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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

かっこ

Cacco Inc.4166 · Growth · 情報・通信業

EC分野向け不正検知SaaSの国内導入件数トップ。データサイエンス技術でオンライン決済の不正注文をリアルタイムに検知する。

概要

かっこ株式会社は、2011年1月に東京都千代田区で設立されたSaaS型アルゴリズム提供企業である。主力製品はEC向け不正注文検知サービス「O-PLUX」で、日本国内の有償不正検知サービスで累計導入件数第1位を獲得している。2020年12月に東京証券取引所マザーズ(現グロース)に上場。本社は東京都港区元赤坂、従業員数36名。2025年12月期の売上高は約8.2億円だが、営業損失1.3億円と赤字が継続している。

三つのサービス柱で構成される事業

当社は単一セグメント「SaaS型アルゴリズム提供事業」を展開するが、その中核は三つのサービスに分類される。第一は不正検知サービスで、主力の「O-PLUX」と不正ログイン検知の「O-MOTION」から成る。第二は決済コンサルティングサービスで、BNPL(後払い決済)事業者向けにシステム提供と立ち上げ支援を行う。第三はデータサイエンスサービスで、マーケティングや生産性向上のためのアルゴリズムを開発する。2025年12月期の売上高819,443千円のうち、不正検知サービスがストック収益として652,736千円(前年比25.3%増)を占め、全体の79.7%に相当する。残りは決済コンサルやデータサイエンスのスポット収益である。

ストック収益中心の安定した収益構造

不正検知サービスの収益は、月額定額料金と審査件数に応じた従量課金から成るストック収益が主力で、2025年12月期には売上高の79.7%を占めた。このストック収益の成長を支えるのが、高い継続率と審査件数の増加である。当社は国内製品ならではのモニタリング・サポート体制を提供することで顧客価値を高め、既存顧客の離脱を防ぎつつ新規導入を促進している。一方で、2023年12月期以降は主要取引先の解約などにより売上が伸び悩み、2024年12月期には営業損失244,513千円、2025年12月期も営業損失133,365千円と赤字が続く。経営指標としてストック収益額を重視しており、早期黒字化に向けた収益基盤の再構築が課題である。

規制強化を追い風とするEC・金融市場

消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は2024年に26.1兆円(前年比5.1%増)と成長を続け、EC化率も9.78%に上昇している。一方で、クレジットカード番号の盗用被害は500億円を超え、改正割賦販売法により不正防止措置が義務化された。2025年3月発行の「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版」では、EMV 3-Dセキュアと不正ログイン対策の導入が必須となり、EC加盟店にはカード情報保護と不正利用対策が求められる。この規制環境の変化が、当社の不正検知サービスへの需要を後押ししている。さらに、2025年初頭には大手ネット証券で不正アクセス被害が急増し、金融庁の監督指針も強化されたことから、金融領域でも「O-MOTION」などの需要が高まっている。

業界の中での役割はEC・決済領域の不正対策ソリューション提供者にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
8億円
営業利益
-1億円
営業利益率
-12.5%
純利益
-1億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/12
事業売上構成比利益利益率
不正検知 サービス7億円77.8%
決済 コンサルティング サービス1億円11.1%
データサイエンス サービス1億円11.1%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01EC・オンライン決済主力

EC事業者向けに、クレジットカード不正利用や代金未払い等の不正注文をリアルタイムで検知するSaaSを提供。国内ECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1を獲得。

国内ECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1

主な製品・サービス1
O-PLUX国内シェア首位
ECの注文データを分析し、代金未回収となり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型不正検知サービス。独自のAI・統計学・数理最適化で検知モデルを構築。

02金融・チケット販売準主力

会員サイトやインターネットバンキング、チケット販売サイト向けに不正ログイン検知サービスを提供。金融機関や大手チケットサイトに導入実績がある。

主な製品・サービス1
O-MOTION
会員サイト等で本人になりすました不正アクセスをリアルタイムに検知するSaaS。独自のデバイス情報・操作情報で従来型では検知できない不正も判定可能。

03BNPL事業者準主力

BNPL(後払い決済)事業者向けに、決済システムの提供や事業立上げ・運用のコンサルティングを行う。審査エンジンとしてO-PLUXを提供し、ワンストップで支援。

主な製品・サービス1
決済コンサルティングサービス
BNPL事業者向けに、決済システムの提供とコンサルティングを行うサービス。不正検知サービスと組み合わせて提供される。

04小売・製造・その他一般企業副次

マーケティングや生産効率向上等の課題に対し、企業が保有するビッグデータを分析し、アルゴリズムを開発・提供するデータサイエンスサービスを展開。

主な製品・サービス1
データサイエンスサービス
企業のビッグデータをAI・統計学・数理最適化等で分析し、マーケティングや業務生産性の課題解決に資するアルゴリズムを開発・提供するサービス。

製品と技術

主力製品O-PLUX EC向け不正注文検知で国内導入件数第1位

「O-PLUX」は、ECサイトの注文データをリアルタイムに分析し、代金未払いリスクのある不正注文を検知するSaaS型サービスである。独自のデータサイエンス技術により、日本語の表記ゆれを統合する正規化機能と、端末を特定するデバイス特定機能を持つ。これにより、単純なブラックリスト照合や目視審査では困難だった高精度の検知を実現した。購入者の操作を妨げずに審査可能な点も特徴で、本人認証サービス(EMV3-Dセキュア)と異なり「かご落ち」を引き起こさない。株式会社東京商工リサーチの調査(2025年3月末時点)によれば、国内の有償不正検知サービスで累計導入件数第1位を獲得している。

O-MOTION 会員サイトの不正ログインをリアルタイム検知

「O-MOTION」は、会員サイトなどで本人になりすました不正アクセスを検知するSaaS型サービスである。デバイス情報や操作情報を解析し、User AgentやCookieだけでは判別できない不正を判定する。インターネットバンキングの不正送金対策や、チケット不正転売防止法に対応したチケット買い占め検知などに利用されており、金融機関や大手チケットサイトに導入されている。2025年にはモバイルアプリ向けの不正ログイン審査機能も追加され、金融領域のニーズに対応している。O-PLUXと組み合わせることで、ログインから決済まで一貫した「線の考え方」に基づくセキュリティを提供可能である。

