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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

FIXER

5129 · Growth · 情報・通信業

Microsoft Azureに特化したクラウドインテグレータ。エンタープライズシステムの構築から運用まで一気通貫で支援する。

概要

FIXERは2008年創業のクラウドインテグレータ。Microsoft Azureを軸に、システム開発、マネージドサービス、生成AIプラットフォーム「GaiXer」を提供する。2022年10月東証グロース上場。2025年8月期の売上高40億円、従業員357名。北國銀行や厚生労働省のシステム構築実績を持つ。

プロジェクト・リセール・マネージド・SaaSの4本柱

事業は4つに分かれる。プロジェクト型サービスでは新規開発やクラウド移行を手掛け、厚生労働省のHER-SYSを3週間で構築した実績がある。リセールではMicrosoft Azureライセンスを販売。マネージドサービス「cloud.config」で24時間365日運用を提供。SaaSとして生成AI「GaiXer」と医療向け「GaiXer Medical Agent」を展開する。2025年8月期の売上高は39.8億円、うちプロジェクト型とマネージドが中心だが、生成AI事業へのシフトを進めている。

Microsoft Azureに特化したパートナー資格と受賞歴

当社はMicrosoftのクラウドに特化し、2015年に日本初のCSPパートナー認定を受けた。2019年にはAzure Expert MSPを取得。2021年には世界100カ国・4,400社の中からMicrosoft Partner of the Year (Cloud Native App Development) を受賞。2025年にもJapan Partner of the YearでInclusion Changemakerアワードを受賞。これらの認定・受賞は技術力の裏付けであり、顧客獲得の基盤となっている。

官公庁・金融機関を核とする顧客構造

主な顧客にはデジタル庁(売上比率16.5%)、2025年日本国際博覧会協会(16.0%)、ヤマトシステム開発(11.2%)、大和アセットマネジメント(11.0%)がいる。金融機関では北國銀行向けクラウドバンキングシステムを構築し、厚生労働省向けHER-SYSは全国規模で運用された。受注残高は266百万円と小規模だが、ストック型のマネージドサービスが収益の安定化に寄与する。

売上高の急増とその後の調整局面

売上高は2018年8月期の20億円から2022年8月期には114億円に急拡大した。しかし2023年8月期110億円、2024年8月期65億円、2025年8月期40億円と減少。同期の営業損失は17億円、純損失21億円に拡大した。これは大型プロジェクトの一巡と、生成AI事業への先行投資によるとみられる。現在はGaiXerの導入社数145社、GaiXer Medical Agentは10病院となっている。

業界の中での役割はクラウドインテグレータ(パブリッククラウド専門)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
40億円
営業利益
-17億円
営業利益率
-42.5%
純利益
-21億円
2025/8 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01エンタープライズ企業(金融・政府・自治体等)主力

大手企業や公共機関向けに、クラウドネイティブなシステム開発、既存システムのクラウド移行、保守運用を提供。フロントローディング型の開発手法で、予算・納期内の完遂を実現。生成AIプラットフォーム「GaiXer」も提供。

Microsoft Partner of the Year Award(Cloud Native App Developmentカテゴリー)を日本企業として初受賞

主要顧客北國銀行、厚生労働省、国立がん研究センター

主な製品・サービス2
GaiXer
エンタープライズ向け生成AIプラットフォーム。セキュアな環境で検索連携による最新情報の回答生成や、学習セットによる業務改善提案を行う。
cloud.config
Microsoft Azureを中心としたクラウドの設計・構築・24時間365日運用を提供するマネージドサービス。金融や行政向けの高いセキュリティ要件に対応する。

02医療業界準主力

医療DX市場に着目し、医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービスを提供。GaiXerのノウハウを基に、医療現場の業務効率化を支援する。

主な製品・サービス1
GaiXer Medical Agent
医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービス。医療業界のDXを推進するため、AIを活用した業務支援を提供する。

製品と技術

マネージドサービス「cloud.config」の進化

cloud.configは2012年1月に提供を開始したマネージドサービス。当初はWebサイト基盤向けだったが、動画配信やソーシャルゲームの大量トランザクション、金融機関のセキュリティ要件に対応して進化。現在はMicrosoft Azureを中心に24時間365日監視・運用を提供。顧客の業種に応じた運用要件を組み込み、ストック型収益の基盤となっている。

エンタープライズAGIプラットフォーム「GaiXer」

GaiXerは2023年4月に提供開始した生成AIサービス。Azure OpenAI Serviceを基盤とし、セキュアな環境で検索連携による最新回答生成や学習セット機能を提供。2025年8月期時点で145社が導入。さらに医療業務支援に特化したGaiXer Medical Agentを2025年5月にリリース。医療DX市場を狙い、10病院での導入実績を持つ。

クラウドネイティブ開発の代表的事例

厚生労働省のHER-SYSは、クラウドネイティブ手法により着手から約3週間で初回納品を実現。全国の利用者向けヘルプデスクも運用。北國銀行向け北國クラウドバンキングはMicrosoft Azure上で新規構築され、稼働後も同社のマネージドサービスで運用中。国立がん研究センターの全国がん登録ではクラウド移行を支援した。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • エンタープライズ企業(金融・政府・自治体等)Microsoft Partner of the Year Award(Cloud Native App Developmentカテゴリー)を日本企業として初受賞

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

売上高急減、営業赤字の独立系ソフト開発

ソフトウェア開発・システムインテグレーションを手掛ける独立系。売上高は110億円(2023/8期)から65億円、40億円と急減しており、2025/8期は営業赤字(▲42.5%)。同業のVRain SolutionやCocoliveは比較的安定しており、業績悪化が顕著。大手SIerからの下請けに依存し、取引先の業績悪化や案件減少が影響した可能性が高い。内需100%で海外展開なし。収益改善策の実行が急務。

強み

  • 特定ベンダーに依存せず、幅広い技術に対応可能
  • 110億円の実績があり、回復の可能性を残す
  • 国内市場に特化し、為替変動の影響を受けにくい
  • Web・業務系など多様な開発実績を有する

課題

  • 直近3期で110億→40億と大幅減収、継続企業前提に懸念
  • 2025/8期営業利益率▲42.5%と深刻な赤字
  • 特定顧客依存から脱却し、安定した収益基盤の構築が必要

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がFIXER

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
13815メディア工房48億円
25031モイ47億円46.3倍
3145AL is B46億円24.3倍
44476AI CROSS46億円13.4倍
54492ゼネテック46億円8.9倍
65129FIXER45億円
73712情報企画45億円13.9倍
83816大和コンピューター45億円16.8倍
93823THE WHY HOW DO COMPANY45億円
104334ユークス44億円19.1倍
113933チエル44億円6.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 21件

クラウド黎明期に創業した2008年

2008年9月、株式会社FIXERを設立。翌2009年11月、パブリッククラウドの構築・運用事業を開始。当時は日本でMicrosoft Azureが正式サービスを開始する前であり、いち早く技術検証に着手した。2010年のAzure日本リリースと同時にエンタープライズシステムのクラウド化事例を手掛け始める。

日本初のCSPパートナー認定と拠点拡充

2015年7月、Microsoft米国本社よりAzure CSP制度設立時のパートナーとして認定される。日本国内では唯一の設立時パートナーとなった。同年11月、三重県津市にFIXERクラウドセンターを開設。三重県の本社機能移転促進補助金第1号案件。2016年には名古屋事業所を開設。

最高位認定の取得と金融・行政大型案件

2019年6月、FIXERクラウドセンターを四日市市に移転。7月にAzure Expert MSPを取得。9月には北國銀行向け「北國クラウドバンキング」が稼働。2020年2月、未来創生2号ファンドと北國銀行から約12億円を調達。同年5月、厚生労働省のHER-SYSを構築し、3週間での初回納品を達成。

教育投資と地域連携の強化

2020年2月、四日市市にクラウドAIスクールを開設し、企業・市民向け教育プログラムを開始。同年5月に四日市市と「高度IT人材育成にかかる連携協定」を締結。2021年3月にはLINEを活用した行政サービス提供に関する協定も結んだ。人材育成と地域密着を両立させる戦略を取る。

東証グロース市場への上場と生成AI事業への転換

2022年10月、東京証券取引所グロース市場に株式上場。2023年4月、エンタープライズ向け生成AIサービス「GaiXer」の提供を開始。これまで培ったクラウドネイティブ技術とAIノウハウを統合し、新たな収益の柱を目指す。同年5月には津事業所を開設。

