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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

電通グループ

DENTSU GROUP INC.4324 · Prime · サービス業

世界最大級の広告代理店グループ。日本・米州・EMEA・APACの4地域で、クリエイティブ・メディア・データマーケティング等の総合コミュニケーションサービスを提供。

概要

電通グループは、1901年に日本広告株式会社として創業した広告業界最大手の持株会社である。2025年12月期の連結収益は1兆4,352億円、従業員数は約6万7千人。日本、米州、欧州中東アフリカ、アジア太平洋の4地域で、メディア・クリエイティブ・データマーケティングなどの統合コミュニケーションサービスを提供する。2020年に純粋持株会社体制へ移行し、現在は構造改革の途上にある。

4地域で広がる事業の傘

電通グループは、日本、Americas(米州)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、APAC(アジア太平洋)の4セグメントで構成される。日本は売上総利益の約4割を占め、電通を中心に電通デジタル、電通ライブ、CARTA HOLDINGS、セプテーニ・ホールディングスなどを擁する。AmericasではDentsu Creative、Carat、iProspect、Merkleなどのブランドが活動し、EMEAではTagやDentsu France、APACではDentsu ShanghaiやDentsu Asiaが拠点となる。2025年12月期の売上総利益は日本が4,955億円、Americasが3,157億円、EMEAが2,719億円、APACが1,072億円であった。

営業損失が続く収益構造の課題

2023年12月期以降、電通グループは営業損失を計上している。2024年12月期は営業損失1,250億円、2025年12月期は2,892億円に拡大した。主因は海外事業でののれん減損損失であり、2025年度には3,960億円超の減損を計上した。調整後営業利益ベースでは2025年12月期に1,725億円(マージン14.4%)と黒字だが、過去の大型買収(Aegis Group plc買収やMerkle買収)ののれんが重荷となっている。中期経営計画では不振事業の見直しとコスト削減を掲げ、2027年度に年間500億円のコスト削減を目指す。

株主還元の停止と資本効率の重視

業績悪化を受け、電通グループは2025年度の期末配当を無配とし、2026年度の年間配当予想も無配とした。これまでに2024年度も無配を実施しており、株主還元は中断している。経営方針では、資本効率を重視した財務運営を掲げ、不振ビジネスの縮小・撤退や法人の統廃合を進める。海外事業では2021年1月時点で1,000以上あった法人を2026年1月時点で半数に削減した。収益回復が最優先課題であり、買収は厳格なリスク管理のもとで選択的に行うとしている。

業界の中での役割は総合広告代理店・マーケティングサービス企業にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.4兆円
営業利益
-2,892億円
営業利益率
-20.2%
純利益
-3,276億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01日本向けコミュニケーションサービス主力

日本国内で、電通グループ各社が広告・マーケティング・デジタル・プロモーション・ライブイベント等の総合コミュニケーションサービスを提供。クライアント企業のブランド戦略・メディアプランニング・クリエイティブ制作・デジタルマーケティングをワンストップで手掛ける。

主な製品・サービス4
総合広告代理店サービス
テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・デジタル広告の企画・制作・媒体取扱い。
デジタルマーケティング
検索エンジン・ソーシャルメディア・プログラムmatic広告等を活用したマーケティングソリューション。
プロモーション・ライブ
イベント・展示会・店頭プロモーション・スポーツマーケティング等の企画運営。
コンテンツ・エンターテインメント
映画・テレビ番組・Web動画などのコンテンツ企画・制作・配給。

02Americas向けコミュニケーションサービス準主力

米州地域で、Dentsu Creative、Carat、iProspect等のブランドを通じて、クリエイティブ・メディア・デジタル・データマーケティングサービスを提供。

主な製品・サービス3
メディアエージェンシーサービス
Carat、iProspect等によるメディアプランニング・バイイング・パフォーマンスマーケティング。
クリエイティブサービス
Dentsu Creativeによる広告クリエイティブ・ブランド戦略・デザイン。
データマーケティング
MerkleによるCRM・データ解析・顧客エンゲージメント。

03EMEA向けコミュニケーションサービス準主力

欧州・中東・アフリカ地域で、Tag、Dentsu France等のグループ会社を通じて、広告・メディア・テクノロジーサービスを展開。

主な製品・サービス2
メディア・デジタルサービス
Group Carat、Merkle Switzerland等によるメディアプランニング・デジタルマーケティング。
プロダクション・テクノロジー
Tagによるクリエイティブプロダクション・コンテンツ管理・テクノロジーソリューション。

04APAC向けコミュニケーションサービス準主力

アジア太平洋地域で、Dentsu Shanghai、Dentsu Asia、Dentsu Australia等を通じて、広告・メディア・デジタルサービスを提供。中国・インド・東南アジア・豪州等で事業展開。

主な製品・サービス2
広告・メディアサービス
現地法人によるテレビ・デジタル・OOH広告の企画・媒体取扱い。
デジタル・データサービス
データドリブンマーケティング・パフォーマンス広告の運用。

製品と技術

テレビ・デジタル・雑誌を横断する総合広告代理店サービス

日本事業の中核は、テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・デジタル広告の企画・制作・媒体取扱いである。電通は長年にわたり日本の広告業界で最大のシェアを持ち、クライアントのブランド戦略からメディアプランニング、クリエイティブ制作までワンストップで提供する。デジタル分野では、検索エンジンやソーシャルメディア、プログラマティック広告を活用したマーケティングソリューションを展開。2025年度には日本事業の売上総利益が4,955億円に達し、グループ全体の収益を支えている。

Carat・iProspectが担うメディアエージェンシーサービス

海外事業のメディアエージェンシーサービスは、Carat、iProspectなどのブランドを通じて提供される。メディアプランニング・バイイングに加え、パフォーマンスマーケティングを強みとし、データ分析に基づいた広告効果の最適化を行う。特に米州ではCarat USA, Inc.、iProspect.com, Inc.が主要拠点であり、2025年12月期のAmericas売上総利益は3,157億円。海外3地域の売上総利益の過半をメディア事業が占め、グループの規模を支える。

Merkleが担うデータマーケティングとCRM

Merkle Group, Inc.は、CRM(顧客関係管理)・データ解析・顧客エンゲージメントを専門とする。2016年に買収され、2020年に完全子会社化。電通グループのデータマーケティングの中核を担い、クライアントの顧客データを活用したパーソナライズド・マーケティングを提供する。MerkleはAmericasに加え、EMEAでもMerkle Switzerland AGとして事業を展開。ただし、2025年度には米国のCXM事業が減収となっており、業績回復が課題とされている。

Tagのクリエイティブプロダクションとテクノロジー

2023年3月、電通グループは英国のTag Worldwide Holdings Ltd.を買収し完全子会社化した。Tagはクリエイティブプロダクション、コンテンツ管理、テクノロジーソリューションを提供する。EMEA地域を中心に、広告クリエイティブの制作・運用・最適化を手掛け、グループのプロダクション能力を補完する。2025年12月期のEMEA売上総利益は2,719億円だが、調整後営業利益は12.0%減と減少しており、コスト管理が課題である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

広告業界で国内首位、海外依存強く成長

広告サービス業界において、当社は国内市場で最大手の位置を占め、国内広告市場の成長を牽引している。一方、ライバルであるジンジブやイシンなどは規模が小さく、特定のニッチ分野に特化している。当社の強みは、グローバルなネットワークとデジタル広告の先進性にあり、特に海外市場での売上比率が高いことが特徴だ。最近の業績では、売上高は増加傾向にあるものの、営業利益率は悪化しており、コスト管理や収益性の改善が課題となっている。業界構造としては、デジタルシフトと国際競争の激化が進む中、当社はスケールメリットを活かした総合的なサービス提供で優位性を確保している。

強み

  • 国内広告市場で最大手として、圧倒的なブランド力と顧客基盤を有する。
  • 海外市場での売上比率が高く、国際的な広告需要を取り込む体制が整う。
  • デジタル広告分野に強みを持ち、変化する市場ニーズに柔軟に対応する。
  • 広告からマーケティングまで幅広いサービスをワンストップで提供可能。

課題

  • 直近の営業損益が赤字であり、収益性の改善が急務となっている。
  • 人件費やテクノロジー投資などコストが増加し、利益を圧迫している。
  • デジタル分野での新興企業やグローバル競合との競争が激しくなっている。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

メディア・エンタメの時価総額近傍。太字が電通グループ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(メディア・エンタメ)に従っています。

会社の歴史

沿革 39件

通信社と広告代理店の二重創業(1901年~1936年)

1901年7月、光永星郎が資本金10万円で日本広告株式会社を設立。同年11月には社屋内に電報通信社を併設し、通信業務も開始した。1906年12月に株式会社日本電報通信社を設立し、1907年8月には日本広告株式会社を合併、資本金26万円となった。1936年6月、通信統制により社団法人同盟通信社が設立され、当社の通信部は合併される一方、聯合通信社の広告部を吸収した。この結果、資本金は200万円に増資され、広告取扱いを主業務とする会社となった。

商号変更と国内拠点の拡充(1955年~1997年)

1955年7月、商号を株式会社電通に変更。1975年12月には株式会社電通国際情報サービスを設立し、情報サービス分野に進出した。1994年12月には地域電通として株式会社電通東日本、電通西日本、電通九州、電通北海道の4社を設立し、国内の地域ネットワークを強化。1997年9月に資本金55億2,960万円に増資した後、同年11月には549億2,960万円に大幅増資し、財務基盤を拡充した。この間、築地への本店移転(1967年)や東新橋への移転(2002年)も行われた。

株式上場とAegis Group買収による国際化(2001年~2013年)

2001年11月、電通は東京証券取引所市場第一部に上場。資本金は589億6,710万円となった。2004年5月と2009年1月に株式分割を実施し、流動性を高めた。2013年3月、英国のAegis Group plcをスキーム・オブ・アレンジメントにより完全子会社化し、Dentsu Aegis Network Ltd.に商号変更。これにより欧州・米州でのプレゼンスが飛躍的に拡大し、資本金も746億981万円に増資された。この買収は、デジタル・メディア分野でのグローバル展開を加速させる画期的な出来事となった。

