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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ

Human Metabolome Technologies, Inc.6090 · Standard · サービス業

慶應義塾大学発のベンチャーで、独自のCE-MS法を用いたメタボローム解析により、ライフサイエンス研究・機能性素材開発・バイオものづくりを支援する。

概要

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、慶應義塾大学発のバイオベンチャーで、血液や尿中の代謝物質を網羅的に解析するメタボローム解析を核とした受託解析・創薬支援企業である。山形県鶴岡市に本社・研究所を置き、従業員62名という少人数ながら2025年6月期の連結売上高は14.5億円、営業利益2.4億円を達成。独自のCE-MS法(キャピラリー電気泳動-質量分析法)を基盤に、ライフサイエンス研究支援、機能性素材開発支援、バイオものづくり支援の3分野にサービスを提供する。2013年12月に東証マザーズに上場し、2025年7月にスタンダード市場へ移行した。

三本柱で構成するサービス領域

当社グループは2026年6月期より事業セグメントを統合し、単一セグメントで運営している。顧客ニーズに応じて3つのサービスを提供する。第一は「ライフサイエンス研究支援サービス(LSS)」で、製薬企業や大学向けにバイオマーカー探索や作用機序解明のための受託解析を行う。第二は「機能性素材開発支援サービス(FDS)」で、食品企業など向けに機能性成分の網羅的測定やヘルスクレーム予測をワンストップで提供する。第三は2025年7月に開始した「バイオものづくり支援サービス(BMS)」で、微生物や細胞を用いた有用物質生産の生産性向上を支援する。2025年6月期の売上高に占めるLSSの割合は約79%(11.4億円)、FDSは約21%(3.1億円)であり、BMSは同年7月開始のため当期寄与はない。

国内中心の収益構造と海外子会社

売上は国内が圧倒的に大きく、2025年6月期の連結売上高14.5億円のうち国内売上高は13.0億円(89.5%)、海外売上高は1.5億円(10.5%)にとどまる。海外は主に欧米の製薬企業や研究機関向けであるが、2025年6月期は海外事業環境の不透明感から前年比49.4%減の1.5億円となった。海外販売子会社として、米国マサチューセッツ州にHuman Metabolome Technologies America, Inc.、オランダ・ライデンにHuman Metabolome Technologies Europe B.V.を保有する。両社は主に先端研究開発支援事業の販売活動を担うが、2025年6月期はともに減収であった。国内では東京事務所(東京都中央区)と鶴岡本社で営業・研究開発を行う。

少人数経営と高収益性の維持

当社グループの従業員数は2025年6月期末で連結62名と小規模であるが、過去12期連続増収を達成し、2025年6月期には営業利益率17.1%(売上高14.5億円、営業利益2.4億円)という高い収益性を実現している。この背景には、高付加価値なCE-MS解析サービスをコアとし、設備投資と人材への集中投資を効率的に行ってきたことがある。2025年6月期の減価償却費は1.0億円、研究開発費は主にバイオものづくり向けに増加した。一方、2016年3月期から2019年6月期までは営業損失が続いたが、2020年6月期以降に改善し、2021年6月期以降は毎期連結純利益を計上している。2024年6月期には自己株式の取得や配当を実施し、株主還元も行っている。

慶應義塾大学発の第1号ベンチャー

当社は2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授が開発したCE-MS法を事業化する目的で、2003年7月に同大学のアントレプレナー資金制度により設立された。慶應義塾大学発ベンチャーの第1号である。設立以来、味の素、アジレント・テクノロジー、シスメックス、エムスリーなど大手企業との共同研究や資本業務提携を進めてきた。2013年にはうつ病バイオマーカーに関する特許を取得し、シスメックスにライセンス供与している。研究開発面では若手研究者向けの助成制度「HMTメタボロミクス先導研究助成制度」を2009年に創設し、アカデミアとの連携を強化している。

業界の中での役割はヘルスケア研究開発支援サービスプロバイダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
14億円
営業利益
2億円
営業利益率
14.3%
純利益
2億円
2026/6 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/6
事業売上構成比利益利益率
先端研究開発 支援事業11億円78.6%2億円18.2%
ヘルスケア・ソリューション事業3億円21.4%1億円33.3%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01ライフサイエンス研究主力

製薬企業や大学、研究所向けに、バイオマーカー探索や作用機序解明のための受託解析サービスを提供。独自の高感度網羅解析技術により、基礎研究から薬剤効果・毒性評価までを支援する。

主な製品・サービス1
CE-MS法を用いたメタボローム解析サービス
キャピラリー電気泳動と質量分析を組み合わせた独自技術で、生体内のイオン性代謝物質を一斉網羅的に測定し、解析結果を報告書として納品する。

02機能性素材開発準主力

機能性表示食品市場の拡大を背景に、機能性成分の探索から臨床試験支援までをワンストップで提供。メタボローム解析による網羅的な成分測定と、独自アルゴリズムによるヘルスクレーム予測で、効率的な素材開発を支援する。

主な製品・サービス1
機能性素材開発支援サービス (FDS)
機能性成分探索パッケージ、目利き臨床試験、ヘルスクレーム予測パッケージ、大規模臨床試験の効果検証支援など、開発段階に応じたワンストップソリューション。

03バイオものづくり準主力

微生物や動物細胞を用いた物質生産の生産性向上を支援。培養上清や細胞内のメタボローム解析により、栄養素の枯渇や代謝物の蓄積を可視化し、フラックス解析で代謝経路の効率を評価する。

主な製品・サービス1
バイオものづくり支援サービス (BMS)
培養プロセスにおけるメタボローム解析とフラックス解析を提供し、生産効率化のための具体的な施策を可能にする。

製品と技術

CE-MS法による高感度網羅解析技術

当社のコア技術は、キャピラリー電気泳動装置(CE)と質量分析計(MS)を組み合わせたCE-MS法である。この手法は、生体内のイオン性代謝物質を一斉かつ網羅的に測定できる点で画期的であり、2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授が開発した。従来の手法では難しかった低分子代謝物質の同時分析を可能にし、1回の測定で数百種類の代謝物質を検出できる。当社はこのCE-MS法を基盤に、高感度・高分解能な受託解析サービスを提供している。また、中分子高感度網羅解析サービスの開発も進め、解析対象を拡大している。

ライフサイエンス研究支援サービス(LSS)

LSSは、製薬企業や大学・研究機関向けにバイオマーカー探索や薬効評価・毒性評価を支援する受託解析サービスである。顧客から提供された血液・尿・組織などの試料から代謝物質を抽出し、CE-MS等で網羅的に分析。その結果を報告書として納品し、必要に応じて専門家によるコンサルテーションも行う。2025年6月期のLSS売上高は11.4億円で全社売上の79%を占める。国内は大型案件の獲得により増加したが、欧米は研究開発の低迷で減少した。代表的な解析パッケージとして、2012年発表のがん研究向け「C-SCOPE」がある。

