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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

リコー

RICOH COMPANY,LTD.7752 · Prime · 電気機器

オフィス複合機で世界トップ、デジタルサービスと産業印刷にも注力する総合画像機器メーカー

概要

リコーは、1936年に理化学興業の感光紙部門から独立した光学機器メーカーを起源とする。現在はオフィス向け複合機(MFP)で世界トップシェアを持ち、プリンター、スキャナー、プロジェクターなどの画像機器に加え、印刷関連サービスやITソリューションをグローバルに提供する。2026年3月期の連結売上高は2兆6083億円、従業員は7万5635人。中核事業はオフィス向けデジタルサービスだが、産業印刷やサーマルメディア、360度カメラなど多角化している。

五つの事業セグメントで構成される収益構造

リコーグループは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他の五つの報告セグメントで構成される。デジタルサービスはオフィス向け複合機・プリンターの販売と保守、プロセスオートメーション、ITサービスを束ね、グループ収益の中心である。デジタルプロダクツは複合機の開発・生産(OEM含む)を担い、世界トップシェアの基盤を支える。グラフィックコミュニケーションズは商業・産業印刷向けのデジタル印刷機やインクジェットヘッドを手がける。インダストリアルソリューションズはサーマルメディア(感熱紙・熱転写リボン)と産業用自動化設備・精密部品を供給する。その他には360度カメラを使ったSmart Vision事業やカメラ関連事業が含まれる。2026年3月期の連結営業利益は907億円であり、ストック利益の積み上げによる収益性向上が経営課題として掲げられている。

世界約200の国と地域に広がる販売・サービス網

リコーは世界約200の国と地域で事業を展開する。地域区分は国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域である。国内ではリコージャパン株式会社が販売・サービスを統括し、オフィスサービス事業が好調に推移する。米州ではRICOH USA, INC.が販売拠点となり、オーディオビジュアルインテグレーターの買収を通じてワークプレイスエクスペリエンス事業を強化する一方、マネージドITサービス事業を売却した。欧州ではRICOH EUROPE HOLDINGS PLCを中心に販売網を持ち、PFU (EMEA) LIMITEDなどの子会社も活動する。中華圏・アジアではRICOH CHINA CO., LTD.やRICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.が地域統括を担い、タイや中国に生産拠点を置く。2023年3月期の海外売上高比率は約6割であり、グローバルな顧客基盤が強みである。

子会社229社からなるグループ体制

リコーグループは当社(株式会社リコー)と子会社229社、関連会社17社で構成される。生産子会社には、国内ではリコーインダストリー株式会社、株式会社PFU、エトリア株式会社などがある。海外ではRICOH UK PRODUCTS LTD.(英国)、RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.(タイ)、SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.(中国)などが生産を担う。販売・サービス子会社としては、国内のリコージャパン株式会社、リコーITソリューションズ株式会社、米州のRICOH USA, INC.、欧州のRICOH DEUTSCHLAND GMBH、アジアのRICOH HONG KONG LTD.などが挙げられる。また、リコーイメージング株式会社がPENTAXブランドのカメラ事業を、リコーエレメックス株式会社がサーマルメディア事業を担当する。このように、グループ内で開発・生産・販売・サービスを垂直統合的に展開している。

デジタルサービス会社への変革と資本効率の重視

リコーは2026年4月から中期経営戦略'26をスタートさせ、「デジタルサービスの会社」への変革を掲げる。従来の3年計画から5年先を見据えたローリング方式に転換し、ROE10%以上(2030年度目標)を財務目標とする。その実現に向け、ストック利益の年15%成長、成長投資3,500億円、ネットD/E比率0.4以下などのKPIを設定する。同時に、アセットライト経営を推進し、資産保有を最小限に抑えながら安定収益を積み上げる方針である。2024年7月には東芝テックとの合弁会社エトリア株式会社を組成し、複合機の開発・生産を統合した。2025年10月には沖電気工業がエトリアに参画し、業界再編が加速する。これらの取り組みを通じて、資本コストを上回るROEの早期実現を目指す。

業界の中での役割は画像機器・デジタルサービスのグローバルメーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.6兆円
営業利益
907億円
営業利益率
3.5%
純利益
557億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01オフィス・企業向け(デジタルサービス)主力

全世界のオフィス顧客向けに、複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器の販売・保守サービスに加え、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービス等のワークフロー変革ソリューションを提供。

主な製品・サービス3
オフィス向け複合機(MFP)世界シェア首位
印刷・コピー・スキャン・FAX機能を一体化したオフィス機器。世界トップシェア。
オフィス向けプリンター
ページプリンター、レーザープリンター等。
スキャナー
ドキュメントスキャナー。

02デジタルプロダクツ(OEM含む)主力

オフィス向け複合機(世界トップシェア)、プリンター・スキャナー等の画像機器、ならびにエッジデバイスの開発・生産(OEM含む)。自社ブランドだけでなく他社への供給も行う。

主な製品・サービス1
オフィス向け複合機(OEM含む)世界シェア首位
世界トップシェアの複合機を自社ブランドおよび他社OEMで生産。

03印刷業(グラフィックコミュニケーションズ)準主力

商用印刷(多品種少量印刷に対応するデジタル印刷機・プロダクションプリンター)および産業印刷(建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾等向けインクジェットヘッド・インク・プリンター)を提供。印刷業者・産業メーカー向け。

主な製品・サービス4
プロダクションプリンター
商業印刷向け高速カラーデジタル印刷機。
産業用インクジェットヘッド
建材・テキスタイル等向けインクジェットプリントヘッド。
産業用インク
インクジェット用インク。
産業用プリンター
建材・壁紙・サイン等向け産業用プリンター。

04製造・物流・医療(インダストリアルソリューションズ)準主力

サーマル事業:バーコードラベル用感熱紙・熱転写リボン・ラベルレスサーマル包装材を製造・流通・物流・医療現場向けに供給。産業プロダクツ事業:製造業向け自動化設備・検査装置、自動車業界向け精密部品を製造・販売。

主な製品・サービス5
感熱紙(サーマルメディア)
バーコードラベル・レシート用感熱紙。製造・物流・医療現場で使用。
熱転写リボン
バーコード印刷用リボン。
ラベルレスサーマル
機能性包材向けラベルレスのサーマル包装材料。
自動化設備・検査装置
製造業向けFA機器、画像検査装置等。
精密部品
自動車向け精密部品。

05不動産・建設・土木(その他:Smart Vision)その他

360度カメラとソフトウェア・クラウドサービスを組み合わせ、不動産・建設・土木等の現場デジタル化を支援するSmart Vision事業。カメラ関連事業も含む。

主な製品・サービス1
360度カメラ
全天球撮影可能なデジタルカメラ。現場計測・記録向け。

製品と技術

世界トップシェアのオフィス向け複合機(MFP)

リコーの主力製品は、印刷・コピー・スキャン・FAX機能を一体化したオフィス向け複合機(MFP)である。世界トップシェアを持ち、自社ブランドに加えて他社へのOEM供給も行う。2024年7月に組成した合弁会社エトリア株式会社が、東芝テックや沖電気の技術を取り込みながら、環境性能に優れたエンジンの開発・生産を担う。エトリアのエンジンシェア拡大がグループの安定収益基盤として位置づけられている。複合機本体だけでなく、消耗品や保守サービスも含めたストック収益が重要であり、顧客との長期契約を通じて安定した収益源となっている。

商業・産業印刷向けのデジタル印刷機とインクジェット技術

グラフィックコミュニケーションズ事業では、印刷業者向けに多品種少量印刷に対応するプロダクションプリンターを提供する。産業印刷分野では、建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地などへの印刷を可能にする産業用インクジェットヘッド、インク、プリンターを製造・販売する。リコーのインクジェット技術は高精細・高速印刷を特徴とし、顧客のコスト低減や環境対応に貢献する。同事業は、オフィスプリンティングとは異なる成長市場として位置づけられ、インクジェット技術を活用した新たな事業創出が目指されている。

製造・物流・医療を支えるサーマルメディア

インダストリアルソリューションズのサーマル事業は、バーコードラベル用の感熱紙、熱転写リボン、ラベルレスサーマル包装材を製造・販売する。感熱紙は製造・流通・物流・医療現場で広く使用され、リコーはリコーエレメックス株式会社を中心にグローバルな供給体制を持つ。ラベルレスサーマルは機能性包材市場向けの新製品であり、ラベル不要で包装材に直接印字できる。これらの製品は消耗品ビジネスとして安定した収益を生むとともに、産業用プリンターや自動化設備との組み合わせでソリューション提案が行われる。

360度カメラで現場のデジタル化を支援するSmart Vision

その他事業に分類されるSmart Vision事業は、360度カメラとソフトウェア・クラウドサービスを組み合わせ、不動産・建設・土木などの現場のデジタル化を支援する。リコーの360度カメラは全天球撮影が可能で、現場の計測・記録に活用される。例えば、建設現場の進捗管理や不動産内覧のバーチャルツアーなどに利用される。この事業は、カメラハードウェアだけでなく、クラウド上のデータ管理・分析サービスも含む。リコーイメージング株式会社がカメラ関連事業を担当し、RICOH IMAGING AMERICAS CORPORATIONなどが販売を担う。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位オフィス向け複合機(MFP)世界トップシェアオフィス・企業向け(デジタルサービス)
  • 世界シェア首位オフィス向け複合機(OEM含む)世界トップシェアデジタルプロダクツ(OEM含む)

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

オフィス機器で世界大手、成長分野への転換途上

リコーは、複合機やプリンターなどオフィス機器で世界有数のシェアを持つ。売上高は約2.6兆円と業界内で大規模だが、ライバルであるイビデンやキオクシアホールディングスは電子部品・半導体など異なる分野で競合している。紙需要の減少に伴い、オフィス機器の市場は縮小傾向にあり、営業利益率は2025年3月期の2.52%から2026年3月期に3.48%と改善見込みだが、収益性は低い。デジタルサービスや印刷ソリューションへのシフトを進める必要がある。

強み

  • 複合機市場で世界首位級、ブランド力と販売網が強み
  • 印刷サービスやデジタルソリューションで成長を目指す
  • 画像処理や光学技術で高い技術力を保有し、製品競争力に貢献
  • リサイクルや省エネ製品で環境意識の高い顧客に支持

課題

  • 複合機需要が減少、従来事業の成長に限界
  • 営業利益率3%台と低く、価格競争に苦戦
  • デジタル分野への投資が遅れ、新規成長が不十分

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

受動部品・センサの時価総額近傍。太字がリコー

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16963ローム1.9兆円
26479ミネベアミツミ1.4兆円13.1倍
36841横河電機1.2兆円21.3倍
46724セイコーエプソン1.2兆円56.7倍
56976太陽誘電1.2兆円82.3倍
67752リコー9,668億円17.4倍
76806ヒロセ電機8,936億円25.2倍
86965浜松ホトニクス7,373億円50.7倍
97762シチズン時計6,711億円21.4倍
107731ニコン6,311億円
115344MARUWA6,275億円33.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(受動部品・センサ)に従っています。

会社の歴史

沿革 57件

理研感光紙から光学機器メーカーへ(1936~1954年)

リコーの起源は1936年2月、財団法人理化学研究所の発明・考案の工業化を目的とする理化学興業株式会社の感光紙部門を独立させた理研感光紙株式会社の設立にある。1938年3月には商号を理研光学工業株式会社に変更し、光学機器の製造販売を開始する。1949年5月に東京・大阪両証券取引所に株式を公開。1954年4月には東京都大田区に大森光学工場を新設し、現在の本社事業所の基盤を築く。この時期は感光紙から光学機器へと事業の軸を広げる過渡期であった。

複写機事業への参入と商号変更(1955~1963年)

1955年5月、小型卓上複写機の製造販売を開始し、複写機分野に本格参入する。1961年5月には大阪府池田市に感光紙工場(現・池田事業所)を新設。同年10月には東京・大阪両証券取引所第一部に上場する。1962年6月には静岡県沼津市で製紙工場の操業を開始し、原紙から感光紙までの一貫生産体制を確立。同年12月には米国に初の現地法人RICOH OF AMERICA INC.を設立し、海外展開の第一歩を踏み出す。1963年4月、商号を株式会社リコーに変更し、現在の企業名が定まる。

海外生産拠点の設立と販売網の拡充(1971~1991年)

1971年5月、神奈川県厚木市に事業所を新設し、事務機製造を一部移転。同年6月にはオランダに現地法人RICOH NEDERLAND B.V.(現RICOH EUROPE HOLDINGS B.V.)を設立。1973年1月には米国に生産子会社RICOH ELECTRONICS, INC.を設立する。1983年12月には英国にRICOH UK PRODUCTS LTD.を設立し、欧州での生産を開始。1985年10月には静岡県御殿場市に複写機工場を新設。1991年1月には中国にRICOH ASIA INDUSTRY (SHENZHEN) LTD.を設立し、アジア生産拠点を拡大した。この間、販売面でも香港(1978年)や英国(1983年)などに現地法人を設立し、グローバルな販売網を整備した。

大型買収による販売会社の統合(1995~2008年)

1995年3月、米国のOA機器販売会社SAVIN CORPORATIONを買収。同年9月には英国のGESTETNER HOLDINGS PLCを買収し、欧州の販売網を獲得する。2001年1月には米国のLANIER WORLDWIDE, INC.を、2008年10月には同じく米国のIKON Office Solutions, Inc.を買収した。これらの買収により、リコーは北米と欧州で直販・サービス網を一気に拡大し、オフィス機器のグローバル販売体制を確立する。2007年1月にはDanka Business Systems PLCの欧州販売網も譲り受け、さらに販売チャネルを強化した。

