでの顧客接点強化が求められる業界で導入が拡大。

主な製品・サービス2
KARTE for Web
ウェブサイト向けに顧客行動を可視化し、リアルタイム解析と施策実行をワンストップで行うSaaS。
KARTE for App
スマートフォンアプリ向けに行動解析とプッシュ通知などの施策を提供するSDK。

03その他(メーカー、メディア、官公庁など)副次

メーカー、メディア・エンタメ、小売、行政など、幅広い業界で導入。特定業界に依存せず汎用的に利用される。

主な製品・サービス1
KARTE Datahub
KARTEのデータと外部データを統合・分析し、顧客理解を深めるオプション。

製品と技術

「KARTE (for Web)」のリアルタイム行動解析とワンストップ施策

「KARTE (for Web)」は、Webサイト向けのCXプラットフォームである。来訪者一人ひとりの行動データをリアルタイムで蓄積・解析し、顧客の状態(例えば「会員登録途中で迷っている」「特定商品で長時間悩んでいる」)を可視化する。解析結果に基づき、メール配信、Webチャット、SMSなど多様なコミュニケーション施策を同一画面上で制作・配信・自動化できる。従来、複数部署や外注を経て数週間かかっていた施策が1名の担当者で実行可能となり、デジタル人材不足の企業に広く採用されている。PDCAサイクルを通じてナレッジが蓄積される仕組みも特徴である。

「KARTE for App」が実現するアプリ内接客とクロスチャネル統合

「KARTE for App」はiOS・Androidアプリ向けのSDKで、Web版とほぼ同等の機能をスマートフォンアプリ上で提供する。アプリ内でのユーザー行動をリアルタイム解析し、プッシュ通知やアプリ内メッセージを個別配信できる。例えば「インストール直後のユーザー」や「ロイヤルカスタマー」といったセグメントを柔軟に作成し、適切なタイミングでコミュニケーションを実施する。また、同一サービスのWebサイトとアプリを行き来する現代の消費者行動に対応し、両方を導入している場合には共通管理画面から統合的に可視化・解析可能である。LINEやメールとの連携も含め、顧客接点を横断した体験設計を支援する。

「KARTE Datahub」による顧客データの統合とサイロ化の解消

「KARTE Datahub」は「KARTE」のオプション製品で、企業内に分散したデータベースを統合し、ワンストップでCX向上を実現するための基盤である。店舗オフラインデータを含む多種多様なデータを収集・蓄積し、ユーザー単位で整理・解析する。これにより、メール配信ツールや分析ツールなど個別のサービスを導入した結果生じるデータのサイロ化を解消する。料金はMAUとレコード総数に応じて決定される。統合されたデータを基に、パーソナライズ施策の実行と検証までを一貫して行うことが可能となり、グループ全体の顧客基盤を共通化する大企業の需要に応える。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

CXプラットフォーム成長中、黒字化達成で収益軌道

プレイドは顧客体験(CX)最適化プラットフォーム「KARTE」を提供。売上高は86億→134億円と急成長し、営業利益も2024年に黒字転換。同業ブイキューブが苦戦する中、高い成長率と収益性を示す。競合のソラコムはIoTプラットフォームで異なる領域だが、共にSaaS型ビジネスモデルで比較される。時価総額も大きく、資金調達力に優れる。市場がCX投資に積極的な追い風もあり、今後も高成長が期待される。

強み

  • 売上高年率30%超成長、2024年営業黒字化達成。収益性向上中。
  • 顧客データ統合・分析・アクションを一気通貫で提供する差別化製品。
  • リクルートなど大手企業の導入実績が豊富で、ブランド力がある。
  • サブスクリプションモデルで安定的なリカーリング収入を得ている。

課題

  • CXプラットフォーム市場は多くのベンダーが参入、差別化が難化。
  • 現状国内特化で海外売上比率が低く、成長余地が限定的。
  • エンジニアやデータサイエンティストの採用競争が激しく、コスト増。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がプレイド

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
13771システムリサーチ318億円12.1倍
22359コア316億円10.6倍
33915テラスカイ307億円19.5倍
45592くすりの窓口302億円10.0倍
54839WOWOW290億円22.0倍
64165プレイド288億円37.7倍
75574ABEJA287億円56.8倍
83922PR TIMES286億円12.1倍
93723日本ファルコム282億円17.9倍
104320CEホールディングス281億円17.4倍
119702アイ・エス・ビー272億円16.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 22件

ECコンサルからウェブ接客へ転換した創業期(2011-2014年)

プレイドは2011年10月、東京都渋谷区にてECコンサルティングとアプリ開発を目的に設立された。資本金は1,000万円。2013年11月にはEC特化型メディア「Shopping Tribe」を開始したが、翌2014年7月にウェブ接客サービス「KARTE」のコンセプトを発表し、方向転換を図る。この転換は、EC領域で培った知見を活かし、Webサイト上の顧客行動を可視化・分析する新たなビジネスへの挑戦であった。同年8月には本社を渋谷区内で移転し、新サービスへの資源集中を進めた。

「KARTE」正式提供とCXプラットフォームへの進化(2015-2018年)

2015年3月、プレイドは「KARTE (for Web)」の提供を開始。同年10月に本社を品川区へ移転し、事業拡大を加速した。2016年3月にはメールやチャットでのサイト外接客を可能にする「KARTE Talk」、2018年3月にはスマートフォンアプリ対応の「KARTE for App」をリリース。同年4月には「KARTE」のコンセプトを「ウェブ接客プラットフォーム」から「CXプラットフォーム」へと変更し、顧客体験全体を支援する方向性を明確にした。2018年12月にはデータ統合の「KARTE Datahub」を投入し、製品ラインアップを拡充した。

上場とグロース市場移行による資本基盤の拡充(2019-2022年)

2019年11月、プレイドはGoogle International LLCを引受先とする第三者割当増資を実施し、事業資金を調達。2020年12月に東京証券取引所マザーズに上場を果たした。上場後も成長投資を継続し、2021年9月にはエモーションテックを完全子会社化、同年10月にはRight Touchを設立。2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、マザーズからグロース市場に移行した。同年10月にはアジト株式会社を子会社化し、グループ体制を強化した。上場から2年余りで時価総額を拡大させた。

黒字化達成とグループ完全子会社化の完了(2023-2025年)

2023年10月、プレイドはCODATUMを設立し、データ活用領域をさらに深耕。2024年9月期には営業利益3億円、純利益3億円と初の黒字化を達成した。翌2025年5月にはアジトを株式交換により完全子会社化し、グループの一体運営を強化。2025年9月期の売上高は134億円(前期比21.9%増)、営業利益は14億円に急伸し、継続的な黒字を実証した。当期のARRは121億円に達し、サブスクリプション収益の安定成長が収益改善の原動力となった。本社は東京都中央区銀座に所在。

年表22件を開く

2010年代

  • 2011年10月創業東京都渋谷区に、ECに関するコンサルティングやアプリ開発を主な事業目的として当社設立(資本金10,000千円)
  • 2013年11月EC特化型メディア「Shopping Tribe(ショッピングトライブ)」のサービスを開始
  • 2014年7月ウェブ接客サービス「KARTE(カルテ)」のコンセプトを発表
  • 2014年8月本社を東京都渋谷区に移転
  • 2015年3月ウェブ接客プラットフォーム「KARTE(for Web)」の提供開始
  • 2015年10月本社を東京都品川区に移転
  • 2016年3月メールやチャット等を用いてメッセージを配信する事により、サイト外のお客様への接客を可能にする「KARTE Talk」の提供開始
  • 2018年3月スマートフォンアプリに対応した「KARTE for App」の提供開始 CX(顧客体験)に特化したメディア「XD」を開始
  • 2018年4月「KARTE」において、「ウェブ接客プラットフォーム」から「CXプラットフォーム」へとコンセプトを変更
  • 2018年7月本社を東京都中央区に移転
  • 2018年12月M&A分断されているデータベースを統合しワンストップにCX(顧客体験)の向上を実現する「KARTE Datahub」の提供開始
  • 2019年7月「KARTE」導入支援の戦略パートナーとしてトランスコスモス株式会社との業務提携
  • 2019年11月Google International LLCを引受先とする第三者割当増資を実施(D種優先株式)

