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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.77-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

Kudan

4425 · Growth · 情報・通信業

空間知覚技術でデジタルツインとロボティクスを支えるソフトウェア企業。SLAMを中核に、機械に「眼」を与える。

概要

Kudan株式会社は、2014年11月に設立された空間知覚技術の研究開発企業である。機械が現実空間を認識・理解するためのSLAM(自己位置推定と環境地図生成)技術を中核に、デジタルツインとロボティクス向けのソフトウェア、ソリューション、ハードウェアパッケージを提供する。東京都渋谷区に本社を置き、英国、米国、ドイツに子会社を保有。東京証券取引所グロース市場に上場(2018年12月)し、連結従業員30名、2026年3月期の売上高は12億円である。

空間知覚技術を軸とした事業構造

当社グループの事業は、カメラ、LiDAR、ToFセンサ、IMU、GPSなどから得られるデータを処理し、機械に自己位置と周辺環境の認識を可能にする「空間知覚」技術を基盤とする。この技術は、デジタルツインとロボティクスの両領域に応用される。デジタルツインでは現実空間を3Dデータ化し設備管理や点検に活用する。ロボティクスでは自律移動や経路計画を支援する。提供形態は3つある:ソフトウェアアルゴリズム(開発者向けライセンス)、ソフトウェアソリューション(業務アプリケーション)、ハードウェアパッケージ(3Dスキャナーやセンサなどの関連機器)である。2026年3月期の売上高12億円のうち、ソリューション事業が拡大中で、従来のライセンス収入に加え、現場DX向けの付加価値サービスを成長の柱と位置付ける。

独自のSLAM技術が生み出す競争基盤

中核技術はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)である。当社は直接法SLAMと間接法SLAMのハイブリッド化に成功し、屋内外を問わず高精度な自己位置推定と地図生成を実現している。2021年には独ミュンヘン工科大学発のArtisense Corporationを完全子会社化し、直接法SLAMの技術を獲得した。これにより、特徴点の少ない環境や動的な環境でも安定動作する技術を確立。また、Intel社のロボット開発プラットフォームへの採用は、大手半導体メーカーへの世界初の商用SLAM提供として重要なマイルストーンとなった。マルチセンサのタイトカップリングやAIとの融合にも取り組み、セマンティック3D認識やフォトリアル3D表現へと技術領域を拡張している。

38の国と地域に広がる間接的な展開

当社グループは日本、英国、米国、ドイツに法人を置く。英ブリストルのKudan limitedは2015年に完全子会社化、米カリフォルニアのKudan USA LLCは2019年に設立、独ミュンヘンのArtisense Corporationは2021年に完全子会社化した。拠点数は4カ国だが、ライセンス提供やパートナー企業を通じて、建設・土木、製造、物流、インフラ点検、自動運転など幅広い産業の顧客に技術を供給している。直接的には従業員30名の小規模組織だが、センサ・半導体企業やロボティクス企業との提携により、間接的に38以上の国と地域で事業が行われているとみられる。空間知覚技術のグローバルな標準化を目指し、独立した立場で技術供給を行う戦略である。

業界の中での役割はフィジカルAI時代の「機械の眼」を提供する空間知覚技術のリーディングカンパニー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
12億円
営業利益
-6億円
営業利益率
-50.0%
純利益
-2億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01デジタルツイン主力

現実空間を3Dスキャンしてデジタル上に複製し、設備・インフラ点検、建設・土木、製造、物流などの現場管理DXを支援。Kudan PRISMなどのソリューションを提供。

主な製品・サービス1
Kudan PRISM
設備点検・管理向けソリューション。現実空間を3Dデータ化し、設備・構造物の認識、現場情報の可視化、点検業務を支援する。

02ロボティクス主力

ロボットが自己位置推定、地図生成、経路計画、障害物回避を行うための空間知覚技術を提供。自律移動・作業を実現し、自動化・省人化に貢献。

主な製品・サービス1
SLAMアルゴリズム
自己位置推定と環境地図生成を同時に行う基盤技術。ロボット、センサ、半導体などに組み込まれる。

製品と技術

基幹技術KudanSLAMの特徴

KudanSLAMは当社グループの中核となる空間知覚アルゴリズムである。カメラ、LiDAR、IMU、GNSSなど複数センサの入力を統合し、リアルタイムで自己位置推定と3次元地図生成を実行する。直接法と間接法のハイブリッド方式を採用し、テクスチャが乏しい環境や動的なシーンでも安定性を発揮する。CPU、GPU、DSPなど様々なプロセッサに対応し、主要なオペレーティングシステム上で動作。ロボット、自動運転車両、ドローン、デジタルツインシステムに組み込む形で販売され、Intel社のロボット開発プラットフォームへの採用実績がある。

マッピング向け開発キットKudan MMDK

Kudan MMDK(Mapping Module Development Kit)は、2022年11月に提供を開始したマッピング用途向けのソフトウェア開発キットである。3Dスキャナやドローン、ハンディスキャナなどに搭載し、現実空間の高精度な3次元データを取得するための機能を提供する。設備点検、インフラ管理、建設現場の記録などに利用され、取得したデータはデジタルツインの基盤となる。関連するハードウェアパッケージ(3Dスキャナーやセンサ)と組み合わせて提供することで、顧客の導入を促進している。

ロボット自律化を支えるKudan VMDK

Kudan VMDK(Vision Module Development Kit for Robotics)は、2024年2月に提供が開始されたロボット向け開発キットである。自己位置推定、環境地図生成、経路計画、障害物回避の機能をパッケージ化し、物流、製造、建設現場の自律移動ロボットに組み込むことを想定する。複雑な屋内外混在環境や特徴点の少ない環境でも高い精度を維持し、ロボットナビゲーションの開発期間を短縮する。既存のロボットプラットフォームへの統合が容易で、複数センサのキャリブレーション機能も内蔵する。

デジタルツインソリューションKudan PRISM

Kudan PRISMは、2025年8月に提供を開始した設備点検・管理向けのデジタルツインソリューションである。現実空間を3Dデータ化し、設備や構造物の認識、現場情報の可視化、点検レポートの自動生成を実現する。建設・土木、製造、インフラ点検、災害対応などの現場において、遠隔管理や異常検知、業務効率化に貢献する。ソフトウェアに加え、3Dスキャナーやエッジコンピュータなどのハードウェアパッケージと組み合わせて提供され、顧客のDX導入をワンストップで支援する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

極小規模AIベンチャー、赤字継続で資金懸念

Kudanは情報・通信業に属し、売上高5億円と極小規模。同業のソラコム(147A)やVRain(135A)と比べると、規模は大きく劣る。営業利益率は-160%と大幅赤字で、研究開発投資が重い。2026年3月期には売上高が12億円に増加する見込みだが、依然として赤字。資金調達が課題。