Merkle買収と持株会社体制への移行(2016年~2020年)

2016年9月、米国のデータマーケティング企業Merkle Group Inc.を買収。さらに2020年4月には完全子会社化し、CRM・データ解析領域を強化した。2019年1月にはCARTA HOLDINGSを株式交換で子会社化。2020年1月、純粋持株会社体制に移行し、商号を株式会社電通グループに変更。同時に会社分割により広告事業を新設の株式会社電通に承継させた。同年9月、Dentsu Aegis NetworkをDentsu International Limitedに商号変更し、グループの組織再編を進めた。

赤字転落と構造改革の開始(2023年~2025年)

2023年12月期、電通グループは最終利益が▲107億円と赤字に転落。2024年12月期は営業損失1,250億円、最終損失1,922億円と赤字幅が拡大した。2025年2月に中期経営計画を発表し、不振ビジネスの見直し、経営基盤の再構築、株主価値重視の財務方針を掲げた。2025年12月期も営業損失2,892億円、最終損失3,276億円と大幅な赤字が続く。減損損失の計上が主因であり、日本事業は堅調だが海外事業の回復が課題となっている。

年表39件を開く

1900年代

  • 1901年7月創業光永星郎が資本金10万円で日本広告株式会社を設立。
  • 1901年11月日本広告株式会社社屋内に電報通信社を併設し、通信社としての業務を開始。
  • 1906年12月創業株式会社日本電報通信社を設立し、同時に、旧電報通信社の事務を継承。
  • 1907年8月M&A株式会社日本電報通信社に日本広告株式会社を合併、同時に資本金を26万円に増資。

1930年代

  • 1936年6月創業通信統制による社団法人同盟通信社の設立に伴い当社通信部はこれに合併され、当社は同盟通信社の前身である聯合通信社の広告部を吸収し、同時に、資本金を200万円に増資、広告取扱いを主な業務とするに至る。

1950年代

  • 1955年7月商号変更商号を株式会社電通に変更。

1960年代

  • 1967年7月東京都中央区築地一丁目11番10号に本店移転。

1970年代

  • 1973年10月資本金を11億5,200万円に増資。
  • 1975年12月創業株式会社電通国際情報サービスを設立。

1980年代

  • 1984年12月資本金を23億400万円に増資。

1990年代

  • 1991年10月資本金を46億800万円に増資。
  • 1994年12月M&A地域電通(株式会社電通東日本、株式会社電通西日本、株式会社電通九州、株式会社電通北海道〔いずれも現・連結子会社〕、株式会社電通東北〔2003年7月1日付で株式会社電通東日本との合併により消滅〕)を設立。
  • 1995年7月M&A電通恒産株式会社と他の子会社2社を合併し、株式会社電通恒産サービス(2010年7月1日付で株式会社電通ワークスに社名変更、2022年1月1日付で株式会社電通コーポレートワンとの合併により消滅)を発足。
  • 1996年4月M&A株式会社電通アクティス(東京)と他の子会社3社を合併し、株式会社電通テックを発足。
  • 1997年9月資本金を55億2,960万円に増資。
  • 1997年11月資本金を549億2,960万円に増資。

2000年代

  • 2000年11月上場株式会社電通国際情報サービスが東京証券取引所市場第一部に上場。
  • 2001年11月上場東京証券取引所市場第一部に上場、資本金を589億6,710万円に増資。
  • 2002年11月東京都港区東新橋一丁目8番1号に本店移転。
  • 2004年5月株式分割を実施(普通株式1:2)。
  • 2009年1月株券の電子化に伴い株式分割を実施(普通株式1:100)。

2010年代

  • 2013年3月M&A英国法上の買収手続きであるスキーム・オブ・アレンジメントに基づき、英国のAegis Group plc(同日付でDentsu Aegis Network Ltd.に商号変更)の全発行済株式を取得し、同社を完全子会社化。
  • 2013年7月資本金を712億470万円に増資。
  • 2013年8月資本金を746億981万円に増資。
  • 2016年3月監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行。
  • 2016年7月株式会社電通デジタル(現・連結子会社)を設立。
  • 2016年9月M&A米国のMerkle Group Inc.を買収。
  • 2017年1月プロモーション領域を再編し、株式会社電通テックを株式会社電通ライブ(現・連結子会社)に改組改称し、新たに株式会社電通テックを設立。
  • 2019年1月M&A株式会社CARTA HOLDINGS(同日に株式会社VOYAGE GROUPから商号を変更)を株式交換により子会社化。

2020年代

  • 2020年1月商号変更純粋持株会社体制に移行し、株式会社電通グループに商号変更。同時に会社分割により広告事業を株式会社電通承継準備会社に承継させ、同社を株式会社電通に商号変更。
  • 2020年4月M&A米国のMerkle Group Inc.を完全子会社化。
  • 2020年9月商号変更Dentsu Aegis Network Ltd.をDentsu International Limited(現・連結子会社)に商号変更。
  • 2022年1月電通ジャパンネットワークのコーポレート機能を担う新会社(株式会社電通コーポレートワン)の事業開始。
  • 2022年1月M&A株式会社セプテーニ・ホールディングスの株式を追加取得し、同社を連結子会社化。
  • 2022年4月商号変更株式会社電通テックを株式会社電通プロモーションプラスに商号変更。
  • 2023年3月監査等委員会設置会社から指名委員会等設置会社に移行。
  • 2023年3月M&A英国のTag Worldwide Holdings Ltd.を買収により完全子会社化。
  • 2024年1月商号変更株式会社電通国際情報サービスを株式会社電通総研(現・連結子会社)に商号変更。
  • 2026年1月M&A株式会社電通プロモーションプラスと他のグループ3社を統合し、株式会社電通プロモーション(現・連結子会社)に商号変更。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 赤字マーケットゼロ(黒字化)2026年度まで赤字マーケットゼロ
  • 年間コスト削減額(累積)2027年度まで年間500億円規模
  • 法人削減数(海外事業)2026年1月時点で半減、2026年度も継続まで1,000から半減(500程度)
  • キャッシュ創出(コスト削減見込)年間約140億円(2025年度)、追加約280億円(2026年度)

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    不振ビジネスの見直しと赤字マーケットゼロ

    累計投下資本100億円超で赤字が続くマーケットの見直しを継続。中国・オーストラリアを黒字化し、2026年度に赤字マーケットゼロを目指す。縮小・撤退・売却も並行して進める。

  2. 02

    年間500億円規模のコスト削減

    本部機能の見直し、業務簡素化、AI活用など750件の施策を展開。2025年度に約140億円、2026年度に追加約280億円の削減を見込み、2027年度に年間500億円削減を目標とする。法人も2021年から半減、2026年度も継続。

  3. 03

    日本・米国への集中投資とグローバル成長

    売上総利益の約4割を占める日本で堅調な成長を継続。米国はメディアをコアにデータ・テクノロジー投資を進め、CXM事業は2026年度に2022年度以来のプラス成長へ回帰を予想。各市場の成功を積み上げてグローバル成長を実現する。

  4. 04

    株主価値向上と復配に向けた財務規律

    減損損失の影響を踏まえ、財務健全性を重視。内部投資を優先し、買収は厳格に選別。EPS向上とTSR最大化を図り、将来的な復配を目指す。2025年度・2026年度は無配。

  5. 05

    ガバナンス・内部統制の向上

    One dentsuモデル運用に向け、グループ横断ガバナンスの構築、地域ごとの監督強化、責任明確化を推進。東京五輪に関する独禁法違反の再発防止策を完了し、新たな課題対応を実施。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で67,454人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,596万円で、9期前と比べて+36.6%平均年齢は45.0歳、平均勤続年数は14.3年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2016年12月55,843
2017年12月60,064
2018年12月62,608
2019年12月1,16940.913.866,400
2020年12月1,34246.417.364,533
2021年12月1,29545.716.964,832
2022年12月1,52044.014.769,066
2023年12月1,58945.416.971,127
2024年12月1,50844.914.168,102−184
2025年12月1,59645.014.367,454−429