2020年代

  • 2020年3月創業東京都が設立する「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」に参画
  • 2020年5月株式会社Emotion Tech(現 株式会社エモーションテック)への出資及び同社と戦略的パートナーシップを締結
  • 2020年12月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2021年9月M&A株式会社Emotion Tech(現 株式会社エモーションテック)を株式取得により子会社化
  • 2021年10月M&A株式会社Right Touchを設立し、完全子会社化
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行
  • 2022年10月M&Aアジト株式会社を株式取得及び第三者割当増資引受により子会社化
  • 2023年10月M&A株式会社CODATUMを設立し、完全子会社化
  • 2025年5月M&Aアジト株式会社を株式交換により完全子会社化

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/9期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    顧客基盤拡大と戦略的提携

    SaaS「KARTE」の機能強化、営業戦略による顧客基盤拡大、事業連携等の戦略的パートナーシップ構築に注力し、複数部署での横断的な利活用を目指す。

  2. 02

    プロダクト・サービスの継続的向上

    多様化する顧客ニーズを捉え、既存プロダクト・サービスの機能追加・改善を継続的に実施し、顧客価値の向上に努める。

  3. 03

    認知度向上と新規顧客獲得

    積極的なマーケティング活動やパートナー企業との提携を強化し、プロダクト・サービスの認知度を高めて新規顧客を獲得する。

  4. 04

    顧客価値実感の向上と支援投資

    カスタマーサポートなどの有償・無償の顧客支援を提供し、顧客がプロダクトを活用できる状態にするための人的資源に投資する。

  5. 05

    組織体制の整備と経営基盤強化

    優秀な人材の採用・育成、働きやすい環境整備、マネジメント力強化、財務健全性確保等、経営基盤を強化し持続的成長を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 6期分

グループ全体で531人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は940万円で、5期前と比べて+5.9%平均年齢は35.2歳、平均勤続年数は2.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2020年9月88733.02.1190
2021年9月95033.72.6262
2022年9月97734.12.7337
2023年9月1,04034.62.9397
2024年9月95535.12.844967
2025年9月94035.22.8531264

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年9月期・提出会社(単体)
男性育休取得率75.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)71.9%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社4(国内 4 / 海外 0、うち連結子会社 4) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都中央区50百万円
主な関係会社
  • 国内
    株式会社エモーションテック
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権63.2%
  • 国内
    株式会社RightTouch
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権86.4%
  • 国内
    アジト株式会社
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社CODATUM
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年9月期の売上高は134億円営業利益14億円前期と比べると増収増益で、売上が+21.8%、利益が+366.7%。

売上高
+21.8%
134億円
営業利益
+366.7%
14億円
純利益
+266.7%
11億円
営業利益率
10.4%
前期比 +7.7%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高208億円134億円
営業利益16億円14億円
純利益6億円11億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は41億円、営業利益は2億円。前年の2023年3Qと比べると、売上は+86.4%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年2Q21−1−4.8−2
2023年3Q22−3−13.6−3
2023年4Q23−15
2024年1Q2500.00
2024年2Q2813.61
2024年4Q5723.52
2025年2Q65913.86
2025年4Q6957.25
2026年2Q7867.73
2026年3Q4124.90

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

2016年9月期からの10期で、売上は3億円から134億円へ44.7倍に増えた。直近期の営業利益率は10.4%。売上は9期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2016年9月3−2−2
2017年9月800
分断されているデータベースを統合しワンストップにCX(顧客体験)の向上を実現する「KARTE Datahub」の提供開始
2018年9月16−2−2
2019年9月29−7−8
東京都が設立する「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」に参画
2020年9月40−12−12
株式会社Emotion Tech(現 株式会社エモーションテック)を株式取得により子会社化
2021年9月54−1−1
アジト株式会社を株式取得及び第三者割当増資引受により子会社化
2022年9月73−10−9
株式会社CODATUMを設立し、完全子会社化
2023年9月86−9−21
2024年9月110322.73
アジト株式会社を株式交換により完全子会社化
2025年9月134141410.411

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年9月期

売上高134億円のうち、営業利益として残るのは14億円10.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は11億円、売上の8.2%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金26.9%36億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金62.7%84億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益10.4%14億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
73.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+2.1pt
10.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.6pt
8.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+14.8pt
27.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
11.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
32.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2025年9月期は営業CFが14億円、投資CFが−4億円で、差し引きのフリーCFは10億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は66億円で、売上の5.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2018年9月−1−525−622
2019年9月−60−2−614
2020年9月−10−219−1221
2021年9月4−1330−942
2022年9月−8−110−942
2023年9月−3−10−438
2024年9月901947
2025年9月14−491066

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2025年9月期の総資産は96億円。このうち返さなくてよい自己資本が48億円で、自己資本比率は49.3%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2016年9月32169.1
2017年9月42237.5
2018年9月30191165.2
2019年9月22121054.0
2020年9月31161552.3
2021年9月70502069.6
2022年9月71413057.2
2023年9月62273541.7
2024年9月73324143.0
2025年9月96484849.3

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年9月期の内訳
現金及び預金
66億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-40億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
48億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
74
/ 100
安定性自己資本比率33 / 40
収益力営業利益率21 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE605社中74位あたり、逆に低いのは自己資本比率605社中426位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
27.8%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
10.4%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
49.3%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
21.8%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥701で、1年前と比べて-37.0%過去52週の値幅のなかでは37%の位置にある。

¥701-1.5%1ヶ月+25.2%1年-37.0%時価総額288億円
過去52週の値幅
安値¥432高値¥1,161

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)37.7倍
PER (会社予想)47.9倍
PBR5.59倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月20日に748円と前日比6.1%高。直近1ヶ月では31.92%と急騰し、25日線(606.24円)を約23%上回る強い上昇。ただし、52週高値の1169円からは依然として約36%下の水準。8月14日には292万株超の出来高を伴い683円へ急伸し、その後も高値圏で推移。RSIは77.78と買われ過ぎ圏にあり、短期的な過熱感は否めない。一方、52週安値の432円からは大幅に回復している。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 35/100)

PER 31.3倍は業界平均29.7倍をやや上回り、PBR 4.60倍も平均3.44倍を上回る。ROE 27.8%と高収益だが、無配であり配当利回り0%は投資家還元の弱さを示す。業績拡大基調にあるが、現状のバリュエーションは成長をやや織り込み過ぎと判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)37.7倍47.9倍
PER (予想)47.9倍
PBR5.59倍2.96倍
ROE27.8%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

急成長するSaaS企業で、黒字転換を果たし成長と収益性の両立が焦点。強気派は高い売上成長率(年20%超)と利益率改善、業界での独自ポジションを評価。弱気派はPER31倍の割高感、競合の台頭、顧客獲得コスト増を懸念。株価は1年で半値近く下落し、期待と現実のギャップが大きい。

プラスに働く材料7
  • 高成長継続

    25/9期売上134億、3期連続20%超成長。

  • 利益率急改善

    営業利益率2.7%→10.5%へと大幅改善。

  • 独自プラットフォーム

    「KARTE」の差別性が評価され大手顧客獲得。

  • KARTE販売好調で売上高が前期比21.8%増FY2025/9通期影響

    売上高134億円、前期比21.8%増。営業利益は3億→14億円に急拡大。

  • 営業利益率が2.7%→10.5%へ急改善FY2025/9通期影響

    FY24/9営業利益3億円→FY25/9同14億円。利益率改善で収益性向上。

  • 高ROE27.8%が投資家の注目集める継続影響

    ROE27.8%はIT株で高水準。成長性評価でバリュエーションサポート。

  • KARTEプラットフォームの顧客拡大続く継続影響

    累計顧客数増加でストック売上比率向上。収益の安定化に寄与。

マイナスに働く材料7
  • バリュエーション割高

    PER31倍は成長株としても割高感。

  • 競争激化

    類似サービスが増え、差別化が難しくなるリスク。

  • 顧客獲得コスト上昇

    競合との競争で営業費用が増加懸念。

  • 高PER31倍で成長鈍化時にバリュエーション調整不定影響

    PER31倍は前期比21%成長を前提。成長鈍化で調整リスクあり。

  • 過去の赤字からの脱却直後で収益基盤未確立継続影響

    FY23/9は21億円純損失。利益計上は1期のみで信用リスク。

  • 小型株で流動性低く、売り時に下落幅拡大継続影響

    時価総額240億円と小型。外国人保有8.1%で需給悪化しやすい。

  • 競合他社の進出でKARTEの競争力低下不定影響

    デジタルマーケティング市場は競合多く、シェア低下リスク。

次の決算で確かめる点
ARR(年経常収益)
SaaSの成長性を示す最重要指標。
解約率(チャーンレート)
顧客定着率の良否が収益の安定性に直結。
売上成長率
成長鈍化の兆候をつかむために必須。

