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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ABEJA

5574 · Growth · 情報・通信業

AIプラットフォーム「ABEJA Platform」を核に、ミッションクリティカル業務へのAI導入を支援するデジタル版EMS企業。

概要

株式会社ABEJAは、2012年に東京都渋谷区で設立されたAI(人工知能)の社会実装を支援する企業である。基盤となるプラットフォーム「ABEJA Platform」を核に、ミッションクリティカル業務へのAI導入から運用までを一気通貫で提供する。2023年6月に東京証券取引所グロース市場に上場。2025年8月期の売上高は36億円、従業員数は133名。本社は東京都港区三田に所在する。

単一セグメントながら2領域で構成する事業

ABEJAはデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントで事業を展開する。同事業は「トランスフォーメーション領域」と「オペレーション領域」の2つに区分される。トランスフォーメーション領域では、顧客のニーズに応じたABEJA Platformの導入支援やコンサルティングを行い、主にフロー型の収入を得る。オペレーション領域では、プラットフォーム上で人とAIが協調して業務を運用し、ストック型の継続収入を生む。2025年8月期の売上高に占める割合は、トランスフォーメーション領域が76.6%、オペレーション領域が23.4%である。両領域は密接に連携し、運用からのフィードバックがプロセス精度向上につながるサイクルを形成する。

ABEJA Platformを中核とするビジネスモデル

ABEJAのビジネスモデルは、製造業におけるEMS(電子機器受託製造サービス)に類似した「デジタル版EMS」と位置づけられる。同社は300社以上のAI導入支援で培ったナレッジを活かし、顧客ごとにABEJA Platformをカスタマイズして提供する。プラットフォームは6つのレイヤーで構成され、コンピューティングリソース管理、データ加工、セキュリティなどを一元的に担う。顧客は最先端のAI技術や運用ノウハウを即座に利用でき、導入から運用までの期間を短縮できる。このモデルにより、エンタープライズ企業からの継続顧客売上比率は88.8%(2025年8月期)に達する。

財務の推移と収益構造の変化

ABEJAの売上高は2019年8月期の10億円から2025年8月期には36億円へと拡大した。2023年8月期までは当期純損失が続いたが、2023年8月期に4億円の黒字に転換。以降、営業利益も2024年8月期に3億円、2025年8月期に4億円と改善している。2025年8月期の売上総利益率は前期を下回ったが、戦略的案件への投資による想定内の水準と説明される。販管費の伸びが売上高の伸びを下回ったことで営業増益を達成した。キャッシュ・フローでは営業活動で16億円の資金を獲得し、現金及び預金は46億円に増加。財務基盤は安定している。

業界の中での役割はAIプラットフォーム提供企業(デジタル版EMSとしてコンサルから運用まで一括支援)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
36億円
営業利益
4億円
営業利益率
11.1%
純利益
4億円
2025/8 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01各種産業(AI導入支援・運用)主力

小売、プラント、製造業、電力、医療、介護、金融、情報、不動産、中間流通など多業種に対し、AIプラットフォーム「ABEJA Platform」を核にコンサルティングから運用までを一括支援。300社以上のAI導入支援実績を持つ。

デジタル版EMS(Electronics Manufacturing Service)としての独自ポジション

主な製品・サービス2
ABEJA Platform
ミッションクリティカル業務向けのAI基盤プラットフォーム。生成AIなど最先端技術を搭載し、人とAIの協調運用を実現。
ABEJA Insight for Retail
店舗のカメラ映像を解析し、来店客の動線分析や属性推定を行う小売業向けソリューション。

製品と技術

ABEJA Platform:AI導入と運用の基盤システム

ABEJA Platformは、ミッションクリティカル業務向けに設計されたAI開発・運用プラットフォームである。6つのレイヤー(データ蓄積、コンピューティングリソース管理、セキュリティ、データ加工、AIモデル、アプリケーション)で構成され、顧客は必要な機能を組み合わせて利用する。特徴は「Human in the Loop」の仕組みによる人とAIの協調運用。初期段階では人が判断を補いながらAIを成長させ、最終的にはAIが業務プロセス全体を改善する。プラットフォームは特許「機械学習又は推論のための計算機システム及び方法(PCT/JP2018/3824)」で保護されている。

ABEJA Insight for Retail:小売業向け店舗解析AI

2015年にリリースされたABEJA Insight for Retailは、店舗に設置したカメラ画像から消費者の動線分析や年代・性別推定を行うSaaS型サービスである。入店から購買に至る行動を可視化・数値化し、店舗運営の改善を支援する。ディープラーニングを活用した画像認識技術が中核で、小売業を中心に導入実績を積んできた。2025年8月期のオペレーション領域売上の大部分は本サービスによるものとみられる。

ABEJA LLM Series:大規模言語モデルと周辺技術

2023年5月にリリースされた「ABEJA LLM Series」は、生成AI、特に大規模言語モデル(LLM)とその周辺機能を提供する製品群である。ミッションクリティカル業務への導入を前提に、コスト対精度の両立とデータガバナンスを重視。2024年以降、NEDOのGENIAC枠組みで高精度な小型LLMの研究開発を進め、その成果をABEJA Platformに順次展開している。中規模の基盤モデル開発にも注力し、医療特化型LLMなど業種特化モデルも手がける。

AIロボティクス:LLMを現場オペレーションに接続

ABEJAはAIロボティクスを次なる戦略領域に定める。LLMの判断結果をロボットや現場機器に伝達し、フィールドオペレーションを自動化・高度化する。具体的には、一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)を通じたデータプラットフォームの研究開発に参画し、安全・品質向上や人手不足対策を目指す。この取り組みにより、同社の事業領域はデジタル空間からリアル空間へ拡張される。2025年時点では実証段階だが、NEDOプロジェクトとの連携で社会実装を加速させる方針である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 各種産業(AI導入支援・運用)デジタル版EMS(Electronics Manufacturing Service)としての独自ポジション

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

AIソリューションで成長途上、収益性良好

AI・データ分析ソリューションを提供するIT企業。2024/8期売上28億円、営業利益率10.7%と高収益。2025/8期は売上36億円(前期比+28.6%)、営業利益率11.1%と成長継続。同業のVRain Solution(135A)やソラコム(147A)などと競合するが、市場は拡大途上で差別化が可能。規模は小さく、大手SIerとの競争は厳しいが、専門性でニッチを狙う。国内中心で海外展開は不明。

強み

  • 営業利益率10%超と、IT企業として高い収益性を誇る。
  • 2025/8期売上36億円と前期比28.6%増と高い成長率。
  • AI・データ分析に特化し、高度な技術力で差別化。
  • AI需要拡大により、事業環境は良好。

課題

  • 売上高36億円と小さく、大手に対抗するには規模不足。
  • AI市場への新規参入が相次ぎ、競争激化のリスク。
  • 高度な人材に依存し、採用・育成が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がABEJA

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12359コア316億円10.6倍
23915テラスカイ307億円19.5倍
35592くすりの窓口302億円10.0倍
44839WOWOW290億円22.0倍
54165プレイド288億円37.7倍
65574ABEJA287億円56.8倍
73922PR TIMES286億円12.1倍
83723日本ファルコム282億円17.9倍
94320CEホールディングス281億円17.4倍
109702アイ・エス・ビー272億円16.4倍
114662フォーカスシステムズ270億円10.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 35件

ディープラーニング黎明期の創業から最初の提携まで

ABEJAは2012年9月、東京都渋谷区東に資本金1,000千円で設立された。直後の10月に港区南麻布へ移転。翌2013年6月には移動体付随情報表示装置株式会社を吸収合併し、事業基盤を固めた。2014年8月に本社を六本木へ移転し、同年12月には販路拡大を目的としてsalesforce.com, Inc.と資本業務提携を締結。この提携により、同社のAI技術をSalesforceのエコシステムと連携させる道筋をつけた。創業からわずか2年で有力なパートナーを得たことが、その後の成長の土台となった。

小売向けAIソリューションのリリースとNVIDIAとの提携

2015年10月、ABEJAは小売流通業向けにディープラーニングを活用した店舗解析SaaS「ABEJA Dashboard(後のABEJA Insight for Retail)」をリリース。これが同社初の本格的な業種特化型AI製品となった。2016年3月に本社を虎ノ門へ移転。2017年3月にはシンガポール法人を設立し、アジア展開を開始。同年5月には技術パートナーとしてNVIDIA Corporationと資本業務提携し、GPUを活用したAI処理の基盤を強化した。この時期、画像認識技術を中心に製品ポートフォリオを拡充し、小売業以外の分野への応用も視野に入れ始めた。