強み

  • 3次元認識技術など、独自のAI技術を持つ可能性。
  • 2026年3月期に売上高が5→12億円と大幅増の計画。
  • 技術を特許化しており、ライセンス収入の可能性。
  • AI関連市場は拡大しており、需要増が期待される。

課題

  • 2025年3月期営業利益率-160%、2026年も-50%と赤字。
  • 赤字が続けば追加資金調達が必要で、株式希薄化懸念。
  • 大手AI企業との競争でリソース不足が顕著。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がKudan

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14420イーソル166億円21.8倍
23640電算165億円3.6倍
34761さくらケーシーエス162億円13.2倍
4414Aオーバーラップホールディングス162億円7.7倍
59414日本BS放送161億円14.1倍
64425Kudan160億円
74441トビラシステムズ159億円25.0倍
84175coly159億円218.4倍
99450ファイバーゲート159億円14.4倍
109799旭情報サービス159億円11.7倍
113914JIG-SAW158億円29.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 15件

2014年創業と英子会社化による技術基盤の獲得

2014年11月、東京都渋谷区にKudan株式会社を設立。翌2015年1月、英ブリストルに拠点を持つKudan limitedを完全子会社化した。この買収により、英国の研究開発リソースと欧州市場へのアクセスを獲得。創業間もない段階で国際的な技術基盤を整え、SLAM研究を本格化させる布石となった。

2016年Visual SLAM提供開始から株式上場まで

2016年12月、Visual SLAMアルゴリズムの提供を開始。カメラ画像のみで自己位置推定と地図生成を行う技術で、ロボットやドローン向けの基盤ソフトウェアとして顧客獲得を目指した。その後、2018年12月に東京証券取引所マザーズに株式を上場。上場時の公募増資で調達した資金を研究開発と海外展開に投じ、成長の原資とした。

米国・ドイツ子会社化とLiDAR SLAMへの拡張

2019年12月、米カリフォルニアにKudan USA LLCを設立。北米市場での事業開発と大手テクノロジー企業との連携を強化した。2020年3月、LiDAR SLAMアルゴリズムの提供を開始し、レーザーセンサを用いた高精度マッピングに対応。同年7月から2021年12月にかけて独Artisense Corporationの株式を段階的に取得し完全子会社化。同社が持つ直接法SLAM技術を取り込み、技術領域を拡大した。

2022年ソリューション事業開始と市場区分移行

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しによりマザーズからグロース市場に移行。同年6月、ソリューション事業を開始し、従来のソフトウェアライセンスに加えて、顧客の業務課題に直接応えるサービスを展開。11月にはマッピング用開発キット「Kudan MMDK」を提供開始し、3Dスキャン用途向けのパッケージ製品を投入した。

2024年以降のロボット・デジタルツイン製品拡充

2024年2月、ロボット用開発キット「Kudan VMDK」を提供開始。自律移動ロボット向けにナビゲーション機能を統合したパッケージである。2025年8月にはデジタルツインソリューション「Kudan PRISM」を発表し、設備点検・管理向けのDXソリューションとして市場投入。同年11月、ロボットカメラ向けソフトウェア「Kudan VANTAGE」も提供開始し、製品ラインを多様化している。

年表15件を開く

2010年代

  • 2014年11月創業Kudan株式会社(東京)を設立
  • 2015年1月M&AKudan limited(英ブリストル)を完全子会社化
  • 2016年12月Visual SLAMアルゴリズムを提供開始
  • 2018年12月上場東京証券取引所マザーズに株式を上場
  • 2019年12月創業Kudan USA LLC(米カリフォルニア)を設立

2020年代

  • 2020年1月M&AArtisense Corporation(独ミュンヘン/以下、アーティセンス社)の子会社化に向けた段階的な株式取得契約を締結
  • 2020年3月LiDAR SLAMアルゴリズムを提供開始
  • 2020年7月M&Aアーティセンス社の追加株式取得によるグループ会社化
  • 2021年12月M&Aアーティセンス社の全株式を取得し完全子会社化
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場に移行
  • 2022年6月ソリューション事業を開始
  • 2022年11月マッピング用開発キット「Kudan MMDK」を提供開始
  • 2024年2月ロボット用開発キット「Kudan VMDK」を提供開始
  • 2025年8月デジタルツインソリューション「Kudan PRISM」を提供開始
  • 2025年11月ロボットカメラ向けソフトウェア「Kudan VANTAGE」を提供開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    空間知覚技術の研究開発と提供

    SLAMを中心とする空間認識、自己位置推定、地図生成、経路計画、複数センサー統合などの技術開発を進め、ロボット・自動運転・ドローン・産業機械向けに提供する。

  2. 02

    顧客製品化とソリューション化の推進

    評価ライセンス、開発ライセンス、製品ライセンスによる顧客製品化に加え、最終顧客の業務課題を解決するソリューション提供に注力する。

  3. 03

    フィジカルAI向け事業エコシステム構築

    生成AI・基盤モデル・VLM/VLA等のAI技術との融合を進め、デジタルツイン・ロボット領域でのパートナーエコシステムを形成し、社会実装を加速する。

  4. 04

    グローバルなパートナー連携の拡大

    特定企業に依存せず独立した立場で、センサー・半導体企業、ロボティクス企業、技術商社、事業会社などと連携し、技術・製品・ソリューションの各階層で事業展開する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 8期分

グループ全体で30人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は935万円で、7期前と比べて+29.2%平均年齢は37.6歳、平均勤続年数は2.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2019年3月72338.93.115
2020年3月97436.81.521
2021年3月1,02337.82.124
2022年3月97039.92.343
2023年3月89940.22.436
2024年3月80240.73.038
2025年3月85040.12.141−1,951
2026年3月93537.62.230−2,000

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社5(国内 0 / 海外 5、うち連結子会社 5) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
本社 — 東京都渋谷区0百万円
本社 — Bristol, United Kingdom0百万円
主な関係会社
  • 海外
    Kudan Limited (注)4,5
    Bristol, United Kingdom · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kudan USA LLC (注)4
    California, USA · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kudan Vision株式会社
    Tokyo, Japan · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Artisense Corporation (注)4
    California, USA · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kudan Germany GmbH (注)4
    Munich, Germany · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は12億円営業利益-6億円前期と比べると増収で、売上が+140.0%。