デジタルサービスへの転換と事業構造の改革(2010~2018年)

2010年7月、国内販売事業部門と7社の販売会社を合併しリコージャパン株式会社を設立し、国内販売を一本化する。2011年10月にはHOYA株式会社からPENTAXイメージング・システム事業を買収し、カメラ事業に参入する。一方で、2018年3月にはリコー電子デバイス株式会社(現日清紡マイクロデバイス株式会社)の株式80%を譲渡し、半導体事業から撤退。同年8月にはリコーロジスティクス株式会社の株式66.6%をSBSホールディングスに譲渡し、物流事業を分離する。これらの選択と集中により、デジタルサービスとコアの画像機器事業に経営資源を集中する方向へ舵を切った。

業界再編とPFU買収による成長戦略(2022~2025年)

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場へ移行。同年9月には株式会社PFU(発行済株式の80%)を買収し、2025年3月に完全子会社化する。PFUのスキャナー事業やITサービスをグループに取り込み、デジタルサービス能力を強化した。2024年7月には東芝テック株式会社と複合機の開発・生産に関する合弁会社エトリア株式会社を組成。2025年10月には沖電気工業株式会社がエトリアに参画し、開発・生産体制のさらなる強化を図る。これらの動きは、オフィスプリンティング事業の収益基盤を維持しながら、デジタルサービス事業の拡大を目指す戦略の一環である。

年表57件を開く

1930年代

  • 1936年2月創業財団法人理化学研究所における発明、考案の工業化を目的とする理化学興業株式会社の感光紙部門を独立し、理研感光紙株式会社として設立。
  • 1938年3月商号変更商号を理研光学工業株式会社に変更し、光学機器の製造販売を開始。

1940年代

  • 1949年5月東京及び大阪両証券取引所市場に株式を公開。

1950年代

  • 1954年4月東京都大田区に大森光学工場を新設(現・本社事業所)。
  • 1955年5月小型卓上複写機の製造販売を開始。

1960年代

  • 1961年5月大阪府池田市に感光紙工場を新設(現・池田事業所)。
  • 1961年10月上場東京及び大阪両証券取引所市場第一部に上場。
  • 1962年6月静岡県沼津市で製紙工場の操業を開始し、原紙から感光紙の一貫生産を実施(現・沼津事業所)。
  • 1962年12月創業米国に現地法人RICOH OF AMERICA INC.を設立(現・RICOH USA, INC.)。
  • 1963年4月商号変更商号を株式会社リコーに変更。
  • 1967年7月創業宮城県柴田郡に東北リコー株式会社を設立。

1970年代

  • 1971年5月神奈川県厚木市に事業所を新設し、大森事業所より事務機製造の一部を移転(現・厚木事業所)。
  • 1971年6月創業オランダに現地法人RICOH NEDERLAND B.V.を設立(現・RICOH EUROPE HOLDINGS B.V.)。
  • 1973年1月創業米国に現地法人RICOH ELECTRONICS,INC.を設立。
  • 1976年12月創業リコークレジット株式会社を設立(現・リコーリース株式会社)。
  • 1978年12月創業香港に現地法人RICOH BUSINESS MACHINES,LTD.を設立(現・RICOH HONG KONG LTD.)。

1980年代

  • 1981年3月大阪工場に電子部品を開発、製造する電子技術開発センターを新設(現・池田事業所)。
  • 1982年5月福井県坂井市に感光紙製造工場を新設(現・福井事業所)。
  • 1983年12月創業英国に現地法人RICOH UK PRODUCTS LTD.を設立。
  • 1985年10月静岡県御殿場市に複写機器製造工場を新設し、厚木事業所より複写機器製造の一部を移転。
  • 1986年4月創業神奈川県横浜市に創立50周年を機に研究所を新設し、大森事業所より研究開発部門の一部を移転(現・横浜仲町台事業所)。
  • 1987年4月創業仏国に現地法人RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.を設立(現・RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.)。

1990年代

  • 1991年1月創業中国に現地法人RICOH ASIA INDUSTRY (SHENZHEN) LTD.を設立。
  • 1995年3月M&A米国のOA機器販売会社SAVIN CORPORATIONを米国の現地法人RICOH CORPORATIONを通じて買収。
  • 1995年9月M&A英国のOA機器販売会社GESTETNER HOLDINGS PLCを買収(現・RICOH EUROPE PLC)。
  • 1996年1月上場リコーリース株式会社の株式を東京証券取引所に上場。
  • 1996年12月創業シンガポールに現地法人RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.を設立。
  • 1997年3月創業米国に現地法人RICOH SILICON VALLEY,INC.を設立(現・RICOH INNOVATIONS CORPORATION)。
  • 1999年8月M&A香港のOA機器販売会社INCHCAPE NRG LTD.を香港の現地法人RICOH HONG KONG LTD.を通じて買収。

2000年代

  • 2001年1月M&A米国のOA機器販売会社LANIER WORLDWIDE,INC.を米国の現地法人RICOH CORPORATIONを通じて買収。
  • 2002年10月創業中国に現地法人RICOH CHINA CO.,LTD.を設立。
  • 2003年4月M&A東北リコー株式会社を完全子会社化。
  • 2004年10月M&A日立プリンティングソリューションズ株式会社を買収。
  • 2005年8月M&A神奈川県海老名市にリコーテクノロジーセンターを開設し、開発部門を統合。
  • 2005年11月東京都中央区に本社事業所を移転。
  • 2007年1月Danka Business Systems PLCの欧州におけるOA機器の販売・サービス網をオランダの現地法人RICOH EUROPE B.V.(現・RICOH EUROPE HOLDINGS B.V.)を通じて譲り受け。
  • 2007年6月International Business Machines Corporation (IBM)との共同出資会社であるINFOPRINT SOLUTIONS COMPANY, LLCが営業開始。
  • 2008年5月創業タイに現地法人RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.を設立。
  • 2008年8月M&Aリコーエレメックス株式会社を完全子会社化。
  • 2008年10月M&A米国のOA機器販売会社IKON Office Solutions,Inc.を米国の現地法人RICOH AMERICAS CORPORATIONを通じて買収(現・RICOH USA, INC.)。

2010年代

  • 2010年7月創業株式会社リコーの販売事業部門及び国内の販売会社7社を合併しリコージャパン株式会社を設立。
  • 2010年8月リコーテクノロジーセンター(神奈川県海老名市)敷地内に新棟が完成。
  • 2011年10月M&AHOYA株式会社のPENTAXイメージング・システム事業を買収(現・リコーイメージング株式会社)。
  • 2013年4月リコーテクノロジーズ株式会社へ、国内製造子会社及び株式会社リコーの設計機能の一部を移管。
  • 2014年7月M&Aリコージャパン株式会社へ、国内販売関連会社を統合。
  • 2014年10月リコーインダストリアルソリューションズ株式会社へ、国内製造子会社及び株式会社リコーの光学機器及び電装ユニット外販事業を移管。
  • 2016年4月リコー環境事業開発センター(静岡県御殿場市)を開設。
  • 2017年11月創業中国に現地法人RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.を設立。
  • 2018年1月東京都大田区に本社事業所を移転。
  • 2018年3月リコー電子デバイス株式会社(現・日清紡マイクロデバイス株式会社)の発行済株式の80%を日清紡ホールディングス株式会社へ譲渡(2021年12月に当社が保有する全株式を日清紡ホールディングス株式会社に譲渡)。
  • 2018年8月リコーロジスティクス株式会社(現・SBSリコーロジスティクス株式会社)の発行済株式の66.6%(小数点第二位以下を切り捨て)をSBSホールディングス株式会社へ譲渡。

2020年代

  • 2020年4月リコーリース株式会社の発行済株式の約20%をみずほリース株式会社へ譲渡。
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行。
  • 2022年9月M&A株式会社PFUを買収(発行済株式の80%を取得し連結子会社化)。
  • 2024年7月東芝テック株式会社と複合機等の開発・生産に関する合弁会社エトリア株式会社を組成。
  • 2025年3月M&A株式会社PFU株式の20%を追加取得し完全子会社化。
  • 2025年10月エトリア株式会社に沖電気工業株式会社が参画。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE2030年度まで10%以上
  • ROIC7%以上
  • ストック利益成長率15%以上の成長
  • 成長投資額3,500億円程度
  • 人的資本ROI25%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    ストック利益の積み上げ

    顧客からの信頼の証しとしてストック利益を重要指標とし、地域特性に応じた最適なインテグレーション、高収益サービス拡大、戦略的M&A、販売体制強化、インクジェット技術活用により継続的な収益向上と事業基盤の安定化を図る。

  2. 02

    継続的なコスト構造の見直し

    グローバルでの経費構造改革とアセットライト化を主要戦略とし、AX・DXを活用したバックオフィス改革やSCM改革、事業ポートフォリオ最適化、拠点統廃合等を推進。投下資本抑制とキャッシュ創出力強化によりROIC改善を図る。

  3. 03

    人材の活性化

    事業成長を支える能力獲得・人材ポートフォリオ最適化と、個人が能力を発揮できる環境整備を推進。グローバル人材活用、リスキリング、ジョブ型人事制度の進化、報酬制度改革等により人的資本ROIを向上させる。

  4. 04

    資本効率重視の経営と株主還元

    ROEが株主資本コストを上回る状態を実現し、企業価値とTSR向上を目指す。アセットライト化やストック利益の積み上げを通じてROIC改善と安定収益を確保。総還元性向50%を目安に、成長投資と株主還元を両立する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で75,635人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は906万円で、9期前と比べて+10.8%平均年齢は45.4歳、平均勤続年数は20.0年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月105,613
2018年3月97,878
2019年3月81844.620.092,663
2020年3月82844.920.290,141
2021年3月78345.220.081,184
2022年3月80445.320.578,360
2023年3月83945.620.781,017
2024年3月86045.720.579,544
2025年3月86045.420.078,66581
2026年3月90645.420.075,635120

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率10.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率93.3%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)80.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社57(国内 25 / 海外 32) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズ — RICOH USA INC. 他 米州販売会社 36社406億円
デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズ — リコージャパン㈱(東京都大田区)313億円
デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズ — RICOH EUROPE HOLDINGS PLC 他 欧州販売会社 89社298億円
リコーテクノロジーセンター — 神奈川県海老名市196億円
デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ及びその他
デジタルプロダクツ — エトリアマニュファクチャリングジャパン ㈱(静岡県沼津市)196億円
デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズ — RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD. 他 その他地域販売会社 15社164億円
デジタルプロダクツ — RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD. (中国 東莞市)149億円
デジタルプロダクツ及びインダストリアルソリューションズ — RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD. (タイ ラヨーン県)101億円
デジタルサービス及びデジタルプロダクツ — ㈱PFU (石川県かほく市)9,976百万円
デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ及びインダストリアルソリューションズ — リコーエレメックス㈱(愛知県岡崎市)8,402百万円
ほか16件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    リコーインダストリー㈱
    神奈川県 厚木市
    議決権100.0%
  • 国内
    リコーエレメックス㈱
    愛知県 岡崎市
    議決権100.0%
  • 国内
    リコージャパン㈱ ,3
    東京都 大田区
    議決権100.0%
  • 国内
    リコーITソリューションズ㈱
    神奈川県 横浜市
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱PFU
    石川県 かほく市
    議決権100.0%
  • 国内
    リコーイメージング㈱
    東京都 大田区
    議決権100.0%
  • 国内
    リコークリエイティブサービス㈱
    東京都 大田区
    議決権100.0%
  • 国内
    リコーPFUコンピューティング㈱
    神奈川県 海老名市
    議決権100.0%
  • 国内
    エトリア㈱
    神奈川県 横浜市
    議決権80.7%
  • 海外
    RICOH ELECTRONICS, INC.
    米国 ジョージア州
    議決権100.0%
  • 海外
    ETRIA MANUFACTURING USA INC. ,4
    米国 ジョージア州
    議決権100.0%
  • 海外
    RICOH UK PRODUCTS LTD.
    英国 テルフォード
    議決権100.0%
残りのグループ会社45社を開く
  • RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.仏国 ヴェトルスハイム100%
  • RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO.,LTD.中国 無錫市99%
  • SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO.,LTD.中国 上海市100%
  • RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.中国 東莞市100%
  • TOSHIBA TEC INFORMATION SYSTEMS(SHENZHEN) CO.,LTD.中国 深圳市100%
  • ETRIA LOGISTICS & PROCUREMENT H.K. LIMITED中国 香港100%
  • ETRIA TRADING ASIA LIMITED ,4中国 香港100%
  • ETRIA MANUFACTURING MALAYSIA SDN. BHD.マレーシア ペナン100%
  • OKI DATA MANUFACTURING (THAILAND) CO.,LTD.タイ アユタヤ県100%
  • RICOH IMAGING PRODUCTS (VIETNAM) CO.,LTD.ベトナム ハノイ100%
  • RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.タイ ラヨーン県100%
  • RICOH AMERICAS HOLDINGS, INC.米国 ニュージャージー州100%
  • RICOH CANADA INC.カナダ オンタリオ州100%
  • RICOH USA, INC. ,3,4米国 ペンシルバニア州100%
  • PFU AMERICA, INC.米国 カリフォルニア州100%
  • RICOH IMAGING AMERICAS CORPORATION米国 ニュージャージー州100%
  • RICOH SOUTH AMERICA DC S.A.ウルグアイ モンテビデオ100%
  • RICOH EUROPE HOLDINGS PLC英国 ロンドン100%
  • RICOH SVERIGE AB.スウェーデン ストックホルム100%
  • RICOH UK LTD.英国 ノーサンプトン100%
  • PFH TECHNOLOGY GROUP UNLIMITED COMPANYアイルランド コーク100%
  • PFU (EMEA) LIMITED英国 アクスブリッジ100%
  • RICOH DEUTSCHLAND GMBH独国 ハノー ファー100%
  • DOCUWARE GMBH独国 ミュンヘン100%
  • RICOH INTERNATIONAL B.V.オランダ アムステルフェーン100%
  • RICOH NEDERLAND B.V.オランダ スヘルトヘンボス100%
  • RICOH EUROPE SCM B.V.オランダ ベルヘンオプゾーム100%
  • RICOH BELGIUM N.V.ベルギー ヴィルヴォールド100%
  • REX-ROTARY S.A.S.仏国 サンドニ100%
  • RICOH FRANCE S.A.S.仏国 ランジス100%
  • RICOH IMAGING EUROPE S.A.S.仏国 ランジス100%
  • RICOH SCHWEIZ AGスイス チューリッヒ100%
  • RICOH ITALIA S.R.L.イタリア ミラノ100%
  • NPO SISTEMI S.R.L.イタリア ミラノ100%
  • RICOH ESPANA S.L.U.スペイン マドリッド100%
  • RICOH CHINA CO., LTD.中国 上海市100%
  • RICOH ASIA PACIFIC OPERATIONS LTD.中国 香港100%
  • RICOH HONG KONG LTD.中国 香港100%
  • RICOH THAILAND LTD.タイ バンコク100%
  • RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.シンガポール100%
  • RICOH AUSTRALIA PTY, LTD.オーストラリア ニュー サウス ウェールズ100%
  • RICOH NEW ZEALAND LTD.ニュージーランド オークランド100%
  • RICOH EUROPE FINANCE LIMITED英国 ロンドン100%
  • SBSネクサ―ド㈱東京都 大田区33%
  • リコーリース㈱東京都 千代田区34%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • CHAxon Ivy AG
  • DERicoh Deutschland GmbH
  • GBRICOH UK PRODUCTS LIMITED