ABEJA Platformの正式リリースと米国進出・撤退

2017年9月、独自AI開発・運用プラットフォーム「ABEJA Platform」のベータ版を提供開始。同年12月にアノテーション機能を追加し、2018年2月に正式リリースした。同時に「ABEJA Dashboard」を「ABEJA Insight for Retail」へリニューアル。2018年3月には本社を白金に移転し、同年11月にプライバシーマークを取得。2019年3月には自社カンファレンス「ABEJA SIX 2019」を約5,200名の参加者で開催した。同年10月に米国法人を設立したが、2021年1月に清算。米国市場での直接展開は短期間で終了し、国内集中に回帰した。

DX推進への注力と上場による成長資金の確保

2020年9月に本社を北青山へ移転。2021年4月にはSOMPOホールディングスと、同年10月にはヒューリックと資本業務提携を結び、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を加速。2021年7月にはシンガポール法人を清算し、海外体制を整理した。2022年9月に本社を現在の港区三田へ移転。2023年6月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、資金調達力を高めた。上場後は研究開発投資を強化し、生成AIへの対応を本格化させる。

LLM開発でNEDOプロジェクトに連続採択される

2024年2月、ABEJAはNEDOが公募した「ポスト5G情報通信システムの開発」にLLM開発事業で採択された(第一期)。同年10月には第二期、2025年7月には第三期の「競争力ある生成AI基盤モデル(GENIAC)」に採択。さらに2024年10月には国立国際医療研究センター(NCGM)の戦略的イノベーション創造プログラムにも参画。2025年4月には日本語版医療特化型LLMの社会実装プロジェクトにも採択された。これらの公的プロジェクトへの参画は、ABEJAの技術力が国家レベルで認められたことを示す。

AIロボティクスへの展開とISMS認証取得

2025年3月、ABEJAは一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)に正会員として参画。同年9月には同協会が進めるロボティクス分野の生成AI基盤モデル開発向けデータプラットフォームの研究開発に参画した。これにより、デジタル空間からリアル空間(フィールドオペレーション)への事業拡大を目指す。同年5月にはISMS認証(ISO/IEC 27001)を取得し、情報セキュリティ管理体制を強化。AIロボティクスを次の成長領域と位置づけ、LLMの知見を応用する方針である。

年表35件を開く

2010年代

  • 2012年9月創業東京都渋谷区東に株式会社ABEJA(資本金1,000千円)を設立
  • 2012年10月本社所在地を東京都港区南麻布に移転
  • 2013年6月M&A移動体付随情報表示装置株式会社を吸収合併
  • 2014年8月本社所在地を東京都港区六本木に移転
  • 2014年12月販路の拡大を目的に、salesforce.com, Inc.と資本業務提携
  • 2015年10月小売流通業向けのディープラーニングを活用した店舗解析SaaS「ABEJA Dashboard(現:「ABEJA Insight for Retail」)」をリリース
  • 2016年3月本社所在地を東京都港区虎ノ門に移転
  • 2017年3月創業シンガポール法人(ABEJA Singapore PTE. LTD.)を設立
  • 2017年5月技術パートナーとして、NVIDIA Corporationと資本業務提携
  • 2017年9月独自AIの開発・運用プラットフォーム「ABEJA Platform」のベータ版を提供開始
  • 2017年12月「ABEJA Platform」にアノテーション機能を追加し提供を開始
  • 2018年2月自社AIカンファレンス「ABEJA SIX 2018」を初開催
  • 2018年2月「ABEJA Dashboard」を「ABEJA Insight for Retail」としてリニューアル
  • 2018年2月AIの実装・運用を支える「ABEJA Platform」をリリース
  • 2018年3月本社所在地を東京都港区白金に移転
  • 2018年11月プライバシーマークを取得
  • 2019年3月自社AIカンファレンス「ABEJA SIX 2019」を開催
  • 2019年7月創業AIの倫理・法・社会的課題を討議する有識者委員会「Ethical Approach to AI(EAA)」発足
  • 2019年10月創業米国法人(ABEJA Technologies, Inc.)を設立

2020年代

  • 2020年9月本社所在地を東京都港区北青山に移転
  • 2021年1月米国法人(ABEJA Technologies, Inc.)を清算
  • 2021年4月デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を目的に、SOMPOホールディングス株式会社と資本業務提携
  • 2021年7月シンガポール法人(ABEJA Singapore PTE. LTD.)を清算
  • 2021年10月DX推進を目的に、ヒューリック株式会社と資本業務提携
  • 2022年7月自社AIカンファレンス「ABEJA SIX 2022」を開催
  • 2022年9月本社所在地を東京都港区三田に移転
  • 2023年6月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2024年2月NEDOが公募した「ポスト5G情報通信システムの開発」に、LLM開発事業が採択(第一期)
  • 2024年10月M&ANCGMが公募した戦略的イノベーション創造プログラム(第3期)「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」に共同研究開発機関として参画
  • 2024年10月NEDOが公募した「競争力ある生成AI基盤モデルの開発(助成)」に採択(第二期)
  • 2025年3月一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)に正会員企業として参画
  • 2025年4月NEDOが公募した「日本語版医療特化型LLMの社会実装に向けた安全性検証・実証」に採択
  • 2025年5月ISMS認証(ISO/IEC27001)を取得
  • 2025年7月NEDOが公募した「競争力ある生成AI基盤モデル(GENIAC)」に採択(第三期)
  • 2025年9月NEDOの採択を受け、一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)が進めるロボティクス分野の生成AI基盤モデルの開発に有効なデータプラットフォームの研究開発に参画

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/8期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    生成AI・LLMとAIロボティクスへの注力

    LLMの社会実装を進めるため、コスト対精度の高い大規模・中規模基盤モデルを開発し、AIエージェントやデータベース連携などの周辺機能を強化する。次の成長領域としてAIロボティクスへの展開も推進する。

  2. 02

    顧客基盤の拡大とミッションクリティカル業務への展開

    これまでの知見を活かし、新規顧客獲得と既存顧客との取引深耕を進め、収益基盤を拡大する。技術適用領域の拡大に伴い、よりミッションクリティカルな業務へのAI導入を実現する。

  3. 03

    人材の採用・育成と情報管理体制の強化

    優秀な人材を継続的に採用・育成し、組織力を強化する。また、システム安定性の向上と情報管理体制の強化に取り組み、ISMS認証を活かしたセキュリティ対策を徹底する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で133人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は953万円で、2期前と比べて+7.3%平均年齢は36.7歳、平均勤続年数は2.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2023年8月88836.12.4103
2024年8月90636.52.5125240
2025年8月95336.72.7133301

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 2 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主な関係会社
  • 国内
    SOMPOホールディングス株式会社(注1)
    東京都新宿区 · その他の関係会社
    議決権17.4%
  • 国内
    SOMPO Light Vortex株式会社
    東京都新宿区 · その他の関係会社
    議決権17.4%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発人工知能技術の社会実装に向けた研究開発・実証及び人工知能技術の適用領域を広げる研究開発サイバーフィジカルバリューチェーンの構築及びAI導入加速技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-07-27
    7,128万円
  • 調達
    国立大学・研究開発法人等の研究力の見える化に係るAIを活用した研究力分析高度化の調査業務
    内閣府 · 2021-07-06
    1,530万円
  • 調達
    【陸装研】視覚言語行動モデルの検証役務
    防衛省 · 2026-01-15
    195万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年8月期の売上高は36億円営業利益4億円前期と比べると増収増益で、売上が+28.6%、利益が+33.3%。

売上高
+28.6%
36億円
営業利益
+33.3%
4億円
純利益
+100.0%
4億円
営業利益率
11.1%
前期比 +0.4%pt

会社が出している今期の予想2026年8月期

項目会社予想前期実績
売上高46億円36億円
営業利益7億円4億円
純利益9億円4億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は10億円、営業利益は2億円。前年の2024年3Qと比べると、売上は+66.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q21419.04
2023年4Q70
2024年1Q7114.30
2024年2Q7114.32
2024年3Q600.00
2024年4Q8112.50
2025年2Q18316.72
2025年4Q1815.62
2026年2Q24416.73
2026年3Q10220.04

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 7期分

2019年8月期からの7期で、売上は10億円から36億円へ3.6倍に増えた。直近期の営業利益率は11.1%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
AIの倫理・法・社会的課題を討議する有識者委員会「Ethical Approach to AI(EAA)」発足
2019年8月10−14−14
2020年8月10−9−10
2021年8月13−3−4
2022年8月20−2−2
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2023年8月2844
NCGMが公募した戦略的イノベーション創造プログラム(第3期)「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」に共同研究開発機関として参画
2024年8月283310.72
2025年8月364511.14