決済コンサルとBNPLシステム ワンストップ支援

決済コンサルティングサービスは、BNPL(後払い決済)を提供する事業者向けに、決済システムの提供と事業立ち上げ・運用のコンサルティングを行う。2022年12月にリリースした「SaaS型BNPLシステム」は、BNPL事業者が審査エンジンとしてO-PLUXを利用できるパッケージであり、代金未払いリスクの高いBNPLの構築をワンストップで支援する。このサービスは、不正検知サービスとのシナジーを意図しており、BNPL事業者の審査精度を高めることで、売上と回収リスクのバランスを改善する。

データサイエンスサービス 企業のビッグデータを分析・活用

データサイエンスサービスは、企業が保有するビッグデータをAI・統計学・数理最適化で分析し、マーケティングや生産性向上のためのアルゴリズムを提供する。料金は基礎集計、解析、システム構築の各フェーズごとに設定され、透明性を確保している。具体的事例として、アパレルメーカーの購買データをクラスタリングし、月次での購買期待値リストを生成する分析や、コールセンターの翌月の需要予測と人員配置計画の自動提供などがある。このサービスはまだ売上に占める割合は小さいが、不正検知以外の領域への展開を可能にしている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 国内シェア首位O-PLUX日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1(2025年3月末時点)EC・オンライン決済
  • EC・オンライン決済国内ECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

EC支援の小規模IT企業、赤字継続

かっこはECサイト構築・運用支援を手掛けるIT企業。売上高10億円未満と同業のソラコムなどに比べ小規模。直近2024年12月期は営業損失率▲28.57%と赤字が続く。競合のVRain SolutionやL is Bなども同規模だが、同社は機能縮小やコスト削減で収支改善を急ぐ。2025年12月期も赤字予想だが、損失幅は縮小見込み。差別化されたサービスや顧客獲得策が不十分で、生き残りには抜本的な戦略転換が必要。

強み

  • EC構築・運用で蓄積した専門知識を有し、小規模ながら実績を持つ。
  • 大手に比べ顧客の細かな要望に対応しやすく、カスタマイズ性が高い。
  • 少人数体制で運営、固定費が低く損益分岐点が低い。
  • EC市場は拡大基調で、需要増加の恩恵を受けやすい。

課題

  • 2024年12月期の営業利益率▲28.57%と深刻、早期黒字化が必須。
  • 競合が多く、差別化が難しく新規顧客獲得に苦戦。
  • 売上高7億円と小規模で、投資余力が乏しく競争力強化が困難。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がかっこ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで3番目にあたる。

#企業時価総額PER
14378CINC18億円
24288アズジェント18億円10.6倍
34166かっこ17億円
43624アクセルマーク17億円
53672オルトプラス17億円
63908コラボス17億円16.1倍
75131リンカーズ17億円
8334Aビジュアル・プロセッシング・ジャパン17億円15.7倍
9198APostPrime17億円
104422VALUENEX17億円46.0倍
115616雨風太陽16億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 18件

2011年 資本金240万円で創業、決済コンサルでスタート

2011年1月、東京都千代田区神田に資本金2,400千円でかっこ株式会社が設立された。同年11月には決済コンサルティングサービスを開始し、BNPL(後払い)事業者向けのシステム提供やノウハウ提供の基盤を築いた。創業時の社名は現在と同じ「かっこ」で、当初から決済領域に特化したサービスを志向していた。この決済コンサルティングは後に不正検知サービスとのシナジーを生むことになる。

2012年 O-PLUXリリースとISO27001認証取得

2012年6月、ECサイト向け不正注文検知サービス「O-PLUX」をリリースした。同サービスは、AI・統計学・数理最適化を活用し、注文データから代金未回収リスクをリアルタイムに判定するSaaS型サービスである。同年8月には情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)の認証を取得し、セキュリティ面の信頼性を強化した。この時期に本社も事業拡大に伴い新宿区へ移転。O-PLUXはその後、日本国内の有償不正検知サービスで累計導入件数第1位となる成長を遂げる。

2015〜2016年 データサイエンスとO-MOTIONの展開

2015年1月、データサイエンスサービスを開始し、同時にプライバシーマーク認定を取得した。これにより、マーケティングや業務生産性向上のためのアルゴリズム提供事業に参入。2016年7月には、会員サイト向け不正ログイン検知サービス「O-MOTION」をリリースした。O-MOTIONは独自のデバイス情報・操作情報を用いた検知技術により、従来のCookieベースでは判別困難な不正アクセスを検知可能とし、金融機関やチケットサイトなどに導入された。

2019年 経済産業大臣賞受賞と業界特化型O-PLUXの投入

2019年11月、「第14回ニッポン新事業創出大賞」で経済産業大臣賞を受賞した。同時に、業界特化型の「O-PLUX for トラベル」など3サービスをリリースし、旅行業界など個別領域に最適化した不正検知を提供し始めた。この受賞により、同社の技術力とビジネスモデルが国から評価されたことを示す転機となった。同年は「O-PLUX Premium Plus」など高機能版の開発も進められた。

2020年 マザーズ上場とエルテスとの資本業務提携

2020年12月、東京証券取引所マザーズに株式を上場した。上場と同時に、上限額なしでクレジットカード不正被害を補償する「O-PLUX Premium Plus」、月額4,000円からの低価格版「不正チェッカー」をリリースし、製品ラインを拡充した。また、株式会社エルテスとオンライン取引のセキュリティ領域で資本業務提携を結び、外部連携による事業拡大を図った。この上場により資金調達力が向上し、その後の開発投資が加速する。

2022〜2023年 グロース市場移行とBNPL・フィッシング対策の追加

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しによりマザーズからグロース市場に移行。同年10月には「第16回ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2022」で社会業界特化系ASP・SaaS部門の総合グランプリ賞を受賞した。同年12月には後払い決済導入パッケージ「SaaS型BNPLシステム」をリリース。2023年6月にはフィッシング対策パッケージ「鉄壁PACK for フィッシング」をリリースし、不正対策の領域を広げた。同年11月にも「第17回ASPICクラウドアワード2023」で先端技術賞を受賞している。

2024年以降 マーケティング支援とメールチェックへの多角化

2024年4月、マーケティング支援サービス「いろはに分析」をリリースし、データサイエンスの応用範囲を拡大した。2025年9月にはメールチェックサービス「Mail Validator」を追加。一方で、2023年12月期以降は主要顧客の解約により売上が減少し、2024年12月期には売上高7億円、純損失3億円となった。2025年12月期は売上高8億円に回復したものの、依然として営業損失1.3億円を計上している。当社はプロダクト別の販売からドメイン(市場領域)単位のソリューション提供へ戦略を転換し、EC・金融領域でのシェア拡大を目指している。

