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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

フリー

freee K.K.4478 · Growth · 情報・通信業

スモールビジネス向けクラウドERPのリーディングカンパニー。統合型プラットフォームでバックオフィス改革を支援。

概要

フリー株式会社は、クラウド会計ソフト「freee会計」を主力とするSaaS企業である。中小企業・個人事業主向けに、会計・人事労務・経費精算などのバックオフィス業務を統合的に処理するクラウドプラットフォームを提供する。2012年設立、2019年12月に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。2025年6月期の売上高は333億円、営業利益6億円と初の黒字転換を達成した。従業員数は約1,901名(連結)。

統合型プラットフォームで広がる事業の柱

フリーの事業は、クラウド会計ソフト「freee会計」とクラウド人事労務ソフト「freee人事労務」の二つを中核とする。これらは単なる帳票作成ツールではなく、経費精算や請求書発行といった上流工程から会計帳簿の自動作成、さらには予実管理や経営分析までを一貫して行える統合型設計を持つ。2025年6月期におけるプラットフォーム事業のARR(年間経常収益)は343億9300万円に達し、前年比31.8%増。有料課金ユーザー企業数は60万6533件、ARPU(1ユーザー当たり平均単価)は5万6704円と、いずれも順調に拡大している。同社は「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションのもと、国内の個人事業主および従業員1000名以下の法人を主なターゲットとし、潜在市場規模を約1.6兆円と見込む。

ARRとユーザー基盤が示す成長の軌跡

フリーの収益構造は、主に月額課金型のSaaSモデルで構成される。ARRは2021年6月期の112億6800万円から2025年6月期には343億9300万円へと4年間で約3倍に増加した。同期間の有料課金ユーザー企業数は29万3296件から60万6533件へ倍増し、ARPUも3万8419円から5万6704円へと上昇している。この成長は、クロスセルによる既存顧客の単価向上と、M&Aを通じたプロダクト拡充による新規顧客獲得の両輪で実現された。一方で、成長投資の負担から長らく営業赤字が続いたが、2025年6月期に営業利益6億1000万円、親会社株主帰属当期純利益13億7000万円を計上し、黒字転換を果たした。調整後営業利益は18億8500万円に改善している。

積極的なM&Aで拡大するプロダクトポートフォリオ

フリーは、自社開発と並行してM&Aを積極的に活用し、バックオフィス領域のサービスを拡充してきた。2021年には電子契約サービス「freeeサイン」(旧NINJA SIGN)を提供するフリーサイン株式会社を子会社化。2022年にはMikatus株式会社を吸収合併し、税理士事務所向け電子申告ソフト「A-SaaS」を獲得。2023年にはsweeep株式会社(請求書自動化サービス)とWhy株式会社(作業自動化ツール「Bundle」)を子会社化し、同年中にフリーランス管理ツール「pasture」事業をエン・ジャパンより承継。2024年にはアポロ株式会社(ネット予約サービス「tol」)を完全子会社化。2025年には株式会社YUI(クラウド連結会計ソフト「結」)を取得し、連結会計機能を強化した。これらのプロダクトは順次「freee」ブランドに統合され、統合型経営プラットフォームの一部として提供されている。

営業赤字からの脱却と財務基盤の安定化

フリーは創業以来、成長投資を優先し、2024年6月期まで営業赤字が続いていた。2023年6月期の営業損失は123億円、2024年6月期は84億円と赤字幅は縮小傾向にあったが、2025年6月期に営業利益6億1000万円を達成し、黒字化に成功した。同期の売上高は前年比30.8%増の332億7000万円。営業利益率は約0.2%とまだ低水準だが、調整後営業利益ベースでは18億8500万円(調整後営業利益率5.7%)と収益性が改善している。キャッシュフローに関しては、現金及び預金が前年比40億円増加し、資産合計は525億9500万円。純資産は196億6300万円で、自己資本比率は約37%である。短期借入金が49億円増加したものの、財務基盤は安定化しつつある。

業界の中での役割はスモールビジネス向けクラウドERPサービス提供の大手。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
424億円
営業利益
11億円
営業利益率
2.6%
純利益
11億円
2026/6 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01スモールビジネス(個人事業主・中小法人)主力

会計、人事労務、販売管理、電子契約、給与計算など、バックオフィス業務を一元管理できるクラウドサービス群を提供。AI活用で自動化・効率化を実現し、経営可視化を支援している。

主な製品・サービス6
freee会計
統合型クラウド会計ソフト。銀行口座やクレジットカードと連携し、AIが自動仕訳。請求書作成から経営分析までを一元化。
freee人事労務
統合型クラウド人事労務ソフト。給与計算、勤怠管理、社会保険手続などを自動化。
freee販売
統合型クラウド販売管理ソフト。商談から納品管理までを案件単位で管理。
freee申告
クラウド型税務申告ソフト。freee会計と連携し、申告書の自動作成と電子申告が可能。
freeeサイン
電子契約サービス。契約書の作成から締結、管理までをクラウド上で完結。
freeeカード Unlimited
事業用クレジットカード。freee会計のデータを活用した独自審査により、最大5億円の利用枠を実現。

製品と技術

freee会計:AI自動仕訳と統合型設計で経理業務を効率化

「freee会計」はフリーの旗艦製品であり、2013年のリリース以来、日本のクラウド会計市場を牽引してきた。最大の特徴は、銀行口座やクレジットカードとの連携により取引データを自動取得し、AIが仕訳を提案・自動化する点にある。これにより、簿記知識のないユーザーでも直感的に経理処理が可能となる。また、統合型ソフトとして、請求書発行・経費精算・入金消込・債務管理といった上流工程を同一プラットフォーム上で完結できる設計を持ち、バックオフィス全体の効率化を実現する。エンタープライズプランでは上場企業の金融商品取引法監査にも対応。モバイルアプリはApple App Storeで平均4.5の高評価を獲得し、9万件以上のレビューを集めている。APIも公開されており、外部サービスとの連携が容易である。

freee人事労務:給与計算から行政手続まで一元管理

「freee人事労務」は2014年に「クラウド給与計算ソフトfreee」としてリリースされ、2017年に現在の名称にリブランドされた。従業員の勤怠情報・扶養情報・社会保険・所得税などの人事データを一元管理し、給与計算や年末調整、労働保険・社会保険の申告書類を自動生成する。これにより、専門知識がなくても人事労務業務を遂行できる。統合型ソフトとしての特長を活かし、freee会計との連携により、人件費の予実管理や経営分析にも活用できる。2023年には「freee人事労務 健康管理」を追加し、従業員の健康管理機能も提供。従来は別個のソフトウェアに散逸しがちだった人事データを一箇所に集約し、転記ミスや工数を大幅に削減する。

freeeカードと金融サービス:事業資金と決済の一体化

フリーは2017年に事業用クレジットカード「freeeカード」の開発を発表し、2022年には「freeeカード Unlimited」をリリースした。このカードは、freee会計との連携により、カード利用明細が自動で仕訳・記帳される仕組みを持つ。経費精算や支払い管理を効率化し、事業資金の流れを可視化する。2024年には子会社フリーファイナンスラボを吸収合併し、さらに2025年には「freee創業融資サポート」を提供開始。法人向け融資のコンサルティング事業を立ち上げた。また、API連携により銀行口座と連動した入金消込機能も提供しており、決済・金融の領域でもバックオフィス業務の一貫した自動化を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

クラウド会計SaaSで成長、赤字から黒字転換

フリーは、クラウド会計ソフト「freee会計」を提供するSaaS企業で、中小企業向けバックオフィス業務の効率化を強みとする。同業他社としてCocoliveやL is Bがあるが、これらはマーケティングやデータ分析が主軸であり、直接の競合ではない。クラウド会計分野では弥生やマネーフォワードが競合だが、データ上はピアに含まれない。売上は2023年6月期192億円から2025年6月期333億円と成長中だが、営業損失が続いており、2025年6月期は赤字幅縮小、2026年6月期に黒字化見込み。市場シェアは高いが、競争激化で解約率上昇リスク。

強み

  • クラウド会計SaaSで国内トップクラスの導入実績。
  • 2期連続で売上高が拡大、2025年6月期は333億円。
  • 銀行・カード連携など、外部サービスとの連携が充実。
  • 「freee」ブランドの認知度が高く、顧客獲得に有利。

課題

  • 2025年6月期まで営業損失継続、早期黒字化が必要。
  • 大手SaaS企業の参入で競争が激しく、価格競争リスク。
  • 中小企業の倒産や乗り換えにより解約率上昇の可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がフリー

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14686ジャストシステム2,697億円17.9倍
24443Sansan2,677億円39.8倍
32121MIXI2,639億円14.3倍
49759NSD2,486億円17.0倍
53697SHIFT2,373億円27.6倍
64478フリー2,348億円220.3倍
74722フューチャー2,333億円17.6倍
84483JMDC2,202億円32.8倍
99746TKC2,152億円15.3倍
102317システナ1,916億円14.2倍
11290ASynspective1,885億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 46件

クラウド会計ソフトのリリースと創業期(2012~2014年)

フリー株式会社は2012年7月、東京都港区にCFO株式会社として資本金100万円で設立された。2013年3月に主力製品となるクラウド会計ソフト「freee会計」をリリース。同年7月には社名をフリー株式会社に変更した。2014年にはiOS版・Android版のモバイルアプリを相次いでリリースし、同年10月には「クラウド給与計算ソフトfreee(現freee人事労務)」を投入。創業から2年で会計と人事労務の二大プロダクトを揃え、スモールビジネス向けバックオフィスSaaSの基盤を築いた。この間、ユーザー数は急速に拡大し、API連携やモバイル対応など、クラウドならではの利便性を武器に市場での認知度を高めた。

プロダクト拡充と金融機関連携(2015~2018年)

2015年から2016年にかけて、フリーは「会社設立freee」「マイナンバー管理freee」「開業freee」「申告freee」など、会計領域の周辺サービスを立て続けにリリースした。2015年には日本初のe-gov APIを利用した労働保険申告機能を搭載。2016年にはみずほ銀行とのAPI連携をメガバンクとして初めて実現し、金融機関とのデータ連携を強化した。同年、AI研究ラボを創設し、業務自動化の高度化を図った。2017年には上場会社向けのエンタープライズプランを提供開始し、ターゲットを中堅企業へ拡大。さらに事業用クレジットカード「freeeカード」の開発を発表し、決済領域へも進出の兆しを見せた。2018年には子会社フリーファイナンスラボ株式会社を設立し、金融サービス事業の本格化を準備した。

上場とM&Aによる事業領域の拡大(2019~2021年)

2019年12月、フリーは東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)に上場した。上場後もプロダクトの拡充は続き、2020年には「freee工数管理」「freee受発注」をリリース。2021年はM&Aに積極的な年となり、電子契約サービスのNINJA SIGN(現freeeサイン)を提供する株式会社サイトビジットを子会社化した(後にフリーサイン株式会社に社名変更)。また、フィリピンのLikha-iT Inc.を完全子会社化し、開発体制を強化。同年には「freee勤怠管理Plus」「freee経費精算」など人事労務領域の新サービスも投入した。これらの取り組みにより、会計・人事労務に加え、契約・勤怠・経費とカバー範囲を広げた。