株主

有価証券報告書より

2025年9月期末の株主数は延べ8,265人。区分でいちばん多いのは個人・その他78.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が8.6%を占め、残る91.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年9月%2021年9月%2022年9月%2023年9月%2024年9月%2025年9月%
個人・その他100.054.380.075.076.178.5
外国法人90.033.611.910.410.98.1
金融機関10.21.61.86.25.6
証券会社1.04.411.84.74.7
事業法人100.00.82.00.92.23.0
自己株式0.00.30.4
外国人個人0.00.10.10.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01倉橋健太26.64
02柴山直樹17.17
03田畑正吾9.48
04株式会社日本カストディ銀行3.47
05Google International LLC (常任代理人 みずほ証券株式会社)3.45
06日本マスタートラスト信託銀行株式会社1.70
07セブンオークスキャピタル株式会社1.46
08株式会社SBI証券1.36
09THE BANK OF NEW YORK133595. (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.36
10楽天証券株式会社1.33

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-07-03
    田畑 正吾
    新規の大量保有報告
    9.44%
    +0.28pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で+100%、1株純資産は5期で−10%。直近期のROEは27.8%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2016年9月−7,357
2017年9月−1,659
2018年9月−7
2019年9月−25
2020年9月−34
2021年9月−3128
2022年9月−24105
2023年9月−5466
2024年9月87811.2114.9
2025年9月2711627.837.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/9期の役員報酬は総額182百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
倉橋健太代表取締役 執行役員CEO4310,965,000
柴山直樹取締役 執行役員437,066,000
髙栁慶太郎取締役 執行役員43292,043
松澤香取締役(注)147
三村真宗取締役(注)15720,000
後藤圭史監査役(常勤)4450,000
山並憲司監査役(注)254
福島史之監査役(注)244

役員報酬の内訳2025/9

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4904013033
監査役1212121
社外取締役317176
社外監査役314145

