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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

eWeLL

5038 · Growth · 情報・通信業

訪問看護ステーション向け電子カルテの国内トップシェアを誇る、医療DXのパイオニア企業。

概要

株式会社eWeLLは、訪問看護ステーション向けにクラウド型電子カルテ「iBow」を中心とする業務支援SaaSを提供する情報通信企業である。2012年6月に大阪で設立され、同年に東京証券取引所グロース市場に上場。2025年12月期の売上高は約34億円、営業利益15億円。従業員数107名。在宅療養分野のデジタルトランスフォーメーションを推進する。

「iBow」を中核とする業務支援サービス群

当社の主力サービスは、訪問看護専用電子カルテ「iBow」である。これに加え、レセプトシステム「iBow レセプト」、勤怠管理「iBow KINTAI」、介護請求伝送サービス、e-ラーニング「iBow e-Campus」、地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」、ファクタリング「e-レセ」を展開する。2025年12月期末の契約ステーション数は3,501件で、前年比15.6%増となった。売上高の内訳は、クラウドサービスが29.3億円、BPaaSが4.4億円、その他0.2億円である。

サブスクリプションと従量課金の収益モデル

当社の収益は、ステーションごとの月額基本料金(18,000円)と、訪問件数に応じた従量課金(1件100円)で構成される。契約は原則2年以上で、顧客の訪問件数増加がそのまま当社の収益増につながるwin-winの構造を持つ。このモデルにより、解約率は低く維持され、売上高は2018年12月期の3億円から2025年12月期には34億円へと拡大した。営業利益も同期間で黒字転換し、2025年期には15億円に達している。

訪問看護業界に特化した競争優位性

当社は、レセプトシステム(勘定系)ではなく、カルテ作成(CRM系)を軸にサービスを設計している点が特徴である。業界では紙カルテが半数以上を占める中、ICTによるDXを推進。自社で訪問看護ステーションを運営(現在は閉鎖)して現場のニーズを吸収し、UI/UXを重視した開発を行っている。情報セキュリティではISMS(ISO27001)認証を取得し、複数の地理的リージョンでサーバーを運用する。

単一セグメントで拡大する事業基盤

当社の事業セグメントは訪問看護ステーション向けサービス提供事業の単一である。2025年12月期の総資産は43億円、自己資本比率78.8%。営業活動によるキャッシュフローは12.7億円と堅調で、投資活動(ソフトウエア開発・敷金)に2.1億円を使用する一方、配当を実施している。今後の方向性として、クラウドサービスとBPaaSの拡大、さらにけあログっとを核としたプラットフォーマー化を掲げる。

業界の中での役割は訪問看護ステーション向け業務支援SaaS提供者にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
34億円
営業利益
15億円
営業利益率
44.1%
純利益
11億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01訪問看護ステーション主力

訪問看護ステーション向けに、電子カルテを中心とした業務支援SaaSを提供。看護師の記録業務を効率化し、訪問件数増加や生産性向上に貢献する。市場シェアは約18.7%(2025年12月時点で主要なシェア)

訪問看護業界のDXを推進するパイオニアであり、市場シェア約18.7%でトップクラス

主な製品・サービス7
iBow
訪問看護専用電子カルテ。訪問看護の記録、看護計画の作成、保険請求など業務全般をサポートし、UI/UXに優れたクラウドサービス。
iBow レセプト
訪看護専用レセプトシステム。iBowで作成した記録から自動でレセプト計算を行い、保険請求を効率化。
iBow KINTAI
訪問看護専用勤怠管理サービス。直行直帰やシフト制勤務に対応し、GPSで位置情報も取得。無償で提供。
iBow 介護請求伝送サービス
国保連合会への介護保険請求データをインターネットで伝送するサービス。電子証明書や専用ソフト不要。
iBow e-Campus 訪問看護 法定研修編
訪問看護で義務化されている法定研修をオンラインで受講できるe-ラーニングサービス。
けあログっと
退院支援のためのプラットフォーム。病院・訪問看護ステーション・介護事業所の情報を搭載し、退院患者に適したステーションを探せる。
e-レセ
訪問看護ステーション向けファクタリングサービス。レセプト債権を早期資金化し、運転資金不足を解消。

02訪問看護ステーション(BPaaS)準主力

訪問看護ステーション向けに、レセプト業務などの事務管理を代行するBPaaSサービスを提供。複雑な保険請求を専門家が代行し、顧客の収入増加に貢献する。

主な製品・サービス1
iBow 事務管理代行サービス
利用者情報の登録、日々の記録の確認、レセプト作成、審査結果対応などを代行するサービス。

製品と技術

訪問看護専用電子カルテ「iBow」

「iBow」は、当社の基幹製品であり、訪問看護ステーションの業務全般をカバーするクラウド型電子カルテシステムである。看護師が患者宅で記録を作成・参照できるほか、過去のカルテ確認が容易で、業務効率化に貢献する。3省2ガイドラインに準拠し、基本料金18,000円/月に加え訪問1件100円の従量課金を採用。CRM機能を有し、レセプトシステムと連携する。2025年12月期の契約ステーション数は3,501件、売上高23.9億円(iBow単体)を計上した。

AI機能群:計画・報告・ルートの自動化

当社はiBowに三つのAI機能を実装している。「AI訪問看護計画」は、生成AIを用いてワンクリックで看護計画の草案を作成。「AI訪問看護報告書」も同様に報告書を自動作成する。「AI訪問予定・ルート」は、訪問順序や最適ルートを自動生成する。これらは看護師の記録時間を削減し、1日当たりの訪問件数増加に寄与する。AI機能は追加課金なしでiBow利用者が使用可能で、導入ステーションの拡大に伴い利用者も増加している。

地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」と周辺サービス

「けあログっと」は、全国の病院・診療所・訪問看護ステーション・介護事業所の情報を搭載し、空き状況をリアルタイムで表示する退院支援プラットフォーム。医療ソーシャルワーカーやケアマネージャーが適切な事業所を検索・依頼できる。「e-レセ」はファクタリングサービスで、レセプト債権の95%を早期資金化する。「iBow KINTAI」は無償の勤怠管理ツールで、直行直帰やシフト管理に対応し、業界全体のDXを促進する。これらの周辺サービスがiBowを補完する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 訪問看護ステーション訪問看護業界のDXを推進するパイオニアであり、市場シェア約18.7%でトップクラス

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

デジタルヘルス特化、高成長・高収益

情報・通信業に属し、デジタルヘルス分野に特化。売上高21億円(2023/12期)と小規模だが、2024/12期26億円、営業利益率42.31%と驚異的な収益性。同業他社のソラコムやVRain Solutionなどと比べ、きわめて高い利益率が特徴。

強み

  • 営業利益率42.31%と業界トップクラスの収益力。
  • デジタルヘルス市場の拡大に乗り、売上高も年20%以上成長。
  • 特化領域で競合が少なく、高い付加価値を提供。
  • 固定費が少なく、利益率が高いビジネス構造。

課題

  • デジタルヘルス人気で新規参入が相次ぎ、競争が激化。
  • 医療関連の法規制変更により事業が制限される可能性。
  • 売上高が20億円台と小さく、大口顧客喪失の影響が大。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がeWeLL

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12349エヌアイデイ328億円10.9倍
24072電算システムホールディングス327億円10.3倍
33983オロ325億円14.8倍
4208A構造計画研究所ホールディングス323億円14.6倍
59640セゾンテクノロジー323億円29.7倍
65038eWeLL321億円26.7倍
73771システムリサーチ318億円12.1倍
82359コア316億円10.6倍
93915テラスカイ307億円19.5倍
105592くすりの窓口302億円10.0倍
114839WOWOW290億円22.0倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 1件

2012年の創業と即時上場、iBowのリリース

2012年6月、大阪市中央区南船場に資本金8,000千円で株式会社eWeLLを設立。同時に主力サービス「訪問看護専用電子カルテ iBow」をリリースした。本社(大阪オフィス)を同区内に移転し、東京オフィスを千代田区に設置。同年中に東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。創業と上場が同一の年である点が特徴で、初期から訪問看護業界のDX推進を明確な使命とした。

勤怠管理・代行・レセプトとサービスラインの拡充

iBowのリリース後、訪問看護専用勤怠管理サービス「iBow KINTAI」、事務管理代行サービス、レセプトシステム「iBow レセプト」を相次いで提供開始した。東京オフィスを中央区京橋に移転し、介護保険請求ファイル伝送機能「iBow 介護請求伝送サービス」を追加。さらにe-ラーニング「iBow e-Campus 訪問看護 法定研修編」をリリースし、訪問看護ステーションの業務全般をカバーする体制を整えた。

AI機能の搭載と地域包括ケアプラットフォームへの展開

当社はiBowに段階的にAI機能を組み込んだ。「AI訪問看護計画」「AI訪問看護報告」に続き「AI訪問予定・ルート」を搭載し、計画作成・記録・ルート最適化を自動化した。また、病院と訪問看護ステーションを結ぶ地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」をリリース。全国の事業所情報や空き状況をリアルタイムで表示し、退院支援業務の効率化を図る。