統合型経営プラットフォームへの進化(2022~2023年)

2022年、フリーはMikatus株式会社を完全子会社化・吸収合併し、税理士事務所向け電子申告ソフト「A-SaaS」を獲得するとともに「freee登記」をリリース。さらに「freee許認可」「freee販売」「freee請求書」と、バックオフィスのあらゆる業務をカバーするプロダクトを投入した。2023年にはsweeep株式会社(請求書自動化)とWhy株式会社(業務自動化ツール「Bundle」)を子会社化し、それぞれ「freee支出管理 受取請求書」や「Bundle」として統合。また、エン・ジャパンからフリーランス管理ツール「pasture」事業を承継し「freee業務委託管理」とした。この時期、単なる会計ソフトから「統合型経営プラットフォーム」への転換が加速した。

黒字化達成と連結会計機能の強化(2024~2025年)

2024年6月期は売上高254億円ながら営業損失84億円と赤字が続いたが、2025年6月期に営業利益6億円、親会社株主帰属当期純利益14億円を計上し、上場以来初の黒字転換を果たした。この成果の背景には、AIを活用した営業効率化やクロスセルの推進がある。2024年にはアポロ株式会社(予約サービス「tol」)を完全子会社化し、2025年に「freee予約」としてリリース。さらに2025年には株式会社YUI(連結会計ソフト「結」)を取得・吸収合併し、グループ連結会計機能を強化した。また、子会社フリー創業融資サポート株式会社を設立し、融資支援コンサルティング事業にも進出。プロダクトラインナップは30以上に拡大し、バックオフィスのあらゆるニーズに対応するプラットフォームが完成しつつある。

年表46件を開く

2010年代

  • 2012年7月創業東京都港区にCFO株式会社(現・フリー株式会社)を資本金100万円で設立
  • 2013年3月「クラウド会計ソフトfreee (現・freee会計)」をリリース
  • 2013年7月商号変更商号をCFO株式会社からフリー株式会社に変更
  • 2014年2月「クラウド会計ソフトfreee iOS版(現・freee会計iOS版)」をリリース
  • 2014年4月「クラウド会計ソフトfreee Android版(現・freee会計Android版)」をリリース
  • 2014年10月「クラウド給与計算ソフトfreee (現・freee人事労務)」をリリース
  • 2015年5月e-gov API(注)を利用した日本初の労働保険申告機能をリリース
  • 2015年6月創業「会社設立freee (現・freee会社設立)」をリリース
  • 2015年9月「マイナンバー管理freee (現・freeeマイナンバー管理)」をリリース
  • 2015年12月金融機関向けプロダクトをリリース
  • 2016年6月AI研究に特化したスモールビジネスAIラボを創設
  • 2016年10月「開業freee (現・freee開業)」をリリース
  • 2016年10月株式会社みずほ銀行とAPI連携(メガバンクとのAPI連携は国内初)
  • 2016年10月「申告freee (現・freee申告)」をリリース
  • 2017年3月上場「クラウド会計ソフトfreee (現・freee会計)」において、上場会社(金融商品取引法監査)にも対応したエンタープライズプランをリリース
  • 2017年7月事業用クレジットカード「freeeカード」を開発
  • 2017年8月「クラウド給与計算ソフトfreee」をリブランドし、「人事労務freee (現・freee人事労務)」をリリース
  • 2018年10月子会社フリーファイナンスラボ株式会社を設立
  • 2019年1月アプリケーションプラットフォーム「freeeアプリストア」をリリース
  • 2019年12月上場東京証券取引所マザー ズ(現・グロース市場)に 上場

2020年代

  • 2020年4月「プロジェクト管理freee(現・f reee工数管理)」をリリース
  • 2020年12月「freeeスマート受発注(現・freee受発注)」をリリース
  • 2021年4月M&ANINJA SIGN(現・freeeサイン)を提供する株式会社サイトビジット(吸収合併時・フリーサイン株式会社)を子会社化
  • 2021年7月M&ALikha-iT Inc.を完全子会社化
  • 2021年11月「freee勤怠管理Plus」をリリース
  • 2021年12月「freee経費精算」をリリース
  • 2022年1月「freeeカード Unlimited」をリリース
  • 2022年6月M&AMikatus株式会社を完全子会社化
  • 2022年9月M&AMikatus株式会社を吸収合併、「freee登記」をリリース
  • 2022年10月「freee許認可」をリリース
  • 2022年11月「freee販売」をリリース
  • 2022年12月「freee請求書」をリリース
  • 2023年1月M&Asweeep株式会社を完全子会社化
  • 2023年6月M&AWhy株式会社を完全子会社化
  • 2023年7月M&AWhy株式会社を吸収合併
  • 2023年10月「freee人事労務 健康管理」をリリース
  • 2023年12月エン・ジャパン株式会社のフリーランス管理ツール「pasture」事業(現・freee業務委託管理)を会社分割により事業承継
  • 2024年1月M&Asweeep株式会社を吸収合併
  • 2024年6月M&Aフリーサイン株式会社を完全子会社化
  • 2024年7月M&Aフリーサイン株式会社を吸収合併
  • 2024年7月M&Aフリーファイナンスラボ株式会社を吸収合併
  • 2024年10月M&Aアポロ株式会社を完全子会社化
  • 2024年11月子会社フリー創業融資サポート株式会社を設立
  • 2025年1月M&A株式会社YUIを完全子会社化
  • 2025年2月「freee予約」をリリース
  • 2025年3月M&A株式会社YUIを吸収合併

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/6期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 調整後FCFマージン2028年6月期まで15%以上
  • 対前期比売上高成長率と調整後FCFマージンの合計40%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    統合型クラウドERPによるバックオフィス全体の効率化

    会計・人事労務に加え、販売、サイン、業務委託管理、ファイナンスなどサービスモジュールを拡大し、スモールビジネス向け統合型ERPとして提供範囲を広げる。上流から下流までの業務を一貫してソフトウェア化する設計思想で、対象市場規模(TAM)約3.6兆円を狙う。

  2. 02

    スモールビジネス3領域向け最適ソリューション提供

    個人事業主、従業員19名以下のSmall、20~1,000名のMidの3セグメントに対し、各ニーズに即したソリューションを提供。クラウド浸透率の低い国内市場で、人材不足や世代交代、新設法人増加を追い風にシェア拡大を図る。

  3. 03

    サブスクリプションモデルによる安定収益と顧客生涯価値最大化

    売上の90%超を占めるサブスクリプション収益を基盤に、解約率約1.1%を維持。機能開発やカスタマーサクセスへの投資により顧客生涯価値(LTV)を最大化し、長期的な収益成長を実現する。

  4. 04

    プラットフォーム価値の向上とデータ活用

    freee会計には全取引データ、freee人事労務には従業員情報が集約される強みを活かし、ビジネスプラットフォームとしての価値を向上。蓄積データを活用した付加サービス提供を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 6期分

グループ全体で1,901人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は688万円で、5期前と比べて+0.0%平均年齢は33.1歳、平均勤続年数は2.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2020年6月68832.22.5481
2021年6月70632.92.4656
2022年6月71733.02.4916
2023年6月68533.11.81,299
2024年6月67932.71.71,722−488
2025年6月68833.12.21,90132

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年6月期・提出会社(単体)
女性管理職比率18.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率88.9%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)71.5%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社3(国内 3 / 海外 0、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位1)
本社 — 東京都品川区3,580百万円
主な関係会社
  • 国内
    フリー創業融資サポート株式会社
    東京都品川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    その他4社
    ― · 連結子会社
  • 国内
    1社
    ― · 持分法適用会社
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    会計ソフト等を利用した記帳指導等の委託業務(オンラインによる実施業務)
    国税庁 · 2025-05-28
    806万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年6月期の売上高は424億円営業利益11億円前期と比べると増収増益で、売上が+27.3%、利益が+83.3%。

売上高
+27.3%
424億円
営業利益
+83.3%
11億円
純利益
-21.4%
11億円
営業利益率
2.6%
前期比 +0.8%pt

会社が出している今期の予想2027年6月期

項目会社予想前期実績
売上高522億円424億円
営業利益11億円
純利益11億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年4Qで、売上は225億円、営業利益は6億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は+25.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q51−21−41.2−29
2023年4Q54−45
2024年1Q57−21−36.8−23
2024年2Q61−26−42.6−39
2024年3Q66−23−34.8−24
2024年4Q70−14−20.0−16
2025年2Q15395.98
2025年4Q180−3−1.76
2026年2Q19952.53
2026年4Q22562.78

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 11期分

2016年6月期からの11期で、売上は6億円から424億円へ70.7倍に増えた。直近期の営業利益率は2.6%。売上は10期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2016年6月6−21−21
「クラウド会計ソフトfreee (現・freee会計)」において、上場会社(金融商品取引法監査)にも対応したエンタープライズプランをリリース
2017年6月12−22−23
子会社フリーファイナンスラボ株式会社を設立
2018年6月24−34−34
東京証券取引所マザー ズ(現・グロース市場)に 上場
2019年6月45−29−28
2020年6月69−29−30
NINJA SIGN(現・freeeサイン)を提供する株式会社サイトビジット(吸収合併時・フリーサイン株式会社)を子会社化
2021年6月103−27−28
Mikatus株式会社を完全子会社化
2022年6月144−31−116
sweeep株式会社を完全子会社化
2023年6月192−80−123
sweeep株式会社を吸収合併
2024年6月254−84−86−33.1−102
株式会社YUIを完全子会社化
2025年6月333641.814
2026年6月4241172.611

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年6月期

売上高424億円のうち、営業利益として残るのは11億円2.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は11億円、売上の2.6%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金97.4%413億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益2.6%11億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比5.8pt
2.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比4.0pt
2.6%
税金まで払って最後に残る割合

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2025年6月期は営業CFが37億円、投資CFが−46億円で、差し引きのフリーCFは−9億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は358億円で、売上の12.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2018年6月−29−2−3116
2019年6月−17−565−2259
2020年6月−14−13120−27151
2021年6月−2−32354−34471
2022年6月−11−455−56420
2023年6月−48−195−67359
2024年6月−68−1137−79318
2025年6月37−4650−9358

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 10期分

2025年6月期の総資産は526億円。このうち返さなくてよい自己資本が197億円で、自己資本比率は37.1%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2016年6月3429581.8
2017年6月50401077.3
2018年6月2471719.4
2019年6月74452956.8
2020年6月1791394075.1
2021年6月5534698484.2
2022年6月47436411076.1
2023年6月42827115760.1
2024年6月40017023042.0
2025年6月52619732937.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年6月期の内訳
現金及び預金
358億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-81億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
329億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中96位あたり、逆に低いのは営業利益率605社中476位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
2.6%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
27.3%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,965で、1年前と比べて+25.5%過去52週の値幅のなかでは77%の位置にある。