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/9期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,765字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) ミッション 当社グループは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げ、世の中に溢れるデータをあらゆる生活者(注1)にとって価値のあるものとして還元し、豊かな体験を流通させることを目的に、当社グループの提供するCX(注2)(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」をウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する事業者に向け、クラウド方式(注3)で提供しております。 ネットショッピングはもちろんのこと、旅行や金融、人材、不動産、学習、行政など、官民問わず様々なサービスがインターネットを介して提供されるようになった今、ウェブサイトやスマートフォンアプリに生活者が求めることは、「自宅にいながら買い物できる」「予約ができる」と言った単なる利便性だけではなく、自分の興味や状況に合わせた最適な提案が受けられる良質なコミュニケーションやその先の体験へとシフトしていると当社グループは考えております。 DX(デジタル・トランスフォーメーション、注4)やデジタル投資、オンラインの顧客体験向上に取り組む企業が増える一方、企業がそれを実現するには、データを蓄積し、統合し、分析し、顧客の状態を理解し、それらに基づいてメールやウェブサイト、スマートフォンアプリ上で顧客とコミュニケーションする、あるいはメールやウェブサイト、スマートフォンアプリをそれぞれの顧客に合わせてパーソナライズ(注5)する仕組みや社内体制を構築する必要があり、この取り組みは企業にとって複雑で難易度の高いものとなっているのが現状です。 事業者は「KARTE」を活用することにより、様々なデータを、ユーザー単位で整理・解析し、オンラインの顧客を、PV(注6)やUU(注7)といった塊の「数字」として認識するだけではなく、一人ひとりの「人」として認識・理解しやすくなると当社グループは考えております。その上で、事業者は、ウェブサイト、スマートフォンアプリを顧客や顧客セグメント(注8)に合わせてパーソナライズしたり、メールやLINE、チャットを通じてコミュニケーションしたり、また、それらのコミュニケーションやパーソナライズ結果の検証を行うことなどができます。 当社グループは、データによる顧客理解からパーソナライズした多様なコミュニケーション施策までを、一気通貫で行うことのできるプラットフォームを提供し、「KARTE」を導入するすべての事業者と共に、データを通じた生活者の顧客体験の向上を実現してまいります。 (注1) 世の中一般の不特定多数の人々を「生活者」、当社グループの直接の取引先である法人等を「事業者」又は「企業」、事業者が商品・サービスを提供する相手を「顧客」又は「ユーザー」と表記しております。 (注2) Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)の略語であり、一般的に「顧客体験」と訳されますが、顧客がよいと感じられる体験、つまり「顧客が体験して得られる価値」までも含めて定義しております。 (注3) クラウドコンピューティングの略語であり、ソフトウェア等のシステムをインターネットを経由してサービス提供することを前提とした仕組みの総称であります。 (注4) Digital Transformationの略語であり、新しいデジタル技術を活用し、企業におけるこれまでの組織やシステム、ビジネスモデル等を、より付加価値の高いものへと変貌させ、利益や生産性の向上を図ることをいいます。 (注5) ウェブサイトやスマートフォンアプリ、メールやLINE、チャットなどを顧客ごとに改変することをいいます。 (注6) Page View(ページビュー)の略語であり、ウェブサイト内の特定のページが開かれた回数を表し、ウェブサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つです。 (注7) Unique User(ユニークユーザー)の略語であり、特定の集計期間内にウェブサイト又はスマートフォンアプリに訪問したユーザーの数を表す数値です。 (注8) 一定の条件に基づき抽出された顧客のまとまりを表す言葉です。 (2) サービス概要 当社グループはCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」の開発を行い事業者に対して提供しております。「KARTE」は、事業者が運営するウェブサイトやスマートフォンアプリに組み込むことにより、事業者が「KARTE」上でそれらのウェブサイトやスマートフォンアプリを訪れるユーザーのウェブサイトやスマートフォンアプリでの行動のデータを収集・解析し、ユーザー単位でデータを整理・可視化し、それらに基づいてウェブサイトやスマートフォンアプリ、メールやLINE、チャットでのコミュニケーションをユーザー又はユーザーのセグメントそれぞれにパーソナライズするための、クラウド方式で提供されるSaaS(Software as a Service)(注9)です。 (注9) サービス・プロバイダーがネットワーク経由でソフトウェアを提供し、事業者側はコンピューターにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービスを指します。 (3) 当社グループとして考える、「KARTE」が必要とされる理由 1.企業におけるデジタル人材の枯渇 「KARTE」を導入、活用することで、社内エンジニアや外注先に仕事を依頼せずに、ウェブサイトやスマートフォンアプリにおけるユーザー分析や多様なマーケティング施策及び、ユーザビリティの改善を実施することが可能です。エンジニアや外注による開発を経ずに、実行や検証のサイクルを素早く回すことによるウェブサイトやスマートフォンアプリの差別化などを目的として、「KARTE」を活用する企業が増えています。 2.統合された顧客体験の提供 店舗に加えてウェブサイトやスマートフォンアプリ、メールやLINEなど、顧客接点が増えるに従い、企業はメール配信ツールや分析ツールなど様々なサービスを導入した結果、顧客に関わるデータが企業内で分散・サイロ化し、顧客体験を分断してしまう弊害が生まれています。「KARTE」では、店舗などオフラインのデータを含む多種多様なデータの収集・蓄積からパーソナライズした施策の実施までを一気通貫して行うことが可能なので、より良い顧客体験に繋がるコミュニケーションが実現します。 3.幅広い部署・部門で利用が可能 デジタルマーケティング部やCX戦略部等はもちろんのこと、カスタマーサポートや新規事業開発など、企業内の幅広い部門で「KARTE」を活用することが可能です。活用のノウハウや成功事例を社内外で発信・共有する場も多く、「KARTE」を媒介とした社員同士や企業間の繋がりが生まれています。 4.事業シナジーの創出 多様な事業、サービスを展開する企業が「KARTE」を導入することで、グループ企業共通の顧客及びマーケティング基盤を構築することが可能です。グループ全体の膨大な顧客接点を統合して顧客の解像度を上げ、新たなニーズを発見して新規事業を生み出すといった、中長期の経営計画やDX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略の一環として、「KARTE」が採用されています。 5.「KARTE」が企業の環境変化に寄り添いアップデートし続けるSaaSであること 当社グループは「KARTE」の核となるリアルタイムのデータ解析基盤はもちろんのこと、大部分の開発を自社のエンジニアが行っており、毎日のようにサービスが改善されたり、新機能が追加されています。「KARTE」を利用する企業は、オプションとして提供される以外の機能はすべて月額料金の中で利用することができ、高い技術力を用いたサービスの進化を享受し続けることが可能です。 6.「人」の良さを活かすというプロダクトコンセプトへの共感 人は数字よりも人を直接見ることで、何かを考えたり、新しい発想をすることに長けていると当社グループでは考えており、事業に携わる人自身に備わる発想や創造力を発揮できる環境を作ることこそが、企業の競争力の源泉になると確信し、「KARTE」を開発しています。デジタル化がもたらす効率化や定量化、自動化といった技術の恩恵は取り入れつつも目的とせず、人の能力を拡張することを主眼におき、人が介在することの価値を高めることを目指した「KARTE」のプロダクトコンセプトが、多くの企業に受け入れられています。 また、当社グループサービスの料金体系は、以下のとおりです。 「KARTE(for Web)」(注10)、「KARTE for App」及びその他のオプションのサービス契約期間は原則単年(12ヶ月)契約であり、料金体系としては、毎月一定のプロダクト利用料をいただく月額課金型(サブスクリプションモデル)を採用しております。「KARTE(for Web)」及び「KARTE for App」は原則として事業者のサービス(ウェブサイト等)のMAU数(注11)に応じて料金が決定されます。「KARTE Datahub」については「KARTE(for Web)」及び「KARTE for App」のオプション商品の位置付けとなり、事業者のサービス(ウェブサイト等)のMAU数及びレコード総数(注12)に応じて料金が決定されます。 (注10) SaaS事業分野のサービスの総称である「KARTE」と同名称のため、ウェブサイト向けのサービスについては、わかりやすくするために(for web)を付記しております。 (注11) Monthly Active Users(マンスリーアクティブユーザーズ)の略語であります。ウェブサイトやネットサービス、スマートフォンアプリなどで、ある一ヶ月の間に一回でも利用や活動のあった利用者の数の合計を指します。 (注12) データファイルの行数の総計を指します。 当社グループは、SaaS(Software as a Service)事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、事業分野別に記載しております。当社グループの事業分野は①SaaS事業、②その他周辺事業となり、SaaS事業分野のサービスは、a. KARTE(for Web)、b. KARTE for App、c. その他のオプションで構成されます。 (4) 当社グループの主な事業分野別の内容 ① SaaS事業 a.KARTE(for Web) 「KARTE(for Web)」は、ウェブサイト向けに提供している「KARTE」であります。主な特徴は以下のとおりです。 ア.顧客一人ひとりを可視化 ウェブサイト等に来訪する顧客の行動データを顧客ごとに蓄積します。一人ひとりのウェブサイト等における顧客行動を把握することにより、事業者が顧客の状態やニーズを直感的に理解し、より良い体験を得られるような様々な施策を実行・検証することが可能になります。 イ.リアルタイム解析基盤 過去のデータではなく、「会員登録の途中で迷っている」「特定の商品で長時間悩んでいる」など、ウェブサイトに来訪する顧客の「今」を解析することが可能であり、顧客の購入意向の高まりなどを見逃すことなく、適切にコミュニケーションすることができます。 ウ.ワンストップで施策実行 顧客分析やメール配信、ウェブチャットやSMS(注13)など様々なマーケティングツールがありますが、「KARTE」は「顧客分析」と「施策制作・配信・自動化」を同サービス上でまとめて実行することができます。ツールやデータを社内で分散・分断させることなく、一元化することが可能です。さらに、PDCAを通じた分析や施策アクションは、ナレッジとしてKARTEに蓄積していきます。また、顧客分析、企画、デザイナーへの依頼、エンジニアへの依頼など、複数部署に依頼をして、数週間要していたようなサイト上のマーケティング施策の実行が「KARTE」担当者1名でも可能になるので、デジタル人材の不足に悩む企業にも活用されています。 具体的には、行動によるセグメンテーションから、ユーザーをリアルタイムに可視化することで、施策制作・配信を行い、データを収集するというPDCAを通じたナレッジの蓄積を行うことができます。 (注13) Short Message Service(ショートメッセージサービス)の略語であります。一般的に、携帯電話番号だけで手軽にメッセージが送られるサービスのことを指します。 b.KARTE for App 「KARTE(for Web)」とほぼ同じ機能をスマートフォンアプリ上で実現するサービスであり、iOS、Androidのスマートフォンアプリ向けのSDK(注14)であります。 「KARTE for App」を導入することで、事業者はスマートフォンアプリを利用する顧客の行動をリアルタイムに解析し、「アプリインストール直後のユーザー」や「ロイヤルカスタマー(注15)」など、個々の顧客を柔軟な条件を元にグループ化してプッシュ通知やアプリ内メッセージを配信できるようになります。 また、現代の消費者行動として同一サービスのウェブサイトとスマートフォンアプリを行き来しながら情報取得や購買行動を行うことが一般的になりつつあります。