機能性素材開発支援とバイオものづくり支援

機能性素材開発支援サービス(FDS)は、機能性表示食品制度に対応した素材開発をワンストップで支援する。メタボローム解析による機能性成分の網羅的測定、小規模ヒト試験「目利き臨床試験」、独自アルゴリズムによるヘルスクレーム予測を提供する。2025年6月期のFDS売上高は3.1億円で前年比96.4%増と急成長した。バイオものづくり支援サービス(BMS)は2025年7月より開始。微生物や細胞を用いた有用物質生産において、培養上清や細胞内の代謝物を経時的に分析し、フラックス解析により生産性向上のヒントを提供する。政府のバイオエコノミー戦略(2030年100兆円目標)を追い風に、早期立ち上げを目指す。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

代謝物解析技術で国内ニッチ首位、海外展開途上

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、メタボローム解析サービスに特化した独立系企業として、競合他社が総合受託や遺伝子解析に注力する中、独自のポジションを確立している。同社の売上高は約14億円と小規模だが、営業利益率は14%前後と高水準を維持しており、専門性の高さが収益性に寄与している。同業他社のジンジブやイシンと比較して、代謝物解析という特定領域に集中することで差別化を図っているものの、市場規模自体が限定的であり、成長には海外市場や新規分野への展開が不可欠である。近年の売上高は横ばい傾向で、収益性は安定しているが、規模の拡大には課題が残る。

強み

  • メタボローム解析に特化し、独自の技術基盤とノウハウを蓄積。
  • 営業利益率が14%前後と高水準で、安定した収益構造を確立。
  • 特定企業に依存せず、中立な立場で多様な顧客に対応可能。
  • 小規模組織で迅速な意思決定と柔軟なサービス提供が可能。

課題

  • メタボローム解析の市場は小さく、拡大には新規用途開発が必要。
  • 海外での実績やネットワークが不足しており、グローバル成長が課題。
  • 専門人材に依存するビジネスモデルで、拡大時の人材確保が難。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

サービス業の時価総額近傍。太字がヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17037テノ.ホールディングス38億円28.7倍
29256サクシード38億円15.7倍
35868ロココ38億円27.6倍
4264ASchoo38億円37.0倍
5977838億円80.5倍
66090ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ37億円17.3倍
77353KIYOラーニング37億円9.4倍
82139中広37億円18.9倍
99561グラッドキューブ37億円66.8倍
106193バーチャレクス・ホールディングス37億円
117044ピアラ37億円28.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 13件

CE-MS法の事業化から味の素・アジレントとの提携(2003-2005)

2003年7月、山形県鶴岡市に資本金1千万円で会社設立。創業メンバーはCE-MS法の開発者である曽我朋義教授、冨田勝教授、慶應義塾大学などである。2004年6月、味の素株式会社と共同研究契約を締結し、メタボローム解析の実用化を加速。2005年6月には米アジレント・テクノロジーとメタボロミクスソリューション共同開発で提携するとともに、本社を鶴岡市覚岸寺(現在地)へ移転。同年11月には東京事務所を開設し、営業拠点を確保した。設立から2年で大手企業との連携を実現し、技術の信頼性を高めた。

人材派遣事業開始と解析キット販売(2006-2009)

2006年2月、人材派遣事業を開始し、バイオ以外の収益源を模索。同年5月には横河アナリティカルシステムズ(現アジレント・テクノロジー)とメタボロミクスキットの販売を開始し、製品化にも乗り出した。2009年5月には若手研究者向け奨学助成制度「HMTメタボロミクス先導研究助成制度」を創設し、アカデミアとの関係を強化。この時期、メタボローム解析の認知度向上に努めるとともに、人材派遣事業で安定収入を得ながらコア事業を育てた。ただし人材派遣事業は2015年に廃止されている。

C-SCOPE発表と海外子会社設立、東証マザーズ上場(2012-2013)

2012年8月、がん研究向け解析サービス「C-SCOPE」を発表し、疾患特異的なバイオマーカー探索サービスを強化。同年10月には米国マサチューセッツ州に販売子会社Human Metabolome Technologies America, Inc.を設立し、北米市場への本格展開を開始。2013年9月には慶應義塾大学と肝臓疾患バイオマーカーに関する特許実施許諾契約を締結し、うつ病バイオマーカー特許を日本・米国・中国で登録。同年12月、東京証券取引所マザーズに上場し、資金調達と知名度向上を果たした。上場時点の売上高は5億円(2013年3月期)であった。

提携拡大と不採算事業の整理(2015-2019)

2015年1月、シスメックスとうつ病バイオマーカー特許の通常実施権許諾契約を締結し、ライセンス収入の道を拓いた。同時に神奈川県横浜市にバイオマーカー事業子会社HMTバイオメディカル株式会社を設立。またエムスリー株式会社との資本業務提携、第三者割当増資を実施。同年、人材派遣事業を廃止し、コア事業に集中。欧州にもオランダ・ライデンに販売子会社を設立した。2016年3月期から2018年3月期は営業損失が続き、2019年6月期には純損失6億円と業績が低迷した。この間、経営基盤の立て直しを迫られた。

12期連続増収とスタンダード市場移行(2020-2025)

2020年6月期以降、不採算事業の整理や生産性向上により収益が改善。2021年6月期に純利益1億円を計上し黒字転換。その後も増収を続け、2025年6月期には売上高14.5億円(12期連続増収)、営業利益2.4億円を達成した。2024年6月期には中期経営計画「成長基盤構築」を掲げ、ヘルスケア・ソリューション事業の黒字化を実現。2025年7月には東証スタンダード市場へ移行し、上場市場を変更。同年7月には新サービス「バイオものづくり支援サービス(BMS)」を開始し、第3の柱と位置付けた。

年表13件を開く

2000年代

  • 2003年7月創業山形県鶴岡市末広町に資本金1千万円で会社設立
  • 2004年6月味の素株式会社と共同研究契約を締結
  • 2005年6月Agilent Technologies, Inc.(米国)とメタボロミクスソリューション共同開発に向けて提携 本社を山形県鶴岡市覚岸寺字水上246番地2へ移転
  • 2005年11月東京都中央区に東京事務所を開設
  • 2006年2月人材派遣事業を開始
  • 2006年5月横河アナリティカルシステムズ株式会社(現アジレント・テクノロジー株式会社)とメタボロミクスキットの販売を開始
  • 2009年5月若手研究者のための奨学助成制度「HMTメタボロミクス先導研究助成制度」を創設

2010年代

  • 2012年8月がん研究向け解析サービス“C-SCOPE”発表
  • 2012年10月アメリカ合衆国マサチューセッツ州に販売子会社Human Metabolome Technologies America, Inc.を設立
  • 2013年9月学校法人慶應義塾と肝臓疾患のバイオマーカーに関する特許実施許諾契約を締結 発明「うつ病のバイオマーカー、うつ病のバイオマーカーの測定法、コンピュータプログラム、及び記憶媒体」が日本国内において特許登録(特許第5372213号)
  • 2013年12月上場東京証券取引所マザーズへ上場
  • 2015年1月発明「エタノールアミンリン酸の測定方法」が日本国内において特許登録(特許第5688163号)発明「Biomarker of depression,method for measuring biomarker of depression, Computer program, and recording medium」がアメリカ合衆国において特許登録(US8951739)発明「うつ病のバイオマーカー、うつ病のバイオマーカーの測定法、コンピュータプログラム、及び記憶媒体」が中国において特許登録(ZL201080046087.6)シスメックス株式会社とうつ病バイオマーカーに係る特許通常実施権許諾契約を締結 神奈川県横浜市にバイオマーカー事業を展開するHMTバイオメディカル株式会社を設立 人材派遣事業を廃止 エムスリー株式会社と資本業務提携契約を締結 エムスリー株式会社、株式会社平田牧場、株式会社山形銀行及び株式会社荘内銀行に対する第三者割当増資を実施 オランダ南ホラント州ライデンに販売子会社Human Metabolome Technologies Europe B.V.を設立 発明「Phos

