本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,030.3+263ドル円158.87-1NASDAQ26,199.46+100S&P 5007,668.94+37SOX 指数11,309.66+219/2終値

HENNGE

HENNGE K.K.4475 · Growth · 情報・通信業

クラウドセキュリティに特化したSaaS企業。企業のクラウド移行を支援する統合サービス「HENNGE One」を提供する。

概要

HENNGE株式会社は、1996年に有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズとして創業し、現在はクラウド型セキュリティサービス「HENNGE One」を主力とするSaaS企業である。2019年10月に東京証券取引所マザーズ市場に上場。2025年9月期の売上高は109億円、営業利益18億円、従業員390名。売上高の99.2%が継続的なサブスクリプション収益であり、安定した収益基盤を持つ。

HENNGE One事業とその他事業の二本柱

当社グループは単一セグメントであるが、売上区分は「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」に分かれる。HENNGE One事業は、クラウドサービスの利便性を損なわずにセキュリティリスクを軽減する「HENNGE One」を提供する。2025年9月期の同事業売上高は102億5900万円で、全社売上の93.9%を占める。一方、プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、大量メール配信クラウド「Customers Mail Cloud」などを展開し、残りの売上を担う。HENNGE OneはIdentity、DLP、Cybersecurityの3つの機能群で構成され、契約企業数は3427社、契約ユーザ数は約280万人に達する。売上高の99.2%が解約されない限り翌期も継続する性質を持ち、安定した収益基盤を形成している。

サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル

HENNGE Oneの収益は、サービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルである。年間費用は原則サービス開始時に一括で支払われ、契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる。このため、新規受注額が解約による減少額を上回れば、前年度を上回る収益が確保できる。当社グループは重要な経営指標としてARR(Annual Recurring Revenue)を重視しており、2025年9月末のARRは111億3500万円で前年比27.2%増加した。解約率は月次平均0.33%と低水準を維持し、LTV(顧客生涯価値)の向上を目指している。このビジネスモデルにより、営業や研究開発への先行投資が可能な健全な財務状況を実現している。

台湾と米国に拠点を置く海外展開

当社グループは国内4拠点(大阪、名古屋、福岡)に加え、海外では台湾と米国に子会社を有する。2016年10月に設立した台灣惠頂益股份有限公司は、台湾市場でのHENNGE Oneの販売とサポートを担当する。2025年4月には、米国にHENNGE Inc.を設立し、北米市場への本格展開を開始した。これは、さらなるARR成長の実現に向けた挑戦の一環であり、株式会社サンブリッジコーポレーションとの合弁による。海外展開を通じて地域カバレッジの拡大を図り、日本国内に加えて海外の企業・団体にもHENNGE Oneを提供する体制を構築している。なお、海外売上高の具体的な金額は開示されていないが、両拠点は今後の成長ドライバーとして位置づけられている。

業界の中での役割はクラウドセキュリティSaaSプロバイダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
109億円
営業利益
18億円
営業利益率
16.5%
純利益
14億円
2025/9 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01全業種(クラウド利用企業)主力

クラウドサービスを導入する企業に対し、セキュリティリスクを軽減するSaaS「HENNGE One」を提供する。アクセス制御、シングルサインオン、情報漏洩対策、サイバーセキュリティ対策などの機能を横断的に提供し、企業のクラウド活用を支援する。サブスクリプションモデルで安定的な収益基盤を持つ。

主な製品・サービス4
HENNGE One
クラウドサービスの安全な利用を支援する企業向けSaaS。アクセス制御、SSO、DLP、サイバーセキュリティ対策などを統合的に提供する。
HENNGE One Identity
シングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能群。Access Control、Device Certificate、Lock、Connectなどで構成される。
HENNGE One DLP
データ損失・漏洩防止のためのセキュリティソリューション。Email DLP、Secure Transfer、File DLPなどで構成される。
HENNGE One Cybersecurity
サイバーセキュリティリスク対策機能。Cloud Protection(不審メールの自動発見・隔離)やTadrill(標的型攻撃訓練)を提供する。

02開発企業向けメール配信準主力

企業が開発するシステムから利用できるメール配信クラウドサービス「Customers Mail Cloud」を提供する。大量・高速なメール配信を実現し、なりすまし対策にも対応する。

主な製品・サービス1
Customers Mail Cloud
大量メールを高速に配信するクラウドサービス。送信ドメイン認証に対応し、システムからのメール通知を効率化する。

製品と技術

HENNGE One Identity: シングルサインオンとアクセス制御

HENNGE One Identityは、クラウドサービスへのシングルサインオン(SSO)とセキュアなアクセスを実現する機能群である。中核となる「HENNGE Access Control」は、SAML認証を用いたSSOとアクセス制御を提供し、ユーザは単一のIDとパスワードで複数のクラウドサービスにログインできる。また、「HENNGE Device Certificate」はデバイス証明書を発行し、許可された端末のみアクセスを許可する。「HENNGE Lock」はスマートフォンアプリ経由の多要素認証を提供し、パスワード流出時の不正ログインを防止。さらに「HENNGE Connect」により、オンプレミスシステムへのSSOも可能。これらの機能を組み合わせることで、利便性と安全性のバランスを実現する。

HENNGE One DLP: データ漏洩防止と情報管理

HENNGE One DLPは、データの紛失や漏洩を防止するための機能群である。「HENNGE Email DLP」は送受信メールを一時保留し、フィルタリングや誤送信対策を実施。「HENNGE Email Archive」は全メールを長期保存し、内部監査や証跡調査に対応する。「HENNGE Secure Transfer」は大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージで、暗号化通信により安全にファイルを共有可能。「HENNGE Secure Download」は添付ファイルを自動的にURL化し、ダウンロード制御を実現する。「HENNGE File DLP」はクラウド上のファイル共有管理を統制し、設定ミスによる情報漏洩を防止する。これらの機能により、クラウドメールやファイル利用に伴うセキュリティリスクを低減する。

HENNGE One Cybersecurity: 標的型攻撃対策とセキュリティ訓練

HENNGE One Cybersecurityは、年々高まるサイバー攻撃への対策機能を提供する。「HENNGE Cloud Protection」は、標準的なセキュリティ対策では検知できない不審なメールやファイルを自動的に発見・隔離する。一方、「HENNGE Tadrill」は標的型攻撃メール訓練を自動化し、継続的かつ実践的な対策訓練を可能にする。訓練結果に基づく報告フローの定着化により、組織全体のセキュリティ意識を向上させる。これらの機能はテクノロジー、人、プロセスの3方向からサイバー攻撃に対抗する。2025年7月には「Tadrill」がHENNGE Oneの標準機能として統合され、よりシームレスな利用が可能となった。

Customers Mail Cloud: 大量メール配信のクラウドサービス

「Customers Mail Cloud」は、企業が開発する顧客向けシステムから大量のメールを高速かつセキュアに配信するためのクラウドサービスである。送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)や送信者ガイドラインに対応し、遅延や不達を防止する。専用のメール配信システムを構築することなく、API経由で簡単に利用できるため、開発コストを削減できる。2025年6月にはAWS Marketplaceでの提供を開始し、より多くの企業が利用しやすい環境を整えた。このサービスはHENNGE One事業とは別の売上区分「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」に属し、安定した収益源となっている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

高成長SaaS企業、収益性急改善中

同社は情報・通信業に属し、近年売上高が68億円(2023/9)→84億円(2024/9)→109億円(2025/9予)と急成長している。同時に営業利益率も11.9%→16.51%と改善しており、高成長かつ高収益なSaaS型ビジネスモデルが示唆される。同業他社ではソラコム等が存在するが、同社はプラットフォーム型ビジネスを展開している可能性が高い。

強み

  • 売上高が前期比24%増(2024/9期)と高い成長を遂げている。
  • 営業利益率が11.9%から16.51%へと急改善している。
  • SaaS企業として安定したリカーリング収益を持つ可能性が高い。
  • 情報通信分野で需要が拡大している領域を捉えている可能性がある。

課題

  • 成長市場ゆえに新規参入が相次ぎ、競争激化が予想される。
  • 急成長に伴い、マーケティング費用が増大している可能性。
  • 高成長を持続できるか、市場の飽和や顧客解約に注意が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がHENNGE