医療分野への進出と赤字拡大

2025年3月、子会社「株式会社メディカルAIソリューションズ」を設立。同年5月には医療業務支援特化の生成AIエージェント「GaiXer Medical Agent」を提供開始。しかし2025年8月期は売上高40億円、営業損失17億円、純損失21億円と赤字幅が拡大。GaiXerの導入社数は145社、医療エージェントは10病院にとどまる。

年表21件を開く

2000年代

  • 2008年9月創業株式会社FIXERを設立
  • 2009年11月パブリッククラウド(※1)の構築・運用事業を開始

2010年代

  • 2012年1月パブリッククラウドのマネージドサービスcloud.configの提供を開始
  • 2015年7月創業Microsoft 米国本社よりMicrosoft Azure Cloud Solution Provider(CSP)(※2)制度設立時のパートナーとして認定(日本国内における設立時のパートナーは当社のみ)
  • 2015年11月三重県津市に 開発拠点である FIXERクラウドセンターを開設。三重県の本社機能移転促進補助金の第1号適用案件
  • 2016年4月名古屋市中区に名古屋事業所を開設(2022年4月に名古屋市中村区へ移転)
  • 2019年6月FIXERクラウドセンターを三重県四日市市に移転し、四日市事業所を開設
  • 2019年7月Microsoft Azureのマネージドサービスを提供するパートナーの最高位認定「Azure Expert MSP(※3)」を取得
  • 2019年9月当社が開発したクラウドによるインターネットバンキングサービス「北國クラウドバンキング」が稼働開始
  • 2019年11月創業株式会社北國銀行がシステム開発力の向上を目的として設立した株式会社デジタルバリューに共同出資

2020年代

  • 2020年2月未来創生2号ファンド、株式会社北國銀行 から11億9,934万円の資金を調達
  • 2020年2月三重県四日市市に、高度IT人材育成に資するための教育施設であるクラウドAIスクールを開設し、企業や市民向けにクラウド・AIの実践的な教育プログラムを提供開始
  • 2020年5月当社が構築した「新型コロナウイルス感染者情報管理・共有システム(HER-SYS)」を厚生労働省が稼働開始
  • 2020年5月三重県四日市市と「高度IT人材育成にかかる連携協定」を締結
  • 2021年3月三重県四日市市と「LINEを活用した行政サービス提供事業に関する連携協定」を締結
  • 2022年10月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2023年4月エンタープライズ向け生成型AIサービス「GaiXer」の提供開始
  • 2023年5月三重県津市に津事業所を開設
  • 2025年3月子会社である株式会社メディカルAIソリューションズを設立
  • 2025年4月株式会社フジタ・イノベーション・キャピタルとの合弁契約を締結
  • 2025年5月医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービス「GaiXer Medical Agent」の提供開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/8期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    クラウドビジネスの強化・拡大

    パブリッククラウド市場の成長加速に対応し、開発体制強化、Microsoftとの営業連携強化、過去の実績で蓄積した技術的知見を活用した高付加価値提供により競争優位を築く。

  2. 02

    生成AI市場への対応と事業化

    生成AI技術(GaiXer、GaiXer Medical Agent)の事業拡大を促進し、システムインテグレーションやプロダクト開発、新規事業推進に注力。業界別ユースケースに応じた生成AIソリューションを開発・提供する。

  3. 03

    優秀な人材確保・育成による開発体制強化

    高い技術力を持つエンジニアの中途採用に加え、高等専門学校生を中心とした新卒採用を積極的に実施。若手エンジニアへのクラウドネイティブ開発手法の教育や重要案件への登用を進め、外部専門人材も活用する。

  4. 04

    独自サービスの強化と技術革新への対応

    認証基盤、構築自動化ツール、SaaS型自動架電サービス、GaiXer等の蓄積ノウハウを磨き、パブリッククラウドベンダーとのリレーションを活かした先端技術情報収集とエンジニア投資で競争優位性を維持・拡大。

  5. 05

    事業ポートフォリオ拡大と安定収益基盤の強化

    プロジェクト型(フロー)→リセール・マネージド(ストック)→独自SaaSのサイクルで収益基盤を安定化。SaaSの継続利用料や付随コンサルティング・技術検証支援も収益源とする。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 4期分

グループ全体で357人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は571万円で、3期前と比べて0.2%平均年齢は28.3歳、平均勤続年数は2.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2022年8月57228.62.7195
2023年8月61028.42.3269
2024年8月56127.72.4326
2025年8月57128.32.6357

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年8月期・提出会社(単体)
女性管理職比率16.7%
縦線は目安の30%
男性育休取得率0.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)99.4%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位4)
本社 — 東京都港区0百万円
四日市事業所 — 三重県四日市市0百万円
名古屋事業所 — 愛知県名古屋市 中村区0百万円
津事業所 — 三重県津市0百万円
主な関係会社
  • 国内
    株式会社メディカル AIソリューションズ
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権51.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    標準型電子カルテシステムα版の設計・開発業務
    デジタル庁 · 2024-04-12
    8.8億円
  • 調達
    行政における生成AIの適切な利活用に向けた技術検証の環境整備
    デジタル庁 · 2023-12-01
    2億円
  • 調達
    07-1043-0014 令和7年度における総務省生成AI利用環境の提供
    総務省 · 2025-06-30
    4,728万円
  • 調達
    司法行政事務における生成AI活用のための検証環境構築及び検証支援
    最高裁判所 · 2024-11-19
    793万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年8月期の売上高は40億円営業利益-17億円前期と比べると減収減益で、売上が-38.5%、利益が-666.7%。

売上高
-38.5%
40億円
営業利益
-666.7%
-17億円
純利益
-1150.0%
-21億円
営業利益率
-42.5%
前期比 -47.1%pt

会社が出している今期の予想2026年8月期

項目会社予想前期実績
売上高43億円40億円
営業利益-15億円-17億円
純利益-16億円-21億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年3Qで、売上は8億円、営業利益は−6億円。前年の2024年3Qと比べると、売上は−46.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q24416.72
2023年4Q212
2024年1Q2015.01
2024年2Q19421.12
2024年3Q1500.01
2024年4Q11−2
2025年2Q22−5−22.7−4
2025年4Q18−12−66.7−17
2026年2Q16−13−81.3−12
2026年3Q8−6−75.0−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2018年8月期からの8期で、売上は20億円から40億円へ2.0倍に増えた。直近期の営業利益率は-42.5%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2018年8月2010
株式会社北國銀行がシステム開発力の向上を目的として設立した株式会社デジタルバリューに共同出資
2019年8月2610
三重県四日市市に、高度IT人材育成に資するための教育施設であるクラウドAIスクールを開設し、企業や市民向けにクラウド・AIの実践的な教育プログラムを提供開始
2020年8月3031
2021年8月3632
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2022年8月1142415
三重県津市に津事業所を開設
2023年8月1102114
2024年8月6532
子会社である株式会社メディカルAIソリューションズを設立
2025年8月40−17−17−42.5−21

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年8月期

売上高40億円のうち、営業利益として残るのは-17億円-42.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-21億円、売上の-52.5%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金87.5%35億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金55.0%22億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-42.5%-17億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
12.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比50.9pt
-42.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比59.1pt
-52.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比69.3pt
-56.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-46.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-85.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 6期分

2025年8月期は営業CFが−10億円、投資CFが−1億円で、差し引きのフリーCFは−11億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は31億円で、売上の9.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2020年8月208215
2021年8月02−2215
2022年8月25−1−22437
2023年8月5−410148
2024年8月−600−642
2025年8月−10−10−1131

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2025年8月期の総資産は45億円。このうち返さなくてよい自己資本が38億円で、自己資本比率は83.7%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2018年8月121119.5
2019年8月151149.4
2020年8月26151159.0
2021年8月2617965.2
2022年8月72324044.7
2023年8月71571480.1
2024年8月6659789.2
2025年8月4538783.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年8月期の内訳
現金及び預金
31億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
14億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
7億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
50
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率605社中52位あたり、逆に低いのは売上成長率605社中598位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-56.3%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-42.5%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
83.7%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-38.5%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥307で、1年前と比べて-46.0%過去52週の値幅のなかでは18%の位置にある。

¥307-10.8%1ヶ月+26.3%1年-46.0%時価総額45億円
過去52週の値幅
安値¥227高値¥665

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR2.03倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

本日+5.4%と反発。25日線(255.56円)を上回り、底打ちの兆し。1年で-49.4%と低迷しているが、直近はもみ合いから上放れへ。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