2020年代

  • 2025年7月東京証券取引所スタンダード市場に移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

社員と組織

有価証券報告書 9期分

グループ全体で62人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は673万円で、8期前と比べて+33.1%平均年齢は39.2歳、平均勤続年数は9.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月54
2018年3月61
2019年6月50637.55.280
2020年6月54438.35.673
2021年6月53338.96.769
2022年6月55039.87.465
2023年6月59840.77.857
2024年6月67740.58.658345
2025年6月67339.29.762323

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
本社研究所 — 山形県鶴岡市266百万円
先端研究開発 支援事業
先端研究開発支援事業 — Human Metabolome Technologies America, Inc. (アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市)7百万円
東京事務所 — 東京都中央区3百万円
先端研究開発支援事業、ヘルスケア・ソリューション事業、全社共通
ほか2件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    Human Metabolome Technologies America, Inc.
    アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ボストン市 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年6月期の売上高は14億円営業利益2億円前期と比べると減収増益で、売上が-6.7%、利益が+0.0%。

売上高
-6.7%
14億円
営業利益
+0.0%
2億円
純利益
-33.3%
2億円
営業利益率
14.3%
前期比 +1.0%pt

会社が出している今期の予想2027年6月期

項目会社予想前期実績
売上高15億円14億円
営業利益2億円2億円
純利益2億円2億円
1株あたり配当¥18¥18

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年4Qで、売上は7億円、営業利益は2億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は−12.5%、営業利益は+100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q5240.01
2023年4Q21
2024年1Q200.00
2024年2Q4125.01
2024年3Q5240.01
2024年4Q2−1−50.00
2025年2Q7114.31
2025年4Q8112.52
2026年2Q700.00
2026年4Q7228.62

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は5億円から14億円へ2.8倍に増えた。直近期の営業利益率は14.3%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
東京証券取引所マザーズへ上場
2013年3月5−1−1
2014年3月600
発明「エタノールアミンリン酸の測定方法」が日本国内において特許登録(特許第5688163号)発明「Biomarker of depression,method for measuring biomarker of depression, Computer program, and recording medium」がアメリカ合衆国において特許登録(US8951739)発明「うつ病のバイオマーカー、うつ病のバイオマーカーの測定法、コンピュータプログラム、及び記憶媒体」が中国において特許登録(ZL201080046087.6)シスメックス株式会社とうつ病バイオマーカーに係る特許通常実施権許諾契約を締結 神奈川県横浜市にバイオマーカー事業を展開するHMTバイオメディカル株式会社を設立 人材派遣事業を廃止 エムスリー株式会社と資本業務提携契約を締結 エムスリー株式会社、株式会社平田牧場、株式会社山形銀行及び株式会社荘内銀行に対する第三者割当増資を実施 オランダ南ホラント州ライデンに販売子会社Human Metabolome Technologies Europe B.V.を設立 発明「Phos
2015年3月700
2016年3月8−1−1
2017年3月90−1
2018年3月9−1−2
2019年6月10−5−6
2020年6月1100
2021年6月1111
2022年6月1233
2023年6月1323
2024年6月132215.42
2025年6月152213.33
2026年6月142214.32

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年6月期

売上高14億円のうち、営業利益として残るのは2億円14.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2億円、売上の14.3%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金85.7%12億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益14.3%2億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比+6.7pt
14.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+9.2pt
14.3%
税金まで払って最後に残る割合

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2025年6月期は営業CFが4億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは2億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は16億円で、売上の12.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月−100−12
2014年3月0013015
2015年3月1−10015
2016年3月−1−10−213
2017年3月004016
2018年3月−2−10−314
2019年6月−3−10−410
2020年6月200212
2021年6月001012
2022年6月3−21115
2023年6月3−10217
2024年6月20−1218
2025年6月4−2−4216

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 13期分

2025年6月期の総資産は24億円。このうち返さなくてよい自己資本が19億円で、自己資本比率は79.6%(業種中央値53.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月42240.8
2014年3月1815388.0
2015年3月1716190.9
2016年3月1615192.3
2017年3月2019191.4
2018年3月1918189.2
2019年6月1412282.7
2020年6月1512372.6
2021年6月1613372.3
2022年6月2115668.1
2023年6月2318574.1
2024年6月2619772.7
2025年6月2419579.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年6月期の内訳
現金及び預金
16億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
6億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
5億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り534社中28位あたり、逆に低いのは売上成長率534社中483位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
14.3%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-6.7%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.9%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥617で、1年前と比べて-15.2%過去52週の値幅のなかでは24%の位置にある。

¥617-0.5%1ヶ月+4.4%1年-15.2%時価総額37億円
過去52週の値幅
安値¥570高値¥766

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)17.3倍
PER (会社予想)19.7倍
PBR1.86倍
配当利回り2.92%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価592円は25日線(592.96円)とほぼ同水準。直近1カ月は-0.17%と横ばい。52週高値794円に対し約25%低い位置。25日線、75日線(620.05円)、200日線(650.91円)の全てを下回っており、中期的な下降トレンド。RSIは65.31と改善傾向にあるが、株価は戻りが鈍い。出来高は7月17日に37,100株と増加した後、8月7日は5,300株と低調。上値は重く、様子見姿勢が続く。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PER16.61倍(予想18.9倍)は同業界平均22.52倍を大幅に下回り割安。PBR1.75倍は平均3.19倍を大きく下回る。配当利回り3.04%は平均2.68%を上回る。ROE13.6%は高水準。売上は安定成長し、営業利益率は13%超。業界平均と比較して全指標が優位。ただし売上規模が小さく、今後の成長持続性に注意。総合的に割安と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)17.3倍23.4倍
PER (予想)19.7倍
PBR1.86倍3.51倍
ROE13.6%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は15億円規模で、営業利益率13%と高い水準を維持しているが、規模が小さく成長性が課題。強気派は、創薬支援やヘルスケア分野での需要拡大を背景に、技術の独自性と高い収益性を評価し、今後の成長余地に期待する。一方、弱気派は、売上高が直近で減少傾向にあり、特定の顧客や分野への依存度が高く、市場規模の限界を指摘する。また、競合他社の参入や技術の代替リスクもあり、現在のPER16倍程度の評価が割高との見方もある。