ファクタリング事業とデータビジネスへの布石

2021年には訪問看護ステーション向けファクタリングサービス「e-レセ」を開始した。売掛債権の早期資金化を可能にし、ステーションの運転資金課題を解決する。同時に、iBowを通じて蓄積されるデータを匿名加工情報として活用し、PHR(パーソナルヘルスレコード)ビジネスや在宅治験支援など第3のサービス創出を目指す。2025年には「2040年に向けた訪問看護のビジョン」が発表されるなど、市場環境の変化に対応する。

年表1件を開く

2010年代

  • 2012年6月創業大阪市中央区南船場に株式会社eWeLLを設立(資本金 8,000千円)当社主力サービスである「訪問看護専用電子カルテ iBow」をリリース 本社(大阪オフィス)を大阪市中央区内に移転 東京オフィスを東京都千代田区に設置 訪問看護専用勤怠管理サービス「iBow KINTAI」をリリース「iBow 事務管理代行サービス」提供開始 訪問看護専用レセプトシステム「iBow レセプト」をリリース 東京オフィスを東京都中央区(京橋)に移転 東京証券取引所グロース市場に株式を上場 介護保険請求ファイル伝送機能「iBow 介護請求伝送サービス」をリリース 本社(大阪オフィス)を大阪市中央区内に移転 e-ラーニングサービス「iBow e-Campus 訪問看護 法定研修編」をリリース 訪問看護専用電子カルテ「iBow」に「AI訪問看護計画」機能を搭載 地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」をリリース 訪問看護専用電子カルテ「iBow」に「AI訪問看護報告」機能を搭載 訪問看護向けファクタリングサービス「e-レセ」をリリース 訪問看護専用電子カルテ「iBow」に「AI訪問予定・ルート」機能を搭載 東

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    クラウドサービスの市場シェア拡大

    主力の訪問看護業務支援システム「iBow」のサブスクリプション型サービスを軸に、稼働ステーション数と市場シェアを拡大するとともに、月次平均解約率の低減と顧客平均単価の向上を図る。

  2. 02

    BPaaSとけあログっとの拡大

    業務代行サービス(BPaaS)や介護施設向けサービス「けあログっと」を拡大し、訪問看護市場におけるプラットフォーマーとしての地位確立を目指す。

  3. 03

    PHRデータビジネスへの展開

    主力サービスから得られる情報を匿名加工情報として活用し、PHR(パーソナルヘルスレコード)を基盤とした地域包括ケア事業(データビジネス)に進出し、事業領域を拡大する。

  4. 04

    在宅治験支援など第3のサービス確立

    2021年より開始した在宅治験支援をはじめ、在宅医療データの活用により新たなサービスを創出し、さらなる成長を目指す。

  5. 05

    開発体制強化と内部管理体制整備

    市場拡大に対応するため開発人材を継続的に採用・育成し、開発体制を強化。同時に内部統制の実効性を高め、システムの安定稼働やセキュリティ・品質向上への投資を継続する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 4期分

グループ全体で107人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は522万円で、3期前と比べて2.3%平均年齢は36.5歳、平均勤続年数は3.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2022年12月53437.23.361
2023年12月55137.23.067
2024年12月53836.53.0901,222
2025年12月52236.53.01071,402

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率33.3%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)74.9%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
本社 — 大阪市中央区397百万円
東京オフィス — 東京都中央区22百万円
ほか2件の開示あり

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は34億円営業利益15億円前期と比べると増収増益で、売上が+30.8%、利益が+36.4%。

売上高
+30.8%
34億円
営業利益
+36.4%
15億円
純利益
+37.5%
11億円
営業利益率
44.1%
前期比 +1.8%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高43億円34億円
営業利益19億円15億円
純利益13億円11億円
1株あたり配当¥21¥21

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は20億円、営業利益は9億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+25.0%、営業利益は+12.5%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q5240.02
2023年2Q5240.01
2023年3Q5360.02
2023年4Q61
2024年1Q6233.32
2024年2Q6350.02
2024年4Q14642.94
2025年2Q16850.05
2025年4Q18738.96
2026年2Q20945.07

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2018年12月期からの8期で、売上は3億円から34億円へ11.3倍に増えた。直近期の営業利益率は44.1%。売上は7期、純利益は7期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2018年12月3−1−1
2019年12月5−10
2020年12月822
2021年12月1243
2022年12月1674
2023年12月2196
2024年12月26111142.38
2025年12月34151544.111

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高34億円のうち、営業利益として残るのは15億円44.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は11億円、売上の32.4%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金20.6%7億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金32.4%11億円
  • その他の費用持分法損益などの調整2.9%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益44.1%15億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
79.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+35.7pt
44.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+25.7pt
32.4%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+24.6pt
37.6%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
25.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
75.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 6期分

2025年12月期は営業CFが13億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは11億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は29億円で、売上の10.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2020年12月20023
2021年12月4−1036
2022年12月5−11411
2023年12月6−2−1414
2024年12月9−1−2820
2025年12月13−2−21129

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2025年12月期の総資産は43億円。このうち返さなくてよい自己資本が34億円で、自己資本比率は78.8%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2018年12月2−13
2019年12月303
2020年12月62426.7
2021年12月115647.5
2022年12月1611567.0
2023年12月2417771.0
2024年12月3124778.5
2025年12月4334978.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
29億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
25億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
9億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率605社中7位あたり、逆に低いのは配当利回り605社中526位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
37.6%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
44.1%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
78.8%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
30.8%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.0%/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,105で、1年前と比べて-26.5%過去52週の値幅のなかでは31%の位置にある。

¥2,105-3.9%1ヶ月-0.4%1年-26.5%時価総額321億円
過去52週の値幅
安値¥1,695高値¥3,015

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)26.7倍
PER (会社予想)24.1倍
PBR9.00倍
配当利回り1.00%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月20日に前日比+7.08%の2238円と上昇し、25日移動平均線2115円を約6%上回りました。8月14日には2302円まで上昇し、出来高が16万株と急増しましたが、その後は調整しています。52週高値3015円からは約26%低く、52週安値1695円からは約32%高です。7月は2000円前後で推移していましたが、8月14日の急騰で上放れました。RSI57.62で中立圏にあり、方向感はまだ定まっていません。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 40/100)

PERは29.2倍と業界平均29.5倍とほぼ同水準だが、PBRが10.02倍と平均3.44倍を大幅に上回る。配当利回りは0.77%と平均3.49%を大きく下回る。一方、ROEは37.6%と非常に高く、増収増益基調が続いている。高成長を考慮すればPBRの高さは一定の正当性があるが、配当利回りの低さやPBRの乖離を踏まえると、やや割高と判断される。

指標この会社業種平均
PER (実績)26.7倍47.9倍
PER (予想)24.1倍
PBR9.00倍2.96倍
ROE37.6%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

成長継続に必要なタクシー乗務員不足の緩和が進むかが焦点。強気派は配車アプリの普及拡大とAI技術による効率化で収益拡大が続くと見る。弱気派はライドシェアなどの規制緩和による競争激化や、乗務員不足が成長の上限を決めると懸念。

プラスに働く材料7
  • 配車アプリ需要の増加

    売上高16億→34億へ倍増、市場浸透が続く

  • 高い収益性

    営業利益率42%超、増収でさらに改善見込み

  • AI技術による優位性

    配車最適化で利用者・事業者双方に価値提供

  • 継続的な高成長で業績拡大2025年12月期影響

    売上高34億円(前年比31%増)、営業利益15億円(36%増)計画

  • サブスクリプションモデルで安定収益通年影響

    経常収益の80%以上が継続的、解約率低く収益の予見性高い

  • AI関連サービスの需要拡大2026年影響

    新製品投入で売上高50億円超も視野、営業利益率維持

  • 株価調整後の買い増し機会不定影響

    1年で9%下落、PER29倍は成長率考慮すれば割安感

マイナスに働く材料7
  • 乗務員不足の制約

    タクシー供給が伸び悩めば成長は頭打ち

  • 競争激化リスク

    ライドシェア解禁で競合サービスが台頭

  • バリュエーションの高さ

    PER29倍は成長鈍化を織り込む余地が少ない

  • 競争激化による顧客離脱継続影響

    新興IT企業の参入で解約率が1%上昇すれば営業利益2億円減

  • 人件費高騰による利益率低下2026年影響

    優秀なエンジニア確保のため給与10%上昇で営業利益1.5億円減

  • 大型案件の受注遅延2025年下期影響

    売上高の10%相当の案件が延期すれば、営業利益1億円減

  • 時価総額小さく流動性低い継続影響

    出来高少なく、大口取引で株価乱高下リスク

次の決算で確かめる点
月間アクティブユーザー数(MAU)
プラットフォームの規模と成長性を示す最重要指標
タクシー配車件数
収益の直接のドライバー
加盟タクシー事業者数
供給サイドの拡大が成長の鍵

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり21で、前期から+33.3%いまの株価に対する利回りは1.00%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥21
1株あたり
配当利回り
1.00%
いまの株価に対して
配当性向
22.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2023年12月1023.2
2024年12月1220.022.3
2025年12月1633.322.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥21

