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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ブルーイノベーション

Blue innovation Co., Ltd.5597 · Growth · 情報・通信業

自律移動ロボットを遠隔制御・統合管理するソフトウェア基盤BEPを軸に、点検・物流の省人化ソリューションを提供。

概要

ブルーイノベーション株式会社は、自律移動ロボット(ドローンやAGV)を遠隔制御・統合管理するソフトウェアプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を基軸に、社会インフラの点検や防災向けソリューションを提供する企業である。1999年に有限会社アイコムネットとして創業し、2008年からドローン空撮サービスを開始。2013年に現社名に変更。2023年12月に東京証券取引所グロース市場に上場した。2025年12月期の売上高は約11億円、従業員数68名。

BEPを軸とした4つのソリューション

当社は、ドローン関連事業の単一セグメントで構成され、点検・ポート・教育・ネクストの4つのソリューションを提供する。点検ソリューションはプラント点検「BEPインスペクション」、送電線点検「BEPライン」、自動巡回点検「BEPサーベイランス」から成り、売上構成比の55%(2025年度)を占める。ポートソリューションはドローンポート「BEPポート」やJアラート連動の防災システムで24%、教育は操縦者育成や飛行支援地図「SORAPASS」で19%、ネクストは新規ソリューションの開発で2%を占める。これらのソリューションはすべてBEPプラットフォーム上で統合され、顧客ごとにパッケージ化して提供される。

点検分野を中心とするインフラ老朽化対策市場

当社の事業領域は、国内IoT市場(2023年度6.4兆円)とドローン市場(2025年度5,490億円)の成長に支えられている。特に点検分野は2028年度に2,088億円まで拡大が見込まれる。高度成長期に建設されたインフラの老朽化に伴い、危険な狭小空間での点検需要が増加しており、当社はドローンによる代替で安全化・効率化・低コスト化を実現する。主要顧客は東京電力や九州電力などの一般電気事業者、石油化学プラント、製鉄所、自治体である。案件数は増加しているが、個別対応のフルカスタム型から標準パッケージへの転換を進めている。

赤字が続く財務体質と構造転換の途上

2025年12月期の売上高は約11億円(前期比14%減)、営業損失5.5億円、当期純損失6.4億円と赤字が拡大している。2019年から2025年まで毎年営業損失及び純損失を計上しており、2023年上場後も黒字化に至っていない。資産合計14億円に対し負債合計12億円、自己資本比率は14.4%と低下している。赤字の要因は、案件ごとの個別対応による供給制約と売上計上の期ズレ、減損損失の計上である。当社はこの構造的課題を認識し、標準化・パッケージ化によるストック型ビジネスモデルへの転換を経営戦略の柱に掲げている。

スイスFlyability社との独占販売契約とパートナー戦略

当社はスイスのドローンメーカーFlyability SAと国内独占販売契約を結び、球体ドローン「ELIOS」シリーズ(ELIOS 2、ELIOS 3)を日本で独占販売している。ELIOSは衝突に強く狭小空間での飛行に適しており、プラント点検ソリューション「BEPインスペクション」の中核機体として使用される。また、東京電力グループとは2017年から共同で送電線点検用自動飛行システムを開発し、2021年に「BEPライン」として製品化。さらに、トッパン・フォームズ(現TOPPANエッジ)とAGV自動巡回点検ソリューションを共同開発するなど、外部パートナーとの協業を積極的に進めている。

業界の中での役割はインフラ点検・物流の現場向けに、ドローン・AGVを活用したソリューションと運用サービスを提供するプラットフォーマー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
11億円
営業利益
-5億円
営業利益率
-45.5%
純利益
-6億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01インフラ点検(電力・プラント・鉄道等)主力

老朽化するインフラ設備の点検需要に対し、ドローンやAGVを活用した点検ソリューションを提供。屋内プラントや送電線、発電所・鉄道車両など、危険な環境や狭隘部の点検を自動化し、安全性・効率性・コスト削減を実現する。

主要顧客東京電力、九州電力、JERA、出光興産、ENEOSシステムズ、東京電力ホールディングス、東京電力パワーグリッド、東日本旅客鉄道

主な製品・サービス3
BEPインスペクション
プラント施設(石油化学プラント、製鉄所、発電所など)の屋内点検向けソリューション。Flyability社製ドローンELIOSを使用し、非GPS環境でも飛行可能。
BEPライン
送電線点検用の自動飛行システム。対象物検知センサを搭載し、一定距離を保って自動飛行・撮影する。東京電力との共同開発。
BEPサーベイランス
AGV(自動搬送車)による発電所や鉄道車両などの自動巡回点検システム。複数台のAGVを遠隔制御し、カメラやセンサでデータを収集・解析する。

02行政・防災(国・地方自治体)準主力

国土交通省や地方自治体向けに、ドローンポートシステムの開発・実証や、災害時の避難広報システムを提供。物流用ドローンポートの国際標準化(ISO5491)を主導し、インフラ整備に貢献する。

ドローンポートの国際標準化(ISO5491発行)に成功し、世界に先駆けて事業を推進

主要顧客国土交通省、仙台市、千葉県一宮町

主な製品・サービス2
BEPポート
ドローンの離着陸施設(ドローンポート)。国土交通省と共同開発し、固定式と可搬式を提供。物流や防災用途に活用される。
津波避難広報ドローンシステム
Jアラートと連動し、津波注意報発令時にドローンポートからスピーカー搭載ドローンを自動発進させ、上空から避難指示を音声で伝達するシステム。仙台市や千葉県一宮町で運用開始。

03ドローン教育・人材育成準主力

業界団体JUIDAと連携し、ドローン操縦士や安全運航管理者の育成を支援。基礎教育から応用教育まで提供し、国家ライセンス講習も実施。パイロット管理システムや飛行日誌作成サービスも展開する。

主要顧客一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、林野庁、日本森林技術協会

主な製品・サービス3
BEPベーシック
ドローン操縦の基礎教育プログラム。JUIDAと連携し、民間カリキュラムと国家ライセンス講習を提供。スクール管理業務も受託。
BLUE SKY
ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス。改正航空法に対応し、フライトログの自動アップロードや飛行日誌の自動生成が可能。
SORAPASS
ドローン専用飛行支援地図サービス。飛行禁止区域や気象情報を提供し、飛行申請や保険手続きをサポートする。約7万人の会員に無料提供。

04新規ソリューション(ネクスト)副次

次なる事業の柱となる新規ソリューションを創造するための実証サービスを提供。将来の事業化に向けて、ドローンやAGVを活用した新たな分野への展開を目指す。

製品と技術

ソフトウェアプラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」

BEPは当社の中核技術であり、センサモジュールとソフトウェア(アプリ、クラウド)で構成される統合管理システムである。ドローンやAGVなどの自律移動ロボットを遠隔制御し、運行管理、データ収集・解析、デバイス連携を一元的に行う。BEP上で「動かす」「集める」「管理する」機能を提供し、各ソリューション(BEPインスペクション、BEPラインなど)はBEPのサブシステムとして開発される。顧客の課題に応じて機体、センサ、ソフトウェアを適宜組み合わせ、パッケージとして提供。将来的にはBEPに接続するロボットの種類を拡大し、自律分散型社会インフラを目指す。

狭小空間向け球体ドローン「ELIOS」シリーズ

ELIOSはスイスFlyability社が開発した、プロペラを球体ガードで覆ったドローンで、衝突しても安全に飛行できる。当社は国内独占販売契約に基づき、ELIOS 2(2019年)とELIOS 3(2022年)を提供している。主にプラント内のボイラーやタンク、配管など狭小・危険空間の目視点検に使用され、足場やクレーンが不要となる。専用ソフトウェアで3Dモデリングやレポート作成が可能。当社は機体販売に加え、リース契約や運用サービス、保守メンテナンスを月額課金で提供し、継続収益を得る。2023年からはBEP軸の「BLUE SKY」サービスにより飛行日誌管理も行う。

送電線点検自動飛行システム「BEPライン」

BEPラインは東京電力グループとの共同開発による、送電線点検用のドローン自動飛行システムである。独自の対象物検知センサモジュールを搭載し、送電線を自動認識しながら一定距離を保って飛行・撮影する。従来、ヘリコプターや人力で行われていた点検を自動化し、感電リスクを低減。2021年に開発され、2022年11月から販売と月額課金サービスを開始。東京電力管内の複数支社に導入され、実用化に成功している。構成はセンサモジュールと飛行計画・ログ記録ソフトウェアからなり、特許出願中。

AGV自動巡回点検ソリューション「BEPサーベイランス」

BEPサーベイランスは、複数台のAGV(自動搬送車)を遠隔制御・一元管理し、発電所や製油所などの屋内設備を自動巡回点検するシステムである。カメラ、マイク、各種センサを搭載し、AI解析や5G通信でリアルタイム監視を実現。従来の人的巡回を代替し、点検員の高齢化や人員不足、評価ばらつきといった課題を解決する。2022年4月にトライアル提供開始、2024年2月に正式サービス化。トッパン・フォームズ(現TOPPANエッジ)との共同開発に基づき、AGVの統合管理を実現。販売は直接販売がメイン。

防災・監視向けドローンポート「BEPポート」

BEPポートは、ドローンが自動離発着するためのドローンポート製品群である。2022年11月に仙台市で「津波避難広報ドローンシステム」として本格運用開始。Jアラートと連動し、津波注意報以上で自動的にドローンが発進し、上空からスピーカーで避難指示を伝達する。2024年6月には広域巡回を自動化する「BEPポート|ドローン自動巡回システム」のトライアルを開始。2025年5月には自治体向け「BEPポート|防災システム」を本格提供。防災分野での社会実装が進む一方、短期的収益化よりも運用安定性を優先している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 行政・防災(国・地方自治体)ドローンポートの国際標準化(ISO5491発行)に成功し、世界に先駆けて事業を推進

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

ドローン関連、赤字継続で成長課題

当社は情報・通信業に分類され、ドローンソリューション事業を展開。売上高は約12億円(2024年12月期)と小規模で、営業赤字が続いている(2024年▲33%、2025年▲45%)。同業にはソラコム(IoT)、VRain Solution(VR)、ハッチ・ワーク(IT)などがいるが、当社はドローンに特化し差別化を図る。ただし、収益化が遅れており、投資フェーズの長期化が懸念。売上も減少傾向(13→12→11億円)で、競合ひしめく中での事業拡大が急務。

強み

  • ドローン関連に特化し、他社との差別化を図れる独自技術やノウハウを持つ。
  • ドローン市場は今後拡大が見込まれ、先行者としての優位性を活かせる。
  • 産業用ドローンなど新分野で需要が発生しており、受注獲得のチャンスがある。
  • 企業規模が小さいため、意思決定や方向転換が迅速に行える。

課題

  • 営業利益率が大幅な赤字で、資金調達や事業継続にリスクがある。
  • 直近3期で売上が減少しており、成長軌道に乗っていない。
  • ソラコムなど同業もドローン関連に注力しており、シェア獲得競争が厳しい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

情報・通信業の時価総額近傍。太字がブルーイノベーション

時価総額で並べると、掲載11社のなかで3番目にあたる。

#企業時価総額PER
15599S&J56億円13.7倍
23653モルフォ56億円
35597ブルーイノベーション55億円
43826システムインテグレータ55億円11.9倍
53841ジーダット55億円31.3倍
64196ネオマーケティング55億円
74486ユナイトアンドグロウ55億円11.0倍
83758アエリア54億円19.0倍
93839ODKソリューションズ53億円37.9倍
104386SIGグループ53億円10.6倍
113965キャピタル・アセット・プランニング52億円9.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 32件