プラスに働く材料7
  • 高い収益性

    営業利益率が13〜15%と高く、技術力に裏付けられた付加価値がある

  • 創薬支援の需要

    製薬業界での代謝物分析の需要は堅調で、新規受託の拡大が期待できる

  • 大学との連携

    慶應義塾大学発の技術基盤により、研究開発力の維持が可能

  • 配当利回り3.04%が下支え通年影響

    配当利回り3.04%は下落後の株価を下支えする

  • ROE13.6%と資本効率良好継続影響

    ROE13.6%はPBR1.75倍の水準と整合し、収益性を示す

  • 営業利益率14.29%と高収益継続影響

    直近の営業利益率は14.29%と、小規模ながら高い収益性

  • 1年で21.78%下落した反発余地不定影響

    1年間で株価が21.78%下落し、配当利回りが3.04%まで上昇

マイナスに働く材料7
  • 市場規模の限界

    売上高が15億円前後で伸び悩み、大規模な成長が見込みにくい

  • 顧客依存のリスク

    限られた大手製薬企業などへの依存で、取引条件の変化に弱い

  • 競争の激化

    解析技術の汎用化が進み、差別化が難しくなる可能性

  • 売上高15億円→14億円に減収通年影響

    売上高は前期比1億円減の14億円

  • 純利益3億円→2億円に減益通年影響

    純利益は前期比1億円減の2億円

  • 予想PER18.9倍と悪化見込み決算発表後影響

    現在PER16.61倍に対し予想PER18.9倍と、将来収益の低下を示唆

  • 時価総額35億円の超小型株継続影響

    時価総額35億円、外国人所有3.95%と流動性が限定的

次の決算で確かめる点
受託解析件数
創薬支援などの主力サービス需要が伸びているかを確認するため
顧客あたり単価
大口顧客への依存度が高く、単価動向が収益に直結するため
研究開発費比率
将来の競争力を維持する投資が継続しているかを測るため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり18で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.92%。

年間配当
¥18
1株あたり
配当利回り
2.92%
いまの株価に対して
配当性向
35.0%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2023年6月1021.7
2024年6月1550.038.2
2025年6月150.035.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥18

株主

有価証券報告書より

2025年6月期末の株主数は延べ4,031人。区分でいちばん多いのは個人・その他73.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が18.6%を占め、残る81.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年6月%2021年6月%2022年6月%2023年6月%2024年6月%2025年6月%
個人・その他71.871.472.473.774.473.4
事業法人11.710.710.511.29.910.2
金融機関8.48.48.58.68.48.3
証券会社5.97.97.14.44.74.1
外国法人2.21.61.31.92.53.9
自己株式0.00.00.00.00.03.9
外国人個人0.00.00.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01冨田 勝6.59
02エムスリー株式会社3.67
03曽我 朋義3.51
04第一生命保険株式会社3.14
05MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)2.55
06西岡 孝明2.53
07株式会社山形銀行2.53
08株式会社平田牧場2.53
09株式会社荘内銀行2.53
10楢崎 勝己1.69

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+246%、1株純資産は13期で+643%。直近期のROEは13.6%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月−2545
2014年3月02990.25028.9
2015年3月−7298
2016年3月−13286
2017年3月−11318
2018年3月−27294
2019年6月−102193
2020年6月−8189
2021年6月101995.187.6
2022年6月4523920.816.1
2023年6月4828718.415.521.7
2024年6月4132013.515.438.2
2025年6月4433213.617.535.0
2026年6月36

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2025/6期の役員報酬は総額59百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
大畑恭宏代表取締役社長6111,619
紙健次郎取締役511,441
夏苅一取締役(監査等委員)46
安藤英廣取締役(監査等委員)71
氏家美千代取締役(監査等委員)60
松田純一66

役員報酬の内訳2025/6

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円ストックオプション百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)3311465017
社外取締役5992