¥3,965-5.3%1ヶ月+55.4%1年+25.5%時価総額2,348億円
過去52週の値幅
安値¥1,831高値¥4,585

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)220.3倍
PBR11.11倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1日で11.26%上昇し3855円。25日線2756.84円を39.8%上回り、75日線・200日線も上回る。52週高値3875円まで0.5%と迫る。出来高は8/20に87.82万株と高水準。直近1ヶ月で59.83%上昇、年初来では12.39%上昇。RSIは95.15と極端な過熱。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 15/100)

PER164倍と業界平均29.8倍を大幅に上回り、PBR7.02倍も平均3.46倍の2倍超で割高です。ROE7.6%は平均的ですが、無配であり、直近赤字からようやく黒字転換したばかりで割高感が強いです。

指標この会社業種平均
PER (実績)220.3倍47.9倍
PBR11.11倍2.96倍
ROE7.6%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は急成長(CAGR約30%)だが、2024年6月期まで大幅な営業赤字が続いた。2025年6月期に黒字転換見込み(営業利益6億円、営業利益率1.8%)。強気派はSaaS型のストック収益の積み上がりと、黒字化によるビジネスモデルの確立を評価。弱気派は競合との競争激化、顧客獲得コストの高止まり、黒字幅が薄く、赤字に逆戻りのリスクを懸念。PER164倍とバリュエーションは割高。

プラスに働く材料7
  • 黒字転換による収益性改善

    2025年6月期営業利益6億円。赤字からの脱却。

  • SaaS型のストック収益

    サブスク収益が積み上がり、売上の安定性が向上。

  • 市場の成長性

    中小企業のクラウド会計導入率は低く、拡大余地大。

  • 黒字転換達成2025年6月期影響

    営業利益6億円、純利益14億円

  • 売上高30%超成長2025年6月期影響

    売上高254億円→333億円、79億円増

  • 中小企業向けSaaS需要拡大継続影響

    クラウド会計の普及が追い風

  • 外国人保有率61%と高く需給安定継続影響

    大口保有者の売却リスク低い

マイナスに働く材料7
  • 競合との激しい競争

    マネーフォワードなど同業と顧客獲得競争。コスト増。

  • 黒字幅の薄さと持続性

    営業利益率1.8%は脆く、赤字再転落のリスク。

  • バリュエーションの高さ

    PER164倍は成長期待を織り込みすぎの懸念。

  • PER164倍の高バリュエーション決算発表後影響

    利益変動で大幅な株価下落リスク

  • 営業利益率1.8%と低く再赤字懸念継続影響

    コスト増で営業利益消滅の可能性

  • 過去の巨額損失通年影響

    FY2024/6 純利益-102億円、信用力低下

  • 競合激化による価格競争継続影響

    会計ソフト市場でシェア維持困難

次の決算で確かめる点
ARR(年間経常収益)
SaaSの成長性と収益基盤を示す。
顧客獲得単価(CAC)
収益性と効率性の指標。
解約率(チャーンレート)
顧客定着度とストック収益の安定性。

株主

有価証券報告書より

2025年6月期末の株主数は延べ6,768人。区分でいちばん多いのは外国法人61.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が6.1%を占め、残る93.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年6月%2021年6月%2022年6月%2023年6月%2024年6月%2025年6月%
外国法人55.061.158.855.751.861.0
個人・その他34.729.732.032.733.030.6
事業法人5.34.74.74.74.74.3
証券会社0.80.30.42.48.12.3
金融機関4.34.24.14.52.31.7
自己株式0.00.10.1
外国人個人0.00.00.00.00.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01佐々木 大輔18.54
02MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)9.86
03MSCO CUSTOMER SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)8.35
04GOLDMAN SACHS & CO.REG(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)7.82
05BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)4.25
06INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)3.87
07株式会社リクルート3.85
08横路 隆3.47
09BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE−AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.41
10NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS−MARGIN (CASHPB)(常任代理人 野村證券株式会社)2.06

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-06-05
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    0.01%
    -3.09pt
  • 2026-05-22
    みずほ証券 株式会社
    新規の大量保有報告
    3.10%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 11期分

1株利益は11期で+109%、1株純資産は6期で+19%。直近期のROEは7.6%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2016年6月−200
2017年6月−194
2018年6月−93
2019年6月−68
2020年6月−66278
2021年6月−55850
2022年6月−208637
2023年6月−216445
2024年6月−174286
2025年6月23330
2026年6月18

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2025/6期の役員報酬は総額116百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
佐々木大輔代表取締役CEO4510,979,058
横路隆取締役CTO422,052,058
ユミ・ホサカ・クラーク取締役56
内藤陽子取締役(常勤監査等委員)4712,865
浅田慎二取締役(監査等委員)494,999
天児友美取締役(常勤監査等委員)38
平野正雄取締役(監査等委員)712,000