有限会社アイコムネットとして創業、防災・空撮事業を開始

1999年6月、有限会社アイコムネットとして東京都で設立された。当初は防災環境事業(海岸コンサルティングサービス)を手がけ、2001年8月から本格化。2008年4月には「航空写真・映像事業部」を立ち上げ、ドローンの空撮サービスを開始した。この時期はまだドローン技術が黎明期であり、空撮を中心に顧客を開拓していた。2012年までに本社を江東区青海から千代田区神田錦町へ移転し、徐々に体制を整えていった。

株式会社への改組と社名変更、ドローン事業への本格転換

2013年4月、有限会社から株式会社に改組し、社名をブルーイノベーション株式会社に変更した。同年7月には一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の設立に参画し、ドローン産業の標準化に関与。2016年5月にはドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS」をリリースし、同年9月には東京都板橋区に「Drone Lab ITABASHI」を開設。この時期、ドローン事業へのリソース集中が明確になり、防災事業からドローン中心の事業構造へと転換していった。

BEPプラットフォームの発表と電力会社との協業

2017年3月、東京電力ホールディングス及びテプコシステムズと共同で電力設備自動点検ドローンシステムを発表。同年12月本社を文京区本郷に移転。2018年1月にはドローン統合管理システム「Blue Earth Platform(BEP)」を発表し、プラットフォーム戦略を明確化。同年3月にはFlyability SAと業務提携、球体ドローンELIOSの国内展開を開始。2019年9月にはELIOS 2の独占販売契約を締結し、プラント点検ソリューションを強化した。これらの取り組みにより、BEPを軸としたソリューション体系が形成された。

点検・防災ソリューションの拡充と上場

2020年から2022年にかけて、プラント点検向けドローンのリース契約開始、送電線点検自動飛行システム開発、BEPパッケージの提供開始、AGV自動巡回点検ソリューション「BEPサーベイランス」のトライアル提供など、点検ソリューションのラインアップを拡充。2022年6月にはELIOS 3の提供を開始。2022年11月には仙台市で津波避難広報ドローンシステムの本格運用を開始し、防災分野にも参入。2023年2月には飛行日誌管理サービス「BLUE SKY」、同年6月には物流用ドローンポートの国際標準化(ISO5491)に貢献。そして2023年12月、東京証券取引所グロース市場に株式上場を果たした。

ポスト上場期の構造改革と防災システムの本格提供

上場後、2024年2月に「BEPサーベイランス」正式サービス開始、6月に「BEPポート」トライアル開始、10月に板橋区に「クラウドモビリティ研究所」開設。2025年5月には自治体向け「BEPポート|防災システム」の本格提供を開始した。しかし、売上高は2023年12月期の13億円をピークに減少傾向にあり、2025年12月期は11億円に落ち込んだ。赤字幅も拡大し、当社は標準化・パッケージ化によるストック型ビジネスモデルへの転換を急いでいる。

年表32件を開く

1990年代

  • 1999年6月創業有限会社アイコムネットとして会社を設立

2000年代

  • 2001年8月防災環境事業(海岸コンサルティングサービス)を開始
  • 2008年4月「航空写真・映像事業部」(ドローンの空撮サービス)を開始

2010年代

  • 2010年3月本社所在地を東京都江東区青海へ移転
  • 2012年1月本社所在地を東京都千代田区神田錦町へ移転
  • 2013年4月商号変更株式会社に改組し、社名をブルーイノベーション株式会社に変更
  • 2014年7月創業一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA ※)の設立に参画
  • 2016年5月ドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS」サービスを開始
  • 2016年9月東京都板橋区に「Drone Lab ITABASHI」を開設
  • 2017年3月東京電力ホールディングス株式会社、株式会社テプコシステムズと共同で電力設備を自動点検する「ドローン飛行支援システム」を発表
  • 2017年12月本社所在地を東京都文京区本郷に移転
  • 2018年1月M&Aドローン統合管理システム「BEP(Blue Earth Platform)」を発表
  • 2018年3月Flyability SA(スイス)と業務提携し、狭小空間での飛行に最適な、球体ガードで覆われたドローン「ELIOS」による屋内点検分野での新たなソリューション・サービスをスタート
  • 2019年9月Flyability SAが製造する全ての製品に関する日本での販売に係るReseller契約(以下、国内独占販売契約)に基づき、球体ドローン ELIOS 2の提供を開始

2020年代

  • 2020年9月JUIDAが新設する「プラント点検上級操縦技能証明証」に参画
  • 2021年2月工場・プラント施設点検向けドローンのリース契約を開始
  • 2021年5月送電線に沿ってドローンが自動飛行・撮影する「送電線点検用ドローン自動飛行システム」を開発
  • 2021年6月用途に必要なBEPの機能、デバイスを選り出した「BEPパッケージ」を開発、提供開始
  • 2022年1月トッパン・フォームズ株式会社(現、TOPPANエッジ株式会社)と共に、AGV自動巡回点検ソリューションの提供を開始
  • 2022年2月ISMS認証(ISO27001)を取得
  • 2022年3月ロボットオフィス清掃ソリューション「BEPクリーン」のトライアルサービスを提供開始
  • 2022年4月AGV自動巡回点検ソリューション「BEPサーベイランス」のトライアルサービスを提供開始
  • 2022年6月Flyability SAとの国内独占販売契約に基づき、球体ドローン ELIOS 3の提供を開始
  • 2022年11月送電線ドローン点検ソリューション「BEPライン」の販売とソフトウェアの月額課金サービス及び委託点検サービス提供を開始
  • 2022年11月全自動ドローン運航・管理システムによる「津波避難広報ドローンシステム」の本格運用を宮城県仙台市で開始
  • 2023年2月ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス「BLUE SKY」の提供を開始
  • 2023年6月物流用ドローンポートの設備要件を国際標準規格化「ISO5491」
  • 2023年12月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2024年2月AGV自動巡回点検ソリューション「BEPサーベイランス」の正式サービス提供を開始
  • 2024年6月広域巡回を自動化する「BEPポート|ドローン自動巡回システム」のトライアルサービス提供開始
  • 2024年10月MFLP・LOGIFRONT東京板橋内に新たなR&D拠点「クラウドモビリティ研究所」を開設
  • 2025年5月自治体向けに、Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動し、災害発生時の避難広報及び現場の状況把握を自動化する「BEPポート|防災システム」の本格提供を開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    受注モデルの標準化とストック型へ転換

    個別対応のフロー型から脱却し、点検・防災分野でハード・ソフト・運用をセットにした標準パッケージを構築。導入の簡素化と原価低減を図り、継続契約やリピート利用によるストック型収益の比率を高める。

  2. 02

    重点領域の深耕とパートナー連携強化

    プラント(下水道、火力発電など)と防災分野にリソース集中。既存約150社へのアップセル・サブスク提供でLTVを深耕し、新規開拓は販売網を持つアライアンス先と連携して標準パッケージを横展開する。

  3. 03

    ソフトウェア・自動化による高付加価値化

    BEPパッケージを4段階(Standalone→Connected→Integrated→Network-based)で開発。人的サービスから自動化サービスへシフトし、利益率の高いソフトウェア売上を拡大して売上総利益率を向上させる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で68人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は713万円で、2期前と比べて+6.6%平均年齢は41.4歳、平均勤続年数は4.6年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2023年12月66941.74.169
2024年12月69742.54.471−563
2025年12月71341.44.668−735

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    令和7年度災害情報伝達手段としてのドローン活用に向けた検討会運営及び実証実験業務
    消防庁 · 2025-07-15
    1,400万円
  • 補助金
    先進的造林技術推進事業
    農林水産省 · 2020-07-14
    3,000万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は11億円営業利益-5億円前期と比べると減収で、売上が-8.3%。

売上高
-8.3%
11億円
営業利益
-5億円
純利益
-6億円
営業利益率
-45.5%
前期比 -12.1%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高16億円11億円
営業利益-4億円-5億円
純利益-4億円-6億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

6期分

直近は2026年2Qで、売上は8億円、営業利益は−2億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+60.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年1Q3−1−33.3−1
2024年2Q2−2−100.0−2
2024年4Q7−1−14.3−1
2025年2Q5−3−60.0−3
2025年4Q6−2−33.3−3
2026年2Q8−2−25.0−2

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 7期分

2019年12月期からの7期で、売上は6億円から11億円へ1.8倍に増えた。直近期の営業利益率は-45.5%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2019年12月6−3−3
2020年12月5−3−3
2021年12月7−4−4
2022年12月9−3−3
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2023年12月13−3−3
MFLP・LOGIFRONT東京板橋内に新たなR&D拠点「クラウドモビリティ研究所」を開設
2024年12月12−4−4−33.3−4
2025年12月11−5−6−45.5−6

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高11億円のうち、営業利益として残るのは-5億円-45.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-6億円、売上の-54.5%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金63.6%7億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金90.9%10億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-45.5%-5億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
36.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比53.8pt
-45.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比61.2pt
-54.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-42.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-87.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2025年12月期は営業CFが−3億円、投資CFが0億円で、差し引きのフリーCFは−3億円この組み合わせは立て直し型にあたる。本業の赤字を資産売却と資金調達で補っている。事業転換の途上期末の手元現金は10億円で、売上の10.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2021年12月−3−14−47
2022年12月−402−45
2023年12月−3010−312
2024年12月−500−57
2025年12月−307−310

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 7期分

2025年12月期の総資産は14億円。このうち返さなくてよい自己資本が2億円で、自己資本比率は14.4%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年12月64275.0
2020年12月109187.6
2021年12月105546.2
2022年12月94539.1
2023年12月1810857.6
2024年12月136747.2
2025年12月1421214.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳単体ベース
現金及び預金
10億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-13億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1億円
在庫として抱えている分
負債合計
12億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
10
/ 100
安定性自己資本比率10 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中545位あたり、逆に低いのは営業利益率605社中595位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-45.5%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
14.4%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-8.3%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,355で、1年前と比べて-50.4%過去52週の値幅のなかでは12%の位置にある。

¥1,355-2.2%1ヶ月+4.2%1年-50.4%時価総額55億円
過去52週の値幅
安値¥1,117高値¥3,045

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR39.01倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1カ月で約3.9%上昇したが、1年前からは46.6%下落しており、長期では弱含みが続く。現在の株価1,367円は25日移動平均線(1,286.64円)を約6.2%上回り、短期の上昇基調にある。しかし75日線(1,543.28円)や200日線(1,575.6円)を大きく下回っており、中期・長期のトレンドは下降中。52週高値3,045円からは約55%低い水準で、戻り待ちの売り圧力が警戒される。RSIは72.68と過熱気味で、短期的な反落のリスクがある。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