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/6期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容5,470字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社および先端研究開発支援事業の欧米市場における販売子会社であるHuman Metabolome Technologies America, Inc. (以下「HMT-A」といいます。)の2社で構成され、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、ヘルスケア研究開発に携わる人々のベストパートナーとして、画期的なヘルスケア製品・サービスの創造に貢献する[ヘルスケア・ソリューション・プロバイダー]を目指して事業を展開する慶應義塾大学発のベンチャー企業です。 2025年6月期までは先端研究開発支援事業とヘルスケア・ソリューション事業の2事業セグメントに分けておりましたが、ビジネスモデルがほぼ同一であることから、2026年6月期より事業セグメントを統合して1事業として運営しております。 顧客のライフサイエンス研究支援、機能性素材開発支援、バイオものづくり支援のニーズに対し当社のメタボローム解析技術・ノウハウにより、ソリューションを提供してまいります。 <事業系統図> (1)メタボローム解析 人間をはじめとする生物は、筋肉や臓器、骨といった多様な機能を持つ器官から成り立ちますが、これらはアミノ酸や脂質、核酸などの代謝物質(メタボライト)を共通の構成因子としており、代謝物質は全ての生命活動において欠かせない役割を担っています。代謝物質は食事により供給され、運動など日々の活動の中で消費されます。その機能に応じて体内や細胞内を移動し、多くの化学反応によって新しい物質へと作り替えられていきます。このような化学反応のことを代謝(メタボリズム)と呼び、この物質変換は代謝経路という一定の規則により成り立っています。代謝の仕組みを理解することは、私たち自身をより深く知ることに繋がります。 メタボローム解析は幅広い分野で利用されていますが、主に以下のようなニーズ分野で代謝を理解する手法として活用されています。 ① ライフサイエンス研究支援 主にバイオマーカー探索や作用機序解明などの基礎研究分野で利用されています。 生命活動を営むためには、様々な機能を精緻に制御して”恒常性”を維持する仕組み(内的/外的な影響を最小限にし、一定に保つ仕組み)が備わっています。体温や心拍数が一時的に変化しても元に戻ることが、恒常性の身近な例と言えます。しかし、疾病に罹患することにより恒常性が破綻した場合、代謝物質などの構成要素にも影響が及び、健康の時とは異なる振る舞いを示すようになります。それがバイオマーカーです。バイオマーカーとして広く知られているものに、膵臓の機能指標となる血糖(糖尿病)や肝機能の指標となるγ-GTP(肝硬変等)、腫瘍マーカーとしてPSA(前立腺がん)やCA19-9(膵臓がん等)があります。バイオマーカーとは、特定の疾患に対して客観的に評価できる生体上の指標をいいます。 バイオマーカーは、疾患をモニターすることを目的に古くから研究されてきましたが、より高感度で一度に多くの物質を分析できる新しい方法の出現により、新たなバイオマーカーの研究成果が相次いで発表されています。メタボローム解析技術により、探索が進んでいるバイオマーカーには、以下のようなものがあります。 ・疾患を予測するバイオマーカー ・治療の予後を予測するバイオマーカー ・投薬による副作用を予測するバイオマーカー ・投薬の効果を予測するバイオマーカー 作用機序解明とは、ある成分を摂取した場合にどの代謝経路に作用しているのかを判断するために代謝物の変動の比較分析から情報を提供するものです。摂取した成分が特定の酵素などに働くことにより、活性化あるいは抑制された結果、その後に生成される代謝物の量に変化が生じます。この群比較を行うことにより、対象成分がどの酵素などに働きかけたのかなどを推定するのに活用されています。 ② 機能性素材開発支援 2015年に機能性表示食品制度が開始されました。これは機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者の皆さんがそうした商品の正しい情報を得て選択できることを目的としています。国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。この制度により機能性表示食品に関する認知度も向上し、届け出数も増加するともに、その市場規模も大きく増加して今日に至っています。 この制度は、企業などにより高機能な素材開発の推進を促進することにつながったのみならず、良い素材・商材を生産されている中堅中小企業の幅広い利用にもつながっています。さらに効率的な機能性素材・製品の開発を進めるために、メタボローム解析による網羅的な機能性成分の発見と機能検証への活用が進んでいます。 ③ バイオものづくり支援 「バイオものづくり」とは、生物由来の素材を用いてものづくりを行うこと、さらには微生物などの生物の能力を活用して有用化合物などを作り出すことをいいます。化石燃料を原料としないで物質の生産を行うことができることから、カーボンニュートラル実現のキーテクノロジーとして大きな期待が寄せられています。これにより環境負荷低減に貢献できるのみならず、資源自律経済の推進や、食料安全保障の点からも重要視されています。2024年6月に政府が発表したバイオエコノミー戦略では、2030年までに100兆円の市場規模を目標としているとされています。 バイオものづくりによる物質生産の拡大を促進していくためには、生産コストを大幅に引き下げることが求められます。微生物の反応が化学的な手法と比べて長い時間を要することや、製造に成功するまで技術的に困難なことが多いため、コストが高くなりがちです。この課題を解消するために、微生物や菌株のゲノム編集などによる生産性の向上への取組みが行われてきましたが、それを効率化するためにメタボローム解析が極めて有用です。また培養プロセスにおける生産性向上にもメタボローム解析が大きく貢献しています。 (2) 当社グループ設立の経緯 生物学、医学分野において、オミクス(注1)は生体の網羅的情報を得る手法として重要です。2001年慶應義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授(当時)は、生体内の低分子代謝物質(メタボローム)(注2)を網羅的に測定する方法を開発しました。このメタボローム測定法はキャピラリー電気泳動装置(Capillary Electrophoresis)と質量分析計(Mass Spectrometer)を組み合わせて測定するもので、頭文字をとってCE-MS法と呼ばれています。 曽我朋義教授の測定法は、生体内のイオン性代謝物質(注3)を、一斉に、かつ、網羅的に測定できる点で画期的な技術でした。メタボローム解析技術は、生物学基礎研究から医薬品開発、疾患バイオマーカー(注4)開発等に用いられるため、本技術の社会的ニーズが見込まれました。 こうした技術の確立を背景に、当社グループは、CE-MS法の開発者である曽我朋義教授、冨田勝教授、慶應義塾大学等が中心となり、2003年7月に設立されました。当社グループは、慶應義塾大学のアントレプレナー資金制度により出資を受けた慶應義塾大学発ベンチャー企業の第1号となりました。 (3) ビジネスモデル 当社グループは、主にCE-MS法を用いたメタボローム解析法をコア技術として、代謝物質の網羅的解析技術を用いて顧客の研究開発を支援し、その解析結果に基づくソリューション提案を行うことで、顧客の成功に貢献すべく活動しております。 当社は顧客から提供された試料から代謝物質を抽出し、CE-MS等によるメタボローム解析などを行い、解析結果を報告書として納品します。また顧客のご要望に応じて解析結果に基づき、専門家によるソリューションを提案するコンサルテーションも実施しております。 (4) 事業内容 当社グループでは主に以下の3分野のニーズにお応えするサービスを提供しております。 ① ライフサイエンス研究支援サービス(略称 LSS:Life Science analysis Support service) 主に顧客のバイオマーカー探索並びに作用機序解明などのニーズに応えるために、当社が独自には開発した高感度網羅解析技術を活用した受託解析サービスを提供しています。当社グループの解析サービスで得られた代謝物質データは、製薬企業や大学、研究所では基礎生物学研究から薬剤効果及び毒性の評価等、顧客の研究開発進展に貢献しております。 ② 機能性素材開発支援サービス(略称 FDS:Functional material Development Support services) 主に機能性素材開発におけるワンストップソリューションサービスを提供しております。機能性成分探索パッケージでは、当社のメタボローム解析技術により製品に含まれる機能性関与成分を網羅的に測定することができます。また小規模でのヒト試験「目利き臨床試験」や当社グループ独自のアルゴリズムを用いたヘルスクレーム予測パッケージにより、素材のもつ機能を推定いたします。これにより迅速かつ効果的にヘルスクレームを予測することが可能なため、素材の新たな機能を見出すとともに、本臨床試験のアウトカム未達のリスクを軽減します。その後の大規模臨床試験などでも対象素材摂取と非摂取の比較をメタボローム解析にて行うことにより、科学的な効果検証を支援いたします。 ③ バイオものづくり支援サービス(略称 BMS:Bio-Manufacturing Support services) 主にバイオものづくりにおける生産性向上を支援するサービスを提供しています。 バイオものづくりの研究開発に取り組む企業は、宿主となる微生物や動物細胞を用いてバイオエタノールや機能性成分、抗体医薬などを生産しておりますが、このプロセスの生産効率化が、バイオものづくりに関わる企業の方々の共通の課題となっております。 