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率21.7%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)79.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社59(国内 30 / 海外 29、うち連結子会社 30) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位5)
本社(注)1 — 東京都港区324億円
日本
本社他 — 米国 デラウェア他280億円
Americas
本社他 — フランス パリ他242億円
EMEA
本社他 — オーストラリア クレモルネ他228億円
APAC
本社他 — 英国 ロンドン他7,196百万円
全社
主な関係会社
  • 国内
    ㈱電通(注)4,6
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通東日本
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通西日本
    大阪市北区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通九州
    福岡市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通ランウェイ
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通名鉄コミュニケーションズ
    愛知県名古屋市 · 連結子会社
    議決権50.0%
  • 国内
    ㈱電通アドギア
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権66.7%
  • 国内
    ㈱電通デジタル
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通ライブ(注)7
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱電通プロモーションプラス(注)8
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱CARTA HOLDINGS (注)9
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権54.6%
  • 国内
    ㈱ セプテーニ・ホールディングス(注)3,4
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権52.5%
残りのグループ会社47社を開く
  • ㈱電通総研(注)3,4東京都港区62%
  • ㈱電通コーポレートワン(注)4東京都港区100%
  • Dentsu Creative Advertising, LLC (注)4アメリカ合衆国 ニューヨーク100%
  • Dentsu Creative, LLC (注)4アメリカ合衆国 デラウェア100%
  • Dentsu International Americas, LLC (注)4アメリカ合衆国 デラウェア100%
  • Carat USA, Inc.アメリカ合衆国 カリフォルニア100%
  • iProspect.com, Inc.アメリカ合衆国 マサチューセッツ100%
  • Dentsu US, Inc. (注)4アメリカ合衆国 ニュージャージー100%
  • Portman Square Acquisition Co. (注)5アメリカ合衆国 デラウェア100%
  • Vizeum, LLCアメリカ合衆国 デラウェア100%
  • Gyro, LLC (注)4アメリカ合衆国 デラウェア100%
  • Merkle Group, Inc.アメリカ合衆国 メリーランド100%
  • Agenciaclick Midia Interativa Ltda. (注)4ブラジル サンパウロ100%
  • Dentsu Brasil Holdings Ltda.ブラジル サンパウロ100%
  • Tag Worldwide Holdings Limited英国 ロンドン100%
  • TAG EUROPE LIMITED (注)5英国 ロンドン100%
  • Dentsu Aegis Network Central Europe GmbHドイツ連邦共和国 フランクフルト100%
  • Dentsu Aegis Network Central Europe Holding GmbH (注)5ドイツ連邦共和国 フランクフルト100%
  • Dentsu France (注)4,5フランス共和国 パリ100%
  • Aegis Finance (注)4フランス共和国 パリ100%
  • Dentsu Spain, S.L.U. (注)4スペイン マドリッド100%
  • Aegis International Holding Company B.V.オランダ王国 アムステルダム100%
  • Group Carat (Nederland) B.V. (注)4オランダ王国 アムステルダム100%
  • Merkle Switzerland AG (注)5スイス連邦 チューリッヒ100%
  • Dentsu (Shanghai) Investment Co., Ltd. (注)4中国 上海100%
  • 北京電通廣告有限公司中国 北京100%
  • Dentsu Asia Pte. Ltd. (注)4シンガポール シンガポール100%
  • Dentsu Asia Pacific Pte. Ltd. (注)5シンガポール シンガポール100%
  • Dentsu Asia Pacific Holdings Pte. Ltd. (注)4シンガポール シンガポール100%
  • Dentsu Singapore Holdings Pte. Ltd. (注)4シンガポール シンガポール100%
  • Dentsu Aegis Network India Private Limited (注)4インド ムンバイ100%
  • Dentsu Australia Holdings Pty Ltd (注)4オーストラリア連邦クレモルネ100%
  • Dentsu International Australia Pty Ltd (注)4オーストラリア連邦クレモルネ100%
  • Dentsu Corporate Services Pty Ltd (注)4オーストラリア連邦クレモルネ100%
  • Dentsu International Limited (注)4英国 ロンドン100%
  • Dentsu International Holdings Limited (注)4英国 ロンドン100%
  • Dentsu International Group Participations Limited (注)4,5英国 ロンドン100%
  • Dentsu International Triton Limited英国 ロンドン100%
  • Dentsu International Treasury Limited英国 ロンドン100%
  • Dentsu International GPS Holdings Limited英国 ロンドン100%
  • Dentsu International Finance英国 ロンドン100%
  • Portman Square US Holdings Limited (注)4英国 ロンドン100%
  • Dentsu International Regents Place Finance Limited英国 ロンドン100%
  • その他629社
  • ㈱ビデオリサーチ東京都千代田区34%
  • ㈱D2C東京都港区46%
  • その他65社
国際子会社 (GLEIF登録 18社)
  • USV2, LLC
  • USDENTSU CREATIVE, LLC
  • NODENTSU NORGE AS
  • CZMERKLE TECHNOLOGIES S.R.O.
  • DEMERKLE GERMANY GMBH
  • USDENTSU SPORTS AMERICA, INC.
  • CHMERKLE SWITZERLAND AG
  • NZDENTSU AOTEAROA LIMITED
  • SGDENTSU ASIA PACIFIC PTE. LTD.
  • USDENTSU INTERNATIONAL AMERICAS, LLC
  • GBDENTSU INTERNATIONAL LIMITED
  • NLGROUP CARAT (NEDERLAND) B.V.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等
    内閣府 · 2016-03-15
    15.8億円
  • 調達
    年間広報媒体の調達業務
    内閣府 · 2020-03-23
    10.4億円
  • 調達
    幼児教育・保育の無償化に係る広報等業務
    内閣府 · 2019-06-05
    7.6億円
  • 調達
    水素社会構築技術開発事業総合調査研究水素社会実現に向けた情報発信に関する調査研究
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-06-15
    6億円
  • 調達
    令和元年度取引条件改善及び消費税転嫁対策施策周知事業
    経済産業省 · 2019-06-19
    4.9億円
  • 調達
    2700490052地域の創意工夫による地域経済活性化に資する放送コンテンツ海外展開モデル事業の運営の請負
    総務省 · 2015-06-19
    4.2億円
  • 調達
    国債広告の企画・制作及び実施委託 一式
    財務省 · 2016-03-17
    4.1億円
  • 調達
    SNSを活用した国際広報の実施業務
    内閣府 · 2021-04-12
    3.7億円
  • 調達
    令和7年度新聞記事下広告、新聞社ニュースサイト広告、雑誌広告等実施業務
    内閣府 · 2025-03-25
    3.1億円
  • 調達
    沖縄における国際会議の企画・運営支援業務
    内閣府 · 2015-06-03
    2.7億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は1.4兆円営業利益-2,892億円前期と比べると増収で、売上が+1.7%。

売上高
+1.7%
1.4兆円
営業利益
-2,892億円
純利益
-3,276億円
営業利益率
-20.2%
前期比 -11.3%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高1.5兆円1.4兆円
営業利益1,526億円-2,892億円
純利益697億円-3,276億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は7,174億円、営業利益は839億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+4.9%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q3,0522588.5119
2023年2Q2,981−43−1.434
2023年3Q3,3162698.167
2023年4Q3,697−327
2024年1Q3,3291454.456
2024年2Q3,4801123.20
2024年4Q7,301−1,507−20.6−1,978
2025年2Q6,839−365−5.3−736
2025年4Q7,513−2,527−33.6−2,540
2026年2Q7,17483911.7463

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.9兆円から1.4兆円へ74%に減った。直近期の営業利益率は-20.2%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
英国法上の買収手続きであるスキーム・オブ・アレンジメントに基づき、英国のAegis Group plc(同日付でDentsu Aegis Network Ltd.に商号変更)の全発行済株式を取得し、同社を完全子会社化。
2013年3月1.94590363
2014年3月0.66825665
2015年3月0.73826798
2015年12月0.71727
米国のMerkle Group Inc.を買収。
2016年12月0.84835
プロモーション領域を再編し、株式会社電通テックを株式会社電通ライブ(現・連結子会社)に改組改称し、新たに株式会社電通テックを設立。
2017年12月0.931,055
2018年12月1.02903
株式会社CARTA HOLDINGS(同日に株式会社VOYAGE GROUPから商号を変更)を株式交換により子会社化。
2019年12月1.05−809
米国のMerkle Group Inc.を完全子会社化。
2020年12月0.94−1,596
2021年12月1.091,084
株式会社セプテーニ・ホールディングスの株式を追加取得し、同社を連結子会社化。
2022年12月1.25598
英国のTag Worldwide Holdings Ltd.を買収により完全子会社化。
2023年12月1.30−107
株式会社電通国際情報サービスを株式会社電通総研(現・連結子会社)に商号変更。
2024年12月1.41−1,250−8.9−1,922
2025年12月1.44−2,892−20.2−3,276

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高1.4兆円のうち、営業利益として残るのは-2,892億円-20.2%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-3,276億円、売上の-22.8%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金16.6%2,377億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金73.1%1.0兆円
  • その他の費用持分法損益などの調整30.5%4,377億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-20.2%-2,892億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
83.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比27.7pt
-20.2%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比27.9pt
-22.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-10.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-7.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが1,180億円、投資CFが−29億円で、差し引きのフリーCFは1,151億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は2,952億円で、売上の2.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月833−512−533212,345
2014年3月920−3,1122,175−2,1922,534
2015年3月1,124−256848683,654
2015年12月696−612−957842,633
2016年12月1,436−1,56225−1262,424
2017年12月1,416−855125613,058
2018年12月1,330−6145757164,167
2019年12月800−761−78394,141
2020年12月8831,370−9662,2535,307
2021年12月1,3972,622−2,3224,0197,235
2022年12月809−243−1,8825666,037
2023年12月753−1,463−1,537−7103,907
2024年12月600−309−6572913,720
2025年12月1,180−29−1,8051,1512,952

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は3.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が3,748億円で、自己資本比率は11.7%(業種中央値53.4%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月2.260.561.7024.8
2014年3月2.690.901.7833.5
2015年3月3.161.082.0834.2
2015年12月3.071.072.0034.8
2016年12月3.160.932.2229.6
2017年12月3.561.092.4730.7
2018年12月3.641.052.5928.8
2019年12月3.800.972.8225.7
2020年12月3.360.742.6222.0
2021年12月3.720.842.8822.7
2022年12月3.740.882.8623.5
2023年12月3.630.842.7923.2
2024年12月3.510.702.7419.9
2025年12月3.210.372.7611.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
2,952億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
495億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2.8兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
38
/ 100
安定性自己資本比率8 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率534社中398位あたり、逆に低いのは自己資本比率534社中524位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-20.1%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
11.7%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
1.7%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.0%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,654で、1年前と比べて+21.5%過去52週の値幅のなかでは82%の位置にある。

¥3,654-1.9%1ヶ月+5.0%1年+21.5%時価総額9,712億円
過去52週の値幅
安値¥2,642高値¥3,874

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)13.6倍
PBR2.23倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1カ月で+4.67%と上昇基調にありますが、8月17日に3510円まで下落し、25日移動平均線(3568.6円)を下回る場面が見られました。その後は3519円(8月21日)まで戻すものの、52週高値3874円(7月29日)からは約9%下落しています。出来高は7月30日に584万株と急増し、その後は100万株前後で推移しており、売買が一巡した感があります。200日線(3156.54円)を上回っており、中期的なトレンドは維持していると判断できます。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