ドローン市場の成長期待と自社のポジショニングが焦点。強気派は市場拡大とサービス多様化による将来の黒字化を期待するが、弱気派は現状の赤字拡大と競争激化を憂慮する。

プラスに働く材料3
  • ドローン市場の成長

    物流・点検など産業用途の需要拡大が見込まれる。

  • ソリューション強化

    サービス提供で高付加価値化し顧客単価向上の余地。

  • 将来の黒字転換

    売上拡大とコスト削減で収益改善の可能性。

マイナスに働く材料3
  • 赤字の継続・拡大

    24/12期は営業赤字率33%と悪化、黒字化メド立たず。

  • 競争の激化

    多数のドローン関連企業と差別化が困難。

  • 資金調達リスク

    赤字継続で株価低迷、追加調達の可能性。

次の決算で確かめる点
売上高成長率
市場成長を享受できているか確認。
営業損益
赤字縮小または黒字化の兆候を見る。
受注残高
将来の売上安定性を示す指標。

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ4,757人。区分でいちばん多いのは個人・その他84.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が8.0%を占め、残る92.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2023年12月%2024年12月%2025年12月%
個人・その他78.976.684.5
事業法人11.18.87.9
外国法人0.83.04.1
証券会社5.09.23.2
外国人個人0.00.30.2
金融機関4.22.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01熊田 貴之37.02
02福田 重男4.47
03熊田 雅之2.82
04いであ株式会社2.01
05MSCO CUSTOMER SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1.60
06FUSOグループホールディングス株式会社1.24
07大成温調株式会社1.24
08DRONE FUND3号投資事業有限責任組合1.13
09横田 賢司1.06
10大成株式会社0.99

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 7期分

1株利益は7期で−71%、1株純資産は7期で−67%。期末時点の株価にもとづく指標の推移。

決算期EPSBPS
2019年12月−94153
2020年12月−95276
2021年12月−124151
2022年12月−106112
2023年12月−90261
2024年12月−100161
2025年12月−16150

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2025/12期の役員報酬は総額72百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
熊田貴之代表取締役社長 最高執行役員501,490,400
熊田雅之取締役 副社長執行役員(ソリューション本部管掌 兼 システム開発本部管掌)47113,400
古川聖社外取締役(常勤監査等委員)68
野島威社外取締役(監査等委員)79
中川雅博社外取締役(監査等委員)76
小坂大祐執行役員 システム開発本部長

