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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

カバー

5253 · Growth · 情報・通信業

VTuberプロダクション「ホロライブプロダクション」運営で世界を牽引。配信からIPコマースまで循環型ビジネスを展開。

概要

カバー株式会社は、バーチャル・エンターテイナー(VTuber)のキャラクター開発とプロダクション運営を主事業とする企業である。2016年6月の創業以来、VTuberグループ「hololive production」を核に事業を拡大し、2026年3月期の売上高は493億円、従業員数735名に達する。所属VTuberは84名、YouTube総チャンネル登録者数は9,502万を超え、グローバルにファンコミュニティを持つ。東京証券取引所グロース市場に2023年3月上場。本社は東京都港区。

収益の4本柱:配信、ライブ、マーチャンダイジング、ライセンス

当社の事業は単一セグメントだが、収益は4つのサービス分野から構成される。配信/コンテンツ分野はYouTube等でのライブ配信や楽曲配信によるメンバーシップ収入・Super Chat・広告収益が中心で、2026年3月期の売上高は91億37百万円。ライブ/イベント分野はオフライン・オンラインのコンサートやファンミーティングのチケット販売・物販・映像ソフト販売で構成され、92億47百万円。マーチャンダイジング分野は自社EC「hololive production OFFICIAL SHOP」や小売店でのキャラクターグッズ販売が主体で、237億47百万円と最大の収益源。ライセンス/タイアップ分野は他社とのコラボレーションやIPライセンスで71億98百万円。4分野合計で493億30百万円の売上高を達成した。特にマーチャンダイジングとライセンスは前年比15%超の成長を遂げ、IPコマースの比率は全体の62.7%に達する。

5言語圏をカバーするグローバル展開

当社は日本語圏に加え、インドネシア語、英語、中国語(繁体字)など複数言語でVTuberをデビューさせている。2020年4月にインドネシア向け「hololive Indonesia」、同年9月に英語圏向け「hololive English」、2022年6月には英語圏男性グループ「HOLOSTARS English」を開始。2026年3月末時点で、所属VTuber84名のうち日本49名、インドネシア9名、英語圏26名。海外視聴者比率は27.5%を占める。2023年7月には米国でグループ初の海外大規模コンサート「hololive English 1st Concert -Connect the World-」を開催。2024年7月には「COVER USA, Inc.」の営業を開始し、北米市場での現地運営体制を強化した。また2022年より「hololive Meet」として世界各地でファンミーティングや展示会を実施しており、海外からの収益機会を拡大している。

ファン参加型のコンテンツエコシステム

当社のビジネスモデルは、VTuberのライブ配信を起点にファンコミュニティとの双方向関係を構築し、その熱量をIPコマースやイベントに循環させる点に特徴がある。VTuberはアニメルック・アバターとモーションキャプチャー技術を用いて配信し、視聴者はコメントやスーパーチャットでリアルタイムに交流できる。これによりファンアートや多言語翻訳などのユーザー生成コンテンツ(UGC)が日常的に発生し、コミュニティの活性化と新規ファン獲得につながっている。2026年3月期にはYouTube上で29,000本以上のライブ配信が行われ、累計アーカイブ数は約15万本に達する。43名のVTuberが100万登録を超えるチャンネルを持ち、高いファンエンゲージメントを実現している。このエコシステムが従来のアニメIPとは一線を画す継続的な収益基盤を形成している。

中期目標1,000億円に向けた成長投資

当社は2026年3月期を初年度とする2030年3月期までの中期経営目標を掲げ、売上高1,000億円、営業利益250億円以上の達成を目指している。主要な経営指標は売上高と営業利益で、2026年3月期の営業利益は71億56百万円(前期比11.8%減)だったが、これは在庫評価減や「ホロアース」関連の減損損失など構造改革に伴う一時費用の影響による。成長の4つのドライバーとして、①共創によるコンテンツ供給強化、②グローバル収益基盤の確立、③新規事業領域の収益拡大(トレーディングカードゲーム・ゲーム等)、④人的資本の高度活用を掲げる。この目標達成のため、成長投資及びM&Aに累計500億円程度を上限とする枠を設定し、海外展開や制作機能強化に充当する方針である。

業界の中での役割はバーチャルタレントプロダクション・IPコンテンツ事業者にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
493億円
営業利益
71億円
営業利益率
14.4%
純利益
30億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
マーチャンダイジングサービス237億円48.2%
ライブ/イベントサービス92億円18.7%
配信/コンテンツサービス91億円18.5%
ライセンス/タイアップサービス72億円14.6%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01VTuberファン(一般消費者)主力

VTuberのライブ配信や動画コンテンツをYouTube等で提供。メンバーシップやスーパーチャット、広告収益を得る。IPの魅力を高めることでファンコミュニティを拡大する。

世界的に見ても登録数ランキング上位のVTuberが多く所属

主な製品・サービス1
VTuber配信コンテンツ
ホロライブプロダクション所属VTuberによるライブ配信や動画コンテンツ。YouTube等で提供され、高頻度・双方向のコミュニケーションが特徴。

02ライブ・イベント参加者準主力

VTuberのライブコンサートやファンミーティングをオフライン・オンラインで開催。チケット販売や物販収益に加え、映像ソフトウェア販売も行う。国内海外で展開。

主な製品・サービス2
ライブコンサート
VTuberによるリアルとオンラインのハイブリッドライブ。AR技術やモーションキャプチャーを駆使した臨場感ある演出を提供。
ファンミーティング
ファンとVTuberが直接交流できるイベント。

03ファン(グッズ購入者)準主力

VTuberのキャラクターグッズやデジタルコンテンツをEC・小売店で販売。トレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が累計3,000万パック以上の出荷実績。

主な製品・サービス2
キャラクターグッズ
ホロライブプロダクション所属VTuberのアクリルスタンド、衣装、ぬいぐるみ等の多種多様なグッズ。
hololive OFFICIAL CARD GAME
トレーディングカードゲーム。2024年9月発売開始、累計3,000万パック以上の出荷実績。

04企業(ライセンス・タイアップ)副次

保有IPのライセンスアウトやタイアップ広告を提供。ゲーム・玩具・食品など約500社と取引。大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』も開発中。

主要顧客外部開発パートナー

主な製品・サービス2
ライセンスアウト
VTuber IPを外部企業の商品やコンテンツに使用許諾する。ロイヤリティ収入を得る。
タイアップ広告
VTuberが企業プロモーションやメディア出演を行う。

製品と技術

モーションキャプチャーとアニメルック・アバターによる配信技術

当社のVTuberは、モーションキャプチャー技術とアニメルック・アバターを組み合わせて活動する。演者は当社から貸与されるモーションキャプチャーハードウェア・ソフトウェアとキャラクターアバターを使用し、YouTubeなどのプラットフォームでライブ配信や動画コンテンツを提供する。アバターはアニメのような2D/3Dモデルで、デフォルメされた色調が特徴。これにより視覚的な親しみやすさと、リアルタイムの表情・動作表現を両立している。当社は配信技術の開発も手掛け、高品質なライブ配信を可能にするスタジオ設備を保有。VTuberのキャラクターIPは当社に帰属し、配信コンテンツは年間29,000本以上、累計15万本のアーカイブを蓄積している。

AR技術とスタジオ設備が支えるライブイベント

ライブコンサートやファンミーティングでは、大規模なモーションキャプチャーとAR技術を駆使した演出が行われる。当社は大規模配信が可能なスタジオ設備を有し、オフライン会場とオンライン配信を同時に運用する。2023年からは毎年海外大規模コンサートを開催し、2025年には「hololive STAGE World Tour '25 -Synchronize!-」として7都市(シドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、ソウル、クアラルンプール、台北)で公演を実施。国内では2026年3月に幕張メッセで「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes. Ridin' on Dreams」を3日間開催し、過去最大規模のイベントとなった。これらのイベント映像はBlu-ray等のパッケージ販売や配信にも展開され、二次利用収益を生み出している。

累計3,000万パックを出荷したトレーディングカードゲーム

2024年9月に発売された「hololive OFFICIAL CARD GAME」は、当社のマーチャンダイジング分野において最大のヒット商品となった。2026年3月末時点で累計3,000万パック以上の出荷を記録し、収益基盤の柱に成長。このTCGは自社ECや小売店で販売され、年間を通じた大会運営や新弾リリースによりプレイヤー層の拡大を図っている。当社は今後、海外言語版の展開も計画しており、グローバルなカードゲーム市場への参入を視野に入れている。TCGの成功は、VTuberIPが物理商品としても高い収益力を発揮することを示し、IPコマース戦略の要となっている。