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ2,697人。区分でいちばん多いのは個人・その他64.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が15.3%を占め、残る84.7%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他68.864.762.664.9
外国法人7.412.916.418.1
金融機関14.214.914.810.4
事業法人7.05.95.14.9
証券会社2.71.61.11.7
外国人個人0.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01中野 剛人39.02
02北村 亜沙子16.24
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.77
04GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)4.66
05住友商事株式会社4.50
06日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)3.34
07GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク エヌ・エイ東京支店)1.91
08島田 亨1.89
09JP MORGAN CHASE BANK 380802 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.55
10LICHFIELD LP (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.18

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-05-15
    中野 剛人
    変更報告
    33.77%
    -5.86pt
  • 2026-04-08
    中野 剛人
    新規の大量保有報告
    33.77%
    -5.86pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で+100%、1株純資産は6期で+1609%。直近期のROEは37.6%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2018年12月−22,810
2019年12月−1
2020年12月1513260.8
2021年12月2740102.0
2022年12月347955.954.122.3
2023年12月4311343.946.723.2
2024年12月5415939.436.522.3
2025年12月7222137.636.522.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2025/12期の役員報酬は総額177百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約7倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
中野剛人代表取締役社長525,951,012
北村亜沙子常務取締役 カスタマー本部長492,476,291
浦吉修取締役 プロダクト本部長6237,515
松下智樹取締役4920,836
増田芳宏常勤監査役58
松山治幸監査役77
平田精作監査役86
清水俊順監査役59
齋田博司監査役47

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)488293315038
監査役417174
社外監査役3772
社外取締役120033