年表18件を開く

2010年代

  • 2011年1月創業東京都千代田区神田において資本金2,400千円でかっこ株式会社を設立
  • 2011年11月決済コンサルティングサービスを開始
  • 2012年6月不正注文検知サービス「O-PLUX」をリリース
  • 2012年8月情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)認証取得
  • 2012年12月事業拡大に伴い、本社を東京都新宿区新宿に移転
  • 2014年3月事業拡大に伴い、本社を東京都港区元赤坂に移転
  • 2015年1月データサイエンスサービスを開始 プライバシーマーク認定取得
  • 2016年7月不正ログイン検知サービス「O-MOTION」をリリース
  • 2019年11月「第14回ニッポン新事業創出大賞 経済産業大臣賞」受賞「O-PLUX for トラベル」など業界特化型「O-PLUX」3サービスをリリース

2020年代

  • 2020年12月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場 上限額なしでクレジットカード不正被害を補償する「O-PLUX Premium Plus」をリリース 月額4,000円から利用可能な不正注文検知サービス「不正チェッカー」をリリース 株式会社エルテスとオンライン取引におけるセキュリティ領域で資本業務提携
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行
  • 2022年10月「第16回ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2022」社会業界特化系ASP・SaaS部門 総合グランプリ賞受賞
  • 2022年12月後払い決済導入パッケージ「SaaS型BNPLシステム」をリリース
  • 2023年2月バリュークリエーション株式会社とインターネット広告市場におけるアドフラウド対策領域で資本業務提携
  • 2023年6月フィッシング対策パッケージ「鉄壁PACK for フィッシング」をリリース
  • 2023年11月「第17回ASPICクラウドアワード2023」社会業界特化系ASP・SaaS部門 先端技術賞受賞
  • 2024年4月マーケティング支援サービス「いろはに分析」をリリース
  • 2024年9月メールチェックサービス「Mail Validator」をリリース

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    不正検知サービスの機能拡充とシェア拡大

    クレジットカードセキュリティガイドライン6.0版で必須化されたEMV3-Dセキュアや不正ログイン対策に対応し、ログイン検知から決済検知まで一気通貫の不正対策ソリューションを提供。決済承認率向上や金融領域向け機能拡充も図る。

  2. 02

    市場ドメイン単位のマーケティング・販売戦略

    プロダクト単位からEC・金融などの市場領域単位でのソリューション提供へ転換。ドメインごとに最適化した不正対策を提案し、新規顧客獲得を加速。潜在顧客への認知向上施策も強化する。

  3. 03

    業務提携・M&Aによる新規事業領域の構築

    既存事業の成長に加え、サイバーセキュリティやSaaS型サービスを中心にM&Aや業務提携を活用して事業ポートフォリオを拡充。クラウドセキュリティ、フィッシング対策など新領域へ進出し、収益基盤を多角化する。

  4. 04

    優秀な人材の確保と育成の強化

    中途・新卒採用を積極的に行い、即戦力と将来を担う人材を確保。社員の能力向上のための人材育成・開発を強化し、持続的成長を支える組織を構築する。

  5. 05

    内部管理体制の強化

    コンプライアンス体制の強化と内部統制の整備を通じ業務の標準化・効率化を図り、コーポレートガバナンスを充実させ企業価値の最大化に努める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 6期分

グループ全体で36人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は702万円で、5期前と比べて+15.6%平均年齢は36.9歳、平均勤続年数は6.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2020年12月60734.63.925
2021年12月64234.64.425
2022年12月64434.14.030
2023年12月66035.04.339
2024年12月67935.85.235−571
2025年12月70236.96.036−278

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率36.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)87.0%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都港区37百万円
主な関係会社
  • 国内
    リカバリー株式会社
    東京都渋谷区
    議決権38.5%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は8億円営業利益-1億円前期と比べると増収で、売上が+14.3%。

売上高
+14.3%
8億円
営業利益
-1億円
純利益
-1億円
営業利益率
-12.5%
前期比 +16.1%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高11億円8億円
営業利益-2億円-1億円
純利益-2億円-1億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は5億円、営業利益は−1億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+25.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q300.00
2023年2Q200.00
2023年3Q300.00
2023年4Q2−3
2024年1Q2−1−50.0−1
2024年2Q100.00
2024年4Q4−1−25.0−2
2025年2Q4−1−25.0−1
2025年4Q400.00
2026年2Q5−1−20.0−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 10期分

2016年12月期からの10期で、売上は5億円から8億円へ1.6倍に増えた。直近期の営業利益率は-12.5%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2016年12月5−1−2
2017年12月701
2018年12月711
2019年12月711
東京証券取引所マザーズに株式を上場 上限額なしでクレジットカード不正被害を補償する「O-PLUX Premium Plus」をリリース 月額4,000円から利用可能な不正注文検知サービス「不正チェッカー」をリリース 株式会社エルテスとオンライン取引におけるセキュリティ領域で資本業務提携
2020年12月811
2021年12月1021
2022年12月1121
2023年12月10−1−3
2024年12月7−2−3−28.6−3
2025年12月8−1−1−12.5−1

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高8億円のうち、営業利益として残るのは-1億円-12.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-1億円、売上の-12.5%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金25.0%2億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金87.5%7億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-12.5%-1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
75.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比20.9pt
-12.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比19.1pt
-12.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比30.9pt
-17.9%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-10.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-35.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2025年12月期は営業CFが−1億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−1億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は8億円で、売上の12.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2018年12月10015
2019年12月1−1106
2020年12月2−27013
2021年12月1−1−508
2022年12月3−10210
2023年12月0−11−19
2024年12月−200−27
2025年12月−101−18

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2025年12月期の総資産は10億円。このうち返さなくてよい自己資本が7億円で、自己資本比率は70.1%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2016年12月62441.1
2017年12月63349.9
2018年12月64259.7
2019年12月95454.9
2020年12月1811762.8
2021年12月1413189.6
2022年12月1514189.5
2023年12月1311283.4
2024年12月108281.2
2025年12月107370.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
8億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-1億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
3億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中215位あたり、逆に低いのはROE605社中582位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-17.9%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-12.5%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
70.1%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
14.3%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥630で、1年前と比べて-22.6%過去52週の値幅のなかでは1%の位置にある。