音楽レーベル「hololive RECORDS」とメディアミックス展開

2025年7月、当社は音楽レーベル「hololive RECORDS」を設立し、楽曲制作から配信・販売までの一貫体制を整えた。これにより所属VTuberの楽曲は音楽ストリーミングサービスでの配信やCD販売に加え、ライブ映像ソフトとしても展開されている。また、メディアミックスプロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」ではアニメーションやゲームとの協業を推進。ゲーム分野では外部開発パートナーと連携し、自社IPを活かしたタイトルの開発を進めている。さらに2026年5月には次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」を開始し、新たなVTuberの発掘と育成に取り組む。音楽とゲームを軸に、VTuberIPの多面的な展開を加速している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • VTuberファン(一般消費者)世界的に見ても登録数ランキング上位のVTuberが多く所属

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

VTuberプラットフォームで急成長、高収益

カバーは、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するエンターテイメント企業。VTuber関連では、VRAIN Solution(エンジニア派遣)とは異なり、直接タレントマネジメントが収益源。売上高は434億円(2025年3月期)、営業利益率18.43%と高収益。グローバル展開に強みを持ち、海外ファンからの収益も大きい。成長市場であるVTuber業界で先行者優位を築いているが、競合増加(ココライブ等)やタレント依存リスクがある。翌期は利益率14.4%と低下見込み。

強み

  • 営業利益率18%超、プラットフォームビジネスで高い収益性。
  • 多言語対応で海外ファンからも収益を獲得。
  • ホロライブブランドはVTuber業界でトップクラス。
  • VTuber市場拡大の恩恵を享受し、売上高が増加。

課題

  • 新規参入が相次ぎ、タレント獲得競争が激化。
  • 特定タレントの人気に依存し、離脱リスクがある。
  • 成長投資で翌期の利益率低下見込み。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がカバー

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14180Appier Group1,363億円40.5倍
24746東計電算1,316億円22.1倍
39889JBCCホールディングス1,194億円19.5倍
44432ウイングアーク1st1,159億円17.8倍
53762テクマトリックス1,068億円18.7倍
65253カバー1,050億円35.6倍
77595アルゴグラフィックス1,040億円4.9倍
84819デジタルガレージ999億円76.0倍
93993PKSHA Technology997億円39.6倍
10464AQPSホールディングス978億円75.1倍
114825ウェザーニューズ957億円23.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 24件

VRゲームからVTuberへ転換した創業期(2016-2017)

カバー株式会社は2016年6月、東京都渋谷区道玄坂に資本金300万円で設立された。当初はVR技術を活用したゲーム開発を目指し、2017年2月にVR卓球ゲーム「Ping Pong League」をリリース。しかし同年9月、VTuberアイドル「ときのそら」の活動を開始したことで事業の方向性が大きく転換する。VTuberはモーションキャプチャーとアニメルック・アバターを用いて配信する新たなエンターテインメントであり、当社はその後この分野に経営資源を集中させることになる。創業からわずか1年余りで主力製品をVRゲームからVTuberへと切り替えたことが、その後の急成長の起点となった。

hololiveグループの誕生と国内基盤の確立(2018-2019)

2018年6月、女性VTuberグループ「hololive」を立ち上げる。これにより単独タレントからグループ展開へ移行し、複数のVTuberを同時に育成・運営する体制を整えた。翌2019年5月には男性VTuberグループ「HOLOSTARS(ホロスターズ)」を開始し、性別やキャラクター属性の多様化を図る。同期間中、本社を東京都中央区新川から千代田区内神田へ移転し、事業拡大に伴うオフィス拡充を実施。この時期に配信コンテンツの本数が増加し、ファンコミュニティの基盤が形成された。財務面では2020年3月期の売上高が前年の1億円から15億円に急増し、黒字転換を果たした。

インドネシア・英語圏へ拡大した海外進出(2020-2021)

2020年4月、インドネシア向け女性VTuberグループ「hololive Indonesia」の活動を開始。続いて同年9月には英語圏向け「hololive English」を立ち上げ、海外市場への本格参入を果たす。これにより当社のVTuberは日本語圏以外のファン層を獲得し、グローバルなIPとしての認知度が向上した。2021年2月にはメディアミックスプロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」を始動し、アニメーションやゲームなど他メディアへの展開を視野に入れる。同年9月には公式オンラインショップ「hololive production OFFICIAL SHOP」の運用を開始し、マーチャンダイジングの自社販路を確立した。2021年3月期の売上高は57億円、当期純利益12億円と順調に成長した。

メタバースへの挑戦と上場(2022-2023)

2022年6月、英語圏男性グループ「HOLOSTARS English」を開始し、海外男性層へのリーチを拡大。同年11月にはメタバースサービス「ホロアース」の常設ロビー空間β版をリリースし、仮想空間での新たな体験提供に乗り出す。2023年3月、東京証券取引所グロース市場に株式上場を果たし、資金調達力を強化。上場と同時期に本社を東京都港区三田に移転した。2023年7月には米国で「hololive English 1st Concert -Connect the World-」を開催し、海外ライブイベントの本格化を印象づけた。2023年3月期の売上高は205億円に達し、創業7年で200億円規模の企業に成長した。

TCG・音楽レーベルと新事業の多角化(2024-2025)

2024年7月、COVER USA, Inc.の営業を開始し、北米での事業基盤を強化。同年9月には「hololive OFFICIAL CARD GAME」をリリースし、トレーディングカードゲーム市場に参入。2026年3月末までに累計3,000万パック以上の出荷を達成し、マーチャンダイジング分野の成長を牽引した。2025年7月には音楽レーベル「hololive RECORDS」を設立し、楽曲制作・配信の体制を強化。同年4月にはメタバース「ホロアース」のVer.1.0.0をリリースし、マーケットプレイスも開始したが、その後2026年5月にホロアースのサービス終了を発表。開発方針を転換し、得られた技術的成果を既存事業へ集約する戦略的判断が下された。

構造改革と次世代タレント育成へのシフト(2026年)

2026年3月期、当社は成長のための構造改革を実施した。低回転在庫の除却・評価減やホロアース関連資産の減損損失を計上し、営業利益は前期比11.8%減の71億56百万円、当期純利益は45.7%減の30億16百万円となった。一方、売上高は493億30百万円と13.7%増加し、事業規模は拡大を続ける。2026年5月には次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」の活動を開始し、新たな才能の発掘と育成に乗り出す。同時期にホロアースのサービスを終了し、経営資源をタレント活動支援や表現技術の深化といったコア領域へ再配分する方針を明確にした。2030年3月期に売上高1,000億円、営業利益250億円を掲げ、新たな成長サイクルへの準備を進めている。

年表24件を開く

2010年代

  • 2016年6月創業東京都渋谷区道玄坂において資本金3百万円でカバー株式会社を設立
  • 2017年2月VR(注1)卓球ゲーム「Ping Pong League」のリリース
  • 2017年9月VTuber(注2)アイドル「ときのそら」の活動開始
  • 2018年6月女性VTuberグループ「hololive」の立ち上げ
  • 2018年6月東京都中央区新川に本社を移転
  • 2019年5月男性VTuberグループ「HOLOSTARS(ホロスターズ)」の立ち上げ
  • 2019年7月東京都千代田区内神田に本社を移転

2020年代

  • 2020年4月インドネシアにおける女性VTuberグループ「hololive Indonesia」活動開始
  • 2020年6月東京都千代田区神田多町に本社を移転
  • 2020年9月英語圏における女性VTuberグループ「hololive English」活動開始
  • 2021年2月メディアミックス(注3)プロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」始動
  • 2021年3月東京都千代田区外神田に本社を移転
  • 2021年9月公式オンラインショップ「hololive production OFFICIAL SHOP」の運用を開始
  • 2022年6月英語圏における男性VTuberグループ「HOLOSTARS English」活動開始
  • 2022年11月メタバースサービス「ホロアース」の常設ロビー空間のβ版をリリース
  • 2023年3月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2023年6月東京都港区三田に本社を移転
  • 2023年7月米国にてグループ初となる海外大規模コンサート「hololive English 1st Concert -Connect the World-」を実施
  • 2024年7月COVER USA, Inc.の営業開始
  • 2024年9月「hololive OFFICIAL CARD GAME」をリリース
  • 2025年4月「ホロアース」のVer.1.0.0をリリース及び「ホロアースマーケットプレイス」の開始
  • 2025年7月創業音楽レーベル「hololive RECORDS」を設立
  • 2026年5月次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」活動開始
  • 2026年5月メタバースサービス「ホロアース」のサービス終了を発表

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2030年3月期まで1,000億円
  • 営業利益2030年3月期まで250億円以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    共創によるコンテンツ供給の強化

    タレント、クリエイター、ファン、外部パートナーとの共創を通じて、ライブ配信、音楽、ゲーム、アートなどの多様なコンテンツを継続的に創出する。制作体制の高度化・効率化、外部IPとの協業によりブランド認知を拡大し、新たなファン層を獲得する。