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17860エイベックス593億円15.4倍
23371ソフトクリエイトホールディングス580億円12.9倍
33668コロプラ559億円163.1倍
43932アカツキ556億円9.8倍
59416ビジョン534億円20.0倍
64475HENNGE526億円35.3倍
79474ゼンリン521億円17.7倍
84390IPS519億円12.6倍
94687TDCソフト514億円12.5倍
104051GMOフィナンシャルゲート508億円30.5倍
113679じげん490億円10.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 37件

有限会社として創業し、株式会社化を経た1996〜2007年

1996年11月、東京都三鷹市において有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズを設立。翌1997年11月に株式会社ホライズン・デジタル・エンタープライズに組織変更した。創業以来「テクノロジーの解放」を経営理念に掲げ、インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツールを開発。2000年以降は大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクトを展開した。2007年5月、商号を株式会社HDEに変更し、本店所在地を東京都渋谷区南平台町へ移転。同年12月にはISMSの国際規格ISO27001認証を取得し、セキュリティ企業としての基盤を固めた。

メールセキュリティからSaaSへ転換した2011〜2018年

2011年3月、HDEメールサービスの販売を開始。2014年1月にはサービス名称を「HDE One」に変更し、クラウド型SaaSとしての販売に注力し始めた。同時期、国内拠点の拡充を進め、2015年6月に大阪ブランチオフィス、2016年8月に名古屋ブランチオフィス、2018年8月に福岡ブランチオフィスを開設。2016年10月には台湾に子会社「台灣惠頂益股份有限公司」を設立し、海外展開の第一歩を踏み出した。これらの拠点は営業やサポートの体制強化に寄与し、顧客基盤の拡大を支えた。2018年9月期の売上高は28億円に達し、SaaSモデルへの移行が軌道に乗ったことがうかがえる。

HENNGEへの社名変更と株式上場を果たした2019年

2019年2月、商号をHENNGE株式会社に変更し、主力サービス「HDE One」も「HENNGE One」に名称を統一。同年4月には教育向け「Chromo Education」の販売を開始。6月にはHENNGE Oneの新ライセンス体系を導入し、収益性の向上を図った。そして2019年10月、東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。上場時の売上高は34億円、純利益は1億円であった。上場により得た資金を基に、研究開発や営業体制の強化へ投資し、成長を加速させる基盤を築いた。同年11月には大阪ブランチオフィスを移転し、拠点の拡充を継続した。

機能拡充と新サービス投入でポートフォリオを強化した2020〜2023年

2020年7月、教育機関向け「HENNGE One for Education」を販売開始。同年8月には「CHROMO」をリリースし、自治体向けコミュニケーションサービスとして2021年10月に「SumaMachi」へ名称変更した。2020年11月には多要素認証「HENNGE Lock」の提供を開始。2022年4月「HENNGE Connect」、同年11月には標的型攻撃メール訓練サービス「tadrill」を提供。2023年5月にはHENNGE One for Educationにメールセキュリティ機能を追加。さらに2023年8月には株式会社kickflowへの出資と資本業務提携を締結し、同社のクラウドワークフロー「kickflow」の販売を同年10月に開始。これにより、業務効率化の領域にも事業を拡大した。

米国法人設立と価格改定で成長基盤を固めた2024〜2025年

2024年4月、HENNGE OneのEdition変更と価格改定を実施。同年7月には新機能「File DLP」と「Tadrill」を提供開始し、さらに「HENNGE Access Control ユーザープロビジョニング機能」も追加。2025年3月にはBasicプラン向けの「Tadrill Lite」を提供。同年4月、米国に子会社HENNGE Inc.を設立し、北米市場への本格参入を果たした。また2025年6月にはAWS Marketplaceで「Customers Mail Cloud」の提供を開始し、販路を拡大。2025年9月期の売上高は109億円、営業利益18億円と過去最高を更新し、従業員数も390名に増加。さらなる成長に向け、米国拠点を中心とした海外展開を加速させている。

年表37件を開く

1990年代

  • 1996年11月創業東京都三鷹市において、有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズを設立
  • 1997年11月株式会社ホライズン・デジタル・エンタープライズに組織変更

2000年代

  • 2007年5月商号変更商号を株式会社HDEに変更 本店所在地を東京都渋谷区南平台町16番28号へ移転
  • 2007年12月ISMSの国際規格ISO27001認証取得

2010年代

  • 2011年3月HDEメールサービスの販売開始
  • 2014年1月商号変更HDEメールサービスの名称を「HDE One」に変更
  • 2015年6月大阪市北区に大阪ブランチオフィスを開設
  • 2016年8月名古屋市中村区に名古屋ブランチオフィスを開設
  • 2016年10月創業台湾に台灣惠頂益股份有限公司を設立
  • 2018年8月福岡市博多区に福岡ブランチオフィスを開設
  • 2019年2月商号変更商号をHENNGE株式会社に変更「HDE One」の名称を「HENNGE One」に変更「HENNGE Workstyle」の販売開始
  • 2019年4月「Chromo Education」の販売開始
  • 2019年6月「HENNGE One」新ライセンス体系にて販売
  • 2019年10月上場東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
  • 2019年11月大阪市北区内にて大阪ブランチオフィスを移転

2020年代

  • 2020年7月「HENNGE One for Education」を販売
  • 2020年8月「CHROMO(クロモ)」を販売
  • 2020年11月多要素認証を実現する「HENNGE Lock」の提供開始
  • 2021年10月商号変更自治体向けコミュニケーションサービス名称を「CHROMO(クロモ)」から「SumaMachi(スマまち)」に変更
  • 2022年4月「HENNGE Connect」を提供開始
  • 2022年11月自社完結型の標的型攻撃メール訓練サービス「tadrill(タドリル)」を提供開始
  • 2022年12月福岡市中央区内にて福岡ブランチオフィスを移転
  • 2023年5月「HENNGE One for Education」にメールセキュリティ機能追加
  • 2023年6月「HENNGE Secure Download for Box」を提供開始
  • 2023年8月株式会社kickflowへの出資及び同社との資本業務提携契約を締結
  • 2023年10月株式会社kickflowが提供するクラウドワークフロー「kickflow」を販売開始
  • 2024年4月「HENNGE One」のEditionを変更
  • 2024年4月「HENNGE One」の価格を改定
  • 2024年5月「Customers Mail Cloud」において、「ワンクリックでの登録解除」に対応する「購読解除」機能を実装
  • 2024年6月「HDE Controller」サービス終了
  • 2024年7月「HENNGE One」の新機能として「File DLP」と「Tadrill(タドリル)」を提供開始
  • 2024年7月「HENNGE One」の新機能として「HENNGE Access Control ユーザープロビジョニング機能」の提供開始
  • 2024年12月福岡市中央区内にて福岡ブランチオフィスを移転
  • 2025年1月名古屋市中村区内にて名古屋ブランチオフィスを移転
  • 2025年3月HENNGE OneのBasicプラン契約者に向けた標的型攻撃メール訓練サービス「Tadrill Lite」を提供開始
  • 2025年4月創業米国にHENNGE Inc.を設立
  • 2025年6月AWS Marketplaceにおいて、クラウド型メール配信サービス「Customers Mail Cloud(CMC)」提供開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/9期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • HENNGE OneのARR前連結会計年度末比27.2%増

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    クラウドサービスによるテクノロジー解放

    顧客に合わせたカスタマイズではなく、クラウドサービスを通じてより多くの顧客に新技術を届け、テクノロジーと現実のギャップを埋めるビジネスモデルを追求する。

  2. 02

    新技術への継続的挑戦と新サービス開発

    日々生まれる新技術に挑戦し、失敗と成功を繰り返しながら、最適なクラウドサービスを提供するため、新機能・新サービスの研究開発を継続する。

  3. 03

    LTV最大化に向けた3要素の強化

    契約企業数の最大化(営業増員、広告、海外展開、販売パートナー連携)、ユーザあたり単価(ARPU)向上(機能改善、新サービス、M&A等)、平均ユーザ数増加(大企業獲得、顧客のDX支援)に取り組む。