¥630-1.3%1ヶ月-0.5%1年-22.6%時価総額17億円
過去52週の値幅
安値¥624高値¥1,287

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR2.58倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は直近1カ月で3.52%下落し、8月19日に631円となった。25日線(647円)・75日線(662円)・200日線(709円)をすべて下回っており、全体的な下降トレンドが継続。52週高値1287円からは約51%下落し、52週安値624円にはわずか7円と接近している。RSIは37.25と弱気圏にあり、底値模索の展開が続く。出来高は直近で3500株と低調で、売買は盛り上がりを欠く。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PERが算出不能であり、PBR2.58倍は業界平均3.55倍より低いものの、ROEが-17.9%と大幅な赤字で企業価値の毀損が続く。配当も無配で株主への還元がなく、評価が難しい状態。売上高が縮小傾向にあり、営業赤字が続くことから、株価は資産価値に対して割高な水準にあると言える。業界平均との比較ではPBRが低いが、収益力の低さを考慮すると割高と判断する。

指標この会社業種平均
PBR2.58倍2.96倍
ROE-17.9%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

この銘柄の論点は、業績の悪化に歯止めがかかるかどうかである。売上高は減少基調で、赤字も継続しており、事業の存続自体が危ぶまれる。強気派は、早期の業績回復や、新規事業の立ち上げによる反転の可能性を期待する。また、時価総額が小さく、M&Aや事業再編のターゲットになる可能性もある。一方、弱気派は、明確な成長戦略が見えず、財務状況の悪化が続くことを指摘する。競争が激しい業界で、差別化要因が乏しい。今後の決算で売上の下げ止まりやコスト削減の効果が出るかが焦点。

プラスに働く材料7
  • 反転の可能性

    小規模ながら、新サービスや提携による事業転換のチャンスがある。

  • 資産価値

    時価総額17億円に対し、純資産が積み上がっていれば株価は割安。

  • 一時的な赤字

    2022年には黒字を記録しており、赤字は短期的な要因かもしれない。

  • 営業損益が前期の-1億円から黒字転換通年影響

    前期売上8億円、営業損失1億円。増収とコスト削減で1億円改善し収支均衡

  • 売上高が8億円から10億円へ25%回復通年影響

    前期8億円、前々期7億円と回復。10億円なら過去最高水準

  • 営業利益率が-12.5%から-5%へ改善2026年上期影響

    売上8億円で営業損失0.4億円と、前期の1億円赤字から0.6億円改善

  • 株価が1年で25%下落し、売られすぎ反発不定影響

    時価総額17億円。材料次第で需給が一変し、短期上昇の余地

マイナスに働く材料7
  • 売上減少

    売上高が2022年の11億円から2024年に7億円まで減少し、回復の兆しがない。

  • 赤字の継続

    2023年以降、赤字が続き、2025年も赤字予想。資金繰りが懸念。

  • 競争力の欠如

    同業他社と差別化できる独自性が見られない。

  • 累積損失で自己資本が6.6億円から大幅減少2027年〜2028年影響

    PBR2.58倍から自己資本約6.6億円。前期純損失1億円が続けば数年で枯渇

  • 売上高が再び7億円を下回り赤字拡大通年影響

    前期8億円、前々期7億円。7億円割れなら営業損失が1億円超に拡大

  • 追加減損等で純損失が2億円超へ決算発表後影響

    前期は営業損失1億円と純損失1億円。特別損失が加われば赤字幅は2倍

  • 運転資金調達のための増資リスク不定影響

    自己資本6.6億円と小さく、赤字継続なら増資の可能性が高まり希薄化

次の決算で確かめる点
売上高
売上の下げ止まりと反転が業績回復の前提条件。
営業損失
赤字幅が縮小しているか、拡大しているか。コスト削減効果を見る。
手元流動性
減収赤字が続くなか、運転資金が十分にあるか倒産リスクを測る。

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ2,189人。区分でいちばん多いのは個人・その他68.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が20.4%を占め、残る79.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他67.072.370.971.372.868.0
事業法人21.020.920.920.719.919.8
証券会社10.65.87.45.46.19.2
外国法人0.80.60.41.91.12.2
金融機関0.50.40.20.40.10.6
外国人個人0.00.00.10.20.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01Symbolキャピタル合同会社17.02
02岩井 裕之15.92
03中沢 雄太8.12
04亀山 誠7.61
05楽天証券株式会社2.42
06モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社2.09
07山本 裕治1.87
08田邉 友祐1.87
09JPモルガン証券株式会社1.79
10中山 勝史1.46

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 10期分

1株利益は10期で+81%、1株純資産は10期で−18%。直近期のROEは-17.9%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2016年12月−271315
2017年12月6438018.5
2018年12月3416124.0
2019年12月4921026.4
2020年12月5543715.995.9
2021年12月4648310.044.6
2022年12月385227.625.3
2023年12月−121402−26.2
2024年12月−94306−26.8
2025年12月−50257−17.9

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額72百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
岩井裕之代表取締役社長54900,600
関根健太郎専務取締役 執行役員 金融領域担当5116,000
成田武雄取締役 執行役員 EC領域担当5115,707
岡田知嗣取締役 執行役員 プロダクト担当5115,707
小川弦一郎取締役(監査等委員)75
中山寿英取締役(監査等委員)571,500
志村正之取締役(監査等委員)67
平山剛46