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    登記情報システム用印刷装置(IPSiO SP 9100HE Proほか)に係る消耗品 一式(単価契約)
    法務省 · 2015-04-06
    3.9億円
  • 調達
    OA機器消耗品(39品目)の購入
    外務省 · 2018-03-28
    2.9億円
  • 調達
    在外本官用プリンタトナー等の調達
    外務省 · 2017-03-28
    2.7億円
  • 調達
    平成28年度東京労働局及び各労働基準監督署、各公共職業安定所における電子式複写機・複合機(リコー製)の年間保守(単価契約)
    厚生労働省 · 2016-03-24
    1.7億円
  • 調達
    平成30年度 東京労働局及び各労働基準監督署、各公共職業安定所における電子式複写機・複合機(リコー製)の年間保守(単価契約)
    厚生労働省 · 2018-03-15
    1.6億円
  • 調達
    OA機器消耗品(44品目)の購入
    外務省 · 2019-03-27
    1.6億円
  • 調達
    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤サブテーマII:超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術/ヒューマンインタラクションセンサデバイスシステム技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-01-18
    1.5億円
  • 調達
    コピー・複合機による出力環境サービスの提供
    金融庁 · 2016-02-25
    1.2億円
  • 調達
    OA機器消耗品(46品目)の購入
    外務省 · 2017-04-14
    1.2億円
  • 調達
    OA機器消耗品(34品目)の購入
    外務省 · 2016-04-12
    1.2億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2.6兆円営業利益907億円前期と比べると増収増益で、売上が+3.2%、利益が+42.2%。

売上高
+3.2%
2.6兆円
営業利益
+42.2%
907億円
純利益
+21.9%
557億円
営業利益率
3.5%
前期比 +1.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2.7兆円2.6兆円
営業利益950億円907億円
純利益620億円557億円
1株あたり配当¥44¥44

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は6,298億円、営業利益は478億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+17.8%、営業利益は+368.6%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.61270
2024年1Q0.531021.988
2024年2Q0.58941.668
2024年3Q0.591763.0147
2024年4Q0.65139
2025年2Q1.20680.693
2025年4Q1.335704.3364
2026年2Q1.223542.9246
2026年4Q1.395534.0311
2027年1Q0.634787.6371

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.8兆円から2.6兆円へ1.4倍に増えた。直近期の営業利益率は3.5%。売上は5期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.81681389
リコージャパン株式会社へ、国内販売関連会社を統合。
2014年3月2.111,181728
2015年3月2.151,123686
リコー環境事業開発センター(静岡県御殿場市)を開設。
2016年3月2.21957630
中国に現地法人RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.を設立。
2017年3月2.0330035
2018年3月2.06−1,242−1,354
2019年3月2.01840495
2020年3月2.01759395
2021年3月1.68−410−327
株式会社PFUを買収(発行済株式の80%を取得し連結子会社化)。
2022年3月1.76444304
2023年3月2.13813544
2024年3月2.35682442
株式会社PFU株式の20%を追加取得し完全子会社化。
2025年3月2.536387012.5457
2026年3月2.619079233.5557

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2.6兆円のうち、営業利益として残るのは907億円3.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は557億円、売上の2.1%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金65.9%1.7兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金31.3%8,152億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.5%907億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
34.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比3.4pt
3.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比3.8pt
2.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比2.9pt
5.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,581億円、投資CFが−725億円で、差し引きのフリーCFは856億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,935億円で、売上の0.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1,373−1,217−6181561,171
2014年3月1,469−1,229−922401,400
2015年3月1,025−1,435299−4101,377
2016年3月999−1,041427−421,675
2017年3月883−1,067−199−1841,264
2018年3月1,103−811642921,606
2019年3月819−4594243602,401
2020年3月1,167−1,646758−4792,637
2021年3月1,270−636−416343,303
2022年3月825−594−1,3172312,340
2023年3月667−1,339355−6722,109
2024年3月1,256−978−8292781,696
2025年3月1,369−794−4565751,819
2026年3月1,581−725−8318561,935

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は2.5兆円。このうち返さなくてよい自己資本が1.2兆円で、自己資本比率は45.5%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月2.390.911.4838.2
2014年3月2.601.031.5739.6
2015年3月2.731.081.6539.7
2016年3月2.781.081.7038.8
2017年3月2.761.041.7237.8
2018年3月2.640.911.7334.4
2019年3月2.730.931.7934.2
2020年3月2.870.921.9532.1
2021年3月1.890.920.9748.8
2022年3月1.850.900.9548.7
2023年3月2.150.931.2243.3
2024年3月2.291.041.2545.4
2025年3月2.361.031.3043.7
2026年3月2.541.161.3545.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
2,049億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
5,081億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1.4兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
67
/ 100
安定性自己資本比率30 / 40
収益力営業利益率7 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り224社中95位あたり、逆に低いのは自己資本比率224社中179位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.1%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
3.5%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
45.5%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
3.2%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.6%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,697で、1年前と比べて+28.5%過去52週の値幅のなかでは90%の位置にある。

¥1,697-2.8%1ヶ月+11.9%1年+28.5%時価総額9,668億円
過去52週の値幅
安値¥1,255高値¥1,747.5

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)17.4倍
PER (会社予想)15.3倍
PBR0.81倍
配当利回り2.59%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1カ月で株価は5.16%上昇と堅調。25日移動平均線(1590.86円)を3.2%上回り、75日線(1498.68円)も9.6%上回る。200日線(1416.52円)からも15.9%乖離し、上昇トレンドが明確。52週高値1684円に迫る水準(1642円、高値比2.5%下)で、年初来高値更新も視野。出来高は直近で751万株と急増し、買いが活発。RSIは58.43と中立やや強含みで、上昇余地を残す。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 80/100)

PERは16.8倍と予想14.8倍に対し、同業平均30.85倍を大きく下回り割安です。PBRは0.79倍と1倍割れで、ROE5.09%を考慮しても資産価値に対して株価が低く、配当利回り2.68%は平均2.29%を上回ります。ただし、営業利益率は3%台と低く収益力に課題があり、配当は伸び悩む可能性があります。

指標この会社業種平均
PER (実績)17.4倍30.8倍
PER (予想)15.3倍
PBR0.81倍2.58倍
ROE5.1%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

この銘柄の投資論点は、構造的な市場縮小の中で、事業ポートフォリオの転換をどれだけ進め、収益性を改善できるかに尽きる。強気派は、オフィス印刷需要の減少は不可避としつつも、サービス化・サブスク化により安定収益を確保できるとみる。また、デジタル変革による生産性向上や、M&A戦略、コスト構造改革の進展を評価する。一方弱気派は、紙文化の衰退により複合機市場自体が縮小の一途をたどるとし、本業の苦戦が続くと予想する。競合他社との価格競争や技術変化への対応遅れも懸念される。さらに、海外事業の伸び悩みや、リストラ等の一時費用が利益を圧迫する可能性を指摘する。

プラスに働く材料7
  • サービス事業の拡大

    プリントサービスやITソリューションの売上比率が上昇し、安定収益の柱になりつつある。

  • コスト構造改革

    固定費削減や生産体制の見直しで、営業利益率の改善が進んでいる。

  • デジタル需要の取り込み

    働き方改革に伴うオフィスデジタル化の需要を捉え、新サービス展開が期待できる。

  • 営業利益907億円へ42%増益決算発表後影響

    営業利益は638億円→907億円と42%増加。3期連続の増益

  • 営業利益率3.48%へ改善通年影響

    営業利益率は2.52%→3.48%と上昇。構造改革効果が顕在化

  • PBR0.78倍と解散価値下回る継続影響

    PBRは0.78倍と1倍未満。資産価値に比べて株価が割安

  • 売上高2兆6,083億円で増収通年影響

    売上高は25,279億円→26,083億円と増加。トップライン安定

マイナスに働く材料7
  • 市場の構造的縮小

    ペーパーレス化やリモートワーク普及で複合機需要は長期的に減少する。

  • 競争激化

    キヤノンなど競合他社との値引き競争や技術革新競争で収益性が低下する。

  • 変革の速度不足

    デジタルシフトが計画通り進まず、投資負担が先行して利益を圧迫する。

  • ROE5.09%と低くPBR0.78倍が定着継続影響

    ROE5.09%ではPBR0.78倍でも割安とは言えず、株価は冴えない

  • 純利益率は1.8%にとどまる通年影響

    売上高2.5兆円に対し純利益457億円。利益率の低さが株価の重し

  • 売上高成長率が3.2%へ鈍化2026年下期影響

    売上高は前期比7.6%増から3.2%増へ減速。需要環境は厳しさ

  • 配当利回り2.72%に依存した需給通年影響

    配当利回り2.72%は下支えだが、増配がなければ魅力は限定的

次の決算で確かめる点
サービス売上高比率
安定収益の柱となるサービス事業の拡大度合いを見るため。
複合機販売台数
本業の市場シェアや需要動向を示す基礎指標であり、販売低迷が全体に響くため。
営業利益率
コスト改革や事業転換の成果を確認するための総合指標。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり44で、前期から+5.3%いまの株価に対する利回りは2.59%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥44
1株あたり
配当利回り
2.59%
いまの株価に対して
配当性向
28.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月35906.9
2018年3月15−57.1
2019年3月2353.332.7
2020年3月2613.0447.1
2021年3月15−42.312.3
2022年3月2673.366.9
2023年3月3430.871.3
2024年3月365.940.4
2025年3月385.6111.5
2026年3月405.328.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥44

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ43,727人。区分でいちばん多いのは外国法人44.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が39.1%を占め、残る60.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人42.543.042.444.748.644.7
金融機関37.840.140.537.435.434.3
個人・その他11.69.09.89.88.59.2
証券会社3.83.53.03.72.96.9
事業法人4.24.34.44.44.64.8
自己株式3.50.00.01.00.00.0
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)15.00
02GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)7.85
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.77
04SUNTERA(CAYMAN)LIMITED AS TRUSTEE OF ECM MASTER FUND(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)5.20
05新生信託銀行株式会社ECM MF信託口82990043.69
06日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)3.62
07JPモルガン証券株式会社3.17
08MLI FOR SEGREGATED PB CLIENT(常任代理人 BofA証券株式会社)3.09
09公益財団法人市村清新技術財団2.78
10CGML PB CLIENT ACCOUNT/COLLATERAL(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)2.01

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近4
  • 2026-08-03
    株式会社三菱UFJ銀行
    新規の大量保有報告
    4.17%
    -1.28pt
  • 2026-07-22
    三井住友信託銀行株式会社
    新規の大量保有報告
    0.31%
    -0.10pt
  • 2026-06-15
    エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー
    新規の大量保有報告
    24.77%
  • 2026-06-10
    エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー
    新規の大量保有報告
    24.77%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+82%、1株純資産は14期で+61%。直近期のROEは5.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月541,2604.418.7132.7
2014年3月1001,4207.511.8181.7
2015年3月951,4966.513.861.6
2016年3月871,4875.813.2357.1
2017年3月51,4380.3190.4906.9
2018年3月−1871,255−13.9
2019年3月681,2875.416.932.7
2020年3月551,2704.314.6447.1
2021年3月−451,281−3.612.3
2022年3月451,4163.323.466.9
2023年3月881,5295.911.271.3
2024年3月731,7224.518.640.4
2025年3月781,8104.420.2111.5
2026年3月982,0315.113.428.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