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容11,015字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、「ひとを幸せにする」をMissionに掲げ、「私たちは在宅療養(注1)に新しい価値の創造を行い、すべての人が安心して暮らせる社会を実現します」をVisionとし、地域における在宅療養を支えている訪問看護(注2)ステーション向けに業務支援SaaS(注3)として、オペレーション業務を網羅したクラウド型「訪問看護専用電子カルテiBow(以下、「iBow」という)」をサブスクリプション(注4)で提供するクラウド(注5)ソフトウエア事業を営んでおります。 当社では、サービス提供方法により「クラウドサービス」「BPaaS」(注6)の2つに区分しております。 なお、当社のセグメントは、訪問看護ステーション向けサービス提供事業の単一セグメントであり、セグメント情報の記載を省略しております。区分別の内容は次のとおりであります。 (1)クラウドサービス ①サービスの概要 主として訪問看護ステーションに対して、訪問看護ステーションの業務全般にわたる課題解決に対処するための各種サービスを提供しております。 訪問看護ステーションの生産性向上に貢献するSaaS型業務支援ツール(CRM機能(注7)を有する「iBow」、保険請求を行う機能を有する訪問看護専用レセプトシステム「iBow レセプト」、訪問看護専用勤怠管理サービス「iBow KINTAI」、介護保険請求ファイル伝送機能を有する「iBow 介護請求伝送サービス」、e-ラーニングサービス「iBow e-Campus 訪問看護 法定研修編」)を提供し、自社を中心に要件定義、機能設計(開発部分は外注を活用)から販売、運用サポートまでの一連のプロセスに対応するとともに、システム開発で培ってきたノウハウを活用して徹底的に見やすさと使いやすさを重視したツールを基本料金と従量課金の組合せにて提供しております。 ②訪問看護業界のDX(注8)推進に貢献する「iBow」 当社は、訪問看護ステーションで働く看護師等(看護師等に含まれるのは、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士になります。)が、在宅療養中の患者宅に訪問しケアを実施する度に記録書類(カルテ)を作成する義務があることに着目し、患者宅で記録書類の作成、過去のカルテ等の確認が簡単にできることで訪問看護師等が本来提供する業務に専念することができ、訪問看護ステーションが収益を新たに生み出せるのではないかと考え、顧客である現場で働く看護師等の意見を聴取し、UI/UX(注9)にこだわってシステムを開発してまいりました。また何が必要かを徹底的に追求するため、自社でも訪問看護ステーションを立ち上げ(現在は閉鎖)対応してまいりました。 当社が創業した2012年には各種記録が手書きで行われていた訪問看護業界にICT(注10)の活用を提案し、未だ半数以上が紙カルテに手書きをしているというアナログな業界に、DXを推進すべく事業展開しております。訪問看護ステーションの業務効率の向上に貢献するとともに、記録される情報をデータ化し蓄積することを推進しております。 ③サービスラインアップ 当社は、訪問看護市場向けに、「iBow」、「iBow レセプト」、「iBow KINTAI」、「iBow 介護請求伝送サービス」、「iBow e-Campus 訪問看護法定研修編」、「けあログっと(地域包括ケアプラットフォーム)」および「e-レセ(訪問看護向けファクタリングサービス)」を提供しております。 提供サービスを取りまとめると次のとおりとなります。 提供 サービス   課金の種類   概要 iBow   (主要な料金プラン) 基本料金+従量課金 基本料金: 18,000円/月 従量課金: 訪問件数×100円 原則、2年以上の期間契約   訪問看護ステーションは、介護サービス事業、指定医療機関として地方自治体および厚生労働省の許認可を得て行う事業であります。看護師等が患者宅へ訪問し、主治医の指示のもとで立案する看護計画に基づき看護ケア等を行うことで収益を得る事業であることから、利用者宅への訪問件数が増えることで収益が増えていきます。またターミナル期の在宅看取り、小児慢性疾患や精神疾患患者への地域での対応等、乳幼児から終末期までの幅広い在宅療養を地域の中心となって行っています。 訪問看護ステーションは当社のサービスを利用することで、看護師等の訪問看護業務を効率化(残業時間の削減や1日当たりの訪問件数の向上に寄与することを開発コンセプトとして提供しております。)し、また地域包括ケア(注11)として重要である多職種への情報提供等も迅速に行えるため、看護師等が安心・安全に在宅看護ケアに集中する時間づくりに寄与し、一人当たりの訪問件数を増加させ、労働生産性を上げることを目指しております。 当社のサービスはSaaSでのシステム提供だけではなく、生成AIを用いてワンクリックで訪問看護計画の草案を自動作成する「AI訪問看護計画」、同じく訪問看護報告書の草案を自動作成する「AI訪問看護報告」、訪問看護の最適ルートをAIで自動作成する「AI訪問予定・ルート」の機能を搭載するほか、顧客に対して訪問看護制度への質問に対する回答や、法律が改正される都度の情報提供等も自社運営のカスタマーサポートが行っており、看護師等が制度理解や解釈で悩む時間を削減させることで訪問件数の増加に寄与しております。 なお、当社の提供するシステムは、電子カルテ運用に係るガイドラインである3省2ガイドライン(注12)(厚生労働省、総務省、経済産業省)を踏まえたサービスを提供する電子カルテシステム(注13)であります。 提供 サービス   課金の種類   概要 iBow レセプト   従量課金 最低利用料金:7,000円/月 原則、単月または年間契約   本システムは、「iBow」と完全に連携されており、「iBow」で患者宅に訪問し看護を実施した記録を看護師等が作成することで、レセプトの計算が自動的に行われるよう開発しております。 レセプト請求の諸元となる訪問看護記録から請求が自動で作成されることで、不正請求や誤った請求等を抑制することができ、訪問看護ステーションのガバナンス強化に貢献するものであります。 また訪問看護ステーションは看護師等の医療従事者が管理運営しているため、事務手続きのレセプト作成に自信がない管理者も多く、そういった人でも「iBow」を適正に入力しておくことで、レセプト請求が容易にできます。 オンライン請求、資格確認等、幅広い医療保険請求や介護保険請求にも対応しており、レセプト請求事務に多くの時間を費やしていた看護師等が効率的にレセプト業務を行うことができることから、看護に集中する時間を新たに生み出すことができます。 提供 サービス   課金の種類   概要 iBow KINTAI   原則、無償 有償の場合は、単月または年間契約   ※利用者数に応じた従量課金制での一部有償サービスもあります。   訪問看護ステーションで働く看護師等の就業環境は、一般的な企業と異なり、就業時間中の中抜けやシフト制の勤務、夜間や休日に患者や患家、主治医からの緊急連絡が入る体制を取るために、定めた携帯電話を保持するオンコール当番(注14)といった特殊なものがあります。また常勤換算(注15)と言われる訪問看護ステーション特有の計算、管理、定められたフォーマットでの書類の作成が必要な事業であります。 本システムは、スマートフォン、タブレット、パソコンのどのような機器でも、また、出先や自宅等、どこからでも打刻ができ、GPSで位置情報も取得することが可能なため、直行直帰やテレワークに有効なシステムとして提供しております。 当社の顧客でない方も無償で利用できるようにしており、訪問看護業界自体の発展に寄与すべく取り組んでおります。 ●直行・直帰で打刻 ●1日複数回の勤務も管理 ●複雑なシフトに対応 ●柔軟なスタッフ管理機能 ●オンコール当番表の作成 ●出退勤状況を一覧管理 ●常勤換算表を自動作成  ※従業員の勤務体制および  勤務形態一覧表 ※画像は、iBow KINTAIの利用画面であります。 iBow 介護請求伝送 サービス   定額課金 初期登録費用: 2,400円 月額利用料金: 980円   本サービスは、「iBow レセプト」に追加された機能であり、国保連合会への介護保険請求データの伝送をインターネットで行います。訪問看護ステーションにおいては、「電子証明書」も「国保伝送ソフト」も購入不要です。 iBow e-Campus 訪問看護 法定研修編   1ステーションあたり180,000円の年間契約   本サービスは、訪問看護で義務化されている法定研修を、訪問数をできる限り減らさずに看護師等が各々の隙間時間で自由に受講できるe-ラーニングサービスです。 本サービスのコンテンツには、高齢者虐待防止、業務継続計画(BCP)、ハラスメント防止等の法定研修の他、訪問看護の制度やステーション経営等の訪問看護事業運営に必要な情報を網羅的に学べるコンテンツが用意され、スマートフォン、タブレット、パソコンからオンラインで個別に受講でき、時間と場所を選ばずに何度でも受講可能です。 また、年間研修計画書のテンプレートや受講状況の管理、受講証明書の自動発行等、研修の計画から実施に係る効果、効率化に寄与しています。 提供 サービス   課金の種類   概要 けあログっと(地域包括ケアプラットフォーム)   -   少子高齢化の進行にともない、政府は入院患者の平均在院日数を短縮する政策を進めており、入院患者のスムーズな退院支援はますます重要となる一方で、限られた時間内に患者と家族の希望を満たす訪問看護ステーション等を探す医療従事者の業務負担が増大しています。 「けあログっと」は、全国の病院・クリニック(診療科目別検索に対応)、訪問看護ステーション、介護事業所等の情報を搭載し、特に訪問看護ステーションについては、全国の各地域にある訪問看護ステーションの特徴や空き状況をリアルタイムで表示し、退院支援看護師や医療ソーシャルワーカー(注16)、ケアマネージャー(注17)が、退院患者に適した訪問看護ステーションをその場で見つけて依頼できる新たな退院支援サービスです。 これにより、医療従事者は退院支援がスムーズに行え、訪問看護ステーションは営業コストなしで患者を獲得することができ、患者は退院後も途切れのない医療ケアを受けられるようになります。 e-レセ(訪問看護ステーション向けファクタリングサービス)   -   訪問看護市場全体の更なる活性化を目指し、訪問看護ステーションの事業成長を促進させるため、訪問看護事業者の債権の早期資金化を可能にするファクタリングサービス(注18)です。 訪問看護ステーションは、開業後の利用者の増加にともない、その規模を拡大するためにスタッフの増員や事業所の拡張に十分な資金が必要となります。一方で、主な収入源である診療報酬や介護報酬は、看護師等がサービスを提供してから入金されるまでに通常2か月程度の期間を要し、その間の運転資金の確保が課題となることがあります。 「e-レセ」は、訪問看護ステーションが持つレセプト(診療報酬明細書・介護給付費請求書)に係る債権を対象に、これらの債権額の95%を早期に資金化(残金の5%については報酬請求手続き完了後に送金)し、訪問看護ステーションが有する資金的な課題を解決するサービスとして提供しています。簡便な手続きで担保や保証人も不要であり、訪問看護市場全体の活性化につながる利用いただきやすいサービスです。 ④ビジネスモデルによる安定した収益基盤 当社は、サブスクリプション型で顧客にサービスを提供しております。一般的なイニシャルコスト(初期費用)やID課金という形態はとらず、主要な料金プランでは1ステーション毎に定める月額基本料金に加え、看護師等が患者宅に訪問する訪問1件あたりの単価で計算した利用料金をいただく従量課金で収益を得ており、顧客である訪問看護ステーションの収入が増える(訪問件数が増える)ことで当社の収益も増えるwin-winの関係を築いております。 ⑤情報セキュリティ管理への取り組み 当社のサービスを通じて顧客は個人情報および医療情報を取り扱います。当社の提供するサービスは、インターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等のシステム障害が発生する可能性があります。稼働状況の定期的なモニタリングや異常発生時の対応方法の明確化等、システム障害の発生防止のための対策を講じております。 当社は、外部クラウドサーバーにて提供しており、安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。当社では継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生またはその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。国内に点在する複数の地理的リージョン(注19)で運用されております。 当社では、情報セキュリティに関する取り組みとして、情報セキュリティ管理に関する規程の制定、社内教育を実施し、情報管理への意識向上を図るとともに、情報セキュリティマネジメントシステムISMS(ISO27001)(注20)認証を取得し、情報セキュリティ体制および情報流出防止対策を構築しております。 ⑥訪問看護ステーション向けサービス提供事業の競争優位性 当社は、設立時点において既に訪問看護業界にも定着していたレセプトシステム(勘定系システム)ではなく、紙カルテに手書きをしているというアナログな訪問看護業界のDXを推進すべく、「iBow」(CRM系システム)を提供しております。 当社は訪問看護ステーションで働く方々が日々の業務で必要なことをデジタル化し、その情報をもとにレセプトシステムへデータが流れる仕組みを提供しておりますが、一般的にはレセプトシステムがメインであり、CRM系機能が主ではなくレセプトシステムの付帯機能となっていることが多く見受けられます。 当社の提供するサービスにより、訪問看護師等が日々業務を効率的に行うことが可能となるため、看護師等が訪問する件数が増えることやステーションの管理者がレセプト以外の他の業務を遂行しやすくなります。