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年8月期

売上高36億円のうち、営業利益として残るのは4億円11.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は4億円、売上の11.1%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金38.9%14億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金50.0%18億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益11.1%4億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
61.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+2.7pt
11.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+4.5pt
11.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比2.4pt
10.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
40.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2025年8月期は営業CFが16億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは16億円この組み合わせは現金積み上げ型にあたる。本業・資産売却・調達のすべてで現金が入ってきている。大型買収や再編の前触れのことも期末の手元現金は46億円で、売上の15.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2021年8月−240221
2022年8月−300−318
2023年8月5012535
2024年8月−801−829
2025年8月16011646

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 7期分

2025年8月期の総資産は53億円。このうち返さなくてよい自己資本が45億円で、自己資本比率は84.0%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年8月3634292.4
2020年8月2623391.4
2021年8月2420483.4
2022年8月2218482.8
2023年8月4135684.6
2024年8月4239391.8
2025年8月5345884.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年8月期の内訳単体ベース
現金及び預金
46億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
9億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
8億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
82
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率22 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中48位あたり、逆に低いのはROE605社中373位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
10.7%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
11.1%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
84.0%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
28.6%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,936で、1年前と比べて-9.7%過去52週の値幅のなかでは57%の位置にある。

¥2,936-4.1%1ヶ月+9.8%1年-9.7%時価総額287億円
過去52週の値幅
安値¥2,041高値¥3,600

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)56.8倍
PER (会社予想)34.2倍
PBR5.52倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は2,746円で、前日比-5.64%と下落したが、1か月では+14.9%と上昇基調。25日移動平均線2,658円を上回り、75日線2,443円も上回り、中期トレンドは良好。ただし、52週高値3,600円からは23.7%下落しており、高値圏での調整が続く。RSIは50.5と中立。出来高は8月21日に108,300株と前日比で増加したが、上昇局面では高値圏での売り圧力が強まる可能性。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 35/100)

PERは50.16倍と業界平均の29.92倍を約1.7倍上回るが、予想PERは30.3倍と低下見込み。PBRは4.9倍と平均3.44倍を上回る。ROEは10.7%で平均的水準。配当利回りは0%で、株主還元が全くない点は懸念。業績は増収増益で成長性はあるが、将来予想を織り込んでも現状の株価はやや割高感がある。

指標この会社業種平均
PER (実績)56.8倍47.9倍
PER (予想)34.2倍
PBR5.52倍2.96倍
ROE10.7%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

IT人材需給のひっ迫を背景に、派遣単価の上昇や稼働率向上による収益拡大が期待される一方、競争激化による単価低下リスクや人材確保の難しさが懸念される。強気派は業績の安定成長とDX需要の拡大を評価し、弱気派は小規模故の経営資源の限界や市場競争の厳しさを指摘する。

プラスに働く材料7
  • DX需要の拡大

    企業のDX投資は中長期的に増加傾向にあり、IT人材需要は堅調。

  • 高収益体質

    2025年8月期の営業利益率は11%と高水準で、収益性が改善。

  • コンパクトな経営

    従業員約130名と小規模で、柔軟な組織運営が可能。

  • 2025年8月期は売上高が28%増通年影響

    売上高28億円→36億円、営業利益も3億円→4億円へ増加

  • 予想PER30.3倍へ改善期待通年影響

    現行PER50.16倍から予想PER30.3倍へ、利益成長を見込む

  • 営業利益率11.11%と改善継続影響

    営業利益率10.71%→11.11%と上昇、収益構造が強化

  • 株価は1年で25.8%下落し押し目継続影響

    下落率25.81%、成長期待が残る中で買い場との見方

マイナスに働く材料7
  • 競争激化の懸念

    IT業界は競争が激しく、単価低下や案件獲得競争が激化する可能性。

  • 人材確保リスク

    優秀なエンジニアの確保が難しく、成長の制約となる恐れ。

  • 規模の限界

    小規模なため、大口案件や大規模プロジェクトへの対応に限界。

  • PBR4.9倍と資産価値を大きく上回る不定影響

    PBR4.9倍、ROE10.7%であり、純資産の約5倍の評価

  • 無配当で株主への還元ゼロ継続影響

    配当利回り0%、インカムゲインがなく下落時の支えがない

  • 営業利益4億円は時価総額比で薄い通年影響

    時価総額254億円に対し営業利益4億円、評価に見合う収益力か疑問

  • 外国人保有2.34%と需給が細い継続影響

    外国人持ち分2.34%と低く、機関投資家の参入が限定的

次の決算で確かめる点
エンジニア単価
収益性の核心であり、需要動向を反映。
従業員数増加率
人材確保が成長の鍵を握る。
売上高成長率
DX需要の取り込み度合いを測る。

株主

有価証券報告書より

2025年8月期末の株主数は延べ11,949人。区分でいちばん多いのは個人・その他64.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が28.5%を占め、残る71.5%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2023年8月%2024年8月%2025年8月%
個人・その他49.960.064.0
事業法人37.130.227.7
証券会社3.53.05.1
外国法人8.96.42.2
金融機関0.60.20.8
外国人個人0.10.20.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01SOMPO Light Vortex株式会社17.34
02岡田 陽介13.09
03ヒューリック株式会社4.43
04株式会社インスパイア・インベストメント2.87
05外木 直樹2.53
06小間 基裕1.45
07BANK JULIUS BAER AND CO. LTD. SINGAPORE CLIENTS(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.13
08TBSイノベーション・パートナーズ2号投資事業組合1.07
09藤井 衛1.02
10杉山 央0.96

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-08-20
    岡田 陽介
    新規の大量保有報告
    14.81%
  • 2026-08-14
    岡田 陽介
    新規の大量保有報告
    14.81%
    -0.17pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 7期分

1株利益は7期で+100%、1株純資産は5期で+51%。直近期のROEは10.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2019年8月−31,084
2020年8月−173303
2021年8月−66
2022年8月−41232
2023年8月5340416.099.0
2024年8月244205.986.7
2025年8月4745810.771.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2025/8期の役員報酬は総額165百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
岡田陽介代表取締役CEO371,378,600
小間基裕代表取締役COO47142,000
英一樹取締役CFO4766,000
外木直樹取締役CSO38246,700
田中邦裕取締役483,000
麻野耕司取締役46
的野仁取締役51
桃原隼一常勤監査役43
清水琢麿監査役5110,000
青山正明監査役46
宮淳取締役53