なお、「KARTE for App」とあわせて「KARTE(for Web)」を導入している事業者は、共通の「KARTE」管理画面からウェブサイトとスマートフォンアプリ双方を使う顧客の行動を一覧で可視化・解析することも可能であります。さらに、メールやSMS、ウェブチャット、LINEなど、様々な顧客接点を統合したコミュニケーションを作り、届けることが可能になります。 (注14) Software Development Kit(ソフトウェア開発キット)の略語であります。特定のソフトウェアを開発するために必要となるプログラムやツール等をひとまとめにしたパッケージのことを指します。 (注15) ある商品又はサービスに対しての忠誠心が高い顧客を指します。 c.その他のオプション 「KARTE(for Web)」及び「KARTE for App」に付随して利用いただくオプションであります。主なオプションは、「KARTE Datahub」であります。 「KARTE Datahub」は様々なデータを用いて事業者が顧客理解をさらに深め、より良い体験を顧客に提供することの実現を目指しております。具体的には、事業者は「KARTE(for Web)」及び「KARTE for App」で蓄積した顧客の体験データを自社の顧客データベースなどと統合・分析したり、外部CRM(注16)ツールへ連携して、チャネルを横断したマーケティング活動全体での顧客体験の設計を行うことが可能となります。上記(3)2.において記載した顧客に関わるデータが企業内で分散・サイロ化し、顧客体験を分断してしまう弊害に悩む事業者の課題を解決することにも繋がると考えております。 システムの統合やデータ環境の構築、ツール導入・活用のコンサルティングを行うパートナー企業が「KARTE Datahub」を扱うことで「KARTE(for Web)」や「KARTE for App」と合わせて「KARTE」をパートナー企業が持つソリューション全体像の中心部分として活用する可能性が広がるものと認識しております。 「KARTE」を利用しているウェブサイト及びスマートフォンアプリにおける業界別割合(注17)は下図のとおりです。サービス開始当初より導入されているアパレル、美容・健康などの各種EC事業者にとどまらず、金融、人材サービス、不動産、メーカー、メディア・エンタメ、小売や商業施設の運営事業者にまで導入が広がっており、特定の業界を問わない幅広い事業者に利用されています。 (注16) Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略語であり、一般的に「顧客関係管理」の意とされます。顧客の情報を一元管理することで、顧客と密接でより良い関係を構築し、顧客の満足度を上げるための活動を指します。 (注17) 「KARTE(for Web)」や「KARTE for App」、「KARTE Datahub」など単体提供を行っているプロダクトを対象として、2025年9月末時点における各業界のプロダクト導入社数の合計を、すべての導入社数の合計で除して算出しております。 2015年3月に正式リリースして以来、SaaS事業における各サービスは継続的に成長し、2025年9月期第4四半期会計期間におけるARR(注18)は、12,165,871千円、サブスクリプション売上高(注19)は、2,953,760千円に達しており、サブスクリプション売上高比率(注20)は82.9%となっております。また、単体顧客社数(注21)は、2025年9月期第4四半期会計期間末では635社、単体顧客単価(注22)は、1,347千円となっております。なお、各指標の過去推移は下表のとおりであります。 各指標の推移 2023年9月期第1四半期   2023年9月期第2四半期   2023年9月期第3四半期   2023年9月期第4四半期 ARR(千円)   6,858,051   7,293,256   7,603,077   8,035,156 サブスクリプション売上高(千円)   1,686,694   1,800,045   1,879,886   1,968,720 サブスクリプション売上高比率(%)   86.4   83.8   85.0   84.8 単体顧客社数(社)   614   616   620   638 単体顧客単価(千円)   872   902   933   949 2024年9月期第1四半期   2024年9月期第2四半期   2024年9月期第3四半期   2024年9月期第4四半期 ARR(千円)   8,402,540   8,887,342   9,508,259   10,085,915 サブスクリプション売上高(千円)   2,066,388   2,173,878   2,337,090   2,463,672 サブスクリプション売上高比率(%)   81.6   79.5   83.5   84.1 単体顧客社数(社)   645   659   649   659 単体顧客単価(千円)   977   1,005   1,084   1,127 2025年9月期第1四半期   2025年9月期第2四半期   2025年9月期第3四半期   2025年9月期第4四半期 ARR(千円)   10,516,773   10,932,296   11,428,101   12,165,871 サブスクリプション売上高(千円)   2,611,809   2,650,550   2,810,960   2,953,760 サブスクリプション売上高比率(%)   81.9   79.0   85.5   82.9 単体顧客社数(社)   661   642   633   635 単体顧客単価(千円)   1,163   1,223   1,291   1,347 (注18) Annual Recurring Revenue(アニュアルリカーリングレベニュー)の略語であり、各期末の月次サブスクリプション売上高を12倍することにより算出しております。既存の契約が更新のタイミングで全て更新される前提で、既存の契約のみから、期末月の翌月からの12ヶ月で得られると想定される売上高を表す指標です。 (注19) 売上高のうち、経常的に得られる「KARTE」の利用料の合計額を指します。 (注20) 売上高に占める、サブスクリプション売上高の割合を指します。 (注21) 各期末時点のプロダクト導入顧客社数の合計を指します。 (注22) 各期末時点の月次サブスクリプション売上高を顧客社数で除して算出しております。 ② その他周辺事業 当社グループ事業で重要視しているCX(顧客体験)という考え方をより広く伝え、世の中の共感を増やしていく目的から「XD(クロスディー)」というメディア運営を通じてインターネット上で情報の提供をしております。 「XD」はCXをテーマに、様々なサービスと消費者の間に生まれる「体験(Experience)」にフォーカスしたビジネスメディアであり、「世の中のあらゆる体験を魅力的に」をコンセプトに、企業が消費者に提供する体験をよりよくするためのヒントとなる情報を、様々な観点からお届けしており、CX(顧客体験)の考え方を広めることに寄与していると考えております。また、オフラインの大規模イベント「CX DIVE」を開催し、CXを考え、広げていくコミュニティとしての活動を行っております。 [事業系統図] 当社グループの主な事業を事業系統図によって示すと以下のとおりとなります。
経営方針・対処すべき課題2,814字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、ミッションとして「データによって人の価値を最大化する」を掲げております。当社は、インターネットで欠如しているユーザーデータを蓄積するミドルウェアのような存在となり、人の価値を最大化するためのサービスを提供していくことに注力しております。 また、ビジネスミッションとして「個客中心のサービス体験をあたりまえに」を掲げております。 この背景として、ウェブサイトやスマートフォンアプリ上に今いるユーザーが、手に取るように見えたとしたらもっと面白くて有益なサービス体験が提供できるはずであると考えており、当社は「インターネットでは人は見えない」というあたりまえを壊したいと考えております。 インターネットの良さを最大限に生かし、インターネットをリアル化することで、当社はインターネットにおいて「人」を徹底的に可視化し、あらゆる顧客接点をデータにより個客中心の体験へと簡単にアップデートしていく、そんな次代のあたりまえを実現するためチャレンジしていくという想いをこのミッションに込めております。 (2) 経営戦略等 ミッションである「データによって人の価値を最大化する」の実現のため、当社グループはSaaS事業として「KARTE」を提供し、官民問わずオンラインに顧客接点を持つあらゆるサービスの運営事業者と事業上の関係性を構築し、運営事業者における複数の部署で横断的に「KARTE」が利活用されることを目指します。同時に、導入先のウェブサイトやスマートフォンアプリを通じて「KARTE」に集積される、膨大なユーザーの行動データを、機械学習技術等を用いて分析・モデル化することを通じて、次代のデジタルトランスフォーメーションを可能にするプラットフォームを構築することを目指しています。当該戦略の実現のため、「KARTE」のさらなる機能強化、営業戦略を通じた顧客基盤の拡大、事業連携等の戦略的パートナーシップの構築に注力しております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは「KARTE」をサブスクリプションモデルで提供しているため、毎月経常的に得られる「KARTE」の月額利用料の積み上がり状況の指標であるARRの拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断する上で、サブスクリプション売上高、サブスクリプション売上高比率、導入企業数を重要な指標としております。サブスクリプション売上高は毎月経常的に得られる「KARTE」の月額利用料の合計額であり、経営上の目標の達成状況を把握するものです。サブスクリプション売上高比率は、当社グループ全体の売上高のうち、毎月経常的に得られる売上高の比率であり、当社グループ売上高の安定性を表します。ARRを高めていくためには導入企業数を増やしていくことが重要と考えております。 (4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの事業はデジタル・マーケティング・サービスが主な関連市場となっております。 当社グループの提供する「KARTE」は、大企業を中心に、役割の異なる複数部署及び複数事業で活用される事例が増えています。また、ECのみならず人材サービスや金融、不動産や自動車など、インターネット上に顧客接点を持つ多くの業界で利用されています。 インターネット上のCX(顧客体験)の強化に関しては、昨今、企業の競争優位性確保の手段として改めて注目されており、取り組みが活発となっております。企業の提供する製品やサービスが成熟している日本などの市場において、製品やサービス自体の差別化だけではなく、CX(顧客体験)を高めることにより競争優位性を高めることを狙う企業も増えていると考えております。 しかしながら、国内デジタル・マーケティング・サービス市場は、事業環境の変化が早く、それによりクライアント企業のニーズが絶えず変化しております。当社は直面する課題に対処するだけではなく、今後さらなる飛躍をするために、以下の取り組みを行ってまいります。 ① 提供するプロダクト、サービスの向上 当社グループの顧客基盤の拡大に伴い、顧客ニーズも多様化しております。当社グループは、多様化する顧客ニーズを的確に捉え、既存プロダクト、サービスのさらなる付加価値向上を図ることが欠かせないものと認識しております。そのため、当社グループは、プロダクト、サービスの機能追加・改善を継続的に実施し、顧客価値の向上に努めてまいります。 ② プロダクト、サービスの認知度向上 当社グループが成長を維持していくためには、当社グループのプロダクト、サービスの認知度を向上させ、新規顧客を獲得することが必要不可欠であると考えております。従前より、積極的なマーケティング活動やパートナー企業との提携等の認知度向上に向けた取り組みを行ってまいりましたが、今後、これらの活動をより一層強化・推進してまいります。 ③ プロダクト、サービスに対する顧客の価値実感の向上 優れたプロダクトやサービスを顧客に提供するだけで、顧客がその価値を実感できるとは限りません。当社グループのプロダクトやサービス、特に「KARTE」は、顧客企業が積極的に活用して、その先にいるユーザーのCXを高めることで初めて価値を生み出します。そのためには、単にプロダクトやサービスを顧客に提供するだけではなく、顧客が「KARTE」などの我々のプロダクトやサービスを活用できる状態にしていくことが、顧客企業にとっても、我々にとっても、そして顧客企業の先にいるユーザーにとっても大切です。 それを実現していくために、我々はカスタマーサポートなどの有償・無償の顧客支援を提供していくことが大切であり、そのための人的資源に投資していく方針です。 ④ 組織体制の整備 当社グループは、顧客基盤の拡大、サービスの付加価値向上及び新規サービスの開発等の多面的な取り組みにより成長を継続していくため、多様なバックグラウンドの優秀な人材を採用・育成し、組織体制を整備・強化していくことが重要であると考えております。当社グループの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備を継続的に実施してまいります。 ⑤ 経営基盤の強化 事業の拡大に伴う人材増強及び経営基盤の強化が欠かせないと認識しております。継続して人材の確保・育成・活用を行うと同時に、マネジメント力の強化や財務健全性の確保等の収益力を支える経営基盤の強化を図り、勢いのある成長を目指していきます。