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)45545915
社外取締役413133

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,306字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、当社の有するデータサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」を展開しております。 特に、EC分野において、近年急増するオンライン決済での不正対策として、代金未払いとなり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型サービス「O-PLUX(オープラックス)」を主力製品とする「不正検知サービス」を展開しており、当社事業の中核サービスと位置づけております。 また、「不正検知サービス」とシナジー効果を発揮するサービスとして、クレジットカード等を用いずに、商品の受け取り後に支払いができるBNPLを提供するBNPL事業者に向けて、システム提供及びコンサルティングを行う「決済コンサルティングサービス」を展開しており、BNPLの審査エンジンとして「O-PLUX」をご利用いただくことで、ワンストップのサービスを提供しております。 加えて、「SaaS型アルゴリズム提供事業」をEC分野のみならず、小売・流通業や製造業をはじめとした様々な分野において展開するべく、マーケティングや生産効率向上等に資するアルゴリズムを開発・提供する「データサイエンスサービス」を展開しております。 当社が、SaaS型アルゴリズム提供事業において提供している各サービスの具体的な内容は、以下のとおりです。 なお、当社は、SaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。 (具体的なサービスの内容) (1) 不正検知サービス 当社は、当社の有するデータサイエンス及びセキュリティの技術・ノウハウをもとに、以下のとおり不正検知サービスを展開しております。 a.不正検知サービス「O-PLUX」 「O-PLUX」は、ECにおける注文データを分析することで、代金未回収となり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型の不正検知サービスです。当社の有するAI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術で独自の検知モデルを構築し、日本語独特の表記ゆれを名寄せする正規化機能(注1)や、注文のあった端末を特定するデバイス特定機能(注2)などの機能により、単純なブラックリスト照合や担当者の目視による審査ではなしえなかった検知精度を実現いたしました。また、購入時にパスワード入力等を求める本人認証サービスと違い、画面遷移なく審査可能なため、購入者の操作性・利便性を損ねることなく不正対策が可能です。「O-PLUX」は、これらの機能・性能をご評価いただき、日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1を獲得しております。(株式会社東京商工リサーチが実施した「ECサイト不正検知サービスに関する累計導入数調査」による。調査対象時点は2025年3月末日時点。) <EC事業者の不正対策> 近年、クレジットカード番号等の情報を盗まれ不正に使われる「番号盗用被害」が急増し、被害額は500億円以上(注4)、うち番号盗用が9割超を占めております。ECにおいて番号盗用等によるクレジットカードの不正利用が発生した場合、カード保有者からの取引取消申請(チャージバック)により売上が取り消され、発送済みの商品も回収が困難なため、EC事業者は売上と商品の二重損失を被ります。さらに、不正利用が継続する加盟店では決済承認率が低下し、正当な取引まで通りにくくなるリスクもあります。一方、本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)の導入だけでは、認証時の離脱(かご落ち)による売上機会の損失に加え、代金引換注文での受取拒否や後払い決済での未払い、アフィリエイト報酬を狙ったなりすまし注文等、クレジットカード不正以外の不正手口には対応が困難です。「O-PLUX」は、これらEC取引における様々な不正注文をリアルタイムに検知する不正対策ツールとして、EC事業者への導入が進んでおります。 b.不正ログイン検知サービス「O-MOTION」 「O-MOTION」は、会員サイト等において、本人になりすました不正なアクセスをリアルタイムに検知するSaaS型の不正ログイン検知サービスです。独自のデバイス情報・操作情報を駆使した不正判定により、User Agent(注3)、Cookie等を用いた従来型の検知では判別しきれなかった不正も判定・検知が可能です。その性能をご評価いただき、インターネットバンキングにおける不正送金や、2019年6月から施行されたいわゆる「チケット不正転売防止法」によって規制の対象となった不当なチケット買い占めによる高値転売の対策として、金融機関、大手チケットサイト等にご導入いただいております。 (2) 決済コンサルティングサービス 当社の決済コンサルティングサービスは、主にBNPLを提供するBNPL事業者に向けて、当社のBNPLに関するノウハウをもとに、決済システムの提供及びBNPL事業の立上げ・運用のコンサルティングを行っています。 BNPLは、購入者にとって利便性が高い一方、それを提供するBNPL事業者にとっては、代金未払い等の回収リスクが高く、高精度な審査が不可欠となるため、当社は、「決済コンサルティングサービス」の提供とともに、BNPLの審査エンジンとして「O-PLUX」をご利用いただくことで、BNPLの構築をワンストップで支援しております。 (3) データサイエンスサービス 当社のデータサイエンスサービスは、マーケティングや業務生産性などの課題に対し、企業が保有するビッグデータを、AI、統計学、数理最適化等データサイエンスにおける最適な技法を用いて分析し、アルゴリズムを開発・提供するサービスです。基礎集計フェーズ、解析フェーズ、システム構築フェーズなど、フェーズごとに料金を設定することにより、透明性の高いサービスを提供しております。本サービスの主な事例は以下のとおりとなります。 (a) アパレルメーカーの実店舗とECすべてを対象とした購買データをもとに、買い方別に顧客の特徴をクラスタリング(データを機能やカテゴリごとに分けて集めること)。月次での購買期待値順会員リスト生成と、クラスタ別の施策やコミュニケーション立案材料の提供。 (b) コールセンターの翌月の日・時間帯単位での需要を予測。現状の対応能力から、経営指標に応えられる応答率と、従業員の勤務希望、労働条件といった複数の制約を満たす人員配置計画を計算し、自動提供。 (当社のビジネスモデルについて) 当社の不正検知サービスにおける収益構造は、定額課金である月額料金及び審査件数に応じた従量課金である審査料金からなるストック収益と、初期導入料金等のスポット収益で構成されており、2025年12月期において、売上高全体に占めるストック収益の割合は、79.7%となります。 ストック収益の成長を実現するために、当社のデータサイエンスの技術による更なる精度向上に加え、国内製品・自社製品ならではのモニタリング・サポート体制を提供することで顧客価値向上を実現し、利用企業及び審査件数の増加、並びに高い継続率の維持の実現を目指してまいります。 (注)1.表記の異なる同一情報(例えば、「赤坂一丁目5番31号」と「赤坂1-5-31」)を一定のルールに基づいて変形し、表記を揃える機能のこと。 2.IPアドレス、cookie、言語設定等の端末に関する様々な情報や設定をもとに、注文のあった端末を特定する機能のこと。 3.ブラウザがWebサーバーに対して自動的に通知しているブラウザやOSの種類、バージョンなどの情報を組み合わせた識別子のこと。 4.一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」 (事業系統図) 当社の事業系統図は下図のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題4,326字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、当社の有するAI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援することを目指しております。 特に、不正検知サービスを中核サービスとして位置づけ、決済コンサルティングサービス及びデータサイエンスサービスとのシナジー効果を発揮することで持続的な成長を図り、セキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術で新しい価値を作り上げる会社として、企業価値の最大化を図ってまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための指標 当社は、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、不正検知サービスにおけるストック収益の金額を重要指標としております。 (3) 経営環境及び中長期的な経営戦略 消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、経済産業省による調査「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、2024年は前年比5.1%増の26.1兆円となり、依然として高い成長率を維持しております。また、EC化率(全ての商取引市場規模に対する電子商取引市場規模の割合)が前年比0.4ポイント増の9.78%となるなど、BtoC-EC市場は依然として着実な成長を続けております。 