売上高
+140.0%
12億円
営業利益
-6億円
純利益
-2億円
営業利益率
-50.0%
前期比 +110.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高10億円12億円
営業利益-3億円-6億円
純利益-2億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1億円、営業利益は−1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+0.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q1−1
2024年1Q1−2−200.01
2024年2Q0−2−2
2024年3Q0−2−3
2024年4Q43
2025年2Q1−4−400.0−6
2025年4Q4−4−100.0−2
2026年2Q4−4−100.0−3
2026年4Q8−2−25.01
2027年1Q1−1−100.0−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 12期分

直近期の営業利益率は-50.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
Kudan limited(英ブリストル)を完全子会社化
2015年3月00
2016年3月100
2017年3月1−1−1
東京証券取引所マザーズに株式を上場
2018年3月200
Kudan USA LLC(米カリフォルニア)を設立
2019年3月411
Artisense Corporation(独ミュンヘン/以下、アーティセンス社)の子会社化に向けた段階的な株式取得契約を締結
2020年3月500
アーティセンス社の全株式を取得し完全子会社化
2021年3月1−16−16
2022年3月3−7−22
2023年3月3−4−4
2024年3月5−1−1
2025年3月5−8−7−160.0−8
2026年3月12−6−2−50.0−2

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高12億円のうち、営業利益として残るのは-6億円-50.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-2億円、売上の-16.7%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金66.7%8億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金83.3%10億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-50.0%-6億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
33.3%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比58.4pt
-50.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比23.3pt
-16.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-6.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-42.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 10期分

2026年3月期は営業CFが−6億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−6億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は20億円で、売上の20.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2017年3月−102−12
2018年3月0002
2019年3月10619
2020年3月−1−75−85
2021年3月−3−718−1012
2022年3月−5−10−66
2023年3月−609−69
2024年3月−5−418−917
2025年3月−8−219−1026
2026年3月−600−620

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 12期分

2026年3月期の総資産は30億円。このうち返さなくてよい自己資本が26億円で、自己資本比率は88.2%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2015年3月00098.7
2016年3月22098.4
2017年3月22092.3
2018年3月22092.0
2019年3月99095.8
2020年3月149565.9
2021年3月1515094.4
2022年3月86282.8
2023年3月108275.0
2024年3月2421387.9
2025年3月3431391.7
2026年3月3026388.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
20億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
4億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1億円
在庫として抱えている分
負債合計
3億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中3位あたり、逆に低いのは営業利益率605社中600位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-50.0%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
88.2%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
140.0%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,417で、1年前と比べて+38.0%過去52週の値幅のなかでは22%の位置にある。

¥1,417-5.5%1ヶ月-14.2%1年+38.0%時価総額160億円
過去52週の値幅
安値¥930高値¥3,140

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR6.41倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月21日に1395円まで下落し、前日比-12.59%と大幅安。1ヶ月では-23.48%下落し、52週高値3140円からは-55.6%の水準。出来高は8月21日に90.71万株と前日比約8倍に急増し、売りが殺到。25日線1680.16円を約17%下回り、RSIは36.65と弱気圏。週足では7月15日以降、下落トレンドが続いており、週足の傾きは明確に下向き。50日線や75日線も下回っており、テクニカルは弱気。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

PBR7.72倍は業界平均3.44倍を大きく上回り割高。PERは赤字のため算出不可。ROEは19.1%と高いが、直近赤字で収益悪化。無配で配当利回り0%。赤字継続を考慮すると、資産価値に対し過大評価のリスクが高い。

指標この会社業種平均
PBR6.41倍2.96倍
ROE19.1%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は2026/3期に12億円と倍増見込みだが、営業赤字6億円(率-50%)と依然として赤字。時価総額204億円、PBR7.7倍と高バリュエーション。強気派は自動運転・ロボット市場の拡大と技術優位性から成長を期待するが、弱気派は赤字継続と競合の台頭、バリュエーションの過大評価を懸念。収益化のタイミングが最大の争点。

プラスに働く材料7
  • 高成長の継続

    2026/3期売上12億円(前期比140%増)と急成長見通し

  • 技術の独自性

    SLAM技術は国際特許を有し、競合を凌ぐ性能評価

  • 市場の追い風

    自動運転やロボティクス市場の拡大でライセンス需要増加

  • 売上高12億円と倍増成長2026年Q2影響

    FY2026/3売上高12億円、前期比140%増。成長加速。

  • 営業損失縮小と黒字化期待2027年〜2028年影響

    営業損失-6億円は前期比2億円改善。利益率改善継続。

  • 時価総額204億円とAI関連株高不定影響

    AIテーマで期待先行。外国人保有13.1%需要底堅い。

  • 高PBRだが成長プレミアム不定影響

    PBR7.7倍は成長期待を反映。将来のROE向上で正当化。

マイナスに働く材料7
  • 赤字の継続

    2026/3期も営業赤字6億円、損益分岐点が見えない

  • 競合の台頭リスク

    海外大手や新興企業が同様の技術を開発、シェア確保が不透明

  • バリュエーション懸念

    PBR7.7倍、売上12億円で時価総額204億円は割高

  • 営業損失継続とキャッシュバーン継続影響

    FY2026/3営業損失6億円、売上高12億円で赤字率50%。

  • 売上高拡大に伴うコスト増通年影響

    急成長で販管費増加。利益改善が追いつかないリスク。

  • PBR7.7倍と割高感通年影響

    資産価値に対し株価高。収益化失敗時は調整リスク。

  • 外国人保有変動リスク不定影響

    外国人13.1%保有。リスクオフで売りが出やすい。

次の決算で確かめる点
売上高
成長計画の達成が投資判断の鍵。12億円の達成有無
営業損益
赤字縮小または黒字化が収益化の道筋を示す
ライセンス契約数
顧客獲得の進捗を測る。自動運転関連の引き合い動向

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ11,550人。区分でいちばん多いのは個人・その他79.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が6.5%を占め、残る93.5%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他76.877.775.781.378.479.2
外国法人13.917.313.711.79.212.8
事業法人2.62.33.30.99.86.5
証券会社5.52.25.04.22.21.2
外国人個人0.10.10.10.20.30.2
金融機関1.20.42.11.60.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01大野 智弘29.32
02UNION BANCAIRE PRIVEE(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)6.97
03株式会社ヘルシア2.27
04BOFAS INC SEGREGATION ACCOUNT(常任代理人 BOFA証券株式会社)1.80
05上田八木短資株式会社1.68
06BCSL CLIENT RE BBPLC NYBR(常任代理人 バークレイズ証券株式会社)1.45
07高橋 秀明1.38
08株式会社アグリ1.25
09BANK JULIUS BAER AND CO. LTD. SINGAPORE CLIENTS (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.72
10モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社0.58