本サービスを活用して細胞内や培養上清中のメタボローム解析を実施する事で、宿主となる細胞が、目的の物質を生成するのに必要な、あるいは不必要な一連の栄養素を明らかにする事が可能となります。具体的には、培養上清中の代謝物質を網羅的にかつ経時的に分析する事で、培養途中で枯渇している成分、培養液中に蓄積する成分、並びに細胞内の代謝物の経時変化を調べる事ができ、生産性向上に向けた様々な施策につなげることができます。 本サービスに含まれるフラックス解析により、ある物質が別の物質に変換される反応の速度を推定する事ができます。これにより、基質となる物質がどの程度効率的に目的の物質に変換されているか、その流れを可視化する事ができます。加えて理論的に最大量の目的物質が生産される場合の代謝の流れを可視化する事により、理論的にはどの程度のさらなる生産効率化が可能であるかという目標を把握し、基質となる物質をより効率的に目的物質に変換させるためのヒントを得ることができ、バイオものづくりの飛躍的な生産性向上に貢献することが期待されています。 (注1)オミクス(omics)とは、生体内に存在する遺伝子及びその発現、タンパク質、代謝物質等を網羅的に解析し、生体内の挙動を理解しようとする研究アプローチです。遺伝子(gene)ではゲノミクス(genomics)、遺伝子発現(transcript)ではトランスクリプトミクス(transcriptomics)、タンパク質(protein)ではプロテオミクス(proteomics)、代謝物質(metabolite)ではメタボロミクス(metabolomics)と表現します。 (注2)ヒトや動植物の生体内には、生命活動の維持に必要なATP(アデノシン三リン酸)等の高エネルギー物質や有機酸、アミノ酸等、数多くの代謝物質が存在し、酵素による代謝物質の変換が活発に行われています。メタボロームとは、これら生体由来の代謝物質の総称です。個々の代謝物質を指す場合には、メタボライトと言うこともあります。 (注3)イオン性代謝物質とは、水溶液中で電荷を帯びる代謝物質を指します。例えば、食塩(NaCl)は水に溶けると、Na+(ナトリウムイオン)とCl-(塩化物イオン)に分かれます。イオン性代謝物質は、このように分子が分かれて電荷的な性質を持ち、CE-MS法は、こうしたイオン性代謝物質が電荷を帯びている性質を利用し、キャピラリー電気泳動装置で測定試料に含まれる代謝物質を分離します。 (注4)疾患バイオマーカーとは、ある病気の有無、進行状況、重症度、あるいは治療効果などを客観的に示す生体内の指標(マーカー)のことです。血液や尿、唾液、組織などから測定できる分子や物質などの情報がバイオマーカーとなります。代謝物質の疾患バイオマーカーとして広く知られているものに、糖尿病の可能性を示唆する血糖や痛風の発症リスクと関連する尿酸などがあります。
経営方針・対処すべき課題3,365字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、その達成のために、ヘルスケア分野の研究開発に携わる人々のベストパートナーとして、画期的なヘルスケア製品・サービスの創造に貢献する[ヘルスケア・ソリューション・プロバイダー]を目指して活動をしてまいります。これらの活動を通じて、産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力の向上(SDG’s目標9)に貢献していきます。その結果、顧客企業の製品化・サービス化を推進することを支援し、感染症などへの予防・対処や健康増進(SDG’s目標3)に貢献していきたいと考えております。 当社グループの経営基本方針は、当社グループが競争優位性を有するメタボローム解析技術・ノウハウを基軸にした新規事業・新サービスの開発(イノベーション)を強力に推進していくと同時に、業務活動全般におけるオペレーショナル・エクセレンスを高めていくことでさらなる収益性の向上を図り、ステークホルダー全体の満足度を向上し、企業価値を高めていくことです。 (2) 目標とする経営指標 当社グループは、当連結会計年度におきましても12期連続での増収となりました。営業利益も対前年比13.3%増となりました。企業価値向上の基礎となる持続的な中長期的成長を果たすために、第21期から第23期(2024年6月期から2026年6月期)までの中期経営計画は成長基盤構築をテーマとしており、中長期的な成長を果たすためのイノベーションを創出しつつ、最終年度にあたる2026年6月期では、新規事業などにより当初の中期経営計画に基づく営業利益計画を達成していくことが、ステークホルダーから期待されているものと認識しております。 2026年6月期までの中期経営計画では最終年度にて以下の経営指標を目標としております。 1)連結売上高  16億円 2)連結営業利益  3億円 (3) 経営環境 当社グループが属するライフサイエンス業界は、少子高齢化といった国内環境にあっても、成長が見込まれる数少ない分野の一つであります。また将来の感染症予防・対策への関心も高く、研究開発投資が高水準で継続しており、今後も同様に推移することが想定されます。 また政府がバイオエコノミー戦略2024を発表し、環境負荷軽減、資源自律経済の実現、食料安定供給などに資するバイオものづくり市場の急拡大が見込まれています。バイオエコノミー市場は2030年から2040年には200兆円から400兆円になるという試算もあり*1、バイオエコノミー戦略では2030年に100兆円を目指すこととしております*2。 *1.出所:2023年5月経産省資料「2020 McKinsey Global Institute Analysis」 *2.出所:「2024年6月内閣府バイオエコノミー戦略」 (4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 2020年6月期以降、2023年6月期までは「経営基盤整備の期間」と位置付け、不採算事業の整理や生産性向上を推進し、持続的な事業活動を可能とする財務体質の強化に努めてまいりました。この結果、当社グループ連結では増収増益を継続し、安定した事業基盤・収益基盤を構築することができました。 2024年6月期から2026年6月期までの中期経営計画では、これまでの先端研究開発支援事業において着実な増収増益を図るとともに、ヘルスケア・ソリューション事業の拡大と収益化のための「成長基盤構築の期間」と位置付けておりました。2025年6月期にはヘルスケア・ソリューション事業のセグメント利益が黒字化し、安定軌道に乗ったと判断しております。また新規事業としてバイオものづくり支援サービスを2025年7月より提供開始いたしました。これらを踏まえてリソースをより機動的かつ有機的に活用していくことでグループ全体の企業価値向上を図ることを目的に、2026年6月期より事業セグメントを統合することといたしました。これまでの先端研究開発支援事業で展開してまいりましたサービスは、「ライフサイエンス研究支援サービス(LSS)」として、ヘルスケア・ソリューション事業で展開してまいりましたサービスは、「機能性素材開発支援サービス(FDS)」として引き続きの強化を図りつつ、新規サービスである「バイオものづくり支援サービス(BMS)」を加えて3本柱でのサービス展開にて、企業価値向上に努めてまいります。 当社グループの中長期的な成長のために、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。 ①企業分野での売上成長 当社グループは企業分野での売上成長を目指してまいります。そのために、1)バイオものづくり支援サービス(BMS)の早期立ち上げ、2)既存事業(LSS+FDS)の安定成長、3)新規事業創造を進めてまいります。 1)バイオものづくり支援サービス(BMS)の早期立ち上げ 今後飛躍的な市場拡大が見込まれるバイオものづくり分野における生産性向上支援サービスの拡販並びに拡張を進めてまいります。2025年6月期に取り組んだ業務提携先との実証実験においても、当社サービスを活用することでの飛躍的な生産性向上という成果を確認できたことから、本サービスの拡販を推進してまいります。また当該分野でのさらなる新サービスの導入に向けた開発にも継続して取り組んでまいります。 2)既存事業の安定成長 国内外でのライフサイエンス研究支援サービス(LSS)や機能性素材開発支援サービス(FDS)への需要は安定的な拡大が見込まれています。これらの分野においても新サービスを継続的に導入することにより、市場拡大スピードと同等以上の成長を果たすべく、事業活動を推進してまいります。また、収益性の改善にも努めてまいります。 3)新規事業創造 次期中期経営計画での成長を加速するための新規事業の開発に取り組んでまいります。当社の中長期的な成長のためには、新規事業の創出が不可欠であり、組織としての新規事業創出能力の向上にも注力してまいります。 ②生産性の向上による収益性の更なる改善 当社グループの解析業務は鶴岡本社で実施しております。売上増に対応するためのキャパシティ拡大を効率的に行うことにより、生産性を向上し、収益性を大幅に改善することができます。生産管理システムの導入によるデジタル化の推進に加えて、ロボット導入などによる自動化推進、ハイスループット技術手法の開発による単位当たりの解析時間短縮、AI解析による省人化など、多面的な生産性改善を進めてまいります。また解析以外の業務につきましても、デジタル化・AI活用を推進していくことで、業務の見える化を推進し、効率改善を通じた生産性改善を行ってまいります。 ③リスク管理体制の強化 当社グループでは新規事業創出が持続的成長のカギとなるため、チャレンジングな取組みを効率よく実行することが求められています。また、当社グループを取り巻く事業環境の変化に対する継続的なリスク対策の検討も必要となっています。 当社グループではリスク管理委員会による全社横断的なリスク評価と対策検討を行うことに加えて、月次開発会議での開発に係る討議を行うことで、機動的なリスク管理を実施しております。また情報セキュリティリスクに関しても、一定の対策を講じ、継続的に対応強化を推進しております。 ④従業員の成長 当社グループの付加価値を創造しているのは従業員です。当社グループの企業価値向上のためには、従業員が新たな価値を創造し、新規事業創出につなげるという一連のサイクルを高速に回すことが重要となります。そのためには、従業員のさらなる成長が不可欠であり、新たな取組みにも積極的にチャレンジし、成長できる環境(体制・ツール)の整備などに取り組んでまいります。