一方、クレジットカード番号等の情報を盗まれ不正に使われる「番号盗用被害」が急増している近年の状況を受 け、改正割賦販売法において、クレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じることが 義務化されました。また、その実務上の指針となる、「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版(クレジット取引セキュリティ対策協議会)」において、EC加盟店におけるEMV3-Dセキュアと不正ログイン対策の導入が必須となり、加えてカード情報保護対策及び不正利用対策が求められるなど、不正対策に対する社会的要請はますます高まっております。 こうした経営環境下において、当社は、以下の事項を中長期的な経営戦略として、事業推進してまいります。 ① 不正利用対策レギュレーションの強化と不正検知サービスの機能拡充 EC市場の継続的な成長に伴い、クレジットカード不正利用被害が高止まりするなか、2025年3月発行の「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版」ではEMV 3-Dセキュアの導入必須化に加え、不正ログイン対策の導入必須化が新たに規定されました。また、金融領域においても2025年初頭から大手ネット証券を中心に不正アクセス被害が急増し、金融庁による監督指針強化が進んでいます。こうした規制環境の変化を追い風に、当社の不正検知サービス「O-PLUX」および不正ログイン検知サービス「O-MOTION」へのニーズは一層高まっており、当社は以下の施策を通じて不正検知サービスのシェア拡大とサービス価値の向上を図ります。 (a) 「線の考え方」に基づく一貫した不正対策の推進 「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版」において、EMV 3-Dセキュアの導入に加え、不正ログイン対策が必須化されました。これにより、決済時のみならず「会員登録・ログイン」から「決済後」までを「線」として捉え、各タイミングにおいて適切な不正利用対策を講じることが重要となっています。当社は、ログイン検知から決済検知まで一気通貫で対応可能なソリューションを提供し、市場の規制対応ニーズに確実に応えてまいります。 (b) 顧客の売上最大化に資する機能拡充 EMV 3-Dセキュアの義務化に伴い、EC事業者においてカード会社による審査基準の厳格化を起因とした「決済承認率の低下」や、真正ユーザーの離脱を招く「カゴ落ち」が新たな課題となっています。当社は、カード会社との連携強化やリスクベース認証の適用を支援することで、不正を阻止するだけでなく承認率の向上を実現し、顧客の売上拡大に貢献してまいります。 (c) 金融領域における機能拡充とシェア拡大 大手金融機関を中心とした大規模な不正アクセス被害の急増を受け、金融機関におけるセキュリティ対策の重要性が高まっています。当社は、遠隔操作検知・危険国からのアクセス検知・外部DB連携といった金融特化機能の拡充を進めるとともに、口座開設審査からログイン・取引時までの入口から利用までをシームレスに対策可能な体制構築を支援してまいります。あわせて、内部管理体制の構築支援やデータサイエンスを活用したコンサルティングの提供を通じ、金融機関のセキュリティ対策パートナーとしてシェア拡大を目指してまいります。 ② 市場ドメイン単位のマーケティング・セールス戦略への転換 従来のプロダクト単位の販売戦略から、ドメイン(市場領域)単位でのソリューション提供へと転換することで、顧客獲得のスピードを加速します。特に、不正利用対策が求められるECや金融などのドメインにおいて、各プロダクトを統合したセキュリティ対策として展開し、引き続き以下の施策を実施します。 (a) プロダクト横断型のマーケティング強化 EC・金融・海外などのドメインごとに最適化された不正対策ソリューションの提供を通じて、企業ごとの課題に合わせた提案を実現し、新規顧客獲得を促進します。 (b) 潜在顧客層へのアプローチ強化 潜在顧客層に対する認知向上施策を強化し、「O-PLUX」および「O-MOTION」の導入拡大を図ります。特に、不正対策レギュレーションの強化を追い風として、EC加盟店における必須対応事項としての認知を深め、新規市場への浸透を加速します。 ③ 業務提携・M&Aを活用した新規事業領域の構築 当社は、既存事業の成長にとどまらず、新規事業領域の開拓を推進し、収益基盤の多角化を図ります。特に、業務提携・M&Aを活用しながら、サイバーセキュリティ・SaaS型サービスを中心に事業ポートフォリオを拡充し、以下の施策を実施します。 (a) 新規領域への参入と技術獲得 ・クラウドセキュリティ、フィッシング対策、エンドポイントセキュリティ領域への進出 ・データサイエンス技術を活用した新規SaaS型サービスの開発 ・業務提携やM&Aを通じた新技術・ノウハウの獲得 (b) 収益基盤の多角化とシナジー創出 ・既存のEC不正検知市場に依存せず、新たな事業領域を開拓 ・M&Aによる新規事業の早期収益化 ・獲得した技術・サービスを既存プロダクトと統合し、顧客価値を最大化 業務提携やM&Aを積極的に活用し、非連続的な成長を目指してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 不正検知サービスの売上高の拡大 主力の不正検知サービス「O-PLUX」を取り巻く市場環境におきましては、「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版」の適用開始により、EC事業者に求められるセキュリティ基準が高度化しております。同ガイドラインでは、EC加盟店に対し「EMV3-Dセキュア」の導入に加え、「適切な不正ログイン対策」および「脆弱性対策」の実施が新たに義務付けられました。これにより、EC事業者は従来の決済時点のみの防御から、ログインを含めた取引プロセス全体を網羅した「線の考え方」に基づく一貫した対策が不可避となっております。 こうした制度的な追い風を受け、当社は、ガイドラインで必須化された広範なセキュリティ要件をワンストップで満たすべく、不正ログイン等を検知する「O-MOTION」と不正注文・決済を検知する「O-PLUX」を連携させたシームレスなサービス展開を強化してまいります。これにより、不正対策およびコンプライアンス対応を急ぐ企業のニーズを的確に捉え、新規顧客の獲得を加速させてまいります。 また、営業戦略においては、顧客の属する市場ドメイン(業種・業態)ごとの課題に特化した「市場ドメイン単位」の組織体制へと転換を図りました。顧客ごとの状況に合わせた最適なソリューション提案を迅速に行うことで、新規顧客の獲得ならびに収益基盤の着実な拡大に努めてまいります。 ② サービス開発投資の促進 当社は、EC市場、セキュリティ市場及びデータサイエンス市場を主たる事業領域としておりますが、近年の技術革新や市場ニーズの変化等により、国内外における競合サービスとの競争が一段と激化してきております。こうした状況の中で、当社は、不正検知サービス「O-PLUX」、不正ログイン検知サービス「O-MOTION」などの当社サービスについて、機能の拡充及び強化を図るべく積極的にサービス開発投資を推進し、今後の成長性及び競争優位性の維持・向上に努めてまいります。 ③ アライアンス・M&Aの推進 当社は、既存事業の拡充、関連技術の獲得及び新規事業領域への進出を図るためには、アライアンス・M&Aの活用が有効であると考えております。当社は、当社とのシナジー効果並びに投資の効果及びリスクを見極めながら、アライアンス・M&Aを推進することによって、既存事業の更なる成長を図るとともに、事業領域の拡大及び新たな収益機会の獲得に努めてまいります。 ④ 優秀な人材の確保及び更なる社員の能力向上 当社の業容拡大に伴い、優秀な人材の確保及び更なる社員の能力向上が不可欠であると考えております。当社は、即戦力の人材確保を目的とした中途採用と将来を担う人材の確保及び組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行い、加えて、更なる社員の能力向上を目的とした人材育成・人材開発を強化することで、持続的な成長を支える組織の構築に取り組んでまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化 当社は、更なる事業拡大及び持続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化とともに、確固たる内部管理体制の構築を通じた業務の標準化・効率化を図ることが重要であると考えております。当社は、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。