  2. 02

    グローバル収益基盤の確立

    北米・アジアなど海外市場で、現地需要に即した商品・サービス展開、パートナーとのライセンス展開、イベントマーケティングを強化する。現地拠点の運営体制、地域別販売体制、生産・物流体制を強化し、海外収益機会を取り込む。

  3. 03

    新規事業領域の収益拡大

    トレーディングカードゲーム(TCG)の大会運営、商品拡充、海外展開によるプレイヤー層拡大と安定的な事業基盤構築を進める。ゲーム分野では外部開発パートナーと連携し、自社IPを活かしたタイトル開発・展開により中長期的な収益機会を創出する。

  4. 04

    人的資本の高度活用

    タレント活動、コンテンツ制作、技術開発、事業開発、グローバル展開、管理・ガバナンスを支える多様な人材の確保・育成を推進。組織体制の整備、人材の最適配置、成長機会の拡充により組織全体のパフォーマンス向上と経営基盤の強化を図る。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 4期分

グループ全体で735人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は670万円で、3期前と比べて+30.9%平均年齢は34.8歳、平均勤続年数は2.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2023年3月51233.41.7418
2024年3月52633.02.1537
2025年3月61033.82.96791,178
2026年3月67034.82.8735966

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率21.1%
縦線は目安の30%
男性育休取得率75.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)89.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
スタジオ — 東京都港区3,246百万円
本社他 — 東京都港区1,568百万円
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    【九州局】令和8年度特定家庭用機器再商品化法広報事業に係る役務請負
    経済産業省 · 2026-06-17
    265万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は493億円営業利益71億円前期と比べると増収減益で、売上が+13.6%、利益が-11.3%。

売上高
+13.6%
493億円
営業利益
-11.3%
71億円
純利益
-46.4%
30億円
営業利益率
14.4%
前期比 -4.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高514億円493億円
営業利益70億円71億円
純利益49億円30億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

9期分

直近は2027年1Qで、売上は88億円、営業利益は7億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+72.5%、営業利益は−22.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年1Q51917.66
2024年2Q721419.411
2024年3Q691217.49
2024年4Q11015
2025年2Q1713419.921
2025年4Q2634617.535
2026年2Q2182712.420
2026年4Q2754416.010
2027年1Q8878.04

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2019年3月期からの8期で、売上は1億円から493億円へ493.0倍に増えた。直近期の営業利益率は14.4%。売上は7期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2019年3月1−1−1
2020年3月1522
2021年3月571712
2022年3月1371912
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2023年3月2053425
2024年3月3025641
音楽レーベル「hololive RECORDS」を設立
2025年3月434808018.456
2026年3月493717114.430

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高493億円のうち、営業利益として残るのは71億円14.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は30億円、売上の6.1%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金52.3%258億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金33.5%165億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益14.4%71億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
47.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+6.0pt
14.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.6pt
6.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+3.3pt
16.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
8.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
26.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 6期分

2026年3月期は営業CFが72億円、投資CFが−27億円で、差し引きのフリーCFは45億円期末の手元現金は160億円で、売上の3.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2021年3月14−451019
2022年3月35−82746
2023年3月49−28102178
2024年3月48−390987
2025年3月53−27226115
2026年3月72−2745160

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2026年3月期の総資産は349億円。このうち返さなくてよい自己資本が200億円で、自己資本比率は57.2%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年3月22078.8
2020年3月84455.6
2021年3月35221362.8
2022年3月82354741.9
2023年3月159708944.1
2024年3月22711111649.0
2025年3月33116916151.3
2026年3月34920014957.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
160億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
178億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
149億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
97
/ 100
安定性自己資本比率38 / 40
収益力営業利益率29 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率605社中173位あたり、逆に低いのは自己資本比率605社中369位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
16.3%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
14.4%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
57.2%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
13.6%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,600で、1年前と比べて-20.7%過去52週の値幅のなかでは48%の位置にある。

¥1,600-0.9%1ヶ月+9.7%1年-20.7%時価総額1,050億円
過去52週の値幅
安値¥1,141高値¥2,103

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)35.6倍
PER (会社予想)21.4倍
PBR5.26倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1526円で、25日移動平均線を約3.8%下回る。75日線にはほぼ横ばい、200日線には約3.6%下回っており、中長期のトレンドはもみ合い。52週高値2345円からは約35%下落し、年初来でも-30.26%。8月13日は-6.38%と急落し、出来高は4596600株と非常に多い。変動が激しく、投機的な売買が目立つ。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

VTuber市場の成長性と、にじさんじの圧倒的なシェアを評価する強気派に対し、競争激化やIP依存リスク、収益の不安定性を懸念する弱気派が対立。今後のファン離れや新規IP創出の成否が焦点。

プラスに働く材料3
  • 市場成長の追い風

    VTuber市場は年率20%超成長。にじさんじは業界トップ。

  • 収益源の多様化

    グッズ・ライブ・広告など複数の収益源を持ち、安定性向上。

  • 高いファンロイヤルティ

    コアファンによる継続的な課金・購買行動が収益の下支えに。

マイナスに働く材料3
  • 競合の台頭

    新興VTuber事務所や個人勢の増加でシェア低下リスク。

  • IP依存のリスク

    にじさんじブランドに依存し、新IP創出が不調なら成長鈍化。

  • 利益率の不安定性

    人件費やイベント費用増で利益率が変動しやすい。

次の決算で確かめる点
アクティブVTuber数
タレント数の増減はプラットフォームの魅力を反映。
グッズ売上高
ファンの購買意欲を示し、収益の核。
イベント収益
ライブなど大型イベントの収益性は成長の鍵。

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ39,049人。区分でいちばん多いのは個人・その他67.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が10.7%を占め、残る89.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他74.770.359.567.7
外国法人5.910.122.218.8
事業法人7.78.75.47.3
金融機関5.98.56.73.4
証券会社5.72.55.82.4
外国人個人0.10.00.40.5

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01谷郷 元昭31.74
02バレー株式会社5.03
03福田 一行4.37
04BROWN BROTHERS HARRIMAN (LUXEMBOURG) SCA CUSTODIAN FOR ARCUS FUND SICAV − ARCUS JAPAN FUND(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.48
05株式会社日本カストディ銀行(信託口)1.94
06INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)1.65
07GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)1.58
08上田八木短資株式会社1.52
09須田 仁之1.37
10日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)1.32

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-05-22
    ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    4.61%
    -1.00pt
  • 2026-05-15
    アーカス・インベストメント・リミテッド
    新規の大量保有報告
    5.05%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で+3406%、1株純資産は6期で+687%。直近期のROEは16.3%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2019年3月−1
2020年3月4138.9
2021年3月203990.6
2022年3月217448.0
2023年3月4211535.832.1
2024年3月6818245.621.0
2025年3月8925839.627.0
2026年3月4630416.329.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

10名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は10名。2026/3期の役員報酬は総額203百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
谷郷元昭代表取締役社長5220,835,900
福田一行取締役 CTO442,868,560
植田修平取締役5519,654
金子陽亮取締役CFO38262,160
須田仁之社外取締役(注1)53900,014
和田洋一社外取締役(注1)6719,654
鈴木修社外取締役(注1)48
宮島功社外取締役 常勤監査等委員(注1)6410,171
小倉親子社外取締役 監査等委員(注1)56
新井健一郎社外取締役 監査等委員(注1)45