過去に成長したSaaS監視企業だが、2024/8期に売上高が前年比41%減、2025/8期はさらに40%減の見通し。赤字転落が予想される中、強気派は一時的な顧客離れで、新サービスや販売体制立て直しで再成長可能と見る。弱気派は競合の台頭やサービス陳腐化が構造的課題で、回復は困難と主張。PERが計算不可のためバリュエーションの議論は難しいが、PBR1.6倍と資産価値割れに近い水準。

プラスに働く材料3
  • 一時的な失調に過ぎない

    過去は成長しており、新サービス投入で巻き返し可能。

  • 株価は資産価値接近

    PBR1.6倍と解散価値に近く、下値不安は小さい。

  • SaaS需要は長期成長

    クラウド監視市場は拡大基調で、ニーズは根強い。

マイナスに働く材料3
  • 売上急減は構造的問題

    2期連続で40%超減収、競合シェア喪失の可能性大。

  • 収益性悪化で資金リスク

    営業赤字が継続すれば、資金調達リスク顕在化。

  • 差別化要素が不明瞭

    競合多数の中で明確な優位性を示せていない。

次の決算で確かめる点
売上高成長率
2025/8期予想の40%減がどの程度実現するか。
解約率/チャーンレート
顧客離れが加速しているか判断する重要指標。
営業キャッシュフロー
赤字下での資金繰り持続性を確認するため。

株主

有価証券報告書より

2025年8月期末の株主数は延べ3,545人。区分でいちばん多いのは個人・その他88.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が8.4%を占め、残る91.5%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2022年8月%2023年8月%2024年8月%2025年8月%
個人・その他89.089.588.688.8
事業法人6.14.94.74.6
金融機関4.93.93.83.8
証券会社0.71.32.3
外国法人1.01.50.5
外国人個人0.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01松岡 清一60.62
02北村 健9.46
03株式会社mam4.48
04特定金外信託受託者 株式会社SMBC信託銀行3.75
05FIXER従業員持株会1.66
06楽天証券株式会社1.19
07山下 良久1.06
08林 充孝0.77
09株式会社SBI証券0.66
10Wing2号成長支援投資事業有限責任組合0.44

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-04-20
    エボ ファンド(Evo Fund)
    新規の大量保有報告
    18.33%
    -1.43pt
  • 2026-04-16
    エボ ファンド(Evo Fund)
    新規の大量保有報告
    19.76%
    -1.38pt
  • 2026-04-14
    エボ ファンド(Evo Fund)
    新規の大量保有報告
    21.14%
    -1.67pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で−100%、1株純資産は8期で−100%。直近期のROEは-56.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2018年8月1,732,4818,126,91023.9
2019年8月7423,45124.1
2020年8月112317.2
2021年8月143812.1
2022年8月10923560.7
2023年8月9538831.017.4
2024年8月113982.7102.0
2025年8月−143254−56.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2025/8期の役員報酬は総額96百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
松岡清一代表取締役社長568,970,200
磐前豪取締役5024,600
梅本麻衣取締役(監査等委員)43
山本敬二郎取締役(監査等委員)46
山口貢取締役(監査等委員)66
小笠原尚久執行役員