27名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は27名。2026/3期の役員報酬は総額669百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約13倍にあたる。

氏名役職年齢
山下良則取締役 会長 指名委員69
大山晃代表取締役 CEO65
川口俊取締役 CFO63
横尾敬介74
谷定文71
石村和彦71
石黒成直68
武田洋子取締役 指名委員 報酬委員55
佐藤愼二監査役(常勤)66
西宮一雄監査役(常勤)66
太田洋監査役(非常勤)58
鈴木国正監査役(非常勤)66
残りの役員15名を開く
氏名役職年齢
大塚敏弘監査役(非常勤)65
中田克典コーポレート 専務執行役員
入佐孝宏コーポレート 上席執行役員
宮尾康士コーポレート 上席執行役員
野水泰之コーポレート 上席執行役員
小林一則コーポレート 上席執行役員
Carsten Bruhnコーポレート 執行役員
鈴木美佳子コーポレート 執行役員
上杉恵一郎コーポレート 執行役員
笠井徹コーポレート 執行役員
長久良子コーポレート 執行役員
塩川恵一コーポレート 執行役員
David Millsコーポレート 執行役員
Michael Bergerコーポレート 執行役員
遠藤早苗コーポレート 執行役員

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)31828612359120
社外取締役812412416
社外取締役5818116
監査役2626231
社外監査役3434314