直近実績PERはマイナスで評価不能だが、予想PER13.1倍は業界平均23.01倍を大幅に下回り割安感がある。ただしPBR2.15倍は業界平均3.33倍を下回るものの、ROE6.9%に対し2倍超は割高。配当は無配で利回り0%と業界平均2.29%を大きく下回る。直近の経常赤字拡大により収益悪化が顕著で、2025年12月期は営業損失20.15%と深刻。PBRと収益悪化を重視し割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (予想)13.6倍
PBR2.23倍3.51倍
ROE6.9%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、大規模な構造改革の成果が業績回復に結びつくかどうか。強気派は、世界トップクラスの顧客基盤と幅広いサービス提供能力を強みとし、組織再編やデジタル領域の強化で収益改善が見込めると主張する。一方、弱気派は、赤字が拡大していること、のれんや無形資産の減損リスクが継続すること、そして広告市場がデジタルシフトする中で従来型モデルからの転換が遅れている点を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 構造改革の進展

    事業整理やコスト削減が進み、2026年度には収益化が見込まれる。

  • デジタル成長

    デジタル広告市場の拡大を捉え、成長分野への投資を加速している。

  • グローバル顧客基盤

    世界の主要企業を顧客に持ち、国内外で収益機会が広がっている。

  • 売上高が3期連続増加で1兆4,352億円通年影響

    売上高は1兆3,046→1兆4,110→1兆4,352億円と増収基調が続く

  • 株価が1年で16.03%上昇し底堅い継続影響

    株価は1年間で16.03%上昇し、業績悪化を一定程度織り込んだ

  • 外国人保有比率36.18%の高さ継続影響

    外国人株主が36.18%を保有し、リスク選好時は買い戻しが入りやすい

  • 配当利回り3.82%の株主還元継続影響

    配当利回り3.82%が下値を支え、投資家のホールド要因となる

マイナスに働く材料7
  • 赤字拡大

    2025年12月期の営業損失は約1250億円と拡大し、回復の見通しが立たない。

  • 減損リスク

    過去の買収でののれん等が多額で、再度の減損計上の恐れがある。

  • 事業構造の陳腐化

    従来型広告モデルの縮小が続き、デジタル転換が競合より遅れている。

  • 営業損失が1,250億円から2,892億円へ拡大通年影響

    営業利益率は-8.86%から-20.15%へ悪化し、赤字幅が2.3倍に膨らんだ

  • 最終損失3,276億円と赤字幅が拡大通年影響

    純損失は1,922億円→3,276億円となり、前期から1,354億円悪化

  • 3期連続最終赤字で回復遠のく通年影響

    純損益は-107億円→-1,922億円→-3,276億円と赤字が3期連続

  • PER・予想PERが得られず評価困難不定影響

    実績PERも予想PERも空欄で、バリュエーションの参照点がない

次の決算で確かめる点
海外事業比率
グローバル展開の進捗と収益源の多様化を測るため。
デジタル売上比率
デジタルシフトが収益構造の改善につながるか確認するため。
のれん等の減損額
バランスシート改善の状況と、将来の減損リスクを把握するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり0で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは0.00%。

年間配当
¥0
1株あたり
配当利回り
0.00%
いまの株価に対して
配当性向
60.2%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2016年12月8526.4
2017年12月905.940.0
2018年12月900.026.8
2019年12月955.645.8
2020年12月71−25.0
2021年12月11864.926.6
2022年12月15532.11061.4
2023年12月140−10.160.2
2024年12月1400.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ45,801人。区分でいちばん多いのは外国法人36.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が45.9%を占め、残る54.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
外国法人20.322.623.925.125.836.2
事業法人26.626.027.726.727.326.1
金融機関30.928.828.027.427.119.8
個人・その他17.018.215.316.716.016.6
自己株式2.35.01.81.82.02.0
証券会社5.24.45.04.23.81.3
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)11.94
02一般社団法人共同通信社7.14
03株式会社時事通信社6.03
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.64
05NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST(常任代理人 香港上海銀行東京支店)4.10
06NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE U.S.TAX EXEMPTED PENSION FUNDS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)2.32
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.15
08電通グループ従業員持株会1.92
09公益財団法人吉田秀雄記念事業財団1.88
10NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE NON TREATY CLIENTS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店)1.65

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近11
  • 2026-08-06
    三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    5.17%
  • 2026-07-23
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    2.99%
  • 2026-07-22
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.07%
    +0.04pt
  • 2026-07-06
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.03%
    -0.03pt
  • 2026-06-19
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.06%
  • 2026-06-04
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.06%
  • 2026-05-22
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    1.96%
    -1.03pt
  • 2026-05-21
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.06%
    -0.13pt
  • 2026-05-12
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    2.99%
  • 2026-05-11
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.19%
    +0.14pt
  • 2026-04-22
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    2.29%
    -0.65pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−965%、1株純資産は14期で−36%。直近期のROEは6.9%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1462,2586.519.128.3
2014年3月2413,1259.116.219.4
2015年3月2773,7478.118.624.8
2015年12月2543,7466.826.340.0
2016年12月2933,2718.318.826.4
2017年12月3733,87810.412.840.0
2018年12月3203,7168.415.326.8
2019年12月−2883,52345.8
2020年12月−5712,633
2021年12月3893,08813.710.526.6
2022年12月2233,3306.918.61061.4
2023年12月−413,18360.2
2024年12月−7352,685
2025年12月−1,2621,444

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2025/12期の役員報酬は総額1,198百万円。

氏名役職年齢保有株数
松井巖社外取締役 取締役会議長72
五十嵐博取締役 指名委員6611,252
曽我有信取締役6110,201
ポール・キャンドランド社外取締役 指名委員 報酬委員67
アンドリュー・ハウス社外取締役 報酬委員長61
佐川恵一社外取締役 指名委員長 監査委員 ファイナンス委員長60
曽我辺美保子社外取締役 監査委員 報酬委員56
松田結花社外取締役 監査委員長 ファイナンス委員65199
河村芳彦社外取締役 監査委員 ファイナンス委員70284
高嶋智光社外取締役 指名委員 監査委員64284
市川奈緒子社外取締役68142
ジュリオ・マレゴリ執行役副社長 グローバルCOO 兼 dentsu Americas会長66
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
佐野傑執行役 dentsu Japan CEO 兼 デピュティ・グローバルCOO5613,721
遠藤茂樹執行役 グローバルCFO53100
綿引義昌取締役5819,211

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円ストックオプション百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役440133692166996249
社外取締役918418420
取締役(社内)318186