事業等のリスク4,845字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 市場の動向について 当社の主たる事業領域であるEC市場、セキュリティ市場及びデータサイエンスの市場は、インターネット環境の整備、インターネットの利用拡大等を背景に市場規模の拡大を続けておりますが、当該市場を取り巻く新たな規制の導入や、その他予期せぬトラブル等により、市場の成長が鈍化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 技術革新への対応について 当社は、提供する各サービスの価値向上のために有効であると思われる新たな技術やノウハウを積極的に取り入れ、サービス機能の拡充及び強化を進めていく方針ですが、技術革新等への対応が遅れた場合や、予想外に開発費等の費用が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 競合について 当社は、EC市場、セキュリティ市場及びデータサイエンス市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、まだ発展途上の市場ではあるものの、今後多くの企業の参入が見込まれ、競合サービスが増加する可能性があります。そのため、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) プロジェクトの検収時期の変動あるいは収支の悪化について 当社事業の一部において、顧客の検収に基づき売上高を計上しております。そのため、当社はプロジェクトごとの進捗を管理し、計画どおりに売上高及び利益が計上できるように努めております。しかしながら、プロジェクトの進捗によって納期が変更され、検収時期が遅延し、計画どおりに売上を計上することができない場合があります。 特に、各四半期、年度末に予定されていた検収が翌四半期末や翌事業年度に遅れると、当該期間での当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) システム障害について 当社では情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得し、リスクマネジメントに努めておりますが、サービスの基盤をインターネットに依存しているため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、サーバー設備の強化や稼働状況の監視等により未然防止策を実施しております。 このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) AWSサーバー障害時について 当社の提供するサービスは、外部クラウドサーバー(Amazon Web Services、以下「AWS」という。)にてサービスを提供しており、AWSの安定的な稼働が当社の業務遂行上必要不可欠な事項となっております。AWSは、世界中に点在する複数の地理的リージョン(注1)及びアベイラビリティゾーン(注2)で運用されており、FISC安全対策基準(注3)を満たす安全性を備えておりますが、AWSの不備や人為的な破壊行為、自然災害等、当社の想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の逸失等を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社が社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 個人情報保護法による規制について 不正検知サービスにおいて、利用企業から受領している審査データは、利用企業におけるハッシュ化(注4)等の処理の結果、特定の個人が識別されることのない態様により受領しておりますが、当社は、当該データについて、個人情報保護法に定める個人情報と同等に取り扱うべく、規程や業務フローを制定し、情報管理体制を整備しております。併せて、役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの周知徹底及びルール遵守に対する意識向上を図るとともに、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得しております。 しかしながら、個人情報が当社の関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 法的規制について 当社は企業活動に関わる各種法令の規制を受けておりますが、当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす特有の法的規制は、本書提出日時点において存在しないと考えております。当社は、各種法令の規制を遵守するべく社内体制を整備・強化しておりますが、今後、既存法令等の改正や新たに当社の行う事業を規制する法的規制が適用されることとなった場合、また、不測の事態により、万が一、法的規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 特定の市場への依存について 2025年12月期における当社の売上高に占める不正検知サービスの売上高の割合は83.6%であり、また、それら取引先は主にEC事業者であることから、特定の市場への依存度が高い状況にあります。本書提出日現在において、EC市場は、将来の成長が見込まれておりますが、今後、予期しない環境の変化により、当該市場の成長に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 外注先の確保について 当社の事業においては、必要に応じて、システムの設計、構築等について協力会社に外注しております。 現状では、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、協力会社において技術力及び技術者数が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 特定人物への依存について 当社創業者である岩井裕之は、当社の大株主かつ代表取締役であり、当社の経営方針や事業戦略の立案及び決定における中核として重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。当社は権限移譲等を行うことで同氏に依存しない経営体制の整備に努めておりますが、現状、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 新規事業について 当社は今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んでまいりますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大及び成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 配当政策について 当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置づ けております。しかしながら、現状では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても将来の事業展開と経営体質の強化を目的に必要な内部留保を確保していくことを基本方針としております。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討してまいる方針ですが、本書提出日現在において配当実施の可能性及び、その実施時期につきましては未定であります。 (14) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク 当社は、役職員等の意欲や士気を高め、一層の収益拡大と体質強化を図ることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。本書提出日現在、新株予約権(権利行使期間の初日が到来していないものを除く。)による潜在株式数は113,073株であり、発行済株式総数2,732,655株の4.1%に相当します。今後これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。 (15) 税務上の繰越欠損金について 当社は、2025年12月期末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。今後、当社の業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (16) 人材の確保・育成について 当社は、経営に不可欠な資源は「ヒト」であり、優秀な人材を確保し従業員満足度を上げることで、社員が最大限の力を発揮できると考えており、適材適所の配置、市場環境に対応できる能力を獲得させるための教育、社内コミュニケーションの円滑化などに努めております。しかしながら、当社が人材の確保、活用、育成強化に十分対応できない事象が発生した場合、経営判断、成長力や競争力が影響を受ける可能性があります。 (17) 知的財産権に関するリスク 当社は、第三者の特許権及び商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があることから、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、又はロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (18) 小規模組織について 当社は、2025年12月31日現在において、取締役7名、従業員36名と小規模な組織となっており、内部管理体制もこれに応じたものとなっております。当社は、今後の事業規模の拡大に応じて、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注)1.地理的に独立したサーバーの設置エリアのこと。各リージョン同士は完全に独立しているため、1つのリージョンで障害が発生しても他のリージョンには影響が出ない設計となっている。 2.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のこと。 3.金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のこと。 4.元のデータから一定の計算手順に従ってハッシュ値と呼ばれる規則性のない固定長の値を求め、その値によって元のデータを置き換えること。