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近5
  • 2026-08-21
    江見 由希子
    新規の大量保有報告
    4.17%
    -1.62pt
  • 2026-08-07
    江見 由希子
    新規の大量保有報告
    5.79%
    -1.12pt
  • 2026-08-03
    江見 由希子
    変更報告
    6.91%
    -2.60pt
  • 2026-08-03
    江見 由希子
    変更報告
    6.91%
    -2.60pt
  • 2026-07-21
    江見 由希子
    新規の大量保有報告
    6.91%
    -2.60pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 12期分

1株利益は12期で−5460%、1株純資産は12期で+3052%。直近期のROEは19.1%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%
2015年3月−07
2016年3月0271.6
2017年3月−1532
2018年3月1291.9
2019年3月1512919.1
2020年3月−4130
2021年3月−215189
2022年3月−28478
2023年3月−4989
2024年3月−8203
2025年3月−73277
2026年3月−17232

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2026/3期の役員報酬は総額62百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約1倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
大野智弘代表取締役563,314,200
項大雨代表取締役 CEO4229,800
郝天取締役COO42
浅野礼子取締役43
美澤臣一取締役(監査等委員)6640,000
小栗久典取締役(監査等委員)56
三井田隆取締役(監査等委員)40

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4474712
社外取締役515153

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,036字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1)事業の概要 当社グループは、機械が現実空間を認識・理解し、自律的に判断・行動するために必要となる「空間知覚」技術を基盤として、デジタルツイン及びロボティクス向けのソフトウェア、ソリューション及び関連ハードウェアパッケージを提供しております。 近年、AI(人工知能)は、テキスト、画像、映像等のデジタルデータを対象とする領域から、現実空間においてデータを取得し、学習し、行動するフィジカルAIへと発展しつつあります。この発展においては、AIが現実空間を理解するための「機械の眼」に相当する技術が不可欠であり、当社グループはこの役割を担う空間知覚技術の研究開発及び事業化を進めております。 当社グループの空間知覚技術は、カメラ、Lidar、ToFセンサ、IMU、GPS、機械オドメトリ等から取得されるデータを処理し、機械が自己位置、周辺環境、3次元構造、物体、移動可能領域、環境変化等を認識・理解するためのソフトウェア技術であります。これにより、現実空間をデジタル空間上に複製するデジタルツインと、ロボットが現実空間を知覚して行動する自律制御の双方を支援しております。 当社グループは、従来よりSLAMを中核技術として事業展開してまいりましたが、現在は、自己位置推定・地図生成に加え、ロボットナビゲーション、セマンティック3D認識、フォトリアル3D表現、AIとの技術融合等へと技術領域を拡張しております。これらの技術を、開発者向けのSWアルゴリズム、業務用途向けのSWソリューション、及びソフトウェア利用を補完するHWパッケージとして提供し、顧客の製品開発、現場DX、自動化・省人化を支援しております。 なお、当社グループは、空間知覚関連事業を主要な事業としており、他の事業セグメントは重要性が乏しいため、記載を省略しております。 (2)空間知覚技術とフィジカルAI フィジカルAIとは、デジタル空間上の情報処理にとどまらず、現実空間においてデータ取得、学習、行動、継続学習を行うAIを指します。従来のAIが主にデジタルデータを分析・生成する技術であったのに対し、フィジカルAIは、ロボット、モビリティ、産業機械、インフラ設備等と結びつき、現実世界で自律的に機能することを目指すものです。 このフィジカルAIの実現には、AIが現実空間を正確に把握するための空間知覚技術が必要となります。当社グループは、空間知覚を、フィジカルAIにおける「機械の眼」と位置付けております。機械が周囲の3次元構造、自己位置、物体、設備、経路、危険領域等を認識できるようにすることで、現実空間の理解、自律移動、遠隔管理、業務判断の自動化等を可能にします。 当社グループが対象とする主な応用領域は、デジタルツイン及びロボティクスであります。 デジタルツイン領域では、現実空間を3Dスキャンし、デジタル空間上に複製することで、設備、構造物、作業環境等をAIが理解可能な空間データとして扱うことを可能にします。これにより、設備管理、インフラ点検、建設・土木、製造、物流、不動産、スマートシティ等の現場において、遠隔確認、点検効率化、異常検知、リスク把握、業務効率化等への応用が見込まれます。 ロボティクス領域では、ロボットが現実空間を知覚し、自己位置推定、地図生成、経路計画、障害物回避等を行うことで、自律的な移動・作業を可能にします。今後、デジタルツインにより蓄積された空間データと、ロボットによる現実空間での行動データが連携することで、知覚、行動、継続学習の循環が形成され、フィジカルAIの発展が進むものと当社グループは考えております。 (3)事業及び研究開発の具体的な状況 当社グループは、空間知覚技術を基盤として、以下の3つの提供形態を中心に事業を展開しております。 ①SWアルゴリズム SWアルゴリズムは、SLAM、自己位置推定、環境地図生成、ロボットナビゲーション、セマンティック3D認識、フォトリアル3D表現等の数理処理プログラムであります。ロボット、センサ、半導体、デジタルツイン関連システム等に組み込まれる基盤技術として、ソフトウェアライセンス及び開発支援の形で顧客に提供しております。 ②SWソリューション SWソリューションは、当社グループの基盤技術を、業務用途に適したアプリケーションとして統合したものであります。代表的な取り組みとして、設備点検・管理向けソリューションであるKudan PRISMがあります。Kudan PRISMは、現実空間を3Dデータ化し、設備・構造物等の認識、現場情報の可視化、点検・管理業務への活用を通じて、現場管理DX及び生産性向上を支援することを目的としております。 ③HWパッケージ HWパッケージは、当社グループのソフトウェア利用を補完し、顧客導入を促進するための3Dスキャナー、センサ、コンピュータ、ロボット等の関連機器であります。ソフトウェアと組み合わせて提供することで、空間データの取得、システム導入、実証実験、商用展開を円滑に進めることを可能にします。 当社グループは、これらの提供形態を組み合わせ、デジタルツイン向け及びロボット向けの両領域において事業開発を進めております。対象市場は、建設・土木、設備管理、インフラ、製造、物流、災害対応、スマートシティ、自動運転等、現実空間としての「現場」を有する幅広い産業であります。 また、当社グループは、フィジカルAI向けのデータ技術にも取り組んでおります。現実空間データの取得、3D化、意味付け、シミュレーション活用、ロボット行動データとの連携等を通じて、フィジカルAIモデルの学習及び実環境適用を支援する技術基盤の構築を進めております。 (4)技術の特徴 当社グループの空間知覚技術は、デジタルツイン及びロボティクスの双方に応用可能な基盤技術であり、以下の特徴を有しております。 ①高度な空間認識技術 当社グループは、SLAMを中核として、自己位置推定、環境地図生成、3次元認識、ロボットナビゲーション等の技術を開発してまいりました。これらの技術により、機械は現実空間における自己位置と周辺環境を把握し、デジタルツインの生成やロボットの自律移動に必要な空間情報を取得することができます。 ②デジタルツインとロボット双方への展開力 当社グループは、現実空間をデジタル空間上に複製するデジタルツイン技術と、ロボットが空間を知覚して行動する自律制御技術の双方に取り組んでおります。