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,404字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、広告を中心にコミュニケーションに関連するサービスを提供する事業を行っております。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 事業内容及び当社と主な関係会社の当該事業に係る位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。 <日本> 主な企業は以下のとおりであります。 ㈱電通、㈱電通東日本、㈱電通西日本、㈱電通九州、㈱電通ランウェイ、㈱電通名鉄コミュニケーションズ、 ㈱電通アドギア、㈱電通デジタル、㈱電通ライブ、㈱電通プロモーションプラス(注)、㈱CARTA HOLDINGS、㈱セプテーニ・ホールディングス、㈱電通総研、㈱電通コーポレートワン (注)2026年1月1日付で㈱電通プロモーションに社名変更しております。 <Americas> 主な企業は以下のとおりであります。 Dentsu Creative Advertising, LLC、Dentsu Creative, LLC、Dentsu International Americas, LLC、Carat USA, Inc.、iProspect.com, Inc.、Dentsu US, Inc.、Portman Square Acquisition Co.、Vizeum, LLC、Gyro, LLC、Merkle Group, Inc.、Agenciaclick Midia Interativa Ltda.、Dentsu Brasil Holdings Ltda. <EMEA> 主な企業は以下のとおりであります。 Tag Worldwide Holdings Limited、TAG EUROPE LIMITED、Dentsu Aegis Network Central Europe GmbH、Dentsu Aegis Network Central Europe Holding GmbH、Dentsu France、Aegis Finance、Dentsu Spain, S.L.U.、Aegis International Holding Company B.V.、Group Carat (Nederland) B.V.、Merkle Switzerland AG <APAC> 主な企業は以下のとおりであります。 Dentsu (Shanghai) Investment Co., Ltd.、北京電通廣告有限公司、Dentsu Asia Pte. Ltd.、Dentsu Asia Pacific Pte. Ltd.、Dentsu Asia Pacific Holdings Pte. Ltd.、Dentsu Singapore Holdings Pte. Ltd.、Dentsu Aegis Network India Private Limited、Dentsu Australia Holdings Pty Ltd、Dentsu International Australia Pty Ltd、Dentsu Corporate Services Pty Ltd 以上の企業集団等について図示すると次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題3,582字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 中期経営計画の取り組みを継続 2025年2月に発表した中期経営計画において、当社グループの海外事業の業績回復が最も大きな課題であると位置付けました。その実現に向けて「不振ビジネスの見直しと経営基盤の再構築」「事業戦略のフォーカス」「株主価値・資本効率を重視した経営及び財務方針」を推進しております。最優先で取り組むべき収益性・競争優位性の回復に向けた中期的な取り組みに変更はなく、今後も継続します。一方で、事業環境の変化及び足許の業績を鑑み、中期経営計画については、具体的な戦略及び施策を更新し、一部の主要財務目標及び財務方針を見直しのため取り下げ、改めて設定いたします。 (2) 不振ビジネスの見直しと経営基盤の再構築 収益性の回復に向けて当社グループが継続して取り組んでいるのが、不振ビジネスの見直しと経営基盤の再構築です。 まず、累計投下資本が100億円超のマーケットのうち赤字が続くマーケットの見直しを進めており、2023年度より赤字が続いていた中国とオーストラリアにおける事業を、徹底したコスト効率化と報酬の見直しにより、調整後営業利益ベースで黒字に転換しました。いずれも2025年度通期では依然マイナス成長となりましたが、中国においてはオーガニック成長率が第3四半期以降プラスに転じ、収益の改善に貢献しています。不振ビジネスの見直しは最新の実績を基に継続して行っており、2026年度の赤字マーケットゼロという目標に向けて収益性回復の歩みを進めております。また、特定された不振ビジネスの一部は、既に縮小・撤退・売却プロセスを開始しており、進捗については適切なタイミングで速やかに公表いたします。 経営基盤の再構築として、2027年度に年間500億円規模のコスト削減を目指しており、東京とロンドンに分散・重複していた本部機能の見直し、各リージョン本部の役割再定義による業務簡素化、マーケットのコストコントロール、AIやアウトソーシングの活用も含めた効率化を進めております。具体的には750件の施策を立ち上げ、2026年1月時点でそのうち8割以上が実行中又は実行済のステータスとなっております。この結果として、2025年度に年間約140億円のコスト削減を実現し、2026年度は追加で年間約280億円のコスト削減を実現する見込みです。また、以前より進めてきた資本構造の簡素化を継続して推進し、2021年1月時点では海外事業において1,000以上あった法人を2026年1月時点で半分にまで削減いたしました。この取り組みは2026年度も継続し、更なる効率化と同時にクライアントに迅速に価値を提供できる組織の実現を進めます。 (3) 事業戦略のフォーカス 当社グループがクライアントに提供するサービスは、マーケティング、テクノロジー及びコンサルティングが融合する領域並びにスポーツ&エンターテインメント領域にて保有するユニークで多岐に渡るケイパビリティを統合し、クライアントの持続的な成長を実現する「Integrated Growth Solutions(インテグレーテッド・グロース・ソリューション)」です。中期経営計画においては、各マーケットにおけるクライアントのグロースパートナーとなることを目指しており、各マーケットでの成功を積み上げることでグローバルでの成長を実現していきます。 マーケット戦略においては、スケールとユニークな事業アセットがある日本・米国への注力を特に進めております。 当社グループの売上総利益の約4割を占める日本においては11四半期連続の成長を実現できています。2026年度においても引き続き堅調な成長を見込んでおり、グループ全体を牽引するマーケットとして、さらなる競争力の強化を行ってまいります。 2025年度はマイナス成長となった米国については、メディアをコアとした成長を目指してデータ&テクノロジー領域でのツール開発やAI活用等の内部投資を進めております。また、CXM事業の業績回復に向けパイプライン(見込み案件)の受注率改善等を進めており、2025年度の第3四半期及び第4四半期での回復基調から、2026年度は米国のCXM事業が2022年度以来のプラス成長に回帰することを予想しています。 海外事業においては、コアとなるメディア領域の付加価値向上に向けた取り組みを進めており、海外3地域の売上総利益の過半を占めるメディア事業の2025年度のオーガニック成長はプラスとなりました。クリエイティブ事業、CXM事業では厳しい事業環境が続く地域もありますが、両事業においてメディアとの親和性が高い領域のケイパビリティ強化を継続していきます。 将来の柱となる事業創出の取り組みも並行して進めており、ビジネストランスフォーメーション(BX)に加え、これまで主に日本事業の中でビジネスを行ってきたスポーツ&エンターテインメント事業のグローバル展開を2025年度より本格的に開始しました。2026年度も大規模スポーツイベント等のビジネス機会が複数控えており、戦略的な事業拡大を進めてまいります。 (4) 株主価値・資本効率を重視した経営及び財務方針 大幅な減損損失の計上により財務基盤が影響を受けたことを踏まえ、従来に増して規律ある財務方針の下で事業の管理・運用を行います。必要となる資金の規模を厳密に見極め、資本と負債のバランスなどを慎重に管理し、財務の健全性を改善してまいります。 その上で、キャピタルアロケーション(資本配分)においては、収益性及び競争優位性の回復に向けて、経営基盤の再構築に係る費用、及び事業成長のための内部投資を継続して優先してまいります。一方で、買収などの投資については、一層厳格なリスク管理の下で事業戦略に整合した案件を選択的に実施してまいります。 株主還元については、誠に遺憾ながら、2025年度は中間配当に続いて期末配当も無配とし、2026年度の年間配当予想も無配としました。今後、重点マーケット・領域への経営資源の集中や、経営基盤の再構築及び不振ビジネスの見直しにより、競争優位性及び収益性の回復を進め、EPS(1株当たり当期利益)の向上とTSR(株主総利回り)の最大化を図るとともに将来的な復配に向けた取り組みを推進します。 (5) ガバナンス及び内部統制の向上 当社グループは、One dentsuオペレーティング・モデルの適切かつ効率的な運用に向けて、グループ横断でのガバナンス体制の構築、地域ごとの意思決定に対する監督機能の強化、責任者の明確化、事業運営の簡素化等を通じたガバナンス及び内部統制の向上に引き続き努めてまいります。当該取り組みの進捗は、取締役会、監査委員会等でも定期的に確認しております。 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関する独占禁止法違反による当社の起訴を受け、dentsu Japanでは、問題の再発防止のために役員・従業員一同が意識行動改革へ取り組み、2023年度に策定した改革の17施策は2024年度に全て完了しました。そして、2025年1月からは、それまでの取り組みを発展させ、従業員調査や外部アドバイザー評価などを通じて確認された課題への対応を進めております。 当社は、2025年1月30日に東京地方裁判所より有罪判決を受け、同年7月31日に東京高等裁判所より控訴棄却の判決、同年12月10日に最高裁判所より上告棄却の決定を受領いたしました。当社は、これらの判決及び決定を厳粛に受け止め、意識行動改革を始めとしたガバナンスと内部統制の向上への取り組みを更に進めて、適切な業務プロセスに基づいた事業運営及び企業活動を行ってまいります。 (6) その他の課題 当社は、当事業年度の個別決算において、海外事業の持株会社となるDentsu International Limitedの株式に実質価額の著しい低下が確認されたこと、また、同社傘下の海外子会社において貸付金の回収リスクが高まったことから、当事業年度の個別財務諸表において、関係会社株式評価損286,714百万円及び貸倒引当金繰入額171,858百万円を計上いたしました。 その結果、当社は、当事業年度の個別財務諸表において債務超過の状況となり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しておりますが、当事業年度末における資金残高の状況や多様な資金調達手段、グループ全体の資金繰り等の観点から、当社及び当社グループの事業活動において継続性に関する懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
事業等のリスク8,232字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の投資判断上重要であると考えられる主要な事項を以下に記載しております。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない、又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 なお、当社グループは、グループの持続的成長と価値提供のための重要課題としてマテリアリティを策定しております。マテリアリティに関する詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご覧ください。後述のとおり、公表したマテリアリティも念頭においた当社グループの全社的リスク評価(Enterprise Risk Assessment、略称ERA)を2024年に実施いたしました。 また、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループのリスク管理体制 当社グループでは、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンス体制図にあるコーポレート・ガバナンス体制の下、リスク管理を所管するグループリスク委員会を設置してERM(Enterprise Risk Management: 全社的リスクマネジメント)のアプローチを基軸に、グループ経営上重要なリスクを識別・評価し、そのリスクの顕在化の予防及び顕在化した場合の影響の最小化のため、リスク対応の責任者となるリスク・スポンサーを選定し、リスク対応計画の策定と実施を委任しております。対応すべきリスクとその評価は、グループリスク委員会で定期的に見直しその対応状況とともにグループ・マネジメント・ボード並びに取締役会に定期的に報告しております。 2024年より、グループリスク委員会によるOne dentsuとしてのガバナンス強化を目的に、日本、Americas、EMEA、APACの各CEOをグループリスク委員会の委員に加えました。また、グループ・マネジメント・ボード傘下に4つの地域別リージョナル・ガバナンス委員会を設置し、各地域におけるリスク、コンプライアンス及び内部統制等の管理を行っております。