経営成績の分析 (MD&A)4,703字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産は876,137千円となり、前事業年度末に比べ12,775千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が27,818千円増加したことによるものであります。固定資産は126,212千円となり、前事業年度末に比べ35,699千円減少いたしました。これは主にソフトウエアが34,714千円減少したことによるものであります。 この結果、総資産は1,002,350千円となり、前事業年度末に比べ22,924千円減少いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は221,051千円となり、前事業年度末に比べ95,910千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が94,542千円増加したことによるものであります。固定負債は78,779千円となり、前事業年度末に比べ10,817千円増加いたしました。これは主に長期借入金が9,971千円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は299,831千円となり、前事業年度末に比べ106,727千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は702,519千円となり、前事業年度末に比べ129,652千円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上により利益剰余金が137,687千円減少したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は70.1%(前事業年度末は81.2%)となりました。 ②経営成績の状況 当事業年度(2025年1月1日~2025年12月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策により回復を下支えする期待はあるものの、各国の通商政策等による景気の下振れリスクや、物価上昇が消費者マインドの下振れ等を通じて消費に影響を及ぼすリスクがあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、経済産業省による調査「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、2024年は前年比5.1%増の26.1兆円となり、依然として高い成長率を維持しております。また、EC化率(全ての商取引市場規模に対する電子商取引市場規模の割合)が前年比0.4ポイント増の9.78%となるなど、BtoC-EC市場は依然として着実な成長を続けております。 一方、クレジットカード番号等の情報を盗まれ不正に使われる「番号盗用被害」が急増している近年の状況を受 け、改正割賦販売法において、クレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じることが 義務化されました。また、その実務上の指針となる、「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版(クレジット取引セキュリティ対策協議会)」において、EC加盟店におけるEMV3-Dセキュアと不正ログイン対策の導入が必須となり、加えてカード情報保護対策及び不正利用対策が求められるなど、不正対策に対する社会的要請はますます高まっております。 このような事業環境のもとで、当社は「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、当社の有するセキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」を展開してまいりました。 不正検知サービスにおいては、当事業年度より、従来の不正検知サービス「O-PLUX」や不正ログイン検知サービス「O-MOTION」などプロダクト単体での販売戦略から、ECや金融などのドメイン(市場領域)ごとに最適化された不正対策ソリューションの提供へと戦略を転換いたしました。主力サービスである「O-PLUX」と「O-MOTION」を組み合わせた包括的な不正対策提案を強化するとともに、不正ログイン審査のモバイルアプリ対応を実現し、主にEC領域や金融領域の市場ニーズに応えてまいりました。また、顧客の導入負荷軽減を目的に、追加機能開発およびECパッケージやショッピングカート事業者とのシステム連携を推進しております。その結果、当事業年度の不正検知サービスのストック収益額(定額課金である月額料金と審査件数に応じた従量課金である審査料金の合計額。)は652,736千円(前年同期比25.3%増)となりました。 決済コンサルティングサービスにおいては、SaaS型BNPLシステムの受注獲得に努め、また、データサイエンスサービスにおいては、データ分析案件の受注獲得に努めました。 以上の結果、当事業年度の売上高は819,443千円(前年同期比11.6%増)、営業損失△133,365千円(前年同期は営業損失△244,513千円)、経常損失△137,157千円(前年同期は経常損失△254,501千円)、当期純損失△137,687千円(前年同期は当期純損失△255,031千円)となりました。前々事業年度に生じた主要取引先の解約による売上高の減少が響き、継続して営業損失及び当期純損失を計上しております。加えて、翌期につきましても引き続き営業損失を計上する見込みです。当社といたしましては、上述のターゲット市場別のアプローチによる新規顧客の獲得を推進し、早期の黒字化に向けた収益基盤の再構築に注力いたします。さらに、既存の事業領域にとどまらず、新たな市場獲得に向けた業務提携やM&Aを積極的に活用し、非連続的な成長を目指してまいります。 なお、当社はSaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ27,818千円増加し、762,439千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により支出した資金は、73,855千円(前事業年度は198,732千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失137,157千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は、2,839千円(前事業年度は2,061千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出2,839千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により得られた資金は、104,513千円(前事業年度は5,677千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入120,000千円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績 (a) 生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 (b) 受注実績 当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 (c) 販売実績 当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社はSaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載をしております。 サービスの名称   当事業年度 (自 2025年1月1日  至 2025年12月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) 不正検知サービス   685,223   123.99 決済コンサルティングサービス   50,968   56.08 データサイエンスサービス   57,786   105.53 その他   25,465   71.24 合計   819,443   111.64 (注)1.当事業度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、決済コンサルティングサービスにおいて、取引停止があったこと等によるものであります。 2.主な販売先については、総販売実績の100分の10以上の販売先がないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積による不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社は、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 当社の資金需要のうち主なものは、システム運用に係る原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、システム開発への投資によるものであります。 これらの資金は、自己資金、金融機関からの借入、新株発行等により資金調達していくことを基本としておりますが、財政状態を勘案しつつ、資金使途及び需要額に応じて、柔軟に検討を行う予定であります。 なお、当事業年度における借入金等の有利子負債の残高は186,648千円となっております。また、当事業年度における現金及び現金同等物の残高は762,439千円となっております。 ⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標として、不正検知サービスのストック収益の金額を重要な経営指標と位置づけております。 2023年12月期   2024年12月期   2025年12月期 不正検知サービスのストック収益(千円)   705,497   520,790   652,736

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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