事業等のリスク2,662字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のような事項があります。当社グループは、これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合には当該リスクによる影響が最小限となるよう対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスク及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は当社グループに関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、ご留意ください。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 売上高の季節変動に関するリスク 当社グループの主力顧客である大学及び公的研究機関は、公的な補助金を活用し、研究開発活動を進めております。補助金の多くは、6月から7月にかけて徐々に予算の執行が始まります。近年は、早期に予算を執行する傾向にありますが、顧客は年度末までに予算を執行すればよいことや、測定試料の準備が遅延する場合もあり、依然下期に測定試料の到着が集中しております。その結果、当社グループの売上高は第3四半期(1月~3月)に集中する傾向があります。測定試料の受領が遅れた場合には年度内の解析が困難になり、受注がキャンセルされるリスクや、解析量が当社の能力を超え、機会損失が発生するリスクがあります。 当社グループはこのような季節変動による影響を抑えるため、民間企業や年度末の時期が異なる海外からの受注拡大を図ってまいります。 (2) 国内外での競合リスク 当社収益の中心となっているメタボローム解析受託サービスは国内外の競合が増加傾向にあり、価格競争も一部でみられるようになってきています。価格競争に巻き込まれると当社グループの収益性が損なわれる可能性があります。またメタボローム解析以外の解析受託サービスに関しても市場は拡大していますが、既存競合との競争は避けられず、当社グループがこれらの解析受託市場において一定のシェアを確保できるかどうかは当社グループの技術開発力、営業提案力次第となります。 メタボローム解析受託サービスについては生産性の改善を通じて、原価の引き下げを図り、価格競争力のある収益構造を構築すべく対応を進めております。メタボローム解析以外の解析受託サービスに関しては、当社グループの独自開発による解析サービスを中心に拡大を図り、またワンストップでの解析サービスの提供などにより、競争優位性を維持強化することで対応を進めてまいります。 (3) 事業化及び商品開発の遅延リスク 当社グループの成長は主に新規開発によるイノベーションによってもたらされます。新規性の高い開発には失敗がつきものであるため、開発が困難な障害により頓挫すること、期待する成果を得るために克服すべき障害が想定より多く発生し、成果に至るまでの期間が長引く可能性があります。これらは当社グループの成長戦略に影響を与えることになります。 こうした開発遅延によるリスクを最小化するために、当社グループでは開発審議会で開発プロジェクトの優先度を精査し、毎月経営者による確認・意思決定を迅速に行うこととしております。また研究者・技術者による新規開発を促進するために、業務時間の一定割合を新規開発に費やすこと、新規アイデア創出に必要な費用を予算化するなどにより、イノベーション創出を促進してまいります。 (4) 学校法人慶應義塾から供与を受けているメタボローム解析ソフト「KEIO Master Hands」について 当社グループは、慶應義塾大学先端生命科学研究所が開発したメタボローム解析ソフト「KEIO Master Hands」の利用について学校法人慶應義塾よりライセンスを受けております。同解析ソフトは、メタボローム解析において基盤となる重要な解析ソフトウエアであることから、当社グループは複数年のライセンス契約を担保するため、別途学校法人慶應義塾と「「KEIO Master Handsソフトウエア」使用の更新に関する合意書」を締結しておりますが、今後何らかの理由により契約が終了した場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 災害によるリスク 現在の収益の中心である解析受託サービスはその大半が鶴岡本社にて実施されております。鶴岡本社が自然災害その他の事故などにより大きな被害を受けた場合には、その復旧に係る費用並びに一定期間営業が停止することによる機会損失など当社グループの経営に大きな影響を与える可能性があります。また当該期間中に顧客が競合に移管してしまう可能性なども考えられます。 当社グループではこうしたリスクに対応するために、復旧に要する費用については保険を付保し、また軽度の災害・事故による影響については、その影響が短期的な業績に影響を与えないような対策(停電対策など)を順次講じていますが、当社グループの規模では分析設備の分散などは業務生産性を大きく損なうため、とりうる対策としては限界があります。 (6) 小規模組織のリスク 当社グループの役職員数は、当連結会計年度末現在、役員5名及び従業員62名と小規模組織であり、個々の役職員の果たす役割が大きく、一定数の人材が流出した場合に当該分野での事業が一定期間滞る可能性があります。 当社グループでは、こうした人材流出を抑制するために透明性の高い社風を構築し、従業員と会社のおかれている環境・成果などを共有し、一体感の醸成に取り組んでおります。また業績連動賞与を導入することで会社の利益と個々の役職員の利益の連動性を持たせ、利益配分が公正に行われる体系としております。 (7) 情報漏洩リスク 当社グループは顧客の研究開発支援としての解析受託サービスなどを行っているため、顧客の営業秘密にかかわる情報を扱う場合がございます。当社グループの重過失又はサイバーセキュリティ被害などによる情報漏洩は、顧客に多大なる損害を与える可能性があると同時に、当社グループ自身もその損害賠償リスク並びにレピュテーションリスクにさらされる可能性があります。 当社グループではこうしたリスクに対応していくために、社内情報管理体制の強化並びにサイバーセキュリティ対策を強化してまいります。
経営成績の分析 (MD&A)5,924字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要に支えられて、景気は緩やかな回復基調となりました。しかしながらウクライナ情勢の長期化や中東地域での地政学的リスク、また資源高及び人手不足の継続によるインフレ圧力、米国の関税政策等の影響など内外経済が下振れするリスクがあることから、引き続き先行きの不透明な状況が続くことが見込まれます。 当社グループが属するライフサイエンス業界では、健康管理へのニーズの高まりを受けた研究開発の増加傾向が継続しています。またバイオエコノミー推進政策によるバイオものづくり関連の研究開発も増加が見込まれています。 このような状況の中、当社グループでは先端研究開発支援事業においては高感度網羅解析サービスの受注拡大、ヘルスケア・ソリューション事業においては機能性素材開発支援サービスの受注拡大を図りました。また研究開発においては、中分子高感度網羅解析サービスの開発と上市、バイオものづくり支援サービス向けのハイスループット技術の開発、代謝シミュレーションの開発などに集中して取り組みました。 これらの結果、当連結会計年度の売上高は、1,455,004千円(前年同期比8.1%増)と12期連続の増収となりました。売上増に伴う提携サービスの販売に伴う仕入原価の増加、設備増強にかかる減価償却費の増加、賃上げによる人件費の増加、韓国代理店の会社再生法適用に伴う貸倒引当金の計上などもありましたが、営業利益は249,521千円(前年同期比13.3%増)となりました。一方為替差損を9,368千円計上した結果、経常利益は240,996千円(前年同期比0.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、256,420千円(前年同期比5.4%増)となりました。 2024年6月期   2025年6月期   増減率 売上高   1,345,671千円   1,455,004千円   8.1% 営業利益   220,168千円   249,521千円   13.3% 経常利益   241,441千円   240,996千円   △0.2% 親会社株主に帰属する当期純利益   243,248千円   256,420千円   5.4% セグメント別の状況は、次のとおりであります。 <先端研究開発支援事業> 2024年6月期   2025年6月期   増減率 売上高   1,186,852千円   1,143,006千円   △3.7% (内国内売上高)   888,452千円   992,101千円   11.7% (内海外売上高)   298,399千円   150,905千円   △49.4% セグメント利益   310,700千円   184,585千円   △40.6% 当事業セグメントにおいては、国内では高感度網羅解析サービスが堅調に推移しました。アカデミア分野及び食品分野の売上が大型案件の獲得により大きく増加し、国内全体で売上が大きく増加しました。一方、欧米では、不透明感のある事業環境下でヘルスケア研究開発が全般的に低迷した結果、大幅な売上減となりました。 また、バイオものづくり支援サービスの開発のために、9月に資本業務提携を行いましたフェルメクテス株式会社とのパイロットランを実施し、代謝シミュレーションやサービスメソッドの磨きこみを行いました。また解析所要時間を大幅に短縮し、スループットを格段に向上するための技術開発にも取り組みました。 