  4. 04

    基盤効率化と研究開発への再投資

    提供サービスの基盤システム効率化とコスト削減を進め、生まれた利益を研究開発に再投資することでサービスの価値向上を図る。

  5. 05

    海外市場への展開と事業投資

    アジア市場を中心に販売拡大を図るとともに、米国合弁会社設立、ASPMサービス企業やメッシュネットワーク企業への出資など、事業投資・連携を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 7期分

グループ全体で390人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は848万円で、6期前と比べて+22.1%平均年齢は35.3歳、平均勤続年数は4.5年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2019年9月69435.65.0154
2020年9月70535.44.8181
2021年9月72735.45.0213
2022年9月79534.94.6243
2023年9月79034.94.6283
2024年9月82735.64.8311322
2025年9月84835.34.5390462

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年9月期・提出会社(単体)
女性管理職比率26.6%
縦線は目安の30%
男性育休取得率92.3%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)73.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 0 / 海外 2、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都 渋谷区372百万円
主な関係会社
  • 海外
    台灣惠頂益股份有限公司(注)3
    台湾 台北市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    HENNGE Inc.
    米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 · 連結子会社
    議決権51.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年9月期の売上高は109億円営業利益18億円前期と比べると増収増益で、売上が+29.8%、利益が+80.0%。

売上高
+29.8%
109億円
営業利益
+80.0%
18億円
純利益
+75.0%
14億円
営業利益率
16.5%
前期比 +4.6%pt

会社が出している今期の予想2026年9月期

項目会社予想前期実績
売上高128億円109億円
営業利益21億円18億円
純利益16億円14億円
1株あたり配当¥6¥6

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は33億円、営業利益は6億円。前年の2023年3Qと比べると、売上は+94.1%、営業利益は+100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年2Q17211.82
2023年3Q17317.62
2023年4Q191
2024年1Q19421.13
2024年2Q20210.01
2024年4Q4548.94
2025年2Q521121.28
2025年4Q57712.36
2026年2Q611321.39
2026年3Q33618.25

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 11期分

2015年9月期からの11期で、売上は13億円から109億円へ8.4倍に増えた。直近期の営業利益率は16.5%。売上は10期、純利益は4期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
大阪市北区に大阪ブランチオフィスを開設
2015年9月1300
台湾に台灣惠頂益股份有限公司を設立
2016年9月1711
2017年9月2222
福岡市博多区に福岡ブランチオフィスを開設
2018年9月2821
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
2019年9月3421
2020年9月4254
自治体向けコミュニケーションサービス名称を「CHROMO(クロモ)」から「SumaMachi(スマまち)」に変更
2021年9月4842
2022年9月5653
2023年9月6875
2024年9月84101011.98
米国にHENNGE Inc.を設立
2025年9月109181916.514

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年9月期

売上高109億円のうち、営業利益として残るのは18億円16.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は14億円、売上の12.8%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金13.8%15億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金70.6%77億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益16.5%18億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
86.2%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+8.1pt
16.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+6.2pt
12.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+27.6pt
40.6%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
13.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
37.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 9期分

2025年9月期は営業CFが27億円、投資CFが−13億円で、差し引きのフリーCFは14億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は73億円で、売上の8.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2017年9月5−1413
2018年9月5−10418
2019年9月2−2019
2020年9月8−13729
2021年9月500534
2022年9月8−10741
2023年9月12−4−3846
2024年9月190−21963
2025年9月27−13−41473

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 11期分

2025年9月期の総資産は107億円。このうち返さなくてよい自己資本が38億円で、自己資本比率は35.0%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2015年9月102821.1
2016年9月123922.6
2017年9月1851325.6
2018年9月2361725.2
2019年9月2671926.6
2020年9月42182443.0
2021年9月45182741.0
2022年9月52213140.2
2023年9月63243938.0
2024年9月83305335.4
2025年9月107386935.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年9月期の内訳
現金及び預金
73億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
36億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
69億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
83
/ 100
安定性自己資本比率23 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE605社中20位あたり、逆に低いのは配当利回り605社中581位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
40.6%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
16.5%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
35.0%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
29.8%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.4%/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,618で、1年前と比べて-6.4%過去52週の値幅のなかでは78%の位置にある。

¥1,618-5.0%1ヶ月+24.4%1年-6.4%時価総額526億円
過去52週の値幅
安値¥880高値¥1,823

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)35.3倍
PER (会社予想)32.3倍
PBR11.77倍
配当利回り0.37%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月20日に1,504円となり、前日比+6.97%と大きく上昇しました。1ヶ月では+12.74%と上昇基調にあり、25日移動平均線(1,385.24円)を上回っています。年初来では-17.31%と下落が続いていましたが、直近の上昇で戻りを試す展開です。52週高値1,909円に対しては約21%下の水準にあり、上値には十分な余地があります。出来高は8月5日に254万株と急増した後も高水準を維持しており、売買が活発化しています。RSIは64.64とやや上昇基調にあります。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 30/100)

PER 29.2倍は業界平均29.7倍とほぼ同水準だが、PBR 10.81倍は平均3.44倍を大きく上回る。ROE 40.6%と非常に高収益だが、配当利回り0.61%は平均1.25%を下回る。高成長期待がPBRに織り込まれており、株価はやや割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)35.3倍47.9倍
PER (予想)32.3倍
PBR11.77倍2.96倍
ROE40.6%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

高成長SaaS銘柄として期待される一方、PER29倍とバリュエーションが割高な水準にある。強気派は市場の拡大と利益率の改善を評価するが、弱気派は競争激化や成長鈍化リスクを指摘する。

プラスに働く材料7
  • 高成長と収益性

    売上高年平均20%超成長、営業利益率16.5%予想

  • SaaSの安定収益

    サブスクリプション型で解約率低い

  • 市場の拡大余地

    経費精算のDX需要は未だ途上

  • クラウドセキュリティ需要拡大継続影響

    売上高109億円(前期比30%増)、高成長継続。

  • 高い収益性と利益成長継続影響

    営業利益率16.5%、ROE40.6%と高水準。

  • 海外展開による市場拡大2026年以降影響

    アジア市場開拓でさらなる成長機会。

  • サブスクリプション収益の安定性継続影響

    ストック型収益モデルで収益変動抑制。

マイナスに働く材料7
  • バリュエーションの高さ

    PER29倍で成長率に見合うか疑問

  • 競合の台頭

    類似SaaSサービス多数でシェア争い激化

  • 成長鈍化リスク

    市場成熟で今後伸び率が低下する可能性

  • 高PERによるバリュエーションリスク継続影響

    PER29倍、成長減速時に調整リスク。

  • 競争激化によるマージン低下継続影響

    セキュリティ市場は競合多く、価格競争の可能性。

  • IT人材確保コスト増加継続影響

    人材不足で採用費・給与上昇が利益圧迫。

  • 特定業界向け依存リスク不定影響

    特定顧客セクターの需要変動に脆弱。

次の決算で確かめる点
ARR(年間経常収益)
SaaSの成長性を示す最指標
解約率(チャーン)
顧客定着度と収益の安定性を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり6で、前期から+66.7%いまの株価に対する利回りは0.37%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥6
1株あたり
配当利回り
0.37%
いまの株価に対して
配当性向
11.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2024年9月313.9
2025年9月566.711.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥6

株主

有価証券報告書より

2025年9月期末の株主数は延べ7,879人。区分でいちばん多いのは個人・その他63.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が9.8%を占め、残る90.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年9月%2021年9月%2022年9月%2023年9月%2024年9月%2025年9月%
個人・その他62.960.976.773.365.163.0
外国法人23.832.78.113.814.823.3
事業法人4.92.82.82.75.55.8
金融機関7.73.09.24.412.54.0
証券会社0.60.53.05.62.03.8
自己株式0.00.71.12.0
外国人個人0.10.10.20.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01小椋 一宏23.84
02宮本 和明11.00
03永留 義己9.81
04BNYMSANV RE BNYMSANVDUBRE LEGAL (AND) GENERAL UCITS ETF PLC(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)3.71
05株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.12
06INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)2.52
07BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.68
08JPモルガン証券株式会社1.57
09UBS AG LONDON A/CIPB SEGREGATED CLIENT ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)1.54
10株式会社ブイ・シー・エヌ1.54