両領域は、フィジカルAIの発展に向けて相互に融合していくものと考えられ、当社グループはその交差領域において、空間データの取得、理解、活用、行動制御を統合的に支援することを目指しております。 ③AIとの融合 当社グループは、従来の幾何学的な空間認識技術に加え、AIによる意味理解やデータ活用との融合を進めております。3次元空間内の設備、構造物、物体、リスク箇所等を意味情報とともに認識することで、単なる3D地図の生成にとどまらず、現場管理、点検、判断支援、自律制御等への応用を可能にします。 ④センサ及び演算環境への柔軟性 当社グループの技術は、カメラ、LiDAR、ToFセンサ、IMU、GPS、機械オドメトリ等の多様なセンサと組み合わせることが可能であります。また、CPU、GPU、DSP等の各種プロセッサ、及び主要なオペレーティングシステムに対応することで、顧客の製品・システム環境に応じた柔軟な実装が可能です。 ⑤モジュール性と技術統合力 当社グループの技術は、顧客の用途や既存システムに応じて、必要な機能をソフトウェアモジュールとして提供することが可能であります。これにより、半導体・組込みシステム、ロボット、3Dスキャナー、クラウド、業務アプリケーション等、多様な階層において外部技術との統合が可能となります。 ⑥情報安全性への対応 空間知覚技術が扱う3D空間データには、工場、インフラ、物流施設、公共空間等に関する重要情報が含まれる場合があります。当社グループは、産業向け及び公共領域での活用を見据え、顧客の利用環境や情報管理方針に応じた柔軟な技術提供を行うことで、空間データの活用と情報安全性の両立を図ってまいります。 (5) 用語の説明 当社グループの事業に関わる専門用語の定義について以下のとおりです。 [注] 1.「SLAM」とは、「Simultaneous Localization and Mapping」の略称であり、コンピュータが現実環境における自己位置推定と3次元立体地図作成を同時に行う技術を指します。 2.「空間知覚」とは、カメラ、3次元センサ、IMU、GPS等から得られる情報を処理し、機械が現実空間における自己位置、周辺環境、物体、移動可能領域、空間構造等を認識・理解するための技術を指します。 3.「フィジカルAI」とは、デジタル空間上の情報処理にとどまらず、現実空間においてデータ取得、学習、行動、継続学習を行うAI及びその技術体系を指します。 4.「デジタルツイン」とは、現実環境や設備、構造物等をデジタル空間上に再現し、現実空間の状態把握、分析、シミュレーション、管理等に活用する技術及びその体系を指します。 5.「ロボットナビゲーション」とは、ロボットが自己位置、周辺環境、障害物、目的地等を認識し、経路計画及び移動制御を行うための技術を指します。 6.「セマンティック3D認識」とは、3次元データ又は3D地図に含まれる物体、構造、領域等に意味情報を付与し、機械が空間内の対象を識別・理解するための技術を指します。 7.「フォトリアル3D表現」とは、3次元データ又は3D地図を写実的に表示・再構成する技術を指します。
経営方針・対処すべき課題3,179字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針 当社グループは、「Eyes to the all machines」(全ての機械に眼を与える)をコーポレートビジョンとして掲げる、空間知覚に関する研究開発と先端技術企業への研究成果の提供を生業とする技術集団であり、継続的な研究開発を通じて産業界に新たなイノベーションを起こすことを目標としております。 研究開発や事業展開において、常に当社グループを他社と比較できない存在ならしめるような方針を定め、市場において唯一の存在となり、以って、事業と研究開発の発展と、株主利益の拡大を目指します。 (2) 経営環境 近年、生成AI・基盤モデルの進化を背景に、AIはデジタル空間にとどまらず、ロボット、自動運転、ドローン、産業機械等を通じて現実世界のオペレーションを担う「フィジカルAI」へと急速に拡大しています。 物流・製造・建設・小売・インフラ点検等の領域では、労働力不足や生産性向上、安全性確保を背景に、省人化・自動化・リモート化のニーズが高まっており、現場環境を理解し、自律的に判断・行動できるAIシステムへの期待が増大しています。 フィジカルAIの実用化には、AIモデルに加え、空間認識、自己位置推定、地図生成、経路計画、センサー処理等の空間知覚技術が不可欠です。今後、フィジカルAIの社会実装が加速する中で、当該技術の重要性は一層高まっていくものと見込まれます。 (3) 経営戦略 当社グループは、ロボット、自動運転、ドローン、産業機械等が現実空間を認識し、自律的に判断・行動するために必要となるフィジカルAIの基盤技術の研究開発及び提供に注力しております。特に、SLAMを中心とする空間認識、自己位置推定、地図生成、経路計画、複数センサー統合等の空間知覚技術を中核として、各産業における自動化・省人化・リモート化の実現を支える技術基盤の構築を進めてまいりました。 当社グループは、特定の会社に事業開発・財務面で依拠することなく独立した立場を維持しながら、グローバルでセンサー・半導体企業、ロボティクス企業、技術商社、ソリューション企業、インフラ・建設・製造等の事業会社との提携を進めております。これにより、フィジカルAIの社会実装に必要となる技術・製品・ソリューションの各階層において、幅広いプレーヤーを顧客及びパートナーとして事業展開することを経営戦略としております。 当社グループが提供するKudanSLAMをはじめとする空間知覚技術は、カメラ、LiDAR、GNSS、IMU等の複数センサーを高度に統合し、屋内外を問わず高精度かつ高信頼な自己位置推定・地図生成を可能とするものです。これらの技術は、ロボットやモビリティが変化の大きい現実環境で安定的に動作するための基盤であり、今後のフィジカルAIの実用化において重要な役割を担うものと考えております。 当社グループのビジネスモデルは、これらの基盤技術のライセンス提供に加え、顧客用途に応じたアルゴリズムのカスタマイズ、新機能開発、技術コンサルティング、製品向けパッケージの提供、さらにパートナー企業と連携したソリューション提供により収益を獲得するモデルです。従来の評価ライセンス、開発ライセンス、製品ライセンスによる顧客製品化の拡大に加え、近年は当社技術を活用して最終顧客の業務課題に対応するソリューション化にも注力しております。 これまで当社グループは、SLAM技術の高度化に加え、直接法SLAMと間接法SLAMのハイブリッド化、複数センサーのタイトカップリング、ロボット・マッピング用途向けパッケージの開発、顧客製品への組込み実績の拡大等に取り組んでまいりました。また、Intel社のロボット開発プラットフォームへの採用をはじめ、ロボティクス、自動運転、ドローン、デジタルツイン等の幅広い領域において、顧客製品化及び商用展開を進めております。 近年は、成長の柱として「顧客製品化」と「ソリューション化」を推進してまいりました。顧客製品化においては、ロボティクスや自動運転、ドローン等の領域で案件拡大を進め、ソリューション化においては、デジタルツインやインフラ・設備管理等の用途において、当社技術を活用した付加価値サービスの展開を進めております。 今後は、従来の空間知覚技術をさらに発展させ、生成AI・基盤モデル・VLM/VLA等のAI技術との融合を進めることで、現実空間を理解し、人の指示や現場状況に応じて自律的に行動するフィジカルAIの実現に取り組んでまいります。特に、ロボティクス、自動運転、建設、インフラ点検、製造、物流等の領域において、当社技術を基盤とした製品化・ソリューション化を推進し、フィジカルAI時代における空間知覚技術の中核企業として、事業拡大を目指してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 開発体制の強化 当社グループにとっては、基盤技術及びソフトウェアの開発が不可欠であり、卓越した能力と専門分野を超えた応用力をもつ人材の確保、育成が必要と考えております。当社グループは、顧客・パートナーとの共同研究開発、新規採用を含む施策によりこのような人材の育成及び確保に努めてまいります。 ② フィジカルAI向け事業エコシステムの構築 当社グループが中長期的な成長を実現していくためには、従来より強みを有するSLAM等の自己位置推定・環境地図生成技術を基盤としながら、フィジカルAI時代に求められる空間知覚プラットフォームを発展させ、当社技術の社会実装及び収益化を加速するための事業エコシステムを構築していくことが必要不可欠であると考えております。 フィジカルAIの社会実装においては、空間を認識・地図化する技術に加え、デジタルツイン、ロボット、センサー、ハードウェア、AIモデル、業務システム、データ活用基盤等が相互に連携することが重要となります。