役員報酬の内訳2025/6

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)337218829
社外取締役4225287

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/6期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,754字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) ミッション 当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションのもと、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」の実現を目指し、個人事業主及び従業員1,000名以下の法人に対してサービスの開発及び提供をしております。 大胆に、スピード感をもってアイデアを具現化することができるスモールビジネスは、様々なイノベーションを生むと同時に、大企業を刺激して世の中全体に新たなムーブメントを起こすことができる存在だと考えております。 一方、日本全体の労働生産性は主要先進7ヶ国中最下位(注1)であり、なかでも中小企業の従業員一人当たり付加価値額は大企業の半分未満(注2)と、スモールビジネスの生産性は低い状況にあります。 当社グループは、AIを始めとする先進的なテクノロジーを用いてスモールビジネスにクラウドERPサービス(注3、4)を提供し、スモールビジネスの生産性向上と経営改善を支援してまいりました。 当社グループは、データとテクノロジーの活用が、スモールビジネスが更なる成長を遂げる鍵であると捉え、スモールビジネスこそがデータとテクノロジーの最先端を活用できる世界を追求することで、より良い社会を実現してまいります。 (注) 1.公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2024」。主要先進7ヶ国(米国、ドイツ、カナダ、フランス、イタリア、英国、日本)における1人当たり労働生産性の比較において日本が最下位。 2.中小企業庁「中小企業白書(2025年版)」。従業員一人当たり付加価値額の企業規模別の比較において、大企業(資本金10億円以上)は約1,588万円であるのに対し、中規模企業(資本金1千万円以上1億円未満)は約578万円、小規模企業(資本金1千万円未満)は約503万円。 3.クラウドサービス:ソフトウェアやハードウェアを所有することなく、ユーザーがインターネットを経由してITシステムにアクセスを行えるサービス。 4.ERP:Enterprise Resources Planningの略称。日本語では、企業経営において点在するあらゆる情報を一箇所に集め、一元管理を行うシステムを指して一般的に「ERP」「ERPパッケージ」と呼ばれる。 (2) サービス概要 当社グループでは、スモールビジネスのバックオフィスの生産性向上に寄与するSaaS(注1)サービスを開発・提供してまいりました。具体的には、2013年に「freee会計」を、2014年に「freee人事労務」をリリースしました。その後もラインナップを拡充し、2016年に「freee申告」を、2020年に「freee工数管理」を、2021年に「freee勤怠管理Plus」及び「freee経費精算」を、2022年に「freeeカード Unlimited」及び「freee販売」をリリースしました。 事業領域拡大に向けたM&Aにも積極的に取り組んでおります。2021年には、株式会社サイトビジット(注2)を子会社化し、電子契約サービス「NINJA SIGN(現・freeeサイン)」の提供を開始しました。2022年には、Mikatus株式会社を完全子会社化及び吸収合併し、税理士事務所向け及びその顧問先に電子申告ソフト「A-SaaS(エーサース)」の提供を開始しました。2023年には、sweeep株式会社を子会社化(注3)し、請求書の受取・仕訳・振込・保管を自動化するサービス「sweeep(現・freee支出管理 受取請求書)」の提供を開始したほか、Why株式会社を完全子会社化及び吸収合併し、企業の情報システム部門向けの作業自動化ツール「Bundle」の提供を開始しました。さらに同年、フリーランス管理ツールの「pasture」事業をエン・ジャパン株式会社より承継し、「freee業務委託管理」の提供を開始しました。2024年には、アポロ株式会社を完全子会社化し、翌年より「freee予約」の提供を開始しました。2025年には、株式会社YUIを完全子会社化及び吸収合併し、「freee会計」の連結会計機能を強化しました。 なお、当社グループは、当社と連結子会社5社及び持分法適用関連会社1社の合計7社(注4)で構成されておりますが、プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (注) 1.SaaS: Software as a Serviceの略称。ユーザー側のコンピューターにソフトウェアをインストールするの ではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービス。 2.2022年8月に株式会社サイトビジットの社名をフリーサイン株式会社に変更。2024年6月にフリーサイン株式会社を完全子会社化、2024年7月にフリーサイン株式会社を吸収合併。 3.2024年1月にsweeep株式会社を吸収合併。 4.当事業年度末時点。 (3) 統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトを提供する「freee」が選ばれる理由 当社グループが提供するサービスは、資本、人材に限りのあるスモールビジネスにおける利用を前提に設計・提供しており、独自性の高い統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトとして、下記の特長がユーザー企業(注)に支持されています。 (注)当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す。 ① カンタン、自動化 一般的な会計ソフトは、すべての取引を複式簿記形式の仕訳として手動で入力する必要があり、多くの手間を要するという課題があります。「freee会計」においては、例えばクレジットカードや銀行の口座との同期(データ連携を指し、以下、「同期」という。)を行うことで、金融機関のトランザクションデータを自動的にサービス上に取り込み、AIにより自動で仕訳を行うことができます。これにより、ユーザー企業は手作業や手入力にかけてきた時間と工数を削減し、生産性を向上させることが可能です。 また「freee会計」は、簿記の知識がない人でも直感的に使用可能なユーザー・インターフェイスの提供により、専門人材の確保が容易でないスモールビジネスが自社で財務会計及び管理会計を実施することを可能にしております。一方で、従来の会計ソフトで一般的な複式簿記形式の入力に対応したインターフェースも提供しているため、会計士をはじめ高い専門性を有するユーザーのニーズにも対応しております。 さらに当社グループでは、会計ソフト業界において早期よりモバイル対応の開発を行ってまいりました。「freee会計」のモバイルアプリは、直感的に操作しやすいユーザー・インターフェイスを有し、簡単かつ効率的に業務を行うことができます。その結果、このモバイルアプリは、9万件超のユーザー評価をいただくなど、多くのユーザーに利用頂いていることに加えて、5段階評価で平均4.5の高評価(注)を獲得しております。 また、スモールビジネスにおいて、会計業務に次いで大きな負担となっているのが給与計算や勤怠管理等の人事労務業務です。人事労務の業務領域では、社会保険や源泉所得税などの専門的知識が必要である上に、勤怠情報や従業員の扶養状況といった詳細情報の把握や、様々な行政手続を遅滞なく正確に実施することが必要となります。 「freee人事労務」では、従業員が必要な情報を登録し、勤怠をつけるだけで、会社の給与計算やそれに付随する申告書類の作成などを自動化することができるため、専門的知識がなくても利用可能です。 (注)Apple社が運営するApp Storeにて「freee会計」のiPhoneアプリが5段階評価で平均4.5のスコアを獲得。ユーザー評価数は9万件超(いずれも2025年8月末時点)。 ② バックオフィスオートメーション 一般的な単機能型会計ソフトが担う領域は経理業務全体の一部である記帳処理に留まり、上流工程である業務は別のソフトウェアやソリューションを使用する必要があります。例えば、請求書発行や入金消込といった販売管理業務や、購買申請や支払いといった仕入業務では、会計ソフトとは異なるソフトウェアや紙・印鑑などを使用したオペレーションが用いられてきたため、各業務が分断された非効率な業務構造となっています。加えて、同一の取引に係る情報について、会計ソフトへの転記作業が発生し、さらに手入力ミスを防止するための確認作業を要するという課題があります。 「freee会計」は、スモールビジネス向け統合型会計ソフトであり、請求書機能やワークフロー機能(注)を同一のソフトウェア上で提供しているユニークな設計を特長としており、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化に寄与します。例えば、「freee会計」上にて作成した請求書の情報は、売掛金として自動で帳簿に登録され、かつ債権管理台帳にも登録されます。その債権情報と、銀行のオンライン口座の入金情報との連携により、自動的に債権の消込が行われます。一方、仕入取引又は経費精算の場合においても、受領した請求書をスキャンして取り込むと、買掛金や未払金として自動で会計帳簿及び債務管理台帳に登録されます。加えて、登録された債務は「freee会計」の中から一括で振込指示を行うことができ、債務の消込も自動的に行われます。 このように、統合型会計ソフトである「freee会計」上で上流工程にあたる業務を行うことで自動的に会計帳簿が作成されるため、経理業務自体が大幅に効率化されます。 同様に、人事労務の領域においても、従来は、従業員基礎情報、勤怠管理、給与計算、保険・行政手続、マイナンバー等の人事関連の定型業務に係る情報のマスタ(データベース)が別個のソフトウェアに散逸し、マスタ間の転記及び整合性担保に手間とコストが生じているケースが見られました。 「freee人事労務」も統合型ソフトとしての特長を有しており、従業員基礎情報の構築から給与計算及び行政手続等に至るまでのデータを一元管理することで、人事労務に係る定型業務を単一のソフトウェア上で完結できます。これにより、人事労務担当者の負荷を軽減するとともに、従来の転記作業に伴うミスを抑制でき、人事労務業務の大幅な効率化に寄与します。 (注)経費精算、支払依頼、各種稟議など、各種業務フローに係る申請・承認を行う機能。 ③ 経営者の意思決定をナビゲート 一般的な会計ソフトは、税務を中心とした制度会計向けの財務諸表作成とそのための記帳を主な目的として利用されています。スモールビジネスにおける経理業務は、会計ソフトだけでなく、様々なソフトウェアや紙と印鑑によるオペレーションの組み合わせにより行われていることが多く、販売や仕入等の取引発生から会計処理の完了までのリードタイムは長期化しています。また、様々なソフトウェアやアナログ手法の組み合わせによって経理業務が行われていることで、取引の発生から財務諸表までのデータは断絶されています。そのため、従来の会計ソフトは、経営指標のモニタリングや経営分析を目的に利用することが困難です。 当社グループの「freee会計」は統合型会計ソフトであるため、上流工程と会計帳簿を一体で扱うユニークな設計を有しており、リアルタイムに経営状況が記録され可視化されます。また、財務情報のみならず、財務諸表や各種レポートから、上流工程業務の証憑、取引先、部門等の情報を一元化して可視化し分析することができます。例えば「予算・実績管理」機能を用いることで、予算と実績の差異について、財務諸表から個々の取引情報や証憑まで遡って分析することができます。 人事労務ソフトの領域においても、従来は、従業員情報及び勤怠情報等のデータが別個のソフトウェアに散逸し、意思決定に有用なデータをリアルタイムで把握することが困難な状況が珍しくありませんでした。 当社グループの「freee人事労務」は統合型人事労務ソフトであり、人事労務に係る情報を単一のソフトウェアに集約することが可能です。これにより、適時に情報を把握することが可能となるほか、「freee会計」の各種機能と連携することでより高度な分析を実現し経営の意思決定をサポートします。 ④ 組織全体での利用による効率化と内部統制整備 一般的な会計ソフトは、経理業務に携わる従業員のみがライセンスを有して使うことが想定されています。 「freee会計」は、上述のワークフロー機能の提供を通じて、経理業務の枠組みを超えた企業のあらゆる事業活動において全従業員が活用することが可能な設計となっております。特に中堅規模以上の企業において、全従業員が利用することで「カンタン、自動化」「オペレーション効率化」の更なる追求につながる他、ワークフロー機能が有する承認プロセスの証跡を活用することで内部統制の整備にも貢献します。 また、「freee人事労務」と併せて利用することで、人事データ及び組織構造をリアルタイムにワークフローや経営分析に反映し、一層の業務効率化と高度な経営の可視化の両立を図ることが可能となります。 ⑤ パブリックAPI(注1)による拡張性 従来のスモールビジネスでは、その企業特有の業務プロセスを自動化するために、独自のシステムを開発するしかありませんでした。しかし、独自のシステム開発は多額な開発コストとメンテナンスコストがかかり、IT投資の体力が限られるスモールビジネスにとって、大きな負担になっていました。また、そもそも独自のシステム開発自体が難しい規模の企業においては、市販のソフトウェアにアナログのプロセスを加えて補う運用がなされてきました。 このように自社開発された独自システムや、市販のソフトウェアと別のソフトウェア間でのデータ連携も容易ではなく、システム間のデータ連携はファイルの取り込み等の手作業によってなされ、工数が増大する上、転記ミス等の原因にもなっていました。 当社グループは、2013年に日本国内の会計ソフト業界では初めてパブリックAPIを公開して以来、クラウドとAPIを活用したオープン・エコシステム(注2)の構築を進めております。パブリックAPIの公開により、「誰でも、自由に」当社グループのサービスとデータ連携を行うためのアプリケーション開発を行うことができます。 そのため、スモールビジネス向けの業務ソフトウェアを提供する企業が、当社グループのサービスとの連携機能を自発的に開発することが容易になります。このような他社製品との連携機能が多く提供されることにより、スモールビジネスが社内業務のための独自のシステムやソフトウェアを開発する負担を大幅に削減することができます。 また、もし独自要件を追加したい場合でも、パブリックAPIを活用すれば、ユーザー企業が自社の業務プロセスに合わせて、カスタマイズ開発を従来より簡単に行うことができます。 2019年1月には「freeeアプリストア」をリリースしました。freeeのユーザー企業は、必要な業務カテゴリーごとにfreeeと連携可能なソフトウェアを検索することができ、数回のクリックで簡単にfreeeと連携させることができます。業務ソフトウェアを提供する企業にとっては、当社グループの顧客基盤にアクセスできる「freeeアプリストア」への掲載は、魅力的な販促手段となりえます。 (注) 1.組織内部のみでの利用を想定したAPIをプライベートAPIと呼び、他方で、組織外の主体にも利用を認めるものをオープンAPIと呼ぶ。オープンAPIの中でも、特定の提携企業のみでなく、幅広い外部企業が利用可能なものをパブリックAPIと呼ぶ。 2.複数の企業同士が非排他的に提携することで、複数の企業が提供するサービスが共存共栄できる生態系のような環境を指す。 以上の「選ばれる理由」を背景に、有料課金ユーザー企業数(注1)及びARPU(注2)の双方が伸長した結果、当社グループのARR(注3)は堅調に成長し、2025年6月期末には34,393百万円(うち法人26,701百万円、個人事業主7,692百万円)に到達するなど、事業は順調に拡大しております。 (注)1.当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す。 2.ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出。 3.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍して算出。MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない)。 (4) サービスラインナップ ①「freee会計」 個人事業主及び法人向けに提供している統合型クラウド会計ソフトです。 銀行口座やクレジットカード等との連携、請求書発行から入金管理、各種稟議や支払依頼など日々行われる経理の上流工程業務との統合により、手入力によるミスを防ぎ、経理作業にかかる負担を大幅に削減できます。同時に、上流工程業務まで含めた日々のデータを活かして、リアルタイムでの経営指標のモニタリングや具体的な打ち手に繋がる詳細な経営分析を可能としております。 さらに、従業員に個別アカウントを付与し、ワークフロー機能を利用することで、更なる業務の効率化と内部統制の整備にも寄与します。