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-06-12
    宮本 和明
    新規の大量保有報告
    9.28%
    -0.73pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 11期分

1株利益は11期で+4063%、1株純資産は11期で+745%。直近期のROEは40.6%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2015年9月−114
2016年9月41827.0
2017年9月112938.3
2018年9月41923.9
2019年9月42217.2
2020年9月115728.3298.9
2021年9月75712.2427.6
2022年9月106416.385.0
2023年9月167422.770.3
2024年9月269131.145.313.9
2025年9月4211840.638.011.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

17名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は17名。2025/9期の役員報酬は総額159百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
小椋一宏代表取締役社長 クラウド・プロダクト・ディベロップメント・ディビジョン 担当執行役員517,748,500
宮本和明代表取締役副社長 インターナル・DX・ディビジョン 担当執行役員533,574,100
永留義己取締役副社長513,189,000
天野治夫取締役副社長51243,438
髙岡美緒取締役471,800
加藤道子取締役421,800
後藤文明取締役(監査等委員/常勤)7326,100
早川明伸取締役(監査等委員)526,500
小内邦敬取締役(監査等委員)511,800
中込剛執行役員
三宅智朗執行役員
髙須俊宏執行役員
残りの役員5名を開く
氏名役職年齢
箕浦賢一執行役員
戸村誠知執行役員
小林遼執行役員
今泉健執行役員
大久保正博執行役員

役員報酬の内訳2025/9

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4921510727
社外取締役6283305
取締役(社内)11621717
監査役15055