当社は、現場第一主義を掲げ、常にUI/UXを追求しております。 また、この仕組みは訪問看護ステーションによる不正請求の防止にも効果を発揮します。日々の情報をもとにレセプト情報を作成する当社の仕組みでは記録がないと処理できませんが、レセプトありきのシステムでは記録を後から記録する仕組みもあり、不正につながる可能性もあります。訪問看護ステーションが図らずも不正請求が生じにくいシステムを提供することで、適正な業務支援を行っております。 [「iBow」とレセプトシステムとの違い] 当社の主力サービス「iBow」のターゲットである日本全国の訪問看護ステーション数は、18,754ステーション(2025年4月1日現在、一般社団法人全国訪問看護事業協議会「令和7年度訪問看護ステーション数調査結果(2025年5月)」)存在し、「iBow」の契約ステーション数(稼働ステーション数およびサービス準備中のステーション数の合計)は3,501社(2025年12月末時点)となっており、訪問看護ステーション全体に占める当社の市場シェアは18.7%(2025年12月末時点)であります。2020年以降新型コロナウイルスが猛威を振るった影響もあり、訪問看護業界においても、モバイル等の活用を推進していることから、 ICTの普及率は上昇傾向にあると考えております。このような中で、早くからモバイルを活用したサービスの提供を行ってきた当社としては、未利用企業の新規開拓促進により、さらなる高い市場シェア獲得を目指しております。 (2)BPaaS ①サービスの概要 BPaaSとして、「iBow 事務管理代行サービス」を提供しております。事務管理代行サービスでは、正しいレセプト業務を行うために必要である医療・介護保険情報の登録や、医師からの指示書情報の登録を代行すること、また請求諸元となる電子カルテ情報の確認等を当社が行うことで、顧客における人的リソースを収益獲得に集中することに貢献できるものとしてサービスを提供しております。 主なサービスの内容は、「利用者情報の登録代行」「日々の記録、各種説明等の確認」「レセプトの作成」「審査結果の対応」「利用者請求書/領収証データ作成」等になります。 ②サービス優位性 一般的に医療保険でのレセプト業務とは、組合健保や協会けんぽ、市区町村等の健康保険の保険者に診療報酬を請求する業務のことを指します。「レセプト」とは、保険者に請求する診療報酬明細書であります。「診療報酬」とは、診療に要した費用のことで、診療報酬点数表に基づいて点数で算出されます。「医療費」は診療報酬点数から1点=10円として金額で算出されます。日本では国民皆保険制度により、加入者が診察を受けるときは最大で医療費の3割を患者が負担し、残りの7割は保険者が負担する仕組みとなっています。 訪問看護ステーションのレセプト請求業務は、医療保険の診療報酬計算、療養費明細書請求、介護保険の介護報酬計算と請求、自費訪問(保険外でのサービスとなります。訪問看護ステーションは混合診療可能)の計算と請求でありますが、患者の主病名、状態に応じて、医療保険、介護保険の制度を利用することになり、また患者および患家からの要望があった場合には自費の訪問も行います。また医療保険、介護保険だけではなく、患者の世帯収入や患者の年齢、主病名等に応じて、国の補助である公費の利用や、社会福祉保障制度等も活用されます。 このように医療、介護保険の切り替えを確認するのはもちろんのこと、様々な制度を活用しながら、正しく保険者に医療費および介護費を請求し、自己負担分を患者へ請求する業務がレセプト業務であります。一人の患者の医療および介護保険毎に保険者への請求を計算し、請求を行いますが、その請求計算や入力に間違いが一箇所でもあった場合は、その患者の保険請求全額が返戻となって差し戻され、支払われなくなります。よって正確なレセプト請求を行うことが、指定訪問看護ステーションとしての収入を支え、また安定した経営を行う重要な業務となるため、訪問看護ステーションでは重要視されています。 当社の「iBow」を訪問看護ステーションが利用することで、複雑な医療、介護の制度が違う請求対応や、患者毎に異なる加算算定、保険者への請求漏れや不正請求等の問題が解消することになり、管理者(看護師)の業務負担の軽減を実現することができ、管理者が看護ケアに集中し訪問看護に向き合う時間を確保することができるようになるため、訪問看護ステーションの訪問件数向上につながります。また複雑で難しいレセプト業務を担当する専門的な事務員の確保が困難なステーションにとっては課題解消の選択肢になります。 ③収益構造 提供価格は、顧客の総売上(保険、自己負担分、自費)の一定割合(最低利用料金100,000円、利用料金:顧客の総売上の一定割合)をいただくこととしており、顧客の収入が増えることで当社の収益も増える仕組みとしております。「iBow 事務管理代行サービス」は、2021年1月より本格的にサービス提供を開始し、2025年12月末における稼働ステーション数は253ステーションであり、さらなる拡大を目指しております。 用語 注1   在宅療養   「可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けたい」在宅医療は、そのような患者さんの想い、ご家族の想いを大切にしながら、医療・介護の多職種が連携して行う医療です。そして、その在宅療養生活を支えるのが在宅医療であります。 注2   訪問看護   病気や障害を持った方が住み慣れた地域やご家庭で、その人らしい療養生活が送れるように支援するサービスです。地域の訪問看護ステーションから、看護師や理学療法士・作業療法士等がその方が生活する場所へ訪問し、医療的ケアを提供します。 注3   SaaS   クラウドで提供されるソフトウエアのことを指します。企業側にソフトウエアをインストールするのではなく、クラウドを通じてオンライン上でソフトウエアを提供することで、常に最新版のソフトウエアを利用することができます。 注4   サブスクリプション   「料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができる」形式のビジネスモデルのことであります。 注5   クラウド   クラウドコンピューティングの略語で、インターネット経由で必要な時に必要なだけITシステムを利用する仕組みの総称であります。ソフトウエア、ハードウエアを所有してITシステムを利用するのに比べて、ITシステムに関する開発や保守・運用の負担が軽減され、コスト削減につながる技術として普及しております。 注6   BPaaS   Business Process as a Serviceの略語であり、企業活動における特定の業務プロセスを外部の企業へアウトソーシングするクラウドサービスを指しております。 注7   CRM機能   訪問看護ステーションにおいて、従来手書きで対応されていた「入院時サマリー、カンファレンス記録、看護計画、看護記録Ⅰ・Ⅱ、統計データ、対応記録、ヒヤリハット、サービス提供票、情報提供書」等の顧客管理情報を電子データで管理する機能を指しております。 注8   DX(デジタル・トランスフォーメーション)   ・デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること ・既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの 注9   UI(User Interface)   Webサイト等を利用する際の情報の表示形式や操作性のことであります。 UX(User Experience)   Webサイト等を利用して得られる体験、また、その心地よさや充足感等の概念であります。 注10   ICT   インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーの略語であり、情報処理技術や通信技術を総称する用語であります。 注11   地域包括ケア   「地域包括ケア」とは、「医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した生活を続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される」という考え方であります。 注12   3省2ガイドライン   医療情報を電子的に扱う際の安全管理の観点から、厚生労働省、総務省、経済産業省の3省が策定した2つのガイドラインを、まとめて3省2ガイドラインといいます。 ・厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第6版)」 ・経済産業省「医療情報を受託管理する情報処理事業者における安全管理ガイドライン」 厚生労働省のガイドラインは、病院や一般診療所、薬局等の医療機関向けのガイドラインです。経済産業省のガイドラインは、医療情報を取り扱うクラウドサービス事業者・情報処理事業者を対象としています。 注13   電子カルテシステム   電子カルテとは病院で医師が記録する診療記録(カルテ)を電子化し、保存・管理するシステムのことです。電子カルテは、「真正性」「見読性」「保存性」の電子保存の3原則を満たさなければいけません。 真正性:正当な人が記録し確認された情報に関し第三者から見て作成の責任の所在が明確であること故意または過失による、虚偽入力、書き換え、消去、および混同が防止されていること 見読性:電子媒体に保存された内容を、権限保有者からの要求に基づき必要に応じて肉眼で見読可能な状態にできること 保存性:記録された情報が法令等で定められた期間に渡って真正性を保ち、見読可能にできる状態で保存されること 注14   オンコール当番   訪問看護ステーションの多くは、利用者の急変等に備えて24時間体制を採っています。オンコールとは、こうした緊急の呼び出しや訪問に備えて待機することです。オンコールの対応は、担当の訪問看護師が専用の携帯電話を持ち、利用者やご家族からかかってきた電話に応じるという形が一般的です。 注15   常勤換算   医療や介護の質を保つため、国は事業所規模やサービス内容に応じた、人員配置基準を定めています。しかし、正社員やパート等、労働時間が異なる人を同じ1人と考えると、実際の現場では基準を下回っていたということになりかねません。基本的には、すべての従業員の労働時間を足し、フルタイムの労働時間で割ることで、「通常何人で働いているか」を示します。その事業所の労働者の平均を表すのが「常勤換算」であります。 注16   医療ソーシャルワーカー   医療ソーシャルワーカーは、医療機関における福祉の専門職です。主に病院で、患者やその家族が抱えるさまざまな課題についての相談援助を行い、解決のために調整や援助を行う役割を担っております。 注17   ケアマネージャー   ケアマネージャーは、要介護者や要支援者の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う役割を担っております。 注18   ファクタリングサービス   事業者が保有している売上債権等を決済期日より前に買取るサービスであり、事業者にとっては有効な資金調達手段の一つです。 注19   リージョン   リージョンとは、地理的に近い「ゾーン」をグループ化したもので所在地を特定することができ、またリージョン毎に完全に独立しています。 注20   ISMS(ISO27001)   ISMSとは、Information Security Management Systemの頭文字をとった略称で、情報セキュリティマネジメントシステムのことを意味しております。 ISO27001とは、組織内の情報を守り有効活用するための情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関するISOの規格であります。 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題4,826字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針について 当社は、企業理念として次の「Mission」「Vision」「Value」を掲げております。 Mission「ひとを幸せにする」 Vision「私たちは在宅療養に新しい価値の創造を行い、すべての人が安心して暮らせる社会を実現します」 Value「(Be a challenger:努力と挑戦を続け、成長し続けます。) (Be innovative:新しいことを追求し、新たな価値を創造し続けます。) (Be sincere:真心をもって誠実にひとに向き合い、信頼に溢れる豊かな人生を築きます。) (Be positive:物事を自分事として捉え、何事もチャンスと解釈し、前進させます。) (Be professional:法と秩序を守り、ひとに安心と感動を与えるプロ集団を目指します。)」 (2)経営戦略について 今後の方向性は、「クラウドサービス」の市場シェアの拡大、および「BPaaS」「けあログっと」の拡大により訪問看護市場におけるプラットフォーマーとしての地位の確立を目指します。 また、主力サービスで得られる情報を匿名加工情報(特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報)として活用することでPHR(注)を活用したデータビジネス(地域包括ケア事業)につなげ、当社の事業領域の拡大と企業価値の向上を図ってまいります。 当社の事業領域は、療養治療・観察の慢性期医療と終末期医療分野という、長期的で継続的な医療・介護分野です。現在はiBowを中心に在宅療養の核となる訪問看護ステーションに向けた業務支援システムとBPaaSを提供しております。日本では、医療・介護・健康分野の情報化として、PHRを中心とした医療データの利活用が推進されております。当社においてもこのPHR情報を地域包括ケアシステムの中に取り込み、患者を中心とした関係者が、安全で安心して情報共有ができる仕組みの構築と提供を考えております。 また、2021年より開始している在宅治験支援をはじめ、在宅医療データの活用による第3のサービスの確立が当社のさらなる成長に大きく貢献すると考えております。 (注)パーソナルヘルスレコードの略語であり、個人の健康・医療・介護に関する情報のことを指します。 (3)経営戦略上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、事業規模と収益性を測る指標として、売上高および営業利益を重視しております。 また、主力サービス「iBow」においては、サブスクリプション型のサービスを提供しているため、当社がサービスを提供する稼働ステーション数の増大、市場シェアの拡大、月次平均解約率の低減および顧客平均単価の向上を重要な経営指標としております。複合サービスを展開し、市場シェアの拡大、満足度の向上(解約率の低位安定)、顧客単価向上の循環が当社のサステナブルな成長の基礎と考えております。 (4)経営環境について 当社の顧客である訪問看護ステーションは、1992年に老人保健法等の一部改正により新設された老人訪問看護ステーションから指定老人訪問看護が始まり、1994年の健康保険法等の一部改正で創設された訪問看護ステーションから高齢者以外の在宅療養者にも指定訪問看護が提供されることとなり、以降、指定訪問看護事業所は「老人」をとり「訪問看護ステーション」となっております。 2000年の介護保険制度施行後は、訪問看護が介護保険制度の居宅介護サービスのひとつとして位置付けられ、要介護認定者等にも訪問看護を提供することになり、2006年には要支援者に対する訪問看護は予防給付の「介護予防訪問看護」と区分され、介護給付の「訪問看護」とは区別され今日に至っております。 また、2011年には「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が制定され、地域包括ケアシステムの実現に向けて、医療ニーズを伴う要介護者への介護・看護一体的提供の推進が開始されました。 その後2014年に、団塊の世代が75歳以上となり医療・介護需要の急増が予測される「2025年問題」への対応として、訪問看護が目指す姿と、訪問看護事業者・事業所・職員等が取り組むべき事項等をまとめた「訪問看護アクションプラン 2025」を、訪問看護推進連携会議が策定・公表し、地域医療構想や地域包括ケアシステムの構築等、医療・介護提供体制に関する政策が進められ、訪問看護ステーションは、その役割の拡大とともに、着実に増加してまいりました。 さらに2040年には、団塊の世代が90歳以上に、団塊ジュニア世代が65歳以上となり少子高齢・多死時代のピークを迎えます。高齢者、特に85歳以上の人口が急増し、要介護者や医療と介護の両方を必要とする人が大幅に増加すると見込まれており、その結果、在宅で医療的ケアを受ける人が増加し、訪問看護の需要は継続的に拡大すると予想されます。 また、医療機器を使用しながら生活する人や重度障がい児、認知症高齢者等、在宅療養者のニーズは多様化・複雑化しており、訪問看護の役割は一層重要になることが見込まれます。 一方で、地域によっては支援者不足が深刻化しており、訪問看護体制の整備と強化が急務となっています。 こうした状況を踏まえ、訪問看護推進連携会議は、訪問看護サービスの質の向上、地域包括ケアシステムのさらなる深化・推進を目指す「2040年に向けた訪問看護のビジョン」を2025年に策定・公表し、全世代型の社会保障の構築が進められております。 このような社会情勢の変化において、訪問看護制度は、乳幼児から高齢者まで家族も含めて、医師と連携しながらの疾病や障がいの悪化防止、病院等からの在宅移行支援、在宅療養生活支援(24時間体制で緊急対応も含む。)、エンドオブライフケアの役割を担います。予防・医療・介護機能を合わせもち生活支援を行う看護は地域包括ケアシステムの要となっており、その役割は今後においても一層重要性を増し、需要が拡大するものと考えられます。 日本国内においては、少子高齢化が進み、就業人員の減少が見込まれるなか、試算通りの看護師等の確保が可能であると楽観視できないものと当社は考えております。一方、需要は伸びていく状況にあるため、当社は当社のシステムやサービスを提供することで、一人一人の訪問看護師等が効率的に業務を進めることができる状況を作り出し、訪問看護師が増えない状況を、一人当たりの訪問件数を増加させることでカバーすることにより、この需給問題の解決になるのではと考えております。 また、経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師等の受入れが一般的になり、訪問看護ステーションにおいても就業されるようなことが生じたときには、当社の「iBow」も多言語化への対応等が必要になってくると考えております。 (5)社会ニーズの高まる訪問看護市場の拡大 訪問看護ステーションは、介護保険と医療保険の利用者に訪問看護を提供し、両保険に対する請求に基づき報酬が支払われております。介護給付費と医療費の割合でみると、10,255億円のうち介護給付費が4,528億円(44.2%)、医療費が5,727億円(55.8%)になっており、年々医療費割合が増加し、訪問看護への支払額は、14年間で約4.6倍に拡大しております。 ・訪問看護業界における医療費と介護給付費 (単位:億円) 年度   2010   2011   2012   2013   2014   2015   2016   2017   2018   2019   2020   2021   2022   2023 合 計   2,214   2,376   2,682   2,940   3,282   3,689   4,155   4,666   5,215   5,824   6,682   7,652   8,570   10,255 医療費   740   808   956   1,086   1,256   1,485   1,742   2,023   2,355   2,727   3,254   3,929   4,633   5,727 介護 給付費   1,474   1,568   1,726   1,854   2,026   2,204   2,413   2,643   2,860   3,097   3,428   3,723   3,937   4,528 (出所:医療費は厚生労働省「国民医療費の概況」(2010年~2023年)、介護給付費は同省「介護給付費等実態統計」(2010~2023年)、合計は当社集計) (6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①市場環境および顧客ニーズにタイムリーに対応できる開発体制の強化 当社は創業以来、「世にある物は活用し、世にない物を作りだす」を合言葉に、訪問看護ステーション向け業務支援システム「iBow」を提供してまいりました。今後さらなる市場スケールの拡大に対応するため、開発体制の強化が必要と考えております。そのため開発人材の確保が必須と考えており、継続的な開発人員の採用活動および人材教育を実施し、開発体制の強化に取り組む方針であります。 ②内部管理体制の強化による事業基盤強化 当社は、業務運営の効率化やコーポレート・ガバナンス、リスクマネジメントのための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。引き続き経営の公平性や透明性を確保するために内部統制の実効性を高め、内部管理体制の強化に取り組み、事業基盤の整備を強化してまいります。 ③システム信頼性の継続的な維持や品質の向上、設備環境の強化 当社は、顧客に安心して当社サービスを利用していただくためには、システム稼働の安定化が重要な課題であると認識しております。セキュリティ・開発・保守管理体制の整備は不可欠であり、今後も引き続き投資を行い、システムの継続的な安定化、品質の向上に取り組む方針であります。 ④サステナビリティへの推進 当社の事業そのものがサステナビリティの3つの柱である「環境保護」、「社会開発」、「経済発展」に該当すると考えております。当社が提供するサービスは、紙カルテから電子カルテへ、レセプトの電子化による請求処理事務の効率化によりペーパーレスを促進し、環境保護に貢献しております。また、当社サービスを使用することで訪問看護ステーションの業務効率向上が図れることや、「iBow」に蓄積された膨大な在宅医療データを活用した事業への参入をすることで、社会サービスを改善し社会開発に貢献いたします。そして、訪問看護にかかる複合サービスを展開し、市場シェアの拡大、満足度の向上、顧客単価向上の循環によって、当社の経済発展につなげてまいります。 ⑤人的資本戦略 当社は現在、成長段階にあると認識しており、今後の事業拡大には継続的に優秀な人材の確保と既存人材の育成を行う必要があると考えております。訪問看護知識の習得のため、日本訪問看護財団の「訪問看護eラーニング」の受講やDX推進に向けた情報処理推進機構の「ITパスポート試験」の資格取得、その他必要な研修制度を充実させ、人材開発の強化を進めてまいりました。今後も引き続き人的資本の持続的高度化を図るため、働きやすい職場環境の整備および人材開発の強化に取り組んでまいります。
事業等のリスク7,623字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性のある事項を以下に記載しております。 また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社は、これらのリスクに対し発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避および発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。 なお、本記載事項の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境および事業内容に関するリスクについて ①医療保険制度・介護保険制度の改正対応について(影響度:大、発生可能性:低) 当社がサービス提供を行っている「iBow」については、医療保険制度・介護保険制度の影響を強く受けます。定期的に法律全般に関する検討が加えられ、2年に1度診療報酬の見直し、3年に1度介護報酬の見直しが行われることになっており、これらの改正に対応するための適時なシステム開発が必要となります。 こうした状況は、同業他社も同様の条件であるため、開発において他社に先んじることや差別化を図ることでシェアの拡大に直結することになりますが、逆に遅れをとった場合には当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 また、新たな市場動向の変化や医療保険・介護保険法の改正動向次第で当社や顧客である訪問看護の事業環境が大きく変わる場合があります。これらの事業環境の変化が顕在化し、また、当社が適時適切に対応できず、サービスの導入延期やサービス利用数の削減、他社サービスへの乗り換え等に繋がった場合は、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対する取組として、関連法令の動向等を捉え、それらを経営・事業の戦略に適時適切に反映しております。 ②特定業界への依存について(影響度:大、発生可能性:低) 当社は、全売上が訪問看護ステーションを中心とする訪問看護業界向けという特定の業界に集中しております。過度に依存することがないよう訪問看護業界以外の分野への展開も視野に入れ、2021年12月期より在宅治験支援の取組を開始し、また、現在は三井住友信託銀行株式会社と「PHR利活用のビジネス化に関する協定」を締結し、現在は医療データビジネスを中心としたPHRに係る新サービスの共同開発を進めるなど、事業基盤の盤石化を図っておりますが、現在の訪問看護業界からの需要が大幅に縮小した場合や看護師等の不足に伴い、訪問看護ステーションが常勤換算等の要件を満たせず訪問看護ステーション数が大幅に減少した場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ③クラウド関連市場について(影響度:大、発生可能性:低) 当社が行っている訪問看護ステーション向けサービス提供事業は、売上高の大部分をクラウドサービスで提供しております。クラウドサービスに関連して、今後新たな法的規制の導入、技術革新の停滞等の要因により、クラウドサービスの導入が想定通りに進捗せず、クラウド関連市場の成長が阻害される場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対し、クラウド関連市場における新たな法的規制や技術革新等の動向について、常に情報収集に努め、クラウドサービスの提供に支障が生じないよう対策を検討できる体制を構築して参ります。 ④特定のサービスへの依存について(影響度:大、発生可能性:低) 当社は、「iBow」、「iBow レセプト」、「iBow事務管理代行サービス」等を提供しておりますが、現在、全体の売上高に占める「iBow」の割合が多く(2025年12月期の売上高に対して70.5%を占めております。)、同サービスに依存しております。当社は、収益源の多様性を持つことにより、より安定した体制の構築を目指すべく、コンテンツサービスの拡大や、新たに当社の柱となる新規サービス、事業の開発に向け積極的に取り組んでおります。 しかしながら、現在時点において主要サービスである「iBow」が顧客のニーズと乖離した場合や競合他社に対する優位性を喪失する等の事態に陥った場合、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対して、第2の柱である「BPaaS」の強化、第3の柱としてPHRを中心とした医療データの利活用を進めていきます。 ⑤他社との競合について(影響度:中、発生可能性:低) 現在、国内で介護・医療分野におけるクラウドサービス事業を展開する競合企業が複数存在しており、今後の市場規模拡大に伴い新規参入を検討する企業が増加する可能性があります。 その中で当社は訪問看護ステーション向けに特化し、利用者である看護師等の視点を重視し提供することで市場における優位性を構築し、競争力を向上させてまいりました。 