この結果、売上高は、1,143,006千円(前年同期比3.7%減)となりました。バイオものづくり支援サービスの研究開発に集中投資を行ったこと、人件費の増加、貸倒引当金の計上などの結果、セグメント費用が増加したため、全社費用配賦後セグメント利益は184,585千円(前年同期比40.6%減)となりました。 <ヘルスケア・ソリューション事業> 2024年6月期   2025年6月期   増減率 売上高   158,818千円   311,998千円   96.4% (内国内売上高)   158,818千円   311,998千円   96.4% (内海外売上高)   -千円   -千円   - セグメント利益又は損失(△)   △90,532千円   64,935千円   - 当事業セグメントにおいては、機能性素材開発支援サービスの新規受注獲得に注力した結果、食品企業の売上増に加えて、製薬・化学企業などからの売上も大幅に増加し、本サービスの売上が大きく増加しました。また皮膚ガス測定サービスの売上も増加しました。 この結果、売上高は311,998千円(前年同期比96.4%増)、全社費用配賦後のセグメント利益は64,935千円(前年同期は90,532千円のセグメント損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ194,191千円減少し1,594,314千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは373,531千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益269,753千円の計上、減価償却費103,812千円の計上及び売上債権50,103千円減少等によるものであります。尚、自己株式取得のための証券会社への預け金31,896千円は現金及び現金同等物に含まれております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは197,272千円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出148,740千円や、投資有価証券の取得による支出49,980千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは369,451千円の支出となりました。これは短期借入金100,000千円の減少に加え、自己株式の取得による支出166,418千円、配当金の支払いによる支出88,386千円及びリース債務の返済による支出14,645千円によるものであります。 ③ 財政状態の分析 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は1,864,807千円となり、前連結会計年度末に比べ230,820千円減少しました。これは、自己株式取得や配当金の支払等により現金及び預金が226,088千円減少したこと等によるものであります。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は509,799千円となり、前連結会計年度末に比べ2,026千円増加しました。これはフェルメクテス株式会社への投資49,980千円による投資有価証券、設備投資として工具、器具及び備品が131,311千円増加しましたが、リース期間満了のリース資産が133,681千円減少、投資有価証券評価損7,000千円を計上したこと等によるものであります。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は449,943千円となり、前連結会計年度末に比べ182,814千円減少しました。これは短期借入金が100,000千円、未払金が90,108千円減少したこと等によるものであります。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は16,066千円となり、前連結会計年度末に比べ7,863千円減少しました。これはリース債務が7,887千円減少したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は1,908,597千円となり、前連結会計年度末に比べ38,115千円減少しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益256,420千円を計上しましたが、自己株式の取得166,418千円、配当金88,733千円の支払い、満期償還により新株予約権が35,757千円減少したこと等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 (1) 生産実績 生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   前連結会計年度 (自 2023年7月1日  至 2024年6月30日)   当連結会計年度 (自 2024年7月1日  至 2025年6月30日) 生産高(千円)   生産高(千円) 先端研究開発支援事業   1,888   1,667 合計   1,888   1,667 (注)1.上記の金額は、先端研究開発支援事業のうち、試薬キットに係る部分を記載しております。 2.その他研究開発支援事業及びヘルスケア・ソリューション事業については、業務の性質上生産として把握することが困難であるため、記載しておりません。 (2) 仕入実績 仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   前連結会計年度 (自 2023年7月1日  至 2024年6月30日)   当連結会計年度 (自 2024年7月1日  至 2025年6月30日) 仕入高(千円)   仕入高(千円) 先端研究開発支援事業   24,397   24,180 合計   24,397   24,180 (注)1.上記の金額は、先端研究開発支援事業のうち、限外ろ過フィルターに係る部分を記載しております。 2.その他研究開発支援事業及びヘルスケア・ソリューション事業については、業務の性質上仕入として把握することが困難であるため、記載しておりません。 (3) 受注実績 受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   前連結会計年度 (自 2023年7月1日  至 2024年6月30日)   当連結会計年度 (自 2024年7月1日  至 2025年6月30日) 受注高(千円)   受注残高(千円)   受注高(千円)   受注残高(千円) 先端研究開発支援事業   1,255,403   527,684   1,156,200   508,540 ヘルスケア・  ソリューション事業   236,246   82,737   294,583   65,322 合計   1,491,649   610,421   1,450,783   573,862 (4) 販売実績 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   前連結会計年度 (自 2023年7月1日  至 2024年6月30日)   当連結会計年度 (自 2024年7月1日  至 2025年6月30日) 販売高(千円)   販売高(千円) 先端研究開発支援事業   1,186,852   1,143,006 ヘルスケア・  ソリューション事業   158,818   311,998 合計   1,345,671   1,455,004 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載しておりません。 (2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 売上高に関しましては、先端研究開発支援事業において国内での売上は増加したものの、欧米での売上が大きく減少したことから対前年売上比較では減収となりました。ヘルスケア・ソリューション事業においては、機能性素材開発支援サービスの売上が大幅に増加した結果、増収となり、当社グループ全体の売上は1,455,004千円と12期連続の増収となりました。 販売費一般管理費につきましては、主に人件費増、貸倒引当金の計上などにより672,192千円となりました。研究開発においてはバイオものづくり支援サービスのためのハイスループット技術開発や代謝シミュレーション開発などに取り組みました。これらの結果、営業利益は249,521千円、経常利益は240,996千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は256,420千円となりました。 当社グループ全体といたしましては、中期経営計画の軌道に回復したと考えております。引き続き中期経営計画の最終年度の営業利益を達成すべく活動を推進してまいります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。 ④ 資金の財源及び資金の流動性について 当社グループは、新サービス・新事業開発のための研究開発資金や、最先端の測定解析を可能とする設備購入のための資金、需要の繁閑に伴う短期的な運転資金などの資金需要が発生します。これらに対し、保有する現預金などの自己資本で研究開発投資、設備投資並びに運転資金需要に対応することを基本としています。必要に応じて設備投資や短期的な運転資金については、銀行借入により調達いたします。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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IR資料の開示履歴 (TDnet)

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本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。