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,050字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社229社、関連会社17社で構成されております。 当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。 開発については、主として当社が担当しております。また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。 また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。 事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。 また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。 <デジタルサービス> 当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器及び消耗品の販売・保守サービスをはじめ、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといった領域において、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するオフィスサービスを提供しております。 <デジタルプロダクツ> 当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンター・スキャナー等の画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEMを含む)に取り組んでおります。 <グラフィックコミュニケーションズ> 当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。 商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品(プロダクションプリンター等)・サービスを提供しております。 産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地等、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンター等を製造・販売しております。 (上記3事業セグメントにおける主要な子会社) (設計及び開発・生産・その他) 国内   …   エトリア㈱、リコーインダストリー㈱、㈱PFU、リコーPFUコンピューティング㈱ 米州   …   ETRIA MANUFACTURING USA INC. 欧州   …   RICOH UK PRODUCTS LTD.、RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S. その他地域   …   SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.、RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.、RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.、TOSHIBA TEC INFORMATION SYSTEMS (SHENZHEN) CO., LTD.、ETRIA LOGISTICS & PROCUREMENT H.K. LIMITED、ETRIA TRADING ASIA LIMITED、ETRIA MANUFACTURING MALAYSIA SDN. BHD.、OKI DATA MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD. (販売・サービス・サポート) 国内   …   リコージャパン㈱、リコーITソリューションズ㈱ 米州   …   RICOH AMERICAS HOLDINGS, INC.、RICOH CANADA INC.、RICOH USA, INC.、PFU AMERICA, INC.、RICOH SOUTH AMERICA DC S.A. 欧州   …   RICOH EUROPE HOLDINGS PLC、RICOH SVERIGE AB.、RICOH UK LTD.、PFU (EMEA) LIMITED、PFH TECHNOLOGY GROUP UNLIMITED COMPANY、RICOH DEUTSCHLAND GMBH、DOCUWARE GMBH、RICOH INTERNATIONAL B.V.、RICOH NEDERLAND B.V.、RICOH EUROPE SCM B.V.、RICOH BELGIUM N.V.、REX-ROTARY S.A.S.、RICOH FRANCE S.A.S.、RICOH SCHWEIZ AG、RICOH ITALIA S.R.L.、NPO SISTEMI S.R.L.、RICOH ESPANA S.L.U. その他地域   …   RICOH CHINA CO., LTD.、RICOH ASIA PACIFIC OPERATIONS LTD.、RICOH HONG KONG LTD.、RICOH THAILAND LTD.、RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.、RICOH AUSTRALIA PTY, LTD.、RICOH NEW ZEALAND LTD. <インダストリアルソリューションズ> 当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。 サーマル事業:製造・流通・物流・医療の現場で使われるバーコードラベル用の感熱紙、熱転写リボン、及び機能性包材市場のラベルレスサーマルを製造・販売しております。 産業プロダクツ事業:製造業向けの自動化設備や検査装置、自動車業界向けを中心とした精密部品を製造・販売しております。 (主要な子会社) (生産・その他) 国内   …   リコーエレメックス㈱ その他地域   …   RICOH ELECTRONICS, INC.、RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.、RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD. <その他> 当事業セグメントには、360度カメラにソフトウェアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木等の現場のデジタル化に寄与するSmart Vision事業をはじめ、社会課題に対応する新規事業やカメラ関連事業等があります。 (主要な子会社) (生産・その他) 国内   …   リコーイメージング㈱、リコークリエイティブサービス㈱ その他地域   …   RICOH IMAGING PRODUCTS (VIETNAM) CO.,LTD. (販売・サービス・サポート) 米州   …   RICOH IMAGING AMERICAS CORPORATION 欧州   …   RICOH IMAGING EUROPE S.A.S. <事業系統図> 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
経営方針・対処すべき課題6,536字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)変わること、変わらないこと 当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。それは創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、AI技術の普及と発展によって世の中のはたらき方が変わっていく状況においても、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 (2) リコーの中期展望 ・中期経営戦略’26:5年先を見据えた中期経営戦略 当社グループは、2026年4月からスタートした中期経営戦略’26(以下、中経’26)において、従来の3年間の策定から、5年先を見据えた毎年のローリング方式へと転換しました。 外部環境の不確実性が高まり、変化のスピードが加速する中、3年間の戦略を固定的に策定する方法では、前提条件の変化に十分対応できないと考えています。また単年度計画のみでは、中長期的な成長投資や事業構造転換を効果的に進めることはできません。 このような認識のもと、中経’26では5年先の目指す姿から逆算するバックキャスティングの考え方を取り入れ、将来像と現状のギャップを踏まえた戦略を策定しました。これを毎年ローリングで見直すことで、環境変化への対応力と実行力を高め、単年度計画を確実に達成しながら持続的な企業価値向上を目指します。 ・中経’26:目指す姿 当社グループは、デジタルサービスの会社として進化を続け、お客様の「はたらく場(ワークプレイス)」において、自社及び他社の製品・サービス、ソフトウェアを組みあわせることで、お客様の競争優位性及び差別化に貢献するインテグレーターを目指しています。これにより、グローバルにおいて持続的な価値提供が可能な事業構造の構築を進めていきます。 オフィスプリンティング事業においては、エトリア株式会社(以下、エトリア)を通じて環境性能に優れた技術を活用し、エンジンシェア*1の拡大を図ることで、引き続き安定した収益基盤を確保します。商用・産業印刷事業においては、安定収益を生み出すとともに、インクジェット技術を活用し、お客様のコスト低減や環境対応に資する新たな成長事業の創出に取り組みます。 当社グループは、資本効率を重視した経営を一層強化し、ROEが株主資本コストを継続して上回る状態を実現することで、企業価値及びTSRの向上を目指しています。その実現に向け、アセットライト*2化の推進、アセットライトな事業の拡大並びにストック利益の着実な積み上げを通じてROICの改善と安定収益の確保を図っていきます。 これらの取り組みにより、柔軟な資本構成(Debt/Equity)の選択肢を持ちつつ、成長投資と株主還元を両立させることが可能となり、長期的かつ持続的な企業価値の向上につなげていきます。 *1 エンジンシェア:エトリアが製造した複合機・プリンター基幹部分の市場シェア *2 アセットライト:資産の保有を最小限に抑え、財務を軽くする経営手法 ・中経’26:目標とKPI 当社グループは、株主資本コストを上回るROEの早期実現を、最優先で取り組むべき財務目標と位置づけています。直近の目標として、株主資本コスト(2025年12月時点:7.5~8.0%)を上回るROEの早期実現を目指し、さらに2030年度目標としてROE10%以上と設定しました。 ROE10%以上を達成するための水準としてROICは7%以上を目標とし、そのために安定収益となるストック利益は15%以上の成長、成長投資は3,500億円程度の実施、そして人的資本戦略と生産性の向上による人的資本ROI*は25%以上を目指します。加えて、ネットD/Eの割合は0.4以下とします。これらの定量目標の管理と達成を通じて、事業成長と資本効率の改善を実現し経営の実行力を高めていきます。 * 人的資本ROI: 人的資本の投入に対するリターンを表す指標。((売上高-人件費以外の経費)/人件費-1)×100で計算される。人件費は、販売費及び一般管理費(販管費)に含まれるもの 当社グループは、中経’26で掲げる目指す姿の実現及び目標達成に向け、基本方針として、1. ストック利益の積み上げによる収益性向上、2. 継続的なコスト構造の見直し、3. 人材の活性化の3点に取り組みます。 1. ストック利益の積み上げによる収益性向上 顧客からの信頼の証しとしてストック利益を重要指標とし、継続的な積み上げを通じて、収益性の向上及び事業基盤の安定化を図ります。 ① 地域特性に応じた最適なインテグレーションによる提供価値の拡大 各地域の顧客ニーズや事業環境に応じて、自社・他社の商材・サービス・ソフトウェアを組みあわせた最適な価値提供を行うことで顧客との関係性を深化させ、継続的な取引拡大とストック利益の積み上げにつなげます。 ② 高収益なサービスポートフォリオ・共通モジュール拡大とガバナンスの強化 収益性の高いサービスと地域にまたがって共通化されたモジュールを拡大するとともに、本社による各地域へのガバナンスを強化することで、収益の質を高め安定的なストック利益の創出を図ります。 ③ 事業ポートフォリオの進化に基づく戦略的M&A ワークプレイスエクスペリエンス・プロセスオートメーションの領域を中心に強みをさらに強くすること、必要な能力を獲得して事業ポートフォリオを進化させることを目的に各地域において戦略的なM&Aを活用します。 ④ 販売体制の強化とエトリアによる競争優位な商品投入(オフィスプリンティング) オフィスプリンティング事業においては、MIFマネジメントの徹底と販売チャネル戦略の見直しによる販売体制の強化と、エトリアにおける技術シナジーを活かした競争力の高い製品を継続的に市場に投入するとともに、循環型設計による環境負荷を低減する製品の市場投入により、ストック利益の維持・拡大を図ります。 ⑤ インクジェット技術による収益力向上・事業領域の拡大(商用・産業印刷) 商用・産業印刷分野において、インクジェット技術を強みとして、商用インクジェットプリンターの稼働台数拡大とインクジェットヘッド事業の成長、インクジェットヘッドの新規アプリケーション拡大を進めることで、安定収益の拡大と成長機会の創出につなげます。 2. 継続的なコスト構造の見直し 事業ポートフォリオの進化や事業環境の変化に対応するため、継続的なコスト構造の見直しを進めます。グローバルでの経費構造改革とアセットライト化を主要戦略とし、収益性と資本効率の向上を図ります。 具体的には、AX・DXを活用して、バックオフィス業務やグローバルSCMの改革に取り組み、事業特性に応じた適正なコスト水準への転換・経費構造の最適化を推進していきます。あわせて、事業・個社のポートフォリオ最適化、収益性が低下した資産の整理、拠点統廃合にも取り組み、資産の効率的な活用や資産の圧縮によりアセットライトな事業構造への転換を推進します。 これらの取り組みを通じて、投下資本の抑制とキャッシュ創出力の強化を図り、ROICの改善を実現していきます。 3. 人材の活性化 事業戦略の実行と成長を支える基盤として、人材の活性化を基本方針と位置づけています。事業成長を支える能力の獲得・人材ポートフォリオの最適化と、個人が能力を最大限に発揮できる環境・制度の整備等の人的資本施策を主要な戦略として推進していきます。 まず、事業成長を支える能力の獲得・人材ポートフォリオ最適化を進めます。そのために、グローバル人材の活用、従来から取り組んできた顧客接点人材の技術系資格取得の推進とリスキリングの継続・強化、必要に応じてM&Aを通じた人材・能力の獲得も活用し、成長領域における専門性及び実行力の強化を図ります。あわせて、デジタル・AIを活用した業務改革により生産性を高め、創出された人的リソースを成長領域へ再配置することで、事業ポートフォリオの進化に即した人材ポートフォリオの最適化を進めます。 個人が能力を最大限に発揮できるようにする人的資本政策では、既に導入しているリコー式ジョブ型人事制度のさらなる進化や、報酬制度の改革に取り組み、社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる仕組みの整備を進めます。 これらの取り組みにより、社員一人ひとりの価値創出力を高め、人的資本ROIを向上させるとともに、企業価値向上に寄与する企業文化を醸成し、持続的な事業成長と企業価値向上を実現していきます。 将来財務(ESG)の視点 ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からのESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めています。 中経’26では、ESGと事業成長の同軸化をさらに進め、その創出価値として、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」への貢献と企業価値向上を目指します。3つのPとは、Prosperity(経済)、People(社会)、Planet(地球環境)を指します。それぞれの領域において2030年までに実現することをKGI*として設定しました。環境・社会・ステークホルダーに及ぼす影響(インパクト)と自社財務への影響(リスク及び機会)を評価し、特定した6つのマテリアリティと15のESG目標に対する取り組みを通じて、これらのKGIの達成を目指します。 * KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標 成長を支える資本政策 当社グループは、ステークホルダーの皆様のご期待に応えながら、株主価値及び企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながら、様々な手法・複数の視点で当社の資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。 事業ポートフォリオマネジメント及びROIC経営を推進し、資産効率を高め、ROEの改善に努めます。 企業価値最大化の実現に向けて、厳正な事業ポートフォリオマネジメントのもと合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。当社グループの事業ポートフォリオマネジメントは、ROIC等の収益性や市場性という従来型の切り口に加えて、デジタルサービスとの親和性の観点からも評価しています。さらに、資本効率向上に重要であるストック利益比率の観点も取り入れます。 この4つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、そして事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として進化を続けるために必要な経営基盤の強化に努めています。 また、中経’26で目指すROE10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するために、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、主要施策は全社レベルのROICツリーにも反映し、財務数値化が難しいグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化し、将来財務につなげています。これを「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標との関連性を明確にすることで、KGIとKPIのマネジメントを実施しています。 このような取り組みを通じ、中長期的にROE 10%超を継続できる資本収益性の実現を目指します。 なお、当連結会計年度のROEは 5.1%、ROICは 4.0%となりました。 * ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債) キャッシュ・アロケーション 資本政策においては、リスク評価に基づき最適な資本構成を追求し、投資の原資に借入も活用しながら、負債と資本のバランスをとった事業投資を進めます。オフィスプリンティング事業等の成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する方針です。 また、地政学リスクや事業環境の変化に適切に対応するため、格付の維持に努め十分な資金調達余力を確保するとともに、成長に必要な資金を確保していきます。加えて、成長投資領域の安定事業化や新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、最適資本構成については柔軟に調整していく考えです。 事業活動によって創出した営業キャッシュ・フローについては、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的かつバランスよく配分していきます。特に成長投資については、欧米におけるワークプレイスエクスペリエンス領域やアプリケーションサービス領域でのM&A投資等、ワークプレイスのインテグレーターとしての事業成長に必要な投資を着実に進めています。財務規律を考慮しながら企業価値の最大化を目指し、引き続き成長投資を推進するとともに、運転資本の改善に努め営業キャッシュ・フロー創出力の強化を図ります。その上で有利子負債も活用しながら戦略的に投資原資を確保していきます。 株主還元方針 株主還元方針については、引き続き総還元性向 50%を目安とする方針を堅持します。配当利回りを意識し、利益成長に沿った継続的な増配を目指します。自己株式取得等の追加還元策については、経営環境や成長投資の進捗を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。また、この株主還元方針を踏まえ、2026年5月に 250億円の自己株式取得を決定しました。 翌連結会計年度の配当見通しについては、前年度から1株当たり 4円増配し年間 44円を予定しています。 当社グループは、成長投資と株主還元の両立を基本とし、資本効率を重視した資本政策を推進します。営業キャッシュ・フローを成長投資と株主還元に計画的に配分するとともに、安定収益を背景に有利子負債も活用し、柔軟かつ規律ある資本構成を維持します。 総還元性向 50%を目安とした株主還元を継続しながら、ROIC・ROEの改善を通じて、持続的な企業価値向上を実現していきます。 * TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り (3)翌連結会計年度の見通し 翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高 27,000億円、営業利益 950億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 620億円としました。 ワークプレイスサービスにおけるストック収益の拡大が、利益成長をけん引する見通しです。そのために、中経‘26の初年度として、ワークプレイスサービスにおける既存顧客へのサービス契約拡大・深耕、グローバルでの高収益なサービスポートフォリオ・共通モジュール拡大等の施策を推進します。 一方で、半導体メモリや石油関連部材等の価格上昇に伴うコスト増加を見込んでおり、価格対応やコスト構造の見直し等によりその影響の吸収に努めるものの、一部については業績への影響を織り込んでいます。インフレに伴う人件費等の増加も見込まれますが、経費コントロール及びコスト構造改革の継続により、これらの影響に対応していきます。 事業環境は引き続き不透明な状況が続きますが、変化に対して機動的な対応を行い、お客様の競争優位と差別化に貢献するインテグレーターとなるべく変革を進めてまいります。