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4565614
社外取締役316165

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容12,568字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、複数の自律移動ロボット(ドローン(※1)やAGV(Automated Guided Vehicle)(※2)などを指す)を遠隔で制御し、統合管理するためのソフトウェアプラットフォーム(※3)であるBlue Earth Platform(以下、BEP)を基軸に、人が実施していた設備の点検、物流等の業務を、ドローンやAGVで代替して実施することにより効率化や安全化、省力化を図ることを目的としたソリューションの提供を行っております。 BEPとは、センサモジュールとソフトウェア(アプリ、クラウド)で構成された当社開発の統合的なシステム上のプラットフォームのサービス総称です。顧客の課題に対応して、ドローンの機体とセンサ、並びにソフトウェア開発の適切な組み合わせを、BEPの環境下で開発した上でソリューションとして提供していることから、各ソリューション名に「BEP」の名称を冠しております。「BEP」の環境下で、顧客の要望に合わせて、ドローン等の自律移動ロボットの移動・遠隔制御・デバイスとの連携等の「動かす」こと、ドローン等の取得した情報の保存・連携・監視等の「集める」こと、ドローン等の運行管理・挙動の解析等の「管理する」ことを実現しております。 特に足元では、社会課題として、インフラ老朽化による点検需要の増加が著しく、弊社としても点検ソリューションが主要事業となっております。点検業界においては、人件費高騰に伴う点検コストの増加、一方で危険作業におけるノウハウの属人化や労働力不足が発生しているものと当社は認識しており、それに対して、当社はドローン導入のソリューションを提供することで、業務の安全化、効率化、低コスト化の実現という価値を提供しております。また、併せてドローンパイロットの育成に関する教育ソリューション事業も行っており、ソリューションの提供に加えて点検等に必要なパイロットの提供にも関わっております。その他、ドローン、AGVを利用したソリューションの提供も行っており、将来的には、BEPにドローン、AGVの全てが接続されて、自律した運用を実現することで、スマートで新しいまちづくりの実現を目指して事業を展開しております。 当社の事業は、ドローン関連事業の単一セグメントであるため、以下に当社の主要なサービスの内容を記載いたします。 1.事業ドメインの全体像 当社の事業は、主にドローンを基軸として、点検、ポート、教育及びネクスト(新規ソリューション創造)の4つのソリューションを提供しております。2025年度における各ソリューションの売上比率は、点検が55%、ポートが24%、教育が19%、ネクストが2%です。 (1) 点検ソリューション 点検ソリューションでは、ドローンを活用しプラント施設の点検を提供する「BEPインスペクション」、ドローンを活用し送電線点検を提供する「BEPライン」、AGVを活用してプラントや製造工場等の自動巡回点検を提供する「BEPサーベイランス」があり、また、それぞれのBEPのソリューションパッケージのソフトウェアサービスでは、撮影した映像や移動ログ、解析データを提供するサービスも含まれます。 (2) ポートソリューション ポートソリューションでは、ドローンが離発着するドローンポートを製品化した「BEPポート」の実証サービス、Jアラートと連動して、津波注意報以上が発令された際に、ドローンポートからスピーカーやカメラを搭載したドローンが自動的に発進し、上空から自動音声で避難指示を伝達する「津波避難広報ドローンシステム」を提供します。 (3) 教育ソリューション 教育ソリューションでは、ドローン操縦の基礎教育を提供する「BEPベーシック」、ドローンを活用した様々なソリューションの教育を提供する応用教育、ドローンパイロットに必要な情報を提供するドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS」等を提供します。 (4) ネクストソリューション ネクストソリューションでは、次なる事業の柱になる新規ソリューションの創造を行っており、様々な実証サービスを提供しています。 当社は、上記各ソリューションについて、BEPを軸としたパッケージを作り顧客にソリューション提供しており、具体的に各ソリューションのBEPパッケージの導入コンサルティング、実証実験から、導入講習、トライアル導入、本格導入、保守メンテナンスを、販売又は継続収益形態(ドローン機体のリース契約又は点検サービスの月額課金形態)によるサービス提供を行っております。 以下に、ソリューション提供における当社の顧客獲得から導入の一般的な流れを示します。 各業務の項目・概要は次のとおりとなっております。なお、下表については、点検ソリューション、ポートソリューション及びネクストソリューションに該当するものであり、教育ソリューションについては該当しておりません。 サービス項目   期間   サービス内容 ・導入コンサルティング   6か月~1年   法人向けにBEPパッケージ導入のコンサルティングを行い、コンサルティングに関する業務委託料を売上として計上しております。委託料は、月額固定金額での契約と一括契約があります。 ・実証実験(PoC)   1日~6か月   法人向けにBEPパッケージ導入の実証実験を行い、実証実験に関する業務委託料を売上として計上しております。 ・ソリューション開発   6か月~3年   導入コンサルティングや実証実験により活用方針を明確にし、必要に応じて要件定義を実施後、BEPパッケージに新規デバイス(IoTカメラやLiDARなどのセンサ類)の接続やソフトウェアのカスタマイズ開発(顧客専用画面や顧客システムとの連結等の開発)を行い、業務委託料を売上として計上しております。 ・トライアル導入、導入講習   1か月~3か月   本格導入前の試用期間として、一定期間BEPパッケージを提供します。また、法人向けの社員教育プログラムを提供し、特にドローン活用したBEPパッケージの場合は、技術や法律などパイロットの品質を維持向上する内容を提供します。 コンサルティング料もしくは業務委託料を売上として計上しております。 ・本格導入   1年契約 (自動更新)   ドローン等の機体、センサモジュール、ソフトウェア(運航計画と移動ログ記録、映像記録等)の販売又は継続収益形態(ドローン機体のリース契約又はソフトウェアの月額課金形態)によるサービスを提供しております。また、付帯して保険や代替機提供、保守メンテナンスサービス等も提供する場合もあります。 販売の場合は、一括して販売個数に応じて売上を計上しております。継続収益形態の場合には、業務委託料、リース料等を売上として毎月計上しております。 ・受託運用(ドローンを活用したBEPパッケージのみ)   1日ごと   単日等の期間を定めたスポット対応で、ドローンを保有していない法人にドローン運用サービスを提供し、保有している法人にはパイロット派遣サービスを提供します。 ドローン運用サービスの業務委託料を売上として計上しております。 教育ソリューションについては、主に基礎教育事業と応用教育事業があり、JUIDAと連携した基礎教育事業においては、JUIDAから業務委託を受けたドローン教育関連の業務委託料(ストック型)を売上として計上しており、応用教育事業においては、ドローンに関する講習の業務委託料(フロー型)を売上として計上しております。 2.サービス内容 各ソリューションによる詳細なサービス内容は以下のとおりです。 (1)点検ソリューション 点検ソリューションは、プラント点検「BEPインスペクション」、送電線点検「BEPライン」及び自動巡回点検「BEPサーベイランス」を提供しております。「BEPインスペクション」は、全国の石油化学プラント、製鉄所、水力・火力発電所、ゴミ処理場等の屋内施設を中心に、点検運用サービスの提供とドローン・ソフトウェアを販売しております。「BEPライン」は、東京電力などと開発した送電線検知可能なセンサモジュールとソフトウェアを電力会社向けに販売、提供しております。「BEPサーベイランス」は、火力・水力発電所、鉄道車両等の屋内施設に対し、実証実験とAGV・ソフトウェアのトライアルセットを販売しております。点検ソリューションは、東京電力や九州電力をはじめとした一般電気事業者などに対し実証実験を実施しており、そのうち数社についてはトライアル導入、本格導入へと順次展開していっております。 各ソリューションサービスにおけるドローン・AGV等の活用ニーズは以下のとおりとなります。 ソリューションサービス   クライアント   顧客課題   ドローン・AGVによる解決方法 プラント点検 「BEPインスペクション」   電力会社(火力・水力発電所) 石油化学会社 製鉄会社 環境プラント   1)作業員が危険な狭小空間に入る必要があり、危険な点検作業が伴う 2)足場を組む、クレーンを使う等の日単位の膨大な点検作業が必要 3)点検に膨大なコストがかかる   プラント点検のリモート化: 従来は足場を組み、長期間にわたり多額のコストをかけて行ってきた目視点検が、ドローンによる目視点検により、期間短縮及びコスト削減が可能。 1)安全性の向上:死亡事故ゼロ 2)作業効率の向上:足場を組まずに、点検作業可能になり時間短縮 3)コスト削減:点検時の足場やクレーンを設置しないためコスト削減 送電線点検 「BEPライン」   電力会社 (送配電部門)   主な一般電気事業者の送電線は、全国で約10万kmあり、定期点検(1~5年に1回)と緊急時(落雷等)点検が必要不可欠。 1)感電や墜落事故の危険: 送電線点検作業時の事故により、死亡事故なども発生している 2)山間部は立入り困難、送電停止手続きが煩雑である 3)多額の送電線点検コストがかかり、今後老朽化により点検コストの増大が見込まれる   送電設備の点検を自動化: ドローンに搭載された対象物検知センサにより送電線を自動検知し、一定距離を保って自動飛行・撮影を行い、ドローンによる送電線の自動点検を実現。 1)安全性の向上:点検作業の無人化(死亡事故ゼロ) 2)作業効率の向上:遠隔から近寄らずに点検可能 3)コスト削減:点検を省力化・低コスト化(スマートメンテナンス) 自動巡回点検 「BEPサーベイランス」   電力会社(火力・水力発電所) 鉄道会社   1)発電所などのプラント施設は、多くの施設・機器があり、点検員がそのすべてを常時監視して異常を発見するのは困難 2)点検作業員の高齢化と将来的な人員不足 3)施設老朽化に伴い、異常をできるだけ早期に確認したい   巡回点検を自動化: 従来の発電所点検員が行う巡回を、AGVで代替し、自動巡回点検を実施。各種センサにより、膨大なデータの取得、解析が可能となり、効率化、安全化、省力化、高精度化が実現。 1)巡回・点検の自動化 2)点検効率の向上 3)平時・異常時の遠隔点検 各点検ソリューションにおける詳細は以下のとおりです。 ① 「BEPインスペクション」 当社はFlyability SA(スイスのドローンメーカー。以下「Flyability社」)の日本国内における販売代理店として、衝突に強く屋内で安全に飛行可能なFlyability社の「ELIOS」を使用した屋内の点検ソリューション提供を行っております。ソリューション提供にあたっては導入実証実験又はデモンストレーションを行い、プラント点検の効率化、低コスト化などを検証します。効果を確認後、「ELIOS」の機体を販売又はリース契約、運用サービスとして提供し、3Dモデリングやレポート化が可能な「ELIOS」専用ソフトウェアや保守メンテナンスは継続収益形態によるサービスで提供します。なお、2023年2月より提供開始したBEPを軸として開発した「BLUE SKY」((2)教育ソリューションで後述)は、「ELIOS」の機体に対応し、飛行記録、映像記録のデータ収集、飛行日誌の自動生成、機体情報・バッテリー管理が可能で、現在はJUIDA会員のパイロット向け(個人契約向け)のみに月額課金形態で提供しています。また、機体の販売方法については、顧客への直接販売及び販売代理店を活用した間接販売を行っております。 ② 「BEPライン」 BEPインスペクション同様に導入実証実験又はデモンストレーションによる効果を確認後、当社が開発した対象物検知センサモジュールを販売又はリース契約、運用サービスとして提供し、センサモジュール専用のソフトウェア(飛行計画と飛行ログ記録、リアルタイム情報、送電線映像記録)・保守メンテナンスを継続課金形態によるサービスで提供しております。販売方法は、顧客への直接販売がメインとなります。 当社は東京電力グループと共同で、送電線点検用ドローン自動飛行システム「BEPライン」を開発し、東京電力管内の支社及び事務所の送電線の点検業務に「BEPライン」を複数台導入し、実用化に成功しております。開発した「BEPライン」の構成は、対象物検知センサモジュールと飛行計画等が可能なソフトウェアとなります(特許出願中)。 ③ 「BEPサーベイランス」 発電所や製油所などのプラント工場では、設備の計器の確認やオイル漏れの有無、損害箇所の有無などを定期的に確認する巡回点検が義務付けられています。現状の巡回点検は、人による巡回で行われているため、点検員の高齢化や人員の不足、感応評価による評価基準のバラつきなどが問題になっています。また、設備の老朽化に伴う点検需要の増加もあり、ロボットによる自動化が求められています。 「BEPサーベイランス」は、それらの課題を解決するために、複数台のAGVを活用した自動巡回ロボットを提供しています。サービス提供にあたっては、BEPライン等と同様に導入実証実験又はデモンストレーションを行い、その効果を確認後、AGVを販売又はリース契約、運用サービスとして提供し、AGV専用のソフトウェア(複数台の遠隔制御・一元管理、カメラ、マイク、センサなど搭載デバイスのデータを一元管理、AI解析、5G通信リアルタイム情報)・保守メンテナンスを継続課金形態によるサービスで提供しております。販売方法は、顧客への直接販売及び販売代理店を活用した間接販売を行っています。 各ソリューションサービスの主な顧客は以下のとおりです。 ソリューションサービス   主な顧客名 プラント点検 「BEPインスペクション」   東京電力や九州電力など一般電気事業者、株式会社JERA、出光興産株式会社、ENEOSシステムズ株式会社 送電線点検 「BEPライン」   東京電力ホールディングス株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社 自動巡回点検 「BEPサーベイランス」   東日本旅客鉄道株式会社 (2)ポートソリューション ポートソリューションは、国土交通省や地方自治体、サービスプロバイダに対して、ドローンが離発着するドローンポートシステム「BEPポート」の開発と導入実証実験を、コンサルティング料もしくは実証実験に関する業務受託としてサービス提供しております。東京都江戸川区、江東区、静岡県東伊豆町、高知県香南市、大分県日田市、千葉県一宮町等で実証実験を実施しております。 当社は、2016年より、国土交通省と共に物流用ドローンポートの開発に着手し、現在、ISO(国際標準化機構)において、TC20/SC16(無人航空機システム)エキスパート、TC20/SC17(空港インフラ)エキスパート、及びvertiport(垂直離着陸用飛行場:ドローンポートと同義)のワーキングドラフト5491のコンビーナ(委員長)を務めております。2023年6月に、150kg以下の物流ドローンにおけるドローンポートの国際標準化(ISO5491発行)に成功し、当社が業界のパイオニアとして推進している事業になります。 また、当社の「BEPポート|ドローン自動巡回システム」を活用した津波避難広報ドローンシステムは、Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動してドローンを自動運航し避難広報を実施するシステムで、設置されたドローンポートからスピーカーやカメラを搭載したドローンが自動的に発進し、上空から自動音声で避難指示を伝達します。これにより、迅速かつ効果的な避難指示・誘導対応が可能となり、地域の安全を強化します。2022年12月より仙台市で運用が開始され、2025年度より千葉県一宮町での運用を開始しており、今後も大規模地震による津波警戒地域を中心に導入が進んでいくことを想定しております。 ポートソリューションにおけるドローンの活用ニーズは以下のとおりとなります。 ソリューションサービス   クライアント   顧客課題   ドローンによる解決方法 ポート 「BEPポート」   国土交通省、地方自治体、日本規格協会、大手自動車メーカーなど   1)物流業界では、市場規模は堅調に拡大しているものの、慢性的な人手不足に悩まされ、小口配送化により従業員の負担は増大し、人手不足に追い打ちをかけている。 