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)413513534
社外取締役6686811

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,078字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 (1)企業ミッション 当社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を企業ミッションとしております。日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 日本の誇るアニメ、ゲーム等の関連産業は海外市場が牽引する形で成長を続けており、関連する市場規模として、グローバルアニメ市場は2024年時点で約3.8兆円規模(注1)、世界のコンテンツ市場は2022年時点で約135.6兆円規模(注2)にのぼるとされております。当社は、こうした市場環境の広がりを捉え、AR(注3)やライブストリーミング(注4)といった最新技術を使って日本発のエンターテインメント・カルチャーを世界に広めていくことにより、クリエイターの活躍や日本文化のさらなる発展を後押しすることを目指しております。 (注)1.出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2025」 2.出所:経済産業省「エンタメ・クリエイティブ産業戦略~コンテンツ産業の海外売上高20兆円に向けた5ヵ年アクションプラン~」 3.ARとはAugmented Realityの略称であり、ありのままに知覚される情報に、デジタル合成などによって作られた情報を付加し、人間の現実認識を強化する技術のことであります。 4.ライブストリーミングとは、インターネット上で音声や動画をリアルタイムで配信することであります。 (2)サービス概要 当社はモーション・キャプチャー技術(注5)とアニメルック・アバター(注6)を用いて活動するバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクター開発、及びVTuberプロダクション「hololive production(以下、「ホロライブプロダクション」という)」の運営を行っております。 当社のVTuberは当社が提供する配信技術とアニメルック・アバターを用いて、動画・楽曲配信プラットフォームでのコンテンツ配信や会場で観客を伴ってのライブコンサート・パフォーマンス等の活動を行います。 VTuberの開発は国内及び海外の主要なクリエイターとの協働により行っており、クオリティの高いキャラクター・アバターモデルが多くのファンからの支持を得ております。VTuberによるアバターを用いた臨場感のあるライブパフォーマンスや視聴者との双方向性コミュニケーションは、視聴者にクリエイターの創作に対する強い親近感を与え、これまでのアニメ等では見られなかった新しいエンターテインメント体験をもたらします。 所属VTuberのキャラクターIP権利は当社に帰属しており、VTuberタレントの魅力を起点としてファンコミュニティとの継続的な関係性を構築し、音楽ライブ・イベント、マーチャンダイジング、ライセンス、ゲームその他のメディアミックス展開へと事業領域を広げる循環型のビジネスモデルを構築しております。VTuberの影響力の拡大に伴って、コマース展開の規模も拡大しており、売上高全体に占めるIPコマース展開からの収益(注7)の構成比は、2021年3月期には39.8%だったところから2026年3月期では62.7%にまで増加しており、当社のビジネスモデルは単なる配信ビジネスに留まらず、VTuberを中心とした多面的なキャラクターコンテンツビジネスとしての性質が一層強くなっております。 2026年3月末時点でホロライブプロダクションのVTuber在籍数(注8)は84名(言語地域別で日本が49名、インドネシアが9名、英語圏が26名)となっており、そのうち43名はYouTubeのチャンネル登録数が100万登録を超える等幅広く支持を得ていると認識しております。また、ホロライブプロダクションの所属VTuberのYouTubeチャンネル登録総数は9,502万登録(注9)を超えており、世界的に見ても登録数ランキング上位のVTuberが多く所属しております。 このような幅広い支持を獲得できる背景として、視聴者がライブ配信内でVTuberに向けたコメント等を通して、双方向性と没入感のあるライブエンターテインメントを楽しむことができる点が挙げられます。さらにコンテンツ供給の観点からも、VTuberは立上げに長い期間と多額のコストが必要なTVアニメやゲーム等のコンテンツのキャラクターIPと比較して、相対的に低コストで継続的に視聴者との接点を持つことができる優位性を持っていると考えられます。 また、こうした双方向性と継続的な接点をベースとしたVTuberとのコミュニケーションの一環で、日常的に数多くのファンアートや多言語翻訳コンテンツが視聴者によって作成されており、そうしたUser Generated Contents(UGC)(注10)コミュニティの存在がVTuberコンテンツに深みをもたせ、新規の視聴者の拡大にも寄与していると考えられます。 こうした高頻度かつ双方向のコミュニケーションを背景とした当社のVTuber IPコンテンツのファンエンゲージメント(注11)の高さは、従来のアニメコンテンツ等と比較した際の当社コンテンツの独自性となっております。 (注)5.モーション・キャプチャー技術とは、カメラ等を使って人やモノの動きをデジタル化する技術のことであります。 6.アニメルック・アバターとは、デフォルメされた色調の2Dアニメのような3Dモデル制作技法等を使って作られたアニメのような外見のキャラクターモデルのことであります。 7.マーチャンダイジング分野とライセンス/タイアップ分野の収益の和。 8.チャンネルを複数名で共有している場合も1chに対し1名とみなし集計。 9.YouTubeチャンネル登録数の総数は所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和として算出。2026年3月31日時点。 10.User Generated Contents(UGC)とは、主にソーシャルメディア等のオンライン・プラットフォーム上でユーザーによって投稿されるコンテンツのことであります。 11.ファンエンゲージメントとは、ブランドやコンテンツとファンが積極的に関与し合うことで構築される愛着等の結びつきのことであります。 (3)当社の事業分野別の内容 当社の事業は、VTuber事業並びにその付帯業務の単一セグメントで構成されております。 事業分野別では、①配信/コンテンツサービスと②ライブ/イベントサービスを通じて、ホロライブ等のグループ及び所属VTuberそれぞれの認知度の向上、ファンの獲得及びコミュニティの熱量上昇を図っており、その結果として醸成されたグループや個々のVTuber IPのブランドを基盤として、③マーチャンダイジングサービスと④ライセンス/タイアップサービスを展開しております。 事業分野別の詳細は以下のとおりであります。 ①配信/コンテンツ YouTubeを中心とした動画配信プラットフォームや各種SNS等を通じて、VTuberのライブ配信、楽曲MV、又はアニメーション等の動画コンテンツを提供している他、音楽ストリーミングサービスでの楽曲コンテンツの提供も行っております。 主な収益項目は視聴者からのメンバーシップ加入、Super Chat、動画配信プラットフォーム上での広告収益、及び音楽ストリーミングサービス上での楽曲コンテンツの販売収益等となっており、主なコスト項目はプラットフォーム手数料、コンテンツ制作費及びVTuberとしてアバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイター(演者)(注12)への収益分配等となっております。 VTuberのキャラクターIPは当社によって企画・制作されており、それぞれのVTuberの活動は当社からコンテンツ・クリエイターに対して貸与されるモーション・キャプチャーハードウェア/ソフトウエア、キャラクターアバター、及びYouTubeやX等の配信プラットフォーム/SNSアカウントを用いて提供されております。 当社はホロライブプロダクションのブランドとコミュニティを拡大させながら、オーディションにより選抜された演者、影響力の大きい外部クリエイター等との共創を通して、付加価値の高いIPを継続的に生み出す仕組みを構築しており、その結果として新規のVTuberでもデビュー時から大規模な集客を行うことが可能となっております。 当社所属のVTuberによるライブ配信コンテンツは、2026年3月期において29,000以上もの本数がYouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームに提供されており、それらのアーカイブ(Archive:保存記録による配信)を含む動画コンテンツの累計投稿件数は2026年3月末時点で約15万本に上ります。 当社のVTuber IPは海外でも浸透が進んでおり、2026年3月末時点の当社配信における海外視聴者比率は27.5%を占めております。字幕等を通したVTuberコンテンツのローカライズやSNSを通したコミュニティ運営等により、グローバルにUGCコミュニティの拡大を推進しつつローカル言語でのVTuberをデビューさせることにより、着実な海外展開を実施しております。 また、当社では多様かつ安定的なサービスの提供とコミュニティの健全な拡大のために、各種ガイドラインの整備、外部エンターテインメント企業とのアライアンスの拡充、及び関連する業界団体への参画等を行っております。 (注)12.コンテンツ・クリエイターとはアニメルック・アバターを用いてVTuberとしてライブ配信活動やコンテンツ制作を行う演者のことであります。 ②ライブ/イベント 所属VTuberのライブコンサート及びファンミーティング並びに当社IPの国内外出展等のイベントをオフライン又はオンラインで提供しております。 主な収益項目はオフライン、オンラインでのチケット販売収益、イベントに際した物販収益及びイベントの様子を収録した映像ソフトウェアの販売収益等となっており、主なコスト項目はイベント制作費及び演者出演費等となっております。 当社ではイベントの企画、制作を行っており、各イベントは外部制作会社、イベント会場運営会社、オンライン配信プラットフォーム等との協働によって提供されております。ライブコンサートやファンミーティングといったイベントの実施にあたっては、大規模なモーション・キャプチャー及び配信が可能なスタジオ設備、並びにAR技術等を用いることにより、ファンが当社VTuberをより身近に感じることができるユニークな体験の提供を実現しております。 ライブコンサートイベントの多くは、映像設備を導入したコンサート会場に観客を動員して実施するオフラインでの実施と、インターネット上で配信プラットフォームを通してコンサートの様子をライブ配信するオンラインでの実施を同時に行っており、現地を訪れることのできない遠方のファンもオンライン配信を通してイベントに参加することが可能となっております。イベントを通じたファン同士の交流は、ファンにとってもコミュニティ規模の成長を実感できる大きな機会となっております。さらに、開催されたライブコンサートの映像等のアセットは、配信サイトでの提供やBlu-ray等のパッケージ販売といった二次利用にも展開され、本分野における安定的な収益の多角化に寄与しております。 また、イベントは国内だけでなく、海外でも多数実施しており、2022年より「hololive Meet」と題して、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア等、世界各地での出展やファンミーティングイベントを開催しているほか、2023年3月期より海外大規模コンサートを毎年開催し、積極的なグローバル展開を図っております。 ③マーチャンダイジング 当社VTuberをベースにしたキャラクターグッズ及びデジタルコンテンツの販売を行っております。 主な収益項目はEC(Electronic Commerce:電子商取引)又は小売店を通じた商品販売収益となっており、主なコスト項目は材料費等の製造費用、演者収益分配及び販売・決済手数料等となっております。 従来の芸能人等と比較した際のVTuberの独自性の一つとして、アニメのキャラクターのようにIPとしての多様なコマース展開を行いやすいことが挙げられます。