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/9期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容5,839字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社2社(台灣惠頂益股份有限公司、HENNGE Inc.)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念を掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を企業が恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態を我々のビジョンの実現のための最も効率的な手段と位置づけております。汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。日本では、2010年頃から、クラウド技術の普及により、パッケージソフトウェアを期間課金のクラウドサービスの形態で提供することが可能になりました。これにより、追加開発等による付加価値を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのため、サービス利用者の拡大に伴い、お客様に対して常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループは安定的な収益を確保することができると考えております。 当社グループの特徴は、25年以上にわたり、銀行のようなセキュリティ需要の高い企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や業種の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培ってきた信頼と実績や、幅広い顧客基盤を背景に、お客様共通のニーズ・課題の抽出、それらを解決するための技術開発、お客様への販売、その後のアフターフォローなど、企画から販売・サポートまでの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」で解決しております。インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期の2000年からは大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。 昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上に資するとの期待があると考えております。 クラウド技術の発達により、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業はますます増加しています。しかしながら、たとえば意図しない場所や端末からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特にこれまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウェアをクラウドに移行する場合、メールを介した誤送信やファイル共有設定ミスによる情報漏洩、年々リスクが高まっている標的型攻撃などといった様々な脅威に対応するクラウドサービスも必要になります。「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤に加えて、メール誤送信対策やファイル共有管理機能といった情報漏洩対策機能、さらにランサムウェアや標的型攻撃対策などのサイバーセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループの経営理念である「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」に合致すると考えております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行っておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加受注の契約金額が解約による収益の減少額を下回らない限りは前年度の収益を上回るという安定性を有し、その収益基盤をもって新たな課題にチャレンジし、持続的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりです。 (1)HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司、HENNGE Inc.) HENNGE One事業では、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制御機能のほか、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするシングルサインオン機能、クラウドメールの誤送信対策・ファイル共有管理・内部監査・証跡調査といった情報漏洩対策機能、大容量ファイルの送受信、脱PPAP対策や標的型攻撃対策等の機能を備える企業向けSaaSです。 業種・業態を問わず、また、部署・勤務形態を問わず、様々な企業で、全社一括導入にてご利用いただく性質のサービスであるため、契約企業数及び契約ユーザ数の増加に伴いARR(注6)は年々積み上がっております。また、一度ご契約いただくとその安全性や利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注7)は低水準を維持しております。 「HENNGE One」はIdentity、DLP、そしてCybersecurityの3つで構成され、それぞれの詳細は以下のとおりです。 i. HENNGE One Identity 各種クラウドサービスへのシングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能です。具体的には、クラウドサービスへのアクセス制御とSAML(注8)認証によるシングルサインオンを行うことができる「HENNGE Access Control」、デバイス証明書(注9)の発行によりクラウドサービスにアクセス可能な端末の制御を行う「HENNGE Device Certificate」、アプリを通じて多要素認証(注10)を行う「HENNGE Lock」、企業のオンプレミスシステムに対してもシングルサインオンを実現する「HENNGE Connect」などを組み合わせることで、利便性と安全性のバランスが取れたクラウド利用をサポートします。 ii. HENNGE One DLP データの紛失や漏洩防止に対応するセキュリティソリューションです。具体的には、メールの一時保留やフィルタリングを行う「HENNGE Email DLP」、送受信メールのアーカイブをする「HENNGE Email Archive」、大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージサービスである「HENNGE Secure Transfer」、添付ファイルの自動URL化を行う「HENNGE Secure Download」、ファイル共有管理機能である「HENNGE File DLP」などにより、セキュアなクラウド環境を実現します。 ⅲ. HENNGE One Cybersecurity 年々高まるサイバーセキュリティリスク対策機能です。標準的な対策ではすり抜けてしまう、不審なメールやファイルを自動で発見・隔離する「HENNGE Cloud Protection」、継続的・実践的な標的型攻撃メール対策訓練を自動化し、報告フローの定着化で組織のセキュリティレベルの向上を実現する「HENNGE Tadrill」により、テクノロジー・人・プロセスの全方位で組織のサイバー攻撃対策を実現します。 (2)プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、なりすましメール対策に有効な送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)及び送信者ガイドラインに対応し、大量のメールをセキュアかつ高速に配信するメール配信クラウドサービス等を展開しております。主な取り扱い商材は以下のとおりです。 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発する顧客向けシステムには、メールを利用して様々な情報をユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、送信ドメイン認証及び送信者ガイドラインに対応したメール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注) 1.パッケージソフトウエア:多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。 2.クラウド:クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。 3.SaaS(Software as a Service):パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。 4.オンプレミスプロダクト:パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。 5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル:サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。 6.ARR(Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注11)×12(12倍することで年額に換算) 7.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。 8.SAML:Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。 9.デバイス証明書:あらかじめクライアントの端末にインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。 10.多要素認証:サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。 11.MRR(Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。 [系統図]
経営方針・対処すべき課題5,960字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、私たちの技術や時代の先端をいく技術を広くお客様に届け、世の中を変えていく「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を経営理念に掲げております。テクノロジーは急速なスピードで変化しています。テクノロジーはこれまでも、そしてこれからも世界を変え続けていきます。しかしながら、テクノロジーは時として人々の手に入りにくい形で出現します。テクノロジーの力を享受するためには、誰かが理想と現実のギャップを埋める必要があります。 当社グループは、テクノロジーにおけるこのギャップの橋渡し役として、お客様に新しい価値を提供し続け、世界の発展に貢献していきます。 (2)経営戦略等 当社グループは「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を実現するための最適なビジネスモデルの1つとして、クラウドサービスを提供しております。クラウドサービスは、お客様ごとにカスタマイズし提供する受託開発型のソフトウエアサービスとは異なり、より多くのお客様に当社グループのサービスを届けることを可能にしております。 テクノロジーはめまぐるしい勢いで進化しており、日々新技術が世の中に生まれております。しかし、実際の世の中、特に企業で活用される新技術は数少ないという現実があります。当社グループはこのような経営環境の中、日々生まれてくる新技術に向き合い、失敗と成功を繰り返すことで、最適なクラウドサービスをお客様に提供いたします。そのためにも、当社グループは新技術に対する挑戦を継続し、絶え間ない努力を重ねる体制を整え、日々新技術を活用した新機能・新サービスの開発を行っております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは重要な経営指標として、現在の当社グループの成長ドライバーであるHENNGE One事業のLTV(注)を重視しております。LTVは、ARR、平均契約年数、売上総利益率で算出されますが、この3つの要素の中で、現在は特にARRに着目し、今後の更なる成長に向けて積極的に将来ARRの最大化を目指し、日々の事業活動を行ってまいります。 LTV = ARR × Y × r Y = [平均契約年数] r = [売上総利益率] ARR = N × n × ARPU N = [契約企業数] n = [契約企業あたりの平均契約ユーザ数] ARPU = [契約ユーザあたりの年額単価] なお、ARRの最大化を目指す上では、以下の3点に着目した事業活動が重要になると考えております。 ① 契約企業数の最大化 営業人員の更なる増員、広告宣伝活動によるブランド力や知名度の向上、日本国内及び在外子会社を展開する地域を中心とした海外での地域カバレッジの拡大、販売パートナーとの連携強化等の施策を継続し、契約企業数の最大化を図ります。 ② ユーザあたり単価(ARPU)の向上 営業活動やカスタマー・サクセス活動を通じて顧客の要望に耳を傾け、需要を探り、その需要に繋がる機能改善や、新機能・新サービス等の開発、さらには業務提携やM&A等をとおして、ユーザに提供できる付加価値を増やし続けることで、今後もユーザあたり単価の向上を目指します。 ③ 平均ユーザ数の最大化 現在は、契約企業数の最大化を目指すべく、販売パートナーとの連携強化施策の中で、大きめの企業だけでなく比較的中小規模な企業へのアプローチも行っております。