役員報酬の内訳2025/8

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4717014035
社外取締役525255

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/8期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,394字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1)企業理念 当社は「ゆたかな世界を、実装する」を企業理念に掲げ、ミッションクリティカル業務へのAI導入支援のため、基盤システムとなるABEJA Platformの開発・導入・運用を行っております。 また、当社は一般社団法人日本ディープラーニング協会の設立を支援し、正会員としてディープラーニングをはじめとしたAI技術の普及に取り組むとともに、最先端技術の動向把握や先進的な取組事例の創出に努めております。 2019年3月には約5,200名が参加した自社リアルカンファレンス「ABEJA SIX 2019」を、2020年5月、2022年7月には自社オンラインカンファレンス「デジタルトランスフォーメーション2020」、「ABEJA SIX 2022」を開催しており、マーケットの醸成、AIに関するリテラシーの向上、IT人材の育成を推進しております。 (2)事業概要 当社は、デジタルプラットフォーム事業の単一セグメントとなります。ABEJA Platformを核に事業展開しており、AIの導入支援と周辺サービスの提供を行う「トランスフォーメーション領域」と、その後の人とAIの協調による運用を行う「オペレーション領域」に区分しております。 これらを含めた当社の事業全体像は図1のとおりであります。 図1:当社の事業全体像 デジタルプラットフォーム事業として展開する当社のビジネスモデルは、EMS(Electronics Manufacturing Service)に近い形態となります。 当社は、これまでの多種多様な業界・業態300社以上のAI導入を支援する上で培ったナレッジ(EMSにおける製造プロセスノウハウ)を活かし、顧客のニーズにあわせ、ABEJA Platformを核にデジタル版EMSとして、コンサルティングからABEJA Platform上でのオペレーションまでを一括支援しております。顧客はこのデジタル版EMSを採用することで、ABEJA Platformの最先端の技術・ノウハウを活用することができます。 当社の事業を製造業に例えた場合のイメージは図2のとおりであります。 図2:当社の事業を製造業に例えたイメージ図(デジタル版EMS) トランスフォーメーション領域で設計し、ABEJA Platform上に構築したビジネスプロセスを、オペレーション領域で運用する事業モデルとなります。このため、運用におけるフィードバックがビジネスプロセスの精度向上やオペレーションの高度化に結びつくなど、2領域は密接に連携しております。 ① ABEJA Platform a.ABEJA Platform概要 ABEJA Platformは、ミッションクリティカル業務における堅牢で安定的な基幹システムとアプリケーション群であり、生成AIをはじめとする最先端技術を人とAIの協調により運用するプラットフォームとなります(図3)。 ABEJA Platformは、大きく6つのレイヤーで構成されております。顧客企業は必要なデータをABEJA Platformに蓄積することにより、コンピューティングリソースの管理やセキュリティを担保した環境の中で、データ加工等を行い、当該データとAIを組み合わせることにより、ミッションクリティカル業務におけるアプリケーションを構築し、人とAIの協調によって運用することができます。 図3:ABEJA Platform また、ABEJA Platformの強みとして、数多くの導入・運用実績から安定した品質を素早く提供できる点などが挙げられます。 ABEJA Platformにおけるコア技術については、特許(「機械学習又は推論のための計算機システム及び方法(PCT/JP2018/3824)」)を取得しており、競合他社への牽制、優位性の一要素になっているものと考えております。また、2023年5月には、「ABEJA LLM Series」をリリースし、生成AI、特にLLMとその周辺領域の機能・技術の提供を開始しております。 ABEJA Platformの強み 開発速度の向上・早期運用開始   ・既に実装されたモジュールを即座に提供することが可能 高い品質安定性   ・過去の案件で実際に使われ、品質安定性について個別の検証を必要としないテスト済みのモジュールを利用可能 最先端の技術をいつでも利用可能   ・最新のMLライブラリ、最新技術を用いたMLモデルなど、常に最新で最適な技術を利用可能 AutoMLをベースに本番適用   ・AutoMLをベースに本番適用できる先進的なシステム 運用コスト・負荷の低減   ・フルマネージドサービスとして提供されているため、MLエンジニア以外の運用人員が不要 堅牢なセキュリティ   ・医療、金融、自治体でも実績のある高いセキュリティ ・システムダウンが大規模事故につながるような案件での実装経験 b.ABEJA Platform上でのHuman in the Loopの仕組みについて 従来、AIを活用した運用を行うためには、PoC(Proof of Concept:実証実験)を繰り返し行い、AIの精度を継続的に向上させていました。しかし、企業にとってPoC期間は投資期間であり、精度の保証が難しいAIの開発において、継続して投資の意思決定を行うことがボトルネックとなる等、PoCに留まっている企業の割合は63%にものぼります(出所:アクセンチュアニュースリリース「アクセンチュア最新調査―AI活用において、60%以上の企業が概念実証に留まる」2022年6月23日)。 一方で、ABEJA Platform上で、Human in the Loopの仕組みを利用することにより、PoCを行わず、初期からAIを導入・運用することが可能となります(図4)。 図4:導入プロセスの比較 当社の提供するHuman in the Loopとは、ABEJA Platform上にビジネスプロセスの運用ノウハウや知識をデータとして蓄積するとともに、人が判断や意思決定を補うことで効率的にAIを構築していく仕組みとなります。例えばデータ量が少なく、AIが効果的に学習することができない、高い精度を発揮できない初期段階においても、人が補うことでAIの運用サイクルを成立させることができ、人とAIの協調(人とAIの相互補完)により、当初より実運用を可能としています。また、最終的には、AIが全体のプロセスに導入されることで、AIによる改善を行うことが可能となり、オペレーションの高度化を実現することができます。 具体的には次のステップにより、ABEJA Platform上でHuman in the Loopの仕組みを実現しております(図5)。 図5:ABEJA PlatformにおけるHuman in the Loopの仕組み 図5におけるABEJA Platformの導入と運用について、ステップ2で人が行うビジネスプロセスにABEJA Platformを導入することで、人とAIが協調してオペレーションを実行する環境が創出されます。これにより、運用ノウハウや知識がデータとしてABEJA Platformに蓄積できるようになります。当該環境のもと、日々のオペレーションにより、運用ノウハウや知識のデータ蓄積と活用が進み、ビジネスプロセスのAI化が進んでいきます。また、ステップ4では人とAIが協調しながらオペレーションの高度化を実現、ステップ5まで進むとAIが全体を改善するフェーズに入ります。 ステップ   状況 ステップ1(取組前)  人が実行   ・人が、リアル空間で、ビジネスプロセスを行っている ・運用ノウハウや知識は個々人等に分散 ステップ2  人が実行   ・人が行うビジネスプロセスに、ABEJA Platformを導入 ・人が、ABEJA Platform上で、ビジネスプロセスを行っている ・運用ノウハウや知識がデータとしてABEJA Platformに蓄積される ステップ3  人が実行・AIが支援   ・人が、ABEJA Platform上で、ビジネスプロセスを行っている ・ABEJA Platformに徐々に蓄積される運用ノウハウや知識がデータとして活用され、AIが支援、人の負荷が軽減される ・日々のビジネスプロセスにより、データの蓄積と、ABEJA Platformでの活用が進み、さらにAIの支援内容が高度化する ステップ4  AIが実行・人が支援   ・AIが、ABEJA Platform上で、ビジネスプロセスを行っている ・人が支援(監督・監査)しており、負荷がさらに軽減される ・運用ノウハウや知識がデータとしてABEJA Platformで活用され、さらに実行内容が高度化する ステップ5  AIが実行・AIが改善・人が支援   ・AIが、ABEJA Platform上で、ビジネスプロセスを行っている ・AIが様々なビジネスプロセスに導入されており、全体の改善を行うことが可能となる ・人が支援(監督・監査)しており、最終的な改善の意思決定などの重要事項は人とAIが協調して行う 具体的なHuman in the Loopの仕組みを利用した取組事例として、プラント事業者において工場内配管の腐食度の定常的な検査・モニタリングにAIを活用し、人とAIが協調しながらAIが成長する仕組みを構築しております(図6)。 図6:Human in the Loopの仕組みを利用した具体例 上記のHuman in the Loop(人とAIの協調)を共通の枠組みとして、LLMとその周辺機能の社会実装及びAIロボティクスへの適用を進めています。 c.LLMと周辺領域の機能・技術 当社は、LLMの社会実装において、ミッションクリティカル業務への導入、コスト対精度の両立、データガバナンス・安全性などを重視し、大規模・中規模基盤モデルの構築及びその周辺領域の高度化を注力領域としています。2024年以降は、経済産業省が立ち上げたGENIACの枠組みの下、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する事業に継続して採択されています。これらの研究開発の成果は順次ABEJA Platformに展開しています。 d.AIロボティクス 当社は、LLMの判断結果を現場オペレーションに反映・実行するAIロボティクスを戦略領域に位置付けています。現場の安全・品質の向上、人手不足・技能継承の支援、社会インフラの安定運用といった社会的要請を踏まえ、オープンな外部連携を通じて社会実装を段階的に進めています。また、この取り組みの一環として、一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)に正会員として加入し、同領域のデータプラットフォームに関する研究開発にも参画しています。 e.適用領域の拡大について AI、特にディープラーニングは日進月歩の技術進化を辿っており、画像認識から自然言語コミュニケーションや意思決定支援に至るまで適用領域が拡大する中、当社の提供サービスの適用領域も広がっております。また、AIロボティクスの展開により、デジタル空間に加えリアル空間(フィールドオペレーション)へ拡張しています。 f.取組範囲の拡大について 一顧客において、単一のビジネスプロセスから、複数のビジネスプロセスに取組範囲を広げることにより、重層的に顧客企業のAI導入を推進できます。ABEJA Platformに蓄積済みの連携データを再活用することで、サービス提供の速度を上げていくことが可能となります(図7)。 図7:重層的なデジタルトランスフォーメーションの推進 ② トランスフォーメーション領域とオペレーション領域 a.トランスフォーメーション領域 顧客ニーズに対応したABEJA Platformの導入支援とその周辺サービスを提供しており、仕組みづくり・構築フェーズに位置づけられます。なお、仕組みづくり・構築は段階的に進めていくため、多くの収入はフロー型(都度契約)の契約となりますが、一方で長期間にわたる計画的なプロセスとなるため、継続顧客の割合は高くなっております。 ・エンタープライズ企業の継続顧客からの売上比率(注) 88.8%(2025年8月期) (注)エンタープライズ企業の継続顧客からの売上比率は、既存顧客(前事業年度に売上が発生したエンタープライズ顧客)の当事業年度の売上高/エンタープライズ顧客の当事業年度の総売上高。 