これにより、当社EC上でも1つのキャラクターIPについて多種多様なグッズやデジタルコンテンツの企画販売が可能となっております。 当社では商品の企画・デザイン、販売、プロモーション等を行っております。商品販売は自社EC「hololive production OFFICIAL SHOP」からの受注又は在庫販売が主となっており、当該ECから国内及び海外の顧客に向けた販売を行っております。加えて、自社ECからの発送や現地独自決済手段の導入が未対応の一部海外地域への販売等を目的とした外部ECサイトからの販売も行っております。2026年3月期においても、ECにおける販売地域の拡大や海外送料の固定化など、ユーザー体験の改善を通じた利便性向上に継続的に努めております。さらに、複数の拠点を集約する新物流センターの運用開始等により、サプライチェーンマネジメントの最適化を図り、商品の安定供給とコスト管理の高度化を推進しております。また、国内及び海外の小売店を通じた商品販売も継続的に拡大しており、ECでの購買を行わない幅広い消費者層に向けたブランドとの接触点拡大の役割も担っております。 マーチャンダイジングの売上構成は現状、VTuberのアニバーサリー等に際した特別受注生産・販売前提の商品のほか、プロダクションとしてのブランド力やIP商品の企画・販売体制の拡充に伴う自社企画商品の販売によって構成されております。特に、2024年9月より販売を開始したトレーディングカードゲーム「hololive OFFICIAL CARD GAME」は、2026年3月末時点で累計3,000万パック以上の出荷実績を上げており、本分野における安定的な収益基盤の構築を牽引しております。今後は、これらの多面的なコマース展開を通じた収益の多角化により、自社バリューチェーンにおける価値の増幅を図りつつ、トレーディングカードゲームの海外言語版展開をはじめとするグローバル市場への進出をさらに加速させてまいります。 ④ライセンス/タイアップ 外部商品又はコンテンツのメーカー等に対する当社保有IPの使用権利の提供(以下、「ライセンスアウト」という)又はタイアップ広告を通じた当社所属VTuberによる他社企業のプロモーションやメディア出演を提供しております。 主な収益項目はライセンスアウトの対価としてのロイヤリティ収益及び広告出稿企業やメディアからのプロモーション料・出演料収益となっており、主なコスト項目は個別の案件実施に係る一部制作費負担や演者への出演料分配となっております。 当社では具体的なライセンスアウト案件に係る制作監修、又はVTuberによる出演・プロモーション協力等を提供しております。 VTuberはライブ配信等で活動するインフルエンサーであることに加えてキャラクターIPとしての性質を有しているため、当社IPが他社のゲーム等のコンテンツ内でキャラクターとして活用されるような事例もあり、そうした事例は規模の大きさから案件あたりの収益性も高くなっております。 また、タイアップ広告でもVTuberの直接の稼働無しに商品パッケージやポスター等で活用される事例があり、そうした事例は直接の演者稼働を伴う一般的なインフルエンサー広告の事例よりも効率性の観点から収益性が高くなるケースが多くなっております。 近年では、国内外の取引代理店との連携強化や営業体制のさらなる整備を通じて、2026年3月末時点で取引社数は約500社へと拡大しております。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が深化しているほか、プロダクションのブランド認知度向上を背景とした大型案件の獲得も進んでおります。代表的な事例として、外部開発パートナーとの連携による当社初の大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』の全世界同時事前登録を2026年3月より開始するなど、デジタルコンテンツ領域における中長期的な収益機会の創出に取り組んでおります。 さらに、北米やアジアなどの海外大消費地においても、現地の需要に即した大型タイアップやライセンス展開が加速しており、グローバルな収益基盤の確立に貢献しております。 前述のようにVTuberのライセンス/タイアップビジネスは演者の稼働制約に縛られずに案件数を増加させられる事例もあるため、こうした多角的なメディアミックス展開を引き続き推進し、事業規模の拡大と自社IPのグローバルなブランド価値向上に繋げてまいります。 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題5,378字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を企業ミッションとしております。日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 (2)中長期的な経営戦略等 当社は、VTuberタレントの魅力を起点として、ファンコミュニティとの継続的な関係性を構築し、ライブ・イベント、音楽、マーチャンダイジング、ライセンス、ゲームその他のメディアミックス展開へと事業領域を広げることで、ブランド価値及び収益機会の拡大を図ってまいりました。これまで、創作環境、技術開発及び制作体制の強化を通じたコンテンツ供給力の向上、ライブ・イベントやマーチャンダイジングを通じたファン体験の拡充、さらにはトレーディングカードゲーム(TCG)やゲームをはじめとする新たな事業領域への展開を進め、事業規模の拡大とブランド価値の向上に取り組んでまいりました。 今後は、2030年3月期において、売上高1,000億円、営業利益250億円以上を達成することを中期的な経営目標としつつ、事業環境の変化や各事業の進捗、投資効果を踏まえ、投資配分や事業ポートフォリオを適切に見直しながら、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。特に、タレント及びブランド価値の継続的な向上、グローバル展開の加速、新規事業領域の収益拡大、並びにこれらを支える経営基盤の強化を重要なテーマとして位置づけております。 この中期目標に向けて、当社は、①共創によるコンテンツ供給の強化、②グローバル収益基盤の確立、③新規事業領域の収益拡大、④人的資本の高度活用、という4つの成長ドライバーを軸に、段階的かつ戦略的な取り組みを進めております。 ①共創によるコンテンツ供給の強化 当社は、ライブ配信、音楽、ゲーム、アートその他の多様な表現領域において、タレント、クリエイター、ファン、外部パートナーとの共創を通じ、魅力あるコンテンツを継続的に創出していくことを重視しております。制作体制の高度化及び効率化を進めるとともに、外部のメディアコンテンツやIPとの協業を通じて、当社ブランドの認知拡大及び新たなファン層の獲得を図ってまいります。また、タレント活動を支える運営機能の強化や、長期的なブランド価値の向上に資する取り組みにも継続的に取り組んでまいります。 ②グローバル収益基盤の確立 北米及びアジアをはじめとする海外市場において、現地需要に即した商品・サービスの展開、現地パートナーとの連携によるライセンス展開、及びイベント等を通じたマーケティング活動の強化を進めてまいります。あわせて、現地拠点の運営体制、地域別の販売体制、並びに生産・物流体制の強化を図り、海外における収益機会を着実に取り込む体制の構築を進めてまいります。 ③新規事業領域の収益拡大 既に事業拡大が進展しているトレーディングカードゲーム(TCG)に加え、ゲームをはじめとするデジタルコンテンツ・サービスの展開を通じて、収益機会の多角化を推進してまいります。TCGにおいては、年間を通じた大会運営、商品ラインアップの拡充、海外言語版の展開等を通じて、プレイヤー層の拡大と継続的な参加機会の創出に取り組み、安定的な事業基盤の構築を目指してまいります。ゲーム分野においては、外部開発パートナーとの連携を活用しつつ、自社IPの特性を活かしたタイトルの開発・展開を進め、ユーザー体験価値の拡張と中長期的な収益機会の創出に取り組んでまいります。 ④人的資本の高度活用 持続的な成長を実現するためには、タレント活動、コンテンツ制作、技術開発、事業開発、グローバル展開及び管理・ガバナンス機能を支える多様な人材の確保及び育成が重要であると認識しております。当社は、各人材がその専門性を発揮できる組織体制の整備、人材の最適配置及び成長機会の拡充を通じて、組織全体のパフォーマンス向上を図ってまいります。また、管理部門及び全社オペレーションの高度化を進め、事業成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。 これらの成長戦略の実現に向けて、2026年3月期を初年度とする2030年3月期までの中期経営目標の期間において、累計500億円程度を上限とする成長投資及びM&Aの実施枠を想定しております。当該投資枠は、海外展開の加速、制作機能の強化、生産・物流体制の最適化、事業ポートフォリオの拡張、及び経営基盤の強化等、中長期的な企業価値の向上に資する領域を主な対象としております。M&Aについては、当社の中長期的な成長戦略との整合性、投資回収可能性、事業シナジー及びリスクを慎重に見極めた上で、必要に応じて機動的に検討してまいります。 当社は、今後もVTuberという新たな文化の発展を支える企業として、タレント、クリエイター、ファン及び企業をつなぐ事業基盤を強化し、グローバルに広がるファンコミュニティとの関係性を大切にしながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、中長期的な企業価値の向上を図るうえで、「売上高」及び「営業利益」を主要な客観的指標として位置付けております。売上高は、当社の事業規模、ブランド価値及び収益機会の拡大状況を示す指標であり、営業利益は、成長投資の効果、事業ポートフォリオの収益性及び経営効率の改善状況を示す指標であると認識しております。 また、当社は、補足的な指標として「サービス別売上高」も参照し、事業ポートフォリオの構造及び各サービス領域における成長状況を多面的に把握してまいります。 (4)経営環境 当社が展開するVTuber事業は、VTuberを起点として、ライブ配信、音楽、ライブ・イベント、商品展開、企業タイアップ、ゲーム、アニメ等の多岐にわたる分野に広がっております。近年では、VTuberという表現形式が、ファンとの双方向性や継続的なコンテンツ供給を特徴としながら、関連するエンターテインメント領域とも親和性高く連動し、エンターテインメント文化の一形態として認知を広げております。 当社では、多数の所属VTuberによる継続的なコンテンツ発信と、多面的な事業展開を通じて、国内外におけるファンコミュニティの形成とエンゲージメント向上に取り組んでおります。 こうしたVTuber事業の多面性を踏まえると、当社の事業機会は国内VTuber市場にとどまらず、関連する周辺市場にも広がっているものと考えております。関連する市場規模として、グローバルアニメ市場は2024年時点で約3.8兆円規模(注1)、世界のコンテンツ市場は2022年時点で約135.6兆円規模(注2)にのぼるとされております。また、国内VTuber市場は2025年度時点で約1,260億円規模(注3)に達すると見込まれており、VTuberを起点とした事業展開においても、複数の周辺分野との連動を通じて、収益機会の多様化が進んでおります。 当社は、こうした市場環境を踏まえ、トレーディングカードゲーム、デジタルゲーム、コミックス、アニメ等、VTuber IPと親和性の高い領域におけるメディアミックス展開を推進しております。これにより、タレントの個性や世界観を多面的な接点へと拡張し、ファン体験の向上とブランド接触点の拡大を図っております。 また、日本政府が推進する「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」等においても、日本発コンテンツの海外展開が重要な成長領域として位置付けられており、コンテンツ産業全体が輸出産業としてより重視される中、VTuberを含む日本発の二次元エンターテインメント領域についても、グローバル展開の機会が拡大していくものと考えております。 一方で、インディーズVTuberの増加や海外VTuberの活躍など、グローバルにおけるVTuber文化の裾野も広がりを見せておりますが、当社が長年培ってきた制作能力と、クリエイター・ファンによる大規模な共創コミュニティは、引き続き当社の持続的な成長を支える競争優位性として機能していると認識しております。 