なお、ワークフロー機能は、承認プロセスの証跡を有していることから、上場企業に求められる内部統制報告制度に対応しており、上場準備企業及び上場企業における利用も非常に効果的です。なお、個人事業主向けプランにおいては、所得税の確定申告まで完結できます。 また、「freee経費精算」や「freee経理」等、「freee会計」から特定の機能を切り出したプロダクトも提供することで段階的なソフトウェア導入のニーズにも対応しております。 ②「freee人事労務」 法人向けの統合型クラウド人事労務ソフトです。 人事労務業務においては、給与計算、勤怠管理、保険・行政手続、マイナンバー管理等と多岐にわたり、かつ従来は業務ごとに使用するツールが異なるなど、複雑に分断されているという課題がありました。 従業員一人一人が、「freee人事労務」の従業員用アカウントを用いて、個人情報や勤怠情報を入力することにより、給与計算や年末調整の自動化に加えて、労務の諸手続の自動化や従業員マスタとなるデータベースの構築を可能とします。 また「freee会計」と「freee人事労務」を連携することで、「freee人事労務」で計算した給与の情報が「freee会計」に自動で反映されるほか、「freee会計」にて申請・承認された経費精算と給与の支払いを「freee人事労務」経由でまとめて実施することができます。さらに、「freee人事労務」上の従業員マスタにおける役職や組織構造に基づくワークフローを「freee会計」の申請経路として自動で反映させ運用することが可能です。 加えて、幅広いニーズに適した勤怠管理プロダクトである「freee勤怠管理Plus」をリリースし、店舗数や拠点数が多いユーザーや、組織階層が複雑なMidセグメント(注) のユーザーにおけるニーズに対応します。また、人事労務領域の関連分野にも事業を拡大しており、借り上げ社宅制度の導入及び運用のサポートや充実のベネフィットサービスを提供する「freee福利厚生」や、「freee人事労務」の従業員マスタとの連携により社員の健康管理を効率化できる「freee人事労務 健康管理」をリリースしました。 (注) 従業員が20名以上1,000名以下の法人を指す。 ③「freee販売」 個人事業主及び法人向けに提供している統合型クラウド販売管理ソフトです。 販売管理業務においては、商談の開始から売上の入金等のプロセスが紙や表計算ソフトで管理されることが多く、業務ごとに異なるツールが使用され案件別の工数を正確に把握することが難しいという課題がありました。 「freee販売」では請負型ビジネスにおける商談開始からサービス受注・発注後の納品管理まで、一連の販売管理業務を案件単位で管理することを可能としております。 また「freee販売」は、「freee会計」の取引先マスタや「freee人事労務」の従業員マスタを共通で利用できます。そのため、「freee販売」において新たにマスタを構築することなくスムーズに利用開始でき、またソフトウェア間でのデータの整合性にも優れております。 ④「freee申告」 「freee申告」は、会計事務所や小規模法人に提供している、「freee会計」とシームレスに連携したクラウド型税務申告ソフトです。 従来の税務申告ソフトは、会計ソフトとは分断されていたことから、会計ソフトから出力したデータを税務申告ソフトに手入力などで転記する必要があるなど、多大な労力や時間がかかるという課題がありました。 「freee申告」の利用により、これまで分断されていた会計と申告の業務がシームレスに連携し、「freee会計」上の財務情報をもとに税務申告書を自動で作成することができ、更に、作成した申告書の電子申告まで実施することができます。 また、会計事務所は、顧問先とともに「freee会計」及び「freee申告」を利用することで、会計事務所での記帳業務から顧問先の決算申告、経営支援まで、ワンストップでクラウド上で行うことができます。 ⑤「freeeサイン」 「freeeサイン」は、個人事業主及び法人向けに提供している電子契約サービスです。 スモールビジネスにおいては、法務専任者を自社に抱えていないことが多く、担当者が他の業務と兼務しながら契約業務を行うことが一般的であり、本来注力すべき業務に時間を割けないなどの課題がありました。 「freeeサイン」は、法務の知識が浅い方や、業務に時間を割けない方でも、迷わず簡単に利用できるユーザー・インターフェイスを提供しており、契約書のひな形やテンプレートをご利用いただくことで簡単にドラフトを作成いただけます。契約書の新規作成から、社内承認プロセス、電子契約の締結、契約書管理まで、契約業務をカバーしているため、契約業務をワンストップでクラウド上で管理することが可能になります。 ⑥金融サービス スモールビジネスの資金繰り改善を企図した金融サービスとして、「freeeカード」や「freeeカード Unlimited」等を提供しております。 「freeeカード」は、従来クレジットカードを作成することが容易でなかった個人事業主や中小企業に特化した事業用クレジットカードです。経費精算や仕入等をキャッシュレス化することでバックオフィス業務の効率化が可能となります。さらに、法人顧客の資金ニーズに対応すべく、自社の与信モデルを活用した「freeeカード Unlimited」も提供しております。「freeeカード Unlimited」では、「freee会計」のデータを活用した独自審査により最大5億円の利用可能枠を実現しており、ユーザーの事業成長をサポートします。また、クレジットカードの利用明細を自動で「freee会計」に同期させることで経営状況のタイムリーな可視化を可能とします。 以上に述べたプラットフォーム事業を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
経営方針・対処すべき課題10,796字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」をコンセプトとしたサービスを提供しております。 (2) 当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジション 国内企業の99.7%を占める中小企業(注1)は大企業と比べて生産性が低く、テクノロジー活用において大きな成長ポテンシャルが存在しております。当社グループは、個人事業主をはじめ、従業員規模別に法人顧客を区分したSmall(従業員19名以下)及びMid(従業員20名以上1,000名以下)の3領域に対して、それぞれのニーズに即したソリューションを提供しております。(注2) 当社グループは、ビジネス向けの財務関連ソフトと人事労務ソフトのTAM(注3)について、合計で約1.6兆円と推計(注4)しております。また、財務関連ソフト及び人事労務ソフトの市場におけるクラウドソリューションへの支出額比率は各48.4%及び66.7%であり(注5)、諸外国との比較においてもクラウド浸透が低い水準に留まっていることから、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。さらに、大企業よりも深刻な人材不足(注6)等を背景とした業務効率化ニーズの高まりをはじめ、経営者の世代交代の活発化(注7)、新設法人数の増加(注8)といったマクロ環境の変化がスモールビジネスにおけるクラウド浸透の継続的な追い風になっていると考えております。 財務関連ソフト及び人事労務ソフトにおけるクラウドソリューションへの支出額比率の比較(注9) 日本   アメリカ   イギリス   オーストラリア   ニュージーランド 財務関連ソフト   48.4%   64.1%   60.7%   83.0%   89.9% 人事労務ソフト   66.7%   85.6%   63.5%   87.9%   91.1% 前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトを提供する「freee」が選ばれる理由」にて記載のとおり、当社グループの提供するサービスは、単に従来型の会計ソフト・人事労務ソフトをクラウド化したものとは異なる統合型のクラウド会計ソフト・人事労務ソフトであり、経費精算や請求書発行といった記帳業務の上流工程まで含めた一体的な設計により、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化、及び経営者の意思決定のナビゲーションにも寄与するものです。 こうしたユニークなサービス設計・顧客価値により、成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場において当社グループのユーザー規模は創業以来順調に拡大しており、マーケットリーダーとしてクラウド会計・クラウド人事労務業界を牽引しております。なかでも、「freee会計」については新設法人、並びに「freee会計」及び「freee人事労務」の両者についてはIPO準備企業群にて多く使われております。 (注) 1.中小企業庁「中小企業白書(2025年版)」 2.個人事業主、Small及びMidにおける潜在企業数と出所は下表のとおり。尚、Midの潜在企業数については、「令和3年 経済センサス 活動調査」における雇用者規模20~999名の企業数を参考値として使用。 顧客セグメント   潜在企業数   出所 個人事業主   4,488,359   国税庁令和5年調査 Small(従業員19名以下の法人)   1,768,899   令和3年経済センサス 活動調査 Mid(従業員20名以上1,000名以下の法人)   291,957 3.TAM:Total Addressable Marketの略称。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語であり、当社グループが本書提出日現在で営む事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではない。各プロダクトのTAMは、一定の前提の下、外部統計資料をはじめ、プロダクトラインナップ拡充やプラン改定等の当社ビジネスの取り組み状況も踏まえ、国内における全潜在ユーザー企業において各プロダクトが導入された場合の年間支出総金額を当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と異なる可能性がある。 4.国内における当社グループの全潜在ユーザー企業において「freee会計」及び「freee人事労務」が導入された場合の全潜在ユーザー企業による年間支出総金額。全潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員1,000名未満の法人の合計。(「freee会計」及び「freee人事労務」の全潜在ユーザー企業数(国税庁「令和5年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 従業員規模別の「freee会計」及び「freee人事労務」の想定年間課金額) 5.International Data Corporation(IDC)「Worldwide Software and Public Cloud Services Spending Guide_2025V2」。財務関連ソフトウェア及び人事労務ソフトウェアそれぞれについて、従業員1,000人未満の中小企業及び個人事業主を対象に、クラウドソリューションへの支出額をオンプレミスを含むソフトウェア全体への支出額で除して算出。尚、人事労務ソフトウェアのデータは、給与計算関連のソフトウェアのみを対象に集計。 6. リクルートワークス研究所(2025)、「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」。従業員300名以上の企業における大卒求人倍率は約0.9倍である一方、従業員300名未満の企業における同倍率は約9.0倍。 7. 中小企業庁「中小企業白書(2025年版)」。2015年から2024年にかけて、経営者が最も多い年代が60代から50代にシフト。 8.「国税庁法人番号公表サイト」より、各年に新たに法人番号が指定された法人を新設法人として抽出し集計。新設法人数は、2016年から2024年にかけて104,355社から140,439社に増加。 9.IDC「Worldwide Software and Public Cloud Services Spending Guide_2025V2」からクラウド化率が比較的高い国を抜粋。当該国には、ニュージーランドの同業プレーヤーであるXeroが進出。 ② スモールビジネス向けクラウドERP市場における更なるTAMの拡大 当社グループは、上記のとおり、従来の会計・人事労務ソフトの枠を超えて、バックオフィス全体の効率化に資するERP(統合型業務ソフト)を志向してサービスを提供しております。今後はさらに提供するサービスモジュールを広げ、スモールビジネス向けERPとして実現・提供可能なサービスの範囲拡大を目指してまいります。これは、上流工程から下流工程までを一貫してソフトウェア化するユニークな設計思想によって可能になるものです。 そのため、従来の会計・人事労務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化に資するERP(統合型業務ソフト)のTAMとして捉えた場合には、当社グループが狙うTAMは合計で約3.6兆円(注)まで拡大すると考えております。 (注) 当社グループの全潜在ユーザー企業において「freee会計」「freee人事労務」「freee販売」「freeeサイン」「freee業務委託管理」及びファイナンスサービス(カード・ファクタリング)が導入された場合の全潜在ユーザー企業による年間支出総金額。全潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員1,000名未満の法人の合計。(各プロダクト及びサービスの全潜在ユーザー企業数(国税庁「令和5年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 従業員規模別の各プロダクト及びサービスの想定年間課金額) ③ スモールビジネスの情報が蓄積されたビジネスプラットフォーム 「freee会計」は、統合型会計ソフトであるため、経理財務情報のみならず、上流工程である個々の取引情報まで広くカバーしており、各ユーザー企業のトランザクションデータを保有しております。ECサイトや決済サービス等も同様にトランザクションデータを保有しておりますが、一つのユーザーが複数のECサイトや決済サービスを利用するのに対し、「freee会計」は他のソフトと併用する必要はなく、すべてのトランザクションデータが集約される点が強みです。 また、「freee人事労務」には、人事労務の定型業務に係る情報が一元的に蓄積されており、従業員向けの付加サービスを提供する上での有力なプラットフォームになると考えております。 ④ 高い安定性を誇る財務モデル 当社グループは、サービスの多くをサブスクリプション(継続課金)方式で提供しており、売上高合計に占めるサブスクリプション売上高の比率は90%超(注1)と、安定的かつ継続的な収益構造にあります。 顧客生涯価値(LTV)(注2)の長期的な最大化を企図し、機能の開発及び改善やカスタマーサクセス等に投資しております。その結果、2025年6月期における月次平均解約率(注3)は約1.1%となっており、大企業と比して廃業率が高く他のソフトウェアへの乗り換えが多い傾向にあるスモールビジネスを対象としたサービスとしては、低い解約率を実現しております。 (注) 1.サブスクリプション売上高(顧客から解約意思を示されない限り継続する自動更新契約から毎月得られる収益)を全売上高で除した比率(2025年6月期)。 2.LTV:Life Time Valueの略称。顧客から契約期間(Life Time)を通じてもたらされる価値であり、契約期間×MRR×売上総利益率によって算出。 3.(当該月に有料課金ユーザーでなくなったユーザーに関連するARR÷前月末ARR)の過去12ヶ月平均。当社の全顧客領域を集計対象。 ⑤ 企業文化 「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションの実現に向け、当社グループは「マジ価値を届けきる集団」であると自己定義し、「本質的な価値(マジ価値)をユーザーに届けきること」を世の中へのコミットメントとして位置づけております。「マジ価値」とは、「ユーザーにとって本質的な価値があると自信をもって言えることをする」という意味であり、当社グループが創業以来、大切にしている考え方です。同時に、これは届いてこそ意味があるという考えから、マジ価値を届ける共通基盤である全役員及び全従業員が持つべきマインドとして「マジ価値2原則」を、マジ価値をチームとして届けるために大切にしたい行動として「マジ価値指針」を全役員及び全従業員で議論し浸透させております。 また、当社グループは原則全日出社の方針を設け、働き方の柔軟性を担保しながら「一緒に出社」することで高いスピード感で事業を推進しております。 当社グループは、ミッションやコミットメントに共感する社員が集まり、個々人が高い自律性を持ちながらも強い一体感・カルチャーを持つ組織を実現しています。 マジ価値2原則 ・「社会の進化を担う責任感」:社会をよい方向へ進化させる責任を有するという自負をもって、あきらめずに挑戦する姿勢。また、世の中を変えうるよい事例は率先してつくるという姿勢 ・「ムーブメント型チーム」:目指すべき世の中の方向性に共感し、自律的にアクションを起こす姿勢 マジ価値指針 ・「理想ドリブン」:理想から考える。