事業等のリスク17,615字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。 (1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク) (2) 事業領域固有の重要なリスク(各地域・ビジネスユニットリスク) (3) その他各機能領域のリスク(機能別組織リスク) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅しているわけではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ■「重点経営リスク」の選定プロセス GMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし合わせ、経営に大きな影響を及ぼすリスク(利害関係者への影響含む)を網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1参照) 図1:重点経営リスクの選定プロセス ■重点経営リスク運用プロセスの高度化 当社グループでは、成長に向けて適切にリスクを取るという経営の考え方を明確にし、重点経営リスクのリスクマネジメントが戦略目標の達成に貢献するよう、リスクマネジメントの運用プロセスを高度化いたしました。具体的には、中期経営戦略に基づき、「取るべきリスク」と「取らないリスク」を整理した上で重点経営リスクを選定するとともに、各リスクにKRI(主要リスク指標)を設定しております。取るべきリスクについては、KRIを通じてリスク兆候や進捗を継続的に把握するとともに、環境変化に応じて対応策を柔軟に見直しております。一方、取らないリスクについては、KRIにより兆候を早期に検知し、想定を超える場合には、速やかに回避・抑制に向けた対応を行う仕組みとしております。このようにリスクの選定とモニタリングを一体で行うことで、成長とリスク抑制の両立を図るリスクマネジメントを推進しております。 ・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。 ・外部環境、内部環境の変化に加え、経営陣のリスクに対する見解を加味してリスクの特定と分類を行い、それぞれのリスクにおいて緊急度・影響度・リスクマネジメントレベルを検討し、リスクの評価を行っています。(図2参照) 図2:重点経営リスクの評価プロセス ・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (XI) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」をご参照ください。 ■事業等のリスク(詳細) (1) 当社グループの経営上重要なリスク 重点経営戦略リスクリスク項目名:①収益構造の移行に係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 5   3   C リスクの説明:事業環境の変化を踏まえ、事業ポートフォリオマネジメントを通じた再構築と成長分野への戦略的投資等を行うことで、収益構造の移行を進め、中期的なROE向上を目指しております。構造改革やコスト最適化が計画どおり進捗しない可能性や、印刷量の減少が加速した場合、成長事業で十分に補完ができず、収益性の改善や中期目標の達成に遅れが生じる可能性があり、これにより企業価値に影響を及ぼすリスクがあります。 リスクの対策:本リスクの対応は、中経’26にも織り込まれており、以下の施策を実行しております。収益構造の移行を着実に進めるため、事業ポートフォリオマネジメントを通じた資源配分の最適化を推進しております。成長事業への投資については、重点領域を定め投資委員会による投資判断及び投資後のモニタリングを強化し、シナジー創出と収益化の確度向上に取り組んでおります。収益化・コスト最適化のため、バックオフィス改革及びグローバルSCM改革などによる経費構造改革を進め、収益性の底上げを図っております。単年度業績目標の達成確度を向上させるため、各事業の業績管理及びKPI管理に加え、必要な対策を迅速に講じることができる経営管理体制の強化に取り組んでおります。これらの施策を中経’26の毎年のローリングに反映することで、事業環境の変化に応じた機動的な戦略修正を行っております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:②人材の確保・育成・管理リスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 要員計画に係るリスク   3   3   C 人材育成に係るリスク   4   2   C デジタル・技術人材育成に係るリスク   3   2   C リスクの説明:デジタルサービスの会社への変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存しております。このような認識のもと、中経’26では、テーマ別に要員計画を策定し、不足が見込まれる機能やスキルのギャップを計画的に解消することを目指しております。ただし、要員計画を精緻に進めていく過程で、短期的に現場の工数増加や調整負荷が生じる可能性があります。また、対応を最小限にとどめた場合には、中経’26の達成に必要な人材・スキルの不足が解消されず、要員計画が形骸化するリスクも想定されます。特に、将来の経営人材の計画的な育成、及びデジタルサービスの競争力を支える高度な技術人材(デジタル・AI等)の確保・育成・リスキリングが十分に進まない場合、事業ポートフォリオの変革や新たな価値創出が停滞し、結果として、当社グループの業績や中長期的な成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。 リスクの対策:事業目標の達成に向けて、中経’26に基づく要員計画の高度化を進めております。事業戦略の実行に必要な人材について量・質の両面から課題を明確化し、獲得・育成・配置に関する重点施策を定めております。計画の実行にあたっては、各組織の自律的な取り組みと全社横断の施策を組みあわせ、採用ルートの拡充やグループ内再配置の促進を通じて、要員計画に関するリスクの低減を図っております。このような取り組みと並行して、グローバルな組織をリードするリーダーに必要な素養を定め、それに沿った中長期的なリーダーシップパイプライン構築のための選抜研修・アセスメント・若手リーダーの育成などを包括的に進めております。加えて、デジタルサービスを支える技術人材については、デジタル・技術スキルの獲得を目的とした教育カリキュラム及び実践型教育の拡充を進め、AI人材を含む技術人材の計画的な育成・強化に取り組んでおります。また、前年度に一新した管理職研修を当年度も引き続き展開し、自律を促す環境をつくるために必要な管理職の意識変革のための研修を、国内当社グループ*の管理職を対象に実施しております。*リコージャパンは同様の研修を自社で展開しているため対象外 重点経営戦略リスクリスク項目名:③デジタルテクノロジー(AI等)の活用と推進に係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル デジタル先端技術の導入及び活用リスク   5   2   C デジタル活用に伴う情報管理及び倫理リスク   4   3   C リスクの説明:当社グループは、長期的な競争力強化及び価値創出を目的として、生成AIやデジタルツインなどの先端技術の導入・活用に向けた投資を継続的に実施するよう取り組んでおります。あわせて、これらの技術活用に不可欠なデータ基盤の強化やIT基盤の刷新も進めております。これにより短期的には投資負担が増加する可能性がありますが、目的に向けて重要な取り組みと考えております。一方、デジタルテクノロジー(生成AIを含む)の活用の拡大に伴い、データ・AI・ITに係るガバナンスが十分に機能しない場合、社内外の第三者への情報漏洩、生成AIの誤情報に基づく業務遂行や意思決定、AI倫理基準を逸脱した利用が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、業務の停止・遅延や品質低下、是正対応に伴う追加コストの発生、取引先からの信頼低下及びブランド価値の毀損などを通じて、当社グループの業績及び成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。 リスクの対策:短期的な投資負担については、業績への影響を抑えるため、基幹システム刷新について段階的に展開を完了させつつ、その効果の確実な創出を進めております。あわせて、データ基盤及びガバナンスの強化を通じて、生産性向上や事業成長への貢献を図っております。さらに、これまで取り組んできたプロセス・IT・データ三位一体での生産性向上の施策に生成AIを組みあわせ、AIトランスフォーメーションを推進しております。これらの取り組みにより、ITの内製化や生産性向上を通じて、業績への影響を抑制していきます。 また、情報漏洩、生成AIの誤情報、AI倫理基準逸脱の利用等への対応として、デジタルテクノロジー活用の拡大を支える、データ・AI・ITに係るガバナンスの強化を一層進めております。特に生成AIについては、従業員が安心・安全に利活用できるよう、ガバナンス体制及び運用プロセスの確立に加え、リテラシー向上に向けた教育を継続的に実施します。あわせて、AIガードレールの導入やリスクが高いと想定される領域に対するアセスメントを優先的に進めております。これらの必要な対策を早期に講じることで、重大なインシデントの未然防止及び影響最小化を図ります。 重点経営戦略リスクリスク項目名:④中長期を見据えた戦略的R&Dに係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 中長期的なR&D活動に係るリスク   3   2   C 技術倫理・テクノロジーアセスメントに係るリスク   3   3   C リスクの説明:当社グループは、当社独自のテクノロジーを基盤としてお客様とともに新たな価値を創出することを経営の重要課題と位置づけております。この考え方のもと、成長領域・新規領域を中心に、中長期的な競争力及び企業価値の向上に資する将来の顧客価値の源泉となり得る技術のR&Dに取り組んでおります。このようなR&D活動においては、市場・顧客ニーズや技術動向の変化等により、R&D投資の成果が想定どおり得られない可能性があります。しかし、将来の事業基盤の確立や競争優位の獲得に向けては、R&D投資を戦略的に推進していくことが重要であると考えております。一方で、技術倫理への対応不足や、社会的影響への配慮を欠いた技術・サービスの提供が行われた場合、企業に対する信頼・信用が損なわれるとともに、社会に望ましくない影響を及ぼすリスクがあります。 リスクの対策:R&D活動については、R&D初期段階に市場・顧客の仮説検証を組み込んだMIOI型R&Dプロセス*を全社に展開しております。得られた知見の活用に加え、アカデミアや外部企業との共創活動を通じて外部技術を積極的に取り込むことで、テーマの見直しや早期の方向転換を可能とし、当社の強みとなる技術の獲得確度向上及びR&D投資の最適化を図っております。これらの取り組みを通じて、不確実性を適切に管理しつつ、将来に向けた価値創出に資するR&D活動を継続しております。また、技術倫理やテクノロジーアセスメントへの対応不足により、社会的信頼の低下などが生じるリスクに対しては、教育の継続的な実施及びテクノロジーアセスメント体制の整備を通じて、R&D段階から適切な管理を行っております。企業価値及び社会的責任の観点から、未然防止を基本としつつ、顕在化した場合には影響の最小化を図ります。*MIOI型R&Dプロセス:Market-In及びOpen Innovationの考え方に基づく、当社グループのR&Dプロセス 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑤情報セキュリティリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル セキュリティガバナンスリスク   4   2   D 事業継続に係るリスク   4   3   D 製品・サービスの信頼性に係るリスク   4   2   D 市場からの信用に係るリスク   3   2   C リスクの説明:デジタルサービスの拡大や業務のデジタル化に伴い、情報セキュリティに関する重要性が高まっております。サイバー攻撃の高度化や法規制・顧客要求の変化などを踏まえ、情報セキュリティを確保するための体制整備・運用強化に取り組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。 ・セキュリティガバナンスリスクセキュリティガバナンスとは、当社グループが保有・取り扱う情報資産を適切に管理・保護し、情報セキュリティに関するリスクを継続的に把握・低減するための、経営主導による組織的な取り組みになります。デジタルサービスの拡大や業務のデジタル化が進展する中、セキュリティに関する意思決定、役割・責任の明確化、方針やルールの整備、及び運用状況の把握を、グループ全体で行うことが一層重要となっております。しかしながら、セキュリティガバナンスの構築や運用が不十分な場合、グループ全体としての方針や対策の統一が図られず、各組織や事業における対応にばらつきが生じる恐れがあります。その結果、当社グループ全体の事業活動に影響を及ぼすリスクがあります。・事業継続に係るリスク巧妙化・高度化するサイバー攻撃の増加により、当社グループが保有・運用する業務システムに対して、不正アクセスやマルウェア感染、ランサムウェア攻撃などが発生するリスクが高まっております。これらの攻撃により、業務システムの停止や誤作動、データの改ざん、漏洩、破壊などが発生した場合、販売・製造・サービス提供・社内業務等の事業活動に広範な影響を及ぼす可能性があります。また、インシデント発生後の影響範囲や被害内容によっては、原因調査や復旧対応に時間を要し、事業の一部又は全部が長期間停止する恐れがあります。これにより顧客へのサービス提供の遅れや取引先への影響、追加的な対応コストの発生等を通じて、事業継続や経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。・製品・サービスの信頼性に係るリスク当社グループはデジタルサービスを通じて顧客に価値を提供しており、製品・サービスの安全性及び信頼性の確保は、事業活動の継続や顧客との信頼関係維持において重要な要素となっております。一方で、製品・サービスにおけるセキュリティ対策が不十分な場合、ソフトウェアやシステムの脆弱性を起因とした不正アクセスや情報漏洩、サービス停止等のセキュリティインシデントが発生する恐れがあります。これらの事象が発生した場合、顧客の業務や情報資産に影響を及ぼすのみならず、当社グループの製品・サービスに対する信頼性の低下を招く可能性があります。その結果、事業活動並びに中長期的な競争力に影響を及ぼすリスクがあります。・市場からの信頼に係るリスク巧妙化・複雑化するサイバー攻撃が続く中、従業員や委託先を含む関係者のセキュリティリテラシーが十分でない場合、対応ミスや不適切な情報管理を起因とするセキュリティインシデントが発生する恐れがあります。また、世の中の動向に即したセキュリティ活動の方針や対応状況がステークホルダーに十分に示されない場合、インシデントの有無に関わらず、市場からの信頼低下やブランド価値の毀損につながるリスクがあります。 リスクの対策:各国における国策レベルでの対策、及び変化し続ける情報セキュリティ情勢の把握が求められる中、グローバルに活動拠点がある当社グループにとって適切な対策を検討・推進することは、最重要課題の1つとなっております。 ・セキュリティガバナンスリスクへの対策セキュリティガバナンスの強化を重要課題と位置づけ、グループ全体で統一したセキュリティ方針及び管理体制の構築・運用に取り組んでおります。具体的には、セキュリティに関する意思決定プロセスや役割・責任の明確化を図るとともに、セキュリティ委員会体制の整備・強化を通じて、各事業・関係会社を含めたガバナンスの浸透を推進しております。また、規程やルールの整備及び遵守状況の把握・点検を継続的に実施することにより、グループ全体としてのセキュリティ水準の維持・向上を図っております。・事業継続に係るリスクへの対策巧妙化・高度化するサイバー攻撃に備え、業務システムに対するセキュリティ対策及び監視体制の強化を進めております。具体的には、外部の脅威情報を継続的に収集・分析するとともに、保有するITシステムの常時監視を行い、不正アクセスやマルウェア感染などの兆候を早期に検知できる体制を構築しております。さらに、インシデント発生時における影響を最小限に抑えるため、重要な事業・業務プロセスを対象とした事業継続計画(BCP)及びITシステムの復旧計画の整備・訓練を段階的に実施しております。これにより、迅速な対応及び早期復旧を可能とし、事業活動への影響低減を図っております。・製品・サービスの信頼性に係るリスクへの対策製品・サービスの企画・設計段階からセキュリティを考慮する「セキュア・バイ・デザイン」の考え方を取り入れ、プロダクトセキュリティに関わる品質マネジメントの強化を進めております。また、発売済みの製品や提供中のサービスについても、継続的な脆弱性の確認を行い、問題が確認された場合には速やかに是正対応を実施する体制を整備しております。加えて、製品・サービスに関するセキュリティ課題を適切に把握・対応するための専用窓口の設置や、脆弱性対応に関するガイドラインの整備を進めるとともに、各国の法規制や顧客要求の変化への対応を通じて、安全性及び信頼性の維持・向上に努めております。・市場からの信頼に係るリスクへの対策従業員及び委託先を含む関係者全体のセキュリティリテラシー向上を目的として、継続的な教育・訓練を実施しております。これにより、人的要因を起因とするセキュリティインシデントの抑止を図っております。また、世の中の脅威動向や法規制、顧客要求の変化を踏まえたセキュリティ活動の方針を整理し、その取り組み状況について定期的な点検及び可視化を行っております。さらに、必要に応じて社外への情報開示を行うことで、当社グループのセキュリティ対応に関する透明性を高め、市場やステークホルダーからの信頼確保に努めております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑥グループガバナンスに係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 5   1   C リスクの説明:社内外の環境変化が激しさを増す中、当社グループが健全な成長を維持していくために、グループガバナンスの強化が非常に重要であると認識しております。その認識のもと、中経’26に基づき組織変更や権限委譲を進めております。これにより、ガバナンスの不足や方針の不整合が生じ、戦略の実行が遅延する恐れがありますが、意思決定の迅速化や自立的な事業運営の促進を目的としたものであり、対策を講じております。なお、グループガバナンスの強化については、その在り方が事業運営の健全性に大きな影響を及ぼすため、本社の管理監督が過度である場合には適正な事業運営が阻害され、不十分である場合には不正や不祥事によりブランドイメージや信頼性が低下するリスクがあります。 リスクの対策:変更や権限委譲が生じた組織に関しましては、権限管理や本社による重要事項のモニタリング、ガバナンスプロセスの明確化などを通じ、組織の自律性とガバナンスの適切なバランス維持に取り組みます。さらに、組織体制の検討時には、グループガバナンスのリスクを極小化するために、リスクに対して柔軟かつ迅速に対応できるよう、ガバナンス面の考慮をより強化いたします。また、当社グループ各社が全社方針のもとで自律的にガバナンスを整備・運用できるよう、本社及び主管管理部門が連携し、各社固有の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じた適切な指導及び管理監督を行います。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑦ESG/SDGsの深化に係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 人権   4   2   B 環境保全(脱炭素)   4   1   C 環境保全(資源循環/生物多様性)   4   2   C リスクの説明:ESG/SDGsへの対応を事業活動及び中長期的な成長に影響を及ぼす重要な経営課題と位置づけております。人権への配慮、脱炭素への対応、資源循環/生物多様性保全への取り組みを特に重要なリスクと捉え、事業活動を推進しております。これらの分野における対応が競合他社に比べて遅れた場合、商談機会の損失などの事業面での悪影響にとどまらず、社会的信用の低下、ブランド価値の毀損など、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 リスクの対策:ESG/SDGsに係るリスクへの対応として、以下の取り組みを強化しております。まず、人権に係る対応として、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを構築し、主要な当社グループ各社を対象に、年次で人権リスク評価を実施し、課題や改善点を特定しております。これらの結果を踏まえ、継続的な改善活動を通じて、人権リスクの低減に取り組んでおります。また、環境保全への対策として、SBTi*により認定されたネットゼロ目標に基づき、脱炭素ロードマップと再エネ導入計画を策定し、脱炭素に向けた取り組みを推進しております。さらに、製品における様々な環境関連規制/規格の動向を継続的に把握し、適切な対応を検討しております。あわせて、事業所管理においては、土壌地下水汚染に関する調査・対応計画の立案を進めることで、環境リスクの低減に努めております。*SBTi(Science Based Targets initiative):企業のGHG削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑧地政学リスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 4   4   C リスクの説明:当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、各国・各地域における政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりは、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。各国における法規制の強化や、国家間の対立・牽制の激化などの地政学リスクが顕在化した場合、サプライチェーンの混乱や事業運営の制約、並びに市場環境の変化を通じたビジネス機会の損失や業績への悪影響が生じるリスクがあります。 リスクの対策:地政学リスクに対する予防及び対応プロセスの強化に取り組んでおります。具体的には、各国における法規制や政策動向に関する情報収集を強化するとともに、重要部品については複数の仕入先を選定するなど、サプライチェーンの安定性向上を図っております。また、地政学リスクが事業活動に与える影響については、経営レベルで継続的に審議し、状況に応じて迅速かつ適切な対応を行っております。あわせて、米国の政策動向や多様なリスクの連鎖が国際情勢に及ぼす影響について、短期的な視点とともに、中長期的な視点も含め、対応体制を整備しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:①製品供給に係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 地震・噴火・台風   3   2   B リスクの説明:大規模地震、津波、洪水、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態が発生した場合に備え、事業への影響を可能な限り抑制し、早期復旧を図るための各種対策を講じております。一方、不測の事態の内容や規模によっては、部品供給の遅延や停止、製品工場の製造遅延や停止、輸送機関の遅延や停止、販売会社への供給遅延や停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。 リスクの対策:リスク発生時を想定した以下の予防・対応プロセスを強化しております。 ・有事を想定した在庫の確保・重要部品別に複数仕入先の選定又は代替品の選定・購買、生産などの領域ごとのアラートレベルの設定と運用・リモートワークなどの新しい働き方を想定したBCP訓練加えて、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行っております。今後も有効性の確認と改善を継続的に行います。