今後は、国内外における商品・サービスの提供体制をより一層強化していくとともに、各国の税制、物価、為替動向、通商政策などグローバル展開に伴う不確実性についても注視しながら、継続的な成長に向けた戦略を推進してまいります。 (注)1.出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート 2025」 2.出所:経済産業省「エンタメ・クリエイティブ産業戦略~コンテンツ産業の海外売上高20兆円に向けた5ヵ年アクションプラン~」 3.出所:矢野経済研究所「2025年 VTuber市場の徹底研究 ~市場調査編~」 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①魅力的なVTuberタレント及びブランドの開発 VTuberの人気はアニメルック・アバターの表現力、タレント本人の魅力、並びに関連するグループ又はユニットとしてのブランド価値に大きく左右されます。そのため、個々のタレントの魅力を高めるとともに、当社ブランド全体の価値を継続的に向上させていくことは、当社の重要な経営課題であります。当社は、コンテンツを共創するクリエイターにとっても意義深い活動の機会を継続的に提供し、当社ブランドの認知及び一層の価値向上に努めております。 ②コンテンツ・クリエイターの発掘及び育成 VTuberの活動はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの創作活動によって支えられているため、能力のあるコンテンツ・クリエイターの発掘、及びその能力を一層開花させるための育成は当社の課題であります。 当社では定期的なオーディションの実施や次世代型タレント育成プロジェクト等を通じた新しいコンテンツ・クリエイターの発掘・育成プロセスの強化に努めております。また、所属後も活動フェーズに応じた機動的なリソース配分と環境整備を行い、社内外の企画チームを活用した継続的な活動支援によってコンテンツ・クリエイターの個性をより発揮できるような環境を構築しております。 ③事業拡大と収益性向上を両立した事業運営 当社は魅力あるVTuberの継続的な開発と育成を主軸に、動画配信プラットフォーム上でのサービス展開のみに留まらない、多面的な事業展開を推進しております。中長期的な価値創出に向けて、事業規模の拡大に加え、収益性、資本効率及び事業運営の質を一層重視し、事業構造の整備を進めております。 具体的には、より付加価値の高いコンテンツ開発に向けた3Dスタジオ環境等の強化を進めるとともに、これまで培ってきた3D表現技術、モーショントラッキング技術及び関連する開発知見を、配信コンテンツ制作等の既存事業にも活用し、ファン体験の向上及びタレント活動の支援につなげてまいります。 また、コマース領域においては、トレーディングカードゲームを含む商品展開の拡大や、ゲーム等を通じたメディアミックス展開を推進するとともに、商品の安定供給、顧客体験の向上及びコスト管理の高度化に向けて、サプライチェーン・マネジメント体制の強化にも取り組んでまいります。 ④組織体制の整備 当社の成長には多様な専門性を持った優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期的に働きやすい職場環境や人事制度を整備してまいります。あわせて、規律ある事業運営を推進するため、組織運営体制の整備、投資評価基準の明確化及びプロジェクト管理体制の強化を図り、より強固な経営基盤を構築してまいります。 ⑤技術力の強化 当社はコンテンツ・クリエイターの活動を、モーショントラッキング技術を活用した自社開発アプリケーション等により支えており、今後も継続的な技術改善を行うことが、視聴者に新しいエンターテインメント体験を届けるために重要であると考えております。 ゲームエンジンを活用した3Dコンテンツ制作技術の向上や、配信環境の継続的な高度化など、豊かな表現を可能にする独自の研究開発を進めてまいります。 ⑥コミュニティの健全性維持 当社は多数のVTuberを擁しており、それぞれのコンテンツ・クリエイターが、日常的に多数の視聴者との双方向コミュニケーションをライブ配信を通じて行っております。 継続的な創作活動や視聴者とのコミュニケーションが維持されるよう、誹謗中傷対策などのコミュニティ健全化の施策は重要であると考えております。 外部専門家と連携しての誹謗中傷対策等、コンテンツ・クリエイター保護のための施策を継続的に実施してまいります。
事業等のリスク6,203字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 また、顕在化可能性又は影響度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又は当社の事業、業績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではなく、発生時期の記載と異なる時期に当該リスクが発生する可能性を否定するものではありません。 当社は、これらのリスク発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 (1)事業環境に関するリスク ①外部の動画配信プラットフォームへの依存について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期) 当社はYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて視聴者にライブ配信コンテンツを提供しております。これらの動画配信プラットフォーム事業者の動向及び事業戦略並びに当社との関係の変化等により、当社のライブ配信コンテンツ提供の継続が困難になった場合、又は経済条件に大幅な変更があった場合には、当該プラットフォーム経由で当社のコンテンツを消費していた顧客層からの収益の減少を通じて当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社では、ライブ配信のみに依存せず、マーチャンダイジング、イベント、ライセンスアウト等の収益機会の多様化を進めているほか、コンテンツ・クリエイターの活動もYouTube以外を含む複数の動画配信プラットフォーム上で行われていることから、特定のプラットフォームへの依存リスクの軽減を図っております。 ②外的要因による消費者需要動向の変化について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社は動画配信プラットフォーム上でのVTuberによるライブ配信、関連グッズ及びコンテンツの販売等を主な収益としております。近年のインターネット上での動画メディア視聴の世界的な広がり、また、アニメ、ゲーム等のコンテンツ消費の国際的な拡大などを背景として、当社コンテンツの視聴者数や当社の売上高はこれまで拡大してまいりました。 しかしながら、関連する法規制、景気動向、個人の嗜好等の変化等により、関連市場の成長が鈍化し、それに伴い、当社コンテンツの視聴者数の減少が起きる等、当社のビジネスモデルを長期的に維持できない場合や、これらの変化に対応した新しいビジネスモデルを十分に構築できない場合には、顧客数の減少を背景とした売上高成長の鈍化等を通じて当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では事業展開を行う領域の多面化、及び地域の多様化を行うことにより、当該リスクの軽減を企図しております。 ③広告市場動向の変化について(顕在化可能性:中、影響度:小、顕在化の時期:中期) 当社のサービスの一部であるタイアップ広告の受注高は企業の広告出稿予算の変化等の影響を受けることが予想され、景気変動等の要因によって企業の広告出稿予算が増減した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社ではタイアップ広告以外にも、自社所有IPに基づく商品販売等収益源の多角化を行うことにより、当該リスクの軽減を企図しております。 ④法規制・動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期) 当社が提供するサービス及び事業活動には、「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「中小受託取引適正化法」、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」及び「不当景品類及び不当表示防止法」等の各種法令が適用されます。 当社は、これらの法令を遵守するため、社内規程・契約書式の整備、社内教育、発注・表示・個人情報管理等に関する確認体制の強化に取り組んでおります。 一方、当社の事業拡大、取引形態の多様化、法令・ガイドラインの制定又は改正等により、当社のサービス運営又は取引実務が、法令又は行政当局の判断に適合しないとされる可能性があります。その場合、行政機関による指導、勧告、命令若しくは公表、是正対応等への対応が生じ、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤海外ユーザーに向けたサービスのリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社は、視聴者層の拡大に向けて英語及びインドネシア語をメインにライブ配信を行うVTuberグループ「hololive English」、「HOLOSTARS English」及び「hololive Indonesia」を展開しております。 外国語圏の視聴者に向けたサービスの提供にあたっては、文化・ユーザーの嗜好・商習慣の違い、為替変動、法制度・税制度を含む各種規制、経済的及び政治的不安等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開言語地域において競争力を有する競合他社との競争リスク等が存在します。当社がこのようなリスクに対処できない場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では現地文化や法令規制等に精通した外部専門家との協働や展開地域の多角化により当該リスクの軽減を企図しております。 ⑥競合他社の動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 現在、VTuber事業を含む動画配信関連事業を展開する競合企業は国内外に複数存在しております。 当社は、今後とも優れたIPの開発や技術的改善等により市場における優位性を維持しつつ競争力を向上させていく方針ですが、これらの取り組みが予想通りの成果を上げられない場合や、より競争力のある競合他社の出現により、当社が提供するコンテンツの視聴者離れ等につながる場合、又は魅力的なコンテンツ・クリエイターの継続的な確保が難しくなる場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業に関するリスク ①所属VTuberの人気、活動頻度、活動継続等に係るリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社の業績は、当社所属のVTuberの人気及びコンテンツ供給頻度に一定程度依存しております。 当社は平時から、当社所属のVTuberに関するスキャンダル、炎上、誹謗中傷等に対処し、健康的な活動をサポートする技術的、組織的体制の拡充等を通じて対策を図っておりますが、VTuberの活動内容や頻度はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの動向に依存しており、不適切なコンテンツの配信、スキャンダル、炎上、誹謗中傷、その他健康上の理由等により、当社所属コンテンツ・クリエイターが視聴者からの継続的な支持を得ることができなくなった場合、活動頻度が著しく低下した場合、又は活動の継続が困難になった場合等には、関連するIP、コンテンツ又は商品等の付加価値の低下を通じて当社のレピュテーション、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 個別のコンテンツ・クリエイターを見た場合、これらのリスクは高くない頻度で顕在化する可能性がありますが、当社では健全なコンテンツ配信を推進し、スキャンダル、炎上、誹謗中傷等に対処し、コンテンツ・クリエイターの健康的な活動をサポートする技術的、組織的体制の拡充、関連する業界団体との連携、及び多様な人気VTuberによるプロダクション全体としてのコンテンツ供給の安定化等により対策を図っております。 ②動画内容に不適切な内容が入ることによるレピュテーションリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社は所属するコンテンツ・クリエイターによる公序良俗の違反や知的財産権の侵害が発生することを未然に防止するために、ガイドライン等の拡充やコンテンツ・クリエイターの指導に努めております。また、そのような事象若しくはその兆候が発生した場合には、速やかにそれを認識し対処を行うための配信動画のモニタリング等の管理体制の整備にも努めております。しかしながら、日々のコンテンツ配信の中で予期せぬ事象が発生した場合には、当社や所属コンテンツ・クリエイターのレピュテーションの低下や紛争につながる等、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③情報セキュリティについて(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期) 当社は事業活動を通して、顧客や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上の機密情報を保有しております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し社内で運用する他、従業員研修の実施等、これらの情報管理について適切な対策を講じるよう努めておりますが、万一当社の従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、当社が企業としての社会的信用を喪失し、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④知的財産権について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期) 当社は当社が運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社が使用する商標・技術・コンテンツ等についての保護を図っておりますが、模倣品の流通、海賊版の制作等により当社の知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が使用する技術、コンテンツについて、知的財産権の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤顧客、取引先又はその他第三者との係争について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社は、法令及び契約などの遵守のため、リスク・コンプライアンス管理規程を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。しかしながら、今後当社が事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があり、係る訴訟の内容及び結果によっては、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や当社の社会的信用の毀損によって、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)会社組織に関するリスク ①人材の確保・育成について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社が今後とも企業規模を拡大し、より良いサービスを提供していくためには、個性豊かなコンテンツ・クリエイター、専門性の高い技術者等の他、コーポレート部門等においても当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。 当社は、規模拡大やサービス向上に必要な人材確保のために、今後もより一層積極的な採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、想定通りの採用が進まない等優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②レピュテーションリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社の事業においては、当社及び当社が提供するサービスの認知度、ブランドイメージや社会的信用の維持及び向上に努めておりますが、当社によるプロモーション活動が奏功する保証はありません。 また、当社サービスの欠陥や個人情報及び機密情報の流出等並びに当社や当社が提供するサービスに関する風評被害の発生等により、ブランドイメージや社会的信用が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③事業体制及び内部管理体制について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期) 当社は、成長過程にある企業として、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社の事業体制及び内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した事業体制及び内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)経営成績及び財政状態などについて ①業績の季節変動について(顕在化可能性:大、影響度:中、顕在化の時期:短期) 当社の業績は消費者の長期休暇期間や大型イベントの実施時期等に関連した売上高の季節性に依存するため、特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難であります。 ②配当政策について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:未定) 当社は、将来の事業展開に備え、財務体質の強化を重要課題として位置付けております。現在は成長過程にあると考えていることから、経営基盤の安定化を図るために内部留保を充実させ、事業拡大及び事業効率化に向けた投資を行い、企業価値の向上を図ることが株主の皆様の利益に資するものと考えております。このため、現時点において配当の実施時期は未定であります。 一方で、事業環境に応じた規律ある資本政策を推進する観点から、強固な手元流動性を確保しつつ、資本効率を意識した機動的な自己株式の取得についても、有効な株主還元策の一つとして、状況に応じて検討・実施してまいります。今後は、各事業年度における経営成績、財政状態及び投資機会等を総合的に勘案しながら、配当を含めた株主への利益還元を検討してまいります。 (5)その他 ①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期) 当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与している他、今後も優秀な人材確保のため新株予約権その他のエクイティ・インセンティブプランを発行する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合等には、当社株式が新たに発行又は交付されることにより、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、係る株式が一度に大量に市場へ流出することとなった場合などには、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は1,443,000株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計67,093,100株の2.1%に相当します。
経営成績の分析 (MD&A)7,706字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より1,848百万円増加し、34,908百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加4,510百万円、繰延税金資産の増加1,596百万円、商品の減少2,172百万円及びソフトウエア勘定を中心とする無形固定資産の減少2,077百万円によるものであります。 (負債) 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より1,168百万円減少し、14,944百万円となりました。これは主に、前受金の減少1,206百万円によるものであります。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末より3,016百万円増加し、19,964百万円となりました。これは、利益剰余金が3,016百万円増加したことによるものであります。 ②経営成績の状況 当事業年度における国内外の経済環境は、米国の通商政策変更に伴う関税リスクや地政学的な緊張の高まり、持続的な物価上昇、ならびに為替相場の不安定な推移など、先行き不透明感が一段と強まる一年となりました。 こうした環境下において、当社はミッションとして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを創出し、世界中のユーザーに届けることで、日本が持つアニメやゲームといったユニークな文化に関わるクリエイターの活躍の場を広げることを目指してまいりました。 当事業年度においては、ライブ/イベントやマーチャンダイジング、ライセンス/タイアップ各分野において事業規模の拡大が継続した一方で、タレント構成やコミュニティ環境の変化を背景に、配信収益ならびに自社EC売上においては短期的な調整局面が見られました。 こうした中、持続的な成長に向けた早期の資産適正化を図るべく、2023年から2024年のSKU拡大期に生産した商品を中心とする低回転在庫の除却および評価減を実施いたしました。あわせて「ホロアース」関連資産についても、開発方針の転換に伴い減損損失を計上しております。後者は、当該プロジェクトで得られた技術的成果を既存事業へ集約し、経営資源をタレント活動支援や表現技術の深化といったコア領域へ再配分するための戦略的決定であり、これら一連の構造改革に伴い当期において一時的な費用が発生いたしました。 当社はこうした足許の事業環境を、次の成長サイクルに向けた事業構造を再整備するための重要な局面と位置づけております。商品ポートフォリオの回転・供給・販売計画の整合性精査や、開発投資の規模・進め方・スケジュールの再整理を着実に進めながら、物流インフラの整備や表現技術に係る研究開発、海外事業の一層の強化など、中長期的な成長基盤の確立に向けた先行投資を推進しました。 サービス分野別の業績は、以下のとおりです。 配信/コンテンツ分野においては、前事業年度にデビューした新ユニット「FLOW GLOW」が1周年を迎え、2025年11月のオンライン3Dライブ「MAKE IT, BREAK IT」を通じて着実に成長軌道を描きました。また「ReGLOSS」においても楽曲の再生数拡大やファンコミュニティの成熟が進み、コンテンツ面での基盤強化が継続しました。一方、前述のタレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が同分野の売上推移に影響しました。その結果、同分野の売上高は9,137百万円(前期比2.0%減)となりました。 ライブ/イベント分野においては、国内における大型会場でのソロライブやユニット・ライブが多数成功を収めるとともに、海外展開においても着実に実績を積み上げました。特に、前年に引き続き「hololive STAGE World Tour '25 -Synchronize!-」と題した第2回ワールドツアーを実施し、シドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、ソウル、クアラルンプール、台北の7都市での公演を通じて、各地域のファンとの接点を拡大しました。国内においても、「ReGLOSS」が2025年12月に有明アリーナにて初の単独ライブ「Flashpoint」を開催するなど、新世代タレントによるリアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化が進展しました。