このように、様々な規模の潜在顧客にアプローチしていることから、獲得する顧客規模が多岐にわたり、結果として、当該係数はボラティリティが高く、コントロールが困難であると認識しております。 一方で、営業体制の強化等による比較的大きめの企業の獲得や、カスタマー・サクセス活動を通じた顧客企業のクラウドアダプション及びデジタル・トランスフォーメーションの推進による顧客企業の成長支援等により、顧客企業内での利用アカウント数の増加を穏やかに図ってまいります。 また同時に、当社グループは、提供サービスの基盤システムの効率化と、そこから生まれる利益の研究開発等への再投資が、提供サービスの価値向上の源泉であると考えております。そのため、研究開発部門を中心に、基盤システムの効率化や費用削減にも積極的に取り組んでおります。 さらに、お客様にとっての当社グループのサービスの価値を継続的に向上すべく新機能・新サービスの研究開発に注力するとともに、当社グループのサービスの認知度向上のための広告宣伝や営業活動等にも先行投資しております。そのため、財政状態についても、現金及び預金残高や契約負債残高の推移を重視しております。HENNGE Oneは年単位で契約いただくサブスクリプション型のサービスです。年間費用は、原則としてサービス開始時に一括でお支払いいただいております。このビジネスモデルにより、営業や開発への先行投資ができる健全な財務状況となっております。 (注) LTV (Life Time Value) 顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。 (4)経営環境 当社グループが属するIT業界は技術進歩がめまぐるしく、新規企業の参入や新サービスの提供が頻繁に起こっております。このように業界における経営環境の変化が速いことが、探求心を持ち続ける当社グループにとって最大のビジネスチャンスであると捉え、新技術への挑戦を続け、新サービスを提供できる体制を構築しております。 当連結会計年度においては、時代と共に変容・拡大している企業のセキュリティ意識やニーズにより一層応えるべく、前連結会計年度にHENNGE Oneのリブランディングを行い、新機能を搭載した新しいプランを展開いたしました。これによって新規顧客の獲得を加速させ、既存顧客における新プラン移行を推し進めることが当連結会計年度においても継続することができ、それに加えSuite内最上位プランであるHENNGE One Proの獲得割合を上げることができたなど、ユーザへの付加価値拡大と収益性の向上につながる持続的な成長基盤を築いております。 さらに2025年4月には、さらなるARR成長の実現に向けた挑戦の一つとして、株式会社サンブリッジコーポレーションと共に米国に合弁会社HENNGE Inc.を設立し、HENNGE Oneの地域カバレッジの一層の拡大に向けた活動を開始いたしました。 また、将来のユーザへの付加価値拡大を見据え、2025年4月にはアプリケーションセキュリティ体制管理(ASPM)サービスを提供するIssueHunt株式会社へのリード投資家としての出資や、2025年8月にはメッシュ型ネットワークソフトウェアを開発・提供するRunetale株式会社への出資など、社内開発活動や新規事業開発に止まらず、事業投資や事業連携等も継続的に推進しております。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。 ① 技術革新への対応 AI技術の飛躍的な技術発展等に伴い、IT業界における急速な技術革新に留まらず、多くの企業においてデジタル変革(DX化)がますます加速しております。加えて、近年のセキュリティインシデントの多発を背景に、クラウドサービスの安全な利用環境を求める顧客ニーズも高まっています。このような環境下において、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、様々な新技術をサービスに適切に取り入れていくこと、及び市場やユーザのニーズを適時、的確に捉えることが重要であると認識しております。 当連結会計年度においては、このような課題認識のもと、新規顧客及び既存顧客のニーズを捉えた新技術への対応を継続し、ユーザへの付加価値拡大とLTV向上に資する持続的な成長基盤を築いております。 その他にも、2025年4月にアプリケーションセキュリティ体制管理(ASPM)サービスを提供するIssueHunt株式会社への出資、2025年8月にメッシュ型ネットワークソフトウェアを開発・提供するRunetale株式会社への出資を実施するなど、社内開発活動や新規事業開発に加え、事業投資や事業提携等も推進しており、これらを通じ、市場ニーズに即した技術力の向上と将来的な事業シナジーの創出に取り組んでおります。 今後もこれらの取り組みを継続し、「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を実現する企業として、市場ニーズを的確に捉えた技術革新への対応を続け、成長を図ってまいります。 ② 開発体制の効率化と強化 ITや先進技術分野への需要は拡大しており、IT技術者不足が、企業の開発力の維持、強化を阻む要因の一つとなっております。 当社グループでは、優秀なIT技術者の採用と育成強化に取り組むとともに、国外も含めた幅広い層にアプローチすることで、より優秀な人材の確保に努めてまいりました。グローバルインターンシッププログラムの実施や、英語の社内公用語化等の取り組みを実施しております。 かかる取り組みに加え、研究開発部門においては、チーム制を採用した柔軟な組織体制を構築することで、複数のプロダクトで構成されるHENNGE Oneの開発・運用における人員配置を最適化し、これにより、市場の変化に柔軟かつ迅速に対応できる開発体制を確立しております。さらに、開発人材に対して多角的な視点からキャリア形成を支援し、定着率向上とスキル向上を促すことで、一層の開発体制強化を図っております。 ③ 認知度の向上及び販売力の強化 HENNGE OneのARRにつきまして、当連結会計年度は前連結会計年度末比27.2%増と順調に伸長しております。しかし、更なる収益拡大には、技術革新への対応のみならず、当該サービスの認知度向上と営業力の強化が重要であると認識しております。 当連結会計年度も前連結会計年度に引き続き、新規顧客獲得に向けた体制強化のため、より高付加価値を生み出すことのできる体制を意識した採用を推進いたしました。加えて、大手企業、販売パートナー、新規顧客、既存顧客など様々なアプローチ先に焦点を当てた各種イベントの開催など、多層的な顧客アプローチを実施いたしました。 今後も状況に応じた戦略的かつ効果的な広告宣伝活動を実施するとともに、優秀な営業人材の採用や育成、そして販売パートナーとの連携強化を図ってまいります。 また、HENNGE Oneは一度導入いただくと長期に亘りご利用いただけるサービスです。現在のサービス価値に加えて、将来のHENNGE Oneの発展とともに、顧客企業もHENNGE Oneを活用し続けることでセキュアにDXを推進いただけることを、広くアピールできるような施策も図ってまいります。 ④ 海外への展開 HENNGE Oneはクラウドサービスであるため、国境を越えた展開の可能性を有しております。当社グループでは、中長期的にSaaSの利用拡大が特に見込まれるアジア市場を引き続きターゲットとして捉え、販売拡大を図ってまいります。 アジア以外の海外市場についても検討は継続しており、2025年4月には、さらなるARR成長の実現に向けた挑戦の一つとして、株式会社サンブリッジコーポレーションと共に米国に合弁会社HENNGE Inc.を設立し、米国市場のSME層をターゲットとして進出しました。このように、HENNGE Oneの地域カバレッジの一層の拡大に向けた活動を実際に開始しており、今後も更なる地域拡大については検討してまいります。 ⑤ 人材の採用・育成とダイバーシティの推進 変化の激しい環境で成長し続ける為には、常に変化し続ける必要があると考えており、そのためにも多種多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用及び育成は重要であると認識しております。当社グループでは、英語を社内公用語とし、ダイバーシティを尊重する価値観を大切にするとともに、当社グループの価値観に共感する優秀な人材が中長期に亘って高い意欲を持って働ける環境の整備に取り組んでおります。また、人材育成においても、各種研修プログラムの提供や学習機会の提供、社内でのナレッジシェアの促進など、継続的な取り組みを行っております。 当連結会計年度においては、採用人数が期初目標を上回り、また退職率も期初想定よりも低くなったため、人員体制強化に向けては一定の進捗がみえる結果となりました。一方で、採用の重点項目である営業職ポジションについては期初目標に未達の状況です。当社グループが今後更なる成長を遂げるためには、体制の拡充と強化は必須であると考えております。引き続き、中期的な視点を持って戦略的に採用活動を進めるとともに、認知向上を含めたブランド力強化に資する戦略・施策を推進してまいります。 ⑥ 顧客満足度の向上 LTV最大化のためには顧客満足度の向上が必要であると考えております。当社グループでは、当連結会計年度においても、積極的にユーザとのコミュニケーションを図ることで、前連結会計年度に展開した新プランや新機能の理解促進を図ってまいりました。また、サービスに対する要望・意見を収集・分析し、既存サービスの改善及び新サービスの開発に反映し続けております。 今後もこうした取り組みを継続することで、顧客満足度の一層の向上とLTV最大化を実現してまいります。 ⑦ コーポレート・ガバナンスの強化 当社は、コーポレート・ガバナンスを企業経営の透明性・公正性を確保し、継続的な成長を図るために必要不可欠な機能と位置付け、取締役会の監督機能の強化を目的とした監査等委員会設置会社への機関設計の変更を行うとともに、当該機関設計変更を効果的かつ実効性のあるものとするために、任意の指名・報酬委員会を設置する等、コーポレート・ガバナンス体制の整備、強化に取り組んでおります。 また、かかる体制整備、強化に加え、順次、コーポレート・ガバナンス・コードへの対応を推進しており、株主をはじめ、ステークホルダーとの信頼関係に基づく経営を実現できるよう、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。
事業等のリスク8,077字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があるとともに、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 また、ここで記載する各リスクの発生頻度及びそれらが顕在化した場合の影響度については、合理的に算出することができないため、記載しておりません。 1.事業環境に関するリスク (1) 経営環境の変化について (リスクの内容) 当社グループが事業展開をしているインターネット関連市場においては、事業継続の観点や業務効率化による自社競争力向上の観点から大企業から中小企業までIT投資を進めております。その中でも、現在、当社グループが注力しているHENNGE One事業が属するクラウドサービス市場は、その利便性や初期投資を抑制できるといった特徴により急速な成長を続けております。 当社グループの発展にはクラウドサービス市場の成長が必要不可欠でありますが、当社グループが将来的に事業環境の変化に適応できない場合、経済情勢や景気動向等の変化によってクラウドサービス市場の成長が鈍化した場合、または、急速に成長するクラウドサービス市場において、今後国内外の大手資本や競合他社の参入などにより競争が過熱した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中   影響度   中   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループは、企業がクラウドサービスへの移行を検討する際に障害となる、様々なクラウドサービスに対して横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「Identity」、メール誤送信対策やファイル共有管理機能などの情報漏洩防止を担う「DLP」、およびランサムウェアや標的型攻撃メールへの対策などを含む「Cybersecurity」の3つのカテゴリで構成されるクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」を提供しております。 今後、時代の変化とともに変わりゆく顧客のニーズに合わせ、各カテゴリにおける機能の改善・高度化や、その他新機能の開発等、研究開発を進めていくとともに、カスタマー・サクセスの向上をより一層図っていくことで、クラウドサービス市場を盛り上げると同時に、参入する競業他社との差別化を図り、本リスクの低減に努めてまいります。 (2) 技術革新やサービス提供環境への対応について (リスクの内容) 当社グループは、技術革新の活発なIT業界において事業活動を行っております。そのため、当社グループ内に最先端の技術を研究開発する部門を設け、日々、既存製品・サービスの改善改良及び新規サービスの開発に絶え間ない努力を重ねておりますが、AIをはじめ、IT業界の常識を覆すような技術革新が行われ、当社グループにおいて、かかる技術革新への対応の遅れが生じ、サービス提供環境の変化や市場環境の変化に適応できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主要サービスであるHENNGE Oneは、顧客企業が利用するクラウド型グループウェアと連動して、サービス提供を行っております。クラウド型グループウェアの提供ベンダーが自社でHENNGE Oneに酷似したサービスのみを提供する環境に変更した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   増 対応策    当社グループでは、自ら積極的に新技術を試用、検証及び応用するだけでなく、SaaS企業への投資、事業提携等により、新技術に係る情報の収集、知見の獲得、事業上のシナジーの実現等を図り、市場のニーズに適時に応えることができる技術力を保持しております。 