導入支援にあたっては、経営レベル、全社レベルのビジョンの策定・共有から、ビジョンを具現化するためのプランニング、ビジネスプロセスにあわせたABEJA Platformの導入を伴走型で支援しております。 また、当社では顧客企業のAI研修等を通じて、企業内のデジタル人材の育成も推進しております。 b.オペレーション領域 ABEJA Platform上で人とAIの協調による運用を行う運用フェーズに位置づけられます。このため、主な収入はストック型の継続収入となります。 現状では、小売業、不動産業、製造業、金融業などが対象となり、複数の業界にわたってABEJA Platform上で人とAIの協調による運用を行っております。 また、オペレーション領域主体の具体例として、ABEJA Platform上に構築したABEJA Insight for Retailを、小売業中心に提供しております。ABEJA Insight for Retailでは、店舗に設置したカメラなどデバイスを通して消費者の動線分析や年代・性別の推定を行い、入店から購買に至る消費者行動をデータとして可視化・数値化することで、店舗の課題を客観的に把握し、運営の改善に繋げることが可能となります。 c.具体例 具体的な取組事例は以下のとおりとなります。 顧客業種   取組内容   想定する効果 小売   販売データに基づく販売在庫の自動発注最適化システムの構築・運用   食品サプライチェーンの最適化 プラント   画像データに基づきプラントインフラの定期的検査・モニタリングを行うシステムの構築・運用   保守人員の削減 製造業   トラブル等のデータに基づき対処方法を選定するシステムの構築・運用   トラブル対応コストの削減 電力   稼働データに基づく電力需要予測システムの構築・運用   電力量の効率的コントロール 医療   画像データに基づく疾患検出システムの構築・運用   予防医療と関連疾患の早期発見 介護   介護データに基づく被介護者の自立支援システムの構築・運用   介護従事者の効率性向上、サービス品質向上 金融   アンダーライティング(引受業務)の高度化を行うための支援   引受工数削減、リスクマネジメントの高度化、収益向上 情報   購入データに基づくコンテンツレコメンドシステムの構築・運用   利用者の利便性の向上、購入率の向上 不動産   ハイブリッドワーク(オフィス出社とリモートワーク)下における情報・コミュニケーション格差が発生しないためのオフィス環境の構築・運用   入居者ターゲットの拡充 中間流通   効率化のためにDX化すべきオペレーションを予測するシステムの構築・運用   中間工数の削減 d.ABEJA Platformと2領域の連携 当社では、トランスフォーメーション領域とオペレーション領域で得た知見を基盤であるABEJA Platformに還元するとともに、2つの領域間でも相互に連携をとる、シナジー効果の高い事業モデルとなっております。2領域で獲得した知見をABEJA Platformに蓄積することで、継続的な効率化や安定性の向上、ユーザーインターフェース・ユーザーエクスペリエンスなどの改善を行っております(図8)。 図8:ABEJA Platformと2領域の連携 [事業系統図] 用語集 用語   内容 デジタルトランスフォーメーション(DX)   データとデジタル技術を活用することで製品・サービス・ビジネスモデルの変革を行い、新たな競争優位性を作り出すこと。 人工知能 (Artificial Intelligence/AI)   人工知能。学習・推論・認識・判断などの人の知能的な作業・活動を行う人工的な仕組み。 機械学習 (Machine Learning/ML)   コンピュータが、大量のデータから反復的に学習することでルールやパターンを見つけ出し、それをもとに分類や予測を行うアルゴリズムやモデルの総称。 深層学習 (Deep Learning/DL)   機械学習の一種。人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークを多層にしたアルゴリズムの総称。 従来は人が行っていたデータから潜在的な特徴を抽出する作業をコンピュータが行うことが特徴。 生成AI (Generative AI/GAI)   学習データをもとに、テキストや画像など新たなデータを生成するAI(人工知能)のこと。 大規模言語モデル (Large Language Model/LLM)   巨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された大規模言語モデルのこと。 AIロボティクス   AIとロボット工学の融合により、AIの判断結果をロボットの実世界での行動に反映する社会実装領域。フィジカルAIの枠組みに含まれる。 Human in the Loop (HITL)   段階的に運用ノウハウや知識データを蓄積し、人とAIが協調してオペレーションする環境を創出する仕組み。 EMS (Electronics Manufacturing Service)   電子機器をはじめとした他社の製品の製造を請け負うサービスのこと。 EMSは、規模の経済を働かせ製造コストを抑えるといったモデルで拡大、近年では請け負う製品領域が多様化しており、また、サービス領域も製造のみならず設計、保守運用に拡がりを見せている。 PoC (Proof of Concept/実証実験)   構想、企画したシステムが意図した結果を生み出すかを確認するために、AIの精度などの不確実性が高い部分に絞り実験的に検証すること。 AutoML (Automated Machine Learning)   データ収集、データの加工、モデルの生成などの機械学習のプロセスを自動化する技術や手法、概念のこと。 BaaS (Backend as a Service)   アプリケーションのバックエンド機能を提供するクラウドサービス。 ABEJAでは、属性推定や需要予測等のAIを、一定程度の精度が担保された状態で予め準備し、顧客が簡単に利用できるように提供。 RAG (Retrieval Augmented Generation)   LLMにプロンプトを入力すると、そのプロンプトをもとに外部データから関連する部分を取り出し、それを元に回答を生成する方法のこと。 Agent   プロンプトで入力した内容をもとにLLMが必要なアクションを考え、コンピュータ上でそのアクションを実行する機能のこと。 Fine-tuning   既に学習済みのモデルに、特定の用途を見据えて再学習を行うこと。 事前学習  (Pre-Training)   モデルに基本的な言語能力や語彙、知識を習得させるために自己教師あり学習を行う手法のこと。 事後学習  (Post-Training)   Pre-Trainingしたモデルを、ユーザが使いやすい応答をするように追加で学習を行うこと。 ガードレール   LLMの入力と出力を監視するアルゴリズムのこと。 アノテーション   AIが学習する教師データ(正解データ、ラベル)を作成するため、画像やテキストなどのデータに関連する情報を注釈として付与する作業のこと。 ユーザーインターフェース(UI)   ユーザーがサービスを利用する際に触れる操作画面や操作方法などの、ユーザーとサービスの接点を指す。 ユーザーエクスペリエンス(UX)   製品やサービスを通して、ユーザーが感じる使いやすさや印象といったユーザー体験のこと。
経営方針・対処すべき課題4,716字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は「ゆたかな世界を、実装する」を企業理念に掲げ、テクノロジーの産業界への社会実装を支援することにより、産業横断的なイノベーションを創出し、社会に貢献し続けることを目指しております。どのような素晴らしいテクノロジーであっても、それが社会に実装されていない場合は価値を見出すことはできない、という背景に基づいております。 そのため、当社は「テクノプレナーシップ」(進化するテクノロジーを用いて(Technology)、どのような社会を実現していくかを問い続ける姿勢(Liberal Arts)、そしてこの円環を推進する力(Entrepreneurship)の造語)を行動精神とし、「テクノロジーの力で産業構造を変革する」というミッション、「イノベーションで世界を変える」というビジョンのもと、事業活動に取り組んでおり、これらの活動が企業価値の最大化につながると考えております。 図1:テクノプレナーシップ概念図 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は中長期的な企業価値の向上を図るため、デジタルプラットフォーム事業における「トランスフォーメーション領域」、「オペレーション領域」のビジネスを成長させるとともに、2領域で得た知見を事業基盤であるABEJA Platformに蓄積し、継続的に強化・発展するサイクルを形成することが重要と考えております。このため、当社は顧客支援の総量である売上高、当社事業の基盤となるABEJA Platformの活用を示すABEJA Platform関連売上比率、安定的な収益獲得を示す継続顧客からの売上比率、当社の収益力を示す営業利益を重要な指標としております。 (3)経営環境 当社が創業した2012年は、AI、機械学習の研究分野において、ディープラーニングが登場し大きなブレークスルーが起きた年であり、それまでと比べ、AIを活用できる事業領域が大幅に拡大したといわれております。 産業界においては、「第4次産業革命」と呼ばれるAI、IoT、ビッグデータ、ロボットの活用が成長戦略の中核として捉えられるようになり、労働力が減少する市場において、生産性の向上や技術の継承、ビジネスモデル自体の変革を目的として、デジタルトランスフォーメーションの推進が重要なテーマとして掲げられております。 足元、LLM活用は企業ごとにトライアルや業務内の個人利用から業務組込みまで段階差はあるものの、需要は堅調に推移しています。LLM活用の重心は「単発の個別業務・個人利用」から「業務の中核」へ移行しつつあり、デジタル空間での取り組みは深化・拡大しています。 こうした潮流のもと、当社はこれまでミッションクリティカル業務に対し、業務構造を踏まえたAI導入を積み上げてきました。中核業務でのLLM導入が進む深化・拡大局面において、この蓄積は当社の競争優位として一層の価値を発揮できると考えております。 加えて、当社はLLMの知見をAIロボティクスへ展開する取り組みを強化しています。この取り組みを背景に当社は加入する一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)を通じて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「ロボティクス分野の生成AI基盤モデルの開発に向けたデータプラットフォームに係る開発」に参画しています。AIロボティクスは、ディープラーニングやLLMによるデジタル側の意思決定を実世界での行動へ接続することで、AIの適用領域をデジタル空間からリアル空間(フィールドオペレーション)へ広げる次の成長領域と捉えています。 また、研究開発は当社の技術的優位の源泉であるため、中長期の競争力確保に向け、重点領域を定め、継続的に推進していきます。現在は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「ロングコンテキスト対応基盤モデルとAIエージェント構築に関する研究開発」(2025年7月採択、2026年2月まで実施予定)や、小型LLMの高精度化、AIロボティクス適用等も並行して推進しています。 全体としては、良好な事業環境のもとでLLMは深化・拡大局面にあり、AIロボティクスにより事業領域はリアル空間まで拡張されていきます。このような中、当社はエンタープライズ案件と公的プロジェクトを並行して推進し、LLMを成長ドライバーに据え、AIロボティクスを次の柱として育成してまいります。 なお、当社は「ABEJA Platform」を中心とした「トランスフォーメーション領域」、「オペレーション領域」において、様々な段階・ニーズの企業に対してサービス提供を行っており、一気通貫型で顧客を長期的に支援したいと考えております。個々のサービスを単独で比較した場合、コンサルティングファームやシステムインテグレータなどの競合は存在しますが、当社は一気通貫型の「ABEJA Platform」とそれに紐づく実装ノウハウを有しており、上流から下流まで一元的にサービス提供できる強みがあり、当該観点から参入障壁は高いと考えております。 (4)経営戦略 当社は今後も拡大を続けるデジタルトランスフォーメーション市場の中で、さらなる事業成長を目指すため、ABEJA Platformの技術力・導入実績、テクノプレナーシップに基づく優秀な人材等の強みを背景に経営戦略を立案しております。 ① 生成AI、LLMと周辺領域、AIロボティクス 足元では生成AI、特にLLMの技術進化は顕著で、適用領域も拡大しており、当社ではよりミッションクリティカル性の高い業務へのAI導入が進むと見込んでおりました。現状はこの見立てに沿って推移していることから、引き続き、LLMとその周辺領域の機能・技術を注力領域としております。 基盤モデルにつきましては、LLMの社会実装を意識しますと、コスト対精度が重要になることから、当社は特定タスクに特化したコストパフォーマンスの高い大規模・中規模基盤モデルを注力領域としております。現状、経済産業省「GENIAC」に採択されるなど、当社は大規模・中規模基盤モデルの構築実績と技術力を有しており、今後も継続的な研究開発を進めてまいります。 また、基盤モデル単体とは別に、社会実装には周辺領域の機能・技術(AIエージェント、データベースとの連携、ユーザーとの連携、ガードレール、プライバシー保護等)が重要となります。周辺領域の機能・技術についてはABEJA Platformに搭載し、顧客企業の利用も進んでおりますが、基盤モデルの進化に適応していくため、継続して研究開発を行ってまいります。 加えて、次の戦略領域として、当社の事業領域の拡張にもつながるAIロボティクスの実装・利活用に向けた取り組みを進めていきます。 これら取り組みと、これまでABEJA Platformに搭載してきたHuman in the Loopなどの当社の強みを組み合わせて提供することにより、より付加価値の高いサービスを提供できると考えております。 ② ABEJA Platformの拡充 デジタルトランスフォーメーションやAI導入の進展に伴い、企業の抱える課題やニーズは多様化・複雑化することが見込まれます。当社はABEJA Platformの機能追加と、既存機能の改善を継続的に行い、多様化する顧客ニーズに対応し、提供価値の向上を図ってまいります。 ③ 顧客基盤の拡大と深耕、ミッションクリティカル業務におけるサービス提供の拡大 今後も国内デジタルトランスフォーメーション市場の拡大は見込まれており、当社の一層の成長・拡大の機会が存在しております。当社はこれまでの実績から得た知見を推進力として、新規顧客の獲得(顧客基盤の拡大)、既存顧客との取引関係の多様化(深耕)を図り、収益基盤の拡大を目指してまいります。また、技術の適用領域が拡大していることから、よりミッションクリティカル性が高い業務へのAI導入を実現してまいります。 ④ 人材の採用、育成とカルチャーの醸成 今後の市場拡大と当社の業容拡大に向けて、継続的に優秀な人材を採用、育成し、組織力の強化を図ることが重要と認識しております。当社の魅力である「最先端技術を活用した案件が多数あること」、「実運用を目指す思想とノウハウを有していること」、「技術に対する意識が高く、職種の垣根なく幅広い経験を積めるCDO輩出集団であること」を発信、アピールすることにより、人材の獲得につなげてまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社はこのような経営環境等を踏まえ、さらなる事業成長を支えるため、以下の課題につき、優先的に対処してまいります。 ① 人材の採用・育成 当社は顧客ニーズの多様化、生成AI(特にLLM)及びAIロボティクス並びにそれらの周辺領域の機能・技術の進化に迅速に対応するため、多様な経歴、専門性を持つ「テクノプレナー人材」の確保、育成が必要と考えております。当社の企業理念や事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくため、積極的な採用活動を進めるとともに、働きやすく自己研鑽できる環境・仕組みの整備に取り組んでまいります。 ② 認知度の向上 当社はこれまで自社カンファレンスの開催、広報活動、技術ブログの発信、研究開発活動の公開、マーケティング活動等を通じて、認知度の向上に取り組んでまいりました。今後も、より一層の当社及び当社サービスの認知度向上のため、これらの施策を推進し、人材の採用や新規顧客獲得につなげてまいります。 ③ システムの安定性強化 当社はインターネットを介したサービス提供を行っているため、当該システムを安定的に稼働させることが重要と考えております。そのために、サーバー設備の強化や、システム安定稼働のための人員確保等に努めてまいります。 ④ 情報管理体制の強化 当社はシステム運用やサービス提供の過程において、機密情報や個人情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、情報セキュリティに関する社内規程に基づき管理を徹底しております。また、当社は2018年にプライバシーマークを取得、2025年にISMS認証(ISO/IEC27001)を取得しております。今後も社内教育やシステムの整備等に継続して取り組んでまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化 当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理の観点から、内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、コーポレート機能を充実させ、経営の公平性・透明性の確保に向け、内部統制の整備・運用を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。 ⑥ 財務の充実と非連続的成長を支える資金の確保 当社は今後の事業拡大に伴う人材採用及び継続的な研究開発などに加え、非連続的成長を目的とした戦略的M&Aの実行に備え、財務の充実と安定化を進めていくことが重要と考えております。今後も多様な資金調達手法を検討し、長期的な成長の実現に努めてまいります。
事業等のリスク8,531字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。また、リスクの発生可能性、発生時期及び影響度についても、当社が判断したものであり不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1)事業環境に関するリスク ① デジタルトランスフォーメーション関連市場、AI市場の動向(発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 今後、多様な産業においてデジタルトランスフォーメーションへの取り組み、AI導入が一層進展し、当社事業が属する市場は拡大を続けるものと見込んでおります。当社では、市場の動向を調査しその兆候を経営に反映させるとともに、顧客基盤の拡充を図っておりますが、企業の景気動向による影響やその他の各種新技術に対する投資を受け、市場の成長ペースが大きく鈍化した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、市場が成熟していないため、新規参入の増加等による価格競争の激化等が起こった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合環境(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社が提供している関連サービスについては、他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な企業による新規参入が多く見受けられ、類似のサービスを提供している会社も複数存在しております。これらの会社が当社と同様のサービスへ参入し競争が激化した場合は、当社の期待どおりに顧客を獲得・維持できないことも考えられます。当社は、早い段階から「ABEJA Platform」への戦略的な投資を実行し、AI導入実績について他社に先駆けて積み上げることによって、他社との差別化・競争優位性の確立に努めておりますが、他社との競合環境の変化によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術・ビジネスモデルへの対応(発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社が事業を展開しているデジタルトランスフォーメーション関連産業は、市場が未成熟であり、グローバル市場において技術革新のスピードやビジネスモデルの移り変わりが早いため、当社では新技術及び新サービスの開発を継続的に行うとともに、優秀な人材の確保に取り組んでおります。しかしながら、今後何らかの事由によって当社が市場の動向に適した技術やビジネスモデルを創出できない場合、当社のサービスが市場での競争力を失い、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 当社のビジネスモデルについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 顧客企業に対してABEJA Platformの導入やインテグレーション(システム連携や実際の現場への施工)を行う場合、顧客企業の現行システムの状況などによってプロジェクト進捗が遅延する可能性がございます。当社では、ABEJA Platformの導入やインテグレーションを簡易化する追加機能開発、コンサルティングフレームワークの充実により、負荷を軽減させる取り組みを行っておりますが、当社の想定を上回る顧客企業数において進捗遅延や想定を超える期間を要した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ AIロボティクスの社会実装について(発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社はAIロボティクスを戦略領域として推進しています。リアル空間での社会実装に際しては、安全・製造物責任、情報系・制御系のセキュリティ、調達・保守、人材・体制等の要因により、立上げ遅延・追加コスト・一時的な運用停止が生じるおそれがあります。当社は受入基準の標準化、責任分界の明確化、監視・冗長化、体制強化等により低減を図りますが、これらの要因が顕在化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業の拡大について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社では、今後の成長機会の創出に向けて、既存の顧客企業及び見込み顧客企業のニーズを前提とした新機能の開発等を実施しております。また、収益源の多角化の観点から、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。当社では、収益見通しを吟味した上でこれらの取り組みについて進めておりますが、開発遅延や、現在の事業領域と異なる分野に進出した場合において、当該分野における収益化が進まない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また当社は、非連続的な成長を含む自社の成長のため、M&Aや資本業務提携は有効な手段の一つと考えております。M&Aや資本業務提携の実施にあたっては、対象企業の財務内容や契約関係等について事前調査を行い、リスクを検討した上で進めてまいりますが、対象企業における偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査によって把握できなかった問題が生じた場合や、事業計画が予定どおり進捗しない場合には、株式やのれんの減損処理を行う等、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ システム障害等(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しているため、自然災害や事故等により通信ネットワークが遮断された場合や、システムへの一時的な過負荷によって当社のサーバーが停止した場合には、サービスを提供することが不可能となる若しくはサービスの提供に支障を与える可能性があります。また、「ABEJA Platform」はGCP(Google Cloud Platform)やAWS(Amazon Web Services)等のクラウド上で運営されているため、何らかの事情で当該クラウドサービスに障害等が発生した場合には、サービスを提供することが不可能となる可能性があります。