事業等のリスク10,456字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 以下には、当社グループが事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。また当社グループがコントロールできない外部要因や必ずしもリスク要因に該当しない事項についても記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスク回避あるいは発生時に迅速に対応する所存ですが、当社グループの経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。 (1) 事業環境に関するリスク ① CX(顧客体験)及びデジタルマーケティングの市場について 当社グループは、インターネット業界においてクラウドサービスを提供しているところ、当社グループの売上高は主としてSaaS事業による収益であるため、当該事業に依存しております。当社グループの提供する「KARTE」の各サービスは、顧客の行動をリアルタイムに解析して一人ひとりを可視化し、個々の顧客にあわせてサイト内でのデジタルマーケティングを可能とするものであるため、当社グループのサービスが日本をはじめとするCX(顧客体験)及びデジタルマーケティングの市場において受け入れられ続けることが当社グループの今後の成長にとって必要となります。現在は顧客である企業のお客様に対するダイレクトマーケティングニーズ(注1)の上昇を源泉として事業を拡大しておりますが、今後国内外の経済情勢や景気動向、顧客の嗜好変化等の理由により、市場の成長及び需要が当社グループの見込みより下回った場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、CX(顧客体験)及びデジタルマーケティングの市場の動向について情報収集を継続的に実施します。また、事業の拡大と積極的なマーケティング活動を通じてCX(顧客体験)やデジタルマーケティングに関するサービスの認知度向上に努めてまいります。 (注1) 外部の流通チャネルを介さずにターゲットの消費者との直接のコミュニケーションを図ることを指します。 ② 当社グループの属する市場における競争 当社グループの提供するサービスである「KARTE」のように、顧客の行動をリアルタイムに解析して一人ひとりを可視化し、個々の顧客がよりよい体験を得られるような施策を提供することができるCXソフトウェア市場は、日本では比較的新しい市場であり、今後競争が激化することが予想されます。今後、従前よりマーケティングツールを提供している企業により類似したサービスが開発され、それらが安価で又は無料で提供される等競合環境が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループは、既存サービスのさらなる機能強化や新たな機能開発等により、顧客に対し新たな価値を提供するとともに、権利保全のための特許の取得等を通じて当社の付加価値を高めていく方針です。 加えて、海外市場など競合環境等の異なる新たな市場への展開を行った場合にはその成否次第で当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、海外市場など競合環境等の異なる新たな市場への展開を検討する場合には、綿密な市場調査の実施により事業リスク等を慎重に検討し、実行の判断を行うように努める方針です。 ③ インターネットアクセスについて 当社グループの提供するサービスである「KARTE」は、事業者及び顧客がアクセスするインターネットの通信環境に影響を受けます。ネットワーク事業者によるサービスの内容や価格の変更等の動向によっては、事業者がインターネットを通じて「KARTE」にアクセスして利用することが制限され、また、かかる利用に関する費用が増加する場合があります。加えて、インターネットの利用者数、利用頻度、データ送信量は増加し続けているところ、当該増加によって当社グループ及び事業者が依拠するインフラとしてのインターネットに障害等が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループでは、自然災害、事故、インターネットの障害等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めております。 (2) 事業に関するリスク ① 当社グループのサービスの競争力(取引先の支持及び技術革新)について 当社グループの提供するサービスである「KARTE」は、ウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する事業者のサービスに訪れた顧客の行動をリアルタイムに解析して一人ひとり可視化し、「顧客分析」と「施策制作・配信」を同サービス上でまとめて実行することができる点に競争力があると考えております。そのため、当社グループが今後事業者との取引を維持・拡大するためには、事業者の要望に応え、また、急速な技術革新に対応することで、当社グループの提供するサービスが市場に受け入れられることが必要となります。しかしながら、当社グループが事業者の要望に十分に応えるサービスを提供できない場合、急速な技術革新への対応が遅れた場合、当社グループのマーケティング活動が功を奏しなかった場合、取引先である事業者が利用している他社のアプリケーションやプラットフォーム等との互換性を確保できない場合等には、当社グループのサービスの競争力が減退し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループは、事業者が効果的かつ容易に利用できるサービスを提供できるよう、新たなサービスの導入や既存サービスの強化等に引き続き注力します。具体的には、サービスの機能改善や新たな機能開発の検討において、当社グループのサービスが解約に至った理由のヒアリングや傾向分析等の結果を参考にして開発活動を行うことにより、事業者が効果的かつ容易に利用できるサービスの提供に努めております。 ② 取引先の獲得・維持及び販売拡大について 当社グループが今後成長を持続するためには、新規取引先の獲得や既存取引先の維持、販売の拡大が必要となりますが、当社グループのコントロールの及ばないものを含む内外の要因によってこれらが達成できない可能性があり、その場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。かかる要因には、潜在取引先の発掘、人材の確保、事業計画及び経営戦略の達成状況、販売価格の水準及び改定、カスタマーサポートの充実度、「KARTE」のマーケティング活動の状況、競争環境、取引先側のマーケティングに対する方針や取組み状況、当社グループとパートナー企業を含む第三者との関係、技術革新、情報セキュリティに関する環境など様々なものが含まれます。 また、当社グループは、これまで新規取引先の獲得や既存取引先の維持及び販売の拡大にあたって、既存取引先による当社グループに対する高い評価や推薦・紹介が重要な要因になっておりましたが、既存取引先との間の契約の解消等により、かかる評価が低下した場合には、新規取引先の獲得や既存取引先の維持、販売の拡大に悪影響を与え、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、取引先の獲得・維持及び販売拡大に大きく影響する事業計画及び経営戦略の達成状況や営業・マーケティングの活動状況については、KPIの設定とそのモニタリング体制の強化に引き続き注力してまいります。 ③ 当社グループの価格決定モデル及びコストについて 当社グループの提供する「KARTE(for Web)」及び「KARTE for App」のサービス契約期間は原則単年(12ヶ月)契約であり、料金体系としては、毎月一定のプロダクト利用料をいただく月額課金型(サブスクリプションモデル)を採用しております。「KARTE(for Web)」及び「KARTE for App」は、原則として、契約締結前12ヶ月間における事業者のサービス(ウェブサイト・スマートフォンアプリ)の平均MAU数に応じて月額固定の利用料金が決定されます。 年間の利用期間中にMAU数が急激に増加する場合や当社グループの想定よりもアクション数の多いアクティブユーザーを顧客に持つ事業者との契約の場合には、月額固定の利用料金が、MAU数の増加等に伴い上昇するサーバー利用に係るコストに見合わない事態が生じ、当社グループの売上総利益率が低下する可能性があります。当社グループは、契約更新前の利用状況を踏まえて、契約更新時に利用料金の増額交渉を行っておりますが、当該交渉が不調に終わった場合には、当社グループの売上総利益率が低下する可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループの価格決定モデル、利用料金の定期的な見直し及びコストの分析の継続的な実施に努めます。 また、当社グループの現在の取引先の多くはEC事業者でありますが、他の業種業態の事業者が当社グループの取引先として拡大する等、事業環境の変化によって上記の価格決定モデルを改定する必要性が生じる可能性があります。当社グループがかかる改定を適時適切に行うことができない場合やかかる改定が取引先に受け入れられない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、新たなサービスの導入や既存サービスの強化等にあたっては開発に係る人件費の増加等が発生する可能性がありますが、当社グループが予期せぬ状況の発生により、新たなサービスの導入や既存サービスの強化等が計画どおりに進まない場合又は想定どおりに投資回収ができない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、事業及び開発の進捗や計画との差異状況を適時適切に把握の上、投資判断を行うことに努めてまいります。 ④ 不正アクセスと情報流出について 当社グループは、提供サービスである「KARTE」を通じて、取引先である事業者に関する情報や事業者が運営するウェブサイトやスマートフォンアプリに訪れる顧客の行動情報等を取り扱っております。また、当社グループは、「KARTE」を運営するにあたり、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の提供するGoogle Cloud及びアマゾンウェブサービスジャパン合同会社の提供するアマゾンウェブサービスの外部クラウドサービスを利用しており、これらのサービスの提供元における情報セキュリティ対策措置にも一部依拠しております。万が一当社グループが保有する情報が流出した場合には、当社グループに対する損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループでは、クラウドサービスの提供及び利用に適用できる情報セキュリティ管理策のための指針を示した国際標準規格である「ISO/IEC 27017:2015」に基づくISMSクラウドセキュリティ認証を取得しております。また、当認証を取得するために必要となる情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001」の認証取得もしており、情報セキュリティの確保に努めております。加えて、当社グループの情報セキュリティ対策の強化に努めるとともに、クラウドサービスの提供元における情報セキュリティ対策のモニタリングに引き続き注力してまいります。 ⑤ 当社グループのプラットフォームのパフォーマンス及び第三者のデータセンターについて 当社グループは、インターネット通信を介してサービスを提供しており、当社グループの持続的な成長は技術基盤を含む「KARTE」のパフォーマンスに依拠しているところ、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、アクセス数の急激な増大、ソフトウェアの不具合、コンピューターウィルス、停電、利用するクラウドサービス等の外部サービスの提供の停止・故障等により、システム障害が発生する可能性があります。当社グループでは、システムの冗長化やセキュリティ対策に努めておりますが、当社グループの想定しないシステム障害が発生し、サービス提供に支障が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、当社グループが提供する主たるサービスである「KARTE」の運営にあたり、外部クラウドサーバーを利用しておりますが、安定した品質の確保や機能維持コストの観点から、当該サーバーについては、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の提供するGoogle Cloud及びアマゾンウェブサービスジャパン合同会社の提供するアマゾンウェブサービスを利用して運営を行っております。