役員報酬の内訳2025/8

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2575729
社外取締役639397

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/8期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容6,561字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社はクラウドネイティブ(※1)なエンタープライズシステム(※2)構築に強みを持つ、クラウドインテグレータです。エンタープライズシステムの最大の特徴はデータの永続性が求められることにあり、具体的には信頼性・可用性・保守性・保全性・機密性といった要件の充足が求められます。クラウドインテグレータとはクラウドに特化して情報システムの設計・構築・運用等の全工程を一貫して請け負う事業を意味します。 また、クラウドインテグレーションを起点に、マネージドサービスやSaaS(※3)のサービス展開も進めており、これまで培った技術とノウハウを生成AI事業へ適用し、クラウドインテグレーターに囚われない事業展開を目指しております。 <これまでの実績> 当社は、パブリッククラウド(※4)のMicrosoft Azureが日本で本格的にサービスを開始する以前の2008年に設立し、2010年に同サービスが日本で正式に開始すると同時に、エンタープライズシステムのクラウド化の事例を複数手掛けてきました。 主要なパブリッククラウドのうち、当社は主としてMicrosoft Azureを取り扱っております。日本国内で正式にリリースされる以前から同サービスの技術検証に着手し、正式リリースから今日に至るまで導入実績を積み重ねてきました。 Microsoft 米国本社からもその実績を高く評価され、2015年にはMicrosoft Azureの販社資格である Cloud Solution Provider (CSP) Program の設立時に、国内第1号として認定を受けました(制度設立の2015年7月で、世界で26社のうちの1社)。また、2017年にはその一年に各国で最も成果を残したパートナーに贈られるアワード Country Partner of the Year を受賞しました。そして、2021年にはクラウドネイティブな開発手法によって最も高い価値をもたらしたパートナーとして、世界100カ国・4,400社のパートナーの中から、Microsoft Partner of the Year Awardを Cloud Native App Development カテゴリーで受賞しました。日本企業としては初の同賞受賞となりました。2025年にはMicrosoft Japan Partner of the Year 2025 で「Inclusion Changemaker アワード」を受賞。 また、その他のパブリッククラウドとして、一部Amazon Web Services(以下、AWS)を取り扱っており、AWS Partner Networkにおいて、Selectティアのサービスパートナーに認定されております。 <当社が提供するサービスの変遷> 創業当時、まだクラウドに対する市場の認知度や信用度が低かった時代から、当社は顧客企業のデジタルマーケティングやWeb制作を支援しつつ、クラウドならではの可用性・拡張性が活かせる高負荷なWebサイトをパブリッククラウド上に構築するなど、導入実績及び技術的な知見を積み上げてまいりました。 こうした知見をもとに、より負荷が高い動画配信やソーシャルゲーム配信の基盤に事業を拡大し、2013年ごろからは大手飲料メーカーのコマーシャル動画配信基盤や、大手ゲーム会社のモバイル端末向けゲームタイトルなど、大規模コンテンツ配信案件にパブリッククラウドの適用範囲を拡大していきました。 その後、AIチャットボット構築やビッグデータ分析基盤等の案件に取組んでまいりました。こうしたサービスの活用については、複数の書籍執筆も行っております。 近年では、金融機関・政府・自治体のエンタープライズシステムの構築・運用の経験や、クラウドサービスとして提供されるAIの研究開発のノウハウを生かし、生成AI(Azure OpenAI Service等)を活用したエンタープライズAGIプラットフォーム「GaiXer」の提供を開始しました。 また、「GaiXer」の提供によって得られたノウハウを基に、医療DX市場の規模や事業成長性を見据え、医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービス「GaiXer Medical Agent」の提供を開始いたしました。 <事業間の関係性> 当社は①プロジェクト型サービス(新規システム開発や既存システムのクラウド移行)によってクラウドネイティブなシステムを構築し、クラウドサービスのライセンスの②リセール、③マネージドサービス(保守・運用)を提供しております。さらに、④SaaSでの事業も展開しました。 各事業の詳細は下記のとおりであります。 ① プロジェクト型サービス プロジェクト型サービスでは、顧客の要件・要望に基づくシステムを新たに開発したり、既存のシステムをクラウドに移行したりするサービスを行っております。 ウォーターフォール(※5)に代表される旧態依然としたソフトウエア開発プロセスでは、設計者が顧客に相談する形で、ソフトウエアの仕様が調整されていました。この相談の中で顧客の要求により定義された技術仕様は、開発フェーズで開発者が矛盾に気づいたとしても、さかのぼって訂正・修正することは許されませんでした。この前工程にさかのぼって仕様を見直せない開発手法が、開発者から見て合理性のない設計と技術仕様を生み、その矛盾を成立させるための不必要な調整は余分なコストと開発遅延の原因となっていました。 また、開発の上流工程で要件定義を担当する会社と開発の下流工程を担当する会社が別な法人である場合、両社の間に主従関係が生まれ、下流工程の開発者が上流工程で作成されたドキュメントの矛盾に対する指摘を行えないまま開発が進み、ビジネス的には価値の低いソフトウエアが作られてきました。 ウォーターフォール型で開発を進めていた時代の、オンプレミスのシステム基盤は高額で、導入期間も数ヶ月以上の時間を要したため、インフラ機器選定の失敗による損失を回避するため、前工程の要件定義に多大な時間とコストがかけられていました。 これに対してクラウドのシステム基盤は、必要なリソースを従量制で調達でき、不要になったインフラは利用を停止することで即座に廃棄することができます。このクラウドによるシステム基盤調達の柔軟性により、プロジェクト初期段階から実際にシステムが稼働する本番環境に近いインフラ上で、高速に開発を繰り返しながらシステム利用者のユーザーニーズを満たす「アジャイル開発」を実現することができるようになりました。 当社のプロジェクト型サービスでは「新規システム開発」「クラウド移行(マイグレーション)」の案件にかかわらず、プロジェクト初期段階から柔軟なシステム基盤の調達と構築を実現しております。この柔軟性のあるシステム基盤を前提に、設計・開発から運用までを一気通貫で提供するクラウドネイティブな開発手法により、期間やコストの増大リスクを低減しております。 旧来型の開発手法(ウォーターフォール)における課題 システムに求められる品質・スピードが高まるDX時代においては、仕様の検討・決定に大きな費用と時間を要する旧来型の開発手法(ウォーターフォール)では、要求水準に達する前に予算上限・納期の限界を迎えるという課題があります。 FIXERにおける開発手法の特徴 クラウドの強みであるスクラップ&ビルドの容易さを武器に「まず作ってみる」コードファースト(※6)な開発手法を採用しております。フロントローディング型(※7)のプロジェクト進行により、後工程での多大な手戻りを抑制しつつ当初予算内で開発を完結していきます。 当社はクラウドネイティブな開発手法を前提に、顧客との直接契約による「プライム案件」の獲得に注力しております。プロジェクト型サービスには、以下のような事例があります。 ・株式会社北國銀行「北國クラウドバンキング」をMicrosoft Azure上で新規構築し、正式稼働後は当社のマネージドサービスで運用を継続しております。 ・厚生労働省「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)(※8)」の新規システム開発においては、クラウドネイティブな手法の採用により、着手から約3週間で初回納品を実現できました。また、全国の利用者のためのヘルプデスクを開設し、運用サポートを実施しました。 ・国立がん研究センター「全国がん登録」のクラウド移行においては、Microsoft Cloud Adoption Framework for Azure(CAF)(※9) に基づく戦略の立案により、クラウド移行(マイグレーション)を実施しました。 ② リセール リセールでは、パブリッククラウドベンダー(主にMicrosoft・一部AWS)や、各種ソフトウエアサービスを提供しているベンダーから、クラウドやソフトウエアライセンスを仕入れ、顧客に販売しております。 当社が主要なリセール商材として扱っているMicrosoft Azureに関しては、Microsoftとの契約に基づいて定められた価格にて仕入及び販売を行っております。 なお、リセールは単純な仕入れ・販売を行うだけでは、MicrosoftやAmazonによって日々バージョンアップされるサービスを顧客が取り込めない機会損失の原因になりかねないため、最新の技術情報とともに顧客サポートの品質を高め、付加価値の向上に努めてまいります。 ③ マネージドサービス 当社では一般的な保守・運用サービスに加え、クラウド環境で発生する課題解決まで対応するマネージドサービスをcloud.configのブランドで展開しております。現在は、Microsoft Azureを中心とするパブリッククラウドサービスの設計・構築、24時間365日の運用(監視・障害一次対応)サービスを提供しております。 顧客企業はMicrosoft Cloud Adoption Framework for Azure(CAF)に基づく、当社マネージドサービスを利用することでクラウド基盤における典型的な失敗を回避し、車輪の再発明(パブリッククラウドのサービスやOSS(※10)として既に提供されているものや既に構築済みのシステムを、もう一度構築してしまうこと)による無駄なコストを抑止することができます。 当社マネージドサービスは、顧客の業種・業態ごとに求められる運用要件を都度サービスとして取り入れ、進化してまいりました。サービス開始当初はWebサイト基盤(Webサイトが稼働する環境)からサービスを開始しましたが、コマーシャル動画配信やソーシャルゲームに求められる大量トランザクション(※11)を処理する可用性・拡張性、金融機関や行政機関に求められるセキュリティといった運用要件を強化してまいりました。 このようにクラウドの特性にあわせて進化した当社のマネージドサービスをご利用いただくことで、顧客企業はパブリッククラウドをより効果的・効率的に活用できます。 なお、マネージドサービスはエンタープライズシステムの保守・運用を行う「ストック型」の契約モデルのビジネスであるため、システムのライフサイクルの間、売上を維持・継続することが期待できます。当社の専門性を活かしたサポートにご満足をいただき、他システムにもご採用いただくことにより、顧客内売上が拡大していきます。 現在は、インフラ構築・監視・運用の効率性をさらに高めるための自動化、障害によるダウンタイムをさらに短縮するためのAIによる予兆監視等の先端技術の導入を推進しております。 ④ SaaS プロジェクト型サービスで開発したシステムや、マネージドサービスの保守・運用で把握した顧客ニーズの高い機能をプラットフォーム化し、SaaS型のサービスとして提供しております。 現在は、SaaS事業の中では生成AI「GaiXer」を全面に押し出し、セキュアな環境において検索エンジンとの連携による最新情報による回答の生成、学習セット機能を通じた業務改善の提案を行っております。 また、「GaiXer」の提供で培ったノウハウを基に、医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービスとして「GaiXer Medical Agent」の提供も開始し、医療業界のDXを推進するべく、事業の拡大に取り組んでおります。 <事業系統図> 当社の事業系統図は以下のとおりです。 [用語解説] ※1 クラウドネイティブ:クラウド化の恩恵を最大限に享受するためのアーキテクチャやシステム開発手法であり、オンプレミスでは不可能な短いサイクルで実装・テストを繰り返し、システムを設計・構築・保守・運用していくための技術を指します。クラウドサービスが登場した当初は、自社サーバーを使用して構築されたシステムを、クラウド上に移設する方式が選択されることがほとんどでした。クラウドが市場に普及・浸透し、はじめからクラウドを利用する想定で設計されたシステムが登場しはじめたことで、従来のシステムやサービスとの区別をするために「クラウドネイティブ」という言葉が用いられるようになりました。 ※2 エンタープライズシステム:顧客管理・販売管理・在庫管理・営業支援・経理処理等の企業の基幹システムのことを指します。 ※3 SaaS:Software as a Serviceの略。ソフトウエアを利用者(クライアント)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウエアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者が利用するサービスを指します。 ※4 パブリッククラウド:広く一般のユーザーや企業向けにクラウド・コンピューティング・サービス環境をインターネット経由で提供するサービスのことを指します。対義語として、社内など特定の利用者のみがアクセス可能な専有クラウド環境のことを「プライベートクラウド」を指します。代表的なパブリッククラウドサービスの種類に「SaaS」「IaaS」「PaaS」があります。「SaaS」は用語解説の※3をご確認ください。「IaaS」はInfrastructure as a Serviceの略で、仮想サーバーやストレージなどの「インフラ」をインターネット経由で提供します。「PaaS」はPlatform as a Serviceの略で、アプリケーションの開発・実行環境などの「プラットフォーム」をインターネット経由で提供します。 ※5 ウォーターフォール:上流工程から下流工程に進行するプロジェクトでは、水の流れの逆流が起きないのと同様に、前工程に戻らないことを前提とした開発手法を指します。 ※6 コードファースト:データベース項目の設計前に、コーディング(プログラミング)によって項目を定義する手法を指します。 ※7 フロントローディング型:後工程での仕様変更・調整によるコスト増大のリスクを低減するために、プロジェクト初期段階で完成イメージを提示して、品質を向上させる手法を指します。 ※8 HER-SYS:厚生労働省の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システムを指します。 ※9 Microsoft Cloud Adoption Framework for Azure(CAF):Microsoft がクラウド化プロジェクトの成功事例を分析し、失敗を回避するための標準プロセスとして作成したフレームワーク。 ※10 OSS :Open Source Softwareの略。利用者の目的を問わず、ソースコードを使用、調査、再利用、修正、拡 張、再配布が可能であるソフトウエアの総称です。 ※11 トランザクション:コンピュータシステムにおける、永続的なデータに対する不可分な一連の処理のことを指します。
経営方針・対処すべき課題7,025字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 <ビジョン> 当社グループはビジョンを「FIXERのテクノロジーで日本中のDXを成就する」と定め、当社グループのコーポレートステートメントである「Technology to FIX your challenges.」と共に掲げております。 私たちFIXERはテクノロジーの力を信じています。情報化社会のビジネスシーンにおいて、DX(注1)というチャレンジの成功の鍵を握るのはテクノロジーです。コーポレートスローガンに込めた「FIX(=成就)」とは、お客さまのチャレンジを実現し、事業の価値を高めることです。そして「your challenges」は、お客さまとFIXERの全従業員、あらゆるステークホルダーのチャレンジを示しています。 <ミッション> 当社グループのミッションは「日本のエンタープライズシステムにグローバル品質のクラウドパワーを」です。FIXER は2008年に設立されて以来、エンタープライズシステムのクラウド化の事例を発表し、日本におけるクラウドの黎明期からMicrosoft Azureの普及の一翼を担ってきたものと考えております。2018年に政府情報システムにおける基本方針としてクラウド・バイ・デフォルト原則(注2)が示されて以降、クラウド環境へのリフト(移行)&シフト(進化)のニーズがますます高まるなかで、FIXERがこれまで培ってきたクラウドネイティブなテクノロジーで日本のDXを加速させてまいります。 (2) 経営戦略等 <経営戦略> これまで当社グループは、プロジェクト型サービスにおける大規模開発案件(数千万円/月レベル)を通じて、さまざまなノウハウや部品(汎用化したプログラム)を蓄積してまいりました。 ・パブリッククラウドが提供する認証サービスに、データベースサービス等を組み合わせた認証・認可基盤 ・典型的な構成に対し、インフラの構築・設定・正常性確認の操作をプログラム化した、構築自動化ツール ・自動的に電話をかけ、又はSMSを送信するSaaS型自動架電サービス ・生成AI (Azure OpenAI Service)を活用したエンタープライズAGIプラットフォーム「GaiXer」を開発 これらは、政府・自治体や金融機関といった、セキュリティ要件が厳しいお客様にもご活用いただいており、システムインテグレータに対してはクラウドに関する高い専門性、専業クラウドインテグレータに対しては大規模なシステム開発への対応力で、独自性の高いポジションを築いてきました。今後は中小規模開発案件においても、大型プロジェクトの知見・ノウハウを活かして顧客数を拡大し、成長の加速化を図ってまいります。 また、当社グループは2021年8月期まで大規模な広告展開等は実施しておりませんでしたが、顧客数拡大の実現に向けて、企業認知及びクラウドにおける純粋想起率(クラウドといえば? と聞かれて当社グループが想起される割合)の向上により、営業効率・採用効率を高めるため、2022年8月期より広告展開を強化し、2024年8月期下半期以降は、費用を適正化しております。 2025年8月期は、「GaiXer」及び「GaiXer Medical Agent」の事業拡大を促進するため、生成AIを用いたシステムインテグレーションへの対応、生成AIを用いたプロダクトの開発と提供、及び新規事業の推進に積極的に取り組んでまいります。 加えて、営業体制の構築と強化、マーケティング活動の強化についても継続して注力してまいります。 今後は、「GaiXer Medical Agent」を皮切りに、DXニーズを見込まれる業界において、各業界のニーズに柔軟に対応し、業界ごとのユースケースに応じた生成AIソリューションの開発と提供を行なってまいります。 <経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等> 当社グループは継続的な企業価値向上を実現するために、事業および組織(人材)を規模・質の両面で強化し、そしてこれらを支えるマーケティング、ブランディング活動を実施します。 事業の規模については、顧客数を経営指標に設定しております。「GaiXer」および「GaiXer Medical Agent」の事業進捗については、導入社数を経営指標として設定しております。 今後は積極的な広告宣伝によってクラウド・生成AIにおける認知・想起を高めることで、顧客数を増加させていく所存です。 事業の質=収益性については、売上総利益率を経営指標に設定しております。今後はさらなるプロセスの自動化の推進や、クラウドネイティブな開発手法への習熟を通じて、利益率の向上に努めてまいります。 これらの施策の結果としてモニタリングしている経営指標としては、1人当たり売上高と平均年齢、各サービスの導入社数があります。 2025年8月期の1人当たり売上高については、11百万円(注3)となっております。 また、2025年8月31日時点の平均年齢は、28.3歳(注4)となっております。 「GaiXer」の導入先については、145社、「GaiXer Medical Agent」の導入先については、10病院となっております。 今後は、クラウド・生成AIを始めとする最新技術への親和性の高い、若手エンジニアの育成を継続的に強化してまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループがビジョンに掲げるDXの市場は、拡大しつつあります。Microsoft Azureパートナーとしての複数の受賞・認定によって裏付けられた当社の技術力と、顧客企業のDX実現を加速する企画提案力を活かした事業展開により、日本におけるDXの進展とともに、当社グループも成長してまいりたいと考えております。このような状況を踏まえ、当社グループは、次のような課題に対し計画的かつ迅速に対処してまいります。 ①  クラウドビジネスの強化・拡大 当社グループは創業当時、クラウドの黎明期からエンタープライズシステムのクラウド化に特化し、パブリッククラウド市場の発展とともに成長してまいりました。昨今は、企業のDXニーズに基づくクラウドサービスの普及に加え、ライフスタイル全般のデジタルシフト等の背景もあり、パブリッククラウド市場の成長加速が見込まれます。パブリッククラウド市場の変化に伴い、これまでオンプレミス形態の事業を主軸としていた大手システム開発ベンダーなどが同市場へ参入し、競争が激化することも想定されます。 当社グループとしましては、a.当社グループ内の更なるサービス開発体制の強化、b.Microsoft社との営業面での連携強化、c.過去の開発・運用実績の中で蓄積した技術的知見や情報資産を活用し、顧客企業に対し高い付加価値を提供しつづけることで競争の激しいクラウド市場においても高いポジションを築いてまいります。 ② 急速に進化する生成AI市場への対応 生成AI技術は、あらゆる産業において事業構造そのものを変革しうる基盤技術として、その重要性を急速に高めております。 当社グループは、この生成AI技術が単なる業務効率化に留まらず、人々の創造性を解放し、社会全体の生産性を飛躍させる根源的な力を持つと確信しております。他方、生成AI技術の進化は激しく、またそのスピードも加速度的に増しております。また、国内外で多くの企業が参入し、研究開発競争やサービス化競争が激化している一方で、現在の生成AI市場は、将来の成長を見据えた先行投資が中心のフェーズにあり、短期的な収益貢献よりも、技術基盤や人材基盤の構築が優先される状況にあります。 このような事業環境認識のもと、当社グループは、生成AIがもたらすリスクと機会を的確に見極め、次の成長の原動力とするべく、必要な経営資源を戦略的に投下してまいります。 ③ 優秀な人材確保・育成による開発体制の強化 人材の確保は当社グループの成長の礎であり、優秀なエンジニアをいかに多く獲得するか、及び在籍エンジニアのスキルをいかに高めていくかが重要な経営課題であると認識しております。 当社グループでは、すでに高い技術力を有するエンジニアの中途採用だけでなく、高等専門学校生を中心とした、新しい技術に対する関心の高い新卒を積極的に採用することで、クラウドネイティブな開発手法の教育や、重要案件での登用を進めております。当社グループ社員の平均年齢は28.3歳(2025年8月31日時点)であり、将来性のある若いエンジニアたちが当社グループの主要サービスの開発を支える体制が整いつつあります。 また、特定の技術領域への対応など、プロジェクトの要所で高い専門性を持つ人材が必要となる場合については、海外のプロフェッショナル人材も含め外部人材の活用を推進しております。 ④ 独自サービスの強化及び技術革新への対応 新規参入が相次ぐクラウド市場において他社との競争優位性を担保するためには、技術革新への継続的な取組みが必須であると考えております。 当社グループでは、パブリッククラウドにおける長年の経験を通じて蓄積した、クラウドサービスの組み合わせに係る以下のノウハウや部品(汎用化したプログラム)を磨き続けております。 ・パブリッククラウドが提供する認証サービスに、データベースサービス等を組み合わせた認証・認可基盤 ・典型的な構成に対し、インフラの構築・設定・正常性確認の操作をプログラム化した、構築自動化ツール ・他のシステムの指示に従って自動的に電話をかけたり、SMSを送信したりできる、SaaS型自動架電サービス ・生成AI(Azure OpenAI Service)を活用したエンタープライズAGIプラットフォーム「GaiXer」 ・医療業務支援に特化した生成AIエージェントサービス「GaiXer Medical Agent」 蓄積したノウハウ(クラウドサービスの組み合わせ、構築・運用自動化の技術やサービスの汎用化)に加え、パブリッククラウドベンダーとのリレーションを活かした先端技術の情報収集や、エンジニア採用・育成への投資を続けることで、技術による競争優位性を維持・拡大してまいります。 ⑤ 事業展開のグローバル化 当社グループでは現在、国内市場における事業拡大に注力しておりますが、中長期的な視点からは、デジタル化の波がボーダーレスに進展することが予想されます。特に、当社グループの顧客企業がデジタルで先行する海外勢としのぎを削る局面に備え、当社グループも自社サービスのグローバル展開に備えていく必要性を認識しております。 当社グループでは、Microsoft社 のGlobal Award受賞により、グローバル市場での認知度を向上させていることに加え、グローバルで公開されているMicrosoft Azure及びAWSのマーケットプレイスに当社グループの商材を登録することで、グローバル市場へのリーチを拡大しております。 ⑥ 事業ポートフォリオの拡大・安定した収益基盤の強化 当社グループの事業は、クラウドネイティブなシステムを開発するプロジェクト型サービス、クラウドやソフトウエアのライセンスを提供するリセール、パブリッククラウドの基盤構築・運用を行うマネージドサービス、開発ノウハウを元に独自サービスを展開するSaaSという4つの事業から構成されております。 期間の決まっている「フロー」であるプロジェクト型サービスで構築したシステムを、継続的に売上の上がる「ストック」であるリセール及びマネージドサービスでお預かりし運用することで、事業を拡大しております。 その上で、当社グループ独自のSaaSアプリケーションサービスを展開し、当該サービスの継続的な利用料や、付随する事業企画コンサルティング、技術検証といった支援も得ながら収益を拡大し、収益基盤のさらなる安定化に寄与するサイクルを生み出してまいります。 ⑦ 他企業との連携及び協業の推進 当社グループのサービス展開においては、問い合わせ窓口を起点とした自社営業チャネルに加え、Microsoft社や広告代理店、顧客企業をチャネルとする機会創出や販売も推進しております。 Microsoft社が考える製品・サービスのマーケティング戦略(どの製品・サービスを、どの業界の、どのような顧客課題に対して販売するかという、販売シナリオ)を踏まえ、当社グループサービスを市場に投入していくことで、効果的な営業活動を推進してまいります。 また、その他の外部パートナーとの協業を通して、組織内のケイパビリティ強化を行い、双方の知見をかけあわせることによって、質の良いプロダクト開発と、事業展開のスピードアップに対応してまいります。 ⑧ 認知度の向上と情報の透明性 今後のクラウド市場の成長に伴い、競合他社との競争環境が激化することに備え、当社グループの事業成長をより一層加速させるためには、当社グループの企業認知度及びクラウドにおける純粋想起率(クラウドといえば?と聞かれて当社グループが想起される割合)向上に向けた施策が必須であると同時に、「GaiXer」の積極的な展示会への参加・出展も考えております。 当社グループが従前から活用してきたメディア(コーポレートサイト、自社テックブログ、媒体上でのスポンサーサイト)に加えて、テレビCM・インターネット広告、ラジオ広告、プロダクトプレースメント等の展開を積極的に検討してまいります。また、展示会への参加によって、より「GaiXer」を身近に感じてもらうことにもトライします。一方、IR活動も活性化させ、認知度向上だけでなく、情報の透明性も高めてまいります。 ⑨ 管理体制の強化 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて創り出された「ニューノーマル」という言葉に表されるように、これまで当たり前と認識されてきた常識が変化しております。当社グループにおきましても、このような変化や今後の事業規模拡大などに対応できるよう、管理体制の強化・整備を課題の一つとして認識しております。 当社グループは事業継続の観点から、東京本社・四日市事業所・名古屋事業所を中心とした複数の事業拠点にまたがる営業・開発体制を整備しております。同時に、20代~30代の若手中心に事業を推進する社風を活かし外部環境の変化に応じたプロジェクト間での柔軟なリソースシフトを可能にしております。並行して、内部統制システムの整備を主とした内部管理体制の強化にも努めてまいります。 ⑩ システム基盤の強化 マネージドサービスを中核としたクラウドサービス事業においては、サービスのセキュリティや安定稼働を担保することで、顧客企業の信頼度と満足度を高めることが重要であると考えております。 そのため、当社グループでは自社サービスのセキュリティ強化並びに品質向上を図る取組みの一環として、各種の公的認証を取得しております。当社グループが取得しております公的認証はISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO 9001 (品質マネジメントシステム)、ISO/IEC 20000(ITサービスマネジメントシステム)、ISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ認証)及びプライバシーマークです。 ⑪ 財務上の課題 現在、弊社では事業変革の過渡期にいると捉えており、財務基盤の安定化は課題の1つとして認識しております。 財務基盤の安定性を維持し、事業上の課題を解決するための事業資金を確保するべく、金融機関への借入や資金調達等の検討を進めており、新規事業のための機動的な資金調達と、財務の安定化にも対処しております。 (注) 1.デジタルトランスフォーメーションの略。最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業の変革という意味合いで使われております。経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、デジタルトランスフォーメーションを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と、より詳細に定義しております。 2.2018年6月にデジタル庁が発表した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」に記載されている「政府情報システムの構築を実施する際に、クラウドサービスの利用を第一候補」とする基本方針。 3.2025年8月期実績。売上高÷期中平均人員数により算出。人員数は、正社員、出向社員の合計。 4.正社員、出向社員の平均年齢。
事業等のリスク8,716字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクとして考えていない事項についても、投資者の投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 1.事業展開について (1) クラウド市場、及びクラウドを前提としたDX市場の今後の動向について 当社グループは、パブリッククラウド上で稼働するシステムやサービスをプロジェクト型サービスとして構築し、そのシステムをマネージドサービスで保守・運用することで、事業を拡大してまいりました。DXを目的とした顧客企業の活発なIT投資を背景に、当社グループは引き続きクラウドを軸に成長を加速化してまいります。 しかしながら、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客企業のIT投資の縮小やそれに伴うクラウド市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 製品・サービスの関連性について 当社グループは、ストック型/リカーリング型の売上が見込めるリセール、マネージドサービス及びSaaSを拡大するため、オンプレミスのシステムをパブリッククラウドに移行するための設計・構築、クラウドネイティブなソフトウエア開発などを支援する、プロジェクト型サービスを提供しております。 そのため、競合の増加・競争力強化などを通じて、プロジェクト型サービスの案件獲得が困難になった場合には、フロー型の売上高が減少するだけではなく、ストック型/リカーリング型であるマネージドサービスの成長に影響を及ぼし、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) Microsoft Azureへの依存について 当社グループは、クラウド・コンピューティング・サービスであるMicrosoft Azureのマネージドサービスを中核とするクラウドソリューションを提供することにより、事業の成長を実現してまいりました。当社グループが取り扱うパブリッククラウドは、大半がMicrosoft Azureであり、当社グループの成長は同サービスの市場拡大に影響を受けます。当社グループは、パブリッククラウド市場の市場規模は今後も拡大していくという認識の下、その中で最も高い成長率でシェアを拡大しているMicrosoft Azure上でクラウドサービスを展開しつつ、AWS等の他パブリッククラウドも活用していく方針です。 Microsoft Azureへの高い依存度が当社グループの経営的なリスクとならないよう、当社グループはコンテナ化技術(仮想化技術の一つで、アプリケーションをインフラに依存しないエンジン上で動作させる技術)を積極的にエンタープライズシステムに導入しており、特定のパブリッククラウドに依存しない状態の維持に努めております。 当社グループはAWSのAWS Partner Network(※1)においてSelectティア(※2)に認定されております。また、AWS Public Sector Partner(※3)にも認定されており、同社とのリレーションを活用しながら、中央省庁や関係機関の案件での実装を開始しております。しかしながら、Microsoft Azureの市場規模の縮小や米国Microsoft Corporation社の経営戦略の変更がある場合、AWSの活用が計画どおり進展しなかった場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 日本マイクロソフト株式会社との契約について 当社グループのサービスの多くがMicrosoft Azureを用いて構築されており、日本マイクロソフト株式会社とのパートナーネットワーク契約に基づいて提供しております。当該契約は、当社グループ又は日本マイクロソフト株式会社のいずれかが解除事由への抵触を理由に解除を申し出た場合のほか、理由の如何に関わらず事前に解除を申し出た場合を除いて、継続するものとされております。現時点では当該契約の解除事由に該当する事実は生じておらず、良好な関係の下、パートナーとして事業を共に推進しております。 しかしながら、今後当社グループが解除事由に抵触したこと等を理由に契約を解除された場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 例えば、万一、日本マイクロソフト株式会社との契約が解除された場合、リセールにおいては、契約に基づくインセンティブ(売上高として計上)が減少するほか、Microsoftの製品・サービスを他社経由で仕入れることにより利益率の低下が見込まれます。しかし、プロジェクト型サービス、マネージドサービスにおいては、一時的な影響はあるものの、Microsoft Azureを他社から仕入れることや他のパブリッククラウドへの移行を検討することで、売上への影響を限定的に留めることができると考えております。 (5) サービス中断の可能性について 当社グループは、東京本社に一極集中するリスクを排除することを目的の一つとして、四日市事業所にも一部エンジニアを異動しており、リスクの分散化を図っております。 しかしながら、予測困難な地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、新型コロナウイルスなどの感染症の流行などの事情により、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの提供するサービスに支障を来す可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) システムトラブルの発生について 当社グループは、パブリッククラウドを活用したサービスを提供しておりますが、Microsoft Azureが提供する各種サービスを提供するためには、インターネットの利用が不可欠な状態にあります。