2)道路の交通渋滞解消、災害時の物資(医療)輸送を実現するため、新たな交通又は物流手段となる、空飛ぶクルマ、ドローンを活用したサービスの実用化のニーズがある(空の産業の創出)。 3)炭素排出の無い次世代型のエネルギーシステムを搭載した空飛ぶクルマ、ドローンに注目が集まっている(カーボンニュートラル)。 4)人口密集地、有人地帯の上空で目視外飛行を実現するための制度整備として航空法が改正され(いわゆる「レベル4」)、2022年12月5日以降可能。   空の物流を自動化:当社では、都市内を飛行する小型ドローンに加え、新たに空飛ぶクルマや高ペイロードドローンが離発着し荷物を降ろす固定式(大型)と可搬式のドローンポートを開発し、固定式ドローンポートはスーパーシティ(※4)への導入を展開し、可搬式ドローンポートは地方自治体や災害避難所への導入を展開。 1)空のインフラが整備されることで、道路の渋滞減少、物流事業者の減少対策、災害物資(医療)輸送、CO2削減など社会課題を解決するとともに、新たな空の産業の創出につながる。 2)わが国で、災害時、平時のドローン物流、空飛ぶクルマによる人の輸送が期待される。また、当社はISO(国際標準化機構)においてTC20/SC17(空港インフラ、垂直離着陸用飛行場)ワーキングの委員長を務めており(ISO5491発行に成功)、世界に日本発のドローンポートを普及し、結果として上記ソリューションも普及する。 津波避難広報ドローンシステム   国土交通省、地方自治体など   南海トラフ地震、関東直下型地震等、今後発生するおそれのある大規模地震とそれに伴う津波発生への防災・減災への対応として、地方自治体等において様々な対策の検討が必要となっている。   Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動してドローンを自動運航し避難広報を実施するシステムを展開。沿岸部の施設屋上に設置されたドローンポートからスピーカーやカメラを搭載したドローンが自動的に発進し、上空から自動音声で避難指示を伝達する。これにより、迅速かつ効果的な避難指示・誘導対応が可能となり、地域の安全を強化できる。 固定式ドローンポート   津波避難広報ドローンシステム (3)教育ソリューション 教育ソリューションは、JUIDAと連携して以下のサービスを提供しております。 ① 基礎教育「BEPベーシック」 日本におけるドローンの新たな産業・市場の創造支援と産業の健全な発展への貢献を目的として、2014年7月に設立された業界団体のJUIDAに設立当初から参画し、設立メンバーとして法人・個人会員管理業務をサポートしてまいりました。JUIDAは25,000を超える会員数を有する団体へと成長し、世界20カ国以上、30以上の機関と基本合意書を締結し、ドローン教育として日本初ドローン関連ISO規格(ISO23665)発行に成功している国内の有力なドローンの業界団体です。当社は、JUIDAと連携して、民間独自のカリキュラムによるドローン教育を提供しており、2022年に施行されたドローンの国家ライセンスがスタートしたことで、JUIDAは国の登録講習機関等監査実施団体となり、国が認定する登録講習機関(ドローンスクール)を監査する立場となり、当社は国の認定する登録講習機関(ドローンスクール)として、今までの民間独自の講習に加え国家ライセンスの講習も提供しております。 (a)ドローンスクール管理業務の運営受託 JUIDAでは、ドローンの運用にあたり、安全性・信頼性を高めていくためには、操縦士や安全運航管理者の養成が何よりも重要と考え、2015年10月よりドローンの操縦士及び安全運航管理者養成スクールの認定制度をスタートし、全国にJUIDA認定スクールを展開しております。 当社は、JUIDAよりスクール管理業務の一部を委託されており、スクールで提供する教育プログラム作成、講師育成、JUIDA認定資格の発行支援などを行っており、会員数、ドローンスクール数に応じた継続課金形態による運営サービスを提供しております(会員数25,238名、ドローンスクール187校、操縦技能証明証発行33,531名、安全運行管理者証明証発行28,188名(2025年12月末時点)。 (b)パイロット管理システムの提供 パイロットの教育履歴、技能レベル、飛行実績などのデータを適切に管理するため、パイロット管理システム(BEPに連結されたシステム)を開発し、JUIDAに、そのソフトウェアと保守メンテナンスを継続課金形態によるサービスで提供しております。JUIDAの操縦技能証明証又は安全運行管理者証明証の保持者の適正な管理や、依頼したいソリューション案件などがある場合に、具体的なパイロットデータ情報に基づき最適なパイロットを検索し提案することを可能にするシステムとなります。 (c)ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス「BLUE SKY」 2022年12月5日の改正航空法施行に伴って義務化されたドローン飛行時の飛行日誌作成や機体情報の管理などを自動化するサービス「ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス|BLUE SKY」の提供を、2023年2月より、(b)のパイロット管理システムの会員に向けて開始し、JUIDA会員(個人正会員・個人準会員)には、無料で提供しております。一方、JUIDAには、そのソフトウェアと保守メンテナンスを継続課金形態によるサービスで提供しております。BLUE SKYは、ドローンのフライトログの自動アップロードやデータ分析、航空局指定フォーマットでの飛行日誌の自動生成、機体・バッテリー管理などがパソコンやスマートフォンなどで簡単に管理・作成・出力できるサービスです。当社のデバイス・情報統合プラットフォーム「BEP」と、米国のリアルタイムフライトストリーミングプラットフォーム「AirData UAV」とのシステム連携により提供されるもので、世界中のドローンメーカーのドローンやアプリケーションに対応しています。 ② 応用教育 プラント点検や基地局点検など点検サービスの実用化に伴い、ソリューション特化型のドローン教育講習のニーズが各企業で高まっております。当社には、法人向け教育プログラム作成、講師提供、認定資格の提供、パイロット管理システムなど、JUIDAとの連携で培った一貫した教育パッケージがあり、これをベースに顧客ごとに、各ソリューション向けの教育プログラムを作成し、コンサルティング料もしくは講習会の業務受託としてサービス提供しております。作成した教育プログラムを顧客と共に顧客内(支社など)、業界内で導入展開すると共に、JUIDAのプラント点検上級操縦技能証明証のように、JUIDA監修の元で業界内での標準化を図り、導入展開を加速する活動も行っております。現在、林野庁、大手通信キャリア、電力施設メンテナンス会社、石油プラント、製鉄所、ゼネコン等に提供した実績があります。 ③ ドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS」 ドローン専用飛行支援地図サービス「SORAPASS」を、約7万人以上のSORAPASS会員(アカウント登録者数)に向けて、基本は無料で一部保険等の有料サービス(継続課金形態)を組み合わせたフリーミアムモデルとしてサービス提供しております。SORAPASSは、国内向けのドローンパイロットのプラットフォーム(BEPに連結されたシステム)であり、飛行禁止区域MAP、気象情報の把握や飛行申請サポート、ドローンレンタル(有料)、保険などの申請(有料)、パイロット・機体・飛行実績の管理など、ドローン飛行に必要なサービスを提供しております。 各ソリューションサービスの主な顧客は以下のとおりです。 ソリューションサービス   主な顧客名 基礎教育 「BEPベーシック」   一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA) 応用教育 (森林教育)   林野庁、日本森林技術協会 3.当社の強み (1)屋内点検など、特殊環境下における高い技術力 当社は、屋内施設のように一般のドローンでは飛行できない非GPS環境(※5)での点検や、屋外においてもGPS(衛星測位システム)のみでは高精度に点検できない特殊環境での点検に強みがあります。例えば、市販のドローンは、屋外でGPSのサポートを受けて自動飛行するのが一般的ですが、屋内等の特殊環境下ではGPSが入らず、自動飛行できない課題がありました。当社では、特殊環境に合わせたセンサを選定し、複数のセンサを組合わせて最適な自己位置を推定する技術(マルチセンサポジショニング:センサフュージョン(※6)のアルゴリズム(※7))に強みがあり、当社のセンサモジュールを市販の一般的なドローンへ搭載することで、非GPS環境下でも自動飛行が実現可能になります。当社のセンサモジュール搭載のドローンは、当社のサーバー・アプリと連動し、遠隔で飛行制御の指示が可能になり、ドローンの撮影データ、飛行ログ等のデータ管理も可能になります。 また、当社は、世界で競争環境の激しいハードウェアメーカーではなく、どのハードウェアデバイス(ドローン、AGV、ロボット等)とも繋がることが可能なソフトウェアの開発と提供を行っております。自社ハードウェアにこだわらず、各顧客の特殊環境下に合わせたドローン及びセンサの選定、チューニング及びソフトウェアの開発を行うことにより、最適なドローンのソリューションを提供することが当社の強みとなっております。 (2)パイロット育成ノウハウとネットワーク JUIDAや官公庁との連携により、法規制や実業務に即したソリューション特化型カリキュラムの共同開発に加え、全国のパイロットのスキルなど管理するシステムや実運用に向けたノウハウを全国に展開しております。また、全国でトータル10万人以上のパイロットネットワークと繋がり、点検ソリューション等のドローンのソリューション提供時において、同時に数十箇所の複数拠点のドローン運用が同時に可能であることが、当社の強みであり、ドローン教育の事業を有することがユニークな業界内のポジショニングにつながっております。 また、当社はJUIDAと連携し、改正航空法施工の1年前にドローン安全ガイドラインを策定し、ドローンの国家資格制度が始まる7年前から操縦技能証明・安全運航管理者証明発行を開始する等、常に業界内で先行して行動し、国策の前例となり貢献してきた経緯があります。 業界をリードする動きができている背景として、当社は、技術、法規制、人材育成の3分野でパートナー連携し、市場を創出する取り組みをしていることが挙げられます。 ・技術:インフラ企業と事業課題の共同研究開発を行い、ハードウェアメーカーと連携し、ソリューションを創造しています。 ・法規制:国と連携しガイドライン作成、国際標準化に向けた取り組みを行い、デジュールスタンダード(※8)の基盤を作っています。 ・人材育成:JUIDAと連携し、ドローンパイロットの教育カリキュラムの開発と人材育成を行い、全国に連携可能なパイロットネットワークを作っています。 <用語解説> 本項において使用しております用語の定義については、以下のとおりです。 No.   用語   用語の定義 ※1   ドローン   遠隔操縦あるいは自律式の無人航空機一般。 ※2   AGV   Automated Guided Vehicleの略称。産業用途で多く使用される自動運転車の一種で人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる搬送車。 ※3   プラットフォーム   自律移動ロボットを使ったソリューションや製品を開発する際に使用可能な技術要素(ソフトウェアや装置など)を備えたソフトウェア、ハードウェア群を意味する。開発者が自社ソリューションや製品において、自律移動ロボットを使って効率よく開発、提供するために必要な一連の技術要素をパッケージ化したもの。 ※4   スーパーシティ   各地域の持つ社会的な課題を最先端のテクノロジーによって解決を図ることを目的とした国家戦略特区。 ※5   非GPS環境   橋梁下や室内などのGPS・GNSSデータが取得できない環境。 ※6   センサフュージョン   複数の異なるセンサから得られる情報を組み合わせて、より正確な情報や全体的な状況把握をする技術。 ※7   アルゴリズム   問題を解決するための手順や計算方法。 ※8   デジュールスタンダード   ISОやJISなどの国際標準化機関などによって定められた規格。 <事業系統図> 当社は、ドローン・ロボットにBEPを接続し、システム・運用サービスを提供しております。 ※1 ハードウェアは、一括購入(フロー型)とリースによる月額利用(ストック型)の選択が可能。 ※2 ソフトウェアは、月額利用が基本(ストック型)。 ※3 運用サービスは、スポット契約が基本(フロー型)。
経営方針・対処すべき課題8,803字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 1.経営方針 (1)当社が目指す社会 近年、わが国では、高度成長期以降に整備されたインフラ施設の老朽化が進む中で、老朽化による維持管理の負担増、インフラ維持・点検監視を行う労働力についても少子高齢化に伴う減少、ノウハウの属人化による技術のばらつきなど複数の課題解決が急務であり、新しいシステムによる社会活動の解決が必要となっております。 当社は2030年ビジョンとして、インフラ等の強靭な社会システムを構築すべく、当社のBEPを自律分散(※1)型システムへと拡張し、新しい世界の社会インフラを支えるリーディングカンパニーになることを掲げました。具体的には、ドローン、ロボット、AGV等の新しい自律移動ロボットを繋ぐシステムのインフラとなり、スマートで新しいまちづくりに貢献することを目指してまいります。当該ビジョンの実現に向けて、産官学の垣根を越えた新たなソリューションを創出してまいります。 (2)経営理念 当社は、「新しい発想(アイデア)・創造・技術革新(イノベーション)によって、世界中の人々に安心、安全、便利、楽しさを提供し、人々の豊かな生活の実現に貢献する。」を経営理念として掲げております。 常にクリエイティブな技術者集団として、世界中の人々の生活の豊かさを実現すべく、イノベーションを起こし続け、人々の喜びである「楽しさ」を感じていただけるようなサービスを提供し続けることを実現してまいります。 2.経営環境及び経営戦略 (1)経営環境 前述の「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社はBEPを基軸に、ドローンの適用拡大を進めながらロボットとの連携を実現し、ビジネスを拡大することを推進しております。 当社の事業領域にあたる国内IoT市場の市場規模は、2023年度で6兆4,672億円(支出額ベース)であり、年間平均8.0%の伸長が想定され、2028年度には9兆4,818億円になることが見込まれております。(出所:IDC「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、2024年~2028年」) また、現在の当社の中核事業にあたるドローン事業に係る国内市場は、2025年度で5,490億円と推測されており、2026年度には前年度比16.5%増の6,396億円に拡大し、2028年度には9,054億円に達するものと見込まれております。(出所:インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2024」) ドローンの社会活動への活用については、官民協議会においても導入に向けたロードマップが提示されており、操縦者の育成、ISOへの取組み、インフラ・プラント点検に関する取組み並びに運航管理システムの開発等が推進されている状況であり、ドローンの利用はますます拡大するものと当社は考えております。 また、当社の現時点の主要領域である点検ソリューションの潜在市場規模については、ドローンの点検分野の市場規模は2025年度で1,306億円と推測され、2028年度までに2,088億円に達するものと見込まれております(出所:インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2024」)。高度成長期に多数作られたインフラ設備の多くが老朽化したこと、さらにインフラの多くが高高度や狭小空間という人力では危険を伴う負荷の大きい作業であることが要因となっていると当社では考えております。 当社のもう一つの主要領域である教育ソリューションの市場については、ドローン飛行における許可承認申請件数が2016年度から2024年度で年平均27%増加しており(出所:国土交通省ホームページ)、ドローンに関する教育のニーズは今後も高いものと当社では考えております。また、許可承認申請件数の増加に合わせて、ドローンの登録機体数及びパイロット数についても拡大していくものと考えております。 (2)経営戦略 当社は、中長期的には、BEPに蓄積されたフライトデータに関するビッグデータを活用して、ドローン市場における強固な地位を確立しつつ、ドローンやAGV等が自律して動くサービスを提供するプラットフォーマーとなることを目指しております。足下では、これまでの社会実装の進展に伴い、ドローン点検等への需要が拡大する一方で、個別の顧客要件に対応する「フルカスタム型」の提供モデルが当社の供給体制の制約となり、収益化のタイミングが分散・遅延する課題が顕在化いたしました。当社は、この課題を成長段階における構造的な転換点と捉え、標準化・パッケージ化されたソリューションを軸としたストック型ビジネスモデルへの移行により、事業の拡張性と再現性を備えた構造の確立を目指しております。これにより、人的リソースへの過度な依存を抑制し、営業利益黒字化の定着と中長期的なキャッシュ・フローの最大化を達成するため、以下の戦略を推進してまいります。 ① 受注・提供モデルの構造転換と「ストック型」への移行 個別対応を前提とした人的リソース依存の「フロー型モデル」から脱却し、「標準化・パッケージ化・ストック型」のビジネスモデルへと構造転換を図ります。具体的には、プラントや下水道等の点検、及び防災分野において、ハードウェア・ソフトウェア・教育・運用・解析・保守をセットにした「標準パッケージ」を構築します。これにより、導入プロセスの簡素化と提供工数の削減(原価率の低減)を実現するとともに、継続契約やリピート利用を前提としたストック型収益の比率を高め、収益の安定性と再現性を確立してまいります。 ② 重点領域の深耕とパートナーアライアンスの強化 インフラの老朽化対策や防災ニーズが高まる中、当社は特に強みを有するプラント領域(下水道、火力発電、原子力、送電線等)及び防災分野にリソースを集中します。 販売・運用にあたっては、自社リソースのみに依存せず役割を明確化します。自社は既に有する強固な既存顧客基盤(約150社)に対する上位モデルの展開やサブスクリプション提供など、1社あたりの顧客生涯価値(LTV)の深耕に注力します。一方で新規市場の開拓については、強力な販売網を持つアライアンス先との連携を推進し、パートナーを通じた標準パッケージの横展開を加速させることで、効率的なトップラインの成長を目指します。 ③ ソフトウェア及び機能の拡大による高付加価値化 当社は、「BEPパッケージ」を以下の4段階に区分して開発し、サービス提供を進めております。 手動でドローン等を動かす (1) Standalone solutions、単体のドローンやロボット等がBEPと接続する (2) Connected solutions、ドローンやロボットの複数機種、複数台がBEPと接続する (3) Integrated solutions、BEPに接続されたドローンやロボット等が自律して動く (4) Network-based solutions の4段階に分けて順に開発、提供しております。 これらの機能開発とBEPの連携強化を進めることで、従来の「人的サービス」から「自動化サービス」へと提供価値をシフトさせ、利益率の高いソフトウェア・サービス売上を拡大することで、全社の売上総利益率の向上とビジネスモデルの強靭化を図ってまいります。 3.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、顧客基盤の拡大とストック型収益の積み上げが、中長期的な収益安定性の確保及び企業価値の向上に資する重要な要素であると認識しております。そのため、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが、客観的で重要な経営指標(KPI)であると考えております。 KPI   定義   採用理由 ①年間取引企業数   当該年度に取引実績のある企業数   ・法人顧客との取引の積み上げが売上につながる。 ・年間取引企業の内訳は、新規顧客、既存顧客(リピート)で構成されている。既存顧客は、知見の蓄積並びにトラックレコードとして新規顧客の獲得につながる。また、同一顧客においてもサービス領域の拡張によるアップセルの基盤となる。 ②ストック型売上比率   継続的な収益をもたらす契約による売上が全体に占める比率   ・継続的、安定的な収益の比率を示す。 ・ストック型の売上は、ドローン機体やAGV等のリース契約、BEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等、継続的に提供されるサービスで構成。 4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (1)顧客の拡大 当事業年度において当社の事業活動は、特に点検ソリューション分野において、下水道・電力等の公共インフラ分野を中心に社会実装が進展いたしました。一方で、社会ニーズの拡大に迅速に応える過程において、案件ごとの個別要件への対応が先行した結果、供給体制への負荷集中により売上計上のタイミングが分散し、売上が継続的に積み上がる構造の構築が課題として顕在化いたしました。 このような状況を踏まえ、今後の顧客拡大においては、単発受注型ビジネスから継続契約型ビジネスへの移行を最重要課題と位置付けます。具体的には、個別仕様案件の受注を抑制し、標準化及びパッケージ化されたソリューションの横展開に経営資源を集中することで、再現性のある拡大を主軸に取り組んでまいります。 点検ソリューションにおいては、既に導入実績のある顧客を中心に、BEPインスペクション、BEPライン、BEPサーベイランスといった標準パッケージの横展開を進めるとともに、導入・運用プロセスの標準化を推進することで、アップセル及び継続利用を前提とした取引拡大を図ってまいります。また、PoC(概念実証)段階にある案件についても、採算基準を満たし、本格導入及び継続利用につながる形での提案を強化し、安定的な売上の積み上げに結び付けてまいります。 ポートソリューションにおいては、防災ニーズの高まりを背景に、国や自治体を中心とした導入実績及び運用実績が積み上がっていることを踏まえ、今後は個別案件ごとの対応にとどまらず、導入後の運用・保守を含めた標準的な提供モデルの構築を進めてまいります。これにより、予算化及び継続利用を前提としたストック型収益モデルへの転換を図り、社会実装の進展と収益性の向上の両立を目指してまいります。 教育ソリューションについては、単体での売上拡大を目的とするのではなく、点検及び防災分野を支える基盤としての役割を明確に位置付けております。講習を通じた顧客接点の創出や運用人材の育成を通じて、他ソリューションにおける受注確度の向上及び継続利用の促進に貢献することで、当社全体の顧客価値の最大化を図ってまいります。 当社は今後も、拡大する社会インフラ分野の需要を的確に捉えつつ、事業構造の転換を断行し、売上の安定的且つ継続的な形での顧客拡大を推進し、再現性のある売上成長モデルの確立を最優先課題として取り組んでまいります。 (2)優秀な人材の獲得 当社は、点検・防災分野を中心とした社会インフラ領域において、ドローン及びロボットを活用した高度な技術力と実装力を強みとして事業を展開しております。当事業年度においては、社会実装の進展に伴い案件数及び対応領域が拡大した一方、案件ごとの個別要件に応じた対応が増加し、人手に依存した提供体制に負荷が集中する状況が生じました。 このような事業環境を踏まえ、当社における人材面の課題は、単純な人員数の不足ではなく、事業の拡大局面においても持続的かつ効率的に価値を提供できる体制を構築することにあると認識しております。今後は、個別対応を前提とした体制から、標準化及びパッケージ化を軸とした事業モデルへの転換を進める中で、これを支える人材の確保及び育成に取り組んでまいります。 具体的には、ドローン及びロボットの運用に関する専門人材に加え、システム設計、データ活用、プロジェクト管理等の分野において、事業全体を俯瞰し、標準化されたサービスを効率的に展開できる人材の育成及び配置を進めてまいります。また、部門間の連携を強化し、営業から導入、運用までを一体的に捉えた体制を構築することで、意思決定及び実行のスピード向上を図ってまいります。 あわせて、多様な人材が能力を発揮できる環境整備にも引き続き注力し、教育・研修制度の充実や柔軟な働き方の推進を通じて、人材の定着及び成長を促進してまいります。これにより、事業のスケーラビリティと品質を両立させる組織基盤を構築し、持続的な成長につなげてまいります。 (3)ドローンポート開発の取り組み ドローンの自動化及び無人運用の進展に伴い、ドローンの離着陸、充電、通信等を担うドローンポートは、点検、防災、監視等の各種ソリューションを支える重要な基盤技術であると当社は認識しております。特に、有人地帯における目視外飛行が可能となるレベル4運航の解禁を見据え、ドローンの安全かつ継続的な運用を実現するためには、高い信頼性を有するドローンポートの整備が不可欠となっております。 当社はこれまで、津波避難広報ドローンシステムをはじめとする防災用途において、ドローンポートを活用した自動運航システムの開発及び社会実装に取り組んでまいりました。当事業年度においても、実運用及び実災害対応を通じて、ドローンポートを含む当社システムの有効性及び実用性が確認され、社会実装フェーズへと進展しております。 一方で、これらの取り組みは、個別の案件や実証条件に応じた対応が中心となっており、導入から運用、保守に至るまでを含めた提供モデルの標準化及び収益化の確立が、今後の重要な課題として認識しております。 このため、今後のドローンポート開発においては、技術的な高度化のみならず、導入・運用プロセスの整理及び標準仕様の策定を進め、継続利用を前提とした提供モデルの構築に注力してまいります。あわせて、既存の防災用途に加え、河川、ダム、港湾等の社会インフラ分野への展開可能性を検討しつつ、事業性及び収益性を重視した段階的な拡張を図ってまいります。 当社は、ドローンポートを将来の社会インフラを支える基盤技術の一つと位置付け、社会実装で得られた知見を活かしながら、持続的な事業成長につながる形での開発及び展開を進めてまいります。 (4)新しい機能の拡大 当社は、複数のドローンやロボットを統合的に制御・管理するプラットフォームであるBEP(Blue Earth Platform)を基盤として、点検、防災、監視等の各種ソリューションを提供してまいりました。これまでの取り組みにより、単体の機体を用いた運用から、複数機体を連携させた運用まで、段階的に機能拡張を進めており、当事業年度においても、実運用を通じて技術的な有効性が確認されております。 一方で、機能の高度化や新機能の追加が、個別案件ごとの要件に応じて進められてきた側面があり、結果として開発リソースの分散や、提供内容の複雑化につながる場面も見受けられました。このため、当社における今後の課題は、新しい機能を網羅的に拡充することではなく、事業化及び収益化に資する機能に開発リソースを集中し、再現性のある形で提供できる機能体系を構築することにあると認識しております。 今後は、点検及び防災分野における実運用で得られた知見を踏まえ、顧客価値及び事業性の観点から優先順位を明確にしたうえで、新機能の開発及び実装を進めてまいります。あわせて、標準化及びパッケージ化を前提とした機能設計を行うことで、導入・運用の効率化及び品質の均一化を図ってまいります。 当社は、BEPを中核とした機能拡張を、単なる技術的進化にとどめることなく、持続的な事業成長につながる形で推進し、売上の再現性及び収益性の向上に貢献する機能基盤の確立を目指してまいります。 (5)蓄積されたデータの活用 レベル4運航の実現に向けてドローンの自動化が加速する中、飛行の安全性の確保は、今後ますます重要な課題となっております。その基盤となるのが、フライトログ等の運航データをはじめとするビッグデータの継続的な収集及び解析であると当社は認識しております。 当社の「BLUE SKY」は、ドローンのフライトログ、映像データ及び解析データ等をBEP(Blue Earth Platform)のクラウド環境に集約・管理する仕組みとして構築されており、当事業年度においても、点検及び防災分野を中心とした実運用を通じて、データの蓄積が着実に進展しております。これらのデータは、飛行の安全性向上や運用品質の安定化を図る上で重要な基盤となっております。 一方で、社会実装の進展に伴いデータ量及び活用領域が拡大する中で、データの活用方法や提供価値を案件ごとに個別設計する状況も生じており、今後は、データの整理及び活用の在り方をより体系的に整備していくことが課題であると認識しております。 このため、今後は、蓄積されたデータを活用した安全性向上や運用支援に資する機能について優先順位を明確にした上で標準化を進めるとともに、AI等の技術とも連携しながら継続的なサービス提供につながる形での活用を段階的に推進してまいります。当社は、多くの運航データを継続的に蓄積・活用することで、飛行の安全性の向上を通じた社会的価値の創出に貢献するとともに、当社サービスの持続性及び競争力の強化につなげてまいります。 (6)組織体制の整備及び内部管理体制の強化 当社を取り巻く事業環境は、点検及び防災分野を中心とした社会実装の進展により、案件内容の高度化及び事業運営の複雑化が進んでおります。当事業年度においては、複数の案件を並行して推進する中で、迅速な意思決定及び部門間連携の重要性が一層高まるとともに、事業規模の拡大に対応した組織運営及び内部管理体制の整備が課題として認識されました。 このような状況を踏まえ、当社は、事業の成長段階に応じた組織体制の見直し及び強化に継続的に取り組んでまいります。具体的には、営業、開発、運用等の各機能が連携し、標準化及びパッケージ化を前提とした事業運営を効率的に推進できる体制の構築を進めるとともに、役割及び責任の明確化を通じて、意思決定及び実行のスピード向上を図ってまいります。 また、事業運営の高度化及び社会的責任の拡大を踏まえ、内部管理体制の強化にも引き続き注力してまいります。監査等委員及び社外取締役による監督機能を有効に活用し、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めるとともに、事業運営上のリスク管理及び内部統制の整備・運用を通じて、経営の公正性及び透明性の確保に努めてまいります。 当社は、こうした組織体制及び内部管理体制の整備を、事業成長を支える基盤として位置付け、持続的かつ安定的な企業価値の向上につなげてまいります。 (7)収益性の向上 当社は、点検及び防災分野を中心とした社会インフラ領域において、需要の拡大を背景に社会実装を着実に進めてまいりました。一方、当事業年度においては、案件ごとの個別要件への対応を優先した事業運営が先行した結果、供給体制への負荷集中により売上計上のタイミングが分散するとともに、原価及び運用負荷が一時的に増加し、収益性の面で課題が顕在化いたしました。 これらの課題は、市場環境の変化や需要の減少によるものではなく、社会ニーズに迅速に対応する過程において、個別対応を前提とした事業設計が拡大したことに起因するものと認識しております。当社は、当事業年度における業績を真摯に受け止め、持続的な成長を実現するためには、売上が継続的に積み上がる事業構造への転換が不可欠であると認識しております。 今後は、個別仕様案件の受注を抑制し、徹底した標準化及びパッケージ化を軸とした再現性のある事業モデルへと統合いたします。限られた経営資源を標準パッケージの販売及び機能強化に集中させることで、売上の安定的な積み上げ及び原価構造の改善を図り、売上規模の拡大と収益性の向上を同時に実現する事業構造への転換を進めてまいります。 また、継続利用及びリピートを前提とした取引の拡大に注力するとともに、提供プロセスの効率化及びコスト管理の徹底を通じて、収益性の質の向上に取り組んでまいります。当社は、短期的な数値改善を目的とするのではなく、2026年度を「収益構造が変わる年」と位置付け、個別対応中心のモデルから、標準化・効率化されたモデルへの転換を進めます。これにより、再現性のある収益モデルの確立を通じて、中長期的に安定した収益基盤を構築し、企業価値の向上につなげてまいります。 <用語解説> 本項「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において使用しております用語の定義については、以下のとおりです。 No.   用語   用語の定義 ※1   自律分散   全体を統合する中枢機能を持たず、自律的に行動する各要素の相互作用によって全体として機能すること。