リスクについては、グループリスク委員会が、4つのリージョナル・ガバナンス委員会を活用して、グループ横断的にリスク管理を統括できる体制を整備しております。さらに、グループ・マネジメント・チームからグローバル内部統制&リスク責任者を任命し、リスク管理活動を強力に推進しております。 主なリスク項目とその対応策 当社グループでは、2024年に実施したERAの一環として、グループのリーダー、リージョン・主要マーケットのリーダー、社外取締役へのリスクに関する広範なインタビューを行い、そこから得た洞察をグループリスク委員会及びグループ・マネジメント・ボードで検討し、重要と判断するリスクの一覧であるリスク・レジスターを更新しました。その後、2025年のリスク・レジスターの更新においては、ブランディングとレピュテーション・リスクを新たに認識しました。 また、グループリスクの網羅性をより確実なものにするために、用語整理を含めたリスクの体系化も同時に行いました。本項では、当該体系に基づき重要であると考えられる主要なリスクを記載しております。 (1) 戦略リスク 当社グループは、戦略リスク領域として「事業開発と成長リスク」、「事業変革リスク」、「サステナビリティ・リスク」を識別・評価・対応しております。具体的には「競争力・長期戦略」、「事業変革」、「ブランディングとレピュテーション」、「2030価値創造戦略目標の未達」などに係るリスクがあります。 ① 競争力・長期戦略 2025年2月、当社グループは中長期に渡る成長を実現していくための基本的な方針として、2025年度から2027年度までの3年間を対象とした「中期経営計画」を策定し、公表しました。本計画は、競争優位性及び収益性の回復を目標として掲げており、その実現に向け、事業戦略のフォーカス、経営基盤の再構築、不振ビジネスの見直しに取り組んでまいります。当社グループがまず着手する取り組みは、不振ビジネスの見直し・事業モデルの再構築を中心とした収益成長力の回復です。併せて、経営基盤の見直しを行い、計画的かつ持続的なコスト改善にも取り組みます。 当社グループは各マーケットにおける顧客のグロースパートナーとなることを目指しております。そして、その成功を積み上げることでグローバル全体での成長を実現していきます。そのために、マーケット、顧客及びケイパビリティの各戦略を更新し、当社グループの競争力を明確化した上で、事業戦略のフォーカスを加速してまいります。 さらに、将来の柱となる事業創出の取り組みも並行して進めます。その一環として、これまで主に日本事業の下でビジネスを行ってきたスポーツ&エンターテインメント事業をグローバルに展開し、非連続的な成長を目指します。 しかしながら、メディアプラットフォームなど巨大プレーヤーの台頭や、テクノロジー企業・コンサルティング企業他によるAI等への巨額の投資など、業界内外での競争環境の激化等によって当社グループのポジションも相対的に変化していくことが想定されます。このような環境下において、当社グループが競争力を維持できず、既存顧客の維持や新規顧客獲得に影響が出ることにより、戦略目標や財務目標を達成できず、市場シェアの喪失、協賛権・放送権並びにコンテンツの価値の低下、財務上の損失につながる可能性があります。 ② 事業変革 当社グループは2024年1月、クライアントに提供するサービスと価値を最大化するためのフレームワークである「One dentsu オペレーティング・モデル」を導入し、意思決定の迅速化、責任の明確化、権限委譲を可能にする簡素化された組織構造への変革を進めております。 しかしながら、同事業変革が想定どおりに進まなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、事業環境の急速な変化に構造改革が追いつかない場合、内部統制の脆弱化、管理体制の不備が顕在化するリスクがあります。 ③ ブランディングとレピュテーション 当社グループは、ネガティブなメディア報道、ソーシャルメディア上のスキャンダル、広報上の失敗などをブランディングとレピュテーションに係るリスクとして認識し、その影響や対応について検討しております。 しかしながら、その影響が継続することにより、当社グループのブランドイメージが毀損する場合、クライアントからの信頼喪失、収益減少、従業員のモチベーション低下や退職者の増加、新規雇用の困難などの悪影響が生じる可能性があります。 ④ 2030価値創造戦略目標の未達 変化する社会情勢を見据えたより強固な経営基盤構築を目的に、当社グループは2025年6月において「2030サステナビリティ戦略」を「2030価値創造戦略」に改訂し、マテリアリティを「インテグリティ」「ピープル&カルチャー」「イノベーション」「環境」としました。 2030価値創造戦略の進捗と、マテリアリティへの取り組み状況は、年4回開催されるグループサステナビリティ委員会を通じて管理し、全てのアクションプランとKPIが達成されるよう、委員会メンバーと担当部門は連携して推進しています。また、推進統括にはグローバル・チーフ・サステナビリティ・オフィサーを任命しております。 しかしながら、社会・経済の外部環境要因などにより、これらの目標達成が計画どおりに進捗しなかった場合、当社グループのレピュテーションなどに悪影響が生じる可能性があります。 (2) オペレーショナル・リスク 当社グループは、オペレーショナル・リスク領域として「ガバナンスと監督リスク」、「第三者に係るリスク」、「レジリエンス・リスク」、「人的資本リスク」、「データ管理リスク」、「テクノロジー・リスク」、「情報セキュリティ・リスク」を識別・評価・対応しております。具体的には「人財の獲得、育成、リテンション」、「エンタープライズ・テクノロジーの統合及び導入」などに係るリスクがあります。 ① 人財の獲得、育成、リテンション 当社グループは、創業以来一貫して「人が資本」の企業であり、創造力と実行力に長けた多様な人財こそが持続的な企業価値向上の源泉であると考えております。そのため、必要な人財を十分に獲得、維持できない場合、顧客への高度なサービス提供ができずに当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは「People Discussion」と呼ばれる人財についての議論を毎年実施し、人財の可視化を行うとともに、部門ごとの人財課題に応じた獲得・育成・リテンションの打ち手を議論します。その結果明らかになったポテンシャル人財の成長を加速すべく、グローバル/ローカルのさまざまな環境で自身をストレッチできる機会、スキルや視野を広げるプログラムを戦略的に提供しています。また、当社グループが求めるリーダー像を定義した「dentsu Leadership Attributes」を人財マネジメントのバックボーンとして設定・活用し、リーダーシップについてのあるべき育成投資を行います。 人財獲得については特に人財流動性の高い海外市場において注力しており、採用業務の効率化と精度向上を目指したテクノロジー活用を進めています。これにより、募集から採用までの期間短縮などの成果も現れています。上級職の採用に特化した専門チームを設置し、コストを抑えつつ社内に専門知見を蓄積する活動も進めています。「人的資本の開発」は、当初グループのマテリアリティの1つでもあります。 ② エンタープライズ・テクノロジーの統合及び導入 当社グループは、2024年1月に導入したフレームワークである「One dentsu オペレーティング・モデル」によって、ビジネス・オペレーションとエンタープライズ・テクノロジーの強化及び高度化を目指しています。これらは、組織の簡素化と統合の実現(部門の垣根をこえた協働を可能にすることで、オペレーショナル・エクセレンスを実現する組織の構築)とスピードの向上(ITインフラへの投資と拡張を実現することで、俊敏で柔軟性のある組織を実現)を推進する鍵となります。 しかしながら、適切なテクノロジーソリューションへの投資が実行できない場合、また、グループとしてのITマネジメントが適切に実行できない場合、業務の管理及び事業の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 情報セキュリティ、サイバーセキュリティに係るリスク 当社グループは、その業務遂行の過程で、顧客の未公開の商品・サービスや事業に係る情報を受領することが頻繁にあります。当社グループでは情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格を取得するなど、情報管理には万全を期しておりますが、仮に情報漏えい等の事故が発生した場合、当社グループに対する信頼が損なわれ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、想定外の外部サイバー攻撃、従業員又はサプライヤーによって、重大なビジネスシステム及びデータの機密性、完全性又は可用性が脅かされ、その結果、重大な運用・規制・財務・レピュテーション上の問題、又は顧客への影響が生じる可能性があります。 当社グループでは、セキュリティ・リスクへの対応を確かなものとするため、国内・海外のネットワークのセキュリティ部門を束ねるグループ・セキュリティ機能を設けて、進化する脅威の重大性を継続的に評価し、ERMアプローチに沿ったリスク管理・統制の有効性評価を行っております。 ④ 個人情報等に係るリスク(データ・ガバナンス) 当社グループは、その業務遂行の過程で、顧客にとってのエンドユーザーに関する個人情報を受領することがあります。また、顧客からエンドユーザー一人ひとりにカスタマイズしたマーケティング・コミュニケーションへの要求が高まる中、パーソナルデータを利活用した商品・サービスを開発して顧客企業に提供しております。 当社グループは、国内・海外を問わず、個人情報保護法及びEU一般データ保護規則等の法令又は諸規制を遵守し、これら法令又は諸規制の改定に迅速に対応しております。また、グループ共通の「グローバルデータ保護原則」を制定しており、現時点においてこれらの法令又は諸規制が当社グループの事業に悪影響を及ぼすことは想定しておりません。 しかしながら、仮に個人情報の漏えい等の事故が発生した場合、当社グループの信頼性が損なわれ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、今後、これら法令又は諸規制が改定され、倫理的な観点から、当社グループのパーソナルデータの利活用に何らかの制限が課され、商品・サービスの一部を顧客企業に提供できなくなった場合、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) コンプライアンス&法務リスク 当社グループは、コンプライアンス&法務リスク領域として「コンダクト・倫理リスク」、「クライアント契約の遵守に係るリスク」を識別・評価・対応しております。具体的には「企業文化」、「コンプライアンス」などに係るリスクがあります。 ① 企業文化 当社グループの人財は、困難な課題に前向きに取り組み、多様な個性が互いの強みを活かしながら、チームの力で複合的な視点からアイデアを出し、クライアントの課題を解決へ導く力を持っています。顧客企業やステークホルダーの皆さまとともに、「人が生きる喜びに満ちた活力ある社会」の実現を目指してイノベーションを進めていく企業文化は、当社グループのDNAであり、世界中のチームに浸透しています。 しかしながら、人財を管理するリーダーたちが自らの責任を果たさない、人的資本に関する適切な経営を実行しない、「倫理」や「インテグリティ」を企業価値のトップに据えて適切な社内浸透を図らない等の場合、当社グループの企業文化が損なわれ、従業員のモチベーションや生産性に悪影響が生じる可能性があります。 ② コンプライアンス 当社グループは、当社グループのマテリアリティ及び「2030年価値創造戦略」において、「企業倫理・コンプライアンス」「データプライバシーとサイバーセキュリティの強化」「リスクマネジメントの強化」「コーポレート・ガバナンスの強化」「人権の尊重」を含む「インテグリティ」を重要課題に掲げ、「インテグリティを最優先に仕事に取り組む」ことをこの課題に対応するゴールイメージとしております。社会をはじめすべてのステークホルダーに対して、企業倫理とコンプライアンスを順守し、インテグリティを実践することは、当社グループが企業活動を行う上での大前提です。 しかしながら、故意又は過失不注意により、当社グループの事業において法規制や会社方針を無視する、或いはこれに違反した行動が発生した場合、当社グループのレピュテーションが低下し、企業価値を著しく損なう可能性があります。 ③ 訴訟等に係るリスク 当社グループが広範な領域にわたり遂行している事業は、国内・海外問わず、政府機関・顧客・媒体社・協力会社等から調査・訴訟・メディア監査等に基づく請求・課徴金等を受けるリスクを内包しております。 当社グループでは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連事案に関して、2023年5月15日に「dentsu Japan改革委員会」を設置し、意識行動改革に取り組んでまいりました。そして、同委員会の下で進めてきた再発防止のための17施策については、2024年12月18日に全ての施策を完了しました。2025年1月からは、インテグリティを最優先する組織風土の定着、高いレベルでのコンプライアンスの徹底などを目的に、これまでの取り組みを発展させ、「意識行動改革プロジェクト」を推進しております。 (4) 外部リスク ① 景気変動及び社会的変革に伴うリスク 当社グループの業績は、景気によって主要な顧客である企業からの予算が増減されることが多いため、景気変動の影響を受けやすい傾向があります。世界経済は緩やかな回復基調にあるものの、地政学上のリスクの顕在化やインフレ再燃懸念等により、未だ不確実な状況にあると言わざるを得ません。 また、2020年以降のコロナ禍の影響は、経済面に留まらず、生活者の意識と行動様式の変化を加速させ、より個人化された体験が重要になっております。