当社グループは、自社の空間知覚技術を中核としながら、顧客、事業会社、ロボットメーカー、センサーメーカー、システムインテグレーター、研究機関等との連携を拡大し、デジタルツイン及びロボットの社会実装を支えるパートナーエコシステムの形成を推進してまいります。 特に、デジタルツイン領域においては、設備管理、インフラ点検、建設、スマートシティ、防災等の分野におけるソリューション提供を進め、移動ロボット領域においては、複雑環境における自己位置推定、経路計画、障害物回避等の自律移動に関する基盤技術を強化してまいります。これらの取り組みにより、幅広い産業領域における商用化実績を積み上げ、フィジカルAI市場の本格的な拡大に対応した事業エコシステムの構築を推進してまいります。 ③ 内部管理体制の強化 当社は、2014年11月設立の成長段階にある会社であり、また日本法人において海外子会社の管理を遠隔で行っているため、更なる内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。また、企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識し、業務の適正性、財務報告の信頼性確保、及び法令遵守の徹底を進め、その整備を実施いたしました。更なる業容の拡大を図るためには、内部管理体制の拡充を進める必要があり、事業の急速な拡大等に、充分な内部管理体制の構築が追い付かないという事象が生じることのなきよう、拡充と機能向上に努めてまいります。
事業等のリスク4,360字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1) 市場動向について 当社グループは、主に空間知覚市場を主要な事業活動の領域としております。空間知覚市場は、将来的な拡大が想定される市場でありますが、空間知覚の発展が当社の想定どおりに進まなかった場合には、当該市場の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、技術商社・ソリューション企業、センサ・半導体企業等各技術階層における多くのプレーヤーを顧客に持ち、インダストリーとしては物流・製造・建設・小売等の幅広い領域において、ロボティクス・自動運転・ドローン・AR/VR等の自動化技術の支援を行い、地域としても日本・中国を含むアジア、欧州・北米等グローバルでの事業開発活動を行い、これにより今後のあらゆる地域・産業におけるオペレーション自動化の事業機会を捉え、中長期的な成長を目指してまいります。 (2) 当社グループの技術について 当社グループは、顧客や市場ニーズに対応した技術の提供を目的として、中長期的な研究開発方針を定め、当社グループの成長を牽引する研究開発課題に取組み、適切な時期に市場投入することに全力を挙げております。しかし、当社グループが属する情報通信業は、技術革新の速度及びその変化が著しい業界であり、代替技術の急激な進歩、競合する技術提供者の出現、依存する技術標準・基盤の変化などにより、当社グループの技術優位性が継続的に維持できない可能性や、最適な市場投入ができない可能性があります。 当社グループにおいては、当該技術革新への対応を常に講じておりますが、万が一、当社グループが新しい技術に対応できなかった場合、あるいは当社グループが想定していない新技術や競合先が出現した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、空間知覚市場における技術動向を今後も継続的に注視し、必要に応じてM&A・事業出資・事業提携を含む経営戦略を推進し、空間知覚市場における専業独立企業としてのシェアの維持・更なる拡大を進めると共に、空間知覚以外のDeep Tech(深層技術)の研究開発・M&Aを含む出資等も推進し、有望なDeep Tech(深層技術)における確実なポジション固めを進めてまいります。 (3) 知的財産権の侵害 当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に注意を払って事業展開していますが、当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、その第三者から損害賠償請求及び差止め請求等の訴訟を起こされることにより賠償金の支払い等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、顧問弁護士・監査等委員会等とも連携し、当該リスクの低減に適切に努めてまいります。 (4) 小規模組織であることについて 当社グループは小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強並びに内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針であります。 (5) 人材の獲得、育成及び確保について 当社グループが継続的に成長を成し遂げていくためには、柔軟かつグローバルに対応できる組織作りが重要であり、それを支える優秀な人材の獲得及び育成は重要な要素のひとつとして挙げられます。これら要員を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合には、当社グループの成長を阻害する要因となる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループは、優秀な人材の採用を進めており、人材育成・新規採用も含めて一層の人材の強化に努めてまいります。 (6) 空間知覚関連事業の収益化及び事業モデルの移行について 当社グループは、SLAMを中心とした自己位置推定及び環境地図生成技術を基盤として、現在はロボットナビゲーション、セマンティック3D認識、フォトリアル3D表現、AIとの融合技術等へと技術領域を拡張し、デジタルツイン及びロボティクス向けの空間知覚関連事業を推進しております。 当社グループの事業は、SWアルゴリズム、SWソリューション及びHWパッケージにより構成されており、顧客の研究開発、製品化、現場導入、継続利用等の進展に応じて、開発支援、ライセンス、ソフトウェア利用料、導入・運用支援、ロイヤリティ等の収益が見込まれます。 一方で、これらの収益化は、顧客の研究開発計画、製品化計画、設備投資計画、現場導入計画等の影響を受けます。顧客の方針、予算、事業環境、導入スケジュール等の変更により、開発支援、ライセンス、ソリューション導入、継続利用又はロイヤリティ等が想定どおりに進展しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは高粗利のソフトウェア事業への注力を進めておりますが、顧客導入の初期段階では、実証実験、カスタマイズ、HWパッケージの提供、導入支援等が必要となる場合があります。そのため、ソフトウェア利用の拡大及び継続収益化が想定より遅れる場合、又はHW販売や個別開発支援の比重が一時的に高まる場合には、売上構成、利益率及び収益の安定性に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、デジタルツイン及びロボティクスの双方における事業機会を拡大し、空間知覚技術の社会実装及び収益化を推進してまいりますが、これらの取り組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 収益の変動について 当社グループは、受注から納品までの期間が長期に亘り、収益計上まで時間を要する契約を締結しております。その結果、案件の進捗の遅れにより収益認識のタイミングが当初計画したタイミングから変動する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事業開発人員及び顧客開発案件を支援するエンジニアの増加により、適切に各案件の進捗を管理し、進めてまいります。 (8) 海外における事業展開、及び法規制等に伴うリスク 当社グループは、海外における事業展開を積極的に進めております。これらの事業展開においては、為替リスクだけではなく、現地における法規制を含む諸制度、取引慣行、経済事情、企業文化、消費者動向等が日本国内におけるものと異なることにより、日本国内における事業展開では発生することのない費用の増加や損失計上を伴うリスクがあります。海外における事業展開にあたっては、これに伴うリスクを十分に調査や検証した上で対策を実行しておりますが、事業開始時点では想定されなかった事象が起こる可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、海外事業経験豊富な管理人員の増員を進めるとともに、各国の弁護士・税理士等の専門家と顧問契約を締結する等当該リスクの低減に努めてまいります。 (9) 為替リスク管理について 当社グループでは、海外市場での事業拡大を積極的に進めており、為替に関する潜在的リスクが存在し、為替の大幅な変動の際は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、当該リスクを最小限にするために、為替の変動状況を注視し、状況に応じ為替予約等によるリスクヘッジの検討を進めてまいります。 (10) 情報管理について 当社グループは、事業を通じて取得した顧客が保有している機密情報(経営戦略上重要な情報等)及び個人情報を保有しております。当社グループの人的オペレーションのミス、その他不測の事態等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、その場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報の取り扱いについては、情報セキュリティ管理規程を整備し、適切な運用に努めております。 (11) 自然災害等のリスクについて 当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震、台風、洪水等の自然災害または感染症の流行等が発生した場合、被災状況によっては正常な事業活動が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、勤務場所をオフィスに限定せず、各従業員の判断でリモートワークを可能とする社内管理体制及びそれを可能とする業務システムの運用を行い、それにより当該状況でも従来通りの事業継続が可能となる事業運営を行っております。 (12) 社歴が浅いことについて 当社は、2014年11月に設立されており、設立後の経過期間は12年程度と社歴の浅い会社であります。当社グループの過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分である可能性があります。当社は今後も適時開示・その他任意の説明資料の開示、IR活動などを通じて経営状態を積極的に開示してまいります。 (13) 配当政策について 当社グループは、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。 しかしながら、現時点では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針です。
経営成績の分析 (MD&A)6,151字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 分析の前提 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、当社グループの連結財務諸表に基づいて実施されております。当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表の作成にあたっては一部に見積りによる金額を含んでおりますが、見積りにつきましては、過去実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいており、妥当性についての継続的な評価を行っています。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は以下のとおりであります。 a. 貸倒引当金 債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につ いては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。 相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当金を計上する可能性があります。 b. 固定資産の減損 市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損 損失の認識の判定を行い、減損損失を認識すべきであると判定した場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、 減損損失を計上しております。 将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。 c. 投資有価証券・関係会社株式 市場価格のない投資有価証券又は関係会社株式を所有しており、実質価額が取得原価に比べ50%程度以上低下した場合には実質価額まで減額を行うこととしております。ただし、非上場の子会社株式の実質価額について、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、期末において減額は行わないこととしております。 実質価額は、通常は、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成した財務諸表を基礎に、原則として資産等の時価評価に基づく評価差額等を加味して算定した1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額ですが、会社の超過収益力や経営権等を反映して、1株当たりの純資産額を基礎とした金額に比べて相当高い価額が実質価額として評価される場合があるものとしております。 超過収益力については、四半期毎に、会社の業績等を把握するとともに将来の事業計画に基づく決算予測数値との比較分析を実施すること等により、当該超過収益力の毀損の有無を確認しております。 なお、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失が生じ、減損処理を行う可能性があります。 d. 繰延税金資産 財務諸表と税務上の資産または負債の額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る税効果について、繰 延税金資産を計上しております。繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる金額に対し評価性引当 額を計上して繰延税金資産を減額しております。 繰延税金資産の実現の可能性により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用しているその他の重要な会計方針は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 なお、当社グループは、AP事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。 本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (2) 当社グループの事業に影響を与える経営環境に対する評価 当連結会計年度の世界経済は、米国の関税政策や地政学リスクの高まりに伴うエネルギー供給不安など、景気下押し要因があったものの、生成AI関連投資の拡大や企業・個人による生成AI活用の普及など、AIの社会実装が急速に進展しました。また、労働力不足を背景とした省人化・自動化需要も引き続き高水準で推移しており、物流・製造・建設・インフラ等の幅広い産業領域において、ロボット・デジタルツイン等を活用した自動化需要が拡大しております。加えて、AIが現実空間を知覚し、自律的に行動・継続学習する「フィジカルAI」への注目が世界的に高まっております。 このような状況下、当社グループは、「あらゆる機械の眼(Eyes for All Machines)」をビジョンとして掲げ、フィジカルAI時代における基盤技術となる「空間知覚(Spatial Perception)」技術の研究開発、ライセンス提供ならびにソリューション展開を進めてまいりました。空間知覚とは、AIやロボットが現実空間を理解するための技術領域であり、機械が現実世界を認識し、位置を把握し、周辺環境を理解しながら行動するための中核技術です。当社グループは、この空間知覚をAIが現実空間に存在するための、フィジカルAIの根幹技術として位置付けております。 空間知覚の基礎となる技術は、当社グループの基幹技術である独自のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術であり、機械が移動しながらリアルタイムに自己位置推定と環境地図生成を行うものです。2021年3月期には、SLAM分野を世界的にリードする独ミュンヘン工科大学発のArtisense Corporation(本社:米国カリフォルニア州、以下アーティセンス社)をグループ会社化し、2023年3月期には、同社の直接法SLAMと、当社が従来から保有する間接法SLAMとのハイブリッド化に成功し、基本性能を向上させました。また、当社技術を組み込んだ顧客製品の商用化も継続して進展しており、中でもIntel社のロボット開発プラットフォームへの本格採用は、当技術領域の専門企業による世界初の大手半導体メーカー向け商用SLAM採用として、重要なマイルストーンとなりました。 