事業等のリスク7,676字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 1.事業に関するリスク (1)ソリューション開発(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社では、BEPを基軸としたドローンやロボットとの連携によるサービスの実用化に向けて、顧客と共同でソリューション開発を進めております。しかしながら、ソリューション開発には多くの不確実性が伴い、当初想定した成果が得られない場合、又は成果が十分に収益に繋がらない場合も想定されます。また、顧客のニーズによる開発途中の要件変更や品質改善要求、開発遅延等により当初計画どおりのソリューション開発及びサービス提供がなされない場合も想定され、その場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)輸入販売ドローンの調達について(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社で販売しているELIOSシリーズのドローン(以下、ELIOS)はスイスに本社を置くFlyability SA社の製品であり、同社とはELIOS販売に関するReseller契約を毎年締結して、日本における販売権を保有しており、また製品の安定確保などが十分に保証されるよう努めております。しかしながら、今後の同社との契約更新の協議の際に販売権の喪失や製品の安定確保が困難な状況となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、ELIOSは、当社が求めている屋内の点検可能なドローンハードウェアとして、特殊な球体ガード、飛行の安定性、操作性で優れておりますが、今後、他に優位性がある屋内点検可能なドローンが出てきた場合には、当社はあらゆるハードウェアとも連携し、特定のハードウェアに依存しない方針を取っているため、ELIOS以外のドローンに切り換えることは可能です。しかしながら、新たなドローンへの切り換えに係るソフトウェア等の調整や、新たなドローンの安定調達確保に時間を要した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)急速な技術革新への対応(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社の事業に関連する、人が実施していた業務をドローンやロボットにより代替する技術は、世界的に研究開発が進んでおり、技術革新のスピードが極めて速い分野であります。当社はこうした技術革新に対応できる研究開発活動を推進することで、より事業基盤の拡大を図ってまいります。しかしながら、技術革新への対応が遅れる可能性もあり、その場合には当社の競争力が低下することで、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)業績変動の季節性(顕在化の可能性:高、影響度:小) 当社は、主に大企業向けにソリューションサービスの提供を行っており、顧客企業の予算消化サイクルや、年間契約案件の検収が年末(12月)又は年度末(3月)に集中するため、年末及び年度末に売上が集中する傾向にあり、第1四半期(1月~3月)と第4四半期(10月~12月)に売上高が偏る傾向にあることから、期ずれなどにより翌期へ売上が計上されることがあります。 売上高(千円)   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 2023年12期   327,466   233,296   186,782   517,029 2024年12期   268,283   204,171   265,798   484,984 2025年12期   343,304   179,423   247,291   281,447 (5)先行投資に伴う財務影響について(顕在化の可能性:中、影響度:中) 当社は、前述「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、主力サービスへの開発資金の調達、技術課題、人的サービスからサブスクリプションへの移行、並びに組織体制の整備及び内部管理体制の強化によるコスト増加等の要因により、過年度の業績に関して継続的に赤字を計上しており、2023年12月期~2025年12月期において、営業損失(2023年12月期△289,759千円、2024年12月期△398,416千円、2025年12月期△548,051千円)を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス(2023年12月期△320,202千円、2024年12月期△494,231千円、2025年12月期△327,710千円)の状況となっております。 当社は、費用対効果を見ながら、今後も継続的に必要な投資を実施する方針であり、引き続き一定期間において赤字を計上することを想定しております。中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化を目指して各事業における成長戦略を進めていく方針ですが、事業環境の急激な変化等により、これらの継続的な投資が当社の想定する成果に繋がらなかった場合や、新規参入事業において当社が想定する収益化に遅れが生じる場合等においては、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (6)重大事故等によるドローンの社会的信用の失墜(顕在化の可能性:低、影響度:中) 当社に限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (7)ドローン関連法令の改廃(顕在化の可能性:中、影響度:小) 当社は、当該法規制の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画どおりに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ① 航空法 航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得て飛行を行っております。また、有人地帯における目視外飛行(レベル4)に関する航空法の改正がなされ、2022年12月5日より施行となっており、当社も対応を行う必要があります。 ② 電波法 電波法については、ドローンの操縦には電波を使用するため、他の装置との混線などを防ぐため「特定無線設備の技術基準適合証明(通称:技適)」の取得が義務付けられております。よって、海外製ドローンの輸入にあたっては技適の取得を申請する必要があります。 ③ 製造物責任法 製造物責任法については、当社はドローンの輸入販売及びドローンなどに付随するソフトウェアの開発・販売等を行っているため、当社商製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。 ④ 外国為替及び外国貿易法 外国為替及び外国貿易法については、当社が仕入れる製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性があります。そのため、当社が海外よりドローンの輸入、又は関連する技術の授受をする場合は、同法を遵守して適切な輸入管理に努めております。なお、仕入先国の法令や政策変更などにより外国為替法環境が変化した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)経済動向及び市場環境による影響(顕在化の可能性:中、影響度:小) 企業を取り巻く環境や労働人口減少に伴う企業経営の効率化などの動きにより当社が事業を展開する市場は今後も拡大すると予想されるものの、企業の景気による影響や各種新技術の発展による影響を受ける可能性があります。当社が事業を展開する市場が経済情勢や技術革新などにより事業環境が変化した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)競合他社の参入(顕在化の可能性:中、影響度:小) 当社が属するIoT及びドローン関連の市場は成長市場として注目され、市場は拡大傾向にあります。当社では、BEPを基軸としたドローンやロボットを利用するサービス提供に係るノウハウやデータを活かし、引き続き顧客のニーズを汲んだサービス提供ができるよう努める方針であります。 しかし、競合企業の新規参入や、競合企業がより優れたサービスを安価で提供した場合、当社の競争力が低下する可能性があります。また、このような競合企業のサービスが当社の各サービスの機能より劣っていたとしても、ユーザーはより低い価格を求めて当該競合企業のサービスを選択する可能性があり、そのような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)システム障害やインターネット環境の不具合(顕在化の可能性:中、影響度:小) 当社ではクラウド型のプラットフォームサービスの提供を想定していることから、インターネット通信網に依存する形となります。ホスティングサービス業者に障害が生じ、代替手段の調達ができずにサービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合や、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等の障害が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)特定取引先との契約について(顕在化の可能性:低、影響度:中) JUIDAは、ドローン(Unmanned Aircraft Systems=無人航空機システム。以下、UAS)操縦者の養成やUAS業界の発展・育成を目的として2014年7月に設立され、当社はその設立に参画しております。出資関係や役員の兼務はありませんが、代表取締役社長の熊田貴之の父である当社創業者の熊田知之氏がJUIDAの理事兼事務局長を務めていることから、人的・資本的な関連を強く有すると考えられる者である「その他の特定の者」に該当すると判断しております。 JUIDAとの取引は今後も継続する予定でありますが、取引を行うにあたり、「関連当事者取引管理規程」に基づき、その取引が当社の経営の健全性を損なっていないか、合理的判断に照らし合わせて有効であるか、また取引条件は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、社外取締役も出席する取締役会において協議・決議を行うことで、少数株主やその他の一般取引先に不利益が生じないように配慮しております。2025年12月期では、売上高全体に占めるJUIDAへの売上高比率は13.1%(138,062千円)となっておりますが、現在推進しているソリューションサービスの提供拡大に伴い、全体に占める相対的な割合は逓減する見通しです。主な取引内容は、BEPシステム利用料/BEPシステム保守料/会員管理などのJUIDA会員管理業務などとなっております。 また、JUIDAとは良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障は生じておりませんが、今後何らかの理由により取引契約の更新がなされない場合や、取引条件の変更が生ずる場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 2.経営管理体制に関するリスク (1)知的財産権(顕在化の可能性:低、影響度:小) 当社は、自社開発又は第三者との共同開発によって蓄積する技術について、日本及び主要国において積極的に特許出願や商標出願を行い、当社の知的財産権の保護に努めております。しかしながら、第三者が当社の知的財産権を侵害して不正に利用することを完全に防止することは困難であり、そのような侵害が発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社の技術が第三者の知的財産権を侵害しないよう相当の努力を払っておりますが、それでもなお第三者から権利侵害の申立てを受ける可能性があります。当社が意図せず第三者の知的財産権を侵害してしまった場合等には、高額の費用を要する訴訟又はライセンス契約の締結に至る場合があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)機密情報等の漏洩(顕在化の可能性:低、影響度:中) 当社が提供するソリューションサービスにおいては、その業務の性格上、顧客側で保有している機密情報や個人情報に触れる場合があります。情報の取扱いについては詳細な規程の整備と的確な運用を義務づけております。このような対策にも関わらず当社の人的オペレーションのミス等、その他予期せぬ要因等により、情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償責任等を負う可能性があり、その場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)特定の人物への依存(顕在化の可能性:低、影響度:中) 当社の代表取締役社長最高執行役員である熊田貴之は、当社(社名変更後のブルーイノベーション)就任後より事業に大きく貢献しており、就任以来当社の経営方針や事業戦略の立案及び遂行において重要な役割を果たしております。当社では、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、権限委譲や組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行等を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、同氏から当社金融機関借入に対する債務保証を受けております。当事業年度末の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載しております。この債務被保証について保証料の支払いを行っておらず、また、債務保証のない借入金への借り換え等により当該債務被保証を解消していく方針であります。 (4)優秀な人材の確保と育成(顕在化の可能性:低、影響度:小) 当社が今後更なる成長を成し遂げていくためには、優秀な人材の確保と育成を重要課題の一つであると位置づけております。当社は現在も優秀な人材の採用を進めておりますが、これらの要員を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合、あるいは在職中の従業員が退職するなどした場合には、当社の事業拡大の制約となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)内部管理体制について(顕在化の可能性:低、影響度:小) 当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、また法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追い付かない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業、業績及び財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 3.その他のリスク (1)自然災害等(顕在化の可能性:低、影響度:中) 当社は、大規模な地震等の自然災害、火災や停電等の事故、新型コロナウイルス等の疫病の流行、コンピューターウイルスに起因する情報システムの停止、テロ行為などによる事業活動の停止等にはその時々に応じて対応をしております。しかしながら、想定を超える大災害等の発生により営業活動が阻害された場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、影響度:中) 当社では、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過又は結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、点検時の瑕疵や重大事故発生等により責任を追及されるリスクに関しては、当社の責任範囲が限定されるような契約内容となるよう努めているものの、顧客との契約内容次第では当社の責任範囲が大きくなる可能性があります。現状は、重大事故等は発生していないものの、今後発生した場合には、損害賠償請求による金銭的影響やレピュテーションへの影響が発生する可能性があります。 (3)税務上の繰越欠損金(顕在化の可能性:低、影響度:小) 当社は税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合や税法改正により繰越欠損金による課税所得の控除が認められなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)配当政策(顕在化の可能性:低、影響度:小) 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく所存でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (5)新株予約権の行使による希薄化リスク(顕在化の可能性:中、影響度:小) 当社は、ストックオプション制度の活用や資金調達のために新株予約権を発行しており、今後も優秀な人材の確保や資金調達のために新株予約権を発行する可能性があります。これらについて行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は451,290株であり、本書提出日現在における発行済株式総数4,032,201株の11.2%に相当しております。