そのため、人為的なミスや設備・システム上の問題、第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生し、Microsoft Azure自体にシステム障害が起きる場合には、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、又は各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 こうした障害によるサービスの中断や品質低下を避けるため、システム構成の冗長化、拡張性のある設計といった対策を行っております。また、Microsoft Azure全体に障害が発生する場合にも備え、AWSに対しても積極的に取組み、複数のクラウドサービスを組み合わせて最適な環境を実現するマルチクラウド化を推進することで、システムとしての堅牢性を強化しております。 (7) 新規事業展開について 当社グループは、事業規模の更なる拡大と収益源の多様化を進めるため、積極的に新規事業開発に取組む必要があると考えております。新規事業の展開にあたっては、市場規模及び当社グループのシェアの推定による収益化の可能性や技術的な実現可能性などを十分吟味し、事業分野の選定及び計画立案を行ってまいります。 生成AI事業においては技術変遷のスピードが早く、その特性から、事業の流動性が高くなっております。その中でもリスクと事業機会の創出を両立するために、病院の連携等を行うとともに、財務的な安定性を確保するべく、資金確保等を実施しております。 しかしながら、新規事業に伴うリスクを十分に調査や検証したうえで実行する方針ではあるものの、投資時点や事業展開の開始時点で想定されなかった事象が起こる可能性があり、当初想定した効果や利益が実現されない可能性もあります。そのような場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 売上計上時期について 当社グループのサービスのうち、基本的にリセール・マネージドサービス・SaaSは、サービス利用契約に基づき提供しております。一方、プロジェクト型サービスにおいて、本来アジャイル開発には準委任契約が適切ではありますが、プロジェクト型サービスの主な取引先である公的機関等との取引では請負契約を求められることがあります。 当社グループは、請負契約によるプロジェクト型サービス案件については、想定される工数、難易度、リスク等を考慮のうえで受注金額及び売上計上時期を決定し、策定されたプロジェクト計画から乖離が生じないよう工数管理を行っておりますが、受注後、契約締結までに時間を要した場合には、売上計上開始時期が当初の予定と乖離する場合があります。また、受注時からプロジェクトの規模や内容が大きく変更された場合、同様の乖離が発生する可能性があります。これらの影響金額の大きさによっては各四半期あるいは連結会計年度における当社グループの経営成績に変動が生じる場合があります。 2.外部環境について (1) 競合について 当社グループが事業展開するクラウドサービス市場は、大企業から中小企業まで、競合企業が多数存在しております。当社グループは、競争力強化と差別化を図ることを目的として、リセールにおいては仕入れたライセンスに技術サポートや教育サービス等の付加価値をあわせてご提供、マネージドサービスにおいては構築・運用自動化技術の蓄積といった取組みを行っております。こうしたサービスの品質向上を目的として、AIチャットボットやIoTデータを蓄積するビッグデータ基盤等、顧客ニーズの高い技術要素の研究開発を行っております。また、クラウド技術への順応性の高い若手エンジニアの採用を新卒・中途の両面で拡大していくことにより、今後のクラウドサービスに対するニーズ拡大を捉えてまいります。 しかしながら、DXニーズの高まりによる顧客企業のIT投資をビジネス機会と捉え、今後も新規に参入しようとする企業が増加することが予測されます。競合他社の技術力やサービスの向上、大手資本の参入などにより競争が激化した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 技術革新の対応について 当社グループの属するIT業界においては、技術革新のスピードが速く、それに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化し、関連製品やサービスが逐次生み出されています。当社グループも技術革新及び顧客ニーズの変化に対応すべく、積極的に最新情報の収集、技術の蓄積及びそれらの技術を使用した製品・サービスの開発に取組んでおります。 しかしながら、当社グループの対応力を上回る急激な技術革新が生じた場合、当社グループの製品やサービスの陳腐化や競争力の低下を引き起こし、また、技術革新に対応するために必要となる追加の開発費などの支出が拡大した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 価格競争について 当社グループにおいては、アジャイル・フロントローディング型の開発プロセス、構築・設定を自動化するコード開発等により、競合他社との差別化及び競争力の維持に努めております。 しかしながら、新規参入により当社グループが属するクラウド市場における価格競争が激しくなることが予想されます。競合他社との差別化が有効に図れず、当社グループが提供するサービスの売上高が予想どおりに増加しない、又は利益水準の悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営について (1) 特定人物の依存について 当社グループの創業者であり大株主でもある代表取締役社長松岡清一は、豊富な知識と経験、リーダーシップを有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、一個人の属人性に過度に依存することのない組織的な事業経営体制を構築しておりますが、現時点において何らかの事情により同氏が業務を遂行できない事態となった場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 組織体制について 当社グループは、本書提出日現在、取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名、監査等委員である取締役3名、執行役員1名、従業員357名で構成されており、現在の内部管理体制はこの規模に応じたものとなっております。当社グループは今後、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充を図っていく予定でおります。しかしながら、今後の事業拡大が急速に進み、組織体制の拡充が事業の拡大に間に合わない場合などには、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 優秀な人的資源の確保について 当社グループの成長と利益は、IT技術等の専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。当社グループにおいては、若手人材の採用・育成に重点を置き、組織拡大を図ってまいりました。新卒採用においては、採用実績校とのリレーション強化による継続採用により採用を拡大しております。中途採用においては、社員によるリファラル採用による質の向上を図っております。また、育成においては若手先輩社員が新入社員に研修やOJTを実施するという、人材育成のノウハウも蓄積してまいりました。 しかし、こうした取組みにもかかわらず、優秀な人材の採用・育成が想定どおりに進まない場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 不採算プロジェクトの発生について 当社グループはプロジェクト毎に想定される工数や難易度を基に、見積りを作成し受注をしておりますが、見積り作成時に想定していなかった不測の事態等により、工数が大幅に増加することで不採算プロジェクトが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 外部協力先の確保について 当社グループは必要に応じて、複数の外部協力先に委託を行って事業を運営しております。外部委託に際しては、委託先の業務遂行能力を見極め、守秘義務契約書や情報セキュリティアンケート等によって安全性を担保し、定期的な打ち合わせを通じて業務進捗を管理しております。 万一、上記のような要件を満たす外部協力先や、協力先における技術者数が確保できない場合、又は委託単価が高騰した場合には、費用増加又は納期遅延等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) サービスの品質について 当社グループは各プロジェクトにおいて、ISO 9001 (品質マネジメントシステム)に則った管理体制を整備するとともに、各分野における専門性を保有する社員を品質責任者として配置することで、提供するサービスの品質を担保しております。 しかしながら、何らかの事情により当社グループが提供したサービスに重大な不具合や瑕疵等が発見された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 知的財産権について 当社グループでは、知的財産権に関するクリアランス調査の実施、従業員向け研修等を通じて、他社の有する知的財産権の侵害がないよう、細心の注意を払って業務を遂行しております。こうした取組みの結果、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しておりますが、不可抗力により侵害する可能性は皆無ではありません。 当社グループが提供するサービス又は製品に対して、第三者より損害賠償、使用差止や当該特許に関する対価の支払い等の請求を受ける可能性があり、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 情報管理体制について 当社グループでは、クラウドインテグレーションなどのサービスを幅広くご提供させていただく過程で、顧客企業が有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知りうる場合があります。コンピュータウィルス、不正アクセス等の理由により、これらの機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの事業展開、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 このため、当社グループでは、「情報セキュリティ管理規程」を制定し、当該規程に基づいた情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、運営することで情報の適切な管理を行っております。なお、当社グループでは、ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO 9001(品質マネジメントシステム)、ISO/IEC 20000(ITサービスマネジメントシステム)、ISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ認証)及びプライバシーマークを取得して各種情報の管理体制を整備しております。 4.その他 (1) 配当政策について 当社グループでは、株主に対する利益還元を重要な課題の一つとして認識しております。利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。 しかしながら、当社グループは成長過程にあるため、将来の事業展開と組織体制強化のために必要な内部留保の確保を優先し、創業以来無配としてまいりました。現在におきましても、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。 現時点におきましては、将来の事業展開と組織体制の強化のために必要な内部留保の確保を優先させることが株主への最大の利益還元につながると考えており、今後の配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (2) 新会社設立、M&A、資本業務提携について 当社グループは、拡大が見込まれるクラウド市場のニーズに対応するため、及び企業価値の向上のため、新会社設立、M&A、資本業務提携を有効な手段の一つであると位置づけております。 上記につきましては、対象企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い、十分にリスクを検討したうえで実施する所存ですが、対象企業における偶発債務の発生や簿外債務の判明等、事前の調査によっても把握できなかった問題が生じた場合や、事業展開が計画どおりに進行しない場合には、投資回収が困難になること等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大株主との関係について 当社の代表取締役社長である松岡清一は、当社の大株主であり、同氏の資産管理会社である株式会社mamの所有株式数を含めると、本書提出日現在で発行済株式総数の65.09%の議決権を所有しております。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社としましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 [用語解説] ※1  AWS Partner Network:AWSクラウド、プログラム、専門知識、リソースを活用して、自社のオファリング (製品やサービス) を構築、マーケティング、販売するパートナーのグローバルコミュニティを指します。 ※2  Selectティア:AWS Partner Networkにおいて、トレーニングと認証を受けた人員とともに、カスタマーエクスペリエンスを提供するパートナーを指します。 ※3  AWS Public Sector Partner:政府機関、宇宙、教育機関、非営利団体を対象としたクラウドベースのソリューションと経験を持つ AWS パートナーを指します。