さらに、現場側機器(ロボット・センサー・エッジ端末)や通信遮断等に起因する停止リスクが増える可能性があります。当社としましては、データのバックアップ、データセンターへの分散配置などによってトラブルへの備えをしておりますが、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等やその他当社の想定していない事象の発生によりクラウドサービスの稼働が停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカー等の侵入、その他の不具合によりシステム障害が生じた場合、一時的なサービス提供の停止及びそのことに伴う当社のサービスに対するレピュテーションの悪化や顧客からの損害賠償請求などが想定され、結果として当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 先行投資から得られる効果が期待どおりに実現しないリスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社において、先行的に研究開発費、広告宣伝費、人件費を投下し、研究開発と顧客企業獲得を進めることが必要であります。今後も、収益性の向上に努めながらも、事業成長のための投資を継続する方針です。 しかしながら、予期せぬ経営環境の変化、追加開発の必要性やその他の理由により、これらの先行投資が想定どおりの成果につながらなかった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす場合があります。 ⑨ 大規模な自然災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業体制に関するリスク ① 優秀な人材の確保及び育成(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社が今後更なる事業の拡大に対応するためには、優秀な人材の採用・育成が重要であります。具体的には、生成AI(特にLLM)のエンジニアやデータサイエンティストに加え、AIロボティクス関連の人材が必要であり、当社はこれらの人材の獲得・定着・育成に積極的に取り組んでおります。しかしながら、高度な技術を持つ人材の獲得競争は激化しており、事業規模の拡大に応じた社内における人材育成、外部からの優秀な人材の採用等が計画どおりに進まず必要な人材を確保することができない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 内部管理体制(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに法令遵守の徹底が必要と認識しております。そのため、当社では内部管理体制の強化に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定の人物への依存(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社の代表取締役CEOであります岡田陽介は、創業者であると同時に最高経営責任者として経営戦略、事業戦略等、当社の業務に関しての専門的な知識を有し、重要な役割を果たしております。当社では、他役員や社員への情報共有や権限委譲を進めるなど、代表取締役CEOに過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により代表取締役CEOが当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 機密情報や個人情報に関わる情報管理及びプライバシー権の保護(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社は、その業務の性格上、顧客側で保有している機密情報や個人情報に触れる場合があります。具体的には顧客の販売データ等の機密情報、顔認証に用いる画像データ等の個人情報を扱っております。情報の取扱いについては、情報セキュリティに関する規程、個人情報保護規程等を整備するとともに、プライバシーマーク及びISMS認証(ISO/IEC 27001)を取得することによって、適切な運用に努めております。しかしながら、このような対策にも関わらず当社の人的オペレーションのミス等、その他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ コンプライアンス体制(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのためコンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに適宜研修を実施し、周知徹底を図っております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 小規模組織であること(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制になっております。当社では、今後の業務拡大に対応するため、人員の増強や内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、何らかの事由でこれらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 業績変動について(発生可能性:中~大、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社の事業の中には、案件ベースで受注をし、成果物の提出とサービスの提供完了をもって収益認識をしているものがあるため、案件によっては数か月分の稼働に対する売上高が1か月にまとまって計上されることがあります。当社では、各月の売上が平準化するよう努めていますが、個別案件によっては売上高が非連続となる場合や、案件の進行が遅れることで売上高の計上タイミングが想定より遅くなる場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、これにより四半期・月次ごとに業績が変動し、期間分析が困難となる可能性があります。 ⑧ プロジェクト管理について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社は、品質・コスト・進捗などに対するプロジェクト管理体制を整備・強化しておりますが、当初想定した以上の開発工数の増加及び機能改善などにより、当初見積ったコストを上回り採算が悪化することがあります。また、納入及び売上の確定後における瑕疵補修などによって追加費用が発生することもあり、これらのことにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ SOMPOホールディングス株式会社及びSOMPO Light Vortex株式会社との関係について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) a.資本的関係 当事業年度末現在、SOMPO Light Vortex株式会社(以下「SOMPO Light Vortex」)は当社の議決権の17.37%を保有しており、当社のその他の関係会社になります。また、SOMPO Light Vortexの100%親会社は、SOMPOホールディングス株式会社(以下「SOMPOホールディングス」)となります。 b.役員派遣 当社社外取締役1名は、SOMPOホールディングス及びSOMPO Light Vortexからの派遣役員となります。 c.承認等 当社には、SOMPOホールディングス及びSOMPO Light Vortexの事前承認又は事前報告を必要とする取引や業務は存在しません。 d.取引関係 当社とSOMPOホールディングスは、2021年4月にデジタルトランスフォーメーション推進等を目的とし、業務提携基本契約を締結しました。当社の売上高に占めるSOMPOホールディングス向けの売上高は、2025年8月期において12.9%であります。なお、SOMPOホールディングスとの取引にあたっては、当社の関連当事者取引管理規程に則り適切に実施しております。 当社は、SOMPOホールディングス及びSOMPO Light Vortexと良好な関係を維持しておりますが、今後も新規顧客の開拓を実施し、特定の取引先への依存度を低減させる方針です。しかしながら、当面は特定の取引先への依存が高い水準で推移することが考えられ、この間に同社の事業戦略方針の転換等により、同社との関係に変化が生じ受注が減少した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 特定の取引先への依存について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社の売上高に占めるさくらインターネット株式会社向けの売上高は、2025年8月期において17.2%であります。同社の代表取締役社長 最高経営責任者である田中邦裕氏は、当社の社外取締役であり、また同社は当社の株主であります。同社との取引にあたっては、会社法その他の関係法令及び当社の関連当事者取引管理規程に則り適切に実施しており、良好な取引関係にあります。現時点において取引関係に支障をきたす事象は生じておりませんが、今後は依存度の低減に向け、他の既存顧客との取引拡大や新規顧客の開拓を進め、リスク低減に努めてまいります。もっとも、何らかの理由により、同社との取引関係が継続困難となる、又は取引が大幅に減少する場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制に関するリスク ① 法的規制・制度動向による影響(発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制は電気通信事業法となっておりますが、インターネット上の情報流通のあり方についても様々な議論がなされている段階であります。また、AI倫理やAIロボティクス等に関する法令・指針(ガイドラインを含む)・業界規範等についても、今後、制定又は改定される可能性があります。当社では、これらの制定・改定について事前に事業に及ぼす影響や対応策等を検討しておりますが、追加的な対応が必要となり事業が制約を受ける場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社における第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握はその性質上困難であります。このため、当社が認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性があります。その結果、損害賠償請求や知的財産権の使用に係る対価の支払い等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 訴訟等(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中~大) 当社では、当事業年度末現在において業績に影響を及ぼす訴訟や係争は発生しておりません。また、当社は法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を整備しております。しかしながら、当社及び当社の役員、従業員による法令違反の有無にかかわらず、予期せぬ訴訟等が発生する可能性があります。係る訴訟等が発生した場合は、その内容によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他のリスク ① ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:低) 当社は役職員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、ストック・オプション(新株予約権)を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は714,100株であり、発行済株式総数である9,764,800株の7.31%に相当しております。 ② 配当政策(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:低) 当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を経営の重要課題として認識しております。