経営成績の分析 (MD&A)7,601字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産は1,388,806千円となり、前事業年度末に比べ153,147千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が319,710千円増加、商品及び製品が65,060千円増加、売掛金及び契約資産が207,826千円減少したことによるものであります。 固定資産は13,916千円となり、前事業年度末に比べ93,243千円減少いたしました。これは主に減損損失の計上により航空機等が71,489千円減少したことによるものであります。 この結果、総資産は、1,402,723千円となり、前事業年度末に比べ59,904千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は264,490千円となり、前事業年度末に比べ13,561千円増加いたしました。これは主に買掛金が12,273千円増加したことによるものであります。 固定負債は932,971千円となり、前事業年度末に比べ474,428千円増加いたしました。これは社債が500,000千円増加、長期借入金が25,572千円減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は、1,197,461千円となり、前事業年度末に比べ487,989千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は205,261千円となり、前事業年度末に比べ428,084千円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上に伴い利益剰余金が635,461千円減少、第三者割当増資と新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ101,742千円増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は14.4%(前事業年度末は47.2%)となりました。 ② 経営成績の状況 当社は、複数の自律移動ロボット(ドローンやAGVなどを指す)を遠隔で制御し、統合管理するためのソフトウェアプラットフォームである Blue Earth Platform®(BEP)を基軸に、人が実施していた社会インフラ設備の点検などの業務を、ドローンやAGVで代替して実施することにより効率化や安全化、省力化を図ることを目的としたソリューションの提供を行っております。 BEPとは、センサモジュールとソフトウェア(アプリ、クラウド)で構成された当社開発の統合的なシステム上のプラットフォームのサービス総称です。顧客の課題に対応して、ドローンの機体とセンサ、並びにソフトウェア開発の適切な組み合わせを、BEPの環境下で開発した上でソリューションとして提供していることから、各ソリューション名に「BEP」の名称を冠しております。BEPの環境下で、顧客の要望に合わせて、ドローン等の自律移動ロボットの移動・遠隔制御・デバイスとの連携等の「動かす」こと、ドローン等の取得した情報の保存・連携・監視等の「集める」こと、ドローン等の運行管理・挙動の解析等の「管理する」ことを実現しております。 当社の提供するソリューションは、点検、ポート、教育、ネクストの4分野で構成されており、特に「点検ソリューション」と「ポートソリューション(防災・監視向け)」を成長の二本柱として位置づけています。近年、社会課題としてインフラ老朽化や自然災害の増加が顕在化する中、下水道・電力などの社会インフラにおけるドローン点検需要が堅調に拡大しております。また、津波避難広報等に活用可能な防災ドローンポートシステム(BEPポート|防災システム)についても、国や自治体による導入・検証が進んでおり、当社はこれらの社会実装を推進する役割を果たしております。 当事業年度においては、社会インフラ点検及び防災分野を中心に社会実装が着実に進展し、案件創出は継続しました。一方で、案件ごとの個別対応を前提とした提供モデルが先行したことにより、供給能力及び売上計上のタイミングに制約が生じ、売上の積み上がりは限定的となりました。これらは、単発案件中心のフロー型収益構造や人手依存の供給体制といった事業構造上の課題が顕在化したものであります。当社はこれを今後の成長に向けて解決すべき構造的課題と認識しており、標準化・パッケージ化の推進及びストック型収益モデルへの転換を進めてまいります。 このような状況の中、当事業年度の経営成績は、売上高1,051,466千円(前期比14.0%減)、営業損失548,051千円(前期は営業損失398,416千円)、経常損失561,271千円(前期は経常損失392,019千円)、当期純損失635,461千円(前期は当期純損失394,719千円)となりました。なお、当期純損失の拡大については、保有する有形固定資産について将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の減損損失を計上した影響が含まれております。 なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。当社の販売実績を4つのソリューション別「点検、ポート、教育、ネクスト」に区分した売上高の状況は次のとおりであります。 (単位:千円) ソリューション区分   前事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)   当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 点検   568,398   576,522 ポート   312,446   252,143 教育   280,084   203,067 ネクスト   62,307   19,733 合計   1,223,237   1,051,466 ・点検ソリューション 下水道分野を中心に公共インフラ分野における案件数は増加した一方で、個別要件への対応や供給体制の制約により、一部案件で売上計上の期ズレが発生しました。この結果、売上高は576,522千円(前年同期比1.4%増)となりましたが、売上計上タイミングの影響により、売上の積み上がりは限定的となりました。 当社では、こうした状況を踏まえ、標準化・パッケージ化を進めることで、既存顧客における取引拡大と再現性のある成長モデルの構築に取り組んでまいります。 ・ポートソリューション 実災害対応を含む運用実績を通じて社会実装フェーズに到達しました。当事業年度においては、短期的な収益拡大よりも、導入後の運用安定性や自動化の高度化を優先した結果、収益化は段階的な進展となりました。この結果、売上高は252,143千円(前年同期比19.3%減)となりました。 今後は、導入・運用プロセスの標準化を進め、継続利用を前提とした収益モデルへの転換を図ってまいります。 ・教育ソリューション 教育ソリューション単体での売上拡大を目的とせず、点検・防災分野を支える基盤としての役割を明確化しました。その一環として、利益率や運用効率の観点から提供内容の見直しを行った結果、売上は抑制的な推移となりましたが、収益性は改善傾向にあります。この結果、売上高は203,067千円(前年同期比27.5%減)となりました。 今後は、講習を起点とした顧客接点を活かし、他ソリューションの受注確度向上に貢献してまいります。 ・ネクストソリューション 機械・化学メーカー等に向けた新規ソリューションの検証案件を一部受託した一方で、主力の点検及びポートソリューションへのリソース集中を優先したことにより、新規受注は限定的となりました。この結果、売上高は19,733千円(前年同期比68.3%減)となりました。 研究開発面では、BEPを基盤としたセンシング技術や自動運航機能の開発を継続しており、顧客との共同検証を通じた実用化可能性の検討を進めています。今後は、点検・防災分野との技術連携を強化し、将来的な事業化と収益化に向けた基盤構築を進めてまいります。 当社は、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが重要であると考えております。 当事業年度末における累計取引企業数は、点検ソリューションを中心に、下水道・電力などのインフラ分野をはじめ、建設業界においても着実に拡大し、700社(前期末比128社増)となりました。 ストック型売上は、231,716千円(前年同期比27.2%減)、ストック型売上比率は22.0%(前年同期は26.0%)となりました。採算性を重視した提供内容の見直しにより一時的に減少しましたが、これは収益性改善を優先した提供内容の見直しによる構成変更によるものです。現在は、運用・保守・ライセンス契約を中心とした高付加価値型の継続サービスへの再構築を進めており、今後は、点検ソリューションを中心に継続契約の積み上げを進め、ストック収益の安定化及び拡大を目指してまいります。当社は引き続き、利益率の高い継続利用モデルの拡大と収益基盤の健全化に取り組んでまいります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ319,710千円増加し、当事業年度末には988,216千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は327,710千円(前期は494,231千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失632,761千円、減損損失71,489千円、売上債権の減少額206,487千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は27,896千円(前期は37,469千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出27,896千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は675,318千円(前期は21,865千円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入500,000千円、株式の発行による収入203,484千円、長期借入金の返済による支出17,580千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。 セグメントの名称   当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 販売高(千円)   前年同期比(%) ドローン関連事業   1,051,466   86.0 (注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)   当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 一般社団法人日本UAS産業振興協議会   228,438   18.7   138,062   13.1 VFR株式会社   173,183   14.2   113,816   10.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。 また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、重要なものについて、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (売上高、売上原価、売上総利益) 売上高は、社会実装案件の増加に伴い個別対応が拡大した影響で、売上計上のタイミングが分散したことにより1,051,466千円(前事業年度比14.0%減)となりました。 売上原価は、640,972千円(前事業年度比10.1%減)となりました。 この結果、当事業年度の売上総利益は410,494千円(前事業年度比19.6%減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 販売費及び一般管理費は、社会実装対応を前倒しで進めたことにより、人的リソース及び外注費を一時的に厚く配置した結果、958,545千円(前事業年度比5.4%増)となりました。 この結果、当事業年度の営業損失は548,051千円(前事業年度は営業損失398,416千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 営業外収益は、前事業年度に比べ3,922千円減少し、6,874千円(前事業年度比36.3%減)となりました。 営業外費用は、前事業年度に比べ15,693千円増加し、20,094千円(前事業年度比356.6%増)となりました。これは主に資金調達費用が増加したことによるものであります。 この結果、当事業年度の経常損失は561,271千円(前事業年度は経常損失392,019千円)となりました。 (特別利益、特別損失、税引前当期純損失) 特別利益は、当事業年度、前事業年度ともに発生しておりません。 特別損失は、当事業年度において減損損失を計上したため71,489千円となりました。 この結果、当事業年度の税引前当期純損失は632,761千円(前事業年度は税引前当期純損失392,019千円)となりました。 (法人税等、当期純損失) 法人税等については、前事業年度と同額の2,700千円となりました。 以上により、当事業年度の当期純損失は635,461千円(前事業年度は当期純損失394,719千円)となりました。 ③ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析 当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性 当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供及び新規サービス開発のための販売・研究開発に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のためのPRマーケティング費などであります。これらの資金需要に対しては、自己資金、エクイティファイナンス、及び金融機関からの借入などで調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等については特段方針などはなく、資金需要の額や使途に応じて柔軟に検討を行う予定であります。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して 経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、安定した売上成長の観点では累計取引企業数及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス、運用サービスの継続利用等)の比率を高めることが、客観的で重要な経営指標(KPI)であると考えております。 当該指標について、当事業年度における年間取引企業数は128社、ストック型売上比率は22.0%となっております。また、売上総利益率は、当事業年度で39.0%となっております。なお、採算性を重視した提供内容の見直しによりストック型売上は一時的に減少し、ストック型売上比率も低下しましたが、これは収益性改善を優先した提供内容の見直しによる構成変更によるものです。現在は、運用・保守・ライセンス契約を中心とした高付加価値型の継続サービスへの再構築を進めており、今後は、点検ソリューションを中心に継続契約の積み上げを進め、ストック収益の安定化及び拡大を目指してまいります。 KPI   2024年実績   2025年実績 ①年間取引企業数   150社   128社 ②ストック型売上比率   26.0%   22.0% なお、当社の売上はフロー型売上(新規顧客/既存顧客)とストック型売上によって構成されており、最近3事業年度の売上の内訳は以下のとおりとなっております。 (単位:百万円)   2023年実績   2024年実績   2025年実績 フロー型売上(新規)   150   140   249 フロー型売上(既存)   806   763   570 ストック型売上   307   318   231

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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