年度末には、幕張メッセにて「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes. Ridin' on Dreams」をシリーズ初となる3日間開催として実施し、過去最大規模のイベントを成功させました。その結果、同分野の売上高は9,247百万円(前期比18.7%増)となりました。 マーチャンダイジング分野においては、前事業年度より販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が引き続き人気を拡大し、売上の主要な牽引役となりました。また、物流体制の最適化や自社ECの機能拡充、海外向け配送の改善(送料固定化・配送地域の拡充)を通じたユーザー利便性の向上に加え、小売店販路の拡充により、幅広いユーザー層へのリーチを強化しました。その結果、同分野の売上高は23,747百万円(前期比15.6%増)となりました。 ライセンス/タイアップ分野においては、国内外の取引代理店との連携強化や営業体制のさらなる整備を通じて、案件数および取引企業数が引き続き拡大しました。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が深化したほか、ブランドの認知度向上を背景に大型案件の獲得も進み、法人取引における事業規模の拡大が継続しました。その結果、同分野の売上高は7,198百万円(前期比25.3%増)となりました。 以上の結果、当事業年度における売上高は49,330百万円(前期比13.7%増)、営業利益は7,056百万円(前期比11.8%減)、経常利益は7,068百万円(前期比11.2%減)、当期純利益は3,016百万円(前期比45.7%減)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ4,510百万円増加し、16,008百万円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動により獲得した資金は7,204百万円(前事業年度は5,285百万円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益3,817百万円の計上、棚卸資産の減少2,172百万円、減価償却費1,517百万円の計上、減損損失3,199百万円の計上があった一方で、減少要因として、法人税等の支払による支出2,581百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動により支出した資金は2,701百万円(前事業年度は2,696百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出2,128百万円、有形固定資産の取得による支出407百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動による資金の増減はありませんでした(前事業年度は244百万円の収入)。 ④生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.仕入実績 当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。 サービスの名称   金額(百万円)   前期比(%) マーチャンダイジング   7,245   90.1 合計   7,245   90.1 (注)当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 c.受注実績 当社は概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 d.販売実績 当事業年度における販売実績を主要サービスごとに示すと次のとおりであります。 サービスの名称   金額(百万円)   前期比(%) 配信/コンテンツ   9,137   98.0 ライブ/イベント   9,247   118.7 マーチャンダイジング   23,747   115.6 ライセンス/タイアップ   7,198   125.3 合計   49,330   113.7 (注)1.当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、上記ではサービス別の販売実績を記載しております。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先   前事業年度   当事業年度 販売高(百万円)   割合(%)   販売高(百万円)   割合(%) Google LLC   7,275   16.8   6,436   13.0 株式会社ブシロード   2,446   5.6   5,275   10.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (売上高) 当事業年度の配信/コンテンツ分野におきましては、前事業年度にデビューした新ユニット「FLOW GLOW」が1周年を迎え、2025年11月のオンライン3Dライブ「MAKE IT, BREAK IT」を通じて着実に成長軌道を描きました。また「ReGLOSS」においても楽曲の再生数拡大やファンコミュニティの成熟が進み、コンテンツ面での基盤強化が継続しました。一方、タレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が同分野の売上推移に影響しました。 ライブ/イベント分野におきましては、国内における大型会場でのソロライブやユニット・ライブが多数成功を収めるとともに、海外展開においても着実に実績を積み上げました。特に、前年に引き続き「hololive STAGE World Tour '25 -Synchronize!-」と題した第2回ワールドツアーを実施し、シドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、ソウル、クアラルンプール、台北の7都市での公演を通じて、各地域のファンとの接点を拡大しました。国内においても、「ReGLOSS」が2025年12月に有明アリーナにて初の単独ライブ「Flashpoint」を開催するなど、新世代タレントによるリアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化が進展しました。年度末には、幕張メッセにて「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes. Ridin' on Dreams」をシリーズ初となる3日間開催として実施し、過去最大規模のイベントを成功させました。 マーチャンダイジング分野におきましては、前事業年度より販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が引き続き人気を拡大し、売上の主要な牽引役となりました。また、物流体制の最適化や自社ECの機能拡充、海外向け配送の改善(送料固定化・配送地域の拡充)を通じたユーザー利便性の向上に加え、小売店販路の拡充により、幅広いユーザー層へのリーチを強化しました。 ライセンス/タイアップ分野におきましては、国内外の取引代理店との連携強化や営業体制のさらなる整備を通じて、案件数および取引企業数が引き続き拡大しました。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が深化したほか、ブランドの認知度向上を背景に大型案件の獲得も進み、法人取引における事業規模の拡大が継続しました。 これらの結果、当事業年度の売上高は、49,330百万円(前期比13.7%増)となりました。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は、25,823百万円(前期比19.6%増)となりました。 主な要因は、マーチャンダイジング分野における販売拡大に伴う商品原価の増加、売上高の増加に伴う演者報酬の増加及びライブやイベントの開催に伴う費用の増加によるものであります。 この結果、売上総利益は23,507百万円(前期比7.8%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、16,450百万円(前期比19.2%増)となりました。 主な要因は、グッズ販売に関する諸経費の増加及び、事業規模拡大に伴う人件費や外注費の増加によるものであります。 この結果、営業利益は、7,056百万円(前期比11.8%減)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常利益) 当事業年度の営業外収益は、69百万円(前期比8.1%減)となりました。これは主に、受取和解金28百万円及び受取利息26百万円を計上したことによるものであります。 当事業年度の営業外費用は、57百万円(前期比49.6%減)となりました。これは主に、支払和解金45百万円及び為替差損9百万円を計上したことによるものであります。 この結果、経常利益は、7,068百万円(前期比11.2%減)となりました。 (特別損益、当期純利益) 当事業年度の特別利益は50百万円となりました。これは主に、諸外国間接税引当金戻入益50百万円を計上したことによるものであります。 当事業年度の特別損失は3,301百万円となりました。これは主に、減損損失3,199百万円、固定資産除却損102百万円を計上したことによるものであります。 法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)800百万円を計上した結果、当期純利益は3,016百万円(前期比45.7%減)となりました。 なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の運転資金需要のうち主要なものは、所属VTuberへの報酬やグッズ制作原価等の売上原価の他、人件費や地代家賃、グッズ販売に伴う倉庫費用や決済手数料等の販売費及び一般管理費といった営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、配信用スタジオの設備更新や新規事業・新規サービスの開発費用等であります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資資金共に自己資金での運用を基本としておりますが、資金繰りが悪化する傾向が見受けられる場合には、金融機関による借入やエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較したうえで実施することを想定しております。 なお、第10期事業年度末(2026年3月31日)における現金及び現金同等物の残高は16,008百万円となっております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営成績に影響を与えるおそれがあるリスクが存在していることを認識しております。 これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高、営業利益、補足的な経営指標としてサービス別売上高を経営上重要な指標として位置付けております。 当社ではYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて、所属VTuberによる高頻度なライブ配信、3Dモーション・キャプチャー・スタジオを用いたバーチャルライブ・コンサート、IPアセットを用いたアニメーション・コンテンツ等の供給を行うことに加え、二次創作ガイドラインを定めたうえでファンによる二次創作活動を幅広く奨励しております。 この結果、当社のVTuberは幅広いファンからの支持を得ていると認識しており、魅力的な演者や国内外の主要なクリエイターとの継続的な共創を可能としております。 サービス別売上の推移 (単位:百万円) サービスの名称   前事業年度   当事業年度 配信/コンテンツ   9,323   9,137 ライブ/イベント   7,793   9,247 マーチャンダイジング    20,539   23,747 ライセンス/タイアップ   5,744   7,198 合計    43,401   49,330

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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