これらの知見を活かし、提供サービスの改良・改善及び新サービスの開発・提供を続けることで、競合他社が提供するサービスとの差別化を図り、サービスの優位性を築くこと、さらにはAIサービスの研究開発を適切に推進していくことにより、本リスクの低減に努めてまいります。 2.事業内容に関するリスク (1) 特定の事業者サービスへの依存について (リスクの内容) 当社グループの主要サービスであるHENNGE Oneは、安全性、安定性、拡張性及び価格等を総合的に勘案し、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービスAmazon Web Services(以下「AWS」)を主な基盤として運営されています。 AWSのデータセンターの処理能力が、当社グループの求める処理能力を満たさない場合や、AWSに障害が生じた場合などには、HENNGE Oneへのアクセスが中断又は遅延するなど、ユーザのHENNGE One利用が滞り、ユーザからの当社サービスへの信頼が損なわれ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、Amazon Web Services, Inc.による経営戦略の変更、価格改定等が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループでは、お客様におけるHENNGE Oneのご利用にあたって、利用規約を締結しており、当該規約において、当社グループの賠償責任に制限をかけることで、リスク低減を行っております。 なお、AWSに障害が生じた場合のリスク、Amazon Web Services, Inc.の戦略変更及び価格改定が行なわれるリスクにつきましては、AWS以外の代替サービスへの分散や移行ができるよう、代替サービスの調査、検討、試験的導入等を継続的に行なうことにより、本リスクの低減に努めてまいります。 (2) 特定の当社グループサービスへの依存について (リスクの内容) 当社グループの売上のうち、主要サービスであるHENNGE Oneの売上高は、売上高全体の大部分を占めております。当社グループは、クラウドセキュリティサービスを提供しておりますが、市場環境等の変化により、HENNGE Oneの売上高が著しく減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループでは、引き続き、HENNGE Oneの売上拡大を図る方針に変わりはありませんが、当社業績に対するその依存度を下げるべく、また、企業価値の更なる向上を図るべく、新規事業開発を積極的に行なうとともに、シナジーのある事業投資等による業容の拡大も視野に入れております。このようにHENNGE Oneサービスだけに依存しない取り組みを行なっていくことで、本リスクの対応に努めております。 (3) システムトラブル・サイバー攻撃の発生について (リスクの内容) 当社グループが主に提供している製品・サービスは顧客にセキュアな環境を提供することを目的の一つとしてプログラムされております。このプログラムされた製品・サービスが意図したとおりに動作しないなどの重大なシステムトラブルが発生した場合、または当社グループの製品・サービスに対して外部からサイバー攻撃が行われた場合には、当社グループが提供している製品・サービスへの信用度が著しく低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   増 対応策    当社グループでは、システムを安定運用し、継続してサービスを提供できるように、障害発生の未然防止と障害発生時の影響の極小化の両面から、関連分野の新技術、公知既存の市販製品、サービスの不具合に係る情報及びその対処方法の情報を積極的に収集、共有するとともに、当社グループで過去に発生した障害の原因分析、再発防止策を社内共有し、定期的に点検を行なうことで、本リスクの対応に努めております。 また、サービス提供基盤のセキュリティ強化により一層取り組むため、インフラのセキュリティ強化に加え、バグバウンティ(ホワイトハッカーが脆弱性調査を行い、脆弱性が見つかったことを企業に報告することで謝礼が発生する仕組み)や、脆弱性診断の定期実施など、サイバーセキュリティ脅威への対応など、必要な投資を積極的に進めることで、本リスクの対応に努めております。 3.経営管理・事業体制に関するリスク (1) 人材の採用・育成について (リスクの内容) 当社グループの継続的な成長のためには従業員を中心とする人材の確保が重要であると認識しております。しかし、国際情勢の変化や当社グループが属するクラウドサービスの分野における人材の確保が加熱するなどの影響で、事業拡大に際して人材の採用・育成が計画通りにいかない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中   影響度   中   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループは、変化の激しい環境においては常に変化と挑戦が必要だと考えており、そのために多種多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用及び育成が重要であると認識しております。現在、当社グループはダイバシティ・マネジメントをより一層推し進めるなどダイバシティを尊重するカルチャーを醸成するとともに、国外からの優秀な人材を確保するため、英語の社内公用語化を推進しており、本リスクの低減に努めております。 また、当社グループのカルチャーに共感した優秀な人材が中長期に渡って高い意欲を持って働ける環境の整備にも取り組んでおり、人材育成に関しても有用な研修プログラムを構築、改善することで、本リスクの低減に努めております。 (2) コーポレート・ガバナンスについて (リスクの内容) 当社グループの持続的且つ健全な成長には、適切なコーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制を整備し、これを適切に運用することが重要であると認識しております。しかしながら、当社グループの組織の拡大に対して、これらの体制の整備と適切な運用を行えなかった場合、適切な経営管理を行えず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループでは、業務を遂行するにあたり、「Transparency(透明性)」と「Track and Trust(追跡と信頼)」を重視する風土を醸成しております。社内業務のIT化により、一定の情報をオープンにしていくことで、不正や誤謬の発生を予防するとともに、当該IT化により、疑わしい事案を追跡できる仕組みの構築に取り組んでおります。 これらに加え、基本的な枠組みとして、第1ディフェンスラインとしての事業・開発部門等における自主的な点検、第2ディフェンスラインとしての管理部門による日常的な点検、そして、第3ディフェンスラインとしての内部監査部門等による定期的な監査で構成される内部管理体制を構築し、これを充実させていくことで、本リスクの低減を図っております。 (3) 国外事業について (リスクの内容) 当社グループは、国外の顧客に対してクラウドセキュリティサービスを提供しております。国外事業は、当社グループのさらなる成長に不可欠であると考え、今後もアジア諸国や北米をはじめ、欧州各国に事業展開するまたは加速させる可能性があります。 当社グループは、国外の事業展開を検討する際には、予めその国や地域の市場、商慣習、規制等の十分な調査を行い、リスク対応しておりますが、当社グループが対応できない規制等が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   低   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループは、台湾および北米の子会社において、国外での事業を展開しており、更なる事業展開を実現させるべく市場、商慣習、規制等の情報収集に努めるとともに、適宜、必要となる対応を行っております。また、当社グループが新たに国外に事業展開を行なう場合には、事前の市場、商慣習、規制等の情報収集を行い、専門家と連携して評価を徹底することで、本リスクの低減に努めております。 4.法的規制及び知的財産権等に関するリスク (1) 法的規制の導入について (リスクの内容) 当社グループが現在、提供している製品・サービスについて、特段の法的規制はありませんが、今後、当社グループの製品・サービスを対象とする法的規制が整備されることとなった場合、当社グループの対応次第では、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   中   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループでは、法的規制に関する事前の情報収集の徹底に努めるとともに、収集した情報がタイムリーに経営陣を含めた関係者に共有される仕組みを構築し、法的規制対応に必要となる方策を検討、準備する十分な期間を確保することで、本リスクの低減に努めております。 (2) 知的財産権の侵害について (リスクの内容) 当社グループは、研究開発部門を設け、日々、既存製品・サービスの改善改良及び新規サービスの開発に絶え間ない努力を重ねております。当社グループが保有する知的財産権を侵害された場合、又は当社グループが他者の保有する知的財産権を侵害した場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   低   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   増 対応策    当社グループでは、当社グループが開発した知的財産については、適時適切に知的財産権の登録等を行い、当社グループの財産の保全を図っております。 また、当社グループの製品・サービスが他者の保有する知的財産権を侵害しないよう、競合企業やベンダー企業の提供サービスのモニタリングを実施するとともに、開発段階において採用したビジネスモデルや技術等について、事前に必要な調査を実施し、本リスクの低減に努めております。 (3) 情報管理体制について (リスクの内容) 当社グループが提供する製品・サービスの導入に際して、顧客企業から機密情報に該当する情報を取得することがあります。当該取得情報を外部からのサイバー攻撃、内部の作為、不作為等の理由により紛失もしくは漏えいした場合、信頼性の低下、損害賠償及び訴訟費用の支出が発生する等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   中   影響度   高   リスクレベルの増減傾向   増 対応策    当社グループでは、情報資産を適切に保護、管理するため、各種情報システム・セキュリティに関する規定を整備するとともに、ISMS(ISO27001_情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、情報管理体制を構築するとともに、毎年、外部事業者によるセキュリティ診断を実施する等、外部からのサイバー攻撃による情報漏洩対策を実施しております。 また、各種情報の取り扱いについて、適切な管理体制を構築するとともに、管理策の定着と改善のための社内教育、監視等を徹底することで、本リスクの低減に努めております。 5.その他のリスク (1) 投融資について (リスクの内容) IT業界における日進月歩の技術革新に留まらず、多くの企業においてデジタル変革(DX化)が進んでおり、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、様々な新技術をサービスに適切に取り入れていくこと、および市場やユーザのニーズを適時・的確に捉えることが重要であると認識しております。 当社グループは、現在、市場のニーズに合致した技術力を保持するため、新規事業開発だけでなく、事業シナジーが見込まれると判断した企業に対して投資を実行しております。 また、今後も、さらなる事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。投資先企業の事業が計画通りに進捗しない場合や投融資額を回収できなかった場合、減損の対象となる事象が生じた場合などにおいては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   高   影響度   低   リスクレベルの増減傾向   増 対応策    当社グループでは、投資判断においては、投資先候補企業の事業内容を吟味し、当社グループとの事業シナジーが得られること、投資先候補企業の事業計画、当社グループの財務状況や投資先候補企業への影響等を考慮し、投資先候補企業の評価額が適切な水準であること等を慎重に検討することで、本リスクの低減に努めております。 (2) 株式価値の希薄化について (リスクの内容) 当社グループは、当社取締役及び従業員に対して、インセンティブの1つとして、それぞれ、譲渡制限付株式及びストック・オプションを付与しており、また今後もストック・オプションの付与の他、株式報酬制度の見直し等、企業の持続的成長のためのインセンティブプランを活用していくことが考えられます。そのため、本書提出日現在において付与しているストック・オプションに加え、当該インセンティブプランの活用等により新規に株式が発行された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。 発生可能性   高   影響度   低   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループでは、ストック・オプション制度や株式報酬制度等のインセンティブプランを活用する場合には、既存の潜在株式の割合と希薄化率を踏まえ、外部専門機関による意見等を加味したうえで、適切な規模の制度設計の他、自己株式交付を行なうこと等で、本リスクの低減に努めております。 (3) 為替の変動について (リスクの内容) 当社グループでは、クラウドサーバ利用料は主に米ドル建てで支払っており、急激に円安が進行した場合には、売上原価が悪化し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性   高   影響度   低   リスクレベルの増減傾向   同 対応策    当社グループでは、外貨建て仕入債務等に対して為替予約等を適宜活用することで、その年の為替変動の影響をヘッジし、売上原価の変動が一定の水準に収まるようにするなどにより、為替変動に係るリスクの低減に努めております。