現在のリソースやスキルにとらわれず挑戦しつづける ・「アウトプット⇒思考」:まず、アウトプットする。そして考え、改善する ・「Hack Everything★」:取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解する。その上で枠を超えて発想する ・「ジブンゴーストバスター」:フィードバックを貪欲に求めることで、自分が認識出来ていない自分を知る。強み・弱みと向き合い、自分を進化させ続ける。 ・「あえて共有」:人とチームを知る。知られるよう共有する。オープンにフィードバックをしあうことで一緒に成長する (3) 経営環境 我が国は、少子高齢化を背景に人口減少フェーズに入り、生産年齢人口の減少が見込まれております。また、2017年3月に政府から「働き方改革実行計画」が発表されて以降、労働環境の規制が強化されています。加えて、最低賃金も上昇するなど、労働生産性の向上が益々要求される局面を迎えております。生産年齢人口が減少する一方で、新設法人数や副業者数は増加傾向にあります。こうした独立を志向した生き方に対するニーズが時代に合わせて大きくなることで、スモールビジネスの裾野は広がりを見せております。 当社グループでは、このような環境下において、スモールビジネスは労働力への依存から脱却し、テクノロジーに代替可能な作業を積極的に置き換える必要があるほか、だれもが自由に経営できる社会をつくり、新しい生き方のニーズに対応することが重要であると認識しており、スモールビジネスが強くスマートになることに貢献するサービスの開発、提供を目指してまいります。 また、(2) 当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジションに記載がある通り、現状の我が国における会計ソフト及び人事労務ソフトの普及余地は多分に存在するものと考えております。 (4) 中長期的な経営戦略 上記の経営環境を前提とし、今後も継続的な成長を実現することを目的として、中長期成長戦略のもとで事業を推進しております。この度アップデートした中長期の財務見通しにおいては、事業からのキャッシュ創出力を示す調整後フリー・キャッシュ・フロー(注1、以下「調整後FCF」という)を採用し、2028年6月期までに調整後FCFマージンを15%以上に向上させることを目標に掲げました。加えて、当社グループでは、キャッシュ創出力及び収益性の中長期的な向上の前提として売上高成長が重要であると考えており、双方を踏まえた目標として対前期比売上高成長率と調整後FCFマージンの合計で40%に到達することを掲げ、持続的な事業成長と収益性の向上の両立を図ってまいります。 ① ユーザー基盤の更なる拡大 当社グループの2025年6月期末における有料課金ユーザー企業数は606,533件であり、創業以来順調に拡大し続けております。これまでは、WebマーケティングやSNS経由で流入した顧客の自発的なユーザー登録をはじめ、インサイドセールス(注2)及びフィールドセールス(注3)経由での獲得が中心でした。近年では、これらのダイレクトチャネル経由での顧客獲得に加えて、会計事務所とのパートナーシップ拡大により会計事務所経由での顧客獲得が大きく伸長しています。これは、会計ソフトと申告ソフトの双方を提供し一気通貫でオンライン完結できるプラットフォームとしての価値が会計事務所及び顧問先から高く評価されているものと考えております。 加えて、会計・人事労務といったコア事業領域においてプロダクトの業種別ニーズへの対応を進めております。具体的には、店舗と本社での小口現金に関するデータ連携を可能とする「freee支出管理 小口現金」や、AIでシフトを自動作成できる「freee人事労務 AIシフト管理」等をリリースしました。今後も、プロダクトの業種別ニーズ対応を加速させることで、統合型プラットフォームとしての価値を多様な業種のスモールビジネスに提供し顧客基盤をさらに拡大させていきます。 今後もスモールビジネスへのタッチポイントの深化、多様化を進めることで、ユーザー基盤の更なる拡大を進めてまいります。 有料課金ユーザー企業数推移(件) 2021年6月期末   2022年6月期末   2023年6月期末   2024年6月期末   2025年6月期末 全社   293,296   379,404   451,088   532,637   606,533 法人   103,080   129,644   159,375   197,701   234,072 個人   190,216   249,760   291,713   334,936   372,461 (注)1.調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの。 2.メールや電話等を活用し、非対面で実施する営業活動。 3. 見込み顧客を直接訪問し、対面で実施する営業活動。 ② 顧客価値の最大化 当社グループは継続的に新規サービスをリリースしてきたほか、既存サービスの機能改善などにより、顧客価値の向上に努めております。また、プロダクト価値の向上に応じた機動的なプラン改定の実施や、複数プロダクトの利用を促すクロスセルを推進した結果、ARPU(注)の上昇を実現してまいりました。 今後は、収益の中心である会計・人事労務領域に留まらず、「freee販売」をはじめ高い成長ポテンシャルを有する新規事業領域にも注力し、スモールビジネスの業務の効率化と可視化をより幅広い領域で実現することで統合体験を強化していきます。 真にスモールビジネスに必要とされる既存サービスの改善や新規サービスのリリース等を通じて、顧客価値の最大化を目指してまいります。 (注)ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出。 ③ 金融サービスの拡大 当社グループは、新規事業領域の1つとして金融サービスに注力しております。2022年1月には、Midセグメント(注1)を中心とした顧客の成長資金ニーズに対応すべく「freeeカード Unlimited」をリリースし、2023年2月にはSmallセグメント(注2)にも提供範囲を拡大いたしました。また、M&Aも積極的に活用しながら金融サービスのラインナップ強化に取り組んでおり、即日払いのファクタリング等の金融支援サービス「FREENANCE」を提供するGMOクリエイターズネットワーク株式会社を2025年9月に完全子会社化いたしました。 今後もスモールビジネスにとって大きな課題である資金繰りに対して、これらの改善を進めるとともに、データとテクノロジーの力を活用することで、あらゆる経営課題の解決に貢献するサービス開発及び提供を目指してまいります。 (注)1.従業員が20名以上1,000名以下の法人を指す。 2.従業員が19名以下の法人を指す。 ④ AI活用の推進 当社グループは、プロダクトの価値強化と社内業務の生産性向上の双方においてAIの活用を進めております。プロダクト強化の取り組みにおいては、AIエージェント及び、6つのAI新機能を新たに開発し、ユーザーからのフィードバックを得ながら収益化を進めております。なかでも、業務負荷が大きい年末調整の領域では、2025年度分の年末調整業務での利用を見据え、情報の自動入力・不備検知が可能な「AI年末調整」をリリースします。業務効率化ニーズが大きい領域にAI機能を導入することで、さらなる顧客獲得やfreeeプロダクトのクロスセル促進を図っていきます。 また当社グループは、全社的なAI活用を通じた更なる業務効率化・生産性向上を重点施策として推進しております。既にセールス活動の生産性向上の取り組みにおいて実績が出始めており、商談前後の業務時間削減やセールスノウハウの属人化解消を実現したことが評価され、Forbes JAPAN NEW SALES OF THE YEAR 2025において「AIトランスフォーメーション賞」を受賞しました。セールス以外の領域においても、例えばAIチャットボットによるカスタマーサポートの更なる効率化や、AIコーディングによる開発生産性の向上等、更なる生産性向上に繋がる高いポテンシャルを有していると考えております。 (5) 対処すべき課題 ① スモールビジネス向けクラウドERP市場の拡大 当社グループは、スモールビジネス向けのクラウド会計ソフトとクラウド人事労務ソフトのTAMについて、合計で約1.6兆円と推定(注)しております。また、財務関連ソフトウェアを利用する従業員1,000人未満の中小企業及び個人事業主におけるクラウドソリューションへの支出額比率は48.4%であり(注)、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。 当社グループは、スモールビジネス向けクラウドERP市場におけるリーディングカンパニーとして、市場を引き続き牽引することが重要であると認識しております。 (注)前記「(2)当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジション」を参照。 ② 持続可能な社会の実現と、そのための組織体制の整備 「freee会計」、「freee人事労務」をはじめとする各サービスの提供により、だれもが自由に自然体で経営できる環境をつくることで、ユーザーの皆様を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが重要と考えております。また、当社グループが持続可能な組織であるために、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。 上記をはじめとするサステナビリティ推進活動の詳細に関しては、当社グループWebサイト内の「サステナビリティ」コーナー、及び「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ③ 情報管理体制の強化 当社グループは、提供するサービスに関連して多数のユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、専任の情報セキュリティチームを設置しております。また情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。 ④ 新規事業の展開 現在、当社グループの収益の大半が「freee会計」や「freee人事労務」等のSaaSサービスから成り立っております。今後も継続的な事業成長の実現に向けて、既存サービスの伸長に加えて、金融サービスや取引プラットフォームにおける新規事業の展開を積極的に検討してまいります。 ⑤ 利益及びキャッシュ・フローの創出 当社グループの収益の中心であるSaaSビジネスは、サブスクリプション方式でユーザーに提供しており、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルになります。SaaSビジネスにおいては、開発費用やユーザーの獲得費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的です。当社グループは、2024年6月期まで、開発費用やユーザーの獲得費用等に先行投資を行ったため営業損失を計上しておりましたが、2025年6月期においては営業損益の黒字化を達成しました。 SaaSビジネスにおいては、投資効率を計る指標として顧客生涯価値(LTV)(注1)と顧客獲得コスト(CAC)(注2)のバランス(LTV/CAC)が重要であるため、当社グループではこれを重要指標の一つとして顧客獲得活動における投資判断を行っております。さらに、既存顧客からの収益拡大の状態を示す重要指標としてNet Revenue Retention Rate(注3)を定めており、収益獲得の効率性を測っております。これらの指標を基準として成長投資を継続することが中長期的に利益及びキャッシュ・フローの最大化に寄与するものと考えております。 また、今般アップデートした中期財務目標においては、事業からのキャッシュ創出力を示す調整後フリー・キャッシュ・フロー(注4、以下「調整後FCF」という)を採用し、2028年6月期までに調整後FCFマージン(調整後FCFの売上高に対する比率)を15%以上に向上させることを目標としております。加えて、当社グループではキャッシュ創出力及び収益性を中長期的に向上させるためにその前提となる売上高の成長が重要であると考えており、双方を踏まえた目標として対前期比売上高成長率と調整後FCFマージンの合計で40%に到達することを掲げ、持続的な事業成長と収益性の向上の両立を図ってまいります。 (注)1.LTV:Life Time Valueの略称。顧客から契約期間(Life Time)を通じてもたらされる価値であり、契約期 間×MRR×売上総利益率によって算出。 2.CAC:Customer Acquisition Costの略称。顧客の獲得に要するコストであり、セールス活動及びマーケティング活動に係る費用が該当。 3.Net Revenue Retention Rateは、該当期間中に、前期の同期間において顧客であったユーザーの該当期間における売上を前期の同期間における売上で除して算出。会計事務所の売上増分は顧問先の売上増加を含む。 4. 調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの。
事業等のリスク11,214字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業に関するリスクについて ① クラウド関連市場について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループのプラットフォーム事業は、売上高の大部分をクラウドサービスのサブスクリプション売上高が占めています。国内のBtoB向けのクラウド関連市場は従来型の会計ソフト・人事労務ソフトと比べて発展途上段階にあり、当社グループは当該市場が今後も拡大していくことが事業展開の前提であると考えております。当社グループでは、今後もクラウド関連市場の順調な成長を見込んでおりますが、クラウドサービスに関連して、今後新たな法的規制の導入、技術革新の停滞などの要因により、クラウドサービスの導入が想定通りに進捗せず、クラウド関連市場の成長が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 技術革新、規制変更等への対応について(発生可能性:中、影響度:大) 当社グループのプラットフォーム事業においては、顧客であるスモールビジネスのニーズに対応したサービスの拡充・開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。 とりわけ、クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するクラウドサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社グループの開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。このため、当社グループは、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境・開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見・ノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合又は競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム投資、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このように、当社グループが技術革新に対して、適時かつ適切に対応することができなかった場合には、当社グループの技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力や業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、当社グループのサービスについて重大な修正を要し、又は販売が延期若しくは中止となる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制について(発生可能性:低、影響度:大) 当社は、電子決済等代行業者及び金融サービス仲介業者として関東財務局に登録(登録番号:関東財務局長(電代)第1号及び関東財務局長(金サ)第17号)(以下、「本登録」という。)をし、サービスの提供を行っております。本登録に関して、有効期限は存在しないものの、当社が本登録に関連する法令に違反して業務改善命令を受ける、又は本登録が取り消される等した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。但し、本書提出日現在において、本登録の継続に支障を来す要因は発生しておりません。 また、当社子会社であるフリー創業融資サポート株式会社は貸金業者として東京都に登録(登録番号:東京都知事(1)第32015号)を行っており、貸金業法に基づく役務の提供を行っております。 上記許認可及び登録の状況の概要は以下のとおりであります。 (当社) 許認可等の名称   取得年月日   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   主な許認可等の取消事由 電子決済等代行業者   2018年9月26日(登録)   金融庁   電子決済等代行業1号業務(銀行口座への送金指図伝達業務)及び2号業務(銀行口座情報の取得・提供業務)の登録   ―   銀行法第52条の61の17 金融サービス仲介業者   2024年12月19日(登録)   金融庁   金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第11条第2項に定める業務(預金等媒介業務)の登録   ―   金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第38条 (フリー創業融資サポート株式会社) 許認可等の名称   取得年月日   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   主な許認可等の取消事由 貸金業者   2025年2月28日(登録)   金融庁   貸金業者の登録   2028年2月27日   貸金業法第24条の6の5 当社グループは、社内の管理体制の構築等により、当該法令を遵守する体制を整備しておりますが、当社グループが当該法令に抵触すること等により何らかの行政処分を受けた場合や、社会情勢の変化等により当社グループの事業展開を阻害する規制の強化等が行われた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 情報管理体制について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティに係る専任チームを設置し、情報資産を適切に管理、保護しております。具体的には、「freee会計」、「freee請求書」及び「freee経理」については、国際的な保証報告書であるSOC1 Type2報告書を取得しております。また、「freeeカードunlimited」ではクレジットカード取扱事業者に求められる国際認証であるPCI-DSSを取得しており、提携先の金融機関によるセキュリティチェックや、電子決済等代行業者の登録に際して金融庁によるセキュリティチェックをパスしております。また、個人情報の取扱いに関して、プライバシーポリシーを定めると共に、個人情報保護に係る国際認証であるTRUSTe認証を取得し、関連法規類に準拠した情報保護を実施しています。さらに、情報セキュリティ基本方針を定め、従業員に対して継続的な研修活動を実施しております。 しかしながら、このような対策にもかかわらず、重要な情報資産の外部漏洩等により、当社グループが行政指導や行政処分等を受け、当社グループの社会的信用が失墜したり、若しくは損害賠償請求が発生したりする可能性があります。また、情報資産の取扱いに関する法規制若しくはその運用の厳格化等により、当社グループのサービスの停止、情報の利活用に対する制約の増加等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 競争状況について(発生可能性:中、影響度:大) 当社グループは、主としてクラウド会計サービス業者、クラウド人事労務サービス業者と競合するほか、クラウドサービスと従来型の会計ソフト・人事労務ソフトの双方を提供している会計・人事労務サービス業者とも競合していることに加え、当社グループが属するクラウド関連市場は、近年急速に拡大している分野であるため、さらに多数の競合企業が参入する可能性があります。 当社グループは、これまで培った独自の開発ノウハウを活用したサービスを提供し、また、新規顧客獲得のための戦略的な施策を展開することで、継続的な事業成長に努めておりますが、既存の競合企業の競争力の向上や競合企業の参入を含む競争環境の変化にともなって、当社グループや当社グループのサービス等に対する評価や信頼性を維持することができず、又はその優位性が失われる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 既存ユーザー企業の継続率及び単価向上について(発生可能性:中、影響度:大) 当社グループのSaaSサービスのビジネスモデルは、サブスクリプション型のリカーリングモデルであることから、当社グループの継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。 既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持・向上を図っております。予算及び経営計画には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社グループのサービスの魅力の低下、競合他社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下等により、当社グループの想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。 単価向上については、当社グループは、ユーザー企業当たりのユーザーID数の増加によるARPUの増加、既存顧客へのアップセルやクロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客の事業が成長しない、中堅規模の企業の顧客獲得が奏功しない、又は当社グループのサービスが顧客のニーズに合致しないこと等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。 これらの結果、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 事業の拡大に伴うリスクについて(発生可能性:中、影響度:大) 現在、当社グループの収益は、主力サービスである「freee会計」及び「freee人事労務」等のSaaSサービスによる売上が大部分を占めている状況であるため、当社グループは、多角的観点から新たな収益源を常に模索し、スモールビジネス向けERPとして実現・提供可能なサービスの範囲の拡大を目指すとともに、金融サービスの拡大等に取り組んでおります。加えて、当社グループは、今後、フィンテック領域における新規金融サービス等、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。しかしながら、現在の事業領域と異なる分野に進出したものの当該分野において収益化が進まない場合や当該分野に関係する法規制に新たに服することになる場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、事業の拡大及び新規事業展開に際しては、資本提携やM&Aも有効な手段であるものと認識しております。資本提携やM&Aに際しては、既存サービスとのシナジーやリスク等について十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針ですが、当初想定した事業のシナジー効果等が得られない、デュー・ディリジェンスの限界等から法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する、または期待した投資のリターンが得られない等の可能性があり、これらに起因して当社グループの事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、期待した収益を得られず、保有する投資有価証券やのれん等の減損損失等が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 先行投資から得られる効果が期待通りに実現しないリスクについて(発生可能性:中、影響度:大) 当社グループが運営する事業は、先行的に研究開発費及び広告宣伝費を投下し、サービス開発とユーザー獲得を進めることが必要なものであり、当社グループは、創業以来赤字を継続しておりましたが、2025年6月期に黒字化を達成いたしました。今後も、高水準な売上高成長を維持しつつ収益性の向上に努めながら先行的な投資を継続する方針であり、開発費用やユーザーの獲得費用等の対売上高比率を改善させ調整後営業利益(注1)率及び調整後フリー・キャッシュ・フロー(注2)マージンの改善を見込んでおります。 当社グループは、海外の同業他社等を参考に、売上に対して適切な比率の額を研究開発費として先行投資し、将来的なサービスの競争力を維持・向上させることに努めておりますが、研究開発活動をより確実に成果に結びつけるため、新規のサービスを小規模に開始し、市場の反応を確認しながら改善していく方法を採っております。また、顧客獲得活動についても先述のとおりLTV/CACを投資判断の重要指標として、Net Revenue Retention Rate(注3)を獲得した顧客からの収益増加の状態を示す重要指標として計測・把握し、日々活動の効率を向上させております。 しかしながら、経営環境の急激な変化、その他「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、こうした確実性を担保する努力にも関わらず、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、目標とする経営指標の見込みや財務方針等を掲げることがありますが、かかる経営指標の見込みや財務方針等は、経済状況の変化、経営環境、ユーザー企業のニーズの変化、他社との競合、技術革新の動向、法規制の変更及び為替変動等に係る多くの前提に基づいて作成されています。 (注)1.調整後営業利益=営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用 2.調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの 3.Net Revenue Retention Rateは、該当期間中に、前期の同期間において顧客であったユーザーの該当期 間における売上を前期の同期間における売上で除して算出。会計事務所の売上増分は顧問先の売上増加を 含む ⑨ 為替の変動について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループは、外部クラウドサーバーのAmazon Web Services社が提供するサービス(以下、「AWS」という。)をはじめとする海外事業者が提供するサービス利用料等の支払いの一部を外貨建てで行っております。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するために、一部の外貨建て支払いにおいて為替予約を利用しておりますが、想定以上に為替相場が円安傾向となった場合は、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 金融機関、他社ソフトウェアや会計事務所との連携について(発生可能性:低、影響度:大) 第三者との連携は、当社グループの事業の維持・成長における重要な取り組みです。例えば、当社グループが提供するサービスの重要な機能として、金融機関及び他社ソフトウェアとデータ連携することによる入力等業務の自動化が挙げられます。 金融機関との口座同期(いわゆるアカウントアグリゲーション)について、当社は電子決済等代行業の第一号として関東財務局へ登録しております。何らかの事情により、当該許認可の取り消しや金融機関との契約が維持できない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 一方、他社ソフトウェアとのデータ連携は、主に当社グループが提供するパブリックAPIを通じて実施するものとなります。当社グループは顧客基盤の拡大及びサービスの機能の向上を通じて、連携先企業からみた当社グループが提供するプラットフォームの魅力を増大させております。また連携先企業を増やすことで、特定の連携先に対して依存しない体制の構築に向けて取り組んでおります。しかしながら、何らかの事象による連携先企業と当社グループの関係悪化等によって、連携が解消された場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 さらに、当社グループは、会計事務所及び金融機関等との間で密接な関係を築くことでスモールビジネスとのタッチポイントを拡充しています。しかしながら、会計事務所及び連携先には当社グループとの関係を継続する義務はありません。競合他社がインセンティブを提供することなどにより、当社グループの連携先の数が減少した場合には、当社グループの顧客獲得力が減退し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑪ 固定資産の減損リスクについて (発生可能性:中、影響度:中) 当社グループは、今後減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定されたソフトウェア等の固定資産について減損損失を計上する場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑫ 業績の季節変動について(発生可能性:中、影響度:大) 当社グループの個人事業主向けのプランの新規契約の多くが確定申告時期(1月から3月、当社グループにおける第3四半期)に集中する傾向があります。確定申告時期においては、他の四半期の時期と比して、広告宣伝費を増額することが多く、第3四半期における損益が悪化する傾向にあります。 また、2020年6月期及び2021年6月期においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、確定申告期限が当初3月中旬であったところ4月以降に延長され、同連結会計年度の損益に一定の影響が生じました。このように、確定申告期限の変更により、上記季節変動に変更が生じる可能性があります。 ⑬ 金融サービスにおける与信管理について(発生可能性:低、影響度:小) 当社グループは、既存ユーザーの利便性向上と事業の拡大を目的として金融サービスの展開を進めております。具体的には、2022年1月よりクレジットカードサービスの「freeeカードunlimited」を提供しており、2025年9月より新たにファクタリングサービスの提供を開始しております。これらのサービスにおいてはカード決済代金の立て替えや売掛債権の買い取りに伴いユーザーに対する与信リスクを負担しており、与信管理が重要であると考えております。 当社グループは、創業以来提供しているクラウド会計サービスから得られる会計情報を背景に中小企業の決済に関する与信管理のノウハウを十分持っていると認識しておりますが、金銭債権の回収がなされず想定以上の貸倒が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (2) システム等に関するリスクについて(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループが運営する事業は、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は影響を受けます。また、当社グループのサービスは、AWSにて提供しており、AWSの安定的な稼働が当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。当社ではAWSが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。AWSは、個々のアベイラビリティゾーン(注1)で運用されており、FISC安全対策基準(注2)を満たす安全性を備えております。 しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生によりAWSが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又はAmazon Web Services社との契約が解除される等によりAWSの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社グループの追加費用負担、又は当社グループのブランドの毀損などにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (注)1.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称を指す。 2.金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準を指す。 (3) 経営管理体制に関するリスクについて ① 内部管理体制の整備状況にかかるリスクについて(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、有効に機能していることが必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材の採用・育成について(発生可能性:低、影響度:中) 当社グループは、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。しかしながら、特にエンジニア等の一定の人材の確保に関する競争は激しく、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合又は人材確保のためにより高額の報酬を支払うこととなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定人物への依存について(発生可能性:低、影響度:中) 当社の代表取締役である佐々木大輔は、創業者であると同時に創業以来当社の事業推進において重要な役割を担ってまいりました。