企業も、D2Cコマースのチャネル構築やデジタルトランスフォーメーションの実装、生成AIの活用など企業活動の本質的な転換が迫られる中、当社グループへの顧客のニーズは、従来の広告・コミュニケーション領域を超えて高度化・複合化しており、データとテクノロジーを活用した顧客体験の設計や体験価値の向上に拡大しております。これらのニーズに当社グループが適切に対応できない場合は、中長期的な事業成長に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 災害、事故並びに地政学に関わるリスク 当社グループが事業を遂行又は展開する地域において、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、伝染病の爆発的な流行、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が起こった場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に悪影響を及ぼし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、リージョン・マーケット等で想定される上記の問題に対し、クライシス・マネジメントや事業継続計画(BCP)を定期的に検討しております。2025年においては、南海トラフ地震を想定した事業継続対応策を策定しました。 (5) 継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、2025年12月期 (2025年1月1日~2025年12月31日) (IFRS)に実施したのれんの減損テストにおいて、直近の経済環境を踏まえた様々な将来リスクを反映した結果、当社グループの4事業地域に含まれるEMEA及びAmericasにおいて、のれんの減損損失396,074百万円を計上いたしました。これに伴い、当社の個別決算では、海外事業の持株会社となるDentsu International Limitedの株式において実質価額の著しい低下が確認されたこと、また、同社傘下の海外子会社において貸付金の回収リスクが高まったことから、当事業年度において関係会社株式評価損286,714百万円及び貸倒引当金繰入額171,858百万円を計上いたしました。 上記の結果、当社は、当事業年度の個別財務諸表において債務超過となり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しておりますが、当事業年度末における資金残高の状況や多様な資金調達手段、当社を含むグループ全体の資金繰り等の観点から、当社及び当社グループの事業活動において継続性に関する懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 当社及び当社グループは、このような状況を解消すべく、中期経営計画に定めた施策である不振ビジネスの見直しと経営基盤の再構築を中心にグループ全体の収益体質を改善していくとともに、必要な投資等を通じて競争力を強化することにより利益成長を実現してまいります。加えて、その他の施策と併せバランスシートの健全化に取り組むことで、個別財務諸表における債務超過を早期に解消してまいります。 なお、当社は、2026年1月に実施した固定資産の譲渡により、翌事業年度の個別財務諸表において固定資産売却益270億円を計上する見込みです。詳細は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。
経営成績の分析 (MD&A)10,795字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況 <事業全体の概況> 2025年の世界経済は、米国の関税政策の引き上げなどの通商政策や不安定な国際情勢の長期化など先行き不透明な状況が続きました。 こうした環境下、当期(2025年1月1日~12月31日)における当社グループの業績は下表の通りであります。売上総利益のオーガニック成長率は0.5%でしたが、2024年7月に譲渡取引が完了したロシア事業の業績が前期に計上されていたため、売上総利益は前期比0.3%減となりました。調整後営業利益は同2.1%減、オペレーティング・マージンは同40bps減でしたが、法人所得税の減少により、親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は同0.7%増となりました。また、減損損失の計上などにより営業損失は2,892億12百万円(前期は営業損失1,249億92百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は3,276億1百万円(前期は当期損失1,921億72百万円)となりました。 調整後営業利益は、営業利益から、買収行為に関連する損益及び一時的要因を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。 買収行為に関連する損益 :買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、完全子会社化に伴い発行した株式報酬費用 一時的要因の例示  :構造改革費用、減損損失、固定資産の売却損益、割増退職金など 親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、当期利益から、営業利益に係る調整項目、条件付対価に係る公正価値変動額(アーンアウト債務再評価損益)・株式買取債務に係る再測定額(買収関連プットオプション再評価損益)、これらに係る税金相当・非支配持分損益相当などを排除した、親会社の所有者に帰属する恒常的な損益を測る指標であります。 当期の連結業績(単位:百万円、△はマイナス) 科目   当期   前期   前期比・差 収益   1,435,245   1,410,961   1.7% 売上総利益   1,197,530   1,201,647   △0.3% 営業損失(△)   △289,212   △124,992   ― 親会社の所有者に帰属する当期損失(△)   △327,601   △192,172   ― 当期の主要な利益指標(単位:百万円、△はマイナス) 科目   当期   前期   前期比・差 調整後営業利益   172,536   176,233   △2.1% オペレーティング・マージン   14.4%   14.8%   △40bps 親会社の所有者に帰属する調整後当期利益   93,548   92,936   0.7% ※ ロシア事業については2024年7月に譲渡取引が完了していますが、譲渡が完了するまでの期間に発生したロシア事業に係る営業損益は、一時的要因として調整後営業利益には含めておりません。 <当期の連結業績のポイント> 売上総利益については、連結オーガニック成長率は0.5%でしたが、2024年7月に譲渡取引が完了したロシア事業の業績が前期に計上されていたため、売上総利益は前期比0.3%の減収となりました。調整後営業利益は前期比2.1%の減益、オペレーティング・マージンは前期比40bps減少し、14.4%となりました。 一方、第2四半期及び第4四半期に海外事業で396,074百万円ののれんの減損損失を計上したため、営業損失289,212百万円(前期は営業損失124,992百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失327,601百万円(前期は当期損失192,172百万円)となりました。 中期経営計画に基づき、当期は日本事業の好調に加え、海外事業の経営基盤の再構築及び不振ビジネスの見直しによる収益性回復に注力した結果、内部投資で費用が増加したにも関わらず、当社グループ連結のオペレーティング・マージンは前期をわずかに下回る水準にとどまりました。売上総利益の40%以上を占める日本事業において、売上総利益で5年連続、調整後営業利益で2年連続の過去最高業績を維持しています。また、海外事業でも営業キャッシュ・フローがプラスに転じました。 <当期の連結業績:地域別> 1.日本 インターネット広告をはじめとするマーケティング事業、ビジネス・トランスフォーメーション(BX)、デジタル・トランスフォーメーション(DX)が成長 し、売上総利益のオーガニック成長率は6.2%、売上総利益は4,955億92百万円(前期比6.2%増)となりました。人財リソース強化による人件費等の増加はあったものの 、トップラインの伸長などにより、調整後営業利益は1,211億5百万円(同6.1%増)となり、オペレーティング・マージンは24.4%(前期は24.5%)となりました。 2.Americas(米州) Americasにおける売上総利益のオーガニック成長率は△3.0%となりました。主要マーケット別にみると、米国は厳しい状況となっています。 米ドルに対して為替レートが円高となっていること及び一部子会社の売却により、Americasの売上総利益は、3,157億46百万円(前期比5.6%減)でしたが、販管費抑制により減収を一部吸収し、調整後営業利益は723億10百万円(同3.8%減)となり、オペレーティング・マージンは22.9%(前期は22.5%)となりました。 3.EMEA(ロシアを除くヨーロッパ、中東及びアフリカ) EMEAにおける売上総利益のオーガニック成長率は、△1.8%となりました。主要マーケット別にみると、英国、ドイツ、イタリア、オランダなどは厳しい状況となっていますが、スペイン、ポーランドは堅調でした。 英ポンドやユーロに対する為替レートが円安となっていることにより、EMEAの売上総利益は、2,719億42百万円(前期比1.0%増)となったものの、為替影響を除いた減収に加えて内部投資などの販管費増加 により、調整後営業利益は338億32百万円(同12.0%減 )、オペレーティング・マージンは12.4%(前期は14.3%)となりました。 4.APAC(日本を除くアジア太平洋) APACにおける売上総利益のオーガニック成長率は△6.8%となりました。主要マーケット別にみると、オーストラリアは厳しい状況となっておりますが、インド、タイ、台湾などは堅調でした。 APACの売上総利益は、1,072億62百万円(前期比7.9%減)となったものの、徹底した販管費抑制により、調整後営業利益は27億20百万円(前期比159.0%増)、オペレーティング・マージンは2.5%(前期は0.9%)となりました。 地域別のオーガニック成長率(△はマイナス成長) 当期   2025年度第4四半期(10-12月)   2025年度第3四半期(7-9月)   2025年度第2四半期(4-6月)   2025年度第1四半期(1-3月) 日本   6.2%   4.5%   9.9%   5.1%   5.5% Americas   △3.0%   △1.8%   △3.4%   △1.6%   △5.1% EMEA   △1.8%   △1.5%   △1.1%   △3.8%   △0.9% APAC   △6.8%   0.3%   △12.5%   △12.7%   △4.6% 連結   0.5%   0.9%   1.4%   △0.7%   0.2% <当期における中期経営計画の進捗について> 2025年度から2027年度を対象期間とした中期経営計画に基づく、当社グループが設定した主な経営目標等は、以下のとおりです。 ① 不振ビジネスの見直し、経営基盤の再構築(収益性の回復) ・資本効率を踏まえた不振ビジネスの特定、改善策の早期実行・売却などを迅速に進めることで将来における業績悪化リスクを排除する。2026年度には海外事業全体が株主価値向上に貢献している状態、2027年度には全4事業地域(リージョン)がそれぞれ株主価値向上に貢献している状態を目指す ・経営基盤の再構築のため、組織の簡素化、業務の標準化・高度化を徹底して進めることで、2027年に最大500億円の持続的かつ計画的なオペレーティングコスト削減を実現する ② 事業戦略(競争優位性の回復) ・各マーケットにおいて、クライアントのグロースパートナーを目指し、グローバルで成長する。特に、大きな収益規模と多様な事業アセットが存在する日本と米国に集中する ・海外事業においては、IGS(Integrated Growth Solutions)の提供に向けてコアとなるメディア事業の付加価値向上に注力する ③ 主要財務目標・キャピタルアロケーション ・2027年度に向け、オペレーティング・マージンとして16%を目指す ・重点マーケット、重点領域に対して3年間で450億円の内部投資を実行する なお、足元の業績及び事業環境の変化を鑑み、2025年2月に公表した中期経営計画で設定した主要財務目標等に関しては、2026年2月13日において一部を取り下げました。新たな主要財務目標等については、改めて設定を行う予定です。 ④ コーポレート・ガバナンス、サステナビリティ、 人的資本経営 詳細は、「サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 電通グループにとってのサステナビリティ ③指標及び目標」をご参照下さい。 以上の経営目標等に対し、2025年度の結果は以下の通りでした。 ① 不振ビジネスの見直し、経営基盤の再構築 ・2023年度より赤字が続いていた「中国」「オーストラリア」を調整後営業利益ベースで黒字に転換させました。なお、一部の不振ビジネスに対しては、既に縮小・撤退、売却のプロセスを開始しています。 ・3,400人の人員削減計画においては、2025年度に2,100人分の人員整理を実行しました。また、経営基盤の再構築に向け、当社グループ内部で設定した750件の施策において、8割以上が実行中または実行済のステイタスとなりました。 ・組織構造の簡素化及び経営の効率化のため、2021年1月時点で1,000以上存在した海外事業の法人数を、2026年1月時点において半分程度まで削減しました。 ・経営基盤の再構築のため、200億円の一時的費用を負担することで、およそ140億円のコスト削減効果を認識しました。 ② 事業戦略 ・米国事業において、グローバルクライアントとの強固な関係を通じたトランスフォーメーションパートナー型の成長、メディアとCXMを両輪とした米国ローカルアカウントの統合的な成長、AIを軸としたコンテンツ・サプライチェーンの実装と高度化、クライアントの持つデータを中核にマーケティングと事業運営をつなぐ最先端のCRM強化という4つの基軸においてモメンタムを確認しています。