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:②国内外の大規模な災害/事件事故リスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 国内:地震・噴火   1   3   C 国内:風水雪害   5   1   C 国外:大規模な自然災害/事件事故   3   1   C リスクの説明:国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じた場合でも、事業への影響を最小限に抑え、迅速に復旧できるよう各種対策を講じております。一方、自然災害・事件・事故の内容や規模によっては、経営に著しい影響を及ぼすリスクが考えられます。 リスクの対策:当該リスク対応において、主に以下の対策を行っております。国内・災害発生時に適切に対応できる仕組みを構築し、継続的な見直しを行っております。・災害による被害の発生を防ぎ、万一発生した場合にも被害を最小限に抑えるため、国内当社グループ合同での災害対策訓練、事業所単位での防災訓練(夜間避難訓練を含む)、建屋の耐震対応や有事使用設備の点検・維持など災害に強い職場づくりに取り組んでおります。・「南海トラフ地震」及び「南海トラフ地震臨時情報」発表時の対応について、従業員及び災害対策本部が、有事に命を守る行動を含む適切な対応がとれるよう、ガイドラインに基づいた具体的な取り組みを進めております。・水害リスク対応として、大規模水害発生時の復旧行動計画を策定し、計画に基づく机上訓練や実地訓練を行っております。また、比較的リスクの高い拠点での水害対策工事、水害リスク情報の可視化ツールの運用等、当社グループ全拠点で水害対策の施策を展開するとともに、従業員の対応力を強化しております。・火山噴火リスク対応として、当社グループ国内火山噴火(富士山を含む)ガイドラインに基づきリスクの把握と可視化を行い、リスク拠点における対策強化を進めるとともに、従業員の対応力向上に取り組んでおります。国外・海外の関連会社を対象とした危機対応標準を制定し、自然災害・事件・事故が発生した場合の、対応基本方針を定めるとともに、各組織の役割及び責任を明確にしております。・海外関連会社の重大な自然災害リスクを把握し、第三者の情報と差異があった場合は必要な対応を指示、危機発生時の報告ルートを確認、BCP構築・運用に課題がある会社の支援を実施する等、海外関連会社の危機対応力を強化しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:③コンプライアンスリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 5   1   C リスクの説明:コンプライアンス問題の発生を未然に防止し、万一発生した場合にも適切に対応できるよう、企業行動規範の周知徹底、教育・研修の実施、並びに通報体制の整備などを通じてコンプライアンス遵守体制の強化に取り組んでおります。一方、法令違反、ハラスメント、社内ルールや当社グループ企業行動規範に反する行動等のコンプライアンス問題が発生し、適切な対応がなされなかった場合には、社会的問題に拡大するリスクが考えられます。 リスクの対策:国内・国外・コンプライアンス遵守(心理的安全性が確保された組織風土の醸成や人権・ハラスメント問題を含む)のための教育を実施しております。・コンプライアンス違反に関する相談窓口を設置しております。・コンプライアンス違反の事例を共有し、適切な対処を学ぶ機会を設けております。・コンプライアンス違反を発見した際の相談・通報の啓発を行っております。国内・管理職向けのコンプライアンス遵守・労務管理教育を実施しております。・当社グループの労務責任者と、労務事案の共有と事例を通じた勉強会、労働関連法規改訂内容と対処の共有をしております。 (2) 事業領域固有の重要なリスク リスク項目名:①オフィスプリンティング市場における環境変化 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 4   2   C リスクの説明:オフィス向け複合機やプリンター市場における、ペーパーレス化に伴うプリント出力の想定以上の減少や、部品調達などのコスト上昇が、業績に影響を与える可能性があります。 リスクの対策:オフィスプリンティング事業においては、顧客基盤の維持・拡大に加え、販売から生産までを俯瞰する体制への見直し、部品調達コスト上昇を抑制するための仕様変更、全体SCMの徹底した効率化及びオペレーショナルエクセレンスの推進等、収益性の向上に向けた各種施策を講じております。また、複合機を含むエッジデバイスの供給体制については、他社との協業を進め、最適な生産・開発体制を構築することで競争力のある製品を提供し、利益率の向上に取り組んでおります。さらに、全社ポートフォリオの観点では、ワークプレイスサービスの領域において、プロセスオートメーション及びワークプレイスエクスペリエンスを中心に着実に成長を実現しており、ストック収益の拡大を通じて、オフィスプリンティング領域におけるリスク低減を進めております。*エッジデバイス:文字・写真・音声・動画などの様々な情報の出入り口となる複合機やカメラをはじめとしたデータ処理機能を持つネットワーク機器 リスク項目名:②インテグレーターとしての成長に必要なリソース確保の遅れに係るリスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 4   2   C リスクの説明:インテグレーターとして成長するために必要な、自社及び他社の商材・サービスを組みあわせて価値提供を行うリソースの確保や強化が十分に進まない、又は遅れる可能性があります。 リスクの対策:インテグレーターとしての成長に必要なリソースの拡充に向けて、人的資本戦略に基づくグループ全体の社員のスキルの底上げに加え、顧客との共創を推進する人材の登用・育成、グローバルな人材活用の促進に取り組んでおります。あわせて、各地域における知見をグループで共有できる体制整備や、事業横断での人材育成・配置転換を通じて、顧客課題に対する価値提供力の向上に取り組んでおります。また、技術力及び自社IPの強化・拡充を進め、インテグレーターとしての差別化につながる基盤の構築を図っております。必要に応じて、技術・人材・IPの獲得を目的としたM&Aや外部パートナーとの連携を活用することで、能力の確保と強化を進めております。これらの取り組みにより、顧客への提供価値及び競争力の向上を着実に進め、インテグレーターとしての事業成長と収益拡大に対するリスクの低減を図っております。 リスク項目名:③商用印刷事業の成長リスク 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 4   2   C リスクの説明:関税政策変更を発端とした北米市場の需要低迷、部品調達コストの上昇、ペーパーレス化の拡大による企業内の大量印刷需要の減少やプリント出力量の集約・統合などの影響により、商用印刷事業の業績が下振れする可能性があります。 リスクの対策:商用印刷事業の業績下振れリスクを低減するために、欧米代理店との関係強化、新興国市場の開拓、部品調達コスト上昇影響を抑制するための適切な販売価格転嫁を進めております。また、事業ポートフォリオマネジメントの実施により、今後も市場成長が見込まれる高付加価値領域や、インクジェット技術・製品へのリソース投入を強化し、事業構造の変革に取り組んでおります。 リスク項目名:④サーマル市場の成長鈍化、収益性の低下 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 3   2   C リスクの説明:サーマル市場は、世界的な人口増加に伴う消費財需要の拡大により堅調に成長している一方で、コモディティ化が進行しております。グローバルに事業を展開しているが、世界情勢の急激な変化等により市場成長が鈍化し、収益性悪化や過剰在庫・設備稼働率の低下を通じて業績に影響が生じる可能性があります。 リスクの対策:業績変動リスクを低減するために市場動向のモニタリング体制を強化し、需要予測の精緻化と日常管理体制の強化を進めております。また、各地域の景気動向による需要の増減がある中で、グローバルの販売網・生産インフラを活用し、最適な地域での生産・供給オペレーションを実施することで収益性の安定化に努めております。また、包装資材に直接印字するスマートパッケージング事業を拡大することにより、社会課題の解決に貢献するとともに収益の安定化を図っております。 (3) その他各機能領域のリスク リスク項目名:①のれん、固定資産の減損 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 2   3   B リスクの説明:企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の事業計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 リスクの対策:資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務・戦略・リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。 リスク項目名:②繰延税金資産 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 2   3   C リスクの説明:税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 リスクの対策:繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。 リスク項目名:③知的財産権の保護 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 2   1   B リスクの説明:知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。更に、新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。 リスクの対策:特許等の出願前に先行技術調査を徹底すると共に、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。 リスク項目名:④製品品質・製造物責任 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 2   2   B リスクの説明:製造・販売する製品に、以下のような事象が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。・重大な安全性問題(人損・焼損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化 リスクの対策:「製品品質・製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障・事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、問題の再発・未然防止策を開発過程に反映し、リスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるために、体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 リスク項目名:⑤公的な規制への対応(輸出入管理) 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 5   3   B リスクの説明:事業活動を行う中で、以下のような要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。・輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰・国際的有事等の外的要因に起因する各国輸出規制法違反による罰金や刑事罰 リスクの対策:・代表取締役社長執行役員・CEOをトップとし、専任組織である輸出入管理統括部門によって構成されるグループ輸出入管理委員会体制によるガバナンスの強化を行っております。・当社グループ役員及び従業員への定期的な教育、事業部門及び当社グループへの輸出入管理に特化した内部定期監査、関連部署への法令改定情報の迅速な周知を行っております。・専門部門による輸出前の該非判定・顧客審査含む必要審査の実施による法令の厳格な遵守等を行っております。 リスク項目名:⑥公的な規制への対応(独占禁止法/競争法) 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 5   2   B リスクの説明:事業活動を行う中で、独占禁止法及び競争法の違反が発生した場合、課徴金納付命令等の行政当局による処分や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 リスクの対策:独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門等が主導し、各国競争法の遵守、教育活動及び発生時対応の強化に努めております。 リスク項目名:⑦公的な規制への対応(環境) 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 5   2   B リスクの説明:事業活動を行う中で、各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響、課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 リスクの対策:環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底と共に、規制変化等のタイムリーな把握・対応を行っております。また、M&Aにおいても環境デュー・ディリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止に努めております。収集した環境パフォーマンスデータを積極的に開示すると共に、主要データに関しては第三者検証を受ける等、透明性・信頼性の確保に努めております。 リスク項目名:⑧為替レートの変動 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 4   3   C リスクの説明:生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州その他地域で行っており、事業活動において以下のような為替レートの変動による影響を受けます。・海外子会社の現地通貨建ての業績が各事業年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる、資産・負債額への為替レート変動 リスクの対策:・為替変動に関して、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・当社グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。 リスク項目名:⑨確定給付制度債務 緊急度   影響度   リスクマネジメントレベル 2   2   B リスクの説明:確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいてこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。 リスクの対策:政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、年金委員会にて定期的に財政再計算を行い、また適宜制度の見直しを検討・実施しております。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。 (2) 経営成績 経営を取り巻く経済環境 当連結会計年度の世界経済は、緩やかな物価上昇の継続や主要国における安定した緩和的な金融政策、AI関連の投資の活発化等に支えられ、底堅く推移しました。他方、保護主義的な通商政策や地政学上の緊張等を背景に不確実性が高い状況が続き、金融資本市場でも不安定な動きが見られました。足元でも中東地域における軍事的緊張の高まりを背景に、エネルギー価格の上昇圧力やサプライチェーンへの影響が懸念されています。日本経済は、雇用・所得環境の改善に支えられ緩やかな回復基調を続けていますが、食料品を中心とした物価上昇の影響で、実質賃金が伸び悩む状況が続きました。 このような経済情勢を背景に、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方が定着し、AIやITの進化に伴って業務プロセスも変わり続けています。プリンティング需要は減少傾向にあり、顧客課題・ニーズも変化していますが、業務のデジタル化や生産性向上を支えるデジタルサービスへの需要は一層高まっています。 なお、主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 150.79円(前連結会計年度に比べ 1.86円の円高)、対ユーロが 174.81円(同 10.95円の円安)となりました。 当連結会計年度の業績 当連結会計年度は当社グループ(当社及び関係会社)にとって、2023年4月よりスタートした第21次中期経営戦略の最終年度となりました。 当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指して取り組みを進めました。 当社グループが注力している領域は、はたらく人を単純作業から解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、そしてワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供しています。 *自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料等収益の源泉となる等の経済価値を有するもの 当連結会計年度は、付加価値の高いストック契約の獲得等、オフィスサービス事業での利益成長を図るとともに、オフィスプリンティング事業においては2024年7月に組成した東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社「エトリア株式会社」(以下、エトリア)による複合機等の開発・生産でのシナジー効果の創出、及び効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの販売施策の徹底により収益維持・改善に取り組みました。なお、2025年10月にはエトリアに沖電気工業株式会社(以下、沖電気)が参画し、開発・生産体制のさらなる強化を進めています。また企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めてきました。米国の新たな関税政策の導入に対しては、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネル等の各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みました。 当連結会計年度の連結売上高は、26,083億円となり、前連結会計年度に比べ 3.2%増加となりました(為替影響を除くと 1.8%の増加)。オフィスプリンティング事業ではノンハードの弱含みに加え、米国の関税政策の影響を受けハードの売上が減少しましたが、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売の貢献、及びオフィスサービス事業の成長等もあり、増収となりました。 地域別では、国内は引き続き好調なオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。パソコンの買い替えやセキュリティ強化の需要の取り込みや、それに伴うサービス・サポート契約の獲得も寄与し、ITサービスが伸長しました。また、情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューション等が好調で、アプリケーションサービスも増収となりました。さらに、オフィスプリンティング事業のハードの販売増加や、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売等により、前連結会計年度と比べ 9.2%の増加となりました。 海外では、米州においては、関税政策の影響による先行き不透明感から企業投資が弱含み、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業においてハードを中心に売上が減少しました。オフィスサービス事業においては、成長領域に経営資源を集中し事業成長を加速させるため、オーディオビジュアル(AV)インテグレーターである米国のPresentation Products, Inc.(以下、PPI)及びカナダのET Groupを買収しワークプレイスエクスペリエンスの成長に向けた取り組みを進めた一方、米国のマネージドITサービス事業を売却しました。これらの結果、米州全体の売上は、前連結会計年度比 4.7%の減少となりました(為替影響を除くと 3.6%の減少)。欧州・中東・アフリカにおいては、米国の関税政策による景況悪化懸念等から、オフィスプリンティング事業のハード・ノンハードが弱含みで推移しました。オフィスサービス事業においては、企業のITインフラ投資に対する慎重姿勢が続いていましたが、当連結会計年度下半期以降は買収企業とのシナジー施策効果の発現やITインフラ需要の改善等により、回復の兆しが見られます。通期ベースでは、円安の影響もあり、売上は前連結会計年度比 3.8%の増加となりました(為替影響を除くと 2.6%の減少)。その他の地域においては、オフィスプリンティング事業における価格競争や、中国での産業用インクジェットヘッドの需要低迷の影響を受け、前連結会計年度比 横ばいとなりました(為替影響を除くと 0.8%の減少)。以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 0.5%の減少となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 2.8%の減少となります。 売上総利益は、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業の売上減少の影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加え、円安の影響等もあり、前連結会計年度に比べ 2.4%増加し 8,891億円となりました。 販売費及び一般管理費は、事業成長やインフレによる人件費等の経費増加、及び欧州での基幹システム統合に伴う一時費用の計上や円安の影響による増加があったものの、前連結会計年度に実施した企業価値向上プロジェクトの費用が減少したことや、その効果等により、前連結会計年度に比べ 0.5%減少し 8,151億円となりました。 その他の収益には、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益や、主に国内で実施した固定資産売却に伴う売却益を計上しております。前連結会計年度には、当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しており*、結果として、その他の収益は前連結会計年度に比べて増加し 237億円となりました。 のれんの減損は、創薬支援事業や一部地域のオフィスサービス事業等においてのれんの減損損失を計上したことにより、損失が増加しました。 *2024年11月25日付で開示した「当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断および通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べて 268億円増加し 907億円となりました。 金融収益及び金融費用は、為替差益の減少等により、前連結会計年度に比べ金融収益が減少しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。 