同氏は、クラウド会計ソフトの企画から開発、運用に至るまで豊富な経験と知識を有しております。当社の設立以降は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ コンプライアンス体制について(発生可能性:低、影響度:中) 当社グループでは、企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っていると共に、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 知的財産権の管理について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループは、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、当社グループの法務本部及び顧問弁理士への委託等による事前調査を行っております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要等が発生する可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社グループが保有する権利の権利化ができない場合もあります。こうした場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスクについて ① 自然災害、事故等について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループでは、自然災害、事故等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの未然防止又は回避に努めておりますが、当社グループまたは当社グループが利用するクラウドサービスの所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループが保有する設備の損壊や電力供給やインターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 株式の追加発行等による株式価値の希薄化について(発生可能性:中、影響度:小) 当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権の発行や譲渡制限付株式付与のための新株発行をしており、また、今後においても譲渡制限付株式や株式給付信託等による株式報酬制度を活用していく方針であります。発行済みの新株予約権が権利行使された場合や譲渡制限付株式付与、株式給付信託制度の運用に伴い、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在(2025年8月末)でこれらの新株予約権による潜在株式数は430,195株であり、発行済株式総数59,568,886株の0.72%に相当しております。 ③ 訴訟等について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループは、本書提出日現在において、事業に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社グループが提供するサービスの不備、情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因して偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。その場合、当該訴訟等に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また、損害賠償の金額、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 税務上の繰越欠損金について(発生可能性:中、影響度:中) 2025年6月期末において、当社グループに税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,079字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要 ① 業績等の概要 当社グループは、スモールビジネス(注1)向けのクラウド会計ソフトとクラウド人事労務ソフトのTAM(注2)について、合計で約1.6兆円(注3)と推計しております。一方、財務関連ソフトウェアを利用する従業員1,000人未満の中小企業及び個人事業主におけるクラウドソリューションへの支出額比率は48.4%であり(注4)、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム。」の実現を目指してサービスの開発及び提供をしております。 当連結会計年度において、当社グループは、主要サービスである「freee会計」及び「freee人事労務」を中心に機能改善を目的とした開発投資を実施し、会計事務所経由での新規顧客獲得の推進、及び、既存の顧客基盤を活用したクロスセル販売の促進を行いました。また、法人向け創業融資サポートのコンサルティング事業を目的とした「freee創業融資サポート」を提供開始したほか、M&Aを活用してクラウド連結会計ソフト「結/YUI」やネット予約サービスの「tol」を取得し、プロダクト拡充を進めました。さらには、主に営業活動でのAI活用により生産性向上を実現し、Forbes JAPAN NEW SALES OF THE YEAR 2025で「AIトランスフォーメーション賞」を受賞するに至りました。 このような取り組みの結果、当連結会計年度末におけるプラットフォーム事業(注5)のARR(注6)は前連結会計年度末比31.8%増の34,393百万円、有料課金ユーザー企業数(注7)は同13.9%増の606,533件、ARPU(注8)は同15.8%増の56,704円、当連結会計年度における同事業の売上高は前連結会計年度比30.8%増の33,270百万円、調整後営業利益(注9)は1,885百万円(前連結会計年度は調整後営業損失7,562百万円)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比30.8%増の33,270百万円、調整後営業利益は1,885百万円(前連結会計年度は調整後営業損失7,562百万円)、営業利益は610百万円(同営業損失8,386百万円)、経常利益は412百万円(同経常損失8,638百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,370百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失10,150百万円)となりました。 プラットフォーム事業のARR、有料課金ユーザー企業数及びARPU推移 2021年6月期末   2022年6月期末   2023年6月期末   2024年6月期末   2025年6月期末 ARR(百万円)   11,268   15,057   20,579   26,087   34,393 有料課金ユーザー企業数(件)   293,296   379,404   451,088   532,637   606,533 ARPU(円)   38,419   39,686   45,622   48,977   56,704 (注) 1.「スモールビジネス」とは、個人事業主と従業員が1,000名以下の法人を指す 2.TAM:Total Addressable Marketの略称。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語であり、当社グループが本書提出日現在で営む事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではない。各プロダクトのTAMは、一定の前提の下、外部統計資料をはじめ、プロダクトラインナップ拡充やプラン改定等の当社ビジネスの取り組み状況も踏まえ、国内における全潜在ユーザー企業において各プロダクトが導入された場合の年間支出総金額を当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と異なる可能性がある 3.国内における当社グループの全潜在ユーザー企業において「freee会計」及び「freee人事労務」が導入された場合の全潜在ユーザー企業による年間支出総金額。全潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員が1,000名未満の法人の合計。(「freee会計」及び「freee人事労務」の全潜在ユーザー企業数(国税庁「令和5年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 従業員規模別の「freee会計」及び「freee人事労務」の想定年間課金額) 4.International Data Corporation(IDC)「Worldwide Software and Public Cloud Services Spending Guide_2025V2」 5.スモールビジネス向けに展開するクラウドERPの提供や金融サービス等から構成される事業。2022年6月期においては、当社グループの事業全体から、当時連結子会社であった株式会社サイトビジットが提供していた「資格スクエア」事業(2021年12月に売却)を除いたもの 6.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍して算出。MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない) 7.当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す 8.ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各四半期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出 9.調整後営業利益=営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用。なお、調整後営業利益については有限責任 あずさ監査法人による監査又はレビューを受けておりません ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比12,642百万円増加の52,595百万円となりました。これは主に、現金及び預金が4,038百万円、ソフトウェアが2,547百万円、立替金が1,693百万円増加したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比9,931百万円増加の32,932百万円となりました。これは主に、短期借入金が4,900百万円、前受収益が3,308百万円それぞれ増加したことによるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比2,710百万円増加の19,663百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,370百万円、新株の発行1,273百万円によるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、35,789百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は3,661百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益416百万円及び前受収益の増加額3,276百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は4,601百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出3,832百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は4,977百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増額4,900百万円及び株式の発行による収入97百万円によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の状況 a. 生産実績 当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b. 受注実績 当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績は前連結会計年度比30.8%増の33,270百万円となりました。なお、当社グループは、当社と連結子会社5社及び持分法適用関連会社1社の合計7社で構成されておりますが、プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績の分析 (売上高) 売上高は33,270百万円となりました。これは「freee会計」及び「freee人事労務」の有料課金ユーザー企業数の増加、ARPUの上昇によるARRの拡大を主因とした売上高の増加によるものであります。 (売上原価、売上総利益) 売上原価は5,909百万円となりました。これは主に、サービスの利用ユーザーの増加に伴う、サーバーに係る 費用やカスタマーサポートに係る費用の増加によるものであります。この結果、売上総利益は27,361百万円(前連結会計年度は20,991百万円)となりました。 (調整後販売費及び一般管理費、調整後営業利益(注1)) 調整後販売費及び一般管理費は25,475百万円となりました。当連結会計年度においては、中長期成長戦略に伴い人件費、マーケティング費用への投資を継続しながらも、獲得生産性の向上やソフトウェアの資産計上の再開により、販売費及び一般管理費が減少しました。この結果、調整後営業利益は1,885百万円(前連結会計年度は7,562百万円の損失)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 営業外収益は28百万円となりました。営業外費用は226百万円となり、主な内容は支払利息及び譲渡制限付株式報酬償却損であります。この結果、経常利益は412百万円(前連結会計年度は8,638百万円の損失)となりました。 (特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益) 特別利益は32百万円となり、主な内容は固定資産売却益であります。特別損失は28百万円となり、主な内容は投資有価証券評価損であります。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,370百万円(前連結会計年度は10,150百万円の損失)となりました。 (単位:百万円) 2023年6月期   2024年6月期   2025年6月期 売上高   19,219   25,430   33,270 売上原価   3,153   4,439   5,909 売上総利益   16,066   20,991   27,361 調整後販売費及び一般管理費   23,261   28,554   25,475 うち調整後R&D(注2)   6,864   8,332   4,739 うち調整後S&M(注3)   13,337   16,974   17,733 うち調整後G&A(注4)   3,059   3,246   3,002 調整後営業利益(△)   △7,195   △7,562   1,885 (注)1.調整後営業利益=営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用。なお、調整後営業利益及び調整後販売費及び一般管理費については有限責任 あずさ監査法人による監査又はレビューを受けておりません 2.Research and Developmentの略称。研究開発に係るエンジニアの人件費や関連する経費及び共通費等の 合計 3.Sales and Marketingの略称。販売促進に係る広告宣伝費やセールス人員の人件費や関連する経費及び共通費等の合計 4.General and Administrativeの略称。コーポレート部門の人件費や関連する経費及び共通費等の合計 ③ 財政状態の分析 当連結会計年度の財政状態の分析については、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループにおける主な資金需要は、当社グループの業容拡大を企図した、M&Aや戦略的投融資のほか、研究開発活動や営業活動にかかる人件費や広告宣伝費です。これらの資金需要に対しては、主に自己資金を充当することを基本としております。また、クレジットカード事業においては、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約等を締結しております。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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出典

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