しかしながら、サービスの提供元においてシステム障害が発生する場合や当社グループとサービスの提供元との間の契約が終了する場合等には、「KARTE」のサービス提供に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 加えて、これらの当社グループの事業及び業績に対する影響は、当社グループが加入している保険等によっては、十分に補償されない可能性があります。当該リスクへの対応として、インターネットの障害やセキュリティインシデントに備えたサービスの冗長化、セキュリティ対策、クラウドサービスの提供元を含めた当社プラットフォームの稼働状況の常時監視等に引き続き注力してまいります。 ⑥ 当社グループの事業パートナーとの関係について 当社グループは、「KARTE」を提供し、CXプラットフォームを構築するため、事業連携等の戦略的なパートナーシップの構築に注力しております。例えば、当社グループは、「KARTE」の運営において利用する外部クラウドサーバーについて、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社及びアマゾンウェブサービスジャパン合同会社をデータパートナーと位置づけております。加えて、Googleとは資金調達と同時に戦略的パートナーシップを結んでおり、Google Cloudの機械学習やAI(人工知能)技術の統合において、協業をしております。また、当社グループは販売の促進・拡大のため、企業間で戦略的アライアンスを含めたパートナーシップを結んでおり、当該企業をコンサルティング・ソリューションパートナー(注2)と位置づけております。かかるパートナーシップが当社グループの想定どおりにCXプラットフォームの構築に寄与しない場合やパートナーとの関係が悪化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、各パートナーシップをさらに深化させるため、相互の事業価値向上に資する実証実験にかかる取り組みや実効的なアライアンスを推進する人材の確保など、適切な機会創出とリソース配置を推進してまいります。 (注2) 当社グループと共同して販売支援活動等を行っていただくパートナー企業を指します。 ⑦ 知的財産権について 当社グループは、当社グループが提供するサービスに関する知的財産権を獲得、保護し、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を行うことが重要であると考えています。 当社グループは、特許権及び商標の登録等によって当社グループの知的財産の不正使用を防止するための対策を講じていますが、当社グループの知的財産権を保護するために提起される訴訟には多額の費用を要し、また、これらの対策は不正使用を防止するために十分でない可能性があります。また、競合他社が類似の技術やサービスを開発する可能性や、当社グループが知的財産権を行使しようとした場合にその有効性を否定する旨の主張がなされる可能性もあります。当社グループが不正使用を検知若しくは防止できない場合、又は権利を行使することができない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように取り組んでおりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害したと主張される場合には、損害賠償請求や使用差止め等の訴えを起こされる可能性があります。かかる場合には、解決までに多くの時間や費用を要し、侵害されたと主張される知的財産権が組み込まれたサービスの提供を中止せざるを得ない等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 加えて、当社グループの提供する「KARTE」の各サービスは、オープンソースソフトウェアを使用しておりますが、当社グループが同ソフトウェアを使用できなくなることで、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループの事業を安定的に拡充するため、権利の保全と、他社の知的財産権の侵害を回避するため、競合他社の技術動向を分析し、知的財産権の調査を拡充するなどして、中心的な事業にかかる権利の早期取得を戦略的に推進してまいります。 (3) 会社組織に関するリスク ① プライバシー、個人情報保護、情報セキュリティに係る規制その他の規制について 当社グループは、提供するサービスの特性上、取引先である事業者からその顧客に関する個人情報の取扱いを委託され、事業者による監督のもとでこれを取り扱っています。そのため、個人情報の保護に関する法律や関連する法令を遵守することを徹底し、個人情報の適切な管理と流出防止を経営の重要課題として位置付けております。具体的には、個人情報保護方針を策定して管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、従業員教育等の施策を実施するとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマークといった情報セキュリティに関する認証を取得しております。また、個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)の改正を含め、法規制の変化への対応にも努めております。しかしながら、外部からの攻撃や関係者の故意・過失、盗難等により、当該個人情報の流出、破壊もしくは改ざん又はシステムの停止等が引き起こされる可能性があります。そうした事態が生じた場合には、社会的信用の低下、被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用の発生等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、監督者である事業者から個人情報のより厳格な安全管理を求められる可能性があり、かかる場合には、コストの増加等により当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、上記のとおり事業者からその顧客に関する個人情報の取扱いを受託する立場にあるため、提供するサービスの特性上、委託者である事業者が顧客の個人情報の取得等を行うことにつき、当該事業者が自身に適用のある個人情報保護法や関連する法令等を遵守していることに依拠しております。当社グループは事業者との間のサービス利用規約において、事業者が当該法令等を遵守することを確認した上でサービスを提供しておりますが、事業者において当該法令等の違反が発生した場合には、社会的信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの事業領域においては、事業展開そのものについて著しく制約を受ける法的規制は現時点ではありません。しかしながら、インターネットの利用形態の多様化や国際的な規制動向に伴い、関連する法令等の新たな制定や、既存の法令等の改正や解釈の変化が生じた場合、もしくは法令等に準ずる業界内の自主規制が制定されその遵守を求められるといった状況が生じた場合に、その内容によっては当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループのサービスではデータの収集に主に1st Party Cookieの情報を用いておりますが、仮に将来において当該利用に関する法的規制が強化された場合やインターネットユーザーがデータの提供に消極的な傾向を示すようになった場合には、当社グループのサービスにおいてその利用が制限されることになり、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、セキュリティフレームワークによる審査や関連情報のアップデート、最新のセキュリティインシデントの事例等を通じて、当社グループの情報セキュリティ対策の強化を継続するとともに、個人情報保護法や関連する法令等、またCookie等を取り巻く技術革新の動向を注視し、事業活動における影響を見極め、早期の体制構築に努めてまいります。 ② 当社経営陣及び従業員について 当社の創業者であり、創業以来代表取締役を務めております代表取締役執行役員CEO 倉橋健太、及び取締役執行役員 柴山直樹は、当社グループの事業方針や戦略の決定をはじめ、サービスの開発、新規顧客開拓等の重要な役割を担っております。そのため、今後何らかの要因により、両氏による事業運営の継続が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループは事業をさらに成長させる上で、エンジニアや営業担当者をはじめとした優秀な人材を確保・育成することが必要不可欠であると認識しております。人材の確保が当社グループの想定どおり進まなかった場合や、優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの提供するサービスの競争力の低下や採用コストの増大を招き、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループの事業計画に基づき計画的に採用を進め、多様な人材を確保するため、当社グループのビジョンの一層の浸透を図るとともに、フレックスタイム、在宅勤務等の働きやすい環境の整備を推進してまいります。 ③ 内部管理体制について 当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制の充実を重要な経営課題と認識しており、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制の充実を図っていく方針であり、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性の確保、事業活動に関わる法令等の遵守を徹底してまいりますが、当社グループの急速な事業展開及び会社規模の拡大に内部管理体制の整備が追いつかなかった場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、事業環境の変化や法改正等の動向を早期に把握し、また外部専門家の知見を取り込むなどして、効率的に体制の強化を図ってまいります。加えて、採用を強化し、また内部における知見の共有を一層推し進めるなどして、人材の拡充にも努めてまいります。 (4) その他 ① 配当政策について 当社は会社設立以来、配当を実施しておらず、今後の配当の具体的な実施の有無等についても未定でありますが、将来にわたって経営環境、財政状態や内部留保の状況を勘案し、株主に対する利益還元を検討していくこととしております。しかしながら、将来的に安定的な利益を計上できない場合には、配当による利益還元が困難となる可能性があります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、当社の役員、従業員に対して新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は996,100株であり、発行済株式総数41,154,591株の2.4%に相当しております。 今後もストック・オプションとしての新株予約権を付与する可能性があります。今後、既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が行使された場合には、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ③ 自然災害等について 当社グループの事業は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。そのため、これらに被害をもたらすおそれのある自然災害等が発生した場合には、当社グループは事業を継続することができない等の支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、自然災害等に備えて災害時の事業継続計画を策定していますが、当社グループの事業を継続するために十分ではない可能性があり、結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、事業環境の変化や最新の災害事例を踏まえ、事業継続計画をタイムリーに見直し、その実効性を確保してまいります。 ④ 繰延税金資産の回収可能性について 当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得については、経営環境の変化等を踏まえて見直しを行いますが、その結果、繰延税金資産の全部または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取り崩しが必要となった場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,225字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は、2,082,509千円増加し、8,325,908千円となりました。主な内訳は、取引規模の拡大により売掛金が177,970千円、現金及び預金が1,857,054千円増加したことによるものであります。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は、266,533千円増加し、1,323,064千円となりました。