税引前利益は前連結会計年度に比べ 222億円増加し 922億円となりました。 法人所得税費用は、税引前利益の増加に加え、一部地域における事業環境及び再編等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性に関する見積もりを変更したこと等により、前連結会計年度に比べ 111億円増加しました。 以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて 99億円増加し 556億円となりました。 当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度に比べ増加し 1,494億円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日   当連結会計年度 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日   増減 金額   (%)   金額   (%)   金額   (%) デジタルサービス   売上高計   1,930,109   100.0   1,988,530   100.0   58,421   3.0 外部顧客向け   1,930,109       1,988,530       58,421   3.0 営業損益   32,298   1.7   27,978   1.4   △4,320   △13.4 デジタルプロダクツ   売上高計   584,626   100.0   587,148   100.0   2,522   0.4 外部顧客向け   157,065       186,395       29,330   18.7 営業損益   28,741   4.9   31,580   5.4   2,839   9.9 グラフィックコミュニケーションズ   売上高計   292,663   100.0   284,043   100.0   △8,620   △2.9 外部顧客向け   292,663       284,043       △8,620   △2.9 営業損益   23,159   7.9   18,636   6.6   △4,523   △19.5 インダストリアルソリューションズ   売上高計   113,209   100.0   106,608   100.0   △6,601   △5.8 外部顧客向け   112,192       106,232       △5,960   △5.3 営業損益   △1,821   △1.6   2,463   2.3   4,284   - その他   売上高計   56,245   100.0   61,697   100.0   5,452   9.7 外部顧客向け   35,847       43,114       7,267   20.3 営業損益   △5,597   △10.0   △3,382   △5.5   2,215   - 消去又は全社   営業損益   △12,951       13,438       26,389 a. デジタルサービス 当連結会計年度のオフィスサービス事業は国内においてはセキュリティや働き方改革関連のサービスに加え、パソコンの買い替え需要とそれに伴うサービス・サポート契約の獲得が寄与し、ITサービスが伸長しました。また情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューションなどの好調により、アプリケーションサービスも増収となりました。アプリケーションサービスにおいては、2025年4月、インターネットなど外部のネットワーク環境から遮断された社内環境で安心・安全に生成AIを活用するための「RICOH オンプレLLM スターターキット」の提供を開始しました。導入から運用までワンストップで支援します。病院をはじめとしたセキュリティやプライバシー、ガバナンスの観点から外部のネットワーク環境から遮断された社内専用環境でAIを利用したいと考えるお客様への導入を進めました。さらに、2025年10月に金融業に特化した業務内容や専門用語を学習させた「金融業務特化型LLM」を、2025年12月には低コストでのプライベートLLM*導入を可能とするコンパクトで高性能なLLMを開発しました。今後も、業種特化モデルの開発を進めるとともに、当社の強みであるマルチモーダル性能とあわせて、LLMラインアップのさらなる強化を進めます。 米州においては、ワークプレイスエクスペリエンスは成長したものの、BPSの減収に加え、米国のマネージドITサービス事業の売却や円高の影響もあり、売上が減少しました。欧州・中東・アフリカでは、円安の影響により売上が増加したものの、実質では減収となりました。買収会社とのシナジー施策の進展によりITサービスの提供が拡大し、またDocuWareのクラウドサービスが成長をけん引したことで、アプリケーションサービスも伸長しました。一方、米国の関税政策による景況悪化懸念などから需要が弱まり、ITインフラやワークプレイスエクスペリエンスの売上は減少しました。 体制強化においては、ワークプレイスエクスペリエンス領域では、2025年5月にブラジルのGo2neXtを、2026年1月、米国のPPI、さらに2月にカナダのET Groupに加え、チリのValueTechを買収し、注力領域での投資を米州中心に進めました。 オフィスプリンティング事業では、ハードについては日本において堅調に推移したものの、米国では米国関税政策の影響や、欧州では景況感の不透明感などからお客様の投資意欲の弱まりが見られ、海外では減少しました。ノンハードについては、欧州を中心に弱含みが続いており売上は減少しました。 デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 3.0%増加し 19,885億円となりました(為替影響を除くと 1.4%の増加)。オフィスサービスの利益成長を測るKPIであるストック売上は、前年度に比べ 6%増加し、4,196億円となりました。 営業利益については、国内を中心としたオフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加えて、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益計上があった一方、オフィスプリンティング事業におけるノンハードの利益減少や、米国の関税政策の影響や資産・体制の見直し・強化に伴う一時費用の計上(欧州における基幹システム統合等)等、下押し要因もありました。これらの結果、デジタルサービス全体の営業利益は 279億円となり、前連結会計年度に比べ 43億円減少しました。 *プライベートLLM:お客様の業務に特化してカスタマイズしたLLM b. デジタルプロダクツ 当連結会計年度は2024年7月に当社と東芝テックの合弁会社として発足したエトリアに、2025年10月、独自のLED技術などに強みを持つ沖電気が新たに参画し、3社の合弁会社として活動を開始しました。エトリアでは、共通エンジン開発や生産体制の最適化、購買の効率化等、シナジー創出を着実に進めました。 オフィス向けの複合機・プリンターにおいては、新製品を発売しラインアップを拡充しました。2025年5月、高い生産性、DXへの対応力に加え、最新のセキュリティ機能を搭載したA3カラー複合機「RICOH IM C8010/C6510」を、2025年7月、平均86%(質量比)*1の部品リユース率を実現したA3カラー再生複合機「RICOH IM C6000F CE/C2500F CE」を、2026年1月、名刺や小サイズ原稿の読み取りに対応したA3モノクロ複合機「RICOH IM 6010/4510/3510/2510」を発売しました。 株式会社PFUにおいては、2025年10月、廃棄物分別特化AIエンジン「Raptor VISION BATTERY」を発売しました。廃棄物処理施設でごみのX線透過画像を、PFU独自アルゴリズムを用いたAIエンジンにて画像認識処理を行い、リチウムイオン電池の有無を高精度に検知します。今後自治体をはじめ多くの施設における火災を防ぎ、安定稼働に貢献します。 また、産業用コンピュータの製造・販売においては、2025年4月にリコーインダストリアルソリューションズ株式会社と株式会社PFUの産業用コンピュータ事業を統合し、リコーPFUコンピューティング株式会社を設立しました。当年度は、2025年6月に発売した、工作機械や産業用ロボットなどのFA*2機器や医療機器向けの、熱や振動といった厳しい産業環境においても安定稼働が可能な国産の産業用ボードコンピュータ「RICOH IT11」を始めとする産業用コンピュータや組込みコンピュータの新製品を発売しました。 デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 18.7%増加し 1,863億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 0.4%増加の 5,871億円となりました。エトリアから東芝テック及び沖電気への製品販売も寄与し売上が増加した一方で、米国の関税政策の影響等により主に海外向けのハードの売上が減少し、セグメント間売上高を含む売上高は微増となりました。前連結会計年度実施した企業価値向上プロジェクトや継続して取り組む生産・開発の体質強化等の効果もあり、デジタルプロダクツ全体の営業利益は 315億円となり、前連結会計年度に比べ 28億円増加しました。 *1 本体標準構成(定期交換部品を除く)でのリユース率 *2 FA:ファクトリーオートメーション c. グラフィックコミュニケーションズ 商用印刷事業においては、アナログからデジタルへの転換期を迎えており、お客様の様々なデジタル印刷ニーズに応える製品とソリューションの提供が求められています。当連結会計年度は、商用デジタル印刷でトップブランドの地位を確立するため、主力トナー機の先進国でのシェア拡大と新興国での成長、また2023年に発売した高速インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」や2024年発売のロール紙専用の高速インクジェット・プリンティング・システムの最上位機種「RICOH Pro VC80000」の販売拡大等、戦略機種の拡販によりノンハード収益の積み上げを図りました。 新製品として、2025年5月に基本性能と印刷品質の向上により、企業内印刷・商用印刷の幅広いニーズに対応したカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5410S/C5400S」を発売しました。 産業印刷事業においては、欧州地域における産業印刷事業を担う新会社Ricoh Printing Solutions Europe Ltd.を設立し、2025年4月から事業活動を開始しました。欧州地域における産業用インクジェットヘッドやテキスタイル印刷機等の販売、エンジニアリングサポート、インク評価等の機能を集約し、お客様への一貫した専門的なサポートを実現します。また、産業印刷のコア技術であるインクジェット技術の知見を高め、本社研究開発部門、他地域拠点との連携により、新たなインクジェットの価値をお客様に提供していきます。 グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 2.9%減少し 2,840億円となりました(為替影響を除くと 4.1%の減少)。商用印刷事業において、プロダクションプリンターのノンハードは引き続き堅調に推移しましたが、ハードは米国を中心に関税政策の影響による投資控えが見られ、売上が減少しました。経費の抑制や前年度に実施した企業価値向上プロジェクトの効果はあったものの売上の減少による利益減少を吸収し切れず、グラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は 186億円となり、前連結会計年度に比べ 45億円減少しました。 d. インダストリアルソリューションズ 当連結会計年度、サーマル事業においては、国内において環境負荷低減に貢献する剥離紙の無いサーマルラベル等、社会課題解決型製品の販売を伸ばしました。また、メディアに直接印字が可能なラベルレスサーマルは製品の視認性や作業工程の簡素化等の顧客価値が評価され、2025年5月から冷凍弁当の製造・販売を手がける株式会社シルバーライフの冷凍食品のパッケージとして採用されました。冷凍食品のラベルレスサーマルの採用は業界初の取り組みとなります。ラベルレスサーマルの導入により、お客様の工数削減と環境負荷低減を実現しました。 産業プロダクツ事業においては、堅調な事業環境の中、お客様のモノづくり現場の生産効率向上に寄与する自動化設備において、原価低減や設計プロセス変革による収益力強化に取り組みました。 インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 5.3%減少し 1,062億円となりました(為替影響を除くと 6.4%の減少)。サーマル事業において、米州における物流需要減少の影響が継続しましたが、日本や欧州では堅調に推移しました。前年度に実施したオプティカル事業の譲渡の影響により売上が減少しましたが、事業譲渡の影響を除くと前年並みの売上となります。コストダウンやプライシングコントロールによる収益性向上に加え、前年度にオプティカル事業の譲渡に伴う一時費用を計上していた反動もあり、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は 24億円となり、前連結会計年度に比べ利益が 42億円増加しました。 e. その他 その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 20.3%増加し 431億円となりました(為替影響を除くと 19.4%の増加)。カメラ関連事業がRICOH GRシリーズを中心に好調が継続し、増収増益となりました。新規事業創出のための先行投資や創薬支援事業においてのれんの減損損失を計上したこと等により、その他全体の営業損益は 33億円(損失)となりましたが、事業の選択と集中の効果もあり、前連結会計年度に比べ 22億円改善しました。 f. 消去又は全社 消去又は全社の配賦不能費用には、上記セグメントに帰属しない損益を計上しております。前連結会計年度に国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上していた一方、当連結会計年度は主に国内で実施した固定資産売却益を計上したこと等により、営業損益は前連結会計年度に比べ利益が 263億円増加しました。 (注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。 生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。 ① 生産実績 前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。 事業の種類別セグメントの名称   前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) (百万円)   当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) (百万円)   前連結会計年度比(%) デジタルサービス   -   -   - デジタルプロダクツ   495,989   547,667   10.4 グラフィックコミュニケーションズ   192,559   177,460   △7.8 インダストリアルソリューションズ   106,012   98,291   △7.3 その他   41,529   56,793   36.8 合計   836,089   880,211   5.3 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。 ② 受注実績 当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。 ③ 販売実績 前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。 事業の種類別セグメントの名称   前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) (百万円)   当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) (百万円)   前連結会計年度比(%) デジタルサービス   1,930,109   1,988,530   3.0 デジタルプロダクツ   157,065   186,395   18.7 グラフィックコミュニケーションズ   292,663   284,043   △2.9 インダストリアルソリューションズ   112,192   106,232   △5.3 その他   35,847   43,114   20.3 合計   2,527,876   2,608,314   3.2 (注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。 (3) 財政状態 資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,830億円増加し 25,401億円となりました。前連結会計年度末と比較して、沖電気のエトリア参画に伴い承継資産等が増加しました。為替及び沖電気の承継資産の影響を除いた試算では 170億円の増加となります。主要通貨の当連結会計年度の期末日レートは、対米ドルが 159.88円(前連結会計年度に比べ 10.36円の円安)、対ユーロが 183.41円(同 21.33円の円安)となりました。 資産の部では、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ 141億円増加しました。また、国内売上の増加に伴い営業債権及びその他の債権が 472億円増加しました。さらに、沖電気の事業統合や米州における買収等による連結加入に加え、米国関税の影響による仕入コスト増加等により棚卸資産が 320億円増加しました。 負債合計は、前連結会計年度末に比べ 503億円増加し 13,527億円となりました。主に円安による為替影響により、営業債務及びその他の債務、並びにその他の流動負債が増加しました。一方で、社債及び借入金が流動負債と非流動負債を合わせ 85億円減少しました。 資本合計は、前連結会計年度末から 1,327億円増加し、11,874億円となりました。資本の部では、当期利益の計上及び円安により在外営業活動体の換算差額が増加しました。また、沖電気のエトリア参画に伴い資本剰余金及び非支配持分が増加しました。 結果として親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,260億円増加し 11,561億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ 1.8ポイント増加し 45.5%となりました。 (4) キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 212億円増加し 1,581億円の収入となりました。当連結会計年度は、棚卸資産の増加や、前連結会計年度に実施した国内のセカンドキャリア支援制度の退職加算金の支払い等の支出の増加はあったものの、前連結会計年度では当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴う預り金の返還により支出が増加しており、結果として現金収入が増加しました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 68億円減少し 725億円の支出となりました。前連結会計年度は、オプティカル事業の売却による収入、当連結会計年度は米国のマネージドITサービス事業の売却や主に国内で実施した固定資産の売却による収入等があり、結果として現金支出が減少しました。 以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 280億円増加し 855億円の収入となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 375億円増加し 830億円の支出となりました。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ借入債務による調達が減少したこと等により現金支出が増加しました。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 116億円増加し 1,934億円となりました。 当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 成長を支える資本政策」をご覧ください。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期   2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 親会社所有者帰属持分比率   48.7 %   43.3 %   45.4 %   43.7 %   45.5 % 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率   36.5 %   28.1 %   35.7 %   38.1 %   29.4% 債務償還年数   2.9 年   5.4 年   2.8 年   3.2 年   2.7年 インタレスト・カバレッジ・レシオ   26.9 倍   13.2 倍   32.3 倍   26.1 倍   21.0倍 親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計 債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 ※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。 当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。 現金及び資産負債総合管理 事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。 また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。 資金源泉 当社グループは主に手元資金及び現金同等物の活用と併せて、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。 当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,934億円、信用枠は 3,905億円であり、そのうち未使用残高は 3,855億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,905億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。 当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。 当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2026年6月16日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。 必要資金及び契約債務 当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。

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開示資料

出典

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