当連結会計年度において、当社グループは、「空間知覚プラットフォーム」へのコアSWの拡張を進め、デジタルツイン向け及びロボット向けを中心にHWやソリューションも含めて技術・事業領域を拡大しました。デジタルツイン向けでは、Kudan PRISMを中心としたソリューション展開を開始し、設備管理・インフラ点検・災害対応等に向けたDXソリューションの提供を推進しました。また、ソリューション展開を加速するため、関連ハードウェアパッケージも活用しながら市場開拓及び顧客基盤拡大を進め、将来的な高収益ソフトウェア展開に向けた基盤構築を推進しました。 ロボット向けでは、物流・製造・建設・インフラ等の幅広い産業領域において、自律移動及びロボット活用への需要が拡大しております。一方で、屋内外混在環境、特徴点の少ない環境、頻繁に変化する環境等、複雑環境における自律移動の実現には依然として高い技術的課題が存在しております。当社グループは、これまで培ってきた自己位置推定・環境地図生成技術を基盤として、ナビゲーション、環境認識等を含む自律移動ソフトウェア基盤へと技術領域を拡張し、ロボット向けソリューション展開を推進しております。当連結会計年度においては、政府関連プロジェクト等を通じて、自律移動向けソフトウェア基盤の開発及び事業連携を推進するとともに、従来の数理的手法に加え、知覚データ主導型のフィジカルAIモデル導入にも取り組みました。 また、フィジカルAIの発展においては、現実空間に関する大規模かつ高品質なデータの構築が重要となります。当社グループは、デジタルツインによる現実空間の高精度データ化技術と、ロボットによる空間行動データ取得技術を組み合わせることで、フィジカルAI向けデータ技術の提供にも取り組んでおります。デジタルツインとロボットは、いずれも現実空間を知覚・理解し、AIによる判断・行動・継続学習につなげるという点で密接に関連しており、当社グループは、両領域を横断する空間知覚技術を提供することで、フィジカルAI時代における独自優位性の確立を進めております。 今後につきましては、デジタルツイン・ロボット・データ技術を統合した空間知覚プラットフォームの展開を進めるとともに、高粗利ソフトウェアへの集中を通じて収益性向上を図ってまいります。また、フィジカルAI市場の拡大に合わせて、空間知覚を中核としたソフトウェア及びソリューション提供を拡大し、中長期的な事業成長及び収益拡大を目指してまいります。 (3) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討 ①経営成績 技術・事業領域の拡大に加え、フィジカルAI市場の本格化を背景に、デジタルツイン・ロボット向けに多角的に売上が伸長し、売上高は前期実績から増加となりました。 当期に取り組んだ固定費削減施策の成果及び一部案件に関する人件費等が売上原価に計上されたこと等により、販売費及び一般管理費は956,733千円(前年同期比16.1%減)に減少し、主な内訳は人件費405,906千円、経費及び償却費344,915千円、研究開発費206,568千円であります。その他、為替レートの変動による為替差益354,693千円(前年同期は21,538千円)、研究開発に対する補助金収入58,313千円、取得した固定資産の評価減に伴う減損損失12,758千円が発生しております。 この結果、当連結会計年度の売上高は1,196,972千円(前年同期比131.3%増)、営業損失は585,955千円(前年同期は営業損失800,595千円)、経常損失は174,487千円(前年同期は経常損失743,274千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は188,266千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失801,723千円)となりました。 なお、当社グループは、AP事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注生産に関する実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。 (単位:千円) セグメントの名称   販売高   前年同期比(%) AP事業   1,196,972   131.3% 合計   1,196,972   131.3% (単位:千円) 顧客   前連結会計年度   当連結会計年度 販売高   割合   販売高   割合 株式会社 神戸清光   88,119   17.0%   353,615   29.5% 株式会社 アクティブリテック   60,021   11.6%   284,115   23.7% 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構   ―   ―   184,038   15.4% Whale Dynamic Holding (Hong Kong) Limited   62,530   12.1%   ―   ― (注)1 前連結会計年度又は当連結会計年度の総販売実績に対する割合が10%未満の場合、該当する連結会計年度の実 績値の記載を省略しております。 ②財政状態 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,447,595千円(前連結会計年度末比434,554千円減)となりました。これは主に、現金及び預金の減少(同607,780千円減)、および売掛金及び契約資産の増加(同185,127千円増)によるものであります。 また、固定資産は530,387千円(前連結会計年度末比1,394千円増)となりました。 以上の結果、資産合計は2,977,983千円(前連結会計年度末比433,159千円減)となりました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は335,533千円(前連結会計年度末比62,381千円増)となりました。 以上の結果、負債合計は335,533千円(前連結会計年度末比55,495千円増)となりました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は2,642,449千円(前連結会計年度末比488,654千円減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失188,266千円、為替換算調整勘定の減少(前連結会計年度末比335,215千円減)によるものであります。 ③キャッシュ・フロー (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、632,051千円の支出(前年同期は815,067千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失187,246千円、為替差益354,867千円、売上債権及び契約資産の増加額158,521千円、営業投資有価証券の減少30,807千円及び株式報酬費用29,477千円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、13,734千円の支出(前年同期は161,796千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12,758千円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは18,464千円の収入(前年同期は1,850,764千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入18,490千円によるものです。 以上の他、現金及び現金同等物に係る換算差額の影響もあり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末と比べ607,780千円減少し、1,986,078千円となりました。 ④資本の財源及び資金の流動性に関する分析 当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金政策の基本方針とし、事業展開および研究開発に係る資金需要に対して機動的に対応できるだけの十分な現金及び現金同等物の保有を図っております。 当社グループは、アルゴリズムの研究開発による事業を行っていることから運転資金の大部分は研究開発費を含む人件費関連コストであり、かつ少数の従業員での事業展開を行ってきております。したがって、必要となる運転資金の水準は相対的に低く、資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源といたします。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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