なお、2023年度以降、大きなマイナス成長を続けてきた米国CXM事業では底打ちの兆しを見せています。 ・海外メディア事業は、2年連続でプラスのオーガニック成長を実現しました。なお、海外メディア事業は、2025年度においてはリージョン単位でもプラス成長となりました。また、2025年度は、新規メディア案件のネットウィンも上期及び下期ともにプラスを継続しました。 ③ 主要財務目標・キャピタルアロケーション ・2025年度のオペレーティング・マージンは、14.4%となりました。 ・内部投資に関しては、2025年度はメディアをコアとした成長戦略の実行にフォーカスし、dentsu.Connectなどのデータ&テクノロジーツールの開発・AI導入向けに80億円の投資を実行しました。 ④ コーポレート・ガバナンス、サステナビリティ、人的資本経営 詳細は、「サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 電通グループにとってのサステナビリティ ③指標及び目標」をご参照下さい。 <財政状態の状況について> 当期末は、前期末と比べ、主に「営業債権及びその他の債権」が増加したものの、「のれん」及び「その他の金融資産」が減少したことなどにより、資産合計で3,004億73百万円減少し、3兆2,067億87百万円となりました。一方、負債については、主に「社債及び借入金」が減少したものの、「営業債務及びその他の債務」及び「売却目的で保有する非流動資産に直接関連する負債」が増加したことなどにより、負債合計で206億7百万円増加し、2兆7,588億32百万円となりました。また、資本については、主に当期損失の計上などにより「利益剰余金」が減少したことなどから、資本合計は3,210億80百万円減少し、4,479億54百万円となりました。 2025年2月に発表した中期経営計画では、新たな財務方針として、収益性・競争優位性の回復を通じたバランスシートの健全性の改善を設定しました。また、併せて政策保有株等、非事業資産の売却も継続していく方針です。キャピタルアロケーション(資本配分)として経営基盤の再構築に係る費用、事業成長のための内部投資を継続して優先していく一方、買収などの投資においては、一層厳格なリスク管理の下、事業戦略に整合した案件を選択的に実施してまいります。 (2) キャッシュ・フローの状況 当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」)は、2,951億83百万円(前期末3,719億89百万円)となりました。主に財務活動による支出などにより、前期末に比べ768億6百万円の減少となりました。 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果により得た資金は、前期に比べ579億87百万円増加し、1,179億72百万円となりました。主に運転資本の増減額が減少したことなどによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果支出した資金は、前期に比べ280億52百万円減少し、28億56百万円となりました。主に子会社の取得による支出が減少したことによるものであります。 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果支出した資金は、前期に比べ1,147億58百万円増加し、1,804億73百万円となりました。主に長期借入金の返済による支出の増加、社債の償還による支出の増加などによるものであります。 (生産、受注及び販売の状況) 販売実績 当連結会計年度におけるセグメントの販売実績(収益)は次のとおりであります。 セグメントの名称   収益(百万円)   前期比(%) 日本   605,237   105.7 Americas   369,931   97.1 EMEA   338,964   105.9 APAC   111,668   92.0 全社   9,446   59.1 計   1,435,245   101.7 (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 ① 資本政策・財務戦略の基本的な考え方 当社グループは、2027年度を最終年度とする中期経営計画の戦略と施策により、利益成長を通じて中長期的な株主価値の向上を目指します。 この目標達成を下支えするため、具体的には、必要となる資金の規模を厳密に見極め、資本と負債とのバランスなどを慎重に管理し、バランスシートの健全性を改善することにより、高い信用格付を目指し、規律を持って管理・運用してまいります。また、内部資金、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパー、債権流動化、又はコミットメントライン等により、十分な手元流動性を確保することとしております。さらに、急速な外部環境変化等に万全を期すため、引き続き金融機関との間で追加の銀行融資枠を設定しております。これらにより、急激な事業環境の変化等に対するリスク耐性が高い状態を維持できるよう努めてまいります。 投資については、経営基盤の再構築に係る費用、及び事業成長のための内部投資を優先し、業績の再建を進めてまいります。 株主還元に関しては、これらの活動を通して得られる利益の適切な配分と本源的な企業価値の向上を通じて株主の皆様への利益還元に努めることとし、中長期的な企業価値の向上に必要な成長投資及び財務健全性を確保した上で、安定的かつ継続的な配当を実施することを基本方針としております。なお、2025年度の連結決算では、米州及びEMEA地域でのれんの減損損失を計上し、当社の個別決算においても関係会社株式評価損等を計上した結果、利益剰余金が減少し、会社法上の配当可能額が大幅なマイナスとなりました。そのため、2025年度の期末配当及び2026年度の年間配当予想につきましては、無配とさせていただきました。 ② 資金需要の主な内容 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金及び制作費の支払等並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。 また、2027年度を最終年度とする中期経営計画においては、不振ビジネスの見直しと、経営基盤の再構築による収益性の回復に集中するため、競争力及び収益性の回復のための投資に係る資金需要を見込んでおります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(経営成績等の状況の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。 ④ 資金調達及び流動性の状況 当社グループは、内部資金、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパー、又は債権流動化等の多様な手段の中から、その時々の市場環境や長期資金の年度別償還額も考慮した上で、有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っております。なお、長期資金については、原則として当社で一元的に資金調達しております。 また、緊急時の流動性を確保するため、当社はシンジケーション方式による極度額1,000億円のコミットメントラインを設定しております。加えて、急速な外部環境変化等に万全を期すため、引き続き金融機関との間で追加の銀行融資枠を設定しております。 さらに、グループ内の資金調達の一元化・資金効率の向上・流動性の確保の観点から、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。 当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持向上を重要な経営課題と認識しており、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期格付AA-、短期格付a-1+を取得しております。また、主要な内外金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、当社グループの事業の維持拡大、必要な運転資金の確保、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能であると認識しております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会により公表されたIFRSに基づき作成されております。 また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務等オフバランス取引の開示、報告期間における財政状態及び経営成績について影響を与える見積りを行わなければなりません。経営陣は、例えば、投資、企業結合、退職金、法人税等、偶発事象や訴訟等に関する見通しや判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、資産・負債の簿価、収益・費用の報告数字についての根拠となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 当社の連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりであります。 ① 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損 当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。 これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 のれんの減損テストにおける主要な仮定や感応度分析等の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表注記 14.のれん及び無形資産 (3)のれんの減損テスト」をご参照ください。 ② 使用権資産 当社グループは、借手としてのリースについて、リースの開始日において、使用権資産及びリース債務を認識しております。使用権資産は開始日において取得原価で測定しております。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しております。 当社グループは構造改革の一環として不動産の適正化を行っており、一部の不動産リース契約について、サブリースの活用を見込んでおります。当該リース契約に関する使用権資産の残高は、基本サブリース料、リース期間におけるリース支払料の想定増加率、リースインセンティブ及びサブリース開始時期を含む空室期間に仮定をおいて算定しております。市場環境の変化や予測不能な事象の発生等により上記仮定の見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度において使用権資産に係る追加の減損又は減損の戻入れが発生する可能性があります。 ③ 金融商品(条件付対価及び株式買取債務を含む)の評価 当社グループは有価証券やデリバティブ等の金融資産を保有しており、当該金融資産の評価に当たり一定の仮定を用いております。公正価値は、市場価格の他、マーケット・アプローチやインカムアプローチ等の算出手順に基づき決定しております。具体的には、株式及びその他の金融資産のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定し、活発な市場が存在しない銘柄の公正価値は観察可能な市場データを用いて算定した金額、観察不能なインプットを用いて主としてインカムアプローチやマーケット・アプローチで算定した金額で評価しております。 企業結合の結果生じる条件付対価及び株式買取債務の公正価値等は、観察不能なインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法で算定した価額で評価しております。 当社経営陣は金融商品の公正価値等の評価は合理的であると判断しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により見積りの変更が必要となった場合、認識される公正価値等の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 確定給付制度債務の評価 確定給付制度債務及び退職給付費用は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率等が含まれます。 当社経営陣はこれらの前提条件は合理的であると判断しておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、認識される費用及び計上される債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 引当金 当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。 これらの引当金は、決算日における不確実性を考慮した最善の見積りにより算定しておりますが、予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、計上される債務の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。 当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用及び計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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開示資料

出典

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