今後も、利用者目線を重視し、UI/UXを追求しシステム構築を推進してまいりますが、新規参入等により競争が激化した場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対する取組として、徹底した利用者目線をもち、訪問看護という特定の分野に深化し続けることで、競合他社に対して十分な競争優位性を実現していきます。 ⑥技術革新について(影響度:中、発生可能性:低) 当社のサービスは、インターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発およびそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、当社は技術者の採用・育成に関する技術やノウハウの取得に注力しております。 しかしながら、このような技術やノウハウの獲得に困難が生じた場合、また技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。さらに、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費等の支出が拡大する可能性があり、その結果、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対する取組として、常に複数の外注先と情報交換を進め、企画・要件定義は自社内で進めるが開発等については積極的に外部を活用することで技術の陳腐化を回避しております。 また、当社が提供するクラウドサービスの一部の機能において、外部の生成AIプロバイダーの生成AIの技術を使用しています。AI技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制や政策が強化された場合、使用する生成AIのサービスに何らかの障害が発生した場合、もしくは利用条件が変更された場合には、該当する一部機能が一時的に中断または制限される可能性があります。当社のクラウドサービスの一部機能に使用する生成AIは特定の1つに依存せず、より適した生成AIを複数から選択的に使用できる仕様にしておりますが、結果として、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ⑦システム障害について(影響度:中、発生可能性:低) 当社のサービスは、サービスの信頼性および取引の安全性の観点からも、当社の事業用ITインフラは障害に強い設計としております。また、管理を強化するため、情報システム開発および運用経験の豊富な人材の採用を積極的に実施しております。 しかしながら、このような体制による管理にもかかわらず、未知のコンピュータウイルスやテロ攻撃、通常使用時だけでなくシステム改修やシステムトラブル等により想定を超える事故が発生した場合、当社が保有する設備の損壊や電力供給、インターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、その結果、当社はサービス提供および営業取引に深刻な影響を受け、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対する取組として、十分なセキュリティ対策を施した上で、クラウド化を実施する等、有事の際にもサービスを提供できるよう対処しております。さらに、システム開発およびシステム運用経験の豊富な人材を採用すると共に、システムに関する従業員向け教育を積極的に実施する等、体制面での強化も継続して取り組んでおります。 ⑧既存ユーザー企業の継続について(影響度:小、発生可能性:低) 当社のサービスは、サブスクリプション型のビジネスモデルであることから、当社の継続的な成長には、新規契約ステーションの獲得のみならず、既存契約ステーションの維持が重要と考えております。 しかしながら、当社サービスの魅力の低下、競合他社に対する競争力の低下、顧客ニーズに合致しない等により、当社の想定を大幅に下回る継続状態となった場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 現状においては、2025年12月期における解約率(レベニューチャーンレート)は0.17%(前期比0.02ポイント低下)であり、過去のこれまでの実績から当該リスクが顕在化する蓋然性は高くないと、当社では認識しておりますが、既存契約ステーションの維持については、機能の追加開発やサポートの充実により、契約の継続維持・向上を図っております。 ⑨新規事業展開に伴うリスクについて(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、既存システムを活用した新規事業の開発を進めております。新規事業の展開にあたっては、当初見込み通りの展開ができず投資を回収できなくなる可能性があり、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。当社は新規事業の実現可能性を慎重に見極め、開発計画を立て進捗管理を適切に行っておりますが、開発が想定通りに立ち上がらなかった場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ⑩外注先への依存について(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、提供するサービスや機能を開発する場合、企画・要件定義を自社で行い、コーディング等の開発は外注を利用しております。外注先を十分に確保できない場合、または外注先の経営不振および納期遅延が発生する場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 当社では、このようなリスクに対して、新たな外注先の確保をすすめるとともに、コンポーネント化した開発(注)を行うことで不測の事態に備えております。外注先の選定にあたっては、その経営状態、技術力、評判および反社会的勢力との関係の有無等を調査し安全・品質管理の徹底等に十分に留意しております。 (注)コンポーネント化した開発とは、機能を部品化して開発することであります。プログラムをコンポーネント単位に分けることで、機能の追加・修正・削除等が発生した場合に、コンポーネント単位で対応することができます。当社ではコンポーネント単位で必要に応じて外注し、特定の外注先への依存を回避することができる仕組みとしております。 ⑪為替変動に関するリスク(影響度:小、発生可能性:中) 当社の事業は、国内市場向けのサービスであり、すべての取引に係る決済は円建てで行っているため、為替相場の変動が当社の財政状態や業績に与える直接的影響は限定的であると認識しております。 しかしながら、当社のクラウドサービス事業においては、一部の外注先が海外ベンダーのサービスを利用して当社からの外注業務を遂行していることから、為替相場の変動により外注費単価が高騰した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (2)事業運営体制に関するリスクについて ①内部管理体制の整備に係るリスクについて(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性および財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、さらに法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追い付かない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ②人材育成・確保について(影響度:小、発生可能性:低) 当社が現在展開する事業は、医療保険制度および介護保険制度に係る高度な専門知識と顧客リレーション能力が求められ、またプロダクト部門においては情報システムに係る高度な専門スキルが求められます。このような経営環境の中、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人材の確保であると考えております。 当社は今後の事業展開を見据えて、主に顧客リレーションおよびシステム分野のスキルを有する人材の確保を目指すとともに、教育研修制度の充実等、人材の育成に努めておりますが、当社が求める人材が十分に確保出来なかった場合や人材育成が円滑に進まない場合、または各部門において中心的役割を担う特定の従業員が万が一社外に流出した場合、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対して、社内研修の充実や各職務職位別の業務・目標の明確化を図り経営陣と従業員のミスマッチを防ぐ活動を行っております。 ③特定人物への依存について(影響度:小、発生可能性:低) 当社の代表取締役社長中野剛人は、当社の創業者であり、設立以来、経営方針や事業戦略の立案・決定およびその遂行において取締役としての役割を果たしております。 当社では、経営会議を設け重要事項の審議を行うほか、各事業部門を統括する業務執行取締役に権限を委譲するなど同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ④個人情報の管理について(影響度:大、発生可能性:低) 当社は、展開する各サービスの運営過程において、ユーザーよりユーザー自体の個人情報を取得することがあるほか、ユーザーの顧客である患者情報を当社にて取り扱うことがあります。当該個人情報の管理については、権限を有する者以外の閲覧をシステム上で制限しております。なお、患者情報に関しましては、当社はユーザーの承諾を得て閲覧することがあるものの、その情報は外部のサーバーにのみ保管され、当社システムには残らないようになっており、流出することがないよう厳格に管理・運用しております。またISO/IEC27001を取得し、情報セキュリティマネジメントの維持・強化を図っております。 しかしながら、外部からの不正なアクセス、その他想定外の事態の発生により個人情報が流出した場合には、当社の社会的信用を失墜させ、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 これに対する取組として、3省2ガイドライン(厚生労働省・総務省・経済産業省による医療機関向けクラウドサービス利用検討ガイドライン)を踏まえた仕組みとすることで、情報セキュリティ対応を行っております。 ⑤知的財産権の保護について(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、特許権、商標権等の知的財産権の保護に努めており、当保護に当たっては当社の管理部門および弁理士等による事前調査を行っております。 しかしながら、第三者による当社の権利に対する侵害等により、企業・ブランドイメージの低下、サービス運営への悪影響等を招く等、その対応のために多額の費用が発生する可能性があります。 また、万が一当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求や差止請求等を受ける可能性があります。こうした場合、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 (3)その他 ①自然災害について(影響度:小、発生可能性:低) 事業を展開する地域において、大規模な自然災害やパンデミック等が発生した場合、事業を継続することが困難な状況に陥ることが予想されます。当社では大阪本社のほか東京に拠点を置き営業活動を行っておりますが、リモートワーク環境を構築してこれら営業拠点に依存しない業務遂行体制を整備しております。 しかしながら、当該エリアにおいて地震、火災、津波、大型台風等の自然災害やパンデミック等が発生して営業活動や情報収集活動等が制約を受ける場合には、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ②訴訟について(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。 しかしながら、事業を展開するなかで、当社が提供するサービスの不備、当社が保有する個人情報および情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。これらの訴訟により、当社の社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容および結果によっては、当社の事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。 ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、当社の役員および従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性があります。 また、当社は取締役および従業員に対し譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。優秀な人材確保のために同様のインセンティブプランを実施する可能性もあり、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ④減損損失について(影響度:小、発生可能性:低) 当社は、有形固定資産やソフトウエア等の固定資産を保有しています。これらの資産については、減損会計を適用し、減損の兆候がある場合には当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。 しかしながら、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,156字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、米国の通商政策等の影響により改善に足踏みがみられる一方、雇用・所得環境の改善の動きが続き、全体としては緩やかながらも回復基調が続きました。しかしながら、継続的な国内の物価上昇や米国の通商政策等の影響による景気の下振れリスクは依然として残っており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。 