主な内訳は、投資有価証券が289,046千円増加したことによるものであります。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は、48,449千円増加し、3,624,349千円となりました。主な内訳は、契約負債が210,077千円増加したことによるものであります。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は、691,242千円増加し、1,212,268千円となりました。主な内訳は、長期借入れにより、長期借入金が691,242千円増加したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、1,609,351千円増加し、4,812,355千円となりました。主な内訳は、非支配株主持分が29,365千円減少した一方で、利益剰余金が1,099,057千円増加、資本金93,535千円及び資本剰余金が373,362千円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当社グループは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げ、世の中に溢れる様々なデータを生活者(注1)にとって価値あるものとして還元し、豊かな体験を流通させることを目的に、当社の提供するCX(注2)(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」をウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する企業に向けて、クラウド方式(注3)で提供しております。 ショッピングや旅行、金融など様々なサービスがインターネットを介して提供されるようになった今、生活者が企業にもとめることは、「自宅にいながら買い物できる」「予約できる」といった単なる利便性だけではなく、自分の興味や状態に合った最適な提案を受けられる良質なコミュニケーションやその先の体験へとシフトしていると当社グループは考えております。 一方で、企業がそれに応えるためには、データの蓄積、統合、分析を通じて一人ひとりの状態を正しく理解し、それに基づいて適切なコミュニケーションを図る、あるいはウェブサイトやスマートフォンアプリをパーソナライズさせる仕組みを構築する必要がありますが、これらの取り組みは企業にとって複雑で難易度の高いものとなっているのが現状です。 企業は「KARTE」を活用することにより、ウェブサイトやスマートフォンアプリ上のリアルタイム行動データを中心とする様々なデータを、ユーザー単位で解析することができます。それによって、一人ひとりの興味や状態が可視化され、ユーザーをPV(注4)やUU(注5)といった塊の「数字」としてだけではなく、一人の「人」として理解しやすくなると当社グループは考えております。その上で企業は、「KARTE」内で一人ひとりの興味や状態に合わせた多様なコミュニケーション施策を実施し、その結果を検証することなどができます。 顧客体験向上やデータ活用に対する企業の関心が高まる中、「KARTE」はウェブサイトやスマートフォンアプリ上のマーケティング領域に留まらず、カスタマーサポート領域など様々な企業活動において活用いただいております。今後も「KARTE」の機能強化や各種プロダクトの提供を通じて、企業が統合的にユーザーを理解できるデータ環境の拡充を進めていきます。 当連結会計年度においては、「KARTE」の販売強化に向けた組織変更や人員増強を行ったほか、更なる事業領域の拡大に向けた取り組みも行いました。 この結果、当連結累計期間の末日における当社グループのARR(注6)は12,165,871千円となり、売上高は13,396,474千円(前期比21.9%増)、営業利益は1,431,874千円(前期は営業利益260,915千円)、経常利益は1,380,506千円(前期は経常利益184,413千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,099,057千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益320,732千円)となりました。 なお、当社グループはSaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 (注1) 世の中一般の不特定多数の人々を「生活者」、企業が商品・サービスを提供する相手を「ユーザー」と表記しております。 (注2) Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)の略語であり、一般的に「顧客体験」と訳されますが、顧客がよいと感じられる体験、つまり「顧客が体験して得られる価値」までも含めて定義しております。 (注3) クラウドコンピューティングの略語であり、ソフトウェア等のシステムをインターネット経由でサービス提供することを前提とした仕組みの総称であります。 (注4) Page View(ページビュー)の略語であり、ウェブサイト内の特定ページが開かれた回数を表し、ウェブサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つです。 (注5) Unique User(ユニークユーザー)の略語であり、特定の集計期間内にウェブサイト又はスマートフォンアプリに訪問したユーザーの数を表す数値です。 (注6) Annual Recurring Revenueの略語であり、各期末の月次サブスクリプション売上高を12倍して算出。既存の契約が更新のタイミングで全て更新される前提で、既存の契約のみから、期末月の翌月からの12ヶ月で得られると想定される売上高を表す指標です。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,857,054千円増加し、当連結会計年度末には6,601,979千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は1,376,503千円(前年同期は900,478千円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,346,076千円、株式報酬費用167,173千円の計上、契約負債の増加額210,077千円あった一方で、売上債権の増加が177,970千円であったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は384,700千円(前年同期は49,686千円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出296,666千円、無形固定資産の取得による支出58,540千円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は865,251千円(前年同期は66,773千円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出100,000千円、長期借入金の返済による支出699,666千円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が335,846千円あった一方で、長期借入れによる収入1,300,000千円、非支配株主からの払込みによる収入600,413千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が120,583千円であったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループは、インターネット上での各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績 当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 c.販売実績 当社グループは、SaaS事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 なお、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。 事業分野別の名称   当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日) 販売高(千円)   前期比(%) SaaS事業   13,396,474   121.9 (注) 金額は、販売価格によっております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、連結財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、安定的な収益獲得を実現し、持続的な成長を達成するために、経常的に獲得される収益としてARRを重要な経営指標として掲げており、その拡大のために、サブスクリプション売上高、サブスクリプション売上高比率、顧客社数を特に経営成績に影響を与える主要な経営指標と捉えております。 当連結会計年度においては、「KARTE」の販売強化に向けた組織変更や人員増強を行ったほか、更なる事業領域の拡大に向けた取り組みも行いました。この結果、主要な経営指標の推移は以下のとおりとなっております。 当連結会計年度の末日におけるARRは12,165,871千円、サブスクリプション売上高は、2,953,760千円に達しており、サブスクリプション売上高比率は82.9%となっております。また、単体顧客社数は、2025年9月期第4四半期会計期間末では635社、単体顧客単価は、1,347千円となっております。これは主に、CX(顧客体験)及び「KARTE」の認知拡大のために実施したマーケティング活動による新規顧客開拓並びに当社カスタマーサクセスチームに加えてパートナー企業と連携した「KARTE」の活用支援の強化等により、「KARTE」の利用領域の拡大が進んだことによるものであります。既存顧客における「KARTE」の利用範囲の拡大(アップセル)が進んだ結果、一社あたりの利用単価が上昇し、導入ウェブサイト数等の件数も拡大したことが、今期の業績拡大に寄与いたしました。 (売上高) 当連結会計年度の売上高は13,396,474千円(同21.9%増)となりました。主な要因は、「KARTE」の利用領域の拡大が進んだことによるものです。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は3,608,213千円(同15.5%増)となりました。これは、導入企業数の増加に伴い、サーバー利用料等が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は9,788,261千円(同24.4%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は8,356,386千円(同9.8%増)となりました。これは主に、人員増強に伴う人件費の増加によるものであります。この結果、営業利益は1,431,874千円(前期は営業利益260,915千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常損失) 当連結会計年度の営業外損益は主に受取手数料、受取利息による営業外収益20,714千円(同274.7%増)、支払利息、為替差損による営業外費用72,082千円(同12.1%減)を計上いたしました。この結果、経常利益は1,380,506千円(前期は経常利益184,413千円)となりました。 (特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失) 当連結会計年度の特別損益は、特別利益として新株予約権戻入益及び固定資産売却益、特別損失として減損損失及び投資有価証券評価損を計上いたしました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,099,057千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益320,732千円)となりました。 なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性の分析 当社グループの運転資金需要のうちの主なものは、サーバー利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金の残高は1,821,026千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,601,979千円となっております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。 これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するサービスの機能強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

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