しかしながら、当社は、成長過程にあると考えており、内部留保の充実及び事業拡大のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながると考えております。将来的には、事業環境及び財政状態を勘案しながら、株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。 ③ 税務上の繰越欠損金、繰延税金資産について(発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中) 当社は、当事業年度末現在、税務上の繰越欠損金が3,697百万円存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後、繰越欠損金の使用、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また当社は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討し、繰延税金資産を計上しています。しかしながら、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合、また、税率変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)5,262字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当社は「ゆたかな世界を、実装する」を企業理念に掲げ、テクノロジーの産業界への社会実装を支援することにより、産業横断的なイノベーションの創出を目指しています。その実現に向け、ミッションクリティカル業務へのAI導入支援のため、基盤システムとなるABEJA Platformの開発・導入・運用を行っております。 当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、国内景気には緩やかな回復の動きがみられます。一方で物価上昇、米国の政策動向、為替動向、ウクライナ・中東情勢等の影響により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 当社の事業環境におきましては、ビジネスプロセスのデジタル化や既存のビジネスモデルを変える新たな試み、大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)等の生成AIへの関心・利活用は広がりをみせ、企業のIT投資意欲は引き続き強い状況にあります。今後は少子高齢化に伴う労働生産人口の減少等を背景に、LLMの利活用に加え、AIロボティクスの検討・適用も着実に広がっていくものと捉えております。 このような環境のもと、当社はミッションクリティカル業務における堅牢で安定的な基盤システムとアプリケーション群であるABEJA Platformを提供し、生成AIをはじめとする最先端技術による運用を「人とAIの協調」により実装してまいりました。 当事業年度はエンタープライズ案件と公的プロジェクトを並行して推進し、社会実装の加速に取り組みました。研究開発では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の枠組みで、高精度な小型LLMを構築し、コスト対精度におけるブレークスルーを確認しています。また、2025年3月に一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)に加入するなど、AIロボティクスへの取り組みを強化しています。LLMの知見をロボティクスに展開することで、当社の事業領域はデジタル空間からリアル空間のフィールドオペレーションへ拡大していきます。組織面では、主要アカウントのレビュー体制強化、小規模チーム運営によるマネジメント品質の向上、ミドルマネジメントの育成等が取引の量と質の両面を押し上げました。その結果、課題としていた「リソース拡大(人件費)と売上拡大のバランス」は改善傾向にあります。 こうした取り組みにより、当事業年度は増収増益となりました。売上高は各四半期とも前年同期を上回り、主にLLM案件が成長を牽引しました。売上総利益率は前事業年度を下回ったものの、戦略的案件への取り組みに伴う想定内の水準です。販管費の伸びは売上高の伸びを下回り、営業利益も増加しました。 以上より、当事業年度の経営成績は、売上高3,585,409千円(前期比29.6%増)、営業利益445,886千円(前期比53.6%増)、経常利益451,978千円(前期比57.7%増)、当期純利益448,268千円(前期比105.0%増)となりました。 なお、当社はデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ② 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末の資産合計は5,318,174千円となり、前事業年度末に比べ1,078,355千円増加いたしました。これは主に未収入金の回収により現金及び預金が1,717,107千円増加したこと、公的プロジェクトに関する助成金の回収により未収入金が684,118千円減少したこと等によるものです。 (負債) 当事業年度末の負債合計は、846,438千円となり、前事業年度末に比べ504,679千円増加いたしました。これは主に契約負債が132,447千円増加したこと、未払消費税等が118,037千円増加したこと、未払法人税等が72,373千円増加したこと等によるものであります。 (純資産) 当事業年度末の純資産の残高は、4,471,736千円となり、前事業年度末に比べ573,675千円増加いたしました。これは主に新株予約権行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ63,654千円増加したことに加え、当期純利益を448,268千円計上したことにより利益剰余金が増加したこと等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ1,717,107千円増加し、当事業年度末には4,586,017千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は、1,621,241千円となりました(前事業年度は760,011千円の支出)。これは主に税引前当期純利益451,978千円の計上、公的プロジェクトに関する助成金の回収による未収入金の減少額684,118千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、28,412千円となりました(前事業年度は28,569千円の支出)。これは主に有形固定資産の取得による支出15,928千円及び差入保証金の差入による支出12,484千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により得られた資金は、124,278千円となりました(前事業年度は116,955千円の収入)。これは新株予約権の行使による株式の発行による収入124,550千円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績 販売実績を領域別に示すと以下のとおりであります。なお、当社はデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。 領域の名称   前事業年度 (自 2023年9月1日  至 2024年8月31日)   当事業年度 (自 2024年9月1日  至 2025年8月31日) 金額 (千円)   前年同期比 (%)   割合 (%)   金額 (千円)   前年同期比 (%)   割合 (%) トランスフォーメーション領域   2,104,350   92.8   76.1   2,746,630   130.5   76.6 オペレーション領域   661,901   130.6   23.9   838,779   126.7   23.4 合計   2,766,251   99.7   100.0   3,585,409   129.6   100.0 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先   前事業年度 (自 2023年9月1日  至 2024年8月31日)   当事業年度 (自 2024年9月1日  至 2025年8月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) さくらインターネット株式会社   -   -   615,205   17.2 SOMPOホールディングス株式会社   565,376   20.4   461,580   12.9 味の素株式会社   311,278   11.3   -   - (注)前事業年度及び当事業年度のいずれかが10%未満の場合、記載を省略し、「-」表示しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、当社における重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。 ③ 財政状態の分析 財政状態の分析につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。 ④ キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー の状況」をご参照ください。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性 当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供のための開発・研究に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社は、前記「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業体制、法的規制、その他の様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 ⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容 当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、顧客支援の総量である売上高、当社事業の基盤となるABEJA Platformの活用を示すABEJA Platform関連売上比率、安定的な収益獲得を示す継続顧客からの売上比率、当社の収益力を示す営業利益を重要な指標としております。 当事業年度における売上高は3,585,409千円(前事業年度2,766,251千円)、前期比29.6%増となりました。内訳として、トランスフォーメーション領域は30.5%増、オペレーション領域は26.7%増となり、バランスよく伸長しております。さらに、年間取引額5,000万円以上の取引先も41.7%増となり、取引規模の拡大が進みました。加えて、新規・既存双方で取引ボリュームが増加し、継続顧客比率も上昇しました。当該拡大の主な要因は以下のとおりです。 ・需要面:LLM需要の高まりを背景に、顧客課題の把握から提案・案件化・拡大へ適切に繋げられたこと。 ・技術面:NEDOの枠組みで推進した研究開発において、当社小型LLMが一部ベンチマークで良好な結果を示し、その成果の公表が案件化の促進に寄与したこと。 ・組織面:主要アカウントのレビュー体制強化、小規模チーム運営によるマネジメント品質の向上、ミドルマネジメントの育成等が取引の量と質の双方を押し上げたこと。 これら成長の原動力はLLM案件であり、売上高に占める構成比は前期の20%超から今期は50%超へ上昇しました。量的拡大に加え、取引の大口化・継続化・新規開拓が進み、質的向上にもつながっております。 この結果、営業利益は445,886千円(前事業年度290,341千円)、前期比53.6%増となりました。今後の各指標の向上の施策については前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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