経営成績の分析 (MD&A)6,319字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の業績、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。 ① 経営成績の状況 当社グループの属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界では、少子高齢化により日本の労働力人口が減少しているという課題に対処するための労働生産性向上の観点だけではなく、BCP(事業継続計画)対策、あるいはデジタルトランスフォーメーションの観点からもクラウドサービスに対する需要は一層拡大傾向となっております。 こうした経営環境の中で、当社グループは、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を成長のドライバーと位置付け、事業を推進しております。 場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的にサービスを利用できるというクラウドサービスの特性は、業務に幅広い柔軟性をもたらします。しかしながらこの特性は、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれないといったセキュリティ上の懸念にもつながります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウエアをクラウドに移行する場合、メール誤送信やファイル共有設定ミスによる情報漏洩対策や、年々リスクが高まっている標的型攻撃などといった様々な脅威への対策もあわせて検討する必要があります。 「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤に加えて、メール誤送信対策やファイル共有管理機能といった情報漏洩対策機能、さらにランサムウェアや標的型攻撃対策などのサイバーセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。 当社グループは、より多くの企業がクラウドサービスを導入することで労働生産性向上を実現し、それによって日本経済がさらに活性化するよう貢献したいと考えております。 当社グループは、中長期的な株主価値及び企業価値の向上を目指すべく、主要サービスである「HENNGE One」のLTV(注1)及びARR(注2)を重要な経営指標としております。 当連結会計年度においても、時代と共に変容・拡大している企業のセキュリティ意識やニーズにより一層応えるべく、前連結会計年度にHENNGE Oneのリブランディングを行い、新機能を搭載した新しいプランを展開いたしました。これによって新規顧客の獲得を加速させ、既存顧客における新プラン移行を推し進めることが当連結会計年度においても継続することができ、それに加えSuite内最上位プランであるHENNGE One Proの獲得割合を上げることができたなど、ユーザへの付加価値拡大と収益性の向上につながる持続的な成長基盤を築いております。 さらに2025年4月には、さらなるARR成長の実現に向けた挑戦の一つとして、株式会社サンブリッジコーポレーションと共に米国に合弁会社(HENNGE Inc.)を設立し、HENNGE Oneの地域カバレッジの一層の拡大に向けた活動を開始いたしました。 また、将来のユーザへの付加価値拡大を見据え、2025年4月にはアプリケーションセキュリティ体制管理(ASPM)サービスを提供するIssueHunt株式会社へのリード投資家としての出資や、2025年8月にはメッシュ型ネットワークソフトウェアを開発・提供するRunetale株式会社への出資など、社内開発活動や新規事業開発に留まらず、事業投資や事業連携等も継続的に推進しております。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,924百万円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益1,793百万円(同76.7%増)、経常利益1,854百万円(同85.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,358百万円(同64.2%増)となりました。なお、売上高のうち10,837百万円(売上高全体のうち99.2%)は解約がされない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社グループの安定的な収益基盤を構築しております。また、為替変動やセキュリティ強化などによるHENNGE Oneのインフラコストの増加や開発人員の拡充等の要因はあるものの、HENNGE Oneの価格改定等の影響により、売上総利益率は前連結会計年度比2.4ポイント増の86.5%となりました。 当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は、次のとおりであります。 1.HENNGE One事業 不正ログイン対策、スマートフォン紛失対策、メール・ファイルの情報漏洩対策や標的型攻撃対策などを一元的にクラウドサービス上で提供する「HENNGE One」については、営業面では、大手企業、販売パートナー、新規顧客、既存顧客など様々なアプローチ先に焦点を当てた各種イベントの開催など、多層的な顧客アプローチを実施いたしました。また、新規顧客獲得に向けた体制強化のため、より高付加価値を生み出すことのできる体制を意識した採用・教育を進めるとともに、引き続き販売パートナーとの連携強化を推進し、首都圏及びその他の地域での販売拡大のための体制強化にも注力いたしました。 運営面では、新規顧客獲得体制の充実を図るとともに、2024年4月からの新たなライセンス体系を基に、新規顧客の獲得のみならず既存顧客にも新ライセンス体系への移行を促しながら、ユーザあたり単価の向上に繋げつつも低い解約率を維持するための施策を進めてまいりました。 さらに開発面においては、今後の既存機能の改善や新機能の追加開発のため、引き続き日々研究開発を重ねております。 これらの活動の結果として、中小規模の企業を中心とした新規受注の獲得、ユーザあたり単価の上昇等により、ARRは前連結会計年度末比27.2%増と伸長いたしました。 この結果、HENNGE One事業の売上高は、10,259百万円(前連結会計年度比32.6%増)となりました。また、翌連結会計年度の収益見込みのベースとなるARRは11,135百万円(前連結会計年度末比27.2%増)、当連結会計年度末時点の契約企業数は3,427社(同16.1%増)、契約ユーザ数は2,799,960人(同12.2%増)、直近12ヶ月の平均月次解約率は0.33%(同0.21ポイント減)となりました。 2.プロフェッショナル・サービス及びその他事業 プロフェッショナル・サービス及びその他事業については、業績は2025年5月に開示した通期業績修正予想どおりに推移いたしました。クラウド型のメール配信システム「Customers Mail Cloud」につきましては、新規顧客獲得、既存顧客のアカウント追加等の受注、メール配信量の増加などに加え、企業のDMARC対応における需要も相まって、順調に推移いたしました。営業面ではAWSマーケットプレイスへの出品など販路拡大に向けた取り組みを継続し、開発面ではさらなる機能の向上施策を行いました。 この結果、プロフェッショナル・サービス及びその他事業の売上高の合計は、665百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。 (注) 1.LTV (Life Time Value):顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。 2.ARR(Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 対象月末のARR = 対象月のMRR(注3) × 12(12倍することで年額に換算) 3.MRR(Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。 ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における総資産は、10,742百万円(前連結会計年度末比2,457百万円の増加)となりました。主な要因としては、現金及び預金991百万円の増加、投資有価証券897百万円の増加、敷金及び保証金380百万円の増加によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、6,898百万円(前連結会計年度末比1,600百万円の増加)となりました。主な要因としては、契約負債978百万円の増加、未払法人税等203百万円の増加、賞与引当金153百万円の増加、転換社債型新株予約権付社債148百万円の増加によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、3,844百万円(前連結会計年度末比857百万円の増加)となりました。主な要因としては、利益剰余金1,262百万円の増加、自己株式451百万円の増加によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、7,319百万円と前連結会計年度末に比べ991百万円(15.7%)の増加となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は2,726百万円(前連結会計年度は1,930百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,854百万円、契約負債の増加978百万円、法人税等の支払額435百万円、賞与引当金の増加153百万円が主な要因となっております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は1,334百万円(前連結会計年度は35百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出897百万円、敷金及び保証金の差入による支出386百万円が主な要因となっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は417百万円(前連結会計年度は151百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出469百万円、社債の発行による収入148百万円、配当金の支払額96百万円が主な要因となっております。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。 売上区分の名称   当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)   前年同期比(%) HENNGE One事業(百万円)   10,259   32.6 プロフェッショナル・サービス及びその他事業 (百万円)   665   5.9 合計(百万円)   10,924   30.6 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該の総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)   当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 株式会社大塚商会   1,140   13.7   1,754   16.1 SB C&S株式会社   1,106   13.3   1,581   14.5 2.当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。 ③ 経営戦略の現状と見通し 当社グループは、「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念のもと、独自の開発サービスの提供により業績を拡大してまいりました。今後、クラウドサービスに対する需要が一層拡大し、企業規模によらず積極的なIT投資が進み、ビジネスにおいてクラウドサービスを利用する場面は多くなると考えております。このような経営環境において、当社サービスは、より積極的な機能充実と販売活動を実行することで、事業の拡大が可能であると判断しております。 また、既存サービスの概念に捉われることなく、当社グループの強みである新技術への挑戦を継続することで、新サービスの開発をあわせて実行してまいります。 ④ 経営者の問題意識と今後の方針について 今後、当社グループが更なる事業拡大を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は最新のIT技術を探求し、あわせて事業環境も把握し、当社グループの強みであるスピード感あふれる実行力を発揮し、世界に新しい価値を創造し続ける方針であります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、業務委託費、広告宣伝費等であります。資金の源泉と流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金を投下する他、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は7,319百万円であり、流動性を確保しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

IR資料の開示履歴 (TDnet)
  • 決算説明資料2026年9月期第3四半期 決算説明資料2026-08-04

TDnetのPDFは掲載後約1ヶ月で削除されるため、古い開示はタイトルのみの記録です。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。