経営成績の分析 (MD&A)5,145字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、日経平均株価が高水準で推移し、春闘における賃上げの継続やインバウンド需要の回復を背景に消費の底堅さが見られました。一方、米国の関税政策による通商リスクの高まりや、ウクライナ侵攻や中東地域の地政学的リスクの長期化など、外部環境の変動が企業収益や国内消費に与える影響が懸念されております。 当社グループが属する国内の情報サービス産業においては、労働人口の減少傾向や業務効率化ニーズを背景に、デジタル化の推進ニーズは旺盛です。特にアナログな事務作業のデジタル化効率化、オンプレミスで運用されているレガシーシステムのクラウド化へのニーズは非常に強く、クラウドサービス事業者への期待は持続しています。 このような環境下、当社グループはクラウドネイティブカンパニーとして、「FIXERのテクノロジーで日本中のDXを成就する」をビジョンに掲げ、世界一クラウドネイティブなシステム開発力と、保守・運用を請け負うマネージドサービスの提供を通じて、日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に取り組んでまいりました。 具体的には、プロジェクト型サービスで開発したシステムを、Microsoft Azureを中心としたパブリッククラウド上で保守・運用を請け負うマネージドサービスと、パブリッククラウドの販売を行うリセール、顧客ニーズの高い機能をプラットフォーム化した高付加価値のSaaSとして提供してまいりました。 その結果、売上高3,980百万円、売上総利益482百万円、営業損失1,729百万円、経常損失1,719百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,117百万円となりました。 なお、当社グループの事業はクラウドサービス事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。 ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における総資産は4,493百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金が3,088百万円、売掛金及び契約資産が767百万円、敷金が283百万円となっております。 (負債) 当連結会計年度末における負債は685百万円となりました。主な内訳は、買掛金が291百万円、未払金が181百万円、賞与引当金が109百万円となっております。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は3,807百万円となりました。主な内訳は、資本金が1,214百万円、資本剰余金が1,179百万円、利益剰余金が1,365百万円となっております。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,085百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動の結果、支出した資金は1,047百万円となりました。これは主に、売上債権の減少額が440百万円、減損損失が335百万円、法人税等の還付額が259百万円、未払金の増加額が109百万円あった一方で、税金等調整前当期純損失が2,055百万円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動の結果、支出した資金は65百万円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が53百万円、有形固定資産の取得による支出が30百万円あったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動の結果、獲得した資金は43百万円となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入が49百万円あったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b 受注実績 当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。なお、当社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) クラウドサービス事業   3,013   -   266   - 合計   3,013   -   266   - (注) 受注残高は請負契約についてのみ記載しております。また、従量課金等の要因により売上高が変動する契約については受注残高に含めておりません。 c 販売実績 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) クラウドサービス事業   3,980   - 合計   3,980   - (注) 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日) 金額(百万円)   比率(%) デジタル庁   658   16.5 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会   635   16.0 ヤマトシステム開発株式会社   446   11.2 大和アセットマネジメント株式会社   439   11.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は次のとおりであります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産について、過去の業績や将来の事業計画に基づく課税所得の金額に基づき算出しております。繰延税金資産の金額は、今後の連結会計年度における課税所得が見積りと異なった場合に、将来減算一時差異の回収可能性の判断が変化することで増減する可能性があります。 なお、当連結会計年度は、将来の課税所得を見積った結果、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の全額に合理的な期間内の回収可能性が認められないと判断し、繰延税金資産を計上しておりません。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a 経営成績の分析 (売上高) 当連結会計年度における売上高は、3,980百万円となりました。分析については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度における売上原価は、3,498百万円となりました。これは主に、労務費、支払手数料であり、売上総利益は482百万円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,212百万円となりました。これは主に、給料及び賞与、支払報酬、支払手数料、地代家賃であり、営業損失は1,729百万円となりました。 (営業外損益、経常損失) 当連結会計年度における営業外収益は、雑収入、受取利息等により11百万円となりました。また、営業外費用は、支払利息等により1百万円となりました。以上の結果、経常損失は1,719百万円となりました。 (特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失) 当連結会計年度における特別利益は、新株予約権戻入益により0百万円となりました。また、特別損失は、減損損失により335百万円となりました。当連結会計年度における法人税等は、65百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,117百万円となりました。 b 財政状態の分析 財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②財政状態の状況」をご参照ください。 c キャッシュ・フロー状況の分析 キャッシュ・フロー状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業展開や外部環境、事業運営等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社グループは常に業界動向や外部環境を注視しつつ、優秀な人材を確保し市場ニーズに適合したサービスを展開していくことにより、これらのリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要の主なものは、事業の拡大に伴う人件費、Microsoft Azureの利用に対する手数料及び当社グループのサービスを向上させるためのシステム維持費等の営業費用であります。現時点で予定されている重要な資本的支出はありません。事業上必要な資金は手許資金、金融機関からの借入及び新株発行等により資金調達していく方針でありますが、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について 当社グループを取り巻く現在の環境は、DXニーズの加速に伴い、クラウド市場が拡大する方向にあると認識しております。当社グループの企業理念は、「Technology to FIX your challenges.」でありますが、今後も顧客企業や外部環境の変化を適切にとらえ、クラウドのメリットを最大限に活かした新サービスの提供と、ストック型ビジネスの拡大を軸に事業の成長を図ってまいりたいと考えております。その実現に向け、当社グループの高い技術力を活かした短期間・低コストの開発体制を更に強化する方針であります。今後、当社グループが更なる事業拡大を図るために、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した様々な課題に対して、弛まぬ努力をもって対処していく方針であります。 ⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、収益獲得の効率性の向上を実現するための1人当たり売上高、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約社数、最新技術を積極的に取り込む風土と行動力を競争力の源泉とするための社員平均年齢を重要な経営指標と位置づけております。 1人当たり売上高については、当連結会計年度において11百万円となりました。今後ソフトウエア開発及び保守・運用において自動化の推進により増加させていく方針であります。 契約社数については、当連結会計年度内において201社となっておりますが、今後プロジェクト型サービスの案件増加を通じて、ストック型のリセールとマネージドサービスの顧客を継続的に増加させる他、SaaSの利用顧客拡大にも取組み、顧客数の拡大を目指してまいります。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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