当社の顧客が事業を展開する在宅医療業界におきましては、団塊の世代が75歳以上となり、国策として地域包括ケアシステムの構築が本格化し、また全国医療情報プラットフォームや電子カルテ情報共有サービスの本格稼働に向けた準備が進展する等、在宅医療現場での情報連携の基盤整備が進みました。在宅医療現場においては、看護師不足を背景とした業務効率化が喫緊の課題となっていることから、DX化が進展している一方で、地域や事業規模によるDXツールの導入格差の拡大が課題となっております。 このような状況の中、当社は、前事業年度に提供を開始した「AI訪問看護計画」、「AI訪問看護報告」のAI関連サービスに加え、当事業年度は「AI訪問予定・ルート」のサービス提供を開始し、AI技術を活用した在宅医療現場のDX化を推進し、また地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」の機能を拡充する等、利便性の向上に取組みました。 これらの結果、主力サービス「iBow」の新規顧客並びにAI関連のサービス利用者の獲得が順調に推移し、また低解約率を維持できたことから、当事業年度末における契約ステーション数は前事業年度末比15.6%増の3,501件となり、当事業年度の売上高は3,392,422千円(前期比31.9%増)、営業利益は1,537,470千円(前期比35.3%増)、経常利益は1,546,521千円(前期比35.8%増)、当期純利益は1,088,240千円(前期比34.6%増)となりました。 当社は、訪問看護ステーション向けサービス提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 売上高をサービスカテゴリー別に示すと、次のとおりであります。 (単位:千円) カテゴリー区分   第14期(2025年12月期) 1Q 1-3月   2Q 4-6月   3Q 7-9月   4Q 10-12月   合計 1-12月 <クラウドサービス>   650,975   736,037   750,717   793,231   2,930,962 iBow   540,155   589,334   621,701   640,715   2,391,908 iBow レセプト   61,713   67,595   72,660   76,189   278,157 その他   49,107   79,107   56,355   76,326   260,896 <BPaaS>   94,994   107,668   115,155   123,105   440,924 iBow事務管理代行サービス   94,794   107,528   115,075   123,065   440,464 その他   200   140   80   40   460 <その他>   8,135   5,353   4,832   2,216   20,536 ②財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産は3,590,159千円となり、前事業年度末に比べ1,063,426千円増加となりました。これは主に、当期純利益の増加による現金及び預金が891,567千円増加、売上高の増加に伴い売掛金が127,644千円増加したこと等によるものであります。 固定資産は693,323千円となり、前事業年度末に比べ149,469千円増加となりました。これは主に、減価償却等により有形固定資産が12,109千円減少した一方で、ソフトウエア投資により無形固定資産が48,602千円増加、敷金の差入れにより80,421千円増加、繰延税金資産が29,350千円増加したこと等により投資その他の資産が112,975千円増加したことによるものであります。 この結果、総資産は4,283,483千円となり、前事業年度末に比べ1,212,895千円増加となりました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は805,705千円となり、前事業年度末に比べ246,610千円増加となりました。これは主に、契約負債が26,356千円減少した一方で、未払金の53,504千円増加、税引前当期純利益の増加により未払法人税等が123,098千円増加したこと等によるものであります。 固定負債は102,728千円となり、前事業年度に比べ338千円増加しました。 この結果、負債合計は908,433千円となり、前事業年度末に比べ246,948千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産は3,375,049千円となり、前事業年度末に比べ965,946千円増加となりました。これは主に、譲渡制限付株式報酬としての新株発行および新株予約権の行使により資本金が29,693千円増加、資本準備金が29,585千円増加し、また繰越利益剰余金が当期純利益の計上により1,088,240千円増加、配当金の支払いにより181,455千円減少したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は前事業年度末の78.5%から78.8%となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は2,857,496千円となり、前事業年度末と比較して891,567千円増加となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、1,270,327千円(前事業年度は856,787千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加127,644千円、法人税等の支払額369,079千円があったものの、業績が好調に推移したことによる税引前当期純利益の計上1,546,330千円、減価償却費の計上106,224千円があったこと等によります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、210,377千円(前事業年度は77,890千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出42,193千円、無形固定資産の取得による支出79,590千円、敷金の差入による支出91,275千円があったこと等によります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、168,383千円(前事業年度は225,875千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入12,878千円があったものの、配当金の支払額181,143千円があったこと等によります。 ④生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当事業年度(2025年12月期)の販売実績は3,392,422千円(前期比31.9%増)となりました。 前期比で増加した要因は、既存サービスのシェア拡大と追加機能のリリースなどサービスの拡充に努めた結果によるものであります。 なお、当社は訪問看護ステーション向けサービス提供事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。サービス別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」を参照ください。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態の分析 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ②経営成績の分析 a.売上高 当事業年度における売上高は、3,392,422千円(前期比31.9%増)となりました。これは「iBow」の契約ステーション数の増加、前事業年度に「iBow」への機能搭載を開始したAI関連サービスの利用拡大等による顧客平均単価の上昇に加え、「BPaaS」の利用者数が、当事業年度において順調に増加したことによるものです。 b.売上原価、売上総利益 当事業年度における売上原価は、737,849千円(前期比28.5%増)となりました。これは主に、戦略的な開発人材、BPaaS人材の採用に伴う労務費の増加、前事業年度にリリースした地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」に係る減価償却費の計上によるものです。 この結果、売上総利益は2,654,573千円(前期比32.9%増)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ255,607千円増加し、1,117,103千円(前期比29.7%増)となりました。これは主に、事業の拡大に対応した人材採用による人件費および採用費用の増加、広告コンテンツの制作等による広告宣伝費の増加、並びにソフトウエア開発に係る研究開発費の増加等によるものです。 この結果、営業利益は、1,537,470千円(前期比35.3%増)となりました。 d.営業外損益、経常利益 当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ4,184千円増加し、9,543千円(前期比78.1%増)となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ1,850千円減少し491千円(前期比79.0%減)となりました。これは主に、前事業年度に借入金を返済したことによるものです。 この結果、経常利益は、1,546,521千円(前期比35.8%増)となりました。 e.特別損益、当期純利益 当事業年度における特別損失は、前事業年度に比べ387千円減少し、190千円となりました。 この結果、当期純利益は、1,088,240千円(前期比34.6%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況の分析 当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ④資本の財源及び資金の流動性 当社の資金需要は、運転資金に加え、ソフトウエア開発費用や研究開発投資等があります。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達する方針としております。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について 当社は、経営上の目標の達成状況を「稼働ステーション数」「市場シェア」「四半期平均解約率」「月間平均単価」の指標で判断しております。 当社は、サブスクリプションでサービスを提供しており、既存収入の安定、新規顧客の獲得、低解約率の継続により今後の業績は順調に推移すると認識しております。当事業年度末までの各指標の状況は次のとおりであります。 ・稼働ステーション数 (単位:件) 2023年12月期   2024年12月期   2025年12月期 1Q   2Q   3Q   4Q   1Q   2Q   3Q   4Q   1Q   2Q   3Q   4Q 2,098   2,246   2,326   2,410   2,490   2,605   2,726   2,818   2,885   3,103   3,231   3,325 (注)前事業年度に提出した有価証券報告書においては、稼働ステーション数について、「iBow」のサービス利用中の四半期ごとの稼働ステーション数(サービス提供準備中のステーション数は除く。以下、本注釈において同じ。)の月末平均を表示しておりましたが、当事業年度から、稼働ステーションの各四半期末の数を表示する方法に変更しております。これにともない、2023年第1四半期以降の稼働ステーション数を遡及して修正しております。 ・市場シェア (単位:%、件) 2023年12月   2024年12月   2025年12月 市場シェア   16.4   17.5   18.7 契約ステーション数   2,575   3,028   3,501 市場ステーション数   15,697   17,329   18,754 (注)市場シェアは、毎年12月末における当社契約ステーション数を、毎年6月に一般社団法人全国訪問看護協会が公表する4月1日時点における稼働ステーション数で除して算出しております。 契約ステーション数は、稼働ステーションおよびサービス準備中のステーション数の合計であります。 ・四半期平均解約率 (単位:%) 2023年12月期   2024年12月期   2025年12月期 通期 0.11%   通期 0.19%   通期 0.17% 1Q   2Q   3Q   4Q   1Q   2Q   3Q   4Q   1Q   2Q   3Q   4Q 0.11   0.14   0.09   0.11   0.15   0.27   0.20   0.13   0.11   0.24   0.18   0.15 (注)当社が平均解約率(レベニューチャーンレート)を重要な経営指標としているのは、SaaSやサブスクリクションの料金形態事業では、利益に直結する重要な数値であり、当該指標が低位で安定していることが、顧客の満足度を図る一つの指標であると考えているためであります。 ・月間平均単価 (単位:千円) 2023年12月期 4Q   2024年12月期 4Q   2025年12月期 4Q 月間平均単価   76.3   81.3   88.8 (注)月間平均単価は、各年度の4Qにおける平均月間売上高(リカーリングレベニューの)を「iBow」の同期間における月末平均稼働ステーション数で除して算出しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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